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参考:先住民族の権利に関する国際連合宣言より

第 29 条【環境に対する権利】
母なるモベツ川を
1. 先住民族は、自らの土地、領域および資源の環境ならびに
 生産能力の保全および保護に対する権利を有する。国家は、
汚さないで!
 そのような保全および保護のための先住民族のための支援
 計画を差別なく作成し実行する。
Do not pollute
2. 国家は、先住民族の土地および領域において彼/女らの自 our sacred mather river!
 由で事前の情報に基づく合意なしに、有害物質のいかなる
 貯蔵および廃棄処分が行われないことを確保するための効
 果的な措置をとる。
3. 国家はまた、必要な場合に、そのような物質によって影響
 を受ける民族によって策定されかつ実施される、先住民族
 の健康を監視し、維持し、そして回復するための計画が適
 切に実施されることを確保するための効果的な措置をとる。

モペッ サンクチュアリ ネットワーク
http://mopetsanctuary.blogspot.com/
代 表 畠山 敏 モペッ サンクチュアリ ネットワーク
Mo-pet Sanctuary Network
問合先 紋別:鷲頭幹夫 TEL.080-1899-6381
     札幌:小泉雅弘 TEL.090-6266-0515 koizumi@sapporoyu.org
アイヌの漁師、 畠山敏さんの思い 廃棄物の処分場の建設によりモベツ川が汚染される

 日本列島の北部に広がるオホーツク海に面したまち、 ことを危惧する畠山さんら地元のアイヌ民族は、紋

紋別。北海道アイヌ協会紋別支部長である畠山敏さん 別市や北海道に対し、先住民族の権利を尊重し、処

(69 歳)は、長年、
このまちで漁師として生きてきました。 分場の建設計画を見直すよう働きかけを進めていき

畠山さんの暮らすモベツ川河口周辺部は、古くからアイ ます。モペッ・サンクチュアリ・ネットワークでは、

ヌ民族のコタン(集落)が営まれていた場所であり、彼 こうした地元のアイヌ民族の声を広く伝え、処分場

は「先祖の眠るモペッ・コタンの墓地跡でアイヌ式の先 の建設を再考させるために国内外の先住民族団体や

祖供養をしたい」という両親の希望をかなえるため、ア ↑畠山敏さん 市民に呼びかけて北海道知事に要請文を提出したり、

イヌ文化を学びはじめ、それを実現させました。そうした中、かつてのアイヌの生活と 緊急集会を開いたりしました。また、ネットワーク

深く結びついていたクジラの存在に注目し、漁師としての経験から、先住民族生存捕鯨 に関わる国連NGO市民外交センターの働きかけで、

を復活させるための動きも進めていきました。 国連の先住民族問題常設フォーラムや人権理事会で
は「紋別における産廃処分場の建設がアイヌ民族の  ↑アイヌの伝統サケ漁(マレック漁)

思いをカタチに…ネットワークの形成へ 権利侵害にあたる」という声明を採択しています。
 こうした私たちの声にもかかわらず、北海道は事業主体である(株)リテックに処分
 2010 年 2 月、この畠山さんの思いや経験を基に、地域に根ざしたアイヌ民族の権利
場の建設を許可し、(株)リテックは 2010 年 9 月より着工を開始してしまいました。
回復の動きを進めていくために、地元の市民や北海道内外の環境・人権に関わるNGO
日本政府は、2008 年 6 月の「アイヌ民族
関係者やアイヌ民族が集まって、話し合いをしました。そして、国連の権利宣言にうた
を先住民族とすることを求める」国会決議
われた先住民族の権利の回復をめざし、
に基づき、アイヌ民族を先住民族と認めた
地域の生態系の保全・活用と結びつけな
うえで、新たな政策をつくるための動きを
がら具体的なアイヌ民族の文化や権利の
進めていますが、現状では、国連宣言にう
回復を進めていく「モペッ・サンクチュ
たわれた土地や資源、環境に対する権利な
アリ」というビジョンを共有しました。
どについては、議論の俎上にも乗せておら
この構想を推進していくために各々の持
ず、地方行政は宣言に基づいてアイヌ民族
ち場でできる行動をしていこうと生まれ
の権利を尊重する姿勢を全く持っていませ
たのが、モペッ・サンクチュアリ・ネッ
↑産廃処分場建設予定地
ん。
トワークです。
↑ワークショップの風景

処分場建設に 「待った」 をかけよう!


立ちはだかる産廃処分場建設問題
 私たちは、この問題を日本政府および地方行政が、アイヌの先住民族としての権利の
 しかしながら、このネットワークが生まれた時期と前後して、モベツ川の支流水源域
尊重という課題を真摯に受けとめ、その責任を果たしていくための試金石であると考え
に計画されていた産業廃棄物最終処分場の建設への動きが具体化してきました。モベツ
ています。この問題を多くの方々に知っていただき、現在の産廃処分場の建設計画を見
川は、アイヌ民族にとって特別な意味を持つ天然のサケが遡上・産卵する貴重な川であ
直すべきであるという声を広め、北海道や紋別市、そして事業主体の(株)リテックに
り、畠山さんが支部長をつとめる北海道アイヌ協会紋別支部では、毎年、モベツ川河
その声を届けていきたいと思います。皆様、ご協力よろしくお願いいたします。
口部で新しいサケを迎えるカムイチェップ・ノミという儀式を行なっています。産業

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