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DWG

トランスレータガイド
ご注意

1. 本システムの著作権は、富士通株式会社にあります。
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3. 本マニュアルは、“外国為替及び外国貿易管理法”に定める戦略物資関連技術が含まれています。
したがって、本マニュアルを輸出する場合には、同法に基づく許可が必要とされます。
4. 本マニュアルを廃棄する場合は、完全に破砕してください。
5. Microsoft、Windows、Windows 10、Windows 11 は、米国 Microsoft Corporation の米国および
その他の国における登録商標または商標です。
6. AutoCAD、DWG、DXF は米国オートデスク社の登録商標です。
7. 本マニュアルに掲載された会社名・製品名は、各社の登録商標または商標です。

1998年 10月 初 版
1999年 4月 第 2 版
1999年 11月 第 3 版
2000年 5月 第 4 版
2000年 11月 第 5 版
2001年 11月 第 6 版
2002年 7月 第 7 版
2003年 1月 第 8 版
2004年 2月 第 9 版
2004年 9月 第1 0 版
2005年 6月 第1 1 版
2006年 1月 第1 2 版
2006年 9月 第1 3 版
2007年 6月 第1 4 版
2007年 8月 第1 5 版
2008年 1月 第1 6 版
2008年 11月 第1 7 版
2009年 4月 第1 8 版
2009年 11月 第1 9 版
2010年 7月 第2 0 版
2011年 1月 第2 1 版
2011年 5月 第2 2 版
2011年 12月 第2 3 版
2012年 3月 第2 4 版
2012年 4月 第2 5 版
2012年 6月 第2 6 版
2013年 9月 第2 7 版
2014年 6月 第2 8 版
2015年 1月 第2 9 版
2016年 1月 第3 0 版
2016年 7月 第3 1 版
2017年 6月 第3 2 版
2019年 5月 第3 3 版
2020年 8月 第3 4 版
2020年 11月 第3 5 版
2020年 12月 第3 6 版
2021年 6月 第3 7 版
2021年 10月 第3 8 版
2022年 7月 第3 9 版
目次

第1章 セットアップについて ····································· 1

1-1.機能概要 ··························································3
1-2.ソフトウェア・ハードウェア条件 ····································4
1-2-1.ソフトウェア条件 ······················································ 4
1-2-2.ハードウェア条件 ······················································ 4
1-3.セットアップの手引 ················································5
1-3-1.概要 ·································································· 5
1-3-2.動作環境について ······················································ 5
1-3-3.動作環境の設定 ························································ 6
1-3-4.動作確認 ······························································ 8

第2章 システムの使用にあたって (共通事項) ······················ 13

2-1.運用上の留意事項 ··················································15
2-1-1.図面交換とその利用法 ·················································· 15
2-1-2.図形形状の精度 ························································ 15
2-2.操作概要 ··························································16
2-2-1.iCAD SX-DWG の起動 ····················································· 16
2-2-2.iCAD SX-DWG の終了 ····················································· 16
2-2-3.動作環境の設定 ························································ 17

第3章 iCAD SX→DWG 変換 ········································ 21

3-1.iCAD SX→DWG トランスレータの概要 ·································23


3-1-1.目的 ·································································· 23
3-1-2.システムの構成 ························································ 23
3-1-3.ソフトウェア条件 ······················································ 23
3-2.機能 ······························································24
3-2-1.変換要素の対応 ························································ 24
3-2-2.図形属性(線種・カラー・線幅)の変換 ···································· 25
3-2-3.ビューの変換 ·························································· 26
3-2-4.レイヤの変換 ·························································· 26
3-2-5.グループの変換 ························································ 27
3-2-6.子図・標準部品・実像部品・記号・その他作図要素等の変換················· 27
3-2-7.寸法線要素の変換 ······················································ 28
3-2-8.文字要素の変換 ························································ 28
3-2-9.注記要素の変換 ························································ 29
3-2-10.変換仕様ならびに制限事項 ············································ 29
3-3.使用方法 ··························································32
3-3-1.iCAD SX→DWG 変換の実行 ················································ 32
3-3-2.変換制御パラメータの設定方法 ·········································· 39
3-3-3.変換制御パラメータの説明 ·············································· 44
3-3-4.エラーメッセージ一覧 ·················································· 56
目次

第4章 DWG→iCAD SX 変換 ········································ 57

4-1.DWG→iCAD SX トランスレータの概要 ································ 59


4-1-1.目的 ·································································· 59
4-1-2.システムの構成 ························································ 59
4-1-3.ソフトウェア条件 ······················································ 59
4-2.機能 ······························································ 60
4-2-1.変換要素の対応 ························································ 60
4-2-2.図形属性(線種・カラー・線幅)の変換····································· 61
4-2-3.レイヤの変換 ·························································· 63
4-2-4.複合図形要素の変換 ···················································· 64
4-2-5.寸法線要素の変換 ······················································ 65
4-2-6.POLYLINE 要素の変換 ···················································· 65
4-2-7.塗り要素の変換 ························································ 66
4-2-8.文字要素の変換 ························································ 66
4-2-9.引出線要素の変換 ······················································ 67
4-2-10.マルチ引出線要素の変換 ·············································· 68
4-2-11.レイアウト図面の変換 ················································ 68
4-2-12.ACAD プロキシ図形要素の変換 ·········································· 69
4-2-13.変換仕様ならびに制限事項 ············································ 69
4-3.使用方法 ·························································· 75
4-3-1.DWG→iCAD SX 変換の実行 ················································ 75
4-3-2.変換制御パラメータの設定方法··········································· 79
4-3-3.変換制御パラメータの説明 ·············································· 84
4-3-4.エラーメッセージ一覧 ·················································· 102

第5章 バッチ起動について ······································· 103

5-1.バッチ起動について ················································ 105


5-1-1.バッチ起動時の注意事項 ················································ 105
5-1-2.iCAD SX→DWG バッチ変換の実行 ·········································· 105
5-1-3.DWG→iCAD SX バッチ変換の実行 ·········································· 106
表記の規則
本マニュアルにおける表記の規則について説明します。

一般の表記

表記 説明
[OK]ボタン ダイアログボックスのボタン名は[ ]で囲み表記します。
[キャンセル]ボタン [ ]ボタンと表記します。
[Enter]キー キーボードのキー名は[ ]で囲み表記します。
[ ]キーと表記します。
[動作環境設定] コマンド名は[ ]で囲み表記します。
「参照」ダイアログ・・ ダイアログボックスのタイトル名は「 」で囲み表記します。
「 」ダイアログボックスと表記します。
『第 2 章 2-1-1. ・・・』 本書内の他の項目名は『 』で囲み表記します。

マウス操作の表記

表記 説明
クリック マウスの左ボタンを押して、すぐはなすことです。
ダブルクリック マウスの左ボタンをすばやく 2 回クリックすることです。
ドラッグ マウスのボタンを押したままマウスを移動することです。
第1章 セットアップについて

第1章 セットアップについて

1
第1章 セットアップについて

2
第1章 セットアップについて

1-1.機能概要
R
iCAD SX-DWG は、AUTOCAD の図面データベースファイルである DWG ファイルと
FUJITSU Manufacturing Industry Solution COLMINA 設計製造支援 iCAD SX(以下 iCAD SX)との
データ交換を行うシステムです。
本システムは、iCAD SX の図面ファイルと DWG ファイルとの間でデータの相互変換を実現しています。
以下にシステム構成および機能概要を示します。

図 1.システム構成図
富士通 FMV シリーズ

iCAD SX iCAD SX-DWG DWG ファイル


図面ファイル

表 1.機能概要
システム名 機 能

iCAD SX-DWG DWG ファイルと iCAD SX 図面ファイル間の相互データ変換

3
第1章 セットアップについて

1-2.ソフトウェア・ハードウェア条件

1-2-1.ソフトウェア条件

本ソフトウェアを使用する場合に必要な関連ソフトウェアは表 1 の通りです。

表 1.必要ソフトウェア
ソフトウェア 備 考

・Microsoft Windows 10 Pro バージョン 21H1 ・左記のいずれか1つが必要


(日本語版) ・Windows 10 は 32Bit 版のみ必要
・Microsoft Windows 10 Pro バージョン 20H2
(日本語版)
・Microsoft Windows 10 Pro for Workstations バージョン 21H1
(日本語版)
・Microsoft Windows 10 Pro for Workstations バージョン 20H2
(日本語版)
・Microsoft Windows 10 Enterprise バージョン 21H1
(日本語版)
・Microsoft Windows 10 Enterprise バージョン 20H2
(日本語版)
・Microsoft Windows 10 Enterprise バージョン 1909
(日本語版)
・Microsoft Windows 11 Pro バージョン 21H2
(日本語版)
・Microsoft Windows 11 Pro for Workstations バージョン 21H2
(日本語版)
・Microsoft Windows 11 Enterprise バージョン 21H2
(日本語版)

iCAD SX 本ソフトウェアと同等のバージョンレベル

1-2-2.ハードウェア条件

富士通 FMV シリーズで iCAD SX が動作する機種。

4
第1章 セットアップについて

1-3.セットアップの手引

1-3-1.概要

本章では、セットアップ方法について説明いたします。

処理フロー

開 始

動作環境の設定

動作確認

終 了

1-3-2.動作環境について

iCAD SX-DWG をセットアップし実行するための環境として、次にあげる項目の条件を満たしている必要があります。

・マシン 富士通 FMV シリーズで iCAD SX が動作する機種


・OS のバージョン Windows 10,Windows 11
・メインメモリ 512MB 以上(1GB 以上推奨)
・ディスクの空き容量 100MB 以上(システム含む)
(ディスクの空き容量の大きさは、扱う図面の大きさにより増加します)

5
第1章 セットアップについて

1-3-3.動作環境の設定

動作環境の設定方法を説明します。

【1】 環境セットアップを起動します。
スタートメニューより iCAD SX-DWG 環境セットアップを選択します。
正常に起動されると、画面に「iCAD SX-DWG 環境セットアップ」ウィンドウが表示されます。

【2】 フォルダ環境を設定します。初期設定値は上図の通りです。各フォルダ名とフォルダの設定内容が、
iCAD SX 本体のものと同じであれば、フォルダ環境の設定は不要です。

フォルダ名の設定方法

1) 設定するフォルダ名のボックスをクリックしてアクティブ状態にします。
2) フォルダ名を入力します。

フォルダの設定方法

1) 設定するフォルダの[参照]ボタンをクリックすると「フォルダの選択」ダイアログボックスが表示されます。
2) 選択するフォルダをクリックし[OK]ボタンをクリックします。

6
第1章 セットアップについて

【3】 作図環境を設定します。「作図」タブコントロールをクリックし、作図環境の設定画面を表示します。
作図環境で設定する内容は、下書き線表示属性のみです。初期設定値は下図の通りです。
下書き線表示属性の設定内容が、iCAD SX 本体のものと同じであれば、作図環境の設定は不要です。

下書き線の線色の設定方法

1) 「下書き線の線色」のボタンをクリックすると、「色の設定」ダイアログボックスが表示されます。
2) 設定する色をクリックし[OK]ボタンをクリックします。

下書き線の線種の設定方法

■任意指定の場合
1) 「下書き線の線種」のボックスの右側の矢印をクリックすると、選択可能な線種のリストが表示されます。
2) 設定する線種をクリックし選択します。

7
第1章 セットアップについて

■対象要素の線種の場合
下書き線の各要素が持つ線種属性がそのまま使用されます。

下書き線の線幅の設定方法

■任意指定の場合
1) 「下書き線の線幅」のボックスの右側の矢印をクリックすると、選択可能な線幅のリストが表示されます。
2) 設定する線幅をクリックし選択します。

■対象要素の線幅の場合
下書き線の各要素が持つ線幅属性がそのまま使用されます。

【4】 「iCAD SX-DWG 環境セットアップ」ウィンドウにおいて、[OK]ボタンをクリックします。


これで、フォルダ環境と作図環境の設定は完了です。

iCAD SX-DWG を起動中に、フォルダ環境または作図環境を変更した場合は、


iCAD SX-DWG の再起動が必要となります。

以上で動作環境の設定は完了です。

1-3-4.動作確認

iCAD SX-DWG の動作確認手順を以下に説明します。

【1】 Windows を起動し、スタートメニューより iCAD SX-DWG を選択します。


「iCAD SX-DWG」ウィンドウが表示されます。

8
第1章 セットアップについて

【2】 まず、DWG→iCAD SX 変換の動作確認を行います。


「iCAD SX-DWG」ウィンドウにおいて[DWG=>iCAD SX]ボタンをクリックすると、
「DWG=>iCAD SX DWG 選択」ダイアログボックスが表示されます。

【3】 「DWG=>iCAD SX DWG 選択」ダイアログボックスにおいて、TRANS.DWG のファイル名をダブルクリックし


選択すると、「DWG=>iCAD SX 出力図面名設定」ダイアログボックスが表示されます。

9
第1章 セットアップについて

【4】 「DWG=>iCAD SX 出力図面名設定」ダイアログボックスにおいて、[Enter]キーを押すか、または、


[OK]ボタンをクリックすると変換が開始されます。変換中は画面に「DWG=>iCAD SX 変換」メッセージ
ボックスが表示されます。変換が正常終了すると「DWG=>iCAD SX 変換終了」メッセージボックスが
表示されます。[OK]ボタンをクリックしてください。

【5】 実行結果の確認を行います。変換された図面を iCAD SX を立ち上げて確認します。


(図面名は TRANS です)

【6】 次に iCAD SX→DWG 変換の動作確認を行います。【1】の「iCAD SX-DWG」ウィンドウにおいて


[iCAD SX=>DWG]ボタンをクリックすると、「iCAD SX=>DWG 図面選択」ダイアログボックスが
表示されます。

10
第1章 セットアップについて

【7】 「iCAD SX=>DWG 図面選択」ダイアログボックスにおいて、TRANS.icd の図面名をダブルクリックし


選択すると、「iCAD SX=>DWG 出力 DWG 設定」ダイアログボックスが表示されます。

【8】 「iCAD SX=>DWG 出力 DWG 設定」ダイアログボックスにおいて、DWG 名の入力領域をクリックして


アクティブ状態にした後で、DWG ファイル名(TRN2)を入力してください。入力後、[Enter]キーを押すか、
または、[OK]ボタンをクリックすると変換が開始されます。変換中は画面に「iCAD SX=>DWG 変換」
メッセージボックスが表示されます。
変換が正常終了すると「iCAD SX=>DWG 変換終了」メッセージボックスが表示されます。
[OK]ボタンをクリックしてください。

【9】 実行結果の確認を行います。変換された DWG ファイルは X:\XXX\ETC\DWG 配下にあります。


(X:\XXX はインストール時に指定したフォルダ、ファイル名は TRN2.dwg です。拡張子〔.dwg〕は自動的に
付加されます。)AUTOCAD へ取り込み、正常に作成されていることを確認してください

11
第1章 セットアップについて

12
第2章 システムの使用にあたって(共通事項)

第2章 システムの使用にあたって
(共通事項)

13
第2章 システムの使用にあたって(共通事項)

14
第2章 システムの使用にあたって(共通事項)

2-1.運用上の留意事項

2-1-1.図面交換とその利用法

図面交換においては、それぞれの CAD システムが持つ情報が、ターゲットシステムに 100%受け渡されるケースは少なく、


交換の度に情報が変化していきます。(たとえば、寸法線という情報から、直線や文字といった絵の情報になる場合が
あります。)そのため、図面交換をサイクリックに繰り返すような運用はできるだけ避けてください。
業務の都合等でこのような運用が避けられない場合は、図面交換による情報の変化に十分注意して運用してください。

AUTOCAD(DWG)
=>iCAD SX

AUTOCAD iCAD SX
(DWG)

iCAD SX
=>AUTOCAD(DWG)

2-1-2.図形形状の精度

本トランスレータでは、内部演算はすべて倍精度実数型をベースに行っていますので、精度落ちは極めて少ないものに
なっています。しかしながら、各種の演算を実施しますので、決して精度落ちが発生しない訳ではありません。
NC をターゲットとした場合、最低限 1/1000 の精度が必要です。この範囲であれば、本トランスレータにおいても十分に
保証できます。ところが、NC 自動プロの中には 1/100000 位の精度でチェックしているものがありますので注意が必要です。
このような場合は、自動プロのチェック用の値を調整してください。

15
第2章 システムの使用にあたって(共通事項)

2-2.操作概要

2-2-1.iCAD SX-DWG の起動

iCAD SX-DWG の起動方法を説明します。

【1】 Windows を起動します。

【2】 iCAD SX-DWG を起動します。


スタートメニューより iCAD SX-DWG を選択します。

正常に起動されると、画面に「iCAD SX-DWG」ウィンドウが表示されます

2-2-2.iCAD SX-DWG の終了

iCAD SX-DWG の終了方法を説明します。

【1】 画面に「iCAD SX-DWG」ウィンドウを表示させます。


iCAD SX-DWG の他のダイアログボックスが表示されている場合は、各ダイアログボックスにおいて
[キャンセル]ボタンをクリックし「iCAD SX-DWG」ウィンドウまで戻ってください。

16
第2章 システムの使用にあたって(共通事項)

【2】 「iCAD SX-DWG」ウィンドウにおいて、[終了]ボタンをクリックすると「iCAD SX-DWG 終了」


メッセージボックスが表示されます。[OK]ボタンをクリックすると iCAD SX-DWG が終了します。

2-2-3.動作環境の設定

iCAD SX-DWG の動作環境の設定方法を説明します。

【1】 「iCAD SX-DWG」ウィンドウにおいて、メニューバーの[ファイル(F)]より[動作環境設定]を選択します。

17
第2章 システムの使用にあたって(共通事項)

【2】 「動作環境設定」ダイアログボックスが表示されます。

各設定項目の内容は、以下のとおりです。

iCAD SX-DWG デフォルトパラメータファイル

<用途>
iCAD SX→DWG 変換を行う際に、独自に設定したパラメータファイルを変換時のデフォルト設定として
使用する場合に設定します。

<設定方法>
現在作成されているパラメータファイルリストからの選択となります。
したがって、パラメータファイルはあらかじめ作成しておく必要があります。
パラメータファイルの作成については、『第 3 章 3-3-2. 変換制御パラメータの設定方法』を参照してください。
1) ボックスの右側の矢印をクリックします。
選択可能なパラメータファイルのリストが表示されます。
2) 選択するファイル名をクリックします。
3) iCAD SX-DWG を再起動します。

<初期値>
システムの標準設定が使用されます。

18
第2章 システムの使用にあたって(共通事項)

DWG=>iCAD SX デフォルトパラメータファイル

<用途>
DWG→iCAD SX 変換を行う際に、独自に設定したパラメータファイルを変換時のデフォルト設定として
使用する場合に設定します。

<設定方法>
現在作成されているパラメータファイルリストからの選択となります。
したがって、パラメータファイルはあらかじめ作成しておく必要があります。
パラメータファイルの作成については、『第 4 章 4-3-2 変換制御パラメータの設定方法』を参照してください。
1) ボックスの右側の矢印をクリックします。
選択可能なパラメータファイルのリストが表示されます。
2) 選択するファイル名をクリックします。
3) iCAD SX-DWG を再起動します。

<初期値>
システムの標準設定が使用されます。

入力 DWG フォルダ

<用途>
DWG→iCAD SX 変換時に入力データとなる DWG ファイルを格納するドライブ・パスを指定する場合に設定します。
本パラメータが設定されている場合は、設定されたドライブ・パス配下のファイルリストが、
入力データ選択時に最初に表示されます。(その後のドライブ・パスの変更は自由に行えます。)

<設定方法>
入力 DWG ファイルを格納するドライブ・パスを入力します。
1) ボックスをクリックしてアクティブ状態にします。
2) ドライブ・パスを入力します。

<初期値>
インストール直後の本パラメータの設定は、%ICTRANSDIR%\ETC\DWG となっています。
本パラメータが設定されていない場合は、入力 DWG フォルダはシステムのカレントフォルダである
%ICTRANSDIR%\BIN となります。

出力 DWG フォルダ

<用途>
iCAD SX→DWG 変換時に出力データとなる DWG ファイルを格納するドライブ・パスを指定する場合に設定します。
本パラメータが設定されている場合は、設定されたドライブ・パスが、「iCAD SX=>DWG 出力 DWG 設定」
ダイアログボックスの出力 DWG フォルダの初期値となります。

<設定方法>
出力 DWG ファイルを格納するドライブ・パスを入力します。
1) ボックスをクリックしてアクティブ状態にします。
2) ドライブ・パスを入力します。

<初期値>
インストール直後の本パラメータの設定は、%ICTRANSDIR%\ETC\DWG となっています。
本パラメータが設定されていない場合は、出力 DWG フォルダはシステムのカレントフォルダである
%ICTRANSDIR%\BIN となります。

19
第2章 システムの使用にあたって(共通事項)

ワークフォルダ

<用途>
DWG→iCAD SX 変換および iCAD SX→DWG 変換時にシステムが使用するワークフォルダ(変換時に
作成するワークファイルの作成先)を指定する場合に設定します。本パラメータが設定されている場合は、
設定されたドライブ・パスをワークフォルダとして変換処理が実行されます。

<設定方法>
1) ワークフォルダとして使用するドライブ・パスを入力します。
ボックスをクリックしてアクティブ状態にします。
2) ドライブ・パスを入力します。

<初期値>
インストール直後の本パラメータの設定は、%ICTRANSDIR%\ETC\WORK となっています。
本パラメータが設定されていない場合は、ワークフォルダはシステムのカレントフォルダである
%ICTRANSDIR%\BIN となります。

最大選択ファイル数

<用途>
DWG→iCAD SX 変換時の「DWG=>iCAD SX DWG 選択」ダイアログボックス、ならびに、
iCAD SX→DWG 変換時の「iCAD SX=>DWG 図面選択」ダイアログボックスにおける
ファイル一括選択時の最大選択ファイル数を設定します。
システムのご利用環境(CPU,メモリ等)によっては、本パラメータの設定により前述のダイアログボックスにおける
動作のパフォーマンスが低下する場合がありますのでご注意ください。

<設定方法>
ファイル一括選択時の最大選択ファイル数を 1~1000 の範囲で入力します。
1) ボックスをクリックしてアクティブ状態にします。
2) 最大選択ファイル数を入力します。

<初期値>
インストール直後の本パラメータの設定は、100 となっています。

20
第3章 iCAD SX→DWG 変換

第3章 iCAD SX→DWG 変換

21
第3章 iCAD SX→DWG 変換

22
第3章 iCAD SX→DWG 変換

3-1.iCAD SX→DWG トランスレータの概要

3-1-1.目的

iCAD SX→DWG トランスレータ(以下、特に断らない限りトランスレータといいます)は、iCAD SX の


図面データベースを AUTOCAD の図面データベースである DWG ファイルへ変換するものです。このトランスレータは、
DXF などのインタフェースファイルを用いることなく、直接 iCAD SX→DWG 変換を行うことを目的としています。

3-1-2.システムの構成

本トランスレータは、iCAD SX の図面データベースの情報を、直接 AUTOCAD の DWG ファイルへ出力します。

図 1.システム構成図

iCAD SX iCAD SX→DWG AUTOCAD


図面 DB 変換部 DWG ファイル

3-1-3.ソフトウェア条件

AUTOCAD 側のソフトウェア条件

出力データとなる DWG ファイルのバージョンは R12J~ACAD2022 のいずれかとなります。


ただし、いずれも変換の対象となる図形は 2 次元です。

23
第3章 iCAD SX→DWG 変換

3-2.機能

3-2-1.変換要素の対応

本トランスレータは、基本的に図形形状の変換を目的とするものであり、変換前後でプロッタ出力結果が一致することを
目指します。変換の対象は、iCAD SX の 2 次元図形です。つまり、図面データベース上の'図面'を対象とするもので、
'構造物'は含まれません。iCAD SX の変換対象図形要素と DWG の図形要素との対応関係を表 1 に示します。

表 1.変換要素の対応
iCAD SX の要素 DWG の要素 備 考
1 点 POINT 点の変換指定ありの場合のみ変換。
2 線 LINE 無限線は変換不可。
3 円 CIRCLE
4 円弧 ARC
5 スプライン POLYLINE 近似分解して折れ線へ変換。
6 配置子図 INSERT/BLOCK 複合図形へ変換。
7 写像部品 INSERT/BLOCK 複合図形へ変換。
8 実像部品 INSERT/BLOCK 複合図形へ変換。
9 記号 INSERT/BLOCK 複合図形へ変換。
10 長さ/角度/径寸法線 DIMENSION 変換不可能なものは要素単位で変換。
11 面取り寸法線 LINE など 構成要素単位で変換。
12 円弧長寸法線 ARC など 構成要素単位で変換。
13 角/長円/角穴寸法線 INSERT/BLOCK 複合図形へ変換。
14 注記 INSERT/BLOCK 変換先は、変換制御パラメータの設定によ
LEADER り切り分けられる。
15 風船 INSERT/BLOCK 複合図形へ変換。
16 矢印 POLYLINE など 構成要素単位で変換。
17 文字列 TEXT,LINE 外字を含む場合は複数の線分へ変換。
MTEXT 中国語、韓国語の場合は MTEXT に変換。
18 シンボル/矢視/切断線 INSERT/BLOCK 複合図形へ変換。
19 ハッチング LINE など 構成要素単位で変換。
20 仕上記号 INSERT/BLOCK 複合図形へ変換。
21 表面粗さ INSERT/BLOCK 複合図形へ変換。
22 幾何公差 INSERT/BLOCK 複合図形へ変換。
23 溶接記号 INSERT/BLOCK 複合図形へ変換。
24 その他製図要素 INSERT/BLOCK 複合図形へ変換。
25 その他作図要素 INSERT/BLOCK 複合図形へ変換。
26 デルタ INSERT/BLOCK 複合図形へ変換。
27 楕円/楕円弧 POLYLINE 近似分解して折れ線へ変換。
28 拡張ハッチング LINE など 構成要素単位で変換。
29 可変直線/直径/半径寸法 INSERT/BLOCK 複合図形へ変換。

上記以外の要素は変換対象外です。

24
第3章 iCAD SX→DWG 変換

3-2-2.図形属性(線種・カラー・線幅)の変換

iCAD SX の線種と DWG の線種の対応を表 1 に示します。変換制御パラメータの指定により iCAD SX の線種と


DWG の線種の対応を独自に設定することもできます。DWG の線種尺度(LTSCALE)についても、変換制御パラメータの指定に
よる調整が可能です。また、DWG には線幅情報がないバージョンがあり、iCAD SX の線幅情報を変換する場合は、
変換制御パラメータの指定により、iCAD SX の線幅情報を DWG のカラー情報に対応させることができます。

表 1.線種の対応
iCAD SX 線種 (線種番号) DWG 線種

1 実線 (1) CONTINUOUS

2 短破線 (2) DASHED

3 一点鎖線 (3) CENTER

4 二点鎖線 (4) PHANTOM

5 点線 (5) HIDDEN

6 長破線 (6) DASHED

iCAD SX のカラーと DWG のカラーの対応を表 2 に示します。


変換制御パラメータの指定により iCAD SX のカラーと DWG のカラーの対応を独自に設定することができます。
iCAD SX 側でカラーのカスタマイズを行なっている場合等に設定してください。
また、DWG には線幅の情報がないバージョンもあり、カラーをペン番号に対応させることで線幅を実現しています。
そこで、本トランスレータでは iCAD SX が持つカラー情報を無視して、線幅に対応したカラーを設定することも
変換制御パラメータの指定により可能としています。

表 2.カラーの対応
iCAD SX カラー DWG カラー
(カラー番号・カラー) (カラー番号・カラー)
1 1 白 7 白
2 2 赤 1 赤
3 3 緑 3 緑
4 4 黄 2 黄
5 5 青 5 青
6 6 マゼンタ 6 紫
7 7 シアン 4 水色
8 8 灰色 253
9 9 橙色 40
10 10 薄緑 60
11 11 黄緑 120
12 12 空色 140
13 13 紫 200
14 14 青緑 134
15 15 薄橙 21
16 16 黒 18
17 17 拡張色1 11
18 18 拡張色2 41
19 19 拡張色3 81
20 20 拡張色4 171

25
第3章 iCAD SX→DWG 変換

21 21 拡張色5 201
22 22 拡張色6 20
23 23 拡張色7 51
24 24 拡張色8 101
25 25 拡張色9 171
26 26 拡張色10 193
27 27 拡張色11 16
28 28 拡張色12 55
29 29 拡張色13 96
30 30 拡張色14 176
31 31 拡張色15 206
32 上記以外 未サポート色 3 緑
AUTOCAD(DWG)のカラー番号は、256 色ディスプレイ用の設定です。

iCAD SX の線幅と DWG の線幅の対応を表 3 に示します。


変換制御パラメータの指定により、iCAD SX の線幅と DWG の線幅の対応を独自に設定することができます。
AUTOCAD 側で線幅のカスタマイズを行っている場合等に設定してください。
また、DWG には線幅情報がないバージョンがあり、iCAD SX の線幅情報を変換する場合は、
変換制御パラメータの指定により、iCAD SX の線幅情報を DWG のカラー情報に対応させることができます。

表 3.線幅の対応
iCAD SX 線幅 (線幅番号) DWG 線幅

1 太線 (1) 0.50

2 中線 (2) 0.30

3 細線 (3) 0.09

3-2-3.ビューの変換

iCAD SX では、グローバルビュー上に基本ビューとローカルビューが配置できます。
本トランスレータでは、基本ビューおよびローカルビュー上の図形要素を全てグローバルビューへ配置した形で変換します。
つまり、基本ビューおよびローカルビューの概念は変換されません。

3-2-4.レイヤの変換

iCAD SX のレイヤは、DWG のレイヤへ対応付けて変換されます。


iCAD SX のレイヤにレイヤ名が設定されている場合、iCAD SX のレイヤ名が DWG のレイヤ名へ変換されます。
iCAD SX のレイヤ名が DWG のレイヤ名の文字数制限を超える場合は制限内に丸め込みます。
iCAD SX のレイヤにレイヤ名が設定されていない場合、DWG におけるレイヤ名は iCAD SX のレイヤ番号となります。
(たとえば、iCAD SX のレイヤ番号が 200 であれば、DWG のレイヤ名は 200 となります。)
また、変換制御パラメータの指定により、iCAD SX のレイヤごとに特定の DWG レイヤ名を設定したり、
変換対象とするレイヤを限定することができます。ただし、iCAD SX の非表示レイヤは変換対象外です。
iCAD SX の構造要素(子図など)を DWG の複合図形へ変換する場合のレイヤ番号とレイヤの対応を表 1 に示します。

26
第3章 iCAD SX→DWG 変換

表 1.レイヤ番号とレイヤの対応
iCAD SX の要素 DWG の複合図形

複合図形配置(INSERT)のレイヤ 複合図形内の各要素のレイヤ

配置子図 配置子図の配置レイヤ番号に対応するレイヤ 配置子図の配置レイヤ番号に対応するレイヤ

写像部品 写像部品の配置レイヤ番号に対応するレイヤ 写像部品の配置レイヤ番号に対応するレイヤ

実像部品 実像部品内で最初に出現した変換対象要 実像部品内の要素のレイヤ番号に対応する


素のレイヤ番号に対応するレイヤ レイヤ

記号 記号またはその他作図要素のレイヤ番号に 記号またはその他作図要素のレイヤ番号に
その他作図要素 対応するレイヤ 対応するレイヤ

3-2-5.グループの変換

iCAD SX のグループについては、構成要素(メンバ)単位で変換します。つまり、グループの概念は変換されません。

3-2-6.子図・標準部品・実像部品・記号・その他作図要素等の変換

iCAD SX の配置子図・写像部品・実像部品・記号・その他作図要素等は、DWG の複合図形として変換されます。


ただし、2 階層目以降の子図のデータおよび子図中の実像部品とその他作図要素は、構成要素単位で変換されます。
つまり、最上位の固まりの概念のみが継承されます。また、子図の配置属性は変換できません。
iCAD SX の配置子図が DWG の複合図形へ変換される場合、変換後の DWG の複合図形の基点は、すべて原点(0,0)
となります。
iCAD SX の配置子図・写像部品・実像部品・記号・その他作図要素等が DWG の複合図形へ変換された場合の
名前の対応を表 1 に示します。

表 1.配置子図・写像部品・実像部品・記号・その他作図要素等の名前の対応
iCAD SX の要素 iCAD SX での名前 DWG の複合図形名 備 考

配置子図 XXX XXX+シーケンシャル番号 *1 *2 *3


KZ+シーケンシャル番号

写像部品 XXX XXX+シーケンシャル番号 *1 *2 *4


SZB+シーケンシャル番号

実像部品 XXX XXX+シーケンシャル番号 *1 *2 *5


JZB+シーケンシャル番号

記号 XXX ASM+シーケンシャル番号 *1 *2

その他作図要素 なし ETC+シーケンシャル番号 *1 *2

その他製図要素など なし DIM+シーケンシャル番号 *1 *2
*1:シーケンシャル番号は、複合図形の作成順に無条件に-1,-2,-3,...と付加されます。
*2:複合図形名として使用可能な特殊文字は、英文字、数字、$(ドル)、-(ハイフン)、_(アンダーライン)のみとなります。
*3:iCAD SX の配置子図名に DWG の複合図形名として使用禁止文字が存在する場合は“KZ+シーケンシャル番号”
となります。
*4:iCAD SX の写像部品名に DWG の複合図形名として使用禁止文字が存在する場合は“SZB+シーケンシャル番号”
となります。
*5:iCAD SX の実像部品名に DWG の複合図形名として使用禁止文字が存在する場合は“JZB+シーケンシャル番号”
となります。

27
第3章 iCAD SX→DWG 変換

3-2-7.寸法線要素の変換

iCAD SX の製図要素の中で、DWG の寸法線要素として変換されるものは、長さ寸法線・角度寸法線・径寸法線の


3 種類です。これ以外の製図要素は、構成要素単位で変換されるか、または、DWG の複合図形として変換されます。
また、長さ寸法線・角度寸法線・径寸法線のいずれかであっても、DWG の寸法線要素として変換不可能なものは、
構成要素単位で変換されます。

表 1.寸法線要素の変換
iCAD SX DWG 備 考

長さ寸法線 直線寸法線へ構造変換 対応の付かないものは


角度寸法線 角度寸法線へ構造変換 構成要素単位で変換。
径寸法線 直径/半径寸法線へ構造変換

3-2-8.文字要素の変換

iCAD SX の文字要素は、DWG の文字要素へ変換されます。


ただし、それぞれのシステムにおける文字幅の概念が異なるため iCAD SX の文字列データを 100%の再現性で
DWG の文字列データへ変換することは不可能です。これは、DWG ではデータ上に文字幅情報がなく、
表示上の文字幅としてプロポーショナルピッチ(フォント毎または文字毎に文字幅が異なる)を採用しているのに対し、
iCAD SX ではデータ上に文字幅情報が必要であり、表示される文字幅も一定であるためです。
本トランスレータでは、DWG の標準で用いられている文字フォントにおける各文字ごとの高さと幅の比率情報を使用して、
変換前と変換後で文字列の開始位置と終了位置が一致するように変換しています。
必要であれば、変換制御パラメータの指定により、各文字ごとの文字高さに対する幅の比率が調整できます。

iCAD SX : AAAIIIJJJ111222
L1≒L2 となるように変換します。ピッチが異なるため、
L1 最初と最後の文字以外の文字の位置関係は一致しません。

AUTOCAD(DWG): AAAIIIJJJ111222

L2

DWG へ変換された文字のフォント名は、DWG の標準フォント名(STANDARD)となります。


フォントファイル名は、第一のフォントファイル名が TXT、第二のフォントファイル名が BIGFONT となります。
これらのフォント名ならびにフォントファイル名の設定は、変換制御パラメータの指定により変更可能です。
また、iCAD SX の文字コードは、基本的にそのまま出力されます。変換制御パラメータの指定により、
文字列中の文字データがすべて 1 バイトコード(ASCII)で表現可能な場合(1.23,ABC など)のみ、
1 バイトコードへ変換して出力することが可能です。ただし、すべての文字が 1 バイトコードに変換できない場合は、
すべての文字を 2 バイトコードに変換して出力します。
さらに、すべての文字列を 2 バイトコードに変換して出力することも可能です。
iCAD SX の文字コードの中に、DWG 上で表現不可能なコード(外字コードなど)が含まれている場合は、
その文字列全体を複数の線分で表現した形で出力します。ただし、文字列データ内に文字列を表現するための
線分情報が存在しない場合は、そのままのコードで文字列として出力されます。
さらに、DWG には特殊コード(%%X で表現される文字)があります。
本トランスレータでは、以下の 3 種類の文字を DWG の特殊コードへ変換しています。

28
第3章 iCAD SX→DWG 変換

表 1.特殊コードへの変換
iCAD SX AUTOCAD(DWG)

1 ° %%d

2 ± %%p

3 φ %%c

ただし、iCAD SX の文字フォントが中国語(GB2312,BIG5)と韓国語の場合は、特殊コードへの変換は行いません。
詳しくは『第 3 章 3-2-10. 変換仕様ならびに制限事項』を参照ください。

3-2-9.注記要素の変換

iCAD SX の注記要素は、DWG の複合図形へ変換されます。ただし、変換制御パラメータの指定により、


DWG の引出線要素へ変換することも可能です。iCAD SX の注記要素を DWG の引出線要素へ変換する場合、
DWG の引出線要素として変換可能なものに限り、引出線要素として構造変換します。
DWG の引出線要素として変換不可能なものは、DWG の複合図形へ変換します。iCAD SX の注記要素が
DWG の引出線要素へ変換された場合の端末形状の対応を表 1.に示します。
ただし、iCAD SX の注記要素の端末記号に設定した矢印の幅、矢印角度は変換されません。
これは AUTOCAD(DWG)では端末記号の矢印の幅、矢印角度の設定ができないためです。

表 1.注記要素端末記号の変換仕様
iCAD SX AUTOCAD(DWG)

3-2-10.変換仕様ならびに制限事項

1) 線種のピッチの変換は未サポートです。また、無限線は変換できません。

2) iCAD SX の 2 次元 SPLINE(自由曲線)データで、開始点・終了点・補間点の合計数が
250 個を越えるものは変換できません。

3) iCAD SX の 2 次元 TEXT データで、文字列長が 255 バイトを越えるものは変換できません。


また、文字列長が 255 バイト以内であっても、DWG の TEXT データへ変換後の文字列長が 255 バイトを越える
場合は、越えた分のデータは出力されません。

4) 文字列の基準点情報は変換できません。変換後の文字列の基準点はすべて左下となります。

5) 配置子図の配置属性は変換できません。配置属性が設定されている子図を変換した場合、変換後の属性は
子図上のそれぞれの要素がもつ属性となります。

29
第3章 iCAD SX→DWG 変換

6) 累進寸法線、金型寸法線、面取り寸法線、円弧長寸法線は構成要素単位で変換されます。

7) 括弧付きの 2 段公差値をもつ寸法線は構成要素単位で変換されます。

8) 出力した DWG を海外版(日本語版以外)の CAD 等へ取り込んだ場合は、文字が正しく表示されないことがあります。

9) iCAD SX の文字フォントは、中国語(GB2312,BIG5)と韓国語のみ変換します。
ただし、この場合は文字列幅は正しく変換されません。また、特殊コードへの変換・半角全角出力・外字の展開など
他の設定もすべて無視されます。さらに、使用されている文字フォントがご利用環境に登録されていない場合は、
iCAD SX のストローク文字と見なして変換します。

10) 出力 DWG のバージョンが R12 の場合は、中国語(GB2312,BIG5)と韓国語は正しく変換できません。

11) iCAD SX のレイヤ名に DWG のレイヤ名の使用禁止文字が存在する場合、


該当する文字を"_"へ置き換えたものを DWG のレイヤ名として変換します。

12) iCAD SX のレイヤ名が DWG のレイヤ名の文字数制限を超える場合は、制限内に丸め込みます。


さらに、出力 DWG のバージョンが R14 以前の場合、iCAD SX のレイヤ名の文字数が DWG のレイヤ名の
制限内であっても 26 文字を超える場合は 26 文字に丸め込みます。また、文字数制限等による丸め込みにより
DWG 上でレイヤ名が重複する場合は、文字数制限を超えない範囲で終端文字を連番に置き換えます。

13) iCAD SX の製図属性情報を DWG の DIMSTYLE(STANDARD)へ変換します。


ただし、変換後の DWG の寸法線を AUTOCAD 上で編集した場合は、寸法線の各構成要素の表示方法・表示位置等が、
AUTOCAD の寸法線編集コマンドの仕様にしたがい変更されます。

14) iCAD SX の注記要素が DWG の引出線要素として変換されるためには、


以下の条件をすべて満たす必要があります。
・端末記号が 1 個である。
・文字列が横書きで、かつ、複数段でない。
・文字列に飾り文字(下線、訂正線、矩形、公差値、上添、下添)がない。
・文字列角度が 0 度(水平)である。
・折線の頂点数が 10 個以内である。

15) iCAD SX の注記要素を構造変換した場合、以下のような文字列は正しく変換されない場合があります。


・文字が重なっている。
・文字間隔が広い。

16) 出力した DWG を、2007 以降のバージョンの AUTOCAD へ取り込んだ場合、警告メッセージが表示されます。

17) 寸法値に文字飾り(下線・囲み枠・訂正線)が付いた iCAD SX の寸法線要素が、DWG の寸法線要素として


変換された場合、変換後の寸法線要素を AUTOCAD 上で編集すると、寸法線要素の形状が AUTOCAD の仕様に
合わせて変更されるため、以下の現象が発生します。
・囲み枠のサイズが異なる。(AUTOCAD の囲み枠仕様にて再表示されるため)
・公差値等も含めた全ての寸法文字が囲み枠で囲まれる。(AUTOCAD の囲み枠仕様のため)
・下線が消える。(AUTOCAD では寸法文字に下線をつけることができないため)
・訂正線が消える。(AUTOCAD では寸法文字に訂正線をつけることができないため)

18) iCAD SX の寸法線要素が DWG の寸法線要素として変換された場合の、寸法値文字列表示と公差値文字列


配置位置に関する仕様は以下のとおりです。
・出力 DWG バージョンが R13 以上の場合
変換後の寸法線要素を AUTOCAD 上で編集しても寸法値文字列が変更されることはありませんが、
公差値文字列の配置位置がずれて変換される場合があります。
・出力 DWG バージョンが R12 以下の場合
変換後の寸法線要素を AUTOCAD 上で編集すると寸法値文字列が変更されることがありますが、
公差値文字列の配置位置は元図とほぼ同等に変換されます。

30
第3章 iCAD SX→DWG 変換

19) 変換制御パラメータ「図形要素の変換」の中の寸法線の変換(寸法値の上書文字出力)の変換仕様は以下の
とおりです。
・「出力する」が指定された場合
変換後の寸法線要素を AUTOCAD 上で編集しても寸法値文字列が変更されることはありませんが、
公差値文字列の配置位置がずれて変換される場合があります。
本指定は、出力 DWG バージョンが R13 以上の場合のみ有効となります。
・「出力しない」が指定された場合
変換後の寸法線要素を AUTOCAD 上で編集すると寸法値文字列が変更されることがありますが、
公差値文字列の配置位置は元図とほぼ同等に変換されます。
本指定は、出力 DWG バージョンに依存しません。

20) 変換制御パラメータ「図形要素の変換」の中の文字要素の変換(半角全角出力)の変換仕様は以下のとおりです。
・「混在」が指定された場合
文字列内の文字をそのまま変換します。半角文字は半角文字へ、全角文字は全角文字へ変換します。
・「半角優先」が指定された場合
文字列内の文字がすべて半角文字へ変換可能な場合は、すべての文字を半角文字へ変換します。
文字列内に、半角文字へ変換できない文字が一つでも含まれている場合は、すべての文字を
全角文字へ変換します。
・「すべて全角」が指定された場合
文字列内のすべての文字を全角文字へ変換します。

31
第3章 iCAD SX→DWG 変換

3-3.使用方法

3-3-1.iCAD SX→DWG 変換の実行

iCAD SX→DWG 変換の実行手順を以下に説明します。

【1】 iCAD SX→DWG を起動すると、「iCAD SX-DWG」ウィンドウが表示されます。


起動方法については、『第 2 章 2-2-1. iCAD SX-DWG の起動』を参照してください。

【2】 「iCAD SX-DWG」ウィンドウにおいて[iCAD SX=>DWG]ボタンをクリックすると、


「iCAD SX=>DWG 図面選択」ダイアログボックスが表示されます。

変換するファイル(図面ファイル)の検索及び選択を行います。

32
第3章 iCAD SX→DWG 変換

「検索先」リストボックスの使用方法

変換するファイルが格納されているドライブをクリックし選択します。

ツールボタンの使用方法

・1 つ上のフォルダへ移動 :1 つ上のフォルダへ移動します。
・ネットワークドライブの割り当て :ネットワークドライブを割り当てます。
・ネットワークドライブの切断 :ネットワークドライブを切断します。
・一覧 :ファイル名を一覧形式で表示します。
・詳細 :ファイル名を詳細形式で表示します。
・プロパティ :ファイルの情報を表示します。

ファイルの検索方法

各検索キーの使用方法を説明します。
・ファイル名 :ワイルドカード(*)を使用した検索ができます。
検索キーとして入力したファイル名にワイルドカードが使用
されていない場合は、入力したファイル名のみが検索されます。
(入力例)
"A*"と入力→A,ABC,ADE...などを検索
"A"と入力→A のみを検索
・更新日時 :リストボックスから以下の項目が選択できます。
昨日
今日
先週
今週
先月
今月
指定なし

検索キーを設定し[検索]ボタンをクリックしてください。
選択可能なファイルの一覧が表示されます。

ファイルの選択方法

ファイルの一覧において、ファイル名をクリックして選択します。ファイル名をドラッグするか、
[Ctrl]キー+クリックすると複数のファイルが選択(反転表示)できます。また、あるファイル名をクリックし、
別のファイル名を[Shift]キー+クリックするとその間のファイルが全て選択できます。
ファイルを選択した後で[OK]ボタンをクリックするとファイルの選択が確定できます。

選択可能なファイル数の上限は、動作環境設定の最大選択ファイル数で設定された値となります。設定値を
越えて選択されたファイル名は全て無視されます。
変換対象となる最後のファイルは「iCAD SX=>DWG 出力 DWG 設定」ダイアログボックスの
最終ページの最後のファイルです。

変換可能なファイルは iCAD SX の図面ファイルのみです。

読み書きパスワードが設定されているファイルは複数選択できません。

33
第3章 iCAD SX→DWG 変換

パスワード入力方法

選択された図面ファイルに読み書きパスワードが設定されている場合は「パスワード入力画面」
ダイアログボックスが表示されます。

パスワードを入力して[OK]ボタンをクリックしてください。

パスワードの入力に 3 回続けて失敗した場合は、「パスワード入力画面」ダイアログボックスは自動的に
キャンセルされます。

変換制御パラメータファイルの指定方法

変換時に使用するパラメータファイルの指定方法を以下に説明します。

1) 「iCAD SX=>DWG 図面選択」ダイアログボックスにおいて、[パラメータ]ボタンをクリックすると、


「iCAD SX=>DWG パラメータ一覧」ダイアログボックスが表示されます。

2) 「iCAD SX=>DWG パラメータ一覧」ダイアログボックスにおいて、変換に使用するパラメータファイルを


クリックして選択(反転表示)した後、[OK]ボタンをクリックします。

以降の変換処理においては、選択したパラメータファイルの設定が用いられます。
本設定は、iCAD SX を再起動するか、または、パラメータファイルを再選択するまで有効です。

34
第3章 iCAD SX→DWG 変換

【3】 「iCAD SX=>DWG 図面選択」ダイアログボックスにおいて、変換対象となる図面を選択し


[OK]ボタンをクリックすると、「iCAD SX=>DWG 出力 DWG 設定」ダイアログボックスが表示されます。

図面名には【2】で選択した図面名が表示されています。DWG 名を設定してください。

出力 DWG フォルダの変更方法

iCAD SX=>DWG 変換時に、出力データとなる DWG ファイルを格納するドライブ・パスを変更する


場合に使用します。[参照]ボタンをクリックすると「フォルダの選択」ダイアログボックスが表示されます。
選択するフォルダをクリックし[OK]ボタンをクリックすると出力 DWG フォルダが変更されます。
また、ドライブ・パスを直接入力することも可能です。

変換処理中のエラー処理の設定方法

iCAD SX=>DWG 変換中のエラー発生時の処理を設定します。


本設定は、iCAD SX=>DWG の図面を複数選択した場合のみ有効となります。
エラー処理設定のボックスをクリックしてください。

ボックスの選択状態が切り替わります。
ボックスが選択されている場合は、エラーが発生した図面で変換処理は中断されエラーメッセージが表示されます。
ボックスが選択されていない場合は、エラーが発生してもその図面を飛ばし変換処理は最後まで続行され、
エラーメッセージはレポートファイルに出力されます。

DWG 名の設定方法

DWG 名の初期値は対応する図面名が表示されています。
DWG 名を変更する場合は DWG 名の入力領域をクリックしてアクティブ状態にした後で、
DWG ファイル名を入力してください。DWG ファイル名はパスおよび拡張子なしで入力してください。

35
第3章 iCAD SX→DWG 変換

「iCAD SX=>DWG 出力 DWG 設定」画面の頁切り替え方法

1) 「iCAD SX=>DWG 出力 DWG 設定」ダイアログボックスの頁を切り替える場合は、[前頁]ボタン、


[次頁]ボタンをクリックしてください。
2) 「iCAD SX=>DWG 出力 DWG 設定」ダイアログボックスの頁を指定する場合は、[頁指定]ボタンを
クリックしてください。頁指定ダイアログボックスが表示されます。

初期値として「iCAD SX=>DWG 出力 DWG 設定」ダイアログボックスの現在の頁が表示されています。


表示する頁番号を入力してください。[OK]ボタンをクリックすると入力された頁番号の内容が表示されます。

【4】 「iCAD SX=>DWG 出力 DWG 設定」ダイアログボックスにおいて、DWG 名の設定後、[Enter]キーを押すか、


または、[OK]ボタンをクリックすると変換が開始されます。変換中は画面に「iCAD SX=>DWG 変換」
メッセージボックスが表示されます。

iCAD SX→DWG 変換実行中の図面名が表示されます。

iCAD SX=>DWG 変換処理の中断方法

[中断]ボタンをクリックしてください。現在変換中の図面の変換終了後に、中断メッセージを表示し処理を中断します。

中断ボタンは図面を複数選択した場合のみ有効となります。

【5】 iCAD SX→DWG 変換処理が正常終了した場合は、「iCAD SX=>DWG 変換終了」


メッセージボックスが表示されます。

画面には変換結果が表示されています。
1 変換単位の変換結果や変換詳細メッセージをご覧になりたい場合は[レポート表示]ボタンをクリックしてください。

36
第3章 iCAD SX→DWG 変換

【6】 「iCAD SX=>DWG 変換終了」ダイアログボックスにおいて、「レポート表示」ボタンをクリックすると、


「レポート表示」画面が表示されます。

「レポート表示」画面には 1 変換毎の変換結果が表示されています。変換結果が正常終了の場合は黒色で表示
されます。異常終了の場合は赤色で表示されます。レポート表示のフォーマットは以下の通りです。

詳細表示ボタン 変換番号 変換ファイル名 変換結果

詳細メッセージウィンドウの表示方法

「レポート表示」画面において詳細表示ボタンをクリックすると変換処理の詳細メッセージウィンドウが表示されます。
詳細メッセージウィンドウ内にはエラーが発生した場合の詳細メッセージやワーニングメッセージが表示されます。

詳細メッセージウィンドウを複数表示することはできません。別の詳細メッセージウィンドウを表示する場合は、
現在表示されているウィンドウを閉じてください。詳細メッセージウィンドウを閉じる場合は、詳細表示ボタンを
再度クリックしてください。

37
第3章 iCAD SX→DWG 変換

詳細メッセージの保存方法

1) レポート表示画面は詳細メッセージをファイルに保存する機能を持っています。
保存する変換結果の詳細メッセージウィンドウを表示した状態で、メニューバーの[ファイル(F)]より
[名前を付けて保存]を選択します。

「名前を付けて保存」画面が表示されます。

2) 右側のリストボックスにおいて、ドライブ名またはパス名をダブルクリックして、
ファイルを保存するフォルダまで移動します。
3) 保存するファイル名をエディットボックスに入力し、[OK]ボタンをクリックしてください。
詳細メッセージの内容がテキスト形式のファイルで作成されます。

レポート表示ウィンドウの終了方法

詳細メッセージウィンドウを表示した状態では「レポート表示」画面を終了することはできません。
詳細メッセージウィンドウを閉じた状態にして終了処理を行ってください。「レポート表示」画面を終了する場合は
メニューバーの[ファイル(F)]より[終了]を選択します。

38
第3章 iCAD SX→DWG 変換

3-3-2.変換制御パラメータの設定方法

iCAD SX→DWG 変換における変換制御パラメータの設定方法について説明します。

【1】 「iCAD SX-DWG」ウィンドウにおいて[iCAD SX=>DWG]ボタンをクリックすると、


「iCAD SX=>DWG 図面選択」ダイアログボックスが表示されます。

【2】 「iCAD SX=>DWG 図面選択」ダイアログボックスにおいて、[パラメータ]ボタンをクリックすると


「iCAD SX=>DWG パラメータ一覧」ダイアログボックスが表示されます。

リストボックスには、選択可能なパラメータファイルの一覧が表示されます。
インストール直後は、”標準設定”だけが表示されています。

39
第3章 iCAD SX→DWG 変換

パラメータファイルの作成および更新方法

パラメータファイルを新規に作成する場合は、既存のパラメータファイルまたは標準設定の内容を変更し、
別ファイル(新規パラメータファイル)へ保存します。パラメータファイルの内容を更新する場合は、
既存のパラメータファイルの内容を変更し、そのファイル名で保存します。
手順を以下に説明します。

1) 「iCAD SX=>DWG パラメータ一覧」ダイアログボックスにおいて、既存のパラメータファイルまたは


標準設定をクリックして選択(反転表示)します。
2) [変更]ボタンをクリックしてください。「iCAD SX=>DWG パラメータ変更」ダイアログボックスが表示されます。

3) 変更する項目のボタンをクリックして変更します。詳細は『第 3 章 3-3-3. 変換制御パラメータの説明』を


参照してください。
4) 各項目の変更が終了したら、[OK]ボタンをクリックします。「iCAD SX=>DWG パラメータファイル名入力」
ダイアログボックスが表示されます。

パラメータファイル名の入力領域には、1)で選択したファイル名が表示されています。
なお、1)で”標準設定”を選択した場合は、ファイル名は表示されていません。
また、1)で”デフォルトパラメータファイル”を選択した場合は、「iCAD SX=>DWG パラメータファイル名入力」
ダイアログボックスは表示されず、デフォルトパラメータファイルを上書きするかどうかを確認するメッセージボックスが
表示されます。

[はい(Y)]ボタンをクリックすると、デフォルトパラメータファイルが上書きされます。[いいえ(N)]ボタンをクリックすると、
「iCAD SX=>DWG パラメータファイル名入力」ダイアログボックスが表示されます。ファイル名を入力してください。

40
第3章 iCAD SX→DWG 変換

5) パラメータファイルを新規に作成する場合は、「iCAD SX=>DWG パラメータファイル名入力」ダイアログボックス


において、新規パラメータファイル名を入力してください。1)で既存のパラメータファイルを選択した場合は選択した
ファイル名が表示されていますので一度クリアして新規ファイル名を入力してください。
その後、[Enter]キーを押すか、または、[OK]ボタンをクリックしてください。選択したパラメータファイルの内容を
上書きする場合は、そのまま[Enter]キーを押すか、または、[OK]ボタンをクリックしてください。ただし、1)で
”標準設定”を選択した場合は、必ずファイル名を入力してください。(標準設定は、上書きできません。)

6) 「iCAD SX=>DWG パラメータ一覧」ダイアログボックスに戻ります。リストボックスには、新規に作成した


パラメータファイル、または、内容を変更したパラメータファイルが選択(反転表示)されています。
[OK]ボタンをクリックすると、「iCAD SX=>DWG 図面選択」ダイアログボックスに戻り、それ以降の変換処理に
おいては、選択したパラメータファイルの設定が使用されます。[キャンセル]ボタンをクリックすると、
「iCAD SX=>DWG 図面選択」ダイアログボックスに戻りますが、それ以降の変換処理における
パラメータファイルの設定は元のままです。

パラメータファイルの削除方法

「iCAD SX=>DWG パラメータ一覧」ダイアログボックスにおいて、削除するパラメータファイルをクリックして


選択(反転表示)し、[削除]ボタンをクリックすると選択したパラメータファイルが削除されます。

デフォルトパラメータファイルの設定方法

iCAD SX-DWG では、起動後にパラメータファイルを変更しなければ、変換時のパラメータファイルとして


システムの標準設定値が用いられます。この標準設定値として、利用者が独自に作成したパラメータファイルを
使用する場合には、デフォルトパラメータファイルの設定を行う必要があります。
設定方法を以下に説明します。

41
第3章 iCAD SX→DWG 変換

1) 『パラメータファイルの作成および更新方法』の手順にしたがって、デフォルトパラメータファイルとして
使用するためのパラメータファイルを作成します。
2) 「iCAD SX-DWG」ウィンドウに戻り、メニューバーの[ファイル(F)]より[動作環境設定]を選択します。

「動作環境設定」ダイアログボックスが表示されます。

42
第3章 iCAD SX→DWG 変換

3) 「iCAD SX=>DWG デフォルトパラメータファイル」ボックスの右側の矢印をクリックすると、


デフォルトパラメータファイルとして選択可能なパラメータファイルのリストが表示されます。

4) パラメータファイル名をクリックして選択します。[OK]ボタンをクリックすると、「iCAD SX-DWG」
ウィンドウに戻ります。これで、デフォルトパラメータファイルの設定は完了です。
以降の変換処理においては選択したパラメータファイルの内容がデフォルト設定となります。
また、デフォルトパラメータファイルとして選択されたパラメータファイルは、「iCAD SX=>DWG パラメータ一覧」
ダイアログボックスにおいてファイル名表示が“デフォルトパラメータファイル”となります。

43
第3章 iCAD SX→DWG 変換

3-3-3.変換制御パラメータの説明

iCAD SX→DWG 変換における変換制御パラメータの各項目について説明します。

図形要素の変換

点要素、文字要素、寸法線要素、下書き線、注記要素に対して変換/無変換を指定する場合に設定します。
文字要素を変換する場合、ユーザ定義文字を複数の線分へ変換するか否かを指定できます。
また、出力文字のコード系(半角全角)も指定できます。寸法線要素を変換する場合、構造変換するか否かを
指定できます。また、寸法値の上書文字を出力するか否かを指定できます。
注記要素を変換する場合、構造変換するか否かを指定できます。
「iCAD SX=>DWG パラメータ変更」ダイアログボックスにおいて、[図形要素の変換]ボタンをクリックすると、
「iCAD SX=>DWG 図形要素の変換」ダイアログボックスが表示されます。

初期設定値は上図のとおりです。各項目のボタン部分をクリックし選択してください。
設定が完了したら、[OK]ボタンをクリックしてください。

44
第3章 iCAD SX→DWG 変換

フォントファイル名の指定

DWG の文字フォントとして固有のものを指定する場合に設定します。
DWG の文字データの、文字フォント名、第 1 フォントファイル名、第 2 フォントファイル名を設定します。
「iCAD SX=>DWG パラメータ変更」ダイアログボックスにおいて、[フォントファイル名の指定]ボタンを
クリックすると、「iCAD SX=>DWG フォントとフォントファイル名の指定」ダイアログボックスが表示されます。

初期設定値は、文字フォント名=STANDARD、第 1 フォントファイル名=TXT、第 2 フォントファイル名=BIGFONT です。


変更する場合は、各項目の入力領域をクリックしてアクティブ状態にした後で、各項目を設定してください。
設定が完了したら、[OK]ボタンをクリックしてください。ただし、すべての項目が設定されていないと[OK]ボタンは
有効になりません。

文字幅比率の設定

フォントの違いにより、文字毎の文字幅比率の調整が必要な場合に設定します。
DWG では、文字幅がプロポーショナルピッチであるため、文字幅が個々の文字毎に異なります。
iCAD SX-DWG では、各文字毎に DWG の標準の文字フォントの値をセットしています。
標準以外の文字フォントを使用する場合で、文字幅比率の調整が必要な場合に、対象文字とその文字幅比率
(文字高さに対する文字幅の比率)を設定します。
なお、本パラメータは、設定した文字に対してのみ有効となります。「iCAD SX=>DWG パラメータ変更」
ダイアログボックスにおいて、[文字幅比率の設定]ボタンをクリックすると、
「iCAD SX=>DWG 文字幅比率の設定」ダイアログボックスが表示されます。

■文字幅比率の設定の追加方法

1) 対象文字のボックスの右側の矢印をクリックすると対象文字のリストが表示されるので、
対象文字をクリックして選択します。
2) 文字幅の比率の入力領域をクリックしてアクティブ状態にした後、選択した文字の文字幅比率を入力します。
1.0 を入力すると文字高さと文字幅が同じになります。これを基準に適切な値を設定してください。
3) [追加]ボタンをクリックすると、設定された対象文字とその文字幅比率が左側のリストボックスに追加されます。
ただし、すべての項目が設定されていないと[追加]ボタンは有効になりません。

45
第3章 iCAD SX→DWG 変換

■文字幅比率の設定の変更方法

1) 左側のリストボックスより変更する設定をクリックして選択(反転表示)します。
2) 右側の各項目のボックスにおいて、対象文字または文字幅比率を変更します。
3) [変更]ボタンをクリックすると、変更された設定内容が左側のリストボックスに表示されます。

■文字幅比率の設定の削除方法

1) 左側のリストボックスより削除する設定をクリックして選択(反転表示)します。
2) [削除]ボタンをクリックすると、選択された設定内容が左側のリストボックスから削除されます。

■文字幅比率の設定の一括追加方法

1) 文字幅の比率の入力領域をクリックしてアクティブ状態にした後、設定する文字幅比率を入力します。
2) [一括追加]ボタンをクリックすると、確認メッセージボックスが表示されます。
文字幅の比率が設定されていないと[一括追加]ボタンは有効になりません。

3) [OK]ボタンをクリックすると、全ての対象文字が指定した文字幅比率で左側のリストボックスに追加されます。
ただし、元々リストボックス内にある文字については、文字幅比率は変更されません。

■文字幅比率の設定の一括変更方法

1) 文字幅の比率の入力領域をクリックしてアクティブ状態にした後、設定する文字幅比率を入力します。
2) [一括変更]ボタンをクリックすると、確認メッセージボックスが表示されます。
文字幅の比率が設定されていないと[一括変更]ボタンは有効になりません。

3) [OK]ボタンをクリックすると、左側のリストボックス内の全ての文字幅比率が変更されます。

■文字幅比率の設定の一括削除方法

1) [一括削除]ボタンをクリックすると、確認メッセージボックスが表示されます。

2) [OK]ボタンをクリックすると、左側のリストボックス内の設定内容が全て削除されます。

各設定が完了したら、[OK]ボタンをクリックしてください。

46
第3章 iCAD SX→DWG 変換

線幅と色の対応

iCAD SX の線幅・文字・寸法線の情報を、DWG のカラーの情報に置換する場合に設定します。


本パラメータを設定すると、本来 iCAD SX の各要素が持つカラーの情報は無視されます。
したがって、iCAD SX のカラーの情報を継承したい場合は、本パラメータを設定しないでください。
「iCAD SX=>DWG パラメータ変更」ダイアログボックスにおいて、[線幅と色の対応]ボタンをクリックすると、
「iCAD SX=>DWG 線幅と色の対応」ダイアログボックスが表示されます。

各項目のボックスの右側の矢印をクリックすると DWG のカラーのリストが表示されます。


指定したいカラーをクリックして選択してください。設定が完了したら、[OK]ボタンをクリックしてください。
ただし、すべての項目が設定されていないと[OK]ボタンは有効になりません。
すべての項目の設定内容をクリアする場合は、[全設定解除]ボタンをクリックしてください。

47
第3章 iCAD SX→DWG 変換

DWG バージョンの設定

出力する DWG のバージョンを指定する場合に設定します。


出力する DWG のバージョンとして、R12~ACAD2022 のいずれかが指定可能です。
「iCAD SX=>DWG パラメータ変更」ダイアログボックスにおいて、[DWG バージョンの設定]ボタンをクリックすると、
「iCAD SX=>DWG DWG バージョンの設定」ダイアログボックスが表示されます。

初期設定値は上図のとおりです。各項目のボタン部分をクリックし選択してください。
設定が完了したら、[OK]ボタンをクリックしてください。

線種の対応

iCAD SX の線種と DWG の線種を個別に対応させる場合に設定します。


iCAD SX の線種に対する DWG の線種名を設定します。本パラメータが未設定の場合は、線種の対応は初期
設定値(第 3 章 3-2-2. 図形属性(線種・カラー・線幅)の変換を参照)となります。
「iCAD SX=>DWG パラメータ変更」ダイアログボックスにおいて、[線種の対応]ボタンをクリックすると、
「iCAD SX=>DWG 線種の対応」ダイアログボックスが表示されます。

各項目のボックスの右側の矢印をクリックすると、
DWG のデフォルトの線種名(CONTINUOUS,DASHED,HIDDEN,CENTER,PHANTOM)のリストが表示されます。
線種名をクリックして選択します。設定が完了したら、[OK]ボタンをクリックしてください。
ただし、すべての項目が設定されていないと[OK]ボタンは有効になりません。
すべての項目の設定内容をクリアする場合は、[全設定解除]ボタンをクリックしてください。

48
第3章 iCAD SX→DWG 変換

DWG のレイヤ情報設定

DWG のレイヤ情報(レイヤ名・レイヤの線種名・レイヤのカラー)として固有のものを使用する場合に設定します。
『レイヤの対応』、または、『レイヤ・線種・線幅の設定』と組み合わせて設定します。本パラメータが未設定の場合は、
レイヤ情報は初期設定値(レイヤ名=クラスの番号、レイヤの線種名=CONTINUOUS、レイヤのカラー=白)となります。
「iCAD SX=>DWG パラメータ変更」ダイアログボックスにおいて、[DWG のレイヤ情報設定]ボタンをクリックすると、
「iCAD SX=>DWG DWG のレイヤ情報設定」ダイアログボックスが表示されます。

■レイヤ情報の設定の追加方法

1) DWG レイヤ名の入力領域をクリックしてアクティブ状態にした後で、DWG のレイヤ名を入力します。


2) 線種のボックスの右側の矢印をクリックすると
DWG のデフォルトの線種名(CONTINUOUS,DASHED,HIDDEN,CENTER,PHANTOM)のリストが表示されるので、
レイヤの線種として設定する線種名をクリックして選択します。
3) 色のボックスの右側の矢印をクリックすると DWG のカラーのリストが表示されるので、レイヤのカラーとして設定する
カラーをクリックして選択してください。
4) [追加]ボタンをクリックすると、設定されたレイヤ情報が左側のリストボックスに追加されます。
ただし、すべての項目が設定されていないと[追加]ボタンは有効になりません。

■レイヤ情報の設定の変更方法

1) 左側のリストボックスより変更する設定をクリックして選択(反転表示)します。
2) 右側の各項目のボックスにおいて、DWG レイヤ名・線種・色を変更します。
3) [変更]ボタンをクリックすると、変更された設定内容が左側のリストボックスに表示されます。

■レイヤ情報の設定の削除方法

1) 左側のリストボックスより削除する設定をクリックして選択(反転表示)します。
2) [削除]ボタンをクリックすると、選択された設定内容が左側のリストボックスから削除されます。

各設定が完了したら、[OK]ボタンをクリックしてください。

49
第3章 iCAD SX→DWG 変換

レイヤの対応

iCAD SX のレイヤと DWG のレイヤを個別に対応させる場合に設定します。本パラメータが未設定の場合は、


iCAD SX のレイヤは、そのレイヤ番号をレイヤ名とする DWG のレイヤへ変換されます。
なお、本パラメータは、『DWG のレイヤ情報設定』が設定されていない場合は設定できません。
「iCAD SX=>DWG パラメータ変更」ダイアログボックスにおいて、[レイヤの対応]ボタンをクリックすると、
「iCAD SX=>DWG レイヤの対応」ダイアログボックスが表示されます。

■レイヤの対応設定の追加方法

1) iCAD SX レイヤ番号のボックスの右側の矢印をクリックするとレイヤ番号のリストが表示されるので、
設定するレイヤ番号をクリックして選択します。”寸法線要素”を選択した場合は、レイヤに関係なく全ての
寸法線要素が DWG レイヤ名で指定したレイヤへ変換されます。また、”全てのレイヤ”を選択した場合は、
全てのレイヤが DWG レイヤ名で指定したレイヤへ変換されます。
2) DWG レイヤ名のボックスの右側の矢印をクリックすると『DWG のレイヤ情報設定』で設定したレイヤ名のリストが
表示されるので、設定するレイヤ名をクリックして選択します。”指定対象外”を選択した場合は、
iCAD SX レイヤ番号で指定したレイヤは変換されません。
3) [追加]ボタンをクリックすると、設定されたレイヤの対応が左側のリストボックスに追加されます。

■レイヤの対応設定の変更方法

1) 左側のリストボックスより変更する設定をクリックして選択(反転表示)します。
2) 右側の各項目のボックスにおいて、iCAD SX レイヤ番号または DWG レイヤ名を変更します。
3) [変更]ボタンをクリックすると、変更された設定内容が左側のリストボックスに表示されます。

■レイヤの対応設定の削除方法

1) 左側のリストボックスより削除する設定をクリックして選択(反転表示)します。
2) [削除]ボタンをクリックすると、選択された設定内容が左側のリストボックスから削除されます。

各設定が完了したら、[OK]ボタンをクリックしてください。

50
第3章 iCAD SX→DWG 変換

レイヤ・線種・線幅の設定

iCAD SX のレイヤの層としての纏まりの概念よりも、DWG としての BYLAYER の概念を重視して変換する場合に


設定します。指定されたレイヤの指定された線種の指定された線幅のデータを、指定された DWG のレイヤへ変換します。
本パラメータは、『DWG のレイヤ情報設定』が設定されていない場合は設定できません。
また、本パラメータが設定された場合は、『レイヤの対応』の設定は無効となります。
「iCAD SX=>DWG パラメータ変更」ダイアログボックスにおいて、[レイヤ・線種・線幅の設定]ボタンを
クリックすると、「iCAD SX=>DWG レイヤ・線種・線幅の設定」ダイアログボックスが表示されます。

■レイヤ・線種・線幅の設定の追加方法

1) iCAD SX レイヤ番号のボックスの右側の矢印をクリックするとレイヤ番号のリストが表示されるので、
設定するレイヤ番号をクリックして選択します。”寸法線要素”を選択した場合は、レイヤに関係なく全ての
寸法線要素が DWG レイヤ名で指定したレイヤへ変換されます。
また、”全てのレイヤ”を選択した場合は、全てのレイヤが DWG レイヤ名で指定したレイヤへ変換されます。
2) 対象とする線種のボックスの右側の矢印をクリックすると、iCAD SX の線種名のリストが表示されるので、
設定する線種名をクリックして選択します。”全ての線種”を選択した場合は、全ての線種が対象となります。
3) 対象とする線幅のボックスの右側の矢印をクリックすると iCAD SX の線幅のリストが表示されるので、
設定する線幅をクリックして選択します。”全ての線幅”を選択した場合は、全ての線幅が対象となります。
4) DWG レイヤ名のボックスの右側の矢印をクリックすると『DWG のレイヤ情報設定』で設定したレイヤ名の
リストが表示されるので、設定するレイヤ名をクリックして選択します。”指定対象外”を選択した場合は、
レイヤ番号・線種・線幅で指定したデータは変換されません。
5) [追加]ボタンをクリックすると、設定されたレイヤ・線種・線幅と出力レイヤの対応が左側のリストボックスに
追加されます。ただし、すべての項目が設定されていないと[追加]ボタンは有効になりません。

■レイヤ・線種・線幅の設定の変更方法

1) 左側のリストボックスより変更する設定をクリックして選択(反転表示)します。
2) 右側の各項目のボックスにおいて、iCAD SX レイヤ番号・対象とする線種・対象とする線幅・DWG レイヤ名を
変更します。
3) [変更]ボタンをクリックすると、変更された設定内容が左側のリストボックスに表示されます。

■レイヤ・線種・線幅の設定の削除方法

1) 左側のリストボックスより削除する設定をクリックして選択(反転表示)します。
2) [削除]ボタンをクリックすると、選択された設定内容が左側のリストボックスから削除されます。

各設定が完了したら、[OK]ボタンをクリックしてください。

51
第3章 iCAD SX→DWG 変換

色の対応

iCAD SX のカラーと DWG のカラーを個別に対応させる場合に設定します。本パラメータが未設定の場合は、


カラーの対応は初期設定値(第 3 章 3-2-2.図形属性(線種・カラー・線幅)の変換を参照)となります。
「iCAD SX=>DWG パラメータ変更」ダイアログボックスにおいて、[色の対応]ボタンをクリックすると、
「iCAD SX=>DWG 色の対応」ダイアログボックスが表示されます。

iCAD SX のカラーに対する DWG のカラーを設定します。iCAD SX の色の下に表示されているカラー番号とカラーの


対応は、初期状態のものとなっています。iCAD SX においてカラーのカスタマイズを行なっている場合は、カラー
番号をキーとして本パラメータを設定してください。設定の方法は、各項目のボックスの右側の矢印をクリックすると
DWG のカラーのリストが表示されるので、その中から設定するカラーをクリックして選択します。
本ダイアログボックスは 4 頁で構成されています。頁の切り替えを行う場合は、[次頁](または[前頁])ボタンを
クリックしてください。設定が完了したら、[OK]ボタンをクリックしてください。

スケール処理の設定

iCAD SX の基本ビュー上の要素に対して、尺度変換/実寸変換を指定する場合に設定します。
尺度変換を行うと、全てのビュー(グローバルビュー・基本ビュー・ローカルビュー)上の要素に、それぞれのビューの
スケール値が反映されて変換されます。実寸変換を行うと、基本ビュー上の要素のみ実寸で変換され、グローバル
ビュー上の要素とローカルビュー上の要素は、それぞれのビューのスケールに加えて基本ビューのスケールの
逆スケール(たとえば、基本ビューのスケールが 2.0 の場合は 0.5)が反映されて変換されます。
したがって、グローバルビュー上の要素とローカルビュー上の要素については、実寸変換されるとは限りません。
また、実寸変換は要素のサイズ(たとえば、線分の長さ)についてのみ保証します。
要素の座標値情報(たとえば、線分の始点座標)は、それぞれのビューの配置情報にあわせて変更(移動)されます。
「iCAD SX=>DWG パラメータ変更」ダイアログボックスにおいて、[スケール処理の設定]ボタンをクリックすると、
「iCAD SX=>DWG スケール処理の設定」ダイアログボックスが表示されます。

初期設定値は、”尺度変換を行う”です。いずれかの項目のボタン部分をクリックして選択してください。
設定が完了したら、[OK]ボタンをクリックしてください。

52
第3章 iCAD SX→DWG 変換

スプラインの分割数

iCAD SX のスプラインを DWG のポリラインへ近似変換する際の近似分割数を指定する場合に設定します。


iCAD SX のスプラインが持つ頂点情報をそのまま DWG のポリライン頂点情報として変換すると、
変換後の曲線形状が元の曲線形状と一致しません。これを補正するためには、スプラインの頂点間をさらに分割し、
頂点情報を追加する必要があります。この頂点情報追加時のスプラインの分割数を設定します。
頂点情報の追加にともない変換後の折線形状はより滑らかになりますが、データ量は増大するため注意が必要です。

「iCAD SX=>DWG パラメータ変更」ダイアログボックスにおいて、[スプラインの分割数]ボタンをクリックすると、


「iCAD SX=>DWG スプラインの分割数」ダイアログボックスが表示されます。

初期設定値は、”自動設定”です。

■スプラインの分割数の設定方法

1) スプラインの分割数のボックスの右側の矢印をクリックすると、スプラインの分割数の設定のリストが表示されます。
内容は以下のとおりです。
・分割なし →iCAD SX が持つ頂点情報でそのまま変換。
・2 分割 →iCAD SX が持つ頂点情報の頂点間を 2 分割して変換。
・4 分割 →iCAD SX が持つ頂点情報の頂点間を 4 分割して変換。
・8 分割 →iCAD SX が持つ頂点情報の頂点間を 8 分割して変換。
・16 分割 →iCAD SX が持つ頂点情報の頂点間を 16 分割して変換。
・32 分割 →iCAD SX が持つ頂点情報の頂点間を 32 分割して変換

2) いずれかの設定をクリックして選択します。
設定が完了したら、[OK]ボタンをクリックしてください。

線幅の対応

iCAD SX の線幅と DWG の線幅を個別に対応させる場合に設定します。


iCAD SX の線幅に対する DWG の線幅値を設定します。本パラメータが未設定の場合は、線幅の対応は
初期設定値(第 3 章 3-2-2. 図形属性(線種・カラー・線幅)の変換を参照)となります。
また、出力する DWG のバージョンが線幅情報を持てないバージョンの場合、本パラメータの設定は無視されます。
「iCAD SX=>DWG パラメータ変更」ダイアログボックスにおいて、[線幅の対応]ボタンをクリックすると、
「iCAD SX=>DWG 線幅の対応」ダイアログボックスが表示されます。

53
第3章 iCAD SX→DWG 変換

DWG の線幅のボックスの右側の矢印をクリックすると、DWG の線幅値のリストが表示されます。


線幅値をクリックして選択します。設定が完了したら、[OK]ボタンをクリックしてください。
DWG の線幅のボックスに表示される線幅値のリストは、DWG 定義ファイル(%ICTRANSDIR%\ETC\ICLNWGHT.DAT)で
定義されています。DWG 線幅値定義ファイルには、初期値として AUTOCAD の標準線幅値に準拠した 24 種類の
線幅値が設定されています。表示される線幅値のリスト内容を変更する必要がある場合は、
上記ファイルを%ICTRANSDIR%\USER\ETC\ICLNWGHT.DAT へコピー後、ファイルの内容をエディタ等で修正してください。

DWG 線幅値定義ファイルの内容




#線幅値定義開始
0.00
0.05
0.09
0.13

線種尺度の調整

出力する DWG の線種尺度(LTSCALE)を調整する場合に設定します。


出力する DWG の線種尺度は、変換対象となる iCAD SX 図面のエクステントサイズをもとに、本トランスレータ内部で自動計
算されます。しかし、変換対象図面の内容によっては、この自動計算された線種尺度では線種パターンが正しく表示さ
れない場合があります。このような場合に、本パラメータにより線種尺度を調整します。

「iCAD SX=>DWG パラメータ変更」ダイアログボックスにおいて、[線種尺度の調整]ボタンをクリックすると、


「iCAD SX=>DWG 線種尺度の調整」ダイアログボックスが表示されます。

初期設定値は、上図のとおりです。線種尺度の調整方法を選択し、選択した調整方法に対する設定値を入力します。

54
第3章 iCAD SX→DWG 変換

■線種尺度の調整方法の設定方法

いずれかの項目のボタン部分をクリックして選択します。各項目の内容は以下のとおりです。

・線種尺度に対する調整比率を設定する → 本トランスレータ内部で自動計算された線種尺度に対する調整
比率を設定します。
自動計算された線種尺度×設定値が線種尺度となります。
・図面尺度に対する調整比率を設定する → 変換対象図面の図面尺度に対する調整比率を設定します。
変換対象図面の図面尺度×設定値が線種尺度となります。
・基準要素サイズを設定する → 線種パターンの表示を保証する最低要素サイズ(長さ)を設定
します。
設定値×図面尺度÷2.5(デフォルト線種パターン最大長)が
線種尺度となります。
・LTSCALE の値を設定する → 線種尺度の値を直接設定します。
設定値がそのまま線種尺度となります。

■設定値の設定方法

設定値の入力領域をクリックしてアクティブ状態にした後、線種尺度の調整方法で選択した内容に対する設定値を入力
します。

設定が完了したら、[OK]ボタンをクリックしてください。

55
第3章 iCAD SX→DWG 変換

3-3-4.エラーメッセージ一覧

iCAD SX→DWG 変換のエラーメッセージ一覧を以下に示します。

エラーメッセージ 原因・対処方法
1 GWSS 環境を使用中にエラーが発生しました。 iCAD SX とのインタフェースエラーです。
サポート担当部署へご連絡ください。
2 メモリ不足が発生しました。 必要なメモリが足りません。
他のアプリケーションを終了してください。
3 DWG ファイルの出力に失敗しました。 出力 DWG フォルダのディスク領域が不足しているか、
ディスクのハードエラーが考えられます。
出力 DWG フォルダを確認してください。
または、AUTOCAD 等で出力ファイルを開いている可能性
があります。
4 DWG ファイルの出力中に領域不足が発生しまし 出力 DWG フォルダまたはワークフォルダのディスク領域が
た。DWG フォルダを確認してください。 不足しています。
動作環境の設定により出力 DWG フォルダまたは
ワークフォルダを変更してください。
5 指定された図面が存在しないか 指定された図面が変換直前に削除されました。
図面に作画データが存在しません。 別の図面を指定してください。
6 ワークファイルの読み込みに失敗しました。 ディスクのハードエラーが考えられます。
ハードディスクを確認してください。
7 変換中に異常が発生しました。 サポート担当部署へご連絡ください。
8 図面内にグローバルビューが存在しません。 選択したファイルは iCAD SX の図面ファイルでは
ありません。確認してください。
9 ワークファイルがオープン出来ません。 変換中にワークファイルまたはワークフォルダに異常が
ワークフォルダを確認してください。 発生しました。動作環境設定で指定しているワークフォ
ルダを確認してください。
10 ワークファイルがクローズできません。 ワークフォルダのディスク領域が不足しています。
ワークフォルダを確認してください。 動作環境の設定によりワークフォルダを変更してください。
11 子図またはレイヤの使用数が制限を越えまし サポート担当部署へご連絡ください。
た。
12 図面の取り込みサイズが制限を越えました。 サポート担当部署へご連絡ください。
13 子図または標準部品の使用数が サポート担当部署へご連絡ください。
制限を越えました。
14 DWG の Toolkit の初期化で異常終了しました。 サポート担当部署へご連絡ください。
15 DWG-DB の初期作成に失敗しました。 サポート担当部署へご連絡ください。
16 DWG の TABLE データの登録に失敗しました。 サポート担当部署へご連絡ください。
17 DWG の BLOCK ヘッダーの登録に失敗しました。 サポート担当部署へご連絡ください。
18 DWG の図形要素の登録に失敗しました。 サポート担当部署へご連絡ください。

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第4章 DWG→iCAD SX 変換

第4章 DWG→iCAD SX 変換

57
第4章 DWG→iCAD SX 変換

58
第4章 DWG→iCAD SX 変換

4-1.DWG→iCAD SX トランスレータの概要

4-1-1.目的

DWG→iCAD SX トランスレータ(以下、特に断らない限りトランスレータといいます)は、
AUTOCAD の図面データベースである DWG ファイルを iCAD SX の図面データベースへ変換するものです。
本トランスレータは、DXF などのインタフェースファイルを用いることなく、
直接 DWG→iCAD SX 変換を行うことを目的としています。

4-1-2.システムの構成

本トランスレータは、AUTOCAD の DWG ファイルを読み込み、iCAD SX の図面データベースへ書き込みます。

図 1.システム構成図

AUTOCAD DWG→iCAD SX iCAD SX


DWG ファイル 変換部 図面 DB

4-1-3.ソフトウェア条件

AUTOCAD 側のソフトウェア条件

変換対象となる AUTOCAD のバージョンは、R12J~ACAD2022 です。


ただし、正式な変換対象となる図形は 2 次元データのみです。
3 次元データの変換結果につきましては、一切保証いたしません。

59
第4章 DWG→iCAD SX 変換

4-2.機能

4-2-1.変換要素の対応

本トランスレータは、基本的に図形形状の変換を目的とするものであり、変換前後でプロッタ出力結果が一致することを
目指しますが、同時に可能な限り構造要素の変換まで行います。
DWG の図形要素と iCAD SX の図形要素との対応関係を表 1 に示します。
寸法線については、DWG と iCAD SX の寸法線要素間で対応付けが可能なもののみ構造変換(寸法線として変換)します。

表 1.変換要素の対応
DWG の要素 iCAD SX の要素 機 能
1 LINE 線
2 POINT 点 点の形状の変換は未サポート。
点の変換指定ありの場合のみ変換。
3 CIRCLE 円
4 ARC 円弧
5 TRACE 複数の線 複数の線分で塗りを実現。
6 SOLID 複数の線 複数の線分で塗りを実現。
7 TEXT 文字列 変換対象から外すことも可能。
8 ATTDEF 文字数が iCAD SX の制限を超える場合は複数の
9 ATTRIB 文字列要素へ変換。
10 POLYLINE その他作図要素 複数の線分・円弧で塗り潰しを実現。
円弧 塗り潰しありの場合はその他作図要素へ変換。

11 ELLIPSE 楕円、楕円弧
12 MLINE その他作図要素 変換先は、変換制御パラメータの設定により切り
子図 分けられる。
実像部品
13 MTEXT その他作図要素 変換先は、変換制御パラメータの設定により切り
子図 分けられる。
実像部品
14 LEADER その他製図要素 変換先は、変換制御パラメータの設定により切り
注記 分けられる。
15 TOLERANCE その他製図要素
16 XLINE 線 無限線として変換
17 SPLINE スプライン
18 LWPOLYLINE その他作図要素 複数の線分・円弧で塗り潰しを実現。
円弧 塗り潰しありの場合はその他作図要素へ変換。

19 HATCH ハッチング ハッチングとして変換不可能なものは、その他


その他製図要素 製図要素または構成要素単位で出力。
一般要素(LINE など)
20 INSERT その他作図要素 変換先は、変換制御パラメータの設定により切り
子図 分けられる。
実像部品
21 DIMENSION 寸法線 寸法線として変換不可能なものは、
その他製図要素 その他製図要素または構成要素単位で出力。
一般要素(LINE など)

60
第4章 DWG→iCAD SX 変換

DWG の要素 iCAD SX の要素 機 能


22 TABLE その他作図要素 変換先は、変換制御パラメータの設定により切り
子図 分けられる。
実像部品
23 ARC_DIMENSION その他製図要素
24 LARGE_RADIAL_ その他製図要素
DIMENSION
25 ACAD_PROXY_ その他作図要素 変換先は、変換制御パラメータの設定により切り
ENTITY 子図 分けられる。
実像部品
26 HELIX スプライン
27 MULTILEADER その他製図要素 変換先は、変換制御パラメータの設定により切り
その他製図要素 分けられる。
+ その他作図要素、または子図、
または実像部品
注記

上記以外の要素は変換対象外です。

4-2-2.図形属性(線種・カラー・線幅)の変換

DWG の線種と iCAD SX の線種の対応を表 1 に示します。なお、本トランスレータでは DWG の線種情報を解読して


自動的に実線、破線、一点鎖線、二点鎖線などに対応付ける機能を有しています。
また、変換制御パラメータの指定により DWG の線種と iCAD SX の線種の対応を独自に設定することもできます。

表 1.線種の対応
DWG 線種 iCAD SX 線種 (線種番号)
1 CONTINUOUS 実線 (1)
2 DASHED 短破線 (2)
3 HIDDEN 短破線 (2)
4 CENTER 一点鎖線 (3)
5 PHANTOM 二点鎖線 (4)
6 DOT 点線 (5)
7 DASH DOT 一点鎖線 (3)
8 BORDER 二点鎖線 (4)
9 DIVIDE 二点鎖線 (4)

DWG のカラーと iCAD SX のカラーの対応を表 2 に示します。変換制御パラメータの指定により


DWG のカラーと iCAD SX のカラーの対応を独自に設定することもできます。
また、DWG には線幅情報がないバージョンがあります。このため、DWG では線幅の情報をカラーで表現し、
ペン番号と対応させるのが一般的です。本トランスレータではこのカラーと線幅の関係も変換制御
パラメータにより指定が可能です。その他にも、DWG の線種と iCAD SX の線幅を対応させることも可能です。

表 2.カラーの対応
DWG iCAD SX DWG iCAD SX DWG iCAD SX DWG iCAD SX
カラー番号 カラー番号 カラー番号 カラー番号 カラー番号 カラー番号 カラー番号 カラー番号
1 2 2 4 3 3 4 7
5 5 6 6 7 1 8 8
9 8 10 2 11 15 12 2

61
第4章 DWG→iCAD SX 変換

DWG iCAD SX DWG iCAD SX DWG iCAD SX DWG iCAD SX


カラー番号 カラー番号 カラー番号 カラー番号 カラー番号 カラー番号 カラー番号 カラー番号
13 8 14 2 15 8 16 8
17 8 18 8 19 8 20 2
21 15 22 2 23 8 24 2
25 8 26 8 27 8 28 8
29 8 30 9 31 15 32 9
33 8 34 2 35 8 36 8
37 8 38 8 39 8 40 9
41 15 42 9 43 8 44 9
45 8 46 9 47 8 48 8
49 8 50 4 51 15 52 9
53 8 54 9 55 8 56 9
57 8 58 8 59 8 60 10
61 15 62 10 63 8 64 10
65 8 66 10 67 8 68 8
69 8 70 10 71 8 72 10
73 8 74 3 75 8 76 8
77 8 78 8 79 8 80 3
81 8 82 3 83 8 84 3
85 8 86 8 87 14 88 8
89 8 90 3 91 8 92 3
93 8 94 3 95 14 96 8
97 14 98 8 99 8 100 3
101 8 102 3 103 8 104 3
105 14 106 8 107 14 108 8
109 8 110 11 111 8 112 14
113 8 114 14 115 14 116 14
117 14 118 8 119 8 120 11
121 8 122 14 123 8 124 14
125 14 126 14 127 14 128 8
129 8 130 7 131 7 132 14
133 8 134 14 135 14 136 14
137 14 138 8 139 8 140 12
141 8 142 14 143 8 144 14
145 14 146 14 147 14 148 8
149 8 150 12 151 8 152 14
153 8 154 14 155 14 156 14
157 14 158 8 159 8 160 5
161 8 162 5 163 8 164 5
165 14 166 8 167 14 168 8
169 8 170 5 171 8 172 5
173 8 174 5 175 14 176 8
177 14 178 8 179 8 180 5
181 8 182 5 183 8 184 5
185 8 186 8 187 14 188 8
189 8 190 13 191 8 192 13
193 8 194 5 195 8 196 8
197 8 198 8 199 8 200 13
201 15 202 13 203 8 204 13
205 8 206 13 207 8 208 8
209 8 210 6 211 15 212 13
213 8 214 13 215 8 216 13
217 8 218 8 219 8 220 6
221 15 222 13 223 8 224 13
225 8 226 8 227 8 228 8

62
第4章 DWG→iCAD SX 変換

DWG iCAD SX DWG iCAD SX DWG iCAD SX DWG iCAD SX


カラー番号 カラー番号 カラー番号 カラー番号 カラー番号 カラー番号 カラー番号 カラー番号
229 8 230 2 231 15 232 2
233 8 234 2 235 8 236 8
237 8 238 8 239 8 240 2
241 15 242 2 243 8 244 2
245 8 246 8 247 8 248 8
249 8 250 8 251 8 252 8
253 8 254 1 255 1 未確定 1
*:AUTOCAD(DWG)のカラー番号は、256 色ディスプレイ用の設定です。
*:iCAD SX のカラー番号の内容は、以下の通りとなります。
1:白,2:赤,3:緑,4:黄,5:青,6:マゼンタ,7:シアン,8:灰色,9:橙色,10:薄緑,11:黄緑,12:空色,13:紫
14:青緑,15:薄橙,16:黒,17~31:拡張色 1~15

DWG の線幅と iCAD SX の線幅の対応を表 3 に示します。


変換制御パラメータの指定により、DWG の線幅情報変換時の判定値(表 1 の中の 0.09 や 0.50 などの値)を
変更することが可能です。

表 3.線幅の対応
DWG 線幅 iCAD SX 線幅 (線幅番号)
1 0.50≦WD 太線 (1)
2 0.09<WD<0.50 中線 (2)
3 WD≦0.09 細線 (3)

4-2-3.レイヤの変換

DWG のレイヤは、iCAD SX のレイヤに対応付けて変換されます。その際、DWG のレイヤ定義の発生順に、


iCAD SX のレイヤへ 1 から順に変換されます。また、DWG のレイヤ名は、iCAD SX のレイヤ名へ変換されます。
DWG のレイヤ名が iCAD SX のレイヤ名の文字数制限(64 バイト)を超える場合は制限内へ丸め込みます。
さらに、変換制御パラメータの指定により、DWG のあるレイヤを iCAD SX のあるレイヤに一義的に割り付けることもできます。
iCAD SX のレイヤの最大範囲は 1~255(255 個)となっています。
また、変換制御パラメータの設定により、レイヤの実像部品への変換、レイヤの変換スケールの設定、
指定レイヤのグローバルビューへの変換、DWG の非表示レイヤの変換が可能です。
DWG の非表示レイヤ変換の有無によるレイヤとレイヤ番号の対応を表 1 に示します。

表 1.レイヤの変換方法によるレイヤとレイヤ番号の対応
レイヤの変換方法 DWG のレイヤ定義順番 iCAD SX のレイヤ番号

非表示レイヤを 1~255 のレイヤ 1~255


変換しない場合 (非表示レイヤ除く) (DWG の表示レイヤの出現順に、1,2,3..)

256 以上のレイヤ 255


および未定義レイヤ

非表示レイヤを 1~253 のレイヤ 1~253


変換する場合 (非表示レイヤ含む) (DWG の非表示レイヤに対応する iCAD SX のレ
イヤ属性は非表示となる)

254 以上の表示レイヤお 255


よび未定義レイヤ (レイヤ属性は表示で固定とする)

254 以上の非表示レイヤ 254


(レイヤ属性は非表示で固定とする)

63
第4章 DWG→iCAD SX 変換

DWG の複合図形を iCAD SX の構造要素(子図など)へ変換する場合のレイヤとレイヤ番号の対応を表 2 に示します。

表 2.構造要素のレイヤとレイヤ番号の対応
DWG の要素 iCAD SX の要素 iCAD SX 要素のレイヤ番号

その他作図要素 DWG の複合図形配置(INSERT)のレイヤに対応するレイヤ番号を使用

複合図形
*1 *2 *3 *4 配置子図 配置レイヤ番号、子図内の各要素のレイヤ番号ともに DWG の複合図形
配置(INSERT)のレイヤに対応するレイヤ番号を使用

実像部品 実像部品内の全要素のレイヤ番号に、DWG の複合図形配置(INSERT)


のレイヤに対応するレイヤ番号を使用
*1:非表示レイヤに配置される INSERT 複合図形配下の要素は、全てレイヤ 255 へ変換されます。
*2:DWG の非表示レイヤを変換する場合、非表示レイヤに配置される INSERT 複合図形配下の非表示要素は、
レイヤ 255 へ非表示セグメントとして変換されます。
*3:DWG の非表示レイヤを変換する場合、表示レイヤに配置される INSERT 複合図形配下の非表示要素は、
INSERT が属するレイヤに対応する iCAD SX の表示レイヤへ非表示セグメントとして変換されます。
*4:DIMENSION 複合図形は、DIMENSION が属するレイヤ情報のみを参照し変換します。
つまり、DIMENSION 複合図形配下の各要素が持つレイヤ情報は無視されます。

4-2-4.複合図形要素の変換

DWG の複合図形要素は、iCAD SX のその他作図要素、子図、または実像部品ヘ変換されます。


変換先要素は、変換制御パラメータにより調整が可能です。
ただし、実像部品への変換指定を行った場合は、その他作図要素ならびに子図への変換はできません。
同様に、その他作図要素または子図への変換指定を行った場合は、実像部品への変換はできません。
さらに、その他作図要素または子図への変換指定時で、レイヤの変換方法を“非表示レイヤの要素を変換する”に指定し、
かつ、複合図形内に非表示要素が存在する場合は、その複合図形は無条件に子図へ変換されます。
変換先要素数が、iCAD SX における作成制限を越えた場合は、越えた分の複合図形は構成要素単位で変換されます。
また、複合図形が階層を持つ(ある複合図形要素が別の複合図形要素を参照している)場合は、2 階層目以降のデータは
すべて 1 階層目のデータとして転送し、いずれかの要素へ変換します。
したがって、複合図形要素が持つ階層の概念は失われますが、図形としての纏まりの概念は継承されます。
なお、本トランスレータがサポートしている複合図形要素の階層数は最大 255 階層です。DWG の複合図形が、
iCAD SX のその他作図要素、子図、実像部品へ変換された場合のそれぞれの名前の対応を表 1 に示します。

表 1.複合図形の名前の対応
DWG の iCAD SX での名前 備 考
複合図形名
要素種別 名前

その他作図要素 なし
XXX
配置子図 XXX *1 *2 *3
@@KZnn(nn:01,02,...)

実像部品 XXX *4
*1:iCAD SX の子図名は最大 8 バイトとなります。
*2:DWG の複合図形名に iCAD SX の子図名として使用禁止文字が存在する場合は、
iCAD SX の子図名は @@KZnn(nn:01,02,...) となります。
*3:iCAD SX 上で子図名が重複する場合は、DWG の複合図形名の“先頭 6 文字+nn"(nn:01,02,...)となります。
*4:iCAD SX の実像部品名は最大 24 バイトとなります。

64
第4章 DWG→iCAD SX 変換

4-2-5.寸法線要素の変換

DWG の寸法線要素は、個々の要素をチェックし、iCAD SX の寸法線要素として変換可能なものに限り寸法線として


構造変換します。iCAD SX の寸法線要素として変換不可能なもの、ならびに ANSI 寸法線は、iCAD SX のその他製図
要素として変換するか構成要素毎に分解し変換します。
なお、レイヤの変換方法で“非表示レイヤの要素を変換する”を指定し、かつ、寸法線構成要素内に非表示要素が
存在する場合は、その他製図要素へは変換せず構成要素単位で変換します。

表 1.寸法線要素の変換
DWG iCAD SX 備 考

水平/垂直/指定角寸法線 長さ寸法線へ構造変換 対応の付かないものは


角度寸法 角度寸法線へ構造変換 その他製図要素へ変換するか、
直径寸法 径寸法線へ構造変換 構成要素単位で変換。
半径寸法 径寸法線へ構造変換
基準寸法 その他製図要素へ変換

DWG では、寸法線の構造が一律ではなく各種の構造のものがあります。本トランスレータでは、
標準の AUTOCAD が作り出す寸法線要素と同じ構造のものについてのみ寸法線として変換できます。

4-2-6.POLYLINE 要素の変換

DWG の POLYLINE 要素では、折れ線と円弧図形が表現できます。そのうえ幅および塗りの指定も可能で種々の図形が


表現できるため、iCAD SX との要素の対応は 1:1 ではなく複数の要素の組み合わせとなります。
変換仕様を表 1 に示します。

表 1.POLYLINE 要素の変換仕様
POLYLINE で表現できる図形 iCAD SX での要素構成

折れ線 その他作図要素(+塗り)

円・円弧 円・円弧 または その他作図要素(+塗り)

ドット 円+塗り

矩形 その他作図要素(+塗り)

円・円弧は、原則として iCAD SX の円・円弧へ変換しますが、スイープした幅図形の場合は円弧として


変換できないため複数の線で近似変換します。(図 1 参照)

複数の線へ近似変換します。

図 1.スイープした幅付き POLYLINE

65
第4章 DWG→iCAD SX 変換

4-2-7.塗り要素の変換

DWG の要素には、塗り潰しまたは線幅を持つもの(POLYLINE、SOLID、TRACE)があり、これらの要素と iCAD SX との


対応はあまり良くありません。このため、本トランスレータでは塗りを実現するために、内部で塗り潰し線を発生させます。
塗り潰し線を発生させると線要素が多数作成されるため、塗りが多用されている図面では要素数の極端な増加を招きます。
この場合は、変換制御パラメータの指定によりデータ量の増大を抑えることができます。

4-2-8.文字要素の変換

DWG の文字要素は、iCAD SX の文字要素へ変換されます。ただし、それぞれのシステムにおける文字幅の概念が


異なるため DWG の文字列データを 100%の再現性で iCAD SX の文字列データへ変換することは不可能です。
これは、DWG ではデータ上に文字幅情報がなく、表示上の文字幅としてプロポーショナルピッチ(フォント毎または
文字毎に文字幅が異なる)を採用しているのに対し、iCAD SX ではデータ上に文字幅情報が必要であり、
表示される文字幅も一定であるためです。本トランスレータでは、DWG の標準の文字フォントにおける各文字ごとの
高さと幅の比率情報を使用して、変換前と変換後で文字列の開始位置と終了位置が一致するように変換しています。
DWG で使用されている文字フォントが標準のものでない場合は、各文字ごとの高さと幅の比率が若干異なるものが
あります。その時は、変換制御パラメータの指定により、各文字ごとの文字高さに対する幅の比率が調整できます。

AUTOCAD(DWG) : AAAIIIJJJ111222
L1≒L2 となるように変換します。ピッチが異なるため、
L1 最初と最後の文字以外の文字の位置関係は一致しません。

iCAD SX : AAAIIIJJJ111222

L2

また、DWG には、特殊コード(%%で始まる文字表現)があります。
本トランスレータで変換可能な特殊コードは以下の 4 種類です。

表 1.特殊コードの変換
DWG iCAD SX

1 %%% %

2 %%127,%%D,%%d °

3 %%128,%%P,%%p ±

4 %%129,%%C,%%c φ
上記以外の特殊コードは変換されません。

その他に、次のような制限があります。
・ミラー文字は、前後/上下に同時ミラー反転されたもののみサポートします。
・文字列の基準点情報は変換できません。
変換後の文字列の基準点はすべて左下となります。

66
第4章 DWG→iCAD SX 変換

4-2-9.引出線要素の変換

DWG の引出線要素は、iCAD SX のその他製図要素へ変換されます。


ただし、変換制御パラメータの指定により、iCAD SX の注記要素へ変換することも可能です。
DWG の引出線要素を iCAD SX の注記要素へ変換する場合、iCAD SX の注記要素として
変換可能なものに限り、注記要素として構造変換します。iCAD SX の注記要素として変換不可能なものは、
iCAD SX のその他製図要素として変換するか構成要素毎に分解し変換します。
DWG の引出線要素が iCAD SX の注記要素へ変換された場合の端末形状の対応を表 1 に示します。

表 1.注記要素端末記号の変換仕様
DWG iCAD SX

67
第4章 DWG→iCAD SX 変換

4-2-10.マルチ引出線要素の変換

DWG のマルチ引出線要素は、iCAD SX のその他製図要素へ変換されます。


ただし、変換制御パラメータの指定により、iCAD SX の注記要素へ変換することも可能です。
DWG のマルチ引出線要素を iCAD SX の注記要素へ変換する場合、iCAD SX の注記要素として変換可能なものに限り、
注記要素として構造変換します。iCAD SX の注記要素として変換不可能なものは、iCAD SX のその他製図要素として変換するか
構成要素毎に分解し変換します。また、DWG のマルチ引出線要素の文字部分が複合図形の場合、複合図形部分は、iCAD SX の
その他作図要素、子図、または実像部品として変換し、それ以外の部分は、iCAD SX のその他製図要素へ変換します。DWG のマ
ルチ引出線要素が iCAD SX の注記要素へ変換された場合の端末形状の対応は、表 1.注記要素端末記号の変換仕様と同様
です。

4-2-11.レイアウト図面の変換

レイアウト図面とは、AUTOCAD においてレイアウトタブに作成された印刷イメージの図面のことです。
レイアウト図面上には、モデル図面の一部を矩形で切り抜き投影した“ビューポート”や、
主に図枠などを定義する“ペーパー空間”が存在します。
本トランスレータでは、DWG のレイアウト図面を変換する/しないを変換制御パラメータにより指定することが可能です。
レイアウト図面を変換する場合、DWG データ内のモデル図面およびすべてのレイアウト図面を、それぞれ iCAD SX の
図面へ変換します。このため、レイアウト図面が存在する DWG ファイルを変換した場合、変換元 DWG ファイル数と変換先
iCAD SX 図面ファイル数との対応は 1:n となります。例えば、モデル図面が 1 つ、レイアウト図面が 2 つ存在する
DWG ファイルを変換した場合、iCAD SX の図面ファイルが 3 つ作成されます。

レイアウト図面の変換仕様について以下に説明します。
・DWG のビューポートは iCAD SX のビューへ変換します。
・DWG のレイアウト図面において最初に出現したビューポートを iCAD SX の基本ビュー(XY)へ変換します。
それ以降に出現したビューポートは iCAD SX のローカルビューへ変換します。
・DWG のビューポートの尺度を iCAD SX のビューの尺度へ変換します。
・DWG のペーパー空間上の要素は、iCAD SX のグローバルビュー上の要素へ変換します。

レイアウト変換後の iCAD SX の図面名は以下のようになります。


・DWG のモデル図面を変換した図面名:基本図面名※1
・DWG のレイアウト図面を変換した図面名:基本図面名+_+レイアウト名※2
※1:基本図面名とは、「DWG=>iCAD SX 出力図面名設定」ダイアログボックスで指定された図面名を意味します。
※2:レイアウト名とは、DWG のレイアウト図面名を意味します。
例:基本図面名=“ABC”、レイアウト名=“レイアウト 1”の場合
・DWG のモデル図面を変換した図面名:“ABC”
・DWG のレイアウト図面を変換した図面名:“ABC_レイアウト 1”

DWG のレイアウト図面を変換した iCAD SX の図面名長が、iCAD SX の図面名長制限(最大 40 バイト)を超える場合は、


以下の方法で iCAD SX の図面名を決定します。

1) 図面名長調整処理 1
基本図面名部分を短縮します。
・iCAD SX の図面名:短縮図面名※3+_+レイアウト名
※3:短縮図面名とは、基本図面名の先頭から指定バイト数分を使用したものです。
使用するバイト数は、変換制御パラメータ「レイアウト変換」の「レイアウト図面で使用する iCAD SX 図面名部分の
最大バイト数」で指定されたものです。

例:基本図面名=“あいうえおかきくけこさしすせそ”(30 バイト)
レイアウト名=“レイアウト 1”(12 バイト)

短縮図面名で使用するバイト数指定=“26”の場合、
・iCAD SX の図面名:“あいうえおかきくけこさしす_レイアウト 1”

68
第4章 DWG→iCAD SX 変換

2) 図面名長調整処理 2
1)の図面名長調整処理 1 を行ってもなお 40 バイトを超える場合は、レイアウト名部分を連番に置き換えます。
・iCAD SX の図面名:短縮図面名+_+n(n:1,2,3,…)

例:基本図面名=“あいうえおかきくけこさしすせそ”(30 バイト)
レイアウト名=“レイアウト 123”(16 バイト)

短縮図面名で使用するバイト数指定=“26”の場合、
・iCAD SX の図面名:“あいうえおかきくけこさしす_1”

4-2-12.ACAD プロキシ図形要素の変換

DWG の ACAD プロキシ図形要素は、iCAD SX のその他作図要素、子図、または実像部品へ変換されます。


変換先要素は、変換制御パラメータ「複合図形の変換」の設定内容に従って決定されます。
変換先要素数が、iCAD SX における作成制限を越えた場合は、越えた分の ACAD プロキシ図形要素は
構成要素単位で変換されます。
ACAD プロキシ図形内で変換対象となる構成要素は、LINE、CIRCLE、ARC、SOLID、POLYLINE、TEXT のみです。
それ以外の要素は変換しません。

4-2-13.変換仕様ならびに制限事項

1) 線種のピッチならびにユーザ定義線種形状の変換は未サポートです。

2) DWG のレイヤ定義テーブルに定義されていないレイヤ名(不当なレイヤ名)が出現した場合、
そのレイヤの属性は、レイヤ線種名=“CONTINUOUS”、レイヤ色=白、として変換します。

3) 本トランスレータがサポートする線種定義数の最大値は 299 個です。


300 個目以降の線種の定義は無視されます。

4) 本トランスレータがサポートする字体定義数の最大値は 99 個です。
100 個目以降の字体の定義は無視されます。

5) 本トランスレータがサポートする複合図形階層数の最大値は 255 階層です。


複合図形の階層数が 256 以上の DWG を変換した場合は、変換が中断されます。

6) POINT データの形状の変換は行いません。つまり、DWG 上で形状を持つ POINT データ(○、□、×など)を


変換した場合でも、iCAD SX 上ではすべて点(*)となります。

7) DWG の文字列データが iCAD SX の制限により格納できない場合は、複数の文字列要素に分解して変換します。また、


DWG の縦書き文字列は 1 文字ずつ変換します。縦書き文字列は最大 64 文字まで変換可能です。
DWG 内に 64 文字を越える縦書き文字列が存在した場合は、65 文字目以降は変換されません。

8) マルチテキスト、マルチ引出線文字の縦書きはサポートしていません。
また、マルチテキスト、マルチ引出線文字の文字制御コードの中にも一部サポートされないものがあります。

9) マルチラインの閉処理の変換はサポートしていません。

10) DWG のデータ構造の都合上、寸法線の寸法値はすべて擬寸(文字編集された寸法値と同様)として変換されます。


したがって、変換後の寸法線に対して以下の編集を行った場合の動作は、
寸法値が実寸値(iCAD SX 上で作成直後の寸法線の寸法値)の場合と異なります。
製図→寸法編集→文字表記、子図→可変部品、子図→可変配置
作図→可変、作図→伸縮、移動→スケーリング、コピー→スケーリングコピー
寸法値を実寸値にする場合は、製図→寸法編集→文字編集→実寸化を実行してください。

69
第4章 DWG→iCAD SX 変換

11) UCS(ユーザ座標系)が設定された要素の変換仕様は以下の通りです。
・UCS を考慮した変換処理の対象となる要素は、POINT,LINE,XLINE,CIRCLE,ARC、SOLID,TRACE,ELLIPSE,
POLYLINE,LWPOLYLINE、TEXT,MTEXT,ATTRIB,DIMENSION,INSERT です。これら以外の要素に UCS が設定されて
いる場合、変換後の表示位置がずれる場合があります。
・CIRCLE,ARC は、UCS の状態によっては楕円、楕円弧へ変換される場合があります。
・ELLIPSE は、UCS の状態によってはその他作図要素へ変換される場合があります。
・UCS が設定されている SOLID,TRACE は、元図で塗り潰しがない場合でも変換後は塗り潰される場合があります。
・UCS が設定されている TEXT,MTEXT,ATTRIB は、文字列配置座標のみ正しく変換されます。UCS の状態による
文字列の歪や反転は変換されません。
・UCS が設定されている DIMENSION、または、UCS が設定された複合図形階層内に存在する DIMENSION は、
その他製図要素へ変換されます。

12) DWG のレイヤを iCAD SX のレイヤへ変換する場合、DWG の複合図形内の各要素が持つレイヤは無視され、


最上位の複合図形(INSERT)が持つレイヤを使用して変換します。

13) 他 CAD から出力された DXF を AUTOCAD へ取り込んで作成した DWG を変換した場合、


DWG ファイル異常のため変換できないことがあります。

14) 海外版(日本語版以外)の CAD 等から出力された DWG を変換した場合は、文字が正しく変換されないことがあります。

15) 文字のフォントは、TrueType フォントのみ変換します。使用されている TrueType フォントがご利用環境に


登録されていない場合は、代替フォントを使用して変換します。ただし、TrueType フォントが使用されている
文字列は、文字列幅が正しく変換されません。また、変換制御パラメータ「図形要素の変換」において、
“文字要素の変換(半角全角出力)”が“すべて全角(V3 仕様)”に設定されている場合、フォントならびに
他言語の変換は行われません。

16) 他国語の変換は、TrueType フォント名とキャラセット値が記述されているマルチテキスト要素のみを対象とします。


他国語変換の対象となるフォント名は、以下のフォント名のみです。
・Batang
・SimSun
・MingLiU
他国語変換の対象となるキャラセット値は、以下のキャラセット値のみです。
・129:韓国語
・134:中国語(GB2312)
・136:中国語(BIG5)
上記以外のフォント名及びキャラセット値が記述されている場合は、文字が正しく変換されません。
また、他国語変換の対象となるフォント名であっても、そのフォントがご利用環境で正常に表示できない場合は、
文字が正しく変換されません。

17) 寸法線、注記、幾何公差は、他国語変換の対象外です。
これらの要素の文字列部分に日本語以外の言語が使用されている場合は、文字が正しく変換されません。

18) DWG のレイヤ名が不正な場合、そのレイヤの要素は変換されません。

19) DWG のレイヤ名が iCAD SX のレイヤ名の文字数制限(64 バイト)を超える場合は、制限内へ丸め込みます。


64 バイト目が全角文字の上位バイトの場合、63 バイトへ丸め込みます。また、文字数制限の丸め込みにより
iCAD SX 上でレイヤ名が重複する場合は、終端 3 バイトを 3 桁の連番に置き換えます。

20) ハッチングのグラデーション、背景色は変換しません。

21) マルチテキストのタブ,背景は変換できません。

22) マルチテキストのシンボル,フィールドは正しく変換できない場合があります。

23) マルチテキストの段落番号、箇条書きは正しく変換できません。

70
第4章 DWG→iCAD SX 変換

24) DWG の引出線要素が iCAD SX の注記要素として変換されるためには、


以下の条件をすべて満たす必要があります。
・文字列位置に下線がある。
・文字列部分がマルチテキスト要素である。
・文字列が横書きで、かつ、複数行でない。
・文字列が 1 行あたり 80 文字以内である。
・変換後の引出折線頂点数が 10 個以内である。
・DWG ファイル内において、文字列要素データが引出線要素データの直後に存在する。

25) DWG の引出線要素のうち、変換後の引出折線頂点数が 300 個を越える引出線については、


構造変換か否かに関わらず、文字列位置の下線は変換されません。

26) DWG の引出線要素の文字列位置下線部分は、無条件に文字列角度方向へ延長します。したがって、


DWG の引出線要素の文字列角度と文字列位置下線の角度が異なる場合は、正しく変換されません。

27) DWG の引出線要素のデータ構造によっては、文字列位置下線が変換されない場合があります。

28) レイアウト変換において、ビューポートの視線方向が VPORT の視線方向と異なる場合には正しく変換されません。

29) レイアウト変換において、任意形状のビューポート境界線には対応していません。
ビューポート境界線の形状として任意形状が使用されている場合でも、ビューポートの幅と高さを用いた
矩形をビューポート境界線と見なして変換します。

30) レイアウト変換において、文字・製図要素内の文字・スプライン・楕円・楕円弧・ハッチングは、
ビューポート境界線によるクリッピング処理の対象外です。これらの要素がビューポート境界線上に存在した場合の
変換処理(削除する/削除しない)については、変換制御パラメータにより指定可能です。
ただし、製図要素に対して“削除する”を指定した場合、製図要素内の文字要素のみが削除されます。

31) 変換制御パラメータにより、レイアウト変換を“する”に設定した場合は、
他の変換制御パラメータに対し以下のような影響があります。
・「複合図形の変換」:設定内容が初期値に戻り、設定変更ができなくなります。
・「レイヤスケールの設定」:設定内容が破棄され、設定変更ができなくなります。
・「レイヤの変換方法」:設定内容が初期値に戻り、設定変更ができなくなります。
・「レイヤ->実像部品変換」:設定内容が破棄され、設定変更ができなくなります。
・「レイヤ->GV 変換」:設定内容が破棄され、設定変更ができなくなります。
・「基準要素数の設定」:設定変更ができなくなります。

32) 変換制御パラメータの「レイヤの対応」の設定内容により、DWG レイヤと iCAD SX レイヤとの対応が n 対 1 となった場合、


レイアウト図面は正常に変換されません。また、DWG レイヤ数が iCAD SX レイヤ数の上限を超えており、複数の
DWG レイヤが一つの iCAD SX レイヤにまとめられる場合、レイアウト図面は正常に変換されません。

33) AUTOCAD2000 より古いバージョンで作成された DWG ファイルには、レイアウト図面が存在しません。


この場合は、ペーパー空間の要素をレイアウト図面と見なし、レイアウト図面名を“レイアウト”として変換します。

34) 寸法線要素変換において、寸法スタイル属性(色、線種、線幅、表示)を反映するためには、変換制御
パラメータの「図形要素の変換」で寸法スタイルを「反映する」に設定する必要があります。
寸法スタイル属性は、寸法線、補助線に対しては色、線種、線幅、表示属性が反映され、
寸法値に対しては色のみが反映されます。

35) 端末記号の矢印の向きが異なる寸法線(一方が内矢で、もう一方が外矢)は、その他製図要素として変換します。

36) ACAD プロキシ図形内の円の塗りは、変換されない場合があります。

37) ACAD プロキシ図形内の閉じた POLYLINE は、SOLID として変換される場合があります。

38) ACAD プロキシ図形要素を含む DWG を変換した結果は、


その DWG を AUTOCAD へ取り込んだ結果と異なる場合があります。

71
第4章 DWG→iCAD SX 変換

39) スプライン情報を持たない螺旋(HELIX)データは変換されません。

40) 螺旋(HELIX)の形状が正しく変換されない場合は、変換制御パラメータの「スプラインの分割数」により
調整してください。

41) スプラインの対応次数は 2~6 次です。この範囲外の次数を持つスプラインは変換されません。

42) 検査寸法の寸法値文字飾り部分は、寸法線とは別の要素(線分や円弧)に変換します。

43) TEXT、ATTDEF、ATTRIB、MTEXT、LEADER、TOLERANCE、HATCH、INSERT、DIMENSION、MULTILEADER の
異尺度対応プロパティには対応していません。

44) レイアウト変換において、ビューポートの優先プロパティには対応していません。

45) DWG のマルチ引出線要素が iCAD SX の注記要素として変換されるためには、以下の条件をすべて満たす必要があり


ます。
・文字部分が複合図形でない。
・文字列位置に下線がある。
・文字列が横書きで、かつ、複数段でない。
・文字列が 1 行あたり 80 文字以内である。
・引出線の接続方法が上下でない。
・引出線の引出し方向が左右どちらか一方のみである。
・引出線が 1~11 本以内で、かつ、変換後の引出線 1 本あたりの折線頂点数が 10 個以内である。
・複合図形上に存在するマルチ引出線を、複合図形にスケールを設定し、分解配置したものではない。

46) DWG のマルチ引出線要素を変換した場合の、iCAD SX 上での形状と属性についての制限を以下に示します。


・文字の文字飾り情報、文字囲み情報、上線、下線は変換されない。(文字の仕様はマルチテキストの仕様と同様。)
・複数段文字列に設定された行間隔は無視される。
・文字列下線データの属性は引出線の属性を継承する。
・マルチ引出線の複合図形部分がユーザ定義の複合図形の場合、最終引出線線分の形状が正しく変換されない場
合がある。
・複合図形上に存在するマルチ引出線を、複合図形にスケールを設定し分解配置したものは、最終引出線線分長が
正しく変換されない。
・折れ曲がり点数が 295 を越える場合、296 点目以降の折れ曲がり点は無視される。
・引出線の接続方法が上下の場合、文字列角度に 0°以外が設定されていると形状が正しく変換できない場合が
ある。
・AutoCAD2012 で作成された引出線の接続方法が上下のマルチ引出線要素の場合、引出線の終点位置が正しく
変換できない。これは、AutoCAD2011 と AutoCAD2012 の引出線の終点位置の仕様の違いによる。
本システムでは AutoCAD2011 の仕様に合わせて変換する。
・AutoCAD2013 で作成されたマルチ引出線の文字列の下線位置が正しく変換できない場合がある。これは、
AutoCAD2011 と AutoCAD2013 の文字列の下線位置の表示方法の違いによる。本システムでは AutoCAD2011 の仕様
に合わせて変換する。

47) 製図要素に設定されたマスク情報(他の幾何要素による内抜き)は無視されます。

48) レイヤ名"*ADSK_CONSTRAINTS"上に存在する寸法線のみをダイナミック形式の拘束寸法とみなし変換します。

49) 複合図形情報をもたない寸法線、または、ダイナミック形式で作成された拘束寸法は、寸法定義点情報と寸法スタイ
ル情報を元に変換します。これらの寸法線を変換する際の制限事項を以下に示します。
・寸法線の端末記号は、矢印となります。
・寸法値が補助線間からはみ出した長さ寸法線の場合、端末記号の矢印は外矢になります。
・寸法値が補助線間からはみ出した角度寸法線の場合、端末記号の矢印は内矢になります。
・寸法値が計測値の径の範囲からはみ出した径寸法線の場合、端末記号の矢印は外矢になります。
・角度寸法線で寸法線が補助線からはみ出す場合、はみ出した部分の寸法線は個別の円弧要素となります。
・半径または直径寸法線の寸法記号には、無条件に“R”または“φ”が付加されます。
・上段公差値には“+”、下段公差値には“-”、一段公差値には“±”が付加されます。
・公差値は、寸法値に対して高さ方向の中央あわせで配置されます。

72
第4章 DWG→iCAD SX 変換

・寸法値の上書き文字の制御コードは正しく処理されない場合があります。
・寸法スタイル情報に設定されている前置き/後置き文字内の制御コードは処理されません。
・寸法値が表示されていない寸法線は、その他製図要素へ変換します。
・寸法値が円内にある直径寸法線は、その他製図要素へ変換します。
・UCS が設定されている寸法線、または、UCS が設定されている複合図形階層内に存在する寸法線は変換しません。
・VPORT の視線方向が設定されている寸法線は変換しません。

50) 変換後のハッチング要素に対する編集については、以下の制限があります。
・製図→ハッチング→属性変更コマンドは、使用できません。
・作図→伸縮コマンドによる外形形状の変更には追従しません。

51) 幾何拘束情報は変換しません。

52) オブジェクトの透過性情報は変換しません。

53) オブジェクトの表示順序(前面、背面等)は変換しません。

54) 他の要素と結合されたスプラインの形状は、正しく変換できません。

55) DWG の図面ビュー(ACDBVIEWREPBLOCKREFERENCE ならびに DRAWINGVIEW)を変換した場合、図面ビュー内の要素は変


換されず、存在しない文字列等が変換されます。

56) DWG の断面ビュー(ACDBVIEWREPBLOCKREFERENCE、DRAWINGVIEW ならびに SECTIONLINE)は変換しません。

57) DWG の詳細ビュー(ACDBVIEWREPBLOCKREFERENCE、DRAWINGVIEW ならびに DETAILBOUNDARY)は変換しません。

58) VPORT(ビューポート)情報の変換仕様は以下の通りです。
・VPORT 情報のうち、視線方向と傾斜角度の情報のみを各要素へ反映して変換します。
それ以外の VPORT 情報(表示範囲等)は反映されません。
・VPORT 情報が複数設定されている場合、VPORT テーブルの先頭に定義されている VPORT 情報のみを使用し、
それ以外の VPORT 情報は無視されます。
・VPORT の視線方向を反映した変換処理の対象となる要素は、POINT,LINE,XLINE,CIRCLE,ARC、SOLID,TRACE,
ELLIPSE,POLYLINE,LWPOLYLINE、TEXT,MTEXT,ATTRIB,DIMENSION,INSERT です。
これら以外の要素に VPORT の視線方向が設定されている場合、変換後の表示位置や形状が元図と異なる
場合があります。
・VPORT の傾斜角度は、全ての要素へ反映されます。
・VPORT の傾斜角度が設定されている場合、LEADER はその他作図要素へ変換されます。
・VPORT の視線方向が設定されている場合、以下の制限があります。
- CIRCLE,ARC は、楕円、楕円弧へ変換される場合があります。
- ELLIPSE は、その他作図要素へ変換される場合があります。
- SOLID,TRACE は、元図で塗り潰しがない場合でも変換後は塗り潰される場合があります。
- TEXT,MTEXT,ATTRIB は、文字列配置座標のみ正しく変換されます。
VPORT の視線方向による文字列の歪や反転は変換されません。
- DIMENSION は、その他製図要素へ変換されます。
- レイアウト変換時に、レイアウト図面の要素配置位置がずれる場合があります。

59) GDT フォントが指定された文字は、iCAD SX の標準登録文字の範囲で対応可能な文字へ変換します。


対応可能な文字が存在しない場合は “?”へ変換します。

60) モデル空間ビューポートには対応していません。

61) 外部参照は変換しません。

62) 点群データは変換しません。

63) 取り消し線は変換しません。

73
第4章 DWG→iCAD SX 変換

64) 変換制御パラメータの「図形要素の変換」の中の文字要素の変換(半角全角出力)の変換仕様は以下のとおりです。
・「混在」が指定された場合
文字列内の文字をそのまま変換します。半角文字は半角文字へ、全角文字は全角文字へ変換します。
・「すべて全角(V3 仕様)」が指定された場合
文字列内のすべての文字を全角文字へ変換します。

74
第4章 DWG→iCAD SX 変換

4-3.使用方法

4-3-1.DWG→iCAD SX 変換の実行

DWG→iCAD SX 変換の実行手順を以下に説明します。

【1】 iCAD SX-DWG を起動すると、「iCAD SX-DWG」ウィンドウが表示されます。起動方法については、


『第 2 章 2-2-1. iCAD SX-DWG の起動』を参照してください。

【2】 「iCAD SX-DWG」ウィンドウにおいて[DWG=>iCAD SX]ボタンをクリックすると、


「DWG=>iCAD SX DWG 選択」ダイアログボックスが表示されます。

変換するファイル(DWG ファイル)の検索及び選択を行います。

75
第4章 DWG→iCAD SX 変換

「検索先」リストボックスの使用方法

変換するファイルが格納されているドライブをクリックし選択します。

ツールボタンの使用方法

・1 つ上のフォルダへ移動 :1 つ上のフォルダへ移動します。
・ネットワークドライブの割り当て :ネットワークドライブを割り当てます。
・ネットワークドライブの切断 :ネットワークドライブを切断します。
・一覧 :ファイル名を一覧形式で表示します。
・詳細 :ファイル名を詳細形式で表示します。

ファイルの検索方法

各検索キーの使用方法を説明します。
・ファイル名 :ワイルドカード(*)を使用した検索ができます。
検索キーとして入力したファイル名にワイルドカードが使用
されていない場合は、入力したファイル名のみが検索されます。
(入力例)
"A*"と入力→A,ABC,ADE...などを検索
"A"と入力→A のみを検索
・拡張子 :リストボックスから以下の項目が選択できます。
DWG ファイル *.DWG
全てのファイル *.*
・更新日時 :リストボックスから以下の項目が選択できます。
昨日
今日
先週
今週
先月
今月
指定なし

検索キーを設定し[検索]ボタンをクリックしてください。
選択可能なファイルの一覧が表示されます。

ファイルの選択方法

ファイルの一覧において、ファイル名をクリックして選択します。ファイル名をドラッグするか、
[Ctrl]キー+クリックすると複数のファイルが選択(反転表示)できます。また、あるファイル名をクリックし、
別のファイル名を[Shift]キー+クリックするとその間のファイルが全て選択できます。
ファイルを選択した後で[OK]ボタンをクリックするとファイルの選択が確定できます。

選択可能なファイル数の上限は、動作環境設定の最大選択ファイル数で設定された値となります。設定値を
越えて選択されたファイル名は全て無視されます。
変換対象となる最後のファイルは「DWG=>iCAD SX 出力図面設定」ダイアログボックスの
最終ページの最後のファイルです。

76
第4章 DWG→iCAD SX 変換

パラメータファイルの指定方法

変換時に使用するパラメータファイルの指定方法を以下に説明します。

1) 「DWG=>iCAD SX DWG 選択」ダイアログボックスにおいて、[パラメータ]ボタンをクリックすると、


「DWG=>iCAD SX パラメータ一覧」ダイアログボックスが表示されます。

2) DWG=>iCAD SX パラメータ一覧」ダイアログボックスにおいて、変換に使用するパラメータファイルを
クリックして選択(反転表示)した後、[OK]ボタンをクリックします。

以降の変換処理においては、選択したパラメータファイルの設定が用いられます。
本設定は、iCAD SX-DWG を再起動するか、または、パラメータファイルを再選択するまで有効です。

【3】 「DWG=>iCAD SX DWG 選択」ダイアログボックスにおいて、変換対象となる DWG ファイルを選択すると、


「DWG=>iCAD SX 出力図面名設定」ダイアログボックスが表示されます。

DWG ファイル名には、【2】で選択した DWG ファイル名が表示されています。


出力先の図面名を設定してください。

77
第4章 DWG→iCAD SX 変換

図面フォルダの変更方法

DWG→iCAD SX 変換時に、出力データとなる図面を格納するフォルダを変更する場合に使用します。
[参照]ボタンをクリックすると「フォルダの選択」ダイアログボックスが表示されます。
選択するフォルダをクリックし[OK]ボタンをクリックすると図面フォルダが変更されます。
また、フォルダ名を直接入力することも可能です。

変換処理中のエラー処理の設定方法

DWG→iCAD SX 変換中のエラー発生時の処理を設定します。
本設定は、DWG ファイルを複数選択した場合のみ有効となります。
エラー処理設定のボックスをクリックしてください。
ボックスの選択状態が切り替わります。

ボックスが選択されている場合は、エラーが発生したファイルで変換処理は中断されエラーメッセージが
表示されます。ボックスが選択されていない場合は、エラーが発生してもそのファイルを飛ばし変換処理は
最後まで続行され、エラーメッセージはレポートファイルに出力されます。

図面名の設定方法

図面名の初期値は対応する DWG ファイル名の拡張子無しの名前(TRANS.DWG なら TRANS)となっています。


図面名の入力領域をクリックしてアクティブ状態にした後で、図面名を入力してください。
図面名は iCAD SX で使用可能な文字を用いて 40 バイト以内で入力してください。

「DWG=>iCAD SX 出力図面名設定」画面の頁切り替え方法

1) 「DWG=>iCAD SX 出力図面名設定」ダイアログボックスの頁を切り替える場合は、[前頁]ボタン、
[次頁]ボタンをクリックしてください。
2) 「DWG=>iCAD SX 出力図面名設定」ダイアログボックスの頁を指定する場合は、[頁指定]ボタンを
クリックしてください。
頁指定ダイアログボックスが表示されます。

初期値として「DWG=>iCAD SX 出力図面名設定」ダイアログボックスの現在の頁が表示されています。
表示する頁番号を入力してください。[OK]ボタンをクリックすると入力された頁番号の内容が表示されます。

【4】 「DWG=>iCAD SX 出力図面名設定」ダイアログボックスにおいて、図面名を設定後、


[Enter]キーを押すか、または、[OK]ボタンをクリックすると変換が開始されます。
変換中は画面に「DWG=>iCAD SX 変換」メッセージボックスが表示されます。

DWG=>iCAD SX 変換実行中のファイル名が表示されます。

78
第4章 DWG→iCAD SX 変換

DWG→iCAD SX 変換処理の中断方法

[中断]ボタンをクリックしてください。現在変換中の DWG ファイルの変換終了後に、


中断メッセージを表示し処理を中断します。

中断ボタンは DWG ファイルを複数選択した場合のみ有効となります。

【5】 DWG→iCAD SX 変換処理が正常終了した場合は、「DWG=>iCAD SX 変換終了」


メッセージボックスが表示されます。

図面には変換結果が表示されています。1 変換単位の変換結果や変換詳細メッセージを
ご覧になりたい場合は[レポート表示]ボタンをクリックしてください。

【6】 「DWG=>iCAD SX 変換終了」ダイアログボックスにおいて、[レポート表示]ボタンをクリックすると、


「レポート表示」画面が表示されます。
「レポート表示」画面の操作方法は『第 3 章 3-3-1. iCAD SX→DWG 変換の実行』を参照してください。

4-3-2.変換制御パラメータの設定方法

DWG→iCAD SX 変換における変換制御パラメータの設定方法について説明します。

【1】 「iCAD SX-DWG」ウィンドウにおいて[DWG=>iCAD SX]ボタンをクリックすると、


「DWG=>iCAD SX DWG 選択」ダイアログボックスが表示されます。

79
第4章 DWG→iCAD SX 変換

【2】 「DWG=>iCAD SX DWG 選択」ダイアログボックスにおいて、[パラメータ]ボタンをクリックすると


「DWG=>iCAD SX パラメータ一覧」ダイアログボックスが表示されます。

リストボックスには、選択可能なパラメータファイルの一覧が表示されます。
インストール直後は、”標準設定”だけが表示されています。

パラメータファイルの作成および更新方法

パラメータファイルを新規に作成する場合は、既存のパラメータファイルまたは標準設定の内容を変更し、
別ファイル(新規パラメータファイル)へ保存します。パラメータファイルの内容を更新する場合は、
既存のパラメータファイルの内容を変更し、そのファイル名で保存します。
手順を以下に説明します。

1) 「DWG=>iCAD SX パラメータ一覧」ダイアログボックスにおいて、既存のパラメータファイルまたは
標準設定をクリックして選択(反転表示)します。

2) [変更]ボタンをクリックしてください。「DWG=>iCAD SX パラメータ変更」ダイアログボックスが表示されます。

80
第4章 DWG→iCAD SX 変換

3) 変更する項目のボタンをマウスでクリックして変更します。
詳細は『第 4 章 4-3-3. 変換制御パラメータの説明』を参照してください。

4) 各項目の変更が終了したら、[OK]ボタンをクリックします。
「DWG=>iCAD SX パラメータファイル名入力」ダイアログボックスが表示されます。

パラメータファイル名の入力領域には、1)で選択したファイル名が表示されています。
なお、1)で”標準設定”を選択した場合は、ファイル名は表示されていません。
また、1)で”デフォルトパラメータファイル”を選択した場合は、
「DWG=>iCAD SX パラメータファイル名入力」ダイアログボックスは表示されず、
デフォルトパラメータファイルを上書きするかどうかを確認するメッセージボックスが表示されます。

[はい(Y)]ボタンをクリックすると、デフォルトパラメータファイルが上書きされます。
[いいえ(N)]ボタンをクリックすると、「DWG=>iCAD SX パラメータファイル名入力」
ダイアログボックスが表示されます。ファイル名を入力してください。

5) パラメータファイルを新規に作成する場合は、「DWG=>iCAD SX パラメータファイル名入力」
ダイアログボックスにおいて、新規パラメータファイル名を入力してください。
1)で既存のパラメータファイルを選択した場合は選択したファイル名が表示されています。
一度クリアして新規ファイル名を入力してください。
その後、[Enter]キーを押すか、または、[OK]ボタンをクリックしてください。

選択したパラメータファイルの内容を上書きする場合は、そのまま[Enter]キーを押すか、
または、[OK]ボタンをクリックしてください。ただし、1)で”標準設定”を選択した場合は、
必ずファイル名を入力してください。(標準設定は、上書きできません。)

81
第4章 DWG→iCAD SX 変換

6) 「DWG=>iCAD SX パラメータ一覧」ダイアログボックスに戻ります。
リストボックスでは、新規に作成したパラメータファイル、または、内容を変更したパラメータファイル
が選択(反転表示)されています。[OK]ボタンをクリックすると、「DWG=>iCAD SX DWG 選択」
ダイアログボックスに戻り、それ以降の変換処理においては、選択したパラメータファイルの設定が
使用されます。[キャンセル]ボタンをクリックすると、「DWG=>iCAD SX DWG 選択」
ダイアログボックスに戻りますが、それ以降の変換処理におけるパラメータファイルの設定は元のままです。

パラメータファイルの削除方法

「DWG=>iCAD SX パラメータ一覧」ダイアログボックスにおいて、削除するパラメータファイルを
クリックして選択(反転表示)し、[削除]ボタンをクリックすると選択したパラメータファイルが削除されます。

デフォルトパラメータファイルの設定方法

iCAD SX-DWG では、起動後にパラメータファイルを変更しなければ、変換時のパラメータファイル


としてシステムの標準設定値が用いられます。
この標準設定値として、利用者が独自に作成したパラメータファイルを使用する場合には、
デフォルトパラメータファイルの設定を行う必要があります。設定方法を以下に説明します。

1) 『パラメータファイルの作成および変更方法』の手順にしたがって、デフォルトパラメータファイルとして
使用するためのパラメータファイルを作成します。

2) 「iCAD SX-DWG」ウィンドウに戻り、メニューバーの[ファイル(F)]より[動作環境設定]を選択します。

82
第4章 DWG→iCAD SX 変換

画面に「動作環境設定」ダイアログボックスが表示されます。

3) DWG=>iCAD SX デフォルトパラメータファイルのボックスの右側の矢印をクリックすると、
デフォルトパラメータファイルとして選択可能なパラメータファイルのリストが表示されます。

83
第4章 DWG→iCAD SX 変換

4) パラメータファイル名をクリックして選択します。[OK]ボタンをクリックすると、
「iCAD SX-DWG」ウィンドウに戻ります。これで、デフォルトパラメータファイルの設定は完了です。

以降の変換処理においては選択したパラメータファイルの内容がデフォルト設定となります。
また、デフォルトパラメータファイルとして選択されたパラメータファイルは、「DWG=>iCAD SX パラメータ一覧」
ダイアログボックスにおいてファイル名表示が”デフォルトパラメータファイル”となります。

4-3-3.変換制御パラメータの説明

DWG→iCAD SX 変換における変換制御パラメータの各項目について説明します。

84
第4章 DWG→iCAD SX 変換

図形要素の変換

点要素、文字要素、寸法線要素、引出線要素、マルチ引出線要素に対して変換/無変換を指定する場合に設定します。
文字要素を変換する場合、出力文字のコード系(半角全角)を指定できます。
ただし、“すべて全角(V3 仕様)”を指定した場合、文字要素変換に関するすべての仕様が旧仕様(V3 仕様)となります。
寸法線要素、引出線要素、マルチ引出線要素を変換する場合、構造変換するか否かを指定できます。
寸法線要素を変換する場合、寸法スタイル属性を反映するか否かを指定できます。
「DWG=>iCAD SX パラメータ変更」ダイアログボックスにおいて、[図形要素の変換]ボタンを
クリックすると、「DWG=>iCAD SX 図形要素の変換」ダイアログボックスが表示されます。

初期設定値は上図のとおりです。
各項目のボタン部分をクリックして選択してください。
設定が完了したら、[OK]ボタンをクリックしてください。

文字幅補正の設定

文字幅の補正値を指定する場合に設定します。
DWG では、文字幅がプロポーショナルピッチであるため、iCAD SX 変換後は文字列の幅が一致しないことがあります。
これを補正するために、文字列の幅係数を設定します。
なお、本パラメータはデータ内のすべての文字列データに対して一律に有効となります。
「DWG=>iCAD SX パラメータ変更」ダイアログボックスにおいて、[文字幅補正の設定]ボタンをクリックすると、
「DWG=>iCAD SX 文字幅スケールの補正」ダイアログボックスが表示されます。

初期設定値は 1.0 です。変換後の文字列の幅を大きくする場合は 1.0 より大きな値を、


小さくする場合は 1.0 より小さな値を設定してください。
設定が完了したら、[OK]ボタンをクリックしてください。

85
第4章 DWG→iCAD SX 変換

文字幅比率の設定

フォントの違いにより、文字毎の文字幅比率の調整が必要な場合に設定します。
DWG では、文字幅がプロポーショナルピッチであるため、文字幅が個々の文字毎に異なります。
iCAD SX-DWG では、各文字毎に DWG の標準の文字フォントの値がセットされています。
標準以外の文字フォントが使用されている場合で、文字幅比率の調整が必要な場合に、対象文字と
その文字幅比率(文字高さに対する文字幅の比率)を設定します。
なお、本パラメータは、設定した文字に対してのみ有効となります。また、DWG の文字列データの位置合わせフラグが、
“左右合わせ”または“フィット合わせ”の場合は本パラメータは有効となりません。
「DWG=>iCAD SX パラメータ変更」ダイアログボックスにおいて、[文字幅比率の設定]ボタンをクリックすると、
「DWG=>iCAD SX 文字幅比率の設定」ダイアログボックスが表示されます。

■文字幅比率の設定の追加方法

1) 対象文字のボックスの右側の矢印をクリックすると対象文字のリストが表示されるので、
対象文字をクリックして選択します。
2) 文字幅の比率の入力領域をクリックしてアクティブ状態にした後、選択した文字の文字幅比率を入力します。
1.0 を入力すると文字高さと文字幅が同じになります。これを基準に適切な値を設定してください。
3) [追加]ボタンをクリックすると、設定された対象文字とその文字幅比率が左側のリストボックスに追加されます。

■文字幅比率の設定の変更方法

1) 左側のリストボックスより変更する設定をクリックして選択(反転表示)します。
2) 右側の各項目のボックスにおいて、対象文字または文字幅比率を変更します。
3) [変更]ボタンをクリックすると、変更された設定内容が左側のリストボックスに表示されます。

■文字幅比率の設定の削除方法

1) 左側のリストボックスより削除する設定をクリックして選択(反転表示)します。
2) [削除]ボタンをクリックすると、選択された設定内容が左側のリストボックスから削除されます。

■文字幅比率の設定の一括追加方法

1) 文字幅の比率の入力領域をクリックしてアクティブ状態にした後、設定する文字幅比率を入力します。
2) [一括追加]ボタンをクリックすると、確認メッセージボックスが表示されます。
文字幅の比率が設定されていないと[一括追加]ボタンは有効になりません。

86
第4章 DWG→iCAD SX 変換

3) [OK]ボタンをクリックすると、全ての対象文字が指定した文字幅比率で左側のリストボックスに追加されます。
ただし、元々リストボックス内にある文字については、文字幅比率は変更されません。

■文字幅比率の設定の一括変更方法

1) 文字幅の比率の入力領域をクリックしてアクティブ状態にした後、設定する文字幅比率を入力します。
2) [一括変更]ボタンをクリックすると、確認メッセージボックスが表示されます。
文字幅の比率が設定されていないと[一括変更]ボタンは有効になりません。

3) [OK]ボタンをクリックすると、左側のリストボックス内の全ての文字幅比率が変更されます。

■文字幅比率の設定の一括削除方法

1) [一括削除]ボタンをクリックすると、確認メッセージボックスが表示されます。

2) [OK]ボタンをクリックすると、左側のリストボックス内の設定内容が全て削除されます。

各設定が完了したら、[OK]ボタンをクリックしてください。

87
第4章 DWG→iCAD SX 変換

塗り要素の設定

DWG の塗り要素を変換する場合の塗りの濃さを指定する場合に設定します。
DWG の塗り要素(SOLID 等)を変換する場合、塗りの部分を線分要素で表現しているため、
いたずらに要素数の増大を招く恐れがあります。これを調整するための塗りのモードを選択します。
「DWG=>iCAD SX パラメータ変更」ダイアログボックスにおいて、[塗り要素の設定]ボタンをクリックすると、
「DWG=>iCAD SX 塗り要素の設定」ダイアログボックスが表示されます。

初期設定値は、"塗り(淡)"です。

■塗りの濃さの設定方法

1) 塗りの濃さのボックスの右側の矢印をクリックすると、塗りの濃さの設定のリストが表示されます。
内容は以下のとおりです。
・幅無し(芯線のみ) →芯線のみ出力する。
・塗らない(輪郭のみ)→輪郭形状のみ出力する。
・塗り(淡) →塗りの線分数・少。
・塗り(中) →塗りの線分数・中。
・塗り(濃) →塗りの線分数・多。
・塗り(任意指定) →塗りのピッチのボックスで指定された値を使用して塗りの線分を出力する塗りのピッチの
ボックスは塗りの濃さのボックスにおいて“塗り(任意指定)”が選択された場合のみ入力可能となります。
0.001~1000 の範囲で入力してください。
2) いずれかの設定をクリックして選択します。

設定が完了したら、[OK]ボタンをクリックしてください。

88
第4章 DWG→iCAD SX 変換

基準要素数の設定

DWG の複合図形を iCAD SX のその他作図要素か子図へ変換する場合に、どちらへ変換するかを判定する


際の基準要素数を変更する場合に設定します。その他作図要素へ変換する要素数の最大値を指定します。
指定可能な要素数は 0~255 です。DWG の複合図形内の全要素を iCAD SX の要素へ変換した場合の要素数が、
本パラメータで設定されている基準要素数以下の場合は、複合図形をその他作図要素へ変換し、
基準要素数を越える場合は複合図形を子図へ変換します。DWG の複合図形を iCAD SX の実像部品へ変換する
場合は、本パラメータの設定は参照されません。
「DWG=>iCAD SX パラメータ変更」ダイアログボックスにおいて、[基準要素数の設定]ボタンをクリックすると、
「DWG=>iCAD SX 基準要素数の設定」ダイアログボックスが表示されます。

初期設定値は、100(要素)です。
変更する場合は、要素数を 0~255 の範囲で設定してください。
設定が完了したら、[OK]ボタンをクリックしてください。

複合図形の変換

DWG の複合図形を iCAD SX のその他作図要素、子図、または実像部品のいずれへ変換するかを指定する


場合に設定します。その他作図要素への変換または子図への変換を行う場合は、実像部品への変換はできません。
同様に、実像部品への変換を行う場合は、その他作図要素への変換ならびに子図ヘの変換はできません。
本パラメータは、DWG の複合図形、マルチライン、マルチテキストの変換に対してのみ有効となります。
「DWG=>iCAD SX パラメータ変更」ダイアログボックスにおいて、[複合図形の変換]ボタンをクリックすると、
「DWG=>iCAD SX 複合図形の変換」ダイアログボックスが表示されます。

初期設定は、複合図形を実像部品へ変換する設定となっています。
各項目のボタン部分をクリックして選択してください。

89
第4章 DWG→iCAD SX 変換

■その他作図要素または子図へ変換する場合

・実像部品ヘの変換の設定を“しない”に設定すると、子図への変換およびその他作図要素への変換の
設定部分がアクティブとなります。
・子図ヘの変換ならびにその他作図要素への変換についての、する/しないのボタンは自由に設定できます。
・複合図形を子図ヘ変換するかその他作図要素へ変換するかは、『基準要素数の設定』で指定されている
基準要素数により決定されます。
・複合図形が子図へ変換される場合の、変換方法の指定が可能です。

配置単位変換 :複合図形の配置数分、子図を作成します。
複合図形の配置時に決定される属性(BYBLOCK 属性や ATTRIB 要素など)が
正確に変換できます。ただし、作成される子図の数が多くなるため、
子図の作成制限をオーバーする可能性が高くなります。

定義単位変換 :複合図形の定義数分、子図を作成します。
作成される子図の数が少なくなるため、子図の作成制限をオーバーする
可能性は低くなり、作成される図面ファイルのサイズも配置単位変換に
比べると小さくなります。
ただし、定義単位変換には以下の制限事項があります。

○複合図形の配置時に決定される属性(BYBLOCK 属性や ATTRIB 要素など)は


正しく変換されない場合があります。
○最上位の複合図形の配置情報で、X スケールと Y スケールが異なる場合
およびマルチインサート(段列の指定がある)の場合は無条件に配置単位変換
されます。
○複合図形以外の要素が子図へ変換される場合は、
無条件に配置単位変換されます。

設定が完了したら、[OK]ボタンをクリックしてください。

90
第4章 DWG→iCAD SX 変換

■実像部品へ変換する場合

・子図ヘの変換およびその他作図要素への変換の設定を”しない”に設定すると、実像部品ヘの変換の
設定部分がアクティブとなります。
・実像部品への変換についての、する/しないのボタンは自由に設定できます。
・実像部品への変換を”する”に設定すると、子図への変換およびその他作図要素への変換の設定部分が
非アクティブとなります。

設定が完了したら、[OK]ボタンをクリックしてください。

レイヤスケールの設定

DWG のレイヤ毎に変換スケール値を指定する場合に設定します。DWG のレイヤはスケール情報を持たないため、


通常(たとえば AUTOCAD から出力された DWG を変換する場合)は本パラメータの設定は不要です。
しかし、他の CAD にはレイヤにスケール情報を持つものもあり、そのような CAD から出力された DWG を変換した場合、
変換元 CAD におけるレイヤのスケール情報が DWG へ出力されないため、変換結果が異常となる可能性があります。
そのような場合のみ、本パラメータによりレイヤ毎の変換スケール値を調整してください。
指定されたレイヤスケールが 1.0 の場合は、そのレイヤの要素は iCAD SX の基本ビューへ出力されます。
指定されたレイヤスケールが 1.0 以外の場合は、そのレイヤの要素は指定したレイヤスケールと同等の尺度を
持つローカルビューへ出力されます。
「DWG=>iCAD SX パラメータ変更」ダイアログボックスにおいて、[レイヤスケールの設定]ボタンを
クリックすると、「DWG=>iCAD SX レイヤスケールの設定」ダイアログボックスが表示されます。

■レイヤスケールの設定の追加方法

1) DWG レイヤ名の入力領域をクリックしてアクティブにした後、DWG のレイヤ名を入力します。


2) レイヤスケールの入力領域をクリックしてアクティブにした後、DWG のレイヤ名に対応する変換
スケール値を、0.001~1000.0 の範囲で入力します。
3) [追加]ボタンをクリックすると、設定内容が左側のリストボックスに追加されます。

91
第4章 DWG→iCAD SX 変換

■レイヤスケールの設定の変更方法

1) 左側のリストボックスより変更する設定をクリックして選択(反転表示)します。
2) 右側の各項目のボックスにおいて、DWG レイヤ名またはレイヤスケールを変更します。
3) [変更]ボタンをクリックすると、変更された設定内容が左側のリストボックスに表示されます。

■レイヤスケールの設定の削除方法

1) 左側のリストボックスより削除する設定をクリックして選択(反転表示)します。
2) [削除]ボタンをクリックすると、選択された設定内容が左側のリストボックスから削除されます。

各設定が完了したら、[OK]ボタンをクリックしてください。

レイヤの変換方法

DWG の非表示レイヤの要素を変換する場合に設定します。
非表示レイヤの要素を変換する場合、DWG の非表示レイヤに対応する iCAD SX のレイヤは
非表示レイヤとして作成されます。
「DWG=>iCAD SX パラメータ変更」ダイアログボックスにおいて、[レイヤの変換方法]ボタンを
クリックすると、「DWG=>iCAD SX レイヤの変換方法」ダイアログボックスが表示されます。

初期設定値は、“非表示レイヤの要素を変換しない”です。
いずれかの項目のボタン部分をクリックして選択してください。
設定が完了したら、[OK]ボタンをクリックしてください。

レイヤの対応

DWG のレイヤと iCAD SX のレイヤを個別に対応させる場合に設定します。


本パラメータが未設定の場合は、DWG のレイヤの定義順に昇順のレイヤ番号が付与されます。
なお、『レイヤの変換方法』において“非表示レイヤの要素を変換する”を指定した場合は、
本パラメータは設定しないでください。
「DWG=>iCAD SX パラメータ変更」ダイアログボックスにおいて、[レイヤの対応]ボタンを
クリックすると、「DWG=>iCAD SX レイヤの対応」ダイアログボックスが表示されます。

92
第4章 DWG→iCAD SX 変換

■レイヤの対応設定の追加方法

1) DWG レイヤ名の入力領域をクリックしてアクティブにした後、DWG のレイヤ名を入力します。


2) iCAD SX レイヤ番号のボックスの右側の矢印をクリックするとレイヤ番号のリストが表示されます。
設定するレイヤ番号をクリックして選択します。
3) [追加]ボタンをクリックすると、設定されたレイヤの対応が左側のリストボックスに追加されます。

■レイヤの対応設定の変更方法

1) 左側のリストボックスより変更する設定をクリックして選択(反転表示)します。
2) 右側の各項目のボックスにおいて、DWG レイヤ名または iCAD SX レイヤ番号を変更します。
3) [変更]ボタンをクリックすると、変更された設定内容が左側のリストボックスに表示されます。

■レイヤの対応設定の削除方法

1) 左側のリストボックスより削除する設定をクリックして選択(反転表示)します。
2) [削除]ボタンをクリックすると、選択された設定内容が左側のリストボックスから削除されます。

各設定が完了したら、[OK]ボタンをクリックしてください。

線種の対応

DWG の線種と iCAD SX の線種を個別に対応させる場合に設定します。本パラメータが未設定の場合は、


線種の対応は初期設定値(第 4 章 4-2-2. 図形属性(線種・カラー・線幅)の変換を参照)となります。
「DWG=>iCAD SX パラメータ変更」ダイアログボックスにおいて、[線種の対応]ボタンをクリックすると、
「DWG=>iCAD SX 線種の対応」ダイアログボックスが表示されます。

■線種の対応設定の追加方法

1) DWG 線種名のボックスの右側の矢印をクリックすると DWG 線種名のリストが表示されます。


設定する線種名をクリックして選択します。設定したい線種名がリストに存在しない場合は、DWG 線種名の
入力領域をクリックしてアクティブ状態にした後、DWG の線種名を入力します。アルファベットは全て大文字で
入力してください。
2) iCAD SX 線種名のボックスの右側の矢印をクリックすると iCAD SX 線種名のリストが表示されます。
設定する線種名をクリックして選択します。
3) [追加]ボタンをクリックすると、設定された線種の対応が左側のリストボックスに追加されます。

■線種の対応設定の変更方法

1) 左側のリストボックスより変更する設定をクリックして選択(反転表示)します。
2) 右側の各項目のボックスにおいて、DWG 線種名または iCAD SX 線種名を変更します。
3) [変更]ボタンをクリックすると、変更された設定内容が左側のリストボックスに表示されます。

93
第4章 DWG→iCAD SX 変換

■線種の対応設定の削除方法
1) 左側のリストボックスより削除する設定をクリックして選択(反転表示)します。
2) [削除]ボタンをクリックすると、選択された設定内容が左側のリストボックスから削除されます。

各設定が完了したら、[OK]ボタンをクリックしてください。

色の対応

DWG と iCAD SX のカラーコードの対応、ならびに、そのカラーに対する線幅の情報を指定する場合に


設定します。本パラメータが未設定の場合は、カラーの対応は初期設定値(第 4 章 4-2-2. 図形属性
(線種・カラー・線幅)の変換を参照)となります。また、線幅はすべて中線となります。
ただし、『線種と線幅の対応』が設定された場合か、『線幅の対応』で 線幅情報の変換が“変換する”に
設定されている場合は、本パラメータの線幅の対応は全て無効となります。
「DWG=>iCAD SX パラメータ変更」ダイアログボックスにおいて、[色の対応]ボタンをクリックすると、
「DWG=>iCAD SX 色の対応」ダイアログボックスが表示されます。

■色の対応の追加方法

1) DWG の色のボックスの右側の矢印をクリックすると DWG の色のリストが表示されるので、


DWG の色として設定する色をクリックして選択します。
2) iCAD SX の色のボックスの右側の矢印をクリックすると iCAD SX の色のリストが表示されるので、
iCAD SX の色として設定する色をクリックして選択します。
3) 線幅のボックスの右側の矢印をクリックすると iCAD SX の線幅のリストが表示されるので、
iCAD SX の線幅として設定する線幅をクリックして選択します。
4) [追加]ボタンをクリックすると、設定された色の対応が左側のリストボックスに追加されます。
ただし、すべての項目が設定されていないと[追加]ボタンは有効になりません。

■色の対応の変更方法

1) 左側のリストボックスより変更する設定をクリックして選択(反転表示)します。
2) 右側の各項目のボックスにおいて、DWG の色・iCAD SX の色・線幅を変更します。
3) [変更]ボタンをクリックすると、変更された設定内容が左側のリストボックスに表示されます。

■色の対応の削除方法

1) 左側のリストボックスより削除する設定をクリックして選択(反転表示)します。
2) [削除]ボタンをクリックすると、選択された設定内容が左側のリストボックスから削除されます。

各設定が完了したら、[OK]ボタンをクリックしてください。

94
第4章 DWG→iCAD SX 変換

スプラインの分割数

スプラインの変換精度を上げる場合に設定します。
DWG のスプラインと iCAD SX のスプラインでは、データ構造や曲線の表現方法に違いがあるため、
iCAD SX 変換後は曲線形状が一致しないことがあります。これを補正するためには、スプラインの頂点間を
さらに分割し、頂点情報を追加する必要があります。この頂点情報追加時のスプラインの分割数を設定します。
ただし、頂点情報の追加にともない、変換後のデータ量が増大するため注意が必要です。
また、本パラメータは、DWG のスプラインの制御点・フィット点・ノットベクトルの情報がすべて正常で、かつ、
制御点・ノットベクトルのデータが存在する場合のみ有効となります。たとえば、AUTOCAD 上でスプラインを
作成し図面保存しても、DWG ファイル上にはスプラインのフィット点しか出力されません。
この場合は、本パラメータは有効となりません。

「DWG=>iCAD SX パラメータ変更」ダイアログボックスにおいて、[スプラインの分割数]ボタンをクリックすると、
「DWG=>iCAD SX スプラインの分割数」ダイアログボックスが表示されます。

初期設定値は、”分割なし”です。

■スプラインの分割数の設定方法

1) スプラインの分割数のボックスの右側の矢印をクリックすると、スプラインの分割数の設定のリストが表示されます。
内容は以下のとおりです。
・分割なし →DWG が持つ頂点情報でそのまま変換。
・8 分割 →DWG が持つ頂点情報の頂点間を 8 分割して変換。
・16 分割 →DWG が持つ頂点情報の頂点間を 16 分割して変換。
2) いずれかの設定をクリックして選択します。

設定が完了したら、[OK]ボタンをクリックしてください。

線種と線幅の対応

DWG の線種と iCAD SX の線幅とを対応させる場合に設定します。


本パラメータが設定された場合は、『色の対応』の線幅設定が無効となります。
また、『線幅の対応』で 線幅情報の変換が“変換する”に設定されている場合は、
本パラメータの線幅設定は全て無効となります。
「DWG=>iCAD SX パラメータ変更」ダイアログボックスにおいて、[線種と線幅の対応]ボタンを
クリックすると、「DWG=>iCAD SX 線種と線幅の対応」ダイアログボックスが表示されます。

95
第4章 DWG→iCAD SX 変換

■線種と線幅の対応設定の追加方法

1) DWG 線種名のボックスの右側の矢印をクリックすると DWG 線種名のリストが表示されます。


設定する線種名をクリックして選択します。設定したい線種名がリストに存在しない場合は、
DWG 線種名の入力領域をクリックしてアクティブ状態にした後、DWG の線種名を入力します。
アルファベットは全て大文字で入力してください。
2) iCAD SX 線幅のボックスの右側の矢印をクリックすると iCAD SX 線幅のリストが表示されます。
設定する線幅をクリックして選択します。
3) [追加]ボタンをクリックすると、設定された線種と線幅の対応が左側のリストボックスに追加されます。

■線種と線幅の対応設定の変更方法

1) 左側のリストボックスより変更する設定をクリックして選択(反転表示)します。
2) 右側の各項目のボックスにおいて、DWG 線種名または iCAD SX 線幅を変更します。
3) [変更]ボタンをクリックすると、変更された設定内容が左側のリストボックスに表示されます。

■線種と線幅の対応設定の削除方法

1) 左側のリストボックスより削除する設定をクリックして選択(反転表示)します。
2) [削除]ボタンをクリックすると、選択された設定内容が左側のリストボックスから削除されます。

■DWG 線種名について

DWG 線種名のリストには DWG の線種名以外に以下の項目があります。


・*寸法線→寸法線要素及び幾何公差に対する線幅を指定します。
(省略した場合は細線に変換します。)
・*寸法線文字→寸法線の寸法値、公差値及び幾何公差の公差記号、公差値、データムに
対する線幅を指定します。(省略した場合は細線に変換します。)
・*文字→ テキスト、マルチテキスト、属性定義に対する線幅を指定します。
(省略した場合は中線に変換します。)
・*未確定線種→DWG の線種が BYBLOCK でかつ DWG 上で線種が確定されていない要素に対する線幅を指定します。
(省略した場合は中線に変換します。)

各設定が完了したら、[OK]ボタンをクリックしてください

レイヤ->実像部品変換

DWG のレイヤを iCAD SX の実像部品へ変換する場合に設定します。DWG の各要素をレイヤ単位で


iCAD SX の実像部品へ変換し、DWG のレイヤ名を iCAD SX の実像部品名へ変換します。
本パラメータが設定された場合は、『複合図形の変換』の設定は無効となります。
DWG の複合図形を子図または実像部品へ変換したい場合は、本パラメータを設定しないでください。
「DWG=>iCAD SX パラメータ変更」ダイアログボックスにおいて、[レイヤ->実像部品変換]ボタンを
クリックすると、「DWG=>iCAD SX レイヤ->実像部品変換」ダイアログボックスが表示されます。

初期設定値は上図のとおりです。(チェックボックスは未チェック状態です。)
チェックボックスをクリックして選択してください。
設定が完了したら、[OK]ボタンをクリックしてください。

96
第4章 DWG→iCAD SX 変換

レイヤ->GV 変換

DWG の特定のレイヤの要素を iCAD SX のグローバルビューへ出力する場合に設定します。


DWG レイヤ名で指定されたレイヤの要素は、iCAD SX のグローバルビューへ出力されます。
本パラメータの設定内容と、『レイヤスケールの設定』の設定内容が重複する場合は、本パラメータの
設定内容が優先されます。
「DWG=>iCAD SX パラメータ変更」ダイアログボックスにおいて、[レイヤ→GV 変換]ボタンを
クリックすると、「DWG=>iCAD SX レイヤ->GV 変換」ダイアログボックスが表示されます。

■レイヤ->GV 変換の設定の追加方法

1) DWG レイヤ名の入力領域をクリックしてアクティブにした後、
グローバルビューへ変換する DWG のレイヤ名を入力します。
2) [追加]ボタンをクリックすると、DWG レイヤ名が左側のリストボックスに追加されます。

■レイヤ->GV 変換の設定の変更方法

1) 左側のリストボックスより変更する DWG レイヤ名をクリックして選択(反転表示)します。


2) 右側の DWG レイヤ名のボックスにおいて、DWG レイヤ名を変更します。
3) [変更]ボタンをクリックすると、変更された DWG レイヤ名が左側のリストボックスに表示されます。

■レイヤ->GV 変換の設定の削除方法

1) 左側のリストボックスより削除する DWG レイヤ名をクリックして選択(反転表示)します。


2) [削除]ボタンをクリックすると、選択された DWG レイヤ名が左側のリストボックスから削除されます。

設定が完了したら、[OK]ボタンをクリックしてください。

97
第4章 DWG→iCAD SX 変換

線幅の対応

DWG の線幅情報は実際の線幅値(実幅)で定義されます。一方、iCAD SX の線幅情報は線幅番号


(1:太線、2:中線、3:細線の 3 種類)で定義されます。本パラメータは、DWG の線幅値と iCAD SX の
線幅番号の対応付けを定義する場合に設定します。また、DWG 線幅のデフォルト値の設定ならびに
線幅情報変換のする/しないの設定もあわせて行えます。
「DWG=>iCAD SX パラメータ変更」ダイアログボックスにおいて、[線幅の対応]ボタンをクリックすると、
「DWG=>iCAD SX 線幅の対応」ダイアログボックスが表示されます。

初期設定値は、上図のとおりです。

■線幅情報の変換の設定方法

変換する/変換しないのいずれかのボタンをクリックし選択します。“変換しない”を選択すると、
DWG 線幅のデフォルト値および線幅変換時の判定値の設定部分が非アクティブとなります。

■DWG 線幅のデフォルト値の設定方法

DWG 線幅のデフォルト値の入力領域をクリックしてアクティブにした後、DWG の線幅値を入力します。


DWG ファイル内には、DWG 線幅のデフォルト値情報(実幅値データ)がありません。
さらに、DWG 要素の線幅属性がデフォルト値の場合、その線幅情報は線幅番号(フラグ)のみとなります。
このため、線幅属性がデフォルト値である DWG 要素を変換する際に使用する DWG 線幅値として、
本設定が必要となります。
また、AUTOCAD では、線幅のデフォルト値を変更することができます。
線幅のデフォルト値を変更した AUTOCAD で保存された DWG ファイルを変換する場合は、
AUTOCAD 上での線幅のデフォルト値と同等の線幅値を指定してください。

98
第4章 DWG→iCAD SX 変換

■線幅変換時の判定値の設定方法

細線の最大値または太線の最小値の入力領域をクリックしてアクティブにした後、DWG の線幅値を入力します。
入力された線幅値による線幅変換仕様を以下に示します。

例)細線の最大値 0.09、太線の最小値 0.50 と設定した場合


DWG の線幅値が 0.09 以下・・・・・・・・・iCAD SX の細線へ変換
DWG の線幅値が 0.09 超~0.50 未満 ・・・・・iCAD SX の中線へ変換
DWG の線幅値が 0.50 以上・・・・・・・・・iCAD SX の太線へ変換

各設定が完了したら、[OK]ボタンをクリックしてください。

レイアウト変換

レイアウトに対して変換/無変換を指定する場合に設定します。レイアウトを変換する場合、
レイアウト図面名で使用する iCAD SX 図面名部分の最大バイト数、ビューポート境界線により
クリッピングされない各要素に対する変換処理(削除する/削除しない)、ビューポート境界線の
線種および線幅、レイアウト図面名の使用禁止文字に対する置き換え文字、レイアウト図面の上書きが
指定できます。
「DWG=>iCAD SX パラメータ変更」ダイアログボックスにおいて、[レイアウト変換]ボタンをクリックすると、
「DWG=>iCAD SX レイアウト変換」ダイアログボックスが表示されます。

初期設定値は、レイアウト変換を行わない設定となっています。

■レイアウト変換する場合

レイアウト変換を“する”に設定すると、レイアウト変換に関する各設定部分がアクティブとなります。

99
第4章 DWG→iCAD SX 変換

■レイアウト図面名で使用する iCAD SX 図面名部分の最大バイト数の設定方法

レイアウト図面名で使用する iCAD SX 図面名部分の最大バイト数の入力領域をクリックしてアクティブに


した後、iCAD SX 図面名部分の最大使用バイト数を入力します。初期設定値は、26 です。
変更する場合は、バイト数を 1~38 の範囲で入力してください。

■ビューポート境界線上の各要素変換処理の設定方法

文字・製図要素内の文字・スプライン・楕円・楕円弧・ハッチングは、ビューポート境界線による
クリッピング処理対象外のため、これらの要素がビューポート境界線上に存在した場合の変換処理
(削除する/削除しない)を指定します。初期設定値は、“削除する”です。
各項目のボタン部分をクリックして選択してください。

■ビューポート境界線の線種の設定方法

ビューポート境界線の線種を指定します。初期設定値は、“実線”です。
変更する場合は、ボックスの右側の矢印をクリックすると iCAD SX 線種名のリストが表示されますので、
設定する線種名をクリックして選択してください。

■ビューポート境界線の線幅の設定方法

ビューポート境界線の線幅を指定します。初期設定値は、“中線”です。
変更する場合は、ボックスの右側の矢印をクリックすると iCAD SX 線幅名のリストが表示されますので、
設定する線幅名をクリックして選択してください。

■レイアウト図面名の使用禁止文字に対する置き換え文字の設定方法

DWG のレイアウト図面名に iCAD SX の図面名として使用できない文字が存在した場合に、


それらを置き換える文字を指定します。初期設定値は、半角文字が半角のアンダーバー“_”で、
全角文字が全角のアンダーバー“_”です。変更する場合は、半角文字または全角文字の入力領域を
クリックしてアクティブにした後、置き換え文字を入力します。

■レイアウト図面の上書きの設定方法

DWG のレイアウト図面を変換した iCAD SX の出力図面と同一名の図面が既に存在する場合に、


図面を上書きするか否かを指定します。
初期設定値は、レイアウト図面を上書きする設定となっています。
上書きしない場合は、チェックボックスのチェックをはずしてください。

各設定が完了したら、[OK]ボタンをクリックしてください。

100
第4章 DWG→iCAD SX 変換

ハッチングの変換

DWG のハッチング要素を変換する際、そのハッチング要素を変換対象とするか否かの判定基準である
“パターン毎のハッチング線分最大数”を変更する場合に設定します。
ハッチング対象領域のサイズに対しパターン線分のピッチが著しく微小なハッチング要素を変換した場合、
膨大な数のハッチングパターン線分要素が iCAD SX へ出力されるため、変換処理時間が異常に長くなる、さらには、
変換先データサイズの制限オーバーによる変換異常、などの現象が発生する恐れがあります。
これらの現象は、原因となる DWG のハッチング要素を変換しないことでしか回避できません。
これらの現象が発生した場合のみ、DWG のハッチング要素における1パターンあたりのハッチング線分最大数を
指定します。指定可能な値は、0~2,000,000,000 です。
DWG のハッチング要素を構成するパターンのうち、いずれかのパターン内でのハッチング線分数が本パラメータで
設定されている最大数を超えた場合、そのハッチング要素は変換されません。

「DWG=>iCAD SX パラメータ変更」ダイアログボックスにおいて、[ハッチングの変換]ボタンをクリックすると、
「DWG=>iCAD SX ハッチングの変換」ダイアログボックスが表示されます。

初期設定値は、100,000 です。変更する場合は、線分最大数を 0~2,000,000,000 の範囲で設定してください。

設定が完了したら、[OK]ボタンをクリックしてください。

101
第4章 DWG→iCAD SX 変換

4-3-4.エラーメッセージ一覧

DWG→iCAD SX 変換のエラーメッセージ一覧を以下に示します。

エラーメッセージ 原因・対処方法

1 DWG ファイル画が初期ロードできませんでし DWG ファイルに何らかの異常があります。


た。 AUTOCAD に取り込んで確認してください。

2 GWSS 環境を使用中にエラーが発生しまし iCAD SX とのインタフェースエラーです。


た。 サポート担当部署へご連絡ください。

3 作業領域が不足しています。 モデル格納時の iCAD SX のエラーです。


サポート担当部署へご連絡ください。

4 寸法線データ内の端点形状数が変換制限 DWG データの調査が必要です。


を越えました。 サポート担当部署へご連絡ください。

5 寸法線データ内の要素数が変換制限を越 DWG データの調査が必要です。


えました。 サポート担当部署へご連絡ください。

6 ワークファイルがオープンできません。 変換中にワークファイルまたはワークフォルダに異常が
ワークフォルダを確認してください。 発生しました。動作環境設定で指定しているワークフォ
ルダを確認してください。

7 モデルマスタがいっぱいです。 モデルマスタの制限を越えるためセーブできません。
モデルマスタを変更してください。

8 変換可能な図形要素が存在しません。 DWG ファイルに変換対象となるデータが存在しません。


DWG ファイルを確認してください。

9 変換中に異常が発生しました。 サポート担当部署へご連絡ください。

10 図面の格納に失敗しました。 サポート担当部署へご連絡ください。

11 ワークフォルダのディスク容量が 動作環境の設定によりワークフォルダを
不足しています。 変更してください。

12 メモリ不足が発生しました。 必要なメモリが足りません。
他のアプリケーションを終了してください。

13 図面の格納数が制限を越えました。 モデルマスタの制限を越えるためセーブできません。
モデルマスタを変更してください。

14 DWG の初期ロードでメモリ不足になりました。 必要なメモリが足りません。


他のアプリケーションを終了してください。

15 DWG ファイルに異常があります。 DWG ファイルに何らかの異常があります。


AUTOCAD に取り込んで確認してください。

16 DWG ファイルの読み込み時に、 DWG ファイルに何らかの異常があります。


異常が発生しました。 AUTOCAD に取り込んで確認してください。

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第5章 バッチ起動について

第5章 バッチ起動について

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第5章 バッチ起動について

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第5章 バッチ起動について

5-1.バッチ起動について

5-1-1.バッチ起動時の注意事項

iCAD SX-DWG のバッチ起動機能を使用する場合は、必ず起動用のバッチファイルを作成してください。


バッチ起動のコマンドパラメータを、コマンドプロンプトに直接入力された場合の動作は保証しておりません。

5-1-2.iCAD SX→DWG バッチ変換の実行

1) コマンドパラメータの説明
・1 つの図面を変換する場合
ictrans -bmd -i 入力図面名 -d“出力 DWG ファイル名”
[-c“パラメータファイル名”] [-o 上書きフラグ]
[-w“ワークフォルダ”]

・複数の図面を変換する場合
ictrans -bmd -f“データファイル名”
[-c“パラメータファイル名”] [-o 上書きフラグ]
[-w“ワークフォルダ”] [-s中断フラグ]

[]付のパラメータは省略可能です。
オプション識別子と指定内容との間に、ブランク等は挿入しないでください。
空白が存在するフォルダ・ファイル名を指定する場合は“”で囲んでください。

2) オプションの説明
・-bmd
iCAD SX→DWG 変換をバッチ起動するための指定です。
必ず先頭オプションとして指定します。

・-i 入力図面名
変換対象とする図面名を指定します。

・-d“出力 DWG ファイル名”


出力する DWG ファイル名をドライブからのフルパスで指定します。

・-f“データファイル名”
変換対象とする図面名と、出力する DWG ファイル名を定義したデータファイル名をドライブからのフルパスで指定します。
データファイルについての詳細は、『第 5 章 5-1-2. 3)データファイルの説明』を参照してください。

・-c“パラメータファイル名”
変換時に使用するパラメータファイル名をドライブからのフルパスで指定します。
省略した場合は、システムの標準設定が使用されます。
パラメータファイルについての詳細は、『第 5 章 5-1-2. 4)パラメータファイルの説明』を参照してください。

・-o 上書きフラグ
出力 DWG ファイルと同一名のファイルが既に存在する場合に、上書きするかしないかの指定を行います。
指定方法は以下の通りです。
-oON:DWG ファイルを上書きする
-oOFF:DWG ファイルを上書きしない
省略した場合は、DWG ファイルを上書きしません。

105
第5章 バッチ起動について

・-w“ワークフォルダ”
変換時に使用するワークフォルダをドライブからのフルパスで指定します。
省略した場合は、カレントフォルダが使用されます。

・-s 中断フラグ
複数の図面を変換する場合のみのオプションです。
変換時にエラーが発生した場合に、変換処理を中断するかしないかの指定を行います。
指定方法は以下の通りです。
-sON:変換を中断する
-sOFF:変換を中断しない
省略した場合は、変換を中断しません。

3) データファイルの説明
データファイルはテキストファイルとして作成してください。
以下の記述を 1 セットとして変換数分だけ繰り返して記述してください。

図面名
DWG ファイル名

DWG ファイル名に空白が存在しても“”で囲まないでください。
各レコードの末尾には、改行コードが必要です。

4) パラメータファイルの説明
パラメータファイルは「iCAD SX=>DWG 図面選択」ダイアログボックスにおいて
[パラメータ]ボタンをクリックし作成してください。
詳細は、『第 3 章 3-3-2. 変換制御パラメータの設定方法』を参照してください。
パラメータファイルは、iCAD SX-DWG をインストールしたフォルダ\ETC\ICPARA 配下に作成されます。

5) メッセージファイルの説明
変換結果のログは、X:\XXX\TRANSMSG\BATCHLOG.MSG
(X:\XXX は iCAD SX-DWG をインストールしたフォルダ)に出力されます。

5-1-3.DWG→iCAD SX バッチ変換の実行

1) コマンドパラメータの説明
・1 つの DWG ファイルを変換する場合
ictrans -bdm -d“入力 DWG ファイル名” -i 出力図面名
[-c“パラメータファイル名”] [-o 上書きフラグ]
[-w“ワークフォルダ”]

・複数の DWG ファイルを変換する場合


ictrans -bdm -f“データファイル名”
[-c“パラメータファイル名”] [-o 上書きフラグ]
[-w“ワークフォルダ”] [-s 中断フラグ]

[]付のパラメータは省略可能です。
オプション識別子と指定内容との間に、ブランク等は挿入しないでください。
空白が存在するフォルダ・ファイル名を指定する場合は“”で囲んでください。

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第5章 バッチ起動について

2) オプションの説明
・-bdm
DWG→iCAD SX 変換をバッチ起動するための指定です。
必ず先頭オプションとして指定します。

・-d“入力 DWG ファイル名”


変換対象とする DWG ファイル名をドライブからのフルパスで指定します。

・-i 出力図面名
出力する図面名を指定します。

・-f“データファイル名”
変換対象とする DWG ファイル名と、出力する図面名を定義したデータファイル名をドライブからのフルパスで指定します。
データファイルについての詳細は、『第 5 章 5-1-3. 3)データファイルの説明』を参照してください。

・-c“パラメータファイル名”
変換時に使用するパラメータファイル名をドライブからのフルパスで指定します。
省略した場合は、システムの標準設定が使用されます。
パラメータファイルについての詳細は、『第 5 章 5-1-3. 4)パラメータファイルの説明』を参照してください。

・-o 上書きフラグ
出力図面と同一名の図面が既に存在する場合に、上書きするかしないかの指定を行います。
指定方法は以下の通りです。
-oON:図面を上書きする
-oOFF:図面を上書きしない
省略した場合は、図面を上書きしません。

・-w“ワークフォルダ”
変換時に使用するワークフォルダをドライブからのフルパスで指定します。
省略した場合は、カレントフォルダが使用されます。

・-s 中断フラグ
複数の DWG ファイルを変換する場合のみのオプションです。
変換時にエラーが発生した場合に、変換処理を中断するかしないかの指定を行います。
指定方法は以下の通りです。
-sON:変換を中断する
-sOFF:変換を中断しない
省略した場合は、変換を中断しません。

3) データファイルの説明
データファイルはテキストファイルとして作成してください。
以下の記述を 1 セットとして変換数分だけ繰り返して記述してください。
DWG ファイル名
図面名

DWG ファイル名に空白が存在しても“”で囲まないでください。
各レコードの末尾には、改行コードが必要です。

4) パラメータファイルの説明
パラメータファイルは「DWG=>iCAD SX DWG 選択」ダイアログボックスにおいて[パラメータ]ボタンをクリックし、
作成してください。詳細は、『第 4 章 4-3-2. 変換制御パラメータの設定方法』を参照してください。
パラメータファイルは、iCAD SX-DWG をインストールしたフォルダ\ETC\CIPARA 配下に作成されます。

5) メッセージファイルの説明
変換結果のログは、X:\XXX\TRANSMSG\BATCHLOG.MSG
(X:\XXX は iCAD SX-DWG をインストールしたフォルダ)に出力されます。

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第5章 バッチ起動について

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