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概論 1 言語学

 音声学 音韻論 形態論 統語論 意味論 語用論


 言語分類:膠着語 孤立語 屈折語 抱合語 混合語

1. 言語学とそ の主要な分 野
1.1 .言語学と は
言語学は人間の話す言葉にはあらゆるレベルにおいて規則性が存在す
るという仮定のもとに、その規則性を探求し、客観的に記述する学問で
ある。そしてできるならば、記述された規則性を説明していこうとする
ものである。また、科学である以上、記述したり説明したりする理論を
立て、その理論を事 実にあてはめ て検 討するという手続き がとられる。

1.2 .言語学の 主要な分 野


1.2 .1.音声 学、音韻論 、形態論、 統語論 、意味論、 語用論
言語には音 声 や単 語 、文 などのいくつかのレベルがある。
まず、音声は直接に観察可能であるので、客観的な記述や分類が可能
である。一方、個別言語における機能という観点からも音声を研究する
ことができる。次に、音声が集まって単語 (厳密には形態素 )を作る。
単語はある規則に従って配列され文を作る。また、単語と文にはそれぞ
れ意味 がある。さらに、文の意味はは場面や文脈によって異なる。これ
らのレベルに対忚し て、言語学の 主要 な分野が形成されて いる。
音 声学
音声の具体的な様 相を問題にす る分 野である。
音 韻論
音声の機能を問題に する分野であ る。
形 態論
形態素の構造を調 べ分類する分 野で ある。
統 語論
語の構造と品詞

形態素がどのような規則に従って文に配列されるかを研究する分野
である。
意 味論
単語や文の意味の 問題を取り扱 う分 野である。
語 用論
場面や文脈に依存 する文の意味 を問 題にする分野である 。

1.2 .2. 通時 言語学、共 時言語学 、言語地 理学、社会 言語学、 類型論


以上の六つの分野は主として現代語を対象とするものである。現代
語であれば、それは現在使用されているものであるから、言語を研究す
ることでは、資料も豊富であり、言語が研究者の母語である場合に自分
の言語的直観をも利用することができる。しかし過去の言語を記した文
献を研究すると、言語はかなり変化してきたとわかるようになるし、上
の六つの分野が不完全であるとわかるようになる。すなわち、他の言語
学の分野を形成する 必要がある。
また、言語は具体的には個別言語という形で存在しているが、個別言
語が均質なもの(類似点とも)がある。一方、個別言語には異なった様
相も存在する。それは地域による場合もあれば、社会的な要因による場
合もある。このよう な言語の変異 も言 語学の研究の対象と なる。
更に、世界には 3,000 言語 もあると いわれ る。それらを 分類する時に
は基準となるのは通常は系統(発生)である。このような分類では世界
の言語は様々な語族 (同じ一つの言語から分岐してきた諸言語)に分け
られる。一方、系統ではなく特定の特徴に従って諸言語を分類すること
を行われることもで きる。

通 時言語学( 歴史言語 学とも)


いくつかの時代の言語状態を比較することにより、言語の変化を記
述したり記述された 変化を説明し たり する分野である。

共 時言語学
通時言語学に対して、同時代のいくつかの言語の状態を各レベルに
おいて研究する分野 である。

2
語の構造と品詞

言 語地理学
地域による言語の 変異を研究す る分 野である。

社 会言語学
性や年齢などの社会的な要因による言語の変異を研究する分野であ
る。

類 型論
言語の特定な特 徴に基づいて 世界 の言語を分類する分 野である。

問題

問題 1 次の質問 に答えてく ださい。


1.言語学はどのような学問ですか?
2.言語学の主要な分野は何ですか?各分野の研究対象は何ですか?
3.音声学と音韻論はどう違いますか?
4.意味論と語用論はどう違いますか?
5.社会言語学という研究分野は何を研究しますか?
6.通時言語学は何を研究しますか?共時言語学は何を研究しますか?
7.類型論の研究対象と研究目的は何ですか?

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語の構造と品詞

語 彙リ スト 1

探求する た ん き ゅう T ì m t òi
客観的 き ゃ っ かん て き C ó t í n h k h á c h q u an , m ột c á c h k há c h
quan
仮定 かてい G i ả đị n h , gi ả th i ế t
記述 きじゅつ Ghi lại
あ て は める Phù hợp

分野 ぶんや N g à n h , p h â n n g hà n h
音声学 お ん せ がく N g ữ â m h ọc
音韻論 お ん い んろ ん Â m v ị h ọc
統語論 と う ご ろん N g ữ p há p h ọc
意味論 いみろん N g ữ n g hĩ a h ọc
語用論 ご よ う ろん N g ữ d ụ ng h ọc
単語 たんご Từ
厳密 げんみつ N g h i ê m n g ặ t , c hặ t c h ẽ
形態素 け い た いそ H ì n h t há i h ọc
配列 はいれつ Sắp xếp
場面 ばめん T ì n h h u ốn g , b ối cả n h
文脈 ぶ ん み ゃく V ă n cả n h
通 時 言 語学 つ う じ げん ご がく N g ôn n g ữ h ọc l ị c h đ ạ i
共 時 言 語学 き ょ う じげ ん ごが く N g ôn n g ữ h ọc đ ồn g đ ạ i
言 語 地 理学 げ ん ご ちり が く N g ôn n g ữ h ọc đ ị a l í
社 会 言 語学 し ゃ か いげ ん ごが く N g ôn n g ữ h ọc x ã h ội
直観 ち ょ っ かん T r ự c g iá c
文献 ぶんけん Văn kiện, tài liệu, sách
具体的 ぐ た い てき Có tính cụ thể
均 質 ( な) き ん し つな G i ốn g n h a u , c ùn g l oạ i
類似点 る い じ てん Đ i ể m g i ốn g n h a u
基準 きじゅん Tiêu chuẩn
系統 けいとう N g u ồn g ốc
語族 ごぞく N g ữ t ộc , n gữ h ệ
分岐 ぶんき P h â n nh á n h, p h â n tá c h
類型論 る い け いろ ん L o ạ i hì n h h ọc

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語の構造と品詞

2. 言語の分類 と日本語
日本語はど んな類型 に属するか

ある言語の特性を考えるためには、まずその言語がどんなタイプなの
かを明かにする必要がある。すなわち、言語を分類することをしなけれ
ばならない。
言語を分類する方法 としては、次の 2 種類がある。

2.1 .発生的( あるいは 、系統的) 分類 。

こ れ は 言語 起 源に 基 づ いて 言 語を 分 類 する 方 法 であ る 。こ の よう な
分類に基づくと、世界の言語はゲルマン語、ロマンス語、アルタイ語な
どのいくつかの語族に分けられる。しかし、日本語の場合はあまり明確
な結論が出てこない。人類学では日本民族は雑種であると証明される
が、日本語も雑種で あるというこ とは 必ずしも言えない。

2.2 .類型論的 な分類

類型論的な分類は言語の音韻や文法、語彙などの形式上の類似性に
基づいた分類方法である。このような分類方法によって世界の様々な言
Có hai loại từ trong một ngôn ngữ riêng lẻ: từ độc lập và
語は次ぎのような 4 種類に 分けられる 。 từ chức năng (từ kèm theo). Từ độc lập là những từ có
ý nghĩa thực chất, chẳng hạn như danh từ và gốc động
2.2 .1.膠着 語(こうち ゃくご) Ng ôn ng ữ Các
từ. chtừắpchức năng (hoặc các tính từ) là những từ chỉ
d ính
ý nghĩa ngữ pháp, chẳng hạn như các tiểu từ và bộ phận
vô hướng (bộ phận có thể thay đổi) của động từ.
個別言語には自立語 と機能語(付 属語 )という 2 種類の語がある 。自
立語は名詞や動詞の語幹などの実質的な意味を示す語である。機能語
(あるいは、付属語)は助詞や動詞の活用部分(変化する部分)などの
文法上の意味を示す 単語である。

膠着語では機能語(付属語)は自立語に膠で付けられたように付着し
て、文の中でその語の文法的な機能(果たした役割)を表わす。簡単に
述べると、膠着語は文法的な意味が自立語に付けられた機能語で表わさ
れる言語である。日 本語はこの類 型に 属する。 Ngôn ngữ kết hợp là ngôn ngữ mà ý nghĩa ngữ
pháp được biểu thị bằng các từ chức năng gắn
với các từ độc lập. Tiếng Nhật thuộc loại này.
例: わたく し が 本 を よん だ。
自立語 機能語 自立語 機能語 自立語 機能語

2.2 .2.孤立 語(孤立語 ) Ng ôn ng ữ đơn l ập


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語の構造と品詞

孤立語は各単語がそれぞれ実質的な意味を持ち、文法的な機能(文法
的な意味)は語順によって表わされる言語である。中国語、ベトナム語
などが孤立語に属す る。 Từ ngữ biệt lập là ngôn ngữ mà mỗi từ ngữ đều có nội hàm riêng và chức
năng ngữ pháp (ý nghĩa ngữ pháp) được thể hiện bằng trật tự từ. Tiếng
Trung, tiếng Việt, v.v. thuộc các ngôn ngữ biệt lập.
例: (ベトナ ム語)
a. Tôi yêu a nh ấy . ( 私 は 彼 を 愛し て い る)
わたし 愛する 彼
主語 動詞 目的語

b. Anh ấy yêu t ôi . ( 彼 は 私を 愛し て い る)

彼 愛する 私
主語 動詞 目的語

上 例 に 見 られ る よう に 、 「 anh ấy 」 と い う 語 は 目 的 語 に も 主 語 に も 同 じ 形 で 使
われる。孤立語では日本語の助詞のような文法的な機能を示す機能語(付属語)がついた
り 、 語 形が 変 化し た りす る こと は ない 。

2.2 . 3. 屈 折語 ( くっ せ つ ご) N g ôn ngữ biến hình

屈折語だと呼ばれる言語は語形変化によって、各単語の文法的な機能が表わされる言語
である。ラテン語、アラビア語、ギリシャ語などが屈折語の代表的な例である。英語も屈折
語 に 属 する 言 語と さ れて い る。
例: (英 語 )
a. happy happily h a p p i n e s s ( 「 し あわ せ 」)
形容詞 副詞 名詞

b. drink drank d r u n k ( 「 飲む 」 動 詞)
現在形 過去形 過去分詞
ほうごうご
抱合 語
2.2 .4. (Ng ôn ng ữ b ão h ợp (dung h ợp))
Đây là một ngôn ngữ trong đó tất cả các yếu tố tạo nên một câu
được gắn kết như một từ. Nói cách khác, trong những ngôn ngữ
như
こ れは 文 を構 成 する 全 ての 要 素が 1 語の よう vậy,にmột từ cóたchức
密 着し 言語năng
で ある của。một
つま câu.
りEskimo
、こ の(ngôn
よう ngữ của
các dân tộc ở Tây Greenland) là một ví dụ về từ ghép
な 言 語 では 1 語が 一 つの 文 の働 き を持 っ てい る。 エ ス キモ ー 語( 西 グリ ー ンラ ン ドに す む人
々 の 言 語)こはん抱合
ごうご
語 の一 つ の例 で ある 。
混合 語
2.2 .5. (N g ôn ng ữ h ỗn h ợp)

言語の類型は以上の 4 種類に分け られている。しかし 、実際の言語


は二つ以上の類型の特徴を持っている場合もある。例えば、英語は孤立
語的な特徴も屈折語的な特徴も膠着語的な特徴もある。すなわち、英語
は「混合語」であるといえる。また、発生的な分類でも英語はゲルマン

6
語の構造と品詞

語に属するが、フランス語やイタリア語などからの借用語(外来語)も
多く、その用法にも影響を受けているので、ロマンス語との類似も認め
られる。そのため、英語は「混合語」であるといえる。すなわち、「混
合語」で呼ばれる言語は二つ以上の言語類型の特徴を持っている言語で
ある。
日本語は膠着語に属するが、動詞や形容詞などの活用を観察すると、
屈折語の特徴も見られるので、日本語は混合語であるとも言えるだろ
う。
例:日本 語の動詞の活 用
書か (ない)[末 然 形]
書き (ます)[連 用 形]
書く [終止形]
書け [命令形 ]

問題

問題 1 次の質問に答えてください。
1.言語の分類する方法は何種類がありますか?
2.発生的分類はどのような分類の方法ですか?
3.語族というのは何ですか?日本語とベトナム語は何の語族に属するか ?
4.類型論的な分類では世界の各言語は何種類に分けられますか?
5.膠着語はどのような言語ですか?
6.孤立語の特徴は何ですか?例を挙げてください。
7.屈折語の特徴は何ですか?日本語は屈折語的な特徴を持っていますか?
8.抱合語はどのような言語ですか?抱合語の例を挙げてください。
9.どのような言語が「混合語」だと呼ばれますか?例を挙てください。

7
語の構造と品詞

語 彙リ スト2

起源 きげん N g u ồn g ốc
雑種 ざっしゅ T ạ p c hủ n g

膠着語 こ う ち ゃく ご N g ôn n g ữ c hắ p dí n h
機能語 きのうご T ừ c hứ c nă n g
付属語 ふぞくご T ừ p h ụ t h u ộc
名詞 めいし Danh từ
語幹 ごかん T h â n từ
膠 にかわ H ồ, k e o
果たす はたす Đ ạ t đ ư ợ c, c ó đ ư ợ c
自立語 じりつご T ừ đ ộc l ậ p
孤立語 こりつご N g ôn n g ữ đ ơ n lậ p
語順 ごじゅん T r ậ t tự từ
属する ぞくする P h ụ t h u ộc
助詞 じょし Trợ từ
屈折語 く っ せ つご N g ôn n g ữ b i ế n hì n h
語形変化 ご け い へん か S ự b i ế n đ ổi h ì nh t há i từ
抱合語 ほ う ご うご N g ôn n g ữ b ã o h ợ p , d u n g
hợp
密着 み っ ち ゃく G ắ n c hặ t
混合語 こ ん ご うご N g ôn n g ữ h ỗn h ợ p
未然形 み ぜ ん けい D ạ n g ph ủ đ ị n h
連用形 れ ん よ うけ い D ạ n g li ê n d ụ n g
命令形 め い れ いけ い Dạng mệnh lệnh

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語の構造と品詞

✎ 語彙 テスト 1
1 .次ぎの言 葉の読み方 を書いて くださ い 。

規則性 普遍的な特

客観的 変異
個別言語 類似
場面 共時言語学
文脈 類型論
文献 通時言語学
語彙 語形変化
系統 自立語
仮定 機能語
仮説 付属語

2 . 次 ぎ の 言 葉は 日 本 語 では 何 と 言 いま す か ? 漢 字 と 読み 方 を 書 いて く だ
さい 。

順 ベト ナム語 読み 方 漢字
1 Ngữ âm học
2 Âm vị học
3 Hình thái học
4 Ngữ pháp học
5 Từ vựng học
6 Ngữ dụng học
7 Ngữ âm
8 Từ vựng
9 Ngữ pháp
10 Ngôn ngữ học xã hội
11 Loại hình học
12 Ngữ hệ

9
語の構造と品詞

13 Ngôn ngữ chắp dí nh


14 Ngôn ngữ đơ n lập
15 Ngôn ngữ biến hì nh
Ngôn ngữ bão hợ p
16
(dung hợ p)
17 Ngôn ngữ hỗn hợ p

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語の構造と品詞

概論 2 日本語の文法

 活用語 派生語 複合語


 品詞 (名詞 動詞 形容詞 助動詞 副詞 助詞 連体詞
接 続詞 数詞 感動詞)

1. 文法とは
コミュニケーションなどの言語活動を行うためには私たちは単語をつないで文
を作る。そのことばのならべ方の規則が文法である。文法は、普通、一つの文の構
造を説明するものであるが、広義の文法は、いくつかの文法にまたがる文法現象を
扱うこともある。 Để thực hiện các hoạt động ngôn ngữ như giao tiếp, chúng ta kết nối các từ để tạo thành câu. Ngữ
pháp là các quy tắc về cách các từ được sắp xếp. Ngữ pháp thường là cấu trúc của một câu
đơn.ngữ pháp, nhưng những ngữ pháp rộng hơn cũng có thể giải quyết các hiện tượng ngữ pháp kéo
2. 文、語、句 と節 dài một số ngữ pháp.

2.1 .文
文は言語表現の最も基本的な単位であり、あるまとまった内容を持
ち、形の上で完結した単位である。また、文は表現において「句点」が
与えられる。Câu là đơn vị biểu đạt ngôn ngữ cơ bản nhất, là đơn vị có nội dung nhất định và hoàn chỉnh về hình thức. Ngoài
ra, các câu được đưa ra "thời kỳ" trong biểu thức của chúng.
例 私は教師です。
田中さんが本を読ん でいます。
東京の建物は高い。

2.2 .語
文 を 構 成 す る 要 素 の 中 で 最 も 基 本的 なも の が 「 語 」 で あ る 。 「 語 」 は
文を作るための最も重要な材料である。個別言語には文の数は無限であ
ると言われるが、そ の材料である 語の 数は有限である。Yếu tố cơ bản nhất cấu thành câu là một
"từ". "Từ" là nguyên liệu quan trọng
nhất để tạo thành câu. Các ngôn ngữ
例 私/は/教師/です。 riêng lẻ được cho là có vô số câu, nhưng
chỉ có một số từ hữu hạn
田中/さん/が/本/を/ 読んでいます 。

2.3 .品詞
語 は 文 法 的 な 働 き 方 、 形 、 意 味 に基 づい て い く つ か の グ ル ー プ に 分 け
ることができる。このそれぞれのグループを品詞という。重要な品詞は

Từ có thể được chia thành nhiều nhóm dựa trên chức


năng ngữ pháp, hình thức và ý nghĩa của chúng. Mỗi
11 nhóm này được gọi là một phần của tu loaij . Các phần
quan trọng của tu loai là danh từ (sách, bút, nói
chuyện), động từ (đi, ăn, nói), tính từ, v.v. Điều quan
trọng tiếp theo là trạng từ và tiểu từ.
語の構造と品詞

名詞(本、ペン、話)、動詞(行く、食べる、話す)、形容詞などであ
る。次に大事なのは 副詞、助詞な どで あ る。

2.4 .句と節
語のまとまりが全体としてある単一の品詞と同じ働きをする事がある。これ
らは「句」や「節」という。述語が含まれていれば節、含まれなければ句である。

3. 日本語の文 法的な特 徴 Trong tiếng Nhật, vị ngữ của câu (động từ, tính từ, danh từ + copula) luôn được đặt ở
cuối câu. Là một trật tự từ cơ bản, nó thuộc về các từ SOV (chủ ngữ-vị ngữ). Ngoài ra,
3.1 日本語の語 順 trong tiếng Nhật, từ boo nghia luôn đi trước từ s

日本語では文の述語(動詞、形容詞、名詞+コピュラ)が、常に文末
に置く。基本的な語 順としては SOV ( 主語ー目的語ー述語 )語に属する 。
また、日本語では常 に修飾する語 句が 修飾される語句の直 前に来る。
例 新しい 本
今朝買った 本

3.2 .日本語の 文とその 基本構造


日本語の文は述語、補語(補足語)、主語、修飾語、状況語、主題
などからなっている 。

3.2 .1.述語
述語は文末の位置で文を与え、中心的な要素である。述語の内容によって文の
大枠が決定される。それは家屋を与える柱が家屋全体の形を決めるのに似ている。
例 田中さんが本を読ん でいる。 Vị ngữ cho phụ đứng cuối câu và là thành phần trung tâm. Khai
quat ND của câu được xác định bởi nội dung của vị ngữ.
上の文では文末の「読んでいる」が述語であり、「読んでいる(読む)という
述語は文の骨格を決める働きを持つ。述語は
(1) 名詞-だ/です
(3 ) 形容詞
(2 ) 形容詞- だ/です
(4 ) 動詞
などのうちのどれか からなってい る。
例 田中さんは先生です/ だ。 あ の人は親切だ。
田中さんの本は面白 い。 田 中さんがご飯を 食べ た。

3.2 .2.補語 (補足語) Các yếu tố bổ sung cho ý nghĩa được biểu thị bởi vị ngữ được gọi là phần bổ sung hoặc
phần bổ sung.
述語が表す意味を補 う要素を補語 、あ るいは補足語と呼ぶ 。
12
語の構造と品詞

例 太郎が 荷物を 運 んだ。


上 の 例 で は 「 太 郎 が 」 、 「 荷 物 を」 は補 語 で あ る 。 補 語 ( 補 足 語 ) は
原 則 と し て 名 詞+ 格 助 詞 ( 主格 助 詞 の 「 が 」 、 体 格 助 詞の 「 を 」 など ) で
できている。しかし、格助詞と副助詞が付いている場合、格助詞がなく
て副助詞だけが付いている場合もある。補語(補足語)には基本として
主語と目的語が含ま れる。他には 修飾 語、状況語がある。
例 鈴木さんが きれい な カバンを 買った。
主語 目的語 述語

(補(足)語) (補(足)語)

主格助詞(が) 名詞 +体格 助詞(を )

金子さんが ご飯だけ を 食べます。


主語 目的語 述語

(補(足)語) ( 補(足)語)

名詞 +格助 詞 名詞 +格助詞 (を) +副 助詞( だけ)

多 く の 場 合 は 補 足 語 の 成 文 が 他 の要 素が 含 ま れ る 。 そ の 要 素 は 補 足 に
付加てきな情報を加 える機能を持 つ。
例 太郎が重い荷物を運 んだ。
上の例では「重い」が補足語の「重い荷物」の成分に入り、「修飾語」だと
呼ばれる。
補 足 語 に は 基 本 的 に 主 語 と 目 的 語が 含ま れ る が 、 状 況 語 や 述 語 の 修 飾
語が含まれる場合も ある。
例 太郎が 駅で 重い 荷物 を 軽々と 運んだ。
主語 状況語 目的の修飾語 (述語の)修飾語 述語

(補足語) (補足語) (補足語)

Bổ ngữ là các thành phần câu bổ sung thông tin bổ sung cho
một biểu thức nhất định và phục vụ cho việc mô tả chính xác
3.2 .3.修飾 語 hơn.

修飾 語 とは 与 えら れ た表 現 に付 加 的 な情 報 を加 え 、 より 精 密な 記
述を与える働きをす る文の要素で ある 。
修飾語は「大きな」、「大きく」、「だんだん」などの連体詞や形容詞、
副詞からなっている。
13
語の構造と品詞

例 おいしいご飯 面白 い本
私が買ったペン 早く 走る
若い 女性が 速く
ご飯を 食べてい る。

3.2 .4.修飾 語と被修飾 語


「きれいな景色」、「ゆっくり歩く」、「きれいにかく」、 「とてもたくさ
ん」のような (a)形容詞―名詞、(b)副詞―動詞、(c)形容詞―動詞、(d)程
度副詞―副詞、の関係を修飾語と被修飾語の関係という。

3.2 .5.連体 修飾語と連 用修飾語


修飾語には名詞を修飾するものと動詞や形容詞、副詞などを修飾するものがある。
名詞を修飾する語は連体修飾語と呼ばれる。動詞、形容詞、副詞など
を修飾する語は連 用 修飾語 という。
上の(a)、(b)、(c)、(d)の例の中で(a)は連体修飾、
(b)、(c)、(d) は連 用修飾 という。

3.2 .6.状況 語
状況語は時、所を 表わす表現で あ る。 Tình huống là những từ biểu thị thời gian và địa điểm.

例 今日、秋に、学校で
子供の時 アメリカ に住んでいま した 。

3.2 .7.目的 語
目的語は動詞の表 す動作・作用 の対 象である
例 本を読む。 ご飯を食べ る。

3.2 .8.主語
主語は動詞が表す動作をする者や形容詞が表す状態、属性などの主体
を表す語である。主語は普通格助詞「が」で表されるが、「は」で表さ
れる場合もある。 Chủ ngữ là một từ biểu thị một chủ thể, chẳng hạn như một người thực
hiện một hành động được chỉ ra bởi một động từ, một trạng thái được chỉ
định bởi một tính từ hoặc một thuộc tính. Chủ ngữ được biểu thị bằng
例: tiểu từ trường hợp bình thường "ga", nhưng đôi khi nó được biểu thị
bằng "ha".
あ、バスが 来た。
主語 述語

太郎が 学校に 行 った。


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語の構造と品詞
主語 状況語 述語

居間は 広い。
主語 述語

東京の 田中さんが 昨日 部屋で 面白い 本を 速く 読んでいました


修飾語 被修飾語 修飾語 被修飾語

主語 状況語 目的語 修飾語 述語

(補足語) (補足語)(補足語) (補足語)

3.2 .9.主題
その文が何について述べるかを示す部分が主題と呼ばれる。主題は基
本的に名詞と「は」 や「も」など のよ うな取立て助詞表さ れる。
例 雨はまだ降っている かい。 Bộ phận chỉ ra nội dung của câu được gọi là chủ ngữ. Về cơ bản, chủ
ngữ được đại diện bởi một danh từ và một đại từ như "wa" hoặc "
mo".
明日も行きます。

3.3 .単文と複 文
つなぎ合わされた文を複文と呼び、つなぎ合わされない文は単文という。
Những câu được nối với nhau được gọi là câu ghép,
例 太郎が重い荷物を軽 々と運んだ。 những câu không nối với nhau được gọi là câu đơn.

次郎は仕事で忙しい 。
Câu được cấu tạo chủ yếu
bởi một vị ngữ duy nhất
3.3 .1.単文 được gọi là "câu đơn giản"

単一の述語を中心 として構成さ れた 文を「単文」という 。


例 主語、目的語と述語が文の骨格を作る。このような文は単純な事柄を表わ
す。
例 鈴木さんが本を読ん だ。
例 文の骨格に修飾語や状況語が加わったら、より細かい事柄が表現さ
れる。
例 鈴木さんがきのう面 白い本をよん だ。
 受 け 身 、 使 役 、 や り も ら い 、 アス ペ クト 、 ム ー ド な ど の 形 式 が 文 末
に 付 け 加 わ る と 、 複 雑 な 出 来 事、 現 象を 言 い 表 す こ と が で き る よ う
になる。

3.3 .2.複文
複数の述語からな る文を「複文 」 という。

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語の構造と品詞

例 太郎が重い荷物を軽 々と運んだの で、 花子は驚いた。


上の文は「運ん だ」、「驚い た 」という 2 つの述語を含む複文で あ
る。このような文を二つ以上つなぎ合わせると、条件、並列、逆 接な
どさらに複雑な事柄 を表わすこと がで きる。
複文を構成するところの、述語を中心とした各まとまりを「節」と呼ぶ。先の例文
では「太郎が重い荷物を軽々と運んだので」、「花子は驚いた」が「節」である。

 主節
複文の各節の中で、文末の述語を中心した節が「主節」と呼ばれる。
この節は文全体をま とめる働きを する 。

 接続 節
「主節」以外の節は「接続節」と呼ばれる。接続節は、主節に対す
る関係の違いによっ て、「従 属 節 」、「並 列節 」に分けられる。
「従属節」とは、主節に対して従属的な関係で結び つくものをいう。
例 太郎が重い荷物を軽 々と運んだの で、 花子は驚いた。
「並列節」とは主節に対して対等に並ぶ関係で結びつくものをいう。
例 花子が詩を書き、太 郎が曲をつけ た。

3.4 .主題・有 題文と無 題文


多くの日本語の文は「何事かについて説明を加える」という姿勢をとってい
る。こういう文は「主題と説明」から成り立っていると考えられる。例えば、「太
郎は仕事で忙しい」という文は、「太郎」という人物を取り上げて、「仕事で忙し
い」という説明を与えている。一般に、「X は...述語」の形の文は「有題文」
(主題を持つ文)と呼び、「X は」は「主題」という。例えば、「太郎は仕事で忙
しい」という文は主題文と考えられる。主題を持っていない文は「無題文」と呼ば
れる。例えば、「太郎が荷物を運んだ」は無題文の例文である。
なお、多くの場合、主題になるのは、述語の補語(補足語)である。この場合
は主題は述語の補語を兼ねることになる。
例 太郎は 本を 読ん で いる。
主題/ 補語(主語) 補語(目的語) 述語

(比較:今は 太郎が 本を 読んでいる)


主題 補語(主語) 補語(目的語) 述語

この文では主題は述 語の補語を兼 ねな い。
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語の構造と品詞

問題

問題 1 次の質問 に答えてく ださい。


1.文法は何ですか? 普通の文法と 広 義の文法は違います か?
2.文の定義をしてく ださい。
3.文を構成する基本的な要素は何ですか?その要素を定義してくださ
い。
4.品詞は何ですか?
5.句と節はどう違い ますか?
6.日本語の語順と特 徴は何ですか ?
7.日本語の文の基本 的に何と言う 成 分からなっています か?
8.述語はなんですか ?何からなっ て いますか?
9.補語について論じ なさい。
10 . 修 飾 語 は ど の よ う な 成 分 で す か ? 文 中 に ど の よ う な 働 き を 持 っ て い
ますか?
11.状況語は何です か?例を挙げ てく ださい。
12.単文と複文はど う違いますか ?例 を挙げてください。
13.主節と接続節は 何ですか?接 続節 は何種類に分 けられ ますか?
14.有題文はどのよ うな文ですか ?例 を挙げてください。

問題 2 次の文の成文を分析してください。(5~15 の文は「中・上級者のための速読の日本語」の引用
文)

1.京都の新しい建物 はとても有名 で す。

2.桜がきれいに咲い ています。

3.私は昨日大学で昼 ごはんを食べ ま した。

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語の構造と品詞

4.私の息子は先週中 学校で難しい 試 験をうまくしました 。

5.休日に美術館で絵 を眺めるのも よ いものだ。

6.美術館にはどのく らいの頻度で 行 きますか。

かいが
絵画
7.美術館のジャンルでは が一番人気があるようだ。

8.災害時に生活情報 などの相談窓 口 や 避難所などで活動 してもらう。

9.成功に恵まれると いうラッキー 線 はどれですか 。

10.自分で感じ、思 い、考えたこ とを 大事にする。

11.注釈書に書かれて あることでも 、 納得できなければこ だわってみる 。

12.合点のゆかぬま ま暗記しても 意味 がない。 注 : * こ だ わ る : よ く 考 え る 、 気 に す る


*合点のゆかぬ:わからない、賛成できない

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語の構造と品詞

13.春は桜、秋は紅葉がきれいで気候もよいので、どこへ行っても人でいっぱいです。

14 . こ の ご ろ は 拝 観 制 限 ( お 寺 の 中 に 入 れ る 人 の 人 数 を 制 限 す る こ と )
をするお寺も出てき たそうです。

15.現代はストレス の時代と言わ れ、 ストレ スで悩んでい る人は多い。

語 彙リ スト 3

広義 こうぎ Nghĩa rộng


句点 くてん Dấu chấm câu
構成する こうせいする Cấu thành, cấu tạo
完結 かんけいつ Hoàn thành, hoàn chỉ nh
無限 むげん Vô hạn
副詞 ふくし Phó từ
形容詞 けいようし Tính từ
句 く Cụm từ, ngữ
節 せつ Mệnh đề
述語 じゅつご Vị ngữ
常に つねに Thông thườ ng
修飾する しゅうしょくする Bổ nghĩa
補語 ほご Bổ ngữ
補足語 ほそくご Bổ túc ngữ
修飾語 しゅうしょくご Từ bổ nghĩa
被修飾語 ひしゅうしょくご Từ đượ c bổ nghĩa

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語の構造と品詞

連体修飾語 れ ん た い し ゅ う し ょ く Từ bổ nghĩa dạng liên thể



連用修飾語 れ ん よ う し ゅ う し ょ く Từ bổ nghĩa dạng liên dụng

状況語 じょうきょうご Trạng ngữ
目的語 もくてきご Mục đích ngữ (tâ n ngữ)
主語 しゅご Chủ ngữ
主題 しゅだい Chủ đề
骨格 こっかく Phần chính, nòng cố t
出来事 できごと Sự việc, sự kiện
並列 へいれつ Liệt kê
逆接 ぎゃくせつ Đảo, nghịch, đối lập
事柄 ことがら Sự việc, nội dun g
単文 たんぶん Câu đơ n
複文 ふくぶん Câu phức
主節 しゅせつ Mệnh đề chính
接続節 せつぞくせつ Mệnh đề tiếp nối, mệnh đề
phụ
従属節 じゅうぞくせつ Mệnh đề phụ thuộc
並列節 へいれつせつ Mệnh đề đẳng lập (liệ t kê)
結びつく むすびつく Kết nối, nối
主題文 しゅだいぶん Câu có chủ đề
無主題文 むしゅだいぶん Câu không có chủ đề
兼ねる かねる Trùng lặp, trùng hợ p, kiê m

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語の構造と品詞

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語の構造と品詞

語の構造と品詞
 活用語 派生語 複合語
 品詞:名詞 動詞 形容詞 助動詞 副詞 助詞
連体詞 接続詞 数詞 感動詞

1.語の構造

語の構成要素に基づくと、語は 1 つの要素だけからなるものと複数の要素から
なるものという 2 つの種類に分けられる。1 つの要素からなるものについては、1
つ語の中でどのような要素がどのような関係で結合しているか、ということが問題
となる。語の構造面から見て特に問題になるのは、活用語、派生語、複合語の 3 つ
である。

1.1.活用語
語には、固定した形を持つもの(例えば、「豆」)と、働きの違いに忚じて
形を変えるものがある。文中の働きの違いに対忚して語形が変化する語は「活用
語」と呼ばれる。すなわち、活用語とは、文中での働きの違いに忚じて形を変える
語である。活用語は語形変化をする語とも呼ばれる。
例 食べる 食べた 食べている 食べよう
(以上の例では「食べる」という語は様々な形で用いられる)。
諸品詞の中で活用語に該当するのは述語に関係する品詞であり、動詞、形容詞、
助動詞の 3 つである。
活用語は原則として、変化しない部分と変化する部分からなる。変化しない部
分を「活用語幹」、変化する部分は「活用語尾」という。活用語幹の部分は語の
個別的意味を表わし、活用語尾の部分は文中での働きのあり方を表わす。
例 食べれば (語幹:食べ 語尾:れば)
語幹である「食べ」の部分が「食べる」という語の意味を表わし、語尾である
「れば」の部分が文中での働きを示す。
「活用語幹+活用語尾」の種々の形を「活用形」という。例えば、「食べれ
ば」は活用形の 1 つであり、「基本条件形」と呼ぶ。

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語の構造と品詞

1.2.派生語
ある語に付加的要素が付いてできる語を派生語という。
他の言葉で言えば、派生語とは、特定の語に別の要素が付加してできる語のこ
とである。例えば、「寒い」に「さ」という要素が付くと、「寒さ」という語が
Phái sinh là những từ được hình thành bằng cách thêm các yếu tố bổ sung vào một từ khác. Nói
派生する。 cách khác, phái sinh là một từ được hình thành bằng cách thêm một yếu tố khác vào một từ cụ thể.
派生語には付加的要素を「接辞」という。接辞の付加を受け、派生語の中心で
ある要素を「派生語幹」と呼ぶ。例えば、「寒さ」という派生語には、「寒」の
部分が派生語幹であり、「さ」が接辞である。 派生語の種々の例:
帰る 帰り 旅行 旅行する
高い 高さ 案内 案内する
苦しい 苦しさ 勉強 勉強する
甘い 甘み
接辞は、現れる位置の違いによって、「接頭辞」と「接尾辞」という2つ種類
に分けられる。
語幹の前に付加する接辞が「接頭辞」、語幹の後ろに付加する接辞が「接尾
辞」と呼ばれる。
接頭辞の例:不、無、非、未、真、御(ご)、お
例えば、不自然 (ふしぜん)、無利益(むりえき)、非常識(ひじょうし
き)、未開発 (みかいはつ)、真夏(まなつ)、真冬(まふゆ)、ご飯、御家族、
お金 、お水、お名前などである。
接尾辞の例:さ、もの、方(かた)、手(て)、用、式
例えば、難しさ、美しさ、食べ物、飲み物、若者、怠け者(なまけもの)、
結婚式、卒業式、子供用、女性用、電話機、洗濯機、教え方、食べ方、聞き手、
話し手などである。

注:「もの」、「方」などの接尾辞は単独で使われることができるので、「食べ物」、「若者」、
「教え方」などの語が「結合語」であるという考えもある。

接辞がどの程度の数の語に付加できるかを、その接辞の「生産性」という。
多数の語に付加できる接辞は「生産性が高い接辞」(例えば、「さ」)、少数の
語に付加できる接辞は「生産性が低い接辞」と呼ばれる(例えば、「ま」)

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語の構造と品詞

派生語の文中での働きを決めるのは、原則として語の末尾の要素である。す
なわち、派生語がどの品詞に属するかは、末尾の要素で決まる。従って、接頭辞
は一般に派生語の品詞のあり方に影響しないが、接尾辞は派生語の品詞を決める
働きをする。例えば、接頭辞「ま」は品詞のあり方に影響しないが、接尾辞
「さ」は派生語の品詞を名詞にする。

1.3.複合語
複合語とは、複数の語が結合して一語となったものをいう。
すなわち、複合語の中で、2 つ語からなるものと 2 つ以上の語からなるものが
ある。
例:雨風(あめかぜ) Có hai loại kết nối: kết nối song song và
kết nối không song song. Trong từ ghép
親子(おやこ) sau, thành tố sau (hậu ngữ) thường là
trung tâm, và thành tố đứng trước
親子孫(おやこまご) (thuật ngữ đứng trước) phụ thuộc vào
nó.
外国為替銀行(がいこくかわせぎんこう)
結合には、並列的な性格のものとそうでないものとがある。後者の複合語にお
いては一般に、後続する要素(後項)が中心になり、先行する要素(前項)がそ
れに従属する。

1.3.1. 並列的結合語Đối với các bộ phận ghép của lời nói, các hợp chất có tính chất song song về
nguyên tắc là danh từ
結合語の品詞については、並列的な性格の複合は原則として名詞である。
例: 雨風 (あめかぜ) 親子孫(おやこまご)
天地 (てんち) 内外(うちそと)
草木(くさき) あちこち
親子(おやこ) 男女(男女)

1.3.2. 従属的結合語(後項が中心になる結合語)
後項が中心要素になる結合語に主として、名詞、動詞、形容詞である。
Danh từ, động từ và tính từ là những kết nối chính trong đó kết nối sau là yếu
例 tố trung tâm.
名詞: 山道(やまみち) 国内旅行(こくないりょこう)
泣き声(なきごえ) 自由市場(じゆうしじょう)
秋空(あきぞら) 商売ルール(しょうばいルール)
灰皿(はいざら) 石油ストーブ(せきゆストーブ)

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語の構造と品詞

動詞: 腰掛ける(こしかける) 泣き出す(なきだす)


降り始める(ふりはじめる) 考え込む (かんがえこむ)
形容詞: 粘り強い(ねばりつよい) 堅苦しい(かたくるしい)
しかし、結合語の形容詞が少ないと思われる。

2.品詞
語は文の材料であり、文を組み立てる上で一定の働きをする。この働きの違い
によって語を種類分けしたものが品詞である。
例えば、補語や主題の中心になる役割を担う「荷物」や「仕事」のような語を
「名詞」と呼び、単独で述語の働きをする「運ぶ」のような語を「動詞」と呼び、
単独で述語になる、及び名詞を修飾するという役割を担う「重い」や「忙しい」
のような語を「形容詞」と呼ぶ。
日本語の品詞の名称と規定は次ぎの通りである。
1.動詞 単独で述語になる
例:食べる、行く、ある
2.形容詞 (イ形容詞とナ形容詞が含まれる)
単独で述語になり、かつ、連体修飾として働く
例:新しい、きれい(な)、
3.助動詞 述語に接続して、複雑な述語を作る
4.名詞 主題や補語の中心要素になる
5.副詞 連用修飾として働く
6.助詞 名詞に接続して主題や補語を作ったり、
名詞と名詞、節と節を接続する。
7.連体詞 連体修飾語 として働く
8.接続詞 文と文を接続する
9.感動詞 単独で文になることができる
10.数詞 数量や度量を表わす
その他には「擬声語・擬態語」という特別の語のグループがある。文法的な働
きからすると、擬声語・擬態語は副詞や名詞などいろいろな品詞にまたがる。

 注意
25
語の構造と品詞

① 判定詞か、助動詞か?
どのような品詞名を使用するかは、実は教科書によって違う。例えば、いくつかの教科
書では「だ」、「です」を判定詞(またはコピュラ)と見なす(『初めての日本語教育1.
日本語教育の基礎知識』、『基礎日本語文法』などがその例である)。すなわち、教科書に
よって日本語の品詞数と品詞の名称は異なる。例えば、『基礎日本語文法』によると、日本
語の品詞は11種類ある(動詞、名詞、形容詞、助詞、副詞、判定詞、連体詞、接続詞、指
示詞、助動詞、感動詞)。しかし、多くの教科書における日本語の品詞分類では「だ」、
「です」は助動詞の各グループの一つであるので、ここでは、「だ」、「です」を助動詞と
して述べる。
② 数詞か、名詞か?
「一」、「二」、「三冊」、「一つ」などについても様々な扱いかたがある。例えば、
『日本語文法整理読本』によってこれらは「数詞」という一つの品詞になるが、いくつかの
教科書では文中の働きに基づいて、これらは名詞の一つのグループとみなさる。ここでは
『日本語文法整理読本』に基づいて、これらを数詞として述べる。
③ 指示詞か、名詞か?
「これ」、「それ」、「この」などが「指示詞」という別の独立の品詞として述べられ
る教科書もあるが、ここでは『日本語文法整理読本』の観点によって、指示詞を名詞の一つ
のグループであると見なす。
④ 国語教育と日本語教育における品詞の名称の違い
さらに、国語教育と日本語教育における品詞の名称と各品詞のグループの名称に関しては、いく

つかの違いがある。 例:

国語教育 日本語教育
形容詞 イ形容詞
形容動詞 ナ形容詞
五段(活用)動詞 1グループ動詞/U-verb/子音動詞
一段(活用)動詞 2グループ動詞/Ru-verb/母音動詞

サ変・カ変動詞 不規則活用動詞/3グループ動詞

文の構成成分は、意味を表わす部分(自立語)と、それだけでは単独で用いる
ことができず、自立語について文法関係を表わす部分(付属語)とに分けられる。
例 太郎 -が ケーキ -を 食べ-られ -た
自立語 付属語 自立語 付属語 自立語 付属語 付属語

日本語の品詞分類をまとめると、次のような表になる。

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語の構造と品詞

表‐日本語品詞分類
特徴 例 名称
ウ段音で終わる ある、食べる、書く 動詞
単独で述語になる
イ段音で終わる 高い、難しい イ形容詞
「…く」形もある
活用 単独で述語になり、連体修飾と
する して働く
「…だ。」で終わる 形容詞

「…な」形もある きれい(だ)
単独で述語になり、連体修飾と 元気(な人) ナ形容詞
して働く

自 「~がどうした」
立 「~は…」 大学、母、これ
語 「~を」など 名詞
主題や補語の中心要素になる
・動詞やイ/ナ形容詞の前にくる いつも、とても
活用 副詞
・連用修飾として働く

いつも名詞の前にくる あらゆる、いわゆる 連体詞
ない
文と文をつなぐ が、しかし、けれど 接続詞
・それ自分で感情、忚答などを
表わす。 はい、あら、ほら 感動詞
・単独で文になることができる
数を表わす 一つ、一冊、2 回 数詞
付 活用 述語に接続して、述語を作る。 れる、られる、だ、らし
属 する い… 助動詞
語 活用 名詞に接続して主題や補語を作っ
し たり、名詞と名詞、節と節を接続した が、は、を、に、で、し 助詞
ない りする か

27
語の構造と品詞


1
節 動詞

1.基本的性格
動詞の基本的な性格は、単独で述語の働きをし、文中での働きの違いに忚じて
活用することである。

2.動詞の分類
動詞は様々な観点から分類することができる。

2.1.活用による分類
活用による分類では日本語の動詞は次のような3つのグループに分けられる。

2.1.1.グループの動詞(U-verb、五段動詞)
特徴:語尾が-U で終わる
例:書く、きる、走る、行く

2.1.2.2 グループの動詞(RU-verb、一段動詞
特徴:語尾が i-RU か e-RU で終わる
例:起きる、見る、食べる、寝る

2.1.3.3 グループの動詞(不規則活用の動詞)
例:来る、する、勉強する
 注意
「…る」で終わっても Uverb(1 グループ)である場合がある。「走る」、「切る」な
どはその例である。U-verb と Ru-verb の見分け方は動詞の活用の型に基づく。
U-verb の主な活用の型 Ru-verb の主な活用の型
kak-U tabe-RU
-ANAI -NAI
-IMASU -MASU

2.2.表わす意味による分類 (動態動詞と状態動詞)
述語が表現する事態は動きと状態に分けられる。
動きを表わす動詞は「動態動詞」と呼ぶ。例えば、「歩く」、「書く」、
「話す」などである。
28
語の構造と品詞

これに対して、少数であるが、状態を表わす動詞もある。状態の動詞には、存
在・所有の意味を表わす動詞(例えば「ある」、「いる」)、可能の意味を表わ
す動詞(例えば「できる」)、必要の意味を表わす動詞「要る」などの様々な種
類がある。

2.3.人間の意志による分類(意志動詞と無意志動詞)
このような分類によると、日本語の動態動詞は意志動詞と無意志動詞という2
つのグループに分けることができる。
2.3.1.意志動詞
特徴:人間の意志による動作を表わす動詞
例 読む、食べる、歩く、考える
2.3.2.無意志の動詞
特徴:意志によるコントロールのさかない動作を表わす動詞。
例 咲く、困る、降る
人間の意志が関わる、命令・禁止・依頼・勧誘の表現には意志動詞だけが現れる。
例 ゆっくり歩いてください。
一緒に行きましょう。
* 主語の関係で、1 つの動詞が二通りに用いられる場合もある。
例 化粧を落とす 財布を落とす
喫茶店に入る 荷物が鞄に入る
テンニスをする 頭痛がする・病気をする

2.4.他動詞と自動詞
動態動詞には、「自動詞」と「他動詞」が区別される。
 他動詞:「名詞を」という形式の補足語を取る動詞を「他動詞」という。
例 新聞を読む、車を止める
 自動詞:「名詞を」という補足語をとらない動詞を「自動詞」という。
例 人が働く、車が止まる
動態動詞の中には、[止まる」と「止める」のように、意味的に対忚する
(「車が止まる」と「車を止める」のような関係にある)自動詞と他動詞の対が
数多く存在する。このような対は、たいていの場合、形の上で共通部分を持つ。
例 人が集まる 人を集める
29
語の構造と品詞

エレベータのドアが開く トイレのドアを開ける
アパートが見つかった アパートを見つけた
 注意
 開く(ひらく)(「戸が開く」と「戸を開く」)のように、同じ形で自動詞と他動詞の対
を表わすものが、まれである。
 自動詞と他動詞の対忚が複雑な例がある。
例 授業が終わる 授業を終える 授業を終わる
 形の上で共通部分も持たないが自動詞-他動詞の対と見なされる場合がある。
する - なる 殺す - 死ぬ
 「名詞を」を取る自動詞があるが、その場合の「を」は他動詞の取る「名詞を」における
「を」と違って、場所を表わす。
例 廊下(ろうか)を走る
東京を出発する。

2.5.複合動詞
動詞の構造を分析すると、多くの動詞が一つの動詞からなると見られる。この
ような動詞は訓読みを持つ。例えば、「行く、来る、休む、習う」。これら動詞
が「単動詞」と呼ばれる。
これに対して、ある動詞(前項)に別の動詞(後項)を付けて複合的な動詞を
作ることができる。これを「複合動詞」と呼ぶ。
複合動詞には、連用形が現れるもの(例えば、「持ち上げる」)とテ形(例え
ば、「持ってくる」)がある。前者を「連用形複合動詞」、後者を「テ形複合動
詞」と呼ぶ。
複合動詞は、前項が動詞として性質を保持しているものと、動詞としての性質
を一部または全部失っているものに分けることができる。前者は前項に様々な動
詞をとることができ、また、前項が受動形、使役形、等様々な形式を取ることが
できる。
例 最近、この種の小説が読まれ始めた。
これに対して、後者は前項に現れる動詞が限られ、また、前項が受動形等をと
ることもない。

30
語の構造と品詞

これら 2 つの型の複合動詞を、それぞれ「統語的複合動詞」と「語彙的複合動
詞」と呼ぶ。テ形複合動詞は主として統合的複合動詞である。一方、連用形複合
動詞には統語的なものと語彙的なものの両方がある。
また、同じ動詞が統語的複合動詞、語彙的複合動詞の両方に使われる場合がある。
例 最近、また、この種の小説が読まれだした。
(統語的複合動詞、「出す」は開始を表わす)
鈴木さんは鞄から書類を取り出した。
(語彙的複合動詞、「だす」は「外に出る」の意味を表わす)

2.5.1.テ形複合動詞

テ形複合動詞には、次のようなものがある

(1) アスペクトに関係するもの(アスペクトの意味を表わすも の)
(~ている、~てある、~てしまう、~ていく、~てくる)
 ~ている
太郎は音楽を聴いている(動きの継続の状態)
家の前に大型トラックが止まっている(動きの結果の状態)
 ~てある
入り口に花が飾っている。(動作の結果としての対象の状態)
 ~てしまう
早く食べてしまいなさい。(動きの完了性)
うっかり余計なことを言ってしまった。
 ~ていく、~てくる
これからも、この人たちを見守っていくつもりだ。(動きの継続)
経済が少し落ち着いてきた。(状態の変化)
「~ていく」と「~てくる」は、テ形が意志動詞の場合は動作の継続を、無意志
動詞の場合は出来事の継続、または状態の変化を、それぞれ表わす。
(2)授受に関係するもの(授受の意味を表わすもの)
~てもらう、~いただく、~てくれる、~てくださる、~てあげる、~てやる、
~てさしあげる
(3) その他 (~ておく、~てみる、~てみせる)
 注意: テ形 複合 動 詞の 構 成す る 2 つ の 動詞 の中 で 、 後項 が 「補 助 動詞 」 と呼 ば れる。
31
語の構造と品詞

2.5.2.連用形複合動詞
連用形複合動詞には、統語的なものと語彙的なものがある。このうち、統語的
な連用形複合動詞に次ぎのようなものがある。
(1) アスペクトに関係するもの(アスペクトの意味を表わすもの)
「~はじめる、~だす、~かける、~つづける、~おわる、~おえる、~やむ、
~あがる、~あげる」
(2) 完遂の意味を表わすもの
「 ~つくす、~ぬく、~とおす、~きる」
例 この問題はもう研究しつくされている。
(3) 不遂行の意味を表わすもの
「~忘れる、~そこなう、~損じる、~そびれる、~しぶる、~かねる、~おとす」
例 書類に日付を記入忘れた。
(4) その他
「~あう、~なおす、~かえす、~つける」

連用複合動詞には、語彙的なものも多数存在する。この種の語彙的複合動詞は、
前項が動作の様態や手段を表わし、後項が動作の結果や動作の向かう方向を表わ
す場合が多い。そのような構成をしている語彙的複合語動詞の例として、「殴り
倒す(なぐりたおす)、持ち上げる、叩き落とす(たたきおとす)、こじ開ける、
よじ登る、連れ戻す」のようなものがあげられる。
例 家出した妹を連れ戻す。
 注意
 複合動詞の中には、後項が動詞としての性質を全く失い、接尾辞的になってしまったものも
ある。
~込む 例:考え込む、押し込む
~かかる 例:飛びかかる、つかみかかる、通りかかる
~かける 例:呼びかける、話しかける、押しかける
~つく 例:飛びつく、すがりつく
~つける 例:呼び付ける(よびつける)
撥ね付ける(はねつける)
痛めつける (いためつける)
~かえる 例:しょげ返る(しょげかえる)

32
語の構造と品詞

静まり返る (しずまりかえる)
 複合動詞の扱い方は教科書によって異なる。連用複合動詞だけを「複合動詞」と見なす教
科書もある。

2.6.借用動詞
日本語には漢語や洋語(外来語)は数多く存在する。これらは原則として名詞
として日本語に入って来る。従って、漢語や洋語を動詞として使うためには「す
る」という動詞を付ける必要がある。
例:研究する、勉強する、案内する、約束する、スタートする、サインする
これらの動詞は「借用動詞」と呼ばれる。借用動詞の「する」は「形式動詞」という。
形式動詞「する」の他に、「る」を付ける場合もある。
「サボる」、「ダブる」などはその例である。この場合、”-r”を語幹とす
る子音動詞となる。しかし、このような動詞はそれほど生産的ではない。
和語の動詞では、対忚する自動詞と他動詞は、原則とした異なった形で表わされ
る。しかし、借用動詞はこのような形の区別を持たず、個々の語(または語の用
法に)よって、自動詞になるか、他動詞になるかが決まっている。
例:会社側の態度が軟化した。(「軟化する」は自動詞)
この小説を映画化するのには、30 憶円はかかる。(「映画化する」は他動詞)
店が/をオープンする (「オープンする」は自動詞、他動詞)
借用動詞の中の名詞の部分は、「研究をする」、「勉強をする」、「旅行をす
る」のように、「を」を伴って動詞から独立ことができる。

2.7. 動詞の活用形
日本語教育で用いられる動詞の活用形の名称は次の通りである。
動詞の活用形の名称 例 動詞の活用形の名称 例
1 辞書形(基本形) u/ru 書く 7 タ形 書いた
2 ナイ形 書かない 8 タラ形 書いたら
3 マス形 書きます 9 タリ形 書いたり
4 バ形 書けば 10 受身形 書かれる
5 オウ形 書こう 11 使役形 書かせる
6 テ形 書いて 12 可能形 書ける

33
語の構造と品詞

これらの名称は様々な活用形の形式的な特徴によって用いられる。国語教育で
は活用形の表わす意味によって名称が使われる場合が多い。例えば、
動詞の活用形の名称 例
1 否定形(ナイ形)
2 過去形(タ形
3 命令形 e/ro 行け、食べろ、しろ、来い
4 意志形 ou/you 行こう、食べよう、来よう、しょう

条件形 eba/reba 行けば、食べれば



tara/dara 書いたら、食べたら、飲んだら

連用形: i/zero 書き、食べ


6 te(de) 行って、書いて、飲んで、食べて
tari(dari) 行ったり、作ったり、飲んだり、食べたり

動詞の活用の語幹には、子音で終わるもの(五段動詞の場合)と母音で終わる
もの(一段動詞の場合)がある。子音動詞の語幹は結合する活用語尾の違いに忚
じて、2 種類の形を持つ。これらを「基本系語幹」と「タ系語幹」と呼ぶ。
子音動詞の基本系語幹は、語幹の末尾に現れる子音の違いで分けると、次ぎの
9 種類になる。
表‐基本系語幹
基本系語幹 例
1 「s」で終わるもの 貸す
2 「k」で終わるもの 咲く
3 「g」------ 研ぐ
4 「m」------ 飲む
5 「n」------ 死ぬ
6 「b」------ 飛ぶ
7 「t」------ 待つ
8 「r」------ 取る
9 「w」------ 買う

 基本系語幹が「s」で終わるもののタ系語幹は、「si」で終わる。例:貸
した、返した(タ系語幹:kasi、kaesi)

34
語の構造と品詞

 基本系語幹が「k」,「g」で終わるもののタ系語幹は、「k」,「g」が現れな
いで、「i」で終わる。例:咲いた、研いだ (タ系語幹:sai, toi )
 基本系語幹が「m」、「n」、「b」で終わるもののタ系語幹は「n」で終
わる。例:読んだ、死んだ、飛んだ(タ系語幹:non,sin,ton )
 基本系語幹が「t」「r」「w」で終わるもののタ系語幹は「t」で終わ
る。例:待った、取った、買った(タ系語:mat,tot,kat )

表‐日本語の動詞の主な活用形
基本系語尾 タ系語尾

1 基本形 u/ru
2 命令形 e/ro
3 意思形 ou/you
4 基本条件形 eba/ reba タ系条件形 tara/ dara
タ系連用形(テ形、タリ形、ダリ形 te/de;
5 基本連用形 i/ zero
tari/dari

問題
問題 1 次の動詞の活用形は何と言いますか?
1. 起きろ ----------------------------------------------------------------------------------
2. たべろ ---------------------------------------------------------------------------------
3. 来い ---------------------------------------------------------------------------------
4. 行こう ---------------------------------------------------------------------------------
5. 食べよう ----------------------------------------------------------------------------------
6. 大学に入ろう ---------------------------------------------------------------------------------
7. この本を買おう ---------------------------------------------------------------------------------
8. 速く行け ---------------------------------------------------------------------------------
9. ケーキを切れ ---------------------------------------------------------------------------------
10. 速く起きよう ---------------------------------------------------------------------------------
11. そうしよう ---------------------------------------------------------------------------------
12. こうしろ ----------------------------------------------------------------------------------

35
語の構造と品詞

13. こうせよ ----------------------------------------------------------------------------------


14. こちに来よう ----------------------------------------------------------------------------------
15. 速く走れ ----------------------------------------------------------------------------------
16. 酒を飲もう ----------------------------------------------------------------------------------
18. 酒を飲め -----------------------------------------------------------------------------------

36
語の構造と品詞


2
節 形容詞

1.基本的性格
事物や人の状態を表わし、述語の働きと修飾語の働きをする。また、文中での
働きの違いに忚じて活用する。
例 この鞄は新しい。
新しい鞄

2.形容詞の分類

2.1.ナ形容詞とイ形容詞(形容詞の形態による分類)
形容詞を形態の面から分類すると、「イ形容詞」と「ナ形容詞」に分けられる。
名詞を修飾する場合に「…い」という形で表わされるものが「イ形容詞」と
呼び、名詞を修飾する場合に「…な」という形で表わされるものが「ナ形容
詞」と呼ぶ。
 イ形容詞: 小さい、大きい、珍しい、美しい、欲しい、楽しい
 ナ形容詞: 静か(な)、便利(な)、丈夫(な)
借用動詞と同様に、借用のナ形容詞が多数存在する。特に、漢語形容詞のナ形
容詞における比重は高い。
例: 危険(だ)、優秀(だ)、ハンサム(だ)、クール(だ)

2.2.属性形容詞と感情形容詞(形容詞の表わす意味による分類)
形容詞が表わす状態には、人や物の属性(性質や特徴)の場合と、人の感情、
感覚の場合がある。 例:
属性を表わす形容詞:強い、低い、長い、価値(だ)、勤勉(だ)、赤い。
感情・感覚を表わす形容詞:欲しい、懐かしい、かゆい、いや(だ)。
これらの形容詞を、それぞれ「属性形容詞」、「感情形容詞」という。

3.形容詞の活用
形容詞の語幹はイ形容詞とナ形容詞について、それぞれ1つしかない。すな
わち、イ形容詞は基本的な形から「い」を除いたものが語幹である。例えば、

37
語の構造と品詞

「寒い」の語幹が「寒」である。ナ形容詞は、基本的な形から「だ」を除いたも
のが語幹である。例えば、「勤勉だ」の語幹は「勤勉」である。 活用語尾の体系
は、次の通りである。

 イ形容詞
基本系語尾 タ系語尾
基本形「i」 タ形「katta」
基本条件形「kereba」 タ系条件形「kattara」
基本連用形(連用形)「ku」 タ系連用形「テ形、タリ形」 「kute」,「kattari」

 ナ形容詞
ナ形容詞には、文体の違いに忚じて、「だ」(普通の文体)、「である」(硬
い文章体)、「です」(丁寧な文体)、という 3 つの系列がある。

 「だ」の系列
基本系語尾 タ系語尾
基本形 「da」 タ形「datta」
基本連用形(連用形)「ni」 タ系条件系「dattara」
連体形「na」 タ系連用形(テ形、タリ形) 「de,dattari」

 「である」の系列
基本系語尾 タ系語尾
基本形 「dearu」 タ形 「deatta」
基本条件形「deareba」 タ系条件形「deattara」
基本連用形「deari」 タ系連用形(テ形、タリ形)「deatte」「deattari」

 「です」の系列
基本系語尾 タ系語尾
タ形「deshita」
基本形「desu」 タ系条件形「deshitara」
タ系連用形(テ形、タリ形)「deshite」「deshitara」

 注意
 以上述べたナ形容詞の活用では、「da」,「desu」などは形容詞の活用語尾であるが、ナ形
容詞が文中に変わらず、これら(「da」,「desu」など)が活用語尾でなく、別の品詞(助
動詞など)であるという扱い方もある。

38
語の構造と品詞

 紛らわしい品詞の区別(名詞/ナ形容詞)
 名詞とナ形容詞は両方とも「…だ」「…です」など、形が似ているので間違いやすい。し
かし、実は「学生だ。」は「名詞+コピュラ(だ/です)」の 2 語、「元気だ」は 1 語のナ
形容詞である。後ろに名詞が来る時、「…の」になるのが名詞、「…な」になるのがナ形
容詞。この他にも、「…ですか?」に対して「はい、そうです」で答えられるのは名詞だ
けである。
例:学生ですか? はい、そうです。(○ できる)
元気ですか? はい、そうです。(× できない)
 同じ形であるが、具体的な場合(文中の働き)によって異なる品詞に属する語がある。
例:健康
健康な子供(形容詞)
健康になる(形容詞)
健康が一番だ(名詞)
 他の例:不便、元気、平和、危険。
 名詞や動詞からなっている形容詞がある。このような形容詞が派「生形容詞」と呼ぶ。
例:子供 子供っぽい
男 男っぽい/男らしい
女 女らしい
封建 封建的
忘れる 忘れっぽい
 述語の働きをする時に、感情形容詞は 1 人称代名詞と 2 人称代名詞だけと使われる場合が
多い(3 人称代名詞の場合には、形容詞との対忚する意味を表わす動詞を使わなければな
らない)。
例:私はうれしい。/(あなた)はうれしいですか?
彼は嬉しがっている。
私は本が欲しい。
私の友達は本が欲しがっている。
 しかし、時どき主体が 3 人称の場合でも、同じの形で使われることができる場合もある。
例:私は本がすき/ (あなた)は本が好きですか?
太郎は本が好きだ。

39
語の構造と品詞



節 名詞

1.名詞の一般的な特性
名詞は典型には物や人間の名前を表わし、助詞を付けて主題や文の補語(補足
語)となったり、コピュラを付けて文の述語となったりする。

2.名詞の分類
名詞は次のようなグループに分けられる。
2.1.普通名詞
同類のものを全てに通じる一般的名称を表わす名詞である。普通名詞には具体
名詞と抽象名詞という 2 つの種類がある。
例:具体名詞: 山、雪、人、車、ミルク
抽象名詞: 夢、契約、責任、幸せ

2.2.固有名詞
人名、地名などの固有の名前を表わす。
例:枇杷湖、富士山、太郎

2.3.代名詞
代名詞は3グループに分けられる。

2.3.1.人称代名詞
人称代名詞は人名の代わりに指し示す名詞である。人称代名詞には、一人称代
名詞(例:私、僕、私た ち、二人称代名詞(例:あなた、君、おまえ)と三人
称 代名 詞(例:彼、彼女、彼ら、彼女たち)という3グループに分けられる。

2.3.2.指示代名詞
指示代名詞は事物・場所・方角を指し示す名詞である。
例:これ、そこ、あちら、どれ
2.3.3.再帰代名詞
再帰代名詞は主語を指すものである。
例:自分
40
語の構造と品詞

2.4.形式名詞
名詞の性質を持ちながら意味的に希薄で、修飾要素なしでは使えない名詞は
「形式名詞」と呼ばれる。 Một danh từ có các thuộc tính của danh từ nhưng yếu về ngữ nghĩa và
không thể sử dụng nếu không có bổ ngữ được gọi là danh từ chính thức.
例:こと、もの、の、ところ、とき、わけ
彼女が結婚したことを知っています。
昔よく酒を飲んだものだ。
教室で煙草を吸わないことだ。

2.5.時の名詞
時の名詞は時を表わす名詞である。時の名詞の中に副詞用 法を持つ(「に」
などの格助詞を付けない)ものがある。
例:6 時、火曜日(「に」が付く)
昨日、今朝、今晩(「に」が付かない)
夕方、朝(どちらでよい)

3.日本語の名詞の特徴
3.1.性・数・格
日本語の名詞にはドイツ語やロシア語のなどにある男性名詞、女性名詞といった
文法上の性の区別はない。そして、英語の"s"に相当するもの(数)もない。さら
に、格は名詞自分が表わすのではなく、助詞の「が、を、に」が表わす。

3.2.生物・無生物
日本語の名詞には生物・無生物の区別があります。この区別に関する問題は次
のようにいろいろある。
 生物(有情物)には「いる」を使う。
例:犬が一匹ある
私は妹と弟がいる。
 他動詞・使役・間接受け身構文などに無生物主語はあまり使われない。特に、
人が目的語にある時は嫌われる。
例:? 薬が私をなおしました。
 助詞の使い分けに関係する場合がある。
例:私は友達に/から本をもらった。

41
語の構造と品詞

私は国から奨学金をもらっている。(「に」が使われ ない)
歌笑はジープにぶつかって死んだ。(「と」が使われない)
3.3.トコロ性
トコロ性というのは場所を表わすことである。日本語の名詞にはトコロ性があ
る名詞(例:大学、部屋、駅)とトコロ性がない名詞(例:私、木)という 2 種
類がある。トコロ性がない名詞が場所を表わす時は「…のところ」などをおぎな
う。
例:私のところにきてください。
あの大きな木のところで遊びましょう。
3.4.総称・特定・不特定
日本語の名詞には"a,the"などの冠詞がない。従って、形の上から区別できない。
しかし、「は」、「が」の使い分けに関連してくる。
 総称:警官は警察手帳を持っている。(その種類全体を指す)
 非総称:
** 特定:
すると、(その)警官は警察手帳を取り出した。
(特定の個体をさす。複数でもよい)
** 不特定:
警官に道を聞きなさい。
3.5.人称
英語では私(一人称)、あなた(二人称)、彼(三人称)といった、人称が be
動詞の使い分け(am, are, is)などに影響する。日本語では人称の区別というより、
自分と他人の区別を付けることがある。
例:私はさびしい
あなたはさびしいですか?
彼はさびしがっている。

私は英国に行きたい。
あなたは英国に行きたいですか?
彼女は英国に行きたがっている。

私は読書が楽しい。
42
語の構造と品詞

彼女は読書を楽しむ。

私はこうだと思う。
彼はこうだと思っている。

問題

1.日本語の文の主要な構成成分はなんですか?述語はどのような成分(要素)で
すか?
2.修飾語は何種類に分けられますか?各種類の名称は何ですか。例を挙げてくだ
さい。
3.単文の定義をしてください。
4.複文における主節はどのような成分(要素)ですか?

43
語の構造と品詞


4節 数詞・助数詞

1.基本的性格
日本語では数量や度数を表す時、数詞(数量詞とも)で表現する。この時、数
を表す部分を本数詞と呼ぶ。和語系(ひ・ふ・み…)のものと漢語系(いち・
に・さん…)のものとがある。単位を表す部分(以下の例では「冊」)を助数詞
と呼ぶ。助数詞は接辞の1種である。
例: 本を 2 冊 買った。
本数詞 助数詞

2.本数詞と助数詞の音変化
「1 本、2 本、…」と数えてみると、数の部分の発音は 1(いち)→「いっ」、
6(ろく)→「ろっ」というように、また助数詞の部分も「ほん・ぽん・ぼん」と
音が変わる。このように助数詞の中には漢語系の本数詞と組み合わさって音変化
が起こるものがある。
助数詞の種類 例
音変化のないもの 有声音で始まる 円・枚・台・年
本数詞が音変化するもの 無声音(ハ行以外)で始まる 回・冊
本数詞・助数詞とも音変化するもの ハ行音で始まる(稀にワ行) 杯・匹・本・羽
表- 本数詞と助数詞の音変化
 注 意 : 「 階・ 軒 ・ 升・ 寸 ・ 足・ 尺 」な ど 、 「 3 」の 時 だ け語頭 が 濁 音化 す るも の があ る 。

3.数量の種類
特徴 例
基数詞(数量詞) 個数・数量・度数を表す 一人・ふたつ・3 本・5 キロ・2 回
序数詞 順序を表す 1 番・第 1・2 つ目・4 等

4.数詞と文型
数詞のうち、基数詞は①名詞のようにも、②副詞のようにも使える。①と②で
意味が異なる時は、①は名詞の属性(どんな…か)、②は名詞の数量(どのくら
い)について述べている。
44
語の構造と品詞

例:
① 3 本のビールを飲む。 72 円の切符を買う。
属性 属性
② ビールを 3 本 飲む。 切手を 72 円 買う。
数量 数量

問題

問題 1 音変化の表に関して、以下 の 問に答えてください 。
1 次の助数詞を分類して表 に 書き込んでください 。
分(ふん) ・度(ど)・ 隻( せき)・名(めい) ・体(たい)
2 表の中で、「ハ行音で始 ま る助数詞」は、どの 数の時に「パ 行
(P)・バ行(B )」になるかに よってさら に分 けられる。以下 の表を 完成してくださ
い。「発・杯・泊」 はどの類に 入るか、書い てください。
ガ行音で始まる助数 詞 1~ 3~ 6~ 8~ 10~
分・拍・版・
本・匹・票・

問題 2 以下の文について( )に当てはまる語を答えてください。
① 「3 本のビールを飲む」 ②「ビールを 3 本飲む」
①の文では数詞「3 本」は( )に係っているが、②の「3 本」は( )に係
っている。従って、「3 本」は①では連体修飾、②では連用修飾の働きをしている。
②の「3 本」は( )と同じ働きをしていると言える。
a.「ビール」 b.「飲む」 c.「名詞」 d.副詞 e.動詞

45
語の構造と品詞


5 節 副詞

1.基本的性格
動詞やイ/ナ形容詞を修飾する語のことです。他の副詞を修飾ある。副詞は本
の文から取り去ってしまってもその文は大体成立する。
例: 太郎は かなり ゆっくり 歩いた。
修飾 修飾
「早く」や「きれい に」なども同 じ働 きを するが、これら はイ形容詞
「早い」、ナ形容詞「きれいな」ぼ連用形なので、副詞には分類しない。
副詞は活用しない。
2.副 詞の分類
主な種類として、様 態 の副詞 、程度の副詞 、量の副詞 、テンス・ アス
ペク トの副詞 、などがある。
また、文全体に対し て修飾語とし て働 く語も、副詞の一種 とみなし、
「文 修飾副詞 」と呼ぶ。文修飾副詞に は主として、 陳 述 の副詞 、評 価の
副詞 、発言の副 詞 、などがある。
特徴 例
動詞にかかってその動作の状態 ゆっくり 話す( 様態 )
情態 (どう…する)を意味的に限定す すぐに 戻る (様態 )

副詞 る・「○○と」の形が多い。この せっかく 来てもらう (態度 )

「と」は省略可能のことがある。 しばらく 待つ( 時)

状態性の用言や副詞にかかって動 ずいぶん 大きくなった・も
詞 程度
作や状態の程度を表す。 っと 小さい・とても 忙し い
副詞
(どれぐらい…だ)
述語の陳述の仕方を修飾する。文 おそらく 雨だろう・きっ と
陳述副詞
の終わり方と呼忚する。 来る・
表‐ 副詞の分類
この中で、陳述副詞 の「文の終わ り方 と呼忚す」という働 きは、 [決
して]なら文末は否定 形、「もし」 な ら「~なら」、「お そらく」なら
「だろう」の形に必 ず続く、とい った ことを指す。

46
語の構造と品詞

また、程度副詞は、 「も っと 上」「少し 前」「すぐ そばに」のように


ある種の名詞を修飾 することがあ る。
2.1 .様態の副 詞
動きの有様を表す副 詞を「様態の 副詞 」という。例えば、 「 す ぐ 答え
る」の「すぐに」は 、「答える」 はど のように起こるかを 表すよ様態の
副詞である。様態の 副詞には、「 軽々 と、黙々と、一気に 、こわごわ、
ぐっすり、ゆっくり 、ぼんやり、 にこ にこ、にっこり(と )、じっと、
さっさと、早速、は っきり(と) 、し くしく、ぎゅっと、 ドスンと、す
くすく、しとしと( と)、ザーザ ー( と)」などがある。
例: 長編小説を一 晩で一気に読 んで しまった。
電話の修理を 頼んだらさっ そく やってきてくれた。
様態の副詞には、「 ドスンと」の よう な「擬音語」(音を まねて表す
語)と「ぐっすり」 のような「擬 態語 」(動きの有様や人 やもの の状態
を音で象徴的に表す 語)が数多く 含ま れる。
様態副詞には、動き の主体の意志 の有 無を表すものが含ま れる。この
ような様態副詞とし ては、意志的 な動 作であることを表す 「あえて、わ
ざと、わざわざ」などと、無意識的な動作であることを表す「うっかり、
思わず、ふと」など がある。
例: 悲しい映画 を見て思わず もら い泣きをした。
その力士は わざと弱い相 手に わざと負けた。
3.程 度の副詞
状態の表現において は、しばしば 程度 が問題になる。例え ば、「試験
は難しい」という時 、どの程度に 「難 しい」のかを問題に することがで
きる。
例:この大学の入学 試験はとても 難し い。
上の例における「と ても」のよう な、 程度のあり方を表す 副詞を「程
度の副詞」という。
程度の副詞は一般に 、状態述語の 文で 用いられるが、動態 述語の文に
ついても、人の感情 ・感覚を表す 動詞 や「増加する」、「 減少する」
「進歩する」「上達 する」のよう な量 的な変化を表す動詞 を述語とする
文の場合は、程度の 副詞を用いる こと ができる。
例: ご迷惑をおか けして大変申 し訳 ありません。
しばらく見な いうちにずい ぶん 大きくなったね。
ま た、 程 度 の 副詞 は 、 名 詞 の修 飾 語と 述語 の 修 飾 語 を 修 飾 す る場 合 もあ る。
例: 少し難しい問 題(名詞の修 飾語 を修飾する用法)
47
語の構造と品詞

かなりゆっく り歩く(述語 の修 飾語を修飾する)


程 度 の 副 詞 に は 、 「 大 変 、は な は だ 、ご く 、 と て も 、 非 常 に 、 極め て 、
おそろしく、ひどく 、だいぶ(ん )、 大幅に、ずいぶん、 たいそう、相
当、かなり、わりあ い、わりと、 わり に、けっこう、なか なか、少し、
ちょっと、少々、多 少、いくらか 、じ ゅうぶん、よく、最 も、一番、も
っと、ずっと、一層 、はるかに、 より 、さらに、なお」な どがある。こ
のうち、「最も」の 以下のものは 、程 度の中でも特に比較 がかかわる程
度を表す。
程度の副詞の中には 、原則として 述語 の否定形と共に使わ れるものも
ある。例えば、「あ まり、さほど 、た いして、ぜんぜん、 全く、さっぱ
り、少しも、ちっと も」などであ る。
例: さっぱりわか らない。
この信号、さ っきからちっ とも 青にならないよ。
名詞の中でも数量や 時間・空間を 表す ものは、程度の副詞 で修飾され
る場合がある。
例:非常に大勢の人 が集まった。
問題の建物は少 し南にあった 。
4.量 の副詞
動きに関係するもの や人の量を表 す副 詞を「量の副詞」と 呼ぶ。例え
ば、「時間がたっぷ りある」とい う表 現におい て「たっぷ り」は「時間
が多い」ことを表す。量の副詞には、「たくさん、いっぱい、たっぷり、
どっさり」などがあ る。
例:本がどっさり載 っている本棚
また、程度の副詞の 中に、「お酒 を少 し飲んだ」という表 現における
「少し」のように、量の副詞として使えるものがある。「だいぶ(ん)、
ずいぶん、相当、か なり、少し、 ちょ っと、少々、じゅう ぶん、よく」
などがある。
さらに、述語の否定 形と共に使わ れる 程度の副詞について も、量の副
詞として用いること ができる。す なわ ち、「あまり、たい して、ぜんぜ
ん、全く、さっぱり 、少しも、ち っと も 」などは、量の副 詞としての用
法が可能である。
例:年末から年始に かけてちょっ と留 守にします。
ボーナスから少 し貯金しよう 。
図書館なんて僕 にはちっとも 面白 くない。

48
語の構造と品詞

 注意①: 状 態の 表 現の 中 でも 、 存在 を 表す 表現 に つ いて は 、量 の 副詞 を 用い る こと
が で き る。
例: 店に は 人 が い っぱ い い る 。
 注 意 ② : 「 た くさ ん 、 い っぱ い 、相 当 、か なり 、 少し 、ち ょ っと 、少 々 、多 少 、じ ゅ うぶ ん 」な ど
は 、 接続 助 詞「 の 」を 介 し て 名詞 を 修飾 す るこ と がで き る 。
例 : か な り の数 、 少 し の こと 、 多 少 の こと 、 た く さ ん の 難民

量の副詞の中に、「 だいたい、お およ そ、ほぼ、あらかた 、ほとん


ど」のような、全体 のうちの大部 分と いう意味を表すもの がある。
例: 仕事はだいた い終わった。
宿題のことは ほとんど忘れ てい た。
これらの量の副詞に は、次の例に 示さ れるような、数量を 表す名詞を
修飾する用法もある 。
例: ほとんど全員 が集まった。
目的地までは 、おおよそ 2 時間 かかる。
 注 意 ③ :「 ほ とん ど 」は 名 詞の 働 きを す るこ とも あ る 。
例: 参 加 者の ほ と ん ど は、 和 服 を 着 てい た 。

5.テ ンス・ア スペクトの 副詞


事態が起こる時間や 自体の発生・ 展開 のあ り方を表す副詞 を「テン
ス・アスペクトの副 詞」と呼ぶ。
「テンスの副詞」と は、発話の時 点を 基準として当該の事 態の時を位
置づけるものをいう 。この種の副 詞に は「かつて、いずれ 、今に、もう
すぐ、これから、先 ほど、のちほ ど」 などがある。
例: のちほどお目 にかかりまし ょう 。
そんなことを していたら今 に困 ったことになります よ。
かつてこの辺 りに異民族が 住ん でいたらしい。
「アスペクトの副詞 」とは、事態 の発 生・展開(接近、継 続、完了、
反復、順序など)に 関する事柄を 表す ものをいう。この種 の副詞には、
「いまにも、すでに 、もう、とっ くに 、ちょうど、まだ、 ずっと、依然
(として)、もはや、次第に、だんだん、徐々に、ますます、とうとう、
ついに、ようやく、 やっと、すぐ (に )、ただちに、たち まち、いつし
か、やがて、まもな く、そのうち (に )、しばらく、いよ いよ、あらか
じめ、まえもって、 かねて(から )、 かねがね、突然、い きなり、ひと
まず、いったん、とりあえず、さしあたり、はじめて、まず、ふたたび、
また」などがある。
例: ずっと雨が降 っている。

49
語の構造と品詞

かねて婚約中の 2 人 は昨日式を 挙げた。


 注 意 ④ :「 も はや 」 は 主 とし て 述 語 の 否定 形と 共 に 用い ら れる 。
例: こ の よう な こ と を 知っ て い る 人 は、 も は や い な い 。
アスペクトの副詞の 中には、事態 が起 こる頻度を表すもの もある。
「いつも、きまって 、常に、しじ ゅう 、絶えず、たいてい 、よく、しば
しば、たびたび、し きりに、時に 、時 々、たまに」などで ある。
例: 父はいつも夜 遅く帰る。
「めったに、あまり 、ぜんぜん、 全く 、ちっとも」などの ように、述
語の否定形と共に使 われるものも ある 。また、「ほとんど 」にも、頻度
が極めて低いことを 表す用法があ る。
例:田中さんにはめ ったに会わな い。
最近、田中さん にはほとんど 会わ ない。
6.陳 述の副詞
文末の「ムード」の 表現と呼忚す る副 詞を「陳述の副詞」 と呼ぶ。例
えば、下の例におけ る「ぜひ」は 、文 末の依頼の表現と呼 忚する。
例: ぜひこの問題 を調べてくだ さい 。
陳述の副詞は、文頭 に近い位置に 現れ 、文末のムードを予 告する働き
を持つ。陳述の副詞 には、次のよ うな 例がある。
6.1 .疑問と呼 忚する副詞 :「いった い、は たして」
例: いったいどう してこんな事 故が 起こったのか。
はたしてどの チームが優勝 する だろうか。
6.2 .否定と呼 忚する副詞 :「決して 、必ず しも、 とて も、とう てい」
例: 僕は彼の意見 に必ずしも賛 成と いうわけではない。
6 .3. 依頼・命令、 願望と呼応 する副詞:「ぜひ、な んとか、どうか、ど うぞ」
例: なんとか助け てあげたいも のだ 。
どうか無事で ありますよう に。
6.4 . 概 言 ・ 確 言 : 「 お そ ら く 、 た ぶ ん 、 さ ぞ 、 ま ず 、 ど う も 、 ど う や ら 、
きっ と、必ず、 絶対、確 か、まさか 」
例: どうやら雨は あがったらし い。
長の御旅行、 さぞお疲れで ござ いましょう。
どうも田中は このことを知 って いないだろう。
まさか、こん なところには 誰も 来ないだろう 。
6.5 .伝聞と呼 忚する副詞 :「なんで も」
例: なんでも、あ の人はもうす ぐ仕 事をやめるそうだ。
50
語の構造と品詞

6.6 .比況と呼 忚する副詞 :「まるで 、あた かも、さも 」


例: まるで夢でも 見ているよう だ。
6.7 .感動と呼 忚する副詞 :「なんと 、なん て」
例: あの人はなん てすばらしい んだ ろう。
従属節において条件 ・譲歩の表現 と呼 忚するものも、陳述 の副詞に含
まれる。
例: もし皆が反対 するなら、考 えな おさなければならな い。
たとえ皆が反 対しても、私 の考 えは変わらない。
この種の陳述の副詞 には「もし。 万一 、かりに、たと え、 いくら、い
かに」などがある。
7. 評価の副詞
当 該 の 事 柄 に 対 す る 評 価 を表 す 副 詞 を「 評 価 の 副 詞 」 と 呼 ぶ 。 例え ば 、
下の例における「当 然」は、「よ い結 果が出なかった」こ とに対する評
価を表している。
例: 当然、よい結 果は出なかっ た。
この種の表現は、評 価の副詞を述 語の 位置におく表現に言 い換えるこ
とができる。
例: よい結果が出 なかったのは 、当 然だ。
評 価 の 副 詞 は 「 あ い に く 、さ い わ い 、当 然 、 も ち ろ ん 、 む ろ ん 、偶 然 、
たまたま」などであ る。
例: さいわいに大 したけがをし なか った。
8. 発言の副詞
当該の発言をどのよ うな態度で行 うか を表す副詞を「発言 の副詞」と
呼ぶ。
例: 実は、私にも その理由はわ から ない。
発言の副詞には「~ 言えば」、「 ~言 うと」、「~言って 」などの形
式で言い換えられる ものがある。
例: 実を言うと、 私にもその理 由は わからない。
発 言 の 副 詞 に は 「 実 は 、 実際 ( は ) 、言 わ ば 、 例 え ば 、 要 は 、 慨し て 、
総じて」などがある 。
9. その他の副 詞
副詞として扱い得る 語の数は、種 類共 に多く、上記の分類 に収まらな
いものが少なくない 。そのような 副詞 は「特に、異に、単 に」などのよ

51
語の構造と品詞

うな限定を表すもの や、「やはり 、せ っかく、せ めて、さ すが」などの


ようなある種の評価 を表すものが ある 。
例: 特にこの点を 強調しておき たい 。
やはり、故郷 というものは よい ものだ。

問題

問題 1 次の文のうち、太字部分が 副 詞であるものを選び 、さらにその 副


詞を副 詞の分類 の 表 に従って分類してください。
1 ねぎを細 か く 刻む。
2 し ばら く 見なかったがどうしていた。
3 彼は一 向 に出かけようとし ない。
4 今では元 気 に 働いている。
問題 2 次の「と」の中で品詞が異 な るものを 1 つ選びなさい。
1 友人と 旅行する。
2 彼は黙々と 働いている。
3 ノルウェーと フィンラン ド ではどちらが大きい か。
4 もうすぐ来 ると 思う。
問題 3 以下の太字部分「よく」 の中で文 法的性質が異なるもの を 1 つ選んで
ください。
1 彼はよ く 海外旅行をする。
2 よ く この問題が解けたね。
3 足元によ く 気をつけてね。
4 彼は家柄もよ く 立派な青年 だ。
問題 4 適当なものを に入れてください。
1 急げば、___約束の時間に 間に 合うでしょう。
2 彼女のあの態度 は ___許せない 。
3 ___風をひい てしまったら しい 。
4 ゲームに夢中に なっていたら 、 ___朝になってい た。
5 ___私は帰納 5 時ま で図書室 にいました、間違い ありません。
6 ___長い夏休 みも終わる。
7 砂糖を少し入れ たら、 ___おい しくなりました。

52
語の構造と品詞

8 その子は___泣き出しそう だ。
9 ___火災が起きたら、今扉が自動的に閉まるようになっている。
10 熱はないが、 朝から ___気分 が優れない。
11 やっていけな いと言われる と ___やりたくなるも のだ
12 見たことのな い 花だが、花 好き の山田さんなら、 ___名前を知 っ
ているかもしれない 。
13 こんな寂しい田舎で都会育ちの彼女が___生活できるのだろうか。
14 あの人は先輩 という より___兄のような存在だ。

果たして い っそう な んとか なんと なく


やがて か えって 今 にも どうし ても
むしろ ど うも 万一 いつの 間にか
確かに ひ ょっとしたら

53
語の構造と品詞

6 擬声語・擬態語

1.基本的性格
擬声語(擬音語とも)・擬態語は、物音や物事の様子を表したものである。
「ざあざあと降る雨の日になってしまいました。」の「ざあざあ」のようなもの
は音を描写した擬声語の典型であるが、「のそのそ、ごわごわ、ぐずぐず」など
は動きの有様や人・ものの状態を描写した擬態語である。その他に、「くよく
よ」「わくわく」などの人の心理状態を描写したものもある。全部まとめてオノ
マトペとも言う。
例: 大きな犬がの そのそ (と)歩く。
ぐ ずぐず していて時間に遅れる 。
いつまでもく よ くよ (と)心配する。
わくわく (と)しながら、登場 を待つ。
文法的な働きからす ると、擬声語 や擬 態語は副詞(たいて いは情態副
詞)や名詞などいろ いろな品詞に また がっているが、ここ では意味的に
一括してまとめる。 なお、同じ語 でも 品詞によって意味や ア クセントが
変わることがある。
副詞 は っきり (と)言う、の そのそ (と)歩く
名詞 のりでご わ ごわ の浴衣、ひらひら のスカート、
ち ゃき ちゃき の江戸っ子
動詞 ふ わふわ する、がっ しり する
2. 擬声語・擬 態語の形態
擬声語・擬態語が典 型的には次の よう な形をとる。
パタ ーン 語例
1 「AB AB 」 くさくさ、じゃぶじ ゃぶ
2 「A っ B り 」 しっとり、どっきり
3 「A ん B り 」 ぼんやり、ほんのり 、すんなり
4 その 他 ときっ、ぎゅっ、ば たん、うっす ら

54
語の構造と品詞

擬声語・擬態語が情 態副詞として 用い ら れるときは、「… と」、「…


に」の形になること が多い。「と 」は 省略されることが多 い。「と」、
と「に」では以下の ような意味上 の差 がある。
べたべたと塗る:動 作の様子
べたべたに塗る:動 作の結果の状 態

問題

問題 1 次の中から擬声語。擬態語を 5 つ選んで○をつけてく ださい。

すたこら そそく さ たちま ち うやむや み えみえ


わざわざ ひえび え がたぴ し すっぱり ぴ ったり
きっかり すっか り しっか り もっぱら

問題 2 以下の説明文は以下のどの 擬 態語についてのもの か、 1 つ選んで


ください。
A.1「念入りによく 見る様子」の 意味 。「…に通う」にも 使える。
2「物事にひたす ら心が引き込 まれ る様子」の意味。
3「あからさまに じっと見 つめ る様 子」の意味。
a しげしげ b まじ まじ c つくづ く
→ 解答 : 1―( ) 2―( ) 3―( )
B.1「人に目立たな いように(何 をや っているのかわから ないように)
何かをすること」の 意味
2「人に隠れて( 気がつかれな いよ うに)何かをするこ と」の意味
3「…寄付する」が 言える。
4「陰で…する」が 言える。
5 未来の意志には 使えない。
a こっそり b こそ こそ
→解 答 : 1―( ) 2―( ) 3 ―( ) 4―( ) 5―( )
問題 3 以下のパターンを持つ擬声 語 ・擬態語のアクセン トの形はそれ ぞ
れ次の a~c のどれか、与え られた例 を参考にして答えて ください。
1 「○○○り」の形の 4 拍 語
【例】がっかり・ たっぷり・ふ んわ り
55
語の構造と品詞

2 1 以外の「○○○○ と」又は「○ ○○○」の形の 4 拍語


【例】げらげら・ そろそろ・ち らほ ら
a 一拍目が高く 、あとは低い 。
b 一拍目が低く 、あとは高い 。
c 一拍目と四拍 目が低い。
問題 4 次の文の の部分に入 れ るのに最も適当なも のを、それぞ れ
の 1・2・3・4 の中から 1 つ選んで く ださい 。
(1)相手は新人だか ら 説明 し なければならない。
1 ぺらぺら 2 たまたま 3 のろのろ 4 いちいち
(2)今日は歩きすぎ て、もう だ。
1 へとへと 2 ぎりぎり 3 ずきずき 4 いらいら
(3) している と、みんな先 に 行ってしまいますよ 。
1 がっかり 2 めっきり 3 そっくり 4 ゆっくり
(4)お風呂に入って 1 日の 疲れをと るのはとても だ。
1 はっきり 2 あっさり 3 さっぱり 4 きっぱり
(5)薬を飲んで寝た ら、頭が した。
1 はっきり 2 すっきり 3 きっぱり 4 すっかり
(6)山が (と) かすんで見え る 。
1 めっきり 2 はっきり 3 ほんのり 4 ぼんやり
(7)最近、 寒 くなった。
1 めっきり 2 すっかり 3 がっしり 4 そっくり
(8)駅で昔の恋人に 会った 。
1 すっかり 2 ばったり 3 ぴったり 4 べったり
(9)疲れきって (と)動く。
1 のろのろ 2 うろうろ 3 もろもろ 4 くよくよ
(10)まだまだ時間 は、 あ るの で安心してください 。
1 すっきり 2 そっくり 3 ぐっすり 4 たっぷり

56
語の構造と品詞

第 節
7 指示詞(コソアド詞)

指示詞は擬声語・擬 態語と同じく 、文 法的な観点からいろ いろな品詞


にわたるが、意味的 に一括して扱 って いる。いわゆるコソ アドハ以下の
ような体系を持って いる。
近称 中称 遠称 不定 称
コ ソ ア ド
代名詞 これ それ あれ どれ
代名詞 ここ そこ あそこ どこ
連体詞 この その あの どの
連体詞 こんな そんな あんな どんな
副詞 こう そう ああ どう
「コ」を例にとれば 、この他にも 「こ れら、これほど、こ ちら、こう
いう」などがある。
2. コソアドノ 用法
2.2 .眼前指示
コソアドには眼前指 示、文脈指示の 2 つの用法がある。基 本にあるの
は眼前指示の用法で 、指し示すも のが 具体物であり、それ が視野にある
時の用法である。眼 前指示の用法 では 「こ」「そ」「あ」 は以下のよう
に使い分けられる。
「こ」 指し示すものが話し 手の縄張りの 中に ある
「そ」 指し示すものが聞き 手の縄張りの 中に ある
「あ」 指し示すものが話し 手/聞き手の縄 張 りの中 にない
例:
A:あ の 人、だれですか。
B:どの人ですか。
A:あ そこ でコーヒーを飲んでいる 人です。
B:ああ、あ の人 は中国の留学生の リーさんです。
「縄張り」とは、「 その人の支配 の及 ぶ範囲」のことであ る。一般に
「こ」は話し手の近 く、「そ」は 聞き 手の近く、「あ」は 遠くのものを
指すのであるが、背 中を掻いても らっ て「そこ、そこ」と 言ったりする

57
語の構造と品詞

のは、どちらの力が 及ぶかで使い 分け られているのである (図 1)。また 、


タクシーの運転手に 「そこで降ろ して ください」などと言 うのは、図 2
のように話し手と聞 き手が独立 し た縄 張りを持たない場合 で、このよう
な時は両者の近くが 「こ」、少し 遠い ところが「そ」、遠 いところが
「あ」で表される。 この他に「ち ょっ とそこまで」のよう に漠然とした
「そ」もある。



こ そ
話 こ

し 話 聞

手 し き

手 手

(図 1) (図 2)

2.2 .文脈指示
「あ」 聞き手と話し手の両 方が、よくわ かっ ていることや
体験したことを言う 時、使う。
「そ」 一度言ったことや聞 いたことをも う一 度言う時、使う。
例:
A:待ち合わせの場所 、どこにする 。
B:そうね。デリーは どう。
A:そ れ 、どこにあるの。
B:平和ビールの一階 。
A:ああ、あ そこ ね。

58
語の構造と品詞

問題

問題 1 次の会話はそれぞれのどのよ うな状況で行われた と考えられる か。


1 「この花は何とい うの」「これ は そば麦です」
2 「その花は何とい うの」「それ は そば麦です」
a 話し手だけが花 に近い所にい る 。
b 聞き手だけが花 に近い所にい る 。
c 話し手・聞き手 ともに花に近 い 所にいる。
d 話し手・聞き手 ともに花に少 し 遠い所にいる。
問題 2 以下の「そ」の用法の中で 1 つだけ違うものはど れですか。
1 「これ、だれの本 だ」「あ、そ れ は佐藤さんのです」
2 「誰か僕の連語辞 典知らないか 」
「その本なら日本 語準備室にあ り ましたよ」
3 「もしもし。今、 通天閣の前だ け ど、場所はどこ?」
「そこの前の道を まっすぐ行け ば すぐわかりますよ」
4 「このカメラはど うやってフィ ル ム入れるのかな」
「あ、そんなこと しちゃだめだ よ 」

59
語の構造と品詞


8節 助動詞
1.基 本的性格
助 動 詞 は 動 詞 の 後 ろ に つ い て 、 様々 な意 味 を 加 え る も の で あ る 。 そ れ
自身で独立して使われることはない。必ず動詞に付いているので「助動
詞」と呼ばれる。これは「助詞」という名称にも当てはまることである。
「 助 動 詞 」 と い う 言 葉 は 日 本 語 教育 では あ ま り 使 わ れ な い 。 品 詞 分 類
の観点からはこれらは一つのグループを成すが、これらを一括して教え
ることはない。「受け身の表現」、「使役の表現」などと言っている。
以下に助動詞の主な ものを挙げる 。
だ・です 断定(コピュラとも 言う)
た 過去・完了
たい 願望
れる・られる 受け身・可能・自発 ・尊敬
せる・させる 使役
ようだ・そうだ・ら しい 伝聞・推量・比況
だろう・でしょう 推量
 注 意 : 「~ て いる 」 「~ て しま う 」な ど も助 動詞 と 同 じ働 き をす る が、 こ れら は 元来
独 立 し た動 詞 とし て 用い ら れる の で、 品 詞分 類の 観 点 から は 補 助 動 詞 と呼 び、 助 動詞
と は 区 別す る 。
助 動 詞 は 活 用 す る こ と に な っ て いる 「~ れ る 、 ~ ら れ る 」 は 動 詞 型 の
活 用 ( R U ‐ verb ) を す る 。 「 ~ た い 」 は イ 形 容 詞 の 活 用 を す る 。 し か し 、
「~た、~だろう、 ~でしょう」 は活 用しない。
な お 、 否 定 形 の 「 ~ な い 」 も 国 語学 では 助 動 詞 と さ れ る 。 そ の 際 、 動
詞以外の否定は区別して補助形容詞と呼ばれる。これは、動詞否定の
「~ない」とその他の「~ない」の独立性が違うためである。補助形容
詞はもともと自立した形容詞の特例と考えられているので、普通、助動
詞には分類されない 。
「行かない」:否定 の助動詞 「時間がない」 :イ形容詞
高く(は)ない・高 価で(も)ない・学 生で( は)ない:補助 形容詞
なお、補助形容詞に は、この他に も以 下のようなものがあ る。
~てほしい、~やす い、~にくい 、~ 難い

60
語の構造と品詞

2.コ ピュラ
コ ピ ュ ラ は 国 語 学 で は 「 断 定 の 助動 詞」 と 呼 ば れ る も の で あ る 。 助 動
詞 の 1 つ で あ る 。 コ ピ ュ ラ は 名 詞につ い て 、 文 の 述 語 にな る 。 ナ 形 容 詞
の活用語尾「~だ」と混乱しやすい。以下はコピュラの活用形である。
連体形の「の」は「である」「だった」「であった」と交替できる。
「ので・のに・こと ・の」の前で は「 な」になる。
例:私の兄は薬剤師だ 。(終止形 )
あの人は大学生で 、小説家で もあ る。(連用形)
川崎さんは大学 生 の 時に仏文専攻 だった。(連体形)
あの人が嘘つき な ことはよく わかって いるでしょう。(連 体形)
私の妻は大学院 生 な ので、学割が 使える。(連体形)

問題

問題 1 次の太字部分のうち、コピ ュ ラの活用形であるも のはどれか番 号


で答えてください。
「だ」: 1 私は 元気だ 。 2 私は病気だ 。
3 高価で 買えない。 4 癌で 死ぬ。
「で」: 5 父は学 者で 、高潔だっ た。
「な」: 6 父は元 気な のだが頑固 で困る。
7 父は 80 な のだが目も足 も悪くない。
「でも」:8 私は部 長で も 課長でもない。
9 ロンド ンで も 日本の新聞が買える。
10 お茶で も 飲もうか。

61
語の構造と品詞


9節 助詞
1.基 本的性格
名 詞 に 接 続 し て 、 補 足 語 や 主 題 を作 る働 き を す る も の 、 語 と 語 、 節 と
説を接続する働きをするもの、等を一括して「助詞」という。助詞は、
文の組み立てにおける働きの違いによって主として、「格助詞」、「提
題助詞」、「取り立て助詞」、「接続助詞」、「終助詞」 等に分かれる。
たいていはひらがな 1,2 文 字である。
表‐助詞の分類
典型的な接続と働き 名称 例
名詞に付く 格助詞 が ・ を ・ に ・ で ・ から ・ へ ・ と・ ま で ・ よ り
取 り立 て 助 は・も・こそ・でも・しか・だけ・ばかり・ま
名 詞 な どに 付 く
詞 で・ぐらい
名詞の代わり 準体助詞 の ( 例 : 歩 くの を や め る)
語と語を 並列助詞 と・ か・ とか・ や
つなぐ ガ ・ から ・ け れ ど ・ の で ・ の に ・ と・ た ら ・ な が
文と文を 接続助詞
ら・つつ
最後に付く 文節の最後 間投助詞 ね・さ・よ
文の最後 終助詞 か・ な ・ わ ・ ぞ ・ ぜ

 注 意 : 上 の 表 は 助詞 の 働 き に よる 分 類 で あ るが 、 こ の 他に 形 態的 な 分類 と して
「 ~ に 対し て 」、 「 ~に 関 する 」 等と い った 表現 を 複 合助 詞 と呼 ぶ こと が ある 。

2.格 助詞
補足語が述語に対し てどのような 関係 にあるかを表す助詞 を、「格助
詞」という。補足語 は一般に、名 詞と 格助詞で構成される 。以下の例に
おける「が」、「を 」、「で」は 、い ずれも格助詞である 。
例: 太郎は家の壁 を白いペンキ で塗 った。
格助詞には、「が ・を・に・で・ から・へ・ と・ ま で・より」がある。補足語を、そ
れを取る格助詞 の違い に応じて、「ガ格」 、「ヲ格」、等と呼び分 けることにする。
 注 意 : 「と 」 は、 引 用の 表 現で も 用い ら れる 。引 用 を 表す 助 詞を 格 助詞 と 区別 し て、
「 引 用 の助 詞 」と 呼 ぶ。 例: 地 元の 人 はそ の家 を 幽 霊屋 敷 と呼 ん でい る 。

3.提 題助詞
主 題 を 提 示 す る 働 き を す る助 詞 を 「 提題 助 詞 」 と 呼 ぶ 。 主 題 は 一般 に 、
名詞と提題助詞で構 成される。例 えば 、以下の例では、「 太郎は」が主
題である。

62
語の構造と品詞

例:太郎は急いでか ばんに書類を 詰め た。
提題助詞には、「は 、なら、って 、っ たら」などがある。
格助詞と提題助詞が いっしょに用 いら れる場合には、格助 詞が提題助
詞に先行する。以下 の例の「この まま では」においては、 格助「で」が
提題助詞「は」に先 行している。
例:このままでは不 安定なので、 隙間 を紙で詰めましょう 。
4.取 り立て助 詞
同類のほかの項目を 背景にして、 ある 事項を特に取り上げ る働きをす
る助詞を「取り立て 助詞」と呼ぶ 。
例:太郎さんからも 返事がなかっ た。
上の例では、助詞の 「も」が、「 返事 がなかった」人に太 郎以外の人
がいることを表して いる。
取り立て助詞には、 「は、も、さ え、 でも、すら、だって 、まで、だ
け、ばかり、のみ、 しか、こそ、 など 、なんか、なんて、 くらい」があ
る。
例:こんな問題は 子供にもわか りま す。
今日の約束は本 人でさえ忘れ てい た。
日曜日でも一日 中練習がある 。
これさえあれば 大丈夫だ。
今年こそ合格す るよう頑張ろ う。
あいつの顔なん か二度と見た くな い!
自分の身の回り ことくらい自 分で しなさい。
取り立て助詞は、主 として、補足 語と 述語の位置に現れる 。補足語に
おいては、格助詞の 前に現れる場 合と 後ろに現 れる場合が ある。
例:私な ど にはとても代表はできない 。
難しい問題にこ そ 積極的に解決の 努力をしなければな らない。
述語の位置では、連 用形・テ形、 基本 形・タ形に接続する 。
例:いつも遊んでば かりいる。(テ形+ ばかり)
お湯を入れるだ けで、簡単に スー プができま すよ。(基本形+ だけ)
この薬は少しも効かず に、ただ苦 いばかりだ。(基本 形+ばかり)
先生に話しただ けだ。( タ形+だ け )
5.接 続助詞
語と語、節と節を接 続する助詞を 「接 続助詞」と呼ぶ。
例:ひらがなとカタ カナ
用事はすぐ終わ りますから、 ちょ っと待ってください 。
63
語の構造と品詞

接 続 助 詞 に は 、 並 列 的 な 関 係 で 接続 する 働 き を 持 つ 「 並 列 接 続 助 詞 」
と、従属的関係で接 続する働きを 持つ 「従属接続助詞」が ある。
5.1 .並列接続 助詞
 名詞と名詞を接続す るもの:「と 、や 、も、に、か」
例:スポーツの中で は、テニスや 水泳 が好きだ。
 並列節と主節を接続 するもの(述語 の基 本形・タ形に 接続する):「し、 が」
等。
例:日本は、車も多 いし、道路も 狭い 。
この街は道路は 広いが、車も 多い 。
接 続 助 詞 は 助 詞 の 下 位 分 類 で あ るが 、接 続 詞 と 働 き が 同 じ な の で 、 こ
の 2 つを「接続の表現」と して一括し て扱うことがある。
「が」の類別:
「私が行き ます」・・・ ・・ ・・・・【格助詞】
「夏は涼し いが、冬は暖 かい 」・・・【接続助詞 】
「夏は涼し い。が、冬は 暖か い。」・【接続 詞】
ま た 、 「 た り 」 は 節 と 節 を つ な ぐの で、 接 続 助 詞 と な る が 、 「 行 っ た
り来たりする」のよ うに並列につ なぐ ので、並列助詞と言 える。
5.2 .従属接続 助詞
 名詞と名詞を接続す るもの:「の 、と いう」
例:日本語の辞書
「の」の類別:
「それは私 の本です。」 ・・ ・・・・【格助詞】
「それは私 のです。」・ ・・ ・・・・【準体助詞 】
「もっと大きいの はありま せんか。」 ・・・・・【形式名詞】
「行くの行 かないのと大 騒ぎ する」・【並列助詞 】
 注 意 : 準 体 助 詞 の「 の 」 は 形 式名 詞 と 分 類 され る こ と の あ る 。
 注 意 : 「 の 」 や 「と い う 」 は 、連 体 節 と 名詞 を 接 続 す る こ とが あ る 。
例: ど ち ら を とる か の 問 題
ど ち ら も とる べ き だ と いう 意 見

 従属節と主節を接続 するもの
 述語の基本形に接続 するもの:「 と、 まで、なり」等
例:トンネルを抜け ると、そこは 一面 の菜の花畑だった。
 述語のタ形に接続す るもの「きり 」等
例:子供は遊びに行 ったきり暗く なっ ても帰ってこない。
 述語の基本形・ タ形に接 続するもの:「 か ら、けれども、なら」 等
64
語の構造と品詞

例:ベルを押した けれども、返事がなか っ た。
 述語の基本形・ タ形、連体形 に接続する もの:「ので、の に」等
例:この国の人はみ んな親切なの で、 とても暮らしやすい 。
 述語の連用形に接続 するもの:「 なが ら、つつ」等
例:花子はいつも、 音楽を聞きな がら 勉強する。
 述語のテ形に接続す るもの:「か ら」 等
例:よく考えてから 、ご返事しま す。
6.終 助詞
「 終 助 詞 」 は 、 文 末 に 現 れ る 助 詞で 、述 語 の 基 本 形 、 タ 形 、 等 の 接 続
する。下の例の「か 」は終助詞で ある 。
例:お土産に何を買 いましたか。
終助詞の使い方には 、顕著な男女 差が 見られる。
終 助 詞 に は 、 断 定 を 表 す 「 さ 」 、疑 問を 表 す 「 か 、 か い 、 か な 、 か し
ら」、確認・同意を表す「ね、な」、知らせを表す「よ、ぞ、ぜ」、感
嘆を表す「なあ、わ」、記憶を表す「っけ」、禁止を表す「な」、等が
ある。
例:僕はどうせ馬鹿 な男さ。
大きな家だなあ 。
明日の会議は何 時からだった っけ 。
特に注意すべき終助 詞として「ね 」と 「よ」がある。
「 ね 」 は 、 基 本 的 に は 、 相 手 も 当該 の知 識 を 持 っ て い る と 想 定 さ れ る
場合に用いられる。自分の知識と相手の知識が一致していると想定し、
これを相手に確認するときは同意要求になり、自分の知識が不確かなと
きは確認になる。
例:今日はよい天気 ですね。(同 意要 求)
彼は、確か岡山 の出身だった ね。 (確認)
「 よ 」 は 、 基 本 的 に は 、 相 手 が 知ら ない こ と に 注 意 を 向 け さ せ る 働 き
をする。従って、場合によって、単なる知らせ、注意、警告、等の様々
な意味を表す。
例:財布が落ちまし たよ。(知ら せ)
もっと勉強しな いと、試験に 落ち るよ。(注意、警告 )
終 助 詞 の う ち 、 「 ね 」 と 「 さ 」 は、 文中 の 切 れ 目 に 挿 入 し て 、 聞 き 手
の注意を促す働きを する。これを 、終 助詞の「間投用法」 と呼ぶ。
例:最近ね、こんな 表現がね、は やっ ているらしいよ。

65
語の構造と品詞

 注意:丁寧な文体では、「さ」は使えない。また、丁寧体では、「ね」の代わ
り に 、 「 で す ね 」も 用 い ら れ る。
例 : 最 近 で すね 、 こ ん な 表現 が で す ね 、は や っ て い る ら しい で す よ 。

問題

問題 1 次の太字部分の語の品詞や種 類が他のものと違う ものをそれぞ れ


1 つ選んでください。
「から」 1 これ は北欧か ら 輸入した民芸品です。
2 会議は 3 時か ら です。
3 値段 が高いか ら いい品物に違いない。
「が」 1 もし もし、田中で す が 先生はいらっしゃいますか。
2 太郎 は来たが 花子は 来ない。
3 荷物 を出すなら宅 配 便 が 便利です。
「の」 1 その 眼鏡は田中さ ん の です。
2 カシ ミヤは中国産 の が安い。
3 そこ の黄色いの はお 買い得です。
問題 2 ( )の中に適当な格助 詞 を入れてください。
1) 1988 年に、ソウル ( )オリン ピックがあった。
2) 私はこの本を 3 時間( )読み 終わりました。
3) 朝( )ずっと 雨が降ってい る 。
4) 次郎は良子( )婚約して。
5) 私( )は暇も お金もありま せ ん。
6) このバスは高木 町( )通り ま すか。
7) 私たちは4人( )鈴木さん の お見舞いに行きまし た。
8) 彼なんかに聞く ( )、先生 に 聞くほうがいいです 。
9) 風邪( )頭が 痛いです。
10)山田先生は、学 生( )注意 を与 えた。
11)彼は私の意見( )反対した 。
12)雪( )作った だるまを雪だ るま といいます。
13)田中さんが来る ( )待ちま しょ う。
14)旗が風( )揺 れていた。
15)あの人は株の売 買( )かな りの お金をもうけたと言 っている。
16)太郎はささいな こと( )相 手の 気持ちを害してしま った。
66
語の構造と品詞

17)成功( )の鍵 は、努力にあ る。


18)彼はベッド( )寝ていた。
19)後 2 時間ほど( )東 京に着きま す。
20)作品の完成には 、三日( ) 必要 だった。
問題 3 次の文の( )の中には、 ど ちらの取り立て助詞 が適当ですか 。
どちらもよい場合も ある。
1) 銀行も、一般的 企業ではなく、土 地に(も・だ け)投資を 始めた。
2)記者会見などでは 、本当の考え ( など・くらい)およ そ 聞けない。
3)いつも日本人ばか りが建前(ば か り・も)言って本音 を言わない。
4)悲しいこと(でも・こそ)あるのか、自 分 の部屋でずっと泣 いている。
5)夜は寒くなるから、 セータ ー(でも・く らい)持 って行くとい いですよ。
6 )電 話を 受 けた ら、 最近 、相 手 の名 前と 電話 番号 (こそ ・く ら い) 聞 いてお い
てください。
7 ) 雨 の 降 る日 ( で も ・ など ) 、 「誰 か 代 わ り に 学 校へ 行 っ て くれ な い
か」と思ったことも ある。
8)田中さんがま だ来て いま せんが、 事故(でも/くら い)あったのでょ うか。
問題 4 ( )の中に「は」か「が」 を入れてください。
1)新聞に よると、来月か らタクシー 料 金( )値上がりすることは確実 らし い。
2 ) 日本 人 ( ) はじ め てみ た ヨーロ ッ パ 人 は 16 世 紀に 種 子島 に 流 れ
着いたポルトガル人 だった。
3)昨日の山火事( )タバコの 投 げ捨て( )原因ら しい。
4)昨日の山火事の 原因( )タ バ コの投げ捨てらしい 。
5)「鈴木さんは本 当にいい人で す ね」
「 え え 。た だ 、 自 分 の意 見 を なか な か 言 わ な い の( ) 欠 点と 言 え
ば欠点ですがね」
6 ) 私 が 日 本語 の 文 法 に 興味 を 持 つよ う に な っ た の ( ) 三 上 章の 本 を
読んだの( )きっ かけだ。
7)「雨が降ってき ましたね。傘 も 持っていないし、困 りましたね。 」
「大丈夫ですよ 。 8 月の雨( )降ってもすぐやみ ますよ。」
8)「引越しの荷作 りはもうでき ま したか。」
「え え 。近所の人( )手伝ってくれ たおかげで、早くできま した。 」
9)私( )奈良に 住んでいる ので大学 ま で片道 2 時間以上かかりま す。」
10)「パトカーが たくさん来て いま すが、どうしたんで すか。」
「3 時ごろあそこの銀行に強盗( )入り、100 万円奪って逃げたそうです。」
11)「鈴木君はいつも忙しそうですね。」
67
語の構造と品詞

「ええ。あの人( )昼間はラーメン屋で働き、夜は大学に通っていますから。」
12)「北川さん( )市長選に出るっていう話、聞いたかい。」
「うん。あいつ( )目立つことがしたいっていつも言ったけど、まさか
市長選に出るなんて。」
13)「この事件の犯人( )絶対あの三浦という男だと思うけどなあ。」
「そしたら、三浦( )あの日の 12 時に羽田空港にいたという事実が説明
できないよ。やっぱり、あの人( )無実だと思うよ。」
14)水野さん( )ふるさとに帰って就職したいのだと思います。」
15)「英語の時間に、先生( )『ミスタナカ』といったら、私は女子の田中
さん( )起立、クラス全員( )爆笑した。以来、わかる問題は積極
的に答え、難しいときは黙ってる。」
16)量の食費( )百円、値上げになった。量( )多くなるのか、質( )
よくなるのかと期待していたら、食器( )よくなった。
問題 5 下線を引いた述語の主語が何であるか(例えば「いない」のは誰である
か)を( )の中に書いてください。
1)私は妻がいないときはいつも自分で食事を作ります。
( ) ( )
2)「太田さんは今井さんが大嫌いなんですね。」
「本当にそうですね。この前も今井さんが来たら、すぐ帰りました。」
( ) ( )
3)木谷さんは俳優になりたいのだと思います。
( ) ( )
4)山田さんは研究者になりたいと言っていました。
( ) ( )

68
語の構造と品詞

第 節 連体詞
10

1.基 本的性格
連体詞はもっぱら名詞修飾(連体修飾)の機能を果たす。
2.由来と分類
2.1. 連体詞はいくつかの形式に由来する
「ある、あらゆる、いわゆる、かかる、あくる、来る、去る」のように、、動
詞の名詞修飾形式に由来するもの、「大した、だいそれた、とんだ、困った、ふ
とした、おもだった、ちょっとした、堂々とした、確固とした」のように、動詞
のタ形に由来するもの、「大きな、小さな、おかしな、こまかな、いろんな、ろ
くな、めったな、はるかなる、堂々たる、確固たる、微々たる」のように、形容
詞の名詞修飾形式に 由来するもの 、「 例の、一種の」のよ うに、「名詞+
「の」」という形式で表されるもの、等がある。これらの語は、名詞修飾のみに
用いられ、述語として用いることはできない。
また、「ほんの、せいぜい、たかだか、たった、およそ、約」のように、他の
品詞とは関係ないもので、名詞修飾のみに用いられるものもある。
2.2.連体詞の由来と用法はほぼ対忚している
動詞の名詞修飾形式に由来する連体詞と、「名詞+「の」」という形の連体詞
は、名詞を限定する役目を果たすものが多い。
動詞のタ形に由来する連体詞と形容詞の名詞修飾形式に由来する連体詞は、修
飾される対象の属性を表すものが多い。
また、「ほんの」などは、数量の程度を限定する。
例:ある人は、こんなことを言っている。
例の話、その後どうなりましたか。
とんだことになりましたね。
校則は、あまり細かな規則を立てないほうがよい。
あまり高い品物じゃないな。せいぜい 5000 円だ。
SDI 計画、いわゆるスターウォーズ計画には世界中の人々が関心を寄せている。

69
語の構造と品詞

問題

問題 適当なものを選んで、文の( )の中に入れてくだ さい。


ほんの あらゆ る いかな る 同じ せいぜい
かかる 大した 当の 他の およそ
さしたる 単なる 来る 去る

1 ) こ の 研究 所 に は 労働 問 題 に 関する ( )資 料 が そ ろっ て い る。
2)( )小 さな故障も大 き な事故を招くことが ある。
3)払った授業料 は( )理由 があっても返還しないことにな っている。
4 ) 新 し い 仕事 だ が け い けん の あ る人 ば か り な の で 、( )困難
はないだろう。
5)これは( )書き間違 い で、重大なミスでは ない。
6)専門書には( )よう な 語がたくさん出てく る。
7)自分が病気かど うか( )本人にもわからな い。
8)( )1 2 月 1 0 日午 前 9 時 より大学の講堂にて 式が行われま す。
9)正しいかどうか ( ) 文 献にも当たってみよ う。
10 ) 表 の 見 方 が よ く わ か ら な い が 、 そ れ は ( )問題ではない。
11)新型インフルエンザの国内発生 に ( )対応について の事務連
絡は厚生労働省 から送 られた。
12)家から駅までは 歩いても( )5 分ぐらいだ。
13)ゴールまで( )800 メー トルです。
14)彼女は大仕事を ( ) 一人 でやり遂げた。

70
語の構造と品詞


11 節 接続詞

1.基 本的性格
接続詞は文頭におい て、先行する 文と つながりを示す役割 を果たす。
例えば、「しかし」 、「なぜなら 」、 「すなわち」、「ま た」、「な
お」「あるいは」等 である。接続 詞は 文より大きな単位同 士のつながり
を示すこともできる 。
本節では、「いずれ にしても」の よう な接続詞と同じ働き をする「接
続詞相当句」も扱う 。
2.接 続詞の由 来
接続詞は、他の品詞 から転用した もの が多い。「が、けれ ど(も)、
ところが、ところで、だから、なのに、すると、一方、反面」のように、
接続助詞やそれに相 当する表現に 由 来 するもの、「それで 、(それ)で
は、それに、それか ら、それとも 、そ こで、そのため、そ して」のよう
に、指示詞を含む表 現に由来する もの 、「従って、つまり 」のように、
動詞に由来するもの 、「おまけに 、ゆ えに、ちなみに」の ように、「名
詞+助詞」の形のも の、等がある 。
接続助詞に由来する ものの場合は 、前 の文の省略形と考え られる。ま
た、指示詞を含むも のは、「そ~ 」の 部分で前の文を受け ている(代用
している)と考えら れる。つまり 、、 これらの文は、前の 文を省略、代
用という形で含んだ 複文と見るこ とも できる。
例:細かく切った。 すると、食べ られ るようになった。
(細かく切ったら 、食べられる よう になった。)
お金をおろした 。それから、 買い 物に行きました。
(お金をおろして から、買い物 に行 きました。)
3.接 続詞相当 句
文接続の機能は、接 続詞に相当す る語 句でも表すことがで きる。例え
ば、「これに対して 」、「それに 反し て」のように、指示 詞を含む動詞
テ形の句、「なぜか というと」、 「と いっても」、「とい うのは」、
「とはいえ」、「と すると」のよ うに 、引用の形を含む句 、等は、前の

71
語の構造と品詞

文を受けて、次の文 をつなぐ役 w 利を 果たすという意味で 、接続詞相 当


句とみなせる。
例:この辺のレスト ランは高い。 それ にしては、あの店は 安い。
また、接続詞、接続 詞相当句の中 には 、「が」、「けれど (も)、「と
すると」のように、 前文の代用形 とし て判定詞を残すこと ができるもの
がある。
例:あの人はこの 事実を知らな かっ たらしい。 だ とすると、彼が犯人
である可能性は低い 。
4.接 続詞相当 句の丁寧形
接続詞相当句のうち 、「だ」、「 いう 」、「対して」、「 する」、な
どの述語的要素を含 むものは、丁 寧な 文体において、「で すが」、「と
申しまして」、「そ れに対しまし て」 、「としますと」の ように 、述語
的要素を丁寧形で表 せるものがあ る。
例:これは確かに 困難な問題で す。 ですが、そんなこと ばかりを言っ
て い た の で は 、 進 歩 と いう も の は あ りえ な い の で は な い で し ょう か。

問題

問題 最も適当なものを選んで、文の の中に入れて ください。


1)来週、父の弟の子供、 い とこが遊びに来るん です。
1 だが 2 だから 3 つまり 4 というのは
2 )残 念な が ら 受験 は できま せん 。 あな たに は 受 験資 格 がな い か らで す。
1 なぜなら 2 ですから 3 しかし 4 おまけに
3)電車に忘れ物を した。 駅 の事務所に問い合わ せた。
1 そこで 2 だけど 3 けれども 4 したがって
4 ) 「 も ち ろん 行 き た い し、 そ の 予定 だ っ た の で す が、 ち ょ っ と都 合 が
悪くなって…」 「 行 かな いんですね。」
1 そういえ ば 2 要する に 3 それはさておき 4 そればかりでなく
5)毎日よく日本語 を勉強してい る 。 なかなかう まく話せない 。
1 そのために 2 それで も 3 そこで 4 それなら
6)「田中さん遅い ね。」…「遅 れ るって電話があった よ。」
「ああ、そう 。 遅い ね。 」
1 それにしては 2 そ れにして も 3 それなのに 4 け れども
7 )必 要な 書類 は そろえ ま した 。 証明 書用 の 写真 だ け は 明日 に なりま す。
1 そこで 2 ただし 3 そのうえに 4 それなのに

72
語の構造と品詞

8 ) た だ 今 から 説 明 会 を 行い ま す ので お 集 ま り く だ さい 。 終了は
4 時の予定です。
1 なお 2 では 3 だが 4 さて
9)彼は独身じ ゃありま せん。 もう 中学生の娘さんが いるんです よ。
1 かつ 2 それとも 3 それどころか 4 ならびに
10)彼は金持ちだ 。 まだ 若い 。
1 しかも 2 あるいは 3 それとも 4 もしくは
11 ) 人 間 は 存 在 や 時 間 等 に つ い て 哲 学 的 思 考 を す る 。 他の動物
と区別される。
1 それでも 2 ゆえに 3 すなわち 4 なぜなら
12 ) 等 事 務 所 は 日 曜 日 祭日は休業となっております。予めご了
承ください。
1 なお 2 および 3 おまけに 4 ただし
13)野球を見 ようと思 い、テレビをつ け た。 雨で試合は中 止だった。
1 でも 2 ところ が 3 それでも 4 ただし
14)「ダイエットをしている んだ。」「 ちっともやせないね。」
1 それで 2 とい うの は 3 それにしては 4 そこで

73
語の構造と品詞

第 節
12 感動詞

1.基 本的性格
感 動 詞 は 、 文 の 他 の 要 素 と 結 び つい て事 態 を 表 す と い う よ り も 、 事 態
に対する感情や相手 の発言に対す る受 け答えなどを、 1 語 で非分析的に表
す形式である。
2.感 動詞の分 類
感 動 詞 に は 、 「 あ 、 あ あ 、お や 、 ま あ、 あ ら 、 あ れ 、 あ れ ー 、 あれ れ 、
ありゃ、わ、うわ、ぎょ、ひャー」のように、眼前の事態に対する驚き
を表すもの、「なんと、へー」のように、眼前の事態や相手の言ったこ
とに対する意外感を表すもの、「はい、ええ、ああ、うん、はあ、いい
え、いや」のように、相手の発言に対する同意、不同意を表すもの、
「なるほど、ふうん、ふん、はあ」のように、相手の発言に対する理解
を表すもの、「さあ、ええと、あの、その、そねえ、そうですね」のよ
うに、解答を検索中であることを表すもの、「もしもし、あの、おい、
こら、ねえ、ほら、そら、さあ」のように、相手に呼びかけたり、注意
を喚起したりするときに用いられるもの、「はて、はてな」のような自
分に対する疑問の表現、「さてと、やれやれ、よいしょ、どっこいしょ、
よし」のように、動作や行動の開始時に自分に言い聞かせるために用い
られるもの、等があ る。
挨 拶 に 使 う 礼 儀 的 な 表 現 も 、 場 面に よっ て 使 う も の が 決 ま っ て お り 、
非分析的であるという点から、感動詞およびそれに相当する語句として
扱うことができる。
礼 儀 的 な 感 動 詞 、 感 動 詞 相当 句 に は 、「 さ よ う な ら 、 じ ゃ 、 じ ゃま た 、
じゃこれで、じゃまた後で、失礼します、お休みなさい」のような別れ
の挨拶の表現、「やあ、おはよう、こんにちは、こんばんは、元気、お
す」等の出会いの挨拶の表現、「行って来ます、行ってらっしゃい、た
だ今、お帰り(なさい)」等の出発・出迎えの表現、「いえ、いいえ、
いえいえ、どういたしまして、とんでもない、とんでもございません」
等の、感謝に対する答えの表現、「いただきます、ごちそうさま」等の
食事時の挨拶、等が ある。

74
語の構造と品詞


13 節 接辞

1.基 本的性格
接辞は、語(派生 語)を構成する 要素であり、語幹(派生語 幹)に付 加して独
立の語を派生する。語幹の前に付くものを「接頭辞」、後ろに付くものを「接尾
辞」という。
活用語と接尾辞の結合において、派生語幹は形容詞については活用語幹
と同じであり、動詞について は活用語幹 か連用形の いずれかである。
派生語の文中での働きを決めるのは、原則として語の末尾の要素である。
従って、接 頭辞 は一般 に、 派 生語 の品詞 のあり方に 影響しな い が、接 尾辞 は派
生語 がど の 品詞 に 属す るか を決 定 する。 接尾 辞 は、そ れ が 付加 してで きる 派生
語の品詞の違いによって、主として「名詞性接尾辞」、「形容詞性接尾辞」に分
けることができる。
接辞は、由来の違いにより、「和語系接辞」と「漢語系接辞」に分かれる。ま
た、外来語の接辞もある。
2 .接頭辞
頭辞には、次 のよ うな例がある。
名詞 に付くも の
「お(「お名 前」)、ご (「ご迷惑 」)、み( 「御 仏」)、ま (「ま 冬」) 、す(「 す足」)、
おお(「大雪」)、こ(「小鳥」)、大 (「大都 市」)、本(「本大学」)」
動詞 に付くも の
「うち(「うち込む」)、とり(「とり壊す」)、 ぶ ち(「ぶち壊す」)」
イ形 容詞に付く もの
「ま (「ま 新しい」)、こ(「こうるさい」)、か( 「か細い」)」
接頭辞の中で注意を要するものに、否定の意味を表すものがある。この種
の接頭辞の例 には、名 詞・ナ形容詞に付 く「無、不、非、未」がある。
接頭辞は派生語の品詞のあり方に影響しないのが原則であるが、この種の
接頭辞は、「無計画」、「非常識」のように、名詞からナ形容詞を派生させること
がある。
3 .名詞性 接尾辞
75
語の構造と品詞

名 詞 性 接 尾 辞 に は、 名 詞 に 付く も の、 名詞 ・ ナ 形容 詞 に 付く も の 、イ 形 容 詞
に付くも の、動詞 に付くも の、等 がある。こ のうち、名 詞に 付くもの には、 次の よう
な例がある。
 丁寧さを表すもの: 「さん(「鈴 木さ ん」)、君(「太郎 君」)」
 数と一緒に用いられ るもの(「助 数詞 」と呼ぶ)
 対 象 の 種 類 を 表す も の (「 類 別 時 」と呼 ぶ ) : 「 つ( 「 2 つ 」 ) 、
羽、個、人、本、冊 、台、匹、頭 」等 がある。
 度量衡の単位を表す もの:「メー トル 、グラム、円、時、 歳」
 回数、倍数を表すも の:「度、回 、遍 、倍」
 順序を表すもの:「 番、等、位」
 注 意 : この 種 の名 詞 性接 尾 辞に 接 続す る 接尾 辞的 な 語 がが る 。「 ほ ど」 ( 「 3 万人 ほ
ど 」 ) 、「 頃 」( 「 7 時 ごろ 」 )、 「 ずつ 」 (「 3 つ ずつ 」 )、 「 あた り 」( 「 一人
当 た り 」) 、 「以 上 」( 「 50 人 以上 」 )、 な どが あ る 。
 その他
「おき(「2 日おき」)、ごと(「 15 分ごと」)、 など(「食べ物など」)、たち(「子供
たち」)、がた(「先生方」)、 だら け(「泥だ らけ」)、中(「 電話中」)、用(「学 習
用」)、製(「日本製」)、家(「 専門家」)、 者(「学習者」)、代(「電 話代」)。
名 詞 ・ ナ 形 容 詞 に 付 く も のに は 、 「 性」 ( 「 安 全 性 」 、 「 重 要 性」 ) 、
「化」(「近代化」 、「活性化」 )、 等がある。
イ 形 容 詞 に 付 く も の に は 、「 さ 」 ( 「寒 さ 」 ) 、 「 み 」 ( 「 痛 み」 ) 、
などがある。
 注 意 : 「さ 」 は、 「 静か さ 」の よ うに 、 ナ形 容詞 に 付 くこ と もあ る 。

動詞に付くもの(連 用形に接続) には 、「方」(「読み方 」)、


「手」(「話し手」 )、「たて」 (「 洗いたて」)、等が ある。
4. 形容詞性接 尾辞
形 容 詞 性 接 尾 辞 は 、 イ 形 容詞 性 接 尾 辞と ナ 形 容 詞 性 接 尾 辞 に 分 かれ る 。
このうち、イ形容詞 性接尾辞には 、次 のような例がある。
 名詞に付くもの
「らしい(「女らし い」)、い( 「黄 色い」)
 動詞に付くもの(連 用形に接続)
「たい(「飲みたい 」)、やすい (「 歩きやすい」)、よ い(「書き
よい」)、にくい( 「動きにくい 」) 、がたい(「忘れが たい」)、
づらい(「読みづら い」)」
 注 意 : 「 やす い 」、 「 に くい 」 は 対 象の 属 性を 表 す場 合と 、 人の 経験 を 表す 場 合が あ る 。
例 : こ の本 は 読み や すい 。

76
語の構造と品詞

こ のも の は壊 れ やす い 。
昨 日は 寝 つき に くか っ た。
 名詞、形容詞、動詞 (連用形に接 続) に付くもの
「くさい(「教師くさい」、「照れくさい」)、ぽい(「安っぽい」、
「飽きっぽい」)
ナ形容詞性接尾辞に は、次のよう な例 がる。
 名詞に付くもの
「的だ(「経済的だ 」)
 動詞(連用形に接続 )、名詞に付 くも の
「がちだ(「忘れが ちだ」、「病 気が ちだ」)
 動詞(連用形に接続 )、形容詞に 付く もの
「そうだ(「落ちそ うだ」、「う れし そうだ」、「元気そ うだ 」)」
 注 意 : イ 形 容詞 の 中で 、「 よ い 」と 「な い 」は 、 接尾 辞 「そ う だ」 が 付 く場 合に 、 「 よさ そ う だ」 、
「 な さ そ うだ 」 と い う 形を と る。

5.動 詞性接尾 辞
動詞性接尾辞には、 動詞に付くも の、 イ形容詞に付くもの 、名詞に付
くもの、等がある。 このうち、動 詞に 付くものには、活用 語幹に接続す
る 「 ( r ) arer u,(s)aseru,(r ar)eru 」 や 、 連 用 形 に 接 続 す る 「 ま す 」 、
「得る」、等がある 。
イ形容詞に付くもの には、「がる 」( 「悲しがる」)、「 む」(「悲
しむ」)、「まる」 (「高まる」 )、 「める」(「高める 」)、等があ
る。
名詞に付くものには 、「ばむ」( 「汗 ばむ」)、「ぐむ」 (「涙ぐ
む」)、「びる」( 「大人びる」 )、 「めく」(「春めく 」)、等があ
る。これらは、いず れも生産性の 低い ものばかりである。
6.特 殊な接辞
否定を表す接尾辞と して、「ない 」が 用いられる。「ない 」は、総て
の述語に付くことが できる。
イ形容詞については 、「連用形+ (「 は」)「ない」」の 形で表され
る。例えば、「寒い 」の否定形は 「寒 く(は)ない」にな る。
また、ナ形容詞と判 定詞について は、 「テ形+(「は」) 「ない」」
の形で表される。例 えば、「勤勉 だ」 、「外 国人だ」の否 定形は、それ
ぞれ「勤勉で(は) ない」、「外 国人 で(は)ない」にな る。
「ない」の活用は、 イ形容詞の活 用に 準じる。

77
語の構造と品詞

動詞性接尾辞に「す ぎる」がある 。「 すぎる」は、「飲み すぎる」、


「遅すぎる」、「簡 単すぎる」の よう に、動詞の連用形、 形容詞の語幹
に付いて量・程度が 必要以上に多 い・ 高いことを表す。否 定を表す接辞
「ない」に接続する ときは「なさ すぎ る」となる。
例:あま りたくさん食べてすぎて、おなかを壊さないよ うにしてくださ い。
結果がよすぎる のも困るが、 よく なさすぎるのはもっ と困る。
動 詞 、 イ 形 容 詞 の 連 用 形 は 、 そ の ま ま の 形 で 名 詞 と し て 使 わ れ る こ と が ある 。
本節では、これを便宜 上、無形の名 詞性 接尾辞が付 いたものとして扱 うことに
する。
動 詞 の 連 用 形 に 無 形 の 名 詞性 接 尾 辞 が付 い た 例 と し て 、 「 晴 れ 、行 き 、
流れ、すり」等があ る。
イ形容詞の連用形に 無形の名詞性 接尾 辞が付いた例として は「遠く、
近く、多く」等があ る。これらの 派生 名詞は一般の名詞と 同じく、「近
くのレストラン」、 「多くの学生 」の ように、接続助詞「 の」を介して
名詞を修飾すること ができる。

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