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一般皮膚科 > 脂漏性皮膚炎

脂漏性皮膚炎とはどんな病気?
カビで発症!? 脂漏性皮膚炎の原因とは?
脂漏性皮膚炎の治療法、予防法について

脂漏性皮膚炎とはどんな病気?

思春期以後、特に30歳、40歳台にさしかかると、頭皮のフ
ケが多くなったり、大きめのフケが頭皮にこびりついたり
する人がいらっしゃいます。また、顔面でも眉毛や、鼻の
両脇、鼻唇溝部、こめかみや耳の裏側が赤くなったり、油
っぽい細かい皮がこびりついたりしてくることもありま
す。かゆみはあまりありません。

実はこれらは脂漏性皮膚炎という皮膚の病気の代表的症
状です。放置してもなかなか治ってくれません。 軽症
の場合はただの乾燥肌やフケ症と思って、医療機関を受
診しない人も多いかと思いますが、放置してどんどんひ
どくなると、頭全体がフケだまりになって、硬い皮で覆
われる場合もあります。また、顔や頭だけでなく首周
り、前胸部、上背部、腋の下、足の付け根などにも周囲
に油っぽい皮膚のはがれたものがこびりついた赤い円形
の斑が出てくることもあります。

これらはいずれも脂漏部位といわれる皮脂の分泌が盛ん
な部位であり、共通の症状は赤い斑とそれに伴う細かい
はがれかけた皮膚が付着することであり、かゆみはない
か、あっても軽微です。頭のフケ症はまだ炎症の少ない
脂漏性皮膚炎の初期の症状と考えられています。一度症
状が出てくると慢性的な経過をとることが多く、自然に
治ることは困難ですので、一度皮膚科を受診されること
をお勧めします。

カビで発症!? 脂漏性皮膚炎の原因とは?

脂漏性皮膚炎の原因はその詳細はまだ明確にはわかってい
ませんが、遺伝的要因、環境的要因、精神的ストレスなど
が関与した多因子疾患と考えられています。

近年は、皮膚に常在しているマラセチアというカビ(真
菌)の一種が発症に関与していることが認識されてお
り、重要な症状の悪化因子と考えられています。マラセ
チアは脂腺から分泌される皮脂を栄養源としているた
め、皮脂の量が多くなるとマラセチアも増殖します。

ここで少し皮脂について説明したいと思います。
皮脂は脂腺から分泌されますが、脂腺は手のひらと足の
裏以外の全身の皮膚に分布して、毛穴の上部に開口して
います。この脂腺が発達して多数集まった場所を先程の
脂漏部位といいます。分泌された皮脂は皮膚表面で汗な
どの水分と混合して、皮膚表面をコーティングする膜を
形成します。これを皮脂膜といいますが、弱酸性を示し
殺菌作用を持つため、有害物質の侵入や感染防御に役立
っています。

皮脂の成分の1つであるトリグリセリドはマラセチアな
どの皮膚の常在菌によって遊離脂肪酸に分解されます
が、この遊離脂肪酸が皮膚に刺激を与えることが 脂漏
性皮膚炎発症の原因の1つと考えられています。また、
増殖したマラセチア自体も皮膚に炎症を起こすと考えら
れています。

脂漏性皮膚炎の治療法、予防法について

最後に、脂漏性皮膚炎の治療について説明します。

基本的にはステロイドの外用が効果的であり、短期間の
外用で改善がみられます。顔面や体幹には軟膏を、頭皮
には液体のローションを外用します。

注意点は、脂漏性皮膚炎の症状の出やすい顔面や首は皮
膚が薄い部位であり、長期使用に対するステロイド外用
の副作用を考慮して、弱めのステロイドを選択する必要
があります。
ステロイドについての詳しい説明は、"ステロイド外用
剤について"をご覧ください。

副作用の観点からもステロイドを漫然と塗り続けること
は避けるべきであり、症状が改善すれば通常は外用を中
止します。
ところが、脂漏性皮膚炎では外用を中止するとしばらく
して症状が再発してくる ことがよくあります。

そこで最近はマラセチアの関与も考慮して、カビに効く
抗真菌外用剤もよく使用されます。ステロイドと比べ、
効果が出るまでに時間がかかることや、重症例には効果
が乏しい印象がありますが、ステロイドより局所的な副
作用がほとんど見られないことから、軽症例や症状が落
ち着いた後の再発予防によく使用されます。また、皮脂
を減少させる効果が期待されるビタミンB2やB6を内服
する場合もあります。
以上が基本的な薬物療法です。

もう一つ大切なのは、日常生活の見直しです。脂漏性皮
膚炎は、生活習慣の改善で、かなり予防できる疾患なの
です。

まず適切な洗顔(基本は朝晩の1日2回)、洗髪(基本
は毎日)によって 脂漏部位の清潔に保つこと、生活リズ
ムを整えることなどが発症の予防や症状の改善 につな
がります。また、最近はマラセチアなどのカビに効く抗
真菌剤が含まれたシャンプーや石鹸(持田製薬、コラー
ジュフルフルシリーズ) も医薬部外品として薬局で市販
されていますので、毎日の使用により予防効果が期待で
きます。

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