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スリー ク
教え方の手引き
み ん な の日 本 語





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CD― ROM

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み ん な の日 本 語
﹄  初級 Ⅱ 第2版

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02001 by 3,A. Corporation

All rights reserved. No part of this publication may be reproduced, stored in a


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photocopying, recording, or otherwise, without the prior written permission of the
Publisher.

Published by 3A Corporation.
Trusty Kojimachi Bldg,2F,4, Kojimachi 3-Chome, Chiyoda-ku, Tokyo 102-0083,
Japan

ISBN978-4-88319-745-3C0081

First published 2001


Second Edition 2016
Printed in Japan
まえがき

『みんなの 日本語 初級』 は 『新 日本語 の基礎』 の姉妹版 として 1998年 に発行以来、初


級段階の教科書 として、整備 された内容 と学習効率の良 さで、 「教えやす く」「学びやす い」
と指導者、学習者か ら評価 をいただいてまい りました。
小社 は今 日まで、各方面 の 日本語教育 。研修現場や学習者か らのご意見 を大切 にし、教
材制作に反映 させてまい りましたが、近年 ます ます多様化する学習者や外国人の滞 日条件
の変化 などを背景 に、『みんなの 日本語 初級』 を見直 し、内容を一 部改訂 し、『みんなの
日本語 初級 第 2版 』 を出版 しました。
改訂 の柱 は会話の場面 と語彙 で、 国内外 の学習者 の 日本語学習 目的の広が りや交流 の深
まりにも対応 しやす い ように配慮 しました。
このような 『みんなの 日本語 初級 第 2版 』 を用 いて指導 される先生方の ご要望 に応 え、
この度 『みんなの 日本語 初級 I第 2版 教 え方の手引 き』 に続 きまして、本書 『みんな
の 日本語 初級 Ⅱ 第 2版 教 え方 の手引 き』 を作成 いた しました。
これ ら『教 え方の手引 き』 は、 いずれ も新人教師のための手引 きとして制作 したもので
すが、教師経験 の有無 にかかわらず、 日本語 を効果的 に教 えるために、参考にしてい ただ
きたいと思 い ます。
「教科書」 を教 えるのではな く、「教科書」で教 えるため の工夫 は、常に教師に求 め られ
るところだ と思いますが、『教え方 の手引 き』 を通 して、『みんなの 日本語 初級 I・ Ⅱ 第
2版』 の改訂の意図をご理解いただければ幸いです。 これ らの 『教え方の手引 き』 によって、
皆様それぞれの現場 に適 した学習 。指導 のお役に立 てることを願 ってお ります。
教科書 『みんなの 日本語 初級 Ⅱ 第 2版 』 と本書 『教 え方の手引 き』や周辺教材 の 出版
に際 しまして も、多 くの学習者や先生方 か らの ご意見、 ご感想な どを通 して ご協力 をいた
だ きました。引 き続 き、 この 『みんなの 日本語 初級 第 2版 』 シリーズ を利用 されての ご
意見、 ご感想な どをお寄せいただけます よう、お願 い 申 し上げます。
小社 は、 これか らも日本語教育の現場か ら求め られる新 たな教材、 日本語教育に携 わる
皆様 のお役 に立つ教材 を開発 してまい ります。
今後 とも一層 のご指導 を賜 ります ようよろし くお願 い 申 し上 げます。

2016年 12月 1日
株 式会社 ス リーエー ネ ッ トワー ク
代 表取締役社長 藤寄 政子
目次

第 1 『
l雪 『 み ん な の 日本 語 初級 Ⅱ 第 2版 』 に つ い て
1.『 みんなの 日本語 初級 Ⅱ 第 2版 』教材 の構成 と内容 ・2

2.『 初級 I』 との違 い …………………………………………………・ ・2


3.授 業 の進め方 ………………………………………………………… ・4



4.復 習の しかた ……¨……………………………………………………・ 11
5.動 詞 の活用 ……………………………………¨…………………¨…… 12

第 2部 各課の教え方
第 26課 ∼ 第 50課 ・
・・
・・
・・・
・・
・・
・・16

付属 CD― ROM

収録内容 (PDFフ ァイル)


1.学 習項 目と提出語彙
『みんなの 日本語 初級 Ⅱ 第 2版 翻訳・文法解説』 に掲載 されて い
る文法項 目 (パ ー トⅣ)、 語彙・表現 (パ ー ト I)を 課 ごとに整理
2. 旦力言

『みんなの 日本語 初級 Ⅱ 第 2版 本冊』 で学 ぶ助詞 の一覧
3.動 詞の活用表な ど
「∼ んです」 の作 り方 の表、可能動詞、意 向形、命令形、禁止形、
条件形、受身動詞、使役動詞 の作 り方 の表
4.敬 語
『みんなの 日本語 初級 Ⅱ 第 2版 本冊』 で学 ぶ尊敬動詞、尊敬語、
謙譲語 の表

イ ラス ト
練習 C。 会話イ ラス トシー ト :練 習 Cや 会話 の練習 の 際、場面や状況
を視覚的に提示 す るの に有用 なシー ト
『教え方の手 引 き』 で使用 のイラス ト :本 書 で 紹介 して い る導入 。練
習 に使用 で きるイラス ト
登場人物 :導 入や練習 な どに使用 で きる登場 人物 のイラス ト

2 動作環境
この CD― ROMは 以下の環境 にて、 動作 を確認 してお ります。
。CD― ROMが 使用 で きる ドライブを搭載 または接続 したパ ソ コン
・OS Microsoft① Windows① 7・ 8。 10, :Mac OS X 10.9
・PDF閲 覧 ソフ ト Adobe Acrobtt Rcader
収録 したデ ー タを閲覧す るには、CPUお よびメモ リが、お使 いの OSと
PDF閲 覧 ソフ トの動作環境 を満た して い る必要があ ります。 また、デ ー
夕を印刷す るには、お使 いの OSに 対応 したプ リ ン タが必 要 で す。
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Adobe社 のホームペー ジ (http://www.adobe.com/jP/)よ り、最新 の
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それぞれの製造元 にお問い合わせ ください。
なお、 この CD― ROMに 収録 されたデー タを使用す ることによ り発生 し
た損害については責任 を負 いかねます ので、 ご了承 の うえ、 ご使用 くだ
さい。

3 著作権・ 利用許諾 について


この CD― ROMに 収録 された資料 の著作権 は著作権者 に帰属 します。本
書 の購入者 が、収録 された資料 を ご 自身 の授業等 に利用する こ とは認 め
ますが、授業等以外 での 資料 の 配布や使 用、改変 した 資料 の二 次使用、
イ ンター ネ ッ ト上 での 資料 の公 開等、著作権者が認 める範囲 を超 える利
用 につい ては、 有償無償 にかか わ らず禁止 します。
1.『 みんなの日本語 初級 Ⅱ 第 2版 』教材 の構成 と内容
『みんなの 日本語 初級 Ⅱ 第 2版 』 の基本 となる教材 は 『本冊』 と『翻訳 ・文法解説』
である。本書 『みんなの日本語 初級 Ⅱ 第 2版 教え方の手引き』 を使用する上で、『本
冊』 と『翻訳 ・文法解説』 の構成 と内容 の把握が必須である。以下に教材の構成 と内
容 をまとめてお く。

1)『 本冊』 (各 課8ペ ージ)

文型 そ の 課 の表札 にあたる。
で きるだけ主語 ・述語 の完結 して い る形 で提 出 し、文の基 本形 を示す。
例文 「文型」 を質問 と答 えの形 に して実際 の発話例 を示 す。
文型以外 の学習項 目も含 む。
会話 課全体 を学習 したあ と、「で きる よ う になる こ と」 の一 つ と して、具 体 的 な場
面 (職 場 。家庭 。地域 の交流場面 での 日常的 な話題 )を 持 つ 「会話」 を提示。
練習 ABC
A 文法理解 を助 け る レイアウ トによって文型 ・ 活用 の形 な どを視覚的に提示。
B 文構 造 の定着 のための さまざまな ドリル形式 による練習。 イ ラス トを多用。
C 文型 の機能 を生か した談話 単位 の練習。
問題 学習 した ことの理解確認練習。

2)『 翻 訳・ 文 法 解 説』 (各 課6ペ ージ
)

語彙 『本冊』各課 の新 出語彙 とその訳。訳 は 『本冊』 で学 ぶ範 囲 に限定。


*右 肩 に*が つ い てい る語 は、その課 には出て こないが、そ の課で学 習 してほ
しい語 (対 義語 。関連語 )で ある。
翻訳 『本冊』各課 の「文型 。例文」「会話」 の翻訳。
参考語彙 と情報 その課 に関連 した語 彙や 日本事情 に関す る情報。
文法解説 そ の課 で学 ぶ範囲 の文法 の説明。

2.『 初級 I』 との違 い

1)語 彙
『初級 Ⅱ』 の新出語彙数 は約 900語 である。量的には 『初級 I』 に比べ て多 くないが、
類義語や多義語など、抽象的な ことばが増 えて くるので、語彙の指導に工夫が必要 と
なる。一つの方法 として語彙 の整理 ノー トを作 ることを提案するとよい。
① 既習 の動詞を以下 のように種類別に整理 して表 を作 る。使 い方 の違 い を理解 して
い るか例文を作 らせてみる。
。自動詞 と他動詞
・意志動詞 と無意志動詞
・継続動詞 と瞬間動詞
・ 動作動詞 と状態動詞
一第1部轟﹃みん な の日本 語


一        一
■          一“
■一
② 対立する意味のことばを探させ、例文を作らせる。

      ¨
例 :生 まれる 。死 ぬ
ガ ンジー は 1869年 に生 まれて、 1948年 に死 にま した。


一¨
行 き 。帰 り
連体 に京都 へ 行 きま した。行 きの電車 はす い て い ま したが、帰 りはとて も込
んで い ま した。
③ 形容詞を集め、感情 を表すもの、色・味を表す もの、属性を表すものなどに分類

初 級 Ⅱ 第 2 版 ﹄ に つい て
して、短い例文 を作 らせる。

2)文 型
『初級 Ⅱ』 で習 う文型 には 『初級 I』 で習 った もの と似 た意味 を持つ ものが多い。
新 しい文型 の導入 の際、既習 の文型 とどう違 うか とい う質問が出ることが ある。
適切 な例文を用 いて、その違 い を示せ るように事前 に十分準備 してお く必要がある。
本書第 2部 「各課 の教 え方」 の留意点に説明があ るので参考 にするとよい。
例 :第 30課 項 目 1 交番 に町の地図がはって あ ります。
留意点 「窓が開いています」 と「窓が開けてあ ります」の違 いについて質
間が出 るこ とが あ る。 見 えて い る現象 は 同 じだが、前者 はただ窓が閉まって い
ない状態であ ることを伝 えて い るのに対 し、後者 はだれかがある 目的のため に
窓を開け、その結果、窓が閉まっていないことを伝えようとしている。
以下のような例 を挙げるとよい。
例 :A:あ れ、窓が開いていますよ。閉めましょうか。
B:い いえ。暑いですから、開けてあるんです。
ただし、既習文型 との違いを意識し過 ぎるあまり、導入や練習で使う例文が違いを強
調するものになりす ぎないように注意する。あくまで、典型的に使われる例文で導入、
練習することが大切である。

3)練 習
『初級 I』 の段階では、まず本 を閉 じて耳 か ら聞いて発話す るのを基本 としたが、『初
級 Ⅱ』 になると、学習項 目によっては文が長 くな り、頭に留めてお くことが難 しい場
合があ る。テキス トを開いて文字を追って一度練習 したあ と、テキス トを閉じて再度
口頭で ドリルす るとい う方法 もあ りうる。 また、特 に変換練習 にお いて 2文 以上 の文
を提示 して変換 させ なければならない場合 は、1文 ずつ変換 させてか ら、最後につ な
げるとい うや り方を してもよい。
例 :第 26課 練習 B6
「生け花を習 いたいです 。先生 を紹介 します」 を「生 け花 を習い たいんですが、
先生を紹介 していただけませんか。」に変える練習の場合、 まず、後ろの文の「先
生 を紹介 します」を与 え、「先生 を紹介 して いただ け ませ んか」 を作 らせ る。
次に、前 の文「生け花 を習 いたいです」 を与 え、「生 け花 を習 いたいんです が」
を作 らせる。最後に 2文 をつ なげて完成する。
また、『初級 Ⅱ』 になると、文型 によっては ことば を入れ替 えて文 を作 る作業 よ り、
文の意味 とそれを使 う状況 を理解することが大切 な場合がある。
例 :第 46課 練習 A3 例 :荷 物 はあ した届 くはずです
「はず です」 と言える根拠 は何か考えさせる。
→宅配便 の会社 に頼みました。/け さ頼みました。/速 達で頼みました。
さらに、『初級 I』 にはなかった練習 として 『談話』がある。相手 の応答 に何 らかの
感想、意見あるいは質問を重ねるなどして 自然なや りと りをす る練習である。

4)既 習歴のある人へ の対応


『みんなの日本語 初級 Ⅱ 第2版』 を使 う学習者の中にはほかのテキス トで学習して
きた人、一通 り初級は終えたが、 うまく使いこなせない人、また、実際の生活で聞き
覚えて部分的に習得 してきた人などがいる。このような学習者には別の切 り口で 『初
級 I』 『初級 Ⅱ』 を利用することも考えられる。
① 練習Cと 会話を取 り出し、機能・場面で分類 し、練習する。
② 「問題」の読み物だけを集めて読解授業をする。
③ 「問題」の聞き取 り部分だけを集めて聴解練習をする。
④ 類似表現や間違いやすい文型を集めて文法を整理する。
いずれの場合 も、学習者の弱点や未習部分をイ ンタビューやプレイスメン トテス トな
どで調べ、学習者のニーズに合った指導を工夫することが必要である。

3日 授業 の進 め方
授業は『本冊』p. 「効果的な使い方」の「1課 の学習の流れ」に沿って進める。
以下は第 2部 「各課 の教 え方」 を見る うえでの全体的な解説にもなってい る。

I.新 出語彙の導入
まず、その課 の新出語彙 を導入す る。
授業 の初めに 『翻訳 。文法解説』「 I.語 彙」 を一度 に導入す る。あるいは、学習項
目ごとにそこで使 う語彙 のみ を選んで導入 す るとい うや り方 もある。

① 新出語を読む
『翻訳 ・文法解説』 の「 I.語 彙」 のペー ジを教師のあ とについて声 に出して読む。
・ アクセ ン トを意識 して発音す る。
・漢字圏の学習者 は母語 での漢字 の読みをそのまま日本語 の発音 に持ち込む傾 向があ
るので、注意する。
・学習者は教師のあ とについて発音 しなが ら、語彙 の右 に書かれている訳 を確認する
とい う作業をしているので、教 師は学習者 の様子を見なが ら、読む速さをコン トロー
ルする。

② 定着を図る
絵教材、実物などを使 ってある程度 (短 期記憶 でよい。教師が与 える文やテキス トの
文 に反応で きる程度)覚 えるまで繰 り返す。
一第 1部 略﹃みんな の日本語 初級 Ⅱ 第 2版﹄ に ついて
。第 2部 の 「 I.新 出語彙 導入 の留意点」 に書 かれて い るポイ ン トに注意 して練習
す る。
・ 語彙訳 に与 え られて い る意 味 のみを練習す る。 ほかの意味 は教 えない。
・ 動詞 の場合 は既習 の語彙 とともに、簡単 な文 を作 らせ た り、そ の動詞 を使 った質問
を与 えて答 えさせ た りす る。
例 :第 30課 「飾 ります」
テ ー ブルの上 。花 。飾 ります → テー ブルの上 に花 を飾 ります。
第 37課 「発明 します」
だれが電話 を発 明 しましたか。 → ベ ル が電話 を発 明 しました。
・学習項 目に動詞 の活用形が含 まれて い る場合 、あるい は、 活用 の しかたに注意が必
要 な動詞 の場合 は活用形 を確認す る。
例 :第 30課 で「 ∼ て あ ります」 を学習す るので、動詞 のて形 を確認 してお く。
飾 ります → 飾 って
。常 に教 師が絵教材 を提示 して繰 り返 させ るのではな く、 ペ アや グルー プで教 師 と学
生役 を演 じさせ るな ど教 室活動 を工夫 す る。

Ⅱ.学 習項 目 の 導 入 と練 習

項 目ごとに導入 ・練習 を繰 り返す。基本的 に、導入、説明、練習 は既 習語彙 文型 の
み を用 いて、直接法 (学 習者 の母語や英語 な どを使 わな いで、 日本語 のみで教 える方
法 )で 行 う。場面提示 な どで未習語 彙 が必要 な場合 は、絵教材 やその語彙訳 を準備す
るな どの手 当 てが必 要 で あ る。

1)見 出 し文、文 の型 と文法説明


「 Ⅱ.学 習項 目の導入 と練 習」 の各項 目には、見出 し文 とその文 の型が掲 げ られ、そ
の下にその文型 の文法説明が記 してあるが、 これは教師向けであ り、学習者 にそのま
ま伝 えるものではない。

2)導 入
匡璽図 は、教師が導入 を考える際のヒン トを記 し、その具体例は導入例 で示 してい る。
学習者 によってさまざまな導入が考えられ る し、何が適切 であるかは学習者 によるの
で、1轟 轟翻 、導入例 をヒン トとしてその場 の学習者に合 った導入 を試みてほ しい。導
入例は 2∼ 3準 備 しておいたほ うが よい。
導入例 を考 えるにあたっては次 のことに注意す る。
・価値観 (宗 教、 モ ラル、歴史観)は 、個人や文化に よって異な り、多様 で ある こと
を心 に留 めてお く。
。日本事情 に関する ことを扱 う場合 は資料 を準備 してお く。
・学習者 の個人的な ことを例 として取 り上 げ るのは避ける。
既習語彙 ・文型に よる説明 に加 え、ジェスチ ャーや絵教材 など、あ らゆる方法 を使 っ
て も、その学習項 目の意味用法を伝 えきれず、漠然 とした理解 にしか至 らない場合 が
ある。その場合 は次の ような文字 カー ドを作成 し、利用するとよい。
例 :意 志 の あ る表現 で あ る こ とを伝 えた い場合、
「 意志」の 各 国語訳が書かれた文
字 カー ドを見せ る。

表 裏

い し(意 志 ) 各国語訳

それで もなお理解 に至 らな い 場合 は、『翻訳 ・文法解 説』 の 「 Ⅱ.翻 訳」 の「文型」


または「例文」の翻 訳 を見せ る。 (そ の場合、導入例 は、「文型」あ るい は「例 文」 と
同 じものである必 要があ る。)そ れに加 えて、「Ⅳ.文 法説明」 の該 当部分 を示 して読
む ことを促す とよい。それで も伝 わ らない場合 は、練習 な どを通 して徐 々 に理 解 で き
るよ うに してい く。

板書 は現場 によって さまざまなや り方が行 われて い る。 文字 を書 い て示すや り方 のほ


かに、 パ ワーポイ ン ト使 う教 師 もいれば、 裏 に磁 石 をつ けた カー ドをホヮイ トボ ー ド
に貼 って示す教 師 もい る。 板書文 も、文の構造のみ を示 す方法 もあれば、基本の文全
体 を示す方法 もある。 また、 ひ らが な 。分か ち書 きとす るか、漢 字 を混ぜ て書 くか も
問題 で ある。学習者 の タイプ、 レベ ル に合 わせ て選択 されるべ きもので、 ここで は最
も基本的な方法 を紹介 す る。
・板書文 は文 の構造がわか るシ ンプル な文が よい。
・で きるだ け導入例 で使 った 文 を用 い る。

例 :第 26課
りょこうに い くんですか。
きぶんが わるいんですか。
びょうきなんですか。

。板書 の あ と、 質問 をす るな どして、 そ の文型が理解 で きたか ど


うか確 かめる。
例 :第 30課 「 ∼ て あ ります」 の導入後
・パ スポ ー トに写真 が貼 ってあ りますか。
。本 に名前が書 い て あ りますか。
文型 によっては質問 で きない場合があ る。その場合 は文 に対す る反応 を見 る。
例 :第 34課 「∼ とお りに∼」 の導入後
。わた しが言 った とお りに言 って くだ さい。「 隣 の庭 に二 羽鶏が い る 。

。(折 り紙 を渡 して)こ の 図 の通 りに折 って くだ さい。
・板書後、文型 によっては助 詞や フォーム、後続 句 の形 な ど、 注意す べ き点 について、
理解 を確認す る。
なお、学習環境 によっては板書 が難 しい場合 もある。その場合 は、『本冊』 の「文型」
「例文」 を指 し示 す こと もで きる。 (そ の場合、導入例 は指 し示す文 と同 じものである
必要がある)。
=       ↓
, 第

燿          一
3)練 習

        ■一
1 部
練習 A ことばを入れ替 えて文 を作 る ドリルには習熟 して きてい るので、『初級 I』


喘﹃


の ときほど量 を必要 としない。むしろ、文の意味 と背景 (状 況)の 理解 を確

み ん な の日本 語 初 級 Ⅱ 第 2版 ﹄ に つい て
実なもの とす る効果的な ドリル を課す よ うにしたい。

練習 B 各練習 の「例」、及び第 2部 の解説 を見 て、何 の練習なのか を十分理解 して


か ら、練習に入 るようにす る。
イラス トがある練習 の場合、 イラス トの読み取 りが苦手な学習者 もいるので、
練習 の前 に意味 を確認す る。

QA 教師 と学習者、 または学習者 どうしで、与 えられた条件 または状況 の もとで


質問応答す る練習。原則 として、質問 と答 えの一往復 で終 わる練習 となって
い るが、答 えによってはさらに質問を加 える こと もで きる。例 を 1∼ 2示 し
てあ るが、それを参考に教師 自身で準備す る。その際、文は既習語彙 ・文型
の範囲で作 ること、 また、文 の形が同 じで も、そ こで扱 っている意味用法 と
異 なる文を提示 して しまわないよう気 を付 ける。
例 :第 37課 項 目2「 困 った経験 につい て質問し、答え させ る」
(○ )何 か大切 な物 を壊 された ことがあ ります か。
(× )夜 遅 く隣の人に騒がれたことがあ ります か。 (自 動詞 の受身)

談話 ある条件、状況が与え られ、その中で短 い会話 をす る。相手の応答に何 らか


の感想、意見あ るい は質問を重ねるなどして 自然なや りと りを行 う練習。
例 1:第 33課 項 目3
意味 は知 っているが、読み方がわか らないことばや地名、人名などの
漢字 を書 いたカー ドを準備 し、学習者 どうしで読み方 について質問応
答 させ る。 質問の際 には自然 な表現「何 と読 むんですか」を使 わせ る
とよい。
Sl:す みません。 これは何 と読 むんですか。
S2:「 ふ じさん」 と読 み ます。
Sl:「 ふ じさん」ですね。 どうも。
例 2:第 36課 項 目2
回X]を 参考 に、 日本 の生活 に慣れ たか どうか話す。
Sl:布 団にはもう慣 れ ましたか。
S2:は い。初めはなかなか寝 られ ませんで したが、今 はよく寝 られる
ようにな りました。
S3:そ れはよかったですね。
ほかに、お風呂やラッシュの電車 な どについて話す。

練習 C 場面、状況のある談話練習 であ る。代入肢 が与えられてい るが、代入練習や


変換練習 ではない。学習者 自身が登場人物 になったつ もりでや りと りをす る。
まず、「例」 のイラス トを見 て、場面、役割 を確認す る。 ことばを入れ替 え
る部分は文字で与 えられてい るが、本書付属 の CD― ROMに 収録 されてい る
イラス トシー トを使 えばイラス トによって状況を示せ るので、文字に頼 らず
練習が で きる。
イラス トの読み取 りが不得手 な人や イラス トがわか りに くい場合 な どが ある
ので、や りと りの前 にイラス トの 内容 を確認す る。 イラス トの解釈 は練習 C
の解答 に与 え られた もの と違 って も意味 を成す ものな ら、 よ しとす る。 クラ
ス授業 の場合 はイラス ト (CD― ROMに 収録 )を 拡大 して用 い る とよい。

発展 練習 Cお よび「会話」 のあ とに設け られてい る。練習 Cの 場合、談話 の前後


に続 く会話を付け加 えた り、談話 の流れに沿って 自由に発展 させた りする。
なお、 「発展」は「練習 C」 がス ムーズに行え、時間に余裕がある場合 に行 う。
例 :第 37課 練習 C2「 旅行 の感想 を聞かれ、大変 だった経験 を話す」
C2の 会話 に続 けて、その後、 どう したか、 どうなったか、や りと りを
続ける。
例 :A:そ れで、 どうしたんですか。
B:す ぐ空港の人に連絡 して、捜 してもらったんですが、見つか り
ませんで した。
A:困 りましたね。
B:え え。で も、夜 ホテルに連絡があって、荷物が戻 った と聞 きま
した。それで、急 いで取 りに行 きました。
A:そ れはよかったですね。
B:え え、ほん とうに うれ しかったです。

4)展 開
導入文型 を少 し変化 させた形の文 (疑 問文、接続詞、副詞 を伴 う文)を 置襲国 とし
て取 り上 げている。

5)留 意点
各項 目の最後 に留意点が記 してある。その項 目につい て、 学習者が疑 間に思 い、質問
が予想 されるこ とへ の対処、 間違 い やす い点 な どを書 い て い る。
質問が 出ないの に、教 師側 か ら間違 い やす い点、疑間に思 うで あろ う点 を掘 り起 こす
必要 はない。学習者 の応答や発話 に出て きた ときに捉 え、説明 をす る。

6)ま とめ
すべ ての学習項 目が終 わった ら、課の まとめ として「例文」 を読み、 習 った こ との整
理 と確 認 をす る (項 目ごとに行 って もよい)。 や り方 は以下の よ うな方法があ る。
・教 師 の あ とにつ い て リ ピー トさせ るか、学習者 に読 ませ る。 次 に教 師か ら学習者 1
に「例文」 同様 の質問 をす る。学習者 1は 答 えたあ と、 同 じ質問 を学習者 2に する。
・『翻訳 。文法解説』 に「例 文」 の訳が載 っているので、意味の確認 に使 うの もよい。
第 2部 「各課 の教 え方」の「Ⅳ.そ の 他」 に、「例文」 につ い ての解 説が載 っている
ので 、参考 に してほ しい。
第 ﹁部
Ⅲ。会話

できるだけ視聴覚教材 を利用する。

﹃みん な の日本 語 初 級 Π 第 2版 ﹄ に つい て
① 場面 (会 話イラス トを見せる)と 登場人物を紹介す る。
② DVDが あ れ ば、 DVDを 見 せ る。 な け れ ば、 会 話 イ ラ ス ト (CD― ROM収 録 の も
のか 『本冊』 の イラス ト)を 見せ、CDを 聞かせ る。
学習者 の反応 を見なが ら、必要に応 じて、数度見せた り聞かせた りす る。
③ 未知 のことば、表現 などを挙げさせ、語彙 リス トにあれば確認 させる。既習の語
彙 に戸惑ってい る場合 は、簡単 に説明をして思 い出させ、再度聞かせ る。
④ 内容 の理解確認 の質 問 をす る。質問例 は、第 2部 「各課 の教 え方」「 Ⅲ.会 話」

の「練習 内容確認 質問例」 を参照。答 えられなか った場合 は、再度 DVDを
見 るか、CDを 聞 く。
⑤ 第 2部 「各課 の教 え方」「Ⅲ.会 話」 の「練習 身 につ け たい会話表現」 の部分
を空欄 にした会話 スク リプ トを作成 して配 り、CDを 聞いて、そ こを埋 める作業
をする。聞き取ったあ と、『本冊』 を見て各 自でチェ ックす る。
これは、授業に時間的余裕がない場合 は、ある一定 の期間をお いて行われる復習
の時間に行 ってもよい。間違 い は、聞 きとれてい ない場合 と表記 の 間違 いと二通
りあるが、 この作業 の 目的は会話表現 を身につ け る ことなので、表記 の間違 いに
は寛容 でよい。「身につ けたい会話表現」 とは、 「会話」で しか学べ ない表現、会
話 のス トラテジー として是非 自分 の ものにしてほ しい表現 を言 う。
第 2部 「各課 の教 え方」「Ⅲ.会 話」に例 を掲 げたが、学習者 によって、柔軟 に
増や した り、減 らした りしてほ しい。
⑥ 『本冊』 を開 き、CD(教 師)の あ とについて読 む。
⑦ 役割分担 をして読む。
③ 役割 を分担 して、CD― ROMに 収録 の会話イラス トを見 なが ら (DVDが あれば、
DVDの 音声 を消 して)会 話 を再現す る。 100%同 じでな くて も、内容が再現 で
きればよしとす る。
⑨ 会話の内容によっては、学習者 の状況に合 わせて、実際の状況に沿 ってやってみる。

Ⅳ.そ の他

「問題」 は宿題 とす ることが多 い。ただ○ ×をつ けて返却す るのではな く、次 の 回の


授業 で復習を兼ねて、教師 と一緒 に答 えを確認する。

聴解 問題
・問題 2-5)は 普通体 の会話 になって い る。 このテキス トでは、 第 20課 を除い て、
丁寧体 のみで学習す るが、 日常生活 では普通体 を聞 く場面が多 いので、それに慣れ
るための会話 を取 り入れた。
・付属 CDの 音声 はナチ ユ ラルス ピー ドのため、学習者 によっては、やや速 く、宿題
にす るのが難 しい場合がある。その ような場合 は、 クラスで行 い、教師がゆっ くり
としたス ピー トで同 じ質問をするとよい。
文法 問題

必要 に応 じて解 説す る。解答 を間違 えた場合 、該 当す る 『本冊』 の文 に戻 って基本 を


確認す る。

読解問題

読解の授業 として行う場合は、次の手順で行 うとよい。


① 前作業
いろいろな質問をして読み物に対する興味を持たせる。
例 :第 27課
『ドラえもん』の漫画またはアニメを見せて問いかける。
このロボッ トを知っていますか。名前 は何 ですか。見た/読 んだことがあ ります
か。おもしろかったですか。 どうでしたか。
② 黙読する。
③ タスクをす る。
④ 答え合わせをして、どうしてそ う判断したか聞く。
⑤ 声 を出して読む。
読解 はあ くまで文字のかたまりを意味のあるものとして目で読み取ってい くもの
であるので、声 を出して読むのは最後 にしたい。特 に、最初から教師が読んで聞
かせるとい うのは避けたい。

産 出 問題

読解 問題 を発展 させ て、 話 した り、書 いた りす るよ うな設間が設 け られてい る。 設問


を膨 らませ て、 教師が質問をし、それ につい て まとめて書かせた り、発表 な どの活動
につ なげる とよい。
例 :第 27課
「あなたの 国で有名 なマ ンガは何 ですか。 主人公 は何 /だ れですか。 どんなス トー リー
で す か。あ なたの国の人 はみん なそ の主 人公 が好 きですか。」 な どの 質問 を し、それ
をまとめて書 くことを宿題 として課す。 イ ン ター ネ ッ トで写真 な どを準備 させ 、次 の
授業 で (あ るい は復習 の 時間に)発 表 させ、 質 問応答す るなどの活動 につ なげ る とよ
い。
輛第 1部 ”﹃み ん な の日本 語 初 級 Ⅱ 第 2版 ﹄ に つい て
¨
一          ●
4口 復習 の しかた

復習 は、「復習 H∼ L」 、
「副詞・接続詞 ・会話表現 の まとめ I、 Ⅱ」、および「総復習」
と、8箇 所 に設けた。

1)復 習 H∼ L
復 習問題 をするまえに
。絵教材 で 該 当課 までの語 彙 の定着 を確 かめ る。動詞 の場合 は い っ しよに用 い る助 詞
も併せ て確認す る。 また、活用形 (フ ォーム)を 学 習 した課が 含 まれて い る場合 は、
そ の活用 を確認す る。
・該 当す る課 の項 目や語彙 を総合 的に使 って質問をす る。

復 習 問題 をする

「例」 を見て何 を答えるかを確認す る。
例 :復 習 H 5,テ レビが (故 障 して)い ますか ら、試合が見 られ ません。
(故 障 して)の 部分 は、枠 の中か ら適切 なことばを選んで、て形にす る。
「見 られません は ことばが与 え られて い な いの で、前文 か ら、入 るの は「見
ます」であると類推 し、それを可能の形の否定形にする。

2)副 詞・ 接続詞・ 会話表現のまとめ


接続詞・副詞 。会話表現は使われてい る文、状況 とともに学ぶのがい ちばんである。
間違 えた場合 は、そのことば・表現が出て きた課に戻 り、使われてい る箇所 を見て確
かめ、文を丸 ごと覚えるようにす るとよい。副詞・接続詞 ・会話表現は各課 の「例文」
「練習 C」 「会話」に多 く出てい る。

3)総 復 習
さまざまな使 い 方が で きる。第 50課 まで終 わった段 階 で、 自らの弱点 を見 つ け強化
す るための練習問題 として、 あるい は、 どの くらい力 が ついたか を見 るためのテス ト
として使 える。 また 『中級 I』 へ 進みた い 人へ のプ レー スメン トテ ス トとして も使用
可能であ る。
間違 えた場合 は、その 間違 いの原 因が どこにあ るのか を適切 に判 断す ることが大切 で
ある。例 えば、1は 適切 な動詞 を選択す る 問題 で あるが、語彙 の 選択 を間違 えた の か、
フォームの作 り方を ミス したのか、後続句 とのつ なが りの判断 ミスなのかによって、戻 っ
て参照す べ き場所が異 なる。 テキス トの索 引、「動詞 の フォーム」、 日次、学習項 目一
覧 な どを使 い なが ら、学習者が正 しい場所 にた ど り着 くよう手助 け を した い。

11
5.動 詞 の活用
1)新 しい動詞 の形
『初級 Ⅱ』 で、新 しい動詞 の形が三 つ登場す る。可能、受 身・ 尊敬、使役 である。 こ
れ らの動詞はそれぞれ、ます形、辞書形、ない形、た形、 て形及 び普通形に活用す る。
いずれ もます形 の前が「え」段 になるため、活用 の しかたは Ⅱグルー プの動詞 と同じ
になる。

例 :書 きます

可能 書 け ます 書 ける 書 け ない 書 けた 書 けて

受身・ 尊敬 書 か れ ます 書 かれる 書 か れ ない 書 かれた 書 か れて

使役 書かせ ます 書 かせ る 書 かせ ない 書 かせ た 書 かせて

普通形 は、可能が「書 け る 。書 けな い 。書 け た 。書 けなか った」、受 身 。尊敬 が「書


かれる 。書かれない 。書 かれた 。書かれなか った」、使役が「書かせ る 。書 かせ ない ・
書 かせ た 。書かせ なか った」 となる。

2)活 用形
『初級 I』 では動詞 の活用形 として、 ます形、ない形、辞書形、 て形、た形、及 び普
通形 (辞 書形、ない形、 た形、「∼ なかった」 の形 を加えたもの)を 学習 した。
『初級 Ⅱ』 では、 これ らに加 えて新 しい活用形 を三つ学習す る。意向形、命令形 (禁
止形)、 条件形 である。例 :書 きます「書 こう」「書け (書 くな)」 「書けば」

12
3)活 用形 と後続句

螂       一

出 第
¨
●            ●
︲        ︲
1 部
それぞれの活用形 には以下の とお り後続句が接続する。接続 の際、普通形 の形に注意

 ●
¨
が必要である。本書第 2部 「各課の教 え方」の「 Ⅱ.学 習項 目の導入 と練習」の見出

﹃み


し文の横 にある構造 を表す文 に詳 しい形が載 っている。




― なが ら(28) 一 つ もりです (31) 一 ない つ もりで ―ほうが いいで 一 いただけません



―そうです (43) ― な(33) す (31) す (32) か (26)


―す ぎます (44) ― ように (36) ― ない ほ うがい 一 とお りに(34) ― しまいます (29)


Π
一やすいです (44) 一 ように な りま いです (32) 一あとで (34) ― あ ります (30)


一 に くいです (44) す (36) 一 ないで (34) ―ばあいは (45) 一お きます (30)



お― にな ります ― ように します 一 ない ように(36) 一 ところです (46) 一 みます (40)


(49) (36) 一 ない ようにし 一ばか りです (46) 一 いただきます/


くださいます/


お― ください (49) 一のは(38) ます (36)


お― します (50) 一 のが (38) 一 なくて (39) や ります (41)


一 のを(38) ― ない ばあいは 一 くださいません
一ために(42) (45) か (41)
一 のに(42) 一 ない はずです 一 きます (43)
―ばあいは (45) (46) 一 いる ところで
一 ところです (46) す (46)
一 はずです (46)

一 んです (26) ― と お もって い ます (31)


一 し、一 し(28)
一 で しょう(32)
―かも しれません (32)
一 と いって い ます (33)

一 と つたえて いただけませんか (33)


― のは 名詞です (38)
一のを しって います (38)

― ので (39)
一か (40)
一か どうか (40)
一のに(45)
一そうです (47)
― ようです (47)

13
※本文で使われて いる記号 について

N・ … …名詞

V… …動 詞
A… …形 容詞
T   S

教師

学 習者

QA・・…・質 問 と応答

¨¨
・『本冊 』各課第 1ペ ー ジ ロにあ る 「文型」
國理野
・『本冊 』各課第 1ペ ー ジ ロにあ る 「例 文」
匝匡]… …

鶉賤踵屁
できるようになること
。相手 の状況につい ての説明を求め た り、 自分 の状況やその理由を説明 した り
す ることがで きる。
。理由や事情 を説明 して、丁寧な依頼がで きる。
・理由や事情 を説明 して、助言や指示 を求 めることがで きる。

学習する こと

1.∼ んですか 1・ 2 1・ 2 1・ 2

2.ど うして∼んですか
う0

う0
3・ 4
…∼んです
4ェ
′4

FD
3.∼ 。∼んです
︵∠

′0

つ“
FD

FD

4.∼ んですが、∼ていただけませんか
5.∼ んですが、疑問詞∼たらいい
/0

′0

う0
7′

ですか

I.新 出 語 彙 導入 の 留意点

。見ます、診ます 具合 の悪いところをチェックす るとい う意味。


。遅れます 「バ スが遅れます」「会議に遅れます」
。やります 「 します」 と同 じ意味だが、ややぞんざいな言い方になる。 「買 い物 しま
す」な ど、Ⅲグル ープの動詞 の「しま の
す」 部分 置き換えて使 わない

よう注意す る。
例 :× 買 い物や ります
・ 連絡 します 連絡する相手は「に」、伝 える内容は「を」を使 う。
例 :部 長に会議の時間を連絡 します。
・気分が いい/悪 い 感情 を表す用法 もあるが、 ここでは生理的な体 の調子に限って使 う。
・場所 「パーテイーの場所」「ごみを出す場所」など、具体的に何かをする、あ
るい は何かがあるところを指す ときに使 う。
例 :京 都 はどんなところ (× 場所)で すか。

16
第 2部
・ ボラ ンテ ィア 「∼ をします」
・今度 この課で導入される「今度」 は「次の」 とい う意味。

各 課 の教 え方
例 :今 度の日曜 日=次 の日曜 日
第 9課 で導入された「また今度お願い します」の「今度」は「いつか」
の意味。

・ずいぶん 話 し手の予想に比べ て実際の程度が高い場合に使 う。


。直接 間に人や中継地点を介 さない とい う意味。
「す ぐ」や「まっす ぐ」の意

一2 一
A0
味に とる学習者がい るので注意す る。

Ⅱ.学 習項 目の導入 と練習

1.旅 行 に行 くんですか。 V
普通形
いA
んですか
なA 普通形
N ∼だ → ∼ な

目の前 の相 手 か ら得 た情報 を基 に、 話 し手 の推 論 を確 認す るのに使 う。「んで す」 の


前 には普通形が来 るが、「 ∼ だ」 は「 ∼ な (ん で す )」 になる。


璽爾]∼ ん
巡 ですか 口四■回
=コ
いつ もと違 う様子 や状況 (例 :大 きい旅行かばんを持ってい る人やつ らそ う
に歩 いてい る人)を 見せて、それを見 た人が「その様子」について聞 きた く
なる場面を作 る。

導入例 1 教師はいつ も持 っているかばん と違 う大 きいかばんを持ち、帽子 を


かぶって教室に現れる。手 には旅行のガイ ドブックを持 って い る。
T:(明 るい声 で)お はようございます。
S:先 生、旅行に行きますか。
T:先 生、旅行に行 くんですか。
Sさ んは今、先生のかばん、帽子、靴を見て、先生は旅行に行
くと思 いました。そうですか、違 いますか。確認 します。
先生、旅行 に行 くんですか。
教師は、学習者に「旅行に行 きますか」 を言わせるために、大 きい
かばんやガイ ドブックをわざと強調 して見せ、発言 を引 き出す よう
にす る。それで も発言が出ない場合 は、学習者 の側 に立って「先生、
旅行 に……」 と言 って引 き出す ようにす る。

導入例2 いつ もは元気な先生が元気 な く教室に入 って来 る。


T:(元 気 のない声 で)お はようございます。
Si(お か しいなとい う顔 で)お はようございます。
先生、元気 じゃあ りませんね。気分が悪 いですか。病気ですか。

17
T:先 生、気分が悪 いんですか。病気なんですか。
Sさ ん は思 います。先生 は気分 が悪 いと思 います。病気だ と思
います。確認 したいです。 聞きます。
先生、気分 が悪 いんで すか。病気なんですか。
学習者が期待通 りの応答 を しない場合、導入例 1と 同様 の手法 をとる。

りょこうに いくんですか。
きぶんが わるいんですか。
び ょうきなんですか。

「んですか」 の前 に普通形 が来ること、ただ し、な形容詞 と名詞 の


非過去肯定 の形は「だ」が「な」になる ことを確認する。

練習 Al 「∼ んです」 の形 の練習。
A2 上段 2文 「∼んですか」 の練習。
それぞれの文の前提 となる状 況 を与 える。
例 :フ リーマーケットに行 きました。入 り口で係 りの人が「チ
ケ ッ トを見せて ください」 と言 い ました。
→ え ? チケ ッ トがい るんですか。
○○ さんはきの うまで大 きいパ ソコンを使 っていました。
きょうは小 さいパ ソコ ンを使 ってい ます。
→新 しいパ ソコンを買ったんですか。
Bl イラス トの左 の人物が右 の人物 の様子 を見て、推論 したこと
が正 しいか どうか確認 の質問 をす る。
文作 り 教師が いろいろな動作 をして、それについて学習者が推論
した ことを質問させる。
例 T:「 か ぎ、か ぎ」 と言 って、探すふ りをする。
S:か ぎをな くしたんですか。か ぎを探 しているんで
すか。

匿菫藝冒疑問詞∼んですか 口菫菫コ
匿藝国 で は話 し手 の 推 論 を確 かめ る機 能 を学 んだが、その推論 した もの/
ことについ て具体 的 な情報 を得 た い場合 には、疑 問詞 と「 ∼ んですか」 を一
緒 に使 う。「 ど う」、「 ど うして」 は項 目2で 扱 うので、 ここでは除 く。

導入例 教 師 は再 び旅行か ばんを持 ち、帽子 をかぶ り、「旅行 に行 くんですか」


を誘発す る よ うな ジェスチ ャー をす る。
S:先 生、旅行 に行 くんですか。
丁 :え え。 クラスが終わ った ら、 出か けます。
(ガ イ ドブ ックを見 る様子 を して、「 どこへ 」 を誘発する。)
S:ど こへ 行 きますか。
T:(首 を振 って)Sさ んは先生の旅行 についてもっと知 りた いです。

18

第2

     ¨              一
どこへ 行 くんですか。



S:ど こへ行 くんですか。


T:メ キシコヘ行 きます。



S:メ キ シコ、 いいですね。だれ と行 きます ……行 くんですか。

教え
T:家 族 と行 きます。

方 
圏畷国 の板書「 りよこ うに い くんですか」 に下の よ うに書 き足す。


 一一
りょこうに い くんですか。・…ええ。

整撃
棄諄一
どこへ い くんですか。・¨メキシコヘ い きます。



■ 一
い くんですか。・…かぞ くと いきます。


だれと

答 えは「 ∼ んです」 では ない形 で答 える。

練習 A2 下段 2文 上段 2文 の とき同様、それぞれ の 質問 をす る状況
を与 える。
例 :き ょうはバ レンタインデーですね。 (チ ョコレー トを指
して)だ れにチ ョコレー トをあげるんですか。
B2 目の前にある物の様子や状況を描写 して、それに関する質問
をする。

留意点 1)相 手からまだ何 も情報を得ていない場合にも「∼んですか」を使って質


問する学習者がいる。
例 :自 己紹介の場面で
A:初 めまして。Aで す。
B:Bで す。 どうぞ よろしく。
Aさ んは留学生なんですか。 (× )
お国はどちらなんですか。 (× )
どんなときに使 うのか、いろいろな場面を想定して、使 う状況を理解 さ
せ る こ とが大 切 で あ る。
2)「 きのう早 く帰 りましたか」 と「きのう早 く帰ったんですか」の違いに
ついて質問されることがある。前者は、相手が早く帰ったかどうかを尋
ねているだけで、その状況に不思議な気持ちや興味を持っているという
響きがない。一方後者は、きのうの状況から、たぶん相手が早 く帰った
のだろうと思っていて、それが確かかどうかを相手に確認している。
3)「 ∼んですか」の質問は、話し手の興味や好奇心、驚きや不信などの感
情を表現する。イン トネーションの加減 (例 :「 ん」の前の音 を高 く、
強く言う)や い くつも質問を重ねることによって相手に不快感を与える
ことがあるので、自然な言い方、適切な使い方をするよう留意させる。
2.ど う して遅れたんですか。 ・"バ スが来なかったんです。
して ん か 形 ∼だ → ∼ な ん で
-f+-
「どうして∼んですか」と尋ねる。
ある事態や状況について、その理由を尋ねる場合、

それに対する応答 も「 んです」 となる。

睡匿
壁 て∼んですか …∼んです
菫どうし 厘区コ
いつ もと違う様子や状況を設定し、それに対する理由を尋ねたり、答えたり
する場面を作る。

導入例 1 教師が 一 人三役 で、真面 目な学生が授業 に遅れた場合 を演 じる。


学生役 :(あ たふ た と教室 に入 って くる。)す み ませ ん。遅れ ま した。
教師役 :Sさ んは今 までクラスに遅れた ことがあ りませんね。
どう して遅 れたんですか。
学生役 :バ スが 来 なか ったんです。
導入例2 教 師が 一 人三役 をす る。
学生役 :(眠 そ うにあ くびばか りして い る。)
教師役 :Sさ ん、眠 いんですか。
学生役 :は い。すみ ません。 (あ くびをかみ殺 しなが ら)
教師役 :ど う して眠 いんで すか。
学生役 :き の う 3時 までパーテ ィーを したんです。

どうして お くれたんですか。
…バ スが こなか ったんです。
どうして ねむ いんですか。
…3じ まで パーテ ィーを したんです。

「どうして∼ですか」の質問に対しては「∼んです」の形で答える
ことを言う。

練習 A3 「 どうして∼ んですか」「∼んです」 とい う質問応答 の形を確


認す る。
B4 友人に起 こった事態 に対する理由を尋ね、友人がそれに答える。
まず、教師が一人三役 でや り方 を示す。
T:会 社 をやめます 。父の仕事を手伝 います
A:わ た しは会社をやめます。
B:ど うして会社をやめるんですか。
A:父 の仕事を手伝 うんです。
Cl イベ ン トに参加 しなかった人に理由を聞 く。
発展 l Bさ んの「楽 しかったです」の次に、何 を して楽 しかった
かを入れる。
A:お 花見はどうでしたか。

20

第一一
    一           一
B:楽 しかったです。

2部¨
た くさん食べ た り、飲んだ り、歌 った りしました。

各課の
Cさ んは国 の歌 を歌 って くれましたよ。
発展 2 Aさ んが参加 しなかった理由のあ とに、残念 な気持 ちを伝

教え
える。

方   榊
B:ど うして来なか ったんですか。
A:忙 しかったんです。 とても残念です/行 きたかったです。
1)「 A:ど うして きの う早 く帰 ったんですか。B:用 事があ ったんで す。」

一機
留意点

朝ま翌一

と「A:ど うしてきの う早 く帰 りましたか。B:用 事があ りましたか ら。」



一■
(第 9課 で学習)と の違 い につ い て質問 される ことがある。前者 は、B
が きの う早 く帰 ったことについて Aは いつ もと違 う事態 ととらえて、そ
の状況に個人的に興味を持っていることを表明 してい る (人 の個人的な
ことに立 ち入 った感がある)。 一 方、後者 は、Aは Bが 早 く帰 ったこと
に個人的に興味があるわけではな く、事実 を確認 しているに過 ぎない。
2)理 由を言 うときに「∼ んですか ら」 として しまうことがあるので、注意
す る。「∼ んです」 だけで理 由を表せる ことを説明す る。


置蓮 たんですか 。
ドどうし ¨∼んです
普通 の状態 ・様子 にない人 を見かけた とき、「 ど うしたんですか」 と尋 ね る。
それ に対す る応 答 も「 ∼ んです」 で答 える。

導入例 「道を歩 いているとき、人が うず くまっているのに出 くわす」「車が


止 まっていて、困った様子 の ドライバーが立ってい る」な どの絵 を
準備 し、見か けた人 と声 をかけ られた人のや りと りを示す。「 どう
したんですか …気分が悪 い んです」「 どう したんですか…故障なん
癬隷 n

です」


ヽ    Ь

どう したんですか。
… こしょうなんです。

「どうしたんですか」に対 しても「∼んです」の形で答えることを
言 つo

練習 B3 イラス トの左の人が「どうしたんですか」 と尋ね、右の人が


「∼んです」で困っている状況を説明する。

∈肇菱∋ 第 17課 の会話に、医者が患者に「どうしましたか」と言う場面がある。病


院を訪れる人は必ず体調に問題のある人なので、医者は患者の状況を「普通
ではない事態」 とはとらえないで、冷静 に患者に対応 している。一方、 この
練習 にある事態は普通の人にとって「いつ ものこと」ではないので、驚 きを
こめて「どうしたんですか」 と尋ねている。

21
3.新 聞 を読みますか。・"い いえ、読みません。漢字がわか らないんです。
な)〉 ん

新情報 のや りとりの中で、質問に否定的な応答 をするとき、理由を付 け加 えて事情 を


説明す る。その場合 「∼ んです」の形 を使 う。


璽璽颯∼。∼んです 回=コ
何か に誘われた り、頼 まれた りしたが、断 らざるを得ない とい う状況 を想定
す る。相手へ の気配 りか ら理由を添える。あるい は、聞かれた ことに否定的
な応答 をす る場面 を設定する。

導入例1 教師が一 人三役 で導入す る。


A:今 晩飲みに行きませんか。
B:す みません。ちょっと……。きょうはこどもの誕生 日なんです。
導入例2 A:日 本 の新 聞を読み ますか。
B:い いえ、読み ません。漢字がわか らな いんです。

こんばん のみに いきませんか。


…すみません、ちょっと……。きょうは こどもの たんじょうびなんです。
にほんの しんぶんを よみますか。
…いいえ、よみません。かんじが わからないんです。

練習 A4 「∼んです」の形の確認。ほかにどんな理由があるか考えさ
せ る。
B5 例 1、 1)2)は 「いいえ、∼。
」 と答えたあと、その理由を
述 べ る。
例 2、 3)4)は 「す み ませ ん。」 で 断 った あ と、そ の 理 由 を
述 べ る。

R削図∼
は が→∼は回
=コ
対 象 の「が」が主題 に取 り立 て られ る と、「 は」 にな る。 好 き嫌 い を尋 ね、
好 きではない もの を答 えさせ る とよい。

導入例 教 師が 一 人三 役 で導入す る。
A:コ ー ヒーはいかがですか。
B:す み ません。 コー ヒーはち ょっと……。
Al嫌 いですか。
BIえ え。 コー ヒーはあま り好 き じゃな いんで す。

コー ヒーは いかがですか。
…すみません。 コー ヒーは あまり すきじゃな いんです。

22
一第 2部 ¨各 課 の教 え 方     一¨
練習 QA 回 を参考 に、 質 問応答練習 をす る。
=コ
例 T:お 酒 を飲 み ますか。
Siい い え、飲 み ませ ん。お酒 は好 きじゃない んです。

4.生 け花を習 いたいんですが、 いい先生を紹介 していただけませんか。


∼だ →∼ な ん が て 〉いただけませんか

「∼ていただけませんか」は「∼ていただきます」の可能の形を否定疑問文にするこ
とにより、相手がこちらの依頼を受け入れられるかどうかを問 う、丁寧な依頼表現 と

¨継響〓
「∼んですが」の形を
なる。その際、依頼の根拠 となる状況や理由を説明す る場合、
使う。


辣馴]∼ ん
菫 ですが、∼ていただけま
せんか 風四口回区]
先生 や上司 にお願 い した い こ とを考 える とよい。そ の 理 由を「 ∼ んで すが」
で先 に説明す る。

導入例 1 T:Sさ んは日本語で手 紙 を書 きま した。でも、 まだ 日本語が上手


じゃあ りません。間違 いがあ りますか、 あ りませんか。心配で
す。先生 にお願 い します。何 と言 ってお願 い しますか。
S:先 生、 日本語で手紙 を書 きま した。 見 て ください。お願 い しま
す。
丁 :先 生、 日本語で手紙 を書 いたんで すが、見て いた だけませんか。

導入例2 T:Sさ んは生 け花 を習 いたいで す。で も、 どこに先生が いますか。


どの先生 が いいで すか。わか りません。ボ ランテ ィアの 日本人
に聞 きます。何 と言 いますか。
S:生 け花 を習 いたいです。 いい先生 を紹介 して ください。
丁 :生 け花 を習 いたいんで すが、 いい先生を紹介 していただ けませ
んか。

いけばなを ならいたいんですが、いい せんせいを しょうかいし


て いただけませんか。

「 ∼ て い ただ け ませ んか」 は丁 寧 な依頼表現 で ある こと、 また、「 ∼


んですが」 で依頼 の理 由を前 もって説 明す るこ とによって、唐突 な
感 じを与 えない よ うに して い るこ とを説明す る。

練習 A5 「∼ んですが、∼てい ただけませんか」 の形 を確認す る。


文が長 いので、初めに「∼ ていただけませんか」 の部分 を回
慣 らしして、次に前置 きの「∼ んですが」を練習 し、最後に
2文 をつ ないで完成す るとよい。
B6 前文 を「∼ んですが」 に、後文 を「∼ て いただ けませ んか」
に変えて 2文 をつ なぎ、丁寧な依頼文 を作 る練習。
C2 相手 の持ち物に興味 を持ち、それについての情報 をもらう。

23
ここでは「∼ていただけませんか」 で側 頁をしたあとに、「∼
んです」で理 由を付 け加 える形 になってい るが、 「わた しも
そんな帽子 を探 して るんですが、店 の場所 を教えていただ

けませんか」 のように、「∼んですが、∼ていただけませんか」
の形 でや りと りして もよい。
発展 Bの 「エ ドヤス トアで買 い ました」のあ と、Aさ んはその興
味 を持 ったもの (帽 子)に ついてさらにい ろいろな情報 を聞
き出す。
例 :わ たしは赤 いのが欲 しいんですが、あ りましたか。
わた しは頭が大 きいんですが、サイズはた くさんあ りま
したか。

5.国 会議事堂を見学したいんですが、どうしたらいいですか。
…インターネットで調べたらいいですよ。
∼だ → ∼ な ん が 〉 らいいですか

「∼んですが」で状況を説明して
「疑問詞∼たらいいですか」で助言や指示を求める。
使うことが多い。答えは助言の場合は「∼たらいいです」、指示の場合は「∼て くだ
さい」を使う。


鯰璽]∼ ん
哩 ですが、疑問詞∼たらいいですか 回
=コ
「だれ と、いつ、どこへ、どうやって」
何かをしたい/ど こかへ行 きたいが、
すれば/行 けばいいかわからないので、先輩や先生、事務所の人などに助言
を求めるという状況 を設定する。

導入例 l 教 師が 一 人 二役 をす る。
A:国 会議事堂を見学 したいです。 いつ見る ことができますか。予
約 が要 りますか。お金 を払わな ければな りませんか。わか りま
せん。
国会議事堂を見学 したいんですが、 どう した らいいですか。
BIイ ンターネ ッ トで調 べ た らいいです よ。
導入例2 教 師が 一 人 二役 をす る。
A:国 会議事堂 へ 行 きます。バ スで行 きます。 どこで 降 りますか。
わか りません。 バスを運転 して いる人 に聞 きます。
「すみ ません。国会議事堂 へ 行 きた いんで すが、 どこで 降 りた
らいいですか。」
運転手 :国 会議事堂前で降 りて くだ さい。

24

第2
●             ■                                     ●■ ■ ● ︼ 一■

部¨
こっかいぎじどうを けんがくしたいんですが、どう したら いいですか。


…インターネットで しらべたら いいですよ。

課の
こっかいぎじどうへ いきたいんですが、どこで おりたら いいですか。

教え
・¨こっかいぎじどうまえで おりて ください。


  
A B

「∼んですが、疑問詞 ∼ たらいいですか」 の形 の確認。


練習



いろい ろな助言 をもらう質問を作 る練習。文が長 いので、一

一銀
晦一一一一一一
度 に練習 しに くい場合 は、 まず、例の場合、後文の「 どのバ


ス に乗 りますか」 を与 え、「 どのバ スに乗 った らいいです か」
を作 らせ る。次に、前文「金 閣寺へ 行 きたいです」 を与 え、
「金閣寺へ行 きたいんですが」 を作 らせ、最後に完成す る。
さらに、「∼ たらいいです」「∼ て ください」な どを使 って答
える練習 を加える。
QAl 各 自したいことについて情報や助言をもらう。
例 Sl:歌 舞伎 を見 た い んですが、 どこへ 行 った らいい で
すか。
S2:よ くわか りません。○○ さんに聞いて ください。
QA2 日本語学習について教 師に助言をもらう。
例 :な かなか漢字を覚えることができないんですが、 どうや っ
て勉強 した らいいですか。
QA3 悩みの相談。今困 っていることを出 し合 って、皆でア ドバ イ
スをす る。
例 :朝 なかなか起 きる ことがで きないんですが、 どう した ら
いいですか。
C3 引 っ越 して きたばか りの人が地域 の情報 を聞 く。

Ⅲ口 i会 話 ごみはど こに出 した らいいですか

場面 引 っ越 し先のアパ ー トの管理人室
目標 転居先 での 日常生活 に必要 な情報が もらえる。
表現 ・燃えるごみ 「燃 える ごみ」に対 して、 ビ ン・缶 な どを「燃 え
ないごみ」 とい うことを紹介 してもよい。
。お湯が出ないんですが、・……。
「……」は「 どうした らいいですか。」が略 されて
いる。 このように後ろが略 されてい ることが多 い
ことを理解 させる。
練習 内容確認 の質問例
・燃 える ごみは どこに出 した らいいですか。
・燃 える ごみの 日に ビンや缶 を出 して もいい です か。

25
・ ミラー さんはガス会社 の電話番号 を知ってい ましたか。
身につ けたい会話表現
。あの う、 ごみを捨てたいんですが、 どこに出 した らいいですか。
わか りました。それから、お湯が出ないんですが……。
。すみ ませ んが、電 話番号 を教 えて い ただけませ んか。
発展 1 学習者 の住 んで い る地域 の ごみ 出 しの情報につい てお互 い に話 させる。
発展 2 学校や会社 の寮 の場合 はごみのほかにもい ろい ろな決 まりがあるので、
門限や食事の予約などについて管理人に聞くとい う状況で会話を作
らせる。

Ⅳ.そ の他

問題 1-1)「 日本語が上手ですね。だれに習 ったんですか」 に対する


解答例が、「一人で勉強 しました」 となってい るが、「○○先 生に習
い ました」や「だれにも習 い ませんで した」 といった答 えも可能で
あ る。
8 例 :ア イ ンシュタイ ン様
わた しはあなたのファンです。写真 を持ってい ます。アイ ンシュタ
イ ンさんは髪が長いですね。散髪が嫌 いなんですか。服 も古 いです
ね。買 い物 に行かないんですか。難 しいことは どこで考えたんです
か。僕 もノーベル賞 をもらいたいんですが、 どうした らいいですか。
教 えて ください。

26
一第 2部 一各 課 の教 え方
できるようになる こと
。で きる こと、で きない ことが 言 える。
・見 える、聞 こえるな どの状 態が言 える。


・7
爆 一
学習する こと

1.∼ が可能動詞 1・ 2 1・ 2・ 3

2.∼ が見えます/聞 こえます

′4
^Z

つ“

う∠
う0
4‘
3.´ ―ができます

う0
う0

う0

Eυ
∠ム

4.∼

/0
ミリ
しか∼ ません
5.∼ は∼ 、 ∼ は∼ (対 比 ′0

ワ′
FD

I.新 出語彙 導入の留意点


。開きます イベ ン トや会議などを行 うこと。
。心配 [な ] 「心配です」の対象物 は助詞「が」を使 う。例 :試 験 のことが心配です。

・ナ 人や動物 の音声。音 と混同する学習者がい るので、注意する。
。家 「 うち」 よ り改まった言 い方。
「 うち」 と同様、建物 と家庭 の意味がある。
例 :こ の町は古い家が多 い。
休みの 日は家でのんび りす る。
マ ンシ ョン 和製英語。英語の意味 とは違い、主に分譲 の中高層の集合住宅を言 うが、
設備や広 さなどでアパー トと差別化 して賃貸マンションと呼ばれるもの
もある。

27
Ⅱ.学 習項 目の導入 と練習

1.わ たしは日本語が少し話せます。 Nが 可 l V

動詞辞書形〉 ことがで きます」 で能力や行為 の可能性 を述べ る表現 を


第 18課 では「 〈
学習 した。 ここでは同様 の内容 を可 能動詞 で表現す ることを学ぶ。可能動詞 の対象 は
助詞 「を」 ではな く、「が」 を用 い る。 また、可能動詞 は意志的な意味は持 たず、状
態 を表す。
なお、可能動詞 とは、本来 Iグ ループの動詞 か ら派生するものを指すが、 ここでは、
、 Ⅲグループの「 ∼で きます」「来 られます」の
便宜 上、 Ⅱグルー プの「 ∼ られます」
形 も含 めて、可能動詞 と呼ぶ。

国轟国嚢]∼ が可能動詞 國型■ 回


=コ
学習者 ので きる ことや道具 ・場所 を使 ってで きる ことな どを例 に挙 げる とよい。

導入例 l T:Slさ んは毎 日日本語 を話 しますか。


Sl:は い、話 します。
T:Slさ ん は 日本語 を話 す ことがで きます。 これ はも う勉 強 しま
した。でも、「話す ことができます」 はちょっと長いですね。「話
せ ます。」 Slさ んは日本語が話せ ます。
T:S2さ んは漢字を読 む ことがで きますか。
S2:い いえ、で きません。
丁 :S2さ んは漢字が読 め ません。

導入例2 T 皆 さんはコンビニヘ 行 きますか。 コンビニ で何が で きますか。


S いろいろな 物 を買 う ことができます。
T 「買 うことがで きます」 はち ょっと長 いで すね。「いろいろな物
が買えます。」
S 荷物 を送 る ことがで きます。
丁 荷物が送れ ます。
S ノー トや本 を コピーすることがで きます。
T ノー トや本が コピーで きます。

[Slさ んは]に ほんごが はなせます。


コンビニで ノー トや本が コピーできます。

新 しい動詞 の形 を可能動詞 と言 い、助詞「 を」 は「が」 に代 わるこ


とを説明す る。

練習 Al 可能動詞の導入
①難易度を考えて、 Ⅱ→Ⅲ→ Iグ ループの順に導入す る。
②全体の形を紹介 したあと、Alの 「可能動詞」もしくはCD―
ROMに 収録の「可能動詞の作 り方」で確認させ、各自で整

28
第 2部
理する時間を与える。
③動詞文字カー ド、動詞絵教材でグループごとに練習してい く。
A2 文 を与 え、可能動詞の文 に変換 させ る練習。
例 :は しを使 い ます → は しが使 えます
さらに、 日頭 あるい は絵教材 で ことば を与 え、可能動詞 の文
を作 らせ るが、 ここでは動詞 のグル ー プごとに練習 させ る。
Bl 文 を可能動詞 の 文 に変 える練習。
ここでは動詞 の グル ー プに 関係 な く、文 を与 え、変換練習 さ
せ る。
文作 り 学 習者 にで きる こ とを言 わせ る。 まず、教 師が例 を示 す と

一7 一
,一
像 .
よい 。
例 T:皆 さんは何 が で きます か。 3つ 考 えて くだ さい 。
わた しはお い しい ケ ー キが作 れ ます。
どこで もよ く寝 られ ます。
それか ら、 自転車が修理 で きます。
C     B
ヽヽ        > ¨
︼″       ′∠

可能動詞 を使 った質問 を し、答 えさせ る。


例 :料 理が作 れ ますか。 どんな料理が作 れ ますか。
可能動詞 の 否定形 の 文 を作 り、「 ∼ んで す」 で理 由 を説 明す
る練習。
さらに、 質問 を して、B2の 形 を使 って答 えさせ る。
例 T:今 晩映画 に行 け ます か。
S:い い え、行 けませ ん。宿題が た くさんあるんです。
文作 り 動詞文 を与 えて、可能動詞 の否定文 を作 らせ、理 由をつ け
させ る。2グ ループ に分 けて、早 くた くさん作 れたほ うが
勝 ち とい う よ うなゲ ーム に して もよい。
例 :さ しみ を食べ ます
→ わた しはさしみが食べ られません。 魚が嫌 い なんです。
毎朝、新 聞 を読み ます
→ 毎朝、新 聞が読 め ませ ん。 時間が ない んです。
3  A
B     ・Q

情報 を得 たい ことに関す る質問文 を可 能動詞 を使 った文 に変


え、答 える練習。
規則 な どについ て可 能動詞 を使 って質問 し、答 えさせ る。
例 :Sさ んの 国 で何歳か ら車が運転 で きますか。
ペ ッ トといっ しょにスーパー に入 れ ますか。
Cl 公共の施設でで きる ことを係員 に尋 ね る。
発展 ホテ ル に泊 まる、寮 に入 る、 アパー トを借 りるな どの場合 に
で きる こと、で きない ことを尋ね る。
例 :パ ソ コンが使 えますか。 料理が で きますか。

留意点 Ⅲグループの動詞を使 う際、 「車を運転することができます」「車の運転がで


きます」 (第 18課 で学習済み)と 「車が運転できます」の形があるので、助
詞の使い分けに混乱 しないように注意する。

29
2.山 が は っき り見え ます。 Nが 見 えます/聞 こえ ます
物 の存在 が視界 に入 る、音 な どが聴覚 で とらえ られ る ことを表現す る。見 えた り、聞
こ えた りす る対象 は「が」で示 され る。「 ∼ か ら見 え ます」で は「 ∼ か ら」 は見 る人
の立 ち位置 を示 し、「 ∼ か ら聞 こえます」 の「 ∼ か ら」 は音 の発生す る場所 を示す。

国聾藝羅]∼ が見えます /聞
こえます 収四口 回
=コ
実際 に見 える物、聞 こえる音 を取 り上 げ る とよい。

導入例 T:窓 の外を見て ください。何があ りますか。


S:木 や ビルがあ ります。
T:そ うですね。本が見え ます。 ビルが見 えます。車が見え ますか。
S:い いえ、見えません。
T:そ うですか。でも、車の音が聞 こえます。

ビリレが みえます。
くるまの おとが きこえます。

練習 A3 「見えます」「聞 こえます」 を使 った文 の形 と意味 を確認す る


練習。「∼か ら」 の使 い方に留意 させ る。
さらに、 ことばを与 え、文 を作 らせる。
例 :わ た しの部屋 。公園・ 見 えます→ わた しの部屋か ら公園
が見えます。
B4 イラス トを見 なが ら、「見 えます」「聞 こえます」を使 った文
を作 る練習。


璽饉国はっきり
程度 を表す 「はっきり」 を導入す る。

導入例1 晴れた青空の下にくっきりと山の稜線が写った写真かイラス ト (A)と


全体 にもやがかかったようなうすぼんや りした山の写真かイラス ト
(B)を 準備 す る。
(A) (B)

T:わ た しの趣味 は山の写真を撮 る ことです。お ととい山の写真を


撮 りに行 きま した。 (Aを 見 せ て)こ れです。お とといは とて
もいい天気で したか ら、山がはっきり見えました。 (Bを 見 せて)
これはきのう撮 った写真です。 きのうは天気があまりよ くなかっ
たです。 山がはっき り見えませんで した。

30

一        一
導入例2 CDの 音 を大 き ぐして、その音 に重ねて早 口で説 明す る。

第 2部 各 課 の教 え方
T:今 日の宿題 は○○ と○○ …。
S:す み ません。わか りません。


T:(CDの 音を止めて言う。)皆 さん、わたしの話がはっきり聞こ
えますか。
S:は い、 は っき り聞 こえ ます。
練習 文作 り ことば を与 え、文 を作 らせ る。
例 :暗 くな りました 。山
→暗 くな りましたか ら、山がはっき り見えません。




とて も静かです・電話 の声
→ とて も静かですか ら、電話の声 がはっき り聞 こえま
す。
QA 「見 えます」「聞 こえます」 を使 った質問 をし、それに答 えさ
せ る。
例 :Sさ んの 部屋 か ら何が見 えますか。
天気 が悪 い 日も見 えますか。
C2 発掘現場 で説 明 を して い る係員 と見物客 の会話
「うしろまで聞こえないんですが」の「うしろまで」は見物
客のいちばん後 ろを指 している。2)② の「話」はおしゃべ
りのこと。
発展 プレゼ ンテーションの場面などに変え、聴衆 とのや りとりを
させる。

留意点 「見 える」「聞 こえる」 と「見 られる」「聞ける」 の違 い につい て質問が出て


くる ことがある。前者は対 象 が 自然 に目や耳 に入って くる状態 を表現す る言
い方 で、後者 は時間、労力、手段 などを使 うと、見た り、聞いた りで きるこ
とを表す言 い方である。
例 :「 見 られます」「聞けます」
このパ ソコンで DVDが 見 られます (× 見えます)/CDが 聞けます (×

聞 こえます)

3.駅 の前 に大 きいスーパーがで きま した。 Nが で きま再


この「で きます」は物事が完成する、行為が完了す るとい う意味で ある。完成 した場
所 は助詞「に」 で表す。


塵璽國∼ができます 口四回回=]
最近造 られた、あるいは建設 中 の施設、料理、 レポ ー トな ど「で きます」 を
使 って言 えるものを例 に挙 げ る。

導入例 1 工 事 中の ビルの写真 を見せ て


T:こ こは駅 の前 です。今 ビル を作 っています。大 き いスーパーで
す。来月駅の前 に大 きいス ーパー がで きます。

31
導入例2 T:も うす ぐ 12時 ですね。おなかがすきました。何 か作 りま しょう。
(料 理 を作 るジェスチ ャー)今 、昼 ご飯を作 って い ます。 10分 、
20分 …… はい、料理が終わ りま した。昼 こ飯 ができま した。
導入例3 T:今 、 レポー トを書 いています。 (レ ポー トを書 くジェスチ ャー )

1時 間、 2時 間 …… もう少 しです。 もうす ぐレポ ー トができます。

えきの まえに スーパーが できます。


ひるこはんが できま した。

建造物が で きる場所 は助詞 「 に」で示 される ことを確認す る。

練習 A4 「∼がで きました」 の文 の形 と意味を確認す る練習。


B5 「∼がで きます」 を使 って質問 に答 える練習。
QA 回 B5を 参考に、質問をして答えさせ る。
=]や
例 :Sさ んの会社 はいつ できましたか。
日本 の リエア新幹線の駅はどこにで きますか。
談話 写真 などを準備 させ、学習者 どうしで 自国の有名な建造物な
どを紹介 しあ う。
例 Sl:こ れ、○○の写真です。知ってい ますか。
S21い い え、知 りませ ん。/は い、テ レビで見 た こと
があ ります。
いつ できたんですか。
Sl:× ×年 ぐらい まえにで きました。
わた しの国でいちばん きれいで、有名なお寺 です。
S2:そ うですか。 (一 度、行 きたいです。)
C3 薬局や靴の修理 コーナー、クリーニング店 などのや りとり。
発展 『翻訳 。文法解説』p.17を 参考 に店員 と客 の会話を作 らせる。
教師が店員 になって、期限 をつ けた り、交渉 を加えた りさせ
て もよい。
例 A:こ れ、お願 い します。
B:は い。
A:○ ○までにで きますか。
B:ち ょっと無理ですね。△△ にな りますが、 いいです
か。
A:は い、けっこうです。
4.ひ らがなしかわか りません。

第 2部
Nし か Vま せん
「 しか」は常に否定形 と呼応 し、「それ以外 はない」 とい う限定 の意味を表す。「 しか」

各 課 の教 え方
「∼ ません」 の部分 を強調 したいとい う話 し手の意識が表 される。
を用 い ると、


は理獲 か∼ません 回
]∼ し
=コ
それ以上 はな くて残念 だ とい う よ うな状況 を提示す る とよい。

・ 導入例 T:わ た しは子 どもが好 きです。 た くさん欲 しいです。でも、子 ど


もが 1人 しかいません。
わた しの子 どもは 4歳 です。 ひ らがながわか ります。でも、力

,建 一

7〓
タカナ と漢字がわか りません。 ひらがな しかわか りません。
きのうの夜、子 どもは熱 があ りま した。わた しは心 配 しま した。
少 ししか寝 られ ませんで した。

ひらがな しか わか りません。

練習 A5 「∼ しか∼ ません (で した)」 の文 の形 と意味 を確認す る練習。


さらに、 ことば を与え、文 を作 らせる。
例 :お 金・500円 。あ ります→ お金が 500円 しかあ りません。
けさ 。コーヒー・飲み ました
→ けさコーヒー しか飲み ませんで した。
B6 前文 を「∼ しか∼ ませ ん (で した)」 の文 に変 え、二つの文
を「か ら」でつ な ぐ練習。
QA 「いい え、∼ しか」を使 って質問 に答 えさせ る。す ぐ答 えら
れない場合 もあるので、答えのキュー を準備す るとよい。
例 T:き の うはよ く寝 られましたか。 (指 やカー ドで 3)
Sl:い いえ、3時 間 しか寝 られませんで した。
T:朝 ご飯 を食べ ましたか。 (牛 乳)
S2:い いえ、牛乳 しか飲みませんで した。
さらに、学習者の立場で答 え られるような質問をして答えさ
せ る。
例 :漢 字 がた くさん読 め ますか。
い ろ い ろな 国 の ことばが話せ ますか。
い ろ い ろなペ ッ トを飼 った ことがあ りますか。

留意点 1)「 しか」が「〈名詞)が /を 」を取 り立てる場合、格助詞「が/を 」は落


ちて、「〈名詞〉 しか」となるが、その他の格助詞の場合は「 しか」はそ
の格助詞のあとにつ く (例 :東 京にあります→東京にしかあ りません)。
ここでは格助詞「が/を 」のついた名詞お よび数詞を扱 う。
2)「 だけ」 との違いを質問された場合は、 「 しか」は否定形とともに使われ
ること、また、 ∼
「 ません」の部分に重点があることを例で示す。
例 :1,000円 貸 していただけませんか。
…す みません。500円 しかあ りませ ん。
(500円 よ り多 くはないこ とに重点)

5.サ ッカ ー は しますが、野球 は しません。 Nlは Vま すが、N2は Vま せん


「∼は∼ ますが、∼は∼ ません」の形で、対比の「は」の用法を学習する。


轟壺]∼ は
亙 ∼ますが、∼は∼ません
習慣 的な こ とや 日本語学習 を例 に取 り上 げる とよい。

導入例 l T:サ ン トスさんは 日本語を勉強 しま した。ひ らがな とカタカナが


書 けます。でも、漢字が書 けません。 ひらがな とカタカナ は書
けますが、漢字 は書 けません。

導入例2 丁 :サ ン トスさんはスポー ツが好 きです。 いつもサ ッカー を します。


でも、野 球 を しません。サ ン トス さんはサ ッカ ー は しますが、
野球 は しません。

サ ッカーは しますが、やきゅうは しません。

練習 A6 「∼ は∼が、∼ は∼」 の文 の形 と意味を確認する練習。


さらに、 ことばを与 えて、文を作 らせる。
B7 「 ∼は∼が、∼ は∼」 を使 って質問 に答える練習。
QA 回 や B7を 参考 に質問をして、答えさせる。
=コ
例 :Sさ んのアパー トでペ ッ トが飼えますか。
日本料理が何で も食べ られますか。
答えは実情 に合わせて、必ず しも「∼ は∼が、∼ は∼」 を使
わな くて もよい。

Ⅲ日会話 何 でも作れるんですね

場面 友 人宅 を訪問 し、 部屋 や調度 を話題 にす る。


目標 相手 の 能力 を褒 めて、会 話 を弾 ませ る。
表現 。いつか 「何か」「どこか」 (第 13課 )と 同様、ある 日、あ
るときの意味。
。すばらしい 人を感心させるような見事なことを言う。「すてき」
は話 し手の美的感覚に訴える洗練された感 じを言 う。
例 :す ばらしい成績、すてきな靴
練習 内容確認 の質問例
。鈴木 さんの部屋 は どんな部屋 です か。
一第 2部 一各課 の教 え方
●一
・鈴木 さんの趣 味 は何 ですか。

         ■
・鈴木 さんは何 を作 りましたか。
・鈴木 さんの夢 は何ですか。
身につ けた い会話表現
。明るくて、いい部屋 ですね。
。このテーブルはお もしろいデザイ ンですね。
。えっ、ほんとうですか。
。す ごいですね。
。すば らしい夢 ですね。
あい さつ をして部屋 に入 るところか ら会話 を始める。 また、家具だけ

鮨・
発展
ではな く、描 いた絵や作 った料理な どを話題に して会話を作 らせる。

留意点 「天 気 のいい 日には」 は「天 気 のいい 日に」 に取 り立 ての「 は」が付 い た も


ので あ る。 第 17課 で格助 詞「 を」 の代 わ りに取 り立 ての助 詞「 は」が用 い
られ る場合 を学習 した。 この課 で は格助詞 「が 」 も同様 に「 は」 に置 き換 え
られる ことを学習 したが、「が/を 」以外 の格助詞 にはその まま「 は」が付 く。
(『 翻 訳
。文法解 説』 p.19参 照。)な お、第 18課 会 話 で「 日本 で は」 とい う
表現 を学習 して い る (『 初級 I翻 訳 ・文法解説』P,117-5[Note]参 照 )。

Ⅳ.そ の他

問題 。6-5)正 答 は「声 (が )う しろ (ま で)聞 こ え ませ ん。」 となる。


理解 で きない学習者が い た ら、練習 C2を 参照 させ る。
・ 7 学 習者が「 ドラえ もん」 を知 っていた ら、読 んだあ とで 読解 文
に書かれて い る こ と以 外 に「 ドラえ もん」 ので きる ことや学習者が
欲 しい と思 うもの につい て話 させ る とよい。
で きるようになる こと
。同時 に行 われる継続 的な動作が言 える。
・ 日常 の習慣 的な行為が言 える。
・複数 の理 由を並 べ て述 べ ることがで きる。

学習する こと

‐‐‐
│││││││‐ ‐


‐‐
│‐
│‐
二‐:1言
│‐ │‐ 1111111111111111‐ │‐
│││‐

│││││││││││‐ ││‐ ││││‐ ││││││1111111‐


│‐

│││││││││││││││:│││││││
:│:│││││‐

│││‐

││1111,11111'1'1,11,●
│││● ‐
│● ││● ■
二 1
││:難 素姦
1丁 : 練習

IIII■
B
■‐■│││・ │

1.∼ なが ら∼ 2
1・ 2・
「 3 1・

∠ェ

つ“
う∠

う0
2.∼ てい ます


う0
FD

3.∼ し、 ∼ し、 ∼ (並 列描 写


)

′4

う∠
/0

EJ
う0

4.∼ し、 ∼ し、 ∼ (理 由の列挙 )

5.ど うして∼んですか

う0
′0
7′

〓υ

∼ し、 (∼ し、
)∼ から。

I.新 出語彙 導入の留意点


。売れます [パ ンが ∼] 自動詞。「パ ンを売 ります」 (他 動詞)と 対照 させ るとよい。

・偉 い この課では「偉 いですね」 の形で、人につい て感心 した りほめた りす る


ときに使 う。

・ 台所 キ ッチ ン (第 27課 )と 同 じだが、キ ッチ ンは新 しくて設備が近代的な


イメー ジに対 して、台所 は昔 なが らの流 しや ガス レンジなどが イ メージ
される。

経験 この課 では「経験があ ります」 の形で、「経験 が豊富 な」 とい う意味で


使 う。

味 「味が いい」 は「お い しい」 の意味で、「味がお い しい」 とは言 わないこ


とに注意 させ る。

・番組 テ レビ/ラ ジオの番組。

・∼家 「音楽家、写真家、旅行家」な ど。

・∼機 「掃除機 、洗濯機、 自動販売機 (第 3課 )」 な ど。

36
一第 2部   各 課 の教 え方
Ⅱ.学 習項 目の導入 と練習

1.音 楽を聞きながら食事します。 〉なが らV2

継続 的 な二つ の動作 を同時 に行 う ことを表す。「 ∼ なが ら」 で 表 され る動作 は一 般 的


に副次的な動作 で あ る。 限 られた時間内の行為 だ けでな く、長期 にわたる継続 的な行
為 を言 い表す場合 もある。


鍵藝]∼ な
理 がら
∼ 口四■匝区コ 1回
=コ
実際 に二つの動作 を同時 に してみせ る。

導入例 丁 :月 曜 日か ら金 曜 日まで朝 は忙 しいです。 時間があ りません。わ


た しは新聞を読み ます。朝 ご飯を食 べ ます。

一8


(同 時 にす るジェスチ ャー を して)新 聞を読みなが ら朝 ご飯 を
食 べ ます。



土曜 日 と 日曜 日は時間があ ります。音楽 を聞 きます。 ご飯を食
べ ます。
(CDで 音楽 をかけて、食 べ るジェスチ ャー を して)
音楽を聞きなが ら、 食事 します。

おんが くを ききながら しょくじします。

副次的動作 は「 〈ます形〉なが ら」であること、「∼ なが ら」の後ろ


に来 る動作が主たる動作 であることを言 う。

練習 Al 上段 2文 短時間で行 われる二つの動作が同時に行 われるこ


とを表す「∼ なが ら」の形 と意 味の確認。
Bl イラス トを見て、「∼ なが ら∼」の文 を作 る。
文作 り 1「 ∼ なが ら∼ て い ます」 の文 を書 いた紙 を Slに わた し、
Slは そ の動作 をジェスチ ャー で示す。S2は それ を見て
描写す る。
例 Sl:( 歌いながら、シャワーを, びていま を見 て、
ジェスチ ャー で示す。)
→ S2:歌 い なが ら、 シャ ヮー を浴 びてい ます。
文作 り 2「 ∼ なが らしては い けない」 ことを言 わせ る。
例 :ケ ー タイで話 しなが ら自転車 に乗 ってはい け ませ ん。
QA 教 師が ことばを与 え、 Slは 質問 を作 る。 S2は それに答 える。
例 l T:歌 を歌 い ます 。踊れ ます
Sl:歌 を歌 い なが ら踊 れ ますか。
S2:は い。歌 を歌 い なが ら踊 れ ます。
例2 T:ガ ム をかみ ます 。話 して もいいですか
Sl:ガ ム をかみ なが ら話 して もいい ですか。

37
S2:い い え、 ガムをかみ なが ら話 してはいけませ ん。
答 えは省略せず、完全 な文で答 えるように言 う。


咆藪]∼ な
轟 がら
∼回
=]
長期 間にわたる 同時進行 の行為 を取 り上 げ る。

導入例 TiSさ ん は昼働 いています。夜学校 で 日本語を勉強 しています。


Sさ ん は働 きなが ら、 日本語を勉強 しています。

Sさ んは はたらきながら にほんごを べんきょうして います。

練習 Al 下段 2文 長期 間 にわたる動作 の 同時進行 を表す「 ∼ なが ら


∼ 」 の文 の形 と意 味 の確認。
B2 短時 間 で行 われ る二つ の動作 の 同時進行 (例 、 1)∼ 4))と
長期 間 にわ た る二つ の 行為 の 同時進 行 (5)、 6))を 「 ∼ な
が ら∼」 で表す。文末 が様 々 な形 になって い る ことに注意す
る。
Cl 将来 の夢 のために今頑張 ってい ることを語 る。
「それで」は、話 し手または聞き手が直前 に言った発言を受
けて、それを理由として何をす るか/ど うであるのかを言 う。
発展 イラス トではインタビュー場面 になっているが、学習者 どう
しのやりとりにし、「Aさ んの夢は何ですか」 と聞き返し、
「そ
うですか。偉いですね。頑張 りましよう」 と励ましあって終
わってもよい。

2.毎 朝ジョギングをしています。 て 〉います

「∼ています」の用法については、①テレビを見ています (現在継続中の動作、第 14課 )、


②結婚 しています (結 果の状態、第 15課 )、 ③大学で教えています (仕 事などの長期
にわたる習慣的な行為、第 15課 )を 学んだ。ここでは③ と同様の 日常生活の中の習
慣的な行為を述べ る使い方を学習する。


に璽瓢∼ています 口
廻堕ヨ

=コ
日常生活 で習慣 として い ることを取 り上 げ る。

導入例 1 丁 :わ た しは月曜 日か ら金曜 日まで仕事 を して います。忙 しいです。


洗濯する時間があ りません。ですか ら、 毎週土曜 日に洗濯 して
います。

導入例2 T:最 近体の調子が いいです。


毎朝 ジ ョギングを していますか ら。

38
第 2部
まいあさ ジョギングを して います。


練習 A2 休み の 日に習慣 としていることを「∼ てい ます」 を使 って言 課

う練習。 教
B3 習慣 としていることについて質問応答練習。 え

QA □区互│の ように、習慣的にしていることについて尋ねられ、「そ
うですね。 たいてい∼てい ます」 と答えるパ ターンで、練 習
B3を 再度や ってみる。
さらに、学習者 の実際の場合 に置 き換 えて質問 し、同様のパ
ター ンで答 える。

●8 一
留意点 「毎朝 ジ ョギ ングをします」 と「毎朝 ジ ョギ ングをしてい ます」はどう違 う


か とい う質問が出る ことがある。「毎朝 ジ ョギ ングをします」 も「毎朝 ジ ョ
ギ ングをして い ます」 も、話者 の習慣 を表すが、「∼ て い ます」には現在 を
含 んだある一定 の期間繰 り返 し続けているとい う意味合 いが強 い。 したがっ
て「最近」 とか、「先月か ら」 とか、 あ る期 間を表す ことば とい っ しょに使
うことが多 い。
例 :先 月か ら毎朝 ジョギ ングをしてい ます。

3.ワ ッ ト先生は熱心だ し、おも しろい し、それに経験 もあ ります。


普通形〉し、それに∼
普通形〉し、〈

「∼ し、∼ し」は話 し手の「さらに、その上」という添加、累加の気持ちを表す。
「∼ し、∼ し」のあとに、「それに」がよくいっしょに使われる。助詞「が」の代わり
に累加 を表す助詞「も」が使われることが多い。


藝瞳]∼ し
璽 、それに∼ 回
、∼し
=コ
す ごい人や、すばらしい何かを取 り上 げ、 いかにす ごいか/す ばらしいかを
並べ たてる。

導入例 教師が 一 人二役 で導入す る。


A:ワ ッ ト先生 はどんな先生ですか。
B:す ば らしい先生です。
A:す ば らしい先生 ……
B:は い。 ワッ ト先生 はクラスに遅れ た り、休んだ りした ことがあ
りません。 とても熱心です。
A:熱 心です。 (指 を折 って数 えるジ ェスチ ャー )

B:そ して、先生 はユーモアがあ ります。おも しろいです。


A:お も しろいです。 (指 を折 って数 えるジ ェス チ ャー )

B:そ して、 いるいろな学生を教えま した。経験があ ります。


A:経 験 があ ります。 (指 を折 って数 えるジェスチ ャー )

すば らしいですね。 ワッ ト先生 は (指 を折 りなが ら)熱 心 だ し、


おも しろ い し、それ に経験 もあ ります。

ワットせんせいは ね っしんだ し、
おも しろいし、
それに けいけんも あ ります。

「 し」の前が普通形 になる こと、助詞「が」が「 も」に代 わること


を確認す る。 また、「∼ し、 ∼ し」の次 に「それに」を使 う と、付
け加える気持ちが強調 されることを説明する。

練習 A3 「∼ し、 ∼ し、それ に∼」 の形 を使 って鈴木 さんをほめ る。


B4 人だけではな く、物、場所、店、道具 な どについ て も長所 を
並 べ る。
文作 り 紹介 した い 人、物、場所 につい て話す。

留 意点 1)第 16課 で学習 した「∼て、∼ て」 との違 い を尋ね られることがある。


「∼て、∼て」 はい くつかの事柄 を単に並べ て描写 しているだけだが、 「∼
し、 ∼ し」 は、一つのことだけでな く、 さらにほかの こともあるとい う
ニ ュア ンスがある。上の導入例 の文 でいえば、 「∼ し、∼ し」を使 って、
ワッ ト先生 の長所 を重ねて述べ ることによって、ワット先生はす ばらし
い と言 いたい話 し手 の気持 ちを伝 えてい る。
2)並 べ る語彙 は肯定的であれ否定的であれ、評価が同 じ範疇の語彙 である。
3)い くつ も並べ たがる学習者 もいるが、三つ ぐらいでまとめさせ る。

4.地 下鉄 は速 い し、安 い し、地下鉄 で行 きま しょう。


普通形〉し、∼
普通形〉し、〈

「∼ し、∼ し」は、ある結論に至った理由が複数あることを表すのにも使われる。

巨国 ∼ し、∼ し、∼ 國四□ 回


=コ
日常的 に して い ることを取 り上 げ て、その理 由をい くつ か並 べ る。

導入例 教 師 は一 人三役 をす る。
T:Aさ ん と Bさ んは IMCへ 行 きます。
A:何 で行 きま しょうか。
BI地 下鉄 で行 きま しょう。
A:地 下鉄 は人が多 いで すよ。
B:え え。でも、速 いです。安 いで す。
地下鉄 は速 い し、安 い し、地下鉄 で行 きま しょう。

ちかてつは │ま や いし、やす いし、ちかてつで いきましょう。

40
A4 「∼ し、∼ し、∼」 の形 と意味を確認する練習。

第 2部
練習
B5 日常生活の出来事や状況 についての理 由を複数述べ る。
文作 り 国 参考に、 よ く行 く所 (コ ンビニ、 レス トラ ン、美

各 課 の教 え方
=]を
容院、歯医者な ど)に ついて、なぜそこが気 に入 っている
か とい う理由 とと もに述べ る。
例 :駅 の前 の「3Aマ ー ト」でお弁当を買 っています。
「3Aマ ー ト」 は品物 もた くさんあるし、店 の人 も親切
だし、味もいいし、いつ も「3Aマ ー ト」でお弁当を買っ
てい ます。
C2 ある店が込んでい る理由をいつ も利用 してい る友人 に聞 く。
Bの 応答「 ここはコー ヒー もおい しい し、食事 もで きる し、
……」 の「 ……」は「それで人気があるんです」が省略 され
てい る。Aさ んはBさ んが言お うとしたことを「それで人気
があるんですね」 で受けてい る。会話 ではよ く行 われるや り 鶯
と りである。
発展 「ず いぶ ん人が多 いですね」を「ず いぶん人が少ないですね」
に変え、それに合わせて理 由も変更する。

5.ど う して富士大学を選んだんですか。
…富士大学は有名だ し、 いい先生 も多 い し、寮もあ りますか ら。
し し、 ∼か ら

理由を言 う場合には、結論の部分を言わずに「から」で終わらせることがで きる。少


し改まった感じで理由を述べた り、断 りの理由を説明する場合などに使われる。

)∼ から。 │コ 文コ
∼ し、 (∼ し、
日本語学校や大学 に入った理由、来 日した理由について答 える場面や、人 に
何かを勧 め られ、理由を添 えて断る場面 を設定す る。

導入例 1 学校 の事務所 の人 にホ ームス テイ を勧 め られ る。


A:夏 休み に 3週 間のホ ームステイがあ りますが、行 きませんか。
B:す み ません。 日本語 もまだ まだだ し、 アルバイ トも休 めな い し、
家族が 日本 へ 来 ますか ら。

導入例2 T:あ なたはどう して この大学 を選んだんですか。


S:こ の大学 は有 名 です。 いい先生 も多いです。寮 もあ ります。
T:こ の大 学 は有 名だ し、 いい先生 も多い し、寮 もあ りますか ら。

どうして この だ いが くを えらんだんですか。

・・この だいが くは ゆうめ いだ し、
いい せんせいも おおい し、
りょうも あ りますから。

41
練習 A5 アニメが好 きな理由を述べ る。
B6 「 どうして」の質問に複数の理 由を挙げて答 える。
QA B6を 参考 に、実際の ことについて、複数の理 由を挙 げて答
えさせ る。
例 :ど うして ドラえもんは人気があるんです か。
どう して トヨタの車 はよ く売 れるんですか。
C3 会社 の同僚 に飲みに誘われるが断る。
第 15課 「 ∼ て もいいですか」「すみ ませ ん。ち ょっ と……」
のや りと りで、許可 を求められた ことに対 して断るとい う意
味の「 ちよっと」を学習 した。同様にここの「 きようはちよっ
と……」 も「 きょうは誘 い を受け られない」 とい う意味の断
りである。
発展 1 会話 の終 わ りの B「 すみません。
」 のあ とに、「また今度お
願 い します。」を付 け加える。
発展 2「 これから」を「週末や休みの日」に、「飲みに行 く」を「映
画/サ ッカー を見 に行 く」な どに変更 し、それに合 わせて
適当な断 りの理由を考える。

留意点 1)項 目4「 ∼ し、∼ し、∼」は、項 目5「 ∼ し、∼か ら」 に比べ て くだけ


た感じになるので、日常会話では練習C2の ように「∼ し、∼ し」を使い、
結論を言わないで終わらせてしまう場合が多い。
2)不 満や不足を訴えて善処をお願いするときに「∼ し、∼ し」文型 を使う
と、不満を重ねて述べているようで、相手の気 を悪 くさせることがある
ので、注意が必要である。
例 :(寮 の管理人さんに)す みません。部屋を替えていただけませんか。
わたしの部屋は狭 い し、暗い し、きれい じゃありませんか ら。 (× )

Ⅲ口会話 出張も多 いし、試験もある し……

場面 近所 の 人か ら英語 を教 えてほ しい と頼 まれる。


目標 頼 まれた ことに対 し、理 由 を述 べ て断れ る。
表現 ・何 ですか 強い口調にならないように注意する。
・実は 言 い に くいことを切 り出す場合 に使 う。 ためら
いがちな調子で切 り出す。

・お茶でも飲みなが ら 第 21課 で「∼で も飲みませんか」を学習 した。


お茶か何かの意味。
練習 内容確認 の質問例
。小川さんはどうして英語を勉強していますか。
・小川さんはどうして英語が上手にならないんですか。
・小 川 さん は ミ ラ ー さんが 暇 な とき、 何 を した い と言 い ま したか。

42
麒       Щ
制第 2部 師各 課 の教 え方
・ ミラー さんは小川 さんに英語 を教 えてあげますか。 どうしてですか。
身につ けた い会話表現
。ちょっとお願 いがあるんですが。
・実は 8月 にオース トラリアヘ ホームステイに行 くんです。
発展 学習者 の母語や得意な ことを教 えてほ しい とい う依頼 を断る。

∈憂轟∋この「会話」には「……」で終わっているセリフが5か 所ある。それぞれ、
最後 まで言 った場合 と最後 まで言 わないこ とに よる効果 を考 えさせ る とよい。

Ⅳ口そ の他

問題 。4-4)「 毎朝パ ンを (食 べ てい ます)が 、 けさはコーヒー しか (飲



,■ ■ :兼露 `│

みませんで した)」 「 しか」に注 目させ、否定形になる ことを確認す



'多

る (第 27課 で学習)。
・7 イラス トやデザイ ン文字を使 ったポスター (お 知 らせ )を 作 らせ、
教室に張 り出 して、お互 い に感想 を述べ あ う とよい。

43
できるようになること
。事物 の状態が描写 で きる。
・行為 を完了する、あるい は完了 した ことが述べ られる。
・不都合 な事態 について残念、遺憾 に思 う気持 ちが表現で きる。

学習する こと

1.∼ が∼ています 1・ 2

つ“
^Z

う∠

う0
2.∼ は∼ています
3.∼ てしまいます/ま した(完 了 ) 3・ 4 4・ 5

4ェ

う0
︵∠

4.∼ て しまい ました (遺 憾 ) 5。 6 6。 7

I.新 出語彙 導入の留意点

壊 れ ます 破損す る、故障するの意味。例 :い すが壊れた、洗濯機が壊 れた

割れ ます 陶磁器や ガラス製品につ いて言 う。「壊 れ ます」 と混 同す るこ とがある


ので、注意する。

・付 きます 通常「付 いてい ます」の形 で使 われる。


。まちがえます 「まちがい ます」 を使って もよいか質問されることが ある。 「 まちがえま
す」 は他動詞 (例 :答 えをまちがえます)、 「まちがい ます」は本来自動
詞 (例 :答 えがまちが ってい ます)だ が、現在では他動詞として「まち
がえます」 と同様に使 われることがある (例 :答 えをまちがい ます)。

袋 英語話者はよくビニールやスーパーの袋をプラスチックの袋 と言うので、
「ビニール袋、スーパーの袋」 という言い方を教えてもよい。

返事 メールや手紙の場合は「返事 を書 く」。名前を呼ばれた場合は「返事を
す る」。

*こ の課では 自動詞をた くさん学習するので、既に学習 した他動詞 との違 い を実際に ドアを開け


た り、エ レベー ターの ドアが自動で開いた りす るところを見せた りして理解 させるとよい。ま
た、ここで扱 う動詞の多 くが瞬間的に終わる動 きを表す ものであることにも注意させ る。

44
第 2部
Ⅱ口学習項目の導入と練習

1.窓 が閉 ま って います。 Nが (V(自 動詞)て 形〉います

各 課 の教 え方
発話時点より以前に起 こったことの結果の状態を言い表す表現 は第 15課 で「結婚 し
ています」「住んでいます」
「持っています」「知っています」、第22課 で「着ています」
「はいています」など主体が人である場合 について学習 した。 ここでは、物の瞬間的
な変化の結果、現在それがどのような状態にあるかを表す表現 を学ぶ。


贔璽]∼ が
貪 ∼ています図四■国Xコ
身 の 回 りの事物 の状態 あるい はイラス トな どを示 して導入す る。

導入例 1 丁 :き の うの晩、台風 (絵 教材 の「台風 (N61右 )」 を見せ る)が


来 ま した。
本 の枝 が折れ ま した。 うちが壊れ ま した。窓のガラスが割れ ま
崚ま
:霧 蒔鷲
した。 :,

今 どうですか 。見 て くだ さい。 (台 風 i躙
の あ とのイラス トを見せて)
木 の 枝 が 折 れ て い ます。 うちが壊 れ
,∫ ,
て います。窓のガラスが割れて います。

導入例2 T:(教 室 の窓 を指 して)窓 が閉 まって います。


(天 丼 の電気 を指 して)電 気が つ いています。
(開 い て い るかばんを指 して)か ばんが開いています。

まどが しまって います。

『翻訳 。文法解説』p.30の ような絵 をかいて、発話以前に窓が閉まっ


たこと、その後 の状態が今 も続 いてい ることを理解 させるとよい。

練習 Al ことば と自動詞 を与 え、「 ∼ が ∼ て い ます」 の文 を作 らせ る。


Bl イ ラス トを見 て文 を作 る練 習。
さらに、 テキス ト以外 の イラス トな ど も示 して練習 させ る と
よい。
Cl 相手 に注意 を呼 びか け る。
発展 「 シャツが破 れてい る/汚 れて い る」など、 また 『翻訳 。文
法解説』p.29を 参考に「かばんに穴が開い てい る」「ベ ル ト
がね じれて い る」「シャッがぬれている」な ど、物 を変 えて
練習 して もよい。
B2 「∼てい ます」の文を作 り、対処 を表す後文を付け加える練習。
談話 1 B2を 参考 に授業後などの設定で短 い会話 を作 らせ る。
例 Sl:電 気がついてい ますか ら、消 して ください。
S2:は い、わか りました。

45
談話 2 ホテルや寮な どで係員 に依頼す る。
例 Sl:す みません。 エ ア コンが壊れてい るんです が、見
ていただけませんか。
S2:は い、お部屋番号は ?
Sl:204で す。
S2:わ か りました。す ぐ行 きます。

2.そ のパ ソコンは故障 しています。 Nは 〈


V(自 動詞)て 形)い ます
項 目1の 文型「∼が∼ています」は目にする事物の様子をそのまま描写するのに使わ
れるが、「∼は∼ています」は話 し手 と聞き手の間で話題 となっている物の状態がど
うなっているかを説明する。


①魃魃 ∼ていま
]∼ は す回Xコ
使 いたい ものが どんな状態であるか説明す るとい うような状況 を示す とよい。

導入例 T:わ た しはパ ソコンを使 いたいです。事務所 のパソコンを借 りま


す。「すみません。 このパ ソコンを使 ってもいいですか。」事務
所 の人が言 いました。「そのパソコンは故障 しています。」

その パソコンは こしようして います。

話題 の物 の状態 を説明するときは「は」で取 り立てることを確認する。

練習 A2 文 の意味 と形 を確認す る。
さらに、 ことば を与 えて、「 ∼ は∼ てい ます」 の文 を作 らせる。
例 :こ のかばん 。汚れ ます → このかばんは汚れ て い ます。
B3 イラス トを見 なが ら、相手が尋 ねた物 の状態 を説明 す る練習。
C2 相手が使 って もいい か尋 ねた物 の状態 を説 明 し、 ほかの物 を
勧 め る。
「 こち らの」 は話者 の 近 く (「 こ ち ら」)に あ るパ ンチ の こと
である。
最初 の「すみ ませ ん」 は呼 びかけ、最 後 の「すみ ませ ん」は
感謝 の意味 で、それぞれ に気持 ちを込めて言 うよ うにす る。
発展 『翻訳 。文法解説』 p.29の 表現 を使 って会話 を作 る。
例 :カ ップ 。ひびが入 っている

3.こ の本 は全部読んで しまいま した。 (Vて 形 )し まい ます/し まい ました


「∼ て しまい ます」は動作動詞 につ き、ある行為 を完全 に終了す る ことを表す。 ここ
では、既 に完了 した こと、及び、 これか ら完了す ることを導入す る。

46
国∼てしまいまし
た匝

第 2部

国藝 区亘 │

しなければならないことを既 に終えたので、安心だ、あるい は時間や労力 を


かけて成 し遂げた達成感 を感 じるとい うような状況を示す とよい。

導入例l T:漢 字の宿題があ ります。 とても難 しいです。た くさん書かなけ


ればな りません。 1時 間、2時 間…終わ りました。うれ しいです。
宿題はもうやって しまいました。

導入例2 T (分 厚 い 本 を見せ て)皆 さん、 この 本 を見て くだ さい。全部 で


L000ペ ー ジあ ります。わ た しは先 月 この 本 を買 い ま した。
毎晩読み ま した。 きの う全部終わ りま した。 この本 は全部読ん
で しまいま した。

晰¨
この ほん は よんで しまいま した。

練習 A3 上 段 2文 こ とば を与 えて、「 ∼ て しまい ま した」の文 を作


らせ、形 を確認す る練習。
さらに、 こ とばを与 えて、文 を作 らせ る。
B4 驚 い た気持 ちを「∼ んで す か」 の形 で示す練習。
スムーズ に作 れない場合 は「 ∼ て しまい ました」 → 「∼ て し
まった」 → 「 ∼ て しまったんですか」の段 階 を踏 んで練習 さ
せ る とよい。
さらに、応 答練習 に広 げ る。
例 Sl:こ の本はもう読みました。
S2:え っ ? もう読んでしまったんですか。
Sl:は い、もう読んでしまいました。

Rな まいます回
魃鰤∼てし =コ
まだや り終えていない行為を発話時点 よ り後にや り遂げるという話者の意志
表明である。期日までにしなければならないことを例に出すとよい。

導入例 l T 今 5時 です。本社か ら大切 なメ ール が来 ま した。返事のメール


を書かな けれ ばな りませ ん。友達 が言 います。「い っ しょに帰
りませんか。」わ た しは言 います。「このメールを書 いて しまい
ますか ら、 お先 にどうぞ。」

導入例2 T:あ したまで に レポー トを出 さな ければな りません。今、 レポー


トを書 いて います。 この レポー トは今晩書 いて しまいます。

レポー トは こんばん かいて しまいます。

練習 A3 下段 2文 ことばを与 えて、「 ∼ て しまい ます」 の文 を作 らせ、

47
形 を確認す る練習。
さらに、 ことばを与 えて、文 を作 らせ る。
B5 やるべ きことを終 えなければな らない ことを伝 え、誘 い を断
る練習。
発展 B4を 応用して、以下のような練習をしてもよい。
例 :こ の本はもう読みましたか。
→ Sl:こ の本は もう読んでしまいましたか。
S2:い いえ、今読んでい ます。あ したまでに読 んで
しまいます。
下線の部分は「今晩、来週、○時までに」などいろいろ変え
させる。

4.電 車に傘を忘れて しまいま した。 て 〉 しまい ました

「∼てしまいました」が不都合な事態に対する残念、遺憾な気持ちを表現する場合が
ある。完了の「∼てしまいました」との違いは動詞本来の意味や前後の文脈による。

巨憂菫華]∼ てしまいました 国型口 回 匝亘互 │

=コ
困ったことや残念なこと、恥ずか しかったことなどを例に挙げて、話 し手の
残念だとい う気持ちが理解できるような状況 を提示するとよい。

導入例 l T きの う、買 い物 に行 きま した。 お金 を払 うとき、財布が あ りま


せんで した。 店 の人が 「どうしたんですか」 と言 いま した。 う
ちを 出る とき、 財布 はあ りま した。 どこかで財布を落 と して し
まいま した。残念です。

導入例2 T わ た しはデパ ー トです てきな 傘 を見 ま した。高か ったですが、


買 いま した。 とても うれ しか ったです。 きの うは雨で したから、
傘 を持 って行 きま した。電車 で座 れ ま した。傘を置 いて、本を
読 み ま した。 10分 、 20分 …駅 に着 きま した。「あ、降 りな け
れ ばな りませ ん」電 車 を 降 りま した。「あ、傘 があ りませ ん」
わた しは電車 に傘 を忘 れて しまいま した。残念です。

でん しゃに かさを わすれて しまいました。

練習 A4 ことば を与 えて、文 を作 らせ、「∼ て しまい ました」の文の


形を確認する練習。
さらに、 ことばを与 え、文を作 らせる。
例 :パ スポー ト・ な くします
→パ スポー トをな くして しまい ました。
B6 後文を「∼て しまい ました」 に変え、前文 とつ なげる練習。
意味 も考えずに変換練習をして しまう学習者 もい るので、状

48
第 2部
況 を考 えさせ るために、下記 の よ うな質問 を しなが ら、 練 習
す るの もよい。
例 :田 中 さんは どこに住 んで い ます か。 (田 中 さんの住所 を

各 課 の教 え方
聞 きました 。忘れ ま した)→ 田中 さんの住所 を聞 きま し
たが、忘 れて しまい ま した。
1)電 車 に乗 れ ましたか。
2)約 束 の時間 に間に合 い ま したか。
3)カ ー ドがあ りますか。
4)美 術館 へ行 け ましたか。
B7 質 問に対 して、事情説明 の 「 ∼ んで す」 を使 って答 える練 習。
C3 忘れ物 や落 とし物 を した相 手 にア ドバ イスす る。
B7-例 、 1)、 例文 6な どの状況 も使 える。
2)、


「 ∼ ない と。」 は「 な け れ ばな りませ ん」 とい う意味 で、 第
21課 の 会 話 で 学習 済 み (『 初 級 I翻 訳 。文法解 説』

一漱
P.135

紺一一一騎狐¨一一奪
一一一一燿一一瑯
参照 )。

Ⅲ.会 話 忘れ物を して しまったんです

場面 駅 の事務所 に忘れ物 を届 け出る。


日標 忘れ物 などの困った状況 に対応で きる。
表現 ・忘れ物 持ち物をどこかに置き忘れることを「∼をします」
という。

覚 えてい ません 「 (ま だ)∼ ていません」は第31課 で学習する。(例 :

「もうスピーチ を覚えましたか」「いい え、まだ覚


えて い ませ ん」)こ こでは「記憶がない」 とい う
意味であ り、 この まま丸 ごとフレーズ として覚 え
させる。
。確 か 思い出した ことについて、その確信度の強さを表す。
例 :試 験 は確 か来週の水曜 日です。
練習 内容確 認 の 質 問例
・ イー さんはどうして駅員 と話 してい ますか。
・ 忘れ物 はどんなものですか。何が入 っています か。
・忘れ物 はどこにあ りますか。
・ イー さんはどうしますか。
身につ けたい会話表現
・∼ に忘れ物 をして しまったんですが ……。
・∼ です。 この くらいの・¨…。
。よ く覚 えてい ません。
。え― と、確か∼が入 っています。
発展 駅や電車での困 った状況 を与え、会話 を作 らせ る。

49
例 :切 符 をな くす、線路に物 を落 とす、最終電車 に遅れる、 降 りる駅
や路線 を間違 える
駅や電車以外 の困 った状況 を与 えて、会話 を作 らせる。
例 :タ クシーやバ スに忘れ物 をして、 タクシー またはバス会社 に電話
をかける。
パ スポー トや鍵 をな くす。

留意点 1)「 待っていて ください」について、


「待ってください」ではなく、なぜ「待っ
ていて」なのかとい う質問が出ることがある。 「駅員が調べ る間、待 っ
い い
て る」 と うことで、ある程度時間がかかるとい う含みを持たせた表
現 であ る。
2)「 あ りました よ」について、なぜ「∼ ました」なのか とい う質問が出る
ことがある。「た」は期待 して い たことが実現 した とい うことを発見 し
た ときに使 われる。例 :捜 して いた人が「 いた」、乗 ろ うと思 っていた
電車が「来 た」
3)発 展練習 を行 う際、助言 の表現 「∼た/な いほ うが いいです」 は第 32
課 の学習項 目のため使 えないの で、相談 された人が「 (い っしょに)∼
ましよう」 と言えるような状況 を設定する。

Ⅳ.そ の他

問題 ・8 学習者に地震について知識や経験があるか確かめてから行う。
無第 2部 出各 課 の教 え方

舅貪嗽瑕
で きるよ うになる こと
。事物 の状態 につい て述 べ ることがで きる。
・準備 な ど、 将来 のために前 もって してお くことが述 べ られる。

学習す る こと

1.∼ が∼てあ ります


2.∼ は∼てあります
うZ

つ“

う∠



nv
う∠

うZ
3.∼ てお きます (準 備 う0

う0
) 3・ 4
4ェ

4ェ
4.∼ ておきます (措 置

民υ

う0
)

′0
FD

5.∼ ておきます (放 置 )
FD

I.新 出語彙 導入の留意点


。はります「壁に∼」、掛けます「壁に∼」、飾 ります「棚 に∼」 、並べ ます「本棚 に∼」
植えます「池の周 りに∼」
、戻 します「元の所 に∼」 、 しまい ます「引 き出しに∼」
以上の「に」は動詞が表す動作 の結果、物が存在する場所 を表す「に」
である。第 15課 で学習。『初級 I翻 訳 。文法解説』p.99参 照。

まとめ ます 「 レポー トをまとめます」「荷物をまとめます」

玄関/廊 下 /壁 『初級 I翻 訳 。文法解説』p.67の 「 うちの中」のイラス トを参照。イ


ラス トに含 まれない「壁」 も書 き入れて関連語彙を整理するとよい。
・周 り/真 ん 中/隅 『翻訳 ・文法解説』p.83「 位置」のイラス ト参照。既出の位置を表す語
彙 (上 、下、前、 うしろなど)(第 10課 )を 書き入れ、整理をするとよい。
。まだ 第7課 で学習 した「 いいえ、まだです」は動作が完了 していないことを
表すが、 この課 の「まだ」は「雨がまだ降ってい ます」のように動詞の
肯定形 と使 い、動作が依然続いていることを表す。

51
E"学 習項 目の導入 と練習
1.交 番に町の地図がはってあります。 ∼に∼が (Vて 形)あ ります

物 の状態 を言 い表す文型 は「∼ てい ます」 (第 29課 )の ほかに、「∼ てあ ります」が


ある。「∼ てい ます」は物の状態変化 を表す 自動詞が使 われ、物 の状態変化 の結果 と
しての現在 の様子 を言 い表す。そ れに対 し、「∼てあ ります」には人の動作 を表す他
動詞が使 われ、人が何 らかの意図や 目的を持 って行 った行為 の結果 としての物 の現在
の状態を表す。

∼に∼が∼てあります 國四■
物 を置 い た り、並 べ た り、 はった りして、その あ との状態 を描写す る。

導入例 l T わた しはけさ 8時 半 に教室 へ CDと 地図 とカ レンダー を持 って


きま した。机 の上 に CDを 置 きま した。ホ ワイ トボー ドに地図
をは りま した。壁 にカ レンダー をか けま した。 (授 業前 に以上
の準備 を してお く)
今、机の上 に CDが 置 いてあ ります。ホ ワイ トボ ー ドに地図が
はってあ ります。壁 にカ レンダーがかけてあ ります。

導入例2 丁 (机 の上の教科書 を手 に取 って)こ れ はだれ の本 ですか。


(教 科書 の裏 を見 て、 名前 を読 む)○ ○。
○○ さんは本 を買 った とき、 名前を書 きま した。 ここに名前が
書 いて あ ります。

導入例3 丁 :交 番 へ 行 った ことがあ りますか。 町の いるいるな ところに交番


があ ります。
道がわか らな い とき、交番 へ 行 きます。交番 に町の地図がはっ
てあ ります。便利です。

こうばんに まちの ちずが はって あ ります。


ほんに なまえが か いて あります。

練習 Al 「∼ に∼が ∼ てあ ります」 の形 の確認。


Bl 「∼ に∼ が ∼ てあ ります」を使 って、イラス トにかかれてい
る ことを描写する。
文作 り ]Blは 一つの物が 一つの場所 にあるイ ラス トだが、部屋
全体、家全体、庭全体 の絵 を与 え、「 ∼ に∼が ∼ てあ り
ます」を使って描写させる。
F舎 ¬
例 T:こ こはわたしのうちです。
きょうは友達が来ます。
L」

棚 に……
S:棚 に花 が飾 ってあ ります。
T:テ ー ブルに……

第 2部
S:テ ー ブル に果物が置 い てあ ります。 フ ォー ク と
ナイフが並 べ てあ ります。

各 課 の教 え方
T:壁 に……
S:壁 に絵 がかけてあ ります。
文作 り2 学習者 の一 人 に、文作 り 1で 示 した絵 を与 え、「 ∼ に ∼
が ∼ て あ ります」 を使 って描写 させ る。 ほかの学 生 はそ
れ を聞 い て絵 をか く。
Cl あ る公共 機 関 (例 :公 民館 )の 入 り口で 日に とまった掲示物
や備 品 につ いて尋 ね る。Aは 公民館 の利用者、Bは 公民館 の
係 員 で あ る。
発展 Aは 仕事 中 の係員 に声 をかける。 Bの 答 えを聞 い て、それ に
つ い て質問す る。 最後 にお礼 を言 って話 を終 える。
例 A:す み ませ ん。 ち ょっ といい ですか。
B:は い。何 です か。
(Cl会 話 )
A:(そ うですか。)わ たしもスポーツ教室に入 りたいん
ですが、 どうしたらいいですか。お金は要 りますか。 11舗 │11

どんな服を着ますか。

そうですか。ありがとうございました。

留意点 「窓が開いています」と「窓が開けてあります」の違いについて質問が出る
ことがある。見 えてい る現象 は同 じだが、前者はただ窓が閉まってい ない状
態であることを伝 えてい るのに対 し、後者はだれかがある目的のために窓を
開け、その結果、窓が閉まってい ないことを伝 えようとしてい る。
以下のような例 を挙 げる とよい。
例 A:あ れ、窓が開いていますよ。閉めましょうか。
B:い いえ。暑いですから、開けてあるんです。

2.セ ロテ… プはあの引き出 しに しまってあ ります。 ∼ は∼ に く て

「∼は∼に∼てあ ります」は物について、それがどうい う状態でその場所 にあるのか


を伝える言い方である。

巨因 ∼は∼に∼てあ ります 回
=コ
ある物 を取 り上げて、それが どこにあるかを伝 える場面 を想定する。

導入例 右 の物 の あ りかを示す イラス トを見せ なが ら、


T:日 曜 日です。奥 さん は出か けます。 自
分の夫 に言 います。 覇蒸珊

妻 :昼 ごはん は魚 と野 菜 です。魚 は冷蔵 庫


に入れてあ ります。

53
野菜 はテーブルの上 に置 いてあ ります。
何 かわか らない ことがあ った ら、電 話 して ください。
電話番号 はここに書 いて あ ります。 じゃ、行 ってきます。
夫 :あ 、 ち よっと待 って。 セ ロテー プはどこ ?
妻 :あ のひきだ しに しまってあ ります !

セロテープは どこですか。
・ [セ ロテープは]あ の ひきだ しに
¨ しまって あ ります。

練習 A2 Alが 「〈場所)に 〈物 )が ∼ てあ ります」なのに対 してA2


は「 〈物)は 〈場所 )に ∼ てあ ります」 で ある ことを対照 さ
せて、形 を確認す る。
B2 物 を探 してい る人に、それが どこにどうい う状態で あるかを
答 える。
QA 実際の状況について質問応答する。
例 :パ スポー トはどこにしまってあ りますか。

3.旅 行 のまえに、インターネットでいるいる調べておきます。 Vて 〉お きます

「∼ てお きます」はある目的に必要な準備 をす ることを言 う。


最璽団∼まえに/∼ のまえに
/∼ までに、∼ておきます図四口回
=]
旅行 や試験 な ど前 もって準備す る必 要 の ある事柄 を取 り上 げる。

導入例 T:夏 休みに北海道 へ旅行 に行 きます。行 くまえに、 いろいろ準備


しなければな りません。
飛行機 で行 きます。飛行機 のチケ ッ トは時々売れて しまいます
か ら、 1か 月前 に買 っておきます。
北海道 に友達 が います。友達 に会 いたいで すか ら、行 くまえに、
連絡 しておきます。
北海道 はどこがおもしろいですか。旅行のまえに、インターネッ
トで調 べ ておきます 。

りょこうの まえに、インターネッ トで しらべ て おきます。

練習 A3 「∼まえに、∼ておきます」の形と意味を確認する練習。
さらに、学習者の国 。地域で、子どもが生まれる前に準備 し
てお くことを話させるとよい。
B3 例 1、 1)、 2)は 「〈 、例 2、 3)、 4)は 「(名
辞書形〉まえに」
詞)の まえに」の形で、準備 しておくことを述べる。
B4 「∼ までに、∼ておいて ください」 とい う形の指示や命令の

54
第 2部
文 に変換す る。
QA い ろい ろな行事 (留 学、試験、 山/海 へ 行 くな ど)の ために
どんな準備 をす るか 質問す る。

各 課 の教 え方
例 :留 学す るまえに、何 を してお きますか。
C2 上 司 に準備す べ きことの指示 を仰 ぐ。
発展 仕事以外 の会社 の行事 (運 動会、入社式、新年会 な ど)に つ
いてのや りと りを行 う。
例 A:来 週 の運動会 までに何 をしてお いた らいいですか。
B:そ うですね。Aさ んはお弁当を予約 しておいて くだ
さい。
A:は い、わか りました。

4.は さみを使 ったら、元の所 に戻 しておいて くださ い。 て お きま可

「∼ておきます」には、次の使用に向けた措置を表す場合 にも用い られる。


≡亜菫∼たら
、∼ておきます回
=コ
身近 な物が見 当 た らず、そ の所在 につい てや りと りす るよ うな状況 を示す。 :毬 鱗│
11':.:'1,│:1,:夕 │■ 1.

導入例 教 師 は一 人 三役 をす る。
妻 :あ れ ? はさみがない。あなた、 はさみは どこに しまったんで
すか。
夫 :あ の 引き出 し。 あそ こ。
妻 :あ そ こ ? はさみの引き出 しは ここで す。
はさみを使 った ら、元の所 に戻 しておいて くだ さい。
夫 :わ か りま した。

はさみを つかったら、もとの ところに もどして おいて ください。

練習 A4 「∼たら∼ておきます」の形 と意味を確認する練習。ほかに、
次の食事のために準備 してお くことを考えさせる。
B5 物を借 りた人に、使 ったらどうするか係員が指示する。
C3 パーテイーの後片づけの手伝 いを申し出て、指示を受ける。
発展 前後にや りとりを加える。
例 A:ご ちそ うさまでした。とてもおい しかったです。
Bさ んは料理が上手ですね。
B:あ りがとうございます。
(C3会 話)
A:(わ か りました。)き ょうのパーテイーは楽しかった
ですね。
B:そ うですか。よかったです。

SS
5.資 料はそのままに しておいて ください。 て 〉お きます

「∼ておきます」には現状の維持、放置 という意味もある。


は赳肉∼ておきます回=]
パーテイーや会議などが終わって、片づける場面で、使 ったものをどうする
か、指示を受ける場面を考える。

導入例 教師が一人二役 をす る。会議が終わった場面で


A:テ ーブル といすはどうしましょうか。
B:こ のテーブルといすは置 いておいて ください。午後の会議で使
いますから。
A:資 料はどうしましょうか。
B:資 料もそのままにしておいて ください。

しりようは そのままに して おいて ください。

練習 A5 「∼ てお きます」 を使 って、会議 のあ とのいす をどうす るか


について言 う練習。
B6 ある行為 の 申 し出に対 して、理由を述べ て、現状 のままにす
るよう指示す る。
QA 回 参考 に、何 で も片 づ けたい人 と何 で もそ の ままに
=]を
したい人になって、質問応答 をす る。答える人はで きるだけ
「 まだ∼ てい ます」 を使 う。
例 Sl:テ レビを消 して もいいですか。
S2:い い え、 まだ見 てい ますか ら、つ けてお い て くだ
さい。
Sl:こ の新聞 は片付 けて もいいですか。
S2:い い え、 まだ読 んでい ますか ら、出 してお いて く
ださい。

Ⅲ日会話 非常袋を準備 しておかないと

場面 友人 宅で見 た非常袋 に興味 を持 って尋 ね る。


目標 非常袋 につい て理解す る。
表現 ・∼ とか、∼ とか 「∼や∼など」と同じ意味を持つが、 「∼ とか、∼ とか」
は話 しことばに用 い られる。

一第 2部 w
・非常袋はスーパーでも売 っています
格助詞 と「も」を一緒 に用 い る場合 は、以下のよう
になる。

一各 課 の教 え方
1)が 、を→ も
りんごが好 きです。バ ナナも好 きです。
りんごを食べ ます。バ ナナも食べ ます。
2)に 、で、から、まで、 と
,に も、でも、か らも、 までも、 とも

このパ ンはデパー トで売 ってい ます。ス ーパー


で も売っています。
あそこにポスターがはってあります。そこにもはっ
てあ ります。
3)へ → (へ )も
東京へ行 きます。北海道 (へ )も 行 きます。
練習 内容確認 の質問例
・ ミラー さんはリュックを見て、 どう思 い ましたか。


¨
「非常時」はどんな時ですか。

濠 騨¨
轟議“
・非常袋 には水や食べ物 のほかにどんな物が入 れてあ りますか。

一一一

一¨
・ ミラー さんは非常袋を買 い に行 きますか。
身につけたい会話表現
・非常袋 ? 何 ですか。
・ ほかにもい ろいろあ ります よ。∼ とか、∼ とか……。
・ わた しも準備 しておかない と。

留意 点 1)『 翻訳・文法解説』P。 35「 非常 の場合」 を一読 させ る。


2)実 際にあった地震の被害について話 しす ぎると、恐怖感を持たせ ること
があるので注意する。

Ⅳ.そ の他

問題 ・1 1)「 何が」 と2)「 何か」が聞き分けられているかどうか確認する。

57
で きるようにな る こと
。自分 の意思や計画 して い ることが述 べ られ る。
・予定が説明 で きる。

学習する こと

1.意 向形 うZ 1。 2

う∠

︵Z
う0
2.(意 向形 )と 思 ってい ます

うZ
′4
3.ま だ∼ てい ません う0 3・ 4
4.∼ つ もりです
う0

4・ 5 5・ 6

う0
′0

5.∼ 予定 です ′0 7・ 8

I.新 出語彙 導入の留意点


・ 受 け ます 「試験をします」と言ってしまう学習者がいる。試験 をするのは教師、
学生は「試験を受ける」と言う。

申 し込み ます 申 し込む相手や対象 となるイベ ン トは「∼に」で表す (例 :マ ラソン大


会に (参 加を)申 し込む)。 この課では「北海道旅行」を トビックにして、
「北海道旅行はもう申し込みましたか」 のように用 いている。

休憩 します 「休み ます」 との違 い につい て聞かれることがある。「休憩す る」 は作業


の合 間な ど限 られた時間内 に休 む こ と。「休み ます」 は「休憩 します」
のほかに多様 な意味 を持 つ 。
例 :あ したは家でゆっ くり休 み ます。会社 を1週 間休みました。

帰 り 動詞の「ます形」 が名詞 として用 い られている。『翻訳 ・文法解説』p.43


を参照。

∼の方 「∼の方向、近 くあるいは周 り」の意味。

ず っと ある一定 の期間継続 してい るとい う意味。比較 の程度を表す意味は第


12課 で学習済み。

58
第 2部
Ⅱ口学習項 目の導入 と練習

1.い っしょに行 こう。 V意 向形

各 課 の教 え方
第6課 で「∼ ましょう」の形を学習した。 この普通形「∼ (よ )う 」を意向形 といい、
意向形の作 り方 と用法を学習する。

MMM圏 ∼(よ )う 図
四■回
=コ
同 じ内容 の会話 を丁 寧体 と普通体 で紹介 し、「 ∼ ましょう」が「 ∼ (よ )う 」
の形 になることを示す とよい。

導入例 ]T:日 本語 のクラスで 先生 はい つ も 「始 め ま しょう」「ち ょっ と体


み ま しょう」 と言 います。でも、友達 と話す とき、「始 めよう」
「ち よっと休 もう」 と言 います。

導入例2 T き ようは いい天気 ですね。 Slさ ん、 い っ しょに散歩 に行 きま


せんか。
Sl いいで すね。行 きま しょう。
T 友達 と話す とき、何 と言 いますか。 Slさ ん、 S2さ ん と話 して

●3

ください。

4■
Sl いい天 気だね。 S2さ ん、 いっし ょに散歩 に行かない ?
S2 いいね。行 き……行 きま しょう。
丁 「行 きま しょう」 じゃあ りません。「行 こう」

い っしょに い こう。

「行 こう」 の形 を「意向形」 と言 うことを説明する。

練習 Al 意向形 の導入
①難易度 を考えて、 Ⅱ→ Ⅲ→ Iグ ループの順 に導入す る。 Ⅲグ
ループの「∼ します」→「 しよ う」 の音変化 に影響 されて、
Iグ ループの「押 します」「話 します」などが「押 しよう」「話
しよう」 になった りす ることがあるので、注意する。
②全体 の形 を紹介 したあ と、Alの 「意 向形」 もしくは CD―
ROMに 収録 の「意向形 の作 り方」 で確認 させ、各 自で整理
す る時間を与える。
③動詞文字 カー ド、動詞絵教材でグルー プごとに練習 してい く。
A2 文 を与 え、意向形の文 に変換 させ る練習。
さらに、回頭あるい は絵教材 でことばを与え、文 を作 らせ る。
Bl 前文 (理 由)を 普通形 に変え、後文 を意向形の文にし、 つ な
げ る練習。
Cl 親 しい相手に提案する。
発展 最初 の Aを 「 もう12時 だね/仕 事 が終 わった」、最初 のBを
「 じゃ、食事 に行 こ う/飲 みに行 こ う」な どに。
その後の展開 として、A「 ○○ 〈 場所や店の名)へ行かない ?」
と提案 した り、Bは 素直 にAの 提案 を受け入れるだけでなく、
「そ こはちょっと……△△ はどう ?」 などと会話を広げる。

留意点 申し出の「∼ましょうか」(第 14課 )の 普通形は「〈


意向形)か 」になるが (『 翻

訳 文法解説』p.42-2参 照)、 ここでは扱わない。

2.将 来 自分の会社を作 ろうと思 っています。 〉と思ってい ます

話 し手の意思や計画を相手 に伝 えるときに使 う表現。「思 い ます」「思ってい ます」 ど


ちらも使 えるが、「思 い ます」は発話 の時点に考 えられた こと、「思ってい ます」はそ
の前か ら話 し手がずっと考えていたこととい う違 いがある。 ここでは「思ってい ます」
を使 って練習す る。


轟畷]∼ (よ )う 思っています 図四ロロ区コ

将来 の計画 な ど、心 に温 めて い る ことを例 に挙 げ る とよい。

導入例 l T:も うす ぐお正月ですね。Sさ んは何 を しますか。


S:国 へ 帰 ります。
T:そ うですか。わた しは温泉が好きです。わた しは考えました。「お
正月、何 をする ?」 「う一ん、そ うだ、温泉 に行 こう。」皆 さん
に言 います 。「わた しは温泉 に行 こうと思 っています。」 (頭 を
指 さ し、その考 えがず っ とある こ とを示す )

導入例2 丁 わた しは留学生 です。 日本 の大 学 で 経済を勉強 しています。 自


分 で 自分 に質 問 しま した。将来、 どう しますか。「自分 の会社
を作 ろう」。頭 の 中 にず っとその考 えがあ ります。わた しは友
達 に言 います。「将来、 自分 の会社 を作 ろうと思 っています。」

しょうらい じぶんの かいしゃを つくろうと おもって います。

練習 A3 「〈意向形〉 と思っています」の文の形 と意味を確認する練習。


さらに、文を与えて、「〈意向形)と 思っています」に変換さ
せる。
例 :夏 休 み に国 へ 帰 ります
→夏休みに国へ帰ろうと思っています。
B2 質問に「(意 向形〉 と思っています」 を使 って答える練習。
QA B2の 質問や回 などを参考に質問をし、「〈意向形〉 と思っ
=コ
ています」を使って答えさせる。
例 :今 晩 どこで食事 しますか。
週末、天気がよかったら、どこへ行 きますか。
一第 2部   各 課 の教 え方
3.レ ポー トはまだ書いていません。 まだ て 〉い ません

第 7課で「もう∼ましたか」の答えとして「いいえ、まだです」 という表現を学習した。
同様の意味で、まだ行為が完了していないということをより明白に伝える「まだ∼て
いません」を導入する。


藤鯰國まだ∼ていません 回=コ
「いいえ、まだです」の答え方を思い出させ、動詞を用いた形を紹介する。

導入例 1 丁 :皆 さん、 きの う 30課 を勉 強 しま したね。 30課 の 言葉 はも う


覚えま したか。

:は い、覚 えま した。

:じ ゃ、 31課 の ことばはもう覚 えま したか。


:い いえ、 まだです。

:い いえ、 まだ覚えていません。

導入例2 T レポー トの宿題があ ります。Aさ んに質問 しま した。「レポー


トはもう書 きましたか。 」Aさ んは 「はい、もう書 きま した。

Bさ んに質問 しました。「レポー トはもう書きましたか。」 Bさ




3 一
んは 「いいえ、まだ書 いていません。

■ 一

レポー トは まだ かいて いません。

学習 した「 まだです」は「 まだ∼ てい ません」 を短 くした言 い方 で


ある ことを説明する。

練習 A4 ことば を与 えて、文 を作 らせ、「まだ∼ て い ません」の文の


形 と意 味を確認す る練習。
さらに、ほかのことばを与 えて、文 を作 らせる。
例 :飛 行機 のチケ ッ ト・買 い ます→飛行機 のチ ケ ッ トはまだ
買 ってい ません。
B3 質問に対 して、「まだ∼ てい ませ んか ら、わか りません」 と
答える質問応答練習。
B4 質問に対 して、意向形の文 を添えて、 いつするか、答 える練
習。
QA B4や 回1文 コ のパ ター ンで質問 に答えさせ る。
例 :32課 は もう予習 しましたか。
連体 の予定はもう決め ましたか。
C2 準備 し終わ っていないことについて、 これか らしようと思 っ
てい ると言 う。
発展 ① をパーティー、スピーチ コンテス ト、 マ ラソ ン大会などの
イベ ン トに変 える。

61
4口 来月車 を買 うつも りです。 い い つ

「つ もり」は話 し手の意志を表す。 「(辞 書形〉/〈 ない形ない〉つ もりです」の形で


話し手が具体的に計画 していることを表す。「〈 意向形〉と思っています」に比べ ると、
い い
話し手の決心の度合 が高 が、実際には「(辞 書形)つ もりです」は先に学習 した「〈 意
向形)と 思 っています」 とほとんど同じ意味合 い で使 われることが多 い。


凩翌]∼ つ
湿 です図四口回 回
もり
=コ =]
将来 の具体 的 な計画 な どを提示 す る とよい。

導入例 l T:わ た しは日本語 を教 えています。年 を取 った ら、 どう しますか。


この仕事をやめ ますか。 いいえ、わた しは この仕事 が好 きです
か ら、仕事 を続 ける つ も りです。仕事をやめな いつも りです。

導入例2 丁 わた しの うちは駅か ら遠 いで す。仕事や買 い物や病院 に行 くと


き、大変です。車が あ った ら、便利です。安 くて、 いい車を見
つ けま した。わた しは来月車 を買 うつも りです。
でも、わた しは最近体 の調子が よ くな いで す。医者が言 いま し
た。「た くさん歩 いて ください」。ですか ら、休みの 日は車 に乗
らないつも りです。

くるまを つも りです。
かう
くるまに の らな い つもりです。

「つ もりです」の前に動詞の辞書形 とない形が使われることを確認
する。

練習 A5 こ とば を与 えて、文 を作 らせ、「 ∼つ も りです」 の 文 の形 と


意味 を確認す る練習。
さ らに、文 を与 え、 「 ∼つ も りです」 に変換 させ る。
例 :国 へ 帰 りませ ん→ 国へ 帰 らないつ も りです。
B5 辞書形〉つ もりです」 を使 って、結
イラス トを見 なが ら、「 〈
婚に関する質問に答 える応答練習。
B6 質問に対 して、「 〈ない形〉つ もりです」で答え、その理 由を
「∼ んです」 で加 える質問応答練習。
文作 り 将来 の ことに関 して、 ことば を与 え、「∼つ も りです」の
文 を作 らせ る。
例 :将 来何 をす るつ もりですか。考えて ください。
T:30歳 までに→ Sl:30歳 までに結婚するつ もりです。
T:40歳 になった ら
→ S2:40歳 になった ら、 自分の会社 を作るつ もりです。
QA 今後 の計画 な どについ て質問応答す る。B6に 倣 い、理由を
付 け加えて答えさせてもよい。
織第 2部 臨各 課 の教 え方
”          ︶
例 :夏 休 みは どこか行 きますか。
年 を取 った ら、何 を しますか。


5.部 長 は支店 へ 行 く予定です。 (V辞 書形 )/(Nの )予 定 です
これか ら行 われることが既 に決 ま っていることを伝 える表現。


嚢翌薗∼予定です回=コ
手帳 な どの予定表や カ レンダー を示 して、 いつ何 が予定 されて い るか を言 う
とわか りやす い。

導入例 丁 :こ れ は部長 のスケ ジュールです。見て くだ さい。あ した部長 は


支店 へ 行 きます。 あ した部長 は支店 へ 行 く予定です。部長 は木
曜 日の 5時 ごろ帰 ります。部長 は木曜 日の 5時 ごろ帰 る予定で
す。出張 は 3日 の予定です 。金曜 日は会議 があ ります。金曜 日
は会議の予定です。

あした ぶちょうは してんへ いく よていです。

3一
●“ ,
きんようびは かいぎの よて いです。

■一
● ●●
■●
「予定」 の前 は、 動詞 の場合 は辞書形、名詞 の 場合 は「 ∼ の」 にな
ることを確認す る。

練習 A6 「∼ (の )予 定 です」 の文 の形 と意味を確認する練習。
さらに、文 を与え、「∼ (の )予 定 です」 に変換 させ る。
例 :8時 の新幹線に乗 ります→ 8時 の新幹線 に乗 る予定 です。
旅行 は 1週 間です。→旅行は 1週 間の予定 です。
B7 予定表 を見なが ら、「〈 辞書形〉予定 です」 を使って、質問に
答える練習。
テキス トの質問以外 にも質問をしてみる とよい。
B8 質問 に「 ∼の予定です」 を使 って答 える練習。
QA 質問をし、「∼ (の )予 定 です」 を使 って答 えさせ る。
例 :あ した何 を勉強 しますか。
漢字 の試験 はいつ ですか。
C3 休みの予定 について話す。
発展 旅行 について期間だけではな く、 どこへ 行 くのか、だれ と行
くのか、何 をす るのかなどに話 を広 げ る。答 えるほ うはこの
課 で学習 した表現 をいろいろ使 って答 える。
例 (C3の 会話 のあ と)
A:い いですね。一人で行 くんですか。
B:い い え、友達 3人 と行 く予定です。
A:北 海道 は広 いです よね。 どこへ行 くんです か。
B:北 海道の東の方へ行 くつ もりです。きれいな自然を
見 ようと思っています。
A:そ うですか。帰ったら、写真を見せてくださいね。

Ⅲ日会話 料理 を習おうと思 っています

場面 知 り合 い と転勤後 の生 活 につ いて雑談す る。
目標 将来 の計画 につい て話 せ る。
表現 ・残 ります ここでは「 (人 が)あ る場所 に留 まる」 とい う意味。

・月に 第 11課 で「1週 間/1か 月/1年 に∼回」を学習 し


ている。「1か 月に」を言い換えると「月に」 となる。
質問があれば、同様 に「週 に」 「年 に」 となるこ
とを紹介 してもよい。
練習 内容確認 の質 問例
・小川 さんは来月か らどこで どんな生 活 を しますか。
・ どうして小川 さんの家族はいっ しょに大阪へ行かないんですか。
。大阪へ行 った ら、小川 さんは何 をしようと思ってい ますか。
身につ けた い会話表現
。実 は∼ んです。
。それはおめで とうござい ます。
。それで、別 々に住むんですね。
。それはいいですね。
発展 大学卒業、大学院入学、留学、就職、転職、退職な どの状況 を与えて、
計画や抱負、予定な どを話 させる。学問に関係 のあ る言葉 は 『翻訳 。
文法解説』p.41を 参照 させ るとよい。

∈肇轟∋ 日本 の会社の転勤制度、単身赴任、受験状況 などについて情報 を与えるとよい。

Ⅳ口その他

問題 1-4)「 あしたは何か予定がありますか。」
答えは学習 した表現「はい、∼予定です」 を使 うことを前提 として
いるが、学習者によっては質問と同形式の「はい、∼予定がありま
す」でもよいのか、あるいは「いいえ」の場合 は何 と言うのかとい
う疑間を持つかもしれない。「いいえ」の場合 は「いいえ、 (特 に)
予定はありません。 」、「はい」の場合 は「はい、∼予定です。 」以外
い ∼ で
に「は 、 予定があります」 もよ 。 い
7「 東京へ来てか ら、もう10年 になる。」の「(数 詞)に なる」は
ある数量に達することを表す。

64
一第 2部 一各課 の教 え方
一        一
●        ■



蝠呵聰舅
できるようになる こと
。忠告や助言が で きる。
・推量 した ことを確実 さの程度 によって言 い表せ る。

学習する こと

1.∼ ほうがいいです 1・ 2 1・ 2

うZ
う0

︵Z
うZ

2.∼ でしよう 3・ 4

う0
う0
う0

3.∼ か もしれませ ん 4・ 5 5。 6




2一
議州
I.新 出語彙 導入の留意点


・成功 します 「会議が成功 します」

・込み ます/す きます 「道/デ パー トが∼」


。「込んで/す いています」で使 うことが多い。
。出ます [試 合 / ここでは「参加す る、出席す る」の意味。助詞が「に」になることに
パー ティー に∼] 注意。

・ 続 きます [熱 が∼] 「 (会 議を)続 けます」 (他 動詞、第31課 )と 対照させるとよい。

・ ひきます [風 邪 を∼] 「 [や け ど/け が/せ き]を します」 と同様、


「∼ をひきます」 となるが、
意図的な行為 を表す ものではない。
。まえ 「6時 まえ」 「6か 月まえか ら」「6か 月ま
「6か 月まえに」
「15分 まえ」、
えまで」などの使 い方を示す。

・遅 く 「遅い時間」 の意味。例 :夜 遅 く電話をかける、夜遅 くまで勉強す る


。先生 患者が医者に呼 びかけるときに使 う。
。国際 ∼ 「国際会議、国際空港、国際電話、国際結婚、国際試合」
。十分 な 「十分だ/で す」の形 でよ く使 う。
。おか しい 「いつ もの、あるい は正常な状態 と違 う」 と「滑稽 な」の二通 りの意
味がある。

65
っる さい 「音や声が大 きく、耳障 りで、不快な気持ち」を表す ときに使 う。
「口
い の
うるさ 」 意味は扱わな 。い

Ⅱ口学習項 目の導入 と練習

1.毎 日運動 したほうがいいです。 た ない ない ほ がいいです

助言や忠告 を行 うのに用 い る。相手 の現状 または選択 した事柄 と反対 のことを勧 める


場合、あ るい は選択肢が二つ あ ってその うちのいず れかを選んで勧 める場合 に用 いる。
た形の代 わ りに辞書形が使われる場合 もあるが、 ここでは扱 わない。

鰺∼た/∼ ないほうがいいです 図四■回=コ 匝区コ


L轟璽
健康を話題にし、健康のためにしたほうがいいこと、しないほうがいいこと
を助言するとよい。

導入例 1 T:Sさ んはたばこを吸 いますか。


S:は い、吸います。 (吸 う人 にあたるまで順に質問を続け る。 )

T:た ばこは体 に悪 いですから、吸わないほうがいいですよ。


今す ぐやめたほうがいいですよ。

導入例2 丁 :わ た しの友達 はダイ エ ッ トを しています。



朝 ごはんはジュース 、昼 ごはん はサ ン ドイ ッチ と牛乳、晩 こは
んは食 べ ません。でも、あま り運動を しません。
わた しは彼女 に言 いま した。「体 に悪 いで すか ら、ダイ エ ッ ト
を しないほうがいいです。 た くさん食 べ て、運動 したほ うがい
いです。」

まいにち うんどうした ほうが いいです。


たばこは すわな い ほうが いいです。

「ほうがいいです」の前は、た形またはない形が来ることを確認する。

練習 Al 「∼たほうがいいです」 「∼ないほうがいいです」の文の形を
確認 し、動詞を入れ替えて練習する。さらに、文を与えて、
練習させる。
例 :早 く寝ます→早 く寝たほ うがいいです。
お酒は飲みません→お酒は飲まないほうがいいです。
Bl 例 1、 1)、 2)は 「∼たほうがいいです」、例 2、 3)、 4)は「∼
ないほうがいいです」の練習。
文作 り 文を与えて、 「たほうがいい」か「ないほうがいい」か判
断させ、助言させる。
一第 2部 一各課 の教え方
一        一
T:Slさ んは歩 きなが ら、スマ ホ を見 てい ます

一一  


→ S2:歩 きなが らスマホを見ないほ うが いいです よ。



B2 体調 に問題 のある人に「∼ た/な いほ うが いいです」 を使 っ



て助言 す る練習。練習 に入る前に、病気やけが に関す ること
ばや表現 を復習 してお く。
クラスを二つ に分けて、一方 のグループに不調 を訴える文を
与えて、リピー トさせる。 もう一方に助言の文を与えて、 「 じゃ、
∼たほ うが いいです よ」の文 に変換 させ る。一通 り終 わった
ら、役割 を交替す る。
Cl けがや病気 の人に助言する。
発展 1 『初級 I翻 訳 。文法解説』p.109の 参考語彙 を使 って、不
調 を訴 え、それに応 じた助言をする。
発展 2 病気 や けが以外 の 困 った状況 (「 パ スポ ー トをな くした、
カバ ンを忘れた」など)に ある人 と助言す る人のや りと り
を作 る。や りと りのあ と「疑問詞∼たらいいですか」 を使っ
てさらに助言を求めた り、「∼ ていただけませんか」 を使っ
てお願 い をした りす る。
例 A:ど うしたんですか。
B:電 車にかばんを忘れたんです。
A:そ れは大変ですね。す ぐ駅 に連絡 したほ うが いい

一︵‘
一3 一
です よ。
B:え え。
あの う、駅 の電話番号はどうやって調べ た らいい
です か。
A:イ ン ター ネ ッ トで調 べ た らいい と思 い ます よ。
B:あ の う、わたしはまだイ ンターネットの 日本語が
よくわからないんですが、手伝 っていただけませ
んか。
A:い いです よ。
留 意点 第 26課 で「疑問詞 ∼ た らいいですか。・…∼ た らいいです。」 の形 で助言 を求
める/与 える表現 を学習 した。「 ∼ た らいいです」 は多 くの選択肢 の 中の一
つ を提案す るの対 し、「∼ た/な い ほ うが いいです」 は、二つの選択肢 の う
ちのどちらかを選ぶか、あるいは相手が している こととは反対 のことを勧め
るので、かな り強い助言 となる。

2.あ した は雪 が 降るで しょう。 V


普通形
いA
でしょう
なA 普通形
N ∼だ

きっぱ りと断定 はで きないが、現在 の状況や これ までの知識 ・ 経験 、分析結果 な どか


ら確信に近 い気持ちで「おそ らく∼だ」 とい うときに用 いる。推測 に十分な根拠があっ
て、客観的な判断 とい うニ ュア ンスがあるため、天気予報や識者の将来予測 などに使
われることが多い。「たぶん」 「 きっと」などといっ しょに使われることも多い。「でしょ
う」 は普通形 に接続する。過去 のことについて推測を述べ ることもで きるが、 この課
では扱 わない。

□藤鯰颯 ∼で しよう 図四口 回区コ


十分な根拠をもって予測 を述べ るとい う点で天気予報が最 も適切である。 また、
研究者や学者がテ レビの番組 などで将来について予測 を語 る場面 で もよい。

導入例 1 T:き ょうの天気 は どうですか。


S:い い天気です。
T:そ うですね。あ したの天気 はどうですか。
SIた ぶんいい天気だ と思 います。
T:そ うですか。 ラジオであ したの天気を聞きま しょう。
ラジオ :あ したの朝 は晴れ るで しょう。午後か ら、雪が少 し降 るで
しょう。夜 は 寒 いで しょう。 (教 師が ラジオ役 をす るか、
あるいは録音 してお い た もの を聞かせ る。)

導入例2 丁 きの うテ レビを見 ま した。テ レビで研 究者 は言 いま した。「日


本 は今子 どもが少な いで す。 これか らもっと少な くなるで しょ
う。 70歳 、 80歳 、 90歳 、 100歳 の人が多 くなるで しょう。」

あ したは ゆきが ふるで しょう。


よるは さむいで しょう。

「でしょう」の前は普通形が来ること、名詞とな形容詞の場合は「∼
だ」の「だ」が落ちることを確認する。

練習 A2 今夜 の気象 につ い て「∼ で しょう」 を使 って話す。


B3 テ レビの天気予報。 イラス トを見て文 を作 る。
B4 「∼ で しょうか」で推測の正否 を問 う質問文 を作 り、与 えら
れた理由とともに「∼で しょう」 で答える。
QA B4を 参考に、質問に対 し、教師や研究者など専門知識 を持っ
た人の立場 で答 えさせる。
例 :ミ ラー さんは日本語 の試験 に合格す るで しょうか。
わた したちはいつ月旅行が できるで しょうか。
C2 楽天的な予測 で相手 を安心 させる。
・Bの 役割 は教師な ど、状況分析や判断 ので きる立場 にいる
人である。
。1)③ あんなに練習 してい ましたか ら、 きっと勝つ で しょう。
発話者 Bは IMCの チ ームが 一生懸命練習 して い る様子 を
﹁       喘
一第 2 部 一

将        一
見 て い たので、その場面 を指 して「あんなに」 と言 って い
る。

﹂各 課 の 教 え 方


発展 1 ス ピー チ大会、 日本語 能力試験 な ど、 各種行事 につい ての
会話 を作 る。
発展 2 1か 月後 の会話 を考 える。予測が 当た った場合 、残念 な結
果になった場合 のいず れで もよい。
例 l A:タ ワポ ンさんの入学試験、 どうで したか。
B:あ 、合格 しましたよ。
A:よ かったですね。
例 2 A:タ ワポ ンさんの入学試験、 どうで したか。
B:だ めで した。
A:残 念ですね。
留 意点 1)「 ∼ で しよう」 は、 第 21課 で学習 した「たぶん/き っと∼ と思い ます」
に比べ 、客観性がある。
2)学 習者が「∼ と思 い ます」 の代 わ りに「∼で しょう」 を頻発 して、不 自
然な日本語を話 さない ように注意する。
3)第 21課 で学習 した「∼で しよう ?(ジ )」 は話 し手 の判断 に相手 の同意
を求めるものである。

一●螺一一
3.約 束の時間に間に合わな いかもしれません。 V

一2 一
普通形
いA


〉 か もしれません
なA 普通形
N ∼だ

「で しよう」 に比べ 、判断の根拠が薄 く、 よ り不確 かな推量である。 ここで は過去 に


ついての推量は扱 わない。


藝凩]∼ か
璽 れません 図四□回 回
もし
=コ =コ
心配 な こと、不安 な ことを話題 にす る とよい。

導入例 ]丁 :き ょうは体 の調子 がよ くな いで す。朝か ら少 しの どが痛 いで す。


(額 に手 をあてて)熱 があるかも しれ ませ ん。
イ ンフル エ ンザかも しれ ません。

導入例2 丁 :友 達 と 2時 に会 う約束があ ります。今 1時 半 です 。車の中です。


とても道が込んでいます。(イ ライラしてい る様子 のジェスチ ャー
をして)心 配 です。 約束 の時間に間に合わな いかも しれ ません。

や くそ くの じかんに まに あわな いかも しれません。

「∼かもしれません」の前は普通形であること、名詞 とな形容詞の
場合 は「∼だ」の「だ」が落ちることを確認す る。

69
練習 A3 「∼ か もしれ ません」の接続の形 を確認 して、 ことば を入れ
替 えて練習する。
B5 不動産屋 またはイ ンター ネットで住 まい を探す場面。間取 り
図を見なが ら二 人でその 間取 りについて不安 な ことを話す。
・項 目1.練 習 B2の ように、クラス を二つ に分けて行 う。
・住 まい を選 ぶ際 の 日本の常識を説明 してお く。
例 :南 向 きは 日が当たって冬暖かいか ら好 まれる。
西向 きは夏に西 日が当たって暑 いか ら嫌が られるなど。
B6 現状 か ら困った状況になることを予測 して、その対策 を講 じ
る/講 じた ことを話す。文が長 く、状況 も複雑 なので、 1問
ずつ、1文 ずつ確認 しなが ら進める。
談話 1 回 を参考 にいつ もと違 う状況 に気づいて、その原因を
=コ
推量 し、対処す るとい うや りと りを作 る。
例 Sl:こ のお菓子、味がおか しいですね。
S2:そ うですね。古 いか もしれませ ん。捨てましょう。
談話 2 心配な こと (試 験 に合格できない、夏休みに国へ 帰れない、
学校 をやめなければならないなど)を 友達 に告白す る。
例 Sl:何 か心配なことがあるんですか。
S2:え え。3月 に卒業で きないか もしれません。
○○ の試験が悪か ったんです。
Sl:そ れは心配ですね。
C3 友人の予定 を知って、助言す る。
発展 1 これ までに経験 した ことで、友人に助言 したい と思 うこと
を話す。
例 AI 相撲 を見 に行 ったことが あ りますか。
BI いい え。行 きた い と思 って い るんです が。
AI お もしろいです よ。
で も、 い ちばん前で見ない
ほ うが いいです よ。
けがをす るか もしれません
か ら。
B:そ うですか。ありが とうございます。
発展 2 数日後 に会ったときのや りとりを考える。
例 A:Bさ ん、これ、京都のおみやげです。
B:ど うもあ りがとうございます。どうでしたか。
A:と てもきれいで、よかったです。
B:寒 かったでしよう。
A:え え、とても寒かったです。でも、おかげさまで、
セーターを持って行きましたから、大丈夫でした。
B:そ れはよかったです。
留意 点 「 ∼ か もしれ ませ ん」 は、確率 は低 いが、話 し手が正 しい可能性がある と思っ
第 2部
ていることを表す。文を作 るとき、気にかかること、心配なことに用いたほ
うが誤用が少ない。

各 課 の教 え方
Ⅲ口会話 無理を しな いほうがいいですよ

場面 町 で 偶 然会 って、近 くの飲 食 店 で 話 す。
目標 健 康 の 話題 か ら近況 を話 す。
表現 ・元気 「元気があ りませ ん。」 の 形
名詞 であ る。通 常、
で用 い られ る。

。それはい けませんね。 生活の中で ち よっと困 ったことや体調 の不調 な


どを聞い た ときに慰めの気持 ちを伝 える。
練習 内容確 認 の 質 問例
。シュミットさんは最近どうですか。
・ 小 川 さん は シュ ミッ トさん に どん な こ とを言 い ま したか。
・ シュミッ トさんは今の仕事が終わった ら、 どうす るつ もりですか。
身につけたい会話表現
・ 元気があ りませんね。 どうしたんですか。
・それはい けませんね。

一2

。それはいいですね。

織 一
Ⅳ .そ の他

例文 。2「 40万 円で足 りますか」 の「で」は範囲の限界 を示す。『翻訳 ・


文法解説』P.49参 照。
。3、 4〔 回文コ の「先生」は経済の専門家であるのに対し、│コ 文コ の
「先生」は医者を指 している。
。4「 2、 3日 」に関連して、「4、 5日 」も紹介してお くとよい。

問題 7 占い につい て話 したあ と、「 おみ くじ」につい て紹介 し、おみ


くじを作 らせて皆で引 くな どのゲ ームをして も楽 しい。「おみ くじ」
は、大吉、中吉、小吉、凶を作 り、それぞれに「∼かもしれません」
「∼ で しょう」 を使 った文を付 け る。
例 :大 吉 宝 くじを買 った ら、 1,000万 円 もらえるで しょう。
凶 けが をす るか もしれませんか ら、 きょうは料理をしない
ほ うがいいで しょっ。

71

蝠蜃燒ざ
で きるようになること
。指示、命令 を理解す ることがで きる。
・伝言 した り、人 の発言 を伝 えた りす るこ とがで きる。

学習する こと

︵Z
1.命 令形 ︵∠

うZ

うZ

つ々
2.禁 止形

う0
3.「 ∼」と書いてあります/読 みます 3・ 4 3・ 4

′4
4.∼ は∼という意味です
う0

4・ 5 5。 6
∠ェ

′0

︵Z
7′
5.∼ と言 って い ま した Eυ
ワ′

′0

う0
6.∼ と伝 えて いただ けませ んか
00

I.新 出語彙 導入の留意点

・注意 します 「気をつけます」の意味。「警告/忠 告する」の意味は第37課 で学習する。


。戻 ります 「帰 ります」 との違いを質問 される ことが ある。「帰 ります」 は「国、家、
寮」 な ど本来 い るべ き場所 に主 に使 われるが、「戻 ります」 は今 まで一
時的にい た場所 に使われる。例 :席 に戻 る、元の所 に戻 る
。同 じ 比較 の対象 となる物は助詞「 と」 で表す。例 :Aは Bと 同 じです。
。無料 「ただ」 とい う表現 を知って い る学習者が いる場合 もある。同 じ意味だが、
「ただ」は国語的に使 われる。

・∼ 中 「 ∼ して い る最 中」 の意味。例 :食 事 中、勉強中、仕事 中、電話 中、会


議中な ど。
。い くら 第 25課 で学習 した「 ∼て も」 とともに使 う。「∼」 の程度を強調す る。
例 :い くら調べ て も、わか らない。
い くら食べ て も、おなかが い っぱ い にな らない。

72


■        ”
端一
第2部い各
「 もう∼ ま した」は第 7課 で 学習済み。 ここで は「 もう +否 定形」 の形

         一一
もう
で使 う。例 :も う食 べ られない。


あ と∼ 「あ と +数 量」で残 りの数量 を示す。例 :試 験 はあ と 10分 で終 わ ります。

課の教え方
∼ほ ど 「 ∼ ぐらい」 と同 じ意味。「 ほ ど」 のほ うが フォーマル な響 きがある。
例 :10分 ほ どお待 ち ください。

Ⅱ.学 習項 目の導入 と練習

1.急 げ。 V ヽ形

相手 にある動作 を強要す るときに使 う。非常 に強 い響 きを持つ ので、使 う場面 は限 ら


れてい る。「わかる」「で きる」「ある」 などの意志 を含 まない動詞 は命令形がない。

璽璽藝理]命 令形 口四■ 回
=コ
命令形が使 われる状況 を設定 して、形 を示す とよい。

導入例 1 T:家 族 と旅 行 に行 きます。息子 と娘 はなかなか起 きません。出か


けられ ませ ん。夫 は言 いま した。「早 く起 きる !」 「早 く準備 し
ろ !」 駅 へ 行 きます。息子 と娘はゆ っくり歩 いています。電車
の 時間に間に合 いません。夫 は言 いま した。「急 げ !」

導入例2 T:サ ッカーの試合 を見 に行 きま した。大 きい声 で言 いま した。


■● 一

彙 I”
「頑張れ ! 走れ ! 行 け、行 け ! 入れ る ! 早 く投 げる !」

いそげ。
がんばれ。

上の形を「命令形」 と言い、次のような場合に使うことを説明する。
①年齢が上の男性から下の者に、あるいは父親から子 どもに指示、
叱責、命令などをする場合。
②男性の仲間どうしで親しみを込めて、指示、依頼などをする場合。
③火事、地震などの緊急時の指示。
④団体訓練、学校行事、スポーツクラブの活動などでの号令。
⑤スポーツ観戦での応援。
⑥交通標識や標語など。

練習 Al 命令形 の導入
①難易度 を考えて、 Ⅱ→ Ⅲ→ Iグ ループの順に導入す る。 Iグ
ルー プの音変化、「 り」→「れ」が Ⅱグルー プの「ろ」 に影
響 されて、「帰 ろ」「入 ろ」 になった りす ることがあるので、
注意す る。
②全体 の形 を紹介 したあ と、Alの 「命令 形」 もし くはCD―

73
ROMに 収録 の「命令形 の作 り方」で確認 させ、各 自で整理
する時間を与える。
③動詞文字 カー ド、動詞絵教材でグループごとに練習 してい く。
A2 上段 2文 ことば を与 えて、命令形 の文 を作 らせ、形 を確認
させる。
さらに、口頭あるいは絵教材 でことばを与 え、文を作 らせる。
例 :た ばこをやめます→ たばこをやめろ。
Bl サ ッカーの応援場面で使われる命令形 を作 る練習。
発展 教師が地震 (N61左 )や 火事 (N62)の 絵教材 を見せて、指
示 を出 し、その通 りに行動 させ る。
例 :地 震 だ l机 の下に入れ !→ (机 の下に入る)
外 に出るな !→ (そ の ままじっとしてい る)
火事だ ! 逃げ ろ !→ (ド アか ら出る)

2.触 るな。 V禁 止形
あ る動作 をしないように命令す るときに使 われる。命令形同様、強 い響 きを持 つので、
使 われる場面 は限 られる。

橿嚢選璽1禁 止形 口四□ 匝区コ


命令形 を導入 したような状況 を利用す るとよい。

導入例l T:家 族 と動物園 に行 きました。おもしろい動物が いました。息子


と娘は 「これ、何 ?」 と言 って、手を出 しました。夫 は言 いま
した。「危な い ! 触るな !」

導入例2 T:テ レビの ニ ュースを見 ま した。た くさんの人が歩 きなが ら、大


きい声で言 いま した。 (デ モの写真 を見せ る)「 きれ いな海 に空
港 を作 るな。」「海 にごみを捨てるな。」

さわるな。
ごみを すてるな。

上の形 (〈 辞書形〉な)を 「禁止形」といい、命令形 と同 じような


場面で使 われることを説明する。

練習 Al 禁止形 の導入
①全体 の形 を紹介 したあ と、Alの 「禁止形」 もし くは CD―
ROMに 収録 の「禁止形 の作 り方」で確認 させ、各 自で整理
す る時間を与える。
②動詞文字 カー ド、動詞絵教材でグループごとに練習 してい く。
A2 下段 2文 ことば を与 えて、禁止形 の文 を作 らせ、形 を確認
させ る。

74
鴨第 2部 町各 課 の教え方
“       一

紀        ●
さらに、日頭あるい は絵教材 でことばを与え、文 を作 らせる。
例 :こ こで遊びます→ ここで遊 ぶ な。
B2 イラス トを見て、禁止形 を作 る練習。


文作 り 1 絵や写真を見せて、命令形、禁止形を使 って文を作 らせる。
例 :(強 盗のイラス ト)→ 動 くな。金を出せ。
(マ ラソ ンで苦 しそ うに走ってい る選手の写真)
→頑張れ。あ きらめるな。休 むな。
文作 り2 世界環境 デ ー (6月 5日 )に 参加 す ることになった、 あ
るい は政府へ の要望 を掲げるな どの設定 で、ス ローガン
を考 えさせ る。学習者に必要な語彙 は与える。
例 :地 球 を守 れ。森 の本 を切 るな。無駄 な電気 を使 うな
学校 を作れ。戦争をす るな。

留 意点 命令形、禁止形 とも、限 られた場面で使われるが、多 くは緊急 の指示、危険


回避 の指示 として使 われるため、確実 に聞 き取れ るよ うになる ことが大切で
ある。 したがって、練習には、日頭練習以外 に、非常時 のために、聞いて体
で反応 す るとい う練習 が必要である。

3.あ そ こに 『入 るな」 と書 いて あ ります。 「∼」 と書いてあ ります/読 みます


第 21課 で「 ∼ と言 い ます」 を学習 したが、書 かれて い るこ とや 文字 の 読 み方 な どを
教 える場合 も、そ の 内容 を「 と」 で受 け て表す。 この「 と」 は語句や文 な どを引用す

繊辮
=職 =
る機能 を持 つ 。

『∼」 と書 いてあ ります 回


=]
実際に文字で書かれてい る標識な どを例に挙げ るとよい。

導入例1 道に書かれた「止 まれ」の表示 の写真 を見せ て


T:道 に 「止 まれ」 と書 いてあ ります。
導入例2 池 の そばに立 て られた「入 るな」 の看板 の写真 かイラス トを見せ て
下 :こ れ はわ た しの家の近 くの池です。 ここに字が書 いてあ ります
ね。 Sさ ん、 読め ますか。
S:「 はい、入 るな」 です。
T:こ こに 「入 るな」 と書 いてあ ります。




はいるなと かいて あ ります。

練習 A3 上 1文 ことば を与えて、文を作 らせ、「 ∼ と書 いてあ ります」


の文 の形 と意 味 を確認す る練 習。
さらに、 ほかの ことば を与 えて、文 を作 らせ る。
例 :あ そ こ・地下鉄 → あそ こに地下鉄 と書 い てあ ります。
B3 イラス トを見 なが ら、「∼ と書 いてあ ります」 の文 を作 る練 習。

75

嚢憂]何 と
憂 読みますか
「入 り口/出 口」などと
文字 の読み方 を聞 く場合 の表現 を導入す る。「禁煙」

書 た紙 を準備 してお くとよい。

導入例 教室内 にはった漢字 の カ ー ドを指 して


T:Slさ ん、 あの漢字の読み方がわか りますか。
Sl:い いえ、わか りませ ん。
T:じ ゃ、S2さ ん に聞 いて ください。
Sl:S2さ ん、 あの漢字の読み方 は何ですか。
丁 :S2さ ん、あの漢字 は何 と読み ますか。
S2:「 で ぐち」です。
T:「 で ぐち」 と読み ます。

あれは なんと よみますか。



・・「で ぐち」 と よみます。

練習 A3 下 1文 こ とば を与 えて、文 を作 らせ、「 ∼ と読 み ます」の


文 の形 と意 味 を確 認す る練習。
さらに、漢字 の こ とばを板書 した り、 カー ドで見 せ た りして、
読 み 方 も提示 して、文 を作 らせ る。
例 :(入 り回)→ そ の漢字 は「入 り口」 と読み ます。
B4 イラス トを見 なが ら、質問 と答 えを作 る練習。
談話 意味 は知 ってい るが、読み方がわか らない ことば や地名、人
名 な どの漢 字 を書 い たカー ドを準備 し、学習者 ど うしで読み
方 につい て質問応答 をさせ る。 質問の際 には自然 な表現「何
と読 むんです か」 を使 わせ る とよい。
例 Sl:す み ませ ん。 これは何 と読 むんですか。
S2:「 ふ じさん」 と読み ます。
Sl:「 ふじさん」ですね。 どうも。

4日 立 ち入 り禁止 は入 るな とい う意味です。 ∼は∼ という意味です


ことば、絵やマーク、標識などの意味を説明するときに使う表現。質問には疑問詞「ど
ういう」を使う。

蜃蜃贔冒 ∼は∼ という意味です 図四団 匝区コ


交通標識な ど日常 よ く目にす るマー クや禁止事項の標語 などを準備 してお く。

導入例1 丁 :今 、美術館にいます。写真を撮 ってもいいですか。


S:い いえ、 いけません。
丁 :(カ メラに ×の あるマー クを見せ て)こ のマークがあ ります。
これは写真を撮 ってはいけないという意味です。

76
第 2部
導入例2 「立ち入 り禁止」 のカー ドを見せて
T:皆 さん、 この漢字の読み方はもう勉強 しましたね。 これは何 と
読むんですか。

各 課 の教 え方
S:「 たちいりきん じ」 です。
丁 :そ うですね。 じゃ、「立ち入 り禁止」 の意味は ?
S:「 入るな」です。
T:「 立ち入 り禁止」 は入るなという意味です。

この マークは しゃしんを とっては いけないと いう いみです。


たちいりきんしは はいるなと いう いみです。

練習 A4 こ とば を与 えて、文 を作 らせ、「 ∼ は∼ とい う意味 で す」 の


文 の形 と意味 を確認す る練 習。
B5 イラス トを見なが ら、「∼ とい う意味です」を使 って文を作
る練習。
さらに、ほかのマークや標語などを準備 し、文を作 らせる。
例 :無 料→「無料」はお金を払わなくてもいいという意味です。


仁賣 いう
舅どう 意味ですか回
=コ
質問文「 どういう意味ですか」を導入する。先の導入で準備 した語彙 カー ド
やマークを使うとよい。


^0

導入例 「立 ち入 り禁止」 の カ ー ドを見せ て
T:Slさ ん、 これ は何 と読み ますか。
Sl:「 たちい りきん じ」 と読み ます。
丁 :S2さ んに意味を聞 いて くだ さい。
Sl:S2さ ん、 これの意味は何ですか。
丁 :S2さ ん、 これ は どういう意味ですか。
S2:入 るな という意味です。
導入 で板書 した文 に質問 を書 き加 える。

たちいりきん しは どういう いみですか。


…はいるなと いう いみです。

疑問詞は「どういう」を使うことを説明する。
B Q
6 A

練習 イラス トを見 なが ら、 質問 と答 えを作 る質問応答練習。


準備 した語 彙 や マー クの カー ドを見 なが ら、 学習者 どうしで
意味を質問しあう。
Cl 店の前で漢字の読み方と意味を尋ねる。
発展 『翻訳・文法解説』p.53の 「標識」を使って、会話を作らせる。

77
5コ ミラ ー さん は来週大 阪 へ 出張 す る と言 って いま した。
F通 形〉 と言 っていました

他者の発言を引用するときには「∼ と言いました」 (第 21課 )を 使うが、他者の発言


内容を伝言するときには「∼ と言っていました」を使 う。

∼ と言 っていました 図四四 回
=コ
不在 の人物 の発言を伝 えるような場面 を設定す るとよい。

導入例 T (ミ ラー さん、 山田さんのイラス トを準備 して、ボー ドにはる。)

わた しはミラー さん に会 いま した。
(ミ ラー さんのイ ラス トに向か って)ミ ラー さん、お仕事 はど

うですか。忙 しいですか。
(ミ ラー さん になって)え え、毎 日忙 しいです。来週 大 阪 へ 出

張 します。
夜、 山田さん と話 しま した。
(山 田 さんの イ ラス トに 向 か って)山 田 さん、 き ょう、 ミラー
さんに会 いま したよ。
(山 田さんになって)そ うですか。 ミラーさんは元気ですか。 (山
田 さんの イ ラス トに向かって)え え、 ミラー さんは毎 日忙 しい
と言 って いま した。来週大阪 へ 出張する と言 っていま した。

ミラーさんは らいしゅう おおさかへ しゅっちょうすると いって いました。

ほかの人の発言 を伝 える ときには「言 い ました」 ではな く、「言 っ


てい ました」 を使 うことを説明す る。

練習 A5 発言内容 を与 えて、文を作 らせ、文の形 を確認する練習。


さらに、発言内容 を追加 して、練習 させ る。
B7 質問 と答 えを作 る質問応答練習。練習の前 に、導入時の板書
に戻 り、発言内容 「大阪へ 出張す る」の部分につい て質問す
るときは「何 と言 っていましたか」 になる ことを確認する。
練習 の際には学習者 をペ アにした り、クラスを二つ に分けた
りして、それぞれにことばを与 え、質問応答 させる。
例 T:田 中さん
→ Sl:田 中さんは何 と言ってい ましたか。
T:2時 ごろ事務所 に戻 ります
→ S2:2時 ごろ事務所 に戻 ると言ってい ました。
C2 小川 さんか ら電話で受けた伝言 を伝 える。
「何 か言ってい ましたか」は伝言があるか どうか確 かめる表現。
「何 と言 っていましたか」 は伝言がある ことを確信 していて、
その内容 について尋 ねている。

78

¨第2部 抑各課の教え方
留意点 1)伝 言の内容に「こちら」「そちら」「行 きます」「来 ます」がある場合 は、
使 い分けに注意す る。
例 A:あ したそちらへ行 きます。
B:わ か りました。

BiCさ ん、Aさ んはあ した こちらへ来 ると言 っていました。


2)「 ∼て ください」「∼ てい ただけませんか」のような依頼表現 を含んだ文
を伝言す る練習 は扱 っていない。質問が出た場合 は「『∼ て くだ さい』
と言 ってい ました」でよい と言 う。
例 A:皆 さん、あ した レポー トを出 して ください。
B:わ か りました。

B:Cさ ん、A先 生 は「あ した レポー トを出 して くだ さい」 と言 っ


ていました。

6.田 中さん に 10分 ほど遅れると伝 えていただけませんか。


〉 と伝 えて い ただけ ませ んか

会話の相手に第三者への伝言を丁寧に頼むときに使う表現である。


匡璽 伝えていただけませんか 回
赳∼と =コ
話 した い相手が不在 のため、伝言 を頼 む とい う状況 を提示す る とよい。

3 一
盆γ
導入例 ボ ー ドにパ ワー 電気 の事務所 と トイ レをか く。事務 所 に社 員 1人 、
トイ レに高橋 さん を加 える。
T:Sさ んはき ょう、 パ ワー電気 の高橋 さんに会 う予定です。 タク
シー で 行 きます。道 が込 んで いますか ら、 10分 ぐらい遅 れ る
かも しれ ません。パ ワー電気 に電 話を か けま した (事 務所 の 人
になって)高 橋 さんはち ょっと席 を外 しています。
Sさ んは何 と言 いますか。
S:高 橋 さん に 10分 ぐらい遅れる と言 って ください。
丁 :す み ません。高橋 さん に 10分 ほ ど遅れ る と伝 えていただ けま
せんか。

たかはしさんに 10ぷ んほど おくれると つたえて いただけませんか。

練習 A6 伝言内容 を与 えて、文 を作 らせ、形 を確認す る練習。


B8 伝言 の相手 と伝 言内容 を与 えて、文 を完成 させ る練習。
C3 社 内 で不在 の社員へ の伝 言 を頼 む。
発展 電話で伝言 された ことを「 ∼ と言 って い ま した」で相手 に伝
える会話 を作 る。
例 :Slに 伝 言 カ ー ド「あ したの ミー テ ィ ング に出席 で きま
7′
せん」 を見せる。
Sl:Slで すが、S3さ んはい らっしゃい ますか。
S2:今 、ち ょっと出かけてい ます/席 を外 してい ます。
Sl:じ ゃ、すみ ませんが、あ したの ミーテ ィ ングに出
席 で きない と伝 えていただけませんか。
S2:は い、わか りました。

S3:た だい ま。
S2:Slさ んか らさっき電話があ りましたよ。
S3:そ うですか。何か言 っていましたか。
S2:え え。あ したの ミーティングに出席できない と言っ
てい ました。
S3:わ か りました。 どうも。
留意点 依頼の「∼て ください」を含 んだ文を伝言する場合について質問が出たら、
「『∼て ください』 と伝えていただけませんか。
項目5と 同様、 」を使うと答える。

Ⅲ日会話 これはどうい う意味ですか

場面 駐車違反 の意味 とその罰則 につい て尋 ねる。


目標 わか らない漢字 の読み方や語句 の意味 を質問す る こ とがで きる。
表現 ・払わないといけません。 「∼ なければな りません」 と同様 の意味。第
21課 会話で学習。
練習 内容確認 の質問例
・ ワ ッ トさんの車 に どんな紙が はって あ りましたか。
。ど うしてその紙が はってあ ったんですか。
・ ワッ トさんは何 を しなければな りませ んか。
身につ けた い会話表現
。この漢字 は何 と読 むんです か。
。どうい う意味です か。
発展 郵便局、銀行、役所 などか ら来た通知や書類 の読み方・意味が わか ら
ない場合 に置 き換 えて、会話 を作 る。 日本人役は教師がす る。

留 意点 会話学習 の あ と、 日本の都 市 にお ける交通事情、種 々の交通違反 の罰則 など


を紹介 す る とよい。 また、余裕があれば、それぞれの学習 者 の 国の規則 の違
い な どについ て も話 し合 わせ る と興味 が深 まる。

80
踏第2部 帯
編一
警一

  
Ⅳ.そ の他

        ﹁

   
   
,各課の教え方
・5-2)「 ここに」があるので、答えは「書いてあ ります」 。機械的


問題
に「読みます」と入れてしまう学習者がいるので、注意する。
・7「 大きい地震が起 きたときも」の「ときも」については、『翻訳・
文法解説』P.25に ある「∼ とき+Particle」 を参照。
「 このことば」は今 ここに提示されている「頑張る」 とい うことば
のこと。

33

81
できるようになること
。動作や作業を行 うときの基準 や規範を示す ことがで きる。
・二つの動作 の前後関係 を言 い表せ る。
・ ある動作 をどのような状態で行 うかを説明す ることがで きる。

学習する こと

1績 書 AII
■●
練習 B 1篠 警:聾


III"′ :`
│:

'│`││││'`

1.∼ とお りに、 1・ 2 1 l・ 2 1
うZ

︵∠

う∠
2.∼ あ とで、∼ 3・ 4 3・ 4

rD
3.∼ て/∼ ないで∼
う0

う0
5・ 6
ワ′

′4

′0
4.∼ ないで、∼

う0
I.新 出語彙 導入の留意点

・折 ります [紙 を∼] 「折れます [枝 が∼]」 (自 動詞 第 29課 )と 対照させる。


「折 り紙」 は未習語 であるが、この課 の表現を学 ぶ上で便
利なので、このことばとともに紹介 してお くとよい。
「降 ります [電 車を∼]」 (Ⅱ グループ 第 16課 )と の活用
の違 いに留意 させる。

・気が つ きます [忘 れ物 に∼] 「気 をつけます」 (他 動詞 第 21課 )と 対照させる。


・ 見 つ か ります [か ぎが∼] 「見つけます [か ぎを∼]」 (他 動詞 第31課 )と 対照させる。
・質問 します 「質問をします」 も可。
。[お ]城 「大 阪城 は古 い [お ]城 です」。「 じょう」と「 しろ」は漢
字が同 じで、意味も同じであることを紹介すると興味を示
す。同様の例 として「富士山は高い山です」がある。

黒・ 白・赤・青 ・紺・黄色・茶色 名詞なので、ほかの名詞を修飾す るときは、「の」で結ぶ


『初級 I 翻訳・
(例 :黒 のセー ター)。 ほかの色については、

文法解説』p.55「 色 味」参照。

ゆうべ 「夕べ」 (夕 方)の


「 きの うの晩」の意味のみを紹介す る。
意味は ここでは扱 っていない。

82
一第 2部 一各 課 の教 え 方
ヽ        一
●          一
Ⅱ"学 習項 目の導入 と練習

1.先 生が言ったとおりに、書きます。 (Vた 〉/Nの とおりに、∼

この文型 は、 あ る人が示 した動作、 こ とばを規 範 として、それ と全 く同 じ動作 または


発話 をす る ことを表す。


にII]∼ たとおりに、∼図四■回区コ
茶道 のお茶 の飲 み方や折 り紙 な どを教 える場面 を設定す るとよい。

導入例 ]茶 道 の茶椀 を二つ準備 す る。


T:茶 道 を見た ことがあ りますか。お茶を飲 んだ ことがあ りますか。
お茶 の飲み方を知 って いますか。教えます。見 て ください。 (手
の ひ らに茶碗 を載 せ て 2回 回 して飲 む。)さ あ、今 見 た とお り
にや って くだ さい。 (と 言 って茶碗 を渡す。同 じこ とをす る よ
うに促す。学習者 の様子 を見て )Sさ んは先生がや ったとお りに、
や りま した。

導入例2 T:き ょうの漢字は 「茶」 です。見て ください。 (ホ ワイ トボー ド


に「茶」 をゆっ くり書 く)。 今先生 が書いたとお りに、書 いて
ください。

せんせいが かいた とお りに、か いて ください。

轟 一
「 とお りに」 の節 の中の主
「 とお りに」の前は「た形」である こと、


4■

語 は助詞「が」をとる ことを確認する。

練習 Al 上段 4文 「∼ た とお りに」 の文型 と意味を確認 し、練習する。


前文 と後文で使 われる動詞が同 じ場合 (言 った/言 って、やっ
た/や って)と 、異なる場合 (見 た/踊 って、習った/作 っ
て)が ある。後者は、 「 ビデオで見た踊 り方 で踊 る」「習 った
作 り方 で作 る」 とい う意味 である。
Bl 与え られた文 をつ ないで「∼ た とお りに」 の文 を作 る。

∼のとお りに、∼ 回 文コ
折 り紙 を準備 し、簡単な「折 り紙」 を教 える。

導入例 T:皆 さん、今 日は折 り紙 を しま しょう。 (折 り紙 と折 り紙 の順序


を書 いた 図 を配 る)。 とても 簡単 です。 この 図 の通 りに折 って
くだ さ い。

この ずの とおりに、おって ください。
練習 Al 下段 2文 「〈名詞 )の とお りに」 の文の型を確認 して練習する。
「 これの とお りに」ではな く「 このとお りに」になる。
B2 絵 を見 て、与 え られた動詞 を使 って「 (名 詞)の とお りに∼
て ください」 の文 を作 る。
Cl ミラー さんが料理やお菓子を どうや って作 ったか話す。
発展 1 実際に折 った折 り紙、かいた絵、書いた字な どを持ち寄って、
それ らをほめあ う。 どうや って作 ったか/か いたかを話す。
発展 2 第 27課 の会話 の場面 で訪ね た家 の家具や絵や花瓶 などを
ほめ る。
例 A:こ ん に ち は。
B:い らっ しゃい。 さあ、 どうぞ。
A:失 礼 します。・……わあ、すて きないすですね。
B:こ れですか。 これはわた しが作 ったんです よ。
A:え っ ? Bさ んが作 ったんですか。
B:説 明書 の とお りに、作 りました。
A:と て も上手ですね。
B:あ りが とうござい ます。

2.こ 飯 を食べたあとで、 歯を磨 きます。 た 〉/Nの あ とで、∼

二つの動作の時間的な前後関係 を示す。第 16課 で学習 した「∼てから」も時間的な


順序を表すが、「∼てから」が「∼」の動作 に引き続いて次の動作が行われるという
「∼あとで」は次の動作が行われるのは「∼」の動作の「ま
連続の意識があるのに対し、
え」ではなく、「あと」である、とい う意識がある。そのため「∼」が完了 したこと
を示す「た形」が使われる。「∼」が名詞の場合は「∼のあとで」になる。


⑮畿圃∼たあと
で、∼ 図四ロロ

=│
∼のあとで、∼ 回1文 コ
薬 を飲むのは食前か食後か、通販 などで買 い物する とき、お金を払 うのは注
文 した物が届 く「まえ」 なのか、届 いた「あ と」なのか など、「あ とで」の
後ろに来る動作が前 に来 る動作 の「 まえ」ではな く「あ と」である ことを問
題 とす る事柄 を取 り上 げ るとよい。

導入例 T:歯 医者 へ 行 きま した。 とても痛 か ったです。薬 をも らうとき、


歯医者 さん は言 いま した。
「赤 い薬 は食 事の まえ に飲んで くだ さい。 白 い薬 は食事 のあ と
で飲ん で くだ さい。 それか ら、朝 と昼 と晩、 いつ もご飯を食べ
たあ とで、 歯を磨 いて ください。」

ごはんを たべ た あとで、はを みがいて ください。


しよくじの あとで、この くすりを のんで ください。

84
第 2部
動詞の場合 は「〈 、名詞の場合 は「∼のあ とで」にな
た形〉あ とで」
ることを確認する。

各 課 の教 え方
練習 A2 「あ とで」 の前後 の行為 の時間的前後関係 を確認 しなが ら練
習す る。
B3 二 つ の 文 を「あ とで」 で つ な ぐ。例 1、 1)、 2)は 「た 形」
に接続、例 2、 3)、 4)は 名詞に接続 してい る。
B4 質問に対 して、与えられた語句 を「∼ あ とで」 の形 にして答
える。
談話 うっか り忘れた り、失 くした りしたことについて会話 を作る。
例 A:ど こで切符を落 としたんですか。
B:わ か りませ ん。電車 を降 りたあ とで、気 が付 いたん
です。
ほかに、財布 をな くした/う ちへ帰 った、 資料 を忘れた
/会 社 を出たなど。
C2 頼 まれた ことをいつす るか説明す る。
発展 前後 に以下のや りと りを加える。
A:課 長、今 いいですか/お 忙 しいですか。
B:は い、何ですか。
(C2会 話)
A:こ ち らに置 いておいてもいいですか。
B:え え、いいです よ。/い いえ、直すか もしれませんか ら、
メールで送 っておいて ください。
A:は い、わか りました。
「∼たあとで」 と「∼てから、∼」の違いは何かとい う質問を受けることが
留 意点
構雄
ある。両者は置 き換 え可能な場合が多いが、「Vlた あ とで、V2」 はVlと V2
の前後関係を客観的 に述べ るのに対 し、「Vlて か ら、V2」 はVlの 動作 に重
点を置き、Vlを するまで、V2は しないというニュアンスを持つ。したがって、
「ご飯を食べたあとで、薬を飲みます」は、薬はご飯のあとであるというこ
とを述べているだけであるのに対 し、 「ごはんを食べてから、薬を飲んでく
ださい」の場合 は、「ごはんを食べ るまで、薬は飲 まないで ください」 とい
うニュアンスを持つ。

3.コ ー ヒーは砂糖を入れな いで飲み ます。 て (Vな い形〉ないで∼

ある行為が どうい う状態 でなされるかを「∼ て/な いで∼」 で表す。似 たような意味


を表す「∼ なが ら∼」 (第 28課 )は 二つの動作 を同時 に行 うが、「∼ て/な いで∼」
は前 の動作 がす でに完了 した状態、 もしくはその動作 がなされていない状態で、あ と
の動作 を行 うことを表す。

85
璽赳藝文]∼ て/∼ ないで∼ 図四口 回 ロ区至 │

=コ
「傘 を持 つ」「 コー トを着 る」「眼鏡 をかける」などの動詞 を使 って、それ ら
を身に着けた/つ けない状態で何かの動作 を行 うことを見せるとわか りやすい。

導入例 1 傘、 コー トを準備す る。
T:け さ、ニ ュースで、雨が降ると言 っていました。 (傘 を持 って)
きようは傘を持 って出かけます。きのうの朝 はいい天気で した。
(傘 を持たないで)傘 を持たないで出かけました。
きょうは寒 いです。 (コ ー トを着 て)き ょうはコー トを着て出
かけます。 きのうは暖かか ったです。 (コ ー トを脱 い で)き の
うはコー トを着ないで出かけました。

導入例2 T:わ たしは甘いものが好きです。コーヒーは苦い (苦 い とい う表


情で)で す。コーヒーを飲むとき、たくさん砂糖を入れて飲み
ます。夫はプラックコーヒーが好きです。砂糖を入れないで飲
みます。

コー ヒーは さとうを いれて のみます。


コー ヒーは さとうを いれな いで のみます。

練習 A3 ことば を入 れ替 えて「 ∼ て/な いで∼」 の形 の文 を作 る練習。


「持 って」 は状 態 であ ることが わか りやす い が、 「食 べ て」 は
完 了 の あ とを状 態 と して とらえに くい。「食 べ て」 は空 腹 で
はない状態である こ とを説明す る。
B5 絵 を見 て「 ∼ て/な いで ∼」 を作 る練習。
さらに、 ことば を与 えて、同様 の文 を作 らせ る。
例 T:歯 を磨 きます ・寝 ます → Sl:歯 を磨 いて寝 ます。
S2:歯 を磨かないで寝 ます。
QAl 学習者 の実際 の場合 につい て 質問す る。
例 T:エ ア コ ンをつ けて寝 ますか。
S:い い え、 つ けないで寝 ます。
QA2 回 参 考 に学 習者 ど う しで、それぞ れ の 国 の 結 婚 式や
=]を
葬式 な どに どんな服 を着 てい くか質問応答す る。

4口 日曜 日 どこも行かな いで、 うちにいます。 1な し ないで、V2

ある行為 (Vl)の 代 わ りにほかの こと (V2)を す る場合 に「Vlな いで 、V2」 を用 いる。


は同財∼ない
で、∼匝
区ZI

対立 した選択肢がある事柄 を取 り上 げて、そのいずれかを選択する/し た場
合 を設定す るとよい。
第 2部
導入例 l T:「 ○○」 (映 画 の題名 )を 見 ま したか。わた しは映画 を見ません
で した。本を読み ま した。映画 を見な いで本 を読 み ま した。

各 課 の教 え方
導入例2 教 師は一 人 三役 をす る。
A:も うす ぐ連体ですね。連体 は どこか行 きますか。
B:い いえ、 どこも行 きません。 うちにいます。
連体 はどこも行かな いで、 うちに います。

れんきゅうは どこも いかないで、うちに います。


A B
4 6

練習 「∼ ないで、∼」 の文の形 と意 味を確認 し、練習する。


イラス トの上段 (× マー クの絵 )の 行為 をしないで、下段 の
行為 をす る/し たことを述べ る文を作 る練習。は じめにイラ
ス トの読み取 り方 を確認 してお く。文字 で与 えられたキュー
の最初 の語 は、主題 として「∼ は」 で取 り上 げ、続 く文 はイ
ラス ト下段 の行為 を表 している。
QA ことばを与 えて、質問に答 えさせ る。
例 T:き の うはテレビを見 ましたか。 (い い え)
Siい いえ、テ レビを見 ないで、本 を読み ました。
C3 あ した (休 み)の 予定 について話す。
発展 学習者 の週末や連体 の予定、 またはす でにしたことについて
話す。

項 目3の 「砂糖 を入れないで飲 みます」と形が同じなので混同 じやすい。項



留意点

議 一

目3は 「入れて」か「入れないで」の選択であるのに対 し、項 目4は 「どこ


か行 く」か「 うちにいる」かの選択である。

Ⅲコ会話 わた しが したとお りに、 して ください

場面 茶道 のマ ナー を教 えて もらう。
目標 や り方や順番 の指示 が聞 いてわかる。
表現 ・載せます 「棚に物 を載せます」
。いかがですか。 「 どうですか」の丁寧な言い方。ここでの「いか
がですか」は「お茶の味はどうですか。気 に入 り
ましたか」の意味である。第7課 「お茶はいかが
ですか」はお茶を勧めている。
練習 内容確認 の質問例
。どう して先 に甘 いお菓子 を食べ るんですか。
・ お茶碗 を手に載せてか ら何 をしますか。
・ クララさんはお茶について どう思 い ましたか。

87
身につ けたい会話表現
。まず、次に、それか ら
(第 16課 で学習済ではあるが、再度使用で きるように練習す る)
。これでいいですか。
・ セヽか が ‐
0す か 。
発展 学習者が興味を持 っていること (例 :生 け花、ゆかたの着方、盆踊 り
の踊 り方、折 り紙 など)の や り方に関す る会話 を作 る。

Ⅳ.そ の他

問題 ・8『 翻訳 。文法解説』p.59「 料理」 の語彙 を使 って、学習者 に自


国の料理の作 り方を書かせた り、説明 させた りす る。その結果を各
国料理 の レシピ集 として、1冊 にまとめて小冊子 を作 るの もよい。
可能なら、実際に料理教室 を開 くと楽 しい。
また、料理だけでな く、それぞれの国のことば (早 口ことば)や 絵
か き歌、ダ ンス を教え合 って もよい。

88
一第 2部 彎各 課 の教え方

棗轟巫
できるようになる こと
。ある事柄が実現す るために必 要 な仮定条件 を述 べ ることがで きる。
・ ある条件下 での判 断 を述 べ た り、助言や指示 を求めた りす ることがで きる。

学習する こと

1.∼ ば (動 詞 )、 ∼ 1・ 2 1・ 2・ 3 1・ 2・ 3

3︶ ・
2.∼ けれ ば (い 形容詞 ∼
つ“

)、


1・ 4 4・ 5
∼ な ら(な 形容詞 /名 詞 )、 ∼

′0

︵Z
FD

3.疑 間詞∼ばいいですか
FD
′0

/0

7′
4.∼ な ら(名 詞 ∼
う0

2υ
)、

I.新 出語彙 導入の留意点


・機会 第 25課 で「チ ャ ンス」を学習済み。 どちらも「物事 をするのに適当な
とき」 とい う意味だが、ほかの語 と結びついて使 う場合 (例 :ビ ジネス
チャンスなど)や 、修飾節を伴って使 う場合 (例 :沖 縄へ 出張 した機会
に首里城へ行 った)な ど、片方 しか使えない場合がある。
:鏑 │

・ 許可 い っしょに使 うことばは「∼が必要/要 る」
「∼ を取る/も らう」な ど。
・ レ バ ーー
機器を操作 す るときに使 う棒状 の取 っ手のこと。 ドアのノブやハ ン ドル、
つ まみなどとの違 いがわからない学習者か ら質問が出ることがある。そ
の場合は、実物や写真 を示す とよい。

・ もっと 形容詞、動詞、副詞、位置詞 を修飾す る。「今現在 よ りさらに」 とい う


意味。例 :も っと大 きい、 もっと勉強する、 もっと早 く、 もっと右
Ⅱ.学 習項 目の導入 と練習

1.春 になれば、桜が咲きます。 〉なければ、∼

ある事柄が成立す るため には「∼ ば」 の条件が必要 で ある とい う関係 を示 す。 一 般的


な法則や論理的関係 を述 べ るのによ く用 い られる。 また、相手 の状況 を受けて、話 し
手 の判 断 を述 べ る場合 に も使 われ る。 文末が「 ∼ た」 (過 去 )に なる文 はここでは提
示 しない。


甕璽国∼ば、∼ 口四■回=コ
実現 させ た い こ とを提示 し、それに必要 な条件 を考え させ るとよい。

導入例 l T:新 しい炊飯器 を買 いま した。ボ タンがた くさんあ ります。使 い


方が よ くわか りません。 Sさ ん、 どうしますか。
S:店 の人 に聞 きます。説明書を読 み ます。
丁 :店 の人 に聞 けば、使 い方がわか ります。
説 明書を読 めば、 使 い方がわか ります。

導入例2 T:日 本 の桜 は とてもきれ いです。桜 を見た ことが あ りますか。


S:い いえ、あ りません。見たいです。
T:そ うですか。
Si桜 はいつ咲 きますか。
丁 :春 にな ります。桜が咲 きます。春 になれば、桜が咲 きます。

はるに なれば、さくらが さきます。

「なれば」 の形 を「条件形」 と言 い、前の文が、後ろの文の成立す


る条件 になってい ることを説明す る。

練習 Al 左 の表 動詞 の条件形 の導入
①難易度を考 えて、 Ⅱ→ Ⅲ→ Iグ ルー プの順 に導入す る。
②全体の形 を紹介 したあ と、Al左 の「条件形」 もしくは CD―
ROMに 収録 の「条件形 の作 り方」で確認 させ、各 自で整理
す る時間を与 える。
③動詞文字 カー ド、動詞絵教材 でグループごとに練習 してい く。
A2 短文を与 えて、条件形の文 を作 らせ、形 を確認 させ る。
Bl 前文を条件形 に変え、後文 をつ なげる練習。
文作 り 1 後文 を与えて、前文の条件 を考 えさせ、文を完成 させる。
例 :日 本語が上手にな ります
→ 日本人 とた くさん話せば、 日本語が上手にな ります。
文作 り2 相手が実現 させたいことについて、必要な条件 を示す。
例 T:富 士山に登 ります
→ Sl:富 士山に登 りたいんですが。
一第 2部 “
●            ■
一            ■¨
S2:夏 になれば、富士 山に登 れ ます よ。
B2 イラス トを見 なが ら、機械 や物 の不具合 を解決す るため に必


要 な操作 を説明す る練習。練 習 の前 に、絵教材 な どを使 って、

各 課 の教 え方
これ まで に学習 した 自動詞 を復習 してお く。
さらに、 い ろい ろな設備 の不具合 の状況 を口頭 で提示 した り、
イラス トや実物 を準備 した りして、文 を作 らせ る。
例 :ト イ レの 電気がつ か ないん ですが。
→ ドアを閉めれば、電気 が つ きます よ。
Cl パ ソ コンの操作 につい て尋 ね る。教 える。
新 出語 が 多 い ので、確 認 してか ら入 る とよい。 (入 力 す る、
クリックす る、 キー、ふ りが な、 ふ りが なをつ ける、 な ど。 )

「 ∼ く/∼ になる」 は 第 19課 で学習済 み だが、「 ∼ く/∼ に


す る」 (例 :こ の 字 を大 き くす る/赤 い 字 にす る)は まだ学
習 して い ない (第 44課 で学習予定 )。 したが って、実際 にパ
ソ コンを使 って会話 を作 る と楽 しいが、話題 を広 げす ぎる と、
うまく表現できない場合も出て くるので、注意する。
留意 点 「∼ ば」の後 ろには原則 として、「な ります」、「で きます」、可能動詞、物の
動 きや現象 を表す自動詞な ど無意志動詞が使われる。 ただし、「∼ば」 の「∼」
の述語が状態 を表す場合 は、意志的な表現 も使 うことがで きる。A2「 意見
があれば、言 って ください」Bl-6)「 機会があれば、アフリカヘ行 きたい
です」の「言 って ください」
「行 きたいです」な どの場合 は、前文の条件が「あ
れば」 となっていて状態 を表 してい る。文作 りの際 には提示す る文を十分に
吟味す る。


董憂]∼ な
褻 ければ、∼回


一5 一
な 一一
=コ
その条件が成立 しない と、不都合 なことが起 こった り、代替案 を考 えなけれ


ばならなかった りす るとい うような状況 を提示す る。

導入例 l T ことばの意味がわか りません。 ち ょっと辞書を見 ます。字が小


さ いで すね。読 め ませ ん。 (眼 鏡 をか け る)眼 鏡 をか けれ ば、
辞書 の字が読 め ます。 (眼 鏡 を外 す )眼 鏡 をか けな けれ ば、辞
書 の字が読 めません。

導入例2 T:わ た しの うちか ら会社 までバス と電車 で 2時 間かか ります。毎


朝 6時 に起 きます。 6時 に起 きれ ば、会社 に間 に合 います。 6
時 に起 きな けれ ば、会社 に遅れ ます。

6じ に おきなければ、かいしゃに お くれます。

動詞の否定形の条件形は「∼なければ」の形になることを説明する。

91
練習 口慣 らし い くつ かの動詞否定形 を与 え、「∼ なければ」 の形 に変
換 させ る。
例 :来 ません→来なけれ ば
「あ りませ ん」 は「 なければ」の形 になることに注意 さ
せ る。
A3 短 文 を与 えて、「 ∼ な け れ ば」 の 文 を作 らせ 、形 と意 味 を確
認 させ る。
B3 二つ の 文 を条件 形 で つ な ぐ練 習。
談話 相 手 の状 況 に ア ドバ イスや指示 をす る。
例 T:現 金 が あ りませ ん。
→ Sl:現 金がないんですが。
S2:現 金がなければ、カー ドで払えますよ。
Sl:そ うですか。 じゃ、 このカー ドでお願い します。

2.天 気がよければ、向 こうに島が見えます。


い A れば
∼ い 〉なら/Nな ら、∼

形容詞、名詞 の条件形 を導入する。動詞 の場合 と同 じく、ある事柄が成立するための


必要条件 を表す が、「∼ ば/な ら」の後 ろに使 える動詞 に項 目 1の 留意点 で示 したよ
うな制限はない。


財隕吻∼ければ/な ら
、∼ 口四2回
=]回=コ
天気 の状態 な どを条件 に提示す る と、 わか りやす い。

導入例 l T:わ た しの家 は海 の近 くです。


天気が いいで す。 島が見 えます。
天気が悪 いで す。 島は見 えません。
天気がよければ、島が見 えます。
天気が悪 けれ ば、島は見 えません。

導入例2 丁 :桜 が咲 きま したね。 もう花見 に行 きま したか。


S:い いえ、 まだです。
T:じ ゃ、 日曜 日、暇な ら、 いっ しょに花見 に行 きませんか。
導入例3 丁 :Sさ んは週末何 を しますか。
S:う ちで休み ます。
T:そ うですか。わた しは、 いい天気な ら、家族 と公 園へ行 きます。
雨な ら、 うちで映画 を見 ます。

てんきが よければ、 しまが みえます。


ひまなら、はなみに いきませんか。
あめなら、うちで えいがを みます。

92
第 2部
い 形 容 詞 の 条件 形 は「∼い けれ ば」、 な形容 詞 と名 詞 は「 ∼ な ら」
の 形 になることを説明す る。

各 課 の教 え方
練習 Al 右 の表 形容詞、名詞 の条件形 の導入
① い形容詞、な形容詞、名詞の順 に条件形 を導入す る。
②全体 の形 を紹介 したあ と、Al右 の「条件形」 もしくはCD―
ROMに 収録 の「条件形の作 り方」で確認 させ、各 自で整理
す る時間を与える。
③文字 カー ド、絵教材で品詞 ごとに練習 してい く。
A4 2文 を与 え、前文 を条件形 に して後文 とつ ないで文を作 らせ、
形 を確認する練 習。
B4 2文 を条件形でつ な ぐ練習。
QA 「はい/い い え」 を使 って質問に答える練習。
例 :安 ければ、車 を買 い ますか。
→ はい、安ければ、買 い ます。/い いえ、安 くて も、買
い ません。
あ した暇なら、出か けますか。
→ はい、暇なら、出か けます。/い い え、暇で も出かけ
ません。
B5 全品詞の条件形を使 って答え る応答練習。
QAl B5と 同様 の形式で答えさせ る練習。
例 :日 本 で Sさ んの国の料理が食べ られますか。
→ はい、新宿の レス トラ ンヘ行けば、食べ られます。
ロボ ッ トが欲 しいですか。
→ はい、料理や掃除をするロボ ッ トなら、欲 しいです。
QA2回 Xコ を参考 に、条件形 を使 って感想 を述べ る練習。



番 一
難 一
例 :日 本 のカレーはどうです か。


→ お い しいです。 で も、 もう少 し辛ければ、 もっとお い
しい と思います。

3.東 京スカイツ リー に上 りた いんですが、 どうすればいいですか。


疑問詞 (V条 件形〉いいですか
第 26課 で、助言や指示 が欲 しい ときに、「疑 問詞 ∼ た らいい で す か」 を使 って尋ね る
こ とを学習 した。 ここで は同様 の機能 を持 った表現 として、 条件形 を使 った形 を学 ぶ 。

疑問詞∼ばいいですか 囮区互 │

したいことについて有用な助言が欲しいというような状況を提示するとよい。

導入例 l T 来月、 中国 へ 行 きます。 中国人 の 学生 の 結婚式 に出席 します。


どんな服 を着 て行 きますか。 Sさ ん、 どんな服 を着 て行 けばい
いで すか。
S 明る い色の服 を着 て行 けば いいで す。
9´
導入例2 T わた しは東京スカイツ リーは見た ことがあ りますが、上 った こ
とがあ りません。ぜ ひ行 きたいです。予約 しな けれ ばな りませ
んか。 どう しますか。わか りません。東京 スカイツ リー に上 り
たいんですが、 どうすれば いいで すか。

とうきょうスカイツリーに のばりたいんですが、どう すれば いいですか。

第 26課 で学習 した「疑 間詞 ∼ た らいいです か」 と同 じ意 味 で ある


こ とを説明す る。

練習 A5 読 み合 わせて、「疑 問詞∼ ばいいですか」 の文 の形 と意味 を


確認す る練習。 さらに、疑間文を与え、文 を作 らせ る。
例 :い つ行 きますか→ いつ行 けばいいですか。
B6 前文 を「∼ んですが」 、後文 を「疑問詞 ∼ ばいいです か」の
形にして、助言 を求める練習。
文作 り B6を 参考 に、ほかの状況 を与 え、質問文を作 らせ る。
例 1:話 し手 自身に起 こった出来事についての対処を相談する。
お正月に日本人の うちへ行 きます
→お正月に 日本人の うちへ行 くんですが、何 を持って
行 けばいいですか/ど んな服 を着て行けばいいです
か/何 と言 えばいいですか。
例 2:一 般的に起 こ りうると思われる出来事へ の対処 を聞 く。
電車に忘れ物 をした とき
→電車 に忘れ物 をした とき、 どうす ればいいですか/
どこに連絡 す ればいいですか/だ れに聞け ばいいで
す か。
C2 様 々な日本事情 に関する情報収集の方法 を尋 ねる。
発展 学習者 どうしで、それぞれの国の習慣 などについて知 りたい
ことをテーマに会話を作 る。答えの表現 は、質問 と同様 の「∼
ばいいです」 で も「∼て ください」 (例 文 5)で もよい。
例 Sl:S2さ んの国でパー テ イー に行 くんですが、乾杯す
るとき、何 と言えばいいですか。
S2:「 サ ルー」 と言えばいいです よ。
Sl:「 サ ルー」 ですね。あ りが とうござい ました。

94
一第 2部 一各 課 の教 え方
〓一
4.北 海道旅 行な ら、 6月 が いいで す。 Nな ら、∼

      ■
相手 が話題 に した ことを取 り上 げ て、それに関す る助言な どの情報提供 をす る ときに
使 われる表現。


璽菫]∼ な
璽 ら、∼ 図四口回
=コ
相手 の してみたいこ となどを引 き出し、それに対する有益 な情報 を与 えるよ
うな場面を提示す るとよい。

導入例 l T:何 か買 いたいものがあ りますか。


Siは い、 自転車が欲 しいです。
丁 :自 転車な ら、○○ のが いいですよ。デザイ ンが すてきで、値段
も安 いで す。

導入例2 T:日 本 で どこへ行 きたいですか。


Si北 海道 へ行 きたいです。
丁 :北 海道な ら、 6月 がいいですよ。 いちばんきれ いな季節ですか ら。

ほっかいどうりょこうなら 6が つが いいです。

練習 A6 ことばを入 れ替 え、文の形 と意 味 を確認す る練習。


例文 の前提 となる発言 を考 えさせ る とよい。
例 :紅 葉 を見 たいです。 /紅 葉が有名 な所があ りますか。
B7 話題 になった こ とを取 り上 げ、情報 を与 える応答練習。
さらに、 きっか け となる発 言 を提示 し、 答 えさせ る。
談話 相手 の興味や欲求 に対 して理 由 とともに助言 をす る。
Sl:相 撲 につい てい ろい ろ知 りたい んです が。
S2:相 撲 な ら、S3さ んが よ く知 ってい ます よ。 1315
何 回 も相撲 を見 に行 った こ とが あ る し、相撲 の 本 もた
くさん読 んだ と言 って い ました。
Sl:そ うですか。 じゃ、今度 S3さ んに話を聞きます。
C3 店や病院などの情報を尋ねた り、与えた りする。
「どこかいい所」の語順に注意。場所だけでなく、「何かいい
物」 「だれかいい人」などに応用できる。
発展 回 参考に、したいと思っていること、あるいは欲 し
い=]を
情報などについてのや りとりをさせる。
例 l Sl:ア ルバ イ トを探 しているんですが、何かいい仕事
はあ りませんか。
S2:そ うですね。アルバイ トなら、 コンビニの仕事は
どうですか。近 くの◇◇ に「アルバ イ ト募集中」
と書いてあ りましたよ。
Sl:そ うですか。場所を教えていただけませんか。

95
例 2 Sl:日 本の小説を読みたいんですが、何かいい本はあ
りませんか。
S2:そ うですね。日本 の小説なら、 ×× (本 の題名)
はどうですか。英語の翻訳 もあるし、おもしろい
です よ。
Sl:そ うですか。だれが書いたんですか。

ⅢL会 話 どこかいい所、あ りませんか

場面 冬休み に行 くスキー旅行 について相談す る。


目標 旅行についての情報 を得 る ことがで きる。
表現 。それなら 相手の発言を受け、それを条件 として判断を伝えるとき
に使う。学習 した取 り立ての「∼なら」の代わりに使える。
練習 内容確認 の質問例
。タワポ ンさんは冬休みに何 をしたい と思ってい ますか。
・鈴木 さんはどこが いい と言 い ましたか。 どうしてですか。
。どうやって行 けばいいです か。
・スキーの服や道具 はどうします か。
身につ けた い会話表現
・スキー に行 きたいんですが、 どこかいい所、あ りませんか。
。どうやって行 くんです か。
。それなら 。さあ 。それか ら
発展 「スキー」 を「山登 り」「釣 り」「 ゴルフ」な ど (道 具が必要な物)に
1

変える。鈴木 さん役 は教 師がす るとよい。 また、 ここでは 日本人の


提供す る情報 を聞き取る ことがポイ ン トになるので、 「草津か志賀高
原」な どの地名についてわか らなければ、「それはどこにあるんです
」な どの確認質問も加 えなが ら、会話で きる ことが望ましい。
か。
発展 2 学習者 どう しで、相手の国を 1週 間 ぐらい旅行 したい とい う設定で、
見所や食べ物、経験 したほうが よいことなどについてや りと りす る。

留意点 学習者 のいる地域 に合 わせ、お勧 めの場所 な どの情報 を準備 してお く。地図


や アクセス情報 な どの資料 がある とよい。

Ⅳ口その他

問題 7 こ とわ ざに関す る内 容 な ので、 この 問題 を したあ と、『翻訳・


文法解説』 p.65を 参照 し、 ほかの 日本 の ことわ ざを紹介す るとよい。
この課 で学習 した条件形 が多 く使 われているこ とを確認す る。
8 紹介 されたそれぞれの国 の ことわ ざを 日本語 で どう言 った らい
いか考 えさせ る とよい。

96
一2
第一
       い                  一
部 一各 課の 教 え方   一一輩
できるようになること
。到達 目標や努力 目標 を述べ ることがで きる。



撃颯神一
。人の能力及 び物事 の状況 の変化 を述べ ることがで きる。

凝 一一
ヽ嘉一
学習する こと

1.∼ ように、∼ つ4
1・ 2 1・ 2

︵∠

︵Z
2.∼ ようになります 3・ 4・ 5 3・ 4・ 5
う0

′0

う0

′0

う0
3.∼ ようにしています

4ェ
4.∼ ようにしてください
7′

7′

I.新 出語彙 導入の留意点


・ 遭 い ます [事 故 に∼] 「事故/ラ ッシュ」 な ど、被害 を受ける出来事 とともに用 い る。
「友達 に会 い ます」 と同様、対象 は「に」 で表す。

・過 ぎます [7時 を∼] Ⅱグルー プの活用 で ある ことに注意する。


「 7時 を過 ぎます」 の「を」 は通過 点 を表す。

・慣 れます [仕 事 に∼] 対象は助詞 「に」 で表す。「生 活/食 事 に慣 れ ます」

・ やっと 望んでいたこと、待 っていたことが実現 した ときの安堵 の気持ちを表す。


例 :や っ と春が来 た。
。かなり 予想 をは るか に上 回 る程 度。

。必ず 「ぜ ひ」 との使 い分 けに注意。「ぜ ひ」 は望 む気持 ち、勧 める気持 ちを


強めるのに対 し、 「必ず」 は義務感 を強める ときに使 う。
例 :パ ー テ イー にぜ ひ来て ください。
宿題 は必 ず出 して くだ さい。

・ 絶対 に 主に否定 とともに使 う。
例 :絶 対 に触 らないで ください。
Ⅱ」学習項 目の導入 と練習

1.速 く泳げるように、毎 日練習 しています。


1 セヽ ない よ に、 V2

Vlは 目的や 目標 とす る状態を、V2は その 目標 に近づ くための意志的な動作を示す。「よ


うに」の前には、無意志動詞 (意 志を含まない動詞 例 :可 能動詞、「わか ります」「見
えます」「聞 こえます」「な ります」な ど)の 辞書形や、動詞 の否定形が用 い られる。

国 は ]∼ ように、∼ 図四■ 匝区コ


で きるようにな りたいと思って努力 してい ることを取 り上 げる。
導入 に入る前 に可能動詞の作 り方 とその辞書形 を復習 してお く。

導入例 l 第 28課 の「 会話」 の DVDを 見 せ るか、本文 を読 んで思 い 出 させ る。


T:小 川 さんは 8月 にオース トラ リアヘホームス テイに行 きます。
オ ース トラ リアの人 と英語で話 さなければな りません。 まだ上
手 に話せ ません。今毎 日英話を勉強 しています。
小川 さんは、英語が話せ るように、毎 日勉強 しています。

導入例2 丁 わた しは泳 げます。で も遅 いで す。試合 に出たいですが、出ら


れ ません。 もっと速 く泳 げなければ、試合 に出 られ ません。毎
日練習 しています。速 く泳 げるように、毎 日練習 して います。

はや く およげるように、まいにち れん じゅうして います。

「 よ うに」 の前 が努力 目標 で、後 ろに来るのが そ の 目標 のために努


力 してい ること、お よび、「 ように」の前が動詞辞書形である こと、
そ の動詞 は可 能動詞 と「わか ります」「み えます」な ど無意志動詞
であ ることを説明す る。
「 目標」「努力」「無 意志動詞」な どの各国語翻訳 カー ドを準備 して
お くとよい。

練習 Al 上段2文 「∼ように、∼」の文型 と意味を確認する。


B1 2文 を「ように」でつ なぐ。前文が目標で、後文が努力する
ことである。 「ように」の前文は例と1)、 2)が 可能動詞、3)、
4)は 無意志動詞である。
文作 り 状況を与えて、文を作 らせる。
例 :夜 よく寝 られません。
→夜 よく寝 られるように、寝るまえに少しお酒を飲み
ます。

留意点 1)「 無意志動詞」 を伝 えるのに、訳語 を見せ るのも一つ の方法 だが、「 自分


で決めることがで きないこと」 として、既習の動詞 を挙 げさせ、「意志」

第2

r          ●                               一
と「無意志」に分けて板書 してい くととらえやす い。

部一
2)「 で きる」「わかる」「見 える」「聞 こえる」「治 る」 はそれ 自体 に可能の

各課の
意味があ るので「できられる」などにならないことに注意す る。

教え
轟璽
匡 団∼ないように、∼回=コ

方   一
病気にならない、けがをしないなど、そうならないでほしい と願うことのた
めに何かしている状況を想定す る。


T


導入例 わた しは去年 よ くかぜをひきま した。今年 はかぜ をひきた くな

〓 ‘ 出一

理一“
いで す。ですか ら、 いろいろ気 を付 けて います。 よ く食 べ て、

一一
責 ●一
よ く寝 ます。ゆ っ くりおふ ろに入 ります。かぜ をひかな い よう
に、 いろいろ気 を付 けて います。

かぜを ひかないように、 いろいろ きを つ けて います。

練習 Al 下段2文 「∼ないように、∼」の文型 と意味の確認。


「∼ないように」の中の主語は「が」で示す。
B2 二つの文を「∼ ないように、∼」の形でつなぐ。
QA 学習者に実際の場合を答えさせる。練習のために、「∼ように」
の部分を繰 り返 して答えさせる。
例 :日 本語が早 く上手に話せるように、何をしていますか。
歯が悪 くならないように、何をしていますか。
Cl いつ も携帯 しているものの目的を話す。
発展 実際に学習者が常時携帯しているものに目を留めて質問しあう。

2.や っと自転車に乗れるようにな りま した。 (V辞 書形 〉ようになりました


。「な ります」 は、ある状態が別の状態 に変化す ることを表す。「 (V辞 書形〉 よ うに
な ります」 は、で きなかった状態か らで きる状態になる ことを表す。 この課 では可
能動詞、「わか ります」 「見 えます」な ど、能力、可能 を表す動詞 を中心 に扱 う。
・変化 には人の能力の変化 と社会 の状況 の変化があ る。
。「慣 れる」「治る/直 る」「腐 る」な どの ように、 もともと変化 を表す意味 を持 つ動
詞 はこの文型 では使 わない。

「 よ うにな りましたか」 とい う疑間文 に対 して、「 いい え」を使 って否定形 で答 える
場合 は「 いい え、 まだVま せん」 となる。

口沐祗鯰 ∼ようにな りました (能 力)図 四口 回


=]
いA〉 く/〈 なA)に /Nに な ります」 を復習する。
第 19課 で学 んだ「 〈
先月自転車に乗れなか ったが、今 は乗れ るなど、で きなか ったことがで きる
ようになった ことを取 り上 げ る。

導入例 丁 :き の うは息子 の 誕生 日で した。 7歳 にな りま した。最近背が高


くな りま した。ノヽンサムにな りま した。
先月はまだ 自転車 に乗れ ませんで した。 毎 日練習 しま した。今
乗れ ます。
息子 は自転 車 に乗れ るようにな りま した。

むすこは せが たか く な りました。
八ンサムに な りました。
7さ いに な りました。
じてん しゃに のれるように な りました。

「な ります」 の前 に接続す る形 を思 い 出させ、動詞の場合 は「 (辞 書


形)よ うにな ります」にな ることを説明す る。

練習 A2 上段 2文 「∼ よ うにな りました (能 力)」 の意味 と形 を確認


する。
「やっと」「かな り」「ほとんど」 をつ けて言 ってみる。
B3 質問に対 して、与 え られた副詞 を添えて「はい」で答 える。
文作 り 生 まれてか ら獲得 した能力 (い つ何が で きるようになった
か)を 叙述 させ る。
例 :1歳 のとき、歩けるようにな りました。
談話 回 を参 考 に、 日本の生活 に慣 れたか どうか話す会話 を
作 =コ

o  Q ︶ ^
1 ■  ^

夕1 :布 団には もう慣れましたか。

:は い。初めはなかなか寝 られませんで したが、


今 はよ く寝 られるようにな りました。
Sl:そ れはよかったですね。
ほかに、お風 呂やラッシュの電車などについて話す。

国璽咆勿]∼ ようにな りました (状 況可能)匝 匡互 │

時代 による社会の変化 を取 り上 げ るとわか りやす い。

導入例 T:日 本 でテ レビができた とき、テ レビは高 か ったです。サ ラ リー


マンの 1か 月 の給料 は 3万 円で したが、テ レビは 25万 円で した。
今 は安 くな りま した。 だれでも買 えます。 だれでもテ レビが買
えるようにな りま した。

だれでも テ レビが かえるように な りました。

練習 A2 下段 2文 「∼ ようにな りました (状 況可能)」 の意味 と形を


確認す る。
B5 イラス トを読み取 り、昔 と今 の変化 を述べ る練習。与 えられ

100
¨第2部 哺各課の教え方
湾    一
“        ・
た二つの文 をつ ないで「昔 は∼が、今は∼ ようにな りました」
とい う文 を作 る。

¨
2)の お正月 の料理 (=お せ ち料理)に つ いては写真 を準備


して説明す るとわか りやす い。
文作 り 社会 の変化 について状 況 を与 えて、文 を作 らせ る。で きれ
ば写真やイラス トを準備す る。
例 T:大 きいテー プレコー ダーの前 で、 ことばを勉強 し
ているイラス トとイヤホ ンをして歩 きなが らこと

一一一
一一一一動 一一一一一
ふ0一=
ばを学習 してい るイラス トを見せる。
→ S:昔 は歩 きなが ら勉強す ることがで きませんで し


たが/昔 は うちで勉強 しなければな りませんで
したが、今は歩 きなが ら勉強 で きるようにな り
ました/今 はいつ で もどこで も勉強で きるよう
にな りました。


轟璽 たか…いいえ、まだ∼ません 回エ
Э∼ようになりまし コ
「いいえ」を引き出すような質問をする。

導入例 T:Sさ ん、 日本語 の新聞が読 めるようにな りま したか。


S:い いえ、 まだ読 めるようにな りませんで した。
T:い いえ、 まだ読 めません。
Siい いえ、 まだ読 めません。
T:早 く読めるよ うにな りたいですか。
S:は い、早 く読 めるようにな りた いです。

にほんこの しんぶんが よめるように なりましたか。


…いいえ、まだ よめません。はやく よめるように なりたいです。

「いいえ」
「はい」の場合 はそのまま「∼ ようにな りました」だが、
の場合は「まだ∼ ません」になると説明する。

練習 B4 質問に対 して「いいえ、まだ∼ ません」で答え、 「早 く∼ よ


うになりたいです」を付け加える。
QA 回 のパ ターンで質問応答練習をする。
「はい」の場合は「少
=コ
し」「かなり」 「ほとんど」「やっと」などを付け加えて答える。
例 1 漢字が読めるようになりましたか。
→はい、少し読めるようになりました。
例 2 テレビのニュースがわかるようになりましたか。
→いいえ、まだわか りません。早 くわかるようになり
たいです。
C2 趣味、稽古事が上達したかどうかについておしゃべ りす る。
ほかに、ダンス、スポーツ、語学などについて話す。

101
留意点 1)余 裕 のあるクラスでは、で きることがで きな くなった場合「∼ な くなり
ます」 を使 うことを教 えてもよい。
例 :年 をと りましたか ら、小 さい字が読 めな くな りました。
昔 は うちの近 くの海 で泳げましたが、今 は泳げな くな りました。
2)さ らに余裕のあるクラスでは、可能動詞ではない動詞「食べ る」「泳 ぐ」
などを使 って習慣 の変化 を述べ る用法を紹介 してもよい。
例 :日 本人は昔、魚 しか食べ ませんで したが、今 は肉 も食べ るようにな
りました。

3.毎 日日記を書 くように しています。


なし ない よ にしてい ます

この文型は習慣的にあるい は継続的に努力 して、ある動作 をする こと、あるい はしな


いこ とを表す。「∼ ようにな ります」 では「∼」に無意志動詞が使われるのに対 し、
「∼
よ うにします」 では意志動詞が使われる。副詞「で きるだけ」「必 ず」「絶対 に」など
が この文型 とともによ く使 われる。


卜璽 ています 口
爾∼ようにし 廻塁ヨ

=コ
健康 のため に 日常的に努力 して い ることを取 り上 げ る。

導入例 l T:(日 記帳 を見せ なが ら)こ れ はわた しの 日記 です。毎 日日記を


書 きます。大変 です。でも、去年の きょう何 を しま したか、何
を考えま したか。 日記 を読 む と、わか ります。おも しろいです。
ですか ら、 疲 れて いても、眠 くても、毎 日日記 を書 くようにし
ています。

導入例2 T:今 年 の夏、富士 山に登 りたいです。


わた しの うちは 7階 ですが 、 エ レベー ター に乗 りませ ん。 階段
を使 います。 エ レベー ター に乗 らな いように しています 。

まいにち にっきを か くように して います。


エ レベーターに のらないように して います。

「ように」の前が意志動詞であること、辞書形またはない形が来る
ことを確認する。

練習 A3 「∼ ようにしてい ます」の形 と意味を確認する。さらに、学


習者自身が日常生活で努めていることについて「∼ ようにし
ています」を使 って述べ る。
B6 「∼ ようにしています」を使って健康のために努力 している
ことを述べ る。
文作 り 『翻訳 。文法解説』p.71「 健康」の表現 を使って「 いいだ
さん」の立場で文を作る。

102

一第
一     一

例 :わ た しは規則正 しい生活 をするようにしています。

部”
わた しは夜更か しをしない ように してい ます。

^各
C3 健康 に て話す。
つい


             一
課の
発展 「健康」 だ けでな く、相手 の生活習慣 で気 づいた こと (ケ ー



タイを持 ってい ない、 いつ もパ ソコンや電子辞書を持 ってい

方 
るなど)を 話題 にす る。その場合、「そのほ うが体 にいいで

  
すね」 は「そのほうが いいですね」「それはいいですね」な



どに変える。

一孤



壊秘轟■

一辮
4.遅 れな いように して ください。 (V な0 い よ )に してください

「∼て/な いで ください」が直接的な指示 。依頼表現 であるのに対 して、「∼ ように/


∼ ない ようにして ください」 は間接的で丁寧な指示 ・依頼表現 である。常に心掛 けな
ければならないことについて使 われ、その場限 りの指示 ・依頼 には使われない。


懸厄]∼ よ
炒 うにし
てください〔
例文コ
強 く指示 したい けれ ども、お客様なので丁寧 に言わなければならない場面 (例 :

旅行会社 の添乗員 が ツアー客 に気 を付 け てほ しい ことを言 う場合 )を 設定す


る とよい。

導入例 T 旅行会社の旅行に参加 しました。旅行会社の人は毎日言 いました。


時間は必ず守 るようにして ください。絶対 に遅れないようにし
て ください。
パスポー トは絶対にな くさな いようにして ください。
現金 は持って歩かな いようにして ください。

じかんを まもるように して ください。


じかんに お くれな いように して ください。

練習 A4 誰が誰 に与 えて い る注意 なのか を考 えさせ なが ら、意味 と形


を確認す る。
B7 寮 に入 って きた新入社員や新入 生に与 える注意を「∼ ように
して ください」 を使 って言 う。
さらに、ほかの注意を考える。
文作 り 施設 の係員が外部 か らの見学者、利用者 (工 場 の見学者、
動物園、美術館、図書館 の利用者)に 注意する場面を与 え
て、文 を作 らせる。
例 T:動 物園の人はどんな注意をしますか。
→ S:動 物 にお菓子 をあげない ようにして ください。
動物 に触 らないよ うにして ください。

留意点 「ように」の前に来るのは、項 目1、 2は 無意志的な事柄、項 目3、 4は 意志

103
的な事柄 である。 教 師 の リー ドの もとに練習 して い る段 階 では間違 わないが、
自ら文 を作 る ときに混乱す る学習者が多 いの で、 注意が必要である。

Ⅲ.会 話 毎 日運動するように しています

場面 健康 につい ての番組 でテ レビの イ ン タビュー を受 け る。


目標 日ごろ心がけて い ることが話 せ る。
表現 ・ お客様 デパー トや レス トラ ンで店員が客に呼びかけると
きや、テ レビ番組な どで招 いた出演者を紹介する
ときなどに使 う。
・違います 第 2課 の「違 い ます」 (「 間違 っている」の意味)
とは違って、 「同じではない」 という意味である。
練習 内容確認の質問例
。小川 さんはどの くらい泳げますか。
・小川 さんは嫌 い な食べ物があ りますか。
・小川 さんはどうしてフランス語 を勉強 してい ますか。
身につ けたい会話表現
何 か特 別なことをしてい らっしゃいますか。
(何 か いい こと、何 かお もしろい こ と、 etc.)
。毎 日違う料理を作 るようにしています。 (毎 日違う服、毎 日違 色、etc.)

・頭 と体をよく使 っていらっしゃるんですね。
・楽 しいお話、 どうもありがとうございました。
発展 学習者 どうしで健康についてインタビュー しあう。

Ⅳ.そ の他

例文 5「 夫の田舎」 は「夫の故郷」の意味である。
「4時 間で帰れる」の「で」は範囲の限界を示し、
「4時 間を超えない」
という意味である。

問題 7 現実に縛 られないで、 ドラえもんの世界や未来を描いた映画な


どを参考にするよう仕向けると、楽 しいアイデイアが出て くるだろ
つ。

104
躙第 2部 仲各 課 の教 え方
驀        “
緑        “
”         


茫鑢蜃祗
で きるようになる こと
・ 人か ら受 け た行為 や迷惑 に感 じた体験 を受身表現 を使 い、話者 の視点か ら話
せ る。


鬱一
・物事 の状況や事実 を受 身表現 を使 って説明 で きる。


学習する こと

1.(人 )は ∼に[∼ を]∼ (ら )れ ます 1。 2 1・ 2

2.(人 )は ∼に〈
所有物)を ∼(ら

︵Z
うZ

︵Z

う0
)
3・ 4
れます
4

う0
3・
3.(物 )が /は ∼ (ら )れ ます 4・ 5。 6 5・ 6・ 7
5。 6

I.新 出語彙 導入の留意点

・誘います/招 待 します 「誘います」はいっしょに何かをしようと働きかけるのに対 し、「招待


します」は相手 に自分が主催する会や行事などに参加するように働 き
かけること。
・ 注 意 します 相手 に警告 した り、 ア ドバ イス した りす るとい う意味。「気 をつ ける」
の意味は第 33課 で学習済み。

・米 「ご飯」 との違いが質問 に出ることが多 い。米 を炊 いた ものが「 ご飯」。

・∼中 (∼ じゅう) 「∼の場所全部」 の意味。例 :日 本中、町中、学校中


cl「 ∼ちゅう」 (第 33課 )は 「∼ している」の意味。例 :電 話中、仕
事中

105
Ⅱ日学習項 目の導入 と練習

1.子 どものとき、よく母にしかられました。 Nlは N2に う V

N2が Nlに 対 して行 った行為 を、Nlの 立 場 か ら表現す る文型 で、Nlは 人であ り、N2
は人以外 に動物や車 な ど動 く物 の場合 もある。受身文 の動作主 N2は 助詞「に」 によっ
て示 される。 なお、 ここで は便宜 上受 身 の形 の動詞 を「受 身動詞」 と呼 ぶ。


轟璽国わたし
は∼に∼(ら )れ ます 図四■回
=コ
両親や先生、上司 な ど目上 の 人 に指示や命令 された ことを例 に挙 げる とよい。

導入例 1 T:子 どもの とき、わた しは毎 日遊んで いま した。 うちの仕事を手


伝 い ませ ん で した。母 がわ た しを しか りま した。わ た しは ?
わた しは母 に しか られ ま した。それで、わた しはとてもいい子
どもにな りま した。 うちの仕事 を手伝 いま した。母がわた しを
ほめ ま した。わた しは ? わた しは母 にほめ られま した。

導入例2 T:母 は毎 日忙 しか ったですか ら、わた しにうちの仕事を頼 みまし


た。わた しは ? わた しは母 にうちの仕事 を頼 まれ ま した。母
に買 い物や洗濯 を頼 まれ ま した。

わた しは ははに しかられました。
わた しは ははに しごとを たのまれました。

「 しか られます」「頼 まれます」の形 を受身動詞 と言 い、受身文は行


為 を受 け る側の「わた し」か ら見た出来事 の伝 え方である ことを説
明す る。

練習 Al 受身動詞 の導入
①難易度 を考 えて、 Ⅱ→ Ⅲ→ Iグ ループの順 に導入す る。
② 全 体 の 形 を紹 介 した あ と、Alの 「受 身」 も し くは CD―
ROMに 収録 の「受身動詞の作 り方」で確認 させ、各 自で整
理する時間を与 える。
③動詞文字 カー ド、動詞絵教材でグループ ごとに練習 してい く。
A2 動詞 を与 えて、受身文 を作 らせ、形 を確認す る練習。
さらに、ほかの動詞 を与 えて、受 身文 を作 らせる。
例 :し か ります→ わた しは部長 にしか られました。
Bl イラス トを見 なが ら、受 身文 を作 る練習。
さらに、「〈 名詞)が わた しを∼」 の文を与 えて、受身文を作
らせる。
B2 与 えられた文 を受身文に変換 す る練習。
名詞〉が わた しに∼」 の文を与 えて、受身文を作
さらに、「 〈
らせ る。

106
例 :先 生が わた しに字の書 き方 を注意 しま した。

第 2部
→ わた しは先生 に字の書 き方 を注意 され ました。
Cl うれ しそ うにしてい るわけを尋ね られて、説明す る。

各 課 の教 え方
発展 「 よ くないこ と」 を話題 にする。
例 A:何 かあったんです か。
B:え え。部長に残業 しろと言われたんです。
A:そ れは大変ですね/そ れは困 りますね。
Clで はうれしそうな相手に「何かいいことがあったんですか」、
発展 では困 った様子 の相手に「何かあ ったんですか」 と聞い



ている。後者 は「何か問題が起 こったのか」 とい う意味 で、
予想す る出来事 の性質に よって「何か」「何か いいこ と」 を
使 い分ける。 また、出来事が相手にとってよかった場合は「そ
れはよか ったですね」、 よ くなか った場合 は「それは大変 で
すね/困 りますね」 と応 じることにも注意。

留 意点 1)こ の段階では主語は「わた しは」 に限定 して練習する。


2)B2の 能動文で「女 の人が」の ように動作主 に「が」が使 われているの
はなぜか とい う質問が出るか もしれない。「女 の人は」「女 の人が」の ど
ちらの場合 も文 として成 り立つが、「が」 の場合、「わた し」にとっての
新 しい出来事である ことを表す。
3)こ こで「 (女 の人)が ∼」の文 を受 身文 に変換 させてい るのは、能動文
か ら受 身文 にす る とき、「 〈名 詞 )が (ガ 格 )」 が「 〈名 詞 )に (二 格 )」
になることを明確 に示す ため と、「わた し」に起 こった 出来事 (能 動文)
を受 身文では「わた し」の視点か らとらえ「わた しは∼」 とす ることを
明確 に示 す ためである。

2.ラ ッシュの電車で足を踏 まれ ま した。 Nlは N2に N3を ぶ V

N2が Nlの 所有物 (N3)に 対 してあ る行為 を行 った結 果、Nlが それ を迷惑 に感 じて


い ることを表現す る文型で、N2は 人以外 の動 く物 の場合 もある。

所有物)を ∼ (ら )れ ます 國四口 回
囲薩凩魃:わ た しは∼に く
=コ
持 ち物や体の一部が被害にあ ったことを例 に挙げ るとよい。

導入例1 丁 :け さはよくないことがあ りました。


S:何 ですか。
T:ラ ッシュの電車で男の人がわた しの足を踏みました。 とても痛
かったです。
ラッシュの電車で…
S:先 生の足は男の人に踏まれました。
T:ラ ッシュの電車でわた しは男の人に足を踏 まれました。
導入例2 丁 :き のう疲れて い ま したか ら、電車の中で寝 て しまいま した。降
りる駅で、 あ っ荷物があ りません。だれかがわた しの荷物 を と

107
りま した。困 りま した。
S:先 生の荷物 はだれか に とられ ま した。
T:電 車 の 中でわ た しはだれかに荷物を とられ ま した。

わた しは おとこの ひとに あ しを ふまれました。

自分の所有物 に対 してある行為 を受け、そのために「残念だ」「困っ


た」 と感 じた場合、受身文 を使 うこと、主語は迷惑 を受けた「わた
し」であ り、所有物が主語 にはならないことを説明する。

練習 A3 文を与え、受身文 に変えさせて、形 を確認す る練習。


さらにほかの文 を与 え、受身文を作 らせ る。
例 :弟 がわた しのスマホを壊 しました。
→ わたしは弟 にスマ ホを壊 されました。
B3 文を受身文 に変える練習。
B4 「 どうしたんです か」 とい う質問 に対 し、イラス トを見 なが
ら状況 を説明す る応答練習。練習 に入 る前 に、受 身動詞 のた
形 を練習 してお く。
例 :捨 て られます→捨 て られた
QA 困った経験 について質問 し、答えさせ る。
例 :何 か大切 な物 をとられた ことがあ りますか。
いつ、 どこで、何 をとられましたか。
C2 旅行の感想 を聞かれ、大変だった経験 を話す。
発展 C2の 会話 に続 け て、その後、 どう したか、 ど うなったか、
や りと りを続ける。
例 A:そ れで、 どう したんですか。
B:す ぐ空港 の人に連絡 して、捜 して もらったんですが、
見つ か りませんで した。
A:困 りましたね。
B:え え。で も、夜 ホテルに連絡があって、荷物が戻っ
たと聞 きました。それで、急 いで取 りに行 きました。
A:そ れはよかったですね。
B:え え、ほん とうにうれ しかったです。
留意点 1)こ の文型 は基本的に行為 を受けた人が迷惑に思っていることを表すので、
受けた行為 に感謝 してい る場合 には使わない。その場合 は「∼ て もらい
ます」を使 う。
例 :○ わた しは友達 に宿題 を手伝 って もらい ました。
×わた しは友達 に宿題 を手伝われました。
2)迷惑を表す受身には自動詞の受身 (例 :「 雨に降られる」「父に死なれる」)
もあるが、 ここでは扱わない。

108
ヽ,第2部 一各課の教え方
3.法 隆寺は 607年 に建て られま した。 N(物 /こ と

     一
が は V
ある事柄を叙述する際、行為を行 う (あ るいは行 った)人 を特に問題 としない場合、「物」
や「 こと」 を主語 として、受身を使 って表現す る。

物/こ と
醒国〈
圏轟 )が ∼(ら )れ ます回
=]
特定 の時代や年 を取 り上 げ、そ の 時 にあった ことを紹介 す る とよい 。

導入例 ボー ドに時間軸 を描 き、 1964年 、 1972年 、 1998年 、2020年 の年


を書 く。
丁 :皆 さん、2020年 に何があ ります/ま したか。そう、東京オ リ
ンピックですね。 じや、 ここで 日本 のオ リンピックの歴史を復 .:..1“ 謙・
"諾
習 しましょう。まず、 (1964年 の ところを指 して)1964年 に
東京で初めてオ リンピックが 開かれま した。 (東 京オ リ ンピ ッ

クの写真 を1964年 の下にはる。)オ リンピックのまえに、 いろ
いろな物が造 られました。新幹線や車の道が造 られま した。次
は、 (1972年 を指す。)1972年 に北海道の札幌で冬のオ リンピッ
クが行われました。 (冬 のオリンピックの写真 をはる。)そ れか
ら、 (1998年 を指 す。)1998年 に長野で冬 のオ リン ピックが
開かれました。

1964ね んに とうきようで オ リンピックが ひらかれました。

誰が したか (行 為者)は 問題 ではな く、何があるか/あ ったかを言


いたい場合、受身文を使 うことを説明す る。

練習 A4 ことば を与 えて、文 を作 らせ、「 〈


物/こ と〉が∼ (ら )れ ま
す」 の文 の形 と意味 を確認す る練習。
例 :大 阪・展覧会 。開 きます
→大阪で展覧会が開かれます。
B5 イラス トを見 なが ら、与 えられた動詞 を使 って受身文 を作 る
練習。
さらに、 ことば を与えて、文を作 らせ る。
例 :3000年 まえ 。エ ジプ ト・ ピラミッド・造 ります
→ 3000年 まえにエ ジプ トで ピラミッ ドが造 られました。

物/こ と)は ∼
踵貪炒柩 〈 (ら )れ ます 図四口 回 回
=コ =コ
有名 な建物や遺跡 な どの写真 を準備 して、紹介 す る とよい。

導入例 法隆寺 の写真 を見せ て


下 :こ れ は法 隆寺 です。 古 いお 寺 です。法 隆寺 は 607年 に建 て ら
れ ま した。
ほうりゅうじは 607ね んに たてられました。

練習 A5 物/こ と)
ことばを与 えて、文を作 らせ、「 〈 は∼ (ら )れ ま
す」 の文の形 と意味を確認す る練習。
さらに、 ことばを与 え、文を作 らせ る。
例 :漢 字・ 中国で作 りました
→漢字 は中国で作 られました。
文作 り を参考 に、原料 は「か ら」、材料 は 「で」 で 示 す こ
とを説明 し、文 を作 らせ る。
例 :ス ーパ ー の袋 ・石油
→ ス ーパー の袋 は石油 か ら造 られ ます。
日本 の音 の家 ・木 と紙
→ 日本 の昔 の家 は木 と紙 で造 られ ま した。
6 A
B Q

与 え られた質問を受 身文 に変 え、答 える質問応答練習。


B6を 参考 に質問応答練習。
例 T:い つ イ ンス タン トコー ヒー を発 明 しましたか。
→ Sl:イ ンス タ ン トコー ヒー はいつ発 明 されま したか。
T:100年 ぐらい まえ
→ S2:100年 ぐらい まえに発 明 され ま した。
C3 名所 旧跡や絵画 を見学 し、それについ て質問 をす る。
発展 日本 あるい は学習者 の 国 の有名 な建造物、絵画、彫刻 な どの
写真 を準備 し、それ につい てや りと りをさせ る。写真 の裏 に
答 え となる情報 (年 代 )を 書 いて お く。


璽璽 │〈
〉が/は ∼(ら )れ ています E亜
璽物/こ と =ヨ
そ の状 況が現在 も引 き続 き行 われて い ることを述 べ る表現 を導入す る。食べ
物、 ことば な どの例 を挙 げ る とよい。

導入例 l T:皆 さん は毎 日何 を食 べ ますか。バ ンですか。 こ飯 ですか。 日本


や中国、 ベ トナムな どではみんな よ く米を食 べ ています。 アジ
アで は米がよ く食 べ られています。

導入例2「 輸 出 します」 の絵教材 を見せ て


T:日 本 には車の会社がた くさんあ ります。工場の人はいつ も車を
造 って います 。 日本 では車 がた くさん造 られています。そ して、
日本 の 車 は輸 出され ます。 いつも輸 出 されています。 日本 の車
はいろいるな国 へ輸出 されて います。

にほんの くるまは いろいろな くにへ ゆしゅつされています。

練習 A6 ことばを与えて、受身文を作らせ、
「〈物/こ と〉は∼ (ら )

110
贈第2部 輛各課の教え方
゛       一
れて い ます」 の 文 の 形 と意 味 を確認す る練習。練 習 の前 に受
身動詞 の「 〈 て形 〉 い ます」 の形 を確認す る。
例 :話 して い ます → 話 されて い ます




´︱

さらに、 ことば を与 え、練習 させ る。
例 :英 語 。世界 中 で使 い ます
→ 英語 は世 界 中 で使 われて い ます。
B7 文 を受 身文 に変 える練習。
QAl 学習者 どう しで質問 と答 えを作 らせ る。
例 :何 語 を使 い ます か
→ Sl:S2さ んの国では何語が使 われて い ます か。



鑽一
S2:ス ペ イ ン語が使 われて い ます。
日本 へ何 を輸 出 します か。
→ S3:S4さ んの 国か ら日本へ 何が輸 出されて い ますか。
S4:果 物が輸 出されてい ます。
QA2質 問 に答 えさせ る。
例 :Sさ んの 国 で は 日本の小説 が読 まれて い ます か。 どんな
小説ですか。
Sさ んの 国 でいちばん知 られて い る 日本人 はだれですか。

Ⅲ口会話 金閣寺は 14世 紀 に建てられました

場面 金 閣寺 を見学 し、 ガイ ドの説 明 を聞 き、質問す る。


目標 歴史的 な建造物 についての説 明が聞 い てわか る。
表現 ・焼けます い ろいろな意味があるが、 ここで は「火事で建物
などが焼ける」 の意味。「魚/肉 が∼」「パ ンが∼」
は第 46課 で学習す る。
。本物 反対 は「偽物 」

・ 美 しい 「 きれ い な」 とどう違 うのか とい う質問が出 る場


合がある。「きれいな」は会話でよく用い られ、 「清
潔 な」の意味 もある。 「美 しい」 は文章 で よ く用
い られる。
練習 内容確認の質問例
。金 閣寺 はいつ建 て られ ま したか。
。その後、 どんなことが あ りましたか。
。このお寺の名前はどう して「金閣寺」なんですか。
・金 閣寺 はいつが特にきれ いですか。
身につ けたい会話表現
・皆様、あちらが有名な金閣寺 です。
。金 閣寺 は紅葉 と雪 の季節 が特 に美 しい と言 われてい ます。
発展 学習者 の 国 の名所 旧跡 な どの 写真 を用意 させ、 自国でツア ー ガイ ドの

111
アルバ イ トをするとい う設定 で 日本人 の観光客 に有名な場所 を案内す
る。観光客役 は説明を聞いて、いろいろ質問 をす る。

留意点 金 閣寺 の写真や地図な どを準備 してお く。

Ⅳ .そ の他

受身文の発展練習
。受身文 は事故や事件 な どの ニ ュース な どで もよく使 われるので、『翻
訳 。文法解説』 p.77の 語彙 を参考 に文 を作 らせ た り、直近 の ニ ュー
スで知 った こ とを報告 させ た りしてみて もよい。 また、 自分 たちで
ニ ュース を創作 して、発表 しあ う活動 も考 え られ る。ただ し、 クラ
ス には いろい ろな国 の学習者が い るので、配慮 が必要である。

問題 。7「 甚五郎 の猫が い るか らだ と言われてい ます」


この「∼か らだ」の「か ら」は第 9課 で学習 した「∼か ら」 と同 じ
く理由を表 し、「∼ か らだ/か らです」の形で、先 に述べ た事柄 が
成立する理由を付 け加えるときに使 う。
「∼」 の部分 には普通形が用 い られる。
。日光東照官 の建物や彫刻「眠 り猫」 の写真 などを準備 し、紹介する。
また、関東地方在住の学習者には行 き方 を調べ させ、 日帰 り見学旅
行 などを計画 させるの もよい。

112
第 2部
各 課 の教 え方
できるようになること
。ある行為について感想、評価、好 き嫌い、上手下手などが述べ られる。
・するべ きことをし忘れたということが言える。
・情報 を知っているかどうか確かめられる。
・伝えたいことを強調 して伝えられる。


¨
¨臨
¨
一一一一麟 一一一一¨一一一
一爾 一一一一一轟
学習す る こと


¨
1.∼ のは〈
形容詞)で す 1・ 2
つ“

うZ
2.∼ のが〈
形容詞)で す 2・ 3 3・ 4
∠ェ

︵∠
う0

FD
3.∼ の を忘れ ま した う0

/0
FD

4.∼ の を知 ってい ます

/0

う0
5.∼ のは〈
Eυ

名詞)で す 4 7・ 8

I.新 出語彙 導入の留意点

・育 てます 「花/動 物/赤 ちゃん/子 ども/人 を育てます」


。掛 けます [か ぎを∼] 「掛けます」 は他動詞。第 29課 で学習の「 [か ぎが]掛 か ります」
は自動詞。

大 きな/小 さな∼ 修飾用法のなで使 われる。例 :大 きな町/小 さな家

赤 ちゃん/小 学校/中 学校 『初級 I翻 訳・ 文法解説』P.157「 人の一生」 に関連語が整理 さ


れているので、参照するとよい。

113
Ⅱ口 学習項 目の 導入 と練習

1.絵 をかくのは楽 しいです。 〉のはAで す

動詞 の辞書形 に「の」 をつ け て名詞化 した ものが文の主題 にな り、何 かをす ることに


つ いての感想、評価 を述べ る。 この文型 で よ く用 い られる形容詞 は「 難 しい/易 しい」
「 お もしろい/楽 しい」「気持 ちが いい/悪 い」「危険 (な )」 「大変 (な )」 な どである。


懃箕]∼ のは∼です口四■国=コ
自分 の習慣 につい てそれが 楽 しい とか、大変 で ある とかの話題 を取 り上 げ る

“ とよい。

導入例 1 丁 :わ た しは この ごろ朝早 く起 きます。体の調子がいいです。


朝早 く起 きるのは体 にいいです。

導入例2 T:わ た しは暇な とき、 絵 をかきます。花や果物 や山や川 をかきま


す。絵 をか くのは楽 しいです。

えを か くのは たの しいです。

練習 Al 「∼のは∼ です」 の文 の形を確認 して練習する。


Bl 与えられ た文を「 ∼ のは」 の形 に変えて、それを評価す る形
容詞 を使 って文を作 る。 さらに、学習者 にとって楽 しいこと、
大変 な こと、易 しい/難 しい と思 うことなどについ て、
「∼
のは 〈 形容詞)で す」を使 って、文を作 らせる。
例 :外 国語 を勉強す るのは大変 です。
B2 質問に対 して、 「ええ、∼ のは 〈形容詞 )で す」 の形 で答え
る練習。
文作 り 国Xコ を参 考 に、「∼ のは∼ ですが、 ∼ のは∼ です」 と対
照的な ことが らを述べ る文 を作 らせ る。
例 :日 本 で大学 に入るのは難 しいですが、卒業す るのは易
しいです。

留 意点 文を作 らせる場合は、形容詞を指定 して作 らせたほうがよい。感想、評価を


述べ る文にならない場合がある
例 :× パーティーをするのはうるさいです。

2.わ た しは星 を見 るのが好 きです。 〈V辞 書形)の がAで す


動詞の辞書形に「の」をつけて名詞化したものが「わたしは 〈 名詞)が 好き/嫌 いです」
「∼さんは 〈 名詞〉が上手/下 手です」(第 9課 )の (名 詞)の 部分に用いられ、何か
をすることについての嗜好、能力を表現する。この文型でよく用いられる形容詞は「好
き (な )/嫌 い (な )」 「上手 (な )/下 手 (な )」 「速い、早い/遅 い」などである。

114
第 2部
蜃躊凩辟 ∼のが∼です 國四口 回 匝区亘 }

=コ
自分 または家族の好 きなこと/嫌 いなこと、得意なこと、習慣 などを取 り上

各 課 の教 え方
げ る。

導入例l T:わ た しのうちは田舎です。夜は星がとてもきれいです。いつも


見ています。わた しは星を見るのが好きです。

導入例2 T わた しのお じいさんは毎朝 5時 に起 きます。


朝起 きるのが早 いです。寝 るのが早 いですか ら。
お じいさんは毎朝 うちか ら近 くの神社 まで散歩 します。
40分 かか ります。わた しな ら 10分 です。


爾一
お じいさんは歩 くのが遅 いで す。

わた しは ほしを みるのが すきです。


お じいさんは あるくのが おそいです。

23
BQ

練習 「 ∼ のが ∼ で す」 の文 の形 を確認 して練習 す る。
A  B

与 え られた文 を「 ∼ のが ∼ です」 の文 にす る練 習。
学習者 に実際の場合 を質問す る。B3の 文 を参考 にす る とよい。
例 :家 族 でだれが い ちばん起 きるのが早 い ですか。
4 一誦

ペ ッ トを飼 うのが好 きですか。


質問 に対 して「 ええ」 で受 け、そ の理 由を「 ∼ のが好 き/嫌
い、上手 /下 手、 はや い/遅 い んです」 で答 える練習。
回 を参 考 に、人の家 を訪 ねて行 き、家 の何 か をほめ る。
=コ
ほめ られた人 は礼 を言 って、 それについ て一 言添 える。
例 Sl:す て きないす で すね。
S2:あ りが とうござい ます。 これはわた しが作 ったん
です よ。わた しは家具を作 るのが好 きなんです。
Sl:へ え、す ごいですね。
Cl 習慣 にしてい ることを話題 に話す。
発展 Aの 「そ うですね」のあ とBが Aに 尋ね る。
例 A:(そ うですね。 )

B:Aさ んはいつ も電車で本 を読むんですか。


A:え え。わた しは本 を読むのが好 きなんです。
B:ど んな本 を読 むんですか。
A:小 説が多 いです。
留意点 「∼のがはやい/遅 い」は動作をする速度が速い/遅 い場合 と、時間が早い
/遅 い場合の2通 りある。

115
3.財 布 を持 って くるのを忘れ ま した。 (V辞 書形 )の を忘れ ま した

動詞 の辞書形 に「の」 をつ けて名詞化 した ものが「∼ を忘れます」 の 目的語 の部分 に


用 い られ、 しなければならない、 またはす る予定 だったことをす るのを忘れたことを
述 べ る。


璽轟財∼のを忘れまし
た 収四回回エコ
身近 で、 誰 にで も起 こ りうる失敗 を取 り上 げる。

導入例 T:け さ起 きるのが遅 か ったです。急 いで食 べ て、急いで うちを出


ま した。駅 に着 きま した。 あ、な い。財布 がない。忘れ ました。
財布 を持 って くるのを忘れ ま した。

さいふを もって くるのを わすれました。

練習 A3 「∼のを忘れました」 の文 の形 を確認 して練習する。


文作 り 最近 し忘れた ことを言 い合 う。 いちばんた くさん忘れたこ
とを言 った人が勝ちとする と楽 しい。
B5 「∼が、∼のを忘れました」の形で2文 をつ なぐ練習。
文作 り 旅行 中留守番 の人にいろい ろ頼む文を作 る。
例 :毎 日犬 を散歩 に連れて行 くのを忘れないで ください。
C2 会社 を出たあ とで、 し忘れた ことを思 い 出 し、会社 に戻る。
。(あ 、
)い けない 何か失敗したときに自分自身に対して
発することば。
・お先に (失礼 します) いっ しょにいる人 よ り先に行動すると
きのあい さつ。 目上の人には「失礼 し
ます」まで言 う。
発展 寮や社 宅 な どを朝 一 緒 に出た同僚 が、何 か し忘れた ことを思
い 出 して戻 る場面 を設 定す る。その後、 同僚が追 いつ い てか
らの会話 も作 る。
例 A:あ 、 い けない。
B:ど うしたんですか。
A:電 気 を消すのを忘れました……。すみませんが、先
に行 って ください。
B:じ ゃ、お先 に。

B:あ 、早かったですね。どうでしたか。電気 は ?
A:消 してあ りました。

116
第 2部
4.宮 崎さんに赤 ちゃんが生 まれたのを知 って いますか。
(V普 通形〉のを知っていますか

各 課 の教 え方
「の」 の前 で述べ られて い る情報 を聞 き手が知 ってい るか どうか尋 ねる表現である。
答 えが「 いいえ」 の場合、「知 りませんで した」になる。 これは相手に質問されるまで、
質問 された情報 を知 らなかったとい う意味である。


赳頸鯰∼のを知っていますか 回=コ
最近 のニ ュースやち よっと自慢 したい知識な ど、相手 は知 らないだろ うと思
うことを話題 にす る。

導入例1 温泉に入 ってい るサルの写真 を見せて、

鉤一
T:サ ルです。温泉に入 ります。
サルが温泉に入るのを知 っていますか。

導入例2 -人 二役 をす る。
A:Bさ ん、 Bさ ん。
B:ど う したんですか。
A:宮 崎 さんに赤 ち ゃんが生 まれたのを知 っていますか。
B:え っ ? ほん とうですか。知 りませ んで した。 いつですか。
A:4月 1日 です。
B:Aさ んは何 でもよ く知 って いますね。

みやざきさんに あかちゃんが うまれたのを しって いますか。

「の」の前は動詞普通形が来ること、答えが「いいえ」の場合、「知
りませんでした」になることを説明する。

練習 A4 「のを」の前に来る動詞のフォームを確認 して練習する。
B6 与えられた文を「∼のを知っていますか」に変える練習。
談話 国 を参考 に、 うわさやニユース、自慢 したい知識を質
=コ
問しておしゃべ りを楽しむ。
例 Sl:ワ ット先生が結婚するのを知っていますか。
S2:え っ ? 知 りませんでした。だれと ?
Sl:木 村 いずみさんです。アナウンサーの。
S2:へ え。いつ、どこで会 ったんですか。

留意点 形容詞文、名詞文 の普通形 も「 の を」の前 に来 るが、 ここでは動詞 の普通形


に限って練習す る。

117
η
5.わ た しが 日本 へ来 たのは去年 の 3月 です。 V

並日

工刀

′′
いA


のはN2で す


なA 普通形



Nl ∼だ → な

文に「の」をつ けて名詞化 したものを「は」で主題としている。「〈文)の は∼です」


でいちばん言いたいところは「∼」の部分である。なお、 「〈文)の は∼」の (文 )の
中の主語は「が」に、述語は普通形になる。


陪赳蟄∼のは
∼です図
四四回
=コ
人 に言 われたことを訂正 した い場面 を作 るとよい。

導入例 教 師 は一人三役 をす る。
A:Bさ んの家族 は どこに住 んでいますか。
B:上 海 です。
A:上 海で生 まれたんですか。
B:い いえ、生 まれたのは香港です。
A:そ うですか。 日本語 はどこで勉強 しましたか。
BI日 本 へ来 てか ら勉 強を始 めま した。
A:え ? 上手ですね。 日本 へ来たのは いつですか。
B:日 本 へ来たのは去年の 3月 です。

わたしが にほんへ きたのは きょねんの 3が つです。

練習 A5 強調 したい部分 はどこか確認 しなが ら練習する。


B7 出会ってから結婚す るまでのプロセスについて「いつ」「 どこ」
「なん」の部分 を強調 して質問 し、それに答 える練習。
B8 質問 に対 し、「いい え、 ∼のは∼ です」 の文型 を使 って答え
る練習。
QA B8と 同 じ質問を学習者 にし、実際の場合 を答えさせ る。
談話 匝区 ]を 参考 に、初 めて好 きになった人 /経 験 した ことに
ついて話す。
例 A:初 めてご主人 とけんか した日の ことを覚えていますか。
B:え え。初めてけんか したのはわた しの誕生 日です。
A:ど うして誕生 日にけんか したんですか。
B:夫 は帰 るのが遅かったんです。
A:ど うしてですか。
B:夫 はわた しのプレゼ ン トを買 いに行 ったんです。
C3 旅行社 で 聞 きたい情報 を得 る。一連 の旅行 についてなので、
例→ 1)→ 2)と 続け、 さらに質問を加えるとよい。
例 :広 島で泊 まるのはどんなところですか。
この旅行 に参加す るのはどんな人ですか。

118
辞第2部 各課の教え方
発展 地域 のパー テ イー な ど、 学習者が よ く参加す るイベ ン トにつ
いて教 師が主催者役 になって質問 させ る。

Ⅲ.会 話 片 づ けるのが好 きなんです

場面 研 究室 で教 師 と大 学職員が雑談 して い る。
目標 社交会話が で きる。
表現 ・Nlと い うN2 N2は 普通名詞。Nlの 部分 には聞 き手 は知 らな
いだろ うと話 し手が判断 した物、人、所、 こと
などの名称が来 る。
・ ―冊 1、 10の 発音は「いっ」
「はっ」「 じゅっ」 と




甕 郡一一一“
¨
8、

一一鸞 一一一¨
なる。 7、 9は 、それぞれ「 し」
4、 「 しち」「 く」



ではな く、「よん」 「 きゅう」 となる。


「なな」
。はんこを押 します 「回覧にはんこを押す」 日本ではい ろいろな場
面でサインの代 わ りにはんこを押す習慣 がある
ことを説明す るとよい。

・置いといて ください 「置いておいて ください」 の縮約形 である。

・昔 その人の人生の中での「以前」の意味。

・いいです よ。 「気にしなくてもよい、かまわない」 とい う意味。


練習 内容確認 の質 問例
。大学職員はワット先生についてどう思っていますか。
・『上手な整理の方法』 という本はどこに置いてありますか。
・ワット先生は『上手な整理の方法』 という本を大学職員にあげましたか。
身につけたい会話表現
・へえ、す ごいですね。 ・ よかったら、1冊 持って来ましょうか。
。すみません。・…いいです よ。

Ⅳ.そ の他

問題 7「 何か買うときも、よく考えてから買います」
「とき」は名詞なので、 「ときに」 「ときや」「ときか ら」「ときの」
など様 な助詞を け 用 られる。『翻訳・文法解説』p.25-5
々 つ て い
参照。
6「 の」 と「こと」の使い分けの練習である。
これまでに学習した「∼こと」を使った文型は以下のとお り。
第 18課 〈辞書形〉 ことができます
趣味は 〈辞書形〉 ことです
第 19課 (た 形〉 ことがあ ります

119
で きるようになる こと
。ある事柄 が原因で、その結果 としてあ る感情 や事態 が生 じた ことを説明 で き
る。
・丁寧 に理 由を述 べ た り、弁解 した り、事情 を説明 した りす るこ とがで きる。

学習する こと

准一
露 一
諄“
騎輩

一■こ
一一
椰 │1戸 ハ │


│││‐

1.∼ て (動 詞 )、 ∼ 1・ 2

つ “  う0
2.∼ くて (い 形容詞)、 ∼

う0
∼で (な 形容詞)、 ∼
′4


︵∠

●∠

︵Z
3.∼ で (名 詞


)、 ∼

5。 6
う0

う0
4.∼ の で 、 ∼
う0

5。 6
7・ 8

I.新 出語彙 導入の留意点

・死にます 不特定の人や動物な どについて用いる。文作 りなどで知人や親族につい


て言 う場合、余裕 があれば、第 47課 の語彙「亡 くな ります」 を紹介 し
てもよい。
・太 ります/や せます 体型の変化を示す。変化 した結果の状態は「太っています/や せていま

す」
・うれしい 「楽しい」 との違いを聞かれることがある。 「 うれしい」 は、望みがかなっ
て満足 したよい気持ちを表す。例 :「 うれ しい 1 試験に合格 した」
「う
れ しい知 らせをもらった」「楽 しい生活」「勉強は楽 しい」 「楽 しい生活」
「勉強は楽 しい」。
・∼代 電気代、水道代、バ ス代
。お疲れ様で した。 目上の人に使ってもよいかという質問が出る場合がある。一般的には使
われているようだが、抵抗を感 じる人もいるので、注意が必要である。
*新 出語彙に加えて、この課では感情を示す表現を使 う場合が多いので、 「寂 しい」
「困る」 「心
配だ」「残念だ」などの語彙を合わせて復習してお くとよい。

120
第 2部
Ⅱ.学 習項目の導入 と練習

1.ニ ュ… スを 聞 いて、 び っ くりしま した。 なυ な くて、

各 課 の教 え方
て 〉

「∼て」が原因 とな り、ある結果が生じたことを表す。「∼て」のあとに意志を含んだ
表現は来ない。 この課では「∼て」のあとに主に「びっくりする」「安心する」「困る」
「うれしい」「悲 しい」「寂しい」「残念だ」などの感情を表す表現が来る文を扱 う。


舅凩│∼ て
渕 、∼國
四■回
=コ
ある ことが契機 となって、 うれ しい、残念だなどの感情が沸 き起 こった こと
を例 に挙げるとよい。

導入例 1 丁 :き のうはわた しの誕生 日で した。夫に花をもらいました。 うれ


しかったです。花をもらって、 うれ しかったです。

一9 ¨
一3 一
導入例2 丁 :き の う、道で外国人 に質 問 され ま したが、わか りませんで した。
困 りま した。外 国人 に質 問 されて、困 りま した。


導入例3 T きの うの晩、テ レビを 見 ま した。 ニ ュースが あ りま した。「今
は 8月 ですが、北海道 で は雪が 30セ ンチ 降 りま した。」 ニ ュー
スを 聞き ま した。 び っ くりしま した。 ニ ュースを聞 いて、 びっ
くりしま した。

ニ ュースを きいて、びっくりしました。

ある出来事が きっかけとなって、心 の動 きが起 こったことを述べ る


表現 で、「∼ て」のあ とには感情 を表す表現 が使 われることを説明
す る。

練習 Al 上 段 2文 こ とば を与 えて、「 〈
動 詞 て形 )、 安心 しま した」
の文 を作 らせ、形 と意味 を確 認す る。
Bl 二つの文 をて形 でつ な いで文 を完成す る練習。
文作 り 文を与 えて、「 ∼ て、 ∼」 の文 を作 らせ る。
例 :子 どもが生 まれ ました
→子 どもが生まれて、うれしいです。

∼な くて、∼
「∼ て」 の「 ∼」が動詞 の否定形 の場合 を導入す る。困った ことや寂 しさ、
悲 しさを感 じた ことを例 に挙げ るとよい。

導入例 l T:先 週 タイを旅行 しま した。 タイの人 はとても親切 で した。 いろ


いろ説明 して くれ ま した。でも、 ことばが わか りませんで した。
困 りま した。 ことばがわか らな くて、困 りま した。

121
導入例2 T:今 、 日本の大学で勉強 しています。家族 は国 にいますか ら、会
えません。寂 しいです。家族 に会 えな くて、寂 しいです。

かぞ くに あえな くて、 さび しいです。

練習 Al 中段 2文 ことばを与 えて、 「〈動詞ない形)な くて、寂 しい


です」 の文を作 らせ、形 と意味 を確認す る。
B2 二つの文 を「∼な くて」 でつ ないで文を完成す る練習。
文作 り 1 文を与えて、「∼ な くて、∼」 の文を作 らせる。
例 :漢 字が読めません→漢字が読めなくて、困っています。
文作 り2 感情 を表す ことば を与え、「∼ て」「∼ な くて」 を使 って、
文 を作 らせる。
例 :び っ くりしました
→着物 の値段 を見て、びっ くりしました。
残念です→サ ッカーの試合が見 られなくて、残念 です。
余裕 の あるクラスで は 『翻訳 。文法解説』p.89の 「気
持 ち」 の表現 を紹介 して、文 を作 らせてもよい。

2.問 題が難 しくて、わか りません。 い A セヽ て な で

「 ∼ て」 の「∼」が い形容詞、 な形容詞 の場合 も、動詞 の場合 と同様、 「 ∼ て」 はあ と


に続 く文 の 原 因、理 由 を表 す。「 ∼ て」 の あ とに意志 を含 んだ表現 は用 い られ な い。
ここでは「 ∼ て」 のあ とに可能動詞 の否定形や、可能の意味 を持つ動詞 「できます」「わ
か ります」 な どの否定形が来 る もの を中心 に扱 う。


菫 て/∼ で、∼ 回 回
璽赳∼く =コ =コ
ある こ とがで きな い、や り方がわか らない な どの場合 を取 り上 げ る。 導入 の
前 に、可能動詞 の復習 を してお くとよい。

導入例 1 T:友 達 が言 いま した。「日曜 日、 い っ しょにハイ キング に行 きま


せ んか。」 日曜 日は都合 が悪 いで す。 ノヽイキングに行 けません。
わ た しは言 いま した。「すみ ませ ん。 日曜 日はち ょっと都合が
悪 くて、行 けません。」

導入例2 丁 新 しいコンピュー ターを買 いま した。 これは説明書です。 (パ


ラパ ラめ くって)こ とばが難 しいです。わか りません。 ことば
が難 しくて、わか りません。説明が複雑です。説明が複雑で、
わか りません。

ことばが むずかしくて、わかりません。
せつめいが ふくざつで、わかりません。

122
Al

第 2部
練習 下段 2文 ことばを与 えて、「〈 い形容詞〉 くて、 (な 形容詞〉
で」 の文を作 らせ、形 と意味を確認する。
B3 二つの文 を「 ∼ くて」「∼で」 でつ ないで、完成する練習。

各 課 の教 え方
さらに、文 を与 えて、練習 させる。
例 :隣 の大が うるさかったです 。勉強で きませ んで した
→ 隣の大が うるさ くて、勉強で きませんで した。
交通が不便です 。学校 に通えません
→交通が不便で、学校 に通えません。
QA 質問 に対 し、「∼ くて」「∼ で」 を使 って、理 由 とともに否定
形 で答 えさせ る。
例 :図 書館 の行 き方はわか りましたか。
→ いい え、道が複雑で、わか りませんで した。
きの うの試験 は全 部答 えられましたか。
→ いい え、問題が難 しくて、答えられ ませんで した。

一9 一
一3
Cl 理由を言って、誘 い を断る。
「都合が悪 くて……」 の「……」 の部分は「行けません」だが、
自然な会話では言わないこ とが多 い。 ここではAが 「行けま
せんか」 と確認 してい るが、 さらっと言 うよ うに指導す る。
発展 行 く日時や場所、理由を自由に変える。
B「 また今度お願 い します」 の代 わ りに「来週 はどうですか」
など代案を出 して、交渉する。

留意点 「うるさくて、寝ません」など、「∼て」のあとに意志的表現を使 う間違いが


多い。「∼て」がきっかけとなって、 自分の意志とは関係なく、ある状態になっ
たことを表す。意志的表現を使わないよう、十分注意を促す必要がある。

3.地 震 で ビルが倒 れ ま した。 Nで ∼


事故、事件、出来事、災害などが原因で、ある事態に至ったことを表す場合、その原
因は「〈名詞)で 」で示される。


眩瞼鯰∼で∼ 図四口匝区コ
多 くの 人が知 っているよ うな災害 な どを取 り上 げる とわか りやす い。

導入例 丁 :2011年 3月 に 日本 で 大 きな地震があ ったのを知 っていますか。


地震で ビルがた くさん倒れ ま した。地震 で原発 (訳 語 を見せ る)
が壊れ ま した。津波があ りま した。 津波 で人が大勢死 にま した。

じしんで ビルが たおれました。

練習 A2 名詞〉で∼」の文の形と意味
原因となる語彙 を入れ替え、「〈
を確認する練習。


さらに、火事、事故な どの語彙 を与 える。
B4 イラス トを見 なが ら、「〈名詞〉で∼」の文 を作る練習.
文作 リ テーマ を与 え、知 っている出来事 を発表 させる。
例 :火 事 → 1950年 に火事で金閣寺が焼 けま した。
病気 →毎年 イ ンフルエ ンザで学校が休みにな ります。
C2 首相 についての噂話 をする。
発展 有名人、知人などに話題を広げる。

4.体 の調子が悪 いので、病院へ 行 きます。 V 普通形


いA
ので、 ∼
なA 普通形
N ∼だ → ∼ な

「∼ ので」 は第 9課 で学習 した「∼ か ら」 と同様、原因 。理由を表す。「∼か ら」は話


し手が 自分 の考えを表現す る際、その理由を聞 き手に明確 に伝 えた いときに使 うのに
対 し、「∼ので」 は現実 にある、 またはす で にあった事態や状況 の事情説明 をするも
ので ある。聞 き手に対す るイ ンパ ク トが弱 いため、許可 を求 める際の理由や弁解を柔
らか く表現す るのによく用 い られる。


轟亜国∼ので、∼
許可 を求 めた り、依頼 や弁解 を した りす る状況 を提示す る とよい。

導入例 1 T:Sさ んはきの う授業 を休 みま した。 どうして ?


S:か ぜ をひきま したか ら、休みま した。
丁 :か ぜ をひ いたので、休 み ました。

導入例2 T 5時 です。仕事が終わ りました。会社の人が言 いました。「ちよっ


と飲 み に行 きませ ん か。」 Sさ ん は用事が あ ります。何 と言 い
ますか。
S すみ ません。用事が あ りますか ら、帰 ります。
T すみ ません。用事があるので、お先 に失礼 します。

導入例3 丁 Sさ ん は日本人 に道 を聞 きま した。でも、 日本語 の説 明 が難 し


いで す。 よ くわか りません。英語 で話 して くださいとお願 いし
ます。何 と言 いますか。
S よ くわか りませんか ら、英語で話 していただ けませんか。
丁 よ くわか らな いので、英語 で話 していただ けませんか。

ようじが あるので、おさきに しつれいします。


よく わからないので、えいこで はなして いただけませんか。

誘 い を断るとき、お願 いす るとき、今の状態 を説明 した り、弁解 し


た りす るとき、その理由を示すのに「 ∼か ら」ではなく、「∼ので」

124


■一
第 2部 一各 課 の教 え方
を使 って、丁寧 さを表す と説明す る。

      ・
例 :危 ないか ら、触 らないで ください。
用事があるので、お先に失礼 します。


練習 A3 上 段 4文 「ので」の前 に、 動詞 の 普通形 が 来 る例。 二 つ の
文 をつ ない で、 形 と意味 を確認す る。
B5 二つ の 文 を「 (動 詞普通形 )の で」 で つ な いで、文 を完 成 す
る練習。
文作 り 文 を与 え、「 ∼ ので、 ∼ 」 の文 を作 らせ る。
例 :辞 書 を忘 れ ま した
→ 辞書 を忘れたので、 貸 して い ただ け ませ んか。


茫璽囲∼いので/∼ なので、∼図四
口回
=コ
「 ので」 の 前 にい形容詞、 な形容詞、名詞が使 われ る場合 を導入す る。

導入例 右のようなイラス トを見せて一人三役で ◎



:き ょうはこれで終わ ります。

││:● :・ :1:'.:セ

:え っ ?
`"
どうしてですか。

:わ た しは体 の調子 が悪 いで す。病院 ヘ


行 きます。体 の 調子 が悪 いので、病 院
へ 行 きます。

:そ うですか。お大 事 に。

:じ ゃ、皆 さんは勉 強を続 けて くださ い。


あ したは試験な ので、頑張 って勉強 します。

か らだの ちようしが わるいので、びょういんへ いきます。


あ したは しけんなので、べ んきょうします。

「 ので」 の前 にな形容詞、名詞が来 る場合 は「∼ なので」になるこ


とに留意 させ る。

練習 A3 下段 3文 「ので」 の前に、形容詞や名詞の普通形が来 る例。


二つの文をつ なぎ、形 と意味 を確認す る。
B6 形容詞/名 詞普通形〉 ので」 でつ なぎ、文 を
二つの文 を「 〈
完成する練習。
B7 二つの文 を「ので」でつ な ぎ、文末 を「∼ て もいいです か」
に変え、丁寧に許可を求める練習。
さらに、動詞文、形容詞文、名詞文 を混ぜて、練習 させ る。
例 :わ か らないことばがた くさんあ ります 。辞書 を見 ます
→ わか らないことばがた くさんあるので、辞書 を見て も
いいです か。
B8 質問 に対 して、「∼で」「 ∼ ので」を組み合わせて答える練習。

125
C3 ホテルのフロン トに苦情 を言 う。
発展 古 びた、問題の多 いホテルに泊 まった とい う設定で、テキス
ト以外 の苦情 を言 う。
例 :窓 /ド アが閉まらない、鍵がかか らない、水が止 まらな
い、 トイ レの電気がつ かない……
「す ぐ伺 い ます」 ではな く、「あと
フロン ト役 は教師が行 い、
で」「○○時 ごろ」な どと答 え、 さらに交渉を続け る。

Ⅲ日会話 遅れ て、すみません

場面 会議 の 時間 に遅れ、上司に理 由を説明 して謝 る。


目標 人 に迷惑 をかけた とき、丁寧 に理 由を説 明 して謝 ることがで きる。
表現 ・遅れて、すみません 例文 4の 「遅 くな って、すみ ませ ん」 と同様、
遅れた ことで 申 し訳ない気持ちになっていると
い う意味の慣用表現。
。途 中 で 前に動詞の辞書形、または「〈 名詞)の 」が来る。
例 :こ こに来る途中で田中さんに会 い ました。
会議の途中で寝 てしまいました。

・ケー タイをうちに忘 「……」 は「電話 で きませ んで した」 の省略を



れて しまって…… 示す。謝 った り、弁解 した りす るとき、最後ま
で言 わないことでため らいや申し訳ない気持ち
を表す。

・ どうもすみませんで 過去の出来事 に対 して謝罪するとき、「∼でした」


した になる。
練習 内容確認 の質問例
・ ミラー さんはどうして会社 に遅れましたか。
。どんな事故 で したか。
。どう して ミラー さんは課長 に連絡 しなかったんですか。
身につけたい会話表現
・遅れて、すみません。
・実 は∼ んです。
。それは大変 で したね。
。どうもす みませんで した。
発展 約束 の時間に遅れるので、電話で理由を言 って謝 り、 どの くらい遅れ
るか伝 える。
例 。事故 で電車が止 まって しまった。30分 ぐらい遅れる。
・家 を出る とき、お客 さんが来た。す ぐ出 られなかった。10分
ぐらい遅れる。
・ 出る前 に、気分が悪 くなった。少 し休 んでいた。今か ら家を出
る。20分 ぐらい遅れる。

126

第2部”
露一

t          暴¨
・ 自転車 で駅へ 行 く途 中で転 んで けが を して しまった。今、病 院

        =
にい る。 けが は大丈夫だが、今 日は行 くの をやめ る。

各課の教え方
Ⅳ.そ の他

問題 ・7「 洋服 を着 るようになった」
第 36課 「 〈
可能動詞〉 よ うになった」で、で きなかった ことがで き
るようなったことを表現す る文型 を学習 した。可能動詞以外 の動詞
が使 われる場合 は、以前 はなかった新 しい習慣が身についたとい う
意味 になる。『翻訳 。文法解説冊』 照。
P.72-2参
結婚式、葬式、成人式、正月などの着物姿 の写真 を準備す るとよい。

例文 ・6「 布団」 にな じみの ない学習者が い る場合 は、写真 な どを用意


●3 一
す るとよい。ベ ッ ドと違 い、たたんで しまえる ことなどを説明す る。

9一 一

127

蜀鶯隧鰺
できるようになること
・疑問文 を文の一部 に組み込んで、疑間に思ってい ることについての感想、判
断またはそれに基 づ く行動 が表明できる。
・やってみようと思 うことが言 える。

学習する こと

1.疑 問詞 ∼ か、 ∼ 1・ 2・ 3 1・ 2

︵Z
^Z


2.∼ かどうか、∼ 5 4


4・ 3・

う0
う0

′0

う0
3.∼ てみます 5・ 6。 7

Iコ 新 出語彙 導入 の留意点

。うまくいきます 「発表/試 験が うまくい きます」


。相談 します 自分か ら相手 に話を持ちかけるとき :「 先生や両親 に相談 します」
一緒に話 し合 うとき :「 友達 と相談 します」

・ 必要 [な ] 叙述用法で用 い るとき、対象 は「が」で表す。「ビザが必要 です」


・ 長 さ/重 さ/高 さ/ い形容詞の「 い」が「さ」になることによって、程度を表す名詞 となる。
大 きさ
。 一
本 1、 6、 8、 10は 「いっぽん」
「ろっぼん」「はっぽん」
「じゅっぽん」
、3
は「さんぼん」 と発音することに注意。


杯 1、 6、 8、 10は 「いっぱい」「ろっぱい」「はっぱい」
「じゅっぱい」
、3
は「さんばい」 と発音することに注意。
・ 一セ ンチ、 一 ミリ、 長 さ、重さの単位は『翻訳・文法解説』p.95「 単位・線・形・模様」
一グ ラ ム を参照。
・ ∼ 以 上 /以 下 「∼」を含めてそこから上/下 。

128
暇第2部 t各課の教え方
Ⅱ口学習項 目の導入 と練習

1.JL1 07便 は何時 に到 着す るか、調べて ください。


V
普通形
いA
疑 問詞 か、 ´

なA 普通形
N ∼だ

疑問文を文 の中に組み込む とき、組み込 まれる文が疑問詞 を含む場合、その文 は「疑


問詞 ∼か」の形 にな り、「か」 の前 は普通形 になる。ただ し、な形容詞 と名詞 の非過
去肯定 の「∼ だ」の「だ」は落ちる。
なお、「か」 のあとに来る動詞は「覚える」「忘れる」「知る」 「わかる」「見る」「聞 く」

「心配だ」「調 る」「相談す る」「数える」などである。

国はれは]疑 問詞∼か、∼ 口四■ 国 回 回


=コ =コ =]
自然災害な ど予測 で きない (わ か らない)こ とを話題 にした り、何かの情報

鑽0 一


を得 ようとネ ッ ト検索 してい る場面 を設定す る。

導入例 l T:日 本 は台風や地震が多 いです。


台風 はいつ来 ますか。天気予 報 でわか ります。
でも、地震 はいつ来 ますか。わか りません。
台風 はいつ来るか、わか りますが、
地震 はいつ来 るか、わか りません。

導入例2 -人 三役 をす る。ス マ ホをい じって い る同僚 に聞 く。


A:何 を見ているんですか。
B:JL1 07便 は何 時 に到着 しますか。調べ ています。
JL1 07便 は何 時 に到 着するか、調 べ ているんです。
A:JL1 07便 にだれが乗 って いるんですか。
B:友 達が乗 って いるんです。

JL1 07び んは なんじに とうちゃくするか、 しらべて います。

「か」の前が普通形 (但 し、「∼だ」の「だ」は落ちる)に なること


を確認する。

練習 Al 「疑問詞 ∼ か、∼」 の文 の「か」 の前 に来 る普通形 の形 を確


認 しなが ら練習する。
「∼疑 問詞か、∼」 になる文 を練
さらに、1例 文コ を参 考 に、
習する。
例 :東 京 まで い くらですか。
→東京 までい くらか、わか りません。
Bl 二つの文 をつ ないで「疑問詞∼ か、∼」 の文 を作 る。

129
B2 相談 した り、研究 した り、調べ た りしていることが何 である
か とい う質問 に疑問詞疑問文を文の中に組み込んで答 える練
習。
文作 り 今心配 してい ることや知 りたいことなどを言 う。
例 :地 球が いつ で きたか/終 わるか、知 りたいです。
QA 回 を参考に「∼ を知ってい ますか」 を使 って質問す る。
例=コT:漢 字 はいつ 日本へ来たか、知 ってい ますか。
Sl:は い、知 ってい ます。3世 紀 ごろだと思い ます。
S2:い いえ、知 りません。
談話 ペ アを組み、回 第 38課 B7を 活用 して談話 を作 る。
例 =]とー トで食べ たのは何か、覚えてい ますか。
Sl:初 めてのデ
S2:も ちろん覚えてい ます。フランス料理です。
Sl:ど こで食べ たんですか。
S2:昔 の ことなので、 どこで食べ たか、 もう忘 れて し
まい ました。
Cl 日本語 の発表会のテーマ について話す。
さらに、発表会のテーマ として適 当なものを考えて会話す る。
発展 発表会 を聞きに行った人が、後 日テーマ について感想 を述べ
る。
例 B:Aさ ん、発表会 はとて もお もしろか ったです。
A:あ りが とうござい ます。
B:日 本 の若い人が何 を考えているか、 よくわか りまし
た。

留意点 □区]の ように、組み込まれた文の文末が疑問詞の場合、「∼疑問詞か」に


なる (例 :東 京までい くらですか→東京までい くらか、わかりません)こ と
に注目させ、「なんですか」の場合 は「なにか」になることに留意させる。
例 :こ れはなんですか。
→ これはなにか、わか りますか。
V い な N

2.台 風 9号 は来 るか どうか、 まだわか りません。


並日  並日 ”

形 形
通 通 だ

A A

かどうか、∼


疑問文を文の中に組み込むとき、組み込まれる文が疑問詞を含まない場合、その文は
「〈普通形〉か どうか、∼」の形になる。ただし、な形容詞と名詞の非過去肯定の「∼
だ」の「だ」は落ちる。


赳赳舅∼かどうか、∼ 國四□回=コ 回=コ
何 かの情報 を得 よ う とネ ッ ト検索 して い る場面 を設定す る とよい。

導入例 一 人二役 をす る。ス マ ホをい じって い る同僚 に聞 く。



A:何 を見ているんですか。

第 2部 一各 課 の教 え方
B:天 気予報です。台風が心配なんです。
週末 に旅行 に行 く予定なんです。
A:そ うですか。台風 は来るんですか。
B:ま だわか りません。
台風 は来るか どうか、わか りません。

たいふ うは くるか どうか、わか りません。

「か」の前が普通形 (但 し、「∼だ」の「だ」は落ちる)に なること


を確認す る。

練習 A2 「∼かどうか、∼」の形を確認 し、練習する。
B3 与えられた2文 を結合 して、 「∼かどうか、∼」の文を作 る。
B4「何をしているんですか」とい う質問に対 して、 「∼かどうか、

一0 =
∼ているんです」 という形で答える練習。

t′﹃=
文作 り 就職や結婚するにあたって会社や相手について知 りたいこ
とを述べ る。
例 :休 みはどのくらいとれるか、知 りたいです。
子 どもが好きか どうか、知 りたいです。
QA 「∼かどうか/∼ ないかどうか、∼」を使 って答えるよう指
示 して質問する。
例 l T:タ ワポンさんは彼女がいますか。
→ S:さ あ、いるかどうか、知 りません。
例 2 T:空 港で飛行機に乗るまえに何を調べ ますか。
→ S:ナ イフなどを持っていないかどうか、調べ ます。
C2 イベ ン トに参加す ることを決めたかどうか聞く。
「申し込み」は「申し込みます」の名詞の形である。『翻訳 。
文法解説』P。 43-6参 照。

∈憂菱∋A2の 「傷がないかどうか」と口Xコ およびB3-2)の 「まちがいがないか


どうか」 、について、どうして「あるかどうか」ではなく、 「ないかどうか」
なのかと疑間を持つ学習者が多い。「あること」ではな く「ないこと」 に重
点があるため「 ないかどうか」になると説明する。

3.こ の服 を着てみてもいいですか。 (Vて 形〉みます

「(動 詞)て みます」は、試しにするという意味を表す。


財颯赳∼て
みます図
四□回
=コ
買 い物 の とき、買 うか どうか決める前に、試 しに着た り、履 いた り、食べ た
り飲んだ りす る場面 を想定する。

131
導入例 T きの うデパー トヘ 行 って、すてきな服を見 ま した。欲 しいです。
買 いた いで す。でも、サ イズが合 うか どうか 、わか りません。
店員 に聞 きます。 この 服 を一度着 てみます。 いいですか。 この
服を着てみても いいですか。

この ふ くを きて みても いいですか。

練習 A3 「∼てみます」 の形 と意味を確認 して練習す る。


B5 買 い物に行 って、買 う前 に試 しにすることへ の許可 を得 る。
B6 ある問いかけや発言に対 して、与えられた 2文 を結合 して「∼
か どうか、∼ てみ ます」の形で答 える。
B       C  癸
7       3  鋼

絵 を見て、「∼ た ことがないの で、∼てみた いです」 の形で


文を作 る。
さらに、学習者 自身の経験 と願望について語 らせる。
日本 の観光地な どを話題に経験 を尋 ね られ、経験 してみたい
と答える。
学習者 どうしで、ほかのお もしろいイベ ン トを経験 した こと
があるか尋 ね合 う。
あ った ら、 いつ経験 したか、 どう思 ったかに話を広 げ る。
例 A:盆 踊 りに参加 した ことがあ ります か。
B:は い、あ ります。
去年 の夏に、徳島の阿波踊 りに参加 しました。
A:ど うで したか。
B:朝 まで寝 ないで踊 りました。
とても楽 しかったですが、ち ょっと疲れました。
A:そ うですか。わた しも参加 してみたいです。
B:え え。ぜ ひ参加 してみて ください。
留意点 「祗園祭を見てみたいです」 と「祗園祭を見たいです」の違いについて質問
が出ることがある。前者は「∼てみます」を使 うことによって、 「できれば」
とい うニュアンスが加わ り、「∼たい」よりも、控えめに願望を表 している。

132
第 2部
Ⅲ.会 話 友達ができたかどうか、心配です

場面 母親が子 どもの学校 へ 面談 に行 く。

各 課 の教 え方
目標 心配 ごとの相談が で きる。
表現 ・ どうでしょうか 「どうですか」 と同じ意味で、丁寧な言い方。
。友達ができたかどうか 第 27課 で学習 した「 スーパー/建 物 /ご 飯が
で きます」 と同 じ用法で、存在 しなかった も
のが 存在す る状態 になった こ とを意 味す る。
例 :友 達 /新 しい家族 /子 どもがで きます
。ところで 会話の途中で、話題を変えるのに使う。
練習 内容確認の質問例
・ハ ンス君はた くさん友達がい ますか。
・ハ ンス君は、勉強 は大変 だと言 っています か。
・ハ ンス君 のお父 さんは運動会 を見 に行 きますか。
身につ けたい会話表現

一0 一
一4 一
・ハ ンス はどうで しょうか。
・ 友達 がで きたか ど うか、心配 なんですが ……。
。安心 しました。
。ところで
。これか らもよろしくお願 い します。
発展 日本語学校や大学、様 々な教室に通 っている学生、生徒 自身が、そ こ
の先生 または担 当者 と成績や生活 な どについて懇談す る。「身につ け
たい会話表現」を必ず使 うように促 す。

Ⅳ.そ の他

問題 7 1968年 当時 の 3億 円は現在 のお金 でい くらに相 当す るか、 また、


犯人が わか らない まま時効 になった ことを説明す る。 犯 人は どんな
男か、3億 円をどう使 ったか、犯人はその後の人生は幸せだったか
どうかなどについて話し合う。
蜻赳鰺涸陽
できるようになること
。上下や親疎 の関係 をわきまえた授受表現 を使 うことがで きる。
・丁寧な依頼がで きる。

1.∼ をいただきます

︵Z

︵∠
2.∼ をくださいます

う0
3.∼ をや ります
う乙

う0

4ュ
つん

4.∼ ていただきます

4ェ
う0

FD
5.∼ て くださいます
う0

FD

/0

︵Z
6.∼ てや ります
rD

6・ 7
′0

Oё

う0
7.∼ て ください ませんか
7′

I.新 出語彙 導入 の留意点

。親切 に します 身内の人には使わないことに留意。


。お祝 い/お 見舞 い 「∼ をあげます」「∼ に 〈
物)を あげます」 の形で扱 う。具体的な行動は
「お祝 い をします」「お見舞 いに行 きます」 と言 う。
贈答に関する情報 として 『初級 I翻 訳 ・文法解説』p.151「 贈答 の習慣」
を参考 にしてもよい。
。か わ い い 主に子 どもやペ ッ トについて使 う。最近 では「かわいいお じい さん/お
ばあさん」のように使 われることもあるが、日上の人については使わな
い方が望ましい。

この 間 どの程度前 のことなのか、人によって感覚は違 うが、1、 2か 月前 まで


のあるとき。
一第 2部 一各 課 の教 え方
Ⅱ口学習項 目の導入 と練習

第 7課 で「あ げます」「 もらい ます」、第 24課 で「 くれ ます」 の授受表現 を学習 した。


この課 では「 いただきます」「 ください ます」「や ります」 を導入 し、人間関係 の上下
や親疎 による使 い分けを学習す る。

1.わ た しはワット先生 に本をいただきました。 わたしは 人 )に Nを いただきます

「いただきます」を使う。
「もらいます」ではなく、
目上の人から物をもらう場合、


菫藝]わ た
蟹 し 人)に ∼をいただきます 口四■
はく
目上 の人か ら物 をもらった経験 を話題 にする。第 7課 で学習 した「 もらい ます」
お よび、 これ までに学習 した 身分 を表す語彙 (家 族呼称、役職名 な ど)を 復
習 してお くとよい。『初級 I翻 訳 ・ 文法解説』 p.49、 P.133が 参考 になる。

導入例 l T:わ た しは先月、病気 で入 院 しま した。 いるいるな人 にお見舞 い


をも らいま した。弟 に CDを も らいま した。友達 に果物 をも ら
いま した。部長 に花 を いた だきま した。


導入例2 きの うはわた しの誕生 日で した。わた しはプ レゼ ン トをた くさ

諄 一

■4 ■ 一
んも らいま した。妹 に八 ンカチをも らいま した。彼 にバ ッグを
も らいま した。英語の先生 に本 をいただきま した。

[わ た しは]せ んせいに ほんを いただきま した。


かれに バ ッグを も らいま した。
いもうとに 八ンカチを も らいま した。

がダジ
せ んせ い │こ

わた しは 暑上生三二 か れ に
`ヽ

ミ いもうとに

「もらいます」ではなく「いただきます」
目上の人からもらう場合、

を使うことを『翻訳 文法解説』P.102の ような図を示して説明す
る。

練習 Al 「〈人)に 」 の 〈
人〉 を入れ替えて文 を作 り、形 と意味を確認
す る練習。
Bl イラス トを見なが ら、相手の感想に対 し、「 もらい ます」「い
ただ きます」 を使 い分 けて、誰か らもらったかを言 う練習。
練習 の前 に、「 もらい ます」「 いただ きます」 のた形 を確認 し
てお く。
QA 質問に対 し、動詞 の使 い分けに注意 しなが ら、答 えさせ る。
例 :誕 生 日にブ レゼ ン トをもらい ましたか。だれに何 をもら
い ましたか。

135
大学 に入ったとき、プレゼ ン トをもらい ましたか。だれ
にもらい ましたか。

2.田 中 さんがお皿を くださいま した。 が わた しに )Nを くださいます

目上の人が何かをくれる場合、
「 くれます」ではなく、
「くださいます」を使う。


匡熙 人)が
⑮く (わ たし ださいます 回
に)∼ をく
=コ
項 目 1と 同様、 い ろ い ろな立 場 の人が物 を くれ る状 況 を設 定す る。 第 24課
で学習 した「 くれ ます」 を復習 してお くとよい。

導入例 l T:き の うはわた しの誕生 日で した。 いるいるな人がプ レゼ ン トを


くれ ま した。 姉 がセーターを くれ ま した。 彼がバ ッグを くれま
した。 ピアノの先生が手袋 を くだ さいま した。

導入例2 T:先 月結婚 しま した。 いるいるな人がお祝 いを くれ ました。


妹 が 花瓶 を くれ ま した。友達 のカ リナ さんが絵 を くれ ま した。
田中課長がお皿 を くださ いま した。

かち ょうが お さらを くださいました。


ともだちが えを くれました。
いもうとが かびんを くれました。

かちようが く慾 レ
)ょ

ともだちが 二隻主生, わた しに


い もうとが メノ

目上の人が くれる場合、 「 くれます」ではなく「 くださいます」を


『 ・
使 うことを 翻訳 文法解説』P。 102の ような図を示して説明する。
「 くれます」「 くださいます」の受け手は当然「わたし」なので、 「わ
たしに」は言わずに文を言わせる。

練習 A2 与 え手「 (人 )が 」 の (人 )を 入 れ替 えて文 を作 り、文 の形


と意味 を確認す る練習。
B2 Blの イラス トを見なが ら、相手 の感想 に対 し、「 くれます」
「く
ださい ます」 を使 い分けて、誰が くれたかを言 う練習。練習
の前 に、「 くれます」「 ください ます」のた形 を確認 してお く。
文作 り 自分 の持ち物について、誰が、 いつ くれたか説明させ る。
例 :こ の本 は卒業式 に先生が ください ました。
談話 「い ただ きます」「 もらい ます」「 くだ さい ます」「 くれ ます」
の使 い分けを練習 させ る。
例 :Slの 誕生 日にプ レゼ ン トをあげ、それについ て話す場
面を設定する。Sl以 外の学習者に「部長」
「先生」「友達」
第 2部
「妹」な どの役割 を書 いた ネーム プレー ト (名 札)を つ
けさせて、「誕生 日おめで とうござい ます」 と言 い、Sl
に様 々なプ レゼ ン ト (写 真やイラス トで もよい)を 渡す。

各 課 の教 え方
その後、教師がSlに 尋ね、Slが 答 えるや りと りを行 う。
T:Slさ ん、すて きな帽子ですね。
Sl:こ れですか。誕生 日に部長が くださったんです。
T:こ のかばんは ?
Sl:妹 にもらったんです。
T:き れいな写真 の本 ですね。買 ったんですか。
Sl:い いえ、先生にいただ きました。
留意点 「〈人)が ∼をくださいました」となるのはどうしてかという質問が出るかも
しれない。 「 くれます/く ださいます」は受け手の「わたし」になされた行
為であることは自明で、動作主「だれが」の部分が聞き手にとっての新情報
となるので、 「〈人)が 」 を使うのが自然である。

3.わ たしはサルにえさをやります。 わたしは∼にNを や ります

¨
弟や妹、子 どもや孫など目下の人、動植物などに物をあげる場合、「あげます」では

鷲 一
撃饉■ 一
■●● ′■● ”
なく、
「や ります」を使う。


は∼に∼をやります 回文
睡亘憂]わ たし コ
子 どもの誕生 日、 ペ ッ トや植物 の世話 な どの状況 を設定す る とよい。

導入例 1 丁 :わ た しは花 を育てています。毎 日花 に水 をや ります。


ペ ッ トが います。 白い猫 です 。毎 日猫 にえさをや ります。

導入例2 丁 家族 の誕生 日に皆 さんは何 をあげますか。わた しは夫の誕生 日


に夫 にネクタイをあげま した。子 どもの誕生 日に子 どもに絵本
をや りま した。 うちに犬 もいます。犬 の誕生 日に犬 に肉をた く
さんや りま した。

わた しは こどもに えほんを や りました。

目下 の人や動植物 には「あ げます」 ではな く、「や ります」 を使 う


ことを説明する。

練習 A3 与 える相手 と与 える物 を入れ替えて文 を作 り、文の形 と意味


を確認す る練習。
B3 イラス トを見なが ら、 「∼ に∼ をや ります」 の文を作 る練習。

∈肇菱∋ 最近では「や ります」の代 わ りに「あげます」 を使 う人も多 くなっている。


「や ります」 をぞんざいに感 じる人がいる。
年代や地域差 もあるが、

137
4.わ た しは先生 に漢字 のまちがいを直 していただきました。
(Vて 形 )い ただ きます

人)に ∼ て もらい ます」を


第 24課 で、人か ら行為 による恩恵を受ける場合 の表現 「 〈

学 んだ。「わた し」ある は「わた し のグル ー プに属す る人」が 目上の人あるいはあ
まり親 しくない人か ら行為 による恩恵を受 け る場合 は、「∼ていただきます」 を使 う。


匡嚢蜃∼ていただきます 図四口回=]
友達、 日上 の 人 な どにいろいろ して もらった こ とを列挙す るとよい 。

導入例 l T:わ た しは結婚する とき、た くさんの人を招待 しま した。


大学の友達 に来 ても らいま した。大学 の先生 に来 ていただきま
した。
先生 にお願 い して、ス ピーチを していただ きました。

導入例2 ミラー さんのイラス トを見せ、 ミラー さんの立場で話す。


T:わ た しはミラーです。
日本 へ 来 てか ら、 いるいろな人 に親切 に してもらいま した。
隣 の家 の子 どもに 日本 の歌を教 えてもらいま した。
友達 に日本語を英語 に翻訳 しても らいま した。
先生 に漢字のまちが いを直 していただきま した。

わたしは せんせいに かんじの まちがいを なおして いただきました。

練習 A4 「先生」 の行為 を入 れ替 えて文 を作 り、文の形 と意味 を確認


す る練 習。
B4 目上 の相手 と親切 な行為 を入れ替えて文 を完成す る練習。
3)、 4)は 「 いただ きます」 (非 過去)に なることに注意。

さらに、 ことば を与 えて、練習 させる。


例 :ホ ームス テイの家族のお母 さん 。毎週料理を教 えます
→ ホームステイの家族 のお母 さんに毎週料理 を教 えてい
ただきます。
文作 り どんなときに、 誰 に何 をして もらったか、発表 させ る。
例 :日 本人の家 に招待 された とき、お母 さんに生け花 を教
えていただ きました。お父 さんに相撲 について説明し
ていただ きました。

5.部 長の奥 さんがお茶 を教えて くださいま した。 (Vて 形〉くださいます

第 24課 で他 者 が「わ た し」 に行 為 に よる恩 恵 を与 え る場合 の 表現 「∼ て くれ ます」


を学 んだが、 日上の人が行為 による恩恵 を与 える場合 は「 ∼ て くだ さい ます」 を使 う。
「∼て くださいます」には
「∼ていただきます」 とほぼ同じ意味で使 うこともあるが、

相手が自発的に恩恵行為を行ったという ュアンスが含まれる。行為を受ける側は「わ
“第2部 一各課の教え方
“      一

﹂一
たし」であ り、「∼て くれます」 と同様、「∼て くださいます」を使うときも受け手の

一 一 
        ヽ


「わたし」は省略される。

■ 


∼て くださいます 口四口 回
=コ
目上 の人が話者の願望 をかなえて くれた り、困った場面 で助けて くれた りす
るような状況 を提示するとよい。

導入例 l T きの う、仕 事が終わ って帰 る とき、 雨が降 りま した。わた しは


傘があ りませんで した。 困ったな……。部長が言 いました。「タ
クシーで帰 るか ら、駅 まで送 るよ。」
部長が駅 までタクシーで送 って くださ いま した。

導入例2 ミラー さんのイラス トを見せ、 ミラー さんの立場 で話す。


T:わ た しは生 け花、 お茶な ど 日本 の文化 に興味があ ります。先 月、
佐藤 さんが生 け花 を教えて くれ ま した。 先週、部長の家 に行 き
ま した。 部長 の奥 さんがお茶 を教えて くださいま した。

ぶちようの おくさんが おちゃを おしえて くださいました。

一■■

目上の人の親切な行為は「∼て くださいます」を使うことを説明す
る。

練習 A5 「先生」の親切 な行為 を入れ替 えて文 を作 り、文 の形 と意 味


を確認する練習。
B5 目上の行為者 と行為 を入れ替 えて文 を完成 す る練習。
さらに、 ことばを与えて、練習 させ る。
例 :彼 女 の両親 ・コ ンサー トに招待 します
→彼女 の両親が コンサ ー トに招待 して ください ました。
QA 「∼ ていただ きました」「∼ て ください ました」などを使 って
質問に答 えさせ る。
例 :初 めて字 を習 ったのはいつですか。だれが字 を教 えて く
れましたか。
日本語 でス ピーチの作文 を書 いた ら、 どうしますか。
日本 のお祭 りを見た ことがあ りますか。一人で行 きまし
たか。
Cl 初めて 日本 に来たとき親切 に してもらった経験 を話す。
発展 Clの 「ボランティア」を「会社の人」 「アパー トの管理人」「隣
の人」 などに変え、親切 にしてもらったことについて話す。

6.わ た しは息子に紙飛行機 を作 ってや りま した。 て 〉や ります

第 24課 で、人 に恩 恵 を与 える場合 の表現 「∼ てあ げ ます」 を学 んだが 、「わた し」が


目下 の人や動植物 な どに対 して恩恵 を与 える行為 を表す場合 は「 ∼ てや ります」 を使 う。
∼てや ります 医四四 回Xコ
子 どもや弟妹、ペ ッ トなどのために何 かをす る場面を提示す るとよい。

導入例 1 T:わ た しは犬 を飼 って います。名前 はジローです。


毎 日ジローを散歩 に連れて行 ってや ります。1週 間に 1回 、ジロー
の体を洗 ってや ります。 きのうはジローの誕生 日でした。 ジロー
に赤 いボ ールを買 ってや りま した。

導入例2 T きの うは日曜 日で したが、妻 は仕事があ りま した。それで、わ


た しが息子 の世話 を しま した。息子が飛行機 が欲 しい と言 った
ので、息子 に紙飛行機 を作 ってや りま した。公園で遊 びた いと
言 ったので、息子を公 園へ 連れ て 行 ってや りま した。息子の服
が汚れたので、息子の服 を洗濯 してや りま した。
に を の
ワC マ

むす かみひこうきを つ くって や りました。


C 7

むす こうえんへ つれて い って や りました。


むす ふ くを せんた くして や りました。

目下の人や動植物には「∼てや ります」 を使 うこと、「∼てや ります」


の「∼」 の部分 の動詞に よって恩恵 を与 える相手を示す助詞が変わ
ることを説明す る。
「に」・・・「 (人 )に Nを ∼」 の形 をとる動詞
例 :見 せ ます、知 らせ ます、教 えます etc.

・・
「を」 「 〈 人〉 をNへ /に ∼」 の形 をとる動詞
例 :連 れて行 きます、紹介 します etc.
「 の」・
・・「 (人 〉」 のために「 〈人)の Nを ∼」 の形 で表現す る動詞
例 :直 します、見 ます、掃除 します etc.

練習 A6 孫 のためにしたことを入れ替 えて文を作 り、文の形 と意味 を


確認す る練習。
孫 のあ とに使 われる助詞について も確認す る。
B6 相手 と行為 を入れ替 えて「∼ てや りました」 の文 を作 る練習。
、4)は 「 (弟 )
行為 の相手 に使 われる助詞は、3)は 「 (犬 )を 」
の」になることに注意。
さらに、 ことばを与 え、文を作 らせる。
例 :子 ども・バ ンダの絵 をか きます。
→子 どもにパ ンダの絵 をか いてや りました。
B7 「∼ て い ただ きます」「∼ て くだ さい ます」「∼ てや ります」
を使 い分ける応答練習。
C2 ペ ッ トの世話 の大変 さについて話す。
発展 子育 ての大変 さについて話す。
例 A:可 愛 い赤ちゃんですね。

140
B:え え。でも、大変 なんです よ。毎晩寝 るまえに歌 を

第 2部   各 課 の教 え方
歌 ってや らなければならないんです。それに、食事
の とき、特別な食事 を作 ってや らなければならない
し・・
・。
A:そ うですか。大変 ですね。

7.ひ らがなで書 いて くだ さいませんか。 て 〉くださいませんか

丁寧 な依頼表現 と して、 第 26課 で「 ∼ て い ただ け ませ んか」 を学習 した。 もう一 つ


の丁寧 な依頼表現 として「 ∼ て くだ さい ませ んか」 がある。


は文]∼ て
瞑 ださいま
く せんか匝
区互 │

丁寧 に依頼す べ き状況 を提示 して導入す る とよい。

導入例 ボ ー ドに「相撲」「邪魔」 な ど難 しい漢字 の ことば を書 く。


T:皆 さん、 この漢字が読めますか。
S:読 め ません。
丁 :ひ らがなな ら、読めますか。
S:は い、読め ます。

一4 一
〓■ ︻
丁 :先 生 にお願 い します。何 と言 いますか。
S:す みません。 ひ らがなで書 いて いただ けませんか。
T:い いですね。でも、丁寧なお願 いの言 い方がもう一つあ ります。
「すみ ません。 ひ らがなで書 いて くださ いませ んか」

ひらがなで かいて くださいませんか。

練習 A7 依頼内容 を入れ替えて文 を作 り、形 を確認す る練習。


B8 二つの文 を前置 きの「∼んですが」でつ なぎ、依頼文を作 る
練習。
談 話 『翻訳 ・文法解説』p.101「 便利情報」 を活用 し、質問者 の
状況に合わせて、情報やア ドバ イスを与 える練習 をさせ る。
例 Sl:日 本料理 を習 い た い と思 っているんで すが、 いい
教室があったら、教 えて ください ませんか。
S2:そ うですね。公民館 で毎週月曜 日に 日本料理 の講
習会があるので、 そ こへ行 った らいいです よ。 きっ
といろいろなことを教 えて くれます。
C3 アパー トやマ ンションの管理人にい ろいろなことを頼む。
発展 新入社員が先輩に、あるい は来 日したばか りの留学生が受け
入れ組織 の窓回の人にいろい ろなことを尋ねた り、お願 い し
た りす る会話 を作 らせる。
例 A:Bさ ん (先 輩)、 すみません。
B:は い、何ですか。

141
A:会 議室 を予約 したいんですが、 どうすればいいか、
教 えて ください ませんか。
B:え え、いいです よ。あそ こに会議室の予約 のノー ト
があ ります か ら、使 いたい 日と時間と名前 を書 いて
ください。
A:は い、わか りました。
留意 点 「∼ ていただ けませんか」 と「∼ て ください ませんか」 の丁寧度 の違 い につ
いて質問が出た ら、下記 のように整理す るとよい。一般的に相手 の意向を尋
ねる「∼ て ください ませんか」 よ り話者 の希望 の可否を尋ね る「∼ ていただ
けませんか」 のほ うが丁寧度が上 とい う感覚 があると言われるが、 どちらも
丁寧度が高 い とい うことで、特 にその レベ ル差 については説明 しな くて もよ
い。
目上 の 人 ∼て くださいませんか。 ∼ て いただけませんか。
∼て くれませんか。 ∼て もらえませんか。
ていね い
∼て ください。
│ 友達、家族 ∼ て。

Ⅲ.会 話 ご結婚 おめで とうこざいます

場面 結婚披露宴 で祝辞 を述べ る。


目標 丁寧 な表現を使 って、恩恵 を受けた経験 を発表する ことがで きる。
表現 ・∼ずつ 「一人一つずつ取 って ください」「2枚 ずつ取 って
ください」な ど実際に物や用紙などを配って、確
認す るとよい。
練習 内容確認 の質問例
。ワッ トさんはいず みさんをどこで知 りましたか。
・ ワッ トさんはどんな人ですか。
・ ミラー さんはワッ トさんに何 をお願 い しましたか。
身につけたい会話表現
。ひとこと (ず つ)、 お願 い します。
・ ぜ ひ∼ たいです
。どうぞお幸せに。
発展 結婚式以外 に歓送会や何かの賞 をもらったお祝 いの席 な どを設定 し、
当事者があい さつ のスピーチをし、ゲス トがそれぞれ別れの ことばや
祝辞 を述べ る。

142
時第 2部 品各課 の教 え方
Ⅳョその他

問題 7「 太郎 を海の中のお城へ連れて行 って くれ ました」
読者 自身を太郎に重ね させて、物語の主人公になった気分 で読 ませ
るため、「太郎 を∼ て くれました」 となってい る。
子 どもに読み聞かせる昔話なので、 まず聞かせ ることか ら入るとよ
い。で きれば、紙芝居 のようにす ると楽 しい。

機構
■ 磐■ =

143
できるようになること
。行為 の 目的や 目的を達成す るためにす ることを表明で きる。
・物 の用途、評価が述べ られる。
・何かをす るのに必要 な時間、経費が言 える。

学習する こと

1・ 2 1・ 2
1.∼ ために、∼
3・ 4 3。 4

う∠
^Z

︵Z
2.∼ は ∼ (の )に 、 ∼ 5。 6 5・ 6

う0
7′

7′
う0
3.∼ (の )に ∼かか ります

I.新 出語彙 導入の留意点


・沸かします 「水 を沸か します」ではな く、「お湯 を沸か します」であることに注意。
。並びます 自動詞。「人が (列 を作って)並 ぶ」 (意 志動詞)と 「店が並ぶ」のよう
に無意志動詞 としても用 い られる。

・音楽家 「∼家」 は第 28課 で既習 (小 説家、漫画家、写真家、発明家、旅行家)。


さらに、 この課 の新出語 と組み合わせて以下の ことばが作 られる。「教
育家、政治家、法律家」 。

・ 目的 練習 Clを す る前 に、「留学す る目的」、 、「日


「 日本語 を勉強する目的」

本 来た目的」 のよ う な連体修飾の形を練習 してお く。
。楽 しみ 匝墜 と会話 で使 われている「楽 しみですね」は話題になっているこ
=□
とが「待ち遠 しいですね」 とい う意味である。
。どの くらい 期間 。時間を尋ねる「どの くらい」に加えて、新 たにこの課で金額や数
量 を尋ねる場合について使 う場合 を学ぶ。

・の し袋/ふ ろ しき/ 実物を示 して見せるとよい。水引には紅白と黒白があるので、両方見せ


そろばん て、いつ どんなときに使 うか説明 してお く (『 初級 I翻 訳・文法解説』
p.151参 照)。

144

¨
Ⅱ.学 習項 目の導入 と練習

第 2部 鰐各 課 の教 え方
1.将 来 自分の店を持 つため に、貯金 しています。
の 〉ために、Vま す

「ために」は動詞 の辞書形、お よび「名詞 の」に接続 して、 目的を表す。「ために」 の


前後の主語 は同じで、「ために」 の前 は意志的な動作 によ り実現すべ き目的、「ために」
のあ とはその 目的実現 のための行為 を表す。


仄藝]∼ た
は めに、∼図
四■回 回
=コ =コ
まず、 動詞辞書形〉ために」を導入する。新出語彙「目的」の文字カー ド
「〈
を準備する。

導入例 教 師 は一人 三役 をす る。
A:毎 月貯金 していますか。
B:は い。毎月 10万 円貯金 しています。
A:貯 金 の 目的 は何 ですか。
B:自 分 の店を持つ ことです。
自分 の店 を持つために、貯金 して います。



絡 ,一

じぶんの みせを もつ ために、ちょきんして います。

「 ため に」の前後 の主 語 は同 じであ る こ と、動詞 は どち らも意志 動


詞 で ある ことを確認す る。

練習 Al 動詞辞書形〉ために、∼」の文の形 と意味を確
上段 2文 「〈
認する練習。
B1 2文 をつないで、「〈動詞辞書形〉ために、∼」の文を作る練習。


轟嚢嚢│∼ のために、∼ 回=コ 回区コ
名詞)の ために」を導入する。
「〈 名詞)の ために」は目的を表す以外に、
「〈
名詞が人や団体 の場合、その人や団体 にとっての利益を表す。

導入例 1 教 師 は一 人二役 をす る。
A:Bさ んはよ く働 きますね。月曜 日か ら土 曜 日まで働 きます。
どう してそんなに働 くんですか。
B:将 来 のためです。将来店を持 ちたいです。将来 のために、働 き
ます。

導入例2 A:Bさ んはよ く働 きますね。 どう してそんな によ く働 くんですか。


B:わ た しは結 婚 しています。子 どもが います。家族が います。
わた しは家族 のために働 きます。

145
しょうらいの ために はたらきます。
かぞ くの ために はたらきます。

練習 Al 下段2文 「〈 名詞)の ために、∼」の文の形 と意味を確認し


て練習する。
B2 2文 をつないで、「〈名詞)の ために、∼」の文を作る練習。
B3 2文 をつないで、「〈人・団体)の ために、∼」の文を作る練習。
QA 回 参考に、健康や将来のためにしていることを尋ね
=]を
合う。
文作 り 回 を参考 に、有名な人を取 り上 げ、誰 のために何 を
=コ
したか話す。
例 :マ ザーテレサを知っていますか。マザーテレサはお金
がない人や病気の人のために、一生懸命働 きました。

睫蜃は国 目的を尋ねる疑間文 回
=コ
目的 を尋 ねるのに、「 どう して」「なぜ」「何 のために」「だれのために」「 目
的 は」な どが使 われる。「なぜ 」「 どうして」は本来原因、理由を問 う疑問詞
であるが、意志的な行為 について、 目的を問うことが可能である。

導入例 教師 は一人二役 をする。


A:よ く山へ行きますね。なぜ山に登るんですか。
B:一 人になって考えたいんです。
一人になって考えるために、山に登るんです。


なぜ やまに のぼるんですか。
…ひとりに なって かんがえる ために、やまに のぼるんです。

練習 B4 質問に、与 えられた文を使 って「∼ために」 で答 える練習。


Cl 日本へ来た 目的について話す。
新出語彙が多 いので、語彙 の意味を確認 してか らや りと りに
入 る。
発展 相手 の 目的を聞いて、ア ドバ イスす る。 また、留学生 どうし
なら「Aさ んは」 と切 り返 しの質問をする。
例 A:日 本へ 来 た 目的は何ですか。
B:大 学 で政治 を勉強するために来 ました。 (こ こまで
Cl)
A:じ ゃ、もう国会議事堂を見学しましたか。
B:い いえ、まだです。
A:国 会議事堂は見たほうがいいです よ。いつで もだれ
でも無料で見学できます よ。

146


B:あ りがとう。ぜひ行ってみたいです。 ところで、A

第2部 榊各課の教え方
さんの留学の目的は ?

留 意点 1)「 ために」 と「ように」の違い


目的を表す表現に第36課 で学習した「∼ように、∼」がある。違いは、 「た
めに」の前に来 る動詞は意志動詞であるのに対 して、 「ように」の前に
来る動詞は無意志動詞であ り、目的を達成 した状態を表す点である。
例 自分の店 を持つために、貯金 しています。 (意 志動詞)
自分の店が持てるように、貯金しています。 (無 意志動詞)
2)「 Vlた めに、V2」 (例 :日 本語を勉強するために、日本へ来ました。)と
「Vlに V2」 (例 :日 へ
本 日本語を勉強しに来ました。 い
)の 違 を聞かれる
場合がある。後者 はV2に 移動動詞 しか使えず、移動の 目的 しか表せな
いが、前者はその他の動詞も使え、目的のための様々な行為を述べるこ
とができる。

2.こ の靴 は山を歩 くのに いいです。 ∼ は 〉のに/Nに ∼

ある物の用途や評価 を述べ るとき、「 (動 詞辞書形)の に/〈 名詞)に ∼」 を使 う。「∼」


の部分 には用途の場合、「使 い ます」、評価の場合は「役 に立ちます」「 いいです」「便
利/不 便 です」な どが来る。

絆2 一=一
繊縣=

隧【]∼ は
陪 ∼のに/∼ に∼(用 途)回
=コ
まず、物の用途を表す文を導入す る。
い ろい ろな用途 を持 つ物 を持参す るか、絵 を準備 し、その用途 を説明す る。
例 えば、はさみや眼鏡やかばんなど。

導入例 T わた しはかばんがた くさんあ ります。 (い ろい ろなかばんの絵


を見せ る。薄 くて、大 きいかばんを指 して)こ れで絵を運びま
す。
このかばんは絵を運ぶのに使 います。
このか ばんはポケ ッ トがた くさんあ ります。
ここに書類、 ここにパソコンを入れます。 ここに下着や服を入
れます。
このかばんは出張に使 います。

の の
﹂ ワ

かばんは えを はこぶのに つかいます。


かばんは しゅっち ょうに つかいます。

練習 A2 上段 2文 物 の用途 を説明す る文 の形 と意味 を確認 して練習


す る。
B5 イラス トを見て、その物 の用途 を言 う。
QA 物 の名前 を当てるクイズを学習者 どう しで させ る。Tは Sl

147
に答 え となる物 の絵 (B5の 物 )を 見 せ る。
例 Sl:(示 された絵 「そ ろばん」 を見 て)計 算す るの に使
う物 は何ですか。
S2:そ ろばんです。
C2 名称を知 らない 日用品を買いに行 く。
新出語彙が多いので、語彙を確認 してから入るとよい。
さらに、B5に 出てくる物を買う場合もやってみる。
発展 や りとりのあ と、求めていた物が国で使 っている物 と違 うの
で、使い方を聞く。
例 A:す みません。 これはどうやって使 うんですか。
B:こ うやって使 います。 (使 って見せる)
A:わ か りました。 これをください。


嚢璽]∼ は
嚢 ∼のに/∼ に∼(評 価 ) 図 聾ヨE理コ
物 の評価 を表す文 を導入す る。

導入例 丁 わた しはデパー トの受付で働 いて います。働 くときは この靴を


履 きます (ハ イ ヒールの写真 を見せ る)。
休 みの 日は山 に行 きます。 (登 山靴 の写真 を見せて)こ の 靴 で
山を歩 くと、疲れ ません。 この靴 は山を歩 くのにいいです。
ときどき近 くの公園を散歩 します。 (ス ニー カーの写真 を見せて)
その ときは この靴を履 きます。 この靴は散歩 にいいです 。

この くつ は やまを あるくのに いいです。


この くつ は さんぼに いいです。

練習 A2 下段 2行 物 の評価 を述べ る文の形 と意味を確認 して練習する。


B6 あるもの/所 についての感想 に賛同 し、それについての評価
を述べ る。
談話 回Xコ のパ ター ンで「∼ にいい/便 利 な/役 に立 つ (名 詞〉
があ りますか」 を使 ってや りと りをす る。
例 A:す み ません、 山の道を走るのにいい 自転車があ りま
すか。
B:こ ちらはいかがですか。デザイ ンもいい し、丈夫だ
し、値段 も高 くないです よ。
A:そ うですか。乗 ってみて もいいですか。
B:え え、どうぞ。

148
3.家 を建てるのに 2000万 円かか ります。

第 2部
V の に に
´ヽ ´
か か

何 か をす るのに必要 な時間、経費 を言 い表 した い とき使 う表現 である。

各 課 の教 え方

藝褻1∼ の
画 に/∼ に∼かかります 回
=コ
結婚式や家 を建 てる場合 な どを取 り上 げ、時 間や費用 につい て述 べ る とよい。

導入例 T:(家 の 写真 か イ ラス トを見せ て)こ れ はわ た しの家です。 自分


で建 て ま した。働 きなが ら、休 みや週末 に建てま した。や っと
で きま した。 7年 かか りま した。家を建 てるのに 7年 かか りま
した。
12月 に引 っ越 ししま した。 引 っ越 しの会社 に頼 み ま した。 7
万円かか りま した。 引 っ越 しに 7万 円かか りま した。

いえを たてるのに 7ね ん かか りま した。


ひっこしに 7ま んえん かか りました。

練習 A3 「∼ のに/に ∼ かか ります」 の形 と意味 を確認す る練習。


B7 ある ことをす るのにどの くらいの時間、費用 がかかるか/か
かったか とい う質問 に、与 えられた語句 を使 って答える練習。

一4

2 .
QA □ とB7を 参考に質問応答す る。
=コ
例 :東 京 スカイツリー を作 るのに何年 かかった と思います か。
Sさ んの国/町 で一人で生活す るのに月 に どの くらい必
要 ですか。
C3 東京 での生活の大変 さについて会話 をする。
発展 日本での生活について、実体験 に基 づいて質問 し合 う。

Ⅲ日会話 ボーナスは何に使 いますか

場面 ボ ー ナスの使 い道 を話題 に雑談 をす る。


目標 お金の使 い方 や貯金 につ い て雑談が で きる。
表現 ・ ボーナスが 出ます 「 ボーナスが会社 から支給 される」の意味。

・楽 しみですね。 「『ボーナスが 出るあ した』が待ち遠 しい」 とい う


意味。

「半分は貯金 します」
「半分 も貯金す るんですか」

「は」は話 し手 の「少な くとも」 とい う気持ちを、


「 も」は話 し手の「多い」 という気持ちを表す。『翻
訳 。文法解説』p.109-3参 照
練習 内容確認 の質 問例
。鈴木 さんはボ ー ナ ス を もらった ら、貯金 しますか。

149
・林 さんは貯金 しますか。
・林 さんは何 のために貯金 しますか。
身につ けた い会話表現
。楽 しみですね。
・独 身 の人は いいですね。全 部 自分 のために、使 えて。
発展 宝 くじで 1億 円当 たった場合 、何 に使 うか話 し合 う。

∈萎菱∋ 日本 の一 般 的 なサ ラ リーマ ンの 場 合 の ボ ー ナ ス につ い て 紹介 してお く。

Ⅳ.そ の他

問題 ・6「 カ ップメー ドル」 は 日本 だ けでな く、多 くの 国 々で食 べ られ


ている。 自分 の国で食べ たことがあるか、 日本へ 来てか ら食べ たか、
味は違 うかな どを話す。

第2
一一
ヽ        ●
部¨
各課の
教え方
できるようになること
・物事 の外観か ら、その変化の見通 しや状態 。性質を推察 して表現で きる。
・ 目的の行為 を終 えて、元 の場所 に戻 ることが伝 えられる。

学習する こと

1・ 2
1.∼ そうです (動 詞 1・ 2

∠ェ
)
3

うZ

う∠
2.∼ そうです (形 容詞 ) 3・ 4 5・ 6
うZ

う0

う0
3.∼ て来 ます 5・ 6 7・ 8

I.新 出語彙 導入の留意点

︵f 一
4 一
・楽 [な ] 苦労 した り、心配 した りせず に余裕 を持ってできることや肉体的な苦痛が少ない
ことに使 う。
例 :楽 な仕事/生 活、楽な座 り方、運転が楽だ
言語 によっては「や さしい/簡 単」 と同 じ訳 になってい るため、「楽な ことば」
など間違 えた使 い方が出て くるので、注意する。
。まずい この課では「おい しくない」 の意味のみで使用す る。
。優 しい 「親切」 との違いを聞かれ ることがある。「優 しい」はそ の人の性格や心情 を表現
し、「親切」 は具体 的な行動 に基 づい て使 われる。「両親 は優 しい」「優 しい 人 と

結婚 した 」 「 日本人は外 国人に親切 だ」「親切 な人が道 を教 えて くれた」。

火 「ガスの∼」など、熱と光を発して燃えているものをいう。
上が ります、下が ります、切れます、 とれます、落ちます、なくな ります
それぞれ、物事 の変化 を表す 自動詞で、対応す る他動詞 は「上 げます、下げます
(第 41課 )、 切 ります (第 7課 )、 取 ります (第 14課 )、 落 とします (第 29課 )、
なくします (第 17課 )」 である。

151
Ⅱ.学 習項 目の導入 と練習

1.今 にも雨が降りそうです。 ま そ

「∼そ うです」 は話 し手が主 として視覚的に とらえた情報 を基に推量 した様態 を表す。


動詞 に接続するときは、その動作や変化が起 こる直前 の状態、あるいは近い将来発生
する事態の予測を表す。「今にも」「 もうす ぐ」「 これから」などの時期を示す副詞によっ
て、現象 の起 こる切迫感や事態発 生 までの時間的な長短 を表現す る。


璽璽図(今 にも)∼ そうです(動 詞 ) 図 璽 │[理 ヨ
事態 の発生が直前 に迫 っている状 況 を とらえて、「今 に も」 とともに状 況 の
変化 を推量す る表現 を導入す る。 直後 の変化が予測 しやす い イラス トや写真
を準備す る とよい。

導入例 T:こ れか ら出か けます。天気 はどうですか。 (空 一面が雨雲 に覆


われた絵 を見せて)曇 りですね。でも、 まだ雨が降 って いませ
ん。雨が降 り。
……そうです。今 にも雨が降 りそうです。傘を持っ
て 行 きます。

いまにも あめが ふ りそうです。

まだその状態にはなってい ないが、す ぐになる ことが予想 されると


き、動詞 のます形 に「そ うです」を加 えて表現す ること、「今 にも」
は言 わない場合 も多 いこ とを説明する。

練習 Al 上段 2文 ことば を入 れ替 えて「∼ そ うです」の文 を作 り、


形 と意味 を確認す る練習。
Bl イラス トを見 なが ら、「∼そ うです」の文 を作る練習。
ここでは「今 にも」 を使 わず に文を作 らせ る。
B2 「∼が∼そうです よ」 とい う指摘 に対 し、対応策 を答える練習。
Cl 相手が気 づいてい ない服装や持 ち物 の状態 を教えてあ げる。

轟囲(も うすぐ
踵菫 )∼ そうです 回
=コ
時を表す副詞 とともに、近 い将来発生する事態 を予測す る使 い方を導入す る。
現況か ら確実 に予測 されそ うな事柄 を提示す るとよい。

導入例 1 丁 :あ したは会議があ ります。問題 がた くさんあ りますか ら、 いる


いろ相談 しな ければな りません。 あ したの会議 は時間がかか り
そ うです。

導入例2 T わた しの会社 は車を造 っています。新 しい電気 自動車です。人


気があ りますか ら、 今年 はた くさん売れそ うです。それ に、最
近、円が安 くな って います。ですか ら、 これか ら車の輸 出が増

152

一      一
一第 2 部 一各 課 の 教 え 方
一      〓
えそうです。

導入例3 T 3月 にな りました。最近暖か いです。桜の木を見て ください。 (桜



の つ ぼみがふ くらんで い る写真 を見せ て)あ した咲 きますか。
あさって咲 きますか。来週、咲 きますか。わか りません。 でも、
もうす ぐ桜が咲 き… そ うです。

もうす ぐ さくらが さきそうです。

「もうす ぐ」「 これから」「来週は」


「今年は」などを使 って、近い将
来の予測が表現できることを説明する。

練習 Al 下段 2文 ことばを入れ替えて「∼そうです」の文を作 り、
文の形 と意味を確認する練習。
B3 与えられた文を「∼そうです」の文に変える練習。
B4 「∼そうですか ら、∼ ましょう」の形で、「∼そうですか ら」
である事態を予測 し、それへの対応を提案する練習。
文作 り 二つの文を「∼ので」でつ ないで、「∼そうです」の文を
で作 る。
例 :こ の製品はデザインがいいです・ よく売れます
→この製品はデザインがいいので、よく売れそうです。
学習者のレベルによっては、 「∼ので」の後 は自由に考え

一一“
一3 一
難 一一
させてもよい。


留意点 「(Vま す形〉そうです」の否定形 は「(Vま す形〉そ うも/に あ りません」
となるが、この課では扱わない。

2.こ のケーキはおいしそうです。 い A ∼ い │な A(∼ な


)〉 そうです

形容詞 とともに「∼そうです」が使われるときは、話 し手以外 の人や物 について、外


見か ら判断 してそのように見 えるとい うことを表す。

颯同躊圏 ∼そうです (形 容詞)回 回区コ


=コ
見 ただけで「辛そ う」「おい しそ う」「 まじめそ う」
「暇 そ う」 と言 えるよ う
な料理や人などの写真やイラス トを準備 してお く。

導入例l T:(ケ ーキの写真 を見せて)皆 さん、 このケーキはおいしいですか。


S:わ か りません。たぶんおいしいと思 います。
丁 :そ うですね。お い しいか どうか、わか りません。でも、見て、
言 います。「おいしそうです。 」 このケー キはおいしそうです。

導入例2 T:(公 園でベ ンチに座 っている人の写真 を見せて)こ の人を見 て


ください。 この人は忙 しいですか。暇ですか。
SIた ぶ ん暇 で す。
T:こ の人 は暇 そ うです 。

この ケー キは おい しそうです。
この ひとは ひまそうです。

い形容詞の場合 は「∼い」
、な形容詞の場合 は「∼な」がそれぞれ
落ちること、「いい」の場合は「 よさそ うです」になることを説明
する。また、外見そのものを表現する「きれい」「ハンサム」や「赤
い」「白い」などの色を表す形容詞は普通使わないことを説明する。

練習 A2 ことばを入れ替えて文を作 り、 「〈形容詞〉そうです」の文の
形 と意味を確認する練習。
B5 イラス トを見ながら、 「〈形容詞〉そうです」の文を作る練習。
B6 相手の様子 を「∼そうです」を使って伝え、それに対 して理
由を述べ る練習。
さらに、文を与え、や りとりさせる。
例 :忙 しいです→ Sl:忙 しそうですね。
S2:え え、今日は会議が3つ もあるんです。
談話 1 相手の様子を述べ、相手のために申し出る。
Sl:そ のかばん、重そ うですね。持ちましょうか。
S2:あ りが とうござい ます。お願い します。
例 :眠 い/コ ー ヒー を入れる、 寒 い/暖 房 をつ ける…
談話 2 相手の感想に対 し、実際 にはそれほどではないことを伝える。
Sl:そ の本、難 しそ うですね。
S2:い いえ、そんなに難 しくないです よ。
Sl:そ うですか。
例 :あ の映画/お もしろい、 あの レス トラン/高 い…
C2 相手の様子か ら受ける印象 を述べ る。相手 はそ う見 える理由
を説明す る。

留意点 1)感 情・感覚を表す形容詞「うれ しい」「悲 しい」「痛 い」「気分が悪い」


などを用いて、他者の気持ちを言い表す場合は「∼そうです」を使う。
例 :× 彼女は寂 しいです。 ○彼女は寂 しそうです。
2)動 詞の場合 と同じく、「〈形容詞〉そうです」の否定形もこの課では扱わ
ない。

3.ち ょっと切符を買 って来 ます。 iVて 形〉来ます

「∼て来ます」は今いる場所を離れ、 「∼」の行為をして、元の所へ戻 って くる (「 (こ
こへ)来 ます」
)こ とを意味する。

154
側第 2部 糊各課 の教 え方
︺      粋
¨
”                ¨
圃蒻藝邊]∼ て来ます 図四口 回 回
=コ =コ
具体的な場所 とそこで行 うこと、そして今いる場所へ戻ることをはっきり伝
えるとよい。

導入例 1 丁 今 か ら DVDを 見 ま しょう。あ っ、持 って来 るのを忘 れ ま した。


ち ょっと DVDを 取 って来 ます。
(教 室 を出て、 DVDを 持 って入 って くる。
)

導入例2 T 友達 と電 車 で 出か けます。今、駅です。友達 は電車 のカー ドを


持 っています。わた しはあ りません。わた しは切符売 り場 へ 行
きます。切符を買 います。そ して、来 ます。
友達 に言 います。「ち ょっと切符を買 って きます。」

ち ょっと きっぶを か って きます。

『翻訳 。文法解説』p.114(115)の ような絵 をか き、切符売場へ行


き、切符を買 い、戻 って来ることを説明す る。

練習 A3 ことばを与 え、「∼ て来 ます」の文 を作 らせ、文 の形 と意味


を確認す る。
B7 済ませて くる用事を入れ替え、「∼から、待っていて ください」
の文 を作 る練習。
さらに、 ことば を与 えて、練習 させ る。
例 :忘 れ物 を取 ります ││14麟
.●
1■ 1111111■ ■
│11

→忘れ物 を取 って来ますか ら、ち ょっと待 っていて くだ


さい。
B8 の
相手 質問に対 し、理由を説明 し、す る行為 を伝 える質問応
答練習。
C3 ある場所へ行 く人に対 し、ついでの用事 を頼む。
「∼ て ください ませんか」が丁寧な依頼表現 であるのに対 し、
「∼ て くれ ませんか」は同 じレベ ルの相手 に対 して用 い る依
頼表現 である。
Aの 「 コンビニヘ行 って来ます」 は「 コンビニで用 を済 ませ
て来 る」 の意味で、あい さつ の「行 って来 ます」 とは異なる。
発展 Cの 会話 のあ とにもう少 し具体的な ことについてや りと りす
る。
夕1 A:ど んなお弁当がいいですか。
B:そ うですね。肉料理 のお弁当 をお願 い します。
A:わ か りました。 じゃ、行って来 ます。
留意 点 1) 「 ち ょっ と出か け て来 ます」 は行 く場所や 目的 を告 げず に外 出す
る場合 の あ い さつ 表現 として用 い られる。

155
2)こ れまでに学習 した「持 って来る」「連れて来る」 は第 34課 で学習 した
付帯状況 を表す表現「∼ て∼」 と同 じものである。

Ⅲ日会話 毎 日楽 しそうです

場面 昼休 みに会社 の人 と家族写真 を見 なが ら、家族 につ いて話 す。


目標 外見、外観か ら受 けた 印象 や感想が言 える。
表現 。これ、どなたの ある ものやことが らを取 り上 げて話題 に し、相手
写真 ですか。 の注意 を引 く場合、助詞を言 わないのが 自然な会
話である。例 :「 あの人、何 しているんで しょうか。

「 きの うの地震、怖かったですね。 」

こちらの方 「 (写真 の中の)こ こにいる人」の丁寧な言い方。「こ


の方」 「 こちら」 と言 ってもよい。

υヽっしょにVヽ ると、 これまでに学習 した「おもしろい」 の使 い方 は「あ


お もしろい の 映画 /先 生の授業 /彼 女 は∼」 で、対象その も
のの性 質を評価す るものだったが、 ここでは話 し
手が 「 (彼 女 と)い っ しょに い る」ことに よって、
彼女 の話や行動 に好奇心 を掻 き立て られた り、楽
しく感 じた りす るとい うことを意味 して い る。
。あ りがとうござい 妻 を褒め られたときのシュ ミットさんの反応だが、
ます。 一般的に日本人は身内を褒め られると「 い え、そ
んなことあ りません/そ れほ どじゃあ りません」
などと言って謙遜することが多 い。その反応に驚
く学習者 もいるので、日本事情 として説明 しても
よい。
練習 内容確認 の質 問例
・ シュ ミッ トさんの息子 の ハ ンス くんは どんな子 ど もです か。
・奥 さんは どんな人です か。
身につ けたい会話表現
。これ、 どなたの写真 で す か。
・友達 もで きて、毎 日楽 しそ うです。
。よかったで すね。
・特 に歴史が好 きです。

156
螂第 2部 螂各 課 の教 え方
発展 学習者 どうしで家族や友達の写真 を見せ合 い なが ら、 印象 を話 し合 う。
『翻訳 。文法解説』P.113の 「性格 ・性質」 の語彙 な どを使 い、会話
を作 る。
例 Sl:こ れ、家族 と北 海道旅行 をした ときの写真 です。
S2:こ の方がお父 さんですか。
Sl:え え。
S2:お 父 さん、や さしそ うですね。
/

Sl:そ うですか。 Sl:え え、ほんとうにやさしく


ほんとうは気が短くて、 て、お もしろいんです よ。
とても頑固なんですよ。 S2:そ うですか。いいですね。
S2:ほ んとうですか。

Ⅳ口その他

問題 ・6 ⑥の答えは「結婚して ください」 となっているが、「結婚 しよう」


で もよい。

=4 =
¨
職Y
で きるようになる こと
・ 動作や程度が度 を越 し、好 ま しくない状態 になった ことが言 える。
・ 物 を使用す る際 の難易度 を示す ことに よって、その物 の評価 が 表 せ る。
・ 自分 の選択、決定 を伝 える ことがで きる。

学習 する こと

1・ 2
1.∼ すぎます 1・ 2
3・ 4


^∠

2.∼ やすい/に くいです


3・ 4 2・ 3 5。 6

′4

7′

う0
う0

FD

3.∼ く/に します


′0

nё
4.∼ にします
民υ

I.新 出語彙 導入の留意点


・泣 きます 、笑 い ます 感情を表す動詞を復習す るとよい。
「びっくりします、が っか りします、安心 します、心配 します」。
・眠 ります 「寝 ます」 との違 い に注意。「眠 ります」は睡眠状態になることを表すの
「 10時 に寝 ます」は言 えても、「10時 に眠 ります」 は言えない。
で、

・起 きます 事故/火 事/地 震が起 きます


・調節 します いすの高さ/音 の大 きさ/電 気 の明るさ/温 度を調節 します
。濃 い⇔ 薄 い 色/味 /コ ーヒーが濃 い・薄い
・厚 い⇔ 薄 い 本/布 団が厚 い 。薄い
。太 い⇔ 細 い 木/ペ ンが太い・細 い
。洗 程物 │′ 洗濯をするべ き (汚 れた)物 、洗濯が済んだ物の両方を指す。

158
第 2部
Ⅱ.学 習項 目の導入 と練習

1.ゆ うべお酒を飲みすぎました。 / A ヤヽ /

各 課 の教 え方
ま / い な ぎ

「∼す ぎます」は、行為や物事の状態の程度が過度であることを意味 し、好ましくな


いとい う気持ちを表す。

腫璽国目∼すぎます 図四■回=コ
まず、「〈動詞ます形〉すぎます」を導入する。

「食 す ぎた/飲 みす ぎた」のように、体のためによくないことをした場合
を取 り上げるとわか りやすい。

導入例 T きのう、友達 の 誕生 日パー テ ィーが あ りま した。お酒をた くさ


ん飲み ま した。飲み放題 だ ったので、た くさん飲み ま した。 ど
の くらい飲んだか、覚えて いません 。 きょうは気分が悪 いで す。
ゆうべ お酒 を飲 みす ぎま した。

ゆうべ おさけを のみすぎました。

「すぎます」の前はます形であることを確認する。

練習 Al 上段2文 「〈動詞ます形〉す ぎました」の形 と、どのような


状況かを確認する。さらに、動詞を回頭で与えて、練習させる。
Bl イラス トを見て、「∼すぎました」の文を作 る練習。


F4 ■
臨 “

≡亜団∼すぎます回Xコ

¨

「〈
形容詞〉すぎます」を導入する。
大きすぎる洋服や小さすぎる靴など、日に見えるものを取 り上げる。

導入例1 大 きいサイズのシャツを準備す る。 シャツを着 て、


T:こ のシャツは大 きすぎます。
導入例2 T わた しの うちは ここか ら車 で 1時 間半 です。隣 にうちはあ りま
せん。人の声が聞 こえません。静かです。寂 しいです。家族 は、
「ここは静 かす ぎます。引っ越 したいです」 と言 います。

の こ


士い
﹂ 7

おおきすぎます。

しずかすぎます。

い形容詞は、 「 い」が とれ、な形容詞 は「な」が つ かない形 になっ


て「すぎます」が接続す ること、 「 ∼す ぎます」がついた形はⅡグルー
プの動詞 と同 じ活用 をすることを確認する。
練習 Al 下段2文 「〈 形容詞〉すぎます」の形 とどのような状況であ
るかを確認する。さらに、日頭で形容詞を与えて、練習させる。
B2 イラス トを見なが ら、与えられたことばを使って「∼は 〈形
容詞〉す ぎます」の文を作る練習。
B3 二つの文をつないで、原因→結果の文を作 る。
前文は、「∼すぎます」(Ⅱ グループの活用)の て形 (∼ すぎて)
になること、後文は可能の動詞の否定形になることに注意。
例 と1)、 2)が 動詞、3)、 4)が 形容詞である。
文作 り B3を 参考に、文を与えて、 「∼すぎて、∼」の文を作らせる。
例 T:宿 題が多いです
→ S:宿 題が多すぎて、遊ぶ時間がありません。
B4 「∼んですか」 という質問に対して、「∼すぎたんです」を使っ
て理由を説明する練習。次のように練習 してもよい。
例 T:の どが痛いです
→ Sl:の どが痛いんですか。
T:き の うカラオケで歌いました。
→ S2:え え。 きのうカラオケで歌いす ぎたんです。
談話 B4を 参考に、具合 の悪そうな相手に体 の調子を尋ね、尋ね
られた方は、その原因となった行 き過ぎた行動を話す という
や りとりをする。
例 A:足 が痛いんですか。
B:え え。きの うハイキ ングに行って、歩きす ぎたんで
す。
A:へ え、どの くらい歩いたんですか。
B:40キ ロぐらいです。
A:そ うですか。それは大変でしたね。
Cl 忘年会のあ と調子が悪 くなった人を慰める。
。それはい けませんね。 調子 の悪 い人の状況 に同情 し、慰める
表現。声 の調子が きつ くな らない よう
に気 を付 ける。
発展 「それはいけませんね」のあと「お大事に」で終わらせないで、
「薬を飲みましたか」「医者へ行 ったほうがいいです よ」など、
よくなる方法を勧める。

留意点 B3の 練習「∼す ぎて、∼」 (原 因→結果)の 場合、後 ろに意志表現 を持って


くる間違 いが多 いので、注意する。
例 :(× )疲 れす ぎて、寝 たいです。

2.こ のパ ソコンは使 いやす いで す。 〉やすい/に くいです

「やす い/に くいです」が、意志動詞 に接続 す る場合 はそれぞれ「そ うす ることが容


易 である」「そ うす ることが難 しい」 とい う意味 を表す。「やす い/に くいです」が無
意志動詞 に接続する場合 は、それぞれ「そ うなる傾 向が強 い、そ うな りがちだ」 「そ
第 2部
うなる傾 向が弱 い、なかなかその ようにはならない」 とい う意味 を表す。

いです (意 志動詞)図 四口 圃区コ


国璽璽国 ∼やす い/に く

各 課 の教 え方
目で見て明 らかに使 いやす い/に くい ものを準備 し、見せて導入する。

導入例1 長 い鉛筆 と短 い鉛筆 を準備す る。長 い鉛筆 で書 い て見せて、


「書 き
やす いです」、短 い鉛筆 で書 くのを見せて、「書きにくいです」。

導入例2 大 きいパ ソコンと小 さいパ ソコンのイラス トを見せて


T:こ のパソコンはキーボー ドが大 きくて、使 いやす いです。
このパソコンはキーボー ドが小 さくて、使 いに くいです。

おおきい パ ソコンは つかいやす いです。


ちいさい パ ソコンは つかいに くいです。

「やす い/に くいです」 の前 に来 る動詞 は意志動詞で、 ます形であ


ることを確認す る。

練習 A2 「やす い/に くいです」 の形 と意味を確認 して、練習する。


B5 前文 をて形 にして、後文 とつ なぎ、原因 と結果 を表す文を作
る。
後文 を「やす いです」 にす るか「に くい です」 にす るかは前
文 の 内容 で判断す る。
QA 学習者 の実際 の場合 につい て 質問 し、 答 え させ る。
例 :ひ らが な とカタカナ とどち らが覚 えやす い ですか。
は しとスプー ンとどち らが使 いやす い ですか。 11癬 盗 ││││


C2
l'II:,1:‐

家具 の使 い やす さについ て話す。
1:'■ ,■

発展 家具 だ け で な く、 イ ン ター ネ ッ トで買 った物 につい て、「 ∼


やすい」か「∼にくい」かの感想を述べ る。
例 l A:そ の靴、いいですね。
B:え え。インターネットで買ったんですけど、軽 くて、
歩 きやすいです よ。
A:そ うですか。デザインもいいですね。
B:え え。値段 も安かったし……、よかったです。
例 2 A:そ の傘、いいですね。
B:う ∼ん。インターネットで買 ったんですけ ど、重
い し、大きい し、使いにくいです。
A:そ うですか。色はきれいですけ ど。
B:う ∼ん。ネットで見た色 と違うし、・……。残念です。

∼やすい/に くいです (無 意志動詞)回 Xコ


目で見て明らかにわかるものを準備 し、見せて導入する。

161
導入例 紙袋 (薄 い もの と丈夫 な もの)と 、 中 に入れ る ものを準備す る。
T:紙 の袋です。 りん ごを入れ ます。
(薄 い袋 は破 れ、丈夫 な方は破 れないの を見せ て)
この紙 の袋 は破れやす いで す。役 に立 ちません。
この紙 の袋 は破れ に くいで す。丈夫です。


の の
C ワ
ふ くるは やぶれやす いです。

ふ くるは やぶれにくいです。

「やす い/に くい で す」 の前 に来 る動詞 はます形 で、無意志動詞で


あ ることを確認す る。

練習 A3 「やす い/に くいです」の形 と意味を確認 しなが ら練習する。


B6 与 え られた文の意 味 を考 えて、「やす い」か「に くい」か判
「∼ は∼やす い/に くいです」 の文 を作る。
断 し、
談話 回 を参考 に、店員 と客 になって談話 を作る。
=コ
例 l A:こ のタオル、薄いですか ら、乾 きやす いです よ。
B:雨 が続 くときは便利ですね。
これを ください。
例 2 A:こ の靴下、新 しい製品です。暖か い し、破 れに く
いです よ。
B:い いですね。マ ラソンにいいですね。
これを ください。

留意 点 1)「 ∼ やす い/に くいです」 は、 い形容詞 と同 じ活用 にな り、否定は「∼


やす くない/に くくないです」 となる。
2)意 志動詞の場合 は「∼やす いです」 はよい事象、「∼ に くいです」は悪
い事象 を表すが、無意志動詞の場合は必ず しも「∼やす いです」がいい
こと、「∼ に くいです」 はよ くないこ とであるとは限 らないの で、注意
が必要である。

3.ズ ボンを短 くしてください。 い A セヽ 〉に/Nに しま│

「∼ く/に なります」 (第 19課 )が 、物事がある状態に「変化する」 ことを表すのに


対 して、「∼ く/に します」は、自然な変化ではなく、人が対象をある状態に「変化
させる」行為 を行 うことを表す。

R櫃 蜃∼く
鯰 /に します 図四
口回
=コ
具体的なもの、たとえば、長す ぎるズボンや高さの合わないいすな どで、不
都合な状態 をよい状態 にす ることがで きるものを使 って導入す る。

導入例 ]高 す ぎる椅子 に座 って
T:こ れはち ょっと高す ぎます。少 し低 くします。

162
咄第 2部 翻各 課 の教 え方
(高 さを調節 して)い すを低 くしま した。 ち ょうどいいで す。
このいすは少 し汚れています。
(テ ィッシュ を出 して拭 く)き れ いに しま した。

導入例2 T デパ ー トでズボ ンをはいてみ ま した。長す ぎるので、店員 にお


願 い します。すみ ません。 このズボ ンを短 くして くださ い。

ズボンを みじかく して ください。

、な形容詞、名詞は「∼に」になることを確認
い形容詞は「∼ く」
す る。

練習 A4 「∼ く/に します」の文の形 と意味を確認 しながら練習する。


B7 イラス トを見て、理由とともに「∼ので、∼ く/に して くだ
さい」 とい う文を作る。
C3 パソコンの使い方を教えてもらう。
発展 C3の 「その後」 (う まくいった場合 とうまくいかなかった場
合)を 付け足す。
例 l B:あ 、Aさ ん、図は大 きくで きましたか。
A:え え。おかげさまで大 きくできました。あ りがと
うございました。
例2 B:あ 、Aさ ん、図は大 きくできましたか。
A:え え、大きくできたんですが、大きくなりすぎて、…。
B:そ れは困りましたね。

■■ 一

■鮨 一
4.晩 ごはんはカ レ… ライスに します。 Nに しま¬


名詞)を 選択 したこと、あるいは 〈
名詞〉にします」は 〈
「〈 名詞)に 決定したことを
表明する文である。


蜃【財∼にします 回=コ
レス トラ ンのメ ニ ューや ス ケジ ュール表 を準備 し、食 べ る物 またはイベ ン ト
の 日を相談す る場面 を設 定す る。

導入例 一 人 二 役 をす る。
レス トラ ンでメニ ュー を見 なが ら、何 を食べ るか相談 して い る。
A:Bさ ん、何 に しますか。 ここはカ レーライスが有 名 です よ。
B:そ うですか。 じゃ、わた しはカ レーライスに します。
A:わ た しは、 きの うもカ レー ライスを食 べ ま したか ら、 き ょうは
てんぶ らに します。

163
なんに しますか。
…カ レーライスに します。

練習 A5 形 と意 味 を確認 して練習す る。
B8 与 え られた 質 問 に、 イ ラス トを見 なが ら、「 ∼ に します」 で
答 える練習。
秘書が社長 に出張 につい て い くつ かの候補 を示 し、選択 を求
めて い る場面 であ る。
談話 第 13課 会話「別 々 にお願 い します」 を応用 した会話 をす る。
「会話 DVD」 または第 13課 の「会話」 の イラス ト (『 初級 I

教 え方 の 手 引 き』 CD― ROM)、 お よび メ ニ ュー (『 初 級 I

翻訳 。文法解説』 p.73)を 準備 してお く。


例 :会 話の中段を次のように変える。

店 の人 :ご 注文は ?
ミラー :わ た しはてんぷ ら定食にします。
山田 :わ た しは牛丼 にします。
店 の人 :天 ぷ ら定食 と牛丼 ですね。お飲み物 は何 に しま
すか。
ミラー :お 茶 をお願 い します。
山田 :わ た しは ビールに します。
店 の人 :少 々お待 ち ください。

食べ たい料理 の種類、行 きたい店、値段 を変更 して もよい。

Ⅲ.会 話 この写真みたいにして ください

場面 美容 院
目標 美容 院に行 って、希望 の髪型 が伝 え られ る。
表現 ・ どうな さいますか。 パーマかカッ トかなどのメニュー を尋ねている。

・ どうい うふ うにな どんな髪型にしたいかを尋ねている。


さい ますか。
。この写真みたいに 写真 を示 しなが ら、その写真の人物の髪型 と同じ
して ください。 ものにしたいと伝 えている。
。これでよろしいで 美容師が確認する言 い方。
しょうか。

164
第 2部
・[ど うも]お 疲 れ 長時間同じ姿勢を取 っていた客に対 し、美容師が
さまでした。 かけることば。これで終わりであるというあいさ
つでもある。

各 課 の教 え方
練習 内容確認の質問例
。イー さんは美容院へ何 をしに行 きましたか。
・イー さんはどうして美容院の人に写真 を見せ ましたか。
・ イー さんの髪 はどうな りましたか。
身につ けた い会話表現
・ カッ ト、お願 い します。
。この写真み たい にして ください。
。そうですね。 もう少 し短 くして ください。
発展 『翻訳 。文法解説』P,119「 美容 院・理髪店」 の語彙 を参考 に、美容
院または理髪店に実際に行 ったつ もりで演 じてみる。
事前 に好 きな髪型 の写真 を持 って くるように言 ってお くとよい。

Ⅳ.そ の他

例文 5 このや りとりは、誰 と誰の間で、どのような状況で交わされて


いるか、考えさせる。また、 「もう夜遅いです」は何時 ごろを指す

かも考えさせるとよ 。


4 一
4 一

165
で きるようになる こと
。ある事態 を想定 し、その対処 の し方 を述 べ ることがで きる。
・ 期待外 れの結 果 に対す る話 し手の意外感や不満 の気持 ちを表す ことがで きる。

学習する こと




蘇一
書 二  1
た上
レト ト L II I I ︲
練習 B


1・ 2
1.∼ 場合 は、 ∼ 2・ 3

︱︱
1・
3・ 4
4・ 5
つ“

うZ
2.∼ の に、 ∼ 5・ 6 2・ 3
6・ 7

I.新 出語彙 導入の留意点


。キャンセル します 「約束/予 約/予 定をキャンセル します」。
「中止 します」 との違いを聞
かれることがある。「中止 します」は会議やスポーツ大会などのイベ ン
トを取 りやめることに使われる。
・ 領収 書 英語訳はreceiptだ が、 日本語で「 レシー ト」 は店 の レジの機械か ら出
て来るものを指 し、領収書はあて名があ り、店の受領印を押 した紙のこ
とを言う場合が多 い。

・ 中止 「試合は∼ にな りました」
「試合 を∼ します」 「試合は∼だ」の形 で使 わ
れる。
岬第2部 一各課の教え方
Ⅱ口学習項 目の導入 と練習

1.カ ー ドをな くした場合 は、す ぐカー ド会社 に連 絡 して ください。


い形〉/〈 Vた 形〉/ υヽ の は

「∼場合 は、∼」 はい ろい ろな可能性 の 中か ら一つの事態 を取 り上 げ、その条件下 で


必要な対応や想定 される結果 を言 い表す。動詞 とともに「場合」 を使 うときは、辞書
形、ない形、た形が用 い られる。辞書形 とた形 の使 い分けは第 23課 で学習 した「∼
とき」 と同様 で、事態が これか ら起 こると考えられる ときには、辞書形、事態がすで
に起 こった状態すなわち完了 しているときには、た形 を用 い る。


甕藝]∼ 場
藝 合は、∼ 図四■国
=コ
動詞)と ともに「場合」を使 う場合を導入する。いろいろなケース
まず、〈
を想定した注意事項などを挙げるとよい。

導入例 T :買 い物する とき、 カー ドは便利ですね。わた しはカー ドを作 り


ま した。
カー ド会社の人が言 いま した。 (カ ー ド会社 の係 りにな って)
「暗唱番号 を忘 れな いで くだ さい。 カー ドで払 う場合 は、暗唱
番号 が必 要 です 。」
「カ ー ドが使 えな い店 もあ ります。カ ー ドが使 えな い場 合 は、
現金 で払 って くだ さい。」
「カー ドをな く した ら、大変 で す。カ ー ドをな くした場 合 は、
す ぐカー ド会社 に連 絡 して くだ さい。」

カードで はらう ばあいは、あんしょうばんごうが ひつようです。


“彗 ■
警一

カ ドが つかえない ばあいは、げんきんで はらって ください。
カードを なくした ばあいは、すぐ カードがいしゃに れんらくして ください。

既に学習 した「 とき」 と同様、


「場合」 の前には事態 の状況によって、
辞書形、ない形、た形が使われる ことを説明す る。

練習 Al 上段 3文 ことば を入れ替えて「∼場合 は」の文 を作 り、形


と意味を確認す る練習。
Bl 寮の管理人が注意事項 を述べ るとい う設定 で、イラス トを見
なが ら、二つの文 をつ ないで、文を完成す る練習。
文作 り Blと 同様 の状況設定で、文 を与 え、
「∼場合 は、∼て くだ
さい」 の文を作 らせ る。
例 :パ ー ティー をします
→パーティーをする場合 は、 1週 間まえに申し込んでください。
そ のほかに「食事 の時間に間に合 い ませ ん」「病気 にな り
ました」などの文 を与 える。

167

鯰茫]∼ 場
鯰 合は、∼ 回 回
=コ =]回 =コ
い形容詞、 な形容詞、名詞 とともに「場合」 を使 う場合 を導入す る。

導入例 T:新 しい会社 に入 りま した。会社の人が事務所 の 中 を案 内 して く


れ ま した。
(前 に コピー機 があるつ も りで)
「コピー機 は ここです。 ち ょっと古 いです。
コピー機 の調子 が悪 いです。調子が悪 い場合 は、連絡 して くだ
さい。」
「紙が必要です。 紙が必要な場合は、あの棚か ら取 って ください。」
「コ ピー機 が故 障 です 。故障 の場合 は、 この 番号 に電話 して く
ださい。」

コピーきの ちょうしが わるい ばあいは、れんらくして ください。


かみが ひつような ばあいは、たなから とって ください。
こしょうの ばあいは、でんわして ください。

「場合」の前の接続の形を確認する。

練習 Al 下段 3文 こ とば を入 れ替 えて「 ∼場合 は」 の文 を作 り、形


と意 味 を確 認す る練 習。
B2 Blと 同様 、管理人 の注意 とい う設定 で二 つ の文 をつ な いで、
文 を完成す る練習 。
B3 相手 の発言 に対 し、「場合」を使 って どう した らよいか尋ね
る練習。
さらに、応用 として「その場合 は」を使 って、答え を加えさ
せてもよい。
例 Sl:申 し込みにはん こが必要です。
S2:は ん こを持 っていない場合 は、 ど うした らいいで
すか。
Sl:そ の場合 はサイ ンをして ください。
Cl キャンプに参加す るにあたって、問題が生 じた場合 はどうし
た らよいか尋 ねる。
発展 1 日本での生活について、思 いがけない事態 や困った事態に
遭遇 した場合 を想定 し、会話 を作 る。助言者 は教 師、ある
い は滞 日経験 の長 い学習者がす るとよい。
例 T:日 本の生活 にはもう慣 れましたか。
S:え え、おかげさまで。
T:何 かわか らないことがあった ら、 いつで も聞いて
くださいね。
S:あ りが とうござい ます。一つ質問があるんですが。
T:何 ですか。

第 2部
S:休 みの 日に病気やけがをした場合は、 どうした ら
いいですか。

各 課 の教 え方
T:そ の場合 は、 まず近所 の人に休みの 日にやってい
る病院 を聞いて ください。大 きなけがや急 な病気
の場合 は、119に 電話 します。
『翻訳 。文法解説』p.35「 非常 の場合」 を参照 し、地
震や台風 の場合 について会話 を作 らせてもよい。
発展 2 『翻訳 。文法解説』p.125の 「病 院」 の 図 を見 なが ら、症
状 によって、 どこへ行けばいいか、会話 を作 る。
例 Sl:す み ませ ん。子 ど もが耳が痛 い と言 うんですが、
どうしたらいいですか。
S2:耳 が痛 い場合 は、「みんなの病 院」の耳鼻咽喉科
へ行 った らいいです よ。
Sl:耳 鼻咽喉科 ですね。あ りが とうござい ます。
留 意点 「∼たら」や「∼ とき」 との違いについて質問が出ることがある。テキス ト
や練習に出て くる「∼場合 は」の文はすべ て「∼ とき (は )」 に言い換え可
能である。また「〈 動詞辞書形〉場合は」以外 の文は「∼たら」で言い換え
可能である。 しか し、反対に「∼ とき (は )」 「∼たら」の文を「∼場合 は」
に言い換えられるケースは限られる。 「∼場合 は」は起 こ りうると想定され
るいろいろな状況の一つを取 り上げて、その状況下での対処のしかた、行動
の制限などを言う。したがって、「子 どものとき (は )、 よく海で遊んだ。 」「学

校 行 くとき、先生に会った。 」などの文は「∼場合 は」に置き換えること

はできな 。また、実現の可能性の低い仮定の文 (例 「 もし宇宙人に会えた
ら、おもしろい」)や 確定条件を示す文 (例 「仕事が終わったら、食事に行



Й 驀一
轟=
)も 「∼場合は」に言い換えることはで きない。
きます」

2.約 束 を したのに、 彼 女 は来 ませんで した。 V


普通形
いA
の に、 ∼
なA 普通形
N ∼だ → ∼ な

「∼ のに、∼」 は「のに」 の前 で述べ られた事実か ら、当然予想 される結果 とは違 う


結果 となったことを述べ るときに用 い られる。話 し手の意外感、不満感が表現 される。

国な凩隕 ∼のに、∼ 國四口 〔 コ 回又コ


=コ
期待 していた結果 と違 う結末になり、がっか りしたような状況を提示するとよい。

導入例l T:友 達 とレス トランで食事する約束を しました。彼女はいつも約


束を守 ります。でも、きのう彼女は来ませんで した。連絡もあ
りませんで した。変ですね。信 じられません。 (不 可解だ とい
う表情 で)約 束を したのに、彼女は来ませんで した。

169
導入例2 T (レ ス トラ ンの 写真 を見せ て)こ の レス トランは有名です。わ
た しはここで食事 しま した。でも、おい しくなか ったです。 こ
のレス トランは値段が高いです。 (不 満そうな表情で)値 段が
高いのに、おいしくないです。有名なのに、おいしくないです。

導入例3 T:友 達 の子 どもは 5歳 です。新聞が読 めます。 び っくりしま した。


(驚 いた表情 で)5歳 なのに、新聞が読 めます。

やくそくを したのに、かのじよは きませんでした。


この レストランは 1ね だんが たかいのに、おいしくないです。
ともだちの こどもは 5さ いなのに、しんぶんが よめます。

「のに」 の前 の形 と、意外感や不満感 を表す ことを確認する。


名詞接続が「∼ なのに」 になる ことに注意す る。
A B  B

練習 ことばを入 れ替 えて文 を作 り、文 の形 と意 味 を確認 す る練 習。


4     5

前文 (動 詞文 )と 後文 を「の に」でつ な ぎ、文 を完成す る練


習。
前文 (形 容詞文、名詞文 )と 後文 を「のに」でつ な ぎ、文 を
完成す る練習。
文作 り 文 を与 え、「 ∼ の に」 を使 って文 を完成 させ る。
例 :ご はん をた くさん食 べ ました
→ ごはんをた くさん食べ たのに、 もうおなかがす きま
した。
B6 「 どうしたんですか」 の質問に、「∼のに」 を使 って意外な状
況 を説明する練習。
C2 持ち物や服 などに起 きた残念な出来事 を説明す る。
発展 参加 したイベ ン ト (ス ピーチ コンテス ト、 スポー ツの試合、
入学試験 など)で 予想外 の結果や不満足 な結果になったこと
を話す。相手はそれを聞いて励 ます。
例 Sl:ス ピーチ コンテス トはどうで したか。
S2:一 生懸命練習 したのに、 うまく話せ ませんで した。
残念 です。
Sl:そ うですか。 また、来年があ ります よ。
B7 相手 発言に同意 し、意外だとい う気持ちを「∼のに」 を使 っ

て表す練習。
さらに、文 を与え、答えさせ る。
例 :こ のマ ンション、家賃が高 いですね。
→ そ うですね。古 くて、狭 いのに。
C3 友人の近況について話 をす る。
発展 友人の近況 を話題 に会話 を作 る。
例 Sl:〇 〇さんが入院 したのを知ってい ますか。

170
S2:え っ、本 当 で す か。最 近調 が い い と言 っ て い た

のに。 2


留 意点 「∼のに」 と「∼が」や「∼ても」 との違いについて質問が出ることがある。 各
① わたしの部屋は狭いですが、きれいです。 (第 8課 ) 課

②あ した雨が降って も、出かけます。 (第 25課 ) 教

③約束 したのに、彼女は来ませんでした。 方
①② を「∼のに」で置 き換えることはで きない。「∼のに」は意外感や不満
感が表されるが、① は単に二つの対比する内容の文をつないでいるだけであ
「∼のに」は既定の事実 しか表せないので、②のように「∼ても」
る。また、
が仮定条件を表 している場合 は置き換えることができない。

Ⅲ日会話 コースをまちが えた場合 は、 どうした らいいですか

場面 健康 マ ラソ ンのス ター ト前 に係員か ら諸注意 を聞 く。


後 日、 レー スの感想 につい て話す。
目標 場面、状況 に応 じた指示や対応がで きる。 また、予想 外 の結果 につい
て、残念 ・不満 な どの気持 ちが表現 で きる。
表現 ・元の所 コースか らはずれ る直前にいた コース上の位置。

・∼位 「∼番」 とも言えるが、 「∼位」は序列を表すのに


対 し、「∼番」 は順 序や順番 も含み、使用範囲が

広 。
練習 内容確認 の質問例
。このマ ラソ ンで気 をつ け ることは何 で す か。

一=
・気分が悪 くな った場合 は、 ど う した らいい です か。


一一
■静
■ ■ “ ■■

懸薔
・ ミラー さんは何位 で したか。 どう思 ってい ますか。

4呻醤十
身 につ けたい会話表 現
・ コース をまちが えた場合 は、 どう した らいい ですか。
・ あ の う、途中 でやめたい場合 は ?
。一生懸 命練習 したの に、優勝 で きな くて、残念 で
す。
。また来年 /次 があ ります よ。
発展 団体旅行 の 自由時間、 山登 り、見学 な どの場面 を想定 し、注意 を与 え
た り、質 問 を した りす る。

Ⅳ.そ の他

問題 5 例 は選択肢「薬 を飲んでい ます」の時制を変えずに入れ、1)


も「会議が始まる」で時制を変更しなくてもよいので、2)、 3)、 4)
も機械的にそのようにして しまう学習者が出て くる恐れがある。
チェックの際は、文の意味を考えさせ、正解は「楽しみにしていた」

171
「た くさん買っておいた」「地図を持って行った」 のように過去時制
に変更 して入れることを確認す る。
・7「 3つ もあるのに」の「 も」は第 42課 の会話「半分 も貯金す る
んです か」 で学習 した「 も」 と同様、数値 の多 さに対する話 し手の
意外な気持 ちを表す。 (『 翻訳 ・文法解説』p.109参 照)







¨
第2
部¨
各課
の教

躍轟
轟瓢

方 
  
できるようになること

一一¨一¨軸
・動作の段階を述べることによって、事態や状況を説明す ることができる。

臨¨¨¨¨
・動作が終了してからあまり時間がたっていないとい う気持ちを表す ことがで
きる。
・話 し手が確信 していることが述べ られる。

学習する こと

1.辞 書形/∼ ている/ 1・ 2


1・ 2・ 3
∼ たところです 3・ 4
︵Z

︵Z
2.∼ たばか りです

う∠
4・ 5 5。 6・ 7
/0

う0

00
3.∼ はずです
う0

う0

I.新 出語彙 導入 の留意点

・渡 します 「か ぎ/地 図/品 物 を∼」。人の手から手に物を移動 させること。


。出ます [バ スが∼] 「出発 します」の意味。 この課の「出ます」と、 「お釣 りが出ます」(第
23課 )、 「問題が出ます」 (第 40課 )、 「ボーナスが出ます」 (第 42課 )
は無意志動詞。
「喫茶店 を出ます」 (第 14課 )、 「大学 を出 ます」 (第 16課 )、 「試合
/パ ーティーに出ます」 (第 32課 )は 意志動詞である。
・入学 します [大 学 に∼] 「に」は「大学に入 ります」 と同様に、到達点を表す。

・卒業 します「大学を∼」 「を」は「大学を出ます」 と同様に、離れる対象を表す。

・焼けます [パ ン/肉 が∼]第 37課 の「金閣寺が焼けます」の「焼 けます」 と意味 (訳 )が 異


なる ことに留意させる。
。こちら 「 こちらか ら電話 します」の形で出てお り、
「話者 のほ うから電話を
かける」 とい う意味。

・∼の所 田中さんの所 =田 中さんがいる場所、エ レベー ターの所 =エ レベー


ターの近 く

173
・半年 「半日、半月」を提示 してもよい。
。ちょうど 「今何時ですか。・¨ちようど9時 です。

Ⅱ口学習項 目の導入 と練習

1.会 議 は今か ら始 まるところです。


iVて 形〉いる/(Vた 形〉 ところです

「 ところ (所 )」 は第 8課 で、場所 を指す ことばとして学習 したが、 この課の「 ところ」


は時間的位置 を表す。あ る動作や状況が進行 。変化す る過程において、現在 どのよう
な状況にあるか を「 ところ」 で示す。状況 を説明す ることによ り、「だか ら∼ なのだ」
とほかの何か を伝 えようとしてい る。
① (V辞 書形 )と ころです
ある動作が始 まる直前であることを表す。時を表す「 これか ら」「 (ち ょう ど)今 か
ら」などの表現 とともに用 い られる。
Vて 形〉 い るところです
② 〈
ある動作が まさに行われている最中であることを表す。時の副詞「 (ち ょう ど)今 」
が ともに用 い られる。「∼ ている」 の形 で動作や出来事 の継続 を表す動詞 が用 い ら
れる。無生物の動 きを表す「雨が降 る、風が吹 く」や状態 を表す「ある、で きる」
などの動詞、 また、 「ている」がついて動作や出来事 の結果状態 を表す「持 つ、知る、
住む、結婚す る、 閉まる、開 く、壊れる」 などの動詞 は使えない。
Vた 形〉 ところです
③ 〈
ある動作が終わ った直後 であることを表す。副詞「 たった今」な どが ともに用 い ら
れる。
なお、「∼ ところ」 は「です」 のほかに、助詞 「へ、 を、に、で」 を伴 う表現 (例 「彼
女 と話 して い るところへ友達が来 ました」)な どもあるが、この課 では扱 わない。

口な躾⑮ ∼ところです 図四■ 国 回 匝区コ


=コ =コ
ーつの動作で「直前」であるか「最中」であるか「直後」であるかを説明す
る場面 を提示するとわか りやすい。

導入例 教 師 は一人 三役 をす る。
A:12時 です。今 か ら昼 ご飯 を食 べ ます。 いただ きます。 (ジ ェス
チ ャー で示す。)
(携 帯電話が鳴 って、電 話 に出るジェスチ ャー)は い。
B:Aさ ん、 こんにちは。 今、 いいですか。
A:す み ません。今 か らごはんを食 べ るところです。急 ぎますか。
B:い いえ。 じゃ、 またあ とで電話 します。

A:(食 べ て い る ところ に携 帯 電話 が 鳴 って、 電 話 に出 る ジェス


チ ャー)は い。

174
暇第 2部 岬各 課 の教 え方
恭         一
B:Aさ ん、 もう食 べ ま したか。
A:い いえ、今食 べ ているところです。終わ った ら、 こち らか らか
けます。


B:い え、 また こちらか らかけます。大切 な用事 じゃあ りませんか
ら。

A:ご ちそうさまで した。


(携 帯電話が鳴 って、電話に出るジェスチ ャー)は い。
B:Aさ ん、昼 ごはん は終わ りま したか。 ・ │■ 1111'│:・ │・

A:た った今食 べ た ところです。 ││1111【 )│:

B:じ ゃ、話 してもいいですか。


・ │=│:● ・‐,
´わ :● :■

A:え え。
丁 :(「 食 べ る」 3段 階 の絵 を見せ て)

今か ら食 べ るところです。
已 1筵 1農
今食 べ ているところです。
た った今食 べ た ところです。
貫 1下
いまから
いま
たべ る
たべ て いる
ところです。
ところです。

たったいま たべ た ところです。

練習 Al 「ところです」の三つの段階を確認 し、練習する。
Bl あることが終わったかとい う質問に「いいえ、〈 辞書形)と
ころです」 とい う形で、今の状況を説明する。
B2 あることが終わったかという質問に「今∼ているところです」
とい う形で、今の状況を説明する。

質問に「∼たところです」 を使って答える練習。

「今∼ ところなんです」 とい う形で、電話に応答 できない状


況を説明する。
文作 り いろいろな絵を準備 し、動作 の三つの段階を表す文を作 ら
せ る。
例 :今 生 まれ る ところで す 。 ノ∩ ´

1翁 辟
`

今生 まれた ところです。 ヽイ │

今えさを食 べ てい るところです。 │ │
Cl 電話での応答
電話をかけたときは、まず 自らを名乗 り、 「今いいですか」 と、
相手 の都合 を尋 ねることを説明する。
発展 かけなお した ときのや りと りを考える。
例 (Cl)
B:Bで す。 さ っ きは失礼 しま した。今 いい で す か。
A:は い。

175
留意点 「∼ ところです」を使 った表現 と、使わない「今から∼ます」 「今∼ています」
「たった今∼ました」などの表現はどう違うのかという質問が出ることがある。
「∼ ところです」は、状況を説明す ることによ り、聞き手に対 し、それに対
する対応を促す場合に用いられる。
例 :回 故障の原因はわか りましたか。
=コ ……いいえ、今調べているところです。
言外 に「ちょっと待 って ください」 とい う含みがある。

2.彼 は 3月 に大 学 を卒業 したばか りです。 た 〉ばか りです

「(た 形〉ばかりです」はある行為や出来事が行われてから、あまり時間がたっていな
いという話し手の気持ちを表す。


舅頌申∼たばかり
です収四ロ
「∼ た ところです」 との違 いがはっ きり出るような例 を考 える。話者 にとっ
て心情的に「時間が たっていない」 ことを言 いたい場合、 た とえば、来 日し
たばか り、卒業 したばか り、就職 したばか り、結婚 したばか りな どを取 り上
げ るとよい。

導入例 T Sさ んは3月 に大 学を卒業 して、4月 か ら トンダ自動車 で働 い


ています。まだ仕事 に慣れていません。わか らないことが多 い
です。
Sさ んは3月 に大学を卒業 したばか りです。まだ仕事 に慣れて
いません。

3が つに だいがくを そつぎょうした ばかりです。

練習 A2 話者 の心情 を考 えなが ら、「 ∼ たばか りです」 の形 を練習す る。


B5 質問 に対 して、与 え られた文 を「 ∼ たばか りです」 の形 に し
て答 える。


璽藝隕∼たば
かりなの
で∼/∼ たば
かりなのに
、∼回 回
=コ =]
「∼ たばか りです」に、既習 の「 ので」 (順 接)、 「のに」 (逆 説)を 接続 させ
て文 を作 る。「なので、∼」 と「なのに、∼」 の「∼」の 部分 が、際立 って
対立す る状 況を設定す るとよい。

導入例 T iSlさ ん は先月 日本 へ 来 ま した。 日本語がわか りませ ん。銀 行


はどこですか。電車、バスの乗 り方 は ? 交通規則 は ? わか
りませ ん。何 もわか りません。先月 日本 へ 来 たばか りです。
Slさ ん は先月 日本 へ 来 たばか りなので、何 もわか りません。
S2さ んも先月 日本 へ 来 ま した。 S2さ んは国 の大 学 で 日本語を
勉強 しま したか ら、 日本語がわか ります。わか らない ことが あ

176
¨
第2

る とき、 日本人 に聞きます。 どこでも一人で行 きます。電車 も

¨

バスも地下鉄 も乗 ります。


S2さ んは先月 日本 へ きたばか りなのに、何 でもわか ります。

の教
え方
Slさ んは せんげつ にほんへ きたばかりなので、なにも わかりません。



S2さ んは せんげつ にほんへ きたばかりなのに、なんでも わかります。

 ¨
一一¨一一醐

「 ∼ ので」 (順 接 )は 第 39課 、「∼ の に」 (逆 説)は 第 45課 で既習。

¨一一¨
それぞれの形 と意味機能を よ く思 い 出させ、確認す る。

練習 B6 主題 と、主 題 につ いての二 つ の 文が与 え られて い る。「ばか


りなので」 を使 って一 つ の文 にす る。
B7 二つ の 文 をつ ないで、「 ∼ た ばか りな の に、 ∼ て しまい ま し
た (遺 憾 )」 の文 を作 る。
文作 り 文 を与 え、「 ∼ ばか りな の で /∼ ばか りなの に」の文 を作
らせ る。
例 :き の う習いました
→ きの う習ったばか りなので、 まだ覚えていません。
→ きのう習ったばか りなのに、もう忘れました。
C2 新 しい環境、仕事について感想を求められる。
日本の生活、アルバイ ト、習いごとなどについても尋ねると
よい 。
発展 Bの 発 言 の後 に感想 を付 け加 え る。
例 A:大 学 はどうですか。
B:先 月授業が始まったばか りなので、まだよくわか り
ませんが、大学の授業 は高校 と違うし、クラスの友
達もいろいろな人がいるし、おもしろそうです。

留意点 1)「 ∼たところ」 と「∼たばか り」はある行為が行 われた時間的「直後」


を表すが、「∼たばか り」は時間のとらえ方が話 し手の心理、意識に基
づ く。
「∼たばか り」は発話の時点から見て、さほど時間が経過 していないと
話し手が感じれば、 「きのう」 「先週」
「先月」 「去年」、場合によっては「3
年まえに」さえ用い られることに注 目させる。
例 :こ の家は3年 まえに買ったばかりなのに、地震で壊れてしまいました。
2)「 ∼たばか りです」には、「∼」から導き出される期待あるいは予想され
る状態にはなっていない とい う言外の意見が含まれる。導入の過程で確
認し、理解を助けるとよい。
例 :回 1 先月会社 に入ったばか りです
=互 →新入社員であるから、会社の仕事に慣れていない
回 │ このビデオカメラ、先週買ったばか りです
=互 → まだ新 しいから、絶対 に故障 しないと思う

177
3.ミ ラーさんは会議室にいるはずです。
ない ない い な な の は

話 し手が何 らかの事実、根拠 をもとに、その当然 の帰結 として、必ず成 り立つ とい う


自分 の判断を述べ る場合 に用 い る。ただ し自分 自身のことについては「はず」 は使 え
ない。

冒∼は
□は文 ずです口
四口回
=コ
学習者 も知 っていることなど、話者が確信 してい ることが学習者にも納得 で
きるような ことを取 り上 げるとよい。

導入例 1 T IMCは 毎週火曜 日 10時 半か ら会議があ ります。


きょうは火曜 日です。今 10時 半 です。
ミラー さんは今会議室 にいるはずです。

導入例2 教 師 は一人三役 をす る。 二 人で雑誌 を見 て い る。


A:こ の レス トラン、 きれ いで すね。行 ってみたいですね。
B:そ うですね。でも、見て くだ さい。高いですよ。ランチが 5000
円、夜 は 3万 円か らと書 いて あ ります。
A:3万 円な ら、おい しいはずです。 行 ってみま しょうよ。
導入例3 T:美 容院はだいたい火曜日が休みです。
教師 は一人三役 をする。
A:お はようございます。いい天気ですね。 どちらへ ?
B:ち ょっと美容院へ。
A:え 、きょうは火曜日ですか ら、美容院は休みのはずですよ。
B:あ 、そうですね。 じゃ、あ したにします。

ミラーさんは かいぎしつに いる はずです。


この レス トランは おい しい はずです。
びよういんは やすみの はずです。

「はずです」 の前 には「動詞辞書形、動詞 ない形、 い形容詞、な形


容詞な、名詞 の」が来 ることを確認す る。

練習 A3 「はずです」 の形 と意味を確認 して、練習す る。


「はず です」 と言える根拠が どんな ものか考えさせる。
」 の根拠
例 :「 荷物はあ した届 くはず です。
→宅配便 の会社 に頼み ました。
けさ頼みました。
速達で頼みました。
B8 質問 対 して、与えられた文 を、確信 を裏付ける理由 として

述べ て、「∼ はずです」 で答 える。

178
C3

第 2部
集合場所 に現 れ ない ミラー さんを心配す る。
発展 や りと りの あ と、確認 のために ミラー さんに電話 を してみ る。
例 B :も しもし、 Bで す。 ミラー さん、今 どこで すか。

各 課 の教 え方
ミラー :今 か ら電車 に乗 る ところです /今 電車 を降 りた
ところです。 あ と 10分 ほ どで着 くと思 い ます。

、留意点 :
「はずです」には、この課で学習するもの以外に「∼たはずです (例 :き の
う言ったはずですが)」 や納得の「はずです (例 :道 理でうまいはずだ)」 な
どの機能がある。この課で扱う「はずです」の範囲を出ないように注意する。

一一盆w一
一一4♯,
Ⅲ日会話 先週直 してもらったばか りなのに、 また……

場面 ガス レンジの不具合 の状態 を説明 し、点検 を依頼す る。


目標 サ ー ビスセ ン ター に修理 を依頼 す ることがで きる。
表現 ・5時 ごろには 「は」は「遅 くても5時 に」の意味 である。
練習 内容確認 の質問例
。ガス レンジは どんな様子 です か。
。ガス レンジは今 まで に故障 した ことが あ りますか。
・ ガス会社 の人は何 時 に来 る予定 で したか。
身 につけたい会 話表現
・ 直 して もらったばか りなのに、 また 火が消 えて しま うんです。
・ 申 し訳 あ りませ ん。
・ 少 々お待 ち ください。
。お待 たせ しました。
発展 電気、水道や電化製品の不具合 につ い て、 店 に連絡 す る。

Ⅳ.そ の他

問題 6「 彼女 にもらったばか りです」が「手袋」を修飾す る場合、「彼


女にもらったばか りの手袋」 となる。
日記なので、
「お風呂に入るところだった」 「宅配便が届 くはずだっ
た」のように、過去の普通形になっている。

179

痣屁屁瑕
で きるようになる こと
。ほかか ら得 た情報 をその まま伝 える こ とがで きる。
・ 自分 の五 官 で とらえたその場 の状況か ら判断 され る ことが述 べ られる。

学習する こと

1・ 2
1.∼ そうです 1・ 2・ 3 1・ 2
3・ 4

^∠
つ“

う0
2.∼ ようです 5・ 6 4・ 5。 6

I.新 出語彙 導入の留意点

・燃えます 第 37課 で学習 した「焼けます」 とどう違 うか とい う質問が出ることが


ある。火事において「燃える」は火や煙 を出して燃焼 している状態を言
い、 「焼ける」は燃えたあ との状態を言 うことが多 い。火事の最中は「 う
ちが燃えている」、鎮火 したあと、「 うちが焼けた」。

亡 くなります 知人や親 しい人、その身内な どに使う。また、知 らない人でも災害などで


死んだ場合、悼 む気持ちを込めて「地震で亡 くなった方 々」な どと言う場
合もある。自分 自身の家族な どについては「死にます」を使う人も多い。

別 れ ます いっしょにいた人と離れる、あるいは恋人や夫婦の関係を絶つこと。
例 :「 駅で友達 と別れた」「家族 と別れて、一人で生活する」「彼 と別れ
たい」 「3年 まえに二人は別れた」
・ ひ どい 悪いことについて、その程度がはなはだしいことを言 う。
「彼の言い方は∼」
例 :「 ∼地震」 「∼風邪をひいた」
。 い
怖 怖 い とい う感情 の対象 は「が」 で示す。
例 :わ た しは高 い ところが怖 いです。
一般 的な意見 として述 べ る ときは「 は」 を用 い、「地震 は怖 い です」 と
言 う。 日本人が怖 い ものの代表例 を表す ことばとして、「地震 。雷 ・火事 。
親父」がある。

180


“      獅
第2部い

一        轟
・賛成/反 対 対象 は「に」で表す。「彼 の意見に∼」 。名詞なので、ほかの名詞を修飾
す るときは「∼の (名 詞〉
」 となる。

各課の教え方
例 :彼 の意見に賛成の人は少なかった。

Ⅱ.学 習項 目の導入 と練習

1.天 気予報によると、あしたは寒くなるそうです。 (普 通形〉そうです

話 し手がほかか ら得 た情報 をその まま聞 き手 に伝 える表現 である。 情報源 は「 ∼ に よ

一融 一
る と」 で表 される。 この課 では情報源 として、天気予報、新 聞、雑誌、手紙、人 の話、
デ ー タな どを扱 ってい る。

朧薩蜃璽]∼ による と、 ∼そ うです 図四■ 回 回 回


=コ =コ =]回 =コ
天気予報や ニ ュース な ど身近 な情報 を提示す る とよい。

導入例 l T:け さ、新聞で読んだんですが、○○で飛行機 の事故があ ったそ


うです。新間による と、 OOで 飛行機 の事故があったそ うです。

導入例2 T:ミ ラー さんにニ ュー ヨー クの ことを 聞 きま した。 ミラー さんは


ニ ュー ヨークの夏 はとても暑 いと言 いま した。
ミラー さん に聞 いたんで すが、 ニ ュー ヨークの夏 はとても暑 い
そ うです。 ミラー さんの話 による と、 ニ ュー ヨークの夏 はとて
も暑 いそ うです。

導入例3 T けさ、天気予報 を見 ま した。 あ したは寒 くなる と言 っていま し


た。
天気予報 を見たんですが、 あ したは寒 くなるそ うです。
天気予報 による と、あ したは寒 くなるそ うです。

てんきよほうを みたんですが、ヽ
あしたは さむく なる そうです。
てんきよほうに よると、 ノ

「∼ そ うです」 の「∼」は普通形 であることを確認す る。 また、情


報源の言い表 し方は二つあ り、「∼んですが」は会話でよ く使われ、「∼
によると」 は説明をす るときなど、少 し改 まった場面で使われるこ
とを説明す る。

練習 Al ことばを入れ替えて「∼そ うです」 の文を作 り、形 と意味を


確認す る練習。
Bl 情報源 を「∼ んですが」で言い表 し、文 を完成す る練習。
文作 り 文 を与え、「∼ んですが、∼ そうです」の文 を作 らせ る。
例 :友 達にメール をもらい ました
→友達 にメール をもらったんですが、来月 日本へ 来 る

181
そ うです。
B2 イラス トを見て、「∼ による と」 を使 って情報源 を添 え、質
問に答える練習。
QA ニ ュースや話題になって い る ことについ て質問 し、「 ∼ によ
ると、∼そ うです」 を使 って答 えさせる。
例 :Sさ んの国の天気 はどうですか。
→ Siニ ュース によると、毎 日雨だそ うです。
B3 知人や店の情報を「 ∼ そ うです」を使 って伝 える。そ の情報
を得て、現況に納得 したことを表すや りと り。
Cl 共通 の知人か らメールで得 た情報 を伝 える。
発展 Clの や りと りに続 けて、Bが 「お祝 い」「お見舞い」 の内容
をAに 相談 し、Aが 人か ら聞いて知 っている情報を伝 える会
話 を作 る。
例 B:じ ゃ、お祝 い をしない と……何 が いいで しようか。
A:木 村 さんとワッ トさんはよくワイ ンを飲むそ うです
よ。
B:じ ゃ、ワイ ンにしましょう。
C2 ニュースについて話す。
発展 話の切 り出しを「雑誌を読みましたか」「○○さんに聞きま
したか」などほかの情報源に変え、実際に学習者が知 ってい
る出来事を使 って会話を作 らせる。

留意点 1)第 43課 で学習 した様態の「∼そうです」 とは意味、接続の仕方が異な


るので、比較 しながら説明するとよい。『翻訳 。文法解説』p.138参 照。
例 :① (今 にも)雨 が降りそうです。 (様 態 :ま す形接続)
② (天 気予報によると、)雨 が降るそ うです。 (伝 聞 :普 通形接続)
2)得 た情報をほかの人に伝える表現 として第 33課 で学習 した「∼ と言っ
ていました」があるが、 この課の「∼そうです」とは以下の違いがある。
例 :① シュミットさんは来月国へ帰るそうです。 (伝 聞)
② シュミットさんは来月国へ帰 ると言っていました。(伝 言)
①の情報源はシュミットさん以外の可能性があるのに対して、②の
情報源はシュミットさん自身であ り、その発言を伝えていることに
なる。『翻訳・文法解説』p.138参 照。

2.隣 の部屋 にだれかいるようです。 V


普通形
いA
ようです
なA 普通形 -f,;--tt
N -#--o)
話 し手が 自分 の五 官 で とらえたその場 の状況 を基 に して、主観的 に判断 し、推 測す る
表現 で ある。

182
圏∼ようです 図四
口回 回

第 2部

藝璽 =コ =コ
音や匂い、触感などから推測できる物や残された視覚情報から何があったか

各 課 の教 え方
を推測できるようなイラス トを準備するとよい。

導入例 l イラス トを示 して


下 :こ こは わ た しの ア パ ー トの部屋 です。

゛ ヽ´´″
隣 の部屋 の人 は先月引 っ越 ししま した。
今、だれ も住んで いません。 いつ も静
かです。でも、今、 隣 で何 か音が しま

彎一
す。人の声が します。隣の部屋 にだれ
かいるようです。

導入例2 T:旅 行 か ら帰 りま した。泥棒が入 ったよ


うです。泥棒 は窓 を壊 して、入 ったよ
うです。

導入例3 T :こ こに新 聞が た くさん入 って いま す。


「田中 さ一ん」呼 ん で も返 事 が あ りま
せん。 田中 さんは留守のようです。

とな りの へやに だれか いる ようです。


どろぼうが はいった ようです。
たなかさんは るすの ようです。

音、匂 い、味、触感、見た状況などか ら話 し手が推測 した ことを述


べ る場合 に使 う表現 であること、接続の形は、な形容詞は「∼ な」、
名詞 は「∼の」 になることを説明す る。

練習 A2 ことば を入れ替 えて「∼ ようです」 の文 を作 り、形 と意味を


確認す る練 習。
さらに、各文について話 し手が推測の根拠 とした事柄 を考え
させる。
例 :ど うして「 コンサー トが始 まるようです」 と言 い ました
か。
→ アナウンスがあ りました。ベ ルが鳴 りました。 ロビー
にいたお客 さんがみんな中に入 りました。・…
B4 イラス トを見なが ら、一方が 「∼が します」 を使 って、感知
した状況を述べ 、他方がそれに基づ く推測 を述べ る練習。
B5 イラス トを見 なが ら、相手が指摘 した状況 を見 て、推測 を述
べ る練 習。
B6 「∼ よ うですか ら」 を使 って推測 した事態へ の対応 を述べ る
練習。

183
さらに、冒頭 に下のようなセ リフを付け加 えさせて、談話練
習に発展 させるとよい。
例 Sl:足 音が します ね/人 の声 が lン ます ね ハ
S2:え え、だれか来たようですか ら、ちょっと見て来
ます。
C3 普段 と違 う事態について、推測を述べる。
発展 『翻訳 。文法解説』p.137の 「擬音語 。擬態語」を参照 して、
人の様子 を描写してもよい。
例 A:太 郎君、テ レビを見ながら、げ らげら笑っています
ね。
B:と て もお もしろい番組 の ようですね。ち ょっ と見 て
きます。
A:何 を見てい ましたか。
B:○ ○のアニメを見 てい ました。
∈亘Ξ)1) 形容詞を使 って様子 を述べ る場合、第 43課 で学習 した「∼そうです」
との違いについて質問されることがある。
① ミラーさんは忙 しそうです。
② ミラーさんは忙 しいようです。
① は発話の時点で目撃 した外見そのものの様子を述べているのに対し、
② は観察の結果から推測した結論を述べている。なかなか連絡がつかな
い、きのうのパーテイーに来なかったなどの根拠があって、出てきた推
測結果である。『翻訳・文法解説』p.139参 照。
2) 「ようです」は実際には推測を述べ るとい うより断定 を避けるための婉
曲表現 として使われる場合が多いが、 ここでは特にそれに触れる必要は
ない。

Ⅲ.会 話 婚約 したそ うです

場面 事務所 で 同僚 につ い ての話 をす る。
目標 伝 聞や推測 の表現 を用 い て、お しゃべ りに参加 で きる。
表現 ・ どうも 推測の表現「∼ ようです」 とともに用 い られ、
推測の不確か さを強調す る。この会話での使
用例では「 ひ ょっとして違 うか も」 とい う一
綾 の望みが垣 間見える。
。すみません、ちょっと 具体的な理由を言わず に誘 いを断る表現。
急 ぎますから。
練習 内容確認 の質問例
。渡辺 さんは ど うして高橋 さん といっ しょに帰 らな い んですか。
・ 林 さんは高橋 さんにどんな ことを教 えてあげ ま したか。
・ 高橋 さんは どんな気持 ちだ と思 い ます か。

184
清第2部 沖各課の教え方

絆        “



身につ けた い会話表現

  

。すみません、ちょっ と急 ぎますか ら。

  
 門
・知 らないんですか。


・ ところで、○○さんは ?
。僕/わ た しは仕事が恋人です。
発展 昼休みや退社後に同僚や友人 とニ ュース などで知った ことを話題 にお
しゃべ りをする。

彎一
Ⅳ.そ の他

問題 ・7「 笑うようになるし、・
・・話す ようになるそ うです」
可能動詞〉ようになります」で、できなかったことがで
第36課 「〈
きるようになる変化の表現を学んだ。可能動詞ではな く、普通の動
詞が使われる場合は、習慣の変化を示す。『翻訳 。文法解説』p.72-2
参照。

185
で きるようになる こと
。他者 (下 位 の者 )へ の行為 の 強制や許可 ・容認 を表す ことがで きる。
・丁寧 に許可 を求め ることがで きる。

学習する こと

︵Z
1.∼ (さ )せ ます (強 制
) 1・ 2・ 3 1・ 2・ 3

∠ュ

う∠
うZ

2.∼ (さ )せ ます (容 認
) 3・ 4 4・ 5

う0
′0
Eυ

FD
3.∼ (さ )せ ていただけませんか

I.新 出語彙 導入の留意点

・下 ろ します [物 を∼ ] 「棚 /ト ラックか ら荷物を下 ろします。



降 ろ します [人 を∼ ] 「車か ら客を降ろします。 」他動詞。自動詞は「降 ります」

・届 け ます 「荷物 を届けます」は他動詞。「荷物が届 きます」 (第 46課 )は 自動詞。


・世 話 を します 「子 ども/犬 /花 の世話をします。

。録 音 します 「講義/音 楽/声 を録音 します。

・嫌 [な ] ここでは「∼が嫌です」 の形で使っている。

・塾 日本の受験や塾 の事情 を説明 してお くとよい。


・生徒 中学校、高等学校 で教 育 を受ける者を言 う。ちなみに、小学生 は児童、
大学生は学生 と言 う。
。自由に 「 自由に意見を言 う。
」「 自由に描 く。

。∼ 間 (か ん) 「会話」に「 10日 」 と「 10日 間」が出てい る。いずれ も期間を表すが、
後者 の場合 は「その期間」 とい うことを強調 してい る。

186
第 2部
Ⅱ口学習項 目の導入 と練習

使役文には、上位者が下位者 にある行為 を強制す る機能 と下位者 の行為 を許可・容認

各 課 の教 え方
す る機能があ る。 この課 では機能別 に、 1.強 制、2.許 可 ・容認、3.許 可 ・容認 の
機能 を使った丁寧な依頼 の文型 を学習す る。なお、 ここでは便宜上使役 の形 の動詞を
「使役動詞」 と呼ぶ。

1.息 子をイギリスヘ留学させます。 (強 制) Nlを 使役 V


Nlに N2を 使役 V

会社組織 な どの上 司 と部下、親 と子、先生 と生徒 な どの 関係 にお い て、上位者が下位


者 にあ る行為 を強制 す る場合、使役文 を用 い る。
自動詞の場合は「〈 人)を ∼ (さ 人)に ∼を∼
)せ ます」、他動詞の場合は、「〈 (さ )

せます」 となる。

(さ )せ ます (自 動詞 )/∼ に∼を∼

璽璽理國 ∼を∼ (さ )せ ます (他 動詞)
図 馴 IE図 〕匪 コ
親が子供 にしつ け としてさせ ることを取 り上 げる とよい。
はじめに、使役動詞 を導入す る。

導入例 1 (自 動詞 )
T:わ た しの子 どもは学校が嫌 いです。毎朝行 きた くないといいま
す。 で も、学校 は行かな ければな りません。わた しは子 どもを
学校 へ 行かせ ます。
(他 動詞 )
T:わ た しの子 どもは牛乳が嫌 いです。 でも、わた しは、健康のた
めに牛乳を飲 まな ければな らな いと思 います。わた しは子 ども
に牛乳 を飲 ませ ます。

導入例2 (自 動詞 )
T:わ た しの息子 は英 語 が下手 です。英語 は国際語なので、 自由に
使 えるようにな つたほうがいいと思 います。留学 したほうがい
いと思 います。
わた しは息子をイギ リスヘ 留学 させ ます。
(他 動詞 )
丁 :わ た しの息子 は部屋 を片づ けません。息子の部屋 はとてもきた
な いで す。部屋 を片づ けな ければ、遊 び に行 ってはいけないと
言 います。わた しは息子 に部屋 を片づ けさせ ます。

[わ た しは] むすこを イギリスヘ りゅうが くさせます。


[わ た しは] むす こに ヘやを かたづけさせます。

「留学させます」
、「片づけさせます」は使役動詞であることを言う。
自動詞 の使役 と他動詞 の使役 の構造 の違 い につい てはフォー ムの後
に練習す るので、 この時点 で は取 り上 げない。

練習 Al 使役動詞 の導入
①難易度を考えて、 Ⅱ→ Ⅲ→ Iグ ループの順に導入す る。Ⅱ
グループは「〈ます形〉させます」 、Ⅲグループは「 こさせ
ない形〉せま
ます」「させます」 とな り、 Iグ ループは「〈
す」 となる。
②全体 の形 を紹介 したあ と、Alの 「使役」 もしくは CD―
ROMに 収録の「使役 の作 り方」で確認させ、各 自で整理
する時間を与える。
③動詞文字カー ド、動詞絵教材でグループごとに練習 してい
く。
A2 自動詞の使役文 (強 制)を 作 る練習。
自動詞の使役文の動作の主体 は「(人 )を 」で示す ことを確
認する。
A3 他動詞の使役文 (強 制)を 作 る練習。
他動詞の使役文の動作 の主体 は「〈 人)に 」で示す ことを確
認す る。
B] 自動詞 の使役 文 を作 る練習。
親が子 どもに行為 を強制 して い る。
右図 とテキス トのイ ラス トを示 して文
を与 える。
B2 他動詞 の使役文 を作 る練習。
部長が部下 に仕事 を命 じて いる。
B3 親が息子 ・娘 にさせ て い ることを理由 とともに述 べ る。
例 1と 1)、 2)は 自動 詞、例 2と 3)、 4)は 他 動 詞 の 使 役 文
である。練 習 の前 に使役動詞 のて形 を練習 してお く。
Cl 子 どもの しつ け につ いて話す。
発展 うちの仕事以外 に子 どものしつけのためにどんなことをさせ
ているか話す。「しつけ」は訳語 を準備 しておく。
例 B:Aさ んは しつ けのために子 どもにどんなことをさせ
てい ますか。
A:そ うですね。電車 に乗 ったときは必ず子 どもを立た
せています。座 らせ ません。
B:そ うですか。厳 しいですね。
留意点 1)自 動詞 と他動詞
他動詞が、 目的格の「∼ を」 を持 つ動詞 であ ることは第 4課 か らの流れ
で間違える学習者 はいないが、 自動詞 とい うと、第 29課 で学習 した「開
きます、閉まります、 つ きます、消 えます」 といった無意志動詞 を思 い
浮かべ る学習者が多 い。使役 の形 にで きる自動詞は意志動詞であること
を確認す る (「 行 きます、立ちます、歩 きます、走 ります」な ど)。

188
一第 2部 .

一        ●

一¨        一
既習 の動詞 を 自動詞か他動詞か、 さらに、その 自動詞が意志動詞か無意
志動詞か を分類 す る作 業 をさせ る と頭 の整理 になる。
2)自 動詞 の文 で も「橋 を渡 る」や「道 を歩 く」 な ど、「 を」 (通 過 )を 伴 う

各 課 の教 え方
ものが ある。それ らが使役文 となる場合、他動詞文 と同 じ構造 になる。
例 :わ た し 。子 ども 。歩 きます
→ わた しは子 どもを歩かせ ます。
わた し 。子 ども 。道 の右側 を歩 きます
→ わた しは子 どもに道 の右側 を歩かせ ます。
3)「 泣 く」「笑 う」「びっ くりす る」な ど、 自分 で コン トロールで きない行
動 を表す 自動詞の使役文 (例 :先 生は生徒 を笑わせ ます。)は ここで は
扱わない。


麟 一

2.娘 に ビアノを習わせ ます。 (容 認) Nlを 使役 V
Nlに N2を 使役 V

使役文 は、上位者が下位者にある行為をすることを許可・容認する場合にも用い られ
る。強制の場合 と同様、自動詞の場合 は「〈 人)を ∼ (さ )せ ます」、他動詞の場合は、
「〈人)に ∼を∼ (さ )せ ます」となる。


仁凩]∼ を
巡 ∼(さ )せ ます/∼ に∼を∼(さ )せ ます 図四
口回
=]回=コ
親が子 ど もの希 望 を聞 き、それ を容認す る場合 や、会社 で 部下か らの要望 を
聞 き入 れ、許可 す る場面 な どを設定す る とよい。

導入例 (自 動詞 )
T:娘 は歌が好 きです。音楽 の成績 もいいです。大 学 はアメ リカヘ
行 きたいと言 います。 ニ ューヨークの大学で歌 を勉強 したいと
言 います。わた しは行 ってもいい と言 いま した。
わた しは娘をア メ リカヘ 行かせ ます。
(他 動詞 )
T:娘 は歌が好 きですが、 ニ ュー ヨークヘ 行 くまえ に、 ビアノを習
いたい と言 います。わた しは習 ってもいいと言 いま した。
わた しは娘 に ピアノを習わせ ます。

[わ た しは] むすめを アメ リカヘ いかせます。


[わ た しは] むすめに ピアノを な らわせます。

前提 として行為者か らの依頼があること、お よび、 自動詞 の使役文


は行為者 を「 を」で示 す こと、他動詞 の使役 文 は行為者 を「 に」で
示す こ とを確認す る。

練習 A4 自動詞 の使役文 (許 可 。容認 )を 作 る練習。


A5 他動詞 の使役文 (許 可 ・容認 )を 作 る練 習。

189
B4 イラス トを見 て、許可 。容認 の使役文 を作 る練習。親 が子 ど
もの希望 を許可 ・容 認 した ことを述べ て い る。
QA 回区]、 B4を 参考 に実際の場合 につい て質問応答す る。
例 :学 校 の勉 強 のほか に何か習 わせて い ますか。
息子 /娘 さんが柔道 を習 い た い といった ら、習 わせ ます
か。
談話 『翻訳 。文法解説』 p.143「 しつ け る 。鍛 え る」 を活用 して、
子 どもが い た ら、何 をさせ た い か につい て話 し合 う。
例 A:Bさ んは子 どもに何 をさせたいです か。
B:わ た しはで きるだけ本 を読 ませ ます。
お じい ち ゃん、おばあち ゃん と話 させた い で す が、
一 緒 に住 んで い ないので、難 しい です。
Ciわ た しはなんで も自分 で決 め させ たいです。 自分 で
決 めた ら、責任 を持 つ し、 自信 も持 てます。

C2 高校 生の子 どもを持 つ 親 の悩み。


発展 C2に 挙 げ られて い る もの以外 につい て話す。
例 :髪 を赤 くしたい、 ビアス を した い、彼女 と結婚 したい、
自転車 で世界旅行 した い

3.あ した休 ませ て いただ けませんか。 ∼ (さ )せ ていただけませんか


相手 に自分の行為 を許可 して もらえるように、丁寧 に依頼す る場合 には、「 ∼ (さ )

せていただけませんか」 を用 いる。


卜画蜃∼(さ )せ ていただけませんか 回文

自分が したいことだが、相手 に許可 を得 ない とい けない よ うな場面 を設定する。

導入例 1(自 動詞 )
教師 は一 人二役 をす る。
A:課 長、すみ ません。今週 の金 曜 日、休んでもいいですか。
B:え ? 金曜 日 ? 金曜 日は会議があるで しよう ?
A:は い。実 は、週末 に国 か ら両親が来 るんです。両親 は 日本が初
めてだ し、 日本語 もわか らない し……、すみ ませんが、休 ませ
ていただ けませんか。
B:じ ゃ、 いいで す よ。
A:あ りが とうございます。
導入例2 (他 動詞 )
丁 :公 園を散歩 している とき、かわ いい犬を連れて いる人 を見まし
た。犬の写真 を撮 りたい と思いま した。連れて いる人 に許可を
も らいます。「すみ ませ ん。かわ いい犬ですね。写真 を 撮 らせ
ていただけませんか。」

190
一第 2部 一各課 の教え方
あ した やすませて いただ けませんか。
しゃしんを とらせて いただ けませんか。

練習 A6 丁寧 なお願 い の 文 を作 る練 習 。行為 をす るの は誰 か を確 認す
る。
B5 二つ の 文 を つ な い で、理 由 を述 べ て 丁寧 な依 頼 をす る文 を作
る。
前文は「ので」 につ な ぐため普通形 に、後文 は使役 のて形 に
変えなければならないので、十分な時間を取 って練習する。
C3 クラスの取材 のための許可 を得 る。

蘊一
発展 Aの 二つめの発言のあ と、許可 を得たい理 由を説明する。許
可 を得たあ と、感謝を伝 える。
例 A:来 週の金曜 日に先生 のクラス を見学 させていただけ
ませんか。先生のクラスの様子 を大学新聞に紹介 し
たい んです。
B:い いです よ。
新 聞が できた ら、ぜ ひ見せて ください。
A:は い、 もちろんす ぐ持 って きます。あ りが とうござ
い ます。

留意 点 第26課 で学習 した「∼ていただけませんか」 としっか り区別できるように


する。「写真を撮 っていただけませんか」 と「写真を撮 らせていただけませ
んか」を比べて、誰が写真を撮る人か確認するとよい。

Ⅲ日会話 休 ませていただけませんか

場面 上司 に一 時帰国 の相談 をす る。
目標 丁寧 な表現 を用 いて、許可 を求める ことがで きる。
表現 ・今お忙 しいですか。 忙 しいか どうかを尋ねてい るのではな く、今、お
話 したいが、時間がもらえるかどうかを尋ねている。

「ちよっとお願いがあるんですが……。 「あの う」「実は」



第 28課 で既習 であるが、お願 い をするときは、い
きな り要件 を切 り出す のではな く、お願 いごとを
す るとい う信号 を送ることも、丁寧に依頼をする
うえで重要な点である。相手に話 を聞 くとい う態
勢ができたところで「あの う」や「実 は」 で内容
に入る。

191
練習 内容確認 の質問例
・ ミラー さんはいつ アメ リカヘ 帰 ります か。
・ アメ リカで何 を しますか。
・ ミラー さんは営業会議 に出席 しますか、休 み ます か。
身につ けた い会話表現
。今 お忙 しい ですか。
・ ち ょっ とお願 いが あ るんで す が ……。 (第 28課 )
。実 は∼ んです。 (第 28課 )
。か まい ませ ん。
・ 楽 しんで きて くだ さい。
発展 休暇 をとる 日数、理 由な どを入 れ替 えて許可 をもらう。

Ⅳ.そ の他

例文 2 このや りと りは どこで、誰 と誰が、 どんな状況で話 して い るか


考えさせる。

問題 6 2)「 先生 に連れて来ていただ きました」 と「先生に連れ て来 ら


れました」
前者 は先生にお願 い して連れてきてもらったことを感謝している (第
41課 )の に対 し、後者 は来 た くなか ったが、先生 に来る ことを強
要 された ことを意味する (第 37課 )。
7 子 どもに習 わせ たい ことの 1位 が水泳 であること、その理由は
体が丈夫 になるか らである ことが書かれてい るが、第 2位 以下の理
由は何かを考えてみる。 また、学習者 の国では どうかなどについて
話 してみる。

192

第2部卿
“一        ﹄
各課の
教え方

写隕辟翁
できるようになること

「上下」「親疎 (ウ チ・ソ ト)」 の人間関係に基づ く尊敬語の表現を理解 し、
適切に使うことができる。

学習する こと


種一
1.∼ (ら )れ ます 1・ 2 1・ 2

2.お ∼にな ります


うZ

^Z

う∠
う0


3・ 4
3・ 4
3.特 別 な尊敬語
う0

4・ 5 5・ 6
5。 6

4.お /ご ∼ ください
ワ′

′0

7′

う0

Iコ 新出語彙 導入の留意点
・利用 します 意味は「使 い ます」だが、使 う対象 は交通機関や施設、設備な どが多 い。 「タ
クシー を利用する」 「 いつ もこの図書館 を利用 してい る」
「 (ト イレの壁 に)こ
の トイレは従業員 も利用 します」な ど。

・ 勤 め ます 「勤めます」は「∼ に勤 めている」 とい う形 で使 われ、「∼ に所属 している/∼


の社員 である」 とい う意味 を表す。「働 きます」 との違いを聞かれることがあ
「働 きます」は仕事 をするとい う意味 で、「妻は働 いている」「きの うは
るが、
朝か ら晩まで働 いた」など、いろいろな場面 で使える。
・掛 け ます 「 いす に∼」で「座る」 と同様 の意味で使われるため、「座 ります」 との違 い を
聞かれることがある。ベ ッドや床、地面などには「掛ける」 は使 わない。 もと
もと「腰 を掛ける/腰 掛ける」のように使 われ、腰が固定できるような物 を対
象 にとる。「掛ける」は「どうぞ (こ ちら/こ のいす に)掛 けて ください」な ど、
相手にいす に座ることを勧める場合に、使用場面が限られる。

' fzvt {: 「∼ を します」 には、人 に会 った ときにかわす定型表現 としての あ い さつ 、 イ


ベ ン トの開始時などに述べ られるフオーマルな短 いスピーチの二つの意味がある。

∼様 一般的 に商業施設、公共施設な どで店員や係 りがお客 に名前 で呼 びか ける とき、


また、 メール、手紙で宛名 を記す ときに使 われる。

193
Ⅱ口学習項 目の導入 と練習

敬語
敬語 は話 し手が聞き手や話題 の人物 に敬意 を表す ために使 われる。話 し手 は聞 き手や
話題 の人物 との「上下」「親疎」「ウチソ ト」 などの社会的人間関係 を考慮 して、敬語
を用 いなければならない。その対象 となるのは「上 (年 長者、社会的地位 の ある人、
「疎 (親 しくない、初対面 )」 の人、「 ソ ト (話 し手の属する家族や
先生 な ど)」 の人、
会社 などのグルー プに属 さない)」 の人である。
敬語 はおおまかに、尊敬語、謙譲語、丁寧語 の三つ に分 けられ る。 この課では尊敬語
を学 ぶ。
尊敬語
尊敬語 は話 し手が聞 き手や話題 の人に敬意 を示すために、聞き手や話題 の人 の行為や
状態、所有物 などを高めて表す ものである。 また、聞 き手や話題の人物に属す る物や
人などにも尊敬 の接頭語「お」 または「 ご」 をつ けることがある。
なお、 ここでは説明のための用語 として、尊敬 を表す動詞 で受身 と同様の形 を「尊敬
動詞」、尊敬 を表すために使 われる個別 の動詞 (例 :い らっしゃい ます)を 「特別尊
敬語」 と呼ぶ。

1.課 長 は帰 られ ま した。 尊敬 V

上の人の行為 について述 べ る場合、受 身 と同様 の形 で尊敬 を表す ことがで きる。状態


動詞 (「 あ ります」「要 ります」)、 可能動詞、「で きます」「わか ります」な どはこの形
を持たない。


国憂熙
]∼ (ら )れ ます口四■回
=コ
聞き手に対して尊敬語を用いる場合 と、話題の人物に対して用いる場合の両方
について導入する。尊敬語を使う場合 と使わない場合を対比させて示す とよい。

導入例 1 聞 き手 に尊敬語 を用 いる。


丁 :OO(本 の題 名)は とてもおも しろいです。
友達 に質問 します。「○○の本 はもう読み ま したか。」
先生 に質問 します。「先生、○○ の本 はもう読 まれま したか。

導入例2 い 一 三 で
話題 の 人物 に対 して尊敬語 を用 る。 人 役 導入す る。
丁 :こ こは会社です。今 6時 です。事務所の人 に聞きます。
A:田 中さん は ?
B:田 中さんは帰 りま した よ。
A:そ うですか。課長 は ?
B:課 長 も帰 られ ま した。

かちょうは かえられま した。

「かえられました」を尊敬動詞 と言い、受身と同じ形であることを
説明する。
194
Al

第 2部
練習 尊敬動詞 の導入
①難易度 を考えて、 Ⅱ→ Ⅲ→ Iグ ループの順 に導入す る。
② 全 体 の形 を紹介 したあ と、Alの 「尊敬動 詞」 もし くは

各 課 の教 え 方
CD― ROMに 収録 の「尊敬動詞 の作 り方」 で確認 させ、各
自で整理す る時間を与 える。
③動詞文字 カー ド、動詞絵教材で、グループごとに練習 して
い く。
なお、受身動詞が定着 してい るクラスでは、尊敬動詞は受身
動詞 と同 じであることを伝 え、フォームの練習 を簡略化 して
もよい。
A2 動作 の部分 の尊敬動詞 を入 れ替えて文 を作 り、形 と意味 を確
認す る練習。
さらに、文を与 え、変換練習 させる。
例 :こ の本 を書 きました→伊藤先 生はこの本 を書かれました。



一9 一

Bl 文 の動詞を尊敬動詞に変 える練習。 この練習では、話題 の人


物 の行動 を尊敬 の形で表現 してい ることを確認 してお く。
さらに、文を与 え、練習 させ る。
例 :先 生の奥様 。生 け花 をします
→先生 の奥様 は生 け花 をされます。
B2 尊敬動詞 で質問 し、答える側 は尊敬動詞 を使 わず に答え る質
問応答練習。
質問の相手が 目上、あるい は初対面 の場合な どであることを
確認 してお く。
QAl 初対面 とい う設定 で質問 をし、答えさせ る。
例 T:い つ 日本へ 来 られましたか。
S:今 年の 3月 に来 ました。
QA2 日常生活について教師に質問させ る。
例 S:先 生は毎朝何時 に起 きられますか。
T:6時 に起 きます。
QA3 動詞 を提示 し、質問 と答 えを作 らせ る。答 える方が 目上であ
ることを伝 えてお く。
例 :乗 ります→ Sl:け さ、何時の電車 に乗 られましたか。
S2:7時 半の電車に乗 りました。
Cl 伝 え聞いた近況を本人に確かめる。Bが 目上である。
練習 の前 に、尊敬動詞 の普通形 を確認 してお く。
尊敬動詞はすべ て Ⅱグルー プの動詞 と同 じ活用 をする (例 :

読 まれる/建 て られる/来 られる…)。


発展 Clの Aの 最初のせ りふ を過去のことではなく、予定 。計画・
将来設計に関す ること (例 :国 へ帰 る、結婚す る、剣道を始
める)に す る。最 後 に「そ うですか。 いいですね。」な ど感
想 を付 け加えさせ る。
9´
留意点 1)動 詞の受身 と尊敬 の意味の違 い は、例文を示 し、文脈か ら理解で きるこ
とを確認す る。例 :① 社長はそのメール を読 まれました。 (尊 敬 )
② わた しは弟にそのメール を読 まれました。 (受 身)
2)普 通体 の会話で も話題 の人物 について話す場合に尊敬動詞が用 い られる
(例 :先 生はいつ来 られる ?)が 、 この課 では特 に練習 しない。

2.社 長 はお帰 りにな りま した。 Vま す形


お〈 ) に

「お∼になります」は尊敬動詞「 ∼ (ら )れ ます」に比べて、高い敬意を表す。「∼ (ら )
れ ます」が作 れない「で きます」「わか ります」 も「お∼ にな ります」の形 で敬意を
表す ことがで きる。ただ し、 Ⅲグループの動詞 と「い ます」「寝 ます」「見 ます」など
「ます」 前が 1音 節 動詞、お よび「行 きます」「言 ます」「 くれます」 は この形
の の い
が使 えない。


舅舅]お ∼
凸 になります国四口回区コ
項 目 1と 同 じよ うな状況 を設定す る とよい。

導入例 丁 :こ こは会社 です。 今 6時 です。事務所の人 に聞きます。


教 師が 一 人 二役 をす る。
A:課 長 は帰 られ ま したか。
B:は い、課長 はお帰 りにな りま した。
A:社 長 は ?
B:社 長 もお帰 りにな りま した。

しゃちょうは おかえ りに な りました。

尊敬動詞 「∼ (ら )れ ます」 よ り高 い敬意を表す こと、 Ⅲグループ


の動詞、「1音 節 +ま す」 の動詞 と、「行 きます」「言 い ます」「 くれ
ます」は この形が使 えないこ とを説明す る。

練習 A3 ことば を入れ替えて「お∼ にな ります」 の文を作 り、文の形


と意味を確認す る練習。
B3 先生 についての説明文 の動詞 を「お∼ にな ります」 の形 に変
える練習。話題の人物 に対 して尊敬語 を使 っていることを確
認 してお く。
文作 り 動詞 を与 え、文 を作 らせ る。
例 :着 きます→社長は 3時 に空港 にお着 きにな ります。
B4 相手に尊敬語で質問を し、答 える側は尊敬語を使 わず に答え
る質問応答練習。質問の相手が 目上、あるいは初対面 の場合
などであることを確認 してお く。
さらに、文 を与 え、や りと りさせ る。
例 :地 震 のニュース を聞 きます

枷第 2 部 漂各 課 の教 え 方
¨        鸞
→ Sl:地 震 の ニ ュース をお聞 きにな りましたか。
S2:は い、 聞 きました。地震 は怖 い ですね。
C2 公共 の施設で見知 らぬ 人 に備 品につい て尋 ねる。

3.部 長 はアメ リカヘ 出張な さ い ます。 匿 別な尊敬∃


特別な尊敬語 とはそれ自身が尊敬の意味を持つ動詞のことである。「お∼にな ります」
の形を用いない「います」「来ます」「見ます」「します」および「行きます」「言いま
「 くれます」はこの特別な尊敬語を用 いる。また、「食べ ます」「飲みます」は尊
す」
敬語「召 し上が ります」を使うことが多い。

踵は膨]特 別な尊敬語 口四口 回 匝区]回


=]回 =コ =コ
「お∼ にな ります」の形が使えない動詞を使 って、 日上の人とや りとりする
場面を提示するとよい。




轡 一
導入例 l T :あ したパーテ ィー があ ります。先生 に来 るか どうか 聞 いて くだ
さい。

:先 生、 あ したのパーテ ィー に来 られ ますか。

:い いで すね。でも、 も っと丁寧な言 い方 は ?

:先 生、あ したのパーテ ィー にお来 … ?


:先 生、あ したのパーテ ィーにいら っ しゃいますか。

導入例2 T:わ たしはあ した中国へ 出張 します。部長はアメ リカヘ 出張され


ます。
もっと丁寧な言 い方があ ります。部長はアメ リカヘ出張なさい
ます。

ぶちょうは アメリカヘ しゅっちょうなさいます。

「なさいます」など、尊敬動詞より高い敬意を表す「特別な尊敬語」
があることを説明する。

練習 A4 特別 な尊敬語 を確認す る練習。


さらに、動詞 を与 えて、表 を見 ず に尊敬語 を言 わせ る。
例 :言 い ます→ お っ しゃい ます
A5 行為 の部分 の特別 な尊敬語 を入 れ替 えて文 を作 り、尊敬語 の
文 を確認す る練習。
さらに、文 を与 えて、練習 させ る。
例 :お 酒 を飲み ませ ん→社長 はお酒 を召 し上が りませ ん。
B5 話題 となっている 目上 の 人 の行動 につい て尊敬語 を用 い てや
りと りす る質問応答練習。
練習 に入 る前 に、疑問詞や名詞 の丁寧な形 を言わせて確認す る。
例 :ど こ→ どち ら だれ→ どなた

197
名前→お名前 仕事→ お仕事
家族→ ご家族 住所 → ご住所
B6 レポー ターが街角で外国人にイ ンタビューす るとい う設定で
質問応答す る練習。 レポー ター側 は尊敬語 を用 いて質問す る
が、答 える側 は敬語 は用 い ない。
さらに、質問を追加 して、疑問詞、名詞の使 い分けも合わせ
て練習 させる。
例 :仕 事 は何 をしてい ますか。
→ Sl:お 仕事 は何 をなさってい ますか。
S2:銀 行員です/銀 行 に勤めてい ます。
どこに住 んでい ますか。
→ Sl:ど ちらに住んでい らっしゃい ますか。
S2:○ ○に住 んでいます。
談話 1 パ ーティーで初めて会 った者 どう しとい う設定で、尊敬語
を使 って質問 しあう。
例 Sl:は じめまして。Slと いい ます。
失礼 ですが、お名前 は何 とおっしゃいます か。
S2:S2と いい ます。
Sl:ど ちらか らい らっ しゃい ましたか。
S2:ベ トナムか ら来ました。
Sl:お 仕事 は何 をなさってい ますか。
S2:エ ンジニアです。Slさ んはどちらからい らっしゃ
い ましたか。
談話 2 日本へ 来た外国人観光客 にイ ンタビューす るとい う場面 を
「 お ∼ にな
設定す る。 質問 には特別 な尊敬語 だ け でな く、
ります」、尊敬動詞 も取 り混ぜ、使 うように指示す る。
例 :(空 港 で帰国前 の外国人にイ ンタビュー)
Sl:失 礼 ですが、 どちらか らい らっしゃいましたか。
S2:○ ○か ら来 ました。
Sl:ご 旅行 ですか。お仕事ですか。
S2:旅 行 です。
Sl:そ うですか。 どの くらい旅行 なさいましたか。
S2:2週 間、旅行 しました。
Sl:ど ちらへ行かれましたか。
S2:え ― と、東京 と京都、大阪へ行 きました。
Sl:東 京では何 をご覧 にな りましたか。
S2:ス カイツリーに上 った し、秋葉原 も行 きました。
とて もお もしろかったです。
Sl:お 寿司 を召 し上が りましたか。
S2:え え、 もちろん。おい しかったです よ。
留意点 1)名 詞 の尊敬語「 お名前」「 ご家族」 な どの「お」「 ご」 の使 い分 けについ
て 質問 が 出る こ とがあ る。原 則 として、和語 には「お」、漢語 に由来す
第 2部
るものには「ご」が付 くが、 ことばによって例外 もあり、使い慣れてい
くほかない。『翻訳 。文法解説』p.151参 照。
2)「 ∼ています」を使った文の尊敬表現は以下のものがある。

各 課 の教 え方

例 :① 休みの日は何 をなさっていますか。
②休みの日は何をしてい らっしゃいますか。
「休みの日は何をなさっていらっしゃいますか。 」のような言い方は過剰
に敬語を使 っている印象を与えるため、①② のようにどちらかの部分を
尊敬表現 にす ればよい。ただし、 「住んでい ます」のような場合 は「住
んでいらっしゃいます」のほうが自然であろう。 ことばに応 じて、その
都度、自然な表現を示すとよい。

4.し ば ら くお待 ち くだ さい。 お ま 〉/ご Nく ださい

依頼表現「∼て ください」 の丁寧な言 い方 である。て形 の代 わ りに I、 Ⅱグルー プの


動詞 は「お +ま す形」、Ⅲグループの動詞 は「 ご +名 詞」を用 い る。ただし、Iグ ルー



4 ,
プ、 Ⅱグループの動詞で も「お∼にな ります」 にならない もの、及びⅢグループの「来
ます」「 します」は この形 を使 わない。


亜亜 ださい 区 翌ヨE理コ
国お/こ ∼く
来客に頼むような状況を提示す るとよい。

導入例 T ホテルの受付でアルバ イ トを しています。お客 さんが言 います。


「空港 までタクシー 1台 、 お願 い します」
わた しは言 います。「はい、 しば らく待 って くださ い」・……
いいで すか。

しば ら くお待 ちにな って ください。


いいで すね。で も、 も っといい言 い方が あ ります。「 しば ら く


お待 ち ください。」
ホテル を出る とき、忘れ 物 をす るお客 さんが 多 いで す。「忘れ
物 に注意 して くだ さい。」・……いいですか。

忘れ物 におち ゅうい…


忘れ物 にご注意 ください。

しばらく おまち ください。


わすれものに ごち ゅうい ください。

I、Ⅱグルー プはい くつかの例外 を除 き、て形 の代 わ りに「お 十V


ます形」、 Ⅲグルー プは「 〈
名詞〉 して」が「 ご十名詞」 となること
を説明する。ただし、「電話 します」 は「お電話 ください」 となる。

練習 A6 ことば を入れ替 えて「お/ご ∼ ください」 の文を作 り、文の


形 と意味を確認する練習。
9´
上段 2文 の あ と、 さ らに、I、 Ⅱグルー プの動詞 を与 え、文
を作 らせ る。
例 :急 ぎます → お急 ぎ くだ さい。
そ の後、下段 2文 を練習 したあ と、 Ⅲグ ルー プの動詞 を与 え、
文 を作 らせ る。
例 :質 問 します→ ご質問 くだ さい
B7 与 え られた文 を「お /ご ∼ くだ さい」 に変換す る練習 。
さらに、文 を与 え、練習 させ る。
例 :こ ち らのパ ソ コンを使 い ます
‐→・こち らのパ ソ コンをお使 い ください。
番号 を確認 します 一 番号 をご確認 くだ さい。
C3 病 院の受付 で受診 の 手続 きをす る。

留 意点 1)導 入 の際に、学習者 に「∼て くだ さい」 の丁寧な表現 を尋ね る と、「お


待 ちになって ください」 のほかに「待 たれて ください」な ど、尊敬動詞
のて形を使 った言 い方が出て くることがある。尊敬動詞 は依頼表現 には
使 わない よう指導す る。
2)「 お 〈Vま す形〉 ください」には「行 きます」「来ます」「います」「言い
ます」「見 ます」「 します」は使 わない。特別な尊敬語 を使って表現す る。
行 きます 。来ます 。い ます→ い らっしゃって ください
言 い ます→ おっしゃって ください
見 ます→ ご覧 (に なって)く だ さい
します→ なさって ください
「食べ ます/飲 み ます」につい ては「召 し上がって ください/お 召 し上
が りください」が よ く使 われる。
3)Ⅲ グルー プの動詞 を与 えるときには、使 えるものをよ く吟味す る。「勉
強 します」「洗濯 します」などは「お」 を使 うが、 日上 の相手 に言 う内
容 としてはふ さわ しくない。「電話 します」以外 は「 ご∼ くだ さい」に
なるもので、適切 なものを選ぶ よ うにする。

Ⅲ.会 話 よろ しくお伝え ください

場面 学校 に電 話 をか け、子 どもが 病 気 で休 む こ とを連 絡 す る。


目標 敬 語 を用 いて 、 電話 をか け た り、伝 言 を頼 んだ りで きる。
表現 ・失礼 い た します。 退出 の あ い さつ として学習 した「失礼 します」の
謙譲語。 ここでは謙譲語 としての説明はせ ず、会
話表現 として学 ぶ。電話 を切 る ときの合 図 として
使 われる。
。何でしょうか。 「何ですか」の丁寧な表現。「∼です」が「∼でしよ
う」 になると、断定的なニ ュア ンスが柔 らぎ、丁
寧 な印象 を与える。

200
¨
第2
。熱を出しまして 「出 します」の「ます」の部分が て形 になった も

部輛
ので、フォーマルで丁寧な表現。『翻訳・文法解説』

各課の
P.151参 照。
・休 ませ ますので 理由の「∼ので」には普通形が接続する と学習 し

教え方
たが、より丁寧に言 いたい ときはます形が使われ
ることがある。『翻訳 。文法解説』p.151参 照。
練習 内容確認の質問例
・ クララさんはだれ に電 話 をかけ ましたか。
。どうして電話をかけたんですか。
・伊藤先生はい ましたか。
・ クララさんはどうしましたか。
身につ けたい会話表現
・ はい、ひまわ り小学校 です。
・ハ ンス・ シュミッ トの母 ですが、伊藤先生はい らっ しゃい ますか。
・ では、∼ に伝 えてい ただ きたいんですが……。
。実は∼ んです。 碍 11

。それで、∼
。∼ によろし くお伝 え ください。
・失礼 いた します。
発展 伊藤先 生が電話に出た場合、 まちが い電話 をかけて しまった場合 など
に状況を変更 して会話 を作 る。

Ⅳ.そ の他

問題 7 山中教授 の写真や記事 などを紹介すると、 どんな人かイメー ジ


しやす い。
8 好 きな有名人や偉人 を選び、経歴 を調べ て、作文 を書 き、発表
させる。適当な人物が見 つか らない場合 は、過去 の人物 で も構 わな
いことにする と、活動が楽 しめる。有名人であって も、名前 の発音
などが国によって違 った りす るので、発表の際には、その人物 の写
真やイラス トなどとともに日本語で表示 された名前 を掲示す るとわ
か りやすい。

201
饉舅爬吻蜃
できるようになること

「上下」「親疎 (ウ チ・ソ ト)」 の人間関係に基づ く敬語全体の体系を理解 し、
謙譲語を適切に使うことができる。

学習する こと

うZ

︵∠
1.お /ご ∼ します 1・ 2 1・ 2・ 3

2.特 別 な謙譲語

う0
う∠

3・ 4 3・ 4 4・ 5
(目 上 のための行為 )

3.特 別 な謙譲語
う0

Eυ
5。 6 6・ 7
(自 分 自身 の こと)

I.新 出語彙 導入の留意点


・用意 します 「用意 します」 は 目的 を果 たすために必要 な具体 的な物 につ い て使 う。
第 24課 で学習 した「準備 します」 とど う違 うか とい う質問 が 出る こと
がある。 「準備 します」は具体的な物だけではな く、「 ∼の準備 をします」
とい う形 で結婚式やスポー ツ大会、試験 などのイベ ン ト全体 に対す る対
応 を意味す る。
例 :飲 み物や CDを 用意 して、パー テ イーの準備 をする。

・ ス ケ ジュ ー ル 「スケジュール」は「出張のスケジュール」のようにある特定のイベ ン
トの行程や具体的な行動の順番を言う。第30課 で学習した「予定」 と
の違いを聞かれることがある。「来月の予定」「来月のスケジュール」は
ほぼ同様の意味だが、「来月アメリカヘ出張する予定だ」は「スケジュー
ル」では言い換えられない。

202
一第 2部 各 課 の教え方
一        一

一        一
Ⅱ口学習項 目の導入 と練習

謙譲語


話 し手が聞 き手や話題の人に対 して敬意や丁寧 さを表す ために、話 し手 自身の行為 を
低 めて述べ る表現 で ある。

1.今 月のスケジュールをお送 りします。 お



ノ /
/
Nし
目上 の人のために何かをす る場合、その人に対する敬意を表す ために、謙譲表現 を用
い る。 IoⅡ グルー プの動詞は「お∼ します」、 Ⅲグルー プの動詞 の多 くは「 ご∼ し
ます」の形 になる。ただ し、 「 い ます」「見 ます」「 します」「来 ます」など特別 の謙譲

語 を持 動詞 はこの形 をとらない。

お∼します 図四■
目上の相手 に対 し、何 か手助 けをす る場面 を提示す る とよい。

導入例 1 T:先 生はた くさん荷物を持 っています。 (イ ラス トやジェスチ ャー


¨
=nV一
6一
で示す。)と ても重そ うです。 学生が言 います。「先生、荷物 を

一﹁
持 ちます」 いいで すか。
S:い いえ、先生、荷物 を……
T:丁 寧な言 い方があ ります。荷物 をお持 ち します。
導入例2 T:こ こは会社 です。お客 さんか ら電話があ りま した。
教 師が 一 人 三役 をす る。
A:資 料を送 って ください。
B:は い。 きょうお送 りします。
丁 :「 送 ります 」 ではあ りません。「お送 りします 」 です。丁寧です。

しりょうを おお くりします。

目上の人のために何かするときは「お 〈
動詞ます形〉します」を使
うことを説明する。

練習 Al 行為 の部分 を入れ替えて文 を作 り、謙譲 表現 を確認する練習。


ほかの人ではな く「私が」 と申 し出る状 況設定になってい る
ことに注意。
「私 (わ た くし)」 が言いに くければ、
「わた し」でも構 わない。
Bl イラス トを見て、相手のため、あるいは相手 の物 に関係す る
行為 を謙譲 表現 で言 う練習。 1対 1の や りと りで、行為 をす
るのは当然「私」であることが明白なので、 ここでは「私が」
は言 わない。

203

撥⑮財ご∼し
ます回
=コ
Ⅲグループの動詞 は名詞 の部分 に「 ご」 をつ け ることによって、謙譲表現 と
「電話 します」「洗濯/掃 除 します」などは「お∼ します」の
なる。ただ し、
形になる。

導入例 T:学 校 にお客様が いらっしゃいま した。「○○先生のお部屋 はど


ちらですか。」お客様 を案内 します。何 と言 いますか。
S:○ ○先生の部屋へ案内 します。
T:○ ○先生の部屋へ ご案内 します。

せんせいの へやへ ごあんない します。

Ⅲグループの動詞は名詞部分に「 ご」 をつけること、い くつ か「お」


を使 う例外 があることを説明す る。

練習 A2 行為 の部分 を入れ替 えて「私が (∼ を)ご ∼ します」 の文を


作 り、謙譲表現 を確認す る練習。
B2 与え られた文を謙譲表現 に変える練習。
さらに、文を与え、練習 させ る。
例 :歌 舞伎 に招待 します→歌舞伎 にご招待 します。
今晩電話 します→今晩お電話 します。
B3 イラス トを見て、相手の発言 に対 し、 「お/ご ∼ しましょうか」
の形を使 って手助け を申し出る練習。
Cl 目上 の人や親 しくない人に手伝 い を申し出る。
C2 目上 の相手のために機会 を設けることを申し出る。
発展 Aの 最後 のセリフに Bの 発話 を加えて、会話を続けさせる。
例 B:そ うです か。あ りが とうござい ます。
スカイツリーか ら富士山が見えるそうですね。
A:え え、私 も1回 上 ったことがあ りますが、富士山が
よ く見えました。 きれいで したよ。
B:そ うです か。楽 しみです。

∈匪轟∋ 1)「 お/ご ∼ します」は 目上 の相手 のために行 う、ある は目上の相手に
関係す る行為 に使 われる ことに留意 させ る。「 どち らを見学 なさい まし
たか」 と聞かれて、「江戸東京博物館 をご見学 しました」 と答 えるなど、
相手 とは無関係 のことに使 って しまう場合が よ く見 られる。
2)「 コー ヒー をお入れ します」 ではな く、 自動販売機 で買 って くる場合 な
どを想定 して、 「 コーヒー をお買 い します」「 コーヒー をお持って来ます」
など不 自然な表現 を使 って しまう場合がある。 日上 の相手のために「買
い ます」はかえって失礼 になる こと、「持 って来 ます」は この形 では使
えないこ とを説明 し、「 コーヒー をお持 ちします」 を紹介するとよい。

204
一第2部 需各課の教え方

一    ″
2.あ した 3時 に伺 います。

一    一
な 目上 のための行為 )

謙譲 の 意味 を込 め る場合、「お/ご ∼ します」の形 を取 らな い動詞、お よび い くつ か


の動 詞 は特別 な謙譲語 を用 い る。

特別な謙譲語 収四口 回Xコ


目上の人の家へ行 く、日上の人に会うなど特別な謙譲語を用いて表現する状
況を設定する。

導入例 1 T:ミ ラー さん はきのう部長 の展覧会 に行 きま した。 き ょう、部長


に会 いま した。

ミラ さん と部長 の一 人三役 で
ミラー :部 長、展覧会 のチケ ッ トあ りが とうございま した。 部長の
絵 を拝見 しま した。すば らしか ったです。
部長 :あ りが とう。
ミラー :会 場で奥様 にお 目にかか りま した。 きれ いな方ですね。
部長 :あ りが とう。

増籠 ¨
=わ帯
導入例2 T:Sさ ん、あ したの午後、うちでパーテ ィーを します。3時 に来


て ください。
S:あ りが とうございます。では、あ した 3時 に先生のうちへ行き
ます。
T:3時 に伺 います。

あ した 3じ に うかがいます。

「伺います」は「 (う ちへ)行 きます」の謙譲語であること、い くつ


かの動詞は「お/ご ∼ します」ではな く、特別な謙譲語を用いるこ
とを説明する。

練習 A3 特別 な謙譲語 を確認す る練習。


さらに、動詞 を与 えて、 表 を見 ず に謙譲語 を言わせ る。
例 :い ます → お ります
A4 ことば を入れ替 えて文 を作 り、謙譲語 を確 認す る練習。
B4 先生宅 を訪 問 し、 した こ とを謙譲語 に変 える練習。
さらに、文 を与 えて、練 習 させ る。
例 :先 生の電話 番号 を知 ってい ます
→先生 の電話番号 を存 じてお ります。
B5 目上 の人 の 質 問 に謙譲語 を使 って答 える練習。
さらに、 質問 を し、答 えさせ る。
例 :○ ○先生がかいた絵 を見 ま したか。
→ S:は い 、拝見 しました。
C3 ワッ ト先生 の近況 につい て話す。

205
発展 Bの 答 えを「 いい え、存 じませ んで した。」 に変 え、続 きを
作 る。
例 A:ワ ッ ト先生が引っ越 しされたのをご存知です か。
B:い い え、存 じませんで した。いつですか。
A:先 月です。 きの う伺 い ましたが、 とて もすて きなお
宅です よ。
B:そ うですか。
QA 特別 な謙譲語 だ けでな く、「お/ご ∼ します」 も含め て、総
合的な質問応答練習 をさせる。
例 T:あ した、事務所 の引 っ越 しをします。だれか手伝 っ
て くれませんか。
Sl:は い、私がお手伝 い します。
T:じ ゃ、Slさ ん、あしたの朝、8時 ごろに来てください。
Sl:は い、8時 に参 ります。
T:S2さ ん、○○先生 のメール ア ドレス を知 っていま
すか。
S2:は い、存 じてお ります。
T:じ ゃ、あ したの予定を○○先生 に連絡 して ください。
S2:は い、 ご連絡 します。

3.私 はアメ リカか ら参 りました。 特別 な謙 のこと

改 ま った場面 な どで 自分 自身の こ とを述べ る ときに、丁 寧 さを強調す るため に特別な


謙譲語が使 われ る。

2巫厄舅 特別な謙譲語 口四口 回 Xコ


=]回
初対面 の人 に自己紹介 をす る場面 な どを提示す る とよい。

導入例 T:ミ ラー さんが お客 さんの会社に行 きます。 お客 さんにあ いさつ


します。
(ミ ラー さんの イラス トを示 して)「 初めま して。 ミラー といい

ます。アメ リカか ら来 ま した。」


も っと丁寧 に言 います。「初 め ま して。 ミラー と申 します。ア
メ リカか ら参 りま した。」

わた くしは アメ リカか ら まいりました。

「来ました」が「参 りました」になるように、自分のことを言うと
きに、特別な謙譲語 を使 うことにより、改まった丁寧な言い方にな
ることを説明す る。

練習 A5 ことばを入 れ替 えて謙譲語 を使 った文 を作 る練習。

206


→一        一
B6

第 2部 一各課 の教 え方
カリナさんの自己紹介の文 を謙譲語の表現 に変える練習。
文作 り B6を 参考に自分 自身について謙譲語 を使 って発表 させ る。
例 :私 は○○ と申 します。 ××か ら参 りました。 (家 族 は


△△ にお ります)
今、◇◇大学 で∼ を勉強 してお ります/◇ ◇ に勤めて
お ります。…
B7 パー テイーで初対面 どうしが尊敬語 を使 って質問 し、それに
謙譲語 で答える。
談話 1 パ ーテ イー で初 めて会 った者 ど う しとい う設定 で、B6、
B7を 参考 にまずあい さつ と自己紹介 を し、その後、お互
い に尊敬語 を使って相手 のことを質問 し、 自分 のことは謙
譲語 を用 いて答え、会話 を続 ける。
談話 2 有名人にイ ンタビューす るとい う設定 で、一人が有名人に
な り、ほかの学習者が記者 となって尊敬語 で質問 し、答 え
る方 は謙譲語を交えて応答する。第 49課 問題 7あ るい は間
題 8で 書 い た作文 を参 考 に、まず司会者が有名人を紹介 し、

¨
■AH一一
♯0●
その後、記者 たちが い ろいろな質問をする とい う流れで行
っとよい。

留意点 自分自身のことを述べ るときに謙譲語を使うことを意識するあまり、特別な


謙譲語以外に、「お/ご ∼ します」を使ってしまう学習者がいる。 (例 :「 よ
く小説をお読みします」「○○をご研究 します」)自 己紹介などで自分自身の
ことについて話す ときには特別な謙譲語以外は使わないことに留意させ、定
型表現として覚えるように指導する。

Ⅲ.会 話 心から感謝 いた します

場面 ス ピー チ コ ンテ ス トの会 場 での優 勝 者 へ の イ ン タビュ ー 。


目標 改 ま った 場 面 で、 敬 語 を用 い て、適 切 な受 け答 えが で きる。
表現 。ころ 「 とき」 との違 い につい て 質問が出 ることが ある。 「 とき」 は
瞬間か ら長大 な期 間まで、時間の長 さに関係 な く特定 の 時期
を表す ことがで きるが、「 ころ」は過去 の あ る程 度幅 の あ る
期 間 に用いる。
例 :子 どものころ/と き、東京 に住 んでいた。
東京 に住 んで いた ころ/と き、 よ く渋谷へ 行 った。
食事の とき、箸 を使 う。
電車 を降 りた とき、忘れ物 に気が ついた。
練習 内容確 認 の 質 問例
・ ミラ ー さん は何 の 大 会 で優 勝 しま したか。
・ ミラ ー さん はた くさん練 習 しま したか。
・ 優 勝 して、何 を も らい ます か。
・ ミラーさんは、それで何をしたいと思っていますか。どうしてですか。

207
身につ けた い会話表現
。そうです ね。∼。
・∼のが夢 です/で した。
・皆様 に心か ら感謝 いた します。
発展 。自分が賞金をもらったら、 どんなことをしたいか、 どうしてか、話す。
・スピーチ大会 をマ ラソ ンなどのスポー ツ大会、創作料理や歌唱の コ
ンテス トなどに変え、苦労話などを含め、優勝イ ンタビューの会話
をす る。

Ⅳ.そ の他

問題 ・6「 日本 へ 行 ったばか りの とき」は「 日本へ 行 った直後 は」 の意


味である。
読解 の前 に、学習者が 日本語 のメール をもらった り、出した りした
ことが あるか、 どんなメールだったか、経験 を話 させるとよい。
読解 の後 に、メールのおおまかな構成 を確認す る。メール を書 く際
には件名、あて名、本文、署名が必要 だが、問題 のメール文 には件
名がないので、 どんな件名 をつ けた らよいか考えさせてもよい。さ
らに、メール本文 の構成「①初 めのあい さつ ②本文 (具 体的な内
容)③ 終 わ りの あ い さつ」 の三 つの部分 を確認すると、問題 7の
活動 にス ムーズ に入れる。
・7 本文 を書 くだ けでな く、具体的な件名 もつ けさせ る。可能なら、
実際 に教師宛 に送 らせて添削するとよい。
・メール を手紙やはが きに変 えて もよい。その場合 は 『翻訳 ・文法解
説』p.155の 「封筒 。はが きのあて名 の書 き方」 を参考にす るとよ
い。例 は縦書 きだが、横書 きで も構 わないことを伝 え、あて名書 き
も含めて完成 させ る。

208
監修
鶴尾能子 石沢弘子

執筆協 力
田中 よね 牧野昭子

イラス ト
佐藤夏枝、柴野和香、向井直子

装丁 。本文 デザ イ ン
山田武


に はん ご しょ だい はん

みんなの 日本語 初 I 第 2版
おし かた て び
教 え方 の手 引 き
2001年 10月 19日 初 版 第 1刷 発 行
2016年 12月 5日 第 2版 第 1刷 発行
2017年 3月 23日 第 2版 第 2刷 発行

編著者 ス リーエー ネ ッ トヮー ク


発行者 藤寄政子
発 行 株 式会社 ス リーエー ネ ッ トワー ク
〒102-0083 東京都千代 田区麹 町 3丁 目4番
トラス テ ィ麹 町 ビル 2F
電話 営業 03(5275)2722
編集 03(5275)2725
http://www.3and.co.,P/
Fp 帰」 萩原印刷株式会社

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落丁 ・乱丁本 はお取替 え いた します。
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9784883197453

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1920081028009
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ISBN978‐ 4‐ 88319‐ 745-3


C0081 ¥2800E

定価 800円 +税


ヌリ ー
」トネ外ヮク

Minna no Nihongo

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