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~中 3 フィールドワーク~

隅田川の水質汚濁と復旧
平成 30 年 11 月 3115 地主将猛 3131 保立怜 3138 森崎裕也
【はじめに】
私達は環境問題に関連することに興味があり、小さい頃から隅田川沿いに住んでいるの
で、かつて水質が酷く悪かったと言われている隅田川について調査し、まとめることとした。

【隅田川の基礎データ】[1]
隅田川は東京都の東部低地帯(北区、足立区、荒川区、墨田区、台東区、中央区、江東区)
を南北に流れる一級河川である。北区の岩淵で荒川と分かれ、新河岸川、石神井川、神田川
をはじめとする多くの支流と合流して東京湾に注ぐ。延長 23.5 ㎞、川幅 150m前後、流域
面積は上流部の新河岸川を合わせて 690.3 ㎢、流域人口は約 300 万人であり、東京を代表す
る河川の 1 つである。古くは墨田川、角田川とも書いた。

【汚染の経緯】[1][2][5]
隅田川周辺の工業地帯からの有毒な薬品を含む工場排水や、急速な都市化による家庭排
水の増加により、昭和 35 年頃から高度経済成長に伴い急速に汚染された。昔の隅田川には
シラウオが住み、水遊びもできるきれいな川だったが、汚染の当時は「生き物は住めない」
と言われ、悪臭のために市民から川に近寄るのを敬遠されるほどだったという。この影響で、
現在も有名な隅田川花火大会や早慶レガッタは、一時期は中止とされた。水害から沿川住民
を守るために築かれたコンクリート堤防は、都民の財産や命を守るのに大きく貢献した反
面、川と町が分断され、人々の隅田川への関心が薄れてしまった。

グラフ:隅田川のBODと下水道整備率の推移

100 40
35
80
30
下水道整備率(%)

25
BOD(mg/L)

60
20
40 15
10
20
5
0 0
昭和38
40
42
44
46
48
50
52
54
56
58
60
62

11
13
15
17
20
23
28
平成元
3
5
7
9

下水道整備率(%) 生物化学的酸素要求量(BOD)(mg/L) 環境基準((mg/L))


【具体的な浄化策】
昭和 39 年の東京オリンピックを契機に環境改善の機運が高まり、様々な対策が練られた。
以下はその例である。
ⅰ)水質改善[2]
昭和 45 年、この事態を重く見た国会では、水質汚濁をはじめとした数々の公害への対策
として水質汚濁防止法が定められた。この法律で工場排水の公共用水域への排出や地下水
への浸透を規制し、さらに隅田川では、人口用水路による利根川の浄化用水の導入や下水道
の整備が進められた。なお、この国会は公害国会と呼ばれ、日本の公害対策の転換点となっ
た。
ⅱ)水辺整備[1]
昭和 60 年の桜橋の整備時に、土盛の堤防の緩傾斜堤防、親水テラス、スーパー堤防が整
備された。植え込みや装飾など様々な工夫により地元の人々の憩いの場となり、遠来の人も
橋を眺めながら散策できるようになっていて、人々が楽しめる環境づくりが行われてきた。
また、水上バスが運行したりイベントが開催されたりするなど、レクリエーションの場とし
ても利用されるようになった。

【現在・未来】[3][4]
上記のような努力の結果、ほぼすべての流域で魚の姿が再び見られるようになった。さら
に、早慶レガッタや花火大会も復活した。2020 年の東京オリンピック・パラリンピックに
おいて、観光やレクリエーションの場としての役割が増していくことも期待されている。た
だし夏場には溶存酸素量が減ってしまうため、いまだ完全に回復したとは言えない。今後は
水棲生物が豊かに繁殖できるよう、溶存酸素量の改善に向けての更なる取り組みが求めら
れている。

【参考文献】
[1] http://www.a-rr.net/jp/waterside/domestic/docs/05-0007.pdf
[2] http://www2.nhk.or.jp/school/movie/clip.cgi?das_id=D0005402343_00000
[3]
http://www.city.taito.lg.jp/smph/index/kurashi/kankyo/seikatsukankyo/kankyosokute
i/suishitsu.html
[4]
http://www.kensetsu.metro.tokyo.jp/jigyo/river/teichi_seibi/sumida/sumidagawa/ind
ex.html
[5] http://www.gesui.metro.tokyo.jp/business/kanko/kankou/2017tokyo/05/index.html

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