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ケンパー・プロファイラー・プレイヤー
メイン・マニュアル 11.0
免責事項、商標について 2
免責事項、商標について
本マニュアルおよび本マニュアルに記載のソフトウェアおよびハードウェアは、使用許諾契約に基づいて使用されるもの
であり、使用および複製は当該使用許諾契約の条項に準じます。また本マニュアルの内容は、本機の機能を説明するため
にのみ記載されるものであり、予告なく変更されることがあるとともに、本マニュアルの内容は KEMPER 社 (Kemper
GmbH) が確約したものとは解釈されません。
(2023 12 月)
目次
免責事項、商標について 2
目次 3
メイン・マニュアルについて 10
クイック・スタート 11
フット・スイッチ 1, 2, 3 (1) 12
BANK ボタン (2) 13
Rig ボタン 1-5 (3) 14
INPUT(インプット)LED (4) 15
TAP/ TUNER ボタン (5) と TUNER LEDs (6) 15
GAIN (ゲイン) ノブ (7) 16
EQ ノブ (8) 16
RIG VOLUME(Rig ボリューム)ノブ (9) 16
FX 1/2 のボタンとノブ(11) 17
Bluetooth® ボタンと ボタン(12) 18
KONE ボタン (13) 18
Input:インプット(14) 19
MONITOR OUTPUT:モニター・アウト (15) 19
MAIN OUTPUT:メイン・アウト (16) 19
HEADPHONES OUTPUT:ヘッドホン・アウト (17) 20
PEDAL INPUT:ペダル・インプット (18) 20
USB ポート (19) 20
Power:電源 (20) 21
Kensington® Lock:ケンジントン・ロック(21) 21
目次 4
リグの構成とシグナル・チェイン 31
Input インプット)セクション 32
Effect モジュール 33
Effect 選択 34
Effect モジュールをクリアする 34
Load Type:Effect Type を読み込む 35
Stack(スタック)セクション 35
基本的なセットアップ 36
チューナーを使う 40
Rig メニュー 41
Panorama:パノラマ 41
Transpose:トランスポーズ 41
Rig Volume:リグ・ボリューム 42
Tempo:テンポ機能を有効にする 43
TAP:タップ・テンポ 44
MIDI クロック 44
Tagging:タグ情報 47
KEMPER Kone:ケンパー・コーン 48
KEMPER Kone Mode:ケンパー・コーン・モード 49
目次 5
重要な追加情報 52
KEMPER Power Kabinet:ケンパー・パワーキャビネット 54
外部パワーアンプでノンパワーの KEMPER Kabinet を駆動する 56
OUTPUT: アウトプット/マスター・セクション 57
Output Volumes:アウトプット・ボリューム/Output Volume Links:アウトプット・ボリューム・リンク
57
Output Source:各アウトプットの出力内容(ソース)を設定する 58
MAIN OUTPUT:メインアウト 62
MONITOR OUTPUT:モニター・アウトプット 62
Output Filters:アウトプット・フィルター 62
Space:スペース 63
Constant Latency:コンスタント・レイテンシー 63
ボリューム・ペダルに関する設定 72
STACK:スタック・セクション 74
AMPLIFIER:アンプリファイアー・モジュール 74
CABINET:キャビネット 76
EFFECTS:エフェクト・モジュール 77
Wah Wah:ワウ(オレンジ) 81
Distortion (赤) 84
目次 6
Booster (赤) 86
Equalizer:イコライザー (黄) 87
Graphic Equalizer:グラフィック・イコライザー 87
Acoustic Simulator:アコースティック・シミュレーター 88
Double Tracker:ダブルトラッカー 90
コンプレッサー (シアン) 91
ノイズ・ゲート・ストンプ (シアン) 93
Noise Gate 2:1:ノイズ・ゲート レシオ 2:1 93
Noise Gate 4:1:ノイズ・ゲート レシオ 4:1 93
コーラス (青) 94
Vintage Chorus:ビンテージ・コーラス 94
Air Chorus:エア・コーラス 96
Vibrato:ビブラート 97
Rotary Speaker:ロータリー・スピーカー 98
Tremolo:トレモロ 100
リバーブ(緑) 116
Spring Reverb:スプリング・リバーブ 120
目次 7
アンプおよびキャビネットのプロファイル 138
アンプとキャビネットを切り分ける CabDriverTM 138
アンプやキャビネットを入れ換える 139
ダイレクト・プロファイル 140
ダイレクト・アンプ・プロファイル 142
キャビネット・インパルス・レスポンス 143
スタジオ・プロファイルとダイレクト・アンプ・プロファイルをマージする 144
KEMPER Liquid Profiles:リキッド・プロファイル 145
さらに詳細な情報 146
リキッド・プロファイルのその他の情報 151
ギター・キャビネットのサウンド、それをマイキングしたサウンド 152
PURE CABINET:ピュア・キャビネット 154
Monitor Cab Off:CABINET をバイパスしてギター・キャビネットをドライブする 156
MIDI 159
コンティニュアス・コントローラー 160
エフェクトのスイッチ 161
目次 8
製品仕様 168
目次 9
メイン・マニュアル
メイン・マニュアル 10
メイン・マニュアル
KEMPER PROFILER PlayerTM のメイン・マニュアルへようこそ!メイン・マニュアルという表記の後に続く数字は、こ
のマニュアルが対象とするオペレーションシステム(以下:OS)のバージョン・ナンバーです。PROFILER シリーズ全て
の機種は共通の OS によって動作します。PROFILER PlayerTM は Ver.11 からスタートです!
クイック・スタート
PROFILER Player™のフロント・パネル
PROFILER Player™のリア・パネル
クイック・スタート 12
フット・スイッチ 1, 2, 3 (1)
3つのフット・スイッチは、3つの独立したスイッチまたは2組のコンボ(複機能)・スイッチとして使用することがで
きます。機能のアサインは Rig Manager の Editor で設定します。各スイッチのデフォルト設定は以下の通りです:
✓1つのスイッチに2つの機能をアサインしている場合、一方の機能の動作はスイッチから足を離した時に始まりますので
ご注意ください。例えばリグの切り替えの場合、スイッチを踏んだ瞬間ではなく足をはなしたときにリグが切り替わりま
す。1つの機能のみをアサインしている場合はスイッチを踏むと同時に動作が始まります。踏んだ瞬間に動作させる必要
がある場合は、1つのスイッチに1つの機能のみをアサインしてください。上記のデフォルト設定は全てそのようになっ
ています
クイック・スタート 13
INPUT(インプット)LED (4)
入力信号のレベルを LED の色で示します。
Rig パラメーターの「Gain」は、あらゆる段階でのゲイン・リダクションを補完します。どのアンプ・プロファイルにおい
てもゲインを「0」にすることができます。歪んだアンプのプロファイルでも「Gain」を0にすると、歪んでいる状態と
同じ音量で歪みやコンプレッションの無い音になります。
EQ ノブ (8)
EQ(通称:トーン・スタック)は、ギターアンプには不可欠のパートです。 PROFILER Player のフロントパネルには
BASS、MIDDLE、TREBLE の各ノブが配置されています。「Presence」は Amplifier モジュールの中にパラメーターがあ
ります。
FX 1/2 のボタンとノブ(11)
FX1 と FX2 には、Rig に含まれる Effect モジュールのうちの任意の2つをアサインすることができます。例えばモジュー
ル A と DLY というように。
ボタンはアサインされたモジュールのオン/オフ・スイッチになります。LED の点灯または消灯でそのオン/オフ状態を
示します。
✓パラメーターを変えることなく現在の設定値を確認したい場合は、ノブを短く押してください。2番目のパラメーターの
値を知りたい場合は、ノブを長押ししてください。
クイック・スタート 18
Input:インプット(14)
ギターやベースその他の楽器を接続するジャックです。
外部パワーアンプ経由で一般的なギターキャビネットをドライブする場合もこの端子を外部パワーアンンプに接続してく
ださい。その場合は KONE ボタンがオレンジ色に点灯するまで長押し、Monitor Output への出力のみ PROFILER Player の
キャビネット・シミュレーションをバイパスする「Cabinet off」を有効にしてください。これにより PROFILER のキャビ
ネット・シミュレーションと実際のギターキャビネットによる重複を避けることができます。
✓ここで説明は標準的なセッティングをベースにしていますが、モニター・アウトやメイン・アウトの出力内容(ソース)
は、それぞれ個別に設定することができます。例えば Main Output の出力をアンプ直後、つまりステレオ・エフェクト無
しのサウンドにしたり、あるい PROFILER のプロセスを通過しない DI ギターシグナルにするなどの設定が、Rig Manager
(Editor)の Output セクションにあります。
クイック・スタート 20
デフォルトでは、エクスプレッション・ペダルでワウとボリュームをコントロールできる設定になっています。
Power:電源 (20)
PROFILER Player に付属のパワーサプライを接続してください。
Kensington® Lock:ケンジントン・ロック(21)
盗難防止用のケンジントン・ロックを使用できます。
KEMPER Rig Manager:リグ・マネージャ 22
Locations:ロケーション (1)
List :リスト(2)
Rig や Preset、Performance*の一覧が表示されます。選択したアイテムの試奏やエディット、移動などが行えます。
Inspector:インスペクター (3)
Editor:エディター (4)
RIg Manager、USB オーディオ、USB MIDI を使用する場合は、 PROFILER の USB ポートタイプ B を、パソコンの USB
ポートタイプ A またはタイプ C に接続してください。
KEMPER Rig Manager for iOS® / Android ® / Fire OS®の Editor 画面(タブレット使用時)
KEMPER Rig Manager:リグ・マネージャ 26
KEMPER Rig Manager for iOS® / Android ® / Fire OS®の Bank 画面 (タブレット使用時)
KEMPER Rig Manager:リグ・マネージャ 27
KEMPER Rig Manager for iOS® / Android ®の Editor 画面と Browser 画面(スマートホン使用時)
Rig Manager for iOS® は Apple® App Store から、Rig Manager for Android®は Google® Play Store から、Rig Manager for
Amazon Fire OS®は Amazon® Appstore から、それぞれ無償でダウンロードできます。
KEMPER Rig Manager:リグ・マネージャ 28
Bluetooth®と Wi-Fi
PROFILER Player は Bluetooth®および Wi-Fi に対応しています。いずれかの方法でタブレットやスマートホンと接続し、
iOS®または Android®版の Rig Manager を使用することができます。Wi-Fi 接続は2つの接続方法すなわち「Home
Network Mode」「Access Point Mode」から選択可能です。
Bluetooth®
Bluetooth®で接続し、オーディオの送受信ができます:
• 接続が完了したら、 Rig Manager for iOS®または Rig Manager for Android®/Fire OS®で PROFILER Player をコントロー
ルすることが可能になります。
KEMPER Rig Manager:リグ・マネージャ 30
接続をリセットする
リグの構成とシグナル・チェイン
Rig の構成とシグナル・チェイン
プロファイリングしたギターアンプと複数の内蔵エフェクトの組み合わせをリグと呼びます。
Input インプット)セクション
Rig Manager の Editor に表示されたシグナル・チェインの最初にある Input ボタンをクリックすると Input セクションのパ
ラメーターが表示されます:
ギターの出力レベルは、ピックアップの種類や弦のゲージにより様々に異なります。例えばバムバッカーはシングル・コ
イルより高出力なのはご存知でしょう。もしクリーン・サウンドの音量がディストーション・サウンドに比べて大きすぎ
る、または小さすぎると感じたら、「Clean Sens」で調整してください。「Clean Sens」は、アンプやエフェクトの歪み
を増減すること無くクリーン・サウンドの音量をコントロールします。ギターのボリュームを押さえた時にはよりクリー
ンなサウンドになり、ボリュームを上げると思いどおりにホットに歪むという反応を引き出すことができるでしょう。
LED が赤く点滅するような極端に出力の大きなギターでは、美しいクリーン・サウンドが出しにくい場合があります。そ
のような場合は「Clean Sens」で調整するとよいでしょう。ディストーション・サウンドにおいては、インプットのクリ
ッピングはマスキングされてしまうので、神経質になる必要は無いでしょう。
✓「Clean Sens」は単なるインプット・ゲインのコントロールではありません。歪んだサウンドにおいては、「Clean
Sens」を操作しても音色が変化しないことに気づくでしょう。
Effect モジュール
Rig ごとに4つの Effect モジュールが使えます。 最初の2つ、「A」「B」 はモノラルで、STACK セクション(Amplifier
と Cabinet)の手前に配置されています。ディストーションやワウなどをアサインすると良いでしょう。STACK セクショ
ンの後ろにはさらに2つの Effect モジュールがあり、「DLY」「REV」と名付けられています。この2つはステレオで
す。全ての Effect モジュールにおいて、全ての Effect Type を使用することができますので、Rig Manager(Editor)の
Effect モジュールを右クリックすると開くコンテクスト・メニューに表示される Effect Type のリストは全て同じです。
Effect 選択
Effect モジュール、例えば「B」をクリックして開き、左端のコンテクスト・メニューを左クリックまたは Effect モジュー
ル右クリックすると、Effect カテゴリーのリストが開きます。その中のひとつにカーソルを移動すると Effect Type のリス
トが開き、Effect Type に続いて以下の選択が可能です:
• またはファクトリーPreset を読み込む
Effect モジュールをクリアする
Effect モジュールに何もアサインせず、空にしたい場合は、Effect Type のリストの一番上にある -empty- をクリックして
ください。
リグの構成とシグナル・チェイン 35
Stack(スタック)セクション
シグナル・チェインの中央には、Amplifier モジュールと Cabinet モジュールからなる Stack セクションがあります。Stack
セクションは、プロファイリングされたバーチャル・ギターアンプとバーチャル・キャビネットで構成されています。
プロファイリングにより生成されたギターアンプ・サウンド(プロファイル)のファインチューンについては、後出の
「STACK:スタック・セクション」の章をご参照ください。
基本的なセットアップ
各機能の詳細を説明する前に、PROFILER の幅広いアプリケーションを紹介します。
これら以外にもより特化したセットアップが可能です。それらは個々の機能に合わせて後ほど詳述します。
チューナーを使う
フロント・パネルの3つの TUNER LED は常に機能していますので、Tuner モードに切り替えることなく素早くチューニ
ングを確認することができます。接続したギターのチューニングが合っていない場合は外側の LED が点灯します。チュー
ニングが正しい状態に近づくと中央の LED が点灯し始めます。中央の LED のみが白く点灯し、外側の LED が消灯すれば
チューニングは OK です。
Rig メニュー
以下に説明するのは Rig に関するパラメーターで、Rig Manager の Editor に表示されるシグナル・チェインの Rig ボタン
をクリックすると開きます:
Panorama:パノラマ
「Panorama」は、ステレオ・アウトで効果を発揮します。ヘッドホンや Main Output、S/PDIF など Master Stereo をソー
スにした出力に反映されます。「Panorama」は MIDI 信号でコントロールすることも可能です。
Transpose:トランスポーズ
「Transpose」は、デジタル・カポタストと言える機能です。-1 や -2 にセットすると、簡単にドロップ・チューニングに
なります。-12 に設定して1オクターブ下げると、ギターがベースになります。
✓ギターの弦振動が頭や体を伝わって感じられるため、ヘッドホンを装着していてもトランスポーズされた音と生音が混じ
ってしまい、調子はずれに聴こえてしまう可能性があることをご理解ください。
Rig メニュー 42
Rig Volume:リグ・ボリューム
「Rig Volume」は、Rig ごとの音量をコントロールするパラメータです。PROFILER Player 本体の RIG VOL ノブでも操作
することができます。 このボリュームはアンプの歪み具合や音色に影響しない純粋な Rig の音量です。設定は各 Rig ごと
に保存されます。PROFILER Player の全体的な音量をコントロールする場合は MASTER VOLUME を設定してください。
✓ここで説明されている「Volume」は、いずれもアンプの歪み具合や音色には影響せず、純粋に音量のみをコントロールす
るものです。ただし人間の耳は、音量によって音色が変わったと感じる場合があることをご承知おきください。
Rig メニュー 43
Tempo:テンポ機能を有効にする
Editor の Rig セクションにある Tempo ボタンをクリックして Enabled にすると、Tempo 機能がアクティブになります。
Tempo 機能は、ディレイ・タイムやモジュレーション・レイトなど様々なタイミングの設定に PROFILER の Tempo 設定
を適用します。Disabled にすると、PROFILER Player の Tempo は 120 bpm になり、ディレイ・タイム等は時間(ms:ミ
リ秒)で、モジュレーション・レイトは周波数(s)で表示されます。
Tempo 機能により、ディレイ・タイムやモジュレーション・レイトを演奏する曲のテンポに合わせることができます。以
下の3つの操作で、「Tempo」を有効(Enabled)にしてください:
詳しくは後述の「TAP」および「MIDI クロック」の説明をご参照ください。
全てのファクトリーRig は、デフォルトでは「Tempo」が無効(Disabled)になっていますので、モジュレーション系エフ
ェクトの「Rate」はヘルツ、「Delay Time」はミリ秒で表示されています。これらのエフェクトを演奏する曲のテンポに
同期させたい場合は、そのテンポに合わせて TAP ボタンをタップするか、上記のいずれかの方法で Tempo 機能を有効に
して下さい。
「Rate」は独特な設定値でコントロールします。Tempo に同期している場合でも、モジュレーションのスピードは連続的
に変更可能です。「Rate」の設定範囲は、Phaser と Flanger の場合 32 小節から 64 分音符まで、Tremoro では 2 分音符か
ら 64 分音符までというように広い範囲に渡ります。スピードの変化はその範囲で数倍に変化します。スピードが倍になる
までの間に、ほぼ等間隔で 12 段階の設定が可能です。この設定値間の変化率は約 6%で、およそ必要なスピードを得るの
に十分な変化率でしょう。12 段階の中に二分裂する値があります。これは 4 分音符、8 分音符、・・・という関係性で、
Rig メニュー 44
この他にも付点音符や三連符のタイミングも選択できます。その他のタイミングは「_」(アンダーバー) で示されます。そ
れらの値もある時間区分を持っています。これらの設定値の区分は、スピードが倍になるまでの間の全てにおいて用意さ
れています。
TAP:タップ・テンポ
MIDI クロック
FX 1/ FX 2 に機能をアサインする
PROFILER Player 本体フロント・パネルの左上部にあるボタンとノブ(FX1/ FX2)には、Effect モジュールにアサインし
たエフェクトのオン/オフやコントロールをアサインすることができます。各ノブ、各ボタンには最大2つの機能を同時
にアサイン可能です。
Rig メニュー 46
物理的スイッチの数が少なくても、Rig ごとに多彩なコントロールを設定できることがおわかりになるでしょう!
Tagging:タグ情報
Rig Manager の右側のコラムにある Inspector(インスペクター)は、選択中の Rig に関する様々な情報を表示します。
PROFILER Player 本体に加え、パソコン上のローカル・ライブラリーに保管できる膨大な数の Rig の管理には、これらの
情報が役に立つでしょう。
下表はタグの一覧です:
Amplifier Amp Name, Amp Author, Amp Location, Amp Manufacturer, Amp Model, Amp Year of
Production, Amp Channel, Pickup Type, Amp Comment
Cabinet Cab Name, Cab Author, Cab Location, Cab Manufacturer, Cab Model, Cab Comment, Speaker
Manufacturer, Speaker Model, Speaker Configuration, Mic Model, Mic Position
KEMPER Kone:ケンパー・コーン
「ギター・キャビネットのサウンド、それをマイキングしたサウンド」の章で説明されているように、PROFILER はフラ
ットなスピーカーでもギター・キャビネットでもモニターとして使用できるように設計されていますが、さらに可能性を
広げるソリューションが KEMPER Kone™です。KEMPER Kone™は、フラットな特性で Rig の内容を忠実に反映したサウ
ンドを提供することも、人気のあるギター用スピーカーの特徴を再現することも、お好み次第でどちらにも対応できるス
ピーカーです。
お好きな組み合わせを選んでください!
KEMPER Kone:ケンパー・コーン 49
KEMPER Kone:ケンパー・コーン
Bass Boost:ベース・ブースト
Sweetening:スウィートニング
ケンパー・コーンをフルレンジ・モードで使用すると非常にリニアに発音します。オーディオとしては忠実な再生になり
ますが、デジタル・ギターアンプ用の高品位なモニタースピーカーでは、多くの場合ローエンドやハイエンドを強調する
ことで耳に負担をかけずに高域と低域のラウドネスを増してバランスが整えられています。「Sweetening」はこのような
要素をコントロールします。つまり左に回し切った状態では何も強調されず、右に回すにつれてローエンドとハイエンド
が強調されます。右いっぱいに回すとそれぞれが 6dB 持ち上がります。この際も、全体の音量はほとんど変わりません。
Select」に用意された 19 種類のギタースピーカーの中から好みのものを選択すると、そのスピーカーのキャラクターが再
現されます。
Speaker Imprint:スピーカー・インプリント
「Imprint Select」の選択肢で提供されるギタースピーカー名の一つを選ぶと、そのスピーカーの特色が再現されます。ク
リーンなギター・サウンドで試すとより判りやすいでしょう。
✓PROFILER Player のフロント・パネルにある KEMPER KONE ボタンで Full-Range モードと Speaker Imprint モードを切
り変えることができます。KEMPER KONE が白く点灯している状態は KEMPER Kone モードがオンであることを示しま
す。この状態でボタンを短く押すと、白と赤の点灯トグルします。白は Full-Range モード、赤は Speaker Imprint モード
であることを示します。
Directivity:ディレクティビティ
多くのギタースピーカーは高音域の指向性が強く、スピーカーの正面からはずれるほど柔らかなサウンドに聞こえます。
それに対し KEMPER Kone は高音域も広く拡散するため、どのポジションでも正面と同じようなはっきりとしたサウンド
に聞こえます。Directivity はこの特性を調節するパラメーターです。本来は少しスピーカーの正面からはずれた位置で感じ
ることができるクリーミーなトーンにしたい場合は Directivity の値を上げてみましょう。最大値にすると実際のギター・ス
ピーカーと同じ指向性が再現されます。
この出力は、クリーン・トーンの鋭いアタック音にも対応できる十分なヘッドルームを持っています。しかしながら大き
なヘッドルームを確保することは、パワーアンプに送る信号全体のレベルを下げることになるので、場合によっては欲し
い音量が得られないこともあるでしょう。そのような場合は「Power Amp Boost」により最大 12dB まで音量を上げること
ができます。「Power Amp Boost」は、「Rig Volume」や「Monitor Volume」とは別に、追加的に機能します。
重要な追加情報
• KEMPER Kone スピーカーは、PROFILER の機能である KEMPER Kone モードと組み合わせて使用することを前提とした
特別な設計になっています。KEMPER Kone スピーカーおよび KEMEPR Kabinet を使用する場合は、必ず PROFILER の
KEMPER Kone モードをオンにしてください。KEMPER Kone スピーカーおよび KEMEPR Kabinet は、PROFILER 以外の
機種との組み合わせでは使用しないでください。また KEMPER Kone スピーカーおよび KEMPER Kabinet 以外のスピーカ
ーやキャビネットを KEMPER Kone モードで使用しないでください。
• アコースティック・ギター用の RIg やベース用の RIg で、Cabinet モジュールが -Empty- になっている RIg は、ギタースピ
ーカーでの再生には向いていません。そのような RIg が選択された場合、KEMPER Kone モードは自動的に Full-Range モ
ードに切り替わります。
• Cabinet モジュールが - Empty- の Direct Amp PROFILE を使用し、Main Out には出力せず、KEMPER Kone や KEMPER
Kabinet で発音する場合もあるでしょう。その場合も Cabinet モジュールはオンにしてください。Cabinet モジュールがオ
フになっていると、「Imprint Select」でどのスピーカーを選択していても Full-Range モードで出力されてしまいます。
OUTPUT :
アウトプット/マスター・セクション
シグナル・チェインの最後にある Output セクションには、PROFILER Player のオーディオ出力に関するパラメーターがあ
ります。
それぞれのアウトプットへの出力レベルや信号の内容を設定することができます。Output セクションの内容は、Effect 等
と同じように、Rig Manager の All Presets にある PROFILER またはフォルダーにドラッグ&ドロップすることで、Preset
として保存することができます。
Output Source:各アウトプットの出力内容(ソース)を設定する
Output セクションでは、各出力端子へのルーティング、つまりどんな信号を出力するかを設定します。現在あなたが必要
とする信号が、思いどおりの出力端子から出力されているなら、この章をスキップしてもかまいません。デフォルト設定
は、一般的なアプリケーションをカバーしているはずです。
各アウトプットには、シグナル・チェインの様々なポイントからの信号を出力することができます。選択できるアウトプ
ット・ソースは以下のとおりです。選択肢はアウトプットによって異なります。
Off 出力はミュートされ、何も出力しません。
ステレオ出力にのみ適用可能
OUTPUT :
アウトプット/マスター・セクション 60
左チャンネルには、Input に接続された楽器のダイレクト音がスタジオ・レベルで出力されます。同時
DI / Stack
に右チャンネルは、STACK セクション直後の内容が出力されます。STACK セクション以降の Effect
モジュールの内容は反映されません。.
• Monitor Out の Output Source に DLY/REV wet を選択すると、DLY モジュールと REV モジュールにアサインされたディレ
イ/リバーブのエフェクト音のみがステレオで送出されます。同時に Main Output の Output Source を Stack に設定すれ
ば、こちらにはドライ信号が送出されるので、それぞれを個別にミキサーに送れば、ミキサー上でドライ/ウェットのバ
ランスをコントロールすることができます。いわゆる「Wet-Dry-Wet」セットアップです。この場合はミキサーからフィー
ドバックされる信号をモニタリングしてください。
OUTPUT :
アウトプット/マスター・セクション 61
Wet-dry-wet セットアップ
MAIN OUTPUT:メインアウト
ライブ・パフォーマンスやレコーディングの際は、MAIN OUTPUT(XLR/ バランス)をミキサーに接続してください。
MONITOR OUTPUT:モニター・アウトプット
MONITOR OUTPUT は、演奏者のステージモニターに最適化された出力です。もちろん既に Output Source の章で説明し
たとおり、その他のアプリケーションにも使用できます。
Output Filters:アウトプット・フィルター
Output セクションには、全てのアナログ出力に作用する「Low Cut」「 High Cut」フィルターが用意されています。
OUTPUT :
アウトプット/マスター・セクション 63
Space:スペース
「Space」は、マスター出力に対し、あたかも小さな部屋でギターアンプが鳴っているような自然なアンビエント音を付加
します。これによりヘッドホンで聴いても非常に心地よい空気感が感じられます。
どんな場所であれスピーカーから出る音を聴く場合には、必ず床や壁さらには部屋に置かれている様々な物体からの反射
音も一緒に聴いています。この反射音の作用により、たとえモノラル音声であっても耳に届くときにはステレオのイメー
ジが作られるのです。このような自然な反射音を生み出さない状況のひとつが、ヘッドホンで聴くということです。つま
りヘッドホンで音を聴くということは、生物学的に言うと人間の耳に適していない状況なのです。そのため長い時間ヘッ
ドホンで音を聴いていると、疲れてしまうことが多いのでしょう。これを「頭内定位」と言い、モノラル音声を聞く時に
特に顕著になります。
「Space」によってヘッドホンから聞こえる音に自然な空間の雰囲気を生み出す響きが加わり、モノラル音声でも、ほんの
僅かにステレオ感のある、非常に耳障りの良いサウンドになります。本来はヘッドホン用に設計された機能ですが、スピ
ーカーによる再生やレコーディングにおいても良い効果を発揮します。「Routing」によって、Space を Headphone アウ
トプットのみに適用するか、Headphone に加えて Main Output にも適用するかを選択することができます。
Space によって、インイヤー・モニターの使用もより快適になるでしょう。残念なことに大抵の場合ステージ・モニター
はオーディエンス向けのサウンドと同じソース、つまりのミキサーの出力を使用することになるため、Space はオーディ
エンス向けのサウンドにも適用されてしまいますが、ほんの少しだけ Space を加えることで、オーディエンスへのサウン
ドにはほとんど影響を与えず、インイヤー・モニターの聴き心地を良くすることができるでしょう。但しモニター自体が
ステレオで供給されていなければ Space の効果は出ません。
Constant Latency:コンスタント・レイテンシー
Rig の切り替え速度は、常に最速になるよう状況に応じてダイナミックに変化しますが、例えば複数の PROFILER を同時
に使用する時などにフェイズの問題を回避するため、切り替え速度を固定するのが Constant Latency 機能です。
USB Audio:USB オーディオ機能 64
以下の方法でステレオ・モニタリングが可能です:
• ヘッドホンを使う。
Play-Along:プレイ-アロング
Windows® または macOS®用の Rig Manager を使用している場合は、既に PROFILER Player の USB B タイプのソケット
と PC を接続している USB ケーブルで USB オーディオも利用することができます。Rig Manager と USB オーディオを同
時に使用することも可能です。(Rig Manager を起動しないと USB オーディオが使用できないということはありません)
Recording:レコーディング
リアンプ用にギターのダイレクト音を録音したい場合は「DI」を選びます。この場合、録音先はモノラルトラックで十分
です。
Direct Monitoring:ダイレクト・モニター
「1+2 Source」を Stack にセットし、Monitor Out の Source には Master Stereo を選択すると、STACK の後ろの Effects
モジュールにアサインされたディレイやリバーブを含むサウンドをモニターしながら、ドライ音のみを録音するというこ
とが可能です。「1+2 Source」を DI/ Stack にセットすれば、同様にリアンプ用のダイレクト音も録音することができま
す。
Reamping:リアンプ
エクスプレッション・ペダルとフット・ス
イッチ
PROFILER Player の PEDAL INPUT には、エクスプレッション・ペダル、モノ・スイッチまたはデュアル・スイッチを接
続することが可能です。
パラメータのコントロールや機能のオン/オフは、MIDI コントローラーやシーケンサーで制御することも可能です。詳し
くは「MIDI」の章をご参照ください。
ペダル・コントローラー
2つの主要な連続可変パラメーターを、本体の PEDAL INPUT に接続したエクスプレッション・ペダルまたは MIDI コント
ロール・チェンジで制御することができます。接続されたエクスプレッション・ペダルや MIDI コントロール・チェンジに
は任意のパラメーターをアサインすることができますが、1つのペダルを複数の機能で共有することも可能です。ここで
は使用頻度が最も高い2つのパラメータのアサインについて説明しましょう:
ペダルでワウ・エフェクトをコントロールします。
エフェクトの「Wah Wah」の章を合わせてご参照ください。
エクスプレッション・ペダルとフット・スイッチ 69
推奨エクスプレッション・ペダル
エクスプレッション・ペダルはデジタル機器用のペダルで、制御する内容は接続する機器の設定に依存します。制御の対
象機器とは両端に TRS プラグを備えたステレオ・ケーブル(以下 TRS ケーブル)1本で接続します。市販のエクスプレ
ッション・ペダルのほとんどが接続可能ですが、多くのユーザーが以下の機種を好んで使用しているようです。
エクスプレッション・ペダルを接続する
PROFILER Player のリア・パネルには、エクスプレッション・ペダルを接続する端子が1つ用意されています。ペダルや
スイッチの設定は、Rig Manager の System ボタンをクリックすると開く画面で行います。
この設定のままでよければ、TRS ケーブルでエクスプレッション・ペダルを接続してください。ペダル側を先に接続し、
続いて PROFILER Player のペダル・ジャックにプラグを差し込み、接続が完了したらペダルをヒールからトゥまで動かし
ます。これによりキャリブレーションが自動的に最適化され、接続したペダルの可変幅をフルに使用できるようになりま
す。
エクスプレッション・ペダルとフット・スイッチ 71
ケンパー・プロファイラー・スイッチの接続
市販のシングルまたはデュアル・スイッチの接続
市販のフット・スイッチを接続することも可能です。モーメンタリー(アンラッチ)タイプのスイッチで、通常(踏んで
いない時)は回路がオープンになるタイプのスイッチを使用してください。一般的な真空管ギターアンプのチャンネル切
り替えスイッチはラッチ・タイプがほとんどなので、PROFILER では使用できません。シングル・スイッチは TS ケーブ
ル、デュアル・スイッチは TRS ケーブルで接続してください。
ボリューム・ペダルに関する設定
任意のストンプやエフェクトのモジュールにアサインしたエフェクトをコントロールするワウやピッチ・ペダルとは異な
り、ボリューム・ペダルにはエフェクトのタイプなどはありませんが、以下の 2 つのパラメータが用意されています。
Location:ボリューム・ペダルの配置
シグナル・チェインにおけるボリューム・ペダルの配置「Location」では、下表の設定が選択できます:
Off ボリューム・ペダルの機能がオフになります。
Range:ボリューム・ペダルの可変幅(ミニマム・ボリューム)
「Range」パラメータはバイ・ポーラーですので、センターの位置にするとボリューム・ペダルを動かしても音量は変化
しません。ノブを左に回すと、トゥ・ポジションつまりマキシマム・ボリュームはそのままで、ヒールつまりミニマム・
ボリュームが設定されます。左に回しきると、ボリュームは「0」から最大値まで変化します。右に回すと一転してブース
ター的な動作になります。ヒール・ポジションではリグのボリューム設定値のままになり、踏み込むとボリュームまたは
ゲインがブーストされます。右に回しきった時のブースト量は+24dB です。
この機能があれば、TUNER モードに切り替えるためのボタンは不要でしょう。
STACK:スタック・セクション
PROFILER の心臓部とも言える STACK セクションは、バーチャルなギター・アンプとキャビネットを再現するプロファ
イルを擁するセクションです。STACK セクションは次の2つのモジュールで構成されています。
AMPLIFIER :アンプリファイアー・モジュール
Editor の「Amplifier」ボタンをクリックすると Amplifier モジュールが開き、プロファイリングされたアンプのキャラクタ
ーをエディットするパラメーターが表示されます。
Definition:ディフィニション
「Definition」はプリアンプのキャラクターをコントロールするパラメータです。このパラメーターは、プロファイリング
の過程で、リファレンス・アンプの特性に応じた設定に自動的にセットされますが、例えばビンテージ・アンプをプロフ
ァイリングし、エフェクターに頼らず、よりモダンなアンプのようなサウンドに調整することができるのです。逆にモダ
ンなアンプのプロファイルを、ビンテージ・アンプが歪んだ状態のようなサウンドに近づけることも可能です。必要であ
れば、使用するギターに合わせて微調整をすることもできます。よりベストなサウンドを目指して、果敢にに実験を試み
ることをお勧めします。
ビンテージ・アンプによる歪みは、ギター音に含まれる低次倍音の歪みが中心となり、ブルージーなサウンドになりま
す。このようなアンプは、元々はクリーンな音を得るために設計されているため、高音域まで伸びたクリーミーなディス
トーション・サウンドを得るには、トレブル・ブースターのようなデバイスが必要となります。一方モダンなチューブ・
アンプでは、ギターの高次倍音がディストーション・サウンドの原動力となるように、ビンテージ・アンプとは別のアプ
ローチを採用しています。高価なブティック・アンプでは、このコンセプトをさらに進めて、驚異的に伸びるトップ・エ
ンドと、より大きなダイナミック・レンジが得られるようになっています。このようなアプローチにより、ディストーシ
ョン・サウンドはよりきらめきのあるサウンドとなり、弦やピックアップのチョイスによるニュアンスの違いにも敏感に
STACK:スタック・セクション 75
なっています。スピーカーの特性とともに、アンプ内で発生する歪みは、まさにそのアンプの「指紋」とも言えるものな
のです。
Volume:ボリューム
「Amp Volume」は、主に他のプロファイルとの音量バランスを調整するために使用します。
EQ
EQ(トーン・スタックやトーン・コントロールと呼ばれることもあります)は、ギターアンプに無くてはならないパート
です。それぞれ異なる帯域をカバーする「Bass」「Middle」「Treble」「Presence」を備えています。最初の3つ
「Bass」「Middle」「Treble」は、PROFILER Player のフロントパネルに専用ノブ:BASS、MIDDLE、TREBLE が用意
されています。
PROFILER の EQ は、一般的なパッシブのトーン・スタックを再現していますが、それぞれの周波数帯により強く作用す
るようにデザインされています。全でがセンターの位置にセットされている場合は通過する信号に何の影響も与えず、プ
ロファイリングされた音がそのまま出力されます。
CABINET :キャビネット
プロファイルは、プロファイリングした真空管ギターアンプからキャプチャーしたバーチャル・アンプとバーチャル・キ
ャビネットが組み合わされていますが、別のバーチャル・キャビネットと組み合わせることも可能です。Cabinet モジュー
ルには以下の様なパラメーターが用意されています:
PURE CABINET:ピュア・キャビネット
Imprint Select:スピーカー・インプリント・セレクト
EFFECTS:エフェクト・モジュール
PROFILER Player のシグナル・チェイン上には、エフェクトをアサインできるモジュールが4つ用意されています。
「A」「B」というモジュールはモノラルで、STACK セクションの手前に配置されていますので、ディストーションなど
ギターとギターアンプの間に接続するエフェクトのアサインに最適です。一方 STACK セクションの後ろに配置されている
ステレオの「DLY」「REV」モジュールには、ディレイやリバーブなどをアサインすると良いでしょう。
実際にはこれら4つのモジュールには、どのエフェクトでもアサインすることができます。下表の8つのカラーでボタン
が点灯することにより、アサインされているエフェクトの種類を示します:
Wah オレンジ
Distortion/Booster 赤
Equalizer 黄
Chorus シアン
Phaser/Flanger 紫
Pitch Shifter 緑
Delay/Reverb 緑
EFFECTS:エフェクト・モジュール 78
• 必要に応じてパラメーターをエディットしてください。
EFFECTS:エフェクト・モジュール 79
エフェクトのパラメーターには、「Mix」「Volume」「Rate」など複数の異なるエフェクトに共通するパラメーターがあ
ります。Type をロードしてエフェクトのアルゴリズムを切り替えた時、そのような共通するパラメーターは切り替え前の
設定が変わらず保持され、そのまま引き継がれます。例えばフランジャーで「Rate」や「Depth」を設定した後、同じ設定
のままでフェイザーを試してみるといったときに便利です。ほとんどのエフェクトに共通する主なパラメーターは以下の
とおりです:
Mix:ミックス
「Mix」は原音に対するエフェクト成分の割合をコントロールするパラメーターです。100%でエフェクトの強さが最大に
なります。ワウやコンプレッサーなどエフェクト音のみを出力するエフェクトでは 100%にするのが通例です。その他のエ
フェクト、例えばフランジャーやフェイザーといったモジュレーション・エフェクトのように、常に原音がミックスされ
るものもあります。
「Mix」を 0%にするとエフェクトがかかっていないサウンドになります。このパラメーターは、エフェクトごとに全体音
量が均一になるように設計されていますので、「Mix」が 50%の状態でもエフェクトによって全体音量が 上下するような
ことはありません。なお Air Chorus などミックスを必要としない一部のエフェクトには、このパラメーターはありませ
ん。
Volume:ボリューム
Stereo:ステレオ
「Stereo」パラメータは、STACK セクションの後ろにあるエフェクト・モジュールでのみ有効に機能します。ステレオ・
エフェクトのステレオ感を強調します。モジュレーション系のエフェクトでは、左右の LFO の位相をコントロールするこ
とでその効果を得ます。例えばフィルター系のエフェクトでは、右 ch と左 ch のフリケンシーをお互いに逆の方向に移動
させます。これによりワウですらステレオ感を加えることができます。但し STACK セクションの後ろのモジュールにアサ
インする必要がありあすが。
Ducking:ダッキング
「Ducking」の設定により、演奏の強さによってエフェクトを強めたり弱めたり(ダック) することが可能です。「ダッキン
グ・ディレイ」という特別なディレイをご存知でしょう。PROFILER では、ディレイ以外の様々なエフェクトでも
Ducking 機能を同時または個別に使用することができます。
「Ducking」パラメータは、演奏の強弱に反応するスレッショルド・レベルです。値はバイ・ポーラで、デフォルト値であ
るセンターでは動作しない状態です。右に回すと典型的なダッキング、即ち強く演奏するとエフェクトが弱まり、ソフト
に演奏するほどエフェクトが強くなります。「Ducking」がうまく設定できれば、演奏のダイナミクスで効果的にエフェク
トをコントロールすることができます。
「Ducking」パラメータをセンターより左にすると逆の動作になります。つまり強く弾くほど、エフェクトがよりはっきり
とかかります。
あるエフェクトの「Ducking」をポジティブ、センターより右にセットし、別のエフェクトはその逆に設定すると、演奏の
強さに応じてエフェクトを入れ替えるような動作をさせることも可能です。
「Ducking」の設定、即ちスレッショルドは、あなたのギターのレベルに自然に反応します。従ってインプット・セクショ
ンの「Clean Sens」の設定の影響を受けます。
Wah Wah:ワウ(オレンジ) 81
Wah Wah:ワウ(オレンジ)
クラシックなワウ・ワウ・エフェクトです。Wah Pedal に設定したエクスプレッション・ペダルで、オーソドックスなワ
ウ・ペダルと同じように演奏することができます。「Pedal Mode」を Touch に切り替えるとタッチ・ワウになり、ピッキ
ングやストラミングの強さで「ワウ」音が変化します。
以下の様なパラメーターが用意されています:
Manual:マニュアル
「Manual」はワウの基本となるパラメーターで、ペダルを戻したときのフィルターの状態を設定します。ペダル・モード
がオフの場合は、このパラメーターでフィルターのバリュー、つまりペダルの位置を固定的に設定することができます。
Peak:ピーク
「Peak」はワウの効き具合をコントロールします。対象となるパラメータはエフェクトのタイプにより異なります。
「Wah Wah」などのフィルター・エフェクトでは、Q またはレゾナンスをコントロールしています。その他のエフェクト
ではフィードバックをコントロールしており、聴感上はレゾナンスや Q とよく似た変化が起こります。
Pedal Range:ペダル・レンジ
「Pedal Range」は、ペダルを最も踏み込んだ時に、「Manual」で設定した値からどれだけ変化するかを設定します。マ
イナス値に設定すると、フィルターなどの動きが通常とは逆方向に変化します。つまりペダルを踏み込むとフィルターが
閉じていくという動作になります。
Wah Wah:ワウ(オレンジ) 82
Peak Range:ピーク・レンジ
ペダルの位置によって「Peak」の設定が変化する幅を設定します。多くのワウ・ペダルは、ペダルの位置によってフィル
ターの Q が変化するように設計されています。この動作の幅を「Peak Range」パラメーターで設定します。
Pedal Mode:ペダル・モード
ペダルの動きやピッキングに、ワウ・エフェクトがどのように反応するかを選択することができます:
Off ペダルやタッチには反応せず、「Manual」の値でエフェクトの強さが固定されます。
Touch ピッキングの強さでワウをコントロールするときに選択します。
On ペダルによるコントロールが可能になります。可変幅は「Range」で設定します。
Touch:タッチ
このモードは、いわゆるタッチ・ワウと同様ピッキングの強弱でワウ・エフェクトをコントロールするモードで、すべて
のワウ・エフェクトで使用できます。ワウ・ペダルと同様に、タッチの強弱でフィルターなどが変化する幅を「Range」
で設定することが可能です。
Distortion (赤)
PROFILER にはビンテージ・モデルを含む数多くのディストーション・エフェクトを再現したエフェクト Type や Preset
が用意されています。どれもがその独特のサウンドゆえに、様々なギター・ヒーローたちに愛用されてきたものばかりで
す。これらのクラシックな名機たちのディストーション・ カーブやサウンドの特性、さらにオリジナルなトーン・コント
ロールなどを極めて注意深く再現しました。
Drive:歪みの深さ
「Drive」は、ディストーション段に送る信号のゲインをコントロールします。ゲインが高くなるにつれ、歪みが深くなっ
ていきます。
Tone:トーン
「Tone」はローパス・フィルターで音質を柔らかくします。
Distortion (赤) 85
名前 内容 コントロール 参照されたペダル
Booster (赤)
ピュア・ブースターは Volume のみを備え、ただ音量を上げ下げするだけで色付けは一切行いません。歪み系のエフェク
トや STACK セクションの前に配置するとゲイン・コンロトールになり、STACK セクションの後ろに置くと、音色を変え
ること無く音量を上げ下げすることが可能です。
Equalizer:イコライザー (黄) 87
Equalizer:イコライザー (黄)
Graphic Equalizer:グラフィック・イコライザー
8バンド/オクターブのグラフィック・イコライザーです。80Hz〜10kHz をカバーします。サウンドの周波数特性をコン
トロールする最も簡単な方法と言えるでしょう。STACK セクション、つまりギターアンプの手前に配置するか、後ろに配
置するかで効果が大きく異なります。もちろんどちらも有効なセットアップです。
各バンドとも±12dB の範囲でブースト/カットが行えます。「Mix」パラメーターで原音とエフェクト音のバランスを調節
できます。
「Mix」により全てのバンドのインパクトをコントロールすることができます。
Acoustic Simulator:アコースティック・シミュレーター
Acoustic Simulator によって、エレキ・ギターのサウンドをアコースティック・ギターのサウンドに近づけることができま
す。両者は発音構造が基本的に異なるので完璧な再現は期待できませんが、アコースティック・ギター独特の音色やボデ
ィの響きを醸し出すことができるでしょう。ギグ全体のほんの一部でアコースティック・ギターのサウンドが必要といっ
た場合であれば、実際にアコースティック・ギターを持っていかずに済ますことができるかもしれません。
エレキ・ギターのどのピックアップが、最もお好みのアコースティック・ギターサウンドに近づくかチェックしてくださ
い。ハムバッカーを搭載したギターの場合はピックアップ・セレクターをミドル・ポジションに、シングル・コイルのピ
ックアップを搭載したギターの場合はネック・ポジションにすると良い結果が得られるでしょう。
Pickup:ピックアップ
ピックアップの特性に応じて最適化するパラメーターです。シングル・コイルの場合は左に、ハムバッカーの場合は右に
回してみましょう。但し全てのエレキギターは異なる音色を持っていますので、このパラメーターには特定の正解値はあ
りません。音を聞きながら最適な設定を見つけてください。
Body:ボディ
アコースティック・ギターのボディ、特に低音の響きをコントロールします。値を上げると低音が豊かに響きますが、バ
ンド・アンサンブルにおいては低音を減らした方が音抜けが良くなります。
Bronze:ブロンズ
値を上げるとよりスティール弦の音に近づき、下げると柔らかなナイロン弦のサウンドに近づきます。
Equalizer:イコライザー (黄) 89
Sparkle:スパークル
きらびやかな高域の輪郭をより明確にします。「Bronze」との組み合わせによって好みのアコースティック・ギター・サ
ウンドを見つけてください。
Double Tracker:ダブルトラッカー
The KEMPER™ Double Tracker は、リアルタイムにダブルトラックを実現するエフェクトです。1台のギター演奏が、あ
たかも2台のギターを左右のチャンネルに配置して個別に演奏したかのようなサウンドになります。
多くのダブルトラッカーは、ディレイやコーラスを応用して左右のチャンネルのタイミングやピッチの差を作りますが、
The KEMPER™ Double Tracker は、独自のタイムストレッチ・アルゴリズムを使用して、タイミングやピッチを時間軸で
変化させます。これにより演奏内容や音色の変化に沿ってピッチやタイミングがランダムに変化し、より自然なダブルト
ラックを実現しています。
•Looseness:ルーズネス
トラック同士のタイミングのズレをよりルーズにするか、比較的タイトにするかを設定するパラメーターです。
•Detune:デチューン
トラック間のピッチをごく微妙にずらすパラメーターです。「Air Chorus」と同じアプローチです。ダブルトラックにおい
ては、必ずしもピッチをずらす必要はありません。必要なければ「0」にしておくと良いでしょう。
•Stereo:ステレオ
左右に配置されたトラックの広がりをコントロールします。+またはー100%で通常のステレオ定位になり、大きな値にす
る と「super stereo」同様の広がりが得られます。
コンプレッサー (シアン)
ギター弦は減衰が非常に速いため、クリーン・トーンでは多くの場合コンプレッサーが使われます。ディストーション・
サウンドでは、歪ませること自体の副産物として一定のコンプレッションがかかりますので、その上にコンプレッサーを
使うと、ダイナミクスやタッチをさらに押さえ込んでしまうことになりますが、コンプレッサーで最大レベルに圧縮した
信号を使うことで、アンプを常に一定程度歪ませることが可能になります。常に同じ程度に僅かに歪んだギター・サウン
ドを作るために使われるのがこの方法です。
クリーン・トーンでのコンプレッサーの効用はサスティンが伸びることです。もう 1 つの典型的な効用は、コンプレッサ
ーのアタック・タイムを調整することでピッキングのアタックを強調できる点ですが、PROFILER の Amplifier モジュール
にある「Pick」パラメーターは、ピッキングのアタックのエネルギーをコントロールすることに最適化されていて、一般
的なコンプレッサーよりも効果的です。
Effect のコンプレッサーはビンテージ・コンプレッサーを忠実に再現したものですが、「Squash」という新しいパラメー
ターも追加して、より多様に使えるようにしました。
Intensity:コンプレッションの強さ
「Intensity」はコンプレッション量をコントロールするパラメーターです。0 の状態ではコンプレッションがかかりませ
ん。0 からセンター・ポジションまでの間は穏やかな効きで、強すぎるアタック音を抑える程度の働きです。「Intensity」
をさらに上げていくと、サスティン部分が徐々にブーストさ れていくのが聴き取れます。
コンプレッサー (シアン) 92
Attack:反応の速さ
「Attack」は入力信号に対するコンプレッサーの反応速度を調整するパラメーターです。値が高い場合は圧縮がかかるまで
の時間が長くなり、徐々にかかり始めますので、アタック部分はほぼそのままの信号になり、結果としてピッキングのア
タックが強調されたサウンドになります。
Squash:圧縮感
「Squash」は、コンプレッサーの効果をさらにダイナミックにするパラメーターです。センター・ポジションでは通常の
コンプレッサーそのままの動作ですが、センターから 0 に向かってノブを回すと、ディケイの最初の部分が強調され、圧
縮感が弱まったサウンドになります。逆にセンターから右へ回すと、ディケイの最初の段階が強く押し潰され、ボリュー
ムも下がります。ディケイが進むと押しつぶされた状態から戻り始め、ピッキング時よりも少しブーストされたレベルま
で盛り返します。いかにもコンプレッサーが効いているというサウンドになるのがおわかりでしょう。
「Squash」パラメーターはコンプレッション・レシオには一切手を加えません。ビンテージ・コンプのコンプレッショ
ン・レシオは、無限大(∞)のものがほとんどです。
ノイズ・ゲート・ストンプ (シアン) 93
ノイズ・ゲート・ストンプ (シアン)
Input セクションにある Noise Gate とは別に、主にハイ・ゲイン・サウンドを好むギタリスト向けに、Effect のノイズ・ゲ
ートが 2 種類用意されています。
インプット・セクションのノイズ・ゲート同様に、アタックやリリースのコントロールはありません。音質に影響を与え
ない範囲で最速の設定になるよう設計しました。アタック・タイムは 0.05ms (50 マイクロ秒、あるいは 12 万分の 1 秒)
で、リリースは 50ms です。インプット・セクションのノイズ・ゲートとはキャラクターが異なりますので、併用するこ
とはもちろん可能です。
コーラス (青) 94
コーラス (青)
Vintage Chorus:ビンテージ・コーラス
Vintage Chorus は、現代のサンプリング技術の先祖とも言える BBD 遅延素子による、1970 年代のコーラス回路をシミュ
レートしたものです。 あのコーラス・アンサンブルを再現するだけでなく、同じような技術を使った当時の多くのコーラ
ス・エフェクトのサウンドもカバーしています。
Rate:モジュレーションの周期
モジュレーションの周期を「Rate」パラメータで調節します。
Depth:モジュレーションの深さ
モジュレーションの深さを「Depth」パラメータで調節します。
✓Tip:オリジナルのコーラス・アンサンブルのサウンドは、「Depth」をセンター・ポジションにしたまま、「Rate」で欲
しいサウンドを捜して下さい。オリジナルにはデプス・コントロールがありませんでした。
Crossover:コーラスがかかる帯域設定
各コーラス・アルゴリズムには、「Crossover」というパラメーターがあります。値を上げていくと、モジュレーションが
かかる帯域が上がり、低音域にはコーラスがかからなくなります。これによりボトムエンドがボヤけたサウンド になるの
を防ぐことができます。このようなパラメーターはベース用コーラスなどでよく見かけますが、実はギターにも効果があ
るのです。
コーラス (青) 96
Air Chorus:エア・コーラス
Air Chorus は、オーディオ信号段階ではエフェクト音と原音をミックスしない特殊なコーラスで、非常に穏やかな効きが
特徴的です。左右のオーディオ信号に個別のモジュレーションをかけてピッチを揺らし、左右のスピーカーでそれぞれを
再生します。別々の揺らぎを持つ左右の音が空間で合成されることでコーラス効果が現れます。「Air Chorus」の名前はそ
こから付けられました。あの有名なジャズ・コーラスアンプで採用している方式です。
Depth:モジュレーションの深さ
Crossover:コーラスがかかる帯域設定
「Crossover」を上げていくと、低音域から中音域にかけは、揺らぎの無いモノラルになり、高音域はコーラス効果による
ステレオ感で、空間を漂っているかのようなサウンドになります。
コーラス (青) 97
Vibrato:ビブラート
Vibrato は、入力音のピッチをサイン波でモジュレーションするエフェクトです。
Rate:モジュレーションのスピード
モジュレーションのスピードは「Rate」でコントロールします。
Depth:モジュレーションの深さ
「Depth」はモジュレーションの深さを設定するパラメータです。
Crossover:ビヴラートがかかる帯域設定
「Crossover」の値を上げると、低音域にはビブラートがかからなくなります。ハモンド™・オルガンに内蔵されているス
キャナー・ビブ ラートとよく似たサウンドになります。
コーラス (青) 98
Rotary Speaker:ロータリー・スピーカー
Rotary Speaker は、ハモンドオルガンとのコンビネーションで有名な、あの伝説的なレスリースピーカーのサウンドを忠
実に再現したエフェクトです。実際のレズリースピーカーは、低音域用ドラムと高音域用ホーンがキャビネット内で物理
的に回転し、しかもそれらは同期せず、それぞれが独自のスピードで回転することによって発生する複雑なドップラー効
果による独特なサウンドを引き出していました。まるでビブラートやトレモロ、そしてコーラスが渾然一体となったよう
なリッチなサウンドです。
Stereo:ステレオ
「Stereo」パラメーターで、2 本のバーチャル・マイクのスピーカーに対する角度を調節します。モノラルにする場合は、
角度を 0 ° (センター・ポ ジション) にします。マイナス値にすると、ロータリーの回転する方向が逆になります。ライ
ブ・ステージやスタジオ録音での一般的なロータリー・スピー カーのマイキングと同様、2 本のマイクで収音されている
のは高音域のトレブル・ホーンのみで、低音域のベース・ローターはマイク 1 本です。
Low-High-Bal.:ローラーとホーンの音量バランス
「High-Low Bal.」は、トレブル・ホーンとベース・ローターの音量バランスを取るパラメーターです。設定値が低い場合
は、低音域を利かせたダークなトーンに、設定値を高くするとブライトで繊細なトーンになります。センター・ポジショ
ンで、最もレスリーらしいバランスになります。
コーラス (青) 99
Distance:スピーカーとマイクの距離
Mix:ダイレクト音とエフェクト音のミックス・バランス
「Mix」パラメーターで、原音とロータリー・スピーカーの出力、即ちダイレクト音とエフェクト音のバランスをコントロ
ールします。一般的には 100% (エフェクト音のみ) にしますが、もちろんそれ以外のセッティングによるサウンドも魅力
的です。
コーラス (青) 100
Tremolo:トレモロ
Tremolo エフェクトは、一定の周期で信号のレベルを変調します。
Rate:トレモロのスピード
「Rate」でトレモロのスピードをコントロールします。連続的に可変できますが、リグのテンポが有効の時はそれに同期
します。リグのテンポはノブまたは TAP ボタンで設定できます。リグの「Tempo」が有効になると、「Rate」の値は音価
で表示されます。「テンポ」の章もご参照下さい。
Depth:トレモロの深さ
「Depth」パラメータで、トレモロの深さを設定します。
Crossover:トレモロがかかる帯域
「Crossover」の設定により、低音域にはトレモロがかからないように設定することができます。
フェイザー、フランジャー (紫)
Phaser:フェイザー
このフェイザーは、左右のチャンネルにそれぞれ 12 ステージもの大規模なフィルター・バンクを備えています。
Rate:モジュレーションの速度
Depth:モジュレーションの深さ
「Depth」の設定を変えると、「Manual」の設定値との組み合わせに応じてモジュレーションの深さ変化します。
Manual:モジュレーションの中心周波数
「Manual」でモジュレーションの中心周波数を設定します。フェイザーがスイープする際の中心となる帯域です。
「Depth」が 0 の場合、「Manual」の設定でうねりの無い、固定的なフェイズ・サウンドが得られます。
Feedback:フィードバック
「Feedback」の設定値を上げると、ピークがより高く、ノッチがより深くなります。
フェイザー、フランジャー (紫) 102
Peak Spread:ピーク・スプレッド
「Peak Spread」は、ビンテージ・フェイザーでは見かけないパラメータです。このパラメータをアナログ回路で実現しよ
うとすると、非常に高価なものになってしまうからです。このパラメーターにより、フェイザーによって生まれるピーク
とノッチの幅を、周波数方向に調節することができます。狭めのセッティング (センター・ポジションよりも左) では、非
常に狭い帯域でピークが発生するのが聴き取れます。広いセッティング (センターより右) にすると、サウンド全体を包み
込むようなサウンドになります。
Stages:段数
Stereo:ステレオ
「Stereo」は、モジュレーションの左右への広がりを調節します。極端な設定にすると、左右の定位が大きく変化しま
す。センター・ポジション(0)でモノラルになり、低めの設定にすると穏やかなステレオ効果が得られます。
Flanger:フランジャー
フランジャーはフェイザーとよく似た位置づけのエフェクトで、サウンドも似たところがあります。そのためエフェクト
の色分けはフェイザーと同じ「紫」にグルーピングしました。しかし技術的にはフィルター技術を応用したフェイザーと
は異なり、アナログのフランジャーは BBD 遅延素子を利用した、非常に短いディレイを使用したエフェクトです。
フランジャーのパラメーター構成はフェイザーと殆ど同じです。「Peak Spread」と「Stages」がフランジャーにはあり
ませんが、それ以外はフェイザーと同じですので、同じパラメータ設定のままフランジャーとフェイザーを切り替えて、
効果の違いを試すと良いでしょう。
ピッチ・シフター (緑) 103
ピッチ・シフター (緑)
ピッチ・シフターは一連のディレイの配列によって成り立っています。最初に入力信号をごく短い時間にスライスし、そ
れらを異なるスピードで再生することでピッチを変えるというしくみです。ディレイの応用であることの宿命とも言えま
すが、必ず若干のレイテンシーが生じます。特に長めにスライスする必要があるコード音のピッチ・シフトにおいて、レ
イテンシーが顕著になります。
Analog Octaver:アナログ・オクターバー
Analog Octaver は、1オクターブ下と 2 オクターブ下の2つのボイスを追加するエフェクトです。元々ベースでの使用を
前提に開発されましたが、ギターを含む他の楽器でも使用可能です。ピッチ・シフターの技術をそのまま応用するのでは
なく、アナログの検波回路をモデリングし、入力信号をコントロールしたりフィルタリングしたりしています。そのため
単音での使用が前提になります。複音やコードを演奏すると良い結果が得られないでしょう。
Voice Balance:ボイス・バランス
Mix:ダイレクト音とエフェクト音のミックス・バランス
「Voice Balance」の設定により発音されるエフェクト音と、ダイレクト音のレベル・バランスを決定します。
Low Cut:ロー・カット
オクターバーは、高い音域を演奏するときには心地よく響いてくれますが、低い音域では不快なウネリが発生することが
あります。これは 20Hz 以下の低音も生成されるためです。PROFILER の Analog Octaver には「Low Cut」というパラメ
ータが用意されていて、これによって低い音域でも引き締まった音にすることができます。
「Low Cut」を左に回しきった状態、つまりバリューが「0」のとき、「LowCut」は作用しません。右に回してゆくに従っ
て低音域の過分なエネルギーが抑えられます。この時、高音域はオリジナルのままの状態が維持されますので、全音域で
シャープなオクターバー・サウンドが得られるのです。
ディレイ (緑) 105
ディレイ (緑)
ディレイは PROFILER のエフェクトの中でも、最も充実した内容と機能を持っていると言えます。しかしながら「リバー
ス・ディレイ」や「テープ・エコー」、「ダッキング・ディレイ」など、ディレイ・エフェクトの種類としてよく目にす
るタイプのディレイが見当たらないことに気がつくでしょう。PROFILER では、従来は個別に存在することが多いこれら
のディレイのほとんど全てを網羅できるアルゴリズム(Type)に集約しました。
例えばアナログ・テープ録音/再生時のサチュレーションや歪みによる「テープ・エコー」の独特なサウンドは、「Low
Cut」「High Cut」といったフィルターに加え、ワウフラッターをコントロールするパラメーターや「Grit」というザラつ
きを醸し出すパラメーターで再現することができます。これらの影響を抑えてゆくと、バケツ・リレー方式の電子式ディ
レイに近づきます。言うまでもなくデジタルであれば、リバース機能はパラメーターとして簡単に付加することが可能で
す。
今すぐ全てのパラメーターを把握しなければという心配は必要はありません。これらを駆使して作成された様々な Delay
Preset が用意されていますので、まずはそれらを DLY モジュールに読み込んでお試しください。
Delay Mix:ディレイ音とドライ音のミックス・バランス
ディレイ音のレベルをコントロールします。センターの位置の時、ディレイ音とドライ音のレベルが等しくなります。セ
ンターより右に回すとドライ音のレベルが下がりはじめ、右に回しきって 100% (wet) にするとディレイ音のみが出力され
ます。
ウェットとドライの「 Mix」をディレイ・エフェクトの直前(Pre)でコントロールするか、直後(Post)にするかを、
「Mix」のとなりの「Location」で選択します。通常はどちらを選択しても大きな違いが現れませんが、「Mix」の値をモ
ーフィング機能でコントロールする場合などには違いが明確になります。
Post に設定すると、「Mix」によってディレイ音の出力レベルがコントロールされるので、ディレイのテイルに素早く反応
が現れます。Pre の場合はディレイ・エフェクトへの入力レベルがコントロールされるので、変化の現れ方がソフト後に説
明する「Grit」や無限の「Feedback」による効果も、Mix の位置による差が現れます。
✓後に説明する「Grit」や無限の「Feedback」による効果も、「Mix」の「 Location」による差が現れます。
ディレイ (緑) 107
「Feedback」により繰り返されるディレイ音の音質を決定します。リピートが進むにつれ、さらにカットされてゆきま
す。「Low Cut」を最小値、「High Cut」を最大値に設定すると、全くフィルターがかからない状態になります。
「High Cut」を最大値から下げるにつれ、繰り返し毎に抑えられる高域の範囲が下がり、よりやわらかいサウンドになり
ます。
「Low Cut」を最小値から上げると、繰り返しのたびに低域がカットされてゆきます。ディレイ音がよりシャープになりま
す。最小値から9時の位置くらいまでの範囲では、「High Cut」のレゾナンスをコントロールする効果があります。
この二つのパラメータの組み合わせにより、テープ・エコーやアナログ・ディレイのような暖かみのあるサウンドが再現
できるでしょう。
Cut More:より強くカットする
To Tempo:ディレイ・タイムをテンポに同期させる
Note Value:音価によるディレイ・タイム設定
音価の設定値を変えてもピッチの連続変化などは起こらず、スムーズに移行します。
Feedback:フィードバック
「Feedback」は、ディレイのリピート回数を決定するパラメータです。0にするとディレイ音は聞こえなくなります。
「Feedback」の値を上げるにしたがってリピート回数が増え、センターの位置(100%)にすると永遠に繰り返されま
す。
Freeze:ディレイ音をフリーズする
「Freeze」をオンにすると、その時点で繰り返されているディレイ音のリピートが永遠に続きます。レベルが減衰したり
音質が変化したりすることがなく繰り返されます。オンによってディレイのインプットが閉じられ、以降の演奏にはディ
レイがかかりません。つまり「Freeze」によって繰り返されるサウンドにあわせて、メロディなどの演奏ができるという
ことになります。
Infinity:永遠にリピートさせる
レベルの増減や音質の変化無しにリピートする「Freeze」に対し、「Infinity」はリピートの進行ともにレベルが上がり、
リピートされるディレイ音相互に変調が起こります。
Reverse Mix:リバース・ミックス
ノブを右に回しきって最大値にすると、ディレイ音が逆方向に再生されます。中間の値では通常のディレイ音と逆方向再
生のディレイ音のミックスになります。
ディレイ (緑) 110
Input Swell:インプット・スウェル(ディレイ音の立ち上がりを抑える)
ディレイ・ラインのインプットのレベルが少しづつ大きくなります。スローアタックになることでアタックのピークが抑
えられるため、スムーズなディレイになります。大きめの値にするとパッドのようなサウンドになるでしょう。
Smear:スミア(ディレイ音を僅かにぼかす)
「Smear」は、ディレイ音にわずかな残響を加えます。残響はリピートが進むにつれて強くなってゆきます。ピッキング
によるアタックが拡散し、リバーブのような振る舞いになります。「Input Swell」と「Smear」は、より空間的広がりを持
った優美なディレイを創り出すのに欠かせないパラメータです。
Stereo:ステレオ(ディレイ音を拡げる)
他のエフェクトにも備えられているバイ・ポーラーの「Stereo」パラメータと同様の働きをします。ディレイの場合は、
ディレイ音の空間的な広がりを増すことができます。
ディレイの「Stereo」は、ディレイ音を通常のステレオの範囲のさらに外側まで広げる効果があり、かつて無いステレオ
空間を作り出します。左右の出力の中間点、つまりベストなリスニングポジションで聞くと最大の効果が得られます。マ
ルチタップ・ディレイの各ディレイタイムを異なる値に設定すると、さらに効果が増すでしょう。但しこの効果はヘッド
ホンでは確認できません。
• バリューを 100%にすると、ディレイ音が完全に左右に振り分けられます。
• バリューを 0%にするとディレイ音がセンターに集まり、結果としてモノラルになります。
• -100%でもディレイ音が完全に左右に分かれますが、左右が入れ替わります。
• ±100%を越えると、ディレイ音は左右チャンネルのさらに外側に定位し、±200%で広がりが最大になります。
Grit:グリット(テープ・サチュレーションを再現する)
テープ・エコー独特のサチュレーションとコンプレッションを再現します。小さな値では、不安定な感じがするザラつい
たサウンドになり、大きな値にするとテープ録音のサチュレーションによるコンプレッション効果が明確になってゆきま
す。3時の位置程度に上げると、インプットレベルがブーストされ、歪みが強くなります。「High Cut」「Low Cut」を組
み合わせることで、耳障りの良い歪みにすることができるでしょう。その場合「Low Cut」「High Cut」の隣の「Cut」ボ
タンをクリックし Cut More をオンにすることをお勧めします。
一般的な音の歪みと同様に、「Grit」によるザラつきの度合いはインプットレベルに依存します。つまり「Grit」の効き具
合は「Mix Position」の設定によって変わるということです。「Mix Position」を Pre に設定すると、「Delay Mix」の設定
によって歪み具合をコントロールすることができます。歪み具合を変えずに、ディレイ音のレベルだけをコントロールし
たい場合は、「Mix Position」を Post に設定してください。
Stereo Modulation:ステレオ・モジュレーション
ディレイ・タイムが変調され、暖かみのある、コーラス・エフェクトのようなサウンドになります。各ディレイ・タップ
は、たとえ同じディレイタイムに設定されていても、異なる位相で変調されるため、コーラス・エフェクトの「Air
Chorus」と同じような広がりを創り出します。
✓ステレオ効果を出さずにディレイタイムを変調したい場合は「Flutter」パラメータをお使いください。
Chorus
ディレイ音にコーラス(シングルノブ・コントロール)がかかります。’80s 風のサウンドが楽しめるでしょう。
ディレイ (緑) 112
テープ・エコー独特のワウフラッターを再現します。エンドレス・テープに録音と再生を繰り返すことでディレイを作り
出すテープ・エコーでは、機械的な部分に起因するテープ走行速度のムラや、テープが伸びてしまうことなどにより、デ
ィレイ音の音質やピッチがランダムに変化します。「Flutter Rate」は、この変化の全体的なスピードをコントロールしま
す。小さな値にするとワウのような変化が目立ち、高い値ではフラッター効果に近づきます。「Flutter Intensity」は効果の
強さをコントロールします。
Ducking:ダッキング
「Ducking」は、演奏のダイナミクス(強弱)でディレイ音が強調されたり抑えられたりするダッキング・ディレイでお馴
染みの機能です。
「Ducking」パラメータは、演奏の強弱に反応するスレッショルド・レベルです。値はバイ・ポーラで、デフォルト値であ
るセンターでは動作しない状態です。右に回すと典型的なダッキング、即ち強く演奏するとエフェクトが弱まり、ソフト
に演奏するほどエフェクトが強くなります。「Ducking」がうまく設定できれば、演奏のダイナミクスで効果的にエフェク
トをコントロールすることができます。
「Ducking」パラメータをセンターより左にすると逆の動作になります。つまり強く弾くほど、エフェクトがよりはっきり
とかかります。
あるエフェクトの「Ducking」をポジティブ、センターより右にセットし、別のエフェクトはその逆に設定すると、演奏の
強さに応じてエフェクトを入れ替えるような動作をさせることも可能です。
「Ducking」の設定、即ちスレッショルドは、あなたのギターのレベルに自然に反応します。従ってインプット・セクショ
ンの「Clean Sens」の設定の影響を受けます。
「Pre」を選択すると、ディレイ音のレベルのコントロールがエフェクト入力時に行われますので、先に通過しているディ
レイ音は影響を受けません。
「Post」に設定すると、ウェット音の出力段でレベルが制御されますので、演奏の強弱によって直ちにディレイ・テイル
のレベルが変化します。
ディレイ (緑) 113
Single Delay:シングル・ディレイ
Single Delay は一つのディレイ・ラインで構成されているシンプルなディレイです。STACK セクションの手前のモノラル
の Effect モジュールに配置することを想定したディレイです。もちろん STACK セクションの後ろに配置することも可能
で、その場合は「Stereo」パラメータが有効になり、左右の位相をシフトします。つまり左右の同じ信号を再度モノラ
ル・ミックスする場合でも、位相ずれによるフェイズ感を取り去ることもできるのです。
Single Delay:シングル・ディレイ
ディレイ (緑) 114
TwoTap Delay:2タップ・ディレイ
左右に独立したディレイ・ラインを備えるデュアル・ディレイとは違い、シングル・ディレイをベースにしていますが、
ディレイ音が左右に出力されます。いわゆるピンポン・ディレイに適したディレイ Type です。
TwoTap Delay:2タップ・ディレイ
ディレイ (緑) 115
Legacy Delay:レガシー・ディレイ
Legacy Delay は、PROFILER のために最初に開発されたディレイ・アルゴリズムを使用しています。これまで OS で作ら
れたディレイ・エフェクトの設定の互換性を保つために搭載されています。基本構造は「Two Tap Delay」と同じですが、
フィルターがバンドパス・フィルターになっています。新しく搭載された「Two Tap Delay」とその他のディレイ Type に
は、より直感的に扱えるローカット/ハイカット・フィルターを搭載しました。これまでのシステムで作成/保存された
ディレイを、さら細かくエディットしたい場合は、一旦そのディレイを含む Rig や Preset を選択した後、ディレイ
TyoeTwo Tap Delay」を選択してください。この操作により、各パラメータやディレイの内容を保持したまま新しいアル
ゴリズムに差し替えることができ、Two Tap Delay のパラメータ群を使って更新することができます。
リバーブ(緑)
プロファイラーにはスタジオクオリティのリバーブが搭載されています。ほとんどのリバーブ・アルゴリズムが共通して
備えているパラメーターは以下のとおりです:
Reverb Mix:ミックス
リバーブの「Mix」はディレイの「Mix」と同じ働きのパラメータです。フロントパネルの専用ノブでコントロールするこ
とも可能です。
「Mix」のコントロールが、リバーブの入力段(Pre)で行われるか出力段(Post)で行われるかを選択します。
「Post」の場合はリバーブの出力段で「Mix」バランスがコントロールされるので、「Mix」を変更すると直ちにドライと
ウェットのバランスが変わります。一方「Pre」は入力段でのコントロールなので、既にリバーブに入力されている信号に
は影響を与えません。ドライ/ウェットのバランスが直ちに変わる変わるというという動きにはならないため、よりスム
ーズに残響音が増減します。
Decay Time:ディケイ・タイム
リバーブ音が減衰して無くなるまでの時間です。これにより残響する部屋の広さも決定されます。小さい部屋ほど早く減
衰してしまい、大きな部屋ほど長く持続します。
High Decay:ハイ・ディケイ
残響音の高音域成分の減衰を設定します。部屋やホールの自然な残響においては、残響音全体に比べ高音域の方が速く減
衰します。「High Cut」が残響音全体の高音域をカットするのに対し、「High Decay」は時間の経過とともに残響音の高
音域が徐々に失われて行きます。「High Cut」と「High Decay」を組み合わせることで、より自然な残響音を再現できる
でしょう。
Low Decay:ロー・ディケイ
しかしながらドラムスやベースなどとのアンサンブルの中では、残響音の低音域成分が邪魔になってしまうことがありま
す。その場合は「Low Decay」の値を上げることで残響音の低音域を早めに減衰させることで、残響音全体ががスッキリ
と収まるでしょう。
High Cut:ハイ・カット
「High Cut」は固定のフィルターで、左に回すほど残響音の高音域成分がなだらかにカットされます。同様の機能はコン
ボ・アンプ搭載のリバーブでは搭載されていませんでしたが、Fender® Reverb Tank に装備されている「Tone」という操
作子がこの「High Cut」に相当します。
リバーブ(緑) 118
Freeze:フリーズ
「Freeze」は、残響音を限りなく延ばしてパッドのようなサウンドにする機能です。「Freeze」がオンになった後はリバ
ーブ・エフェクトへの入力がカットされるので、無限に続く残響音にのせて新たなフレーズを演奏するというパフォーマ
ンスが可能になります。
Ducking:ダッキング
「Ducking」は、演奏のダイナミクス(強弱)でウェット音が強調されたり抑えられたりするダッキング・ディレイでお馴
染みの機能です。
「Ducking」パラメータは、演奏の強弱に反応するスレッショルド・レベルです。値はバイ・ポーラで、デフォルト値であ
るセンターでは動作しない状態です。右に回すと典型的なダッキング、即ち強く演奏するとエフェクトが弱まり、ソフト
に演奏するほどエフェクトが強くなります。「Ducking」がうまく設定できれば、演奏のダイナミクスで効果的にエフェク
トをコントロールすることができます。
「Ducking」パラメータをセンターより左にすると逆の動作になります。つまり強く弾くほど、エフェクトがよりはっきり
とかかります。
あるエフェクトの「Ducking」をポジティブ、センターより右にセットし、別のエフェクトはその逆に設定すると、演奏の
強さに応じてエフェクトを入れ替えるような動作をさせることも可能です。
「Ducking」の設定、即ちスレッショルドは、あなたのギターのレベルに自然に反応します。従ってインプット・セクショ
ンの「Clean Sens」の設定の影響を受けます。
「Pre」を選択すると、リバーブ音のレベルのコントロールがリバーブの入力段に行われますので、先に通過しているリバ
ーブ音は影響を受けません。
「Post」に設定すると、ウェット音の出力段でレベルが制御されますので、演奏の強弱によってリバーブ音のテイルのレ
ベルが直ちに変化します。
リバーブ(緑) 120
Spring Reverb:スプリング・リバーブ
PROFILER の Spring Reverb は、ギタリスト羨望の 1963 年製の Fender® Reverb Tank のサウンドをベースにしていま
す。このリバーブを特徴づけているのは次の2つの要素でしょう。ひとつは急峻なローカット・フィルターによるサウン
ドです。このフィルターはリバーブ・ユニットとスピーカーの間で起こるフィードバックを防ぐ目的で搭載されていま
す。もうひとつは洞窟で雫が落ちるときに発生するような派印象的なサウンドでしょう。我々はこの印象的なサウンドを
忠実に再現すると同時に、「Dripstone」という拡張パラメータでこのサウンドの強さを制御できるようにしました。
ビンテージ・コンボアンプはプリアンプ・セクションで歪むということが無く、ディストーション・サウンドはパワーア
ンプ・セクションで生まれます。コンボ・アンプのリバーブ・タンクはパワーアンプ・セクションの手前に配置されてい
るため、リバーブ音もダイレクト音と同様に歪みます。この状況を PROFILER で再現する為には、リバーブをスタック・
セクションの手前に配置するとよいでしょう。一方スタック・セクションの後ろに配置すれば、ステレオのスプリング・
リバーブになります!
Dripstone:ドリップストーン
「Dripstone」は、スプリング・リバーブ独特の雫のようなサウンドの強さをコントロールします。
Distortion (Dwell):ディストーション(デュウェル)
Spring Size:スプリング・サイズ
スプリングのサイズを変えるパラメータで、結果として「Dripstone」の密度をコントロールすることができます。
Spectral Balance:スペクトラル・バランス
実際のスプリング・リバーブは強いローカット・フィルターを経由した信号で残響音を作り出していますが、「Spectral
Balance」をデフォルト値(センター)から上下に動かすと、残響音の高音域または低音域が強調することができます。
リバーブ(緑) 121
Easy Reverb:イージー・リバーブ
Easy Reverb は、PROFILER の他のモデルにある Natural Reverb を土台にし、パラメーターを絞り込んだものです。リバ
ーブのエッセンスを直感的に使用できるようにパラメーターを厳選しています。
Decay Time:ディケイ・タイム
Echo Reverb:エコー・リバーブ
Echo Reverb はディレイとリバーブのコンビネーションです。PROFILER の他の機種が持つ Natural Reverb の
「Predelay」に「Feedback」を付加し、リバーブ音のリズミカルな繰り返しを作り出します。ストレートなディレイでリ
ズミカルな繰り返しを作るよりも拡散的なサウンドになります。ディレイ・エフェクトでは目立ちすぎると感じる場合に
は Echo Reverb を試してみると良いでしょう。
• 「Predelay Feedback」が追加されており、値を高くするほど繰り返し回数が増えます。
Legacy Reverb:レガシー・リバーブ
Legacy Reverb は、PROFILER に最初に搭載されたリバーブのアルゴリズムがベースになっています。OS 6.0 より以前の
ファームウェアで作成されたリグの互換性を保つ目的で搭載されています。
本体および外部フット・スイッチには、下表のとおりの機能をアサインすることができます:
• 本体の3つのフット・スイッチそれぞれに個別の機能をアサインすることができます。
• 2つのスイッチを同時に踏むことで機能をトリガーするという設定(コンボ・スイッチ)も可能です。その場合の組み合
わせは「左と中央」「中央と右」のいずれかです。
Effect Button II* Effect Button II(グローバル設定)をアサインします。Effect Button I の機能は Rig ごとの設定に
より異なります。
Effect Button III* Effect Button III(グローバル設定)をアサインします。Effect Button I の機能は Rig ごとの設定に
より異なります。
Effect Button IIII* Effect Button IIII(グローバル設定)をアサインします。Effect Button I の機能は Rig ごとの設定に
より異なります。
✓通常はスイッチを押す(踏む)と同時にオン/オフ切り替えなどの動作が起こりますが、そのスイッチがコンボ・スイッ
チの一方を担っている場合、シングル・スイッチとしてアサインされている動作は、スイッチ離したときに始まります。
そのため動作のタイミングが遅れてしまうということになるでしょう。この時間差には慣れる必要があります。例えば最
初に踏んだときに踏んだ状態を維持し、次のスイッチングが必要なタイミングで放すという方法が実践的です。
✓上表でアスタリスクが1つ(*)表示されている選択肢について、通常はスイッチ踏み続けると一時的にモーメンタリー
になる「ラッチ/モーメンタリーの切り替え機能」が働きますが、そのスイッチが同時にコンボ・スイッチ機能の一方を
担っている場合は、「ラッチ/モーメンタリーの切り替え機能」は働きません。
✓上表でアスタリスクが2つ(**)表示されている選択肢(Tap/Tuner)は、既にコンボ・スイッチの一方を担っているス
イッチにはアサインできません。また Tap をコンボ・スイッチにアサインすることもできません。
Max Banks:バンク・リミット
意図しない読み込みを防ぐため、フット・スイッチによる読み込みを制限することができます。
Bank Load:バンク・ロード
他の Bank がロードされた時の動作は、以下の内容が選べます:
• 「Keep Slot」 – 新しい Bank を見込む前に選択されていた Slot と同じ番号の Slot の Rig が自動的にロードされます。
Bank Up/Down:バンク・アップ/ダウン
Rig Up/Down:リグ・アップ/ダウン
• 「wrap on up – Slot 5 から Next Rig が実行された時のみ Slot 1 に移動します。Slot 1 から Previous Rig の場合は動きませ
ん。
• 「wrap up and down – Slot 5 から Next Rig の場合は Slot 1 へ、Slot 1 から Previous Rig の場合は Slot 5 に移動し、制限な
くループします。
System Settings :システム設定 127
Tuner Mute:チューナー・ミュート
Pedal Input:ペダル・インプット
ペダル・インプットに接続したデバイス(エクスプレッション・ペダルやフット・スイッチ)の機能を設定します。
詳しくは「エクスプレッション・ペダルとフット・スイッチ」の章をご参照ください。
Pedal Links:ペダル・リンク
1台のエクスプレッション・ペダルを複数の機能で使い分けるための設定です。ペダル・インプットに接続されたエクス
プレッション・ペダルと同じように、MIDI によるコントロールにも適用されます。
詳しくは「エクスプレッション・ペダルとフット・スイッチ」の章をご参照ください。
Device Name:個体名
Owner Name:所有者名
PROFILER の所有者の名前を入力します。
System Settings :システム設定 128
Wi-Fi 接続の設定
PROFILER Player はタブレットやスマートホンと Wi-Fi で接続し、Rig Manager for iOS または Android®/Fire OS®でコン
トロールすることができます。Wi-Fi 接続は、「アクセスポイント・モード」と「ホームネットワーク・モード」の 2つの
方法をサポートしています。接続には SSID やパスワードの入力が必要です。詳しくは「Bluetooth®と Wi-Fi」の章をご参
照ください。
MIDI グローバル・チャンネル
ベース・プレーヤーのための機能
PROFILER はベースでも存分に使っていただけます。ほとんどの機能がベースでもギターと同じように使えますが、この
章では特にベース向きに設計された機能やその使い方のヒントなどをご説明しています。
世界中の PROFILER ユーザーが Rig を共有するクラウド・サーバーの Rig Exchange にもベース用の Rig がたくさんあり
ます。Rig Exchange 画面で「Instrument」を表示させると、対象楽器(Instrument)でソートできるので、膨大な数の Rig
の中からベース用に絞り込んでブラウズすることも可能です。
PROFILER の内蔵エフェクトには、ベースに使用できるものがたくさん含まれています。ここでは主なベース向けエフェ
クトについてご説明します。エフェクトに関しするさらに詳しい情報は、エフェクトの章をご参照ください。
Analog Octaver™はベース用エフェクトの定番といえるでしょう。原音より1オクターブ下の音と2オクターブ下の音を付
加します。ピッチ・シフターの技術ではなく、アナログのピッチ解析とフィルターの回路で実現しています。安定した演
ベース・プレーヤーのための機能 130
PROFILER の全てのコーラス・エフェクトには「Crossover」というパラメーターが用意されています。「Crossover」の
値を上げると、低音域ではコーラス効果が抑えられます。コーラス・エフェクトをかけた時にも、ベースに求められる低
音域の音程の安定感を維持しながら、高音域では美しいコーラス効果を得ることができます。
ケンパーのウェブサイトにあるユーザー・フォーラムには、PROFILER をベースで使用する際の質問や情報交換ができる
「For Bass」というスレッドがありますので、是非チェックして下さい:
www.kemper-amps.com/forum
アップデート、バックアップ、リグの共有 131
アップデート、バックアップ、リグの共有
プロファイラーのファームウェアは、改善や機能追加のためアップデートされます。
ファームウェアのアップデート
ここでは、ケンパーのソフトウェア・アップデートのコンセプト及びアップデートの方法についてご説明します:
新しいソフトウェアは、まずケンパーのエンジニア・チームと十分な経験と知識を持ったベータテスター・チームによっ
て入念にテストと改善が繰り返され、ある基準を満たす内容になった段階で「パブリック・ベータ版」として公開され、
登録ユーザーがダウンロードできるようになります。「パブリック・ベータ版」は、公開によりさらに幅広いフィードバ
ックを受け、改善が続けられます。ある程度の完成度に達していますが改善途上ではありますので、ライブ・パフォーマ
ンス本番や、重要なレコーディングなどでのご使用はお勧めできません。多少のリスクを呑み込める状況で使用いただけ
るようであれば、いち早く最新の機能をお試しいただけます。もし問題があればケンパー・ウェブサイトのユーザー・フ
ォーラムにフィードバックいただければ改善につながります。
パブリック・ベータ版へのアップデートの前にバックアップを取っておけば、OS を直前のリリース版に戻してバックアッ
プをリストアすることで、全てをアップデート前の状態に戻すことができます。リグその他のデータは全て上位互換です
ので、必ずアップデート前にバックアップを取っておくをお勧めします。OS のダウングレードは、USB メモリーを使っ
て、アップデートと同じ手順で実行することができます。また Rig Manager には、OS を直近のリリース版に戻す機能が
用意されています。
いくつかの変更やブラッシュアップの後、ソフトウェアが安定した段階でリリース版として公開されます。バージョン・
ナンバーは、例えば 3.3.0 の次が 4.0.6 にというように、ソフトウェアの変更内容や内部処理の状況によってジャンプする
ことがあります。
常に安定した状態でご使用になりたい場合は、パブリック・ベータ版をスキップし、必ずリリース版にアップデートする
ことをお勧めします。Rig Manager の「Include Beta」にチェックを入れなければ、Rig Manager がバブリック・ベータへ
のアップデートを促すことはありません。リリース版がアナウンスされたら、なるべく早めにアップデートすることをお
勧めします。進行中のプロジェクトなどがある場合は、終了したらすぐにアップデートしましょう。
• 次に最新のファームウェアをダウンロードして下さい。ファームウェアは、以下のサイトからフリーでダウンロードする
ことができます:
www.kemper-amps.com/downloads
バックアップの作成
PROFILER のデータ・バックアップを定期的に作成しておくことをお勧めします。Windows®版または macOS®版の Rig
Manager の Local Library には、Rig や Preset をコピーしておくことができますが、Rig や Preset だけではなく、Global パ
ラメーターを含む全ての設定内容をデータとして保存できるバックアップは、USB メモリーを使う方法でのみ作成するこ
とができます。予め PROFILER でフォーマットした USB メモリーを用意し、電源投入前に PROFILER に差し込んでくだ
さい。BANK ボタンを押しながら電源を投入すると、USB メモリーの Backup フォルダー内にバックアップ・ファイルが
書き込まれます。
バックアップのリストア
USB メモリーに保存された Backup データを、PROFILER Player にリストアします。USB メモリーに複数 Backup データ
が保存されている場合は、タイム・スタンプの最も新しいファイルが自動的にリストアされます。Backup をリストアする
と、PROFILER Player 内の全てのデータや設定がリストアしたファイルの内容に置き換わりますのでご注意ください。電
源が投入されていない状態の PROFILER Player に、Backup ファイルが入った USB メモリーを差し込んでください。
BANK ボタン、FX1 ボタン、FX2 ボタンの3つを押しながら電源を投入するとリストアが始まり、リストア完了後、自動
的に再起動します。
あなたが作成したユーザーPreset も、同じ方法でデータを移動や保管ならびに共有することができます。
データの互換性
PROFILER Player には他のモデルで作成された Rig をインポートすることが可能です。つまり Rig Pack として用意されて
いる 1,500 以上の Rig や、Rig Exchange に 20,000 個近くある Rig も全て利用できるということです。
Rig データの Input セクションおよび Input Preset からは、「Input Noise Gate」と「Clean Sens」のみインポートされま
す。
他のモデルの Output セクションの Preset に含まれる Main Output と Monitor Output および Headphone Output の Output
Source および Output Link の設定、Monitor Cab Off や Output Filter、KEMPER Kone に関する設定はインポートされます
が、Input および Output の構造が異なりますので、それらに関しては PROFILER Player であらためて設定する方が良いで
しょう。
アンプおよびキャビネットのプロファイル
ギターキャビネットを使って演奏することが無い場合や、プロファイリング、Cabinet のスワップ、IR のインポートを行
わない場合は、この章を読み飛ばしても問題ありません。
アンプとキャビネットを切り分ける CabDriverTM
通常スタジオ・プロファイルは、ギターアンプとギター・キャビネットから出る音をマイクロフォンでキャプチャーする
ことによって生成されます。生成されるスタジオ・プロファイルは、アンプ・プロファイルと、キャビネットおよびマイ
クロフォンが統合されたキャビネット・プロファイルという2つのパートで構成されます。スタジオ・プロファイリング
は一度に全てが行われ、完成されたアンプのプロファイルを生成するため、キャプチャーされた情報にはアンプ部分とキ
ャビネット(+マイクロフォン)の境目がありません。この切り分けは、PROFILER のインテリジェントなアルゴリズム
である Cab Driver が行います。Cab Driver がスタジオ・プロファイルの中のアンプ部分とキャビネット部分を切り分け、
他のスタジオ・プロファイルのキャビネットやプリセットとを組み替えたり、実際のギター・キャビネットをドライブす
る際にキャビネット・プロファイルだけをバイパスする機能(Monitor Cab Off)を実現しています。真空管アンプとギタ
ー・キャビネットの相互作用による両者の独特な振る舞いは、アンプ・プロファイル部分にキャプチャーされていますの
で、PROFILER Player の出力を外部ソリッドステート・アンプとフルレンジのスピーカーで発音する場合も、真空管ギタ
アンプの特徴が再現できるのです。
✓さらに厳密なアンプ・プロファイルの生成が、この後に説明する「ダイレクト・アンプ・プロファイリング」によって可
能になります。
アンプおよびキャビネットのプロファイル 139
アンプやキャビネットを入れ換える
Rig の Amplifier や Cabinet、または STACK セクションを入れ換える際のソースは2とおりあります。Amplifier を例に説明
しましょう:
ダイレクト・プロファイル
アンプ/ スピーカー/ マイクロフォンを内包するスタジオ・プロファイルの他に、ダイレクト・プロファイルがあります。
いくつかの例をご説明しましょう:
• ダイレクト・アンプ・プロファイルは、ギターアンプのスピーカー出力をプロファイリングします。アンプリファイドさ
れた出力をライン・レベルに変換する DI ボックスが必要になりますが、スピーカー・キャビネットやマイクロフォンを含
まない、アンプ部分だけのキャラクターのキャプチャーが可能です。そのためパワーヘッドやパワーラックに内蔵のソリ
ッドステート・パワーアンプでギター・キャビネットをドライブするのに最適です。このダイレクト・アンプ・プロファ
イルこそが、スタジオ・プロファイルに相対するダイレクト・プロファイルの、代表的なアプリケーションです。
• アコースティック・ギター用アンプまたはアンプ・シミュレーターをプロファイルすれば、ピエゾ・ピックアップ搭載の
アコギを、よりリッチなサウンドで演奏することができます。
• ベース・アンプのラインアウトをプロファイルすることも可能です。
• ギター・アンプのエフェクト・センドの出力を使えば、そのアンプのプリアンプ部をプロファイルすることができます。
このダイレクト・プリアンプ・プロファイルの出力は、次の図のようにギター・アンプのエフェクト・リターンに接続
し、ギター・アンプのパワーアンプとスピーカーを使って発音することができるということです。
ギターアンプのパワー部とキャビネットで「ダイレクト・プリアンプ・プロファイル」をモニターするセットアップ
ダイレクト・プロファイルには、キャビネットやマイクロフォンによる色づけはキャプチャーされていません。従ってギ
ター・キャビネットに特有の高域のダンピングが再現されません。その為ダイレクト・プロファイルによるサウンドをフ
ルレンジ・キャビネットで発音し、ゲインを上げたりエフェクターをかけて歪ませると、非常に耳障りな音になってしま
います。ダイレクト・プロファイルは、ギター・キャビネットを使うか、全く歪んでいない音を出すことに適したプロフ
ァイルです。
アンプおよびキャビネットのプロファイル 142
もうひとつスタジオ・プロファイルと異なる点は、Cabinet モジュールがオフになっていることです。キャビネットそのも
のの特性はキャプチャーされませんので自動的にオフになります。その代わりアンプ部分の特性は完璧にアンプ・モジュ
ールに含まれています。他の Rig の Cabinet プロファイルや Cabinet Preset の中から好きなものを選んで組み合わせるこ
とができます。
ダイレクト・プロファイリングは、マイクロフォンを通じた音ではなく、リファレンス・アンプの出力を直接または DI ボ
ックス経由で RETURN(または RETURN 1)に戻します。ダイレクト・プロファイリングか、マイクを通じたスタジオ・
プロファイリングかは、戻された信号の内容から PROFILER が自動的に判断しますので、事前の設定など不要です。ダイ
レクト・プロファイリングと判断された場合は自動的に Cabinet モジュールがオフになります。但し、全ての DI ボックス
がダイレクト・プロファイリングに使用できるというわけではありませんのでご注意ください。ダイレクト・プロファイ
リングに使用する為にはパワーアンプの出力を受けることができる DI ボックスが必要です。ラインレベルの信号専用の DI
ボックスは使用できません。加えてスピーカーシミュレーターを内蔵している DI ボックスの場合は、その機能をバイパス
する必要があります。
ダイレクト・アンプ・プロファイル
ダイレクト・アンプ・プロファイルには、リファレンス・アンプのプリアンプとパワーアンプの振る舞いが完璧にキャプ
チャーされます。スピーカー自体の特性は取り込みませんが、そのインピーダンスの変化に伴う真空管パワーアンプの特
徴的な振る舞いがアンプ・プロファイルに取り込まれ、ソリッドステート・アンプでの再現を可能にします。
キャビネット・インパルス・レスポンス
Cabinet Preset として使用できるデータが、インパルス・レスポンス (IR)という形態でサードパーティから販売されていま
す。それらの IR データは KEMPER Rig Manager™ にインポートすることができ、Preset として PROFILER に読み込むこ
とが可能です。Cabinet モジュールにフォーカスした状態で右クリックにより Cabinet Preset のリストが表示できます。
Celestion®より提供された IR をベースにしたキャビネットのプリセットが 18 個、ファクトリーデータとして含まれてい
ます。
ダイレクト・アンプ・プロファイルと組み合わせる IR は、ソリッドステート・パワーアンプを使用して採取したものを選
ぶことをお勧めします。真空管アンプとギター・キャビネットの相互作用は、ダイレクト・アンプ・プロファイルによっ
て再現されますので、キャビネット・プロファイルの方でも重ねて再現されると、良い結果にはつながないからです。
アンプおよびキャビネットのプロファイル 144
スタジオ・プロファイルとダイレクト・アンプ・プロファイルをマー
ジする
ダイレクト・アンプ・プロファイルとスタジオ・プロファイルのキャビネットを組み合わせ、両方を活かせる1つのプロ
ファイルを作成する方法をご説明します。まずは同じリファレンス・アンプから、ダイレクト・アンプ・プロファイル
(Cabinet モジュールが「Empty」)とスタジオ・プロファイルの両方を作成します。この時リファレンス・アンプの設定
も全く同じままで両プロファイルを作り、別々にストアします。ストアしたスタジオ・プロファイルの Cabinet モジュー
ルをコピーし、ダイレクト・アンプ・プロファイルの Cabinet モジュールにペーストします。
マージされたプロファイルは、Cabinet モジュールがオンの時にはスタジオ・プロファイルと同様に「アンプとキャビネッ
ト」からのサウンドを STACK セクションから送出します。Cabinet モジュールをオフにすると、実際のギターキャビネッ
トをドライブするのに適したアンプのみの場合の出力を再現します。
ゲインやトーン・コントロールでの音作りも可能ですが、それらは一般的なギターアンプのゲインやトーン・スタックの
振る舞いがあてはめられるものであり、ターゲットとなるギターアンプ(リファレンス・アンプ)固有のゲインやトーン
のコントロールの特徴がそのまま再現されるものではありませんでした。
個々のギターアンプ固有のゲインやトーン・コントロールの振る舞いを再現することは「モデリング」が得意とするとこ
ろであり、これらによる音作りができることが「モデリング・アンプ」のアドバンテージでしょう。しかし一方でモデリ
ング・アンプは、さまざまなギターアンプ個体の極上のトーン、唯一無二のニュアンスや個体差を再現することはできま
せん。これらはプロファイリングが最も得意とするエリアで、PROFILER™が高く評価されたのはこれが可能であったこと
によるのです。
ということは、この両方を併せ持つデジタル・ギターアンプこそがギタリストの聖杯と言えるでしょう!
最新 OS においては、Amp Model(アンプ・モデル)という新しい要素が加わっています。従来からのプロファイルを
「Kemper Generic」と位置づけ、これに対しアナログ・ギターアンプからインスパイアされたモデリングによるコントロ
ール Amp Model(アンプ・モデル)を適用したものを「KEMPER Liquid Profile™」と称して区別します。
ゲインやブライトキャップも、オリジナル・ギターアンプと同じ振る舞いを忠実に再現します。
さあ、ゲインやトーン・コントロールによるアンプ・サウンドのコントロールを存分にお楽しみください!
アンプおよびキャビネットのプロファイル 146
さらに詳細な情報
「Amp Model」をブラウズすると、対象になっているプロファイルに応じてゲインの値が変化することに気づくでしょ
う。しかしながらサウンドはほとんど変化していないことににも気がつくでしょう。これがポイントなのです。「Amp
Model」は対象になっているプロファイルを参照し、プロファイルに含まれるリファレンス・アンプ(プロファイリングの
対象となったギターアンプ)の特性を読み取って準備を整えますが、実際に各種コントロールを動すまでは何も色付けを
せず、プロファイルの元の状態をキープします。しかし一旦ゲインや EQ を動かすと、たちどころにオリジナルアンプと
同じ振る舞いで音色を変化させます。
「Amp Model」は、これまでに作成されたどのプロファイルにでも適用することが可能です。プロファイリングには、最
初から将来の進化を見据えて、非常に深く掘り下げた情報までをキャプチャーする能力が備えられていたのです。これを
活用した最初のステップとして、アンプ本体とキャビネットを切り分けて扱える DirectAmp PROFILE が実現しました。
加えてプロファイルにはリファレンス・アンプ のゲインの振る舞いに関する解析情報が含まれています。プロファイルに
「Amp Model」を適用すると、これらの情報からリファレンス・アンプつまりオリジナル・アナログ・アンプのゲインや
トーン・コントロールに関する情報と融合して、それらの振る舞いが忠実に再現されるのです。
アンプおよびキャビネットのプロファイル 147
アンプ・モジュールの中には、「Amp Model(アンプ・モデル)」のセレクターの他にもリキッド・プロファイルに関わ
る以下のようなパラメータがあります:
Generic Gain:ゼネリック・ゲイン
Amp Model:アンプ・モデル
「Amp Model」およびそのチャンネルを選ぶこと、従来のプロファイルにモデリングによるコントロールが適用され、リ
キッド・プロファイルになります。現在搭載されている「Amp Model」と、オリジナルのアンプ名は下表のとおりです:
BrightCap Int.:ブライトキャップ・インテンシティ
真空管アンプのゲイン・コントロールは、いわゆるブライトキャップによって音色的特徴が変わります。ブライトキャッ
プとは、ゲイン・コントロール のポットに取り付けられているコンデンサー(キャパシタ)のことで、これによりゲイン
を下げた時により高域が強調されます。「BrightCap Int.」は、ブライトキャップの働きを抑えるパラメータです。左に回
すほどブライトキャップの働きが控えめになってゆきます。右に回し切った状態で、モデルとなったアンプのゲイン本来
の動作を再現します。ブライトキャップを持たないアンプやチャンネルをターゲットとした「Amp Model」も数多く存在
します。それらは「Nrm」と表記されており、「BrightCap Int.」パラメータは薄く表示され使用できません。
ブライトキャップを備えたアンプやチャンネルはトレブリーなサウンドを出します。実際の真空管ギターアンプの世界で
は、ジャンパーケーブルによってそのような入力やチェンネルとノーマルな入力またはチャンネルをブレンドし、程よい
サウンドを得るということがよく行われます。PROFILER においては、「BrightCap Int.」によってこのようなブレンドと
同様の音作りが可能です。「BrightCap Int.」の設定のよって、ブライト・チャンネルとノーマル・チャンネルのミックス
バランスを変えるの同様の結果が得られます。同じような効果は「Definition」によっても得られます。
アンプおよびキャビネットのプロファイル 151
リキッド・プロファイルのその他の情報
ギター・キャビネットのサウンド、それをマイキングしたサウンド
この章は、普段ギター・キャビネットからの音を直接聴くことが多く、ギター・キャビネットの前に立てたマイクで収音
した音をフルレンジのモニター・スピーカーでで聴くことになじみのないギタリストに向けた内容です。
ギター・キャビネットは他の多くのスピーカーとは異なり、再生する周波数帯域がある範囲に限られています。ギター・
キャビネットで普通の音楽を再生しても良い音に聴こえないのはその為です。しかしながらこの独特の特性が、特に歪ま
せたギター・サウンドには欠かせないのです。歪んだギター・サウンドの耳障りな部分を適度に削り取ってくれるからで
す。加えて低域の独特な色づけも、エレキ・ギターにとってはポジティブに作用します。
ギター・サウンドをレコーディングしたり、コンサート会場で拡声するためには、必ずギター・キャビネットの前にマイ
クロフォンを立てて、機材全てを通過した結果として生成されるサウンドを収音する必要があります。このとき、マイク
の選択やポジショニングも、当然ながらサウンドに大きく作用します。これ自体も芸術の一部と言えるでしょう。幸いな
ことに、様々なテクニックが既に明らかになっていますが。
スタジオ・プロファイルは、これと全く同じ方法で生成されていますので、プロファイラーのメイン・アウトをミキサー
に直結すれば、コンサートやレコーディングで必要なセットアップが再現できるのです。これがデジタルの大きなアドバ
ンテージのひとつです。ギター・キャビネットの前にマイクを立てて収音するという状況がデジタル化されていて、いつ
でも再現できるので、重たいギター・キャビネットを運んだり、マイクのポジショニングに時間を割いたりする必要がな
いのです。
他にも解消できる厄介な問題があります。一般的にギター・キャビネットは指向性の強く、例えば高域はスピーカーの真
正面で聴くと最も大きく聴こえます。言い換えれば、スピーカーの指向から外れると高域が押さえ込まれた音に聴こえる
ということです。ほとんどのスピーカーでも同じようなことが起こりますが、ギター・キャビネットの場合は特にその傾
向が強いと言えます。そして大抵の場合、ギター・アンプの側に立つと、あなたの耳の位置は床に置かれたギターアンプ
のスピーカーの指向から外れることになってしまいます。そのような位置で、バンド・アンサンブルの中の自分のギタ
ー・サウンドを聴き取る為には、非常に大きな音を出さなければならなくなってしまうということが容易に想像できるで
しょう。不幸なことにその犠牲となるのは、ギター・キャビネットの正面にいるお客さんとバンド・メンバーたちです。
彼らが聴くのは、あなたが聴くのと同じ音ではないということを理解する必要があります。ギターの音がうるさいと言わ
れることが多い原因はここにあります。
レコーディング・スタジオやライブ会場での演奏になれていないギタリストは、スタジオ・プロファイルの音をモニタ
ー・スピーカーで聴くと、少し戸惑いを感じるかもしれません。中には、直接ギター・キャビネットから出る音が本物の
ギター・サウンドで、マイキングした音は何か作り物のようだと言うギタリストもいるでしょう。リニアなモニター・ス
ピーカーを通じて聴くマイキングされたギターアンプの音と、ギター・アンプの前で聴く直接音は全く別モノなのです。
アンプおよびキャビネットのプロファイル 153
特にドラムやベースを伴わず、ギターの音だけを聴くと、その違いがより明らかでしょう。フルレンジのスピーカー・シ
ステムは広いレンジを均等に再生するため、独特の再生レンジを持つ 4x12 のギター・キャビネットなどに比べると音圧や
ローエンドが足りない感じることがあるでしょう。またマイクで集音したギターアンプ・サウンドの高域は、マイクを通
さず、ギターアンプから直接聞く場合に比べて耳につくフェイジーなサウンドだと感じることもあるでしょう。
ギター・キャビネットからの音も、それをマイキングした音も、どちらも本物のギター・サウンドに間違いありません
が、CD や大きなコンサート会場で聴くギター・サウンドは、マイキングされたサウンドの方です。あなたがオーディエン
スに聴かせるサウンドは、ほとんどの場合マイキングされたサウンドの方なのです。ギター・キャビネットの前にマイク
を立てて収音する以外に、ギター・サウンドをレコーディングしたり、大きなコンサート会場でオーディエンスに聴かせ
たりする方法は無いのです。それがギター・アンプが登場して以来行われきた方法です。あなたのギター・ヒーローの演
奏を、ギターアンプから直接聴いたことはありますか?彼らの部屋またはリハーサルに招待でもされない限り、ほとんど
聴くことはできないでしょう。あなたが聴いてきたギター・ヒーローのサウンドは、完璧にマイキングされた音なので
す。それ以外の方法で、彼らがあなたに演奏を聴かせることはできないのですから。
マイキングされたギター・サウンドの扱いを習得することが大切であることがお分かりいただけたでしょう。それこそが
オーディエンスが聴くあなたの音なのです。キーボード・プレーヤーやボーカリストと同じ様に、ライン接続によってプ
ロファイラーの完成されたサウンドを PA に送る方が、より良い結果が得られるでしょう。そして他の楽器とのバランスも
遥かに良くなるでしょう。実際多くのプロ・ミュージシャンは、ステージ・モニターやインイヤー・モニターを通じて、
ステージ全体の音を聴きながら演奏しているのです。
アンプおよびキャビネットのプロファイル 154
PURE CABINET:ピュア・キャビネット
前章で説明したとおり、マイクで収音したギター・キャビネットの音は、高域が少し耳ざわりだったり、フェイジングが
起こっていたりすることが多くあります。これに対しギター・キャビネットから直接聞こえる音の場合はそのような部分
が目立ちません。PURE CABINET™は、マイクを通じてプロファイルされた音に少し磨きをかけ、ギター・キャビネット
から直接聞こえる音に近づける機能です。もちろん PURE CABINET を適用しても、ギターアンプ・サウンドの基本的な
キャラクターが変わってしまうことはありません。
前章で説明したとおり、マイクで収音したギター・キャビネットの音は、高域が少し耳ざわりだったり、フェイジングが
起こっていたりすることが多くあります。これに対しギター・キャビネットから直接聞こえる音の場合はそのような部分
が目立ちません。「PURE CABINET™」は、マイクを通じてプロファイルされた音に少し磨きをかけ、ギター・キャビネ
ットから直接聞こえる音に近づける機能です。もちろん「PURE CABINET」を適用しても、ギターアンプ・サウンドの基
本的なキャラクターが変わってしまうことはありません。
CABINET モジュールがオン、つまりキャビネットからの音をマイクで収音した音を再現しているリグには「PURE
CABINET」が適用できます。レコーディングでもライブ PA でも、フルレンジのモニターやインイヤー・モニター、ヘッ
アンプおよびキャビネットのプロファイル 155
「PURE CABINET」はアウトプット・セクションにあり、グローバル・パラメータとして全てのリグに適用されます。プ
ロファイルしたアンプのデータそのものを変えてしまう訳ではありませんので、いつでもオフに、またはオンにすること
ができます。アウトプット・セクションの「Output AddOns」ページにあるスイッチ(ソフトボタン3)をオンにする
と、ソフトノブ3でバリューが設定できる状態になります。バリューをセットしておいてスイッチをオン/オフすること
で、簡単に A/B 比較をすることができます。完全に効果をキャンセルする場合は、ソフトスイッチ3を押して「PURE
CABINET」をオフにして下さい。オンになっていると、バリューが0の場合でも「PURE CABINET」の影響が現れます。
ギター・キャビネットをドライブする場合は、外部のソリッドステート・パワーアンプを使用して下さい。ダイレクト・
アンプ・プロファイルならば、ソリッドステート・パワーアンプでも真空管パワーアンプと同じ振る舞いを再現できま
す。真空管パワーアンプを使うとむしろ矛盾した状態になってしまいます。真空管アンプ独特の振る舞いが二重に作用す
ることになるからです。かえって心地よい低域と高域がプラスされることになる場合もありますが、リファレンス・アン
プを忠実に再現するという観点からは避けた方が良いでしょう。
アンプおよびキャビネットのプロファイル 157
ここで真空管パワーアンプとソリッドステート・パワーアンプの違いについて説明しておいたた方が良いでしょう。一般
的に真空管パワーアンプは芸術的とも言える独特な特性を持っていると言えますが、その周波数特性は決してリニアでは
ありません。ソリッドステート・アンプはリニアな周波数特性を得るために設計され、実際にフラットな特性を持ってい
ます。またソリッドステート・アンプは出力インプーダンスが低く、スピーカーの共鳴によるダンピングが低く抑えられ
ていますが、真空管アンプはそのような振る舞いをせずスピーカーをフルに響かせますので、スピーカーの反応がアンプ
の動作にも影響を与えます。アンプとスピーカー(キャビネット)がお互いに影響し合うため、真空管アンプとスピーカ
ーはその組み合わせによってサウンドが異なるため、「アンプとキャビネットの相性」が話題になるのです。プロファイ
ルには、ギターアンプとスピーカーがどのように影響し合うのかもキャプチャーされています。スタジオ・プロファイル
には、リファレンス・アンプのアンプとスピーカーの組み合わせによる結果がキャプチャーされています。従ってその再
アンプおよびキャビネットのプロファイル 158
生においては、これ以上余分な色付けをしないリニアな再生システム、すなわちソリッドステート・アンプとフルレンジ
のスピーカーが理想と言えるのです。
MIDI 159
MIDI
PROFILER Player は、USB ポートを通じて MIDI 信号を送受信しますので、5pin DIN の MIDI イン/アウト端子のみを備
えた MIDI コントローラーを使用する場合は、USB MIDI インターフェイスが必要です。MIDI コントローラーの MIDI アウ
トを MIDI インターフェイスの MIDI インに接続し、USB MIDI インターフェイスの USB 端子を PROFILER Player の USB
タイプ A のポートに接続してください。「Uno4Kemper」のように、MIDI 双方向通信を使用するコントローラーの場合
は、同時に USB MIDI インターフェイスの MIDI アウトをコントローラーに MIDI インに接続する必要があります。
ワンウェイまたは双方向の MIDI 接続
コンティニュアス・コントローラー
下表の MIDI コントロール・チェンジを MIDI ペダルやシーケンサーから送信することで、各コントロール・ナンバーに対
応した機能をコントロールすることができます。モーフ、ワウ、ボリューム、ピッチは、本体に接続したペダルだけでは
なく、MIDI を通じてコントロールすることも可能です。バリューのレンジは 0 から 127 です。ミニマムやマキシマム・バ
リューを設定することでレンジを限定することもできますが、モーフィングやワウ、ピッチやボリュームは、エフェクト
のパラメータや「Volume Pedal Settings」によって設定できるため、レンジを設定する必要は無いでしょう。
エフェクトのスイッチ
MIDI コントロール・チェンジで、ストンプやエフェクトのオン/ オフの他、チューナー・モードへの切り替えなども行え
ます。1 以上のバリュー即ち 1〜127 でオン、バリュー=0 でオフになります。以下のように、「長押し」によって別の動作
を起動する機能もコントロール可能です:
「長押し」を動作させるためには、コントローラーのスイッチを押したときと放したとき、それぞれのタイミングで MIDI
信号を送信させる必要があります。つまりスイッチを押したときに 1 以上のバリュー(1〜127)を送信し、放したときにバ
リュー=0 が送信されるように設定します。スイッチを放したときに信号を送信するという機能がないコントローラーで
は、残念ながら「長押し」のコントロールはできません。そのような場合は、スイッチを押したときにバリュー=0 を送信
するようにして「長押し」の誤動作を避けて下さい。
#35 Freeze:ディレイのフリーズをオン/オフ(バリューを受信するたびにオン/オフをトグル)
NRPN
MIDI コントロール・チェンジによるコントロールの対象は、ナンバーが割り当てられる 128 種類までという制約がありま
すが、PROFILER シリーズは 400 以上のパラメーターを持っているため、全てのパラメーターを MIDI コントロール・チ
ェンジだけで制御することができません。MIDI には機能が定義されているコントロール・チェンジの他に、自由に機能を
割り当てられる NRPN (Non Registered Parameter Numbers)という制御用信号が用意されています。NRPN を使えば、最
大 16,384 種類のパラメーターを 163,384 ステップ(14 bit)のレゾリューションでコントロールすることが可能です。
PROFILER は、この NRPN (Non Registered Parameter Numbers)に対応していますので、ほぼ全てのパラメーターを MIDI
でコントロールすることができます。
トラブル・シューティング
この章では、様々なトラブルやエラーを回避、解決していただくためのヒントをご提供します。このマニュアルでカバー
されていないような内容は、ケンパーのウェブサイトのサポート・ページやフォーラムを参照されることをお勧めしま
す。また、システム・ファームウェアは、同じくケンパーのウェブサイトから常に最新のバージョンを入手されることも
あわせてお勧めします:
www.kemper-amps.com/downloads
正しく機能しない場合
ファクトリー・リセット
カスタマー・サポート
これらの他にご不明な点やお困りの点がある場合は、電話または e-mail でお問い合わせください。ケンパーのウェブサイ
トには、ホットラインの詳しい情報と、e-mail でお問い合わせいただくフォームが用意されています:
www.kemper-amps.com/contact
お問い合わせの際には、ご使用の OS バージョンおよびリビジョン・ナンバーと、お困りの内容やエラーを再現する方法
を必ずお知らせください。
トラブル・シューティング 167
製品仕様 168
製品仕様
外形寸法
重量
アナログ・インプット
アナログ・アウトプット
コントロール端子およびデータ・インターフェイス
USB: USB 2.0 (FS) 互換, USB type A および USB type B 端子
USB MIDI
USB オーディオ
プロファイラーステージの Wi-Fi
Bluetooth®
オーディオ再生
製品仕様 170
電源
環境要件
相対湿度:5% 〜 95%
適合規格