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24時間飛行可能な小型固定翼Solar UAVの開発
-離着陸の自動化とバッテリ残量推定の改善-

2022.12.3
福島綾音

加藤宏基
天野大輔
中谷俊介
Aircraft Laboratory 山田海
1 概要 -活動内容- 2

活動概要
・24時間飛行可能なソーラープレーンの開発、製作
→AtlanticSolar(チューリッヒ工科大)をベンチマークにトレース
→4度の墜落を経て、2022年までに5機を製作

ベンチマーク機 飛行機研究所 4号機


1 概要 -活動内容- 3

昼に太陽光からのエネルギをバッテリに溜め、夜を超えて飛行する

太陽光

バッテリ
ソーラーパネル
1 概要 -実績- 4

S-4(4号機:2021年製作)
・2021年8月に24時間飛行を試みるも、約4時間で着陸
→ソーラーパネルの配線が逆であり、給電がされていなかった

配線改修後も記録更新ならず

4号機「S-4」(2021年)
1 概要 -活動内容- 5

周回飛行

地上局
1 概要 -S-4改良に向けた検討事項- 6

課題:バッテリ消費量が予測値より多い

地上局でのバッテリ残量表示が
推進効率の見直し
不正確であると判断

残量表示の精度向上に成功 次講演で報告

「S-4」24時間飛行 再チャレンジ
1 概要 -S-4改良に向けた検討事項- 7

課題:バッテリ消費量が予測値より多い

地上局でのバッテリ残量表示が
推進効率の見直し
不正確であると判断

残量表示の精度向上に成功 次講演で報告

「S-4」24時間飛行 再チャレンジ

⇨手動操縦中に墜落
1 概要 -S-5開発に向けて- 8

S-4墜落までの改良事項 新たな検討事項

・手動操縦中の墜落対策
・バッテリ残量表示の精度向上
・推進効率の見直し

5号機「S-5」の設計・製作
1 概要 -S-5開発に向けて- 9

S-4墜落までの改良事項 新たな検討事項

・手動操縦中の墜落対策
・バッテリ残量表示の精度向上
・推進効率の見直し

5号機「S-5」の設計・製作
2.1背景・目的 10

○飛行中のバッテリ残量

・地上局(QGC)においてリアルタイム観測が可能
・残量15%で警告:着陸判断基準

→着陸後、まだ飛行可能な残量であった事例が発生

目的:バッテリ残量表示の精度向上

PX4におけるバッテリ残量推算方法の確認・Li-ion放電特性の把握
⇨地上局でのバッテリ残量表示の精度向上を目指す
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2.2 課題解決までのフロー
課題:地上局に表示されているバッテリ残量が不正確

2.3 バッテリに関する前提条件の確認

2.4

ソースコード確認 放電特性の確認

2.5 目標:バッテリ残量表示の精度向上に向けた調整・検証
2.3 バッテリに関する前提条件の確認 12

QGCでのバッテリ設定

・バッテリの最大、最小電圧を設定

・放電容量 :満充電 ⇨ 残量100%


:放電済み⇨残量0%

Li-ionバッテリの特性

・電圧値と放電容量をプロット

放電特性は非線形
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2.2 -PX4ソースコードの確認-

x…バッテリ容量[mAh]
y…電圧[V]

y_high

voltage [V]
y_low

x_low x_high

discharge capacity [mAh]

QGC上でバッテリ最大電圧と最小電圧を任意に設定

最小電圧と最大電圧を線形補完し残量を算出している
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2.3 定常飛行時の放電特性の把握

-定常飛行時の放電電流の算出-

100 𝑊 ÷ 21.6[𝑉] ÷ 11 ≒ 𝟎. 𝟒 𝑨

並列数

1スタック(6セル)あたりの電圧

消費電力(過去の飛行試験から算出)4.5
4

3.5
Voltage [V]

2.5

0.4[A]放電試験を実施 2 バッテリ0.4[A]放電曲線

1.5
0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500

Discharge Capacity [mAh]


2.3 バッテリ放電試験 -最大・最小電圧値の設定- 15

放電曲線の比較的直線に近い部分 の傾きを設定⇨ 𝒚 = −𝟐. 𝟖𝟔 × 𝟏𝟎−𝟒 𝒙

バッテリ残量
100%~0%

𝒚 = −𝟐. 𝟖𝟔 × 𝟏𝟎−𝟒 𝒙 +
𝟒. 𝟏𝟏
2.3 バッテリ放電試験 -最大・最小電圧値の設定- 16

𝒚 = −𝟐. 𝟖𝟔 × 𝟏𝟎−𝟒 𝒙 + 最大・最小電圧を設定


𝟒. 𝟏𝟏
4.5

3.5
Voltage [V]

3
バッテリ0.4[A]放電曲線

2.5 改修後

2 デフォルト

100%
1.5 0%
0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500

Discharge Capacity [mAh]


2.4 検証 17

4.4

4.2 0.4[A]放電Pixhawkログ
式②
4
バッテリ0.4[A]放電曲線
Voltage [V]

3.8

3.6

3.4

3.2

3
600 1000 1400 1800 2200 2600 3000

Discharge Capacity [mAh]

Pixhawkを介し0.4[A]放電を実施。ログを式から求めた直線と比較

ログと図示した直線が一致した
2.5 まとめ 18

・地上局におけるバッテリ残量表示が不正確であると判断

・PX4におけるバッテリ残量推算方法、Li-ionバッテリ放電特性を確認

目的:バッテリ残量表示の精度向上

PX4におけるバッテリ残量推算方法に合わせ、電圧値を再設定

残量30%までの範囲で、±3%の誤差で
バッテリ容量を把握することが可能になった
1 概要 -S-5開発に向けて- 19

S-4墜落までの改良事項 新たな検討事項

・手動操縦中の墜落対策
・バッテリ残量表示の精度向上
・推進効率の見直し

5号機「S-5」の設計・製作
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3.1 背景・目的

○ソーラープレーンの長時間飛行

・半径120[m]の周回飛行が基本

・手投げ離陸後、周回飛行地点まで手動操縦 墜落の原因

目的:離着陸の自動化

PX4に実装されている自動操縦機能「mission flight mode」を使用し


ソーラープレーンの離着陸自動化を目指す
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3.2 飛行経路設定

QGCにおいて衛星写真上にポイントを置くことで、経路設定ができる

主な設定項目

①離陸地点
④周回飛行の中心
⑤着陸に向けた降下開始点
⑩着陸範囲
②③巡航

長時間周回飛行地点

・半径120[m]
・時間は無制限に設定
3.3 実機試験 –試験概要- 22

試験概要

・mission flight modeでの飛行挙動を確認することを目的とし


S-5飛行を想定した経路を作成

・スパン1.8[m]の試験機「 My Twin Dream 」を使用

試験機「My Twin Dream」


3.3 実機試験 -試験結果- 23
3.4 まとめ 24

・PX4に実装されている自動飛行機能「mission flight mode」を使用し


自動離着陸を検討

・S-5飛行を想定した経路を設定し、練習機を用いた試験を実施

目的:離着陸の自動化

実機試験において意図通りに飛行することを確認した

「mission flight mode」を使用することにより


S-5の自動離着陸が可能であると判断した
4.1 S-5飛行試験結果 25

試験概要
・2022年9月10日に長時間飛行に挑戦
・ロールバランスを崩し、4時間弱で墜落。詳細は原因究明中。

飛行軌跡
セットポイント
waypoint
200
墜落の原因

100
・機体に対しエルロン舵面面積が
[m]

適切でなかった
0
・外乱に対する制御が不足していた

-100
と考えている

0 200

[m]

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