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授業終了レポート 3

今回の授業を通して、日常生活における身近な視覚の現象や錯視について改めて確認す
ることができた。ゲシュタルト崩壊やサッチャー錯視、ワゴンホイール錯視などは、私た
ちの日ごろの生活に潜む意外な現象である。それらの現象が、具体的な実験や理論をもと
に実証されていることがすごいことだと感じた。以前まで、心理学、特に基礎心理学に関
する研究者は「なんでも研究屋」のようなイメージが私にはあった。しかし、今回の授業
で様々な実験結果や知見に触れていくごとに、そのイメージが確信に変わった。そうした 、
人間の心的作用やその周辺における現象に対して、貪欲に解明しようとする学問姿勢であ
る心理学が、私はより好きになれたと実感している。
また、基礎心理学を学習する重要性について、知覚・認知の分野から検討することがで
きた。心理学に関する対人援助では、臨床心理学や健康・医療心理学など主に応用心理学
が重要であると世間に謳われがちである。しかし、心理学の成り立ちは基礎心理学から出
発しており、基礎心理学が基盤となって発展してきたのである。だからこそ、心理職を志
望するすべての人は、まず基礎心理学を知識として定着させる必要があると強く感じた。
例えば、欧米の人々とアジア系の人々の顔認識の差異から生じるマスク着用に関する問題
は、認識の違いという点で「文脈効果」が背景にあるといえる。また、自閉症児にはバイ
オロジカルモーションからその形や運動を特定することが困難であるということも、基礎
心理学における観点から個別性の高い問題を観察した見え方であろう。このように、基礎
心理学が習得されているか否かによって、実際の現場における働きや見え方は大きく変わ
る。「基礎」は退屈かもしれないが、「基礎」があるからその上に新たな分野を築いてい
けるのである。そうした意識を忘れずに、知覚・認知心理学の学習により一層励んでいき
たい。

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