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2020 年 7 月 15 日

Equity Research
テーマ

消費・サービス: 2020 年後半からのセクター戦略

三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券
インベストメントリサーチ部
03-6627-5340

トップピック銘柄一覧
セクター アナリスト 銘柄名 コード レーティング 目標株価(円)
小売専門店 小場 啓司 コメリ 8218 Overweight 3,200
レジャー・アミューズメント 村上 宏俊 バンダイナムコHD 7832 Overweight 9,800
東映アニメーション 4816 Overweight 6,400
インターネットサービス 荒木 正人 バリューコマース 2491 Overweight 3,800
*ラクスル 4384 Underweight 1,300
(ショート銘柄)

出所:MUMSS 作成

巻末に重要な注意事項を記載していますので、ご参照下さい。
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2020 年 7 月 15 日
テーマ

2020年(暦年)前半:主要インデックスのパフォーマンス:(2019/12/27~2020/6/30)

出所:Bloomberg より MUMSS 作成

巻末に重要なお知らせを記載していますので、ご参照ください。

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2020 年 7 月 15 日
テーマ

トップピック銘柄概要
セクター アナリスト 銘柄名 コード レーティング 目標株価(円) 投資ポイント
小売専門店 小場 啓司 コメリ 8218 Overweight 3,200 コメリの株価は、天候不順や異業種も含めた競合激化のなか低
下傾向を辿ってきたが、20年3月以降上昇に転じている。
注目点は、EDLP施策を通じた労働生産性改善、一部エリアで
のJA専売品の取扱開始など集客強化・収益性改善などに取り組
んでいるほか、新型コロナウイルス感染拡大下で増大している
日用品・園芸・DIY関連用品需要の取り込みを強めている点。

レジャー・アミューズメ 村上 宏俊 バンダイナムコHD 7832 Overweight 9,800 バンダイナムコHDは、世界的な大人・オタク市場の拡大局面


ント を迎える中、ハイターゲット商品の拡販が牽引し、「22/3期以
降の中期的な2ケタ営業利益成長」という強気シナリオを想定
する。
東映アニメーション 4816 Overweight 6,400 世界的な日本アニメ人気の広がりなど良好な事業環境、 中期利
益成長力、日本最大のアニメコンテンツ保有力、潜在リターン
の大きさを考慮し、高評価する。
インターネットサービス 荒木 正人 バリューコマース 2491 Overweight 3,800 バリューコマースは STORE's R∞(CRMツール)とストア
マッチ(クリック課金型広告)をYahoo!OnlineMall向けに提供
している。「PayPayモールの拡大によって恩恵を受ける銘柄
に注目」という「2020年新春からのセクター戦略」を継続。
PayPayモールはソフトバンクグループとして、中長期で「ス
マホ決済PayPayを拡大させるためのECサイト」として弊社は
注目している。加えて、COVID-19拡大により、2020年3月か
らリアル店舗からECへのシフトが加速したとみている。ECの
利便性への評価と共に、COVID-19が短期的に終息するとは考
え難いため、2020年7月から2020年年末においても、ECの
YoYでみた拡大は続くだろう。よって、PayPayモールと
Yahoo!ショッピングを合わせたYahoo!OnlineMallも、その恩
恵を受けると考えられる。
*ラクスル (ショート銘柄) 4384 Underweight 1,300 運送事業ハコベルについて、東証マザーズへの上場時には、
「企業間物流オープンプラットフォームの構築に係るヤマト
HDとの提携」が明記され、2019年1月25日に日経新聞が、
「(ハコベルコネクトを)ヤマトHDも活用を検討する。」と
報じたことで株価は大幅に上昇。しかし、ヤマトHDとの提携
は進捗がなく、ハコベルコネクトは社内利用を優先させてい
る。「今後5年間で上限50億円規模の投資」の予定(20/7期
1Q決算説明会資料)から、「収益性の改善を優先し、売上規模
は短期的には減少を想定」(20/7期2Q決算説明会資料)へ、
短期的に軌道修正をしている。ただし、会社側が目指す21/7期
からの再増収のフェーズにおいて、中長期的にハコベルの売上
増を伴う売上総利益の拡大が実現するとは考え難い。

出所:MUMSS 作成 次ページに続く

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2020 年 7 月 8 日

Equity Research
テーマ

小売 / 専門店セクター 2020 年後半からのセクター戦略


2020 年後半は「商品力」
「労働生産性」「ウィズコロナ時代への対応」に注目
2020 年後半からのセクター戦略
2020 年後半の小売/専門店セクターのテーマとして、従来から掲げてき 小場 啓司
た「商品力アップ」
「労働生産性改善」に加えて、
「ウィズコロナ時代の シニアアナリスト
03-6627-5260
消費者の購買行動の変化への対応」をあげる。 koba-hiroshi@sc.mufg.jp
過去 1 年間を振り返ると、小売専門店各社は、消費増税、記録的な暖冬、
新型コロナウイルス感染拡大など目まぐるしく変化する事業環境への
対応を迫られてきた。とくに新型コロナウイルス感染拡大のなかでは消
費者の購買行動にも変化がみられ、サブセクターごと、店舗立地ごと、
取扱商品群ごとに業況に大きな差がつくようになっている。
こうしたなか 19 年後半以降の株価パフォーマンスをみると、とくに 20
年 4 月頃から小売セクターのパフォーマンス好調が目立つ。株式市場で
はすでにウィズコロナ時代での小売各社の変化対応への期待が高まり
つつあるといえよう。2020 年後半は、事業環境の厳しさが増すなか成
長を続けるのに必要な「商品力アップ」
「労働生産性改善」を図りつつ、
「ウィズコロナ時代への対応」という株式市場の期待にしっかりと応え
ていける企業に注目が集まると考えている。

トップピック銘柄
2020 年後半のトップピックはコメリとする。
コメリの株価は、天候不順や異業種も含めた競合激化のなか低下傾向を
辿ってきたが、20 年 3 月以降上昇に転じている。
注目点は、EDLP 施策を通じた労働生産性改善、一部エリアでの JA 専
売品の取扱開始など集客強化・収益性改善などに取り組んでいるほか、
新型コロナウイルス感染拡大下で増大している日用品・園芸・DIY 関連
用品需要の取り込みを強めている点。

図表 1:過去 1 年間のセクターパフォーマンス
115
110
105

100
95 TPRETL index
90 TPX index
85
80

75
19/8

19/9

20/1

20/2
20/3

20/4
19/7

20/5

20/6
19/10

19/11

19/12

出所:Bloomberg より MUMSS 作成
注:19/7/8=100

三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券株式会社(以下、
「MUMSS」
)は、既に公表されている株式会社ココカラファイン(以下、
「ココカラファイン」
)と株式会社マツモトキヨシホールディングス(以下、
「マツモトキヨ
シ」)との経営統合に関する基本合意書の締結、及び資本業務提携に関して、ココカラファインのフィナンシャル・アドバイザーを務めています。
本案件の成立には、両者の経営統合に係る株主総会決議による承認、当局による承認その他の前提条件を充足することが条件とされております。
ココカラファインは MUMSS に対し、フィナンシャル・アドバイザリー・サービスの報酬を支払うことに同意しています。

本文後の Appendix A 以下に重要なお知らせを記載しておりますので、ご参照ください。


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2020 年 7 月 8 日
テーマ

1. 過去1年のセクターレビュー

1-1. セクターパフォーマンスはTOPIXを上回る

過去 1 年間のセクターパフ 過去 1 年間の小売セクターのパフォーマンスは対 TOPIX で 7.9%アウトパフォームし


ォーマンスは対 TOPIX で た。以下にみるように、増税、新型コロナウイルス感染拡大など事業環境が目まぐ
7.9%アウトパフォーム るしく変化するなかで、牽引役が徐々に広がる展開となった。
神戸物産やニトリホール
ディングスが 1 年間通じて 過去 1 年間を前半・後半に分けると、まず前半(19 年後半)のセクターパフォーマン
好調、後半はホームセンタ
ーや西松屋チェーンなど スは TOPIX を僅かに上回った。国内では消費増税、海外では韓国や香港の政治情勢
も牽引役に の影響が懸念されたこの期間は、国内成長期待の高い「ドラッグストア各社」
、業務
スーパー事業の好調が続く「神戸物産」、為替予約実施で業績安心感が広がった「ニ
トリホールディングス」が牽引役となった。つぎに、後半(20 年前半)のテーマは新
型コロナウイルスの感染拡大となるなかで、セクターパフォーマンスは対 TOPIX で
「神戸物産」や「ニトリホールディングス」の好調が続
6.2%アウトパフォームした。
いたほか、衛生雑貨需要や巣ごもり需要が盛り上がるなか「ホームセンター各社」
や「西松屋チェーン」も牽引役に加わった。さらに、過去 3 ヶ月だけをとりあげる
と、緊急事態宣言解除後の期待も高まり、
「ファーストリテイリング」や「良品計画」
のパフォーマンスも改善してきた。
図表 2:小売/専門店セクター カバレッジ銘柄の株価パフォーマンス(%)
コート゛ 銘柄名 騰落率 対TOPIX
12ヵ月 6ヵ月 3ヵ月 1ヶ月 12ヵ月 6ヵ月 3ヵ月 1ヶ月
3038 神戸物産 135.2 67.2 39.6 3.0 136.2 83.6 24.6 6.8
3088 マツモトキヨシホールディングス 19.3 -9.2 1.0 1.3 19.8 -0.3 -9.8 5.1
3391 ツルハホールディングス 46.4 6.6 6.9 -3.2 47.0 17.0 -4.5 0.4
7445 ライトオン -17.4 5.1 31.2 6.0 -17.0 15.3 17.2 9.9
7453 良品計画 -27.3 -41.6 35.8 -9.2 -26.9 -35.9 21.3 -5.8
7545 西松屋チェーン 23.3 13.6 37.1 13.6 23.8 24.7 22.4 17.9
8184 島忠 17.9 2.0 11.9 4.6 18.4 12.0 -0.1 8.5
8185 チヨダ -29.6 -29.0 5.8 0.4 -29.3 -22.0 -5.5 4.2
8218 コメリ 23.7 19.1 44.1 6.4 24.2 30.7 28.6 10.4
8219 青山商事 -68.0 -55.7 -16.0 -25.7 -67.8 -51.4 -25.0 -22.9
8227 しまむら -13.5 -13.7 21.5 -7.1 -13.1 -5.3 8.4 -3.6
9831 ヤマダ電機 0.6 -12.0 4.7 -9.8 1.0 -3.4 -6.5 -6.4
9842 アークランドサカモト 34.7 49.2 92.0 55.4 35.2 63.8 71.4 61.2
9843 ニトリホールディングス 49.9 29.5 43.6 15.5 50.6 42.1 28.2 19.8
9983 ファーストリテイリング -4.7 -1.4 44.7 -4.1 -4.3 8.2 29.2 -0.5
TPRETL 小売業(東証1) 8.4 -2.4 19.1 -0.7 8.8 7.1 6.3 3.0
TPX TOPIX -0.4 -8.9 12.0 -3.6 - - - -

出所:Bloomberg より MUMSS 作成(20 年 7 月 7 日終値ベース)

図表 3:株価推移 (19/7/8=0,%)衣料品 図表 4:株価推移 (19/7/8=0,%)その他


ファーストリテイリング ニトリホールディングス
40
良品計画 50 マツモトキヨシホールディングス
しまむら ヤマダ電機
20 40 島忠
青山商事
チヨダ コメリ
30
0
20
-20
10

-40 0

-10
-60
-20
-80
-30
19/7 19/8 19/9 19/10 19/11 19/12 20/1 20/2 20/3 20/4 20/5 20/6
19/7 19/8 19/9 19/10 19/11 19/12 20/1 20/2 20/3 20/4 20/5 20/6

出所:Bloomberg より MUMSS 作成 (直近株価は 20 年 7 月 7 日終値) 出所:Bloomberg より MUMSS 作成 (直近株価は 20 年 7 月 7 日終値)

本文後の Appendix A 以下に重要なお知らせを記載しておりますので、ご参照ください。

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2020 年 7 月 8 日
テーマ

1-2. 消費者の購買行動の変化

消費者の購買行動の変化 専門店のなかで代表的なサブセクターである「衣料品・靴専門店」 「雑貨専門店(家具・


により商品ごと、立地ごと ホームセンター・ドラッグストア)」の過去 1 年間の既存店売上動向をみると、①「衣
の売上状況が大きく異な 料品専門店」苦戦・ 「雑貨専門店」堅調の傾向、②一部の郊外型専門店での販売持ち

直し傾向、がみられる。19 年 10 月実施の消費増税による節約傾向、暖冬による季節
商材の需要減、年明けからの新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛傾向とい
った事業環境変化と無縁ではあるまい。

弊社では、とくに新型コロナウイルス感染拡大後の消費者の購買行動の変化に注目
している。消費者の購買行動の変化が、とくに「都心立地・衣料品専門店」の不振、
「EC」や「郊外立地・雑貨専門店」の好調、につながっている可能性があるとみて
おり、この先こうした消費者の購買行動の変化がどこまで定着するかがポイントに
なるとみているためである。

購買行動変化の第一は、消費者ニーズの変化である。外出自粛傾向により在宅時間
が長くなるなかで「自宅で快適に過ごすのに必要な商品」の販売が好調だ。はじめ
は「日用消耗品」
「食品」など一時品薄が伝えられた消耗必需品で特需が発生、これ
らの特需が一段落してくると続いて「簡易家具」
「家電」
「キッチン・収納用品」
「DIY・
園芸」といった在宅時間をより快適に過ごすための商品の動きが活発化している。
他方、外出自粛が続いているなかでは、衣料品・靴・化粧品等の動きは鈍い。むろ
ん在宅時用の衣料など相対的に堅調といえる分野はあるだろうが、ビジネスニーズ
やイベント時に着るようなおしゃれ着ニーズは外出自粛下での落ち込みが避けられ
まい。

第二は、消費者の買い物の仕方に変化が出てきたことだ。公共交通機関を使って都
心店舗に向かい面前で接客サービスを受けて買い物をするよりも、
「EC 活用」や「自
宅近くの郊外大型店に自動車で向かいセルフ形式でまとめ買い」する傾向が強くな
ってきているようだ。ソーシャルディスタンスが叫ばれるなか、買い物の際にでき
るだけ人との接触を避けるという視点で考えれば、もっともな変化とみることがで
きる。

図表 5:既存店月次売上高推移 (前年同月比%) 衣料品 図表 6:既存店月次売上高推移(前年同月比%) その他

40 60

50
20
40
0
30

-20 20

10
-40
0
-60
-10

-80 -20
18.11
12

10
11
12
19.1

20.1
2
3
4
5
6
7
8
9

2
3
4
5
6

18.11
12

10
11
12
19.1

20.1
2
3
4
5
6
7
8
9

2
3
4
5
6

ファーストリテイリング 良品計画 しまむら 青山商事 チヨダ ニトリホールディングス マツモトキヨシホールディングス


島忠 コメリ

出所:会社資料より MUMSS 作成 出所:会社資料より MUMSS 作成


注:青山商事はビジネスウェア事業

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2020 年 7 月 8 日
テーマ

2. 2020年後半からのセクター戦略

2-1. 2020年後半のテーマ整理と個別銘柄の推奨

2020 年後半は「商品力ア 弊社では、2020 年後半の小売/専門店セクターのテーマとして、従来から掲げてきた


ップ」「労働生産性改善」 「商品力アップ」 「労働生産性改善」に加えて、「ウィズコロナ時代の消費者の購買
に加えて「ウィズコロナ時 行動の変化への対応」をあげる。
代の消費者の購買行動の
変化への対応」に注目 小売/専門店セクターでは、ドラッグストアセクターなど一部の例外を除くと需要は
伸び悩み、さらに「人件費増」「EC との競合激化」といった事業環境の厳しさもあ
りサブセクター内での業績格差は拡大傾向にある。市場が伸びているドラッグスト
アについても、地域を超えた大手企業間の競合激化、業界再編の進展などが始まっ
ており、収益性の改善を伴いながら成長を続けることは容易でない状況だ。こうし
たなか過去 1 年間を振り返ってみても、消費増税、記録的な暖冬、新型コロナウイ
ルス感染拡大など厳しい事業環境が続いており、とくに新型コロナウイルス感染拡
大のなかでの消費者の購買行動の変化は新たなテーマとして注目しておく必要があ
ろう。

こうしたなか株式市場で理解されやすい成長ストーリーを描ける企業は多くはある
まい。弊社では従来から小売/専門店セクターでの成長のカギとして、①競合相手が
EC・中古商品にまで広がるなか価格引き下げに頼らずとも高い集客力を維持するた
めに必要な「商品力」アップ、②人手不足が中期的な課題となるなか成長し続ける
ために必要な「労働生産性」改善を掲げてきた。弊社では、これらの条件は小売専
門店が成長を続けようとする限り必要であり、今般さらに「ウィズコロナ時代の購
買行動の変化への対応」も求められるようになったと考えている。新型コロナウイ
ルスの影響を強く受けたとみられる 20 年 4 月頃から小売セクターのパフォーマンス
好調が目立っている。株式市場ではすでに「ウィズコロナ時代に向けた小売各社の
変化対応」への期待が高まりつつあるといえよう。2020 年後半は、事業環境の厳し
さが増すなか成長を続けるのに必要な「商品力アップ」
「労働生産性改善」を図りつ
つ、
「ウィズコロナ時代への対応」という株式市場の期待にしっかりと応えていける
企業に注目が集まると考えている。

本文後の Appendix A 以下に重要なお知らせを記載しておりますので、ご参照ください。

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2020 年 7 月 8 日
テーマ

図表 7:小売/専門店セクター 営業利益推移(指数:FY15(FY2/16,FY3/16,FY8/16)=100)
250 180

160
200
140
9983 ファストリ 9831 ヤマダ電
150 120
7453 良品計画
8282 ケーズHD
2670 ABCマート 100
100 2730 エディオン
8185 チヨダ 80
3048 ビックカメラ
50 8227 しまむら 60
7606 Uアローズ 8173 上新電
40
0 2685 アダストリア 7419 ノジマ
20

-50 0
FY15 FY16 FY17 FY18 FY19 FY15 FY16 FY17 FY18 FY19

220 160

200 150

140
180 3141 ウエルシア
8218 コメリ
3088 マツキヨHD 130
160
3050 DCM
9989 サンドラッグ 120
140
3391 ツルハHD 110 8184 島忠
120 3349 コスモス薬品 100
9843 ニトリHD
100 7649 スギHD
90

80 80
FY15 FY16 FY17 FY18 FY19 FY15 FY16 FY17 FY18 FY19

出所:会社資料より MUMSS 作成

2020 年後半の投資テーマを踏まえ、弊社ではコメリをトップピックとする。
トップピックはコメリ
同社に関しては、EDLP 施策を通じた労働生産性改善、一部エリアでの JA 専売品の
取扱開始に加えて、新型コロナウイルス感染拡大下で増大している日用品・園芸・
DIY 関連用品需要の取り込みを強めていることに注目している。

本文後の Appendix A 以下に重要なお知らせを記載しておりますので、ご参照ください。

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2020 年 7 月 8 日
テーマ

図表 8:小売 / 専門店セクター カバレッジリストとバリュエーション


目標株価 株価 潜在リターン 直近レポート 時価総額 PER(倍) PBR(倍) ROE(%)
コード 銘柄名 投資判断
(円) (2020/7/7) (%) 発行日 (億円) 20年度 21年度 20年度 21年度 20年度 21年度
3038 神戸物産 Overweight 6,700 6,280 6.7 2020/6/30 8,591 42.4 33.8 10.6 8.4 31.4 30.4

3088 マツモトキヨシホールディングス RS - 3,960 - 2019/5/23 4,327 16.6 15.7 1.9 1.7 11.8 11.4

3391 ツルハホールディングス Neutral 14,900 14,990 -0.6 2020/6/30 7,388 25.5 24.2 2.8 2.6 11.6 11.2

7445 ライトオン Neutral 600 622 -3.5 2020/4/27 184 -7.5 42.9 0.8 0.8 -10.6 1.9

7453 良品計画 Overweight 1,550 1,479 4.8 2020/4/27 4,153 - 19.5 1.7 1.6 - 8.4

7545 西松屋チェーン Neutral 1,080 1,076 0.4 2020/6/24 749 16.7 16.7 1.1 1.0 6.5 6.3

8184 島忠 Neutral 3,100 3,010 3.0 2020/4/23 1,283 20.9 19.2 0.7 0.7 3.1 3.4

8185 チヨダ Neutral 1,100 1,141 -3.6 2020/4/27 475 -33.9 101.6 0.7 0.7 -1.9 0.7

8218 コメリ Overweight 3,200 2,758 16.0 2020/5/14 1,501 11.8 11.6 0.7 0.7 6.3 6.1

8219 青山商事 Neutral 820 680 20.6 2020/6/2 343 33.8 33.8 0.2 0.2 0.5 0.5

8227 しまむら Neutral 6,600 7,190 -8.2 2020/7/7 2,654 18.7 14.7 0.7 0.7 3.8 4.8

9831 ヤマダ電機 Neutral 570 508 12.2 2020/5/18 4,910 17.3 17.0 0.6 0.6 3.9 3.9

9842 アークランドサカモト Neutral 1,830 1,880 -2.7 2020/6/25 778 11.2 9.5 1.0 0.9 8.9 9.7

9843 ニトリホールディングス Neutral 19,000 22,110 -14.1 2020/7/1 25,303 29.2 29.1 3.9 3.5 14.3 12.8

9983 ファーストリテイリング Neutral 52,000 62,360 -16.6 2020/4/27 66,148 57.0 41.3 6.7 6.0 11.9 15.4

出所: QUICK Workstation, 予想は MUMSS。注記:目標株価の期間は今後 12 ヶ月ベース。ライトオン、ファーストリテイリング、島忠は 20/8 期・21/8


期予想。

コメリ コメリのエクイティストーリーは「収益体質強化による増益基調の継続」。具体的に
は「改装強化による既存店売上改善」
「EDLP 施策の推進や改装などを通じたコスト
削減」により既存店の収益体質強化を図り、大型店の出店が続く中でも増益を確保
することである。天候不順や異業種も含めた競合激化のなか売上高が伸び悩み、同
社株価は軟調に推移してきたが、新型コロナウイルス感染拡大下で増大している日
用品・園芸・DIY 関連用品需要の取り込みで販売が持ち直すなか 20 年 3 月以降株価
も上昇に転じている。EDLP 施策を中心とした経費抑制は続いており、改装精度の向
上、一部エリアで始まった JA 専売品の取り扱いといった注目材料も少なくない。

本文後の Appendix A 以下に重要なお知らせを記載しておりますので、ご参照ください。

9
2020 年 7 月 8 日
テーマ

2-2. 中期投資テーマ

中期的に「商品力強化」と 弊社では、最近生じたテーマとして「新型コロナウイルス感染拡大による消費者の
「労働生産性改善」が重要 購買行動の変化の定着度合いや対応」に注目しているが、これまで同様、中期的に
との見方は変更なし は少子高齢化が進み消費の伸びに期待しづらいわが国の専門店にとって、「EC との
競合激化」「人件費増」に如何に対応するかが重要と考えている。EC は、商品特性
による浸透度の違いはあるが「アクセスのしやすさ」「物流」「決済」といった課題
を解決しつつ広がりをみせており、専門店も事業モデルに組み込む必要が高まって
いる。また、人件費に関しては、雇用確保のため賃上げ圧力が徐々に強まっている。
弊社では、集客強化のためには「商品力」
、人手不足・人件費増のなかで持続的に成
長するためには「労働生産性」が重要な指標と考えており、中期的な見方に変更は
ない。

まず、消費が伸び悩むなか多くのサブセクターで「強い集客力を有する商品を有す
るかどうか」で業績格差が拡大している。弊社カバー銘柄のなかで、
「商品力の強さ」
を有する企業としては、ファーストリテイリング、ニトリホールディングス、良品
計画などが挙げられるが、これらの会社についても商品力に一段の磨きをかけ成長
加速ストーリーを出せるかどうかがポイントとなろう。

また、
「労働生産性改善」がポイントとみられるのは、食品・調剤等の取り扱い強化・
出店加速で成長を続けているドラッグストアだろう。すでに地域を超えた大手間の
競合激化や業界再編が進んでおり、収益性改善を伴った成長を続けることは容易で
はないからだ。
図表 9:物販系分野の BtoC-EC 市場規模推移
100,000 6.22% 7%
5.79%
90,000 5.43% 6%
4.75%
80,000 4.37% 5%
3.85%
70,000 4%
92992
60,000 86,008 3%
80,043
50,000 72,398 2%

40,000 68,043 1%
59,931
30,000 0%
2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
物販系分野のBtoC-EC市場規模(億円、左軸)
EC化率(%、右軸)

出所:経済産業省「電子商取引に関する市場調査」より MUMSS 作成

図表 10:産業別賃金 (千円)
6,500
6,000
5,500
5,000
4,500
4,000
3,500
3,000

出所:厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査」より MUMSS 作成
注:年間賃金(企業規模計 10 人以上)=「きまって支給する現金給与額」*12+「年間賞与その他特別給与額」

本文後の Appendix A 以下に重要なお知らせを記載しておりますので、ご参照ください。

10
2020 年 7 月 8 日
テーマ

3-1. トップピック銘柄: コメリ(8218)

投資判断理由
エクイティストーリーは「収益体質強化による増益基調の継続」である。20/3 期決
算は弊社予想通りハードルが低下する 4Q(1-3 月)から業績が持ち直し、僅かながら増
収増益を確保した。エクイティストーリーは変更なく、依然、株価は調整しすぎて
いると考え Overweight を継続している。

4Q(1-3 月)の業績改善については、前年度ハードルの低さのほか、園芸・自転車など
春商品の立ち上がりが早く、また新型コロナウイルスの影響で一部日用消耗品需要
が盛り上がったという事情もあろう。弊社では、21/3 期も緩やかではあるが増収増
益が続くとみている。粗利率改善・販管費圧縮など収益体質改善は続いており、天
候不順等による業績への影響は避けづらいものの底堅い成長を続けることができよ
う。

カタリストとリスク
目標株価達成のカタリストは、
「会社施策の推進によりプロ向け需要を取り込みなが
ら既存店売上改善や出店加速など中期的な成長ストーリーが出てくること」
。目標株
価未達リスクは、
「異業種も含めた競合激化により一般消費者の需要取り込みが減少
し、出店加速の中、売上高が伸び悩み収益悪化に見舞われること」。

バリュエーション
目標株価 3,200 円は、20/3 期 BPS3,659.4 円に消費増税を契機に営業利益がボックス
レンジに入った 15/3 期以降の PBR 平均(0.89 倍)を乗じて算出。

詳細は 2020 年 5 月 14 日発行のカンパニーレポートをご参照ください。

図表 11:業績の推移
<連結> 営業収益 営業利益 経常利益 当期利益 EPS 1株配当 PER PBR
決算期 百万円 前年比% 百万円 前年比% 百万円 前年比% 百万円 前年比% 円 円 倍 倍
19/3 346,863 1.4 18,123 6.8 18,237 6.7 10,935 0.3 215.9 40.0 - -
20/3 348,573 0.5 18,469 1.9 18,625 2.1 11,941 9.2 236.6 42.0 - -
21/3 予 353,500 1.4 19,200 4.0 19,300 3.6 11,800 -1.2 233.8 42.0 11.8 0.72
コンセンサス 355,700 2.0 19,100 3.4 19,210 3.1 11,480 -3.9 230.8 - 11.9 -
会予 353,000 1.3 19,000 2.9 19,100 2.6 11,300 -5.4 227.2 42.0 12.1 -
22/3 予 359,000 1.6 19,500 1.6 19,600 1.6 12,000 1.7 237.7 42.0 11.6 0.68
コンセンサス 358,740 0.9 19,180 0.4 19,310 0.5 11,540 0.5 232.0 - 11.9 -
23/3 予 365,600 1.8 19,900 2.1 20,000 2.0 12,300 2.5 243.7 42.0 11.3 0.65
(出所) 会社資料より三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券作成、予想は三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券
(注 1)予想 EPS、1 株配当、PER は予想期中平均株数ベース、予想 PBR は予想期末株数ベースで計算。過去実績は決算短信ベースで遡及調整は行わない
(注 2)コンセンサスは IFIS コンセンサス

本文後の Appendix A 以下に重要なお知らせを記載しておりますので、ご参照ください。

11
2020 年 7 月 8 日
テーマ

図表 12:目標株価算出根拠とリスク要因
目標株価
  企業名 目標株価算出根拠 リスク要因
(円)
持続的な利益成長を予想するため、中期的なマイルストーンとして3年後
株価上昇カタリストは、(1)月次出荷金額の伸長、(2)店舗数の増加、(3)円高や関税引き下げ
の23/10期の弊社予想EPS(期末株数ベース)と妥当PER28.1倍から算出。
3038 神戸物産 6,700 等による仕入れコスト削減など。株価下落リスクは、(1)新規出店の遅れ、(2)債務超過2子会社
妥当PERは、前回消費増税を契機に収益拡大した14/10期以降の平均予想
の動向など。
PER22.7倍に0.5σ(5.1)を加味する水準。

3088 マツモトキヨシホールディングス - - -

21/5期弊社予想EPSに妥当PER25.4倍(ドラッグストア大手6社(ツルハHD、マツモ 株価上昇カタリストは、ドラッグストア業界全体の成長力に対する評価向上、グループ傘下入りし
トキヨシHD、ウエルシアHD、コスモス薬品、スギHD、サンドラッグ)直近 た企業の大幅な業績改善、M&A案件の一段の取り込み、など。
3391 ツルハホールディングス 14,900
Bloomberg予想平均PER24.3倍に、過去3年間の大手6社平均と同社のPER 株価下落リスクは、グループ傘下企業の収益改善が進まないケースや、強い地盤を有する北海道・
の平均乖離率+4.6%)を乗じて算出 東北・中四国などでの収益性低下など。
株価上昇のカタリストは、「在庫入れ替えを図る中、販売基調が改善するケース」など。株価下落
20/8期弊社予想BPSに、前回業績が底を打った14/8期以降の実績PBR平均
7445 ライトオン 600 リスクは、「他社との一段の競合激化などにより販売や粗利率の悪化に歯止めがかからないケー
値0.80倍を乗じて算出
ス」など。
株価上昇のカタリストは、「東アジア地域事業の成長加速」「国内販売基調の一段の加速」など。
21/8期弊社予想EPSに、21/8期弊社予想の海外事業の営業利益構成比
7453 良品計画 1,550 株価下落リスクは、「東アジア地域事業での在庫過剰・利益率低下」「国内での低価格志向の強ま
29.9%から算出される妥当PER20.5倍を乗じて算出
り」「欧米事業の業績不振の長期化」など。

21/2期弊社予想EPSに東日本大震災などで業績が大きく落ち込んだ12/2期 株価上昇カタリストは、(1)積極的な株主還元策の発表、(2)円高基調への転換、など。株価下落リス
7545 西松屋チェーン 1,080 後、業績が概ね横ばい圏にあった13/2期から18/2期までの6期間の平均 クは、(1)天候不順のほか急激な円安、(2)新しいPB商品の販売不調による在庫過剰感、(3)カジュアル
PER16.8倍(PERは年度実績EPSと該当年度1年の株価で計算)を乗じて算出 衣料品専門店大手のベビー・子供服の販売強化による競合激化、など。

自社株買いを前提として試算される20/8期予想BPSに、消費増税後に経常 株価上昇のカタリストは、会社施策の効果で既存店売上増が定着するケースなど。株価下落リスク
8184 島忠 3,100
減益基調に転じた15/8期以降の平均PBR0.69倍を乗じて算出 は、消費マインド低下や競合の激しさにより、受注減が継続するケースなど。

22/2期弊社予想ROE0.67%と資本コスト5.26%から導かれる妥当PBR0.65 株価上昇のカタリストは、靴事業の販売改善と粗利率改善など。株価下落のリスクは、靴事業の販
8185 チヨダ 1,100
倍に21/2期弊社予想BPSを乗じて算出 売不振長期化による値下げ処分増、価格競争激化による衣料品事業の業況悪化など。

目標株価達成のカタリストは、「会社施策の推進によりプロ向け需要を取り込みながら既存店売上
20/3期BPSに、消費増税を契機に営業利益がボックスレンジに入った15/3 改善や出店加速など中期的な成長ストーリーが出てくること」。目標株価未達リスクは、「異業種
8218 コメリ 3,200
期以降のPBR平均(0.89倍)を乗じて算出 も含めた競合激化により一般消費者の需要取り込みが減少し、出店加速の中、売上高が伸び悩み収
益悪化に見舞われること」。

21/3期弊社予想ROE0.51%と資本コスト3.31%から導かれる妥当PBR0.21 株価上昇カタリストは、ビジネスウェア事業の販売改善、総合リペアサービスや飲食事業の早期の
8219 青山商事 820
倍に20/3期弊社予想BPSを乗じて算出 収益貢献など。株価下落リスクは、ビジネスウェア事業の一段の需要落ち込みや競合激化など。

株価上昇のカタリストは、「主力のしまむら業態の販売基調改善」「アベイル業態の業況改善」な
22/2期弊社予想EPSに、前回業績減益局面(14/2期から15/2期まで)の
8227 しまむら 6,600 ど。株価下落リスクは、「販売不振が続き在庫増や値下げロス増を招くケース」「事業環境が一段
Bloomberg予想平均PER13.4倍を乗じて算出
と悪化し業界全体で価格競争が再燃するケース」など。

株価上昇のカタリストは、会社施策により「家電事業の収益性改善・新事業の収益貢献が始まる
20/3期BPSに、14年10月から20年4月までの実績PBR平均0.79倍を乗じて
9831 ヤマダ電機 570 ケース」など。株価下落リスクは、「再度業界内で家電の価格引き下げ競争が強まる」ケースな
算出。
ど。

22/2期弊社予想EPSに、震災後かつ外食事業の収益貢献が大きくなった 株価上昇のカタリストは、建材や園芸中心に需要が盛り返し小売事業の増収増益基調が強まるこ
9842 アークランドサカモト 1,830
12/2期以降の会社予想PERレンジ高安平均9.3倍を乗じて算出 と、株価下落リスクは、業績を下支えしている外食事業の収益悪化など。

株価上昇のカタリストは、「金利低下などを背景に住宅着工戸数が増加、家具需要が盛り上がる
21/2期弊社予想EPSに、円安下でも同社の施策で粗利率が底入れした15/2
9843 ニトリホールディングス 19,000 ケース」「都市部展開や小型店舗の展開が早期に売上高・利益ともに成長加速に繋がるケース」な
期下期以降(14年9月以降)の月間高値PER平均値25.0倍を乗じて算出
ど。株価下落のリスクは、「海外事業の収益悪化」「短期間での極端な円安の進行」など。
株価上昇のカタリストは、海外ユニクロ事業、ジーユー事業、グローバルブランド事業が収益性改
21/8期弊社予想EPSに17/8期以降のBloomberg予想平均PER(34.6倍)を乗じ 善を伴いながら利益成長ピッチが加速するケース。株価下落リスクは、消費マインド低下、新商品
9983 ファーストリテイリング 52,000
て算出 の投入の遅れ、Eコマースの伸び悩みなどを背景に国内ユニクロ事業の業績が低調に推移するケー
ス。

出所:MUMSS 作成 目標株価の期間は今後 12 ヶ月ベース

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12
2020 年 7 月 10 日

Equity Research
テーマ

レジャー・アミューズメントセクター 2020 年後半からのセクター戦略


トップピックは、バンダイナムコ HD、東映アニメーション
アフターコロナに向けた消費トレンド変化の特徴
コロナ禍の影響による消費トレンド変化の特徴は、下記の 5 つである。 村上 宏俊
(1) 外出型消費の抑制、(2) 巣ごもり消費拡大(自宅中心生活)、(3)デジタ シニアアナリスト
03-6627-5284
ル消費の加速、(4) ストレス解消・発散型消費(社会・生活不安など)、(5) murakami-hirotoshi@sc.mufg.jp
引き籠り懸念拡大(ゲーム依存症、ネット中毒、社交不安症など)。弊社
では、中長期的に(1) 感染症予防対策を前提とした生活・消費行動が定
着すること、(2) 在宅勤務浸透(通勤時間削減)や働き方改革進展(残業時
間削減、有給消化率向上)で自由・娯楽時間が増加することから、上記
の 5 つの消費トレンドは持続すると、考えている。

2020 年後半からのセクター戦略
弊社では、各サブセクター展望を踏まえて、(1) 世界的に人気のキャラ
クター・コンテンツ保有企業の再評価、(2) 中期利益成長力、(3) 潜在
リターン、バリュエーションなど、総合的な観点から、トップピックは
バンダイナムコ HD(7832)、東映アニメーション (4816)とする。
弊社のサブセクター別選別順位として、(1) 大人・オタク>(2) 電子出
版>(3) ゲーム>(4) カジノ>(5) レジャー>(6) 映画>(7) パチンコ。
なお、中期投資テーマとして以下の 2 点を挙げる。
(1) 世界的な大人・オタク市場の拡大 (関連企業:バンダイナムコ
HD(7832)、東映アニメーション (4816))
(2) 電子出版市場の高成長維持 (関連企業:スクウェア・エニックス
HD(9684))

トップピック銘柄
2020 年後半に向けてトップピックは、バンダイナムコ HD、東映アニメ
ーションとする。注目点は下記の通り。
(1) バンダイナムコ HD は、世界的な大人・オタク市場の拡大局面を迎
える中、ハイターゲット商品の拡販が牽引し、「22/3 期以降の中期的な
2 ケタ営業利益成長」という強気シナリオを想定する。
(2) 東映アニメーションは、(a) 世界的な日本アニメ人気の広がりなど
良好な事業環境、(b) 中期利益成長力、(c) 日本最大のアニメコンテン
ツ保有力、(d) 潜在リターンの大きさを考慮し、高評価する。
図表 1:カバレッジ企業群の主要指標比較
EPS年平均
投資 株価 潜在 PER PBR 配当利回り
目標株価 成長率予想
判断 7/9 リターン (FY22E) (FY19) (FY20E)
(5年, FY19-24)
コード 円 円 % % 倍 倍 %
TopPick 7832 バンダイナムコHD O 9,800 5,775 69.7 14.6 14.9 2.8 2.0
7974 任天堂 N 39,000 49,650 -21.5 -20.5 28.8 3.8 2.5
9684 スクウェア・エニックスHD N 5,200 5,810 -10.5 2.6 28.9 3.1 0.9
9697 カプコン N 3,000 4,155 -27.8 8.9 20.5 4.4 1.2
9766 コナミHD N 4,000 3,330 20.1 13.5 13.5 1.7 1.7
6412 平和 N 2,130 1,791 18.9 -8.3 16.4 0.8 4.5
4343 イオンファンタジー O 2,100 1,412 48.7 - 22.0 1.0 3.5
4680 ラウンドワン O 1,900 725 162.1 19.9 7.9 1.1 2.8
8136 サンリオ N 1,800 1,654 8.8 83.1 47.9 3.0 1.8
9605 東映 O 19,300 14,490 33.2 4.8 14.7 1.0 0.5
TopPick 4816 東映アニメーション O 6,400 4,950 29.3 9.6 14.1 2.7 1.4
11社平均 30.1 12.8 20.9 2.3 2.1

注:O : Overweight, N : Neutral, U : Underweight


出所:会社資料、Bloomberg データを基に MUMSS 作成、MUMSS 予想

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13
2020 年 7 月 10 日
テーマ

1. アフターコロナに向けた消費トレンドの変化を考察

1-1 短期的なセクターへのインパクト
5 つの消費トレンド コロナ禍の影響による消費トレンド変化の特徴は、下記の 5 つである。 ① 外出型
消費の抑制、② 巣ごもり消費拡大(自宅中心生活)、③ デジタル消費の加速、④ ス
トレス解消・発散型消費(社会・生活不安など)、⑤ 引き籠り懸念拡大(ゲーム依存症、
ネット中毒、社交不安症など)。

サブセクター別の影響について、図表を参照。主な影響とメリットは下記の通り。

(1) レジャー、映画、パチンコ、カジノ市場において、出控え、運営施設の休業(閉
鎖)、新作公開延期、出稿抑制、イベント中止などから大きな影響(収益悪化)を受け

(2) ゲーム、電子出版市場において、巣ごもり消費拡大によるメリット(収益拡大)を
享受した

1-2 中長期的なセクターへのインパクト
中長期的に5つの消費ト 弊社では、中長期的に、① 感染症予防対策を前提とした生活・消費行動が定着する
レンドは持続へ
こと、② 在宅勤務浸透(通勤時間削減)や働き方改革進展(残業時間削減、有給消化率
向上)で自由・娯楽時間が増加することから、上記の 5 つの消費トレンドは持続する
と、考えている。

弊社では、下記 2 点の動向に注目している。

(1) 緩やかな回復ペース : 映画館、AM 施設、カラオケ、テーマパークなど施設運営


企業は、入場制限、ソーシャルディスタンス確保などの感染予防対策営業が続くた
め、コロナ禍以前の通常水準への回復ペースは緩やかになると予想

(2) 娯楽間競争激化 : ① 家遊びの普及、② 新たな娯楽の登場(VR、AR など)、③ 多


様な無料サービスの提供などがあるため、娯楽間における時間と所得の獲得競争が
激化すると予想

(注) 主な家遊び(15 種)とは、①動画、②音楽、③ゲーム、④読書、⑤運動、⑥勉強、


⑦オンライン飲み会、⑧BBQ、⑨室内キャンプ、⑩料理、 ⑪恋愛・婚活、 ⑫自宅
栽培、⑬トイドローン、⑭ボードゲーム、⑮家の片づけ

図表 2:サブセクター別の状況(コロナ禍による影響、足許の状況、アフターコロナ、今後のポイント)

影響 足許の状況 アフターコロナ 今後のポイント


レジャー 出控え、臨時休園 一部営業再開 感染症予防策営業 通常水準への回復ペース
映画 出控え、新作公開延期、休館 一部営業再開 感染症予防策営業 通常水準への回復ペース
パチンコ 出控え、一部休業 一部営業再開 感染症予防策営業 通常水準への回復ペース
カジノ 閉鎖 一部営業再開 感染症予防策営業 通常水準への回復ペース
ゲーム 巣ごもり消費拡大 好調 反動減の懸念 娯楽間競争激化の状況
電子出版 巣ごもり消費拡大 高成長、企業間格差 減速も、高成長維持 普及・拡大ペース
大人・オタク 巣ごもり消費拡大(ガンプラ) 高成長、成長初期 高成長維持 海外の拡大ペース
出所: MUMSS 作成

本文後の Appendix A 以下に重要なお知らせを記載しておりますので、ご参照ください。

14
2020 年 7 月 10 日
テーマ

2. 2020年後半からのセクター戦略

各サブセクター別展望、トップピックの選別方法、中期テーマ及び関連企業群につ
いて考察する。

2-1 サプセクター別展望と選別順位
2020 年後半に向けてのサブセクター別展望は下記の通り。図表 4 を参照。

弊社のサブセクター別選別順位として、①大人・オタク>②電子出版>③ゲーム>
④カジノ>⑤レジャー>⑥映画>⑦パチンコ。

2-2 トップピックの選別方法
総合的な観点から選別 弊社では、各サブセクター展望を踏まえて、(1) 世界的に人気のキャラクター・コン
テンツ保有企業の再評価、(2) 中期利益成長力、(3) 潜在リターン、バリュエーショ
ンなど、総合的な観点から、トップピックはバンダイナムコ HD(7832)、東映アニメ
ーション (4816)とする。

2-3 中期投資テーマ
なお、中期投資テーマとして以下の 2 点を挙げる。

(1) 世界的な大人・オタク市場の拡大 (関連企業:バンダイナムコ HD(7832)、東映ア


ニメーション (4816))

(2) 電子出版市場の高成長維持 (関連企業:スクウェア・エニックス HD(9684))


図表 3:サブセクター別投資ポイント

順位 業種 ポイント
1 大人・オタク 世界的な大人・オタク市場の拡大で、人気コンテンツ保有企業は市場拡大メリットを享受
2 電子出版 減速懸念もあるがマンガアプリ中心に高成長維持、娯楽トレンドはゲームからマンガ、動画へ
3 ゲーム 足許好調だが反動減懸念、娯楽間競争激化、5Gゲームやクラウドゲームの普及で市場構造が変化
4 カジノ 海外カジノ市場は段階的な営業再開へ。コロナ禍で大阪市は事業スケジュール予定延期を示唆
5 レジャー 一部営業再開で回復へ。感染防止策で回復ペース遅延懸念、優先入場の有料化の動きに注目
6 映画 一部営業再開で回復へ。感染防止策で回復ペース遅延懸念。公開延期作品との調整
7 パチンコ 一部営業再開で回復へ。撤去期限1年延期(21年1月→22年1月)で遊技機の特需発生時期は先送り
出所: MUMSS 作成

図表 4:中期の投資テーマポイント

業種 投資テーマのポイント
大人・オタク 海外中心に市場拡大の鮮明化、世界的に人気のキャラクター・コンテンツ保有企業の再評価
電子出版 収益格差局面へ。電子書籍ストア、マンガアプリの業界再編の動きに注目
ゲーム デジタル娯楽志向で需要拡大。eスポーツ、クラウドゲームなど好材料あるが、ゲーム依存症に留意
カジノ 有力IRカジノ候補地の横浜と東京の動向に注目。日本カジノ実現化に向けた銘柄選別へ
レジャー デジタル娯楽志向が高まり、リアル型娯楽が苦戦へ。中国、米国、ロシアなど海外展開に注目
出所: MUMSS 作成

本文後の Appendix A 以下に重要なお知らせを記載しておりますので、ご参照ください。

15
2020 年 7 月 10 日
テーマ

(1) 世界的な大人・オタク市場の拡大
① 国際オタクイベント協会資料によると、2018 年の世界のオタクイベントに参
加した人数は約 3,000 万人。日本でのイベント参加状況などを踏まえれば、世界
大人・オタク人口は、同イベント参加人数の約 7 倍の約 2 億人以上(うち日本約
2,000 万人)と弊社では推定する。
大人・オタク市場の世界潜 ② 弊社では、世界中で、日本キャラクターを楽しむ大人・オタク人口の増加に伴
在需要は 60 兆円と想定
い、世界大人・オタク市場が拡大するというトレンドは、緒に付いたばかりであ
り、長期的に高い市場成長が続くと考える。大人・オタク市場(弊社定義:キャラ
クター市場とオンラインゲームを除くオタク市場の合計)の世界潜在需要は 60 兆
円(日本 3.6 兆円、海外潜在需要 56.4 兆円)と弊社では想定する。

③ 世界大人・オタク市場の拡大を想定する背景には、世界中での大人・オタク人
口の増加に加えて、下記 4 点があると弊社では考える。①スマホ普及によるコン
テンツのデジタル消費の拡大、②コンテンツのグローバル化(正規版の流通・アク
セスの容易化) 、③「ポケモン」、「ドラゴンボール」、「ワンピース」など日本ア
ニメキャラクターの世界的な人気、④多数のデジタルネイティブを含む大人・オ
タク世代は、本物志向が強く、正規品を EC サイトで購入する人が多いこと。

図表 5:日本のキャラクター、オタク市場 (2017 年) 図表 6:日本のオタク市場 (2017 年)


2017 構成比1 構成比2

(10億円) 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 10億円 % %


アニメ 260.0 12.5 23.2
①キャラクター市場 2,453.9 漫画 (紙媒体のみ) 267.0 12.8 23.8
ライトノベル 25.2 1.2 2.2
同人誌 81.7 3.9 7.3
うち玩具 590.0 プラモデル 27.7 1.3 2.5
フィギュア 32.5 1.6 2.9
うちハイターゲット・トイ 91.3 ドール 12.5 0.6 1.1
鉄道模型 10.8 0.5 1.0
アイドル 210.0 10.1 18.7
②オタク市場 2,086.5
プロレス 13.2 0.6 1.2
コスプレ衣装 35.0 1.7 3.1
③オンラインゲームを除くオタク市場 1,120.5 メイド・コスプレ関連ンサービス 11.1 0.5 1.0
オンライン (携帯電話向け) ゲーム 966.0 46.3
うちプラモデル・フィギュア 60.2 アダルトゲーム 16.0 0.8 1.4
アダルトビデオ (ダウンロードコンテンツ含む) 49.5 2.4 4.4
4,540.4 恋愛ゲーム 15.5 0.7 1.4
①+②小計
ボーイズラブ 21.9 1.0 2.0
ボーカロイド 10.0 0.5 0.9
①+③小計 3,574.4 ミリタリー (エアガン・サバイバルゲーム) 20.9 1.0 1.9
オタク市場合計 2,086.5 100.0
オンラインゲームを除くオタク市場合計 1,120.5 100.0

出所:矢野経済研究所資料を基に MUMSS 作成 出所:矢野経済研究所資料を基に MUMSS 作成

図表 7:世界玩具市場 (2017 年、世界 10 兆円) 図表 8:世界の玩具、コンテンツ市場概要 (2017 年)

(兆円)
単位:10億円 100.0
(合計86.7)

80.0 (合計73.7) 10.0


玩具市場
米国, 9.4
3.00 コンテンツ市場
その他, 60.0
4.22

40.0 76.7
中国, 64.3
1.20 (合計13.0)
20.0
0.6
フラン 12.4
ス, イギリス, 日本, 0.0
0.44 0.55 0.59 国内 海外 世界

出所:会社資料を基に MUMSS 作成、(注)日本 0.59 兆円、海外 9.41 兆円 出所:「Roland Berger 調査 2017」資料を基に MUMSS 作成

本文後の Appendix A 以下に重要なお知らせを記載しておりますので、ご参照ください。

16
2020 年 7 月 10 日
テーマ

(2) 電子出版市場の高成長維持
① 弊社では、電子出版市場が高成長を持続する想定(23 年の電子出版市場は 18
年比 2.3 倍増)を考慮すれば、株式市場における電子出版相場はまだ若いとみる。

② 足許、巣ごもり消費拡大で電子出版市場が急拡大。今後の電子出版市場は、ア
フターコロナに向けて減速懸念があるが、顧客層の拡大余地が大きいことを踏ま
えれば、マンガアプリ中心に高成長を維持すると、弊社では考える。

③ マンガアプリ市場が急拡大している背景には、 ① 何時でも何処でも立ち読み
感覚で読める(手軽さ)、 ② テレビ CM などによる認知度の向上、③ 幅広い世代
においてモバイルで漫画を読む習慣の普及、④ 無料でも読める仕組みがある、⑤
オリジナルを含めて豊富な作品。
長期的に電子出版市場は 1 ④ 弊社では、電子出版市場の成長ポテンシャルは大きいとみる。弊社では、2023
兆円規模へ
年の電子出版市場は 5,800 億円(2018 年比 2.3 倍)と想定。主因は、①出版全体(1 兆
5,740 億円)における電子化進展(紙媒体から電子出版への置き換え)、②モバイルゲ
ームを中心とする他娯楽市場からの流入。なお、長期的に、電子出版市場は、モ
バイルゲームに匹敵する 1 兆円規模まで拡大するとみている。

図表 9:電子出版関連企業の時価総額動向 図表 10:余暇市場と電子出版市場
対名目国 対名目民間
(百万円) 単位(兆円、%) 2016年 2017年 2018年 前年比 構成比① 構成比②
内総生産 最終消費支出
180,000
ボルテージ パピレス スポーツ部門 4.028 4.076 4.127 1.3 5.7 0.8 1.4
160,000 イーブック メディアドゥ
ビーグリー インフォコム
趣味・創作部門 7.986 7.788 7.499 -3.7 10.4 100.0 1.4 2.5
Amazia Link-U
140,000 電子出版 0.191 0.222 0.248 11.7 0.3 3.3 0.0 0.1
ACCESS ブランジスタ
and factory アルファポリス
120,000 有料動画配信 0.126 0.151 0.180 19.2 0.3 2.4 0.0 0.1

娯楽部門 49.496 49.128 49.010 -0.2 68.2 100.0 8.9 16.1


100,000

モバイルゲーム 1.210 1.245 1.253 0.6 1.7 2.6 0.2 0.4


80,000
ゲームソフト 0.323 0.403 0.392 -2.7 0.5 0.8 0.1 0.1
60,000
観光・行楽部門 10.556 10.833 11.278 4.1 15.7 2.1 3.7

40,000
余暇市場 72.066 71.825 71.914 0.1 100.0 13.1 23.6

20,000 名目国内総生産 535.986 545.104 548.907 0.7 100.0 179.9

名目民間最終消費支出 298.644 302.492 305.120 0.9 55.6 100.0


0
2015/1 2015/7 2016/1 2016/7 2017/1 2017/7 2018/1 2018/7 2019/1 2019/7 2020/1

出所:Bloomberg データを基に MUMSS 作成、(注)月末ベース、20 年 6 月 30 出所:レジャー白書資料を基に MUMSS 作成


日終値

図表 11:書籍・雑誌市場と電子出版化動向 図表 12:電子出版市場動向

(億円) (%) 億円 2018 2019E 2020E 2021E 2022E 2023E

25,000 50 電子書籍ストア 1,710 2,100 2,400 2,600 2,800 2,900


書籍(左軸) マンガアプリ 770 1,200 1,600 2,100 2,500 2,900
雑誌(左軸)
電子出版(左軸) 38.2
電子出版(電子書籍ストア+マンガアプリ) 2,480 3,300 4,000 4,700 5,300 5,800
20,000 書籍・雑誌合計(左軸) 40
マンガアプリ広告 167 330 550 900 1,200 1,500
電子出版構成比(右軸) 34.6
電子出版+マンガアプリ広告 2,647 3,630 4,550 5,600 6,500 7,300
30.5
マンガアプリ+マンガアプリ広告 937 1,530 2,150 3,000 3,700 4,400
15,000 30
25.8 マンガアプリ÷電子出版×100 31.0 36.4 40.0 44.7 47.2 50.0

21.2 マンガアプリ広告÷マンガアプリ×100 21.7 27.5 34.4 42.9 48.0 51.7


10,000 15.8 20
13.6 伸び率 2018 2019E 2020E 2021E 2022E 2023E
11.2
8.8 電子書籍ストア 10.3 22.8 14.3 8.3 7.7 3.6
5,000 6.6 10
5.3 マンガアプリ 14.9 55.8 33.3 31.3 19.0 16.0
3.9
3.3 3.5 電子出版(電子書籍ストア+マンガアプリ) 11.7 33.1 21.2 17.5 12.8 9.4
2.8
マンガアプリ広告 67.0 97.6 66.7 63.6 33.3 25.0
0 0
電子出版+マンガアプリ広告 14.1 37.1 25.3 23.1 16.1 12.3
マンガアプリ+マンガアプリ広告 21.7 63.3 40.5 39.5 23.3 18.9

出所:レジャー白書資料を基に MUMSS 作成、E は MUMSS 予想 出所:レジャー白書、インプレス資料を基に MUMSS 作成、E は MUMSS 予


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17
2020 年 7 月 10 日
テーマ

3-1. トップピック銘柄:バンダイナムコホールディングス(7832)

投資判断理由

22/3 期以降の中期的な 2 ケ 22/3 期以降の高い営業利益成長力を踏まえれば、現状株価は割安と考え、レーティ


タ営業利益成長 ング Overweight とする。エクイティストーリーは、新型肺炎感染症拡大による影響
など事業環境の悪化から 21/3 期は営業減益予想だが、
「22/3 期以降の中期的な 2 ケタ
営業利益成長」とする。

同社の評価ポイントは下記の 3 点。

(1) 同社は、エンターテインメント業界において、① 新旧多数の世界的な人気 IP を


保有・活用、② 多様な領域(リアル・デジタル領域で商品・サービス提供)で事業展
開、③ 大人・オタク市場の世界的な拡大メリットを享受できるオンリーワン企業

(2) 同社は、24/3 期までに① 世界的なエンターテインメント企業、② 様々なエンタ


ーテインメントを楽しめる世界的なプラットフォーマー企業、③ 一生涯、顧客に娯
楽を提供できる世界的なライフパートナー企業に変わると想定する

(3) 同社は、全世代に向けた娯楽商品・サービスを更に充実し、かつ海外向けにも本
格な事業展開をすれば、一生涯、顧客に娯楽を提供できる世界的なライフパートナ
ー企業になれると弊社では考える

カタリストとリスク

玩具、ゲームソフト、SN 株価上昇カタリストは、玩具、ゲームソフト、SN ゲームなど製品・商品のヒット化


ゲームなど製品・商品のヒ など。
ッ化に注目
株価下落リスクは、新型肺炎感染症拡大による影響の長期化・深刻化、期待の高い
大型製品・商品の発売延期及び販売不振、収益悪化に伴うリストラ費用計上など。

バリュエーション

バリュエーション手法は 目標株価 9,800 円は、23/3 期弊社予想 EBITDA と世界的なエンターテインメント企


世界的なエンターテイン 業大手 4 社の 21 年度 Bloomberg 予想平均 EV/EBITDA 倍率 13.6 倍から算出。
メント企業大手 4 社の 21
年度 Bloomberg 予想平均 *世界的なエンターテインメント企業大手 4 社:Hasbro、Activision Blizzard、Electronic
EV/EBITDA 倍率 Arts、任天堂

詳細は 2020 年 6 月 3 日発行のカンパニーレポートをご参照ください。


図表 13:業績の推移
<連結> 売上高 営業利益 経常利益 当期利益 EPS 1株配当 PER PBR
決算期 百万円 前年比% 百万円 前年比% 百万円 前年比% 百万円 前年比% 円 円 倍 倍
19/3 732,347 8.0 84,045 12.0 86,863 15.2 63,383 17.1 288.4 145.0 - -
20/3 723,989 -1.1 78,775 -6.3 79,797 -8.1 57,665 -9.0 262.5 132.0 - -
21/3 新予 702,100 -3.0 68,400 -13.2 71,900 -9.9 51,000 -11.6 232.2 116.0 24.9 2.56
コンセンサス 710,209 -1.9 71,084 -9.8 73,747 -7.6 52,045 -9.7 236.8 - 24.4 -
会予 - - - - - - - - - 42.0 - -
22/3 新予 816,900 16.4 96,000 40.4 100,000 39.1 71,500 40.2 325.5 163.0 17.7 2.26
コンセンサス 764,467 7.6 93,782 31.9 96,695 31.1 68,402 31.4 311.2 - 18.6 -
23/3 新予 910,900 11.5 114,000 18.8 118,500 18.5 85,000 18.9 386.9 193.0 14.9 1.98
(出所) 会社資料より三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券作成、予想は三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券
(注 1)EPS、1 株配当、PER 及び PBR は今期発行済株式数より自己株式を除外した株数で遡及計算 (注 2)コンセンサスは IFIS コンセンサス

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18
2020 年 7 月 10 日
テーマ

3-2. トップピック銘柄:東映アニメーション(4816)

投資判断理由

22/3 期から新たな営業増 弊社では、① 世界的な日本アニメ人気の広がりなど良好な事業環境、② 中期利益


益局面へ 成長力、③ 日本最大のアニメコンテンツ保有力、④ 潜在リターンの大きさを考慮
し、レーティングは Overweight とする。エクイティストーリーは、
「同社は、競争力
源泉の強化を背景に、収益源の版権及び海外映像を牽引役として 22/3 期から新たな
営業増益局面に入る」とする。

同社の評価ポイントは下記の 5 点。

(1) 日本アニメ製作・制作業界最大手、市場シェア 20.9%(18 年)

(2) 同社は、競争力源泉の強化(アニメ企画製作力、コンテンツ保有力、ビジネス展
開力)で、22/3 期から新たな収益拡大局面を迎える

(3) 世界的な日本アニメ人気の広がりや動画配信企業によるコンテンツ獲得競争激
化を背景に、日本アニメ制作需要の持続的拡大を想定

(4) 同社収益源(版権事業と映像制作・販売事業の海外映像)の事業領域である世界ゲ
ームアプリ市場は安定成長、世界動画配信市場は 2 ケタ成長を予想

(5) 業績が堅調でキャッシュ創出力が向上、キャッシュポジションも高いことから、
株主還元の強化も期待できる

カタリストとリスク

株価上昇カタリストは世 株価上昇のカタリストは、世界的なヒット作品の登場、競争力源泉の強化となる
界的なヒット作品の登場 M&A、収益拡大が見込める新規事業の創設など。
など
株価下落リスクは、新型肺炎感染症拡大による影響の長期化・深刻化、ヒット作品
不足、新興企業の台頭による競争激化など。

バリュエーション

過去 5 期間高値平均 PER 目標株価 6,400 円は、中期的な収益動向を重視し 23/3 期弊社予想 EPS352.1 円と過去


5 期間(16/3 期~20/3 期)の高値平均 PER18.2 倍から算出。

詳細は 2020 年 5 月 26 日発行のカンパニーレポートをご参照ください。


図表 14:業績の推移
<連結> 売上高 営業利益 経常利益 当期利益 EPS 1株配当 PER PBR
決算期 百万円 前年比% 百万円 前年比% 百万円 前年比% 百万円 前年比% 円 円 倍 倍
19/3 55,701 21.1 15,741 39.6 16,265 40.7 11,375 45.0 277.9 70.0 - -
20/3 54,819 -1.6 16,094 2.2 16,455 1.2 11,437 0.5 279.6 70.0 - -
21/3 新予 55,900 2.0 15,200 -5.6 15,900 -3.4 11,000 -3.8 269.0 67.0 18.4 2.44
コンセンサス 54,337 -0.9 13,505 -16.1 13,909 -15.5 9,805 -14.3 239.6 - 20.7 -
会予 50,000 -8.8 10,000 -37.9 10,300 -37.4 7,000 -38.8 171.2 43.0 28.9 -
22/3 新予 60,200 7.7 17,100 12.5 18,000 13.2 12,800 16.4 313.0 78.0 15.8 2.19
コンセンサス 55,842 2.8 14,356 6.3 14,770 6.2 10,296 5.0 251.6 - 19.7 -
23/3 新予 64,900 7.8 19,200 12.3 20,300 12.8 14,400 12.5 352.1 88.0 14.1 1.96
(出所) 会社資料より三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券作成、予想は三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券
(注 1)EPS、1 株配当、PER 及び PBR は今期発行済株式数より自己株式を除外した株数で遡及計算 (注 2)コンセンサスは IFIS コンセンサス

図表 15:レジャー・アミューズメントセクターカバレッジリストとバリュエーション

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19
2020 年 7 月 10 日
テーマ

目標株価 株価 潜在リターン 直近レポート 時価総額 PER(倍) PBR(倍) ROE(%)


コード 銘柄名 投資判断
(円) (2020/7/9) (%) 発行日 (億円) 19年度 20年度 19年度 20年度 19年度 20年度

7832 バンダイナムコHD Overweight 9,800 5,775 69.7 2020/6/3 12,821 24.9 17.7 2.6 2.3 10.8 13.5

7974 任天堂 Neutral 39,000 49,650 -21.5 2020/5/15 65,374 20.2 24.8 3.5 3.3 18.2 13.7

9684 スクウェア・エニックスHD Neutral 5,200 5,810 -10.5 2020/5/22 7,119 32.2 34.3 2.9 2.8 9.4 8.3

9697 カプコン Neutral 3,000 4,155 -27.8 2020/5/15 5,628 25.8 22.4 4.1 3.7 16.5 17.5

9766 コナミHD Neutral 4,000 3,330 20.1 2020/5/22 4,779 17.9 14.3 1.5 1.4 8.9 10.3

6412 平和 Neutral 2,130 1,791 18.9 2020/5/21 1,788 15.5 16.1 0.7 0.7 4.9 4.6

4343 イオンファンタジー Overweight 2,100 1,412 48.7 2020/5/11 279 - 38.7 1.4 1.4 -25.3 3.7

4680 ラウンドワン Overweight 1,900 725 162.1 2020/5/20 692 - 9.5 1.3 1.2 -16.9 13.1

8136 サンリオ Neutral 1,800 1,654 8.8 2020/6/24 1,473 - 55.5 3.2 3.2 -0.2 5.8

9605 東映 Overweight 19,300 14,490 33.2 2020/5/26 2,140 20.8 16.0 1.0 0.9 4.9 6.0

4816 東映アニメーション Overweight 6,400 4,950 29.3 2020/5/26 2,079 18.4 15.8 2.4 2.2 14.0 14.6

出所: MUMSS 作成、予想は MUMSS。注記:目標株価の期間は今後 12 ヶ月ベース。イオンファンタジー21/2 期、22/2 期予想

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20
2020 年 7 月 10 日
テーマ

図表 16:目標株価 (今後 12 か月間) の算出根拠とリスク要因


目標株価
コード 企業名 目標株価算出根拠 リスク要因
(円)
23/3期MUMSS予想EBITDAにEV/EBITDA13.6倍を適用(世界的なエンターテインメント 1) 玩具のヒットの有無, 2) ゲームソフトのヒット有無, 3) ヒット製品(AM 機器, パチスロ機等)の有無, 4)
7832 バンダイナムコHD 9,800
企業大手4 社*の21年度Bloomberg予想平均) 収益悪化によるリストラ費用計上
1) 新型ゲーム機の失敗による損失発生, 2) 大型ゲームソフト発売延期及び不足, 3) 大型
7974 任天堂 39,000 22/3期MUMSS予想EPSにPER19.6倍を適用(4年間(07/3~10/3期)終値平均) M&Aの失敗による損失発生, 4) 事業戦略の変更による収益悪化, 5) 為替変動による影響(1
円の変動に対する年間営業利益の影響額:11億円/ドル、11億円/ユーロ)
1) パッケージゲーム、オンラインゲーム、モバイルゲームにおけるヒット作の有無, 2) M&Aの成
9684 スクウェア・エニックスHD 5,200 23/3期MUMSS予想EBITDAにEV/EBITDA9.5倍を適用(過去5年終値平均)

23/3期MUMSS予想一株当たり営業利益に営業利益PER12.5倍(過去10年終値平均、営 1) ゲームソフトのヒット有無, 2) SNゲームのヒット有無, 3) AM機器及びパチスロ機のヒット有
9697 カプコン 3,000
業利益PERは株価÷一株当たり営業利益) 無, 4) AM施設の既存店売上高動向
1) ゲーム・モバイルゲームのヒット作品の有無, 2) AM機器、遊技機、カジノ向けスロットマシンのヒット
9766 コナミHD 4,000 23/3期MUMSS予想EPSにPER16.3倍を適用(11/3期~13/3期終値平均)
製品の有無, 3) 健康サービス事業の減損処理の有無

1) ヒット遊技機の有無, 2) 遊技機の規制強化、規制緩和, 3) 景気動向によるゴルフ場入場者


6412 平和 2,130 23/3期MUMSS予想BPSにPBR0.9倍を適用(過去5年安値平均)
数の増減
1) 国内既存店月次売上高の低迷持続, 2) 海外収益悪化に伴う減損発生, 3) 政治・経済・為
4343 イオンファンタジー 2,100 23/2期MUMSS予想EPSにPER32.5倍を適用(過去5年終値平均)
替の状況変化によるカントリーリスク
1) 国内既存店月次売上高の低迷継続, 2) 海外出店ペースの後退、海外収益悪化, 3) 国内既存店収益
4680 ラウンドワン 1,900 23/3期MUMSS予想EPSにPER20.5倍を適用(3年間(06/3~08/3期)終値平均)
悪化による減損損失発生, 4) 収益悪化継続による減配

8136 サンリオ 1,800 21/3期MUMSS予想BPSにPBR3.59倍を適用(過去1年平均) 1) 海外ライセンスビジネスの動向, 2) 国内ライセンスビジネスの動向, 3) マネジメントの動向

1) ヒット映画作品有無による収益変動, 2) 海外向け動画配信・ゲームアプリ収益動向, 3) 大型投資映


9605 東映 19,300 23/3期MUMSS予想EBITDAにEV/EBITDA6.0倍を適用(過去5年終値平均)
画作品の興行成否による収益変動

1) ヒット映画作品有無による収益変動, 2) 海外向け動画配信・ゲームアプリ収益動向, 3) 大型投資映


4816 東映アニメーション 6,400 23/3期MUMSS予想EPSにPER18.2倍を適用(過去5年高値平均)
画作品の興行成否による収益変動

出所: MUMSS 作成。注記:目標株価の期間は今後 12 ヶ月ベース。*Hasbro, Activision Blizzard, Electronic Arts, 任天堂

本文後の Appendix A 以下に重要なお知らせを記載しておりますので、ご参照ください。

21
2020 年 7 月 8 日

Equity Research
テーマ

インターネットセクター 2020 年後半からのセクター戦略


2020 年新春からのセクター戦略を継続
引き続き、トップロングは Overweight のバリューコマース(2491)
「PayPay モールの拡大によって恩恵を受ける銘柄に注目」という「2020 荒木 正人
年新春からのセクター戦略」を継続。PayPay モールはソフトバンクグ シニアアナリスト
03-6627-5280
ループとして、中長期で「スマホ決済 PayPay を拡大させるための EC araki-masato@sc.mufg.jp
サイト」として弊社は注目している。加えて、COVID-19 拡大により、
2020 年 3 月からリアル店舗から EC へのシフトが加速したとみている。
EC の利便性への評価と共に、COVID-19 が短期的に終息するとは考え
難いため、2020 年 7 月から 2020 年年末においても、EC の YoY でみた
拡大は続くだろう。よって、PayPay モールと Yahoo!ショッピングを合
わせた Yahoo!OnlineMall も、その恩恵を受けると考えられる。
トップロングは引き続き、バリューコマースである。バリューコマース
は STORE's R∞(CRM ツール)とストアマッチ(クリック課金型広告)
を Yahoo!OnlineMall 向けに提供している。

引き続き、トップショートは Underweight のラクスル(4384)


トップショートも引き続き、ラクスルである。運送事業ハコベルについ
て、東証マザーズへの上場時には、「企業間物流オープンプラットフォ
ームの構築に係るヤマト HD との提携」が明記され、2019 年 1 月 25 日
に日経新聞が、
「(ハコベルコネクトを)ヤマト HD も活用を検討する。」
と報じたことで株価は大幅に上昇。しかし、ヤマト HD との提携は進捗
がなく、ハコベルコネクトは社内利用を優先させている。
「今後 5 年間
で上限 50 億円規模の投資」の予定(20/7 期 1Q 決算説明会資料)から、
「収益性の改善を優先し、売上規模は短期的には減少を想定」
(20/7 期
2Q 決算説明会資料)へ、短期的に軌道修正をしている。ただし、会社
側が目指す 21/7 期からの再増収のフェーズにおいて、中長期的にハコ
ベルの売上増を伴う売上総利益の拡大が実現するとは考え難い。

図表 1:COVID-19 によるオンライン決済の拡大期待で GMO PG の株価上昇


(2 Jul 2018=100)
220

200
GMO PG
180

160

Z Holdings
140

120 LINE

100
Kakaku.com

80

60 DeNA
CyberAgent
40
Jul Aug Sep Oct Nov Dec Jan Feb Mar Apr May Jun Jul Aug Sep Oct Nov Dec Jan Feb Mar Apr May Jun Jul
18 18 18 18 18 18 19 19 19 19 19 19 19 19 19 19 19 19 20 20 20 20 20 20 20
GMO PG (3769) CyberAgent (4751) LINE (3938)
DeNA (2432) Z Holdings (4689) Kakaku.com (2371)

出所:Bloomberg data から三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券


1.三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券株式会社(以下、 「MUMSS」)は、2019 年 11 月 18 日に公表された、Z ホールディングス株式会社(以下、 「Z ホールディングス」
)と LINE 株式会社(以下、
「LINE」)の経営統合(以下、
「本案件」
)に関して、Z ホールディングスのフィナンシャル・アドバイザーを務め
ています。本案件はソフトバンク株式会社及び Naver Corporation 又はその完全子会社による LINE の非公開化を目的とした共同公開買付の実施、及び共同公開買付の成立を前提としています。
本案件の成立には、当局の承認が取得されること、及び、その他通常の前提条件を充足することが条件とされております。
Z ホールディングスは MUMSS に対し、本案件に関するフィナンシャル・アドバイザリー・サービスの報酬を支払うことに同意しています。 2.モルガン・スタンレー・アンド・カンパニー・インターナショナル・ピー・エル・シー(以下、 「モルガン・スタンレー」)は、2019 年 5 月 13 日に公表された、Softbank
Vision Fund による Greensill への戦略的投資案件に関して、Greensill のファイナンシャル・アドバイザーを務めています。Greensill はモルガン・スタンレーに対し、本案件に関するアドバイザリー・サービスの報酬を支払うことに同意しています。

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22
2020 年 7 月 8 日
テーマ

1.2020年1月17日=100で、バリューコマースは20.8%上昇、ラクスルは21.7%下落

1-1 セクター戦略振り返り、2020年新春は「PayPayモール拡大の恩恵」に注目

トップロングはバリュー 2018 年後半からのセクター戦略では、 「先行投資負担の少ない銘柄に注目、テーマは


コマース、トップショート 動画広告と EC 広告」とし、D.A.コンソーシアムホールディングスとバリューコマー
はラクスルであった ス(2491)をトップピックに挙げた。

2019 年新春からのセクター戦略では、「中長期の利益目標の達成に邁進している
GMO ペイメントゲートウェイ(以下 GMO PG)
(3769)をトップピック」とした。

2019 年後半からのセクター戦略では、成長市場(決済、ネット広告のアフィリエイ
ト)での事業展開から、GMO PG とバリューコマースをトップピックに挙げた。

2020 年新春からのセクター戦略(2020 年 1 月 17 日付けレポート)では、


「PayPay モ
ールの拡大によって恩恵を受ける銘柄」として、バリューコマースをトップピック
とした。他方、トップショートはラクスルとした。運送事業ハコベルの売上総利益
率の引き上げは容易ではないと考えたからである。

1-2 バリューコマースの株価(終値)は20.8%上昇(2020年1月17日~6月26日)

他方、ラクスルの株価は バリューコマースとラクスルの 2020 年 1 月 17 日=100 とした 2020 年 6 月 26 日まで


2020 年 1 月 17 日から 6 月 の株価パフォーマンスは図表 2 と図表 3 の通りであった。
26 日まで 21.7%下落
バリューコマースは 12 月決算であり、COVID-19 のネガティブな影響が懸念された
3 月は株価が下落したが、20/1-3 期決算を受けて、株価は上昇に転じている。

7 月決算のラクスルは、COVID-19 のネガティブな影響への懸念と 2Q
(19/11-20/1 月)
決算によって、3 月は株価が下落。その後、6 月発表の 3Q(20/2-4 月)決算で、全社、
及び、運送事業ハコベル共に営業赤字であったが、その額が QoQ で縮小した点、決
算説明会資料で、
「緊急事態宣言が再発令されない前提で 5 月が業績のボトム」
「21/7
期は営業利益黒字を基本ポリシー」と明記した点等が評価され、株価は上昇した。

図表 2:バリューコマース(2491)の株価動向 図表 3:ラクスル(4384)の株価動向

(円) (17 Jan. 2020=100) (円) (17 Jan. 2020=100)


3,400 140 4,000 105

130 100
3,000 3,600
95
120
2,600 3,200 90
110
85
2,200 100 2,800
80
90
1,800 2,400 75
80
70
1,400 2,000
70 65

1,000 60 1,600 60
20/1 20/1 20/2 20/2 20/3 20/3 20/4 20/4 20/5 20/5 20/6 20/6 20/7 20/1 20/1 20/2 20/2 20/3 20/3 20/4 20/4 20/5 20/5 20/6 20/6 20/7

2491: バリューコマース (株価: 左軸) 対TOPIX相対株価 (右軸) 4384: ラクスル (株価: 左軸) 対TOPIX相対株価 (右軸)

出所:Bloomberg data から三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券 出所:Bloomberg data から三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券

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23
2020 年 7 月 8 日
テーマ

2.バリューコマースは「PayPayモールの拡大によって恩恵を受ける銘柄」として注目

2-1 Yahoo!OnlineMallの力強いモメンタムは続いているとみていいだろう

懸念材料のアフィリエイ バリューコマースは、
「PayPay モールの拡大によって恩恵を受ける銘柄」として注目。
トは、成果報酬と売上高 20/1-3 期の Yahoo!OnlineMall(=Yahoo!ショッピング+PayPay モール)取扱高は 2,336
を減額修正している 億円(YoY21.9%増)
、Yahoo!OnlineMall 広告売上高は 99.9 億円(YoY29.3%増)であ
ったと弊社は推定、いずれも弊社予想を上回った。COVID-19 の影響が懸念される中、
Yahoo!OnlineMall の力強いモメンタムは続いているとみていいだろう。

懸念材料はアフィリエイトだろう。2020 年 5 月 8 日付けレポートで、20/12 期は成果


報酬の予想を引き下げ、売上高も減額修正している。

2-2 目標株価3,800円=21/12期予想EPS 135.9円×妥当PER28.0倍

妥当 PER28.0 倍は 27.7 倍 図表 4 は、売上高と営業利益、及び、会社予想 EPS に対する日次の終値での PER を


(17/12 期)と 28.4 倍 通期で足し上げて単純平均した PER である。STORE's R∞の売上高が通期フル寄与
(18/12 期)の単純平均 の 17/12 期にバリュエーションは切り上がり、18/12 期も同様の高水準で推移した。

2019 年 7 月に株価が下落し、バリュエーションが低下した一因として、利益成長ド
ライバーである STORE's R∞の売上高が前四半期比で減少したこともあっただろう。

しかし、それはプログラム不具合の影響の調整前であり、実際は前四半期比で増加
していた。そうであれば、バリュエーションの切り下がりは起こらなかった可能性
もあるだろうと考えられる。

2020 年 5 月 8 日付けレポートで、目標株価は 3,800 円(=21/12 期予想 EPS 135.9 円


×妥当 PER28.0 倍)を継続している。妥当 PER28.0 倍は 17/12 期(PER27.7 倍)と
18/12 期(PER28.4 倍)の単純平均である。尚、19/12 期の PER23.1 倍を適用しない
のは、上述の通り、STORE's R∞の売上高モメンタムに対して正しくない評価がなさ
れたと考えるからである。

図表 4:バリューコマースの売上・営業利益と会社予想 PER 図表 5:バリューコマースの会社予想 PER(20 年 1~6 月)

(百万円) (倍) (倍)


32
30,000 60
49.3
25,000 50 28

20,000 33.2 40 24

26.4 27.7 28.4


15,000 23.1 30
21.3 20
17.7 17.8
10,000 20
11.7 10.2 16
予想PER
5,000 10
12
0 0
09/12 10/12 11/12 12/12 13/12 14/12 15/12 16/12 17/12 18/12 19/12 (月/日)
8
1/07
1/14
1/21
1/28
2/04
2/11
2/18
2/25
3/03
3/10
3/17
3/24
3/31
4/07
4/14
4/21
4/28
5/05
5/12
5/19
5/26
6/02
6/09
6/16
6/23
6/30

売上高(左目盛) 営業利益(左目盛) 予想PER(右目盛)

注:予想 PER は日次の終値に対する会社予想 EPS を年間で単純平均した 注:予想 PER は日次の終値に対する会社予想 EPS


出所:会社資料と Bloomberg から三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券 出所:会社資料と Bloomberg data から三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券

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24
2020 年 7 月 8 日
テーマ

3.ラクスルは、中長期的にハコベルの売上増を伴う売上総利益の拡大は難しいだろう

3-1 上場当時、ハコベルはヤマトHDとの連携による事業ポテンシャルを強調

2019 年 2 月 12 日から、ハ ラクスルの運送事業ハコベルについて、東証マザーズに上場した 2018 年 5 月 31 日


コベルカーゴとハコベル には、 「成長可能性に関する説明資料」で、「企業間物流オープンプラットフォーム
コネクトの新体制に移行 の構築に係るヤマト HD との提携」と明記している。

18/7 期通期決算説明会では、
「当初はラストマイルサービスとしてスタートし、現在
は都市内輸送に領域を広げサービスを展開」となり、19/7 期 1Q 決算説明会資料では、
「営業体制の構築により注文件数、注文単価共に上昇」が加わった。

ハコベルは 2019 年 2 月 12 日から新体制に移行し、それまでのハコベル、即ち、軽


貨物やラストワンマイル向けはハコベルカーゴになり、一般貨物/都市内・都市間
向けは新たに、ハコベルコネクトになった。ハコベルコネクトは、運行管理システ
ムとマッチングを提供する。運行管理システムは、元々はヤマト HD 向けだった。

3-2 20/7期2Q決算説明会資料では「収益性の改善を優先、売上は短期的に減少」

「今後 5 年間で上限 50 億 19/7 期通期決算説明会資料では、ハコベルの事業トピックスとして、 「一般貨物営業


円規模の投資を予定」から チーム強化」や「ハコベルコネクトは社内利用を優先、ハコベルの生産性向上に寄
短期的に軌道修正 与」等を挙げている。20/7 期 1Q 決算説明会資料では、「物流業界のデジタル化にお
いてリーディングプラットフォームとなるべく、今後 5 年間で上限 50 億円規模の投
資を予定」としている。

20/7 期 2Q 決算説明会資料では、「収益性の改善を優先し、売上規模は短期的には減
少を想定」とし、短期的に軌道修正をしている。ただし、会社側が目指す 21/7 期か
らの再増収のフェーズにおいて、中長期的にハコベルの売上増を伴う売上総利益の
拡大が実現するとは考え難い。

図表 6:ラクスル(4384):売上高、売上総利益、売上総利益率(百万円)

←実績 予想→ 通期→


19/8-10 19/11-20/1 20/2-4 20/5-7 20/8-10 20/11-21/1 21/2-4 19/7 20/7予 21/7予

売上高 5,354 5,793 5,452 5,557 6,249 6,773 7,340 17,169 22,156 27,593
印刷事業ラクスル 4,761 5,125 4,891 5,006 5,678 6,187 6,733 15,530 19,784 25,201

運送事業ハコベル 565 640 533 522 540 555 576 1,542 2,259 2,267
その他 28 28 28 29 30 31 32 96 113 125
売上総利益 1,170 1,245 1,216 1,243 1,404 1,526 1,657 3,944 4,875 6,215
印刷事業ラクスル 1,125 1,197 1,155 1,182 1,341 1,461 1,590 3,808 4,659 5,952

運送事業ハコベル 35 36 48 48 49 51 53 104 167 207

その他 10 12 13 13 14 14 14 32 48 57

売上総利益率 21.9% 21.5% 22.3% 22.4% 22.5% 22.5% 22.6% 23.0% 22.0% 22.5%
印刷事業ラクスル 23.6% 23.4% 23.6% 23.6% 23.6% 23.6% 23.6% 24.5% 23.6% 23.6%
運送事業ハコベル 6.2% 5.6% 9.0% 9.2% 9.1% 9.2% 9.1% 6.7% 7.4% 9.1%
その他 37.0% 43.0% 46.6% 44.8% 45.7% 45.2% 45.4% 33.6% 42.8% 45.4%

出所:会社資料から三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券、予想も三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券

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25
2020 年 7 月 8 日
テーマ

4.アスクルはCOVID-19によって、LOHACOはポジティブ、B2B事業がネガティブ

4-1 アスクルも「PayPayモール拡大で恩恵を受ける銘柄」

LOHACO PayPay モール 2020 年 1 月 17 日付けレポートには間に合わなかったが、セクター戦略「PayPay モ


店での販促強化による営 ールの拡大によって恩恵を受ける銘柄」として、アスクルのレーティングを 2020 年
業損失改善がカタリスト 3 月 23 日付けレポートで、Neutral から Overweight へ引き上げた。アスクルは 20/5
期上期の決算説明会(2019 年 12 月 17 日)で、23/5 期までの LOHACO 黒字化実現
を発表していた。3 月 23 日付けレポートでは、LOHACO の PayPay モールでの販促
強化による営業損失改善がカタリストとした。

LOHACO は 2019 年 10 月に PayPay モールに出店、LOHACO PayPay モール店での売


上を拡大しているが、LOHACO PayPay モール店では、広告宣伝費・販促費とエンジ
ニアの人件費が PayPay モール(=ヤフー)の負担になるため、LOHACO にとって、
LOHACO PayPay モール店での売上拡大は LOHACO の営業損失改善に貢献する。

20/5 期決算発表では、
23/5 期までの LOHACO 黒字化実現のための施策に注目したい。

4-2 B2B事業(単体)がCOVID-19によるリモートワークの浸透で売上高が減少

6 月度(5 月 21 日~6 月 20 COVID-19 により、EC は拡大している模様であるが、LOHACO では、PayPay モー


日)の売上高は 252.4 億円 ル店以上に LOHACO の本店が好調に推移している。2012 年から始まった LOHACO
(YoY5.8%減) は、商品調達力や価格競争力で、競合他社にも対抗可能と弊社はみている。興味深
いのは、LOHACO の PayPay モール店と LOHACO 本店では品揃えが異なる点である。

今後、LOHACO の PayPay モール店を含めて、PayPay モールが伸びていくためには、


ポイント施策に加えて、本店と同レベルの品揃えも重要になると弊社は考えている。

COVID-19 によるアスクルへのネガティブな影響は B2B 事業(単体)である。リモ


ートワークの浸透で、オフィス需要は減少するだろう。B2B 事業(単体)売上高は、
2020 年 4 月度(2020 年 3 月 21 日~2020 年 4 月 20 日)が 280.6 億円(YoY1.1%減)

5 月度(2020 年 4 月 21 日~2020 年 5 月 20 日)が 195.1 億円(同 6.0%減)
、6 月度(2020
年 5 月 21 日~2020 年 6 月 20 日)が 252.4 億円(同 5.8%減)であった(図表 7)

弊社は 2020 年 6 月 10 日付けレポートで、COVID-19 による B2B 事業の業績予想を


減額修正、株価上昇と合わせて、レーティングを Neutral に引き下げている。
図表 7:アスクル(2678):月次売上高(百万円、%)

19/7 19/8 19/9 19/10 19/11 19/12 20/1 20/2 20/3 20/4 20/5 20/6

単体売上高 27,881 26,544 32,189 27,930 29,238 30,696 23,301 32,525 30,946 32,449 24,310 29,785

前年同月比 0.2% 5.2% 10.9% 1.2% -1.7% 0.7% 3.2% 5.1% 3.4% -1.6% -1.1% -4.2%

B2B事業(単体) 23,991 22,429 27,968 24,041 25,597 26,997 19,902 28,289 26,871 28,061 19,510 25,242

前年同月比 0.8% 6.2% 12.5% 3.3% 2.0% 5.0% 5.9% 7.4% 3.9% -1.1% -6.0% -5.8%

LOHACO 3,890 4,114 4,220 3,889 3,640 3,700 3,390 4,229 4,068 4,380 4,799 4,540

前年同月比 -3.4% -0.3% 1.5% -10.1% -21.7% -22.3% -10.6% -8.5% -0.2% -4.4% 25.1% 5.6%

注:B2B 事業(単体)は稼働日修正前
出所:会社資料から三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券

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26
2020 年 7 月 8 日
テーマ

5.20/4-6期の業績で、特に注目するのが、GMOペイメントゲートウェイとカカクコム

5-1 GMO PGの株価(終値)は2020年1月17日から6月26日までの間で54.7%上昇

バリュエーション上昇に 2020 年 1 月 17 日の株価=100 とした時に、高い株価パフォーマンスを示したのが、


COVID-19 による巣ごもり GMO ペイメントゲートウェイ(以下 GMO PG)だった(図表 8)

需要では力不足だろう
GMO PG の 20/9 期の会社予想は売上収益が YoY14.0%増、
営業利益が同 25.0%増(内、
上期が売上収益は同 6.9%増、営業利益が同 2.5%増)であり、相浦社長の 19/9 期決
算説明会での「トップラインは 21/9 期は間違いなく、25%に近い数字に戻るだろう。」
との発言も併せて、2020 年後半からの推奨銘柄として注目されると弊社はみていた。
そして、20/9 期上期実績は売上収益が YoY14.8%増、営業利益は同 10.5%増であった。

弊社は 5 月 20 日付けレポートで、バリュエーション上昇に COVID-19 に伴う巣篭り


需要では力不足とみて、レーティングを Neutral に引き下げた。20/4-6 期以降の業績
が、
(株価上昇という点で)株式市場からの期待に沿ったものになるのか注目したい。

5-2 食べログを運営するカカクコムの株価は4月以降戻ってきている

6 月からの固定部分の課金 COVID-19 によるネガティブな影響が大きい業種の一つとして挙げられるのが外食


再開によって、解約数が増 業界であろう。食べログを運営しているカカクコムの株価は 2 月と 3 月は大幅に下
える可能性もあるだろう 落したが、4 月以降は戻ってきている(図表 9) 。会社への信頼や「Go To EAT キャン
ペーン」への期待があるのだろう。

弊社は食べログで、特にオンライン予約の売上収益の戻りには時間がかかるとみて
いる。外食を控えることに加えて、COVID-19 の感染防止策として、客の密集を防ぐ
狙いから、予約席数の減少ということも考えられるからである。

4 月と 5 月は無償にした店舗課金についても、6 月からは固定部分(月額で平均約 2.6


万円)の課金を再開している。これにより、売上は増えるだろうが、他方で、解約
増が増加する可能性もあるだろう。20/4-6 期決算での有料店舗会員数に注目したい。

図表 8:GMO ペイメントゲートウェイ(3769)の株価動向 図表 9:カカクコム(2371)の株価動向

(円) (17 Jan. 2020=100) (円) (17 Jan. 2020=100)


13,000 200 3,400 110

3,200
12,000 180 105
3,000
11,000 100
160 2,800
10,000 2,600 95
140
9,000 2,400 90
120 2,200
8,000 85
2,000
7,000 100 80
1,800

6,000 80 1,600 75
20/1 20/1 20/2 20/2 20/3 20/3 20/4 20/4 20/5 20/5 20/6 20/6 20/7 20/1 20/1 20/2 20/2 20/3 20/3 20/4 20/4 20/5 20/5 20/6 20/6 20/7
3769: GMOペイメントゲートウェイ (株価: 左軸)
対TOPIX相対株価 (右軸) 2371: カカクコム (株価: 左軸) 対TOPIX相対株価 (右軸)

出所:Bloomberg data から三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券 出所:Bloomberg data から三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券

本文後の Appendix A 以下に重要なお知らせを記載しておりますので、ご参照ください。

27
2020 年 7 月 8 日
テーマ

図表 10:カバレッジ銘柄のバリュエーション 等

目標株価 株価 潜在リターン 直近レポート 時価総額 PER(倍) PBR(倍) ROE(%)


コード 銘柄名 投資判断
(円) (2020/7/2) (%) 発行日 (億円) 20年度 21年度 20年度 21年度 20年度 21年度

2371 カカクコム Neutral 1,900 2,639 -28.0 2020/5/20 5,455 39.4 31.8 11.13 9.55 30.2 32.6

2432 ディー・エヌ・エー Neutral 1,000 1,317 -24.1 2020/5/28 1,715 21.9 8.8 0.88 0.81 4.0 9.6

2491 バリューコマース Overweight 3,800 2,800 35.7 2020/5/8 965 23.5 20.6 6.31 5.15 30.2 27.6

2678 アスクル Neutral 3,500 3,390 3.2 2020/6/10 1,873 31.5 39.6 3.29 3.14 10.9 8.2

3769 GMOペイメントゲートウェイ Neutral 8,000 11,290 -29.1 2020/5/20 8,389 121.7 98.0 26.89 23.11 23.7 25.4

3938 LINE RS - 5,470 - 2019/11/8 13,209 -31.3 171.2 7.12 6.84 -23.5 4.8

3978 マクロミル Neutral 800 705 13.5 2020/5/20 284 9.9 8.2 0.86 0.78 9.3 10.1

4293 セプテーニ・ホールディングス Neutral 210 200 5.0 2020/5/8 278 18.2 14.3 1.60 1.46 9.2 10.8

4384 ラクスル Underweight 1,300 2,799 -53.6 2020/6/15 786 -122.7 257.4 12.08 11.53 -9.0 4.5

4478 フリー Neutral 3,290 4,720 -30.3 2020/1/23 2,281 -118.4 - 15.33 15.29 -20.3 -

4689 Zホールディングス RS - 515 - 2020/5/12 24,836 27.5 22.6 3.03 2.80 11.2 12.8

4751 サイバーエージェント Neutral 4,100 5,340 -23.2 2020/4/28 6,751 103.8 107.4 5.79 5.69 8.5 7.9

6047 Gunosy Neutral 1,000 845 18.3 2020/4/17 202 35.3 23.9 1.71 1.59 5.0 7.0

6058 ベクトル Neutral 800 805 -0.6 2020/4/30 386 24.3 19.4 2.73 2.46 15.0 16.4

注 1: 目標株価の期間は今後 12 ヶ月ベース。
注 2: バリューコマースの 20 年度、21 年度予想は 20/12 期、21/12 期予想。
注 3: Gunosy、アスクルの 20 年度、21 年度予想は 20/5 期、21/5 期予想。
注 4: ベクトルの 20 年度、21 年度予想は 21/2 期、22/2 期予想。
注 5: マクロミルの 20 年度、21 年度予想は 20/6 期、21/6 期予想。
注 6: セプテーニ HD、GMO ペイメントゲートウェイ、サイバーエージェントの 20 年度、21 年度予想は 20/9 期、21/9 期予想。
注 7: ラクスルの 20 年度、21 年度予想は 20/7 期、21/7 期予想。
注 8: フリーの 20 年度、21 年度予想は 20/6 期、21/6 期予想。
出所:Bloomberg data から三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券、予想も三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券

本文後の Appendix A 以下に重要なお知らせを記載しておりますので、ご参照ください。

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2020 年 7 月 8 日
テーマ

図表 11:カバレッジ銘柄の目標株価算出根拠とリスク要因

目標株価
コード 企業名 目標株価算出根拠 業績変動要因
(円)
1.ショッピングの売上動向
22/3期予想NOPAT 171.0億円に妥当EV/NOPAT 22.0倍を乗じて、20/3期末のネット・ノン・オペレーティングアセット236.9億円を加えた妥当
2371 カカクコム 1,900 2.食べログのオンライン予約(従量課金)の売上貢献
時価総額を発行済株式数で除して算出
3.旅行・不動産を含めた新興メディアの売上動向
1.国内外における新タイトルの売上動向
21/3期予想NOPAT 28.8億円に妥当EV/NOPAT 15.3倍を乗じて、20/3期末のネット・ノン・オペレーティングアセット832.6億円を加えた妥当
2432 ディー・エヌ・エー 1,000 2.任天堂IPを活用したタイトルの売上動向
時価総額を発行済株式数で除して算出
3.海外事業の利益動向

2491 バリューコマース 3,800 21/12期予想EPS 135.9円×PER 28.0倍から算出 1.Yahoo!ショッピングとPayPayモールのトラフィック

22/5期予想NOPAT 64.5億円に、22/5期妥当EV/NOPAT 23.8倍を乗じて、19/5期末のネット・ノン・オペレーティングアセット259.8億円を加え 1.LOHACOの進捗


2678 アスクル 3,500
た妥当時価総額を発行済株式数で除した妥当株価から算出 2.B2B向け事業の月次動向

23/9期予想NOPAT 113.28億円に妥当EV/NOPAT 56.9倍を乗じ、20/9期末の予想ネット・ノン・オペレーティングアセット-327.7億円を加え 1.新規サービスの収益化のタイミング


3769 GMOペイメントゲートウェイ 8,000
た妥当時価総額を発行済株式数で除して算出 2.売上総利益率の想定以上の低下

3938 LINE -

1. グローバルでのマクロ環境悪化による売上成長の鈍化
3978 マクロミル 800 21/6期予想EPS 85.9円に、PER9.5倍を乗じて算出 2. M&A
3. 為替レート
1.マクロ環境悪化によるデジタルマーケティング事業の売上成長の鈍化
目標株価210円は、20/9期予想NOPAT 14.2億円に妥当EV/NOPATで10.2倍を乗じ、19/9期末のネット・ノン・オペレーティングアセット127.6
4293 セプテーニ・ホールディングス 210 2.デジタルマーケティング事業における優秀な運用担当者の社外流出
億円を加えた妥当時価総額を発行済株式数で除した妥当株価から算出
3.メディアプラットフォーム事業で、マンガアプリGANMA!における黒字化の目途

22/7期予想NOPAT 7.6億円に妥当EV/NOPAT 39.0倍を乗じて、19/7期末のネット・ノン・オペレーティングアセット57.2億円を加えた妥当時 1. 原価低減策の効果


4384 ラクスル 1,300
価総額を発行済株式数で除して算出 2. 広告宣伝費の増減

1. ARPUと有料課金ユーザー数の想定
4478 フリー 3,290 21/6期予想売上高109億円に来期のPSR(Price Sales Ratio)14.5倍を乗じ、発行済株式数で除して算出
2. 広告宣伝費

4689 Zホールディングス -

サム・オブ・パーツから算出。ゲーム事業はミクシィの15/3期会社予想PER 12.5倍、インターネット広告事業は上場時のD.A.コンソーシアムホー 1.AmebaTVなど新規事業の利益貢献


4751 サイバーエージェント 4,100
ルディングスの19/3期Bloomberg予想PER 24.0倍、投資育成事業はジャフコの21/3期Bloomberg予想PER 9.9倍 2.ゲーム事業の利益動向

21/5期予想NOPAT 8.2億円に妥当EV/NOPAT 14.5倍を乗じ、19/5期末ネット・ノン・オペレーティングアセット117.9億円を加えた妥当時価総 1.アクティブ率低下によるグノシー、ニュースパス、LUCRAの媒体価値の低下


6047 Gunosy 1,000
額を発行済株式数で除して算出
1.新型コロナウイルスによる売上高成長率の鈍化
6058 ベクトル 800 21/2期予想EPS 33.1円にPER 24.2倍を乗じて算出 2.PR事業、プレスリリース配信事業における営業利益率の変動
3.ダイレクトマーケティング事業、HR事業における広告宣伝費

注: RS (Rating Suspended) 銘柄の目標株価は"-"表示、なお目標株価の期間は今後 12 ヶ月ベース、出所:三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券

本文後の Appendix A 以下に重要なお知らせを記載しておりますので、ご参照ください。

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2020 年 7 月 15 日
テーマ

Appendix A
アナリストによる証明
本レポート表紙に記載されたアナリストは、本レポートで述べられている内容(複数のアナリストが関与している場合は、それぞれの
アナリストが本レポートにおいて分析している銘柄にかかる内容)が、分析対象銘柄の発行企業及びその証券に関するアナリスト個人
の見解を正確に反映したものであることをここに証明いたします。また、当該アナリストは、過去・現在・将来にわたり、本レポート
内で特定の判断もしくは見解を表明する見返りとして、直接又は間接的に報酬を一切受領しておらず、受領する予定もないことをここ
に証明いたします。

重要な開示事項
三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券株式会社(以下「MUMSS」)及びその関連会社等は、次の会社の発行済み普通株式等総数の
1%以上を保有しています:ミクシィ、カカクコム、ディー・エヌ・エー、バリューコマース、アスクル、神戸物産、マツモトキヨ
シホールディングス、ツルハホールディングス、GMOペイメントゲートウェイ、LINE、マクロミル、セプテーニ・ホールデ
ィングス、イオンファンタジー、ラクスル、フリー、ラウンドワン、Zホールディングス、サイバーエージェント、Gunosy、
ベクトル、平和、ライトオン、良品計画、西松屋チェーン、バンダイナムコホールディングス、任天堂、サンリオ、島忠、チヨダ、
コメリ、青山商事、しまむら、ジャフコ、ヤマトホールディングス、東映、スクウェア・エニックス・ホールディングス、カプコ
ン、コナミホールディングス、ヤマダ電機、アークランドサカモト、ニトリホールディングス、ファーストリテイリング、ソフト
バンクグループ
MUMSS 及びその関連会社等は、次の会社の発行済み普通株式等総数の 0.5%超を保有しています:ミクシィ、カカクコム、ディー・
エヌ・エー、バリューコマース、アスクル、神戸物産、マツモトキヨシホールディングス、ツルハホールディングス、GMOペイ
メントゲートウェイ、LINE、マクロミル、セプテーニ・ホールディングス、イオンファンタジー、ラクスル、フリー、ラウン
ドワン、Zホールディングス、サイバーエージェント、Gunosy、ベクトル、平和、ライトオン、良品計画、西松屋チェーン、
バンダイナムコホールディングス、任天堂、サンリオ、島忠、チヨダ、コメリ、青山商事、しまむら、ジャフコ、ヤマトホールデ
ィングス、東映、スクウェア・エニックス・ホールディングス、カプコン、コナミホールディングス、ヤマダ電機、アークランド
サカモト、ニトリホールディングス、ファーストリテイリング、ソフトバンクグループ
上記保有開示について、上場から 1 ヵ月以内の会社については有価証券募集要綱(Offering Memorandum)の記載によります。また、
保有割合は米国の適用法令に基づく計算方式により計算します。
MUMSS 及びその関連会社等は過去 12 ヵ月間に、次の会社の有価証券の募集又は売出し等に際し、主幹事又は共同幹事を務めたこ
とがあります:フリー、Zホールディングス、ソフトバンクグループ
MUMSS 及びその関連会社等は過去 12 ヵ月間に、次の会社に提供した投資銀行業務の対価として、当該企業から報酬を受領してお
り及び/又は対価を得て投資銀行業務を提供するような契約を締結しています:ミクシィ、マクロミル、フリー、Zホールディン
グス、サンリオ、ソフトバンクグループ
MUMSS 及びその関連会社等は今後 3 ヵ月以内に、次の会社に提供した投資銀行業務の対価として、当該企業から報酬を受領する
ことを見込んでいるか、もしくは得ようとすることを予定しています:ミクシィ、カカクコム、ディー・エヌ・エー、バリューコ
マース、アスクル、神戸物産、マツモトキヨシホールディングス、ツルハホールディングス、GMOペイメントゲートウェイ、L
INE、マクロミル、セプテーニ・ホールディングス、イオンファンタジー、ラクスル、フリー、ラウンドワン、Zホールディン
グス、サイバーエージェント、東映アニメーション、平和、ライトオン、良品計画、西松屋チェーン、バンダイナムコホールディ
ングス、任天堂、サンリオ、島忠、チヨダ、コメリ、青山商事、しまむら、ジャフコ、ヤマトホールディングス、東映、スクウェ
ア・エニックス・ホールディングス、カプコン、コナミホールディングス、ヤマダ電機、アークランドサカモト、ニトリホールデ
ィングス、ファーストリテイリング、ソフトバンクグループ

三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券レーティングシステム:
個別銘柄に対するレーティングの定義
Overweight (OW) 当社が定めるサブセクター内において、当該銘柄の投資成果が上位であるとアナリストが予想する場合
Neutral (N) 当社が定めるサブセクター内において、当該銘柄の投資成果が中位であるとアナリストが予想する場合
Underweight (UW) 当社が定めるサブセクター内において、当該銘柄の投資成果が下位であるとアナリストが予想する場合
NR レーティング及び目標株価を付与しない
RS 一時的にレーティング及び目標株価を付与しない

中小型に分類された銘柄に対するレーティングの定義
Buy 絶対株価が上昇するとアナリストが予想する場合
Hold 絶対株価の変化が小さいとアナリストが予想する場合
Sell 絶対株価が下落するとアナリストが予想する場合
NR レーティング及び目標株価を付与しない
RS 一時的にレーティング及び目標株価を付与しない

本レポートに目標株価が記載されている場合、特に断りがない限り、その達成の予測期間は今後 12 ヵ月間です。

巻末に重要なお知らせを記載していますので、ご参照ください。

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2020 年 7 月 15 日
テーマ

三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券のレーティング分布(2020 年 7 月 14 日付)


レーティング項目 全対象銘柄 投資銀行部門顧客*
Buy (Overweight, Buy) 35.4% 25.3%
Hold (Neutral, Hold) 58.0% 36.2%
Sell (Underweight, Sell) 3.7% 35.3%
その他 2.8% 30.8%

当該レーティング項目において、 「Buy」は「Overweight」(個別銘柄)と「Buy」(中小型株)の合計、 「Hold」は「Neutral」(個別銘柄)


と「Hold」(中小型株)の合計、
「Sell」は「Underweight」(個別銘柄)と「Sell」(中小型株)の合計に該当します。

*投資銀行部門顧客は過去 12 ヵ月間のデータに基づいて抽出され、レーティング項目ごとの投資銀行部門顧客比率を計算して表示しています。

その他開示事項
MUMSS は、MUMSS のリサーチ部門・他部門間の活動及び/又は情報の伝達、並びにリサーチレポート作成に関与する社員の通
信・個人証券口座を監視するための適切な基本方針と手順等、組織上・管理上の制度を整備しています。

MUMSS の方針では、アナリスト、アナリスト監督下の社員、及びそれらの家族は、当該アナリストの担当カバレッジに属するい
ずれの企業の証券を保有することも、当該企業の、取締役、執行役又は顧問等の任務を担うことも禁じられています。また、リサ
ーチレポート作成に関与し未公表レポートの公表日時・内容を知っている者は、当該リサーチレポートの受領対象者が当該リサー
チレポートの内容に基づいて行動を起こす合理的な機会を得るまで、当該リサーチに関連する金融商品(又は全金融商品)を個人
的に取引することを禁じられています。
アナリストの報酬の一部は、投資銀行業務収入を含む MUMSS の収益に基づき支払われます。

MUMSS 及びその関連会社等は、本レポートに記載された会社が発行したその他の経済的持分又はその他の商品を保有することがあり
ます。MUMSS 及びその関連会社等は、それらの経済的持分又は商品についての売り又は買いのポジションを有することがあります。

MUMSS の役員(以下、会社法(平成 17 年法律第 86 号)に規定する取締役、執行役、又は監査役又はこれらに準ずる者をいう)は、


次の会社の役員を兼任しています:三菱UFJフィナンシャル・グループ、三菱倉庫

本レポートの開示情報は以下のリンクにある WEB ディスクロージャーよりご参照ください。


https://www.er.sc.mufg.jp/disclosure/disclosure.php
また、その他開示事項など本資料に関するお問い合わせは、三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券の最寄の店舗までご連絡ください。

欧州市場濫用規制に関する開示については、以下のリンクを参照してください。
https://research.musi.com/DisclosuresSummary.aspx

免責事項
本資料は、MUMSS が、本資料を受領される MUMSS 及びその関係会社等のお客様への情報提供のみを目的として作成したものであ
り、特定の有価証券又は金融商品の売買の推奨、あるいは特定の証券取引その他の金融商品取引の勧誘又は申込みを目的としたもので
はありません。
本資料内で MUMSS が言及した全ての記述は、公的に入手可能な情報のみに基づいたものです。本資料の作成者は、インサイダー情
報を使用することはもとより、当該情報を入手することも禁じられています。MUMSS は株式会社三菱 UFJ フィナンシャル・グルー
プ(以下「MUFG」)の子会社等であり、MUMSS の方針に基づき、MUFG については投資判断の対象としておりません。
本資料に含まれる情報は、正確かつ信頼できると考えられていますが、その正確性、信頼性が客観的に検証されているものではありま
せん。本資料はお客様が必要とする全ての情報を網羅することを意図したものではありません。また、MUMSS 及びその関係会社等は
本資料に掲載された情報の正確性・信頼性・完全性・妥当性・適合性について、いかなる表明・保証をするものでもなく、一切の責任
又は義務を負わないものとします。本資料に含まれる情報は、金融市場や経済環境の変化等のために、最新のものではなくなっている
可能性があります。本資料内で示す見解は予告なしに変更されることがあり、また、MUMSS は本資料内に含まれる情報及び見解を更
新する義務を負うものではありません。ここに示したすべての内容は、MUMSS の現時点での判断を示しているに過ぎません。本資料
でインターネットのアドレス等を記載している場合がありますが、そのアドレス等が MUMSS 自身のものである場合を除き、ウェブ
サイト等の内容について MUMSS は一切責任を負いません。MUMSS は、本資料の論旨と一致しない他の資料を発行している、ある
いは今後発行する場合があります。また、MUMSS は関係会社等と完全に独立して資料を作成しています。そのため、本資料中の意見、
見解、見通し、評価及び目標株価は、異なる情報源及び方法に基づき関連会社等が別途作成する資料に示されるものと乖離する場合が
あります。
本資料で直接あるいは間接に採り上げられている有価証券又は金融商品は、価格の変動や、発行者の経営・財務状況の変化およびそれ
らに関する外部評価の変化、金利・為替の変動などにより投資元本を割り込むリスクがあります。
本資料は、お客様に対し税金・法律・投資上のアドバイスとして提供する目的で作成されたものではありません。本資料は、特定のお
客様のための投資判断に向けられたものではなく、本資料を受領される個々のお客様の財務状況、ニーズもしくは投資目的を考慮して
作成されているものではありません。本資料で言及されている有価証券や金融商品に関連する投資及びサービスは、全てのお客様にと
って適切とは限りません。お客様は、独自に特定の投資及び戦略を評価し、本資料に記載されている有価証券又は金融商品に関して投
資・取引を行う際には、専門家及びファイナンシャル・アドバイザーに法律・ビジネス・金融・税金その他についてご相談ください。

巻末に重要なお知らせを記載していますので、ご参照ください。

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2020 年 7 月 15 日
テーマ

MUMSS 及びその関係会社等は、お客様が本資料を利用したこと又は本資料に依拠したことによる結果のいかなるもの(直接・間接の
損失、逸失利益及び損害を含みますが、これらに限られません)についても一切責任を負わないとともに、本資料を直接・間接的に受
領するいかなる者に対しても法的責任を負うものではありません。最終投資判断はお客様自身においてなされなければならず、投資に
対する一切の責任はお客様にあります。
過去のパフォーマンスは将来のパフォーマンスを示唆、又は保証するものではありません。特に記載のない限り、将来のパフォーマン
スの予想はアナリストが適切と判断した材料に基づくアナリストの予想であり、実際のパフォーマンスとは異なることがあります。従
って、将来のパフォーマンスについては明示又は黙示を問わずこれを保証するものではありません。
MUMSS その他 MUFG 関係会社等、又はこれらの役員、提携者、関係者及び社員は、本資料に言及された有価証券、同有価証券の派
生商品及び本資料に記載された企業によって発行されたその他の有価証券を、自己の勘定もしくは他人の勘定で取引もしくは保有した
り、本資料で示された投資判断に反する取引を行ったり、マーケットメーカーとなったり、又は当該証券の発行体やその関係会社等に
幅広い金融サービスを提供しもしくは同サービスの提供を図ることがあります。本資料の利用に際しては、上記の一つ又は全ての要因
あるいはその他の要因により現実的もしくは潜在的な利益相反が起こりうることにご留意ください。なお、MUMSS は、会社法第 135
条の規定により自己の勘定で MUFG 株式の取得を行うことを禁止されています。
本資料で言及されている有価証券、金融商品等は、いかなる地域においても、またいかなる投資家層に対しても販売可能とは限りませ
ん。本資料の配布及び使用は、資料の配布・発行・入手可能性・使用が法令又は規則に反する、地方・州・国やその他地域の市民・国
民、居住者又はこれらの地域に所在する個人もしくは法人を対象とするものではありません。
英国及び欧州経済地域: 本資料が英国において配布される場合、本資料は MUFG のグループ会社である MUFG Securities EMEA plc.
(以下「MUS(EMEA)」。電話番号:+44-207-628-5555)により配布されます。MUS(EMEA)は、英国で登録されており、Prudential Regulation
Authority(プルーデンス規制機構、「PRA」)の認可及び Financial Conduct Authority(金融行動監視機構、以下「FCA」)と PRA の規
制を受けています(FS Registration Number 124512)。本資料は、professional client(プロ投資家)又は eligible counterparty(適格カ
ウンターパーティー)向けに作成されたものであり、FCA 規則に定義された retail clients(リテール投資家)を対象としたものではあ
りませんので、誤解を回避するため、同定義に該当する顧客に交付されてはならないものです。MUS(EMEA)は、本資料を英国以外の
欧州連合加盟国においても professional investors(若しくはこれと同等の投資家)に配布する場合があります。本資料は、MUS(EMEA)
の組織上・管理上の利益相反管理制度に基づいて作成されています。同制度には投資リサーチに関わる利益相反を回避する目的で、情
報の遮断や個人的な取引・勧誘の制限等のガイドラインが含まれています。本資料はルクセンブルク向けに配布することを意図したも
のではありません。
米国: 本資料は Mitsubishi UFJ Morgan Stanley Securities Co., Ltd. (以下「MUMSS」)によって作成されたものです。MUMSS は日本
で証券業務その他の金融商品取引業の登録を受けております。本資料が米国において配布される場合、本資料は MUFG のグループ会
社である MUFG Securities Americas Inc. (以下「MUSA」。電話番号:+1-212-405-7000) により配布されます。MUSA は、United States
Securities and Exchange Commission(米国証券取引委員会)に登録された broker-dealer(ブローカー・ディーラー)であり、Financial
Industry Regulatory Authority(金融取引業規制機構、 「FINRA」)による規制を受けています(SEC# 8-43026; CRD# 19685)。本資料
が MUSA の米国外の関係会社等により米国内へ配布される場合、本資料の配布対象者は、1934 年米国証券取引所法の規則 15a-6 に
基づく major U.S. institutional investors(主要米国機関投資家)に限定されております。MUSA 及びその関係会社等は本資料に言及さ
れている証券の引受業務を行っている場合があります。
本資料は有価証券の売買及びその他金融商品への投資等の勧誘を目的としたものではありません。また、いかなる投資・取引について
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以外の個人に配布される限りにおいて、MUSA はその内容について責任を負っています。本資料の執筆者であるアナリストは、リサ
ーチアナリストとして FINRA への登録ないし FINRA の資格取得を行っておらず、MUSA の関係者ではない場合があります。したが
って、調査対象企業とのコミュニケーション、パブリックアピアランス、アナリスト本人の売買口座に関する FINRA の規制に該当し
ない場合があります。FLOES は MUSA の登録商標です。
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本資料内(添付文書を含む)の税金に関する記述は MUSA 及び関係会社以外の個人・法人が本資料において研究する事項に関する勧
誘・推奨を行う目的、又は米国納税義務違反による処罰を回避する目的で使用することを意図したものではなく、これらを目的とした
使用を認めておりません。
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る MUMSS が行います。
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(ただし約定代金 193,000 円以下の場合は最大 2,750 円(税込み)

の手数料が必要となります。
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半期報告書、アーニングリリース等の会社発表による公開情報をもとに作成しております。当社によるレーティング、投資判断、業績
予想等は含みません。また、データの取得・入力時期の違い等により、本資料と外国証券情報の数値等が異なる場合があります。
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の情報開示銘柄を除く)。当該外国証券の開示情報は、主要取引所の所在する国の開示基準に基づいています。
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況、現地情勢等に応じて決定されますので、その金額等をあらかじめ記載することはできません。詳細はお取引のある部店までお問合
せください。国内取次手数料は、約定代金に対して最大 1.1%(税込み)の手数料が必要となります。外国株式を国内店頭取引で売買
する際は、対価のみの受払いとなります。外国株式は、為替相場の変動等により損失が生じるおそれがあります。
非上場債券(国債、地方債、政府保証債、社債)を当社が相手方となりお買付けいただく場合は、購入対価のみお支払いいただきます。
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おそれがあります。

巻末に重要なお知らせを記載していますので、ご参照ください。

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2020 年 7 月 15 日
テーマ

シンガポール: 本レポートがシンガポールにおいて配布される場合、MUFG Securities Asia Limited Singapore Branch(以下、


MUS(Asia) シンガポール支店)とのアレンジに基づき配布されます。MUFG Securities Asia Limited は香港の法律に準じた組織であり、
Hong Kong Securities and Futures Commission(香港証券先物取引委員会;Central Entity Number AAA889)の規制を受けています。
MUS(Asia) シンガポール支店は Securities and Futures Act (“SFA”) in Singapore の規制に基づき、キャピタルマーケッツ・サービ
ス・ライセンス(“CMS Licence”) を有しております。
本レポートの配布対象者は、Financial Advisers Regulation の Regulation 2 に規定される institutional investors、 accredited investors、
expert investors に限定されます。本レポートは、これらの投資家のみによる使用を目的としており、それ以外の者に対して配布、転
送、交付、頒布されてはなりません。本レポートが accredited investors 及び expert investors に配布される場合、MUS(Asia) シン
ガポール支店は Financial Advisers Act の次の事項を含む一定の事項の遵守義務を免除されます。第 25 条:一定の投資商品に関してフ
ァイナンシャル・アドバイザーが全ての重要情報を開示する義務、第 27 条:ファイナンシャル・アドバイザーが合理的な根拠に基づ
いて投資の推奨を行う義務、第 36 条:ファイナンシャル・アドバイザーが投資の推奨を行う証券に対して保有する権利等について開
示する義務。本レポートを受領されたお客様で、本レポートから又は本レポートに関連して生じた問題にお気づきの方は、MUS(Asia)
シンガポール支店にご連絡ください。
香港: 本資料が香港において配布される場合、本資料は MUFG のグループ会社である MUFG Securities Asia Limited (以下
「MUS(ASIA)」。電話番号:+852-2860-1500)とのアレンジに基づき配布されます。MUS(ASIA)は Hong Kong Securities and Futures
Ordinance に基づいた認可、及び Securities and Futures Commission(香港証券先物取引委員会;Central Entity Number AAA889)の
規制を受けています。本資料は Securities and Futures Ordinance により定義される professional investor を配布対象として作成され
たものであり、この定義に該当しない顧客に配布されてはならないものです。
その他の地域: 本資料がオーストラリアにおいて配布される場合、MUS(ASIA)又は MUS(SPR)により配布されています。MUS(ASIA)
は Australian Securities and Investment Commission (ASIC) Class Order Exemption CO 03/1103 に基づき、Corporations Act 2001 が
定める金融サービスの提供者によるオーストラリア金融業免許の保有義務を免除されています。MUS(SPR)は ASIC Class Order
Exemption CO 03/1102 により同様に義務を免除されています。本資料はオーストラリアの Corporations Act 2001 に定義される
wholesale client のみを配布対象としております。本資料がカナダにおいて配布される場合、本資料は MUS(EMEA)又は MUSA により
配布されます。MUSA は international dealer exemption の措置により次の各州、準州において金融取引業者としての登録を免除され
ています:アルバータ州、ケベック州、オンタリオ州、ブリティッシュ・コロンビア州、マニトバ州、ニュー・ブランズウィック州、
ニューファンドランド・ラブラドール州、ノースウエスト準州、ノバ・スコシア州、ヌナブト準州、プリンス・エドワード・アイラン
ド州、サスカチュワン州、ユーコン準州。 MUS(EMEA) は international dealer exemption の措置により次の各州において金融取引
業者としての登録を免除されています:アルバータ州、ケベック州、オンタリオ州、ブリティッシュ・コロンビア州、マニトバ州。本
資料はカナダにおける National Instrument 31-103 によって定義された permitted client のみを配布対象としております。本資料に含ま
れる情報は、いかなる場合においても、カナダの州、準州において、目論見書、広告、公募又は特定の証券の売買の勧誘若しくは申込
みを目的としたものではありません。また、いかなる場合においても、本資料に含まれる情報は、カナダの州、準州において投資上の
アドバイスとして解釈されるものではなく、また顧客のニーズを考慮して作成されているものではありません。
本資料は、インドネシアにおいて複製・発行・配布されてはなりません。また中国(中華人民共和国「PRC」を意味し、PRC の香港
特別行政区・マカオ特別行政区、及び台湾を除く)において、複製・発行・配布されてはなりません(ただし、PRC の適用法令に準
拠する場合を除きます)。
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くは一部を変更、複製・再配布し、もしくは直接的又は間接的に第三者に交付することはできません。
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(商号) 三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 2336 号
(加入協会) 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、一般社団法人第二種金融商品
取引業協会

巻末に重要なお知らせを記載していますので、ご参照ください。

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