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報告2-3

都 道 府 県 に お け る
デジタル・ガバメントの
先 進 事 例 調 査
(令和2年6月~7月実施)

先進事例集

令和2年10月

全国知事会
情報化推進プロジェクトチーム
<  目   次  >
※先進事例の選出は各都道府県からの自薦によった。
区 番
取組名 都道府県 頁
分 号
①AI・RPA・チャットボット等による業務効率化
1 AI導入による業務の効率化・省力化 茨城県 1

2 RPAの導入推進 茨城県 2

3 AI(人工知能)を活用した児童虐待対応支援システム 三重県 3

4 VISITMIE AIチャットボット 三重県 7

5 参議院議員通常選挙に係る問合せチャットボット 三重県 9

6 AIを活用した電話による高齢者支援システムの構築 奈良県 11

7 特別交付税基礎数値報告事務に係るRPAを導入した業務効率化 熊本県 13
②情報システム等の共同利用
8 埼玉県市町村共同クラウドの構築 埼玉県 17

9 被災者生活再建支援システム 東京都 19

10 クラウドを活用した静岡県ICT教育推進協議会の運営 静岡県 21
避難行動促進事業
11 三重県 25
(AIを活用した災害情報のマッピングによる可視化)
12 防災情報システムとSIP4Dとの連携 三重県 27

13 団体内統合宛名システムの共同利用 岡山県 29

14 自治体情報セキュリティクラウドの共同利用 岡山県 31
③DX推進体制(デジタル人材の育成・確保、組織)
15 デジタルマーケティング人材の育成 栃木県 33

16 デジタル活用推進人材 三重県 35

17 スマート人材育成 三重県 36
④その他
④-1 行政手続のオンライン化
18 条例等に基づく行政手続のオンライン化の推進 栃木県 37

19 徳島県立総合看護学校入学試験の出願 徳島県 38
④-2 オープンデータの推進
3次元点群データで創る「バーチャル・シズオカ」データセッ
20 静岡県 39
トの公開
オープンデータ取組率100%の早期達成とデータを最新状態に
21 京都府 41
保持する仕組みの整備
22 「全県土分の高精度3次元データ」のオープンデータ公開 兵庫県 43
④その他(続き)
④-3 テレワークやWeb会議・モバイルワークの導入
23 在宅勤務用リモートデスクトップシステム導入 福島県 46

24 県市町村Web会議・情報連絡システム導入事業 福島県 47

25 テレワークの推進 茨城県 48

26 テレビ会議システムの配備 東京都 49

27 働き方改革を支えるICTの取組 神奈川県 50

28 モバイル端末を活用した児童虐待対応の強化 岐阜県 51
分身ロボット(アバターロボット)をはじめとするICTを
29 三重県 53
活用した障がい者のテレワークの促進
30 在宅勤務システム 三重県 55

31 在宅勤務システム基盤整備事業 兵庫県 56

32 「どこでもワーク」の推進 広島県 57

33 インターネット系移行による行政事務効率化の推進 山口県 59

34 個人所有端末の活用(BYOD)によるテレワーク環境の拡大 徳島県 61

35 テレワークの推進 佐賀県 63

36 Web会議利用推進事業 大分県 65
④-4 セキュリティ対策
ALL京都CSIRTの設置によるセキュリティインシデント
37 京都府 67
支援体制の確立
38 次世代型セキュリティ対策ソフトの全庁導入 徳島県 68
④-5 その他
39 東京版新型コロナ見守りサービス 東京都 69

40 店舗型東京版新型コロナ見守りサービス 東京都 71
福井県民衛星プロジェクト
41 福井県 73
(衛星データを活用したシステムの開発)
42 長野県DX戦略の策定 長野県 75

43 預金調査の電子化 静岡県 79
避難行動促進事業
44 三重県 81
(AIスピーカー等を活用した避難情報等の提供)
45 「MYまっぷラン+(プラス)による避難計画策定支援事業 三重県 83

46 ウェアラブル端末等を活用した健康づくり実証事業 三重県 85

47 ビッグデータを活用した新型コロナウイルス感染症対策 三重県 87

48 「空の移動革命」促進 三重県 89
①AI・RPA・チャットボット等による業務効率化
1

取 組 名 AI導入による業務の効率化・省力化

項 目 ⑤発現した効果が先進的 導 入 経 費 議事録作成支援システム:1,386千円
チャットボット:6,336千円

ラ ン ニ ン グ 議事録作成支援システム:1,386千円
分 野 ②総務
コ ス ト チャットボット:6,336千円
導入状況 ①導入(実施)済 都 道 府 県 名 茨城県

共同利用 ③共同利用不可 担 当 部 署 総務部行政経営課

取組を開始した背景・きっかけ
(議事録作成支援システム)
職員の文字起こし等にかかる負担軽減を図るため,音声認識技術により会議などの議
事録を自動的に作成するシステムを導入した。
(チャットボット)
県民等からの問合せ対応の迅速化と質の向上を推進するため,問合せ自動応答システ
ム(チャットボット)を導入した。
取組の概要

(議事録作成支援システム)
音声認識技術により会議などの議事録を自動的に作成するシステムを昨年5月中旬か
ら導入した。
(チャットボット)
令和元年度末から県税(自動車税,不動産取得税)・空港・民泊・教育行政全般・安
全運転管理者届出の5分野6業務において運用を開始した。

取組の効果
(議事録作成支援システム)
システムの活用により,本年3月末までで711件・757時間分の議事録を作成,文字起
こしに係る時間削減と職員の負担軽減が図られている。
(チャットボット)
チャットボットは,ホームページ上で県民等からの問い合わせに,365日,24時
間対応できる問い合わせ窓口を設けることができ,これまで職員だけでは対応が困難
であった夜間や休日の対応も可能となった。
注意や工夫をした点
(議事録作成支援システム)
音声データがクリアに録音されていれば,簡単な手直し程度のみで議事録の作成が可
能となる。
(チャットボット)
100%全てAIで対応することは難しいことから,よくある基本的な質問への応答はA
Iで対応とすることにより,複雑な質問への対応に対しては,より丁寧に職員が回答
することも可能となると考える。

他の都道府県に横展開する際の注意点
webサービスによるものであり,各々サービス契約の必要がある。

1
①AI・RPA・チャットボット等による業務効率化
2

取 組 名 RPAの導入推進

項 目 ⑤発現した効果が先進的 導 入 経 費 75,240千円
ランニング
分 野 ②総務 11,378千円
コ ス ト
導入状況 ①導入(実施)済 都 道 府 県 名 茨城県

共同利用 ③共同利用不可 担 当 部 署 総務部行政経営課

取組を開始した背景・きっかけ

庁内の定型的業務をRPAツール導入等により自動化し,業務の効率化と生産性の向上を
図った。

取組の概要

昨年度,県立学校教職員の出張旅費の入力業務や県税事務所における不動産取得税登
録業務など20業務へ導入,これにより,年間で約3万5千時間の労働時間削減効果を見
込む。

取組の効果

定型的な業務から職員を解放し,職員が本来取り組むべき政策立案や対外的な調整,
知見を深めることに力を注げるようになるとともに,きめ細やかな行政サービスの提
供が可能となり,県民サービスのより一層の向上と茨城県の発展に貢献できるものと
考えている。
その他,繁忙期における業務時間のピークカットが可能となり,残業時間の削減効果
や,RPAはシステムへのデータ入力をミスなく行うことが可能なことから,常に安
定した行政品質を確保できる効果が期待できる。

注意や工夫をした点

昨年度のRPAの導入にあたっては,平成30年度に実証実験を行った業務に加え,庁
内各所属からの提案を募り,88業務の提案があったところ。
また,RPAロボットを作成する業者も交えて所管課からヒアリングを行い,扱う電
子データの量が多い業務や進め方が標準化されている業務など,RPAの適正及び導
入効果の高い業務を選定して決定したものである。

他の都道府県に横展開する際の注意点

都道府県ごとに導入しているシステム等に対応したRPAの構築が必要。

2
①AI・RPA・チャットボット等による業務効率化
3

取 組 名 AI(人工知能)を活用した児童虐待対応支援システム

項 目 ①取組内容が先進的 導 入 経 費 120,000千円
ランニング
分 野 ⑤保健・福祉 今年度運用開始
コ ス ト
導入状況 ①導入(実施)済 都 道 府 県 名 三重県

共同利用 ②共同利用可能 担 当 部 署 子ども・福祉部子育て支援課

取組を開始した背景・きっかけ

 三重県内で児童虐待による死亡事例が2件発生したことを受け、子どもの尊い命が
奪われる悲惨な虐待事例を2度と発生させないとの強い思いのもと、より適切に一時
保護を判断するためのリスクアセスメントツールを開発し、そこから得られたデータ
を蓄積、分析することにより虐待の未然防止や再発防止につなげ、子どもの安全を守
ることを目指した。

取組の概要

 蓄積されたリスクアセスメントツールによるデータの分析から、虐待の発生や再発
等につながる要因を見つけることにより虐待を防止し、さらにそのデータをリアルタ
イムで共有・活用できるシステムがあれば、判断の迅速化にもつながると考え、AI
システムを開発することになった。その後、実証実験に取り組み、開発者と利用する
職員が意見交換を重ね、操作性の向上等を図り、システムの導入に至った。

取組の効果

 現場でリスクアセスメントを行う際、システムにより過去に蓄積されたデータから
一時保護の必要性等が表示され、判断のサポートにつながっている。また、画像や情
報もリアルタイムで共有することが可能となり、迅速な意思決定や業務の効率化にも
つながっている。

注意や工夫をした点

 写真やデータを児童相談所内の職員と共有することで、情報共有・意思決定のス
ピード化が図られるよう工夫した。
 実証実験の期間を通じて、関係者と現場で利用する職員の意見を反映し、ユーザー
インターフェースの向上を図り、誰でも簡単に操作できるシステムとした。

3
①AI・RPA・チャットボット等による業務効率化

他の都道府県に横展開する際の注意点

 システム導入前に、過去データの入力が必要となるとともに、タブレットの購入な
ど初期費用が必要となる。

アピールポイントや取組詳細、他団体へのアドバイス等(自由記載)
 AIは蓄積されるデータが多ければ多いほど、より精度の高い(情報)を導き出す
ことができることから、ぜひ多くの自治体に導入いただきたい。
 本システムは、情報共有を迅速に行うことができ、短時間で安全確認が可能になる
とともに、虐待の未然防止や再発防止に寄与し、子どもの安全を守ることが可能とな
る。
 また、子どもが直接言葉にしなくても、過去に発生したリスクをAIが分析するこ
とで子ども目線での処遇を可能にし、子どもの権利を守ることにつながる。
 さらに、これまで紙ベース等で作成・共有していた情報を、タブレット端末により
リアルタイムで共有することで、業務の効率化も図ることが可能となる。

1 AI導入の背景
三重県では2012年の虐待死亡事例以降、リスクアセスメントを実施してきた。虐待通告が増え、現場
業務が逼迫する中、ICTによる業務の効率化とAIによる現場判断のサポート及び人材育成を目的に児童
虐待対応意思決定支援AI(AiCAN :株式会社AiCAN)を導入した。

現場の業務フローに無理のないやり方でリスクアセスメントが行えること、また、これまで蓄積したリス
クアセスメントのデータを業務における判断に活用できることを期待した。それにより、三重県が児童相談
業務において重視する、業務効率化、情報共有の迅速化、現場の人材育成という3つの課題解決を目指
していく。

2 AiCAN導入による業務の効果
① 訪問先から画像や情報をリアルタイムに共有

② 共有した情報がそのまま記録に。打ち直し不要!

③ ベテランの経験もデータとして溜め、AI が判断をサポート

こんなところで使えます!

記録 共有 AI利用

データ を 参照し 、
出張等の空き 時間で の記録作成 即時情報が共有で き る 対応判断

4
①AI・RPA・チャットボット等による業務効率化
3 AiCAN 導入効果 現場からの声
現場からは以下のような声が既にあがっている。特に若い世代では、タブレット操作にも慣れており、
所属部署内のコミュニケーションを円滑にし、また経験が浅い職員の業務負荷軽減にも役立っている。

“アセスメントシートを入力しつつ、関係機関情報
30代女性
を集め、別部隊が出動、現地到着時に即最新情報 迅速なチーム
児童福祉司
を共有できた。別働隊もすぐ傷アザ写真を共有し、 連動を推進
(経験年数8年)
効率的に対応できた”

30代男性 “AI支援機能を利用していくことで、現場で「不
児童心理司 質の高い
明」になっているリスク項目から優先的に調査し、
(経験年数10年) 判断サポート
効果的にもれなく危険因子をつぶしていけた”

20代女性 “AIでリスクが高かった事例で、学校の校長室にい
強力なコミュニ
児童福祉司 て課長に電話できない場面でも、手元でチャット
ケーション支援
(経験年数2年) を行い、対応についてリアルタイムに相談できた”
17
4 AiCAN導入効果:①業務効率化
これまでの出動から帰所後に対応記録を打つ点と比べ、訪問先で記録を打ち、チャットで相談しながら
写真も共有し、リコメンドを見て迅速に判断することが可能になった。それにより迅速に対応すべき時間に
格段の差が出ている。

・所属先に電話し報告や ・記録作成
・FAX&電話で情報収集 ・電話で確認や協議 ・デジカメで写真撮影 相談を行う ・傷アザ写真を共有
・手書きで受理票作成 ・帰所後に情報共有 ・決裁
これまで

・印刷

通告&会議 帰着後
出動・ 移動中 訪問先 帰所・ 移動中
( 所内) ( 所内)
導入後

・関係機関からデータ共有 ・同行者が記録入力 ・印刷する


・電話やチャット ・写真撮影し即時共有
・その場で書類作成 ・決裁も即時可能
・最新記録を移動中に閲覧 ・ チャット
・電話やチャットで報告や
・AIシミュレーション
相談を行う

AiCAN導入効果:②迅速な情報共有
26
命に関わる現場で求められるのは情報共有のスピード感。現場業務にあった最適な情報収集を漏れ
なく集め、かつ共有し、不確実な状況で最善の対応を判断していくことが課題であった。AiCANを使うこと
で、情報共有のスピードが格段に上がったことが現場で報告されている。

情報共有のス ピ ー ド が
今ま で の半分以下に ︕
Before

保護判断
受理会議 現場直行 対応判断
から記録
通告
方針検討

3h
情報収集

4h 4h 15h
処理時間: 26 h/件

After

10
受理会議 現場直行 対応判断 保護判断
方針検討 情報収集 から記録
通告
1h 2h 2h 5h 処理時間: h/件

© 2020 AiCAN Inc.

5
①AI・RPA・チャットボット等による業務効率化

AiCAN導入効果③:現場の人材育成
シミュレーションでは、データと現場の経験を組み合わせて人が対応を判断する場合は、再発率が減
少すると示唆されている。現在は、現場でも AiCAN のシミュレーション結果の参照が始まっており、子ど
もを守るための判断の質がさらに向上されることを期待している。

6
①AI・RPA・チャットボット等による業務効率化
4

取 組 名 VISITMIE AIチャットボット

項 目 ①取組内容が先進的 導 入 経 費 10,000千円
ランニング
分 野 ⑦観光・スポーツ -
コ ス ト
導入状況 ①導入(実施)済 都 道 府 県 名 三重県

共同利用 ①共同利用中 担 当 部 署 観光局

取組を開始した背景・きっかけ

個人の外国人旅行者が増加し、旅行者のニーズが多様になったことから、観光案内機
能の向上が必要となっていた。

取組の概要

個人の外国人旅行者に向けて、食事や体験など地域での多様な旅行ニーズに対応した
観光案内を行うため、AIチャットボットによる観光案内を導入し、スマートフォン
を活用した情報収集の基盤を整備。

取組の効果

①観光案内機能の強化
②観光案内所への負担軽減
③外国人旅行者の生の声の収集と観光施策のレベルアップ
④旅ナカでの観光プロモーションへの活用

注意や工夫をした点

コンテンツの充実化を図り、より深い情報の充実化のため、観光案内所との連携を強
化するためのネットワーク構築などに取り組んだ。

他の都道府県に横展開する際の注意点

都道府県内の観光案内所との連携構築する必要がある。

7
①AI・RPA・チャットボット等による業務効率化

アピールポイントや取組詳細、他団体へのアドバイス等(自由記載)

8
①AI・RPA・チャットボット等による業務効率化
5

取 組 名 参議院議員通常選挙に係る問合せチャットボット

項 目 ①取組内容が先進的 導 入 経 費 非公開
ランニング
分 野 ⑫その他 ―
コ ス ト
導入状況 ③実証中 都 道 府 県 名 三重県

共同利用 ④その他 担 当 部 署 選挙管理委員会事務局

取組を開始した背景・きっかけ

 三重県選挙管理委員会では、令和元年7月21日執行の参議院議員通常選挙におい
て、有権者の選挙情報へのアクセスの向上を図るとともに、県や市町の選挙管理委員
会の質問対応業務への負担軽減を図るため、「問合せチャットボット」を導入した。

取組の概要

 チャットボットは、公示日の令和元年7月4日から、投票日の7月21日までの期間
運用を行った。
 このチャットボットでは、「投票所入場券」、「期日前投票所の設置場所」、「過
去の選挙結果」などの質問項目を選択してもらい回答する方式と、候補者情報に関し
て自由記載で質問してもらいAIを活用して回答する方式の2つの方式を採用した。
 なお、後者の方式は、質問内容に対して、あらかじめ設定されている回答の中か
ら、AIにより最も適当なものを選び回答するものである。

取組の効果

 運用期間中、チャットボットへのアクセス数は、選択式が2,658件、AI式が723
件、合計3,381件あった。
 このように、一定数の有権者に閉庁時間帯も含めてご利用いただいたこと、また、
県や市町への問合せの一部がチャットボットで解決することできたと考えられること
から、導入の効果は一定程度あったと思われる。

注意や工夫をした点

 選挙時に候補者情報(AI方式)については、公正かつ公平な回答が求められるた
め、システムの調整に細心の注意を払った。

他の都道府県に横展開する際の注意点

 AI方式は、有権者からの様々な質問をあらかじめ想定して多くの質問パターンを
準備しAIに学習させるとともに、動作確認などを慎重に行う必要がある。

9
①AI・RPA・チャットボット等による業務効率化

10
①AI・RPA・チャットボット等による業務効率化
6

取 組 名 AIを活用した電話による高齢者支援システムの構築

項 目 ①取組内容が先進的 導 入 経 費
ランニング
分 野 ⑤保健・福祉
コ ス ト
導入状況 ③実証中 都 道 府 県 名 奈良県
医療部医療・介護保険局地域包
共同利用 ④その他 担 当 部 署
括ケア推進室

取組を開始した背景・きっかけ

 奈良県の南和地域は人口減少や高齢化という課題を抱える「日本の将来の縮図」で
ある。この課題解決のひとつとして、AIと電話を活用し、高齢者の安否確認や健康
管理等に役立つことで、できる限り地域で暮らし続ける期間が延伸することに繋がれ
ばと考えたことがきっかけである。

取組の概要

 人口減少・高齢化が進み、地域包括ケアシステムを支える医療・介護資源が少ない
県南和地域において、NTTドコモ(通信事業者)と連携・協力して、高齢者が使い
慣れた「家庭の電話」 と 「AI(人工知能)」を活用し、毎日、高齢者の状況を把
握することを通じ、高齢者の「健康管理」「安否確認」「介護予防」「生活支援」等
に役立つ高齢者支援システムを構築し普及を図っていく取組み。

取組の効果

令和2年度は実証実験に取り組む予定のため、現時点での効果は不明。

注意や工夫をした点

 この取組みを進めるにあたり実施した現状調査により、南和地域の高齢者は携帯電
話は活用しているがスマートフォンの活用は少ないこと、また、決まった通話先への
連絡が主で、経済的負担が増えることに抵抗感が大きいことがわかった。
 従って、高齢者が使い慣れているものを活用すること、利用者の経済的負担がほと
んど発生しないこと、さらに市町村職員の過剰な業務負担増とならないことを前提に
進めることとしたため、家庭にある電話を活用することとなった。

11
①AI・RPA・チャットボット等による業務効率化

他の都道府県に横展開する際の注意点
 AIはNTTドコモの技術である自然対話AIを活用するが、高齢者特有の発声や
会話、方言等を正しく音声認識できるかどうかが課題。また、AIはクローズドクエ
スチョンの判断には向いているが、オープンクエスチョンを認識するにはまだまだ発
展途上段階であるため、実証実験では高齢者との会話におけるAIの音声認識の精度
の評価とクローズドクエスチョンをベースとしたシナリオ作成及び分岐の設定を検証
する予定。
アピールポイントや取組詳細、他団体へのアドバイス等(自由記載)
システムのイメージ

スケジュール
R2 実証実験を実施
R3 本格実施に向けたモデル実施

・現在地域で活用されている緊急通報装置は高齢者本人が発信する必要があるが、本
システムはAIが電話をかけるため、利用者は自ら発信する必要がなく、オペレーターを
配置するより多くの対象者に電話をかけることができる。
・AIを搭載したロボットや機器を置く方式に比べて、家庭にある電話にAIが電話をかける
だけなので、利用者にとって操作が簡単で市町村職員や家族への負担が少なく、また、
初期導入費用などが無いため利用者の負担が少ない。
・AI電話のみで支援が完結するものではなく、あくまで市町村や地域包括支援センター
等の業務の補助的な活用を想定している。
・高齢者が電話に出なかった場合は、複数回電話をかけ、それでも不在の場合は事前に
登録された緊急連絡先に連絡を入れることとしている。

12
①AI・RPA・チャットボット等による業務効率化
7

取 組 名 特別交付税基礎数値報告事務に係るRPAを導入した業務効率化

項 目 ②進め方・手法が先進的 導 入 経 費
ランニング
分 野 ②総務
コ ス ト
導入状況 ③実証中 都 道 府 県 名 熊本県

共同利用 ③共同利用不可 担 当 部 署 総務部市町村課

取組を開始した背景・きっかけ
 特別交付税の基礎数値報告(一括照会)の業務は、約170種類の調査表につい
て、短期間で市町村への照会、基礎数値の内容審査、取りまとめ、総務省への回答の
作業が必要であるため、調査表別に市町村課財政班内で担当者を割り振り、早急に対
応できるようにしている。しかし、各担当者が基礎数値の内容審査に入る前に行う提
出データ(調査表及び根拠資料)のファイル整理及び印刷等の事前準備作業に時間を
要しており、大変非効率である。
 この問題を解決するため、RPAの導入を進めた。
取組の概要
 RPAの導入により、以下の作業を自動化する。
【対象作業】
①市町村へ照会する調査表の名称の一括修正及び統一
②提出データを45市町村別フォルダ→調査表別フォルダに移動及び保存
③提出データの多様なファイル形式をPDFに変換
取組の効果

RPAの導入により以下の効果が見込まれる。

①基礎数値の内容審査を行う前の事前準備作業を自動化することで、各担当者の準
備時間を大幅に削減するとともに、作業のミスを減らす。
②内容審査の時間をより長く確保できるため、基礎数値の精度向上につながる。

注意や工夫をした点
【注意点】
①ファイル移動作業は、ファイル名のルールに基づき行われるため、既定のファイル
名で市町村が調査表を作成しなければRPAが使用できない。
②RPAは作業中にエラーが発生した場合、最初の作業からやり直さなければならない。
【工夫】
①総務省から送付されるファイル名に修正を加え、市町村が提出する際のファイル名
を統一する。また、ファイル名の修正作業にRPAを用いて、職員の作業量を減らす。
②対象作業ごとにRPAを独立して構築しており、類似業務へも転用可能な汎用性の高い
RPAとなっている。また、作業ごとにシステムを独立させており、エラー発生時のやり
直しの作業量を減らしている。
他の都道府県に横展開する際の注意点

上記注意点を参照。

13
①AI・RPA・チャットボット等による業務効率化

アピールポイントや取組詳細、他団体へのアドバイス等(自由記載)

特別交付税基礎数値報告(一括照会)業務効率化について

1 業務の現状
・特別交付税の基礎数値報告(一括照会)は、約170種類の様式(=調査表)について、
総務省が定める期日までに県内市町村分を取りまとめて、回答しなければならない。
・短期間で市町村への照会、内容審査、取りまとめの作業が必要であるため、様式別に財
政班で担当を割り振って対応している。
・各担当者は、市町村から提出される調査表及び予算書等の根拠資料を様式別に整理し、
各々印刷を行った上、内容審査をしている。
※具体的な作業手順については別紙を参照

2 改善したい項目(課題→理想)
① 市町村の提出ルールが不統一なため、データ整理や内容審査等の作業の手間がかかる。

・印刷後に添付資料の順番が不順になることを防ぐため、資料の右肩に通し番号を振る
・添付資料のうち、根拠となる箇所にマーカー等を引いて強調する…等
このようなルールを今後の実務にあわせて決定し、市町村に遵守してもらう

② 市町村から提出されたデータを手作業で様式別に整理するため、作業に時間を要する
とともに、多数のファイルの中で整理漏れが生じる恐れがある。

作業時間の短縮及びフォルダの整理漏れを防止するため、マクロ等による一括フォル
ダの振り分けをできるようにする。

③ 様式等を印刷する際、異なるファイル形式が混在しているために一括印刷ができず、
印刷に時間がかかる。また、各担当が業務時間中に印刷をする際、他の印刷物と混在し
てしまうことがある。

異なるファイル形式を調査表、根拠資料の順に一括印刷できるようにし、主担当者が
浄書センター等で一括印刷する。

14
①AI・RPA・チャットボット等による業務効率化

15
①AI・RPA・チャットボット等による業務効率化

16
②情報システム等の共同利用
8

取 組 名 埼玉県市町村共同クラウドの構築

項 目 ①取組内容が先進的 導 入 経 費 80,080千円
ランニング
分 野 ②総務
コ ス ト
導入状況 ①導入(実施)済 都 道 府 県 名 埼玉県

共同利用 ①共同利用中 担 当 部 署 企画財政部情報システム課

取組を開始した背景・きっかけ

 厳しい財政状況や人口減少社会の到来などの課題に対応していくためには、積極的
にICTの活用を進めていく必要がある。一方で、激化するサイバー攻撃などに対処
するためには、セキュリティ水準の向上も欠かすことはできない。
 そこで、県及び県内市町村が共同で利用できるクラウド基盤及び県域プライベート
ネットワークを整備し、ICTの更なる利活用やシステム共同化を促すとともに、セ
キュリティ水準の向上を図ることとした。

取組の概要

 令和元年度に、県内市町村等が安全に共同利用するためのクラウド型の情報システ
ム基盤(埼玉県クラウド)及び県及び市町村等が安全かつ安定的に基盤にアクセスす
るための広帯域でセキュアな「県域プライベートネットワーク」を整備した。
 令和2年7月現在、県を含めて14団体が共同利用に参加している。

取組の効果
 ネットワークの構築やサーバー機器の調達など、これまで市町村ごとに行っていた
ものを県が一括して行うことにより、費用の削減が見込まれる。
 また、クラウドのサーバー等を県が一括して管理するため、市町村職員の負担を大
幅に軽減でき、システム管理業務を効率化することができる。
 さらに、市町村単独では高額で導入が困難な優れたセキュリティ機器等を整備する
ことで、セキュリティ水準が向上する。
 共同利用システムについては、共同調達によるスケールメリットや、システム運用
業務の集約などのコストメリットが見込まれる。
注意や工夫をした点

 “情報セキュリティに配慮した自治体専用の共同利用基盤”のコンセプトを実現す
るため、総務省が提示している「地方公共団体における情報セキュリティポリシーに
関するガイドライン」に沿った運用が可能となることを前提として構築を行ってい
る。

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②情報システム等の共同利用

他の都道府県に横展開する際の注意点

 情報システム基盤の共同利用にあたり、事業に参加する各団体の既存のネットワー
クの運用ポリシーなどの調整に労力が必要である。
 また、団体間で共同利用するシステムを実現するためには、共同利用するシステム
の業務所管課と情報システム部門とが連携・協力して対応する必要がある。

アピールポイントや取組詳細、他団体へのアドバイス等(自由記載)

 埼玉県クラウドは、県及び県内市町村で情報システムを共同利用するためのクラウ
ド基盤であり、令和2年7月現在で、県を含めて14団体が参加している。埼玉県ク
ラウドを利用して共同利用しているシステムとしては、被災者支援システムや、児童
虐待情報の共有システム、保健所業務システムなどがある。
 アピールポイントとしては、「注意や工夫をした点」に掲げているとおり、“情報
セキュリティに配慮した自治体専用の共同利用基盤”のコンセプトを実現するため、
「地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」に沿った
運用が可能となることを前提として構築を行っている。
 例えば、同ガイドラインに準拠する形で、埼玉県クラウドを利用するための利用の
ポリシーを作成し、利用や運用についての技術的な対策基準を定め、埼玉県クラウド
の運用事業者や利用団体への遵守を求めている。
 また、埼玉県クラウドに接続するための県域のプライベートネットワークを整備す
るにあたって、ネットワーク機器をソフトウェアで機能実現するSD-WAN(Software-
Defined WAN)技術を採用し、マイナンバー利用事務系やLGWAN接続系も含む県・市町村
の多様なネットワークを無理なく安全に受け入れられるような工夫を行っている。

埼玉県市町村共同クラウドサービスの全体概要

18
②情報システム等の共同利用
9

取 組 名 被災者生活再建支援システム

項 目 ⑥その他 導 入 経 費
ランニング
分 野 ⑫その他
コ ス ト
導入状況 ①導入(実施)済 都 道 府 県 名 東京都

共同利用 ①共同利用中 担 当 部 署 政策企画局総務部渉外課

取組を開始した背景・きっかけ

・被災した自治体では、短期間に罹災証明書の交付やその前提となる住家被害認定調
査を行う必要があり、膨大な業務量が発生する。そのため、迅速かつ効率的な調査等
を行うため、業務の効率化、電子化の推進を図る必要があった。

取組の概要

・被災者生活再建支援システムは、地理情報システムなどを活用して住家被害認定調
査から罹災証明書の作成、被災者台帳を用いて各部署間で情報を共有しながら生活再
建支援を一貫して行うことができるシステムである。
・市区町村のシステム導入を促進していくため、クライアントサーバー型に加え、機
器等の共同利用によるスケールメリットを生かした共同利用型を、都内自治体に対し
提案した。

取組の効果

・都内自治体における被災者生活再建システムの導入が進み、スムーズで迅速な応
援・受援が可能になった。

注意や工夫をした点

他の都道府県に横展開する際の注意点

19
②情報システム等の共同利用

20
②情報システム等の共同利用
10

取 組 名 クラウドを活用した静岡県ICT教育推進協議会の運営

項 目 ②進め方・手法が先進的 導 入 経 費 -
ランニング
分 野 ②総務 -
コ ス ト
導入状況 ①導入(実施)済 都 道 府 県 名 静岡県

共同利用 ①共同利用中 担 当 部 署 教育政策課ICT教育推進室

取組を開始した背景・きっかけ
GIGAスクール構想が発表された当時は共同調達が補助金交付要件となることが想
定されており、当初はその対応のための協議会として設置を計画した。その後、要件
からは共同調達が外れたが、平成24年から年1~2回実施していた情報交換会(静岡
県情報化推進ワークショップ)をスケールアップし、通年で情報共有を行える会議体
として設置することとした。また、効率化を進めるため、従来の県内自治体を集めて
の会議といった形態を刷新し、議題はオンライン上で検討、協議できるシステムを導
入することとした。
取組の概要
本県の教育のICT化について、地域全体で一体となって効果的・効率的に整備に取
り組む。
具体的には、インフラ、端末、教材、校務系システムの導入等に関する経費・人的な
面での効率化や先進技術の共有化や、県内自治体の学校・行政運営の高度化・簡素
化・効率化及び教育内容の質の向上を図ることを目的とする。
目的の達成のため、教育のICT化を推進するための情報共有、情報提供、研修や、
ICT機器の整備等に向けた標準的な要求仕様策定や広域での共同調達の支援、教育
のICT化を推進するために県と市町が協働して実施する実証研究を実施する。
取組の効果
5月設置以降、各市町での動作確認に時間を要していたが、検討課題ごとに設置した
部会やタスクフォースにおいて情報交換が行われ始めたところである。今後、共同調
達や、共有した課題で関係市町による検討が進むことが想定され、従来よりも容易に
入札事務を進めたり、他自治体の情報が入手できることで、業務の省力化が推進され
る見込みである。
注意や工夫をした点

教育委員会での利用が無償となるマイクロソフト365A1ライセンスを活用し、県
が各市町のアカウントを作成して管理することで、システムのランニングコストを不
要としている。

他の都道府県に横展開する際の注意点
マイクロソフト365A1ライセンスは教育委員会での使用のみ無償となるため、知
事部局での無償利用はできない。
アピールポイントや取組詳細、他団体へのアドバイス等(自由記載)

教育委員会であれば無償で使えるシステムなので、まずは使ってみて有用性を確認

21
②情報システム等の共同利用

静岡県ICT教育推進協議会

(要 旨)
 本県の教育のICT化について、地域全体で一体となって効果的・効率的に整備に
取り組むため、市町と県からなる協議会を設置した。

1 目 的
 ・インフラ、端末、教材、校務系システムの導入等に関する経費・人的な面での
  効率化や先進技術の共有化
 ・県内自治体の学校・行政運営の高度化・簡素化・効率化及び教育内容の質の向上

2 事業内容
 ・教育のICT化を推進するための情報共有、情報提供、研修
 ・ICT機器の整備等に向けた標準的な要求仕様策定や広域での共同調達の支援
 ・教育のICT化を推進するために県と市町が協働して実施する実証研究

3 体 制(令和2年5月29日設置)

項  目 内   容
・県・市町教育委員会情報主管課
構成員
(必要に応じて、実証校等の教員、情報関連企業等)
・仕様策定部会(共同調達における共通仕様策定)ほか6部会
議室を6月22日に ・共通の目的を持つ構成員による情報共有、課題解決策検討
目的別専門部会
・常時情報共有・意見交換ができるクラウド上の会議室を6月22日に
 設置し稼働中
教育ICT化 ・喫緊課題への対応のため、協議会に先立ち5月初旬から活動開始
タスクフォース
に意見をいただく ・臨時休業中の授業支援に関する情報共有、AI教材の実証など
アドバイザー ・県内大学有識者を選定。タスクフォースの活動等に意見をいただく
・静岡県経営管理部ICT推進局ICT政策課・電子県庁課
部局連携
・静岡県ICT戦略顧問(タスクフォース等に参加)
・静岡県教育委員会教育政策課ICT教育推進室
事務局
22
②情報システム等の共同利用
・静岡県教育委員会教育政策課ICT教育推進室
事務局
(協議会の活動全般のコーディネート)
静岡県ICT教育推進協議会のイメージ

23
②情報システム等の共同利用

24
②情報システム等の共同利用
11
避難行動促進事業
取 組 名
(AIを活用した災害情報のマッピングによる可視化)

項 目 ①取組内容が先進的 導 入 経 費 22,275千円 (AIスピーカー等を活用


した避難情報等の提供との合計)
ランニング
分 野 ⑫その他
コ ス ト
導入状況 ②導入(実施)予定 都 道 府 県 名 三重県

共同利用 ②共同利用可能 担 当 部 署 防災対策部災害対策課

取組を開始した背景・きっかけ

平成30年7月豪雨に関する岡山県の検証では、消防本部に寄せられた「越水」などの
現場からの情報が県に伝わらなかった事例があり、こうした重要な情報を県が迅速に
収集し、住民に伝えることができていれば避難行動につなげられていたとの指摘がな
されている。

取組の概要

消防団や河川巡視員等が現場で入手した被害の状況等を現場写真とともにLINEで
県に提供し、受け取った情報をAIが地図上に自動でマッピングし可視化する。
マッピングされた画面は県・市災害対策本部のほか、現場で活動している消防団員等
も閲覧が可能。

取組の効果

県や市町の災害対策本部で正確な情報をリアルタイムに把握し活用することで、効果
的な災害対応や県民への避難情報の提供につなげる。

注意や工夫をした点

他の都道府県に横展開する際の注意点

25
②情報システム等の共同利用

アピールポイントや取組詳細、他団体へのアドバイス等(自由記載)

26
②情報システム等の共同利用
12

取 組 名 防災情報システムとSIP4Dとの連携

項 目 ⑥その他 導 入 経 費 国の事業で行うため導入経費不
要だが、ランニングコスト等が
ラ ン ニ ン グ 新たに発生するか県側のシステ
分 野 ⑫その他
コ ス ト ム保守業者に確認中

導入状況 ②導入(実施)予定 都 道 府 県 名 三重県


防災対策部災害対策課情報通信
共同利用 ④その他 担 当 部 署

取組を開始した背景・きっかけ

大規模災害時、内閣府からISUT(災害時情報収集チーム)が派遣され、国のSI
P4D(基盤的防災情報流通ネットワーク)を用いて災害情報を記載したマップ作り
が行われる。平成30年8月31日に本県が実施した総合図上訓練にISUTが参加
し、本県の防災情報システムとSIP4Dとの間で手入力等によるデータの受け渡し
により検証を行ったが、災害対策活動に生かすためには時間や労力を要し過ぎること
がわかった。

取組の概要

今年3月、内閣府が行う「SIP4Dを活用した災害情報リアルタイム共有促進技
術」の実証におけるモデル都道府県へ応募したところ、三重県が選定され、次の工程
で、県の防災情報システムとSIP4Dの自動連携に係る実証試験を行う。
令和2年4月~:各種調整
令和2年出水期~:実証開始
令和3年3月:実証とりまとめ

取組の効果

本県の防災情報システムは、市町からの情報収集や関係機関との情報共有を実現して
おり、発災時において、本県のシステムをSIP4Dと自動連携し、ISUTや関係
機関と素早くデータを受け渡しできれば、県および市町における災害対策に大きな効
果が発揮できる。

注意や工夫をした点

27
②情報システム等の共同利用

これまでに、内閣府が行うISUT活用モデルへの検討に応募し、地方公共団体にお
けるISUTの取組の効果的な活用や、マニュアルの整備について、検討を進めてき
た。その結果、改めて、県の防災情報システムとSIP4Dの自動連携が重要である
との認識に至った。

28
②情報システム等の共同利用

他の都道府県に横展開する際の注意点

今回の応募では三重県を含め、16県から応募があり、16県全てが選定された。今
後応募があるかどうかは、内閣府に確認が必要である。

アピールポイントや取組詳細、他団体へのアドバイス等(自由記載)
これまで、国のSIP4Dと自動連携する地方自治体の防災情報システムはなく、昨
年11月に、本県から国への働きかけで、内閣府による「SIP4Dを活用した災害
情報リアルタイム共有促進技術」の実証におけるモデル都道府県へ応募」が実現し
た。

29
②情報システム等の共同利用
13

取 組 名 団体内統合宛名システムの共同利用

項 目 ②進め方・手法が先進的 導 入 経 費
ランニング
分 野 ②総務
コ ス ト
導入状況 ①導入(実施)済 都 道 府 県 名 岡山県

共同利用 ①共同利用中 担 当 部 署 県民生活部情報政策課

取組を開始した背景・きっかけ

 システム整備・保守経費の削減のため。

取組の概要

 マイナンバー制度に対応するための団体内統合宛名システムを、鳥取・岡山・広島
県の3県で共同利用・共同導入しました。

取組の効果

 共同化による効果に加え価格競争による効果も考えられますが、本県単独調達の見
込額より6割程度を削減しました。

注意や工夫をした点

 新規システムのため、標準パッケージの非カスタマイズでの導入に適した事例です
が、共同利用・共同導入の経費削減効果を高めるよう、RFIを通じて保守等がしや
すい条件に合わせるよう調整しました。

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②情報システム等の共同利用

他の都道府県に横展開する際の注意点

 各県個別のカスタマイズを行わないことが必要と考えます。例えば、既に情報照
会・情報提供をシステム間連携で行っている場合は、業務システム側を改修して宛名
システムの標準機能に合わせることなどです。

アピールポイントや取組詳細、他団体へのアドバイス等(自由記載)

31
②情報システム等の共同利用
14

取 組 名 自治体情報セキュリティクラウドの共同利用

項 目 ②進め方・手法が先進的 導 入 経 費
ランニング
分 野 ②総務
コ ス ト
導入状況 ①導入(実施)済 都 道 府 県 名 岡山県

共同利用 ①共同利用中 担 当 部 署 県民生活部情報政策課

取組を開始した背景・きっかけ

 システム整備・保守経費の削減のため。

取組の概要

 自治体情報セキュリティクラウドを、鳥取・岡山県の2県及び全市町村で共同利
用・共同導入しました。

取組の効果

 共同化による効果に加え価格競争による効果も考えられますが、本県域単独調達の
見込額より3割超を削減しました。

注意や工夫をした点

 両県の地域ネットワークが高速回線で相互接続されていたため監視拠点の集約化が
可能であった事例だと思いますが、県内市町村の取りまとめに当たっては次のような
ことに配慮しました。
・市町村のインターネット接続方式の変更を最小限とする。
・利用者(端末)数の変動によりライセンス費用等が増減しない構成とする。

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②情報システム等の共同利用

他の都道府県に横展開する際の注意点
 監視拠点となるインターネット接続口の集約化が、合理的なコストで実現可能かど
うかをまずは検討すべきだと思います。
 ただし、次期セキュリティクラウドにおいては、三層分離の見直しによりエンドポ
イント監視を組み合わせることや、CDNのためにはWebサーバの集約化も検討す
べきであること、更にベンダーのサービス形態の変更も想像されることから、現行シ
ステムのあり方も柔軟に見直す必要があると思います。
アピールポイントや取組詳細、他団体へのアドバイス等(自由記載)

33
③DX推進体制(デジタル人材の育成・確保、組織)
15

取 組 名 デジタルマーケティング人材の育成

項 目 ③取り組んだ分野が先進的 導 入 経 費-
ランニング
分 野 ⑫その他 -
コ ス ト
導入状況 ③実証中 都 道 府 県 名 栃木県

共同利用 ③共同利用不可 担 当 部 署 総合政策部デジタル戦略室

取組を開始した背景・きっかけ

 栃木県全体のDXを推進するため、デジタル戦略室を設置し、その一環としてデジ
タルマーケティングの導入に取り組んでいる。
 デジタルマーケティングの考え方、手法は県の様々な施策に有効であり、各職員が
それらを身につけ、各施策において活用することが重要である。

取組の概要

・デジタルマーケティングガイドラインの策定
・デジタルマーケティングアドバイザーによる助言・導入支援
・庁内有志が参加する業務時間外の研究会を開催し、外部講師から業務に有効活用で
きるウェブ広告や分析ツールの使用方法等※を学ぶことで、デジタル人材を育成して
いく。
※ ウェブ解析士資格取得レベルを目標とする。

取組の効果

 各施策においてデジタルマーケティングの手法を活用することで、エビデンスに基
づく施策展開及び施策効果の最大化が図られることを期待している。

注意や工夫をした点

33
③DX推進体制(デジタル人材の育成・確保、組織)

他の都道府県に横展開する際の注意点

アピールポイントや取組詳細、他団体へのアドバイス等(自由記載)

□デジタルマーケティングアドバイザー
 上半期:週2回4時間、下半期:週1回4時間の相談対応

□研究会(取組予定)
○実施回数   全12回
 ※ 第1回を令和2(2020)年7月、年内に全12回開催予定

○研究会内容
 基礎編(第1~4回)
 ・基本用語説明
 ・ディスプレイ広告の歴史(純広告からPMPまで)
 ・第三者配信の仕組み(アトリビューションマネジメントについて)

 実践編(第5~9回)
 ・KGI・KPI設定
 ・フィード系広告について(レコメンドバナー、Googleショッピング広告)
 ・タグマネジメント、DMP
 ・SEM概要
 ・デジタル調査について

 応用編(第10・11回)
 ・運用型広告の最適化ディスプレイ編
 ・運用型広告の最適化リスティング編

 まとめ(第12回)
 ・意見・感想のまとめ

34
③DX推進体制(デジタル人材の育成・確保、組織)
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取 組 名 デジタル活用推進人材

項 目 ②進め方・手法が先進的 導 入 経 費 10,350千円
ランニング
分 野 ②総務 導入経費に含む
コ ス ト
導入状況 ②導入(実施)予定 都 道 府 県 名 三重県

共同利用 ③共同利用不可 担 当 部 署 総務部スマート改革推進課

取組を開始した背景・きっかけ

 新形コロナウイルス感染症の拡大に伴い、世の中の考え方、働き方は大きく変わっ
たため、感染拡大の防止を進めつつ、収束後の「新常態」を見据え、変革に取り組む
必要があった。

取組の概要

 庁内各部局が進める取組を支援するため、デジタル技術の活用に関するノウハウや
経験を有し、民間企業等の最前線で活躍する高い専門性を持った外部人材を活用し
て、効率的かつ効果的な支援・助言を受ける。

取組の効果

 デジタルトランスフォーメーション(以下、「DX」)を念頭にした変革を進めて
いくため、既存の行政の考え方に捉われない柔軟な発想と斬新なアイデア、豊富かつ
高度なノウハウ、幅広い人的ネットワーク等を活用した支援を受けることができ、本
県全体のDXを推進していくことができる。

注意や工夫をした点

 高度な知見を有する人材は都市部に集中しており、本県における活用には一定の
ハードルがあったものの、時間や場所にとらわれないテレワークの広がりに伴い、兼
業・副業に目を向ける人材が増えていることから、本事業においても、兼業・副業の
枠組みにおいて実施することとした。

他の都道府県に横展開する際の注意点

 導入予定のため、現時点では、特に無し。

35
③DX推進体制(デジタル人材の育成・確保、組織)
17

取 組 名 スマート人材育成

項 目 ①取組内容が先進的 導 入 経 費 5,005千円
ランニング
分 野 ②総務 導入経費に含む
コ ス ト
導入状況 ②導入(実施)予定 都 道 府 県 名 三重県

共同利用 ③共同利用不可 担 当 部 署 総務部スマート改革推進課

取組を開始した背景・きっかけ

 今年度、AI等の新たなICTの利活用により、業務の効率化と正確性の確保を両
立させた「スマート自治体」をめざす取組の強化を図っている。
 さらに、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、ICTを活用した働き方や新た
なサービスの提供が加速度的に進むなか、デジタル活用を前提とした企画立案や予算
化、プロジェクト管理等を行うことができる「スマート人材」の確保が不可欠な状況
である。

取組の概要

 AIやRPA等のICTの利活用や、DXに向けた抜本的な取組を進めるにあたっ
て必要な「スマート人材」を庁内で育成するため、データ利活用や、その前提となる
BPR(業務改善)のノウハウ 、企画立案から実際の導入までのプロジェクト管理の
スキルなど、体系的な研修とフィールドワークを組み合わせた育成事業を実施する。

取組の効果

 庁内に一定数の「スマート人材」が確保できることで、「スマート自治体」の実現
に向けた政策形成及び実行能力が向上し、テクノロジーを活用した社会課題の解決や
社会変革の後押しを推進することができる。

注意や工夫をした点

 対象者の範囲設定のほか、研修項目として、eラーニングを活用した知識を修得す
る研修とフィールドワークなど実践スキルを修得する研修など、限られた期間で効率
よく育成していくためのカリキュラムを工夫した。

他の都道府県に横展開する際の注意点

 導入予定のため、現時点では、特に無し。

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④-1 行政手続のオンライン化
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取 組 名 条例等に基づく行政手続のオンライン化の推進

項 目 ②進め方・手法が先進的 導 入 経 費 未定
ランニング
分 野 ⑫その他 未定
コ ス ト
導入状況 ⑤検討中 都 道 府 県 名 栃木県
経営管理部行政改革ICT推進
共同利用 ③共同利用不可 担 当 部 署

取組を開始した背景・きっかけ

デジタル手続法の趣旨を踏まえ、県民サービスの向上を図るとともに、労働力人口の
推移から行政事務の簡素化、効率化が急務であり、行政手続のオンライン化の拡大に
ついて計画的な取り組みが必要であった。

取組の概要

条例等に基づく行政手続の棚卸調査を実施し、オンライン化の課題の有無により「実
現容易性」のランク、年間の申請件数による「効果」のランクに区分して、オンライ
ン化を推進する。
現在、ランク付けを行って状況であるが、ランクによって「速やかにオンライン化」
「課題が解消され次第オンライン化」「課題解消に向けて検討」等の今後の進め方を
決定し、実施していく。

取組の効果

条例等に基づく手続が多く、それぞれの特性や課題を分析してオンライン化を進めて
いく方法は時間がかかるため、ランク付けによりオンライン化に向けた一定の方向性
を明らかにして、行政手続の所管所属の検討を促進したいと考えている。

注意や工夫をした点

行政手続のオンライン化を進めるに当たり、導入や導入後一定期間の事務負担は当然
に生じるため、その負担は課題や阻害原因とはせずランク付けをした。
効果については、汎用電子申請システムを導入しており原則として経費が生じないた
め、年50件(週1回程度)以上の申請等があればオンライン化を実施する方針とし、
それ以下はオンライン化を検討することとした。

他の都道府県に横展開する際の注意点
条例等に基づく行政手続を分類してオンライン化を促進するものであり、押印、手数
料納付、添付書類等課題の解消や内部事務の効率化については、ICTツールの活用、
BPRの推進などのほか、国の方針も踏まえて検討していくものであり、特に先進的な点
はありません。

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④-1 行政手続のオンライン化
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取 組 名 徳島県立総合看護学校入学試験の出願

電子申請システムを共同利用しており、
項 目 ①取組内容が先進的 導 入 経 費 当該業務に係る経費算定は不可
ラ ン ニ ン グ 電子申請システムを共同利用しており、
分 野 ⑫その他
コ ス ト 当該業務に係る経費算定は不可
導入状況 ③実証中 都 道 府 県 名 徳島県

共同利用 ①共同利用中 担 当 部 署 経営戦略部スマート県庁推進課

取組を開始した背景・きっかけ

本県では、徳島県職員採用試験や、徳島県教員採用試験等において、電子申請システ
ムによる受験申込や受験票の返信などを実施しており、事務の効率化を図るとともに
利用者の利便性が向上し、電子申請システムを利用した申込みが増加している。その
ため、令和2年度より、県立総合看護学校について、従来の紙ベースの出願に加えて
電子申請システムを利用した受験申込についても新たに開始することとした。

取組の概要

徳島県と市町村が共同で運用する「徳島県電子自治体共同システム(電子申請システ
ム)」を利用して、パソコンやスマートフォンを利用した受験申込みと「受験票」の
オンライン返信を実施する。

取組の効果
申込画面から必要事項を入力することにより、「入学願書」、「受験申込書」、
「受験票」、「面接カード」を一度に作成することができる。また「受験票」の返信
について「大量一括処理機能」を利用することでオンラインで一斉に返信する事が可
能となり、事務の効率化を図ることができる。更に、電子申請システムを利用するこ
とで受験者にとっても出願書類の請求や提出が容易になるとともに、住所や氏名など
各提出書類で重複する箇所は自動で反映されるため利便性の向上につながっている。
注意や工夫をした点
受験申込み時に添付する顔写真もオンライン申請を可能とした。又、オンラインによ
る申込み方法のマニュアルの作成を行い、申込者が円滑にシステムを利用できるよう
にした。
他の都道府県に横展開する際の注意点
特になし

アピールポイントや取組詳細、他団体へのアドバイス等(自由記載)
徳島県電子自治体共同システムを利用してオンライン申請することにより、
受験生は必要書類を取り寄せる必要もない。そのため採用担当者が申込書類
一式を郵送する必要がないため事務負担の軽減となる。
「受験票」の返信についても一斉にシステムで返信できるため
郵送する作業が省けることとなる。
現在は、受験手数料を徳島県収入証紙にて徴収しているが、今後は電子収納が
可能となるよう関係各課と協議し環境整備を進めている。

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④-2 オープンデータの推進
20

取 組 名 3次元点群データで創る「バーチャル・シズオカ」データセットの公開

項 目 ④規模・スピードが先進的 導 入 経 費 308,000千円(データ取得費)
※オープンデータにかかる費用はなし

ランニング
分 野 ⑩土木建築 0円
コ ス ト
導入状況 ①導入(実施)済 都 道 府 県 名 静岡県

共同利用 ①共同利用中 担 当 部 署 交通基盤部建設技術企画課

取組を開始した背景・きっかけ

近年、急激な人口減少・少子高齢化、担い手不足、自然災害の激甚化、社会インフラの老朽
化、過疎地域等における公共交通の縮小・高齢者の移動手段の確保など、課題が深刻化してい
る。 静岡県では、深刻化する課題に対応するため、「3次元点群データ」の取得とオープン
データ化を進め、仮想空間の中に県土を再現する「バーチャル・シズオカ」の構築を目指して
いる。新たな「まちづくり」の際に現実空間を再構築するためには多大な費用のほかに、合意
形成や意思決定に長期間を要するが、3次元点群データを活用した新しい「まち」が仮想空間
の中にデザインされ、VR(仮想現実)等を用いて関係者が新たな街を模擬体験することで合意形
成が迅速化し、老若男女、障がいと共に生きる方や健常者を問わず、誰にとっても住みやすい
「まち」のあり方を、他人事ではなく「自分事」として考えるきっかけになると期待してい
る。

取組の概要
静岡県の伊豆東部エリア(1,050km2)を航空レーザ計測や、航空レーザ測深、移動計測車両に
より、広範囲かつ高密度に取得した3次元点群データ(Pointcloud)のデータセット(図
1)。地表面や樹木・建物等の地物、海岸線の水中部の緯度・経度・標高の座標情報データ
(約7TB)を「G空間情報センター」(https://www.geospatial.jp/ckan/dataset/shizuoka-
2019-pointcloud)
から公開している。データセットは、オープンデータ(CC-BY 4.0)として誰でも自由に二次
利用が可能。
取組の効果

本データセットが被災時の速やかな状況把握だけでなく、自動運転用の地図やゲームに活用さ
れるなど、新たな価値が生まれつつある。(創発効果)

注意や工夫をした点

(先進性・独創性)
3次元点群データのオープンデータ化は全国初であり、3次元点群データを社会的課題の解決
のプラットフォームとして活用する事例は、これまでにない取組である。
(発展性・将来性)
本県が抱える人口減少や少子高齢化、社会インフラの老朽化等の諸課題は、他の都道府県や市
町村が抱える共通課題でもある。先端技術の一つである3次元点群データの活用により、これ
らを解決しながら、富士山、駿河湾、伊豆ジオパーク等の本県ならではの景観、産業、歴史・
文化に係る地域資源を生かし、街づくりや国土の強靭化に資する情報基盤「バーチャル・ジャ
パン」の先駆けとなる「バーチャル・シズオカ」の構築とその運用を強力に進め、地方創生の
先駆的なモデルを目指す。

39
④-2 オープンデータの推進

他の都道府県に横展開する際の注意点
3次元点群データの取得は、本県だけでなく多くの自治体で取得されているが、データの権利
関係が課題となりオープンデータ化が進んでいないと思われる。本県では、内閣官房情報通信
技術(IT)総合戦略室が監修する「オープンデータを始めよう~地方公共団体のための最初の
手引書~」
(https://cio.go.jp/sites/default/files/uploads/documents/opendata_tebikisyo.pptx)
のP.54に記載がある「契約書に盛り込むべき条文の例」を参考に、データ取得業務を発注する
際の仕様書に記載したうえでオープンデータ化しているので参考にされたい。

アピールポイントや取組詳細、他団体へのアドバイス等(自由記載)
現在、無料で入手できる3次元点群データは、国土地理院が公開している、緯度・経度5m間
隔の方眼(メッシュ)に1点の標高データが一般的であるが、本データセットは、それに対し
て約400倍の高密度なデータであり、過去にこれだけ高密度かつ広範囲な3次元点群データが
オープンデータとして公開された事例はないと思われる。また、同一エリアを様々な計測機器
(セスナ+ヘリ+自動車)によりレーザー計測したデータを、位置情報が統合できる「ハイブ
リッドデータ(図2)」として公開していることから、詳細な地形モデルの作成が可能とな
り、研究・開発等で様々な目的に利活用できるデータセットである。 データ公開後から、
「浸水シミュレーション」や「急斜面の自動抽出」などの防災目的の利用のほかに、ゲームソ
フトウェアへの利用など、新たな分野への利活用が進みつつあり、「創発」効果が現れてい
る。

「バーチャル・シズオカ」データセットの概要(図1)

ハイブリッドデータのイメージ(図2)

40
④-2 オープンデータの推進
21
オープンデータ取組率100%の早期達成と
取 組 名
データを最新状態に保持する仕組みの整備

項 目 ④規模・スピードが先進的 導 入 経 費-
ランニング
分 野 ⑫その他 4,620千円
コ ス ト
導入状況 ①導入(実施)済 都 道 府 県 名 京都府

共同利用 ①共同利用中 担 当 部 署 情報政策課

取組を開始した背景・きっかけ

〇官民データ活用推進基本法第11条において、「国及び地方公共団体は、
 自らが保有する官民データについて、個人・法人の権利利益、国の安全等が
 害されることのないようにしつつ、国民がインターネット等を通じて容易に
 利用できるよう、必要な措置を講ずるものとする」と記載。
〇「世界最先端IT国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画」
 (平成29年5月30日、閣議決定)以来、令和2年度までに地方公共団体の
 オープンデータ取組率100%を目標として推進。

取組の概要

〇平成29年 5月:政府目標「令和2年度までにオープンデータ取組率100%」
〇平成29年 8月:オープンデータポータルサイト「KYOTO DATASTORE」を公開。
       (内閣官房IT総合戦略室提供パッケージ活用)
〇平成30年12月:京都府内の全自治体でオープンデータ公開開始。(政府目標達成)
⇒今後も、データを最新状態に保持するため、統合型地理情報システム(GIS)
 において、オープンデータ公開推奨データ用入力フォームを整備。

取組の効果

○京都府と市町村が共同利用している統合型地理情報システム(GIS)の
 地図データをオープンデータとして活用することによりコンテンツが充実し、
 アクセスが順調に増加。
○府内市町村全体の取組とすることで、自治体間の連携が図られ、
 主体的なオープンデータ公開につながった。
 全市町村が参加する京都府オープンデータポータルサイト「KYOTO DATASTORE」
 における掲載データは、734データセット、約12,000ファイルに上る。

41
④-2 オープンデータの推進
注意や工夫をした点

〇総務省のオープンデータリーダ育成研修プログラムを活用し、オープンデータに
 係る研修にあわせて、実際の各市町村データ(推奨データセット)のデータストア
 掲載もあわせて実施することにより、オープンデータへの理解を深めるとともに、
 データ公開の実践を行うことができた。
○市町村におけるキーパーソンと協力し、先進的な取組を示すことで後発組が
 取り組みやすくする土壌をつくった。 
〇京都府と市町村が協力して、統合型GIS及びオープンデータに係るワーキング・
 グループを開催し、利用促進に向けての意見交換等を実施している。
〇統合型地理情報システム(GIS)において、オープンデータ公開推奨データ用
 入力フォームを提供し、統合型GISとの連携によりデータの最新状態を保持する
 仕組みを整備。

他の都道府県に横展開する際の注意点

まずはデータストアへの掲載手順を把握してもらう観点から、新規の一覧データの作
成ではなく、各市町村業務の中で既に整備されているデータセットを選定するほうが
よい。

アピールポイントや取組詳細、他団体へのアドバイス等(自由記載)

オープンデータに係る市町村ワーキングを実施し、情報交換を行っている。

42
④-2 オープンデータの推進
22

取 組 名 「全県土分の高精度3次元データ」のオープンデータ公開

項 目 ①取組内容が先進的 導 入 経 費 0円 ※オープンデータにかかる費用
(元データ作成費用は除く)
ランニング
分 野 ②総務 0円
コ ス ト
導入状況 ①導入(実施)済 都 道 府 県 名 兵庫県

共同利用 ①共同利用中 担 当 部 署 情報企画課

取組を開始した背景・きっかけ

・兵庫県では、「ひょうご・データ利活用プラン」に基づき、“データの集積・活用
による価値創造”の取組を推進。その一環として、高精度な3次元地理空間データを
オープンデータとしてWeb サイトに公開

・砂防・治山等の業務で活用するために取得・作成されたデータについて、オープン
データを推進する情報部門がデータ保有部局と調整してオープンデータ化を実現

取組の概要

・令和2年1月に公開した3次元地理空間データ(緯度・経度・高さ)は、①建物・樹
木等の地物の高さを含む地球表面、②建物・樹木等の地物の高さを含まない地表面の
2種類。全国で初めて全県土分かつ1mメッシュ精度でオープンデータとして公開

・従来(※)の25~100倍の高精度で、詳細な地形や構造物の現況把握・分析が可能
 ※国土地理院が広範囲に公開している標準的データは5m 又は10mメッシュ

取組の効果
・データを掲載しているG空間情報センター(官民の地理空間データ5000件以上を掲
載)のサイトでは、公開直後から令和2年7月現在まで人気ランキング1位となってお
り、民間事業者、研究機関、行政等が多様な目的でデータを活用
(活用例:地形の簡易測量、土砂流出量の算出、城郭・遺跡の研究等)

(参考)「G空間情報センター」Webサイト
    https://www.geospatial.jp/gp_front/
注意や工夫をした点

・本データに関心のある層に周知できるよう、下記の点を工夫した
 ①地理空間データのプラットフォームである「G空間情報センター」に公開
 ②庁内外の関係者と連携して、各種媒体(業界誌、SNS、メール等)で発信
 ③データ利活用に関するアイデア・提案の募集
 ④地理空間データの利活用を推進する「アーバンデータチャレンジ」に出品

(参考)「アーバンデータチャレンジ」Webサイト
     https://urbandata-challenge.jp/#aboutudc

43
④-2 オープンデータの推進

他の都道府県に横展開する際の注意点

・3次元地理空間データや航空写真は、多くの自治体において土木・農林等の部局が
作成しているが、それぞれの業務目的のためだけに利用・保有されていることが多い
と思われるため、他自治体でオープンデータ化の取組を横展開する場合は、オープン
データ推進部局とデータ保有部局の連携が重要である

アピールポイントや取組詳細、他団体へのアドバイス等(自由記載)
・庁内における理解・利活用を推進するため、下記の取組を実施
 ①3次元地理空間データの可視化・分析に必要なソフトウェア(QGIS)を利用でき
る環境を用意し、研修やマニュアル整備を実施
 ②3次元地理空間データをはじめ、上記①で活用できるデータを全庁で共有

 →上記取組を通じてオープンデータに対する理解を得て、新たなデータのオープン
データ化を促進

全国初「全県土分の高精度3次元データ」の公開について

兵庫県では、
「ひょうご・データ利活用プラン」に基づき、
“データの集積・活用による価値創
造”の取組を推進しています。このたび、その一環として、高精度な3次元データを誰でも自由
に利用できるオープンデータとして Web サイトに公開します。
1mメッシュの高精度で、全県土分のデータ公開は全国で初めてです※。詳細な地形や構造物
の現況把握・分析が可能になるため、地域課題の解決や新サービス開発などに積極的に活用され
ることを期待しています。
これに併せて、このデータや他のデータと最先端技術を組み合わせて、民・産・学・官の協働
による地域課題の解決に向けた取組を推進するため、利活用のアイデア・提案を募集します。
※1m メッシュの精度で全県域の3次元データセットを公開する都道府県は全国初。
国土地理院が広範囲に公開している標準的データは 5m 又は 10mメッシュ(本県公開データは、その 25 倍又は 100 倍の精度)

1 公開するデータ
(1)内容
種類 データ形式
① 建物・樹木などの地物の高さを含む地球表面 [DSM]
緯度・経度・標高値のテキストデータ

建物・樹木などの地物の高さを含まない地表面 [DEM]
③ 画像データ(緯度・経度・標高値を含む)
④ 地形の微細な凹凸を表現する地図 [CS 立体図] 画像データ
※航空レーザー測量(平成 24~25 年度実施)により取得したデータ等を加工・作成

(2)公開日 2020年1月10日(金)
(3)利用方法 「G空間情報センター」の Web サイトからダウンロード
https://www.geospatial.jp/ckan/dataset/2010-2018-hyogo-geo-potal
ダウンロードできない場合は、兵庫県情報企画課に問い合わせください。

44
④-2 オープンデータの推進

45
④-3 テレワークやWeb会議・モバイルワークの導入
23

取 組 名 在宅勤務用リモートデスクトップシステムの導入

項 目 ④規模・スピードが先進的 導 入 経 費 36,499千円
ランニング
分 野 ②総務 47,124千円/年
コ ス ト
導入状況 ①導入(実施)済 都 道 府 県 名 福島県

共同利用 ③共同利用不可 担 当 部 署 企画調整部情報政策課

取組を開始した背景・きっかけ
当県では職員が業務用パソコンからアクセスするサーバが分散しているとともに、パ
ソコンにソフトをインストールしなければ利用できない業務システムも多いことか
ら、自席の業務様パソコンを自宅から遠隔操作できる仕組みを導入した。
取組の概要
当県では職員が業務用パソコンからアクセスするサーバが分散しているとともに、パ
ソコンにソフトをインストールしなければ利用できない業務システムも多いことか
ら、自席の業務様パソコンを自宅から遠隔操作できる仕組みを導入した。
取組の効果
普段使用しているパソコンを遠隔操作することから、パソコンで出来る業務はいつも
通りに出来るため、利用に際して職員の混乱は少ないと感じた。
注意や工夫をした点
・セキュリティにも配慮し、自宅のパソコンにはファイルを持ち出せず、自宅のプリ
ンタに印刷も出来ないようにしている。
・基本的にリモートデスクトップソフトウェアは職員自身が各自設定作業を実施する
ため、ソフトウェアメーカーが提供する既存手順書では無く、県オリジナルの手順書
を作成し配布した。
・リモートデスクトップの通信はインターネットを経由するが、福島県自治体情報セ
キュリティクラウドを経由すると帯域を圧迫してしまい、県内市町村のインターネッ
ト通信に影響を与えてしまう恐れがあったため、リモートデスクトップの通信だけを
流す回線及び目的外の通信を遮断するサーバを整備した。
他の都道府県に横展開する際の注意点
・ネットワークの例外通信経路を作ることになるため、どのようなリスクが発生する
のかしっかり分析を行った上で判断すべき。
・職員の私有パソコン及びインターネットアクセス環境に依存するため、あくまで緊
急的な対応であり、本来は業務継続に必要なツールは職場が提供すべきである。
アピールポイントや取組詳細、他団体へのアドバイス等(自由記載)
・緊急的かつ大規模な在宅勤務を実施するにあたっては制度設計面は人事部門が
 中心となり、情報部門と連携し進めることができた。また、リモートデスク
 トップ用ネットワークを整備する際には庁内ネットワークの保守運用管理を
 委託している事業者との間で迅速に設計から構築まで進めることができた。

46
④-3 テレワークやWeb会議・モバイルワークの導入
24

取 組 名 県市町村Web会議・情報連絡システム導入事業

項 目 ②進め方・手法が先進的 導 入 経 費 15,144千円
ランニング
分 野 ②総務 5,048千円/年
コ ス ト
導入状況 ①導入(実施)済 都 道 府 県 名 福島県

共同利用 ①共同利用中 担 当 部 署 企画調整部情報政策課

取組を開始した背景・きっかけ
福島県は県土が広く、県内全市町村に説明会等は県庁の会議室に参集して開催してい
るが、県庁から遠方の団体にとって2時間程度の会議でも移動時間を含めるとほぼ1日
費やしてしまうことから、対面で無ければならない会議をWeb会議にすることで移動時
間をほぼ0にし、浮いた時間を他の業務に当てることが期待できる。
取組の概要
セルラータイプのタブレット端末にSIMカードを挿入し、全市町村(59団体)に2台ず
つ配布した。また、300台以上が一同に集まってビデオ会議が開催できるソフトのライ
センスを県及び市町村に割り当て、市町村同士の会議も開催できるようにした。
(無料ライセンスでは最長40分までの制限があるため有償ライセンスを配布した。)
なお、全市町村で端末及び回線の状況を統一するため、端末賃貸借費用、回線費用及
びWeb会議有償ライセンス費用は全て県が負担している。
取組の効果
コロナウイルス感染拡大防止の観点から市町村を集めた説明会が開催できないため、
全市町村に宅配便で配布したタブレットを使用し、タブレットの基本操作方法及びWeb
会議の利用方法をWeb会議で説明会を開催し、78台が会議に参加した。(令和2年7月10
日(金)開催)
また、大雨や台風、地震といった大規模災害発生時にも携帯回線のタブレットである
ことから、災害現場での様子を伝えるためにも活用が期待できる。
注意や工夫をした点
ランニングコストを抑えるには庁内のインターネット回線を活用することも検討した
が、庁内LANの混雑状況やセキュリティ対策等で繋がらないといった不具合があるとス
ムーズに会議が開催できない恐れがあったことと、会議場所を固定しないことを考慮
し、携帯電話のエリア内ならどこでも接続可能なセルラータイプのタブレットとし
た。
また、各団体でWi-Fiなどインターネット接続環境があれば今回調達したタブレット以
外でも会議への参加が可能である。
他の都道府県に横展開する際の注意点
先進的な市町村ではそもそも1人1台端末で利用可能な状態であるなど既に整備されて
いる場合もあるため、事前にニーズ調査を行うべき。
アピールポイントや取組詳細、他団体へのアドバイス等(自由記載)
Web会議システムは当初予算に予算化されていたが、予算が県議会で承認され予算失効
の折にコロナウイルスの感染が拡大し、庁内からのWeb会議利用の希望が殺到した。
しかし、入札、納入及びキッティングにどうしても一定期間を要するため、もどかし
い思いをした。

47
④-3 テレワークやWeb会議・モバイルワークの導入
25

取 組 名 テレワークの推進

項 目 ①取組内容が先進的 導 入 経 費 10,000千円
ランニング
分 野 ②総務 20,087千円
コ ス ト
導入状況 ①導入(実施)済 都 道 府 県 名 茨城県

共同利用 ③共同利用不可 担 当 部 署 総務部行政経営課

取組を開始した背景・きっかけ

勤務場所にとらわれない効率的な働き方を可能とし,公務能率の向上を図るととも
に,職員が働きやすい勤務環境を提供し,職員のワークライフバランスの実現を図る
ことを目的として,テレワークの導入を推進した。

取組の概要

職員がテレワーク(在宅勤務,サテライトオフィス,モバイルワーク)を利用するた
めの制度・環境を整備した。
対象者:知事部局及び労働委員会事務局の職員のうち,行政情報ネットワーク用端末
により業務を行うことができる職員
リモートアクセスライセンス数:4000ライセンス
貸出用薄型端末:約100台

取組の効果

新型コロナウイルス感染症対応のためにテレワークを実施し,緊急事態宣言期間を含
む令和2年4月14日~5月17日(20営業日)において,1日当たり約3割の職員がテレ
ワーク等による在宅勤務を実施することが出来た。(業務端末の持ち帰り対応も含
む)

注意や工夫をした点

多くの職員が利用できるような制度を定めた。
・会計年度任用職員もテレワークの利用が可能
・在宅勤務は,原則1日単位で行うこととするが,必要に応じ半日単位又は時間単位
での利用も可能
・在宅勤務・サテライトオフィスの利用は1週間当たり4日まで実施可能
・県内6か所にサテライトオフィスを設置

他の都道府県に横展開する際の注意点

特になし

48
④-3 テレワークやWeb会議・モバイルワークの導入
26

取 組 名 テレビ会議システムの配備

項 目 ①取組内容が先進的 導 入 経 費
ランニング
分 野 ⑤保健・福祉
コ ス ト
導入状況 ③実証中 都 道 府 県 名 東京都

共同利用 ①共同利用中 担 当 部 署 政策企画局総務部渉外課

取組を開始した背景・きっかけ

・児童虐待相談件数が増加する中で、児童相談所間や児童相談所と区市町村の子供家
庭支援センターとの連携を強化する必要があったため。

取組の概要

・児童相談に係る情報を迅速・確実に共有するため、令和元年度、都の児童相談所3
か所と1か所の子供家庭支援センターにテレビ会議システムを試行的に導入した。
・令和2年度には、都の全ての児童相談所に整備するとともに、子供家庭支援セン
ターへの配備数も3区市に拡大した。

取組の効果

注意や工夫をした点

・個人情報保護、セキュリティーの関係から各所管のネットワークについては、シス
テム専用の閉域網を整備した。

他の都道府県に横展開する際の注意点

・上記、セキュリティーにかかる問題をクリアにする必要がある。

49
④-3 テレワークやWeb会議・モバイルワークの導入
27

取 組 名 働き方改革を支えるICTの取組

項 目 ①取組内容が先進的 導 入 経 費 64,067千円
ランニング
分 野 ②総務 77,871千円
コ ス ト
導入状況 ①導入(実施)済 都 道 府 県 名 神奈川県
総務局ICT推進部情報システ
共同利用 ④その他 担 当 部 署
ム課

取組を開始した背景・きっかけ

長時間労働の是正やワークライフ・バランスの実現、職員一人ひとりがいきいきと、
高いモチベーションを持って働くことができる職場環境づくりを目的とし、機動性と
スピード感に対応し、いつものことをより効率よくできる職場環境及びいつでもどこ
でも仕事ができるICT環境を整備するための、働き方改革を支えるICTの取り組
みを行っている。

取組の概要

働き方改革を支えるICT基盤として、平成30年度より職員が利用するノートパソコ
ン等をLTE内蔵型のモバイルPCに順次更新を進め令和元年度までにモバイルPC
は約10,270台となっている。また、平成30年度には、モバイル利用下での効果的なコ
ミュニケーションを確保するためのコミュニケーションアプリとしてSkype for
Buisinessを導入した。

取組の効果

新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた各種取り組み等に機動的に対応
・新型コロナ対策本部や関係施設等での利用のほか、テレワーク等による拡大防止
と業務継続性の両立が図れている。
・また、Skype for Buisinessにより、遠隔にいる職員同士がリアルタイムで映像・
音声での会議が実施でき、インスタントメッセージ・常設会議や画面共有などに
より効果的に情報共有を行っている。

注意や工夫をした点

・モバイルPCやコミュニケーションアプリの導入開始年度から継続し、本庁の職員
のみならず各地域の拠点に赴き、モバイルPCやアプリケーションの利用方法や情報
セキュリティなどの研修を積極的に実施している。
・また、モバイルPCの配備に加え、2画面操作等用のディスプレイや円滑な映像・
音声会議等用のヘッドセットも必要数を配備、また貸出用の会議用カメラ・マイクな
ども用意し、各所属の職員の利便性の向上に寄与している。

他の都道府県に横展開する際の注意点

庁舎外で業務を行う際の情報セキュリティ確保方策の検討が必要

50
④-3 テレワークやWeb会議・モバイルワークの導入
28

取 組 名 モバイル端末を活用した児童虐待対応の強化

項 目 ②進め方・手法が先進的 導 入 経 費
ランニング
分 野 ⑤保健・福祉
コ ス ト
導入状況 ②導入(実施)予定 都 道 府 県 名 岐阜県
健康福祉部子ども・女性局
共同利用 ③共同利用不可 担 当 部 署
子ども家庭課

取組を開始した背景・きっかけ

 岐阜県では現在、家庭をはじめ、訪問する現場に持ち込める業務用のスマートフォ
ン等はなく、職員はデジタルカメラで撮影した子どもの怪我や痣などの画像を持ち帰
り、写真をプリントしてから会議等で上司へ報告している。そのため、情報の確認や
共有に時間を要している。

取組の概要

・子ども相談センター(児童相談所)に、業務支援システムにアクセスできるカメラ
付きタブレット端末を導入。
・訪問した現場から、職員が子どもの痣や怪我等をタブレット端末で撮影し、セン
ターへ送信することで、上司と直ちに情報の確認や共有が可能となり、一時保護の判
断など迅速な対応ができる。
・家庭訪問等の外出時においても、職員がタブレット端末を使ってシステムにアクセ
スし、家庭状況等の必要な情報を確認できるほか、移動時間中に対応記録が入力でき
るなど、業務の効率化が期待できる。

取組の効果

令和2年12月より運用開始予定

注意や工夫をした点

・システムの画面を改修することで、モバイル型端末でのシステム操作性を向上
・情報セキュリティを確保した環境(閉域網の回線、VDI等)を活用し、情報漏え
いを防止

他の都道府県に横展開する際の注意点

特になし

51
④-3 テレワークやWeb会議・モバイルワークの導入

アピールポイントや取組詳細、他団体へのアドバイス等(自由記載)

52
④-3 テレワークやWeb会議・モバイルワークの導入
29
分身ロボット(アバターロボット)をはじめとする
取 組 名
ICTを活用した障がい者のテレワークの促進

項 目 ①取組内容が先進的 導 入 経 費
ランニング
分 野 ⑥商工労働
コ ス ト
導入状況 ②導入(実施)予定 都 道 府 県 名 三重県

共同利用 ③共同利用不可 担 当 部 署 雇用経済部雇用対策課

取組を開始した背景・きっかけ

 令和元年12月、分身ロボットをはじめとするICTの活用などで、障がい者が主
体的に働く可能性を広げることをテーマにパネルディスカッションを開催したとこ
ろ、参加者から大きな共感を得られた。
 そこで令和2年度に、障がい者が働く場を広げる可能性を探るため、県が事業者と
ともに運営に取り組んでいる障がい者が働くカフェにおいて、分身ロボットを活用し
た接客などの就労体験を行う事業をすでに進めている。
 あわせて、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、人々の考え方や働き方が大き
く変革している状況も踏まえ、感染防止のための対面での接触の回避や移動に伴う通
勤負担の軽減などの観点から、これまで就労が困難と考えられていた重度の身体障が
いやコミュニケーションが困難な方などが、ビデオ通話などの従来のテレワーク手法
に加え、分身ロボットをはじめとするICTを活用した就労モデルの事例構築を、カ
フェ以外の幅広い業種の企業等を対象に推進することとしている(補正予算対応)。

取組の概要

 分身ロボット(アバターロボット)を活用して、重度の身体障がいやコミュニケー
ションの障がいがある方など、これまで就労が困難と考えられていた障がい者に対し
て、
 ①まずは、県が事業者と共に運営に取り組んでいる障がい者が働くカフェに
  おいて、テレワークによる接客業務の就労体験を実施する。
 ②続いて、カフェ以外の場所(たとえば博物館、美術館など)における接客
  業務などの就労支援を実施する。
 また、②においては、分身ロボットの活用だけでなく、ビデオ通話など従来の手法
も含めたICTを活用したテレワークの導入全般について、就労訓練を希望する企業
と障がい者を選定し、テレワークに適した業務の切り出しから訓練の実施までを支援
し、その後の雇用につなげられるように取り組む。

取組の効果

 働く意欲のある障がい者一人ひとりに合った、多様な働き方の可能性が広がる。

53
④-3 テレワークやWeb会議・モバイルワークの導入

注意や工夫をした点
 今までにない取り組みであるため、就労体験に参加する企業や障がい者の選定、テ
レワークに適した業務の切り出し、実習場所との協議など多岐にわたる調整が必要で
ある。

他の都道府県に横展開する際の注意点

 各都道府県により、障がい者雇用に関する状況が異なると思われることから、統一
的な実施については留意が必要。

アピールポイントや取組詳細、他団体へのアドバイス等(自由記載)

 もともとは、新型コロナウイルスに関係なく、障がい者のテレワークを進める予定
であったが、新型コロナウイルスにより人々の考え方や働き方が大きく変革している
この時期こそが、障がい者のテレワークを推進するベストタイミングととらえ、事業
実施を急ぐこととした。

54
④-3 テレワークやWeb会議・モバイルワークの導入
30

取 組 名 在宅勤務システム

項 目 ④規模・スピードが先進的 導 入 経 費 69,271千円
ランニング
分 野 ②総務 令和2年度は導入経費に含む
コ ス ト
導入状況 ①導入(実施)済 都 道 府 県 名 三重県

共同利用 ③共同利用不可 担 当 部 署 総務部スマート改革推進課

取組を開始した背景・きっかけ

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う「業務継続の担保」及び「職員の安全
確保」の観点から、急遽、在宅勤務システムを導入する必要が生じた。

取組の概要

 職員の自宅環境(私有端末とインターネット回線)から所属内の自席端末にリモー
トデスクトップ方式で接続できるシステムを導入した(同時接続数は全職員の約3分の
1にあたる2,000台)。
 なお、システムはクラウドサービスを利用したことで、「企画」>「設計」>「契
約」>「開発」>「運用開始」まで、わずか1か月間という短期間で導入することが
できた。

取組の効果

 新型コロナウイルス感染症の第二波、第三波へも即対応できる体制を整えることが
できたとともに、「コロナ後」の「新しい生活様式」を意識した働き方への移行に向
けて、テレワークを組み合わせた働き方が普通のこととして、業務プロセスについて
も積極的に見直していく契機となった。

注意や工夫をした点

 情報セキュリティの確保を前提としつつ、職員の自宅(私有)端末とインターネッ
ト回線を利用する手法を採用できたことで、専用機器の調達に係る費用に加え、運用
開始までの期間を大幅に削減することができた。

他の都道府県に横展開する際の注意点

 私有端末を利用した在宅勤務システムであるため、要綱や運用ルール、労務管理等
の整理が必要となる。
 また、私有端末を保有していない職員に対する対応についても、事前に検討してお
く必要がある。

55
④-3 テレワークやWeb会議・モバイルワークの導入
31

取 組 名 在宅勤務システム基盤整備事業

項 目 ④規模・スピードが先進的 導 入 経 費 1,006,500千円
ランニング
分 野 ②総務 82,200千円/年
コ ス ト
導入状況 ②導入(実施)予定 都 道 府 県 名 兵庫県

共同利用 ②共同利用可能 担 当 部 署 情報企画課システム管理室

取組を開始した背景・きっかけ

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い在宅勤務が必要とされているが、導入には多額
の経費を要するため、県・市町職員、中小企業従事者等の多くはテレワークを実施で
きない状況にある。感染拡大防止とポストコロナ時代の働き方改革を推進するため、
この取り組みを開始した。

取組の概要
緊急対策として、迅速に利用開始できる在宅勤務用リモートワークシステムを構築
し、県市町職員及び中小企業従事者に無償で利用環境を提供する。なお、無償期間は
3年間とし、自ら在宅勤務用システムを導入するまでの臨時措置とする。

システム概要は、職場及び自宅のパソコンに専用の接続アプリを導入し、職員が自宅
パソコンからインターネットを通じてセキュアに職場パソコンにログインするVPNシス
テムである。
取組の効果

兵庫県職員及び市町職員の70%、中小企業従業員の1%が同時利用できる想定としてお
り、新型コロナウイルスの感染拡大防止と、働き方改革が進む。

注意や工夫をした点

・在宅環境からの各システム使用の可否を各システム管理者と協議し、使用できる
 システムを管理できるようにする予定。
・意図しない利用者が接続していないか確認するため、接続元を監視できるようにす
 る予定。

他の都道府県に横展開する際の注意点

・前項を参照のこと

アピールポイントや取組詳細、他団体へのアドバイス等(自由記載)
令和2年8~9月頃 実証実験開始予定
     11月頃 本格運用開始予定

56
④-3 テレワークやWeb会議・モバイルワークの導入
32

取 組 名 「どこでもワーク」の推進

項 目 ①取組内容が先進的 導 入 経 費
ランニング
分 野 ②総務
コ ス ト
導入状況 ①導入(実施)済 都 道 府 県 名 広島県

共同利用 ③共同利用不可 担 当 部 署 総務局業務プロセス改革課

取組を開始した背景・きっかけ
 本県では,「どこでもワーク」として,「家でもワーク(テレワーク)」と,「外
でもワーク(モバイルワーク)に積極的に取り組んでいる。
1 家でもワーク(テレワーク)
 ・平成25年1月より取組開始
 ・当初は,ワーク・ライフ・バランスの観点から,育児や介護等と仕事の両立を
  支援することを目的として制度を導入
2 外でもワーク(モバイルワーク)
 ・平成23年12月より取組開始
 ・出張における隙間時間の活用や,職場にとらわれない業務の遂行を目的として
  制度を導入
取組の概要

 本県における「働き方改革」の推進をするに当たり,県内の気運醸成などのため,
県庁が率先して「県庁働き方改革」に取り組むこととし,「県庁働き方改革」の
一つとして,状況にとらわれず業務を遂行する生産性の高い働き方などを目指して,
「どこでもワーク」を推進しているところ。

1 家でもワーク(テレワーク)
(1)対象者 :全職員
(2)利用時間:半日単位。5:00~22:00までの間で勤務時間の割り振り変更が可能
(3)利用端末:自席の職員用パソコンを持ち出すことで,執務室と同じ業務が可能
(4)コミュニケーションツール:メールの他,Web会議システムや各職員に付与した
       公用電話番号を活用
(5)利用促進方法:管理職員の理解促進と率先利用等による職場環境づくり など

2 外でもワーク(モバイルワーク)
(1)対象者 :全職員
(2)利用時間:出張中
(3)利用端末:自席の職員用パソコンを持ち出すことで,出張時においても,
       執務室と同じ業務が可能

※本県では,令和元年度に,情報基盤整備のため,職員用パソコン(約7,000台)を
 全てSIM通信機能付きノート型パソコンに変更し,「どこでもワーク」においても
 利用できることとしている。

57
④-3 テレワークやWeb会議・モバイルワークの導入
取組の効果

1 家でもワーク(テレワーク)
・育児や介護など,職員のライフスタイルに応じた働き方の実現
・台風等による災害や交通遮断など,職員が出勤できない状況においても,
 自宅や最寄りの地方機関等で業務を遂行することにより,
 ストップしない行政の実現

2 外でもワーク(モバイルワーク)
・出張中のすきま時間の活用や,
 出張後に職場に戻らず業務を行い不要な移動時間を削減するなど,
 業務の効率化や生産性を向上

注意や工夫をした点

○「制度」,「ツール」,「職場環境づくり」の取組を一体的に進めることで,
 とりわけ家でもワーク(テレワーク)の利用促進に取り組んできた。
【制度】
・対象者を全職員に拡大するほか,柔軟な勤務時間の割り振り変更を可能とする
 など,利用者アンケートなどを踏まて,5回にわたり制度見直しを実施
【ツール】
・制度導入当初は,自宅パソコン利用としていたが,情報セキュリティ対策として
 貸出パソコンに移行(平成26年11月)
・令和元年度の,職員用パソコンのSIM通信機能付きノート型パソコンの変更に
 合わせて,貸出パソコンから,職員用パソコンの利用に切り替え
・勤務時間管理強化の観点から,時間外勤務の上限規制制度導入に合わせて,
 パソコンのログ管理機能を追加
・テレワーク時のコミュニケーションツールの改善のため,Web会議システムの
 機能強化や,公用電話番号の増加などを実施
【職場環境づくり】
・管理職員の理解促進と率先利用による制度を利用しやすい職場環境づくり
・制度を利用した職員の声や活用事例の紹介・共有
・「県庁働き方改革」に関する情報を発信するサイトの運営
・集中取組期間の設定(毎年7月~9月)

他の都道府県に横展開する際の注意点

○「制度」,「ツール」の整備のみならず,
 家でもワーク(テレワーク)の定着のためには,
 制度を利用しやすい「職場環境づくり」の取組が重要であると考えている。

アピールポイントや取組詳細、他団体へのアドバイス等(自由記載)
○他県に先駆けて,家でもワーク(テレワーク)に積極的に
 取り組んできた結果として,
 今回の新型コロナウイルス感染症においても,
 県職員の感染防止及び業務継続対策の一つとして,
 家でもワーク(テレワーク)を有効に活用することができた。

58
④-3 テレワークやWeb会議・モバイルワークの導入
33

取 組 名 インターネット系移行による行政事務効率化の推進

項 目 ②進め方・手法が先進的 導 入 経 費
ランニング
分 野 ②総務
コ ス ト
導入状況 ②導入(実施)予定 都 道 府 県 名 山口県

共同利用 ③共同利用不可 担 当 部 署 情報企画課

取組を開始した背景・きっかけ

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、臨時的に在宅勤務の試行を開始した際、在
宅勤務実施職員に対してアンケートを実施したところ、庁内ネットワーク環境の利用
やコミュニケーション手段についての意見が多く寄せられた。
 これを踏まえ、各職員用として閉域SIMによるテレワーク環境整備を進めるととも
に、全所属にモバイルワーク用のタブレット端末やWeb会議用端末の導入を進めてい
る。
 今後は、庁内ネットワークのインターネット系移行を前提に、職員端末のモバイル
化や庁内LANの無線化、電子決裁システムの導入、クラウドサービス利用の拡大といっ
た、行政事務の効率化に向けたICT環境整備を一層推進していく。

取組の概要

1 テレワーク環境整備(令和2年度)
 ・閉域SIM      2,500台:1人1台PCに閉域SIM入りUSBドングルを接続
 ・モバイルワーク端末  210台:Microsoft Surface
 ・Web会議用端末    160台:SIMフリーノートPC
2 インターネット系環境整備(令和2~3年度(予定))※稼働は令和4年~
 ・主系ネットワークの移行:LGWAN系→インターネット系
 ・モバイルノートPC 約3,000台:1人1台PCのモバイル化
 ・庁内LAN無線化:無線LANアクセスポイント400箇所
 ・電子決裁システムの導入
 ・モバイルワーク環境見直し(BYODの導入検討)
 ・コミュニケーションツール導入(Microsoft Teamsを想定)

取組の効果
・閉域SIMによるネットワーク利用は、在宅勤務のみならず、庁内の会議や協議の際に
も活用され、資料作成時間の短縮やペーパーレス化に貢献している。
・Web会議の積極的活用により、時間や場所を問わない新たなコミュニケーション文化
が生まれ、業務の効率化や生産性向上に寄与している。

注意や工夫をした点

・職員に新しい働き方を実践してもらうに当たり、各種マニュアルの整備や問い合わ
せ対応に注力した。
・国のセキュリティガイドラインで求めるセキュリティ対策は十分行った上で、分か
りやすく、使いやすい環境整備を意識して行った。

59
④-3 テレワークやWeb会議・モバイルワークの導入

他の都道府県に横展開する際の注意点
 庁内ネットワークをインターネット系に移行するに当たり、セキュリティ対策を
しっかり講じた上で、テレワークやWeb会議の推進のみならず、庁内システムの抜本的
な見直しによるクラウド化や共同利用等も並行して進めることにより、住民サービス
の向上と行政コストの削減の両立を図ることが必要。
アピールポイントや取組詳細、他団体へのアドバイス等(自由記載)
【令和2年度整備】

【令和2~3年度整備(予定)】
 ※稼働は令和4年度~

60
④-3 テレワークやWeb会議・モバイルワークの導入
34

取 組 名 個人所有端末の活用(BYOD)によるテレワーク環境の拡大

項 目 ①取組内容が先進的 導 入 経 費
他のシステムと一括導入したた
ラ ン ニ ン グ め算定不可
分 野 ⑫その他
コ ス ト
導入状況 ①導入(実施)済 都 道 府 県 名 徳島県

共同利用 ③共同利用不可 担 当 部 署 経営戦略部スマート県庁推進課

取組を開始した背景・きっかけ

 テレワーク・モバイルワークは、今後発生が予想される「南海トラフ巨大地震」な
どの大規模災害発生時における「業務継続」という面で非常に重要であるとともに、
「多様な働き方」が可能になることで「ワーク・ライフ・バランスの実現」「生産性
の向上」が期待できることから平成30年度に本格導入した。
 新型コロナウイルス感染症対策としても有効な手段であることから、このたび個人
所有のPCで業務ができるよう取り組みを拡大した。

取組の概要

(1)VPNで庁内ネットワークに接続を許可。
   ・貸与PC(VDI):シンクライアント20台、
    Microsoft Surface(SIM付き)30台 
   ・個人所有端末利用:EMM 1,000ライセンス、SBC4,000ライセンス
    (同時接続450)
(2)インターネット接続用の端末として貸与タブレット55台(SIM付き)/
   EMMインストール

取組の効果

・多様な働き方を通じ職員のワーク・ライフ・バランスの実現、生産性向上に
 つながっている。
・BYODの拡大によりこれまでより大規模災害発生時の初動対応・業務継続が
 効果的に行える。
・この度の感染症対策の様に、テレワーク用端末が短期に且つ大規模に必要となった
 場合、個人所有端末の有効活用が現実的に最も有力な解決策である。

注意や工夫をした点

・サイバー攻撃に備え暗号化や仮想化技術など複数のセキュリティ技術を
 導入している。

他の都道府県に横展開する際の注意点

61
④-3 テレワークやWeb会議・モバイルワークの導入
35

取 組 名 テレワークの推進

項 目 ④規模・スピードが先進的 導 入 経 費 (ランニングコストに含む)
ランニング
分 野 ⑫その他 107,128千円(R2年度)
コ ス ト
導入状況 ①導入(実施)済 都 道 府 県 名 佐賀県

共同利用 ③共同利用不可 担 当 部 署 情報課情報化推進室

取組を開始した背景・きっかけ

・行政ニーズの高度化・多様化
・多様な人材の確保、女性の活躍、管理職への登用
・子育て・介護時期における仕事と家庭の両立
・新型インフルエンザ・災害時等の業務継続
など、テレワークを活用した柔軟な働き方が様々な課題を解決できると捉えたため。

取組の概要

・2008年1月から全国に先駆けてテレワーク(在宅勤務)を導入。
・当初は、子育て・介護が必要な職員のみに限定した取り組みだったが、
 徐々に対象者を拡大し、2010年には全職員がテレワークを実施可能にした。
・その後、2014年に制度、システム環境などを整備し、職員の意識改革のための
 研修会などを開催し、現在も全庁的にテレワークを推進している。

取組の効果

・コミュニケーション・対応の迅速化
 Web 会議などを活用で、必要なときに、即座に打ち合わせが可能。
・(出勤、出張時等の)移動時間の縮減
・子育て・介護・ワークライフバランスの効果
・業務の効率化・生産性の向上
・災害時の業務継続

注意や工夫をした点

・開始当初は、テレワークの利用者が少なかった。トライ&エラーを繰り返しながら
少しずつ全庁に浸透させていった。
・また、新しい働き方を取り入れるため、所属長(管理職)に率先して実践しても
らったり、各所属からアイデアを募集して実証的な取り組みを行い、その取り組み内
容を全庁的に広めていくなどの取り組みを行った。
・現在でも、活用事例集をまとめて全庁に共有を図っている。

62
④-3 テレワークやWeb会議・モバイルワークの導入

他の都道府県に横展開する際の注意点
テレワークを導入・定着させるためには、
・服務等の制度面の見直し
・ICT環境やツールの整備
・組織風土や職員意識の変革
がそれぞれ重要と考える。
アピールポイントや取組詳細、他団体へのアドバイス等(自由記載)

テレワークの推進に欠かせないのが電子決裁である。本県では、テレワークの本格運
用に先立ち電子決裁システムを整備した。職員の休暇や服務等に関する申請(下図①
職員申請システム)や財務会計を含めた文書決裁(下図②文書決裁システム)を整備
しており、庁内全業務のうち約8割以上で電子決裁が可能である。

 図①職員申請システム

図②文書決裁システム

63
④-3 テレワークやWeb会議・モバイルワークの導入
36

取 組 名 Web会議利用推進事業

項 目 ③取り組んだ分野が先進的 導 入 経 費
ランニング
分 野 ⑥商工労働 231千円/月
コ ス ト
導入状況 ①導入(実施)済 都 道 府 県 名 大分県

共同利用 ④その他 担 当 部 署 商工観光労働部情報政策課

取組を開始した背景・きっかけ

【コロナウィルス感染拡大による社会環境の変化】
○世界規模の新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、 4月7日に国が「緊急事態
宣言」発令
○移動制限による飲食業や旅行・観光業などを中心に、経済への影響が深刻
○企業の採用活動にも影響が出ており、人材確保や、就職説明会などの機会が縮小傾

取組の概要

○Web会議開催に必要なライセンス及び機材のリース
 ①Zoomライセンスの導入
  ・meetings 30ライセンス
  ・ウェビナー 500×2ライセンス 100×2ライセンス
 ②専用PC 10台
 ③65インチ大型モニタ 3台 等

取組の効果

○Web会議サービスを利用した雇用調整助成金等支援制度の説明や相談の実施
○今年度、中止や延期を検討している商談会など各種イベントの代替手段として改め
て開催
○就職相談会や移住相談会が、場所や時間にとらわれることなく開催回数を増やす
○海外とのコミュニケーションの強化によるインバウンド対策、海外販路開拓の拡大
○対外的なコミュニケーションの増加による課題の把握、民間連携による事業創出

注意や工夫をした点

○有料ライセンスを最小限にするため、仮想ブラウザで動作可能なサービスを選定
 短時間や1対1などの場合は、無料版を仮想ブラウザで利用することにより、利便
性を工夫したこと

他の都道府県に横展開する際の注意点

64
④-3 テレワークやWeb会議・モバイルワークの導入

65
④-4 セキュリティ対策
37
ALL京都CSIRTの設置による
取 組 名
セキュリティインシデント支援体制の確立

項 目 ①取組内容が先進的 導 入 経 費-
ランニング
分 野 ⑫その他 -
コ ス ト
導入状況 ①導入(実施)済 都 道 府 県 名 京都府

共同利用 ①共同利用中 担 当 部 署 情報政策課

取組を開始した背景・きっかけ
○自治体情報セキュリティクラウド運用開始にあわせ、
 平成29年4月1日「ALL京都CSIRT」設置。
○情報セキュリティ対策と災害対策には類似性があり、災害復旧と同様に、
 自治体が助け合い、被害の拡大防止、早急な復旧を確実なものとする
 体制整備が必要。
取組の概要

○京都府内の全自治体が参加し、セキュリティクラウドを運用し、
 インシデント発生時には協力して対応、支援する体制を整備
○責任の明確化=CISOの設置
○全国CSIRT協議会との連携

取組の効果

○インシデントの予防及びインシデント発生時に被害の拡大防止
○各自治体の職員1名以上が参加して構成していることから、日頃の研修・訓練等
 を通じて、自治体情報セキュリティクラウドの運用や情報セキュリティ対策に
 対する当事者意識を涵養

注意や工夫をした点
○体制整備にとどまらず、日頃の研修・訓練等の機会を設けている。
○毎月、セキュリティクラウドの月次運用報告会を開催(基本全団体参加)
○毎年、新任研修、定例研修を実施
○毎年、京都府と市町村が共同で標的型メール攻撃訓練を年2回実施
 ※ 2回の訓練の間にセキュリティや情報漏えい等に関するオンライン研修を実施

他の都道府県に横展開する際の注意点

○構成員については、各団体の推薦に基づき任命しているが、
 特に専門の知識、経験を要する職であるため、当該団体の職員である限り、
 担当事務、役職等を限ることなく、推薦を受け付けている。

67
④-4 セキュリティ対策
38

取 組 名 次世代型セキュリティ対策ソフトの全庁導入

項 目 ①取組内容が先進的 導 入 経 費 実証実験で開始
ランニング
分 野 ⑫その他 14,960,000円/年
コ ス ト
導入状況 ①導入(実施)済 都 道 府 県 名 徳島県

共同利用 ③共同利用不可 担 当 部 署 経営戦略部スマート県庁推進課

取組を開始した背景・きっかけ

 「標的型攻撃」や「無差別型攻撃」など、サイバー・セキュリティに関する脅威が
「深刻化」していることから「セキュリティ対策」を一段と進化させる。

取組の概要

 庁内ネットワークに接続されている全端末(5,200台)に、次世代型セキュリティ対
策ソフトである「yarai」を導入。

取組の効果

 インターネット経由での攻撃に対しては、セキュリティクラウドで防御できるが、
それ以外の経路からの攻撃に対してはエンドポイントでのセキュリティ対策が有効で
あり、この取り組みにより本県の情報セキュリティのレベルが一層高まった。

注意や工夫をした点

 導入当初は過検知が多いので、その対応が求められる。

他の都道府県に横展開する際の注意点

68
④-5 その他
39

取 組 名 東京版新型コロナ見守りサービス

項 目 ①取組内容が先進的 導 入 経 費
ランニング
分 野 ⑫その他
コ ス ト
導入状況 ①導入(実施)済 都 道 府 県 名 東京都

共同利用 ③共同利用不可 担 当 部 署 政策企画局総務部渉外課

取組を開始した背景・きっかけ

・令和2年6月から都立施設が順次再開される中で、多くの利用者が訪れる都立施設
を安全・安心に利用いただくために、新型コロナウイルスの感染拡大防止を図る仕組
みを導入する必要があった。

取組の概要

・都立施設で新型コロナウイルス感染症のクラスターが発生した場合に、施設の訪問
履歴に基づき利用者に迅速に感染情報を通知するサービスを導入した。施設入口に掲
示してあるQRコードを利用者がスマートフォン等のカメラで読み取ることで、手軽
に利用登録を行うことができる。利用登録はメール又はLINEから選択可能で、通知は
登録時に選択したサービスにより行う。
・利用施設数は134施設である。(令和2年7月1日現在)

取組の効果

・本サービスにより、市中感染リスクの低減や早期相談につなげ、「新しい日常」の
定着とともに、第2波への備えを強化していくことができる。

注意や工夫をした点

・通知の仕組みとして、メールとLINEの2通りを用意した。
・個人情報の収集項目をメールアドレス及びLINEのIDなどに限定した。

69
④-5 その他

他の都道府県に横展開する際の注意点

・本サービスは都立施設のみを対象としている。
・各施設への来訪日時として、利用登録した日時の情報を使用するため、事前又は事
後の登録を避ける必要がある。また、同一施設への来訪であっても、毎回の登録が必
要である。

アピールポイントや取組詳細、他団体へのアドバイス等(自由記載)

 〇登録操作・配信の流れ

QRコード読込・登録 通知・情報提供

※クラスター発生時等に、感染リスクを早期に把握し、
他の方への感染拡大を抑止する行動につなげます。

 参考:最新の状況や詳細は以下のサイトを参照してください。
https://www.senryaku.metro.tokyo.lg.jp/ict/mimamori.html
https://www.senryaku.metro.tokyo.lg.jp/ict/mimamoriqa.html

70
④-5 その他
40

取 組 名 店舗型東京版新型コロナ見守りサービス

項 目 ①取組内容が先進的 導 入 経 費
ランニング
分 野 ⑫その他
コ ス ト
導入状況 ①導入(実施)済 都 道 府 県 名 東京都

共同利用 ③共同利用不可 担 当 部 署 政策企画局総務部渉外課

取組を開始した背景・きっかけ

・都立施設において、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から「東京版新型コ
ロナ見守りサービス」の運用を開始したが、都内民間店舗等における新型コロナウイ
ルスの感染拡大防止を図る仕組みについて、民間事業者主体のサービスの検討を行う
必要があった。

取組の概要

・都内民間店舗等で新型コロナウイルス感染症のクラスターが発生した場合に、利用
者の訪問履歴に基づき、公募により選定した「新型コロナ・テックパートナー企業」
が展開するサービスに応じて、感染情報の通知を行う。
・新型コロナ・テックパートナー企業:5者(令和2年7月1日現在)

取組の効果

・本サービスにより、市中感染リスクの低減や早期相談につなげ、「新しい日常」の
定着とともに、第2波への備えを強化していくことができる。

注意や工夫をした点

・民間事業者主体のサービスであり、あらかじめ新型コロナ・テックパートナー企業
と加盟店舗の間で情報の通知に関して合意を取り交わす。

他の都道府県に横展開する際の注意点

アピールポイントや取組詳細、他団体へのアドバイス等(自由記載)

・キャッシュレス決済システムや事前予約システム等、日常生活の中で登録可能な
サービスとなっており、利用者にとって登録しやすいものとなっている。

71
④-5 その他

店舗型東京版新型コロナ見守りサービスに係る
新型コロナ・テックパートナー企業の選定について
 利用者の民間店舗への訪問履歴を基にした新型コロナウイルス感染症のクラスター
発生に関する感染情報通知サービス「店舗型東京版新型コロナ見守りサービス」を始
めるに当たり、事業展開していただく協力事業者を「新型コロナ・テックパートナー
企業」として選定いたしました。

1 新型コロナ・テックパートナー企業
 ○ キャッシュレスサービス

[KDDI 株式会社]      
[PayPay 株式会社]
○ 事前予約システム

[株式会社 favy]
 ○ 事前登録チケットシステム

[イベントレジスト 株式会社] 
[ヤフー
  株式会社・株式会社 一休]

2 店舗型東京版新型コロナ見守りサービスイメージ
①利用者が見守りサービス利用に同意する
②利用者が加盟店舗等でキャッシュレス決済等のサービスを利用し、訪問履歴を登録
③クラスターが発生した場合、当該店舗がテックパートナー企業に感染情報を通知
④利用者に対して感染情報が通知される

※あらかじめ新型コロナ・テックパートナー企業と加盟店舗の間で情報の通知に関して合意する

3 事業開始予定時期
  令和2年6月27日(土)以降、加盟店舗等向けサービスを順次開始
参考:最新の状況や詳細は以下のサイトを参照してください。
https://www.senryaku.metro.tokyo.lg.jp/tokyodatahighway/covid-19_tec_contact.html

72
④-5 その他
41

取 組 名 福井県民衛星プロジェクト(衛星データを活用したシステムの開発)

項 目 ①取組内容が先進的 導 入 経 費 -
ランニング 30百万円/年
分 野 ⑫その他
コ ス ト (システム利用料)

導入状況 ③実証中 都道府県名 福井県

共同利用 ②共同利用可能 担 当 部 署 産業労働部産業技術課

取組を開始した背景・きっかけ
・福井県では、人口減少や高齢化による経済活動の縮小に打ち勝つべく、県の基幹産
 業である繊維・眼鏡産業に次ぐ新たな産業として宇宙産業に着目。
・「福井県民衛星プロジェクト」と称し、産学官金が連携して、超小型人工衛星(県
 民衛星)の製造や人材育成、衛星から得られるデータを活用したソフトウェア開発
 等により、宇宙産業の拠点化を目指している。
取組の概要
・県も参加している福井県民衛星技術研究組合において、今年度打上げを予定してい
 る県民衛星「すいせん」が取得する衛星データを活用し、行政課題を解決するソフ
 トウェア「衛星画像利用システム」を開発。
・システムでは、衛星画像を地理情報に重ねて表示、過去の画像と比較・分析するこ
 とによる変化箇所の抽出、地すべり警戒区域や気象データなどの各種データを表示
 可能。
取組の効果

・令和2年度より、モデルユーザーとして福井県行政に試験導入し、県での利用評価
 のフィードバックにより、システムの利便性を向上、令和3年度以降の本格運用・
 全国展開に繋げる。
・現在、河川や森林管理、防災分野での活用について実証中。今後、他の分野での活
 用に広げていく。

注意や工夫をした点
・新旧の画像を比較し、機械的に変化箇所を抽出することが可能であり、対象エリア
 の指定により、業務の効率化が図られる。
・土砂災害警戒区域や避難所位置、雨量観測データ、河川水位データなどのオープン
 データを取り込み、画像情報と合わせて活用できる。
・県民衛星が取得する画像のみで活用できる業務には限界があるため、他の衛星デー
 タやAIを使った解析システムの研究・開発を検討している。
 (県民衛星「すいせん」の能力)
   更新頻度…同一地点を約2週間に1回撮影可能、悪天候時の画像取得は不可
   解 像 度…10m四方以上のものを検知可能
他の都道府県に横展開する際の注意点
・都道府県が近接する場合は、撮影が競合することがあり、他衛星のデータを活用す
 るなど調整が必要
・システム導入にあたり、利用料が必要となる。
 (必要とする機能により、利用料金は異なる)

73
④-5 その他

アピールポイントや取組詳細、他団体へのアドバイス等(自由記載)
・衛星画像は航空画像やドローン画像と比較し、解像度は落ちるが、広範囲を定期的
 に撮影でき、コスト面でもメリットがある。
・特に森林など定期的なパトロールが難しい地域の監視に有効であると考えている。
・高解像度の衛星データやAIを活用することも視野に、固定資産管理や違法伐採、
 河川の土砂堆積など、システムで変化を抽出できた箇所を重点的に確認することで
 行政パトロール等の効率化、コスト削減につながると考えている。
・今後、利用料無料で一定期間、他自治体での試験利用を検討している。システム活
 用のアイデアや改善点等、ご意見を伺いたい。

74
④-5 その他
42

取 組 名 長野県DX戦略の策定

項 目 ②進め方・手法が先進的 導 入 経 費⁻
ランニング
分 野 ⑫その他 ⁻
コ ス ト
導入状況 ①導入(実施)済 都 道 府 県 名 長野県

共同利用 ②共同利用可能 担 当 部 署 企画振興部先端技術活用推進課

取組を開始した背景・きっかけ
・令和元年4月、先端技術の社会実装を推進するため、最高デジタル責任者
 (CDO、副知事)及び先端技術活用推進課を新設
・CDOを議長とし全部局長で構成する先端技術活用推進会議を設置して、
 各部局の取組状況を共有するとともに、重点プロジェクト及び県と市町村
 の連携促進並びに長野県DX戦略案を検討
取組の概要
長野県DX戦略の概要
1 目的
  新型コロナウイルス感染症などの前例のない危機に対応できるように、
 Society5.0時代を見据えて、長野県全域であらゆる分野におけるDXを
 行うことで、5Gなどのインフラ整備を促進し、長野県を魅力的な地域
 にすること。
2 策定年月日
  令和2年7月21日
3 戦略の期間
  令和2年度から令和4年度まで
4 戦略のポイント
 (1) スマートハイランド推進プログラム及び信州ITバレー構想二つの
  エンジンで戦略を推進
   戦略の目的を実現するため、行政事務や教育、医療、地域交通、イ
  ンフラなどのDXを「スマートハイランド推進プログラム」として行
  政が自ら実施。加えて、県内の全ての産業のDXを「信州ITバレー
  構想」で後押し。
 (2) 県と市町村をつなぐ「先端技術活用推進協議会」の設置
   長野県内の市町村におけるシステムの共同利用を加速させるため、
  県が事務局となって運営する先端技術活用推進協議会を設置
   広範にわたるデジタル技術領域を市町村、民間事業者等と情報交換、
  共同調達等が可能な仕組みを構築
取組の効果

・県及び市町村によるシステムの共同調達・共同利用の推進
・県民生活と行政のDXの推進
・IT人材の育成・誘致・定着
・全産業のDXの推進

75
④-5 その他

注意や工夫をした点

・CDOのリーダーシップの下、全部局長で構成する会議体及びプロジェクト
 チームを構成して具体的なプロジェクト等を検討
・小規模自治体においても人的・財政的制約によりDXに取り組めないことが
 ないよう、情報共有、共同調達に向けた仕様検討を行う協議会を新設
※長野県の市町村数:77市町村(全国2位)、過疎地域37市町村(全国3位)

他の都道府県に横展開する際の注意点
・DXのテーマは、地域の特徴、課題により異なるが、取組の方向性及び手法
 は、横展開が可能なと考える。
アピールポイントや取組詳細、他団体へのアドバイス等(自由記載)

 重点分野の取組詳細

 スマートハイランド推進プログラムでは、次の7プロジェクトを推進

① スマート自治体推進プロジェクト
 ・クラウドサービスなどの活用を視野に入れた県と市町村による行政事務の
  新たなデジタル化を開始
 ・自然災害や新型コロナウイルス感染症の感染拡大といった非常事態時にお
  いても適切な行政サービスを提供するためのネットワーク環境を構築
② キャッシュレス推進プロジェクト
 ・新型コロナウイルス感染症などに配慮した営業スタイルを確立
 ・外国人旅行者と導入店舗双方のメリットを創出
  「免税電子化」に対応したキャッシュレスを導入
③ スマートエデュケーションプロジェクト
 ・小中学校において児童・生徒自らがICTを最大限活用し、世界中に学び
  のフィールドを拡げることができる教育環境を市町村と共に整備
④ 地域交通最適化プロジェクト
 ・MaaSなど新たなモビリティサービスの導入を検討していく上で必要な
  データなどの収集・分析に加えて、新たな輸送サービスの実現に向けた実
  証実験などの実施を通して、持続可能で新しい生活様式にも適応した最適
  な交通の構築に向けた基礎を築く。
⑤ ゼロカーボン・スマートインフラプロジェクト
 ・様々な施設情報やエネルギー情報などをつなぐプラットフォームの導入に
  より、施設の状態監視やエネルギー利用の最適化を図ることで、
  環境に優しい持続可能な公営施設運用を開始
⑥ 医療充実プロジェクト
 ・医療機関間のネットワーク構築が更に推進されるとともに県立病院のトラ
  イアル事業を踏まえた議論が行われている。
 ・時限的・特例的対応として初診からのオンライン診療が開始
⑦ スマート避難プロジェクト
 ・県及び市町村の職員が発災時に、スマートデバイスなどを用いて現場の災
  害情報を共有するためのシステム構成の検討を完了し、共有した情報から
  避難指示情報を自動発令する連携接続を実践

76
④-5 その他

77
④-5 その他

78
④-5 その他
43

取 組 名 預金調査の電子化

約400万円(照会データ抽出等に係る
項 目 ①取組内容が先進的 導 入 経 費 税システム改修経費)
ラ ン ニ ン グ 約300万円(預貯金照会システム利用
分 野 ⑫その他
コ ス ト 料)※照会件数により変動
導入状況 ①導入(実施)済 都 道 府 県 名 静岡県

共同利用 ④その他 担 当 部 署 経営管理部税務課

取組を開始した背景・きっかけ

地方税の滞納整理として行っている預貯金調査は、紙の調査表を金融機関へ郵送し、
紙で回答を受領している。
この預貯金調査は全国の自治体で行っており、各自治体の滞納整理の強化に伴い件数
は増加しており、金融機関の負担は年々大きくなり、自治体も回答を受領するまでに
数週間を要するなど、効率的でない状況となっていた。

取組の概要

県内複数自治体、金融機関、民間業者とともに預貯金照会の電子化を検討するワーキ
ンググループをつくり、システム概要や調査項目につき、検討を実施した。
これを受けて民間業者が構築した預貯金照会システムを利用することにより、電子に
よる預金調査を実現した。

取組の効果

回答受領までの期間が短縮され、より早期の滞納処分が可能となった。
調査票の公印押印、封入、郵送等の作業時間が削減された。

注意や工夫をした点

・調査項目のすりあわせを数度にわたり、詳細に行った。
・実務検証を行い、問題点の洗い出しを行った。
・税システムの改修につき、実務を踏まえた効率的な改修とするため、税システムで
の紙による調査の運用状況の確認を実地にて綿密に行った。
・自治体、金融機関等へ直接訪問をするなどし、それぞれの理解を得ることに留意し
た。
・本格運用前に試行期間を設け、問題点の確認と改善を図った。

79
④-5 その他

他の都道府県に横展開する際の注意点

アピールポイントや取組詳細、他団体へのアドバイス等(自由記載)

(参考)電子調査のイメージ

調査表郵送
現状
回答書郵送(1週間~3週間後 ) 【金融機関】
電子調査
県内地銀
【県】 ※利用契約、利用料支払 契約 県外大手
預貯金照会 ゆうちょ等
対象者データ送信 調査
システム
LGWAN
回答(1日~3日後) 回答データ
送信

80
④-5 その他
44

取 組 名 避難行動促進事業(AIスピーカー等を活用した避難情報等の提供)

項 目 ①取組内容が先進的 導 入 経 費 22,275千円 (AIを活用した災害情報の


マッピングによる可視化との合計)
ランニング
分 野 ⑫その他
コ ス ト
導入状況 ②導入(実施)予定 都 道 府 県 名 三重県

共同利用 ②共同利用可能 担 当 部 署 防災対策部災害対策課

取組を開始した背景・きっかけ

平成30年7月豪雨や令和元年東日本台風(台風第19号)で亡くなられた方の約7割が
60歳以上であり、被災地での調査では「高齢の方は若い方に比べて災害時に避難する
意識が低い」という結果があった。

取組の概要

これまで推進してきた高齢者世帯に対する地域の共助による避難の呼びかけに加え、
県民のAIスピーカーやスマートフォンを使った避難情報等に関する質問にAIが回
答するシステムを開発することで、高齢者等が音声操作で必要な情報を容易に取得し
たり、AIから得た情報をもとに離れて暮す家族が高齢者等に避難するきっかけとな
る呼びかけをできるようにする。

取組の効果

近年、自治体によるインターネットやSNSを活用した情報発信が増えているが、ス
マートフォンの操作が苦手な高齢者でも容易に避難情報を取得できるようにすること
で、高齢者の避難行動を促進する。

注意や工夫をした点

81
④-5 その他

他の都道府県に横展開する際の注意点

アピールポイントや取組詳細、他団体へのアドバイス等(自由記載)

82
④-5 その他
45

取 組 名 「MYまっぷラン+(プラス)による避難計画策定支援事業

項 目 ①取組内容が先進的 導 入 経 費 7,687千円
ランニング
分 野 ⑫その他 -
コ ス ト
導入状況 ②導入(実施)予定 都 道 府 県 名 三重県
防災対策部
共同利用 ②共同利用可能 担 当 部 署
防災企画・地域支援課

取組を開始した背景・きっかけ

平成30年7月豪雨を受けて内閣府に設置されたワーキングによる検討結果によると、死
者・行方不明者が発生した全市町でハザードマップを公表し、周知も行っていたが、
内容を理解していた方が少数であり、市町と連携して住民や地域が主体となった避難
を促進する必要があったため。

取組の概要

 地域の防災人材や市町職員と連携し、デジタルマップで自然災害リスクの確認や避
難経路の作成が可能となる「Myまっぷラン+」により、個人の避難計画の策定から地
区防災計画の策定までを支援し、地域の防災力向上を推進。

取組の効果

 自宅付近のハザードについて認識するとともに、個人の避難計画を集約、レイヤー
した地域の避難計画を策定し、避難訓練や地区防災計画の策定を促進。

注意や工夫をした点

他の都道府県に横展開する際の注意点

83
④-5 その他
46

取 組 名 ウェアラブル端末等を活用した健康づくり実証事業

項 目 ①取組内容が先進的 導 入 経 費 10,068千円(予算額)
ランニング
分 野 ⑤保健・福祉 -
コ ス ト
導入状況 ④実証予定 都 道 府 県 名 三重県

共同利用 ③共同利用不可 担 当 部 署 医療保健部健康推進課

取組を開始した背景・きっかけ

本県は、人口10万人あたりの糖尿病の受療率が全国で2番目に高くなっており(2017
年厚生労働省「患者調査」)、糖尿病をはじめとする生活習慣病に関与する運動習慣
や食習慣についても、本県の健康づくり基本計画における関連指標である「日常生活
における歩数(成人)」や「成人1日当たりの平均野菜摂取量」が目標値に届かない
状況であった。

取組の概要

Society5.0の視点やナッジ理論を取り入れた生活習慣病予防の取組として、健康無関
心層が多いと思われる大学生や働く世代(企業の従業員)を対象に、ウェアラブル端
末等により行動データを収集し、行動を「見える化」することで行動変容を促すとと
もに、収集データを分析することで生活習慣病予防の取組を効果的・効率的に実施で
きるようなエビデンスを構築する。

取組の効果

対象者自身の生活習慣を改善するとともに、事業成果を県内企業の健康経営の取組や
県内市町の健康づくりの取組等へ横展開することで、県全体の生活習慣病の予防や健
康寿命の延伸につなげる。

注意や工夫をした点

・事業計画の段階から、データサイエンスに関する有識者から事業内容について助言
いただいた。
・実証事業の期間中、ロコモ予防や栄養に関する有識者と連携し、行動変容を促すた
めのオンライン健康教室を予定している。

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④-5 その他

他の都道府県に横展開する際の注意点

アピールポイントや取組詳細、他団体へのアドバイス等(自由記載)

(事業イメージ)

85
④-5 その他
47

取 組 名 ビッグデータを活用した新型コロナウイルス感染症対策

項 目 ①取組内容が先進的 導 入 経 費 なし
ランニング
分 野 ⑤保健・福祉 令和2年度は0円
コ ス ト
導入状況 ①導入(実施)済 都 道 府 県 名 三重県

共同利用 ④その他 担 当 部 署 医療保健部薬務感染症対策課


取組を開始した背景・きっかけ

ヤフー株式会社から、ビッグデータを活用したサービスの無償提供の提案があり、新
型コロナウイルス感染症対策のため活用できると判断したことから、三重県が全国に
先駆け提供を受けた。

取組の概要

ヤフー株式会社から、全国で初めてデータソリューションサービス(DS.INSI
GHT)のビッグデータを活用したサービスの無償提供を受け活用している。主に、
人流データについて、三重県新型コロナウイルス感染症対策本部員会議等で活用する
とともに、「三重県内への来訪者の推移」及び「駅周辺の人流データ」をホームペー
ジ上に公表した。また、検索データについては、県民ニーズの推移や不確かな情報の
把握に活用した。

取組の効果

「三重県内への来訪者の推移」は、視覚的に来県者が減少していることを示し安心感
を持っていただくことやそれによる問い合わせ件数の減少、さらなる自粛を促すこと
を目的として、また「駅周辺の人流データ」については、人の流れを可視化すること
で、県民の皆さんに実際に人が集まっていることをお知らせし、その場所に集まらな
いようにする、あるいは自粛要請に応えていただいていることをお知らせし、さらな
る自粛を促すことを目的として、公表した。
その結果、ゴールデンウィークは、緊急事態宣言と相まって、県内の来訪者や駅周辺
のデータが昨年度と比較し大幅減となった。
検索データについては、感染者発生時の検索ワード等を把握することによる正確な情
報の発信強化など、内部での検討に活用した。

注意や工夫をした点

ヤフー株式会社から全国に先駆けて声をかけていただいたことから、できる限り早く
県民の方へ情報を提供できるよう、また視覚的にわかりすく情報提供を行うよう努め
た。

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④-5 その他

他の都道府県に横展開する際の注意点

「日本創世のための将来世代知事同盟」において各都道府県へ横展開するとともに、
ヤフー株式会社でも資料提供をしていることから、無償提供の対象である都道府県及
び政令指定都市のほとんどで導入済みである。

アピールポイントや取組詳細、他団体へのアドバイス等(自由記載)

87
④-5 その他
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取 組 名 「空の移動革命」促進

項 目 ①取組内容が先進的 導 入 経 費 -
ランニング
分 野 ③産業振興 -
コ ス ト
導入状況 ④実証予定 都 道 府 県 名 三重県

共同利用 ④その他 担 当 部 署 雇用経済部

取組を開始した背景・きっかけ

様々な地域課題を解決するため、新たなテクノロジーである「空飛ぶクルマ」を活用
したビジネスを創出し、「空の移動革命」を促進する

取組の概要

「空飛ぶクルマ」の実用化を見据えた事業者による実証実験誘致や、事業化につなが
る環境整備に取り組む。

取組の効果

事業者によるビジネスを通じて、交通、観光、防災、生活等の様々な地域課題解決が
期待される。

注意や工夫をした点

国や他都道府県、海外動向を注視しつつ、連携しながら取組を進める必要

他の都道府県に横展開する際の注意点

地域のニーズや地形、気候等、それぞれの実情に応じた取組を進める必要

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④-5 その他

アピールポイントや取組詳細、他団体へのアドバイス等(自由記載)
まずはヘリコプターの事業化拡大を通じて、空飛ぶクルマの物流事業化、将来的には
乗用事業化を目指していく。

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