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マルチメディアⅠ

第1回 情報のデジタル表現

2022年4月13日(水) 13:00~14:30

担当:降旗徹馬

水曜日3時限レインボールーム
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マルチメディアⅠ 講義概要
• 講義概要:
本科目の目的は,表現メディアの種類と特性(文字・図形・静止画・音・動画)
および画像のディジタル化(画像の標本化・画像の量子化)の概念を踏まえた
うえで,これら全般的な編集の基礎を学ぶことである.本科目は実習科目であ
るので,3年次での履修を勧める.
• 到達目標:
マルチメディア情報の編集の基礎を習得することを到達目標とする.
• 成績評価:
提出課題によって評価する(80%以上の出席が必要).
• 授業方法
本講義では,講義と課題作成実習を行う.すべての課題作成実習において,
与えられた課題を学修者自身が試行錯誤を繰り返しながら何とか自分で作成
できるような相互交流型の学習(アクティブ・ラーニング)を実施する.

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マルチメディアⅠ 授業計画
(01) 表現メディアの種類と特性(文字・図形・静止画・音・動画)
(02) 情報デザインの意義
(03) ラスター画像の編集(基本操作・カラーモデル)
(04) ラスター画像の編集(ヒストグラム・トーンカーブ)
(05) ラスター画像の編集(画像合成)
(06) ベクトル画像の編集(基本操作・ベジェ曲線)
(07) ベクトル画像の編集(作品制作実習)
(08) 3Dグラフィックス(基本操作)
(09) 3Dグラフィックス(作品制作実習)
(10) 音・音楽の編集(基本操作と楽曲制作実習)
(11) 動画の編集(ゼミ発表動画の作成)
(12) 動画の編集(ゼミ発表動画の編集)
(13) Webデザイン(デザインの重要性と基本操作)
(14) Webデザイン(HTML)
(15) Webデザイン(作品制作実習)
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本講義の教職科目としての位置づけ(1)
• 高等学校学習指導要領解説情報編,平成22年1月,文部科学省

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本講義の教職科目としての位置づけ(2)
• 新たに導入された教科「情報Ⅱ」
– 情報社会の進展と情報技術
– コミュニケーションとコンテンツ
– 情報とデータサイエンス
– 情報システムとプログラミング
– 情報と情報技術を活用した問題発見・解決の探究

https://www.mext.go.jp/content/20200609-mxt_jogai01-000007843_001.pdf

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マルチメディアⅡ 授業計画
(01) テキストの可視化(WordとExcelによるテキスト処理)
(02) テキストの可視化(計量テキスト分析)
(03) テキストの可視化(課題作成実習)
(04) 空間データの可視化(地理情報システムの利用)
(05) 空間データの可視化(課題作成実習)
(06) データ処理(モンテカルロ・シミュレーション)
(07) データ処理(分析前処理・基本集計)
(08) データ処理(各種グラフ)
(09) 因果関係(回帰分析)
(10) データの縮約(主成分分析)
(11) 分類(クラスター分析)
(12) 相関ルール(アソシエーション分析)
(13) 時系列データ(機械学習による予測)
(14) 画像認識(機械学習による物体検出)
(15) まとめと総復習
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メディアとは
メディア:手段,媒体

媒体:情報を伝えるなかだちとなる物.メディア.

なかだち:間に立って,両者を関係づけたり両者の間が
うまくいくように世話をしたりすること(もの)

メディアとは,情報の送り手と受け手を
関係付けるもののことをいう

人間あるいは機械にわかりやすい形で情報を
具体的に表現し,相手に伝えるものである

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メディアの種別

種別 役割 例

情報メディア 情報を伝える 新聞,ラジオ,テレビ,電話

情報メディアで伝えたい
表現メディア 言語,文字,画像,映像
情報を表現する

電気信号を伝える電線,文字を
通信メディア 表現メディアを伝送する
書く手紙,音を伝える空気

• 情報メディアとは,表現メディアにより表現された情報を伝達するもの
⇒ コンピュータとその関連技術

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デジタルメディアの利点
情報をデジタル値,特に2進数,すなわち 0 または 1 の2値で表現する利点

① 2値を表現,蓄積,伝送するための仕組みを単純にすることができる

② 値が多少変動しても,2値を再現しやすい

③ 数値,文字,音声,画像といった異なる形態の表現メディアがすべて2値で
表されるため,蓄積,伝送,編集などで統一した扱いができる

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マルチメディア
• メディア複合
– 数値,文字,音声,画像といった異なる形態の表現メディアを復号し,組み
合わせて統合的に取り扱うこと
– 数値,文字,音声,画像といった情報をデジタル化し,一元的に扱うこと

• 双方向性
– 一方的な情報伝達に留まらず,利用者による主体的な情報の編集,加工,
検索等を可能とする機能を持つこと

• 情報通信ネットワークによって相互に結ばれることにより,上記のような特性を
生かした多様で大量の情報交流が可能になる

• マルチメディアデータは大量になるので効率的な情報交流のためにはデータ圧
縮技術が不可欠

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データ圧縮
• データ圧縮
– 復元できる形でデータ量を削減すること
• CODEC(compression/decompression)
– データを圧縮したり、元に復元(伸張)したりするシステム

復元
圧縮 (伸張)
データ データ

圧縮データ

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ファイル圧縮の形式
• ファイル圧縮では圧縮前の状態に完全に復元可能な可逆圧縮が用いられる
• ファイル圧縮は,PC分野では1980年代後半頃からパソコン通信の発達とともにLHAやZIPなどの
圧縮方式が誕生した.
• 2000年代ではZIPがオペレーティングシステムの垣根を越えて幅広く使われている.

• CAB (Cabinet archive) - Windowsが標準で利用できる圧縮形式


• GCA, DGCA (G Compression Archive) - テキストデータに強い国産圧縮形式
• LHA (Lemple) - 純国産の圧縮形式.LZHとも
• RAR - マルチメディア系の圧縮が得意な形式
• StuffIt - Macintosh系列で利用される圧縮形式
• ZIP - 事実上、世界標準の圧縮形式
• JAR - Java言語のプラットフォームで用いられる
• 7z - 7-zipで扱うことの出来る多機能形式.オープンソース
• pack - UNIXの初期からある形式.今ではほとんど使われず,compressに取って代わられている.
• compress - packの置き換えとして商用UNIXで標準で使われている形式.
• gzip (GNU Zip) - 商用UNIXに標準のcompressには特許の問題があり,フリーのUNIX用に
compressの代用品として開発された.
• bzip (bunzip) - 特許侵害のために配布が中止された高圧縮形式。算術圧縮使用
• bzip2 (bunzip ver.2) - 主にUNIXで使われるオープンソースの高圧縮形式

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アナログとデジタル
• アナログ量
– 時間、気温、電流のように連続的な値をとる量
• 標本化、または、サンプリング
– アナログ量を一定の間隔で区切って不連続な変化量にすること
• 量子化
– 標本化された値を有効桁の数値で表現すること
• 符号化
– 量子化した値に具体的な数値を何段階かのレベル値として割り当てること
• デジタル量
– 符号化により得られたレベルを「0」と「1」のビット列で表現した量
– 利点:正確で安価な情報伝達、マルチメディアによる情報の一元化、情報
圧縮による情報伝達の高速化
• デジタル信号
– コンピュータ内部で取り扱うことができる「1」と「0」で表現された信号
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デジタル化の手順
• 標本化
アナログ信号を一定間隔で,
そのときの振幅値(4.2, 6.4,
4.2, 0.0, -4.2, -6.4)を読
み取る
• 量子化
四捨五入する
(4, 6, 4, 0, -4, -6, -4)
• 2進数で表現する(0100,
0110, 0100, 0000, 1100,
1110, 1100)
(2進数の1ビット目は正負の
符号を表現するものとする)
• 2進数をデジタル信号に変換
する

出典:八島:情報ネットワークの基礎,近代科学社

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数値のデジタル表現
• ビット(bit)
– 1桁の値が「1」か「0」かのいづれかを取るもの
• バイト(byte)
– 実際のデータのやりとりの基準
– 8ビット
• コンピュータ内部で扱われる数値は2進数で表現される
– 整数の表現例
• 符号(1ビット)+数値(15ビット)
– 実数の表現例
• 符号(1ビット)+指数部(7ビット)+仮数部(24ビット)
• 0.1234×105は符号が「+」で指数部が「5」で仮数部が「1234」
(実際のコンピュータ内部では2進数で表現されるが)

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文字のデジタル表現(1)
• 文字コード
– 7ビットコード(標準)
• 1962年にANSI(米国規格制定団体)が文字をコード化する規格として
ASCII(American Standard Code for Information Interchange)
を採用
– 8ビットコード(拡張)
• 7ビットコードの2倍の文字表現を可能にした国際規格(ISO8859)
• 日本では拡張部分にカナ文字を割り当てた(JISX0201)
• 日本語のための文字コード(1)
– JIS
• 1983年に規格化されたJISX0201
– シフトJIS
• 米国のマイクロソフト社と日本のアスキー社がMS-DOSを日本語に移
植する際に作成したコード体系

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文字のデジタル表現(2)
• 日本語のための文字コード(2)
– EUC
• UNIX OSで使用される漢字コード体系
– Unicode
• 国際文字コード体系
• 256区×256点の4領域構成
– A領域 アルファベット、数字記号、ひらがな、カタカナ
– B領域 漢字
– C領域 ハングル文字
– D領域 アラビア文字
• 文字に関する確認
– IMEパッドを用いて任意の漢字のJIS、シフトJIS、Unicodeにおけるコードの
違いを確認せよ
– Office、電子メール、ブラウザでは、どのような文字コードが登録されてい
るか?

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画像のデジタル表現(1)
• ラスタグラフィックス(raster graphics)(1)
– 表示方式(1)
• Bitmap方式とも呼ばれる
• 関数 f はディスプレイでは輝度値、プリンタでは濃淡値を表現
• 最小単位を画素(pixel)
• 画素が小さいほど精密な画像
• 解像度は1インチ当たりの画素数dpi(dot per inch)

出典:情報メディア入門、実教出版、2006.

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画像のデジタル表現(2)
• ラスタグラフィックス(raster graphics)(2)
– 表示方式(2)
• 写真などのアナログ画像→デジタル画像
• イメージスキャナ
– 左から右へ横方向の走査によって x 軸方向の標本化
– 上から下への走査によって y 軸方法の標本化
– A/Dコンバータによって量子化

出典:情報メディア入門、実教出版、2006.

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画像のデジタル表現(3)
• ラスタグラフィックス(raster graphics)(4)
– カラーモデル
• 赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)が光の3原色
• 人間の視覚は、この3色の光の混同色(加法混色)を新たな色として認
識できる
• 識別可能な色の数は約750万色
• 色相(基本的な色の種別)、明度(色の明るさ)、彩度(色の鮮やかさ)
• RGBモデル
– 3原色に256段階のレベルを持たせた16777216色の色相、彩
度、明度の異なる表現

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画像のデジタル表現(4)
• ラスタグラフィックス(raster graphics)(5)
– ファイル形式(1)
• BMP(Bit Map File)
– Windowsぼグラフィックスアプリケーション、ワープロ、表計算、
データベースなど様々なアプリケーションで取り扱うことができる
– 拡張子はbmp
• TIFF(Tag Image File Format)
– アプリケーション間でのデータ交換用ファイルフォーマットで、グラ
フィックスやDTPソフトのアプリケーションで取り扱える
– 拡張子はtif
• GIF(Graphics Interchange Format)
– カラーテーブルを使い256色のインデックスカラーを使用
– 拡張子はgif
• JPEG(Joint Photographics Experts Group)
– 人の目に感じにくい要素を適度に省略する高い圧縮率を持つ
– 拡張子はjpg
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画像のデジタル表現(5)
• ベクタグラフィックス(vector graphics)(1)
– 表示方式
• 画像を図形の集まりとして捉え、
– 直線
– スプライン曲線(点と点をスプライン関数曲線で結ぶ)
– ベジェ曲線(始点と終点の間にいくつかの制御点を設けて近似曲
線を描く)
– 円、三角、四角
• などの基本的な図形を使って描き、その「描き方」(座標や使用する図
形の指定など)を記述したデータ。
• データ中にイメージは存在せず、出力が必要なときにイメージを生成
する。
• ウィンドウを構成する部品、アウトラインフォントのデータなどもこの
データ形式に該当

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画像のデジタル表現(6)
• ベクタグラフィックス(vector graphics)(2)
– カラーモデル
• カラーモデルの考え方はラスタグラフィックスと同様
• ラスタがpixelの色としての情報を持つ
• ベクタは線の色や線で閉じられた領域に対して色を持つ

曲線を近似し直線で表現 スプライン曲線で表現

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画像のデジタル表現(7)
• ベクタグラフィックス(vector graphics)(3)
– ファイル形式
• WMF (Windows Metafile Format)
– Windowsがグラフィックスを描画するためのコマンドをファイルに
したもので、Windowsの様々なアプリケーションで使用される。
– 拡張子は「.wmf」
• PICT (QuickDraw Picture Format)
– MacintoshのOSがグラフィックスを描画するためのコマンドをファ
イルにしたもので、Macintoshの様々なアプリケーションで使用さ
れる。
– 拡張子は「.pict」
• PDF (Portable Document Format)
– インターネット上で最もよく使用されているファイル。
– 拡張子は「.pdf」

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