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テレビを見ていると、画面に地震情報が流れることがある。
「〇時〇分、〇〇
で地震がありました。地震の強さは・・・。津波の心配は・・・」といった情
報がテレビの画面に出る。ふだん何気なく見ているが、現代の科学技術の粋を
集めて出される情報である。
「地震国」日本では、さまざまな角度から地震の研究が行われている。コン
ピューターを使って、地震のシミュレーションもさかんに行われている。しか
し、科学技術では処理できないことも、もちろんある。それは、大地震が起き
たときの人々の行動である。大地震が起きたときに人々が思いがけない行動を
したと過去の記録にも書かれているが、最近の地震でも同様のことが報告され
ている。その原因は、人々の不安から生じた流言飛語であるという。
「これから
もっと大きい地震が来るらしい」とか、「できるだけ遠くへ逃げたほうがいい
って」
「隣町の火事の火がこっちの方に広がっているそうだ」など、根も葉もな
いうわさが人々の恐怖心をあおり、とんでもない事態を引き起こすことになる
という。神戸で阪神大震災にあった人が、
「いったい何が起こったのか、どうな
っているのかわからないときの不安は、何にも例えられないほど恐ろしかった」
と言っている。電気が回復してテレビを見たときは、被害の大きさにびっくり
したけれども、ほんとうにほっとしたそうだ。科学技術が進んでも人の心理は
昔と変わらないようだ。改めて情報の大切さを認識させられる。
つ なみ
*津波:地震などのせいで起こる高い波
じっさい じょうきょう じんこうてき
*シミュレーション:実際と同じような 状 況 を人工的につくること
りゅうげん ひ ご
* 流 言飛語:本当のことではないうわさ
こう べ はんしん
*神戸:阪神地方の大都市
はんしんだいしんさい
*阪神大震災:1995年1月、阪神地方で起きた大地震
語句