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講師:郭立夫(グオ・リフ)
連絡先:guolifu8876@gmail.com
第四回 クィア理論の考え方
事務連絡
● 出席を認めないコメント
コメントへの返事とディスガッション(復習)
差別は本能か?
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大阪経済法科大学・ジェンダー論・2023秋
講師:郭立夫(グオ・リフ)
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クィア・アイデンティティをめぐる問題
クィア理論とは
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大阪経済法科大学・ジェンダー論・2023秋
講師:郭立夫(グオ・リフ)
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クィア理論とは何か
クィア理論の二重性
いう立場を持っており、客観的でないのか?
● 「アイデンティティ」と「運動」:一方でアイデンティティを解体すると主張しつつ、
運動の中で「クィア」アイデンティティを構築しているのは矛盾しているのでは?
○ 90年代にはアイデンティティ政治に対する反省が活発化し、クィア政治の影響
力は増大している。しかし、同時にエイズ運動では、男性同性愛者と女性同性愛
者が手を取り合って「私たちはクィアだ」と強調していた。これは結局、1つの
安定したアイデンティティを否定し、別の安定したアイデンティティを構築して
いるのでは?
● 「連帯」と「分裂」:一方で「マイノリティの中のマイノリティ」が持つ批判性を強調
し、他方でクィアな連帯の結束力を強調している。
○ レズビアンはゲイ男性が運動で主導的な立場にあることを批判したが、同時にゲ
イ男性とレずビアン女性が連帯する可能性を強調している。
● クィアの「二重性」
○ クィア概念の核心的な理論的意味は、その「批判性」にある
■ マイノリティの中のマイノリティの視点を強調することで、この批判性
を最大限に強化
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大阪経済法科大学・ジェンダー論・2023秋
講師:郭立夫(グオ・リフ)
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■ 上記の3つのレベルでの対立や矛盾こそが、クィア理論に強力な反省能力
を提供している。(矛盾する主張の併存があるからこそ、クィア理論は
常に新たな知見を生み出せる)→インターセクショナリティ理論
● アイデンティティを破壊するために構築されたアイデンティ
ティ
● 皮肉、パフォーマンス、誇張こそがクィア理論とクィア政治の主
要な闘争/分析の手段
● 「クィア」の使い方
○ アイデンティティ代名詞:私はクィアとしてアイデンティティを持っています(
I identify as queer.)
■ queering:批判的な視点から何かを混乱させ、反省し、分解すること
アイデンティティを超えるクィア理論
● クィア理論は根本的なレベルで性のアイデンティティを問い詰めているが、一旦「性」
を問い始めると、それが私たちの生活のあらゆる側面に浸透していることに気づく。そ
のため、クィア理論は常に「性」の範疇をはるかに超えるものである。
● 「クィアは何でも融合できる大きな染め缶である」という認識は危険
○ クィア理論を認めることは、「すべてのアイデンティティは偽りである」と認め
ることと同じなのか?
○ もしそうでないのであれば、クィア概念が内包する「二重性」をどのようにバラ
ンスさせるべきなのか?
● 「クィア」は私たちが生命や生活の混沌さを処理するのに役立つ理論である。
○ 矛盾するものは共存できるのか?
○ 混沌さは物質世界が存在しないことを意味しないし、分類が無効であることも意
味しない。
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大阪経済法科大学・ジェンダー論・2023秋
講師:郭立夫(グオ・リフ)
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● インターセクショナリティ理論はクィア理論が「性」を超えてその視野を拡大するのに
役立つ
○ 性を他の社会構造と結び付けて分析
あらゆる「規範(normativity)」を対抗するクィア理論
● 規範とは何か?
○ norm,normal,normative,normativity/normality
○ 「正常性」、通常/守るべきこと
■ 「〇〇をしなければならない」
■ 「男なら〇〇をするべきだ」
● クィア理論はどのような規範に対抗しているのか?
○ 異性愛の規範
■ 「異性愛は当然であり、時間を超越し、自然に存在する」という視点
■ それを確立し、強調する一連の社会/文化/政治的な力
compulsory heterosexuality)」、1980.
○ クィア理論の役割は、現代社会文化の「悪夢」であるクィアな世界を提示するこ
とを通じて、異性愛の規範(heteronormativity)に直面し、対抗すること(
Warner 1991)
● クィア理論は異性愛の規範に対抗するだけでなく、この対抗の力をさらに多くの文脈に
適用している
○ 同性愛の規範(homonormativity)
○ 同性愛国家主義(homonationalism)
○ シスジェンダーの規範(cisgenderism)
● クィアは異性愛社会における異性愛規範だけではなく、性的マイノリティのコミュニ
ティの内部における差別と排除にも抵抗している
○ マイノリティの中のマイノリティの視点の重要性
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