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胎盤1 胎盤病理診断 基礎編

卵膜・‖齊帯の異常

立石文了*

縁胎盤は臨床的意義がなく,内側の付着部∼辺縁まで
はじめに 平坦で卵膜下にフィブリン沈着がみられる.周郭胎盤
は全胎盤の1%程度に認める.卵膜は折り畳まれ,絨
 卵膜と膀帯は胎盤を構成する重要な構造物であり, 毛膜板の間でポケットを形成する.FGRやIUFD,羊
胎児と母体の循環をつなぐ膀帯の異常は胎児発育不全 水過少症に関連する2).
fetal growth restriction(FGR)や子宮内胎児死亡in−  3.羊膜剥離
trauterine fetal death(IUFD)に強く関連する1・2).本  胎児水腫や炎症,胎便による羊水混濁がある際に観
稿では,異常のある卵膜や膀帯の肉眼所見や病理組織 察される.分娩時操作などの物理的な力でも剥離す
学的所見を紹介する.胎便meconiumに曝された胎盤 る.

は,色調や組織学的変化を含めて特徴的な所見を呈す  4.肥 厚
るため,まとめて後述する.胎盤の評価をホルマリン  絨毛の遺残や凝血塊の付着でみられるが,紙様児や
固定前に行うか,固定後に行うかは施設によって異な 卵黄嚢遺残のことがある.
ると思うが,本稿で示す図や記載は全てホルマリン固  5.膀帯付着部位(図2)
定後の胎盤である.なお,絨毛膜羊膜炎や膀帯炎は別  膀帯の胎盤への付着部位と辺縁からの距離を記載す
稿での解説があるため肉眼所見でのみ軽くふれる. る.正常と判定されるのは中央付着central insertion
か,中央から2/3の範囲に収まっている側方付着ec−
1.卵膜と贋帯の肉眼所見 centric insertionで約90%を占める.それ以外のもの
は以下のように分類されるD.
 卵膜は色調,付着部,破膜部位,羊膜剥離の有無に  (1)周辺付着peripheral insertion:胎盤辺縁から1
ついて記載し,肥厚や羊膜結節などがあればそれも記 ∼ 3cmの間に付着している場合で,周産期合併症と
録する.膀帯は色調,長さと太さ,回転,付着部位, の関連は乏しい.
真結節,偽結節の有無,割面での血管数を観察して記  (2)辺縁付着marginal insertion:胎盤辺縁から
録する3).
1cm未満に付着している場合で,単胎妊娠で約7%,
 1.色 調 双胎妊娠の約10%の頻度でみる.早産のリスクが増
 正常の卵膜は血管が見える半透明な薄燈色で月齊帯は 加する4).

白色である.炎症を伴うと卵膜,月齊帯ともに黄白色の,  (3)卵膜付着velamentous insertion:E齊帯が卵膜に
胎児死亡後の膀帯は暗赤色の変色がある.慢性的な出 付着しているため膀帯血管周囲にWharton膠質
血によるフィブリン沈着やヘモジデリン沈着があると (Wharton’s jelly)がない部分があり, Ih1管損傷や血
卵膜は黄褐色を呈する. 栓のリスクが高くなる.早産,IUFD,帝王切開分娩
 2.卵膜の付着部(図1) と関連がある5).頻度は単胎妊娠で約1%だが,双胎
 卵膜は,通常では胎盤実質辺縁に付着するが,辺縁 妊娠で約6%まで増加する.また,生殖補助医療との
より内側に付着すると画縁胎盤circummarginate pla− 関連が報告されており,今後増加する可能性がある6).
centaや周郭胎盤circumvallate placentaとなる.画  (4)分岐付着furcate insertion:付着部の膀帯血管
周囲にWharton膠質がなく,血管損傷や血栓のリス
*信州大学医学部病埋組織学教室 クが高くなる7).

842 病理と臨床 2019 Vol.3ア No.9 0287−3745/19/紙¥100/電f¥200/頁/JCOPY

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図1画縁胎盤と周郭胎盤

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a∼c:画縁胎盤:卵膜は胎盤縁の内側      

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に付着している.移行部は平滑で卵膜

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下にはフィブリン沈着がみられる. 汁

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d∼f:周郭胎盤:卵膜は折り畳まれて 民警竃

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図2 膀帯付着部位
a:中央付着.
b:辺縁付着.辺縁くlcmの部位に付
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c:卵膜付着.卵膜内を血管が走行し

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d:分岐付着.付着部位にWharton膠
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子がフォークを刺したように見える.


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病理と臨床 2019 Vol.37 No.9 843

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図3 騰帯の太さ,回転,結節 a:太い膳帯(矢印).b:絞拒(矢印). c:真結節(矢印). d:血管性の偽結節(矢印).

 6.瞬帯の長さ  8.膀帯の回転
 妊娠満期の膀帯長は約50cmで35 cmより短い場合  聴帯は10cmにつき2∼3回転している.胎児側を
を短膀帯short umbilical cord,70 cmより長い場合を 上としたとき下から一ヒへ向かう方向を回転方向とす
過長膀帯excessively long umbilical cordという.膳 る.75%は左回転だが回転方向に臨床的意義はない.
帯長はホルマリン固定により約12%短くなる2)こと  (1)膀帯低回転hypocoiling:10 cmにつき1回転未
や,膀帯全長が提出されない場合もあるため,産科医 満の場合と定義され7),7.5%程度に認める.胎動のな
と連携して分娩直後の長さを記録するほうが正確であ い児の膀帯は回転がほとんどなく,胎児の染色体異
る.膀帯長は妊娠初期の胎児の動きにより決定され, 常,SUA,胎便付着と関連がある2),
子宮外妊娠のように胎児が拘束されていると膀帯は短  (2)膀帯過捻転hypercoiling:10 cmにつき3回転
くなる1).短膀帯は様々な胎児の先天性異常で観察さ より多い場合と定義され7),20%程度に認める.捻転
れ,常位胎盤早期剥離のリスクが増加する.過長月齊帯 狭窄により血管抵抗が増加し,胎児心臓への後負荷が
は動きの活発な男児や母親の高身長,多経産と関連が 増加する.膳帯絞拒torsionはIUFDの原因となる9)
ある2).胎児への膀帯巻絡や破膜後の膳帯脱出を誘発 (図3b).

し,膀帯圧迫により血流が途絶しIUFDにつながる.  9.結 節
膀帯過捻転がみられることが多い.  真結節true knotと偽結節false knotを区別する(図
 7.ll齊帯の太さ 3c, d).真結節は胎児自身が移動して生じる膀帯の結
 膀帯の太さは固定前に比し固定後ではO.1∼O.2 cm び目である.頻度はO. 35∼2. 1%2)で過長聴帯,男児,
程度縮むので,測定時状況を記載する2). 羊水過多症,妊娠糖尿病,母体の高年齢,一一絨毛一羊
 (1)太い月齊帯thick cord(図3a):膀帯直径が妊娠週 膜双胎が発症リスクとなる.結紮が高度になると胎児
数の90パーセンタイルを超えるものと定義され,一 への血流減少や血栓形成がみられる.真結節はIUFD
般的には満期産で3cmより大きい場合をいう8).全体 と関連し,帝王切開分娩,早産やApgarスコア低値
的に太い膀帯の原因は浮腫が多く,妊娠糖尿病や胎児 などの周産期合併症リスクが増加するlo).偽結節は膀
水腫に関連する.部分的に太い膀帯の原因は膀帯ヘル 帯の一部が外観上結節状に肥厚したもので,Wharton
ニア,嚢胞,血管病変があり,血腫がみられることも 膠質の過剰集塊か膳帯血管の局所的拡張や蛇行により
ある. 生じる.臨床的意義は乏しい.
 (2)細い膀帯thin cord:膳帯直径が妊娠週数の
10パーセンタイル未満のものを指し,満期産であれ 皿.卵膜の病理組織学的所見
ばO.8 cm未満である2).全体的に細い膳帯では子宮胎
盤還流の減少によるWharton膠質の減少か,単一膀  卵膜は胎児を包む膜様物で,羊水を容れている.羊
帯動脈single umbilical artery(SUA)などが原因とな 膜,絨毛膜無毛部および脱落膜からなる2・9).
る.部分的に細い膀帯は膀帯過捻転に関連することが  1.羊 膜
多い.  単層の扁平∼立方形の羊膜上皮細胞,基底膜とその
下の結合組織からなる.羊膜に血管,神経,リンパ管

844 病理と臨床 20伯 Vel.3ア No.9

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図4 卵膜の病理組織学的所見

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a:扁平上皮化生.
b,c:羊膜結節.羊膜の表面上に小結
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節が多数みられる.角化物の付着であ

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る.

d,e:卵黄嚢遺残.米粒大の硬い白色
結節が1つだけあり,石灰沈着がみら


れる.

f:ヘモジデリン沈着.褐色調のきら


きらした色素を貧食するマクロファー


ジを認める.
g:絨毛膜内の小嚢胞形成.
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h:絨毛膜のトロホブラスト,この程
度の核の異型や多形性は正常でもみら
れる.
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はなく,栄養や酸素は羊水から供給されている.以下 ことが多く,肥厚部で胎児組織が観察されることがあ
のような構造物がみられることがある. る.

 (1)扁平上皮化生(図4a):物理的刺激により角化  (6)羊膜上皮細胞壊死:早期では核の濃縮がみられ
を伴う重層扁平上皮に化生する.膀帯挿入部でよくみ るが,時間が経つと細胞自体が観察できなくなる.胎
られる. 便や血液に曝される場合や重度の炎症の際に認める.
 (2)羊膜結節amnion nodosum(図4b, c):羊膜表  (7)羊膜索amniotic band:妊娠早期に破綻した羊
面上に小結節が多数みられ,擦ると容易に剥離する. 膜が索状物となる.胎児や膀帯の一部を切断し,欠損
羊水中の浮遊胎脂が付着したもので,組織学的には結 などの奇形が生じたものを羊膜索症候群と呼ぶ.羊膜
節状の角化物である.羊膜上皮細胞はみられないこと 破綻の原因は明らかではない2・9).
がある.羊水過少症と関連している.  2.絨毛膜
 (3)卵黄嚢遺残(図4d, e)1表面上に5mm程度の石  トロホブラストと結合組織からなる.トロホブラス
灰沈着による硬い白色結節を1つだけ認める. トは妊娠経過とともに減少する.核は多形性がみら
 (4)ヘモジデリン沈着(図4f):褐色調の色素沈着で れ,小型の嚢胞形成がみられることがある(図5g, h).
鉄染色に陽性となる.胎盤縁での繰り返される静脈出  3.脱落膜
血と関連する.  妊娠時の子宮内膜間質でらせん動脈や静脈がみられ
 (5)紙様児:多胎妊娠における1児死亡でみられる る.一・般的に,内膜腺は妊娠第3期で観察することは

病理と臨床 2019 Vol.37 No.9 845

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図5腔帯の病理学的所見
a:SUA.1動脈1静脈.
b:卵黄腸管.平滑筋細胞に囲まれ,
呼吸上皮類似の上皮が並んでいる.
c:血栓,血管内を閉塞する血栓があ
り,血管壁は虚血性壊死に陥ってい
る.

d:膀帯血腫.Wharton膠質内に血液
の貯留があり,血液の周囲には血管内
皮や平滑筋,線維芽細胞がない.

ない.らせん動脈の病変(acute atherosis, decidual に影響する先天奇形を合併している.SUAの膳帯で
vasculopathy)は卵膜で検索すると観察しやすい. は途中で萎縮血管や血栓形成による途絶をみることが
あるので注意深く観察する2・9).

皿.踏帯の病理組織学的所見  2.胎生期遺残物
 胎生期遺残物は約23%の頻度で認める.病的意義
 正常の膀帯は羊膜に被覆されたWharton膠質の中 はほとんどない12).

に2動脈1静脈の3本の膀帯血管を認める.動脈は静  (1)尿膜管allantoic duct:最もよく観察され63%
脈に比し,平滑筋層が厚い.静脈のほうが径が太く, 程度にみられる.膳帯動脈の間に位置し密な結合組織
弾性染色で明瞭な内弾性板がみられる.Wharton膠 で囲まれている.平坦な立方上皮細胞か尿路上皮細胞
質は膀帯血管を保護しているムコ多糖蛋白で星状∼紡 が並び,粘液産生を伴うことがある.内部には石灰化
錘形の筋線維芽細胞様細胞やヘパリン産生肥満細胞, 物や好酸性滲出物がみられる,
マクロファージが散在する.圧がかかると液状化し,  (2)卵黄腸管vitelline duct(図5b):7%程度の頻度
循環障害や贋帯ヘルニアでは嚢胞様変性がみられ で観察される.一般的に平滑筋で囲まれており,上皮
る2・11).以下,胎生期遺残物を含め,膳帯の異常所見 は内胚葉上皮が並ぶ.小腸型が多く,稀に胃,肝臓
について概説する. 膵臓がみられる.Meckel憩室など,他の異常と関連
 1.単一贋帯動脈(SUA) していることがある.
 膀帯割面で血管が2本のみ観察される場合はSUA  (3)卵黄血管vitelline vessel:30%程度の頻度で観
と呼ばれる(図5a).頻度は約1%で,約20%で予後 察され,卵黄腸管を伴うことがある.薄い筋層壁で内

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図6 胎便付着に伴う所見
a:緑褐色調の卵膜,膳帯.
b:贋帯割面.
c:偽層状円柱上皮.
d:空胞変性を伴う羊膜上皮細胞.空
胞の大きさにはばらつきがある.羊膜
下のマクロファージが色素を貧食して
いる.


皮細胞を認める.細い毛細血管が増殖し,いわゆる血 別に挙がるが,血液の周囲に血管内皮,平滑筋,線維
管腫様変化(capillary proliferation associated with vi− 芽細胞がないことを確認する,
telline vessel remnants)を認めることがある.  5.膀帯の腫瘍
 3.血管内血栓(図5c)  血管腫hemangioma, angioma, angiomyxoma,奇
 静脈内血栓が多い.静脈または2動脈が閉塞した場 形腫teratomaの症例報告があるが,非常に稀で実際
合は致死的で出生後も新生児期に死亡することが多 の頻度は不明である1).血管腫の鑑別は血管腫様変化
い.また,生存者にも神経障害等の後遺症が生じる. や膳帯血腫が挙げられる.血管腫様変化の毛細血管は
病因はVirchow 3徴で説明される.すなわち,①う Wharton膠質内にあり,平滑筋細胞や線維性組織を
っ血:膀帯の圧迫や捻れによる血流のうっ滞と心不全 伴わない.奇形腫の鑑別には無心体双胎があるが,こ
や過長膀帯,膀帯過捻転による血管抵抗増加で生じ れ自体も稀である.
る,②血管内皮障害:重度の炎症,胎便による壊死,
膀帯損傷により生じる,③血液凝固能元進:妊娠糖尿 IV.胎便付着に伴う所見
病における赤血球増加,脱水等による血管内容量の低
下,遺伝的条件等が要因となる.血栓または血管壊死  子宮内での胎便排泄が原因で臨床情報としては羊水
領域は膀帯表面が黄緑色に変色する.組織学的には, 混濁と記載される.肉眼的には,卵膜の色調は緑褐色
血栓が血管腔を閉塞し,血管壁は虚血性壊死に陥って (図6a)で,時間が経過するとこげ茶色で浮腫を呈す
いる.非閉塞性の血栓は血管壁に付着しており,石灰 る.膳帯中のマクロファージは少数で顕著な色素沈着
化していることもある.血流は維持されているので血 を示さないため,Wharton膠質全体の緑褐色の変色
管壁は保たれる2). は肉眼でのみ観察できる2)(図6b).組織学的には,羊
 4.膀帯血腫(図5d) 膜上皮細胞は3層程度の偽層状円柱上皮(図6c)や大
 分娩時の鉗子圧迫による静脈破綻や膀帯動脈血採血 小の空胞形成(図6d),空胞内の色素沈着が観察され
の際に生じるアーチファクトが多く,血管周囲に血液 る.腹壁破裂gastroschisisの際にはびまん性の細空
の貯留がみられる.病的意義はなく,血液貯留がある 胞が観察され,サイズにばらつきはない.膀帯では胎
部分は避けて標本を作製する.血管奇形や血管腫が鑑 便付着部位の縦走潰瘍や胎便による血管壊死meconi一

病理と臨床 2019 Vol.37 No.9 847

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um−associated vascular necrosis(MAVN)2)がみられ 3)中山雅弘:目でみる胎盤病理,医学書院,東京,
る.MAVNは胎便付着胎盤の約1%で生じ,血管内   2002
4)Ismail, K.1. Hannigan, A.,0’Donoghue, K. et al.:
血栓の原因となる.膳帯血管の筋細胞の好酸性が増   Abnormal placental cord insertion and adverse
し,核濃縮がみられる.付着に伴う羊膜壊死や色素貧   pregnancy outcomes:asystematic review and
  meta−analysis. Syst Rev 2017, 6:242
食マクロファージ,血管内血栓が観察される.また,
5)de Los Reyes, S., Hendersen. J. Eke, A℃.:Asys−
反応性に炎症細胞浸潤がみられることがある.ヘモジ   tematic review and meta−analysis of ve!amentous
デリン沈着症と比し,肉眼的に緑色みが強く,色素は   cord insertion among singieton pregnancies and
黄色みが強い.ヘモジデリンで陽性となる鉄染色が鑑   the risk of preterrn delivery. Int J Gynaecol Ob−
  stet 2018,142:9−14
別に有用である. 6)Ebbing, C., Kiserud, T., Johnsen, S.L. et al.:Preva−

  lence, risk factors and oしltcomes of velamentous
おわりに   and marginal cord insertions:apopulation−based
  study of 634,741 pregnancies. PLoS One 2013,8:
  e70380
 胎盤の病理学的な検索は,既に終わった妊娠にっい 7)Khong, T.Y., Mooney, E.E. ArieL I. et al.:Sam−
ての評価であり妊娠の継続や母体,胎児の状態改善に   pling and Definitions of PlacentaユLesions:Am−
は寄与しない.しかし,どのような所見が周産期合併   sterdam Placental Workshop Group ConsensLls
  Statement. Arch Pathol Lab Med 2016,140:698−
症や出生児の予後,治療に関連するかを理解し,臨床
  713
医にフィードバックすることで周産期合併症の管理精 8)Proctor, LK.T Fitzgerald, B., Whittle, W.L. et al.:

度の向上につながり,次回の妊娠時に適切な管理を受   Umbilical cord diameter percentile curves and
  their correlation to birth weight and placental pa−
けるための重要な情報となる.膀帯と卵膜は多量に標
  thology. Placenta 2013,34:62−66
本を作製する必要はないが,丁寧な検索をすれば得ら 9)松岡健太郎,左合治彦,竹内 真:周産期医療に
れる情報量は多い.本稿が参考になれば幸いである.   かかわる人のためのやさしくわかる胎盤のみかた・
  調べかた,診断と治療社,東京,2016
10)Raisanen, S., Georgiadis, L., Harju, M. et al.:True
        文   献   umbilical cord knot and obstetric outcome. Int J
1)Benirschke, K. Graham, B. Baergen, RN.:Pathol−   Gynaecol Obstet 2013,122:18−21
 ogy of the Human Placenta,6th ed., Springer− 11)Takechi, K., Kuwabara, Y. Mizuno, M.:Ultra−
 Verlag, New York,2012   structural and immunohistochemical studies of
2)Heerema−McKenney, A., Popek, EJ., De Paepe,   Wharton’s jelly umbilical cord cells. Placenta l993,
 M.E.:Diagnostic Pathology Placenta,2nd ed., El−   14:235−245
 sevier, Canada,2019

外科病理学第4版
編集●向井 清・真鍋俊明・深山正久
十Acke㎜anの”Surgical Pathology’「に匹敵するテキストとして企画された本書は,初版より病理
 医のみならず臨床医にも支持を得ている.臓器ごとに正常構造の解説を施し,取扱い規約,
 WHO分類,国際分類などの標準的分類を加え,外科病理学の標準書とした.画像診断との関
 連も重視し,臨床事項も充実させ,また各章の冒頭に見出し一覧をつけた.外科病理の必携の書.
◎B5変型判・]976頁/定価(本体40,000円+税) ISBN978−4−・8306−−0464−5

ic)▼ 一  https:〃www.bunkodo.co.jp〒113−OG33東京都文京区本郷7−2・7 tel.03・3813−5478/faxO3−3813−−7241

848 病理と臨珠 2顔§ ▽oi.3ア No、9

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