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論文文字数 (30文字 23行) 罫線入り
論文文字数 (30文字 23行) 罫線入り
1 1 小問1
2 ⑴ 本 問 法 律 の 規 定 は 、 飲 食 店 の 営 業 の 自 由 を 侵 害 し 違 憲 で
3 はないか。
4 ⑵ア こ の 点 、 営 業 の 自 由 は 憲 法 上 明 文 が な い も の の 、 選 択
5 した職業を遂行する自由として22条1項により保障される
6 もっとも、営業の自由は絶対無制約ではなく、他の利
7 益との矛盾の調整の原理である「公共の福祉」(12条、1
8 3条 、 2 2 条 1 項 ) に よ る 必 要 最 低 限 の 内 在 的 制 約 を 受 け る
9 そこで、本問法律の規定が飲食店の営業の自由対する必要最
10 低限の制約といえるか、違憲審査基準が明文なく問題となる
11 ⑵ こ の 点 、 精 神 的 自 由 に 対 す る 権 利 侵 害 と 異 な り 経 済 的 自
12 由に対する権利侵害は民主政の過程で回復することができる
13 から、その制約の違憲審査基準は精神的自由の制約に対する
14 違憲審査に比べてより緩やかな基準による(二重の基準論)
15 さらに、職業選択の自由(22条1項)は、個人が望む
16 職業を選択してこれに基づき経済活動を行うことにより個人
17 の尊厳を実現するという重要な権利であるところ、国民の生
18 命・身体の安全の確保を目指す消極目的規制は、福祉国家実
19 現のための積極目的規制に比して裁判所の判断が容易である
20 ため、より厳格に審査されるべきである(規制目的二分論)
21 もっとも、消極・積極目的のいずれかも分類できない規
22 制については、経済的自由の重要さに鑑み、規制目的のみな
23 らず規制態様等の個別の事情を加味してその違憲審査基準を
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1 決定するものと解する。
2 本問の法律の目的は、飲酒者の健康との消極目的と、社
3 会的費用の抑制との積極目的の他、いずれにも分類できない
4 周囲への迷惑防止を目的にするものであり、その規制目的は
5 消極積極のいずれにも分類できない。
6 そこで規制態様をみるに、取消を伴う免許制は、酒類提
7 供をする飲食店市場への参入規制であり営業の自由に対する
8 強度の制約であるので、違憲審査は厳格に行うべきである。
9 具体的には、①規制目的が重要か、②規制手段が規制目的と
10 の間で実質的関連性を有する場合に限り合憲との基準で審査
11 すると解する(厳格な合理性の基準)。
12 ⑶ 本 問 に つ い て こ れ を み る に 、 ま ず 、 法 律 の 目 的 は 、 飲 酒
13 者の健康保護と、社会的費用の抑制、及び周囲への迷惑防止
14 という、国民の健康、社会保障システムの運営、及び治安や
15 公衆の安全に関わるものであり、いずれも重要なものである
16 次に、その規制手段をみると、確かに酒類提供を免許制
17 とし酩酊者への酒類提供を行った場合に免許取消事由とすれ
18 ば、免許の取消を恐れる飲食店が酒類の提供を控えることが
19 考えられるので、その規制手段は規制目的の達成との抽象的
20 な関連性は有する。
21 しかしながら、免許制と取消は営業をすること自体の制
22 約であるところ、事後に酩酊者への酒類の提供を防ぐためで
23 あれば、これを行った飲食店の営業を一定期間停止すること
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1 や、監督官庁や飲食店が所在する自治体において、酩酊者へ
2 の酒類が行われないように夜間に見回りを行い酩酊者への酒
3 類提供を行わないように呼びかけることで足りるのであるか
4 ら、本問の免許制は規制目的を達成するために具体的に役立
5 つとはいえず、規制目的との間で実質的関連性はない。
6 よって、本問法律は営業の自由に対する必要最小限の制
7 約ではなく、飲食店の営業の自由を侵害し違憲である。
8 2 小問2
9 ⑴ 本 問 法 律 は 飲 酒 を す る 者 の 飲 酒 の 自 由 を 侵 害 し 違 憲 で は
10 ないか。
11 ⑵ こ の 点 、 飲 酒 の 自 由 は 憲 法 上 明 文 が な い も の の 、 一 般 的
12 な自由を保護する憲法13条後段の幸福追求権を根拠に保障
13 されると解する。
14 もっと、飲酒の自由も絶対無制約ではなく「公共の福
15 祉」による内在的な制約を受ける。
16 そして、酒類は到酔性のある嗜好品であり飲酒をするこ
17 とが必ずしも人格的生存に不可欠とまではいえないことから
18 その違憲審査は基準を緩和して行うべきである。具体的には
19 ②目的が正当で、②手段と目的の間に合理的関連性があれば
20 合憲、との基準(合理性の基準)で判断すると解する。
21 ⑶ こ れ を 本 問 に つ い て み る と 、 本 問 の 法 律 は 公 共 の 場 所 で
22 飲酒をした者が周囲の者に迷惑をかけることの防止をするも
23 の考えられ、その目的は公共の場所の平穏等を保護する見地
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1 から正当である。
2 また、かかる公共の平穏等の目的を達成するためには、
3 飲酒行為自体を許可性にしてしまえば、酒を飲んで周囲に迷
4 惑をかけるものが現れることを防ぐことができるので、その
5 手段は目的との間に合理的関連性を有する。
6 よって、本問法律は飲酒をする者の飲酒の自由を侵害せ
7 ず合憲である。
8 以上