Professional Documents
Culture Documents
日本の昔話
Cuentos tradicionales
de Japón
もく じ
目 次
うら しま た ろう
浦島太郎 1
がえ
つるのおん返し 9
もも た ろう
桃太郎 17
かさじぞう 27
Índice
Urashima Taro 1
Tsuru no ongaeshi 9
Momotaro 17
Kasajizou 27
う ら し ま た ろ う
浦島太郎
Urashima Taro
1
うら しま た ろう わか りょう し
むかしむかし、浦島太郎という若い漁師が、
とし お はは おや く
年老いた母親と暮らしていました。
ひ うみ べ ある
ある日、海辺を歩いていると、
こ いっ
子どもたちが一ぴきのかめをつついたり、
かえ あそ
ひっくり返したりして遊んでいました。
うら しま た ろう
浦島太郎は、
「これこれ、かわいそうだから、にがしておやり。」
い たす うみ
と言い、かめを助け、海にはなしてやりました。
2
ひ
しばらくたったある日のこと。
うら しま た ろう
浦島太郎がつりをしていると、
いっ およ い
かめが一ぴき泳いできて、言いました。
「このあいだはありがとうございました。
れい りゅうぐうじょう
お礼にあなたを竜宮城へおつれします。」
うら しま た ろう の
浦島太郎はよろこんで、かめのせなかに乗ると、
うみ なか およ い
かめは海の中を泳いで行きました。
3
き ひか
気がつくと、まばゆく光るごてんがみえてきました。
うら しま た ろう うつく おと ひめ さま
浦島太郎がかめからおりると、美しい乙姫様が、
さかな
たくさんの魚をしたがえてあらわれました。
「ようこそおいでくださいました。
どうぞすきなだけいてくださいね。」
4
りゅうぐうじょう ひろ ま
竜宮城の広間では、
つぎ つぎ はこ
次から次へとごちそうが運ばれ、
さかな うつく まい
魚たちが美しい舞をみせてくれます。
ゆめ み
まるで夢を見ているようで、
まいにち さんねん
毎日うっとりとくらしていましたが、三年たつと、
ははおや しんぱい かえ
母親のことが心配になり、帰ることにしました。
おとひめさま うつく はこ だ
乙姫様は、おみやげに美しい箱を出して
たま て ばこ ぜったい
「これは玉手箱です。でも、絶対にあけてはいけませんよ。」
い
と言いました。
うら しま た ろう たま て ばこ の
浦島太郎は玉手箱をかかえ、かめのせなかに乗ると、
ま うみ べ もど
いつの間にか海辺に戻っていました。
5
うら しま た ろう いそ いえ かえ
浦島太郎は急いで家に帰ろうとしましたが、
むら ちが じ ぶん いえ
どうも村のようすが違います。自分の家もみつかりません。
ひと
そこで、人にたずねてみました。
うら しま た ろう な まえ ひと ひゃくねん まえ
「浦島太郎?そんな名前の人が百年も前におったが、
ひ うみ りょう で かえ き
ある日海へ漁に出たまま帰らなかった、と聞いたことがある。
」
うら しま た ろう くち
浦島太郎は、口もきけないほどおどろきました。
りゅうぐうじょう さん ねん かん ち じょう ひゃくねん
竜宮城の三年間が、地上では百年だったのです。
うら しま た ろう かな うみ べ もど
浦島太郎は悲しみながら海辺へ戻り、
すわりこんでしまいました。
6
たま て ばこ おも だ
そして、玉手箱のことを思い出し、
おと ひめ さま い わす
乙姫様に言われたことを忘れて、
すこ あ
少し開けてみました。
そのとたん…。
はこ なか しろ た のぼ
箱の中からまっ白いけむりが立ち上り、
うら しま た ろう かみ しろ
浦島太郎はみるみる髪がまっ白になり、
ま
しわだらけでこしの曲がった、
よぼよぼのおじいさんに
なってしまったということです。
7
Preguntas sobre Urashima Taro
¿Qué sucedió cuando Urashima Taro regresó del Palacio a la orilla del mar?
años
8
が え
つるのおん返し
Tsuru no ongaeshi
El agradecimiento de la grulla
9
わか もの
むかし、あるところに、きこりの若者がいました。
ひ わか もの やま き き
ある日、若者が山で木を切っていたところ、
いっ ぽん や
せなかに一本の矢がささったつるをみつけました。
「おお、かわいそうに。」
わか もの や て あ
若者は、矢をぬいて、きずの手当てをしてやりました。
な と
つるはうれしそうに鳴いて、飛んでいきました。
10
ひ わか もの いえ
しばらくしたある日、若者の家に、
うつ
美しいむすめがたずねてきました。
「どうかわたしを、あなたのおよめさんにしてください。」
わか もの
若者は、まずしかったのでことわりましたが、
なん ど
むすめが何度もたのむので、およめさんにしました。
11
ひ ぬの お
ある日およめさんは、布を織りはじめました。
お けっ み
「わたしが織っているところを決して見ないでください。」
わか もの やく そく まも へ や そと ま
若者は約束を守り、部屋の外で待っていました。
すこ
しばらくすると、少しやせてつかれたおよめさんが
へ や
部屋からでてきました。
て うつ ぬの も
その手には、とても美しい布を持っていました。
う かね
「これを売ってお金にしてください。」
12
うつく ぬの たか う
その美しい布はとても高く売れました。
わか もの お
そこで若者はおよめさんにもっと織るようにたのみ、
わか もの かね も
若者はどんどんお金持ちになりました。
お
ところがおよめさんは、織るたびにどんどんやせていきます。
ひ
ある日、およめさんは、
い じょう お わたし し
「これがさいごです。これ以上織ったら、私は死んでしまいます。」
い お
と言って、織りはじめました。
わか もの うつく ぬの し
若者は、その美しい布のなぞが知りたくなり、
やく そく へ や
約束をわすれてそっと部屋をのぞきました。
13
すると、なんとそこでは、
はね すく いち わ
やせて羽の少なくなった一羽のつるが、
じ ぶん はね つか ぬの お
自分の羽を使って布を織っていたのでした。
およめさんは、
み ねが
「見てはいけないとお願いしたのに、
み
とうとう見てしまいましたね。」
かな
と悲しそうにいいました。
14
たす
「わたしは、いつかあなたに助けてもらったつるです。
がえ
おん返しをしたくてやってきましたが、
み わか
すがたを見られてしまいましたので、これでお別れです。」
かな な と
つるは、悲しそうに鳴きながら、飛んでいってしまいました。
15
Preguntas sobre Tsuru no ongaeshi
1) una abuelita 2) una hermosa joven 3) una niña 4) una señora
16
も も た ろ う
桃太郎
Momotaro
17
むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんがいました。
やま かわ い
おじいさんは山へしばかりに、おばあさんは川へせんたくに行きました。
おばあさんがせんたくをしていると、
おお もも なが
大きな桃がどんぶらこ、どんぶらこ、と流れてきました。
もも にが もも
「うまい桃なら、こっちへこい。苦い桃なら、あっちへいけ。
」
もも ほう なが
桃はおばあさんの方に流れてきたので、
ひろ も かえ
おばあさんは拾って持って帰りました。
18
やま
おじいさんが山からもどり、
ふたり た もも き
二人で食べるために桃を切ろうとすると、
もも なか おとこ こ う
桃はぱっとわれて、中からかわいい男の子が生まれました。
ふたり
二人はびっくりしましたが、
もも た ろう な づ
おおよろこびで「桃太郎」と名付けました。
19
もも た ろう おお
桃太郎はどんどん大きくなり、
ちからも こ
力持ちでかしこい子になりました。
むら わる で
そのころ、村に悪いおにが出てきて、
むら ひと
村の人からものをとったり、らんぼうしたり、
ひと こま
むすめをさらったりしていたため、人びとはたいへん困っていました。
20
ひ もも た ろう
ある日桃太郎は、おじいさんとおばあさんに、
おお
「おかげさまで、こんなに大きくなりましたから、
しま たい じ い
おにが島へおに退治に行ってまいります。
に ほん いち つく
どうか日本一のきびだんごを作ってください。」
い
と言いました。
ふたり と もも た ろう
二人は止めましたが、桃太郎はききません。
つく
しかたなく、たくさんきびだんごを作り、
さ
こしに下げさせました。
あたら あたら かたな
そして、新しいはちまき、新しいはかまに刀をささせ、
に ほん いち もも た ろう
「日本一の桃太郎」
か も おく だ
と書いたはたを持たせて、送り出しました。
21
むら いぬ
村はずれで、犬がやってきました。
もも た ろう もも た ろう
「桃太郎さん、桃太郎さん、どこへいくのですか?」
しま たい じ
「おにが島へおに退治へ。」
け らい
「わたしを家来にしてください。
に ほん いち ひと
おこしにつけた日本一のきびだんごを、一つください。」
もも た ろう いぬ け らい
桃太郎は犬にきびだんごをやり、家来にしました。
22
い と
しばらく行くと、きじが飛んできました。
もも た ろう おな け らい
桃太郎は、同じようにきじも家来にしました。
け らい
さるもやってきて、さるも家来になりました。
もも た ろう さん びき たいしょう
桃太郎は三匹の大将になって、
しま
おにが島へとうちゃくしました。
23
しま さか
おにが島では、おにたちが酒もりのさいちゅうでした。
もも た ろう に ほん いち もも た ろう たい じ
桃太郎は、「われこそ日本一の桃太郎。おにどもを退治にきた!」
かたな き
と刀で切りかけました。
こ
おにたちは、「なんだ、子どもか。」
とばかにしていましたが、
に ほん いち せん にん りき
こちらは日本一のきびだんごのおかげで千人力です。
もも た ろう かたな いぬ
桃太郎は刀をふるい、犬はかみつき、さるはひっかき、
そら
きじは空からつっつきます。
ま
とうとうおにどもはみんな負けてしまいました。
24
たいしょう もも た ろう まえ て
おにの大将は、桃太郎の前に手をつき、
なみだ なが いのち たす
涙を流して「命ばかりはお助けください。
けっ わる
これからは決して悪いことはいたしません。
たからもの
宝物はみんなさしあげます。」とあやまりました。
もも た ろう わる いのち たす
桃太郎は「悪いことをしなければ、命は助けてやる。」
たからもの むら かえ
といい、宝物をもって、村へ帰ってきました。
むら びと おお
おじいさん、おばあさんも村人も、みんな大よろこびで、
もも た ろう ゆう き ちから
桃太郎の勇気と力をほめたたえました。
25
Preguntas sobre Momotaro
¿Qué le dieron los abuelos a Momotaro antes de que vaya a la isla de los diablos?
¿Qué animales son los que Momotaro encontró en el camino a la isla de los diablos?
1
2
3
26
かさじぞう
Kasajizou
Kasa: sombrero de paja antiguo.
Jizou: escultura budista protectora de niños
27
むかし、あるところに、
す
とてもびんぼうなおじいさんとおばあさんが住んでいました。
むら ひと
おおみそかをむかえ、村の人たちはみな、
しょうがつ よう い
お正月の用意をしていましたが、
かね
おじいさんたちにはそんなお金もありません。
ふたり
そこで二人はかさをこしらえ、
まち う い
おじいさんが町へ売りに行くことにしました。
「かさはいりませんか。」
う ある
おじいさんはいっしょうけんめい売り歩きましたが、
う ゆう がた ゆき
ちっとも売れず、夕方になりとうとう雪までふりはじめました。
28
いえ む
しかたなく家に向かうとちゅう、
みち いし
道ばたに、石のおじぞうさまが
むっ み
六つならんでいるのを見つけました。
ゆき
「おお、こんなに雪がかかって、
おじぞうさまもさむかろう。」
ゆき
おじいさんは、おじぞうさまのあたまの雪をはらい、
も いつ
持っていた五つのかさをかぶせてあげました。
むっ
しかし、おじぞうさまは六つ。
ひと た
かさが一つ足りません。
じ ぶん ふる て
おじいさんは、自分がかぶっていた古い手ぬぐいを
いえ かえ
おじぞうさまにかぶせ、家に帰りました。
29
いえ
家ではおばあさんが、
こめ か
おじいさんがお米を買ってくるだろうと、まっていました。
て かえ ひ はな
手ぶらで帰ってきたおじいさんが、その日のことを話すと、
おばあさんは「それはよかった。」とよろこびました。
30
よる ふたり き
その夜のこと、二人はとおくから聞こえてくる
うた め
歌で目をさましました。
「どっこいしょ、それどっこいしょ。」
はこ
なにかを運んでいるようです。
うた いえ まえ と もの おと
その歌は家の前で止まり、すごい物音がしました。
ふたり そと
二人がそっと外をのぞいてみると、
こめ かね はい ふくろ
そこにはお米やお金がたくさん入った袋があり、
なか かえ むっ み
ふぶきの中を帰っていく六つのおじぞうさまのすがたが見えました。
Esa noche, los ancianos se despertaron por una canción que se escuchaba a lo lejos.
- ¡Vamos!, ¡Vamos!
Parece que están llevando algo.
La canción se detuvo frente a la casa y se escuchó un fuerte ruido. Los ancianos
miraron afuera de la casa sin hacer ruido y encontraron una bolsa llena de
arroz y dinero y vieron a los seis Jizou alejándose en medio de la tormenta de nieve.
31
Preguntas sobre Kasajizou
¿Por qué los Jizou llevaron arroz y dinero a la casa de los abuelitos?
32
せい さく ねん がつ
制 作 (2013年1月)
こう え き ざ い だ ん ほ う じ ん ひょうご けん こくさいこうりゅうきょうか い
公益財団法人 兵庫県国際交流協会
ひょうごラテンコミュニティ
だい ひょう おお しろ
代 表 大城 ロクサナ
ふくだい ひょう ふじ と なお み
副代表 藤戸 直美
く やま あき こ
スタッフ 久山 章子
こう べ し なが た くかいうんちょう ちょうめ ばん ごう ない
ほん かん と あ さき
この本に関する問い合わせ先
こう え き ざ い だ ん ほ うじ ん ひょうご けん こくさ い こうりゅうきょうか い
公益財団法人 兵庫県国際交流協会
こう べ し ちゅうおうくわきはまかいがんどおり ちょうめ ばん ごう こくさいけんこうかいはつ
〒651-0073 神戸市中央区脇浜海岸通1丁目5番1号 国際健康開発センター2F
TEL 078-230-3261 FAX 078-230-3280
http://www.hyogo-ip.or.jp/bogo/index.html
33
日
本
の
昔
話
︻
ペ
イ
語
︼