「儒教」以前

儒教の成立と孔子の思想
歴史と文明 第１講
 殷から周へ
• 殷の紂王ー暴虐な君主とされる
周の文王：自分の領地と引き替えに炮烙の
刑を止めるように紂王に進言
→徳と礼による統治ー周辺国が思慕
：殷からすると脅威
• 子の武王が殷（商）を滅ぼす
• ：牧野の戦（紀元前11世紀）
• 文王・周公旦ー聖王 武王ー？
• 礼と宗法による統治ー孔子が理想とする
西周

3
中国歴史地図冊
 周公旦の国家建設
• 武王の弟ー 武王の死後、成王を補佐し
て周の基礎を作る。
• 東方の反乱を治め、自分の長子、伯禽を
魯に封ずる。
• 洛陽（成周）に新都を建設、分治を行う。
• 礼楽の修訂：殷の制度を踏襲しつつ、必
要に応じて損益して整える
• 封建制の確立：家族倫理を国家統治に応
用
 周 成
公 王

成王と周公
（嘉祥武氏祠左石室后壁小龕 政治を語る周の鼎（かなえ）
西壁画像）
第3層の中央の人物が幼年の 三代天子康王が将軍盂に与えたもの
成王（第2代天子）。 で、
左でひざまづいているのが、 天の神と周王との関係が記されてい
成王を助ける周公とされる。 る。
（ 画像出典 「山東画像」
http://www.sdhbs.com.cn/html/culture/sdstory/2013/0608/439.html 器の高さは102cm
（ 画像出典 「嘉德秋拍预览 | 商周金文四器传拓述略」
http://www.sohu.com/a/116884326_460364
 周の東遷
B1050? B256
周
西周 B７７０ 東周
B２２１
春秋 B４０３ 戦国

犬戎の圧迫 平王 洛陽遷都
→五覇の時代
晋の分割（韓・魏・趙）を周王室が承認
→上下の分の崩壊
秦 周の赧王（たんおう）を滅ぼす
 春秋五覇
• 春秋諸侯の中で特に力を持ち、同盟・討伐な
どを主導した者
• 五覇の数え方には諸説あり
• 『史記』斉桓公、晋文公、秦穆公、宋襄公、楚
荘王
• 『荀子』斉桓公、晋文公、楚荘王、呉王闔廬
越王句践
 拡大する中華
攘夷が覇者の功績なら、なぜ楚荘王が入る？

百度百科（西周）より 8
https://baike.baidu.com/item/%E8%A5%BF%E5%91%A8/510056?fr=aladdi
n
 百花斉放・百家争鳴
• 春秋・戦国期
ー古代氏族制度の崩壊
ー生産力の飛躍的増大
ー都市国家連合から統一国家へ
・・・諸国が富国強兵を目指して一種の「自
由競争」状態へ
• 諸子百家：理想とする政治思想を掲げ、集団
生活を行ったり諸国に遊説して思想を売り込
む
 儒家
• 孔子（前551-479）を祖とする学派
• 親子の情を天賦のものとし、家庭倫理を国家
統治理論に拡大する
→それぞれ立場に応じた役割を果たす。
周代の宗法を基礎とする統治を理想のものとし
て、その制度や理論を伝える
→礼楽の秩序の重視
• 祭礼は祖先を祭るためのものー世俗主義
 礼と儒者
• タブー「神秘力を持つものに対する禁忌」
→近づくには一定の手続きが必要
• やがて神聖な儀礼と日常の儀礼とに分離
• 礼の従事者も分離
＊貴族の宗教儀礼の指導者
＊平民の宗教儀礼の指導者
＊貴族の世俗儀礼の指導者→儒者（？）
 礼の効用
• 純粋な宗教儀礼から政治的・倫理的効用の
ための礼へ発展
→差等の可視化
→実践（具体的儀礼）から抽象的道徳論への
発展
• ＝礼の世俗化
 孔子
• 名は丘、字は仲尼。魯の陬の人。そ
の 幼いとき父と死別。
• 苦労し 司職 (家畜係) などをつとめ
る
• 学あるを認められ魯の定公に召され、
大司寇 (司法長官)など歴任し、 に
累進し， 55 歳のとき宰相の職務を
も代行し宰相も代行。
• いわゆる三桓の専横を除こうとした
が失敗。魯を出て流浪の旅に出る。
• 衛・陳・宋・岱・楚などを放浪して自
分の政治理念を説いて回ったが受
け入れられなかった。
• ６８歳で魯に帰り、教育と研究に専
念。
• ７３歳で逝去
春秋主要国位置イメー 燕
ジ
斉
晋
衛 魯
秦 莒
周 宋

楚
呉
越

白地図出典 21世紀中
国総研
孔子の諸国遍歴
 孔子列国周遊図

衛 斉

鄭
曹
陳

蔡 宋

楚
 仁と礼
• 孔子の思想＝『論語』などより断片的に考察
• 孔子教団の目標＝政治家としてふさわしい君子の
教養の獲得・心性の涵養
★「詩」「書」「礼」「楽」
• 仁 孔子 「克己復礼」
→孟子 「人に忍びざるの心」
• 礼 「国の本」ー差等の可視化
「身の本」ー生活の規制
• 信ーいつわりなき
「曾子曰。吾日三省吾身。爲人謀而不忠乎。與朋友
交而不信乎。傳不習乎。」
 聖人は「天才」ではない
• 「述而不作」ーみずからを周の礼制の祖述者となす
• 「バランス感覚」ー質素（質）と装飾（文）のどちらに
偏ってもいけない「文質彬彬然後君子」
「關雎樂而不淫。哀而不傷」
→中庸
「中庸之為德也，其至矣乎」
怒るということ 「有顔回者、好学、不遷怒、不貳過」
「宰予晝寢。子曰：朽木不可雕也，糞土之牆不可杇也。於予
與何誅？」
 孔子の思想
仁の実践

1：夫仁者。己欲立而立人。己欲達而達人。能近取譬。可謂仁之方也已。 。（雍
也）
2：･･･己所不欲、勿施於人。（顔淵/衛霊公）
3：剛毅、木訥、近仁。（子路） /巧言令色，鮮矣仁。（学而/陽貨）

文明主義
4：季路問事鬼神。子曰、「未能事人、焉能事鬼」。曰、「敢問死」。曰、「未知生、
焉知死」（先進）
5：子不言怪力乱神。（述而）

知識人の責任
6：曾子曰、「士不可以不弘毅。任重而道遠、仁以爲己任、不亦重乎。死而後已。
不亦遠乎」。（泰伯）
 孔子の思想
君子と小人

7：子曰：「學而時習之，不亦說乎﹖有朋自遠方來，不亦樂乎﹖人不知而不慍，
不亦君子乎﹖」（学而）
8：子曰。君子和而不同。小人同而不和。（子路）
9：子貢曰：「君子亦有惡乎﹖」子曰：「有惡，惡稱人之惡者，惡居下流而訕上
者，惡勇而無禮者，惡果敢而窒者。」曰：「賜也亦有惡乎﹖」「惡徼以為知
者，惡不孫以為勇者，惡訐以為直者。」（陽貨）