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Rakuten ICHIBA Success Story

店長奮闘記
8名の店長が明かす、成功へのアプローチ
店長奮闘記 Contents

老舗の靴卸がネットで小売に挑戦
試着なしでも安心して買えるページを
アウトレットシューズ  2

“ユーザ目線”の商品作りとサービスで
“喜び・感動・笑顔”を届ける
HEAVEN Japan  4

将来を見据え、ネットで直販に挑戦
オリジナル商品の開発で売上を伸ばす
神棚の里  6

“ユーザ目線”を基本に店舗を運営
楽天のサポートで着実に売上アップ!
にんじゃがKIDS  8

苦境に直面したことが大きな転機に
背水の陣で臨んだ楽天への出店
パジャマ工房  10

どこででも買える商品を、ネットで!
家業の卸を継いだ3代目の挑戦
いわゆるソフトドリンクのお店  12

商品に関する絶対の自信を原動力に
120年以上続く老舗をネットで未来へ
竹虎  14

専門性を強みにサービスを差別化
ネット上での接客も強化
SWIMSHOPヒカリスポーツ  16

1
店長奮闘記

老舗の靴卸がネットで小売に挑戦
メーカーという殻を打ち破り、ネットショップで した。
「その要因として浮かび上がったのは“お客
全国のユーザを相手に小売にチャレンジすること 様目線”が不足していたこと。たとえば、商品の
にしたのです。その舞台として楽天を選んだこと 試着コメントを載せてはいたものの、複数のサイ

試着なしでも安心して買えるページを について、店舗責任者の小島好視さんはこう話し
ます。
ズの商品を販売しているのに、Mサイズだけのコ
メントしか掲載しないなど、お客様にとって必ず
 
「楽天のほかに、もう1つのモールを出店先の候 しも買いやすいページではありませんでした」

アウトレットシューズ
補として検討しました。その両社をあれこれ見比  ユーザは靴を選ぶ際、サイズを確認されますが、
べたとき、トップページにしても各店舗のページ 現実には同じ22cmの靴でも、メーカーによって
https://www.rakuten.co.jp/outletshoes にしても、楽天のほうが温かさ、にぎやかさが感 は21.5cm寄りだったり、22.5cm寄りだったり
じられたのです。当社はそれに引かれて楽天に出 します。そこで、同社では「サイズの測り方」とい
店しました。その当時、当社は創業70年を超えて うコンテンツにスタッフの足の写真とサイズ、靴
店舗運営責任者 ビジネスの幅と商圏を広げるため いましたが、当社には新しいことや、やりがいの を選ぶ際の悩みなどを記載。さらに、商品ページ
小島 好視さん 全国のユーザを相手に小売を ありそうなことにも積極的に挑戦するという老舗 にはそれらのスタッフが実際に履いてみた感想を
らしからぬ社風があります。それも出店に対して 何人かずつコメントするようにしました。
会 社 名:株式会社菱屋  1925年(大正14年)に靴の卸からスタートし、 背中を押してくれました」  
「あらかじめご自分と同じような足の形とサイ
オープン :2002年10月 その後メーカーとしての顔も持つようになった ズの持ち主を見つけておき、そのスタッフのコメ
ジャンル :靴 株式会社菱屋は2002年、楽天に「アウトレット ユーザの声を直接聞けることに感動 ントを読めば、ご自分にぴったりの履き心地の靴
所 在 地 :香川県高松市 シューズ」
を出店しました。 レビューを店舗運営全般の参考に が買えるようになると考えたのです。レビューを
 同社は香川県高松市に本社を構えており、主に 見ると、このアイデアは正解だったようです」
レディース向けの靴を扱ってきたのですが、高松  小島さんに、楽天に出店し、小売を始めてみた
市は県庁所在地とはいえ、卸としてもメーカーと 感想を尋ねると、
「レビューを通してお客様の声 売り方のアドバイスも受けられ
しても、その商圏は必ずしも大きくないと感じて が直接聞けるようになったことに感動しました。 初めての小売でも安心して運営
いました。 次の新商品にはこのアイデアを取り入れよう、配
 そこで、ビジネスの幅と商圏を広げるため、卸・ 送に関してここを改善しようなど、レビューは店  同社では楽天で初めて小売を手がけただけに、
舗運営全般についてのヒントの宝庫といえます。 当初は何かと不安があったそうです。そこで、小
卸では消費者の声を直接聞くのは難しかっただけ 島さんはECコンサルタントに何でも相談された
に、これは小売ならではのメリットだと思います」 ようです。
 
「アウトレットシューズ」では現在、自社ブラン  
「第三者からの視点でアドバイスをもらえる点
ドを主力商品としているようですが、いわゆる有 が助かります。また、ネットにはネットなりの売
名ブランドではないなか、どのような点を工夫し り方があるのですが、その方法についても気軽に
ているのでしょうか。 相談できるので、初めての小売でも安心して売上
 
「当社の商品のコンセプトは服と“合わせやすい” アップを目指すことができました。楽天に出店し
こと。パッと見たときにすてきだなと思っても、 たら、ECコンサルタントを積極的に活用しましょ
いざ履いてみたら、合う服がなかったということ う。それが成功への1つの近道です」
は珍しくありません。当社ではお客様がそんな思  小島さんは楽天でネットショップを運営するメ
いをせずにすむよう、ベーシックなラインアップ リットについてこうも話します。
にしています」  
「実店舗では商圏も限られますが、たとえ本社
が地方にあっても、楽天なら9000万人を超える
スタッフが商品を試着し、コメント 全国・全世界の楽天会員を相手に商売をすること
靴選びの参考にしてもらう ができます。たとえ不安を感じていても、チャン
スをつかみたいなら、思い切ることが肝心です」
 同社では売上が一時的に低迷したことがありま

2 3
店長奮闘記

“ユーザ目線”の商品作りとサービスで
舗ページの作り方や接客の
仕方など、ネットショップ
のノウハウを改めて学ぶた

“喜び・感動・笑顔”を届ける め、楽天大学の講座を受講
することにしました。
 一方で、ECコンサルタン

HEAVEN Japan
トに1日に何度も電話をし
たことも。
「将来の目標を共
https://www.rakuten.co.jp/iloveheaven/ 有し、店舗運営をリードし
てくれたECコンサルタント
は、“夢を現実に導いてくれ
代表取締役CEO・店舗運営責任者 手元資金3万5000円でスタート たパートナー”です。過去のデータや有益な情報
松田 崇さん ランキングを足掛かりに、海外進出 の提供など、きめ細かくサポートしてくれました」 新たなネット販売のスタイルを模索し
 また、カンファレンスなど店長さんが集う機会 “キレイを届ける場所”として勝負!
会 社 名:株式会社HEAVEN Japan  株式会社HEAVEN Japanは、女性用補整下着 を活用して、全国の仲間と情報交換しながら交流
オープン:2004年10月 の企画・製造・ネット販売を手掛ける大阪の会社 を深められることも、店舗運営のモチベーション  女性がネット通販で下着を購入する際、気にな
ジャンル:レディース インナー です。主力商品は、ネーミングがユニークな「脇 アップを後押ししているそうです。
「楽天に出店 るのがサイズと着け心地です。同社では2009年
所 在 地:大阪府河内長野市 肉キャッチャー」
「胸不二子ブラ」などのオリジナ してみて、人と人とのつながりという“売上アッ 4月からネット通販業界初のフィッティングサー
ル機能性下着。2011年に楽天で年間ランキング プ以上の価値”を実感しています。やる気のある ビスを導入。商品到着後に自宅で試着し、万一サ
入りしたころから知名度が上昇しました。代表取 オーナーならそのメリットを最大限に活用できる イズが合わなければ送料無料で交換することにし
締役CEOの松田崇さんは、
「ランキングが上がる でしょう」 ました。さらに、電話やメールでカウンセリング
と、商品が世界にも露出されます。楽天のランキ も行い、ユーザの悩みを解消する商品を提案して
ングが足掛かりとなり、2014年には韓国でもネッ オリジナル機能性下着で差別化 います。
トショップを始めました」
と語ります。 「脇肉キャッチャー」が累計40万本を突破  これにより、補整下着を実店舗で試着・購入す
 独立・起業を夢見ていた松田さんは、商材を探 ることに抵抗があった方、逆に試着が可能な実店
すために奥様と訪れたサンフランシスコで女性下  機能性下着が売れ出すと、
「これまで着られな 舗でしか購入しなかった方など、新たなユーザを
着と出合い、2003年に手元資金3万5000円で下 かった服が着られるようになった」
「友だちに『痩 取り込むことに成功。その勢いに乗り、2016年
着の輸入販売会社を創業。
「自社サイトを運営し せた?』と聞かれた」など、ユーザが味わった喜び 4月には「HEAVEN Japan試着体感サロン心斎
ていた頃は集客に苦戦しました」と、当時を振り の声が続々とレビューに寄せられました。ユーザ 橋」を開設しました。無料のサイズチェックはも
返る松田さんですが、メールなどで感謝の言葉が の反応に手応えを感じた松田さんは、
「お客様に ちろん、「自分らしい美しさ」をコンセプトとした
届くと、
「もっとお客様に喜んでもらえる店にし 感動していただける機能性下着を自ら作り、販売 イベントを定期的に開催するなど、ネットとリア
なくては」
と闘志が湧いたそうです。 する」と決意。
「着け心地に優れ、補整力が高いオ ルの融合も進めています。
リジナル補整下着の開発」と「覚えやすい、わかり  このようにネットショップの新たなスタイル
販路拡大を目指し、楽天に出店 やすい、イメージしやすいブランド作り」に力を を模索し続ける松田さんですが、
「今後は“キレイ

“売上アップ以上の価値”がそこにある 注ぐことで、競合店舗がひしめく女性下着のジャ を届ける場所”として勝負したい」と熱意を込めま


ンルで差別化を図ることにしたのです。 す。
「情報が豊富で、優れた環境が整っている楽
 さらなる販路拡大を目指し、楽天に出店した  中でも同社を代表する商品へと成長したのが、 天は、さまざまなコミュニケーションを通じてつ
1年後の2005年。機能性下着を扱うようになっ 2010年の販売開始から累計40万本を突破した ながりを築き上げられるプラットフォームだと実
たことが転機になりました。商品を試着した女性 「脇肉キャッチャー」
です。 感しています。だからこそ、
業界未経験者で“無知”
社員が思わず、
「社長、これすごいですよ!」
と満面  
「“脇肉スッキリ×背中スッキリ×谷間ふっくら” な私でも、あらゆる挑戦ができたのだと思います。
の笑みを浮かべたとき、そうした感動や喜びを伝 という着用効果を訴求するコピーが強く共感さ もし、もう一度商売を始めるなら、迷わず楽天に
えることの大切さに気づいたのです。そこで、店 れ、幅広い支持につながったと思います」 出店するでしょう」

4 5
店長奮闘記

将来を見据え、ネットで直販に挑戦
方をお客様の視点に立って考え
なければなりません。パソコン
に向かって試行錯誤する毎日で、

オリジナル商品の開発で売上を伸ばす 帰宅が10時、11時になることも
ざらでした」
 加えて、受注・出荷・伝票整

神棚の里
理など一連の業務も独りでこな
さ な け れ ば な りま せ ん。 ま た、
https://www.rakuten.co.jp/kamidananosato/ 神棚に関する知識がまったくな
かったため、ユーザから質問さ
れると、神社の宮司に電話して
第二営業部 神棚の里EC部長 売値や売り方を 助けを求めることもたびたびで
吉岡 秀晴さん 自分たちで提案していきたい した。そんな忙しい吉岡さんの
支えになったのが、ECコンサルタントです。 棚を提案しようということで、開発に1年以上か
会 社 名:有限会社静岡木工  神棚関連商品を製造・販売する「神棚の里」は、  
「ページ作りなどに関するアドバイスはもちろ けたのが、
『モダン神棚』
です」
オープン:2006年6月 1961年に創業された有限会社静岡木工を運営母 んですが、当時は愚痴や悩みを聞いてもらうだけ  満を持してリリースした自信作「モダン神棚」
ジャンル:日用品雑貨・文房具・手芸 体とするネットショップです。静岡木工は創業者 でも助かりました。それによって課題がはっきり には強 力な 追い 風も吹きました。2015年4月、
所 在 地:静岡県榛原郡吉田町 が船大工だったこともあり、その技術を生かして、 とし、仕事に対する意欲も高まったからです」 NHKの朝の情報番組で紹介されたのです。
さまざまな木工品の製造・卸事業を展開してきま  吉岡さんがこだわったのはオリジナル商品や
した。神棚部門の売上は当初からトップを占めて セット商品を増やすことでした。初めて神棚を購 商品への深い知識と強い思いがあれば
きましたが、その大半はホームセンターなどへの 入するユーザに向けて、ワンクリックで必要なも ネットショップで可能性にチャレンジを
卸によるもの。
「会社の将来を考えると、お客様 のがすべて注文できるセット商品や、オリジナル
に神棚を直接販売したい。しかも、売値や売り方 のスターターキットを開発し、前面に押し出して  
「番組を見た方が楽天で検索したらしく、大量
なども自分たちで提案していきたい」
(杉本かづ行 いきました。 の注文が入りました。通常なら1ヶ月は持つ在庫
社長)という思いが次第に募り始め、ネットへの が1週間もたたないうちになくなり、その後はずっ
出店を検討するようになりました。 新たな需要を喚起するために と予約待ちという状態でした」
 杉本さんにとって、ネットショップといえば楽 オリジナル商品
「モダン神棚」を開発  このチャンスを逃さず、売上を安定させるため、
天でした。幸いなことに、杉本さんの友人が楽天 吉岡さんたちは改めて店舗ページを見直し、商品
にアジアン雑貨の店舗を出していたため、その友  こうした戦略が功を奏し、2011年の繁忙期には のサイズや取り付け方などの説明を加えました。
人からリサーチを重ねた結果、ショッピングモー 月商600万円を突破。これを機に、出店から6年 また、メールマガジンを活用して広く商品を告知
ルとしての大きな集客力、出店事業者へのきめ細 後の2012年、ネット事業部が設立されました。 する一方、新たな商品の開発にも積極的に取り組
かなサポートなどが決め手となり、2006年6月、  翌2013年は、伊勢神宮を20年に1回建て替え みました。その結果、2015年末には月商1400万
楽天に
「神棚の里」
をオープンしたのです。 る「式年遷宮」の年。多くのメディアが神社や「神 円を突破、16年末にはギネス月商となる1600万
様」について取り上げ、神棚の需要も大きく伸び 円超えを達成したのです。
ECコンサルタントの存在を支えに ました。しかし、これを一過性のブームとして終  最後に、吉岡さんは楽天への出店を検討してい
課題の克服に取り組む わらせないために、吉岡さんをはじめスタッフの る方たちに次のようにアドバイスします。
皆さんは、メールマガジンを活用して新たな商品  
「成功への近道はオリジナル商品を持つこと。
 ネットショップの立ち上げと同時に店舗運営責 提案を行うとともに、オリジナル商品の開発に取 一方、仕入れ商品を扱う場合はその商品に対する
任者として採用されたのが、現第二営業部 神棚 り組みました。そして誕生したのが、
「神棚の里」 深い知識と、
『これをこう売っていく』という強い
の里EC部長の吉岡秀晴さんです。 を代表する
「モダン神棚」
です。 思いが必要です。いずれの場合も、楽天なら心強
 
「単にホームページを作ればよいと思っていた  
「今は和風よりも洋風の住宅が増えています。 いパートナーになってくれます。ネットショップ
のですが、大間違いでした。商品の売り方、見せ そうした住宅で暮らすお客様に向けて、新しい神 で、ぜひビジネスの可能性を広げてください」

6 7
店長奮闘記

“ユーザ目線”を基本に店舗を運営
のニーズを上手につかんだことが、
新規ユーザを取り込むきっかけにな
りました。

楽天のサポートで着実に売上アップ!  さらに、新規ユーザに「もう一度
この店で購入したい」と思ってもら
えるよう、商品発送時に手書きの

にんじゃがKIDS
メッセージを商品に添えたり、おま
けのシールを同封したりと、工夫を
https://www.rakuten.co.jp/ninjaga/ 凝らしました。同社には子どもを持
つスタッフが多いため、ユーザの目
線に立った、細かい心遣いができる
専務取締役 ネット世代の娘と息子の助言で 点が強みとなったのです。ユーザの
岡安 恵子さん 迷わず楽天への出店を決める ニーズは楽天と実店舗との両方の売
れ行きをにらみながら日々研究。そ
会 社 名:有限会社にんじゃが  
「にんじゃがKIDS」は、2003年に実店舗で経営 れらを品ぞろえに反映させること
オープン:2011年1月 を始めた子ども服販売店です。開業以降、店舗数 で、ネットショップと実店舗の双方
ジャンル:キッズアパレル は順調に増えましたが、徐々に経営拡大の難しさ 込や配送方法はどうやって設定すればいいのか、 向的な売上アップを図っています。
所 在 地:埼玉県深谷市 に直面。それを打開する転機となったのが、
「ネッ ショップページをどのように作ればいいのかな  また、ネットでは実物を手に取って確認しても
最高月商:1,875万円(2014年11月) トショップを始めてみては」という、専務取締役・ ど、右も左もわからず、大変苦労しました」 らえない分、デザインだけでなく、サイズ、素材、
岡安恵子さんの長女(現楽天ショップ店長・長谷  そうしたネットショップ運営についての疑問 着心地についての記載にも気を配っています。こ
川美佳さん)
の提案でした。 は、美佳さんが楽天大学に通うことで解決してい れはユーザが安心して買い物ができるよう、
「間
 
「『最近の若者は抵抗なくネットで買い物をして きました。ページ作りについては、
「お店の顔」と 違いのない商品」を提供したいという思いから始
いる』という話を前々から聞いていたので、
『じゃ なるトップページのみを外部の制作会社に依頼。 めたものです。
あ、やってみようか』
と。私も美佳もネットショッ それ以外のところは、自分たちで試行錯誤しなが
プは初めてで手探りの状態でしたが、一念発起で ら作っていきました。 楽天のバックアップを活用しながら
始めることにしました」  
「最初から『あれもこれも』と欲を出さず、ネッ 毎日の努力を大切に
 ネットショップの出店先として楽天を選んだの ト通販のプロである担当のECコンサルタントと
は、美佳さんと息子さんのアドバイスを受けての 相談しながら、自分たちにできることを徐々に増  手探りで始めたネットショップも、現在では実
こと。
「2人にとっては
『ネットショッピング=楽天』 やしていったことが成功につながったのかもしれ 店舗のおよそ3倍の売上があり、今後は毎年の売
というイメージがあったようです。普段からネッ ません」
と岡安さんは言います。 上を前年比5~10%増のペースで伸ばしていくこ
トで買い物を楽しんでいる2人が口をそろえるの とを目標にしています。
なら間違いないだろうと、迷わず出店を決めまし “着替え”の必要性に着目し  これから楽天に出店を検討されている方へのア
た」 セット商品で新規ユーザをゲット ドバイスとして、
「毎日コンスタントに、こつこつ
と努力を続けていくことが大事」と岡安さん。さ
わからないことばかりのネット運営  楽天に出店後、初めて手応えを感じたのは、 らに、こうも付け加えます。

楽天大学などの力を借りて解決 ECコンサルタントに勧められた
「セット商品」
でし  
「私たちもそうでしたが、ネットショップを初
た。 めてオープンするときは右も左もわからないもの
 とはいえ、初めてのネットショップ運営は、
「わ  わんぱくな子どもは何かと着替えが必要なも です。そんな方は楽天大学を受講したり、ネット
からないことだらけだった」と岡安さんは振り返 の。そこに着目した岡安さんは、特に洗い替えを 通販のプロであるECコンサルタントにアドバイ
ります。 たくさん用意しておきたい子ども用のショーツや スを求めたりするなど、楽天の大きなメリットで
 
「実店舗を運営していたので、子ども服メーカー 靴下を5組ずつセットにして販売したところ、た あるバックアップ体制を徹底的に活用するとよい
や商品についての知識はありました。でも、振 ちまち注文が殺到したのです。子育て中の保護者 でしょう」

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店長奮闘記

苦境に直面したことが大きな転機に
出し方などを一から学びました。
 
「ECコンサルタントは毎日のよう
に電話をかけてきて、親身にアドバ

背水の陣で臨んだ楽天への出店 イスしてくれました。敬老の日には
『パジャマ工房のパジャマをおばあ
ちゃんに贈ります』と、決して安く

パジャマ工房
はない商品を自分のお給料で買って
くれたことも。自分の娘より若いく
https://www.rakuten.co.jp/pajamakobo-lovely/ らいの年齢の彼女が一生懸命やる
気を引き出してくれたので、その頑
張りに応えたいという気持ちも芽生
代表 不況で受託生産が激減 えましたね」
北川 恭司さん 新たな販路としてネットに着目 い」という思いを抱くようになります。これが楽  店舗ページで重視したのは、同社がこだわって
天に出店する大きなきっかけでした。 きた国産素材の良さや縫製技術の高さをしっかり
会 社 名:株式会社ラブリー  滋賀県東近江市は繊維産業が盛んな街です。
「パ 訴求すること。こうして取り扱うパジャマのクオ
オープン:2009年12月 ジャマ工房」の代表を務める北川恭司さんは、お 「ネットで売れないものはない」 リティと楽天のノウハウが次第に融合し、
「パジャ
ジャンル:男女兼用ルームウエア・ナイトウエア 父さまの会社を37歳のときに引き継ぎました。主 心強いアドバイスで出店を決意 マ工房」の売上は着実に伸び、運営も軌道に乗っ
所 在 地:滋賀県東近江市 に百貨店で販売する高級パジャマの受託生産を手 ていきました。
掛ける会社です。  ネットショップに大きな可能性を見いだした  
「楽天には良質なお客様が多い」という北川さん
 
「素材から縫製まで一貫して高品質であること 北川さんは楽天の京都支店に飛び込みました。 は、
「パジャマ工房」と楽天との相性の良さも実感
を求められました。価格帯も8000円から1万円と 「ショッピングモールでは最大級なので、ユーザー しているそうです。
高価です」 もたくさんいるはず」
と、楽天に相談することにし
 品質にこだわるものづくりに誇りを感じていた たのです。ネットで1万円のパジャマが売れるの 「これをぜひ使ってほしい」
北川さんにとって転機となったのは、2008年の かという疑問にも、
「ネットで売れないものはあ 覚悟を持って自信のある商品を販売
リーマンショックによる不況です。百貨店向けの りません」という頼もしい回答が返ってきたとか。
パジャマの受託生産が激減し、仕事量の確保が難 「すがる思いで頼ったECコンサルタントの女性は  北川さんは「
『次はない』という覚悟で取り組
しくなったのです。 『一緒にやりましょう』
と背中を押してくれました」 んだから成功した面もある」と言います。ネット
 
「アウターや車のシートカバーなど、畑違いの  また、ところてんを販売する店舗の業績が好調 ショップは社員に運営させるのでなく、代表自ら
仕事も引き受けました。腕利きの職人さんたちは という話を聞き、
「1万円のパジャマも売れるかも 引っ張っていく気持ちが重要だと痛感しているそ
変わらぬ丁寧な仕事で頑張ってくれましたが、採 しれない」
という自信が生まれます。 うです。
「自信のある商品を『これをぜひ買ってほ
算が全然合いません。倒産や廃業といった言葉が  
「この業界は製造、販売など、業務を分担する しい、使ってほしい』という思いを持って販売す
脳裏をよぎり、眠れない日々を過ごしました」と、 のが常識だったので、父からは『直販が成功する ることが大切です」
と強調します。
苦しかった当時を振り返ります。 わけがない』と反対されました。しかし、多種多  
「ものづくりのすごい点は、何人かで同じもの
 あれこれ悩み抜いた末、北川さんは王道を歩む 彩な店舗が成功している楽天ならきっと売れる を作っても個々の人柄が感じ取れること。だから
ことを決意します。それはあくまで創業以来培っ と、背水の陣で取り組むことにしました」 こそ、うちでは商品にどれだけの思いを込められ
てきた技術を生かすことです。その一環として、 るか、日々精進しています。その思いがお客様に
楽天でパジャマを販売している店舗を検索し、電 担当者がきめ細かくサポート 伝わり、愛着を持って使っていただけることが何
話をしたそうです。
「うちにパジャマを作らせて 商品と楽天のユーザとの相性も良好 よりもうれしく、励みになりますね」
くれませんか」と。もちろん、
「間に合っている」  2013年、
「パジャマ工房」のパジャマは日本政
と断られ続けます。  ネットショップについてのノウハウがゼロだっ 府専用機の機内着に採用されました。楽天から始
 その繰り返しの果てに、北川さんは「ネット た北川さんは、ECコンサルタントに相談しなが まった「パジャマ工房」の物語はまだまだドラマを
ショップなら高価なパジャマが売れるかもしれな ら、値付けの仕方や店舗ページの見せ方、広告の 秘めているといえそうです。

10 11
店長奮闘記

 
「私たちが考えた企画にお客様が反応してくれ

どこででも買える商品を、
ネットで!
飲料をネットで買う時代を予感して ることがうれしいですね。これは楽天に出店する
楽天への出店を決意 前の卸の仕事では味わえませんでした」
 中江さんの「楽しさを提供したい」という思いは

家業の卸を継いだ3代目の挑戦  中江さんはインターネットによって、世の中は
もちろん、流通にも変革が起こると確信。1998
ユーザの共感を呼んだことになります。
「そうし
た商売のヒントが得られるのも、楽天の大きなメ
年に独学でホームページを作って缶コーヒーの販 リットです」
と中江さん。

いわゆるソフトドリンクのお店
売を始めると、徐々に手応えが感じられるように  
「楽天には店長さん同士の横のつながりがあり
なり、翌1999年に楽天への出店を決めました。 ます。商売の悩みや売り方の工夫など、互いに相
https://www.rakuten.co.jp/nakae/  その直接のきっかけは、ホームページで買い物 談し合い、励まし合える環境があるのです。これ
をしてくれたユーザの1人で、すでに楽天に出店 は、楽天ならではの強みです。さらに、ECコン
していた店長さんの言葉でした。 サルタントの存在も大きいですね。ネットショッ
代表 商売を取り巻く厳しさを痛感  
「『中江さんの商売なら楽天でもいけると思う プのトレンドや新たな販売手法などは、私たちに
中江 稔浩さん ネットに新たな可能性を見いだす よ』という一言を聞き、心が動きました。しかも、 は見えませんから。そうした部分のサポートやア
当時社長だった父も『やってみたら』と背中を押し ドバイスが期待できる点は、出店して間もない時
会 社 名:株式会社ナカヱ  1999年、和歌山県初の店舗として楽天に出店 てくれたのです。5万円という月額出店料は高額 期ほど心強く感じられるはずです」
オープン:1999年7月 した「いわゆるソフトドリンクのお店」
。同店の前 でしたが、思い切ってチャレンジすることにしま
ジャンル:ソフトドリンク 身は、中江稔浩代表のおじいさまが1932年に創 した」
と、中江さんは振り返ります。 メーカーと消費者とを結び付け
所 在 地:和歌山県日高郡印南町 業した中江商店です。  当時のネットショップが主に扱っていたのは、 商品のより深い魅力を届ける
 おじいさまの時代は地元で採れた野菜や卵など 購入場所が限定されるものや地方の特産物などで
の小売、お父さまの時代は食品や菓子などの卸を した。それに対し、飲料の自動販売機はどこにで  中江さんの企画力はその後も発揮されます。た
営んでいました。3代目の稔浩さんは、東京の大 もあるだけに、大手メーカーのソフトドリンクな とえば、店舗ページに商品開発者のインタビュー
学を卒業して食品スーパーに3年ほど勤めた後、 ら誰でも手軽に買えます。 を掲載したり、工場見学ツアーなどのイベントを
1988年にお父さまの後を継ぐために帰郷したそ  
「だから、自販機で買える商品がどんどん売れ 開催したり。時にはメーカーと連携し、
時にはユー
うです。 るのか、と疑問視されました。しかし、ネット ザの参加を求める企画を連発しています。
 
「当時の私は、小さな町での商売なので、簡単 ショップが身近になれば、何でもネットで買い物  
「作り手の思いを伝えるとともに、お客様には
に経営できるだろうと気楽に考えていました。し をするようになるはず。そんな時代をリードする より一層商品に親しんでいただく。店舗ページを
かし、現実はまったく違っていました。大手の量 のは規模の大きな楽天しかないという予感があり 自由に作って、商品の魅力をさまざまな角度から
販店やコンビニが相次いで開店する時代だったこ ました」 発信できるのも、楽天ならではのメリットです。
ともあり、そもそも食品卸の存在感が小さくなり 迷っているなら、まず出店してみてはどうでしょ
つつあったのです。しかも、資本力が違いますか 販売を通じて楽しさも提供 うか。店長さん同士のつながりを実感すれば、楽
ら、価格競争に巻き込まれれば、うちなんてひと 店長同士のつながりが励みに 天で商売をする意味も見えてくると思います」
たまりもありません。こんな商売で、私と妹の2
人を都会の私立大学によく行かせてくれたなと思  楽天に出店して
えるほど、厳しいビジネスであることを痛感しま からは、エイプリル
した」 フールにパロディ商
 そんな苦境の中、一筋の光明となったのが、会 品 を 売 り 出 し た り、
社に導入した1台のパソコンです。 全国のサイダーを飲
 
「興味本位で、パソコン通信による物販を始め み比べできるセット
ました。すると、テキストだけの情報なのに、代 を作ったりと、楽し
金を振り込んでくださるお客様がいたのです。こ くて企画性のある販
れには驚くと同時に、とてもわくわくしました。 売に挑戦してきまし
うちの商売も何とかなるかもしれない、と」 た。

12 13
店長奮闘記

商品に関する絶対の自信を原動力に
があるそうです。それは実店舗での対面販売も
ネットショップも、その本質は変わらないという
ことです。

120年以上続く老舗をネットで未来へ  
「三木谷さんが『ネットショップは究極のマン
ツーマンビジネスだ』とお話しになったことを聞
いたことがあります。まさにそのとおり。店舗

竹虎
ページにアクセスして商品を購入するのは1人1
人のお客様です。私たちが自店舗やデパートなど
https://www.rakuten.co.jp/taketora で、
『これ、どうですか。いい商品ですよ』という
のを、スマホやパソコンの画面を通じて行うだけ
のこと。商売の本質はまったく変わりません。自
代表 海外製品の流入などで倒産の危機 社の商品を愛し、商売に情熱が注げるなら、新た
山岸 義浩さん 生き残りをかけ、必死にもがく毎日 な販売チャネルとして、ネットショップには挑戦
するだけの価値があります」
会 社 名:株式会社山岸竹材店  日本国内でも極めて限られた土地でしか育たな
店長同士のネットワークが財産
とら ふ だけ
オープン:2002年7月 い、表面が虎模様の「虎斑竹」
。高知県須崎市はそ 1軒、遅くまで明るい店舗がありました。
「景気が
ジャンル:日用品・生活雑貨 の自生地の1つです。同地に本拠を構えてそうし 良さそうだな」と探ってみたところ、楽天に出店 「一緒に楽しいモールを作ろう」
所 在 地:高知県須崎市 た貴重な素材を用いた竹製品全般を製造・販売し している店舗であることがわかったのです。
ている「竹虎」は、1894年創業という株式会社山  山岸さんは「これだ」と思いました。
「インター  山岸さんに楽天のメリットを伺うと、
「店長同
岸竹材店を母体とするネットショップです。楽天 ネットなら地方に光を当ててくれる、地方の会社 士のネットワークができることと、楽天の社員の
には2002年7月に出店しました。 も都会と同じ土俵に上がれる。そうひらめき、ま 皆さんが熱いことですね」と即答。カンファレン
 山岸竹材店は長い歴史を誇る老舗でしたが、プ ずは自社サイトを立ち上げてネット直販を始めま スで知り合って意気投合した店長さんらと、懇親
ラスチック製品が普及したり、海外から安価な竹 した」 会の後にカラオケボックスに席を移し、歌はそっ
製品が流入したりするのに伴い、国産の竹製品の  しかし、その思いとは裏腹になかなかうまくい ちのけで、商売の悩みなどについて朝まで話し込
需要は右肩下がりになる一方。同社の業績も次第 きません。自社サイトを開設しても、
「竹虎」とい んだこともあるそうです。
に振るわなくなります。現代表の山岸義浩さんが うネットショップの存在は小さなものですから、  
「そうした店長さんとは今でも付き合いがあり、
4代目として後を継いだ1990年前後は、同業他 開店休業状態が続きました。そこで、山岸さんは お互いに頼ったり、頼られたりしています。これ
社の廃業も相次ぎ、同社も「倒産が現実味を帯び あの夜に立ち戻ることにしました。高知市で夜遅 は大きな財産です。また、ECコンサルタントに
ていた」
そうです。 くまで明るい店舗を発見した、あの夜です。 限らず、楽天の社員全員が情熱を持って面倒を見
 
「ただ、虎斑竹を使ったうちの製品は世界でも  
「やはり楽天で勝負してみようと思いました。 てくれます。虎斑竹で装飾した電気自動車で、横
ここにしかない“本物”という自負がありました。 楽天といえば、日本最大級のショッピングモール。 浜までお客様に商品をお届けする『チャレンジラ
それだけに、3代にわたって100年近くも続けて お客様が毎日たくさん訪れるからチャンスも多そ ン横浜』という企画を実行したとき、高知から小
きた商売をここで途絶えさせるわけにはいかな うだし、うちの知名度を高める手段もありそうだ 田原まで応援に駆け付けてくれた楽天の社員がい
い、何としてでも未来に残さなければ、という思 と、改めて思ったのです。また、楽天社長の三木 ました。あのときは感激しましたね」
いで毎日必死にもがいていました」 谷さんの『買い物はエンターテインメントだ』とい  楽天でのビジネスをすっかり軌道に乗せた山岸
う考え方にも共感しました。やはり商売は売り手 さん。これから楽天に出店しようと検討中の方々
開店休業状態が続いた自社サイト も買い手も楽しくなければ」 に向けてのエールをお願いすると、
「楽天ほどネッ

勝負するなら日本最大級のモールで トショップへの敷居が低いモールはないと思いま
商売の本質はまったく変わらない す。社員の皆さんが手取り足取りサポートやアド
 そんなある日、山岸さんは“希望の明かり”に出 ネットショップには挑戦する価値が バイスを提供してくれるので、不安なく始められ
合います。県庁所在地の高知市でも夜の商店街は るはずです。一緒に楽しいモールを作りましょう」
早い時間から暗くなっていたのですが、ぽつんと  山岸さんには楽天に出店してから気づいたこと と力強く答えてくださいました。

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店長奮闘記

専門性を強みにサービスを差別化
た。
「競泳をする人たちの間ではそ
れなりに知名度がある専門店だけ
に、集客には困らないだろう」と、

ネット上での接客も強化 店舗運営責任者の柳原俊二さんは
予想しましたが、実際の売上は伸び
悩んだそうです。それを受け、柳原

SWIMSHOPヒカリスポーツ
さんが打った手は楽天に出店するこ
とでした。
「実際に出店してみると、
https://www.rakuten.co.jp/hikarisp/ オープン後わずか1ヶ月で、自社サ
イト以上の売上が得られたので、と
ても驚きました」と柳原さんは当時
店舗運営責任者 ニッチかつ特殊な商品を の楽天の印象を語ります。
柳原 俊二さん 必要な人がどこででも買えるように  柳原さんは店舗運営に関して、
「取
り扱っているのは大手スポーツメー
会 社 名:株式会社ヒカリスポーツ   競 泳 用 水 着 の 専 門 店「SWIMSHOPヒ カ リ ス カーから卸した商品のため、何の工夫もなく商品 ジを通じてファンが獲得でき、さらに商品ページ
オープン:2003年7月 ポーツ」が楽天への出店を決めたきっかけは、国 を掲載しているだけではお客様のリピートを得る 自体にメッセージ性を持たせられたのは、楽天の
ジャンル:スポーツ 体などの競技会の現場で多くのアスリートから寄 ことは難しい。いずれ価格競争に巻き込まれるだ 自由度の高い店舗構築機能ならではの特徴といえ
所 在 地:大阪府大阪市 せられた「欲しい商品が近所で買えなくて困って ろう」と思いました。そこで、“ユーザから選んで そうです。
いる」といった声でした。同社には実店舗があり、 いただけるお店になる”ことを目指して、ユーザの
国体以外にも全国各地のさまざまな競技会に臨時 “困った”を解決できるお店になることを徹底的に 売り手も商売が楽しめる楽天
の売店を出していました。 追求しました。 価格競争よりも利益を重視
 同社が扱っている競泳用水着は、ニッチかつ特
殊な商品です。競泳に本格的に取り組んでいる 専門店だからできる  柳原さんは楽天でのネットショップ運営につい
ユーザを対象にしているので、顧客のターゲット 徹底的なユーザサポート て、さらにこう語ります。
がかなり限られています。また、
特別な繊維を使っ  「ファンからのレビューを読むのがとても楽し
ているので、商品の劣化も早いなどの性格を持っ  柳原さんはこれまでにたくさんのユーザの かった。だって、お客様の本音に触れることがで
ています。長期間にわたって店頭に陳列しておく “困った”を解決してきました。その中でも最大の きますから。レビューはオリジナル商品の開発に
だけでも、条件次第では劣化することがあります。 課題は、国際水泳連盟(FINA)公認の競技会に使 つながったり、接客の向上に役立ったりするなど、
 そのため、全国の一般的なスポーツ用品店では える水着の規制問題でした。あるメーカーの新型 当社にとっても大きな財産になりました。この水
取り扱いにくい商品といえますが、今や競泳のタ 水着が高性能のため、その水着の使用が競技会ご 着規制に関する成功体験を通して、楽天に対し、
イムは水着の性能に左右される時代。水着を手に とに規制されたのです。この規制は、購入される “売り手にとっても商売が楽しめるモール”という
入れやすいか否かでタイムが異なるのは、選手に ユーザやアスリート、ジュニアスイマーの保護者 イメージを一層強く持つようになりました」
とって不都合です。 を、どの水着で競技会に出場すればよいかと混乱  それ以来、柳原さんは“楽しく商売する”ことを
 そこで、競泳用水着の専門店である同社では、 させることになりました。 モットーにしています。そして、価格競争に巻き
全国どこででも専門性の高い水着をより買いやす  その騒動を目の当たりにした柳原さんは、同社 込まれて、利益が取れない商売をしてはいけない
くしようと、ネットショップを始めることにしま で扱っている水着の型番ごとに、使用できる競技 ことを強調します。
した。 会、できない競技会を徹底的に調査し、楽天の同  「お客様には『この価格で売りたい。買ってくだ
社の商品ページで公表しました。 さい』という思いをしっかり伝えなければなりま
ユーザの“困った”を解決し  この結果、同社はユーザから多くの感謝の言葉 せん。その前提となるのは、お客様に対し、自分

ユーザから選んでいただけるお店に を得ただけでなく、メーカーや団体からも“頼れ たちの誠実さを理解してもらえるだけの努力と工


るお店”と評価され、“買うならヒカリスポーツ” 夫を重ねること。買い物好きが多い楽天のお客様
 同社のネット販売は自社サイトから始まりまし というファンを獲得することができました。ペー なら、その誠実さを必ずわかっていただけます」

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Rakuten ICHIBA Success Story

店長奮闘記
8名の店長が明かす、成功へのアプローチ

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2018年9月

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