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在香港 フ ィリピ ン人家事労働者 の現況


― ― 香港 が就 労先 と して 選択 され る理 由―一

合 田 美 穂

The Filipino maids in Hong Kong: Why Working in Hong Kong?

GODA Miho

Abstract: The Filipino Maids have becn conling to Hong Kong in a large number since the 1980 s and they

fornl the largest forcign conllnunities in Hong Kongo Their presencc has a very strong econonlic and social

ilnpact on Hong Kong and Singapore. This study looks into their work condition and social life in Hong

Kong to understand why they prefer Hong Kong to other places.

要 旨 :1980年 代 以 降,香 港 か らの「プル要因」,フ イリピンにおける「プ ッシュ要因」 の相乗効果


で,多 くのフイリピン人女性が,家 事労働者 として,香 港 に渡って きた。彼女たちは,香 港 にて家事
労働 を担 うことによって,香 港人社会の家庭 にお ける問題 を解決 し,ま た,そ れ と同時 に,フ イリピ
ンに外貨収入 をもた らす ことによって,フ ィリピン経済 の活性化 にも貢献 し続 けて い る。本研究 で
は,外 国人家事労働者 に関す る労働法例 ,就 労 における諸問題 ,フ イリピン人家事労働者 の香港流入
の背景 ,余 暇活動 についての考察 を行 ない,そ れ らの考察 を通 して,在 香港 フイリピン人家事労働者
の現況 を理解す るとともに,な ぜ ,彼 女 たちが,香 港 を選択 したのか とい う理由を導 くことにつ とめ
た ものである。

女 たちは,香 港 にて 家事労働 を担 う こ とに よって ,香


1。 は じめ に 港 入社 会 の家庭 にお け る問題 を解決 し,ま た ,そ れ と
同時 に,フ イリ ピンに外 貨収 入 を もた らす こ とに よつ
香港 では,1980年 代末期 以 降,経 済 が急速 に発 展 て ,フ イリ ピン経 済 の活性化 に も貢献 して い るのであ
し,就 職状況 も好転 し,就 業率 も徐 々に上昇が始 まっ る。
た。多 くの中産階級以上 の家庭 において も,好 景気 に 香港 の アジア流 動労働 者 セ ン ター (亜 洲流動労 工 中
乗 じて,多 くの女性が様 々な職種 に従事す る動 きが見 心 )の 年鑑 に よる と,現 在 ,フ イリ ピン人 口 の 9。 2%
られるようになった。それ と同時 に,家 事労働や子育 に当 たる約 700万 人余 りが ,国 外 労働 に出てお り,女
ての問題 を解決す るために,外 国人家事労働者 の需要 性 は約半数 を占め ,そ の うち約 3分 の 1が 家事労働 に
が急激 に高 まった。一 方 ,フ イリピンでは,199o年 従事 して い る。特 に ,1998年 にお け る海外 で 就 労 す
代末期 に,ア ジア金 融危機 に見舞 われ ,経 済 が低迷 るフ ィリ ピン人家事労働 者 に よる経済効果 は顕著 であ
し,国 内失業率 は高 まり,大 学卒業資格 を持つ者あ っ り,72億 米 ドル に も及 ぶ 外 貨 収 入 を フ ィリ ピ ン に も
て も就職が困難な現実 となっていた。 こういった香港 た ら して い る。香港 にお い て も,民 政事務局 お よび政
か らの 「プル要因」,フ イリピンにおける「プ ッシュ 府統計 処 が ,1999年 10月 か ら 2000年 1月 まで に実
要因」 の相乗効果 で ,1980年 代 以 降 ,多 くの フイリ 施 した香港 のお け る少数種族 を対象 に したサ ンプル調
ピン人女性が,家 事労働者 として,香 港 に渡 った。彼 査 に よる と,香 港 に居住 す るフ イリ ピン人 の 人 口は 14
76 人間科学編 (2008年 3月 )

万人近 くとなってお り,そ れは香港 人口の約 2%に も この 基本 的 な雇用契約 は,入 境事務処 によって作成 さ

及 んで い る。 そ の うち女性 が 9割 以上 を占め ,そ の大 れ て い る。雇用契約 「I.D。 407」 は ,合 計 17条 の 条



半 が家事労働者 と して就 労 して い る 。 文 か らな る もの で あ り,主 に ,仕 事 の 内容 ,契 約 期
2006年 に実施 した調査 に基 づ く本研 究 は ,外 国 人 間 ,休 暇 ,医 療福利 ,契 約解 除 の用法 な どが 記 されて
家事労働 者 に関す る労働法例 ,就 労 にお ける諸 問題 ,
い る。 これ らの 契約 は ,香 港法例 の 第 57章 の 雇 用 条
フ イリ ピ ン人家事 労働 者 の 香港 流 入 の 背 景 ,余 暇 活 例 ,第 282章 の従業員賠償 条例 ,お よび第 H2章 の 入
動 れこよって構成 され てお り,こ れ ら 4つ の 視 点 にお 境事務 条例 に基 づ い て作成 されて い る'。 具体 的 な内
け る考察 を通 して ,在 香港 フ イリ ピン人家事労働者 の 容 には以下の節 にて説 明す る。
現況 を理解す る とともに,な ぜ ,彼 女 た ちが ,他 の地
域 で はな く,香 港 を選択 したのか とい う理 由 を導 い た 2-2.賃 金 "休 日
限1住 居
もの で あ る。 本研 究 で用 い た調 査 方 法 は ,参 考 資 料 外 国人家事労働者 の最低賃金 は,法 例 に よって定 め
(書 籍 ,論 文 ,報 告書 ,関 連 す る ウ ェ ブサ イ ト)お よ られ て い る。 1996年 の 最低 賃 金 (月 給 )は ,過 去 に
び フ イリ ピ ン人家事 労働 者 (30名 )へ の ア ンケー ト お い て 最 高 額 の 3,860香 港 ドル (1香 港 ドル =約 15

調査 ,聞 き取 りであ る 。 円 )で あ った“。2003年 ,政 府 は,外 国人家事労働 者
の最低賃金 を,香 港 が長期 的 なデ フ レにあ る とい う理
2。 外国人家事労働者 に関す る労働法例 由 か ら,3,320香 港 ドルに まで引 き下 げ た。そ の後 ,2006
年 には ,調 整 を加 えて ,3,400香 港 ドル に まで引 き上
2-1.整 った香港 の法律体制 げて い る。 この最新 の賃 金水準 は ,2006年 5月 31日
香港 にて ,外 国人家事労働者 が急増 したの は,香 港 以 降 の契約成 立 よ り施行 され ,現 在 に至 ってい る。雇
政府が外 国人家事労働者 に対す る ビザ発 給条件 を緩 め 用主 は,外 国人家事労働者 に対 して ,現 金 あ るい は小
た 1980年 代 以 降 の こ とであ る。 そ の 中 で も常 に主流 切手 にて賃金 を支払 うか ,労 働 者名義 の銀行 日座 に賃
を 占 め て きた のが フ イリ ピン人で あ った 。 1981年 に 金 を振 り込 む こ とが 義務付 け られて い るつ。
正規 に登 録 され た外 国 人家事労働 者 数 は H,179人 で 「雇傭 条例」 の 規定 に よる と,外 国人家事 労働 者 に
あ り,1988に は 45,154人 (そ の うちの 92.4%を 占 め は ,休 日 (多 くは 日曜 ),祝 日,年 休 に よる休 暇 が保
る 41,722人 が フ イリ ピン人 )に まで増 加 し,1997年 障 され て い る 。休 日につ い て 言 えば ,週 に最 低 1日
には 170,971人 (そ の うち の 80。 8%を 占 め る 138,085 (1日 は 24時 間 を下 回 つては な らな い )を 保 障 しなけ
人が フ イリ ピ ン人 )に まで増 加 した。 そ して ,2000 れ ば な らな い 。雇 用 主 が 休 日を決 定 し,月 の 開始 前
年 には,外 国人家事 労働 者 は 216,790人 (そ の うちの に,労 働者 に通知 しなければな らな い。 また ,雇 用主
71.7%を 占め る 151,485人 が フ イリ ピン人)に ,2002 は,休 日に,外 国人家事労働 者 に対 して ,労 働 を強 い
年 に は 家事 労働 者 は こ れ まで で 最 も多 い 237,104人 る こ とはで きな い。祝 日につい て言 えば,外 国人家事
(そ の うち の 62.6%を 占 め る 148,389人 が フ イリ ピン 労働者 に対 して ,就 業年数 の長 さに関 わ らず ,年 に 12
・ 。 これ らの数 字 を見 る と,フ イリ
人 )に 達 して い る 日の祝 日を保 障 しなければ な らな いい。 また ,年 体 に
ピン人が 占 め る割合 は年 々減少 して い るが ,そ れで も つ い て 言 えば ,外 国 人家事 労働 者 が 12ケ 月 の 就 労 を

なお ,フ イリ ピン人が ,外 国人家事労働者 の 中で は主 満了 した場 合 ,初 めて取得 の権利 が 得 られ る。年体 の


流 を占めて い るこ とには変 わ りはな い。 で は,な ぜ , 日数 は 7日 か ら 14日 までで あ り,家 事労働 者 の 就 労
この 数字 が示す ように,香 港が ,フ イリ ピン人家事労 り
年数 に よつて決定 され る 。
働者 に とって ,就 労先 と して魅力的 な場所であ る とい また ,入 境 処 に よつて作 成 され た 「 雇 備 契 約 第 5
う こ とが 言 えるのだろ うか。そ の 要 因 と して ,香 港 の (b)条 項」 で は,雇 用主 は,外 国人家事労働 者 に対 し
外 国人家事労働者 へ の賃金 が他 の アジア地 区 よ り高 い て ,「 調 度 品が備 わ った適切 な住 環境」 を提 供 しなけ
こ と,法 律体制 が整 ってお り,外 国人家事労働者 の権 れ ば な らな い と規定 されて い る。「雇傭契約 説 明書 第
益 が補償 されて い る こ とな どが 考 え られ る。 6条 項」 に も,雇 用 主 は ,外 国 人家事 労 働 者 に対 し
現在 ,香 港 入境事務処 (入 国管理局 )の 規定 で は ,
て ,無 料 にて ,必 要 な家庭設備 お よび家庭用 品 (水 道
外 国人家事労働者 が 香港 にお い て就労す る場 合 ,雇 用 費 ,光 熱費 , トイ レお よび浴用設備 ,ベ ッ ド,蒲 団 ,

主お よび労働 者 は と もに,「 I.D。 407」 と呼 ばれ る契 枕 な ど)を 提 供 しな け れ ば な らな い と示 され て い


約 を交 わ さなければな らな い 。 2年 間 を 1期 間 とす る るЮ 「調 度 品が備 わ った適切 な住 環境」 には ,最 低
I。
合田 美穂 :在 香港 フイリピン人家事労働者 の現況

の実用面積 な どは 明示 されて い な い ため ,外 国人家事 で,被 調査者 は,自 分 の仕事 に対 して,ど のような意


労働 者 は,独 立 した部屋 を提供 され る場合 もあれば , 識 を持 っているので あ ろ うか。「今 の仕事 を満足 だ と
他 人 と部屋 を共 用す る場合 もあ る。 感 じてい るか」 とい う質問 に対す る回答 では,「 非常
に満足」 が 30%,「 満足」 が 47%,「 普通」 が 23%,
3。 就 労 に お け る諸 問 題 「不満」が 0%で あ った。労働時間が長 く,賃 金が下
降の一途 をたどる現況 にあって も,フ イリピン人家事
3-1.賃 金 労働者 は,香 港 における仕事 に対 しては,さ して大 き
近年 ,フ イリ ピン人家事労働者 の賃金待遇 は,悪 化 な不満 を抱 い てい ない とい う結果 を得 ることがで き
の 一 途 をた どっ て い る と言 わ れ て い る 。 2001年 の た。その要因 としては,香 港 で就労す る方が,フ イリ
『外 籍傭 工 在港 工 作境 況調査 報告書』 に よる と,法 定 ピン国内で就労す ること以上 にメリッ トが大 きいか ら
最低 賃 金が ,3,670香 港 ドル と定 め られ て い た 当時 , であると考 えられる。以下において,そ のメリッ トに
9%の フ ィリピン人家事労働 者が この最低賃金 を保
82。 ついて具体的 に述べ てい きたい。
証 されて い た一 方 で ,0.8%は 最低 賃金 を下 回 る賃 金
しか給付 されて い なか った 2003年 になる と,政 府
H)。
4.フ イ リ ピ ン人 家 事 労 働 者 の
は,外 国人家事労働 者 の最低賃金 を 400香 港 ドル削減 香 港 流 入 の背 景
す る とともに,雇 用主か らも 400香 港 ドル徴収 し,雇
用主 か らの 400香 港 ドル を「労働 者訓練税項」 と して 4-1.フ ィリピンの「プ ッシュ」要因
曖 それ に よって
使用 す る と決定 した ,外 国人家事 労
)。
香港 におけるフィリピン人人口増加 の背景 は,フ イ
働者 の賃金 は 1月 あた り 3,320香 港 ドル まで下 降す る リピンにおける「プッシュ要因」 と香港 か らの「プル
こ とにな った 。 同年 ,政 府 は ,法 定最低 賃 金 を 3,320 要因」 の双方か ら考察す ることがで きる。「プ ッシュ
香港 ドルか ら,2.4%増 加 させ た 3,400香 港 ドルヘ と 要因」 についてい えば,フ ィリピン国内の経済お よび
切 り上 げたが ,最 高時 の賃金 よ りもなお低 い こ とには 失業問題 に起 因す る。そ の遠因は,1960年 代 にまで
日 ここで
変 わ りなか った 注意す べ き点 は ,法 定最低 遡 ることがで きる。1960年 代 ,フ イリピンは,ア メ
)。

賃 金が低 下 して い る現況 にお い て もなお ,そ の法定最 リカ,世 界銀行 お よび国際基金会 の建議 を受けて,国


低賃金 で さえ も保 障 されて い ない 家事労働 者が ,実 際 家が コン トロールす る輸入方式 に替えて,自 由市場方
にはか な りの 割 合 にお い て 存在 す る とい う こ とで あ 式 を取 り入れたため に,フ イリ ピン経済 の収支 は赤字
る。今 回 ,筆 者 が実 施 した調査 で は ,30名 の 被 調査 に転 向 した。 1980年 代 ,フ イ リ ピ ン政府 は ,こ の財
者 の うち ,半 数 の 15名 が 法 定最 低 賃 金 の 3,400香 港 政赤字 に対 して改 善 を試 みた ものの ,さ ほ ど改善 は見
ドル を下 回 る賃金 (3,270∼ 3,320香 港 ドル)し か得 て られず ,経 済 は停滞 し続 け,深 刻 な失業問題 をひ き起
い ない とい う ことが確認 で きた。 また ,そ れ以 外 の 9 こ し,フ イリ ピン国内 の失業率 は最 高 時 には 20%に
名 は法定最低賃金 ,そ の他 は それ を上 回 る賃金 を得 て わ
も達 した 更 に,1990年 代 末期 か らは,ア ジア金 融
)。

い た。 危機 の影響 に よって ,フ ィリ ピン国内 の失業率 は増加


の一 途 をた どった 。 2006年 1月 の 時 点 で は ,フ イ リ
3-2.労 働 時間 ピンの失 業率 は 8.1%と な ってい る国。現在 ,フ イ リ
労働 時 間 の超過 は,フ イリピン人 家事労働者 に とっ ピンで は,大 学卒業 生 で あ って も,就 職 は困難 を極 め
ては深刻 な問題 とな ってい る。『外 籍傭 工 在港 工 作 境 てお り,教 師 ,助 産 師 な どとい った専 門的知識 を必 要
況調査 報 告 書 』 に よる と,調 査 対 象 者 の うち ,15% とす る職種 や ,安 定 した公 務員 で あ って も,賃 金 は一
が ,就 労 につい て最 も困難 に感 じる点 と して,労 働 時 概 に低 い 。そ うい った諸要因が ,多 くの高学歴女性 を
間が 長す ぎる とい う こ とをあ げ て い る国。今 回 ,筆 者 含 めた フ ィリ ピン人が ,海 外 に活路 を見 出す結果 につ
が 実施 した調査 で も,30名 の被 調査 者 の 1日 にお け なが ったので あ る。
る平均 労働 時 間 は 15。 7時 間 に もお よんで お り,こ の 実際 に,香 港 ,シ ンガ ポ ール,台 湾 な どとい った フ
数字 だけ を見 て も,労 働 時 間 は非常 に長 い と言 える。 イリ ピン人家事労働 者 を受容 して い る地域 の ,家 事労
特 に,そ の うち の 2名 は ,乳 児 の 世話 を担 当 して お 働 者 に対 す る賃 金 は ,フ ィ リ ピ ン国 内 よ りも高 い た
り,労 働 時 間 は 24時 間 で あ る と回答 して い る。 め ,そ うい った地域 で一 定 の期 間就労 し,国 内 に多額
「 低 下 す る賃 金 ,長 い 労働 時 間」 とい う状 況 の 下 の送金 を しなが ら,故 郷 に錦 を飾 る フイリピン人 は少
甲南 女子大学研究紀 要第 44号
^人 間科学編 (2008年 3月 )

な くな い。 そ うい った 同胞 の成功例 を目の 当 た りに し 洲外 移労 工 中心」 はその 中で も比較 的重要 な組織 と し


た多 くの フ イリ ピン人 の 中 では,親 戚 や金融機 関 か ら て知 られ て い る。特 に ,後 者 は ,2002年 に政 府 が法

借金 を して まで も,海 外 に出 ようとす る傾 向 が強 まっ 定最低賃 金 を下 げる決定 を した際 に,フ イリ ピン人家


て い るのであ る。更 に,世 界的水準 か らみて も,香 港 事労働者 の権益 を守 るため に,積 極 的 に政 府 に対 して
Ю
の賃 金体 系 は最 も高 い部類 に入るため ,香 港が他 の 国 被調査者 30名 の うち,12名 が ,「 も し不
.。
抗議 した
や地域 よ りも好 まれ る傾 向 にあ るのであ る。筆者 に よ 公平 な待遇 をされた場合 には,こ うい った組織 に 申 し
る調 査 で も,30名 の被 調査者 の うち,12名 が ,香 港 出 る」 と述 べ て い る。 こ うい った組織 は,フ イリ ピン
を選択 した理 由 と して ,フ ィリ ピンでの就職難 お よび 人家事労働者 の権益 を守 るため に,香 港 で は不可欠 な
香港 の賃金 の高 さ (香 港 の賃 金 は フ イリ ピン国内 の賃 存在 であ り,そ れは,フ イリ ピン人家事労働 者 が香港
金の 5∼ 6倍 であ る)を あげて い る。 を就 労先 として選択 す る一 因 に もな ってい る とい う こ
ともで きる。
4-2口 香港 の 「 プル要 因」 また ,最 近 ,香 港 で は,女 性歌手 の謝安瑛 に よる ,

1981年 ,香 港 政 府 は ,フ イリ ピン人 を含 め た外 国 香港 で働 くフ イリ ピン人女性 の″


亡ヾ1青 や気持 ち を表現 し

人家事労働者 に対 す る ビザ発給 条件 を緩 めた こ とに よ た 『非情歌』 が流行 し,多 くの フ イリ ピン人家事労働


])。
り,更 に多 くの フ イリ ピン人女性 が香港 に渡 り,そ の 者 の 心 をつ か ん だ フ ィ リ ピ ン人 家事 労働 者 た ち

結果 ,香 港 は,世 界 の 中 で も,フ イリ ピン人家事労働 は, 自分 たちが 休暇時 な どで 集 う際 に,同 郷 人 たち と


口 この歌 を合唱す るため に,英 語版 の制作 を強 く希望 し
者 を最 も多 く受 け入れ て い る地域 の 1つ となった 。
また ,上 述 の よ うに,香 港 の賃 金水準 もアジア諸国 の た。 この ような歌謡 曲が出現 し,流 行す る ことだ け を

中で は最 も高 い。 また ,フ イリ ピン人 の 多 くは (国 内 とってみて も,香 港社会 の 中 で ,フ イリ ピン人家事労


での学校教育 を通 して )英 語 に精通 して い るため ,他 働者 の存在 が大 きな部分 を占めて い る とい う こ とがで
国 の 家事労働者 に比 べ て ,香 港 人 の雇用 主 との コ ミュ きる。
ニ ケ ー シ ョンの面 での 問題 が 多 くな く,香 港 の雇用 主
か らは最 も歓 迎 され て い る 。 2006年 6月 の 時 点 で 5。 余 暇 活 動
は ,香 港 には約 22万 人 の外 国 人家事 労働者 が居 住 し
てお り,そ の 中 で フ イリ ピン人 は半 数 の 約 H万 人 を 5-1.余 1限 活動 の場所
占 めて い る 。
1紳
在香港 フ イリ ピン人家事労働者 を支 えて い る ものの
フ イリ ピ ン人家事 労働 者 が香港 で 受 け て い る待 遇 中 で ,重 要 な部 分 を 占 め て い る の が 余 暇 活 動 で あ
は ,上 章 で も述 べ た よ う に,被 調 査 者 の 半 数 以 上 が る2)。 被調査者 30名 の うち 93%が ,休 暇時 には家 に
「大変満足」或 い は「満足」 で あ る と回答 してお り ,
とどまらず に外 出 して い る と回答 して い る。 フ イリ ピ

決 して悪 い もので はな い とい える。雇用主 とフ イリ ピ ン人家事労働 者 が ,特 に集 中す る地 区 は,セ ン トラル


ン人家事 労働 者 との 関係 をみ てみ る と,2006年 の 新 地 区 であ り,筆 者 の調査 で も,余 暇 に最 も利用す る場
聞報道 で は,フ イリ ピン人家事労働者 に よる雇用 主 の 所 と して は ,セ ン トラ ル 地 区 の 皇后 像広 場 が 33%,
子供 へ の 虐待 が数 件 ,フ イリ ピン人家事労働者が雇用 環球 商場 が 57%,国 際金融 中心付 近 の 歩 道橋 が 10%
主 の高齢男性 によつて高層 マ ンシ ョンか ら転 落死 させ とい う回答結果 であ った。 か つ ては,セ ン トラルの 中
られ る事件 が 1件 ,著 名人 に雇用 されて い るフ イリ ピ 心部 にあ る高級 シ ヨツピングモ ー ル として有 名 な置地
ン人家事労働 者 に よる不祥事 が数件 り い う程 度 で あ
)と
広場が ,フ イリ ピン人家事労働者が集 う場所 と して知
るが ,全 体 的 に見 てみ る と,そ れ らは さほ ど大 きな数 られ て い た 。 しか し,フ イリ ピ ン人家事 労 働 者 た ち

字 で は な い 。筆 者 の 調 査 で も,30名 の 被調 査 者 の う が ,置 地広場 の シ ョッピングモール 内 の ベ ンチや地面

ちの大半が ,雇 用主 の態度 を良好 な もの と して受 け止 を 占領 した こ とに よ り,店 舗 の営業が妨害 され るだけ


めて い る。 しか しなが ら,一 方 で ,雇 用主 に不公平 な で はな く,高 級 ブ ラ ン ドを扱 うモールの イメー ジが損

対応 をされて い る と感 じて い る一 部 の被調査者 も存在 われ る と して ,置 地広場 で は,警 備員 を使 った徹底 的

す る こ とは確 かだ。 な フ イリ ピン人家事労働者対策 が行 なわれ ,フ イリ ピ


また,香 港 にお ける家事労働者 を支援 す る組織 も ,
ン人たち は屋外 へ と追 い や られ る結果 となった。 そ の
フ イリ ピ ン人家事 労働 者 を支 え る力 とな って い る 。 後 ,フ イリ ピン人たち は,セ ン トラル地 区 の広場 や歩
「非律賓 家務助理理事 会」 や 「香港 非律賓 人聯 會和 亜 道橋 な どにシー トを敷 い て ,ピ クニ ックの よ うに して
合田 美穂 :在 香港 フイリピン人家事労働者 の現況

集 う よ うになった。近年 ,香 港政府 は,フ イリ ピン人 をゆっ くり飲みなが ら,同 郷人や友人 と雑談す る」 と


たちが ,余 暇 を安全 か つ快適 に過 ごせ る よ うに,毎 週 い うフイリピン人の生活方式 をそのまま持 ち込める場
日曜 日には,フ イリ ピン人 たちが 集 う広場 を通過す る 所 であるため ,フ イリピン人 に好 まれて い るのであ
道路 を封鎖 し,車 両 の進入 を禁止す る よ う になって い る 。そぅぃった飲食場所 では,雑 談 などを通 して
2→
,

る 香港人 と交流す る機会 も生 まれてい る。


23)。

5-2。 余暇活動 の 内容 5-3.宗 教活動


被調査 者 30名 へ の調査 で は,87%が 週 に 2回 ,フ フイリピンは,ア ジアでは数少 ないカソリック信者
イリ ピ ン人 と集 まる と回答 して い る。 (基 本 的 に休 暇 が多 い国家 であ り,国 民 の 84%が カソリックの信者
は週 に 1回 で あるが ,年 休 や祝 日を合 わせ る と,週 に であ る29。 筆者 の調査 では,被 調査者 30名 の うち,87
2回 休 暇が あ る週が 出て くる。 また ,休 暇 で は な くて %が カソリックの信者 であると回答 してい る。 また ,

も,雇 用主 に頼 まれて買 い物 に出たつい でや ,雇 用主 被調査者 の うち,77%が 香港 にお いて も,教 会活動


の子供 の通学 の送迎時 な ど,平 日で も他 の 家事労働 者 (ミ サや伝道 など)に 参加 してい る。週 に 1回 の割合

と集 まる機 会 も多 い と考 え られ る。)調 査 結果 で は ,
で,宗 教活動 に参加 してい る者 が最 も多 く,63%を
通 常 集 う相 手 は ,63%が 同郷 人 ,27%が 香 港 の 友 占めてい る。 フイリピン人が比較的多 く利用す るカソ
人 ,10%が フ ィ リ ピ ン人家事 労働 者 の 支援 組織 関係 リック教会 もあるが,基 本的 には,香 港人 とともに教
者 で あ る。 また ,余 暇時 の主 な活動 内容 は ,(複 数 回 会 に集 うことになる。教会活動 では,基 本 的 には種
答 で )最 も多 い順 か ら歌唱 ,ダ ンス ,雑 談 ,読 書 で あ 族 ,性 別 ,年 齢 などで区別 をしないために,フ イリピ
り,そ の 他 には トラ ン プの ゲ ー ム ,手 芸 な どで あ っ ン人家事労働者 は,雇 用主 (主 に香港人)と 家事労働
た。 フ イリ ピン人 は,そ の 国民性 か ら,歌 唱や ダ ンス 者 とい う主従 関係 以外 にお い て も,教 会活動 を通 し
を非常 に好 み ,フ イリ ピン各地 で は,歌 唱や ダ ンス を て,同 じ宗教 を信 じる多 くの香港人 との交流 を通 し
主 と した伝統行 事 も多 く,ま た ,都 市部 で は ダ ンス学 て,互 いの価値観 や文化 を理解 しあ う機会 を持 ってい
校 が林 立 して い る 。 フ イ リ ピ ン人 は ,香 港 にお い て るのである。
も,余 暇 の 際 に,国 内 にい た時 と同様 に,歌 唱や ダ ン
スの 習慣 を持 ち込 んで い る。 また ,余 暇活動 の際 に , 5-4.兼 職
歌や ダ ンス に興味 を示 した り,足 を止 めて見入 った り また,調 査 を進めて行 くうちに,被 調査者 の うち ,

す る香 港 人 に対 して ,参 加 を促 す フ イ リ ピ ン人 も多 1名 (仮 名 J)が 兼職 を持 ってい る こ とが 確 認 で き
い。 た。 (外 国人家事労働者 の兼職 は,法 律 では禁止 され
余 暇活動 の 中で も,重 要 な部分 を占めて い る もの に てい る。)Jへ の 聞 き取 りでは,兼 職 の理 由 として ,

飲 食活動 が あ る。被 調査 者 の うち ,73%が 飲 食 方 面 で きるだけ多 くの外貨 を稼 いで,早 く故郷 に家 を建て


で ,60%が 通信 方面 で ,多 く出費 して い る と答 えて たいか らとい うことで あ った。Jは ,フ イリピン人た
い る。 この こ とか らも,多 くの フ イリ ピン人が飲食 を ちが集 う場所 で,地 面 に布 を広げて,手 製 による ビー
重要視 して い る とい う こ とが わか る。余 暇 の際 に,主 ズの装飾品 (花 や動物 の形状 をした装飾品や携帯 ス ト
に多 く利 用 す る飲 食 方法 につ い て は ,被 調査 者 の う ラップなど)を 並べ て販売 していた。警察や政府機関
ち,63%が 茶 餐庁 (香 港 で 最 も普 遍 的 な レス トラ ン の調査 が入る ことを心配 して,全 ての商品 に価格 は示
で あ る軽食が とれ る喫茶 店 ),43%が 酒楼 (一 般 的 な されてお らず,商 品に興味 を持 って話 しかけて きた フ
中華 レス トラ ン),27%が フアース トフー ド,23%が イリピン人に対 してのみ,価 格 を知 らせて販売する と
持参 の弁 当 とい う こ とであ った。茶餐庁 や酒楼 は,香 い うことであ った。布 の上に商品 を並べ てい る理 由 に
港 人が最 もよ く利用す る飲 食場所 であ るが ,興 味深 い は,頻 繁 に販売場所 を変 えやす いこと,警 察 の姿が見
点 は,そ れ らの場所 が フイリピン人 に も最 も好 まれて えたら,す ぐにそれに包 んで移動 で きるか らとい うこ
利用 されて い るこ とで あ る。実際 に,茶 餐庁や酒楼 で とであった。一度 ,逮 捕 される と,雇 用契約 に違反 し
使用 され る食材 や提供 され る料理 は,点 心 (春 巻 や シ た として解雇 されるだけではな く,フ イリピンに強制
ュ ウマ イな ど),菓 子 パ ン,エ ッグ タル ト,麺 類 な ど 送還 される場合 もある。 このように,兼 職 は リスクが
で あ り,フ イリ ピン人 に とっては抵抗 の な い食材 や メ 高 いために,多 くのフイリピン人家事労働者 には,さ
ニ ュー が 多 い 。 また ,茶 餐庁 や酒楼 は ともに,「 お 茶 ほど受け入 れ られてい ない。
80 甲南女子大学研究紀 要第 44号 人間科学編 (2008年 3月 )

考 え られ る。
6。 お わ りに

1)フ イリピ ン人家事 労 働 者 の 多 くは英 語 に精 通 して い


上 章 で は ,フ イリ ピン人家事労働 者が ,香 港 を就職
るため ,雇 用 主 をは じめ とす る香 港 人 とは英 語 に よっ
先 と して選 ぶ 理 由につい ての考察 を行 な って きた。 て コ ミュ ニ ケ ー シ ョンを とって い る。香 港 で 幅広 く使
香港 には,現 在 ,整 った法律体制 が備 え られて い る 用 され て い る 広 東 語 の 能 力 は さ ほ どあ る とは い え な
こ とや ,フ イリ ピン人家事労働 者 を支援 す るための組 い 。彼 らの約 6%が 広 東語 を流 暢 に話 し,17%が 広 東
語 で 会話 す る こ とが 可 能 で あ り,52.5%は 広 東 語 を理
織 が存在 してお り,外 国人家事労働者 の権益 が 補償 さ
解 す る こ とが で きな い 。 詳 細 は ,民 政事 務 局 ・政府 統
れて い るこ とが ,フ ィリ ピン人家事労働 者 が安心 して
計 処 「 香港 少数族 裔 人士 的調 査 結 果」 (1999年 10月 ∼
就労 で きるため の重要 な要 素 となって い る。 また ,香 2000年 1月 ), http:〃 wwwoinfo.govohk/hab/new/indes_c.
港 の外 国人家事労働 者 に対す る賃金が ,自 国 の フ イリ html。

ピンを含 め た他 の アジア地区 よ り高 い こ とも,フ イリ 2)筆 者 は,2004年 に,香 港 にお い て ,フ ィ リ ピ ン人 家


事 労働 者 を対 象 に ,ア ンケ ー トを中心 と した調 査 を実
ピ ン人 をひ きつ け る 要 因 にな って い る 。 しか しなが
施 し,フ イ リ ピ ン人 の 余 暇 活 動 に つ い て の理 解 を深 め
ら,実 際 には,就 労 にお け る諸 問題 (例 えば,法 定最
る とと もに , フ イ リ ピン人が香 港 にお い て ,余 暇 活 動
低賃金 が ,過 去最高時 と比 べ て ,現 在 で は下降 の一 途 を通 して い か に フ イリ ピ ン人 と して の ア イデ ンテ ィテ
をた どって い るこ と,そ の法定最低賃金 で さえ も保 障 ィを維持 して い るか を考 察 した。 該 調査 に つ い て は ,

されて い な い 家事労働 者 が ,実 際 にはか な りの割合 に 以 下 の 論 文 を参 照 。 合 田美穂 「 在 香 港 フ イ リ ピ ン人 家


事 労働 者 の 余 暇 活動 に つ い て の 一考 察」,『 甲南 女子 大
お い て 存 在 す る こ と,労 働 時 間 の 超 過 な ど)が 存 在
学研 究紀 要 人間科学 編 第 42号 』,2006年 3月 ,pp
し,そ れ らは フ ィリ ピン人家事労働 者 に とっては深刻 63-80。
な問題 となってい る こ とも確認 で きた。 この 「低下す 3)フ イ リ ピ ン 人 家 事 労 働 者 30名 へ の ア ン ケ ー ト調 査
る賃 金 ,長 い労働 時 間」 とい う現況 にお い て もなお ,
は,2006年H月 4日 に,香 港 の セ ン トラル地 区 (皇 后
像広 場 ,環 球 商場 ,国 際 金 融 中心 第 I期 ・ 第 Ⅱ期 )に
多 くの フ イリ ピン人家事労働者 が ,香 港 にお ける就労
て筆 者 の 指 導 を受 け た 香 港 中文 大 学 歴 史学 科 の 学 生 グ
状況 に対 して ,さ して大 きな不満 を抱 い て い ない理 由
ループ (代 表者 :陳 冠僑 )に よって実施 された。
と しては,彼 女 たちが フ イリ ピン国内 で就労す る こ と 4)Stephen w.Ko Chh and Asian Migrant Centre,A
以上 に,香 港 で就労す る場 合 の メ リッ トが大 きい か ら srrrJ″ gθ ″
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であ る。 そ うい った メ リッ トには,他 に余暇活動 や宗 K04g, Hong Kong lnstitute of Asia― Paciflc Studies, The
Chinese University of Hong Kong,2005,pp 9-10。
教活動 とい った もの も含 まれて い る。在香港 フ イリ ピ
5)康 架居 雇 傭 中心 有 限公 司編 『完 全 雇傭 手 冊套 装 :百
ン人家事労働者 を支 えて い る ものの 中で ,重 要 な部分
分百醒 目雇 主 :外 傭 管理賞 務指 南』,経 済 日報 出版 社 ,

を占めて い るのが 余暇活動 であ る。余暇活動 で は,フ 1998年 ,第 35頁 。


イリ ピンにい た時 と同様 の 生活習慣 (歌 や ダンス な ど 6)康 柴居 雇傭 中心 有 限公 司編 『完 全雇 傭 手 冊 套 装 :百
とい った嗜好 ,飲 食習慣 ,宗 教 の信仰 )を そ の まま持 分百醒 目雇 主 三外 傭 管理賞務 指南 』,経 済 日報 出版 社 ,

1998年 ,第 37頁 。
ち込 む こ とがで き,そ れ らは フ ィリ ピン人家事労働者
7)労 工 処 編 『雇 用 外 籍 家庭 傭 工 費 用指 南―― 外 籍 家庭
の心 の支 えになって い る。 また,そ れ らの余暇活動 を
傭 工 及其雇 主須 知』,第 7頁 。 (原 文 は ,http://wwwola―
通 して ,フ イリ ピン人家事労働 者 は ,自 分 の友 人 (多 bour.govohk/public/pd〃 wcP/FDHguide.pdfよ り参照。)
くが 同郷 人 )と 集 う こ と以 外 に も,香 港 人あ るい は香 8)香 港 の祝 日は以 下 の 12日 で あ る 三元 旦 (西 暦 1月 1

港文化 とも交流 を持 つ 機会 を有 してお り,そ れ らが 香 日),旧 正 月 の 3が 日 (旧 暦 1月 1日 ,旧 暦 1月 2日 ,

旧暦 1月 3日 ),清 明節 (西 暦 4月 5日 ),メ ー デ ー (西
港 とフ イリ ピンの互 いの価値観や文化 を理 解 しあ う こ
暦 5月 1日 ),端 午節 (旧 暦 5月 5日 ),中 秋節 翌 日 (旧
とを も可能 に して い る。 そ うい った諸要素が ,フ イリ
暦 8月 16日 ),重 陽節 (旧 暦 9月 9日 ),冬 至 ,ク リス
ピン人が香港 を就 労先 と して選択 す る要因 で もあ り , マ ス (西 暦 12月 25日 )(雇 用主 は冬 至 か ク リスマ スの
メ リッ トに もな ってい る といえるので あ る。 また ,今 どち らか 1日 を休 暇 日と して選択 で きる。)香 港特 別行

後 もフ ィリ ピン人が なお も香港 を家事労働 をす るため 政 区成立記念 日 (西 暦 7月 1日 ),中 華 人民 共和 国 国慶


行 (西 暦 10月 1日

の就労先 と して選択 し続 けて い る限 り,香 港 にお ける )。

9)就 労 年 数 が 1年 お よび 2年 の 場 合 ,年 体 は 7日 で あ
「 非 情 歌 」 とい う歌 謡 曲 の 流 行 か ら も示 され る よ う
り,3年 の場 合 ,年 休 は 8日 ,4年 の場 合 ,年 休 は 9日
に,将 来 ,フ イリ ピン人家事労働 者が ,香 港 の文化 の とな り,そ の 後 ,就 労 年 数 が 1年 増 え る ご とに ,年 休
一 部 と して認識 され る 日もそ う遠 くはないであ ろ う と も 1日 増加 す る。 年休 の最 長 は 14日 で あ り,9年 以 上
合田 美穂 :在 香港 フ イリ ピン人家事労働者 の現況

就労 した者 は 14日 の年休 を獲得 で きる。 pdf


10)康 柴居 雇 傭 中心 有 限公 司 編 『完 全 雇 傭 手 冊 套 装 :百 19)例 えば ,歌 手 の 張学友 の フ イ リ ピン人家 事 労働 者
分百醒 目雇 主 :外 傭 管理賞 務指南 』,経 済 日報 出版社 , が ,張 の私信 や写真 を窃盗 した事件 ,タ レン トの林燕
1998年 ,第 37-38頁 。 妃 の フイリピン人家事労働者が ,林 の貴金属や高級腕
11)香 港 明愛 社 区登展 服 務 亜 洲外 地 労 工 社 会服 務 計 画調 時計 を窃盗 した事件 ,著 名弁護士 の フイリピン人家事
査 工 作小 組 『外 籍 傭 工 在 港 工 作 境 況 調 査 報 告 書 香港 労働者が ,雇 用主 の高級紳士服 な どを質 に入れた事件
明愛社 区発展 服務 亜洲 外 地労工 社 会服 務計 画』,明 愛亜 などがある。
洲外 地労工社会服 務計 画 ,2001年 ,第 3頁 。 20)「 外傭今起加薪 80元 毎月 3400」 ,『 明報』,2006年 H
外傭 税 "失 敗」,『 明報』,2006年
12)「 外傭挑戦 “ H月 11 月 11日 。 (http://hk.news.yahoooconゴ 060803/1 qxlx.html)
日 (http://hkonews.yahooocorゴ060719/12/1q9o3.html) 21)「 謝安瑛倣 “ 代言人"」 ,『 明報』,2006年 H月 11日 。
13)同 上 。 (http://hkonews.yahoooco耐 060803/1 qxlx.html)
14)香 港 明愛 社 区登展 服 務 亜 洲外 地 労 工 社 会 服 務 計 画調 22)在 香港 フ イリ ピン人 の余暇活動 につい ての詳細 は ,

査 工 作小 組 『外 籍 傭 工 在 港 工 作 境 況 調 査 報 告書 香港 以下 を参照。合 田美穂 「在香港 フ イリピン人 家事労働


明愛社 区発展 服務 亜 洲外 地労工社 会服 務 計 画』,明 愛亜 者 の余暇活動 につい ての一 考察」,『 甲南女子大学研究
洲外 地労工社会服 務計 画 ,2001年 ,第 5頁 。 紀要 人間科学編 第 42号 』,2006年 3月 ,pp 63-80。
15)黎 侃 炎 「種 族 ,性 別 ,階 級 的岐 視 理 解 非律 濱 背 後 23)http:〃 big 5。 chinabrouadcast.cn/gate/big5/gbochinabroad―

的故事」,http:〃 www.globalmon.orgohk/09_■ lippino.html castocn/9523/2006/09/01/421@1199760 1。 htinl

16)「 非律 濱 一 月扮失業率達 8.1%」 ,『 大紀元』,2006年 H 24)趙 光林 ,孟 東梅 『非律 賓 :奇 麗 的 島國』,香 港 城市 大


月 H 日。 (http://www.epochtimes.com/b5/6/3/16/n 学 出版 社 ,2005年 ,第 162-163頁 。 豚 肉 を食 べ る こ と
1256575。 htm) が禁 じられ て い るム ス リム が 多 くを占め る イ ン ドネ シ
17)謂 景路 ,膠 意儀「我 家的非傭」,香 港電台電視部 ,1986 ア人の 場 合 は ,フ イ リ ピ ン人 とは異 な り,豚 肉 を使 用
年。 した メニ ューが 多 い茶 餐庁 や酒楼 を避 ける傾 向 にあ る。
18)人 民 入境事務 処 ,http://www.info.gov.hk/hkfacts/cpop. 25)同 上 ,第 148頁 。

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