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学科試験テキスト
Ver.20220908
だい しょう に ほ ん げ ん ば たい せつ
第1 章 ⽇本の現場で⼤切にしていること
1.5 朝 礼 .................................................................................................................4
ぜんたい ちょうれい
1.5.1 全体 朝 礼 ..........................................................................................4
しょくしゅ ちょうれい
だい しょう に ほ ん げ ん ば はたら うえ まも ほう れい
第2 章 ⽇本の現場で 働 く上で守らなければならない法令
ろうどうほう
2.1 労働法 ...............................................................................................................8
ろうどう きじゅんほう
2.1.2 労働安全衛⽣法................................................................................11
さいてい ちんぎん ほう
2.1.4 労働災害補償保険(労災保険)法.................................................13
こ よ う ほけんほう
2.1.7 職 業 能 ⼒ 開 発 促 進 法 ....................................................................17
けんせつぎょうほう
2.7 騒⾳規制法・振動防⽌法................................................................................21
すいしつ お だ く ぼ う し ほ う
2.9 消 防 法 .............................................................................................................21
すいどうほう
2.17 駐 ⾞ 場 法 ....................................................................................................25
だい しょう けんせつこうじ しゅ るい ぎょ うむ
第3 章 建設⼯事の種類と業務
けんせつこうじ しゅるい
3.2.3 海洋⼟⽊⼯事....................................................................................39
せい こ う じ
3.2.12 鉄筋継⼿⼯事................................................................................47
ようせつ こ う じ
3.2.19 建築⼤⼯⼯事................................................................................53
や ね こう じ
3.2.21 建築板⾦⼯事................................................................................55
は こう じ
3.2.24 表 装 ⼯事 ......................................................................................57
たて ぐ こう じ
3.2.26 サッシ⼯事....................................................................................59
ふき つ だんねつ こ う じ
3.2.30 電気設備⼯事................................................................................61
で ん き つうしん こ う じ
3.2.31 電気通信⼯事................................................................................62
はいかんこうじ
3.2.35 保温保冷⼯事................................................................................65
ちく ろ こう じ
3.2.37 消防設備⼯事................................................................................66
かいたい こ う じ
3.3 建設⼯事に必要な資格....................................................................................67
ろうどう あんぜん えいせいほう もと しか く しゅるい
3.3.1 労働安全衛⽣法に基づく資格の種類.............................................68
ろうどう あんぜん えいせいほう もと しか く いちらん
4.1.2 「ご安全に」....................................................................................78
4.1.4 「ご苦労さま」................................................................................79
しつれい
4.1.5 「失礼します」................................................................................79
あぶ
4.2 建設現場で使われる⽤語................................................................................80
すみ だ かん よう ご
4.3 共 同 ⽣ 活 上 の注意.........................................................................................95
かつどう
4.3.2 作業員詰め所....................................................................................96
ふくそう ちゅうい
第1 章 日本の現場で大切にしていること
1.1 チームワーク
けんせつ こ う じ かんせい こうてい しょくしゅ せんもん
建 設 工事では完 成 するまでは、たくさんの工 程 があります。さまざまな 職 種 の専 門
こ う じ ぎょうしゃ し ごと う お こうじ すす つぎ こうてい
工事 業 者 がゼネコンから仕 事 を請け負って工事を進 め、次 の工 程 につなげていきます。
なが こうじ すす せんもん こ う じ ぎょうしゃかん たいせつ こうじ げんば
流 れよく工事を進 めるには、専 門 工事 業 者 間 のチームワークが大 切 です。工事は、現場
かんとく うちあわ しょくちょう ぎのうしゃ し じ だ けんせつ げ ん ば せんぱい
監 督 と 打 合 せをしながら 職 長 が技能者 に指示 を出 します。 建 設 現場 では、 先 輩 の
ぎのうしゃ けいけん すく こうはい ぎのうしゃ こうじ すす
技能者が経 験 の少 ない後 輩 の技能者にアドバイスしながら工事を進 めています。
1.2 日本の建設工事の施工体制
ず せ こ う たいせい れい
図1-1 施工体制の例
1
はっちゅうしゃ
【① 発 注 者 】
けんせつこうじ けんせつぎょうしゃ はっちゅう はっちゅう おこな そしき
建設工事を 建 設 業 者 に注文することを「 発 注 」と言います。その 発 注 を 行 う組織
きぎょう はっちゅうしゃ こくどこうつうしょう ちほうじちたい みんかん きぎょう
や企 業 が「 発 注 者 」です。たとえば、国 土 交 通 省 や地方自治体や民 間 の企 業 、あるい
こじん はっちゅうしゃ
は個人が「 発 注 者 」となります。
か ん り しゃ こうじ ず め ん どお おこな かくにん たちば ぎじゅつしゃ
【②監理 者 】工事が図面 通 りに 行 われているかどうかを確 認 する立場の技 術 者 です。
せっけいしゃ はっちゅうしゃ ようきゅう じつげん せっけい と し ょ さくせい ぎじゅつしゃ
【③設 計 者 】 発 注 者 の 要 求 を実 現 するための設 計 図書を作 成 する技 術 者 です。
こ う じ ぜんたい かいしゃ つうしょう よ
【④工事 全 体 をまとめる会 社 】 通 称 「ゼネコン」と呼ばれます。
げ ん ば かんとく こうじげんば かんとく し き ぎじゅつしゃ
【⑤現場 監 督 】工事現場を監 督 し、指揮をとる技 術 者 です。
せんもんこうじぎょうしゃ こうじ せんもんか しょくちょう し じ したが ふくすう さぎょういん
【⑥専 門 工 事 業 者 】工事ごとの専門家です。 職 長 の指示に 従 って、複 数 の作 業 員 が
こうじ おこな
工事を 行 います。
けんせつ
1.3 建設キャリアアップシステム
ず れい
図1-2 カードの例
2
ず いろ
図1-3 キャリアアップシステムのレベルとカードの色
なさんは、レベル 1 からスタートすることになります。
1.4 あいさつ
にほん けんせつ げ ん ば たいせつ けんせつ げ ん ば じ こ ふせ
日本の建 設 現場で大 切 にしていることは、
「建 設 現場での事故を防 ぐこと」です。その
まいにち と く おこな と く もっと きほんてき たいせつ
ために、毎 日 さまざまな取り組みが 行 われています。この取り組みの 最 も基本的で大 切
つうろ さぎょういん とき あさ
なことがあいさつです。通路で作 業 員 とすれちがう時 には、朝 は「おはようございます」
こと しょくしゅ さぎょういん
「おつかれさまです」とあいさつします。異 なる 職 種 の作 業 員 どうしがあいさつをする
いったいかん う き も さぎょう すす つか
ことで、一 体 感 が生まれ、気持ちよく作 業 を進 めることができます。よく使 われるあいさ
きょう いちにち あんぜん くわ だい
つには「おつかれさまです」「(今日も一 日 )ご安 全 に」などがありますが、詳 しくは第 4
しょう かいせつ
章 で解 説 しています。
3
ちょうれい
1.5 朝 礼
ぜんたいちょうれい
1.5.1 全体 朝 礼
ぜんたいちょうれい おも つぎ おこな
全 体 朝 礼 では、主 に次 のことが 行 われます。
げ ん ば かんとく
①現場 監 督 のあいさつ
げ ん ば かんとく さぎょういん いったいかん たか
現場 監 督 のあいさつは、作 業 員 の一 体 感 を高
ひ さぎょう あんぜん き も すす
め、その日の作 業 を安 全 に気持ちよく進 められる
おこな
ようにするために 行 われます。
たいそう
②ラジオ体 操
さぎょうまえ じゅんびうんどう からだ あたま め ざ よぼう にほん
作 業 前 の準 備 運 動 は、体 や 頭 を目覚めさせるためけがの予防になります。日本では、
なが おんがく あ うんどう たいそう し
ラジオから流 れる音 楽 に合わせて運 動 をする「ラジオ体 操 」がよく知られているため、
ちょうれい たいそう おこな おんがく なが ばあい いち
朝 礼 ではラジオ体 操 が 行 われます。音 楽 を流 さない場合もありますが、そのときは「 1 、
に さん し こえ だ からだ うご
2、 3 、4」としっかりと声 を出しながら 体 を動 かします。
さぎょうないよう かくにん
③作 業 内 容 の確 認
ひ さぎょう おこな かくしょくちょう ひ さぎょうないよう じんいん ぜんいん つた げんば
その日に作 業 を 行 う各 職 長 が、その日の作 業 内 容 や人 員 を全 員 に伝 えます。現場
こと しょくしゅ さぎょういん はたら ほか しょくしゅ さぎょうしゃ ひ さぎょう
には、異 なる 職 種 の作 業 員 が 働 いています。他 の 職 種 の作 業 者 が、その日に作 業 す
ないよう し きけん ふせ たいせつ じぶん さぎょう えいきょう
る内 容 を知ることは、危険を防 ぐために大 切 です。また、自分の作 業 にどのように 影 響
し とき ひ あたら はい さぎょういん しんき
するのかを知 ることもできます。またこの時 に、その日 に 新 しく入 った作 業 員 (新規
にゅうじょうしゃ しょうかい おこな じぶん し ん き にゅうじょうしゃ
入 場 者 といいます)の 紹 介 が 行 われることもあります。自分が新規 入 場 者 として
4
しょうかい ばあい おお こえ じぶん な まえ しょぞくがいしゃ はな
紹 介 される場合は、大 きな声 で自分の名前、所 属 会 社 などを、はっきりと話 すようにし
ます。
き け ん よ ち かつどう かつどう
④危険予知 活 動 (KY活 動 )
き け ん よ ち かつどう かつどう い ひ さぎょう なか じ こ お
危険予知 活 動 は、KY(Kiken Yochi)活 動 と言われ、その日の作 業 の中 で事故が起こり
ばめん きけん さっち じ こ みぜん ふせ おこな とく けんせつ
そうな場面をイメージし、危険を察知し、事故を未然に防 ぐために 行 います。特 に、建 設
しざい はこ おおがた けんせつ き か い うご あたら しょくしゅ くわ こと
資材が運 ばれる、大 型 の建 設 機械が動 く、 新 しい 職 種 が加 わるなど、それまでとは異
さぎょう おこな きけん よそく ぜんいん きょうゆう
なる作 業 が 行 われるときには、しっかりと危険を予測して、全 員 で 共 有 します。
あんぜん じ こ う かくにん
⑤安 全 事項の確 認
いっぱんてき ちょうれい さいご ふた り ひとくみ こえ だ つぎ あんぜんかくにん
一 般 的 には 朝 礼 の最後に、2 人 1 組 となって、声 を出しながら、次 のような安 全 確 認
おこな
を 行 います。
さぎょう か い し
⑥あいさつをして作 業 開始
あんぜん じ こ う かくにん お ぜんいん きょう あんぜん い ぜんたいちょうれい お
安 全 事項の確 認 が終わったら、全 員 で「今日もご安 全 に!」と言って、全 体 朝 礼 を終
さぎょう かいし しょくしゅ わ ちょうれい おこな
えて作 業 を開始します。このあと、 職 種 ごとに分かれて 朝 礼 を 行 います。
5
しょくしゅ ちょうれい
1.5.2 職 種 ごとの 朝 礼
します。
さい い
「ゼロ災 で行こう、ヨシ‼」
き け ん よ ち かつどう かつどう
②危険予知 活 動 (KY活 動 )
ぜんたいちょうれい さぎょう げ ん ば ぜんたい かか
全 体 朝 礼 で は 、 作 業 現場 全 体 に 関 わ る KY
かつどう おこな しょくしゅ
活 動 が 行 われますが、それぞれの 職 種 において
さぎょうかいしまえ かつどう おこな かつどう
も作 業 開始前に KY活 動 が 行 われます。KY活 動
いっぱんてき つぎ てじゅん おこな
は、一 般 的 に次 の手 順 で 行 われます。 しゃしん かつどう
きけん はっけん
写真1-4 KY活動のようす
【危険の発 見 】
きけん ちゅうしゅつ ほんじつ さぎょうないよう たい かんが きけん
「危険のポイント」を 抽 出 します。本 日 の作 業 内 容 に対 して、 考 えられる危険な
じょうたい こうどう さぎょう じゆう はつげん しめい はっぴょう
状 態 や行 動 について、作 業 ごとに自由に発 言 させます。指名されて 発 表 することもあ
あぶ けいけん きょうゆう ひとり じぶん こと きけん
りますが、これは危 ない経 験 をしたことの 共 有 と、一人ひとりが自分の事 として危険に
たい かんじゅせい たか じ こ ぼうし もくてき
対 する感 受 性 を高 め、事故を防止することが目 的 です。
たいさく けんとう
【対 策 の検 討 】
きけん たいさく はな あ たいさく
「危険のポイント」ごとに対 策 を話 し合い、対 策
た たいさく き き け ん よ ち かつどうひょう
を立てます。対 策 が決まったら、危険予知 活 動 表
か こ
に書き込みます。
6
こうどうもくひょう けってい
【行 動 目 標 の決 定 】
とく じゅうよう じこう き ほんじつ もくひょう
特 に 重 要 な事項を決めて、本 日 の 目 標 とします。
ごえ
【かけ声 をかける】
けってい こうどうもくひょう か こ む ぜんいん し さ
決 定 した行 動 目 標 について、それを書き込んだKYボードに向かって、全 員 で「指差
こしょう つぎ ふくしょう
呼 称 」をして、次 のように 復 唱 します。
きょう いちにちあんぜんさぎょう がんば
「○○○、ヨシ!」
「今日も一 日 安 全 作 業 で頑張ろう!・・・オウッ!」