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第 4 章・憲法② 憲法改正をめぐる問題

2024.1.17

Ⅰ.憲法改正の手続

硬性憲法
憲法 96 条
 国会の発議 各議院の総議員の 2/3 以上
 国民投票 過半数の賛成

Ⅱ.国民投票法

 日本国憲法の改正手続に関する法律(国民投票法・2007 年)

国会の発議
 憲法改正原案の発議 衆議院議員 100 名、参議院議員 50 名以上の賛成
 憲法審査会の設置
 両院それぞれの本会議で総議員の 2/3 以上の賛成
<国会>
 国民投票期日の決定 国会の発議から 60 日から 180 日以内
 国民投票広報協議会の設置 両院の議員 10 名ずつにより構成
 国民投票広報
 憲法改正案広報のための放送・新聞広告
<国民>
 国民投票運動
国民投票
 投票
 開票
 結果の告示
 賛成票が投票総数の 1/2 を超えた場合は、「過半数の賛成」があったものとする。
内閣による憲法改正のための公布手続

Ⅲ.自民党の改正草案(2012)

憲法上の論点
 憲法の位置づけ(前文、99 条)
 天皇の位置づけ(1 条)
1
 平和主義(9 条)
 基本的人権(12 条-40 条、97 条)
 家族の位置づけ(24 条)
 緊急事態条項(新設提案)

Ⅳ.緊急事態条項

98・99 条
武力攻撃、社会秩序の混乱、大希望な自然災害その他の緊急事態には、緊急事態の宣言が
できる。内閣は、法律と同じ効力を持つ政令を制定できる。

概要
 内閣総理大臣による「緊急事態宣言」
 国家承認は事後でも可。
 100 日を超える場合には、事前の国会承認が必要。
 内閣による法律と同等の効力を持つ政令の制定
 内閣総理大臣による財政支出、地方自治体の長への指示
←事後の国会承認
 人権の一時停止・制限
 国会の解散停止・議員の任期延長

問題点
 国家への権力集中
 「緊急事態」認定の恣意性
-テロ、大規模自然災害あるいはコロナ感染拡大への対応とは別問題
←コロナ禍での緊急事態宣言(特例措置)の実効性が不十分だったからといって、憲法の緊
急事態条項に基づく国家による強制の道を選択してしまっていいのか?という視点は必要。

国家緊急権:諸外国でも認められてはいるが…
 自由権規約・逸脱条項-逸脱を許されない人権を明確に規定している
 このような制約が課されていないと、かつてのナチス・全権委任法のようなものとなる
危険

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