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● 安全上のご注意 ●

(ご使用前に必ずお読みください)

本製品のご使用に際しては,本マニュアルおよび本マニュアルで紹介している関連マニュアルをよくお
読みいただくと共に,安全に対して十分に注意を払って,正しい取扱いをしていただくようお願いいたし
ます。
本マニュアルで示す注意事項は,本製品に関するもののみについて記載したものです。モーションコン
トローラの安全上のご注意に関しては,Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPUユーザーズマニュアルを参照してくだ
さい。
この●安全上のご注意●では,安全注意事項のランクを「危険」,「注意」として区分してあります。

取扱いを誤った場合に,危険な状況が起こりえて,死亡または重傷を
危険 受ける可能性が想定される場合。

取扱いを誤った場合に,危険な状況が起こりえて,中程度の傷害や軽
注意 傷を受ける可能性が想定される場合および物的損傷だけの発生が想定
される場合。

なお, 注意に記載した事項でも,状況によっては重大な結果に結びつく可能性があります。
いずれも重要な内容を記載していますので必ず守ってください。

本マニュアルは必要なときに読めるよう大切に保管すると共に,必ず最終ユーザまでお届けいただくよ
うお願いいたします。

A - 1
安全にお使いいただくために
1.感電防止のために
危険
● 通電中および運転中は前面ケースや端子台カバーを開けないでください。感電の原因となります。
● 前面ケースや端子カバーを外しての運転は行わないでください。高電圧の端子および充電部が露出
していますので,感電の原因となります。
● 電源OFF時でも配線作業・定期点検以外では前面ケースや端子カバーを外さないでください。コン
トローラ,サーボアンプ内部は充電されており,感電の原因となります。
● ユニットの着脱,配線作業および点検は,必ずシステムで使用している外部供給電源を全相遮断し
てから行ってください。感電の原因となります。
● 配線作業や点検は,電源OFF後,10分以上経過した後に,テスタなどで電圧を確認してから行って
ください。感電の原因となります。
● コントローラ,サーボアンプおよびサーボモータは,D種接地(第三種接地)以上の接地工事を行っ
てください。また,他の機器の接地とは共用しないでください。
● 配線作業や点検は専門の技術者が行ってください。
● コントローラ,サーボアンプおよびサーボモータは据え付けてから配線してください。感電,傷害
の原因となります。
● 濡れた手でスイッチ操作しないでください。感電の原因となります。
● ケーブルを傷つけたり,無理なストレスをかけたり,重いものを載せたり,挟み込んだりしないで
ください。感電の原因となります。
● 通電中はコントローラ,サーボアンプ,サーボモータの端子台に触れないでください。感電の原因
となります。
● コントローラやサーボアンプの内部電源や内部グランド,信号線に触れないでください。感電の原
因となります。

2.火災防止のために
注意
● コントローラ,サーボアンプ,サーボモータ,回生抵抗は,不燃物に取り付けてください。可燃物
への直接取付け,または可燃物近くへの取付けは,火災の原因となります。
● コントローラ,サーボアンプが故障した場合は,サーボアンプの電源側で電源を遮断してください。
大電流が流れ続けると,火災の原因となります。
● 回生抵抗を使用する場合は,異常信号で電源を遮断してください。回生トランジスタの故障などに
より,回生抵抗が異常過熱し,火災の原因となります。
● サーボアンプや回生抵抗を設置する制御盤内面や使用する電線は,難燃処理などの熱対策を実施し
てください。火災の原因となります。
● ケーブルを傷つけたり,無理なストレスをかけたり,重いものを載せたり,挟み込んだりしないで
ください。火災の原因となります。

A - 2
3.傷害防止のために
注意
● 各端子には取扱説明書に決められた電圧以外は印加しないでください。破裂,破損などの原因とな
ります。
● 端子接続を間違えないでください。破裂,破損などの原因となります。
● 極性( + - )を間違えないでください。破裂,破損などの原因となります。
● 通電中や電源遮断後しばらくの間は,コントローラやサーボアンプの放熱フィン,回生抵抗,サー
ボモータなどは高温になる場合がありますので,触れないでください。火傷の原因となります。
● サーボモータ軸やそれに連結する機械に触れる場合は,電源を遮断した後に行ってください。傷害
の原因となります。
● 試験運転やティーチングなどの運転中は機械に近寄らないでください。傷害の原因となります。

4.諸注意事項
次の注意事項につきましても充分留意ください。取扱いを誤った場合には,故障,けが,感電などの原
因となります。

(1) システム構築について

注意
● コントローラ,サーボアンプの電源には漏電ブレーカを設置してください。
● エラー発生時の電源遮断用電磁接触器の設置を取扱説明書で規定しているサーボアンプなどにつ
いては,電磁接触器を設置してください。
● 即時に運転停止し,電源を遮断できるように外部に非常停止回路を設置してください。
● コントローラ,サーボアンプ,サーボモータ,回生抵抗は,取扱説明書に記載された正しい組合せ
で使用してください。火災,故障発生の原因となります。
● コントローラ,ベースユニット,モーションユニットは,取扱説明書に記載された正しい組合せで
使用してください。故障発生の原因となります。
● コントローラ,サーボアンプ,サーボモータを使用したシステムとしての安全基準(たとえばロボッ
トなどの安全通則など)のあるものは安全基準を満足させてください。
● コントローラ,サーボアンプの異常時動作とシステムとしての安全方向動作が異なる場合は,コン
トローラ,サーボアンプの外部で対策回路を構成してください。
● 緊急停止,非常停止,サーボオフ,電源断時のサーボモータのフリーランが問題となるシステムで
は,ダイナミックブレーキを使用してください。
● ダイナミックブレーキを使用した場合でも惰性量を考慮したシステムとしてください。
● 緊急停止,非常停止,サーボオフ,電源断時の垂直軸落下が問題となるシステムでは,ダイナミッ
クブレーキと電磁ブレーキを併用してください。
● ダイナミックブレーキは緊急停止,非常停止およびサーボオフの起こるエラー時にのみ使用し,通
常の制動には使用しないでください。
● サーボモータに組込むブレーキ(電磁ブレーキ)は保持用ですので,通常の制動には使用しないで
ください。
● ストロークリミットスイッチは,最高速で通過しても停止可能な機械的余裕を取るシステム構成と
してください。

A - 3
注意
● 使用する電線やケーブルは,システムに適合した電線径,耐熱性,耐屈曲性を有するものを使用し
てください。
● 使用する電線やケーブルは,取扱説明書に記載された範囲内の長さのものを使用してください。
● システムに使用する部品(コントローラ,サーボアンプ,サーボモータ以外)の定格,特性はコン
トローラ,サーボアンプ,サーボモータと適合したものを使用してください。
● 運転中,サーボモータの回転部には絶対に触れないよう,軸にはカバーなどを設けてください。
● 電磁ブレーキは寿命および機械構造(タイミングベルトを介してボールねじとサーボモータが結合
されている場合など)により保持できない場合があります。機械側に安全を確保するための停止装
置を設置してください。

(2) パラメータ設定・プログラミングについて

注意
● パラメータは,コントローラ,サーボアンプ,サーボモータ,回生抵抗の形名,システムの用途に
適合した値を設定してください。誤った設定により保護機能が働かなくなることがあります。
● 回生抵抗の形名と容量のパラメータは,運転モード,サーボアンプ,サーボ電源ユニットに整合し
た値を設定してください。誤った設定により保護機能が働かなくなることがあります。
● メカブレーキ出力,ダイナミックブレーキ出力の使用,未使用のパラメータは,システムの用途に
適合した値を設定してください。誤った設定により保護機能が働かなくなることがあります。
● ストロークリミット入力の使用,未使用のパラメータ設定は,システムの用途に適合した値を設定
してください。誤った設定により保護機能が働かなくなることがあります。
● サーボモータのエンコーダのタイプ(インクリメント,絶対位置タイプなど)のパラメータはシス
テムの用途に適合した値を設定してください。誤った設定により保護機能が働かなくなることがあ
ります。
● サーボモータの容量,タイプ(標準,低慣性,フラットなど)のパラメータは,システムの用途に
適合した値を設定してください。誤った設定により保護機能が働かなくなることがあります。
● サーボアンプの容量,タイプのパラメータ設定は,システムの用途に適合した値を設定してくださ
い。誤った設定により保護機能が働かなくなることがあります。
● プログラムで使用するプログラム命令については,取扱説明書で規定した条件で使用してくださ
い。
● シーケンサのプログラム容量設定,デバイス容量,ラッチ使用範囲,I/O割付け設定,エラー検出
時の続行運転の可否の設定は,システムの用途に適合した値を設定してください。誤った設定によ
り保護機能が働かなくなることがあります。
● プログラムで使用するデバイスについては用途が固定されたものがありますので,取扱説明書で規
定した条件で使用してください。
● リンクに割り付けられた入力デバイス,データレジスタは,通信エラーなどにより通信が停止した
場合,通信が停止する直前のデータを保持していますので,取扱説明書で規定したエラー対応イン
ターロックプログラムを必ず使用してください。
● インテリジェント機能ユニットに対するプログラムについては,インテリジェント機能ユニットの
取扱説明書に規定したインターロックプログラムを必ず使用してください。

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(3) 運搬・据付けについて

注意
● 製品の重量に応じて,正しい方法で運搬してください。
● サーボモータの吊りボルトはサーボモータの運搬だけに使用してください。サーボモータを機械に
取り付けた状態での運搬には使用しないでください。
● 制限以上の多段積みはおやめください。
● コントローラやサーボアンプ運搬時は,接続されている電線やケーブルを持たないでください。
● サーボモータ運搬時はケーブルや軸,エンコーダを持たないでください。
● コントローラやサーボアンプ運搬時は前面ケースを持たないでください。落下することがありま
す。
● コントローラやサーボアンプの運搬,据付け,取外し時は,エッジ部を持たないでください。
● 据付けは,重量に耐える所に,取扱説明書に従って取り付けてください。
● 製品の上に乗ったり,重いものを載せたりしないでください。
● 取付け方向は必ずお守りください。
● コントローラやサーボアンプと制御盤内面または,コントローラとサーボアンプ,コントローラや
サーボアンプとその他の機器との間隔は規定の距離をあけてください。
● 損傷,部品が欠けているコントローラ,サーボアンプ,サーボモータを据え付け,運転をしないで
ください。
● 冷却ファンが付いているコントローラ,サーボアンプ,サーボモータの吸排気口をふさがないでく
ださい。
● コントローラ,サーボアンプ,サーボモータ内部にねじ,金属片などの導電性異物や油などの可燃
性異物が混入しないようにしてください。
● コントローラ,サーボアンプ,サーボモータは精密機械なので,落下させたり,強い衝撃を与えな
いようにしてください。
● コントローラ,サーボアンプ,サーボモータは,取扱説明書に従って確実に機械へ固定してくださ
い。固定が不十分ですと運転時に外れる恐れがあります。
● 減速機付サーボモータは必ず指定の方向で設置してください。油漏れの原因となります。
● 下記の環境条件で保管・ご使用ください。

条 件
環 境
コントローラ・サーボアンプ サーボモータ
0℃~+40℃
周囲温度 個別の取扱説明書による
(凍結のないこと)
80%RH以下
周囲湿度 個別の取扱説明書による
(結露のないこと)
保存温度 個別の取扱説明書による -20℃~+65℃
屋内(直射日光が当たらないこと)
雰囲気
腐食性ガス・引火性ガス・オイルミスト・塵埃のないこと
標 高 海抜1000m以下
振 動 個別の取扱説明書による
● 同期エンコーダやサーボモータの軸端へカップリング結合するときに,ハンマーでたたくなどの衝
撃を与えないでください。エンコーダの故障の原因となります。
● 同期エンコーダやサーボモータの軸へ許容荷重以上の荷重を与えないでください。軸折損の原因と
なります。

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注意
● 長期間ご使用にならない時は,電源線をコントローラやサーボアンプから外してください。
● コントローラ,サーボアンプは静電気防止のビニール袋に入れて保管してください。
● 保管が長期間に渡った場合は,最寄りのシステムサービス,代理店または支社に点検を依頼くださ
い。また,試運転を実施してください。
● 木製梱包材の消毒・除虫対策のくん蒸剤に含まれるハロゲン系物質 (フッ素,塩素,臭素,ヨウ
素など)が弊社製品に侵入すると故障の原因となります。
残留したくん蒸成分が弊社製品に侵入しないようにご注意いただくか,くん蒸以外の方法(熱処理
など)で処理してください。
なお,消毒・除虫対策は,梱包前の木材の段階で実施してください。

(4) 配線について

注意
● 配線は正しく確実に行ってください。また,配線後に接続誤りや端子ねじの締付けなどを再度確認
してください。サーボモータの暴走の原因となります。
● 配線後に端子カバーなどの保護カバーは元どおりに取り付けてください。
● サーボアンプの出力側には,進相コンデンサやサージ吸収器,ラジオノイズフィルタ(オプション
FR-BIF)を取り付けないでください。
● 出力側(端子U,V,W),アースは正しく接続してください。誤った接続によりサーボモータが異
常動作します。
● サーボモータに商用電源を直接接続しないでください。故障の原因となります。
● ブレーキ信号などの制御出力信号用のDCリレーに取付けるサージ吸収用のダイオードの向きを間
違えないでください。故障して信号が出力されなくなり,保護回路が動作不能になることがありま
す。
サーボアンプ サーボアンプ
DC24V DC24V
DOCOM DOCOM

制御出力信号 RA 制御出力信号 RA
DICOM DICOM

シンク出力 ソース出力
インタフェースの場合 インタフェースの場合

● 通電中に各ユニット間の接続ケーブル,エンコーダケーブル,シーケンサ増設ケーブルの接続,脱
着をしないでください。
● ケーブルコネクタの固定ねじや固定機構を確実に締めてください。固定が不十分ですと運転時に外
れる恐れがあります。
● 電源線やケーブルを束ねないでください。

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(5) 試運転・調整について

注意
● 運転前にプログラム及び各パラメータの確認・調整を行ってください。機械によっては予期しない
動きとなる場合があります。
● 極端な調整変更は動作が不安定になりますので決して行わないでください。
● 絶対位置システム機能を使用している場合,新規立上げしたとき,または,コントローラ,絶対値
対応モータ等を交換したときはかならず原点復帰を行ってください。
● 試運転は,パラメータの速度制限値を遅い速度に設定し,危険な状態が発生したとき緊急停止など
で即座に停止できる準備をしてから動作確認を行ってください。

(6) 使用方法について

注意
● コントローラ,サーボアンプ,サーボモータから煙,異音,異臭などが発生した場合,すぐに電源
を遮断してください。
● プログラムやパラメータの変更後および保守・点検後は,必ず試験運転を行ってから本運転を行っ
てください。
● 当社が認定した専門の技術者以外の方は,分解修理を行わないでください。
● 改造は行わないでください。
● ノイズフィルタの設置や配線のシールドなどにより電磁障害の影響を小さくしてください。
コントローラやサーボアンプの近くで使用される電子機器に電磁障害を与える恐れがあります。
● CEマーク対応の設備について,モーションコントローラはユーザーズマニュアルを,サーボアンプ,
インバータ等他の機器については,対応のEMCガイドライン資料を参照し使用してください。
● 下記の使用条件でご使用ください。
項 目 条 件
入力電源 個別の取扱説明書による
入力周波数 個別の取扱説明書による
許容瞬停時間 個別の取扱説明書による

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(7) 異常時の処置について

注意
● コントローラ,サーボアンプの自己診断エラーが発生した場合には,取扱説明書に従ってチェック
内容を確認し,復旧してください。
● 停電時および製品故障時に危険な状態が想定される場合には,保持用として電磁ブレーキ付きサー
ボモータの使用または外部にブレーキ機構を設けて防止してください。
● 電磁ブレーキ用動作回路は,外部の非常停止信号でも動作するような二重の回路構成にしてくださ
い。
サーボオン信号 OFF・アラーム・ 非常停止信号(EMG)で
電磁ブレーキ信号で遮断する。 遮断する。

サーボモータ EMG
RA1

電磁
B DC24V
ブレーキ

● アラーム発生時は原因を取り除き,安全を確保してからアラーム解除後,再運転してください。
● 瞬停復電後,突然再始動する可能性がありますので,機械に近寄らないでください。(再始動して
も人に対する安全性を確保するよう機械の設計を行ってください。)

(8) 保守・点検・部品の交換について

注意
● 取扱説明書に従って日常点検,定期点検を行ってください。
● コントローラやサーボアンプのプログラムやパラメータのバックアップを取った後に,保守・点検
を行ってください。
● 開閉部を開け閉めする時に隙間に手や指を入れないでください。
● 電池などの消耗部品は取扱説明書に従って定期的に交換してください。
● ICなどのリード部あるいはコネクタのコンタクトに手を触れないでください。
● ユニットに触れる前には,必ず接地された金属などに触れて,人体などに帯電している静電気を放
電してください。静電気を放電しないと,ユニットの故障や誤動作の原因になります。
● ユニットの導電部分や電子部品には直接触れないでください。
ユニットの誤作動,故障の原因になります。
● 漏電の可能性のある金属および静電気が帯電する木材,プラスチックやビニール類などの上にコン
トローラやサーボアンプを置かないでください。
● 点検時にメガテスト(絶縁抵抗測定)を行わないでください。
● コントローラやサーボアンプ交換時には,新しいユニットの設定を正しく設定してください。
● コントローラまたは,絶対値対応モータの交換後は,下記のいずれかにより原点復帰を行ってくだ
さい。行わないと位置ずれの原因となります。
(1) サーボデータを周辺ソフトウェアによりモーションコントローラに書込みした後,電源を入れ
直したうえで原点復帰操作を行う。
(2) 周辺ソフトウェアのバックアップ機能を使用し,交換前のバックアップデータをロードする。
● 保守・点検終了時,絶対位置検出機能の位置検出が正しいか確認してください。

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注意
● ユニットに装着するバッテリには,落下・衝撃を加えないでください。
落下・衝撃によりバッテリが破損し,バッテリ液の液漏れをバッテリ内部で発生している恐れがあ
ります。落下・衝撃を加えたバッテリは使用せずに廃棄してください。
● バッテリは短絡,充電,過熱,焼却および分解をしないでください。
● 電解コンデンサは故障時にガスを発生しますので,コントローラやサーボアンプに顔を近付けない
でください。
● 電解コンデンサやファンは劣化します。故障による二次災害を防止するため定期的に交換してくだ
さい。交換は最寄りのシステムサービス,代理店または支社にて承ります。
● 電気設備に関する教育を受け,十分な知識を有する人のみ制御盤を開けることができるよう,制御
盤に鍵をかけてください。
● コントローラやサーボアンプを焼却,分解しないでください。焼却,分解により,有毒ガスが発生
する恐れがあります。

(9) 廃棄物の処理について
本製品が廃棄されるときには,以下に示す2つの法律の適用を受け,それぞれの法規ごとの配慮が
必要となります。また,以下の法律については,日本国内において効力を発揮するものであるため,
日本国外(海外)においては,現地の法律が優先されます。必要に応じて,最終製品への表示,告
知等をしていただくようお願いします。

注意
● 資源の有効な利用の促進に関する法律(通称:資源有効利用促進法)における必要事項
(1) 不要となった本製品は,できる限り再生資源化をお願いします。
(2) 再生資源化では,鉄くず,電気部品などに分割してスクラップ業者に売却されることが多いた
め,必要に応じて分割し,それぞれ適正な業者に売却されることを推奨します。
● 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(通称:廃棄物処理清掃法)における必要事項
(1) 不要となった本製品は,前1項の再生資源化売却等を行い,廃棄物の減量に努められることを
推奨します。
(2) 不要となった本製品が売却できず,これを廃棄する場合は,同法の産業廃棄物に該当します。
(3) 産業廃棄物は,同法の許可を受けた産業廃棄物処理業者に処理を委託し,マニフェスト管理等
を含め,適正な処置をする必要があります。
(4) 電池は,いわゆる「一次電池」あるいは「二次電池」に該当しますので,自治体で定められた
廃棄方法に従って,廃棄してください。

(10) 一般的注意
● 取扱説明書に記載されているすべての図解は,細部を説明するためにカバーまたは安全のための遮
断物を外した状態で描かれている場合がありますので,製品を運転する時は必ず規定どおりのカ
バーや遮断物を元どおりに戻し,取扱説明書に従って運転してください。

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改 定 履 歴
※取扱説明書番号は,本説明書の裏表紙の左下に記載してあります。
印刷日付 ※取扱説明書番号 改 定 内 容
2007年 1月 IB(名)-0300126-A 初版印刷
2007年 4月 IB(名)-0300126-B [追加修正]
形名コード,マニュアルについて,ソフトウェアバージョン,モーショ
ンシステムの制約事項,サーボパラメータ,特殊リレー/特殊レジスタ
の置換え,システム設定エラー,自己診断エラー,その他誤記修正
2007年 10月 IB(名)-0300126-C [追加]
MR-J3-□B-RJ004,
製造番号と本体OSソフトウェアバージョンの確認方法
[修正]
一般注意図記号変更,特殊リレー/特殊レジスタの置換え,サービスネッ
トワーク,その他誤記修正
2008年 7月 IB(名)-0300126-D [機種追加]
SV43対応ソフトウェア,MT Developer2
[追加修正・誤記修正]
安全にお使いいただくために,マニュアルについて,モーションユニッ
ト製造番号表示,モーションユニット外形図,保証について,その他誤
記修正
2009年 10月 IB(名)-0300126-E [機種追加]
MR-J3W-□B,MR-J3-□B-RJ080W,MR-J3-□BS
[追加修正・誤記修正]
安全にお使いいただくために,マニュアルについて,サーボパラメータ,
アンプなし運転機能,特殊リレー/特殊レジスタ一覧,サービスネット
ワーク,その他誤記
2011年 6月 IB(名)-0300126-F [機種追加]
Q173DCPU-S1,Q172DCPU-S1,Q50UDEHCPU,Q100UDEHCPU,GX Works2,
MR Configurator2
[機能追加]
サーボアンプの外部入力信号(DOG),PERIPHERAL I/Fによる通信
[追加修正]
安全にお使いいただくために, マニュアルについて, ソフトウェアのバー
ジョンによる機能の制約,その他誤記修正
2012年 1月 IB(名)-0300126-G [機種追加]
Q173DSCPU,Q172DSCPU,MR-J4-□B,MR-J4W-□B
[機能追加]
サーボ外部信号パラメータ,ソフトセキュリティキー,マーク検出機能,
[追加修正]
マニュアルについて,マニュアルの読み方,ソフトウェアのバージョン
による機能の制約, 周辺ソフトウェアの対応バージョン, 個別のパラメー
タ,サーボパラメータの変更機能,任意データモニタ機能,特殊リレー
/特殊レジスタ一覧,システム設定エラー,モーションCPUの相違点,そ
の他誤記修正

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印刷日付 ※取扱説明書番号 改 定 内 容
2012年 6月 IB(名)-0300126-H [機能追加]
アドバンスト同期制御,高速入力要求信号設定
[追加修正]
マニュアルについて,ソフトウェアのバージョンによる機能の制約,周
辺ソフトウェアの対応バージョン,個別のパラメータ,リミットスイッ
チ出力機能,パスワードによる保護,マーク検出機能,特殊リレー/特
殊レジスタ一覧,自己診断エラー,モーションCPUの相違点,その他誤記
修正
2013年 1月 IB(名)-0300126-J [機種追加]
LJ72MS15,インテリジェント機能ユニット
[機能追加]
ドライバ間通信機能,SSCNETⅢ/Hヘッドユニットの接続
[追加修正]
マニュアルについて,ソフトウェアのバージョンによる機能の制約,シ
ステムデータ設定一覧,個別のパラメータ,特殊リレー/特殊レジスタ
一覧,システム設定エラー,自己診断エラー,モーションCPUの相違点,
その他誤記修正
2013年 9月 IB(名)-0300126-K [追加修正]
安全にお使いいただくために,ソフトウェアのバージョンによる機能の
制約,システムデータ設定一覧,任意データモニタ機能,ドライバ間通
信機能(SSCNETⅢ/H),特殊レジスタ一覧,システム設定エラー,自己
診断エラー,モーションCPUの相違点,その他誤記修正

本書によって,工業所有権その他の権利の実施に対する保証,または実施権を許諾するものではありません。また
本書の掲載内容の使用により起因する工業所有権上の諸問題については,当社は一切その責任を負うことができません。

 2007 MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION

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は じ め に

このたびは,三菱モーションコントローラ Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPUをお買い上げいただきまことにありが
とうございました。
ご使用前に本書をよくお読みいただき,モーションコントローラの機能・性能を十分ご理解のうえ,正しく
ご使用くださるようお願い致します。

目 次
安全上のご注意 ············································································ A- 1
改定履歴 ·················································································· A-10
目次 ······················································································ A-12
マニュアルについて ········································································ A-15
マニュアルの読み方 ········································································ A-17

1 概 要 1- 1~1-32

1.1 概 要 ··············································································· 1- 1
1.2 特 長 ··············································································· 1- 3
1.2.1 モーションCPUの特長 ······························································ 1- 3
1.2.2 Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPUの基本仕様 ··············································· 1- 5
1.3 システム構成 ········································································· 1-11
1.3.1 モーションシステム構成 ··························································· 1-11
1.3.2 Q173DSCPU/Q172DSCPUシステム全体構成 ············································· 1-15
1.3.3 Q173DCPU(-S1)/Q172DCPU(-S1)システム全体構成 ····································· 1-16
1.3.4 ソフトウェアパッケージ一覧 ······················································· 1-17
1.3.5 モーションシステムの制約事項 ····················································· 1-19
1.4 製造番号と本体OSソフトウェアバージョンの確認方法 ····································· 1-23
1.4.1 製造番号確認 ····································································· 1-23
1.4.2 本体OSソフトウェアバージョンの確認 ··············································· 1-26
1.5 ソフトウェアのバージョンによる機能の制約 ············································· 1-28
1.6 周辺ソフトウェアの対応バージョン ····················································· 1-32

2 マルチCPUシステム 2- 1~2-36

2.1 マルチCPUシステム ···································································· 2- 1


2.1.1 概 要 ··········································································· 2- 1
2.1.2 CPUユニットの装着位置 ···························································· 2- 2
2.1.3 入出力ユニット/インテリジェント機能ユニット使用時の注意事項 ····················· 2- 3
2.1.4 装着に制約のあるユニット ························································· 2- 4
2.1.5 マルチCPUシステムのリセット方法 ·················································· 2- 6
2.1.6 CPUユニット停止エラー時の動作 ···················································· 2- 7
2.2 マルチCPUシステムの立上げ ···························································· 2-10
2.2.1 マルチCPUシステムの立上げフロー ·················································· 2-10
2.3 マルチCPUシステムのシーケンサCPU/モーションCPU間の交信 ······························ 2-12
2.3.1 CPU共有メモリ ···································································· 2-12
2.3.2 マルチCPU間高速通信 ······························································ 2-16
2.3.3 マルチCPU間高速リフレッシュ機能 ·················································· 2-30
2.3.4 マルチCPU間時計同期 ······························································ 2-34

A - 12
2.3.5 マルチCPU間同期立上げ ···························································· 2-35
2.3.6 シーケンサCPUからモーションCPUへの制御指示 ······································· 2-36

3 共通パラメータ 3- 1~3-28

3.1 システム設定 ········································································· 3- 1


3.1.1 システムデータ設定 ······························································· 3- 2
3.1.2 システム共通のパラメータ ························································· 3- 6
3.1.3 個別のパラメータ ································································· 3-12
3.2 入出力番号の割付け ··································································· 3-21
3.2.1 各種ユニットの入出力番号 ························································· 3-21
3.2.2 各CPUユニットの入出力番号 ························································ 3-23
3.2.3 I/O番号設定 ······································································ 3-24
3.3 サーボパラメータ ····································································· 3-25
3.4 サーボ外部信号パラメータ ····························································· 3-26

4 補助/応用機能 4- 1~4-110

4.1 リミットスイッチ出力機能 ····························································· 4- 1


4.1.1 動作説明 ········································································· 4- 1
4.1.2 リミット出力設定データ ··························································· 4- 4
4.1.3 動作説明(SV22アドバンスド同期制御のみ) ········································· 4- 8
4.1.4 リミット出力設定データ(SV22アドバンスド同期制御のみ) ··························· 4-10
4.2 絶対位置システム ····································································· 4-16
4.2.1 現在値管理 ······································································· 4-18
4.3 指定データの高速読出し機能 ··························································· 4-19
4.4 ROM運転機能 ·········································································· 4-21
4.4.1 7セグメントLED/スイッチの仕様 ··················································· 4-21
4.4.2 ROM運転の概要 ···································································· 4-23
4.4.3 ROM運転の操作手順 ································································ 4-28
4.5 セキュリティ機能 ····································································· 4-30
4.5.1 パスワードによる保護 ····························································· 4-30
4.5.2 ソフトセキュリティキーによる保護 ················································· 4-37
4.6 オールクリア機能 ····································································· 4-42
4.7 ネットワーク経由通信 ································································· 4-43
4.7.1 ネットワーク経由通信仕様 ························································· 4-43
4.8 メイン周期モニタ機能 ································································· 4-44
4.9 サーボパラメータ読出し/変更機能 ····················································· 4-45
4.10 任意データモニタ機能 ································································ 4-47
4.11 SSCNET制御機能 ······································································ 4-49
4.11.1 SSCNET通信の切断/再接続機能 ···················································· 4-50
4.11.2 アンプなし運転機能 ······························································ 4-54
4.12 リモート操作 ········································································ 4-58
4.12.1 リモートRUN/STOP ······························································· 4-58
4.12.2 リモートラッチクリア ···························································· 4-60
4.13 PERIPHERAL I/Fによる通信機能 ······················································· 4-62
4.13.1 直結接続 ········································································ 4-62
4.13.2 ハブ経由接続 ···································································· 4-65
4.13.3 MCプロトコルによる通信 ·························································· 4-71
4.14 マーク検出機能 ······································································ 4-78
4.15 高速入力要求信号設定(SV22アドバンスド同期制御のみ) ································ 4-89

A - 13
4.16 ドライバ間通信機能 ·································································· 4-92
4.16.1 制御内容 ········································································ 4-93
4.16.2 制御上の注意事項 ································································ 4-94
4.16.3 サーボパラメータ ································································ 4-98
4.17 モーションCPU管理のインテリジェント機能ユニット ····································· 4-99
4.18 SSCNETⅢ/Hヘッドユニットの接続 ····················································· 4-102
4.18.1 システム構成 ··································································· 4-102
4.18.2 SSCNETⅢ/Hヘッドユニットのパラメータ ··········································· 4-103
4.18.3 モーションSFCプログラムによるインテリジェント機能ユニットへのデータ操作 ········ 4-110
4.18.4 リフレッシュデバイスのデータ ··················································· 4-110
4.18.5 SSCNETⅢ/Hヘッドユニット使用時の注意事項 ······································· 4-110

付 録 付- 1~付-44

付1 特殊リレー,特殊レジスタ ···························································· 付- 1
1.1 特殊リレー ········································································ 付- 1
1.2 特殊レジスタ ······································································ 付- 5
1.3 特殊リレー/特殊レジスタの置換え ·················································· 付-12
付2 システム設定エラー ·································································· 付-15
付3 自己診断エラー ······································································ 付-17
付4 Q173DSCPU/Q172DCPU/Q173DCPU(-S1)/Q172DCPU(-S1)/Q173HCPU/Q172HCPUの相違点 ······· 付-30
4.1 Q173DSCPU/Q172DCPU/Q173DCPU(-S1)/Q172DCPU(-S1)/Q173HCPU/Q172HCPUの相違点 ····· 付-30
4.2 デバイス比較 ······································································ 付-33
4.3 各本体OSソフトウェアの相違点 ······················································ 付-42

A - 14
マニュアルについて

本製品に関連するマニュアルには,下記のものがあります。
必要に応じて本表を参考にしてご依頼ください。

関連マニュアル

(1) モーションコントローラ
マニュアル番号
マニュアル名称
(形名コード)
Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モーションコントローラユーザーズマニュアル
モーションCPUユニット,Q172DLXサーボ外部信号入力ユニット,Q172DEX同期エンコーダ入力ユニット, IB-0300125
Q173DPX手動パルサ入力ユニット,電源ユニット,サーボアンプ,SSCNETⅢケーブルおよびシリアルABS (1XB920)
同期エンコーダケーブルなどの仕様を説明しています。

Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モーションコントローラプログラミングマニュアル(共通編)
IB-0300126
マルチCPUシステム構成,性能仕様,共通パラメータ,補助/応用機能およびエラーリストなどについて
説明しています。
(1XB921)

Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モーションコントローラ(SV13/SV22)プログラミングマニュアル
IB-0300127
(モーションSFC編)
モーションSFCの機能,プログラミング,デバッグおよびエラーリストなどについて説明しています。
(1XB922)

Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モーションコントローラ(SV13/SV22)プログラミングマニュアル
IB-0300128
(リアルモード編)
サーボパラメータ,位置決め命令,デバイス一覧およびエラーリストなどについて説明しています。
(1XB923)

Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モーションコントローラ(SV22)プログラミングマニュアル
(仮想モード編)
IB-0300129
仮想メインシャフト,メカモジュールで構築されたメカ機構プログラムにより同期制御を行うための専
用命令,サーボパラメータ,位置決め命令,デバイス一覧およびエラーリストなどについて説明してい
(1XB924)
ます。

Q173DSCPU/Q172DSCPU モーションコントローラ(SV22)プログラミングマニュアル
(アドバンスト同期制御編) IB-0300193
同期制御を行うための同期制御パラメータ,デバイス一覧およびエラーリストなどについて説明してい (1XB952)
ます。

Q173DCPU/Q172DCPU モーションコントローラ(SV43)プログラミングマニュアル
IB-0300130
EIA言語(Gコード)のモーションプログラムで位置決め制御を行うための専用命令,サーボパラメータ,
位置決め命令,デバイス一覧およびエラーリストなどについて説明しています。
(1XB925)

Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モーションコントローラプログラミングマニュアル
(安全監視機能編) IB-0300182
モーションコントローラで行う,安全監視機能の内容,安全パラメータ,安全シーケンスプログラム命 (1XB944)
令,デバイス一覧およびエラーリストなどについて説明しています。

モーションコントローラセットアップガイダンス(MT Developer2 Version1)


IB-0300141
モーションコントローラプログラミングソフトウェアMT Developer2のセットアップに関する内容につい
て説明しています。
( ─ )

A - 15
(2) シーケンサ
マニュアル番号
マニュアル名称
(形名コード)
QCPUユーザーズマニュアル(ハードウェア設計・保守点検編)
SH-080472
CPUユニット,電源ユニット,ベースユニット,増設ケーブル,メモリカードなどのハードウェア仕様
と,システムの保守・点検,トラブルシューティング,エラーコードなどについて説明しています。
(13JP56)

QnUCPUユーザーズマニュアル(機能解説・プログラム基礎編) SH-080802
プログラム作成に必要な機能,プログラミング方法およびデバイスなどについて説明しています。 (13JY94)
QCPUユーザーズマニュアル(マルチCPUシステム編)
SH-080475
マルチCPUシステムの概要,システム構成,入出力番号,CPUユニット間の交信,入出力ユニット/イ
ンテリジェント機能ユニットとの交信について説明しています。
(13JP59)

QnUCPUユーザーズマニュアル(内蔵Ethernetポート通信編) SH-080806
CPU内蔵Ethernetポート通信の機能について説明しています。 (13JY96)
MELSEC-Q/Lプログラミングマニュアル(共通命令編) SH-080804
シーケンス命令,基本命令および応用命令などの使用方法について説明しています。 (13JC22)
MELSEC-Q/L/QnAプログラミングマニュアル(PID制御命令編) SH-080022
PID制御を行うための専用命令について説明しています。 (13JC01)
MELSEC-Q/L/QnAプログラミングマニュアル(SFC編)
SH-080023
MELSAP3 のシステム構成,性能仕様,機能,プログラミング,デバッグおよびエラーコードなどにつ
いて説明しています。
(13JC02)

ビルディングブロック入出力ユニット ユーザーズマニュアル
SH-080024
QシーケンサCPU入出力ユニット,コネクタ,コネクタ/端子台変換ユニットなどの仕様を説明してい
ます。
(13JQ45)

MELSEC-L SSCNETⅢ/Hヘッドユニットユーザーズマニュアル
SH-081151
ヘッドユニットの仕様,運転までの手順,システム構成,設置と配線,設定,トラブルシューティン
グについて説明しています。
(13J223)

A - 16
(3) サーボアンプ
マニュアル番号
マニュアル名称
(形名コード)
SSCNETⅢ/HインタフェースMR-J4-□B サーボアンプ技術資料集
SH-030098
サーボアンプMR-J4-□Bの入出力信号,各部の名称,パラメータ,立上げ手順などについて説明してい
ます。
(1CW802)

SSCNETⅢ/Hインタフェース多軸ACサーボMR-J4W-□B サーボアンプ技術資料集
SH-030101
2軸/3軸一体ACサーボアンプMR-J4W□-□Bの入出力信号,各部の名称,パラメータ,立上げ手順など
について説明しています。
(1CW803)

SSCNETⅢインタフェースMR-J3-□B サーボアンプ技術資料集
SH-030050
サーボアンプMR-J3-□Bの入出力信号,各部の名称,パラメータ,立上げ手順などについて説明してい
ます。
(1CW201)

SSCNETⅢインタフェースリニアサーボMR-J3-□B-RJ004 技術資料集
SH-030053
リニアサーボアンプMR-J3-□B-RJ004U□の入出力信号,各部の名称,パラメータ,立上げ手順などに
ついて説明しています。
(1CW942)

フルクローズド制御SSCNETⅢ対応MR-J3-□B-RJ006 サーボアンプ技術資料集
SH-030055
フルクローズド制御対応サーボアンプMR-J3-□B-RJ006の入出力信号,各部の名称,パラメータ,立上
げ手順などについて説明しています。
(1CW303)

SSCNETⅢインタフェース2軸一体ACサーボMR-J3W-□B サーボアンプ技術資料集
SH-030072
2軸一体ACサーボアンプMR-J3W-□Bの入出力信号,各部の名称,パラメータ,立上げ手順などについて
説明しています。
(1CW602)

SSCNETⅢ対応ダイレクトドライブサーボMR-J3-□B-RJ080W 技術資料集
SH-030078
ダイレクトドライブサーボMR-J3-□B-RJ080Wの入出力信号,各部の名称,パラメータ,立上げ手順な
どについて説明しています。
(1CW600)

SSCNETⅢインタフェース三菱ドライブセーフティ対応MR-J3-□BS
サーボアンプ技術資料集 SH-030083
ドライブセーフティ対応MR-J3-□BSの入出力信号,各部の名称,パラメータ,立上げ手順などについ (1CW204)
て説明しています。

マニュアルの読み方

本マニュアルで使用する記号を下記に示します。

記 号 内 容
QDS Q173DSCPU/Q172DSCPUのみに対応していることを示す記号です。
QD Q173DCPU(-S1)/Q172DCPU(-S1)のみに対応していることを示す記号です。

A - 17
メ モ

A - 18
1.概 要

第1章 概 要
1
1.1 概 要

本プログラミングマニュアルは,モーションCPUユニットQ173D(S)CPU/Q172D(S)CPU
対応本体OSソフトウェアパッケージ「SW7DNC-SV□Q□」,「SW8DNC-SV□Q□」のマルチCPU
システムなど,各本体OSソフトウェアの共通項目について記載しています。
なお,本マニュアルでは,下記のように略記します。
総称・略称・用語 総称・略称・用語の内容
Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU Q173DSCPU/Q172DSCPU/Q173DCPU/Q172DCPU/Q173DCPU-S1/Q172DCPU-S1
もしくはモーションCPU(ユニット) モーションCPUユニット
Q172DLX/Q172DEX/Q173DPX/
Q172DLX サーボ外部信号入力ユニット/Q172DEX 同期エンコーダ入力ユニット*1/
Q173DSXY
Q173DPX 手動パルサ入力ユニット/Q173DSXY 安全信号ユニット
もしくはモーションユニット
MR-J4(W)-□B MR-J4-□B/MR-J4W-□B 形サーボアンプ
MR-J3(W)-□B MR-J3-□B/MR-J3W-□B 形サーボアンプ
AMPもしくはサーボアンプ MR-J4-□B/MR-J4W-□B/MR-J3-□B/MR-J3W-□B 形サーボアンプシリーズの総称
QCPUもしくはシーケンサCPU QnUD(E)(H)CPU/QnUDVCPU
マルチCPUシステム
QシリーズシーケンサマルチCPUシステムの略称
もしくはモーションシステム
CPUn マルチCPUシステムにおけるn号機のCPUユニット(n=1~4)の略称
本体OSソフトウェア SW7DNC-SV□Q□/SW8DNC-SV□Q□の総称
SV13 モーションSFC対応搬送組立用本体OSソフトウェア:SW8DNC-SV13Q□
SV22 モーションSFC対応自動機用本体OSソフトウェア:SW8DNC-SV22Q□
SV43 工作機周辺用本体OSソフトウェア:SW7DNC-SV43Q□
周辺ソフトウェアパッケージ MT Developer□/GX Works2/GX Developer/MR Configurator□の総称
MELSOFT MT Works2 モーションコントローラエンジニアリング環境MELSOFT MT Works2の略称
MT Developer□ MT Developer/MT Developer2の総称
MT Developer 総合立上げ支援ソフトウェアMT Developer バージョン0AG以降の略称
MT Developer2*2 モーションコントローラプログラミングソフトウェアMT Developer2の略称
GX Works2 シーケンサエンジニアリングソフトウェアGX Works2 バージョン1.11M以降の略称
GX Developer シーケンサプログラミングソフトウェアGX Developer バージョン8.48A以降の略称
MR Configurator□ MR Configurator/MR Configurator2の総称
MR Configurator サーボセットアップソフトウェアMR Configurator バージョンB8以降の略称
*2
MR Configurator2 サーボセットアップソフトウェアMR Configurator2 バージョン1.00A以降の略称
手動パルサもしくはMR-HDP01 手動パルス発生器(MR-HDP01)の略称
シリアルABS同期エンコーダ
シリアルABS同期エンコーダ(Q171ENC-W8/Q170ENC)の略称
もしくはQ171ENC-W8/Q170ENC
SSCNETⅢ/H*3
モーションコントローラ サーボアンプ間高速同期ネットワーク
SSCNETⅢ*3
SSCNETⅢ(/H) SSCNETⅢ/H,SSCNETⅢの総称
絶対位置システム 絶対位置対応のサーボモータおよびサーボアンプを使用したシステムの総称
バッテリホルダユニット バッテリホルダユニット(Q170DBATC)

1 - 1
1.概 要

総称・略称・用語 総称・略称・用語の内容
インテリジェント機能ユニット A/D,D/A変換ユニットなど,入出力以外の機能を持つユニットの総称
*3
SSCNETⅢ/Hヘッドユニット MELSEC-Lシリーズ SSCNETⅢ/Hヘッドユニット(LJ72MS15)の略称
*1:Q172DEXは,SV22で使用可能です。
*2:モーションコントローラエンジニアリング環境「MELSOFT MT Works2」に含まれるプログラミングソフトウェアです。
*3:SSCNET:Servo System Controller NETwork

備 考

各種ユニット,プログラム作成方法,およびパラメータ作成方法などについては,
それぞれのユニットに関連した下記マニュアルを参照してください。

項 目 参 照
Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モーションコントローラ
モーションCPU/モーションユニット
ユーザーズマニュアル
シーケンサCPU/シーケンスプログラム作成用周辺機器/
各ユニットに関連したマニュアル
入出力ユニット/インテリジェント機能ユニット
MT Developer□の操作方法 各ソフトウェア付随のヘルプ
・モーションSFCプログラム作成方法
Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モーションコントローラ
・モーションSFCパラメータ作成方法
(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(モーションSFC編)
・モーション専用シーケンス命令
・リアルモードの位置決め制御プログラ
Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モーションコントローラ
SV13/SV22 ム作成方法
(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(リアルモード編)
・位置決め制御用パラメータ作成方法
・安全監視機能パラメータ作成方法
Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モーションコントローラ
・ユーザ安全シーケンスプログラム
プログラミングマニュアル(安全監視機能編)
作成方法
SV22 Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モーションコントローラ
・メカ機構プログラム作成方法
(仮想モード) (SV22)プログラミングマニュアル(仮想モード編)
SV22
Q173DSCPU/Q172DSCPU モーションコントローラ(SV22)
(アドバンスト ・同期制御パラメータ作成方法
プログラミングマニュアル(アドバンスト同期制御編)
同期制御)
・モーションプログラム作成方法
Q173DCPU/Q172DCPU モーションコントローラ(SV43)
SV43 ・モーション専用シーケンス命令
プログラミングマニュアル
・位置決め制御用パラメータ作成方法

1 - 2
1.概 要

1.2 特 長

モーションCPUおよびマルチCPUシステムの特長を次に示します。

1.2.1 モーションCPUの特長

(1) QシリーズシーケンサマルチCPUシステム対応
(a) 複雑なサーボ制御をモーションCPUで行い,それ以外の機械制御,情報制御を
シーケンサCPUで行うことにより処理の負荷分散ができ,フレキシブルなシス
テム構築を実現できます。

(b) モーションCPU,シーケンサCPUをフレキシブルに選択し,最大4CPUまでのマ
ルチCPUシステムを構築できます。
使用する軸数にあわせモーションCPUを選択できます。
Q173DSCPU :最大32軸
Q172DSCPU :最大16軸
Q173DCPU(-S1):最大32軸
Q172DCPU(-S1):最大 8軸

使用するプログラム容量にあわせシーケンサCPUを選択できます。
(マルチCPUシステムではシーケンサCPUが1台以上必要です。)

(c) モーション専用シーケンス命令により,シーケンサCPUからモーションCPUの
デバイスデータアクセスや,モーションSFCプログラム(SV13/SV22)/モー
ションプログラム(SV43)起動を行うことができます。

(2) 演算処理を高速化
(a) モーションCPUの最小演算周期を0.22[ms](Q173DSCPU/Q172DSCPU使用時)と
し,高頻度運転に対応します。

(b) ユニバーサルモデルQCPUにより高速なシーケンス制御が可能です。

(3) SSCNETⅢ(/H)による高速同期ネットワークでサーボアンプと接続
(a) コントローラとサーボアンプ間をSSCNETⅢ(/H)による高速同期ネットワーク
で接続し,サーボパラメータの変更,サーボモニタ,テスト運転等を一括管
理します。また,省配線を実現します。

(b) 同一バス上のSSCNETⅢケーブルのモーションCPU~サーボアンプ/サーボア
ンプ~サーボアンプ間の最大距離が,SSCNETⅢ/Hは100m,SSCNETⅢは50mとな
り,モーションシステム設計時の自由度が上がりました。

1 - 3
1.概 要

(4) 用途にあわせた本体OSソフトウェアパッケージ
用途にあわせて本体OSソフトウェアパッケージをモーションCPUの内蔵フラッ
シュメモリにインストールすることにより,各マシンに適したモーションコント
ローラとなります。また,ソフトウェアパッケージの機能アップにも対応できま
す。
(a) 搬送組立用(SV13)
専用のサーボ命令により直線補間,円弧補間,ヘリカル補間,等速制御,速
度制御,位置追従制御などを行うことができ,搬送機,組立機などの用途に
適しています。

(b) 自動機用(SV22)
搬送組立用(SV13)と同等の機能(リアルモード)のほか,同期制御,電子
カム制御を行うことができ.自動機などの用途に適しています。
① Q173DSCPU/Q172DSCPUの場合
本体OSソフトウェアインストール時に動作方式を以下から選択します。
また,MT Developer2で動作方式を切換えることができます。
・仮想モード切換方式·········· 共通デバイス「リアルモード/仮想
モード切換え要求フラグ」により,リ
アルモードによる位置決め制御と,メ
カサポート言語による同期制御,電子
カム制御(仮想モード)を切り換える
ことができます。
・アドバンスト同期制御方式···· リアルモードによる位置決め制御のほ
か,各軸の「同期制御始動信号」によ
り,同期制御パラメータによる同期制
御(アドバンスト同期制御)を行うこ
とができます。
② Q173DCPU(-S1)/Q172DCPU(-S1)の場合
共通デバイス「リアルモード/仮想モード切換え要求フラグ」により,リ
アルモードによる位置決め制御と,メカサポート言語による同期制御,電
子カム制御(仮想モード)を切り換えることができます。

(c) 工作機周辺用(SV43)
EIA言語(Gコード)により,直線補間,円弧補間,ヘリカル補間,等速位置
決めなどを行うことができ,工作機周辺などの用途に適しています。

1 - 4
1.概 要

1.2.2 Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPUの基本仕様

(1) ユニット仕様
項 目 Q173DSCPU Q172DSCPU Q173DCPU Q173DCPU-S1 Q172DCPU Q172DCPU-S1
*1 *1
消費電流(DC5V)[A] 1.75 1.44 1.25 1.30 1.25 1.30
質量[kg] 0.38 0.33
外形寸法[mm] 120.5(H)×27.4(W)×120.3(D) 98(H)×27.4(W)×119.3(D)

*1:内蔵I/Fコネクタに接続した手動パルス発生器/INC同期エンコーダの消費電流(0.2[A])は含まれません。

(2) SV13/SV22モーション制御仕様,性能仕様
(a) モーション制御仕様
項 目 Q173DSCPU Q172DSCPU Q173DCPU(-S1) Q172DCPU(-S1)
制御軸数 最大 32軸 最大 16軸 最大 32軸 最大 8軸
0.22ms/ 1~ 4軸
0.22ms/ 1~ 4軸 0.44ms/ 1~ 6軸
0.44ms/ 5~10軸 0.44ms/ 1~6軸
SV13 0.44ms/ 5~10軸 0.88ms/ 7~18軸
0.88ms/11~24軸 0.88ms/ 7~8軸
0.88ms/11~16軸 1.77ms/19~32軸
演算周期 1.77ms/25~32軸
(デフォルト時) 0.44ms/ 1~ 4軸
0.44ms/ 1~ 6軸
0.44ms/ 1~ 6軸 0.88ms/ 5~12軸 0.44ms/ 1~4軸
SV22 0.88ms/ 7~16軸
0.88ms/ 7~16軸 1.77ms/13~28軸 0.88ms/ 5~8軸
1.77ms/17~32軸
3.55ms/29~32軸
補間機能 直線補間(最大4軸),円弧補間(2軸),ヘリカル補間(3軸)
PTP(Point To Point)制御,速度制御,
速度位置制御,定寸送り,等速制御,位置追従制御, PTP(Point To Point)制御,速度制御,
定位置停止速度制御,速度切換え制御, 速度位置制御,定寸送り,等速制御,位置追従制御,
制御方式
高速オシレート制御,速度・トルク制御, 定位置停止速度制御,速度切換え制御,
同期制御(SV22(仮想モード切換え方式/ 高速オシレート制御,同期制御(SV22)
アドバンスト同期制御方式))
加減速処理 台形加減速,S字加減速,アドバンストS字加減速
補正機能 バックラッシュ補正,電子ギア,位相補正(SV22)
モーションSFC,専用命令, モーションSFC,専用命令,
プログラム言語
メカサポート言語(SV22)*1 メカサポート言語(SV22)
サーボプログラム容量 16kステップ
位置決め点数 3200ポイント(間接指定可能)
USB/RS-232/Ethernet(シーケンサCPU経由), USB/RS-232/Ethernet(シーケンサCPU経由),
周辺装置I/F
PERIPHERAL I/F(モーションCPU管理) PERIPHERAL I/F(モーションCPU管理)*2
近点ドグ式(2種類),カウント式(3種類), 近点ドグ式(2種類),カウント式(3種類),
データセット式(2種類),ドグクレードル式, データセット式(2種類),ドグクレードル式,
原点復帰機能 ストッパ停止式(2種類),リミットスイッチ兼用式, ストッパ停止式(2種類),リミットスイッチ兼用式,
スケール原点信号検出式,ドグレス原点信号基準式 スケール原点信号検出式
原点復帰リトライ機能あり,原点シフト機能あり
JOG運転機能 あり
3台接続可能(Q173DPX使用時)
手動パルサ運転機能 3台接続可能(Q173DPX使用時)
1台接続可能(モーションCPU内蔵I/F使用時)*3
12台接続可能(SV22使用時) 12台接続可能 8台接続可能
同期エンコーダ運転機能*4 (Q172DEX+Q173DPX+モーションCPU内蔵I/F (SV22使用時) (SV22使用時)
+デバイス経由*5+サーボアンプ経由*5,*6) (Q172DEX+Q173DPX) (Q172DEX+Q173DPX)
Mコード機能 Mコード出力機能あり,Mコード完了待ち機能あり

1 - 5
1.概 要

モーション制御仕様(つづき)
項 目 Q173DSCPU Q172DSCPU Q173DCPU(-S1) Q172DCPU(-S1)
出力点数32点
SV13
ウォッチデータ:モーション制御データ/ワードデバイス
仮想モード切換え方式 :出力点数32点
リミットスイッチ
アドバンスト同期制御方式:出力点数64点×2設定 出力点数32点
出力機能
SV22 出力タイミング補正 ウォッチデータ:モーション制御データ/
ウォッチデータ:モーション制御データ/ ワードデバイス
ワードデバイス
ROM運転機能 あり
マルチCPU間同期制御*5 あり なし
Q172DLX,
Q172DLXまたはサーボアンプの外部入力信号
外部入力信号 サーボアンプの外部入力信号(FLS/RLS/DOG),
(FLS/RLS/DOG)
モーションCPU内蔵I/F(DI),ビットデバイス
あり あり
高速読出し機能*7 (モーションCPU内蔵I/F経由,入力ユニット経由, (入力ユニット経由,
Q172DEX/Q173DPXのトラッキング経由) Q172DEX/Q173DPXのトラッキング経由)
モーションコントローラ緊急停止(EMI端子,システム設定),
緊急停止
サーボアンプの強制停止端子
合計 256点
合計 256点
入出力点数 (モーションCPU内蔵I/F(入力点数4点)+
(I/Oユニット)
I/Oユニット+インテリジェント機能ユニット)
マーク検出 常時検出モード,指定回数モード,
モード設定 リングバッファモード
マーク検出 マーク検出 モーションCPU内蔵I/F(4点),ビットデバイス,
なし
機能 信号 Q172DLXのDOG/CHANGE信号
マーク検出
32設定
設定
時計機能 あり
あり あり
セキュリティ機能
(パスワード,ソフトセキュリティキーによる保護) (パスワードによる保護)
オールクリア機能 あり
リモート操作 リモートRUN/STOP,リモートラッチクリア
6設定/軸
SSCNETⅢ/H なし
任意データ (通信データ:最大6点/軸)
モニタ機能 3設定/軸
SSCNETⅢ
(通信データ:最大3点/軸)
モーションバッファリング方式 モーションバッファリング方式
デジタルオシロ機能 (リアルタイム波形表示可) (リアルタイム波形表示可)
サンプリングデータ:ワード16CH,ビット16CH サンプリングデータ:ワード4CH,ビット8CH
サーボアンプにバッテリ装着にて対応可能
絶対位置システム
(軸ごとにアブソリュート方式/インクリメント方式の指定が可能)
通信方式 SSCNETⅢ/H,SSCNETⅢ SSCNETⅢ
SSCNET通信*8
系統数 2系統*9 1系統*9 2系統 1系統
ドライバ間通信機能*10 あり なし
Q172DLX 4台使用可能 2台使用可能 4台使用可能 1台使用可能
モーション関連
Q172DEX 6台使用可能 4台使用可能
ユニット装着数
Q173DPX 4台使用可能*11 3台使用可能*11

1 - 6
1.概 要

モーション制御仕様(つづき)
項 目 Q173DSCPU Q172DSCPU Q173DCPU(-S1) Q172DCPU(-S1)
SSCNETⅢ/Hヘッドユニット 最大8局使用可能
最大4局使用可能 使用不可
接続局数 (1系統 最大4局)

*1 :SV22仮想モードのみ。
*2 :Q173DCPU-S1/Q172DCPU-S1のみ。
*3 :モーションCPU内蔵I/Fで手動パルサを使用する場合,Q173DPXは使用できません。
*4 :モーションCPU内蔵I/FのINC同期エンコーダの軸No.には,Q172DEXとQ173DPXに割当てられた軸No.の後の軸No.が設定されます。
*5 :SV22アドバンスト同期制御のみ。
*6 :サーボアンプ(MR-J4-□B-RJ)のみ対応。
*7 :SV22アドバンスト同期制御では使用できません。
*8 :SSCNET対応のサーボアンプは使用できません。
*9 :同一系統内でSSCNETⅢ,SSCNETⅢ/Hの混在はできません。
Q173DSCPUの場合,系統ごとにSSCNETⅢとSSCNETⅢ/Hを設定できます。
*10:サーボアンプ(MR-J3-□B/MR-J4-□B)のみ対応。
*11:INC同期エンコーダを使用する場合(SV22使用時)の台数です。手動パルス発生器を接続する場合には1台のみ使用可能です。

1 - 7
1.概 要

(b) モーションSFC性能仕様
項 目 Q173DSCPU/Q172DSCPU Q173DCPU(-S1)/Q172DCPU(-S1)
コード合計
652kバイト 543kバイト
モーションSFC (SFC図+演算制御+トランジション)
プログラム容量 テキスト合計
668kバイト 484kバイト
(演算制御+トランジション)
SFCプログラム数 256(No.0~255)
SFC図サイズ/1プログラム 最大 64kバイト(SFC図コメント含む)
モーションSFC SFCステップ数/1プログラム 最大 4094ステップ
プログラム 選択分岐数/1分岐 255
並列分岐数/1分岐 255
並列分岐のネスト 最大 4重
F(1回実行型)/FS(スキャン実行型)
演算制御プログラム数
合わせて4096(F/FS0~F/FS4095)
トランジションプログラム数 4096(G0~G4095)
コードサイズ/1プログラム 最大約 64kバイト(32766ステップ)
演算制御
ブロック(行)数/1プログラム 最大 8192ブロック(4ステップ(最小)/1ブロックの場合)
プログラム(F/FS)
文字数/1ブロック(行) 最大 半角 128文字(コメント含む)

被演算子数/1ブロック 最大 64個(被演算子:定数・ワードデバイス・ビットデバイス)
トランジション
( )のネスト/1ブロック 最大 32重
プログラム (G)
計算式・ビット条件式・
演算制御プログラム 計算式・ビット条件式
分岐/繰り返し処理
記述式
トランジション
計算式・ビット条件式・比較条件式
プログラム
同時実行プログラム数 最大 256本
同時活性ステップ数 最大 256ステップ/全プログラム
ノーマルタスク モーションCPUのメイン周期にて実行
定周期(0.22ms・0.44ms・0.88ms・ 定周期(0.44ms・0.88ms・1.77ms・
定周期 1.77ms・3.55ms・7.11ms・14.2ms) 3.55ms・7.11ms・14.2ms)ごとに実
実行仕様 イベント
ごとに実行 行
実行タスク タスク
外部割込み 割込みユニットQI60の入力16点のうち,設定した入力ON時に実行
(マスク可)
シーケンサ
シーケンサからの割込み命令(D(P).GINT)にて実行
割込み
NMIタスク 割込みユニットQI60の入力16点のうち,設定した入力ON時に実行
入出力点数(X/Y) 8192 点
256 点
(モーションCPU内蔵I/F(入力点数4 256 点
実入出力点数(PX/PY)
点)+I/Oユニット+インテリジェ (I/Oユニット)
ント機能ユニット)
内部リレー(M) 12288 点
リンクリレー(B) 8192 点
アナンシェータ(F) 2048 点
デバイス点数 特殊リレー(SM) 2256 点
*1
(モーションCPU内蔵分のみ) データレジスタ(D) 8192 点 8192 点
(位置決め専用デバイスを リンクレジスタ(W) 8192 点
含む) 特殊レジスタ(SD) 2256 点
モーションレジスタ(#) 12288 点
フリーランタイマ(FT) 1点(888μs)
マルチCPU共有デバイス(U□\G) 最大 14336 点*2

*1:SV22アドバンスト同期制御では,19824点使用可能です。
*2:システム設定の設定により,使用できる点数が異なります。

1 - 8
1.概 要

(3) SV43モーション制御仕様,性能仕様
(a) モーション制御仕様
項 目 Q173DCPU(-S1) Q172DCPU(-S1)
制御軸数 最大32軸 最大8軸
0.44ms/ 1~ 4軸
演算周期 0.88ms/ 5~12軸 0.44ms/ 1~ 4軸
(デフォルト時) 1.77ms/13~28軸 0.88ms/ 5~ 8軸
3.55ms/29~32軸
補間機能 直線補間(最大4軸),円弧補間(2軸),ヘリカル補間(3軸)
制御方式 PTP(Point To Point)制御,等速位置決め,高速オシレート制御
加減速処理 台形加減速,S字加減速
補正機能 バックラッシュ補正,電子ギア
プログラム言語 専用命令(EIA言語)
モーションプログラム容量 504kバイト
プログラム本数 1024
軸指定プログラム:32 軸指定プログラム: 8
同時始動可能プログラム数
制御プログラム :16 制御プログラム :16
位置決め点数 約10600ポイント(間接指定可能)
USB/RS-232/Ethernet(シーケンサCPU経由),
周辺装置I/F
PERIPHERAL I/F(モーションCPU管理)*1
近点ドグ式(2種類),カウント式(3種類),データセット式(2種類),ドグクレードル式,
原点復帰機能 ストッパ停止式(2種類),リミットスイッチ兼用式,スケール原点信号検出式
原点復帰リトライ機能あり,原点シフト機能あり
JOG運転機能 あり
手動パルサ運転機能 3台接続可能(Q173DPX使用時)
Mコード機能 Mコード出力機能あり,Mコード完了待ち機能あり
出力点数32点
リミットスイッチ出力機能
ウォッチデータ:モーション制御データ/ワードデバイス
スキップ機能 あり
オーバライド比率設定機能 オーバライド比率設定:-100~100[%]
ROM運転機能 あり
外部入力信号 Q172DLXまたはサーボアンプの外部入力信号(FLS/RLS/DOG)
高速読出し機能 あり(入力ユニット経由,Q173DPXのトラッキング経由)
モーションコントローラ緊急停止(EMI端子,システム設定),
緊急停止
サーボアンプの強制停止端子
入出力点数 合計 256点(I/Oユニット)
時計機能 あり
セキュリティ機能 あり(パスワードによる保護)
オールクリア機能 あり
リモート操作 リモートRUN/STOP,リモートラッチクリア
デジタルオシロ機能 あり
サーボアンプにバッテリ装着にて対応可能
絶対位置システム
(軸ごとにアブソリュート方式/インクリメント方式の指定が可能)
*2 通信方式 SSCNETⅢ
SSCNETⅢ
系統数 2系統 1系統
モーション関連 Q172DLX 4台使用可能 1台使用可能
ユニット装着数 Q173DPX 1台使用可能

*1:Q173DCPU-S1/Q172DCPU-S1のみ。
*2:SSCNET対応のサーボアンプは使用できません。

1 - 9
1.概 要

(b) モーションプログラム性能仕様
項 目 Q173DCPU(-S1)/Q172DCPU(-S1)
プログラムファイルの総容量 504kバイト
プログラム容量
プログラム数 最大1024本(No.1~1024)
算術演算 単項演算,加減演算,乗除演算,剰余演算
演算制御 比較演算 等号,不等号
論理演算 論理シフト演算,論理否定,論理積,論理和,排他的論理和
G00,G01,G02,G03,G04,G09,G12,G13,G23,G24,G25,G26,G28,G30,
Gコード 位置決め指令 G32,G43,G44,G49,G53,G54,G55,G56,G57,G58,G59,G61,G64,G90,
G91,G92,G98,G99,G100,G101
Mコード データレジスタへの出力指令 M****
特殊Mコード プログラム制御指令 M00,M01,M02,M30,M98,M99,M100
変数 デバイス変数 X,Y,M,B,F,D,W,#,U□\G
三角関数 SIN,COS,TAN,ASIN,ACOS,ATAN
関数
数値関数 ABS,SQR,BIN,LN,EXP,BCD,RND,FIX,FUP,INT,FLT,DFLT,SFLT
起動・終了 CALL,CLEAR
原点復帰 CHGA
速度・トルク指定 CHGV,CHGT,TL
モーション制御 WAITON,WAITOFF,EXEON,EXEOFF
命令
CALL,GOSUB,GOSUBE,IF…GOTO,IF…THEN…ELSE IF…ELSE…END,
Jump・繰り返し処理
WHILE…DO…BREAK…CONTINUE…END
BMOV,BDMOV,FMOV,BSET,BRST,SET,RST,MULTW,MULTR,
データ操作
TO,FROM,ON,OFF,IF…THEN…SET/RST/OUT,PB
プ ロ グ ラ ム 呼 び 出 し (GOSUB /
最大8段
制御段数 GOSUBE)
プログラム呼び出し(M98) 最大8段
入出力点数(X/Y) 8192点
実入出力点数(PX/PY) 256点
内部リレー(M) 8192点
リンクリレー(B) 8192点
アナンシェータ(F) 2048点
デバイス点数
特殊リレー(SM) 2256点
(モーションCPU内蔵分
データレジスタ(D) 8192点
のみ)
リンクレジスタ(W) 8192点
(位置決め用専用デバイ
特殊レジスタ(SD) 2256点
スを含む)
モーションレジスタ(#) 8736点
フリーランタイマ(FT) 1点(888μs)
マルチCPU共有デバイス(U□\G) 最大14336点*

*:システム設定の設定により,使用できる点数が異なります。

1 - 10
1.概 要

1.3 システム構成

モーションコントローラのシステム構成,システムによる使用上の注意事項,構成
機器について説明します。

1.3.1 モーションシステム構成

(1) システムの機器構成
(a) Q173DSCPU/Q172DSCPU
Qシリーズユニットの増設
*2

Qシリーズ電源/QnUD(E)(H)CPU
モーションユニット
/QnUDVCPU/入出力/
(Q172DLX,Q173DPX)
インテリジェント機能ユニット

モーションユニット 基本ベースユニット 増設ケーブル Q6□B増設ベースユニット


(Q172DLX,Q172DEX,Q173DPX) (Q35DB,Q38DB,Q312DB) (QC□B) (Q63B,Q65B,Q68B,Q612B)

Qシリーズ電源/入出力/
安全信号ユニット モーションCPUユニット 緊急停止入力ケーブル
インテリジェント機能
(Q173DSXY) (Q173DSCPU/Q172DSCPU) (Q170DEMICBL□M)
ユニット

*1

M IT S U B I S H I
L IT H IU M B A T T E R Y

PROGRAMMABLE CONTROLLER
TYPE Q6BAT

RIOケーブル SSCNETⅢケーブル バッテリ


(Q173DSXYCBL□M) (MR-J3BUS□M(-A/-B)) (Q6BAT)

サーボアンプ サーボアンプ
(MR-J3(W)-□B) (MR-J4(W)-□B)

システムに応じて選択可能
*1:バッテリ(Q6BAT)を装着してください。
Q173DSCPU/Q172DSCPUに同梱。
*2:Q172DEXは増設ベースでは使用できません。基本ベースに装着してください。

1 - 11
1.概 要

(b) Q173DCPU(-S1)/Q172DCPU(-S1)
Qシリーズユニットの増設
*2

Qシリーズ電源/QnUD(E)(H)CPU
モーションユニット
/QnUDVCPU/入出力/
(Q172DLX,Q173DPX)
インテリジェント機能ユニット

モーションユニット 基本ベースユニット 増設ケーブル Q6□B増設ベースユニット


(Q172DLX,Q172DEX,Q173DPX) (Q35DB,Q38DB,Q312DB) (QC□B) (Q63B,Q65B,Q68B,Q612B)

*3

モーションCPUユニット Qシリーズ電源/入出力/
安全信号ユニット 緊急停止入力ケーブル
(Q173DCPU(-S1)/ インテリジェント機能
(Q173DSXY) (Q170DEMICBL□M)
Q172DCPU(-S1)) ユニット

*3 *1

RIOケーブル SSCNETⅢケーブル バッテリホルダユニット


(Q173DSXYCBL□M) (MR-J3BUS□M(-A/-B)) (Q170DBATC)

*1

M IT S U B I S H I
L IT H IU M B A T T E R Y

PROGRAMMABLE CONTROLLER
TYPE Q6BAT

サーボアンプ バッテリ
(MR-J3(W)-□B) (Q6BAT)

システムに応じて選択可能
*1:バッテリホルダユニット(Q170DBATC)にバッテリ(Q6BAT)を装着してください。
Q173DCPU(-S1)/Q172DCPU(-S1)に同梱。
*2:Q172DEXは増設ベースでは使用できません。基本ベースに装着してください。
*3:Q173DCPU-S1/Q172DCPU-S1のみ

1 - 12
1.概 要

(2) Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU用の周辺機器の構成
以下に示す(a)(b)(c)があります。

(a)USB用構成図 (b)RS-232用構成図 (c)Ethernet用構成図

モーションCPUユニット
シーケンサCPUユニット シーケンサCPUユニット (Q17□DSCPU/Q17□DCPU-S1)
(QnUD(E)(H)CPU/QnUDVCPU) (QnUD(H)CPU) シーケンサCPUユニット
(QnUDE(H)CPU/QnUDVCPU)

USBケーブル RS-232通信ケーブル
Ethernetケーブル*4
(推奨品)*1 (QC30R2)

パソコン*2 パソコン*3 パソコン*5

*1:当社で動作確認したUSBケーブル
製品名 形 名 会社名
MR-J3USBCBL3M 三菱電機株式会社
USBケーブル GT09-C30USB-5P 三菱電機システムサービス株式会社
(USB Aタイプ-USB miniBタイプ) KU-AMB530 サンワサプライ株式会社
USB-M53 エレコム株式会社

*2:USBケーブルに対応するOS
周辺ソフトウェア 対応OS
MT Developer2 Windows 2000/Windows XP/Windows Vista/Windows 7
 

MT Developer Windows 98/Windows 2000/Windows XP

*3:RS-232ケーブルに対応するOS
周辺ソフトウェア 対応OS
MT Developer2 Windows 2000/Windows XP/Windows Vista/Windows 7
 

MT Developer Windows 98/WindowsNT 4.0/Windows 2000/Windows XP

1 - 13
1.概 要

*4:対応するEthernetケーブル
① モーションCPUユニットに接続する場合
製品名 接続方法 ケーブル Ehternet規格 仕 様
10BASE-T
ハブ経由接続 ストレートケーブル
100BASE-TX Ethernet規格対応品ケーブル カテゴリ5以上
Ethernetケーブル
10BASE-T ・シールドツイストペアケーブル(STPケーブル)
直結接続 クロスケーブル
100BASE-TX

1) ケーブル選定条件
・カテゴリ:5以上
・導体径 :AWG26以上
・シールド:銅編シールドとドレイン線あり,または銅編シールドとアルミテープシー
ルド
2) 当社で動作確認したEthernetケーブル
・線材

形 名 会社名
IETP-SB 日本電線
AWG26 4P TPMC-C5(SV) 沖電線
R-OKTP-E5-P-AWG26×4P-SASB
岡野電線
R-OKTP-5-P-AWG24×4P-SASB

・コネクタプラグ

形 名 会社名
IP20 8P 1903527-1 タイコエレクトロニクス
ADT-RJ45-4 サンワサプライ

② シーケンサCPUユニットに接続する場合
「QnUCPUユーザーズマニュアル(内蔵Ethernetポート通信編)」を参照し
てください。

*5:MT Developer2のみ対応

1 - 14
1.概 要

1.3.2 Q173DSCPU/Q172DSCPUシステム全体構成

モーションCPU管理ユニット

入 サ 入 同 入 手
力 | 力 期 力 動
ユ ボ ユ エ ユ パ
ニ 外 ニ ン ニ ル
基本ベースユニット シーケンサCPU/ ッ 部 ッ コ ッ サ
モーションCPU ト 信 ト | ト
(Q3□DB) 号 ダ
PERIPHERAL I/F
Q61P QnUD□ Q17□DS QI60 QX□□ QY□□ 機 イ Q6□AD Q172DLX Q172DEX Q173DPX
CPU CPU 能 ン / I/Oユニット,
ユ テ
パネルパソコン ニ リ Q6□DA インテリジェント機能
ッ ジ
ト ェ ユニット


AC100/200V

手動パルス発生器 3台/ユニット
P
USB/RS-232/ (MR-HDP01)
Ethernet *1
シリアルABS同期エンコーダケーブル
(Q170ENCCBL□M)
シリアルABS同期エンコーダ 2台/ユニット
E
パソコン (Q171ENC-W8)
(PC/AT互換機)
外部入力信号 入力点数
・FLS :上限ストロークリミット
・RLS :下限ストロークリミット
8軸分/ユニット
バッテリ(Q6BAT) ・STOP :停止信号
・DOG/CHANGE:近点ドグ/速度・位置制御切換え

アナログ入力/出力

緊急停止入力ケーブル
(Q170DEMICBL□M) 入力/出力(最大256点)

EMI緊急停止入力(DC24V)
外部入力信号
増設ベースユニット ・上限ストロークリミット
(Q6□B) 外部割り込み入力(16点)
・下限ストロークリミット
電 ・停止信号
源 手動パルス発生器/

P ・近点ドグ/速度・位置制御切換え
INC同期エンコーダ 1台

増設ケーブル ッ
汎用入力信号/マーク検出入力信号(4点)
(QC□B) ト

最大7段 SSCNETⅢケーブル
(MR-J3BUS□M(-A/-B))
系統2 系統1
SSCNETⅢ(/H) SSCNETⅢ(/H)
d01 d16 d01 d16
(CN2) (CN1)
L61P LJ72MS15
I/Oユニット,
インテリジェント
機能ユニット
M M M M
E E E E
シリアルABS同期 L61P LJ72MS15
I/Oユニット,
エンコーダケーブル インテリジェント
(Q170ENCCBL□M-A) MR-J3(W)-□B/MR-J4(W)-□B形サーボアンプ 機能ユニット
Q173DSCPU:2系統(最大32軸(1系統最大16軸))
シリアルABS同期エンコーダ *2 Q172DSCPU:1系統(最大16軸)
E MELSEC-Lシリーズ SSCNETⅢ/Hヘッドユニット
(Q171ENC-W8)
(LJ72MS15)
サーボアンプの外部入力信号
Q173DSCPU:2系統(最大8局(1系統最大4局))
・近点ドグ/速度・位置制御切換え Q172DSCPU:1系統(最大4局)
・上限ストロークリミット
・下限ストロークリミット
*1:QnUDE(H)CPU/QnUDVCPUのみ
*2:MR-J4-□B-RJのみ

注意
● コントローラ,サーボアンプの異常時動作とシステムの安全方向動作が異なる場合は,コントローラ,
サーボアンプの外部で対策回路を構成してください。
● システムに使用する部品(コントローラ,サーボアンプ,サーボモータ以外)の定格,特性はコントロー
ラ,サーボアンプ,サーボモータと適合したものを使用してください。
● パラメータはコントローラ,サーボアンプ,サーボモータ,回生抵抗の形名,システムの用途に適合し
た値を設定してください。誤った設定により保護機能が働かなくなることがあります。

1 - 15
1.概 要

1.3.3 Q173DCPU(-S1)/Q172DCPU(-S1)システム全体構成

モーションCPU管理ユニット

入 サ 入 同 入 手
力 | 力 期 力 動
ユ ボ ユ エ ユ パ
ニ 外 ニ ン ニ ル
基本ベースユニット シーケンサCPU/ ッ 部 ッ コ ッ サ
モーションCPU ト 信 ト | ト
(Q3□DB) 号 ダ
PERIPHERAL I/F*1
Q61P QnUD□ Q17□D QI60 QX□□ Q6□AD Q172DLX Q172DEX Q173DPX
CPU CPU / /
QY□□ Q6□DA I/Oユニット,
パネルパソコン
インテリジェント機能ユニット

AC100/200V

手動パルス発生器 3台/ユニット
USB/RS-232/ P
(MR-HDP01)
Ethernet*2
シリアルABS同期エンコーダケーブル
(Q170ENCCBL□M)
シリアルABS同期エンコーダ 2台/ユニット
E
パソコン (Q170ENC)
(PC/AT互換機)
外部入力信号 入力点数
・FLS :上限ストロークリミット
・RLS :下限ストロークリミット
8軸分/ユニット
・STOP :停止信号
・DOG/CHANGE:近点ドグ/速度・位置制御切換え
バッテリホルダユニット
アナログ入力/出力
Q170DBATC
緊急停止入力ケーブル 入力/出力(最大256点)
(Q170DEMICBL□M)
EMI緊急停止入力(DC24V) 外部割り込み入力(16点)

増設ベースユニット
(Q6□B)


ユ SSCNETⅢケーブル
ニ (MR-J3BUS□M(-A/-B)) 系統1 SSCNETⅢ(CN1)
増設ケーブル ッ
(QC□B) ト d01 d16 d01 d16
系統2 SSCNETⅢ(CN2)
最大7段

M M M M
E E E E

MR-J3(W)-□B形サーボアンプ
Q173DCPU(-S1):2系統(最大32軸(1系統最大16軸))
Q172DCPU(-S1):1系統(最大8軸)

サーボアンプの外部入力信号
・近点ドグ/速度・位置制御切換え
・上限ストロークリミット
・下限ストロークリミット

*1:Q173DCPU-S1/Q172DCPU-S1のみ
*2:QnUDE(H)CPU/QnUDVCPUのみ

注意
● コントローラ,サーボアンプの異常時動作とシステムの安全方向動作が異なる場合は,コントローラ,
サーボアンプの外部で対策回路を構成してください。
● システムに使用する部品(コントローラ,サーボアンプ,サーボモータ以外)の定格,特性はコントロー
ラ,サーボアンプ,サーボモータと適合したものを使用してください。
● パラメータはコントローラ,サーボアンプ,サーボモータ,回生抵抗の形名,システムの用途に適合し
た値を設定してください。誤った設定により保護機能が働かなくなることがあります。

1 - 16
1.概 要

1.3.4 ソフトウェアパッケージ一覧

(1) 本体OSソフトウェア
形 名
用 途 *1 *1
Q173DSCPU Q172DSCPU Q173DCPU(-S1) Q172DCPU(-S1)
搬送組立用(SV13) SW8DNC-SV13QJ SW8DNC-SV13QL SW8DNC-SV13QB SW8DNC-SV13QD
自動機用(SV22) SW8DNC-SV22QJ SW8DNC-SV22QL SW8DNC-SV22QA SW8DNC-SV22QC
工作機周辺用(SV43) ─ ─ SW7DNC-SV43QA SW7DNC-SV43QC
*1:製品出荷時,本体OSソフトウェア(SV22(仮想モード切換え方式))がインストール済みです。
最新の本体OSソフトウェアは三菱電機FAサイトよりダウンロードできます。

(2) 本体OS形名・バージョン
(a) 本体OS(CD-ROM)での確認方法
(ア)

(イ)

(ウ)

(ア)本体OS形名
(イ)本体OSバーション
(ウ)製造番号

例)Q173DCPU,SV22,バージョン00Bの場合,
(ア)SW8DNC-SV22QA
(イ)00B
となります。

(b) MT Developer□での確認方法
(本体OSソフトウェア) S V 2 2 Q A V E R 3 0 0 B

AまたはB:Q173DCPU(-S1) 本体OS
CまたはD:Q172DCPU(-S1) バージョン
JまたはL:Q173DSCPU 3:モーションSFC対応を示す
Q172DSCPU .:モーションSFC非対応を示す

接続CPUの本体OS形名・バージョンは,以下の画面で確認できます。
① インストール画面
② メニューバー[ヘルプ]→[CPU情報]で表示されるCPU情報画面
(MT Developer2 バージョン“1.07H以降”)

1 - 17
1.概 要

(3) 周辺ソフトウェアパッケージ
(a) モーションコントローラエンジニアリング環境
品 名 形 名
MELSOFT MT Works2
SW1DNC-MTW2-J
(MT Developer2*1)

*1:モーションコントローラエンジニアリング環境「MELSOFT MT Works2」に含まれるプログラミン
グソフトウェアです。

(b) 総合立上げ支援ソフトウェア
品 名 形 名 バージョン
SW6RNC-GSVPRO 0AG以降
MT Developer*2,*3 SW6RNC-GSV 0AG以降
SW6RNC-GSVHELP 0AF以降
*2:SV43には対応していません。
*3:Q173DSCPU/Q172DSCPUには対応していません。

(4) 関連ソフトウェアパッケージ
(a) シーケンサ用ソフトウェアパッケージ
品 名 ソフトウェアパッケージ形名
GX Works2 SW1DNC-GXW2-J
GX Developer SW8D5C-GPPW-J

(b) サーボセットアップソフトウェアパッケージ
品 名 ソフトウェアパッケージ形名
MR Configurator2 SW1DNC-MRC2-J
MR Configurator*4 MRZJW3-SETUP221
*4:Q173DSCPU/Q172DSCPUには対応していません。

ポイント
本ソフトウェアを操作する上でWindows の操作方法に不明な点がある場合は,
Windowsの取扱説明書,または市販のガイドブックを参照してください。

1 - 18
1.概 要

1.3.5 モーションシステムの制約事項

(1) マルチCPUシステム組合せ
(a) モーションCPUユニット単独では使用できません。
1号機はユニバーサルモデルQCPUユニットである必要があります。
ユニバーサルモデルQCPUユニットは,マルチCPU設定において,「マルチCPU
間高速通信機能を使用する」設定にしてください。

(b) 基本ベースユニットは,マルチCPU間高速基本ベースユニット(Q35DB/Q38DB
/Q312DB)のみ使用可能です。

(c) モーションCPUユニットQ173DSCPU/Q172DSCPU/Q173DCPU(-S1)/
Q172DCPU(-S1) は , Q173HCPU(-T) / Q172HCPU(-T) / Q173CPUN(-T) /
Q172CPUN(-T)/Q173CPU/Q172CPUと組み合せて使用することはできません。
Q173DSCPU/Q172DSCPU/Q173DCPU(-S1)/Q172DCPU(-S1)は組み合せて使用で
きます。

(d) ユニバーサルモデルQCPUユニット/モーションCPUユニットは,基本ベースユ
ニットのCPUスロット(電源ユニットの右隣のスロット)から順に詰めて,I/O
スロット2まで最大4台装着できます。CPUユニットは左から順に,1号機~4号
機と称します。
2~4号機のCPUユニットの装着順に制約はありません。
1号機以外のCPUにおいて,CPU空きスロット(予約)を自由に組み合せること
ができます。CPU空きスロットは,CPUユニットとCPUユニットの間でも設定で
きます。
ただし,ハイパフォーマンスモデルQCPUユニット,プロセスCPUユニット,パ
ソコンCPUユニット,C言語コントローラユニットと組み合せた場合の装着条
件は各CPUユニットの仕様により異なりますので,各CPUのマニュアルを参照
してください。

(e) モーションCPUの立ち上がり(制御可能な状態となるまで)に10秒程度かかり
ます。システムにあわせてマルチCPU間同期立上げ設定を行ってください。

(f) モーションCPUユニットとユニバーサルモデルQCPUユニットの自動リフレッ
シュを行う場合は,マルチCPU間高速通信エリア設定の自動リフレッシュを使
用してください。
マルチCPUの組み合わせに,ハイパフォーマンスモデルQCPUユニット,プロセ
スCPUユニット,パソコンCPUユニット,C言語コントローラユニットがある場
合,これらのCPUとの自動リフレッシュを行うことはできません。

(g) モーションCPUユニットには,「D(P).」で始まるモーション専用シーケンス
命令を使用してください。「S(P).」で始まるモーション専用シーケンス命令
には対応していません。
マルチCPUの組み合わせに,ハイパフォーマンスモデルQCPUユニット,プロセ
スCPUユニット,パソコンCPUユニット,C言語コントローラユニットがある場
合,これらのCPUからのモーション専用シーケンス命令は実行できません。

1 - 19
1.概 要

(2) モーションユニット
(a) Q172DEX*1,Q173DSXYの実装位置は,基本ベースユニットのみです。増設ベー
スユニットでは使用できません。

(b) Q172DLX/Q173DPXは,基本ベースユニット/増設ベースユニットのどちらに
も実装できます。

(c) Q172DLX/Q172DEX*1/Q173DPXは,基本ベースユニットのCPUスロットおよび
I/O スロット0~2には装着できません。誤って装着すると,基本ベースユニッ
トが破損する恐れがあります。

(d) Q173DSXYは,Q173DCPU/Q172DCPUでは使用できません。

(e) Q173HCPU(-T) / Q172HCPU(-T) / Q173CPUN(-T) / Q172CPUN(-T) / Q173CPU /


Q172CPU対応のQ172EX(-S1/-S2/-S3)/Q172LX/Q173PX(-S1)は使用できませ
ん。

(f) モーションCPU専用のモーションユニット(Q172DLX/Q172DEX*1/Q173DPX)の
管理CPUは,必ずモーションCPUにしてください。シーケンサCPUを管理CPUと
誤って設定・実装すると正常に動作しません。
他号機のシーケンサCPUでは,32点インテリジェント機能ユニットとして扱わ
れます。

(g) Q173DSXYはシーケンサCPU管理となります。
Q173DSXYを接続するモーションCPUはマルチCPU構成において2号機のみです。
3号機,4号機のモーションCPUには使用できません。

*1:Q172DEXは,SV22で使用可能です。SV13/SV43では使用できません。

1 - 20
1.概 要

(3) その他の制約事項
(a) モーションCPUユニットは,インテリジェント機能ユニット(一部ユニットを
除く),表示器(GOT)の管理CPUには設定できません。

(b) バッテリを必ず使用してください。

(c) 緊急停止入力には,モーションCPUユニットのEMI端子で行う方法とシステム
設定の緊急停止入力設定で指定したデバイスを使用する方法があります。

(d) モーションCPUユニットのEMI端子の緊急停止入力をパラメータで無効にする
ことはできません。
モーションCPUユニットのEMI端子を使用せず,緊急停止入力設定で指定した
デバイスを使用する場合は,EMI端子にDC24V電圧を印加し,EMI端子の緊急停
止入力を無効にしてください。

(e) 緊急停止入力ケーブル(別売)を必ず使用してください。使用しないと緊急
停止を解除できません。

(f) サーボアンプとの通信は,システム設定のSSCNET設定で系統ごとに
「SSCNETⅢ/H」,または「SSCNETⅢ」を設定する必要があります。
「SSCNETⅢ/H」を設定した場合はMR-J4(W)-□B,「SSCNETⅢ」を設定した場合
はMR-J3(W)-□Bが使用できます。 QDS

(g) 通信方式が「SSCNETⅢ」の場合,以下の制約があります。
演算周期が0.2[ms]の場合は,サーボアンプの軸選択ロータリスイッチの設
定を“0~3”にして,システム設定を行ってください。サーボアンプの軸選
択ロータリスイッチを“4~F”に設定した場合は,サーボアンプが認識され
ません。 QDS
演算周期が0.4[ms]の場合は,サーボアンプの軸選択ロータリスイッチの設定
を“0~7”にして,システム設定を行ってください。サーボアンプの軸選択
ロータリスイッチを“8~F”に設定した場合は,サーボアンプが認識されま
せん。
SSCNET設定で「SSCNETⅢ/H」を設定した場合,制約はありません。
注) 使用するサーボアンプにより,軸選択ロータリスイッチの設定が異なり
ます。詳細は,サーボアンプの技術資料集を参照してください。

(h) 演算周期が0.2[ms]の場合,サーボアンプの最大制御軸数は1系統4軸,演算周
期が0.4[ms]の場合,サーボアンプの最大制御軸数は1系統8軸です。
SSCNET設定で「SSCNETⅢ/H」を設定した場合,制約はありません。 QDS

(i) 演算周期がデフォルト設定の場合,使用軸数に応じた演算周期が設定されま
すが,SSCNET通信設定で「SSCNETⅢ」を設定し,サーボアンプ使用軸数が1系
統9軸以上の場合は,0.8[ms]以上の演算周期が設定されます。
(1.2.2項参照) QDS

(j) MR-J4W3-□B(ソフトウェアバージョンA2以前),MR-J3W-□Bは,演算周期
0.2[ms]に対応していません。
MR-J4W3-□B(ソフトウェアバージョンA2以前),MR-J3W-□Bを使用する場合
は演算周期を0.4[ms]以上としてください。 QDS
MR-J4W3-□B(ソフトウェアバージョンA3以降)は,演算周期0.2[ms]に対応
しています。ただし,演算周期0.2[ms]で使用する場合,一部の機能に制約が
あります。詳細は,サーボアンプの技術資料集を参照してください。

1 - 21
1.概 要

(k) MR-J4W-□B使用時,該当サーボアンプ内に1軸でもシステム設定にて設定され
ていない軸がある場合,該当サーボアンプに接続している軸すべてと以降の
サーボアンプが接続できない状態となります。
MR-J4W-□Bで使用しない軸は,ディップスイッチにて該当する軸の設定を未
使用に設定してください。 QDS

(l) 基本ベースユニットにモーションCPUユニットを装着する場合,DINレール取
付けはできません。
振動による誤動作の原因となります。

(m) モーションユニット(Q172DLX/Q172DEX/Q173DPX)の機能バージョンにより,
GX Works2/GX Developerのシステムモニタの製品情報一覧で表示されるユ
ニット形名表示が異なります。
注) 機能バージョン「C」と表示されても,オンラインユニット交換には対応し
ていません。
形名表示
ユニット形名
機能バージョン「B」 機能バージョン「C」
Q172DLX Q172LX Q172DLX
Q172DEX MOTION-UNIT Q172DEX
Q173DPX MOTION-UNIT Q173DPX

(n) 表示器(GOT)を使用する場合,モーションCPU(Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU)
に対応したバージョンを使用してください。
(「GOT1000シリーズ接続マニュアル(三菱電機機器接続編)」参照)

1 - 22
1.概 要

1.4 製造番号と本体OSソフトウェアバージョンの確認方法

モーションCPUユニット,モーションユニットの製造番号,および本体OSソフトウェ
アバージョンの確認方法を示します。

1.4.1 製造番号確認

(1) モーションCPUユニット(Q173DSCPU/Q172DSCPU)
(a) 定格銘板
定格銘板は,モーションCPUユニットの側面にあります。

(b) モーションCPUユニット前面
モーションCPUユニットの下部前方にあるバッテリカバーに製造番号が印字
されています。

Q173DSCPU

F01 F01
SW
AB E

AB E
23 6

23 6
CD

CD
45

45

1 2
789 789

STOP RUN MITSUBISHI


MOTION CONTROLLER PASSED
EMI MODEL
Q173DSCPU
5VDC 1.75A
PERIPHERAL I/F

SERIAL N2X234999 製造番号


C
UL US LISTED
KCC-REI-MEK-
TC510A792G61
80M1 IND. CONT.EQ. DATE:2011-11

定格銘板
CN1

EXT.I/F

MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION


MADE IN JAPAN
See Q173DSCPU Instruction manual.
CN2

PULL

FRONT
RIO

製造番号 N2X234999

(c) システムモニタ(製品情報一覧)
GX Works2/GX Developerのシステムモニタで確認できます。(1.4.2項参照)

1 - 23
1.概 要

(2) モーションCPUユニット(Q173DCPU(-S1)/Q172DCPU(-S1))
(a) 定格銘板
定格銘板は,モーションCPUユニットの側面にあります。

(b) モーションCPUユニット前面
モーションCPUユニットの下部前方にある突起部に製造番号が印字されてい
ます。

Q173DCPU-S1

F01 F01
SW
AB E

AB E
23 6

23 6
CD

CD
45

45

1 2
789 789

STOP RUN
CAUTION
EMI
PERIPHERAL I/F

MITSUBISHI
MOTION CONTROLLER PASSED 定格銘板
MODEL Q173DCPU-S1
0026924699D0 5VDC 1.30A
SERIAL M16349999 製造番号
C
UL 80M1
US LISTED
IND. CONT. EQ.
MADE IN JAPAN
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION
See Q173DCPU-S1 Instru ction man ua l.
CN1

DATE:2011-06

KCC-REI-MEK-TC510A692051
CN2

FRONT
BAT
RIO

製造番号 M16349999

(c) システムモニタ(製品情報一覧)
GX Works2/GX Developerのシステムモニタで確認できます。(1.4.2項参照)

備 考

モーションCPUユニットの製造番号表示は,2007年10月上旬生産分のモーションCPU
ユニットから対応しています。

1 - 24
1.概 要

(3) モーションユニット(Q172DLX/Q172DEX/Q173DPX/Q173DSXY)
(a) 定格銘板
定格銘板は,モーションユニットの側面にあります。

(b) モーションユニット前面
モーションユニットの下部前方にある突起部に製造番号が印字されています。

Q172DLX

MITSUBISHI PASSED 定格銘板


MOTION I/F UNIT
MODEL Q172DLX
24VDC 0.16A 5VDC 0.06A
SERIAL
DATE 2011-06
C16054999 製造番号
C
UL US LISTED
80M1 IND. CONT. EQ.

MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION


MADE IN JAPAN BC370C224H01
CTRL See Q1 72DLX I nstruction man ual .

KCC-REI-MEK-
TC510A646G51

Q172DLX

製造番号 C16054999

備 考

モーションユニットの製造番号表示は,2008年4月上旬生産分のモーションユニット
から対応しています。

1 - 25
1.概 要

1.4.2 本体OSソフトウェアバージョンの確認 Ver.!

モーションCPUの本体OSソフトウェアバージョンは,GX Works2/GX Developerのシ


ステムモニタで確認できます。
GX Works2/GX Developerの[診断]-[システムモニタ]で表示されるシステムモニタ
画面の[製品情報一覧]ボタンを選択します。

モーションCPUユニット
の製造番号

本体OSソフトウェアのバージョン

<画面:GX Works2>

備 考

(1) GX Works2/GX Developerのシステムモニタ(製品情報一覧)での「モーション


CPUユニットの製造番号」および「本体OSソフトウェアのバージョン」の表示は,
2007年10月上旬生産分のモーションCPUユニットから対応しています。
(2) モーションCPUの本体OSソフトウェアバージョンは,本体OSソフトウェアの
CD-ROM,またはMT Developer□でも確認できます。(1.3.4項参照)

Ver.! :ソフトウェアの対応バージョンについては,1.5節を参照してください。

1 - 26
1.概 要

メ モ

1 - 27
1.概 要

1.5 ソフトウェアのバージョンによる機能の制約

本体OSソフトウェア,および周辺ソフトウェアのバージョンにより,使用できる機
能に制約があります。
各バージョンと機能の組合せを表1.1に示します。

表1.1 ソフトウェアのバージョンによる機能の制約
本体OSソフトウェアバージョン*1,*2

機 能 Q173DSCPU/Q172DSCPU Q173DCPU(-S1)/Q172DCPU(-S1)

SV13/SV22 SV13/SV22 SV43


GX DeveloperでのモーションCPUユニット製造番号,
― 00D ―
および本体OSソフトウェアバージョンの確認
アドバンストS字加減速
― 00H
(サーボプログラムの等速制御(CPSTART)を除く)
ダイレクトドライブサーボ
― 00H 00B
MR-J3-□B-RJ080W対応
サーボアンプ表示サーボエラーコード
― 00H 00B
(#8008+20n)
0.44msの定周期イベントタスク ― 00H
444μsフリーランタイマ(SD720,SD721) ― 00H 00B
リアルモードでの同期エンコーダ現在値モニタ ― 00H
現在値履歴モニタでの過去10回分の履歴表示 ― 00H 00C
アンプなし運転 ― 00H
リアルモード/仮想モード混在機能でのサーボ命令
(原点復帰(ZERO),高速オシレート(OSC)),手動パ ― 00H
ルサ運転
サーボプログラムの等速制御(CPSTART)でのアドバ
― 00K
ンストS字加減速
カウント式原点復帰,速度・位置切換え制御でのサー
― 00G 00B
ボアンプの外部入力信号(DOG)
PERIPHERAL I/Fによる通信 ― 00H 00C
モーションSFC演算制御命令
― 00L ―
型変換(DFLT,SFLT)
ビジョンシステム専用関数
(MVOPEN,MVLOAD,MVTRG,MVPST,MVIN,MVFIN,MVCLOSE, ― 00L
MVCOM)
スケール原点信号検出式原点復帰 ― 00L 00C
パルス変換ユニット(始動時バイアス速度) ― 00N
デジタルオシロ機能にてリアルタイム表示機能に
― 00N 00C
対応
急停止減速時間設定エラー無効機能 ― 00S
ビジョンシステム専用関数(MVOUT) ― 00S

1 - 28
1.概 要

周辺ソフトウェアバージョン
MELSOFT MT Works2(MT Developer2) MT Developer
Q173DSCPU/ Q173DCPU(-S1)/ Q173DSCPU/ Q173DCPU(-S1)/ 参 照
MR Configurator2 MR Configurator
Q172DSCPU Q172DCPU(-S1) Q172DSCPU Q172DCPU(-S1)
SV13/SV22 SV13/SV22 SV43 SV13/SV22 SV13/SV22 SV43

― ― ― 未対応 ― ― ― ― 1.4節

1.34L 1.07H 未対応 未対応 ― ― *4

1.34L 1.07H 1.07H 未対応 未対応 未対応 1.00A C2

― ─ ─ 未対応 ― ― ― ― *4,*5

1.34L 1.07H 未対応 未対応 ― ― *3


― ― ― 未対応 ― ― ― ― 付1.2
― ― 未対応 ― ― ― *5
1.34L 1.07H 1.23Z 未対応 未対応 未対応 ― ― 4.2節
― ― 未対応 ― ― ― 4.11節

1.34L 1.08J 未対応 未対応 ― ― *5

1.34L 1.08J 未対応 未対応 ― ― *4

1.34L 1.12N 未対応 未対応 未対応 未対応 ― ―

1.34L 1.12N 1.23Z 未対応 未対応 未対応 ― ― 4.13節

1.34L 1.12N ─ 未対応 未対応 ― ― ― *3

1.34L 1.12N 未対応 未対応 ― ― *3

1.34L 1.12N 1.23Z 未対応 未対応 未対応 ― ― *4


1.34L 1.18U 未対応 未対応 1.02C 未対応 *4

1.34L 1.18U 1.23Z 未対応 未対応 未対応 ― ―

― ― 未対応 未対応 ― ― *4
1.34L 1.34L 未対応 未対応 ― ― *3

―:バージョンによる制約はありません。
*1:SV13/SV22は全て同じバージョンです。
*2:本体OSソフトウェアバージョンは,本体OS(CD-ROM),MT Developer□,およびGX Works2/GX Developerで確認できます。
(1.3節,1.4節参照)
*3:Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPUモーションコントローラ(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(モーションSFC編)
*4:Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPUモーションコントローラ(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(リアルモード編)
*5:Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPUモーションコントローラ(SV22)プログラミングマニュアル(仮想モード編)
*6:Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPUモーションコントローラプログラミングマニュアル(安全監視機能編)
*7:Q173DSCPU/Q172DSCPUモーションコントローラ(SV22)プログラミングマニュアル(アドバンスト同期制御編)

1 - 29
1.概 要

表1.1 ソフトウェアのバージョンによる機能の制約(つづき)
本体OSソフトウェアバージョン*1,*2

機 能 Q173DSCPU/Q172DSCPU Q173DCPU(-S1)/Q172DCPU(-S1)

SV13/SV22 SV13/SV22 SV43


モーションSFC演算制御命令
プログラム制御(IF~ELSE~IEND,SELECT~CASE~ ― 00R
SEND,FOR~NEXT,BREAK)
モーションエラー履歴デバイス(#8640~#8735)の
― 00S
エラー設定データ情報に応じた表示形式に対応
製品情報一覧デバイス(#8736~#8751) ― 00S
安全監視機能 ― 00S
速度制御(Ⅰ)での送り現在値更新指令(M3212+20n)
00B 未対応
有効
緊急停止入力ONラッチ(SM506) 00B 00S
動作方式(SD560) 00B 未対応
アドバンスト同期制御 00B 未対応

リミットスイッチ出力機能拡張 00B 未対応

ドライバ間通信機能(SSCNETⅢ) 00C 未対応


インテリジェント機能ユニット対応 00C 未対応
SSCNETⅢ/Hヘッドユニット接続 00C 未対応
カム自動生成(CAMMK)の簡易ストローク比カム 00C 未対応
加減速時間変更機能 00C 未対応
ドグレス原点信号基準式原点復帰 00C 未対応
バックラッシュ補正量の設定範囲拡張 00C 未対応
マルチCPU間同期制御 00C 未対応
同期制御中のカム軸1サイクル長変更 00C 未対応
日機電装株式会社製 SSCNETⅢ ─ 00L
サーボドライバVCⅡシリーズ SSCNETⅢ/H 00D 未対応
汎用インバータFR-A700シリーズ ─ ─
サーボアンプ経由同期エンコーダ 00D 未対応
ドライバ間通信機能(SSCNETⅢ/H) 00D 未対応

1 - 30
1.概 要

周辺ソフトウェアバージョン
MELSOFT MT Works2(MT Developer2) MT Developer
Q173DSCPU/ Q173DCPU(-S1)/ Q173DSCPU/ Q173DCPU(-S1)/ 参 照
MR Configurator2 MR Configurator
Q172DSCPU Q172DCPU(-S1) Q172DSCPU Q172DCPU(-S1)
SV13/SV22 SV13/SV22 SV43 SV13/SV22 SV13/SV22 SV43

1.34L 1.34L 未対応 未対応 ― ― *3

― ― 未対応 未対応 ― ― *3

― ― 未対応 未対応 ― ― *4,*5


1.34L 1.34L 未対応 未対応 ― ― *6

― 未対応 未対応 未対応 ― ― *4

― ― 未対応 未対応 ― ― 付1.1


― 未対応 未対応 未対応 ― ― 付1.2
1.46Y 未対応 未対応 未対応 ― ― *7
4.1.3項
1.46Y 未対応 未対応 未対応 ― ―
4.1.4項
― 未対応 未対応 未対応 ― ― 4.16節
1.56J 未対応 未対応 未対応 ― ― 4.17節
1.56J 未対応 未対応 未対応 ― ― 4.18節
1.56J 未対応 未対応 未対応 ― ― *3
1.56J 未対応 未対応 未対応 ― ― *4
1.56J 未対応 未対応 未対応 ― ― *4
1.56J 未対応 未対応 未対応 ― ― *4
1.56J 未対応 未対応 未対応 ― ― *7
1.56J 未対応 未対応 未対応 ― ― *7
1.34L 1.12N 未対応 未対応 ― ― *4
1.56J 未対応 未対応 未対応 ― ― *4
1.34L 1.12N 未対応 未対応 ― ― *4
1.66U 未対応 未対応 未対応 1.21X ― *7
1.66U 未対応 未対応 未対応 1.21X ― 4.16節

―:バージョンによる制約はありません。
*1:SV13/SV22は全て同じバージョンです。
*2:本体OSソフトウェアバージョンは,本体OS(CD-ROM),MT Developer□,およびGX Works2/GX Developerで確認できます。
(1.3節,1.4節参照)
*3:Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPUモーションコントローラ(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(モーションSFC編)
*4:Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPUモーションコントローラ(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(リアルモード編)
*5:Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPUモーションコントローラ(SV22)プログラミングマニュアル(仮想モード編)
*6:Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPUモーションコントローラプログラミングマニュアル(安全監視機能編)
*7:Q173DSCPU/Q172DSCPUモーションコントローラ(SV22)プログラミングマニュアル(アドバンスト同期制御編)

1 - 31
1.概 要

1.6 周辺ソフトウェアの対応バージョン

モーションCPUに対応する周辺ソフトウェアのバージョンを下表に示します。
MELSOFT MT Works2
MT Developer
モーションCPU (MT Developer2) MR Configurator2 MR Configurator
SV13/SV22 SV43 SV13/SV22 SV43
Q173DSCPU 1.34L*1 未対応 1.09K 未対応
Q172DSCPU 1.34L*1 未対応 1.09K 未対応
Q173DCPU-S1 1.00A*2 1.02C*3 0AG 未対応 1.00A B8*4
*2 *3
Q172DCPU-S1 1.00A 1.02C 0AG 未対応 1.00A B8*4
Q173DCPU 1.00A 1.02C 0AG 未対応 1.00A B8*4
Q172DCPU 1.00A 1.02C 0AG 未対応 1.00A B8*4

*1:アドバンスト同期制御方式で使用する場合は,1.46Y以降
*2:PERIPHERAL I/Fで通信を行う場合は,1.12N以降
*3:PERIPHERAL I/Fで通信を行う場合は,1.23Z以降
*4:MT Developer2と組み合わせて使用する場合は,C0以降

1 - 32
2.マルチCPUシステム

第2章 マルチCPUシステム

2.1 マルチCPUシステム

2.1.1 概 要 2
(1) マルチシステムとは
マルチCPUシステムは,複数台(最大4台)のシーケンサCPU/モーションCPUユニッ
トを基本ベースユニットに装着し,各々のCPUユニットで入出力ユニット,インテ
リジェント機能ユニットを制御するシステムです。
また,モーションCPUは,SSCNETⅢケーブルで接続したサーボアンプを管理します。

(2) 負荷分散によるシステム構築が可能
(a) 複雑なサーボ制御はモーションCPUで,それ以外の機械制御,情報制御はシー
ケンサCPUに担当させることにより,処理の負荷分散が可能です。

(b) 複数のモーションCPUを使用することにより,制御軸数を増やせます。
Q173DSCPU/Q173DCPU(-S1)を3台使用することにより,最大96軸までの制御が
可能です。

(c) 1台のシーケンサCPUで行っていた高負荷処理を複数のCPUユニットに分散させ
ることにより,システム全体のシーケンススキャンタイムの軽減ができます。

(3) マルチCPUシステムの各CPU間での交信が可能
(a) 自動リフレッシュを使用すると,他号機のデバイスデータが自動で読み出さ
れるため,他号機のデバイスデータも自号機デバイスデータとして使用する
ことができます。
*:マルチCPUシステムの組合せにハイパフォーマンスモデルCPUユニット,
プロセスCPUユニット,パソコンCPUユニット,C言語コントローラユニッ
トがある場合,これらのユニットとの自動リフレッシュを行うことはで
きません。

(b) モーション専用シーケンス命令により,シーケンサCPUからモーションCPUの
デバイスデータアクセスや,モーションSFCプログラム(SV13/SV22)/モー
ションプログラム(SV43)起動を行うことができます。

2 - 1
2.マルチCPUシステム

2.1.2 CPUユニットの装着位置

シーケンサCPU/モーションCPUユニットは,基本ベースユニットのCPUスロット(電
源ユニットの右隣のスロット)からスロット2まで最大4台装着できます。
モーションCPUユニットをCPUスロットに装着することはできません。
マルチCPUの組合せとして,1号機はシーケンサCPUユニットとする必要があります。
2~4号機のCPUユニットの装着順に制約はありません。
Q173DSCPU/Q172DSCPUとQ173DCPU(-S1)/Q172DCPU(-S1)を組み合わせて使用できま
す。
*:ハイパフォーマンスモデルCPUユニット,プロセスCPUユニット,パソコンCPUユ
ニット,C言語コントローラユニットと組み合わせて使用する場合は,各CPUユ
ニットのマニュアルを参照してください。

表2.1 CPUユニットの装着例
CPU台数 CPUユニットの装着位置
CPU 0 1 2
電 QnUD□ Q17□D(S)
CPU CPU
2 源 ── ──

1号機 2号機 3号機 4号機


CPU 0 1 2 CPU 0 1 2
電 QnUD□ Q17□D(S) QnUD□ 電 QnUD□ Q17□D(S) Q17□D(S)
CPU CPU CPU CPU CPU CPU
3 源 源 ──

1号機 2号機 3号機 4号機 1号機 2号機 3号機 4号機

CPU 0 1 2 CPU 0 1 2 CPU 0 1 2


電 QnUD□ Q17□D(S) QnUD□ CPU 電 QnUD□ Q17□D(S) Q17□D(S) QnUD□ 電 QnUD□ Q17□D(S) Q17□D(S) Q17□D(S)
CPU CPU CPU 空き CPU CPU CPU CPU CPU CPU CPU CPU
4 源 源 源

1号機 2号機 3号機 4号機 1号機 2号機 3号機 4号機 1号機 2号機 3号機 4号機

CPU 0 1 2 :スロット番号

将来のCPUユニット追加用として空きスロットを設けることができます。マルチCPU
設定で空きスロットを含めたCPU台数を設定し,CPU設定で,空きにしたいスロットの
種別を“CPU(空き)”に設定します。

(例1) (例2) (例3)


CPU 0 1 2 CPU 0 1 2 CPU 0 1 2
電 QnUD□ CPU Q17□D(S) 電 QnUD□ CPU Q17□D(S) CPU 電 QnUD□ CPU CPU Q17□D(S)
CPU 空き CPU CPU 空き CPU 空き CPU 空き 空き CPU

源 源 源

1号機 2号機 3号機 4号機 1号機 2号機 3号機 4号機 1号機 2号機 3号機 4号機

2 - 2
2.マルチCPUシステム

2.1.3 入出力ユニット/インテリジェント機能ユニット使用時の注意事項

(1) モーションCPUで管理可能なユニット
モーションCPUで管理可能なユニットは,下記のとおりです。
・モーションユニット(Q172DLX,Q172DEX,Q173DPX)
・入出力ユニット(QX□,QX□-□,QY□,QY□-□,QH□,QX□Y□)
・インテリジェント機能ユニット*1
・割込みユニット(QI60)

*1:対応するインテリジェント機能ユニットについては,4.17節を参照してく
ださい。

(2) マルチCPU対応バーション
インテリジェント機能ユニットは,機能バージョン“B”以降でマルチCPUシステ
ムに対応しています。モーションCPUで管理できないインテリジェント機能ユニッ
ト(ネットワークユニット等)は,必ずシーケンサCPUを管理CPUとして使用して
ください。

(3) 管理外CPUからのアクセス範囲
(a) モーションCPUは自CPUの管理するユニットのみアクセスできます。他号機の
管理しているユニットにはアクセスできません。

(b) モーションCPUが管理しているユニットに対して,管理外シーケンサCPUから
のアクセス範囲を下表に示します。

表2.2 管理外ユニットへのアクセス範囲
グループ外の入出力設定(シーケンサCPUでの設定)
アクセス対象
不許可(チェックなし) 許可(チェックあり)
入力(X) × ○
出力(Y) × ×
読出し × ×
バッファメモリ
書込み × ×

○:アクセス可 ×:アクセス不可

備 考

・インテリジェント機能ユニットの機能バージョンの確認は,インテリジェント機
能ユニットの定格銘板とGX Works2/GX Developerのシステムモニタの製品情報一
覧で確認できます。
・モーションCPUで管理可能な入出力ユニットの形名については,「Q173D(S)CPU/
Q172D(S)CPU モーションコントローラユーザーズマニュアル」を参照してくださ
い。

2 - 3
2.マルチCPUシステム

2.1.4 装着に制約のあるユニット

(1) モーションCPUで装着に制約のあるユニットを下表に示します。
下表の制限以内で使用してください。
(a) SV13/SV22
1CPUあたりの装着台数制限
品 名 形 名
Q173DSCPU Q172DSCPU Q173DCPU(-S1) Q172DCPU(-S1)
サーボ外部信号ユニット Q172DLX 4台 2台 4台 1台
同期エンコーダ入力ユニット Q172DEX*2 6台 4台
INC同期エンコーダ
4台 3台
*1 使用時*2
手動パルサ入力ユニット Q173DPX
手動パルサのみ
1台
使用時
QX□
入力ユニット
QX□-□
QY□
出力ユニット
QY□-□
QH□
入出力混合ユニット 合計 256点
QX□Y□ 合計 256点*5
アナログ入力
Q6□AD□ Q6□AD-□
ユニット
インテリジェント
アナログ出力
機能ユニット*3 Q6□DA□ Q6□DA-□
ユニット
汎用 *4 ─
割込みユニット QI60 1台

*1:SV22で手動パルサ,同期エンコーダを同時に使用する場合は,若番スロット番号実装のQ173DPXが手動パルサ入力用となります。
*2:SV22のみ
*3:インテリジェント機能ユニットはあわせて4台使用可能です。
*4:対応するインテリジェント機能ユニットの詳細は,4.17節を参照してください。
*5:入出力点数は,「モーションCPU内蔵I/F(入力点数4点)+入出力ユニット+インテリジェント機能ユニット」の合計となります。

(b) SV43
1CPUあたりの装着台数制限
品 名 形 名
Q173DCPU(-S1) Q172DCPU(-S1)
サーボ外部信号ユニット Q172DLX 4台 1台
手動パルサのみ
手動パルサ入力ユニット Q173DPX 1台
使用時
QX□
入力ユニット
QX□-□
QY□
出力ユニット
QY□-□
QH□
入出力混合ユニット 合計 256点
QX□Y□
アナログ入力
Q6□AD□Q6□AD-□
インテリジェント ユニット
機能ユニット*1 アナログ出力
Q6□DA□Q6□DA-□
ユニット

*1:インテリジェント機能ユニットはあわせて4台使用可能です。

2 - 4
2.マルチCPUシステム

(2) 基本ベースユニット1台と増設ベースユニット7台の合計8台のベースユニットを
使用することができます。ただし,使用できるスロット数(ユニット数)は空き
スロットを含め1システムで64スロットです。65スロット以降にユニットが装着さ
れているとエラー(SP.UNIT LAY ERROR)になります。ユニットの装着は64スロット
の範囲内にしてください。(基本ベースユニットと増設ベースユニットの合計が
65スロット以上(例えば,12スロットベース6台使用)でも,ユニットが64スロッ
ト以内に装着されている場合はエラーになりません。)

ポイント
(1) Q172DLX/Q172DEX/Q173DPXは,基本ベースユニットのCPUスロットおよびI/O
スロット 0~2には装着できません。誤って装着すると,基本ベースユニット
が破損する恐れがあります。
(2) Q172DEXの実装位置は,基本ベースユニットのみです。増設ベースユニットで
は使用できません。

2 - 5
2.マルチCPUシステム

2.1.5 マルチCPUシステムのリセット方法

マルチCPUシステムでは,1号機のシーケンサCPUユニットのリセットにより,システ
ム全体のリセットができます。
1号機のシーケンサCPUユニットをリセットすると,全号機のCPUユニット,入出力ユ
ニット,インテリジェント機能ユニットはすべてリセットされます。

マルチCPUシステムのいずれかの号機が停止エラーになっている場合の復旧時には,
1号機のシーケンサCPUユニットをリセットするか,マルチCPUシステムの電源の再立上
げ(電源のON → OFF → ON)を行ってください。
(停止エラーになっている1号機以外のシーケンサCPUユニットのリセットで復旧させ
ることはできません。)

ポイント
(1) マルチCPUシステムでは1号機以外のシーケンサCPUユニットを個別にリセット
することはできません。
マルチCPUシステムの運転中に1号機以外のいずれかのシーケンサCPUユニット
をリセットした場合は,他号機がMULTI CPU DOWN(エラーコード:7000)にな
り,マルチCPUシステム全体が停止します。
ただし,1号機以外のいずれかのシーケンサCPUユニットのリセットタイミング
により,MULTI CPU DOWN以外のエラーで他号機のシーケンサCPUユニット/モー
ションCPUユニットが停止することがあります。
(2) マルチCPU設定の動作モード(n号機のエラーで全号機停止/続行)の設定に関
係なく,1号機以外のシーケンサCPUユニットをリセットするとMULTI CPU DOWN
になります。(2.1.6項参照)

2 - 6
2.マルチCPUシステム

2.1.6 CPUユニット停止エラー時の動作

マルチCPUシステムでは,1号機のCPUユニットが停止エラーになった場合と1号機以
外のCPUユニットが停止エラーになった場合では,システム全体の動作が異なります。

(1) 1号機が停止エラーになった場合
(a) 1号機のシーケンサCPUユニットが停止エラーになると,1号機以外のシーケン
サCPUユニット/モーションCPUユニットはすべてMULTI CPU DOWN(エラーコー
ド:7000)になり,マルチCPUシステムは停止します。*1

(b) システムの復旧は,次の手順で行います。
① GX Works2/GX DeveloperのPC診断で1号機のエラー要因を確認する。
② エラー要因を取り除く。
③ 1号機のシーケンサCPUユニットをリセットするか,マルチCPUシステムの
電源の再立ち上げ(電源ON→OFF→ON)を行う。
1号機のシーケンサCPUユニットをリセット/電源の再立上げによりマルチ
CPUシステムの全号機がリセットされ,システムが復旧します。

(2) 1号機以外が停止エラーになった場合
1号機以外のシーケンサCPUユニット/モーションCPUユニットが停止エラーに
なったとき,システム全体が停止するかしないかは,マルチCPU設定の“動作モー
ド”の設定によります。
初期値は,すべての号機が停止エラーで,全号機停止に設定されています。
シーケンサCPUユニット/モーションCPUユニットで停止エラー発生時に全号機停
止させたくない場合は,全号機“n号機のエラーで全号機停止”のチェックマーク
をはずしてください。(矢印 Ⓐ )

<画面:MT Developer2>

(a) “n号機のエラーで全号機停止”に設定したCPUユニットで停止エラーが発生
すると,他号機のシーケンサCPUユニット/モーションCPUユニットはすべて
停止エラーのMULTI CPU DOWN(エラーコード:7000)になり,マルチCPUシス
テムは停止します。*1

2 - 7
2.マルチCPUシステム

(b) “n号機のエラーで全号機停止しない”に設定したCPUユニットで停止エラー
が発生すると,他号機のCPUユニットはすべて続行エラーのMULTI CPU ERROR
(エラーコード:7020)になり,運転を継続します。

ポイント
*1:停止エラーが発生すると,エラーを検出した号機がMULTI CPU DOWN(エラー
コード:7000)の停止エラーになります。
エラー検出のタイミングにより最初に停止エラーになった号機ではなく,
MULTI CPU DOWNになった号機の停止エラーを検出し,MULTI CPU DOWNになる
ことがあります。
このため,エラー情報の共通情報区分には,最初に停止エラーとなった号機
と異なる号機番号が格納されることがあります。
システムの復旧時は,MULTI CPU DOWN以外で停止している号機のエラー要因
を取り除いてください。
下図の場合は,MULTI CPU DOWNになっていない2号機のエラー要因を取り除き
ます。
停止エラーは,GX Works2/GX DeveloperのPC診断で確認できます。

<画面:GX Works2>

(c) システムの復旧は,次の手順で行います。
① GX Works2/GX DeveloperのPC診断で,エラーの号機とエラー要因を確認
する。
② エラー発生CPUがモーションCPUで,エラーコードが10000~10999の場合は,
MT Developer□のモニタでエラー要因を確認する。
③ エラー要因を取り除く。
④ 1号機のシーケンサCPUユニットをリセットするか,マルチCPUシステムの
電源の再立上げ(電源ON→OFF→ON)を行う。
1号機のシーケンサCPUユニットをリセット/マルチCPUシステムの電源の再
立上げによりマルチCPUシステムの全号機がリセットされ,システムが復旧し
ます。

2 - 8
2.マルチCPUシステム

(3) モーションCPUがエラーとなった場合の動作
モーションCPUがエラーとなった場合の動作を下記にまとめます。
分 類 エラー種別 動作概要 備 考
最初から動作しない ・実出力PY全点OFF,他CPUには影
システム設定エラー
(RUNしない) 響を与えない
WDTエラー 異常に応じて区別する ・実出力PY全点OFF,パラメータ設
運転不可エラー 自己診断エラー 停止エラー時停止する 定により,他CPUも停止する
STOP(M2000 OFF)相当の動作
他CPU停止エラー および“CPU停止エラー時の ・実出力PY全点OFF
動作モード”による
続行エラー時,運転を継続す
自己診断エラー

モーションSFCエラー*1
運転続行可能 軽度エラー ・該当プログラムのみ停止
モーションCPU全体の処理が
エラー 重度エラー (エラー種別によっては続行)
停止することはなく,プログ
サーボエラー ・実出力PYは出力を保持する
ラム単位,軸単位で停止する
サーボプログラム設定エラー*1/ ・他CPUには影響を与えない
*2
モーションプログラム設定エラー
*1:SV13/SV22使用時
*2:SV43使用時

2 - 9
2.マルチCPUシステム

2.2 マルチCPUシステムの立上げ

マルチCPUシステムの標準的な立上げ手順について説明します。

2.2.1 マルチCPUシステムの立上げフロー

開 始

マルチCPUシステムでの機能分担の明確化
各CPUで実行する制御,機能を明確にする。

デバイスの用途・割付け ・2.3節参照
CPU共有メモリの自動リフレッシュを行う
場合は,リフレッシュ点数を連続で確保
する。

ユニットの選定 ・「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPUモーションコントローラ
マルチCPUシステムで実行する機能を実現 ユーザーズマニュアル」参照
するためのユニットを選定する。
シーケンサCPU
モーションCPU
ユニットの装着 ・「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPUモーションコントローラ
選択したユニットを基本ベースユニット, ユーザーズマニュアル」参照
増設ベースユニットに装着する。

GX Works2/GX Developerの立上げ ・GX Works2/GX Developerのマニュアル参照


GX Works2バージョン1.11M以降/
GX Developerバージョン8.48A以降を立上
げる。

パラメータ等の作成 ・1~4号機のパラメータとシーケンスプログラムを作成
マルチCPU設定,管理CPU設定などのパラ ・「QnUCPUユーザーズマニュアル(機能解説・プログラム
メータ,シーケンスプログラムの作成を 基礎編)」参照
行う。

パソコンと1号機のシーケンサCPUユニッ
トの接続
GX Works2/GX Developerを立上げている
シーケンサCPU パソコンと1号機のシーケンサCPUユニッ
トをUSB/RS-232/Ethernetケーブルで接
続する。

マルチCPUシステムの電源ON
1号機のシーケンサCPUの
RUN/STOP/RESETスイッチ:STOP
の状態でマルチCPUシステムの電源をONす
る。

パラメータ,プログラムの書込み
パラメータ,シーケンスプログラムを1号
機のシーケンサCPUに書込む。
1号機以外のシーケンサCPUは,接続先指
定により対象シーケンサCPUを選択して書
込む。

2 - 10
2.マルチCPUシステム

MT Developer□の立上げ ・MT Developer□のヘルプ参照


MT Developer□を立上げる。

システム設定,プログラム等作成 ・システム設定は3.1節参照
システム設定,サーボデータ,モーショ ・プログラムの詳細は,各本体OSソフトウェア
ンSFCプログラム(SV13/SV22)/モーショ 対応のプログラミングマニュアル参照
モーションCPU
ンプログラム(SV43)を作成する。

モーションCPUへ書込み
システム設定,サーボデータ,モーショ
ンSFCプログラム(SV13/SV22)/モーショ
ンプログラム(SV43)を書込む。

全号機のCPUユニットのスイッチ設定
シーケンサCPU 1~4号機のシーケンサCPUのRUN/STOP/
モーションCPU RESETスイッチ,モーションCPUのRUN/
STOPスイッチをRUNの位置にする。

1号機のシーケンサCPUのリセット
1号機のシーケンサCPUのRUN/STOP/RESET
スイッチをRESETの位置にしてシステム全
体をリセットする。
シーケンサCPU
全号機のCPUユニットの状態確認
1号機のシーケンサCPUユニットのリセッ
ト操作で,マルチCPUシステムの全号機が
RUN状態/エラーになるかを確認する。

エラー内容の確認と修正
エラーの場合には,GX Works2/
GX DeveloperのPC診断とMT Developer□
のモニタでエラー内容を確認し,修正す
る。
シーケンサCPU
モーションCPU
各CPUユニットのデバッグ
シーケンサCPU/モーションCPUに対して
個別にマルチCPUシステムのデバッグを行
う。

実際の運転
自動運転でのチェックを行う。

完 了

*:マルチCPUシステムの立上げ時には,モーションCPUユニットへ本体OSソフトウェアのインストールが必要です。
モーションCPU本体OSソフトウェアのインストールについては,「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モーションコントロー
ラユーザーズマニュアル 第5章」を参照してください。

2 - 11
2.マルチCPUシステム

2.3 マルチCPUシステムのシーケンサCPU/モーションCPU間の交信

2.3.1 CPU共有メモリ

(1) CPU共有メモリ構成
CPU共有メモリは,マルチCPUシステムの各CPUユニット間でデータの書込み/読出
しを行うために,各CPUユニットが内部に持っているメモリです。
CPU共有メモリには,下記の4種類があります。
・自号機動作情報エリア
・システムエリア
・ユーザ自由エリア
・マルチCPU間高速通信エリア

CPU共有メモリの構成と,プログラムによるCPU共有メモリを使用した自号機から
の交信の可否を下図に示します。

自号機への交信 他号機への交信
CPU 共有メモリ 書込み 読出し 書込み 読出し
(0H) 0
自号機動作情報エリア *2 *2

(1FFH) 511
(200H) 512
システムエリア *2

(7FFH) 2047
(800H) 2048

ユーザ自由エリア *1 *2 *2

(FFFH) 4095
(1000H) 4096
使用不可

(270FH) 9999
(2710H) 10000
マルチCPU間高速通信エリア マルチCPU間

(0~14k[点]でサイズ可変: *3 *3 *3
最大 1kワード単位) 高速バス
(5F0FH) 24335
:交信可 :交信不可

備 考

*1:モーションCPUでは,自号機のユーザ自由エリアへの書込みは,MULTW命令を使
用してください。
シーケンサCPUでは,自号機のユーザ自由エリアへの書込みは,S.TO命令を使
用してください。
*2:モーションCPUでは,自号機および他号機CPUの共有メモリの読出しは,MULTR
命令を使用してください。
シーケンサCPUからモーションCPUの共有メモリの読出しは,FROM命令/マルチ
CPU共有デバイス(U□\G□)を使用してください。
*3:マルチCPU間高速通信エリアのアクセス方法については,2.3.2(1)を参照して
ください。

2 - 12
2.マルチCPUシステム

(a) 自号機動作情報エリア(0H~1FFH)
① マルチCPUの情報として,自号機の下記情報が格納されます。

表2.3 自号機動作情報エリア一覧
共有メモリ 対応する
名 称 内 容 内容詳細*
アドレス 特殊レジスタ
自号機の自号機動作情報エリア(1H~1FH)に情報が格納されて
いるか,格納されていないかの確認用のエリア。
0H 情報有無 情報有無フラグ -
・0:自号機動作情報エリアに情報が格納されていない
・1:自号機動作情報エリアに情報が格納されている
1H 診断エラー 診断エラー番号 診断でエラーを生じたときのエラー番号がBINで格納される。 SD0
CPU共有メモリアドレスの1Hにエラー番号が格納された年・月が
2H SD1
BCDコード2桁で格納される。
診断エラー発生 診断エラー発生 CPU共有メモリアドレスの1Hにエラー番号が格納された日・時が
3H SD2
時刻 時刻 BCDコード2桁で格納される。
CPU共有メモリアドレスの1Hにエラー番号が格納された分・秒が
4H SD3
BCDコード2桁で格納される。
エラー情報区分 エラー情報区分 エラー共通情報/エラー個別情報にそれぞれ格納されているエ
5H SD4
コード コード ラー情報が何であるかを判断する区分コードが格納される。
6H SD5


診断でエラーを生じたときのエラー番号に対応する共通情報が
エラー共通情報 エラー共通情報
格納される。
10H SD15
11H SD16


診断でエラーを生じたときのエラー番号に対応する個別情報が
エラー個別情報 エラー個別情報
格納される。
1BH SD26
1CH 空き - 使用不可 -
1DH スイッチ状態 CPUスイッチ状態 CPUユニットのスイッチ状態が格納される。 SD200
1EH 空き - 使用不可 -
1FH CPU動作状態 CPU動作状態 CPUユニットの動作状態が格納される。 SD203
*:詳細は対応する特殊レジスタを参照してください。

② 自号機動作情報エリアの更新は,対応するレジスタの変化時にメイン周期
でエリアの更新を行います。
③ 他号機シーケンサCPUは,FROM命令で自号機動作情報エリアのデータを読
出すことができます。
ただし,データ更新の遅れがありますので,読出したデータはモニタ用で
使用してください。

(b) システムエリア
シーケンサCPU/モーションCPUのシステム(OS)が使用するエリアです。

(c) ユーザ自由エリア
モーションCPUのMULTR命令,MULTW命令を使用して,マルチCPUシステムの各
CPUユニット間の交信を行うためのエリアです。
(シーケンサCPUでは,FROM命令/S.TO命令,マルチCPU共有デバイスを使用し
て,各CPU間の交信を行います。)
MULTR/MULTW命令の詳細については,各本体OSソフトウェア対応のプログラ
ミングマニュアルを参照してください。

2 - 13
2.マルチCPUシステム

(d) マルチCPU間高速通信エリア
マルチCPU間高速基本ベースユニット(Q3□DB),CPU間高速通信に対応した
シーケンサCPU,およびモーションCPUを含む駆動系コントローラを使用した
マルチCPUシステムのマルチCPU間高速通信にて使用するエリアです。0.88ms
周期でCPU間のデータ転送を行います。

マルチCPU間高速通信エリアのイメージ図を下記に示します。
なお,自号機及び,他号機のマルチCPU間高速通信エリアへのアクセスの方法
は,2.3.2(1)を参照してください。

CPU1号機 CPU2号機 CPU3号機 CPU4号機


1号機*2 1号機 1号機 1号機
U3E0\G10000
マルチCPU間高速 マルチCPU間高速 マルチCPU間高速 マルチCPU間高速
通信エリア 通信エリア 通信エリア 通信エリア

(送信) (受信) (受信) (受信)

U3E0\G□*1
2号機 2号機*2 2号機 2号機
U3E1\G10000
マルチCPU間高速 マルチCPU間高速 マルチCPU間高速 マルチCPU間高速
通信エリア 通信エリア 通信エリア 通信エリア

(受信) (送信) (受信) (受信)

U3E1\G□*1
3号機 3号機 3号機*2 3号機
U3E2\G10000
マルチCPU間高速 マルチCPU間高速 マルチCPU間高速 マルチCPU間高速
通信エリア 通信エリア 通信エリア 通信エリア

(受信) (受信) (送信) (受信)

U3E2\G□*1
4号機 4号機 4号機 4号機*2
U3E3\G10000
マルチCPU間高速 マルチCPU間高速 マルチCPU間高速 マルチCPU間高速
通信エリア 通信エリア 通信エリア 通信エリア

(受信) (受信) (受信) (送信)

U3E3\G□*1
*1:最終デバイスは,“10000+(A×1024-B-1)”となります。
A:各号機のデータ伝送サイズ(1kワード単位)
B:各号機の自動リフレッシュで使用するサイズ
A,Bのサイズ設定については「2.3.2 マルチCPU間高速通信」
を参照してください。
*2:自号機で書込み/読出しができる送信エリアです。
他号機からの受信エリアは,読出しのみ可能です。
0.88msごとに更新されます。

2 - 14
2.マルチCPUシステム

メ モ

2 - 15
2.マルチCPUシステム

2.3.2 マルチCPU間高速通信

(1) マルチCPU間高速通信とは
マルチCPU間高速通信とは,一定周期(マルチCPU間高速通信周期0.88[ms])でマ
ルチCPU間のデータ伝送を行う機能です。
マルチCPU間高速通信によるマルチCPU間のデータ伝送では,シーケンスプログラ
ム,およびモーションSFCプログラム/モーションプログラムの実行と並列処理す
るため,シーケンサCPUのスキャンタイムやモーションCPUのメイン周期の影響を
受けず,安定したデータ伝送が可能となります。
マルチCPU間高速通信周期は,モーションCPUの演算周期と同期しており,マルチ
CPU間の高速な応答が可能です。

マルチCPU間高速通信によるマルチCPU間のデータ伝送には,以下の方法がありま
す。
・マルチCPU共有デバイスを使用する
プログラム中で,直接マルチCPU共有デバイス(U□\G□)を使用してマルチCPU
間高速通信エリアを指定します。
・自動リフレッシュを使用する
マルチCPU間高速通信エリアを介して,各CPUの内部デバイスを自動リフレッ
シュによりリフレッシュします。

(a) マルチCPU共有デバイスを使用する例
1号機(シーケンサCPU) 2号機(モーションCPU)
シーケンスプログラム CPU共有メモリ CPU共有メモリ モーションSFCプログラム
(ユーザ自由エリア*1) (ユーザ自由エリア*1)
SM400 U3E0\
MOV WO G10000
G0 G1
U3E0\ U3E0\G10000 U3E0\G10000 ③ U3E0\G10010.1 U3E0\G10110.5
G10010.1 ①
U3E0\G10010 ② U3E0\G10010
F0 F1
SM400 U3E0\ W0=U3E0\G10000 W1=U3E0\G10100
CPU1号機 CPU1号機
MOV W1 G10100
送信データ 送信データ
U3E0\ ⑥
G10110.5 ④ U3E0\G10100 ⑤ U3E0\G10100

END U3E0\G10110 U3E0\G10110

0.88ms周期でマルチ
CPU間高速通信

①,④:1号機は,マルチCPU共有デバイスを使用した命令によりユーザ自由エリア*1に書込む。
③,⑥:2号機は,マルチCPU共有デバイスを使用した命令によりユーザ自由エリア*1から読出す。
②,⑤:マルチCPU間高速通信により,ユーザ自由エリア*1の内容を0.88ms周期で他号機に転送する。
*1:マルチCPU間高速通信エリア内に構成されるエリア
(詳細は,「(3) マルチCPU間高速通信エリアのメモリ構成」を参照。)

2 - 16
2.マルチCPUシステム

1) マルチCPU間高速通信エリアのアクセス
a) SV13/SV22

・マルチCPU共有デバイスの記述の仕方
ワードデバイス:U □ \ G □

CPU共有メモリアドレス(10進)(10000~最大24335)
CPUユニット先頭入出力番号
CPUの号機番号 1号機 2号機 3号機 4号機
先頭入出力番号 3E0(H) 3E1(H) 3E2(H) 3E3(H)

ビットデバイス:U □ \ G □.□

ビット指定(0~F:16進)
CPU共有メモリアドレス(10進)(10000~最大24335)
CPUユニット先頭入出力番号
CPUの号機番号 1号機 2号機 3号機 4号機
先頭入出力番号 3E0(H) 3E1(H) 3E2(H) 3E3(H)

(例)
・2号機CPUマルチCPU間高速通信メモリアドレス10002
U3E1\G10002
・3号機CPUマルチCPU間高速通信メモリアドレス10200のビット14
U3E2\G10200.E

・プログラムによるアクセス例
<モーションSFCプログラム>
・K12345678を自号機(2号機)のマルチCPU間高速通信メモリ10200,
10201に代入するプログラム
U3E1\G10200L = K12345678
・自号機(3号機)のマルチCPU間高速通信メモリ10301のビット12をON
するプログラム
SET U3E2\G10301.C

<サーボプログラム>
・1号機のマルチCPU間高速通信メモリ10400,10401にセットされた
位置に,1号機のマルチCPU間高速通信メモリ10402,10403にセッ
トされた速度で軸1の位置決めを行い,1号機のマルチCPU間高速通
信メモリ10404のビット1をキャンセル信号として使用するプログ
ラム
ABS-1
軸 1, U3E0\G10400
速度 U3E0\G10402
キャンセル U3E0\G10404.1

2 - 17
2.マルチCPUシステム

b) SV43
・マルチCPU共有デバイスの記述の仕方
ワードデバイス:# Q □ \ □

CPU共有メモリアドレス(10進)(0~最大14335)*
CPUの号機指定
CPUの号機番号 1号機 2号機 3号機 4号機
指定値 0 1 2 3

ビットデバイス:# Q □ \ □.□

ビット指定(0~F:16進)
CPU共有メモリアドレス(10進)(0~最大14335)*
CPUの号機指定
CPUの号機番号 1号機 2号機 3号機 4号機
指定値 0 1 2 3

*:指定するCPU共有メモリアドレスから
10000を引いた値を記述してください。
(アクセス可能なメモリアドレスは,
10000~24335となります。)

(例)
・2号機CPUマルチCPU間高速通信メモリアドレス10002
#Q1\2
・3号機CPUマルチCPU間高速通信メモリアドレス10200のビット14
#Q2\200.E

・プログラムによるアクセス例
<モーションプログラム>
・K12345678を自号機(2号機)のマルチCPU間高速通信メモリ10200,
10201に代入するプログラム
#Q1\200:L = K12345678;
・自号機(3号機)のマルチCPU間高速通信メモリ10301のビット12をON
するプログラム
SET #Q2\301.C;
・1号機のマルチCPU間高速通信メモリ10400,10401にセットされた
位置に,1号機のマルチCPU間高速通信メモリ10402,10403にセッ
トされた速度でX軸の位置決めを行い,1号機のマルチCPU間高速通
信メモリ10404のビット1をスキップ信号として使用するプログラ

G32 X#Q0\400:L F#Q0\402:L SKIP #Q0\404.1;

ポイント
このアクセス方法でアクセスできるのは,CPU共有メモリの“マルチCPU間高速通信
エリア”のみです。CPU共有メモリ0~4095のアクセスには使用できません。

2 - 18
2.マルチCPUシステム

(b) 自動リフレッシュを使用する例
1号機(シーケンサCPU) 2号機(モーションCPU)
シーケンスプログラム CPU共有メモリ CPU共有メモリ
デバイスメモリ (自動リフレッシュエリア*1) (自動リフレッシュエリア*1) デバイスメモリ
SM400
INC DO

Y0
D0 ③
END処理の ②
CPU1号機 CPU1号機
タイミング D2000
送信データ 送信データ
SM400 でリフレッ モーションCPU
INC D1 シュを実行 のメイン周期
のタイミングで
Y0 リフレッシュを
0.88ms周期でマルチ 実行
END
CPU間高速通信
パラメータ パラメータ
1号機→2号機 1号機→2号機
:D0を送信 :D2000を受信

① パラメータ設定により,END処理のタイミングでD0の内容を自動リフレッシュエリア*1に転送する。
② マルチCPU間高速通信により,自動リフレッシュエリア*1の内容を0.88ms周期で他号機に転送する。
③ パラメータ設定により,モーションCPUのメイン周期のタイミングで自動リフレッシュエリア*1の内容を読出し,D2000に転送する。
*1:マルチCPU間高速通信エリア内に構成されるエリア(詳細は,「(3) マルチCPU間高速通信エリアのメモリ構成」を参照。)

(2) システム構成
マルチCPU間高速通信は,マルチCPU間高速基本ベース(Q3□DB)に装着されたマ
ルチCPU間高速通信対応のCPUユニット間でのみ使用可能です。
システム構成仕様を表2.4に示します。

表2.4 マルチCPU間高速通信を使用するためのシステム構成
対象ユニット 制約内容
ベースユニット マルチCPU間高速基本ベース(Q3□DB)を使用している。
1号機にQnUD(E)(H)CPU/QnUDVCPUを使用している。
CPUユニット 2~4号機にQ173D(S)CPU/Q172D(S)CPU,QnUD(E)(H)CPU/QnUDVCPUを使用してい
る。

上記仕様を満たさない状態でマルチCPUシステムの電源をONした場合,「MULTI
EXE.ERROR(エラーコード:7011)」になります。

2 - 19
2.マルチCPUシステム

(3)マルチCPU間高速通信エリアのメモリ構成
マルチCPU間高速通信エリアのメモリ構成を下記に示します。
① ② ⑥
1号機送信エリア ユーザ自由エリア
マルチCPU間高速通信エリア
[0~14k[点]*1で可変] ③ ⑦
2号機送信エリア 自動リフレッシュエリア


3号機送信エリア


4号機送信エリア

*1:マルチCPU間高速通信エリアの14k[点]は,CPUユニット2台構成時の最大値。
CPUユニット3台構成時は,13k[点],CPUユニット4台構成時は12k[点]。

表2.5 エリア説明
サイズ
No. 名 称 説 明
設定範囲 設定単位
・マルチCPUシステムの各CPUユニット間でデータ伝送を行うためのエリア。
① マルチCPU間高速通信エリア ・マルチCPUシステムを構成する各CPUユニットで最大14k[点]のエリアを分 0~14k 1k
配する。

・各CPUユニットの送信データを格納するエリア。
③ n号機送信エリア
・自号機の送信エリアに格納されたデータを他号機に送信する。 0~14k 1k
④ (n=1~4)
・他号機の送信エリアは,他号機から受信したデータを格納する。

・マルチCPU共有デバイスで他号機とデータの送受信を行うためのエリア。
⑥ ユーザ自由エリア ・マルチCPU共有デバイスを使用したユーザプログラムでアクセスする。 0~14k 2
・本エリアの詳細については,2.3.2(1)を参照。
・自動リフレッシュによる交信で他号機とデバイスデータの送受信を行うた
自動リフレッシュ めのエリア。
⑦ 0~14k 2
エリア ・ユーザプログラムによるアクセスは不可。
・本エリアの詳細については,「(4)(b) 自動リフレッシュ設定」を参照。

2 - 20
2.マルチCPUシステム

(4) パラメータ設定
マルチCPU間高速通信を使用するために必要なパラメータ設定の一覧を表2.6に示
します。

表2.6 マルチCPU間高速通信パラメータ一覧
パラメータ名称 内 容 設定対象CPU
マルチCPU間高速 マルチCPUシステムを構成する各CPUユニットに割当てるマルチ
通信エリア設定 CPU間高速通信エリアのサイズを設定します。
全号機必須
自動リフレッシュ マルチCPU間高速通信エリア内のユーザエリアのうち,自動リフ
設定 レッシュ機能によりデータ伝送を行う範囲を設定します。

(a) マルチCPU間高速通信エリア設定
マルチCPU間高速通信エリア設定画面と設定範囲を下記に示します。

<画面:MT Developer2>

表2.7 マルチCPU間高速通信エリア設定のパラメータ設定項目一覧
同一性
項 目 設定内容 設定/表示値 制 約
チェック
CPU パラメータの設定対象となるCPU号機番号を表示する。 1号機~4号機 - -
各CPUユニットが送信するデータの点数を設定する。各
号機に割当てられる初期値を以下に示す。
・全号機の合計が以下の点数
マルチ 各CPU送信範囲の初期値[点] 範囲:0~14k[点] 以下になるよう設定する。
各CPU送信 CPU台数 1号機 2号機 3号機 4号機 単位:1k[点] 2台構成時:14k[点] あり
範囲
2台 7k 7k - - (点数はワード単位) 3台構成時:13k[点]
3台 7k 3k 3k - 4台構成時:12k[点]
4台 3k 3k 3k 3k

自動リフレッシュにより他号機と交信する場合に使用
自動 する。 範囲:0~14336[点] 各CPUの送信範囲に示す点数

リフレッシュ “自動リフレッシュ設定”で設定した点数が表示され 単位:2[点] を超えない。
る。
プログラムにより他号機と交信する場合に使用する。
ユーザ自由 範囲:0~14336 [点]
“各CPU送信範囲の設定”から“自動リフレッシュで設 - -
エリア 単位:2[点]
定した点数”を引いた値が表示される。

2 - 21
2.マルチCPUシステム

ポイント
“高度な設定を行う”を選択すると,モーション専用シーケンス命令で使用するシ
ステムエリアの点数を2k点に変更することができます。
システムエリアの点数を2k点に変更すると,1スキャンに同時に実行できるモー
ション専用シーケンス命令数を増やすことができます。
“高度な設定を行う”を選択した場合の設定画面と設定範囲を下記に示します。
モーション専用シーケンス命令については「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPUモーション
コントローラ(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(モーションSFC編)」,
「Q173DCPU/Q172DCPU モーションコントローラ(SV43)プログラミングマニュアル」
を参照してください。

“高度な設定を行う”を
選択すると,システムエ
リアを表示

<画面:MT Developer2>

設定/表示値 同一性
項 目 設定内容 制 約
(点数はワード単位) チェック
・全号機の合計が以下の点
数以下になるよう設定
各CPU送信 各CPUユニットが送信するデータ 範囲:0~14k [点] する。
あり
範囲 の点数を設定する。 単位:1k [点] 2台構成時:14k[点]
3台構成時:13k[点]
4台構成時:12k[点]
各CPUユニットに割り当てるシス
システム テムエリアの点数を設定する。
範囲:1k/2k [点] - あり
エリア (システムエリア点数の初期値は
1k[点])
各CPUユニットに割当てられた自 ・全号機の合計が16k[点]
範囲:1~16k [点]
合計 号機送信エリアとシステムエリ 以下となるよう設定す -
単位:1k [点]
アの合計点数を表示する。 る。

2 - 22
2.マルチCPUシステム

(b) 自動リフレッシュ設定
自動リフレッシュ機能を使用するための設定を行います。
設定は,各CPUユニットで32範囲を設定できます。
自動リフレッシュ設定画面と設定範囲を下記に示します。

<画面:MT Developer2>

表2.8 自動リフレッシュ設定パラメータ設定項目一覧
同一性
項 目 設定内容 設定/表示値 制 約
チェック
送信元CPU 各CPU送信範囲設定にて送信元となるCPUユ ・CPU台数設定を超える号機は指
1号機~4号機 -
選択 ニットを選択する。 定不可。
各CPUユニットの転送設定のNo.を示す。送信
側CPUユニットと受信側CPUユニットで同一
設定No. 設定1~設定32 - -
の設定No.に指定したデバイス間で自動リフ
レッシュが行われる。
・各CPUユニットに割り当てた自
号機送信エリアの点数(各CPU
範囲:2~14336[点] 送信範囲)を超える設定は不
点数 送受信を行う点数をワード単位で指定する。 あり
単位:2[点] 可。
・ビットデバイスは32点(2ワー
ド)単位でのみ指定可。
使用可能デバイス(X,Y,
送受信(自動リフレッシュ)を行うデバイス ・ビットデバイスは16点(1ワー
M,B,D,W,#,SM,SD)
を指定する。送信元CPU選択が自号機の場合 ド)単位でのみ指定可。
先頭 注) リフレッシュを行わな なし
は自号機が送信するデバイス,他号機の場合 ・デバイスNo.は設定No.間で重複
い場合は,“ブランク
は受信するデバイスを指定する。 不可。
(空白)”にする。

ポイント
2ワード単位で始まる先頭デバイスを設定すると,自動リフレッシュの処理性能が
向上しますので,2ワード単位で始まる先頭デバイスを設定することを推奨します。

2 - 23
2.マルチCPUシステム

① 自動リフレッシュの動作例
1) CPUユニット2台(シーケンサCPU 1台,モーションCPU 1台)使用時
・パラメータ設定
自動リフレッシュの設定例を下図に示します。

・1号機(シーケンサCPU)(GX Works2/GX Developer)<画面:GX Works2> ・2号機(モーションCPU)(MT Developer□)<画面:MT Developer2>

2号機に送信するデバイスを設定 1号機から受信するデバイスを設定

2号機から受信するデバイスを設定 1号機に送信するデバイスを設定

*:自動リフレッシュの動作例を次ページに示します。

2 - 24
2.マルチCPUシステム

・動作例
自動リフレッシュの動作例を下図に示します。
シーケンサCPU(1号機) モーションCPU(2号機)
内部リレー マルチCPU間高速通信エリア マルチCPU間高速通信エリア 内部リレー
M0 U3E0\G10000 U3E0\G10000 M0
1号機 1号機
M2399 送信データ 受信データ M2399
0.88ms
M2400 周期 M2400
自動 で転送 自動 各軸
リフレッシュ リフレッシュ ステータス
M3039 M3039
エリア エリア メイ
M3040 M3040
ン周
M3199 処理 U3E1\G10000 U3E1\G10000 期 M3199
END
M3200 2号機 2号機 M3200
各軸


受信データ 送信データ
EN


指令信号
D処


M3839 M3839



M3840 0.88ms M3840
周期
自動 で転送 自動
リフレッシュ リフレッシュ
M8191
エリア エリア
データレジスタ データレジスタ
理 メイ
D0 END処 ン周
期 D0
各軸モニタ
デバイス
D639 D639
D640 D640 制御変更
D703 レジスタ
D704

D8191

2 - 25
2.マルチCPUシステム

2) CPUユニット3台(シーケンサCPU 1台,モーションCPU 2台)使用時


・パラメータ設定
自動リフレッシュの設定例を下図に示します。
・1号機(シーケンサCPU)(GX Works2/GX Developer)<画面:GX Works2> ・2号機(モーションCPU)(MT Developer□)<画面:MT Developer2>

2,3号機に送信するデバイスを設定 1号機から受信するデバイスを設定

3号機のデバイス
をリフレッシュ
しないよう“ブ
ランク(空白)”
にする。

2号機から受信するデバイスを設定 1,3号機に送信するデバイスを設定

3号機から受信するデバイスを設定 3号機から受信するデバイスを設定

3号機のデバイス
をリフレッシュ
しないよう“ブ
ランク(空白)”
にする。

2 - 26
2.マルチCPUシステム

・3号機(モーションCPU)(MT Developer□)<画面:MT Developer2>

1号機から受信するデバイスを設定

2号機のデバイス
をリフレッシュ
しないよう“ブ
ランク(空白)”
にする。

2号機から受信するデバイスを設定

2号機のデバイス
をリフレッシュ
しないよう“ブ
ランク(空白)”
にする。

1,2号機に送信するデバイスを設定

*:自動リフレッシュの動作例を次ページに示します。

2 - 27
2.マルチCPUシステム

・動作例
自動リフレッシュの動作例を下図に示します。
シーケンサCPU(1号機) モーションCPU(2号機)
内部リレー マルチCPU間高速通信エリア マルチCPU間高速通信エリア 内部リレー
M0 U3E0\G10000 U3E0\G10000 M0
1号機 1号機
M1999 送信データ 受信データ M1999
M2000 0.88ms M2000 モニタ
END処理
周期 デバイス
M3055 で転送 M3055

M3056 イ M3056

自動 自動 周
M3071 期 M3071
リフレッシュ リフレッシュ
M3072 エリア エリア M3072 指令


デバイス

ン周
M3839 M3839
END

M3840 M3840

メイ
処理
END処理

M5999


U3E1\G10000 U3E1\G10000


M6000 2号機 2号機 M8191


END処理

受信データ 送信データ


M7055 データレジスタ


0.88ms
END処理

M7056 D0 モニタ
周期
自動 自動
EN

M7071 で転送 D639 デバイス


D処

リフレッシュ リフレッシュ 期
M7072 ン周
メイ

エリア エリア D640 指令


M7839 D757 デバイス
M7840 D758
U3E2\G10000 U3E2\G10000
3号機 3号機

D処

受信データ 受信データ
EN

データレジスタ 0.88ms D8191


周期
D0 自動 自動
で転送
リフレッシュ リフレッシュ
D639 エリア エリア
D640
D757
理 モーションCPU(3号機)
D758 D処
EN マルチCPU間高速通信エリア 内部リレー
D999
D1000 U3E0\G10000 M0
1号機
D1639 受信データ M1999
D1640
M2000 モニタ
D1757
M3055 デバイス
D1758 0.88ms
周期 M3056
自動
で転送 メイ M3071
リフレッシュ ン周
エリア 期 M3072 指令
M3839 デバイス
*1:3号機用内部リレーは,モーションデバイスに4000
をオフセットとして割付けた場合。 M3840
*2:3号機用データレジスタは,モーションデバイスに
1000をオフセットして割付けた場合。
U3E1\G10000
2号機 M8191

受信データ

データレジスタ

D0

モニタ
自動 デバイス
リフレッシュ D639
エリア D640

指令
ン周

D757 デバイス
メイ

D758
U3E2\G10000

3号機

送信データ

D8191

自動
リフレッシュ
エリア

2 - 28
2.マルチCPUシステム

ポイント
GX Works2/GX Developerで自動リフレッシュを設定する場合は,下記の操作を行っ
てください。
① “マルチCPU間高速通信エリア設定”のタブを選択する。
② “マルチCPU間高速通信機能を使用する”を設定する。

<画面:GX Works2>

(c) 同一性チェック
すべてのCPUユニットでマルチCPUパラメータが同一設定になっているかの
チェックを行います。不一致の場合は,「PARAMETER ERROR(エラーコード:
3012,3015)」となります。

(5) 注意事項
(a) 号機間送信データのデータ保証
自号機からのデータの送信と他号機での自動リフレッシュのタイミングによ
り,号機ごとのデータに古いデータと新しいデータが混在(データの泣き別
れ)することがあります。
自動リフレッシュによる交信において,データの泣き別れを防止する方法を
下記に示します。
① 32ビットデータの泣き別れ防止
自動リフレッシュ方式によるデータ伝送は,32ビット単位で行います。
自動リフレッシュの設定は,32ビット単位で設定するため32ビットデー
タの泣き別れは発生しません。
・ワードデータの場合
自動リフレッシュで設定するデバイスの先頭番号を偶数番号で設定す
ることにより,2ワードデータの泣き別れを防止することができます。
② 32ビットを超えるデータの泣き別れ防止
自動リフレッシュ方式では,自動リフレッシュ設定パラメータの転送No.
の大きい方から順に転送します。転送データよりも小さい転送No.をイン
ターロック条件用のデバイスとして使用することにより,転送データの
泣き別れを防止することができます。

2 - 29
2.マルチCPUシステム

2.3.3 マルチCPU間高速リフレッシュ機能

自号機のモーションCPUにおいて,自動リフレッシュ設定を実施しているデバイス設
定の中で,モーションCPUの内部デバイスとマルチCPU間高速通信エリア間のデータ更
新を演算周期ごとに実施する機能です。

分類 項 目 設定内容 設定/表示値 制 約
設定1~設定128
設定No. 高速リフレッシュを行う設定のNo.を示します。
(最大128)
設定したデバイスから自動リフレッシュ設定で設定
表示項目

している号機を自動的に表示します。
自号機CPUの場合:モーションCPUの内部デバイスか
らマルチCPU間高速通信エリアに
CPU 1号機~4号機
リフレッシュします。
他号機CPUの場合:マルチCPU間高速通信エリアから
モーションCPUの内部デバイスに
リフレッシュします。
・ビットデバイスは先頭デバイス
番号が16の倍数であること。
・自動リフレッシュ設定で設定し
ていないデバイスは設定できま
使用可能デバイス せん。
ユーザ設定項目

高速リフレッシュするモーションCPUのデバイス番号
デバイス設定 D,W,#,SD, ・先頭デバイス+点数が自動リフ
を設定します。
M,X,Y,B,SM レッシュ設定での各設定No.での
設定範囲を超えることはできま
せん。
・設定No.間でのデバイスNo.重複
は不可。
各データのリフレッシュするデータ点数をワード単 範囲:2~256点
・全設定範囲の合計が256点以下と
点数 位で設定します。 単位:2点
*1 なるようにしてください。
注) 設定しない場合は,リフレッシュを行いません。
リフレッシュ周期 演算周期(固定) - -

*1:点数はワード単位。

<画面:MT Developer2>

(1) マルチCPU間高速リフレッシュ機能の用途例
マルチCPU間高速リフレッシュ機能は,以下の用途などに使用します。
① 実現在値や同期エンコーダ現在値のデータをシーケンサCPUで高速に取り込む。
② FIN信号待ちの信号のやりとりを高速に行う。

2 - 30
2.マルチCPUシステム

(2) マルチCPU間高速リフレッシュ機能を使用した動作例
(a) パラメータ設定
マルチCPU間高速リフレッシュ機能を行う場合の自動リフレッシュ設定を下
図に示します。
・1号機(シーケンサCPU)(GX Works2/GX Developer)<画面:GX Works2> ・2号機(モーションCPU)(MT Developer□)<画面:MT Developer2>

2号機に送信するデバイスを設定 1号機から受信するデバイスを設定

1号機に送信するデバイスを設定
2号機から受信するデバイスを設定

マルチCPU間高速リフレッシュを行うデバイスを設定

*:マルチCPU間高速リフレッシュ機能を行う場合の動作例を「(b) 動作例」に示します。

2 - 31
2.マルチCPUシステム

ポイント
GX Works2/GX Developerで自動リフレッシュを設定する場合は,下記の操作を行っ
てください。
① “マルチCPU間高速通信エリア設定”のタブを選択する。
② “マルチCPU間高速通信機能を使用する”を設定する。

<画面:GX Works2>

2 - 32
2.マルチCPUシステム

(b) 動作例
マルチCPU間高速リフレッシュ機能を行う場合の動作例を下図に示します。
シーケンサCPU(1号機) モーションCPU(2号機)

内部リレー マルチCPU間高速通信エリア マルチCPU間高速通信エリア 内部リレー


M0 U3E0\G10000 U3E0\G10000 M0
1号機 1号機
M2399 送信データ 受信データ M2399
M2400 0.88ms M2400
周期 M2495
自動 で転送 自動 各軸
演 M2496 ステータス
リフレッシュ リフレッシュ 算

M3039 エリア エリア 期 M3039

M3040 イ M3040
理 ン

M3199 D処 U3E1\G10000 U3E1\G10000 期 M3199
EN


M3200 2号機 2号機 M3200



受信データ 送信データ


M3295


EN

各軸


D処


M3296 指令信号



M3839 M3839
M3840 M3840

M8191
演算
データレジスタ 周期 データレジスタ
D0 0.88ms D0
周期 D2,D3 1軸モニタ
D12,D13 デバイス
自動 で転送 自動 演算
周期 D19
リフレッシュ リフレッシュ
エリア エリア D20
D22,D23 2軸モニタ
D32,D33 デバイス
演算
周期 D39
処 理
END D40
メイ D42,D43 3軸モニタ
ン周 D52,D53 デバイス
演算 期
周期 D59
D60
D62,D63 4軸モニタ
D72,D73 デバイス
D79
D80
5~32軸
モニタ
デバイス
D639 D639
D640 D640 制御変更
D703 レジスタ
D704

D8191

・自動リフレッシュしている各軸ステータスM2400~M3039のうち,1軸~4軸のM2400~
M2495のステータスを演算周期ごとにマルチCPU間高速通信エリアに更新する。
・自動リフレッシュしている各軸指令信号M3200~M3839のうち,1軸~4軸のM3200~
M3295の指令信号を演算周期ごとにマルチCPU間高速通信エリアからモーションCPU
の位置決め専用デバイスに更新する。
・自動リフレッシュしている各軸モニタデバイスD0~D639のうち,1軸~4軸の実現在
値,Mコードを演算周期ごとにマルチCPU間高速通信エリアに更新する。

2 - 33
2.マルチCPUシステム

2.3.4 マルチCPU間時計同期

各CPUで個別に保有している時計データは1号機の時計データに同期されます。
マルチCPUシステムで統一した時計データを扱うことが可能です。

(1) 時計データの設定
1号機CPUユニットの時計データを設定してください。モーションCPUユニットは,
自動的に1号機CPUユニットの時計データで動作します。

ポイント
2~4号機CPUユニットに時計データ設定を行っても,自動的に1号機CPUユニットの
時計データが設定されます。

(2) 時計データの同期タイミング
1号機の時計データに同期するタイミングは以下のとおりです。
・電源ON/リセット
・1秒間隔

(3) 時計データ情報
1号機が送信する時計データは,西暦,月,日,曜日,時,分,秒です。

(4) 誤差
1号機CPUユニットが一秒間隔で時計データを設定するため,2~4号機の時計デー
タは最大1秒の誤差が生じます。

2 - 34
2.マルチCPUシステム

2.3.5 マルチCPU間同期立上げ

マルチCPU間同期立上げは,1号機~4号機のCPUユニットの立上がりを同期させる機
能です。(モーションCPUの場合は立上がりに10秒程度かかります。)
各CPUユニットの立上がりを監視していますので,ユーザプログラムで他号機にア
クセスするとき,他号機CPUユニットの立上がりを確認するインターロックプログラ
ムが不要になります。
ただし,マルチCPU間同期立上げを使用すると,立上がりの遅いCPUユニットに立上
がりが合わされますので,システムの立上がりが遅くなることがあります。

ポイント
マルチCPU間同期立上げは,マルチCPUシステムで各CPUユニットへのアクセスをイ
ンターロック条件なしで行うための機能です。
立上がり後,各CPUユニット間で同時に演算を開始する機能ではありません。

(1) マルチCPU間同期立上げの設定
マルチCPU間同期立上げを行う場合は,MT Developer□のシステム設定のマルチCPU
設定で対象CPUの1号機~4号機をチェックします。(シーケンサCPUは,GX Works2
/GX DeveloperのPCパラメータ設定のマルチCPU設定で設定します。)
初期値は,1号機~4号機共“同期立上げに設定する”に設定されています。

<画面:MT Developer2>

マルチCPUシステムを構成する全CPUユニットに,同一のマルチCPU間同期立上げ設
定にしてください。
マルチCPUシステムを構成する全CPUユニットが同一設定でない場合は,自己診断
エラー「PARAMETER ERROR(エラーコード:3015)」となります。
本機能を使用しない場合(各CPUユニットが非同期のタイミングで立上がる場合)
は,特殊リレーのSM220~SM223(1~4号機準備完了フラグ)を使用し,各CPUユニッ
トの立上がりを確認することができます。

2 - 35
2.マルチCPUシステム

2.3.6 シーケンサCPUからモーションCPUへの制御指示

下表のモーション専用シーケンス命令により,シーケンサCPUからモーションCPUへ
の制御指示を行うことができます。
各命令の詳細については,「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPUモーションコントローラ
(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(モーションSFC編)」,「Q173DCPU/Q172DCPU
モーションコントローラ(SV43)プログラミングマニュアル」を参照してください。
(モーションCPUからモーションCPUへの制御指示はできません。)

内 容
命令名
SV13/SV22 SV43
モーションSFCプログラムの起動要求 指定されたモーションプログラム
D(P).SFCS
(プログラムNo.指定可能) (制御プログラム)の起動要求
指定されたモーションプログラム
D(P).SVST 指定されたサーボプログラムの起動要求
(軸指定プログラム)の起動要求
D(P).CHGA 指定軸の現在値変更要求 指定軸の原点復帰要求
D(P).CHGAS
指定された指令生成軸の現在値変更要求 使用不可
QDS Ver.!

D(P).CHGV 指定軸の速度変更要求
D(P).CHGVS
指定された指令生成軸の速度変更要求 使用不可
QDS Ver.!

D(P).CHGT 指定軸のトルク制限値変更要求
D(P).CHGT2
指定軸のトルク制限値個別変更要求 使用不可
QDS

他号機モーションCPUのイベントタスク
D(P).GINT 使用不可
実行要求
D(P).DDWR 自号機CPUのデバイスデータの他号機モーションCPUのデバイスへの書込み
D(P).DDRD 他号機モーションCPUのデバイスデータの自号機CPUのデバイスへの読出し

例えば,モーション専用シーケンス命令のD(P).SFCSを使用すると,シーケンサCPU
からモーションCPUのモーションSFCの起動を行うことができます。

<例>
シーケンサCPU モーションCPU
起動要求 モーションSFC

D(P).SFCS命令

Ver.! :ソフトウェアの対応バージョンについては,1.5節を参照してください。

2 - 36
3.共通パラメータ

第3章 共通パラメータ

3.1 システム設定

マルチCPUシステムでは,CPUごとにシステム共通パラメータと個別のパラメータを
設定し,各CPUに書込みます。
(1) システム共通パラメータ設定では,ベース設定,マルチCPU設定,モーションスロッ
ト設定を行います。

(2) 個別のパラメータ設定では,以下の設定を行います。
・システム基本設定
3
・SSCNET設定 QDS
・CPUネーム設定
・内蔵Ethernetポート設定
・CPU設定
・手動パルサ/同期エンコーダ設定 QDS
・サーボアンプ設定
・高速読出し設定
・任意データモニタ設定
・マーク検出設定 QDS

(3) データの設定および修正は,MT Developer□により対話形式で行うことができま


す。

3 - 1
3.共通パラメータ

3.1.1 システムデータ設定

システムデータ設定の設定項目一覧を表3.1に示します。

表3.1 システムデータ設定一覧
項 目 設定範囲 初期値 備 考
基本ベース 5/8/12スロット 基本ベース:8スロット
基本ベース,増設ベースのス
ベース設定 1段目~7段目:
増設ベース 1段目~7段目:なし ロット数を設定します。
なし/2/3/5/8/10/12スロット
シーケンサCPUも含めたマルチ
マルチCPU台数 2/3/4台 2台
CPUの総数を設定します。
1~4号機のエラーで全号機
各CPUにCPU停止エラー発生時
CPU停止エラー 停止する/しない 1~4号機のエラー
にシステム全体を停止させる
時の動作モード (マルチCPU台数により設定範囲が異な で全号機停止する
か否かを設定します。
る)
システム共通のパラメータ

各CPU
0~14k点 CPU台数により異なる
マルチ 送信範囲
マルチCPU
設定 CPU間 システム
1~2k点 1
高速通信 エリア 2.3.2項参照
エリア 自 動 リ フ 点数:2~14336点
設定 レ ッ シ ュ 先頭:自動リフレッシュの対象となる 設定なし
設定 デバイスを設定する。
1~4号機を同期立上げに設定
マルチCPU間 する/しない 1~4号機を同期立上げ
2.3.5項参照
同期立上げ設定 (マルチCPU台数により設定範囲が異な に設定する
る)
自CPUの管理するユニットを基
ユニット配置 基本ベース,増設ベーススロット範囲 設定なし 本ベース,増設ベースに配置し
モーション
ます。
スロット
自CPUの管理するユニットにつ
設定
ユニット個別設定 ユニットにより異なる ユニットにより異なる いて各ユニットに詳細項目を
設定します。
0.2ms QDS /0.4ms/0.8ms/1.7ms/ 自動設定
3.5ms/7.1ms/14.2ms QD / (MT Developer)/ モーション制御の演算周期を
演算周期設定
自動設定(MT Developer)/ デフォルト設定 設定します。
デフォルト設定(MT Developer2) (MT Developer2)
スイッチ(STOP→RUN)でM2000がONとな シーケンサレディフラグ
スイッチ(STOP→RUN)
STOP→RUN時動作 る。/スイッチ(STOP→RUN)+設定レジ (M2000)がONとなる条件を設定
でM2000がONとなる。
スタに1セットでM2000がONとなる。 します。
サーボ警告発生時,モーション
個別のパラメータ

サーボ警告発生時の エラー履歴,自己診断エラーに
エラー出力する/エラー出力しない エラー出力する
エラー設定 QDS エラーを出力するかしないか
システム を設定します。
基本設定 モ ー シ ョ ン CPU の バ ッ テ リ
エラーチェック バッテリチェックを行
バッテリチェックを行う/行わない チェックを行うかどうかを設
QDS う
定します。
緊急停止をプログラム上で行
う場合,ビットデバイスを設定
緊急停止 します。ただし,モーションCPU
なし/X(PX)(0~1FFF)/M(0~8191) なし
入力設定*1 ユニットのEMI端子による緊急
停止入力を,パラメータ設定で
無効にすることはできません。
M(0~8191)/B(0~1FFF)/F(0~2047)/ デバイスメモリのラッチ範囲
ラッチ範囲設定 設定なし
D(0~8191)/W(0~1FFF) を設定します。

3 - 2
3.共通パラメータ

表3.1 システムデータ設定一覧(つづき)
項 目 設定範囲 初期値 備 考
SSCNET設定 系統ごとに通信タイプを設定
通信タイプ SSCNETⅢ/H/SSCNETⅢ SSCNETⅢ/H
QDS します。

CPU ネ ー ム ラベル 最大 半角10文字 設定なし モーションCPUのラベル(名称,


設定 コメント 最大 半角64文字 設定なし 用途),コメントを設定します。

入力形式 10進数/16進数 10進数


10進数:0.0.0.1~223.255.255.254
IPアドレス 192.168.3.39
16進数:00.00.00.01~DF.FF.FF.FE
IP
サブネット
アド 10進数:192.0.0.0~255.255.255.252
マスク 設定なし
レス 16進数:C0.00.00.01~FF.FF.FF.FC
パターン
内蔵 設定
デフォルト
Ethernet 10進数:0.0.0.1~223.255.255.254 4.13節参照
ルータ 設定なし
ポート設定 16進数:00.00.00.01~DF.FF.FF.FE
IPアドレス
交信データコード バイナリコード交信/
バイナリコード交信
設定 ASCIIコード交信
RUN中書込みを許可す RUN中書込みを許可する/ RUN中書込みを許可し
個別のパラメータ

る(MCプロトコル) 許可しない ない
オープン設定 ─ 設定なし
ス ロ ッ ト 0/1/2 に 対 し て 自 CPU/ 他
基本ベース上での自CPUの装着
自CPU装着位置設定 CPU/CPU(空き)を設定(マルチCPU台数 設定なし
位置を設定します。
により設定範囲が異なる)
入力設定 QDS 使用する/使用しない 使用しない
先頭入力番号 0000~0FF0(16点単位) 0000
モーションCPU内蔵I/F(DI)の
高速読出し設定
*2 使用/未使用 未使用 汎用入力信号/マーク検出入
力信号の設定を行います。
入力信号検出方向 立上り有効(a接点:Normal Open)/ 立上り有効
CPU設定
QDS 立下り有効(b接点:Normal Close) (a接点:Normal Open)
マルチCPU間同期制御 自CPUに対して単独CPU/マスタCPU/
単独CPU
設定*3 QDS Ver.! スレーブCPUを設定
「同期制御中」,「各号機ステータス」,
各CPUにマルチCPU間同期制御
「各号機各軸エラーステータス」にデバ
ステータス の設定を行います。
イスを設定 設定なし
デバイス設定
ビットデバイス:X,Y,M,B,F
ワードデバイス:D,W,#,U□\G
手動パルサ CPU内蔵手動パルサ・
使用する/使用しない 使用しない モーションCPU内蔵I/Fの手動
/同期エン 同期エンコーダ(INC)
パルサ・同期エンコーダの設定
コーダ設定 差動出力タイプ/
入力タイプ選択 差動出力タイプ を行います。
QDS 電圧出力/オープンコレクタタイプ

Ver.! :ソフトウェアの対応バージョンについては,1.5節を参照してください。

3 - 3
3.共通パラメータ

表3.1 システムデータ設定一覧(つづき)
項 目 設定範囲 初期値 備 考
<通信タイプ「SSCNETⅢ/H」設定時>
MR-J4(W)-B(-RJ)
MR-J4(W)-B(-RJ)/VCⅡ(日機電装)
<通信タイプ「SSCNETⅢ」設定時>
アンプ形名 MR-J3(W)-B/MR-J3-B(S) フ ル ク ロー
アンプ ズド/MR-J3(W)-Bリニア/ MR-J3(W)-B
情報 MR-J3(W)-B DDモータ/MR-MT1200/
FR-A700/VCⅡ(日機電装)
<通信タイプ「SSCNETⅢ/H」設定時>
アンプ動作
標準/フルクローズド/リニア/ 標準
アンプ設定 モード
DDモータ
QDS
Q173DSCPU:2系統32軸まで
軸No. 設定なし
軸情報 Q172DSCPU:1系統16軸まで
軸ラベル 最大 32文字 設定なし
外部同期エンコーダ
無効/ABS/INC 無効
入力*3 Ver.!
入力フィルタ設定 なし/0.8ms/1.7ms/2.6ms/3.5ms 3.5ms
Power off中許容 <通信タイプ「SSCNETⅢ」設定時>
10
移動量 0~8191回転
アンプの形名や軸番号等を設
ABS/INC設定*4 Ver.! INC/ABS INC
定します。
MR-J3(W)-B/MR-J3-B(S) フ ル ク ロ ー ズ
ド /MR-J3(W)-B リ ニ ア /MR-J3(W)-B DD
アンプ形名 MR-J3(W)-B
モータ/MR-MT1200/FR-A700/
VCⅡ(日機電装)
個別のパラメータ

Q173DCPU(-S1):2系統32軸まで
軸No. 設定なし
Q172DCPU(-S1):1系統 8軸まで
Q173DCPU(-S1):X/Y/Z/U/V/W/A/B/CX/
CY/CZ/CU/CV/CW/CA/
アンプ設定 軸名称 CB/DX/DY/DZ/DU/DV/
設定なし
QD (SV43) DW/DA/DB/EX/EY/EZ/
EU/EV/EW/EA/EB
Q172DCPU(-S1):X/Y/Z/U/V/W/A/B/C
外部信号取込み設定 アンプ入力無効/アンプ入力有効 アンプ入力無効
入力フィルタ
なし/0.8ms/1.7ms/2.6ms/3.5ms 3.5ms
設定
Power off中許容
0~8191回転 10
移動量
ABS/INC設定*4 Ver.! INC/ABS INC
Q172DEX/Q173DPXのうちどちらか1ユ
パルサ・同期エンコー ニット
ダI/Fユニット Q172DEX:2点まで
Q173DPX:3点まで
高速読出し
入力ユニットのうち1ユニット/モー 設定なし 4.3節参照
設定*2
ションCPU内蔵I/F(DI) QDS のどちらか
シーケンサ入力
一方
ユニット
入力ユニット :8点まで
モーションCPU内蔵I/F(DI):4点まで
<通信タイプ「SSCNETⅢ/H」設定時>
各軸に対して設定1~6を設定
任意データモニタ設定 <通信タイプ「SSCNETⅢ」設定時>
設定なし 4.10節参照
QDS 各軸に対して設定1~3を設定
Q173DSCPU :32軸まで
Q172DSCPU :16軸まで

3 - 4
3.共通パラメータ

表3.1 システムデータ設定一覧(つづき)
項 目 設定範囲 初期値 備 考
各軸に対して設定1~3を設定
任意データモニタ設定
Q173DCPU(-S1):32軸まで 設定なし 4.10節参照
個別のパラメータ

QD
Q172DCPU(-S1):8軸まで
マーク検出設定 QDS 設定1~32を設定 設定なし 4.14節参照
高速入力要求信号*3
設定1~32を設定 設定なし 4.15節参照
QDS Ver.!

各系統に対してユニット1~4を設定
ヘッドユニット
Q173DSCPU:2系統(最大8ユニット) 設定なし 4.18節参照
QDS Ver.!
Q172DSCPU:1系統(最大4ユニット)

*1:緊急停止入力設定以外に,モーションCPUユニットのEMI緊急停止端子,またはサーボアンプの強制停止
端子の使用による方法もあります。
*2:SV22アドバンスト同期制御では設定できません。 QDS
*3:SV22アドバンスト同期制御のみ設定可能です。 QDS
*4:アンプ形名に“VCⅡ(日機電装)”選択時のみ設定可能です。

Ver.! :ソフトウェアの対応バージョンについては,1.5節を参照してください。

3 - 5
3.共通パラメータ

3.1.2 システム共通のパラメータ

(1) マルチCPUシステムを使用するためのパラメータ
マルチCPUシステムでは,CPUごとにシステム共通のパラメータと個別のパラメー
タとを設定し,各CPUに書込みます。モーションCPUでは,システム設定において
マルチCPUシステム全体に関連する項目を,シーケンサCPUのパラメータ設定と整
合性のとれた共通設定とする必要があります。

シーケンサCPUの シーケンサCPUの モーションCPUの モーションCPUの


パラメータ パラメータ パラメータ パラメータ

システム共通の システム共通の システム共通の システム共通の


パラメータ パラメータ パラメータ パラメータ

個別の 個別の 個別の 個別の


パラメータ パラメータ パラメータ パラメータ

パラメータの書込み

電源 QnUD□ QnUD□ Q173D(S) Q172D(S)


CPU CPU CPU CPU

3 - 6
3.共通パラメータ

(2) マルチCPUシステム共通のパラメータ
モーションCPUでは,イニシャル時に,下表のパラメータについて,1号機のシー
ケンサCPUとパラメータ照合を行います。不一致の場合は,PARAMETER ERROR(エ
ラーコード:3012,3015)となりますので,下表のパラメータは必ず一致させる
必要があります。(モーションCPUでシステム設定を変更した場合は,リセットが
必要なため,イニシャル時のみチェックを行います。)
このエラーが発生した場合,エラー個別情報(SD16)にパラメータ設定不一致エ
ラーとなったパラメータのパラメータNo.がセットされます。
MT Developer2/GX Works2/GX Developerでは「マルチCPUパラメータ流用」によ
り他号機のパラメータを流用することができますが,MT Developerでは流用でき
ませんので,各モーションCPUに共通の設定を行ってください。

マルチCPUシステム共通のパラメータ一覧表
パラメータ種別
照合項目 パラメータ№ 備 考
モーションCPUでの名称 シーケンサCPUでの名称
マルチCPU台数 CPU台数 CPUユニット台数 0E00H
CPU停止エラー時の
動作モード 動作モード 0E01H
動作モード
各CPU送信 各CPU送信 各CPUの送信範囲の
E008H 2.3.2項参照
範囲設定 範囲設定 点数
2.3.2項参照
システム システム システムエリア
マルチCPU マルチCPU E008H 高度な設定時に,設
マルチCPU エリア マルチCPU エリア サイズ
間高速通信 間高速通信 定可能となる。
設定 設定
エリア設定 エリア設定 2.3.2項参照
自動リフ 自動リフ
自動リフレッシュ点 (マルチCPU間高速通
レッシュ レッシュ E009H
数 信エリアを介した自
設定 設定
動リフレッシュ)
マルチCPU間の立ち
マルチCPU間同期立上げ マルチCPU間同期立上げ 上がりを同期するか E00BH 2.3.5項参照
否か
モーションCPU側の
ユニットの管理CPU システム設定にて設
モーションスロット設定 詳細設定 管理CPU 0406H
号機 定したユニットのみ
I/O割付 照合する。
設定 ベース総数 シーケンサCPU側で
ベースNo. ベース設定が行われ
ベース設定 基本設定 スロット数 ベース 0401H
ベース ていない場合は照合

スロット数 しない。

3 - 7
3.共通パラメータ

(a) マルチCPU設定
MT Developer□のマルチCPU設定(モーションCPUの設定)とGX Works2/
GX DeveloperのマルチCPU設定(シーケンサCPUの設定)で下記の項目を同一
に設定します。
・CPUユニット台数(CPU空きスロット含む)
・CPU停止エラー時の動作モード
・マルチCPU間高速通信エリア設定(全号機同一に設定)
・マルチCPU間同期立上げ

MT Developer□のマルチCPU設定(モーションCPUの設定)<画面:MT Developer2>

CPUユニット台数

CPU停止エラー時
の動作モード

マルチCPU間高速
通信エリア設定

マルチCPU間同期
立上げ

GX Works2/GX DeveloperのマルチCPU設定(シーケンサCPUの設定)<画面:GX Works2>

“マルチCPU間高速
通信エリア設定”
のタブを選択する。

“マルチCPU間高速
通信機能を使用す
る”を設定する。

3 - 8
3.共通パラメータ

(b) モーションスロット設定
MT Developer□のモーションスロット設定(モーションCPUの設定)で自CPU
の管理するユニットを設定します。GX Works2/GX Developerでは,I/O割付
け設定(シーケンサCPUの設定)において,モーションCPU管理のスロットを
モーションCPUの号機番号に設定します。

MT Developer□のモーションスロット設定(モーションCPUの設定)<画面:MT Developer2>

ユニットの管理CPU号機

GX Works2/GX DeveloperのI/O割付設定(シーケンサCPUの設定)<画面:GX Works2>

*:本体OSソフトウェアにより,モーションスロット設定の設定項目は異なります。

3 - 9
3.共通パラメータ

(c) ベース設定
MT Developer□のベース設定(モーションCPUの設定)とGX Works2/
GX DeveloperのI/O割付け設定(シーケンサCPUの設定)でベース総数と各ベー
スのスロット数を同一に設定します。GX Works2/GX Developerではベース
モードを自動にすることで詳細設定を省略可能です。

MT Developer□のベース設定(モーションCPUの設定)<画面:MT Developer2>

ベース総数,
ベーススロット数

*:シーケンサCPU
設定を行わず,
GX Works2/GX DeveloperのI/O割付設定(シーケンサCPUの設定)<画面:GX Works2> モーションCPU
のみ行うこと
も可能です。

3 - 10
3.共通パラメータ

ポイント
GOTをバス接続する場合は,ベース付きのインテリジェント機能ユニット(増設段
数,スロットNo.はGOTのパラメータにて設定)“16点×10スロット”として扱われ
ます。
GOTをバス接続する場合は,GOT接続用の増設段数を1段(16点×10スロット分)設
けて,MT Developer□の基本設定(ベース設定)にて,GOT接続用の増設ベースス
ロット数を“10スロット”に設定してください。

<例>
増設2段目をGOT接続用とする場合
(ベース設定で,2段目スロット数を“10”スロットとしてください。)

<画面:MT Developer2>

3 - 11
3.共通パラメータ

3.1.3 個別のパラメータ

(1) システム基本設定
システム基本設定の各設定項目について説明します。

<画面:MT Developer2>

(a) 演算周期設定
① モーション演算周期(位置指令を演算し,サーボアンプに送信する周期)
を設定します。
設定範囲は,0.2ms QDS /0.4ms/0.8ms/1.7ms/3.5ms/7.1ms/
14.2ms QD /自動設定(MT Developer)/デフォルト設定(MT Developer2)で
す。
② 初期値は自動設定(MT Developer)/デフォルト設定(MT Developer2)であ
り,システム設定で設定したサーボアンプの軸数に応じて下表のような演
算周期に設定されます。
使用軸数
本体OS Q173DSCPU/ Q173DCPU(-S1)/ 演算周期設定 実際の演算周期
Q172DSCPU Q172DCPU(-S1)
1~4軸 ─ 0.2ms 0.222・・・ms
5~10軸 1~6軸 0.4ms 0.444・・・ms
SV13
11~24軸 7~18軸 0.8ms 0.888・・・ms
25~32軸 19~32軸 1.7ms 1.777・・・ms
1~6軸 1~4軸 0.4ms 0.444・・・ms
7~16軸 5~12軸 0.8ms 0.888・・・ms
SV22
17~32軸 13~28軸 1.7ms 1.777・・・ms
─ 29~32軸 3.5ms 3.555・・・ms
─ 1~4軸 0.4ms 0.444・・・ms
─ 5~12軸 0.8ms 0.888・・・ms
SV43
─ 13~28軸 1.7ms 1.777・・・ms
─ 29~32軸 3.5ms 3.555・・・ms

3 - 12
3.共通パラメータ

③ モーション演算にかかる時間が演算周期を超えてしまった場合は,演算周
期オーバーフラグ(M2054)がONします。制御条件によっては,演算周期設
定が自動設定の場合でもモーション演算にかかる時間が演算周期を超え
る場合があります。SD522に実際にモーション演算にかかる時間([μs]単
位)が格納され,SD523に現在設定されている演算周期([μs]単位)が格納
されます。これらの特殊レジスタをモニタし,モーション演算にかかる時
間が設定演算周期を超えないように演算周期設定の設定値を調整してく
ださい。(モーションCPUでWDTエラー等が発生することがあります。)

(b) STOP → RUN時動作


シーケンサレディフラグ(M2000)がONとなる条件を設定します。以下のいずれ
かを選択してください。
① スイッチ(STOP → RUN)でM2000がONとなる。(初期値)
M2000がOFFからONになる条件
・RUN/STOPスイッチをSTOP側からRUN側に倒す。
・RUN/STOPスイッチをRUN側に倒した状態で,マルチCPUシステムの電源を
投入する。

M2000がONからOFFになる条件
・RUN/STOPスイッチをRUN側からSTOP側に倒す。
② スイッチ(STOP → RUN)+設定レジスタに1を設定すると,M2000がONとな
る。
M2000がOFFからONになる条件
・RUN/STOPスイッチをRUN側に倒した状態で,シーケンサレディフラグ設
定レジスタ(D704)に1を設定(モーションCPUは,D704の最下位ビット
の0から1への変化を検出します。),またはシーケンサレディフラグ
(M3072)をONする。

M2000がONからOFFになる条件
・RUN/STOPスイッチをRUN側に倒した状態で,シーケンサレディフラグ設
定レジスタ(D704)に0を設定(モーションCPUは,D704の最下位ビット
の1から0への変化を検出します。),またはシーケンサレディフラグ
(M3072)をOFFする。
・RUN/STOPスイッチをRUN側からSTOP側に倒す。

(c) 緊急停止入力設定
サーボアンプ全軸を一括して緊急停止させる緊急停止をプログラム上で行う
場合,使用するビットデバイスを指定します。
X(PX),Mを指定できます。初期値は設定なしです。設定したビットデバイス
はB接点であり,ビットデバイスのON/OFFに対応し,下記の制御を行います。
・ビットデバイスOFF······ 緊急停止入力ON中(緊急停止)
・ビットデバイスON······· 緊急停止入力OFF中(緊急停止解除)
モーションCPUユニットのEMI端子による緊急停止入力を,パラメータ設定で
無効にすることはできません。

3 - 13
3.共通パラメータ

(d) サーボ警告発生時のエラー設定 QDS


サーボ警告が発生したときに,「エラー出力する」,「エラー出力しない」
を設定します。
サーボ警告発生時のエラー設定
デバイス番号 信号名称
エラー出力する エラー出力しない
M2039 モーションエラー検出フラグ ○ ×
D8+20n*1 サーボエラーコード ○ ×
*1
#8008+20n サーボアンプ表示サーボエラーコード ○ ○
#8640+12n*2 モーションSFCエラープログラム番号 ○ ×
#8641+12n*2 エラー種別 ○ ×
#8642+12n*2 エラープログラム番号 ○ ×
エラーブロック番号/モーションSFCリスト
#8643+12n*2 ○ ×
/行番号/軸番号
#8644+12n*2 モーション エラーコード ○ ×
#8645+12n*2 エラー履歴 エラー発生時刻(年/月) ○ ×
#8646+12n*2 エラー発生時刻(日/時) ○ ×
#8647+12n*2 エラー発生時刻(分/秒) ○ ×
#8648+12n*2 エラー設定データ情報 ○ ×
*2
#8650+12n
エラー設定データ ○ ×
#8651+12n*2
SM0 診断エラー ○ ×
SM1 自己診断エラー ○ ×
SD0 診断エラー ○ ×
SD1 ○ ×
SD2 診断エラー発生時刻 ○ ×
SD3 ○ ×
SD4 エラー情報区分 ○ ×
SD5~SD15 エラー共通情報 ○ ×
SD16~SD26 エラー個別情報 ○ ×

○:サーボ警告発生時に更新する
×:サーボ警告発生時に更新しない
*1:デバイス番号中のnは軸No.に対する数値(軸No.1~32:n=0~31)を示しています。
*2:デバイス番号中のnはモーションエラー履歴に対する数値(n=0~7)を示しています。

(e) エラーチェック QDS


モーションCPUに接続するバッテリのエラーチェックを行うかどうか設定し
ます。初期値は「バッテリチェックを行う」に設定されていますが,「バッ
テリチェックを行わない」に設定すると自己診断エラー(エラーコード:1600)
は出力されず,7セグメントLED表示“BT1”,“BT2”も点灯しません。
また,モーションエラー検出フラグ(M2039)の検出やモーションエラー履歴の
更新も制限されます。ただし,エラーチェックの有無にかかわらず,バッテ
リレベル検出に関するデバイス(SM51,SM52,SM58,SM59)のON/OFFを行い
ます。

3 - 14
3.共通パラメータ

ポイント
(1) ROM運転を使用したインクリメンタルシステムの構成で,バッテリエラーの出
力を制限する場合に使用してください。
(2) 絶対位置システム,またはラッチデータを使用する場合,バッテリが必要とな
るため,「バッテリチェックを行う」を必ず設定してください。

(f) ラッチ範囲設定
M,B,F,D,Wについて,それぞれ下記のラッチ範囲の設定を行います。
・ラッチ(1):リモート操作(ラッチクリア(1),ラッチクリア(1)(2))にてク
リアが可能
・ラッチ(2):リモート操作(ラッチクリア(1)(2))にてクリアが可能

(2) SSCNET設定 QDS


SSCNET設定の設定項目について説明します。

<画面:MT Developer2>

(a) 通信タイプ
系統ごとにサーボアンプとの通信を行う通信タイプを設定します。
設定した通信タイプにより,以下のサーボアンプを使用します。
・SSCNETⅢ/H:MR-J4(W)-□B
・SSCNETⅢ :MR-J3(W)-□B

3 - 15
3.共通パラメータ

(3) CPU設定
CPU設定の設定項目について説明します。

・SV22アドバンスト同期制御使用時 ・SV13/SV22仮想モード使用時

<画面:MT Developer2> <画面:MT Developer2>

(a) 自CPU装着位置設定
基本ベースに装着する自号機CPUの装着位置を設定します。
・自CPU :自号機CPUを設定
・他CPU :他号機CPUを設定
・CPU(空き):空きスロットに設定

(b) 入力設定 QDS


入力信号を使用する設定を行います。
モーションCPU内蔵I/F(DI)の入力信号には,汎用入力とマーク検出の2種類の
用途があります。
同一の入力信号を汎用入力とマーク検出で併用可能です。
入力設定 汎用入力 マーク検出
実入力デバイス(PX),マーク検出
使用する 実入力デバイス(PX)として使用可
信号(DI)として使用可
使用しない 使用不可 マーク検出信号(DI)として使用可

① 先頭入力番号
実入力デバイス(PX)の先頭入力番号を設定します。
実入力デバイス(PX)は16点単位で,以下となります。
・実入力デバイス(PX):4点+ダミー(使用不可:0固定)12点
(例) 先頭入力番号が0(H)の場合
・PX0~PX3(実入力),PX4~PXF(使用不可:0固定)
② 高速読出しデータ設定
高速読出し機能でモーションCPU内蔵I/F(DI)を入力信号として使用する
設定を行います。
・使用 :モーションCPU内蔵I/F(DI)を入力信号として使用する。
・未使用:モーションCPU内蔵I/F(DI)を入力信号として使用しない。
高速読出し機能については,4.3節を参照してください。
*:SV22アドバンスト同期制御では設定できません。 QDS

3 - 16
3.共通パラメータ

(c) 入力信号検出方向 QDS


マーク検出機能でモーションCPU内蔵I/F(DI)を使用する場合,マーク検出信
号の検出方向を設定します。
・立上り有効:マーク検出信号のOFF→ONでマーク検出を行う。
・立下り有効:マーク検出信号のON→OFFでマーク検出を行う。
マーク検出機能については,4.14節を参照してください。

(d) マルチCPU間同期制御設定 QDS Ver.!


自CPUを設定時,マルチCPU間同期制御のシステムを構成するマスタCPU/ス
レーブCPUの設定を行います。
*:SV22アドバンスト同期制御のみ設定可能です。
・単独CPU :単独CPUとして動作
・マスタCPU :マスタCPUとして動作
・スレーブCPU:スレーブCPUとして動作
① ステータスデバイス設定
マスタCPU,スレーブCPU設定時,他号機の情報をモニタするためのステ
ータスデバイスを設定します。下記の項目をワードデバイス(D,W,#,U
□\G),またはビットデバイス(X,Y,M,B,F)で設定します。
マルチCPU間同期制御設定
項 目
マスタCPU スレーブCPU
同期制御中 ○ ○
各号機ステータス ○ ○
各号機各軸エラーステータス ○ ○
接続情報 × ○
マスタCPU入力軸
エラー情報 × ○

○:設定可,×:設定不可

マルチCPU間同期制御については,Q173DSCPU/Q172DSCPUモーションコント
ローラ(SV22)プログラミングマニュアル(アドバンスト同期制御編)を参照
してください。

Ver.! :ソフトウェアの対応バージョンについては,1.5節を参照してください。

3 - 17
3.共通パラメータ

(4) ユニット個別設定
各ユニットの設定項目について下表に示します。
(a) モーションユニット個別設定一覧
使用可能台数
ユニット名 項 目 設定範囲 初期値
Q173DSCPU Q172DSCPU Q173DCPU(-S1) Q172DCPU(-S1)
A接点(Normal Open)/
DOG信号接点 B接点(Normal Close) A接点
QDS (8点分のDOG信号を設 (Normal Open)
定)
Q172DLX 外部信号設定 8軸分の入力を何軸に使
未使用
サーボ外部信号 QD 用するか設定 4 2 4 1
入力ユニット*1 DOG信号検出方向 立上り有効か,立下り有
立上り
QD 効かを設定
0.4/0.6/1ms
入力応答時間
(DOG/CHANGE の 応 答 時 0.4ms
設定
間)
同期エンコーダ 使用する/使用しない
使用しない
使用設定 の設定
Q171ENC-W8(4194304
同期エンコーダ [PLS])/Q171ENC-W8 Q171ENC-W8
選択*2 QDS (262144[PLS])/ (4194304[PLS])
MR-HENC(16384[PLS])
同期エンコーダ
Q172DEX Q170ENC/MR-HENC Q170ENC
選択 QD
同期エンコーダ 6(SV22) 4(SV22)
A接点(Normal Open)/
入力ユニット
TREN信号接点*3 B接点(Normal Close) A接点
QDS (2点分のTREN信号を設 (Normal Open)
定)
入力応答時間 0.4/0.6/1ms
0.4ms
設定 (TRENの応答時間)
高速読出し
使用/未使用の設定 未使用
データ設定*4
手動パルサ使用
使用する設定のみ 使用する
設定(SV13/SV43)
手動パルサ/
使用する/使用しない P□
Q173DPX 同期エンコーダ
の設定 使用する 1(SV13) 1(SV13/SV43) 1(SV13/SV43)
手動パルサ 使用設定(SV22)
4(SV22) 4(SV22) 3(SV22)
入力ユニット 入力応答時間 0.4/0.6/1ms
0.4ms
設定 (TRENの応答時間)
高速読出し
使用/未使用の設定 未使用
データ設定*4

*1:Q173DSCPU/Q172DSCPU使用時,各軸で使用する外部信号は,サーボデータ設定のサーボ外部信号パラメータで設定し
ます。(3.4節参照) QDS
*2:Q171ENC-W8は,同期エンコーダ選択設定により,エンコーダ分解数を4194304[PLS]/262144[PLS]から選択できます。
*3:SV22アドバンスト同期制御のみ設定可能です。 QDS
*4:SV22アドバンスト同期制御では設定できません。 QDS

3 - 18
3.共通パラメータ

(b) シーケンサユニット個別設定一覧
使用可能台数
ユニット名 項 目 設定範囲 初期値 Q173DSCPU/ Q173DCPU(-S1)/
Q172DSCPU Q172DCPU(-S1)
先頭I/O番号 0000~0FF0(16点単位) 0000
I/O点数 16/32/48/64/128/256 16
高速読出しデータ
入力ユニット 使用/未使用の設定 未使用
設定*4
QX□/QX□-□
入力応答時間設定
1/5/10/20/70ms 10ms
(括弧内は高速入力
(0.1/0.2/0.4/0.6/1ms) (0.2ms)
入出力 ユニット時)
ユニット 出力ユニット 先頭I/O番号 0000~0FF0(16点単位) 0000
QY□/QY□-□ I/O点数 16/32/48/64/128/256 16
先頭I/O番号 0000~0FF0(16点単位) 0
入出力混合 I/O点数 16/32/48/64/128/256 16
ユニット 入力応答時間設定 1/5/10/20/70ms 10ms
QH□/QX□Y□ 高速読出しデータ
使用/未使用の設定 未使用
設定*4
先頭I/O番号 0000~0FF0(16点単位) 0000
4~20mA/0~20mA/1~5V/
入力レンジ設定 0~5V/-10~10V/0~10V/ 4~20mA 合計
アナログ入力 256点以内
ユーザレンジの設定
ユニット
温度ドリフト補正 あり/なしの設定 あり
Q6□AD□/
分解能モード 通常分解能/高分解能の設定 通常分解能
Q6□AD-□ 合計
通常モード(A/D変換処理)/ 256点以内*3
通常モード
動作モード オフセット・ゲイン設定モー
(A/D変換処理)
ドの設定
先頭I/O番号 0000~0FF0(16点単位) 0000
4~20mA/0~20mA/1~5V/
インテリ 出力レンジ設定 0~5V/-10~10V/ユーザレン 4~20mA
ジェント ジの設定
アナログ出力
機能 HOLD/CLEAR機能設定 CLEARの設定のみ CLEAR
ユニット
ユニット 通常モード(非同期)/ 通常モード
*1 Q6□DA□/ 出力モード
同期出力モードの設定 (非同期)
Q6□DA-□
分解能モード 通常分解能/高分解能の設定 通常分解能
通常モード(D/A変換処理)/
通常モード
動作モード オフセット・ゲイン設定モー
(D/A変換処理)
ドの設定
先頭I/O番号 0000~0FF0(16点単位) 0000
16点/32点/48点/64点/
点数 16点
*2 128点/256点
汎用
入力形式 2進/10進/16進 16進 ─
QDS Ver.! スイッチ
スイッチ
設定 0000~FFFF 0000
1~5
エラー時出力モード クリア/保持 クリア
割込みユニット QI60 入力応答時間設定 0.1/0.2/0.4/0.6/1ms 0.2ms 1(SV13/SV22)

*1:インテリジェント機能ユニットをあわせて4台使用可能です。
*2:対応するインテリジェント機能ユニットについては,4.17節を参照してください。
*3:入出力点数は「モーションCPU内蔵I/F(入力点数 4点)+入出力ユニット+インテリジェント機能ユニット」の合計です。 QDS
*4:SV22アドバンスト同期制御では設定できません。 QDS

Ver.! :ソフトウェアの対応バージョンについては,1.5節を参照してください。

3 - 19
3.共通パラメータ

(5) 外部信号入力
サーボ外部信号(上限ストロークリミット/下限ストロークリミット/停止信号
/近点ドグ)は,軸ごとに以下の方法から選択することができます。

(a) Q172DLXサーボ外部信号入力ユニット使用
・Q173DSCPU/Q172DSCPU使用時
サーボデータ設定のサーボ外部信号パラメータにて,軸ごとに信号種別で
“Q172DLX信号”を選択し,使用するユニットNo.,信号No.を設定してくだ
さい。
・Q173DCPU(-S1)/Q172DCPU(-S1)使用時
システム設定のモーションスロット設定にてサーボ外部信号ユニット
(Q172DLX)を設定し,詳細設定の外部信号設定にて軸No.を設定してくださ
い。

(b) 各サーボアンプ入力デバイス使用(サーボアンプ使用時のみ)
・Q173DSCPU/Q172DSCPU使用時
サーボデータ設定のサーボ外部信号パラメータにて,軸ごとに信号種別で
“アンプ入力”を設定してください。
・Q173DCPU(-S1)/Q172DCPU(-S1)使用時
システム設定の“アンプ設定”にて,外部信号取込み設定を“アンプ入力
有効”にしてください。

① 以下の制約がありますので,注意してください。
・停止信号(STOP)は使用できません。
・Q173DCPU(-S1)/Q172DCPU(-S1)使用時,カウント式原点復帰,速度・位
置切換え制御は,本体OSソフトウェアのバージョンにより使用できませ
ん。(ソフトウェアの対応バージョンについては,1.5節を参照してく
ださい。)
・外部信号取込み設定の入力フィルタ設定値により,サーボアンプの外部
入力信号(DOG) ON/OFFのタイミングにばらつきが発生します。用途に合
わせて入力フィルタ設定値を見直してください。
高精度の制御を行う場合は,Q172DLX,またはモーションCPU内蔵I/F
(DI) QDS を使用してください。
② 外部信号と入力デバイスの対応は,以下の通りです。
外部信号 入力デバイス(CN3)*
上限ストロークリミット(FLS) DI1
下限ストロークリミット(RLS) DI2
近点ドグ(DOG) DI3

*:ピン配列については,サーボアンプ技術資料集を参照してください。

③ 外部信号のフィルタ設定は,“入力フィルタ設定”で行うことができます。
*:入力フィルタ設定は,サーボパラメータ「入力フィルタ設定(PD11)」
で設定しても,システム設定の“入力フィルタ設定”で設定した設定
値が有効となります。

(c) 入力デバイス使用 QDS


サーボデータ設定のサーボ外部信号パラメータにて,軸ごとに信号種別で
“ビットデバイス”を選択し,使用するデバイス番号を設定してください。

3 - 20
3.共通パラメータ

3.2 入出力番号の割付け

マルチCPUシステムには,モーションCPUが入出力ユニット・インテリジェント機能
ユニットと交信するための入出力番号と,シーケンサCPU/モーションCPU間で交信す
るための入出力番号があります。

3.2.1 各種ユニットの入出力番号

マルチCPUシステムでは,シーケンサCPUから見た場合の,入出力番号の“0H”の位
置(スロット)がシングルCPUシステムと異なります。ただし,モーションCPUでは管
理ユニットの入出力番号の割付けは,CPUごとで独自に割付けできます。

(1) 入出力番号“0H”の位置について
(a) マルチCPUシステムでは,マルチCPU設定で設定した台数分のスロットをシー
ケンサCPU/モーションCPUが占有します。

(b) 入出力ユニット,インテリジェント機能ユニットは,シーケンサCPU/モー
ションCPUが占有したスロットの右側から装着します。

(c) モーションCPU管理ユニットの入出力番号は,CPUごとで独自に割付けできま
す。
シーケンサCPU管理ユニットの入出力番号は,CPUユニットの右側に装着した
入出力ユニット,インテリジェント機能ユニットを“0H”とし,右へ順に連
番で割付けます。

(d) 入出力番号の表記
・モーションCPUへのON/OFFデータの取込みは入力(PX)で,モーションCPUか
らのON/OFFデータの出力は出力(PY)で行います。
・入出力番号は16進数で表現します。

備 考

1):マルチCPU設定で設定した台数より基本ベースユニットに装着するCPUユニット
が少ない場合は,空いているスロットを“CPU(空き)”に設定してください。
“CPU(空き)”の設定については,2.1.2項を参照してください。
2):マルチCPUシステムの入出力番号は,GX Works2/GX Developerのシステムモニ
タで確認できます。

3 - 21
3.共通パラメータ

(2) モーションCPU管理ユニットの入出力番号割付け
I/O割付けは,全CPU共通で連番となる設定を推奨します。
ただし,モーションCPUの管理する入力ユニット,出力ユニット,入出力混合ユニッ
ト,インテリジェント機能ユニットのI/O番号は,シーケンサCPUのI/O番号とは無
関係に設定することも可能です。(モーションCPUで管理されるユニットのI/O番
号はPX/PYと表記されます。)
シーケンサCPUのI/O割付けで,モーションCPUの管理ユニットのI/O番号を割付け
ても無効です。
入出力割付け

0 1 2 3 4 5
電 Q03UD Q173D(S) QX41 QY41P QX41 QY41P
源 CPU CPU
ユ PX0~PX1F PY20~PY3F X40~X5F Y60~Y7F


ト (X0~X1F) (Y20~Y3F)

1号機 2号機 2号機管理 2号機管理 1号機管理 1号機管理


ユニット ユニット ユニット ユニット

(3) シーケンサCPUでのモーションCPU管理ユニットの設定
シーケンサCPUのI/O割付けで,モーションCPUの管理ユニットを設定する場合,下
表のように設定します。(Q172DLX,Q172DEX,Q173DPXはシーケンサCPUではイン
テリジェント機能ユニット32点占有として扱われます。)種別,点数は設定を行
わないことも可能です。
ユニット名称 種 別 点 数 備 考
入力ユニット 入力
QX□-S1の場合 高速入力
QX□Hの場合 高速入力/割込み
出力ユニット 出力
入出力混合ユニット 入出力混合 ユニットに
・管理CPUは,モーション
アナログ入力 応じて選択
CPUに該当する号機に
ユニット
インテリジェント 設定。(必須)
アナログ出力 インテリ
機能ユニット*1 ・種別,点数は設定を行
ユニット
わなくても可。
汎用
割込みユニット(QI60) 割込み 16点
Q172DLX
Q172DEX インテリ 32点
Q173DPX

*1:対応するインテリジェント機能ユニットについては,4.17節を参照してください。

ポイント
・モーションCPUの入出力デバイスは,PX/PY000~PX/PYFFFの範囲で設定してくだ
さい。実I/O点数は256点以内としてください。(I/O番号は連続していなくても
可)
・モーションCPUでは,Q172DLX,Q172DEX,Q173DPX,QI60は実I/O点数に含みませ
ん。

3 - 22
3.共通パラメータ

3.2.2 各CPUユニットの入出力番号

マルチCPUシステムでは,装着されているCPUユニットを指定するため,各CPUユニッ
トに入出力番号が割り付けられています。
CPUユニットの入出力番号は,装着したスロットで固定になっており,変更できませ
ん。
マルチCPUシステムを構成した場合の各CPUユニットに割り付けられる入出力番号を
下表に示します。
CPUユニットの装着位置 CPUスロット スロット0 スロット1 スロット2
先頭入出力番号 3E00H 3E10H 3E20H 3E30H

CPUユニットの入出力番号は,次の場合に使用します。
・S.TO命令で自局のCPU共有メモリにデータを書込むとき
・FROM命令で他号機のCPU共有メモリのデータを読出すとき
・インテリジェント機能ユニットデバイス(U□\G□)で他号機のCPU共有メモリの
データを読出すとき
・D(P).DDRD命令でシーケンサCPUよりモーションCPU内のデバイスデータを直接読出
すとき
・D(P).DDWR命令でシーケンサCPUよりモーションCPU内のデバイスデータを直接書込
むとき

モーション専用シーケンス命令の詳細は,「2.3.6項」または「Q173D(S)CPU/
Q172D(S)CPUモーションコントローラ(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(モ
ーションSFC編)」,「Q173DCPU/Q172DCPUモーションコントローラ(SV43)プログ
ラミングマニュアル」を参照してください。

3 - 23
3.共通パラメータ

3.2.3 I/O番号設定

モーションCPUでは,システム設定のモーションスロット設定で基本ベース/増設
ベースの各スロットに使用するユニットを設定し,該当スロットの管理CPUを自号機に
割り当てます。
設定したユニットにモーションCPUが管理するユニットのI/O番号を設定します。
I/O番号の設定が必要なユニットは下記のとおりです。
・入力ユニット
・出力ユニット
・入出力混合ユニット
・インテリジェント機能ユニット*1

*1:対応するインテリジェント機能ユニットについては,4.17節を参照してくだ
さい。

I/O番号は,モーションスロット設定にて該当ユニットを選択し,詳細設定の“先頭
I/O番号”で設定します。
詳細は,MT Developer□のヘルプを参照してください。

先頭I/O番号を設定

<画面:MT Developer2>

ポイント
シーケンサCPUのように,I/O割付けを省略してI/O番号を自動的に割付けることは
できません。モーションCPUでは必ず使用するユニットに合わせて,システム設定
で先頭I/O番号の設定を行ってください。

3 - 24
3.共通パラメータ

3.3 サーボパラメータ

各軸に設定するパラメータで,制御するサーボアンプ,サーボモータの仕様により
決まるデータ,およびサーボモータの制御を行うためのデータです。
サーボパラメータは,セットアップソフトウェア(MR Configurator□)で設定します。

サーボパラメータの詳細については,サーボアンプ技術資料集を参照してください。
MR Configurator□の取扱いについては,ソフトウェア付随のヘルプを参照してくだ
さい。
サーボアンプ技術資料集一覧を,下記に示します。
サーボアンプ形名 技術資料集の名称
MR-J4-□B SSCNETⅢ/HインタフェースMR-J4-□B サーボアンプ技術資料集(SH-030098)
MR-J4W-□B SSCNETⅢ/Hインタフェース多軸ACサーボMR-J4W-□B サーボアンプ技術資料集(SH-030101)
MR-J3-□B SSCNETⅢインタフェースMR-J3-□B サーボアンプ技術資料集(SH-030050)
MR-J3W-□B SSCNETⅢインタフェース2軸一体ACサーボMR-J3W-□B サーボアンプ技術資料集(SH-030072)
MR-J3-□B-RJ004 SSCNETⅢインタフェースリニアサーボMR-J3-□B-RJ004 技術資料集(SH-030053)
MR-J3-□B-RJ006 フルクローズド制御SSCNETⅢ対応MR-J3-□B-RJ006 サーボアンプ技術資料集(SH-030055)
MR-J3-□B-RJ080W SSCNETⅢ対応ダイレクトドライブサーボMR-J3-□B-RJ080W 技術資料集(SH-030078)
SSCNETⅢインタフェース三菱ドライブセーフティ対応MR-J3-□BS サーボアンプ技術資料集
MR-J3-□BS
(SH-030083)

ポイント
サーボアンプ制御電源の再投入が必要なサーボパラメータを変更した場合は,マル
チCPUシステムをリセットまたは電源OFF→ON後,いったんサーボアンプの制御電源
をOFFにしてから再投入してください。

3 - 25
3.共通パラメータ

3.4 サーボ外部信号パラメータ QDS

各軸で使用するサーボ外部信号(上限値ストロークリミット(FLS),下限値ストロー
クリミット(RLS),停止(STOP),近点ドグ/速度・位置制御切換え(DOG/CHANGE))を設
定するパラメータです。
サーボ外部信号の設定項目について下表に示します。

サーボ外部信号パラメータ一覧
設定範囲
項 目 初期値
なし Q172DLX信号 アンプ入力 DI信号 ビットデバイス
信号種別 0:なし 1:Q172DLX信号 2:アンプ入力 4:ビットデバイス 0:なし
Q172DLXユニットNo. ─ 1~4 ─ ─ ─
Q172DLX信号No. ─ 1~8 ─ ─ ─
FLS デバイス ─ ─ ─ ビットデバイス ─

信号 0:A接点 0:A接点 0:A接点
(Normal Open) (Normal Open) (Normal Open)
接点 ─ ─
1:B接点 1:B接点 1:B接点
(Normal Close) (Normal Close) (Normal Close)
信号種別 0:なし 1:Q172DLX信号 2:アンプ入力 4:ビットデバイス 0:なし
Q172DLXユニットNo. ─ 1~4 ─ ─ ─
Q172DLX信号No. ─ 1~8 ─ ─ ─
RLS デバイス ─ ─ ─ ビットデバイス ─

信号 0:A接点 0:A接点 0:A接点
(Normal Open) (Normal Open) (Normal Open)
接点 ─ ─
1:B接点 1:B接点 1:B接点
(Normal Close) (Normal Close) (Normal Close)
信号種別 0:なし 1:Q172DLX信号 4:ビットデバイス 0:なし
Q172DLXユニットNo. ─ 1~4 ─ ─
Q172DLX信号No. ─ 1~8 ─ ─
STOP デバイス ─ ─ ビットデバイス ─
─ ─
信号 0:A接点 0:A接点
(Normal Open) (Normal Open)
接点 ─ ─
1:B接点 1:B接点
(Normal Close) (Normal Close)
信号種別 0:なし 1:Q172DLX信号 2:アンプ入力 3:DI信号 4:ビットデバイス 0:なし
Q172DLXユニットNo.
─ 1~4 ─ 1~4 ─ ─
/DI信号名称
Q172DLX信号No. ─ 1~8 ─ ─ ─ ─
DOG
デバイス ─ ─ ─ ─ ビットデバイス ─
信号
0:A接点 0:A接点
(Normal Open) (Normal Open)
接点 ─ ─*1 ─*2 ─
1:B接点 1:B接点
(Normal Close) (Normal Close)

*1:システム設定のモーションスロット設定にて“Q172DLX”を選択し,詳細設定で設定します。
*2:システム設定の“CPU設定”で設定します。

(1) 信号種別
サーボ外部信号として使用する信号種別を設定します。
(a) なし
サーボ外部信号は無効となります。

(b) Q172DLX信号
Q172DLXの信号(FLS/RLS/STOP/DOG)を外部信号として使用します。

3 - 26
3.共通パラメータ

(c) アンプ入力
サーボアンプの入力信号を下記のサーボ外部信号として使用します。
入力信号 サーボ外部信号
DI1 上限値ストロークリミット(FLS)
DI2 下限値ストロークリミット(RLS)
DI3 近点ドグ(DOG)

(d) DI信号
モーションCPU内蔵I/F(DI1~DI4)を近点ドグ/速度・位置制御切換え信号
(DOG/CHANGE)として使用します。
DOG信号のみ設定します。

(e) ビットデバイス
任意のビットデバイスをサーボ外部信号として使用します。

(2) Q172DLXユニットNo.
使用するQ172DLXのユニットNo.を設定します。
若番スロット番号実装のQ172DLXからユニットNo.1~4となります。
信号種別にて“Q172DLX信号”選択時のみ設定します。
ユニットNo.の設定範囲
1~4

(3) Q172DLX信号No.
使用するサーボ外部信号の信号No.を設定します。
信号種別にて“Q172DLX信号”選択時のみ設定します。
信号No.の設定範囲
1~8

(4) デバイス
使用可能なデバイスを下記に示します。
項 目 デバイス番号の設定範囲
入力リレー X0~X1FFF*1
出力リレー Y0~Y1FFF
内部リレー M0~M8191
リンクリレー B0~B1FFF
アナンシェータ F0~F2047
特殊リレー SM0~SM1999
マルチCPU共有デバイス U□\G10000.0~U□\G(10000+p-1).F*2

*1:モーションCPU内蔵I/F(DI)に割り付けた入力デバイス(PXn+0~PXn+F)では,PXn
+4~PXn+Fの範囲は0固定となり使用できません。(n=先頭入力番号)
*2:pは各号機のマルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由エリア点数です。
マルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由エリア点数については,第2章を参照
してください。

3 - 27
3.共通パラメータ

(5) 接点
サーボ外部信号として使用する信号接点を設定します。
Q172DLX信号の場合,システム設定のモーションスロット設定にて“Q172DLX”を
選択し,詳細設定にて設定します。
DI信号の場合は,システム設定の“CPU設定”にて設定します。
(a) A接点(Normal Open)
・FLS信号がON :上限ストロークリミットが検出され,送り現在値が増加す
る方向の運転ができなくなります。
・RLS信号がON :下限ストロークリミットが検出され,送り現在値が減少す
る方向の運転ができなくなります。
・STOP信号がON :停止信号が検出され,運転を停止します。
・DOG信号がON :近点ドグ/速度・位置制御切換え信号が検出され,原点復
帰動作や速度・位置制御切換えを行います。
(b) B接点(Normal Close)
・FLS信号がOFF :上限ストロークリミットが検出され,送り現在値が増加す
る方向の運転ができなくなります。
・RLS信号がOFF :下限ストロークリミットが検出され,送り現在値が減少す
る方向の運転ができなくなります。
・STOP信号がOFF :停止信号が検出され,運転を停止します。
・DOG信号がOFF :近点ドグ/速度・位置制御切換え信号が検出され,原点復
帰動作や速度・位置制御切換えを行います。

3 - 28
4.補助/応用機能

第4章 補助/応用機能

4.1 リミットスイッチ出力機能

リミットスイッチ出力機能とは,出力デバイスごとに設定されたウォッチデータの
データ範囲に対応するON/OFF信号を出力する機能です。
ウォッチデータとして,モーション制御データまたは任意のワードデバイスデータ
を使用できます。(詳細は「4.1.2 リミット出力設定データ」を参照してください。)
軸数に関係なく,最大32点分の出力デバイスを設定することができます。

ポイント
SV22アドバンスト同期制御で使用する場合は,従来のリミットスイッチ出力機能と
は仕様が異なり,最大64点分の出力デバイスを設定することができます。
(詳細は,4.1.3項,4.1.4項を参照してください。) QDS
4

4.1.1 動作説明

(1) リミットスイッチ出力機能では,ウォッチデータの値が(ON Value),(OFF Value)


で設定されるON出力区間にある間,出力デバイスにON出力します。
(a) (ON Value),(OFF Value),ウォッチデータの値は,符号付きデータとして扱
います。
(ON Value),(OFF Value)の大小関係により,出力デバイスがON出力されるON
出力区間は下記のようになります。

(ON Value),(OFF Value)の関係 ON出力区間


(ON Value) < (OFF Value) (ON Value)≦(ウォッチデータの値)<(OFF Value)
(ON Value)≦(ウォッチデータの値)
(ON Value) > (OFF Value)
(ウォッチデータの値)<(OFF Value)
(ON Value) = (OFF Value) 全区間出力OFF

① (ON Value) < (OFF Value)の場合

ON
出力デバイス OFF OFF

OFF Value
ON区間設定
ON Value
ウォッチデータの値

(ON Value)≦(ウォッチデータの値)<(OFF Value)

4 - 1
4.補助/応用機能

② (ON Value) > (OFF Value)の場合

ON ON
出力デバイス OFF

ON Value
ON区間設定
OFF Value
ウォッチデータの値

(ウォッチデータの値)<(OFF Value) (ON Value)≦(ウォッチデータの値)

③ (ON Value) = (OFF Value)の場合

出力デバイス 全区間OFF

ON区間設定 ON Value OFF Value

ウォッチデータの値

(b) リミットスイッチ出力の制御は,シーケンサレディフラグ(M2000)OFF → ON
により,PCPU準備完了状態(SM500:ON)中,各ウォッチデータの内容に基づい
て行います。
シ ー ケ ン サ レ デ ィ フ ラ グ (M2000)ON → OFF に よ る PCPU 準 備 完 了 フ ラ グ
(SM500)OFFで,全点OFFとなります。
(ON Value),(OFF Value)をワードデバイスで指定した場合,シーケンサレディ
フラグ(M2000)のOFF → ON時に,ワードデバイスの内容を内部エリアに取込
みます。
以後,モーション演算周期ごとにワードデバイスの内容を取込み,リミット
スイッチ出力の制御を行います。

(c) 1つのウォッチデータに対して,出力設定を複数(最大32点)設定することも
可能です。
また,各設定で出力デバイスが同一であっても構いません。
同一の出力デバイスに対し複数のON区間設定がされている場合,各区間での
出力結果の論理和を出力します。
ON ON
出力デバイス OFF OFF OFF

OFF Value
ON区間設定No.2 ON Value

OFF Value
ON区間設定No.1 ON Value

ウォッチデータの値

(2) 出力許可/禁止ビットを設定し,1点ごとにリミットスイッチ出力の許可/禁止を
行うことができます。
出力許可/禁止ビットがONのとき,リミットスイッチ出力制御を行い,OFFのとき
は出力OFFとなります。
設定なしの場合,常に出力許可となります。

4 - 2
4.補助/応用機能

(3) 強制出力ビットを設定し,1点ごとにリミットスイッチ出力を強制出力ONすること
ができます。
強制出力ビットがONのとき,出力ONとなります。
この設定は,「出力許可/禁止ビット」のOFF(禁止)より優先して制御します。
設定なしの場合,常に強制出力しません。

(4) 同一の出力デバイスに対して複数のウォッチデータ,ON区間,出力許可/禁止ビッ
ト,強制出力ビットが設定されている場合,それぞれの設定による出力結果の論
理和を出力します。

SM500 ON

① 出力禁止/許可ビット,強制出力ビット設定なし

出力デバイス

OFF Value
ON区間設定
ON Value

ウォッチデータの値

② 出力禁止/許可ビット,強制出力ビット設定あり

出力デバイス
ON Value,OFF Valueに 出力ON
出力OFF 基づき出力制御 (強制出力) 出力OFF

許可/禁止ビット ON Value,OFF Valueに


出力OFF 基づき出力制御 出力OFF

強制出力ビット 出力ON
(強制出力)

4 - 3
4.補助/応用機能

4.1.2 リミット出力設定データ

リミット出力データの一覧を,下記に示します。
最大32点分出力デバイスを設定することができます。
(下記No.1~5の項目をまとめて1点として設定します。)

No. 項 目 設定範囲 取込周期 リフレッシュ周期 備考


1 出力デバイス ビットデバイス(X,Y,M,B,U□\G) - 演算周期
モーション制御データ/
ワードデバイス(D,W,#,U□\G)
2 ウォッチデータ
(16ビット整数型/32ビット整数型/64ビット浮動 ─
小数点型)
ON Value
3 ON区間 ワードデバイス(D,W,#,U□\G)/定数(K,H)
OFF Value
演算周期 ─
ON :許可
出力許可/ ビットデバイス(X,Y,M,B,F,SM,U□\G)/
4 OFF :禁止
禁止ビット なし(初期値)
なし:常に許可
なし:常に強制出
ビットデバイス(X,Y,M,B,F,SM,U□\G)/
5 強制出力ビット 力しない
なし(初期値)
(OFF状態)

(1) 出力デバイス
(a) 設定したウォッチデータに対するON/OFF信号を出力するビットデバイスを設
定します。

(b) 出力デバイスとして,下記のデバイスを使用できます。
項 目 デバイス番号の設定範囲
入力リレー*1 X0~X1FFF*4
出力リレー*2 Y0~Y1FFF
内部リレー*3 M0~M8191
リンクリレー B0~B1FFF
マルチCPU共有デバイス U□\G10000.0~U□\G(10000+p-1).F*5,*6

*1:PXは書込み不可のため,出力デバイスに使用することはできません。
Xの場合は,入力カード未実装の空き番号のみ使用可能です。
*2:実出力範囲(PY)も含みます。
*3:M2001~M2032を出力デバイスに使用することはできません。
位置決め専用デバイスを設定する場合は,位置決め動作に影響するため十分注意し
てください。
*4:モーションCPU内蔵I/F(DI)に割り付けた入力デバイス(PXn+0~PXn+F)では,PXn+4
~PXn+Fの範囲は0固定となり使用できません。(n=先頭入力番号) QDS
*5:pは各号機のマルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由エリア点数です。
*6:自号機のデバイスのみ設定可能です。

(2) ウォッチデータ
(a) リミットスイッチ出力機能を行うための対象データです。
ON/OFF信号を出力する比較データとなります。
ON区間設定に従い出力デバイスのON/OFF制御を行います。

4 - 4
4.補助/応用機能

(b) ウォッチデータとして,モーション制御データまたは任意のワードデバイス
データを使用できます。
① モーション制御データ
1) SV13/SV22
軸番号の設定範囲
項 目 単 位 データ型 備 考
Q173DSCPU Q172DSCPU Q173DCPU(-S1) Q172DCPU(-S1)
送り現在値
位置指令 32ビット
実現在値
整数型
偏差カウンタ値 PLS

16ビット
モータ電流 0.1%
整数型
*1
モータ回転数 0.1r/min 1~32 1~16 1~32
カム軸1回転内現在値
仮想サーボモータ送り 1~8
現在値 SV22仮想
仮想サーボモータデフ後 32ビット モード時
現在値 PLS 整数型 のみ有効
同期エンコーダデフ後
現在値
1~12
SV22のみ
同期エンコーダ現在値
有効
*1:リニアサーボ使用時は,モータ速度(単位[0.1mm/s])となります。

2) SV43
軸番号の設定範囲
項 目 単 位 データ型 備 考
Q173DCPU(-S1) Q172DCPU(-S1)
機械値
位置指令 32ビット
実機械値
整数型
偏差カウンタ値 PLS
16ビット 1~32 1~8 ─
モータ電流 0.1%
数型
モータ回転数*1 0.1r/min 32ビット
現在値 位置指令 数型

*1:リニアサーボ使用時は,モータ速度(単位[0.1mm/s])となります。

② ワードデバイスデータ
項 目 デバイス番号の設定範囲
データレジスタ D0~D8191
リンクレジスタ W0~W1FFF
モーションレジスタ #0~#9215
マルチCPU共有デバイス U□\G10000~U□\G(10000+p-1)*1

*1:pは各号機のマルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由エリア点数です。

4 - 5
4.補助/応用機能

③ 比較するデータ型として下記のデータ型を指定します。
項 目 備 考
16ビット整数型 -
32ビット整数型
デバイス番号は偶数で設定してください。
64ビット浮動小数点型

(3) ON区間設定
(a) ウォッチデータに対し,出力デバイスをON/OFFさせるデータ範囲を設定しま
す。

(b) データ範囲のON Value/OFF Valueとして,下記のデバイスを使用できます。


設定するデバイス/定数のデータ型は,ウォッチデータの型と同じになりま
す。
項 目 デバイス番号の設定範囲
データレジスタ D0~D8191
リンクレジスタ W0~W1FFF
モーションレジスタ #0~#9215
マルチCPU共有デバイス U□\G10000~U□\G(10000+p-1)*1
定 数 Hn/Kn
*1:pは各号機のマルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由エリア点数です。

(4) 出力許可/禁止ビット
(a) 出力許可/禁止ビットの状態は,動作中,リミットスイッチ出力を禁止させ
たい場合に設定してください。
下記制御を行います。
出力許可/禁止ビット 制御内容
設定なし(常に許可) ON区間設定(ON Value,OFF Value)に基づき,
ON(許可) リミットスイッチ出力のON/OFFを行います。
設定あり
OFF(禁止) リミットスイッチ出力はOFFとなります。

(b) 使用可能デバイス
項 目 デバイス番号の設定範囲
*1
入力リレー X0~X1FFF*2
*3
出力リレー Y0~Y1FFF
内部リレー M0~M8191
リンクリレー B0~B1FFF
アナンシェータ F0~F2047
特殊リレー SM0~SM1999
マルチCPU共有デバイス U□\G10000.0~U□\G(10000+p-1).F*4

*1:実入力範囲(PX)も含みます。
*2:モーションCPU内蔵I/F(DI)に割り付けた入力デバイス(PXn+0~PXn+F)では,PXn+4
~PXn+Fの範囲は0固定となり使用できません。(n=先頭入力番号) QDS
*3:実出力範囲(PY)も含みます。
*4:pは各号機のマルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由エリア点数です。

4 - 6
4.補助/応用機能

(5) 強制出力ビット
(a) 「強制出力ビット」は,動作中,リミットスイッチ出力を強制出力させたい
場合に設定してください。
下記制御を行います。
強制出力ビット 制御内容
設定なし 「出力許可/禁止ビット」,ON区間設定(ON
Value,OFF Value)に基づき,リミットスイッ
OFF
設定あり チ出力のON/OFFを行います。
ON リミットスイッチ出力はONとなります。

(b) 使用可能デバイス
項 目 デバイス番号の設定範囲
入力リレー X0~X1FFF*1
出力リレー Y0~Y1FFF
内部リレー M0~M8191
リンクリレー B0~B1FFF
アナンシェータ F0~F2047
特殊リレー SM0~SM1999
マルチCPU共有デバイス U□\G10000.0~U□\G(10000+p-1).F*2

*1:モーションCPU内蔵I/F(DI)に割り付けた入力デバイス(PXn+0~PXn+F)では,PXn+4
~PXn+Fの範囲は0固定となり使用できません。(n=先頭入力番号) QDS
*2:pは各号機のマルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由エリア点数です。

ポイント
マルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由エリア点数については,第2章を参照し
てください。

4 - 7
4.補助/応用機能

4.1.3 動作説明(SV22アドバンスト同期制御のみ) QDS Ver.!

(1) リミットスイッチ出力機能では,ウォッチデータの値が下限値,上限値で設定さ
れるON区間にある間,出力デバイスにON出力します。
ON区間は1つのリミット出力設定データについて2区間まで設定できます。
(a) 下限値,上限値,ウォッチデータの値は,符号付きデータとして扱います。
下限値,上限値の大小関係により,出力デバイスがON出力されるON出力区間
は下記のようになります。

下限値,上限値の関係 ON出力区間
下限値 < 上限値 下限値≦ウォッチデータの値<上限値
下限値≦ウォッチデータの値
下限値 > 上限値
ウォッチデータの値<上限値
下限値 = 上限値 全区間出力OFF

① 下限値<上限値の場合

ON
出力デバイス OFF OFF

上限値
ON区間設定
下限値
ウォッチデータの値

下限値≦ウォッチデータの値<上限値

② 下限値>上限値の場合

ON ON
出力デバイス OFF

下限値
ON区間設定
上限値
ウォッチデータの値

ウォッチデータの値<上限値 下限値≦ウォッチデータの値

③ 下限値=上限値の場合

出力デバイス 全区間OFF

ON区間設定 下限値 上限値

ウォッチデータの値

Ver.! :ソフトウェアの対応バージョンについては,1.5節を参照してください。

4 - 8
4.補助/応用機能

(b) リミットスイッチ出力の制御は,シーケンサレディフラグ(M2000)OFF → ON
により,PCPU準備完了状態(SM500:ON)中,各ウォッチデータの内容に基づい
て行います。
「M2000 ON→OFF時に出力デバイスを保持する」の設定が無効の場合,シーケ
ンサレディフラグ(M2000)ON→OFFによるPCPU準備完了フラグ(SM500)OFFで,
全点OFFとなります。
出力デバイスがYデバイス以外で「M2000 ON→OFF時に出力デバイスを保持す
る」の設定が有効の場合,シーケンサレディフラグ(M2000)をON→OFFしても,
出力デバイスはOFFしません。設定はすべての出力デバイスに対して有効です。
出力デバイスがYデバイスの場合は,常にシーケンサレディフラグ(M2000)の
ON→OFFにより,出力デバイスがOFFします。
下限値,上限値をワードデバイスで指定した場合,シーケンサレディフラグ
(M2000)のOFF→ON時に,ワードデバイスの内容を内部エリアに取込みます。
以後,モーション演算周期ごとにワードデバイスの内容を取込み,リミット
スイッチ出力の制御を行います。

(c) 1つのウォッチデータに対して,出力設定を複数(最大64点)設定することも
可能です。
また,各設定で出力デバイスが同一であっても構いません。
ON区間設定を2区間とも設定した場合,または複数の出力設定で同一の出力デ
バイスを設定した場合(ウォッチデータは同一でも異なっていても良い),
各区間での出力結果の論理和を出力します。
ON ON
出力デバイス OFF OFF OFF

上限値
ON区間設定2 下限値

上限値
ON区間設定1 下限値

ウォッチデータの値

(2) 強制OFFビットを設定し,1点ごとに出力デバイスを強制的に出力OFFすることがで
きます。
強制OFFビットがONのとき,出力OFFとなります。

(3) 強制ONビットを設定し,1点ごとに出力デバイスを強制的に出力ONすることができ
ます。
強制ONビットがONのとき,出力ONとなります。
この設定は,「強制OFFビット」のON(強制出力OFF)より優先して制御します。

4 - 9
4.補助/応用機能

4.1.4 リミット出力設定データ(SV22アドバンスト同期制御のみ) QDS Ver.!

リミット出力データの一覧を,下記に示します。
最大64点分出力デバイスを設定することができます。
(下記No.2~7の項目をまとめて1点として設定します。)

リフレッシュ
No. 項 目 設定範囲 取込周期 備 考
周期
M2000 ON→OFF時に出力デバ
1 無効(初期値)/有効 ─
イスを保持する

出力デバイス ビットデバイス(X,Y,M,B,U□\G) 演算周期
2
16点単位一括出力設定 無効(初期値)/有効
-5000000~5000000[μs]/
3 リミット出力補正時間
ワードデバイス(D,W,#,U□\G)
モーション制御データ/
演算周期
ワードデバイス(D,W,#,U□\G)/
ウォッチデータ
ワードデバイス(リングカウンタ)(D,W,#,U□\G)
(16ビット整数型/32ビット整数型)
4
リングカウンタ値
16ビット整数型:K1~K32767,H0001~H7FFF ─
(ワードデバイス
32ビット整数型:K1~K2147483647, ─
(リングカウンタ) ─
H00000001~H7FFFFFFF
選択時)
上限値
ON区間1
下限値
5 ワードデバイス(D,W,#,U□\G)/定数(K,H)
上限値
ON区間2
下限値
演算周期
ビットデバイス(X,Y,M,B,F,SM,U□\G)/
6 強制OFFビット
なし(初期値)
ビットデバイス(X,Y,M,B,F,SM,U□\G)/
7 強制ONビット
なし(初期値)

(1) M2000 ON→OFF時に出力デバイスを保持する


出力デバイスがYデバイス以外で本設定が有効の場合,シーケンサレディフラグ
(M2000)をON→OFFしても,出力デバイスはOFFしません。設定はすべての出力デ
バイスに対して有効です。出力デバイスがYデバイスの場合は,常にシーケンサ
レディフラグ(M2000)のON→OFFにより,出力デバイスがOFFします。

(2) 出力デバイス
(a) 設定したウォッチデータに対するON/OFF信号を出力するビットデバイスを設
定します。

Ver.! :ソフトウェアの対応バージョンについては,1.5節を参照してください。

4 - 10
4.補助/応用機能

(b) 出力デバイスとして,下記のデバイスを使用できます。
項 目 デバイス番号の設定範囲
入力リレー*1 X0~X1FFF*4
出力リレー*2 Y0~Y1FFF
*3
内部リレー M0~M8191
リンクリレー B0~B1FFF
マルチCPU共有デバイス U□\G10000.0~U□\G(10000+p-1).F*5,*6

*1:PXは書込み不可のため,出力デバイスに使用することはできません。
Xの場合は,入力カード未実装の空き番号のみ使用可能です。
*2:実出力範囲(PY)も含みます。
*3:位置決め専用デバイスを設定する場合は,位置決め動作に影響するため十分注意し
てください。
*4:モーションCPU内蔵I/F(DI)に割り付けた入力デバイス(PXn+0~PXn+F)では,PXn+4
~PXn+Fの範囲は0固定となり使用できません。(n=先頭入力番号)
*5:pは各号機のマルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由エリア点数です。
*6:自号機のデバイスのみ設定可能です。

(c) 16点単位一括出力設定を有効にした場合,16点単位で連続した出力デバイス
を一括で出力することで,各出力デバイスを1点ずつ出力するよりも演算周期
に与える影響を少なくすることができます。
16点単位一括出力設定を有効にする場合は,複数の出力デバイスを16点単位
で連続したデバイスで設定することを推奨します。
16点単位で出力するデバイスは連続した16点単位を1セットとして4セットま
で設定できます。
16点単位一括出力設定を有効にした場合,16点単位のデバイスのうち,出力
デバイスとして使用しないデバイスは常時OFFとなります。
16点単位一括出力設定 制御内容
無効 出力デバイスを1点ずつ出力します。
有効 連続した16点単位の出力デバイスを一括出力します。

(3) リミット出力補正時間
(a) 出力デバイスの出力タイミングを補正します。
出力信号の遅れを補正する場合に設定してください。(遅れを補正する場合
は,正の値を設定してください。)
間接指定にて補正時間を-5000000以下に設定すると「-5000000」,5000000
以上を設定すると「5000000」として補正します。
① 直接指定
設定範囲
-5000000~5000000[μs]

4 - 11
4.補助/応用機能

② 間接指定
項 目 デバイス番号の設定範囲*1
データレジスタ D0~D8191
リンクレジスタ W0~W1FFF
モーションレジスタ #0~#9215
マルチCPU共有デバイス U□\G10000~U□\G(10000+p-1)*2

*1:デバイスの始まりは偶数番号としてください。
*2:pは各号機のマルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由点数です。

(4) ウォッチデータ
(a) リミットスイッチ出力機能を行うための対象データです。
ON/OFF信号を出力する比較データとなります。
ON区間設定に従い出力デバイスのON/OFF制御を行います。

(b) ウォッチデータとして,モーション制御データ,ワードデバイスデータ,ワー
ドデバイスデータ(リングカウンタ)を使用できます。
① モーション制御データ
軸番号の設定範囲
項 目 単 位 データ型 備 考
Q173DSCPU Q172DSCPU
送り現在値
実現在値 制御単位
モータ実現在値 32ビット
サーボ指令値 整数型
位置フィードバック PLS
絶対位置検出器1回転位置
16ビット ─
絶対位置検出器多回転位置 ─
整数型
1~32 1~16
偏差カウンタ値 PLS
32ビット
サーボ指令速度 PLS/s
整数型
モータ回転数 0.01r/min
16ビット
モータ電流値 0.1%
整数型
指令生成軸送り現在値
指令生成軸累積現在値 制御単位
指令生成軸1サイクル現在値
32ビット 同期制御時
同期エンコーダ軸現在値 エンコーダ軸
整数型 1~12 に有効
同期エンコーダ軸1サイクル現在値 単位
カム軸1サイクル現在値 カム軸
1~32 1~16
カム軸1サイクル現在値(実位置) サイクル単位

4 - 12
4.補助/応用機能

② ワードデバイスデータ/ワードデバイスデータ(リングカウンタ)
項 目 デバイス番号の設定範囲
データレジスタ D0~D19823
リンクレジスタ W0~W1FFF
モーションレジスタ #0~#9215
マルチCPU共有デバイス U□\G10000~U□\G(10000+p-1)*1

*1:pは各号機のマルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由エリア点数です。

③ 比較するデータ型として下記のデータ型を指定します。
項 目 備 考
16ビット整数型 -
32ビット整数型 デバイス番号は偶数で設定してください。

(c) リングカウンタ値
ウォッチデータがワードデバイスデータ(リングカウンタ)の場合,リング
カウンタ値を設定します。
項 目 備 考
16ビット整数型 H0001~H7FFF
32ビット整数型 K1~K2147483647, H00000001~H7FFFFFFF

ON
出力デバイス
補正時間設定なし OFF OFF

リングカウンタ値

上限値
ON区間設定
下限値

ポイント
リングカウンタとして更新されるワードデバイスデータに対して,正しいリングカ
ウンタ値を設定せずに出力タイミングを補正した,またはリングカウンタとして更
新しないワードデバイスデータにリングカウンタを設定して出力タイミングを補
正したときは,正しいタイミングで出力デバイスを出力できないことがあります。

4 - 13
4.補助/応用機能

(5) ON区間設定
(a) ウォッチデータに対し,出力デバイスをON/OFFさせるデータ範囲を設定しま
す。
ON区間は1つのリミット出力設定データについて2区間まで設定できます。

(b) データ範囲の下限値,上限値として,下記のデバイスを使用できます。設定
するデバイス/定数のデータ型は,ウォッチデータの型と同じになります。
項 目 デバイス番号の設定範囲
データレジスタ D0~D8191
リンクレジスタ W0~W1FFF
モーションレジスタ #0~#9215
マルチCPU共有デバイス U□\G10000~U□\G(10000+p-1)*1
定 数 Hn/Kn
*1:pは各号機のマルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由エリア点数です。

(6) 強制OFFビット
(a) 「強制OFFビット」は,動作中,出力デバイスを強制的にOFFさせたい場合に
設定してください。
下記制御を行います。
強制OFFビット 制御内容
設定なし ON区間設定に基づき,出力デバイスのON/OFF
OFF を行います。
設定あり
ON 出力デバイスはOFFとなります。

(b) 使用可能デバイス
項 目 デバイス番号の設定範囲
入力リレー*1 X0~X1FFF*2
出力リレー*3 Y0~Y1FFF
内部リレー M0~M12287
リンクリレー B0~B1FFF
アナンシェータ F0~F2047
特殊リレー SM0~SM1999
マルチCPU共有デバイス U□\G10000.0~U□\G(10000+p-1).F*4

*1:実入力範囲(PX)も含みます。
*2:モーションCPU内蔵I/F(DI)に割り付けた入力デバイス(PXn+0~PXn+F)では,PXn+4
~PXn+Fの範囲は0固定となり使用できません。(n=先頭入力番号)
*3:実出力範囲(PY)も含みます。
*4:pは各号機のマルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由エリア点数です。

4 - 14
4.補助/応用機能

(7) 強制ONビット
(a) 「強制ONビット」は,動作中,出力デバイスを強制的にONさせたい場合に設
定してください。
下記制御を行います。
強制ONビット 制御内容
設定なし ON区間設定に基づき,出力デバイスのON/OFF
OFF を行います。
設定あり
ON 出力デバイスはONとなります。

(b) 使用可能デバイス
項 目 デバイス番号の設定範囲
入力リレー X0~X1FFF*1
出力リレー Y0~Y1FFF
内部リレー M0~M12287
リンクリレー B0~B1FFF
アナンシェータ F0~F2047
特殊リレー SM0~SM1999
マルチCPU共有デバイス U□\G10000.0~U□\G(10000+p-1).F*2

*1:モーションCPU内蔵I/F(DI)に割り付けた入力デバイス(PXn+0~PXn+F)では,PXn+4
~PXn+Fの範囲は0固定となり使用できません。(n=先頭入力番号)
*2:pは各号機のマルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由エリア点数です。

ポイント
マルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由エリア点数については,第2章を参照し
てください。

4 - 15
4.補助/応用機能

4.2 絶対位置システム

絶対位置対応のサーボモータ,およびサーボアンプを使用することにより,絶対位
置システムによる位置決め制御を行うことができます。
システム立上げ時に機械位置を確立すると,電源ON時に絶対位置の検出を行うため,
原点復帰を行う必要がありません。機械位置の確立は,モーションSFCプログラム
(SV13/SV22)/モーションプログラム(SV43),またはMT Developer□による原点復帰で
行います。
(1) 絶対位置システム立上げ条件
絶対位置システム立上げ時,機械調整後には原点復帰を一度行ってください。

(2) 絶対位置システムでは,下記の場合に絶対位置を失う可能性があります。
「原点復帰」で,絶対位置を確立してください。
(a) バッテリユニットの取外し,または交換をした場合

(b) サーボアンプのバッテリ異常の場合(サーボアンプの電源ON時に検出する)

(c) その他,機械の衝突などにより,機械系に狂いが生じた場合

(d) サーボアンプとエンコーダ間のケーブルを取外したり,サーボアンプやエン
コーダを交換した場合

(3) MT Developer□のシステム設定でPower Off中許容移動量の設定,モニタで現在値


履歴のモニタができます。
詳細は,MT Developer□のヘルプを参照してください。

(4) サーボアンプとエンコーダ間の通信エラーにより,重度エラー(エラーコード:
1202,12020)が発生すると,原点復帰要求(M2409+20n)がONし,絶対値データ
が消失します。
ただし,以下の組み合わせにより,絶対値データの消失を回避できます。
本体OSソフトウェアバージョン サーボアンプ エラー発生時の
Q173DSCPU/ Q173DCPU(-S1)/ ソフトウェア 原点復帰要求(M2409+20n)
形 名
Q172DSCPU Q172DCPU(-S1) バ-ジョン の動作
MR-J3-□B
MR-J3-□B-RJ006 C3以降
MR-J3-□BS
MR-J3-□B-RJ004
C5以降 原点復帰要求(M2409+20n:OFF)
00B以降 00S以降 MR-J3-□B-RJ080W
がONしない。*1
MR-J3W-□B B1以降
MR-J4-□B
MR-J4-□B-RJ ─
MR-J4W-□B
原点復帰要求(M2409+20n:ON)
上記以外
がONする。(絶対値データ消失)

─:バージョンによる制約はありません。
*1:現在値履歴モニタでの過去10回分の履歴表示に対応していないMT Developer2の場合,重度エラー(エ
ラーコード:1202,12020)が発生した回の履歴は,現在値履歴に表示されません。
過去10回分の履歴表示に対応したバージョンのMT Developer2を使用してください。(1.5節参照)

4 - 16
4.補助/応用機能

注意
● バッテリユニットを取外したり,交換した場合には,新しいユニット設定を正しく行い,絶対位置を確
立してください。
● サーボアンプのバッテリ異常の場合には,異常原因を取り除き,安全を確保してから絶対位置を確立し
てください。
● 機械の衝突などにより,機械系に狂いが生じた場合には,確認・調整後,安全を確保してから絶対位置
を確立してください。

ポイント
(1) 絶対位置システムのアドレス設定範囲は,-2147483648~2147483647の範囲で
す。これを超えた位置指令,停電後の現在値の復元はできません。
無限送り動作については,[degree]設定にて対応してください。
(2) 現在値変更命令により現在値アドレスを変更しても,停電後の現在値の復元
データは,現在値変更命令前の状態を基準とした値となります。
(3) 原点復帰動作が完了していない(原点復帰要求がONしている)と,停電後の現
在値の復元は正常に行われません。

4 - 17
4.補助/応用機能

4.2.1 現在値管理

下記機能により,ABSエンコーダ使用時の現在値管理をしています。
(1) 運転中のエンコーダデータの妥当性チェックを行います。
(a) 3.5[ms]間のエンコーダの変化量がモータ軸で180゜以内であることをチェッ
ク。(異常時は,エラー表示します。)

(b) エンコーダデータとサーボアンプ側で管理しているフィードバック位置の整
合性をチェック。(異常時は,エラー表示します。)

(2) MT Developer□の現在値履歴モニタで下記の内容をモニタできます。
モニタ条件 モニタ内容
マルチCPUシステム電源ON/OFF時
エンコーダ現在値,サーボ指令値,モニタ現在値
原点復帰完了時

(a) 現在値履歴モニタ
月/日/時/分
原点復帰完了時やサーボアンプ電源ON/OFF時等の時刻を表示します。

(b) エンコーダ現在値
サーボアンプ使用時に,エンコーダから読出した多回転データと1回転内デー
タを表示します。

(c) サーボ指令値
サーボアンプに対して指令している指令値を表示します。

(d) モニタ現在値
モーションCPU内部で管理している現在値を表示します。
注):送り現在値に近い値が表示されますが,モニタ現在値と送り現在値は異
なるデータですので,異なった値が表示されても異常ではありません。

(e) アラーム
サーボアンプ電源ON時に,現在値復元に関わるエラーが発生したとき,エラー
コードを表示します。

(3) Power Off中許容移動量を設定することにより,電源OFF中に設定範囲を超えてエ


ンコーダデータが変化した場合も,サーボアンプ電源ON時に,チェックします。
(異常時は,エラー表示します。)
リニアサーボモータ,およびダイレクトドライブモータ使用時は,Power Off中許
容移動量は設定できません。

(4) サーボアンプ電源ON/OFF時の現在値履歴を表示します。
・MT Developer2···········過去10回分 Ver.!
・MT Developer············過去4回分

Ver.! :ソフトウェアの対応バージョンについては,1.5節を参照してください。

4 - 18
4.補助/応用機能

4.3 指定データの高速読出し機能

モーションCPUの管理する入力ユニットからの信号をトリガとして,指定の位置決め
用データを,指定のデバイス(D,W,U□\G)に格納する機能です。
MT Developer□のシステム設定により,設定することができます。

ポイント
SV22アドバンスト同期制御では,高速読出し機能は使用できません。 QDS

(1) 指定可能な位置決め用データ
(a) SV13/SV22
設定データ ワード数 単 位 備 考
10-1[μm],10-5[inch],10-5[degree],
送り現在値 2
[PLS]
10-1[μm],10-5[inch],10-5[degree],
実現在値 2
[PLS]
偏差カウンタ値 2 [PLS]
Mコード 1 -
トルク制限値 1 [%]
モータ電流 1 [%]
*1
モータ回転数 2 [r/min]
サーボ指令値 2 [PLS]
仮想サーボモータ送り現在値 2 [PLS]
*2
同期エンコーダ現在値 2 [PLS]
仮想サーボMコード 1 -
SV22仮想
仮想サーボモータデフ後現在値 2 [PLS]
モード時
同期エンコーダデフ後現在値 2 [PLS]
のみ有効
カム軸1回転内現在値 2 [PLS]
実行カムNo. 1 -
実行ストローク量 2 10-1[μm],10-5[inch],[PLS]
任意アドレス(4バイト固定) 2 -

*1:リニアサーボ使用時は,モータ速度(単位[mm/s])となります。
*2:「リアルモードでの同期エンコーダ現在値モニタ」対応バージョン(1.5節参照)では,リ
アルモード中も有効です。

4 - 19
4.補助/応用機能

(b) SV43
設定データ ワード数 単 位 備 考
機械値 2 10-4[mm],10-5[inch],10-5[degree]
実機械値 2 10-4[mm],10-5[inch],10-5[degree]
偏差カウンタ値 2 [PLS]
Mコード 1 -
トルク制限値 1 [%]
モータ電流 1 [%]
*1
モータ回転数 2 [r/min]
サーボ指令値 2 [PLS]
任意アドレス(4バイト固定) 2 -
*1:リニアサーボ使用時は,モータ速度(単位[mm/s])となります。

ポイント
任意アドレスに不適切なアドレスを指定すると,モーションCPUはWDTエラーとなり
ます。任意アドレスを指定する場合は,必ず当社にお問い合わせください。

(2) 使用するユニットと信号
入力ユニット 信号 読出しタイミング 設定可能点数
Q172DEX 2
TREN
Q173DPX 3
0.8[ms]
モーションCPU内蔵I/F QDS 4
PXデバイス*2
シーケンサ入力ユニット*1 8
*1:シーケンサ入力ユニットは,1ユニットのみ使用可能です。
*2:モーションCPU内蔵I/F(DI)の汎用入力信号,シーケンサ入力ユニットのどちらかのみ
使用可能です。 QDS

(3) 指定可能デバイス
ワードデバイス 指定可能デバイス
D 0~8191
W 0~1FFF
U□\G 10000~(10000+p-1)*1,*2

*1:pは各号機のマルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由エリア点数です。
*2:自号機のデバイスのみ設定可能です。

ポイント
(1) 2ワードデータの場合,デバイス番号は偶数で設定してください。
(2) マルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由エリア点数については,第2章を参
照してください。

4 - 20
4.補助/応用機能

4.4 ROM運転機能

ユーザプログラム,パラメータが格納されているモーションCPU内蔵FLASH ROMのデー
タに基づき運転を行う機能です。

4.4.1 7セグメントLED/スイッチの仕様

Q172DCPU No. 項 目 機 能
1) 1) 7セグメントLED ・運転状態,エラー情報を示す。
F01 F01 ロータリスイッチ1 ・動作モード(通常モード,インストー
SW 2)
AB E

AB E

2) 3)
23 6

23 6
CD

CD
45

45

1 2 (SW1) ルモード,ROM運転モードなど)を設
789 789

STOP RUN
CAUTION
ロータリスイッチ2 定する。
EMI
3)
(SW2) ・各スイッチの設定は0~F。
CN1

FRONT
BAT

(1) 動作モード
マルチCPUシステム電源投入時のモーションCPUユニットのロータリスイッチ設定
により,モーションCPUの「動作モード」が決定されます。
以下に,ロータリスイッチ設定と各動作モードの対応,各動作モードの動作概要
について示します。
(a) ロータリスイッチ設定と各動作モードの対応
ロータリスイッチ設定*1
動作モード
SW1 SW2
A 任意(Cを除く) インストールモード
0 0 RAM運転モード
0 6 ROM運転モード
0 8 Ethernet IPアドレス表示モード
任意 C SRAMクリア*2

*1:上記以外は設定禁止。
*2:モーションCPU内蔵SRAM内のプログラム,パラメータ,モーションデバイス(#),ラッチ範囲
のデバイス,および絶対位置データがクリアされます。

4 - 21
4.補助/応用機能

(b) 各動作モードの動作概要
動作モード 7セグメントLED表示 動作概要
・7セグメントLEDの1桁目の“.”が点滅します。
・モーションCPU内蔵SRAMに格納されたユーザプログラム,パラメータに基づき運転を行
RAM運転モード います。
・ROM運転用ユーザプログラム,パラメータをモーションCPU内蔵FLASH ROMに書込みでき
ます。
・7セグメントLEDの1桁目の“.”が点滅,2桁目の“.”が点灯します。
・マルチCPUシステムの電源ON時,またはリセット時にモーションCPU内蔵FLASH ROMに格
納されたユーザプログラム,パラメータをモーションCPU内蔵SRAMにブート(読出し)し
た後,運転を開始します。
ROM運転モード中にMT Developer□よりユーザプログラム,パラメータを変更しても,
ROM運転モード
ROM書込みを行わなければ,次回電源ON時またはリセット時,モーションCPU内蔵FLASH
ROMの内容に戻ります。
同様に,サーボアンプをオートチューニングの設定で運転し,オートチューニングデー
タがCPUのサーボパラメータに反映されても,ROM書込みを行わなければ,次回電源ONま
たはリセットによりモーションCPU内蔵FLASH ROMの内容に戻ります。

ポイント
(1) ロータリスイッチ設定を変更する場合は,必ずマルチCPUシステムの電源をOFF
してから変更してください。
(2) プログラム,パラメータが固定された時点で,ROM運転モードに移行すること
をお奨めします。バッテリ切れになった場合でも,プログラム,パラメータの
消失を回避できます。(絶対位置システムでのサーボモータの現在位置,原点
位置,ラッチデバイスはROM書込みできません。事前に,MT Developer□にて
バックアップしてください。)

4 - 22
4.補助/応用機能

4.4.2 ROM運転の概要

MT Developer□よりモーションCPUユニットにROM書込み要求を行うと,内蔵FLASH
ROMのデータを消去した後,モーションCPU内蔵SRAMに格納されているプログラム,パ
ラメータを内蔵FLASH ROMに一括して書込みます。
「ROM運転モード」でモーションCPUを立上げると,内蔵FLASH ROMに書込まれたデー
タをモーションCPU内蔵SRAMにブート(読出し)した後,通常運転を開始します。

ROM運転を行うためには,MT Developer□で作成したプログラム,パラメータを内蔵
FLASH ROMに書込んでおく必要があります。ROM書込みには以下の方法があります。
・モーションCPU内蔵SRAMに書込まれているプログラム,パラメータを内蔵FLASH ROM
へ書込む
・MT Developer□のプログラム,パラメータをモーションCPU内蔵SRAMへ書込んだ後,
続けて内蔵FLASH ROMへ書込む

ROM書込みにより,内蔵FLASH ROMに一括して書込まれるデータを下記に示します。
なお,下記以外のバックアップデータ(絶対位置システムでのサーボモータの現在位
置,原点位置,ラッチデバイス)は,内蔵FLASH ROMに書込みできません。
SV13 SV22 SV43
システム設定データ
サーボ制御用各パラメータ
サーボプログラム ―
モーションSFCパラメータ モーションパラメータ
モーションSFCプログラム モーションプログラム
― メカ機構プログラム ―
― カムデータ ―

ポイント
(1) MT Developer□の「バックアップ・ロード」操作は,モーションCPU内蔵SRAM
が対象となります。(内蔵FLASH ROMは対象となりません。)
モーションCPUユニット交換時に「バックアップ・ロード」を行った後,ROM運
転をする場合は,ROM書込み後,「ROM運転モード」としてください。
(2) 内蔵FLASH ROMは,約100000回の書込みで寿命となりますので,ROM書込みは
100000回以内にしてください。寿命になると「書込みエラー」が発生しますの
で,モーションCPUユニットの交換が必要になります。
(3) ROM運転モード時に,モーションSFCプログラムのRUN中書込み行うと,次のス
キャン時からRUN中書込みされたモーションSFCプログラムが実行されます。そ
の後,電源投入,またはリセットを行うと,内蔵FLASH ROMに書込まれたモー
ションSFCプログラムの内容に戻ります。
(4) ROM書込みを行うには,以下の条件を満たす必要があります。
(a) シーケンサレディフラグ(M2000)OFF
(b) インストールモードでないこと。

4 - 23
4.補助/応用機能

(1) モーションCPU内蔵SRAMに書き込まれているプログラム,パラメータを内蔵FLASH
ROMへ書込み,ROM運転を行う場合
<ROM書込み時>
・RAM運転モード/ROM運転モード
モーションCPUユニット
・ROM書込みを行う前に内蔵SRAMにプログラム,
内蔵SRAM パラメータを書き込んでおく必要があります。

パソコン
プログラム
パラメータ MT Developer□

① ROM書込み要求 プログラム
内蔵FLASH ROM パラメータ

プログラム
パラメータ
等 ② ROM書込み

<ROM運転時>
・ROM運転モード
モーションCPUユニット

内蔵SRAM
・起動時に
ブート
プログラム (読出し)
パラメータ

内蔵FLASH ROM

プログラム
パラメータ

4 - 24
4.補助/応用機能

(a) モーションCPU内蔵SRAMデータのROMへの書込み手順
① MT Developer2
メニューバーの[オンライン]→[プログラムメモリのROM化]で表示さ
れるプログラムメモリのROM化画面で[実行]ボタンを選択し,内蔵FLASH
ROMへROM書込みします。

[実行]ボタンを選択

② MT Developer
メニューバーの[通信]→[転送]で表示される通信画面で[RAM/ROM]
メニューの[ROM]を選択し,ROM書込みの画面を表示します。
[書込み]ボタンを選択し,内蔵FLASH ROMへROM書込みします。

・[RAM]選択時([転送]選択時のデフォルト画面) ・[ROM]選択時(ROM書込みの画面)

[RAM/ROM]メニュー [書込み]ボタン
の[ROM]を選択 を選択

*:本体OSソフトウェアにより,通信画面の表示が異なります。

操作方法の詳細は,MT Developer□のヘルプを参照してください。

重 要
ROM書込みを行う場合には,事前にモーションCPU内蔵SRAMに全データを書込んでお
く必要があります。

4 - 25
4.補助/応用機能

(2) MT Developer□のプログラム,パラメータをモーションCPU内蔵SRAMへ書込んだ後,
続けて内蔵FLASH ROMへ書込み,ROM運転を行う場合
<データ書込み+ROM書込み時>
・RAM運転モード/ROM運転モード
モーションCPUユニット パソコン

内蔵SRAM MT Developer□
① データ書込み
(ROM書込み要求)
プログラム プログラム
パラメータ パラメータ
等 等

② データ書込み完了後,
内蔵FLASH ROM ROM書込み要求

プログラム
パラメータ
等 ③ ROM書込み

<ROM運転時>
・ROM運転モード
モーションCPUユニット

内蔵SRAM
・起動時に
ブート
プログラム (読出し)
パラメータ

内蔵FLASH ROM

プログラム
パラメータ

4 - 26
4.補助/応用機能

(a) MT Developer□のデータのROMへの書込み手順
① MT Developer2
メニューバーの[オンライン]→[CPU書込]で表示されるCPU書込画面で
対象メモリに[プログラムメモリ+内蔵ROM]を選択し,モーションCPUに
書込むデータをチェックします。
[実行]ボタンを選択し,内蔵FLASH ROMへROM書込みします。

[プログラムメモリ+内蔵ROM]を
選択

[実行]ボタンを選択

*:本体OSソフトウェアにより,選択可能なデータの表示が異なります。

② MT Developer
メニューバーの[通信]→[転送]で表示される通信画面で[ROM書込み]
をチェックし,モーションCPUに書込むデータをチェックします。
[書込み]ボタンを選択し,内蔵FLASH ROMへROM書込みします。

[書込み]ボタンを選択

[ROM書込み]を
チェックする
*:本体OSソフトウェアにより,通信画面の表示が異なります。

操作方法の詳細は,MT Developer□のヘルプを参照してください。

重 要
ROM書込みを行う場合には,事前にモーションCPU内蔵SRAMに全データを書込んでお
く必要があります。

4 - 27
4.補助/応用機能

4.4.3 ROM運転の操作手順

(1) ROM運転の手順
ROM運転を行うまでの手順を下記に示します。

ROM運転立上げ

ロータリスイッチ1(SW1)を「0」,
ロータリスイッチ2(SW2)を「0」に
設定し,「RAM運転モード」にする。

マルチCPUシステムの電源をONする。

MT Developer□でシステム設定,パラ
メータ,プログラムを作成,または修
正しモーションCPUユニットに書込む。

試運転,調整を行う。

NO
動作は正常か?

YES

MT Developer□の指示に従ってROM書
RAM運転モード 込みを行い,モーションCPU内蔵SRAM
(ROM書込み実行) のシステム設定,パラメータ,プログ
ラムを一括して内蔵FLASH ROMへ書込
む。

マルチCPUシステムの電源をOFFする。

ロータリスイッチ1(SW1)を「0」,
ロータリスイッチ2(SW2)を「6」に
設定し,「ROM運転モード」にする。

マルチCPUシステムの電源をONする。

ROM運転モード ROM運転開始

4 - 28
4.補助/応用機能

(2) ROM運転モード時の動作
ROM運転モード時の動作を下記に示します。

ROM運転モードスタート

(内蔵FLASH ROMにデータ(プログラム,
パラメータ)が書込まれていない,ま
内蔵FLASH ROMに NO たは異常)
データが書込まれて
いるか?

YES

内蔵FLASH ROM内の CPU前面の7セグメントLEDにてシス


・システム設定データ テム設定エラー(“ AL”3回点滅後,
・サーボ制御用各パラメータ “L01”点灯)を表示します。
・サーボプログラム(SV13/SV22)
・モーションSFCパラメータ(SV13/SV22)
・モーションSFCプログラム(SV13/SV22) マルチCPUシステムの
・メカ機構プログラム(SV22) 再起動待ち
・カムデータ(SV22)
・モーションパラメータ(SV43) ・以後,STOP状態となり,運転はできません。
・モーションプログラム(SV43) モーションCPU内蔵SRAMのプログラム・パラ
をモーションCPU内蔵SRAMにブート(読出し) メータの内容を確認後,「ROM書込み」→
する。 「ROM運転モード」操作を再度行ってくださ
い。

通常運転開始

・以後,RAM運転と
同じ動作となります。

ポイント
(1) 動作モードの切換えは,モーションCPUユニットのロータリスイッチで行いま
す。
(2) 動作モードの確認は,モーションCPUユニットの「7セグメントLED」で行いま
す。

4 - 29
4.補助/応用機能

4.5 セキュリティ機能

4.5.1 パスワードによる保護

パスワードを登録することにより,モーションCPU内のユーザデータを保護する機能
です。
ユーザデータの読出し・書込み時にパスワードを入力することで,ユーザデータの
不正な読出し・書込みを防ぐことができます。登録したパスワードは変更・取消しも
可能です。

(1) パスワードの操作手順
パスワードの登録/変更/取消しは,「パスワード登録/変更」画面または「パ
スワード取り消し」画面で行います。「パスワード登録/変更」画面または「パ
スワード取り消し」画面は,MT Developer□のメニューバーまたは各画面から選
択します。
(a) MT Developer2
・メニューバーからの選択

・CPU書込/CPU読出/CPU照合の各画面からの選択

4 - 30
4.補助/応用機能

(b) MT Developer
・メニューバーからの選択

・通信ダイアログからの選択

(2) パスワードにより保護するユーザデータ
セキュリティ機能で保護するユーザデータを下記に示します。
ユーザデータごとに「書込禁止」,「読出/書込禁止」を設定できます。
本体OS ユーザデータ 保護する内容
モーションSFCプログラム(制御コード,テキスト)
モーションSFCプログラム
およびモーションSFCパラメータ
SV13/SV22 サーボプログラム サーボプログラムおよびプログラム割付
安全監視機能パラメータ*1
安全信号監視パラメータおよび速度監視パラメータ
Ver.!

メカ機構プログラム*2 メカ機構プログラム
同期制御パラメータ*3
SV22 入力軸パラメータおよび同期パラメータ
QDS Ver.!

カムデータ カムデータ(変換データ,編集データ*4)
SV43 モーションプログラム モーションプログラムおよびモーションパラメータ
*1:Q173DSCPU/Q172DSCPU/Q173DCPU-S1/Q172DCPU-S1のみ
*2:仮想モードのみ
*3:アドバンスト同期制御のみ
*4:MT Developer2 バージョン“1.08J以降”では,カム編集データのCPU読出/書込/照合が可能です。

Ver.! :ソフトウェアの対応バージョンについては,1.5節を参照してください。

4 - 31
4.補助/応用機能

(3) パスワードの登録/変更
パスワードの登録/変更は,MT Developer□の「パスワード登録/変更」で行い
ます。
操作方法の詳細は,MT Developer□のヘルプを参照してください。

<SV13/SV22使用時>

<画面:MT Developer2>

<SV43使用時>

<画面:MT Developer2>

項 目 内 容
種別 ユーザデータの種別
登録状態 モーションCPUにパスワードが登録されている場合は,“*”を表示
新規登録/変更するパスワードを入力
英数字(ASCII)半角6文字以内
パスワード
大文字/小文字は区別
*:パスワードを登録しない場合は,空欄のままにします。
モーションCPUに,設定されている登録条件を表示
・書込禁止
登録条件
・読出/書込禁止
パスワードを入力した場合は,新しい登録条件を選択可能

4 - 32
4.補助/応用機能

ポイント
(1) 登録したパスワードを忘れた場合は,オールクリア機能で,モーションCPUの
パスワードを消去してください。ただし,オールクリアを実行すると,パスワー
ドデータおよびユーザデータが全て消去されてしまうため,再度ユーザデータ
をモーションCPUに書込んでください。(詳細は,4.6節参照)
(2) パスワードを登録したユーザデータでROM運転することができます。ROM書込
み・読出しされるデータには,パスワード設定も含まれます。
(3) パスワードデータは,保存を行うまでプロジェクト内に保存されません。その
ため,パスワードの保存操作が必要です。
(4) パスワード新規登録/変更中にマルチCPUシステムのリセットや電源断などで
操作が中止された場合,ユーザデータが未登録となることがあります。その場
合には,再度パスワードを新規登録/変更することでユーザデータを復元でき
ます。

4 - 33
4.補助/応用機能

(4) パスワードの取消し
パスワードの取消しは,MT Developer□の「パスワード取り消し」で行います。
操作方法の詳細は,MT Developer□のヘルプを参照してください。

<SV13/SV22使用時>

<画面:MT Developer2>

<SV43使用時>

<画面:MT Developer2>

項 目 内 容
種別 ユーザデータの種別
登録状態 モーションCPUにパスワード登録されている場合は,“*”を表示
既存のパスワードを入力
パスワード
*:パスワードを取消さない場合は,空欄のままにします。

ポイント
(1) パスワードデータは,保存を行うまでプロジェクト内に保存されません。その
ため,パスワードの保存操作が必要です。
(2) パスワード取消し中にマルチCPUシステムのリセットや電源断などで操作が中
止された場合,データが未登録となることがあります。その場合は,再度パス
ワードを取消すことでユーザデータを復元できます。

4 - 34
4.補助/応用機能

(5) パスワードチェック
パスワード登録されたユーザデータの操作時には,自動的にパスワードチェック
の画面が表示されます。
入力したパスワードと登録されているパスワードが一致すると,モーションCPU内
のパスワードによる保護を一時解除します。
MT Developer□を終了するまでパスワードを記憶します。(ユーザデータ操作時,
自動的にパスワードによる保護を一時解除するため,以後「パスワードチェック」
画面は,表示されません。)
操作方法の詳細は,MT Developer□のヘルプを参照してください。

<SV13/SV22使用時>

<画面:MT Developer2>

<SV43使用時>

<画面:MT Developer2>

項 目 内 容
種別 ユーザデータの種別
パスワード 既存のパスワードを入力

4 - 35
4.補助/応用機能

(6) パスワードの保存
登録,変更,取消しされたパスワード,またはデータの読出し操作でユーザデー
タとともに読み出されたパスワードをプロジェクトデータに保存できます。
プロジェクトデータに保存されたパスワードは,パスワード未設定のモーション
CPUにユーザデータを書込むときに,ユーザデータとともに登録することができま
す。
更新されたパスワードデータをプロジェクトに保存するには下記の方法がありま
す。
・MT Developer2での保存
・メニューバーの[プロジェクト]-[上書き保存]を選択
・MT Developerでの保存
・[通信]→[パスワード]→[登録/変更]で表示されるパスワード登録/変更ダ
イアログの[保存]ボタン
・[通信]→[パスワード]→[取り消し]で表示されるパスワード取り消しダイア
ログの[保存]ボタン
・[通信]→[転送]で表示される通信ダイアログのパスワード[保存]ボタン
・パスワード登録/変更またはパスワード取り消しダイアログ終了時,未保存
パスワードデータがある場合に表示される保存確認ダイアログで,[はい]を
選択

(a) 各操作におけるパスワードデータの状態
各操作 パスワードデータの状態
読出し元モーションCPUにパスワードが存在する場合,パスワード内容
読出し
も読出して,プロジェクト内のパスワードデータを更新する。
プロジェクト内にパスワードデータが存在する場合,書込み先モーショ
書込み
ンCPUがパスワード未設定であればパスワード内容も書込む。
照合 プロジェクト内のパスワードデータは更新されない。
書込み先モーションCPUに登録されているパスワード内容がROMに書込
ROM書込み
まれる。
RUN中書込み(SV13/SV22) 書込み先モーションCPUのパスワード内容は更新されない。
読出し元モーションCPUに登録されているパスワード内容も含めバック
バックアップ アップデータに保存される。プロジェクト内のパスワードデータは更新
されない。
バックアップデータ中のパスワード内容が書込み先モーションCPUに書
ロード
込まれる。
書込み先モーションCPUに新しいパスワード内容を書込む。プロジェク
パスワード新規登録/変更
ト内のパスワードデータも新しいパスワード内容に更新する。
書込み先モーションCPUから登録されているパスワードを削除する。
パスワード取消し
プロジェクト内のパスワードデータからもパスワードを削除する。
プロジェクト流用 流用元プロジェクト内のパスワードデータは流用されない。

ポイント
(1)パスワードデータは保存を行うまで,プロジェクト内に保存されません。
(2) プロジェクト内のパスワードデータを消去する場合は,パスワード取消し後に
保存を行ってください。または,新規プロジェクトを作成し,パスワードデー
タのあるプロジェクトからユーザデータを流用することで,パスワードデータ
なしのプロジェクトを作成できます。

4 - 36
4.補助/応用機能

4.5.2 ソフトセキュリティキーによる保護 QDS

プロジェクト,本体OSソフトウェア,およびMT Developer2にソフトセキュリティキー
を設定し,プロジェクトを操作するパソコンや動作させるモーションCPUを限定するこ
とで,ユーザデータを保護する機能です。
ソフトセキュリティキーはMT Developer2で生成し,モーションCPUへ本体OSソフト
ウェアをインストールするときに本体OSソフトウェアへ登録します。プロジェクト作
成時にもユーザプログラム内へ登録します。
また,パソコンとモーションCPUの通信時に,MT Developer2とモーションCPU間でソ
フトセキュリティキーの照合を行い,不一致の場合は通信不可となります。
ソフトセキュリティーによる保護は,許可されたパソコンでのみモーションCPUと通
信が可能です。ユーザデータが外部に流出した場合にも,コピーや解析を防ぐことが
できます。
パソコン1 モーションCPU
MT Developer2 プロジェクトデータの
読出し/書込み可能 本体OSソフトウェア
ソフトセキュリティ ソフトセキュリティ
キーA キーA
プロジェクト
プロジェクト
データの
データの
編集可能
実行可能
プロジェクト ソフトセキュリティ プロジェクト
ソフトセキュリティ キーが異なるため
ソフトセキュリティ
キーA プロジェクトデータ
キーA
の読出し/書込み
不可
パソコン2
MT Developer2
プロジェクト
データの ソフトセキュリティ
不正流出 キーB
ソフトセキュリティ
キーが異なるため
プロジェクトデータ
の編集不可
プロジェクト
ソフトセキュリティ
キーA

ポイント
ソフトセキュリティキーの不一致により,MT Developer2とモーションCPU間で通信
が行えない状態でも,MR Configurator□でのモニタ,サーボパラメータの読出し
/書込みは可能です。

注意
● プロジェクトデータや本体OSソフトウェアに設定されたソフトセキュリティキーをMT Developer2にイン
ポートできない場合,修理・保守対応でもソフトセキュリティキーは解除できず,プロジェクトデータ
は永久に参照できなくなります。プロジェクトデータが参照できなくなったことによるお客様,または
その他の個人や組織に対して生じたいかなる損失に対しても,当社は一切責任を負いません。
ソフトセキュリティキーの使用については,この点を十分にご注意ください。

4 - 37
4.補助/応用機能

(1) ソフトセキュリティキーの概要
ソフトセキュリティキーは,ソフトセキュリティキー名称を付けて管理します。
MT Developer2にソフトセキュリティキーを8個登録できます。
ソフトセキュリティキーには,キー機能レベル(管理者/開発者/作業者)が設
定されており,キー機能レベルにより,操作できる動作に制限があります。
ソフトセキュリティキーはエクスポート/インポートすることができ,ソフトセ
キュリティキーを生成したパソコンとは別のパソコンでも使用できます。
エクスポートする場合,ソフトセキュリティキーの有効期限を設定することがで
きます。有効期限が切れると,モーションCPUとの通信ができなくなりますので,
再度エクスポート/インポートを行ってください。 (有効期限が切れてもモーショ
ンCPUの動作は可能です。)
エクスポートしたソフトセキュリティキーをインポートし,再度エクスポートす
ることはできません。
パソコンを交換する場合は,ソフトセキュリティキーをプロジェクトとモーショ
ンCPUからいったん削除し,新しいパソコンで再度ソフトセキュリティキーを生成
してください。

キー機能レベルの内容を下表に示します。
項 目 内 容
・ソフトセキュリティキーを生成するときに設定
ソフトセキュリティキー ・英数字半角16文字以内(“!”’#$%&()+,-/:;<=>?@[\]^_`{|}~”の記号,およ
名称 び半角スペースも使用可能)
・大文字/小文字は区別
・「管理者」,「開発者」,「作業者」のいずれか
・ソフトセキュリティキーをエクスポートするときに設定
・ソフトセキュリティキーを新規に生成した場合は「管理者」となる
<操作禁止機能>
キー機能レベル 操作禁止機能
管理者 ・なし
開発者 ・プロジェクトからのキーの削除
・プロジェクトからのキーの削除
キー機能レベル ・プログラムデータの外部出力
・プロジェクト照合のエクスポート
・モーションSFCのプロジェクト間コピー
作業者 ・カムデータのエクスポート
・デバイスコメントのコピー,エクスポート
・サーボプログラム一覧のエクスポート
・プロジェクトデータの印刷
・デジタルオシロのサンプリングデータ保存*1

・「指定なし」,またはエクスポートした日時から残りの有効期限(1~365日)
キー有効期限
・ソフトセキュリティキーをエクスポートするときに設定

*1:デジタルオシロのサンプリングデータ保存は,許可/不許可を任意で設定できます。

4 - 38
4.補助/応用機能

(2) ソフトセキュリティキーの起動手順
ソフトセキュリティキー機能の操作は,MT Developer2のソフトセキュリティキー
管理画面で行います。
メニューバーの[ツール]→[ソフトセキュリティキー管理]を選択します。
操作方法の詳細は,MT Developer2のヘルプを参照してください。

ソフトセキュリティキー機能の操作内容を下記に示します。
項 目 内 容
ソフトセキュリティキーの生成 MT Developer2でソフトセキュリティキーを生成する。
他のパソコンのMT Developer2で使用できるソフトセキュリ
ソフトセキュリティキーのエクスポート
ティキーをファイルに書き出す。
エクスポートしたソフトセキュリティキーをMT Developer2へ
ソフトセキュリティキーのインポート
登録する。
ソフトセキュリティキーの埋め込み 本体OSソフトウェアインストール時にソフトセキュリティ
(本体OSソフトウェアのインストール) キーをモーションCPUへ埋め込む。
ソフトセキュリティキーの埋め込み
ソフトセキュリティキーをプロジェクトへ埋め込む。
(プロジェクト)
ソフトセキュリティキーの削除
ソフトセキュリティキーをプロジェクトから削除する。
(プロジェクトからの削除)
ソフトセキュリティキーの削除
ソフトセキュリティキーをMT Developer2から削除する。
(MT Developer2からの削除)
本体OSソフトウェアに登録されているソフトセキュリティ
ソフトセキュリティキー情報の確認
キー情報を確認する。

4 - 39
4.補助/応用機能

(3) ソフトセキュリティキー機能の操作手順
(a) ソフトセキュリティキーの使用手順

開 始

ソフトセキュリティキーを生成する。

ソフトセキュリティキーをエクスポー
トする。

他のパソコン
NO
で通信,プロジェクト管理
を行う?

YES

他のパソコンにソフトセキュリティ
キーをインポートする。(以降の操作
はソフトセキュリティキーをインポー
トしたパソコンで行う。)

本体OSソフトウェアのインストール
時,ソフトセキュリティキーをモー
ションCPUへ埋め込む。(モーション
CPUはオールクリアされる。)

プロジェクトを作成し,ソフトセキュ
リティキーをプロジェクトへ埋め込
む。

プロジェクトをモーションCPUへ書き
込む。

完 了

ポイント
(1) ソフトセキュリティキーのエクスポート実行後にエクスポートしたデータを
バックアップしてください。バックアップデータは安全な場所に保管してくだ
さい。
(2) モーションCPUにインストール済みの本体OSソフトウェアと,インストールす
る本体OSソフトウェアに埋め込まれたソフトセキュリティキーが異なると,イ
ンストールと同時にオールクリアが実行されます。事前にMT Developer2によ
るバックアップを推奨します。ソフトセキュリティキーが一致している場合
は,モーションCPUに書き込まれているプログラム,パラメータおよび絶対位
置データは書き換わりません。

4 - 40
4.補助/応用機能

(b) ソフトセキュリティキーの削除手順

開 始

ソフトセキュリティキーを設定せず,
本体OSをインストールする。
(モーションCPUはオールクリアされ
る。)

プロジェクトからソフトセキュリティ
キーを削除する。

プロジェクトをモーションCPUへ書き
込む。

削除したソフト
セキュリティキーを他の YES
プロジェクトで使用
している?

NO

MT Developer2からソフトセキュリ
ティキーを削除する。

完 了

4 - 41
4.補助/応用機能

4.6 オールクリア機能

モーションCPU内のすべてのユーザデータ,パスワード設定,デバイスメモリ,バッ
クアップエリアおよび内蔵FLASH ROMのユーザデータエリアを消去する機能です。
(1) オールクリアの手順
(a) モーションCPUをインストールモード(ロータリスイッチ1(SW1)を“A”に設
定)にします。

(b) オールクリアを実行します。
① MT Developer2
メニューバーの[オンライン]→[CPUオールクリア]を選択します。

② MT Developer
メニューバーの[通信]-[転送]で表示される通信画面で[オプション]メ
ニューの[オールクリア]を選択します。

操作方法の詳細は,MT Developer□のヘルプを参照してください。

ポイント
(1) オールクリアする場合は,モーションCPUをインストールモードにしてくださ
い。インストールモードにする場合は,必ず電源をOFFしてからロータリスイッ
チを設定してください。
(2) モーションCPU内の内蔵FLASH ROMのユーザデータエリアもクリアされます。
(3) オールクリア実行時には,すべてのユーザデータ,およびパスワード設定が消
去されます。事前にMT Developer□によるバックアップを推奨します。
(4) Q173DSCPU/Q172DSCPUのOSタイプ「SV22」で作成したユーザデータに対してオー
ルクリアを実行すると設定した動作方式は,「仮想モード切換え方式」になり
ます。

4 - 42
4.補助/応用機能

4.7 ネットワーク経由通信

モーションCPUユニットにおいて,Qシリーズネットワークユニット(CC-LinkIE,
CC-Link,MELSECNET/10(H),Ethernet等のシリアル通信)経由でパソコンとモーショ
ンCPU間の通信を行うことができます。
CC-LinkIE,CC-Link,MELSECNET/10(H),Ethernet,シリアルコミュニケーションの
各ネットワークユニットの仕様,取扱方法に関しては,シーケンサのマニュアルを参
照してください。

4.7.1 ネットワーク経由通信仕様

(1) モーションCPUは,MT Developer□によりネットワーク経由通信が可能です。

(2) モーションCPUのネットワーク経由通信のアクセス可能範囲は,GX Works2/


GX DeveloperによるシーケンサCPUへの接続と同等のアクセス範囲です。
詳細は,GX Works2/GX Developerのオペレーティングマニュアルを参照してくだ
さい。

(3) MELSECNET/10(H)およびEthernetによるネットワークの場合,ネットワークユニッ
トの管理CPUおよび周辺装置を接続したCPUにルーチングパラメータを設定するこ
とで,8ネットワーク先まで中継して通信することが可能です。

(4) モーションCPUはネットワークユニットの管理CPUになれませんので,ネットワー
クユニット設定,ネットワークパラメータ設定項目はありません。ただし,モー
ションCPUに接続した周辺装置から他ネットワーク上のCPUと通信する場合は,
ルーチングパラメータの設定が必要です。

(5) Ethernetユニットを使用することで,イントラネットを経由して,モーションCPU
のモニタ,プログラム編集等を遠隔操作することが可能です。

パソコン パソコン

Ethernet Ethernet

イントラネット

電源 QnUD□ Q17□D(S) Ethernet 電源 QnUD□ Q17□D(S) Ethernet


CPU CPU ユニット CPU CPU ユニット

4 - 43
4.補助/応用機能

4.8 メイン周期モニタ機能

(1) モーションCPUのメイン周期(モーション制御以外の空き時間に行う処理の周期)
の情報が,特殊レジスタに格納されます。

(2) CPU共有メモリの自動リフレッシュ,モーションSFCプログラム(SV13/SV22)のノー
マルタスク/モーションプログラム(SV43)の実行はメイン周期で行いますので,
プログラムの処理時間等の参考にしてください。

(3) メイン周期を短縮するには,下記の方法があります。

(a) 演算周期設定を長くする。
(b) モーションSFCプログラムにてイベントタスクプログラムの実行数を減らす。
(SV13/SV22)
(c) モーションSFCプログラムにて同時に実行するノーマルタスクプログラムの
実行数を減らす。(SV13/SV22)
(d) CPU共有メモリの自動リフレッシュの点数を減らす。
(e) 同時に実行するモーションプログラムの実行数を減らす。(SV43)

(4) メイン周期が長くなる(1.0[s]程度を超える)と,モーションCPUがWDTエラーにな
ることがあります。

(5) メイン周期モニタレジスタの詳細を,下記に示します。

番号 名 称 内 容 詳 細
現在メイン周期 ・現在のメイン周期を1[ms]単位で格納します。
SD520 現在メイン周期
(1ms単位) ・範囲(0~65535[ms])
最大メイン周期 ・メイン周期の最大値を1[ms]単位で格納します。
SD521 最大メイン周期
(1ms単位) ・範囲(0~65535[ms])

4 - 44
4.補助/応用機能

4.9 サーボパラメータ読出し/変更機能

(1) サーボアンプ側のパラメータが変更された場合,モーションCPUは自動的にサーボ
アンプのパラメータを読出し,モーションCPU内のサーボパラメータ格納エリアに
反映しますので,以下の場合は,サーボパラメータ読出しの操作は不要です。

(a) オートチューニングでパラメータ変更されたとき
(b) MR Configurator□をサーボアンプに直接接続し,パラメータ変更したとき

ポイント
変更直後にマルチCPUシステムの電源OFF/リセット,もしくはサーボアンプの制御
電源OFFをしたときは,反映されない場合があります。

(2) サーボアンプからサーボパラメータの読出し機能実施後,MT Developer□に変更


したサーボパラメータを反映する必要がある場合は,サーボパラメータをモー
ションCPUから読出し,データを保存してください。

(3) モーションCPUからサーボアンプのパラメータを個別に変更,または表示すること
ができます。 QDS
サーボパラメータを変更,または表示するには,下記の特殊レジスタに格納しま
す。
(a) 「サーボパラメータ書込み/読出し要求」使用デバイス
番号 名 称 内 容 内容詳細 セット側
システム
サーボパラメータ ・SD804で「2:読出し要求」を実施したサーボパラメータの
SD552 (読出し
読出し値 読出し値が格納される。
要求時)
・軸番号,サーボパラメータNo.を設定後,サーボパラメー
タの書込み/読出し要求をします。
サーボパラメータ 1:書込み要求
SD804 ユーザ/
*1 書込み/読出し 2:読出し要求
システム
要求フラグ ・サーボパラメータ書込み/読出し完了でモーションCPUに
より自動的に「0」が格納される。 (書込み/読出しエラー
時は,モーションCPUより「-1」が格納される。)
・サーボパラメータを書込み/読出しする軸No.を格納する。
SD805 サーボパラメータ 軸No. Q173DSCPU:1~32
書込み/読出し Q172DSCPU:1~16
要求 ・書込み/読出しするサーボパラメータNo.を16進数で格納
する。
H
パラメータNo.
サーボパラメータ パラメータグループNo. ユーザ
SD806 ・0:PA ・5:PF
No.
・1:PB ・9:Po
・2:PC ・A:PS
・3:PD ・B:PL(MR-J4(W)-□Bのみ)
・4:PE ・C:PT(MR-J4(W)-□Bのみ)
0固定

サーボパラメータ ・SD804で「1:書込み要求」を設定時,書込みするサーボパ
SD807
設定値 ラメータの設定値を格納する。

*1:本デバイスには,自動リフレッシュを行わないでください。

4 - 45
4.補助/応用機能

(b) サーボパラメータ書込み/読出し要求手順
① 書込み手順
1) SD805~SD807に軸No.,サーボパラメータNo.,サーボパラメータ設定
値を設定する。

2) SD804に「1:書込み要求」を設定する。

3) SD804が「0」になったことを確認する。
(書込み完了)

② 読出し手順
1) SD805,SD806に軸No.,サーボパラメータNo.を設定する。

2) SD804に「2:読出し要求」を設定する。

3) SD804が「0」になったことを確認する。
(読出し完了)

4) SD552に読出し値が格納される。

ポイント
(1) 変更したサーボパラメータは,モーションCPUにも反映されるため,モーショ
ンCPU側のサーボパラメータを変更する必要はありません。
(2) 軸No.,サーボパラメータNo.,サーボパラメータ設定値が範囲外の場合,サー
ボパラメータ書込み/読出し要求フラグに「-1:書込み/読出しエラー」が
格納されます。書込みエラーの場合でもサーボパラメータ設定値は,モーショ
ンCPUに反映されますので,範囲内の設定値となるよう注意してください。

4 - 46
4.補助/応用機能

4.10 任意データモニタ機能

1軸あたりMR-J4(W)-□Bは設定1~6,MR-J3(W)-□Bは設定1~3までのデータを指定さ
れたデバイス(D,W,#,U□\G)に格納し,モニタすることができます。
MT Developer□のシステム設定により,設定することができます。

(1) 指定可能なデータ一覧
(a) Q173DSCPU/Q172DSCPU使用時
1軸あたりの通信データ点数の合計がMR-J4(W)-□Bは6点以内,MR-J3(W)-□B
は3点以内となるように設定してください。
ただし,[Pr.320]同期エンコーダ軸種別で「101:サーボアンプ経由同期エン
コーダ」として選択されたサーボアンプ(MR-J4-□B-RJ)の軸に設定する場合,
1軸あたりの通信データ点数の合計が2点以内となるように設定してください。
通信データ 設定可能サーボアンプ
データ種別 単 位 ワード数 備 考
点数 MR-J3(W)-□B MR-J4(W)-□B
実効負荷率 [%] 1 1 ○ ○
回生負荷率 [%] 1 1 ○ ○
ピーク負荷率 [%] 1 1 ○ ○
位置フィードバック [PLS] 2 0 ○ ○
絶対位置検出器1回転位置
[PLS] 2 0 ○ ○
モータ検出器1回転内位置 フルクローズド制御使用時
絶対位置検出器多回転カウンタ
[rev] 1 1 ○ ○
モータ検出器多回転カウンタ フルクローズド制御使用時
負荷慣性モーメント比
[×0.1倍] 1 1 ○ ○
負荷質量比 リニアサーボモータ使用時
位置制御ゲイン1 [rad/s] 1 1 ○ ○
母線電圧 [V] 1 1 ○ ○
累積現在値 [位置指令]*1 2 0 ○ ○
サーボモータ回転速度 [r/min]
1 1 ○ ○
サーボモータ速度 [mm/s] リニアサーボモータ使用時
選択溜りパルス [PLS] 2 2 ○ ○
ユニット消費電力*2 [W] 1 1 × ○
*2
ユニット積算電力量 [Wh] 2 2 × ○
瞬時発生トルク
[0.1%] 1 1 × ○
瞬時発生推力 リニアサーボモータ使用時
機械端検出器情報1 [PLS] 2 2 ○ ○ フルクローズド制御,
サーボアンプ経由同期エン
機械端検出器情報2 ─ 2 2 ○ ○
コーダ使用時
Z相カウンタ [PLS] 2 2 × ○ リニアサーボモータ使用時
モータサーミスタ温度 [℃] 1 1 ○ ○
外乱相当トルク
[0.1%] 1 1 × ○
外乱相当推力 リニアサーボモータ使用時
過負荷アラームマージン [0.1%] 1 1 × ○
誤差過大アラームマージン [16PLS] 1 1 × ○
整定時間 [ms] 1 1 × ○
オーバシュート量 [PLS] 1 1 × ○

4 - 47
4.補助/応用機能

通信データ 設定可能サーボアンプ
データ種別 単 位 ワード数 備 考
点数 MR-J3(W)-□B MR-J4(W)-□B
モータ端・機械端位置偏差 [PLS] 2 2 × ○
フルクローズド制御使用時
モータ端・機械端速度偏差 [0.01r/min] 2 2 × ○

○:設定可 ×:設定不可
*1:位置指令は,サーボデータ設定で設定した指令単位となります。
*2:多軸一体のサーボアンプの場合,ユニット全体の測定値をモニタします。
MR-J4多軸一体サーボアンプの各軸に登録した場合,各軸で同じ値がモニタできます。
複数ユニットの消費電力や積算電力量を算出する場合は,各軸ではなく,各ユニットのモニタ値を使用して算出して
ください。

(b) Q173DCPU(-S1)/Q172DCPU(-S1)使用時
設定可能サーボアンプ
データ種別 単 位 ワード数 備 考
MR-J3(W)-□B
実効負荷率 [%] 1 ○
回生負荷率 [%] 1 ○
ピーク負荷率 [%] 1 ○
位置フィードバック [PLS] 2 ○
絶対位置検出器1回転位置 ○
[PLS] 2
モータ検出器1回転内位置 ○ フルクローズド使用時
負荷慣性モーメント比 ○
[×0.1倍] 1
負荷質量比 ○ リニアサーボモータ使用時
位置制御ゲイン1 [rad/s] 1 ○
母線電圧 [V] 1 ○

○:設定可 ×:設定不可

(2) 指定可能デバイス
ワードデバイス 指定可能デバイス
D 0~8191
W 0~1FFF
# 0~7999
U□\G 10000~(10000+p-1)*1,*2

*1:pは各号機のマルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由エリア点数です。
*2:自号機のデバイスのみ設定可能です。

ポイント
(1) データの更新周期は,演算周期ごとです。
(2) 2ワードデータの場合,デバイス番号は偶数で設定してください。
(3) マルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由エリア点数については,「第2章」を
参照してください。

4 - 48
4.補助/応用機能

4.11 SSCNET制御機能

SSCNET制御機能では.下記の操作を行うことができます。
機 能 用 途
マルチCPUシステムの電源ON中に,SSCNET通信を一時的に切断/再接続します。
SSCNET通信の切断/再接続 SSCNET系統の途中にあるサーボアンプ,またはSSCNETⅢケーブルを交換する場合に使用
します。
アンプなし運転の開始/解除要求を行います。
アンプなし運転の開始/解除
立上げ時やデバッグ時に,サーボアンプの接続なしで動作確認する場合に使用します。

(1) デバイス一覧
SSCNET制御機能では,各要求をSD803に設定し,要求に対する処理状態がSD508に
格納されます。
(a) SSCNET制御ステータスデバイス
デバイス番号 概 要 セット側
SSCNET制御機能の実行状態*が格納されます。
モニタ値 状 態 内 容
SSCNET通信の切断/再接続指令,アンプなし運転の開始/解除指令を
0 指令受付待ち
受付け可能な状態です。
SD508 SSCNET通信の切断/再接続指令,アンプなし運転の開始/解除指令を システム
-1 実行待ち
受付け後に切断/再接続実行指令を待っている状態です。
SSCNET通信の切断/再接続指令,アンプなし運転の開始/解除指令を
-2 実行中
実行している状態です。

*:アンプなし運転状態は,アンプなし運転状態フラグ(SM508)にセットされます。(4.11.2項参照)

(b) SSCNET制御指令デバイス
デバイス番号 概 要 セット側
SSCNET制御機能の指令を設定します。
アンプ
切断/
設定値 指 令 内 容 なし
再接続
運転
0 指令なし 指令がない状態のときはこの値を指定します。 ○ ○
SSCNET通信の
1~32 切断する軸No.“1~32”を指定します。 ○
切断指令
SSCNET通信の
-10 切断中の軸を再接続する場合に指定します。 ○
再接続指令
アンプなし運転 アンプなし運転に切換える場合に指定します。
SD803 -20 の開始指令1 アンプなし運転中はEMI入力が無効となり,EMI信号の配 ○ ユーザ
(EMI無効) 線は不要です。
アンプなし運転 アンプなし運転に切換える場合に指定します。
-21 の開始指令2 アンプなし運転中はEMI入力が有効となり,EMI信号の配 ○
(EMI有効) 線が必要です。
アンプなし運転 アンプなし運転から通常のアンプ接続に切換える場合
-25 ○
の解除指令 に指定します。
各指令の値を設定後,ステータス(SD508)が実行待ち
-2 実行指令 状態(-1)のとき,この設定値を設定すると,処理が実行 ○ ○
されます。

4 - 49
4.補助/応用機能

4.11.1 SSCNET通信の切断/再接続機能

マルチCPUシステムの電源ON中に,SSCNET系統の途中にあるサーボアンプ,または
SSCNETⅢケーブルを交換する場合に,SSCNET通信を一時的に切断/再接続する機能で
す。
SSCNET制御指令(SD803)にはSSCNET通信の切断/再接続の要求を設定し,SSCNET制御
ステータス(SD508)には指令受付待ちや実行待ちの状態が格納されます。また,この
機能で切断したサーボアンプを再接続する場合も,このデバイスを使用して再接続処
理を行います。
各SSCNET系統の先頭軸(モーションCPUと直接接続しているサーボアンプ)の電源を
OFF/ONする場合は,切断/再接続する必要はありません。

ポイント
(1) SSCNET通信切断処理完了後,サーボアンプのLED表示が「AA」になったことを
確認してから,サーボアンプの電源をOFFしてください。
(2) SSCNET通信の切断指令(1~32),SSCNET通信の再接続指令(-10)をSSCNET制御指
令デバイス(SD803)に設定した時点では,SSCNET制御ステータスデバイス
(SD508)が実行待ち状態(-1)に変化するだけで,実際の処理は実行されません。
実行指令(-2)をSSCNET制御指令デバイス(SD803)に設定して,処理を実行して
ください。
(3) 接続されていないサーボアンプ軸にSSCNET通信の切断指令(1~32)を設定した
場合は,SSCNET制御ステータスデバイス(SD508)が実行待ち状態(-1)になら
ず,指令受付待ち状態(0)に戻ります。
(4) SSCNET系統の途中にあるサーボアンプを,切断機能を使用せず電源OFFした場
合,他の軸が誤動作する恐れがあります。必ず切断機能を使用し,サーボアン
プの電源をOFFしてください。
(5) MR-J4W-□BのB軸とC軸,MR-J3W-□BのB軸に割り付けられている軸に切断/再
接続指令を実行すると,切断はできますが,再接続はできません。
切断/再接続指令は,A軸に対して行ってください。
(6) アンプなし運転中は,アンプなし運転の解除指令のみ受付けます。切断/再接
続指令は受付けません。

4 - 50
4.補助/応用機能

(1) SSCNET通信の切断/再接続手順
サーボアンプ/SSCNETⅢケーブル交換時の切断/再接続手順を下記に示します。
(a) 切断手順
① SD803に切断する軸No.を設定する。(設定値:1~32)

② SD508が「-1:実行待ち」になったことを確認する。
(切断実行待ち中)

③ SD803に「-2:実行指令」を設定する。

④ SD508が「0:指令受付待ち」になったことを確認する。
(切断完了)

⑤ 切断するサーボアンプのLED表示「AA」確認後,サーボアンプの電源をOFF
する。
切断指令(切断する
サーボアンプの軸No.) 切断実行指令 切断指令クリア

SSCNET制御指令
0 1~32 -2 0
(SD803)
切断完了

SSCNET制御ステータス
0 -1 -2 0
(SD508)

指令受付待ち 切断実行待ち 切断処理実行 指令受付待ち

(b) 再接続手順
① サーボアンプの電源をONする。

② SD803に「-10:SSCNET通信の再接続指令」を設定する。

③ SD508が「-1:実行待ち」になったことを確認する。
(再接続実行待ち中)

④ SD803に「-2:実行指令」を設定する。

⑤ SD508が「0:指令受付待ち」になったことを確認する。
(再接続完了)

⑥ 再接続したサーボアンプのサーボレディ(M2415+20n)確認後,サーボア
ンプの運転を再開する。
再接続指令 再接続実行指令 再接続指令クリア

SSCNET制御指令
0 -10 -2 0
(SD803)
再接続完了

SSCNET制御ステータス
0 -1 -2 0
(SD508)

指令受付待ち 再接続実行待ち 再接続処理実行 指令受付待ち

4 - 51
4.補助/応用機能

(2) プログラム
(a) 自号機の軸5以降のサーボアンプを切断/再接続するプログラム
切断手順 :サーボアンプのLED表示「AA」確認後,サーボアンプの電源をOFF
する。
再接続手順:再接続したサーボアンプのサーボレディ(M2415+20n)確認後,
サーボアンプの運転を再開する。

システム構成

Q61P QnUD□ Q172D QY40P QY40P Q172D QY40P


CPU CPU LX

切断(軸5以降)

AMP AMP AMP AMP AMP AMP AMP AMP

軸1 軸2 軸3 軸4 軸5 軸6 軸7 軸8
M M M M M M M M

(a) モーションSFCプログラム(SV13/SV22)
切断操作時 再接続操作時

切断処理 再接続処理

[G10] SD508==0 切断指令受付け可能状態 [G10] SD508==0 再接続指令受付け可能状態


かチェック かチェック

SD803に「5:SSCNET通信
[F10] SD803=5 の切断指令」(軸5以降 [F11] SD803=-10 SD803に「-10:SSCNET通信
切断)を設定 の再接続指令」を設定

[G20] 切断実行待ち [G20] 再接続実行待ち


SD508==-1 SD508==-1

[F20] SD803に「-2:実行指令」 [F20] SD803に「-2:実行指令」


SD803=-2 を設定 SD803=-2 を設定

[G30] SD508==0 切断処理完了の確認 [G30] SD508==0 再接続処理完了の確認

END END

(b) モーションプログラム(SV43)
切断操作時 再接続操作時

N10 IF[#SD508 EQ 0] GOTO20; 切断指令受付可能状態かチェック N10 IF[#SD508 EQ 0] GOTO20; 再接続指令受付可能状態かチェック


GOTO10; GOTO10;
N20 #SD803=5; SD803に「5:SSCNET通信の切断 N20 #SD803=-10; SD803に「-10:SSCNET通信の再接続
指令」(軸5以降切断)を設定 指令」を設定
N30 IF[#SD508 EQ -1] GOTO40; 切断実行待ち N30 IF[#SD508 EQ -1] GOTO40; 再接続実行待ち
GOTO30; GOTO30;
N40 #SD803=-2; SD803に「-2:実行指令」を設定 N40 #SD803=-2; SD803に「-2:実行指令」を設定
N50 IF[#SD508 EQ 0] GOTO60; 切断処理完了の確認 N50 IF[#SD508 EQ 0] GOTO60; 再接続処理完了の確認
GOTO50; GOTO50;
N60; N60;

4 - 52
4.補助/応用機能

(b) シーケンサCPU(1号機)からモーションCPU(2号機)に接続されている軸5以
降のサーボアンプを切断/再接続するプログラム
切断手順 :X0をOFF→ONし,サーボアンプのLED表示「AA」確認後,サーボ
アンプの電源をOFFする。
再接続手順:X1をOFF→ONし,再接続したサーボアンプのサーボレディ
(M2415+20n)確認後,サーボアンプの運転を再開する。
システム構成

Q61P QnUD□ Q172D QY40P QY40P Q172D QY40P


CPU CPU LX

切断(軸5以降)

AMP AMP AMP AMP AMP AMP AMP AMP

軸1 軸2 軸3 軸4 軸5 軸6 軸7 軸8
M M M M M M M M

(a)シーケンスプログラム

SM400
0 MOV K1 D51

MOV K-2 D104 D104に「-2:実行指令」を設定

M100 M101 M102 X0


5 MOV K5 D102 D102に「5:SSCNET通信の切断
指令」(軸5以降切断)を設定
SET M100

X1
MOV K-10 D102 D102に「-10:SSCNET通信の再接
続指令」を設定
SET M100

M100 M10
18 DP.DDRD H3E1 D50 SD508 D100 M10 M100 ONにてマルチCPUシステム
2号機のSD508のデータを読出し,
M10 M11 自号機のデータエリアD100に格納
= D100 K0 RST M100
する

SET M101

M101 M12
39 DP.DDWR H3E1 D50 D102 SD803 M12 M101 ONにてマルチCPUシステム
2号機のSD803のデータにD102を
M12 M13 書込む(切断指令/再接続指令)
RST M101

SET M102

M102 M10
57 DP.DDRD H3E1 D50 SD508 D100 M10 M102 ONにてマルチCPUシステム
2号機のSD508のデータを読出し,
M10 M11 自号機のデータエリアD100に格納
= D100 K-1 RST M102
する

SET M103

M103 M12
78 DP.DDWR H3E1 D50 D104 SD803 M12 M103 ONにてマルチCPUシステム
2号機のSD803のデータにD104を
M12 M13 書込む(切断/再接続実行指令)
RST M103

SET M104

M104 M10
96 DP.DDRD H3E1 D50 SD508 D100 M10 M104 ONにてマルチCPUシステム
2号機のSD508のデータを読出し,
M10 M11 自号機のデータエリアD100に格納
= D100 K0 RST M104
する

4 - 53
4.補助/応用機能

4.11.2 アンプなし運転機能 Ver.!

アンプなし運転は,立ち上げ時やデバッグ時に,サーボアンプを接続していない状
態で動作確認する場合に使用します。
SSCNET制御指令(SD803)にはアンプなし運転の開始/解除の要求を設定し,SSCNET
制御ステータス(SD508)には指令受付待ちや実行待ちの状態が格納されます。
また,アンプなし運転の状態は,アンプなし運転状態フラグ(SM508)で確認してく
ださい。

ポイント
(1) アンプなし運転の開始指令1/2(-20/-21),アンプなし運転の解除指令(-25)
をSSCNET制御指令デバイス(SD803)に設定した時点では,SSCNET制御ステー
タスデバイス(SD508)が実行待ち状態(-1)に変化するだけで,実際の処理は
実行されません。実行指令(-2)をSSCNET制御指令デバイス(SD803)に設定し
て,処理を実行してください。
(2) アンプなし運転中は,アンプなし運転の解除指令のみ受付けます。他のアンプ
なし運転の開始指令は受付けません。
(3) アンプなし運転は,サーボアンプを接続したときと比べ,サーボモータの動作
や演算周期等のタイミングが異なります。最終的な動作検証は実機にて確認し
てください。
(4) マルチCPUシステムの電源OFF/リセット直後は,アンプなし運転は無効となり
ます。

(1) アンプなし運転状態フラグ
デバイス番号 信号名称 概 要 セット側
アンプなし運転の状態がセットされます。
SM508 アンプなし運転状態 OFF:通常運転中 システム
ON :アンプなし運転中

Ver.! :ソフトウェアの対応バージョンについては,1.5節を参照してください。

4 - 54
4.補助/応用機能

(2) 制御内容
アンプなし運転中の動作を下記に示します。
項 目 動 作
システム設定されているすべての軸が,システム設定の設定内容にかかわらず,下記の種別で接続されます。
(1) Q173DSCPU/Q172DSCPU使用時
(a) 通信タイプ「SSCNETⅢ/H」の場合
・サーボアンプ:MR-J4-10B
・サーボモータ:HG-KR053
サーボアンプ種別 (b) 通信タイプ「SSCNETⅢ」の場合
・サーボアンプ:MR-J3-10B
・サーボモータ:HF-KP053
(2) Q173DCPU(-S1)/Q172DCPU(-S1)使用時
・サーボアンプ:MR-J3-10B
・サーボモータ:HF-KP053
・偏差カウンタ値 :常時 0
・モータ回転数 :指令に応じたモータ回転数
・モータ電流値 :アンプなし運転の開始時 0
(アンプなし運転中は,ユーザプログラムでモータ電流(#8001+20n)を書換えること
により,モータ電流値をエミュレートできます。)
・サーボレディ信号:全軸サーボON指令(M2042),各軸サーボOFF指令(M3215+20n)の状態によって変化
サーボアンプ状態
・トルク制限中信号:下記の条件のときにON
|モータ電流値| ≧ トルク制限値
*:CHGT2命令にてトルク制限値を正方向と負方向を個別に設定している場合は,以下
となります。 QDS
|モータ電流値| ≧ 正方向トルク制限値または負方向トルク制限値
・零点通過信号 :常時 ON
アンプなし運転の開始時は下記となります。
(1) Q173DSCPU/Q172DSCPU使用時
・FLS信号(M2411+20n):a接点時OFF/b接点時ON
・RLS信号(M2412+20n):a接点時OFF/b接点時ON
・DOG信号(M2414+20n):a接点時OFF/b接点時ON
サーボアンプ外部信号
(2) Q173DCPU(-S1)/Q172DCPU(-S1)使用時
(設定有効時)
・FLS信号(M2411+20n):ON
・RLS信号(M2412+20n):ON
・DOG信号(M2414+20n):OFF
アンプなし運転中は,ユーザプログラムで,FLS信号(M2411+20n),RLS信号(M2412+20n),DOG信号(M2414
+20n)をON/OFFすることにより,サーボアンプ外部信号を操作できます。
原点復帰 すべての原点復帰方式が使用可能です。
通常のサーボアンプ接続と同様に絶対位置を管理します。
(1) アンプなし運転の開始時
保存されている絶対位置情報から絶対位置を復元します。サーボアンプ電源OFF中の移動量は“0”とし
て絶対位置を復元します。
(2) アンプなし運転中
絶対位置システム アンプなし運転中でも擬似的にモータが動いたものとして扱われ,絶対位置情報を更新します。
(3) アンプなし運転後にサーボアンプを接続した場合
アンプなし運転中に更新された絶対位置情報から絶対位置を復元します。保存されている絶対位置情報
のモータ位置と実モータ位置の距離がサーボアンプPower off中許容移動量以上離れている場合,軽度エ
ラー(エラーコード:901(リアルモード時)/9010(仮想モード時))が発生します。
また,その距離が±2147483648[PLS]以上離れている場合,正常に絶対位置が復元しません。
MR Configurator□
オンラインでのサーボアンプの操作およびモニタはできません。
による操作
任意データモニタ 「位置フィードバック」,「絶対位置検出器1回転位置」のみ対応。それ以外のモニタ値は“0”となります。
接続/未接続のサーボアンプ軸が混在しているとアンプなし運転に切換えることができません。
ドライバ間通信
サーボアンプを全軸未接続にするか,全軸接続したときにアンプなし運転に切換えてください。

4 - 55
4.補助/応用機能

(3) アンプなし運転の開始/解除手順
(a) 開始手順
① SD803に「-20:アンプなし運転の開始指令1(EMI無効)」を設定する。

② SD508が「-1:実行待ち」になったことを確認する。
(アンプなし運転の開始処理実行待ち中)

③ SD803に「-2:実行指令」を設定する。

④ SD508が「0:指令受付待ち」になったことを確認する。
(アンプなし運転の開始処理完了)

⑤ SM508が「ON:アンプなし運転中」になったことを確認する。
アンプなし運転で接続したサーボアンプのサーボレディ(M2415+20n)を
確認後,サーボアンプの運転を再開する。
アンプなし運転開始指令 実行指令 実行指令クリア

SSCNET制御指令
0 -20 -2 0
(SD803)
アンプなし運転開始完了

SSCNET制御ステータス
0 -1 -2 0
(SD508)
アンプなし運転開始 アンプなし運転開始
指令受付待ち 実行待ち 処理実行 指令受付待ち
ON
アンプなし運転状態
(SM508) OFF

通常運転中 アンプなし運転中

(b) 解除手順
① SD803に「-25:アンプなし運転の解除指令」を設定する。

② SD508が「-1:実行待ち」になったことを確認する。
(アンプなし運転の解除処理実行待ち中)

③ SD803に「-2:実行指令」を設定する。

④ SD508が「0:指令受付待ち」になったことを確認する。

⑤ SM508が「OFF:通常運転中」になったことを確認する。
(アンプなし運転の解除処理完了。サーボアンプが接続されている場合,
自動的に再接続が行われます。)
アンプなし運転解除指令 実行指令 実行指令クリア

SSCNET制御指令
0 -25 -2 0
(SD803)
アンプなし運転解除完了

SSCNET制御ステータス
0 -1 -2 0
(SD508)
アンプなし運転解除 アンプなし運転解除
指令受付待ち 実行待ち 処理実行 指令受付待ち
ON
アンプなし運転状態
(SM508) OFF

アンプなし運転中 通常運転中

4 - 56
4.補助/応用機能

(4) プログラム
自号機のアンプなし運転を開始/解除するプログラム

(a) モーションSFCプログラム(SV13/SV22)
運転開始操作時(EMI入力無効) 運転解除操作時

アンプなし運転開始処理 アンプなし運転解除処理

[G40] !SM508 通常運転中を確認 [G41] SM508 アンプなし運転中を確認

[G10] 受付け可能状態か [G10] 受付け可能状態か


SD508==0 SD508==0
チェック チェック
SD803に「-20:アンプ SD803に「-25:アンプ
[F12] SD803=-20 なし運転の開始指令1」 [F13] SD803=-25 なし運転の解除指令1」
を設定 を設定
[G20] SD508==-1 実行待ち [G20] SD508==-1 実行待ち

[F20] SD803に「-2:実行指令」 [F20] SD803に「-2:実行指令」


SD803=-2 SD803=-2
を設定 を設定

[G41] SM508 アンプなし運転中を確認 [G40] !SM508 通常運転中を確認

END END

4 - 57
4.補助/応用機能

4.12 リモート操作

MT Developer□で以下のモーションCPUの動作を制御します。
・リモートRUN/STOP
・リモートラッチクリア

ポイント
ラッチクリアはMT Developer□のリモート操作でのみ行うことができます。

4.12.1 リモートRUN/STOP

モーションCPUユニットのRUN/STOPスイッチをRUNの位置にしたまま,
MT Developer□でシーケンサレディフラグ(M2000)のON/OFFを行います。

(1) MT Developer2
メニューバーの[オンライン]→[リモート操作]で表示されるリモート操作画
面で「RUN」または「STOP」を選択します。

(2) MT Developer
メニューバーの[通信]メニューから[リモート操作]→[リモートRUN]または
[リモートSTOP]を選択します。

操作方法の詳細は,MT Developer□のヘルプを参照してください。

4 - 58
4.補助/応用機能

ポイント
(1) リモートRUNを行う場合,RUN/STOPスイッチがSTOPの位置にあると,リモート
RUNを行うことができません。
RUN/STOPスイッチ位置によるリモート操作実行後の動作を,以下に示します。
RUN/STOPスイッチの位置
RUN STOP
リモートRUNを実行 RUN STOP
リモート操作
リモートSTOPを実行 STOP STOP

(2) シーケンサレディフラグ(M2000)がONすると,以下のパラメータを取込みま
す。
・固定パラメータ
・原点復帰データ
・JOG運転データ
・パラメータブロック
・ワーク座標データ(SV43)
・サーボパラメータ
・メカ機構プログラム(SV22仮想モード)
・モーションSFCパラメータ(SV13/SV22)
・モーションパラメータ(SV43)
・リミットスイッチ出力データ
・カムデータ(SV22アドバンスト同期制御)

備 考

以下の方法で,シーケンサレディフラグ(M2000)をON/OFF(PCPU準備完了フラグ
(SM500)ON/OFF)することもできます。
・RUN/STOPスイッチを切り換える
・シーケンサレディフラグ(M2000)をON/OFFする

4 - 59
4.補助/応用機能

4.12.2 リモートラッチクリア

モーションCPUのシーケンサレディフラグ(M2000)がOFF(PCPU準備完了フラグ
(SM500)OFF)時に,モーションCPUのラッチされているデバイスデータを
MT Developer□によりクリアします。
リモートRUN/STOPと組合せて操作します。

(1) 操作手順
(a) リモートSTOPで,シーケンサレディフラグ(M2000)OFF(PCPU準備完了フラ
グ(SM500)OFF)にします。

(b) [ラッチ(1)クリア]または[ラッチ(1)(2)クリア]を選択します。

① MT Developer2
メニューバーの[オンライン]→[リモート操作]で表示されるリモート
操作画面で[ラッチ(1)クリア]または[ラッチ(1)(2)クリア]を選択し
ます。

② MT Developer
メニューバーから[通信]→[リモート操作]→[ラッチ(1)クリア]ま
たは[ラッチ(1)(2)クリア]を選択します。

*:リモートラッチクリア完了後,シーケンサレディフラグ(M2000)をONにす
る場合は,リモートRUNを行ってください。

操作方法の詳細は,MT Developer□のヘルプを参照してください。

4 - 60
4.補助/応用機能

ポイント
(1) シーケンサレディフラグ(M2000)がON(PCPU準備完了フラグ(SM500)ON),
およびテストモード中は,リモートラッチクリア操作を行うことができませ
ん。
(2) リモートラッチクリア操作では,以下のラッチエリアをクリアします。
・ラッチ(1)クリア :ラッチエリア(1)に設定した範囲をクリアします。
・ラッチ(1)(2)クリア:ラッチエリア(1),ラッチエリア(2)に設定した範囲を
クリアします。
(3) リモートラッチクリア実行時は,モーションデバイスのユーザエリア(#0~
#7999)もクリアされます。
(4) ラッチエリア(1)(2)のリモートラッチクリア操作を実行した場合,ラッチされ
ていないユーザデバイスも全てクリアされます。
(5) ラッチエリア(1),ラッチエリア(2)の範囲は,システム設定のシステム基本設
定で設定します。(3.1.3項参照)

4 - 61
4.補助/応用機能

4.13 PERIPHERAL I/Fによる通信機能 Ver.!

Ethernet を 搭 載 し た モ ー シ ョ ン CPU ( Q173DSCPU / Q172DSCPU / Q173DCPU-S1 /


Q172DCPU-S1)のPERIPHERAL I/Fとパソコン,表示器などをEthernetケーブルで接続し
て通信を行います。
PERIPHERAL I/Fの接続には,モーションCPUとMT Developer2をEthernetケーブルで
直接接続する「直結接続」とハブを経由して接続する「ハブ経由接続」,およびMCプ
ロトコルによる通信があります。

Ver.! :ソフトウェアの対応バージョンについては,1.5節を参照してください。

4.13.1 直結接続

モーションCPUとMT Developer2を,ハブを使用せずEthernetケーブル1本で直接接続
します。
直結接続時には,IPアドレスを設定せず,接続先設定のみで交信できます。

Ethernetケーブル(クロスケーブル)

PERIPHERAL I/F

MT Developer2

4 - 62
4.補助/応用機能

(1) MT Developer2側の通信設定
MT Developer2側の接続先設定を以下のように設定してください。

① パソコン側I/Fを[Ethernetボード]にする。
② CPU側I/Fを[CPUユニット]にする。
CPU側I/F CPUユニット詳細設定画面で“Ethernetポート直結接続”を選択する。

“Ethernetポート
直結接続”を選択

③ 他局指定を設定する。
使用する環境にあわせて選択してください。

4 - 63
4.補助/応用機能

(2) 注意事項
直結接続する場合の注意事項を以下に示します。
(a) LAN回線と接続
LAN回線に接続して,直結接続による交信は行わないでください。
回線に負荷がかかり,他の機器の交信に影響を与えます。

(b) 直結接続にならない接続
・下図のように,ハブを接続してモーションCPUと相手機器を1台ずつ接続し
た構成で,直結接続の設定を行わないでください。

ハブ

・パソコン側のネットワーク接続において,Ethernetポートが2つ以上「有効」
になっている場合,直接接続で交信できません。直接接続するポートのみ
「有効」にして,残りのEthernetポートは「無効」になるようにパソコン側
の設定を見直してください。

(c) 直結接続で交信できない条件
下記条件に一致する場合,直結接続で交信できないことがあります。
交信できない場合は,モーションCPUおよびパソコンの設定を見直してくださ
い。
・モーションCPU側IPアドレスの各ビットで,パソコン側サブネットマスクの
0の部分にあたるビットすべてがONまたはOFFのとき
(例) モーションCPU側IPアドレス : 64. 64.255.255
パソコン側IPアドレス : 64. 64. 1. 1
パソコン側サブネットマスク:255.255. 0. 0

・モーションCPU側IPアドレスの各ビットで,パソコン側IPアドレスの各クラ
スのホストアドレスにあたるビットすべてがONまたはOFFのとき
(例) モーションCPU側IPアドレス : 64. 64.255.255
パソコン側IPアドレス :192.168. 0. 1
パソコン側サブネットマスク:255. 0. 0. 0

4 - 64
4.補助/応用機能

4.13.2 ハブ経由接続

モーションCPUとMT Developer2を,ハブ経由で接続します。

Ethernetケーブル
(ストレートケーブル)
Ethernetケーブル
(ストレートケーブル)
PERIPHERAL I/F

MT Developer2

ハブ

パネルパソコン

(1) モーションCPU側の設定
基本設定の内蔵Ethernetポート設定で以下のように設定してください。

① モーションCPU側のIPアドレスを設定する。
(IPアドレスの初期値:192.168.3.39)
必要に応じ,IPアドレスを変更してください。
サブネットマスクパターンとデフォルトルータIPアドレスは設定不要です。

4 - 65
4.補助/応用機能

② 内蔵Ethernetポート オープン設定画面で使用したいプロトコルを相手機器に
合わせてTCPまたはUDPから選択してください。
通信の信頼性を重視する場合は,TCPを選択してください。

・パラメータの有効操作
Ethernetの直結接続,またはUSB/RS-232接続を使用して,[オンライン]-
[CPU書込]にてパラメータをモーションCPUに書込んでください。書込み後,
マルチCPUシステムの電源再投入,またはリセット操作にてパラメータを有
効にしてください。

なお,Ethernetケーブルを使用してパラメータの書込みを行う場合は,パソ
コンとモーションCPUをEthernetケーブル(クロスケーブル)にて直結接続
してください。詳細は,4.13.1項を参照してください。

4 - 66
4.補助/応用機能

(2) MT Developer2側の通信設定
MT Developer2側の接続先設定を以下のように設定してください。

① パソコン側I/Fを[Ethernetボード]にする。
② CPU側I/Fを[CPUユニット]にする。
CPU側I/F CPUユニット詳細設定画面で“ハブ経由接続”を選択し,モーション
CPU側のIPアドレスを設定する。

“ハブ経由接続”を選択

モーションCPU側の
IPアドレスを設定

③ 他局指定を設定する。
使用する環境にあわせて選択してください。

4 - 67
4.補助/応用機能

ポイント
ハブ経由接続では,モーションCPU側のIPアドレス設定に,接続CPU検索機能を使用
できます。
CPU側I/F CPUユニット詳細設定画面の[ネットワーク上のEthernet内蔵形CPUを検
索]ボタンにて,MT Developer2と同じハブに接続されているモーションCPUを検索
し,一覧を表示させます。接続するモーションCPUを選択し,[選択IPアドレス入力]
ボタンにてモーションCPU側のIPアドレスを設定します。

検索された
モーションCPU
を表示

[選択IPアドレス
入力]ボタン
[ネットワーク上の
Ethernet内蔵形CPU
を検索]ボタン

・使用するモーションCPUのラベル,コメントは,基本設定のCPUネーム設定にて設
定します。
設定したラベル,コメントは,CPU側I/F CPUユニット詳細設定画面に表示されま
す。

項 目 内 容 設定範囲
ラベル モーションCPUのラベル(名称,用途)を設定します。 最大 半角10文字
コメント モーションCPUのラベルのコメントを設定します。 最大 半角64文字

4 - 68
4.補助/応用機能

(3) 注意事項
ハブ経由接続する場合の注意事項を以下に示します。
(a) LAN回線に接続可能なパソコンを使用する場合は,モーションCPU側のIPアド
レスを,下記のようにパソコン側のIPアドレスと同じ値に設定してください。
モーションCPU側IPアドレス 192 168 3 39

パソコン側と同じ
IPアドレスを設定

(例) パソコンのIPアドレスが「192.168.3.1」の場合

<モーションCPU側の設定>

パソコン側のIPアドレスと同じ値を設定
(例) 192.168.3.□
ネットワークに接続された機器で使用さ
れていないIPアドレスを設定
(例) □.□.□.39

<MT Developer2側の設定>

モーションCPU側のIPアドレスと同じ値
を設定
(例) 192.168.3.39

4 - 69
4.補助/応用機能

(b) 1台のモーションCPUに同時にアクセスできる機器は16台です。

(c) 10BASE-Tまたは100BASE-TXのポートを持つハブを使用できます。
(IEEE802.3 100BASE-TX,またはIEEE802.3 10BASE-Tの規格に適合しているも
のを使用してください。)

(d) 動力線とEthernetケーブルは,必ず分離して配線してください。

(e) 以下に示す接続は動作保証していません。お客様で動作確認の上使用してく
ださい。
・インターネット(一般公衆回線)を使用した接続
・ファイヤウォール機器を使用した接続
・ブロードバンドルータを使用した接続
・無線LANを使用した接続

(f) 複数のモーションCPUとMT Developer2を通信する場合,以下に注意してくだ


さい。
・IPアドレスを別々に設定する。
・使用するモーションCPUの台数分,MT Developer2のプロジェクトを開く。

4 - 70
4.補助/応用機能

4.13.3 MCプロトコルによる通信

モーションCPUのPERIPHERAL I/Fを使用して,MCプロトコル*1による通信ができます。
パソコン,表示器などの外部機器から,MCプロトコルを使用して,モーションCPUの
デバイスデータの書込み/読出しができます。
デバイスデータの書込み/読出しを行うことにより,パソコン,表示器などでモー
ションCPUの動作監視や,データ解析,生産管理などを行います。

備 考

*1:MCプロトコルとは,MELSECコミュニケーションプロトコルの略称です。
MELSECコミュニケーションプロトコルは,Qシリーズシーケンサ(シリアルコ
ミュニケーションユニット,Ethernetユニットなど)の交信手順に従い,相手
機器からCPUユニットへアクセスするための通信方式の名前です。
MCプロトコルについては,「MELSEC-Q/L MELSECコミュニケーションプロトコ
ルリファレンスマニュアル」を参照してください。

ポイント
パソコン,表示器などからMCプロトコルによる通信ができるのは,Ethernet接続し
ているモーションCPUのみです。
下記モーションCPUへのアクセスはできません。
・CC-Linkなどを介した他局CPUへのアクセス

(1) MCプロトコルによる通信を行うための設定
MCプロトコルによる通信を行うための設定を下記に示します。
MT Developer2の基本設定の内蔵Ethernetポート設定で,下記(a)~(c)を設定して
ください。

(c)

(a)

(b)

(a) 交信データコード設定
MCプロトコルで使用する交信データコードを,バイナリコード,ASCIIコード
から選択してください。

4 - 71
4.補助/応用機能

(b) RUN中書込みを許可する(MCプロトコル)
MCプロトコル通信機器からモーションCPUへデータを書き込む場合,モーショ
ンCPUがRUN中でも書込みを許可するときは設定してください。
本設定による使用可能な機能については,本項(2)を参照してください。

(c) オープン設定
下記の項目を設定してください。
① プロトコル
MCプロトコルとして使用するコネクションを設定してください。
(最大16台まで接続可能です。)
② オープン方式
MCプロトコルに設定してください。
③ 自局ポート番号(必須)
自局ポート番号(16進表示)を設定してください。
・設定範囲:0401H~1387H,1392H~FFFEH

① ② ③

ポイント
RUN中書込みを許可しない場合,モーションCPUがRUN中に,相手機器からのデータ
の書込み要求を受けると,データは書込まれずにNAK伝文が返されます。

4 - 72
4.補助/応用機能

(2) コマンド一覧
モーションCPUのPERIPHERAL I/Fを使用したMCプロトコルによる通信機能では,下
表のMCプロトコルのコマンドを実行できます。

モーションCPUの状態
コマンド
RUN中書込み
機 能 (サブコマ 処理内容 処理点数
STOP中 許可する 許可しない
ンド)*1
に設定時 に設定時
ビット 0401 ASCII:3584点
ビットデバイスを1点単位で読出す。
単位 (0001) BIN :7168点
一括読出し 960ワード ○ ○ ○
ワード 0401 ビットデバイスを16点単位で読出す。
(15360点)
単位 (0000)
ワードデバイスを1点単位で読出す。 960点
ビット 1401 ASCII:3584点
ビットデバイスを1点単位で書込む。
単位 (0001) BIN :7168点
一括書込み 960ワード ○ ○ ×
ワード 1401 ビットデバイスを16点単位で書込む。
(15360点)
単位 (0000)
ワードデバイスを1点単位で書込む。 960点
ビットデバイスを16点,32点単位で,デ
バイス・デバイス番号をランダムに指定
ランダム ワード 0403 して読出す。
192点 ○ ○ ○
読出し*2 単位 (0000) ワードデバイスを1点,2点単位で,デバ
イス・デバイス番号をランダムに指定し
デバイス
て読出す。
メモリ
ビットデバイスを1点単位で,デバイ
ビット 1402
ス・デバイス番号をランダムに指定して 188点
単位 (0001)
セット,リセットする。
テスト ビットデバイスを16点,32点単位で,デ
(ランダム バイス・デバイス番号をランダムに指定 ○ ○ ×
書込み) ワード 1402 してセット,リセットする。
*5
単位*2 (0000) ワードデバイスを1点,2点単位で,デバ
イス・デバイス番号をランダムに指定し
て書込む。
モニタするビットデバイスを16点,32点
モニタ登録
*2,*3,*4, ワード 0801 単位で登録する。
192点 ○ ○ ○
*6 単位 (0000) モニタするワードデバイスを1点,2点単
位で登録する。
ワード 0802 モニタ登録
モニタ*6 モニタ登録したデバイスをモニタする。 ○ ○ ○
単位 (0000) 点数分

○:使用可,×:使用不可
*1:QnA互換3Eフレームのコマンドです。
*2:TS,TC,SS,SC,CS,CCのデバイスは,ワード単位の指定はできません。
モニタ登録で指定した場合は,モニタ実行時にエラー(4032H)になります。
*3:モニタ登録において,モニタ条件の設定はできません。
*4:モニタ登録を複数の相手機器から実行しないでください。実行時は最後のモニタ登録が有効になります。
*5:処理点数は下式の範囲内で設定します。
(ワードアクセス点数)×12+(ダブルワードアクセス点数)×14 ≦ 1920
・ビットデバイスは,ワードアクセス時1点が16ビット分に,ダブルワードアクセス時1点が32ビット分になります。
・ワードデバイスは,ワードアクセス時1点が1ワード分に,ダブルワードアクセス時1点が2ワード分になります。
*6:モニタ登録/モニタコマンドは,接続しているモーションCPUユニットのみ使用できます。

4 - 73
4.補助/応用機能

(3) 使用可能デバイス
MCプロトコルによる通信機能で使用するコマンドで,扱うことができるデバイス
を以下に示します。
(a) シーケンサCPU
デバイスコード
ASCII デバイス番号範囲
分 類 デバイス バイナリ 備 考
コード時 (デフォルト値)
*1 コード時

内部システム 特殊リレー SM 91h 000000~002047 10進


デバイス 特殊レジスタ SD A9h 000000~002047 10進

入力 X* 9Ch 000000~001FFF 16進
出力 Y* 9Dh 000000~001FFF 16進
内部リレー M* 90h 000000~008191 10進
ラッチリレー L* 92h 000000~008191 10進
アナンシェータ F* 93h 000000~002047 10進
エッジリレー V* 94h 000000~002047 10進
リンクリレー B* A0h 000000~001FFF 16進
データレジスタ D* A8h 000000~012287 10進
リンクレジスタ W* B4h 000000~001FFF 16進
接点 TS C1h
タイマ コイル TC C0h 000000~002047 10進 •割付け変更時は,変更後の最大デバイス番
現在値 TN C2h 号までアクセス可能。
内部ユーザ
接点 SS C7h •ローカルデバイスはアクセス不可。
デバイス
積算タイマ コイル SC C6h 000000~002047 10進
現在値 SN C8h
接点 CS C4h
カウンタ コイル CC C3h 000000~001023 10進
現在値 CN C5h
リンク特殊リレー SB A1h 000000~0007FF 16進
リンク特殊レジスタ SW B5h 000000~0007FF 16進
ステップリレー S* 98h 000000~008191 10進
DX/DY1000以降のデバイスは使用できませ
ダイレクト入力 DX A2h 000000~000FFF 16進
ん。DX/DY1000以降のデバイスをアクセスす
る場合は,X/Yデバイスを使用してくださ
ダイレクト出力 DY A3h 000000~000FFF 16進
い。
インデックス
インデックスレジスタ Z* CCh 000000~000019 10進
レジスタ

ファイル R* AFh 000000~032767 10進
ファイルレジスタ
レジスタ ZR B0h 000000~3FD7FF 16進
・バイナリ:
000000~4184063 PCファイル設定で使用する点数の設定を
拡張データ (最大4086k点) 行った場合,設定後の最大デバイス番号ま
拡張データレジスタ D* A8h 10進
レジスタ ・ASCII: でアクセス可能。
000000~999999 ただし,ASCII時は,左記点数が上限となる。
(最大976.6k点)
PCファイル設定で使用する点数の設定を
拡張リンク 000000~3FD7FF
拡張リンクレジスタ W* B4h 16進 行った場合,設定後の最大デバイス番号ま
レジスタ (最大4086k点)
でアクセス可能。

*1:ASCIIコードでデータ交信時,デバイスコードの2文字目の“*”は,ブランク(コード:20H)で指定することもできます。

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4.補助/応用機能

(b) モーションCPU
デバイスコード
ASCII
分 類 デバイス バイナリ デバイス番号範囲 備 考
コード時
*1 コード時

内部システム 特殊リレー SM 91h 000000~002255 10進



デバイス 特殊レジスタ SD A9h 000000~002255 10進
入力 X* 9Ch 000000~001FFF 16進 実入力デバイスPXも含む。
出力 Y* 9Dh 000000~001FFF 16進 実出力デバイスPYも含む。
内部リレー M* 90h 000000~012287 10進
内部ユーザ アナンシェータ F* 93h 000000~002047 10進
デバイス リンクリレー B* A0h 000000~001FFF 16進

データレジスタ D* A8h 000000~008191*2 10進
リンクレジスタ W* B4h 000000~001FFF 16進
モーションレジスタ #* E0h 000000~012287 10進

*1:ASCIIコードでデータ交信時,デバイスコードの2文字目の“*”は,ブランク(コード:20H)で指定することもできます。
*2:SV22アドバンスト同期制御では,000000~019823の範囲が有効です。

(4) 注意事項
(a) 接続台数
MCプロトコルによる外部機器との接続は,内蔵Ethernetポート設定のオープ
ン設定で,MCプロトコルとして設定した台数分のみ同時に接続が可能です。

(b) データ交信用フレーム
PERIPHERAL I/FのMCプロトコルによる通信機能で使用可能なフレームを下表
に示します。
交信フレーム PERIPHERAL I/FのMCプロトコルによる通信機能
4Eフレーム ×
QnA互換3Eフレーム ○
A互換1Eフレーム ×

○:使用可 ×:使用不可

(c) アクセス範囲
① Ethernet接続しているモーションCPUのみアクセスできます。Ethernet接
続していないモーションCPUへの交信はエラーになります。
② 接続しているモーションCPUを経由して,CC-Link IEコントローラネット
ワーク,MELSECNET/H,Ethernet,CC-Linkの他局との交信はできません。

(d) プロトコルをUDPに設定した場合の注意事項
① 1つのUDPのポートに対して,要求伝文を送信し応答伝文が返信されるまで
の間に,新しい要求伝文を送信した場合,新しい要求伝文は破棄されます。
② UDPで同一の自局ポート番号を複数設定した場合は,1つだけ設定した場合
と同じになります。複数の相手機器と同じ自局ポート番号で交信したい場
合は,TCPを使用してください。

4 - 75
4.補助/応用機能

(e) 応答伝文の受信処理について
相手機器側の受信処理例を下図に示します。

相手機器側の交信処理

要求伝文・送信処理

応答伝文・受信処理

TCPコネクションは TCPコネクションがクローズ
オープンしているか

残りの応答伝文
を受信する
受信データを 監視タイマ値のタイムアウト
監視タイマ値以外に
受信できたか

受信サイズ不足
受信サイズチェックを行う

次の要求に対する
応答伝文を受信し
ている場合
応答伝文に対する処理

受信伝文をすべて処理したか

終 了 エラー処理

備 考

Ethernet通信する場合は,パソコン内部でTCPソケット関数(socket関数)を使用し
ています。
この関数は,境界の概念がなく,送信側がsend関数を1回呼び出して送信した場合,
受信側はそのデータを読み出すために,recv関数を1回以上呼出す必要があります。
(sendとrecvが1対1に対応しません。)
そのため,相手機器のプログラム処理は,必ず上記のような受信処理をする必要が
あります。
なお,recv関数をブロッキングモード設定で使用すると,1回の呼出しで読出しがで
きる場合があります。

4 - 76
4.補助/応用機能

(5) MCプロトコルによる通信時のエラーコード
MCプロトコルによる通信時にエラーが発生したとき,モーションCPUから外部機器
に送信されるエラーコード,エラー内容およびその処置を下表に示します。
エラーコード
No. エラー内容 処置方法
(16進)
モーションCPUが検出したエラー。 QCPUユーザーズマニュアル(ハードウェア設計・保守点検
1 4000H~4FFFH
(MCプロトコルによる通信機能以外で発生したエラー) 編)を参照し処置する。
RUN中書込みを許可しない場合に,相手機器によりモー ・RUN中書込みを許可する場合,データ書込みを行う。
2 0055H
ションCPUがRUN中にデータの書込みを要求した。 ・モーションCPUをSTOPにしてデータを書込む。
内蔵Ethernetポート設定の交信データコード設定で, ・交信データコード設定でバイナリコード交信を設定し,
3 C050H ASCIIコード交信を設定時,バイナリコードに変換できな 再度モーションCPUを立上げて交信する。
いASCIIコードのデータを受信した。 ・相手機器からの送信データを修正し,送信する。
書込み/読出し点数を修正し,再度モーションCPUへ送信
4 C051H~C054H 書込み/読出し点数が許容範囲外である。
する。
先頭アドレスまたは,書込み/読出し点数を修正し,再
5 C056H 最大アドレスを超える書込み/読出し要求である。 度モーションCPUへ送信する。
(最大アドレスを超えないようにする。)
ASCII-バイナリ変換後の要求データ長が,キャラクタ部 テキスト部の内容,またはヘッダ部の要求データ長を修
6 C058H
(テキストの一部)のデータ数と合わない。 正し,再度モーションCPUへ送信する。
•コマンド,サブコマンドの指定に誤りがある。 ・要求内容を見直す。
7 C059H •モーションCPUでは使用不可のコマンド,サブコマンド ・モーションCPUで使用できるコマンド,サブコマンドを
である。 送信する。
指定デバイスに対してモーションCPUが書込み/読出し
8 C05BH 書込み/読出しするデバイスを見直す。
できない。
要求内容に誤りがある。(ワードデバイスに対するビッ 要求内容を修正し,再度モーションCPUへ送信する。(サ
9 C05CH
ト単位の書込み/読出しなど) ブコマンドの修正など)
10 C05DH モニタ登録されていない。 モニタ登録してからモニタを行う。
・ネットワーク番号,PC番号,要求先ユニットI/O番号,
11 C05FH モーションCPUに対して,実行できない要求である。 要求先ユニット局番号を修正する。
・読出し/書込み要求の内容を修正する。
要求内容に誤りがある。(ビットデバイスに対するデー 要求内容を修正し,再度モーションCPUへ送信する。
(デー
12 C060H
タの指定に誤りがあるなど) タの修正など)
要求データ長が,キャラクタ部(テキストの一部)のデー テキスト部の内容,またはヘッダ部の要求データ長を修
13 C061H
タ数と合わない。 正し,再度モーションCPUへ送信する。
対象局に対しては,デバイスメモリの拡張指定はできな
14 C070H 拡張指定をしないで,書込み/読出しする。
い。
・要求内容を見直す。
15 C0B5H モーションCPUで扱えないデータが指定された。
・現在の要求を中止する。

4 - 77
4.補助/応用機能

4.14 マーク検出機能 QDS

マーク検出信号の入力タイミングで,任意のモーション制御データやデバイスデー
タをラッチすることができます。
また,マーク検出するデータ範囲を指定して,範囲内のデータだけをラッチするこ
とも可能です。
マーク検出を行うモードとして,以下の3種類があります。

① 常時検出モード
マーク検出時,常にラッチデータを格納します。
高速読出し機能と同等の動作となります。
マーク検出信号

マーク検出データ
格納デバイス
+0n

② 指定回数モード
設定回数分ラッチデータを格納します。

例)設定回数「3」の場合
マーク検出信号

マーク検出データ
格納デバイス
+0n 4回目以降は
無視される
+1n

+2n
3回目
+3n

③ リングバッファモード
設定回数分のリングバッファにラッチデータを格納します。
マーク検出時,常にラッチデータを格納します。

例)設定回数「4」の場合
マーク検出信号

マーク検出データ
格納デバイス
+0n

+1n 5回目は先頭に戻る

+2n

+3n
4回目

*:上図中の“n”は,格納デバイスのデータ型により異なります。
・16ビット整数型 :1
・32ビット整数型 :2
・64ビット浮動小数点型:4

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4.補助/応用機能

(1) 動作説明
マーク検出時の動作は以下のようになります。
・マーク検出信号の立上り/立下りで,マーク検出データが推定計算されます。
ただし,マーク検出モードが指定回数モードの場合,マーク検出回数カウンタ
値を確認し,マーク検出を行うかどうかを判定します。
・マーク検出データ範囲が設定されている場合,マーク検出データが範囲内であ
ることを確認します。範囲外のデータは検出しません。
・マーク検出モードに従って,マーク検出データをマーク検出データ格納先頭デ
バイスに格納し,マーク検出回数カウンタを更新します。
各モードの動作例を下図に示します。

(a) 常時検出モード時
マーク検出データ範囲の確認
(上/下限値設定有効時)
マーク検出信号
(立上り検出設定)
範囲外はラッチしない
マーク検出データ現在値 実現在値(常時更新)

マーク検出データ格納
検出実現在値 検出実現在値
デバイス

マーク検出回数カウンタ ** 0 1 2

ユーザプログラムで0クリア

(b) 指定回数モード時(設定回数「2」)
マーク検出回数カウンタが
マーク検出データ範囲の確認
2回(設定回数以上)のため
(上/下限値設定有効時)
マーク検出しない
マーク検出信号
(立上り検出設定)

マーク検出データ現在値 実現在値(常時更新)

マーク検出データ格納
検出実現在値(1回目)
デバイス

マーク検出データ格納
検出実現在値(2回目)
デバイス(2回目のエリア)

マーク検出回数カウンタ ** 0 1 2

ユーザプログラムで0クリア

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4.補助/応用機能

(2) マーク検出設定
マーク検出設定データ一覧を下記に示します。
最大32マーク検出設定登録できます。
No. 項 目 設定範囲
モーションCPU内蔵I/F(DI)/Q172DLX(DOG/CHANGE)/デバイス(ビットデバイス(X,Y,M,
マーク検出信号
1 B,SM,U□\G))
マーク検出信号検出方向*1 立上り有効/立下り有効
2 マーク検出信号補正時間*2 -5000000~5000000[μs]/ワードデバイス(D,W,#,U□\G)
マーク検出データ モーション制御データ/デバイス(ワードデバイス(D,W,#,SD,U□\G))
データ型 16ビット整数型/32ビット整数型/64ビット浮動小数点型
推定計算 有効(通常データ)/有効(リングカウンタ)/無効
3 デバイス
16ビット整数型 :K1~K32767,H0001~H7FFF
選択時
リングカウンタ値 32ビット整数型 :K1~K2147483647,H00000001~H7FFFFFFF
64ビット浮動小数点型:K2.23E-308~K1.79E+308
4 マーク検出データ格納デバイス ワードデバイス(D,W,#,U□\G)
直接設定(K,H)/ワードデバイス(D,W,#,U□\G)
上限値
16ビット整数型 :K-32768~K32767,H0000~HFFFF
5 マーク検出データ範囲
32ビット整数型 :K-2147483648~K2147483647,H00000000~HFFFFFFFF
下限値
64ビット浮動小数点型:K-1.79E+308~K-2.23E-308,K0,K2.23E-308~K1.79E+308
常時検出モード/指定回数モード/リングバッファモード/
マーク検出モード設定
デバイス(ワードデバイス(D,W,#,U□\G))*3
6
設定回数 1~8192(指定回数モード/リングバッファモード時)
マーク検出回数カウンタ -*4(常時検出モード時)/ワードデバイス(D,W,#,U□\G)
7 マーク検出現在値モニタデバイス -*4/ワードデバイス(D,W,#,U□\G)
8 マーク検出信号ステータス -*4/ビットデバイス(X,Y,M,B,U□\G)

*1:モーションCPU内蔵I/F(DI)の入力信号検出方向は,システム設定の“CPU設定”にて設定してください。
Q172DLX(DOG/CHANGE)の入力信号検出方向は,システム設定で“モーションスロット設定”→“Q172DLX”を選択し,
詳細設定にて設定してください。
*2:推定計算「無効」選択時,マーク検出信号補正時間は設定できません。(0[μs]となります。)
*3:設定値が-8192~8192の範囲外の場合,マーク検出は無効となります。
*4:省略可

(a) マーク検出信号
マーク検出の入力信号を設定します。
① ユニット入力信号
1) モーションCPU内蔵I/F
ユニットNo.
入力ユニット 信号 信号No. 検出精度[μs] 信号検出方向(立上り/立下り)
Q173DSCPU Q172DSCPU
システム設定の“CPU設定”にて
モーションCPU内蔵I/F DI ─ 1~4 30
設定

4 - 80
4.補助/応用機能

2) Q172DLX
・Q172DLX(DOG/CHANGE)を使用する場合,基本ベースユニットに装着し
てください。増設ベースユニットに装着した場合,マーク検出機能
は使用できません。
・カウント式原点復帰,速度・位置切換え制御でのDOG/CHANGE信号入
力時にもマーク検出動作を実行します。
マーク検出を無効にするには,「マーク検出モード設定」にデバイ
スを設定し,設定値を-8192~8192の範囲外に設定してください。
・システム設定で軸番号の設定をしない信号も,マーク検出信号に使
用することができます。
入力 ユニットNo. 信号検出方向
信号 信号No. 検出精度[μs]
ユニット Q173DSCPU Q172DSCPU (立上り/立下り)
・入力応答時間0.4[ms]:69 システム設定の“モーション
Q172DLX DOG/CHANGE 1~4 1~2 1~8 ・入力応答時間0.6[ms]:133 スロット設定”→“Q172DLX”
・入力応答時間1.0[ms]:261 を選択し,詳細設定にて設定

② ビットデバイス
信号検出方向
ビットデバイス 設定範囲 検出精度[μs]
(立上り/立下り)
X(PX) 0~1FFF*1
Y(PY) 0~1FFF
M 0~8191*2 ・演算周期222[μs] :222 マーク検出信号検出
B 0~1FFF ・演算周期444[μs]以上:444 方向にて設定
SM 0~1999
U□\G 10000.0~(10000+p-1).F*3

*1:モーションCPU内蔵I/F(DI)に割り付けた入力デバイス(PXn+0~PXn+F)では,PXn
+4~PXn+Fの範囲は0固定となり使用できません。(n=先頭入力番号)
*2:SV22アドバンスト同期制御では,M0~M12287の範囲が有効です。
*3:pは各号機のマルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由点数です。

(b) マーク検出信号検出方向
入力信号の立上り有効(OFF→ON),または立下り有効(ON→OFF)でマーク検出
動作を行うかどうかを設定します。
入力信号検出方向は,システム設定にて以下のように設定してください。
・モーションCPU内蔵I/F(DI)の場合
システム設定の“CPU設定”にて設定。
・Q172DLX(DOG/CHANGE)の場合
システム設定で“モーションスロット設定”→“Q172DLX”を選択し,詳細
設定にて設定。
入力信号検出方向 備 考
立上り有効 マーク検出信号のOFF→ONでマーク検出を行います。
立下り有効 マーク検出信号のON→OFFでマーク検出を行います。

4 - 81
4.補助/応用機能

(c) マーク検出信号補正時間
マーク検出信号の出力タイミングを補正します。
センサ入力の遅れなどを補正する場合に設定してください。(遅れを補正す
る場合は,正の値を設定してください。)ただし,推定計算「無効」選択時,
マーク検出信号補正時間は設定できません。(0[μs]となります。)
間接指定にて補正時間を-5000000以下に設定すると「-5000000」,5000000
以上を設定すると「5000000」として補正します。
① 直接指定
設定範囲
-5000000~5000000[μs]

② 間接指定
ワードデバイス 設定範囲*1 備 考
*2
D 0~8191
W 0~1FFF 設定値は演算周期ごとに取込
# 0~9215 まれます。
U□\G 10000~(10000+p-1)*3

*1:デバイスの始まりは偶数番号としてください。
*2:SV22アドバンスト同期制御では,D0~D19823の範囲が有効です。
*3:pは各号機のマルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由点数です。

4 - 82
4.補助/応用機能

(d) マーク検出データ
マーク検出時にラッチするデータを設定します。
① モーション制御データ
軸番号の設定範囲
項 目 単 位 データ型 備 考
Q173DSCPU Q172DSCPU
送り現在値 10-1[μm],
実現在値 10-5[inch],
-5
モータ実現在値 10 [degree],[PLS]
32ビット整数型
サーボ指令値
位置フィードバック [PLS]
絶対位置検出器1回転位置 1~32 1~16 ―
絶対位置検出器多回転位置 ― 16ビット整数型
偏差カウンタ値 [PLS]
サーボ指令速度 [PLS/s] 32ビット整数型
モータ回転数 0.01[r/min]
モータ電流 0.1[%] 16ビット整数型
同期エンコーダ現在値 1~12*1 SV22のみ有効
仮想サーボモータ送り現在値
[PLS] SV22仮想モー
カム軸1回転内現在値
ド時のみ有効
カム軸1回転内現在値(実位置)*2
1~32 1~16
指令生成軸送り現在値
指令生成軸累積現在値 制御単位 32ビット整数型
SV22アドバン
指令生成軸1サイクル現在値
スト同期制御
同期エンコーダ軸現在値
エンコーダ軸単位 1~12*3 の み 有 効
同期エンコーダ軸1サイクル現在値
Ver.!
カム軸1サイクル現在値
カム軸サイクル単位 1~32 1~16
カム軸1サイクル現在値(実位置)*4

*1:システム設定にて割り付けた同期エンコーダ番号(P1~12)を設定してください。
*2:サーボの遅れ分を考慮したカム軸1回転内現在値です。
*3:同期制御パラメータにて設定した同期エンコーダ軸パラメータの軸番号(軸1~12)を設定してください。
*4:サーボの遅れ分を考慮した1サイクル現在値です。

同期エンコーダ軸の現在値データにはシステム固有の遅れ時間が存在す
るため,実際の現在値とマーク検出した現在値との間に差が生じます。
マーク検出データに「同期エンコーダ現在値」,「同期エンコーダ軸現在
値」,「同期エンコーダ軸1サイクル現在値」を使用する場合,以下に示
すマーク検出信号補正時間を設定し,遅れ時間を補正することができます。
ただし,同期制御パラメータにて同期エンコーダ軸パラメータの「位相補
正進め時間」を設定し同期エンコーダの遅れ時間を補正する場合には,
マーク検出信号補正時間の設定は不要です。
同期エンコーダ種別 マーク検出信号補正時間[μs]
モーションCPU内蔵I/F 0
INC同期エンコーダ 0
MR-HENC -232
Q171ENC-W8 -276

Ver.! :ソフトウェアの対応バージョンについては,1.5節を参照してください。

4 - 83
4.補助/応用機能

② ワードデバイスデータ
ワードデバイス 設定範囲 備 考
D 0~8191*1
W 0~1FFF
# 0~9215 ―
SD 0~1999
U□\G 10000~(10000+p-1)*2

*1:SV22アドバンスト同期制御では,D0~D19823の範囲が有効です。
*2:pは各号機のマルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由点数です。

③ データ型
ワードデバイスデータ設定時は,データ型を設定します。
データ型 備 考
16ビット整数型 ―
32ビット整数型
デバイス番号は偶数で設定してください。
64ビット浮動小数点型

④ 推定計算
ワードデバイスデータ設定時は,推定計算の“有効/無効”を設定します。
推定計算 リングカウンタ値
通常データ ―
16ビット整数型 K1~K32767,H0001~H7FFF
有効 リング K1~K2147483647,
32ビット整数型
カウンタ H00000001~H7FFFFFFF
64ビット浮動小数点型 K2.23E-308~K1.79E+308
無効 ―

1) 推定計算“有効”の場合
演算周期間内のワードデバイスデータが推定計算されます。
マーク検出信号を入力したタイミングにおいて推定計算された値を
ラッチデータとします。
ワードデバイスデータが通常データかリングカウンタかにより,下図
のように値が計算されます。リングカウンタの場合は,リングカウン
タ値を設定してください。
・有効(通常データ)
演算周期 推定直線
ワードデバイスデータ

ラッチデータ

マーク検出信号

4 - 84
4.補助/応用機能

・有効(リングカウンタ)
演算周期

リングカウンタ値
ラッチデータ

推定直線
ワードデバイスデータ
t

マーク検出信号

ポイント
リングカウンタとして更新されるワードデバイスデータに対して“有効(通常デー
タ)”を選択すると,ラッチデータを正しく推定できないことがあります。

2) 推定計算“無効”の場合
演算周期間内のワードデバイスデータは推定計算されません。
マーク検出信号を入力したタイミングにおけるワードデバイスデータ
をラッチデータとします。
検出精度は,マーク検出信号種別にかかわらず,演算周期となります。
演算周期
ワードデバイスデータ

ラッチデータ

マーク検出信号

(e) マーク検出データ格納デバイス
マーク検出データを格納するデバイス(指定回数モードまたはリングバッ
ファモードで使用する場合は先頭デバイス)を設定します。
指定回数モードまたはリングバッファモードで使用する場合,設定回数分の
デバイスエリアを確保してください。
ワードデバイス 設定範囲*1 備 考
*2
D 0~8191
W 0~1FFF

# 0~9215*3
U□\G 10000~(10000+p-1)*4

*1:32ビット整数型/64ビット浮動小数点型の場合,デバイスの始まりは偶数番号としてください。
*2:SV22アドバンスト同期制御では,D0~D19823の範囲が有効です。
*3:指定回数モード,リングバッファモードでは,#9216~#12287に格納することができます。
*4:pは各号機のマルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由点数です。

4 - 85
4.補助/応用機能

(f) マーク検出データ範囲
マーク検出時のデータが範囲内の場合,マーク検出格納デバイスに格納され,
マーク検出回数カウンタが+1されます。範囲外の場合は,マーク検出処理は
行われません。
・上限値>下限値の場合
マーク検出データが“下限値以上かつ上限値未満”のときに,マーク検出
処理を行います。

下限値 上限値

・上限値<下限値の場合
マーク検出データが“上限値未満または下限値以上”のときに,マーク検
出処理を行います。

下限値 上限値

・上限値=下限値の場合
マーク検出データの範囲チェックは行いません。全範囲に対してマーク検
出処理を行います。

① 直接指定
データ型 設定範囲
16ビット整数型 K-32768~K32767,H0000~HFFFF
32ビット整数型 K-2147483648~K2147483647,H00000000~HFFFFFFFF
64ビット浮動小数点型 K-1.79E+308~K-2.23E-308,K0,K2.23E-308~K1.79E+308

② 間接指定
ワードデバイス 設定範囲*1 備 考
*2
D 0~8191
W 0~1FFF 設定値は演算周期ごとに取込
# 0~9215 まれます。
*3
U□\G 10000~(10000+p-1)

*1:32ビット整数型/64ビット浮動小数点型の場合,デバイスの始まりは偶数番号としてください。
*2:SV22アドバンスト同期制御では,D0~D19823の範囲が有効です。
*3:pは各号機のマルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由点数です。

4 - 86
4.補助/応用機能

(g) マーク検出モード設定
マーク検出データの格納方法を設定します。
① 直接指定
モード 設定回数 マーク検出動作 マーク検出データ格納方法
常時検出モード ― 常時マーク検出 マーク検出データ格納デバイスに上書き
指定回数分マーク検出
(マーク検出回数カウン
指定回数モード 1~8192 タが設定回数以上の場
合は,マーク検出を行い 下記デバイスエリアに格納
ません。) 「マーク検出データ格納デバイス+
常時マーク検出 マーク検出回数カウンタ×
( 設 定 回数 分の リン グ マーク検出データサイズ」
リングバッファ
1~8192 バッファとして,マーク
モード
検出データ格納デバイ
スを使用します。)

② 間接指定
ワードデバイス 設定範囲 備 考
*1
D 0~8191 ・1ワードデバイスとして使用されます。
W 0~1FFF ・マーク検出モードを下記の設定値で指定します。
# 0~9215 0 :常時検出モード
1~8192 :指定回数モード
(指定回数を設定します。)
-8192~-1:リングバッファモード
U□\G 10000~(10000+p-1)*2 (バッファ回数を負数にした値を設
定します。)
上記以外 :マーク検出無効
・設定値は演算周期ごとに取込まれます。
*1:SV22アドバンスト同期制御では,D0~D19823の範囲が有効です。
*2:pは各号機のマルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由点数です。

4 - 87
4.補助/応用機能

(h) マーク検出回数カウンタ
マーク検出時に+1されるカウンタです。指定回数モードやリングバッファ
モードでマーク検出する場合は,あらかじめユーザプログラムで初期値(0な
ど)を設定してください。
常時検出モードを設定した場合は,省略可能です。
ワードデバイス 設定範囲 備 考
D 0~8191*1 ・1ワードデバイスとして使用されます。
W 0~1FFF ・マーク検出データ格納後,下記のように更新され
# 0~9215 ます。
常時検出モード:0~65535
カウンタ値が+1されます。
65535を超えると0に戻ります。
指定回数モード:0~(指定回数)
U□\G 10000~(10000+p-1)*2
カウンタ値が+1されます。
リングバッファモード:0~(バッファ回数-1)
カウンタ値が+1されます。カウンタ値がバッ
ファ回数以上になった場合,0に戻ります。
*1:SV22アドバンスト同期制御では,D0~D19823の範囲が有効です。
*2:pは各号機のマルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由点数です。

(i) マーク検出現在値モニタデバイス
マーク検出するデータの現在値をモニタすることができます。
本設定は省略可能です。
ワードデバイス 設定範囲*1 備 考
D 0~8191*2
W 0~1FFF モニタ値は演算周期ごとに更
# 0~9215 新されます。
U□\G 10000~(10000+p-1)*3

*1:32ビット整数型/64ビット浮動小数点型の場合,デバイスの始まりは偶数番号としてください。
*2:SV22アドバンスト同期制御では,D0~D19823の範囲が有効です。
*3:pは各号機のマルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由点数です。

(j) マーク検出信号ステータス
マーク検出信号のON/OFF状態をモニタすることができます。本設定は省略可
能です。
ビットデバイス 設定範囲 備 考
X 0~1FFF*1
Y 0~1FFF
ON/OFF状態が演算周期ごとに
M 0~8191
反映されます。
B 0~1FFF
U□\G 10000.0~(10000+p-1).F*2

*1:モーションCPU内蔵I/F(DI)に割り付けた入力デバイス(PXn+0~PXn+F)では,PXn+4~PXn+Fの
範囲は0固定となり使用できません。(n=先頭入力番号)
*2:pは各号機のマルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由点数です。

4 - 88
4.補助/応用機能

4.15 高速入力要求信号設定(SV22アドバンスト同期制御のみ) QDS Ver.!

高速入力要求信号の割当てを設定します。
高速入力要求信号は,同期制御のクラッチON/OFF動作や同期エンコーダ軸のカウン
タイネーブル/カウンタディセーブル/現在値変更動作を高精度に制御するための信
号です。
高速入力要求信号にQ173DPX(TREN1)を使用し,同期エンコーダ軸の現在値変更を行
う例を以下に示します。

[Md.320]同期エンコーダ軸
現在値
(D13240+20n,D13241+20n)

t
ON *1
高速入力要求信号3
(Q173DPX(TREN1)) OFF
ON
高速入力要求信号有効フラグ OFF
ON
高速入力要求信号ステータス OFF

[Cd.320]同期エンコーダ軸
103:高速入力要求信号3
制御始動条件(D14822+10n)

[Cd.321]同期エンコーダ軸
0:現在値変更
制御方法(D14823+10n)
*1:TREN1信号の入力信号検出方向をA接点に設定

(1) 高速入力要求信号設定
高速入力要求信号設定データ一覧を下記に示します。
最大32信号が登録できます。
No. 項 目 設定範囲
1 高速入力要求信号*1 モーションCPU内蔵I/F(DI)/Q172DLX(DOG/CHANGE)/Q172DEX(TREN)/Q173DPX(TREN)
2 高速入力要求信号補正時間 -5000000~5000000[μs]/ワードデバイス(D,W,#,U□\G)
3 高速入力要求信号有効フラグ -*2/ワードデバイス(D,W,#,U□\G)
4 高速入力要求信号ステータス -*2/ビットデバイス(X,Y,M,B,U□\G)

*1:モーションCPU内蔵I/F(DI)の入力信号検出方向は,システム設定の“CPU設定”にて設定してください。
Q172DLX(DOG/CHANGE)の入力信号検出方向は,システム設定で“モーションスロット設定”→“Q172DLX”を選択し,
詳細設定にて設定してください。
Q172DEX(TREN)の入力信号検出方向は,システム設定で“モーションスロット設定”→“Q172DEX”を選択し,詳細設
定にて設定してください。
Q173DPX(TREN)の入力信号検出方向は,Q173DPXのディップスイッチにて設定してください。
*2:省略可

Ver.! :ソフトウェアの対応バージョンについては,1.5節を参照してください。

4 - 89
4.補助/応用機能

(a) 高速入力要求信号
高速入力要求信号の入力信号を設定します。
① モーションCPU内蔵I/F
ユニットNo.
入力ユニット 信号 信号No. 検出精度[μs] 信号検出方向(立上り/立下り)
Q173DSCPU Q172DSCPU
システム設定の“CPU設定”にて
モーションCPU内蔵I/F DI ─ 1~4 30
設定

② Q172DLX/Q172DEX/Q173DPX
Q172DLX(DOG/CHANGE)/Q172DEX(TREN)/Q173DPX(TREN)を使用する場合,基
本ベースユニットに装着してください。増設ベースユニットに装着した場
合,高速入力要求信号は使用できません。
入力 ユニットNo. 信号検出方向
信号 信号No. 検出精度[μs]
ユニット Q173DSCPU Q172DSCPU (立上り/立下り)
システム設定の“モーション
Q172DLX DOG/CHANGE 1~4 1~2 1~8 スロット設定”→“Q172DLX”
を選択し,詳細設定にて設定
・入力応答時間0.4[ms]:69
システム設定の“モーション
・入力応答時間0.6[ms]:133
Q172DEX TREN 1~6 1~2 スロット設定”→“Q172DEX”
・入力応答時間1.0[ms]:261
を選択し,詳細設定にて設定
Q173DPXのディップスイッチ
Q173DPX TREN 1~4 1~3
にて設定

(b) 高速入力要求信号補正時間
高速入力要求信号の入力タイミングを補正します。
センサ入力の遅れなどを補正する場合に設定してください。
遅れを補正する場合は正の値,進みを補正する場合は負の値を設定してくだ
さい。
ただし,高速入力要求ステータスは設定値に関係なく,信号状態をそのまま
出力します。

間接指定にて補正時間を-5000000以下に設定すると「-5000000」,5000000
以上を設定すると「5000000」として補正します。
① 直接指定
設定範囲
-5000000~5000000[μs]

② 間接指定
ワードデバイス 設定範囲*1 備 考
D 0~8191
W 0~1FFF 設定値は演算周期ごとに取込
# 0~9215 まれます。
U□\G 10000~(10000+p-1)*2

*1:デバイスの始まりは偶数番号としてください。
*2:pは各号機のマルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由点数です。

4 - 90
4.補助/応用機能

(c) 高速入力要求信号有効フラグ
ONの間だけ高速入力要求信号が有効になります。
OFFの間は高速入力要求信号が無効になります。本設定は省略可能です。
省略した場合は常時高速入力要求信号が有効になります。
ビットデバイス 設定範囲 備 考
*1
X 0~1FFF
Y 0~1FFF
高速入力要求信号検出時に
M 0~8191
ON/OFF指令が取込まれます。
B 0~1FFF
U□\G 10000.0~(10000+p-1).F*2

*1:モーションCPU内蔵I/F(DI)に割り付けた入力デバイス(PXn+0~PXn+F)では,PXn+4~PXn
+Fの範囲は0固定となり使用できません。(n=先頭入力番号)
*2:pは各号機のマルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由点数です。

(d) 高速入力要求信号ステータス
高速入力要求信号のON/OFF状態をモニタすることができます。
高速入力要求信号有効フラグの状態に関係なくON/OFF状態をモニタできます。
本設定は省略可能です。
ビットデバイス 設定範囲 備 考
X 0~1FFF*1
Y 0~1FFF
ON/OFF状態が演算周期ごとに
M 0~8191
反映されます。
B 0~1FFF
U□\G 10000.0~(10000+p-1).F*2

*1:モーションCPU内蔵I/F(DI)に割り付けた入力デバイス(PXn+0~PXn+F)では,PXn+4~PXn
+Fの範囲は0固定となり使用できません。(n=先頭入力番号)
*2:pは各号機のマルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由点数です。

ポイント
高速入力要求信号の検出が不要な状態([St.380]同期制御中(M10880+n)がOFF,
または[Rq.320]同期エンコーダ軸制御要求(M11601+4n)がOFFの状態など)で信
号が入力されるときは,高速入力要求信号有効フラグをOFFし,検出が必要な状態
となったときにONしてください。

4 - 91
4.補助/応用機能

4.16 ドライバ間通信機能 QDS Ver.!

ドライバ間通信機能は,サーボアンプの「マスタ/スレーブ運転機能」により,マ
スタ軸をモーションCPUで制御し,スレーブ軸はモーションCPUを介さずにサーボアン
プ間のデータ通信(ドライバ間通信)により制御する機能です。
1本のボールねじに対して,ベルトなどを介して複数のモータで駆動する場合などに
使用します。
サーボアンプのバージョンにより,使用できる機能に制約があります。詳細につい
ては,サーボアンプの技術資料集を参照してください。
マスタ軸とスレーブ軸に設定可能な軸数を以下に示します。

設定可能な軸数の組み合せ
SSCNETⅢ(/H)
形 名 制御軸数 マスタ軸数 備 考
系統数 スレーブ軸数
SSCNETⅢ*1 SSCNETⅢ/H*2
Q173DSCPU 2系統 32軸 1~8軸 1~16軸 マスタ軸,スレーブ軸以外の軸

Q172DSCPU 1系統 16軸 1~4軸 1~8軸 は,単独軸として使用可能

─:制約なし
*1:マスタ軸は一系統あたり4軸まで設定可能です。
*2:マスタ軸は一系統あたり8軸まで設定可能です。

ポイント
ドライバ間通信機能はMR-J3-□BとMR-J4-□Bにて有効です。MR-J3-□B互換モード
を含めた,MR-J4W-□BとMR-J3W-□Bでは使用できません。

Ver.! :ソフトウェアの対応バージョンについては,1.5節を参照してください。

4 - 92
4.補助/応用機能

4.16.1 制御内容

マスタ軸とスレーブ軸の設定は,サーボパラメータで設定します。
モーションCPUの各制御は,マスタ軸に対して行います。(ただし,スレーブ軸のサー
ボON/OFFとサーボエラー発生時のエラーリセットは,スレーブ軸で行う必要がありま
す。)
マスタ軸に設定したサーボアンプは,モーションCPUからの指令(位置指令,速度指
令,トルク指令)を受信し,サーボアンプのドライバ間通信でスレーブ軸に設定した
サーボアンプへ制御データを送信します。
スレーブ軸に設定したサーボアンプは,サーボアンプのドライバ間通信によりマス
タ軸から送信された制御データにより制御されます。
モーションCPU

サーボアンプ マスタ軸 :モーションCPUからの位置指令/速度指令/トルク指令を受信


MR-J3-□B/MR-J4-□B スレーブ軸:マスタ軸からドライバ間通信により制御データを受信

SSCNETⅢ(/H) マスタ軸 スレーブ軸1 スレーブ軸2 スレーブ軸3

[ドライバ間通信] [ドライバ間通信] [ドライバ間通信]


制御データ1
制御データ2 制御データ2
制御データ3 制御データ3 制御データ3

位置指令/
速度指令/
トルク指令

d1 d2 d3 d4

軸1 軸2 軸3 軸4
ABS/INC INC INC INC

ポイント
サーボアンプの故障によるSSCNETⅢ(/H)通信断時は,故障軸以降との通信が行えま
せん。そのため,SSCNETⅢケーブルの接続順序はマスタ軸をモーションCPUに一番
近い位置に接続してください。

4 - 93
4.補助/応用機能

4.16.2 制御上の注意事項

注意
● ドライバ間通信による運転中にスレーブ軸にてサーボエラーが発生しても,サーボプログラムによる位
置決めやJOG運転を中断しません。ユーザプログラムにて停止させてください。

(1) サーボアンプ
(a) ドライバ間通信を行う軸には,ドライバ間通信に対応したサーボアンプを使
用してください。

(b) ドライバ間通信機能はMR-J3-□BとMR-J4-□Bにて有効です。MR-J3-□B互換
モードを含めた,MR-J4W-□BとMR-J3W-□Bでは使用できません。

(c) マスタ軸とスレーブ軸は,SSCNETⅢ(/H)の同一系統内に接続してください。

(d) マスタ軸とスレーブ軸の組み合せは,サーボパラメータにて設定します。
サーボパラメータをモーションCPUに書込み後,マルチCPUシステムの電源再
投入,またはリセットで有効になります。

(e) ドライバ間通信機能における,SSCNETⅢとSSCNETⅢ/Hの通信方式による違い
を以下に示します。
通信方式
SSCNETⅢ SSCNETⅢ/H
全ドライバ間通信設定軸と接続確認でき
るまで,サーボアンプが運転可能な状態
マルチCPUシステムの 全システム設定軸と接続確認できるま
になりません。
電源投入後のサーボ で,サーボアンプが運転可能な状態にな
単独運転軸(ドライバ間通信未設定軸)
アンプとの通信 りません。
に関しては,ネットワーク確立後も接続
することができます。
SSCNET系統の先頭軸(モーションCPUと直
接接続しているサーボアンプ)でのみ,
切断/再接続することができます。
SSCNET系統の先頭軸(モーションCPUと直
また,先頭軸以外の単独運転軸(ドライ
接接続しているサーボアンプ)でのみ,
サーボアンプとの バ間通信未設定軸)のみを切断した場合
切断/再接続することができます。
切断/再接続 も再接続することができます。ただし,
先頭軸以外のサーボアンプで,切断する
ドライバ間通信設定軸を切断した場合,
ことは可能ですが,再接続はできません。
切断後に接続したサーボアンプとは通信
を行いません。(サーボアンプのLED表示
は,“AA”のままとなります。)

4 - 94
4.補助/応用機能

(f) サーボアンプとの通信開始時にドライバ間通信設定した軸がすべて検出され
ないと,その系統は単独軸を含めて全接続軸が運転可能になりません。(サー
ボアンプのLED表示は,「Ab」のままとなります。)
SSCNET系統の運転可能状態は,下記のSSCNETⅢ系統検索中フラグ(SM532,
SM533)で確認してください。
単独運転軸とドライバ間通信設定軸の全軸が接続された場合にSSCNETⅢ系統
検索中フラグ(SM532,SM533)がOFFします。
デバイス番号 信号名称 内 容 セット側
・1系統目/2系統目にシステム設定されている軸
SSCNETⅢ系統検索中
SM532 を検索中にONする。
フラグ(1系統目)
・1系統目/2系統目にシステム設定されているす S
べての軸を検出するとOFFする。 (状態変化)
SSCNETⅢ系統検索中
SM533 OFF:検索完了
フラグ(2系統目)
ON :検索中

(2) スレーブ軸の位置決め制御に使用する位置決め専用デバイス
スレーブ軸では,以下の位置決め専用デバイスのみ有効となります。
以下のデバイス以外は使用しないでください。
(a) 各軸ステータス
・零点通過(M2406+20n)*1
・サーボエラー検出(M2408+20n)
・サーボレディ(M2415+20n)
*1:スレーブ軸は,原点復帰できないため制御には使用しません。

(b) 各軸指令信号
・サーボエラーリセット指令(M3208+20n)
・サーボOFF指令(M3215+20n)

(c) 各軸モニタデバイス
・サーボエラーコード(D8+20n)
・トルク制限値(D14+20n)

(d) 制御変更レジスタ
制御変更レジスタ(D640+20n,D641+20n)でスレーブ軸に該当するデバイ
スは無効となります。
仮想モードでの制御変更レジスタ(D640+20n,D641+20n)は仮想サーボに
対して有効となります。

(e) 共通デバイス
下記の共通デバイスでスレーブ軸に該当するものは使用できません。
インターロック条件に使用しないでください。
・始動受付けフラグ(M2001~M2032)
・速度変更受付け中フラグ(M2061~M2092)
・自動減速中フラグ(M2128~M2159)
・速度変更「0」受付け中フラグ(M2240~M2271)
・制御ループモニタステータス(M2272~M2303)

4 - 95
4.補助/応用機能

(3) 現在位置管理
(a) スレーブ軸は,サーボパラメータの「絶対位置検出システム(PA03)」に「0:
インクリメンタルシステムで使用する」を設定してください。

(b) スレーブ軸はトルク制御となり,マスタ軸からの入力による動作のため,送
り現在値,偏差カウンタは,更新されません。ただし,実現在値は更新され
ます。
(サーボON中,送り現在値はモータ移動量を反映した値となりません。サーボ
OFFすると,送り現在値はモータ移動量を反映した値となります。偏差カウン
タは常時0となります。)

(c) スレーブ軸の原点復帰要求(M2409+20n)は常時ONとなりますが,スレーブ
の制御に影響ありません。

(d) スレーブ動作中,下記スレーブ軸の外部信号,パラメータは無効となります。
・上限ストロークリミット信号(FLS)
・下限ストロークリミット信号(RLS)
・停止信号(STOP)
・固定パラメータのストロークリミット上限値/下限値

(e) スレーブ軸を,マスタ軸とのドライバ間通信以外の方法で動作させないでく
ださい。ドライバ間通信以外で動作させると,サーボアンプへの指令は無効
となりますが,送り現在値等の現在位置管理の保証ができません。

(4) サーボプログラム
スレーブ軸はサーボプログラムの始動軸に設定しないでください。
スレーブ軸を始動した場合,サーボアンプへの位置指令は無効となります。

(5) メカ機構プログラム
(a) スレーブ軸は,メカ機構プログラムの出力モジュール,またはリアルモード
軸に設定しないでください。スレーブ軸をメカ機構プログラムの出力モ
ジュール,またはリアルモード軸に設定した場合,サーボアンプへの位置指
令は無効となります。

(b) ドライバ間通信による運転中にスレーブ軸にてサーボエラーが発生しても,
メカ機構プログラムで設定した「エラー時の運転モード」の対象となりませ
ん。ユーザプログラムにてエラー発生時の対応を行ってください。

(6) アドバンスト同期制御
(a) マスタ軸をサーボ入力軸,または出力軸に設定できます。

(b) スレーブ軸をサーボ入力軸に設定した場合,[Pr.300]サーボ入力軸種別を
「2:実現在値」,または「4:フィードバック値」に設定してください。
それ以外に設定した場合,スレーブ軸は入力軸として動作しません。

(c) スレーブ軸を出力軸に設定しないでください。
スレーブ軸を出力軸に設定した場合,サーボアンプへの位置指令は無効とな
ります。

4 - 96
4.補助/応用機能

(7) モーション専用シーケンス命令
スレーブ軸に対し,以下のモーション専用シーケンス命令を実行しないでくださ
い。実行した場合,無効となります。
・D(P).SVST(指定されたサーボプログラムの起動要求)
・D(P).CHGV(指定軸の速度変更要求)

(8) モーションSFCプログラム
スレーブ軸に対し,以下の命令を実行しないでください。実行した場合,無効と
なります。
・CHGV(速度変更要求)
・CHGP(目標位置変更要求)

(9) マスタ軸の制御モード
マスタ軸の制御モード切換えは,位置制御モード,速度制御モード,トルク制御
モードのへ切換えが可能です。マスタ軸に対して押当て制御モードへの切換えを
行った場合,軽度エラー(エラーコード:155)となり,制御モードは切換りませ
ん。

(10) スレーブ軸の制御モード
(a) スレーブ軸は常時トルク制御モードで制御されるため,サーボステータス1
(#8010+20n)の制御モード(b2,b3)がトルク制御モード中([0,1])にな
ります。

(b) スレーブ軸を速度・トルク制御で動作させないでください。
スレーブ軸に対して制御モードの切換えを行った場合,または,速度・トル
ク制御で動作させた場合,サーボアンプへの速度・トルク制御による指令は
無効となります。

4 - 97
4.補助/応用機能

4.16.3 サーボパラメータ

マスタ/スレーブ運転を行う軸には,以下のサーボパラメータを設定します。(設
定内容の詳細は,サーボアンプの技術資料集を参照してください。)

設定範囲
No. 項 目 設定内容
MR-J3-□B MR-J4-□B
強制停止入力,強制停止減速機能を設定しま
す。
PA04 機能選択A-1 0000h~2100h 0000h~2100h
*:強制停止減速機能選択は,「0:強制停
止減速機能無効」を設定してください。
PD15 ドライバ間通信設定 マスタ軸,スレーブ軸を設定します。 0000h~0011h 0000h~0011h
ドライバ間通信
PD16 0000h~FFFFh 0000h~FFFFh
マスタ設定時 送信データ選択1 マスタ軸設定時,送信するデータを設定しま
ドライバ間通信 す。
PD17 0000h~FFFFh 0000h~FFFFh
マスタ設定時 送信データ選択2
ドライバ間通信 スレーブ軸設定時,マスタ軸の軸番号(d1~
PD20 0~16 0~32
スレーブ設定時 マスタ軸No.選択1 d16)を設定します。
マスタ軸から受信したトルク指令値に対し
マスタ/スレーブ運転
PD30 て,内部のトルク指令に反映する係数を設定 0000h~01FFh 0~500
スレーブ側 トルク指令係数
します。
マスタ軸から受信した速度制限指令値に対
マスタ/スレーブ運転
PD31 して,内部の速度制限値に反映する係数を設 0000h~01FFh 0~500
スレーブ側 速度制限係数
定します。
マスタ/スレーブ運転
PD32 内部の速度制限値の最低値を設定します。 0000h~7FFFh 0~32767
スレーブ側 速度制限調整値

ポイント
サーボパラメータはモーションCPUに書込み後,マルチCPUシステムの電源再投入,
またはリセットで有効になります。

4 - 98
4.補助/応用機能

4.17 モーションCPU管理のインテリジェント機能ユニット

モーションCPUは,インテリジェント機能ユニット(一部ユニットを除く)の管理CPU
として使用することができます。
インテリジェント機能ユニットは,合計4台まで使用可能です。
モーションCPUで管理可能なインテリジェント機能ユニットを表4.1にします。

表4.1 モーションCPU管理可能なインテリジェント機能ユニット一覧
使用可能台数
ユニット名 形 名 点 数 Q173DSCPU/ Q173DCPU(-S1)/ 備 考
Q172DSCPU Q172DCPU(-S1)
Q68ADV
Q62AD-DGH
Q66AD-DG
アナログ入力ユニット Q68ADI
Q64AD
Q64AD-GH
合計 4台まで
Q68AD-G
(256点以内)
Q68DAVN 16点
Q68DAIN
Q62DAN
アナログ出力ユニット
Q62DA-FG
Q64DAN
Q66DA-G
アナログ入出力ユニット Q64AD2DA
QD62D 一致検出割込み機能は使用不可。
高速カウンタユニット 合計 4台まで
一致検出割込み機能,周期経過時割込
Ver.! QD65PD2 (256点以内*1)
み機能は使用不可。
QD75P1
QD75P2
QD75P4
QD75D1
位置決めユニット
QD75D2
Ver.! ─
QD75D4
32点
QD75MH1
QD75MH2
QD75MH4
QD77MS2
シンプルモーション
QD77MS4
ユニット Ver.!
QD77MS16
変位センサコントロール UQ1-01 オプテックス・エフエー株式会社製。
ユニット Ver.! UQ1-02 専用設定ソフトは使用不可。

*1:入出力点数は「モーションCPU内蔵I/F(入力点数 4点)+入出力ユニット+インテリジェント機能ユニット」の合計です。

Ver.! :ソフトウェアの対応バージョンについては,1.5節を参照してください。

4 - 99
4.補助/応用機能

(1) 設定方法
インテリジェント機能ユニットは,モーションスロット設定にてインテリジェン
ト機能ユニットの「汎用」,「アナログ入力」,「アナログ出力」を選択し,詳
細設定を設定します。
操作方法の詳細は,MT Developer□のヘルプを参照してください。

インテリジェント機能
ユニットを選択

<画面:MT Developer2>

ポイント
(1) モーションCPUで使用できるユニット(Q172DLX,Q173DPX,Q172DEX,QI60等)
は,インテリジェント機能ユニットとして設定できません。インテリジェント
機能ユニットとして設定した場合,システム設定エラーとなります。
(2) 「エラー時出力モード」設定の有効/無効は,インテリジェント機能ユニット
ごとに異なります。詳細は,各インテリジェント機能ユニットのマニュアルを
参照してください。

(2) インテリジェント機能ユニットへのアクセス
モーションSFCプログラムのFROM命令,TO命令を使用してインテリジェント機能ユ
ニットのバッファメモリにアクセスできます。
また,システム設定で設定した先頭I/O番号にてインテリジェント機能ユニットの
入出力信号をアクセスできます。

ポイント
FROM命令,TO命令は,2ワード以上のデータを読出す,または,書込む場合,バッ
ファメモリの先頭アドレスが偶数アドレスであれば,2ワード単位でのデータの読
出し/書込みを保証します。

4 - 100
4.補助/応用機能

(3) 使用例
Q64AD2DAを使用した例を下記に示します。
(a) 詳細設定
設定項目 設定内容
先頭I/O番号 0030
点数 16点
入力形式 16進
スイッチ1 02A0H(CH1~CH4:入力レンジ設定)
スイッチ2 0020H(CH5,CH6:出力レンジ設定)
スイッチ設定
スイッチ3 0010H(CH5,CH6:アナログ出力HOLD/CLEAR機能)
スイッチ4 0100H(高分解能モード設定)
スイッチ5 0000H(0固定)
エラー時出力モード クリア

(b) モーションSFCプログラム

PX30*!PY39*PX39 //ユニットレディかつ動作条件設定要求OFFかつ
動作条件設定完了ON?

//初期設定プログラム
#0=0
TO H30,0,#0,1 //CH1 A/D変換許可(バッファメモリ0に書込み)
TO H30,200,#0,1 //CH2 A/D変換許可(バッファメモリ200に書込み)
#0=2 //CH2 平均処理設定
#1=50 //CH2 平均処理設定
TO H30,201,#0,2 //バッファメモリ201~202に書込み
#0=0 //CH2 A/D変換スケーリング機能の設定
#1=1000 //CH2 A/D変換スケーリング機能の設定
#2=5000 //CH2 A/D変換スケーリング機能の設定
TO H30,210,#0,3 //バッファメモリ210~212に書込み
#0=0 //CH3 A/D変換許可
#1=3 //CH3 平均処理設定
#2=10 //CH3 平均処理設定
TO H30,400,#0,3 //バッファメモリ400~402に書込み
#0=1 //CH3 入力信号異常検出の初期設定
#1=100 //CH3 入力信号異常検出の初期設定
TO H30,420,#0,2 //バッファメモリ420-421に書込み
#0=0
TO H30,800,#0,1 //CH5 D/A変換許可(バッファメモリ800書込み)
TO H30,1000,#0,1 //CH6 D/A変換許可(バッファメモリ1000書込み)
#0=0 //CH6 D/A変換スケーリング機能の設定
#1=1000 //CH6 D/A変換スケーリング機能の設定
#2=5000 //CH6 D/A変換スケーリング機能の設定
TO H30,1010,#0,3 //バッファメモリ1010~1012に書込み
SET PY39 //動作条件設定要求をONする

!PX39 //動作条件設定完了OFF?

RST PY39 //動作条件設定要求をOFFする

4 - 101
4.補助/応用機能

4.18 SSCNETⅢ/Hヘッドユニットの接続 QDS Ver.!

Q173DSCPU/Q172DSCPU(SV13/SV22)に,MELSEC-Lシリーズ SSCNETⅢ/Hヘッドユニッ
ト(LJ72MS15)を接続することができます。

4.18.1 システム構成

SSCNETⅢ/Hヘッドユニットを使用したシステム構成を以下に示します。
モーションCPUユニット
Q17□DSCPU
I/Oユニット,
インテリジェント
サーボアンプ SSCNETⅢ/H 機能ユニット
MR-J4(W)-□B ヘッドユニット
LJ72MS15

SSCNETⅢ/H

MT Developer2

GX Works2
サーボアンプ
MR-J4(W)-□B SSCNETⅢ/Hヘッドユニット
LJ72MS15

SSCNETⅢ/H

Q173DSCPU:2系統(最大8局(1系統最大4局))
Q172DSCPU:1系統(最大4局)

Q173DSCPU:2系統(最大32軸(1系統最大16軸))
Q172DSCPU:1系統(最大16軸)

ポイント
SSCNETⅢ/HヘッドユニットおよびSSCNETⅢ/Hヘッドユニットに装着したユニット
のパラメータは,GX Works2で設定します。
SSCNETⅢ/Hヘッドユニットの詳細については,「MELSECーL SSCNETⅢ/Hヘッドユニッ
トユーザーズマニュアル」を参照してください。

Ver.! :ソフトウェアの対応バージョンについては,1.5節を参照してください。

4 - 102
4.補助/応用機能

4.18.2 SSCNETⅢ/Hヘッドユニットのパラメータ

(1) パラメータ設定
SSCNETⅢ/Hヘッドユニットを使用するためのパラメータを設定します。
パラメータは,MT Developer2で設定します。
パラメータの設定項目について表4.2に示します。

表4.2 SSCNETⅢ/Hヘッドユニットのパラメータ一覧
No. 項 目 設定範囲 初期値
1 有効設定 0:無効/1:有効 0:無効
2 局番 1~64 ─
3 軸No. 0~8 ─
ビットデバイス:X,Y,M,B
デバイス名 ─
ワードデバイス:D,W,#,U□\G
CPU側リフレッシュ ビットデバイス:16~512
点数 ─
4 デバイス設定 ワードデバイス: 1~ 32
(RX,RWr,RY,RWw) X0~X1FFF/Y0~Y1FFF/M0~M8191/B0~B1FFF/
先頭 D0~D8191*1/#0~#9215/W0~W1FFF/ ─
U□\G10000~(U□\G10000+p-1)*2
M0~M8176/B0~B1FFF/
5 ステータスデバイス ─
D0~D8191/#0~#9215/W0~W1FFF/U□\G10000~(U□\G10000+p-1)*2
*2
6 モニタデバイス D0~D8191/#0~#9215/W0~W1FFF/U□\G10000~(U□\G10000+p-1) ─
M0~M8176/B0~B1FFF/
7 指令デバイス ─
D0~D8191/#0~#9215/W0~W1FFF/U□\G10000~(U□\G10000+p-1)*2

*1:SV22アドバンスト同期制御では,D0~D19823の範囲が有効です。
*2:pは各号機のマルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由点数です。

ポイント
(1) 演算周期設定により1系統のSSCNETⅢ/Hに接続可能なSSCNETⅢ/Hヘッドユニッ
トの局数は以下となります。
演算周期[ms] 接続局数
0.88 最大4局
0.44 最大2局
0.22 最大1局

(a) 有効設定
SSCNETⅢ/Hヘッドユニットの無効/有効を設定します。
・0:無効············· SSCNETⅢ/Hヘッドユニットを使用しません。
・1:有効············· SSCNETⅢ/Hヘッドユニットを使用します。

4 - 103
4.補助/応用機能

(b) 局番
SSCNETⅢ/Hヘッドユニットの局番を設定します。
系統1と系統2で同一局番を使用できます。
サーボアンプの軸番号と同一の局番号の使用はできません。
(例) アンプ設定「d01」を使用時,局番号に「1」は設定不可
設定範囲
1~64

(c) 軸No.
SSCNETⅢ/Hヘッドユニットの軸No.を設定します。
(モーションSFCプログラムでは,本番号を用いて指定します。)
系統1と系統2で同一軸No.は使用できません。
モーション軸No.と同一の軸No.は使用可能です。
軸No.に「0」を設定した局とは通信は行いません。(予約用として使用してく
ださい。)
軸No.0は重複可能です。
設定範囲
0~8

(d) CPU側リフレッシュデバイス設定
リンクデータの格納用デバイス(RX,RWr,RY,RWw)を設定します。
SSCNETⅢ/Hヘッドユニットとのサイクリック伝送により,自動リフレッシュ
を使用してモーションCPUのデバイスを設定します。
モーションCPUのリンクデバイス(RX,RWr,RY,RWw)は,
MT Developer2で自動的に割り当てられます。

ポイント
モーションCPUのリンクデバイス(RX,RWr,RY,RWw)はモーションCPUの内部処理
でのみ使用します。
モーションSFCプログラムなどのユーザデータには,使用できません。

① デバイス名
リンクデータを格納するデバイス名を設定します。
・ビットデバイス:X,Y,M,B
・ワードデバイス:D,W,#,U□\G
② 点数
リンクデータを格納するデバイスの点数をワード単位で設定します。
ビットとワードの点数の合計が64バイト以下としてください。
デバイス 設定範囲
*1
ビットデバイス(X,Y,M,B) 16~512
ワードデバイス(D,W,#,U□\G) 1~32
*1:16点(1ワード)単位で設定してください。

4 - 104
4.補助/応用機能

③ 先頭
リンクデータを格納する先頭デバイス番号を設定します。
・ビットデバイス
ビットデバイス 設定範囲
X 0~1FFF
Y 0~1FFF
M 0~8191
B 0~1FFF

・ワードデバイス
ワードデバイス 設定範囲
D 0~8191*1
W 0~1FFF
# 0~9215
U□\G 10000~(10000+p-1)*2,*3

*1:SV22アドバンスト同期制御では,D0~D19823の範囲が有効です。
*2:pは各号機のマルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由エリア点数です。
*3:自号機のデバイスのみ設定可能です。

(e) ステータスデバイス
SSCNETⅢ/Hヘッドユニットのステータス格納用デバイスを設定します。
① 使用可能なデバイスを下記に示します。
・ビットデバイス
ビットデバイス 設定範囲*1
M 0~8191
B 0~1FFF
*1:デバイスの始まりは16点単位の番号としてください。

・ワードデバイス
ワードデバイス 設定範囲
D 0~8191
W 0~1FFF
# 0~9215
U□\G 10000~(10000+p-1)*1,*2

*1:pは各号機のマルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由エリア点数です。
*2:自号機のデバイスのみ設定可能です。

4 - 105
4.補助/応用機能

② 設定したデバイス番号からビットで16点(ワードデバイスの場合1点)を
使用します。
設定したステータスデバイスに格納する内容を以下に示します。
オフセット 信号名称 リフレッシュ周期
+0
+1
+2
+3 使用不可 ─
+4
+5
+6
+7 停止エラー中 演算周期
+8
+9
+10
+11 使用不可 ─
+12
+13
+14
+15 継続エラー中 演算周期

1) 停止エラー中
SSCNETⅢ/Hヘッドユニットにて停止エラーを検出したときにONする信
号で,エラーの有/無の判別に使用できます。
該当するエラーコードがシステム設定したSSCNETⅢ/Hヘッドユニット
のモニタデバイスのエラーコードに格納されます。
エラーリセット指令をON,またはSSCNETⅢ/Hヘッドユニットの電源を
再度投入しエラー解除するとOFFします。

2) 継続エラー中
SSCNETⅢ/Hヘッドユニットにて継続エラーを検出したときにONする信
号で,エラーの有/無の判別に使用できます。
該当するエラーコードがシステム設定したSSCNETⅢ/Hヘッドユニット
のモニタデバイスのエラーコードに格納されます。
エラーリセット指令をONまたはSSCNETⅢ/H ヘッドユニットの電源を
再度投入しエラー解除するとOFFします。

4 - 106
4.補助/応用機能

(f) モニタデバイス
SSCNETⅢ/Hヘッドユニットの状態モニタ用デバイスを設定します。
① 使用可能なデバイスを下記に示します。
・ワードデバイス
ワードデバイス 設定範囲
D 0~8191
W 0~1FFF
# 0~9215
U□\G 10000~(10000+p-1)*1,*2

*1:pは各号機のマルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由エリア点数です。
*2:自号機のデバイスのみ設定可能です。

② 指定デバイス番号からワードで10点を使用します。
設定したモニタデバイスに格納する内容を以下に示します。
オフセット 信号名称 リフレッシュ周期
+0 ユニット動作状態
演算周期
+1 エラーコード
+2 通信リトライ累積回数
通信リトライ発生時
+3 通信リトライ最大連続回数
+4
+5
+6
使用不可 ─
+7
+8
+9

1) ユニット動作状態
SSCNETⅢ/Hヘッドユニットの動作状態が格納されます。
・0:交信なし
・1:STOP状態
・2:RUN状態
・3:EEROR状態
2) エラーコード
SSCNETⅢ/Hヘッドユニットでエラーを検出したときにエラーコードが
格納されます。(継続/停止エラー共通)
エラーリセット指令をON,またはSSCNETⅢ/Hヘッドユニットの電源を
再度投入しエラー解除すると本デバイスもクリアします。
3) 通信リトライ累積回数
SSCNETⅢ/Hヘッドユニットとの間の通信リトライの累積回数を保持し
ます。
4) 通信リトライ最大連続回数
SSCNETⅢ/Hヘッドユニットとの間で通信リトライ発生時にカウントさ
れます。正常通信時,「0」となります。

4 - 107
4.補助/応用機能

(g) 指令デバイス
SSCNETⅢ/Hヘッドユニットへの指令用デバイスを設定します。
① 使用可能なデバイスを下記に示します。
・ビットデバイス
ビットデバイス 設定範囲*1
M 0~8191
B 0~1FFF
*1:デバイスの始まりは16点単位の番号としてください。

・ワードデバイス
ワードデバイス 設定範囲
D 0~8191
W 0~1FFF
# 0~9215
U□\G 10000~(10000+p-1)*1

*1:pは各号機のマルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由エリア点数です。

② 設定したデバイス番号からビットで16点(ワードデバイスの場合1点)を
使用します。
設定した指令デバイスに格納する内容を以下に示します。
オフセット 信号名称 取込周期
+0
+1
+2
+3 使用不可 ─
+4
+5
+6
+7 エラーリセット指令 メイン周期
+8
+9
+10
+11
使用不可 ─
+12
+13
+14
+15

1) エラーリセット指令
SSCNETⅢ/Hヘッドユニットのエラーコード格納デバイスのクリアとエ
ラー検出信号のリセットを行うための指令です。
エラーリセット指令時はSSCNETⅢ/Hヘッドユニットのエラー検出信号
のOFFを確認した後,本信号をOFFしてください。
なお,SSCNETⅢ/Hヘッドユニットのエラーにより,エラーリセットで
きない,またはエラーリセット条件があります。この場合,アラーム
リセット指令を行ってもエラーコード格納デバイスのクリアとエラー
検出信号のリセットは行われません。詳細は,SSCNETⅢ/Hヘッドユニッ
トのマニュアルを参照してください。

4 - 108
4.補助/応用機能

(2) パラメータの動作例
(a) SSCNET系統1にSSCNETⅢ/Hヘッドユニット2台(局番17,局番18)を設定する
場合
① パラメータ設定
パラメータの設定例を下表に示します。
CPU側リフレッシュ
リンクデバイス*1 ステータス モニタ 指令
局番 軸No. 入出力 デバイス
デバイス デバイス デバイス
デバイス名 点数 先頭 最終 点数 先頭 最終
RX 128 0000 007F → 128 M112 M239
入力
RWr 24 0000 0017 → 24 W0000 W0017
17 1 M0 D2000 M16
RY 128 0000 007F ← 128 M240 M367
出力
RWw 24 0000 0017 ← 24 W0018 W002F
RX 0 → 0
入力
RWr 32 0018 0037 → 32 D2020 D2051
18 2 M32 D2010 M48
RY 0 ← 0
出力
RWw 32 0018 0037 ← 32 D2052 D2083

*1:モーションCPUの内部処理でのみ使用し,CPU側リフレッシュデバイスに設定した点数によりMT
Developer2で自動的に割当てます。

② 動作例
パラメータの動作例を下図に示します。
SSCNETⅢ/Hヘッドユニット SSCNETⅢ/Hヘッドユニット
モーションCPU (局番17) (局番18)

M RX*1 RX RX
0000 0000 0000

M112
007F 007F

M239
M240

M367
RWr*1 RWr RWr
0000 0000 0000
0017 0017 001F
W 0018
W0000 0037
W0017
W0018
W002F
RY*1 RY RY
0000 0000 0000

007F 007F

RWw*1 RWw RWw


D2020 0000 0000 0000
D2051 0017 0017 001F
D2052 0018
D2083 0037

*1:モーションCPUの内部処理でのみ使用し,CPU側リフレッシュデバイスに設定した
点数によりMT Developer2で自動的に割当てます。
4 - 109
4.補助/応用機能

4.18.3 モーションSFCプログラムによるインテリジェント機能ユニットへのデータ操作

デバイスによるデータのリフレッシュ以外にモーションSFCプログラムのRTO命令,
RFROM命令にて,SSCNETⅢ/Hヘッドユニット上のインテリジェント機能ユニットのバッ
ファメモリへのデータ書込み/読出し操作を実行することができます。
詳細は,「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPUモーションコントローラ(SV13/SV22)プログラミ
ングマニュアル(モーションSFC編)」を参照してください。

分 類 記 号 命 令 内 容
SSCNETⅢ/Hヘッドユニットに装着されているイン
対象局のバッファメモリ
RTO テリジェント機能ユニットのバッファメモリに,
へのワードデータ書込み
ワードデイバスのデータを書込みます。
その他
対象局のバッファメモリ SSCNETⅢ/Hヘッドユニットに装着されているイン
RFROM からのワードデータ読出 テリジェント機能ユニットのバッファメモリの
し データを,ワードデバイスに読出します。

4.18.4 リフレッシュデバイスのデータ

モーションCPUの状態,またはヘッドユニットとの通信に異常があった場合,デバイ
スによるデータのリフレッシュは以下のようになります。

データのリフレッシュ
ビットデバイス
ワードデバイス
入力 出力
通信異常発生時 クリア
モーションCPU STOP時 保持
保持
モーションCPU動作停止
クリア
エラー発生時

4.18.5 SSCNETⅢ/Hヘッドユニット使用時の注意事項

(1) SSCNETⅢ/Hヘッドユニットに対して切断/再接続機能は使用できません。
切断/再接続を行った場合は,無視されます。

4 - 110
付 録

付 録

付1 特殊リレー,特殊レジスタ

付1.1 特殊リレー

特殊リレーはモーションCPU内部で仕様が決まっている内部リレーです。
したがって,モーションSFCプログラム(SV13/SV22)/モーションプログラム(SV43)
上で通常の内部リレーのように使用することはできません。ただし,必要に応じてモー
ションCPUを制御するためにON/OFFすることはできます。

一覧表の各項目の見方は以下のとおりです。

項 目 項目説明
番号 ・特殊リレーのデバイス番号を示す。
名称 ・特殊リレーの名称を示す。
内容 ・特殊リレーの内容について示す。
内容詳細 ・特殊リレー内容の詳細について説明する。

・セットする側とシステム側でセットする場合の時期について説明する。
<セット側>

S :システム側(モーションCPU)でセットする。
U :ユーザ側(モーションSFCプログラム/モーションプログラムもしくは
MT Developer□からのテスト操作)でセットする。
S/U :システム側(モーションCPU)/ユーザ側の両方でセットする。
セット側
<セット時期> システム側(モーションCPU)でセット時のみ,セット時期を示す。
(セット時期)
メイン処理 :メイン処理(CPU空き時間の処理)で繰返しセットする。
イニシャル処理:イニシャル(電源ON,リセット解除など)時のみセットする。
状態変化 :状態に変化があったときのみセットする。
エラー発生 :エラー発生時にセットする。
要求時 :ユーザから要求のあったとき(特殊リレーなどで)のみセットする。
演算周期 :モーション演算周期ごとにセットする。

付 - 1
付 録

表1.1 特殊リレー一覧
セット側
番号 名 称 内 容 内容詳細 備考
(セット時期)
・診断の結果エラーが生じればONする。
OFF:エラーなし ・以後,正常になってもONのまま保持する。
SM0 診断エラー
ON :エラーあり ・エラー内容確認後,停止エラー以外の場合は,モーションエ
ラー検出フラグ(M2039)のON→OFFでOFFすることができる。
・自己診断の結果エラーが生じればONする。
OFF:自己診断エラーなし ・以後,正常になってもONのまま保持する。
SM1 自己診断エラー
ON :自己診断エラーあり ・エラー内容確認後,停止エラー以外の場合は,モーションエ
ラー検出フラグ(M2039)のON→OFFでOFFすることができる。
OFF:正常 ・バッテリのバッテリ電圧が2.5V以下になるとONする。
SM51 バッテリ低下ラッチ
ON :バッテリ低下 ・以後,バッテリ電圧が正常になってもONのまま保持する。
OFF:正常 ・バッテリのバッテリ電圧が2.5V以下になるとONする。
SM52 バッテリ低下
ON :バッテリ低下 ・以後,バッテリ電圧が正常になるとOFFする。 S(エラー発生)
・AC電源ユニット使用時に20ms以内の瞬停があった場合にONす
OFF:AC/DC DOWNなし る。電源OFF → ONでリセットされる。
SM53 AC/DC DOWN検出
ON :AC/DC DOWNあり ・DC電源ユニット使用時に10ms以内の瞬停があった場合にONす
る。電源OFF → ONでリセットされる。
バッテリ低下警告 OFF:正常 ・バッテリのバッテリ電圧が2.7V以下になるとONする。
SM58
ラッチ ON :バッテリ低下 ・以後,バッテリ電圧が正常になってもONのまま保持する。
OFF:正常 ・バッテリのバッテリ電圧が2.7V以下になるとONする。
SM59 バッテリ低下警告
ON :バッテリ低下 ・以後,バッテリ電圧が正常になるとOFFする。
OFF:正常 ・ヒューズ断状態になっている出力ユニットが1ユニットでもあ
SM60 ヒューズ断検出 ON :ヒューズ断ユニット ればONする。
あり ・以後,正常になってもONのまま保持する。
OFF:エラーなし ・時計データ(SD210~SD213)の値にエラーを生じたときONす
SM211 時計データエラー S(要求時)
ON :エラーあり る。エラーがなければOFFする。
OFF:1号機準備未完了 ・マルチCPU間高速バスを使用する1号機CPUユニットがマルチ
SM220*1 1号機準備完了
ON :1号機準備完了 CPU間で動作可能であればONする。
OFF:2号機準備未完了 ・マルチCPU間高速バスを使用する2号機CPUユニットがマルチ
SM221*1 2号機準備完了
ON :2号機準備完了 CPU間で動作可能であればONする。
OFF:3号機準備未完了 ・マルチCPU間高速バスを使用する3号機CPUユニットがマルチ
SM222*1 3号機準備完了
ON :3号機準備完了 CPU間で動作可能であればONする。
OFF:4号機準備未完了 ・マルチCPU間高速バスを使用する4号機CPUユニットがマルチ
SM223*1 4号機準備完了
ON :4号機準備完了 CPU間で動作可能であればONする。
・1号機CPUユニットがリセット解除時にOFFする。
OFF:1号機リセット解除 ・1号機CPUユニットがリセット(CPUをベースよりはずした場合
SM240 1号機リセット中
ON :1号機リセット中 も含む)中にONする。
・他号機もリセット状態になる。
・2号機CPUユニットがリセット解除時にOFFする。
OFF:2号機リセット解除 ・2号機CPUユニットがリセット(CPUをベースよりはずした場合
SM241 2号機リセット中
ON :2号機リセット中 も含む)中にONする。
・他号機は“MULTI CPU DOWN”(エラーコード:7000)になる。
S(状態変化)
・3号機CPUユニットがリセット解除時にOFFする。
OFF:3号機リセット解除 ・3号機CPUユニットがリセット(CPUをベースよりはずした場合
SM242 3号機リセット中
ON :3号機リセット中 も含む)中にONする。
・他号機は“MULTI CPU DOWN”(エラーコード:7000)になる。
・4号機CPUユニットがリセット解除時にOFFする。
OFF:4号機リセット解除 ・4号機CPUユニットがリセット(CPUをベースよりはずした場合
SM243 4号機リセット中
ON :4号機リセット中 も含む)中にONする。
・他号機は“MULTI CPU DOWN”(エラーコード:7000)になる。
OFF:1号機正常 ・1号機CPUユニットが正常時(続行エラー時も含む)にOFFする。
SM244 1号機エラー
ON :1号機停止エラー中 ・1号機CPUユニットが停止エラー中にONする。*2
OFF:2号機正常 ・2号機CPUユニットが正常時(続行エラー時も含む)にOFFする。
SM245 2号機エラー
ON :2号機停止エラー中 ・2号機CPUユニットが停止エラー中にONする。*2
OFF:3号機正常 ・3号機CPUユニットが正常時(続行エラー時も含む)にOFFする。
SM246 3号機エラー
ON :3号機停止エラー中 ・3号機CPUユニットが停止エラー中にONする。*2
OFF:4号機正常 ・4号機CPUユニットが正常時(続行エラー時も含む)にOFFする。
SM247 4号機エラー
ON :4号機停止エラー中 ・4号機CPUユニットが停止エラー中にONする。*2
ON
SM400 常時ON ・常時ONする。
OFF
S(メイン処理)
ON
SM401 常時OFF ・常時OFFする。
OFF

付 - 2
付 録

表1.1 特殊リレー一覧(つづき)
セット側
番号 名 称 内 容 内容詳細 備考
(セット時期)
・シーケンサレディフラグ(M2000)のOFF → ON時に固定パラ
ON :PCPU準備完了 メータ,サーボパラメータ,リミットスイッチ出力データな
SM500 PCPU準備完了
OFF:PCPU準備未完了 どのチェックを行い,異常がない場合にONする。
・シーケンサレディフラグ(M2000)がOFFするとOFFする。
S(要求時)
・MT Developer□でのテストモード中か,テストモードでない
ON :テストモード中 かの判別用。
SM501 テストモード中
OFF:テストモード以外 ・MT Developer□でのテストモード要求でテストモードになら
なかった場合は,テストモード要求エラー(SM510)がONする。
ON :緊急停止入力OFF中
SM502 緊急停止入力 ・緊急停止入力ON/OFF確認用。 S(演算周期)
OFF:緊急停止入力ON中
OFF:デジタルオシロ停止中
SM503 デジタルオシロRUN中 ・MT Developer□でデジタルオシロのRUN状態確認用。
ON :デジタルオシロRUN中
OFF:カムデータ書込み中で ・カムデータ書込み(CAMWR)/カムデータ書込み(カム展開用
カムデータ書込み中
SM505 ない エリア:CAMWR2)/カム自動生成機能(CAMMK)実行によるカ S(状態変化)
QDS Ver.!
ON :カムデータ書込み中 ムデータ書込み中にONする。
緊急停止入力ONラッチ ON :緊急停止入力検出 ・緊急停止入力を検出したときにONする。
SM506
Ver.! OFF:緊急停止入力未検出 ・以後,緊急停止入力が解除されてもONのまま保持する。
ON :アンプなし運転中
SM508 アンプなし運転状態 ・アンプなし運転状態確認用。 S(メイン処理)
OFF:通常運転中
・MT Developer□でテストモード要求を行い,テストモードに
テストモード要求 ON :異常 ならなかったときにONする。
SM510
エラー OFF:正常 ・本リレーがONのとき,エラー内容がテストモード要求エラー
格納レジスタ(SD510, SD511)に格納される。
・モーションCPUの自己診断機能により, “ウォッチドグタイマー
エラー”を検出したときにONする。エラー検出時は始動中の
モーションCPU OFF:エラーなし
SM512 軸に減速なしの即停止する。
WDTエラー ON :エラーあり
・エラー要因は「モーションCPU WDTエラー要因(SD512)」に
格納される。
ON :手動パルサ軸設定レジ
・手動パルサ軸設定用レジスタ(D714~D719)の設定の正常/
スタの1データでも異
手動パルサ軸設定 異常の判別を行う。
SM513 常
エラー ・本リレーがONのとき,エラー内容が手動パルサ軸設定エラー
OFF:手動パルサ軸設定レジ S(エラー発生)
格納レジスタ(SD513~SD515)に格納される。
スタの全てが正常
サーボプログラム設定 ・モーションSFCプログラムで指定されたサーボプログラム
エラー(SV13/SV22)/ ON :異常 (K)(SV13/SV22),モーションプログラム(SV43)の位置決め用
SM516
モーションプログラム OFF:正常 データの正常/異常の判別を行い,異常がある場合にONする。
設定エラー(SV43) ・エラー内容は,SD516,SD517に格納される。
・モーションCPUユニットの温度が規定(85℃)以上になるとON
オーバーヒート警告 OFF:正常 する。
SM526
ラッチ ON :異常 以後,モーションCPUユニットの温度が正常になってもONのま
ま保持する。
・モーションCPUユニットの温度が規定(85℃)以上になるとON
OFF:正常
SM527 オーバーヒート警告 する。
ON :異常
以後,モーションCPUユニットの温度が正常になるとOFFする。
・MULTR命令によって1号機から正常にデータ読出しを行ったと
SM528 1号機MULTR完了 OFF → ON:1号機読出し完了
きにONする。
・MULTR命令によって2号機から正常にデータ読出しを行ったと
SM529 2号機MULTR完了 OFF → ON:2号機読出し完了
きにONする。
S(読出し完了)
・MULTR命令によって3号機から正常にデータ読出しを行ったと
SM530 3号機MULTR完了 OFF → ON:3号機読出し完了
きにONする。
・MULTR命令によって4号機から正常にデータ読出しを行ったと
SM531 4号機MULTR完了 OFF → ON:4号機読出し完了
きにONする。
SSCNETⅢ系統検索中 ・1系統目にシステム設定されている軸を検索中にONする。
OFF:検索完了
SM532 フラグ(1系統目) ・1系統目にシステム設定されているすべての軸を検出すると
ON :検索中
QDS Ver.! OFFする。
S(状態変化)
SSCNETⅢ系統検索中 ・2系統目にシステム設定されている軸を検索中にONする。
OFF:検索完了
SM533 フラグ(2系統目) ・2系統目にシステム設定されているすべての軸を検出すると
ON :検索中
QDS Ver.! OFFする。

Ver.! :ソフトウェアの対応バージョンについては,1.5節を参照してください。

付 - 3
付 録

表1.1 特殊リレー一覧(つづき)
セット側
番号 名 称 内 容 内容詳細 備考
(セット時期)
OFF:CPU間同期イニシャル
マルチCPU間同期制御
未完 ・マルチCPU間同期制御のイニシャル処理が完了したときにONす S
SM561 イニシャル完了フラグ
ON :CPU間同期イニシャル る。 (イニシャル処理)
QDS Ver.!
完了
OFF:無処理 ・本リレーがONのとき,時計のデータをBCD値でSD210~SD213に
SM801 時計データ読出し要求
ON :読出し要求 読出す。
急停止減速時間設定 ・本リレーがONのとき,急停止減速時間の設定値に減速時間の U
OFF:設定エラー有効
SM805 エラー無効フラグ 設定値よりも大きい値を設定した制御が可能。(サーボプロ
ON :設定エラー無効
Ver.! グラム設定エラー(エラーコード:51)は発生しない。)

*1:システム設定のマルチCPU間同期立上げ設定で,非同期とした場合のマルチCPU間高速バス対応専用命令のインターロック条件用に使用する。
*2:停止エラーを解除するためには,停止エラーの要因を取除いてから1号機をリセット → リセット解除する。

Ver.! :ソフトウェアの対応バージョンについては,1.5節を参照してください。

付 - 4
付 録

付1.2 特殊レジスタ

特殊レジスタは,モーションCPU内部で仕様が決まっている内部レジスタです。
したがって,モーションSFCプログラム(SV13/SV22)/モーションプログラム(SV43)
上で通常の内部レジスタのように使用することはできません。ただし,必要に応じて
モーションCPUを制御するためにデータを書込むことはできます。
特殊レジスタに格納されるデータは,特に指定がなければBIN値で格納されます。

一覧表の各項目の見方は以下のとおりです。
項 目 項目説明
番号 ・特殊レジスタの番号を示す。
名称 ・特殊レジスタの名称を示す。
内容 ・特殊レジスタの内容について示す。
内容詳細 ・特殊レジスタ内容の詳細について説明する。

・セットする側とシステム側でセットする場合の時期について説明する。
<セット側>
S :システム側(モーションCPU)でセットする。
U :ユーザ側(モーションSFCプログラム/モーションプログラムもしくは
MT Developer□からのテスト操作)でセットする。
S/U :システム側(モーションCPU)/ユーザ側の両方でセットする。
セット側
<セット時期> システム側(モーションCPU)でセット時のみ,セット時期を示す。
(セット時期)
メイン処理 :メイン処理(CPU空き時間の処理)で繰り返しセットする。
イニシャル処理:イニシャル(電源ON,リセット解除など)時のみセットする。
状態変化 :状態に変化があったときのみセットする。
エラー発生 :エラー発生時にセットする。
要求時 :ユーザから要求のあったとき(特殊リレーなどで)のみセットする。
演算周期 :モーション演算周期ごとにセットする。

付 - 5
付 録

表1.2 特殊レジスタ一覧
セット側
番号 名 称 内 容 内容詳細 備考
(セット時期)
・診断でエラーを生じたときのエラーコードがBINコードで格納される。
・エラーコードの詳細は,「付3」を参照してください。
SD0 診断エラー 診断エラーコード
・エラー内容確認後,停止エラー以外の場合は,モーションエラー検出
フラグ(M2039)のON→OFFでSD0~SD26をクリアすることができる。
・SD0のデータが更新された年(西暦,下2桁),月がBCDコード2桁で格
納される。
SD1 B15 ~ B8 B7 ~ B0 (例)2006年1月
年(0~99) 月(1~12) H0601

・SD0のデータが更新された日,時がBCDコード2桁で格納される。
診断エラー発生 診断エラー発生
SD2 時刻 時刻 B15 ~ B8 B7 ~ B0 (例)25日10時
日(1~31) 時(0~23) H2510

・SD0のデータが更新された分,秒がBCDコード2桁で格納される。

SD3 B15 ~ B8 B7 ~ B0 (例)35分48秒


分(0~59) 秒(0~59) H3548

・エラー共通情報(SD5~SD15),エラー個別情報(SD16~SD26)に格納
されるエラー情報が何であるかを判断する区分コードが格納される。
B15 ~ B8 B7 ~ B0
個別情報区分コード 共通情報区分コード

エラー情報区分 ・共通情報区分コードには,次のコードが格納される。 S(エラー発生)


SD4 エラー情報区分
コード 0:なし
1:ユニットNo./号機No./ベースNo.
・個別情報区分コードには,次のコードが格納される。
0:なし
5:パラメータNo.
13:パラメータNo./号機No.
SD5 ・診断エラー(SD0)に対応する共通情報が格納される。
SD6 ・SD4(共通情報区分コード)により,エラー共通情報の種別を判定する
SD7 ことができる。
SD8 1:ユニットNo./号機No./ベースNo.
SD9 マルチCPUシステムの場合は,発生したエラーにより,ユニットNo.
SD10 または号機No.が格納される。
SD11 (どちらが格納されているかは各エラーコード参照。)
SD12 1号機:1,2号機:2,3号機:3,4号機:4
エラー共通情報 エラー共通情報
SD13 番号 内 容
SD14 SD5 スロット/号機No./ベースNo.
SD6 IONo.
SD7

SD15 空き
SD15

付 - 6
付 録

表1.2 特殊レジスタ一覧(つづき)
セット側
番号 名 称 内 容 内容詳細 備考
(セット時期)
SD16 ・診断エラー(SD0)に対応する個別情報が格納される。
SD17 ・SD4(個別情報区分コード)により,エラー個別情報の種別を判定する
SD18 ことができる。
SD19 5:パラメータNo.
SD20 番号 内 容
SD21 SD16 パラメータNo.
SD22 SD17


SD23 空き
SD24 SD26
SD25 0401H :ベース設定
0406H :モーションスロット設定
0E00H :マルチCPU設定(マルチCPU台数)
0E01H :マルチCPU設定(動作モード/マルチCPU間同期立上
エラー個別情報 エラー個別情報 げ)
E008H :マルチCPU間高速通信エリア設定
(各CPU送信範囲設定/(システムエリア))
S(エラー発生)
E009H/E00AH:マルチCPU間高速通信エリア設定(自動リフレッシュ
設定)
E00BH :同期設定
SD26
13:パラメータNo./号機No.
番号 内 容
SD16 パラメータNo.
SD17 号機No.(1~4)
SD18

空き
SD26

AC/DC DOWN ・モーションCPUが動作中に,入力電圧が定格の(85%AC電源/65%DC


SD53 AC/DC DOWN回数
カウンタNo. 電源)以下になるごとに+1され,値はBINコードで格納される。
ヒューズ断
SD60 ヒューズ断No. ・ヒューズ断を生じたユニットの最若番のI/O No.が格納される。
ユニットNo.
・CPUユニットのスイッチ状態が以下の形式で格納される。
B15 B12 B11 B8 B7 B4 B3 B0

SD200 スイッチ状態 CPUスイッチ状態 未使用 ①

0:RUN
①:CPUスイッチ状態
1:STOP

・下図のようにCPUの動作状態が格納される。
S(メイン処理)
B15 B12B11 B8 B7 B4 B3 B0

② ①
SD203 CPU動作状態 CPU動作状態
①:CPU動作状態 0:RUN
2:STOP
②:STOP要因 0:RUN/STOPスイッチ
4:エラー

付 - 7
付 録

表1.2 特殊レジスタ一覧(つづき)
セット側
番号 名 称 内 容 内容詳細 備考
(セット時期)
・下図のように年(西暦,下2桁),月がBCDコードで格納される。
B15 ……… B12 B11 ……… B8 B7 ……… B4 B3 ……… B0 例)2006年,7月
時計データ H0607
SD210
(西暦,月)

年 月

・下図のように日,時がBCDコードで格納される。
B15 ……… B12 B11 ……… B8 B7 ……… B4 B3 ……… B0 例)31日,10時
時計データ H3110
SD211
(日,時)

日 時

・下図のように分,秒がBCDコードで格納される。
B15 ……… B12 B11 ……… B8 B7 ……… B4 B3 ……… B0 例)35分,48秒
時計データ
時計データ H3548 S/U(要求時)
SD212
(分,秒)

分 秒

・下図のように曜日がBCDコードで格納される。
B15 ……… B12 B11 ……… B8 B7 ……… B4 B3 ……… B0
例)金曜日
H0005

曜 日
時計データ
SD213 0 日
(曜日) 必ず“0”をセット 1 月
2 火
3 水
4 木
5 金
6 土

SD290 X割付点数 現在設定されているデバイスXの点数が格納される。


SD291 Y割付点数 現在設定されているデバイスYの点数が格納される。
SD292 M割付点数 現在設定されているデバイスMの点数が格納される。
SD293 L割付点数 現在設定されているデバイスLの点数が格納される。
SD294 B割付点数 現在設定されているデバイスBの点数が格納される。
SD295 F割付点数 現在設定されているデバイスFの点数が格納される。
SD296 SB割付点数 現在設定されているデバイスSBの点数が格納される。
SD297 デバイス割付 V割付点数 現在設定されているデバイスVの点数が格納される。
SD298 S割付点数 現在設定されているデバイスSの点数が格納される。 S(イニシャル処理)
SD299 T割付点数 現在設定されているデバイスTの点数が格納される。
SD300 ST割付点数 現在設定されているデバイスSTの点数が格納される。
SD301 C割付点数 現在設定されているデバイスCの点数が格納される。
SD302 D割付点数 現在設定されているデバイスDの点数が格納される。
SD303 W割付点数 現在設定されているデバイスWの点数が格納される。
SD304 SW割付点数 現在設定されているデバイスSWの点数が格納される。
マルチCPU号機
SD395 マルチCPU号機番号 ・自号機の号機番号を格納する。
番号
・リアルモードから仮想モード切換え時に,リアルモード軸として使用
する軸の情報(リアルモード軸以外:0/リアルモード軸:1)が格納
される。
SD500 リアルモード軸 リアルモード軸 S
SD500:b0~b15(軸1~16)
SD501 情報レジスタ 情報レジスタ (仮想モード移行時)
SD501:b0~b15(軸17~32)
・仮想モードからリアルモード切換え時,リアルモード軸情報は変化し
ない。
・サーボアンプの実装状態(実装:1/未実装:0)をチェックし,ビッ
トデータとして格納する。
SD502 サーボアンプ サーボアンプ SD502:b0~b15(軸1~軸16)
S(演算周期)
SD503 実装情報 実装情報 SD503:b0~b15(軸17~軸32)
・電源投入後に未実装⇔実装になった軸についても,実装状態が格納さ
れる。

付 - 8
付 録

表1.2 特殊レジスタ一覧(つづき)
セット側
番号 名 称 内 容 内容詳細 備考
(セット時期)
・リアルモードから仮想モード,仮想モードからリアルモードへモード
SD504 リアルモード/ リアルモード/
切換えしたとき,モード切換えできないエラーが発生した場合,また
SD505 仮想モード切換え 仮想モード切換え S(エラー発生)
は仮想モード中に仮想モードが維持できないエラーが発生したとき,
SD506 エラー情報 エラーコード
エラー情報が格納される。
・SSCNET通信の切断/再接続,およびアンプなし運転の開始/解除の実
・SSCNET通信の切断/
行状態が格納される。
SSCNET制御 再接続
SD508 0:指令受付待ち S(メイン処理)
(ステータス) ・アンプなし運転の
-1:実行待ち
開始/解除
-2:実行中
・各軸の停止中:0/制御中:1情報を対応するビットデータとして格納
テストモード要求
SD510 テストモード する。
エラー発生時の制御中
SD511 要求エラー情報 SD510:b0~b15(軸1~軸16)
軸情報
SD511:b0~b15(軸17~軸32)
・下記のようなエラーコードが格納される。
1:S/W異常1
2:演算周期オーバー
モーションCPU WDTエラー発生時の
SD512 4:WDTエラー
WDTエラー要因 異常内容
300:S/W異常3
303:S/W異常4
304:RIO WDTエラー
・手動パルサ軸設定エラー(SM513)がONしたとき,手動パルサ軸設定エ
ラーの内容が格納される。(正常:0/設定エラー:1)
SD513 S(エラー発生)
手動パルサ軸 手動パルサ軸 SD513:手動パルサ軸設定エラーをb0~b2(P1~P3)に格納
SD514
設定エラー 設定エラー情報 スムージング倍率設定エラーをb3~b5(P1~P3)に格納
SD515
SD514:1パルス入力倍率設定エラーをb0~b15(軸1~軸16)に格納
SD515:1パルス入力倍率設定エラーをb0~b15(軸17~軸32)に格納
サーボプログラム
(SV13/SV22) / モ ー ・サーボプログラム設定エラー(SV13/SV22)/モーションプログラム設定
エラー
SD516 ションプログラム エラー(SV43)(SM516)がONしたとき,エラーとなったサーボプログラ
プログラムNo.
(SV43)のエラープログ ムNo.(SV13/SV22)/モーションプログラムNo.(SV43)が格納される。
ラムNo.
サーボプログラム
・サーボプログラム設定エラー(SV13/SV22)/モーションプログラム設定
(SV13/SV22) / モ ー
SD517 エラー項目情報 エラー(SV43)(SM516)がONしたとき,エラーとなった項目に対するエ
ションプログラム
ラーコードが格納される。
(SV43)のエラーコード
現在メイン周期 ・現在のメイン周期が1ms単位で格納される。
SD520 現在メイン周期
(1ms単位) 0~65535[ms]
S(メイン処理)
最大メイン周期 ・メイン周期の最大値が1ms単位で格納される。
SD521 最大メイン周期
(1ms単位) 0~65535[ms]
モーション
SD522 モーション演算周期 ・モーション演算にかかる時間を[μs]単位で格納する。 S(演算周期)
演算周期
モーション設定 モーション設定
SD523 ・設定演算周期を[μs]単位で格納する。 S(イニシャル処理)
演算周期 演算周期
モーション最大 モーション最大
SD524 ・電源投入後,モーション演算にかかる最大時間を[μs]単位で格納する。 S(演算周期)
演算周期 QDS 演算周期
SD550 システム設定 エラーコード ・システム設定エラーの内容を示すエラーコードが格納される。
S(エラー発生)
SD551 エラー情報 QDS エラー個別情報 ・システム設定エラーの個別情報が格納される。
・SD804で「2:読出し要求」を実施したサーボパラメータの読出し値が
格納される。
SD552 サーボパラメータ
サーボパラメータ ・SD804で「4:2ワード読出し要求」を実施したサーボパラメータの読出
書込み/読出し S(読出し要求時)
読出し値 し値(下位1ワード)が格納される。
要求 QDS
・SD804で「4:2ワード読出し要求」を実施したサーボパラメータの読出
SD553
し値(上位1ワード)が格納される。
・本体OSソフトウェアがSV22の場合に,動作方式の情報が格納される。
動作方式
SD560 動作方式 0:仮想モード切換え方式 S(イニシャル処理)
QDS Ver.!
1:アドバンスト同期制御方式

Ver.! :ソフトウェアの対応バージョンについては,1.5節を参照してください。

付 - 9
付 録

表1.2 特殊レジスタ一覧(つづき)
セット側
番号 名 称 内 容 内容詳細 備考
(セット時期)
・マルチCPU間同期制御のCPU設定状態が格納される。
マ ル チ CPU 間 同 期
マルチCPU間同期制御 0:単独CPU
SD561 制御CPU設定状態
CPU設定状態 1:マスタCPU
QDS Ver.!
2:スレーブCPU
SD700 #割付点数 ・モーションCPUで使用できるデバイス#の点数が格納される。
1号機マルチCPU
SD701 ・現在設定されている1号機マルチCPU共有デバイス点数が格納される。
共有デバイス点数 S(イニシャル処理)
2号機マルチCPU
SD702 ・現在設定されている2号機マルチCPU共有デバイス点数が格納される。
デバイス割付 共有デバイス点数
3号機マルチCPU
SD703 ・現在設定されている3号機マルチCPU共有デバイス点数が格納される。
共有デバイス点数
4号機マルチCPU
SD704 ・現在設定されている4号機マルチCPU共有デバイス点数が格納される。
共有デバイス点数
・444μsごとに現在値(SD720,SD721)が+1されます。
SD720デバイスを2ワード単位で読出してください。
項 目 仕 様
データサイズ 2ワード(-2147483648~2147483647)
SD720 444μsフリーラン 444μsフリーラン 電源投入,リセットにて0クリアされ,以後
ラッチ S(444μsごと)
SD721 タイマ タイマ カウントアップを継続します。
使用可能タスク ノーマル・イベント・NMI
アクセス 読出しのみ可能
タイマ仕様 444μsタイマ

・222μsごとに現在値(SD722,SD723)が+1されます。
SD722デバイスを2ワード単位で読出してください。
・演算周期設定が0.2ms以外の場合は更新されません。
項 目 仕 様
データサイズ 2ワード(-2147483648~2147483647)
SD722 222μsフリーラン 222μsフリーラン
電源投入,リセットにて0クリアされ,以後 S(222μsごと)
SD723 タイマ QDS タイマ ラッチ
カウントアップを継続します。
使用可能タスク ノーマル・イベント・NMI
アクセス 読出しのみ可能
タイマ仕様 222μsタイマ

・SSCNET通信の切断/再接続,およびアンプなし運転の開始/解除を要
求します。
0:指令なし
・SSCNET通信の切断 1~32:SSCNET通信の切断指令
SSCNET制御 /再接続
SD803 -10:SSCNET通信の再接続指令 U
(指令) ・アンプなし運転の
-20:アンプなし運転の開始指令1(EMI無効)
開始/解除
-21:アンプなし運転の開始指令2(EMI有効)
-25:アンプなし運転の解除指令
-2:実行指令

Ver.! :ソフトウェアの対応バージョンについては,1.5節を参照してください。

付 - 10
付 録

表1.2 特殊レジスタ一覧(つづき)
セット側
番号 名 称 内 容 内 容 詳 細 備考
(セット時期)
・軸番号,サーボパラメータNo.を設定後,サーボパラメータの書込み/
読出し要求をします。
1:書込み要求
サーボパラメータ 2:読出し要求
SD804
*1 書込み/読出し 3:2ワード書込み要求*2 S/U
要求フラグ 4:2ワード読出し要求*2
・サーボパラメータ書込み/読出し完了でモーションCPUにより自動的に
「0」が格納される。(書込み/読出しエラー時は,モーションCPUより
「-1」が格納される。)
・サーボパラメータを書込み/読出しする軸No.を格納する。
SD805 軸No. Q173DSCPU:1~32
Q172DSCPU:1~16
・書込み/読出しするサーボパラメータNo.を16進数で格納する。
H
パラメータNo.
パラメータグループNo.
サーボパラメータ ・0:PA ・5:PF
書込み/読出し ・1:PB ・9:Po
要求 QDS ・2:PC ・A:PS
・3:PD ・B:PL(MR-J4(W)-□Bのみ)
・4:PE ・C:PT(MR-J4(W)-□Bのみ)
サーボパラメータ 0固定
SD806
No. U
・VCⅡシリーズ使用時
H
パラメータNo.
パラメータグループNo.
・0:グループ0 ・5:ブループ5
・1:グループ1 ・6:グループ6
・2:グループ2 ・7:グループ7
・3:グループ3 ・8:グループ8
・4:グループ4 ・9:グループ9

サーボパラメータ ・SD804で「1:書込み要求」を設定時,書込みするサーボパラメータの
SD807
設定値 設定値を格納する。
SD808 サーボパラメータ ・SD804で「3:2ワード書込み要求」を設定時,書込みするサーボパラメー
SD809 設定値(2ワード) タの設定値を格納する。

*1:本デバイスには,自動リフレッシュを行わないでください。
*2:VCⅡシリーズのみ設定可能です。

付 - 11
付 録

付1.3 特殊リレー/特殊レジスタの置換え

Q17□HCPU(-T)/Q17□CPUN(-T)/Q17□CPUのプロジェクトを「ファイル流用」にて
Q17□D(S)CPUのプロジェクトに変換すると, “変換後の特殊リレー(SM2000~SM2255),
特殊レジスタ(SD2000~SD2255)”へ自動的に割付けられます。(表1.3,表1.4参照)

“変換後の特殊リレー,特殊レジスタ”は,“Q17□D(S)CPUの特殊リレー,特殊レジ
スタ”と同じステータスやデータを出力します。

“変換後の特殊リレー,特殊レジスタ”を“Q17□D(S)CPUの特殊リレー,特殊レジス
タ”に置き換える場合は,MT Developer□の「デバイス使用リスト」にてデバイス使
用状況を確認し,変更してください。(表1.3,表1.4参照)
デバイス使用リストの操作方法は,MT Developer□のヘルプを参照してください。

ポイント
MT Developer□のプログラム編集で他プロジェクトから「Q17□HCPU(-T)/
Q17□CPUN(-T)/Q17□CPUのプロジェクト」をコピーした場合は,“変換後の特殊
リレー(SM2000~SM2255),特殊レジスタ(SD2000~SD2255)”には置き換わりま
せん。

備 考

特殊リレー,特殊レジスタ以外でQ17□HCPU(-T)/Q17□CPUN(-T)/Q17□CPUのプロ
ジェクトにて使用されているデバイス番号については,MT Developer□の「デバイ
ス使用リスト」にて使用状況を確認し,Q17□D(S)CPUのデバイス番号に変更してく
ださい。(「付4.2 デバイス比較」参照)

付 - 12
付 録

表1.3 特殊リレーの置換え
デバイス番号
Q17□HCPU(-T)/Q17□CPUN(-T)/
Q17□D(S)CPU
Q17□CPU 変換後の 名 称 備 考
特殊リレー割付 特殊リレー
特殊リレー 特殊リレー
デバイス
M9000 M2320 SM2000 SM60 ヒューズ断検出
M9005 M2321 SM2005 SM53 AC/DC DOWN検出
M9006 M2322 SM2006 SM52 バッテリ低下
M9007 M2323 SM2007 SM51 バッテリ低下ラッチ
M9008 M2324 SM2008 SM1 自己診断エラー
M9010 M2325 SM2010 SM0 診断エラー
1号機の時計データで動作
M9025 M3136 - - 時計データセット要求
します。
M9026 M2328 SM2026 SM211 時計データエラー
M9028 M3137 SM2028 SM801 時計データ読出し要求
M9036 M2326 SM2036 SM400 常時ON
M9037 M2327 SM2037 SM401 常時OFF
エラー解除動作はM2039に
M9060 M3138 SM2060 - 診断エラーリセット
て行ってください。
M9073 M2329 SM2073 SM512 モーションCPU WDTエラー
M9074 M2330 SM2074 SM500 PCPU準備完了
M9075 M2331 SM2075 SM501 テストモード中
M9076 M2332 SM2076 SM502 緊急停止入力
M9077 M2333 SM2077 SM513 手動パルサ軸設定エラー
M9078 M2334 SM2078 SM510 テストモード要求エラー
サーボプログラム設定エラー
M9079 M2335 SM2079 SM516 (SV13/SV22)/モーションプログラ
ム設定エラー(SV43)
M9216 M2345 SM2216 SM528 1号機MULTR完了
M9217 M2346 SM2217 SM529 2号機MULTR完了
M9218 M2347 SM2218 SM530 3号機MULTR完了
M9219 M2348 SM2219 SM531 4号機MULTR完了
M9240 M2336 SM2240 SM240 1号機リセット中
M9241 M2337 SM2241 SM241 2号機リセット中
M9242 M2338 SM2242 SM242 3号機リセット中
M9243 M2339 SM2243 SM243 4号機リセット中
M9244 M2340 SM2244 SM244 1号機エラー
M9245 M2341 SM2245 SM245 2号機エラー
M9246 M2342 SM2246 SM246 3号機エラー
M9247 M2343 SM2247 SM247 4号機エラー

ポイント
(1) Q17□HCPU(-T)/Q17□CPUN(-T)/Q17□CPUの“特殊リレー割付デバイス(M2320
~M2399,M3136~M3199)は,“変換後の特殊リレー”には自動的に割付けられ
ません。MT Developer□の「デバイス使用リスト」にてデバイス使用状況を確
認し,変更してください。(表1.3参照)
(2) “変換後の特殊リレー”SM2028(時計データ読出し要求)は,デバイスのOFF
→ONで“Q17□D(S)CPUの特殊リレー”のデバイスがONし,ON→OFFで
“Q17□D(S)CPUの特殊リレー”のデバイスがOFFします。

付 - 13
付 録

表1.4 特殊レジスタの置換え
デバイス番号
Q17□HCPU(-T)/Q17□CPUN(-T)/
変換後の Q17□D(S)CPU 名 称 備 考
Q17□CPU
特殊レジスタ
特殊レジスタ 特殊レジスタ
D9000 SD2000 SD60 ヒューズ断No.
D9005 SD2005 SD53 AC/DC DOWNカウンタNo.
D9008 SD2008 SD0 診断エラー
D9010 SD2010 SD1 診断エラー発生時刻(西暦,月)
D9011 SD2011 SD2 診断エラー発生時刻(日,時)
D9012 SD2012 SD3 診断エラー発生時刻(分,秒)
D9013 SD2013 SD4 エラー情報区分
D9014 SD2014 SD5 エラー共通情報
D9015 SD2015 SD203 CPU動作状態
D9017 SD2017 SD520 現在メイン周期
D9019 SD2019 SD521 最大メイン周期
D9025 SD2025 SD210 時計データ(西暦,月)
D9026 SD2026 SD211 時計データ(日,時)
D9027 SD2027 SD212 時計データ(分,秒)
D9028 SD2028 SD213 時計データ(曜日)
エラー解除動作はM2039に
D9060 SD2060 - 診断エラー解除エラーNo.
て行ってください。
D9061 SD2061 SD395 マルチCPU号機番号
SD508 SSCNET制御(ステータス)
D9112 SD2112
SD803 SSCNET制御(指令)
D9182 SD2182 SD510
テストモード要求エラー
D9183 SD2183 SD511
D9184 SD2184 SD512 モーションCPU WDTエラー要因
D9185 SD2185 SD513
D9186 SD2186 SD514 手動パルサ軸設定エラー
D9187 SD2187 SD515
D9188 SD2188 SD522 モーション演算周期
D9189 SD2189 SD516 エラープログラムNo.
D9190 SD2190 SD517 エラー項目情報
D9191 SD2191 SD502
サーボアンプ実装情報
D9192 SD2192 SD503
D9193 SD2193 SD504
リアルモード/仮想モード切換え
D9194 SD2194 SD505
エラー情報
D9195 SD2195 SD506
Q173DCPU / Q172D(S)CPU に
D9196 SD2196 - パソコンリンク通信エラーコード はパソコンリンク通信はあ
りません。
D9197 SD2197 SD523 モーション設定演算周期
D9200 SD2200 SD200 スイッチ状態
Q173DCPU / Q172D(S)CPU で
D9201 SD2201 - LED状態 は7セグメントLEDを使用し
てください。

ポイント
“変換後の特殊レジスタ”SD2112(SSCNET制御)は,デバイスにデータを設定する
ことで,“Q17□D(S)CPUの特殊レジスタ”に反映されます。

付 - 14
付 録

付2 システム設定エラー

システム構成上でモーションCPUがエラーとなるのは,以下の場合です。

表2.1 システム設定エラー
システム設定エラー
情報 QDS エラー
7セグメント チェック
エラー エラー エラー名称 QD コード エラー要因 エラー時の動作
LED表示*1 *2 タイミング
コード 個別情報
(SD550) (SD551)
ベースNo., ・システム設定で設定されているスロットが未実
2 LAY ERROR(SL**)*4
スロットNo. 装,または異なるユニットが実装されている。
・システム設定で軸No.設定が重複している。
マルチCPU
・SSCNETⅢの同一系統内でサーボアンプの軸番号
サーボ システムの
(軸選択スイッチ)の設定が重複している。
3 アンプの AXIS NO.MULTIDEF 10014*3 電源投入時
・MR-J4W-□B使用時,サーボアンプで設定した使
軸番号 /
用軸数分の軸設定がシステム設定で設定されて
リセット時
いない。
・システム設定でアンプが1軸も設定されていな
4 なし(0) AMP NO SETTING
い。
ベースNo., ・モーションCPU管理のスロットに実装されている
6 SL ** UNIT ERROR*4 10016*5 常時
スロットNo. ユニットが異常である。
始動不可
マルチCPU
(モーションCPU
システムの
のシステム設定
・ドライバ間通信に対応したモーションコント 電源投入時
エラー)
8 軸No. ─ ローラとサーボアンプで,ドライバ間通信を使 /
用できない設定がされている。 サーボ
アンプとの
通信開始時
・システム設定で実入出力点数が256点を超える設
10 I/O POINTS OVER
定がされている。
マルチCPU
11 AXIS NO.ERROR ・システム設定データが書込まれていない。
システムの
・システム設定データが書込まれていない。
なし(0) 電源投入時
・システム設定データを相対チェックせずに書込

13 SYS.SET DATA ERR “ AL”3回点滅 んだ。
リセット時
↓ または,相対チェックでエラーが出た状態で書
“L01”点灯 込んだ。
該当軸以降の
・本体OSが対応していないアンプ形名をシステム サーボは立ち
設定で設定した。 サーボアン 上がらず,
AMP TYPE ERROR**
14 軸No. ・システム設定で設定されているアンプのシリー プの電源投 始動不可
(**:軸No.1~32)
10014*3 ズと,実装されているアンプのシリーズとが異 入時 (モーションCPU
なる。 のシステム設定
エラー)
・ROMに書込まれているデータの本体OSソフトウェ
15 ROM ERROR1
アのタイプが異なる。
16 ROM ERROR2 ・ROMにデータが書込まれていない。
・ROMのデータサイズが異常である。
・再度,ROM書込みを行ってください。
17 ROM ERROR3(**) ・モーションCPU,MT Developer□および本
なし(0) 体OSソフトウェアのバージョンの整合性 マルチCPU
を確認してください。 始動不可
システムの
(モーションCPU
・ROMのデータが異常である。 電源投入時
のシステム設定
・再度,ROM書込みを行ってください。 /
エラー)
18 ROM ERROR4(**) ・モーションCPU,MT Developer□および本 リセット時
体OSソフトウェアのバージョンの整合性
を確認してください。
・使用できないモーションユニットが装着されて
ベースNo., いる。
20 CAN'T USE SL(**)*4
スロットNo. ・モーションユニット(Q172DLX,Q173DPX,
Q172DEX)を使用してください。

付 - 15
付 録

表2.1 システム設定エラー
システム設定エラー
情報 QDS エラー
7セグメント チェック
エラー エラー エラー名称 QD コード エラー要因 エラー時の動作
LED表示*1 *2 タイミング
コード 個別情報
(SD550) (SD551)
・使用できないモーションユニットを設定したシ
ステム設定データが書込まれている。
ベースNo.,
21 UNIT SET ERR(**)*4 ・モーションユニット(Q172DLX,Q173DPX,
スロットNo.
Q172DEX)に対応したバージョンの
MT Developer□を使用してください。
マルチCPU
・安全監視機能に対応していないモーションCPU システムの
に安全機能パラメータを設定した。 電源投入時
22 なし(0) SAFETY SYS.ERR.
・安全信号監視パラメータを2号機以外に設定し /
た。 リセット時
・パルス変換ユニットの軸にアブソリュート方式
ABS CAN'T USE** を指定した。
23 軸No.
(**:軸No.1~32) ・パルス変換ユニットのパラメータPA03に
「0」を設定してください。
固定パラメータ未登
24 ・固定パラメータが書込まれていない。
録エラー
なし(0)
パラメータブロック
25 ・パラメータブロックが書込まれていない。
未登録エラー マルチCPU
サーボパラメータ未 ・システム設定軸のサーボパラメータが書込まれ システムの
26 軸No.
登録エラー ていない。 電源投入時
・本体OSソフトウェアとユーザプロジェクトのソ /
フトセキュリティキーが一致しない。 リセット時
ソフトセキュリティ 始動不可
27 なし(0) “ AL”3回点滅 ・本体OSソフトウェアとユーザプロジェクトのど /
キーエラー *3 (モーションCPU
↓ 10014 ちらか一方にしか,ソフトセキュリティキーが M2000 ON時
のシステム設定
“L01”点灯 埋め込まれていない。
エラー)
・SSCNETⅢ/Hヘッドユニットの設定局数が演算周
28 なし(0) ─
期による最大局数を超えている。
・マルチCPU間同期制御のシステム構成でマルチ
29 ─ CPU間高速通信エリアのユーザ自由エリアが512
マルチCPU 点未満に設定されている。
号機番号 ・マルチCPU間同期制御のシステム構成でマスタ
(2~4) CPUとスレーブCPUで同一の演算周期が設定され
30 ─
ていない。または,0.88ms未満の演算周期が設
定されている。 マルチCPU
システムの
・マルチCPU間同期制御のシステム構成において,
31 ─ 電源投入後
マスタCPUが複数設定されている。
のマルチ
・マルチCPU間同期制御のシステム構成において,
CPU間
マスタCPUが設定されていない。
同期制御
32 ─ ・マルチCPU間同期制御のシステム構成において,
イニシャル
各CPUの立上りタイミングが異なり,マスタCPU
なし(0) 処理完了時
が検出できない。
・マルチCPU間同期制御のシステム構成において,
スレーブCPUが設定されていない。
33 ─ ・マルチCPU間同期制御のシステム構成において,
各CPUの立上りタイミングが異なり,スレーブ
CPUが検出できない。

*1:「“ AL”3回点滅→“L01”1回点灯」を繰り返します。(エラーコードは表示しません。)
*2:診断エラー(SD0)に格納されるエラーコードです。
*3:エラーコード10014となった場合,システム設定エラーフラグ(M2041)がONし,MT Developer□のエラーリストモニ
タにて,表2.1のエラー名称表示となります。
*4:“**”は,以下の表示となります。
(例) LAY ERROR(SL**)の場合

LAY ERROR(SL* *)

スロットNo.
ベースNo.
*5:エラーコード10016となった場合,モーションスロット異常検出フラグ(M2047)がONし,MT Developer□のエラーリ
ストモニタにて,表2.1のエラー名称表示となります。

付 - 16
付 録

付3 自己診断エラー

マルチCPU関連のエラーは,自己診断エラーとして各ユニットのCPU共有メモリ“自
号機動作情報エリア(1H~1CH)”,および特殊レジスタ(SD)の自己診断エラー情報(SD0
~SD26)に格納されます。
マルチCPU関連のエラーは各CPUユニット共通のエラーコード(1000~9999)となります。
モーションCPUにて独自のエラーが発生した場合は,エラー内容に応じてエラーコー
ド(10000~10999)を格納します。
エラーが発生した場合は,エラーコードと内容をMT Developer□の“モーションエ
ラー履歴”で確認し,エラー要因を取り除いてください。

<画面:MT Developer2>

また,GX Works2/GX DeveloperのPC診断にて,マルチCPUシステムで使用している


各CPUの動作状態,エラー発生状況を確認できます。

<画面:GX Works2>

付 - 17
付 録

(1) モーションCPUで発生するマルチCPU関連エラー
エラーコードの各桁は,下記のように定義されています。
大分類
* * * *
1 内部ハードウェア
2 取扱い
1の位 : 3 パラメータ
10の位 : 詳細コード 4 プログラム
100の位 : 5 時間監視
1000の位:大分類(要因) 6 二重化対応
7 マルチCPU対応
8 -
9 外部診断

表3.1 モーションCPUで発生するマルチCPU関連エラー(1000~9999)
エラーコード エラー共通情報 エラー個別情報 7セグメント
項目 エラーメッセージ CPU動作状態 診断タイミング
(SD0) (SD5~SD15) (SD16~SD26) LED表示
1000
1001
1002
1003
1004
MAIN CPU DOWN - - 停止 常時
1005
CPUハード
1006
異常
1007
1008
1009
1105
RAM ERROR - - 停止 電源ON時/リセット時
1150
1300 FUSE BREAK OFF ユニットNo. - 停止 常時

1401 電源ON時/リセット時
ユ ニ ッ ト “ AL”(3回点滅)
SP.UNIT DOWN ユニットNo. - ↓ 停止
ハード異常
“ A1”(点灯)

1403 エラーコード 常時
4桁を2回に
1413 - 分けて表示

1414 ユニットNo. 常時
ベース CONTROL-BUS.ERR. - 停止
1415 ベースNo.*2
*1
1416 号機No. 電源ON時/リセット時

1430 -

マルチCPU間
1431 MULTI-C.BUS ERR. - 停止 電源ON時/リセット時
高速バス

号機No.

1432

*1:共通情報区分のスロットNo.には,号機番号が格納されます。
*2:「エラー情報区分コード」の「共通情報区分コード」でのベースNo.は,0:基本ベース,1~7:増設ベースの段数が格納されます。

付 - 18
付 録

エラーコード
異常内容と原因 処置方法
(SD0)
1000
1001
1002
1003 (1) ノイズ対策を施す。
CPUユニットが暴走または故障している。
1004 (2) CPUユニットをリセットして再度RUNさせる。
(1) ノイズなどによる誤動作。
1005 再度同じエラーを表示した場合は,CPUユニットのハードウェア異
(2) ハードウェア異常。
1006 常。
1007 最寄りのシステムサービス,代理店または支社に症状を説明し,ご
1008 相談ください。
1009
1105 CPUユニット内のCPU共有メモリの異常。
1150 CPUユニット内マルチCPU間高速通信エリアのメモリ異常。
1300 ヒューズ断となっている出力ユニットがある。 出力ユニットのFUSE LEDを確認し,点灯しているユニットを交換する。
(1) モーションCPUで使用するモーションユニット,インテリジェント機
(1) イニシャル処理時にモーションユニット/インテリジェント 能ユニットは,システム設定で設定してください。
機能ユニットから応答がない。 (2) サポートしていないユニットが装着されている場合は,そのユニット
1401 (2) モーションユニット/インテリジェント機能ユニットのバッ をはずす。該当ユニットを装着している場合,モーションユニット,
ファメモリのサイズが異常である。 インテリジェント機能ユニット,CPUユニットまたはベースユニット
(3) サポートしていないユニットが装着されている。 のハードウェア異常。最寄りのシステムサービス,代理店または支
社に症状を説明し,ご相談ください。
(1) インテリジェント機能ユニットの異常発生を検出した。 CPUユニット,ベースユニットまたはアクセス先のインテリジェント機能
1403 (2) 運転中に入出力ユニット(インテリジェント機能ユニット含 ユニットのハードウェア異常。最寄りのシステムサービス,代理店または
む)がはずれかけているかはずした。または装着した。 支社に症状を説明し,ご相談ください。
1413 CPUユニットをリセットして再度RUNさせる。再度同じエラーを表示した場
システムバス上の異常を検出した。
1414 合は,インテリジェント機能ユニット,CPUユニットまたはベースユニッ
1415 基本ベースユニット/増設ベースユニットの異常を検出した。 トの異常。最寄りのシステムサービス, 代理店または支社に症状を説明し,
1416 電源ON時またはリセット時にシステムバスの異常を検出した。 ご相談ください。
CPUユニットをリセットして再度RUNさせる。
再度同じエラーを表示した場合は,CPUユニットのハードウェア異常。最
1430 マルチCPU間高速バスにおける自号機CPUの異常を検出した。
寄りのシステムサービス,代理店または支社に症状を説明し,ご相談くだ
さい。
(1) ノイズ対策を施す。
(2) CPUユニットの基本ベース装着状態を確認する。
マルチCPU間高速バスにおいて,他号機CPUとの交信異常を検出し (3) CPUユニットをリセットして再度RUNさせる。
1431
た。 再度同じエラーを表示した場合は,CPUユニットまたはベースユニ
ットの異常。最寄りのシステムサービス,代理店または支社に症状
を説明し,ご相談ください。
CPUユニットをリセットして再度RUNさせる。
マルチCPU間高速バスにおいて,他号機CPUとの交信タイムアウトを 再度同じエラーを表示した場合は,CPUユニットのハードウェア異常。最
1432
検出した。 寄りのシステムサービス,代理店または支社に症状を説明し,ご相談くだ
さい。

付 - 19
付 録

表3.1 モーションCPUで発生するマルチCPU関連エラー(1000~9999)(つづき)
エラーコード エラー共通情報 エラー個別情報 7セグメント
項目 エラーメッセージ CPU動作状態 診断タイミング
(SD0) (SD5~SD15) (SD16~SD26) LED表示
1433 “ AL”(3回点滅)
1434 ↓
マルチCPU間 “ A1”(点灯)
MULTI-C.BUS ERR. 号機No. - 停止 常時
高速バス ↓
1435
エラーコード
4桁を2回に
エラー表示
電源 1500 AC/DC DOWN - - 続行 常時
なし
“BT1”(点灯)
バッテリ 1600 BATTERY ERROR ドライブ名 - 続行 常時
“BT2”(点灯)

2100
ユニットNo.

2107

イ ン テ リ 2124 -
SP.UNIT LAY ERR.
ジェント機
能ユニット
- 停止 電源ON時/リセット時
/マルチCPU 2125 ユニットNo.
ユニット取
扱い
2140 ユニットNo.

“ AL”(3回点滅)
2150 SP.UNIT VER.ERR. ユニットNo.

“ A1”(点灯)

エラーコード
4桁を2回に
3001
分けて表示 電源ON時/リセット時/
STOP→RUN時

3012 パラメータNo.

パラメータ PARAMETER ERROR - 停止

3013

電源ON時/リセット時

パラメータNo./
3015
号機No.

付 - 20
付 録

エラーコード
異常内容と原因 処置方法
(SD0)
1433 (1) ノイズ対策を施す。
1434 (2) CPUユニットの基本ベース装着状態を確認する。
マルチCPU間高速バスにおいて,他号機CPUとの交信異常を検出し (3) CPUユニットをリセットして再度RUNさせる。
た。 再度同じエラーを表示した場合は,CPUユニットまたはベースユニッ
1435
トの異常。最寄りのシステムサービス,代理店または支社に症状を
説明し,ご相談ください。
供給電源に瞬停が発生した。
1500 供給電源を確認する。
供給電源がOFFした。
(1) CPUユニット本体のバッテリ電圧が規定値以下に低下した。
(1) バッテリを交換する。
1600 (2) CPUユニット本体にバッテリを付けたバッテリホルダユニット
(2) バッテリを付けたバッテリホルダユニットを装着する。
が装着されていない。
シーケンサCPUのI/O割付設定で,入出力ユニットをインテリジェ
PCパラメータのI/O割付設定をインテリジェント機能ユニット,
CPUユニッ
2100 ント機能ユニットで割り付けている。または,その逆の設定であ
トの実装状態にあわせて再設定する。
る。
システム設定で設定した先頭I/O番号が,他のユニットのI/O番号
2107 I/O番号の設定をユニットの実装状態に合わせて再設定する。
と重複している。
(1) 65スロット以降にユニットを装着した。
(1) 65スロット以降のユニットを取りはずす。
2124 (2) ベース設定で「なし」に設定した増設ベースユニットを装着し
(2) ベース設定で「なし」に設定した増設ベースユニットを取りはずす。
た。
(1) 使用可能なユニットを装着する。
(1) 認識できないユニットを装着した。
2125 (2) インテリジェント機能ユニットのハードウェア異常。
最寄りのシステ
(2) インテリジェント機能ユニットからの応答がない。
ムサービス,代理店または支社に症状を説明し,ご相談ください。
CPUスロット,I/Oスロット0~2にモーションユニット(Q172DLX,
CPUスロット,
I/Oスロット0~2に装着されているモーションユニットを取
2140 Q172DEX,Q173DPX,Q172LX,Q172EX(-S1/-S2/-S3),Q173PX(-S1))が装
りはずす。
着されている。(モーションCPUでのみチェックする。)
(1) マルチCPUシステム対応のインテリジェント機能ユニット(機能バー
マルチCPUシステムで,マルチCPUシステムに未対応のインテリジェ ジョンB以降)に変更する。
2150
ント機能ユニットの管理CPUを1号機以外に設定している。 (2) マルチCPUシステム未対応のインテリジェント機能ユニットの管理
CPUを1号機に変更する。
(1) パラメータ項目をチェックし,修正する。
(2) 修正したパラメータを再度CPUユニットに書込み,マルチCPUシステム
の電源の再立ち上げ,またはリセットを行う。
3001 パラメータの内容が壊れている。
(3) 再度同じエラーが発生する場合は,ハードウェア異常。最寄りのシス
テムサービス,代理店,または支社に症状を説明し,ご相談くださ
い。
マルチCPU設定パラメータでのマルチCPU設定,システム設定での管 マルチCPU設定パラメータのマルチCPU設定,システム設定での管理CPUの
3012
理CPUの設定が基準となる号機と異なっている。 設定を,基準となる号機(1号機)と合わせる。
マルチCPU自動リフレッシュ設定が下記のようになっている。 マルチCPU設定のリフレッシュ設定で下記をチェックし,修正する。
(1) リフレッシュデバイスにビットデバイスを指定時,リフレッ (1) ビットデバイスを指定時,リフレッシュ先頭デバイスに16の倍数を指
シュ先頭デバイスに16の倍数以外の番号が指定されている。 定する。
3013
(2) 指定可能デバイス以外が指定されている。 (2) リフレッシュデバイスで指定可能なデバイスを指定する。
(3) 送信点数が奇数である。 (3) 送信点数を偶数に設定する。
(4) 送信点数の合計が最大リフレッシュ点数を超えている。 (4) 送信点数の合計が最大リフレッシュ単位を超えない範囲で設定する。
(1) ユニバーサルモデルQCPUユニットの“マルチCPU間高速通信機能を使
(1) ユニバーサルモデルQCPUユニットのマルチCPU設定が“マルチ
用する”設定としてください。
CPU間高速通信機能を使用する”設定になっていない。
3015 (2) エラー個別情報に格納されている数値(パラメータNo./号機No.)に
(2) マルチCPUシステムで,パラメータ設定が照合した号機と異
対応したパラメータ項目,対象号機のパラメータをチェックし,修
なっている。
正する。

付 - 21
付 録

表3.1 モーションCPUで発生するマルチCPU関連エラー(1000~9999)(つづき)
エラーコード エラー共通情報 エラー個別情報 7セグメント
項目 エラーメッセージ CPU動作状態 診断タイミング
(SD0) (SD5~SD15) (SD16~SD26) LED表示

常時
*1,*3
7000 号機No.

MULTI CPU DOWN - 停止


電源ON時/リセット時
*1
7002 号機No.

7010 号機No.*1

“ AL”(3回点滅)

7011 -
MULTI EXE. ERROR - “ A1”(点灯) 停止 電源ON時/リセット時
マルチCPU ↓
エラーコード
4桁を2回に
分けて表示

7013 号機No.

7020 MULTI CPU ERROR 号機No.*1 - 続行 常時

7030
号機No.
CPU LAY. ERROR - 停止 電源ON時/リセット時
7031

7035 ユニットNo.

*1:共通情報区分のスロットNo.には,号機番号が格納されます。
*3:停止エラーまたはリセットした号機以外の号機番号が,同時にMULTI CPU DOWNとなるので,タイミングによっては停止エラーまたはリセットした号機以
外の号機番号が,エラー共通情報の区分に格納されることがあります。

付 - 22
付 録

エラーコード
異常内容と原因 処置方法
(SD0)
マルチCPUシステムで,動作モードを“システム停止を選択した”
号機のCPUユニットで異常が発生した。
7000 異常となったCPUユニットのエラーを確認し,エラーを取り除く。
マルチCPUシステムで,電源ON時に1号機が停止エラーで他号機が立
ち上がれない。(2~4号機で発生)
CPUユニットをリセットして再度RUNさせる。
マルチCPUシステムのイニシャル交信時,イニシャル交信対象の号 再度同じエラーを表示した場合は,どちらかのCPUユニットのハードウェ
7002
機からの応答がない。 ア異常。最寄りのシステムサービス,代理店または支社に症状を説明し,
ご相談ください。
マルチCPUシステムで,故障しているCPUユニットが装着されてい
7010 故障している号機のCPUユニットを交換する。
る。
マルチCPUシステムで,以下のいずれかの設定を行った。
(1) マルチCPU間自動リフレッシュを行えないCPUユニットに対し
(1) マルチCPU間自動リフレッシュを修正する。
てマルチCPU自動リフレッシュ設定を行った。
(2) グループ外の入出力設定を修正する。
(2) グループ外取り込みを行えないCPUユニットに対してグループ
外の入出力設定を行った。
7011
マルチCPU間高速通信機能を使用するためのシステム構成を満たし
ていない。
マルチCPU間高速通信機能を使用するための条件を満たすシステム構成に
(1) 1号機にQnUD(□)CPUを使用していない。
変更する。
(2) マルチCPU間高速基本ベースユニット(Q3□DB)を使用していな
い。
(1) QnUD(□)CPUに装着できないCPUユニットが装着されている。
7013 (故障する可能性がある。) Q173HCPU/Q172HCPU/Q173CPUN/Q172CPUNを取りはずす。
(2) Q173HCPU/Q172HCPU/Q173CPUN/Q172CPUNが装着されている。
マルチCPUシステムで,動作モードを“システム停止が選択されて
7020 いない”号機で異常が発生した。 (異常が発生していないCPUユニッ 異常となったCPUユニットのエラーを確認し,エラーを取り除く。
トでエラーを検出する。)
CPU装着スロット(CPU台数設定パラメータ範囲内)を超えたCPU装
7030 着可能スロット(CPUスロット,I/Oスロット0~2)にて割付異常が (1) マルチCPU設定で設定したCPUユニット台数と装着されているCPUユ
発生した。 ニット台数(CPU空き含む)を同一にする。
CPU装着スロット(CPU台数設定パラメータ範囲内)にて割付異常が (2) システム設定で設定したCPUユニットの装着状態と同一にする。
7031
発生した。

7035 CPUユニット装着不可のスロットにCPUユニットが装着されている。 CPUユニットを装着可能なスロットに装着する。

付 - 23
付 録

(2) モーションCPU固有のエラー
エラーコードの各桁は,下記のように定義されています。
エラーの詳細については,各プログラミングマニュアルを参照してください。
詳細コード
1 0 * * * 002 軽度/重度エラー(指令生成軸)(SV22)
003 軽度/重度エラー
1の位 : 004 軽度/重度エラー(仮想サーボモータ軸)(SV22)
005 軽度/重度エラー(同期エンコーダ軸)(SV22)
10の位 : 詳細コード
006 サーボエラー(MR-J3-□B,MR-J3-□B互換モード)
100の位 : サーボプログラム設定エラー(SV13/SV22)/
1000の位 :位置決めCPU分類 007
モーションプログラム設定エラー(SV43)
(0:モーションCPU) 008 モード切換えエラー(SV22)
10000の位:シーケンサCPU以外 009 手動パルサ軸設定エラー
010 テストモード要求エラー
011 WDTエラー
014 システム設定エラー
015 サーボエラー(MR-J4-□B)
016 モーションスロット異常
020 モーションSFC制御エラー(F/FS)
021 モーションSFC制御エラー(G)
モーションSFC制御エラー
022
(Kまたはその他(F/FS,Gでない))
023 モーションSFC制御エラー(モーションSFC図)
030 モーションCPU内部バスエラー
040 インバータエラー
041 VCⅡエラー
042 SSCNETⅢ/Hヘッドユニットエラー
050 安全監視エラー(アラーム)
051 安全監視エラー(警告)

表3.2 モーションCPU独自のエラー(10000~10999)
エラーコード エラー共通情報 エラー個別情報
エラーメッセージ 7セグメントLED表示 CPU動作状態
(SD0) (SD5~SD15) (SD16~SD26)

10002

10003
エラー表示なし
10004

10005

“ AL”(3回点滅)
10006 ↓
“S01”(点灯)

続行
10007

MC.UNIT ERROR - -
10008 エラー表示なし

10009

10010

10011 “ . . .”(点灯)

“ AL”(3回点滅) 停止
10014 ↓
“L01”(点灯)

10015 エラー表示なし 続行

付 - 24
付 録

エラーコード
異常内容と原因 処置方法
(SD0)
指令生成軸において,軽度エラー/重度エラーが発生した。
10002
(SV22)
MT Developer□のモーションエラー履歴,もしくは軽度エラーコード/重
10003 軽度エラー/重度エラーが発生した。
度エラーコード格納デバイスの軽度エラーコード/重度エラーコードを確
仮想サーボモータ軸において,軽度エラー/重度エラーが発生し
10004 認し,エラー要因を取り除く。
た。(SV22)
詳細内容は,各エラーコードを確認してください。
同期エンコーダ軸において,軽度エラー/重度エラーが発生し
10005
た。(SV22)
MT Developer□のモーションエラー履歴,もしくはサーボエラーコード格
モーションCPUユニットに接続されたサーボアンプ(MR-J3-□B, 納デバイスのサーボエラーコードを確認し,サーボアンプのエラー要因を
10006
MR-J3-□B互換モード)において,サーボエラーが発生した。 取り除く。
詳細内容は,サーボエラーコードを確認してください。
MT Developer□のモーションエラー履歴,もしくはサーボプログラム設定
エラー(SV13/SV22)/モーションプログラム設定エラー(SV43)格納デバイ
サーボプログラム設定エラー(SV13/SV22)/モーションプログラ
10007 ス(エラープログラムNo.,エラー項目情報)を確認し,エラー要因を取り
ム設定エラー(SV43)が発生した。
除く。
詳細内容は,各エラーコードを確認してください。
MT Developer□のモーションエラー履歴,もしくはリアルモード/仮想モー
ド切換えエラー格納デバイスを確認し,エラー要因を取り除く。
10008 リアルモード/仮想モード切換えエラーが発生した。(SV22)
詳細内容は,リアルモード/仮想モード切換えエラーコードを確認してく
ださい。
MT Developer□のモーションエラー履歴,もしくは手動パルサ軸設定エラー
10009 手動パルサ軸設定エラーが発生した。 格納デバイスを確認し,エラー要因を取り除く。
詳細内容は,手動パルサ軸設定エラーコードを確認してください。
MT Developer□のモーションエラー履歴,もしくはテストモード要求エラー
10010 テストモード要求エラーが発生した。
格納デバイスを確認し,エラー要因を取り除く。
MT Developer□のモーションエラー履歴,もしくはモーションCPU WDTエ
10011 モーションCPUにおいてWDTエラーが発生した。
ラー要因を確認し,エラー要因を取り除く。

MT Developer□のエラーモニタの画面でエラー名称を確認し,エラー要因
10014 モーションCPUにおいてシステム設定エラーが発生した。
を取り除き,再度電源投入またはマルチCPUシステムのリセットを行う。

MT Developer□のモーションエラー履歴,もしくはサーボエラーコード格
モーションCPUユニットに接続されたサーボアンプ(MR-J4-□B) 納デバイスのサーボエラーコードを確認し,サーボアンプのエラー要因を
10015
において,サーボエラーが発生した。 取り除く。
詳細内容は,サーボエラーコードを確認してください。

付 - 25
付 録

表3.2 モーションCPU独自のエラー(10000~10999)(つづき)
エラーコード エラー共通情報 エラー個別情報
エラーメッセージ 7セグメントLED表示 CPU動作状態
(SD0) (SD5~SD15) (SD16~SD26)
“ AL”(3回点滅)
10016 ↓ 停止
“L01”(点灯)
10020
10021
続行
10022
10023 エラー表示なし

10030 停止

10040
MC.UNIT ERROR - -

“ AL”(3回点滅)
10041

“S01”(点灯)
続行

10042

10050
エラー表示なし
10051

付 - 26
付 録

エラーコード
異常内容と原因 処置方法
(SD0)

MT Developer□のエラーモニタの画面でエラー名称を確認し,エラー要因
10016 モーションCPUにおいてモーションスロット異常が発生した。
を取り除き,再度電源投入またはマルチCPUシステムのリセットを行う。

10020
10021 モーションSFCプログラムにおいて,モーションSFCエラーが発生 MT Developer□のモーションエラー履歴を確認し,エラー要因を取り除く。
10022 した。 詳細内容は,モーションSFCエラーコードを確認してください。
10023
モーションCPUユニットのハードウェア異常。
10030 モーションCPU内部バスエラーが発生した。 最寄りのシステムサービス,代理店または支社に症状を説明し,ご相談く
ださい。
MT Developer2のモーションエラー履歴,もしくはサーボエラーコード格納
モーションCPU接続のインバータにおいて,インバータエラーが
10040 デバイスのエラーコードを確認し,インバータのエラー要因を取り除く。
発生した。
詳細内容は,サーボエラーコードを確認してください。
MT Developer2のモーションエラー履歴,もしくはサーボエラーコード格納
モーションCPU接続のVCⅡ(日機電装)において,エラーが発生し デバイスのエラーコードを確認し,VCⅡ(日機電装)のエラー要因を取り除
10041
た。 く。
詳細内容は,サーボエラーコードを確認してください。
MT Developer2のモーションエラー履歴,もしくはSSCNETⅢ/Hヘッドユニッ
モーションCPUユニットに接続されたSSCNETⅢ/Hヘッドユニット トモニタデバイスのエラーコードを確認し,SSCNETⅢ/Hヘッドユニットの
10042
において,エラーが発生した。 エラー要因を取り除く。
詳細内容は,SSCNETⅢ/Hヘッドユニットエラーコードを確認してください。
10050 安全監視エラー(アラーム)が発生した。 MT Developer2のモーションエラー履歴,もしくは安全監視エラーコード格
納デバイスのエラーコードを確認の上,エラー要因を取り除く。
10051 安全監視エラー(警告)が発生した。
詳細内容は,安全監視エラーコードを確認してください。

付 - 27
付 録

(3) 自己診断エラー情報
番号 名 称 内 容 内 容 詳 細
SD0 診断エラー 診断エラーコード ・診断でエラーを生じたときのエラー番号がBINコードで格納される。
・SD0のデータが更新された年(西暦,下2桁),月がBCDコード2桁で格納される。
SD1 B15 ~ B8 B7 ~ B0 (例)2006年1月
年(0~99) 月(1~12) H0601
・SD0のデータが更新された日,時がBCDコード2桁で格納される。
SD2 診断エラー発生時刻 診断エラー発生時刻 B15 ~ B8 B7 ~ B0 (例)25日10時
日(1~31) 時(0~23) H2510
・SD0のデータが更新された分,秒がBCDコード2桁で格納される。
SD3 B15 ~ B8 B7 ~ B0 (例)35分48秒
分(0~59) 秒(0~59) H3548
・エラー共通情報(SD5~SD15),エラー個別情報(SD16~SD26)に格納されるエラー情報が何かを判
断する区分コードが格納される。
B15 ~ B8 B7 ~ B0
個別情報区分コード 共通情報区分コード
・共通情報区分コードには,次のコードが格納される。
SD4 エラー情報区分 エラー情報区分コード 0:なし
1:ユニットNo./号機No./ベースNo.
・個別情報区分コードには,次のコードが格納される。
0:なし
5:パラメータNo.
13:パラメータNo./号機No.
・診断エラー(SD0)に対応する共通情報が格納される。
・SD4(共通情報区分コード)により,エラー共通情報の種別を判定することができる。
1:ユニットNo./号機No./ベースNo.
番号 内 容
SD5

SD5 ユニットNo./号機No./ベースNo.
エラー共通情報 エラー共通情報
SD6 I/O No.
SD15
SD7

空き
SD15

・診断エラー(SD0)に対応する個別情報が格納される。
・SD4(個別情報区分コード)により,エラー個別情報の種別を判定することができる。
5:パラメータNo.
番号 内 容
SD16 パラメータNo.
SD17

空き
SD26
0401H :ベース設定
0406H :モーションスロット設定
0E00H :マルチCPU設定(マルチCPU台数)
SD16

0E01H :マルチCPU設定(動作モード/マルチCPU間同期立上げ)
エラー個別情報 エラー個別情報
E008H :マルチCPU間高速通信エリア設定(各CPU送信範囲設定/(システムエリア))
SD26
E009H/E00AH:マルチCPU間高速通信エリア設定(自動リフレッシュ設定)
E00BH :同期設定

13:パラメータNo./号機No.
番号 内 容
SD16 パラメータNo.
SD17 号機No.(1~4)
SD18

空き
SD26

付 - 28
付 録

(4) マルチCPU関連エラーの解除
CPUの動作を続行するエラーに限り,エラーの解除操作を行うことができます。
エラーの解除は,次の手順で行います。
① エラーの要因を取り除く。
② モーションエラー検出フラグ(M2039)をOFFする。

エラー解除でCPUを復帰した場合,エラーに関係する特殊リレー,特殊レジスタお
よび7セグメントLEDは,エラー発生前の状態に戻ります。
エラー解除を行った後に再度同じエラーが発生した場合,再度エラーがセットさ
れ,モーションエラー検出フラグ(M2039)がONします。

(5) サーボ警告発生時のエラー設定 QDS


サーボ警告が発生したときにMT Developer2のモーションエラー履歴,自己診断エ
ラーにエラーを出力する/しないを設定することができます。
システム設定のシステム基本設定で設定します。(3.1.3項参照)

付 - 29
付 録

付4 Q173DSCPU/Q172DSCPU/Q173DCPU(-S1)/Q172DCPU(-S1)/Q173HCPU/Q172HCPUの相違点

付4.1 Q173DSCPU/Q172DSCPU/Q173DCPU(-S1)/Q172DCPU(-S1)/Q173HCPU/Q172HCPUの相違点

各本体OSソフトウェアに共通の相違点を表4.1に示します。
各本体OSソフトウェア特有の相違点については,「付4.3 各本体OSソフトウェアの相
違点」を参照してください。また,デバイスの詳細な相違点については,「付4.2 デ
バイス比較」を参照してください。

表4.1 Q173DSCPU/Q172DSCPU/Q173DCPU(-S1)/Q172DCPU(-S1)/Q173HCPU/Q172HCPUの相違点
項 目 Q173DSCPU/Q172DSCPU Q173DCPU(-S1)/Q172DCPU(-S1) Q173HCPU/Q172HCPU
USB/RS-232/Ethernet USB/RS-232/Ethernet
(シーケンサCPU経由) (シーケンサCPU経由)
周辺装置I/F USB/SSCNET
PERIPHERAL I/F PERIPHERAL I/F
(モーションCPU管理) (モーションCPU管理)*1
1か月以上の連続停電が続く場合
バッテリ 必要
にQ6BATを追加
・モーションCPUユニットのEMI端子を使用 システム設定の緊急停止入力設
緊急停止入力
・システム設定の緊急停止入力設定で指定したデバイスを使用 定で指定したデバイスを使用
CPU間データ転送用のマルチCPU間
搭載 -
高速通信メモリ
256点
(モーションCPU内蔵I/F(入力 256点 256点
実入出力点数(PX/PY)
点数4点)+I/Oユニット+イン (I/Oユニット) (I/Oユニット)
テリジェント機能ユニット)
内部リレー(M)点数 12288点
合計8192点
ラッチリレー(L)点数 なし(ラッチ設定によりMのラッチ可能)
デバイス

特殊リレー(M)点数 - 256点
特殊リレー(SM)点数 2256点 -
特殊レジスタ(D)点数 - 256点
特殊レジスタ(SD)点数 2256点 -
モーションレジスタ(#)点数 12288点 8192点
マルチCPU共有デバイス(U□\G) 最大14336点 -
D(P).DDRD,D(P).DDWR,
D(P).SFCS,D(P).SVST, D(P).DDRD,D(P).DDWR, S(P).DDRD,S(P).DDWR,
D(P).CHGT,D(P).CHGT2, D(P).SFCS,D(P).SVST, S(P).SFCS,S(P).SVST,
SV13/SV22
D(P).CHGV,D(P).CHGVS*2, D(P).CHGT,D(P).CHGV, S(P).CHGT,S(P).CHGV,
モーション専用 D(P).CHGA,D(P).CHGAS*2, D(P).CHGA,D(P).GINT S(P).CHGA,S(P).GINT
シーケンス命令 D(P).GINT
D(P).DDRD,D(P).DDWR, S(P).DDRD,S(P).DDWR,
D(P).SFCS,D(P).SVST, S(P).SFCS,S(P).SVST,
SV43 ─
D(P).CHGT,D(P).CHGV, S(P).CHGT,S(P).CHGV,
D(P).CHGA S(P).CHGA
CPU□→自CPU高速割込み受付けフラグによるインターロック条 CPU□→自CPU高速割込み受付け
インターロック条件 件なしで複数命令連続実行可能 フラグによるインターロック条
□:号機番号 件が必要
SV13 Q172DLX,Q173DPX,Q173DSXY Q172DLX,Q173DPX,Q173DSXY*1 Q172LX,Q173PX
Q172DLX,Q172DEX,Q173DPX, Q172DLX,Q172DEX,Q173DPX,
モーションユニット SV22 Q172LX,Q172EX,Q173PX
Q173DSXY Q173DSXY*1
SV43 ─ Q172DLX,Q173DPX Q172LX,Q173PX
*1:Q173DCPU-S1/Q172DCPU-S1のみ
*2:SV22アドバンスト同期制御のみ

付 - 30
付 録

表4.1 Q173DSCPU/Q172DSCPU/Q173DCPU(-S1)/Q172DCPU(-S1)/Q173HCPU/Q172HCPUの相違点(つづき)
項 目 Q173DSCPU/Q172DSCPU Q173DCPU(-S1)/Q172DCPU(-S1) Q173HCPU/Q172HCPU
・QnUD(E)(H)CPU/QnUDVCPUが1号機となる ・Qn(H)CPUが1号機となる
・使用できる基本ベースユニットは,マルチCPU間高速基本ベー ・基本ベースユニットはQ3□B
システム設定
スユニット(Q35DB/Q38DB/Q312DB)のみ ・I/Oスロット0~2にQ172LX,
・I/Oスロット0~2にQ172DLX,Q172DEX,Q173DPX装着不可 Q172EX,Q173PX装着可
ラッチクリア リモート操作 L.CLRスイッチ
RUN/STOP リモート操作,RUN/STOPスイッチ RUN/STOPスイッチ
・ROM書込みをRAM運転モード/ROM運転モードで実施 ROM書込みをインストール・ROM
ROMからのブート運転
・MT Developer□のデータをROM書込み可能 書込みモードで実施
本体OSソフトウェア SV13/SV22 SW8DNC-SV□Q□ SW6RN-SV□Q□
形名 SV43 ─ SW7DNC-SV□Q□ SW5RN-SV□Q□
1号機のCPUユニット QnUD(E)(H)CPU/QnUDVCPU Qn(H)CPU
モーションCPUユニットは
2号機以降のCPUユニット装着順 制約なし シーケンサCPUユニットの右側に
装着
Q173DCPU(-S1)/Q172DCPU(-S1) Q173DSCPU/Q172DSCPU Q173CPUN(-T)/Q172CPUN(-T)
モーションCPUユニットの組合せ
との組み合わせ可 との組み合わせ可 との組み合わせ可
CPU空きスロット CPUユニット間に設定可 CPUユニット間に設定不可
マルチCPU間高速
あり なし
CPU共有 通信エリア
メモリ マ ル チ CPU 共 有 メ モ
可能 不可能
リによるアクセス
CPU共有メモリの自動リフレッ
使用メモリ CPU共有メモリのマルチCPU間高速通信エリア
シュエリア
自動 自動リフレッシュ
32範囲設定可能 4範囲設定可能
リフレッシュ 設定
マルチCPU間高速
あり なし
リフレッシュ機能
MODE,RUN,ERR,M.RUN,BAT,BOOT
LED表示 7セグメントLED状態表示
の各LED
リモートラッチクリアのラッチクリア(1),ラッチクリア(1)(2) ラッチクリアキーでクリアでき
ラッチ(1)
ラッチ範囲 にてクリア可能 る範囲
設定 ラッチクリアキーでクリアでき
ラッチ(2) リモートラッチクリアのラッチクリア(1)(2)にてクリア可能
ない範囲
シーケンサレディフラグ
オールクリア機能 インストールモードにして実行 (M2000),テストモード中フラグ
(M9075)をOFFして実行
特殊レジスタD9060に解除するエ
マルチCPU関連のエラー解除 M2039をOFFする ラーコードを格納し,特殊リレー
M9060をOFF→ONする
モーションCPU独自のエラーが発
生した場合は,診断エラー
モーションCPU独自のエラーが発生した場合は,診断エラー(SD0)
(D9008)に10000をセットする。こ
自己診断エラー にエラーの種別に応じて10000~10999をセットする。このとき,
のとき,自己診断エラーフラグ
自己診断エラーフラグ(SM1),診断エラーフラグ(SM0)もONする。 (M9008) , 診 断 エ ラ ー フ ラ グ
(M9010)はONしない。
モーションCPU独自のエラーが発
生した場合に,M2039がONする。
マルチCPU関連エラー(D9008のエ
モーションエラー検出フラグ モーションCPUにおいて,どのエラーが発生してもM2039がONす
ラーコードが10000未満)発生時
(M2039) る。 に は , M2039 は ON し な い 。
(SV13/SV22)
*:SV43はユーザ使用不可

付 - 31
付 録

表4.1 Q173DSCPU/Q172DSCPU/Q173DCPU(-S1)/Q172DCPU(-S1)/Q173HCPU/Q172HCPUの相違点(つづき)
項 目 Q173DSCPU/Q172DSCPU Q173DCPU(-S1)/Q172DCPU(-S1) Q173HCPU/Q172HCPU
ソフトウェアストロークリミット 無効設定可(全単位) degree軸のみ無効設定可
モーションCPUのバッテリエラー
無効設定可 常時有効
チェック
エラー出力する/しない
サーボ警告発生時のエラー出力 常時エラー出力
の選択可
Q172DLX信号,アンプ入力,
サーボ外部信号 Q172DLX信号,アンプ入力
DI信号,ビットデバイス
6設定可能
任意データモニタ機能 3設定可能
(SSCNETⅢでは3設定)
軸ラベル 32文字設定可 なし
マーク検出機能 32設定可 なし
速度・トルク制御機能 あり なし
正/負方向トルク制限値
トルク制限値 正/負方向トルク制限値を一括で変更・モニタ
の個別変更・モニタ可
加減速時間変更機能 あり なし
近点ドグ式(2種類),
近点ドグ式(2種類),
カウント式(3種類), 近点ドグ式(2種類),
カウント式(3種類),
データセット式(2種類), カウント式(3種類),
データセット式(2種類),
ドグクレードル式, データセット式(2種類),
原点復帰機能 ドグクレードル式,
ストッパ停止式(2種類), ドグクレードル式,
ストッパ停止式(2種類),
リミットスイッチ兼用式, ストッパ停止式(2種類),
リミットスイッチ兼用式,
スケール原点信号検出式, リミットスイッチ兼用式
スケール原点信号検出式
ドグレス原点信号基準式
PI-PID切換え指令 あり なし
サーボパラメータ読出し/変更機能 あり なし
パスワードによる保護,
セキュリティ機能 ソフトウェアセキュリティキー パスワードによる保護
による保護
ワード16ch,ビット16ch ワード4ch,ビット8ch
デジタルオシロ機能
リアルタイム表示可 リアルタイム表示可
通信速度 50Mbps
標準 局間最大 20m
ケーブル 最大総延長 320m(20m×16軸)
伝送距離
長距離 局間最大50m
SSCNETⅢ
ケーブル 最大総延長800m(50m×16軸)
MR-J3-□B,MR-J3W-□B,MR-J3-□B-RJ004,MR-J3-□B-RJ006, MR-J3-□B,MR-J3W-□B,
対応サーボアンプ MR-J3-□B-RJ080W,MR-J3-□BS,MR-MT1200, MR-J3-□B-RJ004,
FR-A700,VCⅡ(日機電装) MR-J3-□B-RJ006,MR-J3-□BS
通信速度 150Mbps
局間最大 20m
標準
最大総延長 320m
ケーブル
(20m×16軸)
伝送距離
SSCNETⅢ/H 局間最大 100m 使用不可
長距離
最大総延長 1600m
ケーブル
(100m×16軸)
MR-J4-□B,MR-J4-□B-RJ,
対応サーボアンプ
MR-J4W-□B,VCⅡ(日機電装)
ドライバ間通信機能 あり なし
SSCNETⅢ/Hヘッドユニット接続 接続可能 接続不可
マルチCPU間同期制御 あり なし

付 - 32
付 録

付4.2 デバイス比較

(1) モーションレジスタ
(a) モニタデバイス

表4.2 モーションレジスタ(モニタデバイス)一覧
デバイス番号
Q173DSCPU/ Q173DCPU(-S1)/ Q173HCPU/ 名 称 備 考
Q172DSCPU Q172DCPU(-S1) Q172HCPU
#8000~#8019 #8064~#8067 1軸モニタデバイス
#8020~#8039 #8068~#8071 2軸モニタデバイス
#8040~#8059 #8072~#8075 3軸モニタデバイス
#8060~#8079 #8076~#8079 4軸モニタデバイス
#8080~#8099 #8080~#8083 5軸モニタデバイス
#8100~#8119 #8084~#8087 6軸モニタデバイス
#8120~#8139 #8088~#8091 7軸モニタデバイス
#8140~#8159 #8092~#8095 8軸モニタデバイス
#8160~#8179 #8096~#8099 9軸モニタデバイス
#8180~#8199 #8100~#8103 10軸モニタデバイス
#8200~#8219 #8104~#8107 11軸モニタデバイス
#8220~#8239 #8108~#8111 12軸モニタデバイス
#8240~#8259 #8112~#8115 13軸モニタデバイス
#8260~#8279 #8116~#8119 14軸モニタデバイス
#8280~#8299 #8120~#8123 15軸モニタデバイス
#8300~#8319 #8124~#8127 16軸モニタデバイス
#8320~#8339 #8128~#8131 17軸モニタデバイス
#8340~#8359 #8132~#8135 18軸モニタデバイス
#8360~#8379 #8136~#8139 19軸モニタデバイス
#8380~#8399 #8140~#8143 20軸モニタデバイス
#8400~#8419 #8144~#8147 21軸モニタデバイス
#8420~#8439 #8148~#8151 22軸モニタデバイス
#8440~#8459 #8152~#8155 23軸モニタデバイス
#8460~#8479 #8156~#8159 24軸モニタデバイス
#8480~#8499 #8160~#8163 25軸モニタデバイス
#8500~#8519 #8164~#8167 26軸モニタデバイス
#8520~#8539 #8168~#8171 27軸モニタデバイス
#8540~#8559 #8172~#8175 28軸モニタデバイス
#8560~#8579 #8176~#8179 29軸モニタデバイス
#8580~#8599 #8180~#8183 30軸モニタデバイス
#8600~#8619 #8184~#8187 31軸モニタデバイス
#8620~#8639 #8188~#8191 32軸モニタデバイス

付 - 33
付 録

表4.3 モニタデバイス一覧
デバイス番号*
Q173DSCPU/ Q173DCPU(-S1)/ Q173HCPU/ 名 称 備 考
Q172DSCPU Q172DCPU(-S1) Q172HCPU
#8000+20n #8064+4n サーボアンプ種別
#8001+20n #8065+4n モータ電流
#8002+20n #8066+4n
モータ回転数
#8003+20n #8067+4n
#8004+20n
- 指令速度
#8005+20n
Q173DCPU/Q172DCPUで
#8006+20n
- 原点復帰再移動量 新規のデバイス
#8007+20n
#8008+20n - サーボアンプ表示サーボエラーコード
#8009+20n - - パラメータエラー番号
#8010+20n - - サーボステータス1 Q173DSCPU/Q172DSCPUで
#8011+20n - - サーボステータス2 新規のデバイス
#8012+20n - - サーボステータス3

*:デバイス番号中のnは軸No.に対応する数値(軸No.1~32:n=0~31)を示しています。

(b) モーションエラー履歴

表4.4 モーションレジスタ(モーションエラー履歴)一覧
デバイス番号
Q173DSCPU/ Q173DCPU(-S1)/ Q173HCPU/ 名 称 備 考
Q172DSCPU Q172DCPU(-S1) Q172HCPU*
#8640~#8651 #8000~#8007 過去7回エラー情報(最旧エラー情報)
#8652~#8663 #8008~#8015 過去6回エラー情報
#8664~#8675 #8016~#8023 過去5回エラー情報
#8676~#8687 #8024~#8031 過去4回エラー情報
#8688~#8699 #8032~#8039 過去3回エラー情報
#8700~#8711 #8040~#8047 過去2回エラー情報
#8712~#8723 #8048~#8055 過去1回エラー情報
#8724~#8735 #8056~#8063 最新エラー情報

*:SV43使用時はユーザ使用不可です。

付 - 34
付 録

表4.5 モーションエラー履歴一覧(SV13/SV22)
デバイス番号*
Q173DSCPU/ Q173DCPU(-S1)/ Q173HCPU/ 名 称 備 考
Q172DSCPU Q172DCPU(-S1) Q172HCPU
#8640+12n #8000+8n モーションSFCエラープログラム番号
#8641+12n #8001+8n エラー種別
#8642+12n #8002+8n エラープログラム番号
エラーブロック番号/モーションSFCリスト/
#8643+12n #8003+8n
行番号/軸番号
#8644+12n #8004+8n エラーコード
#8645+12n #8005+8n エラー発生時刻(年/月)
#8646+12n #8006+8n エラー発生時刻(日/時)
#8647+12n #8007+8n エラー発生時刻(分/秒)
#8648+12n - エラー設定データ情報
#8649+12n - ユーザ使用不可 Q173DCPU/Q172DCPUで
#8650+12n 新規のデバイス
- エラー設定データ
#8651+12n

*:デバイス番号中のnは,モーションエラー履歴に対応する数値(n=0~7)を示しています。

表4.6 モーションエラー履歴一覧(SV43)
デバイス番号*
Q173DCPU(-S1)/ 名 称 備 考
Q173HCPU/Q172HCPU
Q172DCPU(-S1)
#8640+12n - エラー種別
#8641+12n - 軸番号
#8642+12n - エラーコード
#8643+12n - プログラム番号
#8644+12n - シーケンス番号
#8645+12n - ブロック番号 Q173DCPU/Q172DCPUで
#8646+12n - エラー発生時刻(年/月) 新規のデバイス
#8647+12n - エラー発生時刻(日/時)
#8648+12n - エラー発生時刻(分/秒)
#8649+12n - エラー設定データ情報
#8650+12n
- エラー設定データ
#8651+12n

*:デバイス番号中のnは,モーションエラー履歴に対応する数値(n=0~7)を示しています。

(c) 製品情報一覧

表4.7 モーションレジスタ(製品情報一覧)一覧
デバイス番号
Q173DSCPU/ Q173DCPU(-S1)/ Q173HCPU/ 名 称 備 考
Q172DSCPU Q172DCPU(-S1) Q172HCPU
#8736~#8743 - 本体OSソフトウェアバージョン Q173D(S)CPU/
Q172D(S)CPUで新規のデバ
#8744~#8751 - モーションCPUユニット製造番号
イス

付 - 35
付 録

(2) 特殊リレー

表4.8 特殊リレー一覧
デバイス番号
Q173DSCPU/ Q173DCPU(-S1)/ Q173HCPU/ 名 称 備 考
Q172DSCPU Q172DCPU(-S1) Q172HCPU
SM60 M9000/M2320 ヒューズ断検出フラグ
SM53 M9005/M2321 AC/DC DOWN検出フラグ
SM52 M9006/M2322 バッテリ低下フラグ
SM51 M9007/M2323 バッテリ低下ラッチフラグ
SM1 M9008/M2324 自己診断エラーフラグ
SM0 M9010/M2325 診断エラーフラグ
- M9025/M3136 時計データセット要求
SM211 M9026/M2328 時計データエラー
SM801 M9028/M3137 時計データ読出し要求
SM400 M9036/M2326 常時ON
SM401 M9037/M2327 常時OFF
エラー解除動作はM2039に
- M9060/M3138 診断エラーリセット
て行う
SM512 M9073/M2329 モーションCPU WDTエラーフラグ
SM500 M9074/M2330 PCPU準備完了フラグ
SM501 M9075/M2331 テストモード中フラグ
SM502 M9076/M2332 緊急停止入力フラグ
SM513 M9077/M2333 手動パルサ軸設定エラーフラグ
SM510 M9078/M2334 テストモード要求エラーフラグ
サーボプログラム設定エラーフラグ(SV13/SV22)
SM516 M9079/M2335
/モーションプログラム設定エラー(SV43)
SM528 M9216/M2345 1号機MULTR完了フラグ
SM529 M9217/M2346 2号機MULTR完了フラグ
SM530 M9218/M2347 3号機MULTR完了フラグ
SM531 M9219/M2348 4号機MULTR完了フラグ
SM240 M9240/M2336 1号機リセット中フラグ
SM241 M9241/M2337 2号機リセット中フラグ
SM242 M9242/M2338 3号機リセット中フラグ
SM243 M9243/M2339 4号機リセット中フラグ
SM244 M9244/M2340 1号機エラーフラグ
SM245 M9245/M2341 2号機エラーフラグ
SM246 M9246/M2342 3号機エラーフラグ
SM247 M9247/M2343 4号機エラーフラグ
SM58 - バッテリ低下警告ラッチフラグ
SM59 - バッテリ低下警告フラグ
SM220 - 1号機準備完了
Q173DCPU/Q172DCPUで
SM221 - 2号機準備完了
新規のデバイス
SM222 - 3号機準備完了
SM223 - 4号機準備完了
SM503 - デジタルオシロRUN中フラグ
Q173DSCPU/Q172DSCPUで
SM505 - - カムデータ書込み中フラグ
新規のデバイス
Q173D(S)CPU/
SM506 - 緊急停止入力ONラッチフラグ Q172D(S)CPUで新規のデバ
イス

付 - 36
付 録

表4.8 特殊リレー一覧(つづき)
デバイス番号
Q173DSCPU/ Q173DCPU(-S1)/ Q173HCPU/ 名 称 備 考
Q172DSCPU Q172DCPU(-S1) Q172HCPU
SM508 - アンプなし運転状態フラグ
Q173DCPU/Q172DCPUで
SM526 - オーバーヒート警告ラッチフラグ
新規のデバイス
SM527 - オーバーヒート警告フラグ
SM532 - - SSCNETⅢ系統検索中フラグ(1系統目)
SM533 - - SSCNETⅢ系統検索中フラグ(2系統目) Q173DSCPU/Q172DSCPUで
SM561 - - マルチCPU間同期制御イニシャル完了フラグ 新規のデバイス
SM805 - - 急停止減速時間設定エラー無効フラグ

付 - 37
付 録

(3) 特殊レジスタ

表4.9 特殊レジスタ一覧
デバイス番号
Q173DSCPU/ Q173DCPU(-S1)/ Q173HCPU/ 名 称 備 考
Q172DSCPU Q172DCPU(-S1) Q172HCPU
SD60 D9000 ヒューズ断No.
SD53 D9005 AC/DC DOWNカウンタNo.
SD0 D9008 診断エラー
SD1 D9010 診断エラー発生時刻(西暦,月)
SD2 D9011 診断エラー発生時刻(日,時)
SD3 D9012 診断エラー発生時刻(分,秒)
SD4 D9013 エラー情報区分
SD5 D9014
SD6 -
SD7 -
SD8 -
SD9 -
SD10 - エラー共通情報
SD11 -
SD12 -
SD13 -
SD14 -
SD15 -
Q173DCPU/Q172DCPUで
SD16 -
新規のデバイス
SD17 -
SD18 -
SD19 -
SD20 -
SD21 - エラー個別情報
SD22 -
SD23 -
SD24 -
SD25 -
SD26 -
SD203 D9015 CPU動作状態
SD520 D9017 現在メイン周期
SD521 D9019 最大メイン周期
SD210 D9025 時計データ(西暦,月)
SD211 D9026 時計データ(日,時)
SD212 D9027 時計データ(分,秒)
SD213 D9028 時計データ(曜日)
エラー解除動作はM2039に
- D9060 診断エラー解除エラーNo.
て行う
SD395 D9061 マルチCPU号機番号
SD508 SSCNET制御(ステータス)
D9112
SD803 SSCNET制御(指令)
SD510 D9182
テストモード要求エラー
SD511 D9183
SD512 D9184 モーションCPU WDTエラー要因

付 - 38
付 録

表4.9 特殊レジスタ一覧(つづき)
デバイス番号
Q173DSCPU/ Q173DCPU(-S1)/ Q173HCPU/ 名 称 備 考
Q172DSCPU Q172DCPU(-S1) Q172HCPU
SD513 D9185
SD514 D9186 手動パルサ軸設定エラー
SD515 D9187
SD522 D9188 モーション演算周期
SD516 D9189 エラープログラムNo.
SD517 D9190 エラー項目情報
SD502 D9191
サーボアンプ実装情報
SD503 D9192
SD504 D9193
SD505 D9194 リアルモード/仮想モード切換えエラー情報
SD506 D9195
Q173D(S)CPU/
- D9196 パソコンリンク通信エラーコード Q172D(S)CPUはパソコンリ
ンク通信なし
SD523 D9197 モーション設定演算周期
SD200 D9200 スイッチ状態
Q173D(S)CPU/
- D9201 LED状態 Q172D(S)CPUでは7セグメ
ントLEDを使用する
SD524 - - モーション最大演算周期
SD550 - -
システム設定エラー情報 Q173DSCPU/Q172DSCPUで
SD551 - -
新規のデバイス
SD552 - -
サーボパラメータ書込み/読出し要求
SD553 - -
SD560 - - 動作方式 Q173DSCPU/Q172DSCPUで
SD561 - - マルチCPU間同期制御CPU設定状態 新規のデバイス
SD700 -
SD701 -
SD702 - デバイス割付
Q173DCPU/Q172DCPUで
SD703 -
新規のデバイス
SD704 -
SD720 -
444μsフリーランタイマ
SD721 -
SD722 - -
222μsフリーランタイマ
SD723 - -
SD804 - -
SD805 - - Q173DSCPU/Q172DSCPUで
サーボパラメータ書込み/読出し要求
SD806 - - 新規のデバイス
SD807 - -
SD808 - -
サーボパラメータ書込み/読出し要求(2ワード)
SD809 - -

付 - 39
付 録

(4) その他のデバイス

表4.10 その他のデバイス一覧
項 目 Q173DSCPU/Q172DSCPU Q173DCPU(-S1)/Q172DCPU(-S1) Q173HCPU/Q172HCPU
特殊リレー割付けデバイス(ステ
M2320~M2399 ユーザ使用不可
ータス)
Q172DSCPUで17軸以上の Q172DCPU(-S1)で9軸以上の
Q172HCPUで9軸以上のデバイスエ
M2400~M3039 デバイスエリアはユーザ デバイスエリアはユーザ
リアはユーザ使用不可
内部リレー/ デバイスとして使用可 デバイスとして使用可
データレジスタ 特殊リレー割付けデバイス
M3136~M3199 ユーザ使用不可
(指令信号)
M3200~M3839 Q172DSCPUで17軸以上の Q172DCPU(-S1)で9軸以上の
Q172HCPUで9軸以上のデバイスエ
D0~D639 デバイスエリアはユーザ デバイスエリアはユーザ
リアはユーザ使用不可
D640~D703 デバイスとして使用可 デバイスとして使用可
パソコンリンク通信エラーフラグ - M2034
PI-PID切換え指令 M3217+20n*1 - -
PCPU準備完了フラグ SM500 D759
D9+20n(1ワードに短縮したデータ)*1
原点復帰再移動量 D9+20n*1
#8006+20n,#8007+20n(モニタ時に参照)*1
任意デバイス
移動量変更レジスタ D16+20n,D17+20n*1
(D16+20n,D17+20nの設定も可)*1
D0~D8191 D800~D8191
間接指定デバイス W0~W1FFF W0~W1FFF
(ワードデバイス) #0~#7999 #0~#7999
*2
U□¥G10000~U□¥G(10000+p-1) -
X0~X1FFF*3 X0~X1FFF X0~X1FFF
Y0~Y1FFF Y0~Y1FFF
M0~M8191 M/L0~M/L8191
間接指定デバイス
- M9000~M9255
(ビットデバイス)
B0~B1FFF B0~B1FFF
F0~F2047 F0~F2047
U□\G10000.0~U□\G(10000+p-1).F*2 -
D0~D8191 D800~D3069,D3080~D8191
高速読出し機能指定可能デバイス W0~W1FFF W0~W1FFF
U□\G10000~U□\G(10000+p-1)*2 -
D0~D8191 D0~D8191
任意データモニタ機能指定可能 W0~W1FFF W0~W1FFF
デバイス #0~#7999 #0~#7999
*2
U□\G10000~U□\G(10000+p-1) -

*1:nは軸No.に対応する数値(軸No.1~32:n=0~31)を示しています。
*2:pは各号機のマルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由エリア点数です。
*3:モーションCPU内蔵I/F(DI)に割り付けた入力デバイス(PXn+0~PXn+F)では,PXn
+4~PXn+Fの範囲は0固定となり使用できません。(n=先頭入力番号)

付 - 40
付 録

表4.10 その他のデバイス一覧(つづき)
項 目 Q173DSCPU/Q172DSCPU Q173DCPU(-S1)/Q172DCPU(-S1) Q173HCPU/Q172HCPU
*3
X0~X1FFF X0~X1FFF X0~X1FFF
Y0~Y1FFF Y0~Y1FFF
M0~M8191 M0~M8191
出力デバイス
- L0~L8191
B0~B1FFF B0~B1FFF
U□\G10000.0~U□\G(10000+p-1).F*2 -
D0~D8191 D0~D8191
リミットスイッチ出力データ

W0~W1FFF W0~W1FFF
ウォッチデータ
#0~#9215 #0~#8191
U□\G10000~U□\G(10000+p-1)*2 -
D0~D8191 D0~D8191
W0~W1FFF W0~W1FFF
ON区間設定 #0~#9215 #0~#8191
定数(Hn/Kn)*4 定数(Hn/Kn)*4
U□\G10000~U□\G(10000+p-1)*2 -
X0~X1FFF*3 X0~X1FFF X0~X1FFF
Y0~Y1FFF Y0~Y1FFF
M0~M8191 M0~M8191
出力許可/禁止ビット
- L0~L8191
B0~B1FFF B0~B1FFF
強制出力ビット
F0~F2047 F0~F2047
SM0~SM1999 M9000~M9255
U□\G10000.0~U□\G(10000+p-1).F*2 -

*1:nは軸No.に対応する数値(軸No.1~32:n=0~31)を示しています。
*2:pは各号機のマルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由エリア点数です。
*3:モーションCPU内蔵I/F(DI)に割り付けた入力デバイス(PXn+0~PXn+F)では,PXn
+4~PXn+Fの範囲は0固定となり使用できません。(n=先頭入力番号)
*4:設定範囲は設定単位により異なります。

ポイント
マルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由エリア点数については,「第2章」を参照
してください。

付 - 41
付 録

付4.3 各本体OSソフトウェアの相違点

(1) モーションSFC(SV13/SV22)

項 目 Q173DSCPU/Q172DSCPU Q173DCPU(-S1)/Q172DCPU(-S1) Q173HCPU/Q172HCPU


コード合計
モーション (SFC図+演算制御+ 652kバイト 543kバイト 543kバイト
SFC トランジション)
プログラム テキスト合計
容量 (演算制御+ 668kバイト 484kバイト 484kバイト
トランジション)
モーションSFCプログラム実行中
X,Y,M,B,U□\G -
フラグ
モーションSFCプログラム 定周期(0.22ms,0.44ms,0.88ms, 定周期(0.44ms,0.88ms,1.77ms, 定周期(0.88ms,1.77ms,3.55ms,
イベントタスク 1.77ms,3.55ms,7.11ms,14.2ms) 3.55ms,7.11ms,14.2ms) 7.11ms,14.2ms)
ノーマルタスク:1~100000
タクスパラメータ
イベントタスク:1~10000 -
繰り返し制御制限回数
NMIタスク :1~10000
演算制御・トランジション制御
使用可能デバイス D,W,U□\G,SD,#,FT D,W,特殊D,#,FT
(ワードデバイス)
演算制御・トランジション制御
X,PX,Y,PY,M,L,B,F,
使用可能デバイス X,PX,Y,PY,M,U□\G□.□,B,F,SM
特殊M
(ビットデバイス)
モーション専用 CHGV,CHGVS*1,CHGT,
CHGV,CHGT CHGV,CHGT
関数 CHGT2,CHGP
EI,DI,NOP,BMOV,FMOV, EI,DI,NOP,BMOV,FMOV, EI,DI,NOP,BMOV,FMOV,
その他 MULTW,MULTR,TO,FROM, MULTW,MULTR,TO,FROM, MULTW,MULTR,TO,FROM,
RTO,RFROM,TIME TIME TIME
命令 ビジョンシステム MVOPEN,MVLOAD,MVTRG,MVPST,MVIN,MVOUT,

専用命令*2 MVFIN,MVCLOSE,MVCOM
データ制御 SCL,DSCL - -
プログラム制御 IF~ELSE~IEND,SELECT~CASE~SEND,FOR~NEXT,BREAK -
同期制御専用 CAMRD,CAMWR,CAMWR2,
- -
関数*1 CAMMK,CAMPSCL

*1:SV22アドバンスト同期制御のみ
*2:Q173DCPU/Q172DCPUでは使用不可

付 - 42
付 録

(2) 仮想モード(SV22)

項 目 Q173DSCPU/Q172DSCPU Q173DCPU(-S1)/Q172DCPU(-S1) Q173HCPU/Q172HCPU


M4640~M4687 Q172DCPU(-S1)で9軸以上の
内部リレー/ Q172HCPUで9軸以上のデバイスエ
M5440~M5487 ユーザデバイスとして使用不可 デバイスエリアはユーザ
データレジスタ リアはユーザ使用不可
D1120~D1239 デバイスとして使用可
クラッチステータス 任意デバイス(M2160~M2223の設定も可) M2160~M2223
カム軸指令信号
任意デバイス(M5488~M5519の設定も可) M5488~M5519
(カム/ボールネジ切換え指令)
スムージングクラッチ完了信号 任意デバイス(M5520~M5583の設定も可) M5520~M5583
リアルモード軸情報レジスタ SD500,SD501 D790,D791
D0~D8191 D800~D3069,D3080~D8191
メカ機構プログラムの間接指定
W0~W1FFF W0~W1FFF
デバイス
#0~#7999 -
(ワードデバイス)
U□\G10000~U□\G(10000+p-1)*1 -
X0~X1FFF*2 X0~X1FFF X0~X1FFF
Y0~Y1FFF Y0~Y1FFF
メカ機構プログラムの間接指定 M0~M8191 M/L0~M/L8191
デバイス - M9000~M9255
(ビットデバイス) B0~B1FFF B0~B1FFF
F0~F2047 F0~F2047
U□\G10000.0~U□\G(10000+p-1).F*1 -
仮想サーボモータ
1~2147483647 1~32767 1~32767
指令インポジション範囲
カム軸1回転 1~1073741824[PLS]/
1~1073741824[PLS] 1~1073741824[PLS]
カム パルス数 ワードデバイス(D,W,#,U□\G)
出力の単位 mm,inch,PLS,degree mm,inch,PLS mm,inch,PLS
上限値:0~65535 上限値:1~10000
変速機変速比
下限値:0~65535 下限値:1~10000
出力モジュールの
1~1073741824[PLS] 1~65535[×100PLS]
溜りパルス許容値

*1:pは各号機のマルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由エリア点数です。
*2:モーションCPU内蔵I/F(DI)に割り付けた入力デバイス(PXn+0~PXn+F)では,PXn
+4~PXn+Fの範囲は0固定となり使用できません。(n=先頭入力番号)

ポイント
マルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由エリア点数については,「第2章」を参照
してください。

付 - 43
付 録

(3) モーションプログラム(SV43)

項 目 Q173DCPU(-S1)/Q172DCPU(-S1) Q173HCPU/Q172HCPU
DNC運転 なし あり
内部リレー/
M4320~M4335 ユーザ使用不可 DNCステータス
データレジスタ
モーションプログラム容量 504kバイト 248kバイト
変数 デバイス変数 X,Y,M,B,F,D,W,#,U□\G X,Y,M,B,F,D,W,#
CALL,GOSUB,GOSUBE,IF…GOTO, CALL,GOSUB,GOSUBE,IF…GOTO,
JUMP・
命令 IF…THEN…ELSE IF…ELSE…END, IF…THEN…ELSE…END,
繰返し処理
WHILE…DO…BREAK…CONTINUE…END WHILE…DO…END
AT(加速時間):1~65535[×0.001s]

命令記号 BT(減速時間):1~65535[×0.001s]
AND(ワードデバイス条件分岐) -
IF文,WHILE文の多重度 IF文とWHILE文を合わせて8重まで IF文とWHILE文を合わせて3重まで
BSET,BRST ビット操作するワードデバイスの間接指定可能 -
0~32767 0~9999
Mコードの設定範囲
(特殊Mコードを除く32761種類使用可) (特殊Mコードを除く9993種類使用可)

付 - 44
保証について
ご使用に際しましては,以下の製品保証内容をご確認いただきますよう,よろしくお願い致します。
1.無償保証期間と無償保証範囲
無償保証期間中に,製品に当社側の責任による故障や瑕疵(以下併せて「故障」と呼びます)が発生した場合,当
社はお買い上げいただきました販売店または当社サービス会社を通じて,無償で製品を修理させていただきます。
ただし,国内および海外における出張修理が必要な場合は,技術者派遣に要する実費を申し受けます。また,故障
ユニットの取替えに伴う現地再調整・試運転は当社責務外とさせていただきます。
【無償保証期間】
製品の無償保証期間は,お客様にてご購入後またはご指定場所に納入後36ヶ月とさせていただきます。
ただし,当社製品出荷後の流通期間を最長6ヶ月として,製造から42ヶ月を無償保証期間の上限とさせていただき
ます。また,修理品の無償保証期間は,修理前の無償保証期間を超えて長くなることはありません。
【無償保証範囲】
(1) 一次故障診断は,原則として貴社にて実施をお願い致します。
ただし,貴社要請により当社,または当社サービス網がこの業務を有償にて代行することができます。
この場合,故障原因が当社側にある場合は無償と致します。
(2) 使用状態・使用方法,および使用環境などが,取扱説明書,ユーザーズマニュアル,製品本体注意ラベルなど
に記載された条件・注意事項などにしたがった正常な状態で使用されている場合に限定させていただきます。
(3) 無償保証期間内であっても,以下の場合には有償修理とさせていただきます。
① お客様における不適切な保管や取扱い,不注意,過失などにより生じた故障およびお客様のハードウェアま
たはソフトウェア設計内容に起因した故障。
② お客様にて当社の了解なく製品に改造などの手を加えたことに起因する故障。
③ 当社製品がお客様の機器に組み込まれて使用された場合,お客様の機器が受けている法的規制による安全装
置または業界の通念上備えられているべきと判断される機能・構造などを備えていれば回避できたと認めら
れる故障。
④ 取扱説明書などに指定された消耗部品が正常に保守・交換されていれば防げたと認められる故障。
⑤ 消耗部品(バッテリ,ファンなど)の交換。
⑥ 火災,異常電圧などの不可抗力による外部要因および地震,雷,風水害などの天変地異による故障。
⑦ 当社出荷当時の科学技術の水準では予見できなかった事由による故障。
⑧ その他,当社の責任外の場合またはお客様が当社責任外と認めた故障。

2.生産中止後の有償修理期間
(1) 当社が有償にて製品修理を受け付けることができる期間は,その製品の生産中止後7年間です。生産中止に関しま
しては,当社セールスとサービスなどにて報じさせていただきます。
(2) 生産中止後の製品供給(補用品を含む)はできません。

3.海外でのサービス
海外においては,当社の各地域FAセンターで修理受付をさせていただきます。ただし,各FAセンターでの修理条件
などが異なる場合がありますのでご了承ください。

4.機会損失,二次損失などへの保証責務の除外
無償保証期間の内外を問わず,当社の責に帰すことができない事由から生じた障害,当社製品の故障に起因するお
客様での機会損失,逸失利益,当社の予見の有無を問わず特別の事情から生じた損害,二次損害,事故補償,当社製品
以外への損傷,およびお客様による交換作業,現地機械設備の再調整,立上げ試運転その他の業務に対する補償につい
ては,当社責務外とさせていただきます。

5.製品仕様の変更
カタログ,マニュアルもしくは技術資料などに記載の仕様は,お断りなしに変更させていただく場合がありますの
で,あらかじめご承知おきください。

6.製品の適用について
(1) 当社モーションコントローラをご使用いただくにあたりましては,万一モーションコントローラに故障・不具合な
どが発生した場合でも重大な事故にいたらない用途であること,および故障・不具合発生時にはバックアップや
フェールセーフ機能が機器外部でシステム的に実施されていることをご使用の条件とさせていただきます。
(2) 当社モーションコントローラは,一般工業などへの用途を対象とした汎用品として設計・製作されています。
したがいまして,各電力会社殿の原子力発電所およびその他発電所向けなどの公共への影響が大きい用途や,鉄
道各社殿および官公庁殿向けの用途などで,特別品質保証体制をご要求になる用途には,モーションコントロー
ラの適用を除外させていただきます。
また,航空,医療,鉄道,燃焼・燃料装置,有人搬送装置,娯楽機械,安全機械など人命や財産に大きな影響が
予測される用途へのご使用についても,当社モーションコントローラの適用を除外させていただきます。
ただし,これらの用途であっても,使途を限定して特別な品質をご要求されないことをお客様にご了承いただく
場合には,適用可否について検討致しますので当社窓口へご相談ください。
以 上
サービスネットワーク(三菱電機システムサービス(株))

北海道支店
(011)890-7515

新潟機器サービスステーション
(025)241-7261

北陸支店
(076)252-9519

京滋機器サービスステーション
(075)611-6211

関西機電支社
(06)6458-9728

姫路機器サービスステーション
(079)281-1141

中四国支社
(082)285-2111

北日本支社
(022)238-1761
東京機電支社
(03)3454-5521
神奈川機器サービスステーション
(045)938-5420

関越機器サービスステーション
(048)859-7521
静岡機器サービスステーション
(054)287-8866
中部支社
(052)722-7601

四国支店
(087)831-3186
岡山機器サービスステーション
(086)242-1900
九州支社
(092)483-8208
長崎機器サービスステーション
(095)818-0700

Microsoft,Windows,Windows NT,Windows Vistaは,米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登


録商標です。
Ethernetは,米国Xerox Corporationの登録商標です。
その他,本文中における会社名,商品名は,各社の商標または登録商標です。

IB(名)-0300126-K

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