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2021 年度 大学院社会学研究科 総合社会科学専攻 修士課程

【秋期一般選考】入学試験

論文試験問題

2020 年 9 月実施

【 注 意 事 項 】

「解答はじめ」というまで開いてはいけない。試験時間:10 時 00 分~13 時 00 分。
1.

2.問題は4枚、解答用紙は6枚(1題につき3枚で1組)である。下書用紙1枚は自
由に使ってよい。

3.解答は、日本語または英語のどちらかで書くこと

4.解答用紙は残らず回収するので、記入していない用紙を含めすべての用紙に受験番
号、問題番号および問題名を正確に記入すること。

5.解答用紙が不足する場合は、監督員に申し出ること。

6.次のページの問1~問 18 の問題のうちから主論文1題・副論文1題を選び、それ
ぞれ別々の解答用紙(1題につき3枚で1組)に解答を記入しなさい。
①解答にあたっては、解答用紙上段に主論文・副論文の別を示す欄があるので、該当
する方を○でかこみなさい。
②主論文は自分が所属することを志願する研究分野(入学志願票に記入した研究分野)
の問題で、なおかつ自分の研究課題に最も近い領域の問題を選択しなさい。研究分
野とは【社会動態研究】
【社会文化研究】
【人間行動研究】
【人間・社会形成研究】
【総
合政策研究】
【歴史社会研究】までの6つの分野をさす。
③副論文については、研究分野を問わず、どの問題からでも選択できる。ただし、主
論文として選択した問と同一の で囲まれた別の問から選択することはでき
ない。そうした場合は採点対象外となる。例えば主論文で問1-(1)を選んだ場合は、
副論文で問1-(2)を選ぶことはできない。
④解答用紙上段に選択した問題番号と問題名を明記すること。

《記入例》 問1-(2) 社会動態研究Ⅰ(社会学)を選択した場合


問題番号 問 題 名

問1-(2) 社会動態研究Ⅰ
【社会動態研究】

1.社会動態研究Ⅰ(社会学)
次の2問から1問を選んで答えなさい。

問1-(1)

「逸脱のない社会」があるとすれば、それはどのような社会であり、またそこで「自由」はどのよう
なものとしてありうるか。社会学における逸脱概念を説明した上で、複数の社会学者の議論を論拠とし
て示しつつ多角的に論じなさい。

問1-(2)

社会における主観と客観の動態的な関係を、社会学的に説明しなさい。その際、なんらかの事例・テ
ーマ・領域・学説等に即した形で、具体的に論じなさい。

2.社会動態研究Ⅱ(社会調査)

問2

相関関係と因果関係の違いについて、次の点に留意して述べなさい。
(1)はじめに相関関係と因果関係について、それぞれ簡潔に定義しなさい。
(2)そのうえで両者の違いが端的に分かる任意の事例一点を取り上げ、具体的に説明しなさい。
(3)最後に因果関係について推論することのできるリサーチ・デザインおよび分析手法(量的手法・
質的手法のいずれでも構わない)について上記で取り上げた事例と関連させながら、具体的に論じ
なさい。

3.社会動態研究Ⅲ(国際社会学)

問3

移民受入れ国における外国にルーツを持つ人々の諸権利の拡大について、シティズンシップの観点か
ら、1)付与の基準・原則、2)拡大や制限を規定する具体的条件、3)その結果として付与される多様な
権利の内容に関して、自分の関心のある2つ以上の国家・地域の事例を挙げながら検討しなさい。

4.社会動態研究Ⅳ(ジェンダー研究)

問4

「家父長制」は社会科学の中でどのように定義されてきたのか、ジェンダー研究はこの概念を用いて
どのような現象を解明してきたのか、具体的な論者をあげながら説明しなさい。その上で、この概念に
依拠することによる意義と課題について論じなさい。
【社会文化研究】

5.社会文化研究Ⅰ

問5

複数の著述家あるいは作品の間に「影響」関係が存在すると判断することは可能か。可能であるとす
れば、そうした判断を成立させる条件とはどのようなものだと思うか。逆に、「影響」関係を論証する
のは困難だとすれば、その理由は何か。特定の著述家や作品(哲学・思想・文芸などジャンルは問わな
い)を取り上げながら、論じなさい。

6.社会文化研究Ⅱ
次の2問から1問を選んで答えなさい。

問6-(1)

何かが真であるということはどのようなこととして説明されうるか。対立する立場・見解を 2 つ以上
挙げつつ、自身の支持する立場をその理由とともに説明しなさい。なおその際、具体的なテーマ(心・
科学・道徳など)に関する具体的な主張を例示すること。

問6-(2)

ある芸術作品に対して異なった解釈が提示され対立している場面を想定しなさい。《何が正しい解釈
であるか》に関してありうる考え方を複数あげた上で、自身がどの立場をどのような理由で支持するか
説明しなさい。

【人間行動研究】

7.人間行動研究Ⅰ(社会心理学)
次の2問から1問を選んで答えなさい。

問7-(1)

internet 以降のメディア媒介的コミュニケーションをめぐるこれまでの議論において、しばしば焦点と
なってきたのが “facelessness” 並びに “placelessness” というトピックだった。これらのトピックに関
わる社会心理学的議論について、論点を整理し、考察しなさい。

問7-(2)

次の(A)、(B)について、それぞれ説明しなさい。
(A)「沈黙の螺旋」理論
(B)代表値
8.人間行動研究Ⅱ(社会人類学)

問8

次の(1)、(2)の両方に答えなさい。
(1)次の(A)、(B)について、それぞれ簡潔に解説しなさい。
(A)供儀
(B)エスノグラフィ
(2)「近さと遠さ」について人類学的に論じなさい。

9.人間行動研究Ⅲ(社会地理学)

問9

自主的持続可能性基準(VSS)の目的と仕組みを概説したうえで,これが地域の社会経済および環境
に与える影響について,事例をあげながら論じなさい。

【人間・社会形成研究】

10.人間・社会形成研究Ⅰ(教育社会学)

問 10

教育研究の中で、危機はどのように論じられてきたか。「危機」が何を示すのかをあきらかにしなが
ら論じなさい。その際、参照した理論・学説や具体的な事象を明示すること。

11.人間・社会形成研究Ⅱ(スポーツ社会学)

問 11

何らかの文化的実践が「スポーツ」として成立する過程について、具体例をあげて論じなさい。

12.人間・社会形成研究Ⅲ(政治学)

問 12

制度の経路依存性という概念は、政治学においてどのような意義と限界を持つか。任意の事例を挙げ、
関連する理論・学説に言及しつつ論じなさい。

【総合政策研究】

13.総合政策Ⅰ

問 13

近年「共生社会」という言葉がしばしば使用されるようになってきた。福祉政策ないし地域政策にと
って、この「共生社会」の学術的な意義はいかなるものと考えればよいか、論じなさい。
14.総合政策Ⅱ
次の3問から1問を選んで答えなさい。

問 14-(1)

日本における生活保護ケースワークについて、概要を説明したうえで、それが果たしている機能と限
界を論じなさい。

問 14-(2)

日本における「同一労働同一賃金」政策の経緯・意義・限界について、既存研究に言及しながら論じ
なさい。

問 14-(3)

日本における地方の再生に関する任意の政策を取り上げ、その政策が必要とされた背景および特徴を
説明するとともに、その政策が抱える課題について論じなさい。

【歴史社会研究】
15.歴史社会研究Ⅰ(社会史日本)
次の2問から1問を選んで答えなさい。

問 15-(1)

日本における国民国家形成の歴史的特質について、研究史をふまえつつ論じなさい。

問 15-(2)

日本における外来思想・文化の受容のありようについて、任意の事例を取り上げて論じなさい。その
際、特定の外来思想・文化を取り上げて、その受容層(受容者)を具体的に挙げるとともに、受容の特
質とその歴史的意義を説明しなさい。あわせて参照すべき先行研究があれば、その概要を簡潔に述べな
さい。

16.歴史社会研究Ⅱ(社会史アジア)

問 16

近代アジアの任意の地域における人口移動・流移民問題について、具体例に即して論じなさい。

17.歴史社会研究Ⅲ(社会史ヨーロッパ)

問 17

ナショナリズムの modernist 的理解について、その主張の要点をまとめたうえで、ヨーロッパ史研究


においてこの主張のもつ利点と欠点を、代表的な論者名ならびに具体的な事例を挙げながら論じなさい。

18.歴史社会研究Ⅳ(社会史アメリカ)

問 18

アメリカ合衆国史における「革新主義の時代」の特質とは何か。同時代の運動を支えた思想や、政治
改革の具体例についても言及し、自由に論じなさい。

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