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TOK展示 例I:生徒の成果物

TOK展示 ― どのようなものが主張の有効なエビデンスと見なされるのか。
(知識と土着の社会)

事物1:

中国の代替医療のひとつであるカッピング療法は、皮膚を局所的に吸引するというもので、
その記録は紀元前281~361年にまでさかのぼる。カップの中に真空状態をつくって、皮膚
の特定の部分に置くと、吸引力で皮膚がカップ内に引き込まれる。痛みのほか、筋肉や結
合組織の深い傷跡、筋肉のこりや腫れの治療に効果があると信じられているが、実際には
健康に何らかのメリットをもたらすという十分なエビデンスはない。水泳選手のマイケ
ル・フェルプスをはじめ多くの人が効果的なメソッドだと信じているため、今では多くの
人が使うようになった。効果があるという十分なエビデンスはないにもかかわらず、効果
があると考え、また多くの有名人がやっているため、自分もやってみたいと考える人たち
がいる。

「知の理論」
(TOK)教師用参考資料 1
TOK展示 例I:生徒の成果物

事物2

竹蜂は、中国と香港でよく知られた生薬だ。喉の痛みを治すために使われていて、1765
年、清朝の時代から使われている。この蜂を捕まえやすい秋から冬に捕まえて、竹の中
に入れて竹の穴をふさぎいだうえで、いぶして蜂を窒息させた後、乾燥して塩漬けにし
て保存する。中国では一般的な生薬で、今でもよく使われている。その理由は、喉の痛
みを治すのに効き目があると考えられているからだ。効き目がなければ、今も使われる
ことはないだろう。

「知の理論」
(TOK)教師用参考資料 2
TOK展示 例I:生徒の成果物

事物3

黄帝内経は、古い中国の医学書で、2000年以上にわたって中国医学の基本的な情報源とし
て扱われてきた。2部で構成されていて、81章(説)のそれぞれが、伝説的な黄帝とやはり
伝説的な6人の臣下の問答という形式になっている。中国医史の学者であるPaul Unschuldと
Hermann Tessenow、そしてミュンヘン大学医史学研究所の研究班が、「素問」の歴史的・
構造的な分析も含めて、この黄帝内経を英語に翻訳した。この訳書は、2011年7月にカリフ
ォルニア大学出版局から刊行された。この事物がなければ、中国医学のエビデンスもすべ
て失われるだろう。これらの本は、古代の人たちの考え方を示しているため、単に科学的
な説明だけでなく、さまざまな観点から知ることの知識も示している。

「知の理論」
(TOK)教師用参考資料 3

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