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上級表現(書く技法) 第4回 文と文をつなげる:接続表現②

接続表現のまとめ

問題1 次の文章における適切な接続表現を選んでください。

ルドルフ・ブルトマンは「キリスト教がはじまったのは、イエス(Jesus)の弟子達が、
「十字架上に
キリスト
死んで復活したイエスは救世主である」という宣教を開始したときである」と言う。
(a)
[だから/すな
わち]キリスト教は、イエスをキリストと告白する宗教のことである。
(b)
[だから/すなわち]イエス
はクリスチャンではないし、イエスの宗教は———若干の留保をつけてではあるが———なおユダヤ教
の枠内にある。イエスの教えは、換言すれば、キリスト教成立の諸前提のひとつにすぎないのである。

問題2 次の文章における適切な接続表現を選んでください。
人間関係をその結びつき方の形式によって分けると、
「タテ」と「ヨコ」の関係となる。
(a)
[すなわち
/たとえば]
、前者は「親子」関係であり、後者は「兄弟姉妹」関係である。また上役・部下の関係に対
する同僚関係も同様である。(b)[すなわち/たとえば]、
「タテ」の関係とは、同列におかれない A・B
を結ぶ関係であり、これに対して「ヨコ」の関係は、同質の物、あるいは同列に立つ X・Y によって設定
される。

問題3 次の文章における適切な接続表現を選んでください。
生きた会話と開いた心とは非常に大切な関係にある。
(a)
[しかし/ただし]開けっ放しのバカ正直と
か天衣無縫の人がひとりいたからとて、会話が活発になるとはかぎらない。他の人びとの心が閉じてい
たとすれば、会話は開放的な人のひとり合点に終わるかもしれない。他の人びとは不愉快な思いで、さら
に黙りがちとなるかもしれない。
(b)
[しかし/ただし]誰かもうひとりが少しでも心を開いて応じたら、
その場の会話は生気の加わる物となるそして話がはずみはじめて他の人も連られて心を開くとなれば、
その場の会話は思いがけぬ面白いものに転じるであろう。

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問題4 次の文章における適切な接続表現を選んでください。

(1) 争いごとの解決には「人による解決」と呼ばれるものがある。
[すなわち/しかも]それは、当事
者の直接の対決を避け、当事者がともにその権威を認める第三者の判断に解決をゆだねる方法で
ある。

(2) 庭というものは住まいの外にありながら、室内の雰囲気に少なからぬ影響を与える住まいの装置
である。
[それゆえ/たとえば]居間などに座って何気なく外に視線を投げるとき、そこにあるの
が明るい芝生の広がりであるか、こんもりした松の茂みであるかによって住まいの気分はかなり
異なるだろう。

(3) 地球を周回している宇宙船の中では無重量状態であり、それゆえ「軽くなった空気が上昇する」
とか「重い空気が下がる」ということはない。
[しかも/したがって]
、宇宙船の中でおならをし
ても、すぐには臭わないという。ただし、ガスが濃いまま漂っているので、それが鼻のところに
くると、臭い。

問題5 次の文章における適切な接続表現を選んでください。
財政政策が物価や景気の安定に確実な効果をもつためには、金融政策もまた財政政策と同じ方向で協
調的に働く必要がある。(a)[しかし/ただし]、例外的に財政政策が単独でも大きな効果をあげうる政
策目標が、経済安定の関係で一つだけある。それは変動相場制下の経常収支に対する効果である。(b)
[しかし/ただし]、財政政策の得意な分野は、本来、このような経済安定に関わる政策目標ではない。
それは公共支出政策や租税政策による資源配分や所得再分配である。

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問題6 次の文章における適切な接続表現を選んでください。

風土そのものがもつさまざまな特徴は、具体的に人間の生活と結びついて我々自身の特徴となる。
(a)
[それゆえ/たとえば]稲及びさまざまの熱帯的な野菜や、麦及びさまざまの寒帯的な野菜は、人間が自
ら作るものであり、したがってそれに必要な雨や雪や日光は人間の生活の中へ降り込み照らし込むので
ある。また台風は稲の花を吹くことによって人間の生活を脅かす。
(b)
[だから/すなわち]台風が季節
的でありつつ突発的であるという二重性格は、人間の生活自身の二重性格にほかならない。豊富な湿気
が人間に食物を育むとともに、同時に暴風や洪水として人間を脅かすという、モンスーン的風土の二重
性格の上に、ここにはさらに熱帯的・寒帯的、季節的・突発的といった特殊な二重性格が加わってくるの
である。

問題7 次の文章における適切な接続表現を選んでください。

(1) 私たちが今日男女の違いとして指摘する多くのものは、社会が異なれば変わってしまう。
[つまり
/たとえば]本来、男性の方が攻撃的で女性の方が優しいというが、文化人類学者の調査によれ
ば、女性の方が本来男性より攻撃的だと思っている社会もある。

(2) 日本国内で、トヨタとは、ヴィッツやカローラのような大衆車からクラウンのような高級車まで
を幅広く揃えた「総合自動車メーカー」のブランドだ。だからその頂点にセルシオを置くと、ブ
ランド全体の格が上がる。他方米国では、トヨタは「安くて高品質な小型車」をイメージさせる
ブランドだ。そのブランドで、ベンツやジャガークラスのクルマを投入するのはいかにも座りが
悪い。
[だが/だから]トヨタは、米国でセルシオを売るときに「レクサス」という別ブランドを
用意した。そして広告から店舗からディーラー店員の客扱いまで、すべてを「高級」のメッセー
ジで統一した。

(3) 日本でも、玄関の戸は現在では引き戸ではなく、ほとんどがドアになった。[しかも/しかし]、
欧米と同じようなドアでありながら、欧米と異なっているのは、外開きであることだ。ドアを内
開きにすると、玄関で脱いだドアがドアに引っ掛かってしまうからである。

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問題8 次の文章における適切な接続表現を選んでください。
モグラのように穴に潜ることを決心すれば、地中の環境は安定しているので、寒冷地や風の吹き通し
の草原などではまことに快適かつ有利である。
(a)
[しかし/ただし]困るのは夏の暑さである。小型動
物であるモグラは代謝速度が高く、体表からの熱の放出が激しい。しかも、体から逃げた熱の行き場所が
ないから、地温の高い熱帯では大げさに言えば焼け死んでしまう。それで、熱帯の食虫類はもっぱら地上
性で、モグラ類は分布しにくい。
(b)
[しかし/ただし]、同じく地中生活性のキンモグラ類は、熱帯地を
含むアフリカ大陸の南部にすんでいる。これはなぜかというと、この類は代謝速度が変動性を持つなど、
外部環境に対する特殊な適応を持っているためである。

問題9 次の文章における適切な接続表現を選んでください。
木の葉が落下する様子を注意深く観察してみると、おもしろいことが分かる。木の葉は、ただ単純に落
下しているのではないのだ。葉っぱの種類や、風向き、落とす高さなどによっても変わるが、木の葉はま
ず、そのまま真下か、少し斜め方向に、直線的に落ち始める。
[そして/しかも]
、だんだんスピードが上
がるとくるくると回転しながら落下する。このような変化は、重力による加速に伴うエネルギーの流入
を、いかに効率的に逃がしていくか、というバランスの下で生じている運動パターンなのである。

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