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近畿大医誌(MedJKi v)第39巻1,2号

nkiUni 39∼4
8 2
014 3
9

緑内障眼における黄斑部の各種視野検査と
GCL+I
PL厚との対応

江浦真理子 本 長 太 橋 本 茂 樹 奥 山 幸 子 下 村 嘉 一

近畿大学医学部眼科学教室

抄 録
緑内障における黄斑部1
0度内の機能選択的視野検査と構造的検査との対応についての報告はない.そこでわれわ
れは,緑内障3
0例30眼(平 年齢61.2±標準偏差9
.5歳)
(極早期6眼,早期1
5眼,中期9眼)
,正常者3
2例3
2眼(5
2.5±
8.
6歳)を対象に,機能的検査として明度識別視野検査である Humphr
eyFi
eldAnal
yzer(HFA)SI
TA-St
andar
d
1
0-2(視標サイズⅢ)
〔HFA SI
TA(Ⅲ)〕
,HFA f
ullt
hres d1
hol 0-2(視標サイズⅢ,Ⅰ)
〔HFA FULL(Ⅲ)

HFA FULL(Ⅰ)
〕,機能選択的視野検査である HFA Shor
tWavel
engt
hAut
omat
edPer
imet
ry(SWAP)f
ull
t
hres d1
hol 0-2(SWAP),OCTOPUS31
1Fl
ickernor
mals
trat
egy10-
2(Fl
icke)
r,Humphr
eyMat
rixZEST
1
0-2
(Mat
rix)を施行した.構造的検査としては,3
D Opt
icalCoher
enc aphy(OCT)
eTomogr -2
000を施行し
網膜神経節細胞層(gangl
ioncel
llaye
r:GCL)+内網状層(i
nnerpl
exi
for
mlaye
r:I
PL)厚を測定した.その
結果,確率プロットを用いた検討では,各視野検査間で OCT に対応する視野異常の出現率に有意差は認められな
かった.一方,実測値を用いた検討においては,視野の感度と GCL+I
PL厚との相関の決定係数 R워
:(一次,二
次回帰式)は,HFA SI
TA(Ⅲ):(0
.35,0.42),HFA FULL
(Ⅲ):(0.38,0
.49
),HFA FULL
(Ⅰ):(0.
40,
0.
42)
,SWAP:(0.46,0 ,Fl
.47) i :(0.
cker 39,0
.42),Mat
rix:(0
.54,0.
54)であり,通常用いられる明度
識別視野検査の視標サイズⅢよりも,視標サイズⅠや機能選択的視野検査(特に Mat
rix)が GCL+I
PL厚とより
直線的な関係があることが判った.

Keywords:緑内障,黄斑,明度識別視野検査,機能選択的視野検査,Opt
icalCoher
enc
eTomogr (OCT)
aphy ,
gangl
ioncel
ll (GCL)+i
ayer nnerpl
exi
for
mlaye
r(I
PL)

て,白色視標を 用 い た 標 準 的 な 静 的 視 野 検 査 法
緒 言
(st
andar
daut
omat
edpe
rimet
ry:SAP)と,網膜
緑内障においては,視神経乳頭の篩状板付近にお 神経節細胞のサブタイプの中で特に,数が少なく太
いて網膜神経節細胞の軸索である網膜神経線維が障 い軸索を持つ大型の網膜神経節細胞(K細胞系,M
害され,結果逆行性に軸索流の異常が生じ,その部 細胞系)を選択的に測定する機能選択的視野検査法
位に対応する網膜神経節細胞の障害が起こるとされ の2種類がある.機能選択的視野検査法は,標準的
ている웋
.緑内障はこの網膜神経線維と網膜神経節細 な SAPに比べ,より早期の異常が検出可能である
胞の障害により,眼底の構造的異常とそれに一致す ことが多く報告されている웍
욹웒.その1つの仮説とし
る機能的異常(視野障害)が認められる特徴的な眼 て,緑内障では太い神経線維が早期に障害されると
疾患である.よって,機能的変化と構造的変化を明 Qui
glyら웓は報告している.M細胞系,K細胞系は
e
らかにすることにより,緑内障の病態をより詳細に 比較的神経線維が太く,これらを選択的に測定する
把握することができると えられる. 視野検査の感度が高いとする え方である.また,
従来から,緑内障の診断や経過観察には,機能的 たとえ障害が全種類の細胞に及んでいても,数が少
検査の代表である視野検査が主に用い ら れ て き なく余剰性の少ないM細胞系やK細胞系の機能を選
た워
.自動視野計を用いた視野検査には大きく け 択的に検査することで,必然的に検出能力が上がる

大阪府大阪狭山市大野東377
-2(〒5
89-
8511
)
受付 平成25
年 月 日,受理 平成2 5年 月 日
4
0 江 浦 真理子他

からだとする え方もある웋
월. いる웍
욹웒が,黄斑部における検討はほとんどない.よ
一方,緑内障の初期には,構造的変化が機能的変 って,黄斑部における種々の機能選択的視野検査の
化に先行すると報告されている웋.緑内障の構造的
웋 有用性についても検討した.本研究では,以上の測
評価は,検査機器が発達していない時代には,鏡眼 定条件を用いて黄斑部を密に視野測定し,構造的変
鏡による診察やステレオ眼底写真により,直接視神 化(GCL+I
PL厚)と対応させ,黄斑部における緑
経乳頭を観察することにより行われていた.
その後, 内障性変化を鋭敏に捉えることのできる視野測定条
視神経乳頭の形状解析装置である Hei del
ber
g Ret
- 件を明らかにすることを目的とした.
i
naTomogr (HRT)
aph 웋워などの発達により,視神
対象および方法
経乳頭形状の定量的,客観的評価が可能となったこ
とで緑内障の構造的な検出能が向上し,広く用いら はじめに,本研究は,ヘルシンキ宣言に基づき,
れてきた.視神経乳頭にはすべての網膜神経節細胞 事前に説明文書により検査内容を説明し,文書によ
からの RNFLが集合するため,視神経乳頭形状解 る同意の得られた者を対象とし,近畿大学医学部附
析の長所としては,網膜神経節細胞の全体的な評価 属病院倫理委員会で承認された研究である.
に有用であることが挙げられる.一方で,網膜神経 実験1.正常被験者を用いた各種視野検査と OCT
節細胞の局所的な変化は捉えにくいことが欠点であ の年齢別正常値の作成
っ た.近 年 の Opt
ical Cohe
rence Tomogr
aphy 本研究に際して,まず実験1として,正常被験者
(OCT)の進歩とともに,詳細な網膜の構造が観察で を対象に検討した.対象は,4
0歳∼71
歳までの正常
きるようになった.特に,黄斑部における網膜神経 被験者3
2例32
眼(平 年齢5
2.5±標準偏差8
.6歳,男
線維層(r
eti
nalnervefi
berlaye:RNFL),神経
r 性2
3例,女性9例)である.正常眼の採用基準は,
節細胞層(gangl
ion cel
llayer:GCL),内網状層 矯正視力1
.0以上,屈折は等価球面度数±6D以内,
(inner pl
exifor
m l :I
ayer PL)の3層をあわせた 眼圧2
0mmHg以下,眼底に異常を認めず,視野に影
gangl
ioncel ex(GCC)の評価が可能となっ
lcompl 響を及ぼすと えられる全身疾患を認めないことと
たことから,網膜神経節細胞の局所的な変化を捉え した.両眼とも採用基準を満たす場合は,利き目を
ることができるようになり,黄斑部における機能と 測定した.
構造の関係についての研究が盛んに行われるように 全例に対し,以下の6種の視野検査及び OCT を
なった.また,臨床的黄斑部に相当する中心1
0度内 施行した.視野検査の信頼性は,固視不良が2
0%未
の視野は,患者の視力に最も関係する場所であり, 満,偽陽性が1
5%未満,偽陰性が3
3%未満のすべて
さらに黄斑部には網膜神経節細胞の5
0%が集中して を満たす場合を対象とした.また,視野測定の慣れ
いる웋
웍こと,日本人の緑内障の大半を占める正常眼 の影響を 慮して,視野検査の初回検査の結果は用
圧緑内障では早期から固視点近傍に深い暗点が出現 いず,2回目以降の検査結果のみを採用した.今回
しやすい웋
웎ことからも,黄斑部における機能と構造 の正常被験者から得られたデータをもとに,各種視
の関係について詳細に 析することは緑内障の早期 野検査と OCT の年齢別正常値を,回帰直線を用い
発見,経過観察の面からも意義のあることと えら て作成した.また,正常者における黄斑部での各視
れる. 野のプロファイルにつき検討した.図1A∼Fに,
しかし,黄斑部における視野検査については,最 各視野検査の測定点の配置と測定条件を示す.
適な測定範囲と測定点配置,視標サイズ,視野測定 ⑴ 明度識別視野検査(s
tandar
d aut
omat
ed per
-
法の選択についての検討は少ない.一般的に用いら i
met
ry:SAP)
れる中心30度内視野の6度間隔の測定点配置では, 白色背景に白色視標を投影し,その変化量(増
中心10度内における測定点は1
2点と少ないため,本 閾値)を測定する視野測定法を s
tandar
d aut
omat
-
研究では10度内視野を2度間隔の測定点配置で密に edpe
rimet
ry(SAP)と呼び,自動視野計において,
測定することとした.また,視標サイズに関しては, 現在,主流となっている静的視野測定法である.
本웋
웏が中心6度内において,一般の視標サイズⅢ 今回視野計は Car l Zeis社の Humphr
s ey視野計
よりも小さい視標サイズⅠのほうがより鋭敏な感度 (Humphr
eyFi
eldAnalyzer:HFA)Ⅱを用いた.
低下を検出したと報告していることよりも,一般的 自動視野計における静的視野測定の閾値測定アルゴ
な視標サイズⅢに加え,視標サイズⅠについても検 リズムとしては,古くから Ful
lthr
eshol
d(Ful
l)が
討した.次に,視野測定法に関しては,機能選択的 用いられてきた.Ful
lは,br
acket
ing法といわれ,
視野検査が,中心3
0度内においては一般的な SAP 被験者の応答が得られる予測輝度値で視標を呈示
よりも早期の緑内障を検出可能であると報告されて し,視標の点灯に対する応答があれば 4dBのステ
黄斑部の各種視野検査と GCL+I
PL厚 4
1

図쏯 各種視野検査の測定点の配置と及
び測定条件
A:HFA SI
TA(Ⅲ) B:HFA
FULL(Ⅲ) C:HFA FULL
(Ⅰ) D:SWAP E:Fl i
cke
r
F:Matr
ix

ップで輝度を下降させ,
被験者の応答が消失すれば, (SWAP)
次に 2dBステップで輝度を上昇させ,初めて応答 SWAPは bl
ue-
on-
yel
low per
imet
ryともいわれ,
が得られた輝度値を閾値とする方法である.一方, 高輝度の黄色背景により視感度の高い中波長(緑) ,
臨床的には,検査時間の短縮を目的に開発されたア 長波長(赤)系の機能を抑制し,短波長(青)系の
ルゴリズムである Swedi
shI
nter
act
iveThr
eshol
d- 機能を評価している.網膜神経節細胞の中のK細胞
i
ng Al gor
ithm(SI
TA)がよく用いられている. 系の機能を反映するとされている.視野計は Car
l
SITA は緑内障に特化したアルゴリズムで,基本は Zeis社 の HFA I
s Iを 用 い た.測 定 プ ロ グ ラ ム は
Fullと同じ視標輝度間隔が 4dBと 2dBの2種類 ful
lthr
eshol
d を用いた. 視標はサイズV (64mm워 ),
で行う方法であるが,検査は視標提示輝度を正常者 波長4
40nm の青色視標を用い,視標呈示時間は2
00
と緑内障患者の年齢別感度パターンに照らし,被験 ms
ec,背景輝度は高輝度黄色背景1 00cd/m워
,最高視
者の期待される閾値に最も近い輝度から開始され 標輝度は1 0
,000as
bである.測定点の配置は明度識
る.閾値の推定には心理測定関数が用いられ,被験 別視野検査と同様,中心1
0°内視野の,視角 2°間隔に
者の応答に応じて閾値をベイズ法で推定し,次に提 配置された6
8点の測定点を測定した.図1Dに測定
示する最適の視標輝度を決定していく方法で,パラ 点と眼底の対応を示す.
メトリックタイプの閾値推定法ともいわれる.しか ②フリッカ視野検査(Fl
icke
r)
し,SI
TA は一般的な視標サイズⅢ(4mm워
)につい 視野の検査視標にフリッカ光を用いる視野測定法
て用いられるアルゴリズムであり, 視標サイズⅠ(1/ を 称してフリッカ視野といい,網膜神経節細胞の
4mm워
)では用いることができない.よって,本研究 中のM細胞系の機能を反映するとされている.フリ
では,閾値測定アルゴリズムの相違により生じるデ ッカ視野には大きく けて,各測定点における限界
ータの互換性を 慮し,SI
TA-St d視標サイ
andar フリッカ値〔cri
ti
calf
licker(f
uson)f
i re ncy:
que
ズⅢ〔HFA SITA(Ⅲ)〕,ful
lthr
es d視標サイ
hol CFF〕を測定する方法と時間変調感度を測定する方
ズⅢ〔HFA FULL(Ⅲ)〕,ful
lthr
es d視標サイ
hol 法がある.本研究では,視野 計 は I
nt zeag社 の
er
ズ쑿〔(HFA FULL(Ⅰ)〕の計3種を用いて測定を Oct
opus
311を用い,各測定点における CFFを測定
行った.視標呈示時間は2
00ms
ec,背景輝度は31.5 した.測定プログラムは normals
tr egyを用いた.
at
b,最高視標輝度は10,
as 000as
bである.図1A∼C opusにて用いられる nor
Oct mals
trat
egyは,HFA
に示すように中心10°内視野の,視角 2°間隔に配置 のfullthr
es dとほぼ同等の閾値測定アルゴリズ
hol
された6
8点の測定点を測定した. ムで,4dBステップで輝度を変化させ,被験者の応
⑵ 機能選択的視野検査 答が変化したならば,次に逆方向の 2dBステップ
① Shor
t Wavel
engt
h Aut
omat
ed Per
imet
ry で輝度を変化させ再び被験者の応答が変化した点で
4
2 江 浦 真理子他

測定を終了する.Oc opusでは最後に応答があった
t ce
llcompl
ex:GCC)の各層の厚みを計測すること
値から 1dB戻った値を閾値として採用している. が可能である.RNFLはその場所の網膜神経節細胞
視標はサイズⅢ,視標呈示時間は 1s
ec,背景輝度は が起源以外の神経線維も含まれるため,
理論的には,
3
1.4as
b,最高視標輝度は4
,80
0as
bの閾上の矩形フ 神経線維を含む RNFLや GCCよりも GCLのほう
リッカ光を用いた.測定点の配置は SWAPと同様, がより局所での構造と機能の関係を評価するには優
中心1
0°内視野の,視角 2
°間隔に配置された6
8点の れていると えられる.しかし,現在市販されてい
測定点を測定した.図1Eに測定点と眼底の対応を る OCT のセグメンテーションソフトでは,GCLと
示す. PLのコントラストが弱く 離することができな
I
③ Humphr
eyMat
rix(Mat
rix) い.そこで本研究では,神経線維を含まない GCL+
1cyc
le/
degr
ee以下の正弦波パターンを1
5Hz以 PL厚を機能的検査との対応に用いた.
I
上の速い周波数で反転すると,平 輝度の灰色には 実験2.確率プロットを用いた各種視野検査と構造
ならず,2倍の周波数の縞として見える.この現象 的変化(GCL+I
PL厚)との対応についての検討
はf
requenc
ydoubl
ingi
ll
usonと呼ばれ,網膜神経
i 実験2として,緑内障眼を対象に検討した.
節細胞のM細胞系が関与すると えられている.こ 対象は,
41歳∼7
4歳までの緑内障患者3
0例30眼
(平
の錯視を視野計に応用したものが f re
que
ncy dou- 年齢6
1.2±9
.5歳,男性11例,女性19例)である.
bl
ingt
echnol
ogype
rimet
ry(FDT)であり,Hum- 緑内障の内訳は,正常眼圧緑内障2
3例23
眼,原発開
phr
ey Mat
rixは FDT の検査視標を小さくした視 放隅角緑内障(狭義)7例7眼,病期は極早期6例
野測定法である.視野計は Car l Zei
ss社の HFA 6眼,早期15例1
5眼,中期9例9眼(Ande
rson
Mat
rixを用い,閾値測定アルゴリズムとしては 類웋
원)である.極早期の定義は,眼底に視神経乳頭陥
Zi
ppy Es
timat
ion of Seque
nti
al Thr
eshol
ds 凹拡大,網膜神経線維束欠損,視神経乳頭辺縁部の
(ZEST)を用いた.ZEST は SI TA と類似したアル 菲薄化等の緑内障性変化を認めるが,中心3
0度内に
ゴリズムであるが,SI TA では緑内障と正常者にそ おいて測定した明度識別視野検査において Ander
-
れぞれ別の確率密度関数〔pr obabi
li
tydens
ityf
unc
- onの緑内障初期視野異常の基準웋
s 원,
すなわち⑴ pat
-
t
i (pdf
ons s)]を用いているが,ZEST では緑内障と t
ern de
viat
ionで p <5%の点が連続3点,うち1
正常者を組み合わせた一つの pdf
sを用いているこ 点は p <1%以上の沈下がある(3点は神経線維の
となどが異なる.
この中心1
0度内のプログラムでは, 走行と一致することが必要) ,⑵ patter
nstandard
視標として f
reque
ncydoubl
ingi
ll
usonではなく,
i de
viat
ionまたは cor
rect
ed pat
ter
n devi
ationが
空間周波数0
.5c
ycl
es/
degr
ee,時間周波数12Hzの p <5%,⑶ gl
auc
omahemi
fie
ldt
estが正常範囲外
フリッカ刺激が用いられる.視標サイズは2×2°背 のいずれも満たさないものとした.緑内障眼の採用
景輝度は31.
8as
bである.測定点の配置は他の視野 基準は,矯正視力1
.0以上,屈折は等価球面度数±6
検査と異なり,図1Fに示すように視角 2
°間隔に配 D以内,眼圧2
0mmHg以下,眼底に異常を認めず,
置された44点である. 視野に影響を及ぼすと えられる全身疾患を認めな
⑶ 光干渉断層計(opt
ical c
ohe
renc
e t
omogr
a- いこととした.両眼とも採用基準を満たす場合は,
phy:OCT) 利き目を測定した.
OCT は光干渉現象を応用して断層画像を描出す 全例に対し,実験1の正常者被験者と同様の視野
る装置である.新しい OCT であるスペクトラルド 検査及び OCT を施行した.視野検査の信頼性は,固
メイン OCT〔s
pec
tr n(SD)OCT]は,従
aldomai 視不良が2
0%未満,偽陽性が1
5%未満,偽陰性が33
来のタイムドメイン OCT〔t
i n (
me domai TD) %未満のすべてを満たす場合を対象とした.視野検
OCT]に比べ,測定速度および空間解像度が著しく 査の初回検査の結果は用いず,2回目以降の検査結
向上している.今回は SD-OCT である 3DOCT- 果のみを採用した.実験1にて求めた年齢別正常値
2
000
(TOPCON 社)を用いた.スキャンモードは をもとに,全症例の視野と OCT の結果を正常と有
MACULA:3
DSCAN,スキャン数は5
12A スキャ 意差なし,p <5%,p <1%の確率プロットで表示
ン(水平方向)×128
(垂直方向)を用い,黄斑部を させた.p <5%,p <1%の確率プロットは,各検
中心とした 6
×6mm の計測を行った.1症例につ 査点で得られた実測値(視野の感度または GCL+
き 3 回 測 定 を 行 っ た.結 果 は,画 像 の 質 を 示 す PL厚)が,同年齢の正常者のヒストグラムの,そ
I
I
magequal
it ueが7
y val 0以上でかつ最も高いもの れぞれ9
5%信頼区間外,99
%信頼区間外に存在する
を採用した.3DOCT-2 00では,網膜内層の中で
0 ことを示す.つまり,今回の確率プロットにおいて
RNFL,GCL+I
PL,RNFL+GCL+I
PL(gangl
ion 正常と有意差なし(以下正常と記載)と示された点
黄斑部の各種視野検査と GCL+I
PL厚 43

は,検査点で得られた実測値が,同年齢の正常者の を用いて視野の測定点の位置を補正した上で,視野
ヒストグラムの9
5%信頼区間内に存在することを示 の測定点と OCT とを対応させた(図2)

す. 実験3.実測値を用 い た 各 種 視 野 検 査 と GCL+
次に,今回異常の多い上半視野における,視野の PL厚との対応についての検討
I
確率プロット(p <5%,p <1%のいずれでも異常 実験2と同じ緑内障患者3
0例3
0眼が対象である.
と定義)と,それに対応する部位の GCL+I
PL厚の 今回の検討は,
異常の多い上半視野において行った.
確率プロットとの組み合わせについて,視野の測定 実験2と同様,黄斑部における RGC di
spl
aceme
nt
点1点1点について症例毎に検討した.例えば, を 慮した上で,各種視野検査と GCL+I
PL厚との
TA(Ⅲ)の場合,上半視野に存在する視野
HFA SI 相関関係について,視野の感度の平 と GCL+I
PL
の測定点3 4点のうち,
(視野の確率プロット,GCL+ 厚の実測値を用いて,一次,二次回帰式の決定係数
PL厚の確率プロット)
I の組み合わせは, (正常,正 R워を算出し検討した.
常),
(異常,正常),
(正常,p <5%)
,(異常,p <
成 績
5%)
, (正常,p <1%)
,(異常,p <1%)の6
通りが えられる.視野の測定点に対応する部位の 実験1
GCL+I
PL厚が正常な場合,p <5%の場合,p <1 図3A∼Fは,各種視野検査における視感度(回
%の場合に けて,異常を示す視野の測定点の数の 帰直線を用いて算出した5
0歳の年齢別正常値,右眼
割合を症例毎に算出し,すべての症例の平 値を視 の例,小数点以下は四捨五入し,整数にて表示)
と,
野異常の出現率として求めた.また,各種視野検査 視感度のプロファイルを示す.すべての視野検査に
間の視野異常の出現率につき,統計学的に比較検討 おいて,年齢が高くなると視感度も低下する傾向に
した(Tukeyst
es)
t.視野においては,p <5%の あったが,視野のプロファイルは,年齢に関わらず
点を異常と定義した.黄斑部における機能と構造の 各視野検査毎に特徴的なパターンを示した.
関係を評価するにあたっては,中心窩近くでは解剖 視野のプロファイルについては,SAP(図3A,
学的に視細胞と網膜神経節細胞との間で位置のずれ B,C)ではすべて中心部の感度が高くなったが,
をきたしている r eti
nalgangl
ioncel
ldi
spl
acement 視標サイズⅠ(図3C)は視標サイズⅢ(図3A,
(RGCdi
spl
aceme )
ntが報告されており 웋
웑,その点を B)よりも中心部の感度が急峻に高い視野の形状を
慮する必要がある.そこで,視野検査と OCT とを とった.SWAPと Fli
cke(図3D,E)は,ほぼ
r
対応させるため,理論式〔網膜神経節細胞偏心度 一だが,中心 4
° 内の感度は周囲よりやや低下し,
(mm)=1.29
・(視細胞偏心度(mm)+0.04
6)월
웧원
웑〕웋
웒 Fl
icker(図 3 E)で は 中 心 窩 の み 高 く な っ た.
Matri(図3F)では中心窩の測定は行っていない
x
が,中心 6°内ではほぼ 一で,6°以遠では感度低下
を認めた.また,各測定点における閾値のばらつき
の平 SDは,明度識別視野検査では約 1- 2dBだ
が,機能選択的視野検査では約 3-4dBとやや大き
くなった.
実験2
すべての症例について,視野と OCT の異常を確
率プロットを用いて対応させたところ,ほぼすべて
の症例で OCT にて測定した GCL+I
PLの構造的
異常部位に対応した部位に各視野検査で機能的異常
を認めた.
図4に代表的な症例を示す.症例は,6
1歳女性,
正常眼圧緑内障早期の右眼である.中心3
0度内にお
ける SAPにおいて Ander
sonの早期にあたる.眼
図쏰 各種視野検査と OCT との対応 底写真(図4A)では,主に下方の視神経乳頭陥凹
A RGC displ
acementを 慮した視野の測 の拡大,乳頭縁の菲薄化,網膜神経線維束欠損を認
定点の位置の補正 める.黄斑部においても,OCT の確率プロットで主
B HFA(SITA Ⅲ),HFA (Ⅲ),HFA(Ⅰ),
SWAP,Flikerと 3
c DOCT-2000との対応
に下方に GCL+I
PLの菲薄化を認める(図4B).
C Matrxと 3DOCT-20
i 00との対応 TA(Ⅲ)の感度の実測値は,構造的異常に
HFA SI
4
4 江 浦 真理子他

図쏱 各種視野検査の視感度(回帰直線
を用いて算出した50 歳の年齢別正
常値,右眼,整数にて表示)と中
心窩を通る−45 度経線(斜めの破
線)上の視野のプロファイルおよ
び平 標準偏差(SD)
A:HFA SI
TA(Ⅲ) B:HFA
FULL(Ⅲ) C:HFA FULL
(Ⅰ) D:SWAP E:Fl i
cker
F:Matr
ix

図쏲 症例 6 1
歳女性,正常眼圧緑内障
早期,右眼
A:眼底写真〔T:Te mpor (耳
al
側),N:Nas al(鼻側)〕
B:GCL+I PLの 確 率 プ ロ ッ ト
〔3D OCT-200
0,黄斑部を中心と
した 6×6mm を計測,図は黄斑部
を中心としたモノクロの眼底写真
に測定範囲(白枠)を重ねたもの〕
C:感度 の 実 測 値〔HFA SI TA
(Ⅲ)〕
D:HFA SITA(Ⅲ) E:HFA
FULL(Ⅲ) F:HFA FULL
(Ⅰ) G:SWAP H:Fl icker
I:Mat rix
B, D∼Iにおける<5%, <1%
の確率プロットは,各検査点で得
られた実測値(GCL+I PL厚また
は視野の感度)が,同年齢の正常
者のヒストグラムの,それぞれ95
%信頼区間外,99 %信頼区間外に
存在することを示す.
黄斑部の各種視野検査と GCL+I
PL厚 4
5

一致した上方が低下しているのがわかる(図4C)
. PL厚が薄くなるにつれ視野の感度は低下する傾
I
同様に,SAP,機能選択的視野検査を含むすべての
視野検査において,確率プロットで GCL+I
PLの菲
薄化と対応した主に上方において視野の異常が認め
られる(図4D∼I)

GCL+IPL厚が正常な場合,p <5%の異常の場
合,p <1%の異常の場合における各視野検査の視
野異常の出現率を視野の各測定点について求め,グ
ラフに示した
(図5)
.GCL+I
PL厚が正常な場合の
視野異常の出現率は約2
0%,GCL+I
PLが p <5%
の異常な場合の視野異常の出現率は約30
-40
%,
GCL+I
PL厚が p <1%の異常な場合の p <5%の
視野異常の出現率は約7 0-8
0%となり,
各視野検査間
で有意な差は認めなかった(Tuke
yst
es)
t.また,
GCL+I
PL厚が正常な部位においても視野検査で 図 쏳 GCL+I PLに 対 応 す る 視 野 異 常 の 出 現 率
異常を示す点が10-
20%存在した一方で,GCL+I
PL (n=3 0)
上半視野において,GCL+I PL厚が正常,p <
厚が p <1%の異常の部位においても視野検査で正 5%,p <1%のそれぞれの部位に対応する,
常を示す点が20
-30
%存在した. 視野の異常点の数の割合(視野においては
実験3 p <5%,p <1%のいずれでも異常と定義)
を症例毎に算出し,すべての症例の平 値を
図6A∼Fは機能的検査と構造的検査との相関関 視野異常の出現率として求めた.
係について,横軸に上半視野における視野の感度の 視野検査間において,視野異常の出現率に有
平 ,縦軸に OCT にて対応する部位の GCL+I
PL 意な差は認められなかった(Tuke ystes)
t
A:HFA SI TA(Ⅲ) B:HFA FULL (Ⅲ)
厚をとり,1次回帰式及び2次回帰式を用いて示し C:HFA FULL(Ⅰ) D:SWAP E:
たものである.すべての視野検査において,GCL+ Flicker F:Mat ri
x

図쏴 視 野 の 感 度 と GCL+I PL厚 と の 相 関
(n=3 0)(1次,2次回帰式)
A:HFA SI TA(Ⅲ) B:HFA FULL
(Ⅲ) C:HFA FULL(Ⅰ) D:
SWAP E:Fl i
cke r F:Mat rix
A∼Fのすべてにおいて,統計学的に有
意な相関を認めた. (Spe ar
mans r ank
corr
e l
ati
onc oef
fici
ent)
(A:r s=0.63,P <0.01 B:r =0
s .71,
P < 0.01 C : rs= 0.67, P < 0.01
D:r =0
s .71
,P <0 .01 E:r =0
s .70,
P <0.01 F:r s=0 .75,P <0.01)
4
6 江 浦 真理子他

向にあり,視野の感度の平 と GCL+I
PL厚とは, 下したが,これは,SWAPが関与する短波長(S-
統計学的に有意な相関を認めた(Spe ar
man r
ank cone/青)の錐体は,中心窩付近には非常に少ない (S
c
orr
elat
ioncoe
ffi
cie ,
nt P<0.
01).1次回帰式を用 -conebl
inds )
pot워
워ためと えられた.Fl
icke
r はほ
いた場合,視野の感度と GCL+I
PL厚との相関の決 ぼ平坦で,中心窩のみ高くなったが,これは3
0度内
定係数 R워は,HFA SI
TA(Ⅲ)
:0.3
5,HFA FULL における報告워
웍と類似した結果であった.Mat
rix
(Ⅲ):0.38,HFA FULL(Ⅰ):0.4
0,SWAP: でも既報워
웎のデータと同様に,中心 6°内ではほぼ
0.
46,Fl
icke
r:0.
39,Mat
rix:0.
54となり,明度識 一で,6
°以遠で感度低下を認めた.
別視野検査では HFA Ⅰ(図6C),機能選択的視野 これらの正常被験者から得られた測定結果をもと
検査では Mat
rix(図6F)の決定係数 R워が大きく に,回帰直線を用いて各視野検査の年齢別正常値を
なった.HFA SI
TA(Ⅲ)(図6A)と HFA FULL 作成した.
また,
本研究では,
緑内障群の視野と OCT
(Ⅲ)(図6B)では,感度の高い症例で GCL+I PL の結果を同一の正常群と比較するため,
OCT におい
厚にばらつきが大きい傾向にあったため,2次回帰 ても既存の年齢別正常値を用いず,今回の正常被験
式を重ねた.2次回帰式を用いた場合,視野の感度 者のデータから OCT の各部位における年齢別正常
と GCL+I
PL厚との相関の決定係数 R워
′は,HFA 値を作成した.
TA(Ⅲ):0
SI .4 2
,HFA FULL
(Ⅲ):0. 49,HFA 実験1.にて作成した視野と OCT の年齢別正常
(Ⅰ)
FULL :0.42,SWAP:0.
47,Fl
ic :0
ker .42, 値をもとに,実験2で緑内障患者においても同様に
Matr
ix:0
.54
となり,HFA SI
TA(Ⅲ)と HFA 測定を行い,
測定結果を確率プロットで表示させた.
(Ⅲ)では特に1次回帰直線と2次回帰曲線に
FULL 各測定点における視野異常の出現率について検討し
乖離が認められ,1次回帰直線よりも2次回帰曲線 たところ,GCL+I
PL厚が正常な部位においても視
のほうがより決定係数 R워が大きくなった. 野検査で異常を示す点が1 0
-20
%存在した一方で,
GCL+I
PL厚が p <1%の異常の部位においても

視野検査で正常を示す点が2 0-
30%存在することが
本研究において,視標サイズⅠとⅢを用いた SAP 判った
(図5)
.このことから,測定条件によっては
3種と機能選択的視野検査3種を用いて黄斑部を密 必ずしも構造的異常が機能的異常に先行しない場合
に視野測定し,構造的変化(GCL+I
PL厚)と対応 もあると えられた.また,この確率プロットを用
させたところ,視標サイズⅠや,機能選択的視野検 いた検討では,視野異常の出現率は各種視野検査間
査が,一般的な視標サイズⅢを用いた SAPよりも で統計学的に有意な差を認めなかったが,その理由
早期の緑内障性変化を鋭敏に検出する可能性がある の一つとして,実験1で求めた正常被験者の各測定
ことが判った. 点におけるばらつきを示す標準偏差の平 値が,
まず,緑内障眼における黄斑部の機能と構造の関 SAPに比べ機能選択的視野検査で大きかった(図
係を検討するにあたり,各種視野検査の黄斑部にお 3)ために,機能選択的視野検査での微細な感度低
ける正常者のデータベースが存在しないため,実験 下は,p <5%を用いた確率プロットでは異常とし
1において正常被験者に対し,SAP3種と機能選択 て捉えきれなかった可能性が えられた.よって,
的視野検査3種を用いて中心10度内の視野を密に測 次に実験3において視野の感度と GCL+I
PL厚と
定し,正常者における黄斑部の視野のプロファイル の相関関係を,
実測値を用いて検討することとした.
について検討した.その結果,各視野検査において その結果,HFA FULL
(Ⅰ)と機能選択的視野検
視野の形状が異なることが かった
(図3).SAPの 査では1次回帰式,2次回帰式の決定係数 R워にほ
3種は,すべて中心窩に向かい視感度が高くなる形 とんど差がなかったのに対し,HFA SITA(Ⅲ)と
TA(Ⅲ)と HFA
状をとった.その中で,HFA SI (Ⅲ)では1次回帰直線よりも2次回帰
HFA FULL
(Ⅲ)はほぼ同じ形状であったが,HFA FULL
FULL 曲線のほうがより決定係数 R워が大きくなった.つ
(Ⅰ)は HFA SI
TA(Ⅲ)や HFA FULL(Ⅲ)よ まり,一般的に用いられる SAPの視標サイズⅢよ
りも中心部の感度が急峻に高い形状をとった.視標 りも SAPの視標サイズⅠや機能選択的視野検査で
サイズの視野に及ぼす影響については,全視野ある は,GCL+I
PL厚とより直線的な関係を認めること
いは中心30度内視野に関する検討では,視野形状は がわかった.このことから,通常の SAPの視標サイ
一般に視標サイズが大きくなるにつれ平坦化するこ ズⅢでは,GCL+I
PL厚の変化が軽微な緑内障の極
とが古くから知られている웋
웓욹웋が,本研究での中心
워 早期の段階では,視野異常がとらえきれていない可
1
0度内における視野においても同様の傾向が得られ 能性が示唆された.
た.SWAPでは,中心 4°内の感度は周囲よりやや低 今回の結果によると,中心1
0度内でもサイズⅠの
黄斑部の各種視野検査と GCL+I
PL厚 4
7

小さな視標サイズを用いたほうがより早期の緑内障 kennug begi


nnenderGesi
chts
felds썥
t
orungen be
im Gl
au-
を検出しやすい可能性が えられた.網膜神経節細 kom.DocOpt halmol13:303-332
3.J
ohns
onCA,AdamsAJ,Cas
sonEJ,Br D (19
andtJ 93)
胞が密に存在する黄斑部において視野測定を行う場
Blue-
on-yel
low per
imetr
yc anpredi
ctthedevel
opment
合,標準の視標サイズⅢを用いると,1回の視標提
ofglauc
omat ousvi
sualfi
eldl
oss
.Ar chOpt mol1
hal 11:
示で同時に多数の細胞を刺激することになる.その 6
45-65
0
ため緑内障によって障害された網膜神経節細胞の機 4.J
ohns s SJ (1
on CA, Samuel 997) Scr
eeni
ng f
or
能を鋭敏に検出できないためではないかと えられ gl
aucomat
ousvi
sualf
iel
dlos
swi
thf
reque
ncy-
doubl
ing

る.また,機能選択的視野検査の中でも,Mat pe
rimetry.I
nvestOpt
halmolVisSci38:413-425
rixと
5.Mat s
umoto C,etal.(200
6) Aut
omated f
licke
rper
-
GCL+I
PLの相関が最も強くなったが,その理由と
i
met
ryi aucomaus
ngl i opus31
ngOct 1:acompar
ati
ve
しては,今回用いた視野検査の中で,Mat
rixの測定 st
udy wit
ht he Humphr
ey Mat
rix. Ac
ta Opht
hal
mol
点の配置が他の視野計と異なり,固視点付近に測定 ScandSuppl84:210-
215
点が多かったこと,視標にコントラスト感度を測定 6.Quai anaganJG (
dPT,Fl 200
4)De
fini
ngt
hel
imi
tsof
する f
reque
ncydoubl
ingi
ll
usonではなく12Hzの
i f
lickerdef
inedf
orm :ef
fectofsti
muluss
ize,e
cce
ntri
c-
i
tyandnumberofr andom dots
.Vi s
ionRes45:1075-
フリッカ刺激を用いたこと,Mat r
ixで用いた測定
1
084
プログラムである ZEST は SI
TA と似た心理測定 7.江浦真理子ら(20
12)Hei
del
ber
gEdgePer
ime
t (HEP)
er
関数を用いたパラメトリック閾値測定方法であり, の 用経験.あたらしい眼科 Vol .29(11)
:1573-1
578
他の視野計の br
acke
ting法と異なったことなどが 8.Nomot .(2
oH etal 009
)Det
ect
abil
it aucomat
yofgl ous
今回の結果に影響している可能性が えられる. changesus
ingSAP,FDT,f
lic
kerpe
rimet
ry,andOCT.J
今回我々の検討により,黄斑部における機能と構 Glaucoma1 8:165
-17
1
9.Qui
gleyHA,Sanc
hezRM,Dunkel
ber
gerGR,LHer
-
造の対応においては,小さな視標サイズⅠや,機能
naul
tNL,Bagi
nskiTA (1
987
)Chr
oni
cgl
aucomas
elec
-
選択的視野検査を用いることにより,より早期の緑
t
ive
lydamage
slargeopti
cner
vef
iber
s.I
nves
tOpt
hal
-
内障性変化を鋭敏に検出することができることが判 sSci28:913
molVi -92
0
った. .J
10 on CA (
ohns 199
4) Sel
ecti
ve ver
s us nons
elec
tive
中心1
0度内においては,偏心度により神経節細胞 los
sesingl
aucoma.Jglaucoma1:S3 2-S44
11.Capr
iol
iJ,Gar
way-
Heat
h DF;I
nter
nat
ionalGl
au-
の密度が異なると報告されており웋
웍,今後偏心度別
c
oma Think Tank (200
6) A cri
ticalree
val
uati
on of
の検討が必要である.また,今回 用し た HFA
cur
rentgl
aucoma management
. Opht hal
mology 1
14:
(Ⅰ),SWAP,Fl
FULL ic rの3種の視野検査は,
ke S1-
41
黄斑部における正常眼データベースが機器に内蔵さ 12.Mi ber
kel gFS e .(1
tal 995
)Abi
li
tyoft
hehei
del
ber
g
れておらず,また検査時間も比較的長いことから, r
eti
natomograph to det
ectearl
y gl
aucomatousvis
ual
現時点では臨床には用いられない.正常眼データベ f
iel
dloss.JGlaucoma4:242 -247
13.Curci
oCA,Al l
enKA (19 90)Topographyofgangl
ion
ースの構築および検査時間を短縮した閾値測定アル
c
ell
sinhumanr et
ina.JCompNeur ol300:5-25
ゴリズムの開発が今後の課題である.
14.Capri
oliJ,Spaeth GL (198
4) Compari
son ofvi
sual
謝 辞 f
iel
ddefect
sinthelow-tens
iongl
auc
omaswit
hthos
ein
t
hehigh-
tensi
onglaucomas.Am JOpt mol97:7
hal 30
-
稿を終えるにあたり,ご指導を賜りました教室の先生方に 7
37
感謝の意を表します. 15.本長太(19
89)自動視野計 Oct
opusの中心視野測定に
本論文の一部は,第66回日本臨床眼科学会(京都,201
2年10 おける視標サイズ,背景輝度の影響について.近畿大医誌
月),第11
7回日本眼科学会 会(東京,201
3年4月),第2回 1
4:1-
17
日本視野学会学術集会(東京,201
3年5月),第2
4回日本緑内 16.Ander
son DR and Pat
ela VM (1
l 999) Automated
障学会(東京,20 13年9月),5읜
읕Wor
ldGl
aucomaConf
erence St
ati
cPeri
mety,2
r nded,Mos by,StLouis:121
-190
(Vanc
ouve
r,July,20
13)において発表した. 17.Sj

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cZ,Conr 99)
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2998
1. Wax MB, Tezel G (2002) Neur
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14 5
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8 江 浦 真理子他

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