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Key Words: dredged soils, cement treatment, working ship, projects, long distance transportation
1. は じめ に 2. 湊 諜 土 利 用の 現 状
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(1)土捨て埋 (2)海洋投棄
立処分
(5)
土構造物 (4)入 工干潟 ・ (3)港湾空港用地造成
(護岸 腹付 ・中仕 切堤等) 浅場 造成
渡藻 埋立 跡 地 の処 理 ・
利用
工 事期 間 が長くなる
(b)湊深 土の埋 立利 用 方法 の比 較
圧送船や揚土船 による埋立の事例が多 く見 られ る. 跡地
利用 を考 えると, 従来工法に必要 とされ る地盤改良工事
を省 くことがで きるか ら, 工期短縮 効果のあ るセ メン ト
混合処理 工法 が普及 しつつある.
港湾におけ るセメ ン ト混合処理に よる灘 業土の固化処
理工法には, 専用船を必要 とせず に既存の空気圧送船を
活用する管 中混合方式(4)とプ レミックス工法 を始 めとす
る専用作業船方 式(18)がある.
管 中混合方式は, 一般に混合プ ラン トを必要せず, 大
量施工 ・長 距離運搬 に対応 できるメ リッ トがあ る. ただ 図-2 固化処理作業船 の規模 の検討
し, 空気圧送 を行 うため流動性 を必要 とし, 概 ね液性 限
界の1.3∼1.5倍 程度以上の含 水比 となるよ うに加水が行 3. 専 用 作 業船
われ る. このため, 流動性 が高い ことに起因する問題,
例 えば特定の勾配 を もつ盛 土法面が形成 できない ことや, (1)専 用作業船 の開発
水中打設時の材料分離 と汚濁発生 の課 題があ り, (5)土
構 海上 工事 にお ける施工条件は, 海象条件に左右 されや
造物 としての利用例はまだ少 ない. す く交通手段 が限定 され るな ど, 一
一般に陸上工事 に比 べ
専用作業船方式 としてのプ レミックスエ法 は, セメン 厳 しい. 他方, 灘 土 は比較的均質な場合が多 く発生 土
ト混合 プラン トお よび処理 土を圧送す るための専用装置 量も大 きい とい った特徴があ る. この ような事情 を考慮
を備 えてお り, 湊深 土に加水せず 一連 の作業 を行 う特長 して, 品質の良い地盤材料 を安 く提供す ることを 目標 に,
がある. このため埋立造 成工事 のみ な らず(5)土構造物 と 淡諜 土の揚土か らセ メン ト混合 処理, 圧送, 打設施工 ま
しての利用方法 が数多 く考 え られ, その実施例 も徐 々に での一連 工程 を同一船上で行える混合処理作業船 を開発
増 えてきてい る. た だ, 低含水比 である故 に処理土 の粘 した.
着力 が強 く, 長距離運搬 となる と圧送能力 の問題 は施工 図-2に 作業船 の規模 について検討 した結果を示す. 処
上の検討課題 となる. 理能力 を大 きくす るほ ど, 設備投 資(建 造費)は 増加す
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写真-1 セメン ト固化処 理作業船 の全景:
記 号 説 明:
1. 湊 漢 土
2. 土 運 船
3, 作 業 船
4. バ ッ ク ホ ウ
5. ボ ツパ ー
a振 動 フ ィ-ダ
7. 粘 土 カ ッ ター
8. セ メ ン トサ イ ロ
9. セ メ ン ト計 量
10. 海 水 タ ン ク
11. 海 水 計 量
12. セ メ ン トミ キサ
13. セ メ ン トス ラ リー
14. ア ジテ ー タ
15. ス ラ リー ポ ンプ
16. 混 練 機
17. 油 圧 ポ ンプ
18. 排 砂 管
19. 固 化 処 理 土
20. ス プ レ ッ ダ
図-3 作業船の工程 概要
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こ こ で, 凌 洪 土 の 流 れ を 追 い な が ら各 工程 の 作 業 内容 に
っ い て 説 明す る.
(2)灘 土 の 固 化処 理 工 程
a)竣 諜 土 の 前 処 理
まず, 固化 処理 の 対 象 とな る 凌 漢 土 を海 底 よ り土運 船
に凌 漢 す る こ と とな る が, 体積 膨 張 の少 な い よ う, ま た
有 効 利 用 に 際 して含 水 比 に 対す る管理 の必 要 性 か ら, 水
中掘 削 に伴 う水 分 増 加 の少 な い グ ラ ブ船 に よ る没 喋 が 望
ま しい. 凌漢 土 を積 載 した 土 運船 は, 専用 作 業 船 に接 舷 (a)混 練機 の 構造
され る, 専用 作業 船 に よ る 固化 処 理 工程 は こ こ か ら始 ま
る,
図-3に 示 す 前 処 理 工程 で は, 凌 漠 土 は 大 型 バ ック ホ ウ
(容量4.5m3)に て 土 運 船 か らホ ッパ ー に投 入 され る.
ホ ッパ ーの 上 部 に ス ク リー ンが 設 置 して あ り, 250mm以
上 の 土塊 や 異 物(石 塊, コン ク リー トブ ロ ック, ワイ ヤ, (b)2軸 パ ドル の 断 面(A-A)
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図-5 油圧 ピス トン式の圧送 ポンプ 図-6 圧送 ポンプの性能 曲線
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(a)単 独 打設
(丸数字は施工順序を表す)
図-7 腹付 け工 の概 要
この斜面に沿 い, すべ り落 ちる力rlsinθ があ る. これ
余水 吐側
に対 し, 斜面で発揮 しうるせ ん断抵抗力Z8が ある. 両
者の釣 り合いか ら式(2)の関係が得 られ る. ・浮 泥: 約10m
SyO2-1kN/mz
(2)
ここに,
図-9 仕切 り堤施工の計画断面
民 は打設時のせん断強度, 1.5kNm2.
κは処理土の単位体積重量, 15kNm3. ンせん断試験(JGS1411, 1995)よ り, 既 に堆積 した浮
θは斜面の傾 斜角度, θm1(13). 泥のせん断強度 は2∼1.OkNm2と のこ とが分 かっ
以上のよ うに, 度 に盛 れる処理土 の厚 さは, 式(2)で た. 既 往 の地盤調 査 にお いて在 来地盤 は, 5h=2.3+2.3z
試算す るとh=30cm程 度が限度である. (kN/m2z=0at-8.5m)と なっている.
この ようなせん断強度 を得 るには, 渡藻土 にセ メン ト 今回の場合, 護岸 外係 留の専用 作業船 と施工位 置 に
混合す るほか, 凌喋土の含水比 に対す る管理 も重要で あ 100∼200mの 距離 があ り,作業船 固有のスプ レッダでは
る. 実工事の経験 では, 含水比が液性限界の1.3倍 以下 打設位置まで届かない. そ こで, 作 業船 の処理土排 出口
の凌喋土な ら,混合処 理後のせ ん断号
鍍 はほぼ1.5kNm2 から220mの 圧送管 をつなぎ, 先端台船に よる撒 き出 し
に達する. 更 に, 施工効率 を向上 ざせ るため, 実施工で 方法を採用 した.
は図-7の よ うに護岸 の法尻 よ り, 一段ずつ積み 上げてい この よ うに, 施 工上, (1)セメン ト混合後の処理土 は安
く方 法で処理土を打設 した. 図-8(b)に示す施 工条件 に基 定 して圧 送作業 が行 えるのか, (2)浮
泥 中に, ど うすれば
づいて, 円弧すべ りによる安定解析を行った.そ の結果, 堤体が築 き上 げられるのか, との技術的課題 があった.
下の層 に約4kNm2の 非排水せん断強度が発現で きれば, 長距離圧 送について, 凌喋土 を加水処理す る方法は取
施 工時の安定が確保で きることが分かった. りやすい解 決手段 であるが, 含水比が高す ぎると処理土
そ こで原位置 において, 4cm, 高さ4cmの ハ ン ドベ の固化醸 に悪影響 を及 ぼす, 更 に処理土が流動状態 と
ーンによるせ ん断強度測定 を実施 し, 55kNlm2を 確認 な った場合 は, 打設先端 にお ける盛土施工はできな くな
してか ら次の層の打設を再開す るよ う, 施工管理を行 っ る恐れ もあるので, 事前検討 において次の ような必 要条
た. これに よ り, 腹 付け工の施工が順調に行われ, 設 計 件を把握 した.
通 りの形状を計画工期内に完成す る ことがで きた. ・長距離圧 送(220m); 2kNm2が 必要.
・盛土法面形成; 51.5kNm2が 望ま しい.
(2)遊 水池仕切 り堤の施工事例 両方の限界を考 え, 液 性限界77%の 凌喋土に対 し含水
当埋立地への湊喋 土砂 処分の進 捗 とともに, 埋 立地 内 比の適切な範囲は80∼100%と 経験的 に判断 した. 工事
において遊水池 を設 け, 汚 濁余水 を沈殿 させ てか ら外部 中, 土運船の配船 による含水比管理 を実施 した結果, 圧
へ排出す ることが必 要 となった12. 本工事は, 埋立護岸 送 運搬作業は正常 に行われた.
にあ る余水吐の周囲に幅60m, 長 さ195mの 遊 水池を築 原位置に既に4mほ どの浮泥が堆積 していたが, 浮泥
造するこ とであった. 中の打設時 には, 打設 管先端 を所定深 さに挿入 し, 圧送
図-9に 仕切 り堤の計画 断面図を示す. 原位 置でのべー 圧力 を利 用 して溺 尼を押 しのけなが ら改良土 を打設す る
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図-11 塑性体 としての圧 力損失計算
先 端 抵 抗9t(MN/m2)
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図-13 流体のモデル 図-14 圧入方式に よる水 中打設
(5)
(6)
200
6. 今 後の 展 望 表-3 現状 の長距離圧送の限界
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(a)床 掘 ・固化 による置換工 法の概要 図
(1)水中掘削(グラブ凌
洪)
(2)水中掘削完了(断
面検収)
(3)固化処理土の
打設 (4)置換完 了
この場 合の課 題 として, 高性能材料 を選び, 土砂の性 砂の調達が困難 にな っている現状 と相侯 って, 砂置換工
状 及び圧力 を変 えなが ら摩擦(又 は粘着力)に よる抵抗 法は極 めて制約 された状況に置 かれ ている. そ こで, 発
を実験 的に把握す ること と, 該 当材料 を どうライ ニング 生灘 土砂 を現地で固化処理 し利用す るこ とによ り, こ
加 工す るかは検討課題 である. の二つの問題 を解決 しようとす る考 え方が あ り得 る. こ
こで提案す る地盤改良工法は, 砂置換 と深層混合処理の
(2)床 掘置換工法への適用 両工法の原理 を兼ねてお り,図一16を用いてその実施工程
建 設発生土 の排 出抑制 を図 る うえで, 工事で残土 を発 を説明す る.
生 させ ないこ と, 発生 した場合 は場 内にお いて転用す る 設定 した置換範囲において, 原地盤 の軟弱土 をグラブ
こ とが最 も有効 であるとされてい る. この よ うな考 え方 灘 にて掘削 を行 う. 淡蝶 土は土運船 に一時的に貯留 し
に基づ き, 筆者 らはここで床掘 ・固化処理 ・置換 による てお く. 土運船は, 専用固化処理船 の作業 能力 を考 えて
地盤改良工法を提案 したい. 3000m3積 み程度のものが適当である.淡諜 土 を積載 した
海上 ・陸上 を問わず, 砂置換 による地盤改 良工法は最 土運船を固化処理船に接舷 し, 凌洪土 は固化処理船に よ
も古 くか ら用い られて きた地盤改良技術で ある. 即 ち, って揚土 ・選別 ・固化 処理 ・水 中打設 され る. 選別工程
軟弱 な地盤 層を掘削 し取 り除いた後, 良質 な砂質土 を使 において土以外 の異物は排除 され る. これ らの過程にお
って埋 め戻 し地盤の支持力 を向上 させ る方法で ある. こ いて固化 処理凌 深土が海 中に落下 ・飛散 しない よ う注意
の場合, 置換対象 とな る軟弱土は, 淡蝶 後 に場外へ搬 出 し, 水 中打設 に伴 う汚濁 発生 を防 ぎ固化処理土の品質確
し適切な方法で処分す る必要があ る. 同時 に, 置換用の 保 が行 われ る. なお, セメン トス ラリーの添 加によって,
砂 を新た に調達 し現場に搬 入して, 適切な方法で埋め戻 元の地山に比べ1割 程度 の体積膨張があ るので注意を要
さなければな らない. また, 地震時の液状化 防止 のため, する.
置換砂の締固め状態について慎重に管理す る必要がある. 表-4に 床掘 固化置換工法 と, 一般 に用い られている各
しか し, 発生淡諜 土砂の処分問題 に加 え, 良質な置換 地盤改 良工法の比較 を示 した. ここで提案す る新 しい地
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表-4 海底軟弱地盤の地盤改良工法の比較
の現状について述べた. I) (財)土 木 研 究 セ ン タ ー: 建 設 発 生 土 利 用 技 術 マ ニ ュ ア ル
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2) (社)日 本港湾 協会: 港湾 の施設 の技術 上の 基準 ・同解説, 粘性 土の非排 水強 度 と正 規化含 水比 の関係, 第34回 地盤
土 と基礎, 土質工学会, Vb1. 38, No. 6, pp. 27-32, 1990. 16) 宮崎 良彦, 湯 恰新, 落合 英俊, 安福 規之, 大嶺 聖:
5) (財)沿 岸 開発技術 研 究セ ンター: 事前 混合 処理 工法 に よ セ メ ン ト混 合 処理 土 の水 中打 設 強度 と水 中施 工 に伴 う海
一性 評価, 土 と基礎, 地 盤工学 会, VbL49, No. 5,pp.4-6,2001. た土質 材料 の流動 特性 と水 中不 分離性, 第35回 地盤 工学
10) 湯 恰新, 宮崎 良彦, 落 合英 俊, 安 福規 之, 大嶺 聖: 研究発 表会, pp. 1187-1I88, 2000.
固化 処理 した凌深 土 の固化 強度 に関す る品質評 価, 九州 大 20) 宮崎 良彦, 湯 恰新, 落合 英俊, 安福 規之, 大嶺 聖:
Special working ships, on which cement soil mixing plant and conveying device are pre-installed, have been
deveoped and found practical applications in coastal engineering.Two examples of widening a dyke and building an
embankment inside the reclamation by use of soft dredged soil are presented. Long distance transportation of the
cement treated soil is an urgent problem to be solved. Though the working ships are able to convey cement treated
dredging of natural water content by 250300 m, many projects require a transportation as long as 500 m. Some
improving ideas are discussed. Finally, a ground improvement method by use of the introduced cement treatment
technique is suggested, so as to eliminatethe disposal of dredging.
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