You are on page 1of 21

limba franceza

Una dintre limbile romanice, limba de


lucru a Națiunilor Unite

Franceza (franceză, français pronunția franceză: [fʁɑ̃sɛ] Francais ) este o limbă care aparține
familiei de limbi italice din familia de limbi indo-europene . Este una dintre limbile romanice și
se spune că se bazează pe limba uleiului (sau limba Wi , langue d'oïl ) din nordul Franței , care
s-a schimbat față de limba colocvială latină ( latina vulgară ). În japoneză, este scris și
în
franceză , spaniolă sau, pe scurt, franceză .
limba franceza

francez

pronunție IPA : [fʁɑ̃sɛ]

Țara de vorbit Franţa

Monaco

Belgia
zona metropolitană Bruxelles

Regiunea valonă

Elveţia
Fribourg

Vaud

Valais

Neuchâtel

Geneva

Jura

Italia
Piemont

Valle d'Aosta

Liguria

Luxemburg

ドイツ
ザールラント州
ラインラント=プファルツ州西部
ノルトライン=ヴェストファーレン州南
西部
カナダ
ケベック州
ニューブランズウィック州
ノバスコシア州
プリンスエドワードアイランド州
アメリカ合衆国
ルイジアナ州
メイン州
ハイチ
コンゴ民主共和国
マダガスカル
コートジボワール
ギニア
カメルーン
ブルキナファソ
マリ共和国
ニジェール
セネガル
ルワンダ
ブルンジ
トーゴ
中央アフリカ共和国
コンゴ共和国
ガボン
コモロ
ジブチ
モーリシャス
セーシェル
レバノン
インド
ポンディシェリ連邦直轄領

地域 ヨーロッパ、アフリカ、アメリカ州
話者数 ロイター報道値
[1]

主要話者 1億3000万人
総話者 2億3000万人
国際フランコフォニー公表値
母語話者 7200万人
総話者 2億2000万人
筑波大学外国語センター
母語話者 1億2300万人
総話者 2億人
文部科学省統計 [2]

総話者 1億2900万人
話者数の順位 10位[2]

言語系統 インド・ヨーロッパ語族
イタリック語派
ロマンス諸語
西イタロ語
西ロマンス語
ガロ・イベリア語
ガロ・ロマンス語
ガロ・レート語
オイル語
フランス語
表記体系 ラテン文字
公的地位
公用語 フランスほか計29カ国
統制機関 アカデミー・フランセーズ [3]

言語コード
ISO 639-1 fr (https://www.loc.gov/standards/
iso639-2/php/langcodes_name.php?iso
_639_1=fr)

ISO 639-2 fre (https://www.loc.gov/standard


s/iso639-2/php/langcodes_name.php?c
ode_ID=145)  (B)

fra (https://www.loc.gov/standard
s/iso639-2/php/langcodes_name.php?c
ode_ID=145)  (T)

ISO 639-3 fra

テンプレートを表示
加盟国および各自治体の住民におけるフランス語への理解度

EU
黒色が母語地域 、以下50%以上、20-49%、10-19%、5-9%、5%未満(灰色はEU非加盟国・地域)

現地語の分布

米国でのフランス語分布図
フランス語という呼び方は、多くの言語(オック語、アルピタン語など)が存在するフラン
スにおいて誤解を招く可能性もあるので、単にオイル語と呼んでフランスの他の言語と区別
することもある 。 [4]

世界で英語(約80の国・地域)に次ぐ2番目に多くの国・地域で使用されている言語で、フ
ランス、スイス、ベルギー、カナダのほか、かつてフランスやベルギーの領域だった諸国を
中心に29ヶ国で公用語になっている(フランス語圏を参照)。全世界で1億2300万人が主要
言語として使用し、総話者数は2億人以上である 。国際連合、欧州連合などの公用語の一
[5]

つにも選ばれている。このフランス語の話者を、フランコフォン(francophone、英語版)
と言う 注釈 注釈 。
[ 1][ 2]

音声
詳細は「フランス語の音韻」を参照
子音
両唇 唇歯 歯音 歯茎 後部歯茎 硬口蓋 両唇硬口蓋 軟口蓋 両唇軟口蓋 口蓋垂
閉鎖音 p b td kg

鼻音 m n ɲ

摩擦音 fv sz ʃʒ ʁ

接近音 j ɥ w

側面接近音 l

記号が二つ並んでいるものは、右が有声音、左が無声音。
母音
前舌 中舌 後舌
狭 iy u

半狭 e ø o

中央 ə

半広 ɛ œ ɔ

広 a ɑ

記号が二つ並んでいるものは、右が円唇、左が非円唇。

鼻母音
「エ」の鼻母音だが、実際は「アン」に近い。
/ɛ̃/: in, im, ain, aim, ein, eim -

/œ̃ /(パリなどでは /ɛ̃/ に合流): un, um

/ɑ̃/(やや円唇): an, am, en, em - 暗い「ア」の鼻母音で、「オン」に近い。

/ɔ̃/ または /õ/: on, om

鼻母音四つを含んだ句の例として « un bon vin blanc » /œ̃ bɔ̃ vɛ̃ blɑ̃/(おいしい白ワイン)が


有名である。

半母音
w:有声両唇軟口蓋接近音
ɥ:有声両唇硬口蓋接近音

j:硬口蓋接近音

綴りと発音
フランス語において基本的にc,r,f,lを除く語尾の子音と母音のeは発音されない。フランス語
の表記は初学者には複雑に感じられるが、規則性は比較的高い。英語や日本語のローマ字表
記とはかなり異なるため、フランス語を知らなければ正しく読むことはできないが、規則を
覚えれば容易に発音できる。たとえば eau は常に /o/ と発音する。しかし monsieur(ムッ
シュ)は /mɔ̃.sjœʁ/ ではなく /mə.sjø/ であり、femme(女性、妻)は /fem/ ではなく
/fam/ であるなど、イタリア語やスペイン語などほかのロマンス諸語に比べると例外が多
い。faitやplusなど文脈によって発音が変わる単語もある。
また、in, im, yn, ym, ain, aim, ein,
eim がすべて /ɛ̃/ になるなど、しばしば異なる綴りが同じ発音を示すため、同音異字語が多
い。たとえば vin(ワイン)と vingt(20)はともに /vɛ̃/ であり、また形容詞 bleu (青、男
性形単数) とその変化形の bleus(男性形複数)、bleue(女性形単数)、bleues(女性形複
数)はすべて /blø/ である。このため、発音を聞いて書き分けるのは比較的難しい 。ネイ [7]

ティブでさえも正しく書けない人がいるほどで、フランスでは問題視されている。そういっ
た難しさもあり、日本で行われている実用フランス語技能検定試験(DAPF)の準2級以降の
級では書き取り試験が行われ、CDで流れる文章を、文脈をしっかりと把握した上で、動詞の
活用はもとより性と数の一致に気をつけながら、正しく書く能力が試される。書き取り試験
ではあるが文法知識も試され、実際のところこの書き取り問題で点を落とす受験者が非常に
多いことから、いかにフランス語を正しく書くのが難しいかがうかがえる。

アルファベ
アルファベットのことを、フランス語ではアルファベ(alphabet)と言う。
各字母の名称
A, a a /a/ (ア) B, b bé /be/(ベ)
C, c cé /se/(セ) D, d dé /de/(デ)
E, e e /ə/(ウ) F, f effe /ɛf/(エフ)
G, g gé /ʒe/(ジェ) H, h ache /aʃ/(アシュ)
I, i i /i/(イ) J, j ji /ʒi/(ジ)
K, k ka /ka/(カ) L, l elle /ɛl/(エル)
M, m emme /ɛm/(エム) N, n enne /ɛn/(エヌ)
O, o o /o/(オ) P, p pé /pe/(ペ)
Q, q cu /ky/(キュ) R, r erre /ɛʁ/(エール)
S, s esse /ɛs/(エス) T, t té /te/(テ)
U, u u /y/(ユ) V, v vé /ve/(ヴェ)
W, w double vé /dublə ve/¹(ドゥブルヴェ) X, x ixe /iks/(イクス)
Y, y i grec /i ɡʁɛk/²(イグレク) Z, z zède /zɛd/(ゼッド)

1. 二つのVの意。

2. ギリシャのIの意。ウプシロンを参照。

綴り字記号
É, é の « ´ » : アクサンテギュ(accent aigu, 鋭いアクサンの意)

À, È, Ù, à, è, ù の « ` » : アクサングラーヴ(accent grave, 重いアクサンの意)

Â, Ê, Î, Ô, Û, â, ê, î, ô, û の « ˆ » : アクサンシルコンフレクス(accent circonflexe, 湾曲した


アクサンの意)
Ä, Ë, Ï, Ö, Ü, Ÿ, ä, ë, ï, ö, ü, ÿ の « ¨ » : トレマ(tréma, 分音記号)
Ç, çの « ¸ » : セディーユ(cédille)
セディーユ、トレマ、アクサンテギュ、および e につくアクサングラーヴとアクサンシルコ
ンフレクスは発音を変える記号である。一方、e 以外の母音につくアクサングラーヴとアク
サンシルコンフレクスは発音を変化させない。
※アクサンのつくところを強く読むわけではない。

合字
Œ, œ は o と e の合字である。この組み合わせが単母音で発音される語では、o と e は必ず
このようにつなげて書く。通常は œu で /œ/ を表す。
sœur /sœʁ/

œnologie /enɔlɔʒi/ - ギリシア語起源の語では、οι から転写された œ が /e/ と発音され


る。
Æ, æ は a と e の合字であり、少数のラテン語からの借用語で使う。

cæcum /sekɔm/

句読点
フランス語では引用符(英語では「" "」)として「« »」(ギユメ guillemets)を用いる。フ
ランス語の句読点の内、コンマ(,)、ピリオド(.)、括弧(( )、[ ])以外の疑問符(?)、
感嘆符(!)、コロン(:)、セミコロン(;)の前にはスペースを入れ、引用符の後と前にも
やはりスペースを入れる。
数体系
詳細は「フランス語の数詞」を参照
進法と10進法の組み合わせである 。かなり複雑だが、これはフランスでの例であり、ベ
20 [8]

ルギーやスイスでは70をseptante、90をnonante、さらにスイスでは80をhuitanteで表し、
比較的10進法に近い。
1: un (une)

2: deux

3: trois

4: quatre

5: cinq
6: six

7: sept

8: huit

9: neuf

10: dix

20: vingt

30: trente

40: quarante

50: cinquante

60: soixante

70 (60+10): soixante-dix

80 (4*20): quatre-vingts

90 (4*20+10): quatre-vingt-dix

100: cent

200: deux cents

1000: mille

文法
詳細は「フランス語の文法」を参照
単数 複数
一人称 je chante nous chantons
二人称 tu chantes vous chantez
三人称 il chante ils chantent
動詞は主語の人称・数などに応じて活用する。例えば chanter (歌う)の現在形は表のよ
うに活用する。詳しくはフランス語の動詞を参照すること。
名詞に性(男性・女性)がある。性に合わせて、冠詞・動詞の過去分詞・形容詞に男性
形・女性形がある。
形容詞・冠詞は性・数によって変化する。
基本的に後置修飾である。例えば「赤ワイン」は « vin rouge » 。ただしpetit(小さな)、
grand(大きな)のように使用頻度の高い形容詞に関しては前置修飾となる場合もある。
例えば「小さな子供(単数)」は « petit enfant »(プティタンファン)となる(複数の場
合は « petits enfants »(プティザンファン)) 。
敬称
Monsieur [məsjø](ムスュー)(男性)(氏) *日本では「ムッシュ」と書かれることが
多い。
Madame[madam](マダム)(既婚女性)(女史)

Mademoiselle [madmwazɛl](マドムワゼル)(未婚女性)(嬢)

言語変種
方言と現地語
ヨーロッパ(フランスとその周辺)
アルピタン語(フランス・イタリア・スイス国境付近)
アオスタ現地語(アオスタ語)
アンジュー現地語
シャンパーニュ現地語(シャンパーニュ語)
スイス現地語(スイス・フランス語)
ノルマンディー現地語(ノルマン語)
ジャージー島現地語(Jèrriais、ジャージー島)
ガーンジー島現地語(Guernésiais、ガーンジー島)
パリ現地語(フランシアン語)
ピカルディー現地語(ピカルディ語)
フランシュ・コンテ現地語
ブルゴーニュ現地語
ブルボン現地語
ベリション現地語
ポワトゥー=シャラント現地語(Saintongeais、ポワトゥー=シャラント地域圏)
ロレーヌ現地語
ワロン現地語(おもにベルギー(ベルギー・フランス語)で話され、ワロン語とも称す
る)
ガロ語(ブルターニュ東部)
北アメリカ
カナダ方言(カナダ・フランス語)・アメリカ方言(French language in the United
States)
ケベック方言(ケベック・フランス語)
アカディア方言(français acadien)
シャック(ニューブランズウィック州南東部のアカディア方言、Chiac、フラン
グレの一種)
セント・メアリーズ・ベイ方言(St. Mary's Bay French)
オンタリオ方言(Franco-Ontarien、オンタリオ州)
ケイジャン方言(ケイジャン・フランス語)
アフリカ
マグレブ方言
西アフリカ方言
中央アフリカ方言
マダガスカル方言
フランス南部で用いられるオック語をフランス語方言とすることもあるが、言語学的には通
常別系統の言語として扱う。

フランス系クレオール言語
ハイチ語
フランス領ギアナ・クレオール語
ルイジアナ・クレオール語
セーシェル・クレオール語
モーリシャス・クレオール語
レユニオン・クレオール語
タヨ語
混合言語
ミチフ語
など(French-based creole languagesを参照)。

他言語との混成言語
フラングレ(フランス語+英語)
フランポネ(フランス語+日本語)
歴史
詳細は「フランス語史」を参照
紀元前58年から紀元前51年にかけて、共和政ローマのガイウス・ユリウス・カエサルがガリ
ア戦争を行い、現在のフランスの領域のほぼ全域をローマ領としたことが、この地域にフラ
ンス語の祖語であるラテン語が本格的に導入されるきっかけとなった。ガリア戦争以前に
は、この地域ではおもにケルト語系のゴール語が用いられていたが、ローマの支配が定着す
るにつれてラテン語が優勢となっていき、ガロ・ロマンス語と呼ばれるラテン語の方言群が
成立した。この言語は基本的にラテン語の影響が強く、その一方言と呼べる存在であった
が、ケルト語からいくつかの音韻的な影響を受けたものだった 。その後、ローマ帝国の崩 [9]

壊とともにフランク王国がこの地域を支配すると、彼らの言語であったゲルマン系の古フラ
ンク語が持ち込まれ、その影響を受けてこの地域のラテン語は大きく変容し、9世紀ごろに
はラテン語から完全に分離した古フランス語が成立した 。その後、14世紀ごろには中世
[10]

フランス語へと変化し、17世紀にはアカデミー・フランセーズによってフランス語の純化・
整備が行われて現代フランス語が成立した。
統制機関
詳細は「アカデミー・フランセーズ」を参照
フランス語の統制機関としては、アカデミー・フランセーズが挙げられる。これは1635年に
宰相・リシュリューによって創設された国家機関で、フランス語の語法を整備して誰にでも
理解できる言語とすることを目指し、そのためにフランス語の辞書『アカデミー・フランセ
ーズ辞典』を編纂することを目的としていた 。 [11]

この『アカデミー・フランセーズ辞典』は、1694年に初版が発行されたのち、現代に至るま
で編纂・発行が続けられている。もっとも新しい辞典は1992年に編纂されたものである。こ
うした言語の統制機関が、国家によって創設されることは当時稀であり、これはそのままフ
ランス語に対するフランス国家の強い影響力をもたらす根源となった。
また、フランス語の現状に関する勧告を出すことも任務のひとつであり、強制力こそないも
のの、この勧告はフランス語に強い影響力を持つ。アカデミー・フランセーズは、フランス
学士院を構成する5つのアカデミーの中で、もっとも古く地位の高いアカデミーである。ア
カデミー・フランセーズは終身任期を持つ40人の定員で構成され、欠員が生じた場合のみ補
充が行われる。
このメンバーは、フランス語話者の構成およびアカデミー自体が、フランス政府の国家機関
として成立・存続してきたフランスの歴史を反映して、フランス国民が圧倒的に多いが、そ
の他の国民であっても、ふさわしいと認められれば会員となることができる。
たとえば、1983年に会員となったレオポール・セダール・サンゴールは、20年にわたって
セネガル共和国の大統領を務めた人物であるが、フランス語詩人としても非常に高名な存在
であり、またフランス語圏の融和をはかる国際機関であるフランコフォニー国際機関の設立
を主導したことなどから、会員となることを認められた。
話者分布
詳細は「フランス語圏」を参照

フランス語圏の分布
藍色:フランス語を母語とする話者が多数を占める国や地方自治体

青色:フランス語が公用語となっている国

水色:フランス語が第二言語(文化言語)として用いられている国や地方自治体

緑色:フランス語を母語とする少数派コミュニティが存在する地域

フランス語を母語話者とする人々が多数派を占めるのはフランス一国のみである。ただし、
いくつかの国においてはフランス語の母語話者が大きな勢力を持っている。また、フランス
国内において本来フランス語を母語とする地域は北フランスに限られており、南フランスの
広い地域で話されるオック語を筆頭に、ブルターニュ半島で話されるケルト語系のブルトン
語やアルザスで話されるドイツ語系のアルザス語、コルシカ島で話されるイタリア語系のコ
ルシカ語など、系統の異なるいくつかの地方言語が存在する。ただしフランス政府はもっと
も早く言語を政府の手で構築してきた国家であり、フランス革命後は一貫してフランス語を
フランスにおける唯一の言語であると規定してきた 。こうしたことから、教育をはじめと
[12]

して国家による強力なフランス語普及政策がとられ、上記の各言語地域においても現代では
ほとんどフランス語が話されるようになってきている。ただし、19世紀後半までオック語復
権運動「フェリブリージュ」などが行われてきており、現在はこの状況には地方言語の保護
の観点から批判が根強い。
フランス以外でもっともフランス語の母語話者の割合が大きい国家はベルギーであり、フラ
ンス語話者でありベルギー南部に居住するワロン人が人口の31%を占めている。ベルギーに
おいては、北部に住みオランダ語の方言を話すフランドル人が人口の60%を占めており、ワ
ロン人との間には言語戦争と呼ばれる深刻な言語の対立状況が存在する。この対立を背景に
してベルギーは南北の連邦国家となっており、南部のワロン地域の大部分はフランス語共同
体を形成している。また、首都のブリュッセルは言語境界線の北側にあるもののフランス語
話者の人口が8割を占めており、ブリュッセル首都圏地域として2言語併用の独自地域となっ
ている。ついでフランス語話者の割合が高い国家はスイスである。スイス人のうちフランス
語の母語話者は20.38%を占め、64%を占めるドイツ語話者に次ぐ勢力を持っている。スイス
のフランス語話者は国土の西部に集中しており、ジュネーヴ州、ヴォー州、ヌーシャテル
州、ジュラ州の4つのカントンがフランス語話者が多数を占める州としてフランス語を公用
語としている。また、言語境界線の両側にまたがるフリブール州およびヴァレー州は、フラ
ンス語とドイツ語の両言語を公用語としている。スイスは多言語主義をとる国家であり、連
邦の公用語はドイツ語、フランス語、イタリア語の3言語 、それに国語としてロマンシ
[13][14]

ュ語を加えた4つの言語を採用している 。ヨーロッパ大陸においてフランス語の母語話
[15][16]

者が大きな勢力を持つのはこの3か国である。
このほか、フランス語の母語話者が大勢力を持つ国としてはカナダがある。フランス語の母
語話者はカナダ総人口の22%を占め、無視できない勢力を持っている。特にフランス語話者
が集中しているのは東部のケベック州であり、連邦においては英語とフランス語がともに公
用語とされているものの、ケベック州の公用語はフランス語のみとなっており、積極的な保
護政策がとられている。この言語対立を背景にしばしば独立運動が繰り広げられる。
フランス語の母語話者が大きな勢力を持つのは上記地域に限られるが、そのほかの地域にお
いてもかつてフランスが広大なフランス植民地帝国を持っていた関係で、旧植民地において
フランス語を公用語とする国々は数多く、29か国において公用語の地位を占めている。もっ
ともフランス語が公用語化されている地域はアフリカであり、旧フランス領地域において
は、セネガル、ギニア、マリ、コートジボワール、ブルキナファソ、トーゴ、ベナン、ニジ
ェール、チャド、中央アフリカ、カメルーン、ガボン、コンゴ共和国、コモロ、マダガスカ
ル、ジブチにおいてフランス語は公用語となっている。旧フランス領のほか、同じくフラン
ス語を公用語とするベルギーの植民地であったコンゴ民主共和国およびブルンジもフランス
語を公用語とする。一方、旧フランス領においても北アフリカに属するモーリタニア、モロ
ッコ、アルジェリア、チュニジアにおいてはフランス語は公用語となっていない。これは、
これらの国々の人口の大部分を占めるアラブ人の母語であるアラビア語も大言語であり公用
語化に耐えうる言語であったため、独立後急速にアラビア語への公用語の切り替えが行われ
たためである。ただしこれらの国々においても、特にエリート層はフランス語を自由に使い
こなせる者が多く、準公用語や文化言語として広く国内で通用する。特にアルジェリアで
は、1,200万人前後がフランス語を常用する(fr:Langues en Algérieも参照)。また、旧ベル
ギー領であるルワンダは長らくフランス語を公用語としていたものの、ルワンダ虐殺の発生
後フランスとの関係が急速に悪化し、2009年に英語を公用語に追加して以降、教育言語を英
語に変更するなど急速に英語の公用語化を進めている 。また、セーシェルやモーリシャス
[17]

はナポレオン戦争以後イギリス領となっていたものの、それ以前はフランス領であり、その
時代に入植した人々がその後も残留したため、社会の指導層はフランス語話者が占めてお
り、両国とも共通語はフランス語となっている。また、国内でもっとも通用する言語も それ
ぞれフランス語系のクレオール言語であるセーシェル・クレオール語とモーリシャス・クレ
オール語 である。このほか、フランスの海外県であるマヨットおよびレユニオンもフラン
[18]

ス語を公用語としており、レユニオンは日常語もフランス語系のクレオール言語であるレユ
ニオン・クレオール語となっている。
新大陸においては、上記のカナダ以外にはハイチが唯一フランス語を公用語とする国家であ
る。またハイチにおいては、一般市民の日常語もフランス語系のクレオール言語であるハイ
チ語となっている 。また、公用語ではないが旧フランス領であるルイジアナ州の南西部を
[19]

中心にケイジャン・フランス語と呼ばれるフランス語の一派を話す人々が存在する。小アン
ティル諸島に点在するグアドループやマルティニーク、サン・マルタン、サン・バルテルミ
ー島、および南アメリカ大陸のフランス領ギアナもフランス語を公用語とする。
オセアニアにおいては、かつてイギリスとフランスの共同統治領であったバヌアツがフラン
ス語を公用語のひとつとしている。また、フランスの海外領であるニューカレドニアおよび
フランス領ポリネシア(タヒチ島など)、ウォリス・フツナもフランス語を公用語としてい
る。アジアにおいては旧フランス領であるベトナム、ラオス、カンボジアの3国において公
用語が現地語化されてフランス語がほぼ通用しなくなっているが、わずかにレバノンにおい
てはやや通用し、準公用語的な扱いを受けている。
こうしたフランス語話者の言語共同体はフランコフォニーと呼ばれ、1970年にフランコフォ
ニー国際機関が設立され、1986年には加盟国首脳の参加するフランコフォニー・サミットが
2年に一度開催されるようになるなど、フランス語圏諸国の協調が図られている。ただしフ
ランコフォニー国際機関にはエジプトやギリシャ、ルーマニアなどのように国内にほとんど
フランス語話者の存在しない国家も加盟しており、逆にフランス語話者の多いアルジェリア
が参加していないなど、フランコフォニー国際機関加盟国がフランス語圏とは必ずしも言え
ない 。 [20]

国際機関などにおけるフランス語

年、ヘルシンキ宣言に署名する、署名する各国の首脳。左から、シュミット西ドイツ首相、ホーネッカー東
1975
ドイツ国家評議会議長、アメリカのフォード大統領、オーストリアのクライスキー首相。彼らの前に表示されて
いる国名はフランス語で表記されている。

フランス語は17世紀から19世紀までヨーロッパでもっとも有力な国際共通語であり、外交官
用語として使われてきたため、国際機関において公用語となっていることが多い。
具体例としては、以下の国際機関は、フランス語を公用語とする。国際連合(UN)、国際
オリンピック委員会(IOC)、国際サッカー連盟(FIFA)、国際電気通信連合(ITU)、万国
郵便連合(UPU)、列国議会同盟、イスラム諸国会議機構、アフリカ連合(AU)、北大西洋
条約機構(NATO)、国際標準化機構(ISO)、世界貿易機関(WTO)、経済協力開発機構
(OECD)、国境なき医師団(MSF; Médecins sans frontières)、欧州評議会 (CoE)。
これらの機関において、多くの場合フランス語は唯一の公用語ではなく、英語などほかの言
語と併用されている。しかしながら、19世紀から20世紀初頭においては国際共通語としての
地位を持っていたことから、この時期に創設された国際機関である万国郵便連合や国際電気
通信連合、国際オリンピック委員会や国際サッカー連盟において、フランス語は第一言語と
なっており、英語よりも地位が高くなっている 。 [21]

国際連合においては、英語とフランス語は「国際連合事務局作業言語」と定義されており、
その他の国連公用語(ロシア語・中国語・スペイン語・アラビア語)より位置づけが高い。
また戦前には大日本帝国の日本国旅券においても、英語とともにフランス語が併記されてい
た。
公式名称がフランス語である世界的に著名な国際競技団体も多い。FIFAワールドカップを開
催している国際サッカー連盟(FIFA; Fédération internationale de football association)、近
代オリンピックを開催している国際オリンピック委員会(Comité international olympique,
CIO)、F1を開催している国際自動車連盟(FIA; Fédération internationale d'automobile)、
MotoGPを開催している国際モーターサイクリズム連盟(FIM; Fédération internationale de
motocyclisme)、ツール・ド・フランスなどのUCIワールドツアーを開催している国際自転
車競技連合(UCI: Union Cycliste Internationale)などである。
脚注
脚注の使い方]
[

注釈
1. ^ フランスの地理学者オネジム・ルクリュが、著書 France, Algérie et colonies (1880) に
おいて使用したことに始まる。 [6]

2. ^ なお、似て異なる概念として「フランコフィル(francophile)」が存在する。

出典
1. ^ フランス語使用者減少で最大50万人の雇用にリスク、リポート分析で (http://jp.reuter
s.com/article/oddlyEnoughNews/idJPKBN0GR0GA20140827)

2. ^ a b 文部科学省 基礎データ (http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/01


5/siryo/06032707/005/001.htm)

3. ^ “Académie française (http://www.academie-francaise.fr/) ” ( フランス語). 2007年9月


28日閲覧。
4. ^ 「改訂版 世界の民族地図」P387 高崎通浩著 1997年12月20日初版第1刷発行

5. ^ 筑波大学外国語センター (http://www.flang.tsukuba.ac.jp/page/page000020.html)

6. ^ 西山教行「フランコフォニーの成立と展望 (http://www.momiji.h.kyoto-u.ac.jp/~nishiya
ma/Francophonie2003.pdf) 」『フランス語教育』特別号、2003年、22ページ。

7. ^ Ziegler, Johannes C.; Jacobs, Arthur M.; Stone, Gregory O. (1996), “Statistical analysis
of the bidirectional inconsistency of spelling and sound in French” (http://www.up.univ-
mrs.fr/Local/lpc/dir/ziegler/article/1996.BRMIC.ziegler.pdf) , Behavior Research
Methods, Instruments, & Computers 28: 504-515

8. ^ フランス語の数体系 (http://www.sf.airnet.ne.jp/~ts/language/number/frenchj.html)
9. ^ 「フランス語学概論」p44 髭郁彦・川島浩一郎・渡邊淳也著 駿河台出版社 2010
年4月1日初版発行
10. ^ 「フランス語学概論」p45 髭郁彦・川島浩一郎・渡邊淳也著 駿河台出版社 2010
年4月1日初版発行
11. ^ 「フランス語学概論」p53 髭郁彦・川島浩一郎・渡邊淳也著 駿河台出版社 2010
年4月1日初版発行
12. ^ 「フランス語学概論」p33 髭郁彦・川島浩一郎・渡邊淳也著 駿河台出版社 2010
年4月1日初版発行
13. ^ 「図説スイスの歴史」p86 踊共二 河出書房新社 2011年8月30日初版発行

14. ^ 森田安一『物語 スイスの歴史』中公新書 p198 2000年7月25日発行

15. ^ 「図説スイスの歴史」p111 踊共二 河出書房新社 2011年8月30日初版発行

16. ^ 森田安一『物語 スイスの歴史』中公新書 p198 2000年7月25日発行

17. ^ ルワンダ基礎データ | 外務省 (https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/rwanda/data.htm


l) 令和元年5月31日 2019年8月4日閲覧

18. ^ 『アフリカを知る事典』、平凡社、ISBN 4-582-12623-5 1989年2月6日 初版第1刷 


p.411

19. ^ 「フランス語学概論」p41 髭郁彦・川島浩一郎・渡邊淳也著 駿河台出版社 2010
年4月1日初版発行
20. ^ 「フランス語学概論」p38 髭郁彦・川島浩一郎・渡邊淳也著 駿河台出版社 2010
年4月1日初版発行
21. ^ 「フランス語学概論」p37 髭郁彦・川島浩一郎・渡邊淳也著 駿河台出版社 2010
年4月1日初版発行
関連項目
フランス語版のウィキペディアがあります。
フランス語学
フランス語史
ラテン語 - 俗ラテン語 - 古フランス語 - 中世フランス語
フランス語の文法
フランス語の疑問文 - フランス語の否定文 - フランス語の人称代名詞 - フランス語の
動詞 - フランス語の限定詞 - フランス語の数詞
フランス語の音韻 - アンシェヌマン - エリジオン - リエゾン - 無音のh・有音のh
フランコフォニー国際機関
フランス語圏・フランス語を公用語とする国の一覧
フランスの言語政策
フランス文学
ロマンス語
ネイティブスピーカーの数が多い言語の一覧
実用フランス語技能検定試験
フランス語から日本語への借用 - フランポネ
パリ症候群
外部リンク
ウィクショナリーにフランス語に関するカテゴリがあります。
ウィキペディアの姉妹プロジェクトで

「フランス語」に関する情報が検索できます。
ウィクショナリーの辞書項目
ウィキブックスの教科書や解説書
ウィキクォートの引用句集
ウィキソースの原文
コモンズのメディア (https://commons.wikimedia.org/wiki/Category:French_language?
uselang=ja) (カテゴリ (https://commons.wikimedia.org/wiki/Category:French_langu
age?uselang=ja) )

ウィキニュースのニュース
ウィキバーシティの学習支援
フランス語コンピュータ用語集1(フランス語翻訳の老舗 -翻訳会社ジェスコ) (http://ww
w.e-jesco.jp/fje-1.html)

日仏辞典 - Dictionnaire Japonais/Français (http://www.dictionnaire-japonais.com)


フランス大使館公認翻訳者によるフランス語一般翻訳&法定翻訳 (https://www.marianne.j
p/)

『フランス語 (https://kotobank.jp/word/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B
9%E8%AA%9E) 』 - コトバンク
「https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=フラ
ンス語&oldid=87830074」から取得

Ultima actualizare: acum 9 zile , Kawachi Dragonfly

You might also like