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朝 目が覚めると いってきまーす

何故か泣いている それで おばあちゃんたらな お米屋さんのお兄ちゃ


そういうことが 時々ある ん…
見ていたはずの夢は いつも思い出せない 确り勉強しといで
ただ 三葉
ただ おはよう サヤちん テッシー
何かが消えてしまうという感覚だけが おはよう
目覚めてからも 長く残る お前早く降りろ
ずっと何かを 誰かを 探している いいにん ケチ
そいう気持ちに取り憑かれたのは 重いんやさ
多分あの日から 失礼やな
あの日 星が降った日 あんたたち 仲良いなあ
それはまるで よくねえわ(よくないわ)
まるで 夢の景色のように 三葉 今日は髪ちゃんとしとるね
ただひたすらに え 何
美しい眺めだった そうや ちゃんと祖母ちゃんにお祓いしてもらったん
タキくん タキくん か
覚えて、ない? オハライ?
名前は ありゃ絶対狐憑きやぜ
ミツハ! 何でもオカルトにしんの
お姉ちゃん 何しとるの? きっと三葉はストレスたまっとるんよ
いや すげえ本物っポイなあって なあ
え?お姉ちゃん? え ちょ ちょっと 何の話?
何 寝ボケとるの 何って お前
ご·は·ん! そしてなによにも 集落再生事業の継続
はよ来ない! そのための町の財政健全化 それが実現して初めて
おばあちゃん 昨日のお魚出す? 安全 安心な町作りができるのです
あんたが食べや 現職として
おはよ おはよう ここまで進めさせていただいてきたまち作りを完遂
お姉ちゃん おーそーいー! させたい
明日は私が作るでね どうせ今期も宮水さんで決まりやろ
食べすぎかな? だいぶ撒いとるしなあ ここだけの話
ま いっか 更なる磨きをかけたい
今日は普通やな そして新たな情熱でこの地を導き
昨日はヤバかったもんな おう 宮水
え ちょっと なに おはよう
皆様 おはよございます 子供からお年寄りまで 誰もが安心して活き活きと活
町役場から 朝のお知らせです 躍できる町作りを完遂させていただきたい
来月二十日に行われる 糸守町町長選挙について 町長と土建屋は その子供も仲ええなあ
町の選挙… いややわ
年に一度という彗星の来訪が いよいよ一月後に迫っ 三葉!
ています 胸張って歩かんか!
彗星は数日間にわたって 肉眼でも観測できると見ら 身内も厳しいなあ
れており さすが町長やわ
いい加減仲直りしないよ 恥ずかしい
世紀の天体ショーを目前に ちょっとかわいそう
大人の問題 三葉
JAXA をはじめとした世界中の研究機関は観測のため こんな時ばっかり
の準備に追われています 「誰そ彼」 これが「黄昏時」の語源ね
黄昏時は分かるでしょう? 雇用はないし
夕方 昼でも夜でもない時間 嫁は来ないし
世界の輪郭がほやけて 人ならざるものに出会うかも 日照時間は短いし
しれない時間 お前らなあ
もっと古くは 「彼誰そ時」とか なによ
「彼は誰れ時」とか言ったそうです そんなことより カフェにでも寄ってかんか
しつもーん カフェ?
「カタワレ時」やなって できたの?
「カタワレ時」? どこ!?
それはこの辺りの方言じゃない? こんにちは
糸守のお年寄りには万葉言葉が残ってるって聞くし こんにちは
ど田舎やもんなあ なにやカフェやさ
じゃあ 次 宮水さん この町にそんなんあるか?
あ はい 三葉帰っちゃったやろ
あら 今日自分の名前 覚えてるのね あの子もホント大変やよね
覚えとらんの? まあ 三葉は主役やからな
うん せやな
あんただって 昨日は自分の机もロッカーも忘れたっ ねえ テッシー
て言って うん?
髪は寝癖ついとったし リボンはしとらんかったし よしよし
うそ ホント!? 高校卒業したらどうするの?
なんか 記憶喪失みたいやったよ 何やさ急に 将来とかの話?
そういえば ずっと変な夢を見とったような気がする うん
んやけど 別に 普通にずっと この町で暮らしてくんやと思う
なんか 別の人生の 夢 よ 俺は
よく覚えとらんなあ 私もそっちがいいわぁ
分かった それって 四葉にはまだ早いわ
前世の記憶 糸の声を聞いてない
もしくはエヴェれットの解釈に基づくマルチバース そうやってずーっと糸を巻いとるとな
に じきにひと糸との間に感情が流れだすで
無意識が接続したちゅう… 糸はしゃべらもん
あんたは黙っとって 集中しろってことやよ
あ テッシー もしかしてあんたが私のノートに… ワシらの組紐にはな
何でもない 糸守千年の歴史が刻まれとる
でも三葉 昨日はマジでちょっとヘンやったよ ええか さかのぼること年前
どっか体調悪いんやない 始まった
おかしいなあ 草履屋の山崎繭五郎の風呂場から火が出て
元気やけどなあ この辺は丸焼けとなってまった
ストレスとかやない お宮も古文書もまな焼け
ほら 例の儀式ももうすぐやろ これが俗に言う
ああ 言わんといて 繭五郎の大火
もう私この町いやや うむ
狭すぎるし濃すぎるし え 名前ついとるの!?
さっさと卒業して早く東京行きたいわ 繭五郎さんかわいそう
まあなあ ホントに何もないもんなあこの町 おかげで 祭りの意味も分からんくなってまって
電車なんか二時間に一本やし 残ったのは形だけ
コンビニは九時に閉まるし せやけど 文字は消えても 伝統は消えちゃあいかん
本屋ないし 歯医者ないしな それがワシら宮水神社の大切なお役目
そのくせにスナックは二軒あるし せやのに あのバカ息子は
神職を捨て いてっ
家を出ていくだけじゃ飽き足らんと いったた…
政治とはどもならん どこ?
社長 ほら もう一杯 何や ある
今回も社長にはお世話になるで いたっ
任しといで下さい 瀧 起きたか
門上と坂上辺りの票は間違いなあですわ お前 今日メシ当番だっただろう?
お前 あの子とどう? 寝坊しやがって
んな簡単にいかん す すみません
腐敗の匂いがするなあ 俺 先に出るからな
何言っとるの 味噌汁 飲んじゃっといてくれ
おい もう二三本つけとくれ うん
はいはい 遅行でも 学校はちゃんと行けよ
克彦 週末は現場手伝え じゃあな
ハッパ使うでな 勉強や 行ってらっしゃい
うん へんな夢
返事は ええ 何々 ツカサ?
あぁ 誰?
堪らんなあ お互い トイレ 行きたい
ありゃ四葉ちゃんか リアルすぎ
大きゅうなったな 東京や
二人ともお母さん似のベッピンさんやな これどこで買ったの
よう 代官山の…
よう 次のライブの前座でさ…
世界最古の酒なんやって ライブ
米を嚙んで 吐き出して放置しとくだけで ねえ今日部活サボってさあ 映画見てない?
自然発酵して アルコールなるやさあ たーき
口嚙み酒 まさか昼からとはね
神様は嬉しいかなあ あんなお酒もらって メシ行こうぜ
そりゃ嬉しいやろう メール無視しやがって
ほれ みてみい 宮水や ツカサ 君?
私絶対無理 くん付け?
よく人前でやりよるよな 反省の表明?
信じられんわ 迷ったぁ?
お姉ちゃん 元気だしないよ うん
いいにん 学校の人に見られたくらい お前さあ どうやったら通学で道に迷えんだよ?
思春期前のお子様は気楽でええよな えっと
そうや いっそ口嚙み酒をいっぱい造ってさ ワタシ
東京行きの資金にしたら ワタシ?
あんたって すっごい発想するな わたくし?
生写真とメイキング動画とかつけてさ ぼく?
巫女の口嚙み酒って名前とかつけてさ おれ?
きっと売れるさ 俺 楽しかったんやよ
ターメ 酒税法違反! なんか毎日お祭りみたい 東京って
そういう問題なん? なんか お前なまってない
もうこんな町いやや 瀧 弁当は
こんな人生いやや まったく
来世は東京のイケメン男子にして下さい 寝坊ボケてんのか
あほな人やなあ なんかあるか
卵コロッケンドにしようぜ 先輩だろう
おし 奥寺先輩
ありがとう さっきは
放課後 カフェ行かね 今日は災難だったね
あぁ 例の いいね いえ あの
瀧は あいつら絶対言いがかりだよ
カフェぇぇ? マニュアル通り タダにしてやったけどさ
天井の木組みがいいね 奥寺さん そのスカート
ああ 手がかかってんなあ 大丈夫ですか
たーき 決まった おい どうした
こ このパンケーキ代で 俺一ヶ月は暮らせる 切られてるみたい
いつの時代のヒトだよ お前は わ ひでえな
ま いいか 夢やし あいつら
いい夢 どうしましょう
どうしよう 顔 覚えてるか
俺バイト遅刻だって いや
お前のシフト 今日か 先輩 ちょっと
早く行ったら おい 瀧
うん スカート 脱いでください
あ あっ あの む…向こう向いてますから
俺のバイト先って どこやっけ すぐに済みますから
番 番 番様オーダー待ちです できました
番テーブル 瀧 瀧君凄い
はい 前よりもかわいい
お待たせいたしました 今日は助けていただいて ありがとうございました
えっと ズッキーニとトマトのサラダと ホントはさ 今日 ちょっと心配だったのよ
頼んでませんけど 瀧君弱いくせに 喧嘩っぱやいから
瀧 トリュフは品切れだって言ったろう!? 今日の君の方がいいよ
瀧 声が小せえよ 女子力高いんだねえ 瀧君て
瀧 良くできた夢やなー
この夢いつ覚めるんやさ 我ながら
ちょっと ちょっとお兄さん この子日記つけとる
あ はい マメやなあ
ピザにさ 楊枝が入ってたんだけど いいなあ 東京生活
これ 食っちゃったら危ないよね あの人や
俺が気づいたから良かったけどさあ 片思いかな
どうすんの 何だ これ
あっ えっとあの な
でも イタリアンの厨房で楊枝が入るなんてこと… な
お客様 何だ これ
どうかなさいましたか 今日もカフェ行かね
ここはいいから あ 悪い 俺 今日これからバイト
お前 今日おかしいぞ 行き先は分かるのか
大変失礼いたしました 司 もしかしてお前か?
お代は結構ですので 俺の携帯に勝手に
そう あ やっぱいいや じゃあな
お怪我はございませんでしたか あいつ 今日は普通だな
あの 昨日はなんか かわいいかった
奥寺さん な なんすか
てめえ瀧 抜けがけしやがって 守るべき禁止事項
昨日お前ら一緒に帰っただろ それから 入れ替わった日の出来事を 携帯に残す事
まさかマジで!? この謎現象をとにかくも乗り切るために
奥寺先輩と? 協力し合うこと
あれからどうなった!? それなのに
えっ あ あの よく覚えてないすよ 俺 それなのに
ふざけんあよコラ あの男は!! あの女は!!
奧寺入りまーす 男子の視線
お疲れ様ー スカート注意
ちわっす! 人生の基本でしょう
今日もよろしくね 人の金を無駄遣いすんな
ね たーきくん 食べてるのは君の体
お姉ちゃん 今日はおっぱい触っとらんにん? 私だってバイトしてるし
ご·は·ん!はよ来ない! 組紐とか これ無理だろう
おっぱい!? あなたバイト入れすぎ
おはよー お前の無駄遣いのせいだろう
なんか性格変わってね 今日は帰り道に 奥寺先輩とお茶
昨日かっこよかったよな 君たちの仲は順調だよ
ちょっと見直したわ てめえ 三葉
な なんか視線を感じるんやけど 俺の人間関係変えるなよ
昨日のアレは目立ったもんなあ ちょっと 瀧君
ポスター見た? 何で女子に告白されてんの
町長選の お前 俺に人生預けたほうがモテるんじゃね?
誰がやったって同じや うぬぼれといでよね
助成金をどう配るかだけやろ 彼女もおらんくせに
そのおかげで生活できる子もおるんやで お前だっていねえじゃねえか
あれって 私のことだよね? 私は
ちょ 三葉! 俺は
な な 何よそれ いないんじゃなくて 作らないの
お姉ちゃん? あいつに悪いか
これって ホントに自分のおっぱい好きやな
これってもしかして い·く·よ!
これってもしかしてホントに はよ準備しない!
私 夢の中であの男の子と 数日前から 肉眼でも見え始めた
俺は 夢の中のあの女と ティアマト彗星
入れ替わっとる?/入れ替わってる? いつ どこに見えるんでしょうか
何が起きているのか だんだん分かってきた ティアマト彗星は 太陽を追うようにして東から西の
瀧君は東京に住む同じ歳の高校生で 空に移動して見えています
ド田舎らしの三葉との入れ替わりは不定期で ですから日没直後…
週に二、三度 ふいに訪れる 何で制服着とんの
トリガーは眠ること 原因は不明 おばあちゃん 何でうちのご神体はこんなに遠いの?
入れ替わっていた時の記憶は 繭五郎のせいで ワシにも分からん
目覚めるとすぐに不鮮明になってしまう 誰だっけ
それでも 俺たちは確かに入れ替わっている え?有名やよ?
周囲の反応がそれを証明している おばあちゃん
だから お姉ちゃん
だから 私たちはお互いの生活を守るのため 三葉 四葉 「ムスビ」って知っとるか
ルールを決めた 「ムスビ」?
入れ替わってしまっている時の注意点 土地の氏神様をな 古い言葉で「產靈」って呼ぶんや
さ あ はい あ、いや あ、あの えっと
この言葉には 深い意味がある 今 来たとこっす
糸を繋げることも「ムスビ」 よかった
人を繋げることも「ムスビ」 行こうか
時間が流れることも「ムスビ」 いいなあ
全部神様の力や 今頃二人は一緒か
ワシらの作る組紐もせやから 神様の技 あれ
時間の流れるそのもの 表しとる 私…
よりあつまって形を作る …何で?
捻れて絡まって 時には戻って 途切れ 私が行きたいデートやけど
またつながり 凄い
それが「ムスビ」 それが「時間」 もし不本意に瀧君になっちゃったしたら
飲みない ありがたく 楽しんでくること!
ありがとう 私 このカフェ 初めて来たよ
次私も とは言え
それも「結」 どうせ君はデートなんてしたことないでしょうから
水でも 米でも 酒でも 会話が 全然続かねえ
人の体に入ったもんが 魂と結びつくこともまた「ム だから以下
スビ」 奥手な君をための厳選リンク集
だから今日のご奉納は 神様と人間を繋ぐための大切 え マジか
なしきたりなんやよ 馬鹿にしやがって
見えたよ 瀧君ってさ
ここが 宮水神社のご神体 今日は 何だか 別人みたいね
ここから先は カクリヨ あの 先輩
「あの世」のことやわ 腹減りませんか
あの世やあ 晩飯とか
此岸に戻るには 今日は解散にしようか
あんたらの一等大切なものもんを引き換えにせにゃ はい
いかんよ 瀧君って
口嚙み酒やさ 違ってたらごめんね
口嚙み酒 はい
ご神体にお供えするんやさ 君は昔 私のことがちょっと好きだったでしょう
それはあんたらの半分やからなあ そして今は 別の好きな子がいるでしょう
三葉の半分 い いませんよ!
もう 「カタワレ時」やなあ ホント?
「カタワレ時」? いないっす
そうや 彗星見えるかな 全然違います
彗星? ホントかなあ?
おや ま いいや 今日はありがとう
三葉 あんた今 夢を見とるなあ またバイトでね
涙?何で? デートが終わる頃には
奥寺先輩?何のこと? ちょうど空に彗星が見えるね
まさか また三葉が 何言ってんだ こいつ
デートォ!? なんーだ テッシーか
明日は 奥寺先輩と東京デート ううん 何となくサボってまただけ
駅前待ち合わせ 時半 元気やよ
…のはつやったのになあ お祭り?
たーきくん あ そっか 彗星 今日が一番明るく見えるんやっけ
ごめん 待った? 分かった 後でね
あんたさ 三葉の浴衣 期待しといるやろう 入れ替わりが途切れ
し しとらんわ 電話は通じず
ってか 考えませんかったわ メールも届かず
なんかあいつ 声暗かったぜ だから俺は直接 三葉に会いに行くことにした
なんたの電話が嫌やったんやろう あいつに会いてみたかった
お前なあ でも
お待たせ はあ 詳しい場所は分からない
まあ 来た 手掛かりは町の風景だけ
おせぇよ はい
お前 か か か その子との連絡も取れない
ちょっと どしたの 三葉 何なのよそれ?
髪が まったく 呆れた幹事だな
ヤッパ 変かなあ 幹事じゃねえ
やっぱ男関係なんかな まあいいわ 一緒に探してあげるわよ
失恋とか 可愛い 見てみて
男子って すぐ恋愛に結びつけるなあ 可愛いすね
何となく 切っただけやって言っとったにん 邪魔だなあ
そうかあ あ 動いた
何となくあんなの切らんやろ やっぱ無理か
なあなあ 見えるよ 私たちの努力はどうなるの
すげえ 何にもやってないじゃん
おかけになった電話は 電波の届かない場所にいらっ 高山ラーメン一つと
しゃるか 電源に入… 高山ラーメン一つと
散々だったデートの結果は あ じゃあ 高山ラーメン一つ
次に入れ替わった時に伝えればいい はい
そう思った ラーメン三丁
でも何故か もう二度と はいよ
俺と三葉の入れ替わりは起きなかった 今日中に 東京に戻れるかな
な 何で まあ ギリギリかもな
こんなとこにいるんすんか 調べるか
司君に聞いて 来ちゃった サンキュ
司 てめえ 瀧君 それでいいの
俺が頼んだのは親へのアリバイとバイトのシフトだ なんか全然 見当違いのことをしているような気がし
ろ てきて
バイトは高木に頼んだ おや お兄ちゃん それイトモリやろ
まーかせとけ よく描けとるわあ
でも メシおごれよ なあ あんた
どいつもこいつも ああ イトモリやな
お前が心配で来たんだよ 懐かしいなあ
放っておけないだろう この人 イトモリ出身やで
美人局とか出てきたらどうすんだ イトモリ…
ツツモタセ? そうだ 糸守町
瀧君 メル友に会いに行くんだって? そうです この近くですよね
いや メル友っていうか それは方便で… あんた
ぶっちゃけ 出会い系かと 糸守ってのは
ちげえよ 糸守
お前 最近やけに危なっかしいからな まさか
離れて見ててやろから もしかして あの彗星の?
俺は小学生か ホントにこの場所なの?
まさか 好きだったんだ 私
だから 瀧の勘違いっすよ ここ最近の瀧君
違う 前からいい子だっだけど
間違いない 最近は特に
この校庭 なんか 必死で 可愛くって
周りの山 瀧君の言ってることは やっぱりおかしとは思いけど
この高校だって はっきり覚えてる でもきっと 瀧君は誰かに出会いって
そんなわけねえだろう その子が瀧君を変えたのよ
年前に 何百人も死んだあの災害 それだけは 確かないじゃないかな
瀧だって覚えてるだろう? 全部 ただの夢で
死んだ? 景色に見覚えがあったのは
年前に 死んだ? 年前のニュースを無意識に覚えていたから
まさか そうじゃないければ
だって あいつの書いたメモだってちゃんと 幽霊?
消えてく いや 全部 俺の 妄想?
年周期で太陽を回るティアマト彗星が あいつの名前
地球に再接近したのが 年前の月 何だっけ?
近地点でその核が砕けるのを 誰も予想できなかった 司君 お風呂行ってくるって
割れた彗星の一部は隕石となって 日本に落下 先輩 あの 俺
その日は ちょうど秋祭りの日だったみたい なんか おかしなことばっかり言ってて
落地点はここ 今日一日 すみません
時分 祭りで人が集まっている場所に ちょうど落ち …ううん
たんだ 組紐だね 綺麗
町の分の 瀧君のそれも
以上が亡くなって もしかして組紐?
今はもう 糸守には誰も住んでいないそうだ これは 確か ずっと前に 人からもらって
敕使河原と 早耶香 何となく お守り代わりに 時々つけてて
この子なの? 誰から?
絶対何かの間違いだよ! お風呂 瀧君も入ってきたら?
だってこの人 年前に亡くなってるのよ はい…いえ
つい二 三週間か前に 彗星が見えるねって こいつは 俺
俺に言ったんです 組紐を作る人に前に聞いたことがあるんです
だから 紐は時間の流れそのものだって
あんた今 捻れたり 絡まったリ 戻ったり つながったり
俺は… それが時間だって
夢を見とるなあ あの場所なら
俺は 瀧君
何を 瀧君
にぎやかだね 瀧君
ひと部屋しか取るなって すみません 覚えて ない?
ううん 全然 瀧君
瀧君は? 弁当 上に食べや
まだ部屋で糸守の記事を読んでます あんたの描いた糸守 あらあ良かった
当時の新聞とか 雑誌とか よりあつまって形を作るって
手当たり次第って感じで 捻れて絡まって
なに 時には戻って またつながって
ああいや 吸うんですね それが「ムスビ」 それが「時間」
止めてたんだけどね あった
どう思います? あいつの話 ホントに あった
夢じゃ なかった 遂にビークを迎えた千二百年に一度の天体ショー
ここから先は「あの世」 今夜 まだ間に合う
俺たちが 運んできた酒だ おはよう三葉
こっちが妹で こっちが俺 おや
彗星が落ちる前 あんた 三葉やないな?
年前のあいつと 俺は入れ替わってたってことか? おばあちゃん 知ってたの
時間が ズレてた いやあ でもここんところのお前を見とったら
あいつの半分 思い出したわ
「ムスビ」 ワシも少女の頃 不思議な夢を見とった覚えがある
ホントに 時間が戻るのなら 夢で誰になっとったんか
もう一度だけ… 今ではもう 記憶は消えてまったが
彗星 消える
あなたの名前は 三葉 大事にしないよ
二人は 父さんの宝物だ 夢は 目覚めればい つか消える
あなた お姉ちゃんになったんやよ ワシにも あんたのかあさんにも そんな時期があっ
ごめんね みんな たで
お父さん お母さん いつ帰ってくる? もしかしたら 宮水の人達のその夢って
救えなかった 全部今日のためにあったのかもしれない
あんたがそんなんでどうする ねえおばちゃん 聞いて
神社など続けたところで 今夜 糸守町に彗星が落ちて みんな死ぬ
婿養子が何を言う そんなこと誰も信じないって 意外に普通のこと言う
僕が愛したのは二葉です 宮水神社じゃない ばあちゃんだな
出ていけ 絕對に 死なせるもんか
三葉 四葉 ちょっと どうしたの三葉
今日からずっとばあちゃんと一緒やでな お前 かかか 髪が
お前は誰たって あなたこそ誰よ ああ これ?前のほうがよかったよね?
うぬぼれといてよね 彼女もおらんくせに …軽いな
いいなあ 今頃二人は一緒か そんなことより このままだと今夜 みんな死ぬ!
私 だから 私たちで
ちょっと東京行ってくる 早耶香ちゃん 学校は?
ちょっと お姉ちゃん? ちょっと 町を救わないかんくて
おばあちゃん お願いがあるんやけど 防災無線?
そっか 彗星 ああ 町中にスビーカーがあるやろ
今日が 一番明るく見えるんやっけ そっか 使える
三葉 そこにいちゃ駄目だ 凄いじゃん テッシー
三葉 彗星が落ちる前に 町から逃げるんだ お お前 あんまりくっつくなや
三葉 逃げろ なに 照れてんの?おらおら
三葉 三葉 三葉 ちょ やめろって
三葉だ 生きてる 嫁入り前の娘が
お姉ちゃん またおっぱい… あんた いい奴だなあ
妹だ 買ってきたよ はい おつり
四葉 ごめんね サヤちん
お姉ちゃん いよいよヤバイわ いいんやけどさ
私今日 一人で先に行出るで しょっぱいギャラやなあ
ヤバイ ヤバイ ヤバイヤバイ ヤバイよ ヤバイ うるっさいなあ
一週間ほど前から肉眼でも見えはじめたティアマト で?そっちはどうなん?避難計画とやら でけたん?
彗星 ば 爆弾!?
いよいよ今夜時分頃に地球に再接近し あ 含水爆薬っちゅう 土木用のがうちの資材置き場
最も明るく輝くとみられています にあるで
電波ジャック!? 町から逃げて 友達も伝えて
こんな田舎の防災無線は 起動用の周波数を使やあ なんや あんた
簡単に乗ってるでな お姉ちゃん
だから 学校の放送室から 町中に避難指示を流せる なんなんやさ
このあたりは被害範囲の外だから 避難場所もここの なあ 行こう
校庭にすればいい ちょっと何しとるの
か 完璧犯罪や 三葉なら 三葉なら 說得できたのか
放送はサヤちん担当ね 俺ちゃ駄目なのか
何でよ!? 四葉 夕方までにおばあちゃんと一緒に町から出て
お前 放送部やし ここにいちゃ死んじゃうんだよ
俺が 爆薬担当で ちょっとなに言っとんの
私は 町長に会いに行く 昨日は急に東京に行ってまうし
最後は役場に出てもらわんと 町民全てはさすがに動 なんか お姉ちゃん 変やよ
かせん 東京
娘の私から ちゃんと話せばきっと説得できる おい 三葉
完璧な作戦や 親父さんとの話 どうやった
まあ 別に何でもいいんやけど 三葉
どうせ もしもの妄想やろ お姉ちゃんどうした?
いやあ… さあ
そうとも限らんさ そこにいるのか
糸守湖がどうやってできたか知っとるか? あっち なんかあるの?
隕石湖や テッシー 自転車貸して
千年前少なくとも一度はこの場所には隕石が落ちた ちょっと
んや ちょ…
そうだ だから おい 三葉
そうだよ テッシー 作戦は?
やろうぜ 俺達で 計画準備しといてくれ
何を言ってるんだ?お前は? 頼む!
だからっ 夜までに町民全体を避難させないと みん 私 瀧君になっとる
なが どうして瀧君がここに
すこし黙れ 町が…ない
彗星がつに割れて町に落ちる? 私…あの時…死んだの?
人以上が死ぬだと? 瀧君
よくもそんな戯れ言を俺の前で 瀧君
本気に言っているなら お前は病気だ 覚えて ない?
妄言は宮水の血筋か 私 ちょっと東京 行ってくる
車を出してやるから 市内の病院で医者に診てもらえ 今から?なんで?
その後なら もう一度話を聞いてやる デート!
ば… お姉ちゃん 東京に彼氏おったの?
馬鹿にしやがって 私のデートやなくて
三葉…いや 夜には帰るから
お前は…誰だ? 急に訪ねたら
じゃ 後でお祭りでな バイバイ 迷惑かな
神社の下で待ち合わせな 驚くかな
遅れんなよ 瀧君は いやがるかな
バイバイ おかけになった電話は 電波の届かない場所にいらっ
またな しゃるか
後でな …会えっこない
行っちゃ駄目だ でも もし会えたら
どうしよう 瀧君 瀧君がいる
やっぱり迷惑かな?気まずいかな? 瀧君
それとも もしかしたら お前に会いに来たんだ
少し 喜ぶんかな 大変だったよ お前すげえ遠くにいるから
おかけになった電話は 電波の届かない場所にいらっ でも どうやって…
しゃるか 私 あの時…
会えっこ…ない 三葉の口嚙み酒を 飲んだんだ
でも 確かなことが つだけある あれを 飲んだ!?
私もしは 会えば絶対 すぐに分かる バカ ヘンタイ
私に入っていたのは 君なんっだって そうだ それにあんた 私の胸触ったやろ
君に入っていたのは 私なんっだって どど どうしてそれを
ごめんなさい 四葉が見とったんやからね
危ないですから 黄色線までお下がりください ごめん すまん つい…回だけだって
すみません 回だけ?
年前のあの時 何回でも同じや アホ
まだ 俺はお前を知る前 すまん
次は四ツ谷 四ツ谷 お出口は右側です これ
瀧君 お前さあ 知り会う前に会いに来るんなよ
瀧君 分かるわけねえだろ
瀧君 ほら
あの 私… 三年 俺が持っってた
覚えて ない? 今度は 三葉が持ってて
誰?お前 うん
すみません どうかな
瀧君なのに 悪くないな
変な女 思ってないでしょ
四ツ谷 四ツ谷 ご乗車… いや すまん
あのさ ホント この男は
あんたの名前 三葉 まだやることがある
三葉 聞いて
名前は三葉! 来た
年前 お前はあの時 大丈夫 まだきっと間に合う
俺に 会いに来たんだ! うん やってみる
瀧君 カタワレ時が もう
三葉 終わる
瀧君 三葉
三葉 目が覚めても忘れないようにさ
いるんだろ?俺の体の中に 名前 書いとこうぜ
瀧君 ほら
瀧君 どこ うん
三葉だ 三葉
声が聞こえなのに おい 三葉
瀧君 ねえ どこにいるの 言おうと思ったんだ
瀧君 お前が世界のどこにいても
瀧君 そこに… 俺が必ず もう一度会いに行くって
いるのか 君の名前は 三葉
カタワレ時だ 大丈夫 覚えてる
三葉 三葉
瀧君 三葉
三葉 んなもん適当や
名前は三葉 今のなに
君の名前は なあ あそこ
お前は なあ 見て
誰だ? こちらは 糸守町役場です
俺は どうしてここに来た? 事故やって?
あいつに あいつに会うために来た 変電所で 爆発事故が発生しました
助けるために来た 爆発?
生きていて欲しかった さらなる爆発と 山火事の危険性があります
誰だ? 次の地域の人は 今すぐ 糸守高校まで避難してくだ
誰? さい
誰に会いに来た 門上り地区 坂上地区
大事な人 避難しろやって
忘れたくない人 おい 行くぞ
忘れちゃ駄目な人 ここからの放送じゃないだと
誰だ? 誰が喋ってるだ
誰だ? 宮守地区
誰だ? どこまで行くの
誰だ? 親沢地区
名前は? 行くぞ 三葉
瀧君 うん
瀧君 とと…
瀧君 テッシー
大丈夫 覚えてる みんな逃げろ 山火事になっとる
絕對に忘れない 山火事です 逃げてください
瀧君 逃げろ 火事や
瀧君 逃げろ
君の名前は 瀧君 皆さん 危険です 逃げてください
テッシー こりゃとても間に合わん
三葉 三葉
お前今までどこに どうした
自転車壊しちゃって ごめんやって あの人の
誰が あの人の名前が 思い出せんの
私が 知るか アホう
後で全部説明してもらうでな これはお前が始めたことや
落ちるんか?あれが? マジで? 消防を出してもらわんととても避難させきれん
落ちる この眼で見たの 行って 親父さんを説得してこい
見たってか 困ったもんや
じゃあ やるしかないなぁ また?
これで 二人仲良く犯罪者や 爆発?
え 私 ホントにやるん? みんな逃げろ 高校まで行くんや
町が停電したら すぐに非常用電源に切り替わるはず あら 三葉ちゃん
やから こんな田舎で テロなわけあらすけ
したら放送機器も使えるで 中電は何と言っとんや
サヤちん お願い まだ調査中やと
できるだけ放送を繰り返して 今のところ 山火事は無いんだな
ははは やったれやぁ 確かか?
もうヤケや よし
そろそろかなあ この放送を早く止めろ
発信元はまだわからんのか この時代に生きる私たちにとっての 大変な幸運と言
町長 今 高山のセンサ局から えべきでしょう
高校だと? ねえ あなたは 誰?
繰り返します 次の地域の人は 誰?
今すぐ糸守高校まで…はあ 誰?
お前なにしとるんや あの人は誰?
すぐに切りなさい 大事な人
サヤちん 忘れちゃ駄目な人
っやべえぇ 忘れたくなかった人
なんちゅうことしてくれたんや 名取 誰?
こちらは糸守町役場です 誰?
ただいま事故状況を確認しています 君は誰?
町民の皆様は慌てず その場で 待機して指示をお待 君の名前は?
ちください 割れてる
家にいろって 目が覚めても忘れないようにさ
どうなっとんや 名前 書いとこうぜ
結局待機か これじゃあ 名前 分かんないよ
いや ちょっと皆 逃げた方がええんやって お父さん
高校が避難所になっとるで 三葉
克彥! お姉ちゃん
お前 何やっとるんや お前までまた…
すまん 三葉 それは まるで夢の景色の様に
ここまでや ただひたすらに 美しい眺めだった
マジで 俺 こんな場所で 何やってんだ
割れとる 次は 代々木 代々木
見て ドアが閉まります ご注意ください
わあ ずっと何かを探している
ごらんください いつからか
彗星がつに分裂し 無数の流星が発生しています そんな気持ちに取り憑かれている
これは事前の予報にはありませんでしたね 御社を志望いたしました理由は
しかし非常に幻想的な眺めです 人が生活している風景が
彗星の核が割れたということでしょうしか? 街の風景を自分の手で
潮汐力は影響を及ぼさない… 東京だって いつ消えてしまうかわからないと思う
ロシュ限界は超えていないははずですから 考えられ んです
るのは彗星内部でなんらかの異変が発生し… だから
過去の事例では年にシューメーかー·レヴィ彗星が 記憶の中でも なんて言うか
木星に落下 人を温め続けてくれるような風景を
その際には少なくとも二十一個の破片に分裂したこ 面接 今日で何社目?
とが 数えてねえよ
俺 ちょっと見てくる 受かる気がしないな
危險性はないんでしょうか お前が言うな
恐らく地表に到達する前に融解してしまうと思われ スーツが似合わなすぎだからじゃね
ますが 似たようなモンじゃねえか
仮にこれが隕石となった場合でも 確率的には人間の 俺 内定社
居住地域に落下する可能性は非常に低く 俺 社
現時点での破片の軌道が予測は難しい… 探しているのが 誰か なのか
これほど壮麗な天体現象を目撃していること また どこか なのか
日本がちょうど夜の時間帯であることは それともただ単位就職先なのか
この様な現象を まさに肉眼で目撃していることは 自分でもよく分からない
就活中だねえ? 俺 君をどこかで
だいぶ手こずってますけど 私も!
スーツが似合ってないからじゃない? 君の名前は…?
そんなに似合ってないすか
今日は急にどうしたんすか
仕事でこっちまできたから
久しぶりに瀧君の顔見ておこうと思って
私たち いつか糸守まで行ったことあったよね
あれで瀧君がまだ高校生だったから…
年前
そんなに
なんだか 色々と忘れちゃったな
あの頃のことは
俺も もう あまりよく覚えていない
喧嘩でもしたのか
司と先輩とは 別々に東京に戻ったこと
どこかの山で 人夜を明かしたこと
記憶はその程度だ
ただ あの彗星をめぐって起きた出来事に
一時期 俺は妙に心を引かれていた
彗星の片割れが一つ町を破壊した大災害
しかし町の住民のほとんどが 奇跡的に無事だった
その日 偶然にも町を挙げての避難訓練があり
ほとんどの町民が 被害範囲の外にいたというのだ
あまりの偶然と幸運に 様々な噂がささやかれた
そういう記事を随分熱心に あの頃 俺は読んでいた
一体 何がそれほど気になっていたのか
自分でも もう理由はよく分からない
あの町に 知り合いがいたわけでもないのに
今日はありがとう ここまででいいよ
君も いつかちゃんっと 幸せになりなさい
ずっと何かを 誰かを 探しているよう気がする
やっぱりもう一回 ブライダルフェア行っときたいな
どこも似たようなもんやったやろ
神前式もいいかなって
お前 チャペルが夢やって言っとったに
それから テッシーさあ
式までにヒゲ剃ってよね
私もキロ瘦せてあげるでさ
ケーキ食いながら言うか
明日から本気出すの
ありがとうございました
今はもうない町の風景に
なぜこれほど心を締めつけるのだろう
ずっと誰がを
誰がを
探していた!

あの

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