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IT 基礎 小テスト 解説

問 01 解説と解答
C 言語や Java などのプログラム言語で記述された,コンパイルする前のプログラムのことをソ
ースコード(ソースプログラム,原始プログラムなどともいう)と言い,ソースコードがインター
ネットなどを通じて公開されていることをオープンソースと言います。オープンソースソフトウエ
ア(OSS:Open Source Software)は,ソースコードが公開されており,ソースコードの改変や再
配布が自由に行えるソフトウエアです。

それぞれの選択肢を見てみましょう。
選択肢アにあるように,試用期間中は無料でその期間を過ぎて利用するには料金を支払う必要が
あるソフトウエアのことをシェアウエアと言います。よって選択肢アは誤りです。
オープンソースソフトウエアは自由に改変することができるので,公開されているソースコード
を入手した利用者は,バグの修正や不足機能の追加など,ソフトウエアを改良することができます。
よって選択肢イは適切な記述です。
オープンソースソフトウエアは,著作権は放棄されておらず,ソフトウエアの開発者に帰属して
います。よって選択肢ウは誤りです。
オープンソースソフトウエアは無償で提供されており,不具合などがあっても補償を受けること
はできません。ただし,有償のサポートサービスを含めたパッケージの形式でベンダーから提供さ
れているものもあるので,その場合には有償のサポートサービスを受けることができます。よって
選択肢エは誤りです。

以上より正解は,選択肢イです。

問 02 解説と解答
この問題のように,階層型のディレクトリ構造をもつファイルシステムのことを階層型ファイル
システムといいます。図を参照しながら,カレントディレクトリ D3 からディレクトリ D4 の配下の
ファイル a までのパス(経路)を求めると,次のようになります。

D3→D1→D2→D4→a

このパスを問題文にある〔指定方法〕のルールに従って記述します。ここでは,上の階層に登っ
ていく「D3→D1」(パス 1)と,下の階層に降りていく「D1→D2→D4→a」(パス 2)に分けて考え
てみましょう。

パス 1 の「D3→D1」は,ディレクトリ D3 の 1 階層上のディレクトリ D1 に登るので,〔指定方法〕


の(3)より,「..」になります。
パス 2 の「D1→D2→D4→a」は,ディレクトリ D1 の配下にあるディレクトリ D2,ディレクトリ
D2 の配下にあるディレクトリ D4,ディレクトリ D4 の配下にあるファイル a といったように,階層
を一つずつ降りていくので,〔指定方法〕の(1)より,「D2\D4\a」になります。
あとは,パス 1 の「..」とパス 2 の「D2\D4\a」をつなげばよく,ディレクトリの区切りを表す
「\」を用いて,「..\D2\D4\a」になります。

なお,この問題のようにカレントディレクトリからのパスを指定する方法を相対パス指定といい
ます。一方,ルートディレクトリからのパスを指定する方法もあり,これを絶対パス指定といいま
す。絶対パス指定では,〔指定方法〕の(4)のように,パスの先頭がルートディレクトリである
ことを表す“\”から始めるので,ファイル a までの絶対パスは「\D1\D2\D4\a」になります。パス
の指定には相対パスと絶対パスの二つの方法があることは,ぜひ覚えておきましょう。

以上より,正解は選択肢イです。

問 03 解説と解答
2 進数 10110 を 3 倍するには,加算を繰り返す方法や 2 進数同士の乗算を行う方法などがありま
す。それぞれを見てみましょう。

●加算を繰り返す方法
2 進数 10110 に 2 進数 10110 を加算する処理を 2 回繰り返すことによって,2 進数 10110 の 3 倍
を求めます。
1 回目の加算(2 進数 10110 の 2 倍を求める)

2 回目の加算(2 進数 10110 の 3 倍を求める)


●2 進数同士の乗算を行う方法
10 進数の 3 を 2 進数に変換すると「11」(2 進数)になります。10 進数の乗算と同じように,
「10110(2 進数)×11(2 進数)」を計算することによって,2 進数 10110 の 3 倍を求めます。

なお,2 進数同士の演算は,計算間違いを起こしがちです。最後に,次のような検算をしておく
と安心です。

(1)2 進数 10110 を 10 進数に変換する


2 進数 10110=1×24+1×22+1×21=16+4+2=22

(2)2 進数 10110 を 3 倍した結果(2 進数の 1000010)を 10 進数に変換する


2 進数 1000010=1×26+1×21=64+2=66

(3)(2)で求めた結果が,22 を 3 倍した結果(22×3=66)と同じになるかを検証する

以上より正解は,選択肢ウです。

問 04 解説と解答
CPU のアクセス速度は,主記憶(メインメモリー)のアクセス速度に比べて高速です。キャッシ
ュメモリーは,CPU と主記憶の速度差を埋めるために,CPU と主記憶の間に置かれる,小容量で高
速なメモリーです。

キャッシュメモリーを使った処理では,主記憶から読み出したデータを一時的にキャッシュメモ
リーに記憶させておき,CPU が後で同じデータを読み出すときにはキャッシュメモリーにアクセス
することで,高速なデータ転送を実現します。キャッシュメモリーを利用することによって,主記
憶とのアクセス時間を見かけ上短縮することが可能になり,CPU の処理効率を高めることができま
す。

以上より正解は,選択肢ウです。
問 05 解説と解答
ディジタル動画データの圧縮形式の国際標準規格に,MPEG(Moving Picture Experts Group)と
呼ばれる方式があります。MPEG には,解像度と圧縮率の違いによって MPEG-1,MPEG-2,MPEG-4 な
どがあります。

MP3(MPEG-1 Audio Layer 3)は,MPEG-1 の音声部分の圧縮アルゴリズムを利用して作成される,


音声データのためのファイル圧縮形式です。ポータブル MP3 プレーヤなどの普及により,インター
ネット上での音楽データ配信などに利用されています。

なお,選択肢ウの「カラー画像データのためのファイル圧縮形式」の国際標準規格に,JPEG(Joint
Photographic Experts Group)があります。JPEG も頻出テーマの一つなので,特徴などについて
はチェックしておくとよいでしょう。

よって正解は,選択肢イです。

問 06 解説と解答
HTML(Hypertext Markup Language)は,Web ページを記述するための言語(マークアップ言
語)です。タグによって文書の論理構造などを表現します。同じくタグを使う SGML(Standard
Generalized Markup Language)や XML(Extensible Markup Language)とは異なり,ユーザー独
自のタグを定義することはできません。なお,HTML 形式で記述されたテキストを閲覧するときに
はブラウザを使用します。

HTML で 記 述 さ れ た テ キ ス ト を ブ ラ ウ ザ に 転 送 す る と き に は , HTTP ( Hypertext Transfer


Protocol)が使われます。よって選択肢アの記述は誤りです。

また,SGML は,HTML や XML の基になったマークアップ言語です。HTML は,SGML で設計された文


書型の一つが標準化されたものであり,SGML のサブセット(一部分)に位置付けられます。よっ
て選択肢イの内容も誤りです。

XML は,SGML の特徴を活かしつつ,インターネット環境に最適化したマークアップ言語です。し


たがって,HTML は XML の機能を縮小して開発されたものではありません。選択肢エの記述も誤り
です。

以上より正解は,選択肢ウです。
問 07 解説と解答
この問題は,キャッシュメモリの処理内容について問う問題です。
それぞれの選択肢を見てみましょう。

選択肢アは,キャッシュメモリに関する正しい記述です。書込み命令を実行したときにキャッシ
ュメモリと主記憶の両方を書き換える方式をライトスルー方式と言います。また,キャッシュメモ
リだけを書き換えて主記憶の書換えをキャッシュメモリから当該データが追い出されるときに行
う方式をライトバック方式と言います。

選択肢イの記述は間違いです。キャッシュメモリにヒットしない場合は,割り込みではなく,ハ
ードウェア処理により主記憶からデータが転送されます。

キャッシュメモリは,主記憶とプロセッサの処理速度の差を緩和するための装置です。そのため
選択肢ウの記述も誤りです。

また,半導体メモリのアクセス速度は向上していますが,それ以上にプロセッサの処理能力が向
上しているので,キャッシュメモリの重要性は以前よりも増しています。そのため選択肢エの記述
も間違いです。

従って,正解は選択肢アです。

問 08 解説と解答
プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)について問う問題です。
選択肢アは,プラズマディスプレイに関する正しい記述です。プラズマディスプレイは,ヘリウ
ムやネオンなどのガス放電により発生する紫外線を利用して,蛍光体を発光させ映像を表示します。
その他の選択肢についても確認しておきましょう。

選択肢イは,液晶ディスプレイの説明です。
選択肢ウは,有機 EL(Electro-Luminescence)ディスプレイの説明です。
選択肢エは,ブラウン管(CRT:Cathode Ray Tube,陰極線管)の説明です。

従って,正解は選択肢アです。
問 09 解説と解答
バイオメトリクス認証(生体認証)とは,指紋,虹彩,声紋,網膜といった個人に固有の生体的
特徴を利用して本人認証を行う認証方式です。

具体的には,指紋や虹彩などの特徴(パターン)をあらかじめ登録しておき,本人の指紋や特徴
と照合することによって認証を行います。これらの生体的特徴は,紛失や盗難のリスクがなく,本
人になりすますことが難しいため,比較的安全性が高い認証方式です。

なお,本人認証を行う方法には,バイオメトリクス認証(個人の生体的特徴に基づく認証)以外
に,個人の知識に基づく認証(パスワード,暗証番号など)や,個人の所有物に基づく認証(印鑑,
ID カードなど)があります。

以上より正解は,選択肢アです。

問 10 解説と解答
アナログ音声信号をディジタル化するには,「サンプリング(標本化)→量子化→符号化」とい
う手順を踏む必要があります。

(1)サンプリング(標本化)
アナログ信号の波形を一定の時間間隔で取得し,各時点におけるアナログ信号のレベルの値(ア
ナログ値)を読み取ります。サンプリングにおいて値を読み取る時間間隔のことをサンプリング周
期といい,サンプリング周期が短いほど元のアナログ信号の波形に近い,高品質なデータが得られ
ます。
(2)量子化
(1)で計測したアナログ値をディジタル値に変換します。量子化の際には,どれぐらいの段階数
(ビット数)でディジタル化するのかを決定します。量子化の段階数(量子化ビット数)が多いほ
ど,元のアナログ値に近い高品質なデータが得られます。

(3)符号化
(2)のディジタル値を 2 進符号に置き換え,符号化ビット列を生成します。この例では,符号化
に用いるビット数を 4 ビットとしています。

以上より,元のアナログ信号の波形に,より近い波形に復元するためには,
●サンプリング周期は短い方がよい
●量子化の段階数(量子化ビット数)は多い方がよい
という二つの特徴があることが分かります。

以上より正解は,選択肢ウです。

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