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ケンパー・プロファイラー・プレイヤー
メイン・マニュアル 11.0
免責事項、商標について 2

免責事項、商標について
本マニュアルおよび本マニュアルに記載のソフトウェアおよびハードウェアは、使用許諾契約に基づいて使用されるもの
であり、使用および複製は当該使用許諾契約の条項に準じます。また本マニュアルの内容は、本機の機能を説明するため
にのみ記載されるものであり、予告なく変更されることがあるとともに、本マニュアルの内容は KEMPER 社 (Kemper
GmbH) が確約したものとは解釈されません。

KEMPER 社 (Kemper GmbH) は、本書の誤記等に関し一切の責務を負いません。また本書の使用許諾契約で許可される範


囲以外の内容に関する複製および検索システムへの登録、または電子的手段、機械的手段、録音および録画、撮影、狼
煙、その他いかなる手段における送信も、KEMPER 社 (Kemper GmbH) の書面による事前許諾がない場合、これを行うこ
とはできません。

KEMPER™、PROFILER™、PROFILE™、PROFILING™ , PROFILER PowerHead™, PROFILER PowerRack™,


PROFILER Stage™, PROFILER Player™, PROFILER Remote™, KEMPER Kabinet™, KEMPER Power Kabinet™,
KEMPER Kone™, KEMPER Rig Exchange™, KEMPER Rig Manager™, PURE CABINET™, CabDriver™, KEMPER Liquid
Profile™ は KEMPER 社 (Kemper GmbH) の商標です。また本機の外観および仕様は、予告なく変更されることがありま
す。

(2023 12 月)

© Copyright 2023 Kemper GmbH. All rights reserved.


www.kemper-amps.com
目次 3

目次
免責事項、商標について 2
目次 3
メイン・マニュアルについて 10
クイック・スタート 11
フット・スイッチ 1, 2, 3 (1) 12
BANK ボタン (2) 13
Rig ボタン 1-5 (3) 14
INPUT(インプット)LED (4) 15
TAP/ TUNER ボタン (5) と TUNER LEDs (6) 15
GAIN (ゲイン) ノブ (7) 16
EQ ノブ (8) 16
RIG VOLUME(Rig ボリューム)ノブ (9) 16
FX 1/2 のボタンとノブ(11) 17
Bluetooth® ボタンと ボタン(12) 18
KONE ボタン (13) 18
Input:インプット(14) 19
MONITOR OUTPUT:モニター・アウト (15) 19
MAIN OUTPUT:メイン・アウト (16) 19
HEADPHONES OUTPUT:ヘッドホン・アウト (17) 20
PEDAL INPUT:ペダル・インプット (18) 20
USB ポート (19) 20
Power:電源 (20) 21
Kensington® Lock:ケンジントン・ロック(21) 21
目次 4

KEMPER Rig Manager:リグ・マネージャ 22


Rig Manager for Windows®、for macOS® 24
Rig Manager for iOS®、for Android®/Fire OS® 25
Bluetooth®と Wi-Fi 28

リグの構成とシグナル・チェイン 31
Input インプット)セクション 32
Effect モジュール 33
Effect 選択 34
Effect モジュールをクリアする 34
Load Type:Effect Type を読み込む 35
Stack(スタック)セクション 35

基本的なセットアップ 36
チューナーを使う 40
Rig メニュー 41
Panorama:パノラマ 41
Transpose:トランスポーズ 41
Rig Volume:リグ・ボリューム 42
Tempo:テンポ機能を有効にする 43
TAP:タップ・テンポ 44
MIDI クロック 44

Volume Pedal Settings:ボリューム・ペダルの設定 45


FX 1/ FX 2 に機能をアサインする 45
Effect Button I-IIII をアサインする 46

Tagging:タグ情報 47
KEMPER Kone:ケンパー・コーン 48
KEMPER Kone Mode:ケンパー・コーン・モード 49
目次 5

重要な追加情報 52
KEMPER Power Kabinet:ケンパー・パワーキャビネット 54
外部パワーアンプでノンパワーの KEMPER Kabinet を駆動する 56

OUTPUT: アウトプット/マスター・セクション 57
Output Volumes:アウトプット・ボリューム/Output Volume Links:アウトプット・ボリューム・リンク
57
Output Source:各アウトプットの出力内容(ソース)を設定する 58
MAIN OUTPUT:メインアウト 62
MONITOR OUTPUT:モニター・アウトプット 62
Output Filters:アウトプット・フィルター 62
Space:スペース 63
Constant Latency:コンスタント・レイテンシー 63

USB Audio:USB オーディオ機能 64


エクスプレッション・ペダルとフット・スイッチ 68
ペダル・コントローラー 68
推奨エクスプレッション・ペダル 70
エクスプレッション・ペダルを接続する 70
ケンパー・プロファイラー・スイッチの接続 71
市販のシングルまたはデュアル・スイッチの接続 71

ボリューム・ペダルに関する設定 72

STACK:スタック・セクション 74
AMPLIFIER:アンプリファイアー・モジュール 74
CABINET:キャビネット 76

EFFECTS:エフェクト・モジュール 77
Wah Wah:ワウ(オレンジ) 81
Distortion (赤) 84
目次 6

Booster (赤) 86
Equalizer:イコライザー (黄) 87
Graphic Equalizer:グラフィック・イコライザー 87
Acoustic Simulator:アコースティック・シミュレーター 88
Double Tracker:ダブルトラッカー 90

コンプレッサー (シアン) 91
ノイズ・ゲート・ストンプ (シアン) 93
Noise Gate 2:1:ノイズ・ゲート レシオ 2:1 93
Noise Gate 4:1:ノイズ・ゲート レシオ 4:1 93

コーラス (青) 94
Vintage Chorus:ビンテージ・コーラス 94
Air Chorus:エア・コーラス 96
Vibrato:ビブラート 97
Rotary Speaker:ロータリー・スピーカー 98
Tremolo:トレモロ 100

フェイザー、フランジャー (紫) 101


Phaser:フェイザー 101
Flanger:フランジャー 102

ピッチ・シフター (緑) 103


Analog Octaver:アナログ・オクターバー 104

ディレイ (緑) 105


Single Delay:シングル・ディレイ 113
TwoTap Delay:2タップ・ディレイ 114
Legacy Delay:レガシー・ディレイ 115

リバーブ(緑) 116
Spring Reverb:スプリング・リバーブ 120
目次 7

Easy Reverb:イージー・リバーブ 121


Echo Reverb:エコー・リバーブ 122
Legacy Reverb:レガシー・リバーブ 122

System Settings:システム設定 123


ベース・プレーヤーのための機能 129
アップデート、バックアップ、リグの共有 131
ファームウェアのアップデート 131
バックアップの作成 134
バックアップのリストア 134
Importing and Exporting Rigs and Presets 135
データの互換性 136

アンプおよびキャビネットのプロファイル 138
アンプとキャビネットを切り分ける CabDriverTM 138
アンプやキャビネットを入れ換える 139
ダイレクト・プロファイル 140
ダイレクト・アンプ・プロファイル 142
キャビネット・インパルス・レスポンス 143
スタジオ・プロファイルとダイレクト・アンプ・プロファイルをマージする 144
KEMPER Liquid Profiles:リキッド・プロファイル 145
さらに詳細な情報 146
リキッド・プロファイルのその他の情報 151

ギター・キャビネットのサウンド、それをマイキングしたサウンド 152
PURE CABINET:ピュア・キャビネット 154
Monitor Cab Off:CABINET をバイパスしてギター・キャビネットをドライブする 156
MIDI 159
コンティニュアス・コントローラー 160
エフェクトのスイッチ 161
目次 8

MIDI による Rig の切り替え 163


MIDI Global Channel:MIDI グローバル・チャンネル 164
MIDI Clock:MIDI クロック 164
NRPN 164
トラブル・シューティング 165
カスタマー・サポート 166

製品仕様 168
目次 9

メイン・マニュアル
メイン・マニュアル 10

メイン・マニュアル
KEMPER PROFILER PlayerTM のメイン・マニュアルへようこそ!メイン・マニュアルという表記の後に続く数字は、こ
のマニュアルが対象とするオペレーションシステム(以下:OS)のバージョン・ナンバーです。PROFILER シリーズ全て
の機種は共通の OS によって動作します。PROFILER PlayerTM は Ver.11 からスタートです!

このメイン・マニュアルは、PROFILER Player 本体のフロント・パネルとリア・パネルの説明に続き、シグナル・チェイ


ンの構成とその内容を全てを抱合するデータ:Rig について解説しています。全てのパラメーターの機能や効果から、本体
操作およびデータ管理/エディターソフトウェアの Rig Manager を使ったエディットの手順をカバーしています。

「Rig Manager for iOS®」は Apple® App Store からダウンロードできます。

「Rig Manager for Android®」は Google® Play Store からダウンロードできます。

「Rig Manager for Amazon Fire OS®」は Amazon® Appstore からダウンロードできます。

Windows® または macOS® 版の Rig Manager は、以下のリンクからダウンロードしてください:


www.kemper-amps.com/downloads
クイック・スタート 11

クイック・スタート

PROFILER Player™のフロント・パネル

PROFILER Player™のリア・パネル
クイック・スタート 12

この章ではスイッチやボタンのデフォルト設定の機能について説明していますが、各操作子の機能は Rig Manager の


Editor を使ってカスタマイズすることも可能です。

フット・スイッチ 1, 2, 3 (1)
3つのフット・スイッチは、3つの独立したスイッチまたは2組のコンボ(複機能)・スイッチとして使用することがで
きます。機能のアサインは Rig Manager の Editor で設定します。各スイッチのデフォルト設定は以下の通りです:

1 Rig Previous– Rig が左方向に1ステップづつ切り替わります。全ての Bank 内の Rig がローテーシ


ョンします。BANK ボタンと Rig ボタン 1〜5 の LED が、進行方向を示します。

2 Effect Button I – アサインされた Effect モジュールのオン/オフを切り替えます。アサインするモジ


ュールはリグ毎に設定可能です。短く踏むとラッチ、踏み続けるとモーメンタリー動作になりま
す。右の LED は色によってエフェクトの Type を示し(color code)、左の LED はオン/オフの状
態を示します。

3 Rig Next – Rig が右方向に1ステップづつ切り替わります。

✓1つのスイッチに2つの機能をアサインしている場合、一方の機能の動作はスイッチから足を離した時に始まりますので
ご注意ください。例えばリグの切り替えの場合、スイッチを踏んだ瞬間ではなく足をはなしたときにリグが切り替わりま
す。1つの機能のみをアサインしている場合はスイッチを踏むと同時に動作が始まります。踏んだ瞬間に動作させる必要
がある場合は、1つのスイッチに1つの機能のみをアサインしてください。上記のデフォルト設定は全てそのようになっ
ています
クイック・スタート 13

BANK ボタン (2)


このボタンで 10 個のバンクを選択(ローテーション)します。選択された Bank ナンバーは LED の色により識別すること
ができます:

Bank 1 左の LED のみ青

Bank 2 左の LED のみ黄

Bank 3 左の LED のみ赤

Bank 4 左の LED のみ緑

Bank 5 左の LED のみ紫

Bank 6 右の LED のみ青

Bank 7 右の LED のみ黄

Bank 8 右の LED のみ赤

Bank 9 右の LED のみ緑

Bank 10 右の LED のみ紫


クイック・スタート 14

Rig ボタン 1-5 (3)


このボタンで、選択中の Bank 内の5つの Rig から任意の1つを選択します。ボタンの上の LED が薄く点灯することで、
選択可能な Rig があることを示します。LED が明るく点灯しているボタンの Rig が発音可能です。

選択中で発音可能な Rig はゲインや EQ などをエディットすることができます。エディットした内容は Rig ボタンを長押


しすることで保存されます。

選択中の Rig をエディット後、別の Rig ボタンを長押しすると、そのボタンの Rig に上書きすることができます。BANK


ボタンで別の Bank に移動し、その Bank 内の Rig を上書きすることも可能です。
クイック・スタート 15

INPUT(インプット)LED (4)
入力信号のレベルを LED の色で示します。

TAP/ TUNER ボタン (5) と TUNER LEDs (6)


TAP/ TUNER ボタンを短く押すと Tap Tempo がトリガーされます。

3つの TUNER LED は常に機能していますので、チューナー・モードに切り替えなくてもチューニングを確認することが


できます。チューニングがずれている場合は外側の LED が点灯し、正しい状態に近づくと中央の LED が点灯し始めます。

厳密なチューニングを行いたい場合は、TAP/ TUNER ボタンを長押ししてチューナー・モードに切り替えてください。チ


ューナー・モードでは中央に横並びになった LED がチューニングの状態を示します。グローバル・パラメーターの
「Tuner Mute」をオンにしておくと、チューナー・モードのときにアウトプットがミュートされ、音を出さずにチューニ
ングすることができます。

TAP/ TUNER ボタンの機能は、本体のフット・スイッチや外部スイッチ(アナログのモメンタリースイッチ)にアサイン


することもできます。また MIDI 信号によってトリガーすることも可能です。
クイック・スタート 16

GAIN (ゲイン) ノブ (7)


GAIN ノブは歪み具合を調整します。クリーンからハイゲインまで、オリジナル・アンプの限界をも超える広いレンジをカ
バー。例外:リキッド・プロファイルにおける GAIN ノブの動作範囲は、選択したアンプ・モデルの範囲になります。例
外:KEMPER Liquid Profile™の場合、GAIN ノブの動作範囲は選択した「Amp Model」にプログラムされた範囲になりま
す。

Rig パラメーターの「Gain」は、あらゆる段階でのゲイン・リダクションを補完します。どのアンプ・プロファイルにおい
てもゲインを「0」にすることができます。歪んだアンプのプロファイルでも「Gain」を0にすると、歪んでいる状態と
同じ音量で歪みやコンプレッションの無い音になります。

GAIN ノブを押しながら回すと、Input セクションの「 Noise Gate」のコントロールになります。

EQ ノブ (8)
EQ(通称:トーン・スタック)は、ギターアンプには不可欠のパートです。 PROFILER Player のフロントパネルには
BASS、MIDDLE、TREBLE の各ノブが配置されています。「Presence」は Amplifier モジュールの中にパラメーターがあ
ります。

RIG VOLUME(Rig ボリューム)ノブ (9)


RIG VOL ノブは、選択されている Rig の「Rig Volume」をコントロールします。グローバル・パラメーターの MASTER
VOL に対し、「Rig Volume」は Rig ごとの音量をコントロールします。詳しくは「Rig Volume」の章をご参照ください。

このノブを押しながら回すと、 Bluetooth® ならびに USB オーディオの再生音量「DAW Volume」をコントロールするこ


とができます。
クイック・スタート 17

MASTER VOLUME (マスター・ボリューム) ノブ (10)


MASTER VOLUME ノブは、各種アウトプット最終段のボリュームをコントロールします。リグを切り替えても変化しな
いグローバル・パラメータです。また音色には影響を与えず、純粋に音量だけをコントロールします。

デフォルト設定では、ヘッドホンを含む全てのアウトプットが MASTER VOL ノブにリンクしていますので、MASTER


VOLUME ノブで同時にコントロールされます。これらのリンクは、Rig Manager(Editor)の Output セクションにある
「Output Linked」ボタンでオン/オフすることができます。

FX 1/2 のボタンとノブ(11)
FX1 と FX2 には、Rig に含まれる Effect モジュールのうちの任意の2つをアサインすることができます。例えばモジュー
ル A と DLY というように。

ボタンはアサインされたモジュールのオン/オフ・スイッチになります。LED の点灯または消灯でそのオン/オフ状態を
示します。

各ノブは、例えば「Delay Mix」と「Delay Feedback」というように最大2つのパラメーターをコントロールすることがで


きます。ノブを押しながら回すと2つ目のパラメーターのコントロールになります。

モジュールや機能のアサインは、Rig Manager の Editor で設定することができます。

✓GAIN ノブや RIG VOL ノブを回している時、中央にある横並びの LED が白く点灯し、点灯/消灯の位置を変えることでパ


ラメーター値の目安を示します。ノブを押しながら回して2番目のパラメーターをコントロールする場合も同様です。

✓パラメーターを変えることなく現在の設定値を確認したい場合は、ノブを短く押してください。2番目のパラメーターの
値を知りたい場合は、ノブを長押ししてください。
クイック・スタート 18

Bluetooth® ボタンと ボタン(12)


このボタンを短く押すと Bluetooth®によるオーディオ通信が可能になります。接続機器検索中は青色で点滅し、パソコン
やスマートホンとの接続が完了すると青色の点灯に変わります。PROFILER Player 起動時は Bluetooth®が必ずオフになり
ますが、過去に接続履歴のある機器が近辺にある場合は、ボタンを押すと直ぐに自動的に接続されます。

ボタンを長押しすると Wi-Fi がオンになり、ボタンが緑色に点灯します。Bluetooth®と Wi-Fi がどちらもオンの場合はボタ


ンが紫色に点灯します。Wi-Fi をオンにしたら、PROFILER Player 本体に添付されたステッカーに印刷された QR コード
をスマートホンやタブレットでスキャンしてください。接続が完了すれば、iOS®や Android®または Fire OS®対応の Rig
Manager でのエディットが可能になります。

ボタンを押し続けると、Bluetooth®と Wi-Fi が両方ともオフになります。.

既存の Wi-Fi ネットワークに PROFILER Player を組み込む方法は後の章で説明します。

KONE ボタン (13)


KONE ボタンを長押しすると KEMPER Kone モードがオンになり、 KEMPER Power Kabinets™ が使用できます。
KEMPER Power Kabinet は、Monitor Output に、スピーカー・ケーブルではなくオーディオ・ケーブルで接続してくださ
い。 KEMPER Kone モードがオンの状態でボタンを短く押すと、「Full-range」モード(ボタンが白く点灯)と「Speaker
Imprint」モード(ボタンが赤く点灯)がトグルします。

この状態からさらに長押しすると、ボタンがオレンジに点灯します。この状態は、KEMPER Kone モードはオフ、Monitor


Output への信号は Cabinet モジュールがバイパスされるという設定になります。KEMPER Power Kabinet ではなく、外部
パワーアンプ経由でギターキャビネットをドライブする場合はこの設定にし、Monitor Output に外部パワーアンプとギター
キャビネットを接続してください。
クイック・スタート 19

Input:インプット(14)
ギターやベースその他の楽器を接続するジャックです。

MONITOR OUTPUT:モニター・アウト (15)


1台または2台の KEMPER Power Kabinet™またはスタジオ・モニター等を使用する場合は、この端子に接続してくださ
い。出力レベルは Rig Manager の Output セクションで設定します。

外部パワーアンプ経由で一般的なギターキャビネットをドライブする場合もこの端子を外部パワーアンンプに接続してく
ださい。その場合は KONE ボタンがオレンジ色に点灯するまで長押し、Monitor Output への出力のみ PROFILER Player の
キャビネット・シミュレーションをバイパスする「Cabinet off」を有効にしてください。これにより PROFILER のキャビ
ネット・シミュレーションと実際のギターキャビネットによる重複を避けることができます。

MAIN OUTPUT:メイン・アウト (16)


この XLR 端子のバランス出力が Main Output です。コンサートやレコーディングの際は、この端子をメイン・ミキサーに
接続してください。Main Output には Rig のシグナル・チェイン全てを通過したサウンドが出力されます。ミキサー等から
供給される場合のある 48V ファンタム電源はプロテクトされますが、PROFILER には不要ですので、ミキサー側で供給オ
フにしておくことをお勧めします。

Rig Manager(Editor)の Output セクションには、この出力のレベルを設定するパラメーターがあります。

✓ここで説明は標準的なセッティングをベースにしていますが、モニター・アウトやメイン・アウトの出力内容(ソース)
は、それぞれ個別に設定することができます。例えば Main Output の出力をアンプ直後、つまりステレオ・エフェクト無
しのサウンドにしたり、あるい PROFILER のプロセスを通過しない DI ギターシグナルにするなどの設定が、Rig Manager
(Editor)の Output セクションにあります。
クイック・スタート 20

HEADPHONES OUTPUT:ヘッドホン・アウト (17)


1/4 インチのステレオ・プラグが挿し込めるヘッドホン・ジャックです。

PEDAL INPUT:ペダル・インプット (18)


エクスプレッション・ペダルやフット・スイッチを接続する端子です。フット・スイッチはモーメンタリー・タイプであ
れば、シングル・スイッチでも KEMPER Switch のようなデュアル・スイッチでも使用できます。セットアップ方法や使
用するケーブルについては「エクスプレッション・ペダルとフット・スイッチ」の章で詳しく説明されています。

デフォルトでは、エクスプレッション・ペダルでワウとボリュームをコントロールできる設定になっています。

USB ポート (19)


タイプ A のポートは、USB メモリーの接続に使用します。USB メモリーを使用してデータのバックアップや OS アップデ
ートを行うことができます。詳しくは「アップデート」「バックアップ」「データ共有」の章をご参照ください。

PROFILER Player をパソコンと接続して KEMPER Rig Manager™を使用したり、USB オーディオを利用する場合は、


PROFILER Player 側のタイプ B のポートとパソコン側のタイプ A またはタイプ C のポートを接続してください。

✓USB 接続による MIDI の送受信も可能ですので、外部 MIDI 機器に接続されたペダルやフット・スイッチで PROFILER


Player をコントロールすることもできます。MIDI 端子しか持たない機器を使用する場合は USB/ MIDI インターフェイスが
必要です。但しインターフェイスによっては MIDI システム・エクスクルーシブの送受に制限があるものもあり、その場合
は PROFILER Player の一部しかコントロールできない可能性がありますのでご注意ください。
クイック・スタート 21

Power:電源 (20)
PROFILER Player に付属のパワーサプライを接続してください。

Kensington® Lock:ケンジントン・ロック(21)
盗難防止用のケンジントン・ロックを使用できます。
KEMPER Rig Manager:リグ・マネージャ 22

KEMPER Rig Manager:リグ・マネージャ


KEMPER Rig Manager™は、PROFILER シリーズ専用のエディター兼ライブラリアン・ソフトウェアです。PROFILER の
エディットや Rig、Preset の管理はもちろん、OS を常に最新版に保てるようにアシストします。

KEMPER Rig Manager for macOS® 並びに for Windows® の画面


KEMPER Rig Manager:リグ・マネージャ 23

 Locations:ロケーション (1)

画面左のコラムを「Location」と呼びます。「Location」には、接続された PROFILER ならびに Rig Exchange や、ローカ


ルストレージや USB メモリーにあるフォルダー、Backup アーカイブなど、Rig Manager でアクセスできる全ての Rig や
Performance*の収納先が表示されます。「Location」の中の収納先を選択すると、中央のコラムにその中の Rig や
Performance*の一覧(List)が表示されます。

 List :リスト(2)

Rig や Preset、Performance*の一覧が表示されます。選択したアイテムの試奏やエディット、移動などが行えます。

* PROFILER Player には Performance という枠組みはありません。

 Inspector:インスペクター (3)

画面右のコラムを「Inspector」と呼びます。「Inspector」には、選択中の Rig に関する情報が表示されます。情報を入力


したりエディットすることもできます。

 Editor:エディター (4)

接続されている PROFILER にロード中の Rig や Bank のパラメータをグラフィカルに表示します。そのため Editor は、


PROFILER が接続されているときにのみ表示されます。パラメーターはマウスを使ってエディットすることができます。
Preset を適合するモジュールにドラッグ&ドロップすると、その内容が反映されます。

「Store …」ボタンをクリックすることで、エディットした Rig を、PROFILER Player または Local Library に保存するこ


とができます。
KEMPER Rig Manager:リグ・マネージャ 24

Rig Manager for Windows®、for macOS®


1本の USB ケーブルで PROFILER とパソコンを接続しておくだけで、Rig Pack や Rig Exchange から Rig をインポート
したり、PROFILER にロード中の Rig や Bank をエディットすることができます。PROFILER の OS を常に最新版に保つ
機能も備えています。

RIg Manager、USB オーディオ、USB MIDI を使用する場合は、 PROFILER の USB ポートタイプ B を、パソコンの USB
ポートタイプ A またはタイプ C に接続してください。

Rig Manager for Windows®、for macOS®は、ケンパーのウェブサイトから無償でダウンロードできます::


www.kemper-amps.com/downloads

✓Rig Manager for Windows®/ macOS®のマニュアルは、ソフトウェアの「Help」から開くことができます。


KEMPER Rig Manager:リグ・マネージャ 25

Rig Manager for iOS®、for Android®/Fire OS®


iOS®または Android®/Fire OS®対応のタブレットやスマートホンから Rig をエディットすることができます。

KEMPER Rig Manager for iOS® / Android ® / Fire OS®の Editor 画面(タブレット使用時)
KEMPER Rig Manager:リグ・マネージャ 26

KEMPER Rig Manager for iOS® / Android ® / Fire OS®の Bank 画面 (タブレット使用時)
KEMPER Rig Manager:リグ・マネージャ 27

KEMPER Rig Manager for iOS® / Android ®の Editor 画面と Browser 画面(スマートホン使用時)

Rig Manager for iOS® は Apple® App Store から、Rig Manager for Android®は Google® Play Store から、Rig Manager for
Amazon Fire OS®は Amazon® Appstore から、それぞれ無償でダウンロードできます。
KEMPER Rig Manager:リグ・マネージャ 28

Bluetooth®と Wi-Fi
PROFILER Player は Bluetooth®および Wi-Fi に対応しています。いずれかの方法でタブレットやスマートホンと接続し、
iOS®または Android®版の Rig Manager を使用することができます。Wi-Fi 接続は2つの接続方法すなわち「Home
Network Mode」「Access Point Mode」から選択可能です。

 Bluetooth®

Bluetooth®で接続し、オーディオの送受信ができます:

• PROFILER Player の Bluetooth®/Wi-Fi ボタンを押すと、ボタンが青色で点滅を始めます。

• タブレットやスマートホンの Bluetooth®デバイスのリストに表示される PROFILER Player を選択すると、PROFILER


Player のボタンが点滅から点灯に変わり、接続が完了します。

PROFILER Player の電源を切ると Bluetooth 接続は切断され、次回起動時は接続されていない状態になりますが、接続履


歴のあるタブレットやスマートホンが近辺にあれば、Bluetooth/ Wi-Fi ボタンを押すだけで自動的に接続が再現されます。
KEMPER Rig Manager:リグ・マネージャ 29

 Wi-Fi Access Point モード

PROFILER Player は、Wi-Fi ホットスポットになりますので、タブレットやスマートホンをピアツーピアで接続すること


ができます。

安定的で信頼できる Wi-Fi ネットワークが無い状況では、この方法で接続してください。

PROFILER Player を Wi-Fi ホットスポット化する手順は以下のとおりです:

• PROFILER Player の Bluetooth®/Wi-Fi ボタンが緑色に点灯するまで押し続けます。もし先にに Bluetooth®接続が確立して


いる場合は紫色に点灯します。

• PROFILER Player 本体に貼付されているステッカーに印刷された QR コードを、タブレットまたはスマートホンでスキャ


ンしてください。

• 接続が完了したら、 Rig Manager for iOS®または Rig Manager for Android®/Fire OS®で PROFILER Player をコントロー
ルすることが可能になります。
KEMPER Rig Manager:リグ・マネージャ 30

 Wi-Fi Home Network モード

このモードは、既にある Wi-Fi ネットワークを利用します。

この方法は家庭やスタジオに安定的な Wi-Fi ネットワークがある場合にお勧めです。ブリッジ等による広範囲なネットワー


ク環境がある場合は、PROFILER Player 本体とタブレットやスマートホンが離れた場所にあっても使用することが可能で
しょう。

PROFILER Player と Wi-Fi ネットワークの接続には、Rig Manager for Windows®または macOS®による操作が必要です。


予め PROFILER Player とパソコンの USB 接続を確立しておいてください。ネットワーク接続の設定は、Rig Manager for
Windows®または macOS®の System セクションの中にあります。

 接続をリセットする

Bluetooth®/Wi-Fi ボタンを約 15 秒間押し続けると、Wi-Fi 接続と Bluetooth®接続がリセットされ、Access Point モードに


戻ります。
リグの構成とシグナル・チェイン 31

リグの構成とシグナル・チェイン

Rig の構成とシグナル・チェイン

プロファイリングしたギターアンプと複数の内蔵エフェクトの組み合わせをリグと呼びます。

Rig のシグナル・チェインはギターInput から始まり、2つの Effect モジュールに続いてギターアンプに相当する STACK


セクション、さらに続く2つの Effect モジュール(ステレオ)で構成されています。信号はこの後 Output セクションに送
られます。PROFILER Player の内部も同じように左から右へ流れにています。

PROFILER Player には5つの Rig からなる Bank を 10 個ストアしておくことができます。

Rig をエディットすると、Rig Manager 上のハイライトが緑から赤に変わり、その Rig がエディットされていることを示し


ます。まだこの時点では変更内容は一時的なもので、ストアする前に別の Rig を選択すると破棄されます。Editor の右下に
あるボタンをクリックすると変更内容がストアされ、ハイライトが緑に戻ります。

PROFILER Player 本体にストアされている合計 50 個の Rig は、Bank ボタンや Rig ボタンまたはフット・スイッチを使っ


て呼び出すことができます。Rig Manager 上の Rig Name をダブルクリックすることでも、その Rig を PROFILER Player
本体に呼び出すことも可能です。
リグの構成とシグナル・チェイン 32

本体上に呼び出した Rig については、フロント・パネルの GAIN ノブでゲインをコントロールできます。ゲインの設定は


ノブの周りの LED で表示されます。BASS/ MIDDLE/ TREBLE ノブで音色をエディットすることも可能です。さらに Rig
Manager の Editor 上にはそれ以外の様々なパラメーターも表示され、それぞれエディットすることが可能です。

Input インプット)セクション
Rig Manager の Editor に表示されたシグナル・チェインの最初にある Input ボタンをクリックすると Input セクションのパ
ラメーターが表示されます:

 Clean Sens (クリーン・センス)

ギターの出力レベルは、ピックアップの種類や弦のゲージにより様々に異なります。例えばバムバッカーはシングル・コ
イルより高出力なのはご存知でしょう。もしクリーン・サウンドの音量がディストーション・サウンドに比べて大きすぎ
る、または小さすぎると感じたら、「Clean Sens」で調整してください。「Clean Sens」は、アンプやエフェクトの歪み
を増減すること無くクリーン・サウンドの音量をコントロールします。ギターのボリュームを押さえた時にはよりクリー
ンなサウンドになり、ボリュームを上げると思いどおりにホットに歪むという反応を引き出すことができるでしょう。

LED が赤く点滅するような極端に出力の大きなギターでは、美しいクリーン・サウンドが出しにくい場合があります。そ
のような場合は「Clean Sens」で調整するとよいでしょう。ディストーション・サウンドにおいては、インプットのクリ
ッピングはマスキングされてしまうので、神経質になる必要は無いでしょう。

✓「Clean Sens」は単なるインプット・ゲインのコントロールではありません。歪んだサウンドにおいては、「Clean
Sens」を操作しても音色が変化しないことに気づくでしょう。

Input セクションや「Clean Sens」については、ケンパー・ホームぺージにあるチュートリアル・ビデオをご参照くださ


い:
www.kemper-amps.com/video
リグの構成とシグナル・チェイン 33

 Input Noise Gate:Input セクションのノイズゲート

Input セクションの「Noise Gate」は、極めてスマートな方法でギターのノイズやハムを除去します。ノイズやハムがちょ


うど聞こえなくなる位置まで「Noise Gate」ノブを右に回してください。その位置よりも右に回すとギターの音色や鳴り
方に影響が出てしまう可能性がありますのでご注意ください。正しい位置にセットすると、ギターが鳴っている間もノイ
ズやハムがなくなっていることに気がつくでしょう。一般的なノイズゲートにある「リリース」などの設定は不要です。

PROFILER Player 本体の GAIN ノブを押しながら回すことでも、この「Noise Gate」を設定することが可能です。

「Clean Sens」と同じく、この Input セクションの「Noise Gate」も Rig パラメーターとして Rig ごとに設定し、ストア


することができます。また Input セクション全ての設定を Preset として保存することも可能です。

メタル系のサウンドの場合は、これに加えてエフェクターの Noise Gate もアサインすることをお勧めします。エフェクタ


ーの Noise Gate については別の章で詳しく説明していますので、そちらをご参照ください。

✓Input セクションの「Noise Gate」の使い方は、以下のリンク先にあるチュートリアル・ビデオもご参照ください:


www.kemper-amps.com/video

Effect モジュール
Rig ごとに4つの Effect モジュールが使えます。 最初の2つ、「A」「B」 はモノラルで、STACK セクション(Amplifier
と Cabinet)の手前に配置されています。ディストーションやワウなどをアサインすると良いでしょう。STACK セクショ
ンの後ろにはさらに2つの Effect モジュールがあり、「DLY」「REV」と名付けられています。この2つはステレオで
す。全ての Effect モジュールにおいて、全ての Effect Type を使用することができますので、Rig Manager(Editor)の
Effect モジュールを右クリックすると開くコンテクスト・メニューに表示される Effect Type のリストは全て同じです。

DLY モジュール、REV モジュールは、ディレイまたはリバーブをアサインするのに最適なモジュールです。これらのモジ


ュールについては「Spillover」や Output Source の「DLY/REV Wet」機能を適用することができるからです。
「Spillover」「DLY/REV Wet」については、後の章で説明しています。
リグの構成とシグナル・チェイン 34

Effect 選択
Effect モジュール、例えば「B」をクリックして開き、左端のコンテクスト・メニューを左クリックまたは Effect モジュー
ル右クリックすると、Effect カテゴリーのリストが開きます。その中のひとつにカーソルを移動すると Effect Type のリス
トが開き、Effect Type に続いて以下の選択が可能です:

• 現在のパラメータ設定を保持したまま、Effect Type のみを読み込む:Load Type

• または Effect Type と同時にそのデフォルト設定を読み込む:Load Defaults

• またはその Effect Type を使用して作成した Preset を読み込む

• またはファクトリーPreset を読み込む

ファクトリーPreset は OS の一部として供給されます。 これらは上書きや消去ができません。ファクトリーPreset はエフ


ェクトを設定する土台として最適です。まず最初に好みに近いファクトリーPreset を読み込み、パラメータの微調整によ
って自分に必要なサウンドを作成すると良いでしょう。新しく作成したエフェクト設定を別の Rig でも使用したい場合
は、Effect モジュールから「All Presets」の下にある PROFILER Player や Local Library にドラッグ&ドロップすること
で、それぞれの場所にユーザーPreset として保存することができます。ドロップ後、Preset の名を変更することも可能で
す。

Effect モジュールをクリアする
Effect モジュールに何もアサインせず、空にしたい場合は、Effect Type のリストの一番上にある -empty- をクリックして
ください。
リグの構成とシグナル・チェイン 35

Load Type:Effect Type を読み込む


Effect Type 選択に続いて表示される Preset のリストの一番上にある Load Type を選択すると、共通するパラメータはそ
の時点の設定値が保持されたまま、選択した Effect Type のみが読み込まれます。一方 Load Default や他の Preset を読み
込むと、パラメーターは全て新しい内容に変わります。

Load Type は、例えば元々演奏曲に合わせて「Rate」や「Depth」を設定していた Phaser と同じ設定のまま、Effect Type


を Flanger に差し替えるとどんな効果が得られるかなどを試してみるといった場合に便利でしょう。

Stack(スタック)セクション
シグナル・チェインの中央には、Amplifier モジュールと Cabinet モジュールからなる Stack セクションがあります。Stack
セクションは、プロファイリングされたバーチャル・ギターアンプとバーチャル・キャビネットで構成されています。

プロファイリングにより生成されたギターアンプ・サウンド(プロファイル)のファインチューンについては、後出の
「STACK:スタック・セクション」の章をご参照ください。

Stack セクションでは、他の Rig や Preset をコピー&ペーストやドラッグ&ドロップすることにより、アンプやキャビネ


ットを自由に組み変えることができます。また Amplifier モジュールや Cabinet モジュールおよび Stack セクションは、そ
れぞれ Preset として保存することができるので、お気に入りのアンプやキャビネットを別の Rig でも活用するということ
が可能です。PROFILER Player 本体には、出荷時にいくつかの Amplifier Preset が保存されています。Rig Manager で、各
モジュールを Location の All Presets にドラッグ&ドロップすれば、User Preset として保存することもできます。
基本的なセットアップ 36

基本的なセットアップ
各機能の詳細を説明する前に、PROFILER の幅広いアプリケーションを紹介します。

これら以外にもより特化したセットアップが可能です。それらは個々の機能に合わせて後ほど詳述します。

上図は家庭内で使用する場合のセットアップ例です。PROFILER Player の音は、ヘッドホンまたはスタジオ・モニター・


スピーカーでモニターします。エクスプレッション・ペダルはワウ・ペダルとボリューム・ペダルを兼ねています。タブ
レットまたはスマートホンを Wi-Fi で接続し、Rig Manager™ for iOS® または for Android®/Fire OS® を使用します。
基本的なセットアップ 37

こちらはパソコンと PROFILER Player を USB ケーブルで接続し、USB オーディオで DAW による録音や再生と同時に


Rig Manager for Windows®または for macOS®で Rig のエディットや管理を行います。パソコンがインターネットに接続
してあれば、OS を常に最新版にアップデートしておくことができます。サウンドはホームオーディオまたはヘッドホンで
モニターします。
基本的なセットアップ 38

上図はスタジオ、即ち制作用のセットアップです。プロファイラーを USB ケーブルで PC で接続します。DAW とのやり


取り、即ちレコーディングやプレイバック、リアンプなどのオーディオ信号の送受信と同時に、リグ・マネージャーとの
データの送受が、一本の USB ケーブルで行えます。

✓PROFILER Player の USB オーディオは4イン/ 4 アウトのオーディオ・ストリームをサポートしています。


基本的なセットアップ 39

こちらはライブ・パフォーマンスを想定したセットアップです。フロントラインの PA には PROFILER Player の Main


Output の出力を送り、ステージ・モニターは Monitor Output に KEMPER Power Kabinet™.を接続しています。Rig のエデ
ィットはピアツーピアで接続したタブレットまたはスマートホン上の Rig Manager で行います。

KEMPER Power Kabinet™の代わりにフルレンジのパワード・モニターを使用することもできます。また外部パワーアンプ


(デジタルまたはトランジスター)を介してギターキャビネットをドライブしても良いでしょう。
チューナーを使う 40

チューナーを使う
フロント・パネルの3つの TUNER LED は常に機能していますので、Tuner モードに切り替えることなく素早くチューニ
ングを確認することができます。接続したギターのチューニングが合っていない場合は外側の LED が点灯します。チュー
ニングが正しい状態に近づくと中央の LED が点灯し始めます。中央の LED のみが白く点灯し、外側の LED が消灯すれば
チューニングは OK です。

さらに厳密なチューニングを行いたい場合は、TAP/ TUNER ボタンを長押しするか、Tuner モードのオン・オフがアサイ


ンされたフット・スイッチを踏んで Tuner モードに切り替えてください。「Volume Pedal」がアサインされたエクスプレ
ッション・ペダルをヒール・ポジションにすることでも Tuner モードをアクティブにすることができます。Tuner モード
では、フロント・パネル中央に横一列に並んでいる LED が左右に流れてチューニングの状態を示します。

Rig Manager の System Settings には「Tuner Mute」という設定があります。Mute を選んでおくと、Tuner モードの時の


み出力がミュートされ、音を出さずにチューニングすることができます。チューニング以外でも、例えばギターを持ち替
える時などに一時的に出力をミュートするという使い方も便利です。
Rig メニュー 41

Rig メニュー
以下に説明するのは Rig に関するパラメーターで、Rig Manager の Editor に表示されるシグナル・チェインの Rig ボタン
をクリックすると開きます:

Panorama:パノラマ
「Panorama」は、ステレオ・アウトで効果を発揮します。ヘッドホンや Main Output、S/PDIF など Master Stereo をソー
スにした出力に反映されます。「Panorama」は MIDI 信号でコントロールすることも可能です。

Transpose:トランスポーズ
「Transpose」は、デジタル・カポタストと言える機能です。-1 や -2 にセットすると、簡単にドロップ・チューニングに
なります。-12 に設定して1オクターブ下げると、ギターがベースになります。

4つの Effect モジュールとは別に、追加で使用できるエフェクトです。

✓ギターの弦振動が頭や体を伝わって感じられるため、ヘッドホンを装着していてもトランスポーズされた音と生音が混じ
ってしまい、調子はずれに聴こえてしまう可能性があることをご理解ください。
Rig メニュー 42

Rig Volume:リグ・ボリューム
「Rig Volume」は、Rig ごとの音量をコントロールするパラメータです。PROFILER Player 本体の RIG VOL ノブでも操作
することができます。 このボリュームはアンプの歪み具合や音色に影響しない純粋な Rig の音量です。設定は各 Rig ごと
に保存されます。PROFILER Player の全体的な音量をコントロールする場合は MASTER VOLUME を設定してください。

PROFILER Player においては、どの PROFILE もおよそ同じ音の大きさになるように設計されています。Rig をブラウズす


るとき、Rig ごとに極端な音量差が無いことに気がつくでしょう。そして全てのファクトリーRig は、Rig Volume のデフォ
ルト値がセンター(0.0dB)にセットされています。

もしクリーンな Rig が、歪んだサウンドの Rig に比べて音が小さすぎると感じた時は、Rig Volume で調整する前に Input


セクションの「Clean Sens」で調整してください。

その上で演奏曲の内容に合わせて「Rig Volume」を調整してください。Rig 同士の音量バランスを最初から「Rig


Volume」で調整することはお勧めしません。

特定の Rig が極端に大きいまたは小さすぎると感じる場合は、Rig にアサインされているエフェクトのボリュームをチェッ


クし、ブーストまたは減衰されていないかを確認してください。

エフェクトに原因が見つからない場合は、Amplifier モジュールの「Amp Volume」で PROFILE の音量を調整してくださ


い。調整内容を常に有効にしたい場合は、調整後に Rig をストアすることを忘れないでください。

✓ここで説明されている「Volume」は、いずれもアンプの歪み具合や音色には影響せず、純粋に音量のみをコントロールす
るものです。ただし人間の耳は、音量によって音色が変わったと感じる場合があることをご承知おきください。
Rig メニュー 43

Tempo:テンポ機能を有効にする
Editor の Rig セクションにある Tempo ボタンをクリックして Enabled にすると、Tempo 機能がアクティブになります。
Tempo 機能は、ディレイ・タイムやモジュレーション・レイトなど様々なタイミングの設定に PROFILER の Tempo 設定
を適用します。Disabled にすると、PROFILER Player の Tempo は 120 bpm になり、ディレイ・タイム等は時間(ms:ミ
リ秒)で、モジュレーション・レイトは周波数(s)で表示されます。

「Lock Tempo」をオンにすると、Rig を切り替えても同じテンポが維持されます。

「Tempo」の設定数値は bpm(beats per minute)です。

Tempo 機能により、ディレイ・タイムやモジュレーション・レイトを演奏する曲のテンポに合わせることができます。以
下の3つの操作で、「Tempo」を有効(Enabled)にしてください:

• Rig Settings の「Tempo」ノブを回してテンポ(bpm)値を設定する。

• PROFILER Player の TAP ボタンまたは Tap 機能がアサインされた外部フット・スイッチを、テンポに合わせてタップす


る。

• PROFILER Player に MIDI クロックを受信させる。

詳しくは後述の「TAP」および「MIDI クロック」の説明をご参照ください。

全てのファクトリーRig は、デフォルトでは「Tempo」が無効(Disabled)になっていますので、モジュレーション系エフ
ェクトの「Rate」はヘルツ、「Delay Time」はミリ秒で表示されています。これらのエフェクトを演奏する曲のテンポに
同期させたい場合は、そのテンポに合わせて TAP ボタンをタップするか、上記のいずれかの方法で Tempo 機能を有効に
して下さい。

Tempo が有効(Enabled)になると本体の TAP ボタンが点滅し、Editor の Rig セクションにある「Tempo」ボタンが点灯


します。Phaser/ Flanger や Tremolo などのモジュレーション系のエフェクトの Rate、ディレイの Delay Time、リバーブ
の Predelay が音価で表示されるようになります。

「Rate」は独特な設定値でコントロールします。Tempo に同期している場合でも、モジュレーションのスピードは連続的
に変更可能です。「Rate」の設定範囲は、Phaser と Flanger の場合 32 小節から 64 分音符まで、Tremoro では 2 分音符か
ら 64 分音符までというように広い範囲に渡ります。スピードの変化はその範囲で数倍に変化します。スピードが倍になる
までの間に、ほぼ等間隔で 12 段階の設定が可能です。この設定値間の変化率は約 6%で、およそ必要なスピードを得るの
に十分な変化率でしょう。12 段階の中に二分裂する値があります。これは 4 分音符、8 分音符、・・・という関係性で、
Rig メニュー 44

この他にも付点音符や三連符のタイミングも選択できます。その他のタイミングは「_」(アンダーバー) で示されます。そ
れらの値もある時間区分を持っています。これらの設定値の区分は、スピードが倍になるまでの間の全てにおいて用意さ
れています。

Tempo 機能を無効(Disabled)にしたい場合は、Editor の Rig セクションにある「Tempo」ボタンをクリックして消灯し


ます。本体の TAP ボタンは点滅を止め、関連するパラメーターが時間や周波数に戻ります。

Tempo 値の設定および Enabled/Disabled の状態は Rig ごとにストアされます。

TAP:タップ・テンポ

PROFILER Player 本体の TAP ボタンを、4分音符のタイミングでタップすると「Tempo」が Enabled になり、検出され


たテンポに bpm がセットされます。テンポは1回目と2回目のタップの間隔で検知されますが、数回タップすることでよ
り正確なテンポ値が得られます。フット・スイッチに Tap 機能をアサインし、演奏曲のビートに合わせて足でタップする
という方法が最もお勧めです。PROFILER Player のフット・スイッチには Tap 機能をアサインすることができす。外部ス
イッチ(モーメンタリータイプ)や MIDI コントローラーのスイッチにアサインすることも可能です。MIDI については別
の章で詳しく説明されていますのでご参照ください。

TAP テンポは、ディレイ・タイムだけでなく、Rig の中で使用されているエフェクトで、テンポやスピードという要素に


関連するものにも反映されます。思いどおりの bpm を得るには、4 分音符のタイミングのみタップしてください。ディレ
イをこのテンポに同期させるには、ディレイのパラメーター「Tempo Sync」をオンにします。 ディレイ音をリズミカル
なパターンにする場合は、ディレイのパラメータ:左右の Delay Time を音価で設定します 。

MIDI クロック

MIDI クロックは、DAW を初め、MIDI を送出する機器からタイミングを伝える信号です。それらの機器から送られてくる


MIDI クロックに、ディレイ・タイムやもジューレーション・レイトを同期させることができます。PROFILER Player は、
USB MIDI で MIDI クロックを受信すると自動的に同期します。
Rig メニュー 45

Volume Pedal Settings:ボリューム・ペダルの設定


ボリューム・ペダル機能には、Effect モジュールにアサインするような Effect Type はありません。その代わり 2 つのパラ
メータが Editor の Rig セクションにあります。詳しくは「エクスプレッション・ペダルとフット・スイッチ」の章をご参
照下さい。

FX 1/ FX 2 に機能をアサインする
PROFILER Player 本体フロント・パネルの左上部にあるボタンとノブ(FX1/ FX2)には、Effect モジュールにアサインし
たエフェクトのオン/オフやコントロールをアサインすることができます。各ノブ、各ボタンには最大2つの機能を同時
にアサイン可能です。
Rig メニュー 46

Effect Button I-IIII をアサインする


PROFILER Player には4つのバーチャル・エフェクト・スイッチ:Effect Button I〜IIII:が用意されています。

各 Effect Button には、複数の Effect モジュールのオン/オフ機能をアサインすることができます。Effect モジュールのオ


ン/オフをアサインしていない Effect Button には「Action&Freeze」を割り当てることができます。例えば Rotary
Speaker のスピード切り変えや Freeze 機能などです。これらは Rig ごとに異なる設定が可能で、Rig ごとにその内容がス
トアされます。

これらのバーチャル・エフェクト・スイッチ:Effect Button I〜IIII を、PROFILER Player フロントパネルの3つのフッ


ト・スイッチまたは外部フット・スイッチにリンクさせることで、フット・スイッチによるオン/オフが可能になりま
す。これらのスイッチを MIDI でトリガーすることもできます。

1つの具体例で説明しましょう。フロントパネルの右のフット・スイッチ 3 を Effect Button II にリンクさせます。これで


どの Rig を読み込んでもフット・スイッチ3は Effect Button II のオン/オフになります。例えば「X」という Rig で、
Effect Button II にロータリースピーカーのスピード切り替えをアサインしておきます。すると Rig「X」を読み込んだ時
は、フット・スイッチ3を踏むことでロータリースピーカの速度が切り替わります。一方、Effect Button II にモジュール A
と B のオン/オフがアサインされている「Y」という Rig を読み込んでフット・スイッチ 3 を踏むと、モジュール A と B
のオン/オフが切り替わります。

物理的スイッチの数が少なくても、Rig ごとに多彩なコントロールを設定できることがおわかりになるでしょう!

フット・スイッチと Effect Button I〜III のリンクは、Rig Manager で設定する他に、PROFILER Player 本体で素早く設定


することも可能です。例えばフロントパネルの FX1ボタンとノブには Effect モジュール A のコントロールがアサインさ
れ、FX1ボタンでそのオン/オフができるように設定されているとします。加えてフット・スイッチ 3 が Effect Button I
にリンクしているとします。ここで FX1ボタンとフット・スイッチ 3 を同時に押すと、フット・スイッチ 3 で Effect モジ
ュール A のオン/オフが可能になります。つまりモジュール A のオン/オフがバーチャル・エフェクト・スイッチ Effect
Button I にアサインされ、Effect Button I にリンクしているフット・スイッチ 3 でモジュール A のオン/オフが可能になる
ということです。これらの設定は Rig ごとに保存される内容なので、設定後にストアすることをお忘れなく!
Tagging:タグ情報 47

Tagging:タグ情報
Rig Manager の右側のコラムにある Inspector(インスペクター)は、選択中の Rig に関する様々な情報を表示します。
PROFILER Player 本体に加え、パソコン上のローカル・ライブラリーに保管できる膨大な数の Rig の管理には、これらの
情報が役に立つでしょう。

個々のタグは Rig、Amplifier、Cabinet にそれぞれ属します。例えば「Rig Name」(リグネーム)は Rig に、「Amp


Manufacturer」(アンプ製作者)は Amplifier に、「Cab Model」(キャビネットのモデル名)は Cabinet に属し、
PROFILE の作者により情報が入力されています。

下表はタグの一覧です:

Rig Rig Name, Rig Author, Instrument (Guitar/Bass/Acoustic), Rig Comment

Amplifier Amp Name, Amp Author, Amp Location, Amp Manufacturer, Amp Model, Amp Year of
Production, Amp Channel, Pickup Type, Amp Comment

Cabinet Cab Name, Cab Author, Cab Location, Cab Manufacturer, Cab Model, Cab Comment, Speaker
Manufacturer, Speaker Model, Speaker Configuration, Mic Model, Mic Position

Inspector コラム最上部には、Tag の情報を検索する機能があります。


KEMPER Kone:ケンパー・コーン 48

KEMPER Kone:ケンパー・コーン
「ギター・キャビネットのサウンド、それをマイキングしたサウンド」の章で説明されているように、PROFILER はフラ
ットなスピーカーでもギター・キャビネットでもモニターとして使用できるように設計されていますが、さらに可能性を
広げるソリューションが KEMPER Kone™です。KEMPER Kone™は、フラットな特性で Rig の内容を忠実に反映したサウ
ンドを提供することも、人気のあるギター用スピーカーの特徴を再現することも、お好み次第でどちらにも対応できるス
ピーカーです。

KEMPER Kone は以下の3つ形態で使用します:

• パワーアンプを内蔵した KEMPER Power Kabinet は、PROFILER Player を含むノンパワードのモデル:PROFILER


Stage、HEAD、RACK との組み合わせに最適です。Power Kabinet を2台用意すれば、ステレオ再生環境を構築すること
ができます。もちろん Power HEAD/Power RACK にも、ラインレベルの Monitor Output が用意されているので、Power
Kabinet と組み合わせて使用することも可能です。

• ノンパワーの KEMPER Kabinet は、PowerHead/ PowerRack の内蔵パワーアンプでドライブするのに最適です。

• スピーカーユニット KEMPER Kone は単体でも販売されていますので、1x12、2x12、4x12 など、12 インチ・スピーカー


用のキャビネット(オープンバックでもクローズドバックでも)に組み込んで使用することができます。Power HEAD/
Power RACK との組み合わせはもちろん、外部のソリッドステート・パワーアンプを介してノンパワードの PROFILER の
Monitor Out と接続して使用することも可能です。

お好きな組み合わせを選んでください!
KEMPER Kone:ケンパー・コーン 49

KEMPER Kone Mode:ケンパー・コーン・モード

 KEMPER Kone:ケンパー・コーン

KEMPER Kone は、接続した PROFILER Player のソフトウェアでコントロールされますので、PROFILER Player のフロ


ントパネルにある KONE ボタンを押すか、Rig Manager の Output セクションを開き、「Kemper Kone」をオンにしてくだ
さい。KONE ボタンが白く点灯しているときは Full-Range モード、赤く点灯しているときは Speaker Imprint モードであ
ることを示します。両モードについてはこの後に説明されています。

 Bass Boost:ベース・ブースト

KEMPER Kone は、床に置いた状態で最適なサウンドになるように設計されています。従って KEMPER Kone を床から持


ち上げた状態にすると、低音域のパワーが無くなったように感じられるかもしれません。そのような場合は「Bass
Boost」をオンにすると低音域が 3dB ブーストされ、低域のパワーを補うことができます。

 Sweetening:スウィートニング

ケンパー・コーンをフルレンジ・モードで使用すると非常にリニアに発音します。オーディオとしては忠実な再生になり
ますが、デジタル・ギターアンプ用の高品位なモニタースピーカーでは、多くの場合ローエンドやハイエンドを強調する
ことで耳に負担をかけずに高域と低域のラウドネスを増してバランスが整えられています。「Sweetening」はこのような
要素をコントロールします。つまり左に回し切った状態では何も強調されず、右に回すにつれてローエンドとハイエンド
が強調されます。右いっぱいに回すとそれぞれが 6dB 持ち上がります。この際も、全体の音量はほとんど変わりません。

 Speaker Imprint Mode:スピーカー・インプリント・モード

「Cabinet Off」をオンにすると、Monitor Out に送られる信号は Cabinet モジュール(バーチャル・キャビネット)をバイ


パスし、一般的なギターキャビネット使用に適した信号になります。Monitor Out に Kemper Kabinet(または Kemper
Kone スピーカーを搭載したキャビネット)が接続し、Kemper Kone モードをオンにすると、Kemper Kone スピーカーに
よるフルレンジ再生が可能になります。この状態でさらに「Cabinet Off」をオンにすると Speaker Imprint モードとなりま
す。Speaker Imprint は、Kemper Kone により各種ギタースピーカーのキャラクターを再現する機能です。「Imprint
KEMPER Kone:ケンパー・コーン 50

Select」に用意された 19 種類のギタースピーカーの中から好みのものを選択すると、そのスピーカーのキャラクターが再
現されます。

 Speaker Imprint:スピーカー・インプリント

「Imprint Select」の選択肢で提供されるギタースピーカー名の一つを選ぶと、そのスピーカーの特色が再現されます。ク
リーンなギター・サウンドで試すとより判りやすいでしょう。

✓Output セクションの「Imprint Select」はグローバル・パラメータとして全ての Rig に作用しますが、Output セクションの


Kemper Kone と Monitor Cab Off がオンになっていれば、Cabinet セクションにも「Imprint Select」が表示されます。ここ
での設定は Rig パラメーターとして Rig ごとに保存され、Output セクションの設定よりも優先されます。

✓PROFILER Player のフロント・パネルにある KEMPER KONE ボタンで Full-Range モードと Speaker Imprint モードを切
り変えることができます。KEMPER KONE が白く点灯している状態は KEMPER Kone モードがオンであることを示しま
す。この状態でボタンを短く押すと、白と赤の点灯トグルします。白は Full-Range モード、赤は Speaker Imprint モード
であることを示します。

 Directivity:ディレクティビティ

多くのギタースピーカーは高音域の指向性が強く、スピーカーの正面からはずれるほど柔らかなサウンドに聞こえます。
それに対し KEMPER Kone は高音域も広く拡散するため、どのポジションでも正面と同じようなはっきりとしたサウンド
に聞こえます。Directivity はこの特性を調節するパラメーターです。本来は少しスピーカーの正面からはずれた位置で感じ
ることができるクリーミーなトーンにしたい場合は Directivity の値を上げてみましょう。最大値にすると実際のギター・ス
ピーカーと同じ指向性が再現されます。

✓「Imprint Select」と「Directivity」は、Speaker Imprint モードの時つまり Monitor Out の「Cabinet Off」がオン(KONE ボ


タンが赤く点灯)の時にのみ機能します。一方「Sweetening」は、「Cabinet Off」がオフの時(KONE ボタンが白く点
灯)、つまり Full-Range モードの時のみ使用可能です。「Bass Boost」はどちらの状態でも機能します。
KEMPER Kone:ケンパー・コーン 51

 Power Amp Boost:パワーアンプ・ブースト

Power Amp Boost は以下の組み合わせにおいて有効に機能します:

• 全てのプロファイラーと KEMPER Power Kabinet を組み合わせて使用する場合

• 外部のパワーアンプで、ノンパワーの KEMPER Kabinet または KEMPER Kone を搭載した一般的なキャビネットをドライ


ブする場合

いずれの場合も MONITOR OUTPUT に出力される信号に対して機能します。

この出力は、クリーン・トーンの鋭いアタック音にも対応できる十分なヘッドルームを持っています。しかしながら大き
なヘッドルームを確保することは、パワーアンプに送る信号全体のレベルを下げることになるので、場合によっては欲し
い音量が得られないこともあるでしょう。そのような場合は「Power Amp Boost」により最大 12dB まで音量を上げること
ができます。「Power Amp Boost」は、「Rig Volume」や「Monitor Volume」とは別に、追加的に機能します。

「Power Amp Boost」の設定は、音質やパワーアンプのダイナミクスには影響しません。

Kemper Kone モードをオフにすると、「Power Amp Boost」も同時にオフになり、MONITOR OUTPUT は本来のヘッドル


ームを持った出力内容になります。PowerHead/ PowerRack の場合は、KEMPER Kone モードに加えて内蔵パワーアンプ
をオフにする必要があります。
KEMPER Kone:ケンパー・コーン 52

重要な追加情報
• KEMPER Kone スピーカーは、PROFILER の機能である KEMPER Kone モードと組み合わせて使用することを前提とした
特別な設計になっています。KEMPER Kone スピーカーおよび KEMEPR Kabinet を使用する場合は、必ず PROFILER の
KEMPER Kone モードをオンにしてください。KEMPER Kone スピーカーおよび KEMEPR Kabinet は、PROFILER 以外の
機種との組み合わせでは使用しないでください。また KEMPER Kone スピーカーおよび KEMPER Kabinet 以外のスピーカ
ーやキャビネットを KEMPER Kone モードで使用しないでください。

• Monitor Out の「Cabinet Off」と同様に、KEMPER Kone モードは Monitor Output に出力される信号にのみ機能します。そ


の他の Output への出力しは影響しません。

• KEMPER Kone は特別な設計のスピーカーのため、スピーカーに近い位置にマイクを立てて収音することは向いていませ


ん。演奏者のモニタリングにご使用ください。

• KEMPER Kone は、Full-Range モードでも KEMPER Kone モードでもステレオで使用することが可能です。接続された全


ての KEMPER Kone は、PROFILER のコントロールにより均等に動作します。

• アコースティック・ギター用の RIg やベース用の RIg で、Cabinet モジュールが -Empty- になっている RIg は、ギタースピ
ーカーでの再生には向いていません。そのような RIg が選択された場合、KEMPER Kone モードは自動的に Full-Range モ
ードに切り替わります。

• Cabinet モジュールを使ったベース・アンプの Rig 等を使用する場合は、Cabinet モジュールの「Imprint Select」で Full-


Range を選択することができます。

• Effect Type の Acoustic Simulator を使用する場合は、AMPLIFIER モジュールと CABINET モジュールをオフにするのがお


すすめです。この場合も KEMPER Kome モードは自動的に Full-Range モードになります。

• Cabinet モジュールが - Empty- の Direct Amp PROFILE を使用し、Main Out には出力せず、KEMPER Kone や KEMPER
Kabinet で発音する場合もあるでしょう。その場合も Cabinet モジュールはオンにしてください。Cabinet モジュールがオ
フになっていると、「Imprint Select」でどのスピーカーを選択していても Full-Range モードで出力されてしまいます。

• USB オーディオ使用時のプレイバックには常に Full-Range モードが適用されます。Rig には Speaker Imprint の設定が適


用されている(KONE ボタンが赤く点灯している)場合でも、USB オーディオのプレイバックは Full-Range モードで出力
されます。

• 2台の KEMPER Power Kabinet、もしくは KEMPER Kone 搭載のキャビネットを外部パワーアンプを通して簡易 PA とし


て使用する場合、USB オーディオ経由で再生される音楽ソースは Full-Range モードで再生されます。PROFILE を介した
ギターサウンドのみに Speaker Imprint が作用します。
KEMPER Kone:ケンパー・コーン 53

• Speaker Imprint モードがオンであっても、AUX in からのオーディオ・ソースは常に Full-Range モードで出力されます。


もちろんギターのサウンドには Speaker Imprint が機能します。フルレンジで再生されるバッキングトラックに合わせ、
Speaker Imprint を活かしたギターサウンドで演奏できるということです。

• KEMPER Kone がオンの場合でも「Pure Cabinet」は機能します。ただしそれは Full-Range モードで Cabinet モジュール


の内容が KEMPER Kone/Kabinet に出力される場合のみです。Speaker Imprint モードの場合の出力には「Pure Cabinet」
は作用しません。
KEMPER Kone:ケンパー・コーン 54

KEMPER Power Kabinet:ケンパー・パワーキャビネット


KEMPER Power Kabinet はどの PROFILER とでも組み合わせ可能です。

PROFILER Player と KEMPER Power Kabinet の接続例

PROFILER Player の Monitor Output はステレオ出力なので、2台の Power Kabinet を接続することができます。

PROFILER と KEMPER Power Kabinet は、信号レベルとヘッドルームという点において最適な組み合わせです。


PROFILER 独自のソフトクリッピング・アルゴリズムが Power Kabinet の内蔵パワーアンプと連携し、ベストなサウンド
が提供できるのです。さらに出力が 200W を越えそうな場合はプロテクション・アルゴリズムによって自動的に Monitor
Volume が下り、スピーカーユニットを保護します。これらの機能を最大限に活かすため、KEMPER Power Kabinet のボリ
KEMPER Kone:ケンパー・コーン 55

ュームは最大にしておき、PROFILER の Monitor Out の「Volume」で音量を調節することをお勧めします。音量が足りな


い場合は、PROFILER の「Pwr Amp Boost」を上げてください。

Power Kabinet のボリュームを最大にしておかないと、ソフトクリッピング・アルゴリズムやプロテクションが早めに動作


してしまいます。

自宅内などで小さなの音量で演奏したい場合は、Power Kabinet のボリュームを適度に下げてお楽しみください。その場合


は PROFILER の Monitor Out の「Volume」が -12dB 〜 -6dB の間を超えないようににセットしてください。これによりプ
ロテクションが働くのを防ぐことができます。
KEMPER Kone:ケンパー・コーン 56

外部パワーアンプでノンパワーの KEMPER Kabinet を駆動する


PROFILER Player とノンパワーの KEMPER Kabinet を組み合わせて使用する場合は、別途パワーアンプを用意する必要が
あります。その場合はソリッドステートのパワーアンプを使用してください。真空管パワーアンプを使用すると、その特
性により、周波数特性や音質が影響を受ける可能性があります。

外部パワーアンプを介して PROFILER Player とノンパワーの KEMEPR Kabinet を接続する例

✓「Imprint Select」と「Directivity」は、Speaker Imprint モードの時つまり Monitor Out の「Cabinet Off」がオン(KONE ボ


タンが赤く点灯)の時にのみ機能します。一方「Sweetening」は、「Cabinet Off」がオフの時(KONE ボタンが白く点
灯)、つまり Full-Range モードの時のみ使用可能です。「Bass Boost」はどちらの状態でも機能します。
OUTPUT :
アウトプット/マスター・セクション 57

OUTPUT :
アウトプット/マスター・セクション
シグナル・チェインの最後にある Output セクションには、PROFILER Player のオーディオ出力に関するパラメーターがあ
ります。

それぞれのアウトプットへの出力レベルや信号の内容を設定することができます。Output セクションの内容は、Effect 等
と同じように、Rig Manager の All Presets にある PROFILER またはフォルダーにドラッグ&ドロップすることで、Preset
として保存することができます。

✓各アウトプットのボリューム設定は、Preset の一部としては保存されません。Preset をロードしたときに、音量が予期せ


ず急激に変化してしまうことを避けるためです。

✓Output セクションのパラメーターはグローバル・パラメーターで、Rig の内容には含まれません。読み込んだ Rig に関わ


らず同じ内容が保持されます。

Output Volumes:アウトプット・ボリューム/Output Volume


Links:アウトプット・ボリューム・リンク
Output セクションには、各アウトプット個別のボリューム設定があります。

Rig Manager/ Editor の Output セクションには「Output Linked」ボタンがあります。Linked に設定した Output の


「Volume」コントロールが本体の MASTER VOL ノブとリンクします。MASTER VOL ノブを動かすと、リンクした
Output の「Volume」が変わります。複数のアウトプットをリンクすることも可能です。リンクしたアウトプットの
「Volume」を MASTER VOL ノブひとつで同時にコントロールすることができるということです。例えば PA ミキサーに
送る Main Output はリンクせずに固定しておき、Monitor Out をリンクしておけば、PA ミキシングには影響を与えず、自
分の演奏をモニターする音量のみを MASTER VOL ノブでコントロールできるということです。
OUTPUT :
アウトプット/マスター・セクション 58

Output Source:各アウトプットの出力内容(ソース)を設定する
Output セクションでは、各出力端子へのルーティング、つまりどんな信号を出力するかを設定します。現在あなたが必要
とする信号が、思いどおりの出力端子から出力されているなら、この章をスキップしてもかまいません。デフォルト設定
は、一般的なアプリケーションをカバーしているはずです。

各アウトプットには、シグナル・チェインの様々なポイントからの信号を出力することができます。選択できるアウトプ
ット・ソースは以下のとおりです。選択肢はアウトプットによって異なります。

Off 出力はミュートされ、何も出力しません。

DI Low 接続した楽器の出力がそのまま出力されます。レイテンシーのアジャストするため AD/DA のプロセスは通


過します。ベースなどで、アンプを通したサウンドとミックスするようなアプリケーションに使用しま
す。

DI Low の出力には、Output Volume の設定およびボリューム・ペダルによるコントロールは反映されず、


接続した楽器本来のレベルが活かされます。

DI High 「DI Low」と同じ内容の信号がスタジオ・レベルで出力されます。元の楽器の出力よりは非常に高いレベ


ルになります。このソースを使えば、リアンプを目的にギターのダイレクト音を録音する場合にも DI ボッ
クスなどは不要です。楽器の出力レベルが高いので、Input セクションの Clean Sens の設定を慎重に行う
必要があります。

USB Audio の「Source」には DI と表示されます。

DI High / DI の出力には、Output Volume の設定およびボリューム・ペダルによるコントロールが反映され


ます。

Stack STACK セクション直後の信号が取り出され、そのあとの Effect モジュールは含みません。


OUTPUT :
アウトプット/マスター・セクション 59

Master Stereo 全てのモジュールを通過したシグナル・チェイン最終点のステレオ出力です。

Monitor Output と USB Audio のデフォルト設定です。 Headphones はこの設定に固定されています。

Main Output にはこの選択肢はありません。

Master Mono Master Stereo と同じ内容をモノラルで出力します。

Main Output のデフォルト設定です

Master Left Master Stereo の左 ch のみが出力されます。Master Mono に近いサウンドですが、ステレオ・エフェクト


が使用されていると Master Stereo より少し薄い音にきこえるかもしれません。

DLY/REV Wet DLY および REV モジュールにアサインされたディレイ/リバーブのウェットのみを出力します。ディレ


イやリバーブがオフの場合は無音になります。

ステレオ出力にのみ適用可能
OUTPUT :
アウトプット/マスター・セクション 60

以下は USB Audio にのみ選択できる設定です。いずれも PROFILER によるギターアンプやエフェクトを通過したサウンド


と同時に、リアンプ用のダイレクト音を録音するための設定です。ダイレクト音(DI)は常に左チャンネルに出力され、
PROFILER のシグナル・チェインを通過したサウンドは右チャンネルに出力されます。

左チャンネルには、Input に接続された楽器のダイレクト音がスタジオ・レベルで出力されます。同時
DI / Stack
に右チャンネルは、STACK セクション直後の内容が出力されます。STACK セクション以降の Effect
モジュールの内容は反映されません。.

左チャンネルは DI/ Stack と同じで、右チャンネルには Output セクションの左チャンネルの信号が出


DI / Master Left
力されます。

左チャンネルは DI/ Stack と同じで、右チャンネルには Output セクションのモノ・ミックスの信号が


DI / Master Mono
出力されます。

Output Source の内容に続いて、いくつか役に立つアプリケーション例をご紹介します:

• Monitor Out の「Cabinet Off」をオンにすると Monitor Output には、バーチャル・ギターキャビネットつまり Cabinet モジ


ュールをバイパスした信号が出力されます。PROFILER Player の KONE ボタンがオレンジに点灯するまで押し続けると
Monitor Out の「Cabinet Off」がオンになります。どの Output Source が選択されていても、Monitor Out の「Cabinet
Off」は有効に機能します。Monitor Output の章も併せてご参照ください。

• Monitor Out の Output Source に DLY/REV wet を選択すると、DLY モジュールと REV モジュールにアサインされたディレ
イ/リバーブのエフェクト音のみがステレオで送出されます。同時に Main Output の Output Source を Stack に設定すれ
ば、こちらにはドライ信号が送出されるので、それぞれを個別にミキサーに送れば、ミキサー上でドライ/ウェットのバ
ランスをコントロールすることができます。いわゆる「Wet-Dry-Wet」セットアップです。この場合はミキサーからフィー
ドバックされる信号をモニタリングしてください。
OUTPUT :
アウトプット/マスター・セクション 61

Wet-dry-wet セットアップ

• Cabinet モジュールをオフにしないでください。また Monitor Out の「Cabinet Off」はオンにしないでください。つまり


KONE ボタンが消灯してる状態にしてください。

• このセットアップ全体のボリュームをコントロールしたい場合は、Monitor Out と Main Output を共に MASTER VOL ノブ


にリンクさせておいてください。
OUTPUT :
アウトプット/マスター・セクション 62

MAIN OUTPUT:メインアウト
ライブ・パフォーマンスやレコーディングの際は、MAIN OUTPUT(XLR/ バランス)をミキサーに接続してください。

 Main Out -12 dB: メインアウト出力のパッド

PROFILER Player の MAIN OUTPUT(XLR)の出力レベルが、接続する機器(ミキサーやオーディオ I/F など)にとって


高すぎる場合に備え、Main Output の出力レベルを 12dB 下げるパッド「PAD -12 dB」が用意されています。「PAD -12
dB」をオンにして出力レベルを下げれば、小さい音量でも Main Output の「Volume」のレンジや S/N 比を確保できるでし
ょう。

MONITOR OUTPUT:モニター・アウトプット
MONITOR OUTPUT は、演奏者のステージモニターに最適化された出力です。もちろん既に Output Source の章で説明し
たとおり、その他のアプリケーションにも使用できます。

MONITOR OUTPUT には、KEMPER Power Kabinet はもちろん、スタジオモニターや一般的なパワード・スピーカーを接


続して使用することができます。パワーアンプを内蔵していないスピーカー(ノンパワーの KEMPER Kabinet も含む)を
接続する場合は、リニアなパワーアンプが別途必要です。

Output Filters:アウトプット・フィルター
Output セクションには、全てのアナログ出力に作用する「Low Cut」「 High Cut」フィルターが用意されています。
OUTPUT :
アウトプット/マスター・セクション 63

Space:スペース
「Space」は、マスター出力に対し、あたかも小さな部屋でギターアンプが鳴っているような自然なアンビエント音を付加
します。これによりヘッドホンで聴いても非常に心地よい空気感が感じられます。

どんな場所であれスピーカーから出る音を聴く場合には、必ず床や壁さらには部屋に置かれている様々な物体からの反射
音も一緒に聴いています。この反射音の作用により、たとえモノラル音声であっても耳に届くときにはステレオのイメー
ジが作られるのです。このような自然な反射音を生み出さない状況のひとつが、ヘッドホンで聴くということです。つま
りヘッドホンで音を聴くということは、生物学的に言うと人間の耳に適していない状況なのです。そのため長い時間ヘッ
ドホンで音を聴いていると、疲れてしまうことが多いのでしょう。これを「頭内定位」と言い、モノラル音声を聞く時に
特に顕著になります。

「Space」によってヘッドホンから聞こえる音に自然な空間の雰囲気を生み出す響きが加わり、モノラル音声でも、ほんの
僅かにステレオ感のある、非常に耳障りの良いサウンドになります。本来はヘッドホン用に設計された機能ですが、スピ
ーカーによる再生やレコーディングにおいても良い効果を発揮します。「Routing」によって、Space を Headphone アウ
トプットのみに適用するか、Headphone に加えて Main Output にも適用するかを選択することができます。

Output セクションでグローバルに Space を適用する以外に、個々の Rig に Space エフェクトをアサインすることも可能で


す。X または MOD のジュールにフォーカスし、Reverb カテゴリーに属する Effect Type から Space を選びます。

Space によって、インイヤー・モニターの使用もより快適になるでしょう。残念なことに大抵の場合ステージ・モニター
はオーディエンス向けのサウンドと同じソース、つまりのミキサーの出力を使用することになるため、Space はオーディ
エンス向けのサウンドにも適用されてしまいますが、ほんの少しだけ Space を加えることで、オーディエンスへのサウン
ドにはほとんど影響を与えず、インイヤー・モニターの聴き心地を良くすることができるでしょう。但しモニター自体が
ステレオで供給されていなければ Space の効果は出ません。

Constant Latency:コンスタント・レイテンシー
Rig の切り替え速度は、常に最速になるよう状況に応じてダイナミックに変化しますが、例えば複数の PROFILER を同時
に使用する時などにフェイズの問題を回避するため、切り替え速度を固定するのが Constant Latency 機能です。
USB Audio:USB オーディオ機能 64

USB Audio:USB オーディオ機能


PROFILER の OS は USB オーディオをサポートしていますので、USB ポートを経由した DAW へのレコーディングやプレ
イバックが可能です。接続は PROFILER の USB ポートのタイプ B と、Mac や PC の USB ポートのタイプ A または C を
一本の USB ケーブルで接続するだけです。同じケーブルを経由して Rig Manager を同時に使用することも可能です。

✓USB オーディオ機能を Windows PC で使用する場合は、 Windows® 10 version 1703 以上が必要です。


要件を満たす Windows® および macOS® においては、ドライバーは自動的にインストールされます。

USB オーディオのサンプリングレートは 44.1kHz 固定です。

PROFILER Player が USB オーディオ I/F となり、バッキングトラックに合わせてギター演奏を楽しんだり、DAW と組み


合わせてレコーディングやプレイバック、リアンプが行えます。
USB Audio:USB オーディオ機能 65

以下の方法でステレオ・モニタリングが可能です:

• MONITOR OUTPUT に2台のパワードモニターを接続する。

• ヘッドホンを使う。

• MONITOR OUTPUT に2台の KEMPER Power Kabinet を接続する。

• MONITOR OUTPUT を PA または家庭用オーディオシステムに接続する。

PROFILER Player 自体の MONITOR OUTPUT(ステレオ)と並行して、以下の8ch の USB オーディオ・ストリームを使


用することができます:

• USB 1+2 to Player: DAW の出力が PROFILER Player に送出されます。

• USB 3+4 to Player: リアンプ用に DAW に録音したトラックを PROFILER Player に送り、リアンプを行います。

• Player to USB 1+2: PROFILER Player を通したギターサウンドを DAW に送り、演奏またはリアンプ用の DI 信号および


リアンプ後のサウンドをレコーディングします。

• Player to USB 3+4: USB 1+2 とは別に使用できます。例えばディレイやリバーブのウェットのみを別のトラックに録音す


るときなどに使います。
USB Audio:USB オーディオ機能 66

 Play-Along:プレイ-アロング

Windows® または macOS®用の Rig Manager を使用している場合は、既に PROFILER Player の USB B タイプのソケット
と PC を接続している USB ケーブルで USB オーディオも利用することができます。Rig Manager と USB オーディオを同
時に使用することも可能です。(Rig Manager を起動しないと USB オーディオが使用できないということはありません)

Editor の Output セクションにある「Direct Monitor」ボタンをクリックしてオンにし、PC 側でも Profiler を送信先として選


択します。

このセットアップにより、PC 上で好きなオーディオ・ストリーミングを再生しながら、それに合わせて PROFILER のサ


ウンドでギターやベースを演奏することができ、DAW などのアプリケーションで録音することも可能です。オーディオ・
ストリーミングまたは DAW のプレイバックの音量は、Editor の Output にある「DAW Volume」で調整してください。ま
たは PROFILER Player フロントパネルの RIG VOL ノブを推しながら回すことでも、「DAW Volume」をコントロールす
ることも可能です。

 Recording:レコーディング

ギターやベースの演奏を DAW に録音するには、DAW 側のインプット・ソースに「Profiler 1+2」を選びます。PROFILER


Player 側の Rec Source を 1+2 Source に設定すると、Output Source の設定に応じた内容が録音できます。

例えば Master Stereo を選択すると、PROFILER の全てのエフェクトを含むシグナル・チェインの最終段の内容をステレ


オで録音できます。

リアンプ用にギターのダイレクト音を録音したい場合は「DI」を選びます。この場合、録音先はモノラルトラックで十分
です。

コンボタイプの「DI / Stack」を選択すると、USB 1 にはダイレクト音、USB 2 には STACK セクションからの信号が同時


に出力されます。それぞれを DAW の個別のモノ・トラックに録音するとよいでしょう。

別のステレオ(またはコンボ)出力、すなわち 3+4 Source を選択することも可能です。DAW 側で「USB 3+4」をアサイ


ンしたトラックには、「USB 1+2」とは異なる内容の出力を録音できるのです。例えば「USB 1+2」で STACK をソース
としてドライ・サウンドを録音すると同時に、「USB 3+4」をアサインした別のトラックには DLY/REV Wet をソースにし
てウェット・サウンドのみを録音するといったことが可能です。
USB Audio:USB オーディオ機能 67

 Direct Monitoring:ダイレクト・モニター

「Direct Monitoring」をオンにすると、演奏/録音中のギターサウンドを、DAW を介さず直接モニターすることができま


す。この場合は DAW からの該当トラックの出力を必ずミュートしてください。

✓「Direct Monitoring」がオンの時にモニターできるのは、Main Output の Output Source に設定された内容です。一方 DAW


に録音されるのは「1+2 Source」及び「3+4 Source」に設定された内容です。

「1+2 Source」を Stack にセットし、Monitor Out の Source には Master Stereo を選択すると、STACK の後ろの Effects
モジュールにアサインされたディレイやリバーブを含むサウンドをモニターしながら、ドライ音のみを録音するというこ
とが可能です。「1+2 Source」を DI/ Stack にセットすれば、同様にリアンプ用のダイレクト音も録音することができま
す。

DAW のプラグイン・エフェクトなどをかけた状態のサウンドをモニターしたい場合は「Direct Monitoring」をオフにして


ください。但しこの場合は、多少のレイテンシーを許容する必要があります。

 Reamping:リアンプ

Editor の Output にある「USB Reamping」をオンにします。DAW においては、予め録音されたダイレクト音が Profiler


3+4 にフィードされるようにセットします。「USB Reamping」がオンときは、Profiler 3+4 にフィードされた信号が
PROFILER Player の Input セクションに直接送られ、本体の INPUT ジャックはブロックされます。同時に「Direct
Monitoring」も無効になります。PROFILER Player には、DAW から再生されるバッキングトラックと合わせたモニタリン
グ機能がサポートされているからです。

Play-along モードの場合と同じく、「1+2 Source」と「3+4 Source」で録音ソースに選んでください。

✓PROFILER Player の DI 出力はモノラルです。従って録音する DAW のトラックもモノで十分です。DAW の DI トラックか


らの信号は「USB 3」から受け取ります。

✓USB Reamping 機能を使って、PROFILER Player を DAW の外部エフェクトとして利用することもできます。DAW からの


ボーカルやシンセのサウンドを PROFILER Player にフィードし、リバーブやディレイをかけることができるということで
す。
エクスプレッション・ペダルとフット・スイッチ 68

エクスプレッション・ペダルとフット・ス
イッチ
PROFILER Player の PEDAL INPUT には、エクスプレッション・ペダル、モノ・スイッチまたはデュアル・スイッチを接
続することが可能です。

パラメータのコントロールや機能のオン/オフは、MIDI コントローラーやシーケンサーで制御することも可能です。詳し
くは「MIDI」の章をご参照ください。

ペダル・コントローラー
2つの主要な連続可変パラメーターを、本体の PEDAL INPUT に接続したエクスプレッション・ペダルまたは MIDI コント
ロール・チェンジで制御することができます。接続されたエクスプレッション・ペダルや MIDI コントロール・チェンジに
は任意のパラメーターをアサインすることができますが、1つのペダルを複数の機能で共有することも可能です。ここで
は使用頻度が最も高い2つのパラメータのアサインについて説明しましょう:

 Wah Pedal:ワウ・ペダル (MIDI コントロール・チェンジ #1)

ペダルでワウ・エフェクトをコントロールします。

ペダルの設定はグローバル設定です。この設定に加え、Rig のいずれかの Effect モジュールに Wah をアサインし、「Pedal


Mode」と「Pedal Range」を設定する必要がありますが、まずはファクトリーPreset の「Cry」をお試しください。例え
ば Rig Manager でモジュール B に Preset の「Cry」を選ぶと、ペダルが Cry BabyTM の様に振る舞います。

エフェクトの「Wah Wah」の章を合わせてご参照ください。
エクスプレッション・ペダルとフット・スイッチ 69

 Volume Pedal:ボリューム・ペダル (MIDI コントロール・チェンジ #7)

Volume Pedal もグローバル設定として常にに有効になりますが、シグナル・チェインのどの位置にペダルを配置するか


は、Rig ごとに設定することが可能です。Editor の Rig をクリックすると開く画面にある「Volume Pedal」につながる
「Location」で設定します。例えば Input を選ぶとボリューム・ペダルがシグナル・チェインの先頭に配置されます。Pre
Stack の場合はは STACK セクションの直前です。どちらもペダルの制御によってアンプのゲインによる歪みが変化しま
す。Post Stack は STACK の直後なので、アンプの歪みには影響冴えず、音量のみが変化します。ここまでの選択肢の場
合、ボリュームを絞る以前に発生したディレイやリバーブのエフェクト音は、ペダルをヒール・ポジションに戻した後に
も残ります。Output を選択すると全てを含んだ信号の音量がコントロールされます。次「Range」はミニマム・ボリュー
ムを設定します。「0」より大きく設定すれば、ペダル・ブーストとして機能します。詳しくは「ボリューム・ペダル機
能」の章もご参照ください。
エクスプレッション・ペダルとフット・スイッチ 70

推奨エクスプレッション・ペダル
エクスプレッション・ペダルはデジタル機器用のペダルで、制御する内容は接続する機器の設定に依存します。制御の対
象機器とは両端に TRS プラグを備えたステレオ・ケーブル(以下 TRS ケーブル)1本で接続します。市販のエクスプレ
ッション・ペダルのほとんどが接続可能ですが、多くのユーザーが以下の機種を好んで使用しているようです。

ダンロップ DVP-3 は、アナログ・ボリュームとエクスプレッションの両機能を備えたハイブリッド・ペダルです。ペダル


の物理的可変幅が広いため、微妙なペダル・コントロールで表現の幅を広げたいギタリストに好まれています。

Mission EngineeringTM の EP-1 /EP-1 KP は黒と緑のボディカラーがあり、どちらも PROFILER で使用可能です。トラ


ディショナルなワウ・ペダルと同じ筐体なので、ワウとして使用するユーザーに好まれています。

✓EP-1 KP のトウ・スイッチは PROFILER Player では使用できません。PROFILER Player の Pedal ジャックがエクスプレ


ッション・ペダルの接続により塞がってしまうためです。しかしながら PROFILER の Effect Type Wah には、オン/オフ
をコントロールするインテリジェンスな「Pedal Mode」が用意されていますので、トウ・スイッチは必ずしも必要ではあ
りません。例えばペダルを動かすと自動的にオンになり、一定時間動かさないとオフ(バイパス)になるという
Btpass@Stop という選択肢があります。

エクスプレッション・ペダルを接続する
PROFILER Player のリア・パネルには、エクスプレッション・ペダルを接続する端子が1つ用意されています。ペダルや
スイッチの設定は、Rig Manager の System ボタンをクリックすると開く画面で行います。

デフォルトでは、Wah と Volume の機能を使い分けることができる設定になっています。Function に Wah Pedal を選び、


「WahPedal > Volume」をオンすることでこの使い分けが可能になります。

この設定のままでよければ、TRS ケーブルでエクスプレッション・ペダルを接続してください。ペダル側を先に接続し、
続いて PROFILER Player のペダル・ジャックにプラグを差し込み、接続が完了したらペダルをヒールからトゥまで動かし
ます。これによりキャリブレーションが自動的に最適化され、接続したペダルの可変幅をフルに使用できるようになりま
す。
エクスプレッション・ペダルとフット・スイッチ 71

「WahPedal >Volume」がオンの場合は、それぞれが互いに排他的になります。Wah エフェクトがオンになると同時にペ


ダルはワウ・ペダルになり、ボリュームはフラットのまま動きません。Wah エフェクトがオフになると同時に、また Wah
エフェクトがアサインされていない Rig がロードされると同時にペダルはボリューム・ペダルになります。

ケンパー・プロファイラー・スイッチの接続

KEMPER PROFILER Switch(デュアル・スイッチ)を TRS ケーブルで PEDAL INPUT に接続し、System Setting の


「Mode」で Profiler Switch を選択すると、2つのアサイナブル・スイッチとして使用することができます。

市販のシングルまたはデュアル・スイッチの接続

市販のフット・スイッチを接続することも可能です。モーメンタリー(アンラッチ)タイプのスイッチで、通常(踏んで
いない時)は回路がオープンになるタイプのスイッチを使用してください。一般的な真空管ギターアンプのチャンネル切
り替えスイッチはラッチ・タイプがほとんどなので、PROFILER では使用できません。シングル・スイッチは TS ケーブ
ル、デュアル・スイッチは TRS ケーブルで接続してください。

使用するスイッチの種類に応じて、System Setting の「Mode」で Mono Switch か Dual Switch を選んでください。アサイ


ンする機能は「Switch Tip」で選択します。デュアル・スイッチの場合は「Switch Ring」にも機能をアサインすることが
できます。

ポラリティが切り替えられるスイッチ(例えば Boss® FS-5 や FS-6)の場合は、通常(踏んでいない時)回路がオープン


になるように設定してください。正しく設定すれば、踏んだ瞬間にアサインした機能が動作しますが、正しくない場合は
スイッチを離した時に動作が始まります。
エクスプレッション・ペダルとフット・スイッチ 72

ボリューム・ペダルに関する設定
任意のストンプやエフェクトのモジュールにアサインしたエフェクトをコントロールするワウやピッチ・ペダルとは異な
り、ボリューム・ペダルにはエフェクトのタイプなどはありませんが、以下の 2 つのパラメータが用意されています。

 Location:ボリューム・ペダルの配置

シグナル・チェインにおけるボリューム・ペダルの配置「Location」では、下表の設定が選択できます:

Off ボリューム・ペダルの機能がオフになります。

Input モジュール A の直前に配置されます。

Pre Stack STACK の直前に配置されるので、アンプのゲインが変化します。

Post Stack DLY モジュールの直前にボリューム・ペダルが配置されます。ペダルでボリュームを絞った時も、その


講談にあるディレイやリバーブのテイルが自然に残ります。

Output シグナル・チェインの最終段に配置され、ディレイ/ リバーブのテイルも含む Rig 全体の音量をコントロ


ールします。
エクスプレッション・ペダルとフット・スイッチ 73

 Range:ボリューム・ペダルの可変幅(ミニマム・ボリューム)

「Range」パラメータはバイ・ポーラーですので、センターの位置にするとボリューム・ペダルを動かしても音量は変化
しません。ノブを左に回すと、トゥ・ポジションつまりマキシマム・ボリュームはそのままで、ヒールつまりミニマム・
ボリュームが設定されます。左に回しきると、ボリュームは「0」から最大値まで変化します。右に回すと一転してブース
ター的な動作になります。ヒール・ポジションではリグのボリューム設定値のままになり、踏み込むとボリュームまたは
ゲインがブーストされます。右に回しきった時のブースト量は+24dB です。

Volume Pedal は、PROFILER Player に直接接続したエクスプレッション・ペダルでコントロールできるほか、MIDI のコ


ントロール・チェンジ #7でも制御することが可能です。

Volume Pedal は、Rig Volume や Master Volume およびその他のボリュームから独立したボリューム・コントロールで


す。

Volume Pedal を「0」にすると自動的に TUNER モードに切り替わります。

この機能があれば、TUNER モードに切り替えるためのボタンは不要でしょう。

✓Tuner モードへの切り替えは、本体のフット・スイッチ 1〜3 のいずれかまたは外部フットスイッチで行うことも可能で


す。MIDI コントロール・チェンジ CC#31 で切り替えることもできます。
STACK:スタック・セクション 74

STACK:スタック・セクション
PROFILER の心臓部とも言える STACK セクションは、バーチャルなギター・アンプとキャビネットを再現するプロファ
イルを擁するセクションです。STACK セクションは次の2つのモジュールで構成されています。

AMPLIFIER :アンプリファイアー・モジュール
Editor の「Amplifier」ボタンをクリックすると Amplifier モジュールが開き、プロファイリングされたアンプのキャラクタ
ーをエディットするパラメーターが表示されます。

 Definition:ディフィニション

「Definition」はプリアンプのキャラクターをコントロールするパラメータです。このパラメーターは、プロファイリング
の過程で、リファレンス・アンプの特性に応じた設定に自動的にセットされますが、例えばビンテージ・アンプをプロフ
ァイリングし、エフェクターに頼らず、よりモダンなアンプのようなサウンドに調整することができるのです。逆にモダ
ンなアンプのプロファイルを、ビンテージ・アンプが歪んだ状態のようなサウンドに近づけることも可能です。必要であ
れば、使用するギターに合わせて微調整をすることもできます。よりベストなサウンドを目指して、果敢にに実験を試み
ることをお勧めします。

ビンテージ・アンプによる歪みは、ギター音に含まれる低次倍音の歪みが中心となり、ブルージーなサウンドになりま
す。このようなアンプは、元々はクリーンな音を得るために設計されているため、高音域まで伸びたクリーミーなディス
トーション・サウンドを得るには、トレブル・ブースターのようなデバイスが必要となります。一方モダンなチューブ・
アンプでは、ギターの高次倍音がディストーション・サウンドの原動力となるように、ビンテージ・アンプとは別のアプ
ローチを採用しています。高価なブティック・アンプでは、このコンセプトをさらに進めて、驚異的に伸びるトップ・エ
ンドと、より大きなダイナミック・レンジが得られるようになっています。このようなアプローチにより、ディストーシ
ョン・サウンドはよりきらめきのあるサウンドとなり、弦やピックアップのチョイスによるニュアンスの違いにも敏感に
STACK:スタック・セクション 75

なっています。スピーカーの特性とともに、アンプ内で発生する歪みは、まさにそのアンプの「指紋」とも言えるものな
のです。

 Volume:ボリューム

「Amp Volume」は、主に他のプロファイルとの音量バランスを調整するために使用します。

 EQ

EQ(トーン・スタックやトーン・コントロールと呼ばれることもあります)は、ギターアンプに無くてはならないパート
です。それぞれ異なる帯域をカバーする「Bass」「Middle」「Treble」「Presence」を備えています。最初の3つ
「Bass」「Middle」「Treble」は、PROFILER Player のフロントパネルに専用ノブ:BASS、MIDDLE、TREBLE が用意
されています。

PROFILER の EQ は、一般的なパッシブのトーン・スタックを再現していますが、それぞれの周波数帯により強く作用す
るようにデザインされています。全でがセンターの位置にセットされている場合は通過する信号に何の影響も与えず、プ
ロファイリングされた音がそのまま出力されます。

Amplifier モジュールにはさらに別のパラメーターが用意されています。EQ をアンプの後(Post)または前(Pre)のとち


らに配置するかを選択する「EQ Position」がその一つです。この配置により、アンプによる歪みのキャラクターが変化し
ます。一般的な真空管アンプの EQ は、プリアンプとパワーアンプの間に配置されています。マスター・ボリュームを持
つモダンなギター・アンプはプリアンプで歪みを作りますので、EQ はプリアンプで歪んだ音に作用します。一方、Vox
AC-30 のようにマスター・ボリュームを持たないクラシックなアンプは、パワーアンプで歪みが作られます。従って EQ
は歪む前の音に作用するということです。しかしながら、必ずしもリファレンス・アンプと同じ配置にする必要はありま
せん。何故なら、リファレンス・アンプの EQ によって作られた音がキャプチャーされているからです。

「Amp Model」や「Generic Gain」「BrightCap Int」については、Liquid Profile:リキッド・プロファイルの章で説明され


ています。
STACK:スタック・セクション 76

CABINET :キャビネット
プロファイルは、プロファイリングした真空管ギターアンプからキャプチャーしたバーチャル・アンプとバーチャル・キ
ャビネットが組み合わされていますが、別のバーチャル・キャビネットと組み合わせることも可能です。Cabinet モジュー
ルには以下の様なパラメーターが用意されています:

 PURE CABINET:ピュア・キャビネット

「Pure Cabinet™」は、Cabinet モジュールと Output セクションの両方にあります。内容はアウトプット/マスター・セク


ションの章の説明をご参照ください。

 Imprint Select:スピーカー・インプリント・セレクト

Output セクションの「Kemper Kone」と「Monitor Cab Off」が共にオンのとき、「Imprint Select」が Output セクション


と Cabinet モジュールの両方に表示されます。Output セクションでの設定はグローバルですが、Cabinet モジュールでの設
定は Rig ごとに保存され、Output セクションの設定よりも優先されます。Speaker Imprint に関しては、KEMPER Kone と
KEMPER Kabinet の章をご参照ください。
EFFECTS:エフェクト・モジュール 77

EFFECTS:エフェクト・モジュール
PROFILER Player のシグナル・チェイン上には、エフェクトをアサインできるモジュールが4つ用意されています。
「A」「B」というモジュールはモノラルで、STACK セクションの手前に配置されていますので、ディストーションなど
ギターとギターアンプの間に接続するエフェクトのアサインに最適です。一方 STACK セクションの後ろに配置されている
ステレオの「DLY」「REV」モジュールには、ディレイやリバーブなどをアサインすると良いでしょう。

実際にはこれら4つのモジュールには、どのエフェクトでもアサインすることができます。下表の8つのカラーでボタン
が点灯することにより、アサインされているエフェクトの種類を示します:

Wah オレンジ

Distortion/Booster 赤

Equalizer 黄

Compressor/Noise Gate シアン

Chorus シアン

Phaser/Flanger 紫

Pitch Shifter 緑

Delay/Reverb 緑
EFFECTS:エフェクト・モジュール 78

モジュールにアサインするエフェクトは Rig Manager で選択します。操作手順は以下の通りです:

• シグナル・チェイン上の Effect モジュールをクリックしてフォーカスします。既にエフェクトがアサインされているモ


ジュールはクリックでオン/オフが切り替わります。

• モジュールにフォーカスした状態で左端のコンテクスト・メニューを開くと、エフェクトの Category/ Type/ Preset の


リストが順に表示されます。

• エフェクトの Category/ Type または Preset を選択すると、選択したエフェクトのパラメーターがグラフィカルに表示


されます。

• 必要に応じてパラメーターをエディットしてください。
EFFECTS:エフェクト・モジュール 79

エフェクトのパラメーターには、「Mix」「Volume」「Rate」など複数の異なるエフェクトに共通するパラメーターがあ
ります。Type をロードしてエフェクトのアルゴリズムを切り替えた時、そのような共通するパラメーターは切り替え前の
設定が変わらず保持され、そのまま引き継がれます。例えばフランジャーで「Rate」や「Depth」を設定した後、同じ設定
のままでフェイザーを試してみるといったときに便利です。ほとんどのエフェクトに共通する主なパラメーターは以下の
とおりです:

 Mix:ミックス

「Mix」は原音に対するエフェクト成分の割合をコントロールするパラメーターです。100%でエフェクトの強さが最大に
なります。ワウやコンプレッサーなどエフェクト音のみを出力するエフェクトでは 100%にするのが通例です。その他のエ
フェクト、例えばフランジャーやフェイザーといったモジュレーション・エフェクトのように、常に原音がミックスされ
るものもあります。

「Mix」を 0%にするとエフェクトがかかっていないサウンドになります。このパラメーターは、エフェクトごとに全体音
量が均一になるように設計されていますので、「Mix」が 50%の状態でもエフェクトによって全体音量が 上下するような
ことはありません。なお Air Chorus などミックスを必要としない一部のエフェクトには、このパラメーターはありませ
ん。

 Volume:ボリューム

「Volume」は、次のステージへ信号を送る際のゲインを調節するパラメーターです。可変幅 ±24dB の範囲でブーストした


り押さえ込んだりすることができますので、このパラメーターでブーストすることで、別のリグに切り替えることなくソ
ロ用の音色にするといった便利な使い方も可能です。このストンプをオンにすることで、エフェクトをかけると同時にブ
ーストさせることができるのです。
EFFECTS:エフェクト・モジュール 80

 Stereo:ステレオ

「Stereo」パラメータは、STACK セクションの後ろにあるエフェクト・モジュールでのみ有効に機能します。ステレオ・
エフェクトのステレオ感を強調します。モジュレーション系のエフェクトでは、左右の LFO の位相をコントロールするこ
とでその効果を得ます。例えばフィルター系のエフェクトでは、右 ch と左 ch のフリケンシーをお互いに逆の方向に移動
させます。これによりワウですらステレオ感を加えることができます。但し STACK セクションの後ろのモジュールにアサ
インする必要がありあすが。

ほとんどのエフェクトでは、このパラメーターをステレオ感が最も発揮できる+50% (または+90°) にしておくことをお勧


めします。ノブのセンターがゼロ・ポジションで、この状態で完全なモノラルになります。また、ノブをマイナス方向へ
回すと再びステレオ感が出てきますが、左右が入れ替わった状態になります。もちろん、極度にステレオ感を強調した極
端なセッティングにすることもできます。

 Ducking:ダッキング

「Ducking」の設定により、演奏の強さによってエフェクトを強めたり弱めたり(ダック) することが可能です。「ダッキン
グ・ディレイ」という特別なディレイをご存知でしょう。PROFILER では、ディレイ以外の様々なエフェクトでも
Ducking 機能を同時または個別に使用することができます。

「Ducking」パラメータは、演奏の強弱に反応するスレッショルド・レベルです。値はバイ・ポーラで、デフォルト値であ
るセンターでは動作しない状態です。右に回すと典型的なダッキング、即ち強く演奏するとエフェクトが弱まり、ソフト
に演奏するほどエフェクトが強くなります。「Ducking」がうまく設定できれば、演奏のダイナミクスで効果的にエフェク
トをコントロールすることができます。

「Ducking」パラメータをセンターより左にすると逆の動作になります。つまり強く弾くほど、エフェクトがよりはっきり
とかかります。

あるエフェクトの「Ducking」をポジティブ、センターより右にセットし、別のエフェクトはその逆に設定すると、演奏の
強さに応じてエフェクトを入れ替えるような動作をさせることも可能です。

「Ducking」の設定、即ちスレッショルドは、あなたのギターのレベルに自然に反応します。従ってインプット・セクショ
ンの「Clean Sens」の設定の影響を受けます。
Wah Wah:ワウ(オレンジ) 81

Wah Wah:ワウ(オレンジ)
クラシックなワウ・ワウ・エフェクトです。Wah Pedal に設定したエクスプレッション・ペダルで、オーソドックスなワ
ウ・ペダルと同じように演奏することができます。「Pedal Mode」を Touch に切り替えるとタッチ・ワウになり、ピッキ
ングやストラミングの強さで「ワウ」音が変化します。

以下の様なパラメーターが用意されています:

 Manual:マニュアル

「Manual」はワウの基本となるパラメーターで、ペダルを戻したときのフィルターの状態を設定します。ペダル・モード
がオフの場合は、このパラメーターでフィルターのバリュー、つまりペダルの位置を固定的に設定することができます。

 Peak:ピーク

「Peak」はワウの効き具合をコントロールします。対象となるパラメータはエフェクトのタイプにより異なります。
「Wah Wah」などのフィルター・エフェクトでは、Q またはレゾナンスをコントロールしています。その他のエフェクト
ではフィードバックをコントロールしており、聴感上はレゾナンスや Q とよく似た変化が起こります。

 Pedal Range:ペダル・レンジ

「Pedal Range」は、ペダルを最も踏み込んだ時に、「Manual」で設定した値からどれだけ変化するかを設定します。マ
イナス値に設定すると、フィルターなどの動きが通常とは逆方向に変化します。つまりペダルを踏み込むとフィルターが
閉じていくという動作になります。
Wah Wah:ワウ(オレンジ) 82

 Peak Range:ピーク・レンジ

ペダルの位置によって「Peak」の設定が変化する幅を設定します。多くのワウ・ペダルは、ペダルの位置によってフィル
ターの Q が変化するように設計されています。この動作の幅を「Peak Range」パラメーターで設定します。

 Pedal Mode:ペダル・モード

ペダルの動きやピッキングに、ワウ・エフェクトがどのように反応するかを選択することができます:

Off ペダルやタッチには反応せず、「Manual」の値でエフェクトの強さが固定されます。

Touch ピッキングの強さでワウをコントロールするときに選択します。

On ペダルによるコントロールが可能になります。可変幅は「Range」で設定します。

Bypass @ Stop ペダルを動かすと、エフェクトがスムーズにオンになり、ペダルを動かさずにおくと、エフェク


トがフェードアウトし、オフになります。

Bypass @ Heel ペダルによるコントロールが可能な状態になりますが、ヒール・ポジションに戻すとエフェクト


がスムーズにフェードアウトし、オフになります。

Bypass @ Toe ペダルによるコントロールが可能な状態になりますが、「Bypass @ Heel」とは逆に、トウ・ポ


ジションでエフェクトがスムーズにフェードアウトし、オフになります。
Wah Wah:ワウ(オレンジ) 83

 Touch:タッチ

このモードは、いわゆるタッチ・ワウと同様ピッキングの強弱でワウ・エフェクトをコントロールするモードで、すべて
のワウ・エフェクトで使用できます。ワウ・ペダルと同様に、タッチの強弱でフィルターなどが変化する幅を「Range」
で設定することが可能です。

Touch を選択すると、以下の 3 つのパラメーターが設定可能になります:

Touch Attack ギターのアタックに対する反応スピードを設定します。

Touch Release ワウ・エフェクトのピークから、ノーマルな音に戻るスピードの設定です。

Touch Boost このパラメータにより「Peak Range」が拡張されます。「Peak Range」が低く抑えられてい


ても、「Touch Boost」の値が大きく設定されていれば、強いピッキングによってエフェクトの
強さを頂点まで引き上げることができます。
Distortion (赤) 84

Distortion (赤)
PROFILER にはビンテージ・モデルを含む数多くのディストーション・エフェクトを再現したエフェクト Type や Preset
が用意されています。どれもがその独特のサウンドゆえに、様々なギター・ヒーローたちに愛用されてきたものばかりで
す。これらのクラシックな名機たちのディストーション・ カーブやサウンドの特性、さらにオリジナルなトーン・コント
ロールなどを極めて注意深く再現しました。

 Drive:歪みの深さ

「Drive」は、ディストーション段に送る信号のゲインをコントロールします。ゲインが高くなるにつれ、歪みが深くなっ
ていきます。

 Tone:トーン

「Tone」はローパス・フィルターで音質を柔らかくします。
Distortion (赤) 85

名前 内容 コントロール 参照されたペダル

Green まさに真空管が「叫び出す」よう 「Tone」:ローパス・フィルターで、ソ Ibanez® Tube


Scream な、非常にユニークでスモーキー フトなトーンにできます。 Screamer TS-808,
なオーバードライブ・サウンドで Overdrive OD-808*
す。ダイナミクスのヘッドルーム
を残した、やや穏やかな歪みに最
適です。

Plus DS よく歪むディストーションです。 オリジナル同様トーン・コントロールは MXR® Distortion+*


ありません。

One DS グランジ系のギタリストに人気の ローパスとハイパス・フィルターを同時 Boss® DS-1*


オレンジ色のディストーションが によるバイポーラの「Tone」により、ウ
モデルです。少しザラザラした歪 ォームなトーンから高域が耳に痛いほど
みです。 のサウンドまで、幅広いコントロールが
可能です。

Muffin ファズっぽいキャラクターの、あ One DS と同様、2 つのフィルターを使 Electro Harmonix®


の大型のディストーションがモデ ったトーン・コントロールです。低めの BigMuff*
ルです。 設定ではローパス・フィルターによる柔
らかなサウンド、高めではブライトなサ
ウンドになります。

* 全ての製品名やメーカー名は、各社の登録商標です。ケンパー社 (Kemper GmbH) はこれらに関連するものではありませ


ん。それらの商標は、その歴史の参照や、ケンパー社の開発過程においてインスパイアされた音について説明する目的の
みに使用されています。
Booster (赤) 86

Booster (赤)
ピュア・ブースターは Volume のみを備え、ただ音量を上げ下げするだけで色付けは一切行いません。歪み系のエフェク
トや STACK セクションの前に配置するとゲイン・コンロトールになり、STACK セクションの後ろに置くと、音色を変え
ること無く音量を上げ下げすることが可能です。
Equalizer:イコライザー (黄) 87

Equalizer:イコライザー (黄)

Graphic Equalizer:グラフィック・イコライザー
8バンド/オクターブのグラフィック・イコライザーです。80Hz〜10kHz をカバーします。サウンドの周波数特性をコン
トロールする最も簡単な方法と言えるでしょう。STACK セクション、つまりギターアンプの手前に配置するか、後ろに配
置するかで効果が大きく異なります。もちろんどちらも有効なセットアップです。

各バンドとも±12dB の範囲でブースト/カットが行えます。「Mix」パラメーターで原音とエフェクト音のバランスを調節
できます。

「Mix」により全てのバンドのインパクトをコントロールすることができます。

加えて「Low Cut」「High Cut」フィルターも備えています。


Equalizer:イコライザー (黄) 88

Acoustic Simulator:アコースティック・シミュレーター
Acoustic Simulator によって、エレキ・ギターのサウンドをアコースティック・ギターのサウンドに近づけることができま
す。両者は発音構造が基本的に異なるので完璧な再現は期待できませんが、アコースティック・ギター独特の音色やボデ
ィの響きを醸し出すことができるでしょう。ギグ全体のほんの一部でアコースティック・ギターのサウンドが必要といっ
た場合であれば、実際にアコースティック・ギターを持っていかずに済ますことができるかもしれません。

Acoustic Simulator は、ステレオ効果を活かすため、STACK セクションの後ろの X モジュールに配置することをお勧めし


ます。そして Amplifier モジュールや Cabinet モジュールをオフにして、歪みの無いライン・サウンドにすることが理想的
です。KEMPER Knoe がオンの状態のとき Amplifier モジュールと Cabinet モジュールをオフにすると、KEMPER Knoe は
自動的にフルレンジ・モードに切り替わります。まずは「Acoustic Simulator」以外のエフェクトも全てオフにして音作り
しましょう。Input セクションのノイズ・ゲートでピックアップのノイズを極力抑えておくことも重要です。

エレキ・ギターのどのピックアップが、最もお好みのアコースティック・ギターサウンドに近づくかチェックしてくださ
い。ハムバッカーを搭載したギターの場合はピックアップ・セレクターをミドル・ポジションに、シングル・コイルのピ
ックアップを搭載したギターの場合はネック・ポジションにすると良い結果が得られるでしょう。

 Pickup:ピックアップ

ピックアップの特性に応じて最適化するパラメーターです。シングル・コイルの場合は左に、ハムバッカーの場合は右に
回してみましょう。但し全てのエレキギターは異なる音色を持っていますので、このパラメーターには特定の正解値はあ
りません。音を聞きながら最適な設定を見つけてください。

 Body:ボディ

アコースティック・ギターのボディ、特に低音の響きをコントロールします。値を上げると低音が豊かに響きますが、バ
ンド・アンサンブルにおいては低音を減らした方が音抜けが良くなります。

 Bronze:ブロンズ

値を上げるとよりスティール弦の音に近づき、下げると柔らかなナイロン弦のサウンドに近づきます。
Equalizer:イコライザー (黄) 89

 Sparkle:スパークル

きらびやかな高域の輪郭をより明確にします。「Bronze」との組み合わせによって好みのアコースティック・ギター・サ
ウンドを見つけてください。

✓Acoustic Simulator のパラメーターは、ギターやピックアップごとに異なる内容になるでしょう。どんなギターやプッ 9 ア


ップにも合う万能な設定は存在しません。音を聴きながら根気よく設定してください。

✓場合によっては、STACK セクションの前に Graphic EQ や Studio EQ を配置して微調整するとより良い効果が得られま


す。

✓場合によっては、STACK セクションの前にグラフィック EQ やスタジオ EQ を配置して微調整するのも有効でしょう。


✓Acoustic Simulator は、エレキ・ギターのピックアップのサウンドをアコースティック・ギターのサウンドに近づけるよう
に設計されています。もともときらびやかな高域を出力するピエゾ・ピックアップを搭載した、いわゆるエレアコとの組
み合わせは良い結果を得られないでしょう。そのようなギターの音色をコントロールには、Graphic EQ や Studio EQ が向
いています。
Equalizer:イコライザー (黄) 90

Double Tracker:ダブルトラッカー
The KEMPER™ Double Tracker は、リアルタイムにダブルトラックを実現するエフェクトです。1台のギター演奏が、あ
たかも2台のギターを左右のチャンネルに配置して個別に演奏したかのようなサウンドになります。

多くのダブルトラッカーは、ディレイやコーラスを応用して左右のチャンネルのタイミングやピッチの差を作りますが、
The KEMPER™ Double Tracker は、独自のタイムストレッチ・アルゴリズムを使用して、タイミングやピッチを時間軸で
変化させます。これにより演奏内容や音色の変化に沿ってピッチやタイミングがランダムに変化し、より自然なダブルト
ラックを実現しています。

ケンパーでは既に、OS 5.0 で新しいディレイのアルゴリズムとして追加された「super-stereo」により、ステレオ L/R よ


り外側に音像を定位させる素晴らしい広がりを実現しています。

Double Tracker もステレオ再生において最大の威力を発揮しますので、STACK セクションよりも後ろのモジュールに配置


することをお勧めします。

 •Looseness:ルーズネス

トラック同士のタイミングのズレをよりルーズにするか、比較的タイトにするかを設定するパラメーターです。

 •Detune:デチューン

トラック間のピッチをごく微妙にずらすパラメーターです。「Air Chorus」と同じアプローチです。ダブルトラックにおい
ては、必ずしもピッチをずらす必要はありません。必要なければ「0」にしておくと良いでしょう。

 •Stereo:ステレオ

左右に配置されたトラックの広がりをコントロールします。+またはー100%で通常のステレオ定位になり、大きな値にす
る と「super stereo」同様の広がりが得られます。

Double Tracker に関するチュートリアル・ビデオはこちらにあります:


www.kemper-amps.com/video
コンプレッサー (シアン) 91

コンプレッサー (シアン)
ギター弦は減衰が非常に速いため、クリーン・トーンでは多くの場合コンプレッサーが使われます。ディストーション・
サウンドでは、歪ませること自体の副産物として一定のコンプレッションがかかりますので、その上にコンプレッサーを
使うと、ダイナミクスやタッチをさらに押さえ込んでしまうことになりますが、コンプレッサーで最大レベルに圧縮した
信号を使うことで、アンプを常に一定程度歪ませることが可能になります。常に同じ程度に僅かに歪んだギター・サウン
ドを作るために使われるのがこの方法です。

クリーン・トーンでのコンプレッサーの効用はサスティンが伸びることです。もう 1 つの典型的な効用は、コンプレッサ
ーのアタック・タイムを調整することでピッキングのアタックを強調できる点ですが、PROFILER の Amplifier モジュール
にある「Pick」パラメーターは、ピッキングのアタックのエネルギーをコントロールすることに最適化されていて、一般
的なコンプレッサーよりも効果的です。

Effect のコンプレッサーはビンテージ・コンプレッサーを忠実に再現したものですが、「Squash」という新しいパラメー
ターも追加して、より多様に使えるようにしました。

PROFILER のコンプレッサーの「Volume」は、「Rig Volume」に対してユニティになるよう自動的に調整されますので、


コンプレッサーをオンにしたときのレベルを再調整する必要はありません。

 Intensity:コンプレッションの強さ

「Intensity」はコンプレッション量をコントロールするパラメーターです。0 の状態ではコンプレッションがかかりませ
ん。0 からセンター・ポジションまでの間は穏やかな効きで、強すぎるアタック音を抑える程度の働きです。「Intensity」
をさらに上げていくと、サスティン部分が徐々にブーストさ れていくのが聴き取れます。
コンプレッサー (シアン) 92

 Attack:反応の速さ

「Attack」は入力信号に対するコンプレッサーの反応速度を調整するパラメーターです。値が高い場合は圧縮がかかるまで
の時間が長くなり、徐々にかかり始めますので、アタック部分はほぼそのままの信号になり、結果としてピッキングのア
タックが強調されたサウンドになります。

 Squash:圧縮感

「Squash」は、コンプレッサーの効果をさらにダイナミックにするパラメーターです。センター・ポジションでは通常の
コンプレッサーそのままの動作ですが、センターから 0 に向かってノブを回すと、ディケイの最初の部分が強調され、圧
縮感が弱まったサウンドになります。逆にセンターから右へ回すと、ディケイの最初の段階が強く押し潰され、ボリュー
ムも下がります。ディケイが進むと押しつぶされた状態から戻り始め、ピッキング時よりも少しブーストされたレベルま
で盛り返します。いかにもコンプレッサーが効いているというサウンドになるのがおわかりでしょう。

「Squash」パラメーターはコンプレッション・レシオには一切手を加えません。ビンテージ・コンプのコンプレッショ
ン・レシオは、無限大(∞)のものがほとんどです。
ノイズ・ゲート・ストンプ (シアン) 93

ノイズ・ゲート・ストンプ (シアン)
Input セクションにある Noise Gate とは別に、主にハイ・ゲイン・サウンドを好むギタリスト向けに、Effect のノイズ・ゲ
ートが 2 種類用意されています。

Input セクションの Noise Gate はギターのダイナミクスをそのまま保てるように設計されているのに対し、ストンプのノ


イズ・ゲートは、従来の、いわば逆エキスパンダーと言えるタイプのノイズゲートです。信号がスレッショルド・レベル
を下回ると自動的に押さえ込みます。手のひらでミュートされたリフの芯とソリッドさを保ちつつ、ぼやけた部分を削ぎ
落としてくれるので、メタル・リフをよりタイトに演奏するためによく使われます。異なるレシオ設定を持つ 2 つのノイ
ズ・ゲートを用意しました。

Noise Gate 2:1:ノイズ・ゲート レシオ 2:1


このノイズ・ゲートは、レシオ= 2:1 の緩やかなエキスパンダーとも言えます。入力信号がスレッショルド・レベルを下回
ると 2:1 の比でレバルが抑えられます。スレッショルドを下回る信号が、全て 2dB 減衰するということです。

Noise Gate 4:1:ノイズ・ゲート レシオ 4:1


このノイズ・ゲートは、レシオ= 4:1 の緩やかなエキスパンダーとも言えます。入力信号がスレッショルド・レベルを下回
ると 4:1 の比でレバルが抑えられます。スレッショルドを下回る信号が、全て 4dB 減衰するということです。

インプット・セクションのノイズ・ゲート同様に、アタックやリリースのコントロールはありません。音質に影響を与え
ない範囲で最速の設定になるよう設計しました。アタック・タイムは 0.05ms (50 マイクロ秒、あるいは 12 万分の 1 秒)
で、リリースは 50ms です。インプット・セクションのノイズ・ゲートとはキャラクターが異なりますので、併用するこ
とはもちろん可能です。
コーラス (青) 94

コーラス (青)

Vintage Chorus:ビンテージ・コーラス
Vintage Chorus は、現代のサンプリング技術の先祖とも言える BBD 遅延素子による、1970 年代のコーラス回路をシミュ
レートしたものです。 あのコーラス・アンサンブルを再現するだけでなく、同じような技術を使った当時の多くのコーラ
ス・エフェクトのサウンドもカバーしています。

Vintage Chorus をオンにすると、全体的に柔らかい音になる印象を持たれるかも知れませんが、これは BBD 遅延素子のサ


ンプリング・ レートの低さによるもので、このソフトなエフェクト音が原音とミックスされることで全体の中低域がやや
ブーストされ、あのウォームなコーラス・サウンドになるのです。Vintage Chorus を STACK の前に配置すると、当時の
あの有名なモノラル・エフェクトになります。一方エフェクト・セクションで使用すると、モジュレーション感の少ない
濃密なステレオ・コーラスになります。これはステレオの左右でそれぞれ独立したコーラス回路が動作し、互いに逆相の
モジュレーションをかけるためです。

✓アナログ・コーラスのオリジナルをお持ちの方は、PROFILER の Vintage Chorus にはボリューム・ブースト・スイッチが


無いことにお気づきになる でしょう。私たちは、オリジナルにある機能でも、ボリューム・レベルに影響するものはその
まま搭載しないというポリシーを持ち、それに基づいてこの機能を搭載しませんでした。ボリューム・ブーストはこのコ
ーラスの特徴の 1 つではありますが、その機能のためにこのエフェクトを選ぶというよりも、このコーラスのキャラクタ
ー自体をより手軽にベストな状態で使ってもらい易くしたかったのです。ブースト効果が必要な場合は、「Volume」パラ
メーターがいつでもその代わりを務めます。
コーラス (青) 95

 Rate:モジュレーションの周期

モジュレーションの周期を「Rate」パラメータで調節します。

 Depth:モジュレーションの深さ

モジュレーションの深さを「Depth」パラメータで調節します。

✓Tip:オリジナルのコーラス・アンサンブルのサウンドは、「Depth」をセンター・ポジションにしたまま、「Rate」で欲
しいサウンドを捜して下さい。オリジナルにはデプス・コントロールがありませんでした。

 Crossover:コーラスがかかる帯域設定

各コーラス・アルゴリズムには、「Crossover」というパラメーターがあります。値を上げていくと、モジュレーションが
かかる帯域が上がり、低音域にはコーラスがかからなくなります。これによりボトムエンドがボヤけたサウンド になるの
を防ぐことができます。このようなパラメーターはベース用コーラスなどでよく見かけますが、実はギターにも効果があ
るのです。
コーラス (青) 96

Air Chorus:エア・コーラス
Air Chorus は、オーディオ信号段階ではエフェクト音と原音をミックスしない特殊なコーラスで、非常に穏やかな効きが
特徴的です。左右のオーディオ信号に個別のモジュレーションをかけてピッチを揺らし、左右のスピーカーでそれぞれを
再生します。別々の揺らぎを持つ左右の音が空間で合成されることでコーラス効果が現れます。「Air Chorus」の名前はそ
こから付けられました。あの有名なジャズ・コーラスアンプで採用している方式です。

 Depth:モジュレーションの深さ

Air Chorus では、「Depth」パラメーターが音作りで必要となる唯一のコントロールで、付随する要素は最適に自動設定さ


れます。値を高くすると、穏やかですがコーラスだと分かりやすいサウンドになります。低くすると、揺らぎを感じさせ
ずにステレオ空間を広げることができます。

 Crossover:コーラスがかかる帯域設定

「Crossover」を上げていくと、低音域から中音域にかけは、揺らぎの無いモノラルになり、高音域はコーラス効果による
ステレオ感で、空間を漂っているかのようなサウンドになります。
コーラス (青) 97

Vibrato:ビブラート
Vibrato は、入力音のピッチをサイン波でモジュレーションするエフェクトです。

 Rate:モジュレーションのスピード

モジュレーションのスピードは「Rate」でコントロールします。

 Depth:モジュレーションの深さ

「Depth」はモジュレーションの深さを設定するパラメータです。

 Crossover:ビヴラートがかかる帯域設定

「Crossover」の値を上げると、低音域にはビブラートがかからなくなります。ハモンド™・オルガンに内蔵されているス
キャナー・ビブ ラートとよく似たサウンドになります。
コーラス (青) 98

Rotary Speaker:ロータリー・スピーカー
Rotary Speaker は、ハモンドオルガンとのコンビネーションで有名な、あの伝説的なレスリースピーカーのサウンドを忠
実に再現したエフェクトです。実際のレズリースピーカーは、低音域用ドラムと高音域用ホーンがキャビネット内で物理
的に回転し、しかもそれらは同期せず、それぞれが独自のスピードで回転することによって発生する複雑なドップラー効
果による独特なサウンドを引き出していました。まるでビブラートやトレモロ、そしてコーラスが渾然一体となったよう
なリッチなサウンドです。

Rotary Speaker 自体がサウンドに色付けすることは無く、PROFILE が持つ音色が活かされます。STACK セクションの後


ろに配置することで、アンプ・サウンドを活かしたままロータリースピーカー・キャビネットを再現することができるで
しょう。

 Rot Speed Fast/ Slow:ローターとホーンの回転速度

「Rotation Speed」により、ロータリーの回転を Fast/ Slow の 2 段階で切り替えます。切り替えると即座にスピードが変


わるのではなく、オリジナルと同様 Slow または Fast へ徐々に切り替わります。このスイッチは Effect Button I〜IIII また
は外部フット・スイッチのいずれかにアサインすることができます。MIDI でコントロールすることも可能です。

 Stereo:ステレオ

「Stereo」パラメーターで、2 本のバーチャル・マイクのスピーカーに対する角度を調節します。モノラルにする場合は、
角度を 0 ° (センター・ポ ジション) にします。マイナス値にすると、ロータリーの回転する方向が逆になります。ライ
ブ・ステージやスタジオ録音での一般的なロータリー・スピー カーのマイキングと同様、2 本のマイクで収音されている
のは高音域のトレブル・ホーンのみで、低音域のベース・ローターはマイク 1 本です。

 Low-High-Bal.:ローラーとホーンの音量バランス

「High-Low Bal.」は、トレブル・ホーンとベース・ローターの音量バランスを取るパラメーターです。設定値が低い場合
は、低音域を利かせたダークなトーンに、設定値を高くするとブライトで繊細なトーンになります。センター・ポジショ
ンで、最もレスリーらしいバランスになります。
コーラス (青) 99

 Distance:スピーカーとマイクの距離

「Distance」は、バーチャル・マイクのキャビネットからの距離を 4cm〜50cm の範囲で調節できるパラメーターです。マ


イクをキャビネットに近づけるとトレモロ感の強いサウンドになり、最も遠いセッティングにするとトレモロ感がないサ
ウンドになります。

 Mix:ダイレクト音とエフェクト音のミックス・バランス

「Mix」パラメーターで、原音とロータリー・スピーカーの出力、即ちダイレクト音とエフェクト音のバランスをコントロ
ールします。一般的には 100% (エフェクト音のみ) にしますが、もちろんそれ以外のセッティングによるサウンドも魅力
的です。
コーラス (青) 100

Tremolo:トレモロ
Tremolo エフェクトは、一定の周期で信号のレベルを変調します。

 Rate:トレモロのスピード

「Rate」でトレモロのスピードをコントロールします。連続的に可変できますが、リグのテンポが有効の時はそれに同期
します。リグのテンポはノブまたは TAP ボタンで設定できます。リグの「Tempo」が有効になると、「Rate」の値は音価
で表示されます。「テンポ」の章もご参照下さい。

 Depth:トレモロの深さ

「Depth」パラメータで、トレモロの深さを設定します。

 Crossover:トレモロがかかる帯域

「Crossover」の設定により、低音域にはトレモロがかからないように設定することができます。

✓Tremolo エフェクトを、ステレオの Effect セクションに配置すると、ステレオ空間を演出する「オートパン」になりま


す。その場合、「Stereo」パラメータがエフェクト音のキャラクターや効果の強さをコントロールします。Stereo の設定
により、左右のモジュレーションの位相が変化します。センター・ポジション (値=0) にすると位相が揃い、モノラルのト
レモロになります。
フェイザー、フランジャー (紫) 101

フェイザー、フランジャー (紫)

Phaser:フェイザー
このフェイザーは、左右のチャンネルにそれぞれ 12 ステージもの大規模なフィルター・バンクを備えています。

 Rate:モジュレーションの速度

このパラメータでモジュレーションのスピードを調節します。通常は好みの値に設定できますが、Rig の Tempo が有効の


ときはそのテンポに同期します。Tempo は Editor の「Tempo」ノブまたは TAP ボタンで自由に設定可能です。また
Tempo が有効になっている場合は、「Rate」が音符 (音価) で表示されます。「Tempo」に関するさらに詳しい内容は、こ
のマニュアルの「テンポ機能」の章をご残照下さい。

 Depth:モジュレーションの深さ

「Depth」の設定を変えると、「Manual」の設定値との組み合わせに応じてモジュレーションの深さ変化します。

 Manual:モジュレーションの中心周波数

「Manual」でモジュレーションの中心周波数を設定します。フェイザーがスイープする際の中心となる帯域です。
「Depth」が 0 の場合、「Manual」の設定でうねりの無い、固定的なフェイズ・サウンドが得られます。

 Feedback:フィードバック

「Feedback」の設定値を上げると、ピークがより高く、ノッチがより深くなります。
フェイザー、フランジャー (紫) 102

 Peak Spread:ピーク・スプレッド

「Peak Spread」は、ビンテージ・フェイザーでは見かけないパラメータです。このパラメータをアナログ回路で実現しよ
うとすると、非常に高価なものになってしまうからです。このパラメーターにより、フェイザーによって生まれるピーク
とノッチの幅を、周波数方向に調節することができます。狭めのセッティング (センター・ポジションよりも左) では、非
常に狭い帯域でピークが発生するのが聴き取れます。広いセッティング (センターより右) にすると、サウンド全体を包み
込むようなサウンドになります。

 Stages:段数

「Stages」パラメーターでフェイザーのステージ数を選択できます。2〜12 ステージの範囲を、2 ステージ刻みで選択する


ことが可能です。ステージ数が多いほど、より複雑で拡散したサウンドになります。

 Stereo:ステレオ

「Stereo」は、モジュレーションの左右への広がりを調節します。極端な設定にすると、左右の定位が大きく変化しま
す。センター・ポジション(0)でモノラルになり、低めの設定にすると穏やかなステレオ効果が得られます。

Flanger:フランジャー
フランジャーはフェイザーとよく似た位置づけのエフェクトで、サウンドも似たところがあります。そのためエフェクト
の色分けはフェイザーと同じ「紫」にグルーピングしました。しかし技術的にはフィルター技術を応用したフェイザーと
は異なり、アナログのフランジャーは BBD 遅延素子を利用した、非常に短いディレイを使用したエフェクトです。

フランジャーのパラメーター構成はフェイザーと殆ど同じです。「Peak Spread」と「Stages」がフランジャーにはあり
ませんが、それ以外はフェイザーと同じですので、同じパラメータ設定のままフランジャーとフェイザーを切り替えて、
効果の違いを試すと良いでしょう。
ピッチ・シフター (緑) 103

ピッチ・シフター (緑)
ピッチ・シフターは一連のディレイの配列によって成り立っています。最初に入力信号をごく短い時間にスライスし、そ
れらを異なるスピードで再生することでピッチを変えるというしくみです。ディレイの応用であることの宿命とも言えま
すが、必ず若干のレイテンシーが生じます。特に長めにスライスする必要があるコード音のピッチ・シフトにおいて、レ
イテンシーが顕著になります。

✓Effect モジュールを費やさずに使えるデジタル・カポタスト「Transpose」が Rig Settings 画面にあることをお忘れなく!


ピッチ・シフター (緑) 104

Analog Octaver:アナログ・オクターバー
Analog Octaver は、1オクターブ下と 2 オクターブ下の2つのボイスを追加するエフェクトです。元々ベースでの使用を
前提に開発されましたが、ギターを含む他の楽器でも使用可能です。ピッチ・シフターの技術をそのまま応用するのでは
なく、アナログの検波回路をモデリングし、入力信号をコントロールしたりフィルタリングしたりしています。そのため
単音での使用が前提になります。複音やコードを演奏すると良い結果が得られないでしょう。

実際のアナログ・オクターバーには常にトラッキングの問題がつきまといますが、PROFILER の Analog Octaver には、ケ


ンパーの高い技術によるアナログ検波回路のモデリングが使用されていますので、トラッキングの精度と速度が飛躍的に
向上しています。

 Voice Balance:ボイス・バランス

「Voice Balance」を左に回しきると、1 オクターブ下の音のみが発音され、右に回しきると 2 オクターブ下の音のみが発


音されます。間の位置では両方の音が発音され、そのバランスがノブの位置によって決まります。

 Mix:ダイレクト音とエフェクト音のミックス・バランス

「Voice Balance」の設定により発音されるエフェクト音と、ダイレクト音のレベル・バランスを決定します。

 Low Cut:ロー・カット

オクターバーは、高い音域を演奏するときには心地よく響いてくれますが、低い音域では不快なウネリが発生することが
あります。これは 20Hz 以下の低音も生成されるためです。PROFILER の Analog Octaver には「Low Cut」というパラメ
ータが用意されていて、これによって低い音域でも引き締まった音にすることができます。

「Low Cut」を左に回しきった状態、つまりバリューが「0」のとき、「LowCut」は作用しません。右に回してゆくに従っ
て低音域の過分なエネルギーが抑えられます。この時、高音域はオリジナルのままの状態が維持されますので、全音域で
シャープなオクターバー・サウンドが得られるのです。
ディレイ (緑) 105

ディレイ (緑)
ディレイは PROFILER のエフェクトの中でも、最も充実した内容と機能を持っていると言えます。しかしながら「リバー
ス・ディレイ」や「テープ・エコー」、「ダッキング・ディレイ」など、ディレイ・エフェクトの種類としてよく目にす
るタイプのディレイが見当たらないことに気がつくでしょう。PROFILER では、従来は個別に存在することが多いこれら
のディレイのほとんど全てを網羅できるアルゴリズム(Type)に集約しました。

例えばアナログ・テープ録音/再生時のサチュレーションや歪みによる「テープ・エコー」の独特なサウンドは、「Low
Cut」「High Cut」といったフィルターに加え、ワウフラッターをコントロールするパラメーターや「Grit」というザラつ
きを醸し出すパラメーターで再現することができます。これらの影響を抑えてゆくと、バケツ・リレー方式の電子式ディ
レイに近づきます。言うまでもなくデジタルであれば、リバース機能はパラメーターとして簡単に付加することが可能で
す。

さらに「Input Swell」「Smear」「Cross Feedback」などのパラメーターを付加したり、リズミカルな反復を可能にする


ことで、よりアンビエントに近い、リバーブの様なディレイを作り出すことができます。

結果として、どのディレイ Type も非常にたくさんのパラメータを備えているということになりますが、心配は無用です。


「Wow & Flutter」以外の全てのパラメータは一つのコントロールで、とても簡単に扱えます。例えばバリューを0にすれ
ば、その機能はオフと同じ扱いになると行った具合に。

今すぐ全てのパラメーターを把握しなければという心配は必要はありません。これらを駆使して作成された様々な Delay
Preset が用意されていますので、まずはそれらを DLY モジュールに読み込んでお試しください。

Load Type を実行すれば、パラメーターは同じ内容を維持したまま別の Type のディレイに切り替えることができますの


で、演奏曲に合った設定のままニュアンスの違う別のディレイを試してみるということが可能です。

ディレイはシグナル・チェインの後半に位置する DLY モジュールにアサインするのがお勧めですが、ど Effect モジュール


にでもアサインすることができ、同時に複数のディレイを使うことも可能です。
ディレイ (緑) 106

ディレイを DLY または REV モジュールにアサインすると以下のような利点があります:

• DLY または REV モジュールにアサインしたディレイのディレイ音(同じくリバーブのリバーブ音)は、「Spillover」とい


う機能により、Rig を切り替えた後にも途切れずに残ります。

• DLY または REV モジュールにアサインしたディレイのディレイ音(同じくリバーブのリバーブ音)は、Output Source の


Del/Rev Wet により、ウェット音のみを切り出して出力することができます。

ディレイ各 Type の詳しい内容についてご説明する前に、ほとんどのディレイ Type に共通のパラメーターを紹介します:

 Delay Mix:ディレイ音とドライ音のミックス・バランス

ディレイ音のレベルをコントロールします。センターの位置の時、ディレイ音とドライ音のレベルが等しくなります。セ
ンターより右に回すとドライ音のレベルが下がりはじめ、右に回しきって 100% (wet) にするとディレイ音のみが出力され
ます。

 Mix Location Pre/Post:ディレイ音のミックス位置(プリ/ポスト)

ウェットとドライの「 Mix」をディレイ・エフェクトの直前(Pre)でコントロールするか、直後(Post)にするかを、
「Mix」のとなりの「Location」で選択します。通常はどちらを選択しても大きな違いが現れませんが、「Mix」の値をモ
ーフィング機能でコントロールする場合などには違いが明確になります。

Post に設定すると、「Mix」によってディレイ音の出力レベルがコントロールされるので、ディレイのテイルに素早く反応
が現れます。Pre の場合はディレイ・エフェクトへの入力レベルがコントロールされるので、変化の現れ方がソフト後に説
明する「Grit」や無限の「Feedback」による効果も、Mix の位置による差が現れます。

✓後に説明する「Grit」や無限の「Feedback」による効果も、「Mix」の「 Location」による差が現れます。
ディレイ (緑) 107

 Low Cut & High Cut:ローカット/ハイカット・フィルター

「Feedback」により繰り返されるディレイ音の音質を決定します。リピートが進むにつれ、さらにカットされてゆきま
す。「Low Cut」を最小値、「High Cut」を最大値に設定すると、全くフィルターがかからない状態になります。

「High Cut」を最大値から下げるにつれ、繰り返し毎に抑えられる高域の範囲が下がり、よりやわらかいサウンドになり
ます。

「Low Cut」を最小値から上げると、繰り返しのたびに低域がカットされてゆきます。ディレイ音がよりシャープになりま
す。最小値から9時の位置くらいまでの範囲では、「High Cut」のレゾナンスをコントロールする効果があります。

この二つのパラメータの組み合わせにより、テープ・エコーやアナログ・ディレイのような暖かみのあるサウンドが再現
できるでしょう。

例えば「High Cut」を 2000Hz にセットし、「Low Cut」を最小値から少しづつ上げると、ほんの少し上げるだけでもテー


プ・エコー特有のピークを持ったディレイ音になることに気づくでしょう。「Low Cut」の設定値を「High Cut」の値に近
づけると、バンドパス・フィルターのようになります。但し「Low Cut」を高い周波数にセットしても、実際の信号処理上
は「High Cut」の設定値を越えることはありません。

 Cut More:より強くカットする

「Low Cut」と「High Cut」による減衰が物足りないと感じたり、ロング・ディレイの音質をより急峻に変化させたいとい


う場合は、「Cut」ボタンをクリックして More を選択すれば減衰効果を倍増することができます。

 To Tempo:ディレイ・タイムをテンポに同期させる

ディレイ・タイムは時間(1/1000 秒単位)または音価で設定します。「Tempo Sync」ボタンをオンにすると、ディレ


イ・タイムは音価による設定になり、実際の遅延時間は Tempo の設定に依存します。
ディレイ (緑) 108

 Delay Time & Delay Ratio:ディレイ・タイムとディレイ・レシオ

「Tempo Sync」がオフの場合、ディレイ・タイムは 1/1000 秒単位(ms)で設定される実時間になります。ディレイ・タ


イムの最大値は 2000 ms です。音を出しながらノブで「Delay Time」の値を変えると、テープの走行スピードを変えてデ
ィレイ・タイムを設定するテープ・エコーと同じように、ディレイ音のピッチが連続的に変化することに気づくでしょ
う。

ディレイ Type の一部には「Delay Ratio」というパラメータがあります。マルチタップのディレイなどで、各タップの遅


延時間を「Delay Time」の設定値に対する比率、すなわち何割(%)の時間に設定するかというパラメータです。ベース
になるディレイ・タイムを変えるだけで、各タップの遅延もこの「Delay Ratio」の設定値に応じて変化するので便利で
す。これにより、例えばリズミックなマルチタップ・ディレイの場合も、パターンを保持したままディレイ・タイムを変
えることができるのです。

 Note Value:音価によるディレイ・タイム設定

「Tempo Sync」ボタンをオンにすると、「Delay Time」「Delay Ratio」の設定値が音価になり、実際の時間は


PROFILER で設定されているテンポによって決定されることになります。

Tempo は TAP ボタンをタップすることでもオンにすることができます。詳しくは「Tempo」の章をご参照ください。

音価の設定値を変えてもピッチの連続変化などは起こらず、スムーズに移行します。

 Feedback:フィードバック

「Feedback」は、ディレイのリピート回数を決定するパラメータです。0にするとディレイ音は聞こえなくなります。
「Feedback」の値を上げるにしたがってリピート回数が増え、センターの位置(100%)にすると永遠に繰り返されま
す。

いくつかのディレイ Type は、「Infinity」と「Freeze」というパラメーターを持っています。これらによりディレイを永遠


に継続させることができます。またこの機能のトリガーを Effect Button I〜IIII にアサインすることもできます。
ディレイ (緑) 109

 Freeze:ディレイ音をフリーズする

「Freeze」をオンにすると、その時点で繰り返されているディレイ音のリピートが永遠に続きます。レベルが減衰したり
音質が変化したりすることがなく繰り返されます。オンによってディレイのインプットが閉じられ、以降の演奏にはディ
レイがかかりません。つまり「Freeze」によって繰り返されるサウンドにあわせて、メロディなどの演奏ができるという
ことになります。

 Infinity:永遠にリピートさせる

「Infinity」をオンにすると「Feedback」パラメータが「Infinity Feedback」に変わり、設定値の範囲が 100%〜200%にな


ります。同時に本来の「Feedback」の値とは独立した設定となります。「Infinity」用の「Feedback」が適用されると、デ
ィレイ音は従来のようにが減衰するのでは無く、リピートを重ねるにつれてレベルが加算されるため、テープ特有のサチ
ュレーションと同様の効果が現れ、音質が劣化してゆきます。ここで「High Cut」「Low Cut」をうまく設定することによ
り、暖かみのある心地よいディレイ音を得ることができるでしょう。さらに「Mix」を Post に設定することで、サチュレ
ーションの効果を実現しつつ、ディレイ音のレベルをコントロールすることが可能になります。

レベルの増減や音質の変化無しにリピートする「Freeze」に対し、「Infinity」はリピートの進行ともにレベルが上がり、
リピートされるディレイ音相互に変調が起こります。

✓「Freeze」と「Infinity」は、PROFILER Player の Effect Button I〜IIII にオン/オフをアサインすることができ、


PROFILER Player のフット・スイッチや外部フット・スイッチ、または MIDI でトリガーすることが可能です。

 Reverse Mix:リバース・ミックス

ノブを右に回しきって最大値にすると、ディレイ音が逆方向に再生されます。中間の値では通常のディレイ音と逆方向再
生のディレイ音のミックスになります。
ディレイ (緑) 110

 Input Swell:インプット・スウェル(ディレイ音の立ち上がりを抑える)

ディレイ・ラインのインプットのレベルが少しづつ大きくなります。スローアタックになることでアタックのピークが抑
えられるため、スムーズなディレイになります。大きめの値にするとパッドのようなサウンドになるでしょう。

 Smear:スミア(ディレイ音を僅かにぼかす)

「Smear」は、ディレイ音にわずかな残響を加えます。残響はリピートが進むにつれて強くなってゆきます。ピッキング
によるアタックが拡散し、リバーブのような振る舞いになります。「Input Swell」と「Smear」は、より空間的広がりを持
った優美なディレイを創り出すのに欠かせないパラメータです。

 Stereo:ステレオ(ディレイ音を拡げる)

他のエフェクトにも備えられているバイ・ポーラーの「Stereo」パラメータと同様の働きをします。ディレイの場合は、
ディレイ音の空間的な広がりを増すことができます。

ディレイの「Stereo」は、ディレイ音を通常のステレオの範囲のさらに外側まで広げる効果があり、かつて無いステレオ
空間を作り出します。左右の出力の中間点、つまりベストなリスニングポジションで聞くと最大の効果が得られます。マ
ルチタップ・ディレイの各ディレイタイムを異なる値に設定すると、さらに効果が増すでしょう。但しこの効果はヘッド
ホンでは確認できません。

• バリューを 100%にすると、ディレイ音が完全に左右に振り分けられます。

• バリューを 0%にするとディレイ音がセンターに集まり、結果としてモノラルになります。

• -100%でもディレイ音が完全に左右に分かれますが、左右が入れ替わります。

• ±100%を越えると、ディレイ音は左右チャンネルのさらに外側に定位し、±200%で広がりが最大になります。

どの Effect Type の場合も、「Stereo」は STACK セクションの後ろのステレオの Effect モジュールにした場合にのみ機能


します。STACK セクションの手前に配置した場合「Stereo」ノブは表示されません。
ディレイ (緑) 111

 Grit:グリット(テープ・サチュレーションを再現する)

テープ・エコー独特のサチュレーションとコンプレッションを再現します。小さな値では、不安定な感じがするザラつい
たサウンドになり、大きな値にするとテープ録音のサチュレーションによるコンプレッション効果が明確になってゆきま
す。3時の位置程度に上げると、インプットレベルがブーストされ、歪みが強くなります。「High Cut」「Low Cut」を組
み合わせることで、耳障りの良い歪みにすることができるでしょう。その場合「Low Cut」「High Cut」の隣の「Cut」ボ
タンをクリックし Cut More をオンにすることをお勧めします。

一般的な音の歪みと同様に、「Grit」によるザラつきの度合いはインプットレベルに依存します。つまり「Grit」の効き具
合は「Mix Position」の設定によって変わるということです。「Mix Position」を Pre に設定すると、「Delay Mix」の設定
によって歪み具合をコントロールすることができます。歪み具合を変えずに、ディレイ音のレベルだけをコントロールし
たい場合は、「Mix Position」を Post に設定してください。

 Stereo Modulation:ステレオ・モジュレーション

ディレイ・タイムが変調され、暖かみのある、コーラス・エフェクトのようなサウンドになります。各ディレイ・タップ
は、たとえ同じディレイタイムに設定されていても、異なる位相で変調されるため、コーラス・エフェクトの「Air
Chorus」と同じような広がりを創り出します。

✓ステレオ効果を出さずにディレイタイムを変調したい場合は「Flutter」パラメータをお使いください。
 Chorus

ディレイ音にコーラス(シングルノブ・コントロール)がかかります。’80s 風のサウンドが楽しめるでしょう。
ディレイ (緑) 112

 Flutter Intensity & Flutter Rate:フラッター効果の強さとシェイプ

テープ・エコー独特のワウフラッターを再現します。エンドレス・テープに録音と再生を繰り返すことでディレイを作り
出すテープ・エコーでは、機械的な部分に起因するテープ走行速度のムラや、テープが伸びてしまうことなどにより、デ
ィレイ音の音質やピッチがランダムに変化します。「Flutter Rate」は、この変化の全体的なスピードをコントロールしま
す。小さな値にするとワウのような変化が目立ち、高い値ではフラッター効果に近づきます。「Flutter Intensity」は効果の
強さをコントロールします。

 Ducking:ダッキング

「Ducking」は、演奏のダイナミクス(強弱)でディレイ音が強調されたり抑えられたりするダッキング・ディレイでお馴
染みの機能です。
「Ducking」パラメータは、演奏の強弱に反応するスレッショルド・レベルです。値はバイ・ポーラで、デフォルト値であ
るセンターでは動作しない状態です。右に回すと典型的なダッキング、即ち強く演奏するとエフェクトが弱まり、ソフト
に演奏するほどエフェクトが強くなります。「Ducking」がうまく設定できれば、演奏のダイナミクスで効果的にエフェク
トをコントロールすることができます。

「Ducking」パラメータをセンターより左にすると逆の動作になります。つまり強く弾くほど、エフェクトがよりはっきり
とかかります。

あるエフェクトの「Ducking」をポジティブ、センターより右にセットし、別のエフェクトはその逆に設定すると、演奏の
強さに応じてエフェクトを入れ替えるような動作をさせることも可能です。

「Ducking」の設定、即ちスレッショルドは、あなたのギターのレベルに自然に反応します。従ってインプット・セクショ
ンの「Clean Sens」の設定の影響を受けます。

 Ducking Pre/Post:ダッキング プリ/ポスト

「Pre」を選択すると、ディレイ音のレベルのコントロールがエフェクト入力時に行われますので、先に通過しているディ
レイ音は影響を受けません。

「Post」に設定すると、ウェット音の出力段でレベルが制御されますので、演奏の強弱によって直ちにディレイ・テイル
のレベルが変化します。
ディレイ (緑) 113

Single Delay:シングル・ディレイ
Single Delay は一つのディレイ・ラインで構成されているシンプルなディレイです。STACK セクションの手前のモノラル
の Effect モジュールに配置することを想定したディレイです。もちろん STACK セクションの後ろに配置することも可能
で、その場合は「Stereo」パラメータが有効になり、左右の位相をシフトします。つまり左右の同じ信号を再度モノラ
ル・ミックスする場合でも、位相ずれによるフェイズ感を取り去ることもできるのです。

Single Delay:シングル・ディレイ
ディレイ (緑) 114

TwoTap Delay:2タップ・ディレイ
左右に独立したディレイ・ラインを備えるデュアル・ディレイとは違い、シングル・ディレイをベースにしていますが、
ディレイ音が左右に出力されます。いわゆるピンポン・ディレイに適したディレイ Type です。

「Tempo Sync」ボタンをオンにすると、左右に出力されるディレイ音のディレイ・タイムが音価(Note Value)で設定で


き、ディレイ音のタイミングがテンポに同期します。左右を異なる音価に設定するとピンポン・ディレイになり、同じ音
価にするとモノラルのディレイになります。「Note Value 1」(左チャンネル)のディレイ音のみがフィードバックされま
ので、「Note Value 1」の音価がディレイ・パターンの長さということになります。例えば「Note Value 2」(右チャンネ
ル)の音価を、「Note Value 1」の半分に設定すると、ディレイ音が同じタイミングで左右を行き来する、いわゆるピンポ
ン・ディレイになります。左右の音価を入れ替えると、左右が入れ替わるだけではなく、ディレイ・パターンも変化する
ことになります。16 分音符を分母に全音符まで任意の音符が選べます。5/16 や 7/16 などの奇数拍子や符点音符にも対応
します。偶数と奇数を組み合わせると、とても複雑なディレイ・パターンを創り出すことができるでしょう。

「Tempo Sync」をオフにすると、左チャンネル(Delay 1 Time)の設定が 1/1000 秒(ms)単位の時間設定になり、右チ


ャンネル(Delay 2 Ratioo)は、左のディレイ・タイムに対する比率(%)で設定します。

TwoTap Delay:2タップ・ディレイ
ディレイ (緑) 115

Legacy Delay:レガシー・ディレイ
Legacy Delay は、PROFILER のために最初に開発されたディレイ・アルゴリズムを使用しています。これまで OS で作ら
れたディレイ・エフェクトの設定の互換性を保つために搭載されています。基本構造は「Two Tap Delay」と同じですが、
フィルターがバンドパス・フィルターになっています。新しく搭載された「Two Tap Delay」とその他のディレイ Type に
は、より直感的に扱えるローカット/ハイカット・フィルターを搭載しました。これまでのシステムで作成/保存された
ディレイを、さら細かくエディットしたい場合は、一旦そのディレイを含む Rig や Preset を選択した後、ディレイ
TyoeTwo Tap Delay」を選択してください。この操作により、各パラメータやディレイの内容を保持したまま新しいアル
ゴリズムに差し替えることができ、Two Tap Delay のパラメータ群を使って更新することができます。

全く新しくディレイを設定するという場合は、Legacy Delay を選択するのではなく、目的に合った他のディレイ Type を


選択することをお勧めします。
リバーブ(緑) 116

リバーブ(緑)
プロファイラーにはスタジオクオリティのリバーブが搭載されています。ほとんどのリバーブ・アルゴリズムが共通して
備えているパラメーターは以下のとおりです:

 Reverb Mix:ミックス

リバーブの「Mix」はディレイの「Mix」と同じ働きのパラメータです。フロントパネルの専用ノブでコントロールするこ
とも可能です。

 ¨Mix Location Pre/Post:ミックス・ロケーション プリ/ポスト

「Mix」のコントロールが、リバーブの入力段(Pre)で行われるか出力段(Post)で行われるかを選択します。

「Post」の場合はリバーブの出力段で「Mix」バランスがコントロールされるので、「Mix」を変更すると直ちにドライと
ウェットのバランスが変わります。一方「Pre」は入力段でのコントロールなので、既にリバーブに入力されている信号に
は影響を与えません。ドライ/ウェットのバランスが直ちに変わる変わるというという動きにはならないため、よりスム
ーズに残響音が増減します。

 Decay Time:ディケイ・タイム

リバーブ音が減衰して無くなるまでの時間です。これにより残響する部屋の広さも決定されます。小さい部屋ほど早く減
衰してしまい、大きな部屋ほど長く持続します。

「Decay Time」はディレイのフィードバックに似ています。残響音が 60dB 下がる、つまり聞こえなくなるまでの時間を


秒数で表します。
リバーブ(緑) 117

 High Decay:ハイ・ディケイ

残響音の高音域成分の減衰を設定します。部屋やホールの自然な残響においては、残響音全体に比べ高音域の方が速く減
衰します。「High Cut」が残響音全体の高音域をカットするのに対し、「High Decay」は時間の経過とともに残響音の高
音域が徐々に失われて行きます。「High Cut」と「High Decay」を組み合わせることで、より自然な残響音を再現できる
でしょう。

 Low Decay:ロー・ディケイ

「Low Decay」は、残響音の低音域の減衰をコントロールします。「Low Decay」を0に設定すると、残響音の低音域は


「Decay Time」の設定に従って自然に減衰します。このような残響音はアコースティック・ギターのソロ演奏やクラシッ
ク・オーケストラの中での演奏に適しているでしょう。

しかしながらドラムスやベースなどとのアンサンブルの中では、残響音の低音域成分が邪魔になってしまうことがありま
す。その場合は「Low Decay」の値を上げることで残響音の低音域を早めに減衰させることで、残響音全体ががスッキリ
と収まるでしょう。

 「Low Decay」と「High Decay」の組み合わせ

「Low Decay」と「High Decay」は、自然に発生する残響音の再現には必要の無い範囲までカバーしています。例えば


「Low Decay」を9時の位置以上に設定し、「High Decay」をその逆の3時の位置に設定すると、低音域と高音域の両方
が素早く減衰し、非常に狭いレンジの残響音だけが残るという状態になります。この状態で「Decay Time」を長く延ばす
と、この特殊な共鳴音が幻想的な雰囲気を醸し出すでしょう。

 High Cut:ハイ・カット

「High Cut」は固定のフィルターで、左に回すほど残響音の高音域成分がなだらかにカットされます。同様の機能はコン
ボ・アンプ搭載のリバーブでは搭載されていませんでしたが、Fender® Reverb Tank に装備されている「Tone」という操
作子がこの「High Cut」に相当します。
リバーブ(緑) 118

 Freeze:フリーズ

「Freeze」は、残響音を限りなく延ばしてパッドのようなサウンドにする機能です。「Freeze」がオンになった後はリバ
ーブ・エフェクトへの入力がカットされるので、無限に続く残響音にのせて新たなフレーズを演奏するというパフォーマ
ンスが可能になります。

「Freeze」のオン/オフは Effect Button I〜IIII にアサインすることができますので、リンクによって PROFILER Player の


フット・スイッチや外部フット・スイッチ、または MIDI でトリガーすることが可能です。
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 Ducking:ダッキング

「Ducking」は、演奏のダイナミクス(強弱)でウェット音が強調されたり抑えられたりするダッキング・ディレイでお馴
染みの機能です。
「Ducking」パラメータは、演奏の強弱に反応するスレッショルド・レベルです。値はバイ・ポーラで、デフォルト値であ
るセンターでは動作しない状態です。右に回すと典型的なダッキング、即ち強く演奏するとエフェクトが弱まり、ソフト
に演奏するほどエフェクトが強くなります。「Ducking」がうまく設定できれば、演奏のダイナミクスで効果的にエフェク
トをコントロールすることができます。

「Ducking」パラメータをセンターより左にすると逆の動作になります。つまり強く弾くほど、エフェクトがよりはっきり
とかかります。

あるエフェクトの「Ducking」をポジティブ、センターより右にセットし、別のエフェクトはその逆に設定すると、演奏の
強さに応じてエフェクトを入れ替えるような動作をさせることも可能です。

「Ducking」の設定、即ちスレッショルドは、あなたのギターのレベルに自然に反応します。従ってインプット・セクショ
ンの「Clean Sens」の設定の影響を受けます。

 Ducking Pre/Post:ダッキング プリ/ポスト

「Pre」を選択すると、リバーブ音のレベルのコントロールがリバーブの入力段に行われますので、先に通過しているリバ
ーブ音は影響を受けません。

「Post」に設定すると、ウェット音の出力段でレベルが制御されますので、演奏の強弱によってリバーブ音のテイルのレ
ベルが直ちに変化します。
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Spring Reverb:スプリング・リバーブ
PROFILER の Spring Reverb は、ギタリスト羨望の 1963 年製の Fender® Reverb Tank のサウンドをベースにしていま
す。このリバーブを特徴づけているのは次の2つの要素でしょう。ひとつは急峻なローカット・フィルターによるサウン
ドです。このフィルターはリバーブ・ユニットとスピーカーの間で起こるフィードバックを防ぐ目的で搭載されていま
す。もうひとつは洞窟で雫が落ちるときに発生するような派印象的なサウンドでしょう。我々はこの印象的なサウンドを
忠実に再現すると同時に、「Dripstone」という拡張パラメータでこのサウンドの強さを制御できるようにしました。

ビンテージ・コンボアンプはプリアンプ・セクションで歪むということが無く、ディストーション・サウンドはパワーア
ンプ・セクションで生まれます。コンボ・アンプのリバーブ・タンクはパワーアンプ・セクションの手前に配置されてい
るため、リバーブ音もダイレクト音と同様に歪みます。この状況を PROFILER で再現する為には、リバーブをスタック・
セクションの手前に配置するとよいでしょう。一方スタック・セクションの後ろに配置すれば、ステレオのスプリング・
リバーブになります!

 Dripstone:ドリップストーン

「Dripstone」は、スプリング・リバーブ独特の雫のようなサウンドの強さをコントロールします。

 Distortion (Dwell):ディストーション(デュウェル)

Fender® Reverb Tank やコンボアンプ内蔵のスプリング・リバーブにおいては、信号変換のために真空管による増幅回路


が使用されています。この増幅回路は十分な信号レベルを得るためにオーバードライブしやすく、そのため残響音が少し
歪んだ音になる傾向があります。「Distortion」はこの歪みの量を個別にコントロールすることができるパラメータです。
Fender® Reverb Tank では「Dwell」と名付けられているコントロールに相当します。

 Spring Size:スプリング・サイズ

スプリングのサイズを変えるパラメータで、結果として「Dripstone」の密度をコントロールすることができます。

 Spectral Balance:スペクトラル・バランス

実際のスプリング・リバーブは強いローカット・フィルターを経由した信号で残響音を作り出していますが、「Spectral
Balance」をデフォルト値(センター)から上下に動かすと、残響音の高音域または低音域が強調することができます。
リバーブ(緑) 121

Easy Reverb:イージー・リバーブ
Easy Reverb は、PROFILER の他のモデルにある Natural Reverb を土台にし、パラメーターを絞り込んだものです。リバ
ーブのエッセンスを直感的に使用できるようにパラメーターを厳選しています。

 Decay Time:ディケイ・タイム

Easy Reverb においては、「Decay Time」の設定値に応じてルーム・サイズやプリディレイが自動的にコントロールされ


るようになっています。リバーブを作る上での自由度は制限されますが、1つのパラメータ設定によってバランスの取れ
たリバーブを簡単に作ることができます。
リバーブ(緑) 122

Echo Reverb:エコー・リバーブ
Echo Reverb はディレイとリバーブのコンビネーションです。PROFILER の他の機種が持つ Natural Reverb の
「Predelay」に「Feedback」を付加し、リバーブ音のリズミカルな繰り返しを作り出します。ストレートなディレイでリ
ズミカルな繰り返しを作るよりも拡散的なサウンドになります。ディレイ・エフェクトでは目立ちすぎると感じる場合に
は Echo Reverb を試してみると良いでしょう。

「Echo Reverb」と「Natural Reverb」の相違点は以下の3点です:

• 「Predelay Feedback」が追加されており、値を高くするほど繰り返し回数が増えます。

• 「Predelay」の最大値が 2000ms まで拡張されています。但しリズミックなエコーは、「To Tempo」を有効にして演奏の


リズムに同期させる方が効果的でしょう。

• 「Room Size」パラメータがありません。「Room Size」は Echo Reverb に最も適する小さな部屋、即ち最小値に固定さ


れています。

Echo Reverb のような効果を作る方法は他にもあります:

• 「Smear」というパラメーターを持つディレイ Type であれば、Echo Reverb と同じ様に拡散的な繰り返し音を作ることが


できます。但し「Smear」の場合は、Echo Reverb よりも拡散が短時間になります。

Legacy Reverb:レガシー・リバーブ
Legacy Reverb は、PROFILER に最初に搭載されたリバーブのアルゴリズムがベースになっています。OS 6.0 より以前の
ファームウェアで作成されたリグの互換性を保つ目的で搭載されています。

新しいリグやリバーブ・エフェクトを作成する場合は、Legacy Reverb 以外の新しいリバーブ Type を選択してください。


System Settings :システム設定 123

System Settings :システム設定


Rig Manager の Editor 表示されるシグナル・チェインの左端の System ボタンをクリックすると System Settings 画面が開
きます。System Settings のパラメーターはグローバル・パラメーターなので、Rig を切り替えても設定内容は変わりませ
ん。

 Foot Switch Functions:フット・スイッチの設定

本体および外部フット・スイッチには、下表のとおりの機能をアサインすることができます:

• 本体の3つのフット・スイッチそれぞれに個別の機能をアサインすることができます。

• 2つのスイッチを同時に踏むことで機能をトリガーするという設定(コンボ・スイッチ)も可能です。その場合の組み合
わせは「左と中央」「中央と右」のいずれかです。

Rig Next* 右に向かって1つとなりの Rig をロードする。

Rig Previous* 左に向かって1つとなりの Rig をロードする。

Bank Up* Bank ナンバーを1つ進める。

Bank Down* Bank ナンバーを1つ戻す。

TAP/Tuner** 短く数回踏むと Tap Tempo をトリガーし、踏み続けると Tuner Mode に切り替わります。

Rig 1* 現在選択中の Bank の Rig1 をロードする。


System Settings :システム設定 124

Rig 2* 現在選択中の Bank の Rig2 をロードする。

Rig 3* 現在選択中の Bank の Rig3 をロードする。

Rig 4* 現在選択中の Bank の Rig4 をロードする。

Rig 5* 現在選択中の Bank の Rig5 をロードする。

Effect Button I* Effect Button I(グローバル設定)をアサインします。Effect Button I の機能は Rig ごとの設定に


より異なります。

Effect Button II* Effect Button II(グローバル設定)をアサインします。Effect Button I の機能は Rig ごとの設定に
より異なります。

Effect Button III* Effect Button III(グローバル設定)をアサインします。Effect Button I の機能は Rig ごとの設定に
より異なります。

Effect Button IIII* Effect Button IIII(グローバル設定)をアサインします。Effect Button I の機能は Rig ごとの設定に
より異なります。

FX 1* Rig ごとに FX1 にアサインされた Effect モジュールのオン・オフを切り替えます。

FX 2* Rig ごとに FX2 にアサインされた Effect モジュールのオン・オフを切り替えます。

FX 1+2* Rig ごとに FX1 と FX2 にアサインされた Effect モジュールのオン・オフを切り替えます。


System Settings :システム設定 125

例えばスイッチ 1 に Effect Button 1 のオン/オフをアサインし、並行してスイッチ 1 とスイッチ 2 の組み合わせによるコ


ンボ・スイッチに Home をアサインするというような場合は、以下の点に留意してください:

✓通常はスイッチを押す(踏む)と同時にオン/オフ切り替えなどの動作が起こりますが、そのスイッチがコンボ・スイッ
チの一方を担っている場合、シングル・スイッチとしてアサインされている動作は、スイッチ離したときに始まります。
そのため動作のタイミングが遅れてしまうということになるでしょう。この時間差には慣れる必要があります。例えば最
初に踏んだときに踏んだ状態を維持し、次のスイッチングが必要なタイミングで放すという方法が実践的です。

✓上表でアスタリスクが1つ(*)表示されている選択肢について、通常はスイッチ踏み続けると一時的にモーメンタリー
になる「ラッチ/モーメンタリーの切り替え機能」が働きますが、そのスイッチが同時にコンボ・スイッチ機能の一方を
担っている場合は、「ラッチ/モーメンタリーの切り替え機能」は働きません。

✓上表でアスタリスクが2つ(**)表示されている選択肢(Tap/Tuner)は、既にコンボ・スイッチの一方を担っているス
イッチにはアサインできません。また Tap をコンボ・スイッチにアサインすることもできません。

✓2つのコンボ・スイッチ、つまりスイッチ 1 とスイッチ 2 およびスイッチ 2 とスイッチ 3 が同時にセットされている場合


でも、それぞれの動作は常に2つのスイッチを踏んだ瞬間に起こります。また踏み続けると一時的にモーメンタリーにな
る「ラッチ/モーメンタリーの切り替え機能」も働きます。
System Settings :システム設定 126

 Max Banks:バンク・リミット

意図しない読み込みを防ぐため、フット・スイッチによる読み込みを制限することができます。

 Bank Load:バンク・ロード

他の Bank がロードされた時の動作は、以下の内容が選べます:

• 「Slot 1」 –その Bank の Slot 1 の Rig が自動的にロードされます。

• 「Keep Slot」 – 新しい Bank を見込む前に選択されていた Slot と同じ番号の Slot の Rig が自動的にロードされます。

 Bank Up/Down:バンク・アップ/ダウン

Bank Up/ Down で最後の Bank に行き着いた後、および Bank1 に戻り着いた後の動作を設定できます:

• 「No wrap」 – Up のときは最後の Bank より先、Down のときは Bank1 より手前には進みません。

• 「wrap on up」– Up の場合は最後の Bank では止まらず、Bank1 に進みます。

• 「wrap up and down」 – Up/ Down どちらの方向にも制限なく進みます。

 Rig Up/Down:リグ・アップ/ダウン

Slot 5 から Rig Next が実行された時、および Slot 1 から Previous Rig が実行された時の動作を選択します:

• 「No wrap」 –Slot 5 の先、Slot 1 の手前には進みません。

• 「wrap on up – Slot 5 から Next Rig が実行された時のみ Slot 1 に移動します。Slot 1 から Previous Rig の場合は動きませ
ん。

• 「wrap up and down – Slot 5 から Next Rig の場合は Slot 1 へ、Slot 1 から Previous Rig の場合は Slot 5 に移動し、制限な
くループします。
System Settings :システム設定 127

 Tuner Mute:チューナー・ミュート

Volume Pedal を絞るなど、出力がミュートされたときに自動的に Tuner モードに切り替わります。詳しくは「チューナー


を使う」の章をご参照ください。

 Pedal Input:ペダル・インプット

ペダル・インプットに接続したデバイス(エクスプレッション・ペダルやフット・スイッチ)の機能を設定します。

詳しくは「エクスプレッション・ペダルとフット・スイッチ」の章をご参照ください。

 Pedal Links:ペダル・リンク

1台のエクスプレッション・ペダルを複数の機能で使い分けるための設定です。ペダル・インプットに接続されたエクス
プレッション・ペダルと同じように、MIDI によるコントロールにも適用されます。

WahPedal >Volume:「Wah Pedal」と設定されたペダルに Volume Pedal もアサインします。

詳しくは「エクスプレッション・ペダルとフット・スイッチ」の章をご参照ください。

 Device Name:個体名

Rig Manager 上で特定の PROFILER を識別できるように、その個体固有の名前をつけておくと便利です。デフォルト設定


は My Profiler になっています。

 Owner Name:所有者名

PROFILER の所有者の名前を入力します。
System Settings :システム設定 128

 Wi-Fi 接続の設定

PROFILER Player はタブレットやスマートホンと Wi-Fi で接続し、Rig Manager for iOS または Android®/Fire OS®でコン
トロールすることができます。Wi-Fi 接続は、「アクセスポイント・モード」と「ホームネットワーク・モード」の 2つの
方法をサポートしています。接続には SSID やパスワードの入力が必要です。詳しくは「Bluetooth®と Wi-Fi」の章をご参
照ください。

 MIDI グローバル・チャンネル

PROFILER Player は、デフォルト設定では 16 の MIDI チャンネル全てを受信する状態、すなわち「Omni」に設定されて


います。特定の MIDI チャンネルに設定すれば、選択したチャンネルのメッセージのみを受信するので、複数の機器を個別
にコントロールすることができます。詳しくは「MIDI」の章をご参照ください。
ベース・プレーヤーのための機能 129

ベース・プレーヤーのための機能
PROFILER はベースでも存分に使っていただけます。ほとんどの機能がベースでもギターと同じように使えますが、この
章では特にベース向きに設計された機能やその使い方のヒントなどをご説明しています。

Rig Manager for macOS 並びに for Windows®では、ベース用に作成された Rig を判別することができます。


「Instrument」コラムを表示させて Bass を検索してください。

ファクトリーRig の中には様々なベース・アンプのプロファイルがあります。ベース・アンプの DI アウトを使ってキャプ


チャーしたダイレクト・プロファイルも含まれています。もちろん真空管ベース・アンプでドライブしたベース用キャビ
ネットからマイクロフォンでキャプチャーしたプロファイルは、独特のマイルドな歪みを再現します。またケンパーのウ
ェブサイトには、素晴らしいベース用の Rig をコレクションした Rig Pack もご用意しています:
www.kemper-amps.com

世界中の PROFILER ユーザーが Rig を共有するクラウド・サーバーの Rig Exchange にもベース用の Rig がたくさんあり
ます。Rig Exchange 画面で「Instrument」を表示させると、対象楽器(Instrument)でソートできるので、膨大な数の Rig
の中からベース用に絞り込んでブラウズすることも可能です。

ほとんどのベース用のキャビネットは PROFILER のモニター用に使用できるでしょう。クラシックな Ampeg® の 8X10”


キャビネットなどの場合は独特の色付けがされる傾向が強いのですが、モダンなベース用キャビネットは、PA スピーカー
のようにフラットでワイドなレンジのものがほとんどです。色付けが顕著なキャビネットを使用する際は「Monitor Cab
Off」をオンにして下さい。モダンなキャビネット、即ちフラットなベース用キャビネットを使用する場合は「Monitor Cab
Off」をオフにし、Cabinet プロファイルを含む信号でキャビネットをドライブして下さい。何れの場合も、Main Out から
は、Cabinet モジュールを通った完璧なサウンドが PA に送出されます。

Main Output または Monitor Output に、ベース・ギターからの信号をそのまま出力したい場合は、Output セクションの


「Output Source」に DI Low または DI High を選んでください。ステレオの Monitor Output には、片チャンネルに DI
High、同時にもい一方のチャンネルには PROFILER のシグナル・チェインを通過した信号を送出することも可能です。

PROFILER の内蔵エフェクトには、ベースに使用できるものがたくさん含まれています。ここでは主なベース向けエフェ
クトについてご説明します。エフェクトに関しするさらに詳しい情報は、エフェクトの章をご参照ください。

Analog Octaver™はベース用エフェクトの定番といえるでしょう。原音より1オクターブ下の音と2オクターブ下の音を付
加します。ピッチ・シフターの技術ではなく、アナログのピッチ解析とフィルターの回路で実現しています。安定した演
ベース・プレーヤーのための機能 130

奏ができるのは単音フレーズのみで、コードは演奏できません。PROFILER には、この Analog Octaver™の特徴を再現し


たエフェクトを搭載しています。

PROFILER の全てのコーラス・エフェクトには「Crossover」というパラメーターが用意されています。「Crossover」の
値を上げると、低音域ではコーラス効果が抑えられます。コーラス・エフェクトをかけた時にも、ベースに求められる低
音域の音程の安定感を維持しながら、高音域では美しいコーラス効果を得ることができます。

ケンパーのウェブサイトにあるユーザー・フォーラムには、PROFILER をベースで使用する際の質問や情報交換ができる
「For Bass」というスレッドがありますので、是非チェックして下さい:
www.kemper-amps.com/forum
アップデート、バックアップ、リグの共有 131

アップデート、バックアップ、リグの共有
プロファイラーのファームウェアは、改善や機能追加のためアップデートされます。

ファームウェアのアップデート
ここでは、ケンパーのソフトウェア・アップデートのコンセプト及びアップデートの方法についてご説明します:

ケンパーでは、新しい機能の追加や、確認されている問題点の改善のため、継続的に PROFILER のファームウェア


(OS)や Rig Manager を進化させています。PROFILER の OS は以下の二通りの方法でアップデートすることができま
す:

• Windows®/ macOS® 版 Rig Manager がインストールされたパソコンがインターネットに接続されていれば、Rig Manager


は自動的にケンパーのウェブサイトでアップデートの有無を確認し、必要に応じて実行を促します。加えて Rig Manager
は、パソコンに接続されている PROFILER のファーム・ウェアのアップデートを確認し、アップデートを促す機能を備え
ています。

• PROFILER がインターネットに接続されたパソコンから離れた場所にある場合でも、USB メモリーを使ってアップデート


することが可能です。最新のアップデーターは常にケンパーのウェブサイトからダウンロードできます。ダウンロードし
たアップデータを USB メモリーにコピーし、その USB メモリーを使ってパソコンに接続されていない PROFILER のアッ
プデートを実行することができます。
アップデート、バックアップ、リグの共有 132

PROFILER のユーザーは、全てのアップデートを無償で受け取ることができます。お手元の PROFILER のシリアルナンバ


ーでユーザー登録をしていただければ、最新版のソフトウェアを、ケンパーのウェブサイトから無償でダウンロードする
ことができます。

新しいソフトウェアは、まずケンパーのエンジニア・チームと十分な経験と知識を持ったベータテスター・チームによっ
て入念にテストと改善が繰り返され、ある基準を満たす内容になった段階で「パブリック・ベータ版」として公開され、
登録ユーザーがダウンロードできるようになります。「パブリック・ベータ版」は、公開によりさらに幅広いフィードバ
ックを受け、改善が続けられます。ある程度の完成度に達していますが改善途上ではありますので、ライブ・パフォーマ
ンス本番や、重要なレコーディングなどでのご使用はお勧めできません。多少のリスクを呑み込める状況で使用いただけ
るようであれば、いち早く最新の機能をお試しいただけます。もし問題があればケンパー・ウェブサイトのユーザー・フ
ォーラムにフィードバックいただければ改善につながります。

パブリック・ベータ版へのアップデートの前にバックアップを取っておけば、OS を直前のリリース版に戻してバックアッ
プをリストアすることで、全てをアップデート前の状態に戻すことができます。リグその他のデータは全て上位互換です
ので、必ずアップデート前にバックアップを取っておくをお勧めします。OS のダウングレードは、USB メモリーを使っ
て、アップデートと同じ手順で実行することができます。また Rig Manager には、OS を直近のリリース版に戻す機能が
用意されています。

いくつかの変更やブラッシュアップの後、ソフトウェアが安定した段階でリリース版として公開されます。バージョン・
ナンバーは、例えば 3.3.0 の次が 4.0.6 にというように、ソフトウェアの変更内容や内部処理の状況によってジャンプする
ことがあります。

常に安定した状態でご使用になりたい場合は、パブリック・ベータ版をスキップし、必ずリリース版にアップデートする
ことをお勧めします。Rig Manager の「Include Beta」にチェックを入れなければ、Rig Manager がバブリック・ベータへ
のアップデートを促すことはありません。リリース版がアナウンスされたら、なるべく早めにアップデートすることをお
勧めします。進行中のプロジェクトなどがある場合は、終了したらすぐにアップデートしましょう。

3.3.0 から 4.0.6 のように、トップの数字が進むのは、新しい機能、例えばこの場合は「モーフィング」などが追加されて


いることを示します。より小さな機能追加や改善、問題点の修正が行われた場合には、少数以下の数字が進行します。上
記のように、ケンパー内部で進行する場合もありますので、例えばバージョン4のリリースが、いきなり 4.0.6 であったり
する訳です。

すでにご説明しているとおり、アップデートには二通りの方法があります。Windows®/ macOS® 版 Rig Manager には、


パソコンに接続されている PROFILER の OS と、ケンパーのウェブサイト上にある OS 最新版をチェックする機能があ
り、その PROFILER の OS よりも進んだバージョンの OS が入手可能になっている場合は、アップデートを促すダイアロ
アップデート、バックアップ、リグの共有 133

グが開きます。詳しくは Rig Manager の取扱説明書(ヘルプ)をご参照ください。次にもう一つの方法、すなわち USB メ


モリーを使用したアップデートについてご説明します:

• USB メモリーを使って PROFILER とパソコンの間でデータの移動を行う前に、PROFILER が USB メモリーを認識できる


ようにする必要があります。USB メモリーを初めて PROFILER に差し込むと、USB メモリー内に3つのフォルダー
「Backups」「OS Update」「Shared」を作成されます。

• 市販の USB メモリーのほとんどは FAT32 形式でフォーマット済みですので、そのまま PROFILER で使用できます。フォ


ーマットされていない場合は、先にパソコン等でフォーマットする必要があります。

• FAT32 形式以外、例えば NTFS や exFAT でフォーマットされている USB メモリーは PROFILER では使用できません。予


めパソコン等でフォーマットし直す必要があります。フォーマットを実行すると、USB メモリーに保存されていたファイ
ルは全て消去されますのでご注意ください。

• プロファイラーは 128GB 以上の USB スティックを扱うことも可能ですが、バックアップ・ファイルは数 MB 程度ですの


で、プロファイラーでの使用には 1〜2GB の USB スティックで十分でしょう。

• 次に最新のファームウェアをダウンロードして下さい。ファームウェアは、以下のサイトからフリーでダウンロードする
ことができます:
www.kemper-amps.com/downloads

• 最新のリリース版システムソフトは、「Operating System Updates」カテゴリーからダウンロードすることができます。


公開ベータ・バージョンは、「Operating System Beta Versions」からダウンロードして下さい。

• ダウンロードした Zip ファイルを解凍してください。解凍したパッケージに含まれる ReadMe ドキュメントを、最初に必


ずお読み下さい。アップデートによって追加されたり、改善された機能に関する情報は、Addendum マニュアル (PDF) の
中で解説されています。

• パッケージの中のファイル:kaos.bin を、予めフォーマットした USB メモリーにコピーしてください。複数の kaos.bin が


USB メモリーに存在する場合は、ルート・ディレクトリにあるファイルが優先されます。

• USB メモリーをパシコンからアンマウントし、電源が投入されていない状態の PROFILER Player に差し込んでください。

• PROFILER Player の FX1 ボタンと FX2 ボタンを押しながら電源ケーブルを接続してください。

• PROFILER Player が OS のインストールを始め、フロント・パネル中央横並びの LED が進捗を示します。


アップデート、バックアップ、リグの共有 134

バックアップの作成
PROFILER のデータ・バックアップを定期的に作成しておくことをお勧めします。Windows®版または macOS®版の Rig
Manager の Local Library には、Rig や Preset をコピーしておくことができますが、Rig や Preset だけではなく、Global パ
ラメーターを含む全ての設定内容をデータとして保存できるバックアップは、USB メモリーを使う方法でのみ作成するこ
とができます。予め PROFILER でフォーマットした USB メモリーを用意し、電源投入前に PROFILER に差し込んでくだ
さい。BANK ボタンを押しながら電源を投入すると、USB メモリーの Backup フォルダー内にバックアップ・ファイルが
書き込まれます。

バックアップのリストア
USB メモリーに保存された Backup データを、PROFILER Player にリストアします。USB メモリーに複数 Backup データ
が保存されている場合は、タイム・スタンプの最も新しいファイルが自動的にリストアされます。Backup をリストアする
と、PROFILER Player 内の全てのデータや設定がリストアしたファイルの内容に置き換わりますのでご注意ください。電
源が投入されていない状態の PROFILER Player に、Backup ファイルが入った USB メモリーを差し込んでください。
BANK ボタン、FX1 ボタン、FX2 ボタンの3つを押しながら電源を投入するとリストアが始まり、リストア完了後、自動
的に再起動します。

✓PROFILER Player の Backup データは、PROFILER の他のモデルにはリストアできません。同様に他のモデルの Backup


を PROFILER Player にリストアすることはできません。但し Rig Manager で Backup を開くことができるので、Local
Library に Rig や Preset をコピーし、そこから他のモデルに移すことは可能です。
アップデート、バックアップ、リグの共有 135

Rig や Preset のインポート/エクスポート


Rig Manager for Windows® ならびに for macOS®には、素晴らしい Rig の数々をまとめた Rig Pack が用意されています。
Rig Manager にはダブルクリックするだけで直ちに試奏できる機能があり、Rig データを PROFILER Player 本体のメモリ
ーに移す前にサウンドを確認することができます。逆に PROFILER Player のメモリーにストアされた Rig を、Local
Library つまりパソコンのメモリーに移動したりコピーして保管しておくことも可能です。さらに Rig Exchange というク
ラウド・サーバーに Rig をアップロードし、世界中の PROFILER ユーザーとシェアすることもできます。

あなたが作成したユーザーPreset も、同じ方法でデータを移動や保管ならびに共有することができます。

✓Rig Manager 内でデータを移動する場合は、移動するデータの種類に適合する移動先を選んでください。例えば Rig デー


タは「All Rigs」内のフォルダー、Preset は「All Presets」内のフォルダー、Bank は「All Performances」内のフォルダー
にのみ移動できます。
アップデート、バックアップ、リグの共有 136

データの互換性
PROFILER Player には他のモデルで作成された Rig をインポートすることが可能です。つまり Rig Pack として用意されて
いる 1,500 以上の Rig や、Rig Exchange に 20,000 個近くある Rig も全て利用できるということです。

STACK セクション(Amplifier モジュールと Cabinet モジュール)は完全コンパチブルで、そのままインポートされます。


全てのタイプの PROFILE がそのまま使用できます。PROFILER Player が持つエフェクト Type は、そのまま Effect モジュ
ール:A、B、DLY、REV に読み込まれます。但し PROFILER Player には Natural Reverb が搭載されて無いので、Natural
Reverb は Easy Reverb に置き換えられます。

STAGE や REMOTE の Effect Button I〜IIII の設定はそのままインポートされますが、PROFILER Player には物理的なフッ


トスイッチが3つしかありませんので、一旦バーチャル Effect Button I〜IIII という扱いになり、そのいずれかを
PROFILER Player の物理的なフット・スイッチ 1〜3 のいずれか(または外部フット・スイッチ)にリンクさせるという
形で使用します。バーチャル Effect Button I〜IIII は、MIDI コントール・チェンジでの制御も可能です。

「Parallel Path」や「DLY+REV Routing」など、PROFILER Player に無い機能は無視されます。PROFILER Player のシグ


ナル・チェインは、全てがシリアルに配置されています。

Rig データの Input セクションおよび Input Preset からは、「Input Noise Gate」と「Clean Sens」のみインポートされま
す。

他のモデルの Output セクションの Preset に含まれる Main Output と Monitor Output および Headphone Output の Output
Source および Output Link の設定、Monitor Cab Off や Output Filter、KEMPER Kone に関する設定はインポートされます
が、Input および Output の構造が異なりますので、それらに関しては PROFILER Player であらためて設定する方が良いで
しょう。

STACK セクション、Amplifier モジュール、Cabinet モジュールの Preset は完全コンパチブルです。Rig Manager 経由で


IR データを読み込むことも可能です。

PROFILER Player が持つエフェクト Type の Preset は、そのまま読み込むことができます。

PROFILER Player から他の PROFILER のモデルへの Rig の移動には制限はありません。PROFILER Player で作成した


Rig は、そのまま Rig Exchange にアップロードすることもできます。エフェクトの Preset や Amplifier モジュール、
Cabinet モジュールの Preset もコンパチブルです。但し PROFILER 他のモデルにあって PROFILER Player には無い機能
やパラメーター、例えば PROFILER Player には無い Input の「Distortion Sens」などは、他のモデルではデフォルト値に
置き換えられます。
アップデート、バックアップ、リグの共有 137

バックアップには互換性がありません。PROFILER の他のモデルで作成されたバックアップを PROFILER Player にリスト


アすることはできません。その逆も同じです。
アンプおよびキャビネットのプロファイル 138

アンプおよびキャビネットのプロファイル
ギターキャビネットを使って演奏することが無い場合や、プロファイリング、Cabinet のスワップ、IR のインポートを行
わない場合は、この章を読み飛ばしても問題ありません。

アンプとキャビネットを切り分ける CabDriverTM
通常スタジオ・プロファイルは、ギターアンプとギター・キャビネットから出る音をマイクロフォンでキャプチャーする
ことによって生成されます。生成されるスタジオ・プロファイルは、アンプ・プロファイルと、キャビネットおよびマイ
クロフォンが統合されたキャビネット・プロファイルという2つのパートで構成されます。スタジオ・プロファイリング
は一度に全てが行われ、完成されたアンプのプロファイルを生成するため、キャプチャーされた情報にはアンプ部分とキ
ャビネット(+マイクロフォン)の境目がありません。この切り分けは、PROFILER のインテリジェントなアルゴリズム
である Cab Driver が行います。Cab Driver がスタジオ・プロファイルの中のアンプ部分とキャビネット部分を切り分け、
他のスタジオ・プロファイルのキャビネットやプリセットとを組み替えたり、実際のギター・キャビネットをドライブす
る際にキャビネット・プロファイルだけをバイパスする機能(Monitor Cab Off)を実現しています。真空管アンプとギタ
ー・キャビネットの相互作用による両者の独特な振る舞いは、アンプ・プロファイル部分にキャプチャーされていますの
で、PROFILER Player の出力を外部ソリッドステート・アンプとフルレンジのスピーカーで発音する場合も、真空管ギタ
アンプの特徴が再現できるのです。

✓さらに厳密なアンプ・プロファイルの生成が、この後に説明する「ダイレクト・アンプ・プロファイリング」によって可
能になります。
アンプおよびキャビネットのプロファイル 139

アンプやキャビネットを入れ換える
Rig の Amplifier や Cabinet、または STACK セクションを入れ換える際のソースは2とおりあります。Amplifier を例に説明
しましょう:

• Rig Manager 上で他の Rig の Amplifier をコピー&ペーストする方法です。まずソースになる Rig をロードし、シグナル・


チェインの Amplifier にフォーカスし、クリップボードにコピーします。コピー先の Rig をロードし、Amplifier にフォーカ
スし、ペーストを実行します。

• もし同じ Amplifier を他の Rig でも使用する可能性がある場合は Preset として保存する方が効率的です。お気に入りの


Amplifier を Rig Manager の All Presets コラムにある My Profiler(自分の PROFILER Player)または Local Library にドラ
ッグ&ドロップすれば、その Amplifier の内容が Preset として保存されます。Preset の名前は変更可能ですので、識別しや
すい名前に変えましょう。この Preset は、コピー&ペーストやドラッグ&ドロップでどの Rig にでも読み込むことができ
ます。あなたの PROFILER Player にストアされた Preset は、Amplifier のコンテクスト・メニュー(右クリック)から選
択することも可能です。

Cabinet や STACK に対しても同様の操作が可能です。

✓Amplifier の Preset やコピーは Amplifier にしかドロップ(またはペースト)できません。Cabinet や STACK も同様に、コ


ピー元と同じモジュールまたはセクションにしかドロップ(またはペースト)できません。
アンプおよびキャビネットのプロファイル 140

ダイレクト・プロファイル
アンプ/ スピーカー/ マイクロフォンを内包するスタジオ・プロファイルの他に、ダイレクト・プロファイルがあります。
いくつかの例をご説明しましょう:

• ダイレクト・アンプ・プロファイルは、ギターアンプのスピーカー出力をプロファイリングします。アンプリファイドさ
れた出力をライン・レベルに変換する DI ボックスが必要になりますが、スピーカー・キャビネットやマイクロフォンを含
まない、アンプ部分だけのキャラクターのキャプチャーが可能です。そのためパワーヘッドやパワーラックに内蔵のソリ
ッドステート・パワーアンプでギター・キャビネットをドライブするのに最適です。このダイレクト・アンプ・プロファ
イルこそが、スタジオ・プロファイルに相対するダイレクト・プロファイルの、代表的なアプリケーションです。

ダイレクト・アンプ・プロファイリングのためにセットアップ;プロファイラーステージの場合は SEND 1 と RETURN を


使用します。
アンプおよびキャビネットのプロファイル 141

• アコースティック・ギター用アンプまたはアンプ・シミュレーターをプロファイルすれば、ピエゾ・ピックアップ搭載の
アコギを、よりリッチなサウンドで演奏することができます。

• ベース・アンプのラインアウトをプロファイルすることも可能です。

• ギター・アンプのエフェクト・センドの出力を使えば、そのアンプのプリアンプ部をプロファイルすることができます。
このダイレクト・プリアンプ・プロファイルの出力は、次の図のようにギター・アンプのエフェクト・リターンに接続
し、ギター・アンプのパワーアンプとスピーカーを使って発音することができるということです。

ギターアンプのパワー部とキャビネットで「ダイレクト・プリアンプ・プロファイル」をモニターするセットアップ

ダイレクト・プロファイルには、キャビネットやマイクロフォンによる色づけはキャプチャーされていません。従ってギ
ター・キャビネットに特有の高域のダンピングが再現されません。その為ダイレクト・プロファイルによるサウンドをフ
ルレンジ・キャビネットで発音し、ゲインを上げたりエフェクターをかけて歪ませると、非常に耳障りな音になってしま
います。ダイレクト・プロファイルは、ギター・キャビネットを使うか、全く歪んでいない音を出すことに適したプロフ
ァイルです。
アンプおよびキャビネットのプロファイル 142

もうひとつスタジオ・プロファイルと異なる点は、Cabinet モジュールがオフになっていることです。キャビネットそのも
のの特性はキャプチャーされませんので自動的にオフになります。その代わりアンプ部分の特性は完璧にアンプ・モジュ
ールに含まれています。他の Rig の Cabinet プロファイルや Cabinet Preset の中から好きなものを選んで組み合わせるこ
とができます。

ダイレクト・プロファイリングは、マイクロフォンを通じた音ではなく、リファレンス・アンプの出力を直接または DI ボ
ックス経由で RETURN(または RETURN 1)に戻します。ダイレクト・プロファイリングか、マイクを通じたスタジオ・
プロファイリングかは、戻された信号の内容から PROFILER が自動的に判断しますので、事前の設定など不要です。ダイ
レクト・プロファイリングと判断された場合は自動的に Cabinet モジュールがオフになります。但し、全ての DI ボックス
がダイレクト・プロファイリングに使用できるというわけではありませんのでご注意ください。ダイレクト・プロファイ
リングに使用する為にはパワーアンプの出力を受けることができる DI ボックスが必要です。ラインレベルの信号専用の DI
ボックスは使用できません。加えてスピーカーシミュレーターを内蔵している DI ボックスの場合は、その機能をバイパス
する必要があります。

ダイレクト・アンプ・プロファイル
ダイレクト・アンプ・プロファイルには、リファレンス・アンプのプリアンプとパワーアンプの振る舞いが完璧にキャプ
チャーされます。スピーカー自体の特性は取り込みませんが、そのインピーダンスの変化に伴う真空管パワーアンプの特
徴的な振る舞いがアンプ・プロファイルに取り込まれ、ソリッドステート・アンプでの再現を可能にします。

ダイレクト・アンプ・プロファイルであれは、Power Head/ Rack 内蔵の D クラス・パワーアンプや外部のソリッドステー


ト・アンプを通してでも、真空管パワーアンプでギター・キャビネットをドライブしたときと同じ振る舞いを再現できる
のです。むしろダイレクト・アンプ・プロファイルは、リニアなパワーアンプでこそ真価を発揮します。何故なら、真空
管アンプを使用すると、バーチャルの真空管アンプと実際の真空管アンプを両方通過することになり、良い結果を得られ
ないでしょう。

ダイレクト・アンプ・プロファイルを行なった場合、Cabinet モジュールには何もない Empty の状態になります。ここに


他の RIg の Cabinet をコピーしたり、Cabinet Preset を読み込んでプロファイルを完成させることができます。
アンプおよびキャビネットのプロファイル 143

キャビネット・インパルス・レスポンス
Cabinet Preset として使用できるデータが、インパルス・レスポンス (IR)という形態でサードパーティから販売されていま
す。それらの IR データは KEMPER Rig Manager™ にインポートすることができ、Preset として PROFILER に読み込むこ
とが可能です。Cabinet モジュールにフォーカスした状態で右クリックにより Cabinet Preset のリストが表示できます。
Celestion®より提供された IR をベースにしたキャビネットのプリセットが 18 個、ファクトリーデータとして含まれてい
ます。

ケンパーのウェブサイトには、IR データを Cabinet の Preset に変換し、PROFILER に読み込む手順をお見せするチュート


リアル・ビデオがあります:
www.kemper-amps.com/video

✓Rig Manager はあらゆるサンプリングレート、長さの IR データに対応します。


ギター・キャビネットを再現する IR とギターアンプを完璧に再現するダイレクト・アンプ・プロファイルは、最適の組み
合わせです。両者を組み合わせることで、マージド・プロファイルのように、ギターアンプのプロファイルが完成しま
す。

ダイレクト・アンプ・プロファイルと組み合わせる IR は、ソリッドステート・パワーアンプを使用して採取したものを選
ぶことをお勧めします。真空管アンプとギター・キャビネットの相互作用は、ダイレクト・アンプ・プロファイルによっ
て再現されますので、キャビネット・プロファイルの方でも重ねて再現されると、良い結果にはつながないからです。
アンプおよびキャビネットのプロファイル 144

スタジオ・プロファイルとダイレクト・アンプ・プロファイルをマー
ジする
ダイレクト・アンプ・プロファイルとスタジオ・プロファイルのキャビネットを組み合わせ、両方を活かせる1つのプロ
ファイルを作成する方法をご説明します。まずは同じリファレンス・アンプから、ダイレクト・アンプ・プロファイル
(Cabinet モジュールが「Empty」)とスタジオ・プロファイルの両方を作成します。この時リファレンス・アンプの設定
も全く同じままで両プロファイルを作り、別々にストアします。ストアしたスタジオ・プロファイルの Cabinet モジュー
ルをコピーし、ダイレクト・アンプ・プロファイルの Cabinet モジュールにペーストします。

マージされたプロファイルは、Cabinet モジュールがオンの時にはスタジオ・プロファイルと同様に「アンプとキャビネッ
ト」からのサウンドを STACK セクションから送出します。Cabinet モジュールをオフにすると、実際のギターキャビネッ
トをドライブするのに適したアンプのみの場合の出力を再現します。

詳しい内容は、PROFILER Head/ Rack/ Stage のメイン・マニュアル「アンプのプロファイリング」の章をご参照くださ


い。PROFILER Head/ Rack/ Stage のメイン・マニュアルは、ケンパーのウェブサイトからダウンロドできます:
www.kemper-amps.com/downloads
アンプおよびキャビネットのプロファイル 145

KEMPER Liquid Profiles:リキッド・プロファイル


ご承知のとおり、KEMPER PROFILE™(プロファイル)はギターアンプのサウンドを忠実に再現します。しかも単なるス
ナップショットでは無く、Definition や Amp Compressor などの画期的なパラメーターにより奥深くエディットすることも
可能です。

ゲインやトーン・コントロールでの音作りも可能ですが、それらは一般的なギターアンプのゲインやトーン・スタックの
振る舞いがあてはめられるものであり、ターゲットとなるギターアンプ(リファレンス・アンプ)固有のゲインやトーン
のコントロールの特徴がそのまま再現されるものではありませんでした。

個々のギターアンプ固有のゲインやトーン・コントロールの振る舞いを再現することは「モデリング」が得意とするとこ
ろであり、これらによる音作りができることが「モデリング・アンプ」のアドバンテージでしょう。しかし一方でモデリ
ング・アンプは、さまざまなギターアンプ個体の極上のトーン、唯一無二のニュアンスや個体差を再現することはできま
せん。これらはプロファイリングが最も得意とするエリアで、PROFILER™が高く評価されたのはこれが可能であったこと
によるのです。

ということは、この両方を併せ持つデジタル・ギターアンプこそがギタリストの聖杯と言えるでしょう!

我々ははこの聖域に歩を進め、プロファイリングとモデリングを融合した KEMPER Liquid Profile™(ケンパー・リキッ


ド・プロファイル)を実現しました。

最新 OS においては、Amp Model(アンプ・モデル)という新しい要素が加わっています。従来からのプロファイルを
「Kemper Generic」と位置づけ、これに対しアナログ・ギターアンプからインスパイアされたモデリングによるコントロ
ール Amp Model(アンプ・モデル)を適用したものを「KEMPER Liquid Profile™」と称して区別します。

KEMPER Liquid Profile™のトーン・コントロール(Bass/ Middle/ Treble/ Presence)は、オリジナルのアナログ・ギターア


ンプの振る舞いを忠実に再現します。

ゲインやブライトキャップも、オリジナル・ギターアンプと同じ振る舞いを忠実に再現します。

さあ、ゲインやトーン・コントロールによるアンプ・サウンドのコントロールを存分にお楽しみください!
アンプおよびキャビネットのプロファイル 146

さらに詳細な情報

PROFILER Head や Rack でプロファイリングをするにしても、既存のプロファイルを Liquid Profile 化するにしても、


Liquid Profile を完璧に仕上げるには、適切な Amp Model を選択する必要があります。

「Amp Model」をブラウズすると、対象になっているプロファイルに応じてゲインの値が変化することに気づくでしょ
う。しかしながらサウンドはほとんど変化していないことににも気がつくでしょう。これがポイントなのです。「Amp
Model」は対象になっているプロファイルを参照し、プロファイルに含まれるリファレンス・アンプ(プロファイリングの
対象となったギターアンプ)の特性を読み取って準備を整えますが、実際に各種コントロールを動すまでは何も色付けを
せず、プロファイルの元の状態をキープします。しかし一旦ゲインや EQ を動かすと、たちどころにオリジナルアンプと
同じ振る舞いで音色を変化させます。

「Amp Model」は、これまでに作成されたどのプロファイルにでも適用することが可能です。プロファイリングには、最
初から将来の進化を見据えて、非常に深く掘り下げた情報までをキャプチャーする能力が備えられていたのです。これを
活用した最初のステップとして、アンプ本体とキャビネットを切り分けて扱える DirectAmp PROFILE が実現しました。

加えてプロファイルにはリファレンス・アンプ のゲインの振る舞いに関する解析情報が含まれています。プロファイルに
「Amp Model」を適用すると、これらの情報からリファレンス・アンプつまりオリジナル・アナログ・アンプのゲインや
トーン・コントロールに関する情報と融合して、それらの振る舞いが忠実に再現されるのです。
アンプおよびキャビネットのプロファイル 147

アンプ・モジュールの中には、「Amp Model(アンプ・モデル)」のセレクターの他にもリキッド・プロファイルに関わ
る以下のようなパラメータがあります:

 Generic Gain:ゼネリック・ゲイン

「Amp Model」を適用すると、GAIN ノブによるゲインのコントロールはプロファイリングの対象となった真空管


ギターアンプ(リファレンス・アンプ)のゲイン・コントロールの振る舞いを再現します。その結果として
PROFILER 上でのゲインの変化幅が適用前より狭くなります。一方 「Generic Gain」(ゼネリック・ゲイン)」は
一般的なゲインの動作をプロファイルに当てはめます。これは従来からの PROFILER の GAIN ノブの振る舞いと同
じで、場合によってはリファレンス・アンプの振る舞いを超えた広い範囲でゲインを可変することも可能です。ど
ちらかを動かすともう一方も同時に動きます。両者は同期して動きますが、設定値および変化の速度が異なりま
す。「Generic Gain」の方は今までの PROFILER の GAIN ノブと同じものなので、「Kemper Generic」つまり
「Amp Model」を適用していないプロファイルを対象としている場合は、「Generic Gain」と GAIN ノブによるコ
ントロールは全く同じ動作、設定値、可変範囲になります。
アンプおよびキャビネットのプロファイル 148

 Amp Model:アンプ・モデル

「Amp Model」およびそのチャンネルを選ぶこと、従来のプロファイルにモデリングによるコントロールが適用され、リ
キッド・プロファイルになります。現在搭載されている「Amp Model」と、オリジナルのアンプ名は下表のとおりです:

Fan Twins Fender Twin Reverb®*

Fan D’Lux Fender Deluxe Reverb®*

Fan Prince Fender Princeton®*

Fan Pro Fender Pro®*

Fan Band Fender Bandmaster®*

Fan Trem Lux Fender Tremolux®*

Fan Vibr. Lux Fender Vibrolux®*

Fan Vibrverb Fender Vibroverb®*

Fan Show Fender Showman®*

Fan Show Trem Fender Showman Tremolo®*

Fan Vibr. Champion Fender Vibro Champ®*

Fan Bass Fender Bassman®*

Voice Ace 15 Vox AC15®*


アンプおよびキャビネットのプロファイル 149

Voice Ace 30 Vox AC30®*

Roll Land Chor Roland JC120®*

Mars TM 45 Marshall JTM45®*

Mars Plex Marshall Plexi®*

Mars CM 800 Marshall JCM800®*

Fried Man Friedman BE-100/BE-50®*

Oranje Overdose Orange OD30®*

MeBo Duel Rect Mesa Boogie Dual Rectifier®*

Sold S+L+O Soldano SLO100®*

Pea V 5150 Peavey 5150®*


アンプおよびキャビネットのプロファイル 150

 BrightCap Int.:ブライトキャップ・インテンシティ

真空管アンプのゲイン・コントロールは、いわゆるブライトキャップによって音色的特徴が変わります。ブライトキャッ
プとは、ゲイン・コントロール のポットに取り付けられているコンデンサー(キャパシタ)のことで、これによりゲイン
を下げた時により高域が強調されます。「BrightCap Int.」は、ブライトキャップの働きを抑えるパラメータです。左に回
すほどブライトキャップの働きが控えめになってゆきます。右に回し切った状態で、モデルとなったアンプのゲイン本来
の動作を再現します。ブライトキャップを持たないアンプやチャンネルをターゲットとした「Amp Model」も数多く存在
します。それらは「Nrm」と表記されており、「BrightCap Int.」パラメータは薄く表示され使用できません。

ブライトキャップを備えたアンプやチャンネルはトレブリーなサウンドを出します。実際の真空管ギターアンプの世界で
は、ジャンパーケーブルによってそのような入力やチェンネルとノーマルな入力またはチャンネルをブレンドし、程よい
サウンドを得るということがよく行われます。PROFILER においては、「BrightCap Int.」によってこのようなブレンドと
同様の音作りが可能です。「BrightCap Int.」の設定のよって、ブライト・チャンネルとノーマル・チャンネルのミックス
バランスを変えるの同様の結果が得られます。同じような効果は「Definition」によっても得られます。
アンプおよびキャビネットのプロファイル 151

リキッド・プロファイルのその他の情報

✓プロファイリングしたリファレンス・アンプとは異なるモデルの Amp Model を適用することももちろん可能です。例えば


Fender®* 系のゲインやトーンスタックを備えた Marshall®* アンプというようなプロファイルを作成することもできると
いうことです。Amp Model を適用しても、パラメータを変えない限り元のプロファイルの内容が保持され、音色は変化し
ません。個々のパラメータをエディットすると、それぞれに関連する部分のみに作用します。Restore ボタンによって
Amp Model の全てのパラメータに、リファレンス・アンプの元々の設定値(プロファイリング時の設定)がリストアされ
ます。

✓「Amp Model」によってトーンスタックの配置が異なります。「Amp Model」のターゲットとなるギターアンプと同じよ


うに配列されているのです。例えばマスター・ボリュームが無く、パワーアンプ部のみで歪むようなビンテージ・アンプ
をターゲットとした Amp Model では、ターゲットと同じく歪みを生み出すセクションの前にトーンスタックが配置されて
います。一方マスターボリュームがあり、プリ・アンプ部でも「歪み」を作るようなモダンなアンプの場合は、プロファ
イルによって「Pre」または「Post」に設定されます。通常は「Post」すなわち「歪み」を作るセクションの後ろにセット
されていますが、パワーアンプによる「歪み」が多くを占めるプロファイルの場合には「Pre」にセットされます。

ゲインに関して、アナログ・アンプの世界では考えられない PROFILER 独特の動作があります。PROFILER では、


「Generic Gain」を0にしても音量は無くならず、歪みの無い完全にクリーンなサウンドになります。これはケンパーの
プロファイルが元々持っている特徴の一つです。PROFILER の「Generic Gain」を下げてゆくと、実際のゲイン・コント
ロールよりも先に「ゲイン=0」に到達し、そこから先はクリーンなサウンドでラウドネスだけが変化します。

リキッド・プロファイルを作成する方法については、PROFILER Head/Rack, Stage のメイン・マニュアルをご参照くださ


い。メイン・マニュアルはケンパーのウェブサイトからダウンロードすることができます::
www.kemper-amps.com/downloads
アンプおよびキャビネットのプロファイル 152

ギター・キャビネットのサウンド、それをマイキングしたサウンド
この章は、普段ギター・キャビネットからの音を直接聴くことが多く、ギター・キャビネットの前に立てたマイクで収音
した音をフルレンジのモニター・スピーカーでで聴くことになじみのないギタリストに向けた内容です。

ギター・キャビネットは他の多くのスピーカーとは異なり、再生する周波数帯域がある範囲に限られています。ギター・
キャビネットで普通の音楽を再生しても良い音に聴こえないのはその為です。しかしながらこの独特の特性が、特に歪ま
せたギター・サウンドには欠かせないのです。歪んだギター・サウンドの耳障りな部分を適度に削り取ってくれるからで
す。加えて低域の独特な色づけも、エレキ・ギターにとってはポジティブに作用します。

ギター・サウンドをレコーディングしたり、コンサート会場で拡声するためには、必ずギター・キャビネットの前にマイ
クロフォンを立てて、機材全てを通過した結果として生成されるサウンドを収音する必要があります。このとき、マイク
の選択やポジショニングも、当然ながらサウンドに大きく作用します。これ自体も芸術の一部と言えるでしょう。幸いな
ことに、様々なテクニックが既に明らかになっていますが。

スタジオ・プロファイルは、これと全く同じ方法で生成されていますので、プロファイラーのメイン・アウトをミキサー
に直結すれば、コンサートやレコーディングで必要なセットアップが再現できるのです。これがデジタルの大きなアドバ
ンテージのひとつです。ギター・キャビネットの前にマイクを立てて収音するという状況がデジタル化されていて、いつ
でも再現できるので、重たいギター・キャビネットを運んだり、マイクのポジショニングに時間を割いたりする必要がな
いのです。

他にも解消できる厄介な問題があります。一般的にギター・キャビネットは指向性の強く、例えば高域はスピーカーの真
正面で聴くと最も大きく聴こえます。言い換えれば、スピーカーの指向から外れると高域が押さえ込まれた音に聴こえる
ということです。ほとんどのスピーカーでも同じようなことが起こりますが、ギター・キャビネットの場合は特にその傾
向が強いと言えます。そして大抵の場合、ギター・アンプの側に立つと、あなたの耳の位置は床に置かれたギターアンプ
のスピーカーの指向から外れることになってしまいます。そのような位置で、バンド・アンサンブルの中の自分のギタ
ー・サウンドを聴き取る為には、非常に大きな音を出さなければならなくなってしまうということが容易に想像できるで
しょう。不幸なことにその犠牲となるのは、ギター・キャビネットの正面にいるお客さんとバンド・メンバーたちです。
彼らが聴くのは、あなたが聴くのと同じ音ではないということを理解する必要があります。ギターの音がうるさいと言わ
れることが多い原因はここにあります。

レコーディング・スタジオやライブ会場での演奏になれていないギタリストは、スタジオ・プロファイルの音をモニタ
ー・スピーカーで聴くと、少し戸惑いを感じるかもしれません。中には、直接ギター・キャビネットから出る音が本物の
ギター・サウンドで、マイキングした音は何か作り物のようだと言うギタリストもいるでしょう。リニアなモニター・ス
ピーカーを通じて聴くマイキングされたギターアンプの音と、ギター・アンプの前で聴く直接音は全く別モノなのです。
アンプおよびキャビネットのプロファイル 153

特にドラムやベースを伴わず、ギターの音だけを聴くと、その違いがより明らかでしょう。フルレンジのスピーカー・シ
ステムは広いレンジを均等に再生するため、独特の再生レンジを持つ 4x12 のギター・キャビネットなどに比べると音圧や
ローエンドが足りない感じることがあるでしょう。またマイクで集音したギターアンプ・サウンドの高域は、マイクを通
さず、ギターアンプから直接聞く場合に比べて耳につくフェイジーなサウンドだと感じることもあるでしょう。

ギター・キャビネットからの音も、それをマイキングした音も、どちらも本物のギター・サウンドに間違いありません
が、CD や大きなコンサート会場で聴くギター・サウンドは、マイキングされたサウンドの方です。あなたがオーディエン
スに聴かせるサウンドは、ほとんどの場合マイキングされたサウンドの方なのです。ギター・キャビネットの前にマイク
を立てて収音する以外に、ギター・サウンドをレコーディングしたり、大きなコンサート会場でオーディエンスに聴かせ
たりする方法は無いのです。それがギター・アンプが登場して以来行われきた方法です。あなたのギター・ヒーローの演
奏を、ギターアンプから直接聴いたことはありますか?彼らの部屋またはリハーサルに招待でもされない限り、ほとんど
聴くことはできないでしょう。あなたが聴いてきたギター・ヒーローのサウンドは、完璧にマイキングされた音なので
す。それ以外の方法で、彼らがあなたに演奏を聴かせることはできないのですから。

マイキングされたギター・サウンドの扱いを習得することが大切であることがお分かりいただけたでしょう。それこそが
オーディエンスが聴くあなたの音なのです。キーボード・プレーヤーやボーカリストと同じ様に、ライン接続によってプ
ロファイラーの完成されたサウンドを PA に送る方が、より良い結果が得られるでしょう。そして他の楽器とのバランスも
遥かに良くなるでしょう。実際多くのプロ・ミュージシャンは、ステージ・モニターやインイヤー・モニターを通じて、
ステージ全体の音を聴きながら演奏しているのです。
アンプおよびキャビネットのプロファイル 154

PURE CABINET:ピュア・キャビネット
前章で説明したとおり、マイクで収音したギター・キャビネットの音は、高域が少し耳ざわりだったり、フェイジングが
起こっていたりすることが多くあります。これに対しギター・キャビネットから直接聞こえる音の場合はそのような部分
が目立ちません。PURE CABINET™は、マイクを通じてプロファイルされた音に少し磨きをかけ、ギター・キャビネット
から直接聞こえる音に近づける機能です。もちろん PURE CABINET を適用しても、ギターアンプ・サウンドの基本的な
キャラクターが変わってしまうことはありません。

Cabinet モジュールがオン、つまりキャビネットからの音をマイクで収音した音を再現している Rig には PURE


CABINET™が適用できます。レコーディングでもライブ PA でも、フルレンジのモニターやインイヤー・モニター、ヘッ
ドホンからの音に効果が現れます。どの Cabinet にも自然に適応しますが、特に歪んだ音で、ギター・キャビネットから
直接聞こえる音には無い耳障りな高域が気になる場合に試すと効果が判りやすいでしょう。逆にクリーンなサウンドの場
合は、変化を確認するのが難しいでしょう。

「Pure Cabinet」は Output セクションにあり、グローバル・パラメータとして全てのリグに適用されます。プロファイル


したアンプのデータそのものを変えてしまう訳ではありませんので、いつでもオフまたはオンにすることができます。
Output セクションにあるスイッチをオンにし、ノブでバリューを設定します。バリューをセットしておいてスイッチをオ
ン/オフすることで簡単に A/B 比較をすることができます。完全に効果をキャンセルする場合は「Pure Cabinet」をオフ
にして下さい。オンになっていると、バリューが0の場合でも PURE CABINET™の影響が現れます。

Cabinet モジュールにも「Pure Cabinet」パラメーターがあります。効果は同じですが、こちらは Rig ごとに異なる設定内


容をストアしておくことが可能です。Cabinet モジュールの「Pyre Cabinet」にはオン/オフ・スイッチは無く、バリュー
のみを設定します。バリューが0の場合は元のサウンドに影響を与えません。グローバル・パラメータである Output セク
ションの「Pure Cabinet」と両方が設定されている場合は、シンプルにバリューの大きい方の設定値が有効になります。

前章で説明したとおり、マイクで収音したギター・キャビネットの音は、高域が少し耳ざわりだったり、フェイジングが
起こっていたりすることが多くあります。これに対しギター・キャビネットから直接聞こえる音の場合はそのような部分
が目立ちません。「PURE CABINET™」は、マイクを通じてプロファイルされた音に少し磨きをかけ、ギター・キャビネ
ットから直接聞こえる音に近づける機能です。もちろん「PURE CABINET」を適用しても、ギターアンプ・サウンドの基
本的なキャラクターが変わってしまうことはありません。

CABINET モジュールがオン、つまりキャビネットからの音をマイクで収音した音を再現しているリグには「PURE
CABINET」が適用できます。レコーディングでもライブ PA でも、フルレンジのモニターやインイヤー・モニター、ヘッ
アンプおよびキャビネットのプロファイル 155

ドホンからの音に効果が現れます。どの CABINET にも自然に適応しますが、特に歪んだ音で、ギター・キャビネットから


直接聞こえる音には無い耳障りな高域が気になる場合に試すと効果が判りやすいでしょう。逆にクリーンなサウンドの場
合は、変化を確認するのが難しいでしょう。

「PURE CABINET」はアウトプット・セクションにあり、グローバル・パラメータとして全てのリグに適用されます。プ
ロファイルしたアンプのデータそのものを変えてしまう訳ではありませんので、いつでもオフに、またはオンにすること
ができます。アウトプット・セクションの「Output AddOns」ページにあるスイッチ(ソフトボタン3)をオンにする
と、ソフトノブ3でバリューが設定できる状態になります。バリューをセットしておいてスイッチをオン/オフすること
で、簡単に A/B 比較をすることができます。完全に効果をキャンセルする場合は、ソフトスイッチ3を押して「PURE
CABINET」をオフにして下さい。オンになっていると、バリューが0の場合でも「PURE CABINET」の影響が現れます。

CABINET モジュールにも「PURE CABINET」があります。効果は同じですが、こちらはリグごとに異なる設定内容をス


トアしておくことが可能です。CABINET モジュールの「PURE CABINET」にはオン/オフ・スイッチは無く、バリュー
のみを設定します。バリュー=0の場合は元のサウンドに影響を与えません。グローバル・パラメータであるアウトプッ
ト・セクションの「PURE CABINET」と両方がセットされている場合は、シンプルにバリューの大きい方の設定値が有効
になります。

✓Output セクションの「Pure Cabinet」はデフォルトでオンになっていますが、ヘビーメタルなどでミックスに埋もれない


ギター・サウンドが欲しい場合はオフにすることをお勧めします。マイク集音により少し「Phasey」な(少し位相がずれ
た)ギター・サウンドの方が、ミックスの中で抜ける(埋もれない)傾向があるからです。そのような特性を活かしたい
場合は設定値を下げるかオフにしてみてください。

✓PURE CABINET™については、ケンパーのウェブサイトにあるビデオ・チュートリアル (英語版)もご参照下さい:


www.kemper-amps.com/video
アンプおよびキャビネットのプロファイル 156

Monitor Cab Off:CABINET をバイパスしてギター・キャビネットを


ドライブする
完璧なステージ・セットアップを提供するため、PROFILER はパワーアンプを通じてギター・キャビネットをドライブす
る信号と同時に、PA ミキサーに送るスタジオ・プロファイルの信号、即ちアンプとギター・キャビネットにマイクロフォ
ンによる収音を再現したサウンドを Main Out から出力します。ステージ上のギター・キャビネットはステージ・モニター
専用で、その前にマイクロフォンを立てる必要はありません。Output セクションには Monitor Out 専用のボリュームおよ
び EQ が用意されています。つまり他のアウトプットに影響を与えることなく、お好みどおりのモニター・サウンドを作
れるということです。

このセットアップでは、Monitor Out に Cabinet モジュールをバイパスした信号を出力する必要があります。バーチャル・


キャビネットと実際のギター・キャビネットの重複を避けるためです。Output セクションの「Monitor Out」の段にある
「Cabinet Off」をオンにすれば、Monitor Cab Off 状態になり、Monitor Out には常に Cabinet モジュールをバイパスした信
号が送られます。PROFILER Player の場合は、本体の KONE ボタンをオレンジ色に点灯するまで長押しすることでも
Monitor Cab Off 状態することができます。Monitor Cab Off の状態でも、その他のアウトプットには、Cabinet モジュール
自体をオフにしない限り Cabinet モジュールの内容を含んだ信号が送出されます。Monitor Cab Off はグローバル・パラメ
ーターですので、全ての Rig に対して機能します。Monitor Cab Off の状態でも、Cabinet 以外のモジュールの内容は常に
Monitor Out の出力に反映されます。但しスタジオ・プロファイルには CabDriver が作用し、マージド・プロファイルから
はそれに拠らない、アンプ部のみのプロファイルによる信号が送出されるということになります。

ギター・キャビネットをドライブする場合は、外部のソリッドステート・パワーアンプを使用して下さい。ダイレクト・
アンプ・プロファイルならば、ソリッドステート・パワーアンプでも真空管パワーアンプと同じ振る舞いを再現できま
す。真空管パワーアンプを使うとむしろ矛盾した状態になってしまいます。真空管アンプ独特の振る舞いが二重に作用す
ることになるからです。かえって心地よい低域と高域がプラスされることになる場合もありますが、リファレンス・アン
プを忠実に再現するという観点からは避けた方が良いでしょう。
アンプおよびキャビネットのプロファイル 157

PROFILER Player と外部ステレオ・パワーアンプ、ギターキャビネット2台の接続例

PROFILER Player の Monitor Output はステレオ出力が可能なので、外部ステレオ・パワーアンプでギターキャビネットを


2台ドライブし、ステレオ・モニターを構築することができます。

ここで真空管パワーアンプとソリッドステート・パワーアンプの違いについて説明しておいたた方が良いでしょう。一般
的に真空管パワーアンプは芸術的とも言える独特な特性を持っていると言えますが、その周波数特性は決してリニアでは
ありません。ソリッドステート・アンプはリニアな周波数特性を得るために設計され、実際にフラットな特性を持ってい
ます。またソリッドステート・アンプは出力インプーダンスが低く、スピーカーの共鳴によるダンピングが低く抑えられ
ていますが、真空管アンプはそのような振る舞いをせずスピーカーをフルに響かせますので、スピーカーの反応がアンプ
の動作にも影響を与えます。アンプとスピーカー(キャビネット)がお互いに影響し合うため、真空管アンプとスピーカ
ーはその組み合わせによってサウンドが異なるため、「アンプとキャビネットの相性」が話題になるのです。プロファイ
ルには、ギターアンプとスピーカーがどのように影響し合うのかもキャプチャーされています。スタジオ・プロファイル
には、リファレンス・アンプのアンプとスピーカーの組み合わせによる結果がキャプチャーされています。従ってその再
アンプおよびキャビネットのプロファイル 158

生においては、これ以上余分な色付けをしないリニアな再生システム、すなわちソリッドステート・アンプとフルレンジ
のスピーカーが理想と言えるのです。
MIDI 159

MIDI
PROFILER Player は、USB ポートを通じて MIDI 信号を送受信しますので、5pin DIN の MIDI イン/アウト端子のみを備
えた MIDI コントローラーを使用する場合は、USB MIDI インターフェイスが必要です。MIDI コントローラーの MIDI アウ
トを MIDI インターフェイスの MIDI インに接続し、USB MIDI インターフェイスの USB 端子を PROFILER Player の USB
タイプ A のポートに接続してください。「Uno4Kemper」のように、MIDI 双方向通信を使用するコントローラーの場合
は、同時に USB MIDI インターフェイスの MIDI アウトをコントローラーに MIDI インに接続する必要があります。

ワンウェイまたは双方向の MIDI 接続

PROFILER が受信できる MIDI メッセージについては、以下のセクションで説明しています。


MIDI 160

コンティニュアス・コントローラー
下表の MIDI コントロール・チェンジを MIDI ペダルやシーケンサーから送信することで、各コントロール・ナンバーに対
応した機能をコントロールすることができます。モーフ、ワウ、ボリューム、ピッチは、本体に接続したペダルだけでは
なく、MIDI を通じてコントロールすることも可能です。バリューのレンジは 0 から 127 です。ミニマムやマキシマム・バ
リューを設定することでレンジを限定することもできますが、モーフィングやワウ、ピッチやボリュームは、エフェクト
のパラメータや「Volume Pedal Settings」によって設定できるため、レンジを設定する必要は無いでしょう。

#1 Wah Pedal (ワウ・ペダル)

#7 Volume Pedal (ボリューム・ペダル)

#10 Panorama (パノラマ)

#68 Delay Mix (ディレイ・ミックス :DLY モジュールにアサインされている場合のみ)

#69 Delay Feedback (ディレイ・フィードバック :DLY モジュールにアサインされている場合のみ)

#70 Reverb Mix (リバーブ・ミックス :REV モジュールにアサインされている場合のみ)

#71 Reverb Time (リバーブ・タイム :REV モジュールにアサインされている場合のみ)

#72 Gain (ゲイン)

#73 Monitor (Output) Volume (モニター・ボリューム)


MIDI 161

エフェクトのスイッチ
MIDI コントロール・チェンジで、ストンプやエフェクトのオン/ オフの他、チューナー・モードへの切り替えなども行え
ます。1 以上のバリュー即ち 1〜127 でオン、バリュー=0 でオフになります。以下のように、「長押し」によって別の動作
を起動する機能もコントロール可能です:

「長押し」を動作させるためには、コントローラーのスイッチを押したときと放したとき、それぞれのタイミングで MIDI
信号を送信させる必要があります。つまりスイッチを押したときに 1 以上のバリュー(1〜127)を送信し、放したときにバ
リュー=0 が送信されるように設定します。スイッチを放したときに信号を送信するという機能がないコントローラーで
は、残念ながら「長押し」のコントロールはできません。そのような場合は、スイッチを押したときにバリュー=0 を送信
するようにして「長押し」の誤動作を避けて下さい。

#16 全ての Effect モジュールの on/off を一斉にトグル切り替え

#17 Effect モジュール A の on/off

#18 Effect モジュール B の on/off

#26 DLY モジュールの on/off (ディレイ音を残さない)

#27 DLY モジュールの on/off (ディレイ音を残す)

#28 REV モジュールの on/off (リバーブ音を残さない)

#29 REV モジュールの on/off (リバーブ音を残す)


MIDI 162

#30 Tap テンポをトリガーする(バリューの値はは無関係、どんな値を受信してもトリガーします)

#31 チューナー起動 (チューナー画面の「Mute Signal」がオンの場合は信号がミュートされます)

#33 Rotary Speaker:ロータリー・スピーカーのスピード(バリューを受信するたびにスロー/ファーストをトグ


ル)

#34 Delay Infinity:ディレイ・インフィニティのオン/オフ(バリューを受信するたびにオン/オフをトグル)

#35 Freeze:ディレイのフリーズをオン/オフ(バリューを受信するたびにオン/オフをトグル)

#75 Effect Button I の on/offI

#76 Effect Button II の on/offI

#77 Effect Button III の on/off

#78 Effect Button IIII の on/off


MIDI 163

MIDI による Rig の切り替え


PROFILER Player には、合計 50 個の Rig をストアしておくことができます。この 50 個の Rig は、シンプルに MIDI プロ
グラム・チェンジ#1 〜#50 でロードさせることができます。

PROFILER Player は、PROFILER 用にデザインされた MIDI フットコントローラーとも互換性があります。従って MIDI コ


ントロール・チェンジ CC#47〜CC#54 を使った相対式の Bank 切り替えにも対応しており、System Settings の Bank
Load で設定することができます。

MIDI プログラム・チェンジに関する詳しい情報は、KEMPER PROFILER のメイン・マニュアルをご残照ください。メイ


ン・マニュアルはケンパーのウェブサイトからダウンロード可能です:
www.kemper-amps.com/downloads
MIDI 164

MIDI Global Channel:MIDI グローバル・チャンネル


デフォルト設定では、16 の MIDI チャンネル全てを受信する状態、すなわち「Omni」に設定されています。特定の MIDI チ
ャンネルで送受信したい場合は、System Settings の「MIDI Global Channel」で設定してください。

MIDI Clock:MIDI クロック


プロファイラーは MIDI クロックを送受信することができます。詳しくは「Tempo」の章をご参照下さい。

NRPN
MIDI コントロール・チェンジによるコントロールの対象は、ナンバーが割り当てられる 128 種類までという制約がありま
すが、PROFILER シリーズは 400 以上のパラメーターを持っているため、全てのパラメーターを MIDI コントロール・チ
ェンジだけで制御することができません。MIDI には機能が定義されているコントロール・チェンジの他に、自由に機能を
割り当てられる NRPN (Non Registered Parameter Numbers)という制御用信号が用意されています。NRPN を使えば、最
大 16,384 種類のパラメーターを 163,384 ステップ(14 bit)のレゾリューションでコントロールすることが可能です。
PROFILER は、この NRPN (Non Registered Parameter Numbers)に対応していますので、ほぼ全てのパラメーターを MIDI
でコントロールすることができます。

NRPN に関する詳しい情報は、「MIDI Parameter Documentation」を参照してください。PDF をケンパーのウェブサイト


からダウンロードすることができます。
www.kemper-amps.com/downloads
トラブル・シューティング 165

トラブル・シューティング
この章では、様々なトラブルやエラーを回避、解決していただくためのヒントをご提供します。このマニュアルでカバー
されていないような内容は、ケンパーのウェブサイトのサポート・ページやフォーラムを参照されることをお勧めしま
す。また、システム・ファームウェアは、同じくケンパーのウェブサイトから常に最新のバージョンを入手されることも
あわせてお勧めします:
www.kemper-amps.com/downloads

 PROFILER Player の電源が入らない。

PROFILER Player が起動せず、LED が点灯しない場合は、まず電源供給の状況やケーブルを今一度ご確認ください。

 正しく機能しない場合

PROFILER Player が入力や出力が意図どおりにならない場合や、操作に応じた動作にならない場合は、まず Input セクシ


ョンと Output セクションをリセットをお試しください。GAIN ノブと RIG VOL ノブを同時に5秒間押続けると、Input セ
クションと Output セクションの主なパラメーターがリセットされます。本体にストアされている Rig は、読み込み中の
Rig も含め影響をうけることはありません。もし直前のバックアップ・データがあれば、リストアによって全てのグローバ
ル・パラメーターとデータが、直前に使用していたときの状態に戻ります。このことから、バックアップを頻繁に取り、
USB メモリーに入れて携行することをお勧めします。バックアップをリストアすると、その時点で本体に保存されていた
データは全てバックアップの内容が上書きされますのでご注意ください。

 ファクトリー・リセット

PROFLER Player を工場出荷時の状態に戻すことができます。ただしこの操作によって、パラメーターやメモリーは全て


Factory Data の内容が上書きされますのでご注意ください。BANK ボタン、TAP ボタン、Bluetooth®/Wi-Fi ボタンと
KONE ボタンの4つを押しながら電源を投入すると、ファクトリー・リセットが実行されます。
トラブル・シューティング 166

カスタマー・サポート
これらの他にご不明な点やお困りの点がある場合は、電話または e-mail でお問い合わせください。ケンパーのウェブサイ
トには、ホットラインの詳しい情報と、e-mail でお問い合わせいただくフォームが用意されています:
www.kemper-amps.com/contact

お問い合わせの際には、ご使用の OS バージョンおよびリビジョン・ナンバーと、お困りの内容やエラーを再現する方法
を必ずお知らせください。
トラブル・シューティング 167
製品仕様 168

製品仕様

 外形寸法

高さ: 6,8 cm (2.68 inches)


横幅: 14,5 cm (5.71 inches)
奥行き: 16,6 cm (6.53 inches)

 重量

ヘッド: 1,11 kg (2.45 pounds)

 アナログ・インプット

1/4 インチ TS アンバランス, ダイナミック・レンジ: >108 dB, インピーダンス:1 MΩ

 アナログ・アウトプット

Main Output: XLR バランス, 出力レベル: XLR +4 dBu

Monitor Output: ¼-インチ TS アンバランス x2, 出力レベル: +4 dBu

ヘッドホン・アウト: ¼-インチ TRS ステレオ, 32-600Ω, 32Ω時 330mW, 600Ω時 220 mW


製品仕様 169

 コントロール端子およびデータ・インターフェイス

PEDAL INPUT: ¼-インチ TRS, シングル/デュアル・スイッチまたはエクスプレッション・ペダル

(インピーダンス:10 kΩ min. 100 kΩ max.)

USB: USB 2.0 (FS) 互換, USB type A および USB type B 端子

USB MIDI

 USB オーディオ

8ch USB-Audio (44.1 kHz): Windows®/ macOS®使用時


(Windows® 10 Version 1703 以上)

 プロファイラーステージの Wi-Fi

2,4 GHz WPA2 PSK

 Bluetooth®

オーディオ再生
製品仕様 170

 電源

9〜12V DC, 24W, 外側:+ /内側: ー

 環境要件

実用温度:5° 〜 45° C (41° 〜 113° F)

設置温度:−20° 〜 47° C (−4° 〜 116° F)

相対湿度:5% 〜 95%

限界高度: 2000 m (6,560 feet)

 適合規格

FCC 適合認定手続き – 承認済み、番号は保留中

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