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               2022 年度看護学概論

第 13 回授業 2022.5.20.(金)Ⅲ 限 横山

第13回 対象者との関係の構築:看護におけるコミュニケーション技術
                             教育的支援
【学習目標】
1 . 効 果 的 な 質 問 技 法 と し て の 開 か れ た 質 問 ( Open-ended questi)
o nと 閉 じ た 質 問 c l o s e d
question) を 理 解
し 、 状 況 に応 じ た 質 問 が でき る 。
2 . コ ミ ュ ニケ ーシ ョ ン に 必 要 な 能 力 につ い て 理 解 し 、説 明 で き る 。
3 . コ ミ ュ ニケ ーシ ョ ン に 必 要 な 態 度 、看 護 学 生 と し て の 倫 理 的 態 度 に つ いて 理 解 し、 実 践 で き
る。
4. 看 護 にお け る 教 育 的 支 援 、看 護 に おけ る 指 導 技 術 の 原 則 につ い て 説 明 で き る 。

【 学 習 目 標 1】   効 果 的 な 質 問 技 法 と して の 開 か れた 質 問 と 閉 じ た 質 問 を 理 解 し 、状 況 に 応 じ
た質 問 が で き る 。
< 課 題 1>
●自 分 の こ と と して 下 記 状 況 を イ メ ージ し て み よ う 。
  :今 、 自 分 は 大 学 (サ ー ク ル )内 の 「 人 間 関 係 」に つ い て と ても 悩 ん でい ます 。 そ の こと を 相 談
したいと思
い 、自 分 が 信 頼 で き る友 人 Aさ ん に“ ち ょ っ と 思 い つ め た 表 情 で ”話 し か け まし た 。
   → あ な た なら 、 Aさ ん に まず 「 ど の よう な 言 葉 を か け て も ら い た い で す か ? 下 記 に 記 載 し て
下さい。

     
  

  ※ 相 手 ( 対 象 )の 「 思 い ・感 じ て い る こ と ・ 考 え て い る こ と 」 を 引 き 出 す た めに は 、ど の よ う な
問 いか け を
      す る と よ いで し ょ う か ? 
              ↓
動 画 視 聴 ① ( 5分 )
《 効 果 的 に 回 答 を 引 き 出 す ため の 質 問 技 法 》
< 課 題 2>   下 記 に 目 的 、 具 体 的 な 質 問 内 容 を ま と め る こ と
① 開 か れ た 質 問 ( open-ended question  ま た は   open question)
・目 的 :

・具 体 的 な 質 問 内 容 :

  ⇒ 相 手 が 自 由 に話 せ る 反 面 、 こ ち ら が 聞 き た い・ 得 た い情 報 を 話 し て く れ る と は 限 ら な い。
      およ そ の 状 況 が わか り 、 相 手 も 言 い たい こ と を 言 え た 後 は 、必 要 な 情 報 を 引 き 出 し て い
く段階 

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第 13 回授業 2022.5.20.(金)Ⅲ 限 横山

     ↓
② 閉 ざ さ れ た 質 問 ( closed-ended question ま た は   closed question)
  ・目 的 :
  ・具 体 的 な 質 問 内 容 :

     
 

【 学 習 目 標 2 】   コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン に 必 要 な能 力 に つ いて 理 解 し 、説 明 で き る 。
 
動 画 視 聴 ( 訳 12分 )
< 課 題 3 > 看 護 す る 上 で 、対 象 者 ( 受 け 手 ) と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 「 促 進 す る 」= 良 好 な
コ ミュ ニ ケ ー シ ョ
ン を 取 れ る こ と が 重 要 で す 。 そ の た めに 、 下 記 の能 力 が 必 要 で す 。 下 記 につ い て 、 自 分
が理解できる
よ う 、わ か り やす く ま と め る こ と 。

1.聴く 力=「 傾聴(技法) 」


  ● 傾 聴 の 目 的 は ?:

●傾 聴 で 大 切 な 看 護 者 の姿 勢 と は ? :

●傾 聴 、 対 象 の 話 を 促 す た め の 効 果 的 なコ ミ ュ ニケ ーシ ョ ン 技 法 は ?
                                            ( フ ィ ジ カ ル ア セ ス メ ン ト テキ ス ト   p.5
参照)
    

   
2.理解する 力、「共感」
・ 共 感 と は ?:
 ↓
    ※ 共 感 的 理 解 ;看 護 者 自 身 の 見 方 や 偏 見 、価 値 観 を 持 ち 込 ま ず 、あ り のま ま を 受 け 入 れ
ること
                = 対 象 と の 信 頼 関 係 構 築 (ラ ポー ル 形 成 ) の ため に も 必 要

 3.話す力
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      単 に「 話 す 」 こと が コ ミ ュニ ケ ー シ ョ ン に は なら な い 。
      ※ 相 手 に、 こ ち ら の 話 し た 内 容 が 届 く こ と = 相 手 が 「 聞 け る ・ 理 解 でき る 」よ うに 話 すこ
とが必要
  < 課 題 4 > 下 記 の そ れ ぞ れ の対 象 者 に 対 し て は 、 ど の よ う な話 し 方 が 必 要 か 、 考 え て 記 載
し なさ い。
①難 聴 が ある 高 齢 者 に 対 し て ど のよ うな 話 し か た を 心 が け る か ? :聞 き や す く 大 き な 声 で
    高 齢 者 は 「 高 音 が 聞 き にく い」 こ と が あ る の で、 低 め のは っ き り し た わ か りや す い声 で
話 す。

      ② 幼 い子 供 に 対 し て は ? :

      ③ 認 知 症 の ある 人 に 対 し て は ? :

      ④ 医 療 従 事 者 でな い 人 に対 し て 、気 を 付 け る べ き 用 語 の 使 い 方 は?
      :
4 .相手の状況を 感じ取る力:感性を 磨く こと 。五感で 感じ る力
    ・相 手 の 表 情 、 顔 色 等 、全 体 の 雰 囲 気 を キ ャッ チ す る 力
    ・視 覚 だ け でな く 、 聴 覚 、 嗅 覚 、 触 覚 等 も 含 め て 「 感 じ 取 る 力 」

【 学 習 目 標 3】   コ ミ ュ ニケ ー シ ョ ン に必 要 な 態 度 、看 護 学 生 と し て の 倫 理 的 態 度 につ いて 理 解
し 、実 践 で き る 。

1. 挨拶 、言 葉遣 い
  ・実 習 で の 患 者 と の 出 会 い: 看 護 学 生 と 受 け 持 ち 患 者 様 と して の 「 専 門 的 な 関 係 性 」
      → 最 初 の 挨 拶 、印 象 が 大 き く 影 響 す る

  ・言 葉 遣 い :看 護 の 対 象 者 は 、 皆 さ んの 友 人 、 家 族 と は違 う 、   高 齢 者 =人 生 の 先 輩 方
        ※対象者の尊厳を尊重する姿勢が基本
  
  < 課 題 5 > ● 以 下 の 2 つ の 事 例 につ い て 考 え て みよ う
    1 )実 習 病 棟 で 看 護 師 さ ん た ち は 、患 者 様 に 対 し て親 し げ な様 子 で 「 た め口 」 で 話 し て い
る。 自 分 も 実 習
4日 目 と なり 、 だい ぶ 受 け 持 ち 患 者 様 と 関 係 性 が 築 け て き た。 そ こ で自 分 も も っ と く だ け た
口調で話を
し た 方 が 会 話 も は ず む よ う な 気 が する の で 、 今 日 か ら 敬 語 は や め く だ け た 口 調 で 話 し て
み よう と 思 う 。

   2 ) 患 者 様 の 状 況 ;入 院 前 は 元 気 で 普 通 に 日 常 生 活 を送 っ て い た 70歳 代 の 女 性 。 右 大 腿
骨折のため
入 院 し 、現 在 手 術 後 の 安 静 の た め ベ ッ ド 上 臥 床 、 ト イレ には 行 け ず 便 器 でベ ッ ド 上 排 泄 を
しているが、
間 に 合 わ な い こ と も あ るの で お む つ も 着 用 し て い る 状 況 。
     訪 室 し た 看 護 師 ( 20歳 代 )か ら 「あ ー 、 お む つ 濡 れ ち ゃっ て い るね 。 か え よ う か 。 」「 ちょ っ
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と腰上げて」
     「 今 度 か ら お し っ こ 出 た こと が わ か っ た ら す ぐに 教 え て よ。 」  と 言 わ れ まし た。
→入 院 前 は 自 分 で ト イ レ に 行 き 、 問 題 な く セ ル フ ケ ア で き て い た 患 者 で す 。 自 分 が 患 者
だ った らど う
思 い ます か ?

2.身 だ しなみ
    実 習 生 と し て ふ さ わ し い身 だ し な みは ? ( 髪 型 、 ユ ニフ ォ ーム 含 め て )
    女 性 の 化 粧 につ い て は ?

    ※ 人 は みか け によ ら な い   と は 言 いま す が 、第 1印 象 は 非 常 に 大 切 です 。
      「 誰 が 見 て も 好 感 の も て る 身 だ し な み」 を 心 がけ ま し ょ う 。

※看 護 学 概 論 テ キス ト p.328  看 護 職 の 倫 理 綱 領 ( 日 本 看 護 協 会 、 2021年 )
  13 .看 護 職 は 、常 に 品 位 を保 持 し 、 看 護 職 に対 す る 社 会 の 人 々 の信 頼 を 高 める よう 努 める 。
    ~    看 護 に 対 す る信 頼 は、 専 門 的 な 知 識 や技 術 の み な らず、 誠 実 さ 、礼 節 、 品 位 、清 潔
さ 、謙 虚 さ な ど
に 支 えられ た 行 動 に よると こ ろが 大 き い 。

3. プラ イバ シ ーへ の 配慮
  ・看 護 職 と し て 対 象 者 から 得 る 情 報 : 疾 患 の こ と 、 家 族 の こ と 等 「 個 人 情 報 」 そ の も の
    → 対 象 の 個 人 情 報 が 守 ら れ る よ う な 配 慮 を 常 に行 う こ と
: 個 室 の 確 保   静 か な話 し や す い 環 境
          聴 い た内 容 を 誰 と 共 有 す る の か ? 記 録 、 報 告     → 情 報 リテ ラ シ ー
4 .ケア の 受け手の 価値観の 尊 重
  :   「 共 感 的 理 解 」の 重 要 性     看 護 職 の 倫 理 綱 領 ( 日 本 看 護 協 会 、2021年 )
    4. 看 護 職 は、 人 々 の 権 利 を尊 重 し 、人 々 が 自 らの 意 向 や 価 値 観 にそ っ た 選 択 が で き るよ
う 支 援 する。

    ⇒ 看 護 の 対 象 者 の価 値 観 は 多 様 で ある 。看 護 者 の 価 値 判 断 を 押 し 付 け る の では な く 、ケ
アの 受 け 手 の
   背景を理解し尊重することが求められる。

【 学 習 目 標 4 】   看 護 にお け る 教 育 的 支 援 、看 護 に おけ る 指 導 技 術 の 原 則 につ い て 説 明 で き
る。
< 課 題 6 > 基 礎 看 護 技 術 テ キス ト   p.57~ 68  5 . 教 育 ・相 談 の 項 ( 一 部 )を 読 む こ と

  〇 看 護 :対 象 者 に 対 す る 「 教 育 的 支 援 ・ 指 導 」 が 含 ま れ る
      例 ) 糖 尿 病 の患 者 に 対 し て 、 セル フ ケ ア が で き る よ う な 生 活 指 導 ( 食 事 、 運 動 、 薬 物 療
法等)
          対 象 者 ( 家 族 )が 自 身 で 行 え る よ うな 指 導 を 行 う 場 面 は 多 い。
     
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1. 患 者 教 育 に関 わ る 諸 概 念   ( 基 礎 看 護 技 術 テ キス ト   p.5 9 ~ 6 3 )
  1) 教 授 ― 学 習 過 程
      :教 え る こ と と 学 ぶ こ と ⇒ 「学 習 者 中 心 」 の 考 え 方 が重 要
        * 何 を 教 え た の か 、で は なく 「 学 習 者 が 何 を でき る よ うに な る の か ?」
      ↓
  (1 )学 習 目 標 、 学 習 行 動
    ・ 基 礎 看 護 技 術 テ キス ト   p.6 0 表 Ⅱ ― 8
      ※ 行 動 変 容 :学 習 に よ っ て ど のよ うに 、持 続 的 に 行 動 変 容 が 起 こ る の か ?
          例 ) 糖 尿 病 の患 者 が イ ン ス リ ン 注 射 の 手 順 を 覚 え 、 清 潔 な 操 作 を 練 習 し 、 適 切 な
量 を 間 違 い なく
              自 己 注 射 でき る よ う にな る こ と 。
      ⇒ こ れ には 知 識 ( 認 知 領 域 )、 受 け 入 れ る 、態 度 を 身 に 着 け る (情 意 領 域 )、技 術 ( 精 神
運動領域)が
含まれる
     
  (2 )学 習 レ デ ィ ネ ス
      :学 習 者 が 学 習 目 標 を 達 成 で き る た め の 心 身 の 準 備 状 態 が 十 分 か ど うか を 示 す も の

    ● 考 え て みよ う
        ・ 診 断 を 受 け た ば かり で 非 常 に シ ョ ッ ク を 受 け て い る 、ま だ病 気 を 受 け 止 め ら れ な い
様 子 の 患 者 さ んや
          非 常 に痛 み や 身 体 的 苦 痛 の強 い 患 者 さ ん  
      ↓
          こ の よ うな 患 者 さ ん に「 教 育 ・ 指 導 」 を 行 う こ と は?
  
  ( 3) 患 者 教 育 のプ ロ セ ス :看 護 過 程 と 同 様 、 段 階 的 に実 施 す る
      ① 学 習 ニー ズ ま た は学 習 レ デ ィ ネ ス の ア セス メ ン ト

      ② 学 習 ニー ズ の 判 断 :必 要 な 学 習 内 容 を 明 ら か に す る

      ③ 学 習 目 標 の 設 定 :い つま でに 何 が でき る よ うに な れ ば よ いの か 、 具 体 的 に 設 定
  ④教育計画の立案
        :対 象 者 の 状 況 (レ デ ィ ネ ス 、ニ ー ズ)にあ っ た 、 達 成 可 能 な 具 体 的 な 計 画 を 立 案 する

    ⑤ 教 育 計 画 の 実 施 : 計 画 に 沿 っ て 実 施 す る 。対 象 者 の 反 応 を み な が ら 実 施 す る 。

    ⑥ 評 価 :③ 目 標 に 対 し て 、 設 定 日 時 ま でに ど こ ま で 達 成 でき たの か 、対 象 者 と 共 に 評 価 す
る。
                でき て いな い と こ ろ に つい て 対 象 者 と 共 に 原 因 を 明 ら か に し 、 再 度 計 画 を
立て直す。

(4)患 者 教 育 の 方 法     (看 護 技 術 テ キス ト   p.65~66)
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第 13 回授業 2022.5.20.(金)Ⅲ 限 横山

 ・個別指導と集団指導
 ●集団指導:保健所での母親学級、父親学級など教育ニーズのある対象に集団で実施す
る健康教育
    < メ リッ ト > 一 人 ( 少 人 数 ) で 多 数 の 対 象 者 に 対 し て 効 率 的 に 教 育 を 実 施 で き る 、 費 用 対
効果が高い
                他 者 と 比 較 し て や る 気 が 起 き る 、 モ チ ベ ーシ ョ ン が は た ら く
                  受 講 者 同 士 の 交 流 が でき る 。
  < デメ リ ッ ト >   質 問 し に く い
                    個 人 ひと り ひ と り の 状 況 が わ かり に く い

  ● 個 別 指 導 :学 習 者 と 教 育 者 が 1対 1と い う 学 習 形 態 。
    < メ リッ ト > 個 別 で 具 体 的 な 指 導 を 受 け ら れる 。学 習 者 に あっ た 内 容 、方 法 、 特 殊 な 事 情
を考慮できる。
                  プラ イバ シ ーが 守 ら れ る 。
    < デメ リ ッ ト >   費 用 対 効 果 が 低 い
                      教 育 者 と 合 わ ない 場 合 、 ス ト レ ス が 強 く な る 。

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