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神道夢想流杖術の形

杖道の形は武道そのものが生活の総てであり、修業の成果が武術家の
生死をも左右する時代に、血の滲む稽古と研究の成果が集大成された
ものである。
現代の武道の修業は、目標に向かう集中力と変化に対する的確な判断
力、迅速に対応する体力を養う為にその修業は真剣であり、気迫を込
めた稽古でなくてはならないと思われる。
形は、技の部と心の部に大別されており、技の修業から心の修練に通
じ、その人の人間形成に重点が置かれている。

<型名>

基本技を修業することを目的とした十二本で構成されて
表 いる。正しい姿勢、形と技を身につ ける様心掛けねば
ならない。

太刀落   鍔割   着杖   引提   左貫   右貫
霞   物見   笠之下   一禮   寝屋之内   細道

中級者の技を中心に十二本の形で構成されている。動き
中段 が激しくスピードも要求される。 表業を修めその基礎
のうえに立って懸る形である。

一刀   押詰   乱留   後杖(前、後)   待車   間込
切縣   真進   雷打   横切留   払留   清眼
 

目録にその名はないが、表、中段の技を総合した形で手
乱合 数も多くスピードも要求される。古くから中級修業者の
目標となっている形である。

大太刀     小太刀

心の修練をすることを目的とし、表業と同名の十二本で
影 構成されている。手数は少なくス ピードもないが気迫
に満ちた稽古が必要であり、心技の基本と考えられる。

太刀落   鍔割   着杖   引提   左貫   右貫
霞   物見   笠之下   一禮(前、後)   寝屋之内(前、後)   細道

 
第二十五代の統、故清水隆次克泰師範が考案した形で、
五本の乱 表、中段、影を総合し、乱合を発 展させた中級者の修
業を目的とした形である。
太刀落の乱   左貫の乱   間込の乱   霞の乱   斜面の乱

影が心錬の基本ならば五月雨は心錬の中段と言える。六
本の組形で構成され、その技は気位を も要求され、
五月雨
心、技、体のの完全一致を見なければ出来得ない高度な
形である。

一文字   十文字   小太刀落   微塵(表、裏)   眼潰

 
永年の修業を終え、心、技、体とも卓越された人格者の

みに伝授される形である。
先勝   引捨   小手搦   十手   打分   水月
左右留   小手留   突出   打附   見替   阿吽

 
極意 (五夢想の杖)
闇打   夢枕   村雲   稲妻   導母
神道夢想流の併伝武術
神道夢想流には、いくつかの併伝武術があります。

剣術(神道流)は、初心のころから杖術の稽古と一緒に稽古を行います。

その他の併伝武術については、五段になって指導されます。

神道流剣術(四通八通)
流祖 夢想権之助は、神道流剣術の術技をもとに杖術を編み出したと言われており、

剣術の形として大太刀の形(八通)と小太刀の形(四通)が併伝されています。

【形】

大太刀八通

合寸(あいすん)、逆合寸(ぎゃくあいすん)、鷲(じゅ)、乳払(ちばらい)、

左輪(さりん)、二刀合(にとうあい)、受返(うけかえし)、摺込(すりこみ)

小太刀四通

受流(うけながし)、咽中(いんちゅう)、三受止(みうけどめ)、突出(つきだ

し)

一角流 十手術
一角流十手術は松崎金右衛門重勝によって創始されました。

【形】

右剣(うけん)、左剣(さけん)、残剣(ざんけん)、蹴上(けあげ)、一乱剣

(いちらんけん)、入身(いりみ)、一風(いっぷう)、目当(めあて)、右刀

(うとう)、五輪(ごりん)、一声(いっせい)
 

一心流 鎖鎌術

一心流鎖鎌術は、我が国の武道史の源流をなす念流の始祖として名高い念阿弥慈恩

にその源を発したと云われている。慈恩は、正平五年(1350 年)相馬四郎左衛門尉

忠重の子として奥州相馬(福島県原町市)に生まれ、俗名を義元といった。
【形】

居敷(いしき)、添身(そえみ)、羽返(はがえし)、無眼(むがん)、十文字

(じゅうもんじ)、振込(ふりこみ)一文字、振込(ふりこみ)十文字、磯之浪

(いそのなみ)、巻落(まきおとし)、三所詰(みところづめ)、浮船(うきふ

ね)、袖搦(そでがらみ)

※表・影ともに同名

中和流短剣術
流祖は、丹波の住人小谷惣右衛門とされており、黒田藩に伝承されました。

一角流十手術とほぼ同じ技法となっています。

【形】

右剣(うけん)、左剣(さけん)、残剣(ざんけん)、蹴上(けあげ)、一乱剣

(いちらんけん)、入身(いりみ)、一風(いっぷう)、目当(めあて)、右刀

(うとう)、五輪(ごりん)、一声(いっせい)、口伝(霞)(かすみ)

内田流短杖術
内田流短杖術は、安政の頃、内田良五郎が考案して以来、神道夢想流杖術と共に継

承されており、別名ステッキ術とも言われています。

杖の長さは約 3 尺、直径約 8 分とされていますが、体に応じて長くも短くも自分の

杖・ステッキとして使用しやすいものを使います。

【形】

小手打(こてうち)(左)、小手打(こてうち)(右)、捨身(すてみ)、繰付

(くりつけ)、後杖(うしろづえ)、水月(すいげつ)(左)、水月(すいげつ)

(右)、斜面(しゃめん)(左)、斜面(しゃめん)(右)、拳砕(こぶしくだ

き)、入身(いりみ)、脛砕(すねくだき)

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