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2007/8/4

ROBOGUIDE におけるレールトラッキングの教示方法について

本ドキュメントでは、ROBOGUIDE におけるレールトラッキングシステムのワークセル生成、
および教示方法について記述します。

1. ワークセルの生成

1.1 ワークセルの生成
ワークセル生成ウィザードで、ロボットの生成を行います。オプションに J512 Line Tracking
および J518 Extended Axis Control を追加してください。なお、レールトラッキングシステ
ムでは、走行軸はグループ 1 の付加軸として定義する必要があります。
※ Line Tracking を追加するためには、FANUC ROBOGUIDE ライントラッキングオプショ
ンが必要です。

1.2 ロボットの初期設定
ワークセルが生成されたら、ロボットコントローラをコントロールスタートして、コンベア
を駆動する軸を追加します。組み込み付加軸を使用する場合は、方向を正しく指定するよう
にご注意ください。軸の追加が完了したら、コントローラをコールドスタートします。

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バーチャル TP 上で、画面選択 – 6 設定、F1 – エンコーダを選択して、エンコーダ設定画面


を表示します。エンコーダ軸が 1、エンコーダ有効がオンになっていることを確認します。

1.3 走行軸の定義
走行軸を定義して、ロボットをその走行軸の上に乗せます。走行軸生成機能を利用すると、
この作業を自動的に行うことが可能です。
画面上で、走行軸に乗せる対象のロボットをクリックしてアクティブにします。次に、メニ
ューからツール – 走行軸生成を選択して、走行軸生成機能を起動します。

コントローラ、接続ロボットに、現在アクティブになっているロボットが選択されています。
対象のロボットが選択されていない場合は、走行軸生成機能を一旦終了して、対象のロボッ
トを選択してから再度起動してください。

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レール、レール軸番号で、走行軸を駆動するグループおよび軸番号を指定します。ここでは
グループ 1 の付加軸ですので、例えば GP: 1 – (ロボット名), 軸番号 7 を指定します。
また、走行軸のタイプ(R-2000 用、M-16 用、M-710 用)、ケーブルの配置位置(走行軸の右
側、左側)、レール長を指定します。モデル名は、特に事情がなければそのままにします。
全てのパラメータを指定したら、実行ボタンをクリックします。ワークセルに走行軸が配置
され、その上に対象のロボットが自動的に乗せられます。

その他、ハンドの取り付けや TCP の設定など、必要なロボットの設定を行ってください。

1.4 コンベアの定義
セルブラウザ上でジグを右クリックして、ラインの追加を選択します。

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コンベアの CAD データがあれば、それを配置します。また CAD データがない場合は、ライ


ブラリからコンベアを選択して配置するか、ボックスで代替することも可能です。ボックス
を使用する場合は、コンベア長に応じた適当なサイズを指定してください。

セルブラウザ上で、先に追加したコンベアを右クリックして、リンクの追加でコンベアを流
れる形状を追加します。このとき、ワークを直接リンクとして追加することも、架台をリン
クとして追加して、それにパーツとして読み込んだワークを取り付けることも可能です。
(ターゲット機能を併用する場合は、ワークをパーツとして読み込むことをお勧めします)

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追加したリンクのプロパティを開いて、3D 座標選択をクリックします。画面上で 3D 座標が


表示されて、マウスで位置を変更できるようになります。

この 3D 座標の X 軸の向きは、ワークの流れる向きを示します。また、3D 座標の位置は、コ


ンベアを流れてきたワークを対物センサ(トリガスイッチ)が検出する位置を示しますので、
システム設計上の適切な向き、位置になるように 3D 座標を移動してください。
リンクとして追加した CAD データは、3D 座標の位置を原点として配置されます。CAD デー
タが、検出位置として不適切な位置や向きに配置されてしまう場合は、リンク CAD の位置や
パーツの取り付け位置を調整することで、適切な位置や向きになるようにしてください。

こ の 位 置 で セン サ が
ワークを検出する

センサの検出位置から飛び出ている
分だけ、ワークの位置をずらす

X 軸をワークが流れる
3D 座標 方向に向ける

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2. トラッキングの設定

2.1 トラッキングスケジュールの設定
セルブラウザ上で、対象のロボットコントローラのノード以下に、トラッキングスケジュー
ルが列挙されています。プログラムで使用するスケジュールのプロパティを開きます。

一般タブで、スケジュールの基本的な設定を行います。
トラッキングのタイプに、レールを指定します。
グループには、ライントラッキングシステムでは必ず GP: 1 を指定します。
エンコーダ番号、トリガスイッチ(センサ)の入力に使用する DI[ ]を指定します。
方向に、コンベアの流れる方向と、走行軸の正の動作方向が一致する場合は正を、一致しな
い場合は負を指定します。
付加軸には、走行軸を駆動する付加軸(1~3 番目)を指定します。
設定を変更したら、適用をクリックします。トラッキングタイプ、グループ、方向を変更し
た場合は、バーチャルロボットを自動的にコールドスタートします。

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境界タブで、領域のカミ・シモの設定を行います。
上流・下流の各々のテキストボックスに、走行軸の各軸値を入力します。記録をクリックす
ると、現在の走行軸の位置が使用されます。また、Move To をクリックすると、指定されて
いるカミ・シモの位置に走行軸が移動します。
また、表示をチェックすると、領域の位置が画面上で表示されます。

制限事項:
走行軸が組み込み付加軸ではない構成では、領域を画面上に表示するとき、正しい
位置に表示されない場合があります。

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2.2 コンベアの設定
コンベアに定義したリンクのプロパティを開いて、コントローラおよびスケジュールを指定
します。ここで指定したコントローラおよびスケジュールで選択されているエンコーダが、
このコンベアに取り付けられているものとして扱われます。

コンベアのリンクと、コントローラおよびスケジュールは 1 対 1 で接続されますので、1 つの
エンコーダの値を複数台のコントローラで参照することは出来ません。
このような構成の場合は、コンベアのリンクをセルブラウザ上でコピー&ペーストすること
で、接続するコントローラの台数だけリンクを生成して、各々のリンクとコントローラを接
続するようにします。
これは、意味合い的には 1 つのコンベアに複数のエンコーダが接続されていることになりま
すが、ROBOGUIDE 上では各コントローラは同期して動作していますので、同じタイミング
でエンコーダシミュレーションを開始すれば、各コントローラのエンコーダは常に同じ値で
変化することになります。従って、事実上は 1 つのエンコーダを複数のコントローラから参
照するのと同じ結果が得られることになります。

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3. プログラムの教示

3.1 ワーク検出プログラムの作成
バーチャル TP を起動して、以下の内容でワーク検出用のプログラムを作成します。

1~3 行目のエンコーダ[1], エンコーダ シミュレート[1], エンコーダ カウント[1]の各インデ


ックスは、スケジュールで設定したエンコーダ番号を指定します。
4 行目のトラッキング[1]のインデックスは、スケジュール番号を指定します。
3~4 行目のレジ[1]は、現在のエンコーダ値を取得するための一時変数として使用します。
2 行目のレジ[2]は、コンベアの速度を指定します。この値は、1 ITP 辺りにおけるエンコーダ
のカウント値の変化量で表されます。コンベアの速度(mm/sec)から換算する場合は、

レジ[2] = コンベアの速度(mm/sec) × ITP × スケールファクタ / 1000

となります。R-30iA の場合、通常は ITP = 8 となりますが、実際の値はシステム変数の


$SCR.$ITP_TIME を参照してください。スケールファクタは、エンコーダのカウント値と実
際の距離の換算に使用する値です。バーチャル TP 上で、画面選択 – 6 設定、F1 – トラッキ
ングを選択して表示される、トラッキングスケジュール設定画面で指定されています。

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このプログラムを実行すると、コンベアが流れ出して、センサがワークを検出した直後の状
態が再現されます。実機に転送して使用する場合は、2 行目の内容を、タイキ DI[1] オンな
ど、センサがワークを検出するまで待機する命令に置き換えてください。

3.2 ワークの位置の移動
3.1 で作成したプログラムを一度実行して、センサがワークを検出した状態にします。ワーク
が流れ出さない場合は、レジ[2]にコンベアの速度が指定されているか確認してください。
そのまま放っておくと、ワークがどこまでも流れていってしまいますので、コンベアクイッ
クバーを使用して、領域のカミ・シモの間で教示しやすい位置までワークを移動します。

コンベアクイックバーは、ROBOGUIDE のツールバー上のアイコン から起動します。

一番上のドロップダウンボタンで、対象となるコンベアを指定します。複数
のコンベアが存在する場合は、個別に移動することも、一括して移動するこ
とも可能です。
停止、前進、後退の各ボタンで、コンベアを移動します。
検出ボタンで、ワークの検出位置(リンクの 3D 座標の位置)までワークを
移動します。

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3.3 プログラムの教示
トラッキングプログラムの教示を行います。新規プログラムを作成して、詳細画面でトラッ
キングスケジュール番号、選択している領域を指定してください。

編集ボタンをクリックして、プログラムの編集画面に移動します。トラッキングの同期を行
うか質問されますが、ここではイイエを選択してください。

プログラムの先頭で、3.1 で作成したワーク検出プログラムを呼び出します。複数台のコント
ローラで1つのエンコーダを参照するような場合は、全てのコントローラで同時にワークを
検出する必要がありますので、必ず先頭で呼び出すようにしてください。
以後、画面上でロボットを移動して、教示点を教示していきます。

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3.4 プログラムの教示
3.3 で作成したトラッキングプログラムが選択された状態で、シミュレーションを実行します。
シミュレーションは、センサによってワークが検出された状態から開始され、全てのコント
ローラ上でプログラムの実行が終了すると、コンベアが停止します。
TCP の軌跡は、標準ではロボット原点に対して描画されますので、そのままではワークに対
してどの様な軌跡を通ったかが判りません。この場合は、セルブラウザから TCP トレースの
プロパティを開いて、モードにトラッキングスケジュールを選択すると、ワークに対して TCP
の軌跡が描画されます。

制限事項:
走行軸が組み込み付加軸ではない構成では、モードにトラッキングスケジュールを
指定したときに、正しい位置に TCP の軌跡が描画されない場合があります。

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