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尺八の伝来

尺八は古くに中国から伝わったとされていますが、中国に日本の現在の尺八と構造の似た楽器は残っていないようです。
日本最古の尺八は『正倉院に保管されている尺八』とされていますが、中国から伝わり、その後どのような経緯で改良が
加えられ現状の楽器になったかについては具体的な文献は残っておりません。
ある程度判明しているのは『明暗流の人達が今よりも短い 1 尺 1 寸の尺八を持ち歩き吹奏していた』と言われており
その後一般層にも広がると共に、お筝・三弦との地歌合奏などを試みるようになったのをきっかけに
1尺 8 寸の長さが主流になった と言われています。
現在では『都山流(とざんりゅう)』と『琴古流(きんこりゅう)』という 2 つの流派に大別出来ますが(民謡伴奏の尺八を除く)
奏法や記譜法など、いくつかの細かい点が異なります。

尺八の構造
もっとも使用頻度の高い標準的な尺八は全長が54cm 強の一尺八寸管(いっしゃくはっすんかん)で、
これを略して≪八寸管(はっすんかん)≫と呼びます。
また材料になる竹は、通常では 7 つ節のある竹が使われます。
(ただし民謡では歌い手の声の高さに合わせる為、1寸刻み:半音刻みで楽器を用意する必要があります。)

1. 唄口(うたぐち)・・・息をかけて音を作り出す重要な部位
唄口の形状は都山流(とざんりゅう)と琴古流(きんこりゅう)とでは違います。
※この部分が音に大きく影響しますので破損などしないよう保護しながら取り扱います

2. 中継(なかつぎ)・・・上管と下管のつなぎ目
古くは一本の竹を切断せずに延管(のべかん)を作っていましたが、現在では一本の竹を中間部で上下に分割し
ジョイントできるように加工したものが主流です。
これは楽器作製の際に内部構造をより細密に調整できるとの理由からですが、結果として持ち運びにも便利になっています。
そして、この中継部分の外観は、籐(とう)や貴金属で化粧を施します。

3. 株・蕪(かぶ)および管尻(かんじり)
一般の方から見れば、この部位が最も尺八らしさを感じる部位かもしれません。
あえて根っこの部分を残してありますが、これは見た目の体裁(美しさ)を整えるだけでなく
音の響き・音色にも深いかかわりがある部分でもあります。

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