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D2108 [2016-N]

NES 日産技術標準規格

規格番号 変 番 区分 承認日 ファイル分類番号


D2108 2016-N 改正 16-11-15 D-2-02

名 称(Title)
表面欠陥 ボルト、ねじ及びスタッド

Surface Discontinuities-Bolts, Screws and Studs

概 要
表面欠陥 ボルト、ねじ及びスタッド

キーワード

制定日 最新変番の承認日 重保重要識別 英訳ランク 分類(製造)


94-09-21 16-11-15 - a

コモンスタンダード 日産自動車株式会社 NES 委員会


開発 部会 部会長

承認者1 内田 耕 分科会 締結技術 専門委員会 ボルト・ナット・ネジ


承認者2
承認者3 分科会長 中村 篤史 専門委員会長 内田 耕

地区 課コード 作成者 TEL(内線)


X XD2 小林 大介 6630-7927
引用/関連規格 社内規格

引用/関連規格 社外規格

表 紙
D2108 [2016-N]
日 産 技 術 標 準 規 格

自動車用標準部品

N E S 表面欠陥ボルト、ねじ及びスタッド
Surface discontinuities - Bolts、screws and studs

この規格は、1993年度版として発行されたJIS B 1041を、原規格の様式によって作成したN
ESであるが、規格の名称を『表面欠陥ボルト、ねじ及びスタッド』とし、規格内容の一部を日産の実情に即
して変更した。なお、この規格で《備考》は、原規格にない部分である。

1.適用範囲

1.1 この規格は、NESに規定する呼び径5㎜以上の六角ボルト、ねじ及びスタッド
の各種表面欠陥に対する許容限界を規定する。

1.2 表面欠陥が2.
(表面欠陥の種類、原因、外観及び限界)に示す許容限界内であっても、
NESに規定する機械的性質の最小値の要求を満足しなければならない。

備考 1.2.に示される図は例に過ぎない。ほかの形式の六角ボルト、ねじ及びスタッドにも同様に適用される。

2.個々の図の中には、表面欠陥を明瞭にするため誇張して示したものもある。

《備考》(1)JIS B 1041で規定している4.検査及び評価方法は、削除している。
(2)2.5 工具きず NES D 0005の規定内容は、JIS B 0601(表面粗さの定義と表示)と同等であ
り、又、表面粗さの表記Ra=3.2μmを3.2μmRaに変更した。
(3)外観の絵のうち、NESで規定していない特殊形状のボルトは、削除した。

引用規格:10ページに示す。

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D2108 [2016-N]
2.表面欠陥の種類、原因、外観及び限界

2.1 割れ
割れは、結晶粒界に沿うか横切るきれいな(結晶性の)破壊であって、介在物に沿って進むこともある。通常、割れ
は、鍛造若しくは他の成形工程、又は熱処理の間に金属が過大な応力を受けることによって発生する。ねじ部品が再加
熱されると、普通、割れは酸化膜で変色する。

2.1.1 焼割れ

原因 焼割れは、過度の熱応力及び変態応力によって焼入れ時に発生する。焼割れは、通常、ねじ部品の表面を、
不規則な経路で進行する。
外観

限界 いかなる深さ、いかなる長さ、又はいかなる場所の焼割れでも許容されない。

2
D2108 [2016-N]
2.1.2 鍛造割れ

原因 鍛造割れは、切断又は鍛造時に発生する。鍛造割れは、ボルト及びねじの頭部頂面、並びにへこみ付きの頭
の外周の盛上がり部に位置する。
外観

限界 鍛造割れの長さ L:L≦d(1)
鍛造割れの深さ又は幅 b:b≦0.04d
注(1) d=ねじの呼び径

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D2108 [2016-N]
2.1.3 鍛造裂けきず

原因 鍛造裂けきずは、例えば、鍛造時に、ボルト及びねじの頭部側面の平面部若しくは角部、フランジ付き頭若
しくは円形の頭の製品の外周部、又はへこみ付きの頭の外周の盛上がり部に発生する。
外観

限界 六角頭ねじ
六角ボルトの頭部側面の平面部に生じた鍛造裂けきずは、頂面の円形平面(面取り円)、又は座面まで到
達してはならない。側面の 2 平面の交線上に生じた鍛造裂けきずのために、対角距離が規格の最小値より小
さくなってはならない。
へこみ付きの頭のボルト及びねじの外周の盛上がり部に生じた鍛造裂けきずは、幅が 0.06d(1)を越えた
り、深さがへこみ部より下に達してはならない。
円形の頭のねじ
ボルト及びねじのフランジ部、並びに円形の頭のねじの外周部には、鍛造裂けきずがあってもよいが、次
の限界を超えてはならない。
鍛造裂けきずの幅:
0.08dc(2)(鍛造裂けきずが 1 個だけの場合)
0.04dc (鍛造裂けきずが 2 個以上の場合、ただし、そのうちの一つは、0.08dc までよい。

注(1) d=ねじの呼び径
(2) dc=フランジ部の直径又は頭の径

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D2108 [2016-N]
2.1.4 せん断裂けきず

原因 せん断裂けきずは、例えば、鍛造時に、円形の頭又はフランジ付き頭をもつ製品の外周部にしばしば発生
し、製品の軸に約 45°の方向に現れる。
せん断裂けきずは、六角頭の製品の側面に生じることもある。
外観

限界 六角頭のねじ
六角ボルトの頭部側面の平面部に生じたせん断裂けきずは、頂面の円形平面(面取り円)、又は座面まで
到達してはならない。側面の 2 平面の交線上に生じたせん断裂けきずのために、対角距離が規格の最小値よ
り小さくなってはならない。
へこみ付きの頭のボルト及びねじの外周の盛り上り部に生じたせん断裂けきずは、幅が 0.06d(1)を超え
たり、深さがへこみ部より下に達してはならない。
円形の頭のねじ
ボルト及びねじのフランジ部及び円形の頭のねじの外周部には、せん断裂けきずがあってもよいが、次の
限界を超えてはならない。
せん断裂けきずの幅:
0.08dc(2) (せん断裂けきずが 1 個だけの場合)
0.04dc (せん断裂けきずが 2 個以上の場合、ただし、そのうちの一つは、0.08dc までよい。

注(1) d=ねじの呼び径
(2) dc=フランジ部の直径又は頭の径

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D2108 [2016-N]
2.2 素材のすじきず及び重なり
すじきず及び重なりは、ねじ部、軸部又は頭部を軸方向に走る細い、通常は直線か、
又は滑らかな曲線状の欠陥である。

原因 すじきず及び重なりは、ねじ部品が造られる素材内に既にあったものである。
外観

限界 許容深さ:0.03d(1)
すじきず又は重なりが頭部に達する場合は、それらの幅及び深さは裂けきず(2.1.3 参照)に規定した許
容値を超えてはならない。
注(1) d=ねじの呼び径

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D2108 [2016-N]
2.3 くぼみ
くぼみは、鍛造又は据込み時に、金属が充満しきれなかったことによって起こる
ボルト若しくはねじの表面の浅い穴、又はへこみである。

原因 くぼみは、せん断時の欠けくずのこん跡か、又は素材上のさびの形成によって発生する。
このようなくぼみは、鍛造又は据込み工程では縮小しない。
外観

限界 くぼみの深さ h:
h≦0.02d(1) :最大 0.25mm
くぼみの総面積:
座面上のくぼみの総面積は、座面面積の 10%を超えてはならない。
注(1) d=ねじの呼び径

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D2108 [2016-N]
2.4 しわ しわは、鍛造時にねじ部品の表面に生じる金属の重なりである。

原因 しわは、一つの鍛造工程における形状と体積との不一致に基づく材料の移動によって発生する。
外観

座面又はそれより下の部分の凹角部のしわは、この規格又はねじ部品規格のなかで特別に許容されていない
限界
限り、許容されない。凸角部のしわは、許容される。

2.5 工具きず 工具きずは、軸方向又は円周方向の浅い深さの溝である。

原因 工具きずは、ボルト及びねじの表面上を製造工具が移動するときに発生する。
外観

機械加工によって発生した軸部、首下部又は座面の工具きずは、NES D 0005によって試験したと
限界
き、表面粗さ 3.2μmRaを超えてはならない。

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D2108 [2016-N]
2.6 損傷 損傷は、ボルト又はねじの表面に生じたへこみである。

原因 損傷(例えば、へこみ、すりきず、打こん及び溝)は、ボルト及びねじの製造時、並びに例えば、荷積みな
どの取り扱いの際に、外からの作用によって生じる。
外観 外からの作用と識別できるような、決まった幾何形状、位置又は方向はない。
上に述べた損傷は、機能又は使用性を損なわない限り、不合格と判定してはならない。
限界 ねじの最初の 3 山にあるへこみ、すりきず、打こん及び溝は、トルク 0.001d3(1)N.m(最大) で、通りねじ
リンゲージにねじ込まれれば許容される。
注(1) d=ねじの呼び径

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D2108 [2016-N]
発行年の記載のないものは、その最新版を適用する。
引用規格:NES D 0005 表面粗さ
関連規格:NES D 1012 ボルト、ナットの検査
NES D 1402 メートルねじ
NES D 2110 六角ボルトの仕様
JIS B 0601-2013 表面粗さの定義と表示
JIS B 1041-1993 締結用部品-表面欠陥 第1部一般要求のボルト、
ねじ及び植込みボルト
JIS B 1051-2014 鋼製のボルト、小ねじの機械的性質
JIS B 1091-2003 締結用部品 受入検査
ISO 6157-1 Fasteners-Surface discontinuities-Part1:Bolt,screws and studs
for general requirements

解 説
1、今回の改正点
(1)引用規格番号の発行年を見直しおよび誤字脱字の修正をした。
(2)関連・引用規格に関して、NES は最新版を適用するために発行年の記載をやめ、「発行年の記載のないものは、
その最新版を適用する。」の記載を追加した。但し、社外規格に関しては引用年を明確にするため、発行年を記
載した。(社外規格の最新年において整合性上問題ないため、最新の発行年を記載した。)

2、1994 年制定の経緯
・1974年にJIS B 0101(ねじ用語)が、制定され、ねじ部品の表面欠陥に関する用語が規定されたが、
表面欠陥に対する許容限界は、参考(規格の一部でない)でしかなかった。
一方、国際規格としては、ISO 6157-1(ボルト、ねじ、スタッドの表面欠陥)が、1988年8月に制
定された。しかし、JIS B 0101とISO 6157-1とは、内容が異なるものであった。
・JISの整備として、1993年7月にJIS B 1041(締結部品-表面欠陥)が、ISO 6157-1
の内容を変更することなく作成され、制定された。
・そこで今回、JIS B 1041の内容を変更することなく日産技術標準規格として作成し制定することとした。
・JIS B 1041で規定している 4.検査及び評価方法 は、今回のNESでは削除した。

作成者(課コード) :
小林 大介(XD2)
専門委員会幹事/委員 内田 :
耕 下村 祐一 石田 直輝 浜田 孝浩
岸本 龍彦 古田 光 武村 将宏 井上 浩介
志村 徹 小林 大介 井上 聖子
高橋 壮実〔日産車体㈱〕 川田 大〔日産車体㈱〕
渡辺 巌〔ジヤトコ㈱〕 藤井 俊行〔ジヤトコ㈱〕
この基準書にご意見又はご質問がある場合は,作成者又は専門委員会へご連絡ください。
その他不明点は,技術標準管理部署へお問い合わせください。

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