You are on page 1of 17

ビジネス会話

言葉遣いのマナー :

I. 正しい敬語の使い方

II. ビジネス会話の基本
● "6W2H"を考えて話す

● 結論から話す

● 相手の理解度を見ながら話す

● わかりやすくはっきりと

● ビジネス慣用句をおさえておこう

● 「クッション言葉」を使って丁寧に

******************************************************************************

言葉遣いのマナー
ビジネスシーンにおいての正しい言葉遣いは、とても大切なビジネスマナーのひと
つです。正しい敬語を適切に使用したり、ビジネス会話をスムーズに使いこなせれ
ば、
コミュニケーションが潤滑になるのと同時に、作業効率のアップなど様々なシーン
において良い影響を及ぼすはずです。
社会人として正しい言葉遣いを身に付け、それぞれのシチュエーションで自然な使
い分けが出来るようにしておきたいものです。

I. 正しい敬語の使い方

【敬語とは】
敬語は、口語や文書などで言葉を表現をする場合、その当事者同士の上下関係を言
葉で表現するために用いられる語法です。つまり相手を敬う気持ちを示す方法とし
て敬語が存在します。
ビジネスシーンにおいては適切な言葉遣いがあり、敬語はその最も重要なものと言
えるでしょう。
敬語が正しく使えなければ、仕事上でのやりとり以前に、周囲との人間関係や信頼
関係を築く事が困難になる場合もあるかもしれません。
敬語を正しく使用する事は、現代社会においてとても大切なマナー。
また、ビジネスシーンのみならず、日常生活など様々な環境において人間関係の基
本となります。
敬語を正しく理解し、社会人として恥ずかしくない敬語のマナーを身につけておき
たいものです。

A. 敬語の種類
敬語は一般的に「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の 3 つに大きく分類することがで
きます。
また、この 3 分類を基本にさらに「丁重語(謙譲語 II)」「美化語」の 2 つも付け
加えられ、現在では 5 分類に定義されています。
ここでは、それぞれの敬語の種類について説明しています。
それぞれの特徴や目的を理解し、状況ごとに判断して使い分けると良いでしょう。

1.尊敬語とは】
尊敬語とは、相手の動作や状態、所有、所属などを敬った言葉です。
上司や顧客、取引先など自分よりも目上の人に対して、相手を高める表現を使って敬
意を表します。
尊敬語は、「動詞」「形容詞」「名詞」を用いたものの 3 種類に分類されます。

 ● 動詞を用いた尊敬語

  日常語 尊敬語

語彙自体を 言う おっしゃる
変化させる
行く いらっしゃる

いる おられる

思う 思し召す

買う お求めになる/求められる

聞く (~が)お耳に入る
着る 召す/お召しになる
来る
いらっしゃる/お見えになる
くれる
下さる/賜わる
死ぬ
亡くなられる/逝去する
知る
ご存じ
する
なさる
食べる/飲む
召し上がる
寝る
お休みになる/休まれる
見る
ご覧になる

掛ける お掛けになる
お / ご~
乗る お乗りになる
になる
待つ お待ちになる

掛ける お掛けなさる
お / ご~
なさる 待つ お待ちなさる

掛ける お掛けです
お / ご~
です 待つ お待ちです

掛ける 掛けられる

れ / られ 乗る 乗られる

待つ 待たれる

● 形容詞を用いた尊敬語
  日常語 尊敬語

忙しい お忙しい

美しい お美しい
「お」「ご」
を付ける
多忙 ご多忙

優しい お優しい

● 名詞を用いた尊敬語
  尊敬語
お車

お仕事

お住まい

お考え

ご自宅
名詞の前に
ご家族
「お」「ご」「御(おん)」「み」
「貴」「尊」「玉」
ご訪問
などをつける
御社

御心

貴社

貴殿

尊邸

○○様

○○さん

○○殿

○○陛下
人名の後に
○○先生
敬称や職階をつける
○○先輩

○○閣下

○○社長

○○部長

2・「謙譲語」

謙譲語とは、話し手本人、または身内や所属の動作や状態に対して使う言葉。
へりくだって(低めて)表現する事で、相手や話題の人を高めて敬意を示します。

● 動詞を用いた謙譲語
  日常語 謙譲語
伺う/参る
行く/来る
拝見する
見る
致す
する
お目にかかる
会う
差し上げる/進呈する
与える

ある ございます

言う 申し上げる/申す

いる おる

思う 存じる
語彙自体を
聞く 伺う/承る/拝聴する
変化させる
知らせる お耳に入れる

知る 存じ上げる/承知する

する いたす
訪ねる 伺う/お邪魔する
食べる 頂く
見せる ご覧に入れる
もらう
頂く/頂戴する
読む
拝読する
伝える
申し伝える

送る お送りする

待つ お待ちする

招く お招きする
お /ご
持つ お持ちする
~する
案内する ご案内する

相談する ご相談する

報告する ご報告する

お / ご~ 買ってもらう お買い頂く
招待される ご招待頂く

辞退する ご辞退申し上げる
頂く・申し上げる
お待ちする お待ち申し上げる

喜ぶ お喜び申し上げる

● 名詞を用いた謙譲語
  謙譲語

粗茶

粗品

愚妻

愚考

拙著

拙宅
名詞の前に
弊社
「粗」「愚」「拙」「弊」「拝」
「小」 「ども」
弊家
などをつける
拝見

小社

小宅

小誌

わたくしども

手前ども

3.「丁寧語」

【丁寧語とは】

丁寧語とは、言葉を丁寧に美しく表現し相手を高め敬意を表す表現方法です。
また、話し方を丁寧にする事で、相手に好感を与える効果もあります。
目上、目下に関わらず、ビジネスシーンでは日常的に使われます。
丁寧語は 2 種類に分類されます。
● 丁寧語の例
  日常語 丁寧語

見る 見ます

言う 言います

する します

思う 思いました

「ます」「です」 聞く 聞きません
「ございます」
を語尾に付ける 忙しい 忙しいです

きれいだ きれいです

学生だ 学生です

資料です 資料でございます

駐車場があります 駐車場がございます

暑い お暑い

ほうび ご(御)ほうび
「お」「ご
(御)」などの接 意見 ご(御)意見
頭語を付ける
指導 ご(御)指導

礼状 ご(御)礼状

4. 丁重語/美化語
【丁重語/美化語について】

謙譲語の一部として分類され、話の聞き手が、話し手本人よりも目上である場合に
使われる言葉「丁重語」と、相手に上品で丁寧な印象を与える「美化語」。
この項目では、それぞれの意味と使い方、またその例について解説しています。

ていちょうご けんじょうごII
● 「丁重語(謙譲語II)」
話の聞き手が、話し手本人、または身内や所属よりも目上であることを表す言葉を
指し、必ず丁寧語である「ます」を伴うことが特徴です。
話し手本人、または身内や所属の動作や状態を表します。
従来、謙譲語として扱われてきており謙譲語を兼ねていますが、謙譲語と違い動作
の受け手が存在しているとは限りません。
また丁重語だけに使われるものに「おる(おります)」がありますが、丁寧語の
「ます」だけを使うよりもより丁寧である印象を相手に与えるため、美化語に分類
される場合もあります。

日常語 丁重語

今、自宅にいます 今、自宅におります

出張で大阪に行きました 出張で大阪に参りました

山田と言います 山田と申します

  ●「美化語」

美化語とは、話し手本人が聞き手に上品で丁寧な印象を与えるために使う言葉です。
文法的に見て敬語ではありませんが、聞き手に対して配慮を示しているという点で
敬語に準じるものとされたり、また丁寧語に分類する場合や、丁重語を美化語に入
れる場合も。また、美化語の中には女房言葉に由来するものも多くあります。
美化語は下記の通り 2 つのグループに分けられます。

  日常語 美化語

菓子 お菓子

酒 お酒

名詞に 食事 お食事
「お」「ご」
を付けるもの 茶 お茶

飲み物 お飲み物

店 お店

腹 おなか
語彙自体が
便所 お手洗い
変化するもの
めし ごはん
B. 敬語の注意点
【敬語を正しく使うには・・・】
話し手当事者同士の上下関係を言葉で表現するために用いられ、コミュニケーショ
ンを良好にするためにとても大切な語法となる敬語。
ただし、そんな敬語も正しい使い方をしなければかえって相手敬う気持ちにつなが
らず、失礼にあたる場合もあるかもしれません。
ここでは、敬語を使用するにあたり注意したい項目をあげてみました。

● 敬語を使うにあたっての注意点

1 ・社外の方には全て敬語

来客や顧客など社外の方に対しては全て敬語で対応します。
例:「いらっしゃいませ、どうぞご案内いたします」

 2・社外の方への上司の説明には NO 敬語

社外の方と話す場合、自分の上司などに関しての話題に敬語は使いません。
例:
「部長の○○(苗字のみ)を紹介します」
「その件は課長の○○(苗字のみ)が説明します」

 3・社内では目上の人に対しては全て敬語

社内では、上司や先輩に対しては敬語で、また同僚には丁寧語を使うように心がけ
ましょう。
例:「部長がおっしゃったように、資料をご覧ください」

 4・社内での身内の話は NO 敬語

上司や同僚、顧客などに対して、両親や兄弟など自分の家族を話題にする場合は敬
語は使いません。
例:
「母が上京します」
「父が事故に遭いました」

 
こきゃく たしゃ
5・顧客や他社についての話題は全て敬語

顧客や他社を話題にする場合は、どのような状況でも敬語を使います。
例:
「先方の担当者からご提案をいただきました」
「A 社の○○様とおっしゃる方からお電話がありました」

 6・相手の動作に NO 謙譲語
例 1:
× 詳細は担当者に伺ってください
○ 詳細は担当者にお尋ねください、または、お聞きください

例 2:
× プレゼンの資料は 3 階で拝見してください
○ プレゼンの資料は 3 階でご覧になってください、または、ご覧ください

 7・謙譲語を尊敬語のように使わない

例 1:
× 経理部で旅費をいただかれてください
○ 経理部で旅費をお受け取りください

例 2:
× 不明な点は私にお伺いください
○ 不明な点は私にお尋ねください

 8・身内に敬語を使わない

例 1:
×課長は、ただ今、席を外していらっしゃいます
○課長は、ただ今、席を外しております

II. ビジネス会話の基本

1. 結論から話す

ビジネス会話では、まず先に「結論」を述べ、質問を受けた場合など必要に応じて
その理由や詳細などを補足すると良いでしょう。
結論を後回しにして、なおかつ説明を交えながらの会話では、最後まで何を伝えよ
うとしているのか不明瞭です。結論を先に述べておけば聞き手も話の内容が理解し
やすくなるでしょう。

2. 相手の理解度を見ながら話す

ビジネス会話では、必ずしも聞き手がこちらの話を積極的に聞き入れてくれるとは
限りません。こちら側より一方的に話すのではなく、話に耳を傾けてくれるように
相手の反応を見ながら的確に話を進めて行く必要があります。

  
3. わかりやすくはっきりと

文章の末尾まではっきり発音しなかったり声が小さい場合は、相手に対して自信が
ないような印象を与えるかもしれません。会話をする際は適度な声の音量で、また
言葉ははっきりと語尾まで話すようにします。

4. ビジネス慣用句をおさえておこう

ビジネス会話で、よく使用するビジネス慣用句(ビジネス敬語)の代表的なものを
ご紹介します。 ビジネスの現場で度々耳にする慣用句ですので、覚えておくと大変
便利です

ビジネスで良く用いられる慣用句のまとめ
わたし わたくし

わたしたち わたくしども、弊社、当社

(社外)○○(苗字)、課長の○○
上司/先輩
(社内)○○課長、○○さん

両親、父、母、祖父、祖母、兄、姉、
身内
弟、妹、妻、家内、夫、主人

誰 どなた様

あの人 あちら様

これ こちら

さっき 先ほど

後で 後ほど

少し 少々

今度 このたび

もうすぐ 間もなく

前に 以前

すぐ ただ今、早速

今日 本日
昨日(きのう) 昨日(さくじつ)

明日(あした) 明日(みょうにち)

あっち あちら

そっち そちら

こっち こちら

どうしますか いかがなさいますか

どうしましたか いかがなさいましたか

どうですか/どうなっていますか いかがでしょうか

そうです さようでございます

ごめんなさい/どうもすみません 申し訳ございません

すみませんが 恐れ入りますが

いいですか よろしいでしょうか

どなたですか どちら様でしょうか

何ですか/何のようですか どのようなご用件でしょうか

こちらにお越しいただけますか/
こちらに来てくれませんか
ご足労願えますでしょうか

できません いたしかねます

知りません わかりかねます

繰り返します 復唱いたします

ちょっと待ってください 少々お待ちいただけますか

もう一度来てください もう一度お越しいただけますか

電話の声が聞こえません 少々お電話が遠いようでございます

わかりましたか おわかりいただけましたでしょうか
電話します お電話いたします

私が聞きます 私がお伺い致します

わかりました かしこまりました/承知いたしました

わかりません わかりかねます

やめてください ご遠慮願います

もらいます/いただきます 頂戴いたします

席にいません 席をはずしております

お待たせしました お待たせいたしました

久しぶりです ご無沙汰しております

面倒ですが お手数ですが

(何か依頼する際の)すいませんが 恐縮ですが/恐れ入りますが

戻りますか お戻りになりますか

言いにくいのですが 申し上げにくいのですが

迷惑かけました ご迷惑をおかけいたしました

世話になっています いつもお世話になっております

5.クッション言葉を知っていますか?
クッション言葉とは、相手に何かをお願いをしたり、お断りをしたり、異論を唱え
る場合などに、言葉の前に添えて使用する言葉です。ビジネス上では様々な状況で
使われているこのクッション言葉。
上手く活用する事で直接的な表現を避けられ、丁寧で優しい印象を相手に与える効
果があります。否定的な言葉など言いにくい内容でも、相手に失礼にならずに伝え
る事が出来るので知っておくと大変役に立ちます。

例えば、「書いてください」と言うより「お手数ですが、ご記入ください。」と、
用件の前にクッション言葉を添えるだけで、相手に対してのへりくだる気持ちを伝
えることができ、与える印象はグッとよくなるはずです。
また、依頼を拒否する場合などには、「せっかくですが」「身に余るお言葉です
が」のように感謝の気持ちを伝えると柔らかい印象を与える事ができます。
このように少し言葉を付け加えたり表現を変えるなど、相手に対する思いやりの言
葉があるだけでコミュニケーションはスムーズになるはず。
ただし、クッション言葉を多用するとわざとらしかったり、まわりくどい印象に取
られる場合があるかもしれません。適切な状況の中、程よいバランスで使用すると
言葉の誠意が伝わるでしょう。
それでは、どのようなシチュエーションでクッション言葉を使うのか、具体的に例
を挙げて見てみましょう。

● 代表的なクッション言葉
伝える内容の前に添えるだけで好印象に! 

恐れ入りますが

申し訳ございませんが

失礼ですが

早速ですが

あいにくですが

差し支えなければ

お手数をおかけしますが

できましたら

今、よろしいですか?

申し上げにくいのですが

もし、よろしければ

● 状況別クッション言葉
・【依頼】のクッション言葉 一例

相手に何かを依頼する際に、依頼主がもし直接的な表現を使えば、命令されている
ような気分になり、相手に不快感を与えるかもしれません。
相手に依頼を気持ちよく引き受けてもらうには、命令表現を、例えば「~していた
だけませんか?」のように「お願い」して「質問」する形に変えると良いでしょう。
こうすれば相手に「命令」されたという印象を与えないはずです。 
お手数ですが(・・・ご記入をお願いいたします)

差し支えなければ(・・・ご連絡先を教えていただけますでしょうか?)

恐れ入りますが(・・・少々お待ちいただけますか?)

大変恐縮ですが(・・・もう一度ご確認下さい)

重ね重ね恐縮ですが(・・・もう一度お送りいただけますか?)

勝手申し上げますが(・・・本日はご都合よろしいでしょうか?)

私ごとで恐縮ですが(・・・来週休暇を頂きたいのですが)

ご多忙中とは存じますが(・・・よろしくお願いいたします)

ご足労をおかけして申し訳ございませんが(・・・お越しください)

ご面倒をおかけいたしますが(・・・ご返答をお待ちしております)

※依頼やお願いの最後の表現を変えるとグッと丁寧に!

・してください→していただけますか/ していただけませんでしょうか
・お願いします→お願いできませんでしょうか 

・【反論/反対意見】のクッション言葉 一例

お言葉を返すようですが(・・・そのご意見には賛成いたしかねます)

おっしゃることはわかりますが
(・・・こちらの意見の方が正しいのではないでしょうか?)

ご意見なるほどとは思いますが
(・・・こういった考え方もあるのではないでしょうか?)

確かにそのとおりでございますが(・・・○○により賛同しかねます)

・【断る/拒否】のクッション言葉 一例

依頼する時よりも難しい断りや拒否の表現。
相手を不快な気持ちにさせない断りや拒否や表現方法を知っておく必要があります。
「できません」「やめておきます」「やりません」の代わりに以下の表現に変えて
みると良いでしょう。

申し訳ありませんが(・・・わかりかねます)

残念ながら(・・・今回は見送らせていただきます)

失礼ですが/失礼とは存じますが(・・・欠席させていただきます)

せっかくですが(・・・今回はお受けしかねます)

申し訳ございませんが(・・・今回はいたしかねます)

ありがたいお話ではございますが(・・・ご辞退させていただきます)

身に余るお言葉ですが(・・・今回はご遠慮させていただきます)

大変残念ですが(・・・ご期待には沿えかねます)

大変申し訳ないのですが/大変申し上げにくいのですが
(・・・御社のご提案は今回、不採用となりました)

ご期待に添えず大変申し訳ございませんが
(・・・お断りさせていただきます)

お役に立てず大変恐縮でございますが(・・・ご了承ください)

私どもの力不足で申し訳ございませんが(・・・ご了承ください)

・【報告/説明/感謝】のクッション言葉(ビジネス枕詞) 一例 

おかげさまで(・・・無事に戻りました)

ご心配かもしれませんが(・・・ご安心ください)

お話し中、大変恐縮です(・・・○○課長にお電話です)

大変申し訳ないのですが/大変申し上げにくいのですが
(・・・今月の目標、達成できませんでした)

誠に恐れ入りますが(・・・よろしくお伝えください)

誠に勝手ながら(・・・お休みさせていただきます)
あいにくですが(・・・席を外しております)

You might also like