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10/1/2021 いっすんぼうし | おはなしのくに | NHK for School

あらすじ⼀覧

いっすんぼうし

オープニング
オープニングタイトル

scene 01
体が⼀⼨ほどの⾚んぼう
むかし、ある村に、おじいさんとおばあさんがくらしていました。
ずっと⼦どもにめぐまれなかった⼆⼈は、毎⽇(まいにち)、村の
⽒神(うじがみ)さまにおまいりしていました。「⽒神さま、どう
か⼦どもをおさずけください。」そんなある⽇。「おんぎゃー。お
んぎゃー…」⼆⼈のいのりがとどいたのか、とうとう⾚んぼうが⽣
まれました。けれどもその⾚んぼうは、それはそれは⼩さい男の⼦
で、体(からだ)は⼀⼨(いっすん)。今(いま)でいえば、3セ
ンチほどしかありません。それでも、おじいさんもおばあさんも⼤
よろこびです。「いっぱいたべて、⼤きくなるんだぞ」。〔語り︓
松岡茉優(まつおか・まゆ)さん〕

scene 02
“いっすんぼうし”とからかわれ
ところが、男の⼦は、五つになっても、七つになっても、いっこう
に⼤きくなりません。村の⼈たちは、この⼦のことを“いっすんぼう
し”とよぶようになりました。「やーい、やーい。ちびすけのいっす
んぼうし。」「ほれ、⽝にふまれるぞ。」「それ、カラスにくわれ
るぞ。」村の⼦どもたちは男の⼦をからかってはやしたてます。
「ううっ。おらがこんなに⼩さいから、おじいさんの畑(はたけ)
しごとも⼿つだえん。おばあさんのめしたきも⼿つだえん。うう
っ、ううう…」と、いっすんぼうしはくやしくてなみだをながすの
でした。

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10/1/2021 いっすんぼうし | おはなしのくに | NHK for School

scene 03
「おらを都にいかせてください」
ある⽇、いっすんぼうしはおじいさんとおばあさんにいいました。
「おらを都(みやこ)にいかせてください。」おじいさんが「都へ
いってどうする︖」というと、「ひろい世(よ)の中を⾒てみたい
のです。きっとりっぱになってかえってきます。」といっすんぼう
しはいいました。「そんな⼩さな体(からだ)ではあぶなかろ
う。」としんぱいするおばあさん。するといっすんぼうしは、「だ
いじょうぶです。おらに、はりと、おわんと、はしをください。」
といいました。おじいさんとおばあさんはひきとめましたが、いっ
すんぼうしの⼼(こころ)はかたくきまっていました。はりの⼑
(かたな)をこしにさすと、出発(しゅっぱつ)です。

scene 04
にぎやかな都にやってきた
「♪指(ゆび)にたりないいっすんぼうし ⼩さい体(からだ)に
⼤きなのぞみ おわんのふねにはしのかい 京(きょう)へはるば
るのぼりゆく♪」⼩さないっすんぼうしにとって、⼤きな川は⼤海
原(おおうなばら)のようでした。それでも、いっすんぼうしはく
る⽇もくる⽇も、川をこぎのぼっていきました…。「おお、ここが
都(みやこ)かあ︕」都の⼤きなとおりをあるいていくいっすんぼ
うし。おおぜいの⼈が⾏き来(いきき)しています。「わぁ、これ
では、ふみつぶされてしまうぞ。」しばらくいくと、⼤きなおやし
きの前(まえ)に出ました。

scene 05
名だかい⼤⾂のけらいに
「おたのもうします︕」いっすんぼうしは⼤声(おおごえ)でいい
ました。出てきた⼈は、「おや、声がしたのにだれもおらぬな。」
といいます。「ここです︕ あなたさまの⾜もとにおります︕」と
いうと、「やや、これはおどろいた。なんと⼩さな剣⼠(けんし)
じゃ。」いっすんぼうしは、「わたしを、けらいにしてくださ
い。」といいました。「おまえのようなものにいったいなにができ
るというのだ。」いっすんぼうしは、はりの⼑(かたな)をみがま
えると、「エイッ、ヤアッ」と、とんでいたハエをみごとしとめて
みせました。「ほおーっ、みごとじゃ、みごとじゃ。」その⼈は、
都(みやこ)でも名だかい⼤⾂(だいじん)でした。

scene 06
⼤⾂のおひめさまにつかえて
こうしていっすんぼうしは、⼤⾂(だいじん)のやしきではたらく
ことになりました。おひめさまは、いっすんぼうしが⼤のお気に⼊

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りです。「いっすんぼうし、⼿ならいをするから、すみをすってお
くれ。」するといっすんぼうしは、「はい、ひめさま」と、⾃分
(じぶん)の体(からだ)ほどの⼤きさのすみをすります。「いっ
すんぼうし、紙(かみ)をおさえておくれ。」するといっすんぼう
しは、「はい、ひめさま」と、体で紙をおさえます。…こうして、
何年(なんねん)かがすぎました。

scene 07
⼤きなおにがおひめさまを︕
ある⽇、おひめさまは清⽔寺(きよみずでら)へおまいりにいくこ
とになり、いっすんぼうしもおともをしました。かえり道(み
ち)、とつぜん、⼤きなおにがあらわれました。「うおーっ︕ ひ
めはもらっていくぞ。」「あれえーっ。」「まて︕ ひめさまには
指(ゆび)⼀本ふれさせないぞ︕」といっすんぼうし。でも、
「ん︖ 声(こえ)はしたのにだれもいないぞ。」とふしぎそうな
おに。「ここだ、ここだ︕ エイッ、ヤァッ︕」はりの⼑(かた
な)をふるって⽴ちむかいますが、⼤きなおににはとてもかないま
せん。「なんだ、このちっこいのは︖」おにはいっすんぼうしをつ
まみあげると、パクリとのみこんでしまいました。

scene 08
おににのみこまれたいっすんぼうし
けれども、いっすんぼうしもまけてはいません。「エイッ。エイ
ッ。エイッ。」おにのはらの中を、はりの⼑(かたな)でつきさし
はじめたのです。「うん︖ うっ、うっ…」と、きゅうにおにはく
るしみはじめました。「エイッ。エイッ。」「い、いたい︕ いた
い、いたい、いたい︕」おにはおなかをかかえてくるしんでいま
す。「エイッ。エイッ。トウッ︕」「いたい︕」おにはとうとうが
まんができなくなって、「これはたまらん︕ こうさんだ︕ ハ、
ハ、ハックション︕」と⼤きなくしゃみをしていっすんぼうしをは
きだしたかとおもうと、いちもくさんににげていきました。

scene 09
おにがおとしていった『打ち出の⼩づち』
「ひめさま、おにがこれをおとしていきました」といっすんぼうし
がいうと、おひめさまはひろい上げて、「これは、『打ち出(うち
で)の⼩づち』というたからものです。これをふれば、どんなねが
いもかなうといいます。いっすんぼうし、そなたのねがいはなんで
すか︖」といいました。「わたしのねがいは、背(せ)が⼤きくな
ることです。」といっすんぼうしはこたえました。「あいわかっ
た。」おひめさまは、「打ち出の⼩づちよ、いっすんぼうしの背を
⼤きくしたまえ。背、出ろ。背、出ろ。背、出ろ」といって打ち出

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10/1/2021 いっすんぼうし | おはなしのくに | NHK for School

の⼩づちをふりました。すると…。いっすんぼうしはりっぱなわか
ものになっていました。

scene 10
みごとりっぱなさむらいに
おひめさまをすくったいっすんぼうしの⼿がらは都(みやこ)じゅ
うにひろまりました。いっすんぼうしは、出世(しゅっせ)してり
っぱなさむらいになり、おひめさまとけっこんしました。もう、“い
っすんぼうし”とよばれることもありません。そして、おじいさんと
おばあさんを都によびよせて、いつまでもしあわせにくらしました
とさ。

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