ぎりとにんじょう

I. しょうかい
“義理”と“人情” は、日本のぶんかやしゃかいにおいてじうようながいねんす。
これらのようごは、義務とこじんてきなかんじょうとのきんちょうかんけいをあらわすためにしばしばしよう
されます。
義理とはたにんにたいする義務かん、せきにんかん、しゃかいてきせきにんおいみします。じぶん
のぎむとせきにんをはたし、しゃかいかんけいのちょうわとばらんすをいじし、めよやひょうばんをまもるこ
とがぎむです．
“人情”はげいじゅつやぶんがくでしょうさんされることがおういですが、しゃかいてきなぎむしょう
とつすると、ふんそうやきんちょうをひきおこすかのうせいがあります。
総じて、“義理”と”人情”は、日本文化やしゃかいのふくざつでびみょうなせいしつをはんえいす
るがいねんであり、日本のアイデンティティ やこうどうをけいせいするかちかん、しんねん、しゃかいてきき
はんをしめしています。

II. れきしてきはいけい
ぎり にんじょう こだいにほん ぶんか しゃかい
義理」と「 人 情 」のルーツは、 古 代 日 本 の 文 化 にさかのぼり、 社 会 、かちかん、きは
じかん にほん
んのへんかをはんえいしながら 時 間 とともにしんかしてきました。これらのがいねんは、 日 本 をぶんだ
んしたしょしぞくかんのせいじてきそうごさようのとくちょうとしてせんそうとたいりつが 千四百
ねんだいしょとう
年 代 初 頭 からがいぶかされるようになりました。せんそうのじだいにはよくあるように、せんとうと
なか じしん
あらそいの 中 でそだてられたひとびと、ぐたいてきにはぶしたちは、 自 身 のこうどうのりんりてきそくめ
く かえ と なお
んを繰り 返 し問い 直 すことがありました。このようなかっとうは、ひとびとの心をぎむかんとりょうしん
あいだ
の 間 でひきさいたけっかとしてあらわれました。そのため、きょうりょくなせんしのしどうしゃであるだ
おお
いみょうたちは、かれらのちゅうじつなせんしとしじしゃに、 大 きなぜんのために
ちゅうおうしゅうけんてき
中 央 集 権 的 なちからにちゅうじつであることが、よりちいさな、よりじゅうようでないぎむをう
わまわることをどうにゅうしはじめました。
じ き にほん ぶんか ぎり
この時期、 日 本 の 文 化 に「義理」がふかくねづき、こじんはしゃかいてきかいそうないでのや
にんじょう
くわりとせきにんにしたがうことがきたいされました。どうように、「 人 情 」はたいしょうてきに、しゃか
なか ほんもの
いてきなぎむにたいするせいやくの 中 で 本 物 のかんじょうとにんげんのつながりをひょうげんする
ことをかのうにするバランスとしてはなひらきました。
ぎ り にんじょう
III. 「義理」と「 人 情 」のそうごさようは、いかのようなぶんみゃくでもしめされていま
す：
にほん ぎり こども
•でんとうてきな 日 本 のかていでは、「義理」にしたがい、 子 供 たちはこうれいのりょうしんにざ
いせいてきなしえんとかいごをていきょうするひつようがあります。ただし、おやがまっきしっかんでくるし
 にんじょう くる
んでいるばあい、「 人 情 」はこどもたちにおやの 苦 しみをこうりょし、おやのくつうをおわらせるせん
たくをするよううながすかもしれません。たとえそれがかれらのぎむにはんするばあいでも。
ぎり
• きぎょうかんきょうでは、「義理」はじゅうぎょういんがしめきりをまもり、こようぬしのきたいにこた
えるためにちょうじかんろうどうすることをすいしんするかもしれません。しかし、どうりょうがきょくどのスト
にんじょう
レスやひろうにちょくめんしているばあい、「 人 情 」はじゅうぎょういんにサポートをていきょうするよう
しょうれいするかもしれません。たとえそれがしめきりをのがすことをいみするばあいでも。
にほん
• 日 本 のしゃかいはれいぎただしさとたにんのこじんてきなスペースへのそんちょうにつよくしょ
み にんじょう
うてんをあてています。しかし、だれかがこうきょうのばでストレスをかんじているのを見ると、「 人 情 」
ひと
はその 人 に近づいてえんじょをていきょうするよううながすかもしれません。
ぎり にんじょう み
「義理」と「 人 情 」のそんざいは、えいがやぶんがくのせかいでも見られます。これらのがい
にほん ぶんか
ねんは、 日 本 の 文 化 のじゅうようなようそであり、こじんのこうどう、しゃかいきはん、こじんかんけいの
にほん
ダイナミクスに影響を与えています。 日 本 のしゃかいがしんかするにつれて、これらのがいねんはげん
だいのかだいにてきおうしつつ、きほんてきなかちかんをいじしつづけています。
ぎ り にんじょう み
IV. 義理」と「 人 情 」のがいねんはえいがやぶんがくのせかいでも見られま
す：
えいが にほんぶんか
このがいねんはげんざい、 映 画 と 日 本 文 化 のたんじゅんながいねんからせつりりすことが
できないものとなっています。えいがのたんきゅう、ぶんがくのどりょく、どりょくのしんかのどのそくめんも、
これらのがいねんからかんぜんにぶんりできません。それらのがいねんは、むろまちじだいしょきからはじ
にほん
まり、 日 本 のこころにふかくねづいています。
A. えいが:
ぎり
『しんじゅうてんもうしま』（にった千九百六十九）は、そのよくしられたストーリーで、「義理」、す
かぞく にんじょう ひと あいだ
なわち 家 族 へのせきむ、と「 人 情 」、あいする 人 のこうふくをついきゅうすることとの 間 でたた
かうキャラクターをふくむ、このジャンルのじゅうようなさくひんとしてのこります。ものがたりのひょうめん
み
てきなようそは、しゅじんこうのせんたくしをみちびくうんめいがどちらにでもみちびくかのように見えるか
もしれませんが、じっさいのえいがのスタイルや「ほくろ」（ものがたりのうんめいのしんのしんぱんしゃ）
おお ぎり み
はそのようなけっかをゆるしません。 多 くのかんとくが「義理」のせんたくがみりょくてきではないと見な
にんじょう あき
すこのじきに、しゅじんこうのどりょくにもかかわらず、「 人 情 」のせんたくしが 明 らかにゆいいつの
せんたくしであるようにえいがのしんこうをいっかんしてちょうせいまたはサポートするようにえらびました。
にんじょう ほくろ
ものがたりが「 人 情 」のせんたくしにむかうきかいがあるときだけ、「 黒 子 」はえいがのしんこうを
ちょうせいまたはサポートするようです。
 ぶんがく
B. 文 学 において：

にんじょう ぎり せんがまつもんざえもん
「 人 情 」と「義理」のたいひは、 千 賀 松 門 左 衛 門 のさくひんでめいかくにあらわれて
にほん なか ぎり
おり、かれはときおり「 日 本 のシェイクスピア」ともよばれています。かれのさくひんの 中 で、「義理」と
にんじょう
「 人 情 」のがいねんがひょうげんされているものの一つは、「めいどのひきゃく」、じごくのししゃのい
はたら はたら
です。このさくひんは、ようふのうんそうがいしゃで 働 くだんせいが、ちゃみせのゆうじょとして 働 い
かいしゃ
ているあいじんをすくうために 会 社 をぬすんでしまうというものがたりです。だんせいはこじんのかん
あいだ
じょうと、しんらいをうらぎったようふへのぎむとの 間 でかっとうし、さいしゅうてきにじさつをえらびま
す。
ぎり にんじょう
「義理」と「 人 情 」は、こじんのこうどう、しゃかいてききはん、こじんかんけいのダイナミクスに
あた にほん ぶんか にほん
えいきょうを 与 えつづけ、 日 本 の 文 化 においてこんぽんてきなようそでありつづけています。 日 本
なか
のしゃかいがしんかする 中 で、これらのがいねんはげんだいのかだいにてきおうし、どうじにきほんてき
なかちかんをほじしています。