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2022 年度 商法(商行為)

第 10 回講義資料

(5)特殊な運送形態 教科書 p202~204


①(相次)運送
同じ物品を数⼈の運送⼈が相次いで運送する形態

(ⅰ)
(下請)運送
1 ⼈の運送⼈(元請運送⼈)が荷送⼈と全区間に関する運送契約を締結し、全部または
⼀部の運送を別の運送業者(下請運送⼈)に委託

(ⅱ)
(部分)運送
各運送区間の運送を実⾏する業者が、独⽴して各区間につきそれぞれ荷送⼈と契約
を締結

(ⅲ)
(同⼀)運送
複数の運送⼈が共同で荷送⼈と全区間について運送契約を締結し、内部的に担当区間を
決める
511 条 1 項によりすべての運送⼈が荷送⼈に対し連帯責任を負う

(ⅳ)
(連帯)運送(狭義の相次運送)
最初の運送⼈が荷送⼈と全区間につき契約締結し、最初の区間を⾃ら運送して、⼀
通の通し運送状により次の運送⼈に運送を引き継ぎ、後続運送⼈はこの契約に加
⼊して相次いで運送を⾏う(579 条 3 項 4 項により各運送⼈の連帯責任)

*現在、⽇本国内で⾏われているのは(ⅰ)が普通で(ⅳ)は稀

(ⅰ)〜(ⅳ)に関し 579 条1項 2 項 4 項は、後の運送⼈は前の運送⼈に代わって権利を


⾏使する義務を負い、後の運送⼈が前の運送⼈に弁済したときは、後の運送⼈は前
者の権利を取得する旨を規定

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② (複合)運送 578 条
陸上運送、海上運送、航空運送のうち 2 以上の運送を 1 つの契約で引き受ける運送形
態・・その場合、滅失等の原因が⽣じた運送に適⽤されることになる⽇本の法令⼜は⽇本
が締結した条約の規定に従う←1項
陸上運送であってその区間ごとに異なる 2 以上の法令が適⽤されるもの(例:⾃動⾞運送
と鉄道運送)を1つの契約で引き受けた場合も同様←2 項

(6)運送取扱営業 教科書 p210~212


準問屋の⼀種・・取次の対象となる運送契約についてその特殊性に応じた規制がなされて
いる

① 運送取扱⼈の意義
⾃⼰の名をもって物品運送の取次ぎをすることを業とする者 (559)条1項取次商の⼀種
別段の定めがある場合を除き問屋の規定を準⽤ (559)条 2 項
物品運送に関する規定で運送取扱に適⽤されるべきものを準⽤ (564)条

②運送取扱契約
運送取扱⼈と委託者(荷主)間で結ばれる契約。運送取扱⼈は、委託者のために適切な運
送⼈を選択してその運送⼈と運送取扱⼈の名義で運送契約を締結し、その運送を⾏うため
に必要な各種の事務を⾏う。
委託者と運送取扱⼈の関係・・委任・準委任
到達地で運送品を受け取る者・・運送品が到達地に達したときあるいは全部滅失したとき
→委託者と同⼀の権利義務を有する(564 条、581 条)

③運送取扱⼈の義務・責任 善管注意義


損害賠償責任 (560)条
運送品の滅失・損傷、滅失・損傷の原因が⽣じる、延着に対して責任負う(無過失を⽴証
できない限り)

損害額は⼀般原則により定型化されていない 参照:運送営業では定型化 576 条


⾼価品の特則あり 564 条、577 条

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④運送取扱⼈の権利
(ⅰ)報酬請求権 561 条
運送品を運送⼈に引き渡したとき直ちに請求可 1項
ただし、運送取扱契約で運送賃の額を定めたときは、運送取扱⼈は特約がない限り、別に
報酬を請求できない 2 項

(ⅱ)留置権 562 条
運送品に関して受け取るべき報酬、付随の費⽤及運送賃その他の⽴替⾦についてのみ弁済
受けるまで運送品の留置可

(ⅲ)介⼊権 563 条
⾃ら運送可。この場合、運送⼈と同⼀の権利義務有する 1 項

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