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JATCO ─ Leading Transmission

エンジンで発生した動力を車輪に伝える装置のことをパワートレインと呼び、
その中でもトランスミッションは常に重要な役割を担っています。
ジヤトコはトランスミッションの専門メーカーとして、これまでも数々の
“世界初”
を生み出してきました。

中でも CVT(無段変速機)では世界シェアの約半分を占める、
リーディングカンパニーです。
クルマの走りを支える、隠れた主役トランスミッションを通じて、
これからもジヤトコは、
クルマ社会の未来をリードしていきます。
*Continuously Variable Transmission の略

World's First ❷
❶ ❶ 1モーター2クラッチ式ハイブリッドトランスミッション……2010 年
❷ トロイダル式CVT……1999 年

❹ ❺ ❸ 副変速機付きCVT……2009 年
❹ 2リッタークラス金属ベルト式CVT…… 1997 年

❻ ❺ 3.5リッタークラス対応CVT…… 2002 年

❻ 5速オートマチックトランスミッション……1989 年
❼ FF車用5 速オートマチックトランスミッション……1995 年
前進 / 後退用クラッチ &
減速用遊星ギア
トルクコンバーターに連結する位置に、
前 進 / 後 退 切 替 用 の 遊 星 ギアが 組 み
込まれ、回転方向の切り替えと減速を
行なっています。

フロントハウジング
専用設計の超扁平トルクコンバーター
を採用し、 レイアウトの自由度を向上。
低 剛 性 ロックアップ ダ ン パ ー で 低 速
からロックアップし、燃 費 性 能と走り
のダイレクト感を改善しました。さらに
はトルクコンバーター のスペ ースに、
モーターユニットを換 装すれば、そ の
ま ま ハ イ ブリッド 仕 様 に す ること が
可 能 です。

バリエーター
ト ルク容 量 2 5 0 N m の J F 0 1 6 E の
バリエ ー タ ー は金属ベルト、 トルク容
量 380Nm の大容量タイプの JF017E
はチェーンを使用。特性に応じた使い分
けをしています。

制御技術で、クルマの走りに「味つけ」
アクセル開度、車速をはじめ、さまざまな車両情報から、ドライバーの
意を汲んだ「走り」を演出。アクセルをオフにしたときは、ギア比をそ
のままホー ルドして 次 回 の 発 進に備えたり、旋 回 時 のブレー キング
で 制 動 G が 大 き い 場 合 は 、ギア 比 はややダウンシフトしてエンジン
ブレーキを効かせるなど、きめ細かい変速制御を行なっています。 エレメントの 形 状を見 直し、ベ ルト姿
勢の安定性を増しています。

大排気量車にも CVT の走りと燃費を


ワイドレンジ、高効率を突き詰めて完成した、Jatco CVT8

2Lクラス対応の金属ベルト式 CVT 、世界最大 リー のシャフト径 を 細くし、より中 心 部ま で 圧 式 に 変 更しました 。コントロ ー ル バ ル ブ


3.5Lクラス対応の CVT 。常にCVT の高トルク ベ ルトが巻き付くスペ ースを確 保 。すると今 ボディでは、徹底した油路の最適化を追求した
対 応 をリードして き た ジ ヤトコに は 、中 型・ 度は、巻き付き角が小さくなりすぎたことによっ 結果、3 段重ねだった構造が 2 段に、スプール
大 型 車 用 C V T を 統 合し、次 世 代 の ス タ ン て伝達効率が悪化するため、ベルトのエレメン バルブの 本 数は 12 本から 8 本 へと減 少して
ダードモデルを開発したいという強い思いが トも形状を見直し、小さい径に巻き付いた場 います。さらには 、スプ ー ルバ ルブ のクリア
トルク容量 380Nm まで
ありました。そして、 合でも効率よくトルクを伝達するベルトを採 ランスを見直すことなどにより、コントロール
をカバーするユニットとして開発されたのが、 用しました。これらの工夫によって、
レシオカバ バ ルブ 内 部 で の 油 漏 れを 極 力 抑 えました 。
CVT for FWD Medium and Large vehicles Jatco CVT8(以下、CVT8 )です。 レッジは従来の 6.0 から7.0 に拡大し、低速で これらの 工 夫 の 積 み 重 ねによって 、吐 出 量
の力強さ
(ローギア)
と高速での低燃費・静粛性 の少 な い オイ ルポンプ でまか な えるように
レシオカバレッジの拡大 (ハイギア)
の両立に大きく寄与しています。 なりました。また、デファレンシャルギアまわ
最初の課題は、
レシオカバレッジ(変速比幅)
の りの 潤 滑 系を見 直し、バッフルプレートを立
拡大です。単純にプーリーの径を大きくすれ 多くの改良を加えた油圧制御系 てることで、常にギアがオイルに浸っている
ばレシオカバレッジは広がりますが、CVT 全体 変速のためにプーリーを作動する機構では、 状 態を解 消 。オイ ル の 攪 拌 抵 抗によるエ ネ
が大きくなり車両搭載性が悪化します。そこで まずシー ルリングの 機 械 損 失を減らし、さら ル ギ ー の ロスを 抑 えました。
逆にプーリーの内側に着目し、
レシオカバレッ にステップモーター式から油圧による直動式 ユニット全体でフリクションを従来比40%
結果、
JF016E/JF017E 中・大型 FF 車用 CVT
ジを拡大する方法を模索しました。まずプ ー に変更。前進 / 後進の切り替え機構は可変油 低減、燃費の改善に大きく寄与しています。

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クラッチ 2 モーター

クラッチ 1

モーターに内蔵した乾式多板クラッチの機能
モーターの内側に組み込んだ、乾式多板クラッチの機能は次の 3 つ。
1. エンジン停止時に、エンジンとモーターを切り離し、エンジン側
フリクションを遮断。 2. エンジン始動時は、モータートルクをエン
ジンに伝えることでエンジンを始動。 3. エンジンの動力をトランス
ミッションに伝達。この 乾 式 多 板クラッチは、摩 擦 材 の 偏 摩 耗を防
ぐためにピストンの押し位置を最適化したほか、空気の流れを解析
し、摩耗粉を効率良く外周側に排出させる構造になっています。

全長を極力キープして
モーターを追加
従来のトルクコンバーター
のスペ ースに、駆 動・回 生 発進用クラッチを冷却する専用の電動オイルポンプ
用モーターと、エンジンと 北 米 の SUV は砂 地を走ったり、
トレーラーやボートを牽 引
モーターの切り離しを行う (トーイング)することが多く、そうしたタフなシーンでは、発
乾式多板クラッチを配置し 進用クラッチを滑らせながら駆動力をコントロールします。こ
た 、独 自 の 1 モ ーター 2 ク の滑りの際に発生する熱を冷却するために、専用の電動オイ
ラッチシステムを採用。ク ルポンプを搭載しました。これにより、高負荷な走行シーンに
ルマ側 の 搭 載スペ ースの おいても、クラッチが受けるダメージを最小限にとどめてい
見直しを最小限に抑えるこ ます。
とができます。

1モーター 2クラッチシステムを採用した
ハイブリッド車用トランスミッション、Jatco CVT8 HYBRID*

同一車種にハイブリッドモデルを追加する場 しては、世 界 初です。CVT8 HYBRID に先 した が 、このクラッチ を 発 進 用クラッチ(ク


合、
トランスミッションのサイズ(特に全長)
を維 立って開発した FR ハイブリッド車用トランス ラッチ2)としても活 用しています。しかしこ
持することができれば、
クルマ側を大きく見直し ミッションでは、乾式単板クラッチを採用しま の 方 法 には 新 た な 課 題 が ありました 。発 進
せずに済 みます。中・大 型 車 用に開 発された したが、FF 車の狭い搭載スペースに適合する 時にクラッチを滑らせ て 必 要 駆 動 力を確 保
Jatco CVT8からトルクコンバーターを取りの ためにはコンパクトな構造を追求する必要が するため、長時間にわたってその状態が継続
ぞ き 、そ の ス ペ ー ス に「 駆 動・回 生 用 モ ー ありました。この CVT8 HYBRID では、モー すれば、大 きな 発 熱 量 が 発 生し、クラッチ 摩
ター」と、
「エンジンとモーターをつなぐ乾式多 ターとクラッチを単 純に並 べるのではなく、 擦材表面温度が次第に上昇してしまいます。
Transmission for FWD Hybrid vehicles 板クラッチ」をコンパクトに収めたのが、Jatco ドーナツ状になったモーターの空洞部分に乾 CVT8 HYBRIDは、北米で販売するミディア
CVT8 HYBRID(以下、CVT8 HYBRID)です。 式多板クラッチを収めることで、軸方向の長 ムクラス の S U V などへ の 搭 載 も 視 野 に 入
さを抑えることに成功しています。 れ 、外 部に専 用 の 電 動オイ ルポンプを設 け
駆動・回生用モーターと、エンジンの断続用 て冷却性能を高める工夫をしています。発進
クラッチ 前後進切り替え用クラッチを発進用クラッチ 用クラッチを必要に応じて効果的に冷却する
エンジンとモーターの切り離しには、低回転 にも活用 システムを 構 成し、長 時 間 の 高 負 荷 運 転 に
域ほど引きずりトルクが大きくなる傾向の湿 ベースユニットである CVT8 の場合は 、プ ー も 耐 えら れるタフなトランスミッションに仕
式クラッチではなく、乾式多板クラッチ(クラッ リー の 手 前に配 置 されて いるもうひとつの 上げました。
JF018E/JF019E 中・大型 FF ハイブリッド車用トランスミッション
チ1)を採用しました。ハイブリッドシステムと クラッチ が 前 後 進 の 切り替 えを 担って い ま *日産自動車(株)/ジヤトコ(株)共同開発

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LOW
レシオカバレッジ 7.3 を実現 コンパクト化も同時に実現
低速・出足のレスポンス 従来の構造CVT
搭載車種として想定されるコンパクトカークラスでは、エンジン 副 変 速 機 の 採 用 によって 、プ ー
のトルク不足を補うために、発進や加速シーンではなるべく リーの外径を小さくすることが可能
エ 従
ン ローギアを使用したい。しかしレシオカバレッジを拡大せずに 来 になり、ユニット全長を10% 、重量
ジ 従来のCVT変速比幅 の
ン ローギアード化すると、高速走行シーンでエンジン回転数が 構 を 13% も削減しました。エンジン
回 造


HIGH 下がらずに燃費で不利になります。従来の CVT では、プーリー 13%軽量化 ルーム内にあまりスペースの余裕
高速・エンジン低回転 径の拡大にも限界があり、 レシオカバレッジを一定以上に大きく 10% がない小型FF車にとって、
トランス
できませんでしたが、CVT7は副変速機の採用により、これまで ミッションのコンパクト化は大きな
全長短縮
車速
の数値を大きく上回る「 7.3 」を実現しています。 メリットです。

プライマリープーリー

オイル面との
距離を確保 プーリーがオイルを
攪拌しない

トランスミッションオイル

トランスミッションオイルの攪拌抵抗
を低減
アイドラーギアを用いてプライマリープー
リーを一 段 上 部に移動。部分的にオイルに
前後進切り替え用の遊星ギアを活用した副変速機 浸かって い たプ ーリー が 、オイ ルと干渉し
セカンダリープ ーリー からの 出 力を受 けて 、前 後 進 の 切り替えを受 け 持 つ 遊 星 ギアに、直 結 なくなったことで、攪拌抵 抗 が 大 幅に減り、
出 力と 1 . 8 の 減 速 比 の 2 段 階に出 力 できる機 能を実 装 。変 速 は 多 板クラッチ の 締 結 、解 放に 従 来 比 でフリクションロスを約 3 0 % 低 減
よる制 御で、副 変 速 機 の 切り替えに伴う変 速ショックを生じさせないよう、副 変 速 機 の 変 速と しました。
同時に、プーリーの回転数とギア比を変えるといった緻 密な制 御を行なっています。

「コロンブスの卵」を実用化。副変速機がひろげた CVT の可能性、Jatco CVT7

発進、加速時にはギア比をロー側へシフトし、 2 段 AT で CVT のレシオカバレッジを拡大 ている遊星ギアがあります。そのギアに2 段の


力強い駆動力を得たい。高速巡航時にはギア 広いレシオカバレッジは小排気量・低トルクの小 変速要素を加えて副変速機として活用。オリジ
比をハイ側へシフトし、静かで燃費の良い走り 型車にこそ必要です。一方で、CVT のレシオカ ナルの CVTが持つローギアからハイギアへの
を実現したい。排気量が小さく非力なエンジ バレッジを拡大するための一番簡単な方法は、 変速だけでなく、走行状態に応じて 1 速から2
ンであるほど、
トランスミッションの果たす役 プーリーの径を大きくすることです。しかしな 速にシフトします。このとき1 → 2 速への変速が
割は大きく、より広いレシオカバレッジ(変速 がら、この方法では CVT の搭載スペース課題 ドライバーにとって違和感(変速ショック)
とな
比幅)が求められます。しかし一般的にレシオ 「小型の CVTに、2 段のステッ
が解決しません。 らないように、
プーリーは変速前後のギア比変
カバレッジを広くしようとすれば、
トランスミッ プ AT(副変速機)を組み合わせれば、
レシオカ 動を極力抑えるようコントロールします。この
ションの サイズが大きくなり、小さなエンジ このアイデアがCVT7の
バレッジを拡大できる」 2 段変速をスムーズに行う高度な制御が、副変
ンルームに収まりません。この両立をめざして スタートポイントになりました。 速機付きCVTを成立させるための重要な技術
「コロンブスの卵」的な発想で実用化したの の 1 つです。長年にわたり専門メーカーとして
が、世界初の副変速機付きCVT であるJatco 前後進の切り替えギアを副変速機として活用 蓄積した、制御技術・ノウハウがあってこそ実用
CVT7(以下、CVT7 )です。 もともとCVTには、前後進の切り替えに使われ 化できた商品なのです。

CVT7 をベースに燃費性能とドライバビリティを追求した、Jatco CVT7 W/R


CVT for FWD Mini and Small vehicles CVT for FWD Small vehicles
CVT7の優れた搭載性を確保したまま、高まる また、ベルトの金属エレメントのプーリーとの 優れたドライバビリティの追求
燃費性能への要求に応えるために伝達効率を 接 触面の溝ピッチを細かくし、
トルク伝達性を CVT の持つ「スムーズ感」だけでなく「ダイレ
改善し、さらに走りのダイレクト感にこだわって フリクションロスの1つ
向上させました。さらに、 クト感」を高い次元で実現するために、発進直後
開発されたのが、Jatco CVT7 W/R※(以下、 の要因であるオイルポンプにおいてもオイルの からロックアップさせ、発進時の過度なエンジン
CVT7 W/R)です。※Wide Rangeの略 吸入ポートの形状を変更することで流量制御弁 回転上昇や加速感を抑制しています。また、
フリクションを約30%低減しました。
を廃止し、 加 速ニーズに合わせて車 速とエンジン回 転
レシオカバレッジ8.7 が高い燃費性能を実現 これらにより、燃費計測用走行モードのみな 上昇が一体となるようコントロールすることに
CVT7 W/Rでは新型ベルト&プーリーを採用。 らず、高速一定走行などの実燃費にも大きく より、まさにダイレクト感ある走りを実現して
最ハイの使用域を拡大し、CVTとして世界最大 貢献 、多様な市場ニーズに対応できるトランス います。
JF015E 軽・小型 FF 車用 CVT JF020E 小型 FF 車用 CVT ミッションとなりました。
となるレシオカバレッジ 8.7 を実現しました。

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ク ラッチ 2 は ベ ー ス と
なって いる F R 車 用 7 速
AT と同じ変 速クラッチ
の役割を担っています。

乾式単板構造のクラッチ 1 に
より、エンジンとモ ーター の
断 続を行 います。このクラッ
チ 1 でエンジンとモーターを
完全に切り離し、モーター単
独での走行を実現します。

❶ モーター単独での走行 ❷ エンジン走行 ❸ パワーアシスト走行 ❹ エネルギー回生


(電気自動車としての走行) (通常のガソリン車としての走行) (ハイブリッド走行) (減速時)

リチウムイオン
バッテリー
インバーター
電気の流れ

エンジン
❶ モーター単独での走行 ❷ エンジン走行 ❸ パワーアシスト走行 ❹ エネルギー回生
クラッチ1 クラッチ2 クラッチ1クラッチ2 クラッチ1 クラッチ2 クラッチ1 クラッチ2
OFF ON ON 行)
ON ON ON OFF ON
モーター

クラッチ 1 を 解 放して 、エ ンジンとモ ー クラッチ 1 を 締 結し、エ ンジン から の 出 クラッチ 1 を締結してエンジンの出力を伝 ク ラッ チ 1 を 解 放 し 、エ ン ジ ン と モ ー


ター の 動きを切り離し。エンジンは 停 止 力で走 行します。エンジンによる力 強 い 達。同時にバッテリーの電力によってモー ター の 動きを切り離し。減 速によって 生
した まま 、バッテリー の 電 力 を 用 い て 、 トルクがトランスミッションを介して 、最 ターを駆 動し、二 つ の 動 力 源によるハイ じる回 生エネ ル ギーを、エンジン側 の 引
モーター出力のみで走行します。 適な形でタイヤを駆動します。 ブリッド走行を行います。高出力で応答が き ずり抵 抗 によって 失うことなく、効 率
速 いというモ ーター の 特 性を生かして、 的に発電に用いてバッテリーを充電する
レスポンスのよい加速感が得られます。 ことができます。

サイズをキープしつつ、1 モーター 2 クラッチを組み込んだ


FR ハイブリッド車用トランスミッション、JR712E*

ハイブリッド車のために、ジヤトコの持つノウ この 思 いがコンセプトの 原 点になりました。 て吸収しています。2 つのクラッチの締結・解


ハウや制御技術を集大成したユニット。それ トランスミッションの搭載性を維持することが 放を絶妙なタイミングで行う
(掛け替え変速)
が、FR ハイブリッド車 用トランスミッション、 できれば 、ベ ー ス車 両 の 改 造 も 最 小 限にと ことができるのは、これまでに培ってきたス
JR712E です。ハイブリッドシステムとしての どめることができます。JR712E では、既 存 テップ AT の変速制御技術のたまものです。
パッケージングをフリーハンドで追求すると、 の FR 用7速 AT からトルクコンバーターを外
ベ ース車から、かけ離れた製 造コストになっ して生まれた空 間に、モーターとクラッチを 2 クラッチにこだわった理由
てしまいます。その逆に、最も手軽な方法の 収めました。新たに追加したクラッチ 1 に対し モーターだけでなくクラッチまで追加したこ
一つは、既存トランスミッションのトルクコン て、もともと7AT の変速用クラッチをクラッチ とにも、もちろん大きな意味があります。ハイ
バーターを、モーターに置換することですが 、 2 とする、世 界 初 の「 1 モ ーター 2 クラッチ式 ブリッドの 代 表 的 な 走 行 モ ードのうち「 モ ー
Transmission for RWD Hybrid vehicles このやり方では、ハイブリッドシステムとして ハイブリッド車用トランスミッション」です。 タ ー 単 独 で の 走 行 」や 、
「減速時のエネル
のメリットも限定的です。ジヤトコはユーザー もともとトルクコンバーターには、
「 発進・加速 ギー回生」において、エンジンが接続された
の視点に立ち、この両者の理想的なバランス 時にトルクを 増 幅 する役 割 」や 、
「変速時の ままだと、無駄な引きずり抵抗によって、エネ

JATCO JR712E を追求しました。

製造コストと性能の、理想的なバランスが
このパッケージングを誕生させた
ショックを和らげる役割」があります。
トルクコ
ンバーターの省略によって生じた、発進時の
トルク不足という課題については、新たに追
加した電気モーターによって補完。また、変速
ルギーを損失してしまいます。ここに追加さ
れたクラッチで 、エンジンを切り離 せること
が、さらに高効率なハイブリッドシステムを実
現しているのです。
「製造コストを抑え、少しでも多くの人に、ハイ ショックについては、モーターの出力後にある
JR712E 中・大型 FR ハイブリッド車用トランスミッション
ブリッドのメリットを享受していただきたい。」 クラッチ 2 の変速をより高度にコントロールし *日産自動車(株)/ジヤトコ(株)共同開発

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Continuously Variable
Transmission ステップ ATとCVT のレシオカバレッジ比較
より低いギア比での発進加速、より高いギア比での静粛性や低燃費、その両者を実現するために、
ステップATでは、多段化によってレシオカバレッジ(変速比幅)を拡大しています。CVT の場合「ベルト

進化を続けるジヤトコの CVT と2対のプーリーによって変速する」という基本構造のポテンシャルが高いので、多段化によって部品


点数が増えることもありません。見た目の変化が少なくても、静かに確実に進化を遂げています。
レシオカバレッジの拡大やフリクションの低減など、CVT の進化によって優れた燃費性能と快適な走りを、さらに高い次元で両立。
そのポテンシャルの高さが認められて、ジヤトコの CVT は、世界中のマーケットに広がっています。
ステップ AT-CVT のレシオカバレッジ比較

市 場 のステップ AT の ベンチマークを参 照すると、4 速 → 5 速 → 6 速と、多 段 化によってレシオカバレッジを


拡 大して いる傾 向 が 見 えてきます。ジヤトコの C V T が 持 つレシオカバレッジをそこにプロットすると、従
来 型でもステップ AT の 7 速 相 当 、最 新 の CVT7 、CVT8 では、8 速 相 当 以 上 の 広 い 変 速 比 幅であることが
わかります。
*ジヤトコ調べ
従来 CVT CVT8 CVT7

ステップ AT は 、多 段 化 によりレシオ 7.3


7.0

レシ オ カ バレッジ
7
カバレッジを拡大してきています。
6 6.0
5

最新の CVT7 、CVT8 では、8 速 AT 相当


3
のレシオカバレッジを実現。
2

0
3速 4速 5速 6速 7速 8速

AT ギア段 数

世界の市場に認められた CVT
発進・加速を繰り返す都市部ほど、その性能が際立っていた初期の CVT 。まず日本市場で人気に
火がつき、いまや世界中の自動車ユーザに愛用いただいています。環境規制の厳しい北米市場、
都市部の慢性的な渋滞や大気汚染が問題になっている中国市場。ジヤトコの持つ 3 つの海外生産
拠点が、すべて CVT の工場であることも、CVT が世界の市場に認められた証です。

中国 日本
メキシコ

タイ
ジヤトコは 中 国 、タイ、メキシコの 生 産 拠 点を含 むグロー バ ル な 事 業 体 制
を 構 築して います 。海 外 の 生 産 拠 点 はす べ て C V T の 生 産 工 場 で 、日 本 を
含むグローバルなネットワークで世 界 のお客さまにお届けしています。

12 13|
JATCO
Transmission Lineup
トランスミッション専門メーカーならではのラインナップで、世界をリードする
世界で唯一、軽自動車から3.5Lクラスの大排気量車までをカバーするCVT で、世界トップシェアの実績。
加えて従来からのステップ AT も幅広いラインナップを取り揃えています。今や世界中で製造されるさまざまなクルマに、
ジヤトコの商品が搭載されており、多くのお客さまから熱い支持と高い評価を集めています。
ジヤトコは、
トランスミッションの専門メーカーとして、今後も世界をリードしていきます。

FF FF FR
CVT CVT HEV AT AT AT AT HEV

JR509E JR711E
JF414E JF613E JR712E
JF015E / JF020E JF016E / JF017E JF018E / JF019E JR507E JR710E
6 0 0

5 0 0

4 0 0 軽・小 型 F F 車 用に開 発された 、世 界 初 の


副変速機付き CVT 。その世界トップクラス
の 変 速 比 幅 で 、コンパクトカー の ニ ー ズ
小 型 F F 車 用 4 速 AT 。コ ン
をしっかりと実現。発進時の力強い加速と、
パクトな外 観 形 状で、クラス
高 速 走 行 時 の 高 い 燃 費 性 能・静 粛 性 を
3 0 0 高 い 次 元 で 両 立して います。さらに小 型
トップレ ベ ル の 軽 量 設 計 を
実現。性能、品質の点で高い
軽 量 なボディで 、幅 広 い 搭 載 性 も 実 現し
信頼性を備え、汎用性の高い
ています。
ト ラ ン スミッションとして 、
市 場 から高く評 価 されて い 中・大型 FR 車用 5 速 AT 。大排 中・大型 FR 車用 7 速 AT 。多段 中・大型 FRハイブリッド車用ト
ます。 気量のクルマにふさわしい、 化 により、優 れ た 運 転 性 能 ランスミッション。画 期 的 な
余裕のあるトルクを十分に生 と高 い 燃 費 性 能 を 実 現して 1 モーター 2クラッチシステム
2 0 0 かしながら、発進・加速性能と います。また、変 速 制 御では を採用し、ハイブリッド車なら
燃費を両立しています。 細部に至るまで最適なチュー ではの 、どこからでもドライ
ニングを実施。車の性 格に応 バ ー の 思 い 通りになるパワ
じた「 味 つ け 」で 、幅 広 い 車 フルな走りと、モーター走行
中・大型 FF 車用 6 速 AT 。ワイ 両へ適用しています。 や効 率 的なエネルギー 回 生
ド な 変 速 比 幅 を 生 かし て 、 による高い燃費性能を両立し
走 行 性 能と燃 費 性 能を両 ています。
立 。F F 車 用として 高ト ルク
1 0 0 中・大 型 FF ハイブリッド車 用トランスミッ 域 まで 適 用 可 能 なトランス
中・大 型 F F 車 用 C V T 。C V T の 滑らか な
ション。Jatco CVT8 のコンバーターハウ ミッション は 、ガソリン エ ン
走りは そ のままに、細 部に至るまで 高 効
ジ ング 内 に 、駆 動・回 生 用 モ ー タ ー と 、 ジン だ け で なくディー ゼ ル
フリクションを40%も低減。
率化を追求し、
エ ンジンとモ ー タ ー 断 続 用 の 乾 式 多 板 エンジンとも 組 み 合 わ せ の
スポーティーで力強い走りと、優れた環境
クラッチを 内 蔵 。独 自 構 造 の 1 モ ー タ ー 実績があります。
性能を両立しています。
2 クラッチ方 式を採 用した、コンパクトな
構造です。

ト ルク
容 量
軽・小型クラス
中・大型クラス 中・大型クラス 小型クラス 中・大型クラス 中・大型クラス 中・大型クラス 中・大型クラス
( Nm ) 副変速機付

● パ ン フ レット に 掲 載 し たト ラ ン ス ミッション 以 外 の 商 品 も ご ざ い ま す 。
詳しくは 担 当 者 に お た ず ね い た だくか 、弊 社ウェブ サ イトをご確 認くだ さ い 。

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