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● 安全上のご注意 ●

(ご使用前に必ずお読みください)

本製品のご使用に際しては,本マニュアルおよび本マニュアルで紹介している関連マニュアルをよくお
読みいただくと共に,安全に対して十分に注意を払って,正しい取扱いをしていただくようお願いいたし
ます。
本マニュアルで示す注意事項は,本製品に関するもののみについて記載したものです。モーションコン
トローラの安全上のご注意に関しては,Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPUユーザーズマニュアルを参照してくだ
さい。
この●安全上のご注意●では,安全注意事項のランクを「危険」,「注意」として区分してあります。

取扱いを誤った場合に,危険な状況が起こりえて,死亡または重傷を
危険 受ける可能性が想定される場合。

取扱いを誤った場合に,危険な状況が起こりえて,中程度の傷害や軽
注意 傷を受ける可能性が想定される場合および物的損傷だけの発生が想定
される場合。

なお, 注意に記載した事項でも,状況によっては重大な結果に結びつく可能性があります。
いずれも重要な内容を記載していますので必ず守ってください。

本マニュアルは必要なときに読めるよう大切に保管すると共に,必ず最終ユーザまでお届けいただくよ
うお願いいたします。

A - 1
安全にお使いいただくために
1.感電防止のために
危険
● 通電中および運転中は前面ケースや端子台カバーを開けないでください。感電の原因となります。
● 前面ケースや端子カバーを外しての運転は行わないでください。高電圧の端子および充電部が露出
していますので,感電の原因となります。
● 電源OFF時でも配線作業・定期点検以外では前面ケースや端子カバーを外さないでください。コン
トローラ,サーボアンプ内部は充電されており,感電の原因となります。
● ユニットの着脱,配線作業および点検は,必ずシステムで使用している外部供給電源を全相遮断し
てから行ってください。感電の原因となります。
● 配線作業や点検は,電源OFF後,10分以上経過した後に,テスタなどで電圧を確認してから行って
ください。感電の原因となります。
● コントローラ,サーボアンプおよびサーボモータは,D種接地(第三種接地)以上の接地工事を行っ
てください。また,他の機器の接地とは共用しないでください。
● 配線作業や点検は専門の技術者が行ってください。
● コントローラ,サーボアンプおよびサーボモータは据え付けてから配線してください。感電,傷害
の原因となります。
● 濡れた手でスイッチ操作しないでください。感電の原因となります。
● ケーブルを傷つけたり,無理なストレスをかけたり,重いものを載せたり,挟み込んだりしないで
ください。感電の原因となります。
● 通電中はコントローラ,サーボアンプ,サーボモータの端子台に触れないでください。感電の原因
となります。
● コントローラやサーボアンプの内部電源や内部グランド,信号線に触れないでください。感電の原
因となります。

2.火災防止のために
注意
● コントローラ,サーボアンプ,サーボモータ,回生抵抗は,不燃物に取り付けてください。可燃物
への直接取付け,または可燃物近くへの取付けは,火災の原因となります。
● コントローラ,サーボアンプが故障した場合は,サーボアンプの電源側で電源を遮断してください。
大電流が流れ続けると,火災の原因となります。
● 回生抵抗を使用する場合は,異常信号で電源を遮断してください。回生トランジスタの故障などに
より,回生抵抗が異常過熱し,火災の原因となります。
● サーボアンプや回生抵抗を設置する制御盤内面や使用する電線は,難燃処理などの熱対策を実施し
てください。火災の原因となります。
● ケーブルを傷つけたり,無理なストレスをかけたり,重いものを載せたり,挟み込んだりしないで
ください。火災の原因となります。

A - 2
3.傷害防止のために
注意
● 各端子には取扱説明書に決められた電圧以外は印加しないでください。破裂,破損などの原因とな
ります。
● 端子接続を間違えないでください。破裂,破損などの原因となります。
● 極性( + - )を間違えないでください。破裂,破損などの原因となります。
● 通電中や電源遮断後しばらくの間は,コントローラやサーボアンプの放熱フィン,回生抵抗,サー
ボモータなどは高温になる場合がありますので,触れないでください。火傷の原因となります。
● サーボモータ軸やそれに連結する機械に触れる場合は,電源を遮断した後に行ってください。傷害
の原因となります。
● 試験運転やティーチングなどの運転中は機械に近寄らないでください。傷害の原因となります。

4.諸注意事項
次の注意事項につきましても充分留意ください。取扱いを誤った場合には,故障,けが,感電などの原
因となります。

(1) システム構築について

注意
● コントローラ,サーボアンプの電源には漏電ブレーカを設置してください。
● エラー発生時の電源遮断用電磁接触器の設置を取扱説明書で規定しているサーボアンプなどにつ
いては,電磁接触器を設置してください。
● 即時に運転停止し,電源を遮断できるように外部に非常停止回路を設置してください。
● コントローラ,サーボアンプ,サーボモータ,回生抵抗は,取扱説明書に記載された正しい組合せ
で使用してください。火災,故障発生の原因となります。
● コントローラ,ベースユニット,モーションユニットは,取扱説明書に記載された正しい組合せで
使用してください。故障発生の原因となります。
● コントローラ,サーボアンプ,サーボモータを使用したシステムとしての安全基準(たとえばロボッ
トなどの安全通則など)のあるものは安全基準を満足させてください。
● コントローラ,サーボアンプの異常時動作とシステムとしての安全方向動作が異なる場合は,コン
トローラ,サーボアンプの外部で対策回路を構成してください。
● 緊急停止,非常停止,サーボオフ,電源断時のサーボモータのフリーランが問題となるシステムで
は,ダイナミックブレーキを使用してください。
● ダイナミックブレーキを使用した場合でも惰性量を考慮したシステムとしてください。
● 緊急停止,非常停止,サーボオフ,電源断時の垂直軸落下が問題となるシステムでは,ダイナミッ
クブレーキと電磁ブレーキを併用してください。
● ダイナミックブレーキは緊急停止,非常停止およびサーボオフの起こるエラー時にのみ使用し,通
常の制動には使用しないでください。
● サーボモータに組込むブレーキ(電磁ブレーキ)は保持用ですので,通常の制動には使用しないで
ください。
● ストロークリミットスイッチは,最高速で通過しても停止可能な機械的余裕を取るシステム構成と
してください。

A - 3
注意
● 使用する電線やケーブルは,システムに適合した電線径,耐熱性,耐屈曲性を有するものを使用し
てください。
● 使用する電線やケーブルは,取扱説明書に記載された範囲内の長さのものを使用してください。
● システムに使用する部品(コントローラ,サーボアンプ,サーボモータ以外)の定格,特性はコン
トローラ,サーボアンプ,サーボモータと適合したものを使用してください。
● 運転中,サーボモータの回転部には絶対に触れないよう,軸にはカバーなどを設けてください。
● 電磁ブレーキは寿命および機械構造(タイミングベルトを介してボールねじとサーボモータが結合
されている場合など)により保持できない場合があります。機械側に安全を確保するための停止装
置を設置してください。

(2) パラメータ設定・プログラミングについて

注意
● パラメータは,コントローラ,サーボアンプ,サーボモータ,回生抵抗の形名,システムの用途に
適合した値を設定してください。誤った設定により保護機能が働かなくなることがあります。
● 回生抵抗の形名と容量のパラメータは,運転モード,サーボアンプ,サーボ電源ユニットに整合し
た値を設定してください。誤った設定により保護機能が働かなくなることがあります。
● メカブレーキ出力,ダイナミックブレーキ出力の使用,未使用のパラメータは,システムの用途に
適合した値を設定してください。誤った設定により保護機能が働かなくなることがあります。
● ストロークリミット入力の使用,未使用のパラメータ設定は,システムの用途に適合した値を設定
してください。誤った設定により保護機能が働かなくなることがあります。
● サーボモータのエンコーダのタイプ(インクリメント,絶対位置タイプなど)のパラメータはシス
テムの用途に適合した値を設定してください。誤った設定により保護機能が働かなくなることがあ
ります。
● サーボモータの容量,タイプ(標準,低慣性,フラットなど)のパラメータは,システムの用途に
適合した値を設定してください。誤った設定により保護機能が働かなくなることがあります。
● サーボアンプの容量,タイプのパラメータ設定は,システムの用途に適合した値を設定してくださ
い。誤った設定により保護機能が働かなくなることがあります。
● プログラムで使用するプログラム命令については,取扱説明書で規定した条件で使用してくださ
い。
● シーケンサのプログラム容量設定,デバイス容量,ラッチ使用範囲,I/O割付け設定,エラー検出
時の続行運転の可否の設定は,システムの用途に適合した値を設定してください。誤った設定によ
り保護機能が働かなくなることがあります。
● プログラムで使用するデバイスについては用途が固定されたものがありますので,取扱説明書で規
定した条件で使用してください。
● リンクに割り付けられた入力デバイス,データレジスタは,通信エラーなどにより通信が停止した
場合,通信が停止する直前のデータを保持していますので,取扱説明書で規定したエラー対応イン
ターロックプログラムを必ず使用してください。
● インテリジェント機能ユニットに対するプログラムについては,インテリジェント機能ユニットの
取扱説明書に規定したインターロックプログラムを必ず使用してください。

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(3) 運搬・据付けについて

注意
● 製品の重量に応じて,正しい方法で運搬してください。
● サーボモータの吊りボルトはサーボモータの運搬だけに使用してください。サーボモータを機械に
取り付けた状態での運搬には使用しないでください。
● 制限以上の多段積みはおやめください。
● コントローラやサーボアンプ運搬時は,接続されている電線やケーブルを持たないでください。
● サーボモータ運搬時はケーブルや軸,エンコーダを持たないでください。
● コントローラやサーボアンプ運搬時は前面ケースを持たないでください。落下することがありま
す。
● コントローラやサーボアンプの運搬,据付け,取外し時は,エッジ部を持たないでください。
● 据付けは,重量に耐える所に,取扱説明書に従って取り付けてください。
● 製品の上に乗ったり,重いものを載せたりしないでください。
● 取付け方向は必ずお守りください。
● コントローラやサーボアンプと制御盤内面または,コントローラとサーボアンプ,コントローラや
サーボアンプとその他の機器との間隔は規定の距離をあけてください。
● 損傷,部品が欠けているコントローラ,サーボアンプ,サーボモータを据え付け,運転をしないで
ください。
● 冷却ファンが付いているコントローラ,サーボアンプ,サーボモータの吸排気口をふさがないでく
ださい。
● コントローラ,サーボアンプ,サーボモータ内部にねじ,金属片などの導電性異物や油などの可燃
性異物が混入しないようにしてください。
● コントローラ,サーボアンプ,サーボモータは精密機械なので,落下させたり,強い衝撃を与えな
いようにしてください。
● コントローラ,サーボアンプ,サーボモータは,取扱説明書に従って確実に機械へ固定してくださ
い。固定が不十分ですと運転時に外れる恐れがあります。
● 減速機付サーボモータは必ず指定の方向で設置してください。油漏れの原因となります。
● 下記の環境条件で保管・ご使用ください。

条 件
環 境
コントローラ・サーボアンプ サーボモータ
0℃~+40℃
周囲温度 個別の取扱説明書による
(凍結のないこと)
80%RH以下
周囲湿度 個別の取扱説明書による
(結露のないこと)
保存温度 個別の取扱説明書による -20℃~+65℃
屋内(直射日光が当たらないこと)
雰囲気
腐食性ガス・引火性ガス・オイルミスト・塵埃のないこと
標 高 海抜1000m以下
振 動 個別の取扱説明書による
● 同期エンコーダやサーボモータの軸端へカップリング結合するときに,ハンマーでたたくなどの衝
撃を与えないでください。エンコーダの故障の原因となります。
● 同期エンコーダやサーボモータの軸へ許容荷重以上の荷重を与えないでください。軸折損の原因と
なります。

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注意
● 長期間ご使用にならない時は,電源線をコントローラやサーボアンプから外してください。
● コントローラ,サーボアンプは静電気防止のビニール袋に入れて保管してください。
● 保管が長期間に渡った場合は,最寄りのシステムサービス,代理店または支社に点検を依頼くださ
い。また,試運転を実施してください。
● 木製梱包材の消毒・除虫対策のくん蒸剤に含まれるハロゲン系物質 (フッ素,塩素,臭素,ヨウ
素など)が弊社製品に侵入すると故障の原因となります。
残留したくん蒸成分が弊社製品に侵入しないようにご注意いただくか,くん蒸以外の方法(熱処理
など)で処理してください。
なお,消毒・除虫対策は,梱包前の木材の段階で実施してください。

(4) 配線について

注意
● 配線は正しく確実に行ってください。また,配線後に接続誤りや端子ねじの締付けなどを再度確認
してください。サーボモータの暴走の原因となります。
● 配線後に端子カバーなどの保護カバーは元どおりに取り付けてください。
● サーボアンプの出力側には,進相コンデンサやサージ吸収器,ラジオノイズフィルタ(オプション
FR-BIF)を取り付けないでください。
● 出力側(端子U,V,W),アースは正しく接続してください。誤った接続によりサーボモータが異
常動作します。
● サーボモータに商用電源を直接接続しないでください。故障の原因となります。
● ブレーキ信号などの制御出力信号用のDCリレーに取付けるサージ吸収用のダイオードの向きを間
違えないでください。故障して信号が出力されなくなり,保護回路が動作不能になることがありま
す。
サーボアンプ サーボアンプ
DC24V DC24V
DOCOM DOCOM

制御出力信号 RA 制御出力信号 RA
DICOM DICOM

シンク出力 ソース出力
インタフェースの場合 インタフェースの場合

● 通電中に各ユニット間の接続ケーブル,エンコーダケーブル,シーケンサ増設ケーブルの接続,脱
着をしないでください。
● ケーブルコネクタの固定ねじや固定機構を確実に締めてください。固定が不十分ですと運転時に外
れる恐れがあります。
● 電源線やケーブルを束ねないでください。

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(5) 試運転・調整について

注意
● 運転前にプログラム及び各パラメータの確認・調整を行ってください。機械によっては予期しない
動きとなる場合があります。
● 極端な調整変更は動作が不安定になりますので決して行わないでください。
● 絶対位置システム機能を使用している場合,新規立上げしたとき,または,コントローラ,絶対値
対応モータ等を交換したときはかならず原点復帰を行ってください。
● 試運転は,パラメータの速度制限値を遅い速度に設定し,危険な状態が発生したとき緊急停止など
で即座に停止できる準備をしてから動作確認を行ってください。

(6) 使用方法について

注意
● コントローラ,サーボアンプ,サーボモータから煙,異音,異臭などが発生した場合,すぐに電源
を遮断してください。
● プログラムやパラメータの変更後および保守・点検後は,必ず試験運転を行ってから本運転を行っ
てください。
● 当社が認定した専門の技術者以外の方は,分解修理を行わないでください。
● 改造は行わないでください。
● ノイズフィルタの設置や配線のシールドなどにより電磁障害の影響を小さくしてください。
コントローラやサーボアンプの近くで使用される電子機器に電磁障害を与える恐れがあります。
● CEマーク対応の設備について,モーションコントローラはユーザーズマニュアルを,サーボアンプ,
インバータ等他の機器については,対応のEMCガイドライン資料を参照し使用してください。
● 下記の使用条件でご使用ください。
項 目 条 件
入力電源 個別の取扱説明書による
入力周波数 個別の取扱説明書による
許容瞬停時間 個別の取扱説明書による

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(7) 異常時の処置について

注意
● コントローラ,サーボアンプの自己診断エラーが発生した場合には,取扱説明書に従ってチェック
内容を確認し,復旧してください。
● 停電時および製品故障時に危険な状態が想定される場合には,保持用として電磁ブレーキ付きサー
ボモータの使用または外部にブレーキ機構を設けて防止してください。
● 電磁ブレーキ用動作回路は,外部の非常停止信号でも動作するような二重の回路構成にしてくださ
い。
サーボオン信号 OFF・アラーム・ 非常停止信号(EMG)で
電磁ブレーキ信号で遮断する。 遮断する。

サーボモータ EMG
RA1

電磁
B DC24V
ブレーキ

● アラーム発生時は原因を取り除き,安全を確保してからアラーム解除後,再運転してください。
● 瞬停復電後,突然再始動する可能性がありますので,機械に近寄らないでください。(再始動して
も人に対する安全性を確保するよう機械の設計を行ってください。)

(8) 保守・点検・部品の交換について

注意
● 取扱説明書に従って日常点検,定期点検を行ってください。
● コントローラやサーボアンプのプログラムやパラメータのバックアップを取った後に,保守・点検
を行ってください。
● 開閉部を開け閉めする時に隙間に手や指を入れないでください。
● 電池などの消耗部品は取扱説明書に従って定期的に交換してください。
● ICなどのリード部あるいはコネクタのコンタクトに手を触れないでください。
● ユニットに触れる前には,必ず接地された金属などに触れて,人体などに帯電している静電気を放
電してください。静電気を放電しないと,ユニットの故障や誤動作の原因になります。
● ユニットの導電部分や電子部品には直接触れないでください。
ユニットの誤作動,故障の原因になります。
● 漏電の可能性のある金属および静電気が帯電する木材,プラスチックやビニール類などの上にコン
トローラやサーボアンプを置かないでください。
● 点検時にメガテスト(絶縁抵抗測定)を行わないでください。
● コントローラやサーボアンプ交換時には,新しいユニットの設定を正しく設定してください。
● コントローラまたは,絶対値対応モータの交換後は,下記のいずれかにより原点復帰を行ってくだ
さい。行わないと位置ずれの原因となります。
(1) サーボデータを周辺ソフトウェアによりモーションコントローラに書込みした後,電源を入れ
直したうえで原点復帰操作を行う。
(2) 周辺ソフトウェアのバックアップ機能を使用し,交換前のバックアップデータをロードする。
● 保守・点検終了時,絶対位置検出機能の位置検出が正しいか確認してください。

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注意
● ユニットに装着するバッテリには,落下・衝撃を加えないでください。
落下・衝撃によりバッテリが破損し,バッテリ液の液漏れをバッテリ内部で発生している恐れがあ
ります。落下・衝撃を加えたバッテリは使用せずに廃棄してください。
● バッテリは短絡,充電,過熱,焼却および分解をしないでください。
● 電解コンデンサは故障時にガスを発生しますので,コントローラやサーボアンプに顔を近付けない
でください。
● 電解コンデンサやファンは劣化します。故障による二次災害を防止するため定期的に交換してくだ
さい。交換は最寄りのシステムサービス,代理店または支社にて承ります。
● 電気設備に関する教育を受け,十分な知識を有する人のみ制御盤を開けることができるよう,制御
盤に鍵をかけてください。
● コントローラやサーボアンプを焼却,分解しないでください。焼却,分解により,有毒ガスが発生
する恐れがあります。

(9) 廃棄物の処理について
本製品が廃棄されるときには,以下に示す2つの法律の適用を受け,それぞれの法規ごとの配慮が
必要となります。また,以下の法律については,日本国内において効力を発揮するものであるため,
日本国外(海外)においては,現地の法律が優先されます。必要に応じて,最終製品への表示,告
知等をしていただくようお願いします。

注意
● 資源の有効な利用の促進に関する法律(通称:資源有効利用促進法)における必要事項
(1) 不要となった本製品は,できる限り再生資源化をお願いします。
(2) 再生資源化では,鉄くず,電気部品などに分割してスクラップ業者に売却されることが多いた
め,必要に応じて分割し,それぞれ適正な業者に売却されることを推奨します。
● 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(通称:廃棄物処理清掃法)における必要事項
(1) 不要となった本製品は,前1項の再生資源化売却等を行い,廃棄物の減量に努められることを
推奨します。
(2) 不要となった本製品が売却できず,これを廃棄する場合は,同法の産業廃棄物に該当します。
(3) 産業廃棄物は,同法の許可を受けた産業廃棄物処理業者に処理を委託し,マニフェスト管理等
を含め,適正な処置をする必要があります。
(4) 電池は,いわゆる「一次電池」あるいは「二次電池」に該当しますので,自治体で定められた
廃棄方法に従って,廃棄してください。

(10) 一般的注意
● 取扱説明書に記載されているすべての図解は,細部を説明するためにカバーまたは安全のための遮
断物を外した状態で描かれている場合がありますので,製品を運転する時は必ず規定どおりのカ
バーや遮断物を元どおりに戻し,取扱説明書に従って運転してください。

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改 定 履 歴
※取扱説明書番号は,本説明書の裏表紙の左下に記載してあります。
印刷日付 ※取扱説明書番号 改 定 内 容
2012年 6月 IB(名)-0300193-A 初版印刷
2013年 1月 IB(名)-0300193-B [機能追加]
マルチCPU間同期制御
[追加修正]
マニュアルについて,ソフトウェアのバージョンによる機能の制約,
[Ra.324]デバイス/マスタCPU経由同期エンコーダ接続指令(M11602+
4n),[Md.412]実行カム軸1サイクル長(D13622+30n,D13623+30n),
[Pr.442]カム軸1サイクル長変更設定(D15059+150n),指令生成軸パラ
メータ,同期エンコーダ軸パラメータ,仮想モード切換え方式との相違
点,エラーコード一覧,その他誤記修正
2013年 9月 IB(名)-0300193-C [機能追加]
サーボアンプ経由同期エンコーダ
[追加修正]
安全にお使いいただくために,ソフトウェアのバージョンによる機能の
制約,同期エンコーダ軸パラメータ,エラーコード一覧,仮想モード切
換え方式との相違点,その他誤記修正

本書によって,工業所有権その他の権利の実施に対する保証,または実施権を許諾するものではありません。また
本書の掲載内容の使用により起因する工業所有権上の諸問題については,当社は一切その責任を負うことができません。

 2012 MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION

A - 10
は じ め に

このたびは,モーションコントローラ Q173DSCPU/Q172DSCPUをお買い上げいただきまことにありがとうござ
いました。
ご使用前に本書をよくお読みいただき,モーションコトローラの機能・性能を十分ご理解のうえ,正しくご
使用くださるようお願い致します。

目 次
安全上のご注意 ············································································ A- 1
改定履歴 ·················································································· A-10
目次 ······················································································ A-11
マニュアルについて ········································································ A-14

1 概 要 1- 1~1-10

1.1 概 要 ··············································································· 1- 1
1.2 同期制御の概要 ······································································· 1- 4
1.3 性能仕様 ············································································· 1- 5
1.4 ソフトウェアのバージョンによる機能の制約 ············································· 1- 9
1.5 周辺ソフトウェアの対応バージョン ····················································· 1-10

2 システムの立上げ 2- 1~2- 6

2.1 同期制御システムの立上げ ····························································· 2- 1


2.2 同期制御の始動/終了 ································································· 2- 2
2.3 出力軸の停止動作 ····································································· 2- 5

3 同期制御用モジュール 3- 1~3- 4

3.1 同期制御用モジュール一覧 ····························································· 3- 1

4 位置決め専用信号 4- 1~4-40

4.1 内部リレー ··········································································· 4- 3


4.2 データレジスタ ······································································· 4-20
4.3 モーションレジスタ(#) ······························································ 4-36
4.4 特殊リレー(SM) ····································································· 4-38
4.5 特殊レジスタ(SD) ··································································· 4-39

5 入力軸モジュール 5- 1~5-48

5.1 サーボ入力軸 ········································································· 5- 1


5.1.1 サーボ入力軸の概要 ······························································· 5- 1
5.1.2 サーボ入力軸パラメータ ··························································· 5- 3
5.1.3 サーボ入力軸モニタデータ ························································· 5- 6
5.2 指令生成軸 ··········································································· 5- 8
5.2.1 指令生成軸の概要 ································································· 5- 8
5.2.2 指令生成軸パラメータ ····························································· 5-12
5.2.3 指令生成軸制御データ ····························································· 5-16
A - 11
5.2.4 指令生成軸モニタデータ ··························································· 5-19
5.3 同期エンコーダ軸 ····································································· 5-24
5.3.1 同期エンコーダ軸の概要 ··························································· 5-24
5.3.2 同期エンコーダの設定方法 ························································· 5-27
5.3.3 同期エンコーダ軸パラメータ ······················································· 5-35
5.3.4 同期エンコーダ軸制御データ ······················································· 5-41
5.3.5 同期エンコーダ軸モニタデータ ····················································· 5-45

6 カム機能 6- 1~6-10

6.1 カム機能の制御内容 ··································································· 6- 1


6.2 カムデータの作成 ····································································· 6- 7
6.2.1 カムデータのメモリ構成 ··························································· 6- 7
6.2.2 モーションSFCプログラムによるカムデータ操作 ······································ 6-10

7 同期制御 7- 1~7-54

7.1 主軸モジュール ······································································· 7- 1


7.1.1 主軸モジュールの概要 ····························································· 7- 1
7.1.2 主軸パラメータ ··································································· 7- 2
7.1.3 主軸クラッチパラメータ ··························································· 7- 4
7.1.4 主軸クラッチ制御データ ··························································· 7-11
7.2 補助軸モジュール ····································································· 7-12
7.2.1 補助軸モジュールの概要 ··························································· 7-12
7.2.2 補助軸パラメータ ································································· 7-12
7.2.3 補助軸クラッチパラメータ ························································· 7-14
7.2.4 補助軸クラッチ制御データ ························································· 7-21
7.3 クラッチ ············································································· 7-22
7.3.1 クラッチの概要 ··································································· 7-22
7.3.2 クラッチの制御方法 ······························································· 7-22
7.3.3 クラッチのスムージング方式 ······················································· 7-29
7.3.4 クラッチの使用例 ································································· 7-33
7.4 変速機モジュール ····································································· 7-34
7.4.1 変速機モジュールの概要 ··························································· 7-34
7.4.2 変速機パラメータ ································································· 7-35
7.5 出力軸モジュール ····································································· 7-37
7.5.1 出力軸モジュールの概要 ··························································· 7-37
7.5.2 出力軸パラメータ ································································· 7-39
7.6 同期制御変更機能 ····································································· 7-45
7.6.1 同期制御変更機能の概要 ··························································· 7-45
7.6.2 同期制御変更制御データ ··························································· 7-45
7.7 同期制御モニタデータ ································································· 7-50

8 補助/応用機能 8- 1~8-50

8.1 位相補正機能 ········································································· 8- 1


8.2 出力軸と各機能の関係 ································································· 8- 3
8.3 速度・トルク制御 ····································································· 8- 4
8.4 同期制御初期位置 ····································································· 8-10
8.5 同期制御初期位置パラメータ ··························································· 8-14
8.6 カム軸位置復元方法 ··································································· 8-17

A - 12
8.6.1 カム軸1サイクル現在値復元 ························································ 8-17
8.6.2 カム基準位置復元 ································································· 8-21
8.6.3 カム軸送り現在値復元 ····························································· 8-22
8.7 同期制御解析モード ··································································· 8-23
8.8 カム位置計算機能 ····································································· 8-25
8.9 同期制御の再開手順 ··································································· 8-26
8.10 マルチCPU間同期制御 ································································· 8-27
8.10.1 マルチCPU間同期制御の概要 ······················································· 8-27
8.10.2 マルチCPU間同期制御の設定 ······················································· 8-31
8.10.3 マルチCPU間同期制御用エリア ····················································· 8-41
8.10.4 スレーブCPUの入力軸種別選択 ····················································· 8-42
8.10.5 マルチCPU間同期制御モニタデバイス ··············································· 8-46
8.10.6 プログラム例 ···································································· 8-47

付 録 付- 1~付-72

付1 モーションCPUが格納するエラーコード ················································· 付- 1
1.1 サーボプログラム設定エラー(SD517に格納) ········································· 付- 4
1.2 軽度エラー ········································································ 付- 8
1.3 重度エラー ········································································ 付-21
1.4 サーボエラー ······································································ 付-31
付2 間接指定デバイス設定範囲 ···························································· 付-32
付3 モーションCPU処理時間一覧 ··························································· 付-34
付4 同期制御のサンプルプログラム ························································ 付-35
付5 相違点 ·············································································· 付-38
5.1 仮想モード切換え方式との相違点 ···················································· 付-38
付6 デバイス一覧 ········································································ 付-41

A - 13
マニュアルについて

本製品に関連するマニュアルには,下記のものがあります。
必要に応じて本表を参考にしてご依頼ください。

関連マニュアル

(1) モーションコントローラ
マニュアル番号
マニュアル名称
(形名コード)
Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モーションコントローラユーザーズマニュアル
モーションCPUユニット,Q172DLXサーボ外部信号入力ユニット,Q172DEX同期エンコーダ入力ユニット, IB-0300125
Q173DPX手動パルサ入力ユニット,電源ユニット,サーボアンプ,SSCNETⅢケーブルおよびシリアルABS (1XB920)
同期エンコーダケーブルなどの仕様を説明しています。

Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モーションコントローラプログラミングマニュアル(共通編)
IB-0300126
マルチCPUシステム構成,性能仕様,共通パラメータ,補助/応用機能およびエラーリストなどについて
説明しています。
(1XB921)

Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モーションコントローラ(SV13/SV22)プログラミングマニュアル
IB-0300127
(モーションSFC編)
モーションSFCの機能,プログラミング,デバッグおよびエラーリストなどについて説明しています。
(1XB922)

Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モーションコントローラ(SV13/SV22)プログラミングマニュアル
IB-0300128
(リアルモード編)
サーボパラメータ,位置決め命令,デバイス一覧およびエラーリストなどについて説明しています。
(1XB923)

Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モーションコントローラ(SV22)プログラミングマニュアル
(仮想モード編)
IB-0300129
仮想メインシャフト,メカモジュールで構築されたメカ機構プログラムにより同期制御を行うための専
用命令,サーボパラメータ,位置決め命令,デバイス一覧およびエラーリストなどについて説明してい
(1XB924)
ます。

Q173DSCPU/Q172DSCPU モーションコントローラ(SV22)プログラミングマニュアル
(アドバンスト同期制御編) IB-0300193
同期制御を行うための同期制御パラメータ,デバイス一覧およびエラーリストなどについて説明してい (1XB952)
ます。

Q173DCPU/Q172DCPU モーションコントローラ(SV43)プログラミングマニュアル
IB-0300130
EIA言語(Gコード)のモーションプログラムで位置決め制御を行うための専用命令,サーボパラメータ,
位置決め命令,デバイス一覧およびエラーリストなどについて説明しています。
(1XB925)

Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モーションコントローラプログラミングマニュアル
(安全監視機能編) IB-0300182
モーションコントローラで行う,安全監視機能の内容,安全パラメータ,安全シーケンスプログラム命 (1XB944)
令,デバイス一覧およびエラーリストなどについて説明しています。

モーションコントローラセットアップガイダンス(MT Developer2 Version1)


IB-0300141
モーションコントローラプログラミングソフトウェアMT Developer2のセットアップに関する内容につい
て説明しています。
( ─ )

A - 14
(2) シーケンサ
マニュアル番号
マニュアル名称
(形名コード)
QCPUユーザーズマニュアル(ハードウェア設計・保守点検編)
SH-080472
CPUユニット,電源ユニット,ベースユニット,増設ケーブル,メモリカードなどのハードウェア仕様
と,システムの保守・点検,トラブルシューティング,エラーコードなどについて説明しています。
(13JP56)

QnUCPUユーザーズマニュアル(機能解説・プログラム基礎編) SH-080802
プログラム作成に必要な機能,プログラミング方法およびデバイスなどについて説明しています。 (13JY94)
QCPUユーザーズマニュアル(マルチCPUシステム編)
SH-080475
マルチCPUシステムの概要,システム構成,入出力番号,CPUユニット間の交信,入出力ユニット/イ
ンテリジェント機能ユニットとの交信について説明しています。
(13JP59)

QnUCPUユーザーズマニュアル(内蔵Ethernetポート通信編) SH-080806
CPU内蔵Ethernetポート通信の機能について説明しています。 (13JY96)
MELSEC-Q/Lプログラミングマニュアル(共通命令編) SH-080804
シーケンス命令,基本命令および応用命令などの使用方法について説明しています。 (13JC22)
MELSEC-Q/L/QnAプログラミングマニュアル(PID制御命令編) SH-080022
PID制御を行うための専用命令について説明しています。 (13JC01)
MELSEC-Q/L/QnAプログラミングマニュアル(SFC編)
SH-080023
MELSAP3 のシステム構成,性能仕様,機能,プログラミング,デバッグおよびエラーコードなどにつ
いて説明しています。
(13JC02)

ビルディングブロック入出力ユニット ユーザーズマニュアル
SH-080024
QシーケンサCPU入出力ユニット,コネクタ,コネクタ/端子台変換ユニットなどの仕様を説明してい
ます。
(13JQ45)

MELSEC-L SSCNETⅢ/Hヘッドユニットユーザーズマニュアル
SH-081151
ヘッドユニットの仕様,運転までの手順,システム構成,設置と配線,設定,トラブルシューティン
グについて説明しています。
(13J223)

A - 15
(3) サーボアンプ
マニュアル番号
マニュアル名称
(形名コード)
SSCNETⅢ/HインタフェースMR-J4-□B サーボアンプ技術資料集
SH-030098
サーボアンプMR-J4-□Bの入出力信号,各部の名称,パラメータ,立上げ手順などについて説明してい
ます。
(1CW802)

SSCNETⅢ/Hインタフェース多軸ACサーボMR-J4W-□B サーボアンプ技術資料集
SH-030101
2軸/3軸一体ACサーボアンプMR-J4W□-□Bの入出力信号,各部の名称,パラメータ,立上げ手順など
について説明しています。
(1CW803)

SSCNETⅢインタフェースMR-J3-□B サーボアンプ技術資料集
SH-030050
サーボアンプMR-J3-□Bの入出力信号,各部の名称,パラメータ,立上げ手順などについて説明してい
ます。
(1CW201)

SSCNETⅢインタフェースリニアサーボMR-J3-□B-RJ004 技術資料集
SH-030053
リニアサーボアンプMR-J3-□B-RJ004U□の入出力信号,各部の名称,パラメータ,立上げ手順などに
ついて説明しています。
(1CW942)

フルクローズド制御SSCNETⅢ対応MR-J3-□B-RJ006 サーボアンプ技術資料集
SH-030055
フルクローズド制御対応サーボアンプMR-J3-□B-RJ006の入出力信号,各部の名称,パラメータ,立上
げ手順などについて説明しています。
(1CW303)

SSCNETⅢインタフェース2軸一体ACサーボMR-J3W-□B サーボアンプ技術資料集
SH-030072
2軸一体ACサーボアンプMR-J3W-□Bの入出力信号,各部の名称,パラメータ,立上げ手順などについて
説明しています。
(1CW602)

SSCNETⅢ対応ダイレクトドライブサーボMR-J3-□B-RJ080W 技術資料集
SH-030078
ダイレクトドライブサーボMR-J3-□B-RJ080Wの入出力信号,各部の名称,パラメータ,立上げ手順な
どについて説明しています。
(1CW600)

SSCNETⅢインタフェース三菱ドライブセーフティ対応MR-J3-□BS
サーボアンプ技術資料集 SH-030083
ドライブセーフティ対応MR-J3-□BSの入出力信号,各部の名称,パラメータ,立上げ手順などについ (1CW204)
て説明しています。

A - 16
1.概 要

第1章 概 要
1
1.1 概 要

本プログラムマニュアルは,モーションコントローラ(SV22アドバンスト同期制御)
で同期制御を行うために必要な同期制御用パラメータ,位置決め専用デバイスなどに
ついて記載しています。
モーションコントローラ(SV22アドバンスト同期制御)では,下記の位置決め制御が
可能です。
適用CPU 位置決め制御軸数
Q173DSCPU 最大32軸
Q172DSCPU 最大16軸

なお,本マニュアルでは,下記のように略記します。
総称・略称・用語 総称・略称・用語の内容
Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU Q173DSCPU/Q172DSCPU/Q173DCPU/Q172DCPU/Q173DCPU-S1/Q172DCPU-S1
もしくはモーションCPU(ユニット) モーションCPUユニット
Q172DLX/Q172DEX/Q173DPX/
Q172DLX サーボ外部信号入力ユニット/Q172DEX 同期エンコーダ入力ユニット*1/
Q173DSXY
Q173DPX 手動パルサ入力ユニット/Q173DSXY 安全信号ユニット
もしくはモーションユニット
MR-J4(W)-□B MR-J4-□B/MR-J4W-□B 形サーボアンプ
MR-J3(W)-□B MR-J3-□B/MR-J3W-□B 形サーボアンプ
AMPもしくはサーボアンプ MR-J4-□B/MR-J4W-□B/MR-J3-□B/MR-J3W-□B 形サーボアンプシリーズの総称
QCPUもしくはシーケンサCPU QnUD(E)(H)CPU/QnUDVCPU
マルチCPUシステム
QシリーズシーケンサマルチCPUシステムの略称
もしくはモーションシステム
CPUn マルチCPUシステムにおけるn号機のCPUユニット(n=1~4)の略称
本体OSソフトウェア SW7DNC-SV□Q□/SW8DNC-SV□Q□の総称
SV13 モーションSFC対応搬送組立用本体OSソフトウェア:SW8DNC-SV13Q□
SV22 モーションSFC対応自動機用本体OSソフトウェア:SW8DNC-SV22Q□
周辺ソフトウェアパッケージ MT Developer□/GX Works2/GX Developer/MR Configurator□の総称
MELSOFT MT Works2 モーションコントローラエンジニアリング環境MELSOFT MT Works2の略称
MT Developer□ MT Developer/MT Developer2の総称
MT Developer 総合立上げ支援ソフトウェアMT Developer バージョン0AG以降の略称
MT Developer2*2 モーションコントローラプログラミングソフトウェアMT Developer2の略称
GX Works2 シーケンサエンジニアリングソフトウェアGX Works2 バージョン1.11M以降の略称
GX Developer シーケンサプログラミングソフトウェアGX Developer バージョン8.48A以降の略称
MR Configurator□ MR Configurator/MR Configurator2の総称
MR Configurator サーボセットアップソフトウェアMR Configurator バージョンB8以降の略称
*2
MR Configurator2 サーボセットアップソフトウェアMR Configurator2 バージョン1.00A以降の略称
手動パルサもしくはMR-HDP01 手動パルス発生器(MR-HDP01)の略称
シリアルABS同期エンコーダ
シリアルABS同期エンコーダ(Q171ENC-W8/Q170ENC)の略称
もしくはQ171ENC-W8/Q170ENC

1 - 1
1.概 要

総称・略称・用語 総称・略称・用語の内容
*3
SSCNETⅢ/H
モーションコントローラ サーボアンプ間高速同期ネットワーク
SSCNETⅢ*3
SSCNETⅢ(/H) SSCNETⅢ/H,SSCNETⅢの総称
絶対位置システム 絶対位置対応のサーボモータおよびサーボアンプを使用したシステムの総称
バッテリホルダユニット バッテリホルダユニット(Q170DBATC)
インテリジェント機能ユニット A/D,D/A変換ユニットなど,入出力以外の機能を持つユニットの総称
SSCNETⅢ/Hヘッドユニット*3 MELSEC-Lシリーズ SSCNETⅢ/Hヘッドユニット(LJ72MS15)の略称
*1:Q172DEXは,SV22で使用可能です。
*2:モーションコントローラエンジニアリング環境「MELSOFT MT Works2」に含まれるプログラミングソフトウェアです。
*3:SSCNET:Servo System Controller NETwork

備 考

各種ユニット,プログラム作成方法,およびパラメータ作成方法などについては,
それぞれのユニットに関連した下記マニュアルを参照してください。
項 目 参 照
Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モーションコントローラ
モーションCPU/モーションユニット
ユーザーズマニュアル
シーケンサCPU/シーケンスプログラム作成用周辺機器/
各ユニットに関連したマニュアル
入出力ユニット/インテリジェント機能ユニット
MT Developer□の操作方法 各ソフトウェア付随のヘルプ
・マルチCPUシステム構成
・性能仕様 Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モーションコントローラ
・共通パラメータ作成方法 プログラミングマニュアル(共通編)
・補助/応用機能(共通)
・モーションSFCプログラム作成方法
Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モーションコントローラ
・モーションSFCパラメータ作成方法
(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(モーションSFC編)
SV13/SV22 ・モーション専用シーケンス命令
・リアルモードの位置決め制御プログラ
Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モーションコントローラ
ム作成方法
(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(リアルモード編)
・位置決め制御用パラメータ作成方法
・安全監視機能パラメータ作成方法
Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モーションコントローラ
・ユーザ安全シーケンスプログラム
プログラミングマニュアル(安全監視機能編)
作成方法
SV22 Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モーションコントローラ
・メカ機構プログラム作成方法
(仮想モード) (SV22)プログラミングマニュアル(仮想モード編)

1 - 2
1.概 要

注意
● モーションコントローラのトラブルに対する保護,安全回路は外部に設けるようにシステム設計してく
ださい。
● プリント基板には静電気に対して影響を受ける電子部品が実装されていますので,直接プリント基板を
扱う場合には人体または作業台を接地してください。また,製品の導電部品や電気部品を直接さわらな
いでください。
● パラメータ設定は,本書で記載された範囲内で行ってください。
● プログラムで使用するプログラム命令については,本書で規定した条件で使用してください。
● プログラムで使用するデバイスについては用途が固定されたものがありますので,本書で規定した条件
で使用してください。

1 - 3
1.概 要

1.2 同期制御の概要

「同期制御」は,ギア,シャフト,変速機,カムなどを使用して機械的に同期制御を
行っていた仕組みをソフトウェアに置き換えて同様の制御を行います。
「同期制御」では,「同期制御用パラメータ」を設定し,出力軸ごとに同期制御を始
動することで,入力軸(サーボ入力軸,指令生成軸,同期エンコーダ軸)に同期した
制御を行います。
位置決め始動 同期エンコーダ 同期制御始動
同期制御始動
手動パルサ/ 同期制御
同期エンコーダ入力 始動

軸1
同期パラメータ
入力軸 主軸合成 主軸 軸2
(主軸メイン) ギア ギア 軸3
同期エンコーダ軸
パラメータ
指令生成軸 同期エンコーダ軸
主軸
サーボプログラム 指令生成軸 クラッチ
入力軸
位置決め制御 パラメータ
(主軸サブ)
指令生成軸
変速機*2

他軸入力*1 サーボ入力軸 補助軸 補助軸 変速機*2


パラメータ ギア クラッチ
サーボ入力軸 補助軸
合成ギア

変速機*2

補助軸
カム
出力軸

位置決め始動
サーボ サーボ サーボ
アンプ アンプ アンプ
軸4
サーボプログラム
サーボ サーボ サーボ
位置決め制御 モータ モータ モータ

サーボ
アンプ

サーボ
モータ

*1:位置決め制御以外(原点復帰,手動制御,速度・トルク制御,同期制御)でもサーボ入力軸の駆動は可能です。
位置決め制御,原点復帰,手動制御,速度・トルク制御の詳細は,「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPUモーションコントローラ(SV13/SV22)
プログラミングマニュアル(リアルモード編)」を参照してください
*2:変速機は「主軸側」,「補助軸側」,「補助軸合成ギア後」のいずれか2箇所に配置できます。

1 - 4
1.概 要

1.3 性能仕様

(1) モーション制御仕様
項 目 Q173DSCPU Q172DSCPU
制御軸数 最大 32軸 最大 16軸
0.44ms/ 1~ 6軸
演算周期 0.44ms/ 1~ 6軸
SV22 0.88ms/ 7~16軸
(デフォルト時) 0.88ms/ 7~16軸
1.77ms/17~32軸
補間機能 直線補間(最大4軸),円弧補間(2軸),ヘリカル補間(3軸)
PTP(Point To Point)制御,速度制御,速度位置制御,定寸送り,等速制御,位置追従制御,
制御方式 定位置停止速度制御,速度切換え制御,高速オシレート制御,速度・トルク制御,
同期制御(SV22アドバンスト同期制御方式)
加減速処理 台形加減速,S字加減速,アドバンストS字加減速
補正機能 バックラッシュ補正,電子ギア,位相補正(SV22)
プログラム言語 モーションSFC,専用命令
サーボプログラム容量 16kステップ
位置決め点数 3200ポイント(間接指定可能)
USB/RS-232/Ethernet(シーケンサCPU経由),
周辺装置I/F
PERIPHERAL I/F(モーションCPU管理)
近点ドグ式(2種類),カウント式(3種類),データセット式(2種類),
ドグクレードル式,ストッパ停止式(2種類),リミットスイッチ兼用式,
原点復帰機能
スケール原点信号検出式,ドグレス原点信号基準式
原点復帰リトライ機能あり,原点シフト機能あり
JOG運転機能 あり
3台接続可能(Q173DPX使用時)
手動パルサ運転機能
1台接続可能(モーションCPU内蔵I/F使用時)*1
12台接続可能(SV22使用時)
同期エンコーダ運転機能*2
(Q172DEX+Q173DPX+モーションCPU内蔵I/F+デバイス経由+サーボアンプ経由*3)
Mコード機能 Mコード出力機能あり,Mコード完了待ち機能あり
出力点数64点×2設定
リミットスイッチ出力機能 出力タイミング補正
ウォッチデータ:モーション制御データ/ワードデバイス
ROM運転機能 あり
マルチCPU間同期制御 あり
外部入力信号 Q172DLX,サーボアンプの外部入力信号(FLS/RLS/DOG),モーションCPU内蔵I/F(DI),ビットデバイス
高速読出し機能 なし(マーク検出機能で代用可能)
モーションコントローラ緊急停止(EMI端子,システム設定),
緊急停止
サーボアンプの強制停止端子
合計 256点
入出力点数
(モーションCPU内蔵I/F(入力点数4点)+I/Oユニット+インテリジェント機能ユニット)
マーク検出
常時検出モード,指定回数モード,リングバッファモード
モード設定
マーク検出
マーク検出機能 モーションCPU内蔵I/F(4点),ビットデバイス,Q172DLXのDOG/CHANGE信号
信号
マーク検出
32設定
設定
時計機能 あり
セキュリティ機能 あり(パスワード,ソフトセキュリティキーによる保護)
オールクリア機能 あり
リモート操作 リモートRUN/STOP,リモートラッチクリア
任意データ SSCNETⅢ/H 6設定/軸(通信データ:最大6点/軸)
モニタ機能 SSCNETⅢ 3設定/軸(通信データ:最大3点/軸)

1 - 5
1.概 要

モーション制御仕様(つづき)
項 目 Q173DSCPU Q172DSCPU
モーションバッファリング方式(リアルタイム波形表示可)
デジタルオシロ機能
サンプリングデータ:ワード16CH,ビット16CH
サーボアンプにバッテリ装着にて対応可能
絶対位置システム
(軸ごとにアブソリュート方式/インクリメント方式の指定が可能)
通信方式 SSCNETⅢ/H,SSCNETⅢ
SSCNET通信*4
系統数 2系統*5 1系統*5
ドライバ間通信機能*6 あり
Q172DLX 4台使用可能 2台使用可能
モーション関連
Q172DEX 6台使用可能
ユニット装着数
Q173DPX 4台使用可能*7
SSCNETⅢ/Hヘッドユニット 最大8局使用可能
最大4局使用可能
接続局数 (1系統 最大4局)

*1:モーションCPU内蔵I/Fで手動パルサを使用する場合,Q173DPXは使用できません。
*2:モーションCPU内蔵I/FのINC同期エンコーダの軸No.には,Q172DEXとQ173DPXに割当てられた軸No.の後の軸No.が設定されます。
*3:サーボアンプ(MR-J4-□B-RJ)のみ対応。
*4:SSCNET対応のサーボアンプは使用できません。
*5:同一系統内でSSCNETⅢ,SSCNETⅢ/Hの混在はできません。
Q173DSCPUの場合,系統ごとにSSCNETⅢとSSCNETⅢ/Hを設定できます。
*6:サーボアンプ(MR-J3-□B/MR-J4-□B)のみ対応。
*7:INC同期エンコーダを使用する場合(SV22使用時)の台数です。手動パルス発生器を接続する場合には1台のみ使用可能です。

1 - 6
1.概 要

(2) 同期制御仕様
設定可能数
項 目
Q173DSCPU Q172DSCPU
サーボ入力軸 32軸/ユニット 16軸/ユニット
入力軸 指令生成軸 32軸/ユニット 16軸/ユニット
同期エンコーダ軸 12軸/ユニット
主軸合成ギア 1個/出力軸
主軸メイン入力軸 1軸/出力軸
主軸サブ入力軸 1軸/出力軸
主軸ギア 1個/出力軸
主軸クラッチ 1個/出力軸
補助軸 1軸/出力軸
補助軸ギア 1個/出力軸
補助軸クラッチ 1個/出力軸
補助軸合成ギア 1個/出力軸
変速機 2個/出力軸
出力軸(カム軸) 32軸/ユニット 16軸/ユニット

(3) カム仕様
項 目 仕 様
カム保存エリア 262144バイト
メモリ容量
カム展開エリア 1048576バイト
最大256個
登録数*1
(メモリ容量とカム分解能,座標数に依存)
コメント カムデータごとに最大32文字(半角)
ストローク比 カム分解能 256/512/1024/2048/4096/8192/16384/32768
データ形式 ストローク比 -214.7483648~214.7483647[%]
カム
座標数 2~16384
データ 座標データ
入力値:0~2147483647
形式 座標データ
出力値:-2147483648~2147483647

*1:カム分解能により最大カム登録数(同一カム分解能で作成した場合)は下記となります。
① ストローク比データ形式 ② 座標データ形式
最大カム登録数 最大カム登録数
カム分解能 座標数
カム保存エリア カム展開エリア カム保存エリア カム展開エリア
256 256個 256個 128 256個 256個
512 128個 256個 256 128個 256個
1024 64個 256個 512 64個 256個
2048 32個 128個 1024 32個 128個
4096 16個 64個 2048 16個 64個
8192 8個 32個 4096 8個 32個
16384 4個 16個 8192 4個 16個
32768 2個 8個 16384 2個 8個

1 - 7
1.概 要

(4) カム操作仕様
項 目 仕 様
① MT Developer2
カム保存エリアへの書込み/読出し/照合
カムデータの操作方法
② モーションSFCプログラム(同期制御命令)
カム保存エリア/カム展開エリアへの書込み/読出し
カム自動生成機能 ロータリーカッター用カムを自動生成する。
カム位置をモーションSFCプログラムで計算する。
カム位置計算機能 同期制御の始動前に,カム軸1サイクル現在値を計算後,カム軸送
り現在値を計算し,同期位置合わせを行う場合に使用する。

(5) 同期エンコーダ軸仕様
項 目 仕 様
制御軸数 12
同期エンコーダPn/デバイス経由/
同期エンコーダ軸種別
サーボアンプ経由同期エンコーダ
mm,inch,degree,PLS
制御単位
(位置単位,速度単位の小数点桁数指定可能)
-2147483648~2147483647
分子
[同期エンコーダ軸位置単位]
単位変換
1~2147483647
分母
[PLS]
1~2147483647
1サイクル長設定範囲
[同期エンコーダ軸位置単位]
-2147483648~2147483647
現在値
[同期エンコーダ軸位置単位]
現在値範囲
0~(1サイクル長-1)
1サイクル現在値
[同期エンコーダ軸位置単位]
制御命令 現在値変更,カウンタディセーブル,カウンタイネーブル
制御方式 アドレス設定範囲:-2147483648~2147483647
現在値設定アドレス
[同期エンコーダ軸位置単位]

1 - 8
1.概 要

1.4 ソフトウェアのバージョンによる機能の制約

本体OSソフトウェア,および周辺ソフトウェアのバージョンにより,使用できる機
能に制約があります。
各バージョンと機能の組合せを表1.1に示します。

表1.1 ソフトウェアのバージョンによる機能の制約
本体OSソフトウェア
周辺ソフトウェアバージョン
バージョン*1,*2
機 能 MELSOFT MT Works2 参 照
Q173DSCPU/Q172DSCPU (MT Developer2) MR Configurator2
Q173DSCPU/Q172DSCPU
速度制御(Ⅰ)での送り現在値更新指令
00B ― ― *3
(M3212+20n)有効
緊急停止入力ONラッチ(SM506) 00B ― ― *4
動作方式(SD560) 00B ― ― *4
アドバンスト同期制御 00B 1.46Y ― 本書
リミットスイッチ出力機能拡張 00B 1.46Y ― *4
ドライバ間通信機能(SSCNETⅢ) 00C ― ― *4
インテリジェント機能ユニット対応 00C 1.56J ― *4
SSCNETⅢ/Hヘッドユニット接続 00C 1.56J ― *4
カム自動生成(CAMMK)の簡易ストローク比カム 00C 1.56J ― *5
加減速時間変更機能 00C 1.56J ― *3
ドグレス原点信号基準式原点復帰 00C 1.56J ― *3
バックラッシュ補正量の設定範囲拡張 00C 1.56J ― *3
マルチCPU間同期制御 00C 1.56J ― 8.10節
7.5.2項
同期制御中のカム軸1サイクル長変更 00C 1.56J ―
7.7節
日機電装株式会社製 SSCNETⅢ ─ 1.34L ― *3
サーボドライバVCⅡシリーズ SSCNETⅢ/H 00D 1.56J ― *3
汎用インバータFR-A700シリーズ ─ 1.34L ― *3
サーボアンプ経由同期エンコーダ 00D 1.66U 1.21X 5.3.2項
ドライバ間通信機能(SSCNETⅢ/H) 00D 1.66U 1.21X *4

―:バージョンによる制約はありません。
*1:SV13/SV22は全て同じバージョンです。
*2:本体OSソフトウェアバージョンは,本体OS(CD-ROM),MT Developer□,およびGX Works2/GX Developerで確認できます。
(「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPUモーションコントローラプログラミングマニュアル(共通編)1.3節,1.4節」参照)
*3:Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPUモーションコントローラ(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(リアルモード編)
*4:Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPUモーションコントローラプログラミングマニュアル(共通編)
*5:Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPUモーションコントローラ(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(モーションSFC編)

1 - 9
1.概 要

1.5 周辺ソフトウェアの対応バージョン

モーションCPUに対応する周辺ソフトウェアのバージョンを下表に示します。
MELSOFT MT Works2
MT Developer
モーションCPU (MT Developer2) MR Configurator2 MR Configurator
SV13/SV22 SV43 SV13/SV22 SV43
Q173DSCPU 1.34L*1 未対応 1.09K 未対応
Q172DSCPU 1.34L*1 未対応 1.09K 未対応

*1:アドバンスト同期制御方式で使用する場合は,1.46Y以降

1 - 10
2.システムの立上げ

第2章 システムの立上げ

同期制御で位置決め制御を行うための手順を,下記に示します。

2.1 同期制御システムの立上げ
2
同期制御のシステム立上げ手順を,下記に示します。

準備 STEP 1 動作方式を「アドバンスト同期制御方式」に
変更する。

システム設定/マルチCPU設定/自動リフ ・「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モーション


レッシュ設定を行う。 コントローラプログラミングマニュアル
(共通編)」参照

下記位置決め用パラメータを設定する。 ・「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モーション


・固定パラメータ コントローラ(SV13/SV22)プログラミング
・サーボパラメータ マニュアル(リアルモード編)」参照
・パラメータブロック ・「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モーション
・リミットスイッチ出力データ コントローラプログラミングマニュアル
(共通編)」参照

入力軸パラメータを設定する。 ・第5章参照
([Pr.300]~[Pr.304],[Pr.320]~[Pr.329],
[Pr.340]~[Pr.351]

カムデータを設定する。 ・第6章参照

同期制御パラメータを設定する。 ・第7章参照
([Pr.400]~[Pr.468],[Pr.490]~[Pr.493]) ・8.5節参照

STEP 2 同期制御の開始/軸動作/終了を行うプログ
ラム(モーションSFCプログラム,シーケン
スプログラム,サーボプログラム)を作成す
る。
([Rq.380]同期制御始動信号(M12000+n)
の設定,入力軸の動作開始・停止)

STEP 3 STEP1,STEP2で作成したプログラムをモー
ションCPU(シーケンスプログラムはシーケ
ンサCPU)に書込む。

マルチCPUシステムをリセットする。

同期制御 STEP 4 ・STEP 2のプログラムにより,[Rq.380]同期


同期制御を始動する軸の同期制御始動信号を
開始 制御始動信号(M12000+n)をONし,同期制
ONする。 御を始動する。

同期制御中であることを確認する。 ・[St.380]同期制御中(M10880+n)で同期制
御中になったことを確認する。

入力軸を動作させる。 ・STEP 2のプログラムにより,入力軸を動作


させる。
同期制御の STEP 5 ・MT Developer2を使ってモニタする。
同期制御運転の状態をモニタする。
モニタ, STEP 2のプログラムにより,制御変更する。
速度変更や同期制御パラメータの変更を行
制御変更
う。

同期制御 STEP 6 ・STEP 2のプログラムにより,入力軸を停止


入力軸を停止させる。
終了 させる。

出力軸が停止したことを確認して,同期制御 ・STEP 2のプログラムにより,[Rq.380]同期


制御始動(M12000+n)をOFFし,同期制御
を終了する軸の同期制御始動信号をOFFする。 を終了する。

制御終了

2 - 1
2.システムの立上げ

2.2 同期制御の始動/終了

出力軸ごとに同期制御用パラメータを設定し,同期制御を始動します。
同期制御を始動すると同期制御用パラメータが解析され同期制御中となり,出力軸
は入力軸の運転に同期して動作します。
[Rq.380]同期制御始動(M12000+n)のON/OFFでアドバンスト同期制御を始動/終了
します。

[Rq.380]同期制御始動
(M12000+n)
始動受付フラグ
(M2001+n)
[St.380]同期制御中
(M10880+n)
解析中 同期制御中
[Md.321]同期エンコーダ軸
1サイクル現在値
(D13242+20n,D13243+20n) t
[Md.407]カム軸1サイクル
現在値
(D13612+30n,D13613+30n) t
送り現在値
(D0+20n,D1+20n) t

(1) 同期制御システム制御データ
リフレッ デバイス
記号 設定項目 設定内容 設定値 取込周期 初期値
シュ周期 番号
・該当軸のビットデバイスをONする
と同期制御が始動される。 OFF:同期制御終了
Rq.380 同期制御始動 演算周期 OFF M12000+n
・同期制御中にOFFすると同期制御 ON :同期制御始動
を終了する。
該当軸のビットデバイスをONし同
OFF:同期解析要求なし 同期制御
Rq.381 同期解析要求 期制御始動を行うと,解析のみ実行 OFF M12032+n
ON :同期解析要求あり 始動時
して始動は行いません。

n:軸No.-1

(2) 同期制御システムモニタデータ
リフレッ デバイス
記号 設定項目 設定内容 設定値 取込周期 初期値
シュ周期 番号
OFF:通常運転中
St.380 同期制御中 同期制御中にONします。 ─ M10880+n
ON :同期制御中
・同期制御解析が完了するとONしま
演算周期
す。 OFF:同期制御解析未完了
St.381 同期解析完了 ─ M10912+n
・[Rq.380]同期制御始動(M12000 ON :同期制御解析完了
+n)がOFF→ONするとOFFします。

n:軸No.-1

2 - 2
2.システムの立上げ

(3) 同期制御の始動方法
同期制御用パラメータを設定し,[Rq.380]同期制御始動(M12000+n)をOFF→ON
することによって同期制御を始動できます。
同期制御を始動すると始動受付フラグ(M2001+n)がONとなり同期制御用パラメー
タの解析を行います。解析が終了すると,[St.380]同期制御中(M10880+n)がON
し,同期制御中になります。
入力軸の動作は,出力軸となる軸の[St.380]同期制御中(M10880+n)がONしてい
ることを確認してから開始してください。

ポイント
同期制御を始動するときに,[St.381]同期解析完了(M10912+n)がONしている場
合,[Rq.380]同期制御始動(M12000+n)をOFF→ONすることにより,[St.381]同期
解析完了(M10912+n)がOFFします。ただし,同期制御始動時の解析完了では
[St.381]同期解析完了(M10912+n)はONしません。([St.381]同期解析完了(M10912
+n)は同期制御解析モード始動時の解析完了でONします。)

(4) 同期制御の終了方法
入力軸の運転を停止した後,[Rq.380]同期制御始動(M12000+n)をON→OFFする
ことによって同期制御を終了します。
同期制御を終了すると,[St.380]同期制御中(M10880+n)がOFFし,出力軸の停
止で始動受付フラグ(M2001+n)がOFFになります。
入力軸の動作中でも,[Rq.380]同期制御始動(M12000+n)をON→OFFすることで
同期制御を終了できますが,出力軸が即停止となるため,入力軸の運転を停止し
てから終了することを推奨します。
同期制御終了時の出力軸の停止動作は,「2.3節」を参照してください。

(5) 実行プログラムNo.格納デバイス(D12+20n)
始動中のプログラムNo.をサーボプログラム起動時に格納します。
アドバンスト同期制御始動時は,実行プログラムNo.格納デバイス(D12+20n)に
「FFEF」が格納されます。

(6) 同期制御始動時のステータス
同期制御始動時は,下記の信号がOFFされます。
・自動減速中フラグ(M2128+n)
・位置決め始動完了(M2400+20n)
・位置決め完了(M2401+20n)
・指令インポジション(M2403+20n)
・速度制御中(M2404+20n)
・速度・位置切換えラッチ(M2405+20n)
・原点復帰完了(M2410+20n)

2 - 3
2.システムの立上げ

(7) 制約事項
(a) 複数軸の[Rq.380]同期制御始動(M12000+n)を同時にONした場合,解析処理
は軸番号順に処理されるため同時に始動できません。複数軸を同時に同期制
御する必要がある場合は,全軸が同期制御中になったことを確認後,同時に
入力軸の動作を開始してください。

(b) 同期制御始動の解析中に入力軸が動作した場合,解析中の入力軸の移動量が
同期制御開始直後に反映されます。入力軸の移動量によっては出力軸が急加
速する場合もありますので,同期制御中になったことを確認後,入力軸の動
作を開始してください。

(c) 同期制御始動の解析処理は,同期制御用パラメータの設定により時間がかか
ることがあります。(最大23ms程度:[Pr.462]カム軸位置復元対象(D15102+
150n)に「0:カム軸1サイクル現在値復元」を設定して,カム分解能32768の
カムをサーチした場合)
高速に同期制御を始動する場合は,[Pr.462]カム軸位置復元対象(D15102+
150n)に「1:カム基準位置復元」,または「2:カム軸送り現在値復元」を
設定してください。

(d) 同期制御パラメータに設定範囲外の値を設定した場合,同期制御は始動せず,
エラーとなった軸の各データに対応するエラーコードが,データレジスタに
格納されます。

2 - 4
2.システムの立上げ

2.3 出力軸の停止動作

同期制御中,出力軸に以下の停止要因が発生した場合,[St.380]同期制御中(M10880
+n)がOFFし,出力軸の停止処理後,始動受付フラグ(M2001+n)がOFFとなり,同期
制御は終了します。
また,同期制御を再度始動する場合は,出力軸の同期位置合わせを行ってください。
(8.4節参照)
停止要因 停止処理
[Rq.380]同期制御始動(M12000+n)ON→OFF
主軸ギア/補助軸ギア/変速機1/変速機2演算オーバーフローエラー発生
緊急停止(モーションコントローラの緊急停止(EMI端子,システム設定))
即停止
強制停止(サーボアンプの強制入力端子)
サーボエラー発生
サーボアンプの制御電源ON→OFF
ソフトウェアストロークリミットエラー発生
外部入力信号(STOP/FLS/RLS)の入力(STOP入力時の停止処理:減速停止)
モーションCPUのRUN→STOP 減速停止
シーケンサレディフラグ(M2000)のON→OFF
停止指令の入力
外部入力信号(STOP/FLS/RLS)の入力(STOP入力時の停止処理:急停止)
急停止
急停止指令の入力

(1) 即停止
減速処理を行わない停止です。モーションCPUは指令を即停止しますが,サーボア
ンプの偏差カウンタの溜りパルス分惰行します。

即停止要因

[Rq.380]同期制御始動
(M12000+n)
[St.380]同期制御中
(M10880+n)
解析中 同期制御中
始動受付フラグ
(M2001+n)

[Md.407]カム軸1サイクル
現在値
(D13612+30n,D13613+30n)
t

送り現在値
(D0+20n,D1+20n)
t

指令速度
(#8004+20n,#8005+20n) t
即停止

2 - 5
2.システムの立上げ

(2) 減速停止/急停止
停止,急停止条件に従って出力軸が減速停止します。減速時間,急停止減速時間
は[Pr.448]同期制御パラメータブロックNo.(D15069+150n)で指定されたパラ
メータブロックの条件で減速します。
減速停止を開始すると同時に同期制御が終了し,出力軸モニタデバイスは更新さ
れず,各軸モニタデバイスのみが更新されます。

減速停止/急停止要因

[Rq.380]同期制御始動
(M12000+n)
[St.380]同期制御中
(M10880+n)
解析中 同期制御中
始動受付フラグ
(M2001+n)

[Md.407]カム軸1サイクル
現在値
(D13612+30n,D13613+30n)
t

送り現在値
(D0+20n,D1+20n)
t

指令速度
(#8004+20n,#8005+20n) t

減速停止/急停止

ポイント
(1) 出力軸の停止により同期制御が終了するため,減速中の送り現在値はカム動
作と無関係の軌跡を描いて停止します。
そのため,入力軸と同期して減速停止/急停止させる場合は,入力軸に対し
て停止要求を行ってください。
(2) 出力軸の停止により同期制御が終了するため,出力軸減速中の[Rq.380]同期
制御始動(M12000+n)のON→OFFは無効です。
出力軸の停止中は,急停止指令,緊急停止,強制停止を使用してください。

2 - 6
3.同期制御用モジュール

第3章 同期制御用モジュール

3.1 同期制御用モジュール一覧

同期制御で使用するモジュールを以下に示します。
入力軸モジュール

同期エンコーダ軸
パラメータ
同期エンコーダ軸
同期パラメータ

指令生成軸 3
パラメータ 主軸モジュール
指令生成軸 入力軸 主軸合成 主軸
(主軸メイン) ギア ギア
サーボ入力軸
パラメータ
サーボ入力軸

主軸
入力軸モジュール 入力軸 クラッチ
(主軸サブ)

同期エンコーダ軸 変速機
パラメータ 変速機
モジュール
同期エンコーダ軸
補助軸 補助軸 変速機
ギア クラッチ
指令生成軸 補助軸 補助軸
パラメータ 合成ギア モジュール
指令生成軸

サーボ入力軸 変速機
パラメータ 変速機
モジュール
サーボ入力軸 カムデータ
補助軸
補助軸 変速機 出力軸
カム
モジュール モジュール モジュール
出力軸

同期エンコーダ軸 指令生成軸 サーボ入力軸


パラメータ パラメータ パラメータ
同期エンコーダ軸 指令生成軸 サーボ入力軸

入力軸モジュール

ポイント
(1) 入力軸モジュールでは,サーボ入力軸,指令生成軸,同期エンコーダ軸のい
ずれか1つを設定できます。
(2) 変速機は,主軸側,補助軸側,補助軸合成ギア後のいずれか2箇所に配置でき
ます。
(3) 同期制御では,出力軸モジュールの速度むらを防止するため,入力軸モジュー
ルの移動量ができる限り大きくなるよう設計してください。入力軸モジュール
の移動量が小さくなると,同期制御パラメータの設定によって出力軸モジュー
ルに速度むらが発生する場合があります。

3 - 1
3.同期制御用モジュール

(1) 入力軸
使用可能個数
区 分 名 称 部品図 機能説明 1ユニットあたり 1軸 参照
Q173DSCPU Q172DSCPU あたり
・Q173DSCPU/Q172DSCPUで制御してい
るサーボモータの位置を元にして,
サーボ入力軸 ─ 32 16 ─ 5.1節
入力軸を駆動する場合に使用しま
す。
入力軸 ・サーボプログラムで位置指令のみを
モジュール 指令生成軸 ─ 生成して,入力軸を駆動する場合に 32 16 ─ 5.2節
使用します。
・同期エンコーダからの入力パルスに
同期エンコーダ軸 ─ より,入力軸を駆動する場合に使用 12 ─ 5.3節
します。

(2) 出力軸
使用可能個数
区 分 名 称 部品図 機能説明 1ユニットあたり 1軸 参照
Q173DSCPU Q172DSCPU あたり
・主軸モジュールのメイン側の入力軸
主軸メイン入力軸 です。 32 16 1 7.1節
・主軸位置の基準となります。
・主軸モジュールのサブ側の入力軸で
す。
主軸サブ入力軸 32 16 1 7.1節
・主軸メイン入力軸の位置に対して補
正量を入力する場合に使用します。
主軸
・主軸メイン入力軸と主軸サブ入力軸
モジュール
主軸合成ギア の移動量を合成して主軸ギアに伝達 32 16 1 7.1節
します。

・主軸合成ギア後の移動量を設定され
主軸ギア 32 16 1 7.1節
たギア比で変換して伝達します。

・主軸の移動量をクラッチでON/OFFし 7.1節
主軸クラッチ 32 16 1
て伝達します。 7.3節

補助軸 ・補助軸モジュールの入力軸です。 32 16 1 7.2節

・補助軸の移動量を設定されたギア比
補助軸ギア 32 16 1 7.2節
で変換して伝達します。
補助軸
モジュール ・補助軸の移動量をクラッチでON/OFF 7.2節
補助軸クラッチ 32 16 1
して伝達します。 7.3節

・主軸と補助軸の移動量を合成して伝
補助軸合成ギア 32 16 1 7.2節
達します。

変速機 ・速度を運転中に設定された変速比で
変速機 64 32 2 7.4節
モジュール 変更する場合に使用します。

・入力移動量と設定されたカムデータ
出力軸 によりカム変換処理を行い,サーボ
出力軸 32 16 1 7.5節
モジュール アンプへの指令となる送り現在値を
出力します。

3 - 2
3.同期制御用モジュール

(3) カムデータ
使用可能個数
区 分 名 称 機能説明 参照
1ユニットあたり
・出力軸モジュールの入力移動量に対する出力軸の動
カムデータ カムデータ 最大256個 第6章
作パターン(往復動作,送り動作)を登録します。

3 - 3
3.同期制御用モジュール

メ モ

3 - 4
4.位置決め専用信号

第4章 位置決め専用信号

位置決め用信号として,モーションCPUの内部信号とモーションCPUへの外部信号を
使用します。
(1) 内部信号
モーションCPUの内部信号として,モーションCPUのもつデバイスのうち次の5種類
のデバイスを使用しています。
・内部リレー(M)·············· M2000~M3839(1840点)
M8192~M12287(4096点)
・特殊リレー(SM)············· SM0~SM2255(2256点)
・データレジスタ(D)·········· D0~D799(800点)
D10240~D19823(9584点)
・モーションレジスタ(#) ······ #8000~#8751(752点)
・特殊レジスタ(SD)··········· SD0~SD2255(2256点) 4
(2) 外部信号
モーションCPUへの外部入力信号には,下記の信号があります。
・上限/下限リミットスイッチ入力 ····· 位置決め範囲の上限/下限の制御を行
う信号です。
・停止信号··························· 始動している軸を停止させる信号です。
・近点ドグ信号······················· 近点ドグからのON/OFF信号です。
・速度・位置切換え信号 ··············· 速度→位置への切換えを行う信号です。
・手動パルサ入力····················· 手動パルサからの信号です。

ユニット間の構成
シーケンサCPU モーションCPU
① ②
デバイスメモリ デバイスメモリ
シーケンサ制御 マルチCPU間 モーション制御
プロセッサ(PLC) プロセッサ
高速バス
マルチCPU間 マルチCPU間
高速通信メモリ 高速通信メモリ

SSCNETⅢ(/H)
Qシリーズシーケンサシステムバス
サーボ
アンプ

シーケンサ シーケンサ モーションユニット M M モータ


I/Oユニット インテリジェント (近点ドグ信号,手動パルサ入力)
(DI/O) 機能ユニット
(A/D,D/A等) サーボ外部入力信号
(FLS,RLS,DOG)
注):デバイスメモリデータは,①≠②

図4.1 内部信号/外部信号の流れ

4 - 1
4.位置決め専用信号

以下に位置決め専用デバイスを示します。
位置決め制御のステータス信号についてはモーションCPUのデバイスリフレッシュ
周期を,位置決め制御の指令信号についてはモーションCPUのデバイス取込周期を示し
ます。
モーションCPUの演算周期,メイン周期を下記に示します。
(a) 演算周期
項 目 Q173DSCPU Q172DSCPU
制御軸数 最大 32軸 最大16軸
0.44[ms]/ 1~ 6軸
演算周期 0.44[ms]/ 1~ 6軸
SV22 0.88[ms]/ 7~16軸
(デフォルト値) 0.88[ms]/ 7~16軸
1.77[ms]/17~32軸

(b) メイン周期は,演算周期のような一定周期ではありません。数十[ms]~数百
[ms]の周期になります。

備 考

位置決め専用信号の説明において,M3200+20nなどのnは,下表の通り軸No.に対応
する数値を示しています。
軸No. n 軸No. n 軸No. n 軸No. n
1 0 9 8 17 16 25 24
2 1 10 9 18 17 26 25
3 2 11 10 19 18 27 26
4 3 12 11 20 19 28 27
5 4 13 12 21 20 29 28
6 5 14 13 22 21 30 29
7 6 15 14 23 22 31 30
8 7 16 15 24 23 32 31

*:各軸に対応するデバイスNo.は,下記のように計算してください。
(例) 軸No.32の場合
M3200+20n(停止指令)=M3200+20×31=M3820
M3215+20n(サーボOFF指令)=M3215+20×31=M3835
*:Q172DSCPUでは軸No.1~16の範囲(n=0~15)が有効です。

ただし,M10440+10nなど同期エンコーダ軸ステータス,同期エンコーダ軸指令信号,
同期エンコーダ軸モニタデバイス,同期エンコーダ軸制御デバイスのnは,下表の通
り同期エンコーダNo.に対応する数値を示しています。
同期エンコーダNo. n 同期エンコーダNo. n 同期エンコーダNo. n
P1 0 P5 4 P9 8
P2 1 P6 5 P10 9
P3 2 P7 6 P11 10
P4 3 P8 7 P12 11

*:各同期エンコーダに対応するデバイスNo.は,下記のように計算してください。
(例)同期エンコンーダNo.12の場合
M10440+10n([St.320]同期エンコーダ軸設定有効フラグ)= M10440+10×11=M10550
D13240+20n([Md.320]同期エンコーダ軸現在値)= D13240+20×11=D13460

4 - 2
4.位置決め専用信号

4.1 内部リレー

(1) 内部リレー一覧
SV22
デバイス番号 用途分類
M0 ユーザデバイス

(2000点)

M2000 共通デバイス

(320点)

M2320 ユーザ使用不可

(80点)

M2400 各軸ステータス

(20点×32軸)

M3040 ユーザ使用不可

(32点)

M3072 共通デバイス(指令信号)

(64点)

M3136 ユーザ使用不可

(64点)

M3200 各軸指令信号

(20点×32軸)

M3840 ユーザデバイス

(4352点)

M8192*1
システムエリア

(1608点)

M9800*1
指令生成軸ステータス

(20点×32軸)

M10440*1
同期エンコーダ軸ステータス

(10点×12軸)

M10560*1
出力軸ステータス

(10点×32軸)

M10880*1
同期制御中信号[St.380]

(32点)

M10912*1

同期解析完了信号[St.381]
(32点)
M10943*1

4 - 3
4.位置決め専用信号

内部リレー一覧(つづき)
SV22
デバイス番号 用途分類
M10944*1
ユーザ使用不可


(16点)

M10960*1
~ 指令生成軸指令信号
(20点×32軸)

M11600*1
同期エンコーダ軸指令信号

(4点×12軸)

M11648*1
ユーザ使用不可

(32点)

M11680*1
出力軸指令信号

(10点×32軸)

M12000*1
同期制御始動信号[Rq.380]

(32点)

M12032*1
同期解析要求信号[Rq.381]

(32点)

M12064*1

ユーザ使用不可
(224点)
M12287*1

はユーザデバイスにて使用可能

ポイント
(1) ユーザデバイス合計点数
6352点
(2) *1:アドバンスト同期制御方式を使用する場合は,M8192~M12287をラッチ範
囲に設定できません。
(3) 本マニュアルは,同期制御時に使用する内部リレーの内容のみ掲載していま
す 。 必 要 に 応 じ て 「 Q173D(S)CPU / Q172D(S)CPU モー シ ョ ン コ ン ト ロ ー ラ
(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(リアルモード編)」を参照してくだ
さい。

4 - 4
4.位置決め専用信号

(2) 各軸ステータス一覧

デバイス番号 信号名称
No.
1 M2400~M2419
2 M2420~M2439
信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
3 M2440~M2459
4 M2460~M2479 0 位置決め始動完了
5 M2480~M2499 1 位置決め完了
6 M2500~M2519 2 インポジション
7 M2520~M2539 3 指令インポジション 演算周期
8 M2540~M2559 4 速度制御中
9 M2560~M2579 5 速度・位置切換えラッチ
10 M2580~M2599 6 零点通過
11 M2600~M2619 7 エラー検出 即時
ステータス
12 M2620~M2639 8 サーボエラー検出 演算周期
信号
13 M2640~M2659 9 原点復帰要求 メイン周期
14 M2660~M2679 10 原点復帰完了 演算周期
15 M2680~M2699 11 FLS
16 M2700~M2719 12 RLS
外部信号 メイン周期
17 M2720~M2739 13 STOP
18 M2740~M2759 14 DOG/CHANGE
19 M2760~M2779 15 サーボレディ
演算周期
20 M2780~M2799 16 トルク制限中
21 M2800~M2819 17
ユーザ使用不可 - - -
22 M2820~M2839 18
23 M2840~M2859 ステータス
19 Mコード出力中 演算周期
24 M2860~M2879 信号
25 M2880~M2899
26 M2900~M2919
27 M2920~M2939
28 M2940~M2959
29 M2960~M2979
30 M2980~M2999
31 M3000~M3019
32 M3020~M3039

ポイント
(1) Q172DSCPUでは軸No.1~16の範囲が有効です。
(2) Q172DSCPUで17軸以上のデバイスエリアはユーザデバイスとして使用可能です。
ただし,Q172DSCPUのプロジェクトをQ173DSCPUに置換えた場合,ユーザデバイ
スとして使用できなくなります。
(3) 各軸ステータスの詳細は,「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPUモーションコントロー
ラ(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(リアルモード編)」を参照してく
ださい。

4 - 5
4.位置決め専用信号

(3) 各軸指令信号一覧

デバイス番号 信号名称
No.
1 M3200~M3219
2 M3220~M3239
信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
3 M3240~M3259
4 M3260~M3279 0 停止指令
演算周期
5 M3280~M3299 1 急停止指令
6 M3300~M3319 2 正転JOG始動指令
指令信号
7 M3320~M3339 3 逆転JOG始動指令 メイン周期
8 M3340~M3359 4 完了信号OFF指令
9 M3360~M3379 5 速度・位置切換え許可指令 演算周期
10 M3380~M3399 6 ユーザ使用不可 - - -
11 M3400~M3419 7 エラーリセット指令
メイン周期
12 M3420~M3439 8 サーボエラーリセット指令 指令信号
13 M3440~M3459 9 始動時の外部STOP入力無効指令 始動時
14 M3460~M3479 10
ユーザ使用不可 - - -
15 M3480~M3499 11
16 M3500~M3519 12 送り現在値更新指令 始動時 指令信号
17 M3520~M3539 13
ユーザ使用不可 - - -
18 M3540~M3559 14
19 M3560~M3579 15 サーボOFF指令 演算周期
20 M3580~M3599 16 ゲイン切換え指令
演算周期*1
21 M3600~M3619 17 PI-PID切換え指令 指令信号
22 M3620~M3639 18 制御ループ切換え指令
演算周期
23 M3640~M3659 19 FIN信号
24 M3660~M3679
25 M3680~M3699
26 M3700~M3719
27 M3720~M3739
28 M3740~M3759
29 M3760~M3779
30 M3780~M3799
31 M3800~M3819
32 M3820~M3839

*1:演算周期が7.1[ms]以上の場合は3.5[ms]ごとになります。

ポイント
(1) Q172DSCPUでは軸No.1~16の範囲が有効です。
(2) Q172DSCPUで17軸以上のデバイスエリアはユーザデバイスとして使用可能です。
ただし,Q172DSCPUのプロジェクトをQ173DSCPUに置換えた場合,ユーザデバイ
スとして使用できなくなります。
(3) 各軸指令信号の詳細は,「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPUモーションコントローラ
(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(リアルモード編)」を参照してくだ
さい。

4 - 6
4.位置決め専用信号

(4) 指令生成軸ステータス一覧

デバイス番号 信号名称
No.
1 M9800~M9819
2 M9820~M9839
記号 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
3 M9840~M9859
4 M9860~M9879 0 St.340 指令生成軸位置決め始動完了 ステータス
演算周期
5 M9880~M9899 1 St.341 指令生成軸位置決め完了 信号
6 M9900~M9919 2 - ユーザ使用不可 - - -
7 M9920~M9939 3 St.342 指令生成軸指令インポジション ステータス
演算周期
8 M9940~M9959 4 St.343 指令生成軸速度制御中 信号
9 M9960~M9979 5
- ユーザ使用不可 - - -
10 M9980~M9999 6
11 M10000~M10019 ステータス
7 St.344 指令生成軸エラー検出 即時
12 M10020~M10039 信号
13 M10040~M10059 8
- ユーザ使用不可 - - -
14 M10060~M10079 9
15 M10080~M10099 10 St.345 指令生成軸始動受付けフラグ
16 M10100~M10119 11 St.346 指令生成軸速度変更受付け中フラグ
ステータス
17 M10120~M10139 指令生成軸速度変更「0」受付け中 演算周期
12 St.347 信号
18 M10140~M10159 フラグ
19 M10160~M10179 13 St.348 指令生成軸自動減速中フラグ
20 M10180~M10199 14
21 M10200~M10219 15
22 M10220~M10239 16 - ユーザ使用不可 - - -
23 M10240~M10259 17
24 M10260~M10279 18
25 M10280~M10299 ステータス
19 St.349 指令生成軸Mコード出力中 演算周期
26 M10300~M10319 信号
27 M10320~M10339
28 M10340~M10359
29 M10360~M10379
30 M10380~M10399
31 M10400~M10419
32 M10420~M10439

ポイント
(1) Q172DSCPUでは軸No.1~16の範囲が有効です。
(2) Q172DSCPUで17軸以上のデバイスエリアはユーザデバイスとして使用可能です。
ただし,Q172DSCPUのプロジェクトをQ173DSCPUに置換えた場合,ユーザデバイ
スとして使用できなくなります。
(3) 指令生成軸ステータスの詳細は,5.2.4項を参照してください。

4 - 7
4.位置決め専用信号

(5) 指令生成軸指令信号一覧

デバイス番号 信号名称
No.
1 M10960~M10979
2 M10980~M10999
記号 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
3 M11000~M11019
4 M11020~M11039 0 Rq.341 指令生成軸停止指令
演算周期
5 M11040~M11059 1 Rq.342 指令生成軸急停止指令
6 M11060~M11079 2 Rq.343 指令生成軸正転JOG始動指令 指令信号
7 M11080~M11099 3 Rq.344 指令生成軸逆転JOG始動指令 メイン周期
8 M11100~M11119 4 Rq.345 指令生成軸完了信号OFF指令
9 M11120~M11139 5
- ユーザ使用不可 - - -
10 M11140~M11159 6
11 M11160~M11179 7 Rq.346 指令生成軸エラーリセット指令 メイン周期 指令信号
12 M11180~M11199 8
13 M11200~M11219 9
- ユーザ使用不可 - - -
14 M11220~M11239 10
15 M11240~M11259 11
16 M11260~M11279 12 Rq.347 指令生成軸送り現在値更新指令 始動時 指令信号
17 M11280~M11299 13
18 M11300~M11319 14
19 M11320~M11339 15
- ユーザ使用不可 - - -
20 M11340~M11359 16
21 M11360~M11379 17
22 M11380~M11399 18
23 M11400~M11419 19 Rq.348 指令生成軸FIN信号 演算周期 指令信号
24 M11420~M11439
25 M11440~M11459
26 M11460~M11479
27 M11480~M11499
28 M11500~M11519
29 M11520~M11539
30 M11540~M11559
31 M11560~M11579
32 M11580~M11599

ポイント
(1) Q172DSCPUでは軸No.1~16の範囲が有効です。
(2) Q172DSCPUで17軸以上のデバイスエリアはユーザデバイスとして使用可能です。
ただし,Q172DSCPUのプロジェクトをQ173DSCPUに置換えた場合,ユーザデバイ
スとして使用できなくなります。
(3) 指令生成軸指令信号の詳細は,5.2.3項を参照してください。

4 - 8
4.位置決め専用信号

(6) 同期エンコーダ軸ステータス一覧

デバイス番号 信号名称
No.
1 M10440~M10449
2 M10450~M10459
記号 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
3 M10460~M10469
4 M10470~M10479 0 St.320 同期エンコーダ軸設定有効フラグ 電源投入時
5 M10480~M10489 1 St.321 同期エンコーダ軸接続有効フラグ
6 M10490~M10499 同期エンコーダ軸カウンタ
2 St.322 ステータス
7 M10500~M10509 イネーブルフラグ 演算周期
信号
8 M10510~M10519 同期エンコーダ軸現在値設定要求
3 St.323
9 M10520~M10529 フラグ
10 M10530~M10539 4 St.324 同期エンコーダ軸エラー検出フラグ 即時
11 M10540~M10549 5 - ユーザ使用不可 - - -
12 M10550~M10559 ステータス
6 St.325 同期エンコーダ軸制御完了フラグ 即時
信号
7
8 - ユーザ使用不可 - - -
9

ポイント
同期エンコーダ軸ステータスの詳細は,5.3.5項を参照してください。

(7) 同期エンコーダ軸指令信号一覧

デバイス番号 信号名称
No.
1 M11600~M11603
2 M11604~M11607
記号 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
3 M11608~M11611
4 M11612~M11615 0 Rq.323 同期エンコーダ軸エラーリセット メイン周期
5 M11616~M11619 1 Rq.320 同期エンコーダ軸制御要求 演算周期
指令信号
6 M11620~M11623 デバイス/マスタCPU経由
2 Rq.324 メイン周期
7 M11624~M11627 同期エンコーダ接続指令
8 M11628~M11631 3 - ユーザ使用不可 - - -
9 M11632~M11635
10 M11636~M11639
11 M11640~M11643
12 M11644~M11647

ポイント
同期エンコーダ軸指令の詳細は,5.3.4項を参照してください。

4 - 9
4.位置決め専用信号

(8) 出力軸ステータス一覧

デバイス番号 信号名称
No.
1 M10560~M10569
2 M10570~M10579
記号 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
3 M10580~M10589
4 M10590~M10599 0 St.420 主軸クラッチON/OFFステータス
5 M10600~M10609 主軸クラッチスムージング
1 St.421
6 M10610~M10619 ステータス ステータス
演算周期
7 M10620~M10629 2 St.423 補助軸クラッチON/OFFステータス 信号
8 M10630~M10639 補助軸クラッチスムージング
3 St.424
9 M10640~M10649 ステータス
10 M10650~M10659 4
- ユーザ使用不可 - - -
11 M10660~M10669 5
12 M10670~M10679 ステータス
6 St.426 制御変更完了 演算周期
13 M10680~M10689 信号
14 M10690~M10699 7
15 M10700~M10709 8 - ユーザ使用不可 - - -
16 M10710~M10719 9
17 M10720~M10729
18 M10730~M10739
19 M10740~M10749
20 M10750~M10759
21 M10760~M10769
22 M10770~M10779
23 M10780~M10789
24 M10790~M10799
25 M10800~M10809
26 M10810~M10819
27 M10820~M10829
28 M10830~M10839
29 M10840~M10849
30 M10850~M10859
31 M10860~M10869
32 M10870~M10879

ポイント
(1) Q172DSCPUでは軸No.1~16の範囲が有効です。
(2) Q172DSCPUで17軸以上のデバイスエリアはユーザデバイスとして使用可能です。
ただし,Q172DSCPUのプロジェクトをQ173DSCPUに置換えた場合,ユーザデバイ
スとして使用できなくなります。
(3) 出力軸ステータスの詳細は,7.6.2項,7.7節を参照してください。

4 - 10
4.位置決め専用信号

(9) 出力軸指令信号一覧

デバイス番号 信号名称
No.
1 M11680~M11689
2 M11690~M11699
記号 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
3 M11700~M11709
4 M11710~M11719 0 Rq.400 主軸クラッチ指令
5 M11720~M11729 1 Rq.401 主軸クラッチ制御無効指令 演算周期 指令信号
6 M11730~M11739 2 Rq.402 主軸クラッチ強制OFF指令
7 M11740~M11749 3 - ユーザ使用不可 - - -
8 M11750~M11759 4 Rq.403 補助軸クラッチ指令
9 M11760~M11769 5 Rq.404 補助軸クラッチ制御無効指令 演算周期 指令信号
10 M11770~M11779 6 Rq.405 補助軸クラッチ強制OFF指令
11 M11780~M11789 7 - ユーザ使用不可 - - -
12 M11790~M11799 8 Rq.406 制御変更要求指令 演算周期 指令信号
13 M11800~M11809 9 - ユーザ使用不可 - - -
14 M11810~M11819
15 M11820~M11829
16 M11830~M11839
17 M11840~M11849
18 M11850~M11859
19 M11860~M11869
20 M11870~M11879
21 M11880~M11889
22 M11890~M11899
23 M11900~M11909
24 M11910~M11919
25 M11920~M11929
26 M11930~M11939
27 M11940~M11949
28 M11950~M11959
29 M11960~M11969
30 M11970~M11979
31 M11980~M11989
32 M11990~M11999

ポイント
(1) Q172DSCPUでは軸No.1~16の範囲が有効です。
(2) Q172DSCPUで17軸以上のデバイスエリアはユーザデバイスとして使用可能です。
ただし,Q172DSCPUのプロジェクトをQ173DSCPUに置換えた場合,ユーザデバイ
スとして使用できなくなります。
(3) 出力軸指令信号の詳細は,7.1.4項,7.2.4項,7.6.2項を参照してください。

4 - 11
4.位置決め専用信号

(10) 同期制御中信号一覧
軸 リフレッシュ
デバイス番号 記号 信号名称 取込周期 信号種別
No. 周期
1 M10880
2 M10881
3 M10882
4 M10883
5 M10884
6 M10885
7 M10886
8 M10887
9 M10888
10 M10889
11 M10890
12 M10891
13 M10892
14 M10893
15 M10894
16 M10895 ステータス
St.380 同期制御中 演算周期
17 M10896 信号
18 M10897
19 M10898
20 M10899
21 M10900
22 M10901
23 M10902
24 M10903
25 M10904
26 M10905
27 M10906
28 M10907
29 M10908
30 M10909
31 M10910
32 M10911

ポイント
(1) Q172DSCPUでは軸No.1~16の範囲が有効です。
(2) Q172DSCPUで17軸以上のデバイスエリアはユーザデバイスとして使用可能です。
ただし,Q172DSCPUのプロジェクトをQ173DSCPUに置換えた場合,ユーザデバイ
スとして使用できなくなります。
(3) 同期制御中信号の詳細は,2.2項を参照してください。

4 - 12
4.位置決め専用信号

(11) 同期解析完了信号一覧
軸 リフレッシュ
デバイス番号 記号 信号名称 取込周期 信号種別
No. 周期
1 M10912
2 M10913
3 M10914
4 M10915
5 M10916
6 M10917
7 M10918
8 M10919
9 M10920
10 M10921
11 M10922
12 M10923
13 M10924
14 M10925
15 M10926
16 M10927 ステータス
St.381 同期解析完了 演算周期
17 M10928 信号
18 M10929
19 M10930
20 M10931
21 M10932
22 M10933
23 M10934
24 M10935
25 M10936
26 M10937
27 M10938
28 M10939
29 M10940
30 M10941
31 M10942
32 M10943

ポイント
(1) Q172DSCPUでは軸No.1~16の範囲が有効です。
(2) Q172DSCPUで17軸以上のデバイスエリアはユーザデバイスとして使用可能です。
ただし,Q172DSCPUのプロジェクトをQ173DSCPUに置換えた場合,ユーザデバイ
スとして使用できなくなります。
(3) 同期解析完了信号の詳細は,2.2節を参照してください。

4 - 13
4.位置決め専用信号

(12) 同期制御始動信号一覧
軸 リフレッシュ
デバイス番号 記号 信号名称 取込周期 信号種別
No. 周期
1 M12000
2 M12001
3 M12002
4 M12003
5 M12004
6 M12005
7 M12006
8 M12007
9 M12008
10 M12009
11 M12010
12 M12011
13 M12012
14 M12013
15 M12014
16 M12015
Rq.380 同期制御始動 演算周期 指令信号
17 M12016
18 M12017
19 M12018
20 M12019
21 M12020
22 M12021
23 M12022
24 M12023
25 M12024
26 M12025
27 M12026
28 M12027
29 M12028
30 M12029
31 M12030
32 M12031

ポイント
(1) Q172DSCPUでは軸No.1~16の範囲が有効です。
(2) Q172DSCPUで17軸以上のデバイスエリアはユーザデバイスとして使用可能です。
ただし,Q172DSCPUのプロジェクトをQ173DSCPUに置換えた場合,ユーザデバイ
スとして使用できなくなります。
(3) 同期制御始動信号の詳細は,2.2節を参照してください。

4 - 14
4.位置決め専用信号

(13) 同期解析要求信号一覧
軸 リフレッシュ
デバイス番号 記号 信号名称 取込周期 信号種別
No. 周期
1 M12032
2 M12033
3 M12034
4 M12035
5 M12036
6 M12037
7 M12038
8 M12039
9 M12040
10 M12041
11 M12042
12 M12043
13 M12044
14 M12045
15 M12046
16 M12047 同期制御
Rq.381 同期解析要求 指令信号
17 M12048 始動時
18 M12049
19 M12050
20 M12051
21 M12052
22 M12053
23 M12054
24 M12055
25 M12056
26 M12057
27 M12058
28 M12059
29 M12060
30 M12061
31 M12062
32 M12063

ポイント
(1) Q172DSCPUでは軸No.1~16の範囲が有効です。
(2) Q172DSCPUで17軸以上のデバイスエリアはユーザデバイスとして使用可能です。
ただし,Q172DSCPUのプロジェクトをQ173DSCPUに置換えた場合,ユーザデバイ
スとして使用できなくなります。
(3) 同期解析要求信号の詳細は,2.2節を参照してください。

4 - 15
4.位置決め専用信号

(14) 共通デバイス一覧
デバイ デバイ
信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別 備考*3 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別 備考*3
ス番号 ス番号
M2000 シーケンサレディフラグ メイン周期 指令信号 M3072 M2071 軸11
M2001 軸1 M2072 軸12
M2002 軸2 M2073 軸13
M2003 軸3 M2074 軸14
M2004 軸4 M2075 軸15
M2005 軸5 M2076 軸16
M2006 軸6 M2077 軸17
M2007 軸7 M2078 軸18
M2008 軸8 M2079 軸19
M2009 軸9 M2080 軸20
M2010 軸10 M2081 軸21 速度変更受付け中 ステータス信号
演算周期 *1,*2
M2011 軸11 M2082 軸22 フラグ
M2012 軸12 M2083 軸23
M2013 軸13 M2084 軸24
M2014 軸14 M2085 軸25
M2015 軸15 M2086 軸26
M2016 軸16 ステータス信号 M2087 軸27
始動受付けフラグ 演算周期 *1,*2
M2017 軸17 M2088 軸28
M2018 軸18 M2089 軸29
M2019 軸19 M2090 軸30
M2020 軸20 M2091 軸31
M2021 軸21 M2092 軸32
M2022 軸22 M2093
M2023 軸23 M2094
M2024 軸24 M2095
M2025 軸25 M2096
M2026 軸26 M2097
M2027 軸27 M2098
M2028 軸28 M2099
M2029 軸29 M2100
M2030 軸30 M2101
M2031 軸31 M2102
M2032 軸32 M2103
M2033 ユーザ使用不可 M2104
- - - -
M2034 (2点) M2105
モーションエラー履歴クリア
M2035 メイン周期 指令信号 M3080 M2106
要求フラグ
M2036 ユーザ使用不可 M2107
- - - -
M2037 (2点) M2108
モーションSFCデバッグモード デバッグモード
M2038 M2109
中フラグ 移行時 ステータス信号 ユーザ使用不可
- - - -
M2039 モーションエラー検出フラグ 即時 M2110 (35点)
M2040 速度切換えポイント指定フラグ 始動時 指令信号 M3073 M2111
M2041 システム設定エラーフラグ 演算周期 ステータス信号 M2112
M2042 全軸サーボON指令 演算周期 指令信号 M3074 M2113
M2043 M2114
M2044 ユーザ使用不可 M2115
- - - -
M2045 (4点) M2116
M2046 M2117
モーションスロット異常検出
M2047 演算周期 ステータス信号 M2118
フラグ
M2048 JOG運転同時始動指令 メイン周期 指令信号 M3076 M2119
M2049 全軸サーボON受付けフラグ 演算周期 ステータス信号 M2120
M2050 ユーザ使用不可 - - - - M2121
M2051 手動パルサ1許可フラグ M3077 M2122
M2052 手動パルサ2許可フラグ メイン周期 指令信号 M3078 M2123
M2053 手動パルサ3許可フラグ M3079 M2124
M2054 演算周期オーバーフラグ 演算周期 ステータス信号 M2125
M2055 M2126
M2056 M2127
M2057 ユーザ使用不可 M2128 軸1
- - - -
M2058 (6点) M2129 軸2
M2059 M2130 軸3
M2060 M2131 軸4
M2061 軸1 M2132 軸5
M2062 軸2 M2133 軸6
M2063 軸3 M2134 軸7 ステータス信号
自動減速中フラグ 演算周期 *1,*2
M2064 軸4 M2135 軸8
M2065 軸5 速度変更受付け中 ステータス信号 M2136 軸9
演算周期 *1,*2
M2066 軸6 フラグ M2137 軸10
M2067 軸7 M2138 軸11
M2068 軸8 M2139 軸12
M2069 軸9 M2140 軸13
M2070 軸10 M2141 軸14

4 - 16
4.位置決め専用信号

共通デバイス一覧(つづき)
デバイ デバイ
信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別 備考*3 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別 備考*3
ス番号 ス番号
M2142 軸15 M2219
M2143 軸16 M2220
M2144 軸17 M2221
M2145 軸18 M2222
M2146 軸19 M2223
M2147 軸20 M2224
M2148 軸21 M2225
M2149 軸22 M2226
M2150 軸23 ステータス信号 M2227
自動減速中フラグ 演算周期 *1,*2
M2151 軸24 M2228
ユーザ使用不可
M2152 軸25 M2229 - - - -
(21点)
M2153 軸26 M2230
M2154 軸27 M2231
M2155 軸28 M2232
M2156 軸29 M2233
M2157 軸30 M2234
M2158 軸31 M2235
M2159 軸32 M2236
M2160 M2237
M2161 M2238
M2162 M2239
M2163 M2240 軸1
M2164 M2241 軸2
M2165 M2242 軸3
M2166 M2243 軸4
M2167 M2244 軸5
M2168 M2245 軸6
M2169 M2246 軸7
M2170 M2247 軸8
M2171 M2248 軸9
M2172 M2249 軸10
M2173 M2250 軸11
M2174 M2251 軸12
M2175 M2252 軸13
M2176 M2253 軸14
M2177 M2254 軸15
M2178 M2255 軸16 速度変更「0」受付け中
M2179 M2256 軸17 フラグ
M2180 M2257 軸18
M2181 M2258 軸19
M2182 M2259 軸20
M2183 M2260 軸21
M2184 M2261 軸22
M2185 M2262 軸23
M2186 M2263 軸24
M2187 M2264 軸25
M2188 M2265 軸26
ユーザ使用不可
M2189 - - - - M2266 軸27
(59点)
M2190 M2267 軸28 ステータス信号
演算周期 *1,*2
M2191 M2268 軸29
M2192 M2269 軸30
M2193 M2270 軸31
M2194 M2271 軸32
M2195 M2272 軸1
M2196 M2273 軸2
M2197 M2274 軸3
M2198 M2275 軸4
M2199 M2276 軸5
M2200 M2277 軸6
M2201 M2278 軸7
M2202 M2279 軸8
M2203 M2280 軸9
M2204 M2281 軸10
M2205 M2282 軸11
M2206 M2283 軸12 制御ループモニタ
M2207 M2284 軸13 ステータス
M2208 M2285 軸14
M2209 M2286 軸15
M2210 M2287 軸16
M2211 M2288 軸17
M2212 M2289 軸18
M2213 M2290 軸19
M2214 M2291 軸20
M2215 M2292 軸21
M2216 M2293 軸22
M2217 M2294 軸23
M2218 M2295 軸24

4 - 17
4.位置決め専用信号

共通デバイス一覧(つづき)
デバイ デバイ
信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別 備考*3 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別 備考*3
ス番号 ス番号
M2296 軸25 M2308
M2297 軸26 M2309
M2298 軸27 M2310
M2299 軸28 制御ループモニタ ステータス信号 M2311
演算周期 *1,*2
M2300 軸29 ステータス M2312
M2301 軸30 M2313 ユーザ使用不可
- - - -
M2302 軸31 M2314 (12点)
M2303 軸32 M2315
M2304 M2316
M2305 ユーザ使用不可 M2317
- - - -
M2306 (4点) M2318
M2307 M2319

*1:Q172DSCPUでは軸No.1~16の範囲が有効です。
*2:Q172DSCPUで17軸以上のデバイスエリアはユーザ使用不可です。
*3:備考欄のデバイスでも指令可能です。

ポイント
共通デバイスの詳細は,「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPUモーションコントローラ
(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(リアルモード編)」を参照してください。

4 - 18
4.位置決め専用信号

(15) 共通デバイス(指令信号)一覧
デバイス番号 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別 備考*1,*2
M3072 シーケンサレディフラグ メイン周期 M2000
M3073 速度切換えポイント指定フラグ 始動時 指令信号 M2040
M3074 全軸サーボON指令 演算周期 M2042
M3075 ユーザ使用不可 - - - -
M3076 JOG運転同時始動指令 M2048
M3077 手動パルサ1許可フラグ M2051
M3078 手動パルサ2許可フラグ M2052
メイン周期 指令信号
M3079 手動パルサ3許可フラグ M2053
モーションエラー履歴クリア
M3080 M2035
要求フラグ
M3081
ユーザ使用不可*3

- - - -
(55点)
M3135

*1:備考欄のデバイスを直接ON/OFFした場合には,デバイスの状態が一致しません。なお,データレジスタからの要求と,
上記デバイスからの要求が同時に行われた場合には,上記デバイスからの要求が有効となります。
*2:備考欄のデバイスでも指令可能です。
*3:ユーザデバイスとして使用しないでください。指令信号の予備用のエリアとなりますので,自動リフレッシュを行うデ
バイスとして使用することは可能です。

ポイント
上記デバイスのOFF → ONで備考欄のデバイスがONし,上記デバイスのON → OFFで
備考欄のデバイスがOFFします。
M2000~M2053は,ステータス/指令が混在しており,自動リフレッシュを使用して
シーケンサCPUから指令信号をON/OFFできないため,自動リフレッシュを使用して
シーケンサCPUからON/OFFする場合は,上記デバイスを使用してください。
データレジスタにより,ON/OFFすることも可能です。 (「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU
モーションコントローラ(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(リアルモード
編)」参照)

4 - 19
4.位置決め専用信号

4.2 データレジスタ

(1) データレジスタ一覧
SV22
デバイス番号 用途分類
D0 各軸モニタデバイス

(20点×32軸)

D640 制御変更レジスタ

(2点×32軸)

D704 共通デバイス(指令信号)

(54点)

D758 ユーザ使用不可

(42点)

D800 ユーザデバイス

(7392点)

D8192*1
ユーザデバイス

(2048点)

D10240*1
システムエリア

(2040点)

D12280*1
サーボ入力軸モニタデバイス

(10点×32軸)

D12600*1
指令生成軸モニタデバイス

(20点×32軸)

D13240*1
同期エンコーダ軸モニタデバイス

(20点×12軸)

D13480*1
ユーザ使用不可

(120点)

D13600*1
出力軸モニタデバイス

(30点×32軸)

D14560*1
ユーザ使用不可

(40点)

D14600*1
サーボ入力軸制御デバイス

(2点×32軸)

D14664*1

ユーザ使用不可
(16点)
D14679*1

4 - 20
4.位置決め専用信号

データレジスタ一覧(つづき)
SV22
デバイス番号 用途分類
D14680*1
指令生成軸制御デバイス


(4点×32軸)

D14808*1
~ ユーザ使用不可
(12点)

D14820*1
同期エンコーダ軸制御デバイス

(10点×12軸)

D14940*1
ユーザ使用不可

(60点)

D15000*1
出力軸制御デバイス

(150点×32軸)

D19800*1

ユーザ使用不可
(24点)
D19823*1

はユーザデバイスにて使用可能

ポイント
(1) ユーザデバイス合計点数
9440点

(2) *1:アドバンスト同期制御方式を使用する場合は,D8192~D19823をラッチ範
囲に設定できません。
(3) 本マニュアルは,同期制御時に使用するデータレジスタの内容のみ掲載してお
ります。必要に応じて,「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPUモーションコントローラ
(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(リアルモード編)」を参照してくだ
さい。

4 - 21
4.位置決め専用信号

(2) 各軸モニタデバイス一覧

デバイス番号 信号名称
No.
1 D0~D19
2 D20~D39
信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
3 D40~D59
4 D60~D79 0
送り現在値
5 D80~D99 1
6 D100~D119 2
実現在値 演算周期
7 D120~D139 3
8 D140~D159 4
偏差カウンタ値
9 D160~D179 5
10 D180~D199 6 軽度エラーコード
即時
11 D200~D219 7 重度エラーコード
モニタ
12 D220~D239 8 サーボエラーコード メイン周期
デバイス
13 D240~D259 9 原点復帰再移動量
14 D260~D279 10 演算周期
近点ドグON後の移動量
15 D280~D299 11
16 D300~D319 12 実行プログラムNo. 始動時
17 D320~D339 13 Mコード
演算周期
18 D340~D359 14 トルク制限値
19 D360~D379 等速制御用データセット
15 始動時・始動中
20 D380~D399 ポインタ
21 D400~D419 16
ユーザ使用不可*1 - - -
22 D420~D439 17
23 D440~D459 18 モニタ
STOP入力時の実現在値 演算周期
24 D460~D479 19 デバイス
25 D480~D499
26 D500~D519
27 D520~D539
28 D540~D559
29 D560~D579
30 D580~D599
31 D600~D619
32 D620~D639

*1:移動量変更レジスタとして使用可能です。移動量変更レジスタは,サーボプログラムにて任意デバイスに設定できます。
詳細は,「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モーションコントローラ(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(リアルモード編)」
を参照してください。

ポイント
(1) Q172DSCPUでは軸No.1~16の範囲が有効です。
(2) Q172DSCPUで17軸以上のデバイスエリアはユーザデバイスとして使用可能です。
ただし,Q172DSCPUのプロジェクトをQ173DSCPUに置換えた場合,ユーザデバイ
スとして使用できなくなります。
(3) 各軸モニタデバイスの詳細は,「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPUモーションコント
ローラ(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(リアルモード編)」を参照し
てください。

4 - 22
4.位置決め専用信号

(3) 制御変更レジスタ一覧

デバイス番号 信号名称
No.
1 D640,D641
2 D642,D643
信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
3 D644,D645
4 D646,D647 0 指令
JOG速度設定 始動時
5 D648,D649 1 デバイス
6 D650,D651
7 D652,D653
8 D654,D655
9 D656,D657
10 D658,D659
11 D660,D661
12 D662,D663
13 D664,D665
14 D666,D667
15 D668,D669
16 D670,D671
17 D672,D673
18 D674,D675
19 D676,D677
20 D678,D679
21 D680,D681
22 D682,D683
23 D684,D685
24 D686,D687
25 D688,D689
26 D690,D691
27 D692,D693
28 D694,D695
29 D696,D697
30 D698,D699
31 D700,D701
32 D702,D703

ポイント
(1) Q172DSCPUでは軸No.1~16の範囲が有効です。
(2) Q172DSCPUで17軸以上のデバイスエリアはユーザデバイスとして使用可能です。
ただし,Q172DSCPUのプロジェクトをQ173DSCPUに置換えた場合,ユーザデバイ
スとして使用できなくなります。
(3) 制御変更レジスタの詳細は,「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPUモーションコント
ローラ(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(リアルモード編)」を参照し
てください。

4 - 23
4.位置決め専用信号

(4) サーボ入力軸モニタデバイス一覧

デバイス番号 信号名称
No.
1 D12280~D12289
2 D12290~D12299
記号 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
3 D12300~D12309
4 D12310~D12319 0
Md.300 サーボ入力軸現在値
5 D12320~D12329 1
6 D12330~D12339 2
Md.301 サーボ入力軸速度
7 D12340~D12349 3 モニタ
演算周期
8 D12350~D12359 4 デバイス
Md.302 サーボ入力軸位相補正量
9 D12360~D12369 5
10 D12370~D12379 6
Md.303 サーボ入力軸回転方向制限量
11 D12380~D12389 7
12 D12390~D12399 8
- ユーザ使用不可 - - -
13 D12400~D12409 9
14 D12410~D12419
15 D12420~D12429
16 D12430~D12439
17 D12440~D12449
18 D12450~D12459
19 D12460~D12469
20 D12470~D12479
21 D12480~D12489
22 D12490~D12499
23 D12500~D12509
24 D12510~D12519
25 D12520~D12529
26 D12530~D12539
27 D12540~D12549
28 D12550~D12559
29 D12560~D12569
30 D12570~D12579
31 D12580~D12589
32 D12590~D12599

ポイント
(1) Q172DSCPUでは軸No.1~16の範囲が有効です。
(2) Q172DSCPUで17軸以上のデバイスエリアはユーザデバイスとして使用可能です。
ただし,Q172DSCPUのプロジェクトをQ173DSCPUに置換えた場合,ユーザデバイ
スとして使用できなくなります。
(3) サーボ入力軸モニタデバイスの詳細は,5.1.3項を参照してください。

4 - 24
4.位置決め専用信号

(5) サーボ入力軸制御デバイス一覧

デバイス番号 信号名称
No.
1 D14600,D14601
2 D14602,D14603
記号 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
3 D14604,D14605
4 D14606,D14607 0 指令
Pr.302 サーボ入力軸位相補正進め時間 演算周期
5 D14608,D14609 1 デバイス
6 D14610,D14611
7 D14612,D14613
8 D14614,D14615
9 D14616,D14617
10 D14618,D14619
11 D14620,D14621
12 D14622,D14623
13 D14624,D14625
14 D14626,D14627
15 D14628,D14629
16 D14630,D14631
17 D14632,D14633
18 D14634,D14635
19 D14636,D14637
20 D14638,D14639
21 D14640,D14641
22 D14642,D14643
23 D14644,D14645
24 D14646,D14647
25 D14648,D14649
26 D14650,D14651
27 D14652,D14653
28 D14654,D14655
29 D14656,D14657
30 D14658,D14659
31 D14660,D14661
32 D14662,D14663

ポイント
(1) Q172DSCPUでは軸No.1~16の範囲が有効です。
(2) Q172DSCPUで17軸以上のデバイスエリアはユーザデバイスとして使用可能です。
ただし,Q172DSCPUのプロジェクトをQ173DSCPUに置換えた場合,ユーザデバイ
スとして使用できなくなります。
(3) サーボ入力軸制御デバイスの詳細は,5.1.2項を参照してください。

4 - 25
4.位置決め専用信号

(6) 指令生成軸モニタデバイス一覧

デバイス番号 信号名称
No.
1 D12600~D12619
2 D12620~D12639
記号 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
3 D12640~D12659
4 D12660~D12679 0
Md.340 指令生成軸送り現在値 演算周期
5 D12680~D12699 1
6 D12700~D12719 2 Md.341 指令生成軸軽度エラーコード
即時
7 D12720~D12739 3 Md.342 指令生成軸重度エラーコード モニタ
8 D12740~D12759 4 Md.343 指令生成軸実行プログラムNo. 始動時 デバイス
9 D12760~D12779 5 Md.344 指令生成軸Mコード
10 D12780~D12799 6 演算周期
Md.345 指令生成軸累積現在値
11 D12800~D12819 7
12 D12820~D12839 8 - ユーザ使用不可 - - -
13 D12840~D12859 指令生成軸等速制御用データセット
9 Md.346 始動時・始動中
14 D12860~D12879 ポインタ
15 D12880~D12899 10 モニタ
Md.347 指令生成軸1サイクル現在値
16 D12900~D12919 11 デバイス
演算周期
17 D12920~D12939 12
Md.348 指令生成軸指令速度
18 D12940~D12959 13
19 D12960~D12979 14
20 D12980~D12999 15
21 D13000~D13019 16
- ユーザ使用不可 - - -
22 D13020~D13039 17
23 D13040~D13059 18
24 D13060~D13079 19
25 D13080~D13099
26 D13100~D13119
27 D13120~D13139
28 D13140~D13159
29 D13160~D13179
30 D13180~D13199
31 D13200~D13219
32 D13220~D13239

ポイント
(1) Q172DSCPUでは軸No.1~16の範囲が有効です。
(2) Q172DSCPUで17軸以上のデバイスエリアはユーザデバイスとして使用可能です。
ただし,Q172DSCPUのプロジェクトをQ173DSCPUに置換えた場合,ユーザデバイ
スとして使用できなくなります。
(3) 指令生成軸モニタデバイスの詳細は,5.2.4項を参照してください。

4 - 26
4.位置決め専用信号

(7) 指令生成軸制御デバイス一覧

デバイス番号 信号名称
No.
1 D14680~D14683
2 D14684~D14687
記号 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
3 D14688~D14691
4 D14692~D14695 0
Cd.340 指令生成軸JOG速度設定
5 D14696~D14699 1 指令
JOG運転始動時
6 D14700~D14703 指令生成軸JOG運転パラメータ デバイス
2 Pr.348
7 D14704~D14707 ブロック指定
8 D14708~D14711 3 - ユーザ使用不可 - - -
9 D14712~D14715
10 D14716~D14719
11 D14720~D14723
12 D14724~D14727
13 D14728~D14731
14 D14732~D14735
15 D14736~D14739
16 D14740~D14743
17 D14744~D14747
18 D14748~D14751
19 D14752~D14755
20 D14756~D14759
21 D14760~D14763
22 D14764~D14767
23 D14768~D14771
24 D14772~D14775
25 D14776~D14779
26 D14780~D14783
27 D14784~D14787
28 D14788~D14791
29 D14792~D14795
30 D14796~D14799
31 D14800~D14803
32 D14804~D14807

ポイント
(1) Q172DSCPUでは軸No.1~16の範囲が有効です。
(2) Q172DSCPUで17軸以上のデバイスエリアはユーザデバイスとして使用可能です。
ただし,Q172DSCPUのプロジェクトをQ173DSCPUに置換えた場合,ユーザデバイ
スとして使用できなくなります。
(3) 指令生成軸制御デバイスの詳細は,5.2.2項,5.2.3項を参照してください。

4 - 27
4.位置決め専用信号

(8) 同期エンコーダ軸モニタデバイス一覧

デバイス番号 信号名称
No.
1 D13240~D13259
2 D13260~D13279
記号 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
3 D13280~D13299
4 D13300~D13319 0
Md.320 同期エンコーダ軸現在値
5 D13320~D13339 1
6 D13340~D13359 2
Md.321 同期エンコーダ軸1サイクル現在値
7 D13360~D13369 3
8 D13380~D13399 4
Md.322 同期エンコーダ軸速度 演算周期
9 D13400~D13419 5 モニタ
10 D13420~D13439 6 デバイス
Md.323 同期エンコーダ軸位相補正量
11 D13440~D13459 7
12 D13460~D13479 8
Md.324 同期エンコーダ軸回転方向制限量
9
10 Md.327 同期エンコーダ軸軽度エラーコード
即時
11 Md.326 同期エンコーダ軸重度エラーコード
12
13
14
15
- ユーザ使用不可 - - -
16
17
18
19

ポイント
同期エンコーダ軸モニタデバイスの詳細は,5.3.5項を参照してください。

4 - 28
4.位置決め専用信号

(9) 同期エンコーダ軸制御デバイス一覧

デバイス番号 信号名称
No.
1 D14820~D14829
2 D14830~D14839
記号 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
3 D14840~D14849
4 D14850~D14859 0
Pr.326 同期エンコーダ軸位相補正進め時間 演算周期
5 D14860~D14869 1
6 D14870~D14879 2 Cd.320 同期エンコーダ軸制御始動条件
7 D14880~D14889 3 Cd.321 同期エンコーダ軸制御方法 同期エンコーダ軸 指令
8 D14890~D14899 4 同期エンコーダ軸現在値設定 制御始動時 デバイス
Cd.322
9 D14900~D14909 5 アドレス
10 D14910~D14919 6
Cd.325 デバイス経由同期エンコーダ入力値 演算周期
11 D14920~D14929 7
12 D14930~D14939 8
- ユーザ使用不可 - - -
9

ポイント
同期エンコーダ軸制御デバイスの詳細は,5.3.3項,5.3.4項を参照してください。

4 - 29
4.位置決め専用信号

(10) 出力軸モニタデバイス一覧

デバイス番号 信号名称
No.
1 D13600~D13629
2 D13630~D13659
記号 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
3 D13660~D13689
4 D13690~D13719 0
Md.400 主軸合成ギア後現在値
5 D13720~D13749 1
6 D13750~D13779 2
Md.401 主軸ギア後1サイクル現在値
7 D13780~D13809 3
8 D13810~D13839 4
Md.402 補助軸ギア後1サイクル現在値
9 D13840~D13869 5
10 D13870~D13899 6
Md.422 主軸クラッチ滑り量累積値
11 D13900~D13929 7
12 D13930~D13959 8
Md.425 補助軸クラッチ滑り量累積値 モニタ
13 D13960~D13989 9 演算周期
デバイス
14 D13990~D14019 10
Md.406 カム軸位相補正量
15 D14020~D14049 11
16 D14050~D14079 12
Md.407 カム軸1サイクル現在値
17 D14080~D14109 13
18 D14110~D14139 14
Md.408 カム基準位置
19 D14140~D14169 15
20 D14170~D14199 16
Md.409 カム軸送り現在値
21 D14200~D14229 17
22 D14230~D14259 18 Md.410 実行カムNo.
23 D14260~D14289 19 - ユーザ使用不可 - - -
24 D14290~D14319 20
Md.411 実行カムストローク量
25 D14320~D14349 21 モニタ
演算周期
26 D14350~D14379 22 デバイス
Md.412 実行カム軸1サイクル長 Ver.!
27 D14380~D14409 23
28 D14410~D14439 24
29 D14440~D14469 25
30 D14470~D14499 26
- ユーザ使用不可 - - -
31 D14500~D14529 27
32 D14530~D14559 28
29

ポイント
(1) Q172DSCPUでは軸No.1~16の範囲が有効です。
(2) Q172DSCPUで17軸以上のデバイスエリアはユーザデバイスとして使用可能です。
ただし,Q172DSCPUのプロジェクトをQ173DSCPUに置換えた場合,ユーザデバイ
スとして使用できなくなります。
(3) 出力軸モニタデバイスの詳細は,7.7節を参照してください。

Ver.! :ソフトウェアの対応バージョンについては,1.4節を参照してください。

4 - 30
4.位置決め専用信号

(11) 出力軸制御デバイス一覧

デバイス番号 信号名称
No.
1 D15000~D15149
2 D15150~D15299
記号 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
3 D15300~D15449
4 D15450~D15599 0 Pr.400 メイン入力軸番号
同期制御始動時 指令
5 D15600~D15749 1 Pr.401 サブ入力軸番号
デバイス
6 D15750~D15899 2 Pr.402 主軸合成ギア 演算周期
7 D15900~D16049 3 - ユーザ使用不可 - - -
8 D16050~D16199 4
Pr.403 主軸ギア分子
9 D16200~D16349 5
同期制御始動時
10 D16350~D16499 6
Pr.404 主軸ギア分母
11 D16500~D16649 7
12 D16650~D16799 8 Pr.405 主軸クラッチ制御設定 演算周期
13 D16800~D16949 9 Pr.406 主軸クラッチ参照アドレス設定 同期制御始動時
14 D16950~D17099 10
Pr.407 主軸クラッチONアドレス 演算周期
15 D17100~D17249 11
16 D17250~D17399 12 クラッチON条件
Pr.408 主軸クラッチON前移動量
17 D17400~D17549 13 成立時
18 D17550~D17699 14
Pr.409 主軸クラッチOFFアドレス 演算周期
19 D17700~D17849 15
20 D17850~D17999 16 クラッチOFF条件
Pr.410 主軸クラッチOFF前移動量
21 D18000~D18149 17 成立時
22 D18150~D18299 18 Pr.411 主軸クラッチスムージング方式
同期制御始動時
23 D18300~D18449 19 Pr.412 主軸クラッチスムージング時定数
24 D18450~D18599 20
Pr.413 主軸クラッチON時滑り量 クラッチON開始時
25 D18600~D18749 21
26 D18750~D18899 22
Pr.414 主軸クラッチOFF時滑り量 クラッチOFF開始時
27 D18900~D19049 23 指令
28 D19050~D19199 24 Pr.418 補助軸番号 同期制御始動時 デバイス
29 D19200~D19349 25 Pr.419 補助軸合成ギア 演算周期
30 D19350~D19499 26
Pr.420 補助軸ギア分子
31 D19500~D19649 27
同期制御始動時
32 D19650~D19799 28
Pr.421 補助軸ギア分母
29
30 Pr.422 補助軸クラッチ制御設定 演算周期
31 Pr.423 補助軸クラッチ参照アドレス設定 同期制御始動時
32
Pr.424 補助軸クラッチONアドレス 演算周期
33
34 クラッチON条件
Pr.425 補助軸クラッチON前移動量
35 成立時
36
Pr.426 補助軸クラッチOFFアドレス 演算周期
37
38 クラッチOFF条件
Pr.427 補助軸クラッチOFF前移動量
39 成立時
40 Pr.428 補助軸クラッチスムージング方式
同期制御始動時
41 Pr.429 補助軸クラッチスムージング時定数
42
Pr.430 補助軸クラッチON時滑り量 クラッチON開始時
43

4 - 31
4.位置決め専用信号

出力軸制御デバイス一覧(つづき)

デバイス番号 信号名称
No.
1 D15000~D15149
2 D15150~D15299
記号 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
3 D15300~D15449
4 D15450~D15599 44
Pr.431 補助軸クラッチOFF時滑り量 クラッチOFF開始時
5 D15600~D15749 45
6 D15750~D15899 46 Pr.434 変速機1配置
同期制御始動時
7 D15900~D16049 47 Pr.435 変速機1スムージング時定数
8 D16050~D16199 48
Pr.436 変速比1分子
9 D16200~D16349 49
演算周期
10 D16350~D16499 50
Pr.437 変速比1分母
11 D16500~D16649 51
12 D16650~D16799 52 Pr.490 変速機2配置
同期制御始動時
13 D16800~D16949 53 Pr.491 変速機2スムージング時定数
指令
14 D16950~D17099 54
Pr.492 変速比2分子 デバイス
15 D17100~D17249 55
演算周期
16 D17250~D17399 56
Pr.493 変速比2分母
17 D17400~D17549 57
18 D17550~D17699 58 Pr.438 カム軸サイクル単位設定
19 D17700~D17849 59 Pr.442 カム軸1サイクル長変更設定 Ver.!
同期制御始動時
20 D17850~D17999 60
Pr.439 カム軸1サイクル長
21 D18000~D18149 61
22 D18150~D18299 同期制御始動時,
23 D18300~D18449 62 Pr.440 カムNo. カムデータ0点目
24 D18450~D18599 通過時
25 D18600~D18749 63 - ユーザ使用不可 - - -
26 D18750~D18899 64 同期制御始動時,
27 D18900~D19049 Pr.441 カムストローク量 カムデータ0点目
65
28 D19050~D19199 通過時
29 D19200~D19349 66 指令
Pr.444 カム軸位相補正進め時間 演算周期
30 D19350~D19499 67 デバイス
31 D19500~D19649 68 Pr.445 カム軸位相補正時定数
32 D19650~D19799 69 Pr.448 同期制御パラメータブロックNo. 同期制御始動時
70 Pr.447 出力軸スムージング時定数
71
72
73
74
75
76 - ユーザ使用不可 - - -
77
78
79
80
81

Ver.! :ソフトウェアの対応バージョンについては,1.4節を参照してください。

4 - 32
4.位置決め専用信号

出力軸制御デバイス一覧(つづき)

デバイス番号 信号名称
No.
1 D15000~D15149
2 D15150~D15299
記号 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
3 D15300~D15449
4 D15450~D15599 82
5 D15600~D15749 83
6 D15750~D15899 84
7 D15900~D16049 85
8 D16050~D16199 86
9 D16200~D16349 87
10 D16350~D16499 88
11 D16500~D16649 89
12 D16650~D16799 90
- ユーザ使用不可 - - -
13 D16800~D16949 91
14 D16950~D17099 92
15 D17100~D17249 93
16 D17250~D17399 94
17 D17400~D17549 95
18 D17550~D17699 96
19 D17700~D17849 97
20 D17850~D17999 98
21 D18000~D18149 99
22 D18150~D18299 主軸ギア後1サイクル現在値設定
100 Pr.460
23 D18300~D18449 方法
24 D18450~D18599 補助軸ギア後1サイクル現在値設定
101 Pr.461 指令
25 D18600~D18749 方法 同期制御始動時
デバイス
26 D18750~D18899 102 Pr.462 カム軸位置復元対象
27 D18900~D19049 103 Pr.463 カム基準位置設定方法
28 D19050~D19199 104 Pr.464 カム軸1サイクル現在値設定方法
29 D19200~D19349 105 - ユーザ使用不可 - - -
30 D19350~D19499 106 主軸ギア後1サイクル現在値初期
Pr.465
31 D19500~D19649 107 設定値
32 D19650~D19799 108 補助軸ギア後1サイクル現在値初期
Pr.466
109 設定値 指令
同期制御始動時
110 デバイス
Pr.467 カム基準位置初期設定値
111
112
Pr.468 カム軸1サイクル現在値初期設定値
113
114
115
116
117
118
119 - ユーザ使用不可 - - -
120
121
122
123
124

4 - 33
4.位置決め専用信号

出力軸制御デバイス一覧(つづき)

デバイス番号 信号名称
No.
1 D15000~D15149
2 D15150~D15299
記号 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
3 D15300~D15449
4 D15450~D15599 125
5 D15600~D15749 126
6 D15750~D15899 127 - ユーザ使用不可 - - -
7 D15900~D16049 128
8 D16050~D16199 129
9 D16200~D16349 130 Cd.407 同期制御変更命令
10 D16350~D16499 131 Cd.409 同期制御変更反映時間 同期制御変更 指令
11 D16500~D16649 132 要求時 デバイス
Cd.408 同期制御変更値
12 D16650~D16799 133
13 D16800~D16949 134
14 D16950~D17099 135
15 D17100~D17249 136
16 D17250~D17399 137
17 D17400~D17549 138
18 D17550~D17699 139
19 D17700~D17849 140
20 D17850~D17999 141
- ユーザ使用不可 - - -
21 D18000~D18149 142
22 D18150~D18299 143
23 D18300~D18449 144
24 D18450~D18599 145
25 D18600~D18749 146
26 D18750~D18899 147
27 D18900~D19049 148
28 D19050~D19199 149
29 D19200~D19349
30 D19350~D19499
31 D19500~D19649
32 D19650~D19799

ポイント
(1) Q172DSCPUでは軸No.1~16の範囲が有効です。
(2) Q172DSCPUで17軸以上のデバイスエリアはユーザデバイスとして使用可能です。
ただし,Q172DSCPUのプロジェクトをQ173DSCPUに置換えた場合,ユーザデバイ
スとして使用できなくなります。
(3) 出力軸制御デバイスの詳細は,7.1.2項,7.1.3項,7.2.3項,7.4.2項,
7.5.2項,7.6.2項,8.5節を参照してください。

4 - 34
4.位置決め専用信号

(12) 共通デバイス一覧
デバイ デバイ
信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
ス番号 ス番号
シーケンサレディフラグ 手動パルサ1スムージング
D704 D752
要求 倍率設定レジスタ
速度切換えポイント指定 指令 手動パルサ2スムージング 手動パルサ許可フラグ
D705 メイン周期 D753
フラグ要求 デバイス 倍率設定レジスタ 時
手動パルサ3スムージング
D706 全軸サーボON指令要求 D754
倍率設定レジスタ 指令
手動パルサ1許可フラグ デバイス
D707 ユーザ使用不可 - - - D755
セット要求
指令 手動パルサ2許可フラグ
D708 JOG運転始動指令要求 メイン周期 D756 メイン周期
デバイス セット要求
手動パルサ3許可フラグ
D709 ユーザ使用不可 - - - D757
セット要求
D710 D758
D711 JOG運転同時始動軸 D759
始動時
D712 設定レジスタ D760
D713 D761
D714 手動パルサ1で制御する D762
D715 軸NO.設定レジスタ D763
D716 手動パルサ2で制御する D764
D717 軸No.設定レジスタ D765
D718 手動パルサ3で制御する D766
D719 軸No.設定レジスタ D767
D720 軸1 D768
D721 軸2 D769
D722 軸3 D770
D723 軸4 D771
D724 軸5 D772
D725 軸6 D773
D726 軸7 D774
D727 軸8 D775
D728 軸9 D776
D729 軸10 D777
D730 軸11 指令 D778 ユーザ使用不可
- - -
D731 軸12 デバイス D779 (42点)
D732 軸13 手動パルサ許可フラグ D780
D733 軸14 時 D781
D734 軸15 手動パルサの D782
D735 軸16 1パルス入力倍率 D783
D736 軸17 設定レジスタ D784
*1,*2
D737 軸18 D785
D738 軸19 D786
D739 軸20 D787
D740 軸21 D788
D741 軸22 D789
D742 軸23 D790
D743 軸24 D791
D744 軸25 D792
D745 軸26 D793
D746 軸27 D794
D747 軸28 D795
D748 軸29 D796
D749 軸30 D797
D750 軸31 D798
D751 軸32 D799

*1:Q172DSCPUでは軸No.1~16の範囲が有効です。
*2:Q172DSCPUで17軸以上のデバイスエリアはユーザ使用不可です。

ポイント
共通デバイスの詳細は,「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPUモーションコントローラ
(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(リアルモード編)」を参照してください。

4 - 35
4.位置決め専用信号

4.3 モーションレジスタ(#)

モーションCPUには,モーションレジスタ(#0~#12287)があります。そのうち,#8000
~#8639はモニタデバイス,#8640~#8735はモーションエラー履歴デバイス,#8736~
#8751は製品情報一覧デバイスとして使用します。モーションレジスタ,およびモー
ションエラー履歴デバイスの詳細は,「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPUモーションコント
ローラ(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(モーションSFC編)」を参照してくだ
さい。

(1) モニタデバイス(#8000~#8639)
各軸の情報が,格納されます。格納データの詳細を下記に示します。


デバイス番号 信号名称
No.
1 #8000~#8019
2 #8020~#8039
信号名称 リフレッシュ周期 信号種別
3 #8040~#8059
4 #8060~#8079 0 サーボアンプ種別 アンプ電源投入時
5 #8080~#8099 1 モータ電流
演算周期が1.7[ms]以下:演算周期
6 #8100~#8119 2
モータ回転数 演算周期が3.5[ms]以上:3.5[ms]
7 #8120~#8139 3
8 #8140~#8159 4
指令速度 演算周期
9 #8160~#8179 5
10 #8180~#8199 6
原点復帰再移動量 原点復帰再移動時 モニタデバイス
11 #8200~#8219 7
12 #8220~#8239 サーボアンプ表示
8
13 #8240~#8259 サーボエラーコード メイン周期
14 #8260~#8279 9 パラメータエラー番号
15 #8280~#8299 10 サーボステータス1
演算周期が1.7[ms]以下:演算周期
16 #8300~#8319 11 サーボステータス2
演算周期が3.5[ms]以上:3.5[ms]
17 #8320~#8339 12 サーボステータス3
18 #8340~#8359 13
19 #8360~#8379 14
20 #8380~#8399 15
21 #8400~#8419 16 ユーザ使用不可 ─ ─
22 #8420~#8439 17
23 #8440~#8459 18
24 #8460~#8479 19
25 #8480~#8499
26 #8500~#8519
27 #8520~#8539
28 #8540~#8559
29 #8560~#8579
30 #8580~#8599
31 #8600~#8619
32 #8620~#8639

ポイント
モニタデバイスの詳細は,「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPUモーションコントローラ
(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(リアルモード編)」を参照してください。

4 - 36
4.位置決め専用信号

(2) 製品情報一覧デバイス(#8736~#8751)
モーションCPUの本体OSソフトウェアバージョン,製造番号がASCIIコードで格納
されます。以下に製品情報一覧デバイスを示します。
リフレッシュ
デバイス番号 信号名称 取込み周期 信号種別
周期
#8736

本体OSソフトウェアバージョン

#8743
電源投入時 モニタデバイス
#8744

モーションCPUユニット製造番号

#8751

ポイント
製品情報一覧デバイスの詳細は,「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPUモーションコント
ローラ(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(リアルモード編)」を参照してくだ
さい。

4 - 37
4.位置決め専用信号

4.4 特殊リレー(SM)

モーションCPUには,SM0~SM2255の2256点の特殊リレーがあります。
このうち,表4.1のデバイスを位置決め制御用として使用します。
下記に,位置決め制御に使用する特殊リレー一覧を示します。
(特殊リレーの詳細 は, 「Q173D(S)CPU /Q172D(S)CPU モーションコントロ ー ラ
(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(リアルモード編)」,または「Q173D(S)CPU/
Q172D(S)CPUモーションコントローラプログラミングマニュアル(共通編)」を参照し
てください。)

表4.1 特殊リレー一覧
デバイス番号 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
SM500 PCPU準備完了フラグ
メイン周期
SM501 テストモード中フラグ
SM502 緊急停止入力フラグ 演算周期
SM503 デジタルオシロRUN中フラグ メイン周期
SM506 緊急停止入力ONラッチフラグ Ver.! 演算周期
ステータス信号
SM508 アンプなし運転状態フラグ
SM510 テストモード要求エラーフラグ
SM512 モーションCPU WDTエラーフラグ メイン周期
SM513 手動パルサ軸設定エラーフラグ
SM516 サーボプログラム設定エラーフラグ

Ver.! :ソフトウェアの対応バージョンについては,1.4節を参照してください。

4 - 38
4.位置決め専用信号

4.5 特殊レジスタ(SD)

モーションCPUには,SD0~SD2255の2256点の特殊レジスタがあります。
このうち,表4.2のデバイスを,位置決め制御用として使用します。
下記に,位置決め制御に使用する特殊レジスタ一覧を示します。
(特殊レジスタの詳細は,「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPUモーションコントローラ
(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(リアルモード編)」,または「Q173D(S)CPU
/Q172D(S)CPUモーションコントローラプログラミングマニュアル(共通編)」を参照
してください。)

表4.2 特殊レジスタ一覧
デバイス番号 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
SD200 スイッチ状態 メイン周期
SD502 電源ON時
サーボアンプ実装情報
SD503 および演算周期
SD508 SSCNET制御(ステータス) メイン周期
SD510 テストモード
テストモード要求エラー情報
SD511 要求時
モーションCPU WDT
SD512 モーションCPU WDTエラー要因
エラー発生時
SD513
手動パルサ許可
SD514 手動パルサ軸設定エラー情報 モニタデバイス
フラグ 時
SD515
SD516 エラープログラムNo.
始動時
SD517 エラー項目情報
SD522 モーション演算周期 演算周期
SD523 モーション設定演算周期 電源ON時
SD524 モーション最大演算周期 演算周期
SD550 システム設定
システム設定エラー情報
SD551 エラー発生時
SD560 動作方式 Ver.! 電源ON時
SD803 SSCNET制御(指令) メイン周期 指令デバイス

Ver.! :ソフトウェアの対応バージョンについては,1.4節を参照してください。

4 - 39
4.位置決め専用信号

メ モ

4 - 40
5.入力軸モジュール

第5章 入力軸モジュール

5.1 サーボ入力軸

5.1.1 サーボ入力軸の概要

サーボ入力軸は,モーションCPUで制御しているサーボモータの位置を元にして入力
軸を駆動する場合に使用します。
サーボ入力軸の設定はマルチCPUシステム電源投入後から有効になるため,同期制御
始動前でもサーボ入力軸の状態をモニタすることができます。
サーボモータの位置とサーボ入力軸の関係を以下に示します。
サーボモータの位置
送り現在値
実現在値
[Pr.300]サーボ入力軸種別
サーボ指令値
フィードバック値

入力
[Pr.301]サーボ入力軸
スムージング
スムージング時定数
処理 5
[Pr.302]サーボ入力軸
位相補正進め時間 [Md.302]サーボ入力軸位相補正量
位相補正処理
[Pr.303]サーボ入力軸 (D12284+10n,D12285+10n)
位相補正時定数

[Pr.304]サーボ入力軸 [Md.303]サーボ入力軸回転方向制限量
回転方向制限
回転方向制限 (D12286+10n,D12287+10n)

[Md.300]サーボ入力軸現在値
サーボ入力軸の (D12280+10n,D12281+10n)
現在値 [Md.301]サーボ入力軸速度
(D12282+10n,D12283+10n)

(1) サーボ入力軸の制御方法
サーボ入力軸には,すべての制御(同期制御を含む)が実行できます。
同期制御以外の制御については,「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モーションコント
ローラ(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(リアルモード編)」を参照してく
ださい。

ポイント
速度制御中,トルク制御中,押当て制御中の軸や,同期制御出力軸をサーボ入力
軸に設定した場合,1演算周期前の位置を元に入力軸を駆動します。

5 - 1
5.入力軸モジュール

(2) 制約事項
(a) [Pr.300]サーボ入力軸種別が「1:送り現在値」または「2:実現在値」の場
合,速度・位置切換え制御では,送り現在値更新指令(M3212+20n)をONし
て始動してください。送り現在値更新指令(M3212+20n)がOFFの場合,重度
エラー(エラーコード:1809)となり速度・位置切換え制御は始動しません。

(b) [Pr.300]サーボ入力軸種別が「0:無効」以外の場合,速度制御(Ⅱ)を始動す
ると重度エラー(エラーコード:1830)となり始動できません。

(3) サーボ入力軸の単位
サーボ入力軸の位置単位,速度単位は,[Pr.300]サーボ入力軸種別と固定パラメー
タの単位設定によって以下となります。

表5.1 サーボ入力軸位置単位
[Pr.300]サーボ入力軸 単位設定 サーボ入力軸
範 囲
種別の設定値 の設定値 位置単位
×10-4mm -214748.3648~214748.3647[mm]
0:mm
(10-1μm) (-214748364.8~214748364.7[μm])
1:送り現在値
1:inch ×10-5inch -21474.83648~21474.83647[inch]
2:実現在値 -5
2:degree ×10 degree -21474.83648~21474.83647[degree]
3:PLS PLS -2147483648~2147483647[PLS]
3:サーボ指令値
― PLS -2147483648~2147483647[PLS]
4:フィードバック値

表5.2 サーボ入力軸速度単位
[Pr.300]サーボ入力軸 単位設定 サーボ入力軸
範 囲
種別の設定値 の設定値 速度単位
0:mm ×10-2mm/min -21474836.48~21474836.47[mm/min]
-3
1:送り現在値 1:inch ×10 inch/min -2147483.648~2147483.647[inch/min]
2:実現在値 2:degree ×10-3degree/min*1 -2147483.648~2147483.647[degree/min]*1
3:PLS PLS/s -2147483648~2147483647[PLS/s]
3:サーボ指令値
― PLS/s -2147483648~2147483647[PLS/s]
4:フィードバック値

*1:degree軸速度10倍指定有効時の速度単位は「×10-2degree/min」(範囲:-21474836.48~21474836.47
[degree/min])となります。

ポイント
(1) [Pr.300]サーボ入力軸種別に「1:送り現在値」,「3:サーボ指令値」を設定
し,サーボ入力軸がサーボエラーや緊急停止によってサーボOFFとなった場合,
値の変化量が大きくなる場合があります。[Pr.300]サーボ入力軸種別を「2:
実現在値」,「4:フィードバック値」を設定することで防ぐことができます。
(2) [Pr.300]サーボ入力軸種別に「1:送り現在値」または「2:実現在値」と設定
した軸の原点復帰を行った場合,原点復帰中のサーボ入力軸の動作を入力値と
して使用すると原点復帰の途中で入力が停止します。
原点復帰中のサーボ入力軸の動作を入力値として使用する場合は,[Pr.300]
サーボ入力軸種別に「3:サーボ指令値」または「4:フィードバック値」を設
定してください。

5 - 2
5.入力軸モジュール

5.1.2 サーボ入力軸パラメータ

記号 設定項目 設定内容 設定値 取込周期 初期値 デバイス番号


0:無効
1:送り現在値
サーボ入力軸の入力値の生成元と
Pr.300 サーボ入力軸種別 2:実現在値 0 ─
なる現在値種別を設定する。 電源
3:サーボ指令値
投入時
4:フィードバック値
サーボ入力軸 入力値にスムージング処理をする
Pr.301 0~5000[ms] 0[ms] ─
スムージング時定数 場合に設定する。
サーボ入力軸 位相を進めるまたは遅らせる時間 -2147483648~2147483647 D14600+2n
Pr.302 演算周期 0[μs]
位相補正進め時間 を設定する。 [μs] D14601+2n
サーボ入力軸 位相補正を反映する時間を設定す
Pr.303 0~65535[ms] 10[ms] ─
位相補正時定数 る。
電源
0:回転方向制限なし
サーボ入力軸 入力移動量を一方向にのみ制限す 投入時
Pr.304 1:現在値が増加方向のみ許可 0 ─
回転方向制限 る場合に設定する。
2:現在値が減少方向のみ許可

(1) [Pr.300]サーボ入力軸種別
サーボ入力軸の入力値の生成元となる現在値種別を設定します。
・0:無効··············· サーボ入力軸は無効です。
・1:送り現在値········· 送り現在値(D0+20n,D1+20n)を元に入力値を生成
します。
・2:実現在値··········· 実現在値(サーボアンプからのエンコーダフィード
バックパルスを単位変換した値)を元に入力値を生成
します。
・3:サーボ指令値······· サーボアンプへ指令する指令パルス(エンコーダパル
ス単位)を元に入力値を生成します。
・4:フィードバック値··· サーボアンプからのエンコーダフィードバックパルス
を元に入力値を生成します。
モーションCPU

単位→パルス変換
1:送り現在値 3:サーボ指令値
(バックラッシュ補正)
サーボ
アンプ
2:実現在値 パルス→単位変換 4:フィードバック値

5 - 3
5.入力軸モジュール

(2) [Pr.301]サーボ入力軸スムージング時定数
サーボ入力軸からの入力移動量をスムージング処理するときの平均化時間を設定
します。スムージング処理により,「実現在値」や「フィードバック値」を入力
値に設定したときの速度変動を抑えることができます。
ただし,スムージング処理により設定時間分だけ入力応答が遅れます。

スムージング前の
入力値速度

t
スムージング時定数で平均化
スムージング後の
入力値速度

[Pr.301]サーボ入力軸 [Pr.301]サーボ入力軸
スムージング時定数 スムージング時定数

(3) [Pr.302]サーボ入力軸位相補正進め時間(D14600+2n,D14601+2n)
サーボ入力軸の位相(入力応答)を進めたり遅らせたりするときに設定します。
サーボ入力軸のシステム固有の遅れ時間については,8.1節を参照してください。
・1~2147483647[μs]········ 指定した時間だけ位相(入力応答)を進めます。
・0[μs]···················· 位相補正は行いません。
・-2147483648~-1[μs] ···· 指定した時間だけ位相(入力応答)を遅らせます。
設定時間が大きいと入力速度の加減速時にオーバーシュートやアンダーシュート
が発生することがあります。その場合,[Pr.303]サーボ入力軸位相補正時定数で
位相補正量の反映時間を長く設定してください。

(4) [Pr.303]サーボ入力軸位相補正時定数
位相補正時の位相補正量を一次遅れで反映するときの時定数を設定します。
設定した時定数で位相補正量の63%が反映されます。

[Pr.302]サーボ入力軸位相補正進め時間
(D14600+2n,D14601+2n)
サーボ入力軸現在値
位相補正後現在値
位相補正前現在値
t

位相補正前速度

t
位相補正後速度

t
位相補正前速度×[Pr.302]サーボ入力軸位相補正進め時間
[Md.302]サーボ入力軸 (D14600+2n,D14601+2n)
位相補正量
63%
(D12284+10n, 63%
D12285+10n) t

[Pr.303]サーボ入力軸 [Pr.303]サーボ入力軸
位相補正時定数 位相補正時定数

5 - 4
5.入力軸モジュール

(5) [Pr.304]サーボ入力軸回転方向制限
サーボ入力軸からの入力移動量を一方向に制限するときに設定します。
「実現在値」や「フィードバック値」を入力値に設定したときの機械振動などによ
る逆転動作を防止できます。
・0:回転方向制限なし··············回転方向制限は行いません。
・1:現在値が増加方向のみ許可 ······サーボ入力軸現在値が増加する方向の入
力移動量のみ許可します。
・2:現在値が減少方向のみ許可 ······サーボ入力軸現在値が減少する方向の入
力移動量のみ許可します。

許可方向と逆方向の入力移動量は回転方向制限量として累積され,許可方向への
入力移動量になったときに反映されます。このため,逆転動作を繰り返してもサー
ボ入力軸現在値がずれることはありません。
回転方向制限量は,下記のタイミングで0クリアされます。
① 原点復帰完了時
② 現在値変更完了時
③ 速度制御(Ⅰ)完了時*1
④ 定寸送り制御始動時
⑤ サーボアンプ接続/切断時
⑥ 速度・位置切換え制御始動時*1
*1:送り現在値更新指令(M3212+20n)OFFで始動した場合

[Pr.304]サーボ入力軸回転方向制限に「1:現在値が増加方向のみ許可」を設定時
回転方向制限前速度

[Md.300]サーボ入力軸現在値
(D12280+10n,D12281+10n)
(回転方向制限後速度)
t

[Md.303]サーボ入力軸
回転方向制限量 t
(D12286+10n,D12287+10n)
回転方向制限量として累積され許可方向への
入力移動量になったときに反映される

5 - 5
5.入力軸モジュール

5.1.3 サーボ入力軸モニタデータ

リフレッシュ
記号 モニタ項目 格納内容 モニタ値 デバイス番号
周期
-2147483648~2147483647 D12280+10n
Md.300 サーボ入力軸現在値 サーボ入力軸の現在値が格納される。
[サーボ入力軸位置単位]*1 D12281+10n
-2147483648~2147483647 D12282+10n
Md.301 サーボ入力軸速度 サーボ入力軸の速度が格納される。
[サーボ入力軸速度単位]*2 D12283+10n
演算周期
サーボ入力軸 -2147483648~2147483647 D12284+10n
Md.302 現在の位相補正量が格納される。
位相補正量 [サーボ入力軸位置単位]*1 D12285+10n
サーボ入力軸 回転方向制限時,許可方向と逆の入力 -2147483648~2147483647 D12286+10n
Md.303
回転方向制限量 移動量の累積値が格納される。 [サーボ入力軸位置単位]*1 D12287+10n

*1:サーボ入力軸位置単位(5.1.1項参照)
*2:サーボ入力軸速度単位(5.1.1項参照)

(1) [Md.300]サーボ入力軸現在値(D12280+10n,D12281+10n)
サーボ入力軸の現在値がサーボ入力軸位置単位(5.1.1項参照)で以下のように格
納されます。
サーボ入力軸の現在値は,スムージング処理,位相補正処理,回転方向制限処理
後の値です。
[Pr.300]サーボ入力軸
格納内容
種別の設定値
・サーボアンプ接続時の送り現在値/実現在値から始まる累積現在値が格納され
ます。単位がdegreeのときも-21474.83648~21474.83647[degree]の範囲で格
1:送り現在値
納されます。
2:実現在値
・原点復帰や現在値変更で送り現在値/実現在値を変更した場合は,変更後の現
在値に変更されます。
・絶対位置検出システム無効の場合,サーボアンプ接続時の現在値を0とした累
積現在値が格納されます。
3:サーボ指令値
・絶対位置検出システム有効の場合,サーボアンプ接続時の絶対位置指令/エン
4:フィードバック値
コーダフィードバックパルスから始まる累積現在値が格納されます。
・原点復帰や現在値変更を行っても,サーボ入力軸現在値は変更されません。

(2) [Md.301]サーボ入力軸速度(D12282+10n,D12283+10n)
サーボ入力軸の速度がサーボ入力軸速度単位(5.1.1項参照)で格納されます。
サーボ入力軸の速度は,スムージング処理,位相補正処理,回転方向制限処理後
の値です。

(3) [Md.302]サーボ入力軸位相補正量(D12284+10n,D12285+10n)
サーボ入力軸の位相補正量がサーボ入力軸位置単位(5.1.1項参照)で格納されま
す。
サーボ入力軸の位相補正量は,スムージング処理,位相補正処理後の値です。

5 - 6
5.入力軸モジュール

(4) [Md.303]サーボ入力軸回転方向制限量(D12286+10n,D12287+10n)
サーボ入力軸の回転方向制限時,許可方向と逆の入力移動量の累積値がサーボ入
力軸位置単位(5.1.1項参照)で以下のように格納されます。
[Pr.304]サーボ入力軸回転方向制限
格納内容
の設定値
回転方向制限中は負の累積値が格納されます。
1:現在値が増加方向のみ許可
回転方向制限がなくなると0が格納されます。
回転方向制限中は正の累積値が格納されます。
2:現在値が減少方向のみ許可
回転方向制限がなくなると0が格納されます。

回転方向制限は位相補正処理後に処理されるため,減速停止時に位相補正により
アンダーシュートが発生した場合,回転方向制限量が残ることがあります。

5 - 7
5.入力軸モジュール

5.2 指令生成軸

5.2.1 指令生成軸の概要

指令生成軸は,指令生成のみを行う軸です。サーボアンプが接続された軸とは独立
して制御することができます。サーボプログラム,またはJOG運転で入力軸を駆動する
場合に使用します。
マルチCPUシステムの電源投入後から指令生成軸を制御する,または指令生成軸の状
態をモニタすることができます。

(1) 指令生成軸の制御方法
指令生成軸は,MT Developer2の指令生成軸プログラム割付け設定で指令生成軸プ
ログラムに割り付けた範囲のサーボプログラムを使用します。また,指令生成軸
の正転JOG指令/逆転JOG指令でJOG運転を行うことができます。
指令生成軸の使用可能な制御を以下に示します。
制御モード サーボ命令 使用可否
ABS-1 ABS-2 ABS-3 ABS-4
直線制御 ○
INC-1 INC-2 INC-3 INC-4

円弧補間制御 ABS円弧 INC円弧 ○

ヘリカル補間制御 ABSヘリカル INCヘリカル ○

定寸送り FEED-1 FEED-2 FEED-3 ○

CPSTART1 CPSTART2 CPSTART3


等速制御 ○
CPSTART4

速度制御(Ⅰ) VF VR ○

速度制御(Ⅱ) VVF VVR ×

速度・位置制御 VPF VPR VPSTART ×

位置追従制御 PFSTART ○

定位置停止速度制御 PVF PVR ○

速度切換え制御 VSTART ×

同時始動 START ○
単独始動 ○
JOG運転
同時始動 ×
手動パルサ運転 ×
高速オシレート OSC ×

原点復帰 ZERO ×
速度・トルク制御 ×

○:使用可 ×:使用不可

指令生成軸のサーボ命令のデータ項目は,「トルク制限値」,「STOP入力時減速
処理」が設定できません。それ以外は設定可能です。
サーボ命令の詳細は,「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モーションコントローラ
(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(リアルモード編)」を参照してください。

5 - 8
5.入力軸モジュール

(a) 指令生成軸のサーボプログラム始動要求D(P).SVST命令
指令生成軸に対してD(P).SVST命令(サーボプログラム始動要求)を実行する
場合,軸No.は"Jn"で指定します。実行するサーボプログラムNo.は,指令生
成軸プログラム割付け設定で指令生成軸用に割り付けられている必要があり
ます。

(b) 指令生成軸始動受付けフラグ(システムエリア)
指令生成軸No."Jn"を指定してサーボプログラム始動を実行したときは,対象
号機CPU共有メモリ内の始動受付けフラグのアドレスに,始動受付けフラグの
完了状態が格納されます。
CPU共有メモリ
内 容
アドレス(10進数)
指令生成軸の始動受付けフラグが32軸分,各ビットに対応して格納されます。
実際にビットがセットされるのは,以下の通りです。
・Q173DSCPU:J1~J32
・Q172DSCPU:J1~J16
20EH(526) OFF:始動受付け可
20FH(527) ON :始動受付け不可
b15 b14 b2 b1 b0

20EH(526)番地 J16 J2 J1

20FH(527)番地 J32 J18 J17

指令生成軸に対して,以下の制御変更を行うことができます。
① 現在値変更
1) サーボプログラム(Kn)のCHGA命令を使用する場合
指令生成軸プログラム割付け設定で指令生成軸用に割り付けたサーボ
プログラムのCHGA命令を使用します。
2) モーション専用シーケンス命令で現在値変更を行う場合
D(P).CHGAS命令を使用します。
(例) 2号機CPUの指令生成軸3を1000に現在値変更

DP.CHGAS H3E1 "J3" K1000

② 速度変更
1) モーションSFCプログラムで速度変更を行う場合
CHGVS命令を使用します。
(例) 指令生成軸4を100000に速度変更
CHGVS(K4,K100000)

2) モーション専用シーケンス命令で速度変更を行う場合
D(P).CHGVS命令を使用します。
(例) 2号機CPUの指令生成軸5を300000に速度変更

DP.CHGVS H3E1 "J5" K300000

5 - 9
5.入力軸モジュール

(c) 指令生成軸プログラムの同時始動命令
同時始動命令(START)において,リアルモード軸プログラムと指令生成軸プロ
グラムを混在させて同時始動することはできません。混在させて同時始動し
た場合,サーボプログラム設定エラー(エラーコード:19)となります。

(2) 指令生成軸の単位
指令生成軸の位置単位,速度単位は,[Pr.341]指令生成軸単位設定によって以下
となります。

表5.3 指令生成軸位置単位
[Pr.341]指令生成軸
指令生成軸位置単位 範 囲
単位設定の設定値
0:mm ×10-1μm -214748364.8~214748364.7[μm]
-5
1:inch ×10 inch -21474.83648~21474.83647[inch]
2:degree ×10-5degree -21474.83648~21474.83647[degree]
3:PLS PLS -2147483648~2147483647[PLS]

表5.4 指令生成軸速度単位
[Pr.341]指令生成軸
指令生成軸速度単位 範 囲
単位設定の設定値
0:mm ×10-2mm/min -21474836.48~21474836.47[mm/min]
1:inch ×10-3inch/min -2147483.648~2147483.647[inch/min]
2:degree ×10-3degree/min*1 -2147483.648~2147483.647[degree/min]*1
3:PLS PLS/s -2147483648~2147483647[PLS/s]

*1:[Pr.345]degree軸速度10倍指定有効時の速度単位は「×10-2degree/min」(範囲:-21474836.48~
21474836.47 [degree/min])となります。

(3) 指令生成軸での定位置停止速度制御
指令生成軸では,定位置停止速度制御が実行可能です。
定位置停止速度制御は,サーボプログラム命令のPVF(正転),PVR(逆転)で行
います。

【制御内容】
(a) 指令生成軸の始動後,定位置停止指令がONするまで,指定した速度での制御
を行います。
・PVF····· 正転方向(アドレス増加方向)への始動
・PVR····· 逆転方向(アドレス減少方向)への始動

(b) 定位置停止指令がONすると,指定されたアドレスへ位置決め制御を行います。

(c) [Pr.346]指令生成軸1サイクル長が1~2147483647に設定されているすべての
制御単位の指令生成軸で使用可能です。
[Pr.346]指令生成軸1サイクル長が「0」の場合,軽度エラー(エラーコード:
130)となり始動しません。

(d) アドレス設定範囲は,0~([Pr.346]指令生成軸1サイクル長-1)です。設定
範囲外の場合は,サーボプログラム設定エラー(エラーコード:n03)となり,
始動しません。なお,位置決めアドレスは,プログラム始動時に取込みます。

5 - 10
5.入力軸モジュール

(e) 始動時,速度変更要求時(CHGVS),および定位置停止指令ON時,サーボプロ
グラムで設定した定位置停止加減速時間で制御します。このときの加減速処
理は,加減速時間一定方式となります。

(f) 定位置停止加減速時間の設定範囲は,1~65535[ms]です。

(g) 定位置停止加減速時間を間接指定した場合は,下記のタイミングで取込みま
す。
・始動時
・速度変更要求時(CHGVS)
・定位置停止指令ON時

(h) 指定されたアドレスに位置決め完了時,[St.341]指令生成軸位置決め完了
(M9801+20n)がONします。[Rq.341]指令生成軸停止指令(M10960+20n)/
[Rq.342]指令生成軸急停止指令(M10961+20n)による停止時にはONしません。
[St.341]指令生成軸位置決め完了(M9801+20n)は,[Rq.345]指令生成軸完
了信号OFF指令(M10964+20n)の立上り(OFF→ON),または位置決め始動でOFF
します。

(i) 運転中,速度変更要求(CHGVS)命令により何度でも速度変更可能です。

(j) [Rq.341]指令生成軸停止指令(M10960+20n)/[Rq.342]指令生成軸急停止指
令(M10961+20n)による減速は,傾き(減速度)一定減速で制御されます。
パラメータブロックに設定されている速度制限値,減速時間,急停止減速時
間を使用して減速処理を行います。

(k) 定位置停止指令がONしたときから指令インポジションチェックを行います。
指令アドレスと送り現在値との差の絶対値が,指令生成軸パラメータで設定
し た [Pr.344] 指 令 生 成 軸指 令 イ ン ポ ジ シ ョ ン範 囲以 下 に な っ た と き,
[St.342]指令生成軸指令インポジション(M9803+20n)がONします。[St.342]
指令生成軸指令インポジション(M9803+20n)は位置決め始動でOFFします。

(l) 速度が「0」の状態(PVF命令実行前/PVF命令実行中の速度「0」への速度変
更時)で定位置停止指令をONした場合は,速度制限値で指定された速度で位
置決めします。

5 - 11
5.入力軸モジュール

5.2.2 指令生成軸パラメータ

記号 設定項目 設定内容 設定値 取込周期 初期値 デバイス番号


指令生成軸 使用する指令生成軸の有効/無効 0:無効
Pr.340 0 ─
有効設定 を設定する。 1:有効
0:mm
指令生成軸 1:inch
Pr.341 指令生成軸の単位を設定する。 3 ─
単位設定 2:degree
3:PLS
指令生成軸 -2147483648~2147483647
指令生成軸のストロークリミット
Pr.342 ストロークリミット (degree時:0~35999999) 0 ─
上限値を設定する。
上限 [指令生成軸位置単位]*1
指令生成軸 -2147483648~2147483647
指令生成軸のストロークリミット
Pr.343 ストロークリミット (degree時:0~35999999) 0 ─
下限値を設定する。
下限 [指令生成軸位置単位]*1 電源
指令生成軸 投入時
指令生成軸の指令インポジション 1~2147483647
Pr.344 指令インポジション 100 ─
範囲を設定する。 [指令生成軸位置単位]*1
範囲
指令生成軸の単位がdegreeのとき
指令生成軸
に,指令速度設定値の10倍の速度で 0:無効
Pr.345 degree軸速度10倍 0 ─
位置決め制御を行うかどうかを設 1:有効
指定
定する。
0:無効
指令生成軸 指令生成軸の1サイクル長を設定す
Pr.346 1~2147483647 0 ─
1サイクル長 る。
[指令生成軸位置単位]*1
指令生成軸 指令生成軸のJOG運転時の速度制限 1~2147483647
Pr.347 20000 ─
JOG速度制限値 値を設定する。 [指令生成軸速度単位]*2
指令生成軸 指令生成軸のJOG運転時に使用する
JOG運転
Pr.348 JOG運転パラメータ パラメータブロックの番号を設定 1~64 1 D14682+4n
始動時
ブロック指定 する。
指令生成軸 速度変更要求時に加減速時間の変
ビットデバイス
Pr.349 加減速時間変更許可 更を許可するためのビットデバイ ─ 任意デバイス
(X,Y,M,B,F,U□\G)
デバイス*3 Ver.! スを設定する。
指令生成軸
加速時間の変更値を設定するため ワードデバイス 電源
Pr.350 加速時間変更値 ─ 任意デバイス
のワードデバイスを設定する。 (D,W,#,U□\G) 投入時
デバイス*3 Ver.!
指令生成軸
減速時間の変更値を設定するため ワードデバイス
Pr.351 減速時間変更値 ─ 任意デバイス
のワードデバイスを設定する。 (D,W,#,U□\G)
デバイス*3 Ver.!

*1:指令生成軸位置単位(5.2.1項参照)
*2:指令生成軸速度単位(5.2.1項参照)
*3:本設定は省略可能です。

Ver.! :ソフトウェアの対応バージョンについては,1.4節を参照してください。

5 - 12
5.入力軸モジュール

(1) [Pr.340]指令生成軸有効設定
指令生成軸の無効/有効を設定します。
・0:無効··········· 指令生成軸は無効です。
・1:有効··········· 指令生成軸は有効です。

(2) [Pr.341]指令生成軸単位設定
指令生成軸の単位を設定します。
詳細は,「5.2.1項」を参照してください。

(3) [Pr.342]指令生成軸ストロークリミット上限
指令生成軸の移動範囲の上限値を設定します。
ストロークリミットを無効にするには,設定値を「ストロークリミット上限=ス
トロークリミット下限」と設定します。

(4) [Pr.343]指令生成軸ストロークリミット下限
指令生成軸の移動範囲の下限値を設定します。
ストロークリミットを無効にするには,設定値を「ストロークリミット上限=ス
トロークリミット下限」と設定します。

(5) [Pr.344]指令生成軸指令インポジション範囲
指令生成軸の指令インポジション信号の出力範囲を設定します。

(6) [Pr.345]指令生成軸degree軸速度10倍指定
指令生成軸の単位設定がdegreeのときに指令速度設定値の10倍の速度で位置決め
制御を行うかどうかを設定します。
[Pr.345]指令生成軸
degree軸速度10倍指定 指令生成軸速度単位 範 囲
の設定値
0:無効 ×10-3degree/min -2147483.648~2147483.647[degree/min]
1:有効 ×10-2degree/min -21474836.48~21474836.47 [degree/min]

(7) [Pr.346]指令生成軸1サイクル長
指令生成軸1サイクル現在値の1サイクル長を設定します。
設定値により指令生成軸の現在値がリングカウンタで[Md.347]指令生成軸1サイ
クル現在値(D12610+20n,D12611+20n)に格納されます。
設定単位は指令生成軸位置単位(5.2.1項参照)となります。
「1~2147483647」の範囲で設定してください。
「0」を設定すると[Md.347]指令生成軸1サイクル現在値(D12610+20n,D12611+
20n)は更新されません。

(8) [Pr.347]指令生成軸JOG速度制限値
指令生成軸のJOG運転時の最高速度を設定します。

(9) [Pr.348]指令生成軸JOG運転パラメータブロック指定(D14682+4n)
指令生成軸のJOG運転時に使用するパラメータブロックの番号を設定します。

5 - 13
5.入力軸モジュール

(10) [Pr.349]指令生成軸加減速時間変更許可デバイス Ver.!


指令生成軸速度変更要求(CHGVS,D(P).CHGVS)時に加減速時間の変更を許可す
るためのデバイスを設定します。
本設定は省略可能です。
加減速時間変更許可デバイスのON/OFF動作は以下となります。
・ON··············· 速度変更要求時に[Pr.350]指令生成軸加速時間変更値デバ
イス,[Pr.351]指令生成軸減速時間変更値デバイスの値に
加減速時間を変更して速度変更を行います。
・OFF·············· 速度変更要求時に加減速時間の変更を行いません。

使用可能なビットデバイスの設定範囲を下記に示します。
ビットデバイス 設定範囲
X 0000~1FFF*1
Y 0000~1FFF
M 0~8191
B 0000~1FFF
F 0~2047
U□\G 10000.0~(10000+p-1).F*2

*1:モーションCPU内蔵I/F(DI)に割り付けた入力デバイス(PXn+0~PXn+F)では,PXn+4~PXn+F
の範囲は0固定となり使用できません。(n=先頭入力番号)
*2:pは各号機のマルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由エリア点数です。

(11) [Pr.350]指令生成軸加速時間変更値デバイス Ver.!


速度変更要求時に加速時間を変更する場合,変更値を設定するためのデバイスを
設定します。
本設定は省略可能です。
設定した加速時間変更値デバイスには,以下の変更値を設定します。
・0 ··············· 加速時間変更は無効となり,現在の加速時間を維持して速
度変更を行います。
・1~65535[ms]····· [Pr.349]指令生成軸加減速時間変更許可デバイスがONのと
きに速度変更要求を行うと,設定値にしたがい加速時間を
変更して速度変更を行います。

使用可能なワードデバイスの設定範囲を下記に示します。
ワードデバイス 設定範囲
D 0~19823
W 0~1FFF
# 0~7999
U□\G 10000~(10000+p-1)*1

*1:pは各号機のマルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由エリア点数です。

Ver.! :ソフトウェアの対応バージョンについては,1.4節を参照してください。

5 - 14
5.入力軸モジュール

(12) [Pr.351]指令生成軸減速時間変更値デバイス Ver.!


速度変更要求時に減速時間を変更する場合,変更値を設定するためのデバイスを
設定します。
本設定は省略可能です。
設定した減速時間変更値デバイスには,以下の変更値を設定します。
・0················· 減速時間変更は無効となり,現在の減速時間を維持して速
度変更を行います。
・1~65535[ms]······ [Pr.349]指令生成軸加減速時間変更許可デバイスがONのと
きに速度変更要求を行うと,設定値にしたがい減速時間を
変更して速度変更を行います。

使用可能なワードデバイスの設定範囲を下記に示します。
ワードデバイス 設定範囲
D 0~19823
W 0~1FFF
# 0~7999
U□\G 10000~(10000+p-1)*1

*1:pは各号機のマルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由エリア点数です。

ポイント
(1) [Pr.349]加速時間変更許可デバイスの設定を省略した場合,速度変更要求時に
加減速時間の変更は行いません。速度変更時に加減速時間の変更を行うとき
は,本パラメータを設定してください。
(2) [Pr.350]加速時間変更値デバイス,[Pr.351]減速時間変更値デバイスの設定を
省略した場合,速度変更要求時に省略したデバイスの加減速時間の変更は行
いません。

Ver.! :ソフトウェアの対応バージョンについては,1.4節を参照してください。

5 - 15
5.入力軸モジュール

5.2.3 指令生成軸制御データ

【ワードデバイス】
記号 設定項目 設定内容 設定値 取込周期 初期値 デバイス番号
指令生成軸 1~2147483647 JOG運転 D14680+4n
Cd.340 指令生成軸のJOG速度を設定する。 0
JOG速度設定 [指令生成軸速度単位]*1 始動時 D14681+4n

*1:指令生成軸速度単位(5.2.1項参照)

(1) [Cd.340]指令生成軸JOG速度設定(D14680+4n,D14681+4n)
指令生成軸のJOG速度を設定します。

【ビットデバイス】
記号 設定項目 設定内容 設定値 取込周期 初期値 デバイス番号
指令生成軸 ON :停止要求
Rq.341 指令生成軸の停止指令を設定する。 OFF M10960+20n
停止指令 OFF:停止要求なし
演算周期
指令生成軸 指令生成軸の急停止指令を設定す ON :急停止要求
Rq.342 OFF M10961+20n
急停止指令 る。 OFF:急停止要求なし
指令生成軸 指令生成軸の正転JOG始動指令を設 ON :正転JOG始動
Rq.343 OFF M10962+20n
正転JOG始動指令 定する。 OFF:正転JOG未始動
指令生成軸 指令生成軸の逆転JOG始動指令を設 ON :逆転JOG始動
Rq.344 OFF M10963+20n
逆転JOG始動指令 定する。 OFF:逆転JOG未始動 メイン
指令生成軸 指令生成軸の完了信号OFF指令を設 周期
Rq.345 ON :完了信号をOFFする OFF M10964+20n
完了信号OFF指令 定する。
指令生成軸 指令生成軸のエラーリセット指令
Rq.346 ON :エラーリセットする OFF M10967+20n
エラーリセット指令 を設定する。
指令生成軸の速度制御で,送り現在 ON :送り現在値を更新する
指令生成軸
Rq.347 値の更新を行うか行わないかを設 OFF:始動時に送り現在値を0 始動時 OFF M10972+20n
送り現在値更新指令
定する。 クリアして更新しない
OFF→ON:Mコード出力中信号を
指令生成軸 OFFする
Rq.348 指令生成軸のFIN信号を設定する。 演算周期 OFF M10979+20n
FIN信号 ON→OFF:次のブロックの位置
決めに移行する

(1) [Rq.341]指令生成軸停止指令(M10960+20n)
始動中の指令生成軸を外部から停止させるための信号で,立上り(OFF→ON)時に
有効となります。(停止指令がONしている指令生成軸は始動できません。)
停止指令入力時の動作は,各軸の停止指令(M3200+20n)と同様です。
停止指令(M3200+20n)の詳細は,「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モーションコン
トローラ(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(リアルモード編)」を参照して
ください。

(2) [Rq.342]指令生成軸急停止指令(M10961+20n)
始動中の指令生成軸を外部から急停止させるための信号で,立上り(OFF→ON)時
に有効となります。(急停止指令がONしている指令生成軸は始動しません。)
急停止指令入力時の動作は,各軸の急停止指令(M3201+20n)と同様です。
急停止指令(M3201+20n)の詳細は,「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モーションコ
ントローラ(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(リアルモード編)」を参照し
てください。

5 - 16
5.入力軸モジュール

(3) [Rq.343]指令生成軸正転JOG指令(M10962+20n)
[Rq.343]指令生成軸正転JOG指令(M10962+20n)をON中,アドレス増加方向への
JOG運転を行います。M10962+20nをOFFすると,パラメータブロックで設定した減
速時間で減速停止します。
正転JOG指令入力時の動作は,各軸の正転JOG指令(M3202+20n)と同様です。
正転JOG指令(M3202+20n)の詳細は,「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モーション
コントローラ(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(リアルモード編)」を参照
してください。

(4) [Rq.344]指令生成軸逆転JOG指令(M10963+20n)
[Rq.344]指令生成軸逆転JOG指令(M10963+20n)をON中,アドレス減少方向への
JOG運転を行います。M10963+20nをOFFすると,パラメータブロックで設定した減
速時間で減速停止します。
逆転JOG指令入力時の動作は,各軸の逆転JOG指令(M3203+20n)と同様です。
逆転JOG指令(M3203+20n)の詳細は,「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モーション
コントローラ(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(リアルモード編)」を参照
してください。

(5) [Rq.345]指令生成軸完了信号OFF指令(M10964+20n)
[St.340]指令生成軸位置決め始動完了(M9800+20n),[St.341]指令生成軸位置
決め完了(M9801+20n)をOFFするための指令です。
完了信号OFF指令入力時の動作は,各軸の完了信号OFF指令(M3204+20n)と同様
です。
完了信号OFF指令(M3204+20n)の詳細は,「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モーショ
ンコントローラ(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(リアルモード編)」を参
照してください。

(6) [Rq.346]指令生成軸エラーリセット指令(M10967+20n)
エラー検出(M9807+20n:ON)した指令生成軸の[Md.341]指令生成軸軽度エラー
コード(D12602+20n),[Md.342]指令生成軸重度エラーコード(D12603+20n)
のクリアと,[St.344]指令生成軸エラー検出(M9807+20n)のリセットを行うた
めの指令です。

(7) [Rq.347]指令生成軸送り現在値更新指令(M10972+20n)
指令生成軸の速度制御で,送り現在値の更新を行う/行わないの設定を行うため
の指令です。
速度制御始動時にON/OFF状態が取り込まれます。
・ON·········· 送り現在値の更新を行います。
・OFF········· 始動時に送り現在値をクリアして更新を行いません。

5 - 17
5.入力軸モジュール

(8) [Rq.348]指令生成軸FIN信号(M10979+20n)
サーボプログラム中に,Mコードを設定している場合,FIN信号がOFF→ON→OFFす
るまで次のブロックへの移行を行いません。FIN信号OFF→ON→OFF後に次のブロッ
クの位置決めへ移行します。
サーボプログラム中に,FIN加減速を設定し,FIN信号待ち機能を選択した場合の
み有効です。
FIN信号入力時の動作は,各軸のFIN信号(M3219+20n)と同様です。
FIN信号(M3219+20n)の詳細は,「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モーションコン
トローラ(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(リアルモード編)」を参照して
ください。

5 - 18
5.入力軸モジュール

5.2.4 指令生成軸モニタデータ

【ワードデバイス】
リフレッシュ
記号 モニタ項目 格納内容 モニタ値 デバイス番号
周期
指令生成軸 指令生成軸の送り現在値が格納され -2147483648~2147483647 D12600+20n
Md.340 演算周期
送り現在値 る。 [指令生成軸位置単位]*1 D12601+20n
指令生成軸 指令生成軸の軽度エラーコードが格納 軽度エラーコードの詳細は,
Md.341 D12602+20n
軽度エラーコード される。 付1.2を参照。
即時
指令生成軸 指令生成軸の重度エラーコードが格納 重度エラーコードの詳細は,
Md.342 D12603+20n
重度エラーコード される。 付1.3を参照。
0~4095 :サーボプログラム
No.
-1(HFFFF) :JOG運転時
指令生成軸 指令生成軸の実行プログラムNo.が格
Md.343 -256(HFF00):電源投入時 始動時 D12604+20n
実行プログラムNo. 納される。
-32(HFFE0) :モーション専用命
令から現在値変
更実行時
指令生成軸
Md.344 指令生成軸のMコードが格納される。 0~32767 D12605+20n
Mコード
演算周期
指令生成軸 指令生成軸の累積現在値が格納され -2147483648~2147483647 D12606+20n
Md.345
累積現在値 る。 [指令生成軸位置単位]*1 D12607+20n
指令生成軸
指令生成軸の等速制御用データセット 始動時・
Md.346 等速制御用データ 0~32767 D12609+20n
ポインタが格納される。 始動中
セットポインタ
指令生成軸 指令生成軸の1サイクル現在値が格納 0~(指令生成軸1サイクル長-1) D12610+20n
Md.347
1サイクル現在値 される。 [指令生成軸位置単位]*1 D12611+20n
演算周期
指令生成軸 -2147483648~2147483647 D12612+20n
Md.348 指令生成軸の指令速度が格納される。
指令速度 [指令生成軸速度単位]*2 D12613+20n

*1:指令生成軸位置単位(5.2.1項参照)
*2:指令生成軸速度単位(5.2.1項参照)

(1) [Md.340]指令生成軸送り現在値(D12600+20n,D12601+20n)
指令生成軸の送り現在値が指令生成軸位置単位(5.2.1項参照)で格納されます。

(2) [Md.341]指令生成軸軽度エラーコード(D12602+20n)
(a) 指令生成軸の軽度エラー発生時に,該当するエラーコード(付1.2参照)が格
納されます。エラーコード格納後に,他の軽度エラーが発生した場合は,上
書きされ,新しいエラーコードになります。

(b) 軽度エラーコードのクリアは,[Rq.346]指令生成軸エラーリセット指令
(M10967+20n)で行います。

(3) [Md.342]指令生成軸重度エラーコード(D12603+20n)
(a) 指令生成軸の重度エラー発生時に,該当するエラーコード(付1.3参照)が格
納されます。エラーコード格納後に,他の重度エラーが発生した場合は,上
書きされ,新しいエラーコードになります。

(b) 重度エラーコードのクリアは,[Rq.346]指令生成軸エラーリセット指令
(M10967+20n)で行います。

5 - 19
5.入力軸モジュール

(4) [Md.343]指令生成軸実行プログラムNo.(D12604+20n)
指令生成軸の始動中のプログラムNo.をサーボプログラム起動時に格納します。

(5) [Md.344]指令生成軸Mコード(D12605+20n)
指令生成軸の実行サーボログラムに設定されているMコードが,位置決め始動時に
格納されます。
サーボプログラムにMコードが設定されていない場合は,「0」になります。

(6) [Md.345]指令生成軸累積現在値(D12606+20n,D12607+20n)
指令生成軸の累積現在値が指令生成軸位置単位(5.2.1項参照)で格納されます。
単位設定が「degree」以外の軸は,「送り現在値=累積現在値」となります。

(7) [Md.346]指令生成軸等速制御用データセットポインタ(D12609+20n)
指令生成軸の等速制御において,位置決めデータを間接指定し,動作中に位置決
めデータの入換えを行う場合に使用するポインタです。
詳細動作は,各軸の等速制御用データセットポインタ(D15+20n)と同様です。
等速制御用データセットポインタ(D15 +20n)の詳細は,「Q173D(S)CPU /
Q172D(S)CPU モーションコントローラ(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(リ
アルモード編)」を参照してください。

(8) [Md.347]指令生成軸1サイクル現在値(D12610+20n,D12611+20n)
指令生成軸の1サイクル現在値が「0~([Pr.346]指令生成軸1サイクル長-1)」
の範囲で格納されます。
単位は指令生成軸位置単位(5.2.1項参照)となります。

(9) [Md.348]指令生成軸指令速度(D12612+20n,D12613+20n)
指令生成軸の指令速度が指令生成軸速度単位(5.2.1項参照)で格納されます。

5 - 20
5.入力軸モジュール

【ビットデバイス】
リフレッシュ
記号 モニタ項目 格納内容 モニタ値 デバイス番号
周期
指令生成軸 指令生成軸の位置決め始動完了信号が ON :位置決め始動完了
St.340 M9800+20n
位置決め始動完了 格納される。 OFF:位置決め始動未完了
指令生成軸 指令生成軸の位置決め完了信号が格納 ON :位置決め完了
St.341 M9801+20n
位置決め完了 される OFF:位置決め未完了
ON :指令インポジション範囲 演算周期
指令生成軸 指令生成軸の指令インポジション信号
St.342 以下 M9803+20n
指令インポジション が格納される。
OFF:指令インポジション範囲外
指令生成軸 指令生成軸の速度制御中信号が格納さ ON :速度制御中
St.343 M9804+20n
速度制御中 れる。 OFF:速度制御中以外
指令生成軸 指令生成軸のエラー検出信号が格納さ ON :エラー発生
St.344 即時 M9807+20n
エラー検出 れる。 OFF:エラーなし
指令生成軸 指令生成軸の始動受付けフラグが格納 ON :始動中
St.345 M9810+20n
始動受付けフラグ される。 OFF:始動なし
指令生成軸
指令生成軸の速度変更受付け中フラグ ON :速度変更受付け中
St.346 速度変更受付け中 M9811+20n
が格納される。 OFF:速度変更受付けなし
フラグ
指令生成軸
指令生成軸の速度変更「0」受付け中フ ON :速度変更「0」受付け中 演算周期
St.347 速度変更「0」受付け M9812+20n
ラグが格納される。 OFF:速度変更「0」受付けなし
中フラグ
指令生成軸 指令生成軸の自動減速中フラグが格納 ON :自動減速中
St.348 M9813+20n
自動減速中フラグ される。 OFF:自動減速なし
指令生成軸 指令生成軸のMコード出力中信号が格 ON :Mコード出力中
St.349 M9819+20n
Mコード出力中 納される。 OFF:Mコード出力なし

(1) [St.340]指令生成軸位置決め始動完了(M9800+20n)
サーボプログラムで指定した指令生成軸の位置制御始動完了でONする信号です。
JOG運転,速度制御による始動時はONしません。
位置決め始動時に,Mコードを読出す場合に使用できます。
詳細動作は,各軸の位置決め始動完了(M2400+20n)と同様です。
位置決め始動完了(M2400+20n)の詳細は,「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モーショ
ンコントローラ(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(リアルモード編)」を参
照してください。

(2) [St.341]指令生成軸位置決め完了(M9801+20n)
サーボプログラムで指定した指令生成軸の位置制御完了でONする信号です。
JOG運転,速度制御による始動時,および途中停止させた場合はONしません。
位置決め中に途中停止させた場合はONしません。
位置決め完了でMコードを読出す場合に使用できます。
詳細動作は,各軸の位置決め完了(M2401+20n)と同様です。
位置決め完了(M2401+20n)の詳細は,「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モーション
コントローラ(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(リアルモード編)」を参照
してください。

5 - 21
5.入力軸モジュール

(3) [St.342]指令生成軸指令インポジション(M9803+20n)
指令位置と送り現在値との差の絶対値が,[Pr.344]指令生成軸指令インポジショ
ン範囲以下になったときONする信号です。
下記の場合にOFFします。
・位置制御始動
・速度制御
・JOG運転
詳細動作は,各軸の指令インポジション(M2403+20n)と同様です。
指令インポジション(M2403+20n)の詳細は,「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モー
ションコントローラ(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(リアルモード編)」
を参照してください。

(4) [St.343]指令生成軸速度制御中(M9804+20n)
(a) 指令生成軸の速度制御中にONする信号で,速度制御中か,位置制御中かの判
別に使用できます。

(b) 電源投入時および位置制御中は,OFFします。

(5) [St.344]指令生成軸エラー検出(M9807+20n)
(a) 指令生成軸の軽度エラー,または重度エラーの検出でONする信号で,エラー
の有/無の判別に使用できます。
軽度エラー検出で該当するエラーコード *1が,[Md.341]指令生成軸軽度エ
ラーコード(D12602+20n)に格納されます。
重度エラー検出で該当するエラーコード *1が,[Md.342]指令生成軸重度エ
ラーコード(D12603+20n)に格納されます。

(b) [Rq.346]指令生成軸エラーリセット指令(M10967+20n)をONするとOFFしま
す。

備 考

*1:軽度/重度エラー検出時のエラーコードは,付1を参照してください。

(6) [St.345]指令生成軸始動受付けフラグ(M9810+20n)
指令生成軸のサーボプログラムを起動したときにONするフラグです。サーボプロ
グラムで指定している指令生成軸に対応する始動受付けフラグがONします。
詳細動作は,各軸の始動受付けフラグ(M2001+n)と同様です。
始動受付けフラグ(M2001+n)の詳細は,「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モーショ
ンコントローラ(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(リアルモード編)」を参
照してください。

(7) [St.346]指令生成軸速度変更受付け中フラグ(M9811+20n)
モーションSFCプログラムの制御変更(CHGVS)命令,またはモーション専用シーケ
ンス命令(D(P).CHGVS)で,指令生成軸の速度変更を実行中にONするフラグです。

5 - 22
5.入力軸モジュール

(8) [St.347]指令生成軸速度変更「0」受付け中フラグ(M9812+20n)
指令生成軸が速度「0」への速度変更要求,または負の速度変更を受付けている間
ONする信号です。
詳細動作は,各軸の速度変更「0」受付け中フラグ(M2240+n)と同様です。
速度変更「0」受付け中フラグ(M2240+n)の詳細は,「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU
モーションコントローラ(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(リアルモード
編)」を参照してください。

(9) [St.348]指令生成軸自動減速中フラグ(M9813+20n)
指令生成軸の位置決め制御,または位置追従制御時に自動減速処理が行われてい
る間ONする信号です。
詳細動作は,各軸の自動減速中フラグ(M2128+n)と同様です。
自動減速中フラグ(M2128+n)の詳細は,「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モーショ
ンコントローラ(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(リアルモード編)」を参
照してください。

(10) [St.349]指令生成軸Mコード出力中(M9819+20n)
(a) 指令生成軸のMコード出力中にONする信号です。

(b) 停止指令,キャンセル指令,スキップ信号,FIN信号が入力された場合に,
OFFします。

5 - 23
5.入力軸モジュール

5.3 同期エンコーダ軸

5.3.1 同期エンコーダ軸の概要

同期エンコーダ軸は,外部に接続した同期エンコーダの入力パルスで入力軸を駆動
する場合に使用します。
マルチCPUシステム電源投入後から同期エンコーダ軸の状態をモニタすることがで
きます。

[Pr.320]同期エンコーダ軸 同期エンコーダ
種別 の入力パルス

カウンタディセーブル/
カウンタイネーブル

[Pr.321]同期エンコーダ軸
単位設定
[Pr.322]同期エンコーダ軸
単位変換
単位変換分子
[Pr.323]同期エンコーダ軸
単位変換分母

入力
[Pr.325]同期エンコーダ軸
スムージング
スムージング時定数
処理

[Pr.326]同期エンコーダ軸
位相補正進め時間 [Md.323]同期エンコーダ軸
(D14820+10n,D14821+10n) 位相補正処理 位相補正量
[Pr.327]同期エンコーダ軸 (D13246+20n,D13247+20n)
位相補正時定数

[Md.324]同期エンコーダ軸
[Pr.328]同期エンコーダ軸
回転方向制限 回転方向制限量
回転方向制限
(D13248+20n,D13249+20n)
[Md.320]同期エンコーダ軸
現在値変更 現在値
(D13240+20n,D13241+20n)
[Md321]同期エンコーダ軸
[Pr.324]同期エンコーダ軸 同期エンコーダ軸
1サイクル現在値
1サイクル長 の現在値
(D13242+20n,D13243+20n)
[Md322]同期エンコーダ軸
速度
(D13244+20n,D13245+20n)

5 - 24
5.入力軸モジュール

(1) 同期エンコーダ軸種別
以下の6種類の同期エンコーダを同期エンコーダ軸として制御できます。
各同期エンコーダ軸の設定方法は,5.3.2項を参照してください。
同期エンコーダ軸の種別 内 容
モーションCPUが管理する同期エンコーダ(P1~12)を同期エンコーダ軸と
同期エンコーダPn
して使用します。
サーボアンプ(MR-J4-□B-RJ)*1(軸1~32)のCN2Lに接続したシリアル
サーボアンプ経由
ABS同期エンコーダ(Q171ENC-W8)やABS/INCスケールを同期エンコーダ軸
同期エンコーダ Ver.!
として使用します。
モーションCPUのデバイス経由でエンコーダ値を取得します。
デバイス経由 入力ユニットに接続したグレイコードのエンコーダを同期エンコーダ軸と
して制御する場合などに使用します。
マスタCPU マスタCPUのサーボ入力軸(軸1~32)を同期エンコーダ軸として使用しま
サーボ入力軸 す。
マルチCPU間
マスタCPU
同期制御*2 マスタCPUの指令生成軸(軸1~32)を同期エンコーダ軸として使用します。
指令生成軸
Ver.!
マスタCPU同期 マスタCPUの同期エンコーダ軸(軸1~12)を同期エンコーダ軸として使用
エンコーダ軸 します。

*1:同期エンコーダを接続するサーボアンプ(MR-J4-□B-RJ)の対応バージョンは,ソフトウェアバージョ
ンB0以降を使用してください。
*2:マルチCPU間同期制御の構成で,スレーブCPUとして動作させる場合に設定できます。(8.10節参照)

(2) 同期エンコーダ軸の制御方法
[Rq.320]同期エンコーダ軸制御要求(M11601+4n)と[Cd.321]同期エンコーダ軸
制御方法(D14823+10n)を使用して同期エンコーダ軸に対して以下の制御ができ
ます。
[Cd.321]同期エンコーダ軸
制御方法(D14823+10n) 制御内容
の設定値
[Cd.322]同期エンコーダ軸現在値設定アドレス(D14824+10n,D14825+10n)
を元に[Md.320]同期エンコーダ軸現在値(D13240+20n,D13241+20n)と
0:現在値変更
[Md.321]同期エンコーダ軸1サイクル現在値(D13242+20n,D13243+20n)が
変更されます。
1:カウンタディセーブル 同期エンコーダからの入力が無効になります。
2:カウンタイネーブル 同期エンコーダからの入力が有効になります。

Ver.! :ソフトウェアの対応バージョンについては,1.4節を参照してください。

5 - 25
5.入力軸モジュール

(3) 同期エンコーダ軸の単位
同期エンコーダ軸の位置単位,速度単位は,[Pr.321]同期エンコーダ軸単位設定
の設定によって以下となります。

表5.5 同期エンコーダ軸位置単位
[Pr.321]同期エンコーダ軸
同期エンコーダ軸
単位設定の設定値 範 囲
位置単位
制御単位 位置小数点桁数
0 mm -2147483648~2147483647[mm]


0:mm
9 ×10-9mm -2.147483648~2.147483647[mm]
0 inch -2147483648~2147483647[inch]


1:inch
9 ×10-9inch -2.147483648~2.147483647[inch]
0 degree -2147483648~2147483647[degree]


2:degree
9 ×10-9degree -2.147483648~2.147483647[degree]
0 PLS -2147483648~2147483647[PLS]


3:PLS
9 ×10-9PLS -2.147483648~2.147483647[PLS]

表5.6 同期エンコーダ軸速度単位
[Pr.321]同期エンコーダ軸
同期エンコーダ軸
単位設定の設定値 範 囲
速度単位
制御単位 速度時間単位 速度小数点桁数
0 mm/s -2147483648~2147483647[mm/s]


0:sec
9 ×10-9mm/s -2.147483648~2.147483647[mm/s]
0:mm
0 mm/min -2147483648~2147483647[mm/min]

1:min
9 ×10-9mm/min -2.147483648~2.147483647[mm/min]
0 inch/s -2147483648~2147483647[inch/s]

0:sec
9 ×10-9inch/s -2.147483648~2.147483647[inch/s]
1:inch
0 inch/min -2147483648~2147483647[inch/min]

1:min
9 ×10-9inch/min -2.147483648~2.147483647[inch/min]
0 degree/s -2147483648~2147483647[degree/s]

0:sec
9 ×10-9degree/s -2.147483648~2.147483647[degree/s]
2:degree
0 degree/min -2147483648~2147483647[degree/min]

1:min
9 ×10-9degree/min -2.147483648~2.147483647[degree/min]
0 PLS/s -2147483648~2147483647[PLS/s]

0:sec
9 ×10-9PLS/s -2.147483648~2.147483647[PLS/s]
3:PLS
0 PLS/min -2147483648~2147483647[PLS/min]

1:min
9 ×10-9PLS/min -2.147483648~2.147483647[PLS/min]

5 - 26
5.入力軸モジュール

5.3.2 同期エンコーダの設定方法

(1) 同期エンコーダPn
(a) 設定方法
同期エンコーダは,システム設定にて設定したモーションCPU内蔵I/F,
Q172DEX,Q173DPXに割当てられた同期エンコーダNo.(Pn)に接続してください。
同期エンコーダの種類に応じてマルチCPUシステムの電源投入後に同期エン
コーダ軸の接続が有効になった時点での,「同期エンコーダ軸現在値」,「同
期エンコーダ軸1サイクル現在値」,「カウンタイネーブル状態」は以下とな
ります。
[Md.320]同期エンコーダ [Md.321]同期エンコーダ
カウンタイネーブル/
接続方法 現在値(D13240+20n, 1サイクル現在値(D13242
カウンタディセーブル
D13241+20n) +20n,D13243+20n)
モーションCPU内蔵I/F 0 0
前回同期エンコーダ切断 前回同期エンコーダ切断
時の同期エンコーダ現在 時の同期エンコーダ1 サイ
Q172DEX カウンタイネーブル
値を元に現在値を復元し クル現在値を元に現在値
ます。*1 を復元します。*1
Q173DPX 0 0

*1:前回同期エンコーダ切断時に[St.323]同期エンコーダ軸現在値設定要求フラグ(M10443+10n)がONと
なっていた場合,0となります。

5 - 27
5.入力軸モジュール

(b) 設定例
同期エンコーダ軸2にQ173DPX接続のINC同期エンコーダNo.P3を設定する例を
以下に示します。
Q172DEX(P1,P2)
Q173DSCPU(P6) Q173DPX(P3~P5)

INC同期
エンコーダ

同期エンコーダ軸2

INC同期
エンコーダ

軸1 軸2 軸3

MT Developer2の同期エンコーダ軸パラメータ画面にて同期エンコーダ軸2の
[Pr.320]同期エンコーダ軸種別に以下を設定します。
・種別······················ 「1:同期エンコーダPn」
・同期エンコーダNo.(Pn)····· 「3」

5 - 28
5.入力軸モジュール

ポイント
(1) [Pr.320]同期エンコーダ軸種別に割当てられていない同期エンコーダNo.(Pn)
は,カウンタ値などのモニタはできません。ただし,基本ベースユニットの若
番スロット番号に装着されたQ173DPX(1台目)に手動パルサを接続した場合,
同期エンコーダ軸に割り当てていない同期エンコーダNo.(Pn)に対して手動パ
ルサ運転が可能です。
(2) システム設定に割当てられていない同期エンコーダNo.(Pn)を[Pr.320]同期エ
ンコーダ種別に設定すると,エラーは発生しませんが,[St.320]同期エンコー
ダ軸設定有効フラグ(M10440+10n)はOFFとなります。
(3) Q172DEXに接続したシリアルABS同期エンコーダにて,マルチCPUシステム電源
投入時にQ172DEXとエンコーダが未接続などの要因で通信エラーとなった場
合,重度エラー(エラーコード:1820)となり[St.321]同期エンコーダ軸接続
有効フラグ(M10441+10n)はONしません。エラー要因を取り除いたあと,マ
ルチCPUシステムの電源を再投入してください。(マルチCPUシステムの電源投
入時には必ずエンコーダを接続してください。)
(4) Q172DEXで接続したシリアルABS同期エンコーダにて,通信エラーなどによって
重度エラー(エラーコード:1810)が発生すると,[St.321]同期エンコーダ軸
接続有効フラグ(M10441+10n)がOFFとなります。エラー要因を取り除いた後,
[Rq.323]同期エンコーダ軸エラーリセット(M11600+4n)をONすると,[St.321]
同期エンコーダ軸接続有効フラグ(M10441+10n)がONとなります。

(2) サーボアンプ経由同期エンコーダ Ver.!


(a) 設定方法
サーボアンプ(MR-J4-□B-RJ)のCN2Lに接続したシリアルABS同期エンコーダ
(Q171ENC-W8)やABS/INCスケールを同期エンコーダ軸として使用します。
[Pr.320]同期エンコーダ軸種別に「101:サーボアンプ経由同期エンコーダ」
を設定し,アンプ設定の「外部同期エンコーダ入力」に「ABS」,または「INC」
を設定することで,指定したサーボアンプ軸に接続されたシリアルABS同期エ
ンコーダを使用できます。
シリアルABS同期エンコーダやABSスケールが装着されているサーボアンプ軸
が接続されると,同期エンコーダ軸が接続有効となり,同期エンコーダ軸現
在値,同期エンコーダ軸1サイクル現在値が復元され,カウンタイネーブル状
態となります。
INCスケールが装着されているサーボアンプ軸が接続されると,同期エンコー
ダ軸が接続有効となり,同期エンコーダ軸現在値,同期エンコーダ軸1サイク
ル現在値の初期値に0が設定され,カウンタイネーブル状態となります。
該当のサーボアンプ軸が未接続のとき,同期エンコーダ軸は接続無効となり
ます。

「サーボアンプ経由同期エンコーダ」を行うサーボアンプは接続するエンコー
ダごとに対応したソフトウェアバージョンを使用してください。各エンコー
ダに対応するサーボアンプのソフトウェアバージョンを下表に示します。
サーボアンプ形名 ソフトウェアバージョン
MR-J4-□B-RJ B0以降

Ver.! :ソフトウェアの対応バージョンについては,1.4節を参照してください。

5 - 29
5.入力軸モジュール

ポイント
(1) アンプ設定の「外部同期エンコーダ入力」に「ABS」,または「INC」を設定し
たサーボアンプは,サーボパラメータの「スケール計測モード選択(PA22)」
が設定されます。
*:サーボパラメータ「スケール計測モード選択(PA22)」を変更した場合,
サーボアンプへパラメータ転送後,一度サーボアンプの電源をOFFし,電
源を再投入する必要があります。
(2) サーボパラメータ「スケール計測モード選択(PA22)」が設定されたサーボア
ンプが「スケール計測モード」に対応していない場合,サーボアンプにてAL.37
(パラメータ異常)が発生します。
サーボパラメータ「スケール計測モード選択(PA22)」の詳細は,サーボアン
プ技術資料集を参照してください。
(3) シリアルABS同期エンコーダ(Q171ENC-W8)は,サーボアンプのバッテリを外し
た場合でも,アンプ設定の「外部同期エンコーダ入力」を「INC」に設定する
ことにより,インクリメンタルシステム(INC)として使用できます。

(b) 設定例
同期エンコーダ軸1にサーボアンプ(MR-J4-□B-RJ)経由のシリアルABS同期エ
ンコーダQ171ENC-W8(サーボアンプ軸3)を設定する例を以下に示します。
Q173DSCPU

サーボアンプ
MR-J4-□B-RJ

Q171ENC-W8
軸1 軸2 軸3 (4194304pulse/rev)

同期エンコーダ軸1

5 - 30
5.入力軸モジュール

① MT Developer2のシステム設定のアンプ設定にてサーボアンプ軸3に以下を
設定します。
・アンプ形名 ··················· 「MR-J4(W)-B(-RJ)」
・アンプ動作モード·············· 「標準」
・外部同期エンコーダ入力········ 「ABS」

② MT Developer2の同期エンコーダ軸パラメータ画面にて同期エンコーダ軸1
の[Pr.320]同期エンコーダ軸種別に以下を設定します。
・種別 ························· 「101:サーボアンプ経由同期エン
コーダ」
・接続先サーボアンプ軸番号······ 「3」

③ サーボアンプ軸3のサーボパラメータ「機械選択C-8(PC26)(機械端エン
コーダ通信方式)」を「1:4線式」に設定します。

5 - 31
5.入力軸モジュール

ポイント
(1) 接続先サーボアンプ軸番号は,アンプ設定で設定した軸No.(1~32)を設定して
ください。
(2) 設定したパラメータをサーボアンプで有効にするため,マルチCPUシステムの
電源とサーボアンプの制御電源を再投入してください。

(c) 制約事項
① [Pr.320]同期エンコーダ軸種別で「101:サーボアンプ経由同期エンコー
ダ」として選択されたサーボアンプ軸に任意データモニタを設定する場合,
1軸あたりの通信データ点数の合計が2点以内となるように設定してくだ
さい。
② [Pr.320]同期エンコーダ軸種別で「101:サーボアンプ経由同期エンコー
ダ」として選択されたサーボアンプ軸で,サーボエラー(エラーコード:
2025,2070,2071,2072)が発生すると,サーボOFF状態になります。
③ 下記の場合,重度エラー(エラーコード:1812)となります。
1) [Pr.320]同期エンコーダ軸種別で「101:サーボアンプ経由同期エンコー
ダ」として選択されたサーボアンプ軸がサーボアンプ経由同期エン
コーダに対応していないとき。
2) システム設定で設定されていないサーボアンプ軸を,サーボアンプ経
由同期エンコーダの接続先サーボアンプ軸番号に設定したとき。
3) システム設定のアンプ設定で「外部同期エンコーダ入力」を「無効」
に設定したサーボアンプ軸を,サーボアンプ経由同期エンコーダの接
続先サーボアンプ軸番号に設定したとき。
④ 「外部同期エンコーダ入力」を「ABS」に設定したサーボアンプに,INCス
ケールを接続した場合,サーボエラー(エラーコード:2037)が発生し,
接続したスケールは同期エンコーダとして使用できません。
⑤ 「外部同期エンコーダ入力」を「ABS」,または「INC」に設定したサーボ
アンプ軸の「アンプ動作モード」を「フルクローズド」に設定した場合,
サーボエラー(エラーコード:2037)が発生します。

(3) デバイス経由(デバイス経由の同期エンコーダ値入力)
(a) 設定方法
モーションCPU管理の入力ユニットに接続したグレイコードのエンコーダを
同期エンコーダ軸として制御する場合などに使用します。
[Pr.320]同期エンコーダ軸種別に「201:デバイス経由」を設定することで,
[Cd.325]デバイス経由同期エンコーダ入力値(D14826+10n,D14827+10n)
の入力値をエンコーダ値とみなして同期エンコーダ軸を制御します。
エンコーダ値は「0~(デバイス経由同期エンコーダ分解能-1)」のサイク
ルカウンタとしても扱うことができます。
マルチCPUシステムの電源投入直後は接続が無効となっています。[Rq.324]デ
バイス/マスタCPU経由同期エンコーダ接続指令(M11602+4n)をONすると,
[Cd.325]デバイス経由同期エンコーダ入力値(D14826+10n,D14827+10n)
を元に同期エンコーダ軸現在値,同期エンコーダ軸1サイクル現在値が復元さ
れて接続が有効になり,カウンタイネーブル状態となります。
接続中は[Cd.325]デバイス経由同期エンコーダ入力値(D14826+10n,D14827
+10n)の変化量を元に同期エンコーダ軸が制御されます。

5 - 32
5.入力軸モジュール

(b) 設定例
同期エンコーダ軸4にデバイス経由同期エンコーダを設定する例を以下に示
します。
Q173DSCPU 入力ユニット

グレイコード
エンコーダ
(分解能4096)
同期エンコーダ軸4

軸1 軸2 軸3

MT Developer2の同期エンコーダ軸パラメータ画面にて同期エンコーダ軸4の
[Pr.320]同期エンコーダ軸種別,[Pr.329]デバイス経由同期エンコーダ分解
能に以下を設定します。
・種別································· 「201:デバイス経由」
・デバイス経由同期エンコーダ分解能 ····· 「4096」
シーケンスプログラムで,グレイコードエンコーダのエンコーダ値を読み取
り,同期エンコーダ軸4の[Cd.325]デバイス経由同期エンコーダ入力値
(D14826+10n,D14827+10n)を逐次更新します。

5 - 33
5.入力軸モジュール

(c) 制約事項
同期エンコーダ接続時に復元される同期エンコーダ現在値は,切断中の同期
エンコーダ移動量を以下の範囲に変換して復元されます。
[Pr.329]デバイス経由
同期エンコーダ分解能 復元される同期エンコーダ現在値の範囲
の設定値
-(デバイス経由同期エンコーダ分解能÷2)~+(デバイス経由同期エン
コーダ分解能÷2-1)[PLS]
1以上のとき
*:デバイス経由同期エンコーダ分解能が奇数の場合,負の値は小数点切
捨て,正の値は小数点切上げで計算。
0のとき -2147483648~2147483647[PLS]

(4) マルチCPU間同期制御 Ver.!


マスタCPUのサーボ入力軸,指令生成軸,同期エンコーダ軸を同期エンコーダ軸と
して制御する場合に使用します。
スレーブCPU側にて,[Pr.320]同期エンコーダ軸種別に下記マスタCPUの入力軸種
別を設定することで,マスタCPUからの変化量を入力値とする同期エンコーダ軸と
して制御します。
設定方法の詳細は,8.10.4項を参照してください。
・マスタCPUサーボ入力軸 ······· 「301:マスタCPUサーボ入力軸」
・マスタCPU指令生成軸········· 「401:マスタCPU指令生成軸」
・マスタCPU同期エンコーダ軸 ··· 「501:マスタCPU同期エンコーダ軸」

Ver.! :ソフトウェアの対応バージョンについては,1.4節を参照してください。

5 - 34
5.入力軸モジュール

5.3.3 同期エンコーダ軸パラメータ

記号 設定項目 設定内容 設定値 取込周期 初期値 デバイス番号


0 :無効
1 :同期エンコーダPn
(同期エンコーダ軸番号:1
~12)
101:サーボアンプ経由同期エン
・使用する同期エンコーダ軸の種別
コーダ(接続サーボアンプ
を設定する。
同期エンコーダ軸 軸番号:1~32) Ver.!
Pr.320 ・マルチCPU間同期制御でスレーブ 0 ─
種別 201:デバイス経由
CPUとして使用する場合は,マス
301:マスタCPUサーボ入力軸
タCPUの入力軸を設定する。
(軸番号:1~32) Ver.!
401:マスタCPU指令生成軸
(軸番号:1~32) Ver.!
501:マスタCPU同期エンコーダ
軸(軸番号:1~12) Ver.!
制御単位
0:mm
1:inch 3
・同期エンコーダ軸の単位を設定す
2:degree
る。 電源
-9 3:PLS
・位置単位は「×1~10 [制御単 投入時
同期エンコーダ軸 位置小数点桁数
Pr.321 位]」の範囲で設定する。 0 ─
単位設定 0~9
・速度単位は「×1~10-9[制御単位
速度時間単位
/s,または制御単位/min]」の範
0:sec 0
囲で設定する。
1:mm
速度小数点桁数
0
0~9
同期エンコーダ軸のエンコーダパ
同期エンコーダ軸 -2147483648~2147483647
Pr.322 ルスを同期エンコーダ軸単位に変 1 ─
単位変換分子 [同期エンコーダ軸位置単位]*1
換するための分子を設定する。
同期エンコーダ軸のエンコーダパ
同期エンコーダ軸
Pr.323 ルスを同期エンコーダ軸単位に変 1~2147483647[PLS] 1[PLS] ─
単位変換分母
換するための分母を設定する。
同期エンコーダ軸 同期エンコーダ軸の1サイクル長を 1~2147483647
Pr.324 4000 ─
1サイクル長 設定する。 [同期エンコーダ軸位置単位]*1
同期エンコーダ軸
入力値にスムージング処理をする
Pr.325 スムージング時 0~5000[ms] 0[ms] ─
場合に設定する。
定数
同期エンコーダ軸 位相を進めるまたは遅らせる時間 -2147483648~2147483647 D14820+10n
Pr.326 演算周期 0[μs]
位相補正進め時間 を設定する。 [μs] D14821+10n
同期エンコーダ軸 位相補正を反映する時間を設定す
Pr.327 0~65535[ms] 10[ms] ─
位相補正時定数 る。
電源
0:回転方向制限なし
同期エンコーダ軸 入力移動量を一方向にのみ制限す 投入時
Pr.328 1:現在値が増加方向のみ許可 0 ─
回転方向制限 る場合に設定する。
2:現在値が減少方向のみ許可

Ver.! :ソフトウェアの対応バージョンについては,1.4節を参照してください。

5 - 35
5.入力軸モジュール

記号 設定項目 設定内容 設定値 取込周期 初期値 デバイス番号


・同期エンコーダ軸種別がデバイス
経由同期エンコーダのとき,同期
デバイス経由
エンコーダの分解能を設定する。 電源
Pr.329 同期エンコーダ 0~2147483647[PLS] 0[PLS] ─
・0を設定するとデバイス経由同期 投入時
分解能
エンコーダ入力値は32ビットカ
ウンタとして処理される。

*1:同期エンコーダ軸位置単位(5.3.1項参照)

(1) [Pr.320]同期エンコーダ軸種別
同期エンコーダ軸の入力値の生成元となる同期エンコーダの種別を設定します。
マルチCPU間同期制御の構成でスレーブCPUとして動作させる場合には,マスタCPU
の入力軸を設定します。
・0 :無効····························· 同期エンコーダ軸は無効です。
・1 :同期エンコーダPn ················· システム設定にて割当てられたP1
~P12の同期エンコーダ入力を元
に入力値を生成します。
・101:サーボアンプ経由同期エンコーダ ···· 指定したサーボアンプ(軸1~32)
Ver.! に接続されたサーボアンプ経由同
期エンコーダ入力を元に入力値を
生成します。
・201:デバイス経由······················ [Cd.325] デ バ イ ス 経 由 同 期 エ ン
コ ー ダ 入 力 値 ( D14826 + 10n ,
D14827+10n)にセットした値をエ
ンコーダ値として入力値を生成し
ます。
・301:マスタCPUサーボ入力軸*1 Ver.! ······ マスタCPUサーボ入力軸(軸1~32)
の変化量を元に入力値を生成しま
す。
・401:マスタCPU指令生成軸*1 Ver.! ········ マスタCPU指令生成軸(軸1~32)
の変化量を元に入力値を生成しま
す。
・501:マスタCPU同期エンコーダ軸*1 Ver.! ·· マスタCPU同期エンコーダ軸(軸1
~12)の変化量を元に入力値を生
成します。
*1:システム設定のマルチCPU間同期制御設定にて「スレーブCPU」を選
択した場合に,設定可能となります。

(2) [Pr.321]同期エンコーダ軸単位設定
同期エンコーダ軸の位置単位,速度単位を設定します。
詳細は,「5.3.1項」を参照してください。

Ver.! :ソフトウェアの対応バージョンについては,1.4節を参照してください。

5 - 36
5.入力軸モジュール

(3) [Pr.322]同期エンコーダ軸単位変換分子,[Pr.323]同期エンコーダ軸単位変換分母
同期エンコーダの入力移動量は,エンコーダパルス単位です。
[Pr.322]同期エンコーダ軸単位変換分子と[Pr.323]同期エンコーダ軸単位変換分
母を設定し単位変換することで任意の単位に変換することができます。
制御する機械に合わせて[Pr.322]同期エンコーダ軸単位変換分子と[Pr.323]同期
エンコーダ軸単位変換分母を設定してください。

同期エンコーダ軸移動量 同期エンコーダ入力移動量 [Pr.322]同期エンコーダ軸単位変換分子


= ×
(単位変換後の移動量) (エンコーダパルス単位) [Pr.323]同期エンコーダ軸単位変換分母

[Pr.322]同期エンコーダ軸単位変換分子は,[Pr.323]同期エンコーダ軸単位変換
分母に設定したパルス数での移動量を同期エンコーダ軸位置単位(5.3.1項参照)
で設定します。負の値を設定すると入力移動量を逆転できます。
[Pr.323]同期エンコーダ軸単位変換分母は,同期エンコーダのエンコーダパルス
単位で設定します。
「1~2147483647」の範囲で設定してください。

5 - 37
5.入力軸モジュール

(4) [Pr.324]同期エンコーダ軸1サイクル長
同期エンコーダ軸1サイクル現在値の1サイクル長を設定します。
設定値により同期エンコーダ軸の現在値がリングカウンタで[Md.321]同期エン
コーダ軸1サイクル現在値(D13242+20n,D13243+20n)に格納されます。
設定単位は同期エンコーダ軸位置単位(5.3.1項参照)となります。
「1~2147483647」の範囲で設定してください。

(例) 単位変換,1サイクル長の設定例
1/5のプーリー機構で駆動する回転テーブルのモータ軸側に4000[PLS/rev]
のロータリエンコーダを接続し,制御単位はdegreeで制御する例を以下に示
します。
・位置単位 :0.1[degree]
・速度単位 :0.001[degree/min]
・1サイクル長:360.0[degree](回転テーブルの1回転)
設定項目 設定内容 設定値
制御単位 2:degree
[Pr.321]同期エンコーダ軸 位置小数点桁数 1
3112h
単位設定 速度時間単位 1:min
速度小数点桁数 3
[Pr.322]同期エンコーダ軸単位変換分子 360.0[degree]×1 3600[×0.1degree]
[Pr.323]同期エンコーダ軸単位変換分母 4000[PLS]×5 20000[PLS]
[Pr.324]同期エンコーダ軸1サイクル長 360.0[degree] 3600[×0.1degree]

同期エンコーダ [PLS]
入力パルス
40000

[Pr.322],[Pr.323]
20000
同期エンコーダ軸
単位変換
t

[Md.320]同期エンコーダ軸 [×0.1degree]
現在値
(D13240+20n,D13241+20n) 7200
3600
t

[Md.321]同期エンコーダ軸 [×0.1degree]
1サイクル現在値 [Pr.324]同期エンコーダ軸1サイクル長
(D13242+20n,D13243+20n) 3600
t

[Md.322]同期エンコーダ軸速度 [×0.001degree/min]
(D13244+20n,D13245+20n)
(単位変換後の速度)
t

5 - 38
5.入力軸モジュール

(5) [Pr.325]同期エンコーダ軸スムージング時定数
同期エンコーダからの入力移動量をスムージング処理するときの平均化時間を設
定します。スムージング処理により,同期エンコーダ入力の速度変動を抑えるこ
とができます。ただし,スムージング処理により設定時間分だけ入力応答が遅れ
ます。

スムージング前の
入力値速度

t
スムージング時定数で平均化
スムージング後の
入力値速度

[Pr.325]同期エンコーダ軸 [Pr.325]同期エンコーダ軸
スムージング時定数 スムージング時定数

(6) [Pr.326]同期エンコーダ軸位相補正進め時間(D14820+10n,D14821+10n)
同期エンコーダ軸の位相(入力応答)を進めたり遅らせたりするときに設定しま
す。同期エンコーダ軸のシステム固有の遅れ時間については,「8.1節 位相補正
機能」を参照してください。
・1~2147483647[μs]········· 指定した時間だけ位相(入力応答)を進めます。
・0[μs]····················· 位相補正は行いません。
・-2147483648~-1[μs] ····· 指定した時間だけ位相(入力応答)を遅らせます。

設定時間が大きいと入力速度の加減速時にオーバーシュートやアンダーシュート
が発生することがあります。その場合,[Pr.327]同期エンコーダ軸位相補正時定
数で位相補正量の反映時間を長く設定してください。

(7) [Pr.327]同期エンコーダ軸位相補正時定数
位相補正時の位相補正量を一次遅れで反映するときの時定数を設定します。
設定した時定数で位相補正量の63%が反映されます。

[Pr.326]同期エンコーダ軸位相補正進め時間
(D14820+10n,D14821+10n)
同期エンコーダ軸現在値
位相補正後現在値
位相補正前現在値
t

位相補正前速度

t
位相補正後速度

t
位相補正前速度×[Pr.326]同期エンコーダ軸位相補正進め時間
[Md.323]同期エンコーダ軸 (D14820+10n,D14821+10n)
位相補正量
63%
(D13246+20n, 63%
D13247+20n) t

[Pr.327]同期エンコーダ軸 [Pr.327]同期エンコーダ軸
位相補正時定数 位相補正時定数

5 - 39
5.入力軸モジュール

(8) [Pr.328]同期エンコーダ軸回転方向制限
同期エンコーダ軸からの入力移動量を一方向に制限するときに設定します。
「実現在値」や「フィードバック値」を入力値に設定したときの機械振動などによ
る逆転動作を防止できます。
・0:回転方向制限なし··············回転方向制限は行いません。
・1:現在値が増加方向のみ許可 ······同期エンコーダ軸現在値が増加する方向
の入力移動量のみ許可します。
・2:現在値が減少方向のみ許可 ······同期エンコーダ軸現在値が減少する方向
の入力移動量のみ許可します。

許可方向と逆方向の入力移動量は回転方向制限量として累積され,許可方向への
入力移動量になったときに反映されます。このため,逆転動作を繰り返しても同
期エンコーダ軸現在値がずれることはありません。
回転方向制限量は,同期エンコーダ軸接続時と現在値変更時に0クリアされます。

「[Pr.328]同期エンコーダ軸回転方向制限」に「1:現在値が増加方向のみ許可」を設定時
回転方向制限前速度

[Md.322]同期エンコーダ軸現在値
(D13244+10n,D13245+10n)
(回転方向制限後速度)
t

[Md324]同期エンコーダ軸
回転方向制限量 t
(D13248+10n,D13249+10n)
回転方向制限量として累積され許可方向への
入力移動量になったときに反映される

(9) [Pr.329]デバイス経由同期エンコーダ分解能
[Pr.320]同期エンコーダ軸種別が「201:デバイス経由」のとき,接続された同期
エンコーダの分解能を設定します。
1以上を設定すると[Cd.325]デバイス経由同期エンコーダ入力値(D14826+10n,
D14827+10n)は「0~(デバイス経由同期エンコーダ分解能-1)」のサイクルカ
ウンタとして処理されます。
0を設定すると[Cd.325]デバイス経由同期エンコーダ入力値(D14826+10n,D14827
+10n)は「0~2147483647」の32ビットカウンタとして処理されます。

5 - 40
5.入力軸モジュール

5.3.4 同期エンコーダ軸制御データ

【ワードデバイス】
記号 設定項目 設定内容 設定値 取込周期 初期値 デバイス番号
・「101~132」を設定すると同期エ
ンコーダ軸制御要求ON時,高速入
力要求信号により同期エンコー 下記以外:無条件始動
同期エンコーダ軸
Cd.320 ダ軸制御を始動する。 101~132:高速入力要求信号始 0 D14822+10n
制御始動条件
・上記以外の場合,同期エンコーダ 動(信号1~32)
同期エン
軸制御要求OFF→ON時に無条件に
コーダ軸
始動する。
制御
0:現在値変更
同期エンコーダ軸 同期エンコーダ軸の制御方法を設 始動時
Cd.321 1:カウンタディセーブル 0 D14823+10n
制御方法 定する。
2:カウンタイネーブル
-2147483648~2147483647
同期エンコーダ軸 現在値変更を行うとき,変更後の現 D14824+10n
Cd.322 [同期エンコーダ軸位置単位] 0
現在値設定アドレス 在値を設定する。 *1 D14825+10n

デバイス経由同期エンコーダのと
デバイス経由同期 -2147483648~2147483647 D14826+10n
Cd.325 き,同期エンコーダの入力値として 演算周期 0[PLS]
エンコーダ入力値 [PLS] D14827+10n
使用する値を逐次設定する。

*1:同期エンコーダ軸位置単位(5.3.1項参照)

(1) [Cd.320]同期エンコーダ軸制御始動条件(D14822+10n)
[Rq.320]同期エンコーダ軸制御要求(M11601+4n)をONしたときに,「101~132」
以外が設定されていると,無条件で同期エンコーダ軸制御を始動します。
「101~132」を設定すると,指定した高速入力要求信号により同期エンコーダ軸制
御を始動します。

(2) [Cd.321]同期エンコーダ軸制御方法(D14823+10n)
同期エンコーダ軸の制御方法を設定します。
・0:現在値変更·············· 同期エンコーダ軸現在値,同期エンコーダ軸1サ
イクル現在値が下記のように変更されます。
変更後の現在値は,[Cd.322]同期エンコーダ軸現
在値設定アドレス(D14824+10n,D14825+10n)
で指定します。
項 目 変更値
[Md.320]同期エンコーダ軸 [Cd.322]同期エンコーダ軸現在値設定アドレス
現在値 (D14824+10n,D14825+10n)
[Cd.322]同期エンコーダ軸現在値設定アドレス
[Md.321]同期エンコーダ軸 (D14824+10n,D14825+10n)「0~([Pr.324]
1サイクル現在値 同期エンコーダ軸1サイクル長-1)」の範囲内
に変換した値

・1:カウンタディセーブル ···· 同期エンコーダからの入力が無効になります。


スムージング処理,位相補正処理,回転方向制限
処理は継続するので,これらの処理が有効になっ
ている場合,カウンタディセーブルしても入力軸
速度が即停止しないことがあります。
・2:カウンタイネーブル ······ 同期エンコーダからの入力が有効になります。

5 - 41
5.入力軸モジュール

(3) [Cd.322]同期エンコーダ軸現在値設定アドレス(D14824+10n,D14825+10n)
同期エンコーダ軸の現在値変更を行うとき,変更後の現在値を同期エンコーダ軸
位置単位(5.3.1項参照)で設定します。

(4) [Cd.325]デバイス経由同期エンコーダ入力値(D14826+10n,D14827+10n)
[Pr.320]同期エンコーダ軸種別が「201:デバイス経由」のときに使用します。
同期エンコーダの入力値として使用する値をエンコーダパルス単位で逐次設定し
てください。
[Pr.329]デバイス経由同期エンコーダ分解能に1以上の値を設定した場合,「0~
(デバイス経由同期エンコーダ分解能-1)」のサイクルカウンタとして処理され
ます。(設定した値が範囲外の場合,「0~(デバイス経由同期エンコーダ分解能
-1)」の範囲に変換され処理されます。)

【ビットデバイス】
記号 設定項目 設定内容 設定値 取込周期 初期値 デバイス番号
同期エンコーダ軸の軽度エラー,重
度エラー発生時にONすると,軽度エ
同期エンコーダ軸 メイン
Rq.323 ラーと重度エラーのエラーコード ON:エラーリセット要求 OFF M11600+4n
エラーリセット 周期*1
がクリアされ,エラー検出がOFFす
る。
同期エンコーダ軸 ONすると同期エンコーダ軸制御が ON :制御要求ON
Rq.320 演算周期 OFF M11601+4n
制御要求 始動する。 OFF:制御要求OFF
・ONするとデバイス/マスタCPU経
由同期エンコーダが接続状態に ON :デバイス/マスタCPU経由
デバイス/マスタ
なる。 同期エンコーダ接続 メイン
Rq.324 CPU 経 由 同 期 エ ン OFF M11602+4n
・OFFするとデバイス/マスタCPU OFF:デバイス/マスタCPU経由 周期*1
コーダ接続指令
経由同期エンコーダが切断状態 同期エンコーダ切断
になる。

*1:位置決め制御以外の空き時間に行う処理の周期。軸の始動状態により変動します。

(1) [Rq.323]同期エンコーダ軸エラーリセット(M11600+4n)
エラー検出(M10440+20n:ON)した同期エンコーダ軸の[Md.327]同期エンコーダ
軸軽度エラーコード(D13250+20n),[Md.326]同期エンコーダ軸重度エラーコー
ド(D13251+20n)のクリアと,[St.324]同期エンコーダ軸エラー検出フラグ
(M10444+10n)のリセットを行うための指令です。

5 - 42
5.入力軸モジュール

(2) [Rq.320]同期エンコーダ軸制御要求(M11601+4n)
ONしたときに,[Cd.320]同期エンコーダ軸制御始動(D14822+10n)に「101~132」
以外が設定されていると,無条件で同期エンコーダ軸制御を始動します。

[Md.320]同期エンコーダ軸
現在値
(D13240+20n,D13241+20n)
100
t
ON
[Rq.320]同期エンコーダ軸
制御要求(M11601+4n) OFF

[Cd.320]同期エンコーダ軸
0:無条件始動
制御始動条件(D14822+10n)
ON
[St.325]同期エンコーダ軸
制御完了(M10446+10n) OFF

[Cd.321]同期エンコーダ軸
0:現在値変更
制御方法(D14823+10n)
[Cd.322]同期エンコーダ軸
現在値設定アドレス 100
(D14824+10n,D14825+10n)

ONしたときに,[Cd.320]同期エンコーダ軸制御始動(D14822+10n)に「101~132」
が設定されていると,該当する高速入力要求信号により同期エンコーダ軸制御を
始動します。

[Md.320]同期エンコーダ軸
現在値
(D13240+20n,D13241+20n)
100
t

高速入力要求信号3
ON
[Rq.320]同期エンコーダ軸
制御要求(M11601+4n)
OFF

[Cd.320]同期エンコーダ軸
103:高速入力要求信号3
制御始動条件(D14822+10n)
ON
[St.325]同期エンコーダ軸
制御完了(M10446+10n)
OFF

[Cd.321]同期エンコーダ軸
0:現在値変更
制御方法(D14823+10n)
[Cd.322]同期エンコーダ軸
現在値設定アドレス 100
(D14824+10n,D14825+10n)

同期エンコーダ軸制御方法は,[Cd.321]同期エンコーダ軸制御方法(D14823+10n)
で指定します。
同期エンコーダ軸制御完了後は,[St.325]同期エンコーダ軸制御完了フラグ
(M10446+10n)がONします。
該当する高速入力信号受付待ち中に,[Rq.320]同期エンコーダ軸制御要求(M11601
+4n)をON→OFFすると同期エンコーダ軸制御をキャンセルします。

5 - 43
5.入力軸モジュール

(3) [Rq.324]デバイス/マスタCPU経由同期エンコーダ接続指令(M11602+4n)
[Pr.320]同期エンコーダ軸種別が「201:デバイス経由」,「301:マスタCPUサー
ボ入力軸」,「401:マスタCPU指令生成軸」,「501:マスタCPU同期エンコーダ
軸」のときに使用します。
(a) 「201:デバイス経由」の場合
ONすると同期エンコーダ軸が接続状態になります。接続時[Cd.325]デバイス
経由同期エンコーダ入力値(D14826+10n,D14827+10n)を元に同期エンコー
ダ現在値が復元されます。
OFFすると同期エンコーダ軸が切断状態になります。

(b) 「301:マスタCPUサーボ入力軸」,「401:マスタCPU指令生成軸」,「501:
マスタCPU同期エンコーダ軸」の場合
ONすると同期エンコーダ軸が接続状態となり,カウンタイネーブルとなりま
す。
OFFすると同期エンコーダ軸が切断状態になります。

5 - 44
5.入力軸モジュール

5.3.5 同期エンコーダ軸モニタデータ

【ワードデバイス】
リフレッシュ
記号 モニタ項目 格納内容 モニタ値 デバイス番号
周期
同期エンコーダ軸 同期エンコーダ軸の現在値が格納され -2147483648~2147483647 D13240+20n
Md.320
現在値 る。 [同期エンコーダ軸位置単位]*1 D13241+20n
0~(同期エンコーダ軸1サイクル
同期エンコーダ軸 同期エンコーダ軸の1サイクル現在値 D13242+20n
Md.321 長-1)
1サイクル現在値 が格納される。 D13243+20n
[同期エンコーダ軸位置単位]*1
同期エンコーダ軸 同期エンコーダ軸の速度が格納され -2147483648~2147483647 演算周期 D13244+20n
Md.322
速度 る。 [同期エンコーダ軸速度単位]*2 D13245+20n
同期エンコーダ軸 -2147483648~2147483647 D13246+20n
Md.323 現在の位相補正量が格納される。
位相補正量 [同期エンコーダ軸位置単位]*1 D13247+20n
同期エンコーダ軸 回転方向制限時,許可方向と逆の入力 -2147483648~2147483647 D13248+20n
Md.324
回転方向制限量 移動量の累積値が格納される。 [同期エンコーダ軸位置単位]*1 D13249+20n
同期エンコーダ軸 同期エンコーダ軸の軽度エラーコード 軽度エラーコードの詳細は,
Md.327 D13250+20n
軽度エラーコード が格納される。 付1.2を参照。
即時
同期エンコーダ軸 同期エンコーダ軸の重度エラーコード 重度エラーコードの詳細は,
Md.326 D13251+20n
重度エラーコード が格納される。 付1.3を参照。

*1:同期エンコーダ軸位置単位(5.3.1項参照)
*2:同期エンコーダ軸速度単位(5.3.1項参照)

(1) [Md.320]同期エンコーダ軸現在値(D13240+20n,D13241+20n)
同期エンコーダ軸の現在値が同期エンコーダ軸位置単位(5.3.1項参照)で格納さ
れます。
INC同期エンコーダではマルチCPUシステム電源投入直後の同期エンコーダ位置が
0となります。

(2) [Md.321]同期エンコーダ軸1サイクル現在値(D13242+20n,D13243+20n)
同期エンコーダ軸の1サイクル現在値が「0~([Pr.324]同期エンコーダ軸1サイク
ル長-1)」の範囲で格納されます。
単位は同期エンコーダ軸位置単位(5.3.1項参照)となります。

(3) [Md.322]同期エンコーダ軸速度(D13244+20n,D13245+20n)
同期エンコーダ軸の速度が同期エンコーダ軸速度単位(5.3.1項参照)で格納され
ます。
同期エンコーダ軸の速度がモニタ範囲(5.3.1項参照)をオーバーした場合,軽度
エラー(エラーコード:882)が発生します。その場合,[Pr.321]同期エンコーダ
軸単位設定の速度小数点桁数を小さくするか,速度時間単位を「sec」に設定して
ください。

(4) [Md.323]同期エンコーダ軸位相補正量(D13246+20n,D13247+20n)
同期エンコーダ軸の位相補正量が同期エンコーダ軸位置単位(5.3.1項参照)で格
納されます。
同期エンコーダ軸の位相補正量は,スムージング処理,位相補正処理後の値です。

5 - 45
5.入力軸モジュール

(5) [Md.324]同期エンコーダ軸回転方向制限量(D13248+20n,D13249+20n)
同期エンコーダ軸の回転方向制限時,許可方向と逆の入力移動量の累積値が同期
エンコーダ軸位置単位(5.3.1項参照)で以下のように格納されます。
[Pr.328]同期エンコーダ軸
格納内容
回転方向制限の設定値
回転方向制限中は負の累積値が格納されます。
1:現在値が増加方向のみ許可
回転方向制限が無くなると0 が格納されます。
回転方向制限中は正の累積値が格納されます。
2:現在値が減少方向のみ許可
回転方向制限が無くなると0 が格納されます。

回転方向制限は位相補正処理後に処理されるため,減速停止時に位相補正により
アンダーシュートが発生した場合,回転方向制限量が残ることがあります。

(6) [Md.327]同期エンコーダ軸軽度エラーコード(D13250+20n)
(a) 同期エンコーダ軸の軽度エラー発生時に,該当するエラーコード(付1.2参照)
が格納されます。エラーコード格納後に,他の軽度エラーが発生した場合は,
上書きされ,新しいエラーコードになります。

(b) 軽度エラーコードのクリアは,[Rq.323]同期エンコーダ軸エラーリセット
(M11600+4n)で行います。

(7) [Md.326]同期エンコーダ軸重度エラーコード(D13251+20n)
(a) 同期エンコーダ軸の重度エラー発生時に,該当するエラーコード(付1.3参照)
が格納されます。エラーコード格納後に,他の重度エラーが発生した場合は,
上書きされ,新しいエラーコードになります。

(b) 重度エラーコードのクリアは,[Rq.323]同期エンコーダ軸エラーリセット
(M11600+4n)で行います。

5 - 46
5.入力軸モジュール

【ビットデバイス】
リフレッシュ
記号 モニタ項目 格納内容 モニタ値 デバイス番号
周期
同期エンコーダ軸 同期エンコーダ軸の設定が有効になっ ON :設定有効
St.320 電源投入時 M10440+10n
設定有効フラグ ているときにONする。 OFF:設定無効
同期エンコーダ軸 同期エンコーダ軸の接続が有効になる ON :接続有効
St.321 M10441+10n
接続有効フラグ とONする。 OFF:接続無効
同期エンコーダ軸
同期エンコーダからの入力がイネーブ ON :カウンタイネーブル
St.322 カウンタイネーブル M10442+10n
ルになっているときにONする。 OFF:カウンタディセーブル 演算周期
フラグ
同期エンコーダ軸
同期エンコーダ軸の現在値が設定され ON :現在値設定要求中
St.323 現在値設定要求 M10443+10n
ていないときにONする。 OFF:現在値設定要求なし
フラグ
同期エンコーダ軸 同期エンコーダ軸のエラー発生時にON ON :エラー発生
St.324 M10444+10n
エラー検出フラグ する。 OFF:エラーなし
即時
同期エンコーダ軸 同期エンコーダ軸の制御完了時にONす ON :制御完了
St.325 M10446+10n
制御完了フラグ る。 OFF:制御未完了

(1) [St.320]同期エンコーダ軸設定有効フラグ(M10440+10n)
マルチCPUシステムの電源投入時,同期エンコーダ軸の設定が有効となっていると
きにONします。設定が無効のときはOFFします。

(2) [St.321]同期エンコーダ軸接続有効フラグ(M10441+10n)
マルチCPUシステムの電源投入時,同期エンコーダの接続が有効になるとONします。
接続が無効になるとOFFします。
INC同期エンコーダは,実際のエンコーダ接続に関係なく,マルチCPUシステムの
電源ONと同時にONします。

(3) [St.322]同期エンコーダ軸カウンタイネーブルフラグ(M10442+10n)
同期エンコーダからの入力がイネーブルになっているときにONします。
カウンタディセーブル制御を実行するとOFFし,同期エンコーダからの入力が無効
となります。カウンタイネーブル制御を実行するとONし,同期エンコーダからの
入力が有効となります。同期エンコーダの接続が有効になった直後は,ON(イネー
ブル)状態です。

(4) [St.323]同期エンコーダ軸現在値設定要求フラグ(M10443+10n)
同期エンコーダ軸現在値変更を一度も実行していない,またはシリアルABS同期エ
ンコーダにおいてバッテリエラーなどで同期エンコーダ現在値を消失したときに
ONします。
同期エンコーダ接続時に現在値設定要求フラグがONしていると,同期エンコーダ
軸現在値は0で開始します。
同期エンコーダ軸現在値変更を実行したときOFFします。

ポイント
同期エンコーダの位置あわせが必要なシステムでは,[St.323]同期エンコーダ軸
現在値設定要求フラグ(M10443+10n)がOFFであることを確認してください。

5 - 47
5.入力軸モジュール

(5) [St.324]同期エンコーダ軸エラー検出フラグ(M10444+10n)
(a) 同期エンコーダ軸の軽度エラー,または重度エラーの検出でONする信号で,
エラーの有/無の判別に使用できます。
軽度エラー検出で該当するエラーコード*1が,[Md.327]同期エンコーダ軸軽
度エラーコード(D13250+20n)に格納されます。
重度エラー検出で該当するエラーコード*1が,[Md.326]同期エンコーダ軸重
度エラーコード(D13251+20n)に格納されます。

(b) [Rq.323]同期エンコーダ軸エラーリセット(M11600+4n)をONするとOFFしま
す。

備 考

*1:軽度/重度エラー検出時のエラーコードは,付1を参照してください。

(6) [St.325]同期エンコーダ軸制御完了フラグ(M10446+10n)
同期エンコーダ軸の制御が完了したときにONします。
[Rq.320]同期エンコーダ軸制御要求(M11601+4n)をON→OFFしたときにOFFしま
す。

5 - 48
6.カム機能

第6章 カム機能

6.1 カム機能の制御内容

同期制御の出力軸はカム動作となります。
カム機能では,以下の動作を行うことができます。
・往復動作:一定のカムストローク範囲を往復する動作
・送り動作:1サイクルごとにカム基準位置を更新していく動作
・直線動作:1サイクルがストローク比100%となる直線動作(カムNo.0)
出力軸はカム軸1サイクル現在値を入力値として,設定したカムデータにより変換し
た値(送り現在値)で制御されます。
往復動作
カムデータ カム軸
1サイクル現在値

カム変換
t
処理

送り現在値
(ユーザ作成カム)

送り動作
カムデータ カム軸
1サイクル現在値
6
カム変換
t
処理 カム基準位置
カム基準位置 (3サイクル目)
送り現在値 カム基準位置 (2サイクル目)
(ユーザ作成カム) (1サイクル目)

直線動作
カムデータ カム軸
1サイクル現在値

カム変換
t
処理 カム基準位置
カム基準位置 (3サイクル目)
送り現在値 カム基準位置 (2サイクル目)
(直線カム:カムNo.0) (1サイクル目)

ストローク量×100%

6 - 1
6.カム機能

(1) カムデータ
(a) 直線カム制御
[Pr.440]カムNo.(D15062+150n)に「0」を設定すると,カムデータは最終
点目のストローク比が100%となる直線で動作します。

カム軸
1サイクル現在値

t
カム基準位置
カム基準位置 (3サイクル目)
送り現在値 カム基準位置 (2サイクル目)
(1サイクル目)

ストローク量×100%

(b) ストローク比データ形式
ストローク比データ形式のカムデータは,1サイクル分のカム曲線をカム分解
能の点数で等分割して定義され,カム分解能の点数分のストローク比データ
で構成されます。
カムデータの設定方法については,6.2節を参照してください。
初期値
設定項目 設定内容 設定範囲
(MT Developer2)
カムNo. カムNo.を設定します。 1~256:ユーザ作成カム 1
1サイクル分のカム曲線の分割数 256/512/1024/2048/4096/
カム分解能 256
を設定します。 8192/16384/32768
「カム軸1サイクル現在値=0」の位
カムデータ
置に対応するカムデータの位置を 0~(カム分解能-1) 0
開始位置
設定します。
1 点 目 か ら 最 終 点 目 ま での ス ト
-2147483648~2147483647
ストローク ローク比を設定します。
[×10-7%]*1 0
比データ (0点目のストローク比は設定不要
(-214.7483648~214.7483647%)
です。必ず0%となります。)

*1:±100%より大きなストローク比をMT Developer2で設定する場合,メニューバーの[ツール]→[オプショ
ン]で表示されるオプション画面で,[カムデータ]を選択し,“カムグラフのストロークを拡張表示す
る”をチェックします。

6 - 2
6.カム機能

(例) カム分解能に512を設定した場合
ストローク比[%](-214.7483648%~214.7483647%の範囲で設定可能)
カム軸1サイクル長[カム軸サイクル単位]

100.0000000

0
(カム基準位置)

-100.0000000

0点目 512点目
(最終点目)

(c) 座標データ形式
座標データ形式のカムデータは,1サイクル分のカム曲線を2点以上の座標で
定義したデータです。座標データは,「(入力値,出力値)」で表され,「入
力値=カム軸1サイクル現在値」,「出力値=カム基準位置からのストローク
位置」となります。
座標データ形式のカムデータを使用した場合,出力軸パラメータの[Pr.441]
カムストローク量(D15064+150n,D15065+150n)は無視され,座標データ
の出力値がそのままカムストローク位置となります。
カムデータの設定方法については,6.2節を参照してください。
初期値
設定項目 設定内容 設定範囲
(MT Developer2)
カムNo. カムNo.を設定します。 1~256:ユーザ作成カム 1
1サイクル分のカム曲線を定義す
座標数 る座標数を設定します。0点目を含 2~16384 2
めた座標数となります。
カムデータ
座標データ形式では設定不要。 ─ ─
開始位置
座標数分の座標データ(入力値Xn,
出力値Yn)を設定します。
入力値:0~2147483647
0点目の座標データ(X0,Y0)から
[カム軸サイクル単位]
座標データ 設定が必要です。 0
出力値:-2147483648~2147483647
入力値は直前の座標データより大
[出力軸位置単位]
きな値(Xn<Xn+1)を設定する必
要があります。

出力値:Y
[出力軸位置単位]

(X3,Y3)
2147483647 (X4,Y4)
(X2,Y2) (X10,Y10)
(X5,Y5)
(X1,Y1) (X9,Y9)

0 入力値:X
(カム基準位置) (X0,Y0)

(X6,Y6) (X8,Y8)
(X7,Y7)
-2147483648
カム軸1サイクル長[カム軸サイクル単位]
6 - 3
6.カム機能

座標データに「入力値=0」や「入力値=カム軸1サイクル長」の座標が存在
しない場合,一番近い2点の座標から生成した線分で制御します。
出力値:Y
[出力軸位置単位]

(X0,Y0)と(X1,Y1) (X9,Y9)と(X10,Y10)
から生成した線分 (X3,Y3) から生成した線分
2147483647 (X4,Y4) (X10,Y10)
(X2,Y2)
(X1,Y1) (X5,Y5)
(X9,Y9)
(X0,Y0)
0 入力値:X
(カム基準位置)

(X6,Y6) (X8,Y8)
(X7,Y7)
-2147483648
カム軸1サイクル長[カム軸サイクル単位]

注意
● カムデータの設定を誤ると,位置決め制御での目標値設定や指令速度設定を誤ったときと同様に,サー
ボアンプへの位置指令や速度指令が大きくなり,機械によっては機械干渉や,サーボエラー「過速度」
(エラーコード:2031),「指令周波数異常」(エラーコード:2035)の発生原因となります。カムデー
タを作成,変更したときは十分な試運転や調整を行ってください。
試運転や調整の注意事項は,「安全上のご注意」を参照してください。

(2) カム軸の送り現在値
送り現在値は以下のように算出されます。
(a) ストローク比データ形式の場合
送り現在値=カム基準位置+(カムストローク量×カム軸1サイクル現在値に
対応するストローク比)

(b) 座標データ形式の場合
送り現在値=カム基準位置+カム軸1サイクル現在値に対応する出力値

カム軸1サイクル現在値が定義されているカムデータ(ストローク比データ/座標
データ)の中間にある場合は,前後のカムデータから中間値が計算されます。

カム軸
1サイクル現在値 前後のカムデータ
から中間値を計算

カムデータ

1分解能または2座標間

6 - 4
6.カム機能

(3) カム基準位置
カム基準位置は以下のように算出されます。
(a) ストローク比データ形式の場合
カム基準位置=元のカム基準位置+(カムストローク量×最終点目のスト
ローク比)

(b) 座標データ形式の場合
カム基準位置=元のカム基準位置+「入力値=カム軸1サイクル長」に対応す
る出力値-「入力値=0」に対応する出力値

カム軸
1サイクル現在値

t
カム基準位置
カム基準位置 (3サイクル目)
送り現在値 カム基準位置 (2サイクル目)
(1サイクル目)

ストローク比データ形式:
カムストローク量×最終点目のストローク比
座標データ形式:
(「入力値=カム軸1サイクル長」に対応する出力値)
-(「入力値=0」に対応する出力値)

往復動作をする場合は以下のようにカムデータを作成してください。
(a) ストローク比データ形式の場合
最終点目のストローク比を0%としたカムデータを作成してください。

(b) 座標データ形式の場合
「入力値=カム軸1サイクル長」に対応する出力値を「入力値=0」に対応する
出力値と同一にしてください。

カム軸
1サイクル現在値

送り現在値

カム基準位置
(ストローク比0%,出力値=0のため
変化しない)

6 - 5
6.カム機能

(4) カムデータの開始位置
本設定は,ストローク比データ形式のカムデータでのみ有効です。
「カム軸1サイクル現在値=0」の位置に対応するカムデータの位置をカムデータ開
始位置として設定することができます。
カムデータ開始位置の初期値は0です。(カムデータ0点目(ストローク比0%)か
らカム軸が制御されます。)
カムデータ開始位置に0以外を設定すると,ストローク比が0%以外から始まるカ
ム制御ができます。
カムデータ開始位置はカムデータごとに設定します。「0~(カム分解能-1)」の
範囲で設定してください。

カム軸
1サイクル現在値

t
カム基準位置 カム基準位置
(2サイクル目) (3サイクル目)
送り現在値

カム基準位置
(1サイクル目)
t

カムデータ
開始位置
0点目 最終点目

(5) カム制御データの反映タイミング
(a) ストローク比データ形式の場合
同期制御中に[Pr.439]カム軸1サイクル長(D15060+150n,D15061+150n),
[Pr.440]カムNo.(D15062+150n),[Pr.441]カムストローク量(D15064+150n,
D15065+150n)のいずれかを変更すると,カム軸1サイクル現在値がカムデー
タ0点目の位置を通過時,またはカムデータ0点目の位置にいるときに値が取
り込まれて反映されます。
カム基準位置の更新は,カム軸1サイクル現在値がカムデータ0点目の位置を
通過時に行われます。

(b) 座標データ形式の場合
同期制御中に[Pr.439]カム軸1サイクル長(D15060+150n,D15061+150n),
または[Pr.440]カムNo.(D15062+150n)を変更すると,カム軸1サイクル現
在値が0を通過時,または0の位置にいるときに値が取り込まれて反映されま
す。
カム基準位置の更新はカム軸1サイクル現在値が0を通過時に行われます。

6 - 6
6.カム機能

6.2 カムデータの作成

6.2.1 カムデータのメモリ構成

カムデータは,以下の2つのエリアに配置されます。
メモリ構成 格納項目 内 容 備 考
下記の操作により書き込まれる。
・MT Developer2からの書込み
カムデータ
カム保存 ・モーションSFCプログラムのカムデータ書込み(カ ・電源OFFしてもデータ
エリア ム保存エリア)命令実行時 は保持される。
カム自動生成 モーションSFCプログラムのカム自動生成命令実行
用データ 時に書き込まれる。(カム自動生成機能)
・マルチCPUシステム電源投入時,カム保存エリア
への書込み時,シーケンサレディフラグ(M2000)
・電源OFFでデータは消
OFF→ON時にカム保存エリアのカムデータが展開
失する。
カム展開 される。
カムデータ ・実際にカム制御で使
エリア ・カムデータ操作機能でカム展開エリアへの書込み
用するカムデータが
も可能。
格納される。
・カム自動生成機能により自動生成されたカムデー
タが保存される。

カム保存エリアにカムデータを書き込んでおくことで,電源OFF後も前回のカムデー
タを引き続き使用することができます。通常はカム保存エリアにカムデータを書き込
んでご使用ください。
また,カム保存エリアのメモリ容量より大きなカムデータを登録する場合など,モー
ションSFCプログラムにて指定した任意のデバイス経由でカム展開エリアにカムデー
タを書き込むことができます。ただし,マルチCPUシステム電源再投入時,カム保存エ
リアの更新時,またはシーケンサレディフラグ(M2000)OFF→ON時カム保存エリアの
カムデータが展開されるため,毎回カム展開エリアに書き込みを行う必要があります。

② モーションSFCプログラムでの操作

読出し
(CAMRD命令)
任意デバイス

① MT Developer2での操作
書込み(CRMWR命令)
書込み(CAMWR2命令)*2
/カム自動生成(CAMMK命令)
書込み*1
カム保存エリア
MT Developer2
(256kバイト)
読出し/
照合 *1
カム展開エリア
(1024kバイト)
下記タイミングで展開される。
・マルチCPUシステム電源投入時
・カム保存エリア書込み時
・シーケンサレディフラグ
(M2000)OFF→ON時

カム制御

*1:MT Developer2からの書込み/読出し/照合は,カム保存エリアに対して行います。
*2:カム展開エリアへの直接書込みでは,カム保存エリアには展開されないため,
マルチCPUシステム電源再投入時などにカム展開エリアのデータはカム保存エリアの
データに戻ります。

6 - 7
6.カム機能

(1) MT Developer2でのカムデータ操作
MT Developer2では,カムデータの波形を確認しながらカムデータを設定すること
ができます。
MT Developer2から操作する場合,設定したカムデータはカム保存エリアに対し書
込み/読出し/照合されます。カム展開エリアに対してカムデータを書込み/読
出し/照合は行えません。
また,MT Developer2で読出しを実行すると,カム自動生成機能により生成したカ
ムデータの波形を「カムデータウインドウ」の「カムグラフ」で確認することが
できます。

(2) モーションSFCプログラムでのカムデータ操作
カムデータの書込み/読出し操作,カム自動生成機能,カム位置計算機能をモー
ションSFCプログラムにて実行できます。(6.2.2項参照)

(3) カムデータ容量
作成したカムデータが使用するデータサイズはカム保存エリア/カム展開エリア
で以下のようになります。
データ形式/ カム保存エリア カム展開エリア
操作方法
自動生成種別 (262144バイト) (1048576バイト)
ストローク比データ形式 カム分解能×4バイト カム分解能×4バイト
MT Developer2で作成
座標データ形式 座標数×8バイト 座標数×8バイト
モーションSFCプログラム ストローク比データ形式 カム分解能×4バイト カム分解能×4バイト
でカム保存エリアに作成 座標データ形式 座標数×8バイト 座標数×8バイト
モーションSFCプログラム ストローク比データ形式 カム分解能×4バイト
0バイト
でカム展開エリアに作成 座標データ形式 座標数×8バイト
ロータリーカッター用 36バイト
モーションSFCプログラム
簡易ストローク比カム 区間数×12+20バイト カム分解能×4バイト
にてカム自動生成で作成
Ver.! (最大404バイト)

モーションSFCプログラムにて書込みやカム自動生成機能を実行する場合,カム分
解能の変更などで使用サイズが変更されると空きエリアの分断が発生し,書き込
める容量が少なくなることがあります。
この場合,MT Developer2からカムデータを上書きするか,一度カムデータを消去
してください。

(4) カムデータの消去方法
カムデータのみを消去する場合は,MT Developer2から空のカムデータを書き込む
ことでカム保存エリアの内容のみを消去してください。

Ver.! :ソフトウェアの対応バージョンについては,1.4節を参照してください。

6 - 8
6.カム機能

(5) カムデータのパスワード保護
カムデータをパスワードによって保護することができます。設定されている登録
条件により,下記のようにカムデータが保護されます。
モーションSFCプログラムでの
登録条件 MT Developer2でのカムデータ操作
カムデータ操作
パスワードを解除しないと,カムデータの カムデータ書込み操作とカムデータ自動
書込禁止
書込みができません。 生成が実行不可になります。
パスワードを解除しないと,カムデータの カムデータ読出し/書込み操作とカム
読出/書込禁止
読出し/書込みができません。 データ自動生成が実行不可になります。

パスワードの保護についての詳細は,「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPUモーションコ
ントローラプログラミングマニュアル(共通編)」を参照してください。

6 - 9
6.カム機能

6.2.2 モーションSFCプログラムによるカムデータ操作

モーションSFCプログラムの同期制御専用関数にて,カムデータの書込み/読出し操
作,カム自動生成を実行することができます。
詳細は,「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPUモーションコントローラ(SV13/SV22)プログラ
ミングマニュアル(モーションSFC編)」を参照してください。

分 類 記 号 命 令 内 容
カムデータの読出し操作を行います。
1回に操作できるデータ数の上限は,ストローク比デー
タ形式の場合,4096点(1点につき2ワード使用),座標
CAMRD カムデータ読出し データ形式の場合,2048点(1点につき4ワード使用)と
なります。
1回で読出しが完了しない場合は,複数回に分けて操作
してください。
カムデータの書込み操作を行います。
1回に操作できるデータ数の上限は,ストローク比デー
タ形式の場合,4096点(1点につき2ワード使用),座標
CAMWR カムデータ書込み データ形式の場合,2048点(1点につき4ワード使用)と
なります。
1回で書込みが完了しない場合は,複数回に分けて操作
してください。
同期制御
カム展開エリアにカムデータの書込み操作を行います。
専用関数
1回に操作できるデータ数の上限は,ストローク比デー
タ形式の場合,4096点(1点につき2ワード使用),座標
カムデータ書込み
CAMWR2 データ形式の場合,2048点(1点につき4ワード使用)と
(カム展開エリア用)
なります。
1回で書込みが完了しない場合は,複数回に分けて操作
してください。
特定用途のカムデータを自動生成用データを設定する
だけで自動的に生成する機能です。
自動生成用データはカム保存エリアに保存され,カム自
動生成機能で生成されるカムデータはカム展開エリア
CAMMK カム自動生成機能
に生成されます。通常のカムデータと合わせて1Mバイト
まで生成可能です。
(例) 分解能1024で256個のストローク比形式のカム
データを自動生成可能

6 - 10
7.同期制御

第7章 同期制御

7.1 主軸モジュール

7.1.1 主軸モジュールの概要

主軸モジュールでは,主軸合成ギアによってメインとサブの2つの入力軸からの入力
を合成した入力値を生成します。また,合成後の入力値は主軸ギアによって機械系の
減速比や回転方向などを考慮した値に変換できます。
主軸モジュールの設定の詳細は,「7.1.2項」,「7.1.3項」を参照してください。

[Pr.403]主軸ギア分子
[Pr.400]メイン入力軸番号 [Pr.402]主軸合成ギア
(D15004+150n,D15005+150n)
(D15000+150n) (D15002+150n)
[Pr.404]主軸ギア分母
(D15006+150n,D15007+150n)
主軸メイン 主軸合成ギア 主軸ギア
入力軸

[Md.400]主軸合成ギア後現在値 [Md.401]主軸ギア後1サイクル現在値
(D13600+30n,D13601+30n) (D13602+30n,D13603+30n)

主軸サブ 主軸
入力軸 クラッチ*
[Pr.401]サブ入力軸番号
(D15001+150n)
*:7.3節参照

変速機/
補助軸合成ギア 7

7 - 1
7.同期制御

7.1.2 主軸パラメータ

記号 設定項目 設定内容 設定値 取込周期 初期値 デバイス番号


0 :無効
主軸入力のメイン側の入力軸番号 1~32 :サーボ入力軸*1
Pr.400 メイン入力軸番号 0 D15000+150n
を設定する。 201~232:指令生成軸*2
801~812:同期エンコーダ軸 同期制御
0 :無効 始動時
*1
主軸入力のサブ側の入力軸番号を 1~32 :サーボ入力軸
Pr.401 サブ入力軸番号 *2 0 D15001+150n
設定する。 201~232:指令生成軸
801~812:同期エンコーダ軸
・16進数で設定する。
H□□□□
メイン入力方法
0:入力なし
メイン入力軸とサブ入力軸からの 1:入力+
Pr.402 主軸合成ギア 2:入力- 演算周期 0001h D15002+150n
入力値の合成方法を選択する。
サブ入力方法
0:入力なし
1:入力+
2:入力-

D15004+150n
Pr.403 主軸ギア分子 主軸ギアの分子を設定する。 -2147483648~2147483647 1
同期制御 D15005+150n
始動時 D15006+150n
Pr.404 主軸ギア分母 主軸ギアの分母を設定する。 1~2147483647 1
D15007+150n

*1:Q172DSCPUでは1~16の範囲が有効です。
*2:Q172DSCPUでは201~216の範囲が有効です。

(1) [Pr.400]メイン入力軸番号(D15000+150n),[Pr.401]サブ入力軸番号(D15001
+150n)
主軸のメイン入力軸番号,サブ入力軸番号を設定します。
・0 :無効················ 入力値は常時0となります。
・1~32 :サーボ入力軸 ········ サーボ入力軸(軸1~32)を設定します。
サーボ入力軸がシステム設定で未設定の場合,
入力値は常時0となります。
また,出力軸と同一番号を設定すると重度エ
ラー(エラーコード:1700,1701)となり,
同期制御始動できません。
*:Q172DSCPUでは1~16の範囲が有効です。
・201~232:指令生成軸 ·········· 指令生成軸(軸1~32)を設定します。
指令生成軸が指令生成軸パラメータ設定で無
効の場合,入力値は常時0となります。
また,指令生成軸は指令生成のみを行う軸の
ため,出力軸と同一番号が設定可能です。
*:Q172DSCPUでは201~216の範囲が有効です。
・801~812:同期エンコーダ軸 ···· 同期エンコーダ軸(軸1~12)を設定します。
同期エンコーダ軸が無効の場合,入力値は常
時0となります。

7 - 2
7.同期制御

(2) [Pr.402]主軸合成ギア(D15002+150n)
メイン入力軸とサブ入力軸からの入力値の合成方法を設定します。
メイン入力軸とサブ入力軸でそれぞれ下記の値を設定します。
・0:入力なし··················· 入力軸からの入力値を0として合算します。
・1:入力+····················· 入力軸からの入力値をそのまま合算します。
・2:入力-····················· 入力軸からの入力値の符号を反転して合算し
ます。
0~2以外を設定した場合,「0:入力なし」で動作します。

ポイント
主軸合成ギアの合成方法は同期制御中に変更可能です。クラッチのようにメイン入
力軸とサブ入力軸の入力値を切り換える用途でも使用できます。

(3) [Pr.403]主軸ギア分子(D15004+150n,D15005+150n),[Pr.404]主軸ギア分母
(D15006+150n,D15007+150n)
主軸ギアで入力値変換をする時の分子,分母の値を設定します。
下記のように入力値は変換されます。

主軸ギア分子
変換後の入力値=変換前の入力値×
主軸ギア分母

主軸ギア分子の設定値に負の値を設定すると,入力値を逆転することができます。
主軸ギア分母は「1~2147483647」の範囲で設定してください。
例) 主軸が1回転(360.00000[degree]動作)あたり100[mm]送られるコンベアに同
期するカム軸において,カム軸の1サイクルを0.1[mm]間隔で制御できるよう
に変換する場合
主軸ギア分子:1000[×0.1mm]
主軸ギア分母:36000000[×10-5degree]

7 - 3
7.同期制御

7.1.3 主軸クラッチパラメータ

記号 設定項目 設定内容 設定値 取込周期 初期値 デバイス番号


・16進数で設定する。
H□□□□
ON制御モード
0:クラッチなし
1:クラッチ指令
ON/OFF
2:クラッチ指令
立上り
3:クラッチ指令
立下り
4:アドレスモード
5:高速入力要求
主軸クラッチ
Pr.405 クラッチ制御方法を設定する。 OFF制御モード 演算周期 0000h D15008+150n
制御設定 0:OFF制御無効
1:ワンショットOFF
2:クラッチ指令
立上り
3:クラッチ指令
立下り
4:アドレスモード
5:高速入力要求
高速入力要求信号
00~1F:信号1~32
の高速入力
要求信号

主軸クラッチ
クラッチの参照アドレスを設定す 0:主軸合成ギア後現在値 同期制御
Pr.406 参照アドレス 0 D15009+150n
る。 1:主軸ギア後1サイクル現在値 始動時
設定
・アドレスモード時のクラッチを
ONするアドレスを設定する。
(アドレスモード時以外,設定は
-2147483648~2147483647
主軸クラッチ 無効。) D15010+150n
Pr.407 [メイン入力軸位置単位*1,または 演算周期 0
ONアドレス ・「0~(カム軸1サイクル長-1)」 D15011+150n
カム軸サイクル単位*2]
以外の場合,「0~(カム軸1サイ
クル長-1)」の範囲に換算して
制御します。
・クラッチON条件が成立してから
実際にクラッチをONするまでの
-2147483648~2147483647 クラッチ
主軸クラッチ 移動量を設定する。 D15012+150n
Pr.408 [メイン入力軸位置単位*1,または ON条件 0
ON前移動量 ・増加方向への移動の場合は正の D15013+150n
カム軸サイクル単位*2] 成立時
値,減少方向への移動の場合は
負の値を設定する。
・アドレスモード時のクラッチを
OFFするアドレスを設定する。
(アドレスモード時以外の設定
-2147483648~2147483647
主軸クラッチ は無効。) D15014+150n
Pr.409 [メイン入力軸位置単位*1,または 演算周期 0
OFFアドレス ・「0~(カム軸1サイクル長-1)」 D15015+150n
カム軸サイクル単位*2]
以外の場合,「0~(カム軸1サイ
クル長-1)」の範囲に換算して
制御します。

*1:メイン入力軸位置単位(第5章参照)
*2:カム軸サイクル単位(7.5.1項参照)

7 - 4
7.同期制御

記号 設定項目 設定内容 設定値 取込周期 初期値 デバイス番号


・クラッチOFF条件が成立してから
実際にクラッチをOFFするまで
-2147483648~2147483647 クラッチ
主軸クラッチ の移動量を設定する。 D15016+150n
Pr.410 [メイン入力軸位置単位*1,または OFF条件 0
OFF前移動量 ・増加方向への移動の場合は正の D15017+150n
カム軸サイクル単位*2] 成立時
値,減少方向への移動の場合は
負の値を設定する。
0:ダイレクト
主軸クラッチ 1:時定数方式(指数)
クラッチのスムージング方式を設
Pr.411 スムージング 2:時定数方式(直線) 0 D15018+150n
定する。
方式 3:滑り量方式(指数) 同期制御
4:滑り量方式(直線) 始動時
主軸クラッチ 時定数方式のスムージングの場
Pr.412 スムージング 合,スムージング時定数を設定す 0~5000[ms] 0[ms] D15019+150n
時定数 る。
滑り量方式のスムージングの場 0~2147483647
主軸クラッチ *1 クラッチ D15020+150n
Pr.413 合,クラッチON時の滑り量を設定 [メイン入力軸位置単位 ,または 0
ON時滑り量 *2 ON開始時 D15021+150n
する。 カム軸サイクル単位 ]
滑り量方式のスムージングの場 0~2147483647
主軸クラッチ *1 クラッチ D15022+150n
Pr.414 合,クラッチOFF時の滑り量を設定 [メイン入力軸位置単位 ,または 0
OFF時滑り量 OFF開始時 D15023+150n
する。 カム軸サイクル単位*2]

*1:メイン入力軸位置単位(第5章参照)
*2:カム軸サイクル単位(7.5.1項参照)

7 - 5
7.同期制御

(1) [Pr.405]主軸クラッチ制御設定(D15008+150n)
主軸クラッチのON制御方法およびOFF制御方法を個別に設定します。
なお,クラッチ制御設定は同期制御中にも変更できますが,クラッチなし(直結
動作)以外の設定からクラッチなし(直結動作)へ変更することはできません。
クラッチ制御の詳細は,「7.3.2項」を参照してください。
(a) ON制御モード
・0:クラッチなし(直結動作)··· クラッチ制御を行わない直結動作とな
ります。
・1:クラッチ指令ON/OFF········· [Rq.400]主軸クラッチ指令(M11680+
10n)のON/OFFでクラッチをON/OFFしま
す。 (クラッチ指令ON/OFFモードではOFF
制御モードの設定は参照されません。)
・2:クラッチ指令立上り········· [Rq.400]主軸クラッチ指令(M11680+
10n)の立上り(OFF→ON)でクラッチを
ONします。
・3:クラッチ指令立下り········· [Rq.400]主軸クラッチ指令(M11680+
10n)の立下り(ON→OFF)でクラッチを
ONします。
・4:アドレスモード············· 参照アドレス(主軸合成ギア後現在値,
または主軸ギア後1サイクル現在値)が
[Pr.407] 主 軸 ク ラ ッ チ ON ア ド レ ス
(D15010+150n,D15011+150n)と一致
したときにクラッチをONします。
参照アドレスがONアドレスを通過する
とき,クラッチ出力移動量としてONアド
レス通過後の移動量が出力されるため,
正確な移動量でクラッチ制御を行いま
す。
・5:高速入力要求··············· 高速入力要求(DI/DOG/TREN)がONしたと
きにクラッチをONします。

ポイント
ON制御モードを「0:クラッチなし(直結動作)」に設定すると直結動作となるた
め,他のクラッチパラメータ設定は参照されません。また,直結動作時は[Rq.402]
主軸クラッチ強制OFF指令(M11682+10n)やクラッチ制御設定の変更は無視されま
す。

7 - 6
7.同期制御

(b) OFF制御モード
・0:OFF制御無効················ クラッチOFF制御を行いません。クラッ
チON制御のみを行う場合に設定してく
ださい。
・1:ワンショットOFF············ クラッチ指令のOFF→ON後,[Pr.410]主
軸クラッチOFF前移動量(D15016+150n,
D15017+150n)の設定値を移動してク
ラッチをOFFします。(ワンショット動
作)
[Pr.410] 主 軸 ク ラ ッ チ OFF 前 移 動 量
(D15016+150n,D15017+150n)が0の場
合は,[St.420]主軸クラッチON/OFFス
テータス(M10560+10n)はONせず,即
座にクラッチOFF状態に戻ります。
・2:クラッチ指令立上り········· [Rq.400]主軸クラッチ指令(M11680+
10n)の立上り(OFF→ON)でクラッチを
OFFします。
・3:クラッチ指令立下り········· [Rq.400]主軸クラッチ指令(M11680+
10n)の立下り(ON→OFF)でクラッチを
OFFします。
・4:アドレスモード············· 参照アドレス(主軸合成ギア後現在値ま
たは主軸ギア後1サイクル現在値)が
[Pr.409] 主 軸 ク ラ ッ チ OFF ア ド レ ス
(D15014+150n,D15015+150n)と一致
した時にクラッチをOFFします。
参照アドレスがOFFアドレスを通過する
とき,クラッチ出力移動量としてOFFア
ドレス通過前までの移動量が出力され,
正確な移動量でクラッチ制御を行いま
す。
・5:高速入力要求··············· 高速入力要求(DI/DOG/TREN)がONした時
にクラッチをOFFします。

(c) 高速入力要求信号
「(a) ON制御モード」,「(b) OFF制御モード」で「5:高速入力要求」を選択
したときの高速入力要求信号の番号を設定します。
設定値 設定値 設定値 設定値
信号No. 信号No. 信号No. 信号No.
(16進数) (16進数) (16進数) (16進数)
1 00 9 08 17 10 25 18
2 01 10 09 18 11 26 19
3 02 11 0A 19 12 27 1A
4 03 12 0B 20 13 28 1B
5 04 13 0C 21 14 29 1C
6 05 14 0D 22 15 30 1D
7 06 15 0E 23 16 31 1E
8 07 16 0F 24 17 32 1F

7 - 7
7.同期制御

(2) [Pr.406]主軸クラッチ参照アドレス設定(D15009+150n)
クラッチ制御時に参照するアドレスを選択します。
・0:主軸合成ギア後現在値 ··········主軸合成ギア後現在値を参照してクラッ
チ制御します。
クラッチ制御後の移動量を主軸ギアで変
換して出力します。
・1:主軸ギア後1サイクル現在値 ·····主軸ギア後1サイクル現在値を参照してク
ラッチ制御します。
クラッチ制御後の移動量をそのまま出力
します。
下記パラメータの設定単位は,設定した参照アドレスの単位となります。
・[Pr.407]主軸クラッチONアドレス(D15010+150n,D15011+150n)
・[Pr.409]主軸クラッチOFFアドレス(D15014+150n,D15015+150n)
・[Pr.408]主軸クラッチON前移動量(D15012+150n,D15013+150n),
[Pr.410]主軸クラッチOFF前移動量(D15016+150n,D15017+150n)
・[Pr.413]主軸クラッチON時滑り量(D15020+150n,D15021+150n),
[Pr.414]主軸クラッチOFF時滑り量(D15022+150n,D15023+150n)

(3) [Pr.407]主軸クラッチONアドレス(D15010+150n,D15011+150n)
主軸クラッチのON制御モードにアドレスモードを設定したとき,クラッチをONす
るアドレスを設定します。
参照アドレスが主軸ギア後1サイクル現在値の場合,ここで設定した値は「0~(カ
ム軸1サイクル長-1)」の範囲内に変換して制御します。
例) カム軸1サイクル長が20000[PLS]の場合
「-1000」を設定するとONアドレスは19000[PLS]として制御される。

(4) [Pr.408]主軸クラッチON前移動量(D15012+150n,D15013+150n)
クラッチON制御でON条件が成立してから実際にクラッチがONするまでの参照アド
レスの移動量を符号付きの値で設定します。
・1~2147483647(正の値) :移動方向がアドレス増加方向のとき
・0 :移動量がないとき(ON条件成立と同時にクラッ
チをONする。)
・-2147483648~-1(負の値):移動方向がアドレス減少方向のとき

クラッチON条件成立 ON
(例:[Rq.400]主軸クラッチ指令 OFF
(M11680+10n)ON)
ON
[St.420]主軸クラッチON/OFF
ステータス(M10560+10n) OFF
[Md.400]主軸合成ギア後現在値
(D13600+30n,D13601+30n)
または
[Md.401]主軸ギア後1サイクル現在値 t
(D13602+30n,D13603+30n) [Pr.408]主軸クラッチON前移動量
(D15012+150n,D15013+150n)
クラッチ出力後の移動量 (正の値)

7 - 8
7.同期制御

(5) [Pr.409]主軸クラッチOFFアドレス(D15014+150n,D15015+150n)
主軸クラッチのOFF制御モードにアドレスモードを設定したとき,クラッチをOFF
するアドレスを設定します。
参照アドレスが主軸ギア後1サイクル現在値の場合,ここで設定した値は「0~(カ
ム軸1サイクル長-1)」の範囲内に変換して制御します。
例) カム軸1サイクル長が20000[PLS]の場合
「40060」を設定するとOFFアドレスは60[PLS]として制御される。

(6) [Pr.410]主軸クラッチOFF前移動量(D15016+150n,D15017+150n)
クラッチOFF制御でOFF条件が成立してから実際にクラッチがOFFするまでの参照
アドレスの移動量を符号付きの値で設定します。
・1~2147483647(正の値) :移動方向がアドレス増加方向のとき
・0 :移動量がないとき(OFF条件成立と同時にクラッ
チをOFFする。)
・-2147483648~-1(負の値):移動方向がアドレス減少方向のとき

クラッチOFF条件成立 ON
(例:[Rq.400]主軸クラッチ指令 OFF
(M11680+10n)OFF)
ON
[St.420]主軸クラッチON/OFF
ステータス(M10560+10n) OFF
[Md.400]主軸合成ギア後現在値
(D13600+30n,D13601+30n)
または
[Md.401]主軸ギア後1サイクル現在値 t
(D13602+30n,D13603+30n) [Pr.410]主軸クラッチOFF前移動量
(D15016+150n,D15017+150n)
クラッチ出力後の移動量 (正の値)

(7) [Pr.411]主軸クラッチスムージング方式(D15018+150n)
クラッチON/OFF時のスムージング方式を設定します。
詳細は,「7.3.3項」を参照してください。
・0:ダイレクト·············· 主軸クラッチのスムージングを行いません。
・1:時定数方式(指数) ······ 指定した時定数による指数曲線のスムージング
を行います。
・2:時定数方式(直線) ······ 指定した時定数による直線加減速のスムージン
グを行います。
・3:滑り量方式(指数) ······ 指定した滑り量による指数曲線のスムージング
を行います。
・4:滑り量方式(直線) ······ 指定した滑り量による直線加減速のスムージン
グを行います。

(8) [Pr.412]主軸クラッチスムージング時定数(D15019+150n)
[Pr.411]主軸クラッチスムージング方式(D15018+150n)に時定数方式を設定し
た場合,時定数を設定します。
クラッチON/OFF共通の時定数設定となります。

7 - 9
7.同期制御

(9) [Pr.413]主軸クラッチON時滑り量(D15020+150n,D15021+150n)
[Pr.411]主軸クラッチスムージング方式(D15018+150n)に滑り量方式を設定し
た場合,クラッチONした時の滑り量を設定します。
滑り量は,[Pr.406]主軸クラッチ参照アドレス設定(D15009+150n)で選択した
現在値の単位で設定してください。
設定値が負の値の場合,クラッチON時滑り量を0(ダイレクト)として制御されま
す。

(10) [Pr.414]主軸クラッチOFF時滑り量(D15022+150n,D15023+150n)
[Pr.411]主軸クラッチスムージング方式(D15018+150n)に滑り量方式を設定し
た場合,クラッチOFFした時の滑り量を設定します。
滑り量は,[Pr.406]主軸クラッチ参照アドレス設定(D15009+150n)で選択した
現在値の単位で設定してください。
設定値が負の値の場合,クラッチOFF時滑り量を0(ダイレクト)として制御され
ます。

7 - 10
7.同期制御

7.1.4 主軸クラッチ制御データ

記号 設定項目 設定内容 設定値 取込周期 初期値 デバイス番号


OFF:主軸クラッチ指令OFF
Rq.400 主軸クラッチ指令 クラッチ指令のON/OFFを設定する。 OFF M11680+10n
ON :主軸クラッチ指令ON
主軸クラッチ クラッチ制御を一時的に無効にす OFF:主軸クラッチ制御有効
Rq.401 演算周期 OFF M11681+10n
制御無効指令 る指令を設定する。 ON :主軸クラッチ制御無効
主軸クラッチ クラッチを強制的にOFFする指令を OFF:主軸クラッチ通常制御
Rq.402 OFF M11682+10n
強制OFF指令 設定する。 ON :主軸クラッチ強制OFF

(1) [Rq.400]主軸クラッチ指令(M11680+10n)
主軸クラッチ指令のON/OFFを設定します。クラッチON制御モードが「1:クラッチ
指令ON/OFF」,「2:クラッチ指令立上り」,「3:クラッチ指令立下り」のとき,
クラッチOFF制御モードが「2:クラッチ指令立上り」,「3:クラッチ指令立下り」
のときに使用します。
同期制御開始直前の状態はクラッチ指令OFFとみなされます。クラッチ指令をONに
した状態で同期制御を始動した場合,「2:クラッチ指令立上り」の設定では同期
制御開始直後に条件が成立し,「3:クラッチ指令立下り」の設定では同期制御開
始直後には条件が成立しません。

(2) [Rq.401]主軸クラッチ制御無効指令(M11681+10n)
設定をONにしている間,主軸クラッチ制御が無効になります。クラッチON/OFF状
態はクラッチ制御が無効になる前の状態が維持されます。
ただし,クラッチON前移動中やクラッチOFF前移動中はクラッチ制御が無効になり
ません。クラッチON前移動やクラッチOFF前移動が完了した後にクラッチ制御が無
効になります。

(3) [Rq.402]主軸クラッチ強制OFF指令(M11682+10n)
設定をONすると,クラッチが強制的にOFFになります。クラッチスムージング実行
中でも,即時にクラッチからの出力が0になります。滑り量方式のスムージングが
行われていた場合,累積滑り量は0クリアされます。
クラッチ強制OFF後,設定値をOFFに戻すとクラッチOFF状態から通常のクラッチ制
御を再開できます。

7 - 11
7.同期制御

7.2 補助軸モジュール

7.2.1 補助軸モジュールの概要

補助軸モジュールでは,補助軸から入力値を生成します。また,入力値は補助軸ギ
アによって機械系の減速比や回転方向などを考慮した値に変換できます。
補助軸モジュールの設定の詳細は,「7.2.2項」,「7.2.3項」を参照してください。
主軸入力/変速機

補助軸ギア 補助軸 補助軸


[Pr.420]補助軸ギア分子 合成ギア
クラッチ*
(D15026+150n,D15027+150n)
[Pr.419]補助軸合成ギア
[Pr.421]補助軸ギア分母
(D15025+150n)
(D15028+150n,D15029+150n)

*:7.3節参照

[Md.402]補助軸ギア後1サイクル現在値
(D13604+30n,D13605+30n)
補助軸 変速機/出力軸

[Pr.418]補助軸番号
(D15024+150n)

7.2.2 補助軸パラメータ

記号 設定項目 設定内容 設定値 取込周期 初期値 デバイス番号


0 :無効
1~32 :サーボ入力軸*1 同期制御
Pr.418 補助軸番号 補助軸の入力軸番号を設定する。 0 D15024+150n
201~232:指令生成軸*2 始動時
801~812:同期エンコーダ軸
・16進数で設定する。
H□□□□
主軸入力方法
0:入力なし
主軸と補助軸からの入力値の合成 1:入力+
Pr.419 補助軸合成ギア 2:入力- 演算周期 0001h D15025+150n
方法を選択する。
補助軸入力方法
0:入力なし
1:入力+
2:入力-

D15026+150n
Pr.420 補助軸ギア分子 補助軸ギアの分子を設定する。 -2147483648~2147483647 1
同期制御 D15027+150n
始動時 D15028+150n
Pr.421 補助軸ギア分母 補助軸ギアの分母を設定する。 1~2147483647 1
D15029+150n

*1:Q172DSCPUでは1~16の範囲が有効です。
*2:Q172DSCPUでは201~216の範囲が有効です。

7 - 12
7.同期制御

(1) [Pr.418]補助軸番号(D15024+150n)
補助軸の入力軸番号を設定します。
・0 :無効················ 入力値は常時0となります。
・1~32 :サーボ入力軸 ········ サーボ入力軸(軸1~32)を設定します。
サーボ入力軸がシステム設定で未設定の場合,
入力値は常時0となります。
また,出力軸と同一番号を設定すると重度エ
ラー(エラーコード:1720)となり,同期制
御始動できません。
*:Q172DSCPUでは1~16の範囲が有効です。
・201~232:指令生成軸 ·········· 指令生成軸(軸1~32)を設定します。
指令生成軸が指令生成軸パラメータ設定で無
効の場合,入力値は常時0となります。
また,指令生成軸は指令生成のみを行う軸の
ため,出力軸と同一番号の設定が可能です。
*:Q172DSCPUでは201~216の範囲が有効です。
・801~812:同期エンコーダ軸 ···· 同期エンコーダ軸(軸1~12)を設定します。
同期エンコーダ軸が無効の場合,入力値は常
時0となります。

(2) [Pr.419]補助軸合成ギア(D15025+150n)
主軸と補助軸からの入力値の合成方法を設定します。主軸と補助軸でそれぞれ下
記の値を設定します。
・0:入力なし··················· 入力軸からの入力値を0として合算します。
・1:入力+····················· 入力軸からの入力値をそのまま合算します。
・2:入力-····················· 入力軸からの入力値の符号を反転して合算し
ます。
0~2以外を設定した場合,「0:入力なし」で動作します。

ポイント
補助軸合成ギアの合成方法は同期制御中に変更可能です。クラッチのように主軸と
補助軸の入力値を切り換える用途でも使用できます。

(3) [Pr.420]補助軸ギア分子(D15026+150n,D15027+150n),[Pr.421]補助軸ギア
分母(D15028+150n,D15029+150n)
補助軸ギアで入力値変換をする時の分子,分母の値を設定します。下記のように
入力値は変換されます。

補助軸ギア分子
変換後の入力値=変換前の入力値×
補助軸ギア分母

補助軸ギア分子の設定値に負の値を設定すると,入力値を逆転することができま
す。
補助軸ギア分母は「1~2147483647」の範囲で設定してください。

7 - 13
7.同期制御

7.2.3 補助軸クラッチパラメータ

記号 設定項目 設定内容 設定値 取込周期 初期値 デバイス番号


・16進数で設定する。
H□□□□
ON制御モード
0:クラッチなし
1:クラッチ指令
ON/OFF
2:クラッチ指令
立上り
3:クラッチ指令
立下り
4:アドレスモード
5:高速入力要求
補助軸クラッチ
Pr.422 クラッチ制御方法を設定する。 OFF制御モード 演算周期 0000h D15030+150n
制御設定 0:OFF制御無効
1:ワンショットOFF
2:クラッチ指令
立上り
3:クラッチ指令
立下り
4:アドレスモード
5:高速入力要求
高速入力要求信号
00~1F:信号1~32
の高速入力
要求信号

補助軸クラッチ
クラッチの参照アドレスを設定す 0:補助軸現在値 同期制御
Pr.423 参照アドレス 0 D15031+150n
る。 1:補助軸ギア後1サイクル現在値 始動時
設定
・アドレスモード時のクラッチを
ONするアドレスを設定する。
(アドレスモード時以外,設定は
-2147483648~2147483647
補助軸クラッチ 無効。) D15032+150n
Pr.424 [補助入力軸位置単位*1,またはカ 演算周期 0
ONアドレス ・「0~(カム軸1サイクル長-1)」 D15033+150n
ム軸サイクル単位*2]
以外の場合,「0~(カム軸1サイ
クル長-1)」の範囲に換算して
制御します。
・クラッチON条件が成立してから
実際にクラッチをONするまでの
-2147483648~2147483647 クラッチ
補助軸クラッチ 移動量を設定する。 D15034+150n
Pr.425 [補助入力軸位置単位*1,またはカ ON条件 0
ON前移動量 ・増加方向への移動の場合は正の D15035+150n
ム軸サイクル単位*2] 成立時
値,減少方向への移動の場合は
負の値を設定する。
・アドレスモード時のクラッチを
OFFするアドレスを設定する。
(アドレスモード時以外の設定
-2147483648~2147483647
補助軸クラッチ は無効。) D15036+150n
Pr.426 [補助入力軸位置単位*1,またはカ 演算周期 0
OFFアドレス ・「0~(カム軸1サイクル長-1)」 D15037+150n
ム軸サイクル単位*2]
以外の場合,「0~(カム軸1サイ
クル長-1)」の範囲に換算して
制御します。

*1:補助軸位置単位(第5章参照)
*2:カム軸サイクル単位(7.5.1項参照)

7 - 14
7.同期制御

記号 設定項目 設定内容 設定値 取込周期 初期値 デバイス番号


・クラッチOFF条件が成立してから
実際にクラッチをOFFするまで
-2147483648~2147483647 クラッチ
補助軸クラッチ の移動量を設定する。 D15038+150n
Pr.427 [補助入力軸位置単位*1,またはカ OFF条件 0
OFF前移動量 ・増加方向への移動の場合は正の D15039+150n
ム軸サイクル単位*2] 成立時
値,減少方向への移動の場合は
負の値を設定する。
0:ダイレクト
補助軸クラッチ 1:時定数方式(指数)
クラッチのスムージング方式を設
Pr.428 スムージング 2:時定数方式(直線) 0 D15040+150n
定する。
方式 3:滑り量方式(指数) 同期制御
4:滑り量方式(直線) 始動時
補助軸クラッチ 時定数方式のスムージングの場
Pr.429 スムージング 合,スムージング時定数を設定す 0~5000[ms] 0[ms] D15041+150n
時定数 る。
滑り量方式のスムージングの場 0~2147483647
補助軸クラッチ *1 クラッチ D15042+150n
Pr.430 合,クラッチON時の滑り量を設定 [補助入力軸位置単位 ,またはカ 0
ON時滑り量 *2 ON開始時 D15043+150n
する。 ム軸サイクル単位 ]
滑り量方式のスムージングの場 0~2147483647
補助軸クラッチ *1 クラッチ D15044+150n
Pr.431 合,クラッチOFF時の滑り量を設定 [補助入力軸位置単位 ,またはカ 0
OFF時滑り量 OFF開始時 D15045+150n
する。 ム軸サイクル単位*2]

*1:補助軸位置単位(第5章参照)
*2:カム軸サイクル単位(7.5.1項参照)

7 - 15
7.同期制御

(1) [Pr.422]補助軸クラッチ制御設定(D15030+150n)
補助軸クラッチのON制御方法およびOFF制御方法を個別に設定します。
なお,クラッチ制御設定は同期制御中にも変更できますが,クラッチなし(直結
動作)以外の設定からクラッチなし(直結動作)へ変更することはできません。
クラッチ制御の詳細は,「7.3.2項」を参照してください。
(a) ON制御モード
・0:クラッチなし(直結動作)··· クラッチ制御を行わない直結動作とな
ります。
・1:クラッチ指令ON/OFF········· [Rq.403]補助軸クラッチ指令(M11684+
10n)のON/OFFでクラッチをON/OFFしま
す。 (クラッチ指令ON/OFFモードではOFF
制御モードの設定は参照されません。)
・2:クラッチ指令立上り········· [Rq.403]補助軸クラッチ指令(M11684+
10n)の立上り(OFF→ON)でクラッチを
ONします。
・3:クラッチ指令立下り········· [Rq.403]補助軸クラッチ指令(M11684+
10n)の立下り(ON→OFF)でクラッチを
ONします。
・4:アドレスモード············· 参照アドレス(補助軸現在値または補助
軸ギア後1サイクル現在値)が[Pr.424]
補助軸クラッチONアドレス(D15032+
150n,D15033+150n)と一致したときに
クラッチをONします。
参照アドレスがONアドレスを通過する
とき,クラッチ出力移動量としてONアド
レス通過後の移動量が出力されるため,
正確な移動量でクラッチ制御を行いま
す。
・5:高速入力要求··············· 高速入力要求(DI/DOG/TREN)がONしたと
きにクラッチをONします。

ポイント
ON制御モードを「0:クラッチなし(直結動作)」に設定すると直結動作となるた
め,他のクラッチパラメータ設定は参照されません。また,直結動作時は[Cd.405]
補助軸クラッチ強制OFF指令(M11686+10n)やクラッチ制御設定の変更は無視され
ます。

7 - 16
7.同期制御

(b) OFF制御モード
・0:OFF制御無効················ クラッチOFF制御を行いません。クラッ
チON制御のみを行う場合に設定してく
ださい。
・1:ワンショットOFF············ クラッチ指令のOFF→ON後,[Pr.427]補
助軸クラッチOFF 前移動量(D15038 +
150n,D15039+150n)の設定値を移動し
てクラッチをOFFします。(ワンショッ
ト動作)
[Pr.427] 補助 軸クラ ッチ OFF 前移 動量
(D15038+150n,D15039+150n)が0の場
合は,[St.423]補助軸クラッチON/OFFス
テータス(M10562+10n)はONせず,即
座にクラッチOFF状態に戻ります。
・2:クラッチ指令立上り········· [Rq.403]補助軸クラッチ指令(M11684+
10n)の立上り(OFF→ON)でクラッチを
OFFします。
・3:クラッチ指令立下り········· [Rq.403]補助軸クラッチ指令(M11684+
10n)の立下り(ON→OFF)でクラッチを
OFFします。
・4:アドレスモード············· 参照アドレス(補助軸現在値または補助
軸ギア後1サイクル現在値)が[Pr.426]
補助軸クラッチOFFアドレス(D15036+
150n,D15037+150n)と一致した時にク
ラッチをOFFします。
参照アドレスがOFFアドレスを通過する
とき,クラッチ出力移動量としてOFFア
ドレス通過前までの移動量が出力され,
正確な移動量でクラッチ制御を行いま
す。
・5:高速入力要求··············· 高速入力要求(DI/DOG/TREN)がONした時
にクラッチをOFFします。

(c) 高速入力要求信号
「(a) ON制御モード」,「(b) OFF制御モード」で「5:高速入力要求」を選択
した時の高速入力要求信号の番号を設定します。
設定値 設定値 設定値 設定値
信号No. 信号No. 信号No. 信号No.
(16進数) (16進数) (16進数) (16進数)
1 00 9 08 17 10 25 18
2 01 10 09 18 11 26 19
3 02 11 0A 19 12 27 1A
4 03 12 0B 20 13 28 1B
5 04 13 0C 21 14 29 1C
6 05 14 0D 22 15 30 1D
7 06 15 0E 23 16 31 1E
8 07 16 0F 24 17 32 1F

7 - 17
7.同期制御

(2) [Pr.423]補助軸クラッチ参照アドレス設定(D15031+150n)
クラッチ制御時に参照するアドレスを選択します。
・0:補助軸現在値··················補助軸に設定したサーボ入力軸/指令生
成軸/同期エンコーダ軸の現在値を参照
してクラッチ制御します。
クラッチ制御後の移動量を補助軸ギアで
変換して出力します。
・1:補助軸ギア後1サイクル現在値 ···補助軸ギア後1サイクル現在値を参照して
クラッチ制御します。
クラッチ制御後の移動量をそのまま出力
します。
下記パラメータの設定単位は,設定した参照アドレスの単位となります。
・[Pr.424]補助軸クラッチONアドレス(D15032+150n,D15033+150n)
・[Pr.426]補助軸クラッチOFFアドレス(D15036+150n,D15037+150n)
・[Pr.425]補助軸クラッチON前移動量(D15034+150n,D15035+150n),
[Pr.427]補助軸クラッチOFF前移動量(D15038+150n,D15039+150n)
・[Pr.430]補助軸クラッチON時滑り量(D15042+150n,D15043+150n),
[Pr.431]補助軸クラッチOFF時滑り量(D15044+150n,D15045+150n)

(3) [Pr.424]補助軸クラッチONアドレス(D15032+150n,D15033+150n)
補助軸クラッチのON制御モードにアドレスモードを設定したとき,クラッチをON
するアドレスを設定します。
参照アドレスが補助軸ギア後1サイクル現在値の場合,ここで設定した値は「0~
(カム軸1サイクル長-1)」の範囲内に変換して制御します。
例) カム軸1サイクル長が20000[PLS]の場合
「-1000」を設定するとONアドレスは19000[PLS]として制御される。

(4) [Pr.425]補助軸クラッチON前移動量(D15034+150n,D15035+150n)
クラッチON制御でON条件が成立してから実際にクラッチがONするまでの参照アド
レスの移動量を符号付きの値で設定します。
・1~2147483647(正の値) :移動方向がアドレス増加方向のとき
・0 :移動量がないとき(ON条件成立と同時にクラッ
チをONする。)
・-2147483648~-1(負の値):移動方向がアドレス減少方向のとき

クラッチON条件成立 ON
(例:[Rq.403]補助軸クラッチ指令 OFF
(M11684+10n)ON)
ON
[St.423]補助軸クラッチON/OFF
ステータス(M10562+10n) OFF

補助軸現在値,または
[Md.402]補助軸ギア後1サイクル現在値
(D13604+30n,D13605+30n) t
[Pr.425]補助軸クラッチON前移動量
(D15034+150n,D15035+150n)
クラッチ出力後の移動量 (正の値)

7 - 18
7.同期制御

(5) [Pr.426]補助軸クラッチOFFアドレス(D15036+150n,D15037+150n)
補助軸クラッチのOFF制御モードにアドレスモードを設定したとき,クラッチを
OFFするアドレスを設定します。
参照アドレスが補助軸ギア後1サイクル現在値の場合,ここで設定した値は「0~
(カム軸1サイクル長-1)」の範囲内に変換して制御します。
例) カム軸1サイクル長が20000[PLS]の場合
「40060」を設定するとOFFアドレスは60[PLS]として制御される。

(6) [Pr.427]補助軸クラッチOFF前移動量(D15038+150n,D15039+150n)
クラッチOFF制御でOFF条件が成立してから実際にクラッチがOFFするまでの参照
アドレスの移動量を符号付きの値で設定します。
・1~2147483647(正の値) :移動方向がアドレス増加方向のとき
・0 :移動量がないとき(OFF条件成立と同時にク
ラッチをOFFする。)
・-2147483648~-1(負の値):移動方向がアドレス減少方向のとき

クラッチOFF条件成立 ON
(例:[Rq.403]補助軸クラッチ指令 OFF
(M11684+10n)OFF)
ON
[St.423]補助クラッチON/OFF
ステータス(M10562+10n) OFF

補助軸現在値,または
[Md.402]補助軸ギア後1サイクル現在値
(D13604+30n,D13605+30n) t
[Pr.427]補助軸クラッチOFF前移動量
(D15038+150n,D15039+150n)
クラッチ出力後の移動量 (正の値)

(7) [Pr.428]補助軸クラッチスムージング方式(D15040+150n)
クラッチON/OFF時のスムージング方式を設定します。
詳細は,「7.3.3項」を参照してください。
・0:ダイレクト·············· 補助軸クラッチのスムージングを行いません。
・1:時定数方式(指数) ······ 指定した時定数による指数曲線のスムージング
を行います。
・2:時定数方式(直線) ······ 指定した時定数による直線加減速のスムージン
グを行います。
・3:滑り量方式(指数) ······ 指定した滑り量による指数曲線のスムージング
を行います。
・4:滑り量方式(直線) ······ 指定した滑り量による直線加減速のスムージン
グを行います。

(8) [Pr.429]補助軸クラッチスムージング時定数(D15041+150n)
[Pr.428]補助軸クラッチスムージング方式(D15040+150n)に時定数方式を設定
した場合,時定数を設定します。
クラッチON/OFF共通の時定数設定となります。

7 - 19
7.同期制御

(9) [Pr.430]補助軸クラッチON時滑り量(D15042+150n,D15043+150n)
[Pr.428]補助軸クラッチスムージング方式(D15040+150n)に滑り量方式を設定
した場合,クラッチONした時の滑り量を設定します。
滑り量は,[Pr.423]補助軸クラッチ参照アドレス設定(D15031+150n)で選択し
た現在値の単位で設定してください。
設定値が負の値の場合,クラッチON時滑り量を0(ダイレクト)として制御されま
す。

(10) [Pr.431]補助軸クラッチOFF時滑り量(D15044+150n,D15045+150n)
[Pr.428]補助軸クラッチスムージング方式(D15040+150n)に滑り量方式を設定
した場合,クラッチOFFした時の滑り量を設定します。
滑り量は,[Pr.423]補助軸クラッチ参照アドレス設定(D15031+150n)で選択し
た現在値の単位で設定してください。
設定値が負の値の場合,クラッチOFF時滑り量を0(ダイレクト)として制御され
ます。

7 - 20
7.同期制御

7.2.4 補助軸クラッチ制御データ

記号 設定項目 設定内容 設定値 取込周期 初期値 デバイス番号


OFF:補助軸クラッチ指令OFF
Rq.403 補助軸クラッチ指令 クラッチ指令のON/OFFを設定する。 OFF M11684+10n
ON :補助軸クラッチ指令ON
補助軸クラッチ クラッチ制御を一時的に無効にす OFF:補助軸クラッチ制御有効
Rq.404 演算周期 OFF M11685+10n
制御無効指令 る指令を設定する。 ON :補助軸クラッチ制御無効
補助軸クラッチ クラッチを強制的にOFFする指令を OFF:補助軸クラッチ通常制御
Rq.405 OFF M11686+10n
強制OFF指令 設定する。 ON :補助軸クラッチ強制OFF

(1) [Rq.403]補助軸クラッチ指令(M11684+10n)
補助軸クラッチ指令のON/OFFを設定します。クラッチON制御モードが「1:クラッ
チ指令ON/OFF」,「2:クラッチ指令立上り」,「3:クラッチ指令立下り」のと
き,クラッチOFF制御モードが「2:クラッチ指令立上り」,「3:クラッチ指令立
下り」のときに使用します。
同期制御開始直前の状態はクラッチ指令OFFとみなされます。クラッチ指令をONに
した状態で同期制御を始動した場合,「2:クラッチ指令立上り」の設定では同期
制御開始直後に条件が成立し,「3:クラッチ指令立下り」の設定では同期制御開
始直後には条件が成立しません。

(2) [Rq.404]補助軸クラッチ制御無効指令(M11685+10n)
設定をONにしている間,補助軸クラッチ制御が無効になります。クラッチON/OFF
状態はクラッチ制御が無効になる前の状態が維持されます。
ただし,クラッチON前移動中やクラッチOFF前移動中はクラッチ制御が無効になり
ません。クラッチON前移動やクラッチOFF前移動が完了した後にクラッチ制御が無
効になります。

(3) [Rq.405]補助軸クラッチ強制OFF指令(M11686+10n)
設定をONすると,クラッチが強制的にOFFになります。クラッチスムージング実行
中でも,即時にクラッチからの出力が0になります。滑り量方式のスムージングが
行われていた場合,累積滑り量は0クリアされます。
クラッチ強制OFF後,設定値をOFFに戻すとクラッチOFF状態から通常のクラッチ制
御を再開できます。

7 - 21
7.同期制御

7.3 クラッチ

7.3.1 クラッチの概要

クラッチは,ON/OFFを行うことにより,主軸入力/補助軸入力からの指令パルスを
出力軸モジュール側へ伝達/切離しを行い,サーボモータの運転/停止を制御する場
合に使用します。
クラッチは,主軸モジュールと補助軸モジュールそれぞれ設定できます。

7.3.2 クラッチの制御方法

クラッチをON/OFFする制御方法は,[Pr.405]主軸クラッチ制御設定(D15008+150n),
[Pr.422]補助軸クラッチ制御設定(D15030+150n),でON制御およびOFF制御を個別に
設定します。
なお,クラッチ制御設定は同期制御中にも変更できますが,クラッチなし(直結動
作)以外の設定からクラッチなし(直結動作)へ変更することはできません。
設定項目
項 目 設定内容 設定値
主軸クラッチ 補助軸クラッチ
・16進数で設定する。
H□□□□
ON制御モード
0:クラッチなし
1:クラッチ指令ON/OFF
2:クラッチ指令立上り
3:クラッチ指令立下り
4:アドレスモード
[Pr.405] [Pr.422] 5:高速入力要求
クラッチ制御 クラッチ制御方法を設
主軸クラッチ制御設定 補助軸クラッチ制御設定 OFF制御モード
設定 定する。 0:OFF制御無効
(D15008+150n) (D15030+150n)
1:ワンショットOFF
2:クラッチ指令立上り
3:クラッチ指令立下り
4:アドレスモード
5:高速入力要求
高速入力要求信号
00~1F:信号1~32の
高速入力要求信号

また,クラッチON条件とクラッチOFF条件が1演算周期内に同時に成立した場合,1演
算周期内でクラッチON処理とクラッチOFF処理が実施されます。このため,クラッチOFF
状態のときは「クラッチOFF→ON→OFF」となり,クラッチON状態のときは「クラッチ
ON→OFF→ON」となります。

次ページに,ON制御モードとOFF制御モードの設定によるクラッチON/OFFの動作を説
明します。

7 - 22
7.同期制御

(1) ON制御モード
(a) クラッチなし(直結動作)
クラッチ制御を行わない直結動作となります。

ポイント
ON制御モードを「0:クラッチなし(直結動作)」に設定すると直結動作となるた
め,他のクラッチパラメータ設定は参照されません。また,直結動作時は,「クラッ
チ強制OFF指令」やクラッチ制御設定の変更は無視されます。

(b) クラッチ指令ON/OFF
「クラッチ指令」のON/OFFでクラッチをON/OFFします。
(クラッチ指令ON/OFFモードではOFF制御モードの設定は参照されません。)

ON
クラッチ指令 OFF
ON
クラッチON/OFFステータス OFF

クラッチ入力前現在値
t

クラッチ出力後の移動量
t

項 目 主軸クラッチ 補助軸クラッチ
[Rq.400]主軸クラッチ指令 [Rq.403]補助軸クラッチ指令
クラッチ指令
(M11680+10n) (M11684+10n)
クラッチON/OFF [St.420]主軸クラッチON/OFFステータス [St.423]補助軸クラッチON/OFFステータス
ステータス (M10560+10n) (M10562+10n)

(c) クラッチ指令立上り
「クラッチ指令」の立上り(OFF→ON)でクラッチをONします。

ON
クラッチ指令 OFF
ON
クラッチON/OFFステータス OFF

クラッチ入力前現在値
t

クラッチ出力後の移動量
t

7 - 23
7.同期制御

(d) クラッチ指令立下り
「クラッチ指令」の立下り(ON→OFF)でクラッチをONします。

ON
クラッチ指令 OFF
ON
クラッチON/OFFステータス OFF

クラッチ入力前現在値
t

クラッチ出力後の移動量
t

(e) アドレスモード
「参照アドレス」が「クラッチONアドレス」と一致した時にクラッチをONしま
す。
参照アドレスがONアドレスを通過するとき,クラッチ出力移動量としてONア
ドレス通過後の移動量が出力され,正確な移動量でクラッチ制御を行います。

ON
クラッチON/OFFステータス OFF
クラッチONアドレス
クラッチ参照アドレス設定
で指定した現在値 t

クラッチ出力後の移動量
t

項 目 主軸クラッチ 補助軸クラッチ
[Pr.406]主軸クラッチ参照アドレス設定 [Pr.423]補助軸クラッチ参照アドレス設定
(D15009+150n)で指定した現在値 (D15031+150n)で指定した現在値
([Md.400]主軸合成ギア後現在値(D13600(補助軸現在値(サーボ入力軸現在値/同期
参照アドレス
+30n,D13601+30n),または[Md.401]主 エンコーダ軸現在値),または[Md.402]補助
軸ギア後1サイクル現在値(D13602+30n, 軸ギア後1サイクル現在値(D13604+30n,
D13603+30n)) D13605+30n))
クラッチON [Pr.407]主軸クラッチONアドレス [Pr.424]補助軸クラッチONアドレス
アドレス (D15010+150n,D15011+150n) (D15032+150n,D15033+150n)
クラッチON/OFF [St.420]主軸クラッチON/OFFステータス [St.423]補助軸クラッチON/OFFステータス
ステータス (M10560+10n) (M10562+10n)

7 - 24
7.同期制御

(f) 高速入力要求
高速入力要求(DI/DOG/TREN)がONしたときにクラッチをONします。
高速入力要求を使用する場合は,以下を設定してください。
・クラッチ制御設定の「高速入力要求信号」に高速入力要求信号の番号を設
定する。
・システム設定の高速入力要求信号設定で,使用する入力信号の設定を行う。

ON
高速入力要求(DI/DOG/TREN) OFF
ON
クラッチON/OFFステータス OFF

クラッチ入力前現在値
t

クラッチ出力後の移動量
t

7 - 25
7.同期制御

(2) OFF制御モード
(a) OFF制御無効
クラッチOFF制御を行いません。クラッチON制御のみを行う場合に設定してく
ださい。

(b) ワンショットOFF
「クラッチ指令」のOFF→ON後,「クラッチOFF前移動量」の設定値を移動して
クラッチをOFFします。(ワンショット動作)
「クラッチOFF前移動量」が0の場合は,「クラッチON/OFFステータス」はONせ
ず,即座にクラッチOFF状態に戻ります。

ON
クラッチ指令 OFF
ON
クラッチON/OFFステータス OFF

クラッチ入力前現在値
t
クラッチOFF前移動量
クラッチ出力後の移動量
t

項 目 主軸クラッチ 補助軸クラッチ
[Rq.400]主軸クラッチ指令 [Rq.403]補助軸クラッチ指令
クラッチ指令
(M11680+10n) (M11684+10n)
クラッチON/OFF [St.420]主軸クラッチON/OFFステータス [St.423]補助軸クラッチON/OFFステータス
ステータス (M10560+10n) (M10562+10n)
クラッチOFF前 [Pr.410]主軸クラッチOFF前移動量 [Pr.427]補助軸クラッチOFF前移動量
移動量 (D15016+150n,D15017+150n) (D15038+150n,D15039+150n)

(c) クラッチ指令立上り
「クラッチ指令」の立上り(OFF→ON)でクラッチをOFFします。

ON
クラッチ指令 OFF
ON
クラッチON/OFFステータス OFF

クラッチ入力前現在値
t

クラッチ出力後の移動量
t

7 - 26
7.同期制御

(d) クラッチ指令立下り
「クラッチ指令」の立下り(ON→OFF)でクラッチをOFFします。

ON
クラッチ指令 OFF
ON
クラッチON/OFFステータス OFF

クラッチ入力前現在値
t

クラッチ出力後の移動量
t

(e) アドレスモード
「参照アドレス」が「クラッチOFFアドレス」と一致した時にクラッチをOFFし
ます。
参照アドレスがOFFアドレスを通過するとき,クラッチ出力移動量としてOFF
アドレス通過前までの移動量が出力され,正確な移動量でクラッチ制御を行
います。

ON
クラッチON/OFFステータス OFF
クラッチOFFアドレス
クラッチ参照アドレス設定
で指定した現在値 t

クラッチ出力後の移動量
t

項 目 主軸クラッチ 補助軸クラッチ
[Pr.406]主軸クラッチ参照アドレス設定 [Pr.423]補助軸クラッチ参照アドレス設定
(D15009+150n)で指定した現在値 (D15031+150n)で指定した現在値
([Md.400]主軸合成ギア後現在値(D13600(補助軸現在値(サーボ入力軸現在値/同期
参照アドレス
+30n,D13601+30n),または[Md.401]主 エンコーダ軸現在値),または[Md.402]補助
軸ギア後1サイクル現在値(D13602+30n, 軸ギア後1サイクル現在値(D13604+30n,
D13603+30n)) D13605+30n))
クラッチOFF [Pr.409]主軸クラッチOFFアドレス [Pr.426]補助軸クラッチOFFアドレス
アドレス (D15014+150n,D15015+150n) (D15036+150n,D15037+150n)
クラッチON/OFF [St.420]主軸クラッチON/OFFステータス [St.423]補助軸クラッチON/OFFステータス
ステータス (M10560+10n) (M10562+10n)

7 - 27
7.同期制御

(f) 高速入力要求
高速入力要求(DI/DOG/TREN)がONした時にクラッチをOFFします。
高速入力要求を使用する場合は,以下を設定してください。
・クラッチ制御設定の「高速入力要求信号」に高速入力要求信号の番号を設
定する。
・システム設定の高速入力要求信号設定で,使用する入力信号の設定を行う。

ON
高速入力要求(DI/DOG/TREN) OFF
ON
クラッチON/OFFステータス OFF

クラッチ入力前現在値
t

クラッチ出力後の移動量
t

7 - 28
7.同期制御

7.3.3 クラッチのスムージング方式

「クラッチスムージング方式」は,[Pr.411]主軸クラッチスムージング方式(D15018
+150n),[Pr.428]補助軸クラッチスムージング方式(D15040+150n)で設定します。
クラッチのスムージングは,以下の2種類の方式があります。
・時定数方式スムージング
・滑り量方式スムージング
クラッチのスムージングを行わない場合は,「クラッチスムージング方式」に「0:
ダイレクト」を設定してください。
設定項目
項 目 設定内容 設定値
主軸クラッチ 補助軸クラッチ
0:ダイレクト
[Pr.411] [Pr.428]
1:時定数方式(指数)
クラッチ 主軸クラッチ 補助軸クラッチ クラッチのスムージング
2:時定数方式(直線)
スムージング方式 スムージング方式 スムージング方式 方式を設定する。
3:滑り量方式(指数)
(D15018+150n) (D15040+150n)
4:滑り量方式(直線)

以下に,各スムージング方式の動作を説明します。

(1) 時定数方式スムージング
クラッチON/OFF時に「スムージング時定数」に設定した時定数でスムージングを
行います。クラッチONスムージング完了後も入力値の速度変化があった場合は,
時定数でスムージングされます。
クラッチONからOFFの間に移動した移動量は,下記のようにクラッチスムージング
後でも変化しません。

クラッチスムージング後の移動量=クラッチスムージング前の移動量

設定項目
項 目 設定内容 設定値
主軸クラッチ 補助軸クラッチ
[Pr.412] [Pr.429]
クラッチ 時定数方式のスムージン
主軸クラッチ 補助軸クラッチ
スムージング グの場合,スムージング時 0~5000[ms]
スムージング時定数 スムージング時定数
時定数 定数を設定する。
(D15019+150n) (D15041+150n)

7 - 29
7.同期制御

(a) 時定数方式指数曲線スムージング
「クラッチスムージング方式」に「1:時定数方式(指数)」を設定します。

ON
クラッチON/OFFステータス OFF
ON
クラッチスムージング
OFF
ステータス

クラッチ処理前の速度
t
63%
クラッチスムージング後の
速度 63%
t

クラッチスムージング時定数

項 目 主軸クラッチ 補助軸クラッチ
クラッチON/OFF [St.420]主軸クラッチON/OFFステータス [St.423]補助軸クラッチON/OFFステータス
ステータス (M10560+10n) (M10562+10n)
クラッチ
[St.421]主軸クラッチスムージング [St.424]補助軸クラッチスムージング
スムージング
ステータス(M10561+10n) ステータス(M10563+10n)
ステータス

(b) 時定数方式直線加減速スムージング
「クラッチスムージング方式」に「2:時定数方式(直線)」を設定します。

ON
クラッチON/OFFステータス OFF
ON
クラッチスムージング
OFF
ステータス

クラッチ処理前の速度
t

クラッチスムージング後の
速度 t

クラッチスムージング時定数

7 - 30
7.同期制御

(2) 滑り量方式スムージング
クラッチON時に「クラッチON時滑り量」でスムージングを行い,クラッチOFF時に
「クラッチOFF時滑り量」でスムージングを行います。
クラッチへの入力速度が変わっても設定した滑り量でスムージングされるので,
速度の変化に影響されずクラッチON/OFF位置の制御が可能です。
クラッチONスムージング完了後はダイレクト動作になります。
クラッチONからOFFの間に移動した移動量は,クラッチスムージング後に下記のよ
うになります。

クラッチスムージング クラッチスムージング
= +(OFF時滑り量-ON時滑り量)
後の移動量 前の移動量

設定項目
項 目 設定内容 設定値
主軸クラッチ 補助軸クラッチ
[Pr.413]主軸クラッチ [Pr.430]補助軸クラッチ
滑り量方式のスムージン
クラッチON時 ON時滑り量 ON時滑り量
グの場合,クラッチON時の
滑り量 (D15020+150n,D15021+ (D15042+150n,D15043+ 0~2147483647
滑り量を設定する。
150n) 150n) [メイン入力軸位置単位*1
[Pr.414]主軸クラッチ [Pr.431]補助軸クラッチ /補助軸位置単位*2,または
滑り量方式のスムージン
クラッチOFF時 OFF時滑り量 OFF時滑り量 カム軸サイクル単位*3]
グの場合,クラッチOFF時
滑り量 (D15022+150n,D15023+ (D15044+150n,D15045+
の滑り量を設定する。
150n) 150n)

*1:メイン入力軸位置単位(第5章参照)
*2:補助軸位置単位(第5章参照)
*3:カム軸サイクル単位(7.5.1項参照)

(a) 滑り量方式指数曲線スムージング
「クラッチスムージング方式」に「3:滑り量方式(指数)」を設定します。

ON
クラッチON/OFFステータス OFF
ON
クラッチスムージング
OFF
ステータス

クラッチ処理前の速度
t

クラッチスムージング後の
速度 t

クラッチON時滑り量 クラッチOFF時滑り量

項 目 主軸クラッチ 補助軸クラッチ
クラッチON/OFF [St.420]主軸クラッチON/OFFステータス [St.423]補助軸クラッチON/OFFステータス
ステータス (M10560+10n) (M10562+10n)
クラッチ
[St.421]主軸クラッチスムージング [St.424]補助軸クラッチスムージング
スムージング
ステータス(M10561+10n) ステータス(M10563+10n)
ステータス

7 - 31
7.同期制御

(b) 滑り量方式直線加減速スムージング
「クラッチスムージング方式」に「4:滑り量方式(直線)」を設定します。

ON
クラッチON/OFFステータス OFF
ON
クラッチスムージング
OFF
ステータス

クラッチ処理前の速度
t

クラッチスムージング後の
速度 t

クラッチON時滑り量 クラッチOFF時滑り量

(c) 滑り量方式スムージング中の入力速度減少時の動作
クラッチ処理前の速度が減少すると,クラッチスムージング後の速度はク
ラッチ処理前の速度を超えないように制御されます。
クラッチ処理前の速度が0になったときに滑り量が残っている場合は,スムー
ジング処理を継続し,再度,クラッチ処理前の速度がクラッチスムージング
後の速度より大きくなったときに残りの滑り量でクラッチスムージング処理
が実施されます。

ON
クラッチON/OFFステータス OFF
ON
クラッチスムージング
OFF
ステータス

クラッチ処理前の速度
t
クラッチOFF時
クラッチスムージング後の 滑り量
速度 t

クラッチON時滑り量 クラッチ処理前 クラッチ処理前の速度が


の速度を超えな 増加したため,残りの
いように減速 クラッチOFF時滑り量を
出力

7 - 32
7.同期制御

7.3.4 クラッチの使用例

以下のような装置で,センサ入力を同期開始とする走行切断システムをクラッチで
制御する例を示します。
センサ入力
(高速入力要求(DI)) 主軸ギア

M 主軸メイン 主軸
(同期エンコーダ軸) クラッチ
100mm 出力軸

同期エンコーダ
待機位置 出力軸
センサ位置 (直線カム)

主軸クラッチの設定項目 設定値
[Pr.405]主軸クラッチ ON制御モード 5:高速入力要求
制御設定 OFF制御モード 1:ワンショットOFF
(D15008+150n) 高速入力信号 (センサ入力に使用する高速入力信号の番号を指定)
[Pr.406]主軸クラッチ参照アドレス設定
0:主軸合成ギア後現在値
(D15009+150n)
[Pr.408]主軸クラッチON前移動量
0[mm]
(D15012+150n,D15013+150n)
[Pr.410]主軸クラッチOFF前移動量
380[mm]
(D15016+150n,D15017+150n)
[Pr.411]主軸クラッチスムージング方式
4:滑り量方式(直線)
(D15018+150n)
[Pr.413]主軸クラッチON時滑り量
100[mm](センサと待機位置の距離)
(D15020+150n,D15021+150n)
[Pr.414]主軸クラッチOFF時滑り量
20[mm]
(D15022+150n,D15023+150n)

同期エンコーダ軸と出力軸が同期中
ON
高速入力要求(DI) OFF
ON
クラッチスムージング
OFF
ステータス
ON
クラッチON/OFFステータス OFF

同期エンコーダ軸速度
t
切断…クラッチスムージング完了後に切断
出力軸の総移動量
出力軸速度 …380mm+(20mm-100mm)=300mm
t
同期制御を終了して位置決め
クラッチON時滑り量 クラッチOFF時滑り量 制御で待機位置に戻す。
…センサと待機位置 …早く止めるために (同期制御のまま,補助軸など
の距離(100mm) 20mmとする。 で戻しても良い。)

7 - 33
7.同期制御

7.4 変速機モジュール

7.4.1 変速機モジュールの概要

変速機モジュールは主軸/補助軸/補助軸合成ギアからの入力速度を運転中に変更
する場合に使用します。変速機モジュールを使用しない場合は,[Pr.434]変速機1配置
(D15046+150n)と[Pr.490]変速機2配置(D15052+150n)に「0:変速機なし」を設定
してください。
変速機モジュールによる速度変化時,変速機スムージング時定数で指定した時間で
の直線加減速動作となります。

【変速機の配置】
「主軸側」,「補助軸側」,
主軸
「補助軸合成ギア後」の
入力値 クラッチ
いずれか2箇所に配置できます。
[Pr.434]変速機1配置(D15046+150n)
[Pr.435]変速機1スムージング時定数 変速機
(D15047+150n) 変速機 補助軸 変速機
[Pr.436]変速比1分子 クラッチ
(D15048+150n,D15049+150n) 補助軸
[Pr.437]変速比1分母 合成ギア
(D15050+150n,D15051+150n)
[Pr.490]変速機2配置(D15052+150n)
変速機
[Pr.491]変速機2スムージング時定数
(D15053+150n)
出力値
[Pr.492]変速比2分子
(D15054+150n,D15055+150n)
カム
[Pr.493]変速比2分母
出力軸
(D15056+150n,D15057+150n)

変速前の入力値速度

t
[Pr.436]変速比1分子
(D15048+150n,D15049+150n)
100000 50000 -50000
[Pr.492]変速比2分子
(D15054+150n,D15055+150n)
[Pr.437]変速比1分母
(D15050+150n,D15051+150n)
100000 100000 100000
[Pr.493]変速比2分母
(D15056+150n,D15057+150n)
変速後の入力値速度

[Pr.435]変速機1スムージング時定数 [Pr.435]変速機1スムージング時定数
(D15047+150n) (D15047+150n)
[Pr.491]変速機2スムージング時定数 [Pr.491]変速機2スムージング時定数
(D15053+150n) (D15053+150n)

7 - 34
7.同期制御

7.4.2 変速機パラメータ

記号 設定項目 設定内容 設定値 取込周期 初期値 デバイス番号


0:変速機なし
1:主軸側
Pr.434 変速機1配置 変速機1の配置を設定する。 0 D15046+150n
2:補助軸側 同期制御
3:補助軸合成ギア後 始動時
変速機1 変速機1のスムージング時定数を設
Pr.435 0~5000[ms] 0[ms] D15047+150n
スムージング時定数 定する。
D15048+150n
Pr.436 変速比1分子 変速比1の分子を設定する。 -2147483648~2147483647 1
D15049+150n
演算周期
D15050+150n
Pr.437 変速比1分母 変速比1の分母を設定する。 1~2147483647 1
D15051+150n
0:変速機なし
1:主軸側
Pr.490 変速機2配置 変速機2の配置を設定する。 0 D15052+150n
2:補助軸側 同期制御
3:補助軸合成ギア後 始動時
変速機2 変速機2のスムージング時定数を設
Pr.491 0~5000[ms] 0[ms] D15053+150n
スムージング時定数 定する。
D15054+150n
Pr.492 変速比2分子 変速比2の分子を設定する。 -2147483648~2147483647 1
D15055+150n
演算周期
D15056+150n
Pr.493 変速比2分母 変速比2の分母を設定する。 1~2147483647 1
D15057+150n

(1) [Pr.434]変速機1配置(D15046+150n),[Pr.490]変速機2配置(D15052+150n)
変速機1,変速機2の配置を設定します。
変速機1と変速機2は同じ配置に設定できません。
同じ配置に設定した場合,重度エラー(エラーコード:1748)となり,同期制御
を始動できません。
・0:変速機なし·············· 変速処理は行われず,そのままの入力値が伝達さ
れます。
・1:主軸側·················· 主軸クラッチ後の入力値に対して設定した変速
比に従って変速処理を行います。
・2:補助軸側················ 補助軸クラッチ後の入力値に対して設定した変
速比に従って変速処理を行います。
・3:補助軸合成ギア後········ 補助軸合成ギア後の入力値に対して設定した変
速比に従って変速処理を行います。

(2) [Pr.435]変速機1スムージング時定数(D15047+150n),[Pr.491]変速機2スムー
ジング時定数(D15053+150n)
変速処理時の速度変化をスムージング処理するときの平均化時間を設定します。
なお,スムージング処理により設定時間分だけ入力値の伝達が遅れます。
設定値が「0」の場合,ダイレクトに速度が変化します。

7 - 35
7.同期制御

(3) [Pr.436]変速比1分子(D15048+150n,D15049+150n),[Pr.437]変速比1分母(D15050
+150n,D15051+150n),[Pr.492]変速比2分子(D15054+150n,D15055+150n),
[Pr.493]変速比2分母(D15056+150n,D15057+150n)
変速比の分子,分母の値を設定します。
変速比分子,変速比分母は同期制御中に常時変更することが可能です。
下記のように入力値は変速処理されます。

変速比分子
変換後の入力値=変換前の入力値×
変速比分母

変速比分子に負の値を設定すると,入力値の速度を逆転することができます。
変速比分母は「1~2147483647」の範囲で設定してください。

7 - 36
7.同期制御

7.5 出力軸モジュール

7.5.1 出力軸モジュールの概要

出力軸モジュールでは,入力値(変速機からの出力値)を元にカム軸1サイクル現在
値を算出した後,設定されたカムデータを元にカム変換処理後,指令となる送り現在
値をサーボアンプに出力します。
入力値
[Pr.438]カム軸サイクル単位設定
(D15058+150n)
(制御には影響しない)
[Pr.448]同期制御パラメータ
ブロックNo.(D15069+150n)

[Pr.444]カム軸位相補正進め時間
(D15066+150n,D15067+150n) カム軸 [Md.406]カム軸位相補正量
[Pr.445]カム軸位相補正時定数 位相補正処理 (D13610+30n,D13611+30n)
(D15068+150n)
[Pr.439]カム軸1サイクル長
(D15060+150n,D15061+150n)
[Pr.440]カムNo.(D15062+150n)
[Pr.441]カムストローク量
(D15064+150n,D15065+150n) [Md.410]実行カムNo.
カムデータ (D13618+30n)
カム変換処理
[Md.411]実行カムストローク量
(D13620+30n,D13621+30n)

[Md.407]カム軸1サイクル現在値
(D13612+30n,D13613+30n)
[Md.408]カム基準位置
(D13614+30n,D13615+30n)
[Md.409]カム軸送り現在値
(D13616+30n,D13617+30n)
[Pr447]出力軸スムージング時定数 出力軸
(D15070+150n) スムージング処理

送り現在値
(D0+20n,D1+20n)

7 - 37
7.同期制御

(1) 出力軸の単位
出力軸の位置単位は,固定パラメータの「単位設定」によって以下となります。

表7.1 出力軸位置単位
単位設定の設定値 出力軸位置単位 範 囲
0:mm ×10-1μm -214748364.8~214748364.7[μm]
1:inch ×10-5inch -21474.83648~21474.83647[inch]
2:degree ×10-5degree -21474.83648~21474.83647[degree]
3:PLS PLS -2147483648~2147483647[PLS]

また,カム軸サイクル単位は,[Pr.438]カム軸サイクル単位設定(D15058+150n)
によって下記となります。

表7.2 カム軸サイクル単位
[Pr.438]カム軸サイクル単位設定
カム軸
(D15058+150n)の設定値 範 囲
サイクル単位
単位設定選択 制御単位 小数点桁数
サーボ入力軸位置単位(5.1.1項参照)
0:メイン入力軸
― ― 指令生成軸位置単位(5.2.1項参照)
の単位を使用
同期エンコーダ軸位置単位(5.3.1項参照)
0 mm -2147483648~2147483647[mm]


0:mm
9 ×10-9mm -2.147483648~2.147483647[mm]
0 inch -2147483648~2147483647[inch]


1:inch
1:本設定の単位 9 ×10-9inch -2.147483648~2.147483647[inch]
を使用 0 degree -2147483648~2147483647[degree]


2:degree
9 ×10-9degree -2.147483648~2.147483647[degree]
0 PLS -2147483648~2147483647[PLS]

3:PLS
9 ×10-9PLS -2.147483648~2.147483647[PLS]

7 - 38
7.同期制御

7.5.2 出力軸パラメータ

記号 設定項目 設定内容 設定値 取込周期 初期値 デバイス番号


・16進数で設定する。
H□□□□
制御単位
0:mm
1:inch
2:degree
・カム軸1サイクル長の単位を設 3:PLS
カム軸サイクル 定する。 小数点桁数 同期制御
Pr.438 0~9 0000h D15058+150n
単位設定 ・モニタ表示用のパラメータの 始動時
ため制御には影響しない。 b0:単位設定選択
0:主軸のメイン
入力軸の単位
を使用
1:本設定の単位
を使用
b1~3:未使用

カムの1サイクルに必要な入力 1~2147483647 D15060+150n


Pr.439 カム軸1サイクル長 4194304
量を設定する。 [カム軸サイクル単位]*1 D15061+150n
0 :直線カム(プリセット)
Pr.440 カムNo. カムNo.を設定する。 同期制御 0 D15062+150n
1~256:ユーザ作成カム
始動時,
・ストローク比データ形式カム
カムデー
でストローク比100%に対応
タ0点目
するカムストローク量を設定 -2147483648~2147483647 D15064+150n
Pr.441 カムストローク量 通過時 4194304
する。 [出力軸位置単位]*2 D15065+150n
・座標データ形式カムでは無視
される。
同期制御中に[Pr.439]カム軸1
カム軸1サイクル長 サ イク ル長 (D15060 +150n, 0:無効 同期制御
Pr.442 0 D15059+150n
変更設定 Ver.! D15061+150n)を変更する場合 1:有効 始動時
に設定する。
カム軸位相補正 カム軸の位相を進めるまたは遅 -2147483648~2147483647 D15066+150n
Pr.444 演算周期 0[μs]
進め時間 らせる時間を設定する。 [μs] D15067+150n
カム軸位相補正 カム軸の位相補正を反映する時
Pr.445 0~65535[ms] 10[ms] D15068+150n
時定数 間を設定する。
同期制御パラメータ 同期制御のパラメータブロック 同期制御
Pr.448 1~64 1 D15069+150n
ブロックNo. No.を設定する。 始動時
出力軸スムージング 出力軸にスムージング処理をす
Pr.447 0~5000[ms] 0[ms] D15070+150n
時定数 る場合に設定する。

*1:カム軸サイクル単位(7.5.1項参照)
*2:出力軸位置単位(7.5.1項参照)

Ver.! :ソフトウェアの対応バージョンについては,1.4節を参照してください。

7 - 39
7.同期制御

(1) [Pr.438]カム軸サイクル単位設定(D15058+150n)
カム制御時のカム軸1サイクル入力の指令単位を設定します。
カム軸1サイクル長設定やカム軸1サイクル現在値の単位です。
モニタ表示用のパラメータのため制御には影響ありません。
詳細は,「7.5.1項」を参照してください。

(2) [Pr.439]カム軸1サイクル長(D15060+150n,D15061+150n)
カム軸1サイクル現在値を生成するためのカム軸の1サイクルの長さを設定します。
設定単位は,カム軸サイクル単位(7.5.1項参照)となります。
「1~2147483647」の範囲で設定してください。
[Pr.442]カム軸1サイクル長変更設定(D15059+150n)に「1:有効」を設定する
ことで,カム軸1サイクル長を同期制御中に変更することができます。カム軸1サ
イクル現在値がカムデータ0点目の位置を通過したとき,またはカムデータ0点目
の位置にいるときに,[Pr.439]カム軸1サイクル長(D15060+150n,D15061+150n)
の値が取り込まれます。
座標データ形式のカムデータの場合,最終座標の入力値が[Pr.439]カム軸1サイク
ル長(D15060+150n,D15061+150n)に満たないと,最終座標に一番近い2点の座
標から生成した線分のまま制御されます。
座標データ形式のカムデータを使用して,同期制御中に[Pr.439]カム軸1サイクル
長(D15060+150n,D15061+150n)をカムデータ最終座標の入力値を超える値に
変更した場合の例を以下に示します。

【座標データ形式】
・カム軸1サイクル長:4194304[PLS]
・カムストローク量 :±4194304[PLS]
・座標データ
ポイント 入力値 出力値
1 0 0
2 2097152 4194304
3 4194304 0

[Pr.439]カム軸1サイクル長
4194304 8388608
(D15060+150n,D15061+150n)

8388608[PLS]
カム軸1サイクル
現在値 4194304[PLS]

カム軸送り現在値

t
切換え位置 切換え位置 *1 切換え位置

*1:「入力値=カム軸1サイクル長」となる座標が存在しないため,最終座標に一番近い2点
の座標から生成した線分で制御

7 - 40
7.同期制御

(3) [Pr.440]カムNo.(D15062+150n)
カム制御に使用するカムNo.を設定します。
カムNo.0はモーションCPUで用意されているカムで,カム軸1サイクル長でスト
ローク比100%になる直線カムとして動作します。
カムNo.は同期制御中に変更が可能です。
カム軸1サイクル現在値がカムデータ0点目の位置を通過した時,またはカムデー
タ0点目の位置にいる時に,[Pr.440]カムNo.(D15062+150n)の値が取り込まれ
ます。

(4) [Pr.441]カムストローク量(D15064+150n,D15065+150n)
ストローク比データ形式のカム制御時,ストローク比100%に対応するカムスト
ローク量を出力軸位置単位(7.5.1項参照)で設定します。
カムストローク量は同期制御中に変更が可能です。
カム軸1サイクル現在値がカムデータ0点目の位置を通過したとき,またはカム
データ0点目の位置にいるときに,[Pr.441]カムストローク量(D15064+150n,
D15065+150n)の値が取り込まれます。
座標データ形式のカムデータの場合,設定値は無視されます。

(5) [Pr.442]カム軸1サイクル長変更設定(D15059+150n) Ver.!


[Pr.439]カム軸1サイクル長(D15060+150n,D15061+150n)を同期制御中に変更
する場合に設定します。
カムNo.0(直線カム),ストローク比データ形式,座標データ形式のカム制御に
て変更が可能です。ただし,ストローク比データ形式で,カムデータ開始位置が0
以外から始まるカムデータを使用しているときは変更できません。
・0:無効····· 同期制御中にカム軸1サイクル長の変更はできません。
・1:有効····· カム軸1サイクル現在値がカムデータ0点目の位置を通過したと
き,またはカムデータ0点目の位置にいるときに,[Pr.439]カム
軸1サイクル長(D15060+150n,D15061+150n)の値を取り込み
ます。

(6) [Pr.444]カム軸位相補正進め時間(D15066+150n,D15067+150n)
カム制御時,カム軸1サイクル現在値の位相を進めたり遅らせたりする時に設定し
ます。
・1~2147483647[μs] :指定した時間だけ位相を進めます。
・0[μs] :位相補正は行いません。
・-2147483648~-1[μs]:指定した時間だけ位相を遅らせます。
設定時間が大きいとカム軸への入力速度の加減速時にオーバーシュートやアン
ダーシュートが発生することがあります。その場合,[Pr.445]カム軸位相補正時
定数(D15068+150n)で位相補正量の反映時間を長く設定してください。

Ver.! :ソフトウェアの対応バージョンについては,1.4節を参照してください。

7 - 41
7.同期制御

(7) [Pr.445]カム軸位相補正時定数(D15068+150n)
位相補正時の位相補正量を一次遅れで反映するときの時定数を設定します。
設定した時定数で位相補正量の63%が反映されます。

[Pr.444]カム軸位相補正進め時間
(D15066+150n,D15067+150n) 位相補正後1サイクル現在値
位相補正前1サイクル現在値
カム軸1サイクル現在値

カム軸送り現在値

位相補正前入力速度

位相補正後入力速度

t
位相補正前速度× [Pr.444]カム軸位相補正進め時間
[Md.406]カム軸位相補正量 (D15066+150n,D15067+150n)
(D13610+30n,D13611+30n) 63%
63%
t

[Pr.445]カム軸位相補正時定数 [Pr.445]カム軸位相補正時定数
(D15068+150n) (D15068+150n)

7 - 42
7.同期制御

(8) [Pr.448]同期制御パラメータブロックNo.(D15069+150n)
同期制御中の出力軸で使用するパラメータブロックの番号を設定します。
パラメータブロックの使用項目を以下に示します。
項 目 設定値の有効/無効 備 考
補間制御単位 ×
*1 同期制御の停止時にのみ設定値が有効と
速度制限値 ○
なります。
加速時間 ×
減速時間*1 ○ 同期制御の停止時にのみ設定値が有効と
*1
急停止減速時間 ○ なります。
S字比率*3 ×
同期制御始動時に出力軸のトルク制限値
トルク制限値 ○
が設定値に変更されます。
同期制御の停止時にのみ設定値が有効と
STOP入力時の減速処理*1 ○
なります。
円弧補間誤差許容範囲 ×
始動時バイアス速度 ×
加減速方式*1,*3 ○ 「0:台形/S字」のみ有効となります。
加速区間1比率 ×
アドバンスト 加速区間2比率 ×
S字加減速 減速区間1比率 ×
減速区間2比率 ×

○:有効 ×:無効
*1:同期制御中の出力軸は入力軸に同期して動作します。このため,入力軸の動作や同期制御パラメー
タに依存し,設定値は同期制御中無効となります。
ただし,出力軸動作中の同期制御停止は,同期制御終了後の停止処理となるため,設定値が有効
となり,出力軸が以下の傾きで減速停止します。
減速時の傾き=速度制限値÷減速時間(急停止減速時間)

*2:S字比率の設定は無効です。S字比率に0%以外の値を設定しても,台形加減速(S字比率=0[%])
で停止処理を行います。
*3:「1:Adv.S字」選択時は,設定が無効となり,台形加減速(S字比率=0[%])で停止処理を行い
ます。

ポイント
出力軸の速度が速度制限値より大きいと,実際の減速時間が,設定した減速時間よ
り長くなります。
・「出力軸速度 > 速度制限値」の場合
減速停止 急停止

出力軸速度 減速停止要因 出力軸速度 急停止要因

速度制限値 速度制限値

パラメータブロック パラメータブロック
の停止減速時間 の急停止減速時間
実減速時間 実減速時間

7 - 43
7.同期制御

(9) [Pr.447]出力軸スムージング時定数(D15070+150n)
カム変換後の出力軸への移動量をスムージング処理するときの平均化時間を設定
します。
スムージング処理により,座標データ形式のカムなどの急激な速度変動を抑える
ことができます。
ただし,スムージング処理により設定時間分だけ出力応答が遅れます。

[Md.407]カム軸1サイクル現在値
(D13612+30n,D13613+30n)
t
[Md.409]カム軸送り現在値
(D13616+30n,D13617+30n)
送り現在値 送り現在値
(D0+20n,D1+20n) (D0+20n,D1+20n)
t
スムージング前速度
指令速度 スムージング後速度
(#8004+20n,#8005+20n)
t

[Pr.447]出力軸スムージング時定数
(D15070+150n)

7 - 44
7.同期制御

7.6 同期制御変更機能

7.6.1 同期制御変更機能の概要

同期制御変更機能により,同期制御中にカム基準位置やカム軸1サイクル現在値,主
軸/補助軸ギア後1サイクル現在値を変更することができます。
同期制御変更機能には,以下の5種類の方法があります。各変更命令の詳細は「7.6.2
項」を参照してください。
同期制御変更命令 用 途 出力軸動作
カム基準位置移動 カム基準位置を移動量で調整する。 あり
カム軸1サイクル現在値変更 カム軸1サイクル現在値を変更する。 なし
主軸ギア後1サイクル現在値変更 主軸ギア後1サイクル現在値を変更する。 なし
補助軸ギア後1サイクル現在値変更 補助軸ギア後1サイクル現在値を変更する。 なし
カム軸1サイクル現在値移動 カム軸の位相を移動量で調整する。 あり

7.6.2 同期制御変更制御データ

【ビットデバイス】
リフレッ デバイス
記号 設定項目 設定内容 設定値 取込周期 初期値
シュ周期 番号
制御変更要求 OFF:制御変更要求なし
Rq.406 制御変更の要求指令を設定する。 演算周期 OFF M11688+10n
指令 ON :制御変更要求
制御変更要求指令処理の完了信号 OFF:制御変更未完了
St.426 制御変更完了 演算周期 ─ M10566+10n
が格納される。 ON :制御変更完了

(1) [Rq.406]制御変更要求指令(M11688+10n)
ONを設定すると,[Cd.407]同期制御変更命令(D15130+150n)が実行されます。
制御変更完了後は,[St.426]制御変更完了(M10566+10n)がONします。
同期制御始動時にOFFします。

(2) [St.426]制御変更完了(M10566+10n)
制御変更完了でONする信号です。
制御変更処理が途中で中断された場合は,OFFのままとなります。

7 - 45
7.同期制御

【ワードデバイス】
記号 設定項目 設定内容 設定値 取込周期 初期値 デバイス番号
0:カム基準位置移動
1:カム軸1サイクル現在値
変更
2:主軸ギア後1サイクル
Cd.407 同期制御変更命令 同期制御変更命令を設定する。 現在値変更 0 D15130+150n
3:補助軸ギア後1サイクル 同期制御
現在値変更 変更要求
4:カム軸1サイクル現在値 時
移動
同期制御変更処理の変更値を設定 -2147483648~2147483647 D15132+150n
Cd.408 同期制御変更値 0
する。 (単位は詳細説明参照。) D15133+150n
同期制御変更 同期制御変更処理の反映時間を設
Cd.409 0~65535[ms] 0[ms] D15131+150n
反映時間 定する。

(1) [Cd.407]同期制御変更命令(D15130+150n)
同期制御変更命令を設定します。
・0:カム基準位置移動······················ (a)
・1:カム軸1サイクル現在値変更 ············· (b)
・2:主軸ギア後1サイクル現在値変更 ········· (c)
・3:補助軸ギア後1サイクル現在値変更 ······· (d)
・4:カム軸1サイクル現在値移動 ············· (e)

(a) カム基準位置移動
カム基準位置に[Cd.408]同期制御変更値(D15132+150n,D15133+150n)で
設定した移動量を加算し,カム基準位置を移動します。移動量は[Cd.409]同
期制御変更反映時間(D15131+150n)で平均化され加算されます。
カム軸送り現在値も移動量分動くため,大きな移動量を設定する場合は,反
映時間も大きくしてください。

[Md.407]カム軸1サイクル現在値
(D13612+30n,D13613+30n)
t
[Cd.408]同期制御変更値
(D15132+150n,D15133+150n)
[Md.409]カム軸送り現在値
(D13616+30n,D13617+30n)
(送り現在値) t
[Cd.409]同期制御変更反映時間
[Md.408]カム基準位置
(D15131+150n)
(D13614+30n,D13615+30n)
ON
[Rq.406]制御変更要求指令
(M11688+10n) OFF
ON
[St.426]制御変更完了
(M10566+10n) OFF

[Cd.407]同期制御変更命令
0:カム基準位置移動
(D15130+150n)

7 - 46
7.同期制御

カム基準位置移動命令を実行中に,[Rq.406]制御変更要求指令(M11688+10n)
をOFFに戻すと,カム基準位置移動の途中で動作を停止します。再度カム基準
位置移動命令を実行しても,残りのカム基準位置移動量は反映されず,新た
に[Cd.408]同期制御変更値(D15132+150n,D15133+150n)を取り込んで制
御します。
カム基準位置移動命令を実行中に同期制御を終了した場合,カム基準位置移
動の途中で動作を停止します。再度同期制御を始動しても,残りのカム基準
位置移動量は反映されません。

(b) カム軸1サイクル現在値変更
カム軸1サイクル現在値を[Cd.408]同期制御変更値(D15132+150n,D15133+
150n)の値に変更します。変更されたカム軸1サイクル現在値に対応するよう
にカム基準位置も変更されます。
カム軸1サイクル現在値変更は,1演算周期で完了します。

[Cd.408]同期制御変更値
(D15132+150n,D15133+150n)

[Md.407]カム軸1サイクル現在値
(D13612+30n,D13613+30n)
t

[Md.409]カム軸送り現在値
(D13616+30n,D13617+30n)
(送り現在値)
t
(変更前)
[Md.408]カム基準位置 (変更後)
(D13614+30n,D13615+30n) 対応するカム基準位置に変更される
ON
[Rq.406]制御変更要求指令
(M11688+10n) OFF
ON
[St.426]制御変更完了
(M10566+10n) OFF

[Cd.407]同期制御変更命令
1:カム軸1サイクル現在値変更
(D15130+150n)

(c) 主軸ギア後1サイクル現在値変更
主軸ギア後1サイクル現在値を[Cd.408]同期制御変更値(D15132+150n,
D15133+150n)の値に変更します。
主軸ギア後1サイクル現在値変更は,1演算周期で完了します。
クラッチ制御でアドレスモードを設定している場合,変更前の主軸ギア後1サ
イクル現在値と変更後の主軸ギア後1サイクル現在値がON/OFFアドレスを通
過しても,クラッチ制御は行われません。

(d) 補助軸ギア後1サイクル現在値変更
補助軸ギア後1サイクル現在値を[Cd.408]同期制御変更値(D15132+150n,
D15133+150n)の値に変更します。
補助軸ギア後1サイクル現在値変更は,1演算周期で完了します。
クラッチ制御でアドレスモードを設定している場合,変更前の補助軸ギア後1
サイクル現在値と変更後の補助軸ギア後1サイクル現在値がON/OFFアドレス
を通過しても,クラッチ制御は行われません。

7 - 47
7.同期制御

(e) カム軸1サイクル現在値移動
カム軸1サイクル現在値に[Cd.408]同期制御変更値(D15132+150n,D15133+
150n)で設定した移動量を加算してカム軸1サイクル現在値を移動します。移
動量は[Cd.409]同期制御変更反映時間(D15131+150n)で平均化されて加算
されます。
カム軸送り現在値も移動量分動くため,大きな移動量を設定する場合は反映
時間も大きくしてください。

[Cd.408]同期制御変更値
(D15132+150n,D15133+150n)

[Md.407]カム軸1サイクル現在値
(D13612+30n,D13613+30n)
t

[Md.409]カム軸送り現在値
(D13616+30n,D13617+30n)
(送り現在値)
t
[Md.408]カム基準位置 [Cd.409]同期制御変更反映時間
(D13614+30n,D13615+30n) (D15131+150n)
ON
[Rq.406]制御変更要求指令
(M11688+10n) OFF
ON
[St.426]制御変更完了
(M10566+10n) OFF

[Cd.407]同期制御変更命令
4:カム軸1サイクル現在値移動
(D15130+150n)

カム軸1サイクル現在値移動を実行中に,[Rq.406]制御変更要求指令(M11688
+10n)をOFFに戻すと,カム軸1サイクル現在値移動の途中で動作を停止しま
す。再度カム軸1サイクル現在値移動を実行しても,残りのカム軸1サイクル
現在値移動量は反映されず,新たに[Cd.408]同期制御変更値(D15132+150n,
D15133+150n)を取り込んで制御します。
カム軸1サイクル現在値移動を実行中に同期制御を終了した場合,カム軸1サ
イクル現在値移動の途中で動作を停止します。再度同期制御を始動しても,
残りのカム軸1サイクル現在値移動は反映されません。

7 - 48
7.同期制御

(2) [Cd.408]同期制御変更値(D15132+150n,D15133+150n)
同期制御変更処理の変更値を以下のように設定します。
[Cd.407]同期制御変更命令 [Cd.408]同期制御変更値(D15132+150n,D15133+150n)
(D15130+150n) 設定範囲 単 位 設定内容
・カム基準位置の移動量を設定します。
0:カム基準位置移動 ・-2147483648~2147483647の範囲で移動し
ます。
1:カム軸1サイクル現在値
変更 出力軸
・変更する1サイクル現在値を設定します。
2:主軸ギア後1サイクル 位置単位
-2147483648~ ・設定した値は「0~(カム軸1サイクル長-
現在値変更 カム軸
2147483647 1)」の範囲内に変換されます。
3:補助軸ギア後1サイクル サイクル
現在値変更 単位
・カム軸1サイクル現在値の移動量を設定し
4:カム軸1サイクル現在値 ます。
移動 ・-2147483648~2147483647の範囲で移動し
ます。

(3) [Cd.409]同期制御変更反映時間(D15131+150n)
同期制御変更処理の反映時間を以下のように設定します。
[Cd.407]同期制御変更命令
[Cd.409]同期制御変更反映時間(D15131+150n)の設定内容
(D15130+150n)
0:カム基準位置移動 移動量をカム基準位置に反映する時間を設定します。
1:カム軸1サイクル現在値変更
2:主軸ギア後1サイクル現在値変更 設定不要。
3:補助軸ギア後1サイクル現在値変更
4:カム軸1サイクル現在値移動 移動量をカム軸1サイクル現在値に反映する時間を設定します。

7 - 49
7.同期制御

7.7 同期制御モニタデータ

同期制御モニタデータは,同期制御中にのみ更新されます。
また,[Md.400]主軸合成ギア後現在値(D13600+30n,D13601+30n),[Md.401]主
軸ギア後1サイクル現在値(D13602+30n,D13603+30n),[Md.402]補助軸ギア後1サ
イクル現在値(D13604+30n,D13605+30n),[Md.407]カム軸1サイクル現在値(D13612
+30n,D13613+30n),[Md.408]カム基準位置(D13614+30n,D13615+30n),[Md.409]
カム軸送り現在値(D13616+30n,D13617+30n)のモニタ値は,次回マルチCPUシステ
ム電源投入時に前回同期制御時の値が復元されます。マルチCPUシステム電源再投入後,
位置決め制御で前回同期制御時と同じ位置に戻すことで,前回の同期制御状態から運
転を再開することが可能です。(8.4節参照)
なお,「前回同期制御時」とは,以下のように前回の同期制御が中断された直前の
状態を表します。同期を保持していた最後の状態です。
・[Cd.380]同期制御始動(M12000+n)をON→OFFする直前
・停止指令やエラーなどで減速停止する直前
・マルチCPUシステムの電源がOFFされる直前

【ワードデバイス】
リフレッシュ
記号 モニタ項目 格納内容 モニタ値 デバイス番号
周期
・主軸のメイン入力とサブ入力を合成
主軸合成ギア後 した後の現在値が格納される。 -2147483648~2147483647 D13600+30n
Md.400 *1
現在値 ・マルチCPUシステムの電源をOFFして [メイン入力軸位置単位] D13601+30n
も値は保持される。
・主軸ギア後の1サイクル現在値が格納
される。
主軸ギア後 ・1サイクルはカム軸1サイクル長とな 0~(カム軸1サイクル長-1) D13602+30n
Md.401
1サイクル現在値 る。 [カム軸サイクル単位]*2 D13603+30n
・マルチCPUシステムの電源をOFFして
も値は保持される。
・補助軸ギア後の1サイクル現在値が格
納される。
補助軸ギア後 ・1サイクルはカム軸1サイクル長とな 0~(カム軸1サイクル長-1) 演算周期 D13604+30n
Md.402
1サイクル現在値 る。 [カム軸サイクル単位]*2 (同期制御中 D13605+30n
・マルチCPUシステムの電源をOFFして のみ)
も値は保持される。
-2147483648~2147483647 D13610+30n
Md.406 カム軸位相補正量 現在の位相補正量が格納される。
[カム軸サイクル単位]*2 D13611+30n
・カム軸へ入力された移動量から計算
された1サイクル現在値が格納され
カム軸 0~(カム軸1サイクル長-1) D13612+30n
Md.407 る。(位相補正後の値)
1サイクル現在値 [カム軸サイクル単位]*2 D13613+30n
・マルチCPUシステムの電源をOFFして
も値は保持される。
・カムの基準位置となる送り現在値が
格納される。 -2147483648~2147483647 D13614+30n
Md.408 カム基準位置 *3
・マルチCPUシステムの電源をOFFして [出力軸位置単位] D13615+30n
も値は保持される。

*1:メイン入力軸位置単位(第5章参照)
*2:カム軸サイクル単位(7.5.1項参照)
*3:出力軸位置単位(7.5.1項参照)

7 - 50
7.同期制御

リフレッシュ
記号 モニタ項目 格納内容 モニタ値 デバイス番号
周期
・カム軸制御中の送り現在値が格納さ
れる。 -2147483648~2147483647 D13616+30n
Md.409 カム軸送り現在値 *3
・マルチCPUシステムの電源をOFFして [出力軸位置単位] D13617+30n
も値は保持される。
Md.410 実行カムNo. 実行中のカムNo.が格納される。 0~256 D13618+30n
実行カム 実行中のカムストローク量が格納され -2147483648~2147483647 D13620+30n
Md.411
ストローク量 る。 [出力軸位置単位]*3 演算周期 D13621+30n
実行カム軸 実行中のカム軸1サイクル長が格納さ 1~2147483647 (同期制御中 D13622+30n
Md.412
1サイクル長 Ver.! れる。 [カム軸サイクル単位]*2 のみ) D13623+30n
主軸クラッチの滑り量方式スムージン -2147483648~2147483647
主軸クラッチ *1 D13606+30n
Md.422 グ時の滑り量累積値が符号付きで格納 [メイン入力軸位置単位] ,
滑り量累積値 D13607+30n
される。 または[カム軸サイクル単位]*2
補助軸クラッチの滑り量方式スムージ -2147483648~2147483647
補助軸クラッチ *4 D13608+30n
Md.425 ング時の滑り量累積値が符号付きで格 [補助軸位置単位] ,または
滑り量累積値 D13609+30n
納される。 [カム軸サイクル単位]*2

*1:メイン入力軸位置単位(第5章参照)
*2:カム軸サイクル単位(7.5.1項参照)
*3:出力軸位置単位(7.5.1項参照)
*4:補助軸位置単位(第5章参照)

(1) [Md.400]主軸合成ギア後現在値(D13600+30n,D13601+30n)
主軸合成ギアでメイン入力とサブ入力を合成した後の現在値が累積値として格納
されます。
単位は,メイン入力軸の位置単位(第5章参照)です。メイン入力軸が無効の場合,
PLS単位となります。
同期制御中にメイン入力軸で次の操作が行われた場合,主軸合成ギア後現在値が
変更されます。
サーボ入力軸 同期エンコーダ軸
メイン入力軸の操作 マルチCPU間
絶対位置検出 絶対位置検出 指令生成軸 INC同期 ABS同期 デバイス経由
(同期制御中) 同期制御*3
システム有効 システム無効 エンコーダ エンコーダ 同期エンコーダ Ver.!

原点復帰 変更方法① ─ ─
現在値変更 変更方法① 変更方法① 変更方法①
速度制御(Ⅰ)*1 変更方法① 変更方法① ─
定寸送り制御 変更方法① 変更方法① ─
速度・位置切換え
変更方法① ─ ─
制御*2
サーボアンプ接続 変更方法② 変更方法① ─ ─
同期エンコーダ接続 ─ ─ 変更方法① 変更方法② 変更方法①

*1:送り現在値更新指令(M3212+20n)OFF,または[Rq.347]指令生成軸送り現在値更新指令(M10972+20n)
OFFで始動した場合
*2:送り現在値更新指令(M3212+20n)OFFで始動した場合
*3:マルチCPU間同期制御の構成でスレーブCPUの同期エンコーダ軸種別(マスタCPUサーボ入力軸,マスタ
CPU指令生成軸,マスタCPU同期エンコーダ軸)として設定した場合

Ver.! :ソフトウェアの対応バージョンについては,1.4節を参照してください。

7 - 51
7.同期制御

(a) 変更方法①
メイン入力軸の現在値を元に新しく主軸合成ギア後現在値を計算して変更し
ます。
主軸合成ギア後 主軸合成ギアのメイン入力方向
= × メイン入力軸現在値
現在値 (入力+/入力-/入力なし(0))

(b) 変更方法②
前回同期制御時からのメイン入力軸の移動量を主軸合成ギア後現在値に反映
して変更します。
主軸合成ギア後 前回同期制御時の 主軸合成ギアのメイン入力方向 前回の同期制御時からの
= + ×
現在値 主軸合成ギア後現在値 (入力+/入力-/入力なし(0)) メイン入力軸現在値の変化量

(2) [Md.401]主軸ギア後1サイクル現在値(D13602+30n,D13603+30n)
主軸ギア後の入力移動量が「0~(カム軸1サイクル長-1)」の範囲で格納されま
す。単位はカム軸サイクル単位(7.5.1項参照)となります。
同期制御始動時,[Pr.460]主軸ギア後1サイクル現在値設定方法(D15100+150n)
に従って復元されます。(8.4節参照)

(3) [Md.402]補助軸ギア後1サイクル現在値(D13604+30n,D13605+30n)
補助軸ギア後の入力移動量が「0~(カム軸1サイクル長-1)」の範囲で格納され
ます。単位はカム軸サイクル単位(7.5.1項参照)となります。
同期制御始動時,[Pr.461]補助軸ギア後1サイクル現在値設定方法(D15101+150n)
に従って復元されます。(8.4節参照)

(4) [Md.406]カム軸位相補正量(D13610+30n,D13611+30n)
カム軸の位相補正量がカム軸サイクル単位(7.5.1項参照)で格納されます。
[Pr.445]カム軸位相補正時定数(D15068+150n)でスムージング処理された後の
位相補正量が格納されます。

(5) [Md.407]カム軸1サイクル現在値(D13612+30n,D13613+30n)
カム軸1サイクル現在値が「0~(カム軸1サイクル長-1)」の範囲で格納されま
す。
カム軸位相補正処理後の現在値をモニタできます。単位はカム軸サイクル単位
(7.5.1項参照)となります。
同期制御始動時,[Pr.462]カム軸位置復元対象(D15102+150n)の設定に従って
復元されます。(8.4節参照)

(6) [Md.408]カム基準位置(D13614+30n,D13615+30n)
カム動作の基準位置となる送り現在値が格納されます。単位は出力軸位置単位
(7.5.1項参照)となります。単位が[degree]の場合,「0~35999999」の範囲にな
ります。
同期制御始動時,[Pr.462]カム軸位置復元対象(D15102+150n)の設定に従って
復元されます。(8.4節参照)

(7) [Md.409]カム軸送り現在値(D13616+30n,D13617+30n)
カム軸の送り現在値が格納されます。同期制御中は送り現在値(D0+20n,D1+20n)
と同じ値となります。

7 - 52
7.同期制御

(8) [Md.410]実行カムNo.(D13618+30n)
実行中のカムNo.が格納されます。
同期制御中に[Pr.440]カムNo.(D15062+150n)を変更した場合,実際に制御中の
カムNo.が切り換わったときに更新されます。

(9) [Md.411]実行カムストローク量(D13620+30n,D13621+30n)
実行中のカムストローク量が格納されます。
同期制御中に[Pr.441]カムストローク量(D15064+150n,D15065+150n)を変更
した場合,実際に制御中のカムストローク量が切り換わったときに更新されます。

(10) [Md.412]実行カム軸1サイクル長(D13622+30n,D13623+30n) Ver.!


実行中のカム軸1サイクル長が格納されます。
同期制御中に[Pr.439]カム軸1サイクル長(D15060+150n,D15061+150n)を変
更した場合,実際に制御中のカム軸1サイクル長が切り換わったときに更新され
ます。

(11) [Md.422]主軸クラッチ滑り量累積値(D13606+30n,D13607+30n),[Md.425]補
助軸クラッチ滑り量累積値(D13608+30n,D13609+30n)
滑り量方式のクラッチスムージング時の滑り量累積値が符号付きで格納されま
す。
クラッチON時は,クラッチON時滑り量に達するように滑り量累積値の絶対値が増
加していきます。
クラッチOFF時は,0に達するように滑り量累積値の絶対値が減少していきます。
滑り量累積値をモニタすることで,滑り量方式のスムージングの進行具合を確認
できます。

Ver.! :ソフトウェアの対応バージョンについては,1.4節を参照してください。

7 - 53
7.同期制御

【ビットデバイス】
リフレッシュ
記号 モニタ項目 格納内容 モニタ値 デバイス番号
周期
主軸クラッチ 主軸クラッチのON/OFF状態が格納され OFF:クラッチOFF状態
St.420 M10560+10n
ON/OFFステータス る。 ON :クラッチON状態
主軸クラッチ
主軸クラッチのスムージング状態が格 OFF:クラッチスムージングなし
St.421 スムージング M10561+10n
納される。 ON :クラッチスムージング中 演算周期
ステータス
(同期制御中
補助軸クラッチ 補助軸クラッチのON/OFF状態が格納さ OFF:クラッチOFF状態
St.423 のみ) M10562+10n
ON/OFFステータス れる。 ON :クラッチON状態
補助軸クラッチ
補助軸クラッチのスムージング状態が OFF:クラッチスムージングなし
St.424 スムージング M10563+10n
格納される。 ON :クラッチスムージング中
ステータス

(1) [St.420]主軸クラッチON/OFFステータス(M10560+10n),[St.423]補助軸クラッ
チON/OFFステータス(M10562+10n)
クラッチのON/OFF状態が格納されます。

(2) [St.421]主軸クラッチスムージングステータス(M10561+10n),[St.424]補助軸
クラッチスムージングステータス(M10563+10n)
クラッチのスムージング状態が格納されます。クラッチスムージング方式により,
以下のように更新されます。
・時定数方式:クラッチON状態の場合,常時「1:クラッチスムージング中」とな
ります。
クラッチがOFFしスムージングが完了すると, 「0:クラッチスムー
ジングなし」となります。
・滑り量方式:クラッチがONした場合,クラッチ滑り量累積値がクラッチON時滑
り量に達するまで,「1:クラッチスムージング中」となります。
クラッチ滑り量累積値がクラッチON時滑り量に達すると,「0:ク
ラッチスムージングなし」となります。
クラッチがOFFした場合,クラッチ滑り量累積値が0に達するまで,
「1:クラッチスムージング中」となります。クラッチ滑り量累積
値が0に達すると,「0:クラッチスムージングなし」となります。

7 - 54
8.補助/応用機能

第8章 補助/応用機能

8.1 位相補正機能

同期制御では,入力軸(サーボ入力軸や同期エンコーダ軸)と出力軸のモータ軸端
の間で位相が多少遅れます。このような場合,位相がずれないように位相補正機能を
使用します。
入力軸と出力軸のそれぞれに対して位相補正を設定できるため,入力軸側でサーボ
入力軸や同期エンコーダ軸のシステム固有の遅れ時間を補正し,出力軸側で個々の
サーボアンプの位置偏差分の遅れ時間を補正することができます。

(1) 入力軸の遅れ時間の位相補正
入力軸の位相補正進め時間([Pr.302]サーボ入力軸位相補正進め時間(D14600+n,
D14601+n),[Pr.326]同期エンコーダ軸位相補正進め時間(D14820+10n,D14821
+10n)にシステム固有の遅れ時間を設定してください。なお,指令生成軸はシス
テム固有の遅れ時間が0のため,位相補正機能はありません。
システム固有の遅れ時間を以下に示します。
(a) サーボ入力軸のシステム固有の遅れ時間
[Pr.300]サーボ入力軸種別
演算周期
サーボアンプ
[ms] 送り現在値 実現在値 フィードバック値
への指令
0.22 0[μs] 945[μs] 0[μs] 945[μs]
0.44 0[μs] 1834[μs] 0[μs] 1834[μs]
0.88 0[μs] 3612[μs] 0[μs] 3612[μs]
1.77 0[μs] 3589[μs] 0[μs] 3589[μs]
3.55 0[μs] 8945[μs] 0[μs] 8945[μs]
7.11 0[μs] 19612[μs] 0[μs] 19612[μs]

(b) 同期エンコーダ軸のシステム固有の遅れ時間
演算周期 [Pr.320]同期エンコーダ軸種別
[ms] INC同期エンコーダ ABS同期エンコーダ デバイス経由同期エンコーダ
0.22 695[μs] 603[μs] 695+入力値リフレッシュタイミング[μs] 8
0.44 1255[μs] 1400[μs] 1255+入力値リフレッシュタイミング[μs]
0.88 2578[μs] 2717[μs] 2578+入力値リフレッシュタイミング[μs]
1.77 4395[μs] 4505[μs] 4395+入力値リフレッシュタイミング[μs]
3.55 7947[μs] 8061[μs] 7947+入力値リフレッシュタイミング[μs]
7.11 18604[μs] 18728[μs] 18604+入力値リフレッシュタイミング[μs]

8 - 1
8.補助/応用機能

(2) 出力軸の遅れ時間の位相補正
出力軸の[Pr.444]カム軸位相補正進め時間(D15066+150n,D15067+150n)にサー
ボアンプの位置偏差分の遅れ時間を設定してください。サーボアンプの位置偏差
分の遅れ時間は,以下の計算式で算出できます。
1000000
遅れ時間[μs] =
サーボパラメータ「モデル制御ゲイン(PB07)」
*:フィードフォワードゲインを設定した場合は,上記の遅れ時間より小さくな
ります。

ゲイン調整方法がオートチューニングモード1,2の場合,モデル制御ゲインが変
化します。位相補正する軸では,マニュアルモードか補間モードに設定してモデ
ル制御ゲインが変化しないようにしてください。

(3) 設定例
INC同期エンコーダ軸に軸1を同期させる場合,以下のように位相補正進め時間を
設定します。
(演算周期1.77[ms],軸1のモデル制御ゲインが80の場合)
設定項目 設定値
[Pr.326]同期エンコーダ軸位相補正進め時間 4395[μs]
(D14820+10n,D14821+10n) (参考:同期エンコーダ軸のシステム固有の遅れ時間)
[Pr.444]カム軸位相補正進め時間 1000000
= 12500[μs]
(D15066+150n,D15067+150n) 80

加減速時にオーバーシュートやアンダーシュートが起きる場合は,位相補正時定
数を大きくしてください。

8 - 2
8.補助/応用機能

8.2 出力軸と各機能の関係

同期制御の出力軸と各機能の関係を以下に示します。
機 能 出力軸 内 容
単位設定 ○
1回転あたりのパルス数(AP) ○
他の制御方式の場合と同様に制御される。
1回転あたりの移動量(AL) ○
バックラッシュ補正量 ○
ストロークリミット上限 ○ ソフトウェアストロークリミットの範囲を越えた時点で減
固定パラメータ
速停止する。
ストロークリミット下限 ○ 「上限値=下限値」と設定することでストロークリミットが
無効になる。
指令インポジション範囲 ─ 設定は無視される。
degree軸速度10倍指定 ○ モニタデータに反映される。
トルク制限値変更命令(D(P).CHGT,CHGT),トルク制限値
トルク制限機能 ○ 個別変更命令(D(P).CHGT2,CHGT2)でトルク制限値の変更
が可能。
ハードウェアストロークリミット ○ 位置決め制御と同様に制御される。
緊急停止 ○ 他の制御方式の場合と同様に制御される。
現在値変更 ―
制御変更 速度変更 ― 無視される。
目標位置変更 ―
絶対位置システム ○ 他の制御方式の場合と同様に制御される。
Mコード出力機能 ― Mコードは出力されない。
位置決め制御と同様に制御される。
原点復帰未完時の動作設定 ○ 位置合わせが必要なシステムの場合,原点が確立されている
状態で同期制御を始動してください。
同期制御中のサーボOFF要求は位置決め制御と同様に無視さ
サーボON/OFF要求 ―
れる。

○:有効,─:無効

ポイント
同期制御の入力軸に対する機能は,各制御(原点復帰制御,位置決め制御,手動制
御,速度・トルク制御)の仕様に準じます。

8 - 3
8.補助/応用機能

8.3 速度・トルク制御

同期制御中に出力軸に対して,制御モードを切換えることができます。
「速度・トルク制御データ」を使用して制御を行います。
同期制御中の速度・トルク制御で設定が必要なデータを表8.1に示します。

表8.1 速度・トルク制御データ
設定要否
No. 設定項目 同期制御中でないとき 同期制御中のとき
速度制御 トルク制御 押当て制御 速度制御 トルク制御 押当て制御
1 制御モード切換え要求デバイス ○ ○ ○ ○ ○ ○
2 制御モード指定デバイス ○ ○ ○ ○ ○ ○
速度・トルク制御時
3 ○ ○ ○ ─ ─ ─
速度制限値
速度・トルク制御時
4 ○ ○ ○ ○ ○ ○
トルク制限値
5 速度指令デバイス ○ ○ ○ ─ ─ ─
6 指令速度加速時間 ○ ─ ○ ─ ─ ─
7 指令速度減速時間 ○ ─ ○ ─ ─ ─
8 トルク指令デバイス ─ ○ ○ ─ ○ ○
9 指令トルク時定数(正方向) ─ ○ ○ ─ ○ ○
10 指令トルク時定数(負方向) ─ ○ ○ ─ ○ ○
制御モード切換え時
11 ○ ─ ○ ─ ─ ─
速度初期値選択
制御モード切換え時
12 ─ ○ ○ ─ ○ ○
トルク初期値選択
制御モード切換え時
13 ○ ○ ○ ○ ○ ○
零速度中無効選択

*:速度・トルク制御データの詳細については,「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPUモーションコント
ローラ(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(リアルモード編)」を参照してください。

8 - 4
8.補助/応用機能

(1) 出力軸における速度・トルク制御
(a) 同期制御中のカムNo.0(直線カム)の出力軸に対して「速度・トルク制御」
を実行することができます。カムNo.0以外,および同期制御変更機能実施中
の出力軸に対して制御モード切換えを行った場合は,軽度エラー(エラーコー
ド:756)となり,制御モードは切換わりません。
また,速度・トルク制御を実行中の出力軸に対して,カムNo.0以外に設定し
た場合は,軽度エラー(エラーコード:757)となり設定したカムNo.には切
換わりません。位置制御に切換わった後,カムデータ0点目通過時に設定した
カムNo.に切換わります。
制御モード切換え要求時,モータが動作中の場合は,軽度エラー(エラーコー
ド:6200)となり,制御モードは切換わりません。押当て制御モードへはモー
タが動作中であっても切換え可能です。

(b) 制御モードを切換えるには,制御モード指定デバイスに切換える制御モード
(10:速度制御モード,20:トルク制御モード,30:押当て制御モード)を設
定後,制御モード切換え要求デバイスをOFF→ONします。
以下に,各制御モードの切換え条件を示します。
・速度制御/トルク制御

位置制御モード

① ② ④ ③

速度制御モード トルク制御モード

切換え操作 切換え条件
① 位置制御モード → 速度制御モード
② 速度制御モード → 位置制御モード
同期制御中*1,かつ,モータ停止中*2
③ 位置制御モード → トルク制御モード
④ トルク制御モード → 位置制御モード
⑤ 速度制御モード → トルク制御モード
同期制御中*1
⑥ トルク制御モード → 速度制御モード

*1:[St.380]同期制御中(M10880+n)がONの状態。同期制御切換解析中,および[Rq.380]同期
制御始動(M12000+n)ON→OFFや停止要因発生による同期制御停止中の制御モード切換え
要求は無視されます。
*2:サーボステータス2(#8011+20n)の零速度中(b3)がONの状態。
「速度モード切換え時零速度中無効選択」に「1:制御モード切換え時の零速度中ON条件無
効」を設定することにより,「モータ停止中」の切換え条件をモーションCPUでチェックせ
ずに制御モードを切換えることができます。モータの停止を待たず制御モードを切換える
場合のみ「1:制御モード切換え時の零速度中ON条件無効」を設定してください。

8 - 5
8.補助/応用機能

・押当て制御

位置制御モード 速度制御モード トルク制御モード

① ② ③ ④ ⑤ ⑥

押当て制御モード 押当て制御モード 押当て制御モード

切換え操作 切換え条件
*1
① 位置制御モード → 押当て制御モード 同期制御中
② 押当て制御モード → 位置制御モード 同期制御中*1,かつ,モータ停止中*2
③ 速度制御モード →押当て制御モード
同期制御中*1
④ 押当て制御モード → 速度制御モード
⑤ トルク制御モード →押当て制御モード
切換え不可
⑥ 押当て制御モード → トルク制御モード

*1:[St.380]同期制御中(M10880+n)がONの状態。同期制御切換解析中,および[Rq.380]同期
制御始動(M12000+n)ON→OFFや停止要因発生による同期制御停止中の制御モード切換え
要求は無視されます。
*2:サーボステータス2(#8011+20n)の零速度中(b3)がONの状態。
「速度モード切換え時零速度中無効選択」に「1:制御モード切換え時の零速度中ON条件無
効」を設定することにより,「モータ停止中」の切換え条件をモーションCPUでチェックせ
ずに制御モードを切換えることができます。モータの停止を待たず制御モードを切換える
場合のみ「1:制御モード切換え時の零速度中ON条件無効」を設定してください。

(c) 出力軸への速度指令が速度制御時の指令速度となります。また,トルク制御・
押当て制御時は,速度制限値となります。

(d) トルク制御,押当て制御時の指令トルクは,「速度・トルク制御データ」の「ト
ルク指令デバイス」で設定します。指令トルクは,「速度・トルク制御時ト
ルク制限値」で制限されます。
トルク制限値を超えるトルクを指令した場合,軽度エラー(エラーコード:
316)となり速度・トルク制御時トルク制限値で制御します。
トルク制限値変更要求(CHGT,D(P).CHGT),またはトルク制限値個別変更要
求(CHGT2,D(P).CHGT2)によって「速度・トルク制御時トルク制限値」の範
囲内で,サーボアンプに送信するトルク制限値の値を変更できます。
トルク制限値変更要求,またはトルク制限値個別変更要求によって「速度・
トルク制御時トルク制限値」の範囲外の変更要求があった場合,軽度エラー
(エラーコード:319)となり,トルク制限値の変更は行いません。

(e) 速度・トルク制御中の[Md.407]カム軸1サイクル現在値(D13612+30n,D13613
+30n),[Md.408]カム基準位置(D13614+30n,D13615+30n),[Md.409]カ
ム軸送り現在値(D13616+30n,D13617+30n)は入力軸からの指令に基づい
た値となります。実際の出力軸の位置に基づいた値ではありません。位置制
御モードの切換わり時に,実際の出力軸の位置を元に,[Md.407]カム軸1サイ
クル現在値(D13612+30n,D13613+30n),[Md.408]カム基準位置(D13614
+30n,D13615+30n),[Md.409]カム軸送り現在値(D13616+30n,D13617+
30n)を復元します。

8 - 6
8.補助/応用機能

(f) 位相補正は,速度・トルク制御中も有効となります。

(g) 同期制御中の速度制御モード,トルク制御モード,押当て制御モードへの制
御モードの切換えは,スクロールモニタに反映されません。

(h) 同期制御始動解析中,および[Rq.380]同期制御始動(M12000+n)ON→OFFや
停止要因発生による同期制御停止中の制御モード切換え要求は無視されます。
[Rq.380]同期制御始動(M12000+n)をインターロック条件に入れるようにし
てください。

(i) 速度・トルク制御中に同期制御変更機能を使用できません。

(2) 制御モードの切換え時の注意事項
(a) 押当て制御モード使用時は,押当て制御に対応したサーボアンプを使用して
ださい。押当て制御に未対応のサーボアンプを使用した場合,押当て制御モー
ドへの切換え要求時に軽度エラー(エラーコード:318)となり現在の制御を
停止します。

(3) 停止要因
(a) 速度制御モード中の停止要因
以下に,速度制御モード中の停止要因の動作について示します。
停止要因発生で同期制御も終了します。
項 目 速度制御モード中の動作
[Rq.380]同期制御始動(M12000+n)をOFFした
*1 [Pr.448]同期制御パラメータブロックNo.(D15069+150n)*4

停止指令(M3200+20n)をONした*1 で設定したパラメータブロックの設定値にしたがい速度0へ減
速します。サーボステータス2(#8011+20n)の「零速度中(b3)」
急停止指令(M3201+20n)をONした*2
がONした時点で位置制御モードに切換り,停止します。
外部STOP入力をONした*3
全軸サーボON指令(M2042)をOFFした 同期制御中は,サーボOFFしません。
(同期制御は終了しません。)
同期制御を終了したとき,位置制御モードに切換わり,その時
サーボOFF指令(M3215+20n)をONした
点の指令状態が有効になります。
ソフトウェアストロークリミットに達した 軽度エラー(エラーコード:200,207),重度エラー(エラー
ハードウェアストロークリミットに達した*3 コード:1101,1102)が発生し,[Pr.448]同期制御パラメータ
ブロックNo.(D15069+150n)*4で設定したパラメータブロック
の設定値に従い速度0へ減速します。サーボステータス2(#8011
シーケンサレディフラグ(M2000)をOFFした
+20n)の「零速度中(b3)」がONした時点で位置制御モードに切
換り,停止します。
[Pr.448]同期制御パラメータブロックNo.(D15069+150n)*4
主軸ギア/補助軸ギア/変速機1/変速機2 で設定したパラメータブロックの設定値に従い速度0へ減速し
演算オーバーフローエラーが発生した*3 ます。サーボステータス2(#8011+20n)の「零速度中(b3)」が
ONした時点で位置制御モードに切換り,停止します。
モーションCPUへ緊急停止を入力した サーボOFF(サーボレディ信号(M2415+20n)がOFF)した時点
サーボアンプへ非常停止を入力した で位置制御モードに切換えます。(サーボアンプがサーボOFF中
は,位置制御モードに切換ってもフリーラン(ダイナミックブ
サーボエラーが発生した
レーキ停止)となります。)
モータはフリーラン(ダイナミックブレーキ停止)となります。
サーボアンプの制御電源をOFFした
(サーボアンプ電源再投入時は,位置制御モードとなります。)

*1:減速時間に基づき停止します。
*2:急停止減速時間に基づき停止します。
*3:パラメータブロックの「STOP時の減速処理」の設定により停止します。
*4:「S字比率」の設定は無効です。

8 - 7
8.補助/応用機能

(b) トルク制御モード中の停止要因
以下に,トルク制御モード中の停止要因の動作について示します。
停止要因発生で同期制御も終了します。
項 目 トルク制御モード中の動作
[Rq.380]同期制御始動(M12000+n)をOFFした 速度制限指令値を0とし,サーボステータス2(#8011+20n)の
停止指令(M3200+20n)をONした 「零速度中(b3)」がONした時点で位置制御モードに切換り,即停
急停止指令(M3201+20n)をONした 止します。(減速処理は行いません。)
指令トルクの値は変更しません。現在指定しているトルク指令
外部STOP入力をONした 値によっては速度0に達するまでに時間がかかる場合がありま
すので注意ください。
全軸サーボON指令(M2042)をOFFした 同期制御中は,サーボOFFしません。
(同期制御は終了しません。)
同期制御を終了したとき,位置制御モードに切換わり,その時
サーボOFF指令(M3215+20n)をONした
点の指令状態が有効になります。
ソフトウェアストロークリミットに達した 軽度エラー(エラーコード:200,207),重度エラー(エラー
ハードウェアストロークリミットに達した コード:1101,1102)が発生し,現在の位置で位置制御モード
に切換り,即停止します。(減速処理は行いません。)
即停止時,モータ速度によってはハンチングすることがありま
シーケンサレディフラグ(M2000)をOFFした
す。高速でリミットに到達,またはシーケンサレディOFFしない
ようにしてください。
現在の位置で位置制御モードに切換り,即停止します。(減速処
主軸ギア/補助軸ギア/変速機1/変速機2 理は行いません。)
演算オーバーフローエラーが発生した 即停止時,モータ速度によってはハンチングすることがありま
す。
モーションCPUへ緊急停止を入力した サーボOFF(サーボレディ信号(M2415+20n)がOFF)した時点
サーボアンプへ非常停止を入力した で位置制御モードに切換えます。(サーボアンプがサーボOFF中
は,位置制御モードに切換ってもフリーラン(ダイナミックブ
サーボエラーが発生した
レーキ停止)となります。)
モータはフリーラン(ダイナミックブレーキ停止)となります。
サーボアンプの制御電源をOFFした
(サーボアンプ電源再投入時は,位置制御モードとなります。)

8 - 8
8.補助/応用機能

(c) 押当て制御モード中の停止要因
以下に,押当て制御モード中の停止要因の動作について示します。
停止要因発生で同期制御も終了します。
項 目 押当て制御モード中の動作
[Rq.380]同期制御始動(M12000+n)をOFFした 速度制限指令値を0とし,サーボステータス2(#8011+20n)の
停止指令(M3200+20n)をONした 「零速度中(b3)」がONした時点で位置制御モードに切換り,即停
急停止指令(M3201+20n)をONした 止します。(減速処理は行いません。)
指令トルクの値は変更しません。現在指定しているトルク指令
外部STOP入力をONした 値によっては速度0に達するまでに時間がかかる場合がありま
すので注意ください。
全軸サーボON指令(M2042)をOFFした 同期制御中は,サーボOFFしません。
(同期制御は終了しません。)
同期制御を終了したとき,位置制御モードに切換わり,その時
サーボOFF指令(M3215+20n)をONした
点の指令状態が有効になります。
ソフトウェアストロークリミットに達した 軽度エラー(エラーコード:200,207),重度エラー(エラー
ハードウェアストロークリミットに達した コード:1101,1102)が発生し,現在の位置で位置制御モード
に切換り,即停止します。(減速処理は行いません。)
即停止時,モータ速度によってはハンチングすることがありま
シーケンサレディフラグ(M2000)をOFFした
す。高速でリミットに到達,またはシーケンサレディOFFしない
ようにしてください。
現在の位置で位置制御モードに切換り,即停止します。(減速処
主軸ギア/補助軸ギア/変速機1/変速機2 理は行いません。)
演算オーバーフローエラーが発生した 即停止時,モータ速度によってはハンチングすることがありま
す。
モーションCPUへ緊急停止を入力した サーボOFF(サーボレディ信号(M2415+20n)がOFF)した時点
サーボアンプへ非常停止を入力した で位置制御モードに切換えます。(サーボアンプがサーボOFF中
は,位置制御モードに切換ってもフリーラン(ダイナミックブ
サーボエラーが発生した
レーキ停止)となります。)
モータはフリーラン(ダイナミックブレーキ停止)となります。
サーボアンプの制御電源をOFFした
(サーボアンプ電源再投入時は,位置制御モードとなります。)

8 - 9
8.補助/応用機能

8.4 同期制御初期位置

同期制御の初期位置として,同期制御始動時に,以下の同期制御モニタデータを設
定した位置に合わせることができます。
また,同期制御の初期位置合わせだけでなく,同期制御を途中で停止して再開させ
る場合に,前回の状態に復元して再開する用途にも使用できます。
同期制御モニタデータ 同期制御始動時の位置
[Md.400]主軸合成ギア後現在値
主軸のメイン入力軸を基準とした位置に復元されます。
(D13600+30n,D13601+30n)
[Md.401]主軸ギア後1サイクル現在値 [Pr.460]主軸ギア後1サイクル現在値設定方法(D15100+150n)
(D13602+30n,D13603+30n) に従って復元されます。
[Md.402]補助軸ギア後1サイクル現在値 [Pr.461]補助軸ギア後1サイクル現在値設定方法(D15101+
(D13604+30n,D13605+30n) 150n)に従って復元されます。
[Md.407]カム軸1サイクル現在値
(D13612+30n,D13613+30n)
[Md.408]カム基準位値 [Pr.462]カム軸位置復元対象(D15102+150n)に従って復元さ
(D13614+30n,D13615+30n) れます。
[Md.409]カム軸送り現在値
(D13616+30n,D13617+30n)

[Md.400]主軸合成ギア後現在値
(D13600+30n,D13601+30n)

入力軸 主軸合成 主軸
(主軸メイン) ギア ギア

[Md.401]主軸合成ギア後1サイクル現在値
(D13602+30n,D13603+30n)
入力軸 主軸
(主軸サブ) クラッチ [Pr.460]主軸ギア後1サイクル現在値設定方法
(D15100+150n)
0:前回値
補助軸 補助軸 1:主軸ギア後1サイクル現在値初期設定値
ギア クラッチ
2:入力軸から計算
補助軸
合成ギア

[Md.407]カム軸1サイクル現在値
(D13612+30n,D13613+30n)
入力軸 出力軸 [Md.408]カム基準位置 [Pr.462]カム軸位置復元対象
(補助軸) (D13614+30n,D13615+30n) (D15102+150n)
[Md.402]補助軸ギア後1サイクル現在値 [Md.409]カム軸送り現在値 0:カム軸1サイクル現在値復元
(D13604+30n,D13605+30n) (D13616+30n,D13617+30n) 1:カム基準位置復元
2:カム軸送り現在値復元

[Pr.461]補助軸ギア後1サイクル現在値設定方法
(D15101+150n)
0:前回値
1:補助軸ギア後1サイクル現在値初期設定値
2:入力軸から計算

8 - 10
8.補助/応用機能

(1) 同期制御始動時の主軸合成ギア後現在値
主軸合成ギア後現在値は,同期制御始動前にメイン入力軸で行われた操作に応じ
て,以下のように復元されます。
サーボ入力軸 同期エンコーダ軸
メイン入力軸の操作 マルチCPU間
絶対位置検出 絶対位置検出 指令生成軸 INC同期 ABS同期 デバイス経由
(同期制御始動前) 同期制御*3
システム有効 システム無効 エンコーダ エンコーダ 同期エンコーダ Ver.!

原点復帰 復元方法① ─ ─
現在値変更 復元方法① 復元方法① 復元方法①
速度制御(Ⅰ)*1 復元方法① 復元方法① ─
定寸送り制御 復元方法① 復元方法① ─
速度・位置切換え
復元方法① ─ ─
制御*2
サーボアンプ接続 復元方法② 復元方法① ─ ─
同期エンコーダ接続 ─ ─ 復元方法① 復元方法② 復元方法①
上記以外 復元方法② 復元方法② 復元方法②

*1:送り現在値更新指令(M3212+20n)OFF,または[Rq.347]指令生成軸送り現在値更新指令(M10972+20n)
OFFで始動した場合
*2:送り現在値更新指令(M3212+20n)OFFで始動した場合
*3:マルチCPU間同期制御の構成でスレーブCPUの同期エンコーダ軸種別(マスタCPUサーボ入力軸,マスタ
CPU指令生成軸,マスタCPU同期エンコーダ軸)として設定した場合

(a) 復元方法①
メイン入力軸の現在値を元に,新しく主軸合成ギア後現在値を計算して復元
します。
主軸合成ギア後 主軸合成ギアのメイン入力方向
= × メイン入力軸現在値
現在値 (入力+/入力-/入力なし(0))

(b) 復元方法②
前回同期制御時からのメイン入力軸の移動量を主軸合成ギア後現在値に反映
して復元します。
主軸合成ギア後 前回同期制御時の 主軸合成ギアのメイン入力方向 前回の同期制御時からの
= + ×
現在値 主軸合成ギア後現在値 (入力+/入力-/入力なし(0)) メイン入力軸現在値の変化量

なお,[Pr.400]メイン入力軸番号(D15000+150n)が「0:無効」の場合やメイン
入力軸のサーボ入力軸や同期エンコーダ軸が未接続の場合,前回同期制御時の主
軸合成ギア後現在値が復元されます。

備 考

「前回同期制御時」とは,以下のように前回の同期制御が中断された直前の状態を表
します。同期を保持していた最後の状態です。
・[Rq.380]同期制御始動(M12000+n)をON→OFFする直前
・停止指令やエラーなどで減速停止する直前
・マルチCPUシステムの電源がOFFされる直前

Ver.! :ソフトウェアの対応バージョンについては,1.4節を参照してください。

8 - 11
8.補助/応用機能

(2) 同期制御始動時の主軸ギア後1サイクル現在値,補助軸ギア後1サイクル現在値
主軸ギア後1サイクル現在値は,同期制御始動前にメイン入力軸で行われた操作に
応じて,補助軸ギア後1サイクル現在値は,同期制御始動前に補助軸で行われた操
作に応じて,以下のように復元されます。
サーボ入力軸 同期エンコーダ軸
メイン入力軸/
マルチCPU間
補助軸の操作 絶対位置検出 絶対位置検出 指令生成軸 INC同期 ABS同期 デバイス経由
同期制御*3
(同期制御始動前) システム有効 システム無効 エンコーダ エンコーダ 同期エンコーダ Ver.!

原点復帰 復元方法① ─ ─
現在値変更 復元方法① 復元方法① 復元方法①
速度制御(Ⅰ)*1 復元方法① 復元方法① ─
定寸送り制御 復元方法① 復元方法① ─
速度・位置切換え
復元方法① ─ ─
制御*2
サーボアンプ接続 復元方法② 復元方法① ─ ─
同期エンコーダ接続 ─ ─ 復元方法① 復元方法② 復元方法①
上記以外 復元方法② 復元方法② 復元方法②

*1:送り現在値更新指令(M3212+20n)OFF,または[Rq.347]指令生成軸送り現在値更新指令(M10972+20n)
OFFで始動した場合
*2:送り現在値更新指令(M3212+20n)OFFで始動した場合
*3:マルチCPU間同期制御の構成でスレーブCPUの同期エンコーダ軸種別(マスタCPUサーボ入力軸,マスタ
CPU指令生成軸,マスタCPU同期エンコーダ軸)として設定した場合

(a) 復元方法①
主軸合成ギア後現在値/補助軸現在値を元に新しく主軸ギア後1サイクル現
在値/補助軸ギア後1サイクル現在値を計算して復元します。
[主軸の場合]
主軸ギア後 主軸合成ギア後
= 主軸ギア比 ×
1サイクル現在値 現在値

[補助軸の場合]
補助軸ギア後
= 補助軸ギア比 × 補助軸現在値
1サイクル現在値

(b) 復元方法②
前回同期制御時からの移動量を主軸ギア後1サイクル現在値/補助軸ギア後1
サイクル現在値に反映して復元します。
[主軸の場合]
前回同期制御時
主軸ギア後 前回同期制御時からの
= の主軸ギア後 + 主軸ギア比 ×
1サイクル現在値 主軸現在値の変化量
1サイクル現在値

[補助軸の場合]
前回同期制御時
補助軸ギア後 前回同期制御時からの
= の補助軸ギア後 + 補助軸ギア比 ×
1サイクル現在値 補助軸現在値の変化量
1サイクル現在値

Ver.! :ソフトウェアの対応バージョンについては,1.4節を参照してください。

8 - 12
8.補助/応用機能

なお,[Pr.400]メイン入力軸番号(D15000+150n)/[Pr.418]補助軸番号
(D15024+150n)が「0:無効」の場合やメイン入力軸/補助軸に設定したサー
ボ入力軸や同期エンコーダ軸が未接続の場合,前回同期制御時の主軸ギア後1
サイクル現在値/補助軸ギア後1サイクル現在値が復元されます。

(3) 同期制御始動時のカム軸の位置
カム軸の位置は「カム軸1サイクル現在値」,「カム基準位置」,「カム軸送り現
在値」の3つの位置関係で成り立っており,同期制御始動時には,いずれか2つの
位置を決めることで残り1つの位置を復元することができます。

カム軸1サイクル現在値

カム軸送り現在値

カム基準位置

どの位置を復元するかは,[Pr.462]カム軸位置復元対象(D15102+150n)で以下
の3つから選択します。(復元方法の詳細は,「8.6節」を参照してください。)
① カム軸1サイクル現在値復元
② カム基準位置復元
③ カム軸送り現在値復元

カム軸位置復元で設定が必要なパラメータを表8.2に示します。(設定内容の詳細
は,「8.5節」を参照してください。)

表8.2 カム軸位置復元パラメータ設定一覧
[Pr.467] [Pr.468]
[Pr.463] [Pr.464]
[Pr.462] カム基準位置 カム軸1サイクル
カム基準位置 カム軸1サイクル
カム軸位置復元対象 初期設定値 現在値初期設定値 復元処理内容
設定方法 現在値設定方法
(D15102+150n) (D15110+150n, (D15112+150n,
(D15103+150n) (D15104+150n)
D15111+150n) D15113+150n)
○ 「カム基準位置」と「カム軸送
0:カム軸1サイクル
○ △ ─ (サーチ開始位置 り現在値」を元に,「カム軸1
現在値復元
として使用) サイクル現在値」を復元
「カム軸1サイクル現在値」と
1:カム基準位置
─ ─ ○ △ 「カム軸送り現在値」を元に,
復元
「カム基準位置」を復元
「カム軸1サイクル現在値」と
2:カム軸送り現在値
○ △ ○ △ 「カム基準位置」を元に,
復元
「カム軸送り現在値」を復元

○:必須設定,△:初期設定値使用時は必須設定,─:設定は不要

8 - 13
8.補助/応用機能

8.5 同期制御初期位置パラメータ

記号 設定項目 設定内容 設定値 取込周期 初期値 デバイス番号


0:前回値
主軸ギア後
主軸ギア後1サイクル現在値の設定 1:主軸ギア後1サイクル現在値
Pr.460 1サイクル現在値 0 D15100+150n
方法を選択する。 初期設定値([Pr.465])
設定方法
2:入力軸から計算
0:前回値
補助軸ギア後
補助軸ギア後1サイクル現在値の設 1:補助軸ギア後1サイクル現在
Pr.461 1サイクル現在値 0 D15101+150n
定方法を選択する。 値初期設定値([Pr.466])
設定方法
2:入力軸から計算
0:カム軸1サイクル現在値復元
カム軸位置 カム軸の位置を復元する対象を選
Pr.462 1:カム基準位置復元 0 D15102+150n
復元対象 択する。
2:カム軸送り現在値復元
・カム基準位置の設定方法を選択す
る。 0:前回値
カム基準位置
Pr.463 ・カム軸1サイクル現在値復元また 1:カム基準位置初期設定値 2 D15103+150n
設定方法
はカム軸送り現在値復元のとき 2:送り現在値
に設定する。
0:前回値
同期制御
・カム軸1サイクル現在値の設定方 1:カム軸1サイクル現在値初期
カム軸 始動時
法を選択する。 設定値
Pr.464 1サイクル現在値 0 D15104+150n
・カム基準位置復元またはカム軸送 2:主軸ギア後1サイクル現在値
設定方法
り現在値復元のときに設定する。 3:補助軸ギア後1サイクル現在

主軸ギア後
主軸ギア後1サイクル現在値の初期 0~(カム軸1サイクル長-1) D15106+150n
Pr.465 1サイクル現在値 0
値を設定する。 [カム軸サイクル単位*1] D15107+150n
初期設定値
補助軸ギア後
補助軸ギア後1サイクル現在値の初 0~(カム軸1サイクル長-1) D15108+150n
Pr.466 1サイクル現在値 0
期値を設定する。 [カム軸サイクル単位*1] D15109+150n
初期設定値
カム基準位置 -2147483648~2147483647 D15110+150n
Pr.467 カム基準位置の初期値を設定する。 0
初期設定値 [出力軸位置単位*2] D15111+150n
・カム軸1サイクル現在値の初期値
カム軸 を設定する。
0~(カム軸1サイクル長-1) D15112+150n
Pr.468 1サイクル現在値 ・カム軸1サイクル現在値復元の場 0
[カム軸サイクル単位*1] D15113+150n
初期設定値 合,設定値から,復元するカム軸
1サイクル現在値をサーチする。

*1:カム軸サイクル単位(7.5.1項参照)
*2:出力軸位置単位(7.5.1項参照)

8 - 14
8.補助/応用機能

(1) [Pr.460]主軸ギア後1サイクル現在値設定方法(D15100+150n)
同期制御始動時に[Md.401]主軸ギア後1サイクル現在値(D13602+30n,D13603+
30n)の設定方法を選択します。
・0:前回値································ 前回同期制御時の主軸ギア後1
サイクル現在値が格納されます。
・1:主軸ギア後1サイクル現在値初期設定値 ··· [Pr.465]主軸ギア後1サイクル
現 在 値 初 期 設 定 値 ( D15106 +
150n,D15107+150n)の値が格
納されます。
・2:入力軸から計算························ 主軸合成ギア後現在値を元に計
算した値が格納されます。

(2) [Pr.461]補助軸ギア後1サイクル現在値設定方法(D15101+150n)
同期制御始動時に[Md.402]補助軸ギア後1サイクル現在値(D13604+30n,D13605
+30n)の設定方法を選択します。
・0:前回値································· 前回同期制御時の補助軸ギア
後1サイクル現在値が格納され
ます。
・1:補助軸ギア後1サイクル現在値初期設定値 ·· [Pr.466]補助軸ギア後1サイク
ル現在値初期設定値(D15108+
150n,D15109+150n)の値が格
納されます。
・2:入力軸から計算························· 補助軸の現在値を元に計算し
た値が格納されます。

(3) [Pr.462]カム軸位置復元対象(D15102+150n)
同期制御始動時に復元する対象を「カム軸1サイクル現在値」,「カム基準位置」,
「カム軸送り現在値」の中から選択します。
・0:カム軸1サイクル現在値復元 ·····「カム基準位置」と「カム軸送り現在値」
からカム軸1サイクル現在値を復元します。
・1:カム基準位置復元··············「カム軸1サイクル現在値」と「カム軸送
り現在値」からカム基準位置を復元します。
・2:カム軸送り現在値復元 ··········「カム軸1サイクル現在値」と「カム基準
位置」からカム軸送り現在値を復元します。

(4) [Pr.463]カム基準位置設定方法(D15103+150n)
[Pr.462]カム軸位置復元対象(D15102+150n)に「0:カム軸1サイクル現在値復
元」,「2:カム軸送り現在値復元」を設定した場合,復元に使用するカム基準位
置の設定方法を選択します。
・0:前回値························前回同期制御時のカム基準位置が格納さ
れます。前回同期制御時のカム基準位置が
保存されていない場合は,送り現在値が格
納されます。
・1:カム基準位置初期設定値 ········[Pr.467]カム基準位置初期設定値(D15110
+150n,D15111+150n)の値が格納されま
す。
・2:送り現在値····················送り現在値(D0+20n,D1+20n)の値が格
納されます。

8 - 15
8.補助/応用機能

(5) [Pr.464]カム軸1サイクル現在値設定方法(D15104+150n)
[Pr.462]カム軸位置復元対象(D15102+150n)に「1:カム基準位置復元」,「2:
カム軸送り現在値復元」を設定した場合,復元に使用するカム軸1サイクル現在値
の設定方法を選択します。
・0:前回値····························· 前回同期制御時のカム軸1サイクル
現在値がそのまま格納されます。
・1:カム軸1サイクル現在値初期設定値 ···· [Pr.468]カム軸1サイクル現在値初
期設定値(D15112+150n,D15113+
150n)の値が格納されます。
・2:主軸ギア後1サイクル現在値 ·········· 主軸ギア後1サイクル現在値が格納
されます。
・3:補助軸ギア後1サイクル現在値 ········ 補助軸ギア後1サイクル現在値が格
納されます。

(6) [Pr.465]主軸ギア後1サイクル現在値初期設定値(D15106+150n,D15107+150n)
[Pr.460]主軸ギア後1サイクル現在値設定方法(D15100+150n)に「1:主軸ギア
後1サイクル現在値初期設定値」を設定した場合,主軸ギア後1サイクル現在値の
初期設定値を設定します。
設定単位は,カム軸サイクル単位(7.5.1項参照)となります。
「0~(カム軸1サイクル長-1)」の範囲で設定してください。

(7) [Pr.466]補助軸ギア後1サイクル現在値初期設定値(D15108+150n,D15109+150n)
[Pr.461]補助軸ギア後1サイクル現在値設定方法(D15101+150n)に「1:補助軸
ギア後1サイクル現在値初期設定値」を設定した場合,補助軸ギア後1サイクル現
在値の初期設定値を設定します。
設定単位は,カム軸サイクル単位(7.5.1項参照)となります。
「0~(カム軸1サイクル長-1)」の範囲で設定してください。

(8) [Pr.467]カム基準位置初期設定値(D15110+150n,D15111+150n)
[Pr.463]カム基準位置設定方法(D15103+150n)に「1:カム基準位置初期設定値」
を設定した場合,カム基準位置の初期設定値を出力軸位置単位(7.5.1項参照)で
設定します。

(9) [Pr.468]カム軸1サイクル現在値初期設定値(D15112+150n,D15113+150n)
[Pr.462]カム軸位置復元対象(D15102+150n)の設定により,以下の値を設定し
てください。
設定単位は,カム軸サイクル単位(7.5.1項参照)となります。
「0~(カム軸1サイクル長-1)」の範囲で設定してください。
[Pr.462]カム軸位置復元対象
設定値
(D15102+150n)
カム軸1サイクル現在値を復元するためのサーチ処理を開始する位置を
設定します。
0:カム軸1サイクル現在値復元 往復動作のカムパターンで復路側の位置を復元する時などに設定して
ください。
サーチ処理の詳細は,「8.6.1項」を参照してください。
1:カム基準位置復元 [Pr.464]カム軸1サイクル現在値設定方法(D15104+150n)に「1:カム
軸1サイクル現在値初期設定値」を設定した場合,カム軸1サイクル現在
2:カム軸送り現在値復元
値の初期設定値を設定します。

8 - 16
8.補助/応用機能

8.6 カム軸位置復元方法

8.6.1 カム軸1サイクル現在値復元

[Pr.462]カム軸位置復元対象(D15102+150n)を「0:カム軸1サイクル現在値復元」
に設定して同期制御を始動すると,カム基準位置とカム軸送り現在値を元にカム軸1サ
イクル現在値を復元して同期制御が始動されます。
復元に使用するカム基準位置はパラメータで設定します。カム軸送り現在値は同期
制御始動時の送り現在値が使用されます。
カム軸1サイクル現在値の復元は,カムパターンの先頭から終端に向かって一致する
カム軸1サイクル現在値をサーチすることで算出します。カムパターンをサーチする開
始位置は[Pr.468]カム軸1サイクル現在値初期設定値(D15112+150n,D15113+150n)
で設定します。(往復動作のカムパターンで復路からサーチすることが可能です。)
送り現在値
[Md.409]カム軸送り現在値
(D0+20n,D1+20n) カム基準位置とカム軸送り現在値
(D13616+30n,D13617+30n)
(同期制御始動時) を元にしてカム軸1サイクル現在値
を復元する。
[Md.407]カム軸1サイクル現在値
[Pr.463]カム基準位置設定方法 (D13612+30n,D13613+30n)
(D15103+150n)
0:前回値
[Md.408]カム基準位置
1:カム基準位置初期設定値
(D13614+30n,D13615+30n)
2:送り現在値

カム軸1サイクル現在値

カム軸送り現在値 カムパターンをサーチ
(カム軸1サイクル現在値の
途中からサーチも可能)
カム基準位置

(1) 制約事項
(a) 往復動作のカムパターンでは,該当するカム軸1サイクル現在値がサーチでき
なかった場合,「重度エラー(エラーコード:1768)」となり,同期制御始
動できません。

(b) 同期制御始動直後に送り現在値が同期制御始動時の位置から微小に変化する
ことがあります。これは復元したカム軸1サイクル現在値を基準に位置を再調
整しているためであり,位置ずれではありません。

(c) 送り動作のカムパターンでは,1サイクル目のサーチで該当するカム軸1サイ
クル現在値をサーチできなかった場合,自動的にカム基準位置を変更して対
応するカム軸1サイクル現在値を再度サーチします。

(d) 使用するカムのカム分解能が大きい場合,同期制御始動時のサーチ処理に時
間がかかることがあります。(カム分解能32768の場合,最大約23ms)

8 - 17
8.補助/応用機能

(2) カム軸1サイクル現在値復元動作
(a) 往復動作のカムパターンのとき
① 「カム軸1サイクル現在値=0」からサーチするパターン
(カムデータ開始位置=0)

カム軸1サイクル現在値
カム軸1サイクル現在値=0からサーチ
する。
カム軸送り現在値
(送り現在値) 最初に一致した送り現在値で復元する。
(2番目以降の一致する送り現在値から
カム基準位置 は復元されない。)

② カム軸1サイクル現在値の途中からサーチするパターン
(カムデータ開始位置=0)
[Pr.468]カム軸1サイクル現在値初期設定値
(D15112+150n,D15113+150n)
カム軸1サイクル現在値

途中からサーチする。(その前の
送り現在値は後でサーチされる。)
カム軸送り現在値
途中からサーチして最初に一致した
(送り現在値)
送り現在値で復元する。(2番目の
送り現在値から復元される。)
カム基準位置

③ カム軸1サイクル現在値の途中からサーチするパターン
(カムデータ開始位置≠0)
[Pr.468]カム軸1サイクル現在値初期設定値
(D15112+150n,D15113+150n)
カム軸1サイクル現在値

途中からサーチする。
カム軸送り現在値
(送り現在値)
カムデータ
開始位置
カム基準位置
途中からサーチして最初に一致
した送り現在値で復元する。

④ サーチに失敗するパターン

カム軸1サイクル現在値

カム軸送り現在値
(送り現在値) 1サイクル分サーチして,一致する
送り現在値が見つからない場合,
復元に失敗する。
カム基準位置

8 - 18
8.補助/応用機能

(b) 送り動作のカムパターンのとき
① カム軸1サイクル現在値=0からサーチするパターン
(カムデータ開始位置=0)

カム軸1サイクル現在値
カム軸1サイクル現在値=0からサーチ
する。
カム軸送り現在値
(送り現在値) 最初に一致した送り現在値で復元する。
(2番目以降の一致する送り現在値から
カム基準位置 は復元されない。)

② カム軸1サイクル現在値の途中からサーチするパターン
(カムデータ開始位置=0)
[Pr.468]カム軸1サイクル現在値初期設定値
(D15112+150n,D15113+150n)

カム軸1サイクル現在値

カム軸送り現在値
(送り現在値)
新しいカム基準位置
復元開始時の
カム基準位置
途中からサーチして次の
次のサイクルのカム基準位置 サイクルの最初に一致し
に自動的に更新する。 た送り現在値で復元する。

③ カム軸1サイクル現在値の途中からサーチするパターン
(カムデータ開始位置≠0)
[Pr.468]カム軸1サイクル現在値初期設定値
(D15112+150n,D15113+150n)
カム軸1サイクル現在値

カム軸送り現在値 途中からサーチする。
(送り現在値)

新しいカム基準位置
復元開始時の
カム基準位置
カムデータ 途中からサーチして
開始位置 次のサイクルのカム基準位置 最初に一致した送り
に自動的に更新する。 現在値で復元する。
(カムデータ0点目で更新)

8 - 19
8.補助/応用機能

④ 1回目のサーチに失敗して,2回目のサーチをするパターン

カム軸1サイクル現在値
送りストローク

カム軸送り現在値
(送り現在値)
新しいカム基準位置
2回目のサーチで最初
に一致した送り現在値
復元開始時の で復元する。
カム基準位置
1回目のサーチに失敗すると「送り現在値-新しいカム基準位置」
が送りストローク量以内になるよう新しいカム基準位置を自動的
に更新して再サーチ

ポイント
1回目のサーチに失敗した場合,上記のように送りストローク比が100%より小さい
カムパターンでは,次サイクルでの再サーチが行われないことがあります。
1回目のサーチで見つかるように,あらかじめカム基準位置を設定するか位置決め
することで意図したカム軸1サイクル現在値をサーチできます。

8 - 20
8.補助/応用機能

8.6.2 カム基準位置復元

[Pr.462]カム軸位置復元対象(D15102+150n)を「1:カム基準位置復元」に設定し
て同期制御を始動すると,カム軸1サイクル現在値とカム軸送り現在値を元にカム基準
位置を復元して同期制御が始動されます。
復元に使用するカム軸1サイクル現在値はパラメータで設定します。カム軸送り現在
値は同期制御始動時の送り現在値が使用されます。
[Pr.464]カム軸1サイクル現在値
設定方法(D15104+150n)
0:前回値
1:カム軸1サイクル
現在値初期設定値 カム軸1サイクル現在値とカム軸
[Md.407]カム軸1サイクル現在値
2:主軸ギア後 送り現在値を元にしてカム基準
(D13612+30n,D13613+30n)
1サイクル現在値 位置を復元する。
3:補助軸ギア後 [Md.408]カム基準位置
1サイクル現在値 (D13614+30n,D13615+30n)
送り現在値
[Md.409]カム軸送り現在値
(D0+20n,D1+20n)
(D13616+30n,D13617+30n)
(同期制御始動時)

カム軸1サイクル現在値

カム軸送り現在値

カム基準位置

「送り現在値-カム軸1サイクル現在値」に対応するカムストローク位置に復元

(1) 使用例
カムデータ開始位置が0以外に設定されているカムにおいて「送り現在値=0」,
「カム軸1サイクル現在値=0」から開始できるようにカム基準位置を復元する例を
以下に示します。

カム軸1サイクル現在値 0

カム軸送り現在値 0
カムデータ
開始位置
カム基準位置
カムデータ

8 - 21
8.補助/応用機能

8.6.3 カム軸送り現在値復元

[Pr.462]カム軸位置復元対象(D15102+150n)を「2:カム軸送り現在値復元」に設
定して同期制御を始動すると,カム軸1サイクル現在値とカム基準位置を元にカム軸送
り現在値を復元して同期制御が始動されます。
復元に使用するカム軸1サイクル現在値とカム基準位置はパラメータで設定します。
[Pr.464]カム軸1サイクル現在値
設定方法(D15104+150n)
0:前回値
1:カム軸1サイクル
現在値初期設定値
[Md.407]カム軸1サイクル現在値
2:主軸ギア後 カム軸1サイクル現在値と
(D13612+30n,D13613+30n)
1サイクル現在値 カム基準位置を元にして
3:補助軸ギア後 カム軸送り現在値を復元する。
1サイクル現在値 [Md.409]カム軸送り現在値
[Pr.463]カム基準位置設定方法 (D13616+30n,D13617+30n)
(D15103+150n)
0:前回値
[Md.408]カム基準位置
1:カム基準位置初期設定値
(D13614+30n,D13615+30n)
2:送り現在値

カム軸1サイクル現在値

カム軸送り現在値

カム基準位置

(1) 制約事項
復元されたカム軸送り現在値と同期制御始動時の送り現在値が異なる場合は,同
期制御始動直後に復元されたカム軸送り現在値に移動します。
同期制御始動時,復元されたカム軸送り現在値と送り現在値の差がパルス指令単
位でサーボパラメータの「インポジション範囲(PA10)」より大きい場合,「重度
エラー(エラーコード:1769)」となり,同期制御始動できません。
また,インポジション範囲の設定値が大きいと急激な動作になることがあります
のでご注意ください。

ポイント
カム軸送り現在値復元を使用する場合は,同期制御始動前にカム位置計算機能(8.8
節参照)や同期制御解析モード(8.7節参照)などで対応するカム軸送り現在値を
計算して,正しいカム軸送り現在値に位置決めした後で同期制御を始動してくださ
い。

8 - 22
8.補助/応用機能

8.7 同期制御解析モード

同期制御始動時,同期制御用パラメータの解析のみ実施するモードです。同期制御
を始動する前に出力軸の同期位置を確認して同期位置合わせをする用途で使用します。
同期制御の始動([Rq.380]同期制御始動(M12000+n)をOFF→ON)時,[Rq.381]同
期解析要求(M12032+n)がONしていると同期制御解析モードで動作します。
解析が完了すると同期制御モニタデータ([Md.400]~[Md.402],[Md.406]~[Md.411],
[Md.422],[Md.425],[St.420],[St.421],[St.423],[St.424](7.7参照))が更新
され,[St.381]同期解析完了(M10912+n)がOFF→ONします。
同期制御解析モードでは,[St.380]同期制御中(M10880+n),始動受付フラグ(M2001
+n)はONしません。

ON
[Rq.380]同期制御始動
(M12000+n) OFF
ON
[St.380]同期制御中
(M10880+n) OFF
ON
[Rq.381]同期解析要求
(M12032+n) OFF
ON
[St.381]同期解析完了 解析中
(M10912+n) OFF
解析中 ON
始動受付フラグ
(M2001+n) OFF
[St.381]同期解析完了(M10912+n)がOFFしたこと
を確認後,開始時の[Md.409]カム軸送り現在値
サーボプログラム始動 (D13616+30n,D13617+30n)に位置決め始動する。

同期制御モニタデータ 前回のモニタ値 同期解析完了時のモニタ値 同期制御開始時のモニタ値

ポイント
(1) 同期制御解析モードは同期位置合わせの用途で使用するため,重度エラー(エ
ラーコード:1769)を検出しません。
このため,同期制御始動前に同期制御パラメータの解析完了([St.381]同期解
析完了(M10912+n)のOFF→ON)により更新された[Md.409]カム軸送り現在値
(D13616+30n,D13617+30n)を参照し,同期位置合わせを行ってください。
(2) 同期制御解析モードを始動するときに[St.381]同期解析完了(M10912+n)が
ONの場合,[Rq.380]同期制御始動(M12000+n)をOFF→ONすることにより
[St.381]同期解析完了(M10912+n)がOFFされます。

8 - 23
8.補助/応用機能

(1) 使用例
入力軸を基準にして出力軸の同期位置を合わせる例を以下に示します。

① 同期制御初期位置パラメータに以下を設定する。
設定項目 設定値
[Pr.460]主軸ギア後1サイクル現在値設定方法(D15100+150n) 2:入力軸から計算
[Pr.462]カム軸位置復元対象(D15102+150n) 2:カム軸送り現在値復元
[Pr.463]カム基準位置設定方法(D15103+150n) 0:前回値
[Pr.464]カム軸1サイクル現在値設定方法(D15104+150n) 2:主軸ギア後1サイクル現在値

② [Rq.381]同期解析要求(M12032+n)をONした状態で,[Rq.380]同期制御始動
(M12000+n)をOFF→ONし,同期制御解析モードを始動する。
③ [St.381]同期解析完了(M10912+n)がONしていることを確認し,更新された
[Md.409]カム軸送り現在値(D13616+30n,D13617+30n)に出力軸を位置決め
する。
④ [Rq.381]同期解析要求(M12032+n)をOFFした状態で,[Rq.380]同期制御始動
(M12000+n)をOFF→ONし,同期制御を始動する。

8 - 24
8.補助/応用機能

8.8 カム位置計算機能

カム位置をモーションSFCプログラムのCAMPSCL命令(カム位置計算)で計算する機
能です。同期制御の始動前にカム位置を計算し,同期位置合わせを行う場合に使用で
きます。
CAMPSCL命令の詳細は,「Q173D(S)CPU /Q172D(S)CPU モーションコントローラ
(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(モーションSFC編)」を参照してください。

(1) 使用例
軸1のカム軸1サイクル現在値に対して,軸2,軸3のカム軸が同期する同期システ
ムの同期位置合わせを行う手順を以下に示します。

① 軸1の送り現在値とカム基準位置を元に,カム軸1サイクル現在値をカム位置計
算機能で算出する。
② ①で計算したカム軸1サイクル現在値を元に,軸2のカム軸送り現在値をカム位
置計算機能で算出する。
③ ①で計算したカム軸1サイクル現在値を元に,軸3のカム軸送り現在値をカム位
置計算機能で算出する。
④ 軸2を②で計算したカム軸送り現在値に,軸3を③で計算したカム軸送り現在値
に位置決めする。
⑤ 軸1,軸2,軸3において送り現在値復元モードで同期制御を始動する。このと
き①で計算したカム軸1サイクル現在値をカム軸1サイクル現在値初期設定値
として使用する。

8 - 25
8.補助/応用機能

8.9 同期制御の再開手順

同期制御の同期位置関係は,常時モーションCPUユニットに記憶されています。同期
制御初期位置パラメータ(8.5節参照)で同期関係を復元することにより,全軸を開始
位置へ戻さなくても同期制御を再開することができます。
同期制御を再開する際に基準とする軸は,システムによって異なるため,ここでは
サーボ入力軸の位置を基準として復元する例の手順を示します。
(1) 使用例
サーボ入力軸(軸1)の位置を基準として2つの出力軸(軸2,軸3)を復元する例
(プレス搬送装置)

プレス位置
(軸1) 主軸ギア 主軸ギア

軸1 軸1
ワーク搬送
Y軸(軸3)
ワーク搬送 軸2 軸3
X軸(軸2)

(a) 同期制御初回の手順
① 軸1,軸2,軸3を原点復帰し,同期開始位置へ位置決めする。
② 軸2,軸3の同期制御初期位置パラメータを以下のように設定する。
設定項目 設定値
[Pr.460]主軸ギア後1サイクル現在値設定方法(D15100+150n) 2:入力軸から計算
[Pr.462]カム軸位置復元対象(D15102+150n) 2:カム軸送り現在値復元
[Pr.463]カム基準位置設定方法(D15103+150n) 0:前回値
[Pr.468]カム軸1サイクル現在値初期設定値
0
(D15112+150n,D15113+150n)

③ [Rq.380]同期制御始動(M12000+n)の軸2,軸3のビットデバイスをONし
て同期制御を始動する。

(b) 同期制御再開時の手順
① 軸2,軸3の同期制御初期位置パラメータを以下のように設定する。
設定項目 設定値
[Pr.460]主軸ギア後1サイクル現在値設定方法(D15100+150n) 2:入力軸から計算
[Pr.462]カム軸位置復元対象(D15102+150n) 2:カム軸送り現在値復元
[Pr.463]カム基準位置設定方法(D15103+150n) 0:前回値
[Pr.464]カム軸1サイクル現在値設定方法(D15104+150n) 2:主軸ギア後1サイクル現在値

② [Rq.381]同期解析要求(M12032+n)の軸2,軸3のビットデバイスをON,
[Rq.380]同期制御始動(M12000+n)の軸2,軸3のビットデバイスをONし
て同期制御解析を実行する。解析結果は,同期制御モニタデータ([Md.400]
~[Md.402],[Md.406]~[Md.411],[Md.422],[Md.425],[St.420],[St.421],
[St.423],[St.424](7.7参照))に更新される。
③ ②で更新された[Md.409]カム軸送り現在値(D13616+30n,D13617+30n)
へ軸2,軸3を位置決めする。
④ [Rq.381]同期解析要求(M12032+n)の軸2,軸3のビットデバイスをOFF,
[Rq.380]同期制御始動(M12000+n)の軸2,軸3のビットをONして同期制
御を始動する。

8 - 26
8.補助/応用機能

8.10 マルチCPU間同期制御 Ver.!

8.10.1 マルチCPU間同期制御の概要

マスタCPUの入力軸に同期してスレーブCPUを同期制御することで,複数CPU間の同期
運転を行うことができます。
複数CPU間の同期運転に必要なデータは,マルチCPU間高速通信エリア経由で伝送さ
れます。
マルチCPU間同期制御パラメータで,マスタCPU,およびスレーブCPUの設定を行いま
す。また,マルチCPU間同期制御で使用するステータスデバイスを設定することで,マ
ルチCPU間同期制御を構成する他号機の状態をモニタできます。
スレーブCPU側の同期エンコーダとして接続するマスタCPUの入力軸種別(マスタCPU
サーボ入力軸,マスタCPU指令生成軸,マスタCPU同期エンコーダ軸)を設定すること
で,同期制御の始動によりマスタCPUの入力軸と同期させることができます。

マスタCPU(1台)
スレーブCPU(最大2台)

SSCNETⅢ(/H)

d01 d16 d01 d16 d01 d16

MR-J3(W)-□B/MR-J4(W)-□B形サーボアンプ
最大96軸(32軸×3CPU)/システム
Q173DSCPU:2系統(最大32軸)
Q172DSCPU:1系統(最大16軸)

Ver.! :ソフトウェアの対応バージョンについては,1.4節を参照してください。

8 - 27
8.補助/応用機能

(1) マルチCPU間同期制御の特長
マルチCPU間同期制御の特長を以下に示します。

(a) 最大96軸の同期運転が可能
同一ベース上でマルチCPUシステムを構成する最大3台(マスタCPU:1台,ス
レーブCPU:最大2台)のモーションCPUにより,最大96軸(32軸×3CPU)のサー
ボモータを同期させて制御することができます。

(b) マスタCPUとスレーブCPUのモーション演算を同期
マスタCPUのモーション演算タイミングの基準となるクロック信号をベース
経由でスレーブCPUに送ることにより,マスタCPUとスレーブCPUのモーション
演算タイミングをハードウェアで同期します。
マスタCPUが管理するサーボモータと,スレーブCPUが管理するサーボモータ
を高精度で同期運転することができます。

(c) マルチCPU間高速通信エリアを経由した高速データ交換
マスタCPUとスレーブCPU間のデータ交換は,CPU共有メモリのマルチCPU間高
速通信エリア(U□\G10000~)を経由して行います。モーションCPUよりマル
チCPU間高速通信エリアを直接アクセスすることにより,マスタCPUとスレー
ブCPU間のデータ交換を高速に行います。

8 - 28
8.補助/応用機能

(2) 設定例
マスタCPU(2号機)の指令生成軸(1軸)に,スレーブCPU(3号機,4号機)の出
力軸を同期させる例を以下に示します。
CPU号機
設定項目
2号機(マスタCPU) 3号機(スレーブCPU) 4号機(スレーブCPU)
マルチCPU間同期制御設定 マスタCPU スレーブCPU スレーブCPU
[Pr.340]指令生成軸有効設定(軸1) 1:有効 ─ ─
401:マスタCPU指令 401:マスタCPU指令
[Pr.320]同期エンコーダ軸種別(軸1) ─
生成軸(軸1) 生成軸(軸1)

マスタCPU(2号機)
位置決め始動
入力軸 主軸合成 主軸
(主軸メイン) ギア ギア
サーボプログラム 指令生成軸
パラメータ
位置決め制御
(指令生成軸用) 指令生成軸(軸1)
主軸
クラッチ
入力軸
(主軸サブ)
変速機
補助軸 補助軸 変速機
ギア クラッチ
補助軸
合成ギア

変速機

補助軸
カム
出力軸

サーボ サーボ サーボ


アンプ アンプ アンプ

サーボ サーボ サーボ


モータ モータ モータ

スレーブCPU(3号機) スレーブCPU(4号機)

入力軸 主軸合成 主軸 入力軸 主軸合成 主軸


(主軸メイン) ギア ギア (主軸メイン) ギア ギア
同期エンコーダ軸 同期エンコーダ軸
パラメータ* パラメータ*
同期エンコーダ軸 同期エンコーダ軸
(軸1) (軸1)
主軸 主軸
*:マスタCPUの クラッチ *:マスタCPUの クラッチ
指令生成軸 入力軸 指令生成軸 入力軸
軸1に接続 (主軸サブ) 軸1に接続 (主軸サブ)
変速機 変速機
補助軸 補助軸 変速機 補助軸 補助軸 変速機
ギア クラッチ ギア クラッチ
補助軸 補助軸
合成ギア 合成ギア

変速機 変速機

補助軸 補助軸
カム カム
出力軸 出力軸

サーボ サーボ サーボ サーボ サーボ サーボ


アンプ アンプ アンプ アンプ アンプ アンプ

サーボ サーボ サーボ サーボ サーボ サーボ


モータ モータ モータ モータ モータ モータ

8 - 29
8.補助/応用機能

ポイント
(1) マルチCPU間高速通信エリアを経由することで,マスタCPUから送信した指令値
をスレーブCPUが処理するまでに2演算周期かかります。このため,モーション
CPU内のソフトウェア処理で,マスタCPU側の出力軸への指令タイミングを2演
算周期遅らせるよう補正しています。これにより,マスタCPU側とスレーブCPU
側で出力軸への指令タイミングが大きくずれることはありません。
(2) (1)の補正により,マスタCPU側では入力軸に対して出力軸における同期制御モ
ニタデータの更新も2演算周期遅れます。また,メイン入力軸で現在値変更等
の操作が行われた場合に,[Md.400]主軸合成ギア後現在値(D13600+30n,
D13601+30n)が変更されるタイミングも同様のタイミングとなります。
(例) マスタCPUに指令生成軸を設定した場合
マスタCPU スレーブCPU

入力軸 入力軸
2演算周期の遅れ
指令生成軸モニタデータ (マルチCPU間高速通信エリア) 同期エンコーダ軸モニタ
[Md.340]~[Md.348], データ
[St.340]~[St.349] [Md.320]~[Md.324],
[Md.326],[Md.327],
2演算周期の [St.320]~[St.325]
遅れ
(ソフトウェア
出力軸 で補正) 出力軸
同期制御モニタデータ 同期制御モニタデータ
[Md.400]~[Md.402], [Md.400]~[Md.402],
[Md.406]~[Md.411], 同じタイミング [Md.406]~[Md.411],
[Md.422],[Md.425], [Md.422],[Md.425],
[St.420],[St.421], [St.420],[St.421],
[St.423],[St.424] [St.423],[St.424]

(3) 注意事項
(a) マスタCPUにおいて,同期制御中にメイン入力軸で[Md.400]主軸合成ギア後現
在値(D13600+30n,D13601+30n)が変更される操作を連続で行う場合は,2
演算周期経過してから行ってください。2演算周期以内に連続で行うと
[Md.400]主軸合成ギア後現在値(D13600+30n,D13601+30n)が変更されな
いことがあります。

8 - 30
8.補助/応用機能

8.10.2 マルチCPU間同期制御の設定

マルチCPU間同期制御に必要な,マスタCPU,およびスレーブCPUの設定を行います。
また,マルチCPU間同期制御を構成する他号機の情報をモニタするために,各CPUの
ステータスデバイスの設定を行います。
マルチCPU間同期制御の設定は,システム設定のCPU設定で設定します。

No. 項 目 設定範囲 初期値 備 考


マルチCPU台数が3台,または4台の
1 マルチCPU間同期制御設定 単独CPU/マスタCPU/スレーブCPU 単独CPU
場合に設定可
同期制御中 ─
ステータス マスタCPU 接続情報 ワードデバイス(D,W,#,U□\G)/ ─
2 デバイス 入力軸*3 エラー情報 ビットデバイス(X,Y,M,B,F)/ ─
設定*1,*2 各号機ステータス ─*4 ─
各号機各軸エラーステータス ─

*1:2~4号機にデバイスを設定することで,各モーションCPUの状態をモニタできます。
*2:単独で動作しているモーションCPUに設定した場合,デバイスに何も格納されません。
*3:マルチCPU間同期制御設定が「スレーブCPU」の場合に設定可能です。
*4:省略可

ポイント
各モーションCPUに割当てたデバイス値は,マルチCPU間高速通信エリアにて伝送す
ることにより演算周期×3の遅れが発生します。

(1) マルチCPU間同期制御設定
マルチCPU間同期制御のシステムを構成するマスタCPU,およびスレーブCPUの設定
を行います。
・単独CPU :単独CPUとして動作します。
(マルチCPU間同期制御を使用しない通常状態で動作)
・マスタCPU :マスタCPUとして動作します。
(2号機以外のモーションCPUにも設定可能)
・スレーブCPU:スレーブCPUとして動作します。

マルチCPUのシステム構成にて,単独で動作するモーションCPU(単独CPU)とマル
チCPU間同期制御で動作するモーションCPU(マスタCPU,スレーブCPU)の混在は
可能です。
マルチCPUのシステムを構成する場合は,マスタCPU1台と,スレーブCPUが最低1台
必要となります。
また,演算周期設定は0.8[ms]以上を設定し,マルチCPU間同期制御を行うすべて
のモーションCPUを同じ演算周期に設定してください。

ポイント
マスタCPU/スレーブCPUでは,単独CPUと比較して100[μs]程度,演算時間が増加
します。

8 - 31
8.補助/応用機能

(2) ステータスデバイス設定
(a) 同期制御中(2ワード)
2~4号機にて同期制御中の状態をモニタするデバイスの先頭番号をモーショ
ンCPUごとに設定します。
本設定は省略可能です。
① ワードデバイスで設定する場合
ワードデバイス 設定範囲*1
D 0~19823
W 0~1FFF
# 0~7999
U□\G 10000~(10000+p-1)*2

*1:デバイスの始まりは偶数番号としてください。
*2:pは各号機のマルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由エリア点数です。
ユーザ自由エリアの最後尾512点は,システムエリアとして使用するため,デバイスは
設定不可となります。

設定したデバイスには同期制御中の状態を以下のように格納します。
オフセット 項 目
同期制御中信号
ビット 内 容 対応デバイス
0 [St.380]同期制御中 軸1 M10880
+0 1 [St.380]同期制御中 軸2 M10881


15 [St.380]同期制御中 軸16 M10895

同期制御中信号
ビット 内 容 対応デバイス
0 [St.380]同期制御中 軸17 M10886
+1 1 [St.380]同期制御中 軸18 M10887


15 [St.380]同期制御中 軸32 M10911

② ビットデバイスで設定する場合
ビットデバイス 設定範囲*1
X 0000~1FFF*2
Y 0000~1FFF
M 0~8191
B 0000~1FFF
F 0~2047

*1:デバイスの始まりは32点単位の番号としてください。
*2:モーションCPU内蔵I/F(DI)に割り付けた入力デバイス(PXn+0~PXn+F)では,PXn+4
~PXn+Fの範囲は0固定となり使用できません。(n=先頭入力番号)

設定したデバイスには同期制御中の状態を以下のように格納します。
オフセット 項 目 対応デバイス
+0 [St.380]同期制御中 軸1 M10880
+1 [St.380]同期制御中 軸2 M10881

+31 [St.380]同期制御中 軸32 M10911

8 - 32
8.補助/応用機能

(b) マスタCPU入力軸接続情報(6ワード)
マスタCPUの入力軸種別ごとの接続状態をモニタするデバイスの先頭番号を
設定します。「スレーブCPU」設定時のみ設定します。
本設定は省略可能です。
・サーボ入力軸······· [Pr.300]サーボ入力軸種別に種別が設定され,サーボ
アンプとの接続が完了している場合にステータスが
ONします。
・指令生成軸········· [Pr.340]指令生成軸有効設定が「1:有効」に設定さ
れている場合にステータスがONします。
・同期エンコーダ軸··· [St.321]同期エンコーダ接続有効フラグ(M10441+
10n)がONの場合にステータスがONします。
① ワードデバイスで設定する場合
ワードデバイス 設定範囲*1
D 0~19823
W 0~1FFF
# 0~7999
U□\G 10000~(10000+p-1)*2

*1:デバイスの始まりは偶数番号としてください。
*2:pは各号機のマルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由エリア点数です。
ユーザ自由エリアの最後尾512点は,システムエリアとして使用するため,デバイスは
設定不可となります。

8 - 33
8.補助/応用機能

設定したデバイスには入力軸種別ごとの接続状態を以下のように格納し
ます。
オフセット 項 目
サーボ入力軸接続情報
ビット 内 容
0 サーボ入力軸接続情報 軸1
+0 1 サーボ入力軸接続情報 軸2


15 サーボ入力軸接続情報 軸16

サーボ入力軸接続情報
ビット 内 容
0 サーボ入力軸接続情報 軸17
+1 1 サーボ入力軸接続情報 軸18


15 サーボ入力軸接続情報 軸32

指令生成軸接続情報
ビット 内 容
0 指令生成軸接続情報 軸1
+2 1 指令生成軸接続情報 軸2


15 指令生成軸接続情報 軸16

指令生成軸接続情報
ビット 内 容
0 指令生成軸接続情報 軸17
+3 1 指令生成軸接続情報 軸18

15 指令生成軸接続情報 軸32

同期エンコーダ軸接続情報
ビット 内 容
0 同期エンコーダ軸接続情報 軸1
1 同期エンコーダ軸接続情報 軸2

+4
11 同期エンコーダ軸接続情報 軸12
12

空き
15

+5 空き

8 - 34
8.補助/応用機能

② ビットデバイスで設定する場合
ビットデバイス 設定範囲*1
X 0000~1FFF*2
Y 0000~1FFF
M 0~8191
B 0000~1FFF
F 0~2047

*1:デバイスの始まりは32点単位の番号としてください。
*2:モーションCPU内蔵I/F(DI)に割り付けた入力デバイス(PXn+0~PXn+F)では,PXn+4
~PXn+Fの範囲は0固定となり使用できません。(n=先頭入力番号)

設定したデバイスには入力軸種別ごとの接続状態を以下のように格納し
ます。
オフセット 項 目
+0 サーボ入力軸接続情報 軸1
+1 サーボ入力軸接続情報 軸2


+31 サーボ入力軸接続情報 軸32
+32 指令生成軸接続情報 軸1
+33 指令生成軸接続情報 軸2

+63 指令生成軸接続情報 軸32


+64 同期エンコーダ軸接続情報 軸1
+65 同期エンコーダ軸接続情報 軸2

+75 同期エンコーダ軸接続情報 軸12


+76

空き
+95

(c) マスタCPU入力軸エラー情報(6ワード)
マスタCPUの入力軸種別ごとのエラー検出情報をモニタするデバイスの先頭
番号を設定します。「スレーブCPU」設定時のみ設定します。
本設定は省略可能です。
・サーボ入力軸エラー検出········ マスタCPUのエラー検出信号(M2407+
20n ),またはサーボエラー検出信号
(M2408+20n)がONしている場合にステー
タスがONします。
・指令生成軸エラー検出·········· マスタCPUの[St.344]指令生成軸エラー
検出(M9807+20n)の状態が格納されま
す。
・同期エンコーダ軸エラー検出···· マスタCPUの[St.324]同期エンコーダ軸
エラー検出フラグ(M10444+20n)の状態
が格納されます。

8 - 35
8.補助/応用機能

① ワードデバイスで設定する場合
ワードデバイス 設定範囲*1
D 0~19823
W 0~1FFF
# 0~7999
U□\G 10000~(10000+p-1)*2

*1:デバイスの始まりは偶数番号としてください。
*2:pは各号機のマルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由エリア点数です。
ユーザ自由エリアの最後尾512点は,システムエリアとして使用するため,デバイスは
設定不可となります。

設定したデバイスには入力軸種別ごとのエラー検出情報を以下のように
格納します。
オフセット 項 目
サーボ入力軸エラー情報
ビット 内 容 対応デバイス
0 サーボ入力軸エラー検出 軸1 M2407,M2408
+0 1 サーボ入力軸エラー検出 軸2 M2427,M2428


15 サーボ入力軸エラー検出 軸16 M2707,M2708

サーボ入力軸エラー情報
ビット 内 容 対応デバイス
0 サーボ入力軸エラー検出 軸17 M2727,M2728
+1 1 サーボ入力軸エラー検出 軸18 M2747,M2748


15 サーボ入力軸エラー検出 軸32 M3027,M3028

指令生成軸エラー情報
ビット 内 容 対応デバイス
0 指令生成軸エラー検出 軸1 M9807
+2 1 指令生成軸エラー検出 軸2 M9827

15 指令生成軸エラー検出 軸16 M10107

指令生成軸エラー情報
ビット 内 容 対応デバイス
0 指令生成軸エラー検出 軸17 M10127
+3 1 指令生成軸エラー検出 軸18 M10147

15 指令生成軸エラー検出 軸32 M10427

同期エンコーダ軸エラー情報
ビット 内 容 対応デバイス
0 同期エンコーダ軸エラー検出 軸1 M10444
1 同期エンコーダ軸エラー検出 軸2 M10454

+4
11 同期エンコーダ軸エラー検出 軸12 M10554
12

空き ─
15

+5 空き

8 - 36
8.補助/応用機能

② ビットデバイスで設定する場合
ビットデバイス 設定範囲*1
X 0000~1FFF*2
Y 0000~1FFF
M 0~8191
B 0000~1FFF
F 0~2047

*1:デバイスの始まりは32点単位の番号としてください。
*2:モーションCPU内蔵I/F(DI)に割り付けた入力デバイス(PXn+0~PXn+F)では,PXn+4
~PXn+Fの範囲は0固定となり使用できません。(n=先頭入力番号)

設定したデバイスには入力軸種別ごとのエラー検出情報を以下のように
格納します。
オフセット 項 目 対応デバイス
+0 サーボ入力軸エラー検出 軸1 M2407,M2408
+1 サーボ入力軸エラー検出 軸2 M2427,M2428


+31 サーボ入力軸エラー検出 軸32 M3027,M3028
+32 指令生成軸エラー検出 軸1 M9807
+33 指令生成軸エラー検出 軸2 M9827


+63 指令生成軸エラー検出 軸32 M10427
+64 同期エンコーダ軸エラー検出 軸1 M10444
+65 同期エンコーダ軸エラー検出 軸2 M10454


+75 同期エンコーダ軸エラー検出 軸12 M10554
+76

空き
+95

(d) 各号機ステータス(1ワード)
2~4号機にて「シーケンサレディフラグ」や「PCPU準備完了」などの下記対
応デバイスの情報をモニタするデバイスの先頭番号をモーションCPUごとに
設定します。
本設定は省略可能です。
① ワードデバイスで設定する場合
ワードデバイス 設定範囲*1
D 0~19823
W 0~1FFF
# 0~7999
U□\G 10000~(10000+p-1)*2

*1:デバイスの始まりは偶数番号としてください。
*2:pは各号機のマルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由エリア点数です。
ユーザ自由エリアの最後尾512点は,システムエリアとして使用するため,デバイスは
設定不可となります。

8 - 37
8.補助/応用機能

設定したデバイスには対応デバイスの情報を以下のように格納します。
ビット 項 目 対応デバイス
0 シーケンサレディフラグ M2000
1 ユーザ使用不可 ─
2 PCPU準備完了 SM500
3 テストモード中フラグ SM501
4 緊急停止入力フラグ SM502
5 ユーザ使用不可 ─
6 演算周期オーバーフラグ M2054
7 モーション検出フラグ M2039
8

ユーザ使用不可 ─
15

② ビットデバイスで設定する場合
ビットデバイス 設定範囲*1
X 0000~1FFF*2
Y 0000~1FFF
M 0~8191
B 0000~1FFF
F 0~2047

*1:デバイスの始まりは32点単位の番号としてください。
*2:モーションCPU内蔵I/F(DI)に割り付けた入力デバイス(PXn+0~PXn+F)では,PXn+4
~PXn+Fの範囲は0固定となり使用できません。(n=先頭入力番号)

設定したデバイスには対応デバイスの情報を以下のように格納します。
オフセット 項 目 対応デバイス
+0 シーケンサレディフラグ M2000
+1 ユーザ使用不可 ─
+2 PCPU準備完了 SM500
+3 テストモード中フラグ SM501
+4 緊急停止入力フラグ SM502
+5 ユーザ使用不可 ─
+6 演算周期オーバーフラグ M2054
+7 モーション検出フラグ M2039
+8

ユーザ使用不可 ─
+15

8 - 38
8.補助/応用機能

(e) 各号機各軸エラーステータス(4ワード)
2~4号機にて各軸のエラー情報をモニタするデバイスの先頭番号をモーショ
ンCPUごとに設定します。
本設定は省略可能です。
① ワードデバイスで設定する場合
ワードデバイス 設定範囲*1
D 0~19823
W 0~1FFF
# 0~7999
U□\G 10000~(10000+p-1)*2

*1:デバイスの始まりは偶数番号としてください。
*2:pは各号機のマルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由エリア点数です。
ユーザ自由エリアの最後尾512点は,システムエリアとして使用するため,デバイスは
設定不可となります。

設定したデバイスには各軸のエラー情報を以下のように格納します。
オフセット 項 目
各軸エラー情報
ビット 内 容 対応デバイス
0 軸1のエラー検出 M2407
+0 1 軸2のエラー検出 M2427


15 軸16のエラー検出 M2707

各軸エラー情報
ビット 内 容 対応デバイス
0 軸17のエラー検出 M2727
+1 1 軸18のエラー検出 M2747


15 軸32のエラー検出 M3027

各軸サーボエラー情報
ビット 内 容 対応デバイス
0 軸1のサーボエラー検出 M2408
+2 1 軸2のサーボエラー検出 M2428

15 軸16のサーボエラー検出 M2708

各軸サーボエラー情報
ビット 内 容 対応デバイス
0 軸17のサーボエラー検出 M2728
+3 1 軸18のサーボエラー検出 M2748

15 軸32のサーボエラー検出 M3028

8 - 39
8.補助/応用機能

② ビットデバイスで設定する場合
ビットデバイス 設定範囲*1
X 0000~1FFF*2
Y 0000~1FFF
M 0~8191
B 0000~1FFF
F 0~2047

*1:デバイスの始まりは32点単位の番号としてください。
*2:モーションCPU内蔵I/F(DI)に割り付けた入力デバイス(PXn+0~PXn+F)では,PXn+4
~PXn+Fの範囲は0固定となり使用できません。(n=先頭入力番号)

設定したデバイスには各軸のエラー情報を以下のように格納します。
オフセット 項 目 対応デバイス
+0 軸1のエラー検出 M2407
+1 軸2のエラー検出 M2427


+31 軸32のエラー検出 M3027
+32 軸1のサーボエラー検出 M2408
+33 軸2のサーボエラー検出 M2428


+63 軸32のサーボエラー検出 M3028

8 - 40
8.補助/応用機能

8.10.3 マルチCPU間同期制御用エリア

マルチCPU間同期制御では,マルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由エリアの最終
デバイスから512点(ワード)をマルチCPU間同期制御用エリアとして使用します。
ユーザ自由エリアの最終デバイスから512点をマルチCPU間同期制御用に確保するよ
うにマルチCPU設定のマルチCPU間高速通信エリア設定を行います。マルチCPU間同期制
御用エリアはユーザプログラムからアクセスしないでください。
マスタCPU,およびスレーブCPUにてユーザ自由エリアの点数が512点未満の場合は,
マルチCPUシステム電源投入後のマルチCPU間同期制御イニシャル処理完了時にシステ
ム設定エラーとなります。

(例) マルチCPU間同期制御用CPUとして,2~4号機を使用した場合

下記をマルチCPU間同期制御用エリアとして使用します。
・2号機:U3E1\G11280~U3E1\G11791
・3号機:U3E2\G12560~U3E2\G13071
・4号機:U3E3\G12240~U3E3\G12751

<画面:MT Developer2>

マルチCPU間高速通信エリア
1号機 2号機 3号機 4号機
U3E0\G10000 U3E1\G10000 U3E2\G10000 U3E3\G10000

ユーザ自由エリア
(1280点)
ユーザ自由エリア
ユーザ自由エリア (2240点)
U3E1\G11279 ユーザ自由エリア
(2472点) U3E1\G11280 マルチCPU間 (2560点)
同期制御用エリア
U3E1\G11791 (512点) U3E3\G12239
U3E3\G12240 マルチCPU間
同期制御用エリア
U3E0\G12471 自動リフレッシュ
U3E2\G12559 U3E3\G12751 (512点)
自動リフレッシュ エリア U3E2\G12560 マルチCPU間 自動リフレッシュ
エリア (1280点)
同期制御用エリア エリア
(600点) (512点) (320点)
U3E2\G13071
*:マルチCPU 間同期制御用エリアはユーザ使用不可

ポイント
マルチCPU間同期制御を構成するモーションCPUは,必ずマルチCPU設定のマルチCPU
間同期立上げ設定を“同期立上げに設定する”に設定してください。“同期立上げ
に設定する”に設定しないとモーションCPUの立上がりタイミングが異なることで,
システム設定エラー(エラーコード:32,33)が発生することがあります。

8 - 41
8.補助/応用機能

8.10.4 スレーブCPUの入力軸種別選択

スレーブCPU側にて,入力軸パラメータの[Pr.320]同期エンコーダ軸種別から,マス
タCPUの入力軸種別を設定することで,マスタCPUからの変化量を入力値とする同期エ
ンコーダ軸として制御します。
マスタCPUの入力軸種別が,サーボ入力軸,同期エンコーダ軸の場合,マスタCPU側
からスレーブCPU側に伝送される入力値と,入力軸の各モニタデータとの関係を以下に
示します。(指令生成軸では,生成された指令の変化量がそのまま伝送されます。)

・[Pr.320]同期エンコーダ軸種別に「301:マスタCPUサーボ入力軸」を選択した場合
マスタCPUのサーボ入力軸の現在値から生成された変化量が,スレーブCPUへ伝送さ
れます。
マスタCPU側 スレーブCPU側
[Pr.300]サーボ入力軸種別
サーボモータの位置
送り現在値
実現在値
サーボ指令値
フィードバック値 [Pr.320]同期エンコーダ軸種別
301:マスタCPUサーボ入力軸
同期エンコーダ入力

カウンタディセーブル/
入力
スムージング カウンタイネーブル
処理

単位変換

[Md.302]サーボ入力軸
位相補正処理 位相補正量
(D12284+10n,D12285+10n)
入力
スムージング
処理

[Md303]サーボ入力軸
回転方向制限
回転方向制限量
(D12286+10n,D12287+10n) 「Md.323]同期エンコーダ軸
位相補正処理 位相補正量
[Md.300]サーボ入力軸現在値 (D13246+20n,D13247+20n)
サーボ入力軸の (D12280+10n,D12281+10n)
現在値 [Md.301]サーボ入力軸速度
(D12282+10n,D12283+10n)
[Md.324]同期エンコーダ軸
回転方向制限 回転方向制限量
(D13248+20n,D13249+20n)

[Md.320]同期エンコーダ軸
現在値変更 現在値
(D13240+20n,D13241+20n)
[Md321]同期エンコーダ軸
同期エンコーダ軸
1サイクル現在値
の現在値
(D13242+20n,D13243+20n)
[Md322]同期エンコーダ軸
速度
(D13244+20n,D13245+20n)

8 - 42
8.補助/応用機能

・[Pr.320]同期エンコーダ軸種別に「501:マスタCPU同期エンコーダ軸」を選択した
場合
マスタCPUにおける同期エンコーダ軸への入力パルスの変化量が,スレーブCPUへ伝
送されます。また,[Rq.320]同期エンコーダ軸制御要求(D14823+20n)による現在
値変更,カウンタイネーブル,カウンタディセーブルの制御は,伝送される変化量
に反映されません。
マスタCPU側 スレーブCPU側
[Pr.320]同期エンコーダ軸種別
1:同期エンコーダPn
101:サーボアンプ経由同期エンコーダ
201:デバイス経由
[Pr.320]同期エンコーダ軸種別
同期エンコーダ入力 501:マスタCPU同期エンコーダ軸
同期エンコーダ入力

カウンタディセーブル/ カウンタディセーブル/
カウンタイネーブル カウンタイネーブル

単位変換 単位変換

入力 入力
スムージング スムージング
処理 処理

「Md.323]同期エンコーダ軸 「Md.323]同期エンコーダ軸
位相補正処理 位相補正量 位相補正処理 位相補正量
(D13246+20n,D13247+20n) (D13246+20n,D13247+20n)

[Md.324]同期エンコーダ軸 [Md.324]同期エンコーダ軸
回転方向制限 回転方向制限量 回転方向制限 回転方向制限量
(D13248+20n,D13249+20n) (D13248+20n,D13249+20n)

[Md.320]同期エンコーダ軸 [Md.320]同期エンコーダ軸
現在値変更 現在値 現在値変更 現在値
(D13240+20n,D13241+20n) (D13240+20n,D13241+20n)
[Md321]同期エンコーダ軸 [Md321]同期エンコーダ軸
同期エンコーダ軸 同期エンコーダ軸
1サイクル現在値 1サイクル現在値
の現在値 の現在値
(D13242+20n,D13243+20n) (D13242+20n,D13243+20n)
[Md322]同期エンコーダ軸 [Md322]同期エンコーダ軸
速度 速度
(D13244+20n,D13245+20n) (D13244+20n,D13245+20n)

8 - 43
8.補助/応用機能

(1) 設定方法
[Pr.320]同期エンコーダ軸種別にマスタCPUの入力軸を設定します。
マルチCPUシステムの電源投入直後は接続無効となっています。[Rq.324]デバイス
/マスタCPU経由同期エンコーダ接続指令(M11602+4n)をONすると接続有効とな
り,[Md.320]同期エンコーダ現在値(D13240+20n,D13241+20n),[Md.321]同
期エンコーダ1サイクル現在値(D13242+20n,D13243+20n)に「0」が格納され,
カウンタイネーブル状態となります。
この時に,マスタCPUの入力軸と現在値を合わせる場合は,現在値変更を行ってく
ださい。
[Pr.320]同期エンコーダ軸種別に設定した入力軸がマスタCPU側で設定無効,また
は未接続の場合,重度エラー(エラーコード:1825)が発生し,接続は無効とな
ります。

ポイント
[Pr.321]同期エンコーダ軸単位設定の制御単位は,マスタCPU側の入力軸の単位設
定に合わせてください。

マルチCPU間同期制御のシステム構成にて,位相補正機能(8.1節参照)によりマ
スタCPUの入力軸(サーボ入力軸,または同期エンコーダ軸)における遅れ時間の
位相補正を行う場合は,システム固有の遅れ時間に以下の「マルチCPU間同期制御
遅れ時間加算値」を加算した値を設定してください。

演算周期 マルチCPU間同期制御
[ms] 遅れ時間加算値[μs]
0.88 1777
1.77 3555
3.55 7111
7.11 14222

(2) 設定例
マスタCPUサーボ入力軸の軸8からの入力を,スレーブCPUの同期エンコーダ軸2に
設定する例を以下に示します。
<マスタCPU側>
MT Developer2のCPU設定にて,以下を設定します。
・マルチCPU間同期制御設定····· 「マスタCPU」

8 - 44
8.補助/応用機能

<スレーブCPU側>
MT Developer2のCPU設定にて,以下を設定します。
・マルチCPU間同期制御設定····· 「スレーブCPU」

MT Developer2の同期エンコーダ軸パラメータ画面のにて同期エンコーダ軸2の
[Pr.320]同期エンコーダ軸種別に以下を設定します。
・種別························ 「301:マスタCPUサーボ入力軸」
・同期エンコーダNo.(Pn)······· 「8」

ポイント
他号機の状態を確認する場合は,ステータスデバイス設定で,各項目にデバイスを
設定してください。

8 - 45
8.補助/応用機能

8.10.5 マルチCPU間同期制御モニタデバイス

マルチCPU間同期制御でCPU設定状態とイニシャル処理の状態は,以下のモニタデバ
イスで確認できます。

デバイス リフレッシュ
モニタ項目 格納内容 モニタ値
番号 周期
0:単独CPU
マルチCPU間同期制御 マルチCPU間同期制御のCPU設定状態が
SD561 1:マスタCPU
CPU設定状態 格納される。
2:スレーブCPU 電源投入時
マルチCPU間同期制御 マルチCPU間同期制御のイニシャル処 ON :CPU間同期イニシャル完了
SM561
イニシャル完了フラグ 理が完了した場合にONする。 OFF:CPU間同期イニシャル未完

(1) マルチCPU間同期制御CPU設定状態(SD561)
マルチCPUシステムの電源投入時,マルチCPU間同期制御のCPU設定状態が格納され
ます。

(2) マルチCPU間同期制御イニシャル完了フラグ(SM561)
マルチCPUシステムの電源投入後,マルチCPU間同期制御のイニシャル処理が正常
に完了したときにONします。
マルチCPU間同期制御のシステム設定エラーが発生,または単独CPUで動作してい
るときはONしません。

8 - 46
8.補助/応用機能

8.10.6 プログラム例

(1) マスタCPUとスレーブCPUの同期を保つには下記の手順で同期を始動してください。
① マスタCPU,スレーブCPUの管理する位置関係を合わせる。
② スレーブCPUにて[Rq.324]デバイス/マスタCPU経由同期エンコーダ接続指令
(M11602+4n)をONに設定し,[St.321]同期エンコーダ接続有効フラグ(M10441
+10n)にて接続が有効になったことを確認する。
③ スレーブCPUにて出力軸の同期制御を始動し,マスタCPUの入力軸を運転する。

先にマスタCPUの入力軸を動作させたあとに,スレーブCPUの出力軸にて同期制御
を始動すると,それまでに動いた分だけマスタCPUとスレーブCPUの同期関係がず
れます。
同期制御を終了する場合も,入力軸の運転を停止してから同期制御を終了してく
ださい。

(2) プログラム例の設定
<マスタCPU:2号機>
・入力軸 :サーボ入力軸 軸3
・出力軸 :軸1
・マルチCPU間同期制御設定:マスタCPU
・ステータスデバイス設定
項 目 2号機 3号機
同期制御中 M128 M160
ステータス
各号機ステータス D1800 D1801
デバイス設定
各号機各軸エラーステータス D2000 D2010

<スレーブCPU:3号機>
・入力軸 :同期エンコーダ軸 軸8
(マスタCPUサーボ入力軸 軸3を選択)
・出力軸 :軸16
・マルチCPU間同期制御設定:スレーブCPU
・ステータスデバイス設定
項 目 2号機 3号機
同期制御中 M128 M160
ステータス
各号機ステータス D1800 D1801
デバイス設定
各号機各軸エラーステータス D2000 D2010

・マルチCPU入力軸:接続情報······M96
エラー情報····D1000

8 - 47
8.補助/応用機能

(a) 同期制御始動プログラム

<マスタCPU> <スレーブCPU>
位置合わせ完了後,スレーブCPUの出力軸が同期制御中であること 位置合わせ完了後,同期エンコーダ軸を接続状態にしてから現在
を確認し同期制御始動をONする。 値変更を実施後に同期制御始動をONする。

同期制御(軸1) 同期制御(軸16)

軸の位置合わせ 軸の位置合わせ

[G 1] [G 1]
//サブルーチン処理完了待ち //サブルーチン処理完了待ち
NOP NOP

[F 1] [G 10]
//B1000:マスタCPU位置合わせ完了信号 //マスタCPUサーボ入力軸(軸3)が接続状態かつマスタCPU
//(マスタCPUからスレーブCPUに共有メモリリフレッ の位置合わせ完了確認
シュで伝送) M98*B1000
SET B1000

[F 10]
[G 2] //[Rq.324]デバイス/マスタCPU経由同期エンコーダ接続
//スレーブCPU(3号機)軸16の[St.380]同期制御中がONで 指令 ON(軸8)
マスタCPU軸1の始動受付OFF SET M11630
M175*!M2001

[G 11]
[F 2] //[St.321]同期エンコーダ軸接続有効フラグ(軸8)
//軸1の[Rq.380]同期制御始動 ON M10511
SET M12000

END [F 12]
//スレーブCPUの同期エンコーダ軸(軸8)に対して現在値
変更
D14893=0
//[Cd.321]同期エンコーダ軸制御方法:現在値変更
D14894L=200000
//[Cd.322]同期エンコーダ軸制御現在値設定アドレス
SET M11629 //[Rq.320]同期エンコーダ軸制御要求 ON

[G 13]
//[St.325]同期エンコーダ軸制御完了フラグ ON かつ
スレーブCPU軸16の始動受付OFF
M10516*M2016

[F 14]
//軸16の[Rq.380]同期制御始動 ON
SET M12015

END

8 - 48
8.補助/応用機能

(b) エラー検出プログラム

<マスタCPU> <スレーブCPU>
マスタCPUとスレーブCPUの各エラー検出信号,サーボエラー検出 マスタCPUの入力軸エラー情報とマスタCPU,スレーブCPUのエラー
信号がONしたときに,同期制御始動をOFFする。 検出信号,サーボエラー検出信号がONしたときに,同期制御始動
をOFFする。

エラー検出 エラー検出

P0 P0

[G 20] [G 30]
RST M0 RST M0
//各号機各軸エラーステータスチェック(2号機:軸1, //マスタCPU入力軸エラー情報チェック
軸3) SET M0=(D1000L&H00000004)!=0
SET M0=(D2000L&H00000005)!=0 //エラー検出信号 //各号機各軸エラーステータスチェック(2号機:軸1,
SET M0=(D2002L&H00000005)!=0 //サーボエラー検出信号 軸3)
//各号機各軸エラーステータスチェック(3号機:軸16) SET M0=(D2000L&H00000005)!=0 //エラー検出信号
SET M0=(D2010L&H00008000)!=0 //エラー検出信号 SET M0=(D2002L&H00000005)!=0 //サーボエラー検出信号
SET M0=(D2012L&H00008000)!=0 //サーボエラー検出信号 //各号機各軸エラーステータスチェック(3号機:軸16)
//エラー検出まで繰り返し SET M0=(D2010L&H00008000)!=0 //エラー検出信号
M0 SET M0=(D2012L&H00008000)!=0 //サーボエラー検出信号
//エラー検出まで繰り返し
M0
[F 21]
//2号機軸1の[Rq.380]同期制御始動 OFF
RST M12000 [F 31]
//3号機軸16の[Rq.380]同期制御始動 OFF
RST M12015
エラー表示処理

エラー表示処理
[G 22]
//サブルーチン処理完了待ち
NOP [G 32]
//サブルーチン処理完了待ち
NOP
P0

P0

8 - 49
8.補助/応用機能

メ モ

8 - 50
付 録

付 録

付1 モーションCPUが格納するエラーコード

モーションCPUが検出するエラーは,以下のとおりです。
・サーボプログラム設定エラー
・位置決めエラー
・モーションSFCエラー*1
・モーションSFCパラメータエラー*1
・マルチCPU関連エラー*2
*1:詳細は「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モーションコントローラ(SV13/SV22)プログラミングニュア
ル(モーションSFC編)」を参照してください。
*2:詳細は「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モーションコントローラプログラミングニュアル(共通編)」
を参照してください。

(1) サーボプログラム設定エラー
サーボプログラムで設定している位置決め用データのエラーで,各サーボプログ
ラムの始動時にチェックを行います。
位置決め用データを間接指定している場合のエラーです。
エラー発生時には,次のようになります。
・サーボプログラム設定エラーフラグ(SM516)がONする。
・エラープログラムNo.格納レジスタ(SD516)にエラーとなったプログラムNo.を
格納する。
・エラー項目情報格納レジスタ(SD517)にエラーコードを格納する。

(2) 位置決めエラー
(a) 位置決め始動時または制御中に発生したエラーで,軽度エラー,重度エラー,
サーボエラーがあります。
① 軽度エラー········ モーションSFCプログラムまたはサーボプログラムに
よるエラーで,1~999のエラーコードを使用します。
エラーコードを確認し,モーションSFCプログラム/
サーボプログラムを修正することにより,エラー要因
を取除いてください。
② 重度エラー········ 外部入力信号またはモーションSFCプログラムからの
制御指令によるエラーで,1000~1999のエラーコード
を使用します。エラーコードを確認し,外部入力信号 付
状態またはモーションSFCプログラムのエラー要因を
取除いてください。
③ サーボエラー······ サーボアンプが検出したエラーで,2000~2999のエ
ラーコードを使用します。
エラーコードを確認し,サーボアンプ側のエラー要因
を取除いてください。

付 - 1
付 録

(b) エラー発生時には,エラー発生軸のエラー検出信号がONし,エラーコードが
軽度エラーコード,重度エラーコード,サーボエラーコード格納レジスタに
格納されます。

表1.1 エラーコード格納レジスタ,エラー検出信号,エラーリセット指令
デバイス エラーコード格納レジスタ エラー エラー
エラー区分 軸1 軸2 軸3 軸4 軸5 軸6 軸7 軸8 検出信号 リセット指令
軽度エラー D6 D26 D46 D66 D86 D106 D126 D146
M2407+20n M3207+20n
サーボ入力軸*1 重度エラー D7 D27 D47 D67 D87 D107 D127 D147
サーボエラー D8 D28 D48 D68 D88 D108 D128 D148 M2408+20n M3208+20n
軽度エラー D12602 D12622 D12642 D12662 D12682 D12702 D12722 D12742
指令生成軸*1 M9807+20n M10967+20n
重度エラー D12603 D12623 D12643 D12663 D12683 D12703 D12723 D12743
軽度エラー D13250 D13270 D13290 D13310 D13330 D13350 D13370 D13390
同期エンコーダ軸 M10444+10n M11600+4n
重度エラー D13251 D13271 D13291 D13311 D13331 D13351 D13371 D13391

デバイス エラーコード格納レジスタ エラー エラー


エラー区分 軸9 軸10 軸11 軸12 軸13 軸14 軸15 軸16 検出信号 リセット指令
軽度エラー D166 D186 D206 D226 D246 D266 D286 D306
M2407+20n M3207+20n
サーボ入力軸*1 重度エラー D167 D187 D207 D227 D247 D267 D287 D307
サーボエラー D168 D188 D208 D228 D248 D268 D288 D308 M2408+20n M3208+20n
軽度エラー D12762 D12782 D12802 D12822 D12842 D12862 D12882 D12902
指令生成軸*1 M9807+20n M10967+20n
重度エラー D12763 D12783 D12803 D12823 D12843 D12863 D12883 D12903
軽度エラー D13410 D13430 D13450 D13470
同期エンコーダ軸 M10444+10n M11600+4n
重度エラー D13411 D13431 D13451 D13471

デバイス エラーコード格納レジスタ エラー エラー


エラー区分 軸17 軸18 軸19 軸20 軸21 軸22 軸23 軸24 検出信号 リセット指令
軽度エラー D326 D346 D366 D386 D406 D426 D446 D466
M2407+20n M3207+20n
サーボ入力軸*1 重度エラー D327 D347 D367 D387 D407 D427 D447 D467
サーボエラー D328 D348 D368 D388 D408 D428 D448 D468 M2408+20n M3208+20n
軽度エラー D12922 D12942 D12962 D12982 D13002 D13022 D13042 D13062
指令生成軸*1 M9807+20n M10967+20n
重度エラー D12923 D12943 D12963 D12983 D13003 D13023 D13043 D13063
軽度エラー
同期エンコーダ軸 M10444+10n M11600+4n
重度エラー

デバイス エラーコード格納レジスタ エラー エラー


エラー区分 軸25 軸26 軸27 軸28 軸29 軸30 軸31 軸32 検出信号 リセット指令
軽度エラー D486 D506 D526 D546 D566 D586 D606 D626
M2407+20n M3207+20n
サーボ入力軸*1 重度エラー D487 D507 D527 D547 D567 D587 D607 D627
サーボエラー D488 D508 D528 D548 D568 D588 D608 D628 M2408+20n M3208+20n
軽度エラー D13082 D13102 D13122 D13142 D13162 D13182 D13202 D13222
指令生成軸*1 M9807+20n M10967+20n
重度エラー D13083 D13103 D13123 D13143 D13163 D13183 D13203 D13223
軽度エラー
同期エンコーダ軸 M10444+10n M11600+4n
重度エラー

*1:Q172DSCPUでは軸1~16の範囲が有効です。

付 - 2
付 録

(c) エラーコードが格納された後,他のエラーが発生した場合は,上書きされ,
前回のコードが消されます。
ただし,MT Developer2により,発生したエラーの履歴を確認することができ
ます。

(d) エラー検出信号およびエラーコードは,エラーリセット指令(M3207+20n),
サーボエラーリセット指令(M3208+20n),[Rq.346]指令生成軸エラーリセッ
ト指令(M10967+20n),[Rq.323]同期エンコーダ軸エラーリセット(M11600
+4n)がONするまで保持されます。

ポイント
(1) サーボエラー発生時に,サーボエラーリセット(M3208+20n:ON)を行っても,
再度同一サーボエラーコードが格納されることがあります。
(2) サーボエラー発生時には,サーボアンプ側のエラー要因を取除いた後,サーボ
エラーリセットを行ってください。

付 - 3
付 録

付1.1 サーボプログラム設定エラー(SD517に格納)

サーボプログラム設定エラーのエラーコード,エラー内容,処置方法を表1.2に示し
ます。表1.2の*印のエラーコードでnは,軸No.(1~32)を示しています。

表1.2 サーボプログラム設定エラー一覧
SD517に格納される
名 称 エラー内容 エラー時の処理 処置方法
エラーコード
パラメータ パラメータブロックNo.の指定が,1~64 パラメータブロックNo.を パラメータブロックNo.の指
ブロックNo. の範囲外である。 初期値“1”で,サーボプ 定を1~64の範囲内にしてく
1
設定エラー ログラムを実行します。 ださい。

アドレス/移動 (1) アブソリュート方式の位置決め始動 (1) 始動しません。 (1) 単 位 が [degree] の 場 合


量設定エラー 時,設定範囲外のアドレスが指定さ (補間制御時は補間制 は,アドレスの設定を0~
(速度制御,速度 れている。 御軸すべて) 35999999の範囲内にして
位置制御を除く) 単位 アドレス設定範囲
(2) 速度切換え制御また ください。
(ヘリカル補間 -5
は等速制御中にエ
degree 0~35999999 ×10 [degree]
時,直線軸の設定 ラーを検出した場合
n03* エラー) (2) インクリメント方式の位置決め始動 は,減速停止します。(2) 移動量の設定を0~
時,移動量が (3) 同時始動を行ってい ±(231-1)の範囲内にし
-2147483648(H80000000)に設定さ る場合に,1つのサー てください。
れている。 ボプログラムにエ
ラーがあると,すべて
のサーボプログラム
を実行しません。
指令速度エラー (1) 指令速度の指定が,1~速度制限値の (1) 0以下の場合は,始動 指令速度の設定を,1~速度制
範囲外である。 しません。 限 値 の範 囲 内に して く だ さ
(2) 指令速度の指定が,設定範囲外であ (2) 速度制限値を超えて い。
る。 いる場合は,速度制限
値で制御します。
4 単位 速度設定範囲
mm 1~600000000 ×10-2[mm/min]
inch 1~600000000 ×10-3[inch/min]
degree 1~2147483647 ×10-3[degree/min]*1
PLS 1~2147483647 [PLS/s]

ドウェルタイム ドウェルタイムの設定が,0~5000の範囲 ドウェルタイムの設定を,0~


5 設定エラー 外である。 5000 の 範 囲 内 に し て く だ さ
初期値(0)で制御します。 い。
Mコード設定 Mコードの設定が,0~32767の範囲外であ Mコードの設定を,0~32767の
6
エラー る。 範囲内にしてください。
トルク制限値 トルク制限値の設定が,1~1000の範囲外 指定しているパラメータ トルク制限値の設定を,1~
7 設定エラー である。 ブロックのトルク制限値 1000 の 範 囲 内 に し て く だ さ
で制御します。 い。
補助点設定 (1) アブソリュート方式の位置決め始動 (1) 単 位 が [degree] の 場 合
エラー 時,設定範囲外の補助点アドレスが は,補助点アドレスの設
(補助点指定の 指定されている。 定 を 0~ 35999999の範囲
円弧補間時) 単位 アドレス設定範囲 内にしてください。
(補助点指定の degree 0~35999999 ×10-5[degree]
n08* 始動しません。
ヘリカル補間時)
(2) インクリメント方式の位置決め始動 (2) 補助点アドレスの設定を
時,補助点アドレスが 0~±(231-1)の範囲内
-2147483648(H80000000)に設定さ にしてください。
れている。

*1:degree軸速度10倍指定有効時は,0.01~21474836.47[degree/min]になります。

付 - 4
付 録

表1.2 サーボプログラム設定エラー一覧(つづき)
SD517に格納される
名 称 エラー内容 エラー時の処理 処置方法
エラーコード
半径設定エラー (1) アブソリュート方式の位置決め始動 (1) 単位が[degree]の場合は,
(半径指定の 時,設定範囲外の半径が指定されて 半径の設定を0~35999999
円弧補間時) いる。 の範囲内にしてください。
(半径指定の 単位 アドレス設定範囲
n09* ヘリカル補間時) degree 0~35999999 ×10-5[degree]

(2) インクリメント方式の位置決め始動 (2) 半径の設定を1~(231-1)


時,半径が0もしくは負に設定されて の範囲内にしてください。
いる。
中心点設定 (1) アブソリュート方式の位置決め始動 始動しません。 (1) 単位が[degree]の場合は,
エラー 時,設定範囲外の中心点アドレスが 中心点アドレスの設定を
(中心点指定の 指定されている。 0~35999999の範囲内にし
円弧補間時) 単位 アドレス設定範囲 てください。
(中心点指定の degree 0~35999999 ×10-5[degree]
n10*
ヘリカル補間時)
(2) インクリメント方式の位置決め始動 (2) 中心点アドレスの設定を
時,中心点アドレスが 0~±(231-1)の範囲内にし
-2147483648(H80000000)に設定さ てください。
れている。
補間制御単位 補間制御単位が,0~3以外である。 初 期 値 (3) で 制 御 し ま 補間制御単位の設定を0~3にし
11
設定エラー す。 てください。
速度制限値設定 速度制限値が,設定範囲外である。 速度制限値の設定範囲内にして
エラー 初 期 値 (200000[PLS/s]) ください。
12
で制御します。 [PLS]の場合:
1~2147483647[PLS/s]
加速時間設定 加速時間が,0になっている。 加速時間の設定を1~65535の範
エラー 囲にしてください。
FIN加減速設定 FIN加減速時間が,1~5000以外になってい FIN加減速時間を1~5000の範囲
13 エラー る。 に設定してください。
定位置停止 定位置停止加減速時間が,0になっている。 定位置停止加減速時間を1~
初 期値 (1000)で 制御し
加減速時間設定 65535の範囲にしてください。
ます。
エラー
減速時間設定 減速時間が,0になっている。 減速時間の設定を1~65535の範
14
エラー 囲にしてください。
急停止減速時間 急停止減速時間の設定が,0になっている。 急停止減速時間の設定を1~
15
設定エラー 65535の範囲にしてください。
トルク制限値 トルク制限値が,1~1000の範囲外である。初期値(300[%])で制御 トルク制限値の設定を1~1000
16
設定エラー します。 にしてください。
円弧補間誤差 円弧補間誤差許容範囲が,設定範囲外であ 円弧補間誤差範囲を範囲内にし
許容範囲設定 る。 てください。
エラー 単位 アドレス設定範囲
初 期 値 (100[PLS]) で 制
17 mm ×10-1 [μm]
inch ×10-5[inch]
御します。
0~100000
degree ×10-5[degree]
PLS [PLS]

繰返し回数設定 繰返し回数が,1~32767の範囲外である。繰返し回数を1として制 繰返し回数を1~32767の範囲内


18
エラー 御します。 にしてください。

付 - 5
付 録

表1.2 サーボプログラム設定エラー一覧(つづき)
SD517に格納される
名 称 エラー内容 エラー時の処理 処置方法
エラーコード
START命令設定 (1) START命令で指定したサーボプログラ (1) START命令で指定したサー
エラー ムが存在しない。 ボプログラムを作成してく
ださい。
(2) 指 定 し た サ ー ボ プ ロ グ ラ ム 中 に (2) START命令で指定したサー
“START”命令がある。 ボプログラムをなくしてく
ださい。
(3) 指定したサーボプログラムの始動軸 (3) 始動軸は,重複しないよう
19 が重複している。 にしてください。
(4) リアルモードプログラムと仮想モー (4) リアルモードプログラムと
ドプログラムが混在している。 始動しません。 仮想モードプログラムが混
在しない設定にしてくださ
い。
(5) リアル軸プログラムと指令生成軸プ (5) リアル軸プログラムと指令
ログラムが混在している。 生成軸プログラムが混在し
ない設定にしてください。
ポイント設定 等速制御時,命令中にポイント指定がな CPSTARTとCPENDの間にポイント
20
エラー い。 の指定をしてください。
基準軸速度設定 基準軸速度指定方式の直線補間時,補間軸 基準軸を補間軸の中から設定し
21
エラー 以外の軸が基準軸として指定されている。 てください。
S字比率設定 S字加減速指定時,S字比率が0~100[%] S字比率を0[%](台形加 S字比率を0~100[%]の範囲内
22 エラー の範囲外である。 減速)として制御しま にしてください。
す。
VSTART設定 VSTART~VEND命令間,またはFOR~NEXT命 VSTART~VEND命令間,またはFOR
23 エラー 令間に,速度切換えポイントが1ポイント ~NEXT命令間に速度切換えポイ
も設定されていない。 ントを設定してください。
キャンセル機能 キャンセル機能のスタートプログラムNo. スタートプログラムNo.を0~
24 スタートプログ が,0~4095の範囲外である。 4095の範囲内で指定した後,始
ラムNo.エラー 動してください。
高速オシレート 高速オシレート機能で指定されている振 指令振幅を1~2147483647の範
25 指令振幅エラー 幅が,1~2147483647の範囲外であるため 囲内とした後,始動してくださ
始動できない。 始動しません。 い。
高速オシレート 高速オシレート機能で指定されている開 開始角を0~3599(×0.1
26 開始角エラー 始角が,0~3599(×0.1[degree])の範囲 [degree])の範囲内で指定した
外であるため始動できない。 後,始動させてください。
高速オシレート 高速オシレート機能で指定されている周 周波数を1~5000[CPM]の範囲内
27 周波数エラー 波数が,1~5000[CPM]の範囲外であるため で指定した後,始動してくださ
始動できない。 い。
ヘリカル補間 ヘリカル補間で,指定ピッチ数が0~999 指定ピッチ数を0~999の範囲内
28
ピッチ数エラー の範囲外である。 で指定してください。
始動時バイアス ・始動時バイアス速度が0~速度制限値の ・始動時バイアス速度を0~速度
速度設定エラー 範囲外である。 制限値の範囲内で設定してく
・指令速度が始動時バイアス速度~速度制 ださい。
29
限値の範囲外である。 ・指令速度を始動時バイアス速
度~速度制限値の範囲内で設
始動時バイアス速度0で
定してください。
制御します。
始動時バイアス 始動時バイアス速度が0でないサーボプロ 下記の加減速方式を指定する場
速度併用エラー グラム中で,下記の加減速方式を指定し 合は,始動時バイアス速度を0
40 た。 に設定してください。
(1) FIN加減速 (1) FIN加減速
(2) アドバンストS字加減速 (2) アドバンストS字加減速

付 - 6
付 録

表1.2 サーボプログラム設定エラー一覧(つづき)
SD517に格納される
名 称 エラー内容 エラー時の処理 処置方法
エラーコード
原点復帰データ 間接指定されている原点復帰データに不 間接指定されている原点復帰
41 間接指定デバイ 正なデバイスがある。 始動しません。 データのデバイスを見直してく
スエラー ださい。
アドバンスト 加速区間1比率が,0.0~100.0[%]の範囲 各比率を0.0~100.0[%]の範囲
45
S字加減速設定 外である。 内にしてください。
エラー 加速区間2比率が,0.0~100.0[%]の範囲
46
外である。
加速区間1比率=0.0
減速区間1比率が,0.0~100.0[%]の範囲
47 加速区間2比率=0.0
外である。
減速区間1比率=0.0
減速区間2比率が,0.0~100.0[%]の範囲
48 減速区間2比率=0.0
外である。
で制御します。
(加速区間1比率+加速区間2比率)>
49
100.0[%]となっている。
(減速区間1比率+減速区間2比率)>
50
100.0[%]となっている。
急停止減速時間 急停止時間の設定が,減速時間の設定値よ 急停止時間を減速時間 急停止時間を1~減速時間設定
51
設定エラー り大きい。 の設定値で制御します。 値の範囲内にしてください。
始動命令設定 サーボプログラム起動で設定されたサー 正しいサーボプログラムNo.を
900
エラー ボプログラムが存在しない。 設定してください。
始動命令設定 サーボプログラム起動で設定されている 正しい軸No.を設定してくださ
901 エラー 軸No.と,サーボプログラムで設定されて い。
いる軸No.が異なる。
サーボプログラ 命令コードが解読できない。 正しい命令コードを設定してく
902 ム命令コード (あり得ない命令コードがある。) ださい。
エラー
始動エラー リアルモード時に,仮想モードプログラム プログラムモードの割付けを確
903
が始動された。 認してください。
始動エラー (1) 仮想モード時に,運転不可命令(VPF, サーボプログラムを修正してく
VPR,VPSTART,PVF,PVR,ZERO,VVF, ださい。
VVR,OSC)が始動された。
(2) リアルモード軸に,運転不可命令
(ZERO,OSC,CHGA-C)が始動された。 始動しません。
905 (3) 指令生成軸に,運転不可命令(VPF,
VPR,VPSTART,VSTART,ZERO,VVF,
VVR,OSC)が始動された。
(4) モーション専用命令D(P).SVST命令か モーション専用命令D(P).CHGA
らの運転不可命令(CHGA-C,CHGA-E) 命令を使用してください。
が始動された。
軸No.設定エラー (1) サーボプログラムに,システム設定の システム設定やメカ機構プログ
未使用軸が設定されている。 ラムで設定した軸No.を設定し
(2) 仮想サーボプログラムにリアルモー てください。
ド軸を設定して起動した。
906
(3) 補間軸にリアルモード軸と仮想軸が
混在している状態で起動した。
(4) 仮想モード中にリアルモードプログ
ラムに仮想軸を設定して起動した。

付 - 7
付 録

付1.2 軽度エラー

軽度エラーは,シーケンスプログラムまたはサーボプログラムによるエラーで,
1~999のエラーコードです。
軽度エラーは,設定データエラー,始動時のエラー,制御中のエラー,現在値/速
度/目標位置変更時のエラー,同期制御出力軸エラー,同期制御入力軸エラー,シス
テムエラーがあります。
(1) 設定データエラー(1~99)
位置決め用パラメータで設定しているデータが,エラーの場合です。
エラーコード,エラー要因,エラー時の処理,処置方法を表1.3に示します。

表1.3 設定データエラー(1~99)一覧
エラー
発生データ チェックタイミング エラー要因 エラー時の処理 処置方法
コード
近点ドグ式, MT Developer□で原点アドレ
カウント式, スを範囲内に設定してくださ
データセット式 い。
ドグクレードル式, degree軸のとき,原点アドレスが0
21 ストッパ停止式, ~35999999(×10-5[degree])の範
リミットスイッチ兼用式, 囲外である。
スケール原点信号検出式,
ドグレス原点信号基準式
原点復帰始動時
近点ドグ式, MT Developer□で原点復帰速
原点復帰速度が,1~速度制限値の
22 カウント式, 度を速度制限値以下にしてく
範囲外である。
ドグクレードル式, ださい。
ストッパ停止式, MT Developer□でクリープ速
リミットスイッチ兼用式, 度を原点復帰速度以下にして
クリープ速度が,1~原点復帰速度
23 スケール原点信号検出式, ください。
の範囲外である。
ドグレス原点信号基準式
原点復帰 原点復帰始動時 原点復帰始動
データ 近点ドグON後の移動量が, を行いません。 MT Developer□で近点ドグON
カウント式
24 0~(231-1)(×単位)の範囲外で 後の移動量を範囲内に設定し
原点復帰始動時
ある。 てください。
近点ドグ式, MT Developer□でパラメータ
カウント式, ブロックNo.を範囲内に設定
ドグクレードル式, してください。
ストッパ停止式, パラメータブロックNo.が,1~64
25
リミットスイッチ兼用式, の範囲外である。
スケール原点信号検出式,
ドグレス原点信号基準式
原点復帰始動時
MT Developer□でクリープ速
ストッパ停止式 クリープ速度時トルク制限値が1~
26 度時トルク制限値を範囲内に
原点復帰始動時 1000[%]の範囲外である。
設定してください。
MT Developer□で原点復帰リ
リトライ機能使用可能な 原点復帰リトライ時ドウェルタイ
27 トライ時ドウェルタイムを範
原点復帰始動時 ムが0~5000[ms]の範囲外である。
囲内に設定してください。

付 - 8
付 録

表1.3 設定データエラー(1~99)一覧(つづき)
エラー
発生データ チェックタイミング エラー要因 エラー時の処理 処置方法
コード
近点ドグ式, MT Developer□でパルス変換
カウント式1, ユニットクリア信号出力後待
パルス変換ユニットクリア信号出
原点復帰 カウント式3, 原点復帰始動 機時間を範囲内に設定してく
28 力後待機時間が1~1000[ms]の範囲
データ ドグクレードル式, を行いません。 ださい。
外である。
リミットスイッチ兼用式
原点復帰始動時
パラメータブロックの補間制御単 固定パラメータ 固定パラメータとサーボパラ
パラメータ
40 補間制御始動時 位と固定パラメータの制御単位が の単位で制御を メータの制御単位を合せてく
ブロック
異なる。 行います。 ださい。

ポイント
パラメータブロックの補間制御単位と固定パラメータの制御単位が異なっている
場合,単位の組合せにより,エラーコードが格納されないことがあります。
詳細は,「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モーションコントローラ(SV13/SV22)プログ
ラミングニュアル(リアルモード編)」を参照してください。

付 - 9
付 録

(2) 始動時のエラー(100~199)
始動時に検出したエラーです。
エラーコード,エラー要因,エラー時の処理,処置方法を表1.4に示します。
表1.4 始動時のエラー(100~199)一覧
制御区分
同期制御

同期エンコーダ
サーボ入力軸
エラーコード

指令生成軸
J O G
位置決め

等速

位置追従
定寸送り

定位置停止速度
速度

エラー時
エラー要因 処置方法
の処理

・シーケンサレディフラグ(M2000),ま ・モーションCPUをRUNにしてください。
100 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ たはPCPU準備完了フラグ(SM500)が ・シーケンサレディフラグ(M2000)をON
OFF にしてください。
・該当軸の始動受付けフラグ(M2001~ ・始動中の軸は始動させないよう,プ
M2032)がON ログラムでインターロック条件を入
○ れてください。(始動条件に該当軸
の 始 動 受 付け OFF を 入 れて く ださ
い。)
101
・該当軸の指令生成軸始動受付けフラグ ・始動中の軸は始動させないよう,プ
(M9810+20n)がON ログラムでインターロック条件を入
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ れてください。(始動条件に該当指
令生成軸の始動受付けOFFを入れて
ください。)
・該当軸の停止指令(M3200+20n)がON ・停止指令(M3200+20n)をOFFとし,始

動してください。
103
・該当軸の指令生成軸停止指令(M10960 ・指令生成軸停止指令(M10960+20n)を
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
+20n)がON OFFとし,始動してください。
始動しませ
・該当軸の急停止指令(M3201+20n)がON ・急停止指令(M3201+20n)をOFFとし,
○ ん。
始動してください。
104
・該当軸の指令生成軸急停止指令 ・指令生成軸急停止指令(M10961+20n)
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
(M10961+20n)がON をOFFとし,始動してください。
・始動時,送り現在値がストロークリ ・JOG運転でストロークリミット範囲内
* ミット範囲外である。 に戻してください。
105 ○ ○ ○ ○
・原点復帰,現在値変更によりストロー
クリミット範囲内にしてください。
・ストロークリミット範囲外への位置決 ・ストロークリミット範囲内への位置
106* ○ ○ ○ ○
めである。 決めを行ってください。
・補助点指定の円弧補間時・補助点指定 ・サーボプログラムのアドレスを修正
のヘリカル補間時,円弧とならないア してください。
ドレス指定である。
(始点,補助点,終点アドレスの関係)
107* ○ ○
・ストロークリミット無効の軸で,補助 ・補助点指定の円弧補間・補助点指定
点指定の円弧補間・補助点指定のヘリ のヘリカル補間制御を起動する軸
カル補間制御が始動された。 は,ストロークリミットを有効にし
てください。

*:補間運転時は,該当補間軸すべてのエラーコード格納エリアにエラーが格納されます。

付 - 10
付 録

表1.4 始動時のエラー(100~199)一覧(つづき)
制御区分
同期制御

同期エンコーダ
サーボ入力軸
エラーコード

指令生成軸
J O G
位置決め

等速

位置追従
定寸送り

定位置停止速度
速度

エラー時
エラー要因 処置方法
の処理

・R(半径)指定の円弧補間時・R(半径)指 ・サーボプログラムのアドレスを修正
定のヘリカル補間時,円弧とならない してください。
アドレス指定である。
(始点,半径,終点アドレスの関係)
108* ○ ○
・ストロークリミット無効の軸で,半径 ・半径指定の円弧補間・半径指定のヘ
指定の円弧補間・半径指定のヘリカル リカル補間制御を起動する軸は,ス
補間制御が始動された。 トロークリミットを有効にしてくだ
さい。
・中心点指定の円弧補間時・中心点指定 ・サーボプログラムのアドレスを修正
のヘリカル補間時,円弧とならないア 始動しませ してください。
ドレス指定である。 ん。
(始点,中心点,終点アドレスの関係)
109* ○ ○
・ストロークリミット無効の軸で,中心 ・中心点指定の円弧補間・中心点指定
点指定の円弧補間・中心点指定のヘリ のヘリカル補間制御を起動する軸
カル補間制御が始動された。 は,ストロークリミットを有効にし
てください。
・円弧補間時,終点アドレスと理想終点 ・サーボプログラムのアドレスを修正
110* ○ ○ との差が,円弧補間誤差許容範囲外で してください。
ある。
・設定したJOG速度が,0になっている。 ・正しい速度(範囲内)を設定してく
・設定したJOG速度が,JOG速度制限値を JOG 速 度 制 ださい。
超えている。 限値にて制
御されま
す。
116 ○
・設定したJOG速度制限値が,設定範囲 各制御単位 ・正しいJOG速度制限値(範囲内)を設
を超えている。 の設定範囲 定してください。
の最大値に
て制御され
ます。
・原点復帰未完時の動作設定で“サーボ ・原点復帰を実施した後に,サーボプ
プログラムを実行せず”を選択した場 ログラムを実行してください。
合に,原点復帰要求信号(M2409+20n) ・原点復帰要求信号(M2409+20n)がON
がONしている。 していても,サーボプログラムの実
121 ○
行を可能とするシステムの場合は,
始動しませ
原点復帰動作設定の“原点復帰未完
ん。
時の動作”を“サーボプログラムを
実行”としてください。
・[Pr.346]指令生成軸1サイクル長の設 ・指令生成軸において定位置停止速度1
130 ○ 定が0となっている軸で定位置停止速 サイクル長を0以外に設定してくだ
度制御が始動された。 さい。

*:補間運転時は,該当補間軸すべてのエラーコード格納エリアにエラーが格納されます。

付 - 11
付 録

表1.4 始動時のエラー(100~199)一覧(つづき)
制御区分
同期制御

同期エンコーダ
サーボ入力軸
エラーコード

指令生成軸
J O G
位置決め

等速

位置追従
定寸送り

定位置停止速度
速度

エラー時
エラー要因 処置方法
の処理

・基準軸指定直線補間において,基準軸 ・移動量が0の軸は基準軸としないでく
140 ○
の移動量が0である。 ださい。
・位置追従制御の位置指令デバイスが, ・位置追従制御の位置指令デバイスは,
141 ○ 始動しませ
奇数番号となっている。 偶数番号を設定してください。
ん。
・JOG始動時,指令速度が始動時バイア ・指令速度を始動時バイアス速度~速
144 ○ ス速度~速度制限値の範囲外である。 度制限値の範囲内で設定してくださ
い。

付 - 12
付 録

(3) 制御中のエラー(200~299)
制御中に検出したエラーです。
エラーコード,エラー要因,エラー時の処理,処置方法を表1.5に示します。

表1.5 制御中のエラー(200~299)一覧
制御区分
同期制御

同期エンコーダ
サーボ入力軸
エラーコード

指令生成軸
J O G
位置決め

等速

位置追従
定寸送り

定位置停止速度
速度

エラー時
エラー要因 処置方法
の処理

・サーボプログラムで制御中に,シーケ 減速停止 ・全軸が停止後,シーケンサレディフ


ンサレディフラグ(M2000)がOFFした。( ト ル ク 制 ラグ(M2000)をONにしてください。
御,押当て
200 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
制御中は即
停止となり
ます。)
・シーケンサレディフラグ(M2000)の ・全軸が停止後,シーケンサレディフ
OFFによる減速中に,シーケンサレ ラグ(M2000)をOFF → ONにしてく
ディフラグ(M2000)が再度OFF → ON ださい。
204 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 無処理
となった。 減速中のシーケンサレディフラ
グ(M2000)のOFF → ONは無処理
となります。
・制御中,送り現在値がストロークリ ・ストロークリミット範囲内の位置決
減速停止
ミット範囲を超えた。 め制御となるように,ストロークリ
(トルク制
円弧補間/ヘリカル補間の場合,スト ミット範囲,または設定移動量を修
御,押当て
207 ○ ○ ○ ○ ○ ロークリミット範囲を超えた軸のみ 正してください。
制御中は即
格納される。
停止となり
直線補間の場合は,補間軸すべてに格
ます。)
納される。
・円弧補間/ヘリカル補間制御中,また ・ストロークリミット範囲内の位置決
は手動パルサ同時運転中に相手軸の め制御となるように,ストロークリ
208 ○ ○
送り現在値が,ストロークリミット範 ミット範囲,または設定移動量を修
囲を超えた(他軸のエラー検出用)。 正してください。
減速停止
・制御中,最終位置決めアドレスを検知 ・オーバランとならない速度にしてく
した時点において,出力速度に対する ださい。

減速距離に満たないためオーバラン ・オーバランとならない設定移動量に
となる。 してください。
・加減速時間変更を実施した制御中,出 ・オーバランとならない速度にしてく
211
力速度に対する最終位置決めアドレ 最終位置決 ださい。
ス までの 減速距離 に満た ないため めアドレス ・オーバランとならない設定移動量に
○ ○ ○ ○
オーバランとなる。 に到達後, してください。
即停止 ・オーバランとならない減速時間に変
更してください。
・位置追従制御中,制御単位がdegreeの ・制御単位がdegreeの場合は,指令ア
とき,指令アドレスが0~35999999の ドレスの設定を0~35999999の範囲
220 ○ 範囲を超えている。 減速停止 内にしてください。
・位置追従制御の指令アドレスがスト ・ストロークリミット範囲のアドレス
ロークリミットの範囲を超えている。 を設定する。

付 - 13
付 録

表1.5 制御中のエラー(200~299)一覧
制御区分
同期制御

同期エンコーダ
サーボ入力軸
エラーコード

指令生成軸
J O G
位置決め

等速

位置追従
定寸送り

定位置停止速度
速度

エラー時
エラー要因 処置方法
の処理

・定位置停止速度制御中,定位置停止指 ・指令アドレスの設定を0~35999999の
221 ○ 令デバイスON時の指令アドレスが0~ 減速停止 範囲内にしてください。
35999999の範囲を超えている。
・定位置停止速度制御中,定位置停止加 初期値 ・定位置停止加減速時間の設定を
222 ○ 減速時間取り込み時,定位置停止加減 (1000)で制 1~65535の範囲にしてください。
速時間が0になっている。 御する。
・等速制御中,途中ポイントでの速度が 速度制限値 ・1~速度制限値の範囲内で速度指令値
速度制限値を超えている。 にて制御し を設定してください。
ます。
225 ○
・等速制御中,途中ポイントでの速度が 前回の通過
0以下である。 ポイントの
速度で制御
・等速制御において,途中ポイントの位 始動時バイ ・指令速度を始動時バイアス速度~速
置決め速度が始動時バイアス速度未 ア ス 速 度 0 度制限値の範囲内に設定してくださ
227 ○
満になっている。 で制御しま い。
す。
・等速制御でスキップ実行時,次の補間 ・スキップを実行するポイントと,ア
命令がアブソ円弧補間もしくはアブ 即停止 ブソ円弧補間もしくはアブソヘリカ
ソヘリカル補間である。 ル補間の間に,アブソ直線補間を行
・等速制御でスキップ実行後,インクリ うようにしてください。
230 ○
メント方式の位置決めポイントのみ
を通過した状態で,アブソ円弧補間も 減速停止
しくはアブソヘリカル補間を実行し
た。

付 - 14
付 録

(4) 現在値/速度/目標位置変更時のエラー(300~399)
現在値変更,速度変更,目標位置変更を行った場合のエラーです。
エラーコード,エラー要因,エラー時の処理,処置方法を表1.6に示します。

表1.6 現在値/速度/目標位置変更時のエラー(300~399)一覧
制御区分
同期制御

同期エンコーダ
サーボ入力軸
エラーコード

指令生成軸
J O G
位置決め

等速

位置追従
定寸送り

定位置停止速度
速度

エラー時
エラー要因 処置方法
の処理

・該当軸の制御中に現在値変更した。 ・下記デバイスをインターロック条件
・未立上げの軸に対して,現在値変更し に使用して該当軸に対して現在値変
た。 更を行わないようにしてください。
○ ・サーボOFF軸に対して現在値変更した。 (1) 該当軸始動受付けフラグ
(M2001~M2032)OFF
現在値変更
(2) サーボレディ信号
300 を行いませ
(M2415+20n)ON
ん。
・該当指令生成軸の制御中に現在値変更 ・下記デバイスをインターロック条件
した。 に使用して該当軸に対して現在値変
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 更を行わないようにしてください。
(1) 該当指令生成軸始動受付け
フラグ(M9810+20n)OFF
・速度変更後の速度が,0~速度制限値 ・変更後の速度を0~速度制限値の範囲
○ ○ ○ 速度制限値
の範囲外である。 内にしてください。
305 で制御しま
・速度変更後の速度の絶対値が,0~速 ・変更後の速度の絶対値を0~速度制限
○ ○ ○ ○ す。
度制限値の範囲外である。 値の範囲内にしてください。
・degree軸に対し0~35999999 現在値変更 ・0~35999999(×10-5[degree])の範
-5
309 (×10 [degree])の範囲外に現在値変 を行いませ 囲内にしてください。
更指令を行った。 ん。
・ストロークリミット無効の軸に対し 速度変更を ・ストロークリミット無効の軸には負
310 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ て,負の速度への速度変更を行った。 行 い ま せ の速度への速度変更を行わないよう
ん。 にしてください。
・トルク制限値変更要求(D(P).CHGT, ・トルク制限値変更要求(CHGT)時,1~
CHGT)時,1~1000[%]の範囲外の設 1000[%]の範囲で変更要求をしてく
定をした。 ださい。
・トルク制限値個別変更要求 ・トルク制限値個別変更要求(CHGT2)
311 ○
(D(P).CHGT2,CHGT2)時,正方向トル 時,正方向トルク制限値,または負
トルク制限
ク制限値,または負方向トルク制限値 方 向 ト ル ク 制 限 値 で は 0.1 ~
値の変更は
に0.1~1000.0[%]の範囲外の設定を 1000.0[%]の範囲で,変更要求をし
行いませ
した。 てください。
ん。
・未立上げ軸に対してトルク制限値変更 ・立上げ完了の軸に対してトルク制限
要求(D(P).CHGT,CHGT)を行った。 値変更要求,トルク制限値個別変更
312 ・未立上げ軸に対してトルク制限値個別 要求を行ってください。
変更要求(D(P).CHGT2,CHGT2)を行っ
た。
・速度変更時,変更後の速度が始動時バ 速度変更を ・指令速度を始動時バイアス速度~速
313 ○ ○ ○ ○ ○ ○ イアス速度未満になっている。 行いませ 度制限値の範囲内に設定してくださ
ん。 い。

付 - 15
付 録

表1.6 現在値/速度/目標位置変更時のエラー(300~399)一覧(つづき)
制御区分
同期制御

同期エンコーダ
サーボ入力軸
エラーコード

指令生成軸
J O G
位置決め

等速

位置追従
定寸送り

定位置停止速度
速度

エラー時
エラー要因 処置方法
の処理

・速度・トルク制御中,指令速度の絶対 速度・トル ・変更後の速度を ~速度・トルク制御


値が0~速度・トルク制御時速度制限 ク制御時速 時速度制限値の範囲内にしてくださ
315 ○ 値の範囲外である。 度制限値で い。
制御しま
す。
・トルク制御または押当て制御中,指令 速度・トル ・変更後のトルクを0~速度・トルク制
トルクの絶対値が0~速度・トルク制 ク制御時ト 御時トルク制限値の範囲内にしてく
316 ○ 御時トルク制限値の範囲外である。 ルク制限値 ださい。
で制御しま
す。
・押当て制御への切換え要求時,切換え 制御モード ・押当て制御への切換えが可能な制御
317 ○ できない制御中である。 が切換わり 中に切換えを要求してください。
ません。
・押当て制御に対応していないサーボア 位 置 制 御 ・押当て制御が可能なサーボアンプを
ンプにおいて,押当て制御への切換え 中:減速停 使用してください。
を要求した。 止
318 ○ 速度制御
中:位置制
御に切換わ
り,即停止
・速度・トルク制御中,トルク制限値変 ・速度・トルク制御時トルク制限値の
更要求(D(P).CHGT,CHGT),またはト トルク制限 範囲内で変更要求をしてください。
ル ク 制 限 値 個 別 変 更 要 求 値の変更は
319 ○
(D(P).CHGT2,CHGT2)による変更値が 行いませ
速度・トルク制御時トルク制限値を超 ん。
えている。
・目標位置変更に対応していないサーボ ・下記サーボ命令動作軸に対して目標
命令を実行中の軸に対して,目標位置 目標位置変 位置変更を行ってください。
330 ○ 変更要求(CHGP)を行った。 更を行いま (1) 直線補間制御
せん。 (2) 定寸送り制御
(3) 等速制御

付 - 16
付 録

(5) 同期制御出力軸エラー(700~799)
同期制御中の出力軸で検出したエラーです。
エラーコード,エラー要因,エラー時の処理,処置方法を表1.7に示します。

表1.7 同期制御出力軸エラー(700~799)一覧
制御区分
同期制御

同期エンコーダ
サーボ入力軸
エラーコード

指令生成軸
J O G
位置決め

等速

位置追従
定寸送り

定位置停止速度
速度

エラー時
エラー要因 処置方法
の処理

・同期制御中,同期パラメータ「[Pr.405] ・設定を範囲内にしてください。
変更前の主
主 軸 ク ラ ッ チ 制 御 設 定 ( D15008 + ・クラッチなし以外の設定からクラッ
軸クラッチ
150n)」に設定範囲外を設定した。 チなしの設定には変更しないでくだ
制御設定で
704 ○ ・同期制御中,同期パラメータ「[Pr.405] さい。
同期制御を
主 軸 ク ラ ッ チ 制 御 設 定 ( D15008 +
継続しま
150n)」をクラッチなし以外の設定か
す。
らクラッチなしの設定に変更した。
・同期制御中,同期パラメータ「[Pr.422]
変更前の補
補助軸クラッチ制御設定(D15030+
助軸クラッ
150n)」に設定範囲外を設定した。
チ制御設定
724 ○ ・同期制御中,同期パラメータ「[Pr.422]
で同期制御
補助軸クラッチ制御設定(D15030+
を継続しま
150n)」をクラッチなし以外の設定か
す。
らクラッチなしの設定に変更した。
・同期制御中,同期パラメータ「[Pr.437] 変更前の変 ・設定を1~2147483647の範囲内にして
変速比1分母(D15050+150n,D15051 速比1分母 ください。
741 ○ +150n)」に0以下の値を設定した。 で同期制御
を継続しま
す。
・同期制御中,同期パラメータ「[Pr.493] 変更前の変
変速比2分母(D15056+150n,D15057 速比2分母
745 ○ +150n)」に0以下の値を設定した。 で同期制御
を継続しま
す。
・同期制御中,同期パラメータ「[Pr.440] ・設定を0~256の範囲内にしてくださ
750 ○ カムNo.(D15062+150n)」に0~256 い。
変更前のカ
以外の値を設定した。
ムNo.で同
・同期制御中,同期パラメータ「[Pr.440] ・カムデータが存在するカムNo.を指定
期制御を継
カムNo.(D15062+150n)」を変更し にしてください。
751 ○ 続します。
た時,変更したカムNo.のカムデータ
がカム展開エリア上に存在しない。
・同期パラメータ「[Pr.439]カム軸1サ 変更前のカ ・設定を1~2147483647の範囲内にして
イクル長(D15060+150n,D15061+ ム軸1サイ ください。
752 ○ 150n)」に0以下の値を設定した。 クル長で同
期制御を継
続します。
・カム軸の位相補正量が最小値 ・カム軸位相補正進め時間を小さくし
最大値/最
(-2147483648)以下,もしくは最大値 てください。
754 ○ 小値で制御
(2147483647)以上になった。 ・カム軸入力値の速度を下げてくださ
します。
い。

付 - 17
付 録

表1.7 同期制御出力軸エラー(700~799)一覧(つづき)
制御区分
同期制御

同期エンコーダ
サーボ入力軸
エラーコード

指令生成軸
J O G
位置決め

等速

位置追従
定寸送り

定位置停止速度
速度

エラー時
エラー要因 処置方法
の処理

・同期制御中,ストローク比データ形式 ・カムデータ開始位置が0から始まるカ
変更前のカ
でカムデータ開始位置が0以外から始 ムデータを使用してください。
ム軸1サイ
まるカムデータを使用しているとき
755 ○ クル長で同
に,「[Pr.439]カム軸1サイクル長
期制御を継
(D15060+150n,D15061+150n)」を
続します。
変更した。
・同期制御中,同期パラメータ「[Pr.440] ・アドバンス同期制御中に,速度・ト
カムNo.(D15062+150n)」が0以外の ルク制御を行う場合は,出力軸は直
出力軸に対して,速度・トルク・押当 線カム(カムNo.0)としてください。
制御モード
て制御への制御モード切換え要求を
756 ○ が切換わり
行った。
ません。
・同期制御変更機能実施中の出力軸に対 ・同期制御変更機能完了後,速度・ト
して,速度・トルク・押当て制御への ルク・押当て制御への制御モード切
制御モード切換え要求を行った。 換え要求を行ってください。
・速度・トルク制御中,出力軸の同期パ 直線カム ・アドバンス同期制御中に,速度・ト
ラメータ「[Pr.440]カムNo.(D15062 (カムNo.0) ルク制御を行う場合は,出力軸は直
757 ○ +150n)」に0以外の値を設定した。 での制御を 線カム(カムNo.0)としてください。
継続しま
す。
・制御変更要求時,「[Cd.407]同期制御 制御変更要 ・設定を範囲内にしてください。
770 ○ 変更命令(D15130+150n)」に0~4以 求を行いま
外の値を設定した。 せん。

付 - 18
付 録

(6) 同期制御入力軸エラー(800~899)
同期制御中の入力軸で検出したエラーです。
エラーコード,エラー要因,エラー時の処理,処置方法を表1.8に示します。

表1.8 同期制御入力軸エラー(800~899)一覧
制御区分
同期制御

同期エンコーダ
サーボ入力軸
エラーコード

指令生成軸
J O G
位置決め

等速

位置追従
定寸送り

定位置停止速度
速度

エラー時
エラー要因 処置方法
の処理

・入力軸の位相補正量が最小値 ・位相補正進め時間を小さくしてくだ
880 ○ (-2147483648)以下,もしくは最大値 さい。
(2147483647)以上になった。 ・入力軸の速度を下げてください。
・入力軸の回転方向制限量が最小値 ・回転方向制限設定の許可方向を確認
(-2147483648)以下,もしくは最大値 してください。(設定が逆となって
(2147483647)以上になった。 入力軸動作 いる可能性があります。)
881 ○
を継続し, ・許可方向と逆に入力軸が大きく移動
最大値/最 する動作がないか確認してくださ
小値で抑制 い。
・入力軸のモニタ速度表示が最小値 して制御し ・入力軸の設定で速度小数点桁数の設
(-2147483648)以下,もしくは最大値 ます。 定がある場合,設定値を小さくして
(2147483647)以上になった。 ください。
882 ○ ・入力軸の設定で速度時間単位の設定
がある場合,min→sec設定にしてく
ださい。
・入力軸の速度を下げてください。
・Q172DEX,または同期エンコーダを接 ・バッテリを交換してください。
運転を継続
883 ○ 続したサーボアンプのバッテリ電圧
します。
低下。
・同期エンコーダ軸制御要求時, 同期エン ・設定を範囲内にしてください。
[Cd.321]同期エンコーダ軸制御方法 コーダ軸制
884 ○
(D14823+10n)に0~2以外の値を設定 御を始動し
した。 ません。

付 - 19
付 録

(7) システムエラー(900~999)
電源投入時に検出したエラーです。
エラーコード,エラー要因,エラー時の処理,処置方法を表1.9に示します。

表1.9 システムエラー(900~999)一覧
制御区分
同期制御

同期エンコーダ
サーボ入力軸
エラーコード

指令生成軸
J O G
位置決め

等速

位置追従
定寸送り

定位置停止速度
速度

エラー時
エラー要因 処置方法
の処理

・サーボアンプ電源投入時,電源OFF中 ・位置を確認してください。
のモータ移動量が,「システム設定」 以後の運転 ・サーボアンプのバッテリを確認して
901
で設定された「Power Off中許容移動 は可能 ください。
量」を超えている。

付 - 20
付 録

付1.3 重度エラー

重度エラーは,外部入力信号またはモーションSFCプログラムからの制御指令による
エラーで,1000~1999のエラーコードです。
重度エラーには,始動時のエラー,制御中のエラー,絶対位置システム時のエラー,
システムエラー,同期制御出力軸エラー,同期制御入力軸エラーがあります。
(1) 始動時のエラー(1000~1099)
始動時に検出したエラーです。
エラーコード,エラー要因,エラー時の処理,処置方法を表1.10に示します。

表1.10 始動時のエラー(1000~1099)一覧
制御区分
同期制御

同期エンコーダ
サーボ入力軸
エラーコード

指令生成軸
J O G
位置決め

等速

位置追従
定寸送り

定位置停止速度
速度

エラー時
エラー要因 処置方法
の処理

・該当軸の外部STOP(停止)信号がONし ・STOP信号をOFFにしてください。
1000 ○
た。
・正方向(アドレス増加方向)始動時に, ・JOG運転等により,逆方向へ移動し,
1001 ○ 外部信号FLS(上限LS)がOFFした。 外部リミット範囲内にしてくださ
い。
・逆方向(アドレス減少方向)始動時に, ・JOG運転等により,正方向へ移動し,
1002 ○ 外部信号RLS(下限LS)がOFFした。 外部リミット範囲内にしてくださ
い。
・該当軸がサーボレディ状態でない。 ・サーボレディ状態が(M2415+20n:
(M2415+20n:OFF) ON)となるまで待ってください。
(1) サーボアンプの電源OFF
始動しませ
(2) サーボアンプの電源ONによるイ
ん。
ニシャル処理中
1004 ○
(3) サーボアンプ未実装
(4) サーボエラー発生
(5) ケーブル不良
(6) サーボOFF指令(M3215+20n)が
ON
・該当軸のサーボエラー検出信号(M2408 ・サーボ側のエラーを取除いた後,サー
+20n)がONした。 ボエラーリセット指令(M3208+20n)
1005 ○ により,サーボエラー検出信号
(M2408+20n)をリセット後,始動し
てください。

付 - 21
付 録

(2) 制御中のエラー(1100~1199)
制御中に検出したエラーです。
エラーコード,エラー要因,エラー時の処理,処置方法を表1.11に示します。

表1.11 制御中のエラー(1100~1199)一覧
制御区分
同期制御

同期エンコーダ
サーボ入力軸
エラーコード

指令生成軸
J O G
位置決め

等速

位置追従
定寸送り

定位置停止速度
速度

エラー時
エラー要因 処置方法
の処理

・正方向(アドレス増加方向)制御中, パラメータ ・JOG運転等により逆方向へ移動し,外


外部信号FLS(上限LS)がOFFした。 ブロックの 部リミット範囲内にしてください。
「STOP入力
1101 ○
時の停止処
理」による
減速停止
・逆方向(アドレス減少方向)制御中,(速度制御 ・JOG運転等により正方向へ移動し,外
外部信号RLS(下限LS)がOFFした。 中は減速停 部リミット範囲内にしてください。
止,トルク
1102 ○
制御,押当
て制御中は
即停止)
・制御中,サーボエラー検出信号がONし 減速せず即 ・サーボエラー時の処置後,始動して
1104 ○
た。 停止 ください。
・制御中,サーボアンプ電源OFFとなっ ・サーボアンプ電源ONにしてください。
た。(サーボ未実装検知,ケーブル異 サーボレ ・サーボアンプとの接続ケーブルを確
常など) ディ(M2415 認してください。
1105 ○
・原点復帰完了時,原点位置のインポジ +20n)を ・ゲイン調整を行ってください。
ション範囲内で停止せず,正常完了し OFF
なかった。
・Q172DEXまたはエンコーダの ・Q172DEXまたはエンコーダを確認(ユ
ハードウェア異常。 ニット交換)してください。
入力即停止
・エンコーダケーブルの断線。 ・エンコーダケーブルを確認してくだ
さい。
1151 ○ ・システム設定で設定している同期エン 同期エン ・実際に接続されている同期エンコー
コーダと実際に接続されている同期 コーダから ダをシステム設定で設定してくださ
エンコーダが異なっている。 の入力を受 い。
け付けませ
ん。
1152 ○ ・Q172DEXのバッテリ電圧低下。 ・バッテリを交換してください。
運転を継続
・Q172DEXのバッテリなし,またはバッ ・バッテリを交換,またはQ172DEXを確
1153 ○ します。
テリ断線。 認(ユニット交換)してください。

付 - 22
付 録

(3) 絶対位置システム時のエラー(1200~1299)
絶対位置システム時に検出したエラーです。
エラーコード,エラー要因,エラー時の処理,処置方法を表1.12に示します。

表1.12 絶対位置システム時のエラー(1200~1299)一覧
制御区分
同期制御

同期エンコーダ
サーボ入力軸
エラーコード

指令生成軸
J O G
位置決め

等速

位置追従
定寸送り

定位置停止速度
速度

エラー時
エラー要因 処置方法
の処理

・絶対位置システムにおいて,原点復帰 ・モーションCPUユニットおよびサーボ
を実施する必要がある下記要因があ アンプのバッテリを確認後,原点復
る。 帰を行ってください。
(1) システム立上げ後,一度も原点復
帰を実施していない。
(2) 原点復帰を始動したが,正常完了
していない。
(3) モーションCPU内の絶対値データ 原点復帰
1201
が,バッテリ異常などの要因によ 要求ON
り消失した。
(4) サーボエラー[2025],[2143],
[2913]が発生した。
(5) 重 度 エ ラ ー [1202] , [1203] ,
[1204]が発生した。
(6) サーボパラメータの「回転方向選
択」が変更された。
・サーボアンプ電源投入時,サーボアン 本体OSソフ ・モータ,エンコーダケーブルを確認
プ エンコーダ間の通信エラー発生 トウェアと してください。
サーボアン ・原点復帰要求がONしている場合,原
プのバー 点復帰を行ってください。
ジョンによ
り,原点復
帰要求ON,
サーボエ
1202 ラー[2016]
セット(フ
ルクローズ
ド制御対応
サーボプの
場合,サー
ボエラー
[2070]セッ
ト)
・運転中,「エンコーダ現在値[PLS]≠ 運転を継続 ・モータ,エンコーダケーブルを確認
フィードバック現在値[PLS](エン する。(原点 してください。
1205 コーダ有効ビット数)となった。 復帰要求は
サーボアンプ電源投入後,常時(サー ON し ま せ
ボON/OFFどちらも)チェックします。 ん)

付 - 23
付 録

(4) システムエラー(1300~1399)
電源投入時に検出したエラーです。
エラーコード,エラー要因,エラー時の処理,処置方法を表1.13に示します。

表1.13 システムエラー(1300~1399)一覧
制御区分
同期制御

同期エンコーダ
サーボ入力軸
エラーコード

指令生成軸
J O G
位置決め

等速

位置追従
定寸送り

定位置停止速度
速度

エラー時
エラー要因 処置方法
の処理

・マルチCPUシステムとのイニシャル交 ・モーションCPUを交換してください。
始動しませ
1310 信が正常完了しない。

・モーションCPU不良

付 - 24
付 録

(5) 同期制御出力軸エラー(1700~1799)
同期制御中の出力軸で検出したエラーです。
エラーコード,エラー要因,エラー時の処理,処置方法を表1.14に示します。

表1.14 同期制御出力軸エラー(1700~1799)一覧
制御区分
同期制御

同期エンコーダ
サーボ入力軸
エラーコード

指令生成軸
J O G
位置決め

等速

位置追従
定寸送り

定位置停止速度
速度

エラー時
エラー要因 処置方法
の処理

・同期パラメータ「[Pr.400]メイン入力 ・設定を範囲内にしてください。
軸番号(D15000+150n)」の設定値が ・出力軸とは異なるサーボ入力軸番号
設定範囲外になっている。 を設定してください。
1700 ○
・同期パラメータ「[Pr.400]メイン入力
軸番号(D15000+150n)」に出力軸と
同一のサーボ入力軸番号を設定した。
・同期パラメータ「[Pr.401]サブ入力軸 同期制御を
番号(D15001+150n)」の設定値が設 始動しませ
定範囲外になっている。 ん。
1701 ○
・同期パラメータ「[Pr.401]サブ入力軸
番号(D15001+150n)」に出力軸と同
一のサーボ入力軸番号を設定した。
・同期パラメータ「[Pr.404]主軸ギア分 ・設定を1~2147483647の範囲内にして
1702 ○ 母(D15006+150n,D15007+150n)」 ください。
に0以下の値を設定した。
・主軸ギアのギア比が大きいため,入力 ・同期パラメータ「[Pr.403]主軸ギア
値がオーバーフロー(符号逆転)した。 分子(D15004+150n,D15005+150n)」
同期制御を の絶対値を小さくしてください。
1703 ○ 即停止しま ・同期パラメータ「[Pr.404]主軸ギア
す。 分母(D15006+150n,D15007+150n)」
を大きくしてください。
・入力軸速度を下げてください。
・同期パラメータ「[Pr.405]主軸クラッ ・設定を範囲内にしてください。
1704 ○ チ制御設定(D15008+150n)」の設定
値が設定範囲外になっている。
・同期パラメータ「[Pr.406]主軸クラッ
1705 ○ チ参照アドレス設定(D15009+150n)」
の設定値が設定範囲外になっている。
・同期パラメータ「[Pr.411]主軸クラッ
1706 ○ チスムージング方式(D15018+150n)」
の設定値が設定範囲外になっている。 同期制御を
・同期パラメータ「[Pr.412]主軸クラッ 始動しませ
チ ス ム ー ジ ン グ 時 定 数 ( D15019 + ん。
1707 ○
150n)」の設定値が設定範囲外になっ
ている。
・同期パラメータ「[Pr.418]補助軸番号 ・設定を範囲内にしてください。
(D15024+150n)」の設定値が設定範 ・出力軸と同一のサーボ入力軸番号を
囲外になっている。 設定しないでください。
1720 ○
・同期パラメータ「[Pr.418]補助軸番号
(D15024+150n)」に出力軸と同一の
サーボ入力軸番号を設定した。

付 - 25
付 録

表1.14 同期制御出力軸エラー(1700~1799)一覧(つづき)
制御区分
同期制御

同期エンコーダ
サーボ入力軸
エラーコード

指令生成軸
J O G
位置決め

等速

位置追従
定寸送り

定位置停止速度
速度

エラー時
エラー要因 処置方法
の処理

・同期パラメータ「[Pr.421]補助軸ギア 同期制御を ・設定を1~2147483647の範囲内にして


1722 ○ 分母(D15028+150n,D15029+150n)」 始動しませ ください。
に0以下の値を設定した。 ん。
・補助軸ギアのギア比が大きいため,入 ・同期パラメータ「[Pr.420]補助軸ギ
力値がオーバーフロー(符号逆転)し ア 分 子 ( D15026 + 150n , D15027 +
た。 150n)」の絶対値を小さくしてくだ
同期制御を
さい。
1723 ○ 即停止しま
・同期パラメータ「[Pr.421]補助軸ギ
す。
ア 分 母 ( D15028 + 150n , D15029 +
150n)」を大きくしてください。
・入力軸速度を下げてください。
・同期パラメータ「[Pr.422]補助軸ク ・設定を範囲内にしてください。
1724 ○ ラッチ制御設定(D15030+150n)」の
設定値が設定範囲外になっている。
・同期パラメータ「[Pr.423]補助軸ク
ラッチ参照アドレス設定(D15031+
1725 ○
150n)」の設定値が設定範囲外になっ
ている。
・同期パラメータ「[Pr.428]補助軸ク
ラッチスムージング方式(D15040+
1726 ○
150n)」の設定値が設定範囲外になっ
ている。
同期制御を
・同期パラメータ「[Pr.429]補助軸ク
始動しませ
ラッチスムージング時定数(D15041+
1727 ○ ん。
150n)」の設定値が設定範囲外になっ
ている。
・同期パラメータ「[Pr.434]変速機1配
1740 ○ 置(D15046+150n)」の設定値が設定
範囲外になっている。
・同期パラメータ「[Pr.437]変速比1分 ・設定を1~2147483647の範囲内にして
1741 ○ 母(D15050+150n,D15051+150n)」 ください。
に0以下の値を設定した。
・同期パラメータ「[Pr.435]変速機1ス ・設定を0~5000の範囲内にしてくださ
1742 ○ ムージング時定数(D15047+150n)」 い。
に0~5000以外の値を設定した。
・変速機1の変速比が大きいため,入力 ・同期パラメータ「[Pr.436]変速比1分
値がオーバーフロー(符号逆転)した。 子(D15048+150n,D15049+150n)」
同期制御を の絶対値を小さくしてください。
1743 ○ 即停止しま ・同期パラメータ「[Pr.437]変速比1分
す。 母(D15050+150n,D15051+150n)」
を大きくしてください。
・入力軸速度を下げてください。
・同期パラメータ「[Pr.490]変速機2配 同期制御を ・設定を範囲内にしてください。
1744 ○ 置(D15052+150n)」の設定値が設定 始動しませ
範囲外になっている。 ん。

付 - 26
付 録

表1.14 同期制御出力軸エラー(1700~1799)一覧(つづき)
制御区分
同期制御

同期エンコーダ
サーボ入力軸
エラーコード

指令生成軸
J O G
位置決め

等速

位置追従
定寸送り

定位置停止速度
速度

エラー時
エラー要因 処置方法
の処理

・同期パラメータ「[Pr.493]変速比2分 ・設定を1~2147483647の範囲内にして
1745 ○ 母(D15056+150n,D15057+150n)」 ください。
同期制御を
に0以下の値を設定した。
始動しませ
・同期パラメータ「[Pr.491]変速機2ス ・設定を0~5000の範囲内にしてくださ
ん。
1746 ○ ムージング時定数(D15053+150n)」 い。
に0~5000以外の値を設定した。
・変速機2の変速比が大きいため,入力 ・同期パラメータ「[Pr.492]変速比2分
値がオーバーフロー(符号逆転)した。 子(D15054+150n,D15055+150n)」
同期制御を の絶対値を小さくしてください。
1747 ○ 即停止しま ・同期パラメータ「[Pr.493]変速比2分
す。 母(D15056+150n,D15057+150n)」
を大きくしてください。
・入力軸速度を下げてください。
・同期パラメータ「[Pr.434]変速機1配 ・同期パラメータ「[Pr.434]変速機1配
置(D15046+150n)」と「[Pr.490]変 置(D15046+150n)」と「[Pr.490]
1748 ○
速機2配置(D15052+150n)」の設定 変速機2配置(D15052+150n)」を異
値が重複している。 なる配置に設定してください。
・同期パラメータ「[Pr.440]カムNo. ・設定を0~256の範囲内にしてくださ
1750 ○ (D15062+150n)」に0~256以外の値 い。
を設定した。
・同期パラメータ「[Pr.440]カムNo. ・カムデータが存在するカムNo.を指定
(D15062+150n)」で指定したカムNo. してください。
1751 ○
のカムデータがカム展開エリア上に
存在しない。
・同期パラメータ「[Pr.439]カム軸1サ ・設定を1~2147483647の範囲内にして
1752 ○ イクル長(D15060+150n,D15061+ ください。
150n)」に0以下の値を設定した。
・同期パラメータ「[Pr.447]出力軸ス 同期制御を ・設定を0~5000の範囲内にしてくださ
1753 ○ ムージング時定数(D15070+150n)」 始動しませ い。
に0~5000以外の値を設定した。 ん。
・同期パラメータ「[Pr.448]同期制御パ ・設定を1~64の範囲内にしてくださ
1759 ○ ラ メ ー タ ブ ロ ッ ク No . ( D15069 + い。
150n)」に1~64以外の値を設定した。
・同期パラメータ「[Pr.460]主軸ギア後 ・設定を0~2の範囲内にしてください。
1760 ○ 1サイクル現在値設定方法(D15100+
150n)」に0~2以外の値を設定した。
・同期パラメータ「[Pr.465]主軸ギア後 ・設定を0~(カム軸1サイクル長-1)
1サイクル現在値初期設定値(D15106 の範囲内にしてください。
1761 ○ +150n,D15107+150n)」に0~(カ
ム軸1サイクル長-1)以外の値を設定
した。
・同期パラメータ「[Pr.461]補助軸ギア ・設定を0~2の範囲内にしてください。
1762 ○ 後1サイクル現在値設定方法(D15101
+150n)」に0~2以外の値を設定した。

付 - 27
付 録

表1.14 同期制御出力軸エラー(1700~1799)一覧(つづき)
制御区分
同期制御

同期エンコーダ
サーボ入力軸
エラーコード

指令生成軸
J O G
位置決め

等速

位置追従
定寸送り

定位置停止速度
速度

エラー時
エラー要因 処置方法
の処理

・同期パラメータ「[Pr.466]補助軸ギア ・設定を0~(カム軸1サイクル長-1)
後1サイクル現在値初期設定値 の範囲内にしてください。
1763 ○ (D15108+150n,D15109+150n)」に0
~(カム軸1サイクル長-1)以外の値
を設定した。
・同期パラメータ「[Pr.462]カム軸位置 ・設定を0~2の範囲内にしてください。
1764 ○ 復元対象(D15102+150n)」に0~2以
外の値を設定した。
・同期パラメータ「[Pr.463]カム基準位 ・設定を0~2の範囲内にしてください。
1765 ○ 置設定方法(D15103+150n)」に0~2
以外の値を設定した。
・同期パラメータ「[Pr.464]カム軸1サ ・設定を0~3の範囲内にしてください。
イ ク ル 現 在 値 設 定 方 法 ( D15104 + ・補助軸が存在しないときは,「3:補
150n)」に0~3以外の値を設定した。 助軸ギア後1サイクル現在値」以外を
1766 ○
・補助軸が存在しないときに,「3:補 設定してください。
助軸ギア後1サイクル現在値」を設定
した。
・同期パラメータ「[Pr.468]カム軸1サ ・設定を0~(カム軸1サイクル長-1)
同期制御を
イクル現在値初期設定値(D15112+ の範囲内にしてください。
始動しませ
1767 ○ 150n,D15113+150n)」に0~(カム
ん。
軸1サイクル長-1)以外の値を設定し
た。
・同期パラメータ「[Pr.462]カム軸位置 ・往復動作のカムパターンのストロー
復元対象(D15102+150n)」が「0: ク内に収まるよう送り現在値を移動
カム軸1サイクル現在値復元」のとき, させた後,同期制御を始動してくだ
同期制御始動時の送り現在値に対応 さい。
1768 ○
するカム軸1サイクル現在値が復元で ・往復動作のカムパターンのストロー
きなかった。 ク内に収まるようカム基準位置を設
(往復動作のカムパターンで発生す 定してください。
る。)
・同期パラメータ「[Pr.462]カム軸位置 ・カム位置計算機能で,復元されるカ
復元対象(D15102+150n)」が「2: ム軸送り現在値を計算し,送り現在
カム軸送り現在値復元」のとき,復元 値を移動させた後,同期制御を始動
されたカム軸送り現在値と同期制御 してください。
1769 ○
始動時の送り現在値の差(パルス指令 ・サーボパラメータ「インポジション
単位)がサーボパラメータ「インポジ 範囲」の設定値が0のように極端に小
ション範囲」より大きくなり,復元で さい場合は大きく設定してくださ
きなかった。 い。

付 - 28
付 録

(6) 同期制御入力軸エラー(1800~1899)
同期制御中の入力軸で検出したエラーです。
エラーコード,エラー要因,エラー時の処理,処置方法を表1.15に示します。

表1.15 同期制御入力軸エラー(1800~1899)一覧
制御区分
同期制御

同期エンコーダ
サーボ入力軸
エラーコード

指令生成軸
J O G
位置決め

等速

位置追従
定寸送り

定位置停止速度
速度

エラー時
エラー要因 処置方法
の処理

・入力軸パラメータ「[Pr.323]同期エン ・MT Developer□で「[Pr.323]同期エ


入力軸は設
コーダ軸単位変換分母」に0以下の値 ンコーダ 軸単位変換分母」を 1~
1802 ○ 定無効とな
が設定されている。 2147483647の範囲内に設定してくだ
ります。
さい。
・入力軸の単位変換比率(単位変換分子 入力軸動作 ・入力軸の単位変換比率(単位変換分
÷単位変換分母)が大きいため内部演 を即停止 子÷単位変換分母)を小さくしてく
1808 ○ 算のオーバーフローが発生した。 し,接続が ださい。
無効となり ・入力軸の速度を下げてください。
ます。
・入力軸パラメータ「[Pr.300]サーボ入 ・「[Pr.300]サーボ入力軸種別」をサー
力軸種別」が送り現在値または実現在 速度・位置 ボ指令値またはフィードバック値に
値の時,送り現在値更新指令(M3212 切換え制御 設定してください。
1809 ○
+20n)がOFFの状態で速度・位置切換 を始動しま ・送り現在値更新指令(M3212+20n)
え制御を始動した。 せん。 をONとしてから,速度・位置切換制
御を始動してください。
・システム設定で設定している同期エン 同期エン ・実際に接続されている同期エンコー
コーダと実際に接続されている同期 コーダから ダをシステム設定で設定してくださ
エンコーダが異なっている。 の入力を受 い。
け付けませ
1810 ○ ん。
・Q172DEXまたはエンコーダのハード ・Q172DEXまたはエンコーダを確認(ユ
ウェア異常。 ニット交換)してください。
入力即停止
・エンコーダケーブルの断線。 ・エンコーダケーブルを確認してくだ
さい。
・Q172DEX,または同期エンコーダを接 ・バッテリを交換,またはQ172DEXを確
運転を継続
1811 ○ 続したサーボアンプのバッテリなし, 認(ユニット交換)してください。
します。
またはバッテリ断線。
・サーボアンプ経由同期エンコーダに設 ・サーボアンプ経由同期エンコーダに
同期エン
定されている軸が,サーボアンプ経由 対応したサーボアンプを接続してく
コーダから
同期エンコーダに対応していない。 ださい。
1812 ○ の入力を受
・システム設定で未設定のサーボアンプ ・システム設定を見直してください。
け付けませ
軸がサーボアンプ経由同期エンコー
ん。
ダに設定されている。

付 - 29
付 録

表1.15 同期制御入力軸エラー(1800~1899)一覧(つづき)
制御区分
同期制御

同期エンコーダ
サーボ入力軸
エラーコード

指令生成軸
J O G
位置決め

等速

位置追従
定寸送り

定位置停止速度
速度

エラー時
エラー要因 処置方法
の処理

・ マ ル チ CPU シ ス テ ム の 電 源 ON 時 に 下記内容を確認し,マルチCPUシステム
Q172DEXまたはエンコーダのハード の電源を再投入してください。
ウェア異常。 同期エン ・Q172DEXまたはエンコーダを確認(ユ
・マルチCPUシステムの電源ON時にエン コーダから ニット交換)してください。
1820 ○ コーダケーブルの断線。 の入力を受 ・エンコーダケーブルを確認してくだ
・マルチCPUシステムの電源ON時にシス け付けませ さい。
テ ム設定 で設定し ている 同期エン ん。 ・実際に接続されている同期エンコー
コーダと実際に接続されている同期 ダをシステム設定で設定してくださ
エンコーダが異なっている。 い。
・入力軸パラメータ「[Pr.320]同期エン 同期エン ・指定したマスタCPUの入力軸を,接続
コーダ軸種別」に設定した軸が,マス コーダの接 状態にしてください。
1825 ○
タCPUにて接続無効となっている。 続が無効と
なります。
・入力軸パラメータ「[Pr.300]サーボ入 ・「[Pr.300]サーボ入力軸種別」を無
力軸種別」が無効でないとき,速度制 速度制御 効に設定してください。
1830 ○ 御(Ⅱ)を始動した。 (Ⅱ)を始動 (位置ループを含まない速度制御を
しません。 動作させる場合は速度・トルク制御
機能を使用してください。)

付 - 30
付 録

付1.4 サーボエラー

(1) サーボエラー(2000~2999)
サーボアンプが検出したエラーで,[2000]~[2999]のエラーコードです。
サーボエラー発生時には,サーボエラー検出信号(M2408+20n)がONします。エラー
要因を取除き,サーボエラーリセット指令(M3208+20n)のONによりサーボエラー
をリセットし,再度起動を行ってください。 (ただし,エラーコード[2100]~[2599]
はワーニングのため,サーボエラー検出信号は,ONとなりません。)
注):1.回生異常(エラーコード[2030]),過負荷1,2(エラーコード[2050],
[2051])は,保護回路動作後も動作時の状態がサーボアンプ内に保持さ
れています。記憶内容は,外部電源OFFにてクリアされますが,RESET信
号ではクリアされません。
2.エラーコード[2030],[2050],[2051]発生時,外部電源OFFによるリセッ
トを繰り返すと,過熱により素子破壊に至ることがありますので,確実に
原因除去後運転を再開してください。

サーボアンプ表示サーボエラーコード(#8008+20n)を16進表示にすると,サー
ボアンプのLEDと同じ表示になります。
サーボエラーの詳細は,「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モーションコントローラ
(SV13/SV22)プログラミングニュアル(リアルモード編)」を参照してください。

付 - 31
付 録

付2 間接指定デバイス設定範囲

サーボプログラムで設定する位置決めアドレス,指定速度,Mコード等,軸No.を除
き,ワードデバイスによる間接指定が可能です。
(1) デバイス範囲
以下に間接指定時のデバイスワード数,デバイス範囲を示します。
項 目 デバイスワード数 デバイス設定範囲 備 考
パラメータブロックNo. 1

アドレス/移動量 2
指令速度 2 デバイス 範 囲

ドウェルタイム 1 D 0~8191*1
Mコード 1 W 0000~1FFF
トルク制限値 1 # 0~7999
補助点 2 U□\G 10000~(10000+p-1)*2
円弧

半径 2
中心点 2
ピッチ数 1
制御単位 1
速度制限値 2
加速時間 1
減速時間 1
パラメータブロック

急停止減速時間 1
S字比率 1
加減速方式 1
加速区間1比率 1
アドバンスト
加速区間2比率 1
S字加減速
減速区間1比率 1
減速区間2比率 1
トルク制限値 1
STOP入力時減速処理 1
円弧補間誤差許容量範囲 2
始動時バイアス速度 2
指令速度(等速) 2
FIN加減速 1
定位置停止加減速時間 1
繰返し条件(回数) 1
繰返し条件(ON/OFF)
その他

キャンセル デバイス 範 囲
スキップ X 0000~1FFF*3
WAIT ON/OFF Y 0000~1FFF
定位置停止 ビット M 0~8191*1
B 0000~1FFF
F 0~2047
U□\G 10000.0~(10000+p-1).F*2

*1:同期エンコーダ軸用エリアは設定不可です。
*2:pは各号機のマルチCPU間高速通信エリアのユーザ自由エリア点数です。
*3:モーションCPU内蔵I/F(DI)に割り付けた入力デバイス(PXn+0~PXn+F)では,
PXn+4~PXn+Fの範囲は0固定となり使用できません。(n=先頭入力番号)

付 - 32
付 録

ポイント
(1) デバイスワード数が2の項目は,必ず偶数番号のデバイスを設定してください。
また,そのデバイスにモーションSFCプログラムでデータを設定するときは,
必ず32ビット整数型として(記述例:#0L,D0L)使用してください。
(2) マ ル チ CPU 間 高 速 通 信 エ リ ア の ユ ー ザ 自 由 エ リ ア 点 数 に つ い て は ,
「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPUモーションコントローラプログラミングマニュア
ル(共通編)第2章」を参照してください。

(2) デバイスデータの取込み
間接指定されたデバイスのデータは,サーボプログラム始動時にモーションCPUが
取込みます。
したがって,始動前にデバイスへ設定し始動完了するまでは,該当デバイスの変
更をしないようにしてください。
以下に,始動方法別によるデバイスへの設定順および注意事項を示します。

始動方法 設定方法 注意事項


間接指定デバイスへデータを設定 始動軸の「位置決め始動完了信号」がON
サーボプログラムによる始動時 ↓ となるまでは,間接指定デバイスを変更
サーボプログラムを起動する しないでください。
初回指令データを間接指定デバイスへ
設定

サーボプログラムで始動する(または,
CPSTART 命 令 に お け る 繰 返 し (FOR ~ 詳細は,位置決め用信号のデータレジス
キャンセル指令デバイスをONする)
NEXT)間のポイントデータを間接指定 タ「モニタデータエリア」を参照してく

とした場合 ださい。
始動軸の「等速制御用データセットポイ
ンタ」の値を読み,モーションCPUが取
込み完了したポイントまでのデータを
更新する

付 - 33
付 録

付3 モーションCPU処理時間一覧

マルチCPUシステムにおいて,位置決め制御を行う各信号,および各命令の処理時間
を示します。
(1) モーション演算周期[ms](デフォルト値)
Q173DSCPU Q172DSCPU
設定軸数(SV22) 1~6 7~16 17~32 1~6 7~16
演算周期[ms] 0.44 0.88 1.77 0.44 0.88

(2) CPU処理時間[ms]
命令の処理時間とは,各命令が実行されてからその実行内容がサーボアンプ側へ
反映されるまでの時間を指します。
(モーションコントローラとサーボアンプ間の通信時間も含んでいます。)
Q173DSCPU/Q172DSCPU
演算周期[ms] 0.22 0.44 0.88 1.77 3.55 7.11
WAIT ON/OFF+モーション
0.44 0.88 1.77 2.66 4.44 7.99
サーボ 制御ステップ使用時
プログラム モーション制御ステップ
0.6~0.9 1.0~1.4 1.9~2.8 2.8~4.6 4.6~8.2 8.1~15.2
始動処理時間 のみ使用時
*1
シーケンサCPUからの専用
1.4~2.3 2.2~3.1 3.5~4.4 5.3~6.2 8.8~9.7 16.0~16.9
命令(D(P).SVST)実行時
モーションSFCからの命令
0.4~0.9 0.8~1.3 1.7~2.6 2.6~4.4 4.4~8.0 8.0~15.1
速度変更処理 (CHGV)実行時
時間 シーケンサCPUからの専用
1.4~2.3 1.7~2.6 2.6~3.5 3.5~4.4 5.3~6.2 8.9~9.8
命令(D(P).CHGV)実行時
モーションSFCからの命令
指令生成軸 0.4~0.9 0.8~1.3 1.7~2.6 2.6~4.4 4.4~8.0 8.0~15.1
(CHGVS)実行時
速度変更処理
シーケンサCPUからの専用
時間 1.4~2.3 1.7~2.6 2.6~3.5 3.5~4.4 5.3~6.2 8.9~9.8
命令(D(P).CHGVS)実行時
モーションSFCからの命令
0.4~0.9 0.8~1.3 1.7~2.6 2.6~4.4 4.4~8.0 4.4~11.5
トルク制限値 (CHGT)実行時
変更処理時間 シーケンサCPUからの専用
1.4~2.3 1.7~2.6 2.6~3.5 3.5~4.4 5.3~6.2 5.3~9.7
命令(D(P).CHGT)実行時
モーションSFCからの命令
トルク制限値 0.4~0.9 0.8~1.3 1.7~2.6 2.6~4.4 4.4~8.0 4.4~11.5
(CHGT2)実行時
個別変更処理
シーケンサCPUからの専用
時間 1.4~2.3 1.7~2.6 2.6~3.5 3.5~4.4 5.3~6.2 5.3~9.7
命令(D(P).CHGT2)実行時
目標位置変更 モーションSFCからの命令
0.4~0.9 0.8~1.3 1.7~2.6 2.6~4.4 4.4~8.0 8.0~15.1
処理時間 (CHGP)実行時
シーケンサレディフラグ(M2000)ON,
44~60
PCPU準備完了フラグ(SM500)ONまで
*1:FEED命令は,条件(他の軸が始動中)により大きくなります。

付 - 34
付 録

付4 同期制御のサンプルプログラム

Q172DSCPUの指令生成軸4を入力軸として軸1を同期制御するサンプルプログラム例
です。
(1) システム設定で軸1にMR-J4(W)-Bを設定します。

(2) 同期制御パラメータの指令生成軸パラメータで軸4を設定します。

項 目 軸4
有効設定 1:有効
指令生成軸 単位設定 2:degree
JOG速度制限値 72000.000degree/min

付 - 35
付 録

(3) カムデータ(カムNo.1)を設定します。

区間No. 開始点[degree] 終了点[degree] ストローク[%] カム曲線


1 0.00000 90.00000 100.0000000 等速度
2 90.00000 270.00000 -60.0000000 等速度
3 270.00000 0.00000 50.0000000 等速度

(4) 軸1の同期パラメータを設定します。

項 目 設定値
種別 201:指令生成軸
主軸 メイン入力軸
同期制御用 軸番号 4
モジュール カム軸1サイクル長 360.00000degree
カム軸サイクル
設定 出力軸 カムストローク量 100000PLS
単位
カムNo. 1

付 - 36
付 録

(5) 同期制御を始動するモーションSFCプログラムを作成します。
(原点復帰完了後に実行)

sync_ax1

[F0]
SET M2042 //全軸サーボON

[G0]
M2415*!M2001
//軸1 サーボレディON,始動受付フラグOFF?

[F1]
SET M12000 //軸1 同期制御始動

[G1]
M100*M10880 //M100 ON かつ軸1 同期制御中?

[F2]
D14692L=72000000
//指令生成軸4 JOG速度=72000.000degree/min
SET M11022 //指令生成軸4 正転JOG ON

[G2]
!M100 //M100 OFF?(同期制御停止)

[F3]
RST M11022 //指令生成軸4 正転JOG OFF

[G3]
!M9870 //指令生成軸4 始動受付フラグOFF?

[F4]
RST M12000 //軸1 同期制御停止

[G0]
M2415*!M2001
//軸1 サーボレディON,始動受付フラグOFF?

END

付 - 37
付 録

付5 相違点

付5.1 仮想モード切換え方式との相違点

仮想モード切換え方式とアドバンスト同期制御方式の相違点を表5.1に示します。

表5.1 仮想モード切換え方式とアドバンスト同期制御方式の相違点
項 目 仮想モード切換え方式 アドバンスト同期制御方式
リアル/仮想モード切換えフラグをONすると,シ 各軸の同期制御始動ビットをONし,軸ごとに同期
始動方法
ステム全体が仮想モードに切り換わる。 制御を始動する。
全般
リアル・仮想モード切換えフラグをOFFすると, 各軸の同期制御始動ビットをOFFし,軸ごとに同
停止方法
システム全体がリアルモードに切り換わる。 期制御を停止する。
1出力軸あたりの メインシャフト(2軸)と補助入力(1軸)の合計 メインシャフト(2軸)と補助入力(1軸)の合計
設定数 3軸。 3軸。
・仮想サーボモータ軸 ・指令生成軸
Q173DSCPU:32軸 Q173DSCPU:32軸
仮想サーボモータ軸
Q172DSCPU:16軸 Q172DSCPU:16軸
(指令生成軸)
・指令単位 ・指令単位
PLS mm,inch,degree,PLS
通常のサーボアンプを駆動モジュール(入力軸)
として使用。
サーボ入力軸 なし
・指令単位
mm,inch,degree,PLS
INC/ABS/デバイス経由同期エンコーダ(12軸)
駆動 ・軸番号
モジュール 軸1~軸12の入力エンコーダを個別に設定。
INC/ABS同期エンコーダ(12軸)
① INC同期エンコーダ
・軸番号
モーションCPU内蔵I/F:4MPLS/s
軸1~軸12がP1~P12に対応。
Q173DPX :200kPLS/s
① INC同期エンコーダ
② ABS同期エンコーダ
モーションCPU内蔵I/F:4MPLS/s
同期エンコーダ軸 Q172DEX :Q171ENC-W8接続
Q173DPX :200kPLS/s
サーボアンプ経由 :Q171ENC-W8接続
② ABS同期エンコーダ
③ デバイス経由同期エンコーダ
Q172DEX :Q171ENC-W8接続
デバイス経由でエンコーダ値取込み。
・指令単位
・指令単位
PLS
mm,inch,degree,PLS
・1サイクル現在値:生成可能
・スムージング,位相補正,回転方向制限あり
・入力側歯数:1~65535 ・ギア分子:-2147483648~2147483647
ギア ・出力側歯数:1~65535 ・ギア分母:1~2147483647
・回転方向 :正転/逆転 ・回転方向:ギア分子の符号で指定
・クラッチモード
・クラッチモード クラッチ指令ON/OFF,クラッチ指令立上り,ク
伝達
ON/OFF,アドレス1,アドレス2,ワンショット, ラッチ指令立下り,ワンショットOFF,
モジュール
外部入力 アドレスモード,高速入力要求
クラッチ*1
・スムージング (各モードをON/OFFで個別に指定。)
時定数(指数方式), ・スムージング
滑り量(指数方式/直線方式) 時定数(指数方式/直線方式),
滑り量(指数方式/直線方式)

付 - 38
付 録

表5.1 仮想モード切換え方式とアドバンスト同期制御方式の相違点(つづき)
項 目 仮想モード切換え方式 アドバンスト同期制御方式
・変速比分子 :-2147483648~2147483647
・変速比 :0~655.35%
変速機 ・変速比分母 :1~2147483647
・スムージング:指数方式
伝達 ・スムージング:直線方式
モジュール 主軸合成ギア,補助軸合成ギアを使用。
ディファレンシャル メインシャフトと補助入力を使用。
(各入力の合成方法を「入力+/入力-/入力な
ギア (主軸側:+,補助軸側:-)
し」から選択。)
カム軸のみ。
ローラ軸,ボールネジ軸,回転テーブル軸,
種別 (直線カムを使用することでボールネジ軸などと
カム軸
同等の制御可能。)
・進め時間:-2147483648~2147483647[μs] ・進め時間:-2147483648~2147483647[μs]
位相補正
・時定数 :0~32767[演算周期回数] ・時定数 :0~65535[ms]
ストロークリミット ストロークリミットでエラー検出するが継続動
ストロークリミットでエラー検出して停止する。
動作 作する。
出力 停止指令 無効 有効
モジュール あり なし
カム/ボールネジ
(駆動軸から指令パルスを入力してボールネジ動 (軸ごとに同期制御を停止して位置決め制御で
切換え
作させる。) ボールネジ動作させる。)
「カム軸1サイクル現在値」,「カム基準位置」,
① カム基準位置設定ON時
「カム軸送り現在値」のいずれかを復元する設定
カム軸1回転内現在値0で開始
カム軸の初期位置 をパラメータで指定する。
② カム基準位置設定OFF時
(初期設定は,仮想モード切換え方式の「① カム
送り現在値からカム軸1回転内現在値を復元
基準位置設定ON時」と同様の動作。)
・ストローク比データ形式
・カム分解能 256,512,1024,2048,4096,8192,16384,
カム分解能/座標数 256,512,1024,2048 32768
(座標データ形式はなし。) ・座標データ形式
2~16384
カム個数 最大 256 最大 256
カムNo. 1~64,101~164,201~264,301~364 0~256(0は直線カム)
ストローク比 0~32767(32767が100%) -214.7483648~214.7483647%
・往復カムモード(終点は0%固定) なし(終点は自由に設定可能なためカムモードの
カムモード
カム機能 ・送りカムモード(終点は100%固定) 制約を受けない。)
カムデータ操作用
CAMWR,CAMWR2,CAMMK命令(新規作成可)
モーションSFC BMOV命令(新規作成不可)
CAMRD命令,CAMPSCL命令
プログラム
カム自動生成種別のカムパターンを自動生成可
能。
カム自動生成 なし
・ロータリーカッター用カム
・簡易ストローク比カム
同期制御開始前にカム軸送り現在値やカム軸1サ
カム位置計算 なし
イクル現在値の計算が可能。

付 - 39
付 録

表5.1 仮想モード切換え方式とアドバンスト同期制御方式の相違点(つづき)
項 目 仮想モード切換え方式 アドバンスト同期制御方式
リアルモード/ なし
あり
仮想モード混在機能 (軸ごとに同期制御始動/停止可能。)
サーボエラー発生時の仮想モードを継続するか サーボエラー発生軸以外の軸動作には影響しな
サーボエラー時の を選択可能。 い。
動作 (継続する場合でも関連するシステムは停止す (サーボエラー発生軸以外も停止する場合はアプ
その他 る。) リケーションで行う。)
同一構成の場合でも,アドバンスト同期制御方式と仮想モード切換え方式で処理負荷は異なります。
同期制御の処理負荷 動作方式を変更する場合は演算周期オーバー(M2054 ON)などが発生していないことを確認してく
ださい。
マルチCPU間同期
なし あり
制御

*1:クラッチの互換性
アドバンスト同期制御方式で,仮想モード切換え方式と同等のクラッチ設定をする場合に選択する制
御方法を以下に示します。

仮想モード切換え方式 アドバンスト同期制御方式
クラッチモード ON制御モード OFF制御モード
ON/OFFモード 1:クラッチ指令ON/OFF ―
アドレスモード 4:アドレスモード 4:アドレスモード
ワンショットモード 2:クラッチ指令立上り 1:ワンショットOFF
外部入力モード 5:高速入力要求 3:クラッチ指令立下り

付 - 40
付 録

付6 デバイス一覧

(1) 各軸ステータス一覧

デバイス番号 信号名称
No.
1 M2400~M2419
2 M2420~M2439
信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
3 M2440~M2459
4 M2460~M2479 0 位置決め始動完了
5 M2480~M2499 1 位置決め完了
6 M2500~M2519 2 インポジション
7 M2520~M2539 3 指令インポジション 演算周期
8 M2540~M2559 4 速度制御中
9 M2560~M2579 5 速度・位置切換えラッチ
10 M2580~M2599 6 零点通過
11 M2600~M2619 7 エラー検出 即時
ステータス
12 M2620~M2639 8 サーボエラー検出 演算周期
信号
13 M2640~M2659 9 原点復帰要求 メイン周期
14 M2660~M2679 10 原点復帰完了 演算周期
15 M2680~M2699 11 FLS
16 M2700~M2719 12 RLS
外部信号 メイン周期
17 M2720~M2739 13 STOP
18 M2740~M2759 14 DOG/CHANGE
19 M2760~M2779 15 サーボレディ
演算周期
20 M2780~M2799 16 トルク制限中
21 M2800~M2819 17
ユーザ使用不可 - - -
22 M2820~M2839 18
23 M2840~M2859 ステータス
19 Mコード出力中 演算周期
24 M2860~M2879 信号
25 M2880~M2899
26 M2900~M2919
27 M2920~M2939
28 M2940~M2959
29 M2960~M2979
30 M2980~M2999
31 M3000~M3019
32 M3020~M3039

ポイント
(1) Q172DSCPUでは軸No.1~16の範囲が有効です。
(2) Q172DSCPUで17軸以上のデバイスエリアはユーザデバイスとして使用可能です。
ただし,Q172DSCPUのプロジェクトをQ173DSCPUに置換えた場合,ユーザデバイ
スとして使用できなくなります。
(3) 各軸ステータスの詳細は,「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPUモーションコントロー
ラ(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(リアルモード編)」を参照してく
ださい。

付 - 41
付 録

(2) 各軸指令信号一覧

デバイス番号 信号名称
No.
1 M3200~M3219
2 M3220~M3239
信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
3 M3240~M3259
4 M3260~M3279 0 停止指令
演算周期
5 M3280~M3299 1 急停止指令
6 M3300~M3319 2 正転JOG始動指令
指令信号
7 M3320~M3339 3 逆転JOG始動指令 メイン周期
8 M3340~M3359 4 完了信号OFF指令
9 M3360~M3379 5 速度・位置切換え許可指令 演算周期
10 M3380~M3399 6 ユーザ使用不可 - - -
11 M3400~M3419 7 エラーリセット指令
メイン周期
12 M3420~M3439 8 サーボエラーリセット指令 指令信号
13 M3440~M3459 9 始動時の外部STOP入力無効指令 始動時
14 M3460~M3479 10
ユーザ使用不可 - - -
15 M3480~M3499 11
16 M3500~M3519 12 送り現在値更新指令 始動時 指令信号
17 M3520~M3539 13
ユーザ使用不可 - - -
18 M3540~M3559 14
19 M3560~M3579 15 サーボOFF指令 演算周期
20 M3580~M3599 16 ゲイン切換え指令
演算周期*1
21 M3600~M3619 17 PI-PID切換え指令 指令信号
22 M3620~M3639 18 制御ループ切換え指令
演算周期
23 M3640~M3659 19 FIN信号
24 M3660~M3679
25 M3680~M3699
26 M3700~M3719
27 M3720~M3739
28 M3740~M3759
29 M3760~M3779
30 M3780~M3799
31 M3800~M3819
32 M3820~M3839

*1:演算周期が7.1[ms]以上の場合は3.5[ms]ごとになります。

ポイント
(1) Q172DSCPUでは軸No.1~16の範囲が有効です。
(2) Q172DSCPUで17軸以上のデバイスエリアはユーザデバイスとして使用可能です。
ただし,Q172DSCPUのプロジェクトをQ173DSCPUに置換えた場合,ユーザデバイ
スとして使用できなくなります。
(3) 各軸指令信号の詳細は,「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPUモーションコントローラ
(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(リアルモード編)」を参照してくだ
さい。

付 - 42
付 録

(3) 指令生成軸ステータス一覧

デバイス番号 信号名称
No.
1 M9800~M9819
2 M9820~M9839
記号 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
3 M9840~M9859
4 M9860~M9879 0 St.340 指令生成軸位置決め始動完了 ステータス
演算周期
5 M9880~M9899 1 St.341 指令生成軸位置決め完了 信号
6 M9900~M9919 2 - ユーザ使用不可 - - -
7 M9920~M9939 3 St.342 指令生成軸指令インポジション ステータス
演算周期
8 M9940~M9959 4 St.343 指令生成軸速度制御中 信号
9 M9960~M9979 5
- ユーザ使用不可 - - -
10 M9980~M9999 6
11 M10000~M10019 ステータス
7 St.344 指令生成軸エラー検出 即時
12 M10020~M10039 信号
13 M10040~M10059 8
- ユーザ使用不可 - - -
14 M10060~M10079 9
15 M10080~M10099 10 St.345 指令生成軸始動受付けフラグ
16 M10100~M10119 11 St.346 指令生成軸速度変更受付け中フラグ
ステータス
17 M10120~M10139 指令生成軸速度変更「0」受付け中 演算周期
12 St.347 信号
18 M10140~M10159 フラグ
19 M10160~M10179 13 St.348 指令生成軸自動減速中フラグ
20 M10180~M10199 14
21 M10200~M10219 15
22 M10220~M10239 16 - ユーザ使用不可 - - -
23 M10240~M10259 17
24 M10260~M10279 18
25 M10280~M10299 ステータス
19 St.349 指令生成軸Mコード出力中 演算周期
26 M10300~M10319 信号
27 M10320~M10339
28 M10340~M10359
29 M10360~M10379
30 M10380~M10399
31 M10400~M10419
32 M10420~M10439

ポイント
(1) Q172DSCPUでは軸No.1~16の範囲が有効です。
(2) Q172DSCPUで17軸以上のデバイスエリアはユーザデバイスとして使用可能です。
ただし,Q172DSCPUのプロジェクトをQ173DSCPUに置換えた場合,ユーザデバイ
スとして使用できなくなります。
(3) 指令生成軸ステータスの詳細は,5.2.4項を参照してください。

付 - 43
付 録

(4) 指令生成軸指令信号一覧

デバイス番号 信号名称
No.
1 M10960~M10979
2 M10980~M10999
記号 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
3 M11000~M11019
4 M11020~M11039 0 Rq.341 指令生成軸停止指令
演算周期
5 M11040~M11059 1 Rq.342 指令生成軸急停止指令
6 M11060~M11079 2 Rq.343 指令生成軸正転JOG始動指令 指令信号
7 M11080~M11099 3 Rq.344 指令生成軸逆転JOG始動指令 メイン周期
8 M11100~M11119 4 Rq.345 指令生成軸完了信号OFF指令
9 M11120~M11139 5
- ユーザ使用不可 - - -
10 M11140~M11159 6
11 M11160~M11179 7 Rq.346 指令生成軸エラーリセット指令 メイン周期 指令信号
12 M11180~M11199 8
13 M11200~M11219 9
- ユーザ使用不可 - - -
14 M11220~M11239 10
15 M11240~M11259 11
16 M11260~M11279 12 Rq.347 指令生成軸送り現在値更新指令 始動時 指令信号
17 M11280~M11299 13
18 M11300~M11319 14
19 M11320~M11339 15
- ユーザ使用不可 - - -
20 M11340~M11359 16
21 M11360~M11379 17
22 M11380~M11399 18
23 M11400~M11419 19 Rq.348 指令生成軸FIN信号 演算周期 指令信号
24 M11420~M11439
25 M11440~M11459
26 M11460~M11479
27 M11480~M11499
28 M11500~M11519
29 M11520~M11539
30 M11540~M11559
31 M11560~M11579
32 M11580~M11599

ポイント
(1) Q172DSCPUでは軸No.1~16の範囲が有効です。
(2) Q172DSCPUで17軸以上のデバイスエリアはユーザデバイスとして使用可能です。
ただし,Q172DSCPUのプロジェクトをQ173DSCPUに置換えた場合,ユーザデバイ
スとして使用できなくなります。
(3) 指令生成軸指令信号の詳細は,5.2.3項を参照してください。

付 - 44
付 録

(5) 同期エンコーダ軸ステータス一覧

デバイス番号 信号名称
No.
1 M10440~M10449
2 M10450~M10459
記号 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
3 M10460~M10469
4 M10470~M10479 0 St.320 同期エンコーダ軸設定有効フラグ 電源投入時
5 M10480~M10489 1 St.321 同期エンコーダ軸接続有効フラグ
6 M10490~M10499 同期エンコーダ軸カウンタ
2 St.322 ステータス
7 M10500~M10509 イネーブルフラグ 演算周期
信号
8 M10510~M10519 同期エンコーダ軸現在値設定要求
3 St.323
9 M10520~M10529 フラグ
10 M10530~M10539 4 St.324 同期エンコーダ軸エラー検出フラグ 即時
11 M10540~M10549 5 - ユーザ使用不可 - - -
12 M10550~M10559 ステータス
6 St.325 同期エンコーダ軸制御完了フラグ 即時
信号
7
8 - ユーザ使用不可 - - -
9

ポイント
同期エンコーダ軸ステータスの詳細は,5.3.5項を参照してください。

(6) 同期エンコーダ軸指令信号一覧

デバイス番号 信号名称
No.
1 M11600~M11603
2 M11604~M11607
記号 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
3 M11608~M11611
4 M11612~M11615 0 Rq.323 同期エンコーダ軸エラーリセット メイン周期
5 M11616~M11619 1 Rq.320 同期エンコーダ軸制御要求 演算周期
指令信号
6 M11620~M11623 デバイス/マスタCPU経由
2 Rq.324 メイン周期
7 M11624~M11627 同期エンコーダ接続指令
8 M11628~M11631 3 - ユーザ使用不可 - - -
9 M11632~M11635
10 M11636~M11639
11 M11640~M11643
12 M11644~M11647

ポイント
同期エンコーダ軸指令の詳細は,5.3.4項を参照してください。

付 - 45
付 録

(7) 出力軸ステータス一覧

デバイス番号 信号名称
No.
1 M10560~M10569
2 M10570~M10579
記号 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
3 M10580~M10589
4 M10590~M10599 0 St.420 主軸クラッチON/OFFステータス
5 M10600~M10609 主軸クラッチスムージング
1 St.421
6 M10610~M10619 ステータス ステータス
演算周期
7 M10620~M10629 2 St.423 補助軸クラッチON/OFFステータス 信号
8 M10630~M10639 補助軸クラッチスムージング
3 St.424
9 M10640~M10649 ステータス
10 M10650~M10659 4
- ユーザ使用不可 - - -
11 M10660~M10669 5
12 M10670~M10679 ステータス
6 St.426 制御変更完了 演算周期
13 M10680~M10689 信号
14 M10690~M10699 7
15 M10700~M10709 8 - ユーザ使用不可 - - -
16 M10710~M10719 9
17 M10720~M10729
18 M10730~M10739
19 M10740~M10749
20 M10750~M10759
21 M10760~M10769
22 M10770~M10779
23 M10780~M10789
24 M10790~M10799
25 M10800~M10809
26 M10810~M10819
27 M10820~M10829
28 M10830~M10839
29 M10840~M10849
30 M10850~M10859
31 M10860~M10869
32 M10870~M10879

ポイント
(1) Q172DSCPUでは軸No.1~16の範囲が有効です。
(2) Q172DSCPUで17軸以上のデバイスエリアはユーザデバイスとして使用可能です。
ただし,Q172DSCPUのプロジェクトをQ173DSCPUに置換えた場合,ユーザデバイ
スとして使用できなくなります。
(3) 出力軸ステータスの詳細は,7.6.2項,7.7節を参照してください。

付 - 46
付 録

(8) 出力軸指令信号一覧

デバイス番号 信号名称
No.
1 M11680~M11689
2 M11690~M11699
記号 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
3 M11700~M11709
4 M11710~M11719 0 Rq.400 主軸クラッチ指令
5 M11720~M11729 1 Rq.401 主軸クラッチ制御無効指令 演算周期 指令信号
6 M11730~M11739 2 Rq.402 主軸クラッチ強制OFF指令
7 M11740~M11749 3 - ユーザ使用不可 - - -
8 M11750~M11759 4 Rq.403 補助軸クラッチ指令
9 M11760~M11769 5 Rq.404 補助軸クラッチ制御無効指令 演算周期 指令信号
10 M11770~M11779 6 Rq.405 補助軸クラッチ強制OFF指令
11 M11780~M11789 7 - ユーザ使用不可 - - -
12 M11790~M11799 8 Rq.406 制御変更要求指令 演算周期 指令信号
13 M11800~M11809 9 - ユーザ使用不可 - - -
14 M11810~M11819
15 M11820~M11829
16 M11830~M11839
17 M11840~M11849
18 M11850~M11859
19 M11860~M11869
20 M11870~M11879
21 M11880~M11889
22 M11890~M11899
23 M11900~M11909
24 M11910~M11919
25 M11920~M11929
26 M11930~M11939
27 M11940~M11949
28 M11950~M11959
29 M11960~M11969
30 M11970~M11979
31 M11980~M11989
32 M11990~M11999

ポイント
(1) Q172DSCPUでは軸No.1~16の範囲が有効です。
(2) Q172DSCPUで17軸以上のデバイスエリアはユーザデバイスとして使用可能です。
ただし,Q172DSCPUのプロジェクトをQ173DSCPUに置換えた場合,ユーザデバイ
スとして使用できなくなります。
(3) 出力軸指令信号の詳細は,7.1.4項,7.2.4項,7.6.2項を参照してください。

付 - 47
付 録

(9) 同期制御中信号一覧
軸 リフレッシュ
デバイス番号 記号 信号名称 取込周期 信号種別
No. 周期
1 M10880
2 M10881
3 M10882
4 M10883
5 M10884
6 M10885
7 M10886
8 M10887
9 M10888
10 M10889
11 M10890
12 M10891
13 M10892
14 M10893
15 M10894
16 M10895 ステータス
St.380 同期制御中 演算周期
17 M10896 信号
18 M10897
19 M10898
20 M10899
21 M10900
22 M10901
23 M10902
24 M10903
25 M10904
26 M10905
27 M10906
28 M10907
29 M10908
30 M10909
31 M10910
32 M10911

ポイント
(1) Q172DSCPUでは軸No.1~16の範囲が有効です。
(2) Q172DSCPUで17軸以上のデバイスエリアはユーザデバイスとして使用可能です。
ただし,Q172DSCPUのプロジェクトをQ173DSCPUに置換えた場合,ユーザデバイ
スとして使用できなくなります。
(3) 同期制御中信号の詳細は,2.2項を参照してください。

付 - 48
付 録

(10) 同期解析完了信号一覧
軸 リフレッシュ
デバイス番号 記号 信号名称 取込周期 信号種別
No. 周期
1 M10912
2 M10913
3 M10914
4 M10915
5 M10916
6 M10917
7 M10918
8 M10919
9 M10920
10 M10921
11 M10922
12 M10923
13 M10924
14 M10925
15 M10926
16 M10927 ステータス
St.381 同期解析完了 演算周期
17 M10928 信号
18 M10929
19 M10930
20 M10931
21 M10932
22 M10933
23 M10934
24 M10935
25 M10936
26 M10937
27 M10938
28 M10939
29 M10940
30 M10941
31 M10942
32 M10943

ポイント
(1) Q172DSCPUでは軸No.1~16の範囲が有効です。
(2) Q172DSCPUで17軸以上のデバイスエリアはユーザデバイスとして使用可能です。
ただし,Q172DSCPUのプロジェクトをQ173DSCPUに置換えた場合,ユーザデバイ
スとして使用できなくなります。
(3) 同期解析完了信号の詳細は,2.2節を参照してください。

付 - 49
付 録

(11) 同期制御始動信号一覧
軸 リフレッシュ
デバイス番号 記号 信号名称 取込周期 信号種別
No. 周期
1 M12000
2 M12001
3 M12002
4 M12003
5 M12004
6 M12005
7 M12006
8 M12007
9 M12008
10 M12009
11 M12010
12 M12011
13 M12012
14 M12013
15 M12014
16 M12015
Rq.380 同期制御始動 演算周期 指令信号
17 M12016
18 M12017
19 M12018
20 M12019
21 M12020
22 M12021
23 M12022
24 M12023
25 M12024
26 M12025
27 M12026
28 M12027
29 M12028
30 M12029
31 M12030
32 M12031

ポイント
(1) Q172DSCPUでは軸No.1~16の範囲が有効です。
(2) Q172DSCPUで17軸以上のデバイスエリアはユーザデバイスとして使用可能です。
ただし,Q172DSCPUのプロジェクトをQ173DSCPUに置換えた場合,ユーザデバイ
スとして使用できなくなります。
(3) 同期制御始動信号の詳細は,2.2節を参照してください。

付 - 50
付 録

(12) 同期解析要求信号一覧
軸 リフレッシュ
デバイス番号 記号 信号名称 取込周期 信号種別
No. 周期
1 M12032
2 M12033
3 M12034
4 M12035
5 M12036
6 M12037
7 M12038
8 M12039
9 M12040
10 M12041
11 M12042
12 M12043
13 M12044
14 M12045
15 M12046
16 M12047 同期制御
Rq.381 同期解析要求 指令信号
17 M12048 始動時
18 M12049
19 M12050
20 M12051
21 M12052
22 M12053
23 M12054
24 M12055
25 M12056
26 M12057
27 M12058
28 M12059
29 M12060
30 M12061
31 M12062
32 M12063

ポイント
(1) Q172DSCPUでは軸No.1~16の範囲が有効です。
(2) Q172DSCPUで17軸以上のデバイスエリアはユーザデバイスとして使用可能です。
ただし,Q172DSCPUのプロジェクトをQ173DSCPUに置換えた場合,ユーザデバイ
スとして使用できなくなります。
(3) 同期解析要求信号の詳細は,2.2節を参照してください。

付 - 51
付 録

(13) 共通デバイス一覧
デバイ デバイ
信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別 備考*3 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別 備考*3
ス番号 ス番号
M2000 シーケンサレディフラグ メイン周期 指令信号 M3072 M2071 軸11
M2001 軸1 M2072 軸12
M2002 軸2 M2073 軸13
M2003 軸3 M2074 軸14
M2004 軸4 M2075 軸15
M2005 軸5 M2076 軸16
M2006 軸6 M2077 軸17
M2007 軸7 M2078 軸18
M2008 軸8 M2079 軸19
M2009 軸9 M2080 軸20
M2010 軸10 M2081 軸21 速度変更受付け中 ステータス信号
演算周期 *1,*2
M2011 軸11 M2082 軸22 フラグ
M2012 軸12 M2083 軸23
M2013 軸13 M2084 軸24
M2014 軸14 M2085 軸25
M2015 軸15 M2086 軸26
M2016 軸16 ステータス信号 M2087 軸27
始動受付けフラグ 演算周期 *1,*2
M2017 軸17 M2088 軸28
M2018 軸18 M2089 軸29
M2019 軸19 M2090 軸30
M2020 軸20 M2091 軸31
M2021 軸21 M2092 軸32
M2022 軸22 M2093
M2023 軸23 M2094
M2024 軸24 M2095
M2025 軸25 M2096
M2026 軸26 M2097
M2027 軸27 M2098
M2028 軸28 M2099
M2029 軸29 M2100
M2030 軸30 M2101
M2031 軸31 M2102
M2032 軸32 M2103
M2033 ユーザ使用不可 M2104
- - - -
M2034 (2点) M2105
モーションエラー履歴クリア
M2035 メイン周期 指令信号 M3080 M2106
要求フラグ
M2036 ユーザ使用不可 M2107
- - - -
M2037 (2点) M2108
モーションSFCデバッグモード デバッグモード
M2038 M2109
中フラグ 移行時 ステータス信号 ユーザ使用不可
- - - -
M2039 モーションエラー検出フラグ 即時 M2110 (35点)
M2040 速度切換えポイント指定フラグ 始動時 指令信号 M3073 M2111
M2041 システム設定エラーフラグ 演算周期 ステータス信号 M2112
M2042 全軸サーボON指令 演算周期 指令信号 M3074 M2113
M2043 M2114
M2044 ユーザ使用不可 M2115
- - - -
M2045 (4点) M2116
M2046 M2117
モーションスロット異常検出
M2047 演算周期 ステータス信号 M2118
フラグ
M2048 JOG運転同時始動指令 メイン周期 指令信号 M3076 M2119
M2049 全軸サーボON受付けフラグ 演算周期 ステータス信号 M2120
M2050 ユーザ使用不可 - - - - M2121
M2051 手動パルサ1許可フラグ M3077 M2122
M2052 手動パルサ2許可フラグ メイン周期 指令信号 M3078 M2123
M2053 手動パルサ3許可フラグ M3079 M2124
M2054 演算周期オーバーフラグ 演算周期 ステータス信号 M2125
M2055 M2126
M2056 M2127
M2057 ユーザ使用不可 M2128 軸1
- - - -
M2058 (6点) M2129 軸2
M2059 M2130 軸3
M2060 M2131 軸4
M2061 軸1 M2132 軸5
M2062 軸2 M2133 軸6
M2063 軸3 M2134 軸7 ステータス信号
自動減速中フラグ 演算周期 *1,*2
M2064 軸4 M2135 軸8
M2065 軸5 速度変更受付け中 ステータス信号 M2136 軸9
演算周期 *1,*2
M2066 軸6 フラグ M2137 軸10
M2067 軸7 M2138 軸11
M2068 軸8 M2139 軸12
M2069 軸9 M2140 軸13
M2070 軸10 M2141 軸14

付 - 52
付 録

共通デバイス一覧(つづき)
デバイ デバイ
信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別 備考*3 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別 備考*3
ス番号 ス番号
M2142 軸15 M2219
M2143 軸16 M2220
M2144 軸17 M2221
M2145 軸18 M2222
M2146 軸19 M2223
M2147 軸20 M2224
M2148 軸21 M2225
M2149 軸22 M2226
M2150 軸23 ステータス信号 M2227
自動減速中フラグ 演算周期 *1,*2
M2151 軸24 M2228
ユーザ使用不可
M2152 軸25 M2229 - - - -
(21点)
M2153 軸26 M2230
M2154 軸27 M2231
M2155 軸28 M2232
M2156 軸29 M2233
M2157 軸30 M2234
M2158 軸31 M2235
M2159 軸32 M2236
M2160 M2237
M2161 M2238
M2162 M2239
M2163 M2240 軸1
M2164 M2241 軸2
M2165 M2242 軸3
M2166 M2243 軸4
M2167 M2244 軸5
M2168 M2245 軸6
M2169 M2246 軸7
M2170 M2247 軸8
M2171 M2248 軸9
M2172 M2249 軸10
M2173 M2250 軸11
M2174 M2251 軸12
M2175 M2252 軸13
M2176 M2253 軸14
M2177 M2254 軸15
M2178 M2255 軸16 速度変更「0」受付け中
M2179 M2256 軸17 フラグ
M2180 M2257 軸18
M2181 M2258 軸19
M2182 M2259 軸20
M2183 M2260 軸21
M2184 M2261 軸22
M2185 M2262 軸23
M2186 M2263 軸24
M2187 M2264 軸25
M2188 M2265 軸26
ユーザ使用不可
M2189 - - - - M2266 軸27
(59点)
M2190 M2267 軸28 ステータス信号
演算周期 *1,*2
M2191 M2268 軸29
M2192 M2269 軸30
M2193 M2270 軸31
M2194 M2271 軸32
M2195 M2272 軸1
M2196 M2273 軸2
M2197 M2274 軸3
M2198 M2275 軸4
M2199 M2276 軸5
M2200 M2277 軸6
M2201 M2278 軸7
M2202 M2279 軸8
M2203 M2280 軸9
M2204 M2281 軸10
M2205 M2282 軸11
M2206 M2283 軸12 制御ループモニタ
M2207 M2284 軸13 ステータス
M2208 M2285 軸14
M2209 M2286 軸15
M2210 M2287 軸16
M2211 M2288 軸17
M2212 M2289 軸18
M2213 M2290 軸19
M2214 M2291 軸20
M2215 M2292 軸21
M2216 M2293 軸22
M2217 M2294 軸23
M2218 M2295 軸24

付 - 53
付 録

共通デバイス一覧(つづき)
デバイ デバイ
信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別 備考*3 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別 備考*3
ス番号 ス番号
M2296 軸25 M2308
M2297 軸26 M2309
M2298 軸27 M2310
M2299 軸28 制御ループモニタ ステータス信号 M2311
演算周期 *1,*2
M2300 軸29 ステータス M2312
M2301 軸30 M2313 ユーザ使用不可
- - - -
M2302 軸31 M2314 (12点)
M2303 軸32 M2315
M2304 M2316
M2305 ユーザ使用不可 M2317
- - - -
M2306 (4点) M2318
M2307 M2319

*1:Q172DSCPUでは軸No.1~16の範囲が有効です。
*2:Q172DSCPUで17軸以上のデバイスエリアはユーザ使用不可です。
*3:備考欄のデバイスでも指令可能です。

ポイント
共通デバイスの詳細は,「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPUモーションコントローラ
(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(リアルモード編)」を参照してください。

付 - 54
付 録

(14) 共通デバイス(指令信号)一覧
デバイス番号 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別 備考*1,*2
M3072 シーケンサレディフラグ メイン周期 M2000
M3073 速度切換えポイント指定フラグ 始動時 指令信号 M2040
M3074 全軸サーボON指令 演算周期 M2042
M3075 ユーザ使用不可 - - - -
M3076 JOG運転同時始動指令 M2048
M3077 手動パルサ1許可フラグ M2051
M3078 手動パルサ2許可フラグ M2052
メイン周期 指令信号
M3079 手動パルサ3許可フラグ M2053
モーションエラー履歴クリア
M3080 M2035
要求フラグ
M3081
ユーザ使用不可*3

- - - -
(55点)
M3135

*1:備考欄のデバイスを直接ON/OFFした場合には,デバイスの状態が一致しません。なお,データレジスタからの要求と,
上記デバイスからの要求が同時に行われた場合には,上記デバイスからの要求が有効となります。
*2:備考欄のデバイスでも指令可能です。
*3:ユーザデバイスとして使用しないでください。指令信号の予備用のエリアとなりますので,自動リフレッシュを行うデ
バイスとして使用することは可能です。

ポイント
上記デバイスのOFF → ONで備考欄のデバイスがONし,上記デバイスのON → OFFで
備考欄のデバイスがOFFします。
M2000~M2053は,ステータス/指令が混在しており,自動リフレッシュを使用して
シーケンサCPUから指令信号をON/OFFできないため,自動リフレッシュを使用して
シーケンサCPUからON/OFFする場合は,上記デバイスを使用してください。
データレジスタにより,ON/OFFすることも可能です。 (「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU
モーションコントローラ(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(リアルモード
編)」参照)

付 - 55
付 録

(15) 各軸モニタデバイス一覧

デバイス番号 信号名称
No.
1 D0~D19
2 D20~D39
信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
3 D40~D59
4 D60~D79 0
送り現在値
5 D80~D99 1
6 D100~D119 2
実現在値 演算周期
7 D120~D139 3
8 D140~D159 4
偏差カウンタ値
9 D160~D179 5
10 D180~D199 6 軽度エラーコード
即時
11 D200~D219 7 重度エラーコード
モニタ
12 D220~D239 8 サーボエラーコード メイン周期
デバイス
13 D240~D259 9 原点復帰再移動量
14 D260~D279 10 演算周期
近点ドグON後の移動量
15 D280~D299 11
16 D300~D319 12 実行プログラムNo. 始動時
17 D320~D339 13 Mコード
演算周期
18 D340~D359 14 トルク制限値
19 D360~D379 等速制御用データセット
15 始動時・始動中
20 D380~D399 ポインタ
21 D400~D419 16
ユーザ使用不可*1 - - -
22 D420~D439 17
23 D440~D459 18 モニタ
STOP入力時の実現在値 演算周期
24 D460~D479 19 デバイス
25 D480~D499
26 D500~D519
27 D520~D539
28 D540~D559
29 D560~D579
30 D580~D599
31 D600~D619
32 D620~D639

*1:移動量変更レジスタとして使用可能です。移動量変更レジスタは,サーボプログラムにて任意デバイスに設定できます。
詳細は,「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モーションコントローラ(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(リアルモード編)」
を参照してください。

ポイント
(1) Q172DSCPUでは軸No.1~16の範囲が有効です。
(2) Q172DSCPUで17軸以上のデバイスエリアはユーザデバイスとして使用可能です。
ただし,Q172DSCPUのプロジェクトをQ173DSCPUに置換えた場合,ユーザデバイ
スとして使用できなくなります。
(3) 各軸モニタデバイスの詳細は,「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPUモーションコント
ローラ(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(リアルモード編)」を参照し
てください。

付 - 56
付 録

(16) 制御変更レジスタ一覧

デバイス番号 信号名称
No.
1 D640,D641
2 D642,D643
信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
3 D644,D645
4 D646,D647 0 指令
JOG速度設定 始動時
5 D648,D649 1 デバイス
6 D650,D651
7 D652,D653
8 D654,D655
9 D656,D657
10 D658,D659
11 D660,D661
12 D662,D663
13 D664,D665
14 D666,D667
15 D668,D669
16 D670,D671
17 D672,D673
18 D674,D675
19 D676,D677
20 D678,D679
21 D680,D681
22 D682,D683
23 D684,D685
24 D686,D687
25 D688,D689
26 D690,D691
27 D692,D693
28 D694,D695
29 D696,D697
30 D698,D699
31 D700,D701
32 D702,D703

ポイント
(1) Q172DSCPUでは軸No.1~16の範囲が有効です。
(2) Q172DSCPUで17軸以上のデバイスエリアはユーザデバイスとして使用可能です。
ただし,Q172DSCPUのプロジェクトをQ173DSCPUに置換えた場合,ユーザデバイ
スとして使用できなくなります。
(3) 制御変更レジスタの詳細は,「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPUモーションコント
ローラ(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(リアルモード編)」を参照し
てください。

付 - 57
付 録

(17) サーボ入力軸モニタデバイス一覧

デバイス番号 信号名称
No.
1 D12280~D12289
2 D12290~D12299
記号 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
3 D12300~D12309
4 D12310~D12319 0
Md.300 サーボ入力軸現在値
5 D12320~D12329 1
6 D12330~D12339 2
Md.301 サーボ入力軸速度
7 D12340~D12349 3 モニタ
演算周期
8 D12350~D12359 4 デバイス
Md.302 サーボ入力軸位相補正量
9 D12360~D12369 5
10 D12370~D12379 6
Md.303 サーボ入力軸回転方向制限量
11 D12380~D12389 7
12 D12390~D12399 8
- ユーザ使用不可 - - -
13 D12400~D12409 9
14 D12410~D12419
15 D12420~D12429
16 D12430~D12439
17 D12440~D12449
18 D12450~D12459
19 D12460~D12469
20 D12470~D12479
21 D12480~D12489
22 D12490~D12499
23 D12500~D12509
24 D12510~D12519
25 D12520~D12529
26 D12530~D12539
27 D12540~D12549
28 D12550~D12559
29 D12560~D12569
30 D12570~D12579
31 D12580~D12589
32 D12590~D12599

ポイント
(1) Q172DSCPUでは軸No.1~16の範囲が有効です。
(2) Q172DSCPUで17軸以上のデバイスエリアはユーザデバイスとして使用可能です。
ただし,Q172DSCPUのプロジェクトをQ173DSCPUに置換えた場合,ユーザデバイ
スとして使用できなくなります。
(3) サーボ入力軸モニタデバイスの詳細は,5.1.3項を参照してください。

付 - 58
付 録

(18) サーボ入力軸制御変更デバイス一覧

デバイス番号 信号名称
No.
1 D14600,D14601
2 D14602,D14603
記号 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
3 D14604,D14605
4 D14606,D14607 0 指令
Pr.302 サーボ入力軸位相補正進め時間 演算周期
5 D14608,D14609 1 デバイス
6 D14610,D14611
7 D14612,D14613
8 D14614,D14615
9 D14616,D14617
10 D14618,D14619
11 D14620,D14621
12 D14622,D14623
13 D14624,D14625
14 D14626,D14627
15 D14628,D14629
16 D14630,D14631
17 D14632,D14633
18 D14634,D14635
19 D14636,D14637
20 D14638,D14639
21 D14640,D14641
22 D14642,D14643
23 D14644,D14645
24 D14646,D14647
25 D14648,D14649
26 D14650,D14651
27 D14652,D14653
28 D14654,D14655
29 D14656,D14657
30 D14658,D14659
31 D14660,D14661
32 D14662,D14663

ポイント
(1) Q172DSCPUでは軸No.1~16の範囲が有効です。
(2) Q172DSCPUで17軸以上のデバイスエリアはユーザデバイスとして使用可能です。
ただし,Q172DSCPUのプロジェクトをQ173DSCPUに置換えた場合,ユーザデバイ
スとして使用できなくなります。
(3) サーボ入力軸制御変更デバイスの詳細は,5.1.2項を参照してください。

付 - 59
付 録

(19) 指令生成軸モニタデバイス一覧

デバイス番号 信号名称
No.
1 D12600~D12619
2 D12620~D12639
記号 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
3 D12640~D12659
4 D12660~D12679 0
Md.340 指令生成軸送り現在値 演算周期
5 D12680~D12699 1
6 D12700~D12719 2 Md.341 指令生成軸軽度エラーコード
即時
7 D12720~D12739 3 Md.342 指令生成軸重度エラーコード モニタ
8 D12740~D12759 4 Md.343 指令生成軸実行プログラムNo. 始動時 デバイス
9 D12760~D12779 5 Md.344 指令生成軸Mコード
10 D12780~D12799 6 演算周期
Md.345 指令生成軸累積現在値
11 D12800~D12819 7
12 D12820~D12839 8 - ユーザ使用不可 - - -
13 D12840~D12859 指令生成軸等速制御用データセット
9 Md.346 始動時・始動中
14 D12860~D12879 ポインタ
15 D12880~D12899 10 モニタ
Md.347 指令生成軸1サイクル現在値
16 D12900~D12919 11 デバイス
演算周期
17 D12920~D12939 12
Md.348 指令生成軸指令速度
18 D12940~D12959 13
19 D12960~D12979 14
20 D12980~D12999 15
21 D13000~D13019 16
- ユーザ使用不可 - - -
22 D13020~D13039 17
23 D13040~D13059 18
24 D13060~D13079 19
25 D13080~D13099
26 D13100~D13119
27 D13120~D13139
28 D13140~D13159
29 D13160~D13179
30 D13180~D13199
31 D13200~D13219
32 D13220~D13239

ポイント
(1) Q172DSCPUでは軸No.1~16の範囲が有効です。
(2) Q172DSCPUで17軸以上のデバイスエリアはユーザデバイスとして使用可能です。
ただし,Q172DSCPUのプロジェクトをQ173DSCPUに置換えた場合,ユーザデバイ
スとして使用できなくなります。
(3) 指令生成軸モニタデバイスの詳細は,5.2.4項を参照してください。

付 - 60
付 録

(20) 指令生成軸制御デバイス一覧

デバイス番号 信号名称
No.
1 D14680~D14683
2 D14684~D14687
記号 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
3 D14688~D14691
4 D14692~D14695 0
Cd.340 指令生成軸JOG速度設定
5 D14696~D14699 1 指令
JOG運転始動時
6 D14700~D14703 指令生成軸JOG運転パラメータ デバイス
2 Pr.348
7 D14704~D14707 ブロック指定
8 D14708~D14711 3 - ユーザ使用不可 - - -
9 D14712~D14715
10 D14716~D14719
11 D14720~D14723
12 D14724~D14727
13 D14728~D14731
14 D14732~D14735
15 D14736~D14739
16 D14740~D14743
17 D14744~D14747
18 D14748~D14751
19 D14752~D14755
20 D14756~D14759
21 D14760~D14763
22 D14764~D14767
23 D14768~D14771
24 D14772~D14775
25 D14776~D14779
26 D14780~D14783
27 D14784~D14787
28 D14788~D14791
29 D14792~D14795
30 D14796~D14799
31 D14800~D14803
32 D14804~D14807

ポイント
(1) Q172DSCPUでは軸No.1~16の範囲が有効です。
(2) Q172DSCPUで17軸以上のデバイスエリアはユーザデバイスとして使用可能です。
ただし,Q172DSCPUのプロジェクトをQ173DSCPUに置換えた場合,ユーザデバイ
スとして使用できなくなります。
(3) 指令生成軸制御デバイスの詳細は,5.2.2項,5.2.3項を参照してください。

付 - 61
付 録

(21) 同期エンコーダ軸モニタデバイス一覧

デバイス番号 信号名称
No.
1 D13240~D13259
2 D13260~D13279
記号 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
3 D13280~D13299
4 D13300~D13319 0
Md.320 同期エンコーダ軸現在値
5 D13320~D13339 1
6 D13340~D13359 2
Md.321 同期エンコーダ軸1サイクル現在値
7 D13360~D13369 3
8 D13380~D13399 4
Md.322 同期エンコーダ軸速度 演算周期
9 D13400~D13419 5 モニタ
10 D13420~D13439 6 デバイス
Md.323 同期エンコーダ軸位相補正量
11 D13440~D13459 7
12 D13460~D13479 8
Md.324 同期エンコーダ軸回転方向制限量
9
10 Md.327 同期エンコーダ軸軽度エラーコード
即時
11 Md.326 同期エンコーダ軸重度エラーコード
12
13
14
15
- ユーザ使用不可 - - -
16
17
18
19

ポイント
同期エンコーダ軸モニタデバイスの詳細は,5.3.5項を参照してください。

付 - 62
付 録

(22) 同期エンコーダ軸制御デバイス一覧

デバイス番号 信号名称
No.
1 D14820~D14829
2 D14830~D14839
記号 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
3 D14840~D14849
4 D14850~D14859 0
Pr.326 同期エンコーダ軸位相補正進め時間 演算周期
5 D14860~D14869 1
6 D14870~D14879 2 Cd.320 同期エンコーダ軸制御始動条件
7 D14880~D14889 3 Cd.321 同期エンコーダ軸制御方法 同期エンコーダ軸 指令
8 D14890~D14899 4 同期エンコーダ軸現在値設定 制御始動時 デバイス
Cd.322
9 D14900~D14909 5 アドレス
10 D14910~D14919 6
Cd.325 デバイス経由同期エンコーダ入力値 演算周期
11 D14920~D14929 7
12 D14930~D14939 8
- ユーザ使用不可 - - -
9

ポイント
同期エンコーダ軸制御デバイスの詳細は,5.3.3項,5.3.4項を参照してください。

付 - 63
付 録

(23) 出力軸モニタデバイス一覧

デバイス番号 信号名称
No.
1 D13600~D13629
2 D13630~D13659
記号 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
3 D13660~D13689
4 D13690~D13719 0
Md.400 主軸合成ギア後現在値
5 D13720~D13749 1
6 D13750~D13779 2
Md.401 主軸ギア後1サイクル現在値
7 D13780~D13809 3
8 D13810~D13839 4
Md.402 補助軸ギア後1サイクル現在値
9 D13840~D13869 5
10 D13870~D13899 6
Md.422 主軸クラッチ滑り量累積値
11 D13900~D13929 7
12 D13930~D13959 8
Md.425 補助軸クラッチ滑り量累積値 モニタ
13 D13960~D13989 9 演算周期
デバイス
14 D13990~D14019 10
Md.406 カム軸位相補正量
15 D14020~D14049 11
16 D14050~D14079 12
Md.407 カム軸1サイクル現在値
17 D14080~D14109 13
18 D14110~D14139 14
Md.408 カム基準位置
19 D14140~D14169 15
20 D14170~D14199 16
Md.409 カム軸送り現在値
21 D14200~D14229 17
22 D14230~D14259 18 Md.410 実行カムNo.
23 D14260~D14289 19 - ユーザ使用不可 - - -
24 D14290~D14319 20
Md.411 実行カムストローク量
25 D14320~D14349 21 モニタ
演算周期
26 D14350~D14379 22 デバイス
Md.412 実行カム軸1サイクル長 Ver.!
27 D14380~D14409 23
28 D14410~D14439 24
29 D14440~D14469 25
30 D14470~D14499 26
- ユーザ使用不可 - - -
31 D14500~D14529 27
32 D14530~D14559 28
29

ポイント
(1) Q172DSCPUでは軸No.1~16の範囲が有効です。
(2) Q172DSCPUで17軸以上のデバイスエリアはユーザデバイスとして使用可能です。
ただし,Q172DSCPUのプロジェクトをQ173DSCPUに置換えた場合,ユーザデバイ
スとして使用できなくなります。
(3) 出力軸モニタデバイスの詳細は,7.7節を参照してください。

Ver.! :ソフトウェアの対応バージョンについては,1.4節を参照してください。

付 - 64
付 録

(24) 出力軸制御デバイス一覧

デバイス番号 信号名称
No.
1 D15000~D15149
2 D15150~D15299
記号 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
3 D15300~D15449
4 D15450~D15599 0 Pr.400 メイン入力軸番号
同期制御始動時 指令
5 D15600~D15749 1 Pr.401 サブ入力軸番号
デバイス
6 D15750~D15899 2 Pr.402 主軸合成ギア 演算周期
7 D15900~D16049 3 - ユーザ使用不可 - - -
8 D16050~D16199 4
Pr.403 主軸ギア分子
9 D16200~D16349 5
同期制御始動時
10 D16350~D16499 6
Pr.404 主軸ギア分母
11 D16500~D16649 7
12 D16650~D16799 8 Pr.405 主軸クラッチ制御設定 演算周期
13 D16800~D16949 9 Pr.406 主軸クラッチ参照アドレス設定 同期制御始動時
14 D16950~D17099 10
Pr.407 主軸クラッチONアドレス 演算周期
15 D17100~D17249 11
16 D17250~D17399 12 クラッチON条件
Pr.408 主軸クラッチON前移動量
17 D17400~D17549 13 成立時
18 D17550~D17699 14
Pr.409 主軸クラッチOFFアドレス 演算周期
19 D17700~D17849 15
20 D17850~D17999 16 クラッチOFF条件
Pr.410 主軸クラッチOFF前移動量
21 D18000~D18149 17 成立時
22 D18150~D18299 18 Pr.411 主軸クラッチスムージング方式
同期制御始動時
23 D18300~D18449 19 Pr.412 主軸クラッチスムージング時定数
24 D18450~D18599 20
Pr.413 主軸クラッチON時滑り量 クラッチON開始時
25 D18600~D18749 21
26 D18750~D18899 22
Pr.414 主軸クラッチOFF時滑り量 クラッチOFF開始時
27 D18900~D19049 23 指令
28 D19050~D19199 24 Pr.418 補助軸番号 同期制御始動時 デバイス
29 D19200~D19349 25 Pr.419 補助軸合成ギア 演算周期
30 D19350~D19499 26
Pr.420 補助軸ギア分子
31 D19500~D19649 27
同期制御始動時
32 D19650~D19799 28
Pr.421 補助軸ギア分母
29
30 Pr.422 補助軸クラッチ制御設定 演算周期
31 Pr.423 補助軸クラッチ参照アドレス設定 同期制御始動時
32
Pr.424 補助軸クラッチONアドレス 演算周期
33
34 クラッチON条件
Pr.425 補助軸クラッチON前移動量
35 成立時
36
Pr.426 補助軸クラッチOFFアドレス 演算周期
37
38 クラッチOFF条件
Pr.427 補助軸クラッチOFF前移動量
39 成立時
40 Pr.428 補助軸クラッチスムージング方式
同期制御始動時
41 Pr.429 補助軸クラッチスムージング時定数
42
Pr.430 補助軸クラッチON時滑り量 クラッチON開始時
43

付 - 65
付 録

出力軸制御デバイス一覧(つづき)

デバイス番号 信号名称
No.
1 D15000~D15149
2 D15150~D15299
記号 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
3 D15300~D15449
4 D15450~D15599 44
Pr.431 補助軸クラッチOFF時滑り量 クラッチOFF開始時
5 D15600~D15749 45
6 D15750~D15899 46 Pr.434 変速機1配置
同期制御始動時
7 D15900~D16049 47 Pr.435 変速機1スムージング時定数
8 D16050~D16199 48
Pr.436 変速比1分子
9 D16200~D16349 49
演算周期
10 D16350~D16499 50
Pr.437 変速比1分母
11 D16500~D16649 51
12 D16650~D16799 52 Pr.490 変速機2配置
同期制御始動時
13 D16800~D16949 53 Pr.491 変速機2スムージング時定数
指令
14 D16950~D17099 54
Pr.492 変速比2分子 デバイス
15 D17100~D17249 55
演算周期
16 D17250~D17399 56
Pr.493 変速比2分母
17 D17400~D17549 57
18 D17550~D17699 58 Pr.438 カム軸サイクル単位設定
19 D17700~D17849 59 Pr.442 カム軸1サイクル長変更設定 Ver.!
同期制御始動時
20 D17850~D17999 60
Pr.439 カム軸1サイクル長
21 D18000~D18149 61
22 D18150~D18299 同期制御始動時,
23 D18300~D18449 62 Pr.440 カムNo. カムデータ0点目
24 D18450~D18599 通過時
25 D18600~D18749 63 - ユーザ使用不可 - - -
26 D18750~D18899 64 同期制御始動時,
27 D18900~D19049 Pr.441 カムストローク量 カムデータ0点目
65
28 D19050~D19199 通過時
29 D19200~D19349 66 指令
Pr.444 カム軸位相補正進め時間 演算周期
30 D19350~D19499 67 デバイス
31 D19500~D19649 68 Pr.445 カム軸位相補正時定数
32 D19650~D19799 69 Pr.448 同期制御パラメータブロックNo. 同期制御始動時
70 Pr.447 出力軸スムージング時定数
71
72
73
74
75
76 - ユーザ使用不可 - - -
77
78
79
80
81

Ver.! :ソフトウェアの対応バージョンについては,1.4節を参照してください。

付 - 66
付 録

出力軸制御デバイス一覧(つづき)

デバイス番号 信号名称
No.
1 D15000~D15149
2 D15150~D15299
記号 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
3 D15300~D15449
4 D15450~D15599 82
5 D15600~D15749 83
6 D15750~D15899 84
7 D15900~D16049 85
8 D16050~D16199 86
9 D16200~D16349 87
10 D16350~D16499 88
11 D16500~D16649 89
12 D16650~D16799 90
- ユーザ使用不可 - - -
13 D16800~D16949 91
14 D16950~D17099 92
15 D17100~D17249 93
16 D17250~D17399 94
17 D17400~D17549 95
18 D17550~D17699 96
19 D17700~D17849 97
20 D17850~D17999 98
21 D18000~D18149 99
22 D18150~D18299 主軸ギア後1サイクル現在値設定
100 Pr.460
23 D18300~D18449 方法
24 D18450~D18599 補助軸ギア後1サイクル現在値設定
101 Pr.461 指令
25 D18600~D18749 方法 同期制御始動時
デバイス
26 D18750~D18899 102 Pr.462 カム軸位置復元対象
27 D18900~D19049 103 Pr.463 カム基準位置設定方法
28 D19050~D19199 104 Pr.464 カム軸1サイクル現在値設定方法
29 D19200~D19349 105 - ユーザ使用不可 - - -
30 D19350~D19499 106 主軸ギア後1サイクル現在値初期
Pr.465
31 D19500~D19649 107 設定値
32 D19650~D19799 108 補助軸ギア後1サイクル現在値初期
Pr.466
109 設定値 指令
同期制御始動時
110 デバイス
Pr.467 カム基準位置初期設定値
111
112
Pr.468 カム軸1サイクル現在値初期設定値
113
114
115
116
117
118
119 - ユーザ使用不可 - - -
120
121
122
123
124

付 - 67
付 録

出力軸制御デバイス一覧(つづき)

デバイス番号 信号名称
No.
1 D15000~D15149
2 D15150~D15299
記号 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
3 D15300~D15449
4 D15450~D15599 125
5 D15600~D15749 126
6 D15750~D15899 127 - ユーザ使用不可 - - -
7 D15900~D16049 128
8 D16050~D16199 129
9 D16200~D16349 130 Cd.407 同期制御変更命令
10 D16350~D16499 131 Cd.409 同期制御変更反映時間 同期制御変更 指令
11 D16500~D16649 132 要求時 デバイス
Cd.408 同期制御変更値
12 D16650~D16799 133
13 D16800~D16949 134
14 D16950~D17099 135
15 D17100~D17249 136
16 D17250~D17399 137
17 D17400~D17549 138
18 D17550~D17699 139
19 D17700~D17849 140
20 D17850~D17999 141
- ユーザ使用不可 - - -
21 D18000~D18149 142
22 D18150~D18299 143
23 D18300~D18449 144
24 D18450~D18599 145
25 D18600~D18749 146
26 D18750~D18899 147
27 D18900~D19049 148
28 D19050~D19199 149
29 D19200~D19349
30 D19350~D19499
31 D19500~D19649
32 D19650~D19799

ポイント
(1) Q172DSCPUでは軸No.1~16の範囲が有効です。
(2) Q172DSCPUで17軸以上のデバイスエリアはユーザデバイスとして使用可能です。
ただし,Q172DSCPUのプロジェクトをQ173DSCPUに置換えた場合,ユーザデバイ
スとして使用できなくなります。
(3) 出力軸制御デバイスの詳細は,7.1.2項,7.1.3項,7.2.3項,7.4.2項,
7.5.2項,7.6.2項,8.5節を参照してください。

付 - 68
付 録

(25) 共通デバイス一覧
デバイ デバイ
信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
ス番号 ス番号
シーケンサレディフラグ 手動パルサ1スムージング
D704 D752
要求 倍率設定レジスタ
速度切換えポイント指定 指令 手動パルサ2スムージング 手動パルサ許可フラグ
D705 メイン周期 D753
フラグ要求 デバイス 倍率設定レジスタ 時
手動パルサ3スムージング
D706 全軸サーボON指令要求 D754
倍率設定レジスタ 指令
手動パルサ1許可フラグ デバイス
D707 ユーザ使用不可 - - - D755
セット要求
指令 手動パルサ2許可フラグ
D708 JOG運転始動指令要求 メイン周期 D756 メイン周期
デバイス セット要求
手動パルサ3許可フラグ
D709 ユーザ使用不可 - - - D757
セット要求
D710 D758
D711 JOG運転同時始動軸 D759
始動時
D712 設定レジスタ D760
D713 D761
D714 手動パルサ1で制御する D762
D715 軸NO.設定レジスタ D763
D716 手動パルサ2で制御する D764
D717 軸No.設定レジスタ D765
D718 手動パルサ3で制御する D766
D719 軸No.設定レジスタ D767
D720 軸1 D768
D721 軸2 D769
D722 軸3 D770
D723 軸4 D771
D724 軸5 D772
D725 軸6 D773
D726 軸7 D774
D727 軸8 D775
D728 軸9 D776
D729 軸10 D777
D730 軸11 指令 D778 ユーザ使用不可
- - -
D731 軸12 デバイス D779 (42点)
D732 軸13 手動パルサ許可フラグ D780
D733 軸14 時 D781
D734 軸15 手動パルサの D782
D735 軸16 1パルス入力倍率 D783
D736 軸17 設定レジスタ D784
*1,*2
D737 軸18 D785
D738 軸19 D786
D739 軸20 D787
D740 軸21 D788
D741 軸22 D789
D742 軸23 D790
D743 軸24 D791
D744 軸25 D792
D745 軸26 D793
D746 軸27 D794
D747 軸28 D795
D748 軸29 D796
D749 軸30 D797
D750 軸31 D798
D751 軸32 D799

*1:Q172DSCPUでは軸No.1~16の範囲が有効です。
*2:Q172DSCPUで17軸以上のデバイスエリアはユーザ使用不可です。

ポイント
共通デバイスの詳細は,「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPUモーションコントローラ
(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(リアルモード編)」を参照してください。

付 - 69
付 録

(26) モニタデバイス一覧


デバイス番号 信号名称
No.
1 #8000~#8019
2 #8020~#8039
信号名称 リフレッシュ周期 信号種別
3 #8040~#8059
4 #8060~#8079 0 サーボアンプ種別 アンプ電源投入時
5 #8080~#8099 1 モータ電流
演算周期が1.7[ms]以下:演算周期
6 #8100~#8119 2
モータ回転数 演算周期が3.5[ms]以上:3.5[ms]
7 #8120~#8139 3
8 #8140~#8159 4
指令速度 演算周期
9 #8160~#8179 5
10 #8180~#8199 6
原点復帰再移動量 原点復帰再移動時 モニタデバイス
11 #8200~#8219 7
12 #8220~#8239 サーボアンプ表示
8
13 #8240~#8259 サーボエラーコード メイン周期
14 #8260~#8279 9 パラメータエラー番号
15 #8280~#8299 10 サーボステータス1
演算周期が1.7[ms]以下:演算周期
16 #8300~#8319 11 サーボステータス2
演算周期が3.5[ms]以上:3.5[ms]
17 #8320~#8339 12 サーボステータス3
18 #8340~#8359 13
19 #8360~#8379 14
20 #8380~#8399 15
21 #8400~#8419 16 ユーザ使用不可 ─ ─
22 #8420~#8439 17
23 #8440~#8459 18
24 #8460~#8479 19
25 #8480~#8499
26 #8500~#8519
27 #8520~#8539
28 #8540~#8559
29 #8560~#8579
30 #8580~#8599
31 #8600~#8619
32 #8620~#8639

ポイント
モニタデバイスの詳細は,「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPUモーションコントローラ
(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(リアルモード編)」を参照してください。

付 - 70
付 録

(27) 製品情報一覧デバイス一覧
リフレッシュ
デバイス番号 信号名称 取込み周期 信号種別
周期
#8736

本体OSソフトウェアバージョン

#8743
電源投入時 モニタデバイス
#8744

モーションCPUユニット製造番号

#8751

ポイント
製品情報一覧デバイスの詳細は,「Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPUモーションコント
ローラ(SV13/SV22)プログラミングマニュアル(リアルモード編)」を参照してくだ
さい。

(28) 特殊リレー一覧
デバイス番号 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
SM500 PCPU準備完了フラグ
メイン周期
SM501 テストモード中フラグ
SM502 緊急停止入力フラグ 演算周期
SM503 デジタルオシロRUN中フラグ メイン周期
SM506 緊急停止入力ONラッチフラグ Ver.! 演算周期
ステータス信号
SM508 アンプなし運転状態フラグ
SM510 テストモード要求エラーフラグ
SM512 モーションCPU WDTエラーフラグ メイン周期
SM513 手動パルサ軸設定エラーフラグ
SM516 サーボプログラム設定エラーフラグ

Ver.! :ソフトウェアの対応バージョンについては,1.4節を参照してください。

付 - 71
付 録

(29) 特殊レジスタ一覧
デバイス番号 信号名称 リフレッシュ周期 取込周期 信号種別
SD200 スイッチ状態 メイン周期
SD502 電源ON時
サーボアンプ実装情報
SD503 および演算周期
SD508 SSCNET制御(ステータス) メイン周期
SD510 テストモード
テストモード要求エラー情報
SD511 要求時
モーションCPU WDT
SD512 モーションCPU WDTエラー要因
エラー発生時
SD513
手動パルサ許可
SD514 手動パルサ軸設定エラー情報 モニタデバイス
フラグ 時
SD515
SD516 エラープログラムNo.
始動時
SD517 エラー項目情報
SD522 モーション演算周期 演算周期
SD523 モーション設定演算周期 電源ON時
SD524 モーション最大演算周期 演算周期
SD550 システム設定
システム設定エラー情報
SD551 エラー発生時
SD560 動作方式 Ver.! 電源ON時
SD803 SSCNET制御(指令) メイン周期 指令デバイス

Ver.! :ソフトウェアの対応バージョンについては,1.4節を参照してください。

付 - 72
保証について
ご使用に際しましては,以下の製品保証内容をご確認いただきますよう,よろしくお願い致します。
1.無償保証期間と無償保証範囲
無償保証期間中に,製品に当社側の責任による故障や瑕疵(以下併せて「故障」と呼びます)が発生した場合,当
社はお買い上げいただきました販売店または当社サービス会社を通じて,無償で製品を修理させていただきます。
ただし,国内および海外における出張修理が必要な場合は,技術者派遣に要する実費を申し受けます。また,故障
ユニットの取替えに伴う現地再調整・試運転は当社責務外とさせていただきます。
【無償保証期間】
製品の無償保証期間は,お客様にてご購入後またはご指定場所に納入後36ヶ月とさせていただきます。
ただし,当社製品出荷後の流通期間を最長6ヶ月として,製造から42ヶ月を無償保証期間の上限とさせていただき
ます。また,修理品の無償保証期間は,修理前の無償保証期間を超えて長くなることはありません。
【無償保証範囲】
(1) 一次故障診断は,原則として貴社にて実施をお願い致します。
ただし,貴社要請により当社,または当社サービス網がこの業務を有償にて代行することができます。
この場合,故障原因が当社側にある場合は無償と致します。
(2) 使用状態・使用方法,および使用環境などが,取扱説明書,ユーザーズマニュアル,製品本体注意ラベルなど
に記載された条件・注意事項などにしたがった正常な状態で使用されている場合に限定させていただきます。
(3) 無償保証期間内であっても,以下の場合には有償修理とさせていただきます。
① お客様における不適切な保管や取扱い,不注意,過失などにより生じた故障およびお客様のハードウェアま
たはソフトウェア設計内容に起因した故障。
② お客様にて当社の了解なく製品に改造などの手を加えたことに起因する故障。
③ 当社製品がお客様の機器に組み込まれて使用された場合,お客様の機器が受けている法的規制による安全装
置または業界の通念上備えられているべきと判断される機能・構造などを備えていれば回避できたと認めら
れる故障。
④ 取扱説明書などに指定された消耗部品が正常に保守・交換されていれば防げたと認められる故障。
⑤ 消耗部品(バッテリ,ファンなど)の交換。
⑥ 火災,異常電圧などの不可抗力による外部要因および地震,雷,風水害などの天変地異による故障。
⑦ 当社出荷当時の科学技術の水準では予見できなかった事由による故障。
⑧ その他,当社の責任外の場合またはお客様が当社責任外と認めた故障。

2.生産中止後の有償修理期間
(1) 当社が有償にて製品修理を受け付けることができる期間は,その製品の生産中止後7年間です。生産中止に関しま
しては,当社セールスとサービスなどにて報じさせていただきます。
(2) 生産中止後の製品供給(補用品を含む)はできません。

3.海外でのサービス
海外においては,当社の各地域FAセンターで修理受付をさせていただきます。ただし,各FAセンターでの修理条件
などが異なる場合がありますのでご了承ください。

4.機会損失,二次損失などへの保証責務の除外
無償保証期間の内外を問わず,当社の責に帰すことができない事由から生じた障害,当社製品の故障に起因するお
客様での機会損失,逸失利益,当社の予見の有無を問わず特別の事情から生じた損害,二次損害,事故補償,当社製品
以外への損傷,およびお客様による交換作業,現地機械設備の再調整,立上げ試運転その他の業務に対する補償につい
ては,当社責務外とさせていただきます。

5.製品仕様の変更
カタログ,マニュアルもしくは技術資料などに記載の仕様は,お断りなしに変更させていただく場合がありますの
で,あらかじめご承知おきください。

6.製品の適用について
(1) 当社モーションコントローラをご使用いただくにあたりましては,万一モーションコントローラに故障・不具合な
どが発生した場合でも重大な事故にいたらない用途であること,および故障・不具合発生時にはバックアップや
フェールセーフ機能が機器外部でシステム的に実施されていることをご使用の条件とさせていただきます。
(2) 当社モーションコントローラは,一般工業などへの用途を対象とした汎用品として設計・製作されています。
したがいまして,各電力会社殿の原子力発電所およびその他発電所向けなどの公共への影響が大きい用途や,鉄
道各社殿および官公庁殿向けの用途などで,特別品質保証体制をご要求になる用途には,モーションコントロー
ラの適用を除外させていただきます。
また,航空,医療,鉄道,燃焼・燃料装置,有人搬送装置,娯楽機械,安全機械など人命や財産に大きな影響が
予測される用途へのご使用についても,当社モーションコントローラの適用を除外させていただきます。
ただし,これらの用途であっても,使途を限定して特別な品質をご要求されないことをお客様にご了承いただく
場合には,適用可否について検討致しますので当社窓口へご相談ください。
以 上
サービスネットワーク(三菱電機システムサービス(株))

北海道支店
(011)890-7515

新潟機器サービスステーション
(025)241-7261

北陸支店
(076)252-9519

京滋機器サービスステーション
(075)611-6211

関西機電支社
(06)6458-9728

姫路機器サービスステーション
(079)281-1141

中四国支社
(082)285-2111

北日本支社
(022)238-1761
東京機電支社
(03)3454-5521
神奈川機器サービスステーション
(045)938-5420

関越機器サービスステーション
(048)859-7521
静岡機器サービスステーション
(054)287-8866
中部支社
(052)722-7601

四国支店
(087)831-3186
岡山機器サービスステーション
(086)242-1900
九州支社
(092)483-8208
長崎機器サービスステーション
(095)818-0700

Microsoft,Windows,Windows NT,Windows Vistaは,米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登


録商標です。
Ethernetは,米国Xerox Corporationの登録商標です。
その他,本文中における会社名,商品名は,各社の商標または登録商標です。

IB(名)-0300193-C

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