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3回目
• 母音無声化現象
• 音節及び拍(モーラ)
• 日本語のアクセントとイントネーション
狙い
🠶日本語の母音無声化現象を把握し、認定できる
🠶モーラ、音節という概念について理解し、確認・区別でき
る。
🠶日本語の特有モーラについて把握する。
🠶自分の日本語の音素発音を見直し、モニターする
🠶日本語のアクセントとイントネーションについて理解し、自
分のアクセントを見直し、モニターする
無声化という現象は?
その原因はなんですか?
6.5.母音の無声化
🠶 無声化: 有声の母音が、声を出さない無声音として発音される
こと
🠶 母音の無声化現象の原因:
母音の前後の無声子音(カ、サ、タ、ハ、パ行)などの 影響
⇒ 母音の口構えだけで声となって響かない。
🠶 口の開きの狭い母音 [i] [ ɯ] がこの現象に関係
例:くち(口)、すき (好き)、 ふた(蓋)
★日本語の母音の無声化の規則
🠶① [i]と[ɯ]は無声子音の間に挟まれたとき、無声化して発音される。
きく=[kʲiku]、ふとい= [Φɯtoi]
🠶② [i]と[ ɯ]は、無声子音に続く語末、文末の場合、無声化して発音される。
~ます=[masɯ]、~です=[desɯ]
🠶③ [i]と[ ɯ]は語頭で無声音に先立つとき、無声化して発音される。
うつる=[ɯtsɯɾɯ]、いきません=[ikimasen]
🠶 その他、[i][ ɯ]は次のように、有声音と無声音の間でも無声化して発音され る。
例:むすめ=[musɯme]、すぎ=[sɯɡji]
* 母音の無声化は環境によっておこる音の変化の規則
→同じ言葉の母音でも無声化されるわけではない
例:いきたい [ikjitai] /いきます[ikimasu]
無声化の例を挙げてみてください!
練習1:次の文で、母音の無声化が起こるところに線をひて ください。
音節というのはなんですか。?
例:[hana] 「花」 [katana]「刀」散
歩 作曲 自動車 顕微鏡
6.6.拍(モーラ)と音節(1)
★音節
🠶 音節: 隣りあう分節音が強く結びついた単位
切れ目と切れ目に挟まれた一つのまとまりに聞こえる音の連続
(→その内部にそれ以上の切れ目や強まりの感じられないもの)
🠶 聞こえの大きい分節音が、その前後に聞こえの小さい単音を従えた単位と定義でき
る。
例:[hana] 「花」 → [ha.na] の 2 つの音節から構成
[katana]「刀」 → [ka.ta.na ]の 3 つの音節から構成
🠶 開音節:母音で終わる音節
🠶 閉音節:子音で終わる音節
🠶 日本語では:音節核を担えるのは母音のみである
長母音、二重母音、短母音も同じように 1 つの音節の核を担う
拍(モーラ)と音節
モーラというのはなんですか。?
6.6. 拍(モーラ)と音節(2)
★ 拍(モーラ)
🠶 拍(モーラ):音素の組み合わせでできる音の単位
音節より小さく、音素より大きい
*音節が音量の増減と音色の変化に主眼を置いて設定され、
拍は時間的な長さ、リズムに主眼を置いて設定される
➞音節は聞こえのまとまりの単位、拍(モーラ)は時間的まとまりの単位
🠶 日本語では:1 つの拍は大体同じ時間の長さで発音
2 拍の音は 1 拍の音の大体 2 倍の長さで発音
➞ 拍(モーラ)は短母音(V)のみあるいは子音と短母音だけ(CV ) からなる
音節 1 つ分の長さを基準として時間的単位
日本語の拍の構造
1. V:母音音素のみ… ア、イ、ウ、エ、オ
2. CV: 子音音素+母音音素… カ、ガ、サ、ザ、タ、ダ、ハ、バ、パなど
3. SCV: 半母音音素+母音… ヤ、ユ、ヨ、ワ
4. CSV: 子音音素+半母音音素+母音音素…ヒャ、ビャ、ピャなど
5. R: 特殊音素(引き音素)のみ… アー、イー、ウー、エー、オー
6. N: 特殊音素 (撥音素(はつおんそ))のみ… ン
7. Q: 特殊音素 (促音素)のみ… ツ
*拍と音節との相違点:特種拍(特殊音素のみの拍)の扱いで、拍数と音節数が異
なる
例: 「講師」/koRsi/ [ko: ɕi] →拍数は3、音節数は2
6.7. 日本語学に特有の拍(モーラ)の分類
🠶 日本語の特有のモーラ:
拗音・直音、濁音・清音、自立モーラ・特殊モーラの分類
🠶 特殊モーラ:促音、撥音、長音(長母音・二重母音の第 2 要素)
1. V:母音音素のみ… ア、イ、ウ、エ、オ
2. CV: 子音音素+母音音素… カ、ガ、サ、ザ、タ、ダ、ハ、バ、パなど
3. SV: 半母音音素+母音… ヤ、ユ、ヨ、ワ
4. CSV: 子音音素+半母音音素+母音音素…ヒャ、ビャ、ピャなど
5. R: 特殊音素(引き音素)のみ… アー、イー、ウー、エー、オー
6. N: 特殊音素 (撥音素(はつおんそ))のみ… ン
7. Q: 特殊音素 (促音素)のみ… ツ
6.7.1. 拗音と直音
• 拗音(ようおん):
文字の上で「キャ、キュ、キョ」のように大文字の後に小文字の「ャ、ュ,ョ」が書
かれるモーラ
• 直音:特殊モーラを除いた拗音ではないモーラ
• 音韻論での拗音の分析:
子音音素 1 つとその子音音素後続する/j/からなる子音連続を冒頭に持つモーラ
例:[k jakɯ] 「客」は /kjaku/と分析される
• 拗音を特殊付ける子音連続は、音声的には調音位置を硬口蓋周辺とする子音
として実現される
➞ 硬口蓋化子音([pʲ, bʲ, mʲ, kʲ, ɡʲ] など) 硬
口蓋音 ([ç])
歯茎硬口蓋音([ɕ] ,[ʑ], [tɕ], [dʑ] など)
*有声硬口蓋接近音 [j] のみを子音に持つモーラ(/ja/ [ja] 「矢」):拗音で
はなく、直音である
*拗音と呼ばれるモーラの母音には制限があり、/a/,/u/,/o/のいずれかに
(外来語などを除く)
6.7.2. 濁音・清音
🠶 濁音:仮名の上では「バ」のように濁点 “ ̏ ”を伴う文
字が表すモーラ
🠶 清音:「ハ」など濁点を伴わない文字が表すモーラ
🠶 半濁音:「パ」などの半濁点“ ̊ ”を伴う文字が表すモーラ
🠶 濁音は有声の阻害音/b/, /d/, /z/, /ɡ/ を持つモーラ
🠶 清音は 共鳴子音 /m/, /w/, /n/, /r/
無声阻害音 /h/, /t/, /s/, /k/ を伴うモーラ
*無声阻害音である/p/を伴うモーラは半濁音とみなされる
特殊モーラと自立モーラ
特殊モーラと自立モーラの区別は何か?
6.7.6 特殊モーラと自立モーラ
🠶 特種モーラ:
促音、撥音、長母音・二重母音の第 2 要素のこと
1 つのモーラの長さを持ちながら、音節として独立できない
モーラ音素とも呼ぶ
🠶 自立モーラ: 音節として独立できるモーラ
6.7.3. 促音(1)
🠶 仮名の上で小文字の「ッ」によってあらわされるモーラ
🠶 音声学的には阻害音の長子音の前部要素と定義
🠶 固有の調音位置及び調音法を持たない
🠶 無声音
🠶 促音の実現:
摩擦音の場合:継続時間のより長い摩擦音の前半部分として実現される
例:[bɑɕɕi]「抜歯」
破裂音・破擦音の場合: 継続時間より長い閉鎖区間の前半部分として実
現される。
例:[katta]「買った」
6.7.3. 促音(2)
🠶 原則として、語頭、語末に立たない
🠶 それ自体で音節を形成することができない。
🠶 異論はあるが、後続音ではなく先行音(母音)と音節を形成する
例:[bɑɕ.ɕi]「抜歯」
🠶 独立の音素とみなされる
🠶/Q/と表記する
例:/bɑQsi/「抜歯」
6.7.4 撥音 (1)
🠶 仮名の上で「ン」によって表されるモーラ。音声学的には音節末の鼻音と定義
(鼻母音も含む広義の鼻音:口蓋帆が下降し鼻腔へ気流が流れる調音方法を伴う分
節音)
🠶 独立の音素、/N/と表記 例:/deNpa/「電波」、/saNka/「参加」
🠶 固有の調音点を持たない
後続音が完全な閉鎖を伴うもの➞撥音の調音位置は後続音に同化する
例: 両唇音の前で [dempa]「電波」 →[m]
歯茎音の前で [ɡɯnte ] 「軍手」、[kondo] 「今度」 →[n]
歯茎口蓋鼻音[]の前で:[saɲɲiɴ]「三人」、[koɲɲjakɯ]「こんにゃく」→[ɲ]
軟口蓋音の前で [saŋka]「参加」 →[ŋ]
6.7.4 撥音 (1)
後続音が完全な閉鎖を伴わないもの(母音、接近音、摩擦音)
➞意識した発音でない限り、鼻母音が現れる
(決まりがない
→前舌母音や硬口蓋母音は/ [i ̃ ] 、それ以外は[ɯ ̃] )
例:[kee ̃ekʲi]「権益」(その調音位置は、先行母音と後続音の双方に影響を
受ける)
後続音がない場合➞[ŋ]/[ɴ]で 閉鎖が行われる鼻音になることが多い
・前舌母音が先行する場合 ➞軟口蓋鼻音 [ŋ] 例:[çiŋ]「品」、[heŋ]「変」
・それ以外 ➞口蓋垂鼻音 [ɴ]になる傾向 例:[ɸɯɴ]「糞」、[hoɴ]「本」)
練習 3:下の単語の中で、同じ「3」という数字の下線の「ん」の部分は
どんな音で発音されているでしょうか。記号で書いてみてください。
1. 三杯 (さんばい)
2. 三台 (さんだい)
3. 三人 (さんにん)
4. 三個 (さんこ)
5. 三円 (さんえん)
6. 三割 (さんわり)
7. 三歳 (さんさい)
8. 三ヘルツ(さんヘルツ)
9. 三 (さん)
練習 3:下の単語の中で、同じ「3」という数字の下線の「ん」の部分はどん な音で発
音されているでしょうか。記号で書いてみてください。(回答)
三杯 (さんばい) →/saNeN/ [sai ̃eɴ]
三割 (さんわり)
→/saNbai/ [sambai]
三台 (さんだい) →/saNwari/ [saɯ ̃waɾʲi]
三歳 (さんさい)
→/saNdai/ [sandai]
三人 (さんにん) →/saNsai/ [saɯ sai]
三ヘルツ(さんヘルツ)
→/saNniN/ [saɲɲiɴ]
三個 (さんこ) →/saNherutu/ [saɯ ̃heɾɯtsɯ]
三 (さん)
→/saNko/ [saŋko]
三円 (さんえん) →/saN/ [saɴ]
練習2:次の単語は、それぞれ何拍の言葉ですか?数えてください
1. こんにちは →こ/ん/に/ち/は (5拍)
2. りょこう →りょ/こ/う (3拍)
3. あんない →あ/な/あ/い (4拍)
4. がっこう →が/っ/こ/う (3拍)
5. にほんごきょういく →に/ほ/ん/ご/きょ/う/い/く (8拍)
6. おばあさん →お/ば/あ/さ/ん (5 拍)
7. おばさん →お/ば/さ/ん (4拍)
8. きた →き/た (2拍)
9. きった →き/っ/た (3拍)
10.さま →さ/ま (2拍)
11.さんま →さ/ん/ま (3拍)
6.7.5. 長音
🠶 長音(あるいは引く音)は長母音の第 2 要素のこと
🠶 音素の記号 /R/ (あるいは /H/)
🠶 表記: 母音/a/の次に 「あ」 例:おばあさん
母音/i/の次に 「い」 例:おにいさん
母音/u/の次に 「う」 例:つうしん(通信)
母音/e/の次に 「え」、「い」 例:れいぎ (礼儀)、おねえさん
🠶 アクセント核を持つ語:有核語、アクセント核を持たない語:無核語
🠶 有核語の持つアクセント型 = 起伏式
🠶 無核語の持つアクセント型 = 平板式
🠶 日本語ではアクセントを「ㄱ」という記号で表すことができる
7.1.3 日本語アクセント型の種類
🠶 平板式 ⇒ 平板型: アクセント核がない 〇....〇
🠶 起伏式 頭高型: アクセント核が単語のはじめの拍にある 〇ㄱ....〇
アクセント
核がある 中高型: アクセント核が単語の途中にある 〇..ㄱ..〇
① 第 1 拍と第二拍目は必ず高さが違う
② 語(または語に助詞、助動詞など付属語がついた文節)の中で、
高いところは1ヵ所、つまり下がり目は 1 っカ所しかない
*語または文節のなか、どこに下がり目(アクセント核)があ るか、ある
いは下がり目がないのかが大事。
ㄱ
1. タ タタタ 高低低低
ㄱ
2. タタ タタ 低高低低
ㄱ
3. タタタ タ 低高高低
ㄱ
4. タタタタ 低高高高
5. タタタタ 低高高高
7.1.5. 文の中でのアクセント
🠶 日本語のアクセントは、それぞれの拍が高いか低いかということよりも
アクセント核の下がり目が大切
🠶 「下がり目があるかないか、あるならどこで下がるか」が単語ごとに決
まっている ⇒覚えるのが重要
7.1.6. いろいろな品詞のアクセント
🠶 名詞の場合:
アクセント核はどの位置にもくる可能性
⇒「n 拍の名詞には n+1 通りのアクセントのパターンがある」
*基本的に、名詞はアクセントの位置を単語ごとに覚える必要
🠶 ナ形容詞:名詞と同じ
🠶 動詞やイ形容詞:アクセントのパターンが限られる
➞覚えればアクセントを覚える負担を減らせる
1)動詞のアクセント
🠶 2 種類のグループ:アクセント核がある動詞、アクセント核がない動詞
• アクセント核がある動詞:後ろから二番目の拍という同じ位置に核がある。
→「起伏型」動詞という
• アクセント核がない動詞:「平板型」動詞
🠶 同じグループの中ではアクセントが同じ
*例外:起伏型動詞の中には、後ろから 3 番目の拍に核がある動詞もある
例:「帰る」、「通る」「入る」…
(後ろから 2 番目の拍が長音や母音のため核が一つの前にずれた。
少数→心配することない)
★動詞の活用形のアクセント
(2拍の動詞は●ㄱて/辞書形で後ろから 3 拍に核がある動詞は~ㄱ●●て、~ㄱ●●ば)
ㄱ ㄱ ㄱ ㄱ
ㄱ ㄱ ㄱ ㄱ ㄱ ㄱ ㄱ
ㄱ ㄱ ㄱ ㄱ ㄱ
ㄱ ㄱ ㄱ ㄱ ㄱ ㄱ ㄱ
ㄱ ㄱ ㄱ ㄱ ㄱ ㄱ ㄱ
2)イ形容詞のアクセント
🠶 2 種類のグループ:
アクセントの下がり目がない「平板型」下が
り目がある「起伏型」
🠶 平板型のアクセント:下がり目がない
🠶 起伏型のアクセント:「~ㄱい」のように「イ」の前に下がり目がある。
★イ形容詞の活用形のアクセント
平板型イ形容詞 ~い(名詞) ~い。 ㄱ ~く ㄱ ㄱ
~ いです ~ くて ~ かった
ㄱ ㄱ ㄱ
例 あかいさかな これはあかい。 あか いです。 あかく あか くて あか かった
ㄱ ㄱ ㄱ
ㄱ ㄱ ㄱ
起伏型イ形容詞 ~ (名詞) ~ い。 ~
いです ~ ●く ~ ●くて ~ ●かった
ㄱ ㄱ ㄱ ㄱ ㄱ ㄱ
しろ いさか
例 な これはしろ い しろ いです。 し ろく し ろくて し ろかった
3)複合語のアクセント
🠶 単語が組み合わせて複合語になる→新しい単語➞アクセントの位置が変わる
🠶 複合語のアクセント核:
前にくる単語のアクセント核はなくなる
後ろにくる単語の部分に(位置は元の名詞のアクセント型によって決まる)
後ろにくる名詞がもとは頭高型、中高型:
→複合語のアクセント核: 後ろの単語のと同じ
後ろの部分の名詞がもとは尾高型、平板型:
→複合語のアクセント核: 後ろの単語の部分の最初の拍に
例: フランス+りょㄱうり=フランスりょㄱうり (フランス料理) じ
ㄱ
どう+としょㄱかん=じどうとしょㄱかん(児童図書館)
はㄱる+やすみㄱ=はるやㄱすみ (春休み)
きょういく+じっしゅう=きょういくじㄱっしゅう(教育実習)
フランス+りょㄱうり=
フランスりょㄱうり (フランス料理) じ
ㄱ
どう+としょㄱかん=
じどうとしょㄱかん(児童図書館) はㄱ
る+やすみㄱ=
はるやㄱすみ (春休み)
きょういく+じっしゅう=
きょういくじㄱっしゅう(教育実習)
7.2. イントネーション
🠶 句、文、発話全体におけるピッチの変化
→文全体がどのような高さの変化で発音されるかは 文全
体のイントネーション
🠶 特定言語の発音が「自然な発音」に聞こえるために重要
🠶 音声でコミュニケーションするときに大切
イントネーションンとアクセントの違いについて話し合
いましょう
7.2.2 イントネーションンとアクセントの違い
アクセント イントネーション
・一つ一つの単語に決まっている。 ・文全体(文末も含む)に現れる。
・母語話者の頭の中にある。 ・形は決まっていない。実際の高さの変化
として、いろいろなパターンで現れる。
・単語ごとに、下がり目があるかない ・その文の単語のアクセント、文の構造、
か、あるとしたらどこにある かが決 発話の意図などによって決められ
まっている。 る。
7.2.2 イントネーションンとアクセントの違い
★日本語の文のイントネーションは:文全体で 1 つのなめらかなまとまりに
なり、その基本の形は一つの文が一つのヤマ (低→高→低という山)で発
音
* 文の中で何回も上がったり下がったりしない。
→「平らな感じ」
7.2.3. イントネーションの山の形の規則
① 文の最初は低→高
(ただし、一番最初の拍にアクセント核があるときは、高から始まる)
② アクセントの核があるまで下がらない
③ 最初のアクセントの核で下がる (単語のアクセントは山の形を決める)
④ 2 つ目の核からは、そのたびに少しだけ下がる
⑤ 「ヤマ」の中では、一度下がったら上がらない
7.2.4 .文のフォーカスと複数のヤマ
🠶 「1 つの文にはイントネーションのヤマが 1 つ」=「基本的な」イント
ネーション
🠶 実際、1 つの文の中で「複数のヤマ」が現れることがある
🠶 文の途中にフォーカスがある→新しくヤマ→ヤマの数が増える
【フォーカス=新しいヤマ】
7.2.5 文末のイントネーション(1)
🠶 文末の音の高さ→話す人の気持ち:「上昇」と「非上昇」のイントネーション
🠶 上昇イントネーション: 代表的:聞き手からの答えを期待する疑問文
その他:聞き手に確認、呼び掛、相手に働きかけ
🠶 非上昇イントネーション:それ以外の平叙文
7.2.5 文末のイントネーション(2)
🠶 文末イントネーションの規則:
• 質問、確認など、相手の答えや反応を期待するとき: 文の
一番最後の拍で上昇する
*文末の上昇イントネーションは最後の拍で
文の最後から 2 番目の拍にアクセントの核がある場合:
➞アクセント核で下がる形は変えずに、すぐに最後の拍で上がる
最後の拍が特種拍の場合:最後の拍は少しのびることもある。
7.3. プロミネンスとポーズ
7.3.1. プロミネンス
🠶 ある音声あるいは語が、音の長さ・高さ・大きさ・聞こえなどにおいて際立って聞こえる
こと
🠶 卓立(たくりつ)とも呼ぶ。
🠶 日本語でのプロミネンス:
• 主に、イントネーションのヤマを新しく始めることによる
• 強く言いう、長くのばす、声の音色を変えることはある
🠶 プロミネンス感覚を生むいろいろな要素: 高さ、大きさ、長さ、速さ、ポーズ例: ・
必ずします (高さ) ・やめなさい(大きさ) ・うそー(長さ)
・やめてください(速く) ・ひ・み・つ(ポーズ)
7.3.2. ポーズ
🠶 話しことばにおいて発声・発音が停止される状態のこと
→発話中の無音の部分で、切れ目であると人間が感じるもの
🠶 基本的に人間の「息継ぎ」という生理的要因から起こる
→たいていの場合:文法的切れ目の部分で息継ぎを行う
→ポーズ
🠶 ポーズの位置によって、文法的に異なった解釈可能
例: ・彼は甘いケーキとコーヒーが好きそうです。
1)彼は | 甘いケーキとコーヒー | が好きそうです。
→「甘いケーキと甘いコーヒー」という意味
2)彼は | 甘いケーキと | コーヒー | が好きそうです。
→「コーヒーと甘いケーキ」という意味
日本語の音声・音韻のまとめ
🠶アクセント
🠶イントネーション
http://www.gavo.t.u-tokyo.ac.jp/ojad/
まとめ
🠶 本語の母音無声化現象
🠶 音節とモーラ (拍)
🠶 日本語の特有モーラ
特殊モーラ (特殊音素)
🠶 日本語のアクセントとイントネーション
http://www.gavo.t.u-tokyo.ac.jp/ojad/
つたえるはつおん
https://www.youtube.com/channel/UCm6U80gGbHGEWng
JVX8YEFw