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磁極検出機能
1.適用される技術資料の種類
仕様番号/版数 B-65270JA/08-001
2.変更内容
修正・削除
ベイシック機能
ユニット
保守部品
注意事項
誤記訂正
その他
名称
磁極検出機能
図番
B-65270JA/08-001
ページ
01 2013/04/02 園田 直流励磁方式を追加
版 年月日 担当 変更内容 1/15
作成 担当 園田 承認 豊沢
3.2.1.2 パラメータ設定手順 2(磁極検出)(オプション機能)
同期ビルトインサーボモータを駆動するためには、磁極検出機能(オプション機能)が必ず必要となります。ここで
は磁極検出機能について説明します。
(1) 概要
磁極検出機能(オプション)は、モータの磁極位置と検出器の位相との関係が分かっていないモータを駆動する際
に、モータの磁極位置を検出する機能です。
警告
1 検出条件により正しい磁極位置を検出できない場合、モータが予期せぬ動きをする可能性があります。
これによる危険を避けるために、検出が完了するまで下記の条件を満たす必要があります。
① トルクリミットパラメータ(No.2060)は、連続電流の 150%以下にする。
② 停止時誤差過大の設定は、100μm または 0.1 度以下にする。また、移動時誤差過大の設定は、理論
的な位置偏差の 120%以下にする。但し、直流励磁方式を使う場合(No.2009#5=1)は、電気角 180 度
相当にする。
③ 磁極検出中、及びそれに続く移動指令中は、必ず保護扉が閉じられた状態にする。
もし、上記の条件が満たされず、磁極検出が適切に終了しなかった場合、CNC が誤差過大アラームを検
出するまで、モータは最大トルクで予期せぬ動きをする可能性があります。安全対策のため、磁極検出の
状態信号を使って、PMC で以下のシーケンスを作成ください。
① 保護扉が開かれているときに、磁極検出をスタートしない。
② 磁極検出中(Fn158=1)に保護扉が開けられたら、リセットする。
③ 磁極検出が未完了(Fn159=0)のとき、対象となる軸に指令を与えない。
④ 磁極検出が未完了(Fn159=0)のとき、重力軸のブレーキを解放しない。(ブレーキの操作には、
SA 信号だけでなく、磁極検出完了信号(Fn159)も監視してください。)
以下の条件では、原則的に本機能を適用することはできません。
① リニアモータ
② 制御軸取り外し機能(デタッチ機能)を使う軸 注)下記の(8)項参照
③ モータと検出器との結合剛性が低い場合
④ 軸が完全にロックされた状態
但し、リニアモータに関して、条件によりやむを得ず本機能を適用する場合は、安全性に十分配慮して、
アブソリュート検出器を使った場合にのみ適用することが可能です。
磁極検出機能
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B-65270JA/08-001
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1 タンデム制御や送り軸同期制御を行っている 2 軸で、それぞれの軸が検出器(エンコーダ)を持ってい
る場合、磁極検出をしない軸はサーボオフ状態にして、1 軸づつ磁極検出を行ってください。なお、タン
デム制御の場合は、検出中のサーボアラーム 2 軸同時監視機能をオフしてください(No.2007#0=0)。
2 タンデム制御でフィードバック共通化機能(No.2018#7)を使う場合は、誤検出を避けるため 2 軸同時に
磁極検出を開始してください。
3 適用する検出器について、以下の点に注意してください。
1) 可能な限りアブソリュート検出器を適用ください。
2) やむを得ずインクリメンタル検出器を適用する場合、一回転信号付きを使用してください。
① 検出方式
直流励磁方式・・・任意の異なる位置に2回電流を流して、磁極位置を検出します。検出中に電気角で最大 180
度動く場合があります。検出時間は約 5 秒程度です。初期立ち上げ時の検出に使用します。
(90G0/19,90G3/5.0,90E1/13.0,90E3/8.0 版以降)
微少動作方式・・・連続的に電流を複数回流して、磁極位置を検出します。検出中に機械角で最大 5 度程度動く
場合があります。検出時間は約 2 秒程度です。初期立ち上げ時以外の検出に使用します。
(2) 対応サーボソフト系列・版数
CNC サーボソフト 備考
系列 版数
Series 30i/31i/32i/35i-B 90G0 03.0 版以降
Power Motion i-A 90G3 01.0 版以降
Series 30i/31i/32i-A 90E0 J(10) 版以降
90E1 01.0 版以降
90E3 01.0 版以降
Series 30i/31i-A 90D0 J(10) 版以降 HRV4
Series 0i-D 90C5 A(01) 版以降
90C8 A(01) 版以降
90E5 A(01) 版以降
90E8 A(01) 版以降
名称
磁極検出機能
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01 2013/04/02 園田 ①を追加
版 年月日 担当 変更内容 3/15
作成 担当 園田 承認 豊沢
(3) 磁極検出手順
フロー
対象軸の磁極検出機能(No.2213#7)を有効にします。
AMRオフセット(No.2139)に“0”を設定します。
(磁極検出の際は必ず“0”に設定してください。)
No.2229#0を“1”に設定し、AMRオフセットを使用するに設定します。
No.2229#3を“0”に設定し、検出後の異常な動きを監視します。
No.2229#4を“1”に設定し、微小動作モードを設定します。
対象軸をサーボオン状態にします。
対象軸の磁極検出要求信号(Gn135)を“1”に設定し、磁極検出を開始
します。磁極検出中は、磁極検出中信号(Fn158)が、“1”になります。
磁極検出完了後、磁極検出完了信号(Fn159)が“1”になり、1回転信
号からのオフセット値がAMRオフセット(No.2139)に保存されます。
アブソリュート検出器 インクリメンタル検出器
アブソリュート検出器の場合、1回転信号の位置を記 インクリメンタル検出器の場合、1回転信号の位置を記
憶しているので、電源投入毎に磁極検出を行う必要は 憶していないので、電源投入毎に磁極検出を行う必要
ありません。但し、検出器を交換した際は、必ずAMRオ があります。又、検出器を交換した際は、必ずAMRオフ
フセットを0にして磁極検出を再度行ってください。 セットを0にして磁極検出を再度行ってください。
備考
対象軸のパラメータ(No.2213#7)を有効にします。有効な軸に対してのみ磁極検出は働きます。無効な軸に対し
ては、磁極検出要求信号(Gn135)は無視されます。
サーボオン状態にします。なお、重力軸では磁極検出完了信号(Fn159)が“1”になる前にブレーキを解放すると
落下しますので注意してください。
サーボオフ中には磁極検出を行わないでください。また、磁極検出中にサーボオフ状態にしないで下さい。
磁極検出要求信号(Gn135)が“1”になると、磁極検出が開始され、磁極検出中信号(Fn158)が“1”になります。
一旦磁極検出が始まると、磁極検出要求信号が“0”になっても、磁極検出は続行されます。
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磁極検出機能
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注
アブソリュート検出器を使用していて、パラメータ(No.2229#0)を“1”に設定されているときは、パラメー
タ( No.2139)が 0 でなければ、電源投入直後から、磁極検出完了信号(Fn159)が“1”になります。
電源投入直後に移動指令を入れる前に、磁極検出完了信号(F159)を確認するロジックを構成してください。
検出器に異常があり、カウントミスアラームなどが発生すると、磁極検出完了信号(Fn159)が“0”に戻りま
す。この場合は、再度磁極検出を行う必要があります。
(4) パラメータ
以下のパラメータを変更した場合、必ず CNC 電源を OFF してください。
#7 #6 #5 #4 #3 #2 #1 #0
2213 OCM
OCM(#7) 0: 磁極検出機能は無効です。
1: 磁極検出機能は有効です。
#7 #6 #5 #4 #3 #2 #1 #0
2229 FORME WATRA ABSEN
WATRA(#3) 0: 検出後、異常な動きを監視します。
1: 検出後、異常な動きを監視しません。
誤検出した場合、異常な動きを防止します。検出後の指令が与えられるまで動きを監視して異常
な動きをした場合、検出異常アラーム SV0454 にします。通常、0 を設定してください。Vcmd モー
ドで使用する場合は、1 にしてください。
FORME(#4) 0: 自動選択モード
名称
磁極検出機能
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#7 #6 #5 #4 #3 #2 #1 #0
2009 PDDDM
PDDDM(#5) 0: 微少動作方式の磁極検出
①
1: 直流励磁方式の磁極検出
必ず 1 を設定してください。
AMR オフセット(No.2139)が 0 の場合、直流励磁方式で磁極検出を行います。また、検出器の1
回転信号を通過するまでは、トルクリミットを定格電流(No.2086)まで下げます。
(90G0/19,90G3/5.0,90E1/13.0,90E3/8.0 版以降)
注意
検出中に電気角で最大 180 度動く場合がありますので注意してください。
[設定単位] 度
[設定範囲] 1~360
[初期設定値] 0
No.2229#0(ABSEN)=1 の場合、検出完了後に、検出結果は本パラメータに記憶します。
再検出を行う場合は、本パラメータを手動で 0 に書き換えて、電源を再投入します。
警告
磁極確定後は、絶対に手動で書き換えないでください。
2198 繰り返し回数
[設定単位] 回数
① [設定範囲] -1~30
[標準設定値] 0
微少動作方式の場合(No.2229#4=1, No.2009#5=0)、磁極検出を設定された回数+1だけ繰り返
し、その検出結果の平均値を AMR オフセットに表示します。
直流励磁方式の場合(No.2229#4=1, No.2009#5=1)、本パラメータに負の値を設定すると、AMR
オフセット(No.2139)が 0 でなくても、直流励磁方式の検出を行います。
(90G0/19,90G3/5.0,90E1/13.0,90E3/8.0 版以降)
名称
磁極検出機能
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01 2013/04/02 園田 ①を追加
版 年月日 担当 変更内容 6/15
作成 担当 園田 承認 豊沢
2199 許容電気角
2268 許容移動量倍率(MFMPMD)
[設定単位] %単位
[設定範囲] -1000~1000
[標準設定値] 0(内部的には 100%)
正の値の場合
微少動作方式の許容移動量を設定します。許容移動量は機械角 5 度で 100%です。許容移動量
を超えると検出電流を自動的に小さくしますが、小さくしても超える場合は”検出異常アラーム
SV0454”が発生します。この場合、本パラメータを 100%以上(200 程度)に設定します。
①
負の値の場合
微少動作方式や直流励磁方式の移動及び停止の速度判定レベル(検出感度)を変更します。検
出感度を上げるには 100%未満(絶対値で 100 未満)、下げる場合には 100%以上(絶対値で
100 以上)に設定します。速度フィードバックのノイズが大きい場合は、検出感度を下げます
(-200~-500 程度)。大きなイナーシャで許容移動量を超えて検出異常アラームになる場合は、
検出感度を上げます(-10~-20 程度)。
(5) 信号
磁極検出要求信号 (軸形)
Gn135.0~Gn135.7 (RPREQ1~RPREQ8)
[区分] 入力信号
[機能] 磁極検出を要求します。各制御軸にある信号であり、末尾の数字が制御軸の番号を示します。
[動作] 1 にすることにより、磁極検出が開始されます。一旦磁極検出が始まると、本信号が 0 になって
も、磁極検出は続行されます。
磁極検出中信号 (軸形)
Fn158.0~Fn158.7 (RPDET1~RPDET8)
[区分] 出力信号
[機能] 磁極検出中であることを通知します。各制御軸にある信号であり、末尾の数字が制御軸の番号を
示します。
[出力条件] 下記の場合に 1 になります。
・ 磁極検出中
下記の場合に 0 になります。
・ 磁極検出が完了したとき
・ 磁極検出が異常終了したとき
・ リセットにより磁極検出が中断されたとき
名称
磁極検出機能
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01 2013/04/02 園田 ①を追加
版 年月日 担当 変更内容 7/15
作成 担当 園田 承認 豊沢
磁極検出完了信号 (軸形)
Fn159.0~Fn159.7 (RPFIN1~RPFIN8)
[区分] 出力信号
[機能] 磁極検出が完了したことを通知します。各制御軸にある信号であり、末尾の数字が制御軸の番号
を示します。
[出力条件] 下記の場合に 1 になります。
・ 磁極検出が完了したとき
・ アブソリュート検出器で、No.2139 が 0 でないとき
RPREQ
RPDET
RPFIN
注
1 アブソリュート検出器の場合、パラメータ(No.2229#0)を 1 にして一度磁極検出を行い、検出が完了した後、
電源をオフ・オンしても本信号は 1 の状態を保ちます。パラメータ(No.2139)を 0 に設定して電源をオフ・オ
ンすると 0 になります。
2 インクリメンタル検出器の場合、磁極検出完了信号は電源を落とすと 0 になります。
信号アドレス
#7 #6 #5 #4 #3 #2 #1 #0
Gn135 RPREQ8 RPREQ7 RPREQ6 RPREQ5 RPREQ4 RPREQ3 RPREQ2 RPREQ1
#7 #6 #5 #4 #3 #2 #1 #0
Fn158 RPDET8 RPDET7 RPDET6 RPDET5 RPDET4 RPDET3 RPDET2 RPDET1
磁極検出機能
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表1 アラーム詳細番号
詳細 アラーム要因 推定される原因
番号
1 微少動作方式で、速度フィードバックが停止判定レ 速度フィードバックのノイズが大きいので、ノイズ対策を行
ベル以下にならない う、もしくは検出感度(No.2268,負値)を下げる
2 微少動作方式で、検出電流を小さくしても大きく動 動摩擦が小さいので、検出感度(No.2268,負値)を上げる
いてしまう
3 微少動作方式で、検出電流を大きくしても、速度 モータがロックされている
フィードバックが判定レベル以上にならない イナーシャが大きいときは、検出感度(No.2268,負値)を上げ
る
5 トルクの極性とモータの加速度の方向が一致しない 動力線の接続ミス
6 直流励磁方式で、速度フィードバックが停止判定レ 速度フィードバックのノイズが大きいので、ノイズ対策を行
ベル以下にならない う、もしくは検出感度(No.2268,負値)を下げる
7 直流励磁方式で、モータの回転方向が逆 動力線の接続ミス
8 直流励磁方式で、モータの移動量が許容範囲外 極数等のパラメータ設定ミス、もしくはモータがロックされ
ている、または摩擦が大きい
名称
磁極検出機能
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01 2013/04/02 園田 ①を追加
版 年月日 担当 変更内容 9/15
作成 担当 園田 承認 豊沢
(7) 不具合対策
表2 磁極検出不具合発生時の対策
検出 検出 検出
不具合現象 状態 要求 中 完了 要因 対策
(Gn135) (Fn158) (Fn159)
[検出完了前]
検出要求信号を ON にして
OFF OFF OFF 検出要求信号が OFF
モータが全く動かな ください
検出が
い No.2213#7、またはオプショ
開始しない 磁極検出機能が無効
ON OFF OFF ンを確認ください
サーボオフ サーボオンにしてください
検出器の分解能が荒い 停止速度判定値(No.2268)を
100 万/rev 以下 -200~-500 にしてください
モータが僅かに動く
が、検出が完了せず、 速度フィードバックの ノイズ対策を行ってくださ
検出が アラームにもならな ノイズ い
ON ON OFF
完了しない い 摩擦が非常に小さく、
検出電流 A (No.2182)を小さ
励磁すると振動して停
くしてください
止判断に入らない
検出中に異常に大き
停止速度判定値(No.2268)を
く動いて、検出が完了 分解能が細かい検出器
しない -10~-20 にしてください
停止時誤差過大の設定を大
停止時 検出中に停止時誤差 きくするか、検出電流 A
ON OFF OFF 摩擦が小さい
誤差過大 過大アラームが発生 (No.2182)を定格電流以下に
してください
検出電流 A (No.2182)を定格
検出異常 摩擦が大きい
磁極検出異常アラー 電流以上にしてください
アラーム ON OFF OFF
ムが発生 電流ゲインを適切な値に設
(SV0454) 電流ゲインが小さい
定してください
[検出完了後]
動力線の相順と検出器 動力線の相順を変更してく
の方向が不一致(*1-1) ださい(*1-2)
検出器の設定間違い 正しい検出器分解能の設定
(*2-1) を行ってください(*2-2)
振動する ― OFF ON
極数の設定間違い 正しいモータ極数を設定し
(*3-1) てください(*3-2)
速度ゲインを適切な値に調
速度ゲインが高い
整してください
名称
磁極検出機能
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No.2229#0=1 にしてくださ
No.2229#0=0
い
AMR オフ 検出完了後、AMR オ
MDI モードで表示が更新さ
セットが変 フセットに検出結果 ― OFF ON MDI モードでない
れます
化しない が表示されない
インクリメンタル検出 モータが 1 回転以上回す必
器 要があります
検出異常 検出完了後に磁極検
ON 速度モードで動かして No.2229#3=1 で誤検出を回
アラーム 出異常アラームが発 ― OFF
→OFF いる 避してください
(SV0454) 生する
[再起動後]
インクリメンタル検出 起動毎に磁極検出を行う必
AMR オフセットは 0
器 要があります
動かない でないのに指令を入 ― ― ―
再度、磁極検出を行う必要が
れても動かない 検出器のアラーム
あります
検出電流 A (No.2182)を定格
摩擦が大きい
検出結果が AMR オフセットの値 電流以上にしてください
― ― ―
ばらつく が検出毎にばらつく
(*1-1), (*2-1),(*3-1) (*1-2), (*2-2),(*3-2)
を参照ください を参照ください
名称
磁極検出機能
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以下のサーボソフト・NC ソフトにおいては、磁極検出未完了[磁極検出有効(No.2213#7=1)かつ磁極検出完了
信号オフ(Fn159=0)]のとき、
1) インターロック状態にします。
(軸毎にインターロックが掛かります。診断画面 No.0000 の“インタロック/スタートロック”に 1 と表示されます。)
2) サーボ準備完了信号 SA をオフします (全軸の SA をオフします。)
3) アラーム表示(DS0650)を行います (リセットでクリア)
の処理を実行するようにし、ユーザのラダー処理が行われていなくても、安全が確保されます。
[対応サーボソフトウェア系列・版数]
CNC サーボソフト 備考
系列 版数
Series 30i/31i/32i/35i-B 90G0 03.0 版以降
Power Motion i-A 90G3 01.0 版以降
Series 30i/31i/32i-A 90E0 M(13) 版以降
90E1 01.0 版以降
90E3 01.0 版以降
Series 30i/31i-A 90D0 M(13) 版以降 HRV4
Series 0i-D 90C5 A(01) 版以降
90C8 A(01) 版以降
90E5 A(01) 版以降
90E8 A(01) 版以降
[対応システムソフトウェア系列・版数]
CNC システムソフト
系列 版数
Series 30i-A G00C,G01C,G02C 27.0 版以降
G004,G014,G024 1.0 版以降
Series 31i-A5 G12C,G13C 27.0 版以降
G124,G134 1.0 版以降
Series 31i-A G103,G113 4.0 版以降
G104,G114 1.0 版以降
Series 32i-A G203 4.0 版以降
G204 1.0 版以降
Series 0i-MD D4F1 01 版以降
Series 0i-TD D6F1 01 版以降
Series 0i Mate-MD D5F1 01 版以降
Series 0i Mate-TD D7F1 01 版以降
Series 30i/31i/32i/35i-B, Power Motion i-A につきましては全て対応しています。
アラームとメッセージは以下の通りです。
番号 メッセージ 内容
DS0650 磁極検出要求 アブソリュート検出の軸(No.1815#5=1)において、磁極
POLE DETECTION REQUEST 検出が未完了の状態(Fn159=0)です。
アブソリュート検出でない軸(No.1815#5=0)において、
磁極検出を一旦完了させた後、磁極検出未完了の状態
(Fn159=0)に変化しました。
名称
磁極検出機能
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B-65270JA/08-001
ページ
#7 #6 #5 #4 #3 #2 #1 #0
1809 PAO SAN
[入力区分] パラメータ入力
[データ形式] ビット系統形
注意
重力軸に磁極検出を使用する場合、基本的に磁極検出完了(Fn159=1)とサーボ準備完了信号を確認してか
らブレーキ解除を行って下さい。やむを得ず、サーボ準備完了信号のみ確認することによりブレーキ解除を
行いたい場合、本パラメータ=1 とします。
注
1 アラーム DS0650 は、アブソリュート検出の軸か否かにより以下のように発生条件が異なります。
・ アブソリュート検出の軸(No.1815#5=1)において、磁極検出が未完了の状態(Fn159=0)で発生
・ アブソリュート検出でない軸(No.1815#5=0)において、磁極検出を一旦完了させた後、磁極検出未完了
の状態(Fn159=0)に変化したら発生
2 本アラームが発生した場合、再検出を行って下さい。再検出完了後は、リセットによりアラームが消去され
ます。
名称
磁極検出機能
図番
B-65270JA/08-001
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[対応サーボソフトウェア系列・版数]
CNC サーボソフト 備考
系列 版数
Series 30i/31i/32i/35i-B 90G0 03.0 版以降
Power Motion i-A 90G3 01.0 版以降
Series 30i/31i/32i-A 90E0 M(13) 版以降
90E1 01.0 版以降
90E3 01.0 版以降
Series 30i/31i-A 90D0 M(13) 版以降 HRV4
Series 0i-D 90C5 A(01) 版以降
90C8 A(01) 版以降
90E5 A(01) 版以降
90E8 A(01) 版以降
[対応システムソフトウェア系列・版数]
CNC システムソフト
系列 版数
Series 30i-A G00C,G01C,G02C 27.0 版以降
G004,G014,G024 1.0 版以降
Series 31i-A5 G12C,G13C 27.0 版以降
G124,G134 1.0 版以降
Series 31i-A G103,G113 4.0 版以降
G104,G114 1.0 版以降
Series 32i-A G203 4.0 版以降
G204 1.0 版以降
Series 0i-MD D4F1 1.0 版以降
Series 0i-TD D6F1 1.0 版以降
注意
1 磁極検出機能が必要なモータで、制御軸取り外し機能を使ってモータを切換る場合は、それぞれのモータと
検出器は、同じものである必要があります。
2 制御軸取り外し対応は、上記のシステムソフト、サーボソフトとの組み合わせでのみ有効です。未対応のシ
ステムソフト、サーボソフトでは、磁極検出機能と制御軸取り外し機能を併用することは出来ません。
制御軸取り外し機能を使用する場合、検出器のZ相とモータの磁極位置の関係が変わる可能性があるので、再度磁
極検出を行うか、AMR オフセット(No.2139)を適切な値に書き換える必要があります。しかしながら、従来の仕
様では、磁極検出の再実行、及び AMR オフセットの書き換えを行うためには、一旦電源を再起動する必要があり
ました。上記記載の対応サーボソフト・システムソフトでは、CNC の電源を再起動することなく、磁極検出の再実
行、及び AMR オフセットの書き換えが可能となっています。
磁極検出が適用されている軸は、以下の手順に従って、制御軸取り外しを行ってください。
Gn124、もしくはパラメータNo.12#7 によって制御軸取り外しを開始
(磁極検出完了信号 Fn159=0)
マニュアルもしくは G10 を使って、AMR オフセット(No.2139)を適切な値へ書き換え※1
制御軸取り外し解除
磁極検出要求のアラーム DS0650 発生※2
名称
磁極検出機能
図番
B-65270JA/08-001
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名称
磁極検出機能
図番
B-65270JA/08-001
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1.適用される技術資料の種類
2.変更内容
オプション機
能
ユニット
保守部品
注意事項
誤記訂正
その他
名
シリーズ 30i/31i/32i /35i-B/Power Motion i-A
02 13.05.15 湯 ②部誤記訂正 称 用ディジタルサーボソフト(90G0)の改版について
図 提
01 13.04.17 湯 新規登録 番 B-65270JA/08-02/02 出
1. 版数
ROM系列 版数 適用対象機種
90G0 21.0 Series 30i /31i / 32i/ 35i –B/ Power Motion i –A
2. 内容
-サーボ・スピンドル同期制御(FSSB 方式)の対応
サーボ・スピンドル同期制御(FSSB 方式)に対応しました。
-セミクローズ側エラーカウンタにスムースバックラッシ補正を加算する機能の対応
デュアル位置フィードバック機能にスムースバックラッシ補正を併用した場合に、セミクローズ側に補正
量を加算する機能(N11601#6=1)に対応しました。
添付資料の「デュアル位置フィードバック機能とスムースバックラッシ補正との併用について」を参照
して下さい。
名
シリーズ 30i/31i/32i /35i-B/Power Motion i-A
称 用ディジタルサーボソフト(90G0)の改版について
図 提
01 13.04.17 湯 新規登録 番 B-65270JA/08-02/02 出
(1) 概要
デュアル位置フィードバック機能には、別置検出器からのフィードバックを使用した位置制御ループ(フルクロー
ズ側)と、サーボモータのパルスコーダからのフィードバックを使用した位置制御ループ(セミクローズ側)との
2つの位置制御ループがあります。デュアル位置フィードバック機能にスムースバックラッシ補正を併用するとき、
補正量をセミクローズ側の位置制御ループへ補正する機能に対応しました。
(2) 注意
• 対応していない版数(90G0/20.0 版以前)で使用すると、セミフル誤差が累積する場合があります。
(3) パラメータ設定
#7 #6 #5 #4 #3 #2 #1 #0
No.11601 SBN
SBN(#6) スムースバックラッシとデュアル位置フィードバックが有効の場合、スムースバックラッシ補正量は
0: No.2206#4, No.2101#5 の設定によります。
1: セミクローズ側を補正します。
(4) 誤記訂正
パラメータ説明書(B-65270JA/08)の 5.4.8 デュアル位置フィードバック機能(オプション機能)の(5)スムー
スバックラッシ補正との併用について 対応サーボソフトウェアの記載に誤記がありましたので訂正いたします。
(誤) (正)
[対応サーボソフトウェア] [対応サーボソフトウェア]
(30i-B Series) (30i-B Series)
90G0 系列/03.0 版以降 90G0 系列/21.0 版以降
(30i-A Series) (30i-A Series)
90D0 系列/Q(17)版以降 90D0 系列/Q(17)版以降
90E0 系列/Q(17)版以降 90E0 系列/Q(17)版以降
90E1 系列/01.0 版以降 90E1 系列/01.0 版以降
(0i-D Series) (0i-D Series)
90C5,C8 系列/A(01)版以降 90C5,C8 系列/A(01)版以降
90E5,E8 系列/A(01)版以降 90E5,E8 系列/A(01)版以降
名
シリーズ 30i/31i/32i /35i-B/Power Motion i-A
称 用ディジタルサーボソフト(90G0)の改版について
図 提
01 13.04.17 湯 新規登録 番 B-65270JA/08-02/02 出
1.適用される技術資料の種類
2.変更内容
オプション機能
-チョッピング設定画面(R614)の速度一定型サーボ 追加 2013.05
遅れ補正
ユニット
保守部品
注意事項
誤記訂正
その他
名
シリーズ 30i/31i/32i /35i-B/Power Motion i-A
称 用ディジタルサーボソフト(90G0)の改版について
図 提
01 13.05.27 湯 新規登録 番 B-65270JA/08-03 出
1. 版数
ROM系列 版数 適用対象機種
90G0 22.0 Series 30i /31i / 32i/ 35i –B/ Power Motion i –A
2. 内容
-チョッピング設定画面(R614)の速度一定型サーボ遅れ補正
チョッピング時に速度一定型サーボ遅れ補正( No8360#1=1 )に対応しました。
詳細は TMN11/039
「FANUC Series 30i/31i/32i- MODEL A FANUC Series 30i/31i/32i- MODEL B チョッピング設定画面」を
ご参照下さい。
名
シリーズ 30i/31i/32i /35i-B/Power Motion i-A
称 用ディジタルサーボソフト(90G0)の改版について
図 提
01 13.05.27 湯 新規登録 番 B-65270JA/08-03 出
1.適用される技術資料の種類
2.変更内容
ユニット
保守部品
注意事項
誤記訂正
その他
図 提
01 13.08.09 恒木 新規登録 番 B-65270JA/08-004 出
2. 内容
推定位置と実位置間の誤差過大検出
推定位置と実位置間の誤差過大を検出できるようになりました。詳細は「パラメータ説明書
(B-65270JA/08)」をご参照下さい。
STO 機能対応
セーフトルクオフ(STO)機能に対応しました。詳細は「30i-B 用サーボアンプの仕様説明書
(B-65412JA/01)」をご参照下さい。
スマートバックラッシ補正
スマートバックラッシ補正に対応しました。詳細はテクニカルレポート(*)をご参照下さい。
(*)スマートバックラッシ補正に関するテクニカルレポートは 2013 年 8 月末までに発行予定です。
パラメータテーブルの変更
標準パラメータテーブルを変更しました。詳細は添付資料をご参照下さい。
3.添付資料
添付資料1:標準パラメータテーブルの変更
図 提
01 13.08.09 恒木 新規登録 番 B-65270JA/08-004 出
(1)下表のモータモデルについて、標準パラメータの追加または変更を行いました。
標準パラメータ値につきましては添付の表1を参照ください。
βiS22/2000(80A) - 482 変更
(2)回転形モータについて、標準パラメータΝο.2061の追加を行いました。
No.2061はスマートバックラッシ補正で使用されます。
モータモデル毎の設定値につきましては添付の表2を参照ください。
図 提
01 13.08.09 恒木 新規登録 番 B-65270JA/08-004 出
* 枠で囲まれた部分が追加点です。
図 提
01 13.08.09 恒木 新規登録 番 B-65270JA/08-004 出
βiS12
αiS2 αiS2 βiS4 αiS4 αiS4 βiS8 βiS12 βiS12 αC4 βiS12
モータモデル 2000
5000 5000HV 4000HV 5000 5000HV 3000HV 2000 3000HV 3000i 3000
40A
モータ形式 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272
EMFLMT 2061 284 285 409 465 465 601 416 833 618 838 620
αiF4 βiS22 αiF4 αC8 αiF8 βiS22 αiF8 βiS0.4 βiS0.5 βiS1 βiSc8
モータモデル
5000 2000 5000HV 2000i 3000 2000HV 3000HV 5000 6000 6000 3000
モータ形式 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283
EMFLMT 2061 773 880 818 1088 818 884 817 49 48 43 598
βiSc8
αiS2 αiS8 αiS8 αiS2 αiS12 αiS12 αiS8 αC12 αiS8 αiF12
モータモデル 3000
6000 4000 4000HV 6000HV 4000 4000HV 6000 2000i 6000HV 4000
40A
モータ形式 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294
EMFLMT 2061 348 239 248 348 378 381 387 2030 387 1395 299
βiSc2 βiSc4
βiSc2 αiF40 αiF40 αiF40 βiSc4 βiS22 βiS22 αiS22 αiS22
モータモデル 4000 4000
4000 3000 3000Fan 3000HV 4000 3000 3000HV 4000 4000HV
40A 40A
モータ形式 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316
EMFLMT 2061 283 1388 1388 1387 141 408 204 716 698 499 555
αiS50 αiS60
αiS30 αiS30 αiS40 αiS40 αiS50 αiS50 αiS50 αiS60 αiS100
モータモデル 3000HV 3000HV
4000 4000HV 4000 4000HV 3000 3000Fan 3000HV 3000Fan 2500Fan
Fan Fan
モータ形式 318 319 322 323 324 325 326 327 328 329 330
EMFLMT 2061 594 598 670 673 504 504 509 509 500 500 664
αiS100 αiS200
αiS200 αiS100 αiS100 αiS200 αiS200 αiS300 αiS300 αiS300 αiS500
モータモデル 2500HV 2500HV
2500Fan 2500 2500HV 2500 2500HV 2000 2000HV 3000HV 2000
Fan Fan
モータ形式 331 334 335 336 337 338 339 342 343 344 345
EMFLMT 2061 664 832 664 664 832 832 832 831 831 672 972
DiS22 DiS22 DiS85 DiS85 DiS110 DiS110 DiS260 DiS260 DiS260 DiS260 DiS370
モータモデル 600 600 400 400 300 300 300 300 600 600 300
(200V) (400V) (200V) (400V) (200V) (400V) (200V) (400V) (200V) (400V) (200V)
モータ形式 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431
EMFLMT 2061 514 514 552 552 960 960 754 754 752 752 733
DiS370 DiS800 DiS800 DiS1200 DiS1200 DiS1500 DiS1500 DiS2100 DiS2100 DiS3000 DiS3000
モータモデル 300 250 250 250 250 200 200 150 150 150 150
(400V) (200V) (400V) (200V) (400V) (200V) (400V) (200V) (400V) (200V) (400V)
モータ形式 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442
EMFLMT 2061 733 1613 1613 1634 1634 2740 2740 3631 3226 3331 2960
図 提
01 13.08.09 恒木 新規登録 番 B-65270JA/08-004 出
αiS2000 βiS12
αiS4 αiS50 αiS50 αiS60 αiS60 βiS30 βiS30 βiS40 βiS40
モータモデル 2000HV 3000
6000HV 2000 2000HV 2000 2000HV 2000 2000HV 2000 2000HV
spindle 80A
モータ形式 467 468 469 470 471 472 473 474 475 476 477
EMFLMT 2061 569 649 649 764 764 775 777 758 758 3648 620
βiF22 βiSc12
βiF30 αiF8 αiF8 αiF22 αiF22 βiSc12
モータモデル 2000 3000
1500 4000 4000HV 4000 4000HV 3000
80A 80A
モータ形式 490 491 492 493 494 495 496 497
EMFLMT 2061 1966 1205 654 654 1234 1234 620 620
図 提
01 13.08.09 恒木 新規登録 番 B-65270JA/08-004 出
1.適用される技術資料の種類
2.変更内容
オプション機能
ユニット
保守部品
注意事項
誤記訂正
その他
名 サーボ HRV+制御仕様書
称
図
B-65270JA/08-005
番
01 ’13.09.20 猪飼 新規作成 ペ 01
版 年 月 日 設 計 変 更 内 容 ジ /013
FANUC Series 30i/31i/32i/35i-B
Power Motion i-A
サーボ HRV+制御仕様書
目次
(1) サーボ HRV+制御の特徴............................................................................. 3
(3) 機能詳細............................................................................................................ 4
(4) 関連パラメータ................................................................................................. 5
(5) 調整手順............................................................................................................ 8
(6) 調整例(速度制御ループの応答性が向上した例)
/向上しなかった例)..................................................................10
(7) サーボ HRV+制御のモータ固有のパラメータ .................................... 12
名 サーボ HRV+制御仕様書
称
図
B-65270JA/08-005
番
01 ’13.09.20 猪飼 新規作成 ペ 02
版 年 月 日 設 計 変 更 内 容 ジ /013
(1) サーボ HRV+制御の特徴
サーボ HRV+制御は電流制御ループの応答性を高める機能です。電流制御ループの応答性を高めることで速度制御ループ
のハイゲイン化を実現し、加工面品位の向上を実現します。
以下の例では、サーボ HRV+制御によりモータ端の軌跡精度が向上しています。
軌跡精度が向上
象限突起が減少
5m/div 5m/div
なお、速度制御ループの応答性の限界が機械の特性によって決まっている場合には、サーボ HRV+制御により電流制御ル
ープの応答性を高めても速度制御ループのハイゲイン化が実現できないことがあります。
(2) 適用可能サーボソフト系列/版数
CNC 機種 サーボソフト
系列 版数
Series 30i /31i /32i /35i -B
90J0, 90K0 02.0 版以降
Power Motion i-A
※ 新サーボカード(サーボカード B、サーボカード C)、新サーボカードに対応した CNC ソフトが必要になります。
名 サーボ HRV+制御仕様書
称
図
B-65270JA/08-005
番
01 ’13.09.20 猪飼 新規作成 ペ 03
版 年 月 日 設 計 変 更 内 容 ジ /013
(3) 機能詳細
サーボ HRV+制御は電流制御ループの応答性を高める機能です。電流制御ループの応答性が向上したことにより速度制御ル
ープゲインが上がり、速度制御ループの応答性を向上することができます。
ただし、サーボ HRV+制御により電流制御ループの応答性が向上したことにより、今まで電流制御ループが応答できなかっ
たことにより発生していなかった高い周波数(1kHz 付近)の振動が発生することがあります。この場合には、HRV フィルタ
で振動を回避して下さい。
速度フィードバック 電流フィードバック
図2 制御ブロック図
HRV フィルタにはノッチフィルタとローパスフィルタ(2次)の2種類のフィルタが用意されています。
周波数特性でゲインの高い範囲が狭い場合はノッチフィルタを、ゲインの高い範囲が広い場合、または、複数の共振点が存
在する場合はローパスフィルタを使用します。
ただし、強いローパスフィルタ※でなければ振動を低減できない場合、フィルタの影響で速度制御ループの応答性が向上で
きないことがあります。
※ カットオフ周波数の低いローパスフィルタの意味です。
ノッチフィルタを使用する例 ローパスフィルタを使用する例
サーボ HRV+制御
サーボ HRV+制御
周波数 周波数
共振点が複数あり
ゲイン ゲインの高い範囲が広い
サーボ HRV+制御
サーボ HRV 制御
周波数
図3 フィルタの例
名 サーボ HRV+制御仕様書
称
図
B-65270JA/08-005
番
01 ’13.09.20 猪飼 新規作成 ペ 04
版 年 月 日 設 計 変 更 内 容 ジ /013
(4) 関連パラメータ
機能ビット
サーボ HRV+制御を使用するために、以下の機能ビットを設定して下さい。
#7 #6 #5 #4 #3 #2 #1 #0
2422 HRVPLS
HRVPLS (#4) サーボ HRV+制御を
0: 無効にする
1: 有効にする
機能ビットを有効にすると、高速 HRV 電流制御モードが有効のときにサーボ HRV+制御が有
効になります。
モータ固有のパラメータ
2159 電流依存型電流制御ループゲイン
2160 電流依存型電流制御ループゲイン
#7 #6 #5 #4 #3 #2 #1 #0
2560 PK12S2P VOLTFL
PK12S2P (#1) サーボ HRV+制御有効時の電流制御ループゲインを
0: 4 倍しない
1: 4 倍する
VOLTFL (#0) 電流制御ループ内のフィルタを
0: 無効にする
1: 有効にする
名 サーボ HRV+制御仕様書
称
図
B-65270JA/08-005
番
01 ’13.09.20 猪飼 新規作成 ペ 05
版 年 月 日 設 計 変 更 内 容 ジ /013
調整パラメータ
サーボ HRV+制御の適用で電流制御ループの応答性が高まったことにより、高い周波数(1kHz 付近)の振動が発生する場
合があります。以下のフィルタを調整し、振動を抑えて下さい。
■ 制振フィルタ(ダンピング付きノッチフィルタ)
制振フィルタは、ある周波数帯域の信号をカットするような働きを持っています。カットする領域の中心周波数と、カット
する帯域幅、ダンピングの3つのパラメータを設定します。
※ セミクローズ設定のときに使用可能なフィルタです。
90J0 系列 02 版以降、90K0 系列 02 版以降で使用可能です。
別置位置検出器を使用しているとき(フルクローズ設定時)には使用できません。
使用した場合、SV0417:パラメータ不正アラーム(診断画面 No.0352 = 6402)が発生します。
■ ローパスフィルタ
No.2643 に値を設定すると、設定値をカットオフ周波数とする2次のローパスフィルタを有効にすることができます。
このフィルタはサーボ HRV+制御が実行中のみ有効になり、従来制御には影響を与えません。
2643 サーボ HRV+制御用ローパスフィルタ・カットオフ周波数
[単位] Hz
[設定範囲] 500 ~ 1000
抑制したい振動の周波数の 2/3 の周波数から設定を開始し、高い周波数の振動が収まるまでカ
ットオフ周波数を下げて下さい。
名 サーボ HRV+制御仕様書
称
図
B-65270JA/08-005
番
01 ’13.09.20 猪飼 新規作成 ペ 06
版 年 月 日 設 計 変 更 内 容 ジ /013
以下の機能ビットを有効にすると、サーボ HRV+制御が実行時にかかるデフォルトのトルクコマンドフィルタ※を無効にする
ことができます。サーボ HRV+制御を適用しても振動が発生せず、応答性を更に向上させたい場合に設定して下さい。
※ サーボ HRV+制御で応答性が高くなりすぎないように、デフォルトでカットオフ周波数 500Hz のトルクコマンドフィ
ルタを有効にしています。
#7 #6 #5 #4 #3 #2 #1 #0
2566 TFILOF
TFILOF (#6) サーボ HRV+制御実行中にデフォルトでかかるフィルタを
0: 有効にする
1: 無効にする
■ 速度制御ループゲイン倍率
サーボ HRV+制御の適用により上がった速度制御ループゲインの倍率を以下のパラメータに設定して下さい。
#7 #6 #5 #4 #3 #2 #1 #0
2202 VGCCR
VGCCRF (#1) 速度制御ループゲインの切り換えを
0: 使用しない
1: 使用する
名 サーボ HRV+制御仕様書
称
図
B-65270JA/08-005
番
01 ’13.09.20 猪飼 新規作成 ペ 07
版 年 月 日 設 計 変 更 内 容 ジ /013
(5) 調整手順
Step 1: 初期設定
最初に以下のパラメータを確認・設定します。
1. No.2590, No.2591, No.2595 の確認 (サーボ HRV+制御用の電流制御ループゲイン)
2. No.2159, No.2160 の確認 (電流依存型電流制御ループゲイン)
3. No.2560#1, #0 の確認 (4 倍ビット、電流制御ループ内のフィルタ)
4. No.2271#0=1 の設定 (サーボ HRV+制御を常時有効にするための調整用ビット)
5. No.2422#4=1 の設定 (サーボ HRV+制御の機能ビット)
Step 2: 振動の確認
高い周波数(1kHz 付近)の振動の有無を確認します。
サーボ HRV+制御の機能ビットを有効(No.2422#4=1)にして振動が発生した場合は Step3 へ進んで下さい。
振動が発生しない場合は以下の設定を行い、サーボ HRV+制御にデフォルトでかかるトルクコマンドフィルタを無効にして下
さい。
No.2566#6=1 の設定
No.2566#6=1 を設定後に高い周波数(1kHz 付近)の振動が発生した場合は Step3 へ進んで下さい。
No.2566#6=1 を設定後も振動が発生しない場合は速度制御ループゲインの調整を行います。
速度制御ループ調整時に高い周波数(1kHz 付近)の振動が発生した場合は Step3 へ進んで下さい。
発生しなければ調整した速度制御ループゲインの倍率を No.2335 に設定して Step4 へ進んで下さい。
Step 3: フィルタと速度制御ループゲインの調整
ノッチフィルタ、ローパスフィルタの調整を行って高い周波数(1kHz 付近)の振動を抑えて下さい。振動が消えたら速度制
御ループゲインの調整を行います。調整した速度制御ループゲインの倍率を No.2335 に設定して Step4 へ進んで下さい。
Step 4: 調整終了時
サーボ HRV+制御を調整するために設定した以下のパラメータを戻します。※
1. No.2271#0=0 の設定 (サーボ HRV+制御を常時有効にするための調整用ビット)
※ 調整後、必ず 0 へ戻して下さい。
名 サーボ HRV+制御仕様書
称
図
B-65270JA/08-005
番
01 ’13.09.20 猪飼 新規作成 ペ 08
版 年 月 日 設 計 変 更 内 容 ジ /013
フローチャート
調整開始
Step1
パラメータの確認
No.2590, No.2591, No.2595
No.2159, No.2160
No.2560#1, #0
調整用ビットの設定
No.2271#0=1
サーボ HRV+制御の設定
No.2422#4=1
Step2
振動が発生しない 振動が発生しない
高い周波数(1kHz 付近)の
振動が発生?
デフォルトフィルタ無効
速度制御ループゲイン調整
振動が発生 No.2566#6=1
高い周波数(1kHz 付近)の
振動が発生?
振動が発生
振動が発生
高い周波数(1kHz 付近)の
振動が発生?
振動が発生しない
Step3
フィルタの調整
速度制御ループゲイン調整
Step4
調整用ビットを元に戻す
No.2271#0=0
調整終了
名 サーボ HRV+制御仕様書
称
図
B-65270JA/08-005
番
01 ’13.09.20 猪飼 新規作成 ペ 09
版 年 月 日 設 計 変 更 内 容 ジ /013
(6) 調整例(速度制御ループの応答性が向上した例/向上しなかった例)
速度制御ループの応答性が向上した例
・ サーボ HRV+制御を適用しても振動は発生しない
・ フィルタ調整
速度制御ループゲインを 800%まで上げると高い周波数(1.33kHz)で発振したため、ローパスフィルタ(No.2643=900
(=1330×2/3))を設定
・速度制御ループゲイン調整
速度制御ループゲインを調整
⇒ 速度制御ループの応答性が向上
サーボ HRV 制御 サーボ HRV+制御
応答性が向上
名 サーボ HRV+制御仕様書
称
図
B-65270JA/08-005
番
01 ’13.09.20 猪飼 新規作成 ペ 010
版 年 月 日 設 計 変 更 内 容 ジ /013
速度制御ループの応答性が向上しなかった例
・ サーボ HRV+制御を適用すると高い周波数(620Hz)の振動が発生
共振点
・フィルタを調整
速度制御ループゲインを少し下げて周波数特性を測定
共振点にノッチフィルタを適用して振動を抑制
共振点 共振点
・速度制御ループゲイン調整
速度制御ループゲインを調整
⇒ 反共振点により速度制御ループの応答性は変わらない
応答性は
変わらない
反共振点 反共振点
名 サーボ HRV+制御仕様書
称
図
B-65270JA/08-005
番
01 ’13.09.20 猪飼 新規作成 ペ 011
版 年 月 日 設 計 変 更 内 容 ジ /013
(7) サーボ HRV+制御のモータ固有のパラメータ
現時点でサーボ HRV+制御用のモータ固有パラメータが決まっているものは以下のモータになります。
下記表に記載されていないモータのサーボ HRV+制御のモータ固有のパラメータについては、お問い合わせ下さい。
■ i F シリーズ
αiF30/4000 αiF40/3000
モータ番号 303 307
No.2013#0 1 1
No.2422#4 1 1
No.2590 7800 13200
No.2591 -11800 -21500
No.2595 1636 1642
No.2159 2829 3856
No.2160 5210 5210
No.2560#1 0 0
No.2560#0 0 0
αiF30/4000HV αiF40/3000HV
モータ番号 304 309
No.2013#0 1 1
No.2422#4 1 1
No.2590 7000 13000
No.2591 -12000 -24000
No.2595 1839 1540
No.2159 3343 4626
No.2160 5210 5200
No.2560#1 0 0
No.2560#0 0 0
名 サーボ HRV+制御仕様書
称
図
B-65270JA/08-005
番
01 ’13.09.20 猪飼 新規作成 ペ 012
版 年 月 日 設 計 変 更 内 容 ジ /013
■ i S シリーズ
名 サーボ HRV+制御仕様書
称
図
B-65270JA/08-005
番
01 ’13.09.20 猪飼 新規作成 ペ 013
版 年 月 日 設 計 変 更 内 容 ジ /013
スマートバックラッシ補正仕様書
1.適用される技術資料の種類
2.変更内容
オプション機能
ユニット
保守部品
注意事項
誤記訂正
その他
名 スマートバックラッシ補正仕様書
称
図
B-65270JA/08-006
番
01 ’13.08.28 飯島 新規作成 ペ 01
版 年 月 日 設 計 変 更 内 容 ジ /016
FANUC Series 30i/31i/32i-B
FANUC Series 0i-D
スマートバックラッシ補正仕様書
目次
(1) 本機能の特徴 ................................................................................................3
(3) 機能詳細..........................................................................................................4
(5) 調整手順..........................................................................................................7
名 スマートバックラッシ補正仕様書
称
図
B-65270JA/08-006
番
01 ’13.08.28 飯島 新規作成 ペ 02
版 年 月 日 設 計 変 更 内 容 ジ /016
(1) 本機能の特徴
スマートバックラッシ補正は、
・ サーボモータにかかる負荷およびサーボモータ-ボールネジ結合部から被駆動体までの距離
・ ボールネジが受ける負荷
に基づいた最適なバックラッシ補正量を適用することで機械先端の精度を向上することが可能です。
従来型バックラッシ補正(図 1(a))では象限切換りの際にバックラッシ補正が過剰で切りこみが発生しているのに対し、ス
マートバックラッシ補正(図 1(b))では切りこみが改善していることがわかります。
(2) 適用可能サーボソフト系列/版数
注:象限突起とバックラッシ加速
z スマートバックラッシ補正は位置の補正を行う機能です。
z スマートバックラッシ補正を有効にする前に、象限突起を解消するバックラッシ加速を予め調整しておく
ことを推奨します。
名 スマートバックラッシ補正仕様書
称
図
B-65270JA/08-006
番
01 ’13.08.28 飯島 新規作成 ペ 03
版 年 月 日 設 計 変 更 内 容 ジ /016
(3) 機能詳細
図 2 にスマートバックラッシ補正のブロック図を示します。スマートバックラッシ補正は位置制御ループに対する補正を行い
ます。従来型バックラッシ補正のように、あらかじめ決まった補正量を加算するのではなく、
z モータトルクおよび被駆動体の位置
z モータやボールネジなどの減速機構に発生している負荷
に応じてリアルタイムに送り軸の位置補正量を求め、運転状態に応じた補正を行います。
モータ-ボールネジ間結合
からの距離
スマートバックラッシ補正
KELS L
+ 推定負荷
+ KTRT
出力:位置補正量
+
+ + 検出器
位置指令 PG
- 位置偏差
ポジション
距離 L
ゲイン
位置FB
図2 スマートバックラッシ補正のブロック図
注意
本機能の効果はサーボガイドでフィードバックを観測しても直接確認することはできません。必ず機械先端の軌跡精度を
測定するための計測手段をご用意ください。代表的な測定器に以下のものがあります。
z ボールバー計測システム(DBB:たとえばレニショー QC20-W など)
z 2次元交差格子スケール(KGM:たとえばハイデンハイン KGM 181 など)
本資料では、レニショー製のボールバー計測(DBB)システムでの調整例を記載しています。
注:インチ系検出単位について
z スマートバックラッシ補正では、インチ系の検出単位をサポートしません。メトリック系の検出単位でご利用ください。
z NC プログラムをインチ系で利用することは可能です。
注:回転軸について
z 回転軸に関しては、位置に依存した補正(モータ・ボールネジ間結合からの距離に依存した補正)は使用できません。
名 スマートバックラッシ補正仕様書
称
図
B-65270JA/08-006
番
01 ’13.08.28 飯島 新規作成 ペ 04
版 年 月 日 設 計 変 更 内 容 ジ /016
(4) 関連パラメータ
#7 #6 #5 #4 #3 #2 #1 #0
2216 SBC
SBC(#0) スマートバックラッシ補正を
0: 無効にする
1: 有効にする
2191 軸の駆動系全イナーシャ(モータイナーシャ換算比)
[単位] %
[設定範囲] 0 ~ 32767
[設定目安] 機械設計時のモータ~テーブルまでの全イナーシャを、モータイナーシャ比で設定します
モータ~テーブルまでの駆動系イナーシャ
No.2191設定値 = × 100
モータイナーシャ
注意
No.2191 には正の値を設定ください。負の数を設定するとパラメータ不正(詳細番号 1913)となります。
2061 モータイナーシャ
[設定値] モータの仕様説明書に記載のモータイナーシャ、トルク定数、アンプ最大電流より、以下の式で、
計算します。
2 × モータイナーシャ[kgm 2 ]
No.2061設定値 = × 223
トルク定数[Nm/Arms] × アンプ最大電流[Ap]
※モータ毎の No.2061 の設定値に関してはテクニカルレポート(TMS13/049)を参照ください。
注
重力軸でのみ No.2087 の値を設定し、水平軸には 0 を設定してください。重力軸への設定値は±7282 を超えない範
囲で設定してください。
名 スマートバックラッシ補正仕様書
称
図
B-65270JA/08-006
番
01 ’13.08.28 飯島 新規作成 ペ 05
版 年 月 日 設 計 変 更 内 容 ジ /016
11811 モータ-ボールネジ結合の機械座標
[単位] mm or inch
[設定範囲] -32768~32767
[設定例] 図 3 の例を参照ください(設定値はストロークリミットの範囲外の機械座標となります)
注
・直径指定の軸は直径値で設定します。
No.11811 Y軸
Y = -700
結合部
結合部
機械座標
Y = -700
300mm
機械座標
Y = -400
Y軸可動範囲
結合部
400mm
X軸
ボールネジ
テーブル
サーボモータ
結合部
機械座標
50 mm
X = -50
X軸可動範囲
500mm
No.11811
X = -50 機械座標 X
原点
機械座標
X = +500
Y
図 3 機械構成とパラメータ No.11811 の設定例
名 スマートバックラッシ補正仕様書
称
図
B-65270JA/08-006
番
01 ’13.08.28 飯島 新規作成 ペ 06
版 年 月 日 設 計 変 更 内 容 ジ /016
(5) 調整手順
Step 1: 初期設定
最初に以下のパラメータを設定・確認します。
1. No.2061(モータイナーシャ:モータ仕様で決まる値)
2. No.2191(駆動系イナーシャ:機械設計により決まる値)
3. No.11811(ボールネジ結合の位置:機械設計により決まる値)
4. No.2216#0 = 1(スマートバックラッシ補正有効)
Step 2: 重力軸トルクオフセットの決定
重力軸を支持する定常トルクを確認し、パラメータ No.2087 の設定を行います。
1. 以下の設定の下で、モータを励磁した状態で重力軸の TCMD をサーボガイドで測定します。
z 単位:A(p)
z 換算係数:1
z 換算基準:1
2. 測定値を No.2087 に設定します。
Step 3: No.2188(形状係数)の決定
注
z バックラッシの位置依存性がないと考えられる工作機械または回転軸に関しては、No.2188 は 0 を設定の上、
Step 3 を飛ばして Step 4 へ進むことが可能です。
円弧動作を行い、以下のサーボガイドデータを測定します(図 4(a))。
SMTTRQ:推定負荷トルク
SCREWL:ボールネジ-モータ結合から測ったテーブル位置までのボールネジ長
波形から反転時の推定負荷トルク、ボールネジ長さを確認します。
また、機械先端精度の測定器(DBB 等)にて円弧動作時の機械先端動作の精度を測定し、バックラッシを確認します。ボ
ールバーを使用して動作精度を測定する例を図 4(b)に示しています。
名 スマートバックラッシ補正仕様書
称
図
B-65270JA/08-006
番
01 ’13.08.28 飯島 新規作成 ペ 07
版 年 月 日 設 計 変 更 内 容 ジ /016
SCREWL
ΔSMTTRQ
SMTTRQ
(a) X 軸動作の測定
注
・ 機械先端精度の測定器(DBB 等)で得られるバックラッシ量と、サーボガイドで測定する SCREWL,
SMTTRQ との対応付けが必要です。
・ SCREWL データにボールネジ-モータ結合から測ったテーブル位置までのボールネジ長が正しく測定でき
ない場合は No.11811 の設定値が正しいかを確認ください。
・ 回転軸に関しては SCREWL は作成されません。
名 スマートバックラッシ補正仕様書
称
図
B-65270JA/08-006
番
01 ’13.08.28 飯島 新規作成 ペ 08
版 年 月 日 設 計 変 更 内 容 ジ /016
ストロークが広い場合
図 5 のように、実加工領域の両端を中心とした円を描いて、その軌跡誤差を機械先端精度の測定器(DBB 等)を使って測
定します。A 点と B 点とにおけるバックラッシ量を測定します。
側面図 A B
上面図
A B
テーブル
実加工領域
実加工領域の両端で円弧軌跡を測定。
A点、B点におけるバックラッシを確認。
ストロークが狭い場合
図 6 のように、実加工領域の中心で円を描いて、円弧の両端 A 点、B 点でのバックラッシ量を測定します。
名 スマートバックラッシ補正仕様書
称
図
B-65270JA/08-006
番
01 ’13.08.28 飯島 新規作成 ペ 09
版 年 月 日 設 計 変 更 内 容 ジ /016
サーボガイドデータと機械先端精度の測定(DBB 等)とから得られる測定値から、以下の式によりパラメータ No.2188(形
状係数 KELS)を計算できます。
z SCREWL [mm]:ボールネジ長
z ΔSMTTRQ [%]:反転時負荷トルク変化
z BL [μm]:バックラッシ
−1
1 ⎛ BL A [μm] BL B [μm] ⎞ 2 2
No.2188 = No.2105 × ⎜⎜ − ⎟ ×
SCREWL A − SCREWL B [ mm] ⎝ ΔSMTTRQ A [%] ΔSMTTRQ B [%] ⎟⎠ 10 4
(添え字は測定した位置(図 5,図 6)を表す)
数値例
A点 B点
No.2105 562(αi S8/4000)
SCREWL 100 mm 400mm
バックラッシ 1 um 2.5 um
ΔSMTTRQ 2.3% 2.2 %
−1
1 ⎛ 1 2.5 ⎞ 2 2
No.2188 = 562 × ⎜ − ⎟ × = 68
400 − 100 ⎝ 2.3 2.2 ⎠ 10 4
名 スマートバックラッシ補正仕様書
称
図
B-65270JA/08-006
番
01 ’13.08.28 飯島 新規作成 ペ 010
版 年 月 日 設 計 変 更 内 容 ジ /016
Step 4: No.2189 の調整
実加工で重要なストローク中央部での精度を高めるため No.2189 を微調整します。No.2188 を設定したうえで、ストロー
クの中央で円弧を描き、バックラッシを測定します。バックラッシを測定すると同時に、サーボガイドで SMTTRQ を測定
し、反転時のトルク変化を調べます。次式でパラメータを求めます。この式を用いるにあたって、図 6 中の A 点、B 点の
いずれか一方での測定値を選びます。
BL[μm or mdeg]
No.2189 = 1000 2 ×
ΔSMTTRQ[%]
数値例:直線軸
ストローク中央
SCREWL 250 mm
バックラッシ 0.6 um(A 点とした)
ΔSMTTRQ 2.2 %
0.6
No.2189 = 1000 2 × = 386
2.2
数値例:回転軸
ストローク中央
SCREWL ―
バックラッシ 0.24 mdeg(A 点とした)
ΔSMTTRQ 2.7 %
0.24
No.2189 = 1000 2 × = 126
2.7
名 スマートバックラッシ補正仕様書
称
図
B-65270JA/08-006
番
01 ’13.08.28 飯島 新規作成 ペ 011
版 年 月 日 設 計 変 更 内 容 ジ /016
DBB の測定位置の例
線
対角
Y軸ストローク
900mm
実加工領域
(a) (b)
図 7 立形マシニングセンタにおける DBB 測定位置の例
位置依存性があることを期待して形状係数(No.2188)を決める
このとき実加工領域の対角線の両端の座標で DBB 測定を行います。図 7(a)の寸法から具体的な座標を得ることができます。
z (X = 100, Y = 100): モータから最も遠い座標での円弧
z (X = 200, Y = 800): モータに最も近い座標での円弧
このような 2 回の DBB 測定だけで X, Y それぞれの CNC パラメータを決定することができます。
位置依存性がないことを期待してねじれ係数(No.2189)を決める
Y 軸のストロークは長いので Y 軸方向にはバックラッシの位置依存性が期待されます。一方で、X 軸のストロークは短く、
実加工領域は狭いため、X 軸方向にはバックラッシの位置依存性はほぼ無視できると考えることができます。このような場
合には X 軸のバックラッシは対角線の中点を中心にした DBB 測定を実施すれば十分です。
z (X = 150, Y = 450): 実加工領域の中央での円弧
名 スマートバックラッシ補正仕様書
称
図
B-65270JA/08-006
番
01 ’13.08.28 飯島 新規作成 ペ 012
版 年 月 日 設 計 変 更 内 容 ジ /016
Step 5: その他
問題 関連パラメータ 解決方法
補正量が過大で、食込みが出る No.2188, 2189 ① 形状係数、ねじれ係数を小さくする
No.2190 ② 補正量リミットを設定する
負荷トルクとは無関係に、つねにバック No.1851 従来型のバックラッシ補正を設定する
ラッシが出てしまう
補正が非対称に入って、円弧形状でなく No.2087 トルクオフセットを再確認する
なっている
(6) サーボガイドによる調整
パラメータウインドウ
スマートバックラッシ補正に関連したパラメータをまとめたパラメータウインドウを利用することができます。この位置ウ
インドウで従来型のバックラッシ補正の調整も可能です。イナーシャなどの初期パラメータの入力、回転軸設定などもサポ
ートしています。
名 スマートバックラッシ補正仕様書
称
図
B-65270JA/08-006
番
01 ’13.08.28 飯島 新規作成 ペ 013
版 年 月 日 設 計 変 更 内 容 ジ /016
スマートバックラッシ補正の係数計算支援
スマートバックラッシ補正の 2 つの係数(No.2188 形状係数、No.2189 ねじれ係数)を調整するための支援機能を利用す
ることができます。ボールネジ結合部の位置関係などをグラフィカルに対応付けることができ、調整手順を把握しやすくし
ます。グラフウインドウで「ツール > スマート BL 補正計算」を選択します。
名 スマートバックラッシ補正仕様書
称
図
B-65270JA/08-006
番
01 ’13.08.28 飯島 新規作成 ペ 014
版 年 月 日 設 計 変 更 内 容 ジ /016
9 機械座標のマイナス側に結合部がある場合(座標の正方向にボールネジが長くなる場合)
必要な計測量を入力して
係数計算ボタンをクリック
名 スマートバックラッシ補正仕様書
称
図
B-65270JA/08-006
番
01 ’13.08.28 飯島 新規作成 ペ 015
版 年 月 日 設 計 変 更 内 容 ジ /016
9 機械座標のプラス側に結合部がある場合(座標の負方向にボールネジが長くなる場合)
名 スマートバックラッシ補正仕様書
称
図
B-65270JA/08-006
番
01 ’13.08.28 飯島 新規作成 ペ 016
版 年 月 日 設 計 変 更 内 容 ジ /016
シリーズ 30i / 31i / 32i/35i -B/Power Motion i-A 用デジタルサーボソフト(90J0&90K0 系列)について
1.適用される技術資料の種類
2.変更内容
オプション機能
ユニット
保守部品
注意事項
誤記訂正
その他
1. 版数
ROM系列 版数 適用対象機種
90J0 02.0 Series 30i /31i / 32i/ 35i –B/ Power Motion i –A(サーボカード B)
90K0 02.0 Series 30i /31i / 32i/ 35i –B/ Power Motion i –A(サーボカード C)
2. 内容
• 90J0,&90K0 系列について(新サーボカード B、C に対応)
90J0 系列、90K0 系列はそれぞれ新サーボカード B、C に対応したサーボソフトになります。
サーボカードの仕様、対応した CNC ソフト、及びサーボカード C での制限事項について、詳細はテクニカル
レポート TMS13/066 「新サーボカードへの移行について(A-81017-068)」を参照ください。
+
• サーボ HRV 制御対応
+ +
サーボ HRV 制御が追加されました。詳細はテクニカルレポート(TMS13/064)「サーボ HRV 制御の仕様書」
をご参照ください。
• 制振フィルタ5枚目追加
制振フィルタ5枚目を追加しました。詳細は添付資料 2 を参照ください。
• 調整ナビゲータ用象限突起調整の改良
調整ナビゲータ用象限突起調整が改良されました。 詳細は添付資料 3 を参照ください。
• 標準パラメータテーブル更新
標準パラメータテーブルは更新しました。 詳細は添付資料 4 を参照ください。
• 推定位置と実際位置の誤差過大アラーム検出の改良
物理単位(mm 又は deg)で推定位置と実際位置の誤差過大アラームレベルを設定できます。詳細は添付資料 5
を参照ください。
• スマートバックラッシ補正(フルクローズド)の対応
スマートバックラッシ補正(フルクローズド)に対応しました。詳細は添付資料 6 をご参照ください。
診断 No.3508 : 軸カード/サーボ機能組合わせ不正アラームの詳細番号
表 1 軸 カード/サーボ機能組合わせ不正アラーム詳細番号一覧
詳細番号 関連 機能名
診断 No.3508 パラメータ No.
2125 2212#5 カスタマーズボード機能
2754 2275#4 スライド位置出力機能
2887 2288#7 機械先端点制御
2764 2276#4 アナログモニタ
2786 2278#6
2765 2276#5
2787 2278#7
3828 2382 ねじれ予見制御
318 2031 トルク差アラーム
2731 2273#1
2864 2286#4 積分器コピー
4180 2418#0
191 2019#1 タンデム制振制御
82 2008#2 速度 FB 平均機能
2753 2275#3 同期自動補正機能
2236 2223#6
2235 2223#5 タンデム
81 2008#1
85 2008#5
2777 2277#7
2776 2277#6 加速度センサ
2775 2277#5
2783 2278#3
サーボチェック I/F ユニット
2782 2278#2
(1) 概要
セミクローズド時にのみ使用可能なフィルタとして、制振フィルタ5(ダンピング付きノッチフィルタ)を追加しました。
制振フィルタは、トルク指令から、特定周波数帯域の振動を低減するフィルタです。低減する帯域の中心周波数と、
帯域幅、ダンピングの3つのパラメータを設定します。
注
・ 制振フィルタ5はセミクローズド設定のときのみ使用可能なフィルタです。別置位置検出
器を使用しているとき(フルクローズド設定時)には使用できません。フルクローズド設
定時に、制振フィルタ5を有効とすると、SV0417:パラメータ不正アラーム(診断画面
No.0352 = 6402)が発生します。
(2) 適用可能サーボソフト系列/版数
CNC サーボ制御ソフト
系列 版数
Series 30i/31i/32i – B 90J0,90K0 02.0 版以降
(3) パラメータ設定
2360, 2363, 2366,
制振フィルタ1~5・減衰中心周波数
2113, 2640 (FS30i)
[単位] Hz
[設定範囲] 96 ~ 2000(HRV3), 96 ~ 4000(HRV4)
抑制したい振動の周波数を設定します。
抑制したい振動の周波数が設定範囲以上の場合、または、振動している周波数が複数
ある場合はローパスフィルタを使用して下さい。
図1 [従来より適用可能なオーバライドパターン]
T1(ms)
加速量 傾き T0(ms) 傾き
No.2498
No.2504 No.2471
No.2474
傾き No.2495 No.2448
No.2494 No.2501 No.2470
No.2446 No.2452 No.2499 No.2472
No.2450 No.2500 No.2505 No.2473 No.2475
加速度 加速度
(mm/s^2) 加速度
(mm/s^2)
減衰係数 (mm/s^2)
加速量 傾き 傾き
No.2494 加速度
No.2496 TZ
No.2500 No.2502 (mm/s^2)
No.2446 No.2447
No.2450 No.2495 No.2506
No.2451 No.2508
No.2501 No.2497 傾き
No.2503 No.2507
加速度 No.2509
(mm/s^2) 加速度
(mm/s^2)
図2 [追加されるオーバライドパターン] (加速量、T0、T1、減衰係数に適用可能)
係数1<0
係数1<0
係数2>0
係数2>0
係数2<0
リミット リミット
基本量2 基本量2 基本量1 基本量2 係数1>0
リミット
基本量1 基本量1
係数2<0 係数2<0
係数1>0
リミット
係数1>0
係数1<0
リミット 係数2>0 リミット
基本量1 基本量2 基本量1 基本量1 基本量2
基本量2
(2) 適用可能サーボソフト系列/版数
CNC サーボ制御ソフト
系列 版数
Series 30i/31i/32i – B 90J0,90K0 02.0 版以降
注
・ 従来ソフトで上記図1に記載されている以外のパターンでパラメータ設定がされていた場合、本改
良前後のサーボソフトでバックラッシ加速量が変化する可能性があります。この場合、調整ナビゲ
ータ用象限突起調整を再度行ってください。尚、90J0 系列のサーボソフトにおいては No.2559#5=1
とすることで、従来互換の動作を行う事が可能です。
・調整ナビゲータ用象限突起調整の詳細は、パラメータ説明書(B-65270/08、付録 M)を参照ください。
・ 加速量の係数 1 は、T0、T1、減衰係数の係数 1 と符号が逆になります。
新規追加
(1) 下表のモータモデルについて、標準パラメータの追加または変更を行いました。
標準パラメータ値につきましては添付の表1を参照ください。
βiS22/2000(80A) - 482 変更
(2) 回転形モータについて、標準パラメータΝο.2061の追加を行いました。
No.2061はスマートバックラッシ補正(セミクローズ)で使用されるパラメータです。
モータモデル毎の設定値につきましては添付の表2を参照ください。
※枠で囲まれた部分が追加点です。
βiS12
αiS2 αiS2 βiS4 αiS4 αiS4 βiS8 βiS12 βiS12 αC4 βiS12
モータモデル 2000
5000 5000HV 4000HV 5000 5000HV 3000HV 2000 3000HV 3000i 3000
40A
モータ形式 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272
2061 284 285 409 465 465 601 416 833 618 838 620
αiF4 βiS22 αiF4 αC8 αiF8 βiS22 αiF8 βiS0.4 βiS0.5 βiS1 βiSc8
モータモデル
5000 2000 5000HV 2000i 3000 2000HV 3000HV 5000 6000 6000 3000
モータ形式 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283
2061 773 880 818 1088 818 884 817 49 48 43 598
βiSc8
αiS2 αiS8 αiS8 αiS2 αiS12 αiS12 αiS8 αC12 αiS8 αiF12
モータモデル 3000
6000 4000 4000HV 6000HV 4000 4000HV 6000 2000i 6000HV 4000
40A
モータ形式 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294
2061 348 239 248 348 378 381 387 2030 387 1395 299
βiSc2 βiSc4
βiSc2 αiF40 αiF40 αiF40 βiSc4 βiS22 βiS22 αiS22 αiS22
モータモデル 4000 4000
4000 3000 3000Fan 3000HV 4000 3000 3000HV 4000 4000HV
40A 40A
モータ形式 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316
2061 283 1388 1388 1387 141 408 204 716 698 499 555
αiS50 αiS60
αiS30 αiS30 αiS40 αiS40 αiS50 αiS50 αiS50 αiS60 αiS100
モータモデル 3000HV 3000HV
4000 4000HV 4000 4000HV 3000 3000Fan 3000HV 3000Fan 2500Fan
Fan Fan
モータ形式 318 319 322 323 324 325 326 327 328 329 330
2061 594 598 670 673 504 504 509 509 500 500 664
αiS100 αiS200
αiS200 αiS100 αiS100 αiS200 αiS200 αiS300 αiS300 αiS300 αiS500
モータモデル 2500HV 2500HV
2500Fan 2500 2500HV 2500 2500HV 2000 2000HV 3000HV 2000
Fan Fan
モータ形式 331 334 335 336 337 338 339 342 343 344 345
2061 664 832 664 664 832 832 832 831 831 672 972
DiS22 DiS22 DiS85 DiS85 DiS110 DiS110 DiS260 DiS260 DiS260 DiS260 DiS370
モータモデル 600 600 400 400 300 300 300 300 600 600 300
(200V) (400V) (200V) (400V) (200V) (400V) (200V) (400V) (200V) (400V) (200V)
モータ形式 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431
2061 514 514 552 552 960 960 754 754 752 752 733
DiS370 DiS800 DiS800 DiS1200 DiS1200 DiS1500 DiS1500 DiS2100 DiS2100 DiS3000 DiS3000
モータモデル 300 250 250 250 250 200 200 150 150 150 150
(400V) (200V) (400V) (200V) (400V) (200V) (400V) (200V) (400V) (200V) (400V)
モータ形式 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442
2061 733 1613 1613 1634 1634 2740 2740 3631 3226 3331 2960
αiS2000 βiS12
αiS4 αiS50 αiS50 αiS60 αiS60 βiS30 βiS30 βiS40 βiS40
モータモデル 2000HV 3000
6000HV 2000 2000HV 2000 2000HV 2000 2000HV 2000 2000HV
spindle 80A
モータ形式 467 468 469 470 471 472 473 474 475 476 477
2061 569 649 649 764 764 775 777 758 758 3648 620
βiF22 βiSc12
βiF30 αiF8 αiF8 αiF22 αiF22 βiSc12
モータモデル 2000 3000
1500 4000 4000HV 4000 4000HV 3000
80A 80A
モータ形式 490 491 492 493 494 495 496 497
2061 1966 1205 654 654 1234 1234 620 620
(1) 概要
推定位置と実際位置間の誤差過大検出(ダイナミック誤差監視)のアラームレベル設定において、物理単位(mm.deg)
が使用可能となりました。これにより検出単位が細かい場合の設定範囲を拡大することが可能です。
(2) 適用可能サーボソフト系列/版数
CNC サーボ制御ソフト
系列 版数
Series 30i/31i/32i – B 90J0,90K0 02.0 版以降
(3) パラメータ設定
新規パラメータ
#7 #6 #5 #4 #3 #2 #1 #0
2428 (FS30i) DYUINT
DYUNIT (#6) ダイナミック誤差過大レベルに使用する単位
0: 検出単位
1: 物理単位 (mm or deg)
従来の関連パラメータ
#7 #6 #5 #4 #3 #2 #1 #0
2419 (FS30i) DYNTQL DYNERR
DYNERR(#0) 誤差過大(SV)の検出は
0: 無効
1: 有効
DYNTQL(#1) トルクリミット中の誤差過大検出は
0: 有効
1: 無効
(4) 注意事項
・ アラーム検出時には「SV0653 誤差過大(SV)」が発生します。
(1) 概要
1.1 機能位置づけ
スマートバックラッシ補正(フルクローズド)は、スマートバックラッシ補正機能の一つです。
スマートバックラッシ補正概要
スマートバックラッシ補正 セミクローズド用 30i-B(対応済み)
モータと機械先端の間に存在 弾性変形としてモデル化されるモータと機械の間のバックラッシを補 0i-D(対応済み)
する伝達誤差を補償し、加工 正します。指令位置を補正する機能です。スマートバックラッシ補正
形状を向上する機能です。 仕様書(B-65270JA/08-006)を参照ください。
バネ変形分だけ
指令位置を補正
バネにかかる力
バネ長 (TCMD)
バネ(弾性変形)要素
フルクローズド用 30i-B(今回対応)
モータと機械の間のバックラッシを補正します。移動指令反転時にモ
ータがバックラッシ内を速やかに移動する速度補正を行い、反転遅れ
を解消します。指令位置の補正は行いません。本資料で解説します。
素早い速度反転のため、ガタ長と
ガタ内モータ位置に応じた加速
スケール位置
スケール
バックラッシ要素
バックラッシ量
モータ位置
制御ブロック図:本機能は、バックラッシ内モータ位置を表すセミフル誤差(SFERR)を速度反転時にフィードバックし、
モータが移動方向のバックラッシ端に接触するのを早めることで、象限突起を補正する機能です。
象限突起小
象限突起大
機能 OFF 機能 ON
機能の効果の例:バックラッシの大きな軸(100 um)に本機能を用いることで、象限突起を低減しています。
(2) サーボソフト系列/版数
CNC サーボ制御ソフト
系列 版数
Series 30i/31i/32i – B 90J0,90K0 02.0 版以降
(3) 注意事項
• セミクローズド制御の軸には適用できません。
• モータとフルクローズドセンサの間にすべりのある軸には適用できません。
• 本機能は、原点復帰、手動送りなどのモードで無効です。
#7 #6 #5 #4 #3 #2 #1 #0
2567 (FS30i) SBFSPOS SBF
SBF (#2) スマートバックラッシ補正(フルクローズド)が
0: 無効
1: 有効
スマートバックラッシ補正(フルクローズド)は、モータ、機械間のバックラッシ長を自動測定し、
最適な象限突起補正を行います。
スマートバックラッシ補正(フルクローズド)補正長比率
[単位] %
[データ範囲] 0, 100~9900 (10 進数千の位と百の位)
[デフォルト値] 100
[推奨設定値] 0 もしくは 90~99
基本的には 0(100%)を設定ください。切り込みが発生する場合は、ゲインを下げる、あるいは補
正長比率を短くすることで切り込みを解消できることがあります。
(パラメータ設定例)
【設定例 1(フルクローズド軸)】
フルクローズド制御 No.1815#1 = 1
デュアル位置 FB ではない No.2019#7 = 0
スマートバックラッシ補正(フルクローズド)有効 No.2567#2 = 1
デュアル位置 FB 機用セミ側自動バックラッシ補正無効 No.2567#4 = 0
スマートバックラッシ補正(フルクローズド) ゲイン 3.0×PG No.2619 = 30
スマートバックラッシ補正(フルクローズド) 補正長比率 100 %
スマートバックラッシ補正(フルクローズド) 加速有効時間 3τ
20μm/div 20μm/div
スマートバックラッシ補正
(フルクローズド)ゲイン 0
ゲイン 2: 38μm
象限突起 50μm
20μm/div 20μm/div
CH2: ABS
CH4 の補正量は、
種類: POSF
※拡張アドレスは予告なく変更される可能性が
あります。
ゲイン 0 ゲイン 2
誤差(ERR)
モータ位置(ABS)
モータが当たるまで
機械位置は動かない 現在のバックラッシ内位置に応じた
速度補正(ERR 補正)を実施
バックラッシ内モータ位置(SFERR)
スマートバックラッシ(フルクローズド)補正量
調整手順 3
円弧動作、時系列データの速度反転時付近を確認しつつ、徐々にゲインを上げてください。
モータ位置(ABS)
機械位置(POSF)
誤差(ERR)
バックラッシ内モータ位置(SFERR)
20μm/div
スマートバックラッシ(フルクローズド)補正量
20μm/div
誤差(ERR)
20μm/div
スマートバックラッシ(フルクローズド)補正量
調整手順 4
ゲインを上げていくと、時定数が短くなり、モータが機械を駆動する方向に接触する前に補正が終了するようになる
ことがあります。この場合、有効時間(No.2619 万の位)を伸ばしてください。
補正が途中で終了
20μm/div
結合時まで補正
20μm/div
誤差(ERR)
スマートバックラッシ(フルクローズド)補正量
調整手順 5
ゲインを高くし過ぎると、切り込みが発生することがあります。ゲインを下げるか、補正長比率(No.2619 千と百の
位)を下げてください。
切り込み(11μm)
3. 象限突起の減少を確認。調整終了。
切り込み解消
2. ほぼ指令通りの
機械移動を実現
ゲイン 60: 4μm
補正長比率 98%
有効時間 5τ
No.2619=19860
1. モータをバックラッシ内
で素早く移動
速度指令の符号が変化した際に、モータがバックラッシ内を速やかに移動できるところまでゲインが上がり、バッ
クラッシに起因する象限突起が十分減少すれば本機能の調整は終了です。
1.適用される技術資料の種類
2.変更内容
オプション機能
ユニット
保守部品
注意事項
誤記訂正
その他
図 提
01 14.01.10 恒木 新規登録 番 B-65270JA/08-009 出
2. 内容
フィードフォワードタイミング調整機能の修正
フィードフォワードタイミング調整機能に 0i -D 互換仕様を追加しました。
No.2415#1=0:0i -D と同仕様(デフォルト値が無効)
No.2415#1=1:90H0 系列 02.0 版以前と同仕様(デフォルト値が有効)
通常は No.2415#1=0 を設定して下さい。
90H0 系列 02.0 版以前のサーボソフトでフィードフォワードタイミング調整係数(No.2095)の値を
調整し、その調整結果を適用したい場合は No.2415#1=1 と設定して下さい。
図 提
01 14.01.10 恒木 新規登録 番 B-65270JA/08-009 出
1.適用される技術資料の種類
2.変更内容
オプション機能
ユニット
保守部品
注意事項
誤記訂正
その他
図 提
01 14.02.06 湯 新規設計 B-65270JA/08-010
番 出
1. 版数
ROM系列 版数 適用対象機種
90J0 03.0 Series 30i /31i / 32i/ 35i –B/ Power Motion i –A(サーボカード B)
90K0 03.0 Series 30i /31i / 32i/ 35i –B/ Power Motion i –A(サーボカード C)
2. 内容
• 周波数特性の高精度測定モードに対応
周波数特性の高精度測定モードに対応しました。詳細はテクニカルレポート TMS14/002 「サーボ調
整ツール FANUC サーボガイドの版数アップについて(9.20 版)」を参照ください。
図 提
01 14.02.06 湯 新規設計 B-65270JA/08-010
番 出
1.適用される技術資料の種類
2.変更内容
オプション機能
ユニット
保守部品
注意事項
誤記訂正
その他
図 提
01 14.02.14 飯島 新規設計 B-65270JA/08-011
番 出
1. 版数
ROM系列 版数 適用対象機種
90G0 24.0 Series 30i /31i / 32i/ 35i –B/ Power Motion i –A(サーボカード A)
2. 内容
• 標準パラメータテーブル更新
標準パラメータテーブルは更新しました。 詳細は添付資料 1 を参照ください。
3. 添付資料
添付資料 1. 標準パラメータテーブルの更新
図 提
01 14.02.14 飯島 新規設計 B-65270JA/08-011
番 出
下表のモータモデルについて、標準パラメータの追加または変更を行いました。
標準パラメータ値につきましては添付の表1を参照ください。
βiS22/2000(80A) - 482 変更
図 提
01 14.02.14 飯島 新規設計 B-65270JA/08-011
番 出
※枠で囲まれた部分が追加点です。
図 提
01 14.02.14 飯島 新規設計 B-65270JA/08-011
番 出