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おじいさん は すずめ を
いえ に つれて かえりました。
なんとも かわいい すずめ で
ちょんちょん ないちゃ
おじいさん の そば を はなれません。
おじいさん は
この すずめ に おちょん と
いう 名(な)まえ を つけて
それ は それ は だいじ に
そだてました。
「おちょん、 ねこ に のり を くわれん よう
しっかり ばん を して おれ。」
おばあさん は 川(かわ) へ せんたく に いきました。
のり は いい ぐあい に さめて、 なんとも うまそう。
おちょん は もう がまん できず に のり を たべました。
おばあさん が もどって くる と、 なべ の なか の のり が ありません。
「おちょん、 のり は どう した。」
「ねこ が くうた よ。」
おばあさん が ねこ の 口(くち) を みる と のり が ついて いません。
ところが おちょん の 口 に は のり が いっぱい です。
おちょん は あわてて なめました が もう おそい。
「この おんしらず め が。」
おばあさん は おこって おちょん の した を
はさみ で ちょんぎり、 そと へ おいだしました。
しばらく いく と、
うまあらい が 川 で うま を
あらって いました。
「うまあらい どん、 うまあらい どん、
したきりすずめ を みなんだ か。」
「みた みた。 だども、 うま を あろうた
水 を 三 ばい のまにゃ おしえん ぞ。」
おじいさん は がまんして その みず を
のみました。
「そん なら この さき の な あらい どん に きく が ええ。」
き が つく と おばあさん は いつ の ま に やら ざしき に
すわって いました。 すると きもの を きた すずめ たち が
かけた ちゃわん で おちゃ を もってきました。
「おら ちゃ など ほしく ない。 はよう つづら を くれ。」
おばあさん は おもい つづら を せおう と、 さっさと
かえって いきました。