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2019年10月1日 発行

教室だより 「数学に王道なし」 中1数学クラス No.014 通算第 245 号

方程式と移項(2)―算数から数学を考える―
前回の教室だよりでは「乗法公式を覚えよう(1)」を書きましたから、本来、今回は
「乗法公式を覚えよう(2)」を書くはずでした。しかし、学校の中間テストが近いので、
「一次方程式」特に「移項」について書くことにします。前回の教室だよりといっしょに
読んでください。

次の問題は、小学6年生が使う私立中学受験用の問題集にあった実際の問題です。
  次の□にあてはまる数を求めなさい。
 5 □6   1  2
2
小学生は、一次方程式や移項は習っていませんが、=の左辺と右辺が等しいことは理解し
ています。ですから、6年生は算数で習ったことを使って、次のように□に入る数を解
きます。中学で学ぶ一次方程式の鉄則「邪魔者は消せ」の説明を加えながら解説します。

1
① 左辺の  を消すために、両辺を2倍します。
2
1
(5 □6)  ×2=2×2
2
1 2
すると   2   で約分すると1になります。
2 2
約分して1にすることが、かけ算・わり算の形の「邪魔者」の消し方ですね。中学で学ぶ
一次方程式の鉄則「邪魔者を消せ」の例です。

与式(与えられた式)は  5 □6  4  になりますね。

② 左辺の-6を消すために、両辺に6をたします。これが、たし算・ひき算の形の「邪
魔者」の消し方です。たしたり引いたりして「邪魔者」を 0 にするのです。

5 □6 +6=4+6 となり、左辺の-6+6は0となるので消えます。

与式は  5 □ 10  になりますね。

③ 5を□で割って10になる□は何かを考えます。2で割ると、5は半分の 2.5 になっ


てしまうので違います。5が10になるためには2倍すればよいので、×2と同じ結果に
1 1
なるわり算は  ですから、□= になります。
2 2
これが小学校の算数で解き方を考えた例です。           (うらに続く)
続いて、中学で学ぶ一次方程式の解き方で説明します。□を x に変えて解きます。
  次の x にあてはまる数を求めなさい。
 5  x  6  1  2
2

1
①「邪魔者」の  を移項します。×を÷にして右辺に移項します。
2
 5  x  6  2  1
2
2
左辺の( )は、はずせますね。右辺は 2   4 になりますね。
1

5 x6  4

わさん練成塾
②「邪魔者」の-6を移項します。-を+にして右辺に移項します。

5 x  46
右辺は10になりますから、与式は 5  x  10 になります。

③  x のままでは計算しづらいので、ちょっと変わった方法ですが  x 自体を右辺に移項
します。

5  10  x  これは両辺をそっくり取りかえて 10  x  5 としてもよいですね。
つまり 10 x  5 となります。

④10 x の10 つまり 10  が「邪魔者」ですから、×を÷にして右辺に移項します。

1 5 1 1
x  5  10  ÷10を  とすると  x   となって、 x  ですね。
10 10 2 2

前のページの算数の解き方と、このページの数学の解き方(一次方程式)を、読み比べて
ください。移項が「方程式は、いつでも、=の右辺と左辺はつり合っている」法則を活
用していることが理解できると思います。

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