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⽇本⽂学

約 年にわたる⽇本語で書かれ
2000
た⽂学作品
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詳細
⽇本⽂学(にほんぶんがく)とは、⽇本語で書かれた⽂学作品、あるいは⽇
本⼈が書いた⽂学、もしくは⽇本で発表された⽂学である。中国の古典語で
ある漢⽂も、⽇本⼈によって創作されている場合、⽇本⽂学に含まれる。上
記の作品やそれらを創作した⼩説家・詩⼈などを研究する学問も⽇本⽂学と
呼ばれる。国⽂学と呼ばれることもある。

紫式部
夏⽬漱⽯

⽇本⽂学の歴史は極めて永く、古くは7世紀までさかのぼる。同⼀⾔語・同⼀
国家の⽂学が1400年近くにわたって書き続けられ読み続けられることは世界
的に類例が少ない。平安時代に紫式部によって書かれた『源⽒物語』は世界
的に⾼い評価を受けており、江⼾時代の松尾芭蕉も現在の俳句ブームにより
広く知られている。近代の⽇本⽂学においても、夏⽬漱⽯・森鷗外・⾕崎潤
⼀郎などが世界的に認知されている。
2020年までに、2名のノーベル⽂学賞受賞者(川端康成・⼤江健三郎)を輩
出している。
古代・中世の⽇本⽂学は中国からの⽂化的影響が著しく、⽇本が仏教を受け
容れたことからインド⽂学の間接的影響もみられる。中国⽂学の影響は近世
にもみられるが、いずれの時代においても⽇本⼈固有の独創性が顕著にみら
れる。明治維新以降は欧⽶の⽂化的影響を強く受けたが、英⽶⽂学・フラン
ス⽂学・ドイツ⽂学・ロシア⽂学などを短期間のうちに摂取・模倣し、⽇本
独⾃の⾼度な近代⽂学を創造していった。近代⽇本⽂学は中国・朝鮮の近代
⽂学の形成に⼤きな影響を与えた。第⼆次世界⼤戦の後も、三島由紀夫・安
部公房・村上春樹などの作品が世界的に広く読まれており、現代の世界⽂学
に多⼤な影響を与えている。
定義 …

⽇本⽂学の定義を何に求めるかについては諸説あり、⽂学作品の⾔語、創作
者の国籍、発表された地域、⽂学の形式など多くの要素が考えられる。⽇本
語を⺟語としない外国⼈の⼩説家・詩⼈が⽇本語作品を書くこともあるし、
⽇本⼈の⼩説家・詩⼈が⽇本語以外の⾔語で作品を書くこともある。例えば
⻄脇順三郎は⽇本語と英語、多和⽥葉⼦は⽇本語とドイツ語の双⽅で作品を
執筆している。このように国籍や居住地と⾔語とが⼀致しない場合もあるこ
とを考慮し、⽇本語⽂学という呼称が使われることもあるが、この場合伝統
的な⽇本⽂学に根ざしてきた漢⽂・漢詩の扱いが微妙になる。⽇本⽂学を国
⽂学と呼ぶことも多いが、国⽂学 注釈 と⽇本⽂学との同⼀性には議論があ
[ 1]

る 。
[1]

時代区分による分類 …

「⽇本史時代区分表」も参照
歴史学のように政体の変遷に注⽬することが必ずしも相応しいわけではない
が、⽬安にされることが多い。また、以下のように、上代・中古・中世・近
世・近現代という区分が⼀般になされるが、研究者によって異論もあり、中
古を設定しない場合もある。近代と現代を分離するか否かについても諸説あ
り、定まっていない。
丸⾕才⼀は勅撰集により⽇本⽂学史の歴史区分を⾏うことを提⽰した。

上代⽂学(⾶⿃時代・奈良時代の⽂学) …
詳細は「⽇本の上代⽂学史」を参照
奈良時代まで。中国⼤陸から漢字が輸⼊され、漢⽂と、⾃分たちの話し⾔葉
に漢字を当てはめた万葉仮名が使われるようになった。『古事記』(712年)
『⽇本書紀』(720年)のような史書や、『万葉集』のような歌集が⽣まれ
た。
中古⽂学(平安時代の⽂学) …
詳細は「⽇本の中古⽂学史」を参照
平安時代。漢詩・漢⽂が引き続き栄えるとともに、初の勅撰和歌集である
『古今和歌集』が編纂され、和歌が漢詩と対等の位置を占めた。当時の公式
⽂書は漢⽂であったが、平仮名の和⽂による表現が盛んにはじまり、紀貫之
の『⼟佐⽇記』が書かれたのに続き、清少納⾔の随筆『枕草⼦』、紫式部の
『源⽒物語』など古典⽂学の代表作と⾔える作品が著された。
中世⽂学(鎌倉時代・室町時代・安⼟桃⼭時代の⽂学) …
詳細は「⽇本の中世⽂学史」を参照
鎌倉時代から安⼟桃⼭時代まで。藤原定家らによって華麗な技巧に特徴があ
る『新古今和歌集』が編まれた。また、現代⽇本語の直系の祖先と⾔える和
漢混淆⽂によって多くの作品が書かれた。鴨⻑明の『⽅丈記』、吉⽥兼好の
『徒然草』などがこれにあたる。作者不詳のものとして『平家物語』が挙げ
られる。また、猿楽の発達が⾒られた。

近世⽂学(江⼾時代の⽂学) …
詳細は「⽇本の近世⽂学史」を参照
江⼾時代。お伽草⼦の流れを汲み、仮名草⼦や井原⻄鶴らの浮世草⼦がうま
れた。また、歌舞伎や浄瑠璃が興り、近松⾨左衛⾨などが⼈気を博した。俳
諧が盛んになり、松尾芭蕉、⼩林⼀茶といった⼈々が活躍した。
近現代⽂学(明治・⼤正・昭和・平成・令和時代の⽂学) …
詳細は「⽇本の近現代⽂学史」を参照
明治維新後、⽂明開化による⻄欧⽂明の輸⼊と近代国家の建設が進められ、
いわゆる「⽂学」という概念が⽣まれた時代。⻄欧近代⼩説の理念が輸⼊さ
れ、現代的な⽇本語の書き⾔葉が⽣み出された。坪内逍遥の『⼩説神髄』の
⽰唆を受けて創作された、⼆葉亭四迷の『浮雲』によって、近代⽇本⽂学が
成⽴したとされる。⽇本⽂学は、朝鮮や中国の近代⽂学の成⽴にも⼤きな影
響を及ぼした。なお、近代と現代を分離し、戦前の⽂学を「近代⽂学」、戦
後の⽂学を「現代⽂学」として分ける場合もある。
形式 …

散⽂
物語 - 古物語 - 作り物語 - 歌物語 - 擬古物語 - 軍記物語
説話
⼩説 - 私⼩説 - 戯作
戯曲 - 能 - 歌舞伎 - ⽂楽(⼈形浄瑠璃)
随筆
⽇記
紀⾏
伝記・⾃伝 - 往⽣伝
⽂芸評論
韻⽂
詩 - ⾃由詩 - 定型詩 - 散⽂詩
和歌 - 短歌 - ⻑歌 - 旋頭歌 - 仏⾜⽯歌
連歌 - 俳諧連歌 - 狂歌 - 俳諧(連句)
俳句 - 定型 - ⾃由律
川柳 - 狂句
歌謡 - 記紀歌謡 - 今様 - ⼩唄
漢詩
⽇本⽂学に隣接する⽂学活動 …
近隣では古代から中国⽂学の⼤きな影響を受け続け、明治時代に⾔⽂⼀致運
動が⾼揚するまで、漢詩や漢⽂も⽇本⽂学の⼀部として重きを置かれてい
た。琉球⽂学の活動と隣接しており、中国⽂学とともに⽇本⽂学は琉球⽂学
の成⽴に関わっている。近代以降の⽇本⽂学は、英⽶⽂学、フランス⽂学、
ドイツ⽂学、ロシア⽂学など欧⽶の⽂学から強く影響を受けたが、その摂
取・模倣により、独⾃の近代⽂学を創造した。⽇本の近代⽂学は、⾟亥⾰命
以降の近代中国⽂学や、近代⽂学としての朝鮮⽂学の成⽴に深く関わった。
⽇本⽂学の研究 …

「評論家⼀覧」、「⽐較⽂学」、および「翻訳⽂学」も参照
⽇本⽂学研究は、上代⽂学・中古⽂学・中世⽂学・近世⽂学・近代⽂学・漢
⽂学の6つの区分のもと、研究が進められている。それぞれの分野は独⽴しつ
つも、研究対象や研究⼿法が共有されたり、研究者の研究対象が複数分野に
またがることも少なくない。以下、⽇本⽂学研究における時代区分と、関連
する⽇本学術会議協⼒学術研究団体を挙げる。
上代⽂学 - 上代⽂学会 。萬葉学会 。
[2] [3]

中古⽂学 - 中古⽂学会 。和歌⽂学会 。


[4] [5]

中世⽂学 - 中世⽂学会 。
[6]

近世⽂学 - ⽇本近世⽂学会 。俳⽂学会 。歌舞伎学会 。


[7] [8] [9]

近現代⽂学 - ⽇本近代⽂学会 。昭和⽂学会 。⽇本社会⽂学会 。


[10] [11] [12]

漢⽂学 - 和漢⽐較⽂学会 。 [13]

⽂学全般 - ⽇本⽂学協会 。解釈学会 。


[14] [15]

⽂学研究は、作品の解釈や作⾵を考察する研究が⼀般に知られているが、20
世紀後半以降、⽂学理論の影響で研究⼿法は⾮常に幅広いものとなってい
る。例えば、古典⽂学(上代〜近世)研究では、新出資料の発⾒や翻刻、研
究対象とする諸本の系統を明らかにする写本系統学、書籍の出版・流通過程
に関する研究、書誌学を⽤いた研究などが⾏われている 。近年は、くずし [16]

字解読やデータベースによる画像公開といった情報学分野、美術史的観点か
らの検証や芸術家による創作活動⽀援といった美術分野との連携も進んでい
る。また、近現代⽂学研究では、いわゆる⽂豪と呼ばれる作家やその作品を
研究対象とするだけでなく、ライトノベルや漫画・アニメといったサブカル
チャーを研究対象とした研究も⾏われている。
また、⽇本⽂学作品が海外において徐々に認知される中、古典から現代⽂学
までが幅広く研究対象となり、エドワード・サイデンステッガー、ドナル
ド・キーン、ロバート・キャンベル、ピーター・マクミランといった翻訳
家・研究者が、多くの著作を残している。
⽂学賞 …

近代以降、多くの⽂学賞が創設され、作家の発掘と育成に貢献している。
詳細は「⽂学賞の⼀覧」を参照
また、⽇本⽂学研究に関して、⽇本学術会議協⼒学術研究団体をはじめとし
た様々な学会で、学会賞が授与されている。
⽇本⼈以外の⽇本語⽂学 …

アーサー・ビナード
シリン・ネザマフィ
⽥原 (詩⼈)
デビット・ゾペティ
マブソン⻘眼
楊逸
ジェフリー・アングルス (Jeffrey Angles)
台湾に所縁のある⼈物の⽇本語の⽂学 …
「台湾の⽂学」も参照
楊逵
張⽂環
呂赫若
陳舜⾂
⻩霊芝
リービ英雄(⽶国出⾝だが、少年期の⼀時期を台湾で過ごした)
温⼜柔
在⽇朝鮮⼈の⽇本語の⽂学 …
「在⽇朝鮮⼈⽂学」を参照

⽇本⼈の⽇本語以外の⽂学 …

⽇系⼈(1世)を含む
野⼝⽶次郎 - 英語
⻄脇順三郎 - 英語
カズオ・イシグロ - 英語
キョウコ・モリ -英語
多和⽥葉⼦ - ドイツ語
⽔村美苗 - 英語
宮本正男 - エスペラント
脚注 …

脚注の使い⽅]
[

注釈 …
岡部美⼆⼆は国⽂学を「国語国⽂に依って芸術家の⼼理過程の顕現せ
1. ^
られたもの」で「芸術の⼀分野である」と定義した上で、「国⽂学が芸
術の⼀分野として確⽴する以上、其研究は、作物それ⾃体の⾮芸術的価
値の批評を其本質とすべき」だと論じている(『帝国⽂学』⼀九⼀六年
⼆⽉号「国⽂学の研究に就て」140 - 141⾴)。
出典 …
1. ^ 秋⼭虔「⽇本語・⽇本⽂学研究−これからの百年−」全国⼤学国語国⽂
学会夏季⼤会 2008年6⽉7⽇ 和洋⼥⼦⼤学 全国⼤学国語国⽂学会夏季⼤
会基調講演
2. ^ “上代⽂学会 (http://jodaibungakukai.org/index.html) ”.
jodaibungakukai.org. 2019年11⽉15⽇閲覧。

3. ^ “萬葉学会|MANYO SOCIETY (http://manyoug.jp/) ”. manyoug.jp.


2019年11⽉15⽇閲覧。

4. ^ “中古⽂学会 (http://chukobungakukai.org/) ”. chukobungakukai.org.


2019年11⽉15⽇閲覧。

5. ^ “和歌⽂学会 | TOP (http://wakabun.jp/index.html) ”. wakabun.jp. 2019


年11⽉15⽇閲覧。
. ^ “中世⽂学会 (http://www.chusei.org/) ”. www.chusei.org. 2019年11⽉
15⽇閲覧。

7. ^ “⽇本近世⽂学会 (http://www.kinseibungakukai.com/) ”.
www.kinseibungakukai.com. 2019年11⽉15⽇閲覧。

. ^ “俳⽂学会 (http://www.haibun.org/) ”. www.haibun.org. 2019年11⽉15


⽇閲覧。
9. ^ “歌舞伎学会 | ⽇本学術研究⽀援協会
(https://jarsa.jp/society/s5535/) ”. jarsa.jp. 2019年11⽉15⽇閲覧。

10. ^ “⽇本近代⽂学会 (http://amjls.web.fc2.com/) ”. amjls.web.fc2.com.


2019年11⽉15⽇閲覧。

11. ^ “昭和⽂学会公式website. | 昭和⽂学会公式website. (http://swbg.org/


wp/) ” (⽇本語). 2019年11⽉15⽇閲覧。
12. ^ “⽇本社会⽂学会[⽇本社会⽂学会について] (http://ajsl.web.fc2.com/
shui-sho.html) ”. ajsl.web.fc2.com. 2019年11⽉15⽇閲覧。

13. ^ “和漢⽐較⽂学会【表紙】 (http://wakan-jpn.org/) ”. wakan-jpn.org.


2019年11⽉15⽇閲覧。

14. ^ “⽇本⽂学協会ホームページ (http://nihonbungaku.server-shared.co


m/) ”. nihonbungaku.server-shared.com. 2019年11⽉15⽇閲覧。

15. ^ “解釈学会 (http://www.kaishaku.jp/) ” (⽇本語). 解釈学会. 2019年11⽉


15⽇閲覧。

1 . ^ “⽇本の古典研究を⽀える書誌学の世界:[慶應義塾 (https://www.keio.a
c.jp/ja/keio-times/features/2019/8/) ]” (⽇本語). www.keio.ac.jp. 2019年
11⽉15⽇閲覧。

関連⽂献
折⼝信夫『古代研究〈3〉国⽂学の発⽣』中公クラシックス、中央公論新社
ISBN 4-12-160056-8

藤井貞和『国⽂学の誕⽣』三元社 ISBN 4-88303-066-0


笹沼俊暁『「国⽂学」の思想 その繁栄と終焉』学術叢書、学術出版会 ISBN
4-8205-2093-8

安⽥敏朗『国⽂学の時空 久松潜⼀と⽇本⽂化論』三元社 ISBN 4-88303-


094-6

関連項⽬
国学
国語学
歌学
書誌学
⽂壇
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⽂学理論
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外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、⽇本⽂学 (https://commons.wikimedia.org/
wiki/Category:Literature_of_Japan?uselang=ja)に関連するカテゴリがありま
す。
資料:鑑賞主義論争 (https://bunkyoken.org/72siryo_kansyosyugi/siryo_kan
syosyugihronso-mokuji.html)

『⽇本⽂学 (https://kotobank.jp/word/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%96%8
7%E5%AD%A6) 』 - コトバンク
「https://ja.wikipedia.org/w/index.php?
title=⽇本⽂学&oldid=85176932」から取

最終編集: 25 ⽇前、Mby2

コンテンツは、特に記載されていない限
り、CC BY-SA 3.0 のもとで利⽤可能で
す。

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