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きたような気がする。本自体は一種の物語小説のようになっていて読みやすく、難しいところ
もあったが、比較的スムーズに内容を理解できた。本自体は全てで6つのチャプターに分かれ
ていてそれぞれに新しい発見があったから、それを以下に示そうと思う。
Chapter 1 では、「法的思考」について学ぶことができた。キヨミズ先生はこの本の中で、「
法的思考とは、一般的・抽象的な規範を立てて、冷静に議論をしてから、結論を出すことであ
る。」と語っていた。他にも、法的思考の源となる「法源」についても知ることができた。法
源というのはの法の源になる権威的存在で、古くからの慣習や自然の摂理、あるいは法律の条
文といったもので、その法源と向き合うことで自分自身の判断を反省することが必要だという
キヨミズ先生の言葉も印象的であった。
Chapter2では、社会科学がどのようなものかを知ることができた。社会科学は政治学、経済
学、社会学、法学に分けられそれぞれに特徴がある。それぞれの特徴を説明する時に子供たち
が動物園でやっていたプリキュアごっこを例にしていたのがわかりやすかった。大切なのは社
会にはさまざまな見方があり、その社会の見方は一つに凝り固まってはいけない、それはダメ
な学者だというのは、自分が将来社会科学を研究することがあれば、肝に命じておかねばなら
ないことだと感じた。
Chapter3では、日本法の体系を学ぶことができた。このChapterは情報量も多く完全に理解す
ることはできなかった。それでも、概要を掴むことはできたかもしれない。日本法は私法と公
法に分かれ、私法では民法が基本法、公法では日本国憲法が基本法だということや、すべての
人間を同じ原理・ルールで規律しようとする近代法の思想も知ることができた。基本法があっ
て、類型ごとに特別法を追加・修正していくことで近代社会のすべての問題を解決できるよう
にしていく仕組みも理解できた。
Chapter4,5では、「法解釈」について学ぶことができた。文化祭の揉め事や大学での火の玉調
査などの舞台設定を通して、その内容をわかりやすく学べた。「法解釈」とは「法文」を「解
釈」してわかりやすい言葉に置き換えること。また、「良い解釈」についても知ることができ
た。良い解釈とは理論的矛盾がなく、日本語として自然、射程(その解釈を他のケースに応用
した場合の妥当性)が考え尽くされているかどうかが大切だと語られていた。過去の解釈をよ
く学び、自分で考えることが法解釈では大切だと理解できた。
Chapter6では、法と法学の歴史を知ることができた。古代ローマや中世ヨーロッパの法や法
学の歴史を知るのは一見無価値に思えてしまうが、近代法を理解するためには、そういった法
の歴史の流れを知ることが重要だと感じた。それぞれの国には、それぞれの歴史があって、法
律ははその国が置かれていた状況とも密接に関わって発展していったものと分かった。そうい
った外国の法事情も知ることで、日本法を相対的に考えることができると思った。