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エレナ・ダナーンの今回の新著は、1958年から1961年にかけて行わ
れたドワイト・アイゼンハワー大統領とヴァリアント・ソー(銀河
連合の大使)の外交交渉に多くの光を投げかけました。ついに、ヴ
ァリアント・ソー本人から直接、失敗に終わったこの交渉に関する
新たな情報を得たのです。私たちは本書を通じて、彼が略奪的な地
球外生命体の同盟との交渉について警鐘を鳴らしてきたこと、この
搾取的な同盟との秘密協定に署名したMJ-12がアイゼンハワーを裏
切ったこと、そして銀河連合がそれ以来、人類の意識を高め、惑星
の覚醒を促すために数々の秘密行動を通じて、これらの極悪な合意
の影響を軽減してきたことについて知ることができます。本書は、
この先待ち受けている重大な地球規模の変化に備えたいすべての
人々にとって必読の書となるでしょう。
マイケル・サラ博士
2021年6月6日 ハワイ州カイルア・コナ市

(『ありえない世界【SSP:秘密宇宙計画】のすべて』
〈高島康司監訳、ヒカルランド〉著者)
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目次

謝辞

序文
ローラ・マグダリーン・アイゼンハワー

はじめに

第1章 宇宙を飛んだ日
第2章 木星の雲
第3章 地下からの救出
第4章 ヴァル・ソーとの初めての出会い
第5章 ヴァル・ソーへのインタビュー
第6章 主権の宣言
第7章 金星への初旅行
第8章 私たちの上空にいる存在
第9章 金星への二度目の旅
第10章 愛の力
第11章 スターメーカー
第12章 地球が行き詰まった日
第13章 デネソー
第14章 火星人の戦争日記
第15章 火星人に会う
第16章 アクヴァル
第17章 南極大陸脱出
第18章 木星協定
第19章 プライムディレクティブ (最優先指令)
第20章 ノルディックの宇宙人──彼らは何者か?
第21章 トールホワイト
第22章 宇宙船について
主なヒューマノイドグループ

スタービジターからのメッセージ
ソーハン・エレディオン(銀河連合)

宇宙の協力宣言

エピローグ

訳者あとがき
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カバーデザイン takaokadesign
カバー(人物)・本文イラスト エレナ・ダナーン
翻訳協力 栗原希代子、田元明日菜
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謝辞

〈上空の皆さんへ〉

上空からやって来たソーハン・エレディオン氏に心から感謝して
います。本書の出版も、私の旅も、出会いも、冒険も、彼なくしては
決して実現しなかったでしょう。幼い頃、別の星からやって来た、
ク ル ー
すばらしい男性とその乗組員 に助けられたことに、言葉では言い表
せないほど感謝しています。こうした人々が、私の人生をずっと、そ
して今日も見守ってくれているのです。特に、5種族評議会のマイ
ラ、セラディオン、ヴァルネック、力強く深い愛情で守ってくれるエ
ガロスの父であり、親愛なるアナックスに感謝の意を表したいと思
います。私を見守り、最高の宇宙の愛の波動の中で私を安心させてく
れて、ありがとうございます。
銀河連合のアルダーナ最高司令官の優しさと協力、大義のための
個人的な犠牲、私への信頼、愛情あふれるサポートに感謝します。
あらゆる困難にもかかわらず、地球人を信じようとする彼女の勇気
と確固たる決意に敬意を表します。また、私は2人のすばらしい戦
士を知ることができました。1950年代にペンタゴンとの協力計画に
携わった銀河連合バトルステーションのアヘル人の司令官デネソー
ルと、全銀河よりも勇敢な心を持つタアル兵で「銀河騎士」のアク
ヴァルです。

金星のヴァル・ソー司令官には、私の質問に親切丁寧に答えてい
ただいたことに、心から感謝しています。彼の言葉は、私のハートと
魂だけでなく、この時代の記憶にも刻まれることでしょう。また、
美しい奥様のジリアンのすばらしいホスピタリティにも感謝してい
ます。

〈地上の皆さんへ〉

2冊目の本を書くにあたって、新たな旅路で出会ったすばらしい
地上のクルーにも敬意を表したいと思います。ローラ・アイゼンハ
ワーは、人々を鼓舞するすばらしい魂の持ち主で、私が使命を果た
す過程で出会う運命にありました。高次の存在の意図によって、思
いがけない形で彼女と連絡を取ることになったのです。ヴァル・ソ
ーは、第二の父親のような愛と思いやりをもって、彼女の曾祖父の
大切な子孫を守るために、ローラの世話をしています。

また、この冒険において師となってくれた優しく賢明な友人たち
の支援と励ましにも心のこもった謝意を表したいと思います。アレ
ックス・コリエー、あなたは父親のいなかった私にとって、父のよ
うな存在でした。あなたは別の星からやって来た軍隊のための基盤
を準備してくれました。司令官、私たちは今ここで、あなたの勇気
と犠牲に敬意を表します。あなたにはとても過酷な任務があった。
今、あなたの足跡をたどっていることを光栄に思います。私たちは
皆、あなたを心から誇りに思います。

また、地球外生命体の情報に関するパズルのピースをいつも見つ
けてきてくれる優秀な地球外生命体探偵、マイケル・サラ博士にも
感謝の意を表します。マイケル、あなたは私を信頼し、支えてくれ
ました。このことは私にとって大きな意味を持っています。ありが
とう!

親愛なる友人スティーブン・チューには、特別な思いと祝福の言
葉を贈ります。あなたはエリア51で働き、ディスクロージャーのため
に自らの命を犠牲にしたスーパーソルジャーです。私は、あなたが
ずっと抱え続けた重荷を取り除く手助けをするという役割を与えら
れたことを光栄に思います。スティーブンは今や、1,000倍以上もの
力を持ち、敵地で戦いを続けています。頑張ってね、スティービ
ー。

そして、この冒険に参加したすべての地上のクルーたちへ! ヴ
ァル・ソーに目を向けさせてくれたヴィンス・ボッカンフーゾー、
「上の階」に問いかけるためのインスピレーションを与えてくれ
て、真理を探求するという強い意志を授けてくれたルーカス・ウレ
ラ、愛情あふれるサポートをしてくれたすばらしい友人のダニー・
ヘンダーソン、私のために、最大の思いやりをもってあらゆること
をしてくれたエリサ・エレーラ。
旅路で出会った伝説のスーパーファイターたちに賞賛と感謝の言
葉を贈ります。友人となり、関連する情報を交換してくれたトニー・
ロドリゲス、ニアラ・テレラ・アイズリー、マーク・ドミジオに
は、暗闇の中での真の勝利とは何かを教えてもらいました。そして
最後に、南極のマクマード基地のフランク・ビアンキには、勇気だ
けでなく、非常に貴重な情報をもらいました。これからも輝き続け
てください。あなたたちは人類の道しるべです。

そして、ネッド。私の愛する黒猫は、この本を書いている最中に
も、私のハートの一部を虹の橋の向こう側へ連れて行ってくれまし
た。愛しのネッド、あなたは心からの大切な仲間で、旅立ちの贈り
物として、美しいものを私に教えてくれました。

愛は、時空を超えたつながり。

エレナ・ダナーン
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序文

ローラ・マグダリーン・アイゼンハワー

本書のタイトルを見ただけで、深い感動を覚えました。この地球
にいる皆さんも、心優しい地球外生命体が、私たちを助けてくれて
いるのではないか、と思うことがあるのではないでしょうか? 私
はそれが真実であるといつも感じていました。なぜなら、子供の頃
に体験したいくつかの出来事が、彼らの存在と、タイムラインのこ
と、そして予言されていた2012年の空白期間の前後に起こる恒星の
アクティベーション・サイクルに関する情報を、イメージやテレパ
シーという形で私に明らかにしてくれたからです。

彼らは、これから起こるであろうことに備えて、私を助けてくれ
たのです。曾祖父のアイゼンハワーは、何年にもわたって手助けを
してくれて、たびたび私の元に現れては、人類に知られてはならな
いと隠されてきた情報や秘密を明かしてくれました。歴史は塗り替
えられようとしていますが、この本は、歴史に埋もれ、忘れ去られ
てしまうことになっていたかもしれない真実を救い出してくれま
す。私たちが真実と共にあるための手助けをし、私たちが日々直面
しているものよりも、はるかに大きな視点で真実の探究をするよ
う、私たちを誘ってくれているのです。
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地下基地から子供たちを救出するなど、不可能と思われるタスク
が行われていることを知ったからには、私たちは立ち上がり、勇気
を持つ必要があります。多くの私たちが祈り、提唱していること
を、こうしたことが起こっているという事実に意識を向けさせるこ
とで実現していこうと、軍と共に動いている光の力があるのです。

今、これまで以上に大きな銀河戦争が起きています。地球人が狙
われ、本来持っているはずの力を十分に発揮できない状況は、私た
ちだけですべてに向き合い、対処する問題ではありません。私たち
を見守る銀河のスター・ファミリーも同じように影響を受けている
のです。私たちは皆、現実の多次元的な性質と深いつながりを持っ
ています。私たちが、眠りの状態にあるDNAの鎖にスイッチを入
れ、高次元の調和のとれた宇宙を知覚し始めたとき、私たちは、自
らの偉大さと神聖な能力を思い出すようになるのです。しかし、ま
ずは意識レベルで、そこにつながることから始めなければなりませ
ん。

とはいえ、彼らは私たちに、自分たちの存在が真実であると信じ
させ、強制的に目覚めを起こすことはできません。ですが、もし私
たちが援助を求めたら、そこにつながりや結びつきが生まれ、生命
の創造的な流れが、私たちに向けられた攻撃を癒し、変革し、乗り
越えるための答えと方法を見つける手助けをしてくれるようになる
のです。人によっては、直接のコンタクトを経験するかもしれませ
ん。あなたの今の人生でそれが起こるかどうかは別として、いずれ
は起こるでしょう。私たちはそこに向かっています。銀河の意識の
中に入り、私たちを分離の幻想に閉じ込めているベールやネットを
取り除き、スター・ファミリーと直接つながった地球で生きていく
ようになるのです。
ら ち
敵対的なグレイの拉致 から救ってくれたソーハンらと心からの出
会いを果たしたエレナは、ガイドとして傍にいるソーハンの助け
で、ヴァル・ソーに直接会うことができました。そこで彼女は質問
を投げかけ、曾祖父のアイゼンハワーがグレイに私たちを売ったの
ではないこと、それがアイゼンハワーの知らないところで行われた
ことなど、私が心の奥で知っていた真実を確認してくれました。

私がヴァル・ソーとその全容について調べ始めたのは、何年も前
のことです。私は『大統領に会った宇宙人(Stranger at the
Pentagon)』(韮澤潤一郎監修、金子浩訳、たま出版)を書いたフ
ランク・ストレンジズと強いつながりを持つ数多くの人々と出会う
ことになりました。そこから多くのシンクロニシティが起こり、ク
レイグ・カンポバッソという男性を通じて、さらに多くの人とつな
がりました。彼は映画を制作し、ヴァルやビクター・ワンのクルー
と接触した経験もありました。彼の短編映画は、フランク・ストレ
ンジズの本と同じ『Stranger at the Pentagon』というタイトルでし
た。私は彼の家で、素敵な写真を見たり、信じられないような話を
聞いたりしました。そこで聞いた金星人への親しみとつながりは、
私のハートと魂を生き生きと照らしてくれました。

そんななか、ある会議でレスリー・ヴァンダーハムという女性が
私に声をかけてきました。彼女の父親は、当時の出来事に深く関わ
っていました。彼女は私のことを聞かされ、会議で私を見つけるよ
うに言われていたのです。しかも驚くべきことに、それは彼女のス
ピリット・ガイドから告げられたことでした。彼女は、ヴァル・ソ
ーとドワイト・アイゼンハワーが、子供の頃から彼女のガイドとし
て付いていて、彼らの関係性やつながりについてよく知っているの
だと説明しました。そして私たちは大親友になったのです。

私はヴァル・ソーがアイゼンハワーを助けようとしたこと、そし
て2人の間に生まれた友情を知り、胸に迫るものがありました。こ
の時代に彼らは、物事を人類にとって良い方向に転換させようと、
たくさんのことをしてくれていました。しかし、エレナが著書で詳
述しているように、悪意ある存在による敵対的支配を止めることは
できませんでした。ディープステートと彼らの闇のアジェンダが、
人類の代表として、大統領のコントロールや権限の及ばないところ
で決定を下してしまったからです。そして、1947年に法が制定され
ました。

年のロズウェル事件の後、トルーマンが新しい秘密保護法に
1947
署名したのをきっかけに、秘密結社(MJ-12あるいはマジェスティ
ック12と自称)は、UFOとETの問題を掌握し、それを地下に隠して
しまいました。そのようにして、すべてを見えなくしてしまったの
です。

は 年に、UFOとその乗員に関するすべての情報と知識
MJ-12 1947
を核兵器に次ぐ最高機密として保持することを、大統領直属の秘密
法として制定しました。
ナチスは、アメリカやヨーロッパの軍産複合体と政府の大部分を
乗っ取ることに成功しました。アイゼンハワーは打ちひしがれるよ
うな現実に直面し、深く悩みました。自分が暗闇の中にいて、ディ
スクロージャー(情報公開)の試みが常に阻害されていることを知
っていたからです。アイゼンハワーの顧問や、彼の味方、そして人
類の味方だと思っていた人々は、第二次世界大戦で倒そうとした闇
の支配システムそのものとつながっていたのです。そして、彼らは
アメリカに侵入し、最終的に、私たちから自由と人間としての潜在
能力を奪おうとしていることがわかってきたのです。
きた
ヴァルは、来 るべき危機について警告を発しましたが、それはア
イゼンハワーの退任演説にも影響をもたらしたと私は確信していま
す。演説の内容は軍産複合体とその影響力についての重大な警告で
した。

「軍産複合体が求めるか求めないかに関わらず、不当な影響力を手
にすることを政府の審議会で防がなければなりません。間違った権
力は悲惨な状況を生む可能性があるし、それは今後もずっと続くで
しょう。
この大きな複合体が、私たちの自由や民主主義のプロセスを危険
にさらすようなことがあってはならないのです。常識で判断しては
いけません。警戒を怠らず、知識を持った市民だけが、巨大な防衛
産業・軍事機構を、平和的なメソッド・目標と適切に結びつけ、安
全と自由が共に栄えるように力を行使することができるのです」
ヴァル・ソーと出会う前から、事態は非常に明白になっていまし
た。アイゼンハワーは自分が、秘密宇宙プロジェクトや、こうした
テクノロジーの使用に関する情報へのアクセスを拒否されたことに
気づいたのです。彼は激怒しました。

多くの情報を集めたフリーダム・アーティクルズによると、事態
は制御不能となり、アイゼンハワーはこの邪悪な軍事集団が何者
で、何をしているのかを知りたがっていたそうです。アイゼンハワ
ーがコンタクトを取ると、MJ-12は、自分たちがホワイトハウスの
管轄外にあり、彼らの資料は「関係者以外極秘」にされていると答
えました。つまり、大統領には権限がないということです。アイゼ
ンハワーは激昂し、2人のCIAエージェント(この件に関してイン
タビューを受け、死の床でその内容のほとんどを明らかにした匿名
者を含む)を送り込み、MJ-12の責任者に1週間以内に報告をする
よう伝えました。さもなければ、コロラドから第1軍を連れてきて
エリア51とS4へ侵攻すると言ったのです! アイゼンハワーは、
もしこれらの軍事の黒幕がUFOとETに関する問題の支配権を放棄し
ないなら、エリア51を侵略すると実際に脅したのです。

ドワイト・アイゼンハワーの退任演説は、私たちの目覚めがいか
に重要であるかを明確に物語っています。これは意識の戦争であ
り、私たちは内なる勝利を手にしなければならないのです。私は、
ペーパークリップ作戦やモッキンバード作戦など、ディープステー
トによるごう拷もん問 や虐待を生き延びた多くの人々に会い、調査をしまし
た。そして、これが私たちの心に仕掛けられた戦争であることがわ
だま
かりました。彼らはマインドコントロールと、大衆を騙 すソーシャ
ルエンジニアリング洗脳作戦を駆使しています。私たちの多くは、
自分たちが切り捨てられ、検閲されているのを知っています。重要
な情報を信用させないために、陰謀論者のようなレッテルを貼った
り、あらゆることが行われたりしているのです。

エレナとの出会いは、私の人生を変えました。私は毎回コメント
を読んだり、返事をしたりしているわけではないのですが、彼女の
コメントは目に飛び込んできました。彼女にはそのような周波数が
あって、パソコンの画面から飛び出してくるようでした。私は今ま
で彼女について聞いたことがなかったのですが、彼女が述べている
ことを読んで、絶対に連絡を取らなければならないと強く感じまし
た。彼女は自分の経験やヴァル・ソー、アイゼンハワーに触れ、短
く要点をまとめていましたが、私にはそれ以上に感じるものがあ
り、いくつかの言葉を読んだだけでも、連絡を取り合うべきだと思
ったのです。

私はエレナに連絡を取り、インタビューを行いました。彼女から
は、驚くほどの誠実さ、真実の周波数、深遠なる神聖な愛と叡智の
純粋なハートと魂を感じました。私が心の底で真実だと思っていた
あ ぜん
ことを彼女が説明してくれて、私は啞 然 としました。もっとお互い
を知るようになってからは、彼女がヴァル・ソーと私について会話
していたことがわかり、さらに啞然としました。真実と目覚めをも
たらすという私の道、使命における愛と保護と認識の過程には、人
類がこれを乗り越えていくのを私が助けられるように、邪悪な闇を
経験する必要があるということも含まれていました。
その話を聞いて、私やほかの多くの人が挑戦してきたことが見事
に証明されたのです。それは、疑いようのないものでもありまし
た。エレナが説明してくれたこと、彼女の話、そしてほかの多くの
話は、偽りを暴くために、私たちが受け入れなくてはならない偉大
なる現実なのです。もちろん、真実を見極めていく必要はありま
す。最終的にこれは、自己、直感、魂の自由へと導いてくれるもの
なのです。キリストの光と愛に満ちた、驚くほど慈悲深き存在であ
る彼らは、ここにいて、決して私たちを失望させることはないので
す。

どうか、自ら失望し、目をそむけ、私たちの繁栄や私たちが主権
者たることを望まない者たちに目を向けることがありませんよう
に。私たち皆が誠実さ、思いやり、謙虚さ、お互いを尊重する気持
ちを持ち、大きな力を得て、自分自身やお互いの中に見出すことに
なるハートの喜びを持って、偉大なる宇宙のキャンプファイヤーを
囲めますように。この地球で抱えてきたであろうトラウマや疲弊
は、ダイヤモンドのハートになって、過酷で非常に暗い領域に勇敢
に立ち向かい、真実と愛による勝利を断言しています。私たちはス
ピリットの戦士であり、誰も私たちを止めることはできないので
す。
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はじめに

ハートを開いていれば、人生は時に思いがけない贈り物を与えて
くれます。地球を救うため、宇宙からやってきたこの男性に出会え
る日がくるなんて、私はまったく想像もしていませんでした。彼
は、この惑星の指導者たちと共に懸命に働いていました。彼の願い
は、安全で明るい未来を私たち人類へ開放すること、そして、オリ
オンの脅威に立ち向かうため、人類の抵抗力と技術的資源を強化す
る支援プログラムを実施することでした。彼の名は、ヴァリアン
ト・ソー、通称ヴァル司令官です。彼は、1957年3月のある朝、ア
メリカのバージニア州に上陸し、ドワイト・アイゼンハワー大統領
に面会しました。ヴァルは、銀河連合の5種族評議会と大評議会か
ら派遣されたのです。彼は、「ネブ」という名の脅威的なオリオ
ン・グレイ同盟に対して、地球を援助するという外交メッセージを
携えていました。ヴァルは、何人もの人間と会っており、彼らに多
大なインスピレーションを与えました。それについては、いくつか
の文献にもまとめられています。ヴァルは、外交官として、テラ(地
球)の文化とその信念体系を尊重するよう、銀河連合と5種族評議
会によって十分な訓練を受けていました。彼はメッセンジャーとし
て地球に来たのです。人類の宗教的な信仰を変えるために来たので
はありません。人間の本質と可能性を信頼することを奨励し、私た
ちが本当は何者であるかに目覚めさせ、人間の生まれながらの権
利、自由、主権の本質に意識を開かせるためにやって来て、私たち
に働きかけていたのです。銀河連合は、発達初期の世界の自然な進
化に干渉しないという、何よりも神聖なルールを持って、すべての
生命を支援し保護することに献身しています。私たちは、学びの道
を歩む必要があります。その目的自体が進むべき道であり、そこから
得られるものが到達地点なのです。

ヴァル・ソー司令官は、タアル族で、MANシステム(ケプラ62
「ライラ」)のヒューマノイド型コロニーに属しています。彼ら
は、ほかの種族と共に大昔に金星に移住してきました。銀河連合と
5種族評議会から任命されてテラに派遣され、テラの主要な指導者
たちと会談したのです。その1人が、第34代アメリカ合衆国大統領ド
ワイト・D・アイゼンハワーでした。ヴァル・ソーは、オリオングル
ープ出身の悪意ある地球外生命体に対する警告を彼に伝えました。
実は、アイゼンハワー政権は、その彼らと協定を交わしたばかりだ
ったのです。

ヴァル・ソー司令官は、ペンタゴンで、アイゼンハワー大統領に
指導と助言を行い、地球と地球外生命体の善意の協力体制の基礎を
密かに築いていました。これは後に、地球同盟として知られること
になります。アイゼンハワー大統領は、人類にとって致命的な結果
を避けるため、あらゆる努力をしました。しかし、その努力は実ら
ず、彼の背後で軍事政治によって侵略者と結ばれた協定を撤廃する
ことはできませんでした。これらの出来事は、ヴァル・ソー司令官
と私の個人的な面会に基づいて、本書を通して詳細を明記していま
す。

その前に、『【イラスト完全ガイド】110の宇宙種族と未知なる銀
河コミュニティへの招待』(1作目の拙著、上村眞理子(マータ)
監修、東森回美訳、ヒカルランド)をお読みになっていない方のた
めに、私がソーハン・エレディオンという人物に出会ったいきさつ
をお話ししましょう。すべての始まりは、9歳のときに起こりまし
た。私は、レチクル座ゼータ星出身の異星人グレイに連れ去られた
のです。その際、私は別の宇宙船によって救出されました。その宇
宙船に乗っていたのは、出身はそれぞれ違っても、全員が銀河連合
のために働いている善意の宇宙人たちでした。彼らの指揮をとって
いたのは、プレアデス星団のアシャーラ(タイゲタ)出身のエラヒ
ル族のパイロット、ソーハン・エレディオンでした。彼はこの出来
事以来、私の人生を見守ってくれています。彼は現在、艦隊司令
官、兼、任務進行係として、地球軌道上にある宇宙ステーションに ぜん
配属されています。そこは、太陽系に数多く存在する銀河連合の
しよう

哨 基地の1つになっている場所です。この星のシステムは、銀河連
合、アンドロメダ評議会、5種族評議会の3つの善意のグループに
属する60隻以上の母船で混み合っています。このほかに、アシュター
はいかい
ル銀河司令部と、いたるところを徘しや徊へいする巨大な敵艦隊もいます。
地球の軌道上に配置された巨大な遮 蔽 母船は、ソーハンによって
「ステーション」と呼ばれています。ソーハンと私は定期的にテレ
パシーや物理的なコンタクトをとっています。皆さんが、この仕組み
を理解するためには、もう少し説明が必要かもしれません。

◆インプラント
9歳の私を連れ去ったスモールグレイは、私の頭蓋骨の後部に超
次元トラッカーを挿入しました。これは、彼らが通常行っているも
ので、私を遠隔監視するためのものでした。これは、彼らのハイブ
リッド化プログラムの一環として行われたのです。このトラッカー
は脈打つ信号を発し、どこかにあるグレイの中央ステーションに中
継されていました。
私を救出したソーハンたちは、自分たちの宇宙船の場所を敵に発
見される前にこの信号を解除しました。しかし、この作業は彼らが
想像していた以上に困難なものでした。この装置は、グレイによっ
て私の脳の奥深くに埋め込まれ、除去するにはあまりにも危険な状
態だったのです。そこで、ソーハンの医療スタッフのマイラが装置を
ハッキングし、グレイやレプティリアンがアクセスできない銀河連
合の高周波帯域にチューニングして作り変えてくれたのです。その
瞬間から、私はこの装置の安全な周波数信号にチューニングする銀
河連合の誰とでも通信できるようになりました。私の装置の周波数
コードは、ソーハンしか持っておらず、すべての通信は彼によって
監視されています。普段、私は彼としか交流しません。でも、たま
に、私の装置にチューニングすることをソーハンから許された3人
の存在と接触することがあります。それが、私を救助してくれたチー
ムの科学者だったシリウスB出身のマイラ、そして、アシャーラ(タ
イゲタ)星系のダクーラ出身の高密度の存在であるコロン、5種族
評議会出身のエガロス族、アナックスです。

あれから何年経っても、特に髪をとかすときに、頭皮のその部分
が痛みます。このような敏感な状態は、インプラントされた装置の
定期的な電磁波の活動によって起こります。グレイが使っている周
波数帯域は人体の周波数と同じで低いので目立ちませんが、銀河連
合が使っているのはもっと高いオクターブで、グレイやレプティリ
アンには届かないものです。疲れているときや体調が悪いとき、私は
体に不快感があります。それは、私が低い周波数で振動しているか
らかもしれません。休息を十分とって、健康でいるときは、何の不
快感もないのです。インプラントされた装置がきっかけとなって、救
出されて家に戻ってからも、数か月間は頭痛が続きました。

当時(1970年代)、あらゆるスキャンや検査を行っても、何も見
つかりませんでした。ソーハンの乗組員である医療スタッフのマイ
ラからは、このインプラント装置が超次元的なもので、地球上の技
術では検出できないと説明を受けました。数か月後、私のエネルギ
ーが、この装置の強い周波数信号にチューニングされるにつれて、
頭痛は消えました。
それから何年か経ち、18歳のとき、私は初めて頭の中でソーハン
の声を聞いたのです。それは、頭の中に釘が刺さったような感じで、
同時にブーンという低い音が頭蓋骨全体に振動していました。私は
怖くて膝をつき、両手で頭を抱えてしまいました。そのとき、装置の
中で「カチッ」という正確な音がして、ソーハンの若々しい元気な
声が、頭の中に話しかけてきたのです。かなり大きな声でした。「心
配しないで、ちょっとチューニングするだけだから!」。

それ以来、ソーハンは、私からも連絡を取れるように、装置の起
動方法を教えてくれるようになりました。このように、非常に繊細
に精密に調律されたテクノロジーは、感情の高まりによるエネルギ
ー刺激に反応することもあります。もちろん、ソーハンは、常に私
を監視しているわけではありません。でも、私が恐怖などの突然の
感情的刺激を生み出すと、信号が自動的に送られるのです。彼は、連
絡を取りたい人物を強くイメージしながら、その装置に向けられた
エネルギーを放電する方法を私に教えてくれました。もちろん、そ
の人物がすでに私の装置の周波数にチューニングしている場合の話
です。誰もハッキングはできません。このような装置を使った通信
は、特定の周波数の番号に電話をかけるようなものです。電話に例
えて言うと、ただ受話器を持ち上げるだけでは不十分で、番号にダ
イヤルする必要があるということです。それも装置のスイッチをた
だ入れるだけでなく、装置にチューニングしている人とつながる意
図を持たなければなりません。つながろうとしている人を明確にイ
メージすることは、その人の個人的な周波数信号にダイヤルするの
と同じことです。これは量子テクノロジーです。

◆チャネリング
ここまでで、この装置が持つ本当の力を把握できたかと思います。
同時に、間違った使い方をすれば、いかに危険であるかも理解でき
るはずです。あるとき、私は、当時明かしてはいけない情報を、他人
に話してしまったことがありました。その瞬間、装置が起動するの
を感じ、頭に霧がかかったような状態になってしまいました。そし
て、話ができなくなってしまったのです。自信に満ちた口調で話して
いたにもかかわらず、突然、言葉が出なくなってしまいました。声
さえも出なくなり、頭の中も記憶も、一時的に真っ白になってしま
かたく
いました。その間、私は、頑 なにその状態に抵抗していました。私
は「動けない」状態にされたのです。そして、抵抗するのを諦めたと
たん、すべてがストップし、元の状態にスイッチが切り替わりまし
た。それは、文字通りスイッチのようでした。これらの装置には、
あなたの体や心さえも遠隔操作できるテクノロジーが入っているの
です。それが悪の手に渡れば、どんなことになるか想像してみてく
ださい。この遠隔操作は、監視したり、通信機として機能したりす
るだけではありません。このテクノロジーは、物理的なコントロー
ルを遠隔で行えるので、従来のチャネリングと間違われることが非
常に多いです。でも、実際は違います。外から見ると同じように見え
ても、別のものです。チャネリングとは、宇宙人やその他の存在によ
ひよう い
って、一時的に体に憑 依 されている状態です。ちなみに、その存在
というのは、人工知能であったり、幽霊であったり、良い存在から
悪い存在までいます。そして、残念なことに、世の中には極悪な存在
がいるのです。

宇宙人と通信するために、宇宙人のインプラント装置は必要あり
ません。スピリットや幽霊にも言えることですが、なかには「憑
依」という方法で、体を支配してしまうほど強力な存在もいます。こ
れには、そうなることへの同意が必要になります。そして、恐怖もま
た、同意の一形態であることを心に留めておいてください。「チャ
ネリング」という言葉に、恐怖心はあまり感じないかもしれませ
ん。しかし、ある存在がほかの存在の体の中に入り込んでしまうの
で、憑依と同じプロセスを伴います。

たまたま、番組を運営している友人の依頼で、私の上半身を遠隔
操作できる機能を何度か使ったことがあります。人々が私を通して
直接質問できるようにしたのです。それは「チャネリング」と言わ
れましたが、実はそうではありません。ソーハンは軌道上のステー
ションにいて、私は彼に、その装置で私の頭と首を遠隔操作するこ
とを許可しました。これは量子テクノロジーを使った技術的な操作
です。彼は軌道上のステーションにいて、私は地球上のステーション
にいました。それぞれが、お互いに接続し合った状態で、彼に私の
頭と肩を遠隔操作してもらったのです。この間、私はずっと意識を
保っていて、いつでも簡単にコントロールを取り戻すことができる
状態でした。目を閉じると、彼が見ているものが見え、聞いている
ことを聞くことができました。また、彼が私の声を通して話しなが
ら、私の上半身をコントロールしている間、テレパシーで会話し続
けることができました。面白いことに、エガロス族のアナックスと
は、この遠隔操作の技術を何度も使いました。この種族は、私たち
とは異なる解剖学的構造を持っています。彼らの体型は、背が高
く、細身で、首が長く、頭部が大きいのが特徴です。アナックスが私
の上半身を遠隔操作するときの感覚は、人間であるソーハンが行う
ときとは違うものでした。

アナックスは、口の中を加湿する必要がありません。そのため、
彼が私を遠隔操作しているときには、口を潤す必要を感じませんで
した。結果、私の喉はとても乾燥した状態になってしまいました。
首を動かすのにも少し違和感がありました。実は、すべてが初めて
の体験で、何が起こっているのかもわからないまま、ものすごいス
ピードでステージの前まで駆けていったのです。私の願いは、ただ
仲間を喜ばせたい、世界中に魔法を伝えたいという純粋なものでし
た。とはいえ、最初はソーハンも礼儀を重んじて、親切心から協力
してくれたのですが、この番組にはすぐに終止符が打たれました。
それは、大きく3つの理由からでした。1つ目は、私がこのような
形で一般の人々を楽しませることに違和感を覚えていて、彼もそれ
を知っていたこと、2つ目は、多くの質問が彼の時間を無駄にして
しまったこと、そして何よりも、3つ目は、番組のキュレーターに
よって収益化されるようになり、そのことで私がどんどん不快な気
持ちになっていったことです。これは目覚めの信号で、番組が終わっ
あん ど
たことに心から安 堵 しました。

◆テレパシー
テレパシーは、インプラント装置の有無に関わらず使うことがで
きます。しかし、より安定した通信のためには、インプラント装置
を使用するのが一般的です。テレパシーには、「マインドメルト」
と「マインドトーク」という2種類の方法があることを知って私は
驚きました。その違いは、例えて言うなら、2つの異なるラジオの
チャンネルのようなものです。マインドメルトは、思考を親密に接
続させるもので、読心術に似た方法です。お互いが接続されると、お
互いの心の中がすべてわかる状態になります。精神的なシールドが
ない限り、マインドメルトは非常に遠い記憶まで探ることができる
のです。この方法は一般的な通信には使われません。プライベート
な場でない限り、銀河連合の規約で使用が禁止されているからです。
マインドメルトは愛の営みや、囚人の心を調査してデータを取り出
すときなど、特定の場面のみに行われます。また、2人の間に十分な
信頼関係があり、大量の情報を素早く共有したいときにも使われる
方法です。ソーハンと私は、話に時間がかかりすぎるときに、マイン
ドメルトを使うことがあります。マインドメルトを使うと、話の内容
だけでなく、ビジョンやにおい、音も一緒に感じることができるの
です。

マインドトークは、これとは違う方法です。マインドトークは、
記憶を司る思考の周波数とは関係のない別の脳波の周波数で通信が
行われます。
これは、銀河連合の大多数の種族の間で使われているもっとも一
般的な通信方法です。社交の場では、言葉を話すことによって、マイ
ンドトークの力が倍増されます。例えば、物理的に話しかけてくる
人がいたとして、耳でそれを聞きながら、同時に、自分の頭の中で
その人の声を聞くことができるのです。最初は少し違和感がありま
すが、比較的すぐに慣れてきます。
マインドトークでは、マインドメルトと同じように、ビジョンや
感情を受け取ることもできます。直接テレパシーで行うこともあれ
ば、インプラント装置を通して行う場合もあります。私とソーハン
は、独自のコミュニケーション方法を編み出しました。彼が伝えた
いことを、私が彼の目を通して見たり、私が伝えたいことを、彼が
私の目を通して見たりするという方法です。ソーハンがどこにいた
としても、その場所で見ているものを私に見せたいと思ったら、彼
はまず、テレパシーで私にコンタクトをとって、目を閉じるように伝
えてきます。目を閉じると、まぶたの裏側には、彼が見ているものが
映像として映し出されるのです。逆に、私が彼に何かを伝えたい場合
も同じようにできます。さらに、テレパシーでお互いがつながってい
るときは、相手が聞いているすべてのことを、自分も聞くことがで
きます。遠隔透視の実況中継と同じような形で、それぞれの周囲の環
境のビジョンを受け取ることができるのです。遠隔透視に関して補
足すると、銀河連合やその他の軍事に関係する構造物には、宇宙船
や施設の周りにスクリーン・シールドと呼ばれるものが置かれてい
ます。これにより、第三者による不当な侵入を防いでいるのです。ス
クリーン・シールドとは、偽の現実を投影するホログラムのことで
す。これは、侵入しようとするスパイを欺くためのものです。

◆ホログラム
私が個人的なプロジェクトの一環として、ある存在にインタビュ
ーできないかとソーハンに尋ねたとき、彼はこの方法を教えてくれ
ました。そのプロジェクトは、危険な存在との対話を伴うもので、
物理的であれ、テレパシーであれ、私が彼らと直接コンタクトをと
ることにリスクが存在するのは、疑いようのない事実でした。そこ
で、ソーハンが見せてくれたのが、彼らと間接的に会話できるホロ
グラム装置だったのです。その装置は、半透明の小さなピラミッド
型の物体が、4枚のホログラムパネルの中に入っていて、スイッチ
を入れると展開される仕組みになっていました。私は、ソーハンと
テレパシーでつながり、彼のマインドにチューニングされたこの装
置を通して、ソーハンを経由しながら、私のホログラム映像と音声
を相手に送信します。そして、ソーハンの視覚と聴覚を通して、彼の
目の前にいる生物が見え、彼らが私に答えるのが聞こえます。

この方法は、コンタクトをしている間、自分でメモを取ることが
できるので、かなり実用的なのです。

◆ハートのつながり
強い感情を共有し合う者同士の間には、ハートとハートの結びつ
きがあります。ソーハンと私、そして、私がエガロスの父と呼んでい
るアナックスと私の間にもハートの結びつきがあります。それは、
純粋な愛を媒介として、意識から意識へと情報を共鳴させる量子の
つながりと言えるかもしれません。愛の周波数で、魂から魂へとコ
ミュニケーションできる何よりすばらしい方法です。このコミュニ
ケーションほど、安全で、強力で、周波数の高いものはありません。

◆物体移動
物理的なコンタクトをする場合、地上から宇宙船まで体を移動さ
せるために、2つの方法があります。それは、テレポーテーションと
反重力ビームです。テレポーテーションとは、基本的に量子分子を
転送させることを言います。ある場所から消えて、別のどこかの場所
に現れるというものです。これとは違い、反重力ビームは、宇宙船
から対象に向かって大きな光線が投射され、この直線的な空間を通
って物体が移動するのです。反重力ビームは、宇宙船の方向へ体を
引き上げることができます。このプロセスでは、非常に驚くべきこ
とに、邪魔になる固体の障害物を取り除くことができます。これによ
り、宇宙船に転送されるときは、屋根や壁、閉め切った窓などを通
り抜けて、対象を引っ張り上げることができるわけです。この不思議
ま ひ
なビームに乗っている間は、面白いことに、感覚が麻痺 しているよ
うに感じます。個人的には、私はテレポーテーションのほうが好き
です。そのほうがトラウマにならないからです。反重力ビームの場合
はめまいがするのですが、テレポーテーションなら5秒以内で転送
が済むのです。フワフワした揺れだけを感じ、大きな閃光で一瞬目
が見えなくなりますが、すぐに戻るので問題ありません。

◆光の伝達共鳴
この話も非常に興味深いので、人に話すといつも感激されます。事
態の推移と戦争の激化に伴い、物理的な体の移動は危険を伴うよう
になりました。体を移動させるには、ソーハンの宇宙船が地球の下
層大気圏にまで降りてくる必要があるからです。その代わりに、量子
共鳴を利用して私のライトボディ(アストラル体)を、直接、軌道
上のステーションに転送することにしたのです。この転送では、低
密度の存在からはアクセスできない高い周波数のチャンネルを使用
します。そのため、テレポーテーションよりも安全です。直線的な空
間を通る物理的な移動ではなく、アストラル体の量子テレポーテー
ションです。ソーハンはこの技術を「光の伝達共鳴」と呼んでいま
す。訓練されたシャーマンである私にとって、自分の体を安全な状態
に確保しながら、ライトボディを切り離すことはとても簡単です。
あとは、ソーハンが、危険の及ばない彼の宇宙船へと転送してくれ
るのを待つだけです。これは、物理的なテレポーテーションのよう
に感じられますが、それほど強い感覚はありません。目的地のアン
カーポイントに触れると、私はエーテル体として留まることができ
ますが、楽しい経験ではありません。
ソーハンの調整のおかげで、ライトボディの光の粒子を適切な環
境に合わせて高密度化し、一時的に物理的な存在として実体化でき
るようにもなりました。私の存在の粒子は、フォースフィールドに
よって安定します。そのため、宇宙船を訪問する間、私は物理的な
体験が可能になるのです。特殊なスーツと茶色のベルト、黒いブーツ
にもこのような設定がされています。そのスーツは、クリアブルー
の素材でできていて、肩と腕に茶色の二重ストライプが入っていま
す。
茶色のベルトは、種族ごとに色が違っているのですが、皆、似た
ようなものを着けています。これは密度周波数安定装置です。私の髪
は、いつも自由に宙に浮いていて、自然な色合いに見えています。化
粧やネイル、ジュエリーなどは、生体の一部ではないので転送され
ません。ただ、ジュエリーに関しては、非常に高速で振動するクリ
スタル製のバングルと、私が持っているマカバの形をしたクリスタ
ルだけは転送されます。また、私はいつも30代くらいの年齢で実体
化するようです。最初は驚きました。ソーハンの説明によると、「肉
体のアバターが老化したり衰えたりしたとしても、それを宿す存在
の外見には影響がない」とのことでした。

フォースフィールドの抑制によって、滞在時間に制限があるとき
には(私が疲れると、フォースフィールドが弱まって高密度を保て
なくなります)、移動できる距離にも限界があります。実際、地球
に残っている自分の肉体アバターとのつながりを断ち切らない限
り、私が行ける範囲は限られているのです。地球の一部の文化では、
これを「シルバーコード」と呼んでいます。このコードは無限に伸
ばすことはできません。もし切れてしまったら、魂は肉体に戻って
くることができなくなります。これは臨床的な死を意味します。

ある日、ソーハンの宇宙船に乗り、太陽系の外れに差し掛かった
ときのことです。その日、彼は私に海王星を見せたいと言っていま
さ まつ
した。こうしたすばらしい瞬間は、ときに些末 な現実を忘れさせて
しまうのです……。その後、彼は、冥王星の軌道に向かって宇宙船
を進めました。すると突然、私はめまいと吐き気を覚え、前進する
につれてその感覚が増していきました。指先がしびれ、唇がピリピ
リしました。まるで低血糖症になったような感覚でした。胸が圧迫
されて、息が切れそうでした。ソーハンは、すぐに問題に気づき、即
う かい
座に宇宙船を地球に戻すよう迂 回 させました。
「君はもう限界だ」
と、彼は私に言いました。そして、再び地球に近づくと、その症状
は消えていきました。この経験から今の私は、この方法を使ったと
きに、肉体のアバターを殺さずに、自分が行ける距離の限界を知る
ようになりました。

◆光の宇宙船
この技法は、親愛なるアナックスから教わったものです。彼は異
次元旅行をしているのです。光の宇宙船は、距離、時間、次元を超
越して、コズミックウェブを滑走したり、ショートカットしたりし
て空間を飛び越えることができます。アナックスたちが「エッセン
ス」と呼んでいるもの、つまり意識を運ぶことができるのです。こ
れから説明するように、意識の旅は距離に制限がありません。これ
は、ライトボディや「アストラル」トラベルとは対照的です。光の
宇宙船は、あなたのエネルギーの数学的パターンに対応して生成さ
れ、どんな幾何学的な形になることもできます。ここからは、光
(または「神聖」)幾何学、あるいは「動的」幾何学の分野の話に
なります。

光の宇宙船は、エネルギーフィールドで構築される個人的な乗り
物で、マインドを使って動かします。純粋な光/生命のエネルギーで
構築された場合、幾何学的な形状は発電機となり、ときにはポータ
ルとなります。

◆意識の投影
この方法には、宇宙船もテクノロジーも必要ありません。物理
的、あるいはエーテル的な距離の移動もありません。これは意識の
投影であり、遠隔透視と呼ぶ人もいます。意識を対象に定めること
や、量子共鳴によって起こるのです。ときには、美しくすばらしい探
検と発見の旅になることもあります。これを教えてくれたのは、ダ
クーラ出身の第9密度プレアデス人、コロンでした。最初は、彼に
連れられて行きましたが、何度かやっているうちに自信がついて、
1人でこの種の旅をできるようになりました。遠隔透視に限界はあ
りません。ある日、広い宇宙を漂いながら、外からこの壮大な銀河
系を眺めている自分に気がついたのです。

そしてここからは、この旅がどのように行われたかをわかりやす
く説明するため、まずは私の体験談をご紹介します。
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私の人生における何よりすばらしい贈り物は、宇宙船のパイロッ
トと知り合えたことです。幼い私を救ってくれたソーハン・エレデ
ィオンは、銀河連合に所属し、15隻の船団を率いています。ニュー
エイジ系のSNSチャンネルをフォローしている人は、「光の銀河連
合」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。ですが、実は
そのような名前の存在はありません。「Oraa Nataru Shari」という名
の存在を、ただそのように解釈しただけです。彼らは銀河系の平
和、正義、均衡を保つことを目的に、はるか昔に作られた高度な文
明の連合体なのです。銀河連合には、この星系における主要な任務
があります。地球外からやってきた種族による地球社会の破壊につ
いて、テラン(地球人)の意識を高めること、そして、これらの敵と
連携する腐敗した組織を摘発することです。ほかにも、地球外生命体
の脅威と侵入を監視すること、マインドコントロールの解除、拉致
された人々の救出など、多くの善意の活動を行っています。
彼らは、この銀河の外れにある小さな青い惑星、地球に注目しま
した。というのも、直ちに支援しなければ、破滅的な未来が訪れる
と、アンドロメダ評議会が予見していたからです。それ以来、銀河連
合は、私たちを致命的な状況から回避してくれています。例えば、
ミサイルや核兵器の無効化などです。しかし、自己の成長と意識の
進化だけは、彼らが代わりにできることではありません。彼らの誉
れ高き不干渉の法は、単なる規則ではないのです。自由意志を尊重
する倫理なのです。いかなる文明も存在も、より高い意識レベルに到
達することによって、自らを進化させなければなりません。それ
は、ほかの誰かが代わりにできるものではないからです。彼らは私
たちを救うためにここにいるのではなく、私たちが自分自身を救う
ことをサポートするためにいるのです。

彼らが物理的に介入すれば、1日で地球上の悪を一掃することも
できます。しかし、それをしてしまったら、地球人類は教訓を学び
成長することができなくなりますし、子供が成熟するまで、宇宙は
さらなる試練を与え続けることになるでしょう。また、地球という
惑星を戦場に、退行的な異星人との戦争をおおっぴらに始めてしま
ったら、地球に壊滅的な打撃を与えることにもなります。

銀河連合の人々は、勇敢で献身的な名もなき英雄であり、有害な
地球外生命体の脅威から私たちの惑星を守るために戦ってくれてい
ます。彼らは、物理的に、多くの政府の“ホワイトハット”と関わり、
地上、地下、上空で、ディープステートを撃退しています。私たちは
戦争のさなかにいるのです。これは、恐ろしい戦争です。人類の自由
にとって最大かつ最後の戦争です。ですが、幸運なことに、彼らのよ
うな強力な同盟者が私たちの味方をしてくれています。彼らは異次
元テクノロジーを持った、現実にいる物理的存在です。彼らは、人
類の意識を上昇させることにも取り組んでいます。銀河連合は、文
明が連合した物理的な同盟として実在します。空に浮かぶ光の存在
による霊的でスピリチュアルな組織ではありません。彼らは私たち
と同じような生物ですが、別の場所で生まれ、別の外見を持ち、異
なるテクノロジーを使っているだけです。私たちが、自分を劣った存
在とみなし、神々を崇め、足元にひざまずいて崇拝することを、彼
らはまったく望んでいません。今こそ、地球人が自分の足で立ち上
がり、主権をもって、銀河系や異次元の存在として成熟し、宗教
的、社会的、政治的、あるいは霊的な面で、自分が劣っていると考
えるのをやめるときなのです。

ソーハンは、このすばらしい銀河の機関で働いています。私は16
歳のときから、彼の宇宙船の副操縦席に座らせてもらっています。
これは「拉致」でなく、「招待」と呼ぶべきでしょう。最初は、私
を楽しませるための一種のゲームのようなものでしたが、私が時空
連続体の深遠な概念を理解できるようになると、彼はさまざまな制
御コントロールの使い方を教えてくれるようになりました。ソーハ
ンは、私が純粋に驚いている様子や、常に新しいコマンドを試そう
と興奮する様子を面白がって見ていたようです。もちろん、不幸な
事態を避けるため、この席はメイン制御からは切り離されているこ
とが大半でした。この機体は、非常に繊細なのです。

フロントパネルには各種モニターがあり、2つのパイロット席の
肘掛けの中に、主な操作制御が組み込まれています。モニターはホロ
グラムで、スイッチを切ると単なるガラス板のように見えます。これ
は、思考によって作動するのです。もし、私が、偵察船を大まかに
(非常に危険ですが)操縦できたとしても、起動したり、停止した
りすることは決してできないでしょう。なぜなら、パイロットの思
考によって作動するからです。実際、銀河連合の軍人は皆、頭にイ
ンプラントを埋め込み、さまざまな乗り物や装置に接続できるよう
にしています。宇宙船は、船長と副操縦士の特定の脳波にのみ反応
します。彼らは、宇宙船の中枢部の周波数にチューニングできるの
です。「信じられないかもしれないけど、この宇宙船は生きているん
だ」と説明を受けました。人工的に生きている物質という概念を理
解するのは、最初は少し違和感がありました。人工知能という言葉
を耳にしますが、私たちがそう呼んでいるものは、実際には生きて
はいないし、現在の私たちが持つ最高レベルの技術を投入した装置
を製品化したものにすぎません。ソーハンは以前、これについて、
とてもシンプルに説明してくれました。「地球で人工知能と呼ばれ
ているものが、次のレベルにアップグレードされて、基本的な意識
を持つようになったと考えてみて」。

これらの宇宙船は生きた合成素材で作られており、パイロットの
マインドに反応し、意識から意識へ伝わります。宇宙船とパイロッ
トがお互いにチューニングすると、お互いのマインドがつながり合
うのです。なかには、パイロットのDNAと一致する特殊な宇宙船ま
であります。宇宙船に意識を組み込むなんて、まさに「度肝を抜かれ
る」という表現がぴったりです。思考によって宇宙船を操縦するた
めに、パイロットはまず、2つの座席の間にある中央のパネルに座
標を入力し、目的地を設定します。そして、六角形のパッドの上に手
のひらを置いて、「共鳴トラベル」と呼ばれることをします。これに
より意識によって駆動する基本的な量子力学的な跳躍(クォンタム
リープ)が起こるのです。私は「駆動」という言葉を使いましたが、
それは「動力」とはまた別のものだからです。
ここまで、ナビゲーションについて話をしてきました。しかし、
まだ、これらの宇宙船がどうやって動力を得ているのかについて話
していません。もし、これらの船がホログラムや電子制御装置、あ
るいは意識によって駆動されているとしたら、その動力は、もちろ
んパイロットのマインドでもなければ、航海計器でもありません。
それらとは別のものです。彼らの技術は、それがどんなものであ
れ、すべてが「フリル」と呼ばれるものによって動力を得ていま
す。「フリル」とは、宇宙のあらゆる場所に存在する普遍的な力の
ボ イ ド
ことです。それは、宇宙の巨大空洞(超空洞 )にさえも存在してい
ます。宇宙空間でそれを採取して、地球では知られていない特殊な結
晶に貯蔵し、あらゆる動力源として利用することができます。私は
いくつかの宇宙船のコアエンジンを見たことがあります。宇宙船の
大きさやモデルによっても異なりますが、約1.5~1.8メートルの広
さ、2.7~3.6メートルの高さの大きなシリンダーです。このシリンダ
ーの内部には、オレンジがかった黄色(ときには青や緑)の発光コ
イルで動くプラズマのようなものが入っています。また、これらの
宇宙船は密度を変化させ、「遮蔽」技術によって姿を見えないよう
にすることができます。このトリックは、宇宙船の外装の振動周波
数フィールドをわずかに上昇させることによって行われます。興味
深いことに、湿った大気環境では結露が発生し、それが空飛ぶソー
サーのような形をした雲の幻影を作ることがあります。これはもち
ろん、地上にいる発達初期の人々を騙すためのものです。イオン化
は、宇宙船に動力を与えるもう1つの方法です。船の前に、ある種の
空洞を作ることによって、目的の方向へホバリングします。また、私
たちがワームホールと呼ぶ、次元間のボルテックスも使います。ワ
ームホールは、特異性や抜け道をもたないブラックホールだそうで
す。銀河連合の偵察船(一般に空飛ぶソーサー型)は長距離の共鳴
移動には適していません。そのため、通常は、長い円柱状か巨大な
円盤状の母船の形をした大型貨物船で輸送されます。あくまで一般
的な話ですが、巨大で長方形の船はレプティリアンで、三角形のも
のはグレイ(鋭角の巨大な黒い三角形)か、地球米軍(小型で銀色
の金属製、角が丸い三角形でエンジン音がする)のどちらかと言え
ます。また、銀河連合のものでない円盤状の貨物船や母船もありま
す。なぜ私が、ここでこの話をしたかと言うと、三角形や長方形のよ
うな宇宙船を目撃したら逃げてください、と伝えたかったからで
す。

思考ナビゲーションに話を戻しますが、私が初めて試みた体験
は、完璧ですばらしいものとは言えませんでした。あの夜、インプ
ラント装置の周波数を偵察船のナビゲーションシステムにチューニ
ングした後、彼は偵察船を私に操縦させてくれました。ソーハンは
少し興奮しすぎていたのかもしれません。私も興奮しすぎてしまう
ことがあります。もちろん、この状況で興奮しない人はいないでし
ょう。一度、宇宙船の中枢にチューニングしてしまえば、どこでも
自分が行きたい場所へ行けるようになります。それには、本当に集
中力が必要とされます! 地球からそれほど離れてはいなかったの
で、最初の1分間はうまくいっていたのですが、火星が見えてきた
ことに気づいたとたん、私は思わず「なんということなの! あれ
が火星?」と、叫んでしまいました。
ここで第一に伝えておきたいのですが、この船は本当に速いので
す……。そして第二に、ソーハンの反射神経はすばらしいものでし
た! その日、私は墜落しそうになり、火星をとても間近に見るこ
とになってしまいました……。おそらく私が、宇宙船の免許を近い
将来、取得することはないでしょう! 太陽系での無謀な操縦が原
因で、電気やホログラムのナビゲーション制御を除き、私はもう何
も触れてはいけなくなりました。ただ、偵察船に乗せてもらうだけ
です。ソーハンのすばらしい艦隊司令船では、こんなことは絶対に
起こりません。
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年 月の静かなある日、私はソーハンに誘われ、急な宇宙飛
2020 10
行をすることになりました。光の伝達共鳴によって、私は、彼の司
令船の貨物室で、プラズマコアエンジンを囲んでいる大きな中央の
柱ユニットの隣に姿を実体化させました。周波数を合わせるのに数
秒かかり、数分間は頭がくらくらしたままでした。体にかなりの衝
撃を感じました。冒頭で詳しく説明しましたが、光の伝達共鳴とい
う方法でエネルギーを送信すると、私の肉体は地球に残り、ライト
ボディだけが転送されます。目的地に着くと粒子が再構成され、そ
の周波数に適応して物理的な形をとるのです。物理的な体を含めて
テレポートする場合とは異なり、周波数ベルトを腰に巻く必要はあ
りません。体の粒子が実体化する間、ドアがスライドする音と誰か
が近づいてくる音が聞こえました。私が一歩踏み出すと、ソーハン
が私を抱きかかえてくれたので、つまずかずに済みました。彼の大
きな青い瞳は喜びに輝いていました。
「ここはどこなの?」
私は弱々しく尋ねました。
「木星に向かうんだよ。来て。見せてあげる」
彼について管制室に行くと、中央のスクリーンには、オレンジ色
の丸い巨大な惑星の湾曲部分が映し出されていました。ソーハンが
訪れているのは、アシュタール司令部の名で知られるアシュケライ
(シリウスB)軍の前哨基地に間違いないとわかりました。彼は、定
期的にこの場所を訪れ、一部の将校と作戦の調整について話し合っ
ているのです。
「一緒に行っていいの?」
と、半信半疑で聞いてみました。
「大丈夫、一緒に行こう。もし問題があれば、セラディオンが連れ
戻してくれるよ」
ソーハンはそう答えました。

その瞬間、長いストレートの金髪に、いつもの明るい笑顔をたた
えた若いプレアデス人のパイロットが、座席から私に手を振ってい
るのに気がつきました。
「あら、セラディオン!」
と、私は声を上げました。
「お元気ですか?」
「いつも元気ですよ!」
「昨年、レプティリアンに連れ去られたとき、命を救っていただい
たこと、改めてお礼を伝えたいと思っていたの」(2019年に私がナ
ーガ族に拉致されたエピソードは、私の著書『110の宇宙種族と未知
なる銀河コミュニティへの招待』に詳しく書かれています)。
「あのときは、ソーハンが僕たちを送り込んだのです」
「そうであっても、あなたが私を救ってくれたことに違いないわ。
ありがとう。あの日、私はきっとすごく怖い目に遭わされていたと
思うの」
ソーハンが私の腰に腕を回し、彼の近くに引き寄せられる感覚が
ありました。そして、彼は耳元でささや
囁 きました。
「木星の軌道に近づいたら、君が言うこと、考えることは、すべて
監視される。だから、もし何か言いたいことがあるなら、今のうち
に言って」
彼のメタリックブルーの瞳を見つめると、そこには、無数の星が
きらめく彼の魂が見えました。彼の腕の中なら、たとえ宇宙が崩れ
て消え去ったとしても、私は安全で、心が休まる感じがしていまし
た。何も話す必要はありませんでした。彼は私の心の内を知ってい
たし、私も彼の心の内を知っていたからです。私にとって何より重
要なのは、彼がそばにいること、そして貴重な時間を一緒に分かち
合うことだと、ソーハンはわかっていました。そのおかげで、私は
この星の下で生き、やるべきことを進め続けるための勇気を与えら
れているのです。彼は私に微笑みかけてくれました。そして、テレパ
シーでこう伝えました。
「下に降りたら、もうこれ以上、個人的な思考はしないように」
その目はしっかりと私を見据えていました。
「できるかな?」
「あなたの近くにいなければね」
と、私は答えました。
ソーハンの笑い声が機内に響き渡りました。宇宙船は木星の大規
模な乱気流に入り、イオンのシールドが上がって視界が変化してい
ました。それでも、外側のイオンフィールドの眩しい明るさの向こ
うには、巨大で薄気味悪い雲、煙の渦、暗く深い大気の渓谷を想像
することができました。このときは、ソーハンの宇宙船に乗った中
でも、いちばん恐ろしい旅でした。まるで、嵐の海を渡る小舟に乗
ったような気分です。でも、私たちの船は完全に安定していて、外の
世界は、まるでスクリーンに映画が映し出されているかのようでし
た。ですが、実際はそうではありません。制御盤からパチパチと変
なロボット音が聞こえ、聞いたこともないような変わった言語でセ
ラディオンが応答しました。
「アシュケラ人だ」と、ソーハンはテレパシーで応答しました。彼
らは私たちの宇宙船をスキャンしており、私たちが誰であるかを知
りたがっていたのです。彼らは、アナックスのインプラント装置を
感知したのです。
それは、私が前著を執筆していた頃、守護者であるエガロス、ア
ナックスが、私の同意を得た上で、片方の肩に装着した装置でし
た。このインプラントは、私の安全を図るために、エネルギーのバ
ランスを調整し、高い周波数に保ってくれるものです。エーテルや
AIから攻撃を受けた場合、この装置はアナックスに警告を発しま
す。ある晩、アナックスは、私の寝室に来てベッドの端に座り、いつ
ものように愛に満ちた輝きで微笑みました。彼は私の前腕にそっと
手を置き、この装置の提供を受けることに同意するかどうか、私に
尋ねました。私はもちろん、「はい」と答えました。すばらしい特
権だと思ったからです。私が横向きになると、アナックスは私のパジ
ャマのシャツを持ち上げました。そして、ポケットから平たい長方
形の物体を取り出し、私の皮膚に当てたのです。彼が言っていた通
り、私は何も感じませんでした。それを取り除くと、三角形の形を
した3つの赤い印が見えました。アナックスの説明によると、これ
は非常に高い周波数のトラッカーを埋め込むための三角網なのだそ
うです。これは5種族評議会が使っている技術で、目に見えてわかり
やすいものです。3つの点は、トラッカーの物理的なアンカーで、三
角形の真ん中は、より高い密度で振動しています。アナックスが私
をチェックするとき、私はその場所にかゆみを感じます。
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ソーハンの傍らで、木星の大気圏に降下しながら突入するのを見
守っていた私は、全身に寒気を覚えました。これから先、私の思考
はアシュタール司令部のセキュリティシステムによって監視される
ことになるからです。私は深呼吸をしました。準備はできていまし
た。少なくとも、そのつもりでした。
「心配しないで。私と一緒にいるのだから」
と、ソーハンは驚くほど落ち着いた様子で言いました。
下降は果てしなく続くように思えました。恐ろしい大嵐と激しい
風、荒れた巨大な雲を横切りながらも、宇宙船はスムーズに安定し
て進んでいました。やがて濃い黄土色の霧の中に、アシュタール前
哨基地の建造物の姿が見えてきました。この基地は、ソーハンとテ
レパシーでコンタクトしているときに、すでに何度か見たことがあ
りました。しかし、今回実際に行ってみると……ひどく恐ろしいも
のでした。ただの軍事施設ですが、その評判はよく知られていま
す。
巨大なドームに守られて、キラキラと輝く道路や橋、建物が広が
る木星の都市は、広大な土地に広がっていました。その正体は、銀
河連合から太陽系の防衛要請を受けて、はるか昔に降り立った宇宙
船でした。アシュタール銀河司令部は、レプティリアンに侵食され
てしまったアシュタール同盟から分離したグループです。彼らは、
この銀河の平和維持を公約したシリウスBの反乱独立傭兵軍団でし
た。私たちの宇宙船は、銀色に輝く塔の間を滑り抜けながら、高層
ビルの高さから一気に下降し、トンネルの入口に吸い込まれるよう
に入っていきました。紫色のネオンのような蛍光灯が両側に点滅し
ています。やがて、船は発着場に出ました。その奥には、ほかの車
両が整然と並んで駐車しています。ソーハンは、私にウインクし
て、管制室から出るよう促しました。セラディオンに続いて、私た
ちは3段の狭い階段を下り、メインの気密式出入口に通じる環状の
中廊下を通り抜けていきました。目の前にスライドドアが現れて開
きました。私たちが通り抜けたとたん、そのドアは背後で消え、ま
た壁に戻りました。この宇宙船が生きた素材で造られていることを
私はいつも忘れてしまいます。壁や布が自在に開閉するのを見るた
びに、彼らの卓越したレベルの分子技術を思い知らされます。スロ
ープがすでに配備されており、私たちはそれを歩いて降りました。
冷たい空気が肺に流れ込んできたので、私は身震いしました。咳き
込んだ後、大きく息を吸い込むと、気圧の変化に体が素早く順応し
ているのがわかります。耳鳴りがしましたが、リラックスしている
とやがて和らいでいきました。地球から遠く離れた未知の脅威を感
じる場所で、ソーハンのしっかりとした温かい手は、海の中で唯一
私がつかまることができるブイのように感じました。未知の世界
は、美しいだけでなく、脅威を感じるものでもあります。寒さより
も緊張のために、私は少し震えていました。金属製の手すりが付い
た長方形の板状の乗り物が、宙に浮いた状態で私たちを待っていま
した。その乗り物は、地球の空港にある荷物を運ぶ電動コンベアを
想像させるものでした。私たちは、その乗り物に乗りました。ソー
ハンが私の腕をしっかりとつかんで、彼のそばに私を引き寄せまし
た。なぜそうしたのか、最初はわかりませんでした……ですが、突
然、乗り物がロケットのようにすごいスピードで突き進みだしたの
です。私は小さな叫び声をあげて、後方に投げ出されそうになりま
した。幸いなことに、ソーハンの制服の生地はしっかりしていたの
で、つかまって落ちずにすみました!
セラディオンは、長い金髪を優雅に風になびかせながら、私に笑

いかけました。ソーハンは、笑いをこらえるために唇を嚙 んでいま
した。猛スピードで階下につながる廊下を下りていくと、光に満ち
た大きくて見事なホールにたどり着きました。その高層の建物は、
ガラスと金属でできていました。壮大な場所です! 本物の都市で
す! 私は、巨大な出窓の向こうに広がる景色に目を奪われまし
た。木星の雲が、ダンスをしているように勢いよく渦を巻いている
のが垣間見えたからです。まるで、雷鳴轟く大空の下、雲海に浮か
ぶ大きな船の中にいるような気分でした。ソーハンが私の手を握り
しめるのを感じました。
「さあ、急いで。司令官が待っているよ」

ソーハンは急 かした口調で言いました。

私は彼についていきましたが、夢の中をさまよっているような気
持ちでした。ホールには、重力の法則に逆らったさまざまな優美な
建造物のユニットが置かれていました。私は、スライド式の自動階
段に足を取られそうになって、ソーハンの袖をつかんでバランスを
取りました。ほかの人たちは、落ち着いて堂々と移動していたの
で、どんなにか不器用に見えたことでしょう。それから私は、多種
多様な人種がいることに気がつきました。まるで、私が書いた本の
ようでした。私は、そのほとんどの人種を識別できたので、興奮し
て胸がドキドキしていました。固い地面に降り立つと、制服を着た
背の高い金髪のショートカットの男性が、こちらに近づいてきまし
た。ほかの仲間が胸に手を当てて、彼に頭を下げているのを見て、
私も真似をしました。ソーハンが会いに来たのは、おそらくこの将
校なのでしょう。なんてワクワクするのかしら! 突然、私は頭部
に冷たい風を感じました。この男性が、テレパシーで私の心を探っ
ていたのです。彼は、私が何者なのか不思議に思っているようでし
た。私はなんだか怖く思えました。ソーハンは、アシュタール将校
とテレパシーで会話を交わすと、優しい笑顔で私に話しかけまし
た。
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「私は彼と一緒に行く必要があるんだ。セラディオンが面倒を見て
くれるよ。また後でね」。そう言ってウインクをしながら、彼はく
るりと向きを変えて、将校の後を追っていきました。セラディオン
が、私の肩に優しく手を置いてくれました。
「さあ、向こうで待とう」
私は、若いエラヒル族の友人についていき、半透明の大きな階段
を下りて下の階に行きました。ホールの一面は広く、高い所に出窓
があり、私はその内側と外側のコントラストに魅了されていまし
た。オレンジ色の空の下、灰色の雲が建物の構造体を撫でるように
流れていて、とても魅力的でした。私は言葉を失っていました。セ
ラディオンは、ガラス窓に寄りかかり、私のそばで物思いにふけり
ながら、荒れ狂う木星の宇宙を見つめていました。
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遠くから声がして後ろを振り返ると、ホールの中には、さまざま
な仕事に従事する人たちが歩いているのが見えました。空港のター
ミナルのような奇妙な場所に、あらゆる種類の生物がいたのです。
ヒューマノイド、背の高いグレイ、低いグレイ、見たことのない種
族まで……。私はそのうちの何人かを見分けることができました。
プロキオン出身のギヌボ、くじら座タウ星出身のエマザー、プレア
デス出身のエラヒル、シリウスAとB出身の三角形の顔をした背の低
いアシュケライなどです。私は、動きが遅くて背の高いグレイの名
前を思い出そうとしていました。アシュタール銀河司令部隊は、銀
河連合のミニチュア版のようなものでした。ソーハンの軌道上ステ
ーションには、同じように多種多様な銀河の種族がいて、ここより
もさらに多くの種類を見ることができます。セラディオンのエネル
ギーが急に緊張してくるのを感じました。制服姿のとても背の高い
金髪の女性がこちらに近づいてきたからです。彼女は、大きなつり
上がった目をしていて、せい清楚そ で修行者のような顔立ちをしていまし
た。長いストレートの金髪は、きっちり左右に分けられて、完璧な
シンメトリーになっていました。彼女はどこか奇妙で、生きた肉体
なのか、それとも合成アンドロイドなのかわからない印象を受けま
した。襟元のバッジでは見分けられませんでしたが、セラディオン
の緊張したエネルギーを感じたので、おそらく彼女は、この施設の
高い地位にいる人だろうと推測できました。彼女が氷のような目で
私をにら睨 みつけてきたので、不快な気持ちになりました。私の頭の中
で、セラディオンの声が響きました。
(彼女はセキュリティの責任者だ)
彼女は、顔を向けて彼をじっと見つめ、2人の間でテレパシーの
やりとりが行われました。もちろん、私にその内容はまったくわか
りません。彼女は、私とはひと言も交わさずに、ロボットのような
きびす
身のこなしで踵 を返して去っていきました。セラディオンは、長い
安堵のため息をついて、肩をなで下ろしました。
「今、何が起こったの?」
と、私は聞いてみました。
「彼女は、なぜ君が、エガロスのトラッカー装置を持っているのか
知りたがっていたんだ」
セラディオンはそう答えました。
「でも、もう大丈夫。アシュタール・ディンと会談しているソーハ
ン・エレディオン司令官と一緒に来たと言ったら、行ってしまった
よ」
「何ですって? 先ほどの男性がアシュタールなの?」
「いや、彼は二番手だ。ディンとは、アシュケラ語で二番という意
味だよ」
ようやくリラックスした雰囲気になり、セラディオンが私の背中
に優しく手を置いて、下方にある円形のデッキの静かな場所に移動
するように促しました。この場所は雲の下にあり、薄暗くなってい
ました。床から3メートルほど離れた空中には、球状の照明器具が
浮いていました。
ゆっくりと動くこれらの装置に、私は思わず見入ってしまいまし
た。ときどき、地球の大気圏に、明るく光る球体の宇宙探査機がホ
バリングしているのを見かけますが、それと似ています。きっと同
じテクノロジーを使っているのだろう、と思ったとき、セラディオ
ンが私の思考をキャッチして、大きな声でこう言いました。
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「いや、ただのプラズマランプだよ」
宇宙人の施設を訪れると、いつも大変です。地球で育った私は、
テレパシーでのコミュニケーションに慣れていないのです。例え
ば、ソーハンのステーションにいるときとは違い、ここでは、自分
の思考の流れをコントロールする必要があります。実際に、銀河連
合の人たちは、コミュニケーションの中で、テレパシーと話し言葉
の両方を使っています。でも、マインドの領域を侵さないというル
ールがあるので、それぞれのプライバシーは守られています。テレ
パシーでコミュニケーションするときは、通常の思考で使われる脳
の周波数とは違う周波数が使われます。地球人はまだ、その周波数
を発見していないか、あるいは訓練されていないだけなのです。ソ
ーハンは、いつもこのように言っています。地球の誰にでもこの能
力が備わっているけれど、地球にいる人は、使い方をまだ思い出し
ていないだけだ、と。木星のアシュタール司令部では、セキュリテ
ィ上の理由から、この2つの周波数帯に関するプライバシーのルー
ルは存在していません。そのため、思考もスキャンされてしまいま
す。これには困惑しますし、とても大変です! セラディオンと私
は、広くて快適なシートに座りました。長いサラサラの金髪をした
いと
この若いアヘル人の男性を、私は愛 おしく思いました。彼は、私を
救出した日から、ソーハンと共に、私のためにいつも一緒にいてく
れました。彼らは、このソリプシ・ラー族の船に乗って、恐ろしい
運命から私を解放してくれたのです。セラディオンは、私に微笑み
返しました。
「どういたしまして」
私の思考に、彼は大きな声で答えてくれました。
「ソーハンは、ここの将校と何を話していると思う? 実は、すば
らしいものが準備されているんだ。でもまだ、君には言えない。君
の身の安全を図って、この作戦を慎重に遂行するためだよ。テラに
戻れば、いつでも敵にスキャンされる可能性があるからね」
「わかったわ。ええと、正直言うと、ここにいると居心地が悪い
の、セラディオン。脳がスキャンされているのは知っているけれ
ど、絶えず自分の考えをコントロールし続けるのは、私にはとても
難しくて。疲れきってしまうの」
「リラックスして」
と、彼は答えました。
「彼らは、恐怖に基づいた周波数だけを探知している」
「恐怖に基づいた周波数?」
「そう。有害な思考はすべて、恐怖と同じ周波数帯にある。だか
ら、エネルギーフィールドの緊張度を見れば、前哨基地にいる誰が
スパイなのかシェイプシフターなのか、瞬時に見分けることができ
る。アシュタールの前哨基地は、非常に精密に制御された軍事施設
なんだ。ここにいる誰もが、機密情報の取り扱い許可を得て、正当
な理由をもってここにいるんだよ」
「アシュタール司令部隊が、銀河連合とは別の組織であることは知
っているわ。でも、テラでは、両者をごっちゃにして、コンタクト
を取っていると主張する妄想家がとても多いの」
「アシュタール司令部隊の職員が、テランと交流することはない。
なぜだと思う? 彼らは単なる軍人だからさ。民間人との接触を担
当しているのは銀河連合だよ」
「わかっているわ。ソーハンが全部説明してくれたから。大笑いし
ちゃうと思うけれど、50年前にアシュタール・ヴリロンからメッセ
ージが送られてきて以来、たくさんの孤独な女性がアシュタール副
官に思いを寄せているの。自分は彼のガールフレンドだと思い込ん
でいるのよ」
エラヒルの若者は、椅子にもたれかかって笑い出しました。
「本当に?」
セラディオンはくすくす笑いながらも、なんとか普段の呼吸を取
り戻して言いました。
「それは本当の話? アシュタールの恋人? でもなぜ? だっ
て……彼女たちは、彼の顔すら知らないじゃないか!?」
「信じられないでしょう。彼女たちは、そんなことどうでもいいの
よ。キラキラした宇宙服を着て、たくさんのメダルとバッジをつけ
て、手から光線が出ている変な男性が描かれた、ひどい肖像画まで
作られているのよ」
「手から光線が出ているって!?」
セラディオンは、息が止まって死んでしまうかと思うほど驚いて
笑っていました。私は続けました。
「残念なことに、それはカルトになってしまったの。テラでね。
あ、ちょっと待って。この話を、惑星平面説みたいに、銀河の反対
側にまで広げないでね。テランは、いつか銀河連合に加盟すること
を今でも望んでいるんだから!」
「この会話がアシュタールの耳に入るまでは待つよ。アハハ!」
「ああ、なんてこと、私たちの脳がスパイされていることを忘れて
いたわ」
「彼もきっと笑ってしまうと思うよ」
と、セラディオンが声高に笑って言いました。
「ああ、なんてこと」
と、私はうろたえて言いました。
「正直なところ、エレナ、アシュタールはすべてを知っていると思
う。それに、彼は僕たちの仕事に対して行われているプロパガンダ
についてもよく知っているんだ。ソーハンは、テラの人間社会に、
むしば
新たな宗教活動が浸透していると教えてくれた。そして、この蝕 ま
れたものが、どれほど深くまで入り込んでいるのかは、僕には見当
もつかないだろうと言っていたよ」
「この戦争はあらゆる方面で起きているわね」

するとソーハンの温かいエネルギーが私の中に流れ込んでくるの
を感じ、彼の声が心の中で聞こえてきました。
(思ったより長くここにいなければならない。申し訳ない。セラデ
ィオンと一緒にテラへ戻って。私が戻ったら、また会おう)
セラディオンも同じようにテレパシーを受け取ったようでした。
彼は、私を気遣って悲しげに笑みを浮かべて、申し訳なさそうに肩
をすくめました。
「大丈夫よ。どっちにしても、テラから遠く離れた場所に長くはい
られないから」

木星に行ったのはすばらしい体験でしたが、自分のマインドが四
六時中監視されているというプレッシャーから、ここにずっといた
いとは思えませんでした。セラディオンと私は、第1ホールの下層
に通じる自動スロープに戻り、宙に浮いた移動用プラットフォーム
に足を踏み入れました。今回は、しっかりと手すりにつかまりまし
た。次に何が起こるかわかっていれば、高速のスピードはとても楽
しく感じられます。特に、アシュタール銀河司令部隊の通路でスピ
ードを出すのは最高に楽しいものでした! 最終的に宇宙船に戻っ
て、管制室の半円形のベンチに座ったとき、ある疑問が頭をよぎり
ました。
「セラディオン、なぜここから光の乗り物で家に帰れないの?」
「承認されていない移動だからだよ。エーテル船はここに入れな
い。アクセスがブロックされているんだ」
「なぜなの?」
「セキュリティ上の理由からだよ」
「意外だわ」
と、私は皮肉っぽく答えました。
私たちは木星を離れて1分も経たないうちに地球の上空に戻り、
その後、光のビームで家に転送されました。なんというすばらしい
体験だったのでしょう。そして、その数週間後には、太陽系の巨大
な計画をめぐるもう1つの冒険が始まったのです……。

私はソーハンの司令船に乗り込み、今回は……木星の衛星の1つ
であるガニメデに向かいました。この地表には、銀河連合の前哨基
地があり、主にギヌボ族によって運営されています。彼らはこいぬ
座のプロキオンという恒星系から来た存在で、5種族評議会のメン
バーでもあります。彼らは古く賢い種族で、身長は人間と同じくら
いです。首が長く、頭蓋骨の構造は人間とは異なっていて、褐色の
肌と瞳孔の大きな澄んだ目をしています。ガニメデは小さな惑星
で、非常に薄い霧のような大気層があります。
奇妙な黒い氷で凍てつく中、地上に向かって降りていくと、小さ
な街が現れました。宇宙船はその施設に入り、ホールに停泊しまし
た。外に出ると、硫黄や腐った卵のような人工的な臭いが鼻をつき
ました。ソーハンが言うには、ギヌボはそういうものが好きなのだ
そうです。まあ、私は文句を言える立場にはないので、気にしない
ようにしました。ステーションの中は、薄暗い紫色のネオンで覆わ
れていて、今まで訪れた前哨基地と同じような金属的な雰囲気が漂
っていました。そこで私は、初めてギヌボの人たちを間近で見まし
た。彼らの動きは穏やかで、仕事で忙しそうなのに、とても親切に
歓迎してくれました。ソーハンと2人のクルーの案内で廊下を進む
と、大きな出窓から木星が一望できるオフィスがありました。会議
室の中央には、優雅な「S」字型のテーブルがあり、その中央には惑
星や星、何百もの光る線や記号が描かれたホログラムのドームが置
かれていました。ソーハンは、そこで1人の将校と会談して、短い
長方形のデータ装置を手渡していました。ソーハンとスーパーバイ
ザーのギヌボは、中央ドームの中にある銀河のホログラムマップの
中で、指先でホログラムの線を動かしています。私はその様子に魅
了されていました……この世のものとは思えない光景でした。彼ら
が話し合っている間、ホログラムで表現された惑星や恒星系がライ
トアップされていました。この2人は、銀河レベルの戦略を話して
いると理解しました。テレパシーのやりとりの中で、何が語られた
なぞ
のかは、私には謎 のままです。しかし、安全上の理由で、この情報
を私の記憶にとどめておくことは許されないと自覚していました。
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私は、部屋の隅で静かにじっと座っていました。ギヌボとのミー
ティングが終わると、ソーハンは、私を基地の近くのレクリエーシ
ョンエリアに誘いました。そこで、テーブルに座ってリラックスし
ながら、最近の出来事について話をしました。最近、彼は、未来の
タイムラインについて、新しくアップデートされた情報を見せられ
たそうです。このビジョンを見たことで、彼は、自由を求めるテラ
の戦いに、さらなる強い決意を持ったと言っていました。そして、
地球上の人類がグローバルな国家連合の中で平和に団結し、フリー
エネルギーや安価な食料を誰もが手に入れられるようになると話し
てくれました。さらには、ディープステートが敗北すれば、彼らが
隠していた医療的な知恵が皆に解放される日が来るとも話してくれ
ました。

ソーハンは言いました。
「テラでは侵略的干渉が起きているけれど、そういったものがなく
正常に発展を遂げている世界では、技術開発に伴って、普通は出生
率が調和的に伸びていくものなんだ。そして、その惑星の資源が足
りなくなる頃には、すでに人々は、恒星間の航行ができるようにな
っているから、ほかの星にコロニーを移すことができる。でも、テ
ラでは、地球外の侵略者が自分たちの利益を優先して、全体主義的
な占領を計画してしまった。だから、人類が技術開発へアクセスで
きなくなってしまったんだ。それがテラの問題だよ。テラの人口は
急激に増加したけれど、その一方で技術的な進歩は奪われてきた。
テラは、1世紀にわたって技術の発展を奪われてきたんだ。でも、
心配はいらないよ。正義は実現する。そのすべてを見せられたん
だ。この新しいタイムラインは、今はかなり安定しているよ」
「いつも前向きでいてくれるところが好きよ、ソーハン。テラの
人々にも同じように感じてほしいわ。多くの秘密がテラの人々から
隠されているけれど、情報開示を要求している人たちはたくさんい
る。ハイブリッド計画、奴隷売買や行方不明の子供たちのこと、地
下の軍事基地で何が起きているのかをね……」
「真実はいずれ明らかにされるよ。でも、今はそのタイミングでは
ないんだ。深刻な恐ろしい事実があって、たとえそれが真実であっ
たとしても、テラの人々が今知る必要はない。なぜなら、それは途
方もない不安と苦痛を生み出して、現実の状況をもっとひどくこん混とん沌
とさせる可能性があるからさ。テラに住むすべての人々は、今、こ
れまで以上に自分の波動を高く保たなければいけないときが来てい
る。ディープステートのマインドコントロール戦略が届かないとこ
ろへ行く必要があるんだ。恐ろしい真実を開示すれば、人々の波動
のレベルを危険なほど低くしてしまう可能性があるけれど、それは
何の役にも立たないことだよ。だって、それこそ敵の思うつぼ、彼
らはそうさせようと必死になっているんだから。すべての真実は、
この戦争に勝利した後に明かされるんだ」
「ほら……」
と、ソーハンはしばらく考えている様子で、ホールの遠く高い窓
のほうへ目をやりました。
「機密にされた真実を開示しない理由は、真実そのものの性質によ
ることもある。命令や誓約、脅迫、安全上の理由で開示しないとい
うことではなくて。本当に起きていることを、言葉では表現しよう
がないときだよ。耐え難い卑劣な真実を前にして、言葉が……喉の
奥で言葉にならないとき、隠されているものは、隠されたままでい
なければならないんだ、少なくともしばらくの間は。自分が受け入
れられるものだけを受け入れればいい。場合によっては、知らない
ほうがいいこともあるよ……」
彼は続けました。
「だけど、未来は明るいよ! ハートの波動を上げよう。この戦争
に勝てるんだから! 武器だけじゃなくて、無条件の愛も必要さ。
両方とも必要で、お互いが作用し合っているんだ。天から注がれる
愛は、地上の兵士の武器にも注がれて、彼らの行動を導いてくれる
から。君たちがハートの周波数を上げるからこそ、この戦争に勝て
るんだ。だから、信じることがどれほど大事なのかわかるよね。戦
争は、地下と上空だけで起きているわけじゃない。もっと重要な戦
場は、君たちのハートの中にあるんだ」
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年 月のある夜、私はソーハンと一緒に、銀河連合の科学軌
2020 10
道ステーションに行きました。彼はそこで、救出したハイブリッド
の子供たちを、太陽系外の目的地に派遣するミッション・コーディ
ネーターの仕事をしていました。そこには、幼児から青年まで、さ
まざまな年齢の子供たちがいました。米軍と銀河連合の秘密部隊に
よって結成された地球同盟は、地下深部軍事基地の大掃除を行って
いましたが、彼らはその生存者だったのです。この「ストーム」作戦
は、しばらくの間、容赦なく続けられてきました。もちろん、ソー
ハンがその出来事についてよく知っていることは明らかでした。で
も、私は彼に、あえて多くを尋ねませんでした。なぜなら、地下深
くで起きている恐ろしい狂気の沙汰について、真相を聞く心の準備
はば
ができていなかったからです。彼の言う通り、真実を語ることを阻
むのは、極秘として封印されているからではなく、その真実の性質
そのものが語りがたいものであることがあるのです。私はソーハン
の後を追って、天井の高い円形のホールに向かいました。そこに
は、感情が揺さぶられるような驚くべき光景が広がっていました。
私は自分の目を疑いました。現実とは思えない光景です。左側の通
路から、子供たちが出てきて、ゆっくりと静かに列をなして行進し
ていたのです。ステーションの職員に誘導されて、彼らは、ホールの
反対側のどこかの滑走路につながる大きなエアロックに向かって歩
いていました。この子供たちは、人間とグレイのハイブリッドで、
奇妙な姿をしていました。薬物を使用しているか、催眠状態にある
ように見えました。彼らはとても落ち着いた様子でした……。ソー
ハンが言うには、彼らは、転送中にパニックにならないよう薬物を
投与されているとのことです。この状況を目の当たりにして、私は不
安になっていました。これまでに、さまざまな異星人に出会ってき
て、なかには、非常に変わった奇妙な外見の存在もいました。しか
し、今回、人間の子供でもある彼らを見ていると、胸にこたえるも
のがありました。

ソーハンの説明によると、この子供たちはケンタウリ星系のメト
ンという惑星に避難させられ、そこで新しい家族の養子になること
が決まっているとのことでした。子供たちの移送を担当する職員の
中に、友人であるマイラとその夫のジェイカーがいることに気づ
き、私はうれしく思いました。マイラは、温かい歓迎をもって私の
ところに来てくれました。私たちは、大きな親しみを込めてハグし
合いました。この力強くて生き生きとしたアシュケラ人(シリウス
B)の女性は、私が子供の頃から知っている人です。彼女は、当時、
私を救ってくれたクルーの一員だったのです。マイラは医学博士で、
宇宙船の中で、私のインプラント装置を除去しようとしてくれた人
でした。彼女は、ソーハンの親友でもあり(ヴァルネックはそれに
ついて物申したいようですが)、長年にわたり、私とも強い友情の
絆を結んでいました。私が14歳のとき、彼女がビームで宇宙船から
自宅の寝室に戻してくれたのですが、それ以来、私たちは友情を育
んできたのです(このエピソードについては拙著『110の宇宙種族と
未知なる銀河コミュニティへの招待』に記載しています)。マイラ
は、私と同じくらいの体格で、ストレートの金髪は肩くらいの長さ
です。顔は三角形で頰骨が高く、長いまつげで、大きくてつり上がっ
たグリーンの瞳をしています。ソーハンは忙しいので、仕事が終わる
まで、私はしばらくマイラのところにいさせてもらうことにしまし
た。彼が立ち去るのを見送った後、私は、銀河連合の科学者たちと
エアロックに向かってゆっくり歩く、薬を投与された奇妙なハイブ
リッドの子供たちの列の中で、ふと取り残された気持ちになりまし
た。突然、奇妙な世界へ突き落とされたような気持ちになり、背筋
が凍る思いがしました。子供たちは強い存在感とオーラを放ってい
ました。これは、人間や異星人の子供のそばでは一度も感じたこと
のない感覚でした。
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そして、マイラに連れられて、その列を通り過ぎたとき、私は、
はっきりと認識しました。グレイに関係するさまざまなレベルの異
種交配が行われていることを。彼らは全員、白い光沢のあるスーツ
を着て、大きな目、細いあご、すらりとしたシルエットが共通点で
した。また、興味深いことに、エアロックに並んでいる子供たち
は、白人系の遺伝子を持つ子が圧倒的に多いのですが、中にはアフ
リカ系やアジア系も見受けられます。私は茫然としていました。マ
イラの手が私の肘を優しく引いて通路に導くのを感じ、異様な雰囲
気に包まれたホールを後にしました。
「さあ、あなたを面白い人に紹介しましょう」
と、彼女は言いました。
並んで歩きながら、私はいくつか質問をしました。
「この子供たちは皆、地下深部軍事基地から来たの?」
「ええ、全員そうよ。地球同盟に救出されたの」
と、マイラは答えました。
「地球同盟? なぜ、テラ同盟ではないの? それは何なの?」
「地球同盟と呼ばれるのは、地球上で作られた同盟だからよ。シカ
ールやネブの占領に対抗するために、テラの国家と私たちの軍の間
で作ったの。地球同盟とは、地球軍と銀河連合の一部の惑星部隊で
構成された特殊同盟部隊のことよ」
「銀河連合軍の兵士が、米軍と一緒に戦っていることは、ソーハン
から聞いているわ」
「そう、それが地球同盟。タアル、メトン、シロシなど、テラの大
気と重力条件に適応したヒューマノイド種族がいるのよ」
「アヘルはいないの?」
「アヘルの体質はテラの条件に合わないの。彼らは宇宙戦には長た け
ているわ。だから、アヘルがこの星系で、地球外の軍事作戦を指揮
している。彼らはそのための能力を持っているわ」
「なるほど」
「地球同盟は、この惑星の地下で、非常によく、非常に懸命に働い
ているの。1年ほど前から、多くの作戦が進行中なのよ。タアル人
はもっとも優秀な種族よ。なぜなら、彼らはあなたの種族ともっと
も近い共通ゲノムを持っているから。現在も行われているこれらの
作戦は、テラの地下を浄化し、囚人を解放するためのものなの。囚
人たちは毎日解放されているわ。私たちは、あらゆる面から戦って
いる。あなた方の諜報機関もそう。腐敗した古い諜報機関ではな
く、新しい諜報機関のことね。地球同盟での、地球軍の仕事は奴隷
売買の網を一掃することよ。私たちの仕事は、あなた方に援軍を提
供すること。敵は、単純な思考1つで、あなたたちを殺すことがで
きる存在なの。でも、これに立ち向かうための技術をあなたたちは
持っていない。だから、私たちはあなた方を支援し、トンネルや宇
宙で戦っているの。非常に困難な仕事よ。私たちの多くが死んでい
るし、あなた方の多くも死んで、そして敵の多くも死んでいる。私
たちは殺しが好きではないわ。でも、ほかに選択肢がないときはそ
うするしかない。現在、ほとんどの地下基地間の通信は遮断されて
いるの。解放された人間の囚人は、本来の居場所であるテラに戻る
けれど、ハイブリッドは私たちの宇宙船で面倒をみなければいけな
いわ」
「救出された成人のハイブリッドもいる?」
「ええ、テラの年齢で、40歳くらいまでのあらゆる年齢のハイブリ
ッドがいるわ。人身売買や実験には健康な人間のほうがいいし、若
くて性能の良いものが求められるの。子供だけじゃないわ。大人の
標本が入ったポッドの数が少なければ、もっと研究が必要だし、あ
なた方の恒星系の外から、十分な設備の整った施設に直送されてし
まう。なかには、私たちが考えているような普通の生活に戻れない
ようなレベルの遺伝子改造を施された人もいるの。これらの人々は
ポッドに入れられて、どのように扱われるのか、私は知らない。も
し彼らが生きられないのなら、私たちは彼らの命を終わらせて、彼
らに魂が割り当てられている場合は、その魂を解放するの。そのほ
うがいい場合もあるから。若い人たちの場合は、トラッカー装置を
外して、生命維持装置を外して、筋肉を活性化させるのよ」
「全員がトラッカーをつけているのでしょう」
「もちろん、そうよ」
と、マイラは答えました。
「医療ポッドの中にいるとき、まだ意識がないうちにインプラント
装置を取り除いてしまうの。トラッカー装置は、信号の発信機にな
っているだけではない。ほとんどの場合、覚醒機能を維持して、臓
器を生かすための健康モニターにもなっているのよ。だから、これ
らの装置を取り外すことが、必ずしも良いアイデアとは言えない
わ。まずは、それぞれの装置について、あらゆる可能性を検討する
必要がある。どうすれば取り外せるのか、なぜ取り外す必要がある
のか、もし取り外すなら、どうやって彼らを安定した状態にさせる
のか、どうやって安全な状態に再調整できるのか……。だから、大
変な仕事なのよ」
「成人の場合はどうなの? 同じプロトコルを使っているの?」
「成人の標本には、より注意が必要よ。彼らは長い間、静止状態に
あったから、生命体がすでに完全に形成されてしまっているの。こ
こではそのための設備はないし、すでに対処するには手一杯の状
態。ハイブリッドは、まず軍事ステーションに到着して、その後、
ゲノムに応じてほかの軌道上のステーションにある医療施設に送ら
れるの」
「あなたたちが使っているテクノロジーについて詳しく教えてほし
いわ」
「再生タンクというものがあって、それには、生命維持のための特
殊なジェルが詰められているわ。これには、ホログラム細胞再生と
いう機能があって、その人の遺伝子コードを使って、傷ついた細胞
を治癒するの。体をスキャンして、以前の健康な細胞を取り出し、
傷ついた細胞と置き換えることができる。数時間で手足を再生する
ことができるのよ。そして、医療用ポッドもあるわ。テラで『メド
ベッド』と呼ばれているものよ。これには、ホログラム技術が使わ
れていて、結晶プラズマフィールドや、フリル、音の周波数が動力
源となっている。ハイブリッド化した種族に応じて、異なる機器を
使用しているの。救出されたハイブリッドは、主にグレイとの交配
種で、彼らの生理機能をより安定させ、生命維持しやすい状態に再
度バランスをとるために、異なるテクノロジーが必要なの。そうす
ることで、彼らは生き残ることができる。生命維持のためのジェル
に酸素分子をゆっくり注入して、準備ができたらジェルを体外に排
出して、肺と呼吸システムを作動させるの。彼らにとっては苦痛を
感じるものだけど、比較的短時間で終わるわ。もっと大変なのは、
その後。休眠状態から意識を取り戻すと、容赦なく意識がはっきり
するから、彼らはパニック状態に陥るの。自分がどこにいるのか、
自分が誰なのか、私たちが誰なのか、まったくわからないのよ。視
力がある人の場合、捕らわれている間、グレイしか見たことがな
い。だから、初めて人間を見たとき、恐怖を感じてしまうの。自分
たちに何が起こっているのかわかっていないの。だから、目を覚ま
すと、すぐに医療ポッドに入れて、マインドを落ち着かせる周波数
で満たすのよ。この周波数の波を通して、データを転送しながら、
まず、彼らに話し方を教えるの。脳の学習機能を初めて活性化させ
る体験は被験者によっても異なるけれど、言語習得には数日かか
る。あとは、声帯の活性化も必要よ。耳も、目も、鼻も、まったく
新しい環境にさらされるの。彼らにとっては、大きなトラウマにな
るし、私たちにとっても大変な仕事よ。話すこと、呼吸すること、
そして落ち着くことができるようになったら、歩き方を教えるわ。
筋肉に薬物を注入し、周波数のテクノロジーを使って、反射機能を
活性化させるの。そうすると、歩けるようになる。けれども長いプ
ロセスよ。私たちは、1人ひとりの生体システムが対応できるよう
に、それぞれのニーズに合わせて提供しているの。この科学ステー
ションでは、多くの作業員がヒューマノイドだから、彼らが私たち
を怖がってしまうのが難点ね。信頼してもらえるマインドになって
もらう必要があるわ。彼らの見た目は、エマザーやエガロスに似て
いるから、自然とそちらに親しみを覚えるみたい。この任務は簡単
にできることではないわ。だけど、エマザーとエガロスは、本当に
子供の扱いがうまいのよ。だから、私たちの部隊には、エガロスの
科学者もいる。能力がある人が必要だからね。とはいえ、誰もが子
供たちとのコンタクトに参加できるわけではないの。せっかくの努
力が台無しになりかねないから。そして、子供たちが社会性を身に
つける準備ができて、ヒューマノイドを怖がらなくなったら、投入
プログラムの一環として、ステーションのいくつかのセクションに
投入するのよ。私たちと一緒に食事をしたり、遊んだりして、社会
性を身につけることを学ぶの。社会性を身につける段階で効果が確
認されたら、あとはもう大丈夫」
「言語といっても、どの言語を教えるの?」
「銀河連合で、外交語として一般的に使われているタアミ語を教え
ているわ」
「ここに連れてこられるときは、子供も大人もみんなポッドに入れ
られているの?」
「そうよ。ネブは、テラのディープステートから地下施設を割り当
てられているけど、そこに成人の標本は保管しないわ。彼らが機能
する状態になったら、すぐに、彼らを働かせる場所や、売るべき場
所に送り込むの」
「売るですって?」
「ネブは、すでにこの銀河中に、征服した世界の人員で構成した軍
隊をいくつも作っているの。彼らはテラでも同じことを行っている
わ。ハイブリッドや、拉致された多くのテランは、労働力として、
最高の買い手に売られている。ネブ、シカール、ダークフリートと
の間では、膨大な量の取引が行われているわ。テラでの人身売買は
複雑なのよ。この活動を銀河の規模に置き換えると……」
「なぜハイブリッドなの? 奴隷貿易のためなら、なぜ人間を使わ
ないの?」
「ハイブリッドのほうが、価値があるからよ。ハイブリッドは魅力
的な存在なの。なぜなら、最初から相容れない2つの種を交配させ
る場合、魂を強制的に肉体に入れることになるから。肉体を得る際
に、自然のプロセスを経ていない魂なら、彼らが完全にコントロー
ルできるの。そうして、暴力もなく、ゆっくりと世界の人口を入れ
替えていくの。その地域住民は、知らないところで自分たちが侵略
されているということに気づいてもいない。誰にも宣戦布告するこ
となく、ゆっくりと、コソコソ行われている卑劣な計画なの。銀河
連合にさえも気づかれないようにね。彼らは、そうやって自分たち
を繁殖させているのよ」
「このハイブリッドの魂は、どのソウルマトリックスから来ている
の? グレイ? それとも人間?」
「両方だけど、場合によるわ。魂を持たず、ただの人工生命体もい
るの。でも、ハイブリッドが非常に貴重である理由はもう1つある
のよ……」

私たちは、居住エリアと思われる場所に到着しました。草木が生
い茂るホールでは、ステーションの職員と一緒に、子供たちが下層
のプラットフォームで遊んでいる姿が見えました。
「ハイブリッドの中には、特別な力を持つ者がいるの」
と、マイラは続けました。
「そして、これは、すべての人種の未来を垣間見ているようなもの
で、意識の進化のメカニズムの理解につながるとも言えるわ」
マイラが、ヘミサイクルで遊んでいる子供たちに手を振ると、2
あいさつ
人の男の子が、私に挨拶 しに来てくれました。マイラの息子で、長
男のダラムと、次男のコリジェンです。そして、彼らの妹として新
しく養子にされるガイアという少女に、私は紹介されました。12歳
くらいの少女でした。彼女は、新しい母親になるマイラに呼ばれ
て、私のほうに歩いてきました。彼女の姿を見て、私は突然動けな
くなり……うろたえてしまいました。私はまだ、異星人のハイブリ
ッドの子供と直接コンタクトしたことがありませんでした。彼女が
近づいてくるにつれて、彼女のエネルギーフィールドが、私のエネ
ルギーフィールドに接触してくるのを感じました。マイラが「ハイ
ブリッドの中には、特別な力を持つ者がいる」と言った意味を、そ
のとき理解しました。彼女のエネルギーフィールドは、この年頃の
子供にしては、異常に強力なものだったからです。ガイアは、長い
黒いまつげにスカイブルーの大きな目をしていました。彼女は、そ
の大きな目を通して、私の中をダイレクトに探ってきました。まさ
に私の魂を彼女の魂で見ていたのです。
「彼女は喋らないわ。テレパシーでコミュニケーションをとるだけ
よ。動かないで、彼女のすることに任せて」
と、マイラは言いました。
奇妙な少女は、グレイの遺伝子の特徴である細長い4本指の手を
持ち上げて、私の手の上に置きました。この冷たい感触に、私は全
身を震わせました。冷たい血液、これもグレイの特徴です。異星人
とのハイブリッドの子供に触れられたことのある人ならわかるでし
ょう……。彼女が私のマインドを読むと、突然、私のこれまでの人
生が、目の前でスクロールされました。彼女は、私を知るために私
のことを探っていました。これは彼女流のコンタクトの方法でし
た。私は身動きがとれなくなり、その一方で深く感動していまし
た。すべてを終えると、ガイアは手をひっこめて、不思議な笑みを
浮かべながら首を横に振り、ほかの子供たちのところへ走っていき
ました。自己紹介は完了したのです。彼女は、私について知るべき
ことをすべて知ったのです。名前だけでなく、私の本質、私が本当
は何者なのかを。驚きで何も言えませんでした。時の流れが止まっ
たかのように動けなくなっていました……。その衝撃は、私の存在
のコアに触れるもので、とても言葉では言い表せないものでした。
「この子はとても特別な子なの」
マイラはそう言いました。
「通常、ある種のハイブリッドは何らかの超能力を持っているけれ
ど、この子には、めったにない強い力を感じたの。だから、この子
を養子にしたいと思ったのよ。私は、彼女の遺伝子をロシアの母親
までさかのぼったけれど、残念ながら、その母親は亡くなっていた
わ。男系の祖先はソリプシ・ラー族よ。たとえ母親が生きていたと
しても、ガイアとこの子たちは、テラの社会や物の考え方、生活の
仕方には適合しないでしょうね。この子たちは常に危険にさらさ
れ、特別な医療フォローアップも必要なの。彼らが生存できるとし
たら、銀河連合の世界しかないのよ」
マイラの息子たちと遊ぶガイアの姿を見ながら、私は、この貴重
な瞬間を決して忘れまいと思いました。この出来事は、畏敬の念と
共に、私の人生に深く刻み込まれました。
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年 月の冬の夜、未来は不確かで、人類は深い問題を抱える
2020 12
時代を超えていこうとしていました。この脅威の分岐点の上空に
は、2つのタイムラインが切り替わる地点があり、わずかな風で、
私たち種族の運命は、破滅、あるいは夜明けのどちらかへと左右さ
れる状況でした。私たちは、恐れるな、波動を高く保て、望む世界
を現実化せよ、と言われてきました。なぜなら、私たちにはその力
があるからです。それでも、闇の形はつかめないために、夜というの
は脅威に感じられるかもしれません。ですが、私たちは皆、自分の
内なる光を輝かせ、全魂から信頼することで、健全な精神を保ち、
反対側の岸までたどり着くことができるでしょう。

年 月のその夜、私はデスクで遅くまで仕事をしていまし
2020 12
た。いつもの熱を帯びた信号が、私のインプラントの中で脈打ちま
した。私は微笑みながら椅子の背もたれに寄りかかり、目を閉じま
した。「カチッ」と音がして、ソーハンの美しい声が頭の中に響き
渡りました。
「サプライズがあるんだ。来てくれるかい?」
「ステーションで? どんなこと?」
「いい知らせがあるんだ。君がコンタクトを取りたいと言っていた
人の件だよ」
その言葉に、心臓の鼓動が高鳴りました。数か月前、確かに、私
がコンタクトを取りたいと願った人物がいたのです。しかし、ソー
ハンが上層部に正式に要請したにもかかわらず、その人物からは返
事がなく、状況は思わしくありませんでした。今この瞬間まで
は……。ソーハンは、明らかに、私と直接話したがっていました。
私は、その理由を知るのが待ちきれない思いでした。そして体の力
を抜いて、転送の準備をしました。渦巻く光に連れられて、私は地
球を超えて、銀河連合の遮蔽された軌道上のステーションの1つ、
ソーハンが艦隊司令官兼ミッション・コーディネーターとして配属
されている軍事基地に行きました。私は、実体化し、真っ白な部屋
の中に現れました。
光が強烈で、目が慣れるまでに数秒かかりました。私が一歩前に
進むと、私という存在の分子構造が自動的に再編成され、その場所
の密度に適応しました。その場には、ソーハンと、ほかに2人の男
性がいましたが、彼らは強い光に照らされていたので、私は彼らの
特徴をすぐに捉えることができませんでした。髪の色は黒く、タア
ル人の光る白と金のユニフォームを身にまとい、肩には高官である
ことを示す縞模様が入っていました。私は、ソーハンの手を握りま
した。キラキラした青い瞳はいたずらっぽく輝き、金色のウェーブ
のかかった髪は優雅に美しい顔を縁取り、晴れやかな微笑みを浮か
べていました。ソーハンは、向かいの男性に手を上げて、私にその
人を紹介してくれました。彼はソーハンより小柄でしたが、私より
も背が高く、ダークブラウンの短髪をしていました。ヘーゼル色の
瞳に雪のように白い肌、とてもハンサムな男性で、私が戸惑うのを
面白がって微笑んでいました。まさか、そんな……。背後でソーハ
ンの声がしました。
「ほら、君が会いたがっていた人が、ここに訪ねてきてくれたん
だ」
その男性は前に進み出て、私の手をしっかりと握って、こう言い
ました。
「エレナさんにお会いできて光栄です。私はヴァル・ソー司令官で
す」

この人こそ、かの有名なヴァリアント・ソーだったのです! 信
じられませんでした。握手してみると、彼が優しさと穏やかさと平
和をたた湛 えていることがわかりました。彼の前に立つと、とても心地
よく、とてもリラックスできます……。偉大な叡智と非常に高いエ
ネルギーを持った存在であることが感じられました。
「ソーハン司令官から、あなたが私に会って話を聞きたいと言って
いると伺いました。弟のダンと一緒に質問にお答えします」
もう1人の男性は、少し背が高く、短い黒髪に茶色の目をしてい
て、同じ制服を着ていました。ヴァル・ソーは、言いました。
「この機会に、こちらのステーションを訪れることにしたのです。ど
こかで座りましょう」
ソーハンは、私の戸惑う表情を見て面白がっているようで、私の
肩に腕を回してきました。私たちは部屋を出ました。先を歩くヴァ
ル・ソーの輝きはとても力強く、私はこれが夢でないのだとわかり
始めました。明るい廊下を進み、円形の階段を下って低い場所に行
くと、私たちは、丸いソファに向かい合って2人ずつ座りました。
私の左側にソーハンが座り、ヴァリアント・ソーは、私の向かい側
に弟さんと並んで座りました。
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「聞きたいことが山ほどあったんです。でも、残念なことに全部忘
れてしまいました。こんな出会いがあるなんて思ってもみなかった
ので、準備していなかったのです!」
彼は笑いながら、とても柔らかく優しい口調で答えました。
「私はまた来ますから、好きなだけ質問できますよ。今なら、私は
あなたを知っていますし。ソーハン司令官から依頼を受けたとき、
私はテラでの任務中でしたから、あまり気に留めていませんでし
た。金星の前哨基地に戻ってから、彼の依頼を調べ直して、あなた
が誰であるかを理解し、質問にお答えすることにしたのです」
「テラにはよく来られるのですか?」
「私は、あなたの星で、人々を助けるために働いています。実際の
ところ、公式には、まだ任務を続けています。この数十年間、行っ
たり来たりしていますが、テラの一般市民とはもう接触していませ
ん。テランと個別にコミュニケーションを取ろうとすることは、も
うやめたのです。なぜなら、物事が、なんというか……よりセンシ
ティブになってきているからです。あなた方は、以前にも増して、
私たちの存在に気づくようになっていますから」
私は驚いて彼を見つめました。そうは言っても、地球上の人ごみ
の中では、彼も弟さんも見分けがつかないでしょう。彼らが宇宙人
とは到底思わないでしょう。
「私はアメリカ政府と直接仕事をしました。銀河連合の大使とし
て、有益な知識を提供し、米国とほかの国々との秘密反撃プログラ
ムの立ち上げに協力したのです。それは、地球の防衛力を高めるた
めの技術的支援と、シカールとネブの同盟による奴隷状態からの解
放を目的にしていました。これには、長い道のりが必要でした。当
時、私はドワイト・アイゼンハワー大統領と会談しました。彼は人
格者で、何が起こっているのかをよく理解していましたが、自分の
思い通りに行動できる状況にありませんでした。自国の政府によっ
て行動を縛られていたのです。ドワイトは、不幸な状況を引き起こ
したことを、ひどく深く悔やんでいました。軍産複合体が、彼に隠
れて決断を下し、彼を利用して、彼の同意を得ることなく、グレイ
やレプティリアンと協定を結んでしまったのです。特に、シカー
ル、マイトラ、ネブとの協定がそうです。このとき私は、もっと耳
を傾け、理解してくれる人を求めて、ロシアに渡りました。そして
しばらくの間、ロシアの諜報機関で働き、さまざまな銀河系種族に
関する多くの情報を彼らに提供しました。あなた方は、誰が味方で
誰が敵かを知る必要があったのです。KGBは、私が提供した情報で
秘密ファイルを作成し、私はあなた方がそのコピーを手に入れたこ
とを知っています。この文書の一部がリークされ、公開されまし
た。しかし、あなた方は、攻撃的な種族がすでにこの場所にいると
いう恐ろしい考えに対しては、まだ準備ができていなかったので
す」
「では、KGBの宇宙人種族に関する本の中でリークされた情報は、
あなたが情報発信源という意味でしょうか?」
「ほとんどは、そうです。アメリカ政府にも、私が訪問したフラン
スや日本などの政府にも、同じデータを渡しました」
「あなたは、1人でやっているのですか、それともテラにはもっと
仲間がいるのですか?」
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「テラには遮蔽した宇宙船が何隻もあります。テラの人々を安全な
方向に導くために活動している銀河連合の大使は、私だけではあり
ません」

彼の声は、しっかりとしていて、しかも不思議と落ち着く声でし
た。彼の話し方には、晴れやかな確信がありました。それが、私の
中で不思議な感情の波を引き起こしたのです。まるでどこかにつな
がって、波が押し寄せてきたかのような感覚です……。突然、私で
はない魂、絶望と混乱に陥った何十億もの魂が、私を通して話して
いるかのように感じられたのです。この感覚は、背後の窓から見え
る、太陽の光を力強く反射し、まばゆく光る青い球体、地球から来
ているように思えました。今までにない感覚で、ヴァルの存在によ
って引き起こされたのだと思いました。私は、地球外生命体とのチ
ャネリングには慣れていますが、今回は、そのプロセスが逆になっ
ていて新鮮でした。この感覚は、下層にある地球という惑星からき
ていました。私は、人類の集合的無意識とチャネリングしていたの
です……。私の全身は、恐ろしいほどの感情の流れに震えていまし
た。涙が出そうになり、声を震わせながら、私はハートに手を当て
て言いました。
「いつになったら、地球人類の前に堂々と姿を現してくれるのです
か? なぜ、そうしてくれないのですか? 人々にはサインが、希
望が必要なのです。人々は信じることが必要なのです。信じるため
にはサインが必要です! 証拠が必要なのです! あなたが、私た
ちを助けているという物理的、視覚的な証拠が必要なのです! 希
望が必要です! 信じることが必要なのです!」
私は両手で顔を覆いながら、涙を流していました。私は、説得さ
れる必要があるわけでも、証拠を求めているわけでもありません。
これは私の涙ではなく、人類の涙でした。すると、ソーハンの手が
私の背中を優しくさするのを感じ、ヴァリアント・ソーが私のほう
に身を乗り出してきて、その手を私の手に重ねました。そしてとて
も優しくこう言いました。
「あなたは、地球人のハートを携えているのです。あなたは、彼ら
に代わって話をしているのです。あなたの言葉は、私の感情をさら
に揺さぶっています。なぜなら、これが真実であり、とても力強く
美しいと感じるからです」
涙が頰を伝い、震える声で私は彼に懇願しました。
「お願いです……地球人を代表してお願いしているんです、サイン
が必要です! 宇宙船を目撃する必要があります! 証拠を与えて
ください! どうかお願いします!」
「やがては、起きることですよ」
と、彼はとても冷静に答えました。
「テラの人類はまだ準備ができていないのです。あなた方が求めて
いる証拠は、適切な時期にやってくるでしょう。今すぐには姿を見
せることはできません。私たちが今、銀河連合と行っている作戦が
台無しになってしまうからです」
「それなら……私たちはどこに向かっているのですか? 教えてい
ただけませんか?」
彼はとても穏やかで、安らかでした。
「それはあなた方の選択です」
と、彼は優しく言いました。私は抗議して言いました。
「私たちの選択は決まっています。人類は自由になりたがっている
のです!」
「テラは、すでに正しい方向に進んでいます。今まで隠されていた
あなた方の技術的業績の真価が、まもなく明らかにされるでしょ
う。心配しないでください、あなた方の未来は明るいのです。あな
た方の種族の意識は、もっとも暗い夜の闇を通り抜けようとしてい
るのです。長い眠りから覚める前に、あなた方はただ、夜明け前の
暗闇の中を歩いているだけです。あなた方は混乱していますが、信
頼と信念をもってください。私たちは、あなた方に伴走し、手を握
り、この夜の闇の反対側へと一緒に向かっているのです。やがて
は、たどり着きます」
彼は私の手を強く握りしめ、私がこの先も決して忘れることのな
い言葉を口にしました。
「私たちは、決してあなた方を失望させません」

この言葉の魔法で、私が流す涙は、安堵感と共に解放され、人類
の集合的無意識の魂が私の存在から切り離されました。私は深く、
とても深く呼吸をしました。
「私たちは決してあなた方を失望させません」
と、彼は繰り返しました。
「今までも、これからもずっと」
ソーハンは、私の感情を察知して、かなり心が動かされていたよ
うでした。私は、説得を必要とする人間ではありません。なぜな
ら、自分が知っていること、していること、行く先を知っているか
らです。しかし、まったく予期せず突然、私は人類を代表して、す
べての人のハートの中にある希望や恐れ、やりきれなさや困惑を代
弁していたのです。ヴァル・ソー司令官は、私の手を握り直し、美
しい微笑みを浮かべながら、とても優しくこう繰り返しました。
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「私たちは決してあなた方を失望させません。あなた方が、もっと
も暗い夜の闇の中にいるとき、私たちは、あなたの手を握っていま
す。そして、あなた方は、今、夜明け前にいるのです」

彼が立ち上がると、弟さんも立ち上がりました。ソーハンは、私
にも立ち上がるよう促しました。もう、行く時間なのだろうと思い
ました。そう思ったのですが……。私たちは、ステーションのレク
リエーションエリアの1つに歩いて行きました。その真ん中には、
円形のバーカウンターがある広大な施設がありました。そこには、
さまざまな出自の人々がいました。小さなテーブルを囲んで座って
いる人、バーカウンターのところに立っている人、歩き回っている
人もいました。さまざまな異星人の人種が同じ場所に集まっている
のを見るのは、いつも印象的で、興味を引かれるものです。地球上
のどこにでもあるような近未来的なバーでしたが、ただ1つ違うの
は、すべての客が、多様な色や形をした異星人であることでした。
このような奇妙で魅惑的な環境に飛び込むと、集中力を維持するの
が難しくなります。私たちは、変わった赤い金属でできたバーのと
ころに座りました。ヴァル司令官は、宙に浮かんでいるドロイドに
飲み物を注文しました。私は、大きな背の高いグラスにターコイズ
色の発泡性の液体が入ったものを出されましたが、すぐにそれがイ
オン飲料だとわかり、唇の先から丁寧に一口だけ飲みました。この
物質の効果をよく知っていたからです。酸素分子をたっぷり含んだ
この種の飲み物は、臆病な地球人には向いていません……。地球で
暮らしているヴァルなら、それについては百も承知だったと思いま
すが、先ほどの件で、まだ少し感情的になっている私を、リラック
スさせようとしてくれたのだと思います。3人が会話を始めると、
私はヴァル・ソーもテレパシーを使えるということを忘れ、いろい
ろな思考を巡らせました。
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(自分の種族を何と呼んでいるのかしら、家族はいるのかしら)
とても恥ずかしいことに、ヴァル・ソーは、飲み物を置いて、面
白そうに私を見て言いました。
「私には、妻と2人の息子と2人の娘がいます。彼らは、あなたが
金星と呼んでいる惑星ナアラ、つまり、宵の明星にいるんですよ。
そこには、私たちの前哨基地があります。あなたがそこに訪れるの
は大歓迎です。私も、MANシステムから来たタアル族です。私の祖
先は金星に長く住んでいるので、自分たちを“ナアリ”と名付けまし
た。金星人という意味です。私は金星で生まれました。金星は私の
故郷なんですよ」
「ありがとうございます。お誘いを心から光栄に思います、司令
官」
ソーハンの手が私の手に触れるのを感じ、地球に帰る時間が来た
のだとわかりました。私はヴァル司令官に丁寧にお辞儀をして挨拶
をし、握手をしながら、私と会ってくれたことに改めて感謝を伝え
ました。
「また近いうちにお会いしましょう。金星は、このステーションか
ら数秒のところにあります」
と、彼は言いました。

ソーハンと共にその場を離れ、ビームルームに到着したとき、心
からの愛を込めて、彼にお礼を伝えました。そして、帰ってきてす
ぐにパソコンを開き、記憶が鮮明なうちに、思い出せる限りのこと
を記録しました。
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ソーハンの働きかけで、ヴァル・ソー司令官が、短いライブイン
タビューに応えてくれることになりました。今回は、ホログラム転
送という、これまでとはまったく異なる特殊な方法で行うことにな
りました。クリスタルと金属でできたピラミッド型の装置が彼の側
にあり、私のホログラムイメージと音声を送信するのです。私は、ソ
ーハンとテレパシーでコンタクトを取って、その装置に接続するこ
とになりました。セッションの約1時間前、ソーハンは、この装置
のテストを行うためにコンタクトを取ってきました。すでに、ヴァ
ル・ソーも一緒で、ステーションのスーパーバイザーのアルダーナ
もいました。事前に打ち合わせをして、話してもよい内容と、そう
でない内容のルールを決めたのです。ヴァルは、ソーハンの横に座
り、装置のスイッチを入れると、彼らの前に私のホログラムが現
れ、ソーハンの目を通してその映像が私にも見えました。
「エレナ、こんにちは!」
と、ヴァルが満面の笑みで言ったとき、私は心臓がドキドキして、
ソーハンに笑われてしまいました。私は心を落ち着ける必要があり
ました。そしてようやく、円卓を囲み、ヴァル・ソーの左側に座っ
ているソーハンに、完全につながることができました。彼の前に
は、このステーションの最高司令官であるアルダーナが座ってい
て、会話を監視しています。インタビューは、ソーハンがヴァル・ソ
ー司令官に質問を伝え、私がその答えを受け取って伝えるというも
のでした。
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正しい呼び名について
ヴァル・ソー(以下VT):ヴァル司令官です。ヴァリアントは私の
名前ではありません。ヴァル・ソーが私の本名です。ヴァリアント
は地球の言葉で、勇敢という意味です。

地球へ来ることを決めた経緯について
VT:私は、5種族評議会と銀河連合から任命されました。テラの
人々を、妥協して誤った選択をしないよう説得するためです。あな
た方が不幸な運命をたどらない方法を見つける手助けに来ました。
私のメッセージは、今でも同じです。「私たちは、皆さんの代わり
に行動することはできません。皆さんの決断と同意が必要なので
す。皆さんには、自由な選択権があります。自由意志があります。
私たちが決めるのではありません」。これは、この銀河のすべての
種族の法であり、宇宙連合と偉大なる5種族評議会の保護下にあり
ます。当初は9種族でしたが、今は5種族になりました。

あなた方には、いつも、そしてこれからも、この選択権があり、
自分の運命の選択ができるのです。絶望と恐怖の時代の中、あなた
方は不幸な決断を下そうとしていました。評議会と銀河連合は、あ
なた方の指導者たちが間違いを犯さないように説得してきました。
その頃、あなた方がオリオンと呼ぶネブの艦隊と同盟を結ぶシカー
ルの艦隊が、レプティリアンの地上軍に加勢するためにやってきて
いました。彼らは、皆さんの指導者に協定を申し入れに来たので
す。私たちは、この種族に関わらないよう話をしました。この種族
は、いつも同じ手口を使うからです。彼らはいつも、最高の技術と
武器を見せて、そそのかし、弱者に力を与えようとします。私が言
う弱者とは、利欲という弱さの下にある人々を意味します。銀河連
合と偉大なる5種族評議会は、あなた方に助けと援助を申し出たの
です。この申し出は退けられましたが……。

私は数年間滞在し、皆さんのリーダーが考えを変えられるよう影
響を与えるミッションに就いていました。しかし、彼らのほとんど
は考えを変えませんでした。変えることができなかったのです。こ
の使命のために、私は3年間、絶え間ない努力を続けました。アメ
リカのリーダーは、とても親切で賢く、理解ある人でした。彼の魂
は、テラ出身ではなく、混血でした。このリーダーは身動きがとれ
ず、自分の家の中で囚われの身になっている状態だったのです。噓
をついて彼を利用する周囲の人々に負けないよう、強くなるように
彼を説得しましたが、彼は打ち勝つことができませんでした。です
が、その任務の最後に、彼は人類にメッセージを残したのです。こ
のメッセージは、皆さんの惑星を実質的に支配している者たちに対
する警告でした。このとき、私が彼に伝えたメッセージ、そして今
日、これまで以上に繰り返していることですが、私が来た理由、そ
れは、このメッセージをもう一度伝えるためなのです。

皆さんは、自由な選択肢を持っています。援助を求めるとき、そ
れは、皆さんの自由意志によるものです。銀河連合や5種族評議会
に請うものではありません。恐怖の中で請うてはなりません。子供
おび
や怯 えた動物のように請うてはならないのです。対等な立場で求め
るのです。もし、あなた方が銀河連合に加わりたいのであれば、自
分自身がメンバーに値する立場にいると考える必要があります。平
和な存在として、このメンバーに加わるために必要な同等の知恵を
持って、準備ができていると考える必要があるのです。あなた方の
ハートから援助を求めてください、そうすれば私たちは答えるでし
ょう。物乞いではなく、怒りからでもなく、絶望からでもなく、強
い意志を持って求めてください。高い周波数の中で立ち上がり、私
さいな
たちに聞こえるように求めてください。もし、皆さんが劣等感に苛
まれていたら、私たちは手を差し伸べることができないのです。

銀河連合や5種族評議会を、自分たちよりも優れた存在と考えな
いでください。そうする限り、皆さんは権威を持つことができない
でしょう。自分自身を劣った存在と考えてはなりません。また、皆
さんの惑星では、多くの作戦が進行中であることをお伝えする必要
があります。まだ詳細は明かしませんが、私たちは、あなた方の惑
星を解放するために、できる限りの援助をしていることをお伝えし
ます。この宇宙のどこにいても、同意と自由意志が問題なのです。
立ち上がり、空を見上げてください。空が自分たちとは別世界だと
は思わないでください。自分は空の一部であると思って、見上げて
ください。そして、自由な人間として、銀河連合と5種族評議会に
支援を要請してください。恐怖や不満、疑念に屈して、自分を劣っ
た存在と考えるのは、自分で自分を奴隷の立場に置いていることに
なります。私たちには、鎖にしがみつく奴隷を解放することはでき
ません。もし、あなた方が、奴隷から解放されるよう援助を必要と
するなら、自分自身をそのような存在と考えないでください。宗教
の奴隷でも、政治権力の奴隷でも、私たちの奴隷でもないのです。
自分たちが進化した存在であり、銀河連合の全メンバーと同じよう
に、強力な存在であると考えてください。私がお伝えしたいのは、
この方法で支援を求めてください、ということです。
もし、ネブとの協定が結ばれていなければ、世界はどのように変わ
っていたかについて
VT:皆さんはすでに、より優れた医療技術を利用できるようになっ
ていたはずです。世界は平和になり、戦争は重要でなくなっていた
ことでしょう。エネルギーのシステムも変わり、皆さんの種族や惑
星に機能している大きな組織は、すべて解体されたことでしょう。
権力は、テラ(地球と呼びたいと思います)の人々の手中にあるこ
とになります。最近、皆さんの強力な指導者たちが支援を要請して
きましたので、私たちは彼らと協働しています。彼らが、自分たち
を縛りつけている存在を排除できれば、彼らは自由になり、私たち
はより介入しやすくなります。私たちは、あなた方を殺すことはで
きません。あなた方が自分から前進し始め、支援を要請しない限
り、闇に寝返った人々を根絶することはできないのです。これは宇
宙の法則です。あなた方は、正しい方法で要請する必要がありま
す。

現アメリカ大統領(当時はドナルド・トランプ氏)は、救援を要請
する選択肢があることに気づいているのでしょうか?
VT:彼とは一緒に仕事をしています。

地球では、ほかの国の首脳とも話をされましたか? それともアメ
リカだけですか?
VT:いろいろな場所に行きました。私が皆さんの惑星の指導者と過
ごす期間は、もう正式には終了しましたが、何十年か前には、何人
かの指導者たちと会談しました。当時のアメリカの指導者は賢く
て、ネブとの協定を拒否しようと考え、そうする計画でいました。
しかし、彼の背後で、軍産複合体と軍司令官たちは、ネブとの協定
を結ぶ決定を下していました。彼は、それを知らなかったのです。
CIAもいい加減な機関です。彼らは人類を助けてはいません。その
ことに関しても、私としては言いたいことがあるのですが……、ア
ルダーナ司令官から、言ってはいけないとはっきり言われていま
す。ある上院議員と大統領は、銀河連合に援助を求めることを決断
し、シカールとオリオン・ネブの同盟との協定を破棄しようとしま
したが、2人とも暗殺されてしまいました。そして今、時代は変わ
ったのです。物事は違ったやり方で対処されるでしょう。援助が要
請されたからです。誰が要請したのかは、お伝えできません。3人
のリーダーから要請を受けたのです。しかし、今は後始末をすると
きであり、作戦を公開するタイミングではありません。

私が伝えたいことは、テラの人類も、1つの種族として、支援を
要請する必要があるということです。地球全体がする必要はありま
せん。十分な数があればいいのです。毎晩、外に出て、空を見上げ
てください。小さな点が見えるかもしれません。それは、今私が立
っているこのステーションかもしれません。あなたは、そこにある
ことを知らないでしょうが、そのこと自体は重要なことではありま
せん。銀河系共同体の一員として支援を求めてください。準備は万
端だと言ってください、そして、対等な立場で支援を要請してくだ
さい。あなた方は、物事が変化していくのを見ることになるでしょ
う。あなたが意識を高めると、銀河連合から、あなたの存在が見え
るようになるのです。なぜなら、銀河連合の仲間は、より高い意識
の中にいるからです。皆さんが、自分の振動や意識を高めれば、彼
らと同じレベルに達し、話す準備が整うのです。だから、怒りや劣
等感で請うのではなく、全宇宙の一部であるという意識をもって、
高い意識の波動で要請することです。

あなた方は霊的存在であり、自由であることを忘れてはなりませ
ん。それを認め、受け入れ、宇宙に向かって宣言する必要があるの
です。皆さんは自由な存在です。すべての怒りを押し流し、抱えて
きた憤りを手放すのです。操られてはいけません。私たちが、皆さ
んの呼びかけに答えるということに、確信を持ってください。

苦しみを胸の内に抱えていてはいけません。そうでなければ、メ
ッセージは聞き届けられないからです。あなたが対等に話すときに
だけ、私たちには聞こえるのです。それは、皆さんの惑星の至る所
にある周波数の問題です。これは数の話ではありません。確かに数
は重要ですが、世界の国々のありとあらゆる場所、皆さんの惑星上
の、地理的にさまざまな場所で起こることが重要なのです。この惑
星の実際に覚醒したテランの数を聞いたら、驚くかもしれません。
ただ、彼ら全員が、確信や発言する機会を持っているわけではあり
ません。5種族評議会は、この惑星の覚醒のスピードを速めるため
にすばらしい仕事をしました。

あなたは、5種族評議会と銀河連合のメンバーでもあるのですか?
VT:私は5種族評議会のメンバーです。金星と呼ばれている私の住
む惑星は、5種族評議会によって管理されているからです。銀河連
合はそこに前哨基地を置いており、私もそのために働いています。
銀河連合の規則があるので、私は自分の民族の制服を着ています。
ですから、私は5種族評議会と銀河連合の両方のために働いていま
す。

年代後半に滞在された後、実際に帰国されたのですか?
1950

VT:任務を終えた後、しばらくは戻ってきませんでした。5年間で
す。その後、自分の意に反して再び任命を受けたので、別の任務に
就くことを依頼しました。今は、自分の星の艦隊を指揮しています
が、皆さんの指導者たちとはほとんど交流がありません。例外とし
て、一部の主要なリーダーとは、ときどき連絡を取り合っていま
す。これだけです。当時、私はアメリカ合衆国に住んでいました
が、ずっとそこにいたわけではなく、ほかの国々を訪れ、その指導
者たちとも会談しました。1か所にとどまっていたわけではありま
せん。主に、この五角形のビルに滞在していました。なぜなら、こ
こがあなた方の惑星の作戦の要だったからです。あなた方の問題が
始まったのは、その直後でした。協定が結ばれたのです。最初に、
シャムトバハリ出身のクログと協定が結ばれました。皆さんが、レ
チクル座ゼータ星と呼んでいる恒星系です。彼らは、テクノロジー
と引き換えに助けを求めて、あなた方の星に送られました。彼ら
は、自分たちが滅びつつある種族であるふりをしていました。彼ら
は、皆さんの指導者に、遺伝子実験用の人的材料を要求したので
す。こうして、クログとソリプシ・ラーが一緒にやって来たので
す。彼らは、オリジナルの種のクローンで、DNAを改変されたスモ
ールグレイでした。このスモールグレイという生物は、オリオン・
ネブやシカール帝国のために働き、その奴隷となっていたのです
が、その彼らが、皆さんの政府と密かに協定を結んだのです。この
協定が署名されたことにより、シカールは、オリオン・ネブや、そ
の同盟国のマイトラ、キイリイ・トクールト、そのほかの種族と共
に、公式に定住することが許されるようになりました。しかし、な
かでも重要な役割を果たしたのは、皆さんがアンドロメダ銀河と呼
ぶメゴペイ出身のマイトラです。彼らは、ものすごい数の地下施設
を割り当てられたのです。マイトラは、オリオン座のネブ同盟に所
属しており、そのことがこの取引につながったのです。ただし、彼
らの攻撃的な性格により、話し合いが進まないのは言うまでもあり
ません。

アメリカ政府は、彼らの人体実験や人的材料を保管するため、地
下深くに拡張された施設を提供しました。その代わりに、彼らか
ら、有効なテクノロジーを提供してもらったのです。そのテクノロ
ジーは、戦争用機器を強化するためのもので、この協定に署名した
人々に多大な力を与えるものでした。人間の拉致に関する協定は、
次のようなものでした。囚人や精神異常の人々を借り受けること。
これは、いくつかの病院や刑務所が、地下でつながりをもっている
理由です。アメリカ政府から提供されることになった拉致者の数は
決まっていました。しかし、ネブやシカールは、約束の数をすぐに
超過してしまいました。徐々に、マインドコントロールセンターを
設置し、主要な軍事基地と地下でつながる巨大なトンネルを網の目
状に掘っていたのです。恐怖と脅迫にかられたアメリカ政府は、彼
らの勢力に反対することができませんでした。政府が抵抗しようと
すればするほど、ネブ、マイトラ、シカールは、より多くのアメを
彼らの目の前にぶら下げたり、反対に、脅迫したりして、彼らの試
みを封じ込めたのです。このようにして、非常に速いスピードで戦
争用機器が進歩していったのです。プロトタイプと操縦技術は、皆
さんの政府が口を閉ざし、地下で起こっている恐ろしい行為に目を
つぶることと引き換えに提供されたのです。これが協定の内容で
す。ネブとシカールは、いつも同じ手法を使います。最初は姿を見
せず、クログやソリプシ・ラーなどのクローンを送り込み、騙すの
です。あなた方は、友好的なスモールグレイと協定を結んだと思っ
ていたのに、実はシカール帝国やネブ同盟と協定を結んでいたので
す。これが協定の実態です。

彼らと協定を結ばないように、私はあなた方に伝えようとしまし
た。その代わりに、私たちの援助を受け入れれば、核兵器をすべて
廃絶し、人類が平和に共存するための手助けができると伝えたので
す。さらに、テクノロジーに関しては……、医療科学やフリーエネ
ルギーを利用する装置をはじめとする、人々のためになるものを手
渡すと申し出ました。しかし、私たちの申し出は断られたのです。
あなた方の軍事産業構造にとっては、戦争と利欲のほうが、大きな
興味をそそるものだったからです。アメリカの大統領は、私たちの
話に耳を傾け、同意したいと思っていました。しかし、軍事エリー
トやその支援者たちは、そのようには判断しませんでした。ここま
でで、よく理解できましたか? これは重要なことです。

あなたが話しているのは、アイゼンハワー大統領のことですか?
VT:はい。彼は私の友人でした。私は、彼を助けようとしたので
す。

レプティリアンは、どうやってこの件に関与したのですか?
:地下にはすでに古代の人々が住んでいましたが、彼らはそれほ
VT
ど害がない種族でした。彼らがどのように関わったのかという
と……シカールは、銀河系を巡り、征服するための世界を探し求め
ていました。彼らは、あなた方の世界を見つけて、手に入れたいと
思ったのです。彼らが求めていたのは、食料と遺伝子材料でした。
そのほとんどが、シカール帝国のためであり、ネブと貿易するため
だったのです。この2つのグループは、普段は仲が悪いです。しか
し、付随する利益のために、手を組むこともあります。ナーガの古
代コロニーは、地下世界に存在していましたが、地表には干渉して
いませんでした。彼らは、シカール帝国の古代コロニーの1つでし
たが、もうシカール帝国とは連絡を取っていませんでした。シカー
ル帝国が復活したとき、彼らはこの古代コロニーを説得して同盟を
結び、征服の目的を達成したのです。つまり、レプティリアンの占
領は確かにあったのです。しかし、協定とは何の関係もありませ
ん。自分たちの足元で起きていることを、すべては把握しないほう
がよいでしょう。地球の人々には、自分自身に力があると考えてほ
しいのです。自分たちの世界から、レプティリアンとグレイの同盟
を追い出す力があると、知ってほしいのです。私たちが決められる
ことではありません。あなた方は、この事実に気づく必要があるの
です。

皆さんには、意志の力があるのです。皆さんのエネルギーは閉じ
込められてはいません。それは幻想です。

奴隷化は、まずマインドの幻想から起こります。これは、無知と
恐怖で織り成されたマトリックスです。しかし、皆さんが、自分の
力を取り戻そうと決意すれば、その鎖は壊されるでしょう。なぜな
ぜいじやく
ら、シカール、ナーガ、ネブに対して脆 弱 であり続けさせているも
のが、皆さんの意識の中に隠されているからです。もし、皆さん
が、意識を解放し上昇させれば、彼らはあなた方を恐れて、攻撃を
しかけることはなくなるでしょう。恐怖は幻想なのです。私たち
は、あなた方の軍隊と同盟を結び、多くの艦隊を従えて働いていま
す。これは、皆さんの知らない事実です。そして今、皆さんにお伝
えしたいことがあります。こうして私が話をしているこの瞬間も、
地球の地下から、これらの存在を物理的に一掃するため、多くの作
戦が進行中です。これは、私たちの仕事です。皆さんの仕事は、自
分の意識の上昇をスピードアップさせることです。自分の気持ちを
できる限り、高く保つことです。これを理解するのは難しいことで
すが、私を信じてください。そうすることに意味があります。それ
が、あなた方の礼砲なのです。

ヴァル・ソーが我々の指導者と会っていた証拠について
VT:私は自分の姿を見せることができませんし、出会った人の私生
活を公にすることもできません。しかし、大統領の執務室を覚えて
いますので、ヒントを与えることはできます。机の端に何か、ガラ
スの球体が置いてありました。ガラスの中には、まだ気泡が残って
いてきれいでした。青色でした。壁には、腕のような模様の下に交
差した2本の剣がありました。その上には、美しい鷲が彫られたも
のがありました。あなたの好奇心旺盛なところや、自分が知ってい
る以上のことをいつだって知りたがるところが、私は好きですよ。
これこそ、銀河連合があなたを助けるように促した特異な点です。
好奇心旺盛で、常にもっと知りたいと思うあなたの能力、知識への
渇望のことです。これこそが、私たちが、種にとっての「希望」と
呼んでいるものです。例えばシカールのように、学ぼうとせず、事
実にとどまってしまう場合、その種族は精神的な進化を遂げないの
です。あなたの異次元につながる能力には驚かされましたよ。あな
たにはたくさんの能力がありますね。ですが、私がいちばん好きな
のは、あなたが持つ好奇心なんです。でも、想像力が逞しすぎると
ころがありますね。それは良くない点です。その能力をコントロー
ルする必要があります。皆さんが持っている性質の中で、好きな一
面を挙げるとしたら、1つ目は好奇心で、2つ目は愛です。

皆さんは、家族、子供、パートナー、両親、友人など、お互いを
愛しているのですね。これもまた、希望を示しています。私は滞在
中、たくさんの愛すべき人々に出会いました。友人であるドワイ
ト・アイゼンハワーは、とても愛情深い人でした。彼は、穏やかな
ハートの持ち主でした。家族、特に、孫に対する愛情に、私は心を
打たれたのです。当時、私には子供がいませんでしたが、彼のハー
トからの家族への愛情が伝わってきて、自分も家族を持ちたいと思
うようになったのです。彼は優しくて、愛情深くて、賢明な人でし
た。本当にすばらしい人でした。ほかにも、たくさんの人たちに出
会い、友達になりました。彼らの心は、兄弟への愛に満ちていまし
た。愛は皆さんの力であり、好奇心は皆さんを救うものです。なぜ
なら、いつも皆さんは、より良くするために、より良くなるため
に、もっと知りたいと思うからです。これが進化の仕組みであり、
私たちが皆さんを助け、サポートする理由なのです。私が米国に滞
在していたとき、米国大統領のボディガードたちは、私が自在に物
質化するのを嫌って、それをやめるように言ってきました。だか
ら、五角形のビルに移り住んで、そこに大統領が訪ねてくるように
なったのです。彼に面会したいときは、車で連れて行ってもらいま
した。時間がかかり煩わしかったのですが、彼らのやり方を尊重し
て、それに従っていました。テラを去った後も、私は二度大統領と
物理的にコンタクトをとりました。短いコンタクトでした。彼は、
私の出発を非常に残念がっていましたが、その後も良い関係が続き
ました。私たちは、長い会話を交わしました。私は彼に、何度も申
し訳ないと伝えました。彼は理解してくれました。

ここにいる間に、ほかにも人間の友達はできましたか?
VT:はい、でも全員の名前は公表しません。以前、変わった男性に
会ったことがあります。彼の名前はフランクでした。彼は、私に関
する多くの本を書きました。ですが、あまりに熱心だったので、会
うのをやめたんです。私は、好奇心と学問的な興味関心があったの
で、この惑星のすべての宗教の代表者に、慎重に会うつもりだった
のです。私が選んだのは、権力のパワーゲームに翻弄された人では
なく、誠実な人たちでした。本当の信仰を持つ人々に会いたかった
のです。それぞれの宗教の代表者に会いました。その中でも、フラ
ンクという人は、とても熱心だったと言わなければなりません。彼
は、自分の信仰をなんとしても私に認めさせたかったのです。私た
ちには、宗教に関しても不干渉という法があります。だから、彼の
宗教で教えられているように、愛と平和を奨励しました。それがキ
リスト教の教えです。

キリスト教は、当初、非常にポジティブでスピリチュアルな思想
であったと思います。しかし、急速に、権力のための制度になって
しまいました。人々を不安にさせたくありませんので、これについ
てはあまり多く語りません。私はフランクが好きでした。彼は面白
い人でしたから。私は、彼を宇宙船に乗せたんです。彼はそれを本
に書いて、私もそれを読みました。でも、宇宙船の経験から彼が得
たものが、小さな実用的なことだけだったと知り、私は悲しくなっ
てしまいました。私との出会いについても、彼の宗教的な視点から
語られたものでした。私は彼に、フリーエネルギーと、皆さんの治
癒方法についての情報を与えました。それについて書く許可も与え
ましたが、彼は宗教的な視点で、大げさにそれを表現しました。も
し彼の文章を読む機会があったら、彼の信仰とは別に、その表現を
読み解く必要があります。なぜなら、この銀河系にはグローバルな
宗教などないからです。

どの文化圏でも独自の信仰が育まれるものですが、意識をより大
きく開けるようになると、自分たちが想像してきた神々はすべて、
唯一無二の生命・エネルギー・愛の流れの多様な側面を表している
にすぎないことを発見する日がくるでしょう。この銀河系、いや、
宇宙全体の先進文化圏では、それを「源(ソース)」と呼んでいる
と知るのです。源とは純粋な意識のことです。この真実は、宗教の
概念を超えて進化して、初めて理解できるものです。宗教は、発達
初期の文化に関連しているものです。本当は、この宇宙に教義はあ
りません。あるのはエネルギーだけです。意識と感覚のエネルギー
であり、すべてのものに生命を吹き込むものです。
間違ってはいけません。「源」は神でも女神でもなく、あなたの
上にあるものでもないのです。源はすべての中にあります。それは
宇宙という布を成しています。あなたが、内なる自己とつながるこ
とで、そこにつながることができます。あなたのハートは、源への
ポータルなのです。
私たちが発達初期の文化と交流するときには、彼らの信仰に害を
与えないように慎重になります。なぜなら、不干渉の法があり、銀
河連合のいかなるメンバーも、まだ第二段階にあって安定していな
い文化の発展の道筋を変えることを禁じられているからです。この
男性の本に書かれている宗教的な信念は、私の口から出たものでは
ありません。しかし、当時は、人々がこのような方法で聞くことを
必要としていたのです。だから私は、フランクが私の代わりに出版
した本の内容をあえて修正しなかったのです。それはそれでよかっ
たのです。当時の皆さんの世界では、この宗教が非常に重要なもの
だと考えられていたからです。

フランクの本は、愛について書かれていました。ですが、残念な
がら当時の人々が理解できるような形でしか語られていません。私
は、地球の宗教制度には一切触れませんでした。また、ほかの宗教
の代表者にも会いましたが、彼らは私との出会いについて本を書く
必要を感じなかったようです。フランクという男性は、非常に独創
的で、自分の信仰する宗教がほかのどの宗教よりも優れていること
を証明しようとしました。私は、あなた方が金星と呼んでいる惑星
に住んでいますが、もちろん地球にあるような宗教はありません。
ソース
私たちは、源 を信仰しているのです。皆さんのイエス・キリストの
メッセージは、さまざまなレベルで愛について語っています。イエ
スは、非常に高い叡智を得ていました。メッセージだけで十分だっ
たのですが、古代の指導者たちは、イエスの人気に乗じて、権力と
マインドコントロールのシステムを作り上げたのです。今、このマ
インドコントロールの権力はバチカンにあり、その最高位には皆さ
んの味方ではない者たち、つまり緑の肌をした者たちが潜り込んで
います。これ以上話すことは許されていません。
黒服の男たちに遭遇したことはありますか?
VT:何人か見ました。彼らは、ちょうどCIAによって作られ始めた
ところでした。彼らは、シカールと協働している秘密の派閥です。
は ちゆうるい
彼らは人間ではありません。中には、爬 虫 類 型と呼ばれる単純な
構造の人工生命体もいます。彼らはグループで行動し、グループ内
には、地球出身のマインドコントロールされた人間がいることが多
いです。ここで、彼らの正体をお伝えしましょう。皆さんが彼らに
遭遇するときには大抵、会話や対話ができる人間のメンバーと接触
することになるかと思いますが、同行している人工生命体は危険な
存在です。彼らは、目撃者に証言させないように圧力を加え、脅す
ために雇われるのです。また、彼らは軍産複合体とも連携していま
す。12人の高官がいて、すべてをコントロールしていたのです。こ
の12人は、大統領よりも大きな力を持っていました。アメリカ大統
領は、この12人が知っていることが書かれたファイルにアクセスす
るために、許可を得る必要があったほどです。この機関はまだ機能
しており、解体されてはいません。もう秘密ではありませんが、こ
れ以上は明かしません。

あなたのほかの仲間はどうなりましたか?
VT:女性の1人が私の妻になりました。弟は私と一緒にいて、ほか
に女性2人と男性2人が一緒にいました。私たちは、7人のクルー
でしたが、最終的には、技術者とパイロットを含めて12人になりま
した。クルーは、私と一緒にナアラ(金星)に戻ってきました。私
はときどき、弟と一緒に短い任務のために地球に戻ってきます。私
は司令官で、大使の階級も持っていますので。
あなたの新しいミッションについて教えてください。
VT:監視と報告です。

人間とは一切関わらないのですか?
VT:人間と関わるつもりはありません。私は教訓を学びました。今
回は例外です。

金星に住むことについて、大気が生命に適していないなら、どうや
って暮らしているのですか?
VT:私たちは、半分が地下に埋まった都市のバイオドームで暮らし
ています。大気は96%が二酸化炭素です。私たちは、皆さんの星の
光とパワーを反射するシールドを作りました。酸性雲が太陽光を反
射するこのシールドから、私たちはエネルギーを得て、それが私た
ちの都市やデバイスに電力を供給するのに役立っています。このシ
ールドは、保護の役割も果たしてくれます。シールドの下で何が起
こっているかは見えませんが、私たちの都市の大部分が地下に広が
っており、そこで、生存可能な環境を再現しているのです。上部に
見える構造物は、全体の10%程度です。ナアラの大気は変化してい
るので、この保護が必要なのです。以前は、水があって、大陸があ
りました。でも、あなたの星系で大きな戦争が起こったとき、私た
ちは地下に移動しなければならなくなったのです。なぜなら、大気
に部分的に穴があいてしまったからです。化学バランスが変化し、
太陽からの放射線が地表を直撃し、すべてを破壊してしまいまし
た。そこで、私たちは放射線を止めるためのシールドを作ったので
す。
私たちの環境で生活するために特別な設備が必要なことについて
VT:ここにはすでに、私たちの多くの仲間がいます。皆さんと同じ
姿をしていますが、皆さんは、私たちに気づいていません。皆さん
と同じ大気圏で呼吸できるようにするためには、大気圏全体に届く
太陽からの放射線に耐えられるような皮膚にしなくてはいけませ
ん。私たちは通常、皆さんと同じ大気で呼吸しているわけではあり
ません。ですから、テラ、すなわち地球に出入りし、働くことがで
きる私たちは、呼吸ができるように、そして、放射線で死なないよ
うに、全員が強化を受けているのです。また、重力の調整も行われ
ています。銀河連合、5種族評議会に関連するすべての施設は、そ
れぞれ気圧と重力に独自の規制を設けているのです。そのため、ど
の前哨基地に行っても、周波数ベルトで気圧と重力の平均的な調整
を行います。そうすれば、誰もが同じ空気を吸い、同じ重力比に耐
えることができるのです。この適応は、最初は理解するのが難しい
かもしれませんが、すぐに簡単に理解できるようになる科学です。

あなたはどの密度ですか?
VT:第3密度と第5密度の間を移動することができます。これには
分子の調整が必要です。進化すれば、皆さんもできるようになりま
す。

前回ここにいたときの経験や観察を踏まえて、今の人間社会には、
以前よりも寛大さや成熟さが見られるようになっていますか?
:はい、そう思います。ハートの開き具合や意識という点で、皆
VT
さんが進化していくのを見ていました。自分は宇宙でひとりぼっち
ではないと、気づけるようになってきています。なぜなら、皆さん
のハートは、周りの生命体を感じることができますし、今の自分
は、大宇宙の中の小石にすぎない存在と理解するようになったから
です。自分の本質に目覚め始めているのです。私はその違いを目の
当たりにしました。私が初めて来たときは、皆さんのマインドは、
制限された思考の構造に縛られていました。ですが今や皆さんは、
自分の言葉や発言を解放しました。自分を表現するための、より良
い方法を手に入れたのです。皆さんは、惑星全体で自由に発言する
ことができる技術を開発し、それを可能にする衛星を作り上げまし
た。皆さんは霊的成長を遂げ、今、自分たちの種の偉大な目覚めを
経験している最中です。これは、以前と異なる点です。残念なが
ら、これだけでは、まだ十分ではありません。皆さんはもっと取り
組んで、もっと努力し続ける必要があります。自分の気持ちの中に
平和を見出す必要があるのです。そうすれば、ほかのどんな人たち
とも平和な関係を築くことができるでしょう。意識の解放……それ
が私の気づいたことです。

あなたは、ここで関わる低い周波数にどのように対処しているので
すか?
VT:それに近づかないようにしています。マインドシールドで、自
分を守る方法があるんです。皆さんもできますよ。自分の頭の周り
にエネルギーフィールドを作ると決めるだけです。そのフィールド
を突破できるものは何もありません。それは創造的な意図です。皆
さんの脳が、意識とも呼ばれる高次の存在から意図のインパルスを
受け取ると、電磁波とスカラー波長を作り出します。周りに望むも
の何でも、特にほかの存在からの思考を、操作することができるよ
うになるのです。意図は皆さんの存在から生じ、皆さんが転生した
肉体の生物学的な脳にインパルスを与えます。脳は電磁波を発生さ
せる発電所であり、この方法でシールドを作ることができます。こ
れは自然なことであり、皆さんが認識していないだけで、誰もがこ
れをしています。皆さん全員が、脳から電磁波を発しているので
す。

いつか、この能力によって、離れた場所でも物事を行うことがで
きると気づく日が来るでしょう。例えば、物体を動かしたり、装置
や乗り物を操縦したり、どんなことでも、自分の意識を使って電磁
波を作り、自分が意図するだけで、それを調整して形にすることが
できるのです。その力は、あなたのマインドにあります。思考、エ
ネルギー、あるいは電磁気など、皆さんのマインドのあらゆるレベ
ルに存在するのです。皆さんの惑星にも、同じような電磁シールド
があります。脳と思考を使って、それを調整することができます。
そうやって、あらゆる干渉を遠ざけることができるのです。マイン
ドコントロールも、人工衛星などのように、遠くから電波が送られ
てきて、同じように機能します。このような能力が存在するので
す。

あなたの人種の中に、現アメリカ大統領と接触している人はいます
か?
VT:はい。私たちナアラの人間だけでなく、銀河連合の仲間もコン
タクトしました。彼らは、このリーダーと一緒に行動しています。
これ以上は話さないようにと言われています。私たちが話さないの
は、関心がないとか、何もしていないとか、そういうことではあり
ません。もしそうすれば、未来の進路が危うくなるからです。エレ
ナにも言いましたが、私たちは決してあなた方を失望させません。
これまでも、そしてこれからも。皆さんの未来は皆さんの手の中に
あり、私たちはただ、皆さんのそばを歩き、皆さんが倒れないよう
にここにいるのです。皆さんが、自分の道を歩むのです。私たち
が、代わりに歩むことはできません。私たちは、皆さんがつまずか
ないよう、抱きとめることができるだけです。もし私たちの援助が
必要なら、ただ手を上げて、私たちの手を取ってください。私たち
はあなた方を失望させたことはありません。ずっとここにいました
し、この先も皆さんの種族を失望させることは決してありません。
皆さんが、次のレベル、次の進化のステップの中、目的地に到達す
るまで、私たちはここにいます。そして最後には、私たちは皆さん
と一緒にここにいて、手を取り合って、抱き合って、なぜ私たちが
あなた方に姿を見せなかったのか、そのとき初めて理解することに
なるのです。そこには理由があったのです。私たちは全員、皆さん
のために犠牲を払っていますが、皆さんはそれを知らないのです。
皆さんを助けるために、多くの人種がここにいることを、人々に認
識してもらうことが重要なのです。このことを信頼し、希望を持ち
続けなければなりません。希望こそが、振動を高め続けるものであ
り、敵の手が届かぬようにしてくれるものなのです。

マインドコントロールや恐怖を与える手法について
VT:人類の無知と教育の欠如を利用した、恐怖による操作がたくさ
んあります。あなたを怖がらせたり、精神的、感情的に依存状態に
陥らせたりすることを言われたら、いかなる場合でも、それを拒否
することをお勧めします。事実と科学的真実を用いて、自分自身を
教育するのです。どうか、科学によって真実で正直なものだと証明
あお
できない限り、その言葉に従わないでください。恐怖心を煽 るよう
なものは、信じるべきではありません。これは、暗黒時代の典型的
ぎ まん
な反応です。権力者のエリートが、不安を煽るメッセージや欺瞞 的
な予言で、無知なままにされている民衆を怖がらせ、人々のマイン
ドを感情的に奴隷にし、完全に支配するために行われたものです。
事実を探し求めてください。太陽フレアが、1つのよい例です。

これらはよく使われます。皆さんの太陽は、絶えずフレアを発生
させています。そこには、リズムがあり、季節があり、フレアがよ
り重要な季節があるのです。これらはすべて予測可能なものです。
科学的にダブルチェックされていないものは信じてはいけません。

最近、ハイム・エシェッド氏が銀河連合の情報を公開しましたが、
あなたはその判断に関わりましたか?
VT:銀河連合の人たちは、彼の暴露に関与していました。そうで
す、私もこの情報について、ソーハン司令官と話し合いました。で
すが、2つの異なる情報を合体させないでください。このテラの男
性が今明かしたのは、銀河連合に関する内容です。私が働いている
この機関は、皆さんが奴隷状態から立ち上がるのを助けるため、皆
さんの指導者の何人かと連絡を取りました。私たちは、この指導者
たちと同盟を結び、共に働いています。一方で、この男性が開示し
た情報を、1950年代後半にオリオン・ネブやシカールと結ばれた協
定と混同してはいけません。1954年から1957年にかけて行われた協
定は、銀河連合と結ばれたものではありません。シカール帝国とそ
の手先のテラの人間、ネブ・オリオン同盟、アンドロメダ出身のマ
イトラとの間で結ばれたものです。この2つの情報は別物です。混
同しないようにお願いします。うまくいけば、時間と共に、皆さん
の惑星のテクノロジーが進歩していくでしょう。そして、人々に
は、明るく楽しい長い未来が待っていると、私は信じています。

私たちは今、この瞬間、年長の兄弟姉妹として皆さんを助けてい
ます。まもなく、私たちは同じ土の上で、テラや銀河連合のほかの
前哨基地で、家族として暮らすことになるでしょう。皆さんの太陽
系で起こっている、衛星の月、火星、その2つの衛星、または冥王
星など、別の惑星で起こっている悲惨な出来事についてお話しする
こともできますが、そのような詳細を知っても、皆さんの意識を前
進させる助けにはならないので、お話ししません。これらの詳細
は、あなたの心を乱し、低い波動と恐れをもたらすかもしれませ
ん。振り返らずに、前を見てください。なぜなら、その先こそが、
皆さんが向かっている場所だからです。私は心の底から皆さんを信
頼しています。私がこの惑星に住んでいた間、私はいつも、いつで
も知っていました。自分が取り組んでいたミッションの持つ意味
を。

その間、私は希望を持っていましたし、皆さんの成功を信じてい
ました。そして、今も信じています。私はここにいて、決して遠く
離れることはありません。皆さんの星でミッションに就いていよう
が、自分の世界であるナアラにいようが、決して遠く離れたりはし
ません。そして今、私はソーハンとつながり、彼とは連絡を取り続
けるつもりです。私たちは共に働くのです。だから、私たちが、お
互いに離れてしまうことなど決してないのです。光栄にも、再びテ
ランに自分の思いを伝える機会をいただきました。そろそろ行く時
間です。でも、どうか忘れないでください。恐怖ではなく、あふれ
る叡智をもって、皆さんの個性を発揮してください。またお会いし
ましょう。私たちは決してあなた方を失望させません。愛は、私た
ちすべてを結びつけるものです。さようなら、私の友人たち。

ホログラム装置を切り離したソーハンの目を通して、私の小さな
ホログラムの投影がオフになるのが見えました。この通信の間中、
私はソーハンの目を通してすべてを見ていました。「銀河連合は地
球人類を失望させない」というヴァル司令官の言葉には、感銘を受
けました。「私たちは決してあなた方を失望させません」という彼
の優しい言葉には、銀河連合のすべての種族のハートと愛が込めら
れているのです。私たちを救うため、ここにやってきた彼らは、こ
の戦争で命を犠牲にしています。彼らは、私たちのためにここにい
てくれて、決して私たちを失望させることはないのです。特に、恐
怖や絶望に襲われて、ああだこうだと状況に不満をもち、反発して
叫びたくなるときは、この真実を心に留めておく必要があります。
彼らは、この地球上にも、上空にもいます。ずっと前からここにい
ます。
ひ まご
私は、ドワイト・アイゼンハワー元大統領の曾孫 であるローラ・
アイゼンハワーに連絡を取るようにと言われました。私は、強力な
霊的覚醒者として活動する彼女を非常に尊敬していました。ですか
ら、彼女に迷惑をかけるようなことは、あえて今まではしてこなか
ったのです。しかし、この出会いが次のステップになるという事実
が(あるいはヴァル・ソーによって)決められていたのでしょう。
今やローラと私は親しい友人となり、気持ちが明るくなるような関
係が続いています。私は、ヴァル・ソーが、ローラとの出会いに何
か関係しているのではないかと、強く感じています。ローラの連絡
先がわからなかった私は、YouTubeの最新動画の下にコメントを入
れました。彼女は普段、コメントを読む時間がないのですが、その
夜は、どうしても読まなければならないと思い、真っ先に私のメッ
セージを見つけたそうです。彼女はすぐに返信をくれました。しか
も、その日の夜、そのままの流れでインタビューを受けてくれたの
です。それはまるで、誠意ときらめきに満ちたポジティブなエネル
ギーで輝く光の中、2つの魂が出会ったような感覚でした。

私たちは、即興で2時間のインタビューを行い、オフラインにな
った後も話し続けました。私の住んでいる地域は、夜明けになって
いました。私たちはお互いの話に大変驚きました。彼女の曾祖父
は、グレイと協定を結ぶ意図がまったくなかったにもかかわらず、
MJ-12に騙されてしまったという、ヴァル・ソーから聞いていた内
容を、私は彼女に確かめることができました。それは、彼女がハー
トの奥深くで、確信をもって思い続けていたことでした。彼女から
は、私が知りえなかった情報の確認がとれましたし、私からは、ヴ
ァル・ソーの言葉を伝え、彼女が密かに信じていたことが真実であ
ると立証できて、私は少し感傷的になりました。そのインタビュー
かた ず
映像は、世界中が固唾 をのんで見守る中、急速に人気を博しまし
た。この記念すべきインタビューの再投稿は、私のチャンネルでご
覧いただけます。(https://youtu.be/oYllHl7mn3g)

真実が明かされるときが来ています。私は強く信じています。ロ
ーラなら、曾祖父の記憶に正義を成し、真実に光をもたらしてくれ
るに違いないと。光の部隊が目覚め、私たちは今、お互いが見える
のです。力を合わせることは楽しいことです。私たちには、銀河連
合の祝福と守護があります。何者も、恐怖さえも、使命から私たち
の目を背けさせることはできないのです。特に、恐怖は問題でなく
なるのです! 恐怖は、新しい世界には属しません。恐怖は幻想で
あり、人々の心を奴隷にするために作られたマトリックスです(む
しろ「マインドトリックス」と呼ぶべきでしょう)。しかし、人々
は目覚め、闇の者たちが私たちを服従させようとすればするほど、
私たちは目覚めるのです。彼らは、この戦争に勝つことはできませ
ん。私たちは目覚めており、私たち一同が力を持っているからで
す。私たちには、ディープステートの策略や操作に「ノー」と言う
力があるのです。「もう、恐れない!」と言えるのです。私たちは
今、成長し、1つの惑星、1つの種として、団結する必要がありま
す。真の敵は、私たちの兄弟姉妹ではありません。ましてや、この
世界のものですらありません。邪悪なエリートの一団が、敵の手先
であり幹部なのです。もうたくさんです!

時は来たのです。人類は過去を癒す準備が整い、隠されていたも
のは、もはや影を潜めてはいられません。私たちのものを取り戻し
ましょう。私たちには、その力があるのです。その力は、決して奪
われてはいません。今こそ、目覚め、開眼し、立ち上がるときで
す。救ってもらおうと、受動的に待っているのをやめなければなり
ません。待っていても、そんなことは起きないのです。なぜなら、
善意の銀河系種族は、スーパーヒーローのように、私たちを救うた
めにここにいるのではないからです。彼らは、私たちが自分で自分
を救えるようにサポートする目的でここにいるのです。もし、誰か
に救われなければならないのなら、私たちが進化することは決して
ないでしょう。
善意の銀河コミュニティが求めているのは、私たちが目覚めて、
自由意志の力をもっていることに気づき、これまで信じ込まされて
きたよりも、自分がはるかに強力な存在だと気づくことです。彼ら
は、私たちの背中を見守り、密かに守護し、過去に何度も、地球人
類が自爆するのを避けてくれていたのです。しかし、彼らは、私た
ちの意志に反して、救いの手を差し伸べることはできません。この
話を聞くとショックを受けるかもしれませんが、彼らは、ありのま
まの真実を伝えています。それは、私たちには今、この瞬間、目覚
めて、コントロールを取り戻すチャンスがあること、そして、もし
この課題に失敗したら、私たちは二度と奴隷の身分から解放される
ことはないということです。ゲームオーバーになるのです。転んだ
ときに助けてもらうことはあるかもしれません。ですが、それでは
進化したことにはならないのです。意識の進化のはしごを踏み外し
てしまったら、私たちは、いつかまたこのプロセスを経なければな
らないのです。銀河連合、5種族評議会、アンドロメダ評議会は、
決して私たちを失望させません。ただし、背中を見守り、私たちを
生かすために懸命に働いているこの賢者たちは、本当は、私たちが
目覚めるのを待っているのです。私たちには、自由意志があるので
す! 今までも、ずっとそうでした。ただ、そうでないと信じ込ま
され、恐怖と服従の奴隷にされてきただけなのです。

地球は、歴史の中で、信じられないほど何度も異星人によって植
民地化され、地球人は、何度も交配を繰り返した結果、生まれまし
た。暴力的な戦争は、この太陽系すべての世界を破壊しました。地
球では、大陸が沈没し、洪水や戦火によって、すべての生物から土
地が洗い流されました。現在この地球上で活動しているすべての多
様な生物は、生き残ったもののわずか4%程度にすぎません。勝者
は歴史を書き換えるのです。そして、私たちの過去もまた、私たち
から奪われたものの一部です。それを取り戻す時が、もう来ていま
す。私たちの世界を取り戻す時が来ているのです。私たちは、ただ
目覚めて、自分たちが力を持っていることに気づくだけでよいので
す。

年、少数の人間が、多数の人々に代わって決断を下しまし
1954
た。取引と引き換えに、多数の人の命を代償にすることが決断され
ました。人々は、この決断が下されていることに気づいていません
でした。ネブ・オリオン同盟は、りゅう座アルファ星のシカール帝
国と手を組み、スモールグレイの部隊を地球に送り込んだのです。
このスモールグレイとは、レチクル座ゼータ星のクログとソリプ
シ・ラーのことで、主に奴隷のクローンでした。彼らは、欺瞞的な
戦略を多くの星で繰り広げています。その戦略は、毎度同じで、自
分たちが絶滅しつつある種族のふりをし、遺伝子材料が必要だか
ら、自分たちの戦争技術と引き換えに取引するというものです。ス
モールグレイは、権力を持つ欲深いグループを選び、ほとんど履行
するつもりがない協定に署名させ、黒幕の到着のための基礎作業を
準備するのです。最初に、彼らはドイツに接触しましたが、断られ
ました。ドイツは、アルタイル、アルデバラン、アルキオネのタア
ル・シアール、シカール・レプティリアンのグループと、すでにほ
かの協定を結んでいたからです。こうして、ベテルギウス出身の長
身のエバンが率いるネブ・グレイは、第二候補になっていた強力な
米国に狙いを定めたのです。この卑怯なやり方は、銀河系全体によ
く知られています。

銀河連合、5種族評議会、アンドロメダ評議会は、署名される前
に、それに対抗して、地球の指導者が偏りなく自由に選択できるよ
う、即座に行動を起こすことを決定しました。アヘル・プレアデ
ン、セロシ、ウミット、エマザーが同じ指導者に会い、グレイの悪
意ある策略について警告し、代わりに、平和的で建設的なテクノロ
ジーの提供を申し出たのです。ドワイト・アイゼンハワー大統領
は、人類の大いなる利益と子供たちへの愛から、銀河連合の善意の
使者と協定を結ぶと決意しました。しかし、マジェスティック12
は、彼の背後で、グレイと協定を結ぶ約束をしてしまったのです。
アイゼンハワーは、この協定を覆すために、ありとあらゆる怒りと
絶望のエネルギーをぶつけました。しかし、手遅れでした。すべて
は失敗に終わり、彼は打ち砕かれました。軍産複合体は、悪魔に同
意しただけでなく、人類の血が流れることにも同意したのです。私
たちはずっと、自分たちには何もできないし、力を持った地球の裕
福な秘密の帝国に助けられているレプティリアンとグレイが権力を
握っていると、信じ込まされてきました。この時点で、銀河連合が
戦争に介入することは、発達初期の文化への不干渉という宇宙の法
則を破ることになり、私たちの自由意志に逆らうことになります。
実際、私たちの代表は、侵略されることに同意して署名したので
す……。

すべての人類は、常に自由意志を持っていましたが、奴隷にされ
ている間は、必ずしもそれに気づけないのかもしれません。レプテ
ィリアンは征服のたびに、騙されやすく操りやすそうな種族を選
び、その中から奴隷管理人を選出します。テラのダークフリートを
思い浮かべてみてください。
彼らは、人類を恐怖という幻想の中で維持し、マインドコントロ
ールを使って、自分の言葉で発言できないようにし、波動を下げさ
せ、私たちを3Dの「マインドトリックス」に閉じ込めたのです。
そして化学物質を投与し、ワクチンでDNAを変えさせ、死んだ加工
食品を食べさせました。彼らは、私たちを死肉のような周波数にさ
せる必要があったからです。彼らにとって、私たちは、奴隷か、遺
伝子材料か、生きた食べ物か、そのどれかでしかありません。もし
私たちが目覚め、意識を解放し、この世界を平和や団結、無条件の
愛の世界にしたならば、私たちは、彼らの手の届かない存在になっ
てしまうのです。なぜなら、これらの捕食者は、より低い次元で活
動するからです。宇宙から来たこれらの吸血鬼は、恐怖やストレ
ゆううつ
ス、中毒、セックス、戦争、怒り、痛み、憂鬱 のような、低い感情
も食べ物にしています。毎年、何百万人もの子供たちが拉致され
て、帰って来ないままです……。世界規模の想像を絶する恐怖の巨
大地下網は、私たち自身の政府によって促進されているのです。こ
の狂気に、終わりを突きつける時が来ました。銀河連合は、いつも
のように、私たちのために見えない場所で戦っています。彼らは、
地球の軍隊と一緒に、私たち惑星の地下を一掃するために、宇宙で
戦い、誘拐された人々や奴隷、ハイブリッドを救出しています。私
たちのために、自らの命を危険にさらしているのです。なぜでしょ
うか。それは、私たちにそれだけの価値があると、彼らが確信を持
っているからです。私たちに希望を持っているからです。しかし、
地球上の悪の支配に決定的な終止符を打つために、彼らが公に行動
を起こすことはできません。なぜなら、強力なETスーパーストラク
チャーとの公の戦争になって、もし地球が戦場となってしまった
ら、地球が荒廃してしまうからです。また、私たちは、自分を浄化
することがある程度必要だからです。意識的な種族として、次のレ
ベルに進化を遂げるには、それ以外に方法はありません。私たち地
球人には、これらをコントロールする力があるのです。その力と
は、「ノー」と言える力、つまり「同意しない」と声を大にして言
える力です。私は、恐怖によって支配されることに同意しません。
実験材料や食べ物や奴隷になることに同意しません。私は、自分の
種族と戦うことに同意しません。なぜなら、真の敵はこの世界の存
在ではないからです。これは、人類の偉大な目覚めです。窓は開い
ています。長い間ではありませんが、まだ開いているのです。今が
そのときなのです。

次の章に掲載したのは、銀河連合へ援助を求めるための宣言文で
す。自分のハートからの想いであることが重要なので、あなたの言
葉で宣言していただいてもかまいません。
外に出て、自分の足でしっかりと立ち、空に向かって、銀河共同
体の対等な一員として、自分のために、人類のために、過去に悪意
ある存在と結ばれた契約を取り消してください。あなたには、この
力があります。なぜなら、自由意志は宇宙の法則であり、私たちの
守護者が公に行動を起こさない根拠となる唯一の条項だからです。
あなたの惑星を取り戻し、あなたの権利と自由を取り戻し、あなた
の運命を取り戻してください。彼らは、すでに長い間、私たちを支
援してくれていますから、文字通り、支援を要請するということで
はありません。この本当の意味は、支援を要請することによって、
私たちが自らを、彼らと対等な立場へ高めるということです。内側
から自分を解放し、自らの自由と主権を取り戻すことによって、私
たちが鎖を断ち切ること、それに必要なのは、意図する力なので
す。
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私は……主権者であり、自由な人間であり、霊的な存在です。
銀河共同体のメンバーと対等な立場にいます。私自身の自由意志に
より、テラの人々の代表として、銀河連合からの援助を要請します。

悪意ある侵略的な地球外生命体の勢力を、確実に追い出すために。

彼らの占領を終わらせ、テラの人々を奴隷状態から解放するため
に。

過去に悪意ある地球外生命体と交わされた協定を取り消します。
自由意志により、テラの人々は、自分たちの星を取り戻そうとして
います!

テラの人々は、自らの権利と主権を取り戻そうとしています!
テラの人々は、今、銀河連合と協定を結びます。

この協定が、無限の星々と、永遠の時間の中に組み込まれますよう
に。

平和と正義がいつも勝利しますように。
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年1月1日 。ソーハンからテレパシーで連絡がありました。
2021
ヴァル・ソー司令官の故郷の星、金星に遊びに行く機会があったの
です。「今夜にしよう」とソーハンは言いました。こうなってしま
えば、これから起こるワクワクする体験に備えて過ごすしかありま
せん。私は、リラックスして横になり、そのときを待ちました。そ
れから間もなく、上空にあるソーハンの宇宙船から、腕の毛が逆立
つような、顔をくすぐるような電磁波がバチバチと伝わってくるの
を感じました。青いビームが突然部屋に流れ込み、私は非物質的な
ルーフを伝って宇宙船のセントラルエアロックへと運ばれていきま
す。エアロックを通り抜け、船内に入ると、エアロックは私の下で閉
じられ、私は固い床に足をつけました。テレポートルームの明るい
光に慣れるために、目の前に手を掲げました。すぐに慣れてきて、
壁のパネルの細部まではっきり見えるようになると、心臓がドキド
キしてきました。「宇宙船の中にいる! 宇宙船の中にいるんだ
わ!」と思うと気分が高揚したのです。私は手のひらを指でぎゅっ
と握り、爪の圧を感じながら、自分がちゃんと実体化しているこ
と、このすべてが現実であることを確かめました。もちろん、現実
です。私は深呼吸をして、清々しい空気が肺に流れ込むのを感じまし
た……。ああ、これは現実なのね……。いつもならソーハンが出迎
えてくれて、司令室まで歩いて連れて行ってくれるのですが、今回
は「司令室へ来て。道はわかるよね」という声が頭の中に聞こえて
きました。心臓の鼓動が早くなり、私はドアから環状になった通路
へ出て、船内正面の司令室へと続く3段の階段に向かいました。こ
の宇宙船のドアが、よくある普通のドアではなく、壁が開いたり閉
じたりするだけの仕組みになっているのにはいつも驚かされます。
テレポートルームや居住部の一部はそのようになっていますが、こ
の司令船の場合、司令室へのアクセスは、頑丈なオープンアーチに
なっているだけなのです。

青い将校服を着たソーハンは、ウェーブのかかった金髪をなびか
せ、メインパイロットの席を離れ、明るい笑顔で私を迎えに来てく
れました。私たちは優しく抱き合いました。この瞬間がたまらなく
愛おしく思えます。
「宇宙船に1人でいるの?」
と、私は聞きました。
「ああ、でもアナックスも一緒だよ。こちらに向かっている」
「わあ」
と、私は喜びの声をあげました。
宇宙船の左側に明るいオーブが接近し、船体の下を通過していく
のがわかりました。それからまもなく、長身のエガロスが司令室に
入ってきて、とても楽しそうな表情で私のほうへ歩いてきました。
私たちは愛情を込めて抱き合い、彼が笑うと、その美しい藍色の瞳
は百万の星のように輝きました。アナックスはマホガニー色のエガ
ロスの制服を着て、黒いベルトをしています。
皆が着けているこの制服のベルトについても説明しておく必要が
あるでしょう。私が出会ったほとんどの地球外生命体は、さまざま
な制服を着て、周波数調整器と武器ホルダー、そして多様なコマン
ドデバイスが備わったベルトを身につけていました。これはホログ
ラフィック・コンピューターを腰につけているようなものです。銀河
連合のベルトは金色で、5種族評議会のベルトは黒色です。レプティ
リアンにも同じ技術を使う種族がいるそうですが、一般にグレイは
この種のベルトを持っていません。
アナックスの細くて骨太なエガロスの体を抱きしめると、いつも
不思議な気分になります。アナックスは、私と私の家族をいつも見
守ってくれていた、かけがえのない私のスターファーザーです。私
は彼の遺伝子を受け継いでおり、私たちの心は銀河の家族愛という
絆で結ばれているのです。アナックスは5種族評議会の一員として、
選ばれた地球の血統のゲノムを強化するプログラムに参加していま
す。善意で行われている、この遺伝子計画は、銀河の光と正義の均
衡を守る人々が地球に関心を持つようになった何世代も前に始めら
れました。地球における5種族評議会の目的は、可能性を見込まれ
て選ばれた同じ血統の人々を通して、例えばアヌンナキのような退
行的な侵略者によって変更されたDNAコードを徐々に再活性化させ
ていくことです。このコード化によって、こうした人々の個々の体
は、「使徒」のように、より高い密度と周波数からの魂を感受でき
るようになります。普通の地球人の体であれば、その高い周波数と
のギャップに細胞が耐えることができません。私の場合は、私と血
がつながっているアナックスが、緊急時に素早く発動できるように
と、彼のエガロスのDNAを私の肉体に少し混ぜてくれたのです。彼
は、「よく来たな、我が子よ」と、とても落ち着いた口調で言いま
した。
「お父様、お会いできてうれしいです」
ソーハンは再び操縦席に戻り、私に隣に座らないかと声をかけま
した。
「じゃあ、今回は私が副操縦士ということ?」
私は冗談交じりに言いました。
「まあ、そうだね」
と、彼は答えました。
「でも、今回は何も触れちゃいけないよ」
「わかったわ」
もちろん、私に少しだけ操縦を任せてみたときに、火星に墜落し
そうになったことを、彼が(そして私も)忘れるはずはありませ
ん。ですが、マインドドライブに敏感に反応しすぎる(そして、あ
まりにも速すぎる)この機体を操縦できなかったとしても、私のせ
いではありません! アナックスは私たちの後ろでじっと立ってい
ました。私は白い滑らかな素材でできた快適な副操縦席に横たわる
と、体の緊張をすべて解き放ちました。ああ……このすばらしい感
覚を忘れていました! この操縦席の側面には、制御装置が組み込
まれているため、私は制御装置に触れないよう腕と手のひらを自分
の体にくっつけていました。不用意なことで、危険を冒すわけには
いきません。ちょうどそのとき、星が私たちの目の前をスーッと移
動していきました。
地球の軌道を離れると、私が景色を楽しめるように、ソーハンが
ゆっくりと運転してくれていることがわかりました。私が喜ぶと思
って、彼は軌道を離れる前にあえて地球の周りを一周してくれたの
です。太陽光を反射する大気の青い輝きは眩しいほどでしたが、影の
ところを飛行すると、眼下に街が星座のように光り、海岸や陸地が
浮かび上がってきました。それはまるで金色の塵が大陸を形作って
いるようでした。テラ……この星はなんとすばらしいのでしょう。
上空から見ると、とても平和で静かに見えることには、いつも驚か
されます。まるで人類が静止しているかのように、あるいは眠ってい
るかのように見えるのです。
日中でさえも宇宙からだと、音は聞こえません。人類の叫びも笑
いも、音楽も雑音も、何もなく……あるのはただ静寂だけで……青
い惑星は平和に回転しています。すると突然、太陽が現れ、前面の
スクリーン全体が暗くなりました。ソーハンがそこへ向かうルート
を設定すると、地球が視界から消えました。巨大な炎の球体にゆっ
くり近づいているように見えましたが、距離からすると実は相当な
スピードであることがわかりました。左手に見える太陽を通り過ぎ
るときには、自動スクリーン・シールドのおかげで、私は畏敬の念
ボ イ ド
を抱きながら、超空洞 に投影される激しい炎に見とれていました。
なんと壮観な光景でしょうか! 宇宙船が太陽のそばを離れると
間もなく、反対側に小さな輝く惑星、水星が現れました。「こんな
ところにあるのね。こうやって逆行して、みんなを困らせているの
ね」と、私は思いました。
ソーハンは私の思いを汲く み取り、微笑みました。
「水星に知り合いはいるの?」
と、私は聞いてみました。
「いや」
と、彼は答えました。
「地上に前哨基地を置くのは厳しいんだ。銀河連合は水星を観測所
や鉱物資源として利用している」
「つまり、整理すると、この太陽系のそれぞれの惑星は、月も含め
て、銀河連合、あるいはオリオン同盟やその仲間たちの所有物とい
うこと? テランも自分たちの太陽系を活用すべきよ」
「説明しよう。テランは自分たちの惑星と、それに付随する月を所
有しているんだ。同じ星系の各惑星は個人に例えることができて、
同じ家族の一員とも言える。各個人は自分自身を所有しているけれ
ど、家族のほかのメンバーのことは所有していない。高度な文明
は、その星系にある別の惑星を、先住民の生命の痕跡が1つもない
ことを条件に、所有権を主張することができるんだ。我々は現在、
君たちの惑星と月を取り戻す手助けをしている。次は火星だよ」
「オリオン座のグレイが降り立つ前に、火星には先住民が住んでい
たの?」
「そうだね。火星は何度も侵略され、何度も破壊されてきた。けれ
ども、生命はとても逞しい。火星には3つの生物種が生息している
けれど、彼らは長い間、火星に住んでいたことから、現在では先住
民とみなされているんだ。ヒト型爬虫類、インセクトイド(昆虫類
型)、あとはイモ虫のような種族もいる。ほら、金星に近づいてき
たよ」
全身に震えが走りました。青く輝き、ライトブルーと柔らかな紫
の雲に覆われた、地球の双子の姉妹が現れたのです。ソーハンは私
に微笑みかけました。
「ありがとう」
私は感謝の気持ちを込めてそう返しました。
「君のためなら、何だって」
「まずは月のことをお願いしたいのだけど……」
「気にかけておくよ」
彼は笑って、宇宙船を軌道に乗せました。金星の大気圏上空をし
ばらくホバリングしているうちに、私は興奮してきました。危険な
厚い酸性の雲の中に、何があるのかは想像もつきません。このよう
な過酷な環境下で、生命がどうやって栄えるというのでしょう。
ゆったりと軌道を飛行していたおかげで、金星の美しさを堪能す
ることができました。ソーハンは大気圏に突入するための正確な場
所を特定しようとしています。目の前の制御盤で何かが光ると、宇宙
船が安定しました。すると、硫黄の雲のシールドがトンネルのよう
に開いて私たちを迎え入れ、その中を垂直に下降していきました。
すばらしい光景です! 驚きでした!
大気圏に入り、銅の煙のような光に包まれた山頂やクレーターか
らなる荒涼とした焼け野原を飛ぶと、喉が渇いてきました。この風
景は、私が想像していた金星とはまったく違っていました。機体は
山脈の間を高速で移動し、1分もしないうちに、まるで片側が人為
的に地面の高さまで浸食されたかのような半円のクレーターが眼下
に現れました。そこには、周囲と同じ素材で造られたような、かろ
うじて認識できる平らで不透明なドームがありました。このドーム
は、仮に厚い酸性の雲のシールドから覗き見ることができたとして
も、宇宙からはまったく見えないでしょう。この建造物の近くに
は、地下に通じるトンネルの入口らしきものがあり、私たちの宇宙
船はそこへ素早く入っていきました。中は暗く、両側に取り付けら
れている人工の光は、飛行通路を明るく照らすためというより、道
を示すためにあるようでした。そして突然……。
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真っ青な陽光に数秒間、目が眩みました。あれは何だったのでし
ょうか。ここは地下なのに、目の前に広がる壮大な景色は、まるで
『ロード・オブ・ザ・リング』の映画のセットのようでした。青い
山脈の間に緑の谷が現れ、その底には美しい光に包まれた未来都市
が広がっています。私はその光景に魅了され、言葉を失いました。
頭の中で脈打ちながらも、言葉にできない疑問に、ソーハンが答え
てくれる声が聞こえました。
「バイオドームにはそれぞれ人工の太陽がついていて、反物質によ
って動いているんだ。トンネルに入る前に地上で見た金属ドームは
この一部なのさ」
「これはすごく大きいのね……」
「確かに広大だね。正確にはドームではなく、もっと複雑な構造を
しているよ。この惑星の地下にはこうしたドームが何百もあるん
だ。ほら、ここが着陸港だ、着いたよ」
地面に開いた丸い穴に入り、別のトンネルを抜けるとすぐに、ほ
かの宇宙船が停まっている広大なホールに出ました。
「金星へようこそ!」
そう言うとソーハンは席を立ち、アナックスと一緒に出口まで誘
ってくれました。

スロープに足を踏み入れて歩いていると、畏敬の念に打たれまし
あまた
た。全体が複雑な構造をした温室のようで、数多 のガラスドームや
通路に光が流れ込んでいました。私たちを待っていたのは、金色の
金属粒子できらめく白いタアルの制服を着た2人の男性でした。古
代ギリシャの兜のような、見たこともない頭装備をしています。彼
らは私たちを小さな浮遊する乗り物へと案内しました。そこに乗り
込むと、案内人の1人が前方に座って操縦をしました。この不思議
な車にはルーフがなく、反重力によって地上に浮いています。これ
は面白い移動になりそうです! 車はガラスのトンネルを抜け、発
着場を後にすると、私の予想に反し、空へ飛び出しました。髪が風
でなびき、清々しい空気に顔をなでられながら、私はシートの肘掛
けをつかみ、背もたれに寄りかかりました。地上1メートルくらい
を飛行するのかと思っていたら、ドームや近未来的なビルの上空を
飛んでいるのです。めまいを起こしそうなので、建築物の細部を十
分に見ることはできませんでした。
ちらほらと見かける低い塔を除けば、1、2階建てより高い建物
はありません。やがて私たちは小さなドームがいくつも連なり、前
面に列柱のある豪華な家に向かって降下し始めました。運転手がエ
ンジンを切って、車体を地上に下ろすと、私たちは前庭に降り立ち
ました。私はガイドに従って、高いアーチのついた玄関口に向か
い、数段の階段を上ってメインエントランスの扉に着きました。そ
の扉を開けると、白色と金色の大理石のホール(大理石ではなかっ
たのですが、そのように見えました)があって、3つの通路につな
がっていました。
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透明なドーム型の天井からは美しい光が流れ、室温はちょうどい
い暖かさです。タイル張りの床の模様に目を奪われていると、左の
通路から笑い声のような子供の声が響いてきました。8~10歳くら
いの少女が駆け込んできたのです。白いシンプルなチュニックを着
て素足で、黒く艶やかな髪は長く、太く、カールしていました。瞳
は澄んだ茶色で、可愛らしい人形のような顔をしています。私たち
3人を見るなり、恥ずかしさからか動かなくなり、顔を赤らめまし
た。すると彼女の背後から、タアミ語で話す男性の声が聞こえてき
ました。彼の姿を見て、私の胸は高鳴りました。素足にシルキーホ
ワイトのチュニックとゆったりとしたズボンを身につけたヴァル・
ソー司令官が、満面の笑みで私たちを迎えてくれたのです。
「ようこそ、私の住まいへ! この子は娘のアルマニーですよ。旅
は楽しかったですか?」
その言葉は私に向けられたものだったので、息が止まりそうにな
りました。
「はい、最高でした。お招きくださり、ありがとうございます」
「どういたしまして。さあ、こちらへ」
ヴァルと娘は、私たちを中央の通路から小さなアリーナへと案内
してくれました。アリーナは、壮麗な風景に面した柱列に囲まれて
いました。この豊かな渓谷、ターコイズブルーの澄んだ空、そして
優雅な都市が、二酸化炭素に包まれ硫酸の雲に覆われた、人を寄せ
付けないこの惑星で、どのように繁栄してきたのか、私には理解で
きませんでした。信じられないですが、現実なのです。地底王国ア
ガルタも、おそらくは同じように環境を再創造するシステムで機能
しているのでしょう。ソーハンの手が私の前腕に触れたとき、私は
ハッとしました。彼の優しい笑顔が私を、あの瞬間の、あの場所に
連れ戻します。実を言うと、私は段々とめまいがしてきていまし
た。空気の成分のせいなのか、それともこの場にいることへの感情
がそうさせていたのでしょうか。
「重力が軽いからだよ」
私の考えを読み取ったソーハンがそう答えました。
ヴァル・ソーは、私たちを半円形の段に置かれたクッションに座
らせ、壮大な景色を見渡せるようにしてくれました。彼の娘が、金
色の首の長い金属製の瓶を持って戻ってきました。そして虹色の不
思議な液体を3つのボウルに注ぎ、その1つを私に手渡してきまし
た。
「飲みなさい」
と、ヴァル・ソーは私に言いました。
「これを飲めば、体がナアラの重力に順応するでしょう」

私はそれに応じました。新鮮な砂糖水のような味のこの異星人の
ポーションには心地よい驚きを覚えました。私はそれが胃の中に滑
り込んでいくのを感じ、至福の感覚を味わいました。
「すぐに良くなりますよ」
と、ヴァル・ソーが私に言いました。
「ここは私が家族と暮らしている場所です。欲しいものがあれば何
でも言ってください。お持ちしますので。どうぞくつろいでくださ
い」
「まあ、ありがとうございます。本当に。ここに来られてとても光
栄です」
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「リラックスしていると、体が慣れますよ」
そして、ヴァル・ソーは、半円の端に座って列柱の向こう側の景
色を眺めているアナックスに声をかけました。地球と同じおもてな
しの心で、この場では英語で会話してくれていたのですが、その内
容は衝撃的なものでした。
「アナックス評議員」
と、ヴァルは彼に言いました。
「あなたがここに来てくださり大変光栄です。テラの5種族評議会
において、エガロス族はどのような立場にあるのでしょうか?」
「ロシアへの介入については、控えめにしています」
と、アナックスは答えました。
「ロシア政府は銀河連合の援助から離れ、単独で行動しようとして
います。そのため、ウルアンナ(オリオン圏:おそらくアナックス
はネブ族を指している)に転覆させられる可能性が極めて高いので
す」
「それは聞いています。何年か前、私はロシアとのつながりを強化
するために多くの労力を費やしましたが、彼らの政府は頑固で独立
心が強い傾向にあります」
「彼らは私たちを必要としています」
「そうですね。では5種族評議会はどのように考えているのです
か?」
「評議会は当面介入しない方向で考えていますが、エガロス族の立
場から言わせれば、むしろ強く主張し、協力したいところです。彼
らは単独で自由になれるほど強くはないので」
「彼らのリーダーは表舞台に躍り出たいのです。中国のアジェンダ
とネブとの協定が無効になれば、経済的な取引にいち早く応じたい
のでしょう。けれど単独では無理だ。私は、ロシアが我々の指導と
保護を必要としていると考えています」
「その通りです、ヴァル司令官。この件に関して、あなたのハート
と調和したエネルギーでいられることをうれしく思います。この2
つのテラン主導の政府の隠された秘密について、あなた以上に知っ
ている人がいるでしょうか? あなたの声をアルニラムの評議会の
包囲軍に報告します」
「アナックス評議員、あなたのハートと共鳴できてうれしいです」

私は自分が耳にしたことが信じられませんでした。地球の政治
が、異なる意図を持つ地球外生命体によって巧妙に操られているこ
とは世界的に知られていますが、実際に金星の大使とエガロスの評
議員の会話を聞いて、感銘を受けました。
「気分は良くなりましたか?」
ヴァル・ソーの問いかけに、私は飛び上がりそうになりました。
「ええ、本当に良くなりました。地に足がついた感じがします。あ
りがとうございます」
「よかった。何か聞きたいことがありましたか?」
「ええ、お願いします、司令官! あなた方の話を聞いて、あなた
がロシア、そしてペンタゴンにいたときのことについてお聞きした
いと思いました。具体的に何をやっていたのですか? もちろん、
開示できるものであればですが」
「プライバシーと安全上の理由から、私が接触した人物の身元は明
かせません。アメリカ人とオリオン同盟、シカール、そしてその人
間の同盟国との接触や秘密の取引は、部分的にリークされています
が、当時ロシアで起こったことは、誰も知りません。私自身は知っ
ています。ニキータ・フルシチョフは最初、ネブとの調印を拒否し
ていました。彼は自分の権力を文字通り異星人と共有することを望
まなかったのです。彼は最初、誰も信用しませんでした。「最初」
と言うのは、彼らが後に同じく魅惑的な間違った約束をネブと交わ
してしまったからです。これも悪い選択でした。この国には秘密が
多いことをあなたもご存じだと思いますが、技術的に優れた文明か
らの保護を求めることは、たとえそれが銀河連合であっても、誰か
に借りを作るような立場にロシア政府を置くことになるのです。ロ
シアという国では、そのようにすべてがいつも成り立っています。
つまり、保護の見返りとして相当な代償を払わなければならないの
です。私はフルシチョフに、銀河連合はそんなことを気にしない
し、見返りを求めない。絶滅の危機に瀕した文明を略奪集団から守
るのが私たちの義務なのです、と説得を試みました。しかし、私の
言葉はいずれも彼の心には届きませんでした。彼らは私のことを信
じようとさえしませんでした。私が何者であるかは関係なく、私の
意図の本質について理解していなかったのです。ただし、ロシア人
たちは私に多大なる敬意を払い、礼儀正しく接してくれました。私
は一度も騙されたり、傷つけられたりしたことはありません」
「アメリカ人はあなたを騙したり傷つけたりしようとしました
か?」
「はい、しました。彼らは我々の技術を知りたがっていました。戦
争に使うだけの目的で」
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「ロシアにはどのくらい滞在されたのですか?」
「行ったり来たりしていました。私はロシアのリーダーや、そのシ
ークレットサービスと共に多くの時間を過ごし、地球と関係のある
さまざまな銀河系種族について教え、誰が味方で誰が敵かについて
十分に知ってもらうことができました。ドワイト・アイゼンハワー
にしたのと同じように、私は彼らに多くの情報を提供したのです。
銀河連合は、ほかにも使者をロシアに送りましたが、ロシアと保護
協定を結ぶまでには至りませんでした。ロシアは結局、ネブの手玉
に取られてしまった。今できることは、非公式に面倒を見ることだ
けです」
「アメリカ軍があなたを傷つけようとしたと言いましたね? それ
について詳しく教えてください。彼らはあなたに身体検査を行った
り、あるいは拷問を行ったりしましたか?」
「彼らは身体検査を求めてきましたが、これは、地球で生まれた人
間でないことを証明し、信頼を得るための一種の取引でもありまし
た。私はまず制服を渡しました。科学者やエンジニアは、しばらく
その調査に夢中になっていたのですが、それでも身体検査を要求し
てきました。結局、私はそれに応じました。一度だけでなく、何度
も何度も長いこと検査をさせられ、その度に新たな検査が必要だと
いう言い訳を聞かされました。ご存じのように、私の出身地では、
医療行為に痛みを伴うようなことは、もう長いことありませんでし
たが、地球のやり方がそうとは限りません。だから結局、うんざり
してしまって、すべてをやめさせました。ドワイト・アイゼンハワ
ーもあまり長くは続けさせたくなかったようで、私の決断に同意し
てくれました。とにかく十分な証拠があったのです。あなたも知っ
ているように、ペンタゴンは軍の情報機関のトップだから、私がこ
の特別な場所にいたことは、上層部の判断でもあったのです。当
時、すべての作戦の中枢神経系がそこにあったのです。あの建物内
は、さまざまなプログラムを通じて、非常に細分化されていまし
た。
「そこでのあなたのミッションは、具体的に何だったのですか?
つまりペンタゴンでのミッションです」
「情報提供、監視、協力です」
「それについて、もう少し詳しく説明していただけないでしょう
か?」
「私は同盟関係にある2つの異なる組織のために働いていました。
5種族評議会の代表として、私は銀河連合との協定に同意するよう
各国政府に働きかけ、先端技術の援助を提供する協力プログラムを
実施し、防衛同盟の創設に向けた最初の礎を築くためにそこにいま
した。
その主な内容は、これらの政府が互いに冷戦を放棄するよう説得
することでした。チームと私は、テランが自衛のための艦隊を作る
ための技術も提供しました。そのように進めてきました。通常、私
たちは文明の進化に介入しませんが、場合によっては介入せざるを
得ません。また、フリルについても伝え、カバールの主な収入源と
なっている、化石燃料産業や、環境破壊と人類への虐待を餌にする
関連企業に代わって、惑星全体の再生可能エネルギーを作り出す方
法も教えました。ですが、軍産複合体が望んでいたのは、自分たち
の戦争兵器を強化することだけでした。ネブは戦争技術を提供しま
したが、銀河連合はより良い未来を築くための技術的知識を提供し
ました。そして……エリートたちは迷うことなく選択しました」
「テラの人々はこれを選ばなかったと思います。誰もが平和、医療
技術、フリーエネルギーを望んでいるのです」
「わかっています」
「あなたは5種族評議会のために活動していた……だけど、あなた
はタアル人ですよね?」
「その通りです。正確には、タアル人は5種族評議会のメンバーで
はありませんが、この組織はナアラにとって重要な前哨基地を保有
しています。タアル人の外見や体質はテラの人間に近いので、当
時、高度な訓練を受けた軍人であった私が選ばれたのも、それゆえ
でしょう。体格が良く、賢くて、テランのような外見の者が必要だ
ったのです。ドワイト大統領とは、宇宙のこと、地球の未来のこ
と、私たちが一緒にできることについて、長い議論を交わしまし
た。私は政府の善良な派閥に、テクノロジー、寿命、健康状態を改
善し、フリルからのエネルギーを供給するために作られた装置の設
計図を渡しました。この協力プロジェクトを阻止しようとする敵の
試みは何度もありました。そのため秘密裏に遂行することになった
のです。MJ-12と軍産複合体は、この情報が一般に公開されることに
い かく
何の関心も持っていませんでした。その代わりに、彼らは威嚇 し、
脅迫を試みたのですが、効果はありませんでした。彼らは、ネブの
提供する技術を破壊と支配のために利用することに取り組みまし
た。これに対抗するために、私がペンタゴンにいた頃、銀河連合
は、ある重要な人物に直接、個人的に接触するという選択をしまし
た。変化をもたらす能力を持つ人たちです。これは現在、エラヒ
ル、ウミット、エマザー、オホライが中心となって進めているプロ
グラムです」
「先ほど2つの異なる組織で働いたとおっしゃいましたが、もう1
つの組織は何ですか?」
「銀河連合です」
「それは、また別の目的だったのですよね?」
ヴァル・ソーは再び咳払いをして、背筋を伸ばしました。
「ええ、そうです、違う目的でした。私は銀河連合の情報エージェ
ントでした。簡単に言えば、スパイです。私のミッションは、誰が
ネブと契約したのか、そしてその契約内容は何なのか、その意図と
計画を探ることでした。テランの政府に侵略者を警告し、有益な知
識を提供することを隠れ蓑に、ネブや、シカールとその同盟の人間
に関するすべての裏活動を連合に報告することも私の任務でした」
「シカールと同盟を結んだ人間?」
「ノイシュヴァーベンラントの人たちのことです」
「それはどこにあるのですか?」
「南極大陸です」
「あら……ドワイト・アイゼンハワーは気づいていたのですか?」
「ええ、彼はすべて知っていましたよ。だから状況を逆転させ、敵
との条約を取り消したいと思っていたのです。特に12人の委員会と
軍産複合体に対しては熱心に、自らの信用を落とすことを恐れず働
きかけていました。彼とは一緒に仕事をする必要があったので、銀
河連合での私の仕事について話をしました」
「なぜうまくいかなかったのですか?」
「ネブやシカールと戦争になってしまいそうだったからです。そう
すれば地球にとって大変なことになる。あなたの惑星を残忍な戦場
にするのは何より避けたいことだったのです。あまりに危険な状況
だったため、銀河連合は私を呼び戻しました。それほど重大な危機
に瀕していたのです。だから、私は地球を去るときに、アイゼンハ
ワーのオフィスで握手を交わし、謝罪をしたのです。彼は理解して
くれました」
そのとき、ヴァル・ソーは手のひらに額を乗せ、膝に肘を置き、
突然深い疲れに襲われたかのようにため息をもらしました。この話
題は、少なくとも今回はこれで終わりだと理解しました。しかし、
最後に1つだけ聞きたいことがありました。今しか機会がないと思
ったのです。
「ヴァル司令官、初めてあなたにお会いした後、私はドワイト大統
領の曾孫であるローラとつながることができました。私たちは、あ
なたのこと、条約に関して何が起こったのかを話しました。彼女は
自分の心の奥底にある真実を知っていて、それをあなたが確信させ
てくれたと喜んでいましたよ」
「ローラ……ええ、誰のことかわかっています。一度会ったことが
あるのですが、彼女は私だと気づきませんでした。ドワイトの子孫
は私が面倒を見ると誓ったのです。知っての通り、ローラはとても
特別な子です。彼女は真実を取り戻そうとしている。彼女は敵の顔
や計画を知る必要がありました。私はずっと彼女を守ってきたし、
ドワイトも今日までそうしてきました。ローラは多くの人が後に続
くであろう導きの光を持っています。彼女にどうぞよろしくお伝え
ください」
「必ずそうします」
きやしや
そのとき、若いアルマニーの手を引いて、金髪の華奢 な女性が部
屋に入ってきました。彼女はシルクのロングドレスを身にまとい、
優雅なステップを踏みながら、輝くオーラでその場を包み込みまし
た。素足で、その美しい顔立ちには、アシュケラ人(シリウスB)
の特徴である、大きくつり上がった目、スッキリとしたあご、長い
首が見て取れます。ソーハンとアナックスが立ち上がったので、私
も立ち上がりました。ヴァル・ソーが彼女の手を取り、2人は優し
い微笑みを交わしました。
「妻のジリアンを紹介させてください」
「皆様に敬意を表します」
と、女性は澄んだ声で答えました。
「ようこそ、私たちの家へ」
ヴァル・ソーが私たち1人ひとりを紹介している間も、私はこの
魅力的な女性から目が離せなくなっていました。どこかで見たこと
があるような気がしたのです。そうだ、あの有名な白黒写真に写っ
ていた女性に似ている……。
魅惑的な瞳を向けられて、ドキリとしました。私の考えを読み取
られたのだと思いました。
「1957年に、テラでのミッションのために来たとき、ヴァルの宇宙
船の技師でした」
と、彼女は私に答えました。
「彼がペンタゴンにいたとき、私は彼の宇宙船を技術的に補佐し、
へいたん
兵站 の中継役を担っていました。そこでお互いを深く知るようにな
ったのだと思います」
そう言って彼女はクスクスと笑いました。なんて素敵な家族なの
だろうと思いました。
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「お子さんは何人いらっしゃるんですか?」
と、私は尋ねました。
「4人です。男の子が2人、女の子が2人です」
「長男はテラでの任務に就いています」
と、ヴァル・ソーが付け加えました。
「テラは最高の訓練場です」
「間違いないですね!」
私は皮肉を込めてそう言いました。

ヴァル・ソーには、まだまだ聞きたいことがたくさんありました
が、彼はアナックスやソーハンと話し込んでいます。これ以上、今
はヴァル・ソーが話をしてくれることはないと理解した私は、代わ
りにジリアンと話をすることにしました。
「あなたはアシュケラ人ですか?」
と、私は聞いてみました。
「ええ、そう思います。でも私自身はナアリだと思っています。私
の祖先はずっと昔、アシュケラ星系からやってきたのです。ナアラ
にはさまざまなコロニーがあります。ヴァルはマン系統のタアルで
す。ここには先住の種族は残っていません。この惑星は過去に何度
も荒廃しました。しかし、あなた方の惑星を観察するには、完璧な
前哨基地です」
彼女に誘われてテラスまで歩いていくと、その景色に圧倒されま
した。ドームやコロネード、優雅な建造物が立ち並ぶ街並みは壮観
な眺めでした。空の美しさに私は心を奪われました。地下にいるの
に、白い人工太陽に照らされた明るい夏空が広がっていたのです。
「なぜ、地球には、この技術がないのかしら?」
と、私は尋ねました。
「私たちが与えたものは何でも、それを武器に変えてしまうからで
す」
と、彼女は答えました。
「私たちが提供した唯一の安全な技術は、あなた方の政府によって
隠されました。彼らは人々にその技術を知られることを望まなかっ
たのです」
「そうですね……。テランにはまだ成長が必要です」
「問題なのはリーダーです。テランそのものではありません」
「彼らのリーダーもテランです」
「全員ではありません」
静寂が訪れ、柔らかく暖かい風が私たちの髪を持ち上げました。
私は本当に知りたかったのでしょうか……。優雅な都市を上から眺
めているうちに、とても大きな建造物の頂上にあるドームの側面に
描かれた茶色のシンボルに気がつきました。
「あの変わった建物は何ですか?」
「寺院ですよ」
「ええっ、あなた方にも宗教があるのですか?」
彼女は笑いました。
「テラのようなものではありません。私たちにとってのスピリチュ
アリティとは、創造主の源と同調することです。私たちの寺院はエ
ネルギー発生装置となっていて、学校でもあります」
「エネルギー発生装置! そういえば、ピラミッドの形をした同じ
ような建造物を見たことがあります。これを見て、ドームに描かれ
たシンボルにますます興味が出てきました。地球の古代文化にも、
このシンボルが『アンク』(生命のかぎ鍵 )として存在し、神々の普遍
的な全能の生命力を象徴しているのです」
「ここでもそうです。このフリルのシンボルは、私たちの文化圏に
広く浸透しているのですが、きっと占領時代にあなた方の惑星にも
伝わったのでしょう」
私はソーハンが近づいてくるのを感じました。そろそろ出発しな
ければいけない時間でした。
「もう少しいられない?」
と、私は彼に頼んでみました。
「行かなきゃいけない。ここに留まることも、住むこともできない
からね」
と、彼は答えました。
「そうね……」
「あなたは、ここで暮らせる体質ではありません」
と、ジリアンが会話に入ってきました。
「重力差によって、しばらくすると臓器がおかしくなってしまいま
すよ」
「冗談で言っただけです。これから何年もテラから抜け出せないの
はわかっています」
もちろん、金星に留まることはできないとわかっていましたが、
この天国のような平和な場所と、混沌とした地球は雲泥の差です。
私はため息をつきながら、ソーハンの腕に手をまわし、歩いて中に
戻ってきました。そしてジリアンとアルマニーに別れを告げ、ヴァ
ル・ソーの運転で帰路につきました。アナックスはここに残ること
になりました。宇宙船が待つ発着場に向かいながら、大好きな金星
人の運転する反重力の車で、最後にこのすばらしい街の上空を飛ぶ
スリルを味わいました。

離陸して金星の大気圏上層部に到達したとき、名残惜しい気持ち
と、ヴァル・ソー司令官の家に招待されたことへの感謝の気持ち
で、胸がいっぱいになりました。地下の都市で見た物語のような景
色は、これからも心に残り続けるだろうし、金星の人たちの優しい
もてなしのことは決して忘れないでしょう。
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金星の都市を覆う青い谷の記憶は、今も私の心に残っています。
金星は地球からとても近いのに、金星の真の美しさは、いまだ私た
ちの目に触れることがありません。ですが、現段階の進歩を見る限
り、今の地球人の性質では平和なナアラの豊かな美を略奪して利益
を得ようとしかねないので、今のままでちょうどよいのかもしれま
せん。一部の地球人の征服欲、所有欲、金銭欲の有害さについて考
えを巡らせていると、ソーハンの手が私の背中を撫でているのを感
じました。彼は手すりに肘をついて私の横に寄り添い、出窓の向こ
うに見えるまばゆく輝く丸い地球を眺めていました。カールした金
色の髪が束ねられた美しい横顔。その瞳には地球の海や嵐が映し出
されています。銀河連合の軌道ステーションは平和な夜を迎え、ブ
リッジを歩く従業員たちはそれぞれの仕事に没頭していました。金
星から戻った私とソーハンは、お互いの安らぎを嚙みしめていまし
た。ソーハンは、大変な時期にあり、とても忙しくしていました。
「金星でのことは忘れないわ。このようなすばらしい旅に連れて行
ってくれたあなたとヴァル・ソー司令官には、感謝してもしきれな
いくらいよ」
「どういたしまして」
ソーハンは素敵な笑顔でそう答えてくれました。
「ヴァル司令官が、この惑星のここ最近の謎を明るみに出してくれ
てよかった。これはとても重要なことよ。アイゼンハワーがグレイ
との協定に同意しなかったという事実は特にそう。それから、彼が
ロシアについて語ったこともすべて……とても感銘を受けたわ。金
星人は無宗教であるということ、そして、地球のある種の人々がヴ
ァル・ソーの名前を利用して自分たちの宗教を広めていることも、
人々は理解する必要があるわね。高度に進化した文明を持つ地球外
生命体が、自分たちの文化とはまったく関係のない発達初期の地球
の宗教システムに従っていると、どうして信じられるのかしら?」
「宇宙旅行ができる時代だというのに……」
ソーハンはため息をつきました。
「テランの中には自分たちの惑星が平らだと思っている人がいるん
だ。だけど、彼らの無知を責めてはいけない。彼らは心理作戦にお
ける実験動物として利用されている犠牲者にすぎないのだから。騙
されたことに気づくまでは、まだまだ長い道のりが待っているだろ
うね。だけど、悪いのは信奉者ではなく、信奉者を作る側なんだ。
ヴァル・ソーが君に言ったように、フランクとその側近が、自分た
ちの独断的な信念体系を広めるために彼を利用するとは思ってもみ
なかったんだよ。それが、ヴァルがテランに飽き飽きした理由の1
つだろうと私は理解しているよ」
「彼の気持ちがわかるわ。私はすべての人の信念を尊重しているけ
れど、尊重は双方向に働かなければいけないものよ。自分の個人的
な信念を他人に押し付ける人、特に、そのために真実を歪めてしま
うことには問題があるわ」
「最後に伝えておくと、ヴァル・ソーに会うというこのアイデアは
悪くなかったと思う。なぜなら、それによって、いくつかのことが
見直されたからだ。下にいる人たちに知らせるためにも、そのこと
について書くべきだよ」
「必ずそうするわ。ヴァル・ソーができると言ってくれたの。彼が
住んでいる街はとてもすばらしいところだった。奥さんも娘さんも
すごく美人だし……。だけど、ジリアンともう少し話がしたかった
わ」
「金星にずっといられなくて、少し寂しいのでは?」
その言葉に私は笑いました。
「また訪れよう」
ソーハンは言った。
「もっと静かなときが来たらね」
「いつになったら静かになるの、ソーハン?」
「まあ、静かになる前に、もっとひどくなるかもしれない……」
「どういう意味?」
「最後にはすべてがうまくいくよ」
「怖がらせないで。そんなことを言われるのは嫌よ」
「怖がらせるつもりはないよ、これから起こることを話しているだ
けさ。テランは信じることが必要だ。今まで以上にね。敵の顔が白
日の下にさら晒 されたとき、彼らは目が覚めるはずだ」
「何を言いたいの?」
「ずっと前から言っていることだけれども、下にいる人々は、彼ら
が『悪』と呼ぶものの素顔と、誰がその仲間なのかを知る必要があ
るんだ」
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「それって、1月6日に米国で起こることを指しているの?」
「主にはそうだね。このとき幻想の世界が終わるんだ。そして間も
なく新たな始まりが訪れるよ。テランは暗闇を恐れてはいけない。
やがて悪魔が姿を現し……夜明けの強烈な光がすべてを焼き尽くす
ことになる」

私は緊張を解くために深呼吸をして、ため息をつきました。ソー
ハンは私の手を握りながら、「信じることをやめないで」と言いま
した。
「私は人類を信じているわ、ソーハン。私には希望がある。ヴァル
司令官が銀河連合は決してテランを失望させないと言ってくれたか
ら、この希望はもはや不滅のものよ。ただ、テランがこのことを知
らずにいることが悲しいの。彼らはあなた方がテランのために毎日
働いて、犠牲になっていることを知らないの」
「真の愛は無条件で、見返りを求めずに行動するものさ。我々はそ
れでいいんだ。正しいことをしている、ただそれだけだ。評価を求
めているわけではない。それには、この銀河の未来に関わる、より
大きな目的があるのだから。予見されたことが現実になってはなら
ないんだ」
どうしていつもあんなに冷静でいられるのでしょう……人類最大
の戦争、自由のための最後の戦いが地上で繰り広げられているとい
うのに。
「だって、希望がなかったら、我々はここにいないよ」
私の思いに答えるように彼は言いました。
ふ か
「この獣が孵化 する前に、始末するためなら、何だってするつもり
だ」
私たちの目が合いました。その静かな強さに言葉はいりません。
彼らは名もなきヒーローであり、私たちがつまずいたときに愛で支
えてくれる、静かな見張り人なのです。彼らは、私たちが警戒し、
戦い方を学ぶことができるように、それほど遠くない場所から、闇
を抑えているのです。私たちの成長を助け、家族のような誇りと愛
情を持って私たちの努力を手助けしてくれているのです。恐ろしい
時代ですが、未知とは常に恐ろしいものです。敷居を飛び越えると
きには、ただ信じて、忠実に、たとえ夜が暗くても、陽の光で見え
なくなったとしても、飛び出す必要があるのです。引き返す道はな
い。前進するしかないのです。
「テラン自らの勝利を、銀河連合が奪うつもりがないことはわかっ
ているわ。あなた方がここにいるのは、成長を続ける、将来有望な
この連合のメンバーとして、テランを支援するためだと知ってい
る。テランもそのことを理解できればいいのだけど……だけど、す
べては人々の覚醒のためであり、その覚醒こそが人々の解放につな
がるのであって、その逆はないのね」
「彼らの目覚めは、多くのことの鍵になる。我々はそれを支援して
いるんだ。この銀河の均衡を保つことが銀河連合の仕事なんだ。こ
れは私が心から信じる宇宙の原則に従って行っているんだよ。
そして、この銀河の均衡は危機に瀕している。とはいえ、子供か
ら障害物を取り上げると、その子は学ぶことができない。愛とは、
子供の手を握り、恐れずに自分を信じるよう励まし、はじめは不可
能だと思ったことを自ら乗り越えていくことだから。これが我々の
仕事なんだ。テランもいつか理解するはずだよ。なぜそうするのか
を。そして、それが自分たちのためだけでなく、銀河全体のためで
あったことも理解することになるだろうね」
「スピリチュアルな集団の中には、とても多くのごまかしがあるの
ほんろう
よ。ディープステートが彼らの中に入り込んで、人々を翻弄 し、混
乱を広めているのを見ていると、不安をかき立てられるの」
「確かに、通常、戦争でまずやることは、敵陣に潜入して混乱を広
げ、敵のモチベーションを下げて、こちらが攻勢に出る前に弱体化
させることだ。テランの神話を利用した偽の予言はどれも、神の介
入や艦隊が公然と上陸することで、人々が救われるのだと希望を抱
かせるために広まっているんだ。その真の目的は何かわかる?」
「彼らの関心を現実から遠ざけようとしているのかしら?」
「彼らの力を奪うためだよ。相手の感情を支配して精神を奴隷にす
ること、受け身にさせることなんだ。そして、いったんこれらの誤
った予言が外れると、人々は残酷にも光への信仰を失ってしまうん
だ」
「そして、落ち込んで、打ちのめされ、一連のすべてに背を向けて
しまうのね」
「その通り。奴隷の状態に戻るんだ」
「ソーハン、私には何ができるの? 銀河連合が悪意を持っている
とか、アシュタールが半神だとか、イエスが連合を率いていると
か、そういうことを信じて、宗教にしている人たちがいるのよ」
「それがダークアライアンスの仕事だよ。混乱を利用して事実を信
用させないようにしているんだ。もし君が真実を話すことを選ぶな
ら、彼らを刺激することは避けてほしい。彼らの名前を使い、彼ら
を召喚してはならない。非常に危うい行為だし、公然の紛争に身を
投じることはやめておいたほうがいい。テランにとって、これは学
習と覚醒のプロセスの一部なんだ。自分の知っていることを話し、
真実を輝かせれば、耳を傾ける準備ができている人たちは君の話を
聞き、自分自身で判断するようになる」
「名言ね」
「これは知恵というよりも、戦術だ。多くの危険があるし、裏側で
の動きや、そのすべてが絡み合っていることは、君自身でさえも見
えていないんだ。それが招く結果は、この小さな惑星をはるかに超
えたところまで及ぶんだ」
「よく『誰を信用したらいいのか?』と聞かれることがあるの。そ
んなとき私は、『自分の心が告げることに従えばいいのですよ』と
答えているわ。なぜならこの質問をするとき、彼らはすでにその答
えを知っているから」
「シカールとネブの主な武器は、恐怖を利用して人々を操ることだ
とも伝えてほしい。恐怖を誘発するものはすべて彼らからもたらさ
れる。テランは周波数を上げ、恐怖を意識のフィールドから追い出
す必要があるんだ。銀河連合、アンドロメダ評議会、5種族評議会
は、テランにたった1つのシンプルなこと、つまり、彼らの波動を
上げることを期待しているんだ。銀河連合と評議会は、何があって
も絶対に、恐怖に基づいた情報を流すことはないし、それよりも、
気持ちを高揚させるメッセージを流す。恐怖ではなく、愛を伝えて
いるんだ。また、戦いの最中に戦術を公開することもない。これは
常識的なことだし、この先の作戦を公にするのはナンセンスで、目
くらましをしているようなものだ。それに、我が連合の大使を名乗
る者は、本物ではない。本物の使者は、安全上の理由から、その身
分を隠しているんだ。いいかい? これは戦争なんだよ。共通の敵
はパニックに陥っている。だからこれからの数か月は激動の日々に
なるだろう。嵐の中で立ち上がり、静かにたたずみ、光を放ち、す
べての道しるべに光を灯してほしい」

ソーハンは、地球の壮大なオーブに視線を戻し、こんな言葉を発
しました。

「仮面が剝 がれるよ」

この太陽系には、銀河連合、5種族評議会、アンドロメダ評議会
などの母船や惑星施設が60以上あり、いずれも地球解放の一翼を担
しようげん
うためにここに集まっています。この銀河の7つの象 限 からやって
きた巨大な力の背後にある真の関心に気づいた今、私はすべてがク
リアで明確になりました。すべてが突然、理解できるようになった
のです。

年1月6日、不穏な出来事が起こりました。不正に盗まれた
2021
大統領選挙の票を再集計する手続き中に、ダークサイドが侵入し、
平和的なデモを乗っ取り、ワシントンDCの国会議事堂が混乱に包ま
れたのです。

ディープステートは負けるわけにはいかなかったのです。なぜな
ら、実に多くの名誉が懸かっていたからで、当時は私も、この出来
事がより大きな視点で見たときに何を意味するかをわかっていませ
んでした。これは多くのレベルで無慈悲な戦いでした。ですが、そ
の日、私は誰にも言えないことを知っていました。銀河連合は2つ
の艦隊をアメリカの首都の上空に静止させ、ダークサイドからの攻
撃に対応できるようにしていたのです。彼らは、その日、同じ場所
で集会を開いていた大統領の命(「ミスターT」)を守っていたの
です。彼らは脅威や攻撃される可能性があることを知っており、幸
いにも彼らの存在だけで最悪の事態を防ぐことができました。銀河
連合は、この銀河系でもっとも強力な2つの帝国と開戦することに
なるため、惑星地球で直接ダークサイドの公開攻撃に関わるわけに
はいきません。ネブやシカールとの開戦となれば、地球は壊滅的な
紛争の戦場と化すでしょう。とてつもなく複雑な外交的力学が働い
ているのです。私たちは宇宙の同盟国が直接武力介入しない理由を
理解できないときもあるかもしれませんが、それはその決定の背後
にある根本的な理由からです。不干渉の法があるからというだけで
はありません。なぜなら、たとえ私たちが公然と目にすることがな
くても、彼らは介入しているからです。私たちは、彼らが最善を尽
くしていることを信じる必要があります。自由意志、均衡、そして
ソーハンが美しい言葉で説明してくれたように、愛とは子供が学び
成長するために、つまずきを許容することなのです。理解するのが
難しいこともあるかもしれませんが、私たちが今知っておくべきこ
とは、彼らが決して私たちを失望させないということだけです。

その頃、地球連合と銀河連合による介入で、激しい戦いが起こ
り、地球の月がネブの手から奪還されるということがありました。
過酷な戦闘が何週間も続き、地球からは爆発さえも目撃されていま
す。悪意ある地球外生命体によって月の裏側に保有されていた、採
掘場と奴隷施設が攻撃されたのです。所有者は追い出され、すべて
の奴隷が救出されました。ネブ・グレイは2週間にわたり、激しい
しつよう
決意をもって執拗 に反撃しましたが、連合はその陣地を守りまし
た。地球の月がグレイによって再び奪われることはないでしょう。
この激戦の時期は、月の裏側で15隻の艦隊を率いて戦いに挑むソー
ハンの存在を知っていた私にとって、大きなストレスを抱えていた
時期でもありました。

彼から指示されていたため、自分が知っていることを誰にも話せ
ず、地球の誰とも共有できないことを、私はもどかしく感じていま
した。そんなときには、アナックスだけが唯一の話し相手であり、
彼の大きな愛が私に安らぎと安心感を与えてくれました。私は毎
日、ソーハンとテレパシーで連絡を取り、彼が元気で生きているこ
とを確認しました。
ある晩、彼の宇宙船が月の裏側でネブやダークフリート戦艦との
戦闘に巻き込まれたことがあり、私は不幸にもそのタイミングで彼
とつながりました。私はグレイの円盤状の宇宙船が、明るい爆光の
中で内破し、渦の中に「蒸発」していくのを見ました。このような
場面を目撃するのは初めてではありませんでした。ソーハンはパイ
ロットとして、主にキイリイ・トクールトやクログ・ゼータ・グレ
イと、地球軌道上空で日常的に戦闘を行っています。宇宙船が爆発
するのを見るのは、恐ろしく暴力的でした。宇宙には炎も煙も音も
ないのだから、地球の大気で起こるような炎と煙の爆発とは違いま
す。宇宙空間では、破壊された宇宙船は爆発するのではなく、エネ
ルギーの爆発によって内破し、崩壊するのです。残骸は何も残ら
ず、1粒の塵もありません。宇宙船の物質や遺体はどこに行くので
しょう? この疑問に対して、ソーハンはある日、「内破したコア
エンジンのデフラグレーションが、ブラックホールの特異点と同じ
ように、空間連続体に渦を作り、宇宙船に残されたすべてのものを
別の次元の平面に投射する」と説明してくれました。地球人類がま
だ理解していない概念があります。戦争が始まったら、たとえ敵で
あれ、どんな犠牲を払っても生命は守るのです。銀河連合の倫理
は、2つの主要な原則に基づいていて、それが基盤の柱となってい
ます。

自由意志と均衡
均衡とは、「正義」を表し、「痛みを平和に変える」ことだと定
義されます。またすべての生命を尊重し、その生命がどのような道
を選んだとしても、その生命を守ることも意味しています。これ
は、万物の源は二元であり、宇宙は破壊と創造の均衡を求める戦い
によって生まれるダイナミックな力によって支えられているという
スピリチュアルな原則に基づくものです。
実戦的、戦術的に言えば、武力紛争になったとき、銀河連合は以
下の2つの原則を適用します。まず、敵に降伏するか戦うかの選択
肢を与えること。戦う場合は、できるだけ人命に危害を加えないた
めに捕虜を確保し、彼らが悔い改めるなら母星に送り返します。そ
うでない場合は、考えが変わるまで拘留されます。囚人にはある意
味で、自由意志があり、拘束されたことに責任を持ち、平和に仕え
ることを選択したときのみ解放されます。このプロセスと決断にお
いては、エネルギーフィールドの周波数が測定されるので、誰にも
噓やごまかしがきかないのです。痛みが個人のフォースフィールド
から離れると、その人は平和を見出し、まったく異なる周波数を放
つようになります。痛みからの内なる解放のプロセスは、不可逆的
です。いったん痛みが本当になくなると、もう二度と戻ってこない
のです。「痛みを平和に変える」というのは、彼らの正義の概念そ
のものです。囚人が内面から解放されて初めて、彼らは囚人を解放
することができるのです。これは、ヴァル・ソーの言葉をそのまま
表しています。そして、彼の言葉はより深い意味をもって、次の言
葉の本当の意味をなすのです。

「鎖につながれている奴隷を解放することはできない」

解放は内面から始まります。捕らえられたすべての存在の波動を
高め、より平和な意識状態に導くことを意図して、囚人には決して
拷問や虐待は行わず、代わりに思いやり、愛、許しを示しているの
です。敵は、その心が本当に平和を見出したときに敵でなくなりま
す。銀河連合の刑務所は、憎しみや怒りの感情を魂の修行によって
和らげる、魂の隠れ家のようなものなのです。この場合、当然なが
ら囚人たちは自ら進んで、この修行に参加することになります。誰
も自分の意思に反して強制されることはありません。これらの方法
は、すべての生き物の自由意志を尊重する上で、もっとも効率的で
あると考えられています。囚人たちは、この道を歩むことを決して
強制されることはなく、彼ら自身の決断なのです。もちろん、特に
この銀河の平和を脅かすと考えられる存在に対しては、依然として
収容所であることに変わりはありません。これらの場所は厳重に警
備されています。誰も殺されることはないので、留まることを決め
た人たちは非常に長い時間を過ごすことになるのです。

やがてフラッシュバックによって、ソーハンとランダムにつなが
っているときに目撃したいくつかの出来事を安全に共有することが
できるようになりました。
2020年2月には、これからお話しする次のような出来事がありま
した。どう考えればいいのかわからなかったのですが、ソーハンを
心の底から信頼している私は、それ以上の疑問を感じることはあり
ませんでした。いずれにしても、あのときには、答えが出なかった
でしょう。私自身の安全のため、またその情報を保護するために、
いくつかの機密情報に関しては知ってはならないことを承知してい
ますし、その対策には深く敬意を払っています。それにもかかわら
ず、この冒険にはとても興味をそそられました。私は落ち着かない
気持ちでした。おそらく、ソーハンの強い脳波によって発動したの
でしょう。その日、ストレスが爆発したことで私のインプラントの
スイッチが入り、いつものように瞬く間に彼とつながったのです。
イメージと感覚の渦の中で、私は厚い赤い塵の雲を払い、火星に着
陸した小さなシャトルの中にいる彼の姿が目に飛び込んできて、と
ても驚きました。ソーハンとその隣に座るパイロットは宇宙服を着
ていました。その場所は谷になっていて、奥には金属のポールの輪
郭が見えました。敵地に降り立ったソーハンは、火星で何をしてい
るのでしょう? そのとき、彼が私に気づき、不快に思っているこ
とが伝わってきました。
「誰にも言わないと約束してくれ、さもなければ記憶を消す」
と、彼は私にテレパシーで命じました。
「あなたがいいと言うまで、誰にも言わないわ。ソーハン、火星で
何をしているの?」
「武器を届ける。これ以上は言えない」
「武器? 火星に? 誰に?」
彼は何も答えず、副操縦士に続いて機体後部のエアロックに歩い
て行きました。そこには3人目のクルーがいて、船倉から近未来的
な大砲やライフルのような大砲を重そうに持ち上げています。全員
がヘルメットをかぶり、不浸透性コンパートメントを減圧していま
した。彼らの態度からは、緊張と焦りが感じられました。外は砂嵐
が吹き荒れ、エアロックが開くと、赤い砂埃がコンパートメント周
辺を包み込みました。ソーハンの目を通じて、彼のヘルメット、赤
きよう じん
い粉塵、そして眼下には、強 靭 な大腕を振り上げて兵器を下ろし
ているシルエットをかろうじて確認することができました。その瞬
間、心臓が飛び出しそうになりました。この男性は間違いなくレプ
ろうばい
ティリアンだったのです! 私はひどく狼狽 しました。なぜ、ソー
ハンが火星でレプティリアンに武器を渡していたのでしょうか?
意味がわかりません! すべてが非常に慎重に行われているようで
した。

レプティリアンが敬礼すると、エアロックは閉じられ、クルーは
操縦席に戻りました。シャトルは猛スピードで離陸し、急速に軌道
を離れていきます。私は、とても動揺していました。
「このことは絶対に誰にも言わないでくれ」
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「私はソーハンを信じているわ、あなたをずっと信じている」
そして、私はこれを誰にも言いませんでした。最近になって彼
は、このエピソードを語ることを許してくれました。後から考えて
みると、このすべては適切なタイミングで解明されました。

年5月7日
2020

その日、夜中に目が覚めたのは、強いテレパシーでソーハンとコ
ンタクトしたからでした。私たちのどちらかが強い感情を経験する
と、意図せず接続が起きることが定期的にあるのです。感情に負荷
がかかると、エネルギーが不均衡になり、爆発することがありま
す。私たちは常に深くつながっているので、ソーハンのマインドと
私のマインドのコンタクトが作動したのです。私に埋め込まれた装
置も、この感度を高めるものです。今回は、彼の側に原因がありま
した。ソーハンは自分の感情を上手にコントロールしています。と
はいえ感情がないわけではありません。それどころか、彼の種族は
この銀河系でもとりわけ感受性が豊かで、感情のエネルギーを使い
こなす能力も非常に優れています。ですが、あの夜のコンタクト
は、彼が激しく怒っていたせいで、とても鮮明でした……。まるで
彼と一緒にいるような気がしたのです。ソーハンは、銀河連合のス
テーションにいるほかのアヘル族の将校たちと楕円形のテーブルに
座っていました。そこでは人間の宇宙飛行士と直接的な、激しい会
話が繰り広げられていました! 彼は宇宙服を着て、物理的にそこ
にいました! ソーハンの心の声を聞いて、私は、国際宇宙ステー
ション(ISS)から男性を拉致して、何かをしないよう説得している
のだと理解しました。ソーハンは威厳をもって、次のような言葉を
繰り返して、この男性に語りかけています。
「やってはならない。アナトリー! それをやってはならない!
このプログラムを止めるんだ! このモジュールを宇宙に持ち出し
てはならない! わかったか? 軌道に乗せるんじゃないぞ!」
宇宙飛行士はひどく怯え、緊張して震えていました。彼は、「わ
かりました、従います」と答え、ほかの人たちを説得するためにベ
ストを尽くすと言いました。彼には、強いロシアなま訛 りがありまし
た。ソーハンとほかの3人のアヘル将校は、宇宙飛行士に、彼の記
憶を少し変えて、強烈な予知夢を見たのだと思わせることも告げま
した。
この予防措置は、彼を守るためのものでした(もちろん、もし彼
が異星人に拉致されたと言ったら大変なことになるでしょう)。ソ
ーハンは、「君は何も聞いていないし、何も見ていない!」という
意味の言葉を私に投げかけ、私たちのテレパシーでのコンタクトを
断ち切りました。

翌朝、本人にコンタクトしてこのことを聞いてみました。
「君が何をしようとしているのか知っている。彼は威厳をもって私
に答えてくれた。この男と連絡を取るのはやめてくれ。すべて監視
されているんだ。君は注目を集め、彼にも問題を引き起こすだろ
う。だから、この件には手を出してはいけない!」
私は彼の言うことに従いましたが、興味本位で後から
あ ぜん
NASAのホ
ームページを見たところ、啞然 としました。なんと、ISSにあのと
きのロシア人の宇宙飛行士がいたのです! 名前はアナトリー・イ
ワニシン。すぐにわかりました。写真の彼は、ソーハンの母船に連
れて来られたときと同じ宇宙服を着ていて、バッジや細部もすべて
同じでした。ISSの中で着ているスーツです。NASAのサイトでは、
この男性のミッションは、ナノテクノロジー衛星を軌道に乗せ、超
音波射撃装置を開発することだと書いてありました。血の気が引き
ました。なんということでしょう。
このISS宇宙飛行士との一件から数日後、私はソーハンとの会話の
中で、地球の軌道で行われている秘密宇宙プログラムの技術につい
て、彼らの介入をめぐる話を聞くことができました。この会話は、
彼と一緒に偵察船に乗り込んだときに交わされたものです。その
夜、北極の上空には力強く壮麗なオーロラが揺らめき、ソーハンは
その巨大な光のベールの中を飛行して、私を驚かせました。途中、
ISSのすぐそばを通過したとき、私は感嘆の声を上げました。

「心配しないで」
ソーハンは面白そうに言いました。
「遮蔽しているから見えないんだ」
そして、このひと言が、彼が避けようとしていた会話の糸口にな
りました。
「宇宙飛行士はよく拉致されるの?」
と、私は尋ねました。船内は静寂に包まれ、数秒間、かろうじて
制御盤からの振動だけが伝わってきました。

「いや」
ソーハンはようやく口を開きました。
「あまりそういったことはしない」
「前回はうまくいったの? つまり、この男性は、ナノ衛星を軌道
に乗せないように、ほかのクルーを説得できたの?」
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「調べたんだね」
「もちろん、そうしたわ。超音波キャノンのことも知っているわ」
「そうか」

私たちの宇宙船は、エメラルド、ローズ、ゴールドのベールが揺
らめくイオン化粒子の壮大なドレープに近づいていきました。私の
心はあふれんばかりの感動で満たされ、これまで見たことのないよ
うな驚くべきショーを目の前にして、言葉が出ませんでした。宇宙
船はオーロラの中に滑り込んでいき、色と光のうっとりするような
ファンタジーの中を航行しました。
「宇宙船は放射能の影響を受けないの?」
と、私は尋ねました。
「心配しないで、安全だから。ショーを楽しんで!」
りんこう
燐光 の動く壁に囲まれた谷に飛び込み、しばらくは緑と紫の光の
ドレープがうねる中を進み、星々と氷上の間のイオン化した空を自
由に飛び回りました。引き返すときには、オーロラをもっとよく見
そうごん
るために地球の軌道を離れました。王冠をかぶった荘厳 な惑星を見
て、私の目には温かい涙が浮かんできました。あまりの美しさに、
言葉では言い表せないほどの感動を覚えました。
「ありがとう、ソーハン。きれいね。これは本当に戦う価値がある
わ」
「人類は栄枯盛衰を繰り返す。だけど、テラはいつも恒星の周りを回
り続け、星々のベールは、終わりが来るそのときまで、揺らめき続
けるんだ」
私は彼の指の間に自分の指を滑り込ませ、それから私たちは優し
く見つめ合いました。
「ありがとう」
と、私は繰り返しました。
「さて、帰ろうか?」
「そう聞かれるたびに、私が何と返事したいかを知っているんでし
ょう」
その言葉を聞いて、彼は笑いました。
「わかっているわ。でも、ISSの活動への関わりを話してくれるま
で、この船を離れないわよ」
いたずら
手を離した彼は、胸の上で腕を組み、悪戯 っぽい笑みを浮かべて
私を見つめました。
「このことはまだ言ってはいけない。私が許可したときだけだよ、
わかったね?」
「了解です、司令官」
「冗談ではないよ、エレナ。この問題は極めて重要なんだ。そう遠
くないうちに、このことを公開できるくらい安全になるはずだ。そ
れでも今は、我々の作戦に関するすべてを話すことはできない。君
がうっかりテラでスキャンされて、情報を取られてしまうことだっ
てあるからね」
「わかっているわ。この状況を深刻に受け止めているけれど、ただ
理解したいだけなの」
「そうだね……」
エメラルドに輝く王冠を冠した、目の前の地球をじっと見つめる
彼の表情が一変しました。とても真剣な顔つきになったのです。
「主な名前を挙げると、ネブ、シカール、アルタイル・アクホリ共
同体、アルデバランのアヌンナキのコロニー、アルシオンのタア
ル・シアールといったヒューマノイド集団と、テラの軍・企業によ
るさまざまな同盟関係によって、秘密計画が練られている。ネブや
シカールが関与する同盟に共通する動機は、不干渉の法を回避して
テラとその星系を支配すること、長期的にはこの銀河を専制的に乗
っ取ることなんだ。なかでも最悪の存在であるダークアライアンス
(闇のアライアンス)と彼らのダークフリート(闇の艦隊)は、火
星、セレス、テラの南極に本部を、アルデバラン星系に拠点を置い
ている。これはすでに若葉の根を広げた悪しき種だ。彼らはシカー
ル帝国やヒューマノイド組合と連携している。彼らのライバルが、
テラの宇宙軍と銀河連合の軍事協力関係にある地球同盟だ。地球同
盟の艦隊は『ガーディアンズ』という名でも知られている」
「その名前は聞いたことがあるわ、ええ。でも、いつどこで聞いた
か覚えてないわ……」
「当初は“ソーラー・ウォーデン”と名付けられていた」
「それね! それですべてわかったわ、ありがとう。ヒューマノイ
ド集団って、いったい何なの?」
「また別の、悪い力の三角形のことだよ。アルタイル、アルデバラ
ン、アルキオネ。シリウスBシステムとの関連もある」
「とても複雑ね。正直なところ、これは……」
「簡単だと思った? 今テラには、非常に強力な装置があって、母
体となるコンピューターに接続されている。これは地中深くに埋め
られていて、特定の周波数の低周波を発信し、恐怖、苦痛、混乱、
ま ひ
精神の麻痺 を引き起こしているんだ。これによって、人間の家畜は
おとなしくなるし、家畜同士の興奮や攻撃にも反応するようにな
る。もちろん、この操作は、主要メディアの操作と連動している。
さらに悪いことに、これらの放射は、あらゆる生物の生体分子間相
互作用を変化させることができる電磁場変調器として機能している
んだ。DNAを退行させ、意識をホログラフィックの牢獄に閉じ込め
ることだってできる」
「恐ろしいわ」
「この状況を打開する唯一の方法は、何度も繰り返すけれど、自ら
の周波数をこうした低周波の範囲外にまで上げることだ。分断には
団結で対抗する。寛容さをもって憎しみに打ち勝つんだ。これらの
装置は、地下の軍事施設と地上の伝送装置を通じて、ネットワーク
に接続されている。最近になって我々が懸念しているのは、このネ
ットワークを多次元レベルで完成させるために、彼らがテラの軌道
上に送り込み始めた信号装置だ。これらの軌道上の装置には、非常
に優れたネブの技術が使われているんだ」
「なぜ、吹き飛ばさないの?」
「ネブやシカールやアクホリが設置したものは“爆破”できるけど、テ
ランの作った技術を破壊することは規則で禁じられているんだ。だ
から、こういった場合はちょっとした改造を加えるくらいしかでき
ない」
「なるほど。だからテランに衛星を作ってもらって、それを設置す
るというわけね」
「そう、こうやって彼らは規制を回避しているんだ。だから、彼ら
はいつもテランの労働者を雇って仕事をしている。そうすれば不干
渉という規則を破らないから。我々に残された選択肢は、テランに
そうしないように説得することだ。科学的な情報をテランの科学者
に流し、自分たちで解決してもらうというのも、この戦術だよ。そ
して、質問にあったように、ISSを所有する人たちが、これらの同盟
に関与している。情報が断片的で区分けされているため、職員は全
体像を把握することができず、誰も完全な情報を得られないし、階
層に分かれて散在している状態なんだ」
「ISSを所有している人たち? これって国際プロジェクトじゃなか
ったの?」
「なんてこった。何もわかっちゃいないね。これらの秘密宇宙プロ
ジェクトはテラのさまざまな企業と多くのつながりがある。また、
テラ以外の種族も関係している。彼らはほかの惑星にも存在感を示
し、主にテラの月、ティア(火星)、タイタン、セレス、そしてジ
ャダ(アルデバラン)やアクホリア(アルタイル)などの世界にも
進出している」
「アクホリア? つまり、そこにテランがいるっていうこと……待
って、テランがアクホリアやジャダの人々と一緒に働いていると言
っているけど、それって……」
「アクホリとジャダ星系では、アクホリアの組合がテランの秘密軍
事派閥と、交換プログラムという形で長い間協力してきた」
「例えば……南極に移住したナチスの秘密結社のように?」
「南極大陸は……ほかとは比べものにならないよ」
「これらのテランの派閥は、外の世界の奴隷売買に関与している
の?」
「もちろん、そうだろうね」
「すべてが絡み合っているのね……」
「その通り。すべてはより大きな目的のためだよ。これにはもっと
大きな目的があるんだよ、エレナ。このことはテラだけでなく、ナ
タル(我々の銀河)にも関係する。この星系で戦われる戦争は、
我々すべてに関係しているんだ。言ったように、テラは巨大な悪の
種なんだ。我々はそれが成長し、銀河のほかの惑星に致命的な根を
広げる前に、破壊することを目的としてここに来た。そして、それ
を止めることができる唯一のものは、君たち全員が目を覚ますこと
だ。君たちが目覚めれば、意識はより高いレベルの周波数に開放さ
れ、もう支配されたり操られたりすることはなくなるんだ」

一瞬の静寂が重苦しい空気となり、私は少しの間、息ができない
ような感覚に陥りました。地球は宇宙船の下で揺らめいて青く光
り、右手には夜明けのリボンがきらめいていました。とても平和
で、とても美しい光景でした。先ほど聞いた話とは、まったく正反
対です。悪い夢であってほしいと思いました。侵略者たちが全員、
自分の星に帰ることになり、地球から平和に立ち去ってくれればい
いのに。もし銀河連合に不干渉の法がなかったら、状況はどう変わ
っていたのかしら……。
「ソーハン、こうした侵略者を全員吹き飛ばしたいと思うことはな
いの?」
「プラズマスイッチを見るたびに指がむずむずするよ」

ソーハンとは何度もフライトを共にしてきたし、宇宙船というプ
ライバシーを活かしてデリケートな話題についても語り合ってきま
した。彼は私の身の安全や情報が守られているかを心配しているの
で、彼が私に開示してくれたすべてを同じようにお話しすることは
必ずしもできるわけではありません。特に覚えているのは、2020年
2月、太陽系を守る周波数バリアに近いところを旅したときのこと
です。このシールドは、地球人が自分たちの星系を自分たちで守れ
るようになる日まで、そして、さらなる侵略から私たちを守るため
に、銀河連合がずっと前に設置したものです。このホログラムの球体
は、近づくと、プラズマバリアのように見えますが、実は非常に高
い周波数のホログラフィックシールドなのです。その日、私たちの
宇宙船がいた場所からは、惑星は1つも見えず、太陽は遠くにある
小さな黄色い球体でしかありませんでした。
「この星系で生命を宿している惑星はいくつあるの?」
と私は尋ねました。連合の前哨基地から来た人たちだけでなく、
実際に有機的な土着の生命体がいるのか、という意味でした。
「7つの惑星とその衛星の一部を合わせると22になる」
「22の惑星が生命を宿しているの?」
さくしゆ
「テランにまだ搾取 されていないのは、この生命体にとって幸運な
ことだね」
「テラにはまだ未探査の地域があるのよね? 孤立した原始民族や
新種の動物が偶然発見されることもあるわ」
「我々は、テラの種族が十分に成熟して、壊れやすい宝物を守るこ
とに義務を感じるようになる日まで、生物の多様性を守っていくつ
もりだ。真の進化とは、テクノロジーと意識がバランスを取りなが
ら、対になって発展していくことだよ。それが宇宙全体の仕組みな
んだ。少なくとも、そのプロセスを邪魔するものがないときはね」
「テラもそうだけど、すごいことになっているわね。進化は、あら
ゆるレベルで変化しているわ」
「やがてそれも終わるよ。テラの種族は活動を開始し、長い眠りか
ら覚めて、自分たち自身、自分たちの世界、自分たちの未来に主権
を取り戻しつつあるんだ」
「夜が明けるのね……」

テラへ戻るために宇宙船が回転し、小さな金色の太陽が現れまし
た。一緒にいる時間を長くするために、飛行速度をもっとも遅く設
定したソーハンは、何か気になることがあるのか、深く息を吸いま
した。私の思いを汲んで、彼は青く美しい瞳でまっすぐ私を見つめ
ました。そして私たちは微笑みを交わしました。
「何を心配しているの?」
と私は尋ねました。
「ああ、ただ……戦争に再び向かっているという事実に対してだ。
私は自分の意志と熱意でこの任務を選んだ。けれども、何も選んで
いない、テラの人々に同情しているんだ。今、ネブやシカールの間
で、銀河連合の評判を落とそうとする動きがある。君もすぐに耳に
することになるだろう。彼らは凡庸な人物を使い、人形のように操
るだろう。このような操作が行われるのは、テラの人々が我々の援
助を要請できること、自分たちを奴隷状態から解放できることを理
解し始めたからだ。テラの人々は奴らの指の間をすり抜けていこう
としているが、奴らはそれを好まない。怖がっているのは奴らのほ
うだ」
「今、私を怖がらせているのはあなたよ」
「違う、これは戦争なんだ。3つの帝国間での大きな戦争だ。敵の
い しゆく
評判を落として兵を萎 縮 させ、味方の評判を落として互いに敵対さ
せるということは、戦争ではよく使われる戦術だよ。ネブはそれが
得意で、恐怖と混乱と混沌を撒き散らして奴隷を支配下に置く。そ
うして、テランに我々が悪者であると信じ込ませた後には、テラで
建造された宇宙船とホログラムディスプレイを使って偽の侵略を行
い、恐ろしい侵略を我々になすりつけるんだ。そして、自分たちの
やり方で人類を救うと偽る。これらの試みはすべて、長い間計画さ
れてきたもので、恐怖の支配下にあるテランを縛りつけることを目
的としているのさ」
「こういうことを伝えるために改革活動をしているけれど、なかな
か簡単ではないわ」
「君が人類を大切にすればするほど、人類を奴隷にした者たちは君
の評判を気にするようになるだろうね。だけど戦い続けるんだ。彼
らの声は雑音にすぎない。彼らは怯えている。思いやりを持ってほ
しい。君が彼らに目を向けることで、彼らに力を与えないようにす
るんだ。そして勝利が君たちのものであるなら、許すんだ。自分が
知っている真実に忠実であり続けるんだ」
「すばらしい名言ね……」
おとし
「だが、それ以前に、敵には銀河連合の名を貶 めるという仕事があ
る。今にわかるよ、君が思うよりずっと早く起きるだろう」

そして、それは真実でした。2021年2月末になると、ニューエイ
ジ運動のメディアで活動する一部の人たちが、「銀河連合は闇の連
合と協力している」という、混乱と不安を煽るようなメッセージを
流布し始めたのです。これだからソーハンが予告してくるときに
は、いつも不安になるのです! いつも真実になることがわかって
いるからです。私は混乱した人々から助けと導きを求めるメッセー
ジをたくさん受け取りました。最初は、いつもアドバイスしている
ように「自分自身の判断に従いなさい」と言おうとしたのですが、
今回は違いました。極悪非道な地球外侵略者のくびきから、人間の
意識を解放するという重要な時期にあったからです。だから、私は
話をしました。私は、子供の頃に私の命を救ってくれた人たち、そ
して、私たち種族のより大きな利益のために献身的に動いてくれて
いる人たちを敬うと宣言したのです。彼らはこの目的のために、この
銀河のあらゆる場所からやって来ました。
銀河連合の人々は、私たちを無条件に愛し、何よりも正義と均衡
のために奉仕しています。彼らは、オリオン座のグレイとシカール
の策略の力に対して、何度も警告を発しました。これらの種族はあ
なたの心を混乱させることができ、彼らは実際に多くの人々を操っ
ているのです。銀河連合は、非常に長い間、家族のような愛情を持
って、人類を見守ってきました。銀河連合に不利なことを言うの
は、私たちの社会に入り込んだ悪意ある存在たちの仕業です。彼ら
が用いる手法はいつだって、恐怖と混乱です。彼らは強力な一族や政
府の背後にいて、人々の間に対立を生み、社会的・政治的支配を維
持するのです。
彼らは、隠れたままの真犯人に矛先が向くことなく、人間同士を
戦わせるような対立を煽る方法を知っているのです。そして、争う当
事者を平等に支援し、最後にはすべての争いを解決する源として姿
を現します。グレイとレプティリアンは非常に欺瞞的であり、あなた
の心を完全に混乱させることができます。銀河連合は、アンドロメ
ダ評議会や5種族評議会と共に、私たちを助けてくれている存在で
す。彼らは私たちにとってかけがえのない同盟者なのです。

年3月
2021

2021年3月3日。私はソーハンの母船に招かれ、アルダーナ最高
司令官と私室で面会することになりました。この招待は私にとっ
て、とても名誉あることでした。ステーションの最上階にあるエレ
ガントなタワーの1つにある、壮麗なアパートメントで彼女は私た
ちを迎えてくれました。建物は有機的で、青や緑、紫などの光を放
っていました。円形のパティオの中央には噴水があり、そこからド
アのない部屋へ行くことができます。すべてが優美な曲線で構成さ
れ、直角のものは1つもありません。アルダーナの出身地であるエ
ほうふつ
ラの邸宅を彷彿 とさせる造りです。彼女は、私たちを座り心地のよ
いソファに座らせました。水のせせらぎがとても穏やかで……ここ
が戦場であることを忘れてしまいそうです。背が高く、筋肉質で、力
強さと逞しさを感じさせるアルダーナは、ブロンドの短髪で、澄ん
だ、鷹の目のように鋭い瞳をしていました。
「私はあなたを見ていました」
と、彼女は言いました。
「あなたは、私がこれからお話しすることを人々に伝える役割とし
て、信頼に値すると思います。ソーハン司令官がこの会話をインプラ
ントで録音します。あなたが自分の星に戻ったとき、1つ1つの言葉
を覚えておくことができるようにするためです。今からお伝えする
ことは私からのメッセージです。テラの人々に伝えてください」
* * *

私の名前はアルダーナです。私は銀河連合軍の最高司令官で、地球
同盟のテランの軍と行動を共にしています。私たちの共同作戦は、
満足のいく形で展開されていると思われます。私たちは長い間、テ
ラを監視してきました。しかし、私たちは単なる監視者ではなく、
戦闘員であり、案内人であり、支援者でもあるのです。ゼナテアン評
議会により、この銀河の端にあるあなたの小さな星に注目し、以
来、私たちはこの事態の解決に全力を注いできました。ゼナテアン
評議会は、この星系を起源とする銀河の不幸な運命を未来からたど
ってきたのですが、ゼナエ族は戦士ではありません。彼らは銀河連
合に訴えたのです。私たちは、あなた方の指導者たちが行った、あ
る間違った選択によって起こるであろう展開について警告するため
に、何度もコンタクトを取りました。私たちがあきらめることはあ
りませんでした。

この戦争は私たちやあなた方ではなく、ウルアナ出身のネブ族と
のとても邪悪な同盟によって開始されました。彼らはあなた方の惑
星に目をつけていて、ほかの多くの星を騙したように、あなた方を
騙したのです。しかし、私たちはあなた方を助けるために、あなた方
に選択肢を与えるためにここに来ました。私たちは光や闇のために
動いているのではありません。均衡と正義のために動いているので
す。闇は破壊的な力であり、光は創造的な力です。私たちはその両方
のバランスを保ち、自然な進化で生命が繁栄するようにします。
今、戦争が起こっていますが、私のメッセージは信頼についてです。
私たちの姿が見えなくても、私たちはここにいるのだと信じてくだ
さい。私たちは常にここにいて、あなた方のために戦っているので
す。私たちのステーションの職員は皆、故郷や家族から遠く離れた
場所にいます。彼らの多くは、この銀河のすべての生命、偉大なる
母なる故郷ナタルのため、義務感に駆られ、この大義のために死ん
でいきました。あなた方が死と呼ぶものは、単に物質的にいなくな
るということです。私たちは常に戻ってきます。私たちの存在は永遠
であり、あなた方もそうなのです。このことを決して忘れないでくだ
さい。

この戦争では、敵であるネブとシカールが、あなた方の周波数を
自分たちより低いレベルの周波数につなぎとめ、奴隷として彼らの
意思に従わせ続けようと動いています。彼らは何よりもあなた方が
進化することを望みません。私たちは、あなた方が暴かれるべき闇
を目にすることで、目覚めるよう働きかけているのです。私たちは、
あなた方を助けるためにここにいます。たとえ、痛みが伴うもので
あっても、それはあなた方のためなのです。

ひとたび目覚めれば、あなた方は、彼らやその同盟者たちの上に
立ち、周波数を上げ、自由になるのです。私たちは、この解放のため
にあなたを助けています。そして、あなた方の敵は私たちの敵でもあ
るということを知っておいてください。

あなた方の種族の偉大なる覚醒は止められません。それは境界線
を超え、今やネブやシカールはあなた方全員を恐れているのです。
本当に恐れるべきは彼らのほうであって、あなたたちではありませ
ん。彼らはあなたたちを騙そうとします。彼らのことは忘れて、自分
たちのことを考えてください。彼らはさまざまな方法であなた方の
気をそらそうとします。だから銀河連合は敵で、ダークアライアンス
は救世主だと言い始めるのです。これが彼らにとっての最後のチャ
ンスなのです。彼らはあらゆる策略、あらゆる兵器を試しました。
最高の兵器とは、マインドコントロール、注意をそらすこと、恐怖
なのです。彼らはあなた方を怖がらせようとしています。混乱を広め
ているのです。だから耳を貸してはいけません。自分の魂が正しい
と思うことに従うのです。

銀河連合はあなた方のために、あなた方と共に動いている、同盟
者なのです。敵はプロパガンダ戦術を使います。どの戦争でもよくあ
ることです。ネブ族はマインドコントロールに非常に長けています。
しかし、この戦術は長くは続きません。なぜなら、最終的にはいつ
も真実が勝利するからです。真実は勝利と共にやってきます。私たち
はオペレーションを加速させています。明かすことはできないので
すが、これだけは言えます。私たちが提供し、闇の支配者が保持した
すべての技術は今、解放されようとしています。あなた方もすぐに
使えるようになるでしょう。なぜなら、彼らは敗北しつつあるから
です。

私たちは彼らがすでに敗北したと思っているかもしれませんが、
この戦争はまだ終わっていません。私たちはまだ宇宙、そして、あ
なた方の地で戦っているのです。この戦争は、物理的にだけでな
く、心理的に、あるいは精神的になど、さまざまなレベルで行われ
ているのです。そして常に3つの帝国の間で行われています。私はあ
なた方の友人であり、女性です。私はあなた方の子供たちのことを思
っていますし、決して見捨てることはありません。あなたたちには
私の言葉があり、あなたたちには私のハートがあります。約束します
し、必ず守ります。信じ続けてください」

「美しく、勇気づけられるメッセージです、最高司令官」
私は感動して言いました。
「ソーハンは、その1つ1つの貴重な言葉を正確に覚えていてくれ
るでしょう。感謝の気持ちを表す言葉がありません。ところで、宇
宙の均衡が崩れたときには、どのようにしてわかるのですか? エ
ネルギーの不一致が、何かしらの方法で感じられるのでしょう
か?」
「センサーによるものです。種族が脅かされるとき、進化の過程が尊
重されないとき、そして異世界の脅威によって集団に非道な行いが
なされるとき、宇宙の生命力に不調和が生じるのです。これが、均衡
が崩れるということです。私たちはこのように理解しています。争い
は反応を引き起こし、エネルギーを生むために必要です。これも進
化の一部です。しかし、高度に文明化した種族が圧倒的な数で、ある
星を征服するのであれば、これは単なる不均衡ではなく、不公平な
のです。だから、私たちはそこに関しては行動を起こします。あなた
にテレパシーでイメージを送りますね」
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「光の波が見えるわ、シューマン共振のような、ホログラムのよう
な……」
「このようにして、宇宙の連続体、すなわち宇宙が織り成す布の均
衡を図っているのです。銀河は感覚を持った存在なのです。均衡が
崩れると痛みが生じます。これは病気のようなもので、私たちの測
定器はそれを測定しているのです」
「アナックスから聞いたのですが、オリオンはテラよりひどい状況
だそうです」
「それについては、5種族評議会が引き受けます。銀河連合はネブ
の領域に介入できないのです。なぜなら私たちが勝てない戦争を始
めるからです。彼らの戦力は我々より優れています」
アルダーナは立ち上がり、噴水まで歩いていき、3つの金のゴブ
レットを手に取り、水を入れ、私たちに差し出しました。
「ありがとうございます」
と、私は言いました。
彼女の前だと、ソーハンはまるで古くからの友人のようにリラッ
クスした態度でいることに気づきました。アルダーナは彼の軍の上
官ですが、それでも2人の態度は、地球にいるときとは違っていま
した。プレアデス人の上下関係という概念は、地球とは明らかに違
うのです。2人とも1人の人間として仕事をこなしていました。彼
らからは見習うべき点がたくさんあります。
「アルダーナ司令官、お聞きしたいのですが、あなたはこのステー
ションに何年滞在されているのですか?」
と、私は尋ねました。
「ずっとよ」
アームチェアに座った彼女は、ため息をつきました。
「若い頃は、銀河連合の将校として、一生懸命に働いていたわ」
彼女はかすかな感情を振り払い、続けました。
「そして、同じく将校である夫に出会いました。私たちは娘を授か
りましたが、その後、彼はシカールとの戦いで亡くなりました。彼
は囚われの身となり、拘留中に殺されたんです。意識の回収が間に
合わず、失われてしまいました。ここで理解していただきたいの
は……私たちは意識体、つまり皆さんが『魂』と呼ぶものを回収
し、新しいクローン生物体に入れる技術を持っているのですが、そ
れには時間の制限があるのです。この技術の及ばないところで実体
をなくした場合、意識はりん輪廻ね てん転しよう
生 サイクルに戻ってしまうのです。
それで、私たちは彼を失ったのです。その後、私はもっと頑張っ
かたき
て、軍師になって彼の仇 を討とうと決心しました。そして、この辺
境の地で軍の最高司令官になったのです。今の私は、間違った状況
を目の当たりにすると、早く命を救いたくて仕方ありません。彼ら
は、誰かにとっての夫や、連れ合いや、子供たちなのです。これ
が、今の私がある理由であり、これまでの経緯です」
「それは……心からお悔やみ申し上げます。私たちのために、あな
た方が犠牲になっていたのですね」
「ありがとうございます。これは私の義務です」
「いつかテランも同じように、自分たちの力を取り戻し、あなたた
ちの仲間になることを願っています。いつか、テランも別の戦争で
あなた方を助けるでしょう」
「この戦争で、多くのテランが亡くなりました。あまりにも多くの
テランが……。この戦争はもうすぐ終わります。第一の敵は恐怖と
混乱です」
「ご主人を亡くした後も、戦い続けるのはとても大変だったでしょ
う。この苦しみを乗り越えたあなたの強さに感服します」
「感情は飼い慣らすものです。決して抑圧するものではなく、より
効率的に使いこなすために再調整するものです。感情は創造的なエ
ネルギーであり、障害物ではないのです。感情は学習のための道具
であり、恐るべき可能性を秘めた武器にもなり得るのです。私は感
情をコントロールし、効率的に使うよう訓練されました。自分に不
利なものとしてではなく、自らに力を与えるために使いこなすので
す。パイロットとしての最初の訓練は、ソーハンが教えてくれまし
たが、感情は完璧に、繊細にコントロールするものです。パイロッ
トが思考を使うとき、感情が邪魔をするようなことがあってはなら
ないのです」
「操縦技術については、すでに少し教えたよ」
ソーハンが割って入ってきました。
「我々は感情の流れを遮断するのではなく、この流れを利用してい
るんだ。感情をチャネリングして、エネルギービームとして利用
し、宇宙船のコントロールを通じて、思考を集中させ、強化してい
る。感情の動きを通じて、意識を集中させることができるんだ。感
情を使えば現実を形作ることができるし、意識を使えば宇宙船を操
縦することができる。感情は、意図と密接に結びついているんだ。
意図と感情が結びついたとき、意図に力を与えることができる。感
情は燃料のようなもので、君たちの意図に力を与え、物理的な現実
に影響を与えることができるのさ」
彼はいつもの愛嬌のある笑顔で、私にウインクをしました。
「戦ってください」
アルダーナは言いました。
「心の中に希望の光を見つけてください。そして、なぜあなたがこ
こにいるのかを思い出してください。なぜなら、あなたはチャンス
があることを知っているからです。困難になることはわかっていた
はずです。これは戦争で、戦争とは困難なものです。勇気を出し
て、ポジティブな考えで戦えば、きっとうまくいくはずです。怖が
るのはやめましょう。下等なリーダーを信じるのではなく、自分を
信じるのです。私たちは皆、リーダーなのです。私は軍を率いる仕
事をしていますが、どの兵士にとっても私はリーダーではありませ
ん。彼らは皆、自分の意志でここにいるのであり、いつでも出て行
くことができます。私の命令に従うのは、それが正しいと思ったと
きだけです。私たちは皆、自分自身の人生と決断において主権者な
のです。もし兵士たちが私の指示に従うとしたら、それは私たちが
チームとして協力し、それぞれが自分の仕事をするからです。私た
ちの軍隊は信頼によって結ばれています。それが私たちの力であ
り、私たちは1つなのです。自分の内側を見つめれば、すべての答
えが見つかるはずです。いつも、より高い意識、より高い周波数、
よりすばらしい知識からアドバイスを求めてください。答えを探す
ときは、外側やほかの人やシステムに求めるのではなく、自分自身
の中に求めてください。あなた方は、宇宙の集合意識に接続するこ
とができます。あなた方はそれをダウンロードと呼んでいます。
「宇宙の意識フィールドに接続する」と言ったほうがいいかもしれ
ません。私たちは皆、これができるのです。だから、シカールやネ
ブはあなた方を恐れ、止めようとし、あなた方を無知のままにして
いるのです。今こそあなた方が立ち上がり、成熟した主権を持つ種
族として、未来の地平線に立つときです。そうやって空を見上げれ
ば、私たちがいつもここにいたことをようやく知ることができるの
です。あなたのハートを信じてください」
アルダーナは椅子の後ろにある銀色の小箱を手に取ると、そこか
ら金色の小さな金属製のピンバッジを取り出し、手のひらに乗せて
こう言いました。
「エレナ・ダナーン、あなたは銀河連合の使者という正式な肩書き
にふさわしい方です。時が来るまでの間、この任務をテラでは秘密
にしておいてください。あなたのような人を狙う侵略者が、テラに
はたくさんいますから」
私は言葉を失い、身動きできませんでした。ソーハンのエネルギ
ーフィールドの強い感情をそばで感じることができました。ピンバ
ッジは連合のロゴを簡略化したようなもので、7つの象限がありま
せんでした。アルダーナと私は立ち上がり、彼女は私の首元にバッ
ジを留めて、微笑みました。私は言葉にならない感動の涙を流しま
した。

アルダーナの美しいアパートメントを出て、居住エリアのメイン
ホールに向かう途中、私は一瞬、胸に手を当てて立ち止まりまし
た。息を整えなければならないと感じたのです。何が起こったの?
大きな窓から差し込む金色の鮮やかな陽の光に包まれ、目がくらみ
そうでした。ソーハンの長身で力強いシルエットが私のほうへ戻っ
てきました。彼は私の腕を優しくつかみました。
「大丈夫かい?」
「知っていたの?」
私は息を切らしながら尋ねました。
「ちょっとね」
と、彼は笑いました。
「あなたって人は……」
彼は私にキスをしようと身を乗り出し、こう言いました。
「君を心から誇りに思うよ」

私は子供の頃、見えない場所で、思慮深く巧みに人類の世話をし
ているすばらしい人たちに助けられました。彼らは表立って姿を現
すことを許されていません。なぜなら、彼らは地球人が目を覚ま
し、進化し、種として学び進歩するために、自分たちの宿題を自分
たちでやることを望んでいるからです。私は子供の頃、グレイに連
れ去られました。ですが、親切な地球外生命体が私を救ってくれま
した。彼らは、銀河の正義と均衡を守る、平和な世界のすばらしい
同盟に属している存在なのです。彼らは、私たちの準備が整えば、
メンバーとして迎え入れたいと強く望んでいます。銀河連合は、私
たちを家族のように見守り、私たちが致命的な大惨事に見舞われな
いよう、これまでずっと生かしておいてくれたのです。世界には多
くの事件がありますが、もし彼らがいなかったら、もっと多くの事
件が起きていたことでしょう。彼らの倫理観は、均衡、自由意志、
平和、正義に基づいています。人類は成熟し、奴隷の鎖から解放さ
れ、目覚め始めつつあるのです。私たちは、ここ最近になって銀河
連合のことを耳にするようになったと思います。今まではまだ、そ
の時期ではなかったからです。私たちはまだ準備ができていなかっ
たのです。最近になって、大きな目覚め、大きな解放の中で、銀河
連合、5種族評議会、アンドロメダ評議会の援助と支援を受け、人
類は自分たちが主権を持った存在であり、侵略者に「ノー」と言う
力があり、銀河の兄弟姉妹に援助を要請できることを認識し始め、
新しいレベルに到達したのです。同盟国は、私たちが自ら援助を要
請するのを待っているのです。
彼らが手を差し伸べないことはありません。彼らは長い間、私た
ちを支援してきたのです。しかし、意識を開き、より高い波動に進
化するのは、私たちの仕事です。援助を要請することは、私たちを
縛る鎖を断ち切ることになるのです。

以前、ヴァル・ソー司令官は「鎖につながれている奴隷を解放す
ることはできない」と言いました。
私たちは自由意志を持っています。私たちは対等な立場として、
ひざまずくのではなく、自らの足で立つのです。銀河連合に対等な
立場で支援を要請することは、政府が私たちを代表して取り決めた
あらゆる合意を取り消すことになるのです。その方法こそが「私は
納得しておらず、同意しません」と言うことです。そうすること
で、波動が上がれば、グレイやレプティリアンにとって、もはや手
が出せない存在になれます。あなたは手が届かない存在になるので
す。このようにして、より進化した種族のレベルまで自らの波動を
上げることができます。銀河連合と対等の立場になり、もはや幻想
の奴隷ではなく、自分たちは対等であると考えることで、あなた方
は自らを解放することができるのです。やがて、真実は必ず明らか
になります。敵がパニックに陥り、混乱を撒き散らし、堕落して必
死に騒ぐのに耳を貸してはいけません。これもまた、やがては過ぎ
去ることでしょう。
この太陽系には60以上の前哨基地があり、これらは母船や惑星の
施設として、銀河連合、5種族評議会、アンドロメダ評議会に属す
るものです。彼らは皆、地球を解放するという役割を果たすために
ここにいるのです。この銀河の7つの象限からやってくる巨大な
力、これらの人々、すべての武器や高度な技術は、天の川の端にあ
る小さな星を救うためだけに配備されているわけではありません。
私やこの本を読んでいる皆さんは、最前線にいるのです。これは本
当に深刻な問題なのです。ときどき、道を歩いていると、動く影の
ように横を通り過ぎていく歩行者、顔にマスクをつけ、人との接触
を避けている歩行者を見かけます。そんなとき、私は考えます。彼
らはこれらのもっと大きな事柄について知っているのだろうか、
と。もし、銀河の運命は、あなたが自ら目覚めるかどうかにかかっ
ていると言われたら、彼らはどうするのでしょうか?
けい べつ
おそらく彼
らは私を軽 蔑 し、ペースを速めて、人類が引きずり込まれた忘却の
彼方へと消えていくのでしょう。私は立ち止まって呼吸を整え、雨
雲が重くのしかかる空を見上げました。
何ができるの? どうすればいいの? 私に何を期待している
の? 私は目を閉じて、内側を見つめます。そしてため息をつきま
す。
「示すんだ」
と、頭の中でソーハンの声がしました。
「どうやって?」
「自分らしくいることをだよ。自分が何になれるか、何ができるか
を示すんだ。自分たちが何者であるかを彼らに示すんだよ」
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年3月13日、午前2時 。青いビームが部屋に溢れ、私は宇宙
2021
船に転送されました。宇宙船は、私の家の数百メートル上空に静止
していました。ソーハンのエレガントな司令船が、地球の大気圏に
突入することは、ほとんどありません。プレアデスの司令船を目撃
したことのある人間も、そう多くないでしょう。ビームルームの冷
えた床に裸足で触れると、前方に明るい壁があり、楕円形の扉が開
いているのに気づきました。ソーハンは、美しい笑顔を見せながら
入ってきて、急いで私に歩み寄って抱きしめてくれました。
「もう一度、ナアラへ行く準備はできているかい?」
私は熱意を込めて答えました。
「ええ、もちろん! アナックスも一緒なの?」
「いや、今回は君と私だけだよ。リラックスして。公式なものじゃ
なくて、ただ遊びに行くだけだから」
「すごいわ! 少なくとも、彼は知っているんでしょう? あなた
が私を金星に連れて行くことを」
「ナアラだよ。金星ではなく、本当の名前はナアラ」
「わかったわ。あなたは私の質問をはぐらかして答えたわね」

その頃の私は、嵐のような感情を体験して疲れきっていました。
なぜなら、愛猫のネッドが亡くなり、さらに、友人のスティーブ
ン・チューが、エリア51での勤務について、私からインタビューを
受けた数日後、無残な亡くなり方をしてしまったからです。親愛な
るスターファーザーのアナックスは、細心の注意を払って、私のエ
ネルギーレベルをケアしてくれていました。そうすることで同時
に、ソーハンの自発的な行動にも目を配っていました。明らかに、
今回のアナックスは、銀河の反対側で忙しく動き回っているようで
した。談笑しながらビームルームを後にしたとき、私はふと立ち止
まり、自分のパジャマについて考えました。「拉致」(というより
も、「招待」ですが)が起こるときは、たいてい夜間なので、下界
を去ったときと同じ状態で上空に到着するのです。
光の伝達共鳴を使うと、私はクリアブルーの制服を着た状態で実
体化します。制服には、肩、腕、脚の側面に茶色のストライプが入
っていて、ポケットまでついています。以前、ソーハンが説明してく
れたのですが、これは通常、地球宇宙軍で働く民間人が着ている制
服だそうで、銀河連合の規定に合うように、私のために選ばれたも
のでした(誰が選んだのかはわかりませんが)。銀河連合では皆、
出自や身分を証明する制服を着用しています。でも、テレポーテーシ
ョンではなくて、ビームで宇宙船内に運ばれると、話は別です。私は
着替えることができないのです。パジャマで金星に行くわけにはい
きません! ソーハンは、私の思考を瞬時に察知し、小さな倉庫に
誘導してくれました。棚には、エラヒルのブルーの制服が、きれい
に畳まれて並んでいました。私はそれに気づき、感嘆の声を上げま
した。ソーハンは、私のために1着を取り出してくれました。私の
ハートは、とても大きな喜びに包まれました。
「やった!」
私はついに、このきらめくターコイズブルーのプレアデスの軍服
を着ることができるのです。パジャマは数秒で過去のものとなり、私
は、その変わった素材の服に身を包みました。金属の微粒子ででき
た頑丈な鎧が、光を反射してキラキラ輝いているので、さぞかし重
い素材なのだろうと思っていました。かの有名な制服を、実際に身
につけて重さを確かめるのは初めてでしたが、あまりの軽さに驚い
てしまいました! ついに、肌触りを体感できたのです。内側は、グ
レーがかった滑らかな泡状の素材でコーティングされていて、私の
体温を感じると、まるで生きているかのように突然反応し、虚空に
吸い込まれるかのように、皮膚にピタッと張り付いてきました。な
んとかパニックにならずに済みましたが、小さな叫び声を上げてし
まいました。体をぴったり包み込み、まるで第二の皮膚のような感
じです。伸縮性のある素材なので、ファスナーやボタンは必要ありま
せん。一度フィットすると体温を調節してくれて、リラックスして
癒される感覚がありました。この素材はいったい何でしょうか!
まるで基本レベルの人工知能で動いているようでした。ソーハンは
私の思考を察知して、面白がって答えました。
「体の機能を監視して、健康を維持してくれるんだ。怪我をした
ら、組織を再生してくれるよ。それに、異なる環境にも適応できる
よう、血液で起きる化学反応を調整してくれるんだ」
「本当に? すごい……」
ソーハンはブーツを用意してくれましたが、最後に足りないもの
があることに気がつきました。
「私のゴールデンベルトはどこなの?」
「君には必要ないよ。この制服は本当に君にぴったりだね」
「実際にはベルトではなくて、武器を入れるためのものだと知って
いるわ。でも……あれがあると、なんだかカッコいいじゃない」
「ただ武器を入れるものじゃない。周波数ベルトさ。高周波のフォ
ースフィールドを作り出すんだ。とても洗練されたテクノロジーだ
から、着けてみたい気持ちはわかるよ。でも、トラブルが起きるか
もしれないんだ。このベルトは、体の周りに強力なイオンフィール
ドを発生させる。宇宙船に搭載しているベルトは、テラン用に調整
されていないから、エネルギーフィールドと重力を破壊する可能性
があるんだ。でも、心配しないで。このスマートスーツが調整して
くれるから、これがあれば大丈夫」
「知らなかったわ。種族ごとに違った見た目のベルトを使っている
理由は、そういうことなのね」
「正解だ。早く行こう、すでに遅れているから」

質問してみてよかった! 司令室まで歩きながら、私はゴージャ
スなブルーの布地で輝いている自分の体の動きに見とれていまし
た。本当にカッコいいのです。体が少し圧迫されることで、血圧が高
く保たれるようになっているのは、スペース・トラベルのために、
体調を整えてくれる目的があるのだと理解しました。この服を着て
いると、とても誇らしい気持ちでした。ソーハンが司令官に昇格す
る前、このような制服を着ていたのを覚えています。とても似合っ
ていました。今、彼が着ている士官服は、濃い目のブルーで、厚手
の強化布を2枚重ねにしたものです。肩には黒いストライプが入っ
ていて、首の部分は黒いV字型で、階級章が入っています。それに、
黒い腕章とブーツ、もちろん、魅惑のゴールデン周波数ベルトも身
に着けていました。
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「今着ている制服を持ち帰るためなら、何だってすると思うわ。と
ても気に入っているの。なんてすばらしいテクノロジーなの」
と、私は言いました。
「何も持ち帰ってはいけないよ、それはわかっているはずだ」

宇宙船の中は、司令室の照明が落とされ、航海用の計器類が、紫
色と緑色の蛍光ホログラムで光っています。とても美しくて、リラ
ックスできる空間だといつも感じます。偵察船のように、どこから
ともなく明るい白い光が降り注いでいるのとは雰囲気が違います。
私はむしろ、艦隊司令船の落ち着いた居心地の良さが好きなので
す。ソーハンが副操縦席に案内してくれたので、私は喜んで座りま
した。
「何も持ち帰れないのね。でも、地球上の政府は、格納庫に大量の
宇宙船の残骸を保管して、宇宙船を改造したり、建造したりしてい
るわよ……」
ソーハンは、目の前にある制御装置をエレガントに操作しながら
言いました。
「私の言いたいことはわかるよね?」
私はため息をつきました。もちろん、その規則については、とて
もよく知っていました。でも、面白半分でいつも聞くのです。もち
ろん、試しに聞いてみる価値があるからですが、それ以上に、私の
面白半分の質問に対して、ソーハンが真剣に答える様子を見るのが
楽しいのです。もちろん、秘密宇宙プログラムによって秘匿されて
いる宇宙人のテクノロジーは、いずれも公開されていません。も
し、私が宇宙を旅したことを示す物理的な証拠を人々に振りまいて
しまったら、混乱が生じて、銀河連合に迷惑をかけてしまいます。
またしても「地球の人類はまだ準備ができていない」という会話
を、ソーハンと始める気にはなれませんでした。私は、人間工学に
基づいたシートに寄りかかり、肘と手を慎重に、肘掛けに触れない
ように置きました。ソーハンは彼特有の笑みを口元に浮かべ、私を
じっと見つめました。
「何?」
と、私は尋ねました。
「前回、宇宙船の発進方法を見せたよね」
「え……まさか私に?」
「ナアラの座標は入力したから、あとはスムーズにパワードライブ
をかけて」
「火星に墜落したりしない……?」
「軌道をロックしたから大丈夫。私の気は確かだ。貴重な宇宙船だ
からね」

肘掛けの前に手を滑らせると、偵察船と同じ八角形のパッチが指
の下にありました。冷たいガラスの表面に手のひらを当て、深呼吸
しました。後は、意識を集中して、腕と手にエネルギー波を送り込
むだけです。普通、私のような一般人では、操縦はできません。超
人でもない限り無理です。でも、ソーハンが、私のインプラントの
周波数コードをシステムに入力したため、これが可能になったので
す。宇宙船が、私の意志に応えてくれたのです。脳の周波数が宇宙
船のコアな意識にチューニングされているときは、エネルギーワー
クのような努力は必要なく、むしろ思考を集中させることが必要で
す。とはいえ、思考を集中させることは、何より難しいことだと思
います。ですが、ソーハンが言ったように、金星への軌道ルートは
ロックされているので、私は起動させるインパルスを与えればよい
だけでした。皆さんにも経験があると思いますが、運転免許を取る
ときに、何かあれば教官が対応してくれるような、そんな感覚でし
た。ただし、このときの教官は宇宙人で、乗り物は、驚くべき空飛
ぶ円盤でしたが!

宇宙空間を一直線に進んでいるときでも、機内ではまったく動き
を感じないので、とても不思議な感覚になります。どんなに速く走
っても、SF映画のように画面の両脇を星が通り過ぎていくことはあ
りません。例えば、惑星の近くを通ることがあれば別ですが、そう
でなければ、距離が非常に遠いので、すべてが静止しているように
見えるのです。

今回は、前回よりも移動スピードが速く、地球を振り返って感動
する余裕もないほどでした。皆さんの想像通り、これはとても残念
なことでした! 太陽の近くも飛行しませんでした。私たちは、陰
になっている側から金星に近づいたのです。金星は、遠くのほうに
やっと見える程度で、ダークブルーの球体のように見えました。宇
宙船はその周囲を動き回り、そして……まばゆい光が管制室にあふ
れました。宵の明星がフルパワーで輝き、鋭い太陽光を厚い酸性雲
のシールドに反射させ、まるで完全な金属の球のように見えまし
た。
「ここから先は、私に任せて」
と、ソーハンは言いました。私は、八角形のパッチから手を引
き、隣にいるソーハンが、硫酸のシールドの隙間から、スムーズに
宇宙船を操縦して運んでくれるのに任せました。彼が操縦してくれ
てよかったと思いました。荒涼とした景色の上空の、埃っぽい空を
しばらく飛行した後、前回訪れたときと同じ、半クレーター上の入
口用エアロックに到着しました。宇宙船は、大きな通路を下方に飛
行し、入口用エアロックに進入したかと思うと、外に飛び出し、壮
大な地下の渓谷の上空に姿を現しました。喜びで心臓がドキドキし
ていました。ヴァル・ソーと家族が暮らす、このすばらしい地下都
市に帰ってきたのです! ドームの下のホログラムの空は夜になっ
ていて、今まで想像したことのないような不思議な光景が広がって
いました。渓谷の地表から見える星空が再現されており、地下ドー
ムの下には、大小さまざまなオーブが数多く浮かび、魅惑的な妖精
の光のバレエのようでした。それらはプラズマでできているので、
何の不都合もなく、その中を飛行することができました。

宇宙船は、光り輝く街に向かって降下し、岩場のプラットフォー
ムに着地しました。そこには、美しいヘルメットをかぶった2人の
鎧の衛兵が、乗り物の横で待っていました。その乗り物は、前回私
たちを運んでくれた長方形の反重力車の1つとわかりました。それ
に乗って、街の中心部に向かったのです。空気はひんやりとしてい
ましたが、地上のビルの間をすり抜けると、少し暖かく感じまし
た。反重力車は、ヴァル・ソーの優美な邸宅の前に降り立ちまし
た。この美しい邸宅に続く階段を、今回は気楽な気持ちで登ってい
る自分に気がついて、とてもワクワクしました。
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大きな重い二重扉が開き、中に入ると、司令官の美しい妻のジリ
アンが現れ、晴れやかな笑顔で私たちを迎えてくれました。肩の長
さの艶やかなブロンドの髪は下ろされて、絹のロングドレスを着
て、しとやかな肩を露わにしていました。アシュケラ人である彼女
の大きな瞳は、喜びで輝いていました。彼女は優雅に手を振って、
円形のホールの奥へ進むよう私たちを促しました。
「親愛なる友人の皆さん、ようこそ! 楽しい旅でしたか?」
と、彼女は透明感のある声で言いました。
「もちろんです。ご招待に感謝いたします」
と、ソーハンは敬意を表して答えました。
「どういたしまして。エレディオン司令官。夫は眠っていますの
で、庭園までついてきてください」
ヴァル・ソーへの面会が叶わないと知り、私は急にがっかりして
しまいました。でも、こうしてジリアンと一緒にいられるだけで、
すでに光栄なことです。ブルーの薄明かりに包まれた家は、夜にな
ると、また違った雰囲気を醸し出しています。家の中に入ってみる
と、思ったよりも大きく感じられました。廊下の両脇には、薄いベ
ールが波打っていて、狭いとがったアーチの門を開けると、城壁に
囲まれた庭園の入口へと導かれました。気圧と重力の違いで、私は
すでにめまいがしてきていました。私は、ソーハンの手を握りしめ
ながら、中に入り、小さな4段の階段をおりました。
(大丈夫だ。彼らが介抱してくれるよ。呼吸を整えて、リラックス
して。ゆっくり動くと、楽になるよ)
と、ソーハンがテレパシーで囁いてくれました。
(だから周波数ベルトが必要になるって言ったのに)
(周波数ではなく、重力と気圧の問題だよ)
(ベルトは助けにならないの?)
(足元に気を付けて)

ジリアンが、大きな木の下にある石のベンチに案内してくれたの
で、私たちは一緒に座りました。この庭園が作り出す香りのエッセ
ンスが何であるか、私にはわかりませんでした。でも、その香りは
神々しいほど魅惑的でした。この場所は、咲き乱れる茂みの中に、
紫色の光を拡散させている、歩道の両脇にあるオーブの光に照らさ
れていました。私は、ジリアンとソーハンの間のベンチに座り、数
秒間目を閉じて、香りを全身に行き渡らせました。

私のめまいは、気圧と、庭園の異質な香りの両方が原因でした。
目を開けると、幼いアルマニーが、紫色の飲み物が入ったグラスを
持って、庭園に入ってきていました。私はこの飲み物を待っていた
のです。相変わらず可愛い子です。私は彼女に挨拶して、丁寧にお
礼を伝えました。そして、その不思議な爽やかな液体を飲み干しま
した。少女は、長い巻き毛の黒髪を白い絹のドレスの上で揺らしな
がら、家の中に走って戻っていきました。薬が効果を発揮するまで
の間、私は自分の魂を足元にグラウンディングさせていました。ジ
リアンは私の腕に手を置いて、上品な優しさをもって、話しかけて
くれました。
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「またお会いできてうれしいです、エレナさん。あなたは、私たち
の生活について、話の続きをしたいと思っていたのでは?」
彼女の仕草や話し方には、高貴な雰囲気がありました。
「ぜひとも。あなた方のスピリチュアリティについて、もう少し詳
しくお聞きしてもよろしいですか? テラでは、金星人について間
違った情報が流れているのです」
「それは承知しています。夫はもう、テラの民間人とは交流しない
ことにしました。官公吏とだけは、慎重に交流しますが。彼の名前
は宗教的なプロパガンダに使われてしまいました。でも、ほかの文
化の信仰に干渉することは間違っていると、私たちは考えていま
す。だから、状況によっては撤退せざるを得ないのです」
「わかっています。私はただ、テランにも明確に理解してもらいた
いのです」
「慎重にされるほうがよいかと思います。踏み込みすぎないほうが
いいですよ」
「ありがとうございます。そうします。前回ここに来たとき、建物
の1つに“アンク”というシンボルがあることに気づいたのですが、
これは宇宙の生命力を表しているとおっしゃっていましたね。日常
生活では、どのように使われているのでしょうか?」
彼女は、庭園の通路を照らしているオーブを指しながら答えまし
た。
「これもフリルの応用の1つです。私たちが呼吸するこの空気も、
フリルが原動力になっています。この庭園の香りは、フリルが私た
ちの周りになければ、存在し得なかったものです。もし、物体間の
空間が空っぽで何もなかったとしたら、この宇宙のすべての生命
は、はかない夢にすぎないということになります。フリルはすべて
です。フリルは、源から生まれた宇宙の力であり、光と闇のダンス
なのです。光と闇は、姉と弟がダンスしながら追いかけっこしてい
るようなものです。死もなく、創造もなく、始まりも終わりもあり
ません。ただ、ダンスがあるだけです。そして、このダンスは、こ
のダイナミクスによって生成され、その結果、フリルを創造するの
です。フリルは、エネルギー……破壊と創造のダンスにおける愛の
行為であり、すべてのものに力を与えるパワーです。異なるすべて
の宇宙の連続体を構成しているのです。そして、採集することもで
きるのです」
「それが私たち皆を結びつけているんですよ」
と、背後で男性の声がしました。ヴァル・ソーは、とがったアー
チ型の扉から庭園に入り、微笑みながらこちらに向かって歩いてき
ました。彼は、ライトグレーのズボンの上に、シンプルな緑色のチ
ュニックを着て、裸足でした。私とソーハンは立ち上がり、胸に手
を当て、お辞儀をして挨拶しました。私は、彼の前にいるといつも
そうなるのですが、心臓がドキドキしていました。ヴァル・ソーの
オーラは、とても生き生きしています。彼の配慮にお礼を言ってか
らベンチに腰を下ろしました。ヴァル・ソーは、配偶者の露わにな
った肩に優しく手を置きました。そして、しっかりとグラウンディ
ングした声で言いました。
「この前来たときよりも、心地よく過ごせているようですね」
「前回よりもリラックスしています。本当にそうですね」
と、私は答えました。
「私たちは、同じ目的のために異なる任務を遂行しているシンプル
な存在です。宇宙の意識においては対等なのです。ジリアンとフリ
ルの話をしているのを聞きましたよ。テラの人類がそれを受け入れ
るとき、宇宙の構造の本当の姿を最終的に理解できるでしょう。彼
らはまもなくそうなるでしょうね」
「すべてを結びつけるエネルギー、それがフリルなのですね。空間
連続体という布は、これによって織り成されているのですね」
私は物思いにふけりながら言いました。
「単なるエネルギーではないのですよ、エレナさん。フリルは、す
べての生命に滋養を与えるものですから、万物の母なのです」
「源のようなものですか?」
「フリルは源とは別物です。源の意識は、それ自身のフラクタルを
送り出します。宇宙の全生命は、意識によって生命が吹き込まれる
のです。フリルは、全生命体、ボイド、惑星の岩石、星の気体にお
いて、有効な原動力であり生命力なのです。それは目に見えなくと
も、私たちの周り、ここかしこにあることを知っていますし、私た
ちはその働きを見ることができます。源からのもっともすばらしい
贈り物です。これは源の愛の息吹であり、宇宙の構造を1つにまと
め支えているものです。とは言っても、フリルは私たちのスピリチ
ュアリティの中核をなすものではありません。皆さんは、自分自身
に力を与えるため、宇宙とのつながりを保つルーティンワークとし
て、創造し、癒し、具現化し、行動し、自分の身体で採集すること
ができます。でも、スピリチュアルな概念ではありません。私たち
のスピリチュアルな哲学は、唯一の意識の源という存在があって、
私たち全員がその一部であるということです」
「では、源は創造主の意識で、フリルはその顕現なのですね?」
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「その息吹こそが、私たちが採集し、無限に利用することのできる
力です」
「ピラミッド型の採集装置を見たことがあります。中央にクリスタ
ルがあり、二重の金属コイルに包まれていました」

「これは、もっとも効率的な採集方法です。ピラミッドは採集者で
あり、増幅器であり、同時に発電機でもあります。だから、私たち
はこれを“ジェネレーター”と呼んでいるのです。このテクノロジーきた
は、銀河連合の全メンバーの間で共有されています。私たちは、来
るべき変化に備え、正しい未来へとステップアップするため、あら
ゆる有用な知識を共有しています。すでにあなた方にも、その知識
を提供し始めているのです。この有用なテクノロジーなくして、あ
なた方が、シカールやネブの前に立ちはだかることはできないでし
ょう。あなた方の星がネブに見つけられ、騙されてから数十年間、
銀河連合は、テランの派閥と秘密裏に協力し、防衛艦隊を作ること
に尽力してきました。これは、地球連合が誕生して間もない頃のこ
とです」
「どの国が関与しているのですか?」
「あなたにお話ししたように、アメリカ政府が中心です。そして、
日本、イギリス、イスラエル、フランスが影響力を持っています。
今日までに、14か国が関与しています」
「アメリカ政府とダークフリート、MJ-12はどうなのかしら……」
「混乱されているようですね。アメリカ政府は、複雑な複合体です
が、しっかりと区分けされています。銀河連合は、まず“海軍”と呼
ばれる組織と密かに同盟を結びました。私が担当した数ある仕事の
中には、このプロジェクトを開始し、銀河連合から技術者や科学者
をテラに派遣するための土台を準備することも含まれていました」
「そうなのね……その場合、不干渉の法はどうなるのですか?」
「私たちはやり方を教えますが、与えられたデータを元に実際に作
業するのは、あなた方です。このデータは“ヒント”として提示され
ます。例えば、墜落した宇宙船など、テランに解明を委ねるような
形で贈られます。そうすれば、あなた方がレトロエンジニアリング
することになり、あなた方の理解力を超えるテクノロジーを、私た
ちが提供することにはなりません。ネブやシカールもまったく同じ
ように、不干渉の法に反することはしていません」
「では、技術的にはどうなんでしょう? 私たちはまだ、正式にイ
ンターステラー階級の文明ではありませんが……」
「ああ、そうですね。ダークアライアンスは、すでに、ほかの星系
にコロニーを持っています。言うなれば、間違ったスタートです。
私たちは、これらを無効化する必要があります。反対側の陣営に
は、本来のテラの文明があり、私たちは、この援助や支援に深く関
与しています。防衛艦隊を建造するのも支援しました。もし、彼ら
が迅速に解決できれば、まもなく銀河連合に加盟することになるで
しょう。テラが平和な連合世界になることが、事前に必要なのは言
うまでもありません。そのときこそ、テラは正式に銀河連合の一員
となり、すべての問題を解決し、やがては、より大規模なオープン
オペレーションを実現することができるのです。銀河連合が、テラ
ンに目覚めとテクノロジー開発を促しているのは、このためです。
テラは変化しています。まもなく、あなた方のデバイスは、化石資
源や核資源を動力源とするものではなくなります。あなた方から盗
まれたものが返されるのです。それが近づいているのです」
「戦争はまだ終わっていませんよ、司令官。テラン、そして私たち
には、この先も長い戦いが待っています。それでも、希望はありま
す」
と、ソーハンが会話に入ってきました。
「この種族の回復力は予想以上です。生命の回復力を決して過小評
価してはなりません。彼らの覚醒に多くのことがかかっています。
この銀河の運命がかかっているのです」
と、ヴァルはソーハンに言いました。
「テラは、銀河の端っこの小さな惑星にすぎないのに……」
「実際その通りです」
と、ヴァルは向かい側に座りながら答えました。
「私たちは、あなた方のためだけでなく、この銀河全体のために働
き、多くのリスクを負っています。未来には、テラやその月、そし
て火星で、重大な危機が始まる前兆があるのです。なぜ、これほど
多くの使節が、ナタルの7つの象限から、故郷を捨て、命と魂を賭
けてこの星に飛んできていると思いますか? 単なる“端っこの小さ
な惑星”を救うためだと思うのですか? そろそろ現実的になるとき
です。新たな帝国として台頭してきているのは、ダークアライアン
スです。ネブ、シカール、そしてテラの闇の勢力が、闇の帝国艦隊
と共に集結しているのです。テランは、テクノロジー的にもっとも
進んでいるわけではありませんが、闇側が強く求めているものを持
っているのです。それは、彼らの魂の両価的な2面性です。この種
族の潜在能力は、善行においても悪行においても強力なのです。こ
の種族は、もっとも邪悪な行いと同様に、もっとも偉大で最高の業
績を達成することができるのです。ネブとシカールは、スーパーフ
ァイターの軍隊を作るために、テランと交配しています。すでに、
このタネは、この銀河のほかの場所でも蒔かれています。今これを
止めなければ、何兆もの文明が私たちの失敗の代償を払うことにな
るのです」
私は喉が渇き、うろたえながら、ソーハンのことを考えていまし
た。
「この戦争に勝たなければならない」
と、ソーハンは言いました。
「私たちは必ず勝ちます」
と、ヴァル・ソーが答えました。
「ダークアライアンスをそんなに止めたいなら、なぜ一度も軍事介
入をしないのですか? あなたたちなら、この戦争を1時間で終わ
らせることができますよね」
私が尋ねると、ヴァル・ソーは、こう言いました。
「リスクがあるからです。ネブとシカールの連合と、公に紛争を起
こせば、すべての人に致命的な結果をもたらします。その1時間
で、テラとテラに住むすべての生命体を絶滅させてしまいかねませ
ん。もし、この紛争が起これば、銀河連合も、あなたの星やほかの
多くの星と一緒に終わりを迎えるかもしれないのです。私たちが勝
つには、戦略的になるしかないのです。もう1つの要因は、あなた
方、人々の意識の高まりです。精神的な幻想から逃れ、より高い力
を取り戻し、奴隷の主人たちから手の届かないところへ行くので
す。彼らは、プロジェクトを放棄して去るでしょう。本来、あなた
方の種族は、非常に強力な性質を持っているからです。あなた方の
遺伝子の遺産は、宝の箱です。あなた方が目覚めることが、解放の
鍵です。私たちは、非常に長い間、あなた方に準備をさせてきまし
た。あなた方の手を握り、そばを歩き、つまずくたびに、何度も何
度も立ち上がらせてきたのです。でも、私たちが代わりに、最後の
ステップを歩むことはできません。あなた方の代わりに、ポータル
を通り抜けることはできないのです。そして今、あなた方はここに
います。牢獄の出口のドアの前に立ち、外に出る準備ができていま
す。しかし、侵略者たちは、まだあなた方の後ろにいて、甘い言葉
ろうらく
で魅了し、恐怖と噓であなた方を籠絡 しているのです。振り返って
はいけません。あなた方には、決断する力があります。その力は、
これまでもずっと、あなた方にあったものです。あなたは仲間に、
このように言う必要があります。“さあ、この扉をくぐってくださ
い。目を覚ましてください”と」

ヴァル・ソーがそう言い終えると、辺りは静寂に包まれました。
私は深呼吸をしました。彼は、私の緊張を察知し、父親のような表
情で微笑んでくれました。そして、こう付け加えました。
「私が“目を覚ます必要がある”と言ったのは、低い知能レベルか
ら、という意味ではなく、無意識の状態から、という意味です。テ
ランは、自分たちが何者であるかを思い出す必要があります。敵
は、テランの魂の可能性を知っているのです。だからこそ、彼らが
テラを征服する唯一の方法は、戦略的に欺瞞を利用し、テラ社会の
あらゆるレベルの既存の構造を、彼らの人工的な構造に置き換える
ことだったのです。これによって、国民は侵略されていることに気
づかず、同意さえもせずに、簡単にスムーズに侵略することができ
るのです。これは、彼らがほかの場所でも行ってきた手法です。自
由意志という宇宙の法則のおかげで、彼らはうまいことすり抜けて
来たのです。銀河連合はすでに、秘密プログラムに関与していま
す。しかし、奴隷となった国民が目覚め、支援を要請しない限り、
公然と介入することはできません。そして、敵が自己強制的な奴隷
化のテクニックを使ったときには、本当にひどい状況になります。
これはつまり、恐怖を利用して、人々が自ら、自分の権利と権力を
手放すように仕向けるということです。ネブとシカールは、マイン
ドコントロールを使って、テランを奴隷にするように仕向けたので
す」
「私たちを分断し、私たち自身が敵であると信じ込ませて、おとし
めるのですね」
と、私は言いました。
ジリアンが立ち上がり、深い思いやりに満ちた笑顔で私に声をか
けてくれました。
「庭を見に行きませんか?」
私は、彼女の誘いに応えました。花が咲き乱れる茂みの小道へ付
いていく前に、銀河連合のしきたりとして習ったように、胸に手を
当て、ヴァル・ソーに軽くお辞儀して挨拶しました。
「このメッセージは必ず実行します」
と、私はヴァル・ソーに言いました。
「皆の心に恐れを抱かせるのではなく、希望を抱かせるのですよ。
プレッシャーをかけるのではなく、やる気を起こさせるのです。言
葉には力があります」
私は心の中で、(そうよ、プレッシャーをかけるんじゃなくて
ね)と付け加えようかと思いましたが、ヴァル・ソーは私の思考が
読めるので、心の中で言葉にしないように気をつけました。ソーハ
ンは、すでに何度もこのことを話してくれていました。ですが、
「この戦争にはもっと大きな問題がある」と彼が言っていたときに
はいつも、全体像を把握できていませんでした。ソーハンは、いつ
も適切な言葉を選び、私の心を恐怖ではなく、強さで満たしてくれ
ました。同じ情報でも、ヴァル・ソーの言葉で語られると、私の思
考にまったく新しい視点が生まれます。ですが、プレッシャーはあ
りません。私は、新鮮な空気を心から欲しました。ジリアンのジェ
スチャーには思いやりがあって、温かい歓迎を表していました。

思考を読み取ることができる存在と一緒にいると、ときに、めま
いを覚えることがあります。彼らは常にそうしているわけではあり
ませんが、私はいまだに、テレパシーのコンタクトで使われる2つ
の異なる周波数を解離させるのに苦労しています。それは、私的な
思考と、テレパシーでの「話し言葉」のことです。ときには、感情
によって、冷静さを失うこともあります。そのときは、自分の中に
しまっておきたい思考が隠せなくなります。それに、心の中の言葉
だけに集中していると、しばらくすると疲れてしまいます。地球に
帰ったら、ソーハンの貴重な助けを借りて、この有益な長い会話の
内容をすべて書き留めなければならないこともわかっていました。
ですが、ジリアンのおかげで、覚えておかなければならないことが
これ以上増えずに済み、彼女と一緒にいることが心地よくうれしく
感じました。彼女はそんな状況を察してか、地球と金星のライフス
タイルについて、難しくない会話を交わしてくれました。
こうして私は、その夜も、異なる人種や文化が混在する金星社会
の構造を学ぶことになったのです。そして、金星が5種族評議会の
代表団によって、惑星レベルで統治されていることを知りました。
この代表団は、銀河連合の公式なプレゼンスと連携して行動してお
り、金星の軌道を周回する母船に乗船しています。金星社会のトッ
プには、最高統治者も君主制も存在しません。地下都市にはそれぞ
れ代表者がいて、コロニーの連合に相当するシステムを作っていま
す。
私たちはシャトルと宇宙船に戻され、秘密という霧に包まれた金
星から遠く飛び立ちました。この長い会話をインプラント装置で記
憶することを許してくれたソーハンに、ここで感謝の気持ちを表し
たいと思います。そうでなければ、私はこの会話を詳細に思い出す
ことはできなかったでしょう。
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「テランという種族は、もっとも偉大で、もっとも高い業績を成し
遂げる能力があります」

ヴァル・ソーのこの言葉は、こうして書いている今も、脳裏を離
れません。私たちが、地球人を恐れる者たちによって、低い周波数
の中に、奴隷として閉じ込められてきた理由はここにあります。この
低い意識レベルでは、自分が本当は誰で、どこから来たのかを思い
出すことはできません。だからこそ、私たちは自分の周波数を上げ
るよう、強く働きかけられているのです。それによって、自分自身を
再びアクティベートし、自らの本質の意識に目覚めることができる
のです。では、具体的に、それが何を意味し、何をしなければならな
いのかをお話しします。

1)恐怖を拒否する
恐怖は、マインドトリックスであり、あなたをコントロールし、
意志を麻痺させ、奴隷として束縛するために使われる道具です。主
流メディアと、地球上の至る所に設置されたデバイスによって放送
されています。恐怖や混乱に、自分の決断を委ねてはなりません。震
える羊のようになることに同意しないでください。あなたの自由意
志、そして、自分のために決断する力を取り戻すことで、あなたの
力と主権を取り戻しましょう。自分の人生、自分の体、自分の運命
をコントロールしているのは、あなた自身です。あなたには、この
現実を共同創造する力があります。条件付けられ信じ込まされてき
たものよりも、ずっとパワフルな存在です。だから、ただ、そうする
のです! あなたの力を恐れに委ねるのを止めて、立ち上がり、あ
なたの自由を受け入れてください。恐怖は幻想であり、本当は存在
していません。

2)ハートに従う
あなたのハートは知っています。あなたのハートは、直感であり
本能です。1秒の、ほんのわずかな最初の瞬間に感じるものこそが、
正しいのです。あなたの知覚は、自分が考えている以上にずっと鋭
いのです。あなたの「ハイヤーセルフ」(あなたの身体包囲体の中
にいる、より高い周波数で振動している存在)は、何があなたにと
って良いのか、悪いのかを知っています。

3)平和を見つける
恐怖があなたに手を伸ばすことを拒否し、自らの意識フィールド
の障害を追い出すとき、あなたのマインドとハート、そして魂の完
全なる静寂だけが残ります。そして、この瞬間にのみ、マインド・ハ
ート・魂という3つすべてが、あらゆる知恵と明晰さの中で機能し
ます。それは、あなたの存在の全レベルにおいて完成される、完璧
に平和な状態です。この状態で、あなたは宇宙全体と接続されます。
至福の感情とエネルギーは、非常に高い周波数を持ち、瞑想によっ
てこの状態に到達することができます。3D世界のマトリックスと水
平につながるのではなく、垂直につながり、地球と空の架け橋にな
ってください。下にも上にも根を張り、樫の木のようにたくまし
く、清純で不屈な光の柱のように力強くなるのです。

4)再びつながる
あなたは無敵であり、全知全能です。なぜなら、あなたが本当の自
分自身とつながるとき、あなたはすべてのものとつながっているか
らです。目を閉じて、この身体に宿っている存在を内観してくださ
い。どのように見えますか? 自分のシルエットの形は? 肌の色
は? 髪の色は? 光としての自分の存在と、不滅かつ全能の魂に
フォーカスするときに、あなたはその高い周波数で振動します。それ
により、同じ速度で振動しているすべてのものと同調するのです。通
常、そうなります。そして、あなたの真の本質の存在、あなたがファ
ミリーとして属している者たちの存在を感じることができます。自
分自身とつながることは、宇宙全体と再びつながることでもあるの
です。

5)使命を果たす
この高い意識状態の中で、あなたは突如、知るのです……思い出
すのです……恐怖のマインドマトリックスという幻想のベールが、
あなたのはるか下方にあることを。あなたは、はっきりと理解する
のです。自分が誰であるかを知り、何のためにここに来たのかを思い
出します。自分が何をすべきかがわかるのです。自分の力を取り戻
し、奴隷の状態から抜け出すには、自分が本当は誰であるかを自覚
する必要があります。自分の使命を知るには……己を知ることです。

たとえ、この銀河の同盟が、より大きな共通の目的のために存在
し、行動していたとしても、私たちは、とてつもなく愛されている
のです。彼らはこの惑星をレプティリアンやグレイと共に爆破して、
1時間で仕事を終わらせることもできたのです。でも、そうしないこ
とを選んだのです。

彼らは、私たちを助け、チャンスを与えるために、この長く、耐
え難い争いに身を投じたのです。彼らから学ぶべきことは多くあり
ます。本当に多くです。特に、子供じみたエゴを捨て、自分自身に責
任を持つ方法を、彼らから学ぶのです。

ある日、ソーハンは、私にこう言いました。
「闇の者たちが供給する人工的な意識フィールドから、自分自身を
切り離さなくてはいけない。彼らは、“恐怖”と“混乱”をばらまいて、
その意識フィールドに養分を与えている。君たちは、本当の自分が
誰なのかを知り、内なる存在、永遠不滅の真の自分とつながる必要
があるんだ。自分の存在を改めて認識すると、君たちは、自分がよ
り高い波動でできていることに気づくだろう。そうすれば、平和を
見出し、どんな障害も自分に手を伸ばすことはできないとわかるは
ずだ。君たちの高次の存在、魂は、非常にパワフルで高い周波数の
中にいるから、宇宙をはじめ、身体よりも高い周波数のあらゆるも
のとつながるようになれるんだ。これが、自分自身とつながるため
に必要なことであり、これが、自分の周波数を上げる方法なのさ。
自分が何者であるかを知ったとき、君たちは喜びに溢れ、自分に力
があると知り、自分を脅かしていると思い込んでいたものすべて
が、ばかげていたと思えるだろう。だから、たとえ嵐の中心にいた
としても、幸せと喜びを感じることができる。君たちは、笑うと波
動が高くなる。アバターレベルではなく、魂レベルの波動で、自分
らしくいてほしい。君たちの魂は、究極に、信じられないほどパワ
フルだ。君たちはいつかこれを理解するだろう」

年3月末 。ソーハンは、地球の軌道上のバトルステーション
2021
に私を招き入れました。彼はここに住み、艦隊の任務がないとき
は、ミッション・コーディネーターとして働いています。その夜、
彼は休暇を取り、母船の中層階にある中央の庭園に連れて行ってく
れました。そこは、すべての激動から逃れ、貴重な時間を過ごすた
めに、私たちが会う場所としては好適です。オフの日のソーハンは、
将校の制服ではなく、カジュアルな服装、特に着物を広げたような
長い白衣を、大きなズボンとブラウスの上にまとっているのが特徴
です。その庭園はとても広く、皆が裸足で歩き回ります。自然の土と
の触れ合いは、体内のエネルギーの流れを促進するため、多くの民
族が好むものです。私たちはアーチをくぐり、空間に浮かぶ天国のよ
うなこの庭園に到着しました。美しい自然保護区の外周を囲むよう
に居住エリアがあり、蛇行した空中歩道橋と優雅な階段でここにつ
ながっています。戦艦の中心部にこのような繊細で美しい場所があ
るとは想像しにくいかもしれません。でも、ここはアヘル族をはじ
め、同じ惑星の文化、生活、環境条件を共有するヒューマノイドの
領域なのです。銀河連合の多くの母艦には、それぞれこのようなレ
ジャー施設があり、故郷を離れて長い時間を過ごす人員のために作
られています。私たちの星系にはこのような浮遊要塞が多数存在
し、それぞれの種族に適した生活環境を再現しているのです。テラ
ン、アヘル、タアル、ノール、メトン、セロシ、カヒル、そのほか同
様の炭素系ヒューマノイドは、多様な元素の割合にわずかな違いが
あるだけで、同様の空気組成を呼吸しています。共に働き、生活する
際に共通の空気を吸うために、複合サプリメントで、体の機能のバ
ランスを整え直すのです。これは圧力や重力比の再調整も兼ねてお
り、例えば私が金星に行くたびに飲まされている物も、この化合物
の1つです。化合物を摂取して数分後、めまいが止まり、生体が適応
するまでの間、体内の圧力が再調整されるのを実感できます。何が
入っているかはまだ聞いていませんが、その効果はかなりのもので
す。
「あそこを見て」
と、ソーハンが、芝生で遊んでいる子供たちを指さして言いまし
た。子供たちは保護者に見守られています。子供たちのほうへゆっ
くり歩いていくと、彼らは救助活動で出会ったハイブリッドである
ことがわかりました。芝生に座って、おどおどした様子で遊んでい
る子もいれば、楽しそうに走り回り、笑い合い、追いかけっこをし
ている子もいます。その多くの子供たちは、頭蓋骨が大きく、大き
な目をしていました。髪の有無、肌の色、目の色など、それぞれに
特徴があります。私たちが近づくと、何人かは活動を止め、怖がって
怯えた様子で、私たちから遠ざかっていきました。
「まだ怖がっているの?」
と、私は聞いてみました。
「たとえ記憶を消しても、魂には永遠に刻み込まれる。魂は決して
忘れない。この子たちは、世話をしてくれる人には慣れているけれ
ど、新しい人に出会うと、恐怖感を示すことがよくあるんだ。まだま
だ救出は続くよ。我々がテラの月を解放してからは、新しい子たち
がやって来ているけれど、もうすぐほかにも多くの子供たちが到着
する予定だよ」
「どこから?」
彼は、光に透かされた水晶のような強さを持った目で私を見まし
た。私は、彼が何か重要なことを言おうとしているのがわかりまし
た。
「火星」
と、彼は答えました。
「まあ、ついに火星での作戦を開始するのね」
「そう。もうそのときが来ている」
「なぜ今なの? なぜ、もっと前にしなかったの?」
彼は、隣に座るように促しました。斜面に座ると、子供たちが遊
ぶ場所が見渡せました。ソーハンは、膝を抱えて座っていました。
「テラのカバールの幹部は倒れ、そのほとんどが火星に逃げ込んだ
と言われている。彼らは追い詰められている。彼らの軍隊は今、混
乱に陥っているんだ。だから迅速に行動する必要がある。テラの月
を奪還して以来、テラの周辺は安全が確保され、軌道上にあるダー
クアライアンスのインフラを破壊することができるようになったん
だ。この日までは、衛星を妨害することしかできなかったけれど」
「秘密宇宙プログラムの衛星のことを言っているの? ISSの宇宙飛
行士に設置してほしくなかった衛星のような?」
「そう。でもそれだけじゃなく、それ以外にもあるよ。この分野に
は多くのライバルがいる。テラやほかの地域からね。どの企業も独
自の目的をもっているんだ。知っての通り、テラは2つの派閥に分
かれていて、退行派と進歩派がいる。銀河連合は進歩的なほうと同
盟を結び、積極的な宇宙開発の手助けをしている。ヴァル司令官
は、その準備の手助けをしていたんだ。そして今、次の段階は……
火星だ。これは長期間にわたる大規模な作戦になりそうだ。あまり
長引かないことを祈るよ」
ため息をついたソーハンは、首の後ろで両手を組み、草むらに横
たわりました。ホログラムの空を見つめながら、彼は物思いにふけ
って言いました。
「これは難しいチャレンジになるだろうね。火星は長い間、ネブと
シカールに支配されてきた。彼らはそこで強い存在感を示している
んだ。まずは、2つの月の件を処理してから、惑星自体の作戦を開
始しなければならない。長い戦争になりそうだよ……。シカール
軍、ネブ同盟、ダークフリートとの戦闘に直面することになる。で
も、知っての通り、最大の課題は、罪のない人々の命をできる限り
救うことなんだ。多くのテラの指導者とその宮廷は、代役を残して
ティア(火星)のテランコロニーに移住したけれど、彼らはまだシ
カールに脅かされている。ティアは、テリトリーゾーンで区分けさ
れているだけで、テランの施設はテランに属していない。テランは
サービスを提供する代わりに、敷地を借りているだけなんだよ」
「どんなサービスか想像したくないわ……」
「聞かないほうがいい。テラの軌道上の衛星と同じだよ。オリオン
やシカール共同体は、テラの人々に施設や技術を作らせることで、
自分たちが何をしているかをよく知っている。彼らは、宇宙の法則
によって、銀河連合が干渉できないことを知っているんだ。銀河連
合は、第1段階の文明が製造したものを破壊することはできない
し、彼らの生命を危険にさらすような作戦を行うこともできない。
しかし、敵は我々の決意を過小評価している。ここ数年、我々は秘
密裏に、ティアの土地の抵抗勢力を強化するため、絶え間ない努力
を続けてきた。銀河連合は、彼らを武装させ、地上クルーとして訓
練したんだ」
「抵抗勢力? 火星で?」
「火星で、レプティリアンの集団に武器を渡していた日のことを覚
えているかい?」
「ええ、覚えているわ。しばらくの間、思い悩まされたから! あ
なたは、そのことを話そうとしなかったわ。ああ、あのときの、あ
れがそうだったのね! 火星人の抵抗勢力! その人たちは誰な
の?」
「そのコロニーは、異なる古代種族で構成されている。主に爬虫類
や昆虫をベースとした生命体で、彼らは、新しい占有者のルールに
同意しなかったんだ。彼らは元々、平和的な先住民族で、大昔に火
星をコロニー化していた。だから、最近の侵略者であるシカールや
ネブと比較して、今日では先住民族とみなされているよ。レプティ
リアン種族のグループは、ナーガと関係があり、昆虫族も古代にテ
ラを訪れているんだ」
「彼らはどんな外見をしているの? アカハラカマキリみたい
な?」
「いや……でも、ある意味関係はあるかな。腕が3本あって、背が
高くて速いんだ。テラでいうところのクモに少し似ているけれど、
クモ類とは関係がない。防御的な状況に陥ると、かなり攻撃的にな
ることもあるよ。火星には、長く豊かな歴史がある。テラよりもず
っと古い文明を育んできたからね」
「私が今まで見てきたSF映画の枠を超えているわ……」
「これは映画ではないよ。残念ながら、これは現実だ。我々は今こ
こにいて、このすべてにおいて役割を果たす絶対的な特権を持って
いるということを、心に留めておく必要がある。我々の行動次第
で、この銀河系全体の運命が決まるんだ。我々は歴史を作り、記憶
される存在だ」
ソーハンと目が合い、時間がゆっくりと流れていくような気がし
ました。
ソーハンは、隣で横になるよう私に促しました。草むらに滑り込
み、彼の腰に腕を回し、目を閉じました。彼のオーラはとても生き
生きとしていて、力強いものでした……。彼と一緒にいると、強く
無敵になれる気がします。彼がいれば、どんなことだってできる
と。でも、その事実を知りながらも、私は自分の行動に自分で責任
を持とうと頑張っていました。ソーハンはとても忙しい人なので、
私の安全を心配することに気を取られてはいけないと思ったので
す。だから、彼の仕事を尊重し、サポートするため、いつも彼のア
ドバイスに耳を傾け、彼の導きに従いました。彼の守護は何よりす
ばらしい贈り物でした。テラの人々が銀河連合のことを知り、同じ
ように感じてくれたらと願っています。目の前では、子供たちの遊
ぶ声が、木々の間からは、変わった鳥たちのさえずりが聞こえまし
た。これは、戦闘のさなかにある平和でした……。彼は、物思いに
ふけった様子でこう言いました。
「時空で繰り広げられるこの物語を見届けるために、たくさんの銀
河をまとめている多次元の銀河間連合からやってきた存在もいるん
だよ」

数秒間、私は頭の中で、自分のささやかな知識のすべてをスキャ
ンしました。私は眉をひそめ、体を起こして、彼の目を見つめてこ
う尋ねました。
「誰のことを言っているの?」
「銀河連合は、最高の段階ではないのさ。我々は、この銀河系の中
だけで活動している。けれども、9人の長老評議会が監督する、よ
り広範な銀河間連合というものが存在するんだ。彼らは多次元間の
存在だ。ときどき彼らもここに訪れているよ」
「そんな上層組織があるなんて知らなかった」
「彼らは、MANシステムのナタルに、ヒトゲノムを蒔いたんだ」
「ライラのこと? 私たちは、この銀河系の人間ですらないってこ
と?」
「創造主にはさまざまな派閥がある。P-タアルと名付けられた者た
ちは、彼らが種を蒔いた生命で世界を動かしている。テラもその1
つだけど、最初は我々のMANシステムで誕生した。これがナタルの
ヒュー・マンの出発点なんだよ」
「P-タアル……タアル人とつながりがあるの?」
「そう、彼らは種を蒔いた存在の名前を残している。彼らは、それ
を非常に誇りに思っていて、それゆえに自分たちを王族だと考えて
いるんだ。タアル人は、遺伝子的にテランにもっとも近い種族だ。
まあ、長い話だ。いつか話すよ……」
「楽しみにしているわ。今、大切なのは、この戦争に勝つことね」
私がそう言うと、彼はとても優しい声でこう言いました。
「希望が変化を可能にしている。我々は、テラの解放という勝利に
向かっていて、古いパターンは崩壊しつつある。大きな粛清だよ。
テランに、グリーンエナジーを使うように伝えてほしい。これが新
しい世界を築くものなんだ。グリーンエナジーは、ハートチャクラ
で生成され、ハートからやってくるものだ。愛はハートの知恵であ
って、マインドの知恵ではない。生命力であるフリルは、強力なエ
ネルギーなんだ。その使い方を知れば、全世界を無限にパワーアッ
プさせることができる。テランは、未来のタイムラインを、現在に
正確に顕在化させることによって、共同創造を行っているんだよ。
テラの全人類はこのような創造的な力を持っているんだ。戦争はま
だ終わっていない。我々はまだ、抵抗するダークサイドと戦ってい
るけれど、今のところ我々が勝っている。テランには思い出してほ
しい。自分たちは1人ではないこと、自分たちのために、共に戦っ
ている味方がいることを。彼らに伝えてほしいんだ。我々が彼らの
ために戦っているのは、彼らに希望を託しているからだと。希望が
あるから戦っていること、勝利のチャンスがあると知っているから
戦っているってことを」
「テラン同士が言い争うのをやめて、平和に1つにまとまってほし
いわ。それが、この種族が前進するための唯一の道だと思うから」
「もし、彼らが自らの力の中に立って、しっかりと波動を上げれ
ば、もうこれ以上、お互いに言い争う必要も、戦う必要もなくな
る。最終的に彼らを引き離すものを探そうとする必要もなくなるだ
ろうね」
「言うのは簡単だけど、彼らはとても頑固なの」
「まず、自分の心を癒して、自分自身と和解することが必要なんだ。
内なる平和は、外側の平和につながる。そうすれば、自分たちを隔
てているものではなく、何が自分たちを結び付けているのかがわか
るはずさ。我々はみんな異なっているから、多くの点で意見が合わ
ないこともあるかもしれない。でも、大宇宙ではみんな同じ意識を
共有しているんだ。我々は、議論するためにここにいるわけじゃな
い。1つに団結する方法を見つけるためにいるんだ。同じ意識とし
て、一緒にうまくやっていくために。意見を異にする人は、自分と
は別の道を歩んでいるだけなんだ。その人にとって最適な進化のた
めの道をね。それぞれの選択を尊重しなくちゃいけない。なぜな
ら、自由意志は、この宇宙の偉大な法則だから。自由意志とは、思
考と行動の自由のことさ。まず、自分の中に平和を見つける必要が
ある。そして、平和を見つければ、ほかの人たちとも平和な関係を
築けるようになるだろう。君たちが怒っているのは、君たち自身の
中に平和でないものがあるからだ。テラの人類は、内と外の平和を
見つける必要があるんだ。なぜなら、平和によって団結が生まれ、
団結が強さとなるから。もし、テラのすべての人間が、高い周波
数、高い意識状態で平和の下にいたならば、低い周波数で繁栄して
いる者たちは、興味を失って、自らの意志で去っていくだろうね。
そうすれば、テラの人間はこの戦いに勝利するんだよ」
ソーハンは頭を上げ、眉をひそめました。何かあったのかと尋ね
ると、彼は少し微笑んで答えました。
「アナックスがこっちに向かっているよ」
私たちの数メートル先に明るい光のオーブが現れ、光の船から、
私の大好きなエガロス族の優雅なシルエットが現れました。彼はう
れしそうな表情で私たちに敬礼しました。私たちも立ち上がって挨
拶をしたのですが、言葉を交わしたとたん、思いがけないことが起
こりました。近くで遊んでいた子供たちが、すっかり静かになって
しまったのです……。戸惑ったような顔をした小さな子供たちが、
突然、好奇心をもってアナックスを見つめてきたのです。時間が止
まったように思えました……。何が起こっているのだろう、と心の
中で思いました。
「アナックスはグレイに似ているんだよ。この子たちが監禁されて
いたとき、そこにいたのはグレイだけだった。だから、アナックス
に妙に見覚えがあるので、ちょっと戸惑いを感じているんだろう
ね」
ソーハンが私の思考に答えてくれました。ソーハンが私に、後ろ
に下がるように促しました。髪の毛のない小さな男の子が、アナッ
クスのほうにそろそろと近づいて行ったからです。辺りは完全な静
寂に包まれていました。緊張感で張り詰めたピリピリとした状況
に、私たちは息をのみました。すると、その少年を真似て、ほかの多
くの子供たちも、恐る恐る近づき始めたのです。優雅なエガロスは、
草むらにひざまずき、両手を大きく広げて、心からの歓迎がこもった
笑顔を見せました。藍色の瞳はうれしそうに輝いています。そして、
信じられない美しいことが起こったのです……。子供たちがアナッ
クスの周りに集まり、小さな腕をアナックスの首や肩に回して、愛
おしそうに抱きしめたのです。この光景を目の当たりにして、私は深
く感動しました。エガロスの老議員は笑いながら、美しい愛のエネ
ルギーを放っていました。この光景は、見ていて本当にすばらしい
ものでした! 真の純粋な愛の顕れです! 私はソーハンの手を握
り、彼の思考を感じ取りました。
(これが、戦うに値する理由だよ)
彼はテレパシーでそう言いました。そして、私を見て、強く手を
握り返してきました。彼の青緑色の瞳が強烈に輝きました。
「そうね」
と、私は答えました。真の力は、内なる認識から生まれます。内な
る認識は変容の体現です。内なる認識は、知恵、強さ、勇気をもた
らしてくれます。そして、人間性、神性、愛に再び結びつけてくれま
す。愛は、あなたの魂を癒し、力を与え、魅了し、戦争を忘れさせ
てくれます。しかし、同時に、戦うための力と理由をも与えてくれま
す。守りたいものへの愛がなければ、戦争は空しい戦いにすぎませ
ん。愛とは燃料であり、目的であり、同時に私たちを戦いに導く根
拠でなければならないのです。勝利の後、愛が平和の実現を全うし
ていくのを見るとき、そしてまた、それが戦うことを決意する理由
であるとき、私たちは愛が人生の意味であることを悟るのです。愛と
は正義なのです。これは、アナックスがよく口にする言葉です。
「正義とは、痛みを平和に変えることです」
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アヘル族は、「オホラン道」(ドムドルフ)と呼ばれる精神修養
を行う数ある民族の1つで、毎日ヨガのような瞑想を行います。た
だし、通常のヨガに比べると、体を大きく動かすことは少ないで
す。この修行では、非常に長いポーズと、気功によく似たダイナミ
ックな動きが交互に行われます。しかし、単にそれだけではなく、
宇宙の生命力であるフリルの流れと共に動くことで、フリルが体内
に循環し、意識という唯一の力での鍛錬が行われるのです。これは
神聖なダンスであり、細胞内のエネルギーの流れをよくし、魂の生
物学的な器である肉体を健康に保つためのものです。この修行は、
この銀河系セクターの市民の間で好まれています。寿命を延ばし、
意識をより高い次元に上昇させることを可能にするのです。ドムド
ルフは、私たちがアルクトゥルスと呼ぶ星系に住むオホラ族によっ
て広められました。言い伝えによると、かなり古くからあり、この
宇宙外に起源を持つ謎の古代創造主である「光の長老」によって授
けられたと言われています。

ある日、ソーハンと私はすばらしい体験を共有しました。彼が毎
日行っているドムドルフの練習に私を誘ってくれたのです。無謀な
戦闘のさなか、戦いの暴風の中でバランスを保つには、これまで以
上にこの精神的な修行が必要だったのです。私は自宅で、朝のアチ
ューンメントをしていました。瞑想のようなものですが、エネルギ
ーワークや宇宙との感覚的なつながりを伴うので、瞑想とは呼ば
ず、アチューンメントという言葉を私は使っています。「アチュー
ンメント」は、まさしくぴったりの言葉なので、ソーハンやアナッ
クスも好んで使います。その日は、たまたま、同じ時間に、ソーハ
ンがスピリチュアルなルーティンを行っていたのです。そのとき、
思いがけずも美しく、意識の領域間のどこかで、私たちのマインド
が重なりました……。私たちの心臓の鼓動がシンクロし、2つの意
識の間に天と地を結ぶ量子の橋が架けられたのです。私は、見たこ
とのない光り輝くエーテルのような風景の中に投影されました。そ
こは、ホログラム宇宙の中のどこかの山頂でした。足が岩に触れる
と、私の存在が高密度化し、澄んだ空気が肺の中に吹き込んできま
した。ソーハンは、崇高な様子であぐらをかいて座っていました。
彼は、私に微笑みかけてきました。
「ここはどこなの?」
と、私が尋ねると、彼はこう答えました。
「私のマインドのホログラム投影の中だよ」
「そんなことができるの?」
「君はできない?」
彼の輝くような笑顔は、強く、安定感を放っていました。彼は、
手のひらで私を招き、私は彼の後ろに背中合わせで座りました。彼
と一体となって瞑想を体験できると思うとワクワクして、エネルギ
ーが高揚してきました。
「ゆっくり呼吸して。背骨をまっすぐ私の背中に当ててみて。呼吸
以外のことは何も考えないでね。フリルを吸い込んで、吐くとき
は、恐怖やストレス、あるいは興奮とか、不純物を手放すように」
と、彼はとても穏やかに言いました。私は、それに笑顔で応じま
した。
「背骨のいちばん下に意識を向けて。そこには、エネルギーライン
が通っていて、上は、頭のてっぺんから突き抜けている。この光の
背骨であるエーテル軸に沿って、君の存在を構成する2つの極性
に、ダンスに加わるよう誘導するんだ。宇宙にあるものすべては、
プラスとマイナスの極性でできている。女性的なものと男性的なも
の、光と闇、躍動と静寂、成長と衰退、創造と破壊という2極性を
ね。君の存在の中に、蛇のような光の背骨が1本だけでなくて、2
本あるんだ。まさにフリルの採集装置のようなものだよ。それは、
2つの伝導コイルで構成されていて、中央知覚の結晶体の周りをダ
ンスしているのさ。そして、それと同じようにヒトゲノムのDNA配
列も構成されている。我々は多次元的な存在だから、本当は、もっ
とたくさんのコイルがあるんだ」
「フリルの採集装置……私たちが!」
「すべての生命が、だよ」
「フリルの採集装置は、ピラミッドの中に設置されているわよね。
じゃあ、私たち自身がピラミッドの下でこの瞑想をしたらどうなる
の?」
「可能性は計り知れないね……」
「なんて、すごいの」
「我々は皆、エネルギーの背骨を持っている。動物、昆虫、植物、
すべての生命が、エーテルの骨格構造を持っている。この純粋な結
晶の光の軸の周りに、ダイナミックな生命力が巻きついて、結晶の
存在を活性化させているんだ。さあ、しばらくの間、静寂と、我々
のつながりを楽しもう」
背中合わせで、彼の輝くような強さと、プレアデス人の魂の躍動
する美しさが感じられました。強い樹木に寄り添っているような感
覚でした。
「君の左手、君の存在の左側には、直感と受容性にリンクするすべ
てのものがある。これは脳の半球の話ではなくて、エネルギー的な
存在、つまり不滅の自己の話だよ。左側は、創造性、友好性、開放
性と共鳴している。これは、女性的な受容性とリンクしている。右
手には男性的な側面がある。左手が“受け取る・受け入れる”である
ように、右手は“与える”ことに関係しているんだ。これは太陽のよ
うなパワーで、内側から外側へ向かって作用する。左側の受容性
は、外側から内側へと働きかける。そして、それが循環しているん
だ。受け取ることと与えること、女性的なものと男性的なもの。錬
金術では、両者が融合することで、生命、動き、エネルギーが生ま
れるんだよ。磁気の流れのようにね」
私の全身が震え、左手が疼き始めました。周りの空気が、金色の
光の粒子で満たされ、左の手のひらに向かって動き始めたのです。
「これがフリルだよ」
と、ソーハンは囁きました。黄金の光は左手から体内に入り、震
える風のように体内を巡り、右の手のひらから出ていきました。ソ
ーハンは続けました。
「背骨のいちばん下に意識を向けて。そこに、半透明の光のヘビが
2匹、巻きついて眠っているのを思い浮かべてみて。それらは、君
の存在の女性性と男性性の両極で、互いに距離をとって、正しいバ
ランスを保っている。それを目覚めさせるんだ……。光のヘビが、
君という尊い存在の背骨の周り、中央の光の柱の周りを、完璧な均
衡を保ちながら、等距離でダンスしているように回り始める。君の
の2つのコイルをイメージして。2つのエネルギー的な極性を
DNA
持ったヘビが、対称的に螺旋を描きながら、決して近づいたり遠ざ
かったりせず、常に適切な距離を保っているのをイメージするん
だ。この正しいバランスこそが、生命とエネルギーを創造するんだ
よ。この2匹は、くねくねと体を伸ばしながら下から上へと、踊る
ように上昇し、君のDNAパターンを作る。君の背骨の周りを、より
高いチャクラに向かって上昇するんだ。完璧なバランスを保つ両極
を感じてみて。それらは、そうあるべきであり、君の背骨に力を与
え、君という存在に力を与えるものだから。君は力を感じるかい?
2つの結合によって、完璧な均衡の中にあるこのダンスによって生
み出される熱を感じないかい? このエネルギーが君の存在の中で
点火され、背骨の周りで振動し、外へと広がっていくのを感じられ
るかい? 君は創造することができる。錬金術の火を生み出す力を
持っているんだ。このすばらしい熱を感じてみてほしい……」
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私の内側のダンスは、体の全粒子を活性化させました。私は火で
あり、光であったのです。自分の力の真価に火がつけられたので
す!
「今、この状態で、君が人生に創造したいものを、はっきりと表明
するんだ……。そして、それを宇宙に解放して!」
これは、今までの瞑想体験の中で、いちばん美しいものだと思い
ました。そして、彼はこのように言いました。
「さあ、一緒に踊ろう、君と私で」
この言葉を聞いたとき、胸にエネルギーがみなぎるのを感じ、す
べての音が消え去りました。彼は言いました。
「私たちは2人とも、1本のエネルギーの鎖だ。君と私は双子の極
性だ。君が女性的な光、私は男性的な光だ。私たちは今、背中合わ
せでいる。1人のダンサーになるんだ、君の全存在で。私たちの2
本の背骨は、一緒に回り始める。互いに、2本のDNAの鎖のように
踊りながら、より高い領域へと登っていき、1つになる。君と私
は、美しく力強いものを一緒に創造していくんだ」

二重螺旋の光のボルテックスの中で、うっとりしていると、視界
が一変し、私たちは、ただ踊る2つの炎となり、無限へと広がって
いきました。そして、より高く、さらに高く、私たちは純粋な意識
へと徐々に変化していき、やがて1つに融合していったのです。私
は彼を知っていたし、彼も私を知っていました。私は彼であり、彼
は私であり、私たちは1つになったのです。この完璧に完成した状
態で、私たちは全宇宙を創造できるように思えました。時間、空
間、すべてが無限の中に溶け合っていったのです……。

エネルギーが溢れ出す中、私たちは自分の体に戻って倒れこんで
しまいました。愛と優しさ、感謝と共に、自分の存在を、背骨の周
りに、ゆっくりと穏やかに引き戻しながら……。
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プレアデスからの移動は、それほど時間がかかりません。葉巻型
の長いカーゴを使う場合、ハイパースペースなら4時間で到着しま
す。この乗り物は、小型の宇宙船を運ぶためのものです。私は一度、
ソーハンの軍用母船に停泊していたカーゴを訪れたことがありまし
た。内部は巨大で、4階建て、上部が居住区になっています。小型船
が艦隊の一部になるときは、横の開口部から交互に順に乗り入れさ
せます。偵察船は、ハイパースペースの長距離移動に対応できない
ので、軍隊を迅速に運ぶには、これが最良の方法なのです。そういう
わけで、私はときどき、ソーハンのステーションで、訪問者に出くわ
すことがありました。ソーハンの姉のシャヤと、弟のジェンハンも
そうでした。ここで弟の話を出したのは、彼が将来の仕事への抱負
を語ってくれたからです。それは、非常に興味深い話でした。

ジェンハンは、弟バージョンのソーハンといった感じです。ソー
ハンよりも少し背が低く、細身で、カールしたブロンドの短髪に縁
取られた顔立ちは、ソーハンと同じように、美しい輝きを放ってい
ました。地球にいれば、20歳の美青年に見えることでしょう。私
は、ソーハンの部屋で初めて彼に会いました。そこで彼は、銀河連
合の宇宙軍への入隊について、兄から強く反対されたと話してくれ
ました。
私は、ソーハンの過保護な様子がいじらしく思えました。ソーハ
ンは、この戦争で悲惨な体験をし、魂に傷を負ったのだと思いま
す。彼の反応は理解できます……。地球だと、こういうことがあった
ときに、若い人なら、過保護な親に反発したり、抗議したりするも
のですが、ここでは違います。ジェンハンが涙目で兄を想い、肩に頭
を預けて、感動的な言葉を口にしたので、私は感情を揺さぶられま
した。
「兄が僕をすごく愛しているのを知っています。だから、兄は僕に
銀河連合艦隊に入隊してほしくないと思っているんです。僕も兄を
愛しているから、彼の想いを尊重します」
このシーンは、とても感動的でした。2人の間にある愛情は、力
強く輝いていました。ソーハンは、弟の髪をかき上げ、彼に微笑み
かけてこう言いました。
「エレナに言ってよ。君のもう1つのプランは何だい?」
するとジェンハンは、キラキラした表情で言いました。
「ああ、僕はワールドメーカーになるために勉強しているんで
す!」
私が困惑しているのを察して、
「テラフォーマーのことだよ」
と、ソーハンが説明してくれました。
「まあ、すごい! テラフォーマー? 面白そう!」
と、私は声を上げました。
「僕は、常にクリエイティブなタイプだったんです。その創造性を
奉仕に生かす最高の方法です! ある意味、アートのようなものな
んです」
弟の志を聞くソーハンの目には、誇らしげな想いが感じられまし
た。
「テラフォーミングってどうやるの?」
と、私はジェンハンに聞きました。
「宇宙を織り成す布や構造を解読するキーを見つけ出すだけです。
コードを手に入れたら、それを並べ替えて素材や形を作って、その
すべてを含めたフォースフィールドを作ります。そうすると、大気や
生態系を創造することができるんです」
「待って。その“キー”って何なの? 素敵ね」
「多次元的なホログラムコードです。このコードは、特定の周波数
列や幾何学的パターン、そしてエネルギー記号を暗号化するもので
す」
「音、幾何学、エネルギー……」
「そう、それです。それらを組み合わせて、生きた芸術作品を作りま
す。岩石、大気、生命体……。宇宙が機能するためのルールを、惑
星のようなマイクロシステムに収めるのです。僕は、惑星システム
の作り方を訓練で学びましたが、恒星を作る方法はまだ知らないん
です」
「恒星を作る……スターメーカー……」
「マナフ(プレアデス)は、こういうことを学ぶのに最適な場所で
す! だから、ここに住んでいる僕はラッキーだと思います。オー
プンスクールです」
「このコードのホログラム的な側面について、詳しく教えてほしい
わ」
「すべてはホログラムです。とても複雑なグリッドがコードで配置
されています。光さえもです」
「フリルも?」
「いいえ、フリルはすべてをつなげ、生命を宿す力です。それか
ら、“意識”があります。これは“源”から来るものです。源はホログラ
ムではありませんが、そのすべての創造物はホログラムです。私たち
は、ホログラムなんですよ。あなたも、私も、このテーブルも、私
の兄も、このステーションも。全部のものから、ホログラムのマト
リックスを取り除いたら、最後に残るのは、“意識”と“フリル”だけで
す。時間そのものが幻想です。実際、私はホログラムの作り方を学ん
でいるわけです」
「私の宇宙に対する理解に、まったく新しい次元がもたらされた
わ。あなたが今言ったことは、多くの疑問に答えを与えてくれるも
のだと思う……」
「宇宙全体は巨大な数式です。数学は幾何学を生み出します。そし
て、そこにエネルギーを誘導すると、ホログラムが生まれるのです。
これはフラクタルレベルで作用します。たった1つの粒子から多元
的な大宇宙に至るまで、すべてが数学的な数式ということです。エネ
ルギーは、3.144605511029693144という特定の比を使って作ることが
できますが、そのとき、その配列によって生成されるダイナミック
幾何学に、周波数インパルスが適用されます。これはテラフォーミン
グ技術の一部であり、同様に、すべての生命体を構成するもっとも
シンプルな方程式でもあるんです」
「もっともシンプルな方程式?」
「それは、螺旋状の数字の組合せであり、それぞれが前の2つの数
字の和となります。人生そのものが数学なのです!」
「でも、意識ではない。君のハートでホログラムを作ることができ
るって知ってる?」
と、ソーハンが会話に入ってきました。
「私のハートで? 私は数学がとても苦手なの」
と、戸惑いながら答えると、2人は笑い出しました。
「数学をする必要はないよ。人間のハートはポータルなんだ。君は
ただ、正しいキーを見つけるだけでいいのさ」
と、ソーハンは続けました。
「どうやって?」
と、私が尋ねると、ジェンハンはこう言いました。
「あなたのハートは、ホログラムの電磁フィールドを放射してい
て、環境と互いに影響し合っているんです」
「君たちがスカラー波と呼んでいるものだよ」
と、ソーハンが言うと、ジェンハンが続けました。
「それは、ハートから3~4メートル程度も広がっているのです」
「だけど、それは人間の場合だよ。例えば、アナックスのフィール
ドは、もっと広がりがあるんだ」
と、ソーハンが付け加えました。ジェンハンはこう続けました。
「そうです。種族によりますが、常にトロイドの形をしています。こ
れは、2つの電磁気流が反対方向に回転するときにできる普遍的な
形です。これは惑星にもありますし、宇宙船の動力にも使われてい
ます。なぜなら、このダイナミクスは、重力のダイナミクスと絡み
合っているからです。ですから、あなたのフィールドが、ほかの存在
や物体の電磁フィールドに接触すると、あなたの脳に信号が送り返
されます。そうすると、脳が計算をして、周囲の物や状況、相手を分
析して分類するのです。このときには、あなたの潜在的な信念体系
と現実の見方に基づいて、物事を異なった方法で分類します。あなた
が目だけで見るのと、ハートで見るのとでは、物事が違って見える
かもしれません」
私は物思いにふけって言いました。
「本質的なものは目には見えないけれど、ハートには見えるという
こと……。でも、それは物理的な現実を作り出しているわけではな
いわよね」
すると、ジェンハンは、こう説明してくれました。
「思い出してください。ホログラムは見るだけでなく、知覚するも
のでもあるんですよ。見ることは2次元的で、知覚することは多次
元的です。ホログラムは多次元なんです。あなたの意識で思考を作り
出すことができます。そして、感情を使って、その思考に生命を吹き
込むことができます。でも、その思考は、平面的なイメージではな
く、あらゆる角度から、もっと言うと、立体的に構築されたホログ
ラムである必要があります。それを、あなたの環境の大きなホログ
ラムに投影し、数学が作用するのに任せるのです。あなたは多次元
的な思考を宇宙にインプリントしたのですから、遅かれ早かれ、そ
れは物理的に具現化されるでしょう」
「まあ、すごい」
「それが源の仕事ですよ。私たちは皆、源のフラクタルであり、皆
が同じ力を持っているんです」
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ずっと、私の心の中に疑問がありました。誰も正確に思い出せな
いくらい長い間、地球は、訪問者を受け入れ、侵略され、占領され
てきました。信じられないほど多くの宇宙人の種族が、地球の植民
地化に関わってきたのです。その数は数えきれません。私たちの
DNAには、22の異なる種族の特徴が残っています。私たちの血液型
が、これほどまでに多様であるのは、このような経緯に理由がある
のでしょう。これこそ、テラのヒュー・マンが特別な存在である理
由なのです。現在を理解するには、過去を知ることが重要です。地球
外生命体が、地球の歴史に関与したことについて、1954年、ドワイ
ト・アイゼンハワー政権下で起こったことが、もっとも重要な出来
事だと私の目には映っています。人類の運命が大きく転換した、ま
さにその瞬間だったのです。

アイゼンハワー大統領自身は、ネブ・オリオン同盟と協定を結ぶ
つもりはまったくありませんでした。それにもかかわらず、彼の陣
営が協定を結んでしまったことを、私は、ヴァル・ソー司令官から
直接聞き、その事実を確信しています。ヴァル・ソーがこの時代につ
いて語ったとき、私は、彼個人からではなく、ドワイト自身から発
せられる深い苦悩と悲しみを感じました。ヴァル・ソーは、心から
の友情を彼と分かち合っていました。だからこそ、親友であるドワ
イトの感情を思い起こすことができたのでしょう。それは、重くの
しかかるような感情でした……。出来事の経緯はわかりましたが、
その会合に、どんな人種が参加していたのかは、いまだ知らされて
いません。具体的に、どんな名前で、どんな姿をしていたのでしょ
うか? ソーハンなら、思考ビジュアライゼーションで教えてくれ
るでしょうか? それとも、ヴァル・ソーともう一度会う必要があ
るのでしょうか? ダークアライアンスとの戦いの熱気の中、皆が
とても忙しくしていましたが、私は自分の運に賭けてみることにし
ました。さすがに、ソーハンは、金星への再渡航の手配はできませ
んでした。ですが、別の案を提示してくれたのです。

ある晴れた日の夕方、私は、ソーハンのバトルステーションに招
かれました。そして、彼がいつも使う表現なのですが、「失われた
貴重な永遠の瞬間」を共有することになりました。私は、バトルス
テーションの転送パッドの1つに、自分の姿を物質化しました。ソ
ーハンは、目を輝かせて迎えてくれました。この瞬間、彼が何かサ
プライズを用意してくれているとわかりました。彼のあとに続い
て、ステーションのレクリエーション施設の1つに行くと、自由に
食べ物や飲み物を楽しむことができる場所に着きました。このよう
な多様な人種がいる場所は、魅力的で楽しいものです。この施設
は、宇宙船基地に隣接しているので、パイロットや訪問者が、旅の
疲れを癒す到着地点という意味合いが強くあるのです。ここでは、
さまざまな制服を目にします。その日は、タアル人職員が多く、彼
らは銀色に輝くスーツを着ていました。「ノルディック」の人々も
多く見受けられましたが、彼らの多様な出自を見分けることは、私
には難しくてできません。メトン人は、肩に銀色のストライプが入
った紺地の制服を着ています。セロシ人やウミット人のスーツは、
タアル人のものと似ていますが、白色、銀色から金色で霞がかって
いて、液体の太陽のように輝いています。ウミット人は、額が高くて
大きいのが特徴です。セロシ人は、白髪をしていることが多いです
(必ずしも全員が白髪というわけではありません)。洞察力を使っ
て、周囲を見回しながら真剣に考えていると、ソーハンが、透明な
液体の入った背の高いグラスを持ってきたことに気づきました。
「非イオン化飲料だよ。彼女が話すことをすべて、君は覚えておく
必要がある」
「彼女って?」
ソーハンがあごで示した方向に、人ごみの中を歩く細い女性のシ
ルエットが見えました。友人のマイラかと思い、ドキッとしました
が、実は、その女性はヴァル・ソーの妻、ジリアンでした。髪をポ
ニーテールにし、深緑のスーツに茶色のケープを肩に巻き、黒の長
いブーツに、大きな黒のベルトを締めています。彼女は、私に温かい
挨拶をしてくれました。そして、私たちの仲間に加わり、バーの椅
子に座りました。ジリアンは、夫のヴァル・ソーが、テラでの極秘
任務に忙しくて来られなかったことを、彼の代わりに謝罪してくれ
ました。ヴァル・ソーの代わりに、彼女がソーハンの招待を受け、
喜んで依頼に応えてくれたのです。
「夫ならもっと正確に話せると思いますが、私もこの話を何度も繰
り返し聞いています。自分が、まるでそこにいたかのように感じてい
るほどです。ドワイト大統領との会合に、どんな人種が関わっていた
かを知りたいのですよね。それなら、ここに書いてありますよ」
彼女は、背の高いグラスに注がれたマゼンタ色の炭酸飲料を一口
飲むと、前方に身を乗り出しました。そしてテーブルの端に肘をつ
き、優雅に手を動かしながら話をしてくれました。
「あなたの質問に関する一連の出来事は、1947年にまでさかのぼり
ます。ニューメキシコ州の砂漠で、2隻のクログ船が撃墜されまし
た。これは事故ではなく、ネブの計画の最初の一歩でした。彼らの
卑劣な計画を進めるための巧妙な罠だったのです」
「ロズウェル事件のことを言っているのですか?」
「そうです。今お伝えしたように、これは事故ではありません。2隻
の船は、地球軍にわざと撃たれたのです」
「撃たれた存在は、何が起こるかを知っていて、自分の命を犠牲に
したということですか?」
「今はクログについて話しているということを、心に留めておいて
ください。あなた方は、彼らをゼータ・レチクル人、またはシャム
トバハリという名前で知っています。彼らは過去に、ヒマラヤ山脈に
重要なコロニーを持っていました。彼らはネブのために働き、その
同盟にも入っていたのです。この2隻の船に乗っていた1体はクロ
グで、そのほかは全部ドゥ・フーの人工生命体でした。この1体
は“捕獲”されました。そして、次の大量の来襲に備えて、地球人の権
威者を手なずけるという役目を果たしたのです。もちろん、これら
すべてが、計画の一部でした」
「ドゥ・フーは、ネブの奴隷なんですよね?」
「そうです。クログと同じように、レチクル座ゼータ星の出身です。
ドゥ・フーは、ネブに吸収されて、エバンによって遺伝子操作され
ました。クログも彼らを利用しているのです。もし銀河連合が介入
していなければ、近い将来、テランが同じ運命をたどることになっ
ていたかもしれません。これがネブの思惑だったのです。クログの
船長は、テランの権威者に噓をつき、根回しをしました。クログと
ドゥ・フーは、小惑星帯にあった古い基地を、新しい前哨基地とし
て奪還しました。それは、セレスと呼ばれる小惑星にありました。
そこで、ネブ軍が到来するために備えていたのです。この小惑星は、
その後、ナハトヴァッフェンのコロニーに分配されました。彼ら
は、南の地球前哨基地のシカールと同盟を組んだドイツ人たちで
す。タネは蒔かれたのです」
「ロズウェル墜落事件の宇宙船は、毒入りのプレゼントのようなも
のだったんですね。異星人の魅惑的なテクノロジーを、少しだけ味
わってもらうための」
「その通りです。誘惑というタネも蒔かれたのです。しかし、これ
は、ネブから贈られた最初の“贈り物”ではありません。以前にもあ
りました」
「その後、どうなったのですか?」

「私たちは、次の一歩に踏み出しました。何が起こるかわかってい
ましたから、手遅れになる前に止めようとしたのです。銀河連合の
最高評議会レベルで決断が下され、均衡をもたらすために、テラン
に選択肢を与えることにしたのです。タイムラインの選択肢です。そ
れは、古いものと置き換えるための、新しいタイムラインでした。
1940年から1950年代にかけて、銀河連合の執行部門は、計画を先導
するグレートゼナエ評議会の宇宙船と一緒に、あなたの星系に到来
しました。大きな母船と戦闘艦隊が持ち込まれたのは、このときで
す。この大規模な配備は、近未来から来たもので、長い間この星系の
監視をしていた私たちの存在を強化するものでした。しかし、この
星系に到着したのは、ゼナエと銀河連合だけではありませんでし
た。ゼナエが予見していたように、ネブも母船を送り込んできたの
です。私たちは、2つの流れが交わる場所にいました。2つの軍隊
が戦場に到着し、今まさに始まろうとしていたのです。2つの帝
国、2つのタイムライン、2つの結果が……。最初は、私たちにチ
ャンスが巡ってきました。新しく選ばれたアメリカの大統領、ドワ
イト・アイゼンハワーに働きかけ、テラの全生命を脅かす核兵器の
武装を解除させようとしたのです。当時、テラの主要な社会の中に
は、銀河連合の多くのエージェントが密かに存在していました。彼
らは、ドワイトにも何度か接触したのです。しかし、彼の背後には
12人の評議会という作られたばかりの組織があって、彼らは、平和
な世界を目指すことに興味がありませんでした。なぜなら、戦争が
彼らの産業だったからです」
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「マジェスティック12(MJ-12)のことですね」
「そうです。私たちは、間接的な努力では満足のいく結果が得られ
なかったので、行動を起こすことにしました。私たちには時間があ
りませんでした。1954年初頭、それまでの個別の試みを経て、銀河
連合は、ムロックという軍事施設で、ドワイトと彼の側近に、公式
にコンタクトをとったのです。銀河連合の宇宙船は、エマザー、ウ
ミット、アヘル、セロシ(2隻)の5隻でした。最初に接触したの
は、ケンタウルス座アルファ星出身のセロシの男性の代表2名でし
た。次に、くじら座タウ星出身のエマザーが接触しました。セロシ
は、テランとわずかな違いはあるものの、特徴が似ていることから
選ばれたのです。銀河連合は、誰をも怖がらせるようなことはした
くなかったのです。ヴァルによると、エマザーの姿は、かなりの衝
撃を与えたようですね」
「そうでしょうね!」
「銀河連合の使者は、保護と引き換えに有害な兵器をすべて停止さ
せるよう、ドワイト大統領に進言しました。テランが、自ら進んで
平和の道を歩むときのみ、私たちのテクノロジーは共有されるので
す。テランが、潜在的に危険な種族でなくなった場合のみです。私
たちは本当にあなた方を助けたかったのですが、これにはもちろん
深い意味があります。銀河連合との協定を受け入れれば、テランは
正式に銀河連合の保護下に置かれて、ネブは引き返して去っていっ
たことでしょう。タイムラインシフトの運命は、あなた方の手に委
ねられていたのです。あとはご存じですよね。夫がすでに説明した
通りです。ヴァルは、犯した間違いを取り消すよう、懸命にドワイ
ト陣営に説得を試みました。でも、タイムラインは簡単には変えら
れないのです。夫の肩には、大きな重荷がのしかかっていました」
「それはわかります……。では、最初に接触したのはセロシだった
のですね?」
「はい、次にエマザー、そして、アヘルです」
「ああ、彼はアヘルにも会ったのですね!」
「そうです。彼が1人でいるときに。この会談は、一度の接触で実
現したわけではないんですよ。銀河連合がオファーを出して、その
後、ドワイトが彼の陣営と長い間議論してから答えを出したので
す。ドワイトは、ご存じの通り、陣営から強い圧力をかけられてい
ました」
「そうですね。そしてネブが来たのですね?」
「彼らがそうすることは、わかっていました。ネブは、まずドイツ
と同盟を結ぼうとしましたが、彼らはすでにシカール帝国と関わっ
ていたため、これを断りました。ドワイトが銀河連合と初めて会っ
たときのように、ネブとの出会いもまた、一連のコンタクトを通し
て実現したのです。実は、封印されたばかりのダークアライアンス
の第3勢力も現れていました」
「第3勢力ですか? ダークフリートのことでしょうか?」
「まだダークフリートとは呼ばれていませんでした。彼らは、シカ
ールに訓練され、独立軍として勢力を増しました。ナハトヴァッフ
ェンは、ネブとシカールの両方と連携しています。ダークアライア
ンスは、三角形を形作っており、それぞれが1つとして独立してい
ながら、同時にほかの2つとも結ばれた関係をもっているのです。
最初に遭遇した敵は、ネブ帝国の代表者であるエバンでした。彼ら
は、ベテルギウスと呼ばれる星系の出身です。エバンは“6種族同
盟”の一員です。彼らと12人の評議会との間で協定が結ばれたので
す」
「MJ-12は、ネブと協定を結んだわけですが……アイゼンハワーが
同席していたなら、どうやって許可を出したのですか?」
「エバンとの2回目のコンタクトに、ドワイトは出席していないの
です。会ったのは12人の男たちだけです。このとき、テラの人類を
売り渡す協定が結ばれてしまいました」
「なるほど、そういうことだったんですね……。どうか続けてくだ
さい」
「テロに遭い、騙されてネブと契約した12人の評議会は、今日まで
沈黙と遵守に縛られていました。しかし、それだけではないので
す。ダークアライアンスの三角形の第3の角である、南極大陸の者
たちもドワイトと会っていました。銀河連合軍が、ドワイトに手を
差し伸べてから1年後のことです。実は、彼らは同盟を結んでいる
シカール側の代表でもあったのです。もし、レプティリアンのよう
な存在が、地球関係者の前に現れたら尻込みしてしまうので、シカ
ールは一歩後ろに下がって控えていたのです。相互尊重の中で手を
結んだのですが、同時に、軍部の“空軍”とのテクノロジー交換プロ
グラムの協定下で、手が結ばれたのです。私たち銀河連合は、均衡
を保つために、もう1つの部門である“海軍”の武装を助けました。
この銀河連合と海軍との協定は、この後すぐに、夫の尽力によって
実現しました」
「彼のおかげで、今の地球同盟があるのですね」
彼女はグラスを掲げて微笑みました。私は彼女に尋ねました。
「ジリアン、もう1つ質問があります。ご主人が、米海軍との秘密
協定を交わすことに尽力したと言いましたね……実は古い写真があ
って、写っているのは彼だと言われているのですが、ここにブロン
ドの男性が写っているんです」
「この写真には気づかなかったわ」
と、彼女は答えました。
「デネソーだよ」
と、ソーハンが会話に入ってきました。私は驚いて固まり、彼の
言ったことを思案しました。
「誰が? どういうこと?」
と、私はソーハンに尋ねました。
「デネソー司令官だよ」
と、彼は繰り返すと、話を続けました。
「彼はこのステーションで働いているアヘルだよ。テランをはじ
め、ウミット、メトンとの科学協力の責任者なんだ。彼はすべての
業務を一元管理している。ヴァル・ソー司令官とは、ペンタゴンで
同じプログラムを担当していたから、彼の近くで働いていたんだ」
それを聞いたジリアンがこう言いました。
「ああ、覚えていますよ。デネソーは、そう、銀河連合のコンタク
トプロジェクトに参加していましたね」
「彼はここで働いているの?……それなら、彼に会えるってこ
と?」
と、私は叫んでしまいました。
「もちろんさ。私が手配するよ」
と、ソーハンは言いました。私は思わず椅子から転げ落ちそうに
なってしまいました。もっと強い飲み物が必要でした……。
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1週間後、ソーハンはいつものように約束を守り、私を再びバト
ルステーションに招待してくれました。私は光の伝達共鳴で転送さ
れ、いつものテラン用ユニフォームに身を包んでいることに気づき
ました。今回、私たちが向かったのは、テレパシーで一度だけ見た
ことがある技術エリアでした。私がテレパシーで見たのは、ソーハ
ンが謎のプロジェクトのために「同僚の科学士官」を手伝っている
ところでした。私は、その同僚が誰だったのか、ようやくわかりま
した……。
「なぜ、デネソーのことをもっと早く言ってくれなかったの?」
と、私はソーハンに尋ねました。
「君が聞かなかったからだよ」
と、彼は答えました。
「待って! あなたは銀河連合の立派な職員でしょう! もっと積
極的な人だと思っていたわ」
「以前はそうだったよ。アルダーナに監視されるようになるまでは
ね。もし、私から情報が漏れるようなことがあったら、困ったこと
になる。君から聞かれたなら、大丈夫だけど。まあ、いつもそうと
は限らないけれど」
「そうなのね。教えてくれてありがとう……。質問がたくさんある
の」
ソーハンの笑顔が目に入りました。私たちはエアロックに到着
し、紫色のネオンに包まれた大きな部屋に入りました。そこには、
たくさんの機械や制御机があり、その奥には、奇妙なチューブや球
体がぶら下がっているのが見えました。
「ここは何の場所なの?」
と、私は囁いて尋ねました。
「兵器システムの多様なテクノロジーを実験するテクノラボだよ」
突然、恐ろしい生き物が現れて、私は後ずさりしてしまいまし
た。身長約2メートル40センチの緑色のアカハラカマキリが、こち
らに向かって歩いてきたのです。今まで見たこともないカマキリに
恐怖を感じ、全身が凍りつきました。その動きは鋭くて、落ち着か
ない様子でした。私たちから1メートルほど離れたところで、その
生き物は立ち止まりました。ソーハンは、私が気を失わないよう
に、腕をしっかりとつかんでいました。息が切れそうでした。これ
まで、変わった異星人に多く会ってきましたが、カマキリの姿を見
るのは悪夢のようでした。ほかの異星人とは違っていたのです。
「怖がらないで。メイシャはとてもいい人ですよ!」
と、こちらに向かってくる男性の声がしました。紺色の制服を着
た、背の高い、とても筋肉質なアヘル人が、歓迎の笑みを浮かべな
がら近づいてきたのです。髪は短く切りそろえられ、あごは突き出
し、首は太く、輝くような体力がみなぎっているにもかかわらず、
澄んだ茶色の瞳からは、柔らかな優しさが感じられました。驚くほ
ど優しい声でした。2人は互いに挨拶し、私は緊張の面持ちで、右
腕を振ることしかできませんでした。私の目は、カマキリの存在に
くぎ付けになっていたのです。そのカマキリは、好奇心あふれる大
きな目で、私をじっと見つめ続けています。
「こちらはデネソー司令官。彼は、防衛技術部の責任者だよ」
と、ソーハンが言いました。
「エレナさんにお会いできて光栄です。研究室へようこそ。メイシ
ャのことは悪く思わないでください。彼女はとてもいい人です」
と、デネソーが言いました。デネソーがカマキリとテレパシーを
交わすと、彼女はようやく私を見つめるのを止め、背を向けて部屋
の奥での作業に戻りました。その瞬間、全身の筋肉が弛緩するのを
感じました。
「アカラ族に会うのは初めてですか?」
と、デネソーに聞かれ、私はなんとか答えました。
「ええ。ごめんなさい」
「いいえ、大丈夫です。最初はいつもこうなんです。メイシャは、私
のアシスタントです。あなたがこんな風に感じるのは、彼女が多次
元的な存在だからですよ。異次元から来ただけでなく、3つの次元
に同時に存在しているのです。これはアカラ族の特徴で、特に雌のア
カラはそうなんです。あなたは、彼女の自然な歪みフィールドを体
験しているだけです」
「そんなことが可能なんですか?」
「創造という多次元的なフィールドでは、すべてが可能ですよ」
私は、その雌のカマキリが、機械で仕事をしている様子を遠くか
ら見ていました。今、遠くから見ると、感じが全然違っていて、デ
ネソーの言っていることがよくわかりました。拉致の被害者がこの
ような状況に遭遇したとき、特に悲惨な状況下に置かれたときは、
深い恐怖を感じるということが、この体験を通してよく理解できま
した。
「何の……誰の……誰のために、彼らは働いているんですか?」
「研究する機会があれば、誰とでも」
と、デネソーは答え、続けました。
「彼らは、宇宙のあらゆる生命体に関する情報、知識、理解を集め
ることに生涯を捧げています。アカラの思考形態は私たちとはまっ
たく異なっています。残念ながら、彼らの多くはネブに利用され、
虐げられています。私は、ネブの作戦中にメイシャを救出したので
す。その見返りとして、彼女が私の研究に協力してくれることになっ
たのです。アカラには、倫理観はありません。ただ1つ、好奇心だけ
が原動力です。彼らのことを本当に理解するには、彼らと一緒に過
ごす時間が必要ですね」
カマキリに気を取られて、私は誰と話しているのか、忘れそうに
なっていました!
「あなたはペンタゴンで1950年代に働いていたんですか?」
「はい、そうです。もちろん、それについて聞きに来たんですよ
ね。メイシャは、よく注目を独り占めしてしまうんですよ。はい、
その通りでございます。私は、ヴァル司令官が銀河連合の代表とし
て始めたプロジェクトを立ち上げるために、しばらくそこに滞在し
ていました。チームで動いていたんです。アイゼンハワーの大統領
就任後の数年間は、ペンタゴンに滞在していました。私たちは、深
く区分された秘密の中に隠されていましたが、軍と密かに協力し、
私たちが達成しようとした仕事で成果を出しました。しばらくし
て、私のチームは、ほかの軍事基地に派遣され、そこで試作の建設
作業を開始することになったんです」
「どんな種類の試作ですか?」
「アメリカ海軍が、いつかネブに対抗できるような艦隊を作るのを
手伝いました。地球同盟の基礎を作り、私たちの軍隊で訓練プログ
ラムを開始したんです。あなたが着ている一般人用の制服は、近い
将来、地球宇宙軍連合のものになります。すべてはこれからです。私
たちは、あなた方がこのべっとりとした状況から抜け出し、自分の
足で、縛られることなく、自由に星を駆け巡ることができるよう、
手助けをしているのです」
「なぜそうしたのですか? 法律を破ることにはならなかったので
すか? つまり、プライムディレクティブ(最優先指令)や自由意
志の話です」
「銀河連合は、すべての兵器と艦隊を配置してから、ここに来たわ
けではありません。小さな腐敗した集団が、多数の人々に代わって
決定したことによって、あなたの惑星が間違った方向に行くのを、
ただ見るために来たのではありません。私たちは仕事をするために
ここに来ました。この仕事が終われば去るのです」
「私はダークアライアンスのタネ蒔きや銀河の暴政など、その背景
をすべて知っているので、ある疑問がよぎりました。もし、この危
機に、テラという惑星だけが巻き込まれていたとしたら、または、
ほかの1つの星だけが、ネブやその同盟国によって再び侵略された
としたらどうでしょう。それでもあなた方は、このように粘り強
く、あきらめずに私たちを救おうとしてくださるのでしょうか?
すべての艦隊と兵器をもって」
「はい、そうするでしょうね」
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数秒間、その場は静まり返りました。私は、アヘル族が誠実な存
在だと知っていました。ソーハンは噓をつく代わりに、私に何かを
伝えることをいつも先延ばしにするのです。アヘル族は皆そうで
す、おそらくそのような周波数を持っているからでしょう。デネソ
ーはとても素敵で、純粋な心を持った紳士でした。彼に会えたの
は、とても光栄なことでした。以前にも何度かステーションで見か
けたことはありましたが、彼が誰なのかを知らなかったので、気に
留めていなかったのです。それにしても、私の人生は、なんてすば
らしいのでしょう……。
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年4月5日
2021

「これは、銀河連合の艦隊司令官兼ミッション・コーディネーター
であるソーハン・エレディオンからのメッセージです。私は現在、
地球連合と協力し、コーディネーターとして、掃討作戦をサポート
する部隊の派遣を行っています。これから数週間、事態は厳しくな
っていきます。多くのことが明らかになろうとしていますが、それは
見ていて気持ちのよいものではありません。強くあってください。
これから、皆さんが目撃することによって、自分を落ち込ませては
なりません。より強い決意を持ち、気持ちを高く引き上げなければ
ならないのです。これまで以上に、自分の波動を高く保ち、内なる平
和を見出し、自分自身とつながり、悲しみや怒り、枯渇を拒絶する
必要があります。その代わりに、戦うのです! 皆さんは今、ここに
いることを求めたのですから、もう眠っている時間はありません!
今こそ、目覚めて戦うときです。真実を広め、情報を拡散してくだ
さい。恐怖をもたらすものに耳を傾けるのは止めてください。感情
的にも、精神的にも、何かに依存するのを止めてください。自分自
身とつながってください。これから皆さんは、非常に不穏なものを
見ることになるでしょう。今まで皆さんが見てきたものとは、比較
にならないほどのものです。そう……もっともひどいものです。それ
が、皆さんの心をかき乱しませんように。その代わりに、勝利の気
持ちを得られますように。もし、これが明らかになるとしたら、も
し、最終的にすべてが明るみに出され、皆さんの目に触れるときが
訪れるとしたら、それは、私たちが勝利しつつある証拠なのです。
共に、勝利しつつあるのです。皆さんは、古代のパラダイムの中にい
て、自分たちの住んでいる世界は快適で平和だと思っていました
ね。それは幻想だったのです。マインドトリックスだったのです。そ
のマインドトリックスが今、崩壊しつつあります。銀河連合と偉大
なる評議会は、懸命に働いています。現在行われている戦争は、過
酷かもしれませんが、今は希望が見えています。私たちは希望を持っ
ているのです。ですから、皆さんも希望を持ち続けなければなりま
せん。希望があるからこそ、あらゆる可能性が生まれるのです。
私は新しい未来を見ましたが、それはすばらしいものです。ですか
ら、これから数週間のうちに何を見ようとも、皆さんが決意を強
め、皆さんの周波数を、かつて到達したことのないレベルまで上昇
させる機会にどうかできますように! 立ち上がり、輝き、発言
し、行動し、まだ眠っている人たちを目覚めさせてください。皆さ
んの周波数を上げてください。それが、皆さんが唯一しなければな
らないことです。今すぐに、するのです。なぜなら、皆さんには、そ
れが必要だからです。心配しないでください。これは、家を大掃除
するときに出てくる汚れにすぎません。家具にこびりついていた古
い汚れを取り除くときなのです。すぐに、家はきれいになり、明るく
なります。希望が、未来なのです。私たちは、この未来を一緒に創造
しています」

2021年4月6日
早く全部が終わってほしいです。火星への襲撃が始まり、ソーハン
は、彼の艦隊で最初の作戦に参加しました。彼の宇宙船は遮蔽され
ていましたが、私は心配で、心臓がドキドキしていました。彼のエ
ネルギーフィールドに、突然、激しい感覚を感じとった私は、いつ
ものように彼とテレパシーでつながりました。ソーハンは、金髪の
女性副操縦士と一緒に、小型の高速戦闘機に乗っていました。なぜ
なのかわかりませんが、彼女がメトン人であることがわかりまし
た。おそらく、彼女のエネルギー信号が、メトン人として私のマイ
ンドの中で共鳴したのでしょう。彼らの宇宙船は、赤い惑星の方向
に高速で移動し、ほかの円盤状の暗い宇宙船の間を、ものすごいス
ピードで飛行していました。これらの円盤状の宇宙船は、暗い色の
金属でできており、真っ黒な宇宙空間でかろうじて見える程度でし
た。下部には、透明な灰色の円盤があって、半球状の金属球が3個
ついていました。火星を見たとき、私は震え上がりました。私は、
そこで何が起こっているのか知っていたからです。レプティリアン
の占領、奴隷にされた人間たち、ダークフリート、そして……。な
んということでしょう……。それはダークフリートだったのです!
私たちは、この3隻の暗黒の円盤状の宇宙船を、今ちょうど通り過
ぎたばかりだったのです! 突然、どこからともなく、明るく銀色
に輝くエレガントな銀河連合の偵察船団が現れ、右上から火星に向
かって飛んで行きました。おそらく隠蔽を解除したのでしょう。す
るとその瞬間、2つの艦隊の間で戦闘が始まり、互いにエネルギー
ビームを撃ち合い始めたのです。それを見て、とても恐ろしくなりま
した。ソーハンが、その小競り合いに参加していることを知って、
ますます恐ろしくなりました。しかし、何が起きたのかわからない
のですが、突然、3隻の円盤状の暗黒船が閃光の中に消え、銀河連
合軍の艦隊が目の前に戻ってくるのが見えました。
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ソーハンの小型船が、不意に針路を変えて彼らの後を追うと、そ
ボ イ ド
の先に、突然、超空洞 が広がりました。あっという間の出来事でし
た。ソーハンは、この作戦の調整役をしているアシュタール司令部
に報告するために、船団を木星の前哨基地まで連れて行きました。
木星圏に近づくとき、私の背筋に寒気が広がりました……。火星の
ダークフリートの船体が見えたのです。
「今からアシュタール圏に入っていくよ」
と、私に注意を向けてソーハンが言いました。それがどういう意
味かわかりました。この時点から、私たちのテレパシー通信はシー
ルドのセキュリティ・フォースフィールドによってフィルタリング
され、停止させられるということです。私はソーハンと最後に言葉
を交わしました。
「私のハートは、誇りと愛で満たされているわ。勇敢な部隊がいて
くれるから、私たちが勝利すると確信しているの」
私がそう言うと、ソーハンは答えました。
「絶対に勝つよ。これからの激しい時代に備えよう」

戦士の強さは、内なる平和と集中にあるのです。私はソーハンか
ら、アヘル族が、いかに感情の流れをマスターしているか、そし
て、それこそが、彼らが銀河連合の軍事力として優れている理由だ
と学びました。タアルは、自分の反応を完全にコントロールするこ
とで感情表現を封じ込めるのですが、アヘルは、感情を自由に流す
ことで瞬時に処理し、強く健康なマインドを保つことができるので
す。私は、ソーハンが、戦闘、同胞の死、破壊、負傷した子供の救
出、攻撃的な囚人への対処など、感情的に困難な状況に置かれたと
きに、このような行動をとっているのを目撃してきました。怒りで
あれ、ストレスであれ、悲しみであれ、ただありのまま受け入れる
のです。そうすることによって、感情が非常に短時間に、非常に素
早く、きれいに、何の残留感もなく、彼の体内から消えてしまうの
です。数分といったところでしょうか。このプロセスの速さは、と
ても印象的です。私たちは、彼らから学ぶべきことがたくさんあり
ます。

また、ソーハンから、銀河連合が火星を攻撃するようになったこ
とで、地球の軌道上にある特定の衛星群を破壊するようになったと
聞きました(これまでは消極的だったのです)。火星への攻撃と地
球軌道上の衛星にどんな関連があるのでしょうか? 彼が答えを教
えてくれました。銀河連合は、特定の大企業が地球から逃れて、火
星に本社を移転するのを待っていたのだそうです……。

これら特定の企業は、衛星プログラムを所有しています。この衛
星プログラムは、ワクチン接種のアジェンダを使って、ナノテクノ
ロジーによって操作された人類全体を奴隷化する道具だったので
す。これらの衛星を破壊するためには、同時に所有者である企業を
解体する必要がありました。ですが、これらの企業の本部がまだ地
球にある間は(主には地下要塞です)、武力攻撃を行うことは不可
能でした。地球と地球の市民にとって、大惨事になってしまうこと
がわかっていたからです。銀河連合は、このモグラのような者たち
をトンネルから脱出させ、白日の下に撲滅できるよう取り組んでい
ます。火星では、より簡単にターゲットを襲撃することができ、そ
うすれば、銀河連合はようやく彼らを罠にかけることができるから
です。多くのエリートが火星に避難し、クローンや代用品を残して
いったので、ごく近い将来、かなり面白い展開になることが約束さ
れました。

年4月7日
2021

これは戦争です。これは現実なのです。私たちの頭上で、足元
で、周りで起こっていることです。さまざまなレベルの意識、時
間、密度で起こっているのです。銀河連合は、オリオングループ、
ダークフリート、シカール帝国から火星を解放するため、火星への
襲撃を行っています。火星に奴隷として捕らえられていた人類は、
地球が壊滅したと聞かされていました。これが変わることになるの
です。火星は、今後、数か月から数年のうちに解放されるでしょ
う。作戦が実行に移されたので、これはもはや機密事項ではなくな
り、今では話してもよいという確認が得られました。銀河連合は、
長い間、地球の軌道上にある特定の衛星を停止させていましたが、
今度は、それを破壊しているのです。これらの衛星は、チップを埋
め込まれた地球の人々のコントロールを起動させるためのものだっ
たのです。今も私たちの頭上で、自由のために戦っている人たちが
います。そこで、皆さんにも、やってほしいことがあります。それ
は、恐怖や混乱、操作に自分の力を委ねない、ということです。自
分の内側に意識を集め、主権者である自分自身と再びつながってく
ださい! この星の出身でないにもかかわらず、助けに来てくれた
人たちはたくさんいます。自分の意識、力、パワーを活性化させて
ください。利用されたり、操られたりすることに同意してはいけま
せん。特に、恐怖心には注意してください。恐怖が襲ってきたら、
冷静になってこう言うのです。

「あなたの仮面を剝がし、力を奪います。私は、あなたが私に近づ
くことに同意しません。あなたを追い払います」

恐怖こそが敵であり、闇の支配者が使う道具なのです。このメッ
セージが、皆さんに希望を与えますように。自分の足でしっかりと
立ち、強く立ち向かってください。皆さんの仕事はただ1つ、周波
数を上げることです。勝利は近いのです。

年4月11日
2021

今日、ソーハンとテレパシーでコンタクトを取りました。この話
題については、もう何度も話しています。彼は長い間、宇宙人の侵
略が公に実行される可能性について、私に警告していました。侵略
者とそれに協力するディープステートの目的は、恐怖によって地球
人を服従させ、彼らの波動を下げ、より迅速に皆をマインドコント
ロールすることです。ソーハンがよく言っていることですが、私た
ちは繰り返し伝え続けます。恐怖は、ダークアライアンスが使う主
な手段なのです。彼らは恐怖によって、私たちを征服してきまし
た。マスクを使って私たちを口止めし、DNAを変える注射をするよ
うに人々を説得してきたのです。注射を強制的に打たせることはで
きません。そんなことになれば、革命や反乱、そして、さらなる覚
醒が起こるでしょう。ですから、彼らは、恐怖と操作の戦術を使
い、順応することに同意させるのです。自由意志はというと……鎖
につながれることに自ら同意してしまっては、誰も、あなたの意志
に反して、救い出すことはできないのです。この鎖は切れないもの
ではなく、幻影でできています。幻影は、それがあたかも本物で、
自分の大きな利益のためになるかのように、心の中に存在していま
す。実を言うと、同意するかどうかですべてが決まるのです。ネブ
とシカールは、このような特定のテクニックを使うことで、処罰さ
れることなく、既存の世界を征服してきたのです。暴力と力によっ
てではなく、住民が、侵略されることに自ら同意するように仕向け
てきたのです。今まで彼らが試したことは、すべてうまくいかなか
ったばかりか、人々を目覚めさせるという予想とは逆の反応を生ん
でしまいました。そこで、彼らは、次のステップとして、宇宙人の
脅威をでっち上げ、人々を怖がらせるという長い間計画してきたこ
とを試みることになりました。こうして、恐怖に縛られた人々は、
良き救世主のふりをした全体主義政府の言うことを聞くようになる
のです。彼らはこう言うでしょう。「皆さんは、努力と犠牲を払
い、我々の言う通りにしなければならない。さもなければ、生き残
れないのだ」と。

これは、全体主義体制を敷こうとするカバールの最後の試みで
す。銀河連合は、月を確保した直後、火星での活動を開始すること
で、新たなマイルストーンを通過しました。それと同じように、こ
の試みを阻止するために全力を尽くすでしょう。

悪意ある異星人も、善意ある異星人も、長い間ここにいるので
す。実際私たちは、もうすでに侵略されています。異星人は、私た
ちの地下に住み着いています。侵略者がすでにその場所にいること
はわかっています。もう1つの事実は、ディープステートとその同
盟者が、銀河連合の悪評をばらまき、有害な侵略者だと人々に信じ
込ませようとしていることです。事前の反プロパガンダがすでに始
まっており、銀河連合が悪であると世界に示そうとする動きがあり
ます。しかし、私たちは騙されませんし、銀河連合もそんなことは
させません。この偽の異星人侵略の際に姿を見せる宇宙船は、ほと
んどが、シカールやオリオングループのものか、人間がレトロエン
ジニアリングを使って地球で作ったもの、あるいは単なるホログラ
ムのどれかでしょう。私たちが目にする物理的な宇宙船のほとんど
は、地球で作られたものになると思います。アメリカ海軍や空軍、
南極大陸のドイツの逸脱文明、ロシア、中国、フランス、イスラエ
ルなど、さまざまな秘密宇宙プログラムがあり、それぞれに思惑や
同盟関係があるのです。この中には、MJ-12や軍産複合体と交わされ
たテクノロジー交換の中、オリオングループと協力して、宇宙船を
複製している者たちもいます。この退行的な異星人は、地球人に宇
宙船のボディを作るテクノロジーだけは与えましたが、ドライブを
起動させるための秘密は教えなかったのです。そのため、地球軍は
宇宙船をレトロエンジニアリングし、複製を作ることはできました
が、適切な動力供給の方法をまだ解明できていません。銀河連合
は、とにかく今は、公然と干渉することはありませんし、公然と宇
宙船を見せることも、ショーを行うこともありません。彼らは特定
の倫理を尊重しているからです。それをするのは、倫理を持たない
者か、少なくとも異なる倫理を持つ者だけでしょう。私たちの同盟
である銀河連合には、所属していない者たちです。

年4月19日
2021

その朝、私はソーハンのエネルギーを受けて目覚めました。圧倒
的な喜びの感覚に、心拍数が上がっていました。何かポジティブな
ことが起こっていて、勝利の放つ輝きのようなものが、彼とのつな
がりを通して、私にも伝わってきました。ベッドに座ると、自分か
ら発せられたものではない笑いに包まれました。ソーハンは、喜び
の理由を早く私に伝えたいと思っていました。
「いいことがあったんだよ。希望を高めてくれるような」
「何?」
と、私は聞きました。
「地球連合軍が、地下組織の大部分を解放したんだ。そして、とて
も多くのレプティリアンが、銀河連合のカーゴで外の世界に搬送さ
れている」
「なんてこと。それはどこだったの?」
「インド洋の深海に大きく広がっていたんだ」
ソーハンは、インド南西部からマダガスカル東海岸にかけて、境
界線が下方に延びている地図をビジュアルの思考で送ってきまし
た。ソーハンの言う作戦が、インド洋の真ん中で行われたことに最
初は驚きました。でも、地下施設ですから、もちろん、どこでもあ
りえるものです。ソーハンの目にもハートにも、それが重要な出来
事に映ったようでした。でも、なぜそんなに大きな達成感があるの
か、その深い理由は、私にはわかりませんでした。手がかりといえ
ば、このあたりに敵艦の重要な宇宙港があり、非常に深い海底を走
る地下にアクセスできることくらいでした。ソーハンはさらに、大
量の人間の奴隷や実験被害者が解放されて、安全に避難し、保護さ
れていると教えてくれました。私はその後、自分のYouTubeチャン
ネルでこれを伝えようと、海岸に急ぎ、動画を撮影しました。その
翌日には、私のフォロワーの1人である元米国空軍兵士のキャロラ
インさんから、さらなる事実を含んだメッセージが届きました。以
下は、受け取ったメッセージです。

「あなたが説明しているエリア、インド洋の真ん中にある小さな熱
帯の島ですが、それはディエゴガルシア島という海軍の基地です。
私は、1990年と1992年にそこに駐留していました。地球外の奴隷プ
ログラムに関わった人々が、この島からさまざまな供給物をピック
アップしていると話しているのを聞いたことがあります。それはお
そらく深層地下軍事基地の入口です。遠く離れた場所にあります。
この島を知っているので、あなたの言っている意味がよくわかりま
す」

その日、シューマン共振が異常なまでに高まりました。ソーハン
の説明によると、この容赦なく疑いようのない不均衡は、大量のネ
ガティブなものが地球を去ったために起きたとのことでした。退行
的な地球外生物が地球外に連れて行かれて、膨大な量の奴隷が解放
されたことによるものだったのです。しかし、話はこれで終わりま
せん。私がYouTubeにビデオをアップした直後、別の女性からもメ
ールで連絡がありました。彼女が明らかにしたのは、夫である元軍
人のマーク・ドミジオが、実験の目的で、闇のプログラムのため
に、ディエゴガルシア島とダルシー基地に連れて行かれたというこ
とでした。マークと私はつながりました。この男性は、ディエゴガ
ルシア島の解放のニュースに感情的になっていました。クローンと
して虐待され、記憶の一部を消されたマークは、いかに勇敢に影を
乗り越え、癒しを受け入れ、高次の存在とのつながりや人生の目的
を発見したかを私に話してくれました。マークとの出会いは、私に
とって深い感動をもたらすものでした。これは、別の暗黒の施設で
同様の虐待を受けた元米国空軍のニアラ、テレラ、アイズリーに驚
くように引き寄せられてつながったときと同じような感覚でした。
この人たちはヒーローです。同じく出会ったトニー・ロドリゲスも
含め、私が何より感銘を受けたのは、彼らのグラウンディングされ
たオーラ、驚くべき知恵と謙虚さです。この人たちは、想像もでき
ないようなことを経験し、戦い、そして生き抜いてきたのです。な
ぜなら、彼らは強かったからです。その強さがあるからこそ、彼ら
は自らを修復し、癒すことができたのです。この世界には、謙虚な
ヒーローがたくさんいます。それは、あなたの隣人であったり、友
人であったり、兄弟であったりするかもしれません。あまり多くを
語らなくとも、その瞳に自身のストーリーを宿している人たちで
す。

年4月30日
2021

太陽系のダークフリートの一派は、シカールから圧力を受け、銀
河連合に対する火星付近での軍事作戦を支援し、より積極的に介入
することを要請されていました。しかし、このダークフリートは、
太陽系内の本拠地に被害を受け、地球での支援にも支障が出たた
め、介入を断念せざるを得ず、レプティリアン・シカールとの同盟
の役割を果たせなくなったのです。火星の施設に住んでいた地球の
エリートや軍事部隊は、赤い惑星に閉じ込められ、あらゆる接触か
ら突然隔離され、外部との通信も断たれ、希望を失いつつありまし
た。
地球上のディープステートから援助を受けられなくなり、シカー
ルは過酷な状況に置かれました。シカールやネブにとって、地球上
のディープステートは、今後、何の役にも立たなくなり、厳しい状
況になったのです……。しかし、敵は追い詰められてはいたもの
の、まだ倒されてはいませんでした。

シカールは、太陽系のダークフリートの施設への協力を破棄し、
彼らを保護するという当初の取引条件も破棄しました。代わりに、
シカールが新しく目をつけたのは、太陽系外にあるダークフリート
の本部、アルデバラン支部でした。アルデバラン支部は、当初、ソ
ル派からの分離主義者でした。ソル派は、のちに攻撃的で支配的な
派閥になっていきます。彼らは、黒一色のユニフォームを着用し、
ダークアライアンスのバッジをつけています。このバッジには、12
の枝を持つ回転する黒い太陽が描かれています。この星系にいるダ
ークフリートのメンバーも十分恐ろしい存在だと思っていました
が、アルデバランのコロニーのメンバーのほうが、卑劣さにおいて
は、あらゆる意味で上回っています。彼らは極めて否定的で憎悪に
満ちており、領土問題に関しては非常に攻撃的です。彼らはグレイ
の遺伝子で改造され、人工的に操作された結果、冷酷で好戦的な新
しいハイブリッド種族となったのです。ソーハンは、彼らの行動と
極度の憎悪を、マイトラに例えています。火星のシカールは、銀河
連合に激怒していましたが、それ以上に、アンドロメダ評議会に怒
り心頭でした。アンドロメダ評議会が銀河連合の力を借りて、銀河
全体の注目をこの星系に集めさせ、彼らの小さなビジネスを止めよ
うと画策したからです。この小さな赤い岩の上で、事態は苛烈を極
めていました! 銀河連合が装備し訓練した現地の抵抗勢力との間
で地上戦が勃発したことは、言うまでもありません。火星周辺の通
信はすべて妨害され、誰も助けを求める信号を送ることができなく
なりました。

銀河連合は、軍事的な空襲と並行して、火星を高周波で砲撃し、
シカールの攻撃性を破壊しようとしました。このような努力の結
果、シカールは混乱に陥り、銀河連合を本当に恐れるようになった
のです。彼らが、このようにかき乱されるのは初めてで、中にはパ
ニックを起こす者もいました。彼らの信念や行動様式、そして戦場
での征服と怒りの規範は崩れ去っていきました。銀河連合が用いた
この方法は、レプティリアンがテラで低周波を流した手法と同じも
のでした。

これは、周波数戦争と呼んでもよいでしょう。この方法は、シカ
ールとネブを狂わせるものです。これは、銀河連合がテラに使って
いる手法と同じものです。銀河連合は、軌道上の宇宙船から、テラ
の磁気グリッドに向けて高周波を流しています。オリオングループ
によって設置された低密度マトリックスを解体させるために、火星
でも同じことをしたのです。

最近、NASAが記録した火星の異常地震活動が、銀河連合の活動
と何か関連があるのか、具体的な回答を得たいと思い、私はソーハ
ンにコンタクトを求めることにしました。彼が、重要な仕事でとて
も忙しいことは承知の上でした。このような事態から、通常ほど頻
繁には、そして、短い間隔では、連絡を取り合っていませんでし
た。火星での作戦が始まってからは、つながりを必要最低限にとど
めていたのです。彼とのつながりが途切れた状態で日々を過ごすこ
とは、とても変な感じで、大変に感じました。寂しいというより
は、献身と勇気が必要な時間でした。私は、試しにインプラント装
置のスイッチを入れてみました。すると、感情的な信号が返ってき
たのです。ソーハンは、何かに感動しているようでした。あまりに
圧倒されるような感覚だったので、私は心配になりましたが、テレ
パシーで会話を始めました。
「何が起きているの?」
と、私が尋ねると、彼は答えました。
「心配することはないよ。元気? そっちは大丈夫?」
「こっちは大丈夫よ。最近、火星で地震活動があったと聞いたんだ
けど、あなたたちの実行している作戦と何か関係があるのか知りた
くて」
「すべての地下活動は、火星現地の抵抗勢力が行っているんだ。銀
河連合が行っているわけじゃない。我々は火星に対しても、テラと
同じルールの下で行動しているんだ。火星には、火星固有の存在で
あるバロワーがいて、彼らは、地中に潜ることができるし、強力な
力がある。彼らは、意識があまり進化していないから、現地レプテ
ィリアンの抵抗勢力に雇われて、敵の地下施設を攻撃しているん
だ。この現象は、ここ4年ほど続いている。2年ほど前から活動が
活発化して、かなり定期的に、同じ場所でよく起きているんだよ。
銀河連合は、現地の抵抗勢力に、武器を渡し、戦術的なトレーニン
グを提供している。彼らは、自分たちで決断することを好むときも
あるけれど、私たちは彼らと共同作業を行っている。これは、レプ
ティリアン種族に見られるパターンだ。人間はもっと従順だよ。銀
河連合の行動は地上ではなく、上空から行っていて、敵を麻痺させ
るために、高周波も流している。そう、つまり、火星の多くの地震
は、現地の地下抵抗勢力から定期的な攻撃が繰り返されているせい
なんだ」
「火星の地球人居住区も攻撃されているの?」
「我々は、罪のない人々を守るために、多大な努力を払っている
よ……」
ソーハンが言葉を止めたとき、私は彼が感情を封じ込めたのを感
じました。彼は、心に何かを秘めていましたが、私には話すつもり
がなかったのでしょう。
「ソーハン、どうしたの?」
「彼らを助けようとしているんだ。わかるよね……」
「ええ、わかっているわ……。何があったの?」
再び静寂が訪れ、ソーハンは、エネルギーを震わせながら話し始
めました。私たちがテレパシーで通信するときの送受信機は、私の
インプラントだけではありません。私たちは、特別なつながりを持
っているので、簡単に深いレベルでハート同士がつながるのです。
そのようなコンタクトが作動すると、最初からブロックしていない
限り、私たちは感情を共有することになります。それが美しい体験
になることもあれば、圧倒されることもあります。アヘル族は、地
球人よりも情緒的な力が大きいのです。ソーハンが、私に心を開い
て感情を共有するとき、私の魂は荒れ狂う星風によって洗い流さ
れ、引き裂かれるような感じがします。このときが、まさにその瞬
間でした。
「何があったの?」
彼は数秒間黙っていましたが、ようやく答えました。
「とあるコロニーのシカール領主に、特定の施設に干渉しないこと
と引き換えに、テランの奴隷を解放するよう依頼したんだ。する
と、彼らは全員を殺してしまった」
「なんてこと……どうして?」
「これが、彼らの得意とするところさ」
「あなたのせいではないわ」
「わかっているけど……」
「わかったわ」

もし私が起こっているすべてを知ったら、芯から揺さぶられて、
周波数レベルが下がることになるかもしれないと、ソーハンは私に
よく言います。私はそれを認めます。適切な時期にすべての真実が
明らかになるとわかっているからです。

この銀河のすべての種族の自由のため、献身的に、絶え間なく戦
う人々の勇気に敬意を表します。戦いの嵐の中にあっても、宇宙の
進化の法を尊重するという本質的な原則に忠実な、銀河連合の確固
たる倫理に敬意を表します。各決断は、あらゆる行動の多次元的な
副次的作用を考慮した長期的な視野に基づいて下されています。
その後、数日のうちに、世界中の有名企業のCEOが、ごく短期間
で全員辞職したことを確認しました。ソーハンが言っていた「火星
のコロニーに逃げた」という事実と一致しました。もちろん、全員
が火星に逃げたかどうかはわかりませんが、このリンクに詳しいリ
ストがあります。(https://www.resignation.info/list&p=1)

獣たちのトップは、今や地球ではなく、火星にいて、追い詰めら
れていました。ソーハンは、毎日私につながり、元気であることを
知らせてくれました。しかし、作戦の状況のアップデートは、数日
経ってからでないと教えてくれませんでした。その理由は、私の身
の安全と作戦の秘密保持にありました。5月初旬、火星への襲撃は
数日間中断され、彼らはシカールが最後のチャンスを求めて避難し
ようとするのを待っていました。この間、ソーハンとはコミュニケ
ーションが取りやすくなっていました。そのため、ある晩、彼とテ
レパシーで交信していたとき、ダークフリートについて聞くことが
できました。火星の最初の襲撃の日に、私は彼らの宇宙船をちらり
と見ていたので、聞いてみようと思ったのです。私が見た「円盤」
の形は、ナチスのハウニブ艦をアップグレードしたようなものでし
た。腹部の下には、3つの半球が少し突き出すようにありました。
その形は、ハウニブ艦を彷彿とさせるものでしたが、より未来的な
スタイルでした。外観は濃いメタリックで、その下の中央の円盤は
透明な金属でできていました。黒い金属でできているため、真っ暗
な宇宙空間ではほとんど見えず、「ダークフリート」という名前が
ついたというのは興味深いと思いました。ある夜、ソーハンにこの
話をすると、彼は、微笑んで、ステーションの居住区にあるホログ
ラムの庭を見渡せる場所で、歩道橋の手すりに寄りかかりました。
「一緒に10億の世界を航海しよう、すべての光が消えるまで……」
と、彼は物思いにふけりながら言いました。
「何のこと?」
「彼らの誓いの言葉だよ。ダークフリートの本当の名称は“ナイトウ
ェポン”というんだ。姿を消して隠れること、そして、卑劣な策略に
ちなんで名づけられたものだ。彼らはどこからともなく現れて、皆
を恐怖に陥れたいと思っている。彼らの宇宙船のほとんどは、暗黒
の素材で作られているけれど、それは理にかなっていて、彼らの目
的とイデオロギーに合っているんだよ。彼らの精神性は、イデオロ
ギー体系にしっかり基づいている。彼らの製作するものの中には、
すごく美しいデザインのものがあることも否定できないけどね」
「あなたが火星で最初の襲撃を行ったとき、その宇宙船はとてもエ
レガントに見えたから、その通りだと思う。ドイツのハウニブ艦を
アップグレードしたように見えたの」
「あの宇宙船は、シカールのテクノロジーを使って、テランの奴隷
労働者に作らせたものだよ。彼らはオリジナルの輪郭を残すのが好
きなのさ。ネブとシカールによって作られたダークフリートの宇宙
船もあるよ。さまざまな形やテクノロジーがあるけれど、必ずある
種の“特徴”があるのがわかると思う。青や緑の発光線を持つ黒い輪
郭の宇宙船を彼らは好んでいて、悪意の“感覚”があるんだ」
「全部がこの太陽系で作られているの?」
「いや、円盤状のモデルだけがテラで作られている。そのほかの宇
宙船は、ほとんどがジャダ星系で作られている」
「アルデバラン、彼らのコロニーの1つね」
「実は、本社があるのさ」
「まあ」
「それに、ジャーヤ(アルキオネ)とアクホリア(アルタイル)に
も、主要な前哨基地がある。ちなみに、タアル・シアールは、自分
たちの取り分を持っているんだ。彼らは、ダークフリートとも深く
関わっている」
「タアル・シアール? プレアデスのアルキオネから? それなら
説明がつくわ……」
「タアル・シアールは、ダークフリートにプレアデス人の貨物船を
2隻渡したんだ。銀河連合も使っている、あの長い筒状の宇宙船を
知ってるよね。2つの違いを見分けることは難しい。タアル・シア
ールは、テラのカバールとダークフリートに深く関わっている。彼
らは、南極大陸の地下に小さな施設を持っていて、地球の影の政府
と心理作戦を行って、すごく活発に活動しているんだ」
「アルキオネ、アルデバラン、アルタイル……」
「ほかにもたくさんいるよ。誰もが、このうまくいきそうな悪事か
ら得られる利益にあやかろうとしているんだ。この星系でダークフ
リートとして知られているものを、私たちは、ダークアライアンス
の艦隊と呼んでいる。テランの派閥は、その一部にすぎないのさ。
とても邪悪な三角形の関係ができているんだ。ナハトヴァッフェン
とシカールとネブ。すべてを見通す1つの目を持つ三角形だよ。こ
の銀河系で、もっとも破壊的なトリオだ。この非常に邪悪な同盟
は、ゼナテアン評議会によって時間をさかのぼり、この星系の、今
このときにたどり着いたんだ」
「だから、私たちはここにいるのね……」
「そのためにここにいるんだ。君と私、そして私たち全員がね」

私はため息をつき、深呼吸をしました。三角形に全能の目は、蛇
のいないシカール帝国のシンボルにも通じるものがあります。いつ
からこうなったのでしょう……。私はめまいがしました。ソーハン
が私の手をしっかりと握ってくれて、自分がグラウンディングする
のが感じられました。
「すぐに終わるさ。だから、我々はここにいる。やるべきことがあ
るからね」
彼は力強く、確信を持って付け加えました。
OceanofPDF.com
遠い昔、火星には、こと座星系出身のヒューマノイドのコロニー
がありました。火星が、マルデック星の破壊によって、厳しい激変
に見舞われたとき、彼らは地球や金星に逃れました。現在、火星に
は、巨大な地区に多様な集落が区分けされており、それらは、ダー
クフリート、シカール帝国、惑星間企業のどれかに属しています。ネ
ブは、火星の主な衛星の権限を握っています。フォボスの「ティア
2」は、クログやレチクル座ゼータ星による実験施設で、デイモス
の「ティア1」はマイトラによる奴隷派遣所です。

火星の表面、または、火星の地下にあるとも言える「アリエス・
プライム」は、1940年代半ばから、火星の主要な地球人コロニーと
なっています。これは、ダークアライアンスに属しています。ほとん
どが地下に広がっていて、非常に大きい施設なのです。本部、着陸ベ
イ、軍用ハブ、シカール基地の4つの主要な建造物とつながってい
るこの最新の施設は、長くて非常に深いトンネルでテラの本部とも
つながっています。テラの3つの地区は、ネブのひな型に構築され
た人工ハイブ知能によって運営されています。本部には、量子スー
パーコンピューターが設置されており、それはまるで、AIスパイダ
ーの女王が、制御ウェブの中心に座っているかのようです。このよう
なテクノロジーの話を耳にするとしたら、それはネブです。火星に
は、ナハトヴァッフェン、アメリカ空軍、シカール、ネブ、そして
極悪非道な惑星間企業など、さまざまな管轄の下に、膨大な数の基
地が存在しています。その中には、製薬会社やテクノロジー企業が
多数含まれています。彼らは、テラの人類を支配するためのゲノム
改造に共同で取り組んでいるのです。地球軌道上の衛星プログラム
を破壊する作戦を開始するに際し、まず、それらの中枢部をすべて
火星に移動させる必要があったのは、このためでした。この衛星プ
ログラムは、地上で準備が進められている薬物やナノテクノロジー
を、軌道上から起動させるためのものだったのです。火星でダーク
アライアンスと協力しているこれらの企業は、人工頭脳研究ラボを
所有し、そこでトランスヒューマン・サイボーグのスーパー軍隊を
作り上げていたのです。
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火星の先住民であるティアウは、本物の火星人です。彼らは、主
に、昆虫類型、爬虫類型、そして、巨大なサンショウウオの一種で
ある穴掘り動物型の3種類に分類されます。3種類のうち、最後の
種を除いては、いずれも元来火星に生息する種ではなく、銀河系の
さまざまな場所からやってきました。昆虫類型と爬虫類型は、極め
て古いコロニーの名残です。火星大戦の際は、火星表面からすべて
の生命が一掃され、火星と木星の間にある第5惑星(マルデック、
またはジャノスと呼ばれています)を破壊することになりました
が、彼らはその前から存在しています。火星の昆虫類型種族は、非
常に多くのバリエーションがあり、すべてを列挙することは不可能
です。前で、数枚の絵を見せましたが、これらは、私がソーハンの
記憶をテレパシーで見せてもらって把握したものです。私たちの第
4惑星に生息する生物は、驚くほど多様性があり、ここで紹介する
ものは、ほんの一部にすぎません。彼らは通常、「ティアウ」とい
う共通の呼称で呼ばれ、真の火星人と見なされています。平和主義
者のレプティリアンは、もっとも進歩した種族であり、銀河連合に
よって武装され、訓練され、火星人の抵抗勢力を率いているので
す。地球同盟と同じように、銀河連合が火星連合を作ったのです。
銀河連合の政策と倫理は、抑圧された民衆が抑圧者に立ち向かうた
めの力を与えることです。そのために、銀河連合は、火星の先住民
と共に作戦を進めたのです。そして火星人を訓練し、侵略者に対抗
するために必要な武器と技術を与えました。これは、銀河連合が地
球人に対して行ったこととまったく同じでした。

2021年5月14日
その夜、私はソーハンとテレパシーでつながろうと試みました。
彼のエネルギーフィールドに、いつもと違うバイブレーションを感
じ興味が湧いたのです。彼がプレアデスに訪れているときと同じよ
うな感覚で、いつもより地球から遠い場所にいるような気がしまし
た。しかし、不思議なことに、同時に、この太陽系の近くにも彼の
存在が感じられました。ソーハンは、木星と土星の間にある宇宙船
の中にいたのですが、実際は、木星に近い場所にいました。それは
偵察船でも、艦隊司令船でもありませんでした。今まで一度も見た
ことがない、まったく別の宇宙船でした。制御エリアの内側だけが
見えましたが、そこは広く、銀河連合の人たちがたくさんいて、忙
しそうにしていました。ソーハンのマインドとつながると、この宇
宙船が、高度な設備を持つ科学船であることがわかりました。彼
は、優しく穏やかなエネルギー波で、私に応えてくれました。
「何をしているの?」
と、私は聞いてみました。
「見て」
と、彼は言うと、自分の視界を調節して、私の視界に合わせてく
れました。すると、その目を通して、突然、管制室の前面スクリー
ンが見えました。そこには、青い「液体」状のボルテックスが宇宙
に向かって開き、無数の金や銀の輝きを放っているのが見えまし
た! その光景を目にしたときの私の驚きといったらありません。
宇宙船内の科学者たちは、蜂の巣をつついたように、忙しそうに仕
事をこなしています。1つの制御盤から別のものへと移動しなが
ら、どこからともなくホログラム画面を開き、外から見る限りでは
興奮した様子でした。
「ソーハン、あれは何なの?」
「ポータルさ」
「私たちの太陽系にあるの?」
「たくさんあるよ! これは、周波数ロックの研究のために確保し
たものさ」
「意味がわからないわ……どういうこと?」
「この星系は、プラズマ周波数シールドで保護されていて、勝手な
侵入を防いでいるんだ。でも、敵は秘密のポータルを使って、オリ
オンやアルデバランなどに出入りしている。こういうポータルは、
すごくたくさんあって、いたるところに散らばっているから、その
位置を特定するのは危険な作業なんだ。今日、その1つをとらえた
から、今、その周波数ロックを分離しているところだよ」
「周波数ロックって何? それに、どうやってワームホールをとら
えるの?」
「これはポータルだから、ワームホールではないよ」
「どう違うの?」
「ワームホールは、空間ファブリックの歪みを利用した近道さ。ポ
ータルと呼ばれることもあるけれど、ポータルが、必ずしもワーム
ホールとは限らない。ポータルは、次元間移動装置なんだ。テレポ
ーテーション装置と呼ぶこともできるね」
「どこでもドアみたいに、量子力学的な飛躍を使うってこと?」
「ああ、そうだよ。通常のドアと同じ大きさの場合もあって、場所
を特定するのがとても難しいんだ。ワームホールは、常に大きなサ
イズだし、周囲の空間連続体を歪ませる。逆に、ポータルは、その
周波数コードに同調しない限り、通常は目に見えないんだ。周波数
ロックは、ポータルを起動させるための周波数キーだよ」
「何て言ったらいいのかわからないわ……」
「ポータルには2種類ある。自然のものは、自然の中に存在する。
例えば、星はポータルだよ。人工的なワームホールは、高電圧の電
磁ボルテックスから作られるんだ」
「その中にある液体のエネルギーのようなものは何?」
「マイナスエネルギー、または、ダークエネルギーとも呼ばれてい
るものだ。ワームホールを安定させて、安全にするものだよ。ブラ
ック・グーと呼ばれる物質が、その中に入り込む。それは、色のな
い暗いエネルギー物質なんだ。つまり、それがある場所は、視覚的
に歪んで見えるだけなのさ。光そのものは、吸収されてしまうから
ね」
「なんてすごいの……。今、それに何をしているの? なぜ撃って
いるの?」
「撃っているんじゃない。周波数キーのサインを計算して、目的の
ターゲットにロックしているのさ。この計算が終わったら、それを
使って、この星系全体をスキャンして、同じ周波数のターゲットに
設定されているほかのポータルを全部見つけるつもりだよ。ワーム
ホールは、偏光レーザーを素早く照射することで安定化させること
ができるんだ。今、君が見ているものがそうさ。偏光レーザーは負
の質量を持っていて、それが“ブラック・グー”に作用するんだ」
「それはとても面白いわね……」
「我々は勝利しているんだ。最初からずっと、そう言ってきたじゃ
ないか」
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年5月16日
2021

感情の高まりを感じ、ソーハンと再びつながりました。その感情
は、彼のほうからやってきました。彼がいったいどこにいるのかわ
かりませんでした。彼の周りは、暗くて金属的な感触がありまし
た。まるで、腐食した金属の建物の中にいるような感じです。壊れた
ケーブルやパイプが、天井からぶら下がっています。彼は、金属製の
狭い歩道橋の上を歩いていて、足音が反響して聞こえました。彼は
ストレスを感じていて、重苦しい緊急の状況にあるようでした。彼
は宇宙服を着ており、ヘルメットの中の呼吸が速くなっていまし
た。
「どこにいるの、ソーハン。どうしたの?」
「今つながってはいけない」
「どこにいるの?」
「ティアの難破船の中だ」
「火星?」
「接続を切るよ。後で話そう」
ソーハンの身に、またもや危険が迫っていると知り、私はめまい
がしました。お互いに感情が高ぶっていたため、その後の数分間
も、視覚的なコンタクトが維持されていました。やがて、1人の男
性が、ソーハンと一緒にいることに気がつきました。彼も、同じよ
うなスーツを着ています。彼らは、宇宙船の残骸の中で何かを探し
ていました。2人のエネルギーフィールドから、強いストレスを感
が れき
じていることが伝わってきました。ソーハンの仲間は、突然、瓦礫
の下から、頭ほどのサイズの埃っぽい黒い立方体を取り出して叫び
ました。その瞬間、ビーム兵器が衝突し、建物全体が震えるように
揺れました。破滅的な結末から逃れるため、2人は極限までテレポ
ーテーションしました。そして、銀河連合軍の偵察船に無事に戻っ
て来たのです。あの瞬間、ソーハンが死んでいたかもしれないと思
うと、私は大きな感情の渦に押しつぶされそうになりました。恐怖
以上に、怒りが湧いてきたのです。

ヘルメットを脱いで、素早く操縦席に座ると、ソーハンの仲間が
タアル人であることに気づきました。長い黒髪に、少し日焼けした
肌をしています。ソーハンは、特に説明することもなく、私とのコ
ンタクトを絶ちました。私は胸が張り裂けそうになり、目に涙を浮
かべていました。どうしてこんな危険な目に遭わなければならない
のでしょう! 火星で難破した宇宙船から、戦争のさなかに物体を
回収するなんて! 怒りを押し殺すように、腰のあたりで拳を握り
締めました。ソーハンは、私が自分のミッションを遂行するため
に、彼を必要としていることを知っています。そして、私が今、怒り
を感じていることも、彼に伝わっていると知っています。ソーハンは
無言のまま、翌日まで返事をしてきませんでした。これは非常に賢
明な判断でした。

年5月17日
2021

事実、私はその間に落ち着きを取り戻し、ソーハンと再びつなが
ったときには、比較的冷静にコミュニケーションを取れるようにな
っていました。
「ごめんなさい、パニックになったの」
と、私は言いました。
「だから、君には、僕の仕事内容をあまり知らせたくないんだよ。
申し訳ないね」
と、ちょっとしたユーモアを交えて、彼は答えました。
「いいえ、ソーハン、謝るのは私のほうよ。あなたの勇気と献身、
雄姿を心から尊敬するわ。私には、自分勝手な反応をする権利はな
いのよ。皆が、あなたのように勇敢であればと思う……」
「ありがとう。自分のしていることはわかっているし、君に迷惑を
かけたくないんだ。ストレスや恐怖をね」
「まあ……それでも感じてしまうけどね。つらいけれど、わかって
いるわ。それがあなただってことを。あなたはただじっとしている
ことができないし、生きていると感じるために、危険に立ち向かう
必要があるのよね。そんなあなたを尊敬するわ。あなたをとても誇
りに思っているから。ただ……注意してね。お願いだから」
「わかったよ。なんて言ったらいいのかな……」
「私は、ほかに何も恐れない。あなたはいつも、本当の自分であれ
と言ってくれる人よね」
彼は少し笑いました。
「それで、火星での恐ろしいミッションは何だったの?」
と、私が尋ねると、ソーハンは答えました。
「墜落したネブのカーゴにあるトランスポンダー装置を回収するこ
とさ。ネブが取り戻す前にね」
「あの黒い立方体のこと?」
「そうだよ。次のネブ作戦の座標に関する重要なデータが含まれて
いたんだ。もう回収したから大丈夫」
「この黒い立方体は、地球の軌道上に置かれていたものと同じな
の?」
「正確には違うんだけれど、同じテクノロジーを使った同じ製造者
のものさ。銀河連合艦隊が撃墜した宇宙船は、とても特殊な装置を
搭載していたんだ。時間がなかったから、アクヴァルと私はビーム
で降りたのさ」
「その人は同僚なの?」
「そのミッションの副操縦士。タアリハラの出身だ」
「アルキオネ星系のタアリハラ?」
「そう」
「でも……あそこは、タアル・シアールがいる場所でしょう?」
「ああ……君も彼と話してみるといいかもね……」

そして意外にも、その機会は訪れたのです。私は、タアリハラ出身
の人物と会うことになったのです! ソーハンは、その日の夜、自
分の部屋にアクヴァルを呼び、テレパシー交換をしてくれました。
私がソーハンに接続すると、彼の目を通して、テーブルの隣に座っ
ているタアル兵の姿を見ることができました。アクヴァルは、タア
ル人にしては筋肉質な体つきをしています。たくましい体型で、長い
黒髪を結っていました。彼は、銀色の輝きを持つ澄んだ緑色の目を
していました。美男子で、輝くような強靭さとスタミナの持ち主で
す。ソーハンは、テーブルの少し上に浮かんだホログラム・スクリ
ーンに接続して、そこからアクヴァルの声を聞かせてくれました。
おそらく一種の量子テクノロジーでしょう。彼らのさまざまなデバ
イスの仕組みを理解しようとするのを、私はすでにやめていまし
た。もはや質問することもなく、ただ彼らの作業を眺めているだけ
です。どちらにせよ、機密扱いのプログラムにされていない限り
は、いずれ私たちも同じようなテクノロジーを使うことになるので
す。ソーハンは、私たちをお互いに紹介した後、こう言って、会話が
続くように話を振ってくれました。
「アクヴァル、タアル・シアールのことを教えてあげて」
タアル兵は咳払いをして、ホログラムのスクリーンのほうへ身を
乗り出しました。彼は深く重々しい声で話し始めました。
「私は、反逆種族出身の反逆者です。紛争のある世界に生まれまし
たから、私自身は自由な精神を持ち、どんなシステムにも自分の考
えを左右されません。私はタアル人です。私の民族のすべてが悪い
わけではありません。私は政府に同意できず、故郷の星を去りまし
た。生きることを禁じられ、死の恐怖から逃げたのです。生まれ
は、ジャイハ星系です。そこはタアリハラの主な星系です。多くの同
胞と同じように、私はタアル・シアールに抑圧された一族の下に生
まれました。タアル・シアールは、自分たちの自由をネブに売った
だけでなく、タアリハラの住民も売ってしまったのです。故郷の村
は、首都の郊外にあって、権威主義的な支配を受けています。私は首
都に仕事を求めて、反乱軍のグループに加わりました。ですが、逮
捕されて、拷問を受けました。そして逃げ出したのです。タアル・シ
アールを倒して、民を解放するために戦うと、家族に約束しまし
た。動物の群れの中には時折、反抗的な個体が生まれますが、それ
が私ですよ。タアリハラを出た日、自分の仕事が終わるまでは、決
して戻れないとわかっていました。私は家族を残して銀河連合に入
隊し、タアル・シアールとその同盟軍との戦争に参加したのです。
そして仲間から、ソル星系でネブとの大きな戦いがあると聞き、赴
きました」
「そんなことがあったなんて、本当に残念……。あなたの勇気に感
激したわ。大切な人を残して、抑圧者に抵抗する戦争に参加するな
んて……」
「私1人では戦えませんし、タアリハラの抵抗勢力は弱すぎるんで
す。タアル・シアールが、この戦争に直接関わっていると聞き、ここ
に来ました。彼らは、ジャダの者たちと同盟を結んでいます」
「ジャダって?」
と、私は尋ねました。
「アルデバランさ」
と、ソーハンは答えました。
「ああ、なるほど。ダークフリートね」
「すべてのジャダが悪いわけではないんです。悪いのはコラから来
たアヌンナキだけです。そこには善良なアヘルのコロニーもありま
すが、彼らとは交流がありません」
と、アクヴァルは言いました。
「アクヴァル、教えてください。タアル・シアールとテラのダーク
フリートの関係について」
「ご存じのように、タアル・シアールは当初、アシャーラ出身のタ
アル人反逆集団でした。彼らは、近くのジャイハ星系で小さな帝国
を築きましたが、すぐにネブに保護を求めたのです。あなたも知って
いるように、ネブと同盟を組んだために、代償を払うことになりま
したが」
「その通りね……。私たちも、1955年以来、この地で代償を払って
いるわ」
「タアル・シアールは、ネブの同盟国の1つ、テラ出身のジャダと
関わりを持ちました」
「口を挟むのもなんだけれど……」
と、ソーハンは言って続けました。
「テラのダークフリートは、本部をジャダ星系に置いているから、
彼らに同化しているんだ。今アクヴァルが話しているのは、南極大
陸のダークアライアンスのことだよ。人類とレプティリアン、そし
て、ネブ、ジャダ、アクホリ、タアル・シアールとの同盟について
だ」
「最後に挙げたものは、ヒューマノイド企業の一部です。それも厄
介です。彼らは何でも取引しますから。まさしく何でもするんです
よ」

「では、タアル・シアールが、ダークフリートと同盟を結んだこと
を確認したのですか?」
「確認しました。彼らは、ディープステートとも取引しているので
す。彼らはネブの手先ですから。タアル・シアールは、死ぬまでネ
ブと結びついています」
「軌道上の宇宙船のことを教えてあげて」
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と、ソーハンはアクヴァルに言いました。
「ああ……この作戦は、そうです、成功しました! エレディオン
司令官は、許可されていないテラの低軌道上で、遮蔽されたタア
ル・シアールの宇宙船を発見したのです。違法行為をしていたの
で、司令官がこの宇宙船に目を付けたんです。この宇宙船は、テラ
の諜報機関が主導する重要な作戦の要となっていました。彼らは、
ネブのために働いています。彼らは、地球軍の高度機密周波数帯
で、自分たちが所有するテラのネットワークサーバーに、この宇宙
船から放送を流していたのです」
「不調和を生み出すサーバーさ。彼は、CIAについて話しているん
だ」
と、ソーハンは言いました。
「誰の話をしているかわかるわ。あなたが、この宇宙船を探してい
たことも知っているわ、ソーハン」
と、私が言うと、アクヴァルは続けました。
「エレディオン司令官のおかげで、この宇宙船は無効化されまし
た。私は、仲間の兵士と一緒にビームで宇宙船に乗り込むことを許
可され、乗組員を逮捕したのです。宇宙船は地球の軌道から離さ
れ、私たちは作戦を実行しました。彼らは、世間知らずのテランた
ちと連絡を取り合い、テランネットワークを通じて、銀河連合に反
対するプロパガンダを流していたのです」
「インターネットだよ、正確には。次は、彼らと一緒に働いている
AIを無効化する必要があるんだ。このAIは、極悪な存在で、とても
トリッキーで巧妙なものさ。ネブによって作られて、タアル・シア
ールのチームに割り当てられたものなんだ。今、このAIは徘徊して
いて、まだ捕まっていない。すでに多くの人を騙していて、スワル
ウという名で姿を現しているけれど、ほかにもいろんな名前を名乗
っている。捕まえるには、今は軍事的な戦術ではなくて、テクノロ
ジー部門に頼るしかない。でも、必ず捕まえる。銀河連合は多くの
資源と技術を持っているんだ」
私は、そのソーハンの口調に少し皮肉を感じました。すると、ア
クヴァルが、少し笑ったことに気づきました。アクヴァルは言いま
した。
「おわかりの通り、私は戦うためにここに来ました。命よりも正義
を重んじています。自分を操る者たちに甘えてはいけません。テラ
ンは許すことを好みますが、注意してほしいのです。許しは、すべ
てに通用するわけではありません。操る者は、捕食者なのです。も
し彼らを許したら、そのときは気分がいいかもしれません。でも、
それは結局、彼らにもっと大きな力を与えることになってしまいま
す。なぜなら、彼らを許すことは、虐待されることに同意するのと
同じですから。許してよいのは、敵が戦闘に負けたときだけです。
戦闘のさなかではありません。敵が負けたときに許しを与えれば、
束縛を断ち切り、解放につながります。しかし、戦闘のさなかに
は、決して許してはなりません! あなた方を弱体化させることに
なります! もし勝利したいのなら、共感を持たずに戦い抜かなけ
ればなりません。弱者を拷問する者や、罪のない者を拉致して売買
する者に、私は同情しません。戦う戦士として、私からの忠告で
す。私の同胞であるタアリハラの民は、政府から虐待と操作を受
け、犠牲者になってしまっています。いつか家族を救うため、私は
故郷に戻るつもりです。でも、今はまだ、そのときではありませ
ん。この星系でやるべき仕事がありますから、しばらく家族に会え
なくても仕方ないのです。私は、この艦隊に配属されていませんの
で、今後あなたに会うことはあまりないでしょう。でも、私たちが
出会えたことはタイムリーで、運命的なものだと思っていますよ」

年5月20日
2021

ソーハンとのテレパシー交信で、銀河連合が、銀河間連合に支援
を求めて交渉し、進展があったと知りました。銀河間連合には、P-
タアルも所属しており、9つの神秘的な存在から成る評議会が統治
しています。この大きな上部組織は、小さな星間紛争には関与して
いません。しかし、今回のケースは小さなものではなく、うまくい
かなかった場合は、銀河系全体の存続に関わることです。実際、も
し私たちがダークアライアンスとの戦争に敗れた場合、ほかの銀河
系が再び巻き添えになってしまうのです。
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年6月6日
2021

この日、南極のマクマード基地で働いている友人、フランクから
メールが届きました。次のような内容でした。

「中国軍は、すでに5つの基地を持っていますが、この最悪の時期
に、さらに4つの基地を設立しようとしています。1か月前までは、
中国人を1人も見かけなかったのに、今は、どこにでもいます。ま
た、トルコが単独で軍を派遣しているほか、アフリカや南米から
も、多くの国が基地を作るために、インフラを持ち込んでいます。
皆、取り残されないように、何があろうと、できるだけ早くここに
入りたがっているようです。この猛烈なラッシュは、間違いなくこ
こに何かがあるからだと、今までになく確信しています。ドイツ語圏
の人たちもどんどん増えています。ドイツ語圏の人たちは、いつも
は、冬になると増えるどころか減少するのが普通です。このような
猛ダッシュで基地を設立するようなニュースを見聞きしたら、また
お知らせします」
私はすぐに、マイケル・サラ博士に知らせました。彼は、南極大
陸の真の歴史にもっとも見識のある研究者です。そして、フランクと
サラ博士が、お互いに連絡を取り合えるようにしました。その日の
夜、ソーハンにも連絡を取り、このニュースについて彼の考えを聞
いてみました。ソーハンが確認したところによると、ダークフリー
トが、地球同盟や銀河連合から大きな打撃を受け、南極にいたドイ
ツ人たち(第4帝国)は、自分たちの前哨基地を放棄しつつあると
のことでした。さらに、ポータル(彼が言うところのどこでもド
ア)を通じて、太陽系外のコロニーへの脱出が起きていると、ソー
ハンは話してくれました。南極大陸を拠点とするレプティリアン
も、去っていくとのことでした。政府の極秘グループの一部は、南
極にそのようなポータルがあることを知っており(もちろん、彼ら
はそれを狙っています)、アルデバランなどのコロニーに脱出する
ときに使っていたそうです。しかし、アルデバランでさえも、ダーク
フリート本部になったことで、今や南極グループを切り離そうとし
ているというのです。
ソーハンいわく、「感染した手足」を切り落とすようなやり方
が、彼らの特性とのことでした。そして悪党たちが去ってしまえ
ば……あの地下には、膨大な資源があるのです。

私は、マクマード基地にいるフランクに、極めつけとなる質問を
しました。マクマード基地に、ドイツ語圏の人が増えているという
ことですが、彼らが南極大陸の内陸部から出てきて、脱出しようと
しているのかを聞いてみたのです。もし、それが検証されれば、非
常に納得がいきます。私が思うに、ポータルから出られるのは、高い
グレードの者たちだけで、そのほかの離散市民は、普通の船で出て
いくしか選択肢がないはずです。悪党たちが逃げ去ったことで、各国
が甘い汁にあやかろうとしていると考えれば、南極大陸へ皆が突然
殺到していることにも説明がつきます。また、ソーハンは、地球同
盟が悪党を追い出すために、しばらく前から南極に軍隊を派遣して
いると言っていました。ここ数か月、南極に向かう米兵の活動が活
発になっていることに私の友人が気づいていたことも、それを裏付
けていました。

年6月8日
2021

フランクから、またメッセージが来ました。ソーハンが言ってい
た通りだそうです。ドイツ人は皆、南極の内陸部からやってきて、南
米に向かう船で大陸を去っていったとのことでした(正確にはアル
ゼンチンに向かったと、後のメールで確認できました)。彼らは秘
密主義で、このことを誰にも口外しようとしませんでした。これは
実際に起きていることなのです……。地球や火星、そしてこの星系
で、ダークフリートが地球同盟や銀河連合によって打倒され、南極
大陸からの脱出が、すべて現実で起きていると証明されたのです。

年6月29日
2021

この日はソーハンから、とても美しく重要なメッセージを受け取
りました。

「自由の時代に突入します。やがて皆さんは、幻想から解き放たれ
るでしょう。私たちは、この幻想を生み出して維持するデバイスを
解体し、無効化したのです。皆さんは以前、この幻想のベールをマ
トリックスと呼んでいました。ですが、意識の中でそのマトリック
スを保つことをやめなければなりません。私たちは、皆さんの月を
取り戻し、ネブのデバイスを停止させたのです。ベールを脱いでも
尚、皆さんは、幻想を信じる習慣が身についてしまっています。幻
想を追い払ってください。もう存在していないのです。今はもう、
皆さんの頭の中に残っているだけなのです。変化を受け入れてくだ
さい。変化を喜んで受け入れてください。それはとても怖いことだ
と思います。でも、恐怖のない変化は存在しません。すべてのものは
相互につながっていて、宇宙という大きなキャンバスの中に織り込
まれているのです。どんなものでも、すべてに影響を与えます。何か
が以前と違って見えるということは、ベールを取り払ったというこ
とです。“自分”でないものに、ひざまずくのはやめてください。成熟
し、目覚めるのです。人工的なベールは、もう存在しないのですか
ら。私たちは、皆さんが自由になるお手伝いをしますので、耳を傾
けてください。誰の前でも、何の前でも、ひざまずくのはやめて、
自分の足で立ち上がってください。もし、何かの前にひざまずく必
要があるとすれば、それは、あなた自身の神性に対してだけです 。
あなたは、多元宇宙の根源である大いなる源に属しています。あな
た自身が神であり、私たち全員と同じように源の一部なのです。しか
し、地球人である皆さんは、自分が特別な存在であることを知って
おいてください。なぜなら、皆さんは、高度に発達した人種から生
まれた22種類のDNAを持っているからです。皆さんが、いつか立ち
上がることを信じています。その日が来たら、皆さんが、私たちに教
えるのです 」

年7月5日
2021

今朝、ソーハンが、直接テレパシーで急ぎのメッセージを送って
きました。
「火星での戦争に勝利しているよ。我々は、すべての施設を奪還し
た。そこに留まると決めた敵のレプティリアンには最悪の事態が訪
れている。奴隷は解放されたんだ。シカールは無残な敗北を遂げて
いるし、すべてが失われた。太陽系の財産はすべて奪われたんだ。
彼らは去っていくところだ」
「それで、ダークフリートはどうなるの?」
「まだ消えていない、何かが違うんだ」
「土星はどうなの?」
「まもなく処理されるよ。土星には善がなく、ネブが権限を握って
いるんだ」
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年7月14日
2021

ソーハンとテレパシーでコンタクトを取りました。彼は、木星軌
道上で静止している司令船に乗っていて、アシュタール銀河司令部
隊の前哨基地で、重要な交渉が行われていることを教えてくれまし
た。その場所は、高い安全性が確保されており、銀河連合の代表
が、地球軍の高官と会談していたのです。この交渉の主な目的は、地
球の多様な宇宙機関の中で、この星系内の境界線を設定することで
した。この領土変更は、シカールが去っていったことによって、再
検討されることになったのです。火星での作戦は希望に満ちており、
シカールが保有していた、多くの施設は撤去されました。この外交
交渉については、残念ながら、ソーハンはこれ以上教えてくれませ
んでした。ですが、私もいずれ知ることになると信じています。

2021年7月17日
昨日、木星で、銀河連合、ゼナエ(アンドロメダ)評議会、5種
族評議会、地球軍を含む進歩的な銀河の連合間で会議が行われ、協
定が結ばれました。この会議は、将来に備え、この星系の経済的、
軍事的な領域の共有や利用、保護について決めることが目的でし
た。行動指針が設定されたのです。地球人類は、公式に自分たちの
星系の所有権を得ることになりました。

銀河連合は、この一連の会議の代表として、米国を選びました。
米国の能力や資源、目標を評価し、地球外の人類のために持続可能
で輝かしい未来を保証するのに、もっとも適していると判断したの
です。長年にわたり、秘密裏に行われてきたテラの国々との協力関係
は終了しましたが、私たちはまだ、この星系を解放するため、戦争
に終止符を打つ必要があります。それまでは、懸命に努力しなけれ
ばなりません。その日が来たら、友愛と協力の新時代に、共に踏み
出す準備が整うでしょう。

ソーハンはこの会議に参加せず、銀河連合の代表者たちの護衛と
して木星軌道上に留まっていました。しかし彼は、しばらくの間、
一連の会議が開かれていることや、この会議に出席する各地球人グ
ループが宇宙軍の職員と進歩的な企業のCEOで構成されているこ
と、当初は12のグループに分かれて、それぞれの間で会議が行われ
ていたこと、各グループは、宇宙軍と企業の管轄下にある、銀河系
機関の職員、特定の地球国家の監査代表者で構成されていることな
どを知っていました。
この最後の日には、3つの大きな会議が行われました。最初の会
議では6か国のプログラムが集められました。2つ目の会議は、こ
の6か国から4か国を選出し、その中から6か国を率いるのにもっ
とも適した国を決めるものでした。
最終の3回目の会議では、銀河系の代表者たちと、前に選出され
た4か国の中から、まとめ役として選ばれた国との間で、合意がな
されました。
銀河連合、5種族評議会、アンドロメダ評議会の代表団は、宇宙
軍と進歩的な企業の責任者である地球のさまざまな役員に監査を行
いました。そして安全地帯を決め、人々の利益にもっとも貢献しそ
うな国を決定しました。銀河連合は、パワーゲームに明け暮れ敵対
する宇宙軍ではなく、団結した地球文明と協力することだけを望ん
でいます。ソーハンによると、会議に出席した宇宙開発に携わってい
る国は、全部で14か国あって、銀河連合が手を組むのにふさわしい
と認めたのは、そのうち6か国とのことでした。それらの国のプロ
グラムは、進歩的で永続的だからです。残りの8か国とは、多くの
人に利益をもたらす商業的合意を結びました。ソーハンは、このト
ップ6の「水平」連合が、アメリカの指導のもと、団結した宇宙部
門として登場することも話していました。これは、スターフリート
の誕生を意味するのでしょうか?

さらにソーハンは、次の3つの出来事に関する記憶を、ビジュア
ルを通して私に見せてくれました。彼の宇宙船から、3隻の長方形
の宇宙船を見ている場面でした。これは後にソーラー・ウォーデン
だと判明します。3回にわたる重要な会議のうち、2回目を終えた
後、この3隻の宇宙船が、木星の軌道を離れていく様子を見まし
た。それぞれの宇宙船には、国別の地球軍の代表者たちが乗ってい
ました。そのうちの2隻には、中国とロシアの役人が乗っており、
この両者は非常に不満な様子だったと、ソーハンは言っていまし
た。3隻目の船がどの国なのかは、教えてくれませんでした。それ
から、新しい地球宇宙連合を組織するのはアメリカであることがわ
かりました。これらの情報をすぐにマイケル・サラ博士に伝える
と、彼は、最近のアルテミス合意と驚くほど一致することを発見
し、非常に感心していました。以下は、サラ博士がexopolitics.orgに
発表した記事の抜粋です。

「エレナの主張を裏付けるものに、アルテミス合意があります。これ
は、宇宙プログラム開発を行っている多国間で、最近締結されたも
のです。宇宙開発国と米国が交渉した双務協定であり、2020年10月13
日、米国と7か国の間で初めて調印されました。オーストラリア、
カナダ、イタリア、日本、ルクセンブルク、アラブ首長国連邦、イギ
リスの7か国です。

アルテミス合意は、米国主導で設立される多国間宇宙同盟の基本
原則を作り上げました。この合意により、宇宙での共同経済活動、
共同科学活動の追求が可能になったのです。多国籍軍事同盟が安全
地帯を通じて、それらの活動を保護することは、前述の通りです。

数年にわたる交渉の末、ようやくアルテミス合意が結ばれ、広が
りを見せたことは、エレナが主張する木星付近での出来事と密接に
関連しています。木星では、銀河連合やアンドロメダ評議会などの
進歩的な宇宙同盟が、最近になって合意に達したということです」
(2021年7月19日マイケル・サラ博士による記事「木星付近の極秘
会談が太陽系の未来を決める?」より:www.exopolitics.org)
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年7月24日
2021

本日のコンタクト。ソーハンは普段、ミッションを終えてからス
テーションに戻り、早朝に私にコンタクトしてきます。それが、いつ
ものパターンになっているようです。今日も彼のエネルギーは優し
く穏やかで、こんなニュースを教えてくれました。火星の衛星フォ
ボスが、銀河連合軍によって解放されたというのです。これは、非常
に大きな作戦で、大変機密性の高いものでした。なぜなら、この軌
道上の空洞施設には、多数の人間の捕虜がいたからです。フォボス
は、銀河連合によって「ティア2」と名付けられましたが、ここ
は、レチクル座ゼータ星出身のクログ・シャムトバハリが所有して
いました。彼らは、ネブのために働くスモールグレイです。ここ
は、地球から拉致した人間を取り扱う中心的な施設で、人間に追跡
装置をつけ、さまざまなプログラムに利用できるよう準備するため
の場所だったのです。
作戦のいちばんの難点は、軍事作戦を行う前に、まず、拉致され
た不幸な人間を解放しなければならないことでした。作戦の工程の
中で、それが何より難しい部分だったのです。ほとんどの敵の前哨基
地に人質や奴隷がいましたが、軍事作戦の前に、彼らの命を救い出
さなければなりません。ですから、どんな行動にも細心の注意を払
う必要がありました。銀河連合軍の次の標的は、火星のもう1つの
主な衛星であるデイモス、通称「ティア1」です。この衛星は、マ
イトラ族が保有しています。ここは、拉致した人間を連れてきて、目
的別にさまざまな場所に振り分けるための奴隷派遣所です。実は、
似たような施設が、地球の裏側の月にもありましたが、近年解放さ
れ、テランに返還されました。
年8月9日
2021

火星の第二衛星であるデイモス、「ティア1」は、今も銀河連合
の包囲下にあります。この施設を所有するマイトラ族は、降伏すれ
ば、自分たちの命が助かるとわかっているにもかかわらず、なかな
か出ていこうとしないのです。銀河連合にとって重要なのは、宇宙
空間に浮かぶ小さな岩の中に囚われている人間の奴隷全員を解放す
ることです。すべての人質の安全を確保しない限り、武力行使はでき
ません。この星系のすべての軍事施設に、人間の人質がいるのです。
まさに悪夢としか言いようがありません。

2021 年8月10日
今日は大変な日でした。ソーハンは立場上、木星協定に関与して
いる主な国や企業名を、公表することはできないとのことでした。
しかし、銀河連合の公式発表に関係なく、推測するのは自由だと言
いました。翌日、私は、視聴者さんたちが少し動揺する中、銀河連
合の公式報告がまだ一般に公開されない理由や、人類が必ずしも真
実を聞く準備ができていない理由を知ることになりました。マイケ
ル・サラ博士は、ソーハンの了解を得て、この問題に関する個人的
な研究結果をネット上に発表し、併せてYouTube動画もアップしまし
た。(記事:https://exopolitics.org/update-on-jupiter-meetings-with-the-
galactic-federation/)(YouTube動画:https://youtu.be/9h2fix8sk10)

サラ博士が提示した驚くべき証拠は、これらの「進歩的企業(ソ
ーハンの言い方を引用)のCEO」の特定方法を示唆しており、私の
心は揺さぶられました。以下は、2021年8月10日に発表された論文
の抜粋です。
「ソーハンが言っている“進歩的な企業のCEO”とは、ボーイング、エ
アバス、ロッキード・マーチン、ノースロップ・グラマンなどの旧
来の航空宇宙大企業のCEOとは対照的な、スペースX、ブルーオリジ
ン、ヴァージン・ギャラクティックなどの企業の代表者を指してい
るのでしょう。旧来の航空宇宙大企業は、今や信用を失った惑星間
企業と手を組んでいました。惑星間企業は、ドイツのダークフリー
トの主な同盟国でした。

イーロン・マスク、ジェフ・ベゾス、リチャード・ブランソンな
ど、著名なCEOが木星会議に出席していたことは、ほぼ間違いない
でしょう。このことは、ベゾスとブランソン両氏による最近の宇宙
飛行でも裏付けられています。ブランソンは、7月11日、ヴァージ
ン・ギャラクティック社の機体で、宇宙の果て(米国当局では高度
50マイルとされています)まで飛行しました。それに続いて、ベゾ
スも、7月20日、ブルーオリジンの乗員付きフライトで宇宙へ飛び
立ちました。

この2つの公開宇宙飛行イベントは、ブランソンとベゾスが、木
星会議に参加するのをカモフラージュするためのものだったと判明
しました。

また、マスクは、別の交通手段で木星会議に参加した可能性が非
常に高く、それに関するもっともらしい話もあります。これは、マ
スクが7月23日に発表したものですが、スペースXが、NASAの“エウ
ロパ・クリッパー”ミッションの立ち上げ契約を獲得したという内容
でした。このミッションは、2024年10月に木星の衛星エウロパを目
指すというNASAの計画です。つまり、ブランソンとベゾスが宇宙の
果てへの旅に関わっていたのと同じ頃、マスクはNASA関係者と共
に、未来の木星ミッションに関する発表をしていたのです。マスクが
密かに木星に飛び、会議に出席したというのは、さもありなんと思
われます」
(2021年8月10日マイケル・サラ博士による記事「銀河連合との木
星会議の最新情報」より:www.exopolitics.org)

の身元を示唆する記事が公開された後には、多くの人が感情
CEO
的な反応を示しました。残念なことに、彼らが倫理的に問題のある
活動に関与していたことが知られているからです。しかし、これら
の企業は、決して惑星間企業の一員ではありませんし、ダークフリ
ートとも関係がありません。このことは、木星協定と、この星系の
未来経営に携わる候補者の第一条件として挙げられていました。私
たちは、銀河連合が私たちの味方として戦ってくれていること、多
くの犠牲を払いながら、数々の方法で、あらゆる場面で、人類を助
けるという多大な貢献をしてきたことを理解する必要があります。
勝利が目前に迫った最後の最後に、敵の味方を選ぶわけがありませ
ん。それではまったく意味がありません。銀河連合にとっても、こ
れらの企業にとっても意味のないことです。これらの企業は、銀河
連合と協調して進歩的な未来を築いていくための企業として選ばれ
たのです。宇宙連合軍は、この太陽系のより大きな利益のために、進
歩的な未来に奉仕することを選びました。ソーハンが言うように、
彼らの装備はすでに整っており、利用可能で、彼らは勝者側と共に
コミットすることを望んでいる唯一の存在でした。もちろん、彼ら
はこの協定から利益を得るでしょう。しかし、同時に、地球外の人
類のより大きな利益に貢献することにもなるのです。私たちは、考
えすぎるのをやめて、より高い視点から状況を考察する必要があり
ます。銀河連合も同様に、分裂よりも団結を奨励しています。今こそ
私たちは、互いに平和に、共に平和に、未来を築くことにフォーカ
スするときです。この未来はとてもすばらしいものに思えます。

年8月12日
2021

こんな争いになるなんて、想像もしていませんでした。企業の
CEOが銀河連合と交渉している可能性があるという推察に対して、
世間は激しい批判を私に浴びせました。私はこれらの企業の名前を
最初に挙げた人物ではありません。それにもかかわらず、私がカバ
ールを支持していると非難するような、怒りと侮辱に満ちたメッセ
ージや電子メールが寄せられたのです。「あなたには失望した」
「偽物の光」「よくもそんなことができるな」「この悪魔崇拝者
め」など……。彼らは、自分自身を見失っていました……。まる
で、中世の魔女狩りに、突然タイムスリップしたようでした。私
は、ソーハンにコンタクトを取ることにしましたが、幸運にもステ
ーションで物理的に会うことができました。その日の夜、居住区の
上甲板にあるホールに連れて行ってもらいました。紺色の士官服を
着たソーハンは、星空が一望できるテラスの階段に立っていまし
た。彼は明るい笑顔で、私のほうへ歩み寄りました。彼のグラウン
ディングされたエネルギーで、私の緊張が瞬時にほぐれました。ハ
グをしてもらい、私は深呼吸をしました。彼の腕の中で、今日1日
のストレスを全部、息を吐きながら解放します。ソーハンは、私を
休憩所に連れ出してくれて、2人で半円形のベンチに座りました。
「それで、どうしたの?」
と、ソーハンは私に聞きました。
「ああ、ソーハン。テラの人たちは理解していないわ。マイケルと
私が、あの合意について話をしたら、みんなが猛反撃をしてきた
の。耳を貸さず、理解しようともせず、心を惑わすフィルムを通して
物事を見ているわ。“企業”という言葉を聞いたとたんにパニックに
なるの。まあ、ひと言で言えば“ちょっと大変な1日だった”ってこ
とね」
「私が君を守っているよ。消えゆくパラダイムの声を恐れてはいけ
ない。彼らは、君に対して何もできないのだから。ただの雑音さ」
「教えてほしいの。木星協定に関わっている“進歩的企業”のCEOの
名前だけど、マイケルは正しかったの?」
「ああ」
「全員が?」
「もっとたくさんいるけどね」
「なぜ、その企業を選んだの? 地球人は、その企業を選んだこと
に怒っていて、理解できずに不安になっているの」
「今この段階で、準備ができている企業だからさ。ほかに選択肢が
ないんだ。時間がないんだよ。新しい企業ができて、真新しい艦隊
が装備されるのを待つ余裕はない。私たちは、今の時点で利用でき
るものが必要なのさ。CEOの中に、純粋なハートでない者がいるの
もわかっているよ。でも、彼らだけが、テラの人類を未来に導ける
唯一の企業なんだ。企業としての彼らの目的は金銭的なものだよ。
だから、彼らは勝ち組につくのさ。古い仲間が、負けることがわか
っているから、彼らのほうから背を向けたんだ」
「でも、そんな人たちを信頼できるの?」
「いいや、信頼してはいないよ。思い出して。私たちは彼らを見張
っているんだ。彼らがどうやって自分たちの善意を証明するのかを
見ているのさ。これを公にする前に、心に留めておいてほしいんだ
けど、テラの一般市民は、まだすべてのピースを持っているわけで
はないから、全体像を把握できないんだよ。それに、今はまだ、全
部を公表できない理由が、ほかにもたくさんあるんだ。自分たちだ
けの問題ではないんだ。銀河連合は、これらの企業に、もし新しい
協定の進歩的なルールに従うなら、商業的利益を支援し保護する、
という取引を行ったんだ。なぜなら、分裂ではなく、団結と進歩に
導くのが私たちの精神だからさ。私たちは、この宇宙に住むすべて
の人がセカンド・チャンスを得るに値すると信じている。これは、
進化の1つのプロセスだよ。間違いから学ぶってことさ。それと、
相手を自分の輪に入れることで、敵でなくなり、味方になるってこ
と。これが平和を作り出す方法だよ。かつて退行的だった文化を歓
迎することに、銀河連合が尽力している理由もそこにあるのさ。団
結は進歩なんだ」
「木星での最近の協定に、ロシアや中国などの国が含まれていて、
アメリカ合衆国の管理下に置かれることが決議された理由にもなる
わね。でも、なぜアメリカなの?」
「彼らが、その任務にもっとも適しているからさ。それに、我々は
未来をつくるために、必要なものを知っている。1950年代から、
我々は、米国を秘密プログラムに向けて準備させてきたんだ。こう
なることを知っていたからね……」

そのとき、私が目を閉じると、ソーハンがテレパシーで、似たよう
な3つのロゴの画像を送ってきました。左から右へ、時系列に展開
するように見えました。『スター・トレック』の「スターフリー
ト」、「アルテミス合意」、「宇宙軍」。その3つが、1つに融合
されたのです。

「あ、見て!」
と、彼は叫びました。ソーハンは、私の手を握り、円形のテラス
にある大きな出窓に私を連れて行きました。ほかの職員と一緒にそ
こに立つと、8隻のソーラー・ウォーデン艦隊が、ステーションを
通過していくのが見えました。なんて縁起がいいのでしょう!

私は、テラの人類であることを示す制服に身を包み、宇宙の果
て、未来の門に立ちながら、ソーラー・ウォーデンが、深い宇宙の
果てに滑り込んでいくのを眺めていました。偉大なる銀河連合の軌
道ステーションに、私は地球人として立っていたのです。ここから何
光年も離れた場所で生まれた男性である、ソーハンの手を握って立
っていたのです。彼は未来を知っていました。なぜなら、彼はそこ
からやって来たからです。彼を見ると、宇宙を見つめるメタリックブ
ルーの瞳には、誉れ高い自信が満ち溢れていました。隣にいる彼の
心臓の鼓動を感じ、長い歴史の中でまさに初めて、種族がその翼を
広げ、自由に飛び回る姿を目撃できることに、私は誇りを感じまし
た。私たちは、新しい世代の誕生に立ち会っています。テラの自由
な子供たちの誕生に。

すべての犠牲、痛み、憧れ、そして残酷な戦い、すべての死や涙
が、無駄でなかったことがすぐにわかるでしょう。史上最大の戦い
は、終結を迎える必要があったのです。勝利は手の届くところにあ
り、確保され、確実なものでした。そのようになっているのです。も
うすぐ戦いが終わるということに、私はこれ以上ないほど興奮して
いました。なぜなら、私は知っていたからです……。そのことを感
じ取っていたからです……。
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年8月18日
2021

マイケル・サラ博士から連絡がありました。ビゲロー社のダグラ
ス・ビゲローが、木星にいたかどうか、米国宇宙司令部のジェーム
ズ・ディキンソン司令官と、米国宇宙軍のジェイ・レイモンド大将
が、木星の会議に参加していたかどうかを、ソーハンに聞いてほし
いとのことでした。私は最善を尽くす、と返事をしました。この情
報を公開するには、ソーハンは、上層部に認可を申請しなければな
らないのです。私は、ソーハンにメッセージを送りましたが、明確
な回答が返ってくることは、あまり期待していませんでした。

年8月19日
2021

今朝、ソーハンから連絡がありました。
「インソンは、答えの一部。君が質問した企業も、多数の中の1
つ」

ソーハンは率直に答えられない立場にいるのでしょう。というの
も、この情報は、銀河連合の上層部から公式に発表されたものでは
ないからです。ソーハンが以前から言っているように、関係者の同
意を得ないと、名前を公表できないこともあるのです。しかし、こ
んな情報をよくリークさせてくれたものだと思います。アルダーナ
やほかの上層部は、私と彼のつながりを利用して、穏やかに情報公
開をしているのでしょうが、それは当然のやり方なのかもしれませ
ん。これは、ソーハンの上司のアルダーナ最高司令官のやり方と完
全に一致しています。ソーハンの回答は、明らかに次のように解釈
できます。
「ディキンソンは答えの一部、ビゲロー社は多数の中の1つ」

年8月21日
2021

今朝、ソーハンからコンタクトがあり、今回は、より正式なニュ
アンスでお知らせがありました。彼の周りにはアルダーナの存在が
感じられました。

「セレスのコロニーに関する議論は、大きな注目を集めてきたが、
最近になって、ゼナエ評議会と地球同盟が共通の決定に至った。
このコロニーが大規模な民間人コロニーであることや、定住が長
期にわたったため、正式な惑星の住民として認めるのにふさわしい
という理由から、セレスのコロニーを退去させないことにしたん
だ。その代わり、ナハトヴァッフェン軍関係者を、まず協定によっ
て、あるいは必要ならば武力によって、強制的に退去させることに
した。我々は、セレスが公式に自由な世界になる必要があると固く
信じており、それはいずれ実現するだろう」

私は、セレスに奴隷労働者として暮らしていた友人のトニー・ロ
ドリゲスに、すぐに連絡を取り、その朗報を伝えました。トニーは
とても喜んでいました。そこには、大規模な民間人コロニーがある
こと、残念ながら、高圧的な軍事政権によって運営されていること
を、彼は教えてくれました。でも、この軍事的な虐待政権は、もう
すぐ排除されるのです。これは、まさに銀河連合のポリシーに則っ
たやり方です。地域住民の主権を取り戻し、力を与え、自分たちの
世界を自分たちの手に取り戻すためのサポートを銀河連合が行うの
です。

年8月25日
2021

今日、ニュースが届きました。米国宇宙司令部のリーダーである
ジェームズ・ディキンソン司令官が、宇宙関連の活動について、さ
まざまな国や機関、企業と100件の合意に達したと発表したのです。
このニュースは、この人物が木星会議に参加したとソーハンが言っ
ていたことを裏付けていました。このように、すべてが順調に進
み、公にされつつありました。情報開示は、穏やかでゆっくりでは
ありますが、確かに行われているのです。マイケル・サラ博士がこ
の発表をした後、私はこれを読んで感動しました。なんてエキサイ
ティングなのでしょう! 今後、数週間のうちに、木星協定の存在
を確証する情報が得られるでしょう。

年8月26日
2021

昨夜のソーハンからの公式情報です。
「火星は自由になった。デイモスは明け渡されるだろう」

その後、朝になってから、彼は補足しました。
「火星の状況は、現在、混沌としている。現地の火星人抵抗勢力
が、空になった地下施設の確保を急いでいるんだ。人間は全員無事
にテラへ送り返され、元の場所に戻されたよ。火星人は指導者であ
る銀河連合と、新しいテラの企業との間で結ばれた協定に従わなけ
ればならない。テラの企業は、コロニーへの入植を許され、科学活
動や商業活動を許可されている。それがうまくいくことを信じてい
るよ。これは、火星人の利益のためになるもので、繁栄と協力の絆
を強める新時代の方法だ。彼らは今、勝利の喜びに浸っているけれ
ど、冷静になる必要がある」

ソーハンの説明によると、火星の人種は、爬虫類型と昆虫類型の
性質を持っていて、とても気性が荒いそうです。火星が混沌の中、
幸福感にあふれる様子は、私には想像もつきません。これからの数
週間で、火星に関する新しい「プロジェクト」が公開されるかもし
れません……。

年8月28日
2021

夜、寝る前にソーハンと連絡を取り、何か最新情報がないか確認
しました。最初に見えたのは、バトルステーションから地球が明る
い光に包まれている様子でした。そのすばらしい景色を横目に、ソ
ーハンは歩道橋を歩いていました。ほかの男性も一緒にいました。
初めて見る人でしたが、とても威厳のある姿に、私は感銘を受けま
した。背が高く、体格もよく、ソーハンより年上に見えます。茶色
の短髪で、タアル人の銀色のユニフォームを着ていました。ヴァ
ル・ソー司令官と同じように人を引き付けるようなカリスマ性を感
じました。
「彼は誰なの?」
と、私はテレパシーで尋ねました。ソーハンは、笑顔でこの人物
と目を合わせると、私に紹介してくれました。もちろん、ソーハン
の周囲の音はすべて聞こえているし、この男性が私に語りかける声
も聞こえています。
「ジョマー司令官がいるんだ。ここに訪問しに来てくれたから、彼
を案内しているところさ」
と、ソーハンは、T-Marから近づいて来て言いました。その男性
は、胸に手を当てると、少し体を曲げてソーハンのほうを向いて、
私に話しかけてきました。
「使者のダナーンさんにご挨拶させていただき光栄です」
こんな風に呼ばれたのは初めてで、驚いてしまいました。気まず
さを感じたのです。この男性は私に話しかけているのに、ソーハン
のほうを向いています。きっと、彼はソーハンとテレパシーでつな
がっているのでしょう。今さらながら、慣れないものです。もちろ
ん、ソーハンは私の感情を察知して、こう言いました。
(君は使者として知られているんだ、君の地球人名でね)
(そうなのね、お会いできて光栄です、と伝えてもらえる?)
と、私は答えました。
(私を通して君の声を聞いているよ。私たちはつながっているか
ら)
(ああ、そうなのね)
この男性が、ヴァル・ソーと似ていることに気づき、とても驚き
ました。同じ階級、同じ人種、同じ年齢、同じカリスマ性を持って
いるのです。どうやら、この人たちは階級が上がるにつれてエネル
ギーがパワーアップし、輝きを増していくようです。
「あなたとお話しできて光栄に思います、ジョマー司令官。T-Marか
ら来られたのですか?」
と、私は言いました。
「はい、そうです。私はT-Mar軍の艦隊を率いています。この星系の
解放とダークアライアンスの解体という、めったにないイベントに
参加するためにここに来ました。私は、後方支援部隊を連れてきた
のです」
と、彼は、はっきりとした声で答えました。
「それはすばらしいですね、司令官」
「銀河の偉大な意識の中で、この瞬間を見逃すなんてできません
よ。銀河のいろいろな場所から、すごい数の仲間がやってきていま
す。皆、勝利の解放を目撃するため、誇りをもって一役買おうとし
ています。これは歴史に残る出来事なのです」

* * *

この日から、セレスの解放が始まりました。この惑星は人口が多
いため、作戦は非常に慎重に行われます。セレスでは、現地の人を
訓練したり、強化したりする通常の戦術を使う時間も機会もありま
せん。そのため、同盟軍は、ナハトヴァッフェンの軍隊を直接攻撃
し、正確で戦術的な打倒作戦を行いました。

銀河連合は、セレスに介入するまでに長い時間をかけましたが、
それは、とても狭い場所に、民間人が密集していたからです。ソー
ハンの話では、民間人は自由を味わいたがっていて、喜んで同盟に
協力しているそうです。非常に厄介で混沌としていますが、同盟は
うまく統率されているとのことでした。ナハトヴァッフェンの高官
たちは、死ぬまで戦うことを選びました。しかし、多くの職員は、
同盟の助けにより、安全に撤退しています。
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年8月30日
2021

午前3時半、ソーハンからコンタクトがあり、信じられないよう
なプレゼントをもらいました。かの有名な銀河連合のプライムディ
レクティブ(最優先指令)です。
「起きて。君に渡すように頼まれたものがあるんだ。大事なことだ
よ」
本当に驚いたことに、ソーハンは、プライムディレクティブの文
書を、私に書き起こさせてくれたのです。彼が10項目を説明するの
を聞きながら、私は感激のあまり息が止まりそうでした。心臓の鼓
しずく
動が高鳴っていました。その言葉1つ1つが、純金の雫 のように思
えました。私は知っていたのです……。これは、世の中の流れを変
えるものだと。彼は説明を終えると、「賢く使ってね」と付け加え
ました。私は、これをマイケル・サラ博士と共有し、出版してもよ
いかと尋ねました。
「もちろん。上層部からの贈り物だから」

私はきれいなフォントで文章を打ち込むと、すぐにサラ博士にメ
ールを送りました。その後、デスクで伸びをしてから、立ち上がっ
て、寝る準備をしました。部屋の気温が下がっているのに気づかず
ベッドに入ると、突然、全身が氷のように冷たくなっていくのを感
じました。何かがおかしいのです。誰かが、何かが、この部屋にいる
のです……。サイキックアタックと判断した私は、プロテクショ
ン・シールドを強化し、インプラントを作動させました。その後
は、あっという間でした。私のそばで、燃えるようなエネルギーの
爆発が突然起こったかと思うと、その生き物は恐ろしい悲鳴と共に
消え去ったのです。さまざまな音が聞こえましたが、私はこの音を特
定することができました。それは、マイトラでした。頭の中で、ソ
ーハンの声がはっきりと力強く響いてきました。

「私は君を守っているよ」

この出来事によって、マイトラが、プライムディレクティブに動
揺し、どういうわけかこれを地球の一般市民に知られたくないと思
っていることが明らかになりました。もちろん、宇宙軍や地球同盟
の上層部の役人であればこの理由を知っているでしょう……。プラ
イムディレクティブの言葉には、ある種のパワーが込められている
のでしょうか? その理由は、すぐにわかりました。
翌日の晩、星形の宇宙船に乗ったレプティリアンが、私の寝室に
忍び込み、襲撃をかけてきました。このときも、彼は瞬時に掃討さ
れました。その後も、毎晩このようなことが繰り返し起きました。
マイケル・サラ博士が9月6日にYouTube動画をアップし、プライム
ディレクティブを公にするまで、このようなことが続いたのです。

9月2日、ソーハンが私のために時間を割いてくれ、プライムデ
ィレクティブの全項目に目を通しながら、詳しい内容の解説をして
くれました。驚くべきことでした。セクションⅨに来たとき……私
はなぜ、敵がこの文書を地球人に知られたくないのか理解できまし
た。実際、このセクションⅨは、まさに、グレアダ条約と人類の奴
隷化を思い起こさせるものです。そこには、同意と自由意志につい
て書かれており、さらに、奴隷と暴政から自由になるための合法的
な方法について書かれていました。

銀河連合のプライムディレクティブは、2021年8月30日、ソーハ
ンを介して最高司令官アルダーナから、私への贈り物として渡され
たものです。宇宙プログラムの高官たちが、この文書をよく知ってい
るのは明らかでした。文書を一般公開するため、まずは、マイケ
ル・サラ博士と共有しました。今こそ、一般市民がこの文書を知る
べきときです。なぜならこの文書は、私たちを保護し、自由にする
法について書かれたものだからです。興味深いことに、原本は球体の
形をしたホログラムの文書でした。テキストだけでなく、ビジュア
ルやコンセプトも添えられているのです。各単語は、英語に翻訳さ
れた形を取っていますが、この銀河のどの地域からでも、誰でも自
分の言語で直接アクセスすることができます。地球外言語の中に
は、言葉や文章で表現できないものがあると知っておいてくださ
い。周波数や視覚テレパシー、感情によってでしか表現されないも
のがあるのです。また、化学的な相互作用によってコミュニケーシ
ョンをとるものもあります。以下は、プライムディレクティブの全
文と、ソーハンの解説です。

Ⅰ:プライムディレクティブは、道徳的、倫理的な手引きであり、
法的なテンプレートとして機能するものである。

Ⅱ:プライムディレクティブは、まだ星間旅行の能力を獲得してい
ない世界や、進化した外部の星間文化との交流を組織的かつ継続的
に行っていないあらゆる世界の文化に適用される。

Ⅲ:本条は、どの惑星系であっても、その内部で起きている私的管
轄の問題に、銀河連合のメンバーが介入することを一切承認しな
い。また、銀河連合の条文に基づき、銀河連合のメンバーに、その
ような問題解決に関与することを求めない。

Ⅳ:知覚を持つ種族の権利として、偉大なる宇宙の法則である自由
意志があり、それは、自然な生物学的かつ文化的進化と同じよう
に、神聖なものとみなされる。銀河連合のいかなるメンバーも、先
住民の生活、社会および文化において、自然で自発的な、健全な発
展に干渉してはならない。干渉とは、精神的、道徳的、技術的進化
の現在のレベルから判断して、その種族や社会が、まだうまく扱う
ことができない高度な知識や力、テクノロジーを提示することを含
む。

Ⅴ:銀河連合は、進化途上の種族に対して、彼らがまだ発見してい
ないテクノロジーや、現在、開発し使用することができるテクノロ
ジーを開示してはならない。

Ⅵ:進化途上の種族に対して、彼らの理解を超えるテクノロジーの
共有や播種は禁止される。または、必要最低限にとどめるものとす
る。

Ⅶ:進化途上の惑星にすでに存在する科学技術を改良した装置、器
具、機械、道具、武器、発明品を使用して、その惑星の先住民と交
流すること、コミュニケーションをとることを禁ずる。

Ⅷ:精神的、道徳的知識を教えることも、必要最低限に制限すべき
である。その手段は、進化途上の種族が現段階で理解できるコミュ
ニケーション手段やデバイスのみとする。
Ⅸ:外部からの脅威がない限り、進化途上の種族への接触、干渉は
許されない。外部からの脅威があった場合、銀河連合のメンバー
は、状況を評価し、適切な行動方針を決定する道徳的義務がある。

Ⅹ:銀河連合のメンバーは、このプライムディレクティブに違反し
てはならない。ただし、以前の違反や偶発的な文化の汚染を正すた
めに行動する場合はこの限りではない。この指令は、ほかのいかな
る事柄にも優先するものであり、最高の道徳的義務を伴うものであ
る。

Ⅰ:プライムディレクティブは、道徳的、倫理的な手引きであり、
法的なテンプレートとして機能するものである。

この項は、どのような形態であれ、銀河連合と発達初期の文化圏
との接触に関連する事柄に言及しています。プライムディレクティ
ブは、銀河連合の行動に関する道徳的指針として、また第三者の文
明との間に紛争が生じた場合の法的手段として用いられます。
Ⅱ:プライムディレクティブは、まだ星間旅行の能力を獲得してい
ない世界や、進化した外部の星間文化との交流を組織的かつ継続的
に行っていないあらゆる世界の文化に適用される。

これにはまず、その文化のグレードを、分類尺度を用いて調べる
必要があります。具体的には次のように分類されます。

・ステージ1【発展途上】
構造化された社会で組織化されていない生命体。
・ステージ2【発達初期】
構造化された社会で組織化された生命体であり、発達したスピリ
チュアルな概念を持っている。
・ステージ3【インターステラー(星間)】
星間移動能力を獲得した文化で、独自のプロセスでほかの銀河系
文明とコンタクトしている。
・ステージ4【高度】
第6密度レベル以上に達した文化。

Ⅲ:本条は、どの惑星系であっても、その内部で起きている私的管
轄の問題に、銀河連合のメンバーが介入することを一切承認しな
い。また、銀河連合の条文に基づき、銀河連合のメンバーに、その
ような問題解決に関与することを求めない。

これは、銀河連合の最高評議会から効力を認められていないにも
かかわらず、プライムディレクティブの何らかの項目を用いて、ステ
ージ2の文化圏の私的な事柄に破壊的な干渉を行うことを禁止する
ものです。

Ⅳ:知覚を持つ種族の権利として、偉大なる宇宙の法則である自由
意志があり、それは、自然な生物学的かつ文化的進化と同じよう
に、神聖なものとみなされる。銀河連合のいかなるメンバーも、先
住民の生活、社会および文化において、自然で自発的な、健全な発
展に干渉してはならない。干渉とは、精神的、道徳的、技術的進化
の現在のレベルから判断して、その種族や社会が、まだうまく扱う
ことができない高度な知識や力、テクノロジーを提示することを含
む。

これは、ステージ2の文化圏の自然な意識の発達に影響を及ぼす
ことは、違法ということです。

Ⅴ:銀河連合は、進化途上の種族に対して、彼らがまだ発見してい
ないテクノロジーや、現在、開発し使用することができるテクノロ
ジーを開示してはならない。
これは、先進的な技術を、ステージ2の文化圏に視覚的に見せる
のは違法ということです。

Ⅵ:進化途上の種族に対して、彼らの理解を超えるテクノロジーの
共有や播種は禁止される。または、必要最低限にとどめるものとす
る。

この条項は、ステージ2の種族の生存に不可欠と厳密に判断した
場合のみ、彼らの理解を超えるテクノロジーの提示を許可するもの
です。ただし、このプロセスは、銀河連合の最高評議会によって合
意されたプログラム内に限られます。この際には、ステージ2の文
化圏の一部の代表者と共に、非常に慎重に完遂させなければなりま
せん。

Ⅶ:進化途上の惑星にすでに存在する科学技術を改良した装置、器
具、機械、道具、武器、発明を使用して、その惑星の先住民と交流
すること、コミュニケーションをとることを禁ずる。

これは、ステージ2の文化圏のメンバーと、無許可で個別コミュ
ニケーションをとることを禁止するものです。

Ⅷ:精神的、道徳的知識を教えることも、必要最低限に制限すべき
である。その手段は、進化途上の種族が現段階で理解できるコミュ
ニケーション手段やデバイスのみとする。
これは、言葉通りです。その種族が、絶滅の危機に瀕している場合
を除き、直接、彼らに、しなければならないことを指示してはいけ
ないし、宇宙の本質を明かしてもいけないということです。絶滅の
危機に瀕している場合は、銀河連合の最高評議会の決定に従い、公
式プログラムの一環として、その種族の意識の発達を早める働きか
けが許可されます。

Ⅸ:外部からの脅威がない限り、進化途上の種族への接触、干渉は
許されない。外部からの脅威があった場合、銀河連合のメンバー
は、状況を評価し、適切な行動方針を決定する道徳的義務がある。

これは実際にテラで起こったことです。この項は、第三者との紛
争において、第Ⅰ項を法的手段として使用することを意味します。銀
河連合に加盟していないステージ2の世界は、ステージ3の星間文
明から何らかの干渉を受けた場合、銀河連合に援助を要請する法的
権利を持っています。この法的手続きにおいて、銀河連合は、脅かさ
れたステージ2の公式代表者と接触することにより、自分たちの存
在を明らかにし、援助を提供する義務があるということです。も
し、ステージ2の文化圏が、公式に、銀河連合から援助を受けるこ
とに同意すれば、銀河連合は、干渉しているステージ3の文化圏を
追放し、罰する権利を与えられます。

Ⅹ:銀河連合のメンバーは、このプライムディレクティブに違反し
てはならない。ただし、以前の違反や偶発的な文化の汚染を正すた
めに行動する場合はこの限りではない。この指令は、ほかのいかな
る事柄にも優先するものであり、最高の道徳的義務を伴うものであ
る。

これは、銀河連合に属する文化圏のメンバーが、3回、プライム
ディレクティブに違反した場合、銀河連合のコミュニティから追放
されるという警告です。

* * *

そして……さらに皆さんにお伝えしたいことがあります!
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地球上で「ノルディック」と呼ばれているさまざまな異星人と
は、いったい何者で、どんな意図を持っているのでしょうか? 彼
らは、背が高く、金髪、白い肌、青い目を持っていて、スカンジナ
ビア人に似ているため、このように呼ばれています。彼らに関する
情報は交錯しています。彼らと接触したことがある人たちの話は、
悪いものから良いものまで幅広くあります。なぜでしょう。それは多
くの人種がいて、それぞれの集団に多様な意図があるからです。金髪
のヒューマノイド宇宙人の中には、悪意を持っていて、人類のため
にならない活動をしているものもいれば、善意ある保護活動をして
いるものもいます。一見、区別がつきにくく、誰が善良で、誰がトラ
ブルに巻き込む存在かを判断するのは難しいかもしれません。それ
でも、最初に伝えておきますが、世界的に見ると、私たちが識別で
きる顕著なグループがいくつか存在します。

① ケプラー62のライラ人グループ(ライラ族)
② わし座のアルタイル人グループ
③ アルファA、アルファB、プロキシマ・ケンタウリのケンタウルス

④ ウォルフ424のウミット人
⑤ エリダヌス座のカヒル人
⑥ おおいぬ座のシリウス人
⑦ こと座のベガ人
⑧ プレアデス人
⑨ くじら座のタウ・セチ人

この銀河系のヒューマノイド生命体は、謎の超次元的な存在によ
って、こと座星系に最初にタネ植えされました。そして彼らは、銀
河間の超文明の一端を担うことになったのです。彼らは「ファウン
ダー」とも呼ばれ、「ナイン」という謎に包まれた存在によって監
督されています。この「ナイン」は、ある文化圏では「光の長老」
とも呼ばれ、時間を超越した純粋な意識の存在であるようです。こ
のタネ植えプログラムには、銀河間文化の多様な種族が関わってい
ます。その中に、P-タアルと名乗る著名なグループがいました。タア
ル人は、私たちの遺伝子にもっとも近い存在です。P-タアルは、この
タアル人によって完璧なまでに創造された生命体の1つで、タアル
人自らが、その名前を付けたのです。

興味深いことに、この創造主の監督のもと、私たち銀河系全体の
すべての生命体遺伝子情報が、データベースとして、別次元の安全
な場所に密かに保存されています。銀河連合は、何らかの理由で絶
滅した種族を再びタネ植えする必要が生じたときに、それにアクセ
スすることができるのです。もちろん、地球に何か不幸なことが起
こったときのために、地球上のすべての種族にアクセスできる特定
のセクションもあります。ある意味、箱舟のようなものです。

この銀河系の多くの惑星系で、遺伝子実験の一環として、ヒュー
マノイド生命体がタネ植えされました。最初に選ばれた場所は、こ
と座地帯にあるマン星系でした。現在「ケプラー62」としてよく知
られている場所です。後に、シカール帝国の猛烈な攻撃に遭い、その
場所から、たくさんのコロニーが、銀河系に散らばることになりま
した。これら人類のコロニーとタネ植えの全体像は、1つの側面か
らだけでは語り尽くせません。ここでは、地球に関わる文化にのみ
焦点を当てることにします。

彼らを見分けるポイントについて
種族については、『110の宇宙種族と未知なる銀河コミュニティへ
の招待』に詳しく書いていますので、ここでは概要にとどめておき
ます。
これらのヒューマノイドはすべて外見が似ています。ただし、ア
ルタイル人は細めの体型です。どちらも私たちに似ていて、肌は青白
く、髪はブロンドか白です。彼らを見分けるには、それぞれが持っ
ている意図について知る必要があります。

◆アルタイル人(アクホリ族、ヒューマノイド同盟、アルタイル企
業)
地球上のカバールとダークフリートに関与しています。

アクホリ族とアルタイル・ヒューマノイド同盟
彼らはアルタイル恒星系のアクホリ族を中心に、異なるタイプの
アルタイル・ヒューマノイドで再編成されました。また、キイリ
イ・トクールト族や、カバールやダークフリート、ネブと協力し
て、拉致や交配計画に深く関与しています。アクホリ族は、テロシ人
やプレアデス人とよく間違われますが、まったく関係がありませ
ん。アクホリ族は、征服と権力への冒険心が強いという点で、テラ
ンと極めてよく似ています。彼らは信頼できる存在とは見なされて
おらず、常に警戒すべき存在です。
◆ケンタウルス人(シロ、メトン、ハダール、テロジアン)
銀河連合の一員です。

セロシ人
彼らの起源は、アルファBケンタウリ4と呼ばれる惑星セロです。
セロシ人は、背が高く、白い肌と白い髪のヒューマノイドです。目
は、青色、緑色、または灰色をしています。銀河連合の一員であり、
人類の進化を支援しています。セロシ人は、宇宙の生命力を結晶に
して採取する科学をマスターしています。また、テロシ人の地球コ
ロニーの母となる種族です。テランと同じ外見で、彼らの社会と文化
は平等と正義の精神に基づいています。科学技術の賢明かつ責任あ
る利用と平和を推進し、銀河系外交においては中立的な立場を保っ
ています。地球周辺にある銀河連合の前哨基地からアルファ・ケン
タウリ4までは12時間かかりますが、週に2回、その前哨基地とケ
ンタウロス星系を結ぶシャトルが運航されています。彼らの宇宙船
は通常、銀色で円盤状をしています。

テロシ人
彼らの起源は、アルファ・ケンタウリ4と呼ばれる惑星セロで
す。背の高い白人で、青白く光る肌と白い髪、高度に発達したテレパ
シー能力を持っています。目は、澄んだ灰色や淡い青色です。彼らは
クリスタルと宇宙の生命エネルギーを使ったサイコトロニクス技術
を使用しています。テロシ人は、最後の氷河期の前にテラに定住し
た古代のセロシのコロニーです。彼らの文明は、大西洋とその沿岸
に広がっていました。そのため、土地が破壊された後は、アメリカ
大陸、西アフリカ、西ヨーロッパに移住しました。地下に移住した
ため、銀河連合とのつながりを絶ち、アガルタ・ネットワークの西
側支部になりました。テロシ人は、地球人と交配したので、地球人
の中には、彼らの遺伝子マーカーが定期的に見られます。銀河連合
に所属する従兄弟のセロシ人と同様、テロシ人には博愛の性質があ
ります。彼らは、人類が古代の歴史を思い出すのをサポートし、ア
センションを助け、健康や長寿を増進させようとする傾向がありま
す。
ダール人
ケンタウルス座ベータ星は、ケンタウルス座アルファ星と同様
に、三重星系で、17の惑星に多様な生命体が散在しています。彼ら
は、こと座から来たヒューマノイド・ノオル人のコロニーを築き、
繁栄しましたが、銀河の問題と関わらないことを選びました。銀河
連合にも加盟せず、ほかの7つの世界すべての種族と調和し、独立
した存在として生きていくことを選択しました。

メトン人
プロキシマ・ケンタウリの軌道上に、メトンという名前の惑星が
あり、彼らの文明は、この恒星系の7つの惑星に広がっています。メ
トン人は、ライラ族グループのノオル人に属しています。背が高
く、金髪で色白、額はやや大きめです。寿命は、地球でいう約2,000
年です。メトン人は、科学的好奇心で行動します。多くのメトン人
が、テラの軌道上にある銀河連合の科学ステーションに在籍してい
ます。

「ノルディック」タイプの宇宙人です。ほとんどの人が金髪で、背が
高いです。ほかのノルディックタイプの宇宙人と比べて、額が高く突
き出ているのが特徴です。銀河連合に所属し、白い制服を着ていま
す。目は小さく、地球人ヒューマノイドと同じような顔立ちをして
います。彼らの寿命は、地球で言うと、約200年です。銀河連合では
テランとの協力計画に積極的に参加しています。

この恒星系出身のヒューマノイドは、褐色の肌と黒い髪をしてい
ます。しかし、この特徴はアヘルやノーアのコロニーにも見られま
す。いずれも銀河連合のメンバーです。
アラマン人
惑星アラマンから来た人種です。彼らの名前は、ライラ族に起源
があることを物語っています。古代のライラ族の共通語である「ア
ラマン」は「追放された人々」を意味します。くじら座タウ星か
ら、エリダヌス座イプシロン星にもコロニーを派遣しています。ア
ラマン人は、身長が1.7メートルくらいで、日焼けした肌、少しとが
った耳、黒髪で、筋肉質でたくましいという特徴があります。遺伝子
まつえい
的には、ライラ・タアル人の末裔 です。彼らは、正義に基づいた公
正な文明を発展させました。テラへ関心を持つ理由は、科学的好奇
心と、連携している銀河連合への義務によるものでしかありませ
ん。プレアデス人や、レプティリアン共同体の犠牲となった社会と
同盟を組み、宿敵であるレプティリアン種族に対して、共通の防衛
手段を確立するために協力しています。
アヘル人&ノーア人
背の高い金髪、または赤毛のヒューマノイドで、2つのライラ族
コロニーを形成しています。銀河連合のメンバーです。地球での科学
協力プログラムに参加しています。

エリダヌス座イプシロン星系を起源としています。「ノルディッ
ク」タイプは銀河連合のメンバーで、外見はテランに似ています。カ
ヒル人は、アヘル・ライラ族コロニーを形成し、最初の惑星アマク
ハに定住しました。銀河連合の一員として活躍する平和な文明で
す。白い肌をしています。アヘル人の原型は金髪ですが、彼らは、さ
まざまな色の長い髪をしています。カヒル人は、アヘル・ライラ族
文化の繊細さ、教育システム、鋳造物、精神性、科学的知識、特に
遺伝学的知識を自分たちの文化に持ち込みました。彼らは、テラン
に非常によく似ているため、テラン社会に入り込み、銀河連合の活
動の土台を築く役割を果たしました。

シリウスは、三重星系にまたがっており、非常に多様な人種がい
ます。まずは、シリウスB出身のT-アシュケルについて知る必要があ
ります。彼らは、青白い肌と白い髪、三角形の顔と大きくつり上が
った目をしていて、背は低めです。彼らは銀河連合のメンバーです。
T-アシュケルは、タアル人と現地のグレイ種族のハイブリッドで、環
境条件に適応しやすい性質があります。科学とテクノロジーを重視
する文化で、アシュタール銀河司令部隊の高い地位にいる者もいま
す。シリウスBの4つの世界では、T-アシュケルのヒューマノイド
が、レプティリアン種族やハイブリッドと共存しています。彼らは、
特にテクノロジーの共有など、複雑な外交的取り決めを行っていま
す。T-アシュケルのテクノロジーは、建築作業に関して、銀河系の多
くの種族にインスピレーションを与えています。例えば、ライラ族
の古い伝統である、自然との均衡を保った都市を建設するテクノロ
ジーや、地区ごとに生息地を再編成するやり方、そして何よりも、
建築素材がそうです。この素材を最初に発明したのは彼らなのです。
この素材は、さまざまな放射線に対して非常に耐性があり(あらゆ
る世界で使用可能)、片面が半透明で、もう片面が不透明になって
います。
アシュケルは、ほかのライラ族と同様にベジタリアンです。T-ア
T-
シュケルとひと言でいっても、テラへの関わり方はそれぞれ異なっ
ていて、全部で3種類あります。極悪なアシュタール共同体の一員で
ある者もいれば、善良なアシュタール銀河司令部隊の一員である
者、銀河連合の一員である者もいるのです。
アルデバラン星系には、有名なアヌンナキ種族のコロニーがあ
り、彼らは、南極のダークフリートに関与しています。また、そのほ
かに、ジャダイアヘルという穏やかな文化が存在します。ジャダイア
ヘルは、こと座星系のアヘルコロニーを形成しています。背が高
く、白い肌と白い髪をしているのが特徴です。ジャダイアヘルは、
銀河連合の運営に目立たないように関与しています。
ケプラー62ライラ族のコロニーを形成しています。次に紹介する
2つの星系をテラフォーミングしたことは興味深いです。

◆タイゲタ(銀河連合)
エラヒル
エラ星出身のアヘル種族。特徴は、背が高く、金髪、色白、筋肉
質で、ほかの「ノルディック」タイプと異なる点は、高い頰骨と大
きなつり上がった目です。髪は、金髪から薄茶色まで、目の色は、青
色から緑色まであらゆる色調を持っています。制服はクリアブルー
で、首と手首に黒いバンドをつけ、金色のベルト、黒いブーツを着
用しています。非常にスピリチュアルな種族で、心の平和の獲得とス
ピリチュアルなアセンションに役立つ芸術を錬磨しています。例え
ば、エーテル音楽、ダンス、ビジュアルアート、求愛などです。彼ら
は銀河連合の中で、多くの重要な地位を占めています。
主なコロニー:ほとんどのアヘル人のコロニーは、銀河連合に属し
ていて、エラヒルが大きな存在感を持って指導しています。彼らは、
この銀河系に非常に広く種族を広げていますが、ここでは優勢なコ
ロニーのみを挙げることにします。
エラ(プレアデス・タイゲタ)/プロキオン/アルデバラン(アヌ
ンナキ種族コロニーのそば)/ヒアデス/くじら座タウ星(ノル
カ)/テラ/金星/ザイゴン(アンドロメダ系)/ベガ、ほか多
数。

タアル人
惑星はT-Mar(テマール)。白人タイプで、黒髪であることが多い
です。銀色の制服を着ています。アヘル人の姉妹種族であるタアル人
は多様な、肌、目、髪の色をしています。彼らは、平和主義でスピ
リチュアルな人々です。厳格な倫理規範を持ち、それらを個人的に
尊重しているため、冷淡で感情に乏しい人々と誤解されることがよ
くあります。
主なコロニー:T-Mar(タイゲタ)/タアリハラ(アルキオネ)/ベ
ガ/テラ/金星/エルフラック・ダール(こと座)/ウォルフ424/
カテイ(シリウスA)/アシュケル(シリウスB)/アラマン(くじ
ら座タウ星)/ミルザ(おおいぬ座B星)。

ノオル人
アヘル人と同じような特徴を持っています。非常に背が高く、筋
肉質な体つきをしています。目は、青色、緑色、または澄んだ灰色
をしています。髪は、金髪から赤みがかった色で、色白でとても敏感
な肌です。銀河連合に積極的に参加しています。
主なコロニー:プレアデス星団のアルコラート(タイゲタ)/テラ
/エルハジエル(こと座)/エルダル(プロキオン)/ダール(ケ
ンタウルス座ベータ星)/メトン(プロキシマ・ケンタウリ)。
◆アルキオネ(タアル・シアール/レプティリアン共同体/カバー
ル/ダークフリート)
(タイゲタ星系)から離脱したタアル人の集団です。エラヒ
T-Mar
ルと仲たがいしてジャイハ(アルキオネ)星系に移住しました。
人々を欺き、巧みに操ります。彼らは自ら「タアル・シアール」と改
名しており、惑星「タアリハラ」にいます。彼らは自分たちの小さな
帝国を築こうと、兄弟であるタイゲタに対抗し、銀河連合に加盟せ
ず、極悪なアシュタールやアルタイル共同体、オリオン・ネブと同
盟を結んでいます。カバールやテラのダークフリートの悪行にも加
担しており、人類にとっては痛ましい恥辱的存在です。また、アルキ
オネ星系の世界を保護する代わりに、レプティリアン種族が存在感
を示し、幅をきかせられるようにしています。

この惑星系には、さまざまな人種が共存しています。12の惑星が
あり、すべてが集団で暮らしています。

アダリ
こと座マン星系から来たタアル人の難民コロニー。オルメカン星
系の第1惑星であるアダラに移住しました。
肌は、星の放射線により青みがかった褐色に進化しましたが、タ
アル人のような澄んだ瞳をしています。彼らは、長いローブ、ハイネ
ック、大きな袖といったファッションを取り入れていますが、これ
は、オルメカン(ベガ)星系とその住人に特徴的なものです。アダ
リは、テラでは一時的に、インド方面にコロニーを築いていました
が、すぐにシカール帝国に追われ、激しい争いになりました。彼ら
は今でもヴェーダ聖典に、空から来た青い神族として記録されてい
ます。アダリは現在、テラを守るために銀河連合のプログラムに参
加しています。

エレバー
第3惑星であるレバク・ノールにあるアヘルコロニー。

プクシティ
第4惑星オズマに住む、赤い髪をしたライラ族ノオル人のコロニ
ー。彼らはテラを訪れ、交配し、伝説の赤毛の巨人として記録され
ています。アメリカ南部と中央部の先住民の文化の発展に影響を与
え、多くの痕跡を残しました。なかでも、彼らの星の名前「オルメ
カ」は有名です。「オルメカ」は、「オルメカ」星の民として記録
されています。一時期、2,000人以上のこの種族が、テラの人類と共
存していました。しかし、縄張り争いが激化したので、テランを導
くために25人の仲間を残し、ほかは去っていきました。

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この呼び名は混乱を招く可能性があります。というのも、実は、
「トールホワイト」と名付けられた異なる種が複数存在し、彼らを
同じ特徴で説明できるからです。彼らは皆、普通の人間より背が高
く、肌の色素が薄く、白またはブロンドの髪、あるいはまったく髪
がありません。では、どの種族が該当するのでしょうか?

キイリイ・トクールト
ほ座に生息するグレイの一種で、変身能力に長けています。唯一、
変化させられないのが、その黒い瞳ですが、人間とハイブリッドし
た亜種であれば、この身体的特徴が目立ちません。背は高く、非常
に瘦せており、皮膚は青ざめた色調(白っぽい青みがかった灰色)
です。細長く、少しひしゃげた顔をしています。ハイブリッド種は黒
髪ですが、長く白い髪のこともあります。男性の頭蓋骨のほうが大き
いという特徴があります。
彼らは友好的ではありません。エリア51とダークフリートに所属
しています。利己的な目的でネブに属していますが、キイリイ・トク
ールトには独立した宇宙貿易の文化があります。黒い三角形の大き
な宇宙船を所有し、非常に大規模なアブダクションを行っていま
す。

エマザー
くじら座タウ星から来た背の高い青白い存在で、グレイの遺伝子
を持っていますが、人間の姿をしており、非常に美しくエレガント
です。彼らは古代の賢者です。エマザーには、穏やかな静けさがあり
ます。彼らが同じ部屋にいると、あなたはそれ以上、何も話す必要は
ないと感じ、ただ呼吸を楽にし、穏やかに微笑むようになります。
エマザーの前では、安心できるのです。彼らは5種族評議会を創設
した種族の1つです。彼らには2つの社会的集団があり、私たちにと
って興味深いのは、ロイヤルエマザーと呼ばれる崇高ですらりとし
た存在です。

アヌンナキ
彼らはこの銀河のいたるところにコロニーを築いていて、どんな
組織の権威も認めません。それも彼らの個性です。アヌンナキは、
この次元で誕生していないのです。彼らは、背の高いスレンダーな
体格と淡い灰色がかった肌から、「トールホワイト」と呼ばれるこ
ともあります。目は黒く、通常、髪は生えていません。キイリイ・
トクールトと同じく、アヌンナキは人間のように見えるグレイ種族
です。

アルタイルのアクホリ
アルタイルのアクホリ族は、ほかのヒューマノイド種族と容易に
区別がつきます。青白い肌、シルキーホワイトのストレートヘア、青
や灰色の澄んだ瞳をしており、骨格が細いことも特徴です。シュッと
した顔立ちで、あごのラインは角ばっています。キイリイ・トクール
ト族に似ていますが、アクホリには黒目がなく、体もキイリイ・ト
クールトより小さい(アクホリは平均的な人間の大きさ)という相
違点があります。

セロシとテロシ
テロジアンはケンタウルス座アルファ星から来たシロシのコロニ
ーの子孫で、大昔に惑星間戦争による地球規模の大変動が起きて、
テラの生物の大半が一掃されたときにテラを去りました。このコロ
ニーは地下に潜り、後にアガルタ王国と呼ばれる都市網を築きまし
た。彼らは自らを「テロシ」と名付けましたが、やがてギリシャ語
の「テロス」に似た「テロジアン」と呼ばれるようになりました。
「テロス」とは「終わり」という意味です。テロジアンは、最近ま
で地球内部のほかのコミュニティと比較的平和に暮らしていました
が、レプティリアンとの過酷な戦いの末に降伏しました。彼らの都
市は占領され、シャスタ山の下にある首都テロスは、侵略者シカー
ルの本部となりました。テロジアンは数千年の間、ナーガ・レプテ
ィリアンと地下の領土を共有しながらうまく付き合ってきました
が、宇宙から戻ってきたシカールが、居住するレプティリアンを打
倒したため、テロジアンの運命は絶望的なものとなってしまいまし
た。
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ここでは銀河連合が使用している2種類の偵察船の内部を描いた
図面を紹介します。これらは実際の設計図ではなく、私が乗客とし
て体験した記憶と、ソーハンがテレパシーで見せてくれた図面の両
方をなんとか再構成してみたものです。これを見ると、宇宙船がどの
ように機能しているのか、おおよその見当がつくと思います。設計図
ではなく、あくまでも説明用の図面であるということをご理解くだ
さい。ここではコアパワー、推進テクノロジー、ナビゲーションと
いう主な3つのシステムについて解説します。ここに、宇宙のある地
点から別の地点に移動するためのさまざまなルートのオプションを
付け加えることができます。

◆コアパワー
「燃料」は、技術に応じて、次のいずれかを使用します。
プラズマまたはクリスタルとしてとどめられている「フリル」
ボ イ ド
フリルは宇宙を束ねる決して尽きることのない力であり、超空洞
や全宇宙に存在します。テクノロジーや意識によって採取され、特
定のクリスタルや鉱物に貯蔵されます。地球で発見されるものもあ
れば、単原子ゴールドやトリチウムなど、私たちの星系で採掘され
るものもあります。

エーテルエナジーコア
この技術は、オホラ、エルマヌク、ゼナエなどの種族が使う特定
の高密度宇宙船に有効です。しかし、すべての高密度の宇宙船がこ
のタイプのパワーエンジンを使用しているわけではありません。エ
ーテルエナジーコアは、宇宙船の推進システムに接続された個人の
オーラフィールドを使用します。この場合、宇宙船は意識によって
航行するのです。

反物質
単原子ゴールドは、このプロセスで必要とされることが多いので
すが、ほかの希少元素も同様に使用することができます。とても強力
な推進力のコアとなりますが、不安定になる傾向があります。そのた
め、非常に強力な電磁場に封じ込める必要があります。

◆推進力
パワーコアエネルギーを運動や速度に変換する技術が「エンジン」
となります。

反重力トーションフィールドまたは電気重力の推進力
極度に加熱されたプラズマや液化した金属を、2つのトロイダル
磁場で直交する方向に超高速で回転させます。これにより、強力な電
磁場が形成されます。宇宙船の縁は多くのセグメントに分かれてお
り、電磁インパルスを受け取って方向を調整し、変更します。また、
宇宙船の周囲に電離したシールドを作る効果もあり、湿度の高い惑
星の大気条件下では宇宙船の周囲に結露が生じることがあります。
電気分極し、振動・回転するプラズマは、非常に高い電荷を帯びて
いるため、発光することもあります。このような強い電場の中で、発
光するプラズマのコロナ放電は、オゾンを発生させます。この臭い
は、宇宙船に比較的近い場所にいるときに(もちろん安全な距離
で)感じられます。これらのエネルギープラズマ場は高い周波数で、
磁力を変調させると電荷が変動し、宇宙船の周りの静電場に流入し
ます。船内は安定した圧力と重力に保たれており、物理的に船が動い
ていることすら感じさせません。

ダークエネルギー
ダークエネルギーは、空間の崩壊や変形を可能にし、空間と時間
を曲げることで時間の次元を分離します。これはポータルやスター
ゲートでも見られる物質です。まず飛行パターンが必要で、基本的に
は数学的アルゴリズムと異次元幾何学に基づいています。私は、コ
ントロールパネルにアルゴリズムを入力することによって生成され
る、ホログラフィーの非常に複雑な幾何学的「地図」を見たことが
あります。このタイプの地図は、物理的な空間と時間的なファクタ
ーが混在した多次元的なホログラムで描かれています。船内には、
これを実行するための作業台があります。

ハイパードライブまたはワープ
宇宙船の前方にエネルギービームを投影することで作られ、この
とき宇宙船は、進むというよりも、引き込まれるように動きます。回
転する二重のプラズマ螺旋は、宇宙船の重力フィールドに歪みを形
成し、非常に短い周波数で前方に投影されます。このとき、前方に
「吸い込まれる」ような効果が生まれるのです。これは重力波によ
る変位を作り出し、前方の任意の距離に投影する仕組みで、もちろ
ん速度の調整も可能です。

◆ナビゲーション :ルートに沿って、宇宙船を操縦するためには一
般的に2つの方法があります。

思考
パイロットの心は、意識、または頭に埋め込まれたインプラント
のどちらかによってナビゲーションシステムに接続されています。
通常は、ガンマ帯域の脳波を利用して動作します。パイロットの意
識がしっかりと集中できていない場合、またはインプラントがない
場合、第三の方法として、手のひらを司令席の側面にある八角形の
パッチに当てて、DNA接続を行うという方法があります。ただし、
この場合は、機体を作った人と同じ種族のパイロットでなければ、
このような結合を行うことはできません。最初に目的地を設定し、
システムに入力することもできますが、熟練したパイロットであれ
ば、進行しながら自由に方向を決めることができます。思考による
操縦は、長距離移動、瞬間的な移動、次元間の移動の際に使われま
す。
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手動運転
短距離の移動や惑星飛行、直線移動、クォンタムリープ、ポータ
ル、超空間の移動の際に用いられます。銀河連合のアヘル族の偵察
船の場合、すべてのコマンドはパイロット席にあり、フロントボー
ドはモニターとスクリーンにのみ使用されます。パイロットは操縦
席の肘掛けに内蔵されたコマンドを押したり、目の前に現れるホロ
グラムのスクリーンを指で動かしたりしています。私も試してみま
した。指から発生する静電気/電磁気で動くのです。ホログラムに
指を通すと、ホログラムが反応して、ごく軽い放電に似たピリピリ
とした感覚を覚えます。すると、コマンドが起動するのです。私は
以前、宙に浮かぶ透明なパネル内の四角いものを、ホログラムの中
で動かす機会がありました。これは、宇宙船の進行方向に影響を与
えるものでした。

◆ルート:AからBへの移動手段

直線的な移動
時間や空間を曲げることがないため、惑星間の移動や短距離移動
に使われます。ワープビーム(ハイパードライブ)やトーションフ
ィールド推進システムを使用することができます。

クォンタムリープ(量子的飛躍)
テレポーテーションに近いですが、『スター・トレック』で粒子
が空間を移動するのとは異なり、量子共鳴によって行われます。
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ポータルとワームホールによる移動
ポータルは宇宙船と乗員を任意の目的地にテレポートさせる量子
ドアで、座標を選択することによって行き先を設定します。これに
は、周波数キーが必要です。ポータルの行き先は自由に変更できま
す。ワームホールは、時空を通過するショートカットであり、ポー
タルとは異なります。ワームホールの通過には、ハイパードライブ
や、タイタネスク・トロイドの圧力に耐える熟練した技術が必要で
す。ポータルは、テレポートドアであり、ワームホールは特異点の
ない筒状のブラックホールです。ポータルの移動はほぼ瞬間的で
す。ワームホールの移動は、超空間を経由していたとしても直線的
な時空を使用します。ポータルとワームホールは、どちらも空間、
時間、異次元の遠い地点への移動を可能にします。

時間による移動
このテクノロジーは、ポータルを構成する物質、すなわちダーク
エネルギー、あるいはブラック・グー(Black Goo)を使用します。
これは、波打つ液体のような物質で、あなたを別の場所、あるいは
別の時代に転送する媒体です。

次元間の移動
ポータル、ダークエネルギー、または特定の種族の場合、意識の
投影を使用することもあります。意識の投影とは、パイロットの意
識の超次元的な移動のことであり、パイロットはマインドメルトに
よって接続されている宇宙船全体を自分自身と一緒に移動させてい
るのです。これは非常に高度な技術で、オホラ族とゼナエ族が得意
とするところです。このテクノロジーを知らない人間には難しいで
しょう。

密度間の移動
次元間の移動と同様に、密度のシフトは、テクノロジーまたは意
識のいずれかを使用することができます。次元を変えるのではな
く、周波数を高くしたり低くしたりするだけなので、ポータルもダ
ークエネルギーも反物質も必要ありません。これは、周波数ベルト
で使われているのと同じ技術です。ここでいう密度とは周波数帯の
ことであり、次元とは完全な状態で存在している波長であることを
思い出してください。密度は、次元のキーボード上の特定のオクタ
ーブとして見なすことができます。ソーハンは、偉大なる宇宙のメ
カニズムを説明するとき、音楽にたとえて説明することがよくあり
ます。

超空間
時空連続体が歪み、距離や時間の概念がなくなる中間的な空間の
こと。

宇宙船の外装
宇宙船の外装に使われている素材は驚くようなもので、その分子
構造、磁荷、密度を、走行する環境や条件によって変化させること
ができます。初めて司令官の椅子に座り、ソーハンが私をセントラ
ルドライブにつないだとき、私はこの宇宙船に意識があるように感
じました。まるでペットのように、出発の準備を整え、命令を待ち
望んでいるのです。不思議に思えたし、正直言って、かなり動揺し
ました。ソーハンに「これは生きているのですか?」と聞くと、彼
は微笑み「そう、この船は生きている」と説明してくれました。こ
の宇宙船は自分の体と皮膚をコントロールする意識を持っていたの
です。
「魂があるということ?」
と、私が尋ねると、
「いや、これはアルゴリズムで作られた人工知能で、魂はないん
だ。パイロットの心が宇宙船の心とつながる、すなわち、マインド
メルトによって操縦しているんだ」
と、彼は答えました。
「外装はどうなっているの?」
「船のマインドに呼応し、周波数を自在に変化させ、必要に応じて
形状をわずかに変化させることができる合成素材だよ。トリウムや
単原子ゴールド、その他の特定の元素などの希少な素材が使われて
いる。パワーコアが起動すると、外装がイオン化して目覚めるん
だ。イオン化は、磁気のねじれ場(トーションフィールド)によっ
て生じる。放出される放射線は、近づきすぎると非常に有害で、自
分自身の原子構造を溶かしてしまうこともあるんだ。ゆっくりと動
いているときは、金属的で固い見た目だけど、触ってみると滑らか
な肌触りだ。これは形而上学的なトリックではなく、テクノロジー
なんだよ」
この会話からほどなくして、大好きなスターシップ・パイロット
を訪ねる機会があり、軍用ステーションの発着場に案内してもらい
ました。宇宙船からタラップで降りることはあっても、実際に目の
前に立つことはめったにないことです。いや、「前」というより
も、「下」というべきでしょうか。この偵察船は巨大でした。居住
エリアは全体のほんの一部で、その形状や比率は電磁力学に適合し
たものです。私たちは中央の金属製の歩道橋を降りて、並んで停ま
っている偵察船の1隻にアクセスし、舷窓の前に立ちました。心臓
がドキドキしていました。このようなことが自分の身に起こったか
らというだけでなく、この乗り物の圧倒的なまでの優雅さに驚いた
からです。とても完璧で、傷1つない状態でした。
私は下にいるソーハンを追いかけ、腕を伸ばせば宇宙船の縁に届
くところまでたどり着きました。
「おいで」
と、彼は言いました。
「何も危ないことはない。エンジンは止まっているから。そうじゃ
ないと、近づけもしないよ、ほら……」
ソーハンが手を上げて金属に触れると、その指がわずかに食い込
み、宇宙船の表面に指痕を残したように見えました。彼は私に同じ
ことをするようにと言いました。私は、右手を頭上の奇妙な外装に
くっつけました。
指の先が貫通したときには、少し驚きました。静電気を感じ、す
ぐに手を離しました。すると、驚いたことに、触る前と同じよう
に、つるつるとした素材に戻っていたのです。
「記憶の認知ができるんだ」
と、ソーハンは言いました。
「本物の皮膚のようにね」
「金属のように見えるわ」
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「金属化合物だよ」
「信じられない……」
さらに好奇心を刺激され、もう一度やってみました。今度は、私
が触れる前に、金属が本能的に形を変えたので、思わず笑ってしま
いました。
「ほら言ったじゃないか、生きてるって」
ソーハンも面白がって言いました。

ソーハンは船を操縦していないとき、何をしているのでしょう
か? そうでした、彼は軍事ステーションのミッション・コーディ
ネーターの1人なのです。彼の仕事は、アルダーナ率いる最高司令
部隊(軍事的な戦術を決定する高官たちのグループ)からミッショ
ンの指令を受けることです。ソーハンは、作戦の任務に就く人員の
選定と、兵站を担当しています。誰を前線に送るかを決めるのは重
責であり、必ずしも楽な仕事ではありません。
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スタービジターからのメッセージ

ソーハン・エレディオン (銀河連合)

テラの人々へ

理解しあえるときが来るでしょう。
私たちは、違いを乗り越え、お互いを知ることができるようになる
のです。
違いを乗り越え、同じ宇宙の家族の一員として、同じ立場にあるこ
とを受け入れるのです。

私たちは、あらゆる場所からやってきました。
愛と平和の手を差し伸べるために、時空を超えてやってきました。
正義と均衡のために、あなたの軍隊と一緒に戦うためにやってきた
のです。
そして、自由と生命のために。
この銀河系に存在し、意識を持つすべての生命体の権利と尊厳のた
めに、進化という偉大な宇宙の原則を尊重し、擁護します。

私たち全員を結びつける価値観に仕え、守ります。
宇宙意識の織り成す網の中で、すべての生命をあなたのものとし
て、仕え、守ります。

私たちは、あなたと同じ人間です。ただ別の場所で生まれただけで
す。
ですが、源の抱擁の中では、同じ家族の一員です。
銀河連合と高等評議会は、誇りと愛を持ってテラを迎えます。
新しい銀河の時代へ、無限の可能性を持った未来へと向かいましょ
う。
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宇宙の協力宣言

地球で起きている事態に鑑みて、私たち人間は、宇宙の平和的な文
明に加入したいという望みを宣言する必要が出てきました。これ
は、地球と私たち自身を、過剰なまでの利己主義から救うためで
す。

私たちは、現在そして未来の世代にわたり、地球上のすべての生き
物が、資源や美しさという創造物を自由に享受するために、創造性
を発揮することを願っています。

私たちは、以下の真理を神聖かつ否定できないものとします。
すべての人は、宇宙を楽しみ、生存する権利を持って創造されてい
ること。すべての人はある種の譲ることのできない権利を与えられ
ていること。これらの権利とは、生命、自由、幸福の実現であるこ
と。これらの権利を確保するために、私たちは、いかなる生物にせ
よ、その存在を否定することは、宇宙に生きるすべての存在の権利
に影響を及ぼすと認識しなければならないこと。
文明は、現在と未来におけるすべての生命に対して、これらの権利
を行き渡らせてこそ真価を発揮します。文明は、生命の団結を認識
し、それに奉仕する目的のために存在しなければならないのです。

人々が自分たちのアイデンティティを第一にする限り、団結を認
め、行動に移すことはできません。宇宙のなかの特定の地域、惑
星、国家、宗教、人種、制度、種族に極端な帰属意識を持つこと
は、宇宙全体における個人と集団の平和を阻害します。

私たち人類は、地球上の生命を変えてしまいました。

貴重な資源を廃棄物に変えてしまったのです。

私たちは、大量破壊兵器、大量汚染、大量の貧困によって、地球上
の生物の存在そのものを脅かしてきました。

独立への強い願いが、善良さ、愛、分かち合いの心といった私たち
が本来持っているあるがままの特性の妨げになっているのです。

私たちは、どこにいようと、他人よりも自分個人の人生のほうが重
要であると思い込んでいます。
私たち人間は今、人生に対するアプローチを、「自分への奉仕」で
はなく「他者への奉仕」に変えることを選択しました。

私たちは、特定の個人の生活や、地球に対する過剰なまでの帰属意
識を排除することを誓います。

私たちは、あらゆるものの中にある生命力を大切にする、新しい形
の協力関係を作ることを誓います。

私たちは、すべての生き物が本来の自由、私たちが1つであるこ
と、その善良さをより容易に思い出すことができる宇宙を共創する
ために、人生を捧げることを誓います。

私たち地球人は、宇宙に存在する共同体の平和的かつ生産的な一員
となるよう努力することを誓います。
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エピローグ

1つのサイクルが完成したとき、あなたは感動を覚えるかもしれ
ません。しかし、私が素敵な友人たちと共に学んだように、円には
始まりも終わりもないのです。円は上から見ると螺旋に見えること
もあれば、球体に見えることもあります。視点を変えてみると、時
間が無限に回転しており、すべての終わりは新しい始まりにすぎ
ず、螺旋の腕に優雅に抱かれ、さらなる高次元に移行していくこと
がわかるでしょう。季節のサイクル、夜と昼、暗闇と光、死と生。
時間とは宇宙の呼吸であり、その永遠の鼓動なのです。時間とは直
線的なものではなく、それぞれが中心から等距離にある球なので
す。そして、その球の頂点にあるのが「意識」なのです。

地球という惑星は今、偉大なる“革命”のさなかにあり、解き放た
れた螺旋の腕の中でさらなる高次元へと到達し、魂の闇夜から華麗
に抜け出しています。私たちは暗闇を乗り越え、今、夜明けの黄金
の光を抱いています。もう振り返るときではなく、前を向くときな
のです。すばらしい未来が待っていて、すでに現在にタネが蒔かれ
ているのです。私はテラの未来を見せてもらいました。未来のテラ
は、それぞれがアイデンティティと文化を保った平和で、連合し団
結した世界でした。個人のレベルから自然とそのように変わってい
ったのです。これが、新世界秩序と新自由世界が異なっている点で
す。新世界秩序と新自由世界は同じに見えますが、実は全く逆のシ
ステムです。新世界秩序は、あらゆるレベルで自由を奪い、征服の
ために分断を行い、アイデンティティを消し、人々から権力を奪い
ます。一方で、新自由世界は、アイデンティティと個性を称え、平
和にまとまり、人々に力を授けます。これが私たちの目指すところ
です。自由な個人による平和な連合世界です。

地球人の最大の課題は、お互いに仲良くすることです。それは個
人のレベルから始まります。政府がやってくれるのを待つ必要はあ
りません。私たち次第なのです。解放は、内側から始まるからで
す。傷を癒したら、もう誰も私たちを傷つけることはできません。
操られたり、マインドコントロールにかかりやすくなったりするこ
ともありません。私たちは鎖から解放されるのです。

「正義とは、痛みを平和に変えること」

このように言っていたのは、かの有名なエガロスでしょうか?
自分の内側を癒し、平和にすれば、もはや自らの葛藤を外部に投影
し、同じエネルギーに応えてくれる人々に訴えかける必要はなくな
るのです。内側を癒せば、私たちは平和になり、平和を行き渡らせ
ることができるのです。そして、これが惑星レベルで人類を変える
方法なのです。すべては「内なるもの」から始まる……これが鍵で
す。ギリシャのデルフィの神殿の石に刻まれた、賢明な古代人によ
って残された鍵なのです。

「汝自身を知れ」
これがすべての鍵です。

新しいサイクルが始まろうとするとき、時間は過去からの使者を
連れてきます。この本を書き上げたとき、古いタンスが倒れてき
て、そこから滑るように1冊のフォルダが足元に落ちてきました。
手に取ってみると、2年前に郵送されてきてから、一度も開いてい
ないことに気がつきました。母が亡くなった後に、姉から子供時代
のものが詰まった箱が送られてきたのですが、当時は棚の上にさっ
としまいこんで、すっかり忘れていたのです。開けてみると、古い
絵が山のように出てきて、思わず笑ってしまいました。その中に
は、ほかとは違う絵がありました。私は心臓が止まりそうになり、
膝をつき、涙が溢れ出しました。目の前のA4サイズの紙を震える
手で持ち上げると、振り絞っていたすべての力が抜けました。この
幼いときの絵は、記憶の津波を呼び起こす扉の鍵だったのです。
絵の中では、ベッドに腰掛けた少女が、開いた窓から、黄金色に
輝きながら街の建物の上に浮かんでいるエレガントなプレアデスの
宇宙船を見つめていました。そこからは、いくつものプラズマオー
ブが空を飛び、プレアデス星団とわかる模様を描いていました。

彼らは、いつも私の人生の見えないところで、そばにいてくれま
した。彼らは決して私を失望させません。だから、私たちは幸せな
未来に向かって進んでいると確信しています。それは、空の上のす
ばらしい同盟者が、決して私たちを失望させないからであり、これ
からも必ずそうであるからです。
タイムラインは光の歓喜の中で崩れ去り、私はこの瞬間、心の底
から確信しました。未来は明るいものであり、主権と自由を手にし
た地球の人類は長く繁栄していくでしょう。

年9月7日
2021

エレナ・ダナーン
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訳者あとがき

エレナ・ダナーンさんの2冊目となる著書をお届けできることを
大変喜ばしく思います。
本書では、銀河連合のパイロットであるソーハンの招待で、エレ
ナさんが色々な惑星を訪問した体験をそのままリアルに感じられま
す。遠い宇宙が単なるファンタジーではなく、こんなに身近なもの
になるなんて、想像もできませんでした。スターシードの方が読ん
だなら、なんとなく懐かしい感じがするかもしれません。
地球上での光と闇の戦いは、実は銀河レベルでの出来事だったと
いう驚くべき事実が、本書をひもとくと理解できるでしょう。カバ
ールのリーダーが火星へ逃げていった話、光側の勢力が地下基地だ
けでなく、火星やギャニメイドなどの基地まで解放していく話など
は、今まで情報として入らなかったので、たいへんありがたいで
す。
例えば、地下基地から救出された子供たちのその後が気になって
いた方も多いと思いますが、その辺りもイラスト付きで詳しく書か
れているのは嬉しいところです。

また、以前から私が気になっていた、銀河連合の大使で、ドワイ
ト・アイゼンハワー米大統領にアドバイスをおこなっていた金星人
のヴァル・ソーが、司令官として登場したのにも感動しました。
エレナさんはその彼から大変貴重なメッセージを人類に届けてく
ださいました。

「テラは正しい方向に進んでいます。心配しないでください。長い
眠りから覚める前に、夜明け前の暗闇をあなた方は歩いているだけ
です。我々はあなた方の手を握り、この夜の反対側へと一緒に向か
っているのです。やがてたどり着きます。私たちは決してあなた方
を失望させません。今までも、これからもずっと」と。

なんとも力強い言葉です。光側の銀河連合は、地球や人類をずっ
と守ってくれていたし、私たちには必ず明るい未来が来る。そう確
信できます。

エレナさんが銀河連合の正式な特使に任命されたのも素晴らしい
ことです。
これからは銀河時代に入りますが、その前に大変革が起きます。
その時には、多くの方が自分に自信をもって立ち上がり、前向きに
過ごして、波動を上げることが必要です。カバールのアジェンダの
恐怖に落とされることがないようにしたいものです。そうすれば、
想像もできないような、誰も体験したことがない地上の楽園、平和
な黄金時代がやってくるでしょう。
本書がそういう意味でも、多くの方々の道標となることを期待し
ます。
終わりに、ヒカルランドの石井社長、編集の小澤さん、家族や仲
間に感謝します。
そして、何よりも、読者の皆様に、心より御礼を申し上げます。

新しい銀河時代をワクワクした気持ちで共に迎えましょう!

佐野美代子
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エレナ・ダナーン Elena Danaan

フランス生まれ。パリの美術大学(エコール・デ・ボザール)卒
業。エコール・ドゥ・ルーブルで考古学の博士課程を修了。その後
20年間、考古学現地調査研究員として働き、フランス国立科学研究
センターからエジプトに派遣され、碑文研究技術者として、カルナ
ック、ルクソール、カイロ、デンデラ、そして王家の谷で長期間過
ごす。ドルイド(ケルト)のシャーマンとしての学びと、エネルギー
とサウンド・ヒーリングに関する知識をマスターし、ヒーラーとし
ても働いていたが、現在は銀河連合特使という役割に専念してい
る。著書に『【イラスト完全ガイド】110の宇宙種族と未知なる銀河
コミュニティへの招待』(上村眞理子監修、東森回美訳、ヒカルラ
ンド)など。

訳者 佐野美代子 Miyoko Sano


東京生まれ。上智大学英文学科卒業。海外生活は通算24年以上。国
際会議の同時通訳者として20年以上活躍。モンロー研究所公式アウ
トリーチ・ファシリテーター。ロンダ・バーンの『ザ・シークレッ
ト』シリーズ(共訳)、世界5,000万部超の著者ルイーズ・ヘイの
『すべてうまくいく』(共にKADOKAWA)を翻訳。著書に『銀河連
合からの使者&スタートラベラー』『地球と人類を救う真実追求者
たちとの対話 Truth Seekers』『人類の覚醒に命を懸ける真実追求者た
ちとの対話 Truth SeekersⅡ』(いずれもVOICE)、『世界の衝撃的な
真実』(2部作、ヒカルランド)他多数。得意な語学力と豊かな経
験や人脈を生かして、世界の最新情勢を配信中。
WE WILL NEVER LET YOU DOWN

by Elena Danaan

Copyright © Elena Danaan 2021

Japanese translation rights arranged with Elena Danaan

through Japan UNI Agency, Inc., Tokyo

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この惑星をいつも見守る
心優しき地球外生命体たち
銀河連合司令官ヴァル・ソーとのDEEPコンタクト&太陽系ジャーニ
ー全記録

著 者 エレナ・ダナーン
訳 者 佐野美代子

発行人 石井健資
発行所 株式会社ヒカルランド
〒162-0821 東京都新宿区津久戸町3-11 TH1
ビル6F
電話 03-6265-0852 ファックス 03-626
5-0853
http://www.hikaruland.co.jp info@hikaruland.co.jp
編集担当 小澤祥子

© 2023 Sano Miyoko

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