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量子コンピュータの向いている分野とは:

「量子コンピュータ×機械学習」は何の役に立ち、何の役に立たない
のか
https://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/2001/20/news07.html
量子コンピュータは、機械学習をはじめとする人工知能技術の可能性を広げると専門家は指摘する。両者の組み合わせは、どのような業界
に、どのようなメリットをもたらすのか。

2020年01月20日 05時00分 更新

[Ed Burns,TechTarget]

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Google | データ分析 | 機械学習 | 技術解説

「量子コンピュータの実用化が現実的になりつつある中、量子コンピュータが自社に及ぼす影響について検討するのを
先延ばしにすべきではない」。コンサルティング会社Boston Consulting Groupでプロジェクトリーダーを務めるマット・ラ
ンジョーネ氏はこう話す。

ランジョーネ氏は、量子コンピュータを活用するために必要な技能を持った人材とインフラへの投資をすれば、量子コン
ピュータの関連技術が成熟したとき「金銭には代えられない価値が得られる」と言う。

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量子コンピュータへの投資を進めるGoogleは、自社が研究開発する量子コンピュータが「量子超越性」(Quantum
Supremacy)を初めて実現したと主張している。量子超越性とは、量子コンピュータが従来型のコンピュータ(古典コン
ピュータ)の計算速度を圧倒的に上回ることを指す。

Googleの検証方法に問題があるとの指摘や、同社の主張の正当性を疑う意見もある。それでも同社の発表は、量子コ
ンピュータの進化を示していると言える。

量子コンピュータと機械学習の組み合わせが適した業界は?

量子コンピュータと機械学習を組み合わせると「現在の機械学習モデルよりもはるかに複雑な条件を処理するモデルが
実現する」とランジョーネ氏は話す。量子コンピュータの処理能力が飛躍的に向上すると、創薬、サイバーセキュリティ、人工
知能(AI)システムなど、幾つかの分野に影響が出る。特に金融資産の最適化や流体力学シミュレーション、材料設計など
の分野でメリットがある。

「この種の高度な研究開発は、量子コンピュータと機械学習のメリットを最も多く受ける」と話すのは、コンサルティング

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会社Accentureで、インテリジェントソリューションの責任者を務めるアフメド・アル・アディル氏だ。アル・アディル氏による
と、古典コンピュータでも、現在実用化されている機械学習システムの大半は正常に動作するという。

チャットbotや自然言語処理には「量子コンピュータは必要ない」とアル・アディル氏は言い切る。だが「新製品の発明に
ついて研究開発部門と話をすると『現在のコンピューティング能力は限界に達している』という意見が返ってくる」と同氏は
指摘。量子コンピュータを応用すれば「このような状況を一変させられる」と主張する。

高度な量子コンピューティングは、既に広く利用されているAI技術にも、新たな可能性をもたらすとアル・アディル氏は言
う。真のインテリジェンスは「学習」「表現」「推論」の3つの領域から構成されるというのが同氏の見解だ。

現在のAI技術は、機械学習によって学習を可能にしている。だが物事の文脈上の意味を理解する推論の能力が問われ
る問題については、古典コンピュータで実行するAIシステムにとっては複雑で処理が難しい。量子コンピュータを使うこと
で、この種の複雑さを処理できるようになる可能性がある。「AI技術で実際にブレークスルーを起こすには、もっと高いコン
ピューティング能力が必要だ。いったんブレークスルーが起きれば、ほぼ全ての業界がプラスの影響を受けるだろう」(ア
ル・アディル氏)

ビジネスへの道のりはいまだ不透明

企業が量子コンピュータと機械学習を効果的に利用するには、依然として多くの障害がある。量子コンピュータの業界
団体Quantum Economic Development Consortiumのアソシエイトディレクターを務めるセリア・メルツバッハー氏によ
ると、量子コンピュータには研究開発の妨げになる課題があるという。「量子コンピュータの専門知識を持つ人材の、需要
と供給に大きな差がある。人材のニーズは非常に大きい」(メルツバッハー氏)。同氏の見解では、企業が量子コンピュータ
に備えるには、既存の従業員の量子コンピュータに関するスキルを向上させることが現実的な道のりだという。

メルツバッハー氏は「今すぐ量子コンピュータが古典コンピュータに完全に取って代わることはない」と話す。量子コン
ピュータが実用化しても、引き続き古典コンピュータが企業のワークロード(業務)の大半を処理し、量子コンピュータが介
入するのは特殊なタスクのみとなる可能性が高い。データサイエンティストは、自身が既に用いている深層学習などの機械
学習の性能が、量子技術でどのように向上するかを学び、こうした新しい技術が適した業務を理解しなければならない。

ランジョーネ氏は「量子コンピュータが普及すれば、古典コンピュータと量子コンピュータの互いに適した部分を組み合
わせるハイブリッドモデルが最適になるだろう」と話す。

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